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特表2025-500913ピリドキサール-5-リン酸(P5P)類似体
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-15
(54)【発明の名称】ピリドキサール-5-リン酸(P5P)類似体
(51)【国際特許分類】
   C07F 9/58 20060101AFI20250107BHJP
   A61K 31/661 20060101ALI20250107BHJP
   A61P 3/02 20060101ALI20250107BHJP
【FI】
C07F9/58 Z CSP
A61K31/661
A61P3/02 104
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024536092
(86)(22)【出願日】2022-12-15
(85)【翻訳文提出日】2024-07-05
(86)【国際出願番号】 CA2022051832
(87)【国際公開番号】W WO2023108286
(87)【国際公開日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】63/290,050
(32)【優先日】2021-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524226438
【氏名又は名称】キャンアム バイオリサーチ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】フリーセン アルバート ディー
(72)【発明者】
【氏名】トゥウィバニレ ジャン-ダムール ケー.
(72)【発明者】
【氏名】カリン ケヴィン ピー.
(72)【発明者】
【氏名】カウル マティンダー
(72)【発明者】
【氏名】タージ ラフィク エー.
(72)【発明者】
【氏名】フッサニ シェド モハメド エー.
(72)【発明者】
【氏名】チェハル ナヴニート
(72)【発明者】
【氏名】ヴァキティ ラムクリシュナ レディ
(72)【発明者】
【氏名】ピパリヤ バヴィン
(72)【発明者】
【氏名】クック シリル
(72)【発明者】
【氏名】カン カシム
(72)【発明者】
【氏名】ウラ ファーマン
【テーマコード(参考)】
4C086
4H050
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086HA19
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZC24
4H050AA01
4H050AA03
4H050AB20
(57)【要約】
式(I)によって表される化合物、その立体異性体、その塩、水和物、溶媒和物、同位体又は結晶形態が開示され、ここで、X、R、R、R、R及びRは本明細書に開示される通りである。また、それらの調製のためのプロセス、そのような化合物を含有する組成物、そのような化合物による疾患の医学的処置又は予防の方法、並びにその使用が開示される。式(I)
【化1】
の化合物は、ピリドキサール-5-リン酸(P5P)類似体であり、プロドラッグとして作用することができる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iによって表される化合物、その立体異性体、その塩、水和物、溶媒和物、異性体又は結晶形態であって、
【化1】
式中、Xが、NH又はNであり、
がH又は1つ以上のヘテロ原子を有するC1~15置換基であり、
がH又は1つ以上のヘテロ原子を有するC1~15置換基であるか、又はXがNである場合、R及びNが1つ以上のヘテロ原子を有するC3~15原子を有する環状構造を形成し、
がH又は1つ以上のヘテロ原子を有するC1~15置換基であり、

【化2】
であり、式中、
【化3】
が単結合又は二重結合であり、
ここで、
【化4】
が単結合である場合、
AがNH、NH-PG
【化5】
、OH、O-PG01であり、ここで、PGが窒素に結合した保護基であり、PG01が酸素に結合した第1の保護基であり、
【化6】
が二重結合である場合、
AがOであり、
がH又はPG02であり、ここで、PG02が酸素に結合した第2の保護基であるか、又はPG01とPG02が一緒になってジオール保護基を形成する、式Iによって表される化合物、その立体異性体、その塩、水和物、溶媒和物、異性体又は結晶形態。
【請求項2】
が、-C、-CCl、-CBrF、-CCl、-C、-C、-COF、-CO、-C、-C1011又は-C10である、請求項1に記載の式Iによって表される化合物、その立体異性体、その塩、水和物、溶媒和物、異性体又は結晶形態。
【請求項3】
が、-H、-D、-CH、-C、-CHCHCH-、-C、-C、-C、-C、-CO、-C1412O又は-C1416NOである、請求項1又は2に記載の式Iによって表される化合物、その立体異性体、その塩、水和物、溶媒和物、異性体又は結晶形態。
【請求項4】
が、-CH、-C、-CHD、-C、-C、-CCl、-C、-C11、-C12N、-C13、-C、-C10又は-C1011である、請求項1~3のいずれか一項に記載の式Iによって表される化合物、その立体異性体、その塩、水和物、溶媒和物、異性体又は結晶形態。
【請求項5】
PGが、フルオレニルメトキシカルボニル保護基(Fmoc)、tert-ブトキシカルボニル(BOC)、カルボベンジルオキシ(Cbz)、トリフルオロアセトアミド、フタルイミド、トリチル(Tr)、モノメトキシトリチル(MMT)、ジメトキシトリチル(DMT)、又はベンジリデンアミンである、請求項1~4のいずれか一項に記載の式Iによって表される化合物、その立体異性体、その塩、水和物、溶媒和物、異性体又は結晶形態。
【請求項6】
各PGO1及びPGO2が、独立して、ベンジル(Bn)、t-ブチルジメチルシリル(TBDMS)、t-ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、アセチル(Ac)、ピバロイル(Piv)、若しくはベンジル(Bz)、トリチル(Tr)、モノメトキシトリチル(MMT)、ジメトキシトリチル(DMT)であるか、又はPGO1及びPGO2が一緒になって、
【化7】
を形成する、請求項1~4のいずれか一項に記載の式Iによって表される化合物、その立体異性体、その塩、水和物、溶媒和物、異性体又は結晶形態。
【請求項7】
前記Hのうちの1つ以上がDで置き換えられている、請求項1~6のいずれか一項に記載の式Iによって表される化合物、その立体異性体、その塩、水和物、溶媒和物、異性体又は結晶形態。
【請求項8】
化合物
【化8】
その立体異性体、その塩、水和物、溶媒和物、同位体又は結晶形態。
【請求項9】
化合物
【化9】
その立体異性体、その塩、水和物、溶媒和物、同位体又は結晶形態。
【請求項10】
化合物
【化10】
その立体異性体、その塩、水和物、溶媒和物、同位体又は結晶形態。
【請求項11】
式Iaの化合物
【化11】
その立体異性体、その塩、水和物、溶媒和物、同位体又は結晶形態。
【請求項12】
式Iの化合物、その立体異性多、その塩、水和物、溶媒和物、同位体又は結晶形態を調製するためのプロセスであって、
【化12】
前記プロセスが、式IIの化合物を塩基の存在下で式IIIの化合物と反応させて、前記式Iの化合物を形成することを含み、
【化13】
式中、Xが、NH又はNであり、
がH又は1つ以上のヘテロ原子を有するC1~15置換基であり、
がH又は1つ以上のヘテロ原子を有するC1~15置換基であるか、又はXがNである場合、R及びNが1つ以上のヘテロ原子を有するC2~15原子を有する環状構造を形成し、
がH又は1つ以上のヘテロ原子を有するC1~15置換基であり、
LGが脱離基であり、

【化14】
であり、式中、
【化15】
が単結合又は二重結合であり、
ここで、
【化16】
が単結合である場合、
AがNH、NH-PG
【化17】
、OH、O-PG01であり、ここで、PGが窒素に結合した保護基であり、PG01が酸素に結合した第1の保護基であり、
【化18】
が二重結合である場合、
AがOであり、
がH又はPG02であり、ここで、PG02が酸素に結合した第2の保護基であるか、又はPG01とPG02が一緒になってジオール保護基を形成する、プロセス。
【請求項13】
前記式Iの化合物中の任意の保護基を除去するために、脱保護の工程を更に含む、請求項12に記載のプロセス。
【請求項14】
【化19】
が単結合であり、且つAがOHである場合、
【化20】
が二重結合であり、且つAがOである化合物を形成するために、前記化合物の酸化の工程を更に含む、請求項12又は13に記載のプロセス。
【請求項15】
【化21】
前記式VIIの化合物を、塩基の存在下で式VIの化合物と反応させて、式Vの化合物を形成する工程を更に含み、
式中、LGが脱離基であり、前記脱離基LGと同じであるか又は異なる、請求項12~14のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項16】
LGがLGとは異なる場合、
【化22】
前記式Vの化合物を、塩基の存在下で、前記式IVの化合物と反応させて、前記式IIIの化合物を形成する工程を更に含む、請求項15に記載のプロセス。
【請求項17】
組成物であって、
担体、希釈剤又は賦形剤と、
式Iによって表される化合物、その立体異性体、その塩、水和物、溶媒和物、同位体又は結晶形態と、を含み、
【化23】
式中、Xが、NH又はNであり、
がH又は1つ以上のヘテロ原子を有するC1~15置換基であり、
がH又は1つ以上のヘテロ原子を有するC1~15置換基であるか、又はXがNである場合、R及びNが1つ以上のヘテロ原子を有するC2~15原子を有する環状構造を形成し、
がH又は1つ以上のヘテロ原子を有するC1~15置換基であり、

【化24】
であり、式中、
【化25】
が単結合又は二重結合であり、
ここで、
【化26】
が単結合である場合、
AがNH、NH-PG
【化27】
、OH、O-PG01であり、ここで、PGが窒素に結合した保護基であり、PG01が酸素に結合した第1の保護基であり、
【化28】
が二重結合である場合、
AがOであり、
がH又はPG02であり、ここで、PG02が酸素に結合した第2の保護基であるか、又はPG01とPG02が一緒になってジオール保護基を形成する、組成物。
【請求項18】
式Iによって表される前記化合物、その立体異性体、その塩、水和物、溶媒和物、同位体又は結晶形態において、Rが、-C、-CCl、-CBrF、-CCl、-C、-C、-COF、-CO、-C、-C1011又は-C10である、請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
式Iによって表される前記化合物、その立体異性体、その塩、水和物、溶媒和物、同位体又は結晶形態において、Rが、-H、-D、-CH、-C、-CHCHCH-、-C、-C、-C、-C、-CO、-C1412O又は-C1416NOである、請求項17又は18に記載の組成物。
【請求項20】
式Iによって表される前記化合物、その立体異性体、その塩、水和物、溶媒和物、同位体又は結晶形態において、Rが、-CH、-C、-CHD、-C、-C、-CCl、-C、-C11、-C12N、-C13、-C、-C10又は-C1011である、請求項17~19のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項21】
式Iによって表される前記化合物、その立体異性体、その塩、水和物、溶媒和物、同位体又は結晶形態において、PGが、フルオレニルメトキシカルボニル保護基(Fmoc)、tert-ブトキシカルボニル(BOC)、カルボベンジルオキシ(Cbz)、トリフルオロアセトアミド、フタルイミド、トリチル(Tr)、モノメトキシトリチル(MMT)、ジメトキシトリチル(DMT)、又はベンジリデンアミンである、請求項17~20のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項22】
式Iによって表される前記化合物、その立体異性体、その塩、水和物、溶媒和物、同位体又は結晶形態において、各PGO1及びPGO2が、独立して、ベンジル(Bn)、t-ブチルジメチルシリル(TBDMS)、t-ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、アセチル(Ac)、ピバロイル(Piv)、若しくはベンジル(Bz)、トリチル(Tr)、モノメトキシトリチル(MMT)、ジメトキシトリチル(DMT)であるか、又はPGO1及びPGO2が一緒になって、
【化29】
を形成する、請求項17~21のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項23】
式Iによって表される前記化合物、その立体異性体、その塩、水和物、溶媒和物、同位体又は結晶形態において、前記Hのうちの1つ以上がDで置き換えられている、請求項17~22のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項24】
前記化合物が、
【化30】
その立体異性体、その塩、水和物、溶媒和物、同位体又は結晶形態である、請求項17~23のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項25】
前記化合物が、
【化31】
その立体異性体、その塩、水和物、溶媒和物、同位体又は結晶形態である、請求項17~23のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項26】
前記化合物が、
【化32】
その立体異性体、その塩、水和物、溶媒和物、同位体又は結晶形態である、請求項17~23のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項27】
前記化合物が、式Iaの化合物
【化33】
その立体異性体、その塩、水和物、溶媒和物、同位体又は結晶形態である、請求項17~23のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項28】
式Iによって表される化合物、その立体異性体、その塩、水和物、溶媒和物、同位体又は結晶形態の疾患の治療又は予防のための使用であって、
【化34】
式中、Xが、NH又はNであり、
がH又は1つ以上のヘテロ原子を有するC1~15置換基であり、
がH又は1つ以上のヘテロ原子を有するC1~15置換基であるか、又はXがNである場合、R及びNが1つ以上のヘテロ原子を有するC2~15原子を有する環状構造を形成し、
がH又は1つ以上のヘテロ原子を有するC1~15置換基であり、

【化35】
であり、式中、
【化36】
が単結合又は二重結合であり、
ここで、
【化37】
が単結合である場合、
AがNH、NH-PG
【化38】
、OH、O-PG01であり、ここで、PGが窒素に結合した保護基であり、PG01が酸素に結合した第1の保護基であり、
【化39】
が二重結合である場合、
AがOであり、
がH又はPG02であり、ここで、PG02が酸素に結合した第2の保護基であるか、又はPG01とPG02が一緒になってジオール保護基を形成する、使用。
【請求項29】
式Iによって表される前記化合物、その立体異性体、その塩、水和物、溶媒和物、同位体又は結晶形態において、Rが、-C、-CCl、-CBrF、-CCl、-C、-C、-COF、-CO、-C、-C1011又は-C10である、請求項28に記載の使用。
【請求項30】
式Iによって表される前記化合物、その立体異性体、その塩、水和物、溶媒和物、同位体又は結晶形態において、Rが、-H、-D、-CH、-C、-CHCHCH-、-C、-C、-C、-C、-CO、-C1412O又は-C1416NOである、請求項28又は29に記載の使用。
【請求項31】
式Iによって表される前記化合物、その立体異性体、その塩、水和物、溶媒和物、同位体又は結晶形態において、Rが、-CH、-C、-CHD、-C、-C、-CCl、-C、-C11、-C12N、-C13、-C、-C10又は-C1011である、請求項28~30のいずれか一項に記載の使用。
【請求項32】
式Iによって表される前記化合物、その立体異性体、その塩、水和物、溶媒和物、同位体又は結晶形態において、PGが、フルオレニルメトキシカルボニル保護基(Fmoc)、tert-ブトキシカルボニル(BOC)、カルボベンジルオキシ(Cbz)、トリフルオロアセトアミド、フタルイミド、トリチル(Tr)、モノメトキシトリチル(MMT)、ジメトキシトリチル(DMT)、又はベンジリデンアミンである、請求項28~31のいずれか一項に記載の使用。
【請求項33】
式Iによって表される前記化合物、その立体異性体、その塩、水和物、溶媒和物、同位体又は結晶形態において、各PGO1及びPGO2が、独立して、ベンジル(Bn)、t-ブチルジメチルシリル(TBDMS)、t-ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、アセチル(Ac)、ピバロイル(Piv)、若しくはベンジル(Bz)、トリチル(Tr)、モノメトキシトリチル(MMT)、ジメトキシトリチル(DMT)であるか、又はPGO1及びPGO2が一緒になって、
【化40】
を形成する、請求項28~33のいずれか一項に記載の使用。
【請求項34】
式Iによって表される前記化合物、その立体異性体、その塩、水和物、溶媒和物、同位体又は結晶形態において、前記Hのうちの1つ以上がDで置き換えられている、請求項28~33のいずれか一項に記載の使用。
【請求項35】
前記化合物が、
【化41】
その立体異性体、その塩、水和物、溶媒和物、同位体又は結晶形態である、請求項28~35のいずれか一項に記載の使用。
【請求項36】
前記化合物が、
【化42】
その立体異性体、その塩、水和物、溶媒和物、同位体又は結晶形態である、請求項28~35のいずれか一項に記載の使用。
【請求項37】
前記化合物が、
【化43】
その立体異性体、その塩、水和物、溶媒和物、同位体又は結晶形態である、請求項28~35のいずれか一項に記載の使用。
【請求項38】
前記化合物が式Iaによって表され、
【化44】
その立体異性体、その塩、水和物、溶媒和物、同位体又は結晶形態である、請求項28~35のいずれか一項に記載の使用。
【請求項39】
疾患の医学的処置又は予防の方法であって、それを必要とする対象に、式Iによって表される化合物、その立体異性体、その塩、水和物、溶媒和物、同位体又は結晶形態を投与することを含み、
【化45】
式中、Xが、NH又はNであり、
がH又は1つ以上のヘテロ原子を有するC1~15置換基であり、
がH又は1つ以上のヘテロ原子を有するC1~15置換基であるか、又はXがNである場合、R及びNが1つ以上のヘテロ原子を有するC2~15原子を有する環状構造を形成し、
がH又は1つ以上のヘテロ原子を有するC1~15置換基であり、

【化46】
であり、式中、
【化47】
が単結合又は二重結合であり、
ここで、
【化48】
が単結合である場合、
AがNH、NH-PG
【化49】
、OH、O-PG01であり、ここで、PGが窒素に結合した保護基であり、PG01が酸素に結合した第1の保護基であり、
【化50】
が二重結合である場合、
AがOであり、
がH又はPG02であり、ここで、PG02が酸素に結合した第2の保護基であるか、又はPG01とPG02が一緒になってジオール保護基を形成する、方法。
【請求項40】
式Iによって表される前記化合物、その立体異性体、その塩、水和物、溶媒和物、同位体又は結晶形態において、Rが、-C、-CCl、-CBrF、-CCl、-C、-C、-COF、-CO、-C、-C1011又は-C10である、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
式Iによって表される前記化合物、その立体異性体、その塩、水和物、溶媒和物、同位体又は結晶形態において、Rが、-H、-D、-CH、-C、-CHCHCH-、-C、-C、-C、-C、-CO、-C1412O又は-C1416NOである、請求項39又は40に記載の方法。
【請求項42】
式Iによって表される前記化合物、その立体異性体、その塩、水和物、溶媒和物、同位体又は結晶形態において、Rが、-CH、-C、-CHD、-C、-C、-CCl、-C、-C11、-C12N、-C13、-C、-C10又は-C1011である、請求項39~41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
式Iによって表される前記化合物、その立体異性体、その塩、水和物、溶媒和物、同位体又は結晶形態において、PGが、フルオレニルメトキシカルボニル保護基(Fmoc)、tert-ブトキシカルボニル(BOC)、カルボベンジルオキシ(Cbz)、トリフルオロアセトアミド、フタルイミド、トリチル(Tr)、モノメトキシトリチル(MMT)、ジメトキシトリチル(DMT)、又はベンジリデンアミンである、請求項39~42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
式Iによって表される前記化合物、その立体異性体、その塩、水和物、溶媒和物、同位体又は結晶形態において、各PGO1及びPGO2が、独立して、ベンジル(Bn)、t-ブチルジメチルシリル(TBDMS)、t-ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、アセチル(Ac)、ピバロイル(Piv)、若しくはベンジル(Bz)、トリチル(Tr)、モノメトキシトリチル(MMT)、ジメトキシトリチル(DMT)であるか、又はPGO1及びPGO2が一緒になって、
【化51】
を形成する、請求項39~43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
式Iによって表される前記化合物、その立体異性体、その塩、水和物、溶媒和物、同位体又は結晶形態において、前記Hのうちの1つ以上がDで置き換えられている、請求項39~44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
前記化合物が、
【化52】
その立体異性体、その塩、水和物、溶媒和物、同位体又は結晶形態である、請求項39~45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
前記化合物が、
【化53】
その立体異性体、その塩、水和物、溶媒和物、同位体又は結晶形態である、請求項39~45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
前記化合物が、
【化54】
その立体異性体、その塩、水和物、溶媒和物、同位体又は結晶形態である、請求項39~45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
前記化合物が式Iaによって表され、
【化55】
その立体異性体、その塩、水和物、溶媒和物、同位体又は結晶形態である、請求項39~45のいずれか一項に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、ピリドキサール-5-リン酸(P5P)類似体、それらの調製のためのプロセス、ピリドキサール-5-リン酸(P5P)類似体を含有する組成物、ピリドキサール-5-リン酸(P5P)類似体を含有する医学的処置の方法、及びその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ビタミンBは、人体の正常機能のために必要である。このビタミンの欠乏は、機能障害及び疾患を引き起こす(参照により本明細書に組み込まれる、Stach,et al.(2021)Vitamin B6 in Health and Disease.Nutrients,13,3229)。ビタミンBは単一分子ではなく、むしろ関連する分子-ビタマーの一群である。これらの分子には、ピリドキサール、ピリドキサミン、ピリドキシン及びそれらのそれぞれの5’-モノリン酸化形態が挙げられる。人体は、これらの分子を初めから合成することができず、したがってB型の一部は、食事摂取を通して得る必要がある。一旦ヒトの生理的系に入ると、様々なビタマーは相互変換され得る(図1;Stachら(2021))。
【0003】
ピリドキサール-5-リン酸(P5P)は、ビタミンBの生理学的に重要な形態である。ビタミンBは、この形態にあると、150を超える生化学反応における補因子となる(Stachら(2021))。したがって、体内のP5Pの量を操作することによって健康に影響を与え、疾患を軽減することができる。しかしながら、この形態がリン酸化されており、したがって生理的pHで荷電しているという事実のために、それは生体膜を容易に通過することができない(参照により本明細書に組み込まれる、Alghamdi,et al.(2021)Phenotypic and molecular spectrum of pyridoxamine-5’-phosphate oxidase deficiency:A scoping review of 87 cases of pyridoxamine-5’-phosphate oxidase deficiency.Clin Genet 99,99-110)。したがって、P5Pは、胃腸膜全体で吸収される能力が限られた状態で、不良な経口バイオアベイラビリティを有する(参照により本明細書に組み込まれる、Vrolijk et al.,(2020)Inter-individual differences in pharmacokinetics of vitamin B6:A possible explanation of different sensitivity to its neuropathic effects.PharmaNutrition 12,1-7)。この問題を回避するために、2つのアプローチが用いられており、第1のアプローチのビタミンBは、より良好に吸収されるピリドキシンとして経口的に与えられる。次いで、身体は、経時的にピリドキシンの一部をP5Pに変換する(全てが参照により本明細書に組み込まれる、Vrolijk et al.,2020;Coburn et al.,(1991)Response of vitamin B-6 content of muscle to changes in vitamin B-6 intake in men.Am J Clin Nutr 53,1436-42)。残念なことに、経口ピリドキシン(経口P5Pとは異なり)は、神経毒性の証拠を示しているピリドキシンの血漿レベルの増加につながる(全てが参照により本明細書に組み込まれる、Vrolijk et al.,(2017)The vitamin B6 paradox: Supplementation with high concentrations of pyridoxine leads to decreased vitamin B6 function.Toxicol In Vitro 44,206-212;及びHadstein(2021)Vitamin B-6-Induced Neuropathy:Exploring the Mechanisms of Pyridoxine Toxicity.Adv Nutr 12,1911-1929)。第2のアプローチでは、生体系における治療レベルを達成するために、大量のP5Pが経口的に与えられる(全てが参照により本明細書に組み込まれる、Gibaud et al.,et al.(2021)West Syndrome Is an Exceptional Presentation of Pyridoxine-and Pyridoxal Phosphate-Dependent Epilepsy:Data From a French Cohort and Review of the Literature.Front Pediatr 9,621200;及びSudarsanam et al.,(2014) Cirrhosis associated with pyridoxal 5’-phosphate treatment of pyridoxamine 5’-phosphate oxidase deficiency.JIMD Rep 17,67-70)。残念なことに、これは胃腸の問題を引き起こす場合があり、肝毒性に寄与し得る(全てが参照により本明細書に組み込まれる、Sudarsanam et al.,(2014);Alghamdi et al.,(2021)Phenotypic and molecular spectrum of pyridoxamine-5’-phosphate oxidase deficiency: A scoping review of 87 cases of pyridoxamine-5’-phosphate oxidase deficiency.Clin Genet 99,99-110)。
【0004】
ProTide技術は、リン酸化ヌクレオシド(ヌクレオチド)を細胞に送達するための方法として、1990年代の初期に、カーディフ大学のChris McGuiganによって開発された。この技術は、主に、モノリン酸化抗ウイルス剤を細胞に送達するために(全てが参照により本明細書に組み込まれる、Mehellou et al.,(2018)The ProTide Prodrug Technology:From the Concept to the Clinic.J Med Chem 61,2211-2226;Thornton et al.,(2016)Nucleoside Phosphate and Phosphonate Prodrug Clinical Candidates.J Med Chem 59,10400-10410;Markovic et al.,(2020)Prodrugs for Improved Drug Delivery:Lessons Learned from Recently Developed and Marketed Products.Pharmaceutics 12,1031)、またこれらの同じ薬剤のいくつか(ソホスブビルなど)の経口バイオアベイラビリティを改善するために使用されてきた。Schwarzら(参照により本明細書に組み込まれる、Schwarz et al.,(2020)A Phosphoramidate Strategy Enables Membrane Permeability of a Non-nucleotide Inhibitor of the Prolyl Isomerase Pin1.ACS Med.Chem.Lett.11,1704-1711)は、プロリルイソメラーゼPin1の非ヌクレオチド阻害剤の膜透過性を開示している。
【0005】
ProTide技術の基本的な前提は、生理的pHにおいて、リン酸基上に存在する電荷を隠すために、様々な化学基を使用することである。これらの基は一方の基がアミノ酸エステルであり、他の基が化学的に良好な脱離基、通常はアリール基などであるという点で特殊化されている。アミノ酸エステル基によって作り出された結果として得られるホスホルアミデートは、エステル部分が酵素エステラーゼ作用のための基質でありながら、分子に対して安定性を提供する。目的の薬物を最終的に放出する化学的転位の系列を開始するのは、このエステルの切断である(図2;参照により本明細書に組み込まれる、Schwarz et al.,(2020)A Phosphoramidate Strategy Enables Membrane Permeability of a Non-nucleotide Inhibitor of the Prolyl Isomerase Pin1.ACS Med.Chem.Lett.11,1704-1711から引用)。この薬物の放出は、血漿中又は細胞内で起こり得る。
【0006】
当該技術分野において、生体系により容易に進入することができる改善されたバイオアベイラビリティを有するビタミンBの類似体(P5P)を開発する必要があり、なぜならそのような類似体は、疾患を治療し、且つ健康を維持するために有用であり得るためである。そのような類似体は、潜在的に、神経毒性のピリドキシンの形態の使用を中止することを可能にし、P5Pの大量の経口投与の使用を回避することができる。加えて、当該技術分野においてそのようなP5P類似体の調製のためのプロセスが必要とされている。更に、当該技術分野において、そのようなP5P類似体を含有する組成物が必要とされている。更に、当該技術分野において、そのようなP5P類似体の疾患の治療のための使用、又はそのようなP5P類似体の投与によって、疾患の医学的処置を行う方法が必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書は、ピリドキサール-5-リン酸(P5P)のプロドラッグ、及びP5Pの類似体のプロドラッグに関する。加えて、本明細書は、その薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、立体異性体を含む式(I)の化合物、並びにヒト医学及び獣医学で予防的及び治療的使用のために有用であり得るこれらの化合物の医薬組成物に関する。別の態様は、本明細書で描写される式のいずれかの同位体標識化合物である。そのような化合物は、化合物中に導入された放射性であっても、又は放射性でなくてもよい1つ以上の同位体原子(例えば、H、H、14C、13C、18F、32P)を有する。そのような化合物は、薬物代謝研究及び診断、並びに治療用途のために有用であり得る。
【0008】
第1の態様では、本明細書は、式Iによって表される化合物、その立体異性体、その塩、水和物、溶媒和物、同位体又は結晶形態に関する。
【化1】
式中、X、R、R、R、R及びRは、本明細書に記載される通りである。
【0009】
第2の態様では、本明細書は、式Iの化合物、その立体異性体、その塩、水和物、溶媒和物、同位体又は結晶形態の調製のためのプロセスに関する。
【化2】
本プロセスは、式IIの化合物を、塩基の存在下で、式IIIの化合物と反応させて、式Iの化合物を形成する工程を含む。
【化3】
式中、X、LG、R、R、R、R及びRは、本明細書に記載される通りである。
【0010】
第3の態様では、本明細書は、下記を含む組成物に関する。
担体、希釈剤又は賦形剤と、
式Iによって表される化合物、その立体異性体、その塩、水和物、溶媒和物、同位体又は結晶形態と、を含む。
【化4】
式中、X、R、R、R、R及びRは、本明細書に記載される通りである。
【0011】
第4の態様では、本明細書は、疾患の治療又は予防のための、式Iによって表される、化合物、その立体異性体、その塩、水和物、溶媒和物、同位体又は結晶形態の使用に関する。
【化5】
式中、X、R、R、R、R及びRは、本明細書に記載される通りである。
【0012】
第5の態様では、疾患の医学的処置又は予防の方法であって、それを必要としている対象に、式Iによって表される化合物、その立体異性体、その塩、水和物、溶媒和物、同位体又は結晶形態を投与することを含む、方法に関する。
【化6】
式中、X、R、R、R、R及びRは、本明細書に記載される通りである。
【0013】
ここで、例として、添付の図面を参照し、これらの図面は本出願の例示的な実施形態を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】一旦ヒト生理的系に入ると、相互変換され得る様々なビタマーを示す。
図2】サイトゾルに入るためのホスホルアミデートの能力の概略図を示す。
図3(1)】PO経路を介する単回投与下での4つの異なる用量下のラットにおける被験物質の最大耐用性の結果を示す。
図3(2)】PO経路を介する単回投与下での4つの異なる用量下のラットにおける被験物質の最大耐用性の結果を示す。
図3(3)】PO経路を介する単回投与下での4つの異なる用量下のラットにおける被験物質の最大耐用性の結果を示す。
図3(4)】PO経路を介する単回投与下での4つの異なる用量下のラットにおける被験物質の最大耐用性の結果を示す。
図4】式16iの化合物の投与時の血漿P5Pレベルにおける用量依存的増加を示し、プロドラッグの有効性を確認している。
図5(1)】複数回投与下での式16の化合物の薬物動態の線形性の結果を示す。
図5(2)】複数回投与下での式16の化合物の薬物動態の線形性の結果を示す。
図6(1)】IVで与えられたPLPと比較したプロドラッグ16(IVで与えられた)の薬物動態プロファイルにおける差を示す。
図6(2)】IVで与えられたPLPと比較したプロドラッグ16(IVで与えられた)の薬物動態プロファイルにおける差を示す。
図7(1)】PLPそれ自体と比較したプロドラッグ16(POで与えられた)の血漿PLPを増加させるための改善された能力を示す。
図7(2)】PLPそれ自体と比較したプロドラッグ16(POで与えられた)の血漿PLPを増加させるための改善された能力を示す。
図8】protideプロドラッグを使用するPLPと比較して、PLPが経口投与される場合のPLPレベルにおける差を実証する個々のラットのデータを示す。平均データも示されている。
図9(1)】1mg/kgで静脈内投与される異なるプロドラッグ16v(a&b)の効果を16(c&d)と比較する。
図9(2)】1mg/kgで静脈内投与される異なるプロドラッグ16v(a&b)の効果を16(c&d)と比較する。
図10(1)】10mg/kgで経口投与される異なるプロドラッグ16v(a及びb)の効果を16(c及びd)と比較する。
図10(2)】10mg/kgで経口投与される異なるプロドラッグ16v(a及びb)の効果を16(c及びd)と比較する。
図11(1)】PL、P5P及び式Iによって包含されない化合物の1mg/kg及び10mg/kgでの平均血漿濃度の結果を示す。
図11(2)】PL、P5P及び式Iによって包含されない化合物の1mg/kg及び10mg/kgでの平均血漿濃度の結果を示す。
図12(1)】PL、P5P及び式16viの化合物の1mg/kg及び10mg/kgでの平均血漿濃度の結果を示す。
図12(2)】PL、P5P及び式16viの化合物の1mg/kg及び10mg/kgでの平均血漿濃度の結果を示す。
図13(1)】PL、P5P並びに式16i(単一異性体;a&b)、16ii(単一異性体;c&d)、及び16(ラセミ体、2つの試料;e&h)の平均血漿濃度の結果を示す。
図13(2)】PL、P5P並びに式16i(単一異性体;a&b)、16ii(単一異性体;c&d)、及び16(ラセミ体、2つの試料;e&h)の平均血漿濃度の結果を示す。
図13(3)】PL、P5P並びに式16i(単一異性体;a&b)、16ii(単一異性体;c&d)、及び16(ラセミ体、2つの試料;e&h)の平均血漿濃度の結果を示す。
図13(4)】PL、P5P並びに式16i(単一異性体;a&b)、16ii(単一異性体;c&d)、及び16(ラセミ体、2つの試料;e&h)の平均血漿濃度の結果を示す。
図14(1)】PL、P5P並びに化合物S-異性体(16i)及びR-異性体(16ii)のリン中心での平均血漿濃度の結果を示し、IV及びPO投与の両方の結果が示されている。
図14(2)】PL、P5P並びに化合物S-異性体(16i)及びR-異性体(16ii)のリン中心での平均血漿濃度の結果を示し、IV及びPO投与の両方の結果が示されている。
図14(3)】PL、P5P並びに化合物S-異性体(16i)及びR-異性体(16ii)のリン中心での平均血漿濃度の結果を示し、IV及びPO投与の両方の結果が示されている。
図14(4)】PL、P5P並びに化合物S-異性体(16i)及びR-異性体(16ii)のリン中心での平均血漿濃度の結果を示し、IV及びPO投与の両方の結果が示されている。
図15(1)】PL、P5P並びに化合物S-異性体(16i)及びR-異性体(16ii)及び16(ラセミ体)の平均血漿濃度の結果を示す。
図15(2)】PL、P5P並びに化合物S-異性体(16i)及びR-異性体(16ii)及び16(ラセミ体)の平均血漿濃度の結果を示す。
図15(3)】PL、P5P並びに化合物S-異性体(16i)及びR-異性体(16ii)及び16(ラセミ体)の平均血漿濃度の結果を示す。
図16(1)】1mg/kgでの(IV投与、a&b)及び10mg/kgでの(PO投与-c&d)でのPL、P5P及びPLPプロドラッグ16iii(Dアミノ酸を有するラセミ体)の平均血漿濃度の結果を示す。
図16(2)】1mg/kgでの(IV投与、a&b)及び10mg/kgでの(PO投与-c&d)でのPL、P5P及びPLPプロドラッグ16iii(Dアミノ酸を有するラセミ体)の平均血漿濃度の結果を示す。
図17(1)】PO投与を介した10mg/kgでの16(ラセミ体)と比較したPL、P5P及びPLPプロドラッグ16iii(Dアミノ酸を有するラセミ体)の平均血漿濃度の結果を示す。
図17(2)】PO投与を介した10mg/kgでの16(ラセミ体)と比較したPL、P5P及びPLPプロドラッグ16iii(Dアミノ酸を有するラセミ体)の平均血漿濃度の結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
異なる図面において同様の構成要素を示すために、異なる図でも同様の参照番号が使用されている場合がある。
【0016】
本明細書は、本明細書の確認及び理解を補助するためだけに表題及び副題を含み、任意の表題又は副題下の開示は、本明細書の特定のセクションに限定されるものではなく、むしろ本明細書の開示全体に照らして考慮されるべきである。
【0017】
化合物
態様では、本明細書は、式Iによって表される化合物、その立体異性体、その塩、水和物、溶媒和物、同位体又は結晶形態に関する。
【化7】
式中、
XはNH又はNであり、
はH又は1つ以上のヘテロ原子を有するC1~15置換基であり、
はH又は1つ以上のヘテロ原子を有するC1~15置換基であるか、又はXがNである場合、R及びNは1つ以上のヘテロ原子を有するC2~15原子を有する環状構造を形成し、
はH又は1つ以上のヘテロ原子を有するC1~15置換基であり、

【化8】
であり、式中、
【化9】
は単結合又は二重結合であり、
ここで、
【化10】
が単結合である場合、
AはNH、NH-PG
【化11】
、OH、O-PG01であり、ここで、PGは窒素に結合した保護基であり、PG01は酸素に結合した第1の保護基であり、
【化12】
が二重結合である場合、
AはOであり、
はH又はPG02であり、ここで、PG02は酸素に結合した第2の保護基であるか、又はPG01とPG02は一緒になってジオール保護基を形成する。
【0018】
本明細書で使用される「立体異性体」という用語は、特に限定されず、当業者に既知のものとする。立体異性体、立体異性性、又は空間異性性は、分子が同じ分子式及び結合した原子の配列順(構成)を有するが、それらの原子の空間における三次元配向が異なる異性性の形態である。エナンチオマー及びジアステレオマーは、立体異性体の2つのタイプである。光学異性体としても知られるエナンチオマーは、反射によって互いに関連する2つの立体異性体であり、それらは重ね合わせることができない鏡像である。ジアステレオマーは、反射操作では関連しない立体異性体である。それらは、互いの鏡像ではない。立体化学においては、分子の立体中心は、立体異性性の焦点である原子、軸又は平面であり、すなわち少なくとも3つの異なる基が立体中心に結合している場合、任意の2つの異なる基を交換すると、新しい立体異性体が作り出される。
【0019】
本明細書に開示される化合物には、キラル中心となることができるP(リン)を含む多数の立体中心があり、それは、一般に受け入れられている明白な意味を有する「R」又は「S」の対応するカーン-インゴールド-プレローグ(Cahn-Ingold-Prelog)表示を有する。式Iの化合物は、主にリンにおけるキラリティーのために、ラセミ体であるか、立体化学的に純粋であるか、又は1つの立体異性体が存在する可能性があると考えられる。出願人らは、ラセミ体及び/又は解明されたエナンチオマーの使用を企図している。
【0020】
本出願は、特に限定されず、全ての可能な立体異性体を含み、ラセミ化合物だけではなく、個々のエナンチオマー及び/又はジアステレオマーも含む。化合物が、単一のエナンチオマー又はジアステレオマーとして望まれる場合、それは、立体特異的合成によって、又は最終生成物若しくは任意の便利な中間体の解明によって得ることができる。最終生成物、中間体、又は出発物質の解明は、当該技術分野において既知の任意の好適な方法によってもたらすことができる(例えば、参照により本明細書に組み込まれる、E.L.Eliel,S.H.Wilen,and L.N.Manderによる“Stereochemistry of Organic Compounds”(Wiley30 lnterscience,1994,)を参照されたい)。
【0021】
本明細書に開示される「塩」という用語は、特に限定されず、当業者に既知であるものとするべきか、又は当業者によって決定され得るものとする。形成される式Iの化合物の塩は、用途に応じることができ、薬学的に許容される塩を含む。式Iの化合物の「薬学的に許容される塩」の形態はまた、最初に、非塩形態には存在しなかった化合物に望ましい薬物動態的特性を付与することができ、体内のその治療活性に関して、式Iの化合物の薬力学に更に良い影響を与えることができる。本明細書で使用される化合物の「薬学的に許容される塩」という語句は、薬学的に許容可能であり、親化合物の所望の薬理学的活性を保有する塩を意味する。そのような塩としては、例えば、限定されないが、(1)塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などのような無機酸で形成される酸付加塩;又はグリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、3-(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2-エタン-ジスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4-クロロベンゼンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、4-トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、サリチル酸、ムコン酸などのような有機酸で形成される酸付加塩、又は(2)上で列挙された無機酸のいずれかの共役塩基で形成される塩基付加塩(ここでは、共役塩基は、Na、K、Mg2+、Ca2+、及びNHR’4-g の中から選択されるカチオン性成分を含み、ここで、R’はC1~3アルキルであり、gは0、1、2、3、又は4の中選択される数である)が挙げられる。薬学的に許容される塩への全ての言及が、同じ酸付加塩の、本明細書に記載される溶媒付加形態(溶媒和物)又は結晶形態(多形態)を含むことを理解するべきである。
【0022】
本明細書で使用される「水和物」という用語は、特に限定されず、当業者に既知であるものとする。一般的に、水和物は、水又はその構成元素を含有する物質であり、水の付加によって形成され得る。加えて、式Iの化合物は、化合物を化学的に変化させることなく、結晶構造に水を組み込むことができる(結晶水)結晶を形成し得る。水和物の形成は、多くの活性成分にとって一般的であることを理解するべきである。多くの製造プロセスは、水和物を形成する機会を提供し、水和物の状態は、環境の湿度及び時間と共に変化し得る。医薬品有効成分の水和物の状態は、溶解性及び溶出速度に著しく影響を及ぼし、したがってそのバイオアベイラビリティに著しく影響を及ぼし得る。
【0023】
本明細書で使用される「溶媒和物」という用語は、特に限定されず、当業者に既知であるものとする。溶媒和物は水和物と同様であるが、水ではなく、溶媒が存在する。広い意味で、溶媒和物は、1つ以上の溶媒分子を伴う溶質イオン又は分子からなる凝集体である。本明細書は、本明細書に開示される化合物の溶媒和物及び水和物を包含する。
【0024】
本明細書で使用される「同位体」という用語は、特に限定されず、当業者に既知のものとする。同位体は、同じ原子数(それらの核内の陽子数)及び周期表の位置を有し(したがって、同じ化学元素に属する)、並びにそれらの核内の中性子数が異なるために、核子数(質量数)が異なる原子の2つ以上のタイプである。本明細書は、同位体の様々な数及びタイプを有する本明細書に開示される化合物を包含する。例えば、限定されないが、式Iの化合物は、存在する1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15又はそれ以上の同位体を有し得る。加えて、例えば、限定されないが、式Iの化合物は、HがD若しくはTで置き換えられている、12Cが13C若しくは14Cで置き換えられている、及び/又は31Pが32P若しくは33Pで置き換えられている化合物を含む。同位体の調製において、同位体が濃縮され、所望の同位体を有する適切な出発物質又は中間体を使用することができる。
【0025】
本明細書で使用される場合、「結晶形態」という用語は、特に限定されず、当業者に既知であるものとする。結晶又は結晶形態は、その構成要素(原子、分子、又はイオンなど)が、あらゆる方向に伸びる結晶格子を形成する、高度に規則的な微視的構造で配置される固体材料である。
【0026】
「C1~15置換基」という用語及びその他同種のものは、特に限定されず、当業者に既知であるものとする。C1~15置換基は、1~15個の炭素原子を有する有機部分に関するものであり、例えば、限定されないが、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、シクロヘテロアルキル、アルキルアリール、アルキルヘテロアリールなどが挙げられ、これらは1つ以上のヘテロ原子を有し得る。一実施形態では、例えば、限定されないが、存在する炭素原子の数は、本明細書に記載される炭素原子の数の任意の組み合わせに基づく範囲を含む、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14又は15であり得る。
【0027】
一実施形態では、例えば、限定されないが、式Iの化合物におけるRは、H又は1つ以上のヘテロ原子を有するC1~15置換基である。第2の実施形態では、例えば、限定されないが、式Iの化合物におけるRは、本明細書に記載される炭素原子の数の任意の組み合わせに基づく範囲を含む、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14又は15個の炭素原子を有する有機部分(例えば、限定されないが、C1~15、C1~10、C1~7、C3~15、C3~10、C3~7、C5~15、C5~10、C5~7など)であり、これらは1つ以上のヘテロ原子を有する。第3の実施形態では、例えば、限定されないが、式Iの化合物におけるRは、-C、-CCl、-CBrF、-CCl、-C、-C、-COF、-CO、-C、-C1011又は-C10である。
【0028】
一実施形態では、例えば、限定されないが、式Iの化合物におけるRは、H又は1つ以上のヘテロ原子を有するC1~15置換基であるか、又はXがNである場合、RとNとは1つ以上のヘテロ原子を有するC3~15原子を有する環状構造を形成する。第2の実施形態では、例えば、限定されないが、RとNとが環状構造を形成しない場合、式Iの化合物におけるRは、本明細書に記載される炭素原子の数の任意の組み合わせに基づく範囲を含む、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14又は15個の炭素原子を有する有機部分(例えば、限定されないが、C1~15、C1~10、C1~7、C3~15、C3~10、C3~7、C5~15、C5~10、C5~7など)であり、これらは1つ以上のヘテロ原子を有する。第3の実施形態では、例えば、限定されないが、RとNとが環状構造を形成する場合、式Iの化合物におけるRは、本明細書に記載される炭素原子の数の任意の組み合わせに基づく範囲を含む、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14又は15個の炭素原子を有する有機部分(例えば、限定されないが、C3~15、C3~10、C3~7、C3~15、C5~10、C5~7、C6~15、C6~10、C6~7など)であり、これらは1つ以上のヘテロ原子を有する。第4の実施形態では、例えば、限定されないが、式Iの化合物におけるRは、-H、-D、-CH、-C、-CHCHCH-、-C、-C、-C、-C、-CO、-C1412O又は-C1416NOである。
【0029】
一実施形態では、例えば、限定されないが、式Iの化合物におけるRは、H又は1つ以上のヘテロ原子を有するC1~15置換基である。第2の実施形態では、例えば、限定されないが、式Iの化合物におけるRは、本明細書に記載される炭素原子の数の任意の組み合わせに基づく範囲を含む、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14又は15個の炭素原子を有する有機部分(例えば、限定されないが、C1~15、C1~10、C1~7、C3~15、C3~10、C3~7、C5~15、C5~10、C5~7など)であり、これらは1つ以上のヘテロ原子を有する。第3の実施形態では、例えば、限定されないが、式Iの化合物におけるRは、-CH、-C、-CHD、-C、-C、-CCl、-C、-C11、-C12N、-C13、-C、-C10又は-C1011である。
【0030】
本明細書で使用される「ヘテロ原子」という用語は、特に限定されず、当業者に既知であるものとする。ヘテロ原子は、炭素又は水素ではない任意の原子を含む。この用語は、通常、分子構造の骨格中の炭素に置き換わった非炭素原子をより具体的に示すために使用される。一実施形態では、例えば、限定されないが、ヘテロ原子は、窒素(N)、酸素(O)、硫黄(S)、リン(P)、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)、又はこれらの任意の組み合わせである。
【0031】
「1つ以上のヘテロ原子を有するC1~15置換基」という用語及びその他同種のものは、当業者に明らかであるものとする。上記を考慮すると、この用語には、例えば、限定されないが、1つ以上の窒素(N)、酸素(O)、硫黄(S)、リン(P)、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)、又はこれらの任意の組み合わせを有する、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、シクロヘテロアルキル、アルキルアリール、アルキルヘテロアリールなどが挙げられる。
【0032】
本明細書で使用される「アルキル」という用語は、特に限定されず、当業者に既知であるものとする。「アルキル」という用語には、1~15個の炭素原子を含有する非分岐若しくは分岐鎖の飽和炭化水素残基が含まれる。「C1~Mアルキル」という用語は、1~M個の炭素原子を含むアルキルを指し、ここでMは以下の値:2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14又は15を有する整数である。例えば、「C1~4アルキル」という用語は、1~4個の炭素原子を含有するアルキルを指す。アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソ-プロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチルなどが挙げられるが、これらに限定されない。(アリール)アルキル又は(ヘテロアリール)アルキルという用語は、それぞれアリール基又はヘテロアリール基によって任意選択で置換されているアルキル基を示す。1つ以上のヘテロ原子を有するアルキル基の実施形態としては、例えば、限定されないが、-OCH、-OCHCHCH、-CHCHClCH、-CHCHCHNHなどを挙げることができる。
【0033】
本明細書で使用される「アルケニル」という用語は、特に限定されず、当業者に既知であるものとする。「アルケニル」という用語には、1つ以上のオレフィン二重結合を有する1~15個の炭素原子を含有する非分岐若しくは分岐鎖の炭化水素残基が含まれる。「C1~Nアルキル」という用語は、1~N個の炭素原子を含むアルケニルを指し、ここでNは以下の値:2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14又は15を有する整数である。例えば、「C2~4アルケニル」という用語は、2~4個の炭素原子を含有するアルケニル部分を指す。アルケニル基の例としては、ビニル、1-プロペニル、2-プロペニル(アリル)又は2-ブテニル(クロチル)などが挙げられるが、これらに限定されない。(アリール)アルケニル又は(ヘテロアリール)アルケニルという用語は、それぞれアリール基又はヘテロアリール基によって任意選択で置換されているアルケニル基を示す。1つ以上のヘテロ原子を有するアルケニル基の実施形態としては、例えば、限定されないが、-OCHCH=CH、-CHCCl=CH、-CHCH=CHCHNHなどを挙げることができる。
【0034】
本明細書で使用される「アルキニル」という用語は、特に限定されず、当業者に既知であるものとする。「アルキニル」という用語は、1つ以上の三重結合を有する1~15個の炭素原子を含有する非分岐若しくは分岐鎖の炭化水素残基を含む。「C2~Nアルキニル」という用語は、2~N個の炭素原子を含むアルキニルを指し、ここでNは以下の値:2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14又は15を有する整数である。例えば、「C2~4アルキンニル(alkynnyl)」という用語は2~4個の炭素原子を含有するアルキニル部分を指す。アルキニル基の例としては、エチニル、1-プロピニル、2-プロピニル、1-ブチニル、2-ブチニル又は3-ブチニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0035】
本明細書で使用される「シクロアルキル」という用語は、特に限定されず、当業者に既知であるものとする。「シクロアルキル」という用語は、3~8個の炭素原子を有する飽和炭素環を指す。非限定的な例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル又はシクロオクチルが挙げられる。本明細書で使用される「C3~7シクロアルキル」という用語は、炭素環中に3~7個の炭素を有するシクロアルキルを指す。加えて、「シクロアルキルアルキル」、「シクロアルキルアルケニル」又は「シクロアルキルアルキニル」などの用語は、アルキル、アルケニル又はアルキニル置換基を有するシクロアルキルを指す。
【0036】
本明細書で使用される「アリール」という用語は、特に限定されず、当業者に既知であるものとする。「アリール」という用語は、本明細書で使用される場合、且つ特に指定がない限り、置換若しくは非置換のフェニル(Ph)、ビフェニル、又はナフチルを指す。アリール基は、1つ以上の部分で置換されてもよく、これらには、例えば、限定されないが、当業者に既知であるように、保護されていないか、又は必要に応じて保護されているかのいずれかの、ヒドロキシル、F、Cl、Br、I、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、シアノ、スルホン酸、サルフェート、リン酸、ホスフェート、及びホスホネートが挙げられ、これらは、例えば、T.W.Greene and P.G.M.Wuts,“Protective Groups in Organic Synthesis,”3rd ed.,John Wiley&Sons,1999(参照により本明細書に組み込まれる)に教示される通りである。
【0037】
本明細書で使用される「アルカリル」又は「アルキルアリール」という用語は、特に限定されず、当業者に既知であるものとする。「アルカリル」又は「アルキルアリール」という用語は、ベンジルなどのアリール置換基を有するアルキル基を指す。「アラルキル」又は「アリールアルキル」という用語は、アルキル置換基を有するアリール基を指す。
【0038】
本明細書で使用される「複素環」という用語は、特に限定されず、当業者に既知であるものとする。「複素環」という用語は、炭素、水素並びにN、O、及びSのうちの少なくとも1つを含有する非置換若しくは置換の複素環を指し、ここで、C及びNは三価又は四価であることができ、すなわちsp又はspハイブリッド化されている。複素環の例としては、例えば、限定されないが、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、イミダゾール、オキサゾール、ピペラジンなどが挙げられる。
【0039】
本明細書で使用される「ヘテロアリール」という用語は、特に限定されず、当業者に既知であるものとする。「ヘテロアリール」は、N、O、及びSのうちの少なくとも1つを有するアリール基に関するものである。ヘテロアリールの例としては、例えば、限定されないが、フラン、オキサゾール、チオフェン、1,2,3-トリアゾール、1,2,4-トリアジン、1,2,4-トリアゾール、1,2,5-チアジアゾール1,1-ジオキシド、1,2,5-チアジアゾール1-オキシド、1,2,5-チアジアゾール、1,3,4-オキサジアゾール、1,3,4-チアジアゾール、1,3,5-トリアジン、イミダゾール、イソチアゾール、イソオキサゾール、ピラゾール、ピリダジン、ピリジンなどが挙げられる。
【0040】
「PG」という用語は、保護基を表す。本明細書に開示される化合物で使用される保護基は、特に限定されず、当業者に既知のものとするか、又は当業者が決定することができる。保護基は、官能基を化学修飾することによって分子に導入され、その後の化学反応において化学選択性を得る。
【0041】
本明細書で使用される「PG」という用語は、窒素に結合した保護基、例えば、アミン保護基に関するものである。本明細書に開示されるアミン保護基は、特に限定されず、当業者に既知であるものとする。アミン保護基の非限定的な例としては、フルオレニルメトキシカルボニル保護基(Fmoc)、tert-ブトキシカルボニル(BOC)、カルボベンジルオキシ(Cbz)、トリフルオロアセトアミド、フタルイミド、トリチル(Tr)、モノメトキシトリチル(MMT)、ジメトキシトリチル(DMT)、又はベンジリデンアミンが挙げられる。
【0042】
本明細書で使用される「PG」という用語は、酸素に結合した保護基、例えば、アルコール保護基に関するものであり、一方「PGO1」は、酸素に結合した第1の保護基に関するものであり、「PGO2」は、酸素に結合した第2の保護基に関するものである。「PGO1」及び「PGO2」の選択は、設計及び合成要件に応じて変化し得る。更に、「PGO1」及び「PGO2」は、同じであるか、又は異なり得る。本明細書に開示されるアルコール保護基は、特に限定されず、当業者に既知であるものとする。アルコール保護基の非限定的な例としては、ベンジル(Bn)、t-ブチルジメチルシリル(TBDMS)、t-ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、アセチル(Ac)、ピバロイル(Piv)、又はベンジル(Bz)、トリチル(Tr)、モノメトキシトリチル(MMT)、ジメトキシトリチル(DMT)が挙げられる。加えて、「PGO1」と「PGO2」とは一緒になって、例えば、限定されないが、ジオールを保護するために使用され得る、
【化13】
を形成する。
【0043】
本明細書で使用される「プロドラッグ」という用語は、特に限定されず、当業者に既知であるものとする。プロドラッグは、薬理学的効果を示す前に、生体内変換を受ける化合物である。プロドラッグは、摂取後に、薬理学的に活性な薬物に代謝される(すなわち、体内で変換される)化合物である。薬物を直接投与する代わりに、対応するプロドラッグを用いて、薬物が吸収、分布、代謝、及び排泄される(ADME)方法を改善することができる。プロドラッグは、多くの場合、薬物それ自体が胃腸管からほとんど吸収されない場合、バイオアベイラビリティを改善するように設計される。プロドラッグは、その薬物が意図された標的ではない細胞又はプロセスと選択的に相互作用する方法を改善するために使用され得る。これは、薬物の有害な作用又は意図しない作用を低減する。本明細書に開示される式Iの化合物は、P5Pと関連する疾患の治療又は予防のためのプロドラッグであり得るP5Pの類似体である。本明細書に記載される研究は、式Iの化合物を使用して、P5Pのバイオアベイラビリティの改善を示し、したがって、潜在的なプロドラッグとして機能し得ることを示している。
【0044】
本明細書に開示される方法を使用して、式Iの化合物によって包含される多数の化合物が調製された。式Iの化合物によって包含されるピリドキサミンプロドラッグの実施形態を、表1に示す。
【0045】
表1:ピリドキサミンプロドラッグの実施形態
【化14】
ピリドキサミンプロドラッグ14
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
式Iの化合物によって包含されるピリドキシンプロドラッグの実施形態を、表2に示す。
【0049】
表2:ピリドキシンプロドラッグの実施形態
【化15】
ピリドキシンプロドラッグ15
【0050】
【表3】
【0051】
【表4】
【0052】
【表5】
【0053】
【表6】
【0054】
式Iの化合物によって包含されるピリドキサールプロドラッグの実施形態を、表3に示す。
【0055】
表3:ピリドキサールプロドラッグの実施形態
【化16】
ピリドキサールプロドラッグ16
【0056】
【表7】
【0057】
【表8】
【0058】
【表9】
【0059】
【表10】
【0060】
【表11】
【0061】
調製のためのプロセス
態様では、本明細書は、式Iの化合物、その立体異性体、その塩、水和物、溶媒和物、同位体、又は結晶形態の調製のためのプロセスに関する。
【化17】
本プロセスは、式IIの化合物を塩基の存在下で式IIIの化合物と反応させて、式Iの化合物を形成する工程を含む。
【化18】
式中、X、R、R、R、R及びRは、本明細書に記載される通りである。
【0062】
反応を行うために使用される塩基は、特に限定されず、当業者に既知のものとするべきか、又は当業者によって決定され得る。一実施形態では、例えば、限定されないが、塩基は有機塩基である。別の実施形態では、例えば、限定されないが、塩基はジイソプロピルアミン(DIPEA)、ピリジン、ジメチルアミン、イミダゾール、ベンズイミダゾールなどである。
【0063】
反応は、溶媒の存在下で行うことができる。使用される溶媒は、特に限定されず、当業者に既知であるものとされるか、又は当業者によって決定され得る。選択される溶媒は、式II及びIIIの化合物と反応することを回避するべきである。一実施形態では、例えば、限定されないが、溶媒は有機溶媒である。別の実施形態では、例えば、限定されないが、溶媒は極性又は非極性溶媒であり得る。更なる実施形態では、例えば、限定されないが、溶媒は非プロトン性溶媒であり得る。なお更なる実施形態では、例えば、限定されないが、溶媒はジクロロメタン、アセトン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、酢酸エチル、ジメチルスルホキシド、ピリジン又はテトラヒドロフラン(THF)である。
【0064】
本明細書における開示に基づいて、本出願の化合物は、市販の出発物質、文献において既知の化合物、又は容易に調製される中間体に由来するものを使用して、様々な方法で合成することができる。標準的な合成法及び手順を利用することによって、合成の技術分野における当業者は、本出願の化合物を成功裏に調製することができる。有機分子を調製するための標準的合成法及び手順、並びに官能基変換及び操作は、当該分野における関連文献から、又は標準的な教科書から得ることができる。これをテーマにした教科書の多数の例が存在しており、Smith,M.B.,March,J.,March’s Advanced Organic Chemistry:Reactions,Mechanisms,and Structure,5th edition,John Wiley&Sons:New York,2001;及びGreene,T.W.,Wuts,P.G.M.,Protective Groups in Organic Synthesis,3rd edition,John Wiley&15 Sons:New York,1999は良い例である(全てが参照により本明細書に組み込まれる)。
【0065】
本出願の化合物の調製のための一般的手順を例示するために好適な合成経路を、一般的スキーム1及び2に表示する。これらのスキームは、一般に、所望の最終化合物を提供するが、ある特定の例では、化合物を薬学的に許容される塩、エステル、炭酸塩、カルバメート、又はイミンに更に変換することが望ましい場合がある。本出願は、両方の可能な立体異性体を含み(合成時に指定されない限り)、ラセミ化合物だけではなく、個々のエナンチオマー及び/又はジアステレオマーも含む。化合物が単一のエナンチオマー又はジアステレオマーであることが所望される場合、立体特異的合成によって、又は最終生成物若しくは任意の便利な中間体の解明によって得ることができる。最終生成物、中間体、又は出発物質の解明は、当該技術分野において既知の任意の好適な方法によってもたらすことができる。例えば、E.L.Eliel,S.H.Wilen,and L.N.Manderによる“Stereochemistry of Organic Compounds” (Wiley30 lnterscience,1994)(参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい。
【0066】
一般的スキーム1の説明:ジクロロホスフェート種1を、塩基の存在下でアミン2の塩(HCl又はTFA)と反応させて種3を形成し、これは単離されない。反応混合物に、4-ニトロフェノール及び追加の塩基を添加した。次いで、混合物を撹拌して、化合物5を形成する。化合物5の精製後、それを塩基の存在下で化合物6と反応させて化合物7を得る。精製された化合物7を脱保護することによって化合物8を得て、次いで、これを酸化させて、化合物9を得る。
【化19】
【0067】
スキーム1において上記に示した式7、8及び9の化合物は、本明細書に記載されるような構造式Iの化合物の実施形態を表す。スキームIにおいて上記に示した式6の化合物は、本明細書に記載されるような構造式IIの化合物の実施形態を表す。スキーム1において上記に示した式3及び5の化合物は、存在する置換基に応じて、構造式III又はV(本明細書に記載されるような)の化合物の実施形態を表す。スキーム1において上記に示した式1の化合物は、本明細書に記載されるような構造式VIの化合物の実施形態を表す。スキーム1において上記に示した式2の化合物は、本明細書に記載されるような構造式VIIの化合物の実施形態を表す。スキーム1において上記に示した式4の化合物は、本明細書に記載されるような構造式IVの化合物の実施形態を表す。加えて、スキーム1に開示されるものは、構造式IVの化合物の例示的な非限定的実施形態である。また、スキーム1において、置換基R、R、R、R、R及びRの例示的な非限定的実施形態も示される。
【0068】
一般的スキーム2の説明:保護されたアルコール11を、塩基及びMgClの存在下で種5と反応させて化合物12を得た。次いで、保護基を除去して13を与える。これらの一般的スキーム1及び2を使用して、以下の構造のうちの1つを有するか、又は以下の化合物のうちの1つである化合物に関連する本出願のいくつかの好ましい実施形態を調製した。
【化20】
【0069】
スキーム2において上記に示した式11の化合物は、本明細書に記載されるような構造式IIの化合物の実施形態を表す。スキーム2において上記に示した式5の化合物は、本明細書に記載されるような構造式III又はVの化合物の実施形態を表す。スキーム2において上記に示した式12及び13の化合物は、本明細書に記載されるような構造式Iの化合物の実施形態を表す。
【0070】
本明細書に基づいて、且つスキーム1及び2に記載される一般的プロセスに基づいて、多くの化合物を調製した。調製され試験された式Iの化合物は、HPLC分析によって純度95%以上のものであった。
【0071】
投薬量、投与及び使用
第3の態様では、本明細書は、以下を含む組成物に関する。
担体、希釈剤又は賦形剤と、
式Iによって表される化合物、その立体異性体、その塩、水和物、溶媒和物、同位体又は結晶形態と、を含む。
【化21】
式中、X、R、R、R、R及びRは、本明細書に記載される通りである。
【0072】
組成物(又は医薬組成物)の投与の経路は、特に限定されず、当業者に既知であるものとするか、又は当業者によって決定され得る。一実施形態では、例えば、限定されないが、組成物は、投与の経腸経路又は非経口経路のために製剤化され得る。
【0073】
一実施形態では、例えば、限定されないが、本明細書に開示される化合物は、多種多様な経口投与剤形及び担体で製剤化されてもよい。経口投与は、錠剤、コーティング錠、ハードゼラチンカプセル及びソフトゼラチンカプセル、溶液、エマルジョン、シロップ、又は懸濁液の形態であり得る。本明細書に開示されるような式Iの化合物は、投与の他の経路の中でも坐剤投与によって投与される場合有効であり得る。最も便利な投与方法は、一般的に、疾患の重症度及び投薬に関する患者の反応に応じて調整することができる便利な毎日の投与レジメンを使用する経口である。
【0074】
本明細書に開示される化合物(単数又は複数)、並びにそれらの薬学的に許容される塩は、1つ以上の従来の賦形剤、担体、又は希釈剤と共に、医薬組成物の形態及び単位剤形中に配置され得る。医薬組成物及び単位剤形は、追加の活性化合物を含むか又は含まずに、従来の比率の従来の成分から構成されてもよく、単位剤形は使用される意図された毎日の投薬量範囲に見合った任意の好適な有効量の活性成分を含有し得る。医薬組成物は、錠剤若しくは充填されたカプセルなどの固形物、半固形物、粉末、徐放性製剤として、又は懸濁液、エマルジョンなどの液体として、又は経口使用のための充填されたカプセルとして、又は直腸若しくは膣内投与のための坐剤の形態で使用されてもよい。典型的な調製物は、約5%~約95%(w/w)の活性化合物(単数又は複数)を含有するであろう。「調製物」又は「剤形」という用語は、活性化合物の固形製剤及び液体製剤の両方を含むことを意図しており、当業者は、活性成分が所望の用量及び薬物動態パラメーターに応じて異なる調製物中に存在し得ることを理解されよう。
【0075】
本明細書で使用される「賦形剤」という用語は、特に限定されず、当業者に既知であるものとする。この用語は、医薬組成物を調製するために使用され、一般的に安全で非毒性であり、生物学的に望ましくないものではない化合物を指し、獣医学的使用並びにヒトの医薬的使用のために許容可能な賦形剤が含まれる。本明細書に開示される化合物は単独で投与され得るが、一般的に、投与の意図された経路及び標準的な薬学的実務に関して選択された1つ以上の好適な薬学的賦形剤、希釈剤、又は担体と混ぜ合わせて投与されるであろう。
【0076】
「薬学的に許容される塩」という用語は、上記で本明細書に説明されている。
【0077】
固形形態の調製物には、粉剤、錠剤、ピル、カプセル、坐剤、及び分散性顆粒剤が挙げられる。固形担体は、希釈剤、風味剤、可溶化剤、滑沢剤、懸濁化剤、結合剤、防腐剤、錠剤崩壊剤、又は封入材料としても作用し得る1つ以上の物質であり得る。粉剤においては、担体は、一般的に、微粉化された活性成分との混合物である微粉化された固形物である。錠剤では、活性成分は、一般的に、必要な結合能力を有する担体と好適な比率で混合され、所望の形状及びサイズに圧縮される。好適な担体としては、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖、乳糖、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低融点ワックス、ココアバターなどが挙げられるが、これらに限定されない。固形形態調製物は、活性成分に加えて、着色剤、香料、安定剤、緩衝液、人工及び天然甘味料、分散剤、増粘剤、可溶化剤などを含有してもよい。
【0078】
液体製剤もまた経口投与に好適であり、エマルジョン、シロップ、エリキシル剤及び水性懸濁液を含む液体製剤が含まれる。これらには、使用後短時間で、液体形態調製物に変換されることを意図する固形形態調製物も含まれる。エマルジョンは、溶液中で、例えば、プロピレングリコール水溶液中で調製されてもよく、又はレシチン、ソルビタンモノオレエート、又はアカシアなどの乳化剤を含有し得る。水性懸濁液は、水中の微粉化された活性成分を天然又は合成ガム、樹脂、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどの粘性材料、及び他の周知の懸濁化剤を用いて分散させることによって調製することができる。
【0079】
本明細書に開示されるような式Iの化合物は、坐剤としての投与用に製剤化され得る。脂肪酸グリセリド又はココアバターの混合物などの低融点ワックスが最初に溶解され、活性成分が、例えば、撹拌することによって均質に分散される。溶融された均質な混合物は、次いで、使いやすいサイズの成形型に注入され、冷却され、固化される。
【0080】
本明細書に開示されるような式Iの化合物は、膣内投与用に製剤化されてもよい。活性成分に加えて、そのような担体を含有するペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォーム、又はスプレーは、当業者に既知であるものとするか、又は特定の適用要件に基づいて、且つ必要に応じて当業者によって決定することができる。
【0081】
薬学的担体、希釈剤及び賦形剤を伴う好適な製剤は、参照により本明細書に組み込まれる、Remington:The Science and Practice of Pharmacy 1995,edited by E.W.Martin,Mack Publishing Company,19th edition,Easton,Pennsylvaniaに記載されている。本明細書に開示されるような式Iの化合物はまた、米国特許第6,180,134号明細書、同第5,192,549号明細書、同第5,376,380号明細書、同第6,060,080号明細書、同第6,132,763号明細書(これらの各々は、参照により組み込まれる)に開示されているものなどのリポソーム中に封入され得る。熟練した製剤科学者は、本明細書の教示の範囲内で製剤を変更し、本明細書に開示される組成物を不安定にさせることなく、又はそれらの治療活性を損なうことなく、特定の投与経路のための多数の製剤を提供することができる。
【0082】
本明細書に開示されるような式Iの化合物を、それらが水中又は他のビヒクル中でより溶解性にさせるための変更は、例えば、限定されないが、少しの変更(例えば、塩製剤)によって容易に達成することができ、これは当業者の技能の十分に範囲内であるか、又は当業者により決定することができる。また、患者における最大の有益な効果のために、本化合物の薬物動態を管理するために、特定の化合物の投与経路及び投与レジメンを変更することは、当業者の技能の十分に範囲内である。
【0083】
第4の態様では、本明細書は、疾患の治療又は予防のための、式Iによって表される化合物、その立体異性体、その塩、水和物、溶媒和物、同位体又は結晶形態の使用に関する。
【化22】
式中、X、R、R、R、R及びRは、本明細書に記載される通りである。
【0084】
更なる態様では、本明細書はまた、疾患の治療又は予防のための医薬品の調製における式I(本明細書に示される)によって表される化合物、その立体異性体、その塩、水和物、溶媒和物、同位体又は結晶形態の使用に関する。
【0085】
本明細書で使用される「医薬品」という用語は、特に限定されず、当業者に既知であるものとする。この用語は、それを必要とする対象の治療及び/又は予防の方法において使用される物質に関するものであり、この物質としては、式Iの化合物を含有する組成物、製剤、剤形などが挙げられるが、これらに限定されない。式Iによって表される化合物又は本明細書に開示される病態のいずれかの治療のための医薬品の製造における化合物の使用が企図される。
【0086】
上述したように、本明細書に開示されるような式Iの化合物は、プロドラッグとして機能することができ、インビボ及びインビトロの両方で活性形態のピリドキサール5-リン酸(P5P)を放出することが示されている。加えて、これらのプロドラッグは、P5Pのバイオアベイラビリティを改善することが示されている(投与データを参照されたい)。更に、本明細書に開示されるような式Iの化合物は、いくつかのP5P関連病態を治療し、P5Pが果たすことが知られている全ての役割を果たすために使用することができる。
【0087】
開示されるプロドラッグ化合物(本明細書に開示されるような式Iの化合物)によって果たすことができる例示的な役割としては、例えば、限定されないが、ヒスタミン、セロトニン、及びGABA(ガマ(gama)-アミノ酪酸)が挙げられるが、これらに限定されないいくつかの酵素反応の補因子であることが含まれる。
【0088】
一実施形態では、本明細書は、既知のPNPO欠損症を有する患者におけるてんかん発作、並びにビタミンB6代謝障害に関連する他の臨床的又は生化学的特徴を治療するために使用することができるプロドラッグ化合物を提供する。これらには、先天性低ホスファターゼ血症、P5P結合タンパク質(PLPBP)欠損症、ピリドキシン依存性てんかん、高プロリン血症II型、及びモリブデン補因子欠損症が挙げられるが、これらに限定されない。
【0089】
別の実施形態では、本明細書は、例えば、限定されないが、ジストニア、ホモシスチン尿症(ジストニア、パーキンソニズム)、手根管症候群、トゥレット症候群、及び遅発性ジスキネジアが含まれる運動障害を治療するために使用することができるプロドラッグ化合物を提供する。
【0090】
更なる実施形態では、本明細書は、心血管疾患、虚血性心疾患、血圧、2型糖尿病、免疫性若しくは慢性炎症、肺炎、うつ病/不安症、又は癌が挙げられるがこれらに限定されないB6欠損症と関連する臨床的又は生化学的問題の治療で使用することができるプロドラッグ化合物を提供する。
【0091】
B6代謝障害に関連する本明細書に開示される式Iの化合物の潜在的治療用途のリストを、以下の表4に提供する。
【0092】
【表12】
【0093】
【表13】
【0094】
B6欠損症に関連する本明細書に開示される式Iの化合物の潜在的治療用途のリストを、以下の表5に提供する。
【0095】
【表14】
【0096】
第5の態様では、本明細書は、疾患の医学的処置又は予防の方法であって、それを必要とする対象に、治療有効量の、式Iによって表される化合物、その立体異性体、その塩、水和物、溶媒和物、同位体又は結晶形態を投与することを含む、方法に関する。
【化23】
式中、X、R、R、R、R及びRは、本明細書に記載される通りである。
【0097】
それを必要とする対象とは、本明細書に開示されるような任意の病態を有する対象であることが意図される。
【0098】
本明細書で使用される「対象」という用語は、特に限定されず、当業者に既知であるものとする。この用語は哺乳動物を意味し、これにはウシ、ブタ、ヒツジ、ニワトリ、七面鳥、バッファロー、ラマ、ダチョウ、イヌ、ネコ、及びヒトが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、例えば、限定されないが、対象はヒトである。
【0099】
本明細書で使用される「治療有効量」という用語は、特に限定されず、当業者に既知であるものとする。この用語は、固体における疾患の症状を低減させるために必要な量を意味する。用量は、各特定の症例における個々の要件に調整された。その投薬量は、治療される疾患の重症度、患者の年齢及び全体的な健康状態、患者が治療されている他の医薬品、投与の経路及び形態、並びに関与する医師の好み及び経験などの多数の因子に依存して広い限度内で変化することができる。経口投与については、約0.1~約10g(それらの間の全ての値を含む)の毎日の投薬量、例えば、1日当たり0.25、0.5、0.75、I5 1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、及び9.5が適切であり得る。一実施形態では、例えば、限定されないが、毎日の投薬量は、1日当たり約0.5~約7.5g、より好ましくは1日当たり1.5~約6.0gである。当業者は、本明細書に記載される疾患の治療において、過度の実験なしに、また個人的な知識、経験及び本出願の開示に依存して、所与の疾患及び患者についての本明細書に開示されるような式Iの化合物の治療有効量を確認することができるであろう。
【0100】
治療有効性は、血清タンパク質(例えば、アルブミン、凝固因子、アルカリホスファターゼ、アミノトランスフェラーゼ(例えば、アラニントランスアミナーゼ、アスパラギン酸トランスアミナーゼ)、5’-ヌクレオシダーゼ、[ガンマ]-グルタミルトランスペプチダーゼなど)、ビリルビンの合成、コレステロールの合成、及び胆汁酸の合成などのタンパク質レベルが挙げられるが、これらに限定されない肝機能;炭水化物の代謝、アミノ酸及びアンモニアの代謝が挙げられるが、これらに限定されない肝代謝機能の検査から確認することができる。
【0101】
生物学的アッセイ
単一用量漸増試験
経口(P.O.-経口)経路を介した1つの単回投与下の4つの異なる用量でのラットにおけるP5P類似体(式16iの化合物)の最大耐用性を評価するために、複数回投与での薬物動態(PK)の線形性の情報を与えるために、単一用量漸増試験を行った(実施例97:P5P類似体16i:単一用量漸増試験)。
【0102】
投与された式16iの化合物のピリドキシン(PL)及びP5P(PLP)レベルに対する効果を特定するために、PL及びP5Pの両方の基底レベルを測定された濃度から減算した。ベースライン減算は、PL又はP5Pのいずれかの投与前濃度を時間の経過におけるその後の値から差し引くことによって達成した。
【0103】
血漿PL及びP5P濃度における明確な用量依存的増加が観察され、式16iの化合物の有効性を確認している。式16iの化合物の用量を増加させることで、血漿中のより多くのP5Pをもたらした。
【0104】
得られた結果に基づくと(図3~5を参照)、血漿PL及びPLP濃度における明確な用量依存的増加があったため、式16iの化合物の有効性が確認された。この試験では、MTD(最大耐用量)は、最高用量群(300mg/kg)における動物がいかなる毒性兆候も示さなかったために(高い血漿レベルのPL及びPLPにもかかわらず)決定されなかった。式16iの化合物は、血漿PL及びPLPについて最大300mg/kgの用量線形性を示した。ピーク濃度(Cmax)及び曝露(AUC)の両方について線形性が見られた。これにより、反復投与の血漿レベルを予測することができる。
【0105】
加えて、式16iの化合物は、所与のテストされた用量において、24時間にわたって安全であり、臨床的徴候は観察されなかった。T1/2における増加が、用量が増加するにつれて、PL及びPLPについて示された。これは、クリアランスメカニズムが、用量が増加すると共に減速/飽和しており、監視する必要があることを示し得る。また、第2の供給源が、血漿にPL及びPLPを追加している可能性もある。プロドラッグによる用量線形性の欠如は、分析中のプロドラッグの不安定性に起因し得る。
【0106】
薬物動態試験1
P5P類似体16iがP5Pに変換され、血漿P5Pを増加させることができるか、P5P類似体16iが経口投与可能であるか、及びPO P5P類似体16i及びPO P5Pの血漿P5Pを増加させる能力を比較するために、薬物動態試験1を行った(実施例98:P5P類似体16i:薬物動態試験1を参照されたい)。
【0107】
投与されたP5P類似体16iのピリドキシン(PL)及びP5P(PLP)レベルに対する効果を特定するために、PL及びP5Pの両方の基底レベルを測定された濃度から減算した。ベースライン減算は、PL又はP5Pのいずれかの投与前濃度を時間の経過におけるその後の値から差し引くことによって達成した。
【0108】
IV投与される場合、P5P類似体16iは、P5Pに変換された。このP5Pの半減期は、P5PがIV投与される場合よりも大きかった。更に、P5P類似体16iのIV投与は、血漿中のP5Pの上昇レベルを生じることが示され、P5P類似体16iが所望の生成物に変換されていることを確認した。
【0109】
得られた結果に基づくと(図6~8を参照)、経口投与される場合、P5P類似体16iは、胃腸壁を通過することができ(経口生物利用可能)、循環器系で検出可能であった。P5P類似体16iの経口投与後に、P5Pの上昇した血漿レベルが検出された。この上昇したP5Pは、約7時間の半減期を有していた。P5Pそれ自体による経口投与は、24時間の期間にわたって、血漿中の検出可能なP5Pをもたらさなかった。これは、P5Pの経口バイオアベイラビリティが0%であることを示している。P5P類似体16iの投与からのP5Pの算出された経口バイオアベイラビリティは43%であった。
【0110】
薬物動態試験2
P5P類似体16iと比較して、P5P類似体16vの効果を評価するために、薬物動態試験2を行った(実施例99:P5P類似体16i:薬物動態試験2)。
【0111】
投与されたP5P類似体16i及び16vのピリドキシン(PL)及びP5Pレベルに対する効果を特定するために、PL及びP5Pの両方の基底レベルを測定された濃度から減算した。ベースライン減算は、PL又はP5Pのいずれかの投与前濃度を時間の経過におけるその後の値から差し引くことによって達成した。
【0112】
得られた結果に基づくと(図9~10を参照)、IV投与される場合、P5P類似体16vは、P5P類似体16iによるもの以上に非常に効率的にP5Pに変換された。経口投与される場合、P5P類似体16vは、胃腸壁を通過することができ(経口生物利用可能)、循環器系において検出可能であった。P5P類似体16vの経口投与後に、P5Pの上昇した血漿レベルが検出され、P5P類似体16iと比較してわずかに多い量を示した。この差は、単一のラットに起因していた。P5P類似体16vは、経口投与される場合、P5P類似体16iを超える明らかな利点は示さなかった。
【0113】
薬物動態試験3
式Iの化合物によって包含されないP5P類似体(化合物II.I.)、アミノ酸修飾(P5P類似体16vi)及び式16iii、16iの化合物並びに16iのラセミ混合物の効果を評価するために、薬物動態試験2を行った(実施例100:P5P類似体16vi及び化合物II.I.:薬物動態試験3)。
【0114】
投与された化合物II.I.及びP5P類似体16viのピリドキシン(PL)及びP5Pレベルに対する効果を特定するために、PL及びP5Pの両方の基底レベルを測定された濃度から減算した。ベースライン減算は、PL又はP5Pのいずれかの投与前濃度を時間の経過におけるその後の値から差し引くことによって達成した。
【0115】
得られた結果に基づくと(図11~13を参照)、経口投与される場合、化合物II.I.は、胃腸壁を通過することができ(経口生物利用可能)、循環器系で検出可能であった。化合物II.I.の経口投与後に、P5Pの上昇した血漿レベルが検出され、P5P類似体16iと比較して同様な量を示した。P5P類似体16viは、有意な経口バイオアベイラビリティを実証しなかった。
【0116】
薬物動態試験4
この試験の目的は、リン中心におけるS-異性体(16i)及びR-異性体(16iii)の薬物動態(PK)プロファイルと比較すること、及びD-アミノ酸(S及びR異性体を有する16i)の使用のPKプロファイルに対する効果を評価することであった。
【0117】
投与された薬剤のPL及びPLPレベルに対する効果を特定するために、PL及びPLPの両方の基底レベルを測定された濃度から減算した。ベースライン減算は、PL又はPLPのいずれかの投与前濃度を時間の経過におけるその後の値から差し引くことによって達成した。
【0118】
図14~17に基づくと、本試験における16i(S異性体)のIV及びPOデータは、この異性体が血漿中でPLPに容易に変換され、16i(ラセミ体)のデータと一致することを示唆している。IV及びPOデータの両方は、血漿中に放出されるPLPの量に関して、RとS異性体との間でほとんど差がないことを示唆している。D-アミノ酸16i’を含有するラセミ混合物を、L-アミノ酸16iを含有するラセミ混合物と比較すると、D-アミノ酸でPLP曝露が低減され、D-アミノ酸の使用は血漿PLPの2回目の増加(恐らく、肝臓からの放出の遅延)を引き起こすことによって、PLP半減期を延長させると考えられる。
【実施例
【0119】
以下の実施例は、例示的且つ非限定的であり、本明細書の具体的な実施形態を表すものである。
【0120】
一般的方法
H NMRスペクトルは、溶媒共鳴を二次標準として使用して、299.992MHzで動作するBruker Avance 300 NMR分光計で記録した。本明細書で使用されるジクロロリン酸フェニル、H-Ala-OiPr塩酸塩、4-ニトロフェノール及び他の試薬は、Sigma Aldrich又はCombi Blocksから購入し、受け取ったままの状態で使用した。N,N-ジイソプロピルエチルアミン、トリメチルアミン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジクロロメタン、トリフルオロ酢酸、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、アセトン、ヘキサン、酢酸エチル、及びメタノールはSigma Aldrichから購入し、更に乾燥させることなく使用した。全ての反応は、窒素又はアルゴン雰囲気下で行われた。TLCプレートを、ニニヒドリン(Ninyhydrin)溶液、KMnO溶液、又は0.5MのHSO中の2%の硫酸セリウムアンモニウムの溶液でスプレーし、続いて発色するまでホットプレート上で加熱することによって化合物を可視化/位置特定した。
【0121】
実施例1:中間体5:R=フェニル、R=S立体化学を有するメチル、R=イソプロピル。X=H。(2S)-イソプロピル2-((4-ニトロフェノキシ)(フェノキシ)ホスホリルアミノ)プロパン酸塩。
【化24】
フェニルホスホロジクロリダート(1当量)及び(S)-イソプロピル2-アミノプロパノエート塩酸塩(1当量)を、乾燥ジクロロメタン中に懸濁し、混合物を-78℃に冷却した。トリエチルアミン(2.1当量)を、アルゴン下でゆっくりと添加した。添加後、ドライアイス/アセトン浴を取り外した。31P NMRが、ジクロリダートの完全な消費及び新しい種の形成を確認したら(1~2時間)、反応混合物を0℃に冷却し、4-ニトロフェノール(0.9~0.95当量)を一度に添加し、続いてトリメチルアミン(2.1当量)を添加した。TLCにより新しい生成物の形成を確認したら、混合物をRTまで温めた(2~3時間)。ジエチルエーテルを添加し、大部分のトリエチルアンモニウム塩を濾別した。濾液を濃縮し、バイオタージ(biotage)(ヘキサン/EtOAc)を使用して精製し、純粋な生成物をシロップとして得た(収率80~90%)。
【0122】
実施例2:5(R=フェニル、R=S立体化学を有するメチル、R=イソプロピル)の解明
【化25】
ほぼ等モル量の2つのジアステレオマーから構成される5(P-rac,S)の典型的な混合物を、最小量のジイソプロピルエーテル中に溶解し、透明な溶液を得た。ヘキサンを、わずかな曇りが続くまでゆっくりと添加した。溶液をゆっくりと一晩撹拌した後、無色の沈殿物(元の混合物の11%)を濾別し、乾燥させた。これは、P-R,Sジアステレオマーである。濾液を濃縮し、プロセスを繰り返して固形物P-R,Sジアステレオマーのより多くを得た。
【0123】
ピリドキサミンプロドラッグの合成
実施例3:(2S)-イソプロピル2-(((4-(アミノメチル)-5-ヒドロキシ-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリルアミノ)プロパン酸塩(14)
【化26】
上記の一般的スキームにおける手順を使用して、化合物14を調製した。具体的には、tert-ブチル(3-(tert-ブトキシカルボニルオキシ)-5-(ヒドロキシメチル)-2-メチルピリジン-4-イル)メチルカルバメート11(1当量)、中間体5(P-rac,S)(1.2当量)及びMgCl(1当量)を乾燥アセトニトリル中に懸濁し、アルゴン下で50℃まで10分間過熱した。次いで、DIPEA(2.5当量)を一度に添加し、加熱し、TLCにより反応の完了が確認されるまで50℃での撹拌を続けた(20分~1時間)。バイオタージ(ヘキサン/EtOAc)を使用して精製し、中間体12を得た。12をTFA/DCMで処理して、14をTFA塩としてもたらした(典型的には、2工程にわたって>80%)。H NMR(299.992MHz,メタノール-d)δ 1.17-1.28(m,6H,2CH),1.31-1.41(m,3H,CH),2.58-2.65(br,3H,ArCH),3.85-4.02(m,1H,CH),4.17-4.35(m,2H,CH),4.94-5.08(m,1H,CH),5.25-5.42(m,2H,CH),7.12-7.44(m,5H,ArH),8.07-8.18(m,1H,ArH)。図1におけるピリドキサミンプロドラッグは、全てこの手順に従って合成した。
【0124】
選択されたピリドキサミンプロドラッグについての特性評価データ
実施例4:(2S)-2-エチルブチル2-(((4-(アミノメチル)-5-ヒドロキシ-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリルアミノ)プロパン酸塩(14i)
H NMR(299.992MHz,メタノール-d)δ 0.83-0.99(m,6H,2CH),1.29-1.69(m,8H,2CH,CH,CH),2.66-2.82(br,3H,ArCH),3.94-4.18(m,3H,CH,CH),4.29-4.44(m,2H,CH),5.34-5.53(m,2H,CH),7.17-7.45(m,5H,ArH),8.23-8.36(m,1H,ArH)。
【0125】
実施例5:イソプロピル2-(((4-(アミノメチル)-5-ヒドロキシ-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリルアミノ)酢酸塩(14ii)
H NMR(299.992MHz,メタノール-d)δ 1.08-1.16(m,6H,2CH),2.58(s,3H,CH),3.52-3.71(m,3H,CH,CH),4.24(s,2H,CH),4.88-5.00(m,1H,CH),5.26-5.37(m,2H,CH),7.03-7.32(m,5H,ArH),8.17(s,1H,ArH)。
【0126】
実施例6:(2S)-ベンジル2-(((4-(アミノメチル)-5-ヒドロキシ-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリルアミノ)プロパン酸塩(14iii)
H NMR(299.992MHz,メタノール-d)δ 0.041-0.085(m,3H,CH),1.25-1.40(m,3H,ArCH),2.59-2.78(m,1H,CH),2.85-3.03(m,2H,CH),3.69-3.83(m,2H,CH),3.91-4.01(m,2H,CH),5.69-6.05(m,10H,ArH),6.79-6.95(m,1H,ArH)。
【0127】
実施例7:(2S)-イソプロピル2-(((4-(アミノメチル)-5-ヒドロキシ-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)
(5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-1-イルオキシ)ホスホリルアミノ)プロパン酸塩(14iv)
H NMR(299.992MHz,メタノール-d)δ1.21-1.29(m,6H,2CH),1.37-1.43(m,3H,CH),1.72-1.87(m,4H,2CH),2.61-2.68(m,3H,CH),2.68-2.84(m,4H,2CH),3.87-4.03(m,1H,CH),4.20-4.33(m,2H,CH),4.96-5.07(m,1H,NH),5.25-5.46(m,2H,CH),6.88-6.98(m,1H,ArH),6.99-7.09(m,2H,ArH),8.09-8.22(m,1H,ArH)。
【0128】
実施例8:(2S)-イソプロピル2-(((4-(アミノメチル)-5-ヒドロキシ-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)(4-クロロフェノキシ)ホスホリルアミノ)プロパン酸塩(14v)
H NMR(299.992MHz,メタノール-d)δ1.07-1.16(m,6H,2CH),1.20-1.30(m,3H,CH),2.53-2.60(m,3H,CH),3.75-3.88(m,1H,CH),4.17-4.28(m,2H,CH),4.82-4.94(m,1H,CH),5.18-5.34(m,2H,CH),7.03-7.15(m,2H,ArH),7.21-7.32(m,2H,ArH),8.06-8.21(m,1H,ArH)。
【0129】
実施例9:(2S)-イソプロピル2-(((4-(アミノメチル)-5-(ジメチルカルバモイルオキシ)-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)(フェノキシ)(ホスホリルアミノ)プロパン酸塩(14vi)
H NMR(299.992MHz,クロロホルム-d)δ1.20-1.28(m,6H,CH),1.38-1.43(m,3H,CH),2.62-2.64(m,3H,ArCH),3.12-3.14(m,3H,NCH),3.27-3.31(m,1H,NH),3.88-4.07(m,1H,CH),4.35-4.49(m,2H,CH),4.94-5.06(m,2H,CH),5.38-5.51(m,2H,CH),7.16-7.43(m,6H,ArH),8.59-8.61(m,1H,ArH)。
【0130】
実施例10:(2S)-p-トリル2-(((4-(アミノメチル)-5-ヒドロキシ-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリルアミノ)プロパン酸塩(14vii)
H NMR(299.992MHz,メタノール-d)δ 1.56-1.48(m,3H,CH),2.33(s,3H,ArCH),2.65(s,3H,ArCH),4.38-4.16(m,3H,CH,CH),5.50-5.33(m,2H,CH),6.95-6.81(m,2H,ArH),7.43-7.10(m,7H,ArH),8.29-8.17(m,1H,ArH)。
【0131】
実施例11:イソプロピル基の重水素化メチル基を有するピリドキサミンプロドラッグ14(14viii)
H NMR(299.992MHz,メタノール-d)δ 1.26-1.47(m,3H,CH),2.69(s,3H,ArCH),3.16-3.29(m,1H,CH),3.86-4.03(m,1H,CH),4.42-4.49(m,2H,CH),4.67-4.84(m,1H,NH),5.30-5.51(m,2H,CH),7.10-7.27(m,3H,ArH),7.29-7.44(m,2H,ArH),8.15-8.37(m,1H,ArH)。
【0132】
実施例12:(2S)-イソプロピル2-(((4-(アミノメチル)-5-ヒドロキシ-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)(ナフタレン-1-イルオキシ)ホスホリルアミノ)プロパン酸塩(14ix)
H NMR(299.992MHz,メタノール-d)δ1.18-1.23(m,6H,CH),1.35-1.41(m,3H,CH),2.60-2.62(m,3H,ArCH),3.30-3.32(m,1H,NH),4.00-4.19(m,1H,CH),5.29-5.40(m,2H,CH),7.37-7.42(m,2H,ArH),7.51-7.57(m,2H,ArH),7.68-7.73(m,1H,ArH),7.85-7.89(m,1H,ArH),8.04-8.09(m,2H,ArH)。
【0133】
実施例13:(2S)-シクロペンチル2-(((4-(アミノメチル)-5-ヒドロキシ-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリルアミノ)プロパン酸塩(14x)
H NMR(299.992MHz,メタノール-d)δ1.36-1.26(m,3H,CH),1.91-1.55(m,8H,4CH),2.69-2.59(m,3H,ArCH),3.98-3.84(m,1H,CH),4.35-4.25(m,2H,CH),5.20-5.08(m,1H,CH),5.43-5.28(m,2H,CH),7.26-7.15(m,3H,ArH),7.41-7.31(m,2H,ArH),8.25-8.15(m,1H,ArH)。
【0134】
実施例14:(2S)-イソプロピル2-(((4-(アミノメチル)-5-ヒドロキシ-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ホスホリルアミノ)プロパン酸塩(14xi)
H NMR(299.992MHz,メタノール-d)δ 0.95-1.04(m,6H,2CH),1.11-1.19(m,3H,CH),2.54(s,3H,CH),3.66-3.82(m,1H,CH),4.11-4.25(m,2H,CH),4.66-4.84(m,1H,CH),5.18-5.33(m,2H,CH),6.96-7.17(m,4H,ArH),8.11-8.22(m,1H,ArH)。
【0135】
実施例15:(2S)-5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-2-イル2-(((4-(アミノメチル)-5-ヒドロキシ-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリルアミノ)プロパン酸塩(14xii)
H NMR(299.992MHz,メタノール-d)δ 1.21(s,3H,CH),1.36-1.46(m,3H,CH),1.63-1.78(m,4H,2CH),2.60-2.72(m,4H,2CH),4.04-4.26(m,2H,CH),5.22-5.38(m,2H,CH),6.56-6.69(m,2H,ArH),6.90-6.99(m,1H,ArH),7.09-7.21(m,2H,ArH),7.24-7.34(m,2H,ArH),8.13-8.21(m,1H,ArH)。
【0136】
実施例16:イソプロピル基の重水素化メチレン基及びメチル基を有するピリドキサミンプロドラッグ14(14xiii)
H NMR(299.992MHz,メタノール-d)δ 2.57(s,3H,ArCH),4.14-4.38(m,2H,CH),4.67-4.84(m,1H,NH),5.28-5.39(m,2H,CH),7.13-7.27(m,3H,ArH),7.29-7.42(m,2H,ArH),7.95-8.14(m,1H,ArH)。
【0137】
実施例17:(2S)-イソプロピル2-(((4-(アミノメチル)-5-ヒドロキシ-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリルアミノ)-3-(4-(ベンジルオキシ)フェニル)プロパン酸塩(14xiv)
H NMR(299.992MHz,メタノール-d)δ1.04-1.24(m,6H,2CH),2.55-2.72(m,3H,ArCH),2.74-2.88(m,1H,CH),2.90-3.12(m,1H,CH),3.93-4.11(m,1H,NH),4.14-4.31(m,2H,CH),4.77-5.38(m,9H,CH,NH,CH),6.79-6.94(m,2H,ArH),6.95-7.20(m,5H,ArH),7.20-7.46(m,7H,ArH),7.98-8.23(m,1H,ArH)。
【0138】
実施例18:(2S)-1-メチルピペリジン-4-イル2-(((4-(アミノメチル)-5-ヒドロキシ-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリルアミノ)プロパン酸塩(14xv)
H NMR(299.992MHz,メタノール-d)δ1.51-1.36(m,3H,CH),2.30-1.80(m,4H,2CH),2.75-2.69(m,3H,ArCH),2.93-2.84(m,3H,ArCH),3.66-3.10(m,4H,2CH),4.17-3.97(m,1H,CH),4.41-4.27(m,2H,CH),5.19-4.91(m,1H,CH),5.51-5.33(m,2H,CH),7.45-7.17(m,5H,ArH),8.36-8.24(m,1H,ArH)。
【0139】
実施例19:(2S)-イソプロピル2-(((4-(アミノメチル)-5-ヒドロキシ-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)(p-トリルオキシ)ホスホリルアミノ)プロパン酸塩(14xvi)
H NMR(299.992MHz,メタノール-d)δ1.25-1.17(m,6H,2CH),1.36-1.30(m,3H,CH),2.32(s,3H,ArCH),2.60(s,3H,ArCH),3.96-3.83(m,1H,CH),4.32-4.23(m,2H,CH),5.03-4.80(m,1H,CH),5.38-5.24(m,2H,CH),7.18-7.03(m,5H,ArH),8.16-8.07(m,1H,ArH)。
【0140】
実施例20:(2S)-4-クロロフェニル2-(((4-(アミノメチル)-5-ヒドロキシ-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリルアミノ)プロパン酸塩(14xvii)
H NMR(299.992MHz,メタノール-d)δ1.35-1.46(m,3H,CH),2.44(br,3H,ArCH),4.02 -4.17(m,3H,CH,CH),5.14-5.26(m,2H,CH),6.83-6.98(m,2H,ArH),7.05-7.18(m,3H,ArH),7.19-7.33(m,4H,ArH),7.88-7.95(m,1H,ArH)。
【0141】
実施例21:(2S)-イソプロピル2-(((4-(アミノメチル)-5-ヒドロキシ-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)(4-ブロモ-2-フルオロフェノキシ)ホスホリルアミノ)プロパン酸塩(14xviii)
H NMR(299.992MHz,CDCl)δ1.06-1.17(s,6H,2CH),1.22-1.33(m,3H,CH),2.49-2.65(m,3H,CH),3.69-3.95(m,1H,CH),4.09-4.36(m,2H,CH),4.53-4.77(m,1H,CH),5.14-5.55(m,2H,CH),7.16-7.30(m,2H,ArH),7.33-7.44(m,1H,ArH),8.08-8.19(m,1H,ArH)。
【0142】
ピリドキシンプロドラッグの合成
実施例22:(2S)-イソプロピル2-(((5-ヒドロキシ-4-(ヒドロキシメチル)-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリルアミノ)プロパン酸塩(15)
【化27】
化合物5(P-rac,S)(1.15当量)、MgCl(1当量)、及び化合物6(1当量)を乾燥アセトニトリル中及びアルゴン下で懸濁し、混合物を撹拌し、50℃に10分間過熱した。次いで、DIPEA(2.5当量)を添加し、撹拌を更に30分間続けた。溶媒を真空下で除去し、バイオタージ(ヘキサン/EtOAc)を使用して精製して、アセトニド保護中間体7を得た。乾燥後、化合物7を乾燥THF中に溶解し、0℃に冷却した。濃HCl(12当量)を0℃でゆっくりと添加した。添加が完了したら、反応混合物を撹拌しながらrtまで温めた。質量分析及びHPLCは、反応が50%まで進行したことを示し、過剰のTEAを-78℃でゆっくりと添加することによって反応物をクエンチした。固形物塩を濾別し、EtOAcを使用してすすいだ。液状濾液を合わせて濃縮し、バイオタージ(EtOAc又はDCM/MeOH)を使用して精製して、純粋な未反応のアセトニド保護生成物及び所望のアルコール生成物を得た。H NMR(299.992MHz,クロロホルム-d)δ1.08-1.47(m,9H,3CH),2.48(s,3H,ArCH),3.79-4.23(m,2H,CH,NH),4.82-5.17(m,5H,2CH,CH),7.07-7.41(m,5H,ArH),7.83-7.97(m,1H,ArH)。図2に表示されるピリドキシンプロドラッグは、全て同じ手順に従って合成した。
【0143】
選択されたアルコールについての特性評価データ。
実施例23:(S)-イソプロピル2-((S)-((5-ヒドロキシ-4-(ヒドロキシメチル)-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリルアミノ)プロパン酸塩(15i)
H NMR(299.992MHz,クロロホルム-d)δ1.14-1.33(m,6H,2CH),1.34-1.46(m,3H,CH),2.56(s,3H,ArCH),3.87-4.09(m,2H,NH,CH),4.92-5.20(m,5H,2CH,CH),7.19-7.31(m,3H,ArH),7.33-7.45(m,2H,ArH),7.99(s,1H,ArH)。
【0144】
実施例24:(S)-イソプロピル2-((R)-((5-ヒドロキシ-4-(ヒドロキシメチル)-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリルアミノ)プロパン酸塩(15ii)
H NMR(299.992MHz,クロロホルム-d)δ1.10-1.24(m,6H,2CH),1.26-1.37(m,3H,CH),2.45(s,3H,ArCH),3.76-3.98(m,1H,CH),4.35-4.56(m,1H,NH),4.82-5.13(m,5H,2CH,CH),7.08-7.22(m,3H,ArH),7.23-7.36(m,2H,ArH),7.86(s,1H,ArH)。
【0145】
実施例25:(2S)-イソプロピル2-((3,4-ジクロロフェノキシ)((5-ヒドロキシ-4-(ヒドロキシメチル)-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)ホスホリルアミノ)プロパン酸塩(15iii)
H NMR(299.992MHz,クロロホルム-d)δ1.05-1.29(m,9H,3CH),2.38(s,1H,CH),3.70-3.88(s,1H,CH),4.06-4.32(m,1H,CH),4.79-5.05(m,5H,2CH,NH),6.25-6.86(br,2H,2OH),6.91-6.99(m,1H,ArH),7.15-7.23(m,1H,ArH),7.24-7.30(m,1H,ArH),7.78-7.85(m,1H,ArH)。
【0146】
実施例26:(2S)-ナフタレン-2-イル2-(((5-ヒドロキシ-4-(ヒドロキシメチル)-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリルアミノ)プロパン酸塩(15iv)
H NMR(299.992MHz,クロロホルム-d)δ1.37-1.57(m,3H,CH),2.41(br,3H,ArCH),4.06-4.41(m,2H,NH,CH),4.64-5.14(m,4H,2CH),6.75-7.96(m,13H,ArH)。
【0147】
実施例27:イソプロピル2-(((5-ヒドロキシ-4-(ヒドロキシメチル)-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリルアミノ)酢酸塩(15v)
H NMR(299.992MHz,クロロホルム-d)δ1.18-1.37(m,6H,2CH),2.56(s,3H,ArCH),3.57-3.87(m,2H,CH),3.94-4.18(m,1H,NH),4.79-5.29(m,5H,ArH),7.99(s,1H,ArH)。
【0148】
実施例28:(2S)-メチル2-(((5-ヒドロキシ-4-(ヒドロキシメチル)-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリルアミノ)プロパン酸塩(15vi)
H NMR(299.992MHz,クロロホルム-d)δ 1.28-1.42(m,3H,CH),2.62(s,3H,CH),3.59-3.81(m,4H,CH,CH,OH),3.90-4.13(br,1H,OH),4.87-5.37(m,3H,CH,CH),7.06-7.41(m,5ArH),8.03(s,1H,ArH)。
【0149】
実施例29:(2S)-シクロペンチルメチル2-(((5-ヒドロキシ-4-(ヒドロキシメチル)-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリルアミノ)プロパン酸塩(15vii)
H NMR(299.992MHz,クロロホルム-d)δ1.04-1.37(m,7H,CH),1.43-1.78(m,8H,CH,CH),1.96-2.21(m,1H,CH),2.44(s,3H,ArCH),3.78-4.04(m,4H,CH,NH,CH),4.78-5.08(m,4H,CH,CH),7.04-7.20(m,3H,ArH),7.20-7.35(m,2H,ArH),7.79-7.92(m,1H,ArH)。
【0150】
実施例30:(2S)-イソプロピル2-((2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イルオキシ)((5-ヒドロキシ-4-(ヒドロキシメチル)-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)ホスホリルアミノ)プロパン酸塩(15viii)
H NMR(299.992MHz,クロロホルム-d)δ1.09-1.21(m,6H,2CH),1.23-1.33(m,3H,CH),1.94-2.11(m,2H,CH),2.43(s,3H,CH),2.76-2.86(m,4H,2CH),3.74-4.00(m,2H,CH,NH),4.82-5.01(m,5H,2CH,CH),6.01-6.88(m,1H,ArH),6.90-6.98(m,1H,ArH),7.01-7.09(m,1H,ArH),7.82-7.88(m,1H,ArH)。
【0151】
実施例31:(2S)-メチル2-((4-クロロフェノキシ)((5-ヒドロキシ-4-(ヒドロキシメチル)-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)ホスホリルアミノ)プロパン酸塩(15ix)
H NMR(299.992MHz,クロロホルム-d)δ1.13-1.42(m,9H,3CH),2.62(s,3H,ArCH),3.80-4.12(br,1H,CH),4.78-5.39(m,5H,CH,CH),7.09-7.36(m,5H,ArH),7.98-8.16(m,1ArH)。
【0152】
実施例32:(2S)-イソプロピル2-(((5-ヒドロキシ-4-(ヒドロキシメチル)-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)(ナフタレン-1-イルオキシ)ホスホリルアミノ)プロパン酸塩(15x)
H NMR(299.992MHz,クロロホルム-d)δ1.20-1.23(m,6H,CH),1.37-1.40(m,3H,CH),2.55(s,3H,ArCH),3.99-4.09(m,1H,CH),4.89-5.02(m,4H,CH,NH,CH),5.26-5.34(m,2H,CH),7.41-7.44(m,2H,ArH),7.51-7.58(m,2H,ArH),7.69-7.72(m,1H,ArH),7.86-7.96(m,2H,ArH),8.07-8.12(m,1H,ArH)。
【0153】
実施例33:(2S)-ベンジル2-(((5-ヒドロキシ-4-(ヒドロキシメチル)-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリルアミノ)プロパン酸塩(15xi)
H NMR(299.992MHz,クロロホルム-d)δ1.17-1.38(m,3H,3CH),2.39(br,3H,ArCH),3.86-4.14(m,1H,OH),4.54-4.76(m,1H,CH),4.80-5.16(m,6H,3CH),6.96-7.39(m,9H,ArH),7.52-8.69(m,3H,ArH,NH,ArH)。
【0154】
実施例34:(2S)-イソプロピル2-シクロペンチル-2-(((5-ヒドロキシ-4-(ヒドロキシメチル)-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリルアミノ)酢酸塩(15xii)
H NMR(299.992MHz,クロロホルム-d)δ1.17-1.36(m,6H,2CH),1.33-1.50(m,2H,CH),1.51-1.82(m,6H,CH),2.09-2.31(m,1H,CH),2.56(s,3H,ArCH),3.64-3.86(m,1H,CH),3.98-4.30(m,1H,NH),4.88-5.21(m,5H,CH,CH),7.17-7.32(m,3H,ArH),7.32-7.46(m,2H,ArH),7.89-8.02(m,1H,ArH)。
【0155】
実施例35:(2S)-イソプロピル2-(((5-ヒドロキシ-4-(ヒドロキシメチル)-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリルアミノ)-4-メチルペンタン酸塩(15xiii)
H NMR(299.992MHz,クロロホルム-d)δ0.72-0.90(m,6H,CH),1.00-1.21(m,6H,CH),1.29-1.77(m,4H,CH),2.43(s,3H,ArCH),3.61-4.00(m,2H,NH,CH),4.74-5.10(m,5H,CH,CH),7.04-7.14(m,3H,ArH),7.20-7.34(m,2H,ArH),7.77-7.93(m,1H,ArH),8.61-9.34(brs s,1H)。
【0156】
実施例36:イソプロピル4,4,4-トリフルオロ-2-(((5-ヒドロキシ-4-(ヒドロキシメチル)-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリルアミノ)ブタン酸塩(15xiv)
H NMR(299.992MHz,クロロホルム-d)δ1.25-1.39(m,6H,2CH),2.57(s,3H,CH),2.59-2.81(m,2H,CH),4.21-4.36(m,1H,CH),4.48-4.72(m,1H,CH),4.96-5.20(m,5H,CH,CH),7.20-7.33(m,3H,ArH),7.39-7.47(m,2H,ArH),7.95-8.03(m,1H,ArH)。
【0157】
実施例37:tert-ブチル3-((2S)-2-(((5-ヒドロキシ-4-(ヒドロキシメチル)-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリルアミノ)-3-イソプロポキシ-3-オキソプロピル)-1H-インドール-1-カルボン酸塩(15xv)
H NMR(299.992MHz,クロロホルム-d)δ0.97-1.28(m,6H,2CH),1.70(s,9H,3CH),2.51(s,3H,ArCH),2.94-3.32(m,2H,CH),3.70-4.38(m,2H,NH,CH),4.72-5.08(m,5H,CH,CH),6.93-7.61(m,10H,ArH),7.78-7.98(m,1H,ArH),8.04-8.21(m,1H,ArH)。
【0158】
実施例38:(2S)-イソプロピル3-(4-(ベンジルオキシ)フェニル)-2-(((5-ヒドロキシ-4-(ヒドロキシメチル)-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリルアミノ)プロパン酸塩(15xvi)
H NMR(299.992MHz,クロロホルム-d)δ0.96-1.21(m,6H,2CH),2.44(s,3H,CH),2.74-2.97(m,2H,CH),3.63-3.87(m,1H,CH),3.89-4.13(m,1H,NH),4.55-4.94(m,5H,CH,CH),4.99(s,2H,CH),6.77-6.88(m,2H,ArH),6.93-7.15(m,5H,ArH),7.18-7.43(m,7H,ArH),7.98-7.89(m,1H,ArH)。
【0159】
実施例39:(2S)-イソプロピル2-(((5-ベンゾイルオキシ-4-(ヒドロキシメチル)-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリルアミノ)プロパン酸塩(15xvii)
H NMR(299.992MHz,クロロホルム-d)δ1.00-1.07(m,6H,CH),1.14-1.23(m,3H,CH),2.39(s,3H,ArCH),3.51-3.64(m,1H,CH),3.76-3.86(m,1H,NH),4.79-4.85(m,1H,CH),5.11-5.16(m,2H,CH),5.26-5.29(m,2H,CH),6.96-7.17(m,6H,ArH),7.22-7.32(m,3H,ArH),7.39-7.45(m,1H,ArH),7.87-8.00(m,3H,ArH)。
【0160】
実施例40:(2S)-イソプロピル2-(((5-(ジメチルカルバモイルオキシ)-4-((ジメチルカルバモイルオキシ)メチル)-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリルアミノ)プロパン酸塩(15xviii)
H NMR(299.992MHz,クロロホルム-d)δ1.18-1.23(m,6H,CH),1.29-1.37(m,3H,CH),2.45(s,3H,ArCH),2.81-2.89(m,6H,NCH),3.01(s,3H,NCH),3.17(s,3H,NCH),3.68-3.77(m,1H,CH),3.91-3.99(m,1H,NH),4.95-5.01(m,1H,CH),5.11-5.14(m,2H,CH2),5.28-5.34(m,2H,CH),7.10-7.20(m,3H,ArH),7.26-7.33(m,3H,ArH),8.37-8.41(m,1H,ArH)。
【0161】
実施例41:重水素化ベンゼン環を有するピリドキシンプロドラッグ15(15xix)
H NMR(299.992MHz,クロロホルム-d)δ1.08-1.23(m,6H,2CH),1.22-1.35(m,3H,CH),2.43(s,3H,ArCH),3.76-4.02(m,2H,2CH),4.72-5.12(m,5H,NH,2CH),7.78-7.91(s,1H,ArH)。
【0162】
実施例42:重水素化イソプロピル基を有するピリドキシンプロドラッグ15(15xx)
H NMR(299.992MHz,クロロホルム-d)δ 1.31-1.55(m,3H,CH),2.58(s,3H,ArCH),3.88-4.11(m,1H,CH),4.18-4.46(m,1H,NH),4.94-5.27(m,4H,2CH),7.11-7.34(m,3H,ArH),7.34-7.47(m,2H,ArH),7.94-8.02(m,1H,ArH)。
【0163】
実施例43:(2R)-イソプロピル2-(((5-ヒドロキシ-4-(ヒドロキシメチル)-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリルアミノ)プロパン酸塩(15xxi)
H NMR(299.992MHz,クロロホルム-d)δ1.18-1.51(m,9H,3CH),2.58(s,3H,ArCH),3.89-4.24(m,2H,CH,NH),4.95-5.24(m,5H,2CH,CH),7.17-7.49(m,5H,ArH),7.96-8.06(m,1H,ArH)。
【0164】
実施例44:(2S)-シクロペンチル2-(((5-ヒドロキシ-4-(ヒドロキシメチル)-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリルアミノ)プロパン酸塩(15xxii)
H NMR(299.992MHz,クロロホルム-d)δ1.33-1.24(m,3H,CH),1.90-1.45(m,8H,4CH),2.49-2.33(m,3H,ArCH),3.95-3.72(m,2H,NH,CH),4.54(br s,1H,OH),5.21-4.83(m,5H,CH,2CH),7.34-7.05(m,5H,ArH),7.92(s,1H,ArH)。
【0165】
実施例45:イソプロピル基の重水素化メチル基を有するピリドキシンプロドラッグ15(15xxiii)
H NMR(299.992MHz,クロロホルム-d)δ 1.15-1.37(m,3H,CH),2.45(s,3H,ArCH),3.68-3.95(m,2H,2CH),4.77-5.17(m,5H,2CH,NH),7.02-7.19(m,3H,ArH),7.22-7.37(m,2H,ArH),7.94-8.02(s,1H,ArH)。
【0166】
実施例46:(2S)-p-トリル2-(((5-ヒドロキシ-4-(ヒドロキシメチル)-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリルアミノ)プロパン酸塩(15xxiv):
H NMR(299.992MHz,クロロホルム-d)δ1.48-1.39(m,3H,CH),2.48-2.26(m,6H,2 ArCH),4.24-4.04(m,2H,NH,CH),4.50(br s,1H,OH),5.07-4.80(m,4H,2CH),6.86-6.68(m,2H,ArH),7.32-7.05(m,7H,ArH),7.85(s,1H,ArH)。
【0167】
実施例47:(2S)-イソプロピル2-(((5-ヒドロキシ-4-(ヒドロキシメチル)-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ホスホリルアミノ)プロパン酸塩(15xxv)
H NMR(299.992MHz,クロロホルム-d)δ1.16-1.51(m,9H,3CH),2.54(s,3H,CH),3.90-4.07(m,1H,CH),4.45-4.67(m,1H,CH),4.96-5.22(m,4H,2CH),7.15-7.35(m,4H,ArH),7.43-7.88(br,1H,NH),7.93-8.04(m,1H,ArH)。
【0168】
実施例48:(2S)-イソプロピル2-(((5-ヒドロキシ-4-(ヒドロキシメチル)-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)(5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-1-イルオキシ)ホスホリルアミノ)プロパン酸塩(15xxvi)
H NMR(299.992MHz,クロロホルム-d)δ1.41-1.49(s,3H,CH),1.69-1.82(m,4H,2CH),2.41-2.47(m,3H,CH),2.62-2.76(m,4H,2CH),3.95-4.23(m,2H,NH,CH),4.80-5.09(m,4H,2CH),6.50-6.71(m,2H,ArH),6.93-7.03(m,1H,ArH),7.08-7.34(m,5H,ArH),7.85-7.91(m,1H,ArH)。
【0169】
実施例49:重水素化メチレン基を有するピリドキシンプロドラッグ15(15xxvii)
H NMR(299.992MHz,クロロホルム-d)δ 1.08-1.20(m,6H,2CH),1.21-1.33(m,3H,CH),2.43(s,3H,ArCH),3.78-4.06(m,2H,2CH),4.79-5.07(m,3H,CH,NH),7.04-7.18(m,3H,ArH),7.20-7.31(m,2H,ArH),7.81-7.89(s,1H,ArH)。
【0170】
実施例50:(2S)-5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-2-イル2-(((5-ヒドロキシ-4-(ヒドロキシメチル)-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリルアミノ)プロパン酸塩(15xxviii)
H NMR(299.992MHz,CDCl)δ1.41-1.49(s,3H,CH),1.69-1.82(m,4H,2CH),2.41-2.47(m,3H,CH),2.62-2.76(m,4H,2CH),3.95-4.23(m,2H,NH,CH),4.80-5.09(m,4H,2CH),6.50-6.71(m,2H,ArH),6.93-7.03(m,1H,ArH),7.08-7.34(m,5H,ArH),7.85-7.91(m,1H,ArH)。
【0171】
実施例51:(2S)-1-メチルピペリジン-4-イル2-(((5-ヒドロキシ-4-(ヒドロキシメチル)-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリルアミノ)プロパン酸塩(15xxix)
H NMR(299.992MHz,メタノール-d)δ1.41-1.25(m,3H,CH),2.05-1.62(m,4H,2CH),2.57-3.32(m,8H,CH,NCH3,ArCH),2.84-2.66(m,2H,CH),3.99-3.85(m,1H,CH),4.96-4.71(m,3H,CH,CH),5.23-5.10(m,2H,CH),7.41-7.12(m,5H,ArH),7.93-7.84(m,1H,ArH)。
【0172】
実施例52:(2S)-メチル1-(((5-ヒドロキシ-4-(ヒドロキシメチル)-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)ピロリジン-2-カルボン酸塩(15xxx)
H NMR(299.992MHz,CDCl)δ1.71-2.24(m,4H,プロリン),2.46(s,3H,ArCH),3.12-3.45(m,3H.プロリン),3.50-3.74(m,3H,COOCH),4.02-4.32(m,1H,CH),4.69-5.21(m,5H,2CH,NH),7.01-7.20(m,3H,ArH),7.22-7.36(m,2H,ArH),7.89-8.01(m,1H,ArH)
【0173】
実施例53:重水素化メチレン及びメチル基を有するピリドキシンプロドラッグ15(15xxvi)
H NMR(299.992MHz,クロロホルム-d)δ 1.23-1.37(m,6H,2CH)1.38-1.52(m,3H,CH),3.92-4.11(m,1H,CH),4.183-4.29(m,1H,CH),4.97-5.21(m,3H,CH,NH),7.19-7.34(m,3H,ArH),7.36-7.47(m,2H,ArH),7.94-8.06(m,1H,ArH)。
【0174】
実施例54:(2S)-イソプロピル2-(((5-ヒドロキシ-4-(ヒドロキシメチル)-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)(p-トリオキシ)ホスホリルアミノ)プロパン酸塩(15xxxii)
H NMR(299.992MHz,クロロホルム-d)δ1.21-1.12(m,6H,2CH),1.31-1.26(m,3H,CH),2.30-2.26(m,3H,ArCH),2.45(s,3H,ArCH),3.94-3.72(m,2H,NH,CH),5.04-4.83(m,5H,CH,2CH),7.10-7.93(m,4H,ArH),7.91-7.84(m,1H,ArH)。
【0175】
実施例55:(2S)-イソプロピル2-((4-ブロモ-2-フルオロフェノキシ)((5-ヒドロキシ-4-(ヒドロキシメチル)-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)ホスホリルアミノ)プロパン酸塩(15xxxiii)
H NMR(299.992MHz,クロロホルム-d)δ1.35-1.09(m,9H,3CH),2.45(s,3H,ArCH),4.08-3.79(m,2H,NH,CH),5.14-4.84(m,5H,CH,2CH),7.32-7.15(m,3H,ArH),7.93-7.86(m,1H,ArH)
【0176】
実施例56:(2S)-イソプロピル2-(((4-ホルミル-5-ヒドロキシ-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリルアミノ)プロパン酸塩(16)
【化28】
MnO(12当量)を乾燥DCM中に懸濁して、混合物を0℃に冷却した。アルゴンを使用して系をフラッシュした後、DCM中に溶解したアルコール(1当量)を、次いでアルゴン下でフラスコに注入した。氷浴を取り外し、TLCにより出発物質の消失が確認されたら、撹拌を更に1~2時間続けた。混合物を短いシリカゲルカラム(EtOAc)を通して濾過し、過剰のMnOを除去して、生成物を淡黄色の濃厚な油状物として得た。H NMR(299.992MHz,クロロホルム-d)δ1.15-1.53(m,9H,3CH),2.59(br,3H,ArCH),3.67-4.13(m,2H,CH,NH),4.94-5.13(m,1H,CH),5.32-5.54(m,2H,CH),7.10-7.43(m,5H,ArH),8.09-8.22(m,1H,ArH),10.29-10.46(m,1H,CH),11.31-11.73(br,1H,ArOH)。図2及び3に表示されるピリドキサールプロドラッグは、全て同じ手順に従って合成した。
【0177】
選択されたアルデヒドについての特性評価データ
実施例57:(S)-イソプロピル2-((S)-((4-ホルミル-5-ヒドロキシ-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリルアミノ)プロパン酸塩(16i)
H NMR(299.992MHz,クロロホルム-d)δ1.16-1.36(m,6H,2CH),1.38-1.54(m,3H,CH),2.63(s,3H,ArCH),3.88-4.13(m,2H,CH,NH),5.01-5.15(m,1H,CH),5.36-5.55(m,2H,CH),7.16-7.46(m,5H,ArH),8.18(s,1H,ArH),10.41(s,1H,CH),11.59(br,1H,ArOH)。
【0178】
実施例58:(S)-イソプロピル2-((R)-((4-ホルミル-5-ヒドロキシ-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリルアミノ)プロパン酸塩(16ii)
H NMR(299.992MHz,クロロホルム-d)δ1.19-1.29(m,6H,2CH),1.36-1.44(m,3H,CH),2.59(s,3H,ArCH),3.80-4.04(m,2H,CH,NH),4.94-5.11(m,1H,CH),5.31-5.49(m,2H,CH),7.13-7.26(m,3H,ArH),7.27-7.41(m,2H,ArH),8.14(s,1H,ArH),10.36(s,1H,CHO),11.55(br,1H,ArOH)。
【0179】
実施例59:(2R)-イソプロピル2-(((4-ホルミル-5-ヒドロキシ-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリルアミノ)プロパン酸塩(16iii)
H NMR(299.992MHz,クロロホルム-d)δ1.17-1.51(m,9H,3CH),2.56-2.64(br,3H,ArCH),3.69-4.11(m,2H,CH,NH),4.95-5.14(m,1H,CH),5.29-5.53(m,2H,CH),7.12-7.42(m,5H,ArH),8.08-8.21(m,1H,ArH),10.31-10.45(m,1H,CH),11.55(br,1H,ArOH)。
【0180】
実施例60:(2S)-イソプロピル2-(((4-ホルミル-5-ヒドロキシ-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)(ナフタレン-1-イルオキシ)ホスホリルアミノ)プロパン酸塩(16iv)
H NMR(299.992MHz,クロロホルム-d)δ1.21-1.26(m,6H,CH),1.44-1.46(m,3H,CH),2.73-2.74(m,3H,ArCH),4.20-4.31(m,1H,CH),4.84-5.08(m,2H,NH,CH),5.28-5.52(m,2H,CH),7.28-7.51(m,4H,ArH),7.60-7.78(m,2H,ArH),7.89-8.10(m,2H,ArH),10.18(s,1H,CHO)。
【0181】
実施例61:(2S)-2-エチルブチル2-(((4-ホルミル-5-ヒドロキシ-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリルアミノ)プロパン酸塩(16v)
H NMR(299.992MHz,クロロホルム-d)δ0.76-0.98(m,6H,2CH),1.21-1.66(m,9H,CH,CH),2.82(s,3H,ArCH),3.88-4.21(m,3H,NH,CH),4.27-4.53(m,1H,CH),5.34-5.75(m,2H,CH),7.07-7.41(m,5H,ArH),8.21-8.46(m,1H,ArH),10.36-10.57(m,1H,CHO);
【0182】
実施例62:(2S)-イソプロピル2-(((4-ホルミル-5-ヒドロキシ-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリルアミノ)-3-フェニルプロパン酸塩(16vi)
H NMR(299.992MHz,クロロホルム-d)δ1.08-1.21(m,6H,2CH),2.52(s,3H,ArCH),2.86-3.05(m,2H,CH),3.44-3.59(m,1H,CH),4.02-4.27(m,1H,NH),4.78-5.13(m,2H,CH),5.14-5.25(m,1H,CH),7.00-7.17(m,4H,ArH),7.18-7.31(m,5H,ArH),7.92-8.03(m,1H,ArH),10.13-10.23(m,1H,CHO)。
【0183】
実施例63:(2S)-イソプロピル2-(((4-ホルミル-5-ヒドロキシ-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリルアミノ)-4-メチルペンタン酸塩(16vii)
H NMR(299.992MHz,クロロホルム-d)δ0.87-1.05(m,6H,2CH),1.19-1.36(m,6H,2CH),1.42-1.90(m,3H,CH,CH),2.63(s,3H,ArCH),3.58-4.05(m,2H,NH,CH),4.95-5.13(m,1H,CH),5.32-5.54(m,2H,CH),7.14-7.29(m,3H,ArH),7.30-7.42(m,2H,ArH),8.11-8.24(m,1H,ArH,10.31-10.42(m,1H,CHO)。
【0184】
実施例64:(2S)-イソプロピル2-((4-クロロフェノキシ)((4-ホルミル-5-ヒドロキシ-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)ホスホリルアミノ)プロパン酸塩(16viii)
H NMR(299.992MHz,クロロホルム-d)δ1.20-1.29(m,6H,2CH),1.34-1.42(m,3H,CH),2.59(s,3H,CH),3.64-3.83(m,1H,CH),3.86(m,1H,CH),4.96(m,1H,NH),7.07-7.16(m,2H,ArH),7.23-7.32(m,2H,ArH),8.01-8.17(m,1H,ArH),10.33-10.41(m,1H,CHO)11.52(s,1H,OH)。
【0185】
実施例65:(2S)-ベンジル2-(((4-ホルミル-5-ヒドロキシ-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリルアミノ)プロパン酸塩(16ix)
H NMR(299.992MHz,クロロホルム-d)δ1.23-1.40(m,3H,CH),2.40-2.57(m,3H,ArCH),3.75-4.12(m,2H,CH,NH),4.93-5.36(m,4H,2CH),6.95-7.38(m,10H,ArH),7.95-8.07(m,1H,ArH),10.15-10.31(m,1H,CH),11.42(br,1H,ArOH)。
【0186】
実施例66:(2S)-シクロペンチルメチル2-(((4-ホルミル-5-ヒドロキシ-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリルアミノ)プロパン酸塩(16x)
H NMR(299.992MHz,クロロホルム-d)δ1.05-1.43(m,7H,CH,CH,CH),1.44-1.81(m,9H,CH,CH),2.04-2.26(m,1H,CH),2.54(s,3H,ArCH),3.47-3.70(m,1H,CH),3.85-4.09(m,3H,NH,CH),5.23-5.42(m,2H,CH),7.06-7.20(m,3H,ArH),7.20-7.35(m,3H,ArH),8.02-8.14(m,1H,ArH),10.26-10.36(m,1H,CHO),11.44-11.53(m,1H,ArOH)。
【0187】
実施例67:イソプロピル4,4,4-トリフルオロ-2-(((4-ホルミル-5-ヒドロキシ-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリルアミノ)ブタン酸塩(16xi)
H NMR(299.992MHz,クロロホルム-d)δ1.09-1.33(m,6H,2CH),2.41-2.73(m,5H,CH,ArCH),3.68-3.95(m,1H,CH),4.08-4.32(m,1H,NH),4.91-5.12(m,1H,CH),5.23-5.47(m,2H,CH),7.05-7.21(m,3H,ArH),7.22-7.33(m,2H,ArH),8.01-8.13(m,1H,ArH),10.20-10.34(m,1H,CHO),11.48(s,1H,ArOH)。
【0188】
実施例68:(2S)-イソプロピル2-((3,4-ジクロロフェノキシ)((4-ホルミル-5-ヒドロキシ-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)ホスホリルアミノ)プロパン酸塩(16xii)
H NMR(299.992MHz,クロロホルム-d)δ 1.15-1.30(m,9H,3CH),2.56(s,1H,CH),3.54-3.71(m,1H,CH),3.80-4.00(m,1H,CH),4.95-5.07(m,1H,NH),5.31-5.43(m,2H,CH),6.98-7.08(m,1H,ArH),7.31-7.39(m,1H,ArH),8.07-8.13(m,1H,ArH),10.32-10.38(m,1H,CHO),11.49(s,1H,OH)。
【0189】
実施例69:tert-ブチル3-((2S)-2-(((4-ホルミル-5-ヒドロキシ-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリルアミノ)-3-イソプロポキシ-3-オキソプロピル)-1H-インドール-1-カルボン酸塩(16xiii)
H NMR(299.992MHz,クロロホルム-d)δ1.09-1.26(m,6H,CH),1.61-1.75(m,9H,3CH),2.48-2.66(m,3H,ArCH),3.03-3.26(m,2H,CH),3.72-4.01(m,1H,NH),4.15-4.41(m,1H,CH),4.89-5.11(m,1H,CH),5.12-5.40(m,2H,CH),6.99-7.39(m,7H,ArH),7.39-7.56(m,2H,ArH),7.94-8.19(m,2H,ArH),10.14-10.31(m,1H,CHO),11.42-11.58(m,1H,ArOH)。
【0190】
実施例70:(2S)-ナフタレン-2-イル2-(((4-ホルミル-5-ヒドロキシ-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリルアミノ)プロパン酸塩(16xiv)
H NMR(299.992MHz,ジメチルスルホキシド-d/ メタノール-d)δ1.46-1.64(m,3H,CH),2.55(s,3H,ArCH),4.30-4.48(m,2H,CH,NH),4.91-5.23(m,2H,2CH),6.53-6.59(m,1H,CH),6.96-7.71(m,12H,ArH),8.17(s,1H,ArH)。
【0191】
実施例71:イソプロピル2-(((4-ホルミル-5-ヒドロキシ-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリルアミノ)酢酸塩(16xv)
H NMR(299.992MHz,ジメチルスルホキシド-d/ メタノール-d)δ1.17-1.28(m,6H,2CH),2.59(s,3H,ArCH),3.70(s,2H,CH),,NH),4.93-5.22(m,3H,CH,CH),6.58-6.63(m,1H,CH),7.03-7.38(m,5H,ArH),8.27(s,1H,ArOH)。
【0192】
実施例72:(2S)-イソプロピル2-(((4-ホルミル-5-ヒドロキシ-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)(5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-1-イルオキシ)ホスホリルアミノ)プロパン酸塩(16xvi)
H NMR(299.992MHz,クロロホルム-d)δ1.44-1.50(m,6H,2CH),1.57-1.66(m,3H,CH),1.88-2.01(m,4H,CH),2.78(s,3H,CH),2.80-3.01(m,4H,2CH),3.83-4.02(m,1H,CH),4.10-4.28(m,1H,CH),5.17-5.32(m,1H,NH),5.44-5.66(m,2H,CH),7.05-7.13(m,1H,ArH),7.14-7.23(m,1H,ArH),7.24-7.32(m,1H,ArH),8.26-8.34(m,1H,ArH),10.43-10.52(m,1H,CHO),11.71(s,1H,OH)。
【0193】
実施例73:(2S,2’S)-イソプロピル2,2’-(((4-ホルミル-5-ヒドロキシ-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)ホスホリル)ビス(アザンジイル)ジプロパン酸塩(16xvii)
H NMR(299.992MHz,クロロホルム-d)δ0.98 1.41(m,18H,6CH),2.57(s,3H,ArCH),3.39-3.96(m,4H,2CH,2NH),4.76-5.32(m,4H,CH,2CH),8.05(s,1H,ArH),10.39(s,1H,CH),11.25-11.65(br,1H,ArOH)。
【0194】
実施例74:(2S)-イソプロピル2-(((5-(ジメチルカルバモイルオキシ)-4-ホルミル-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリルアミノ)プロパン酸塩(16xviii)
H NMR(299.992MHz,クロロホルム-d)δ1.20-1.27(m,6H,CH),1.36-1.41(m,3H,CH),2.52(s,3H,ArCH),3.05(s,3H,NCH),3.20(s,3H,NCH),3.61-3.70(m,1H,CH),3.93-4.08(m,1H,CH),4.97-5.04(m,1H,CH),5.44-5.50(m,2H,CH),7.14-7.35(m,6H,ArH),8.59-8.61(m,1H,ArH),10.26-10.28(m,1H,CHO)。
【0195】
実施例75:(2R)-イソプロピル2-(((4-((E)-(4-ブロモ-3-フルオロフェニルイミノ)メチル)-5-ヒドロキシ-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリルアミノ)プロパン酸(16xix)
H NMR(299.992MHz,クロロホルム-d)δ1.10-1.47(m,9H,3CH),2.49-2.74(m,3H,ArCH),3.60-4.12(m,2H,CH,NH),4.93-5.51(m,3H,CH,CH),6.99-7.44(m,7H,ArH),7.57-7.71(m,1H,ArH),8.01-8.20(m,1H,ArH),9.10-9.28(m,1H,CH),13.72(br,1H,ArOH)。
【0196】
実施例76:重水素化ベンゼン環を有するピリドキサールプロドラッグ16(16xx)
H NMR(299.992MHz,クロロホルム-d)δ1.15-1.29(m,6H,2CH),1.29-1.39(m,3H,CH),2.54(s,3H,ArCH),3.50-3.72(m,1H,NH),3.83-4.04(m,1H,CH),4.91-5.04(m,1H,CH),5.25-5.43(m,2H,CH),8.10(s,1H,ArH),10.27-10.36(m,1H,CHO),11.49(br,1H,ArOH)。
【0197】
実施例77:重水素化イソプロピル基を有するピリドキサールプロドラッグ16(16xxi)
H NMR(299.992MHz,クロロホルム-d)δ1.39-1.52(m,3H,CH),2.65(s,3H,ArCH),3.74-3.96(m,1H,NH),3.96-4.15(m,1H,CH),5.41-5.43(m,2H,CH),7.18-7.31(m,3H,ArH),7.33-7.44(m,2H,ArH),8.20(s,1H,ArH),10.37-10.47(m,1H,CHO),11.60(br,1H,ArOH)。
【0198】
実施例78:イソプロピル基の重水素化メチル基を有するピリドキサールプロドラッグ16(16xxii)
H NMR(299.992MHz,クロロホルム-d)δ1.42-1.52(m,3H,CH),2.54(s,3H,ArCH),3.49-3.70(m,1H,CH),3.82-4.02(m,1H,NH),4.04-4.16(m,1H,CH),5.25-5.46(m,2H,CH),7.08-7.22(m,3H,ArH),7.27-7.42(m,2H,ArH),8.10(s,1H,ArH),10.28-10.37(m,1H,CH),11.49(br,1H,ArOH)。
【0199】
実施例79:(2S)-p-トリル2-(((4-ホルミル-5-ヒドロキシ-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリルアミノ)プロパン酸塩(16xxiii):
H NMR(299.992MHz,クロロホルム-d)δ1.68-1.57(m,3H,CH),2.67-2.38(m,6H,2 ArCH),4.44-3.63(m,2H,NH,CH),5.54-5.39(m,2H,CH),7.02-7.88(m,2H,ArH),7.45-7.19(m,7H,ArH),8.20-8.17(m,1H,ArH),10.46-10.37(m,1H,CHO),11.61(br s,1H,ArOH)。
【0200】
実施例80:(2S)-シクロペンチル2-(((4-ホルミル-5-ヒドロキシ-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリルアミノ)プロパン酸塩(16xxiv):
H NMR(299.992MHz,クロロホルム-d)δ1.37-1.28(m,3H,CH),1.92-1.47(m,8H,4CH),2.54(s,3H,ArCH),4.15-3.53(m,2H,NH,CH),5.43-5.09(m,3H,CH,CH),7.34-7.09(m,5H,ArH),8.13-7.96(m,1H,ArH),10.34-10.30(m,1H,CHO),11.49(br s,1H,ArOH)。
【0201】
実施例81:(2S)-イソプロピル2-((2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イルオキシ)((4-ホルミル-5-ヒドロキシ-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)ホスホリルアミノ)プロパン酸塩(16xxv)
H NMR(299.992MHz,クロロホルム-d)δ1.18-1.26(m,6H,2CH),1.32-1.39(m,3H,CH),2.01-2.13(m,2H,CH),2.54(s,3H,CH),2.79-2.88(m,4H,2CH),3.52-3.71(m,1H,CH),3.84-4.03(m,1H,NH),4.93-5.07(m,1H,CH),5.22-5.42(m,2H,CH),6.80-6.89(m,1H,ArH),6.94-7.00(m,1H,ArH),7.03-7.10(m,1H,ArH),8.05-8.12(m,1H,ArH),10.23-10.32(m,1H,CHO),11.49(s,1H,OH)。
【0202】
実施例82:(2S)-イソプロピル2-(((4-ホルミル-5-ヒドロキシ-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ホスホリルアミノ)プロパン酸塩(16xxvi)
H NMR(299.992MHz,クロロホルム-d)δ1.26-1.35(m,6H,2CH),1.41-1.49(m,3H,CH),2.65(s,3H,CH),3.68-3.85(m,1H,CH),3.92-4.11(m,1H,CH),4.97-5.16(m,1H,NH),5.42-5.51(m,2H,CH),7.18-7.33(m,4H,ArH),8.16-8.25(m,1H,ArH),10.39-10.49(m,1H,CHO),11.04-11.99(br,1H,OH)。
【0203】
実施例83:重水素化メチレン基を有するピリドキサールプロドラッグ16(16xxvii)
H NMR(299.992MHz,クロロホルム-d)δ1.13-1.28(m,6H,2CH),1.29-1.40(m,3H,CH),2.54(s,3H,ArCH),3.51-3.75(m,1H,CH),3.82-4.02(m,1H,NH),3.77-4.16(m,1H,CH),7.09-7.19(m,3H,ArH),7.22-7.34(m,2H,ArH),8.03-8.12(m,1H,ArH),10.24-10.36(m,1H,CH),11.50(br,1H,ArOH)。
【0204】
実施例84:(2S)-イソプロピル2-シクロペンチル-2-(((4-ホルミル-5-ヒドロキシ-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリルアミノ)酢酸塩(16xxviii)
H NMR(299.992MHz,クロロホルム-d)δ1.18-1.31(m,6H,2CH),1.32-1.83(m,9H,CH,CH),2.14-2.32(m,1H,CH),2.63(s,3H,CH),3.75-4.05(m,2H,NH,CH),4.95-5.13(m,1H,CH),5.33-5.52(m,5H,CH),7.15-7.29(m,3H,ArH),7.30-7.43(m,2H,ArH),8.12-8.22(m,1H,ArH),10.33-10.42(m,1H,CHO),10.59(brs,1H,ArOH)。
【0205】
実施例85:(2S)-イソプロピル3-(4-(ベンジルオキシ)フェニル)-2-(((4-ホルミル-5-ヒドロキシ-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリルアミノ)プロパン酸塩(16xxix)
H NMR(299.992MHz,クロロホルム-d)δ1.07-1.22(m,6H,2CH),2.53(s,3H,CH),2.85-2.98(m,2H,CH),3.29-3.60(m,3H,CH,CH),4.02-4.23(m,2H,CH,NH),4.85-5.33(m,6H,CH,CH),6.75-6.92(m,2H,ArH),6.94-7.19(m,5H,ArH),7.19-7.46(m,7H,ArH),7.96-8.08(m,1H,ArH),10.16-10.26(m,1H,CHO),11.40-11.57(m,1H,ArOH)。
【0206】
実施例86:(2S)-イソプロピル2-(((4-ホルミル-5-ヒドロキシ-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリルアミノ)-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロパン酸塩(16xxx)
H NMR(299.992MHz,クロロホルム-d)δ1.05-1.24(m,6H,2CH),2.50(s,3H,ArCH),2.74-3.04(m,2H,CH),3.56-3.78(m,1H,CH),3.91-4.26(m,1H,NH),4.72-5.28(m,3H,CH,CH),6.57-6.76(m,2H,ArH),6.87-7.02(m,2H,ArH),7.02-7.18(m,3H,ArH),7.19-7.32(m,2H,ArH),7.88-8.00(m,1H,ArH),10.07-10.20(m,1H,CHO),11.44(br,1H,OH)。
【0207】
実施例87:(2S)-1-メチルピペリジン-4-イル2-(((4-ホルミル-5-ヒドロキシ-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリルアミノ)プロパン酸塩(16xxxi)
H NMR(299.992MHz,メタノール-d)δ1.41-1.25(m,3H,CH),2.01-1.69(m,4H,2CH),2.53-3.39(m,6H,2CH),2.9-2.57(m,4H,2CH),4.03-3.88(m,1H,CH),4.98-4.75(m,1H,CH),5.28-5.18(m,1H,CH),5.51-5.41(m,1H,CH),7.40-7.14(m,5H,ArH),7.96-7.87(m,1H,ArH),10.45-10.40(m,1H,CHO)。
【0208】
実施例88:(2S)-2-メトキシエチル2-(((4-ホルミル-5-ヒドロキシ-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリルアミノ)プロパン酸塩(16xxxii)
H NMR(299.992MHz,クロロホルム-d)1.38(m,3H,CH),2.54(s,3H,ArCH),3.33(s,3H,OCH),3.59-3.50(m,2H,CH),3.95-4.11(m,1H,CH),4.17-4.22(m,2H,CH),5.37-5.28(m,2H,CH),7.11-7.28(m,5H,ArH),8.20(s,1H,ArH),10.32(s,1H),11.49(s,1H)。
【0209】
実施例89:(2S)-メチル1-(((4-ホルミル-5-ヒドロキシ-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)ピロリジン-2-カルボン酸塩(16xxxiii)
H NMR(299.992MHz,クロロホルム-d)δ1.75-2.21(m,4H,プロリン),2.54(s,3H,ArCH),3.18-3.52(m,3H.プロリン),3.58-3.76(m,3H,COOCH),4.18-4.42(m,1H,CH),5.24-5.59(m,3H,CH,NH),7.04-7.21(m,3H,ArH),7.22-7.34(m,2H,ArH),8.05-8.19(m,1H,ArH),10.24-10.42(m,1H,CHO),11.46-11.56(m,1H,ArOH)。
【0210】
実施例90:(2S)-5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-2-イル2-(((4-ホルミル-5-ヒドロキシ-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリルアミノ)プロパン酸塩(16xxxiv)
H NMR(299.992MHz,クロロホルム-d)δ1.49-1.56(s,3H,CH),1.74-1.81(m,4H,2CH),2.52-2.55(m,3H,CH),2.69-2.77(m,4H,2CH),4.07-4.15(m,2H,NH,CH),5.34-5.43(m,2H,CH),6.65-6.71(m,2H,ArH),6.77-6.85(m,1H,ArH),6.98-7.04(m,1H,ArH),7.08-7.22(m,4H,ArH),7.99-8.19(m,1H,ArH),10.24-10.38(m,1H,ArH),11.40-11.54(m,1H,CHO)。
【0211】
実施例91:重水素化メチレン及びメチル基を有するピリドキサールプロドラッグ16(16xxxv)
H NMR(299.992MHz,クロロホルム-d)δ1.05-1.28(m,6H,2CH),1.27-1.41(m,3H,CH),3.55-3.77(m,1H,CH),3.82-4.02(m,1H,NH),4.04-4.16(m,1H,CH),4.88-5.05(m,2H,CH),7.08-7.22(m,3H,ArH),7.27-7.42(m,2H,ArH),8.05-8.13(s,1H,ArH),11.49(br,1H,ArOH)。
【0212】
実施例92:(S)-イソプロピル2-((S)-((4-((E)-(シクロペンチルイミノ)メチル)-5-ヒドロキシ-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリルアミノ)プロパン酸塩(16xxxvi)
H NMR(299.992MHz,クロロホルム-d)δ1.19-1.49(m,9H,3CH),1.67-2.16(M,8H,4CH),2.63(s,3H,ArCH),3.69-4.13(m,3H,2CH,NH),5.00-5.15(m,1H,CH),5.23-5.39(m,2H,CH),7.18-7.43(m,5H,ArH),8.04(S,1H,ArH),8.83(S,1H,CH)。
【0213】
実施例93:(2S)-イソプロピル2-(((4-ホルミル-5-ヒドロキシ-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)(p-トリルオキシ)ホスホリルアミノ)プロパン酸塩(16xxxvii)
H NMR(299.992MHz,クロロホルム-d)δ1.25-1.17(m,6H,2CH),1.38-1.30(m,3H,CH),2.30(m,3H,ArCH),2.54(s,3H,ArCH),4.03-3.53(m,2H,NH,CH),5.05-4.93(m,1H,CH),5.41-5.26(m,2H,CH),7.09-6.96(m,4H,ArH),8.11-8.06(m,1H,ArH),10.33-10.27(m,1H,CHO),11.49(s,1H,ArOH)。
【0214】
実施例94:(2S)-ベンジル2-(((4-((E)-(4-シアノフェネチルイミノ)メチル)-5-ヒドロキシ-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリルアミノ)プロパン酸塩(16xxxviii)
H NMR(299.992MHz,クロロホルム-d)δ1.37-1.50(m,3H,CH),2.57-2.67(m,3H,ArCH),3.07-3.19(m,2H,CH),3.61-4.23(m,4H,CH,NH,CH),5.09-5.34(m,4H,2CH),7.09-7.54(m,12H,ArH),7.58-7.75(m,2H,ArH),7.94-8.10(m,1H,ArH),8.68-8.89(m,1H,ArH),13.91(br,1H,ArOH)。
【0215】
実施例95:(2S)-イソプロピル2-((4-ブロモ-2-フルオロフェノキシ)((4-ホルミル-5-ヒドロキシ-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)ホスホリルアミノ)プロパン酸塩(16xxxix)
H NMR(299.992MHz,クロロホルム-d)δ1.40-1.17(m,9H,3CH),2.57-2.53(m,3H,ArCH),4.03-3.67(m,2H,NH,CH),5.06-4.92(m,1H,CH),5.44-5.34(m,2H,CH),7.30-7.15(m,3H,ArH),8.13-8.06(m,1H,ArH),10.40-10.33(m,1H,CHO),11.51(s,1H,ArOH)。
【0216】
実施例96:(2S)-4-クロロフェニル2-(((4-ホルミル-5-ヒドロキシ-6-メチルピリジン-3-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリルアミノ)プロパン酸塩(16xl)
H NMR(299.992MHz,ジメチルスルホキシド-d/ メタノール-d)δ1.33-1.46(m,3H,CH),2.58-2.66(br,3H,ArCH),3.87-3.99(m,1H,CH),5.14-5.34(m,2H,CH),6.09&8.27(s&s,1H,CHO),6.71-6.80(m,2H,ArH),7.08-7.23(m,6H,ArH),7.29-7.39(m,2H,ArH),8.12-8.18(m,1H,ArH)。
【0217】
実施例97:P5P類似体16:単一用量漸増試験(図3~5)
方法
製剤は、P5P類似体16を投与当日に水中の1%メチルセルロース中で製剤化した。
【0218】
動物及び群-約250gのおよその体重を有する17匹のCD雄ラットを使用した。動物を、4つの群+それ以外の1匹(各群についてn=4)に分割した。動物は、動物飼育施設において5日間の期間で順応化された。動物飼育室の環境は制御された(温度22±0.2℃;相対湿度55±25%;12時間の明/暗サイクル、及び1時間当たり12回の空気交換)。動物には、標準認定された市販の齧歯類飼料が自由に提供された。この試験における動物のケア及び使用に関する手順は、実施前に施設内動物実験委員会(Institutional Animal Care and Use Committee)(IACUC)によって検討され、承認されたものであった。D-1の投与の1日前に、ラットを4つの群に分割した(表6)。動物を特定し、投与前の血液を採取した。全ての群におけるラットは、水のみが得られる状態で一晩(12~14時間)絶食させた。
【0219】
0日目に、群1~2~3の動物を秤量し、表6に記載したように強制経口投与によって投与した。各残りの投与溶液を撹拌し(又はわずかにボルテックスし)、50ulの試料を採取し、別個のチューブに入れ、両方のバイアルをドライアイス上で即時凍結させた。投与後2時間で、食餌トレイを動物に戻した。
【0220】
投与時、1日の終わり、及び投与後24時間に症状観察を行った(観察される場合、有害反応を記録した)。動物を、投与後24時間に再び秤量した。
【0221】
【表15】
【0222】
全ての群について、示された時点で血液を採取した:投与前、15分、30分、1時間、2時間、4時間、6時間、8時間、24時間。
【0223】
約150μLの血液を、以下の示された時点でKEDTAチューブを使用して採取した。血液を氷上で保ち、その後6000RCFにて4℃で10分間遠心分離した。血漿を採取し、氷上で保ち、その後-80℃に移した。
【0224】
結果
1.経口投与-10mg/kg、30mg/kg、100mg/kg及び300mg/kgで強制経口投与によって投与される場合、P5P血漿プロファイルのCmax及び曝露(AUC)の両方は、用量の増加と共に増加した。これらの用量に関連するCmax値は、それぞれ290、454、2105及び6621ng/mlであった。これらの同じ用量についての対応する曝露値は、3673、6853、38288及び86198ng/ml*時であった。用量に対してプロットする場合、これらのCmax及び曝露値は、0.99を超えるR2値と線形的に関連していた。
2.試験されたいかなる用量においても、有害反応は動物のいずれにおいてもなかった。
【0225】
実施例98:P5P類似体16:薬物動態試験1(図6~8)
方法
製剤-P5P(ピリドキサール-5-リン酸)及びP5P類似体16の両方を、投与の当日にリン酸緩衝生理食塩水(PBS)中に均質な溶液として製剤化した。
【0226】
動物及び群-約250gのおよその体重を有する13匹のCD雄ラットを使用した。動物を、4つの群+それ以外の1匹(各群についてn=3)に分割した。動物は、動物飼育施設において5日間の期間で順応化された。動物飼育室の環境は制御された(温度22±0.2℃;相対湿度55±25%;12時間の明/暗サイクル、及び1時間当たり12回の空気交換)。動物には、標準認定された市販の齧歯類飼料が自由に提供された。この試験における動物のケア及び使用に関する手順は、実施前に施設内動物実験委員会(IACUC)によって検討され、承認されたものであった。D-1の投与の1日前に、ラットを4つの群に分割した(表7)。群3及び群4におけるラットは、水のみが得られる状態で一晩(12~14時間)絶食させた。
【0227】
0日目に動物を特定し、秤量し、表7に記載されるように静脈内(IV)注射又は強制経口投与(PO)によって投与した。食餌トレイを、投与後2時間で群3及び4に戻した。
【0228】
【表16】
【0229】
全ての群について、示された時点で血液を採取した:投与前、5分、15分、30分、1時間、2時間、4時間、6時間、8時間、24時間。
【0230】
約150uLの血液を、以下の示された時点でKEDTAチューブを使用して採取した。血液を氷上で保ち、その後6000RCFにて4℃で10分間遠心分離した。血漿を採取し、氷上で保ち、その後-80℃に移した。
【0231】
結果
1.静脈内(IV)投与-1mg/kgでIV投与される場合、血漿濃度-時間曲線は、P5Pが投与後0.1時間で生じる3373ng/mlのCmax値を有することを実証した。血漿P5Pは、4時間後に化合物が本質的に残らずに比較的迅速に除去された。P5Pの全体的曝露は、およそ2200ng/ml*時であった。少量のピリドキサール(ベースライン時を上回る)が、770ng/ml*時の総曝露で血漿において検出された。
【0232】
IV投与では、P5P類似体16は1019ng/mlのより小さいCmax値を示し、また6時間後にプロドラッグがもはや血漿中に検出されない状態で迅速に除去された。P5P及びピリドキサールの両方は血漿中で検出され、両方の化合物はおよそ200ng/mlの同様のCmax値を示している。更に、P5Pレベルは、いくらか持続していた。
【0233】
2.経口投与-10mg/kgで強制経口投与によって投与される場合、P5Pは、24時間の評価期間にわたって血漿中で検出されなかった。3668ng/mlのCmax値を有するピリドキサールの大きな伸びが、血漿中で見られた。
【0234】
P5P類似体16の経口投与時、P5P類似体16は血漿中で検出可能であり、投与後0.5時間で生じるピークを伴う1345ng/mlのCmax値を示した。加えて、顕著なP5P濃度が血漿中で検出された。P5P類似体16の経口投与後のP5P血漿プロファイルは、投与後1時間で生じる445ng/mlおCmax値を示した。このP5P血漿プロファイルは、およそ7時間の半減期を示した。ピリドキサールは、同様の血漿プロファイルを示した。
【0235】
実施例99:P5P類似体16及び16v.:薬物動態試験2(図9
方法
製剤-P5P類似体16及びP5P類似体16vの両方を、投与当日に水中40%のヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン中で均質な溶液として製剤化した。
【0236】
動物及び群-約250gのおよその体重を有する13匹のCD雄ラットを使用した。動物を、4つの群+それ以外の1匹(各群についてn=3)に分割した。動物は、動物飼育施設において5日間の期間で順応化された。動物飼育室の環境は制御された(温度22±0.2℃;相対湿度55±25%;12時間の明/暗サイクル、及び1時間当たり12回の空気交換)。動物には、標準認定された市販の齧歯類飼料が自由に提供された。この試験における動物のケア及び使用に関する手順は、実施前に施設内動物実験委員会(IACUC)によって検討され、承認されたものであった。D-1の投与の1日前に、ラットを4つの群に分割した(表8)。群3及び群4におけるラットは、水のみが得られる状態で一晩(12~14時間)絶食させた。
【0237】
0日目に動物を特定し、秤量して、表8に記載されるように静脈内(IV)注射又は強制経口投与(PO)によって投与した。食餌トレイを、投与後2時間で群3及び4に戻した。
【0238】
【表17】
【0239】
全ての群について、示された時点で血液を採取した:投与前、5分、15分、30分、1時間、2時間、4時間、6時間、8時間、24時間。
【0240】
約150uLの血液を、以下の示された時点でKEDTAチューブを使用して採取した。血液を氷上で保ち、その後6000RCFにて4℃で10分間遠心分離した。血漿を採取し、氷上で保ち、その後-80℃に移した。
【0241】
結果
静脈内(IV)投与-1mg/kgでIV投与される場合、P5P類似体16vについての血漿濃度-時間曲線は、投与後0.1時間で生じる285ng/mlだけの小さいCmax値を実証した。逆に、血漿P5Pプロファイルは、P5P類似体の投与後に、大量のP5Pが血漿中に放出されることを示した。PLPプロファイルは、1162ng/mlのCmax、0.3時間のTmax及び8.5時間の半減期を示した。より少量のピリドキサールも形成され、血漿中で検出された。
【0242】
IV投与では、P5P類似体16は、同様な量のP5Pによる以前の試験と同様なプロファイルを示し、血漿中にピリドキサールが存在していることを示した。
【0243】
経口投与-10mg/kgで強制経口投与によって投与される場合、P5P類似体16vは、個々のラット間でP5P類似体とP5Pとの量において大きな違いを示した。平均して、経口投与後に、P5P類似体は血漿中に見られることはほとんどなかった(Cmax=198ng/ml)。他方では、P5Pは、Cmaxがいくらか大きい状態で、P5P類似体16と同様な平均血漿プロファイルを示した(329ng/ml対238ng/ml)。P5P類似体16vとして与えられる場合のP5P曝露は、P5P類似体16として与えられる場合の3042ng/ml*時と比較して、3892ng/ml*時であった。個々のラットデータを見ると、このより大きな値は、単一のラットに起因すると見ることができる。
【0244】
P5P類似体16の経口投与についての濃度-時間曲線は、P5P類似体の量が低下したが、P5Pの量は前の試験と同様であることを示した。
【0245】
実施例100:P5P類似体16vi及び化合物II.I.:薬物動態試験3(図11~13)
化合物II.I.は、式Iの化合物によって包含されないP5P類似体である。
【0246】
方法
製剤-投与当日に、化合物II.I.を0.9%生理食塩中で製剤化し、一方P5P類似体16viを、水中の40%ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンにおいて均質な溶液として製剤化した。
【0247】
動物及び群-約250gのおよその体重を有する13匹のCD雄ラットを使用した。動物を、4つの群+それ以外の1匹(各群についてn=3)に分割した。動物は、動物飼育施設において5日間の期間で順応化された。動物飼育室の環境は制御された(温度22±0.2℃;相対湿度55±25%;12時間の明/暗サイクル、及び1時間当たり12回の空気交換)。動物には、標準認定された市販の齧歯類飼料が自由に提供された。この試験における動物のケア及び使用に関する手順は、実施前に施設内動物実験委員会(IACUC)によって検討され、承認されたものであった。D-1の投与の1日前に、ラットを4つの群に分割した(表9)。群3及び群4におけるラットは、水のみが得られる状態で一晩(12~14時間)絶食させた。
【0248】
0日目に動物を特定し、秤量して、表9に記載されるように静脈内(IV)注射又は強制経口投与(PO)によって投与した。食餌トレイを、投与後2時間で群3及び4に戻した。
【0249】
【表18】
【0250】
全ての群について、示された時点で血液を採取した:投与前、5分、15分、30分、1時間、2時間、4時間、6時間、8時間、24時間。
【0251】
約150uLの血液を、以下の示された時点でKEDTAチューブを使用して採取した。血液を氷上で保ち、その後6000RCFにて4℃で10分間遠心分離した。血漿を採取し、氷上で保ち、その後-80℃に移した。
【0252】
結果
静脈内(IV)投与-化合物II.I.を1mg/kgでIV投与した場合、化合物II.I.又はP5Pは、血漿中にほとんど検出されなかった。化合物II.I.は、777ng/mlのCmax及び346ng/ml*時の全体的曝露を有していた。このプロドラッグの投与から得られたP5Pは、1534ng/ml*時の曝露を有していた。
【0253】
P5P類似体16viによるIV投与は、P5P類似体16viの同様な迅速なクリアランスを示したが、3666ng/ml*時及び10時間の半減期を有していくらか良好なP5Pレベルを示した。
【0254】
経口投与-10mg/kgで強制経口投与によって投与される場合、化合物II.I.は、P5P類似体16iと同様な化合物II.I.及びP5Pプロファイルを示した。P5P類似体16viが10mg/kgで経口投与された場合、P5P類似体16viは、1652ng/mlのCmax値及び1592ng/ml*時の曝露を示した。得られたP5P血漿プロファイルは、190ng/mlのCmax、6.5時間の半減期及び1549ng/ml*時の全体的曝露を有していた。
【0255】
経口投与される場合、P5P類似体16viもP5Pも、いかなる有意なレベルでも血漿中で検出されなかった。
【0256】
実施例101:P5P類似体16vi及び化合物II.I.:薬物動態試験4(図14~17)
方法
製剤-プロドラッグ16i(S異性体)、16i(R異性体)及び16i’(D-アミノ酸ラセミ体を有する16i)を、投与当日に、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中で均質な溶液として製剤化した。
【0257】
動物及び群-約250gのおよその体重を有する13匹のCD雄ラットを使用した。動物を、6つの群+それ以外の1匹(各群についてn=3)に分割した。動物は、動物飼育施設において5日間の期間で順応化された。動物飼育室の環境は制御された(温度22±0.2℃;相対湿度55±25%;12時間の明/暗サイクル、及び1時間当たり12回の空気交換)。動物には、標準認定された市販の齧歯類飼料が自由に提供された。この試験における動物のケア及び使用に関する手順は、実施前に施設内動物実験委員会(IACUC)によって検討され、承認されたものであった。D-1の投与の1日前に、ラットを6つの群に分割した(表1)。群4、5及び6におけるラットは、水のみが得られる状態で一晩(12~14時間)絶食させた。
【0258】
0日目に動物を特定し、秤量して、表10に記載されるように静脈内(IV)注射又は強制経口投与(PO)によって投与した。食餌トレイを、投与後2時間で群4、5及び6に戻した。
【0259】
【表19】
【0260】
全ての群について、示された時点で血液を採取した:投与前、5分、15分、30分、1時間、2時間、4時間、6時間、8時間、24時間。
【0261】
約150uLの血液を、以下の示された時点でKEDTAチューブを使用して採取した。血液を氷上で保ち、その後6000RCFにて4℃で10分間遠心分離した。血漿を採取し、氷上で保ち、その後-80℃に移した。
【0262】
結果
静脈内(IV)投与-プロドラッグ16の2つのジアステレオマー(S及びR異性体)のIV投与は、S異性体プロドラッグがわずかに有利である状態で、PLPへの同様な変換をもたらした。S異性体がIVで与えられる場合、PLPのCmax及び曝露は、それぞれ200ng/ml及び2962ng/ml*時であった。R異性体がIVで与えられる場合、Cmax及び曝露値は、それぞれ177ng/ml及び1886ng/ml*時であった。
【0263】
D-アミノ酸プロドラッグ16iiiは、IV投与される場合、PLPに良好に変換せず、100ng/ml未満のCmax値を示した。
【0264】
経口投与-10mg/kgで強制経口投与によって投与される場合、両方のジアステレオマーは、ほぼ同一のPLP血漿プロファイルを生じた。S異性体をR異性体に対して比較すると、Cmax値は472対409ng/mlであって、半減期値は7.6対7時間であって、曝露値は5892対4673ng/ml*時であった。
【0265】
動物にプロドラッグ16iiiを投与した場合、血漿中で検出されるPLPの量は少量であり、全体的な曝露は645ng/ml*時であった。
【0266】
動物間のばらつきを考慮すると、プロドラッグ16の2つのジアステレオマー(すなわち、プロドラッグS及びR)の間で有意差はなかった。更に、D-アミノ酸プロドラッグ16iiiは、プロドラッグ16-このプロドラッグのL-アミノ酸バージョンと比較して、良好なPLP血漿プロファイルを示さなかった。
【0267】
血漿変換アッセイ
血漿酵素の様々なプロドラッグをP5Pに変換する能力を、ラット(Sprague Dawley)の全血又は血漿のいずれかにおいて、プロドラッグをインキュベートすることによって試験した。ラットの血液又は血漿(Innovative Research Inc)に10mM(DMSO)のプロドラッグを10uMの最終濃度にスパイクした。次いで、血液又は血漿を様々な時点でサンプリングし、P5Pの存在を分析した。
【0268】
血液(4ml)を15mlのFalconチューブにピペットで移し、37度/5%COのインキュベーター内で約30分間インキュベートした後、10mM(4uL)のプロドラッグでスパイクした。Falconチューブを低速で穏やかにボルテックスし、血液を5つの別個のEppendorfチューブ(約250ul)にピペットで移した。様々な時点で(最長6時間)、Eppendorfチューブを554RCFで遠心分離し、50uLの上清を別個のEppendorfチューブに取り出し、これを急速凍結して、分析まで-80℃で保存した。
【0269】
血漿試料を同様な方法で処理した(1mlの血漿にプロドラッグ(1uL)をスパイクし、ボルテックスした後50ulをEppendorfチューブにピペットで移し、それを様々な時間で急速凍結した)。血漿試料はまた、分析まで-80℃で保存した。
【0270】
様々なプロドラッグから生成されたP5Pの量のピーク量を、各実験に含まれる16から変換されたP5Pの量に正規化した。
【0271】
分析(LC/MS)-P5P分析についてのLC-MS/MS条件
機器
MS条件
MRMにおけるESIポジティブモード
ソース温度120℃
脱溶媒温度400℃
キャピラリー電圧3500V
【0272】
【表20】
【0273】
LC条件
移動相-A:水中0.3%ギ酸、
移動相-B:アセトニトリル中0.1%ギ酸
HPLCカラム:ACQUITY UPLC HSS T3 1.8μm、2.1×100mmのカラム
勾配
【0274】
【表21】
【0275】
試料調製
ラット血漿試料の50μLアリコートを、トリクロロ酢酸50g/Lの950μLに添加する。
【0276】
1分間ボルテックスする。
【0277】
19000RCFで45分間遠心分離する。
【0278】
上清(20μL)を、分析のためにLC-MS/MSに注入した。
【0279】
別個の試験で実施され、16と比較した血漿酵素の様々なプロドラッグをP5Pに変換する能力の結果を、以下の表11に提供する。
【0280】
【表22】
【0281】
【表23】
【0282】
【表24】
【0283】
【表25】
【0284】
記載された実施形態の特定の適応及び修正を行うことができる。したがって、上述した実施形態は例示的であり、制限的ではないとみなされる。
図1
図2
図3(1)】
図3(2)】
図3(3)】
図3(4)】
図4
図5(1)】
図5(2)】
図6(1)】
図6(2)】
図7(1)】
図7(2)】
図8
図9(1)】
図9(2)】
図10(1)】
図10(2)】
図11(1)】
図11(2)】
図12(1)】
図12(2)】
図13(1)】
図13(2)】
図13(3)】
図13(4)】
図14(1)】
図14(2)】
図14(3)】
図14(4)】
図15(1)】
図15(2)】
図15(3)】
図16(1)】
図16(2)】
図17(1)】
図17(2)】
【国際調査報告】