(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-15
(54)【発明の名称】欠陥レベル分類モデルを構築するためのシステム
(51)【国際特許分類】
G09G 3/32 20160101AFI20250107BHJP
H10H 20/00 20250101ALI20250107BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20250107BHJP
【FI】
G09G3/32 A
H01L33/00 K
G09G3/20 670Q
G09G3/20 670E
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024536112
(86)(22)【出願日】2021-12-16
(85)【翻訳文提出日】2024-07-19
(86)【国際出願番号】 CN2021138835
(87)【国際公開番号】W WO2023108547
(87)【国際公開日】2023-06-22
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520510771
【氏名又は名称】ジェイド バード ディスプレイ(シャンハイ) リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】シュイ, チェンチャオ
(72)【発明者】
【氏名】ユエ, ヤン
(72)【発明者】
【氏名】リ, チーミン
【テーマコード(参考)】
5C080
5C380
5F241
【Fターム(参考)】
5C080AA07
5C080BB05
5C080DD15
5C080EE29
5C080FF11
5C080HH13
5C080JJ07
5C380AA03
5C380AB06
5C380CF48
5C380DA06
5C380DA07
5C380GA05
5F241AA46
5F241FF06
(57)【要約】
マイクロLED配列パネルの欠陥レベル分類モデルを構築する方法は、画素欠陥を分類するための欠陥分類規則を定義することと、マイクロLED配列パネルの画素欠陥を検出することと、欠陥分類規則に従って、検出した画素欠陥の画素欠陥タイプを識別することと、欠陥レベル分類規則および識別した画素欠陥タイプに従ってマイクロLED配列パネルの欠陥レベルを識別することとを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロLED配列パネルの欠陥レベル分類モデルを構築する方法であって、
画素欠陥を分類するための欠陥分類規則を定義するステップ01と、
前記マイクロLED配列パネルの画素欠陥を検出するステップ02と、
前記欠陥分類規則に従って、検出した前記画素欠陥の画素欠陥タイプを識別するステップ03と、
欠陥レベル分類規則および識別した前記画素欠陥タイプに従って前記マイクロLED配列パネルの欠陥レベルを識別するステップ04と
を含む、方法。
【請求項2】
前記欠陥分類規則に従って、画素欠陥タイプは少なくとも、画素点欠陥を含み、
前記画素点欠陥は、
ドット落ち閾値を下回る画素輝度を有するドット落ちと、
暗画素閾値を下回り、前記ドット落ち閾値よりも大きい画素輝度を有する暗画素と、
輝度閾値よりも大きい画素輝度を有する明るすぎる画素と、
前記暗画素閾値と前記輝度閾値との間の画素輝度を有する正常画素と
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記欠陥分類規則に従って、前記画素欠陥タイプは局所欠陥をさらに含み、
前記局所欠陥は、1次元欠陥および2次元欠陥を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記1次元欠陥は、ドット落ち画素の数が第1の事前設定数を上回っている前記ドット落ちのラインと、前記暗画素の数が第2の事前設定数を上回っている前記暗画素のラインと、前記明るすぎる画素の数が第3の事前設定数を上回っている前記明るすぎる画素のラインとを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記1次元欠陥は、前記画素点欠陥の数が第4の事前設定数を上回っている前記画素点欠陥の不良ラインをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記2次元欠陥は面欠陥を含み、前記面欠陥は、マイクロLED画素配列の複数の行または複数の列において複数の画素点欠陥を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記2次元欠陥は、前記マイクロLED配列パネルに含まれるマイクロLED配列のある特定の領域におけるまたは領域全体における点欠陥密度を有する欠陥をさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記欠陥分類規則は少なくとも、全体的輝度欠陥を含み、前記全体的輝度欠陥は以下の状態、すなわち、前記マイクロLED配列パネルの発光領域の輝度が事前設定された全体的輝度閾値を下回る状態、または前記マイクロLED配列パネル全体が制御不能であるもしくは駆動不能である状態を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記全体的輝度欠陥は制御不能画素をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記制御不能画素は、常に明るい画素および駆動不能画素を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記マイクロLED配列パネルの前記画素欠陥を検出するプロセスは、全体的輝度判定プロセス、および複数の画像を収集する複数画像収集プロセスを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記マイクロLED配列パネルの前記画素欠陥を検出する前記プロセスは、前記複数の画像による正規化プロセスをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記マイクロLED配列パネルの前記画素欠陥を検出する前記プロセスは、前記マイクロLED配列パネルの全体的輝度が事前設定された全体的輝度閾値に達するまたはこれを超えるかどうかを判定することと、「いいえ」である場合、前記複数画像収集プロセスを実行することと、「はい」である場合、画素欠陥分類規則に従って前記画素欠陥タイプを識別することとをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記マイクロLED配列パネルの前記欠陥レベルを識別することは、複数のマイクロLED配列パネルのそれぞれのパネルの欠陥レベルを識別することと、前記複数のマイクロLED配列パネルの欠陥レベル分布を取得することとをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記欠陥レベル分類規則に従って、欠陥レベルは、
前記マイクロLED配列パネルが全体的輝度欠陥を含む、または前記マイクロLED配列パネルの画素点欠陥率が第1の閾値を上回るレベル1であって、前記画素点欠陥率は以下のようであり、すなわち、画素点欠陥の数/画素の総数である、レベル1を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記画素点欠陥率は、ドット落ち率、またはドット落ちと暗画素との比率である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
欠陥レベルは、前記マイクロLED配列パネルが第1の局所欠陥を含む、または前記マイクロLED配列パネルの前記画素点欠陥率が第2の閾値を上回るレベル2をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の局所欠陥は少なくとも、ある特定の領域におけるまたはLED配列領域全体における第1の点欠陥密度を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
欠陥レベルは、前記マイクロLED配列パネルが第2の局所欠陥を含む、または前記マイクロLED配列パネルの前記画素点欠陥率が第3の閾値を上回るレベル3であって、前記第1の局所欠陥の特性値は前記第2の局所欠陥の特性値を上回る、レベル3をさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記第2の局所欠陥は少なくとも、ある特定の領域におけるまたはLED配列領域全体における第2の点欠陥密度を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
欠陥レベルは、前記マイクロLED配列パネルの前記画素点欠陥率が第4の閾値を上回るレベル4をさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
欠陥レベルは、前記マイクロLED配列パネルの前記画素点欠陥率が第4の閾値を下回るレベル5であって、前記第1の閾値、前記第2の閾値、前記第3の閾値、および前記第4の閾値は、順次小さくなる、レベル5をさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記ステップ04は、欠陥レベルのうちの1つが、検出画素欠陥および前記画素欠陥タイプに一致することを判定されるまで、欠陥レベルに対して前記マイクロLED配列パネルの前記検出画素欠陥および前記画素欠陥タイプを識別することをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項24】
第1の点欠陥密度は、第2の点欠陥密度の4倍以上である、請求項19に記載の方法。
【請求項25】
前記第1の閾値は50%以下であり、前記第2の閾値は前記第1の閾値の1/50~1/10であり、前記第3の閾値は前記第2の閾値の1/20~1/10であり、第4の閾値は前記第2の閾値の1/20~1/10である、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的に、発光ダイオードの技術分野に関し、より詳細には、マイクロ発光ダイオード(LED)配列パネルの欠陥レベル分類モデルを構築するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
面積が格段に小さく解像度が高いマイクロLEDは、世界で人気が高くなっている。マイクロLED配列パネルを使用して、カメラモジュール、投光モジュール、表示モジュール、およびVR/AR光モジュールなどの様々な種類のデバイスを形成することができる。
【0003】
しかしながら、マイクロLED配列パネルによって表示される発光領域および画像は以前よりもはるかに小さくなっているため、従来の方法によってマイクロLED配列パネルの画素欠陥を検出し識別することは容易ではない。よって、操作者は、マイクロLED配列パネルの様々なパターンを表示するグラフィカルユーザインターフェースを通してウエハ、チップ、およびマスクを精査することでパターン欠陥を識別する必要がある。
【0004】
残念ながら、マイクロLED配列パネルの欠陥分類は以前に行われたことはなかった。マイクロLED配列画素は寸法および空間が格段に小さいため、従来のLED画素と比較して、ある特定の領域における画素の集積が非常に増えている。欠陥検出プロセスは精確ではなく時間がかかる。
【0005】
そのように、マイクロLED配列の欠陥を分類し、欠陥タイプの分離を可能にし、および分類を監視して、欠陥検出精度を改善し処理時間を削減する方法を提供することは、有利であると思われる。
【0006】
上記の内容は、本願の技術的解決策の理解を助けるためだけに使用されるものであり、上記が先行技術であると認めることにはならない。
【発明の概要】
【0007】
上記の欠点を克服するために、本開示は、マイクロLED配列パネルの欠陥レベル分類モデルを構築して、欠陥検出精度を改善するための方法を提供する。
【0008】
上記の目的を達成するために、本開示によるマイクロLED配列パネルの欠陥レベル分類モデルを構築する方法は、
画素欠陥を分類するための欠陥分類規則を定義するステップ01と、
マイクロLED配列パネルの画素欠陥を検出するステップ02と、
欠陥分類規則に従って、検出した画素欠陥の画素欠陥タイプを識別するステップ03と、
欠陥レベル分類規則および識別した画素欠陥タイプに従って、マイクロLED配列パネルの欠陥レベルを識別するステップ04とを含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、欠陥分類規則に従って、画素欠陥タイプは少なくとも、画素点欠陥を含み、
画素点欠陥は、
ドット落ち閾値を下回る画素輝度を有するドット落ちと、
暗画素閾値を下回り、ドット落ち閾値よりも大きい画素輝度を有する暗画素と、
輝度閾値よりも大きい画素輝度を有する明るすぎる画素と、
暗画素閾値と輝度閾値との間の画素輝度を有する正常画素とを含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、欠陥分類規則に従って、画素欠陥タイプは、局所欠陥をさらに含み、
局所欠陥は1次元欠陥および2次元欠陥を含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、1次元欠陥は、ドット落ち画素の数が第1の事前設定数を上回っているドット落ちのラインと、暗画素の数が第2の事前設定数を上回っている暗画素のラインと、明るすぎる画素の数が第3の事前設定数を上回っている明るすぎる画素のラインとを含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、1次元欠陥は、画素点欠陥の数が第4の事前設定数を上回っている画素点欠陥の不良ラインをさらに含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、2次元欠陥は面欠陥を含み、面欠陥は、マイクロLED画素配列の複数の行または複数の列において複数の画素点欠陥を含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、2次元欠陥は、マイクロLED配列パネルに含まれるマイクロLED配列のある特定の領域におけるまたは領域全体における点欠陥密度を有する欠陥をさらに含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、欠陥分類規則は少なくとも、全体的輝度欠陥を含み、全体的輝度欠陥は以下の状態:マイクロLED配列パネルの発光領域の輝度が事前設定された全体的輝度閾値を下回る状態、またはマイクロLED配列パネル全体が制御不能であるもしくは駆動不能である状態を含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、全体的輝度欠陥は制御不能画素をさらに含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、制御不能画素は、常に明るい画素および駆動不能画素を含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、マイクロLED配列パネルの画素欠陥を検出するプロセスは、全体的輝度判定プロセス、および複数の画像を収集する複数画像収集プロセスを含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、マイクロLED配列パネルの画素欠陥を検出するプロセスは、複数の画像による正規化プロセスをさらに含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、マイクロLED配列パネルの画素欠陥を検出するプロセスは、マイクロLED配列パネルの全体的輝度が事前設定された全体的輝度閾値に達するまたはこれを超えるかどうかを判定することと、「いいえ」である場合、複数画像収集プロセスを実行することと、「はい」である場合、画素欠陥分類規則に従って画素欠陥タイプを識別することとをさらに含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、マイクロLED配列パネルの欠陥レベルを識別することは、複数のマイクロLED配列パネルのそれぞれのパネルの欠陥レベルを識別することと、複数のマイクロLED配列パネルの欠陥レベル分布を取得することとをさらに含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、欠陥レベル分類規則に従って、欠陥レベルは、
マイクロLED配列パネルが全体的輝度欠陥を含む、またはマイクロLED配列パネルの画素点欠陥率が第1の閾値を上回るレベル1であって、画素点欠陥率は以下のようであり:画素点欠陥の数/画素の総数である、レベル1と、
マイクロLED配列パネルが第1の局所欠陥を含む、またはマイクロLED配列パネルの画素点欠陥率が第2の閾値を上回る、レベル2と、
マイクロLED配列パネルが第2の局所欠陥を含む、またはマイクロLED配列パネルの画素点欠陥率が第3の閾値を上回るレベル3であって、第1の局所欠陥の特性値は第2の局所欠陥の特性値を上回る、レベル3と、
マイクロLED配列パネルの画素点欠陥率が第4の閾値を上回るレベル4と、
マイクロLED配列パネルの画素点欠陥率が第4の閾値を下回るレベル5であって、第1の閾値、第2の閾値、第3の閾値、第4の閾値、および第5閾値は、順次小さくなる、レベル5とを含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、ステップ04は、欠陥レベルのうちの1つが、検出画素欠陥および画素欠陥タイプに一致することを判定されるまで、欠陥レベルに対してマイクロLED配列パネルの検出画素欠陥および画素欠陥タイプを含むことをさらに含む。
【0024】
いくつかの実施形態では、画素点欠陥率は、ドット落ち率、またはドット落ちと暗画素との比率であり、
第1の局所欠陥は少なくとも、ある特定の領域におけるまたはLED配列領域全体における第1の点欠陥密度を含み、第2の局所欠陥は少なくとも、ある特定の領域におけるまたはLED配列領域全体における第2の点欠陥密度を含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、第1の点欠陥密度は、第2の点欠陥密度の4倍以上である。
【0026】
いくつかの実施形態では、第1の閾値は50%以下であり、第2の閾値は第1の閾値の1/50~1/10であり、第3の閾値は第2の閾値の1/20~1/10であり、第4の閾値は第2の閾値の1/20~1/10である。
【0027】
以下の詳細な説明および添付の図面によって、本開示の多くの他の利点および特徴についてさらに理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本開示の一実施形態によるマイクロLED配列パネルの欠陥レベル分類モデルを構築する方法を示すフローチャートである。
【
図2】本開示の一実施形態による欠陥レベルを示す概略的なリストを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
ここで、本開示をさらに理解してもらうために好ましい本実施形態を詳細に参照する。論じられる特定の実施形態および添付の図面は単に、本開示を作成および使用する特定のやり方を示しているに過ぎず、本開示の範囲または添付の特許請求の範囲を限定するものではない。
【0030】
本開示では、マイクロLED配列パネルの欠陥を検出する方法が開示される。マイクロLED配列パネルは、ディスプレイの分野、プロジェクタの分野、および走査ファイルなどにおいて適用可能である。ここでのマイクロLEDは、無機LEDまたは有機LEDであり得る。例えば、マイクロLEDパネルの寸法は約5mm×5mmである。マイクロLED配列パネルは、マイクロLED配列、およびマイクロLED配列の背面に形成されるICバックプレーンを含む。ここでの「背面」は発光方向の反対方向を指すことに留意されたい。マイクロLED配列は、1600×1200、680×480、および1920×1080などの任意の画素行列であり得る。マイクロLED配列パネル00の発光領域は、3mm*5mmなど、非常に小さい。発光領域はマイクロLED配列の領域であることに留意されたい。マイクロLEDの直径は、200nm~2μmの範囲にある。ICバックプレーンは、マイクロLED配列の裏面に形成され、マイクロLED配列と電気的に接続される。ICバックプレーンは、対応するマイクロLEDが光を発するように制御するために信号線を介して外側から画像データなどの信号を取得する。ICバックプレーンでは、一般的に、8ビットのデジタル/アナログ変換器(DAC)を用いる。8ビットのDACは、256の現象レベルを有し、それぞれのレベルは1つのグレーレベルに対応し、すなわち、8ビットのDACは256の異なるグレーレベルを提供し得る。256のグレーレベルのうちのいずれか1つがマイクロLEDに対して適用され得るため、0~255の範囲のグレーレベルが1画素ずつ表示され得る。オプションとして、マイクロLEDの輝度値は、ICバックプレーンによって取得された信号の電圧振幅または電流振幅によって制御可能であり、グレーレベルは、信号の時間間隔、例えばパルス幅によって示され得る。
【0031】
図1を参照すると、ここで、マイクロLED配列パネルの欠陥レベル分類モデルを構築する方法であって、
画素欠陥を分類するための欠陥分類規則を定義するステップ01を含む、方法が開示される。
【0032】
ここで、欠陥分類規則では、画素欠陥を複数の画素欠陥タイプに分類する。画素欠陥タイプは少なくとも、画素点欠陥を含み、画素点欠陥は、ドット落ち閾値を下回る画素輝度を有するドット落ちと、暗画素閾値を下回り、ドット落ち閾値よりも大きい画素輝度を有する暗画素と、輝度閾値よりも大きい画素輝度を有する明るすぎる画素と、暗画素閾値と輝度閾値との間の画素輝度を有する正常画素とを含む。
【0033】
さらに、欠陥分類規則に従って、画素欠陥タイプは局所欠陥をさらに含み、局所欠陥は、1次元欠陥および2次元欠陥を含む。1次元欠陥は、ドット落ち画素の数が第1の事前設定数を上回っているドット落ちのラインと、暗画素の数が第2の事前設定数を上回っている暗画素のラインと、明るすぎる画素の数が第3の事前設定数を上回っている明るすぎる画素のラインとを含む。1次元欠陥は、画素点欠陥の数が第4の事前設定数を上回っている画素点欠陥の不良ラインをさらに含み得る。2次元欠陥は面欠陥を含み、面欠陥はマイクロLED画素配列の複数の行または複数の列において複数の画素点欠陥を含む面欠陥を含む。第1の事前設定数、第2の事前設定数、第3の事前設定数、および第4の事前設定数は実際のプロセスに従って判定され得、本明細書において限定されないことに留意されたい。さらに、2次元欠陥は、マイクロLED配列パネルに含まれるマイクロLED配列のある特定の領域におけるまたは領域全体における点欠陥密度を有する欠陥をさらに含み得る。
【0034】
さらに、欠陥分類規則に従って、画素欠陥タイプは、全体的輝度欠陥をさらに含み、全体的輝度欠陥は、マイクロLED配列パネルの発光領域の輝度が事前設定された全体的輝度閾値を下回ること、またはマイクロLED配列パネル全体が制御不能であるまたは駆動不能であること、または少なくとも1つの画素が制御不能画素であることを含む。この場合、制御不能画素は、一定輝度の画素および駆動不能画素を含む。
【0035】
ステップ02では、マイクロLED配列パネルの画素欠陥を検出する。
【0036】
ここでは、マイクロLED配列パネルの画素欠陥を検出するプロセスは、全体的輝度判定プロセスおよび複数画像収集プロセスを含む。ここで、マイクロLED配列パネルの画素欠陥を検出する前に、方法は、マイクロLED配列パネルに全体的輝度欠陥が生じるかどうかを判定し、「いいえ」の場合、欠陥検出プロセスのステップ02を実行することをさらに含む。全体的輝度欠陥は人間の目またはコンピュータ認識システムによって認識可能であることに留意されたい。ここで、事前設定された全体的輝度閾値は、実際の応用に左右され得、本明細書において限定されない。全体的輝度欠陥がマイクロLED配列パネルに生じる場合、ステップ02の欠陥検出プロセスは実行されることはなく、ステップ03が実行される。さらに、全体的輝度判定プロセスは、マイクロLED配列パネルの全体的輝度が事前設定された全体的輝度閾値に達するまたはこれを超えるかどうかを判定することと、「いいえ」である場合、複数画像収集プロセスを実行することと、「はい」である場合、画素欠陥分類規則に従って画素欠陥タイプを識別するステップ03を実行することとを含む。
【0037】
複数画像収集プロセスは、毎回異なるLEDパターンをオンにすることによってマイクロLED配列の複数のパターン画像を収集することを含む。ここで、パターン画像の数は2または2以上であり得る。各パターン画像におけるLEDは1回またはそれ以上オンにされ得ることに留意されたい。それぞれのパターン画像において、少なくとも1つまたは複数のLEDは、オンにされた隣接LED間でオフにされる。画像収集プロセスの後に、複数の画像に従って正規化プロセスがさらに実行される。正規化プロセスは当業者には理解可能であり、このことはここでは説明されない。マイクロLED配列の複数のパターン画像を収集後、1つまたは複数の画素欠陥がパターン画像に従って検出され得る。
【0038】
ステップ03では、欠陥分類規則に従って画素欠陥のタイプを識別し、
ステップ04では、欠陥レベル分類規則に従ってマイクロLED配列パネルの欠陥レベルを識別する。
【0039】
ここで、ステップ04は、複数のマイクロLED配列パネルのそれぞれのパネルにおける欠陥レベルを識別し、次いで、複数のマイクロLED配列パネルの欠陥レベル分布を取得することをさらに含む。
【0040】
図2を参照すると、欠陥レベル分類規則に従って、本明細書に開示されるマイクロLED配列パネルは、複数のあり得る欠陥レベルのうちの1つを有し得る。欠陥レベルは、マイクロLED配列パネルが全体的輝度欠陥を含む、またはマイクロLED配列パネルの画素点欠陥率が第1の閾値を上回るレベル1であって、画素点欠陥率は画素点欠陥数と総画素数との比率として定義される、レベル1と、マイクロLED配列パネルが第1の局所欠陥を含む、またはマイクロLED配列パネルの画素点欠陥率が第2の閾値を上回る、レベル2と、マイクロLED配列パネルが第2の局所欠陥を含む、またはマイクロLED配列パネルの画素点欠陥率が第3の閾値を上回るレベル3であって、第1の局所欠陥の特性値(例えば、密度)は第2の局所欠陥の特性値(例えば、密度)を上回る、レベル3と、マイクロLED配列パネルの画素点欠陥率が第4の閾値を上回るレベル4と、マイクロLED配列パネルの画素点欠陥率が第4の閾値を下回るレベル5であって、第1の閾値、第2の閾値、第3の閾値、および第4の閾値は、順次小さくなる、レベル5とを含む。画素点欠陥率は、ドット落ち率、またはドット落ちと暗画素との比率である。この場合、ドット落ち率はドット落ち数/総画素数に等しく、ドット落ちと暗画素との比率は、(ドット落ち数+暗画素数)/総画素数に等しい。
【0041】
マイクロLED配列パネルにおける欠陥レベルを識別することは、レベル1~レベル5のうちの1つが、検出された画素欠陥および画素欠陥タイプに一致することを判定されるまで、レベル1~レベル5に対してマイクロLED配列パネルの検出された画素欠陥および画素欠陥タイプを比較することをさらに含む。好ましくは、第1の閾値は50%以下、好ましくは20~30%であり、第2の閾値は第1の閾値の1/50~1/10であり、第3の閾値は第2の閾値の1/20~1/10であり、第3の閾値は第2の閾値の1/20~1/10であり、第4の閾値は第2の閾値の1/20~1/10である。例えば、レベル1は、マイクロLED配列パネルが全体的輝度欠陥を含むこと、またはマイクロLED配列パネルの画素点欠陥率が20%を上回ることを示し、この場合、画素点欠陥率は、画素点欠陥数と総画素数との比率であり、レベル2は、マイクロLED配列パネルが第1の局所欠陥を含むこと、またはマイクロLED配列パネルの画素点欠陥率が1%を上回ることを示し、レベル3は、マイクロLED配列パネルが第2の局所欠陥を含むこと、または画素点欠陥率が0.1%を上回ること、さらに、レベル3において、ドット落ち率が0.1%以上であること、または欠陥密度が0.4%を上回ること、またはドット落ちと暗画素との比率が1.2%以上であることを示し、この場合、第1の局所欠陥の数は第2の局所欠陥の数を上回り、レベル4は、マイクロLED配列パネルの画素点欠陥率が0.01%を上回ることを示し、レベル5は、マイクロLED配列パネルの画素点欠陥率が0.01%未満であることを示す。
【0042】
第1の局所欠陥は少なくとも、ある特定の領域におけるまたはLED配列領域全体における第1の点欠陥密度を含むことに留意されたい。第2の局所欠陥は少なくとも、ある特定の領域におけるまたはLED配列領域全体における第2の点欠陥密度を含む。第1の点欠陥密度は、第2の点欠陥密度の4倍以上である。好ましくは、第1の点欠陥密度は0.4%以上であり、第2の点欠陥密度は0.1%以上である。
【0043】
マイクロLED配列パネルは、前述の欠陥を除くその他の欠陥を含む場合、マイクロLED配列パネルの欠陥レベルはレベル3に分類されることになることに留意されたい。マイクロLED配列パネルが上述したレベル1~5において述べられた欠陥を含む場合、欠陥は対応するレベルに分類されることになる。
【0044】
上記の説明は本開示の実施形態に過ぎず、本開示はこれらに限定されない。本開示の概念および原理から逸脱することなくなされた修正、等化の置換、および改善は、本開示の保護範囲内にあるものとする。
【国際調査報告】