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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-15
(54)【発明の名称】小型原子炉装置およびその運用方法
(51)【国際特許分類】
   G21C 13/00 20060101AFI20250107BHJP
   G21C 17/10 20060101ALI20250107BHJP
【FI】
G21C13/00 120
G21C13/00 100
G21C17/10 410
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024537077
(86)(22)【出願日】2023-03-10
(85)【翻訳文提出日】2024-06-19
(86)【国際出願番号】 KR2023003287
(87)【国際公開番号】W WO2023172096
(87)【国際公開日】2023-09-14
(31)【優先権主張番号】10-2022-0029772
(32)【優先日】2022-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518442000
【氏名又は名称】コリア ハイドロ アンド ニュークリアー パワー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】キム,ムン ソ
(72)【発明者】
【氏名】ジュン,ナム ドゥ
【テーマコード(参考)】
2G075
【Fターム(参考)】
2G075AA01
2G075CA08
2G075GA01
(57)【要約】
小型原子炉装置およびその運用方法を提供する。小型原子炉装置は、内部に炉心を含む本体ユニットと、前記本体ユニットの内部の開閉のために前記本体ユニットから装着および分離が可能なように備えられる開閉ユニットを含み、前記開閉ユニットは前記本体ユニットの内部で下方への載置に基づいて装着および分離が可能なように備えられ、前記開閉ユニットは小型原子炉の状態計測のための多数のICI(In-core instrumen)モジュールが挿入装着される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
小型原子炉装置の運用方法であって、
小型原子炉の原子力発電を準備する段階;および
前記小型原子炉の原子力発電が行われる段階を含み、
前記小型原子炉は、
内部に炉心を含む本体ユニットと、前記本体ユニットの内部の開閉のために前記本体ユニットから装着および分離が可能なように備えられる開閉ユニットを含む、小型原子炉装置の運用方法。
【請求項2】
前記開閉ユニットは前記本体ユニットの内部に位置した状態で下方への移動に基づいて装着および分離が可能なように備えられる、請求項1に記載の小型原子炉装置の運用方法。
【請求項3】
前記開閉ユニットは多数のICI(In-core instrumen)モジュールが挿入装着される、請求項2に記載の小型原子炉装置の運用方法。
【請求項4】
前記ICIモジュールは上方端部が前記本体ユニットの前記炉心が位置する内部位置に及ばないように挿入装着される、請求項3に記載の小型原子炉装置の運用方法。
【請求項5】
前記本体ユニットは、
前記開閉ユニットが装着される下方の装着部を含み、前記装着部は上部に陥入部が形成される突出部を含み、
前記開閉ユニットは、
前記装着部に装着され、前記小型原子炉の動作に応じた内部圧力によって下方に加圧される、請求項1に記載の小型原子炉装置の運用方法。
【請求項6】
前記開閉ユニットは、
載置本体部と、前記載置本体部から周縁部の少なくとも一部に延びる延長本体部を含み、
前記延長本体部は、
前記突出部の間の開放空間に進入して前記突出部に装着され、
前記陥入部に進入して前記突出部の上部に載置するように装着される、請求項5に記載の小型原子炉装置の運用方法。
【請求項7】
前記開閉ユニットは、
前記本体ユニットの内部空間に後退して取り外される内部取り外し動作と、
前記内部取り外し動作に応じて前記内部空間で設定角度に進入方向が変更される進入方向変更動作と、
前記進入方向変更動作に応じて前記開放空間を経由して前記本体ユニットから取り外される外部取り外し動作に基づいて前記本体ユニットから分離される、請求項6に記載の小型原子炉装置の運用方法。
【請求項8】
前記小型原子炉は、
前記本体ユニットと前記開閉ユニットに基づいて計画予防整備が行われ、前記計画予防整備は前記小型原子炉の核燃料交換を含む、請求項6に記載の小型原子炉装置の運用方法。
【請求項9】
前記小型原子炉は、
前記本体ユニットと前記開閉ユニットに基づいて内部の冷却水流路の設置のための余裕空間が確保される、請求項6に記載の小型原子炉装置の運用方法。
【請求項10】
小型原子炉装置であって、
内部に炉心を含む本体ユニットと、
前記本体ユニットの内部の開閉のために前記本体ユニットから装着および分離が可能なように備えられる開閉ユニットを含み、
前記開閉ユニットは前記本体ユニットの内部で下方への載置に基づいて装着および分離が可能なように備えられ、
前記開閉ユニットは小型原子炉の状態計測のための多数のICI(In-core instrumen)モジュールが挿入装着される、小型原子炉装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は小型原子炉装置およびその運用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
小型モジュール型原子炉は主な設計概念および特性によって冷却剤の強制循環型と自然循環型に分類される。このような小型モジュール型原子炉は、コンパクトなサイズおよび原子炉内部に炉心、蒸気発生器(冷却剤ポンプ強制循環SMRの場合)などが集束されている。したがって、原子炉内部の設計の際、炉心下部での円滑な冷却剤の流動のためにICI(In-Core Instrument)アセンブリが備えられる。
【0003】
ICIアセンブリは、正常運転時に必ず必要な原子炉内部の情報を把握することができる。このようなICIアセンブリは原子炉上部から炉心まで至る方式で備えられる。原子炉は内部炉心上部に制御棒集合体およびその他の設備が構造上必須となっている。
【0004】
ICIアセンブリはこのような原子炉内部の構造物と共に45個に達するなど多数がともに備えられている。小型モジュール原子炉はコンパクトな内部構造を有するため、炉心上部の内部流路にICIアセンブリまで備えると内部流動効率の低下が生じ得る問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、小型モジュール原子炉内部に装着される各種計測装備の連結チューブなどが大型商業炉のように原子炉下部に設置できるようにすることによって、内部冷却水の流路を確保可能にすることにある。
【0006】
また、これにより原子炉出力と直接関連のある流動効率の向上に寄与できるようにすることにある。
【0007】
また、計画予防整備時の整備性(例:核燃料交換など)の向上に寄与できるようにすることにある。
【0008】
本発明の課題は以上で言及した課題に制限されず、言及されていないまた他の課題は以下の記載から当業者に明確に理解されるものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を達成するための本発明の一態様(aspect)による小型原子炉装置は、内部に炉心を含む本体ユニットと、前記本体ユニットの内部の開閉のために前記本体ユニットから装着および取り外しが可能なように備えられる開閉ユニットを含み、前記開閉ユニットは前記本体ユニットの内部で下方への載置に基づいて装着および取り外しが可能なように備えられ、前記開閉ユニットは小型原子炉の状態計測のための多数のICI(In-core instrumen)モジュールが挿入装着される。
【0010】
また、前記開閉ユニットは前記本体ユニットの内部に位置した状態で下方への移動に基づいて装着および取り外しが可能なように備えられる。
【0011】
また、前記開閉ユニットは多数のICIモジュールが挿入装着される。
【0012】
また、前記ICIモジュールは上方端部が前記本体ユニットの前記炉心が位置する内部位置に及ばないように挿入装着される。
【0013】
また、前記本体ユニットは前記開閉ユニットが装着される下方の装着部を含み、前記装着部は上部に陥入部が形成される突出部を含み、前記開閉ユニットは、前記装着部に装着され、前記小型原子炉の動作に応じた内部圧力によって下方に加圧される。
【0014】
また、前記開閉ユニットは、載置本体部と、前記載置本体部から周縁部の少なくとも一部に延びる延長本体部を含み、前記延長本体部は、前記突出部の間の開放空間に進入して前記突出部に装着され、前記延長本体部は前記陥入部に進入して前記突出部の上部に載置するように装着される。
【0015】
また、前記開閉ユニットは、前記延長本体部の周縁部に第1装着溝が形成され、前記第1装着溝には前記内部空間の密閉力向上のためのリング形状の第1金属仕上げ材が装着され、前記載置本体部の周縁部に第2装着溝が形成され、前記第2装着溝には前記内部空間の密閉力向上のためのリング形状の第2金属仕上げ材が装着され、前記延長本体部は前記第1金属仕上げ材が前記延長本体部の外径よりも大きい第1数値で突出し、前記本体ユニットに対応するように装着され、前記載置本体部は前記第2金属仕上げ材が前記載置本体部の外径よりも大きい第2数値で突出し、前記本体ユニットに対応するように装着される。
【0016】
また、前記開閉ユニットは、前記本体ユニットの内部空間に後退して取り外される内部取り外し動作と、前記内部取り外し動作に応じて前記内部空間で設定角度に進入方向が変更される進入方向変更動作と、前記進入方向変更動作に応じて前記開放空間を経由して前記本体ユニットから取り外される外部取り外し動作に基づいて前記本体ユニットから取り外される。
【0017】
また、前記小型原子炉は、前記本体ユニットと前記開閉ユニットに基づいて計画予防整備が行われ、前記計画予防整備は前記小型原子炉の核燃料交換を含む。
【0018】
また、前記小型原子炉は、前記本体ユニットと前記開閉ユニットに基づいて内部の冷却水流路の設置のための余裕空間が確保される。
【0019】
前記課題を達成するための本発明の他の態様(aspect)による小型原子炉装置の運用方法は、小型原子炉の原子力発電を準備する段階;および前記小型原子炉の原子力発電が行われる段階を含み、前記小型原子炉は、内部に炉心を含む本体ユニットと、前記本体ユニットの内部の開閉のために前記本体ユニットから装着および取り外しが可能なように備えられる開閉ユニットを含む。
【発明の効果】
【0020】
前記のような本発明の小型原子炉装置およびその運用方法によれば、次のような効果が一つあるいはそれ以上ある。
【0021】
本発明は小型モジュール原子炉内部に装着される各種計測装備の連結チューブなどが大型商業炉のように原子炉下部に設置できるようにすることによって、内部冷却水の流路を確保できるようにすることができる。
【0022】
また、これにより原子炉出力と直接関連のある流動効率の向上に寄与することができる。
【0023】
また、計画予防整備時の整備性(例:核燃料交換など)の向上に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の一実施形態による小型原子炉装置の一部を示す図である。
図2図1による小型原子炉装置の構成を示す図である。
図3図1による小型原子炉装置の下部が開閉される状態を示す図である。
図4図1による小型原子炉装置の下部が開閉される状態を示す図である。
図5図1による小型原子炉装置の下部が開閉される状態を示す図である。
図6図1による小型原子炉装置の下部が開閉される状態を示す図である。
図7図1による小型原子炉装置の構成を詳細に示す図である。
図8】本発明の一実施形態による小型原子炉装置の運用方法を順次に示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付する図面を参照して本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。本発明の利点および特徴、以下、添付する図面を参照して本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。本発明の利点および特徴、並びにこれらを達成する方法は添付する図面と共に詳細に後述する実施形態を参照すると明確になる。しかし、本発明は以下に開示する実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で実現することができ、本実施形態は単に本発明の開示を完全にし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供するものであり、本発明は請求項の範疇によってのみ定義される。明細書全体にわたって同一の参照符号は同一の構成要素を指すものとする。
【0026】
図1および図2を参照すると、本発明の一実施形態による小型原子炉装置100は、本体ユニット110および開閉ユニット120を含む。図4を参照すると、前記本体ユニット110は装着部111を含む。
【0027】
前記本体ユニット110の前記装着部111は突出部1112を含む。前記開閉ユニット120は載置本体部121および延長本体部122を含む。前記小型原子炉装置100の前記本体ユニット110は内部に炉心50を含む。
【0028】
このような前記小型原子炉装置100の前記開閉ユニット120は、前記本体ユニット110の内部の開閉のために前記本体ユニット110に装着が可能である。前記開閉ユニット120は前記本体ユニット110の内部の開閉のために前記本体ユニット110から取り外しがである。
【0029】
前記開閉ユニット120は前記本体ユニット110の内部で下方への載置が可能である。前記開閉ユニット120はこのような下方への載置に基づいて前記装着と前記取り外しが可能なように備えられる。前記開閉ユニット120は多数のICI(In-core instrumen)モジュール130が挿入装着される。
【0030】
さらに前記ICIモジュール130は小型原子炉装置100の状態計測を行う。前記ICIモジュール130は上方端部が前記本体ユニット110の前記炉心50が位置する内部位置に及ばないように挿入装着される。
【0031】
前記本体ユニット110の前記装着部111は前記開閉ユニット120が装着される下方の領域に該当する。前記装着部111の前記突出部1112は上部に陥入部1111が形成される。
【0032】
なお、前記開閉ユニット120は前記装着部111に装着される。前記開閉ユニット120は、前記小型原子炉装置100の動作に応じた内部圧力によって下方に加圧される。前記開閉ユニット120の前記載置本体部121は前記本体ユニット110に載置する。
【0033】
前記開閉ユニット120の前記延長本体部122は、前記載置本体部121から周縁部の少なくとも一部に延びて備えられる。前記延長本体部122は、前記突出部1112の間の開放空間Sに進入して前記突出部1112に装着される。
【0034】
ここで前記延長本体部122は前記陥入部1111に進入して前記突出部1112の上部に載置するように装着される。図3ないし図6を参照すると、前記開閉ユニット120は内部取り外し動作、進入方向変更動作および外部取り外し動作に基づいて装着および取り外しが行われる。
【0035】
前記開閉ユニット120の前記内部取り外し動作は、前記本体ユニット110の内部空間Iに後退して取り外される動作に該当する。前記開閉ユニット120の前記進入方向変更動作は、前記内部取り外し動作に応じて前記内部空間Iで設定角度に進入方向が変更される動作に該当する。
【0036】
さらに前記開閉ユニット120の前記外部取り外し動作は、前記進入方向変更動作に応じて前記開放空間Sを経由する動作を含む。次に前記開閉ユニット120の前記進入方向変更動作は設定角度に進入方向が変更された後、前記本体ユニット110から取り外される動作を含む。
【0037】
前記小型原子炉装置100は前記本体ユニット110と前記開閉ユニット120に基づいて計画予防整備が行われる。前記計画予防整備は前記小型原子炉装置100の核燃料交換などを含む。
【0038】
このような前記小型原子炉装置100は前記本体ユニット110と前記開閉ユニット120に基づいて内部の冷却水流路の設置のための余裕空間が確保される。
【0039】
図7を参照すると、前記開閉ユニット120は前記延長本体部122の周縁部に第1装着溝121Hが形成される。前記第1装着溝121Hには前記内部空間Iの密閉力向上のためのリング形状の第1金属仕上げ材140が装着される。
【0040】
ここで前記載置本体部121の周縁部に第2装着溝122Hが形成される。前記第2装着溝122Hには前記内部空間Iの密閉力向上のためのリング形状の第2金属仕上げ材150が装着される。
【0041】
前記延長本体部122は前記第1金属仕上げ材140が前記延長本体部122の外径よりも大きい第1数値で突出し、前記本体ユニット110に対応するように装着される。
【0042】
さらに前記載置本体部121は前記第2金属仕上げ材150が前記載置本体部121の外径よりも大きい第2数値で突出し、前記本体ユニット110に対応するように装着される。
【0043】
図8を参照すると、本発明の一実施形態による小型原子炉装置の運用方法S100は、運用のための小型原子炉装置100の原子力発電の準備あるいは選定が行われる。次に、前記小型原子炉装置100の原子力発電が行われる。
【0044】
このような前記小型原子炉装置100は、内部に本体ユニット110と、前記本体ユニット110の内部の開閉のために前記本体ユニット110から装着および分離が可能なように備えられる開閉ユニット120を含む。
【0045】
以上と添付する図面を参照して本発明の実施形態について説明したが、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者は、本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更せず、他の具体的な形態で実施できることを理解することができる。したがって、上記一実施形態はすべての面で例示的なものであり、限定的なものではないと理解しなければならない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】