特表 2025-500947 原子力発電所の解体方法および装置

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公表特許公報(A)

(11)【公表番号】

(43)【公表日】2025-01-15

(54)【発明の名称】原子力発電所の解体方法および装置

(51)【国際特許分類】

   G21F 9/30 20060101AFI20250107BHJP

【ＦＩ】

G21F9/30 535B

G21F9/30 535F

【審査請求】有

【予備審査請求】未請求

(21)【出願番号】P 2024537079

(86)(22)【出願日】2023-01-02

(85)【翻訳文提出日】2024-06-19

(86)【国際出願番号】 KR2023000022

(87)【国際公開番号】W WO2023132581

(87)【国際公開日】2023-07-13

(31)【優先権主張番号】10-2022-0000743

(32)【優先日】2022-01-04

(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR

(81)【指定国・地域】

(71)【出願人】

【識別番号】518442000

【氏名又は名称】コリア ハイドロ アンド ニュークリアー パワー カンパニー リミテッド

(74)【代理人】

【識別番号】110000671

【氏名又は名称】ＩＢＣ一番町弁理士法人

(72)【発明者】

【氏名】ファン，ヨン ファン

(72)【発明者】

【氏名】キム，チョン ウ

(72)【発明者】

【氏名】ファン，ソク ジュ

(72)【発明者】

【氏名】イ，ミ ヒュン

(57)【要約】

原子力発電所の解体方法および装置を提供する。原子力発電所の解体方法は、解体対象原子炉を選定する段階；および原子炉解体装置により前記原子炉に対する原子力発電所の解体作業が行われる段階を含み、前記原子炉解体装置は、前記原子炉を遮蔽して前記原子炉の汚染物質の外部放出を防止するフレームユニットと、前記フレームユニット上に備えられ、前記原子炉に対する切断作業を行うための切断加工モジュールと、内部に中空領域が形成され、前記原子炉の内部領域に進入して前記フレームユニットと前記原子炉を連動させるバー（Ｂａｒ）形状の連動固定モジュールと、前記連動固定モジュールの前記中空領域に進入し、前記切断作業上の安全性確保のために前記原子炉の内部に対するパージを行うパージモジュールを含む。

【特許請求の範囲】

【請求項1】

原子力発電所の解体方法であって、
解体対象原子炉を選定する段階；および
原子炉解体装置により前記原子炉に対する原子力発電所の解体作業が行われる段階を含み、
前記原子炉解体装置は、
前記原子炉を遮蔽して前記原子炉の汚染物質の外部放出を防止するフレームユニットと、
前記フレームユニット上に備えられ、前記原子炉に対する切断作業を行うための切断加工モジュールと、
内部に中空領域が形成され、前記原子炉の内部領域に進入して前記フレームユニットと前記原子炉を連動させるバー（Ｂａｒ）形状の連動固定モジュールと、
前記連動固定モジュールの前記中空領域に進入し、前記切断作業上の安全性確保のために前記原子炉の内部に対するパージを行うパージモジュールを含む、原子力発電所の解体方法。

【請求項2】

前記連動固定モジュールは高さ方向に複数に区画する区画体を含み、
前記区画体は、
前記連動固定モジュールの高さ方向上に位置され、前記内部領域への連通のための第１領域を形成する第１区画体と、
前記連動固定モジュールの高さ方向上に位置され、前記第１区画体と前記内部領域への連通のための第２領域を形成する第２区画体と、
前記連動固定モジュールの高さ方向上に位置され、前記第２区画体と前記内部領域への連通のための第３領域を形成する第３区画体を含み、
前記パージモジュールは前記第１領域ないし前記第３領域を媒介として前記原子炉の前記内部領域に対するパージを行う、請求項１に記載の原子力発電所の解体方法。

【請求項3】

前記パージモジュールは、
前記第３領域に進入して第１パージガスを供給する第１パージモジュールと、
前記第３区画体を経由して前記第２領域に進入し、前記第２領域に第２パージガスを供給する第２パージモジュールと、
前記第３区画体と前記第２区画体を経由して前記第１領域に進入し、前記第１領域に第３パージガスを供給する第３パージモジュールを含み、
前記パージモジュールは前記第１パージガスないし前記第３パージガスの選択的噴射により前記原子炉の前記内部領域に対するパージ水準を制御する、請求項２に記載の原子力発電所の解体方法。

【請求項4】

前記パージモジュールは、
前記第１パージガスないし前記第３パージガスが互いに同一であるか、
前記第１パージガスないし前記第３パージガスのうち少なくともいずれか一つのガスが他のガスと異なる、請求項３に記載の原子力発電所の解体方法。

【請求項5】

前記連動固定モジュールは前記第１領域ないし前記第３領域を囲む周縁面に多数の通孔が形成され、
前記パージモジュールは前記通孔を介して前記第１パージガスないし前記第３パージガスを噴射して前記原子炉の前記内部領域に対するパージを行う、請求項４に記載の原子力発電所の解体方法。

【請求項6】

前記第１パージモジュールの前記第１パージガスは前記内部領域のうち前記第１領域に対応する第１内部領域に進入して前記原子炉に対するパージを行い、
前記第２パージモジュールの前記第２パージガスは前記内部領域のうち前記第２領域に対応する第２内部領域に進入して前記原子炉に対するパージを行い、
前記第３パージモジュールの前記第３パージガスは前記内部領域のうち前記第３領域に対応する第３内部領域に進入して前記原子炉に対するパージを行う、請求項５に記載の原子力発電所の解体方法。

【請求項7】

原子力発電所の解体装置であって、
原子炉を遮蔽して前記原子炉の汚染物質の外部放出を防止するフレームユニット；
前記フレームユニット上に備えられ、前記原子炉に対する切断作業を行うための切断加工モジュール；
内部に中空領域が形成され、前記原子炉の内部に進入して前記フレームユニットと前記原子炉を連動させる連動固定モジュール；および
前記連動固定モジュールの前記中空領域に進入し、前記切断作業上の安全性確保のために前記原子炉の内部に対するパージを行うパージモジュールを含む、原子力発電所の解体装置。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は原子力発電所の解体方法および装置に関する。

【背景技術】

【0002】

原子力発電所の解体作業を行う際には、通常、熱的切断方式を用いる。このような熱的伝達方式により切断解体を行う場合、酸素－プロパントーチを用いて切断することができる。この場合、切断解体は高温の熱エネルギを用いて金属を溶融して行われる。ここで切断解体は設備内に投入された装備を用いた解体（ｉｎ－ｓｉｔｕ）方式であり、原子炉を別の空間に移動させることなく、原位置で揚重設備を用いてそのまま引き揚げて切断解体を行う。このような環境で熱的切断方式を行う場合、切断解体対象上に存在するガスによる爆発と爆轟などの危険性が存在する。そのため産業安全の側面から安全性の確保が必要である。

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0003】

本発明が解決しようとする課題は、原子力発電所の解体作業として熱的剪断を行うことにおいて、切断解体対象あるいは周辺に存在するガスによる爆発と爆轟などの危険性を解消できる原子力発電所の解体方法および装置を提供することにある。

【0004】

また、このような危険性を解消することにより人命被害と物的損害を防止できる原子力発電所の解体方法および装置を提供することにある。

【0005】

また、終局的には原子力発電所関連産業の安全における安全性確保を達成できる原子力発電所の解体方法および装置を提供することにある。

【0006】

本発明の課題は以上で言及した課題に制限されず、言及されていないまた他の課題は以下の記載から当業者に明確に理解されるものである。

【課題を解決するための手段】

【0007】

前記課題を達成するための本発明の一態様（ａｓｐｅｃｔ）による原子力発電所の解体方法および装置１は、原子力発電所の解体装置であって、前記原子炉を遮蔽して前記原子炉の汚染物質の外部放出を防止するフレームユニット；前記フレームユニット上に備えられ、前記原子炉に対する切断作業を行うための切断加工モジュール；内部に中空領域が形成され、前記原子炉の内部に進入して前記フレームユニットと前記原子炉を連動させる連動固定モジュール；および前記連動固定モジュールの前記中空領域に進入し、前記切断作業上の安全性確保のために前記原子炉の内部に対するパージを行うパージモジュールを含む。

【0008】

前記課題を達成するための本発明の他の態様（ａｓｐｅｃｔ）による原子力発電所の解体方法および装置２は、原子力発電所解体装置の運用方法として、解体対象原子炉を選定する段階；および原子炉切断装置により前記原子炉に対する原子力発電所の解体作業が行われる段階を含み、前記原子炉切断装置は、前記原子炉を遮蔽して前記原子炉の汚染物質の外部放出を防止するフレームユニットと、前記フレームユニット上に備えられ、前記原子炉に対する切断作業を行うための切断加工モジュールと、内部に中空領域が形成され、前記原子炉の内部空間に進入して前記フレームユニットと前記原子炉を連動させるバー（Ｂａｒ）形状の連動固定モジュールと、前記連動固定モジュールの前記中空領域に進入し、前記切断作業上の安全性確保のために前記原子炉の内部に対するパージを行うパージモジュールを含む。

【0009】

また、前記連動固定モジュールは高さ方向に複数に区画する区画体を含み、前記区画体は、前記連動固定モジュールの高さ方向上に位置され、前記内部空間への連通のための第１空間を形成する第１区画体と、前記連動固定モジュールの高さ方向上に位置され、前記第１区画体と前記内部空間への連通のための第２空間を形成する第２区画体と、前記連動固定モジュールの高さ方向上に位置され、前記第２区画体と前記内部空間への連通のための第３空間を形成する第３区画体を含み、前記パージモジュールは前記第１空間ないし前記第３空間を媒介として前記原子炉の前記内部空間に対するパージを行う。

【0010】

また、前記パージモジュールは、前記第３空間に進入して第１パージガスを供給する第１パージモジュールと、前記第３区画体を経由して前記第２空間に進入し、前記第２空間に第２パージガスを供給する第２パージモジュールと、前記第３区画体と前記第２区画体を経由して前記第１空間に進入し、前記第１空間に第３パージガスを供給する第３パージモジュールを含み、前記パージモジュールは前記第１パージガスないし前記第３パージガスの選択的噴射により前記原子炉の前記内部空間に対するパージ水準を制御する。

【0011】

また、前記パージモジュールは、前記第１パージガスないし前記第３パージガスが互いに同一であるか、前記第１パージガスないし前記第３パージガスのうち少なくともいずれか一つのガスが他のガスと異なる。

【0012】

また、前記連動固定モジュールは前記第１領域ないし前記第３領域を囲む周縁面に多数の通孔が形成され、前記パージモジュールは前記通孔を介して前記第１パージガスないし前記第３パージガスを噴射して前記原子炉の前記内部空間に対するパージを行う。

【0013】

また、前記第１パージモジュールの前記第１パージガスは前記内部空間のうち前記第１空間に対応する第１内部空間に進入して前記原子炉に対するパージを行い、前記第２パージモジュールの前記第２パージガスは前記内部空間のうち前記第２空間に対応する第２内部空間に進入して前記原子炉に対するパージを行い、前記第３パージモジュールの前記第３パージガスは前記内部空間のうち前記第３空間に対応する第３内部空間に進入して前記原子炉に対するパージを行う。

【発明の効果】

【0014】

上記のような本発明の原子力発電所の解体方法および装置によれば、次のような効果が一つあるいはそれ以上ある。

【0015】

本発明は原子力発電所の解体作業として熱的剪断を行うことにおいて、切断解体対象あるいは周辺に存在するガスによる爆発と爆轟などの危険性を解消することができる。

【0016】

また、このような危険性を解消することにより原子力発電所における人命被害と物的損害を防止することができる。

【0017】

また、終局的には原子力発電所関連産業の安全における安全性確保を達成することができる。

【図面の簡単な説明】

【0018】

【図1】本発明の一実施形態による原子力発電所の解体装置を示す図である。

【図2】図１による構成を詳細に示す図である。

【図3】図１による構成を詳細に示す図である。

【図4】図１による構成を詳細に示す図である。

【図5】図１による構成を詳細に示す図である。

【図6】本発明の一実施形態による原子力発電所解体装置の運用方法を順次に示すフローチャートである。

【発明を実施するための形態】

【0019】

以下、添付する図面を参照して本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。本発明の利点および特徴、並びにこれらを達成する方法は添付する図面と共に詳細に後述する実施形態を参照すると明確になる。しかし、本発明は以下に開示する実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で実現することができ、本実施形態は単に本発明の開示を完全にし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供するものであり、本発明は請求項の範疇によってのみ定義される。明細書全体にわたって同一の参照符号は同一の構成要素を指すものとする。

【0020】

図１を参照すると、本発明の一実施形態による原子力発電所の解体装置１００は、フレームユニット１１０、切断加工モジュール１２０、連動固定モジュール１３０、パージモジュール１４０、消火モジュール１５０、ガス濃度分析モジュール１６０および吸気モジュール１７０を含む。

【0021】

ここで前記フレームユニット１１０は上方構造部１１１、下方構造部１１２を含む。前記連動固定モジュール１３０は区画体１３１，１３２，１３３を含む。前記区画体１３１，１３２，１３３は第１区画体１３１、第２区画体１３２および第３区画体１３３を含む。

【0022】

前記パージモジュール１４０は第１パージモジュール１４１、第２パージモジュール１４２および第３パージモジュール１４３を含む。前記消火モジュール１５０は外筒体１５１および内筒体１５２を含む。

【0023】

図２ないし図５を参照すると、前記フレームユニット１１０は、前記原子炉１０を遮蔽して前記原子炉１０の汚染物質の外部放出を防止するためのものである。これのために、前記原子炉１０の上部周辺部に載置する所定形状の構造物として備えられる。

【0024】

前記切断加工モジュール１２０は、前記フレームユニット１１０上に備えられ、前記原子炉１０に対する切断作業を行う。前記連動固定モジュール１３０は内部に中空領域Ｓ１が形成される。

【0025】

このような前記連動固定モジュール１３０は、前記原子炉１０の内部領域Ｍ１に進入して前記フレームユニット１１０と前記原子炉１０を連動させる。ここで連動は、物理的連結と機能的動作など多様な部分を含むことができる。

【0026】

前記パージモジュール１４０は前記連動固定モジュール１３０の前記中空領域Ｓ１に進入する。このような前記パージモジュール１４０は、前記中空領域Ｓ１に進入後に前記切断作業上の安全性確保のために前記原子炉１０の内部に対するパージを行う。

【0027】

前記区画体１３１，１３２，１３３は、前記連動固定モジュール１３０を高さ方向に複数に区画する。ここで前記区画体１３１，１３２，１３３の前記第１区画体１３１は、前記連動固定モジュール１３０の高さ方向上に位置され、前記内部領域Ｍ１への連通のための第１領域Ｓ１１を形成する。

【0028】

さらに、前記区画体１３１，１３２，１３３の前記第２区画体１３２は、前記連動固定モジュール１３０の高さ方向上に位置され、前記第１区画体１３１と前記内部領域Ｍ１への連通のための第２領域Ｓ１２を形成する。

【0029】

前記区画体１３１，１３２，１３３の前記第３区画体１３３は、前記連動固定モジュール１３０の高さ方向上に位置され、前記第２区画体１３２と前記内部領域Ｍ１への連通のための第３領域Ｓ３を形成する第３区画体１３３を含む。

【0030】

なお、前記パージモジュール１４０は、前記第１領域Ｓ１１ないし前記第３領域Ｓ３を媒介として前記原子炉１０の前記内部領域Ｍ１に対するパージを行う。前記パージモジュール１４０の前記第１パージモジュール１４１は、前記第３領域Ｓ３に進入して第１パージガスを供給する。

【0031】

前記パージモジュール１４０の前記第２パージモジュール１４２は、前記第３区画体１３３を経由して前記第２領域Ｓ１２に進入し、前記第２領域Ｓ１２に第２パージガスに供給する。

【0032】

前記パージモジュール１４０の前記第３パージモジュール１４３は、前記第３区画体１３３と前記第２区画体１３２を経由して前記第１領域Ｓ１１に進入し、前記第１領域Ｓ１１に第３パージガスを供給する。

【0033】

ここで前記パージモジュール１４０は、前記第１パージガスないし前記第３パージガスの選択的噴射により前記原子炉１０の前記内部領域Ｍ１に対するパージ水準を制御する。

【0034】

前記パージモジュール１４０は前記第１パージガスないし前記第３パージガスが互いに同一であるか、前記第１パージガスないし前記第３パージガスのうち少なくともいずれか一つのガスが他のガスと異なってもよい。

【0035】

なお、前記第１パージガスないし前記第３パージガスのうち少なくともいずれか一つは不活性ガス（例：窒素、アルゴンなど）を含む。なお、前記連動固定モジュール１３０は、前記第１領域Ｓ１１ないし前記第３領域Ｓ１３を囲む周縁面に多数の通孔ＴＨが形成される。

【0036】

前記パージモジュール１４０は、前記通孔ＴＨを介して前記第１パージガスないし前記第３パージガスを噴射して前記原子炉１０の前記内部領域Ｍ１に対するパージを行う。

【0037】

前記第１パージモジュール１４１の前記第１パージガスは、前記内部領域Ｍ１のうち前記第１領域Ｓ１１に対応する第１内部領域Ｍ１１に進入して前記原子炉１０に対するパージを行う。

【0038】

また、前記第２パージモジュール１４２の前記第２パージガスは、前記内部領域Ｍ１のうち前記第２領域Ｓ１２に対応する第２内部領域Ｍ１２に進入して前記原子炉１０に対するパージを行う。

【0039】

前記第３パージモジュール１４３の前記第３パージガスは、前記内部領域Ｍ１のうち前記第３領域Ｓ３に対応する第３内部領域Ｍ１３に進入して前記原子炉１０に対するパージを行う。

【0040】

なお、前記フレームユニット１１０の前記上方構造部１１１は所定形状で備えられる。前記フレームユニット１１０の前記下方構造部１１２は前記上方構造部１１１と対向するように備えられる。

【0041】

このような前記上方構造部１１１と前記下方構造部１１２は四角形、多角形、円形および楕円形などの横断面形状を有するように備えられる。さらに、切断加工モジュール１２０は、前記フレームユニット１１０上に単数または複数備えられて前記原子炉１０に対する切断作業を行う。

【0042】

前記消火モジュール１５０は、前記上方構造部１１１と前記下方構造部１１２の間に多数備えられる。このような前記消火モジュール１５０は、前記熱源に反応して前記火災が発生した火災発生側に前記消火流体Ｌを供給する役割をする。

【0043】

前記消火モジュール１５０は前記フレームユニット１１０上に備えられ、前記原子炉１０で火災が発生すると、前記火災による熱源によって溶融して内部の消火流体Ｌが外部に自動的に供給されるようにする。

【0044】

なお、上述した前記フレームユニット１１０の前記下方構造部１１２は、前記原子炉１０の周縁部を囲むリング状体として備えられる。前記消火モジュール１５０は前記下方構造部１１２の周縁部上に多数配置される。

【0045】

前記消火モジュール１５０は前記熱源によって前記火災発生側にそれぞれ前記消火流体Ｌを供給する。さらに、前記消火モジュール１５０の前記外筒体１５１は中空型の金属材質を含む。前記消火モジュール１５０の前記内筒体１５２は前記管状部の内部に収容される。

【0046】

このような前記内筒体１５２は内部に前記消火流体Ｌが充填される。前記外筒体１５１には外周面の周縁部の少なくとも一部が横方向あるいは縦方向に切開される切開部が形成される。

【0047】

前記内筒体１５２は前記火災に反応して少なくとも一部が溶融する。このような溶融により前記消火流体Ｌが前記切開部を介して前記外筒体１５１の外部に供給される。

【0048】

前記ガス濃度分析モジュール１６０は、フレームユニット１１０と前記原子炉１０のうち少なくともいずれか一つの位置に備えられるか、前記フレームユニット１１０と前記原子炉１０が相互隣接して接する部位に備えられる。

【0049】

このような前記ガス濃度分析モジュール１６０により前記パージモジュール１４０のパージの必要性を把握してパージを行うことができる。また、パージの適切な実行が行われたかを持続的に把握してパージモジュールが動作したかどうかを管理することができる。

【0050】

前記吸気モジュール１７０は、前記パージモジュール１４０と対応して前記パージモジュール１４０を介して排出されるガスを吸気する。これのために、前記吸気モジュール１７０は前記フレームユニット１１０と前記原子炉１０上に備えられる。

【0051】

さらに、前記フレームユニット１１０と前記原子炉１０の間に位置移動することができ、吸気動作をすることができる。例えば、前記パージモジュール１４０と同様の方式で上下に移動可能に備えられることもできる。

【0052】

図６を参照すると、本発明の一実施形態による原子力発電所解体装置の運用方法は、解体対象原子炉１０を選定する。原子炉解体装置１００により前記原子炉１０に対する原子力発電所の解体作業が行われる。

【0053】

ここで前記原子炉解体装置１００は、フレームユニット１１０が前記原子炉１０を遮蔽して前記原子炉１０の汚染物質の外部放出を防止するように備えられる。このような前記原子炉解体装置１００は原子炉の引き揚げのための機能を含む。

【0054】

前記フレームユニット１１０上に切断加工モジュール１２０が備えられ、前記原子炉１０に対する切断作業を行う。バー（Ｂａｒ）形状の連動固定モジュール１３０は、内部に前記原子炉１０の内部領域Ｍ１に進入して前記フレームユニット１１０と前記原子炉１０を連動させる。

【0055】

このような前記連動固定モジュール１３０は、内部に中空領域Ｓ１が形成される。なお、パージモジュール１４０は前記連動固定モジュール１３０の前記中空領域Ｓ１に進入して前記切断作業上の安全性確保のために前記原子炉１０の内部に対するパージを行う。

【0056】

なお、前記消火モジュール１５０は、前記フレームユニット１１０上に備えられる。前記消火モジュール１５０は、前記原子炉１０で火災が発生すると、前記火災による熱源によって溶融する。このような溶融により内部に位置した消火流体Ｌが外部に自動的に供給されるようになる。

【0057】

以上と添付する図面を参照して本発明の実施形態について説明したが、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者は、本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更せず、他の具体的な形態で実施できることを理解することができる。したがって、上記一実施形態はすべての面で例示的なものであり、限定的なものではないと理解しなければならない。

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【国際調査報告】