IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ベックマン コールター, インコーポレイテッドの特許一覧

特表2025-500966生物学的分析システムにおける流体輸送
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-15
(54)【発明の名称】生物学的分析システムにおける流体輸送
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/10 20060101AFI20250107BHJP
   G01N 35/00 20060101ALI20250107BHJP
【FI】
G01N35/10 A
G01N35/00 E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024537580
(86)(22)【出願日】2022-12-22
(85)【翻訳文提出日】2024-06-20
(86)【国際出願番号】 US2022053753
(87)【国際公開番号】W WO2023122238
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】63/292,806
(32)【優先日】2021-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510005889
【氏名又は名称】ベックマン コールター, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Beckman Coulter, Inc.
【住所又は居所原語表記】250 S. Kraemer Boulevard, Brea, CA 92821, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100110663
【弁理士】
【氏名又は名称】杉山 共永
(72)【発明者】
【氏名】ベイナー,クレイグ
(72)【発明者】
【氏名】ワンダース,バート
(72)【発明者】
【氏名】カイ,シルイ
(72)【発明者】
【氏名】ズレタ,マルコ
【テーマコード(参考)】
2G058
【Fターム(参考)】
2G058AA05
2G058BA03
2G058EA02
2G058GA01
2G058GA11
2G058GE02
(57)【要約】
生物学的分析システムはプローブを含む。プローブは、第1のチャンバに生物学的試料を分注するように構成される。システムはポンプも含む。ポンプは、生物学的試料と混合して試料混合物を生成するために、第1のチャンバに希釈液の第1の送達分を搬送し、第1のチャンバから試料混合物の一部分を吸引し、試料混合物の一部分を第2のチャンバに搬送するように構成される。生物学的試料を分析する方法は、第1のポンプを介して第1のチャンバに希釈液を搬送することと、プローブを介して第1のチャンバに血液試料を分注して、試料混合物を生成することと、試料混合物の一部分を、第1のポンプを介して第1のチャンバから第2のチャンバに搬送することと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生物学的分析システムであって、
(a)プローブであって、第1のチャンバに生物学的試料を分注するように構成されたプローブと、
(b)ポンプであって、
(i)前記生物学的試料と混合して試料混合物を生成するために、前記第1のチャンバに希釈液の第1の送達分を搬送し、
(ii)前記第1のチャンバから前記試料混合物の一部分を吸引し、
(iii)前記試料混合物の前記一部分を第2のチャンバに搬送する
ように構成されたポンプと、を備える生物学的分析システム。
【請求項2】
前記プローブが、前記生物学的試料を前記第1のチャンバに分注する前に、生物学的検体から前記生物学的試料を吸引するように構成されている、請求項1に記載の生物学的分析システム。
【請求項3】
前記ポンプがシリンジポンプを含む、請求項1に記載の生物学的分析システム。
【請求項4】
CBCドリップチャンバをさらに備え、前記CBCドリップチャンバが、前記第1または第2のチャンバの少なくとも一方の中の血球を計数するように構成されている、請求項1に記載の生物学的分析システム。
【請求項5】
前記ポンプが、前記試料混合物の前記一部分を前記第2のチャンバに搬送する間に、希釈液の第2の送達分を前記第2のチャンバに搬送するように構成されている、請求項1に記載の生物学的分析システム。
【請求項6】
溶解液ポンプをさらに備え、前記溶解液ポンプが前記第1のチャンバに溶解液を搬送するように構成されている、請求項1に記載の生物学的分析システム。
【請求項7】
前記第1および第2のチャンバをさらに備え、前記第1および第2のチャンバが、互いと選択的に流体結合されるように構成されている、請求項1に記載の生物学的分析システム。
【請求項8】
前記第1および第2のチャンバを互いと選択的に流体結合するように構成された輸送ラインをさらに備え、前記ポンプは、前記輸送ラインを通じて前記試料混合物の前記一部分を前記第2のチャンバに搬送する前に、前記試料混合物の前記一部分を前記輸送ライン内に吸引するように構成されている、請求項7に記載の生物学的分析システム。
【請求項9】
前記輸送ラインに選択的に流体結合されるように構成された少なくとも1つの希釈液プッシュ/プルラインをさらに備え、前記ポンプは、前記試料混合物の前記一部分を前記輸送ライン内に吸引する間に、前記少なくとも1つの希釈液プッシュ/プルライン内にエアギャップを引き込むように構成されている、請求項8に記載の生物学的分析システム。
【請求項10】
生物学的分析システムであって、
(a)第1のチャンバと、
(b)第2のチャンバと、
(c)プローブであって、前記第1のチャンバに生物学的試料を分注するように構成されたプローブと、
(d)第1のポンプであって、前記生物学的試料の一部分を前記第1のチャンバから前記第2のチャンバに輸送するように構成された第1のポンプと、
(e)第2のポンプであって、前記第1のチャンバまたは前記第2のチャンバの少なくとも一方に流体媒体を搬送するように構成された第2のポンプと、を備える生物学的分析システム。
【請求項11】
前記流体媒体が溶解液を含み、前記第2のポンプが、前記生物学的試料の前記一部分を前記第2のチャンバに輸送した後に、前記溶解液を前記第1のチャンバに搬送するように構成されている、請求項10に記載の生物学的分析システム。
【請求項12】
CBCドリップチャンバをさらに備え、前記CBCドリップチャンバが、前記第1または第2のチャンバの少なくとも一方の中の血球を計数するために、前記第1または第2のチャンバの少なくとも一方に流体結合されている、請求項10に記載の生物学的分析システム。
【請求項13】
前記第1のポンプが、前記生物学的試料の前記一部分を前記第2のチャンバに輸送する前に、前記生物学的試料と混合して試料混合物を生成するために、前記第1のチャンバに希釈液の第1の送達分を搬送するように構成されている、請求項10に記載の生物学的分析システム。
【請求項14】
前記第1のポンプが、前記生物学的試料の前記一部分を前記第2のチャンバに輸送する間に、希釈液の第2の送達分を前記第2のチャンバに搬送するように構成されている、請求項13に記載の生物学的分析システム。
【請求項15】
前記第1および第2のチャンバが、互いと選択的に流体結合されるように構成されている、請求項10に記載の生物学的分析システム。
【請求項16】
(a)前記第1および第2のチャンバを互いと選択的に流体結合するように構成された輸送ラインと、
(b)前記輸送ラインに選択的に流体結合されるように構成された、少なくとも1つの希釈液プッシュ/プルラインと、をさらに備え、
前記第1のポンプは、前記生物学的試料の前記一部分を前記輸送ライン内に吸引する間に、前記少なくとも1つの希釈液プッシュ/プルラインにエアギャップを引き込むように構成されている、請求項15に記載の生物学的分析システム。
【請求項17】
前記第1のチャンバがヘモグロビントランスデューサを備える、請求項10に記載の生物学的分析システム。
【請求項18】
前記ヘモグロビントランスデューサが、フィルタ付き光源および光学センサを備える、請求項17に記載の生物学的分析システム。
【請求項19】
生物学的試料を分析する方法であって、
(a)第1のポンプを介して第1のチャンバに希釈液を搬送することと、
(b)プローブを介して前記第1のチャンバに血液試料を分注して、試料混合物を生成することと、
(c)前記試料混合物の一部分を、前記第1のポンプを介して前記第1のチャンバから第2のチャンバに搬送することと、を含む方法。
【請求項20】
第2のポンプを介して前記第1のチャンバに溶解液を搬送することをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記輸送ラインに沿って位置する輸送ライン弁の対をさらに備え、前記輸送ライン弁の対は、輸送ライン部分によって互いから隔てられており、前記輸送ライン部分は固定された容積を有し、前記輸送ライン部分が、前記輸送ライン部分の前記固定された容積と実質的に等しい所定の体積を有する前記試料混合物の前記一部分を受け取るように構成されている、請求項8に記載の生物学的分析システム。
【請求項22】
前記輸送ライン弁の対の各輸送ライン弁が三方弁を含む、請求項21に記載の生物学的分析システム。
【請求項23】
前記少なくとも1つの希釈液プッシュ/プルラインが、希釈液プッシュ/プルラインの対を含む、請求項9に記載の生物学的分析システム。
【請求項24】
前記輸送ラインに沿って位置する三方弁の対をさらに備え、前記三方弁の対の各三方弁が、前記希釈液プッシュ/プルラインの対のそれぞれの希釈液プッシュ/プルラインに結合されている、請求項23に記載の生物学的分析システム。
【請求項25】
前記三方弁の対が、輸送ライン部分によって互いから隔てられており、前記輸送ライン部分が、固定された容積を有する、請求項24に記載の生物学的分析システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権
本願は、2022年12月22日に出願された「Fluid Transfer in a Biological Analysis System」という名称の米国特許出願第63/292,806号の利益を主張し、同出願の開示内容は参照によって本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
患者の診断および治療に関係する様々な種類の検査を、患者試料の分析によって行うことができる。これは、患者の微生物または「マイクローブ」の分析、ならびに化学的性質、抗原、抗体、血球数、および患者の健康に影響し得る他の因子を判定するための試料の分析を含み得る。マイクローブは、バクテリア、菌類、またはウィルスなどの微視的な生物であり、これらは単細胞の場合も多細胞の場合もある。マイクローブを分析する際、患者の微生物を含有している生物学的試料を、患者の感染物質、体液、または膿瘍から採取し、試験パネルまたはアレイに置き、様々な試薬と組み合わせ、培養、分析して、患者の治療を助けることができる。患者の化学的性質、イムノアッセイ、血球計数、およびその他特性の分析が同様に行われ得る。これら様々な分析のために、手動操作を用いる分析と比べて患者試料の分析を容易にし、結果の精度と信頼性を向上させ、様々な抗菌物質の有効性を判定するのを助けるという医療施設およびその他機関の必要性を満たすべく、自動化された生化学分析器または生物学的検査システムが開発されている。
【0003】
生物学的試料は、普通、チャンバ内で分析、処理、および/または試験を行うために様々なチャンバに分注される。例えば、血液分析器は、試料プローブ(吸引・分注プローブとも呼ばれる)を備えることがあり、プローブは、検体から生物学的試料(例えば、血液)を吸引し、次いでその生物学的試料を第1の浴(例えば、白血球浴)に分注し得る。プローブは、その後、試料溶液の一部を第1の浴から吸引してから、吸引した部分を第2の浴(例えば、赤血球浴)に分注することができ、その結果、第1の浴と第2の浴の試料溶液の各部分を互いと別個に分析することができる。プローブは、少なくとも検体、第1の浴、および第2の浴を含む経路に沿って進まなければならない。そのような経路は、複雑であることがあり、および/または比較的大きい占有面積を有することがあり、分析器のサイズが、この経路を収容するために望ましくなく大きくなければならない場合がある。プローブはまた、各浴への試料溶液の送達を容易にするために、少なくとも4つの別々のタスク(例えば、第1の吸引、第1の分注、第2の吸引、および第2の分注)を順に行う必要がある。これらのタスクすべてを行うためにプローブにそのように依存することは、プローブが、赤血球(RBC)、白血球(WBC)、および血小板(PLT)のさらなる分析(例えば、測定、画像化、および/またはフローイメージング)を助けるなどの他の機能を行うことを妨げかねず、および/または、分析器のスループットを望ましくなく制限し得る。
【発明の概要】
【0004】
いくつかの実施形態では、プローブを含む生物学的分析システムが説明される。プローブは、第1のチャンバに生物学的試料を分注するように構成される。システムは、ポンプも含む。ポンプは、生物学的試料と混合して試料混合物を生成するために、第1のチャンバに希釈液の第1の送達分を搬送し、第1のチャンバから試料混合物の一部分を吸引し、試料混合物の一部分を第2のチャンバに搬送するように構成される。いくつかの実施形態では、プローブは、生物学的試料を第1のチャンバに分注する前に、生物学的検体から生物学的試料を吸引するように構成される。追加としてまたは代替として、ポンプは、シリンジポンプを含んでよい。システムは、CBC(complete blood count)ドリップチャンバを含んでよく、CBCドリップチャンバは、第1または第2のチャンバの少なくとも一方の中の血球を計数するように構成される。追加としてまたは代替として、ポンプは、試料混合物の一部分を第2のチャンバに搬送する間に、希釈液の第2の送達分を第2のチャンバに搬送するように構成されてよい。システムは、溶解液ポンプを含んでよく、溶解液ポンプは、チャンバの1つに溶解液を搬送するように構成される。システムは、第1および第2のチャンバを含んでよく、第1および第2のチャンバは、互いと選択的に流体結合されるように構成される。システムは、第1および第2のチャンバを互いと選択的に流体結合するように構成された輸送ラインをさらに含んでよく、ポンプは、輸送ラインを通じて試料混合物の一部分を第2のチャンバに搬送する前に、試料混合物の一部分を輸送ライン内に吸引するように構成されてよい。システムは、輸送ラインに選択的に流体結合されるように構成された少なくとも1つの希釈液プッシュ/プルラインをさらに含んでよく、ポンプは、試料混合物の一部分を輸送ライン内に吸引する間に、少なくとも1つの希釈液プッシュ/プルライン内にエアギャップを引き込むように構成されてよい。
【0005】
いくつかの実施形態では、第1のチャンバ、第2のチャンバ、およびプローブを含む生物学的分析システムが説明される。プローブは、第1のチャンバに生物学的試料を分注するように構成される。システムは、第1のポンプも含む。第1のポンプは、生物学的試料の一部分を第1のチャンバから第2のチャンバに輸送するように構成される。システムは、第2のポンプも含む。第2のポンプは、第1のチャンバまたは第2のチャンバの少なくとも一方に流体媒体を搬送するように構成される。いくつかの実施形態では、流体媒体は、溶解液を含み、第2のポンプは、生物学的試料の一部分を第2のチャンバに輸送した後に、溶解液を第1のチャンバに搬送するように構成される。システムは、CBCドリップチャンバをさらに含んでよく、CBCドリップチャンバは、第1または第2のチャンバの少なくとも一方の中の血球を計数するために、第1または第2のチャンバの少なくとも一方に流体結合されている。追加としてまたは代替として、第1のポンプは、生物学的試料の一部分を第2のチャンバに輸送する前に、生物学的試料と混合して試料混合物を生成するために、第1のチャンバに希釈液の第1の送達分を搬送するように構成されてよい。第1のポンプは、生物学的試料の前記一部分を前記第2のチャンバに輸送する間に、希釈液の第2の送達分を第2のチャンバに搬送するように構成されてよい。いくつかの実施形態では、第1および第2のチャンバは、互いと選択的に流体結合されるように構成される。システムは、第1および第2のチャンバを互いと選択的に流体結合するように構成された輸送ラインと、輸送ラインに選択的に流体結合されるように構成された、少なくとも1つの希釈液プッシュ/プルラインと、をさらに含んでよく、第1のポンプは、生物学的試料の一部分を輸送ライン内に吸引する間に、少なくとも1つの希釈液プッシュ/プルラインにエアギャップを引き込むように構成されてよい。いくつかの実施形態では、第1のチャンバは、ヘモグロビントランスデューサを備える。ヘモグロビントランスデューサは、フィルタ付き光源および光学センサを含んでよい。
【0006】
いくつかの実施形態では、生物学的試料を分析する方法が説明される。生物学的試料を分析する方法は、第1のポンプを介して第1のチャンバに希釈液を搬送することと、プローブを介して第1のチャンバに血液試料を分注して、試料混合物を生成することと、試料混合物の一部分を、第1のポンプを介して第1のチャンバから第2のチャンバに搬送することと、を含む。方法は、第2のポンプを介して第1のチャンバまたは第2のチャンバに溶解液を搬送することをさらに含んでよい。
【0007】
本明細書は、本発明を詳しく解説し、本発明を明瞭に請求する特許請求の範囲が末尾にあるが、本発明は、添付図面と併せた以下の特定の例の説明からよりよく理解されると考えられる。図面中、同様の参照符号は同様の要素を識別する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】例示的な生物学的分析システムの概略図である。
図2A図1の生物学的分析システムの概略図であり、洗浄ポンプおよび廃液ポンプを介してシステムのWBC浴およびRBC浴を洗い流して、希釈液を使用してそれらに含まれている廃流体をWBC浴およびRBC浴から浄化することを示す図である。
図2B図1の生物学的分析システムの概略図であり、洗浄ポンプを介したWBC浴への希釈液の送達を示す図である。
図2C図1の生物学的分析システムの概略図であり、システムのプローブを介したWBC浴への血液試料の送達を示す図である。
図2D図1の生物学的分析システムの概略図であり、WBC浴の中に前希釈液溶液を生成するための、洗浄ポンプを介したWBC浴への希釈液のさらなる送達を示す図である。
図2E図1の生物学的分析システムの概略図であり、洗浄ポンプを介したWBC浴からの前希釈液溶液の一部分の抽出を示す図である。
図2F図1の生物学的分析システムの概略図であり、洗浄ポンプを介した、システムのRBC入力ラインへの前希釈液溶液の輸送部分の送達を示す図である。
図2G図1の生物学的分析システムの概略図であり、システムの溶解液ポンプを介したWBC浴への溶解液の送達を示す図である。
図2H図1の生物学的分析システムの概略図であり、最終WBC溶液を生成するための、洗浄ポンプを介したWBC浴への希釈液のさらなる送達を示す図である。
図2I図1の生物学的分析システムの概略図であり、洗浄ポンプを介したRBC浴への希釈液および前希釈液溶液の輸送部分の送達を示す図である。
図3図1の生物学的分析システムを使用して生物学的試料を分析する方法を示す図である。
図4】別の例示的な生物学的分析システムの概略図である。
図5A図4の生物学的分析システムの概略図であり、システムのプローブを介したシステムのWBC浴への血液試料の送達を示し、希釈液が事前にシステムの希釈液ポンプを介してWBC浴に送達されており、さらに、WBC浴の中に前希釈液溶液を生成するための、システムの混合ポンプを介したWBC浴への空気の混合泡の送達と、システムの洗浄ポンプを介したシステムのスイープ流タンクへの希釈液の送達と、希釈液による希釈液ポンプの充填とを示す図である。
図5B図4の生物学的分析システムの概略図であり、希釈液ポンプを介したWBC浴からの前希釈液溶液の一部分の抽出を示す図である。
図5C図4の生物学的分析システムの概略図であり、最終RBC溶液を生成するための、希釈液ポンプを介したシステムのRBC浴への希釈液および前希釈液溶液の輸送部分の送達を示し、さらに、システムの溶解液ポンプを介したWBC浴への溶解液の送達と、最終WBC溶液を生成するための、混合ポンプを介したWBC浴への空気の混合泡のさらなる送達とを示す図である。
図5D図4の生物学的分析システムの概略図であり、最終RBC溶液の生成を支援するための、混合ポンプを介したRBC浴への空気の混合泡の送達を示す図である。
図5E図4の生物学的分析システムの概略図であり、システムの全血球計算(CBC)チャンバへのスイープ流タンクからの希釈液の送達を示す図である。
図5F図4の生物学的分析システムの概略図であり、希釈液による希釈液ポンプの充填を示す図である。
図5G図4の生物学的分析システムの概略図であり、洗浄ポンプ、希釈液ポンプ、および廃液ポンプを介してRBC浴を洗い流して、希釈液を使用してRBC浴に含まれている廃流体をRBC浴から浄化することを示す図である。
図5H図4の生物学的分析システムの概略図であり、洗浄ポンプおよび廃液ポンプを介してWBC浴を洗い流して、希釈液を使用してWBC浴に含まれている廃流体をWBC浴から浄化することを示す図である。
図5I図4の生物学的分析システムの概略図であり、希釈液による希釈液ポンプのさらなる充填を示し、さらに、希釈液ポンプを介したエアギャップの形成を示す図である。
図5J図4の生物学的分析システムの概略図であり、希釈液ポンプを介したWBC浴への希釈液の送達を示す図である。
図6図4の生物学的分析システムを使用して生物学的試料を分析する方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図面は、決して制限的なものではなく、本発明の様々な実施形態は、必ずしも図面に示されないものを含む、各種の形で実施されてよいことが企図される。組み込まれて本明細書の一部をなす添付図面は、本発明のいくつかの態様を図示し、説明と併せて本発明の原理を説明する役割を果たす。ただし、本発明は図示される通りの構成に制限されないことが理解される。
【0010】
以下の本発明の特定の例の説明は、本発明の範囲を制限するために使用されるべきではない。本発明の他の例、特徴、態様、実施形態、および利点は、以下の説明から当業者に明らかになろう。説明は、例として、本発明を実施するために企図される最良の形態の1つである。理解されるように、本発明は、他の異なる明らかな態様が、いずれも本発明から逸脱することなく可能である。したがって、図面および説明は、制約的ではなく、説明的な性質であるとみなされるべきである。
【0011】
本明細書に記載される教示、式、バージョン、例等の1つまたは複数が、本明細書に記載される他の教示、式、バージョン、例等の1つまたは複数と組み合わされてよいことが認識されるであろう。したがって、以下に記載される教示、式、バージョン、例等は、互いと切り離して見るべきではない。本明細書の教示が組み合わせられ得る様々な好適な方式は、本明細書の教示に照らして当業者に容易に明らかになろう。そのような変更および変形は、特許請求の範囲に含まれることが意図される。
【0012】
さらに、本明細書で任意の数値または値の範囲との関係で使用される「約」、「およそ」等の語は、参照される正確な値に加えて、本明細書に記載される意図される目的のために、言及される特徴または特徴の組合せが機能することを可能にする好適な許容範囲を包含することが意図される。
【0013】
本開示は、生物学的試料を分析するための装置、システム、構成、および方法に関する。第1の例示的な生物学的分析システム(10)および方法(100)については、それぞれ図1図2Iおよび図3を参照して詳細に説明し、第2の例示的な生物学的分析システム(210)および方法(300)については、それぞれ図4図5Jおよび図6を参照して詳細に説明する。
【0014】
A.第1の例示的な生物学的分析システムの実施形態
【0015】
図1は、例示的な生物学的分析システム(10)を示し、これは、種々の構成要素の中でも、第1の浴(12)の形態の第1の流体分析チャンバおよび第2の浴(14)の形態の第2の流体分析チャンバを含む流体分析チャンバの対を含む。図1に示すように、第1の浴(12)は白血球(WBC)またはヘモグロビン(HGB)浴であり、第2の浴(14)は赤血球(RBC)浴である。示される例では、WBC浴およびRBC浴(12、14)の各々は、システム(10)の試料プローブ(16)(図2C)が、浴から流体を吸引するおよび/または浴に流体を分注するなどのために、一方または両方の浴(12、14)に選択的にアクセスできるように開口している。他の実施形態では、WBC浴またはRBC浴(12、14)の少なくとも一方が閉じられていてもよい(例えば、試料プローブ(16)が少なくとも一方の浴にアクセスできないように)。いずれにせよ、本実施形態のWBC浴およびRBC浴(12、14)は、遮蔽された全血球計算(CBC)箱(18)の中に収容される。
【0016】
生物学的分析システム(10)は、生物学的試料を分析するように構成される。いくつかの実施形態では、生物学的分析システム(10)は、血液試料(B)を分析するように構成され(図2C)、そのため、生物学的分析システム(10)は血液分析システムと呼ばれてもよい。これに関して、本実施形態のWBC浴(12)は、WBC浴(12)に含まれている流体媒体に存在するヘモグロビンの量を測定するように構成されたヘモグロビントランスデューサ(20)を含む。例えば、ヘモグロビントランスデューサ(20)は、光源(例えば、フィルタ付き光源)と、WBC浴(12)に含まれている流体媒体を通して、光源から発される光信号を受信するように構成された光学センサとを含んでよい。いくつかの実施形態では、WBC浴およびRBC浴(12、14)は各々、WBC浴もしくはRBC浴(12、14)の一方からCBCドリップチャンバに選択的に流体媒体を搬送するために、および/または、そのような流体媒体をCBCドリップチャンバからWBC浴もしくはRBC浴(12、14)に戻すために、それぞれの弁を備えた対応する入力導管および出力導管を介して、遮蔽CBC箱(18)に収容されたCBCドリップチャンバ(図示せず)に流体結合されてよい。そのようなCBCドリップチャンバは、各浴(12、14)から受け取られた流体媒体の全血球計算値を測定するように構成されてよい。他の実施形態では、WBC浴またはRBC浴(12、14)の一方のみ(例えばRBC浴(14)のみ)が、そのようなCBCドリップチャンバに流体結合していてよい。血液の分析(例えば、インピーダンスに基づく計数、光学技術、および/または画像化)が本明細書に示され、説明されるが、生物学的分析システム(10)は、これらに限定されないが、滑液、尿、骨髄等の他の体液を含む各種流体を分析(および任意で画像化)してよい。
【0017】
図1に示すように、生物学的分析システム(10)は、複数の流体貯留部も含み、これらには、希釈液(D)を含んでいる希釈液貯留部(30)の形態の第1の流体貯留部および溶解液(L)を含んでいる溶解液貯留部(32)の形態の第2の流体貯留部が含まれる。生物学的分析システム(10)は、複数の流体ポンプをさらに含み、これらには、希釈液貯留部(30)から生物学的システム(10)の様々な構成要素に希釈液(D)を搬送すると共に、以下で説明される様々な他の機能を行うように構成された洗浄ポンプ(40)の形態の第1の流体ポンプと、溶解液貯留部(32)からWBC浴(12)に溶解液(L)を搬送するように構成された溶解液ポンプ(42)の形態の第2の流体ポンプと、WBC浴およびRBC浴(12、14)から(および/またはCBCドリップチャンバから)CBC廃液容器(46)に1つまたは複数の流体媒体を搬送するように構成された廃液ポンプ(44)の形態の第3のポンプとが含まれる。示される例では、洗浄ポンプ(40)は、ピストンポンプまたはシリンジポンプとして構成され、溶解液ポンプ(42)および廃液ポンプ(44)は各々、定量ポンプとして構成されている。しかし、ポンプ(40、42、44)は各々、本明細書に記載されるそれぞれの機能を行うのに好適な任意の形で構成されてよいことが認識されるであろう。
【0018】
その目的のために、生物学的分析システム(10)は、生物学的分析システム(10)の様々な構成要素を選択的に互いと流体連通状態/非連通状態にするための複数の流体導管および関連する弁をさらに含む。より詳細には、生物学的分析システム(10)は、希釈液貯留部(30)と洗浄ポンプ(40)を選択的に流体連通状態/非連通状態にするために、希釈液貯留部(30)から洗浄ポンプ(40)まで延びる希釈液供給ライン(50)の形態の第1の流体導管、および、希釈液供給ライン(50)に沿って希釈液貯留部(30)と洗浄ポンプ(40)との間に位置する、充填・洗浄ポンプ弁(52)の形態の第1の弁を含む。生物学的分析システム(10)はまた、希釈液供給ライン(50)に沿って洗浄ポンプ(40)と充填・洗浄ポンプ弁(52)との間に位置する第1のT分岐部(56)から、第2のT分岐部(58)まで延びる共通RBC/WBC入力ライン(54)の形態の第2の流体導管を含む。生物学的分析システム(10)は、RBC浴(14)と洗浄ポンプ(40)を選択的に流体連通状態/非連通状態にするために、第2のT分岐部(58)からRBC浴(14)まで延びるRBC入力ライン(60)の形態の第3の流体導管、および、RBC入力ライン(60)に沿ってRBC浴(14)と洗浄ポンプ(40)との間に位置する洗浄RBC弁(62)の形態の第2の弁をさらに含む。生物学的分析システム(10)はまた、WBC浴(12)と洗浄ポンプ(40)を選択的に流体連通状態/非連通状態にするために、第2のT分岐部(58)からWBC浴(12)まで延びる第1のWBC入力ライン(64)の形態の第4の流体導管、および、第1のWBC入力ライン(64)に沿ってWBC浴(12)と洗浄ポンプ(40)との間に位置する洗浄WBC弁(66)の形態の第3の弁を含む。
【0019】
生物学的分析システム(10)は、溶解液貯留部(32)と溶解液ポンプ(42)を選択的に流体連通状態/非連通状態にするために、溶解液貯留部(32)から溶解液ポンプ(42)まで延びる溶解液供給ライン(68)の形態の第5の流体導管、および、溶解液供給ライン(68)に沿って溶解液貯留部(32)と溶解液ポンプ(42)との間に位置する溶解液弁(70)の形態の第4の弁をさらに含む。生物学的分析システム(10)はまた、溶解液ポンプ(42)とWBC浴(12)を選択的に流体連通状態/非連通状態にするために、溶解液ポンプ(42)からWBC浴(12)まで延びる第2のWBC入力ライン(72)の形態の第6の流体導管を含む。
【0020】
生物学的分析システム(10)は、それぞれRBC浴(14)およびWBC浴(16)から第3のT分岐部(78)まで延びるRBC排液ラインおよびWBC排液ライン(74、76)の形態の第7および第8の流体導管、ならびに、第3のT分岐部(78)から廃液ポンプ(44)まで延びる共通RBC/WBC排液ライン(80)の形態の第9の流体導管をさらに含む。生物学的分析システム(10)はまた、対応する浴(12、14)と廃液ポンプ(44)を選択的に流体連通状態/非連通状態にするために、それぞれRBC排液ラインおよびWBC排液ライン(74、76)に沿って位置する排RBC弁および排WBC弁(82、84)の形態の第5および第6の弁を含む。
【0021】
次いで図2A図2Iを参照すると、生物学的分析システム(10)は、血液試料(B)または他の生物学的試料の分析を容易にするために、様々な流体媒体を生物学的分析システム(10)の所定の構成要素に導くように構成される。図示される生物学的分析システム(10)の様々な弁の開状態および/または閉状態は説明の目的に過ぎないこと、および弁の実際の状態は図示のものとは異なってよいことが認識されるであろう。
【0022】
図2Aに示すように、洗浄ポンプ(40)は、充填・洗浄ポンプ弁(52)が開状態にある時などに、希釈液貯留部(30)から希釈液供給ライン(50)内に希釈液(D)を引き抜くように、また、充填・洗浄ポンプ弁(52)が閉状態にあり、洗浄RBC弁および洗浄WBC弁(62、66)が各々開状態にある時などに、共通RBC/WBC入力ライン(54)ならびにそれぞれのRBC入力ラインおよびWBC入力ライン(60、64)を介して、希釈液(D)をWBC浴およびRBC浴(12、14)に搬送するように構成される。WBC浴およびRBC浴(12、14)の一方または両方が各々、最初に廃流体(W)を含んでいる可能性がある場合(これは前回の手順からの残りであり得る)、廃液ポンプ(44)は、排RBC弁および排WBC弁(82、84)が各々開状態にある時などに、廃液容器(46)に排出するために、WBC浴およびRBC浴(12、14)から、対応するRBC排液ラインおよびWBC排液ライン(74、76)内に、そしてさらに共通RBC/WBC排液ライン(80)内に、廃流体(W)および/または希釈液(D)を引き抜くように構成されてよい。このように、洗浄ポンプ(40)および廃液ポンプ(44)は、互いと協働してWBC浴およびRBC浴(12、14)から廃流体(W)を洗い流し、WBC浴およびRBC浴(12、14)を清浄にし、空にするように構成されてよい。
【0023】
図2Bに示すように、洗浄ポンプ(40)はまた、充填・洗浄ポンプ弁(52)が閉状態にあり、洗浄WBC弁(66)が開状態にあり、洗浄RBC弁(62)が閉状態にある時などに、共通RBC/WBC入力ライン(54)および第1のWBC入力ライン(64)を介して、希釈液(D)を空のWBC浴(12)に搬送するように構成される。例えば、洗浄ポンプ(40)は、約500μL~約1000μL、または約800μLの希釈液(D)など、所定量の希釈液(D)をWBC浴(12)に送達するように構成されてよい。
【0024】
図2Cに示すように、プローブ(16)は、洗浄WBC弁(66)が閉状態にある時などに、WBC浴(12)に含まれている希釈液(D)と混合するために、血液試料(B)をWBC浴(12)に分注するように構成される。例えば、プローブ(16)は、約5μL~約25μL、約10μL~約15μL、または約12.4μLの血液試料(B)など、所定量の血液試料(B)をWBC浴(12)に送達するように構成されてよい。これに関して、プローブ(16)は、ホーム位置または静止位置において検体(図示せず)から血液試料(B)を吸引し、血液試料(B)をWBC浴(12)に分注するためにホーム位置からWBC浴(12)までの経路に沿って進むように構成されてよい。いくつかの実施形態では、経路は、RBC浴(14)を含まなくてよい。例えば、プローブ(16)は、RBC浴(14)に達することなくWBC浴(12)からホーム位置に戻るように構成されてよい。
【0025】
図2Dに示すように、洗浄ポンプ(40)はさらに、充填・洗浄ポンプ弁(52)が閉状態にあり、洗浄WBC弁(66)が開状態にあり、洗浄RBC弁(62)が閉状態にある時などに、WBC浴(12)にすでに含まれている血液試料(B)および希釈液(D)と混合するために、共通RBC/WBC入力ライン(54)および第1のWBC入力ライン(64)を介して追加の希釈液(D)をWBC浴(12)に搬送するように構成される。例えば、洗浄ポンプ(40)は、約500μL~約1000μL、または約800μLの追加の希釈液(D)など、所定量の追加の希釈液(D)をWBC浴(12)に送達するように構成されてよい。いくつかの実施形態では、洗浄ポンプ(40)は、前希釈液溶液(P)を定める均質状態へのWBC浴(12)の内容物(例えば、血液試料(B)および希釈液(D)の両送達分)の混合を促すために、追加の希釈液(D)を、WBC浴(12)にすでに含まれている血液試料(B)および希釈液(D)に対して付随的に送達するように構成されてよい。
【0026】
図2Eに示すように、洗浄ポンプ(40)はまた、充填・洗浄ポンプ弁(52)が閉状態にあり、洗浄WBC弁(66)が開状態にあり、洗浄RBC弁(62)が閉状態にある時などに、少なくとも、共通RBC/WBC入力ライン(54)および第1のWBC入力ライン(64)内に含まれている希釈液(D)を上流方向に引き抜き、それにより、WBC浴(12)から前希釈液溶液(P)の抽出部分(E)を、第1のWBC入力ライン(64)および共通RBC/WBC入力ライン(54)内に吸引するように構成される。例えば、洗浄ポンプ(40)は、抽出部分(E)を定めるために、約200μL~約1000μL、約400μL~約800μL、または約600μLの前希釈液溶液(P)など、所定量の前希釈液溶液(P)をWBC浴(12)から引き抜くように構成されてよい。いくつかの実施形態では、抽出部分(E)の上流端は、共通RBC/WBC入力ライン(54)および/または第1のWBC入力ライン(64)内の希釈液(D)と接触し、希釈液(D)によって希釈されてよく、したがって抽出部分(E)の破損領域(C)を定めてよい。例えば、破損領域(C)は、均質でなくてよく(例えば、血液試料と希釈液の均質な混合物の代わりに、ほぼ完全に希釈液から構成される)、および/または、WBC浴(12)の中に含まれている前希釈液溶液(P)を表さなくてよい。よって、洗浄ポンプ(40)は、破損領域(C)を第2のT分岐部(58)の実質的に上流に引き抜くように構成されてよく、その結果、破損領域(C)が完全に共通RBC/WBC入力ライン(54)の中に入り、そして、抽出部分(E)の未破損領域の少なくとも一部分(例えば、均質であり、WBC浴(12)内に含まれている前希釈液溶液(P)を表す)が、第2のT分岐部(58)の上流に引き抜かれて共通RBC/WBC入力ライン(54)に入り、前希釈液溶液(P)の輸送部分(T)を定めるようになる。例えば、洗浄ポンプ(40)は、前希釈液溶液(P)の輸送部分(T)を定めるために、約10μL~約100μL、または約60μLの抽出部分(E)の未破損領域など、抽出部分(E)の所定量の未破損領域を共通RBC/WBC入力ライン(54)内へ引き抜くように構成されてよい。
【0027】
図2Fに示すように、洗浄ポンプ(40)はさらに、充填・洗浄ポンプ弁(52)が閉状態にあり、洗浄WBC弁(66)が閉状態にあり、洗浄RBC弁(62)が開状態にある時などに、少なくとも共通RBC/WBC入力ライン(54)に含まれている希釈液(D)を下流方向に押し、それにより、前希釈液溶液(P)の輸送部分(T)を共通RBC/WBC入力ライン(54)からRBC入力ライン(60)に搬送すると共に、RBC入力ライン(60)に含まれている希釈液(D)の少なくとも一部分を空のRBC浴(14)に搬送するように構成される。例えば、洗浄ポンプ(40)は、RBC入力ライン(60)に送達される輸送部分(T)を定める前希釈液溶液(P)の所定量と実質的に等しい、約10μL~約100μL、または約60μLの希釈液(D)など、所定量の希釈液(D)をRBC浴(14)に送達するように構成されてよい。
【0028】
図2Gに示すように、溶解液ポンプ(42)は、溶解液弁(70)が開状態にある時などに、溶解液貯留部(32)から溶解液供給ライン(68)内に溶解液(L)を引き抜き、溶解液(L)を、WBC浴(12)に残っている前希釈液溶液(P)の部分と混合するために、第2のWBC入力ライン(72)を介してWBC浴(12)に搬送するように構成される。例えば、溶解液ポンプ(42)は、約250μL~約750μL、約400μL~約500μL、または約453μLの溶解液(L)など、所定量の溶解液(L)をWBC浴(12)に送達するように構成されてよい。一例では、溶解液(L)を利用してWBC浴(12)中の赤血球を破壊し、白血球(WBC)を後の分析のために残す(例えば、CBCドリップチャンバを介する)。
【0029】
図2Hに示すように、洗浄ポンプ(40)はさらに、充填・洗浄ポンプ弁(52)が閉状態にあり、洗浄WBC弁(66)が開状態にあり、洗浄RBC弁(62)が閉状態にある時などに、WBC浴(12)にすでに含まれている溶解液(L)および前希釈液溶液(P)の部分と混合するために、共通RBC/WBC入力ライン(54)および第1のWBC入力ライン(64)を介して、追加の希釈液(D)をWBC浴(12)に搬送するように構成される。例えば、洗浄ポンプ(40)は、約1,000μL~約2,000μL、約1,500μL~約1,800μL、または約1,600μLの追加の希釈液(D)など、所定量の追加の希釈液(D)をWBC浴(12)に送達するように構成されてよい。いくつかの実施形態では、洗浄ポンプ(40)は、最終WBC溶液(FW)を定める均質状態へのWBC浴(12)の内容物(例えば、溶解液(L)、前希釈液溶液(P)、および追加の希釈液(D))の混合を促すために、追加の希釈液(D)を、WBC浴(12)にすでに含まれている溶解液(L)および前希釈液溶液(P)に対して付随的に送達するように構成されてよい。いくつかの実施形態では、最終WBC溶液(FW)は約3,005.5μLの体積を有してよく、これは、約11.9μLの血液試料(B)、約2,540.6μLの希釈液(D)、および約453μLの溶解液を含み得る。いずれにせよ、WBC浴(12)のヘモグロビントランスデューサ(20)は、最終WBC溶液(FW)中に存在するヘモグロビンの量を測定するように構成される。例えば、ヘモグロビントランスデューサ(20)は、WBC浴(12)への溶解液(L)の送達の開始時に開始し得るヘモグロビン培養期間が完了した時に、最終WBC溶液(FW)に存在するヘモグロビンの量を測定するように構成されてよい。いくつかの実施形態では、生物学的分析システム(10)は、やはりWBC浴(12)への溶解液(L)の送達の開始時に開始し得る約9.5秒などのWBC培養期間の完了時に、白血球数フロープライミングおよび/または最終WBC溶液(FW)からのデータ獲得を開始する(例えば、CBCドリップチャンバを使用して)ように構成されてよい。一例では、WBC浴(12)内で溶解液(L)を使用して赤血球(RBC)を除去し、それにより、RBCに含まれるヘモグロビンを、ヘモグロビントランスデューサ(20)を介した分析のために曝す。
【0030】
図2Iに示すように、洗浄ポンプ(40)はまた、充填・洗浄ポンプ弁(52)が閉状態にあり、洗浄WBC弁(66)が閉状態にあり、洗浄RBC弁(62)が開状態にある時などに、共通RBC/WBC入力ライン(54)およびRBC入力ライン(60)を介して、追加の希釈液ならびにRBC入力ライン(60)に含まれている前希釈液溶液(P)の移送部分(T)をRBC浴(14)に搬送するように構成される。例えば、洗浄ポンプ(40)は、約2,000μL~約3,000μL、または約2,800μLの追加の希釈液(D)など、所定量の追加の希釈液(D)をRBC浴(14)に送達するように構成されてよい。いくつかの実施形態では、洗浄ポンプ(40)は、最終RBC溶液(FR)を定める均質状態へのRBC浴(14)の内容物(例えば、前希釈液溶液(P)の移送部分(T)および希釈液(D)の両送達分)の混合を促すために、追加の希釈液(D)および/または前希釈液溶液(P)の移送部分(T)を、RBC浴(14)にすでに含まれている希釈液(D)に対して付随的に送達するように構成されてよい。いくつかの実施形態では、最終RBC溶液(FR)は、約2,860μLの体積を有してよく、これは、約0.5μLの血液試料(B)および約2,859.5μLの希釈液(D)を含み得る。追加としてまたは代替として、最終RBC溶液(FR)は、約6,251の希釈液対血液比を有してよい。いくつかの実施形態では、生物学的分析システム(10)は、均質状態まで最終RBC溶液(FR)の混合が完了すると、赤血球/血小板数フロープライミングおよび/または最終RBC溶液(FR)からのデータ獲得を開始する(例えば、CBCドリップチャンバを使用して)ように構成されてよい。
【0031】
図示していないが、生物学的分析システム(10)は、血液試料(B)または他の生物学的試料の分析を容易にするための様々な他の好適な構成要素をさらに含んでよい。例えば、生物学的分析システム(10)は、流体媒体をその間で選択的に搬送するために、それぞれの弁を備えた対応する導管を介して第1のT分岐部(56)および/またはRBC浴(14)に流体結合されたスイープ流タンク(図示せず)をさらに含んでよい。追加としてまたは代替として、生物学的分析システム(10)は、流体媒体をその間で選択的に搬送するために、それぞれの弁を備えた1つまたは複数の対応する導管を介してCBCドリップチャンバに流体結合されたCBCガスポンプ(図示せず)を含んでよい。いくつかの実施形態では、生物学的分析システム(10)は、希釈液(D)(例えば共通RBC/WBC入力ライン(54)の中の)および/または溶解液(L)(例えば第2のWBC入力ライン(72)の中の)を加熱するように構成された少なくとも1つのヒータ(図示せず)を含んでよい。
【0032】
洗浄ポンプ(40)を利用してWBC浴(12)から前希釈液溶液(P)の抽出部分を吸引することにより、および/または、洗浄ポンプ(40)を利用して前希釈液溶液(P)の抽出部分(E)の輸送部分(T)をRBC浴(14)に送達することにより、生物学的分析システム(10)は、少なくとも、前希釈液溶液(P)の一部分をWBC浴(12)から吸引するために、および/または前希釈液溶液(P)の吸引部分をRBC浴(14)に分注するためにプローブ(16)を利用するシステムと比較して、RBC浴(14)内の血液試料(B)の分析を容易にするためのプローブ(16)への依拠が低減し得ることが認識されるであろう。よって、プローブ(16)は、洗浄ポンプ(40)が前希釈液溶液(P)の抽出部分(E)をWBC浴(12)から吸引する間、および/または、洗浄ポンプ(40)が前希釈液溶液(P)の抽出部分(E)の輸送部分(T)をRBC浴(14)に送達する間に、様々な他のタスクを行うように構成され得る。例えば、プローブ(16)は、RBC、WBC、およびPLTのフローイメージングなど、様々な他のパラメータの分析を容易にするように構成されてよく、一方、洗浄ポンプ(40)はRBC浴(14)への輸送部分(T)の送達を容易にする。
【0033】
また、プローブ(16)の経路からRBC浴(14)を除くことにより、生物学的分析システム(10)は、少なくとも、プローブ(16)の経路に沿ってRBC浴(14)を含むシステムと比較して、プローブ(16)の経路の複雑性および/または占有面積を低減し得、それにより、少なくともそのようなシステムと比較して、生物学的分析システム(10)が低減された全体サイズを有することができるようにすることも認識されるであろう。
【0034】
本明細書の実施形態は、CBCドリップチャンバに接続された遮蔽CBC箱(18)の一部としてWBC浴(12)およびRBC浴(14)を説明したが、本明細書で企図されるポンプ流体輸送技術を利用する他の実施形態が企図される。例えば、WBC浴(12)およびRBC浴(14)は、フローイメージングを利用する血液分析システムで使用することが可能であり、その場合、例えばWBC浴(12)およびRBC浴(14)がフローセルに接続されて、各々の内容物が、高速の高解像度カメラで撮像するためにフローセルを通じて搬送される。プローブ(16)に対する依拠を低減するためにポンプ(40)を使用して分析システムのチャンバまたは浴間の流体輸送を容易にするという原理は、各種状況においてシステム負荷を低減し、スループットを増大するために広く使用することができる。
【0035】
他の実施形態(例えばシステムおよび関連する方法)が、本明細書において考察される洗浄ポンプ/シリンジポンプ流体輸送システムを利用することに留意されたい。例えば、プローブ(16)が、最初に希釈液および血液試料をRBC浴(14)に送達することができ、試料混合物/前希釈液溶液は次いで、ポンプ(40)を介してWBC浴(12)に搬送される。他の実施形態は、2つの浴(12、14)より多くの浴を利用することができ、その場合、ポンプ(40)を使用して、血液試料溶液(例えば血液と希釈液の混合物)をそれら2つより多い浴の1つまたは複数の間で搬送する。例えば、ヘモグロビン測定の目的でHGBトランスデューサ(20)をWBC浴(12)と一体化するのではなく、第3の浴がこの目的のために利用され得る。
【0036】
B.生物学的試料を分析する第1の例示的方法の実施形態
【0037】
図3は、血液試料(B)などの生物学的試料を分析する例示的方法(100)を示す。方法(100)は、上記で説明された生物学的分析システム(10)を使用して行われるものと説明されるが、方法(100)は任意の好適な生物学的分析システムを使用して行われてよいことが認識されるであろう。
【0038】
方法(100)は、ステップ(101)で開始し、ここで、WBC浴およびRBC浴(12、14)などの第1および第2の流体分析チャンバが洗い流され、それにより清浄にされ、および/またはその中に含まれている廃流体(W)があればそれが空にされる。いくつかの実施形態では、ステップ(101)は、上記で図2Aとの関連で説明されたように、希釈液(D)を希釈液貯留部(30)から希釈液供給ライン(50)内へ引き抜き、希釈液(D)を、洗浄ポンプ(40)を介してWBC浴およびRBC浴(12、14)に搬送することにより、および/または、廃液ポンプ(44)を介してWBC浴およびRBC浴(12、14)から廃流体(W)および/または希釈液(D)を排出することにより、行われてよい。ステップ(101)が終了した時、共通RBC/WBC入力ライン(54)、RBC入力ライン(60)、および第1のWBC入力ライン(64)の各々は、清浄な希釈液(D)で実質的に満たされており、WBC浴およびRBC浴(12、14)の各々は実質的に空であることが認識されるであろう。
【0039】
方法(100)は、ステップ(101)からステップ(102)に進み、そこで、希釈液(D)がHGB/WBC浴(12)などの第1の流体分析チャンバに圧送されるかまたはその他の方法で搬送される。いくつかの実施形態では、ステップ(102)は、上記で図2Bとの関係で説明したように、洗浄ポンプ(40)を介して、約2mLの希釈液(D)などの所定量の希釈液(D)をWBC浴(12)に送達することによって行われてよい。
【0040】
方法(100)は、ステップ(102)からステップ(103)に進み、そこで、血液試料(B)が、HGB/WBC浴(12)などの第1の流体分析チャンバに分注される。いくつかの実施形態では、ステップ(103)は、上記で図2Cとの関係で説明したように、WBC浴(12)に含まれている希釈液(D)と混合するために、約10μLの血液試料(B)などの所定量の血液試料(B)を、プローブ(16)を介してWBC浴(12)に送達することによって行われてよい。ステップ(103)の前に、方法(100)は、ホーム位置にあるプローブ(16)を介して検体(図示せず)から血液試料(B)を吸引し、次いで、血液試料(B)をWBC浴(12)に分注するために、ホーム位置からWBC浴(12)までの経路に沿ってプローブ(16)を移動させることを含んでよいことが認識されるであろう。方法(100)はまた、RBC浴(14)に到達することなく、プローブ(16)をWBC浴(12)からホーム位置に戻すことを含んでよい。
【0041】
方法(100)は、ステップ(103)からステップ(104)に進み、そこで、追加の希釈液(D)が、WBC浴(12)などの第1の流体分析チャンバに圧送されるかまたはその他の方法で搬送される。いくつかの実施形態では、ステップ(104)は、上記で図2Dとの関係で説明したように、前希釈液溶液(P)を定める均質状態へのWBC浴(12)の内容物の混合を促すために、約800μLの追加の希釈液(D)など、所定量の追加の希釈液(D)を、洗浄ポンプ(40)を介して、WBC浴(12)にすでに含まれている血液試料(B)および希釈液(D)に対して付随的に、WBC浴(12)に送達することによって行われてよい。
【0042】
方法(100)は、ステップ(104)からステップ(105)に進み、そこで、前希釈液溶液(P)の抽出部分(E)が、HGB/WBC浴(12)などの第1の流体分析チャンバから圧送されるかまたはその他の方法で吸引される。いくつかの実施形態では、ステップ(105)は、上記で図2Eとの関係で説明したように、洗浄ポンプ(40)を介して、抽出部分(E)を定めるために、約200μLの前希釈液溶液(P)などの所定量の前希釈液溶液(P)をHGB/WBC浴(12)から引き抜き、抽出部分(E)の破損領域(C)を第2のT分岐部(58)の実質的に上流に引き抜き、その結果、抽出部分(E)の未破損領域のうち約60μLなど、抽出部分(E)の所定量の未破損領域が、第2のT分岐部(58)の上流に引き抜かれて共通RBC/WBC入力ライン(54)に入り、前希釈液溶液(P)の輸送部分(T)を定めるようにすることによって行われてよい。よって、ステップ(105)は、前希釈液溶液(P)の輸送部分(T)をWBC浴(16)から吸引するためにプローブ(16)を利用せずに行われ得、それにより、ステップ(105)の実行と同時に他のタスクを行うためにプローブ(16)を使えるようにする。
【0043】
方法(100)は、ステップ(105)からステップ(106)に進み、そこで、前希釈液溶液(P)の輸送部分(T)が、RBC入力ライン(60)など、第2の流体分析チャンバの送達導管に圧送されるかまたはその他の方法で搬送される。いくつかの実施形態では、ステップ(106)は、上記で図2Fとの関係で説明したように、洗浄ポンプ(40)を介して輸送部分(T)をRBC入力ライン(60)に送達することによって行われてよい。約60μLの希釈液(D)など、RBC入力ライン(60)に含まれている所定量の希釈液(D)が、ステップ(106)の実行中に洗浄ポンプ(40)を介して空のRBC浴(14)に送達されてよいことが認識されるであろう。
【0044】
方法(100)は、ステップ(106)からステップ(107)に進み、そこで、溶解液(L)が、WBC浴(12)などの第1の流体分析チャンバに圧送されるかまたはその他の方法で搬送される。いくつかの実施形態では、ステップ(107)は、上記で図2Gとの関係で説明したように、溶解液ポンプ(42)を介してWBC浴(12)に残っている前希釈液溶液(P)の部分と混合するために、約288μLの溶解液(L)など、所定量の溶解液(L)をWBC浴(12)に送達することによって行われてよい。
【0045】
方法(100)は、ステップ(107)からステップ(108)に進み、そこで、追加の希釈液(D)が、WBC浴(12)などの第1の流体分析チャンバに圧送されるかまたはその他の方法で搬送される。いくつかの実施形態では、ステップ(108)は、上記で図2Hとの関係で説明したように、最終WBC溶液(FW)を定める均質状態へのWBC浴(12)の内容物の混合を促すために、約1,600μLの追加の希釈液(D)など、所定量の追加の希釈液(D)を、洗浄ポンプ(40)を介して、WBC浴(12)にすでに含まれている溶解液(L)および前希釈液溶液(P)に対して付随的に、WBC浴(12)に送達することによって行われてよい。
【0046】
方法(100)は、ステップ(108)からステップ(109)に進み、そこで、追加の希釈液(D)および前希釈液溶液(P)の輸送部分(T)が、RBC浴(14)などの第2の流体分析チャンバに圧送されるかまたはその他の方法で搬送される。いくつかの実施形態では、ステップ(109)は、上記で図2Iとの関係で説明したように、最終WBC溶液(FW)を定める均質状態へのRBC浴(14)の内容物の混合を促すために、前希釈液溶液(P)の輸送部分(T)、および約2,800μLの追加の希釈液(D)などの所定量の追加の希釈液(D)をRBC浴(14)に、洗浄ポンプ(40)を介して、RBC浴(14)にすでに含まれている希釈液(D)に対して付随的に、送達することによって行われてよい。よって、ステップ(109)は、前希釈液溶液(P)の輸送部分(T)をRBC浴(14)に送達するためにプローブ(16)を利用せずに行われ得、それにより、ステップ(109)の実行と同時に他のタスクを行うためにプローブ(16)を使えるようにする。
【0047】
方法(100)は、ステップ(109)からステップ(110)に進み、そこで、RBC浴(14)などの第2の流体分析チャンバ内の最終RBC溶液(FR)が分析される。いくつかの実施形態では、ステップ(110)は、ステップ(109)の完了直後に行われてよい。いずれにせよ、ステップ(110)は、赤血球/血小板数フロープライミングおよび/または最終RBC溶液(FR)からのデータ獲得を開始することを含んでよい。
【0048】
示される例では、方法(100)はまた、ステップ(108)からステップ(111)に進み、そこで、WBC浴(12)などの第1の流体分析チャンバ内の最終WBC溶液(FW)が分析される。いくつかの実施形態では、ステップ(111)は、ステップ(107)の実施中にWBC浴(12)への溶解液(L)の送達の開始時に開始し得る1つまたは複数の培養期間が完了した時に行われてよい。例えば、ステップ(111)は、ヘモグロビン培養期間が完了した時に、WBC浴(12)のヘモグロビントランスデューサ(20)を用いるなどして、最終WBC溶液(FW)に存在するヘモグロビンの量を測定することを含んでよい。追加としてまたは代替として、ステップ(111)は、WBC浴(12)への溶解液(L)の送達の開始から約12~14秒などのWBC培養期間が完了した時に、白血球数フロープライミングおよび/または最終WBC溶液(FW)からのデータ獲得を開始することを含んでよい。ステップ(111)は、ステップ(109、110)の1つまたは複数と並行して行われてよいことが認識されるであろう。
【0049】
いくつかの実施形態では、ステップ(110、111)が完了した後、方法(100)はステップ(101)に戻ってよく、そこで、WBC浴およびRBC浴(12、14)などの第1および第2の流体分析チャンバが、新たなサイクルを行うために洗い流され、それにより、清浄にされ、および/またはその中に含まれている廃流体(W)(例えば、前のサイクルからの最終WBCおよびRBC溶液(FW、FR))があればそれが空にされる。
【0050】
C.第2の例示的な生物学的分析システムの実施形態
【0051】
図4は、別の例示的な生物学的分析システム(210)を示し、これは、種々の構成要素の中でも、第1の浴(212)の形態の第1の流体分析チャンバおよび第2の浴(214)の形態の第2の流体分析チャンバを含む流体分析チャンバの対を含む。図4に示すように、第1の浴(212)は、白血球(WBC)またはヘモグロビン(HGB)浴であり、第2の浴(214)は赤血球(RBC)浴である。示される例では、WBC浴(212)は、システム(210)の試料プローブ(216)が、浴から流体を吸引するおよび/または浴に流体を分注するなどのために、WBC浴(212)に選択的にアクセスできるように開口している。図示していないが、本実施形態のWBC浴およびRBC浴(212、214)は、CBC箱(18)と同様の遮蔽された全血球計算(CBC)箱の中に収容されてよい。
【0052】
生物学的分析システム(210)は、生物学的試料を分析するように構成される。いくつかの実施形態では、生物学的分析システム(210)は、血液試料(B)を分析するように構成され(図5A)、そのため、生物学的分析システム(210)は血液分析システムと呼ばれてもよい。図示していないが、本実施形態のWBC浴(212)は、WBC浴(212)に含まれている流体媒体に存在するヘモグロビンの量を測定するように構成された、ヘモグロビントランスデューサ(20)と同様のヘモグロビントランスデューサを含んでよい。例えば、ヘモグロビントランスデューサは、光源(例えば、フィルタ付き光源)と、WBC浴(212)に含まれている流体媒体を通して、光源から発される光信号を受信するように構成された光学センサとを含んでよい。いくつかの実施形態では、WBC浴およびRBC浴(212、214)は各々、WBC浴もしくはRBC浴(212、214)の一方からCBCドリップチャンバ(221)に選択的に流体媒体を搬送するために、および/または、そのような流体媒体をCBCドリップチャンバ(221)からWBC浴もしくはRBC浴(212、214)に戻すために、それぞれの弁を備えた対応する入力導管および出力導管を介して遮蔽CBC箱に収容されたCBCドリップチャンバ(221)に流体結合されてよい。CBCドリップチャンバ(221)は、各浴(212、214)から受け取られた流体媒体の全血球計算値を測定するように構成されてよい。他の実施形態では、WBC浴またはRBC浴(212、214)の一方のみ(例えばRBC浴(214)のみ)が、CBCドリップチャンバ(221)に流体結合していてよい。示される例では、CBCドリップチャンバ(221)は、空気圧トランスデューサ(222)にも流体結合されている。血液の分析(例えば、インピーダンスに基づく計数、光学技術、および/または画像化)が本明細書に示され、説明されるが、生物学的分析システム(210)は、これらに限定されないが、滑液、尿、骨髄等の他の体液を含む各種流体を分析(および任意で画像化)してよい。
【0053】
図4に示すように、生物学的分析システム(210)は、複数の流体貯留部も含み、これらには、希釈液(D)を含んでいる希釈液貯留部(230)の形態の第1の流体貯留部、溶解液(L)を含んでいる溶解液貯留部(232)の形態の第2の流体貯留部、および清浄剤(CL)を含んでいる清浄剤貯留部(233)の形態の第3の流体貯留部が含まれる。生物学的分析システム(210)は、複数の流体ポンプをさらに含み、これらには、希釈液貯留部(230)から希釈液(D)を搬送するように、および/または、清浄剤貯留部(233)から、スイープ流タンク(241)を含む生物学的システム(210)の様々な構成要素に清浄剤(CL)を搬送するように構成された洗浄ポンプ(240)の形態の第1の流体ポンプと、溶解液貯留部(232)からWBC浴(212)に溶解液(L)を搬送するように構成された溶解液ポンプ(242)の形態の第2の流体ポンプと、空気圧トランスデューサ(222)を介して所望の計数の真空を調整するように構成された真空ポンプ(244)の形態の第3のポンプと、WBC浴およびRBC浴(212、214)から(および/またはCBCドリップチャンバ(221)から)廃液容器(246)に1つまたは複数の流体媒体を搬送するように構成された廃液ポンプ(245)の形態の第4のポンプと、大気(248)からの空気(A)の混合泡をWBC浴およびRBC浴(212、214)に送達するように構成された混合ポンプ(247)の形態の第5のポンプと、希釈液(D)をスイープ流タンク(241)からWBC浴およびRBC浴(212、214)に搬送すると共に、下記で説明される様々な他の機能を行うように構成された希釈液ポンプ(249)の形態の第6のポンプとが含まれる。示される例では、希釈液ポンプ(249)は、ピストンポンプまたはシリンジポンプとして構成され、洗浄ポンプ(240)、溶解液ポンプ(242)、真空ポンプ(244)、廃液ポンプ(245)、および混合ポンプ(247)は各々、蠕動ポンプとして構成される。しかし、ポンプ(240、242、244、245、247、249)は各々、本明細書に記載されるそれぞれの機能を行うのに好適な任意の形で構成されてよいことが認識されるであろう。
【0054】
その目的のために、生物学的分析システム(210)は、生物学的分析システム(210)の様々な構成要素を選択的に互いと流体連通状態/非連通状態にするための複数の流体導管および関連する弁をさらに含む。より詳細には、生物学的分析システム(210)は、希釈液貯留部(230)と第1のマルチフローユニット(251)を選択的に互いと流体連通状態/非連通状態にするために、希釈液貯留部(230)から洗浄ポンプ(240)を通って第1のマルチフローユニット(251)まで延びる希釈液供給ライン(250)の形態の流体導管、および、希釈液供給ライン(250)に沿って希釈液貯留部(230)と洗浄ポンプ(240)との間に位置する希釈液/清浄剤弁(252)の形態の弁を含む。生物学的分析システム(210)はまた、希釈液/清浄剤弁(252)と協働して、清浄剤貯留部(233)と第1のマルチフローユニット(251)を選択的に互いと流体連通状態/非連通状態にするために、清浄剤貯留部(233)から希釈液/清浄剤弁(252)まで延びる清浄剤供給ライン(254)の形態の流体導管、および、清浄剤供給ライン(254)に沿って清浄剤貯留部(233)と希釈液/清浄剤弁(252)との間に位置する清浄剤弁(255)の形態の弁を含む。
【0055】
生物学的分析システム(210)はまた、RBC浴(214)と第1のマルチフローユニット(251)を選択的に互いと流体連通状態/非連通状態にするために、第1のマルチフローユニット(251)からRBC浴(214)まで延びるRBC入力ライン(256)の形態の流体導管、および、RBC入力ライン(256)に沿って第1のマルチフローユニット(251)とRBC浴(214)との間に位置する洗浄RBC弁(257)の形態の弁を含む。生物学的分析システム(210)はまた、スイープ流タンク(241)と第1のマルチフローユニット(251)を選択的に互いと流体連通状態/非連通状態にするために、第1のマルチフローユニット(251)からスイープ流タンク(241)まで延びるスイープ流入力ライン(258)の形態の流体導管、および、スイープ流入力ライン(258)に沿って第1のマルチフローユニット(251)とスイープ流タンク(241)との間に位置する洗浄スイープ流弁(259)の形態の弁を含む。生物学的分析システム(210)は、第1および第2のマルチフローユニット(251、261)を選択的に互いと流体連通状態/非連通状態にするために、第1のマルチフローユニット(251)から第2のマルチフローユニット(261)まで延びる第2のマルチフローユニット入力ライン(260)の形態の流体導管、および、第2のマルチフローユニット入力ライン(260)に沿って第1のマルチフローユニットと第2のマルチフローユニット(251、261)の間に位置するマルチフロー入力弁(262)の形態の弁をさらに含む。生物学的分析システム(210)はまた、WBC浴(212)と第2のマルチフローユニット(261)を選択的に互いと流体連通状態/非連通状態にするために、第2のマルチフローユニット(261)からWBC浴(212)まで延びるWBC入力ライン(264)の形態の流体導管、および、WBC入力ライン(264)に沿って第2のマルチフローユニット(261)とWBC浴(212)との間に位置する洗浄WBC弁(265)の形態の弁を含む。
【0056】
生物学的分析システム(210)は、希釈液ポンプ(249)とスイープ流タンク(241)を選択的に互いと流体連通状態/非連通状態にするために、スイープ流タンク(241)から希釈液ポンプ(249)まで延びる希釈液入力ライン(266)の形態の流体導管、および、希釈液入力ライン(266)に沿ってスイープ流タンク(241)と希釈液ポンプ(249)との間に位置する希釈液入力弁(267)の形態の弁をさらに含む。生物学的分析システム(210)はまた、第1のY分岐部(269)とスイープ流タンク(241)を選択的に互いと流体連通状態/非連通状態にするために、スイープ流タンク(241)から第1のY分岐部(269)まで延びる共通スイープ流入力ライン(268)の形態の流体導管、および、共通スイープ流入力ライン(268)に沿ってスイープ流タンク(241)と第1のY分岐部(269)との間に位置するスイープ流弁(270)の形態の弁を含む。生物学的分析システム(210)は、CBCチャンバ(221)と第1のY分岐部(269)を選択的に互いと流体連通状態/非連通状態にするために、第1のY分岐部(269)からCBCチャンバ(221)まで延びるスイープ流ライン(271、272)の形態の流体導管、および、それぞれのスイープ流ライン(271、272)に沿って第1のY分岐部(269)とCBCチャンバ(221)との間に位置するスイープ流弁(273、274)の形態の弁をさらに含む。
【0057】
生物学的分析システム(210)はまた、希釈液ポンプ(249)から第2のマルチフローユニット(261)まで延びる希釈液入力/出力ライン(275)の形態の流体導管を含む。生物学的分析システム(210)は、複数の輸送ライン部分(276a、276b、276c、276d)を選択的に互いと流体連通状態/非連通状態にするために、WBC浴(212)からRBC浴(214)まで延びる複数の輸送ライン部分(276a、276b、276c、276d)を含む輸送ラインの形態の流体導管、および、輸送ライン(276)に沿ってWBC浴とRBC浴(212、214)の間に位置する第1、第2、および第3の輸送ライン弁(277、278、279)の形態の複数の弁をさらに含む。示されるように、第1および第2の輸送ライン弁(277、278)は各々、三方弁である。第1の輸送ライン弁と第2の輸送ライン弁(277、278)の間に延びる第2の輸送ライン部分(276b)は、第2の輸送ライン部分(276b)が、同じ所定の体積を有する流体で選択的かつ正確に満たされるように、固定された所定の容積を有してよい。例えば、第2の輸送ライン部分(276b)は、実質的に剛体の(例えば拡張不能な)管から構成されてよい。生物学的分析システム(210)はまた、輸送ライン弁(277、278)が、それぞれの希釈液プッシュライン(280)または希釈液プッシュ/プルライン(281)を、対応する輸送ライン部分(276a、276b、276c、276d)と選択的に流体連通状態/非連通状態にすることができるように、第2のマルチフローユニット(261)からそれぞれの輸送ライン弁(277、278)に延びる希釈液プッシュライン(280)および希釈液プッシュ/プルライン(281)の形態の流体導管を含む。
【0058】
生物学的分析システム(210)は、溶解液貯留部(232)から溶解液ポンプ(242)を通り、WBC浴(212)まで延びる溶解液供給ライン(282)の形態の流体導管をさらに含む。
【0059】
生物学的分析システム(210)は、第3のマルチフローユニット(284)とRBC浴(214)を選択的に互いと流体連通状態/非連通状態にするために、RBC浴(214)から第3のマルチフローユニット(284)まで延びるRBC排液ライン(283)の形態の流体導管、および、RBC排液ライン(283)に沿ってRBC浴(214)と第3のマルチフローユニット(284)との間に位置するRBC排液弁(285)の形態の弁をさらに含む。生物学的分析システム(210)はまた、RBC浴(214)と混合ポンプ(247)を選択的に互いと流体連通状態/非連通状態にするために、大気(248)から混合ポンプ(247)を通り、RBC排液ライン(283)に沿ってRBC浴(214)とRBC排液弁(285)との間に位置する第2のY分岐部(287)まで延びる混合空気ライン(286)の形態の流体導管、および、混合空気ライン(286)に沿って混合ポンプ(247)とRBC浴(214)との間に位置する混合ポンプ弁(288)の形態の弁を含む。生物学的分析システム(210)は、第3のマルチフローユニット(284)とWBC浴(212)を選択的に互いと流体連通状態/非連通状態にするために、WBC浴(212)から第3のマルチフローユニット(284)まで延びるWBC排液ライン(289)の形態の流体導管、および、WBC排液ライン(289)に沿ってWBC浴(212)と第3のマルチフローユニット(284)との間に位置するWBC排液弁(290)の形態の弁をさらに含む。生物学的分析システム(210)はまた、混合ポンプ弁(288)から、WBC排液ライン(289)に沿ってWBC浴(212)とWBC排液弁(290)との間に位置する第3のY分岐部(292)まで延びる混合空気ライン(291)の形態の流体導管を含み、それにより、混合ポンプ弁(288)は、WBC浴(212)と混合ポンプ(247)を選択的に互いと流体連通状態/非連通状態にすることができる。
【0060】
生物学的分析システム(210)はまた、第3のマルチフローユニット(284)とCBCチャンバ(221)を選択的に互いと流体連通状態/非連通状態にするために、CBCチャンバ(221)から第3のマルチフローユニット(284)まで延びるCBC排液ライン(293)の形態の流体導管、および、CBC排液ライン(293)に沿ってCBCチャンバ(221)と第3のマルチフローユニット(284)との間に位置するCBC排液弁(294)の形態の弁を含む。生物学的分析システム(210)はまた、廃液容器(246)から真空ポンプ(244)を通り、CBC排液ライン(293)に沿ってCBCチャンバ(221)とCBC排液弁(294)との間に位置する第4のY分岐部(296)まで延びる廃液ライン(295)の形態の流体導管を含む。生物学的分析システム(210)は、廃液容器(246)から廃液ポンプ(245)を通り、第3のマルチフローユニット(284)まで延びる廃液ライン(297)の形態の流体導管をさらに含む。
【0061】
生物学的分析システム(210)は、空気圧トランスデューサ(222)とCBCチャンバ(221)を選択的に互いと流体連通状態/非連通状態にするために、CBCチャンバ(221)から空気圧トランスデューサ(222)まで延びる真空ライン(298)の形態の流体導管、および、真空ライン(298)に沿ってCBCチャンバ(221)と空気圧トランスデューサ(222)との間に位置する真空ライン弁(299)の形態の弁をさらに含む。いくつかの実施形態では、真空ライン弁(299)は、CBCチャンバ(221)を脱気するなどのために、CBCチャンバ(221)と大気(248)を選択的に互いと流体連通状態/非連通状態にするように構成されてもよい。
【0062】
次いで図5A図5Jを参照すると、生物学的分析システム(210)は、血液試料(B)または他の生物学的試料の分析を容易にするために、様々な流体媒体を生物学的分析システム(210)の所定の構成要素に導くように構成される。図示される生物学的分析システム(210)の様々な弁の開状態および/または閉状態は、説明の目的に過ぎないこと、および弁の実際の状態は図示のものとは異なってよいことが認識されるであろう。
【0063】
図5Aに示すように、洗浄ポンプ(240)は、希釈液/清浄剤弁(252)が第1の開状態にある時などに、希釈液貯留部(230)から希釈液供給ライン(250)内へ希釈液(D)を引き抜き(例えば、希釈液貯留部(230)と第1のマルチフローユニット(251)を互いと流体連通させる)、また、洗浄スイープ流弁(259)が開状態にある時などに、第1のマルチフローユニット(251)およびスイープ流入力ライン(258)を介してスイープ流タンク(241)に希釈液(D)を搬送する(例えば、スイープ流タンク(241)と第1のマルチフローユニット(251)を互いと流体連通させる)ように構成される。
【0064】
これも図5Aに示すように、希釈液ポンプ(249)は、希釈液入力弁(267)が開状態にある時などに、希釈液ポンプ(249)が希釈液(D)で充填され得るように、希釈液(D)を、スイープ流タンク(241)から希釈液入力ライン(266)内へ、そしてさらに希釈液ポンプ(249)内に引き抜くように構成される(例えば、希釈液ポンプ(249)とスイープ流タンク(241)を互いと流体連通させる)。いくつかの実施形態では、希釈液ポンプ(249)は、下記でさらに詳細に説明されるように、約200μL~約250μLの前希釈液溶液(P)(例えば、約200μLまたは約250μLの前希釈液溶液(P))など、RBC浴(214)の容積と、抽出部分(E)を定めるためにWBC浴(212)から後に抽出することが望まれる前希釈液溶液(P)の体積との間の差など、第1の所定の体積の希釈液(D)で、希釈液入力ライン(266)を介して充填されるように構成されてよい。
【0065】
図5Aにさらに示すように、プローブ(216)は、WBC浴(212)に当初含まれている希釈液(D)と混合するために、血液試料(B)をWBC浴(212)に分注するように構成される。例えば、プローブ(216)は、約10μL~約16μLの血液試料(B)(例えば約10μL、約12μL、約14μL、または約16μLの血液試料(B))など、所定量の血液試料(B)をWBC浴(212)に送達するように構成されてよい。これに関して、プローブ(216)は、ホーム位置または静止位置で検体(図示せず)から血液試料(B)を吸引し、血液試料(B)をWBC浴(212)に分注するためにホーム位置からWBC浴(212)までの経路に沿って進むように構成されてよい。いくつかの実施形態では、経路は、RBC浴(214)を含まなくてよい。例えば、プローブ(216)は、RBC浴(214)に達することなくWBC浴(212)からホーム位置に戻るように構成されてよい。
【0066】
これも図5Aに示すように、混合ポンプ(247)は、混合ポンプ弁(288)が第1の開状態にある時などに、前希釈液溶液(P)を定める均質状態へのWBC浴(212)の内容物(例えば、血液試料(B)および希釈液(D))の混合を促すために、大気(248)から空気(A)を引き抜き、空気(A)の混合泡を、混合空気ライン(291)およびWBC排液ライン(289)を介してWBC浴(212)に送達するように構成される(例えば、WBC浴(212)と混合ポンプ(247)を互いと流体連通させる)。これも図5Aに示すように、廃液ポンプ(245)は、CBCチャンバ(221)から残りの廃流体(W)を、CBC排液ライン(293)内に、そしてさらに廃液容器(246)への廃液ライン(295)内に引き抜くように構成される。
【0067】
図5Bに示すように、希釈液ポンプ(249)は、希釈液ポンプ(249)が希釈液(D)でさらに充填され得るように、希釈液プッシュ/プルライン(281)および第2のマルチフローユニット(261)を介して第2の輸送ライン部分(276b)から希釈液入力/出力ライン(275)内へ、そしてさらに希釈液ポンプ(249)内へ希釈液(D)を引き抜くように構成される。いくつかの実施形態では、希釈液ポンプ(249)は、希釈液入力/出力ライン(275)を介して、第2の所定の体積の希釈液(D)で充填されるように構成されてよい。例えば、下記でさらに詳細に説明されるように、希釈液ポンプ(249)が希釈液入力ライン(266)および希釈液入力/出力ライン(275)を介して充填されるように構成される希釈液(D)の累積体積は、約2.804mL~約3.364mLの希釈液(D)(例えば約2.804mLまたは約3.364mLの希釈液(D))など、所望体積の希釈液(D)を後にRBC浴(214)に送達するために選択されてよい。
【0068】
これも図5Bに示すように、希釈液ポンプ(249)はまた、第1および第2の輸送ライン弁(277、278)が各々第1の開状態にある時などに第1の輸送ライン部分(276a)から第2の輸送ライン部分(276a)を通じて希釈液プッシュ/プルライン(281)内にエアギャップ(G)を引き抜き、前希釈液溶液(P)の抽出部分(E)を、WBC浴(212)から第1および第2の輸送ライン部分(276a、276b)および希釈液プッシュ/プルライン(281)内に吸引するように構成される(例えば、希釈液プッシュ/プルライン(281)と第1および第2の輸送ライン部分(276a、276b)を互いと流体連通させる)。例えば、希釈液ポンプ(249)は、抽出部分(E)を定めるために、約200μL~約250μLの前希釈液溶液(P)(例えば、約200μLまたは約250μLの前希釈液溶液(P))など、所定量の前希釈液溶液(P)をWBC浴(212)から引き抜くように構成されてよい。いくつかの実施形態では、抽出部分(E)の上流端は、希釈液プッシュ/プルライン(281)内でエアギャップ(G)によって希釈液(D)から隔てられてよい。このようにして、エアギャップ(G)は、希釈液(D)と前希釈液溶液(P)の抽出部分(E)との間の保護バリアの役割を果たして、抽出部分(E)が希釈液(D)によって破損されるのを防ぎ、それにより抽出部分(E)の完全性を維持し得る。例えば、抽出部分(E)は、均質で、WBC浴(212)に含まれている前希釈液溶液(P)を表す状態を保ち得る。よって、希釈液ポンプ(249)は、第2の輸送ライン部分(276b)が前希釈液溶液(P)の輸送部分(T)で実質的に満たされ得るように、抽出部分(E)の緩衝領域(BU)を希釈液プッシュ/プルライン(281)内に引き抜くように構成されてよい。例えば、希釈液ポンプ(249)は、前希釈液溶液(P)の輸送部分(T)を定めるために、約100μL~約120μLの抽出部分(E)(例えば、約100μLまたは約120μLの抽出部分(E))など、所定量の抽出部分(E)を第2の輸送ライン部分(276b)内に引き抜くように構成されてよい。これに関して、希釈液ポンプ(249)は、輸送部分(T)が、第2の輸送ライン部分(276b)の固定された所定の体積と実質的に同じ所定の体積を有し得るように、第1および第2の輸送ライン弁(277、278)と協働して、第2の輸送ライン部分(276b)を輸送部分(T)で完全に満たすように構成されてよい。
【0069】
図5Cに示すように、希釈液ポンプ(249)はさらに、第1および第2の輸送ライン弁(277、278)が各々第2の開状態にあり(例えば、希釈液プッシュライン(280)と第2および第3の輸送ライン部分(276b、276c)を互いと流体連通させる)、第3の輸送ライン弁(279)が開状態にある時(例えば、第3および第4の輸送ライン部分(276c、276d)を互いと流体連通させる)などに、希釈液ポンプ(249)から、希釈液入力/出力ライン(275)、第2のマルチフローユニット(261)、および希釈液プッシュライン(280)を介して、希釈液ポンプ(249)を第2の輸送ライン部分(276b)に向けて希釈液(D)を搬送し、前希釈液溶液(P)の輸送部分(T)を、第2の輸送ライン部分(276b)から第3および第4の輸送ライン部分(276c、276d)を介してRBC浴(214)に搬送し、第3および第4の輸送ライン部分(276c、276d)からRBC浴(214)に希釈液(D)を搬送するように構成される。例えば、希釈液ポンプ(249)は、希釈液ポンプ(249)がすでに充填されている希釈液(D)の累積体積と実質的に等しい、所定量の希釈液(D)をRBC浴(214)に送達するように構成されてよい。いくつかの実施形態では、希釈液ポンプ(249)は、最終RBC溶液(FR)を定める均質状態へのRBC浴(214)の内容物(例えば、前希釈液溶液(P)の移送部分(T)および送達された希釈液(D))の混合を促すために、希釈液(D)および/または前希釈液溶液(P)の移送部分(T)をRBC浴(214)に対して付随的に送達するように構成されてよい。
【0070】
これも図5Cに示すように、溶解液ポンプ(242)は、WBC浴(212)に残っている前希釈液溶液(P)の部分と混合するために、溶解液貯留部(232)から溶解液供給ライン(282)を介してWBC浴(212)に溶解液(L)を搬送するように構成される。例えば、溶解液ポンプ(242)は、約337.8μL~約575.9μLの溶解液(L)(例えば、約337.8μL、約346.6μL、約414.2μL、約423μL、約490.6μL、約499.5μL、約567μL、または約575.9μLの溶解液(L))など、所定量の溶解液(L)をWBC浴(212)に送達するように構成されてよい。一例では、溶解液(L)を利用してWBC浴(212)中の赤血球を破壊し、白血球(WBC)を後の分析のために残す(例えば、CBCドリップチャンバ(221)を介する)。
【0071】
図5Cにさらに示すように、混合ポンプ(247)は、混合ポンプ弁(288)が第1の開状態にある時などに、最終WBC溶液(FW)を定める均質状態へのWBC浴(212)の内容物(例えば、前希釈液溶液(P)および溶解液(L))の混合を促すために、大気(248)から空気(A)を引き抜き、空気(A)の混合泡を、混合空気ライン(291)およびWBC排液ライン(289)を介してWBC浴(212)に送達するように構成される。WBC浴(212)のヘモグロビントランスデューサは、最終WBC溶液(FW)に存在するヘモグロビンの量を測定するように構成される。例えば、ヘモグロビントランスデューサは、空気(A)の混合泡がWBC浴(212)に送達された後に開始し得るヘモグロビン培養期間が完了した時に、最終WBC溶液(FW)に存在するヘモグロビンの量を測定するように構成されてよい。いくつかの実施形態では、生物学的分析システム(210)は、やはり空気(A)の混合泡がWBC浴(212)に送達された後に開始し得るWBC培養期間が完了した時に、白血球数フロープライミングおよび/または最終WBC溶液(FW)からのデータ獲得を開始する(例えば、CBCドリップチャンバ(221)を使用して)ように構成されてよい。一例では、WBC浴(212)内で溶解液(L)を使用して赤血球(RBC)を除去し、それにより、RBCに含まれるヘモグロビンを、ヘモグロビントランスデューサを介した分析のために曝す。
【0072】
図5Dに示すように、混合ポンプ(247)はまた、最終RBC溶液(FR)を定める均質状態へのRBC浴(214)の内容物(例えば、前希釈液溶液(P)の移送部分(T)および送達された希釈液(D))の混合を促すために、混合ポンプ弁(288)が第2の開状態にある時などに、大気(248)から空気(A)を引き抜き、空気(A)の混合泡を、混合空気ライン(286)およびRBC排液ライン(283)を介してRBC浴(214)に送達するように構成される(例えば、RBC浴(214)と混合ポンプ(247)を互いと流体連通させる)。いくつかの実施形態では、生物学的分析システム(210)は、均質状態まで最終RBC溶液(FR)の混合が完了すると、赤血球/血小板数フロープライミングおよび/または最終RBC溶液(FR)からのデータ獲得を開始する(例えば、CBCドリップチャンバ(221)を使用して)ように構成されてよい。
【0073】
図5Eに示すように、スイープ流タンク(241)は、洗浄スイープ流弁(259)およびスイープ流弁(273、274)が各々開状態にある時などに、共通スイープ流入力ライン(268)および第1のY分岐部(269)を介して希釈液(D)をスイープ流ライン(271、272)に、そしてさらにCBCチャンバ(221)に送達するように構成される(例えば、スイープ流タンク(241)とCBCチャンバ(221)を互いと流体連通させる)。これも図5Eに示すように、廃液ポンプ(245)は、CBC排液ライン(293)および第4のY分岐部(296)を介してCBCチャンバ(221)から廃液ライン(295)に、そしてさらに廃液容器(246)に、残りの廃流体(W)を搬送するように構成される。
【0074】
これも図5Fに示すように、希釈液ポンプ(249)はまた、希釈液入力弁(267)が開状態にある時などに、希釈液ポンプ(249)が希釈液(D)で充填され得るように、スイープ流タンク(241)から希釈液入力ライン(266)内に、そしてさらに希釈液ポンプ(249)内に、希釈液(D)を引き抜くように構成される。いくつかの実施形態では、希釈液ポンプ(249)は、下記でさらに詳細に説明されるように、希釈液入力/出力ライン(275)、希釈液プッシュライン(280)、および第2、第3、および第4の輸送ライン部分(276b、276c、276d)を後に洗い流すために望まれる希釈液(D)の体積など、第3の所定の体積の希釈液(D)で、希釈液入力ライン(266)を介して充填されるように構成されてよい。
【0075】
図5Gに示すように、洗浄ポンプ(240)はまた、希釈液/清浄剤弁(252)が第1の開状態にある時などに、希釈液貯留部(230)から希釈液供給ライン(250)内に希釈液(D)を引き抜き、洗浄RBC弁(257)が開状態にある時などに、第1のマルチフローユニット(251)およびRBC入力ライン(256)を介してRBC浴(214)に希釈液(D)を搬送するように構成される(例えば、RBC浴(214)と第1のマルチフローユニット(251)を互いと流体連通させる)。これも図5Gに示すように、希釈液ポンプ(249)はまた、第1および第2の輸送ライン弁(277、278)が各々第2の開状態にあり、第3の輸送ライン弁(279)が開状態にある時などに、希釈液入力/出力ライン(275)、第2のマルチフローユニット(261)、希釈液プッシュライン(280)、ならびに第2、第3、および第4の輸送ライン部分(276b、276c、276d)を介して、RBC浴(214)に希釈液(D)を搬送するように構成される。いくつかの実施形態では、希釈液ポンプ(249)は、洗浄ポンプ(240)によって送達された希釈液(D)に対して付随的に希釈液(D)を送達するように構成されてよい。追加としてまたは代替として、希釈液ポンプ(249)は、その後、希釈液入力弁(267)が開状態にある時などに、希釈液ポンプ(249)が希釈液(D)で充填され得るように、スイープ流タンク(241)から希釈液入力ライン(266)内に、そしてさらに希釈液ポンプ(249)内に希釈液(D)を引き抜くように構成されてよい。いくつかの実施形態では、希釈液ポンプ(249)は、希釈液入力ライン(266)を介して、WBC浴(212)の容積とエアギャップ(G)の体積との差など、第4の所定の体積の希釈液(D)で充填されるように構成されてよい。
【0076】
図5Gにさらに示すように、廃液ポンプ(245)は、RBC排液弁(285)が開状態にある時などに、RBC浴(214)から、RBC排液ライン(283)および第3のマルチフローユニット(284)を介して廃液ライン(297)内に、そしてさらに廃液容器(246)に残りの廃流体(W)を搬送するように構成される(例えば、第3のマルチフローユニット(284)とRBC浴(214)を互いと流体連通させる)。
【0077】
図5Hに示すように、洗浄ポンプ(240)はさらに、希釈液/清浄剤弁(252)が第1の開状態にある時などに、希釈液貯留部(230)から希釈液供給ライン(250)に希釈液(D)を引き抜き、マルチフロー入力弁(262)が開状態にある時などに(例えば、第1および第2のマルチフローユニット(251、261)を互いと流体連通させる)、第1のマルチフローユニット(251)および第2のマルチフローユニット入力ライン(260)を介して第2のマルチフローユニット(261)に、そして、洗浄WBC弁(265)が開状態にあり(例えば、WBC浴(212)と第2のマルチフローユニット(261)を互いと流体連通させる)、第1および第2の輸送ライン弁(278)が各々閉状態にある時などに、WBC入力ライン(264)を介して、ならびに/または、第1および第2の輸送ライン弁(277、278)が各々第1の開状態にあり、洗浄WBC弁(265)が閉状態にある時などに、希釈液プッシュ/プルライン(281)ならびに第1および第2の輸送ライン部分(276a、276b)を介して、さらにWBC浴(212)に、希釈液(D)を搬送するように構成される。いくつかの実施形態では、洗浄ポンプ(240)は、WBC入力ライン(264)を介して送達された希釈液(D)に対して付随的に、第1の輸送ライン部分(276a)を介して、希釈液(D)を送達するように構成されてよい。
【0078】
図5Hにさらに示すように、廃液ポンプ(245)は、WBC排液弁(290)が開状態にある時などに、WBC浴(212)からWBC排液ライン(289)および第3のマルチフローユニット(284)を介して、廃液ライン(297)内に、そしてさらに廃液容器(246)に、残りの廃流体(W)を搬送するように構成される(例えば、第3のマルチフローユニット(284)とWBC浴(212)を互いと流体連通させる)。
【0079】
図5Iに示すように、希釈液ポンプ(249)はさらに、第1および第2の輸送ライン弁(277a、278)が各々第1の開状態にある時などに、希釈液ポンプ(249)が希釈液(D)で充填され得るように、WBC浴(212)から、第1および第2の輸送ライン部分(276a、276b)、希釈液プッシュ/プルライン(281)、および第2のマルチフローユニット(261)を介して、希釈液入力/出力ライン(275)内に、そしてさらに希釈液ポンプ(249)内に希釈液(D)を引き抜くように構成される。いくつかの実施形態では、希釈液ポンプ(249)は、希釈液入力/出力ライン(275)を介して第5の所定の体積の希釈液(D)で充填されるように構成されてよい。例えば、希釈液ポンプ(249)が希釈液入力ライン(266)および希釈液入力/出力ライン(275)を介して充填されるように構成される希釈液(D)の累積体積は、下記でさらに詳細に説明されるように、約2.143mL~約3.429mLの希釈液(D)(例えば、約2.143mL、約2.571mL、約3mL、または約3.429mLの希釈液(D))など、後にWBC浴(212)に送達することが望まれる希釈液(D)の体積と実質的に等しくてよい。
【0080】
これも図5Iに示すように、希釈液ポンプ(249)はまた、第1および第2の輸送ライン弁(277a、278)が各々第1の開状態にある時などに、WBC浴(212)から第1の輸送ライン部分(276a)内に空気を引き抜き、それにより、後のサイクルで希釈液(D)と前希釈液溶液(P)の抽出部分(E)との間の保護バリアの役割を果たすための、第1の輸送ライン部分(276a)内のエアギャップ(G)を形成するように構成される。
【0081】
図5Iにさらに示すように、CBCチャンバ(221)は、真空ライン弁(299)が第1の開状態にある時などに、(例えば大気(248)に)脱気されるように構成される(例えば、CBCチャンバ(221)と大気(248)を互いと流体連通させる)。
【0082】
図5Jに示すように、希釈液ポンプ(249)はさらに、その後のサイクルで血液試料(B)と混合して前希釈液溶液(P)を形成するために、洗浄WBC弁(265)が開状態にある時などに、希釈液入力/出力ライン(275)、第2のマルチフローユニット(261)およびWBC入力ライン(264)を介して、WBC浴(212)に希釈液(D)を搬送するように構成される。これも図5Iに示されるように、廃液ポンプ(245)は、CBC排液弁(294)が開状態にある時などに、CBCチャンバ(221)から、CBC排液ライン(293)および第3のマルチフローユニット(284)を介して、廃液ライン(297)内に、そしてさらに廃液容器(246)に、残りの廃流体(W)を搬送するように構成される(例えば、第3のマルチフローユニット(284)とCBCチャンバ(221)を互いと流体連通させる)。図5Jにさらに示すように、CBCチャンバ(221)は、真空ライン弁(299)が第2の開状態にある時などに、空気圧トランスデューサ(222)によって加圧されるように構成される(例えば、空気圧トランスデューサ(222)とCBCチャンバ(221)を互いと流体連通させる)。
【0083】
生物学的分析システム(210)は、図5Aに示される状態に戻ることによってその後のサイクルを完了するように構成されてよい。
【0084】
希釈液ポンプ(249)を利用してWBC浴(212)から前希釈液溶液(P)の抽出部分(E)を吸引することにより、および/または希釈液ポンプ(249)を利用して前希釈液溶液(P)の抽出部分の輸送部分(T)をRBC浴(214)に送達することにより、少なくとも、前希釈液溶液(P)の一部分をWBC浴(212)から吸引するために、および/または前希釈液溶液(P)の吸引部分をRBC浴(214)に分注するためにプローブ(216)を利用するシステムと比較して、生物学的分析システム(210)は、RBC浴(214)内の血液試料(B)の分析を容易にするためのプローブ(216)への依拠が低減し得ることが認識されるであろう。よって、プローブ(216)は、希釈液ポンプ(249)が前希釈液溶液(P)の抽出部分(E)をWBC浴(212)から吸引する間、および/または、希釈液ポンプ(249)が前希釈液溶液(P)の抽出部分(E)の輸送部分(T)をRBC浴(214)に送達する間に、様々な他のタスクを行うように構成され得る。例えば、プローブ(216)は、RBC、WBC、およびPLTのフローイメージングなど、様々な他のパラメータの分析を容易にするように構成されてよく、一方、希釈液ポンプ(249)は、RBC浴(214)への輸送部分(T)の送達を容易にする。
【0085】
また、プローブ(216)の経路からRBC浴(214)を除くことにより、生物学的分析システム(210)は、少なくとも、プローブ(216)の経路に沿ってRBC浴(214)を含むシステムと比較して、プローブ(216)の経路の複雑性および/または占有面積を低減し得、それにより、少なくともそのようなシステムと比較して、生物学的分析システム(210)が低減された全体サイズを有することができるようにすることも認識されるであろう。
【0086】
本明細書の実施形態は、CBCドリップチャンバ(221)に接続されたWBC浴(212)およびRBC浴(214)を説明したが、本明細書で企図されるポンプ流体輸送技術を利用する他の実施形態が企図される。例えば、WBC浴(212)およびRBC浴(214)は、フローイメージングを利用する血液分析システムで使用されることが可能であり、その場合、例えばWBC浴(212)およびRBC浴(214)がフローセルに接続されて、各々の内容物が、高速の高解像度カメラで撮像するためにフローセルを通じて搬送される。プローブ(216)に対する依拠を低減するためにポンプ(249)を使用して分析システムのチャンバ間または浴間の流体輸送を容易にするという原理は、各種状況においてシステム負荷を低減し、スループットを増大するために広く使用することができる。
【0087】
他の実施形態(例えばシステムおよび関連する方法)が、本明細書で企図されるように洗浄ポンプ/シリンジポンプ流体輸送システムを利用することに留意されたい。例えば、プローブ(216)が、最初に希釈液および血液試料をRBC浴(214)に送達することができ、試料混合物/前希釈液溶液は次いで、ポンプ(249)を介してWBC浴(212)に搬送される。他の実施形態は、2つの浴(212、214)より多くの浴を利用することができ、その場合、ポンプ(249)を使用して、血液試料溶液(例えば血液と希釈液の混合物)をそれら2つより多い浴の1つまたは複数の間で搬送する。例えば、ヘモグロビン測定の目的でHGBトランスデューサをWBC浴(212)と一体化するのではなく、第3の浴がこの目的のために利用され得る。
【0088】
D.生物学的試料を分析する第2の例示的方法の実施形態
【0089】
図6は、血液試料(B)などの生物学的試料を分析する別の例示的方法(300)を示す。方法(300)は、上記で説明された生物学的分析システム(210)を使用して行われるものと説明されるが、方法(300)は任意の好適な生物学的分析システムを使用して行われてよいことが認識されるであろう。
【0090】
方法(300)は、ステップ(301)で開始し、ここで、血液試料(B)が、WBC浴(212)などの第1の流体分析チャンバに分注される。いくつかの実施形態では、ステップ(301)は、上記で図5Aとの関連で説明されたように、WBC浴(212)に含まれている希釈液(D)と混合するために、約10μL~約16μLの血液試料(B)など所定量の血液試料(B)を、プローブ(216)を介してWBC浴(212)に送達することによって行われてよい。ステップ(301)の前に、方法(300)は、ホーム位置にあるプローブ(216)を介して検体(図示せず)から血液試料(B)を吸引し、次いで、血液試料(B)をWBC浴(212)に分注するために、ホーム位置からWBC浴(212)までの経路に沿ってプローブ(216)を移動させることを含んでよいことが認識されるであろう。方法(300)はまた、RBC浴(214)に到達することなく、プローブ(216)をWBC浴(212)からホーム位置に戻すことを含んでよい。
【0091】
追加としてまたは代替として、ステップ(301)の前に、方法(300)は、上記で図5Iとの関連で説明されたように、希釈液ポンプ(249)を介して、WBC浴(212)から第1の輸送ライン部分(276a)内に空気を引き込むことなどにより、第1の輸送ライン部分(276a)の中にエアギャップ(G)を形成することを含んでよい。追加としてまたは代替として、ステップ(301)の前に、方法(300)は、上記で図5Jとの関連で説明されたように、希釈液ポンプ(249)を介して、約2.143mL~約3.429mLの希釈液(D)など、所定量の希釈液(D)をWBC浴(212)に送達することなどにより、WBC浴(212)に希釈液(D)を圧送するかまたはその他の方法で搬送することを含んでよい。
【0092】
方法(300)は、ステップ(301)からステップ(302)に進み、そこで、空気(A)の混合泡が、WBC浴(212)などの第1の流体分析チャンバに圧送されるかまたはその他の方法で搬送される。いくつかの実施形態では、ステップ(302)は、上記で図5Aとの関連で説明されたように、前希釈液溶液(P)を定める均質状態へのWBC浴(212)の内容物の混合を促すために、空気(A)の混合泡のバーストを、混合ポンプ(247)を介してWBC浴(212)に送達することによって行われてよい。
【0093】
方法(300)は、ステップ(302)からステップ(303)に進み、そこで、前希釈液溶液(P)の抽出部分(E)が、WBC浴(212)などの第1の流体分析チャンバから圧送されるかまたはその他の方法で吸引される。いくつかの実施形態では、ステップ(303)は、上記で図5Bとの関連で説明されたように、抽出部分(E)を定めるように、希釈液ポンプ(249)を介して、約200μL~約250μLの前希釈液溶液(P)など、所定量の前希釈液溶液(P)をWBC浴(212)から引き抜き、また、約100μL~約120μLの抽出部分(E)など、所定量の抽出部分(E)が第2の輸送ライン部分(276b)を実質的に満たして、前希釈液溶液(P)の輸送部分(T)を定めるように、エアギャップ(G)および抽出部分(E)の緩衝領域(BU)を、希釈液プッシュ/プルライン(281)内に引き抜くことによって行われてよい。よって、ステップ(303)は、前希釈液溶液(P)の輸送部分(T)をWBC浴(216)から吸引するためにプローブ(216)を利用せずに行われ得、それにより、ステップ(303)の実行と同時に他のタスクを行うためにプローブ(216)を使えるようにする。
【0094】
方法(300)は、ステップ(303)からステップ(304)に進み、そこで、希釈液(D)および前希釈液溶液(P)の輸送部分(T)が、RBC浴(214)などの第2の流体分析チャンバに圧送されるかまたはその他の方法で搬送される。いくつかの実施形態では、ステップ(304)は、上記で図5Cとの関連で説明されたように、希釈液ポンプ(249)を介して、前希釈液溶液(P)の輸送部分(T)と、約2.804mL~約3.364mLの希釈液(D)など、所定量の希釈液(D)とをRBC浴(214)に送達することによって行われてよい。よって、ステップ(304)は、前希釈液溶液(P)の輸送部分(T)をRBC浴(214)に送達するためにプローブ(216)を利用せずに行われ得、それにより、ステップ(304)の実行と同時に他のタスクを行うためにプローブ(216)を使えるようにする。
【0095】
方法(300)は、ステップ(304)からステップ(305)に進み、そこで、溶解液(L)が、WBC浴(212)などの第1の流体分析チャンバに圧送されるかまたはその他の方法で搬送される。いくつかの実施形態では、ステップ(305)は、上記で図5Cとの関連で説明されたように、溶解液ポンプ(242)を介して、WBC浴(212)に残っている前希釈液溶液(P)の部分と混合するために、約337.8μL~約575.9μLの溶解液(L)など、所定量の溶解液(L)をWBC浴(212)に送達することによって行われてよい。ステップ(305)は代替としてステップ(304)の前にまたはそれと同時に行われてもよいことが認識されるであろう。
【0096】
方法(300)は、ステップ(305)からステップ(306)に進み、そこで、空気(A)の混合泡が、WBC浴(212)などの第1の流体分析チャンバに圧送されるかまたはその他の方法で搬送される。いくつかの実施形態では、ステップ(306)は、上記で図5Cとの関連で説明されたように、最終WBC溶液(FW)を定める均質状態へのWBC浴(212)の内容物の混合を促すために、空気(A)の混合泡のバーストを、混合ポンプ(247)を介してWBC浴(212)に送達することによって行われてよい。
【0097】
方法(300)は、ステップ(306)からステップ(307)に進み、そこで、空気(A)の混合泡が、RBC浴(214)などの第2の流体分析チャンバに圧送されるかまたはその他の方法で搬送される。いくつかの実施形態では、ステップ(307)は、上記で図5Dとの関連で説明されたように、最終RBC溶液(FR)を定める均質状態へのRBC浴(214)の内容物の混合を促すために、空気(A)の混合泡のバーストを、混合ポンプ(247)を介してRBC浴(214)に送達することによって行われてよい。
【0098】
方法(300)は、ステップ(307)からステップ(308)に進み、そこで、RBC浴(214)などの第2の流体分析チャンバの最終RBC溶液(FR)が分析される。いくつかの実施形態では、ステップ(308)は、ステップ(307)の完了直後に行われてよい。いずれにせよ、ステップ(308)は、赤血球/血小板数フロープライミングおよび/または最終RBC溶液(FR)からのデータ獲得を開始することを含んでよい。追加としてまたは代替として、ステップ(308)は、上記で図5Eとの関連で説明されたように、スイープ流タンク(241)からCBCチャンバ(221)に希釈液(D)を圧送するかまたはその他の方法で搬送することを含んでよい。ステップ(307)は、ステップ(305、306)の1つまたは複数と並行して行われてよいことが認識されるであろう。
【0099】
方法(300)は、ステップ(308)からステップ(309)に進み、そこで、希釈液ポンプ(249)が、希釈液入力/出力ライン(275)、希釈液プッシュライン(280)、ならびに第2、第3、および第4の輸送ライン部分(276b、276c、276d)を洗い流すために準備される。いくつかの実施形態では、ステップ(309)は、上記で図5Fとの関連で説明されたように、希釈液入力/出力ライン(275)、希釈液プッシュライン(280)、ならびに第2、第3、および第4の輸送ライン部分(276b、276c、276d)を洗い流すために、希釈液ポンプ(249)に所定の体積の希釈液(D)を充填することによって行われてよい。
【0100】
方法(300)は、ステップ(309)からステップ(310)に進み、そこで、RBC浴(214)が洗い流され、それにより、清浄され、および/またはその中に含まれている廃流体(W)があればそれが空にされる。いくつかの実施形態では、ステップ(310)は、上記で図5Gとの関連で説明されたように、洗浄ポンプ(240)および希釈液ポンプ(249)を介してRBC浴(214)に希釈液(D)を搬送することにより、ならびに/または、廃液ポンプ(245)を介してRBC浴(214)から廃流体(W)および/もしくは希釈液(D)を排出することにより、行われてよい。ステップ(310)が終了した時、RBC浴(214)は実質的に空であることが認識されるであろう。
【0101】
示される例では、方法(300)はまた、ステップ(306)からステップ(311)に進み、そこで、WBC浴(212)などの第1の流体分析チャンバ内の最終WBC溶液(FW)が分析される。いくつかの実施形態では、ステップ(311)は、ステップ(306)の実行中に空気(A)の混合泡がWBC浴(212)に送達された後に開始し得る、1つまたは複数の培養期間が完了した時に行われてよい。例えば、ステップ(311)は、ヘモグロビン培養期間が完了した時に、WBC浴(212)のヘモグロビントランスデューサを用いるなどして、最終WBC溶液(FW)に存在するヘモグロビンの量を測定することを含んでよい。追加としてまたは代替として、ステップ(311)は、WBC培養期間が完了した時に、白血球数フロープライミングおよび/または最終WBC溶液(FW)からのデータ獲得を開始することを含んでよい。ステップ(311)は、ステップ(307、308、309、310)の1つまたは複数と並行して行われてよいことが認識されるであろう。
【0102】
方法(300)は、ステップ(311)からステップ(312)に進み、そこで、WBC浴(212)が洗い流され、それにより清浄にされ、および/またはその中に含まれている廃流体(W)があればそれが空にされる。いくつかの実施形態では、ステップ(312)は、上記で図5Hとの関連で説明されたように、希釈液ポンプ(249)を介してWBC浴(212)に希釈液(D)を搬送することにより、ならびに/または、廃液ポンプ(245)を介してWBC浴(212)から廃流体(W)および/または希釈液(D)を排出することにより、行われてよい。ステップ(312)が終了した時、WBC浴(212)は実質的に空であることが認識されるであろう。
【0103】
方法(300)は、ステップ(312)からステップ(313)に進み、そこで、次のサイクルのためのエアギャップ(G)が形成される。いくつかの実施形態では、ステップ(313)は、上記で図5Iとの関連で説明されたように、希釈液ポンプ(249)を介してWBC浴(212)から第1の輸送ライン部分(276a)内に空気を引き込むことによって行われてよい。
【0104】
方法(300)は、ステップ(313)からステップ(314)に進み、そこで、次のサイクルのための希釈液(D)が、WBC浴(212)などの第1の流体分析チャンバに圧送されるかまたはその他の方法で搬送される。いくつかの実施形態では、ステップ(314)は、上記で図5Jとの関連で説明されたように、希釈液ポンプ(249)を介して、約2.143mL~約3.429mLの希釈液(D)など、所定量の希釈液(D)をWBC浴(212)に送達することによって行われてよい。
【0105】
いくつかの実施形態では、ステップ(313、314)が完了した後、方法(300)はステップ(301)に戻ってよく、そこで、次のサイクルを行うために、別の血液試料(B)がWBC浴(212)などの第1の流体分析チャンバに分注される。
【0106】
E.組合せの例
【0107】
以下の例は、本明細書の教示が組み合わせられるまたは適用され得る様々な非排他的な方式に関係する。以下の例は、本出願において任意の時にまたは本出願の後の出願時に提示され得る請求項の適用範囲を制約することは意図されないことを理解すべきである。免責は意図されない。以下の例は、単なる説明の目的のためだけに提供されている。本明細書の様々な教示は、多数の他の方式で構成および適用されてよいことが企図される。また、一部の変形例は、以下の例で参照される特定の特徴を省いてもよいことも企図される。したがって、以下で参照される態様または特徴はいずれも、後日、本発明者らにより、または本発明者らに関与する後継者により、明示的に他のように指示されない限り、必須とはみなされるべきでない。以下で参照されるものを越える追加的な特徴を含む請求項が、本出願でまたは本出願に関係する後の提出物中で提示された場合、それらの追加的な特徴は、特許可能性に関する任意の理由から追加されたものであるとは考えないものとする。
【0108】
例1
【0109】
生物学的分析システムであって、(a)プローブであって、第1のチャンバに生物学的試料を分注するように構成されたプローブと、(b)ポンプであって、(i)生物学的試料と混合して試料混合物を生成するために、第1のチャンバに希釈液の第1の送達分を搬送し、(ii)第1のチャンバから試料混合物の一部分を吸引し、(iii)試料混合物の前記一部分を第2のチャンバに搬送するように構成されたポンプと、を備える生物学的分析システム。
【0110】
例2
【0111】
例1の生物学的分析システムであって、プローブは、生物学的試料を第1のチャンバに分注する前に、生物学的検体から生物学的試料を吸引するように構成されている。
【0112】
例3
【0113】
例1または2の生物学的分析システムであって、ポンプはシリンジポンプを含む。
【0114】
例4
【0115】
例1~3のいずれかの生物学的分析システムであって、CBCドリップチャンバをさらに備え、CBCドリップチャンバが、第1または第2のチャンバの少なくとも一方の中の血球を計数するように構成されている。
【0116】
例5
【0117】
例1~4のいずれかの生物学的分析システムであって、ポンプが、試料混合物の一部分を第2のチャンバに搬送する間に、希釈液の第2の送達分を第2のチャンバに搬送するように構成されている。
【0118】
例6
【0119】
例1~5のいずれかの生物学的分析システムであって、溶解液ポンプをさらに備え、溶解液ポンプが第1のチャンバに溶解液を搬送するように構成されている。
【0120】
例7
【0121】
例1~6のいずれかの生物学的分析システムであって、第1および第2のチャンバをさらに備え、第1および第2のチャンバが、互いと選択的に流体結合されるように構成されている。
【0122】
例8
【0123】
例7の生物学的分析システムであって、第1および第2のチャンバを互いと選択的に流体結合するように構成された輸送ラインをさらに備え、ポンプは、輸送ラインを通じて試料混合物の一部分を第2のチャンバに搬送する前に、試料混合物の一部分を輸送ライン内に吸引するように構成されている。
【0124】
例9
【0125】
例8の生物学的分析システムであって、輸送ラインに選択的に流体結合されるように構成された少なくとも1つの希釈液プッシュ/プルラインをさらに備え、ポンプは、試料混合物の一部分を輸送ライン内に吸引する間に、少なくとも1つの希釈液プッシュ/プルライン内にエアギャップを引き込むように構成されている。
【0126】
例10
【0127】
生物学的分析システムであって、(a)第1のチャンバと、(b)第2のチャンバと、(c)プローブであって、第1のチャンバに生物学的試料を分注するように構成されたプローブと、(d)第1のポンプであって、生物学的試料の一部分を第1のチャンバから第2のチャンバに輸送するように構成された第1のポンプと、(e)第2のポンプであって、第1のチャンバまたは第2のチャンバの少なくとも一方に流体媒体を搬送するように構成された第2のポンプと、を備える生物学的分析システム。
【0128】
例11
【0129】
例10の生物学的分析システムであって、流体媒体が溶解液を含み、第2のポンプが、生物学的試料の一部分を第2のチャンバに輸送した後に、溶解液を第1のチャンバに搬送するように構成されている。
【0130】
例12
【0131】
例10または11の生物学的分析システムであって、CBCドリップチャンバをさらに備え、CBCドリップチャンバが、第1または第2のチャンバの少なくとも一方の中の血球を計数するために、第1または第2のチャンバの少なくとも一方に流体結合されている。
【0132】
例13
【0133】
例10~12のいずれかの生物学的分析システムであって、第1のポンプが、生物学的試料の一部分を第2のチャンバに輸送する前に、生物学的試料と混合して試料混合物を生成するために、第1のチャンバに希釈液の第1の送達分を搬送するように構成されている。
【0134】
例14
【0135】
例13の生物学的分析システムであって、第1のポンプが、生物学的試料の一部分を第2のチャンバに輸送する間に、希釈液の第2の送達分を第2のチャンバに搬送するように構成されている。
【0136】
例15
【0137】
例10~14のいずれかの生物学的分析システムであって、第1および第2のチャンバが、互いと選択的に流体結合されるように構成されている。
【0138】
例16
【0139】
例15の生物学的分析システムであって、(a)第1および第2のチャンバを互いと選択的に流体結合するように構成された輸送ラインと、(b)輸送ラインに選択的に流体結合されるように構成された、少なくとも1つの希釈液プッシュ/プルラインと、をさらに備え、第1のポンプは、生物学的試料の一部分を輸送ライン内に吸引する間に、少なくとも1つの希釈液プッシュ/プルラインにエアギャップを引き込むように構成されている。
【0140】
例17
【0141】
例10~16のいずれかの生物学的分析システムであって、第1のチャンバがヘモグロビントランスデューサを備える。
【0142】
例18
【0143】
例17の生物学的分析システムであって、ヘモグロビントランスデューサが、フィルタ付き光源および光学センサを備える。
【0144】
例19
【0145】
生物学的試料を分析する方法であって、(a)第1のポンプを介して第1のチャンバに希釈液を搬送することと、(b)プローブを介して第1のチャンバに血液試料を分注して、試料混合物を生成することと、(c)試料混合物の一部分を、第1のポンプを介して第1のチャンバから第2のチャンバに搬送することと、を含む方法。
【0146】
例20
【0147】
例19の方法であって、第2のポンプを介して第1のチャンバに溶解液を搬送することをさらに含む。
【0148】
例21
【0149】
例8の生物学的分析システムであって、輸送ラインに沿って位置する輸送ライン弁の対をさらに備え、輸送ライン弁の対は、輸送ライン部分によって互いから隔てられており、輸送ライン部分は固定された容積を有し、輸送ライン部分が、輸送ライン部分の固定された容積と実質的に等しい所定の体積を有する試料混合物の一部分を受け取るように構成されている。
【0150】
例22
【0151】
例21の生物学的分析システムであって、輸送ライン弁の対の各輸送ライン弁が三方弁を含む。
【0152】
例23
【0153】
例9の生物学的分析システムであって、少なくとも1つの希釈液プッシュ/プルラインが、希釈液プッシュ/プルラインの対を含む。
【0154】
例24
【0155】
例23の生物学的分析システムであって、輸送ラインに沿って位置する三方弁の対をさらに備え、三方弁の対の各三方弁が、希釈液プッシュ/プルラインの対のそれぞれの希釈液プッシュ/プルラインに結合されている。
【0156】
例25
【0157】
例24の生物学的分析システムであって、三方弁の対が、輸送ライン部分によって互いから隔てられており、輸送ライン部分が、固定された容積を有する。
【0158】
図に描かれた、または上記で説明された構成要素の異なる構成、ならびに図示または説明されない構成要素およびステップが可能である。同様に、いくつかの特徴およびサブコンビネーションが有用であり、他の特徴およびサブコンビネーションを参照せずに用いられてよい。本発明の実施形態は、制約の目的ではなく説明の目的のために説明された。また、代替の実施形態が、本特許の読者に明らかになろう。一部の場合には、方法のステップまたは動作が異なる順序で実施もしくは実行されてよく、または動作が追加、削除、もしくは変更されてよい。本発明の特定の態様では、要素もしくは構造を提供するため、または所与の1つもしくは複数の機能を行うために、単一の構成要素が複数の構成要素に置き換えられてよく、また複数の構成要素が単一の構成要素に置き換えられてよいことを認識することができる。そのような置換が本発明の特定の実施形態を実施するように動作可能でない場合を除き、そのような置換は本発明の範囲内にあると考えられる。したがって、本発明は、上記で説明された、または図面に描かれた実施形態に限定されず、下記の特許請求の範囲から逸脱することなく様々な実施形態および変形形態を作製することができる。
【符号の説明】
【0159】
10 生物学的分析システム
12 第1の浴、第1の流体分析チャンバ、WBC浴
14 第2の浴、第2の流体分析チャンバ、RBC浴
16 プローブ
18 全血球計算(CBC)箱
20 ヘモグロビントランスデューサ
30 希釈液貯留部
32 溶解液貯留部
40 洗浄ポンプ
42 溶解液ポンプ
44 廃液ポンプ
46 CBC廃液容器
50 希釈液供給ライン
52 充填・洗浄ポンプ弁
54 共通RBC/WBC入力ライン
56 第1のT分岐部
58 第2のT分岐部
60 RBC入力ライン
62 洗浄RBC弁
64 第1のWBC入力ライン
66 洗浄WBC弁
68 溶解液供給ライン
70 溶解液弁
72 第2のWBC入力ライン
74 RBC排液ライン
76 WBC排液ライン
78 第3のT分岐部
80 共通RBC/WBC排液ライン
82、84 排RBC弁および排WBC弁
210 生物学的分析システム
212 第1の浴、第1の流体分析チャンバ、WBC浴
214 第2の浴、第2の流体分析チャンバ、RBC浴
216 試料プローブ
221 CBCドリップチャンバ
222 空気圧トランスデューサ
230 希釈液貯留部
232 溶解液貯留部
233 清浄剤貯留部
241 スイープ流タンク
242 溶解液ポンプ
244 真空ポンプ
245 廃液ポンプ
246 廃液容器
247 混合ポンプ
248 大気
249 希釈液ポンプ
250 希釈液供給ライン
251 第1のマルチフローユニット
252 希釈液/清浄剤弁
254 清浄剤供給ライン
255 清浄剤弁
256 RBC入力ライン
257 洗浄RBC弁
258 スイープ流入力ライン
259 洗浄スイープ流弁
260 第2のマルチフローユニット入力ライン
261 第2のマルチフローユニット
264 WBC入力ライン
265 洗浄WBC弁
266 希釈液入力ライン
267 希釈液入力弁
268 共通スイープ流入力ライン
269 第1のY分岐部
270 スイープ流弁
271、272 スイープ流ライン
273、274 スイープ流弁
275 希釈液入力/出力ライン
276a、276b、276c、276d 輸送ライン部分
277、278、279 輸送ライン弁
280 希釈液プッシュライン
281 希釈液プッシュ/プルライン
282 溶解液供給ライン
283 RBC排液ライン
284 第3のマルチフローユニット
285 RBC排液弁
286 混合空気ライン
288 混合ポンプ弁
289 WBC排液ライン
290 WBC排液弁
291 混合空気ライン
292 第3のY分岐部
293 CBC排液ライン
294 CBC排液弁
295 廃液ライン
297 廃液ライン
298 真空ライン
299 真空ライン弁
D 希釈液
L 溶解液
B 血液試料
W 廃流体
C 破損領域
T 輸送部分
E 抽出部分
P 前希釈液溶液
FW 最終WBC溶液
G エアギャップ
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図2H
図2I
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図5G
図5H
図5I
図5J
図6
【手続補正書】
【提出日】2024-06-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生物学的分析システムであって
1のチャンバに生物学的試料を分注するように構成されたプローブと
記生物学的試料と混合して試料混合物を生成するために、前記第1のチャンバに希釈液の第1の送達分を搬送し、前記第1のチャンバから前記試料混合物の一部分を吸引し、前記試料混合物の前記一部分を第2のチャンバに搬送するように構成されたポンプと、を備える生物学的分析システム。
【請求項2】
前記プローブが、前記生物学的試料を前記第1のチャンバに分注する前に、生物学的検体から前記生物学的試料を吸引するように構成されている、請求項1に記載の生物学的分析システム。
【請求項3】
CBCドリップチャンバをさらに備え、前記CBCドリップチャンバが、前記第1または第2のチャンバの少なくとも一方の中の血球を計数するように構成されている、請求項1に記載の生物学的分析システム。
【請求項4】
前記ポンプが、前記試料混合物の前記一部分を前記第2のチャンバに搬送する間に、希釈液の第2の送達分を前記第2のチャンバに搬送するように構成されている、請求項1に記載の生物学的分析システム。
【請求項5】
溶解液ポンプをさらに備え、前記溶解液ポンプが前記第1のチャンバに溶解液を搬送するように構成されている、請求項1に記載の生物学的分析システム。
【請求項6】
記第1および第2のチャンバが、互いと選択的に流体結合されるように構成されている、請求項1に記載の生物学的分析システム。
【請求項7】
前記第1および第2のチャンバを互いと選択的に流体結合するように構成された輸送ラインをさらに備え、前記ポンプは、前記輸送ラインを通じて前記試料混合物の前記一部分を前記第2のチャンバに搬送する前に、前記試料混合物の前記一部分を前記輸送ライン内に吸引するように構成されている、請求項に記載の生物学的分析システム。
【請求項8】
前記輸送ラインに沿って位置する輸送ライン弁の対をさらに備え、前記輸送ライン弁の対は、輸送ライン部分によって互いから隔てられており、前記輸送ライン部分は固定された容積を有し、前記輸送ライン部分が、前記輸送ライン部分の前記固定された容積と実質的に等しい所定の体積を有する前記試料混合物の前記一部分を受け取るように構成されている、請求項1に記載の生物学的分析システム。
【請求項9】
前記輸送ライン弁の対の各輸送ライン弁が三方弁を含む、請求項8に記載の生物学的分析システム。
【請求項10】
前記輸送ラインに選択的に流体結合されるように構成された少なくとも1つの希釈液プッシュ/プルラインをさらに備え、前記ポンプは、前記試料混合物の前記一部分を前記輸送ライン内に吸引する間に、前記少なくとも1つの希釈液プッシュ/プルライン内にエアギャップを引き込むように構成されている、請求項8に記載の生物学的分析システム。
【請求項11】
前記少なくとも1つの希釈液プッシュ/プルラインが、希釈液プッシュ/プルラインの対を含む、請求項10に記載の生物学的分析システム。
【請求項12】
前記輸送ラインに沿って位置する三方弁の対をさらに備え、前記三方弁の対の各三方弁が、前記希釈液プッシュ/プルラインの対のそれぞれの希釈液プッシュ/プルラインに結合されている、請求項11に記載の生物学的分析システム。
【請求項13】
前記三方弁の対が、輸送ライン部分によって互いから隔てられており、前記輸送ライン部分が、固定された容積を有する、請求項12に記載の生物学的分析システム。
【請求項14】
生物学的分析システムであって、
1のチャンバと、
2のチャンバと、
ローブであって、前記第1のチャンバに生物学的試料を分注するように構成されたプローブと、
1のポンプであって、前記生物学的試料の一部分を前記第1のチャンバから前記第2のチャンバに輸送するように構成された第1のポンプと、
2のポンプであって、前記第1のチャンバまたは前記第2のチャンバの少なくとも一方に流体媒体を搬送するように構成された第2のポンプと、を備える生物学的分析システム。
【請求項15】
前記流体媒体が溶解液を含み、前記第2のポンプが、前記生物学的試料の前記一部分を前記第2のチャンバに輸送した後に、前記溶解液を前記第1のチャンバに搬送するように構成されている、請求項14に記載の生物学的分析システム。
【請求項16】
CBCドリップチャンバをさらに備え、前記CBCドリップチャンバが、前記第1または第2のチャンバの少なくとも一方の中の血球を計数するために、前記第1または第2のチャンバの少なくとも一方に流体結合されている、請求項14に記載の生物学的分析システム。
【請求項17】
前記第1のポンプが、前記生物学的試料の前記一部分を前記第2のチャンバに輸送する前に、前記生物学的試料と混合して試料混合物を生成するために、前記第1のチャンバに希釈液の第1の送達分を搬送するように構成されている、請求項14に記載の生物学的分析システム。
【請求項18】
前記第1のポンプが、前記生物学的試料の前記一部分を前記第2のチャンバに輸送する間に、希釈液の第2の送達分を前記第2のチャンバに搬送するように構成されている、請求項17に記載の生物学的分析システム。
【請求項19】
前記第1のチャンバがヘモグロビントランスデューサを備え、前記ヘモグロビントランスデューサが、フィルタ付き光源および光学センサを備える、請求項13に記載の生物学的分析システム。
【請求項20】
生物学的試料を分析する方法であって、
1のポンプを介して第1のチャンバに希釈液を搬送することと、
ローブを介して前記第1のチャンバに血液試料を分注して、試料混合物を生成することと、
記試料混合物の一部分を、前記第1のポンプを介して前記第1のチャンバから第2のチャンバに搬送することと、を含む方法。
【国際調査報告】