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特表2025-500988調整可能レーザ及び調整可能レーザの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-15
(54)【発明の名称】調整可能レーザ及び調整可能レーザの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01S 3/10 20060101AFI20250107BHJP
   H01S 3/106 20060101ALI20250107BHJP
   H01S 3/107 20060101ALI20250107BHJP
   H01S 3/105 20060101ALI20250107BHJP
   H01S 3/08 20230101ALI20250107BHJP
   G02B 6/122 20060101ALI20250107BHJP
【FI】
H01S3/10 Z
H01S3/106
H01S3/107
H01S3/105
H01S3/08
H01S3/10 D
G02B6/122
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024538985
(86)(22)【出願日】2022-12-23
(85)【翻訳文提出日】2024-07-26
(86)【国際出願番号】 EP2022087767
(87)【国際公開番号】W WO2023126359
(87)【国際公開日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】2119136.6
(32)【優先日】2021-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522074936
【氏名又は名称】スマート フォトニクス ホールディングス ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】アンドレウ,ステファノス
【テーマコード(参考)】
2H147
5F172
【Fターム(参考)】
2H147AB02
2H147AB03
2H147AB16
2H147BA05
2H147BD03
2H147BE01
2H147BE03
2H147BE13
2H147BE22
5F172AM08
5F172NN25
5F172NQ12
5F172NQ24
5F172NQ33
5F172NQ35
5F172NQ49
(57)【要約】
第1の調整可能共振器、第2の調整可能共振器、干渉計、光増幅器、及びパワースプリッタを備える線形調整可能レーザ。第1の調整可能共振器は、導波路を含む。干渉計は、複数の導波路を備える。干渉計の導波路の少なくとも1つは、第1の調整可能共振器に光学的に接続される。光増幅器は、干渉計に光学的に接続される。第2の調整可能共振器は、光増幅器に光学的に接続される導波路を備える。パワースプリッタは、線形調整可能レーザからの光を出力するためのものである。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
線形調整可能レーザであって、
導波路を含む第1の調整可能共振器と、
複数の導波路を備える干渉計であって、前記導波路のうちの少なくとも1つは、前記第1の調整可能共振器に光学的に接続される、干渉計と、
前記干渉計に光学的に接続される光増幅器と、
前記光増幅器に光学的に接続される導波路を含む第2の調整可能共振器と、
線形調整可能レーザからの光を出力するためのパワースプリッタと、を備える、線形調整可能レーザ。
【請求項2】
前記第1の調整可能共振器、前記第2の調整可能共振器及び前記干渉計のうちの少なくとも1つは、前記パワースプリッタが出力する前記光の波長を調整するように構成される、請求項1に記載の線形調整可能レーザ。
【請求項3】
前記第1の調整可能共振器、前記第2の調整可能共振器及び前記干渉計のうちの少なくとも1つは、前記パワースプリッタが出力する前記光の放射照度を調整するように構成される、請求項1又は2に記載の線形調整可能レーザ。
【請求項4】
前記第1の調整可能共振器の前記導波路及び前記第2の調整可能共振器の前記導波路のうちの少なくとも1つは、湾曲している、請求項1又は2に記載の線形調整可能レーザ。
【請求項5】
前記第1の調整可能共振器及び前記第2の調整可能共振器のうちの少なくとも1つは、調整可能リング型共振器である、請求項1又は2に記載の線形調整可能レーザ。
【請求項6】
前記第1の調整可能共振器が第1の調整可能リング型共振器であり、前記第2の調整可能共振器が第2の調整可能リング型共振器であり、前記第1の調整可能リング型共振器の半径が前記第2の調整可能リング型共振器の半径とは異なる、請求項1又は2に記載の線形調整可能レーザ。
【請求項7】
前記第1の調整可能共振器、前記第2の調整可能共振器及び前記干渉計のうちの少なくとも1つは、電界屈折変調器を備える、請求項1又は2に記載の線形調整可能レーザ。
【請求項8】
前記干渉計が、マッハツェンダ干渉計及び非対称マッハツェンダ干渉計のうちの少なくとも1つである、請求項1又は2に記載の線形調整可能レーザ。
【請求項9】
前記光増幅器が、第1の光増幅器であり、前記第1の調整可能共振器及び前記第2の調整可能共振器のうちの少なくとも1つが、第2の光増幅器を備える、請求項1又は2に記載の線形調整可能レーザ。
【請求項10】
前記干渉計が、第1の干渉計であり、前記線形調整可能レーザが、複数の導波路を備える第2の干渉計を備え、前記導波路のうちの少なくとも1つが前記光増幅器に光学的に接続され、前記導波路のうちの少なくとも1つが、前記第2の調整可能共振器に光学的に接続される、請求項1又は2に記載の線形調整可能レーザ。
【請求項11】
前記第1の調整可能共振器及び前記第1の干渉計が、前記パワースプリッタが出力する前記光のピーク放射照度の放射照度を調整するように構成され、前記第2の調整可能共振器及び前記第2の干渉計が、前記パワースプリッタが出力する前記光の波長を調整するように構成される、請求項10に記載の線形調整可能レーザ。
【請求項12】
少なくとも1つの光学的接続または前記パワースプリッタが、マルチモード干渉計及び方向性結合器のうちの少なくとも1つを備える、請求項1又は2に記載の線形調整可能レーザ。
【請求項13】
前記第1の調整可能共振器の自由なスペクトルの範囲が、前記第2の調整可能共振器の自由なスペクトルの範囲とは異なる、請求項1又は2に記載の線形調整可能レーザ。
【請求項14】
前記第1の調整可能共振器、前記第2の調整可能共振器及び前記光増幅器のうちの少なくとも1つは、リン化インジウム(InP)を含む、請求項1又は2に記載の線形調整可能レーザ。
【請求項15】
前記パワースプリッタが、第1のパワースプリッタであり、前記線形調整可能レーザが、前記線形調整可能レーザに光を結合するための第2のパワースプリッタを備える、請求項1又は2に記載の線形調整可能レーザ。
【請求項16】
前記線形調整可能レーザは、フォトニック集積回路のモノリスにある、請求項1又は2に記載の線形調整可能レーザ。
【請求項17】
請求項1又は2に記載の線形調整可能レーザを備える、フォトニック集積回路。
【請求項18】
請求項17に記載のフォトニック集積回路を備える、デバイス。
【請求項19】
前記線形調整可能レーザから出力される光のピーク波長及び前記線形調整可能レーザから出力される前記光の前記ピーク波長の放射照度のうちの少なくとも1つを調整するように構成されるコントローラを備える、請求項18に記載のデバイス。
【請求項20】
請求項1又は2に記載の線形調整可能レーザを製造する方法であって、
第1の調整可能共振器を設けることと、
複数の導波路を備える干渉計であって、前記導波路のうちの少なくとも1つは、前記第1の調整可能共振器に光学的に接続される、干渉計を設けることと、
前記干渉計に光学的に接続される光増幅器を設けることと、
導波路を含む第2の調整可能共振器であって、前記導波路が前記光増幅器に光学的に接続される、第2の調整可能共振器、を設けることと、
線形調整可能レーザからの光を出力するために少なくとも1つのパワースプリッタを設けることと、を含む線形調整可能レーザの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
調整可能レーザは、調整可能な波長または調整可能な放射照度のうちの少なくとも1つの光を生成するために使用される。これにより、例えば、通信システム及び光学システムで、波長及び/または放射照度を調整した光の出力が可能になる。光の効率的な出力と、出力光の効率的で幅広い調整とにより、光学デバイスをより正確に及び/またはより速くすることが可能になり得る。改善されたレーザを提供することが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0002】
図1】一例としての調整可能レーザの概略的な平面図を示す。
図2】一例としての調整可能レーザの概略的な平面図を示す。
図3】一例としての調整可能レーザの概略的な平面図を示す。
図4】一例としての調整可能レーザの概略的な平面図を示す。
図5】一例としての調整可能レーザの概略的な平面図を示す。
図6】一例としての調整可能レーザの概略的な平面図を示す。
図7】一例としての調整可能レーザの概略的な平面図を示す。
図8】一例としてのフォトニック集積回路(PIC)の平面図を概略的に示す。
図9】一例としてのデバイスの平面図を概略的に示す。
図10】一例としての製造方法を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0003】
説明する例では、線形調整可能レーザは、光増幅器が、光及び調整素子、例えば、調整可能共振器または干渉計を増幅させ、調整可能レーザによって出力される光の放射照度及び波長のうちの少なくとも1つを調整するように構成される。そうすることで、調整可能レーザは、例えば、選択された波長及び/または放射照度の光を供給できる。
【0004】
本明細書に記載の例は、線形調整可能レーザに関する。線形調整可能レーザは、線形光空洞を含み、いくつかの例では、線形調整可能レーザからの出力光の波長と強度の両方が調整可能である。いくつかの例では、線形調整可能レーザは、半導体構造、例えばフォトニック集積回路(PIC)の構成要素である。線形調整可能レーザからの光の出力は、例えば、医用画像、分光法、電気通信、光データ伝送、並びに光検出及び測距(LIDAR)用などの光放出デバイスまたはシステムのためのものである。
【0005】
本明細書で説明されるいくつかの例では、線形調整可能レーザの出力光は、例えば35ナノメートルを超える範囲にわたって調整可能な単一の波長強度ピークを有する。いくつかの例では、3つの光学フィルタ、すなわち、第1の調整可能共振器、第2の調整可能共振器、及び干渉計の重ね合わせによって、単一の強度ピークが達成される。他の例では、4つの光学フィルタ、すなわち、第1の調整可能共振器、第2の調整可能共振器、第1の干渉計、及び第2の干渉計の重ね合わせによって、単一の強度ピークが達成される。さらなる例では、単一の強度ピーク及び波長の調整が、2つの光学フィルタ、すなわち、第1の調整可能共振器と干渉計との重ね合わせによって達成され、出力光の放射照度の調整が、第2の調整可能共振器によって達成される。いくつかの例では、単一の強度ピークと波長の調整は、2つの光学フィルタ、すなわち、第1の調整可能共振器、及び第1の干渉計の重ね合わせによって達成され、出力光の放射照度の調整は、第2の調整可能共振器及び第2の干渉計によって達成される。
【0006】
本明細書で説明される例の一般的な導入として、図1を参照すると、線形調整可能レーザ100は、導波路を含む第1の調整可能共振器102と、複数の導波路を備える干渉計106であって、導波路のうちの少なくとも1つは、第1の調整可能共振器に光学的に接続される、干渉計と、干渉計に光学的に接続される光増幅器108と、光増幅器に光学的に接続される導波路を含む第2の調整可能共振器116と、線形調整可能レーザからの光112の出力のためのパワースプリッタ110と、を備える。線形調整可能レーザは、光112の出力のために構成される。いくつかの例では、第1の調整可能共振器102と干渉計との間の光学的接続は、パワースプリッタ104を含む。いくつかの例では、第2の調整可能共振器116と光増幅器108との間の光学的接続は、パワースプリッタ114を含む。そのような例のいくつかを図1に例示し、対応する参照符号をこの段落の初めに示している。いくつかの例では、線形調整可能レーザは、線形空洞を備え、線形空洞は、第1の調整可能共振器、干渉計、光増幅器、第2の調整可能共振器、及びパワースプリッタを備える。線形空洞は、例えば、リング型の空洞などの他の空洞構成と比較して、線形調整可能レーザのフットプリントを減らす空洞及びレーザ発振モードのより効率的なフィルタリングを達成する空洞のうちの少なくとも1つである。いくつかの例では、第1の調整可能共振器の自由なスペクトルの範囲は、第2の調整可能共振器の自由なスペクトルの範囲とは異なり、他の例では、第1の調整可能共振器の自由なスペクトルの範囲は、第2の調整可能共振器の自由なスペクトルの範囲と同じである。いくつかの例では、線形調整可能レーザは、光入力部及び光出力部のうちの少なくとも1つを備える。いくつかの例では、パワースプリッタは第1のパワースプリッタであり、線形調整可能レーザは、線形調整可能レーザに光を結合するための第2のパワースプリッタを含む。
【0007】
いくつかの例では、波長依存干渉を利用することにより、干渉計は、スペクトルフィルタとして構成され、望ましくない光の波長を抑制する効果を有する。いくつかの例では、干渉計は、線形調整可能レーザから出力される光の波長の調整を可能にするように変調される。いくつかの例では、第1の調整可能共振器及び第2の調整可能共振器のうちの少なくとも1つは、スペクトルフィルタとして構成され、望ましくない光の波長を抑制する効果を有する。いくつかの例では、出力光のスペクトルフィルタリングは、光通信などの用途に望ましい。これにより、波長調整用のさらなる光学構成要素の必要性を減らすことができ、これにより、例えば、線形調整可能レーザを含むデバイスの製造が簡素化され、レーザを含むデバイスのフットプリントが削減され、及び/またはレーザを含むデバイスを製造するコストが削減される。
【0008】
いくつかの例では、建設的干渉または破壊的干渉を利用することにより、干渉計、第1の調整可能共振器及び第2の調整可能共振器のうちの少なくとも1つが、強度変調器として構成され、線形調整可能レーザから出力される光の放射照度の変調を可能にする。出力強度変調は、光コヒーレンストモグラフィーまたはLIDARなどの用途にとって望ましい。これにより、出力放射照度調整用のさらなる光学構成要素の必要性を減らすことができ、これにより、例えば、線形調整可能レーザを含むデバイスの製造が簡素化され、レーザを含むデバイスのフットプリントが削減され、及び/またはレーザを含むデバイスを製造するコストが削減される。
【0009】
レーザは、光の増幅によって生成される光を発する。いくつかの例では、レーザから放出される光は、空間的にコヒーレントであり、時間的にコヒーレントである。
【0010】
調整可能共振器は、干渉による光の定在波を形成するためのものである。いくつかの例では、調整可能共振器は、複数のミラーを備え、光が共振器の中に注入されるときに定在波が発生するように、ある距離で分離されている。いくつかの例では、共振器は、その周囲に沿って光が伝播するリングを備え、リングの周囲で、光が共振器の中に注入されるときに定在波が発生するようにしている。平面平行の共振器、同心の共振器、共焦点の共振器、円板状の共振器、トロイダル共振器、または半球の共振器など、他の調整可能共振器が想定される。調整可能共振器は、共振器の光路長を調整することによって調整され、それにより、順次、共振器に形成される定在波の波長が調整される。いくつかの例では、定在波の波長の調整は、調整可能共振器の長さ、周径、及び/または屈折率を変更することによって達成される。調整可能共振器の屈折率は、例えば、電界屈折変調器によって変調される。いくつかの例では、調整は、熱の変調またはキャリアの注入によって達成される。
【0011】
光増幅器は、光信号の強度を増幅する。いくつかの例では、光増幅は、誘導放出及び電子正孔再結合による放出のうちの少なくとも1つによって達成される。光増幅器によって増幅される光の波長は、例えば、10ナノメートル~1ミリメートルの間である。光増幅器の例は、固体増幅器、ドープファイバ増幅器、半導体増幅器、ラマン増幅器、またはパラメトリック増幅器である。いくつかの例では、半導体増幅器は、インジウムガリウムヒ素リン(InGaAsP)またはアルミニウムインジウムガリウムヒ素(AlInGaAs)を含む。他の光増幅器が想定される。パワースプリッタは、少なくとも1つの光入力部を有し、光を複数の光出力部に分割する。いくつかの例では、パワースプリッタはマルチモード干渉計(MMI)であり、他の例では、パワースプリッタは、ビームスプリッタ、部分的なミラー、方向性結合器、またはプリズムであり、他のパワースプリッタが想定される。いくつかの例では、パワースプリッタの光出力部間の分割の比は1:1であり、他の比、例えば1:100~100:1が想定される。
【0012】
干渉計は、光ビームが混合されるときに複数の光ビーム間の干渉を使用する。光ビーム間の位相差により、建設的干渉または破壊的干渉が生じる。いくつかの例では、干渉計は、非対称マッハツェンダ干渉計などのマッハツェンダ干渉計である。他の例示的な干渉計は、Fizeau干渉計、Fabry Perot干渉計、Michelson干渉計、またはLyot干渉計であり、他の干渉計が想定される。いくつかの例では、干渉計は、電界屈折変調器を備える。いくつかのそのような例では、電界屈折変調器は、光ビームが干渉するときに光ビーム間の位相差を変調するように構成される。
【0013】
導波路は、光を誘導するためのものである。光は、導波路内部で伝播し、導波路の境界における反射に起因して、導波路内部に閉じ込められる。導波路は通常、光の閉じ込めが望まれる境界において導波路と接触している材料の屈折率よりも高い屈折率を有する。例えば、光の閉じ込めが望まれる境界におけるこの屈折率の差に起因して、導波路のそれらの境界における入射の角度が臨界角よりも大きいときに、総合的な内部反射が発生する。このようにして、導波路は、光の伝播を誘導する。導波路で伝播するための特定の光学モードについて、導波路の境界において反射した光が建設的な干渉のための条件を満たすことが望ましい。いくつかの例では、導波路は、エッチングされたリッジ導波路、垂直pin接合及び電界屈折変調器のうちの少なくとも1つである。
【0014】
光学フィルタは、光スペクトルの第2の波長帯域よりも放射照度が大きい光スペクトルの第1の波長帯域を透過または反射する。光学フィルタは、周期的フィルタ、バンドパスフィルタ、ハイパスフィルタ、またはローパスフィルタであってもよく、他のフィルタが想定される。
【0015】
光学的接続は、様々な例において様々な方法で達成される。いくつかの例では、光学的接続は、導波路により達成されるが、他の例では、自由空間伝播及び光ファイバ接続などの他の接続が想定される。いくつかの例では、テーパ状導波路は、異なる電気的及び/または光学的特性を必要とするコンポーネントを接続する。本明細書のいくつかの例では、光学的接続のうちの少なくとも1つは光結合である。
【0016】
いくつかの例では、光は、赤外線放射を含む。いくつかのそのような例では、光の波長は、1530ナノメートル~1565ナノメートルの間で調整可能である。いくつかの例では、そのような波長は、電気通信の用途に使用される。
【0017】
PICは、例えばレーザまたはフォトダイオードなど、複数のフォトニックの機能を集積し、他のフォトニックの機能が想定される。いくつかの例では、PICは、紫外光、可視光、及び赤外光のうちの少なくとも1つで使用するように構成される。光放射は、例えば、紫外光、可視光及び赤外光のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの例では、PICは、電気回路を含む。PICは、通信デバイス、バイオメディカルデバイス、及びフォトニックコンピューティングに使用され、他の用途が想定される。
【0018】
図1の例などの例では、線形調整可能レーザ100は、第1の調整可能共振器102、MMI104、干渉計106、光増幅器108、パワースプリッタ110、出力及び/または入力光112、MMI114、及び第2の調整可能共振器116を含む。光学的接続は、ボックス間の線によって示される。
【0019】
図2の例などの例では、干渉計200は第1の干渉計であり、線形調整可能レーザは、複数の導波路を含む第2の干渉計218を含み、導波路のうちの少なくとも1つが光増幅器208に光学的に接続され、導波路のうちの少なくとも1つが第2の調整可能共振器216に光学的に接続される。それらの例の特徴は、上で説明された特徴と同様であり、100の代わりに200だけ増分した同一の参照符号を使用して参照され、そのような特徴に対する対応する説明がまた、ここで適用される。
【0020】
図3の例などの例では、第1の調整可能共振器302は、2つのMMI304によって、2つの導波路316及び318を備えるマッハツェンダ干渉計に光学的に接続される調整可能リング型共振器である。いくつかの例では、マッハツェンダ干渉計は非対称であり、他の例では、マッハツェンダ干渉計は対称である。第2の調整可能共振器は、2つのMMI314によってパワースプリッタに光学的に接続される。いくつかの例では、第1の調整可能リング型共振器及び第2のリング型共振器のうちの少なくとも1つは、リングを形成する導波路を備える。いくつかのこのような例では、導波路は、電界屈折変調器である。いくつかの例では、第1の調整可能共振器の半径は、第2の調整可能共振器の半径とは異なり、これにより、例えばモード選択が可能になる。他の例では、第1の調整可能リング型共振器の半径は、第2のリング型共振器の半径と同じである。それらの例の特徴は、上で説明された特徴と同様であり、100または200の代わりに300だけ増分した同一の参照符号を使用して参照され、そのような特徴に対する対応する説明がまた、ここで適用される。
【0021】
図4の例などの例では、第2の調整可能共振器416は、2つのMMI414によって、2つの導波路420及び422を備えるマッハツェンダ干渉計に接続される。いくつかのそのような例では、マッハツェンダ干渉計の導波路の少なくとも1つは、電界屈折変調器である。いくつかの例では、マッハツェンダ干渉計は非対称であり、他の例では、マッハツェンダ干渉計は対称である。図4の例では、第1の調整可能共振器402及び第2の調整可能共振器416の導波路は、調整可能リング型共振器を形成するように湾曲しているが、円形ではない。いくつかの例では、第1の調整可能共振器及び第1の干渉計は、線形調整可能レーザから出力される光の放射照度を調整するように構成される。いくつかの例では、第2の調整可能共振器及び第2の干渉計は、線形調整可能レーザから出力される光の波長を調整するように構成される。それらの例の特徴は、上で説明された特徴と同様であり、100、200、または300の代わりに400だけ増分した同一の参照符号を使用して参照され、そのような特徴に対する対応する説明がまた、ここで適用される。
【0022】
図5の例などの例では、光増幅器は第1の光増幅器であり、第1の調整可能共振器502及び第2の調整可能共振器516の導波路は、それぞれ第2の光増幅器及び第3の光増幅器を含む。いくつかの例では、これにより、線形調整可能レーザのサイズまたはフットプリントを増加させる必要なく、線形調整可能レーザ500の出力の放射照度が増加する。それらの例の特徴は、上で説明された特徴と同様であり、100、200、300、または400の代わりに500だけ増分した同一の参照符号を使用して参照され、そのような特徴に対する対応する説明がまた、ここで適用される。
【0023】
例えば、図6などの例では、第1の調整可能共振器はディスク共振器626であり、第2の調整可能共振器は可動ミラー624を含む。それらの例の特徴は、上で説明された特徴と同様であり、100、200、300、400、または500の代わりに600だけ増分した同一の参照符号を使用して参照され、そのような特徴に対する対応する説明がまた、ここで適用される。
【0024】
図7の例などの例では、パワースプリッタは、光増幅器708と第2の干渉計720及び722との間の接続部で線形調整可能レーザに光学的に接続される出力導波路712によって形成される方向性結合器728である。それらの例の特徴は、上記説明された特徴と同様であり、100、200、300、400、500、または600の代わりに700だけ増分した同一の参照符号を使用して参照され、そのような特徴に対する対応する説明がまた、ここで適用される。
【0025】
いくつかの例は、例えばリン化インジウム(InP)プラットフォームなどの一般的なフォトニックなプラットフォームでの使用、またはその中への統合のために構成される。いくつかの例では、一般的なフォトニックなプラットフォームへの統合は、線形調整可能レーザとPICの1つまたは複数のコンポーネントとの組み合わせを簡素化し、それは例えば、PICのより簡単な、より安価な、及び/またはより迅速な製造を可能にする。
【0026】
図8の例などの例では、線形調整可能レーザ800は、基板830にあり、基板は、PICのモノリスである。他の例では、基板は、PICのモノリスではない。いくつかの例では、線形調整可能レーザは、PICの中に集積される。
【0027】
図9の例などの例では、フォトニックデバイスはPIC930を含み、PICは前述の調整可能線形レーザ900、光934の出力、及び電気コントローラ932を含む。いくつかの例では、コントローラ932は、線形調整可能レーザから出力される光のピーク波長及び線形調整可能レーザから出力される光のピーク波長の放射照度のうちの少なくとも1つを調整するように構成される。いくつかの例において、PICは、PICの電極または他の電気接点への適切な電気的接続によって、PICのコンポーネントの外部制御を可能にする電気回路を含む。
【0028】
図10は、前述の例による線形調整可能レーザを製造する方法を概略的に示しており、方法は、第1の調整可能共振器を設けること、複数の導波路を備える干渉計であって、導波路のうちの少なくとも1つは、第1の調整可能共振器に光学的に接続される、干渉計を設けること、干渉計に光学的に接続される光増幅器を設けること、導波路を含む第2の調整可能共振器であって、導波路が光増幅器に光学的に接続される、第2の調整可能共振器を設けること、及び線形調整可能レーザからの光の出力のための少なくとも1つのパワースプリッタを設けること、を含む。当業者が理解するように、線形調整可能レーザのコンポーネントの1つ以上は、製造工程中に、有機金属気相成長法(MOVPE)、表面不動態化、フォトリソグラフィ、イオン注入、エッチング、ドライエッチング、イオンエッチング、ウェットエッチング、緩衝酸化物エッチング、プラズマアッシング、プラズマエッチング、熱処理、アニール、熱酸化、化学蒸着、原子層堆積、物理蒸着、分子線エピタキシー、レーザーリフトオフ、電気化学堆積、電気メッキ、または化学機械研磨法などの既知の技術を使用して形成することによって提供され得る。いくつかの例では、当業者が認識するように、パターニングの一部として、材料の部分を取り除くためにエッチング技術が使用される。
【0029】
上記の例は、発明の例示的な例として理解されるべきである。発明のさらなる例が想定される。例えば、本明細書に記載の導波路、光増幅器、調整可能共振器、干渉計、半導体及び基板のうちの少なくとも1つは、リン化インジウム(InP)、ガリウムヒ素(GaAs)、アンチモン化ガリウム(GaSb)、窒化ガリウム(GaN)、インジウムガリウムヒ素(InGaAs)、インジウムアルミニウムヒ素(InAlAs)、アルミニウムガリウムインジウムヒ素(InAlGaAs)、インジウムガリウムヒ素リン(InGaAsP)、シリコン(Si)、窒化シリコン(Si34)、酸化シリコン(SiO2)及びニオブ酸リチウム(LiNbO3)のうちの少なくとも1つを含むが、他の半導体及びフォトニック材料が想定される。
【0030】
いずれか1つの例と関連して説明されたいずれかの特徴は、単独で、または説明された他の特徴との組み合わせで使用され得、また、例のいずれかのその他の1つ以上の特徴との組み合わせで、または例のいずれかのその他のいずれかの組み合わせで使用され得ることが理解されよう。さらに、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、上記説明されていない同等物及び修正も採用され得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】