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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-15
(54)【発明の名称】データセンター
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/20 20060101AFI20250107BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20250107BHJP
【FI】
G06F1/20 C
G06F1/20 A
G06F1/20 B
H05K7/20 H
H05K7/20 M
H05K7/20 U
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024539663
(86)(22)【出願日】2022-12-14
(85)【翻訳文提出日】2024-06-28
(86)【国際出願番号】 CN2022139017
(87)【国際公開番号】W WO2023125009
(87)【国際公開日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】202111658727.5
(32)【優先日】2021-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520476341
【氏名又は名称】北京字節跳動網絡技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】Beijing Bytedance Network Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】Room B-0035, 2/F, No.3 Building, No.30, Shixing Road, Shijingshan District Beijing 100041 China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【弁理士】
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】ジン,タンボ
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ジエン
【テーマコード(参考)】
5E322
【Fターム(参考)】
5E322AA10
5E322BB03
5E322DA01
5E322DA04
5E322EA05
5E322EA11
(57)【要約】
本開示は、データセンターに関する。ITデバイスコンテナと、空冷装置コンテナとを備え、ITデバイスコンテナ内にサーバラックが設けられ、ITデバイスコンテナは、IT冷却液流入ポートと、IT冷却液排出ポートと、IT吸気ポートと、IT排気ポートとを有し、ITデバイスコンテナ内にIT冷却液流入ポートとサーバラックの冷却液入口を接続する冷却入液管路、IT冷却液排出ポートとサーバラックの冷却液出口とを接続する冷却出液管路、及びIT排気ポートとサーバラックとを接続する排気口のダクトが予め設けられ、IT吸気ポートが、ITデバイスコンテナの内部に連通する。空冷装置コンテナ内に空冷装置が設けられ、空冷装置コンテナは、空冷吸気ポートと空冷排気ポートとを有し、空冷吸気ポートがIT排気ポートと突き合わせ、空冷排気ポートがIT吸気ポートと突き合わせ、空冷装置は、空冷排気ポートから流出する風の温度が空冷吸気ポートから流入する風の温度よりも低くなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ITデバイスコンテナと空冷装置コンテナとを備え、
前記ITデバイスコンテナ(内にサーバラックが設けられ、前記ITデバイスコンテナは、IT冷却液流入ポートと、IT冷却液排出ポートと、IT吸気ポートと、IT排気ポートとを有し、前記ITデバイスコンテナ内に前記IT冷却液流入ポートと前記サーバラックの冷却液入口とを接続する冷却入液管路、前記IT冷却液排出ポートと前記サーバラックの冷却液出口とを接続する冷却出液管路、及び前記IT排気ポートと前記サーバラックの排気口とを接続するダクトが予め設けられ、前記IT吸気ポートが、前記ITデバイスコンテナの内部と連通し、
前記空冷装置コンテナ内に空冷装置が設けられ、前記空冷装置コンテナは、空冷吸気ポートと空冷排気ポートとを有し、前記空冷吸気ポートが前記IT排気ポートと突き合わせ、前記空冷排気ポートが前記IT吸気ポートと突き合わせ、前記空冷装置は、前記空冷排気ポートから流出する風の温度が前記空冷吸気ポートから流入する風の温度よりも低くなるように、前記空冷吸気ポートから流入する風を冷却するために用いられる、
データセンター。
【請求項2】
前記空冷装置は、気液熱交換器とファンとを備え、前記空冷装置コンテナは、空冷式冷却液流入ポートと空冷式冷却液排出ポートとを有し、前記空冷装置コンテナ内に前記空冷式冷却液流入ポートと前記気液熱交換器の冷却液入口とを接続する熱交換入液管路、及び前記空冷式冷却液排出ポート(と前記気液熱交換器の冷却液出口とを接続する熱交換出液管路が予め設けられ、前記ファンは、前記空冷吸気ポートから流入する風が前記気液熱交換器を流れてから、前記空冷排気ポートから流出するために用いられる、請求項1に記載のデータセンター。
【請求項3】
当該データセンターは、放熱機器コンテナを更に備え、前記放熱機器コンテナ内に放熱機器が設けられ、前記放熱機器コンテナは、放熱冷却液流入ポート(32)と放熱冷却液排出ポートとを有し、前記放熱機器コンテナ内に前記放熱機器と前記放熱冷却液流入ポート及び放熱冷却液排出ポートとを接続する放熱管路が予め設けられ、
前記放熱冷却液流入ポートが、前記IT冷却液排出ポート及び前記空冷式冷却液排出ポートに接続され、前記放熱冷却液排出ポートが、前記IT冷却液流入ポート及び前記空冷式冷却液流入ポートに接続され、前記放熱機器は、前記放熱冷却液排出ポートから流出する冷却液の温度が前記放熱冷却液流入ポートから流入する冷却液の温度よりも低くすることができる、
請求項2に記載のデータセンター。
【請求項4】
前記放熱機器は、冷却塔及び/又は第1空気調和装置を備える、請求項3に記載のデータセンター。
【請求項5】
前記放熱機器は、冷却塔を備え、前記冷却塔が開放型冷却塔であり、
当該データセンターは、水利設備コンテナを更に備え、前記水利設備コンテナ内に第1液液熱交換器、第1ポンプ及び第2ポンプが設けられ、前記水利設備コンテナは、第1水利冷却液流入ポートと、第2水利冷却液流入ポートと、第1水利冷却液排出ポートと、第2水利冷却液排出ポートとを有し、前記水利設備コンテナ内に前記第1液液熱交換器の第1冷却液入口と前記第1水利冷却液流入ポートとを接続する第1管路、前記第1液液熱交換器の第1冷却液出口と前記第1水利冷却液排出ポートとを接続する第2管路、前記第1液液熱交換器の第2冷却液入口と前記第2水利冷却液流入ポートとを接続する第3管路、及び、前記第1液液熱交換器の第2冷却液出口と前記第2水利冷却液排出ポートとを接続する第4管路が予め設けられ、
前記第1水利冷却液流入ポートが前記放熱冷却液排出ポートに接続され、前記第1水利冷却液排出ポートが前記放熱冷却液流入ポートに接続され、前記第2水利冷却液流入ポートが前記IT冷却液排出ポート及び前記空冷式冷却液排出ポートと突き合わせ、前記第2水利冷却液排出ポートが前記IT冷却液流入ポート及び前記空冷式冷却液流入ポートと突き合わせ、
前記第1ポンプは、前記第1管路及び/又は前記第2管路に設けられ、前記第2ポンプは、前記第3管路及び/又は前記第4管路に設けられている、
請求項4に記載のデータセンター。
【請求項6】
前記放熱機器は、冷却塔を備え、前記冷却塔が密閉式冷却塔であり、
当該データセンターは、水利設備コンテナを更に備え、前記水利設備コンテナ内にポンプが設けられ、前記水利設備コンテナは、水利冷却液流入ポートと水利冷却液排出ポートとを有し、前記水利設備コンテナ内に前記ポンプと前記水利冷却液流入ポート及び水利冷却液排出ポートとを接続する第5管路が予め設けられ、
前記水利冷却液流入ポートが前記放熱冷却液排出ポートに接続され、前記水利冷却液排出ポートが前記IT冷却液流入ポート及び前記空冷式冷却液流入ポートと突き合わせる、
請求項4に記載のデータセンター。
【請求項7】
ITデバイスコンテナ内に冷熱分配ユニットが更に設けられ、前記冷熱分配ユニットは、第2液液熱交換器を備え、前記冷却入液管路は、第1副冷却入液管路及び第2副冷却入液管路を含み、前記冷却出液管路は、第1副冷却出液管路及び第2副冷却出液管路を含み、前記第1副冷却入液管路が、前記IT冷却液流入ポートと前記第2液液熱交換器の第1冷却液入口を接続し、前記第2副冷却入液管路が、前記第2液液熱交換器の第1冷却液出口と前記サーバラックの冷却液入口を接続し、前記第1副冷却出液管路が、前記IT冷却液排出ポートと前記第2液液熱交換器の第2冷却液出口を接続し、前記第2副冷却出液管路が、前記第2液液熱交換器の第2冷却液入口と前記サーバラックの冷却液出口とを接続する、請求項1に記載のデータセンター。
【請求項8】
前記ITデバイスコンテナは、排煙口を更に有する、請求項1に記載のデータセンター。
【請求項9】
前記ITデバイスコンテナ内に配電キャビネットが設けられ、前記ITデバイスコンテナ(は、IT電気入力接続口を有し、前記ITデバイスコンテナ内に、前記IT電気入力接続口と前記配電キャビネットとを接続する第1ケーブルが予め設けられ、
当該データセンターは、配電設備コンテナ及び変電設備コンテナを更に備え、前記配電設備コンテナ内に配電設備が設けられ、前記配電設備コンテナは、第1配電入力接続口と配電出力接続口とを有し、前記配電設備コンテナ内に前記配電設備と前記第1配電入力接続口及び配電出力接続口とを接続する第2ケーブルが予め設けられ、前記変電設備コンテナ内に変電設備が設けられ、前記変電設備コンテナは、変電入力接続口及び変電出力接続口を有し、前記変電設備コンテナ内に前記変電設備と前記変電入力接続口及び変電出力接続口とを接続する第3ケーブルが予め設けられ、
前記第1配電入力接続口は、ユーティリティグリッドに接続するためのものであり、前記配電出力接続口が前記変電入力接続口に接続され、前記変電出力接続口が前記IT電気入力接続口に接続される、
請求項1~8の何れか1項に記載のデータセンター。
【請求項10】
当該データセンターは、電力予備装置コンテナを更に備え、前記電力予備装置コンテナ内に発電機が設けられ、前記電力予備装置コンテナは、電力予備出力接続口を有し、前記電力予備装置コンテナ内に前記発電機と前記電力予備出力接続口とを接続する第4ケーブルが予め設けられ、
前記配電設備コンテナは、第2配電入力接続口を有し、前記第2ケーブルは、前記第2配電入力接続口と前記配電設備とを接続し、前記電力予備出力接続口は、前記第2配電入力接続口に接続される、
請求項9に記載のデータセンター。
【請求項11】
当該データセンターは、ネットワーク装置コンテナを更に備え、前記ネットワーク装置コンテナ内にネットワークキャビネット、アレイ配電キャビネット、及び第2空気調和装置が設けられ、前記ネットワーク装置コンテナは、ネットワーク電気入力接続口を有し、前記ネットワーク装置コンテナ内に、前記アレイ配電キャビネットと前記ネットワークキャビネット、前記第2空気調和装置及び前記ネットワーク電気入力接続口とを接続する第5ケーブルが予め設けられ、前記ネットワーク電気入力接続口が、前記変電出力接続口に接続される、請求項9に記載のデータセンター。
【請求項12】
当該データセンターは、管理・補助設備コンテナを更に備え、前記管理・補助設備コンテナ内に、消防設備、弱電室、中央制御室及び事務室のうちの少なくとも1つが設けられている、請求項1~8の何れか1項に記載のデータセンター。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
本願は、2021年12月30日に出願された出願番号が202111658727.5であり、出願名称が「データセンター」である中国特許出願に基づく優先権を主張し、当該出願に記載されたすべての記載コンテンツが援用により本願に組み込まれている。
【0002】
(技術分野)
本開示は、データセンター技術分野に関しており、特にデータセンターに関する。
【背景技術】
【0003】
クラウドコンピューティング、ビッグデータ、モノのインターネット及び人工的知能の繁盛に伴い、大規模なデータセンターに対するニーズは、日増しに高まっており、データセンターの規模も拡大している。データセンターには、通常、サーバ、ネットワーク設備、冷却システム、給配電システムなどが含まれる。データセンターの構築過程では、施工が複雑で時間が掛かり、コストが高騰するという問題点があり、施工期間が長く、施工過程で輸送設備、鉄鋼、コンクリートなどの建築資材を長時間使用することも、データセンターの構築に伴う二酸化炭素排出量の増加を招き、データセンターの構築に伴う二酸化炭素排出量の削減に不利である。
【発明の概要】
【0004】
本開示の目的は、従来の技術に存在する技術問題を解決するデータセンターを提供する。
【0005】
上記の目的を実現するために、本開示は、ITデバイスコンテナと空冷装置コンテナを備え、
前記ITデバイスコンテナ内にサーバラックが設けられ、前記ITデバイスコンテナは、IT冷却液流入ポートと、IT冷却液排出ポートと、IT吸気ポートと、IT排気ポートとを有し、前記ITデバイスコンテナ内に前記IT冷却液流入ポートと前記サーバラックの冷却液入口とを接続する冷却入液管路、前記IT冷却液排出ポートと前記サーバラックの冷却液出口とを接続する冷却出液管路、及び前記IT排気ポートと前記サーバラックの排気口とを接続するダクトが予め設けられ、前記IT吸気ポートが、前記ITデバイスコンテナの内部と連通し、
前記空冷装置コンテナ内に空冷装置が設けられ、前記空冷装置コンテナは、空冷吸気ポートと空冷排気ポートとを有し、前記空冷吸気ポートが前記IT排気ポートと突き合わせ、前記空冷排気ポートが前記IT吸気ポートと突き合わせ、前記空冷装置は、前記空冷排気ポートから流出する風の温度が前記空冷吸気ポートから流入する風の温度よりも低くなるように、前記空冷吸気ポートから流入する風を冷却するために用いられるデータセンターを提供する。
【0006】
好ましくは、前記空冷装置は気液熱交換器とファンを備え、前記空冷装置コンテナは、空冷式冷却液流入ポートと空冷式冷却液排出ポートとを有し、前記空冷装置コンテナ内に前記空冷式冷却液流入ポートと前記気液熱交換器の冷却液入口とを接続する熱交換入液管路、及び前記空冷式冷却液排出ポートと前記気液熱交換器の冷却液出口とを接続する熱交換出液管路が予め設けられ、前記ファンは、前記空冷吸気ポートから流入する風が前記気液熱交換器を流れてから、前記空冷排気ポートから流出するために用いられる。
【0007】
好ましくは、前記データセンターは放熱機器コンテナを更に備え、前記放熱機器コンテナ内に放熱機器が設けられ、前記放熱機器コンテナは、放熱冷却液流入ポートと放熱冷却液排出ポートとを有し、前記放熱機器コンテナ内に前記放熱機器と前記放熱冷却液流入ポート及び放熱冷却液排出ポートとを接続する放熱管路が予め設けられ、
前記放熱冷却液流入ポートが、前記IT冷却液排出ポート及び前記空冷式冷却液排出ポートに接続され、前記放熱冷却液排出ポートが、前記IT冷却液流入ポート及び前記空冷式冷却液流入ポートに接続され、前記放熱機器は、前記放熱冷却液排出ポートから流出する冷却液の温度が前記放熱冷却液流入ポートから流入する冷却液の温度よりも低くすることができる。
【0008】
好ましくは、前記放熱機器は、冷却塔及び/又は第1空気調和装置を備える。
【0009】
好ましくは、前記放熱機器は冷却塔を備え、前記冷却塔が開放型冷却塔であり、
前記データセンターは、水利設備コンテナを更に備え、前記水利設備コンテナ内に第1液液熱交換器、第1ポンプ及び第2ポンプが設けられ、前記水利設備コンテナは、第1水利冷却液流入ポートと、第2水利冷却液流入ポートと、第1水利冷却液排出ポートと、第2水利冷却液排出ポートとを有し、前記水利設備コンテナ内に前記第1液液熱交換器の第1冷却液入口と前記第1水利冷却液流入ポートとを接続する第1管路、前記第1液液熱交換器の第1冷却液出口と前記第1水利冷却液排出ポートとを接続する第2管路、前記第1液液熱交換器の第2冷却液入口と前記第2水利冷却液流入ポートとを接続する第3管路、及び、前記第1液液熱交換器の第2冷却液出口と前記第2水利冷却液排出ポートとを接続する第4管路が予め設けられ、
前記第1水利冷却液流入ポートが前記放熱冷却液排出ポートに接続され、前記第1水利冷却液排出ポートが前記放熱冷却液流入ポートに接続され、前記第2水利冷却液流入ポートが前記IT冷却液排出ポート及び前記空冷式冷却液排出ポートと突き合わせ、前記第2水利冷却液排出ポートが前記IT冷却液流入ポート及び前記空冷式冷却液流入ポートと突き合わせ、
前記第1ポンプは、前記第1管路及び/又は前記第2管路に設けられ、前記第2ポンプは、前記第3管路及び/又は前記第4管路設けられている。
【0010】
好ましくは、前記放熱機器は冷却塔を備え、前記冷却塔が密閉式冷却塔であり、
前記データセンターは、水利設備コンテナを更に備え、前記水利設備コンテナ内にポンプが設けられ、前記水利設備コンテナは、水利冷却液流入ポートと水利冷却液排出ポートとを有し、前記水利設備コンテナ内に前記ポンプと前記水利冷却液流入ポート及び水利冷却液排出ポートとを接続する第5管路が予め設けられ、
前記水利冷却液流入ポートが前記放熱冷却液排出ポートに接続され、前記水利冷却液排出ポートが前記IT冷却液流入ポート及び前記空冷式冷却液流入ポートと突き合わせる。
【0011】
好ましくは、ITデバイスコンテナ内に冷熱分配ユニットが更に設けられ、前記冷熱分配ユニットは、第2液液熱交換器を備え、前記冷却入液管路は、第1副冷却入液管路及び第2副冷却入液管路を含み、前記冷却出液管路は、第1副冷却出液管路及び第2副冷却出液管路を含み、前記第1副冷却入液管路が、前記IT冷却液流入ポートと前記第2液液熱交換器の第1冷却液入口を接続し、前記第2副冷却入液管路が、前記第2液液熱交換器の第1冷却液出口と前記サーバラックの冷却液入口を接続し、前記第1副冷却出液管路が、前記IT冷却液排出ポートと前記第2液液熱交換器の第2冷却液出口を接続し、前記第2副冷却出液管路が、前記第2液液熱交換器の第2冷却液入口と前記サーバラックの冷却液出口とを接続する。
【0012】
好ましくは、前記ITデバイスコンテナは、排煙口を更に有する。
【0013】
好ましくは、前記ITデバイスコンテナ内に配電キャビネットが設けられ、前記ITデバイスコンテナは、IT電気入力接続口を有し、前記ITデバイスコンテナ内に、前記IT電気入力接続口と前記配電キャビネットとを接続する第1ケーブルが予め設けられ、
前記データセンターは、配電設備コンテナ及び変電設備コンテナを更に備え、前記配電設備コンテナ内に配電設備が設けられ、前記配電設備コンテナは、第1配電入力接続口と配電出力接続口とを有し、前記配電設備コンテナ内に前記配電設備と前記第1配電入力接続口及び配電出力接続口とを接続する第2ケーブルが予め設けられ、前記変電設備コンテナ内に変電設備が設けられ、前記変電設備コンテナは、変電入力接続口及び変電出力接続口を有し、前記変電設備コンテナ内に前記変電設備と前記変電入力接続口及び変電出力接続口とを接続する第3ケーブルが予め設けられ、
前記第1配電入力接続口は、ユーティリティグリッドに接続するためのものであり、前記配電出力接続口が前記変電入力接続口に接続され、前記変電出力接続口が前記IT電気入力接続口に接続されている。
【0014】
好ましくは、前記データセンターは、電力予備装置コンテナを更に備え、前記電力予備装置コンテナ内に発電機が設けられ、前記電力予備装置コンテナは電力予備出力接続口を有し、前記電力予備装置コンテナ内に前記発電機と前記電力予備出力接続口とを接続する第4ケーブルが予め設けられ、
前記配電設備コンテナは、第2配電入力接続口を有し、前記第2ケーブルは、前記第2配電入力接続口と前記配電設備とを接続し、前記電力予備出力接続口は、前記第2配電入力接続口に接続されている。
【0015】
好ましくは、前記データセンターは、ネットワーク装置コンテナを更に備え、前記ネットワーク装置コンテナ内にネットワークキャビネット、アレイ配電キャビネット、及び第2空気調和装置が設けられ、前記ネットワーク装置コンテナは、ネットワーク電気入力接続口を有し、前記ネットワーク装置コンテナ内に、前記アレイ配電キャビネットと前記ネットワークキャビネット、前記第2空気調和装置及び前記ネットワーク電気入力接続口とを接続する第5ケーブルが予め設けられ、前記ネットワーク電気入力接続口が、前記変電出力接続口に接続されている。
【0016】
好ましくは、前記データセンターは、管理・補助設備コンテナを更に備え、前記管理・補助設備コンテナ内に、消防設備、弱電室、中央制御室及び事務室のうちの少なくとも1つが設けられている。
【0017】
上記の技術手段により、データセンターを構築する前に、ITデバイスコンテナと空冷装置コンテナを予め工場でプレハブ化することができる。つまり、サーバラックを、ITデバイスコンテナに集積し、空冷装置を空冷装置コンテナ内に集積する。データセンターを構築する際に、上記の予め設けられたITデバイスコンテナと空冷装置コンテナを指定の施工場所に直接輸送し、空冷装置コンテナの外付けの空冷吸気ポートとITデバイスコンテナの外付けのIT排気ポートとを接続し、空冷装置コンテナの外付けの空冷排気ポートとITデバイスコンテナの外付けのIT吸気ポートとを接続し、IT冷却液流入ポート及びIT冷却液排出ポートと対応する冷却液供給機器とを接続することができ、ITデバイスコンテナと空冷装置コンテナの実装を実現できるため、データセンターの迅速かつ効率的な展開と引き渡しが可能となり、構築期間の短縮とデータセンターの構築に伴う二酸化炭素排出量の削減を実現できる。
【0018】
また、従来の技術では、通常、データセンターのサーバルームにサーバラック及び空冷装置(例えば、空調冷却装置)が配置され、空冷装置によってサーバラックに送風することで冷却を実現する。しかし、サーバラックと空冷装置が同一の空間内に配置される場合、空冷装置は、サーバラックの設置スペースを占有するため、サーバラックの設置密度を低下させて、サーバラックの設置台数の減少に繋がる。そして、空冷装置によるサーバラックの冷却効果限界があり、ーバラックの設置密度が高くなり、台数が増加すると、空冷装置によるサーバラックの冷却が効果的に行われなくなり、この時、空冷装置の消費電力を増加させたり、空冷装置の台数を増加させたりする必要が生じ、PUE(Power Usage Effectiveness、電源使用効率)の上昇に繋がる。
【0019】
本開示では、先ず、空冷装置とサーバラックがそれぞれ異なるコンテナ内に配置される、つまり、空冷装置とサーバラックは、同一のコンテナ内に集積しないため、空冷装置がサーバラックの設置スペースを占有することを回避でき、ITデバイスコンテナ内に、サーバラックをより多く配置し、サーバラックの高密度配置を実現することができる。
【0020】
次いで、ITデバイスコンテナは、IT吸気ポート及びIT排気ポートだけでなく、IT冷却液流入ポート及びIT冷却液排出ポートも有するため、ITデバイスコンテナ内のサーバラックを冷却して放熱する過程において、サーバラックの液冷と空冷を同時に実現することができる。
【0021】
具体的には、低温の冷却液は、IT冷却液流入ポートから冷却入液管路内に入り、該冷却入液管路を介して、サーバラックに入る。サーバラック内のサーバと熱交換した後、冷却液は、サーバラックの冷却液出口から冷却出液管路内に流入し、IT冷却液排出ポートを介して流出して、サーバで発生した熱をITデバイスコンテナの外部に運び出す。冷却液によってサーバの液冷を実現すると同時に、空冷装置コンテナ内の空冷装置が作動し、空冷装置コンテナの空冷排気ポートからITデバイスコンテナのIT吸気ポートを介してITデバイスコンテナ内に冷風が流れる。冷風は、サーバラックを通ると、サーバラックと熱交換して熱風になり、熱風は、ダクトに入り、IT排気ポート及び空冷吸気ポートを順に通過して、空冷装置コンテナ内に還流する。空冷装置コンテナ内に還流した熱風は、空冷装置によって冷却され、低温の冷風となって、再びサーバラックに吹き付けて、サーバの空冷を実現する。このように、上記の空冷及び液冷の両方によるサーバラックの冷却放熱は、より高い冷却効率及びより良好な冷却効果を有し、ITデバイスコンテナ内に、より多くのサーバラックを配置することができる、つまり、ITデバイスコンテナ内に高密度のサーバラックを配置することができる。
【0022】
本開示の他の特徴及び利点は、以下の具体的な実施形態についての部分において詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
添付図面は、本開示の更なる理解を提供するために使用され、本明細書の一部を構成するものである。本開示を説明するために以下の具体的な実施形態と併せて使用されるが、本開示の限定を構成するものではない。
【0024】
図1】本開示の例示的実施形態に係るデータセンターのITデバイスコンテナ、空冷装置コンテナ、水利設備コンテナ、及び放熱機器コンテナの液冷接続模式図である。
図2】本開示の別の例示的実施形態に係るデータセンターのITデバイスコンテナ、空冷装置コンテナ、水利設備コンテナ、及び放熱機器コンテナの液冷接続模式図である。
図3】本開示の例示的実施形態に係るデータセンターのITデバイスコンテナと空冷装置コンテナとの空冷接続模式図である。
図4】本開示の例示的実施形態に係るデータセンターのITデバイスコンテナ、空冷装置コンテナ、水利設備コンテナ、放熱機器コンテナ、配電設備コンテナ、変電設備コンテナ、電力予備装置コンテナ、ネットワーク装置コンテナ、及び管理・補助設備コンテナの回路接続模式図である。
図5】本開示の例示的実施形態に係るデータセンターの各コンテナの配置模式図である。
図6】本開示の例示的実施形態に係るデータセンターのITデバイスコンテナの平面模式図である。
図7】本開示の例示的実施形態に係るデータセンターの空冷装置コンテナの平面模式図である。
図8】本開示の例示的実施形態に係るデータセンターの放熱機器コンテナの平面模式図である。
図9】本開示の例示的実施形態に係るデータセンターの水利設備コンテナの平面模式図である。
図10】本開示の別の例示的実施形態に係るデータセンターの水利設備コンテナの平面模式図である。
図11】本開示の例示的実施形態に係るデータセンターの配電設備コンテナの平面模式図である。
図12】本開示の例示的実施形態に係るデータセンターの変電設備コンテナの平面模式図である。
図13】本開示の例示的実施形態に係るデータセンターの電力予備装置コンテナの平面模式図である。
図14】本開示の例示的実施形態に係るデータセンターのネットワーク装置コンテナの平面模式図である。
図15】本開示の例示的実施形態に係るデータセンターの管理・補助設備コンテナの平面模式図である。
【符号の説明】
【0025】
1-データセンター;10-ITデバイスコンテナ;11-サーバラック;12-IT冷却液流入ポート;13-IT冷却液排出ポート;14-IT吸気ポート;15-IT排気ポート;16-冷却入液管路;161-第1副冷却入液管路;162-第2副冷却入液管路;17-冷却出液管路;171-第1副冷却出液管路;172-第2副冷却出液管路;180-ダクト;181-排烟口;182-IT電気入力接続口;1820-第1ケーブル;183-配電キャビネット;19-第2液液熱交換器;20-空冷装置コンテナ;21-空冷装置;210-気液熱交換器;220-ファン;22-空冷吸気ポート;23-空冷排気ポート;24-空冷式冷却液流入ポート;25-空冷式冷却液排出ポート;26-熱交換入液管路;27-熱交換出液管路;28-空冷電気入力接続口;280-第6ケーブル;30-放熱機器コンテナ;300-放熱電気入力接続口;31-放熱機器;310-開放型冷却塔;320-密閉式冷却塔;330-第1空気調和装置;340-冷却補完装置;32-放熱冷却液流入ポート;33-放熱冷却液排出ポート;34-放熱管路;40-水利設備コンテナ;410-水利電気入力接続口;400-第1液液熱交換器;401-第1ポンプ;402-第2ポンプ;41-第1水利冷却液流入ポート;42-第2水利冷却液流入ポート;43-第1水利冷却液排出ポート;44-第2水利冷却液排出ポート;45-第1管路;46-第2管路;47-第3管路;48-第4管路;49-第5管路;50-ポンプ;51-水利冷却液流入ポート;52-水利冷却液排出ポート;60-配電設備コンテナ;600-配電設備;61-第1配電入力接続口;62-第2配電入力接続口;63-配電出力接続口;70-変電設備コンテナ;700-変電設備;701-変電入力接続口;702-変電出力接続口;80-電力予備装置コンテナ;81-発電機;82-電力予備出力接続口;90-ネットワーク装置コンテナ;91-ネットワーク電気入力接続口;100-管理・補助設備コンテナ;101-消防設備;102-弱電室;103-中央制御室;104-事務室;105-管理用電気入力接続口。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付図面を参照して本開示の具体的な実施形態を、詳細に説明する。本明細書において説明した具体的な実施形態は、本開示を説明及び解釈するためのものに過ぎず、本開示を限定することを意図するものではないことを理解されたい。
【0027】
本開示において、反対の説明がない限り、「接続される」とは、対応するデバイスが互いに直接接続されてもよく、間接的に接続されてもよいことを意味し、「突き合わせる」とは、対応するデバイスが互いに直接接続されることを意味する。「内及び外」とは、対応する構造または部品の輪郭の内側又は外側を意味し、「遠及び近」とは、対応する構造または部品に対して遠くと近くを意味する。
【0028】
図1図15を参照して、上記の目的を実現するために、本開示は、ITデバイスコンテナ10と空冷装置コンテナ20とを備えるデータセンター1を提供する。ITデバイスコンテナ10内にサーバラック11が設けられ、ITデバイスコンテナ10は、IT冷却液流入ポート12、IT冷却液排出ポート13、IT吸気ポート14及びIT排気ポート15を有し、ITデバイスコンテナ10内にIT冷却液流入ポート12とサーバラック11の冷却液入口とを接続sする冷却入液管路16、IT冷却液排出ポート13とサーバラック11の冷却液出口とを接続する冷却出液管路17、及びIT排気ポート15とサーバラック11の排気口を接続するダクト180が予め設けられ、IT吸気ポート14とITデバイスコンテナ10の内部とが連通し、空冷装置コンテナ20内に空冷装置21が設けられ、空冷装置コンテナ20は、空冷吸気ポート22と空冷排気ポート23とを有し、空冷吸気ポート22とIT排気ポート15とが突き合わせられ、空冷排気ポート23とIT吸気ポート14とが突き合わせられ、空冷装置21は、空冷吸気ポート22から流入する風を冷却するために、空冷排気ポート23から流出する風の温度を空冷吸気ポート22から流入する風の温度よりも低くする。
【0029】
上記の技術手段により、データセンター1を構築する前に、ITデバイスコンテナ10と空冷装置コンテナ20を予め工場でプレハブ化することができる。つまり、サーバラック11を、ITデバイスコンテナ10に集積し、空冷装置21を空冷装置コンテナ20内に集積する。データセンター1を構築する際に、上記の予め設けられたITデバイスコンテナ10と空冷装置コンテナ20を指定の施工場所に直接輸送し、空冷装置コンテナ20の外付けの空冷吸気ポート22とITデバイスコンテナ10の外付けのIT排気ポート15とを接続し、空冷装置コンテナ20の外付けの空冷排気ポート23とITデバイスコンテナ10の外付けのIT吸気ポート14とを接続し、IT冷却液流入ポート12及びIT冷却液排出ポート13と対応する冷却液供給機器とを接続することができ、ITデバイスコンテナ10と空冷装置コンテナ20の実装を実現できるため、データセンター1の迅速かつ効率的な展開と引き渡しが可能となり、構築期間の短縮とデータセンター1の構築に伴う二酸化炭素排出量の削減を実現できる。
【0030】
また、従来の技術では、通常、データセンターのサーバルームにサーバラック及び空冷装置(例えば、空調冷却装置)が配置され、空冷装置によってサーバラックに送風することで冷却を実現する。しかし、サーバラックと空冷装置が同一の空間内に配置される場合、空冷装置は、サーバラックの設置スペースを占有するため、サーバラックの設置密度を低下させて、サーバラックの設置台数の減少に繋がる。そして、空冷装置によるサーバラックの冷却効果限界があり、ーバラックの設置密度が高くなり、台数が増加すると、空冷装置によるサーバラックの冷却が効果的に行われなくなり、この時、空冷装置の消費電力を増加させたり、空冷装置の台数を増加させたりする必要が生じ、PUE(Power Usage Effectiveness、電源使用効率)の上昇に繋がる。
【0031】
本開示では、先ず、空冷装置21とサーバラック11がそれぞれ異なるコンテナ内に配置される、つまり、空冷装置21とサーバラック11は、同一のコンテナ内に集積しないため、空冷装置21がサーバラック11の設置スペースを占有することを回避でき、ITデバイスコンテナ10内に、サーバラック11をより多く配置し、サーバラック11の高密度配置を実現することができる。
【0032】
次いで、ITデバイスコンテナ10は、IT吸気ポート14及びIT排気ポート15だけでなく、IT冷却液流入ポート12及びIT冷却液排出ポート13も有するため、ITデバイスコンテナ10内のサーバラック11を冷却して放熱する過程において、サーバラック11の液冷と空冷を同時に実現することができる。
【0033】
具体的には、低温の冷却液は、IT冷却液流入ポート12から冷却入液管路16内に入り、該冷却入液管路16を介して、サーバラック11に入る。サーバラック11内のサーバと熱交換した後、冷却液は、サーバラック11の冷却液出口から冷却出液管路17内に流入し、IT冷却液排出ポート13を介して流出して、サーバで発生した熱をITデバイスコンテナ10の外部に運び出す。冷却液によってサーバの液冷を実現すると同時に、空冷装置コンテナ20内の空冷装置21が作動し、空冷装置コンテナ20の空冷排気ポート23からITデバイスコンテナ10のIT吸気ポート14を介してITデバイスコンテナ10内に冷風が流れる。冷風は、サーバラック11を通ると、サーバラック11と熱交換して熱風になり、熱風は、180に入り、IT排気ポート15及び空冷吸気ポート22を順に通過して、空冷装置コンテナ20内に還流する。空冷装置コンテナ20内に還流した熱風は、空冷装置21によって冷却され、低温の冷風となって、再びサーバラック11に吹き付けて、サーバの空冷を実現する。このように、上記の空冷及び液冷の両方によるサーバラック11の冷却放熱は、より高い冷却効率及びより良好な冷却効果を有し、ITデバイスコンテナ10内に、より多くのサーバラック11を配置することができる、つまり、ITデバイスコンテナ10内に高密度のサーバラック11を配置することができる。
【0034】
ここで、ITデバイスコンテナ10のIT冷却液流入ポート12及びIT冷却液排出ポート13は、低温の冷却液を提供可能な任意の冷却液供給機器に接続されてもよい。例えば、IT冷却液流入ポート12及びIT冷却液排出ポート13は、冷却塔や、空調制冷装置や、冷水源など接続されてもよい。要するに、低温の冷却液を提供可能である限り、本開示は、これを限定しない。
【0035】
更に、該データセンター1の冷却コストを更に低減するために、上記の冷却液は、安価で補充が容易でであり、且つ熱交換の過程において大気環境を汚染しない水であってもよい。もちろん、上記の冷却液は、他の任意の適切な冷却液(例えば、冷媒)であってもよい。本開示はこれを限定しない。
【0036】
好ましくは、データセンター1の構築速度を向上させるように、IT吸気ポート14、IT排気ポート15と空冷吸気ポート22、空冷排気ポート23との突き合わせ(即ち、直接接続)を容易にするために、IT吸気ポート14、IT排気ポート15は、ITデバイスコンテナ10の同じ側に設けられてもよい。空冷吸気ポート22と空冷排気ポート23も、空冷装置コンテナ20の同じ側に設けられてもよい。このように、IT吸気ポート14、IT排気ポート15と空冷吸気ポート22、空冷排気ポート23との突き合わせを容易にすることができる。
【0037】
上記の空冷装置21は、適切な冷風を提供可能な任意の空冷装置、例えば、空調冷却装置であってもよい。空冷装置が空調冷却装置である実施形態では、空冷吸気ポート22から流入する風を、空調冷却装置内の蒸発器を通過させて空冷排気ポート23から流出させることができる。蒸発器内の低温冷媒は、空冷吸気ポート22から流入する風の熱を吸入して、風の温度を下げることができる。
【0038】
本開示提供の別の実施形態では、図1図4図7に示すように、好ましくは、空冷機器21は、気液熱交換器210及びファン220を備えてもよい。空冷機器コンテナ20は、空冷式冷却液流入ポート24と空冷式冷却液排出ポート25を有し、空冷機器コンテナ20内に空冷式冷却液流入ポート24と気液熱交換器210の冷却液入口とを接続する熱交換入液管路26、及び空冷式冷却液排出ポート25と気液熱交換器210の冷却液出口とを接続する熱交換出液管路27が予め設けられている。ファン220は、空冷吸気ポート22から流入する風を、気液熱交換器210を通過させて空冷排気ポート23から流出させるために用いられる。サーバラック11を冷却する過程において、温度の低い冷却液は、気液熱交換器210内に流入する。ファン220が作動すると、ITデバイスコンテナ10内から流出する熱風は、空冷吸気ポート22を介して空冷機器コンテナ20に入り、ファン220によって気液熱交換器210に吹き付けられる。熱風は、気液熱交換器210内の冷却液と熱交換するため、ITデバイスコンテナ10内の熱を吸収した熱風の温度が低下し、低温の風となって、再び空冷排気ポート23からITデバイスコンテナ10内のサーバラック11に吹き付けられて、サーバの冷却を継続することで、サーバの空冷を実現する。サーバの熱を吸収した低温の冷却液は、高温冷却液となり、空冷機器コンテナ20の空冷式冷却液排出ポート25から流出し、サーバの中断のない放熱冷却を実現する。
【0039】
気液熱交換器210、ファン220、熱交換入液管路26及び熱交換出液管路27は、工場で空冷機器コンテナ20として既に組み込まれているため、データセンター1を構築する過程において、施工現場で気液熱交換器210、ファン220、熱交換入液管路26及び熱交換出液管路27を組み立てる必要はなく、空冷式冷却液流入ポート24及び空冷式冷却液排出ポート25を気液熱交換器210に冷却液を提供するための冷却液供給機器(例えば、冷却塔)と接続すればよい。これにより、データセンター1の柔軟且つ迅速な展開が可能になる。
【0040】
ここで、本開示は、空冷式冷却液流入ポート24及び空冷式冷却液排出ポート25に接続される冷却液供給機器を限定しておらず、気液熱交換器210へ低温の冷却液を提供可能であればよい。
【0041】
好ましくは、気液熱交換器210及びサーバラック11に低温の冷却液を提供する上で、データセンター1の構築速度を更に向上させる、図8に示すように、データセンター1は、放熱機器コンテナ30を更に備えてもよい。放熱機器コンテナ30内に放熱機器31が設けられ、放熱機器コンテナ30は、放熱冷却液流入ポート32と放熱冷却液排出ポート33を有し、放熱機器コンテナ30内に放熱機器31及び放熱冷却液流入ポート32と放熱冷却液排出ポート33とを接続する放熱管路34が予め設けられいる。放熱冷却液流入ポート32は、IT冷却液排出ポート13及び空冷式冷却液排出ポート25に接続され、放熱冷却液排出ポート33は、IT冷却液流入ポート12及び空冷式冷却液流入ポート24に接続され、放熱機器31は、放熱冷却液排出ポート33から流出する冷却液の温度を放熱冷却液流入ポート32から流入する冷却液の温度よりも低くするために用いられる。
【0042】
このように、サーバラック11を流れた高温冷却液、及び気液熱交換器210内から流出する高温冷却液は、それぞれ放熱機器コンテナ30の放熱冷却液流入ポート32を介して放熱機器31内に入り、放熱機器31は、高温の冷却液の熱を放熱して、低温の冷却液にした後、低温の冷却液の一部は、放熱冷却液排出ポート33から、IT冷却液流入ポート12を介して再びサーバラック11内に流入する。低温の冷却液の他の一部は、放熱冷却液排出ポート33から空冷式冷却液流入ポート24を介して再び気液熱交換器210内に流入して、サーバラック11の中断のない冷却放熱を実現する。
【0043】
放熱機器31も工場製造段階で放熱機器コンテナ30内に組み込まれるため、データセンター1を構築する際に、放熱機器コンテナ30を指定の施工場所に直接輸送し、放熱機器コンテナ30とITデバイスコンテナ10及び空冷装置コンテナ20と直接接続すればよい。これにより、データセンター1の迅速な展開及び引き渡しを実現し、施工期間を短縮し、データセンター1の構築に伴う二酸化炭素排出量を低減することができる。
【0044】
放熱機器31は、冷却液温度を低下可能な、サーバラック11及び気液熱交換器210に低温の冷却液を提供する任意の機器であってもよい。例えば、放熱機器31は、冷却塔及び/又は第1空気調和装置330を備えてもよい。
【0045】
放熱機器31が冷却塔を含む実施形態では、冷却塔は、開放型冷却塔310、密閉式冷却塔320、自然換気冷却塔、机械換気冷却塔や、混合換気冷却塔、湿式冷却塔、乾式冷却塔、干湿式冷却塔などであってもよい。本開示は、冷却塔の具体的な種類、数、大きさ、形状などを限定しない。冷却塔は、吸收熱を大気に放出して、冷却液温度を低下させる装置であり、その冷却原理として、冷却液によって気流を接触させると冷熱交換を行い、蒸気を発生させ、蒸気を蒸発させて熱を奪い、蒸発放熱、対流伝熱や放射伝熱などを達成するという原理により、水温を下げるため、冷却塔によってサーバラック11及び気液熱交換器210に低温の冷却液を提供する場合、冷却塔の設置は、データセンターの総エネルギー消費量の削減に資するため、データセンターのPUEを低下させ、引いては二酸化炭素排出量を削減することができる。更に、冷却塔の冷却温度は、冷却塔のある環境の乾球温度(即ち、周囲温度)ではなく、冷却塔のある環境の湿球温度に関連し、世界のほとんどの地域における湿球温度は、冷却塔の冷却液出口から流出する冷却液の温度に対する要求を満たすことができるため、本開示に係るデータセンターの冷却システムを、地域の周囲温度の制約を受け難くすることができ、また 世界のほとんどの地域に適用することができる。
【0046】
放熱機器31は、第1空気調及び装置330を備える実施形態にとって、第1空気調和装置330は、順次に直列接続される圧縮機、凝縮器、膨張弁及び熱交換器を備えてもよい。熱交換器の冷却液入口及び冷却液出口は、それぞれ放熱冷却液流入ポート32及び放熱冷却液排出ポート33に接続する。このように、膨張弁の絞り及び減圧後の低温冷媒が熱交換器に流入し、熱交換器内の冷却水と熱交換し、冷却水から熱を吸収して温度を低くすることができる。温度が低下した冷却液は、放熱冷却液排出ポート33から流出し、サーバラック11及び気液熱交換器210に流れる。
【0047】
放熱機器31は、冷却塔及び/又は第1空気調和装置330を備える実施形態では、サーバラック11の現在の温度又は冷却ニーズに応じて、サーバラック11及び気液熱交換器210へ流れる冷却液の冷熱は、冷却塔、又は第1空気調和装置330、又は冷却塔及び第1空気調和装置330の両方によって共同で提供するように選択できることが理解されたい。
【0048】
冷却塔は、開放型冷却塔310である実施形態では、好ましくは、データセンター1は、水利設備コンテナ40を更に備えてもよい。図9に示すように、該水利設備コンテナ40内に第1液液熱交換器400、第1ポンプ401及び第2ポンプ402が設けられ、水利設備コンテナ40は、第1水利冷却液流入ポート41、第2水利冷却液流入ポート42、第1水利冷却液排出ポート43及び第2水利冷却液排出ポート44を有し、水利設備コンテナ40内に第1液液熱交換器400の第1冷却液入口と第1水利冷却液流入ポート41とを接続する第1管路45、第1液液熱交換器400の第1冷却液出口と第1水利冷却液排出ポート43とを接続する第2管路46、第1液液熱交換器400の第2冷却液入口と第2水利冷却液流入ポート42とを接続する第3管路47、及び第1液液熱交換器400の第2冷却液出口と第2水利冷却液排出ポート44とを接続する第4管路48が予め設けられている。第1水利冷却液流入ポート41は、放熱冷却液排出ポート33接続され、第1水利冷却液排出ポート43は、放熱冷却液流入ポート32接続され、第2水利冷却液流入ポート42は、IT冷却液排出ポート13及び空冷式冷却液排出ポート25と突き合わせされ、第2水利冷却液排出ポート44は、IT冷却液流入ポート12及び空冷式冷却液流入ポート24と突き合わせられる。第1ポンプ401は、第1管路45及び/又は第2管路46に設けられ、第2ポンプ402は、第3管路47及び/又は第4管路48に設けられている。
【0049】
開放型冷却塔310は、作動中に、冷却液が外部環境に曝され、その清浄度に影響を与えるため、清浄度の低い冷却液が、サーバラック11に入る。上記の水利設備コンテナ40内に第1液液熱交換器400が設けられている。このように、冷却塔が開放型冷却塔310である場合、低温の冷却液放熱冷却液排出ポート33から第1水利冷却液流入ポート41を介して第1液液熱交換器400内に流入し、第1液液熱交換器400の第1冷却液出口から放熱冷却液流入ポート32を介して開放型冷却塔310内還流する。同時に、サーバラック11の冷却液出口及び気液熱交換器210の冷却液出口から流出する高温冷却液は、それぞれIT冷却液排出ポート13及び空冷式冷却液排出ポート25から第2水利冷却液流入ポート42を介して第1液液熱交換器400に流入する。第1液液熱交換器400内に流入した高温の冷却液は、第1液液熱交換器400内の低温の冷却液と熱交換した後、第2水利冷却液排出ポート44から、それぞれIT冷却液流入ポート12を介してITデバイスコンテナ10に、空冷式冷却液流入ポート24を介して空冷装置コンテナ20に流入するが、開放型冷却塔310内から流出する低温の冷却液は、上記の高温冷却液と熱交換した後、高温の冷却液となり、再び放熱冷却液流入ポート32を介して開放型冷却塔310に流れ戻り、熱を大気に放出する。つまり、第1液液熱交換器400を設けることで、開放型冷却塔310から流出する清浄度の低い冷却液がサーバラック11及び気液熱交換器210に直接流入することを回避でき、サーバラック11や気液熱交換器210への影響を回避することができる。
【0050】
上記の循環式熱交換中に、第1ポンプ401は、開放型冷却塔310と第1液液熱交換器400との間の冷却液の流れに駆動力を与えて、冷却液が第1液液熱交換器400と開放型冷却塔310との間を循環できる。第2ポンプ402は、第1液液熱交換器400とサーバラック11、気液熱交換器210との間の冷却液の流れに駆動力を与えて、冷却液が第1液液熱交換器400とサーバラック11、気液熱交換器210との間を循環できる。
【0051】
ここで、第1ポンプ401と第2ポンプ402の回転速度を調整することで、サーバラック11の冷却放熱のニーズに合わせることができる。具体的には、サーバラック11の放熱ニーズが増加する場合、対応して第1ポンプ401、第2ポンプ402の回転速度を高く調整することができる。このように、サーバラック11と熱交換する単位時間当たりの冷却液量を多くして、サーバラック11との熱交換効率を向上させる。サーバラック11の放熱需要を低減する場合、対応して第1ポンプ401、第2ポンプ402の回転速度を低く調整することで、サーバラック11の放熱ニーズを満たすとともに、第1ポンプ401、第2ポンプ402の消費エネルギーを低減することができる。第1ポンプ401、第2ポンプ402及び第1液液熱交換器400の数は、1つであってもよく、複数であってもよいが、本開示はこれを限定しない。
【0052】
更に、上記の第2水利冷却液流入ポート42とIT冷却液排出ポート13及び空冷式冷却液排出ポート25との突き合わせ、第2水利冷却液排出ポート44とIT冷却液流入ポート12及び空冷式冷却液流入ポート24との突き合わせを具体的に実現する場合、第2水利冷却液流入ポート42及び第2水利冷却液排出ポート44は三方向ポートであってもよく、これにより、第2水利冷却液流入ポート42とIT冷却液排出ポート13及び空冷式冷却液排出ポート25との直接突き合わせが容易になり、第2水利冷却液排出ポート44とIT冷却液流入ポート12及び空冷式冷却液流入ポート24との直接突き合わせが容易になる。
【0053】
冷却塔が密閉式冷却塔320である実施形態では、好ましくは、図10に示すように、データセンター1は、水利設備コンテナ40を更に備えてもよい。水利設備コンテナ40内にポンプ50が設けられ、水利設備コンテナ40は、水利冷却液流入ポート51と水利冷却液排出ポート52を有し、水利設備コンテナ40内にポンプ50と水利冷却液流入ポート51及び水利冷却液排出ポート52を接続する第5管路49が予め設けられている。水利冷却液流入ポート51と放熱冷却液排出ポート33とが接続され、水利冷却液排出ポート52とIT冷却液流入ポート12及び空冷式冷却液流入ポート24とが突き合わせられる。このように、サーバラック11を冷却する過程において、ポンプ50は、冷却液に動力を提供して、水利冷却液排出ポート52から流出する冷却液が、IT冷却液流入ポート12及び空冷式冷却液流入ポート24に流れることができる。密閉式冷却塔320は、冷却液の降温中に完全に密閉されるため、冷却液は、雑物などに汚染されにくく、冷却液の清浄度が高い。密閉式冷却塔320から流出する冷却液は、サーバラック11及び気液熱交換器210に直接流入することができる。
【0054】
上記の水利設備コンテナ40が設けられた実施形態では、ポンプ50又は第1液液熱交換器400は予め、工場で水利設備コンテナ40として集積されている。データセンター1を構築する際に、水利設備コンテナ40とITデバイスコンテナ10、空冷装置コンテナ20及び放熱機器コンテナ30とを接続すればよい。
【0055】
更に、好ましくは、ITデバイスコンテナ10内に、冷熱分配ユニットが設けられてもよい。図1図2図3及び図6に示すように、冷熱分配ユニットは、第2液液熱交換器19を備え、冷却入液管路16は、第1副冷却入液管路161と第2副冷却入液管路162を含み、冷却出液管道17は、第1副冷却出液管道171と第2副冷却出液管道172を含み、第1副冷却入液管路161は、IT冷却液入口接口12と第2液液熱交換器19の第1冷却液入口とを接続し、第2副冷却入液管路162は、第2液液熱交換器19の第1冷却液出口とサーバラック11の冷却液入口とを接続し、第1副冷却出液管道171は、IT冷却液排出ポート13と第2液液熱交換器19の第2冷却液出口とを接続し、第2副冷却出液管道172は、第2液液熱交換器19の第2冷却液入口とサーバラック11の冷却液出口とを接続する。
【0056】
第2液液熱交換器19を配置することで、放熱機器31内から流出する冷却液は、サーバラック11の内部に直接流入することはない。従って、サーバラック11の作動環境を汚染せず、サーバラック11の作動環境を保護することができる。
【0057】
また、サーバラック11は、冷却液の清浄度に対する要求が高いため、好ましくは、冷熱分配ユニットは、フィルタリング装置、殺菌装置、及びスケール除去装置の少なくとも1つをさらに含んでもよい。フィルタリング装置、殺菌装置、及びスケール除去装置は、第2副冷却入液管路162に設けられてもよい。第2副冷却入液管路162にフィルタリング装置、殺菌装置、及びスケール除去装置を設けることで、可以提升在サーバラック11を循環する冷却水の清浄度を向上させることができ、管路内の冷却水の閉塞及び流れ不良を回避又は低減することができ、サーバラック11の放熱効率及び効果を更に向上させる。
【0058】
好ましくは、図6に示すように、サーバラック11は複数であってもよい。複数のサーバラック11を互いに並列に接続することで、第2副冷却入液管路162から流出する冷却液は、複数の流れに分けられ、異なるサーバラック11に流れることができる。
【0059】
また、サーバラック11は複数である場合、1つのサーバラック11の排気口が他のサーバラック11の排気口に対向して設けられ、これらのサーバラック11の排気口が2つのサーバラック11の空気入口の間に位置することで、サーバラック11の排気口と接続されるダクト180を容易に配置することができる。
【0060】
好ましくは、図6に示すように、ITデバイスコンテナ10は、排烟口181を有してもよい。排烟口181を設けることで、火災が発生した場合、排烟口181は、排烟口181を介して、ITデバイスコンテナ10内で発生した煙及び熱を室外に排気することができ、火災領域に負圧を形成し、他の領域への煙の拡散を回避することができる。
【0061】
更に、サーバラック11などの機器への電源供給を容易にするために、工場で配電設備コンテナ60、変電設備コンテナ70などをプレハブ化してもよい。
【0062】
一実施形態では、ITデバイスコンテナ10内に配電キャビネット183を更に備え、ITデバイスコンテナ10は、IT電気入力接続口182を有し、ITデバイスコンテナ10内にIT電気入力接続口182と配電キャビネット183とを接続する第1ケーブル1820が予め設けられている。データセンター1配電設備コンテナ60及び変電設備コンテナ70を更に備え、配電設備コンテナ60内に配電設備600が設けられ、配電設備コンテナ60は、第1配電入力接続口61及び配電出力接続口63を有し、配電設備コンテナ60内に配電設備600と第1配電入力接続口61及び配電出力接続口63とを接続する第2ケーブルが予め設けられている。変電設備コンテナ70内に変電設備700が設けられ、変電設備コンテナ70は、変電入力接続口701及び変電出力接続口702を有し、変電設備コンテナ70内に変電設備700と変電入力接続口701及び変電出力接続口702とを接続する第3ケーブルが予め設けられている。第1配電入力接続口61がユーティリティグリッドと接続され、配電出力接続口63が変電入力接続口701と接続され、変電出力接続口702がIT電気入力接続口182と接続されている。ユーティリティグリッドは、配電設備コンテナ60の第1配電入力接続口61と接続され、電流は、第2ケーブルを介して配電設備600に導入され、第2ケーブルを介して配電出力接続口63から導出され、配電出力接続口63は、変電入力接続口701と接続されている。
【0063】
このように、ユーティリティグリッドから供給される電流は、配電設備600によって配電された後、変電設備700に流入し、変電設備700によって降圧されてから、変電出力接続口702、IT電気入力接続口182を介してITデバイスコンテナ10に流入することで、サーバラック11への電力供給を実現する。
【0064】
配電設備600及び変電設備700は、予め工場で配電設備コンテナ60及び変電設備コンテナ70としてプレハブ化されているため、データセンター1を構築する際に、配電設備コンテナ60、変電設備コンテナ70及び電源供給が必要な機器(例えば、ITデバイスコンテナ10)の間の電気的接続関係を確立するだけで、電源供給の配置を完了することができ、データセンター1の設置時間を大幅に短縮することができる。
【0065】
ITデバイスコンテナ10は複数である実施形態では、変電設備コンテナ70に複数の変電出力接続口702が形成されてもよい。各ITデバイスコンテナ10は、対応する変電出力接続口702と接続可能であることを理解できる。
【0066】
好ましくは、上記の配電設備600は、中電圧配電キャビネットを備えてもよい。上記の変電設備700は、変電器、UPS、バッテリ及び配電キャビネットなどを備えてもよい。
【0067】
更に、ユーティリティグリッドが切断された場合でも、データセンター1は、正常に動作できるようにするために、好ましくは、データセンター1は、電力予備装置コンテナ80を更に備えてもよい。図4図13に示すように、電力予備装置コンテナ80内に発電機81が設けられ、電力予備装置コンテナ80は、電力予備出力接続口82を有し、電力予備装置コンテナ80内に発電機81と電力予備出力接続口82とを接続する第4ケーブルが予め設けられている。配電設備コンテナ60は、第2配電入力接続口62を有し、第2ケーブルは、第2配電入力接続口62と配電設備600とを接続し、電力予備出力接続口82は、第2配電入力接続口62と接続されている。ユーティリティグリッドが切断された場合、電力予備装置コンテナ80を採用して、データセンター1の各電力使用機器に電力を供給する。具体的には、電力予備装置コンテナ80内の発電機81が発電し、第4ケーブルを介して発生した電流を電力予備出力接続口82に伝送する。第2配電入力接続口62が電力予備出力接続口82と接続されているため、将発電機81が発生した電力を、第2ケーブルを介して配電設備600内に伝送し、変電設備700によって各電力使用機器(例えば、ITデバイスコンテナ10)に出力することができる。
【0068】
好ましくは、図4図14に示すように、データセンター1は、ネットワーク装置コンテナ90を備えてもよい。ネットワーク装置コンテナ90内にネットワークキャビネット、アレイ配電キャビネット及び第2空気調和装置が予め設けられ、ネットワーク装置コンテナ90は、ネットワーク電気入力接続口91を有し、ネットワーク装置コンテナ90内にアレイ配電キャビネットとネットワークキャビネット、第2空気調和装置及びネットワーク電気入力接続口91とを接続する第5ケーブルが予め設けられ、ネットワーク電気入力接続口91は、変電出力接続口702と接続されている。これにより、ネットワーク装置コンテナ90内のネットワークキャビネット、アレイ配電キャビネット、第2空気調和装置などの電力使用装置の電力供給を実現することができる。
【0069】
また、図4に示すように、放熱機器コンテナ30に、放熱電気入力接続口300が設けられてもよい。該放熱電気入力接続口300は、冷却塔に電気エネルギーを供給するように、変電出力接続口702と接続されてもよい。水利設備コンテナ40に水利電気入力接続口410が設けられてもよく、水利電気入力接続口410は、第1ポンプ401、第2ポンプ402に電気エネルギーを供給するように、変電出力接続口702と接続されてもよい。空冷装置コンテナ20に空冷電気入力接続口28が設けられてもよく、空冷電気入力接続口28は、変電出力接続口702と接続され、空冷機器コンテナ20内のファン220に電気エネルギーを供給する。
【0070】
好ましくは、図4図15に示すように、データセンター1は、管理・補助設備コンテナ100を更に備え、管理・補助設備コンテナ100内に消防設備101、弱電室102、中央制御室103及び事務室104のうちの少なくとも1つが設けられている。同様に、管理・補助設備コンテナ100に、管理用電気入力接続口105を更に有し、管理用電気入力接続口105は、管理・補助設備コンテナ100への電力供給を実現するために、変電出力接続口702と接続されてもよい。
【0071】
上記の技術手段により、本開示は、サーバラック11ITデバイスコンテナ10として集積し、サーバラック11を冷却するために必要な機器を、空冷機器コンテナ20、水利設備コンテナ40、放熱機器コンテナ30として集積し、電力を供給するための機器を配電設備コンテナ60、変電設備コンテナ70、電力予備装置コンテナ80として集積し、ネットワークを提供するための機器を、ネットワーク装置コンテナ90などとして集積することで、データセンター1を構築する際に、各コンテナを接続し実装するだけで、データセンター1の構築を完了することができ、データセンター1の迅速な展開及び柔軟な展開を実現し、施工期間を短縮し、納期を短縮し、データセンター1の構築に伴う二酸化炭素排出量を低減することができる。データセンター1の各コンテナを配置する過程において、図5に示すように、各コンテナは、任意の適切な方式で組み合わせることができる。例えば、図5に示すように、ITデバイスコンテナ10は複数であってもよく、且つ複数のITデバイスコンテナ10は、一列に配置し、空冷機器コンテナ20、水利設備コンテナ40、放熱機器コンテナ30は、複数のITデバイスコンテナ10の一方側に位置し、配電設備コンテナ60、変電設備コンテナ70、電力予備装置コンテナ80及び管理・補助設備コンテナ100は、複数のITデバイスコンテナ10の他方側に位置し、ネットワーク装置コンテナ90は、複数のITデバイスコンテナ10の両端に位置し、空冷機器コンテナ20、水利設備コンテナ40及びITデバイスコンテナ10は、直接互いに突き合わせることで、設置面積を低減することができる。更に、変電設備コンテナ70は、ITデバイスコンテナ10内のサーバラック11への電源供給を容易にするために、配電設備コンテナ60、電力予備装置コンテナ80及び管理・補助設備コンテナ100よりも、ITデバイスコンテナ10寄りに配置することができる。管理・補助設備コンテナ100は、ITデバイスコンテナ10、変電設備コンテナ70、配電設備コンテナ60、電力予備装置コンテナ80及び管理・補助設備コンテナ100に対する管理人の管理を容易にするために、変電設備コンテナ70と配電設備コンテナ60、電力予備装置コンテナ80及び管理・補助設備コンテナ100との間に位置することができる。
【0072】
以上、添付図面を参照して、本開示の好ましい実施形態を詳細に説明したが、本開示は上記実施形態における具体的な内容に限定されるものではなく、本開示の技術的思想の範囲内で本開示の技術的解決手段の様々な単純な変形を実施することができ、これらの単純な変形は全て本開示の保護範囲に属する。
【0073】
なお、上記の具体的な実施形態に記載された様々な具体的な技術的特徴は、矛盾することなく、任意の適切な方法で組み合わせることができ、不必要な繰り返しを避けるために、本開示では、様々な可能な組み合わせについて個別に説明しない。
【0074】
更に、本開示の様々な異なる実施形態も、任意の方法で組み合わせることができ、それらが本開示の思想に矛盾しない限り、同様に本開示に開示された内容と見なされるものとする。
図1
図2
図3
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【国際調査報告】