(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-15
(54)【発明の名称】WiFi広帯域送受信チャネルのためのIQインバランス補償方法及びその応用
(51)【国際特許分類】
H04B 1/40 20150101AFI20250107BHJP
H04B 1/30 20060101ALI20250107BHJP
【FI】
H04B1/40
H04B1/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024541138
(86)(22)【出願日】2022-07-28
(85)【翻訳文提出日】2024-07-05
(86)【国際出願番号】 CN2022108588
(87)【国際公開番号】W WO2023130716
(87)【国際公開日】2023-07-13
(31)【優先権主張番号】202210016521.0
(32)【優先日】2022-01-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524257166
【氏名又は名称】上海物騏微電子有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100088063
【氏名又は名称】坪内 康治
(72)【発明者】
【氏名】古強
(72)【発明者】
【氏名】縦金榜
【テーマコード(参考)】
5K011
【Fターム(参考)】
5K011BA04
5K011DA02
5K011DA03
5K011DA12
5K011DA27
5K011EA02
5K011EA03
5K011KA04
(57)【要約】
本発明は、デジタル信号処理の技術分野に関するWiFi広帯域送受信チャネルのためのIQインバランス補償方法及びその応用を開示する。前記方法は、送信チャネル及び受信チャネルに適用されており、IQ信号が周波数依存性IQインバランス補償装置(FD-IQMC)に入力され、FD-IQMCがまず周波数非依存性IQインバランス補償モジュール(FI-iqmc)により、IQインバランスに対して周波数に依存しない全体的な補償を行い、次にIQ信号から1つの信号を選択して分数遅延フィルタ(Frac-delay filter)及び実数対称振幅フィルタ(Amp-FIR filter)に入力し、位相補償及び振幅補償をそれぞれ行い、別の信号が遅延モジュールに入力され、時間的に位置合わせするために処理される。本発明は、構造が制御されやすく、リソースオーバーヘッドが低く、補償精度が高いという利点を有し、WiFi6/WiFi6Eシステムなどの高広帯域・高次変調システムに適用される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
WiFi広帯域送受信チャネルのためのIQインバランス補償方法であって、
送信チャネルに対して、送信ベースバンド(TX Baseband)によって出力されたIQ信号を周波数依存性IQインバランス補償装置(FD-IQMC)に入力し、周波数依存性IQインバランス補償を行い、補償された出力信号I’Q’をデジタル-アナログコンバータDACに入力し、又は、受信チャネルに対して、アナログ-デジタルコンバータADCによって出力されたIQ信号を周波数依存性IQインバランス補償装置(FD-IQMC)に入力し、周波数依存性IQインバランス補償を行い、補償された出力信号I’Q’を受信ベースバンド(RX Baseband)に入力し、
ここで、前記FD-IQMCは、入力されたIQ信号に対して、前記送信チャネル又は前記受信チャネルのIQインバランスパラメータ推定値に基づいて、周波数非依存性IQインバランス補償モジュール(FI-iqmc)により、入力されたIチャネル信号及びQチャネル信号の1つの周波数ポイントでの振幅誤差及び位相誤差を選択して単一点補償を行い、それによってIQインバランスに対して周波数に依存しない全体的な補償を行い、
FI-iqmcから出力されたIチャネル信号とQチャネル信号に対して、その中の1つの信号を選択して分数遅延フィルタ(Frac-delay filter)に入力し、周波数選択性位相インバランスを補償するための位相補償を行い、分数遅延フィルタ(Frac-delay filter)から出力された信号を実数対称振幅フィルタ(Amp-FIR filter)に入力し、周波数選択性振幅インバランスを補償するための振幅補償を行うために使用され、選択されていない別の信号は、選択された信号と時間的に位置合わせするために、遅延モジュールによって処理することを特徴とする、
WiFi広帯域送受信チャネルのためのIQインバランス補償方法。
【請求項2】
前記送信チャネル又は前記受信チャネルのIQインバランスパラメータ推定値は、シングルトーンテストにより取得され、複数の周波数ポイントでのシングルトーンは、複数の周波数ポイントでのIQインバランスパラメータ推定値に対応することを特徴とする、
請求項1に記載のIQインバランス補償方法。
【請求項3】
前記周波数非依存性IQインバランス補償モジュール(FI-iqmc)は、次のステップを実行するように構成される:
信号x=cos(θ)+jsin(θ)の場合、jが複素数表現であり、IQインバランスパラメータ推定値のうちの位相インバランス係数Δφ及び振幅インバランス係数Δmに基づいて、Iチャネル信号に必要な補償位相及び補償振幅をそれぞれ-Δφ/2及び-Δm/2とし、Qチャネル信号に必要な補償位相及び補償振幅をそれぞれΔφ/2及びΔm/2として次の補償アルゴリズムによって全体的に補償し、
ここで、xがFI-iqmcに入力されたIQ信号を表し、M
compが位相補償行列及び振幅補償行列を表すことを特徴とする、
請求項1に記載のIQインバランス補償方法。
【請求項4】
前記Δφが予め設定された値より小さい場合、sin(Δφ)をΔφに等しくさせ、cos(Δφ)を1に等しくさせ、それらを前記補償行列M
compに代入し、簡略化されたM'
compを得て、
、
次の補償アルゴリズムによってIQインバランスを全体的に補償し、
このとき、前記周波数非依存性IQインバランス補償モジュール(FI-iqmc)は、周波数非依存性IQインバランスを補償するために、4つの乗算器により、入力された信号に対して行列乗算を行うことを特徴とする、
請求項3に記載のIQインバランス補償方法。
【請求項5】
分数遅延フィルタ(Frac-delay filter)により、FI-iqmcから出力されたIチャネル信号又はQチャネル信号に対して位相補償を行うステップは、次のとおりである:複数の周波数ポイントでのシングルトーンテストにより、広帯域内のサンプリング周波数ポイントでの位相誤差を取得し、取得された位相誤差に対して線形フィッティングを行い、線形フィッティングが行われた位相誤差に対して、次の式で広帯域内の位相誤差群遅延(Group delay)を計算し、
ここで、Δφ(radian)がΔω(radian)周波数帯域における位相誤差の変化であり、radianが弧度を表し、計算された群遅延(Group delay)値に基づいて補償が必要な分数遅延サンプルポイント値を計算し、補償が必要な分数遅延サンプルポイント値に基づいて、ラグランジュ補間法により分数遅延フィルタの分数遅延値を設計し、設計された分数遅延フィルタに基づいて、選択されたIチャネル信号又はQチャネル信号に対して位相補償を行い、位相補償後のIチャネル信号又はQチャネル信号を得ることを特徴とする、
請求項1に記載のIQインバランス補償方法。
【請求項6】
前記分数遅延フィルタ(Frac-delay filter)がFI-iqmcによって出力されたIチャネル信号又はQチャネル信号に対して位相補償を行う場合、2つの信号を時間的に位置合わせするために選択されていない別の信号を第1遅延モジュールDIに入力して遅延処理を行うことを特徴とする、
請求項5に記載のIQインバランス補償方法。
【請求項7】
実数対称振幅フィルタ(Amp-FIR filter)により、分数遅延フィルタ(Frac-FIR filter)から出力された信号に対して振幅補償を行うステップは、次のとおりである:複数の周波数ポイントでのシングルトーンテストにより、広帯域内のサンプリング周波数ポイントでの振幅誤差を取得し、正の周波数と負の周波数が対称的な周波数ポイントでの振幅誤差の平均値を求め、次数Nの実数フィルタを設計し、そのフィルタの周波数ポイントでの振幅誤差パラメータは、テスト周波数ポイントの区分的線形補間によって取得され、前記Nが2の整数倍であり、前記フィルタの周波数ポイントでの振幅誤差パラメータに基づいて、逆高速フーリエ変換により前記実数フィルタのフィルタ係数を計算し、前記フィルタ係数が実数であり、且つ対称であり、前記フィルタ係数によって前記信号をフィルタリングし、振幅が補償された信号を得ることを特徴とする、
請求項6に記載のIQインバランス補償方法。
【請求項8】
実数対称振幅フィルタ(Amp-FIR filter)が分数遅延フィルタ(Frac-delay filter)から出力された信号に対して振幅補償を行う場合、2つの信号を時間的に位置合わせるために、第1遅延モジュールD1から出力された信号を第2遅延モジュールD2に入力して遅延処理を行うることを特徴とする、
請求項7に記載のIQインバランス補償方法。
【請求項9】
WiFi広帯域送受信チャネルのためのIQインバランス3段補償システムであって、
周波数依存性IQインバランス補償装置(FD-IQMC)を備え、前記FD-IQMCは、送信チャネルに設けられており、デジタル-アナログコンバータDACに入力されるIQ信号に対して前補償処理を行うために使用され、又は、前記FD-IQMCは、受信チャネルに設けられており、アナログ-デジタルコンバータADCから出力されたIQ信号に対して後補償処理を行うために使用され、前記周波数依存性IQインバランス補償装置(FD-IQMC)は、入力されたIQ信号に対して、前記送信チャネル又は前記受信チャネルのIQインバランスパラメータ推定値に基づいて、周波数非依存性IQインバランス補償モジュール(FI-iqmc)により、入力されたIチャネル信号とQチャネル信号に対して1つの周波数ポイントでの振幅誤差及び位相誤差を選択して単一点補償を行い、それによってIQインバランスに対して周波数に依存しない全体的な補償を行い、FI-iqmcから出力されたIチャネル信号とQチャネル信号に対して、その中の1つの信号を選択して分数遅延フィルタ(Frac-delay filter)に入力し、周波数選択性位相インバランスを補償するための位相補償を行い、分数遅延フィルタ(Frac-delay filter)から出力された信号を実数対称振幅フィルタ(Amp-FIR filter)に入力し、周波数選択性振幅インバランスを補償するための振幅補償を行うように構成され、選択されていない信号は、選択された信号と時間的に位置合わせするために、遅延モジュールによって処理することを特徴とする、
WiFi広帯域送受信チャネルのためのIQインバランス3段補償システム。
【請求項10】
WiFi広帯域送受信チャネルのためのIQインバランス補償方法であって、
送信チャネルに対して、送信ベースバンド(TX Baseband)によって出力されたIQ信号を周波数依存性IQインバランス補償装置(FD-IQMC)に入力し、周波数依存性IQインバランス補償を行い、補償された出力信号I’Q’をデジタル-アナログコンバータDACに入力し、又は、受信チャネルに対して、アナログ-デジタルコンバータADCによって出力されたIQ信号を周波数依存性IQインバランス補償装置(FD-IQMC)に入力し、周波数依存性IQインバランス補償を行い、補償された出力信号I’Q’を受信ベースバンド(RX Baseband)に入力し、前記FD-IQMCは、入力されたIQ信号に対して、前記送信チャネル又は前記受信チャネルのIQインバランスパラメータ推定値に基づいて、周波数非依存性IQインバランス補償モジュール(FI-iqmc)により、入力されたIチャネル信号とQチャネル信号に対して1つの周波数ポイントでの振幅誤差及び位相誤差を選択して単一点補償を行い、それによってIQインバランスに対して周波数に依存しない全体的な補償を行い、FI-iqmcから出力されたIチャネル信号とQチャネル信号に対して、その中の1つの信号を選択してシングルチャネルフィルタに入力し、周波数選択性位相及び周波数選択性振幅を補償するために処理するために使用され、前記シングルチャネルフィルタは、フィルタ係数が分数遅延フィルタ係数と振幅フィルタ係数を畳み込むことで生成され、その位相-周波数応答により、分数遅延を補償でき、その振幅-周波数応答により、振幅誤差を補償でき、前記シングルチャネルフィルタのフィルタ係数が実数で非対称形態であり、選択されていない別の信号は、選択された信号と時間的に位置合わせするために、遅延モジュールによって処理されることを特徴とする、
WiFi広帯域送受信チャネルのためのIQインバランス補償方法。
【請求項11】
WiFi広帯域送受信チャネルのためのIQインバランス補償システムであって、
周波数依存性IQインバランス補償装置(FD-IQMC)を備え、前記FD-IQMCは、送信チャネルに設けられており、デジタル-アナログコンバータDACに入力されるIQ信号に対して前補償処理を行うために使用され、又は、前記FD-IQMCは、受信チャネルに設けられており、アナログ-デジタルコンバータADCから出力されたIQ信号に対して後補償処理を行うために使用され、前記周波数依存性IQインバランス補償装置(FD-IQMC)は、入力されたIQ信号に対して、前記送信チャネル又は前記受信チャネルのIQインバランスパラメータ推定値に基づいて、周波数非依存性IQインバランス補償モジュール(FI-iqmc)により、入力されたIチャネル信号とQチャネル信号に対して1つの周波数ポイントでの振幅誤差及び位相誤差を選択して単一点補償を行い、それによってIQインバランスに対して周波数に依存しない全体的補償を行い、FI-iqmcから出力されたIチャネル信号とQチャネル信号に対して、その中の1つの信号を選択してシングルチャネルフィルタに入力し、周波数選択性位相及び周波数選択性振幅を補償するために処理するように構成され、前記シングルチャネルフィルタは、フィルタ係数が分数遅延フィルタ係数と振幅フィルタ係数を畳み込むことで生成され、その位相-周波数応答により、分数遅延を補償でき、その振幅-周波数応答により、振幅誤差を補償でき、前記シングルチャネルフィルタのフィルタ係数が実数で非対称形態であり、選択されていない別の信号は、選択された信号と時間的に位置合わせするために、遅延モジュールによって処理されることを特徴とする、
WiFi広帯域送受信チャネルのためのIQインバランス補償方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル信号処理の技術分野に関し、特にWiFi広帯域送受信チャネルのためのIQインバランス補償方法及びその応用に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、無線通信技術の高速化、小型化、集積化の継続的な発展に伴い、ゼロ中間周波数ZIF(Zero Intermediate Frequency)アーキテクチャのトランシーバーは、低コストで集積しやすいなどの利点から注目されており、現在では高帯域幅と高サンプリングレートを備えた電子システムに広く応用される。ゼロ中間周波数アーキテクチャは、アナログ直交ミキシング技術を採用し、RF信号をベースバンド同相(I:In-phase)信号及び直交(Q:Quadrature)信号に直接変換するため、従来のスーパーヘテロダインアーキテクチャよりも少ないアナログデバイスを必要とする。しかしながら、アナログデバイスが設計上の制限要因により特定の非理想的な特性があるため、I信号とQ信号は、振幅及び位相が一致しなくてI/Qインバランス(又はIQインバランスと呼ばれる)が発生し、その結果、コンスタレーションダイアグラムの歪み、ビット誤り率の増加及びEVMの劣化などの問題が発生し、通信システムの性能に影響を与える。より高いシリコン集積度及びより高い変調次数を備えた広帯域通信システムでは、上記I/Qインバランス問題がさらに深刻化する傾向があるため、WiFi6/WiFi6Eがより広い帯域幅(160MHz)とより高度な変調方式(1024QAM/4096QAM)をサポートする必要があることを考慮すると、高帯域幅及び高次変調を備えたシステムの設計では、RFフロントエンドの非理想的な特性のキャリブレーション及び補償に対して、より厳格な標準及び要件が提案される。
【0003】
現在、業界では、通信品質を向上させるために、様々なIQインバランス推定方法及びデジタル補償スキームが提案される。IQインバランス問題を解決するための従来の研究では、通常、周波数非依存性(FI:frequency independent)インバランス誤差値が使用され、FIインバランス誤差値が定数であるため、上記方法は、広帯域システムに対して、I/Qチャネル間のデバイスの周波数応答の不一致などの要因によって生じる振幅インバランス誤差及び位相インバランス誤差が信号周波数の変化とともに変化し、周波数依存性(FD:frequency dependence)誤差であるという広帯域システムの性能要件を満たすことが困難である。第5世代無線ネットワーク技術(WiFi5)及び第6世代ネットワーク技術(WiFi6)でより広い帯域幅(80MHz/160MHz)が使用されるため、従来の周波数非依存性IQ(FI-IQ)補償方式がシステムの性能要件を満足できなく、広帯域信号の全体的な品質を向上させるために、IQインバランスの周波数選択性に基づいて、デジタル信号処理技術を利用し、広帯域周波数依存性IQ(FD-IQ)補償を行う必要がある。
【0004】
一例として、
図1に示す送信(TX)チャネルのゼロ中間周波数モデルと
図2に示す受信(RX)チャネルのゼロ中間周波数モデルを組み合わせて広帯域におけるIQインバランスの周波数選択性を説明する。
図1では、TXチャネルのIQインバランスは、主にDAC(Digital-to-Analog Converter:デジタル-アナログコンバータ、D/Aコンバータとも呼ばれる)、ローパスフィルタ、IQアンプ及びミキサーに起因し、
図2では、RXチャネルのIQインバランスは、主にミキサー、IQアンプ、ローパスフィルタ及びADC(Analog-to-Digital Converter:アナログ-デジタルコンバータ、A/Dコンバータとも呼ばれる)に起因する。ミキサーの局部発振器LO(Local Oscillator)のインバランスによりIQに固定偏差が生じるため、モデル内で周波数選択性を提供する3つのデバイスは、主にDAC/ADC、ローパスフィルタ及びIQアンプである。Iチャネル信号とQチャネル信号という2つの信号は、これら3つのデバイスを通過すると、振幅利得と位相変動が一致しなく、周波数領域で異なる特徴として現れ、帯域幅が広いほどIQ誤差の変化が顕著になり、これは、広帯域におけるIQインバランスの周波数選択性の原因となる。
【0005】
上述した広帯域におけるIQインバランスに対処する方法は、現在、主に次の3つの方法がある。
【0006】
方法1は、トレーニングシーケンスにより、良好な特性が知られたシーケンスを信号に追加し、通信中にこのシーケンスをキャリブレーションのために継続的に送信及び受信する必要があり、計算して取得された特性を補償することである。このキャリブレーション方法は、プロセスが煩雑であり、伝送効率が低下する。
【0007】
方法2は、IQ特性をシングルトーンでテストした後、周波数領域補償を行うことであり、このキャリブレーション方法は、周波数オフセットなどの要因の影響を受けやすく、精度に影響を与える。
【0008】
方法3は、広帯域信号を送信することにより、IQ特性を計算して統計し、複素フィルタの設計及び補償を行うブラインド推定方法である。このキャリブレーション方法は、大量の統計データを必要とするため、計算プロセスが遅く、補償構造のリソースオーバーヘッドが大きい。
【0009】
一方、DAC/ADC、ローパスフィルタ及びIQアンプなどの3種類のデバイスでは、ベースバンド周波数でのカスケード接続後の両側波帯応答は、対称特性を示し、即ち、振幅応答は、偶関数対称であり、位相応答は、奇関数対称である。同時に、研究では、IQ誤差の周波数選択性は、
図3に示される、実測された広帯域のIQ振幅誤差の分布図、
図4に示される、実測された広帯域のIQ位相誤差の分布図を参照すると、振幅対称及び位相線形変化の分布特性として近似的に表現することができることがわかった。上記タイプのゼロ中間周波数構造は、ローパス特性が強く、バンドパス効果が顕著ではないという特性がある。
【0010】
上述したように、上記ゼロ中間周波数構造の特性に基づいて、周波数選択性IQインバランスを補償でき、構造が制御されやすく、リソースオーバーヘッドが低く、補償精度が高いという補償スキームを提供することができるか否かは、早急に解決すべき技術的な問題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、従来技術の欠点を克服するために、WiFi広帯域送受信チャネルのためのIQインバランス補償方法及びその応用を提供することを目的とする。本発明によって提供されるIQインバランス補償方法では、周波数依存性IQインバランス補償装置(FD-IQMC)により、IQ信号に対してIQインバランス補償を行い、FD-IQMCは、周波数非選択性補償構造と、位相と振幅にそれぞれ対応する周波数選択性補償構造とを含み、送信チャネルでは、前補償方式に基づいてIQインバランス補償を行い、受信チャネルでは、後補償方式に基づいてIQインバランス補償を行う。本発明は、構造が制御されやすく、リソースオーバーヘッドが低く、補償精度が高いという利点を有し、イメージ除去比IRR、EVM劣化及びビット誤り率を効果的に低減させることができる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明は、次の技術的解決手段を提供する。WiFi広帯域送受信チャネルのためのIQインバランス補償方法は、送信チャネルに対して、送信ベースバンド(TX Baseband)によって出力されたIQ信号を周波数依存性IQインバランス補償装置(FD-IQMC)に入力し、周波数依存性IQインバランス補償を行い、補償された出力信号I’Q’をデジタル-アナログコンバータDACに入力し、又は、受信チャネルに対して、アナログ-デジタルコンバータADCによって出力されたIQ信号を周波数依存性IQインバランス補償装置(FD-IQMC)に入力し、周波数依存性IQインバランス補償を行い、補償された出力信号I’Q’を受信ベースバンド(RX Baseband)に入力するステップを含み、前記FD-IQMCは、入力されたIQ信号に対して、前記送信チャネル又は前記受信チャネルのIQインバランスパラメータ推定値に基づいて、周波数非依存性IQインバランス補償モジュール(FI-iqmc)により、入力されたIチャネル信号とQチャネル信号に対して1つの周波数ポイントでの振幅誤差及び位相誤差を選択して単一点補償を行い、それによってIQインバランスに対して周波数に依存しない全体的な補償を行い、FI-iqmcから出力されたIチャネル信号とQチャネル信号に対して、その中の1つの信号を選択して分数遅延フィルタ(Frac-delay filter)に入力し、周波数選択性位相インバランスを補償するための位相補償を行い、分数遅延フィルタ(Frac-delay filter)から出力された信号を実数対称振幅フィルタ(Amp-FIR filter)に入力し、周波数選択性振幅インバランスを補償するための振幅補償を行うために使用され、選択されていない信号は、選択された信号と時間的に位置合わせするために、遅延モジュールによって処理される。
【0013】
さらに、前記送信チャネル又は前記受信チャネルのIQインバランスパラメータ推定値は、シングルトーンテストにより取得され、複数の周波数ポイントでのシングルトーンは、複数の周波数ポイントでのIQインバランスパラメータ推定値に対応する。
【0014】
さらに、前記FI-iqmcは、次のステップを実行するように構成される:信号x=cos(θ)+jsin(θ)の場合、jが複素数表現であり、IQインバランスパラメータ推定値のうちの位相インバランス係数Δφ及び振幅インバランス係数Δmに基づいて、Iチャネル信号に必要な補償位相及び補償振幅をそれぞれ-Δφ/2及び-Δm/2とし、Qチャネル信号に必要な補償位相及び補償振幅をそれぞれΔφ/2及びΔm/2として次の補償アルゴリズムにより全体的に補償し、
ここで、xがFI-iqmcに入力されたIQ信号を表し、M
compが位相補償行列及び振幅補償行列を表す。
【0015】
さらに、前記Δφが予め設定された値より小さい場合、sin(Δφ)をΔφに等しくさせ、cos(Δφ)を1に等しくさせ、それらを前記補償行列M
compに代入し、簡略化されたM'
compを得て、
次の補償アルゴリズムによりIQインバランスを全体的に補償し、
このとき、前記FI-iqmcは、周波数非依存性IQインバランスを補償するために、4つの乗算器により、入力されたIQ信号に対して行列乗算を行う。
【0016】
さらに、分数遅延フィルタ(Frac-delay filter)により、FI-iqmcから出力されたIチャネル信号又はQチャネル信号に対して位相補償を行うステップは、次のとおりである:複数の周波数ポイントでのシングルトーンテストにより、広帯域内のサンプリング周波数ポイントでの位相誤差を取得し、取得された位相誤差に対して線形フィッティングを行い、線形フィッティングが行われた位相誤差に対して、次の式で広帯域内の位相誤差群遅延(Group delay)を計算し、
ここで、Δφ(radian)がΔω(radian)周波数帯域における位相誤差の変化であり、radianが弧度を表し、計算された群遅延(Group delay)値に基づいて補償が必要な分数遅延サンプルポイント値を計算し、補償が必要な分数遅延サンプルポイント値に基づいて、ラグランジュ補間法により分数遅延フィルタの分数遅延値を設計し、設計された分数遅延フィルタに基づいて、選択されたIチャネル信号又はQチャネル信号に対して位相補償を行い、位相補償後のIチャネル信号又はQチャネル信号を得る。
【0017】
さらに、前記分数遅延フィルタ(Frac-delay filter)がFI-iqmcによって出力されたIチャネル信号又はQチャネル信号に対して位相補償を行う場合、2つの信号を時間的に位置合わせするために、選択されていない別の信号を第1遅延モジュールDIに入力して遅延処理を行う。
【0018】
さらに、実数対称振幅フィルタ(Amp-FIR filter)により、分数遅延フィルタ(Frac-FIR filter)から出力された信号に対して振幅補償を行うステップは、次のとおりである。複数の周波数ポイントでのシングルトーンテストにより、広帯域内のサンプリング周波数ポイントでの振幅誤差を取得し、正の周波数と負の周波数が対称的な周波数ポイントでの振幅誤差の平均値を求め、次数Nの実数フィルタを設計し、そのフィルタの周波数ポイントでの振幅誤差パラメータがテスト周波数ポイントの区分的線形補間によって取得され、前記Nが2の整数倍であり、前記フィルタの周波数ポイントでの振幅誤差パラメータに基づいて、逆高速フーリエ変換により前記実数フィルタのフィルタ係数を計算し、前記フィルタ係数が実数で対称であり、前記フィルタ係数によって前記信号をフィルタリングし、振幅が補償された信号を得る。
【0019】
さらに、実数対称振幅フィルタ(Amp-FIR filter)が分数遅延フィルタ(Frac-delay filter)から出力された信号に対して振幅補償を行う場合、2つの信号を時間的に位置合わせるために、第1遅延モジュールD1から出力された信号を第2遅延モジュールD2に入力して遅延処理を行う。
【0020】
本発明は、WiFi広帯域送受信チャネルのためのIQインバランス3段補償システムをさらに提供する。前記システムは、周波数依存性IQインバランス補償装置(FD-IQMC)を備え、前記FD-IQMCは、送信チャネルに設けられており、デジタル-アナログコンバータDACに入力されるIQ信号に対して前補償処理を行うために使用され、又は、前記FD-IQMCは、受信チャネルに設けられており、アナログ-デジタルコンバータADCから出力されたIQ信号に対して後補償処理を行うために使用され、前記周波数依存性IQインバランス補償装置(FD-IQMC)は、入力されたIQ信号に対して、前記送信チャネル又は前記受信チャネルのIQインバランスパラメータ推定値に基づいて、周波数非依存性IQインバランス補償モジュール(FI-iqmc)により、入力されたIチャネル信号とQチャネル信号に対して1つの周波数ポイントでの振幅誤差及び位相誤差を選択して単一点補償を行い、それによってIQインバランスに対して周波数に依存しない全体的な補償を行い、FI-iqmcから出力されたIチャネル信号とQチャネル信号に対して、その中の1つの信号を選択して分数遅延フィルタ(Frac-delay filter)に入力し、周波数選択性位相インバランスを補償するための位相補償を行い、分数遅延フィルタ(Frac-delay filter)から出力された信号を実数対称振幅フィルタ(Amp-FIR filter)に入力し、周波数選択性振幅インバランスを補償するための振幅補償を行うように構成され、選択されていない信号は、選択された信号と時間的に位置合わせするために、遅延モジュールによって処理される。
【0021】
本発明は、WiFi広帯域送受信チャネルのためのIQインバランス補償方法をさらに提供する。前記IQインバランス補償方法は、送信チャネルに対して、送信ベースバンド(TX Baseband)によって出力されたIQ信号を周波数依存性IQインバランス補償装置(FD-IQMC)に入力し、周波数依存性IQインバランス補償を行い、補償された出力信号I’Q’をデジタル-アナログコンバータDACに入力し、又は、受信チャネルに対して、アナログ-デジタルコンバータADCによって出力されたIQ信号を周波数依存性IQインバランス補償装置(FD-IQMC)に入力し、周波数依存性IQインバランス補償を行い、補償された出力信号I’Q’を受信ベースバンド(RX Baseband)に入力し、前記FD-IQMCは、入力されたIQ信号に対して、前記送信チャネル又は前記受信チャネルのIQインバランスパラメータ推定値に基づいて、周波数非依存性IQインバランス補償モジュール(FI-iqmc)により、入力されたIチャネル信号とQチャネル信号に対して1つの周波数ポイントでの振幅誤差及び位相誤差を選択して単一点補償を行い、それによってIQインバランスに対して周波数に依存しない全体的な補償を行い、FI-iqmcから出力されたIチャネル信号とQチャネル信号に対して、その中の1つの信号を選択してシングルチャネルフィルタに入力し、周波数選択性位相及び周波数選択性振幅を補償するために処理するために使用され、前記シングルチャネルフィルタは、フィルタ係数が分数遅延フィルタ係数と振幅フィルタ係数を畳み込むことで生成され、その位相-周波数応答により、分数遅延を補償でき、その振幅-周波数応答により、振幅誤差を補償でき、前記シングルチャネルフィルタのフィルタ係数が実数で非対称形態であり、選択されていない別の信号は、選択された信号と時間的に位置合わせするために、遅延モジュールによって処理される。
【0022】
本発明は、WiFi広帯域送受信チャネルのためのIQインバランス補償システムをさらに提供する。前記システムは、周波数依存性IQインバランス補償装置(FD-IQMC)を備え、前記FD-IQMCは、送信チャネルに設けられており、デジタル-アナログコンバータDACに入力されるIQ信号に対して前補償処理を行うために使用され、又は、前記FD-IQMCは、受信チャネルに設けられており、アナログ-デジタルコンバータADCから出力されたIQ信号に対して後補償処理を行うために使用され、前記周波数依存性IQインバランス補償装置(FD-IQMC)は、入力されたIQ信号に対して、前記送信チャネル又は前記受信チャネルのIQインバランスパラメータ推定値に基づいて、周波数非依存性IQインバランス補償モジュール(FI-iqmc)により、入力されたIチャネル信号とQチャネル信号に対して1つの周波数ポイントでの振幅誤差及び位相誤差を選択して単一点補償を行い、それによってIQインバランスに対して周波数に依存しない全体的な補償を行い、FI-iqmcから出力されたIチャネル信号とQチャネル信号に対して、その中の1つの信号を選択してシングルチャネルフィルタに入力し、周波数選択性位相及び周波数選択性振幅を補償するために処理するように構成され、前記シングルチャネルフィルタは、フィルタ係数が分数遅延フィルタ係数と振幅フィルタ係数を畳み込むことで生成され、その位相-周波数応答により、分数遅延を補償でき、その振幅-周波数応答により、振幅誤差を補償でき、前記シングルチャネルフィルタのフィルタ係数が実数で非対称形態であり、選択されていない別の信号は、選択された信号と時間的に位置合わせするために、遅延モジュールによって処理される。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、上記技術的解決手段を採用するため、従来技術と比較して、例として、次の利点及びポジティブな効果を有する。前記IQインバランス補償方法では、周波数依存性IQインバランス補償装置(FD-IQMC)により、IQ信号に対してIQインバランス補償を行い、FD-IQMCは、周波数非選択性補償構造と、位相と振幅にそれぞれ対応する周波数選択性補償構造とを含み、送信チャネルにおいて、事前補償方式に基づいてIQインバランス補償を行い、受信チャネルにおいて、後補償方式に基づいてIQインバランス補償を行う。上記補償方法による広帯域のIQキャリブレーションにより、周波数選択性IQインバランスを補償することができ、本発明は、構造が制御されやすく、リソースオーバーヘッドが低く、補償精度が高いという利点を有し、イメージ除去比IRR、EVM劣化及びビット誤り率などの指標を効果的に低減させ、通信品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】従来技術におけるTXゼロ中間周波数モデルの概略図である。
【
図2】従来技術におけるRXゼロ中間周波数モデルの概略図である。
【
図3】実測された広帯域のIQ振幅誤差の分布図である。
【
図4】実測された広帯域のIQ位相誤差の分布図である。
【
図5】本発明の実施例による送信チャネルのIQインバランス補償構造の論理構造図である。
【
図6】本発明の実施例による受信チャネルのIQインバランス補償構造の論理構造図である。
【
図7】本発明の実施例による補償前後のIQ振幅誤差の変化図である。
【
図8】本発明の実施例による補償前後のIQ位相誤差の変化図である。
【
図9】本発明の実施例による補償前後のイメージ除去比IRRの変化図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面と具体的な実施例を組み合わせて本発明で開示される、WiFi広帯域送受信チャネルのためのIQインバランス補償方法及びその応用をさらに詳しく説明する。なお、以下の実施例で説明される技術的特徴又は技術的特徴の組み合わせは、孤立したものと考えるべきではなく、より優れた技術的効果を達成するために互いに組み合わせてもよい。以下の実施例の図面において、各図面に現れる同じ符号は、同じ特徴又は部材を表し、異なる実施例に応用されてもよい。したがって、あるアイテムが1つの添付図面で定義されると、後の図面でそれをさらに討論する必要がない。
【0026】
なお、本明細書における添付の図面に示される構造、比例、サイズ等は、この技術に精通した者が理解し読みやすいように、本明細書に開示された内容と組み合わせることにのみ使用されるものであり、本発明で実施される限定条件を限定するためのものではなく、いかなる構造的変更、比例関係の変更又はサイズの調整は、本発明の有効性及び目的に影響を与えることなく、本発明で開示された技術内容の範囲に含まれるべきである。本発明の好ましい実施形態の範囲は、本発明の実施形態が属する技術分野の当業者によって理解されるように、関係する機能に応じて基本的に同時の態様又は逆の順序を含む、説明又は議論された順序で機能を実行しないことができる追加の実施形態を含む。
【0027】
関連分野の当業者に知られている技術、方法及び機器については詳細に説明しない可能性があるが、適切な場合では、前記技術、方法及び機器は、明細書の一部として見なされるべきである。本明細書で示されて議論されるすべての例において、いかなる特定の値は、例示的なものとして解釈されるべきであり、限定的なものとして解釈されるべきではない。したがって、例示的な実施例の他の例は、異なる値を有することができる。
【0028】
本発明は、信号デジタル処理チャネルに周波数依存性IQインバランス補償装置(FD-IQMC)を設けることにより、周波数依存性IQインバランス補償を実現するWiFi広帯域送受信チャネルのためのIQインバランス補償方法を提供する。前記IQインバランス補償方法は、送信(TX)チャネル及び受信(RX)チャネルの周波数選択性IQインバランス補償に適用する。
【0029】
送信チャネルに対して、
図5に示すように、送信ベースバンド(TX Baseband)によって出力されたIQ信号を周波数依存性IQインバランス補償装置(FD-IQMC)に入力し、周波数依存性IQインバランス補償を行い、補償された出力信号I’Q’をデジタル-アナログコンバータDACに入力する。
【0030】
受信チャネルに対して、
図6に示すように、アナログ-デジタルコンバータADCによって受信されたIQ信号を周波数依存性IQインバランス補償装置(FD-IQMC)に入力し、周波数依存性IQインバランス補償を行い、補償された出力信号I’Q’を受信ベースバンド(RX Baseband)に入力する。
【0031】
本実施例では、送信チャネル及び受信チャネルのIQインバランスパラメータの推定値は、シングルトーンテストにより取得されてもよい。具体的には、シングルトーン信号(例えば、周波数ωのシングルトーン信号)を送信し、ループ信号を収集し、相関計算法によりIQインバランスパラメータを推定し、前記IQインバランスパラメータは、具体的には、振幅インバランス係数(又は振幅不一致パラメータと呼ばれる)及び位相インバランス係数(又は位相不一致パラメータと呼ばれる)を含むことができる。異なる周波数ポイントでのシングルトーンが異なるIQインバランスパラメータ推定値に対応するため、複数の周波数ポイントでのシングルトーンテストでは、複数の周波数ポイントでのIQインバランスパラメータ推定値を取得することができる。送信チャネルと受信チャネルのパラメータ推定値は、内部回路のオン/オフを切り替えることでそれぞれ測定される。
【0032】
1つの好ましい実施形態では、前記周波数依存性IQインバランス補償装置(FD-IQMC)は、カスケード接続された1段目の周波数非選択性補償構造、2段目の位相フィルタ構造及び3段目の振幅フィルタ構造を含む3段補償構造を採用する。FD-IQMC装置に入力されたIQ信号に対して、前記送信チャネル又は受信チャネルのIQインバランスパラメータ推定値に基づいて、1段目の周波数非選択性償構造、2段目の位相フィルタ構造及び3段目の振幅フィルタ構造により順次処理する。
【0033】
具体的には、前記1段目の周波数非選択性償構造は、周波数非依存性IQインバランス補償モジュール(FI-iqmc)である。引き続き
図5と
図6を参照すると、IQ信号のIチャネル信号及びQチャネル信号をFI-iqmcに入力し、1つの周波数ポイントでの振幅誤差及び位相誤差を選択して単一点補償を行い、それによってIQアンバランスに対して周波数に依存しない全体的な補償を行う。
【0034】
シングルトーン信号は、x=cos(θ)+jsin(θ)として表されてもよく、jが複素数表現であり、FI-iqmcの全体的な補償原理は、次のとおりである。
【0035】
シングルトーン信号x=cos(θ)+jsin(θ)の場合、シングルトーンテストにより取得されたIQインバランスパラメータ推定値のうちの位相インバランス係数がΔφであり、振幅インバランス係数がΔmであり、IQインバランスが発生するため、Iチャネル及びQチャネルで補償する必要がある位相をそれぞれ-Δφ/2とΔφ/2とすると、位相補償後の信号式は、次のとおりである。
Iチャネル及びQチャネルで補償する必要がある振幅をそれぞれ-Δm/2とΔm/2とすると、振幅補償後の信号式は、次のとおりでる。
位相補償及び振幅補償が行われた後の信号式は、次のとおりである。
補償行列M
compの計算式を得ることができる。
FI-iqmcの補償アルゴリズムを得ることができる。
ここで、xがFI-iqmcに入力されたIQ信号を表し、M
compが位相補償行列及び振幅補償行列を表す。
【0036】
本実施例では、前記位相インバランス係数△φが一般的に小さい(インバランス偏差が一般的に小さい)ことを考慮し、△φが小さいと、sin(△φ)≒△φ、cos(△φ)≒1であるため、補償構造リソースのオーバーヘッドを削減するために、Mcompを簡素化する。
【0037】
具体的に実施する場合、前記Δφを予め設定された値と比較することができ、Δφが予め設定された値より小さいと、sin(Δφ)をΔφに等しくさせ、cos(Δφ)を1に等しくさせ、即ちsin(Δφ/2)=Δφ/2、cos(Δφ/2)=1、それらを前記補償行列M
compに代入すると、次の式を得ることができる。
Δφが小さいため、式(Δm/2・Δφ/2)の積の値も非常に小さく、(Δm/2Δ・φ/2)
=0、簡素化された補償行列M'
compを得ることができる。
即ち、次の補償アルゴリズムによりIQインバランスを全体的に補償する。
このとき、前記周波数非依存性IQインバランス補償モジュール(FI-iqmc)では、4つの乗算器を使用し、入力された信号に対して行列乗算を行うことにより、周波数非依存性IQインバランスを補償することができる。
【0038】
FI-iqmcモジュールから出力されたIチャネル信号とQチャネル信号に対して、その中の1つの信号を選択し、2段目の位相フィルタ構造と3段目の振幅フィルタ構造に順次入力して処理し、選択されていない別の信号は、選択された信号と時間的に位置合わせるために、遅延モジュールによって遅延される。
【0039】
本実施例では、前記2段目の位相フィルタ構造は、分数遅延フィルタ(Frac-delay filter)であり、信号に対して周波数選択性位相インバランスを補償するための位相補償を行うことができる。
【0040】
DAC/ADC、ローパスフィルタ及びIQアンプなどのゼロ中間周波数構造の場合、IQインバランスの周波数選択性位相誤差は、一般的に線形に表現され、即ち、広帯域内のIQ位相誤差は、位相変化又は近似的な位相変化を示し、上記線形特性により、本実施例において位相フィルタ構造を設けるときに、分数遅延フィルタ(Frac-delay filter)により位相インバランスを補償する。前記分数遅延フィルタ(Frac-delay filter)は、Iチャネル信号又はQチャネル信号のうちの1つの信号のみに対して補償処理を行うシングルチャネルフィルタを採用する。
【0041】
具体的には、分数遅延フィルタ(Frac-delay filter)モジュールにより、FI-iqmcから出力されたIチャネル又はQチャネル信号に対して位相補償を行うステップは、次のとおりである。
【0042】
S211、複数の周波数ポイントでのシングルトーンテストにより、広帯域内のサンプリング周波数ポイントでの位相誤差を取得する。
【0043】
S212、取得された位相誤差に対して線形フィッティングを行う。
【0044】
S213、線形フィッティングが行われた位相誤差に対して、次の式で広帯域内の位相誤差群遅延(Group delay)を計算し、計算式が次のとおりである。
ここで、Δφ(radian)がΔω(radian)周波数帯域における位相誤差の変化であり、radianが弧度を表す。
【0045】
S214、計算された群遅延(Group delay)値に基づいて補償が必要な分数遅延サンプルポイント値を計算し、補償が必要な分数遅延サンプルポイント値に基づいて、ラグランジュ補間法により分数遅延フィルタの分数遅延値を設計する。
【0046】
S215、設計された分数遅延フィルタに基づいて、選択されたIチャネル信号又はQチャネル信号に対して位相補償を行い、位相補償後のIチャネル信号又はQチャネル信号を得る。
【0047】
前記分数遅延フィルタ(Frac-delay filter)モジュールがFI-iqmcによって出力されたIチャネル信号又はQチャネル信号に対して位相補償を行う場合、2つの信号を時間的に位置合わせするために、選択されていない別の信号を第1遅延モジュールDIに入力して遅延処理を行う。
【0048】
図5及び
図6を参照すると、分数遅延フィルタ(Frac-delay filter)モジュールによりQチャネル信号を処理することが示され、即ち、Qチャネル信号が選択されると、2つの信号(Iチャネル信号及びQチャネル信号)を時間的に位置合わせするために、Iチャネル信号を第1遅延モジュールD1に入力して遅延処理を行う。
【0049】
次に、分数遅延フィルタ(Frac-delay filter)モジュールから出力された信号は、3段目の振幅フィルタ構造に入力されて処理される。
【0050】
本実施例では、前記3段目の振幅フィルタ構造は、実数対称振幅フィルタ(Amp-FIR filter)であり、信号に対して周波数選択性振幅インバランスを補償するための振幅補償を行うことができる。
【0051】
DAC/ADC、ローパスフィルタ及びIQアンプなどのゼロ中間周波数構造の場合、IQインバランスの周波数選択性振幅誤差は、一般的に偶数関数分布として表現され、即ち、正と負の周波数の両側対称特性として表現され、前記対称特性により、本実施例において振幅フィルタ構造を設けるときに、実数対称振幅フィルタ(Amp-FIR filter)を使用して振幅インバランスを補償する。補償のために複素フィルタを直接使用する従来の方法と比較して、本実施例は、性能精度が要件を満たすことを保証しながら、リソースオーバーヘッドとチップ面積を大幅に削減することができる。
【0052】
具体的には、実数対称振幅フィルタ(Amp-FIR filter)により、分数遅延フィルタ(Frac-FIR filter)から出力された信号に対して振幅補償を行うステップは、次のとおりである。
【0053】
S311、複数の周波数ポイントでのシングルトーンテストにより、広帯域内のサンプリング周波数ポイントでの振幅誤差を取得する。
【0054】
S312、正の周波数と負の周波数が対称的な周波数ポイントでの振幅誤差の平均値を求める。
【0055】
S313、次数Nの実数フィルタを設計し、そのフィルタの周波数ポイントでの振幅誤差パラメータは、テスト周波数ポイントの区分的線形補間によって取得され、前記Nが一般的に2の整数倍である。
【0056】
S314、前記フィルタの周波数ポイントでの振幅誤差パラメータに基づいて、逆高速フーリエ変換(IFFT)により前記実数フィルタのフィルタ係数(IFFT)を計算し、前記フィルタ係数が実数で対称である。
【0057】
S315、前記フィルタ係数によって前記信号をフィルタリングし、振幅が補償された信号を得る。
【0058】
引き続き
図5と
図6を参照すると、前記振幅フィルタ(Amp-FIR filter)が分数遅延フィルタ(Frac-delay filter)から出力された、位相補償後のQチャネル信号に対して振幅補償を行う場合、2つの信号を時間的に位置合わせるために、第1遅延モジュールD1から出力されたIチャネル信号を第2遅延モジュールD2に入力して遅延処理を行う。
【0059】
本発明によって提供される上記技術的解決手段は、広帯域におけるシングルトーン信号テスト方法に基づいてIQインバランスパラメータを推定し、時間領域補償方法を使用し、特定のトレーニングシーケンスが不要であり、広帯域信号を使用した大規模な計算統計も不要であり、かつ時間領域補償が周波数領域補償よりも安定し、同時に、DAC/ADC、ローパスフィルタ、IQアンプなどのゼロ中間周波数構造の特性規律により、カスケード接続された実数フィルタ補償方法を設計し、複素フィルタを採用する従来の方法よりもリソースオーバーヘッドとチップ面積が削減され、同時に性能の精度が保証される。
【0060】
本発明の別の実施例では、前記方法に基づく広帯域送受信チャネルのためのIQインバランス3段階補償システムをさらに提供する。
【0061】
前記システムは、周波数依存性IQインバランス補償装置(FD-IQMC)を備え、前記FD-IQMCは、送信チャネルに設けられており、デジタル-アナログコンバータDACに入力されるIQ信号に対して前補償処理を行うために使用され、又は、前記FD-IQMCは、受信チャネルに設けられており、アナログ-デジタルコンバータADCから出力されたIQ信号に対して後補償処理を行うために使用される。
【0062】
前記周波数依存性IQインバランス補償装置(FD-IQMC)は、入力されたIQ信号に対して、前記送信チャネル又は前記受信チャネルのIQインバランスパラメータに基づいて、周波数非依存性IQインバランス補償モジュール(FI-iqmc)により、入力されたIチャネル信号とQチャネル信号に対して、1つの周波数ポイントでの振幅誤差及び位相誤差を選択して単一点補償を行い、それによってIQインバランスに対して周波数に依存しない全体的な補償を行い、前記IQインバランスパラメータが位相誤差と振幅誤差情報を含み、FI-iqmcから出力されたIチャネル信号とQチャネル信号に対して、その中の1つの信号を選択して分数遅延フィルタ(Frac-delay filter)に入力し、周波数選択性位相インバランスを補償するための位相補償を行い、分数遅延フィルタ(Frac-delay filter)から出力された信号を実数対称振幅フィルタ(Amp-FIR filter)に入力し、周波数選択性振幅インバランスを補償するための振幅補償を行うように構成され、選択されていない別の信号は、選択された信号と時間的に位置合わせするために、遅延モジュールによって処理される。
【0063】
上記実施例によって提供される3段補償システムにより、広帯域のIQインバランスを補償することができ、受信チャネルで事前補償方式を採用し、受信チャネルで後補償方式を採用する。リソースオーバーヘッドにおいて、本実施例における1段目の周波数非選択性補償は、一次構造と同等であり、4つの乗算器だけで完了でき、2段目の位相フィルタは、数段だけで分数遅延の精度要件を満たすことができ、3段目の振幅フィルタは、次数及びシングルトーンテストの精度要件及びシステムのサンプリングレートに関連し、実測により、一般的に16次から32次も要件を満たすことができる。本実施例は、構造が明確で制御されやすく、リソースの使用量が少なく、補償精度が高く、
図7から
図9に示される例の実測における補償前後の位相誤差、振幅誤差及びIRRの変化を参照すると、IRR(イメージ除去比)、EVM及びビット誤り率などが著しく向上する。
【0064】
他の技術的特徴については、上記実施例を参照するため、ここでは繰り返し説明を省略する。
【0065】
本発明の別の実施例では、2段目の位相フィルタと3段目の振幅フィルタとをを組み合わせて、分数時間遅延を有し、かつ振幅補償効果を有するシングルチャンネルフィルタFIRモジュールを設計することも可能である。前記実施例との違いは、周波数依存性IQインバランス補償装置(FDーIQMC)内の2段目の位相フィルタと3段目の振幅フィルタが1つのモジュールに組み合わせられ、それに対応して、
図5及び
図6における遅延モジュールも1つの遅延モジュールに調整されることだけであり、他の技術的特徴は変わらない。
【0066】
具体的には、WiFi広帯域送受信チャネルのためのIQインバランス補償方法が提供される。
【0067】
送信チャネルに対して、送信ベースバンド(TX Baseband)によって出力されたIQ信号を周波数依存性IQインバランス補償装置(FD-IQMC)に入力し、周波数依存性IQインバランス補償を行い、補償された出力信号I’Q’をデジタル-アナログコンバータDACに入力する。
【0068】
受信チャネルに対して、アナログ-デジタルコンバータADCによって受信されたIQ信号を周波数依存性IQインバランス補償装置(FD-IQMC)に入力し、周波数依存性IQインバランス補償を行い、補償された出力信号I’Q’を受信ベースバンド(RX Baseband)に入力する。
【0069】
前記FD-IQMCは、入力されたIQ信号に対して、前記送信チャネル又は前記受信チャネルのIQインバランスパラメータに基づいて、周波数非依存性IQインバランス補償モジュール(FI-iqmc)により、入力されたIチャネル信号とQチャネル信号に対して1つの周波数ポイントでの振幅誤差及び位相誤差を選択して単一点補償を行い、それによってIQインバランスに対して周波数に依存しない全体的な補償を行い、前記IQインバランスパラメータが位相誤差情報と振幅誤差情報を含み、FI-iqmcから出力されたIチャネル信号とQチャネル信号に対して、その中の1つの信号を選択してシングルチャネルフィルタに入力し、周波数選択性位相及び周波数選択性振幅を補償するために処理するために使用され、前記シングルチャネルフィルタは、フィルタ係数が分数遅延フィルタ係数と振幅フィルタ係数を畳み込むことで生成され、その位相-周波数応答により、分数遅延を補償でき、その振幅-周波数応答により、振幅誤差を補償でき、前記シングルチャネルフィルタのフィルタ係数が実数で非対称形態であり、選択されていない別の信号は、選択された信号と時間的に位置合わせするために、遅延モジュールによって処理される。
【0070】
このとき、周波数依存性IQインバランス補償装置(FDーIQMC)は、2段補償構造として構成されており、IQ信号が1段目のFI-iqmcモジュールによって全体的に補償された後、Iチャネル信号とQチャネル信号から1つの信号を選択して2段目のシングルチャンネルフィルタFIRモジュールに入力して補償し、当該シングルチャンネルフィルタは、周波数選択性(Frequency Selectivity)位相及び周波数選択性振幅を補償することができる。例として、例えばQチャネル信号を選択してシングルチャンネルフィルタに入力し、周波数選択性位相及び周波数選択性振幅を補償し、選択されていない別の信号、即ちIチャネル信号は、選択されたQチャネル信号と位置合わせするために、1つの遅延モジュールによって処理される。
【0071】
具体的には、シングルチャネルフィルタは、フィルタ係数が分数遅延フィルタ係数と振幅フィルタ係数を畳み込むことで生成され、位相-周波数応答により、分数遅延を補償でき、振幅-周波数応答により振幅誤差を補償できる。このシングルチャネルフィルタは、前の2つのフィルタ(即ち分数遅延フィルタと振幅フィルタ)を組み合わせる特性を含む。
【0072】
一例として、例えば分数時間遅延フィルタ係数をH1とし、振幅フィルタ係数をH2とすると(一般的なフィルタのフィルタ係数が実数である)、シングルチャネルフィルタのフィルタ係数H=conv(H1,H2)であり、関数conv(H1,H2)は、復帰係数H1、H2の畳み込みを表し、Hは、畳み込み後のフィルタ係数である。係数H1と係数H2に対する畳み込み演算では、ソフトウェアに基づいて計算し、計算結果をメモリRAMに設定することができる。
【0073】
上記実施例の3段補償構造と比較して、分数遅延及び振幅補償が補償処理のためにシングルチャネルフィルタに組み合わせられた後、フィルタ係数Hは、実数が対称ではい形態となり、実数が対称であるフィルタと比較して、リソースオーバーヘッドが増加し、当業者は、ニーズに応じて適応的な選択を行うことができる。なお、前記組み合わせスキームは、複素フィルタを採用する従来の方法と比較して、リソースオーバーヘッドが依然として小さい。
【0074】
前記2段目の位相フィルタと3段目の振幅フィルタの組み合わせスキームに対応して、本発明は、WiFi広帯域送受信チャネルのためのIQインバランス補償システムをさらに提供し、この補償システムは、FI-iqmcモジュールとシングルチャネルフィルタを組み合わせた2段補償構造である。
【0075】
前記システムは、周波数依存性IQインバランス補償装置(FD-IQMC)を備え、前記FD-IQMCは、送信チャネルに設けられており、デジタル-アナログコンバータDACに入力されるIQ信号に対して前補償処理を行うために使用され、又は、前記FD-IQMCは、受信チャネルに設けられており、アナログ-デジタルコンバータADCから出力されたIQ信号に対して後補償処理を行うために使用される。
【0076】
前記周波数依存性IQインバランス補償装置(FD-IQMC)は、入力されたIQ信号に対して、前記送信チャネル又は前記受信チャネルのIQインバランスパラメータ推定値に基づいて、周波数非依存性IQインバランス補償モジュール(FI-iqmc)により、入力されたIチャネル信号とQチャネル信号に対して1つの周波数ポイントでの振幅誤差及び位相誤差を選択して単一点補償を行い、それによってIQインバランスに対して周波数に依存しない全体的な補償を行い、FI-iqmcから出力されたIチャネル信号とQチャネル信号に対して、その中の1つの信号を選択してシングルチャネルフィルタに入力し、周波数選択性位相及び周波数選択性振幅を補償するために処理するように構成され、前記シングルチャネルフィルタは、フィルタ係数が分数遅延フィルタ係数と振幅フィルタ係数を畳み込むことで生成され、その位相-周波数応答により、分数遅延を補償でき、その振幅-周波数応答により、振幅誤差を補償でき、前記シングルチャネルフィルタのフィルタ係数が実数で非対称形態であり、選択されていない別の信号は、選択された信号と時間的に位置合わせするために、遅延モジュールによって処理する。
【0077】
他の技術的特徴については、上記実施例を参照するため、ここでは繰り返し説明を省略する。
【0078】
上記の説明において、本発明の開示内容は、これらの態様に限定されることを意図したものではない。本開示の内容の対象となる保護範囲内で、各コンポーネントは、任意の数で選択的かつ操作可能に組み合わせることができる。本明細書で開示された実施例を組み合わせて記載される方法又はアルゴリズムのステップはハードウエア、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュール、又は両者の組み合わせで直接実施されてもよい。ソフトウェアモジュールは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、メモリ、読み取り専用メモリ(ROM)、電気的プログラマブルROM、電気的消去可能プログラマブルROM、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROM、又は技術分野内で知られている他の形態の任意の記憶媒体に設けられてもよい。また、「包含」、「包括」及び「有する」などの用語は、明示的に反対の意味に限定されない限り、排他的又は閉鎖的ではなく、包含的又は開放的とフォルトで解釈されるべきである。すべての技術用語、科学用語又は他の用語は、反対の意味に限定されない限り、当業者によって理解されるものと同じ意味を有する。辞書に記載されている一般的な用語は、本開示の内容が明示的に限定しない限り、関連する技術文書の文脈においてあまりにも理想的又は非現実的に解釈されるべきではない。上記の開示内容に基づいて本発明の分野の当業者によって行われるいかなる変更又は修正は、特許請求の範囲の保護範囲内に含まれる。
【国際調査報告】