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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-17
(54)【発明の名称】スマートカード
(51)【国際特許分類】
   G06K 19/07 20060101AFI20250109BHJP
   G06K 19/077 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
G06K19/07 090
G06K19/07 200
G06K19/07 230
G06K19/077 100
G06K19/077 240
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023551167
(86)(22)【出願日】2022-12-14
(85)【翻訳文提出日】2023-08-23
(86)【国際出願番号】 KR2022020394
(87)【国際公開番号】W WO2024128349
(87)【国際公開日】2024-06-20
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516102186
【氏名又は名称】コナ アイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】弁理士法人南青山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リ,スンギ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,ヒョウォン
(57)【要約】
【課題】カードリーダーとの間のRF通信の安定性が向上したデュアルアンテナを含むスマートカードを提供する。
【解決手段】カードリーダーと無線通信を行うための第1アンテナ及び第2アンテナを含む複数のアンテナ;前記第1アンテナと電気的に接続され、前記第1アンテナを介して前記カードリーダーと無線通信を行うスマートカードチップ;前記第2アンテナを介して受信される周波数信号を変換して、直流電源を生成する電源生成部;及び前記電源生成部から前記直流電源が供給され、前記スマートカードチップの制御下で作動する少なくとも一つの受動素子を含む応用回路部;を含むスマートカード。前記応用回路部の前記少なくとも一つの受動素子の一端は、前記電源生成部と電気的に接続され、前記一端の反対端である他端は、前記スマートカードチップに含まれた複数のGPIO端子のいずれか一つに電気的に接続される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カードリーダーと無線通信を行うための第1アンテナ及び第2アンテナを含む複数のアンテナ;
前記第1アンテナと電気的に接続され、前記第1アンテナを介して前記カードリーダーと無線通信を行うスマートカードチップ;
前記第2アンテナを介して受信される周波数信号を変換して、直流電源を生成する電源生成部;及び
前記電源生成部から前記直流電源が供給され、前記スマートカードチップの制御下で作動する少なくとも一つの受動素子を含む応用回路部;
を含み、
前記応用回路部の前記少なくとも一つの受動素子の一端は、前記電源生成部と電気的に接続され、前記一端の反対端である他端は、前記スマートカードチップに含まれた複数のGPIO端子のいずれか一つに電気的に接続されるスマートカード。
【請求項2】
前記電源生成部の高レベルの電源端子は、前記少なくとも一つの受動素子の一端と電気的に接続され、
前記電源生成部の低レベルの電源端子は、前記複数のGPIO端子の他方の一つに電気的に接続される請求項1に記載のスマートカード。
【請求項3】
前記スマートカードチップは、
前記複数のGPIO端子のそれぞれに電気的に接続された複数のトランジスタ;及び
前記複数のトランジスタのそれぞれのソース端子に電気的に接続された仮想グラウンド端子;
を含む請求項2に記載のスマートカード。
【請求項4】
前記仮想グラウンド端子は、前記スマートカードチップの制御に応じて前記電源生成部の低レベルの電源端子の電圧と同じ電圧を有することを特徴とする請求項3に記載のスマートカード。
【請求項5】
前記複数のトランジスタのそれぞれのドレイン端子は、前記複数のGPIO端子にそれぞれ電気的に接続され、
前記複数のトランジスタのそれぞれのゲート端子は、予め記憶されたロジックによる制御信号を生成する前記スマートカードチップ内の制御モジュールと電気的に接続される請求項3に記載のスマートカード。
【請求項6】
前記複数のトランジスタは、それぞれのゲート端子に入力される前記制御信号に応じてターンオン状態になることを特徴とする請求項5に記載のスマートカード。
【請求項7】
前記複数のトランジスタは、前記少なくとも一つの受動素子と電気的に接続される第1トランジスタ及び前記電源生成部と電気的に接続される第2トランジスタを含み、
前記少なくとも一つの受動素子は、前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタが前記ターンオン状態である場合に作動することを特徴とする請求項6に記載のスマートカード。
【請求項8】
前記少なくとも一つの受動素子は、発光素子、音響素子及び振動モジュールの少なくとも一つを含む請求項1に記載のスマートカード。
【請求項9】
前記電源生成部に電気的に接続され、前記電源生成部によって生成された前記直流電源を貯蔵する電源貯蔵部をさらに含む請求項1に記載のスマートカード。
【請求項10】
前記応用回路部は、追加の応用回路をさらに含み、
前記追加の応用回路は、前記スマートカードチップを活性化させるための活性化信号を生成することを特徴とする請求項1に記載のスマートカード。
【請求項11】
前記カードリーダーと接触して電源が供給され、前記スマートカードチップと前記カードリーダーとの間のデータ通信のための接触端子をさらに含む請求項1に記載のスマートカード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スマートカードに関し、特に、デュアルアンテナを含むスマートカードに関するものである。
【背景技術】
【0002】
スマートカードは、NFCカード、ICカードなどと呼ばれ、カードリーダー(Card reader)との通信方法に応じて接触式カードと非接触式カードを含む。非接触式カード(Contactless Card)は、カード内に内蔵されている無線アンテナを介して無線周波数(Radio Frequency)方式でカードリーダーと通信できるカードを意味する。
【0003】
非接触式カードは、カードリーダーが無線周波数信号を利用して近距離に位置するスマートカードを認識し、カードリーダーとスマートカードは、無線周波数信号を介して情報を交換することができる。このようなスマートカードは、カード内のICチップ(Integrated Circuit Chip)を駆動するための電源供給が無線アンテナの電子結合を介して行われ、カードリーダーとの通信のために電磁誘導方式を利用する。
【0004】
また、スマートカードは、スマートカードチップの他に応用機能、例えば、ディスプレイを利用した情報表示機能、発光素子を利用した視覚的通知機能、スピーカーを利用した聴覚的通知機能などを提供するための応用回路を含むことができる。但し、一つのアンテナを利用してカードリーダーとのデータ通信をして電源が供給される場合、スマートカードチップと応用回路との間の通信過程で同期エラーが発生する可能性があるだけでなく、電源が不足し、応用回路とスマートカードチップとの間の通信及びスマートカードとカードリーダーとの間のRF通信過程で誤作動が発生する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、比較的低コストでスマートカードチップによって制御される様々な応用機能を提供するとともに、カードリーダーから受信する電力量を増加させ、カードリーダーとの間のRF通信の安定性が向上したデュアルアンテナを含むスマートカードを提供することである。
本発明の技術的課題は、前述した技術的課題に制限されず、言及されていない他の技術的課題は、以下の記載から本発明が属する技術分野の通常の技術者が明確に理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施例によるスマートカードは、カードリーダーと無線通信を行うための第1アンテナ及び第2アンテナを含む複数のアンテナ;前記第1アンテナと電気的に接続され、前記第1アンテナを介して前記カードリーダーと無線通信を行うスマートカードチップ;前記第2アンテナを介して受信される周波数信号を変換して、直流電源を生成する電源生成部;及び前記電源生成部から前記直流電源が供給され、前記スマートカードチップの制御下で作動する少なくとも一つの受動素子を含む応用回路部;を含み、前記応用回路部の前記少なくとも一つの受動素子の一端は、前記電源生成部と電気的に接続され、前記一端の反対端である他端は、前記スマートカードチップに含まれた複数のGPIO端子のいずれか一つに電気的に接続される。
【0007】
前記電源生成部の高レベルの電源端子は、前記少なくとも一つの受動素子の一端と電気的に接続され、前記電源生成部の低レベルの電源端子は、前記複数のGPIO端子の他方の一つに電気的に接続される。
【0008】
前記スマートカードチップは、前記複数のGPIO端子のそれぞれに電気的に接続された複数のトランジスタ;及び前記複数のトランジスタのそれぞれのソース端子に電気的に接続された仮想グラウンド端子;を含む。
【0009】
前記仮想グラウンド端子は、前記スマートカードチップの制御に応じて前記電源生成部の低レベルの電源端子の電圧と同じ電圧を有する。
【0010】
前記複数のトランジスタのそれぞれのドレイン端子は、前記複数のGPIO端子にそれぞれ電気的に接続され、前記複数のトランジスタのそれぞれのゲート端子は、予め記憶されたロジックによる制御信号を生成する前記スマートカードチップ内の制御モジュールと電気的に接続される。
【0011】
前記複数のトランジスタは、それぞれのゲート端子に入力される前記制御信号に応じてターンオン状態になっていてもよい。
【0012】
前記複数のトランジスタは、前記少なくとも一つの受動素子と電気的に接続される第1トランジスタ及び前記電源生成部と電気的に接続される第2トランジスタを含み、前記少なくとも一つの受動素子は、前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタが前記ターンオン状態である場合に作動する。
【0013】
前記少なくとも一つの受動素子は、発光素子、音響素子及び振動モジュールの少なくとも一つを含む。
【0014】
前記電源生成部に電気的に接続され、前記電源生成部によって生成された前記直流電源を貯蔵する電源貯蔵部をさらに含む。
【0015】
前記応用回路部は、追加の応用回路をさらに含み、前記追加の応用回路は、前記スマートカードチップを活性化させるための活性化信号を生成する。
【0016】
前記カードリーダーと接触して電源が供給され、前記スマートカードチップと前記カードリーダーとの間のデータ通信のための接触端子をさらに含む。
その他の実施例の具体的な事項は、詳細な説明及び図面に含まれている。
【発明の効果】
【0017】
実施例によるスマートカードによれば、比較的低コストでスマートカードチップによって制御される様々な応用機能を提供するとともに、カードリーダーから受信する電力量を増加させ、カードリーダーとの間のRF通信の安定性を向上させることができる。
本発明の実施例による効果は、前記で例示した内容によって制限されず、さらに様々な効果が本明細書内に含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施例によるスマートカードの概略的な回路図である。
図2】本発明の一実施例による応用回路部の回路構造を概略的に示す回路図である。
図3】本発明の一実施例によるスマートカードチップのGPIO端子の回路構造を概略的に示す回路図である。
図4】本発明の一実施例によるスマートカードチップのGPIO端子の回路構造を概略的に示す回路図である。
図5】本発明の別の実施例による応用回路部の回路構造を概略的に示す回路図である。
図6】本発明の別の実施例によるスマートカードの概略的な回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の利点及び特徴、並びにそれらを達成する方法は、添付の図面と共に詳細に後述されている実施例を参照することによって明確になるであろう。しかし、本発明は、以下に開示される実施例に限定されるものではなく、様々な形態で具現できるものであり、ただ、本実施例は、本発明の開示を完全にするものであり、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は、特許請求の範囲によって定義される。
【0020】
明細書全体にわたって、同じ参照番号は同じ構成要素を指す。実施例を説明するための図面に開示された形状、サイズ、比率、角度、個数などは例示的なものであり、本発明が示された事項に限定されない。
【0021】
第1、第2などが様々な構成要素を叙述するために使用されるが、これらの構成要素はこれら用語によって制限されないことは言うまでもない。これらの用語は、一つの構成要素のみを他の構成要素と区別するために使用されるものである。従って、以下で言及される第1構成要素は、本発明の技術的思想内で第2構成要素であり得ることは言うまでもない。
【0022】
以下、添付の図面を参照して具体的な実施例について説明する。
【0023】
図1は、本発明の一実施例によるスマートカードの概略的な回路図である。
一実施例によるスマートカード10は、複数のアンテナ110、120、スマートカードチップ200、電源生成部300、電源貯蔵部400及び応用回路部500を含む。本明細書では、複数のアンテナ110、120が、2つのアンテナ110、120を含むことを例示するが、これに制限されない。例えば、複数のアンテナ110、120は、3つ以上のアンテナであってもよく、本発明の技術的思想に従って前記3つ以上のアンテナにそれぞれ接続された回路を同期させる(即ち、グラウンド電圧を等しく設定及び制御)ための方法は実質的に同じように適用することができる。
【0024】
複数のアンテナ110、120は、外部のカードリーダー(未図示)と無線通信を行うことができる。例えば、複数のアンテナ110、120は、通信モジュール(未図示)を介して近距離無線通信(Near Field Communication;NFC)、無線周波数識別(Radio-Frequency Identification;RFID)方法などのような無線通信方法を使用して、外部のカードリーダーとデータ通信を行うことができる。複数のアンテナ110、120は、第1アンテナ(又は、通信用アンテナ)110及び第2アンテナ(又は、電源用アンテナ)120を含むことができる。
【0025】
第1アンテナ110は、スマートカードチップ200と電気的に接続され、スマートカードチップ200と外部のカードリーダーとの間の無線通信するための手段であってもよい。すなわち、スマートカードチップ200及びカードリーダーは、第1アンテナ110を介してデータ通信を行うことができる。
【0026】
第2アンテナ120は、カードリーダーから無線で電源が供給される手段であってもよい。例えば、第2アンテナ120は、カードリーダーが伝送した交流信号を電源生成部300に伝達することができる。第2アンテナ120は、データ伝送のための無線通信には利用されず、電源受信のためにのみ構成することができる。
【0027】
このように、本発明の一実施例による複数のアンテナ110、120は、互いに物理的に分離された構造を有する状態でスマートカードチップ200に接続されることにより、スマートカード10とカードリーダーとの間の無線通信の安定性が向上し、カードリーダーから受信される電力量を増加させる効果がある。
【0028】
スマートカードチップ200は、第1アンテナ110から受信される無線周波数信号を介して活性化される。スマートカードチップ200は、第1アンテナ110から受信される無線周波数信号を直流電源に整流する整流器(Rectifier)、独自の演算機能を備えたマイクロ・プロセッサ(Micro Processor Unit;MPU)、チップ運用システム(Chip Operation System;COS)が保存される不揮発性メモリであるロム(Read Only Memory;ROM)、アプリケーションプログラムとそのデータが格納される不揮発性メモリであるEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、様々な変数を含むデータを一時的に記憶するための揮発性メモリであるラム(Random Access Memory;RAM)及びスマートカードチップ200外部とのデータ交換のための入出力インターフェースを含むことができる。
【0029】
また、スマートカードチップ200は、セキュアエレメント(Secure Element;SE)を含み、セキュアエレメントは、UICC(Universal Integrated Circuit Card)、embedded SE(eSE)及びMirco SDを含むことができる。前記セキュアエレメントは、独自の暗号化システムを備えているので、前記セキュアエレメントには、かなりのセキュリティが必要な情報が記録される。
【0030】
スマートカードチップ200は、第1アンテナ110を介して外部のカードリーダーとデータを授受することができ、また、予め記憶されたロジックに従って応用回路部500の作動を制御することができる。
【0031】
例えば、一実施例によるスマートカードチップ200は、仮想グラウンド端子210を含み、複数のGPIO端子を介して応用回路部500と電気的に接続され、応用回路部500の作動を制御することができる。スマートカードチップ200の応用回路部500作動制御方法は、図2及び図3を参照して後記する。
【0032】
いくつかの実施例において、スマートカードチップ200は、応用回路部500により、外部のカードリーダーとのデータ通信に対する活性化を制御することができる。
【0033】
スマートカードチップ200は、第1アンテナ110を介して受信した無線周波数信号を電源として使用することができるが、電源生成部300と電気的に接続され、電源が供給されて作動することができる。
【0034】
電源生成部300は第、2アンテナ120と応用回路部500との間に配置され、第2アンテナ120を介して受信される無線周波数信号を変換して直流電源を生成し、スマートカード10の内部構成に電源を供給することができる。第2アンテナ120を介して受信される無線周波数信号は交流信号であるため、スマートカード10の内部構成を作動させるための直流電源への変換が必要である。
【0035】
従って、電源生成部300は、第2アンテナ120が受信する無線周波数信号を直流電源に変換することができる。例えば、電源生成部300は、全波整流(Full-Wave Rectifier)方式でブリッジ結合される4つのダイオードを使用した整流回路で構成されてもよいが、これに限定されない。
【0036】
電源貯蔵部400は、電源生成部300により生成された直流電源を貯蔵することができる。例えば、電源貯蔵部400は、一定容量を有するバッテリであってもよい。また、具体的に図示していないが、電源貯蔵部400は、電源生成部300の出力電圧、応用回路部500とスマートカードチップ200の作動電圧レベルがフィードバックされ、電源貯蔵部400に貯蔵された電源を供給するための時点を制御する電源供給制御手段をさらに備えることができる。
【0037】
応用回路部500は、電源生成部300により生成された直流電源により作動し、スマートカード10に付加される様々な応用モジュールを含むことができる。例えば、応用回路部500は、LED(Light Emitting Diode)、OLED(Organic Light Emitting Diode)などの発光素子、スピーカーなどの音響素子及び振動モジュールなどの受動素子を含むことができる。以下では、応用回路部500が複数の発光素子を含むことを中心に説明するが、これに限定されるものではなく、応用回路部500は、複数の種類の受動素子のいずれか又はそれらの組み合わせで構成されてもよい。
【0038】
応用回路部500は、電源生成部300及びスマートカードチップ200と電気的に接続される。例えば、応用回路部500の高レベルの電源端子P1は、電源生成部300の高レベルの電源端子P1に接続され、応用回路部500及び電源生成部300のそれぞれの低レベルの電源端子P2は、スマートカードチップ200の複数のGPIO(General Purpose Input Output)端子のいずれかにそれぞれ電気的に接続される。これにより、スマートカードチップ200は、前記複数のGPIO端子を介して応用回路部500に含まれた受動素子を制御することができる。
【0039】
以下、図2及び図3を参照して、スマートカードチップ200による応用回路部500制御方法について説明する。
【0040】
図2は、本発明の一実施例による応用回路部の回路構造を概略的に示す回路図である。図3及び図4は、本発明の一実施例によるスマートカードチップのGPIO端子の回路構造を概略的に示す回路図である。
【0041】
図2図4を参照すると、一実施例による応用回路部500は、複数の発光素子を含むことができる。複数の発光素子は、第1~第3LED素子LED1、LED2、LED3を含むことができる。第1~第3LED素子LED1、LED2、LED3のそれぞれの高レベルの電源端子P11、P12、P13は、電源生成部300の高レベルの電源端子P1と電気的に接続され、低レベルの電源端子P21、P22、P23のそれぞれは、スマートカードチップ200の複数のGPIO端子GPIO1、GPIO2、GPIO3、GPIO4のいずれかに電気的に接続されてもよい。また、電源生成部300の低レベルの電源端子P2又はP24は、スマートカードチップ200の複数のGPIO端子GPIO1、GPIO2、GPIO3、GPIO4のいずれかに電気的に接続されてもよい。
【0042】
例えば、スマートカードチップ200は、4つのGPIO端子GPIO1、GPIO2、GPIO3、GPIO4を含み、第1LED素子LED1の低レベルの電源端子P21は、第1GPIO端子GPIO1に接続され、第2LED素子LED2の低レベルの電源端子P22は、第2GPIO端子GPIO2に接続され、第3LED素子LED3の低レベルの電源端子P23は、第3GPIO端子GPIO3に接続され、電源生成部300の低レベルの電源端子P24は、第4GPIO端子GPIO4に接続される。
【0043】
応用回路部500に含まれる受動素子の数及びスマートカードチップ200に含まれるGPIO端子の数は、前述した実施例に限定されず、3つ以下又は5つ以上など多様に変形することができる。
【0044】
スマートカードチップ200の複数のGPIO端子GPIO1、GPIO2、GPIO3、GPIO4は、それぞれトランジスタのドレイン端子と接続されてもよい。すなわち、スマートカードチップ200は、複数のGPIO端子に対応する複数のトランジスタを含み、応用回路部500と電気的に接続されていない場合、ドレイン端子がオープンされたオープンドレイントランジスタ(Open-Drain Transistor)であってもよい。前記複数のトランジスタは、応用回路部500の複数の受動素子(例えば、第1~第3LED素子LED1、LED2、LED3)と電気的に接続される複数の第1トランジスタT1及び電源生成部300と電気的に接続される第2トランジスタT2を含むことができる。
【0045】
以下では、図3及び図4を参照して、スマートカードチップ200が第1GPIO端子GPIO1を介して第1LED素子LED1の作動を制御することを説明するが、スマートカードチップ200が複数のGPIO端子を介して応用回路部500に含まれる複数の受動素子を制御する方法は実質的に同じであってもよい。
【0046】
第1~第3LED素子LED1、LED2、LED3とそれぞれ接続された第1~第3GPIO端子GPIO1、GPIO2、GPIO3は、スマートカードチップ200の内に内蔵された複数の第1トランジスタT1の第1ドレイン端子D1にそれぞれ電気的に接続される。複数の第1トランジスタT1のそれぞれの第1ソース端子S1は、仮想グラウンド端子210に電気的に接続され、第1ゲート端子G1は、予め記憶されたロジックに従って信号を生成するスマートカードチップ200内の制御モジュール(例えば、MPU)と電気的に接続することができる。
【0047】
また、電源生成部300と接続された第4GPIO端子GPIO4は、スマートカードチップ200内に内蔵された第2トランジスタT2の第2ドレイン端子D2に電気的に接続され、第2ソース端子S1は、仮想グラウンド端子210に電気的に接続され、第1ゲート端子G1は、予め記憶されたロジックに従って信号を生成するスマートカードチップ200内の制御モジュールと電気的に接続することができる。
【0048】
ここで、仮想グラウンド端子210は、スマートカードチップ200の接地端子であってもよい。但し、これに限定されるものではなく、仮想グラウンド端子210は、応用回路部500の作動を制御するために共通接地として利用されるための別々の端子であってもよく、スマートカードチップ200の制御下でスマートカードチップ200の接地端子と電気的に接続及び分離することができる。すなわち、仮想グラウンド端子210は、スマートカードチップ200と応用回路部500との共通接地のための端子であり、外部のカードリーダーから印加された無線周波数信号に対する仮想の共通接地として機能することができる。
【0049】
スマートカード10が外部のカードリーダーに隣接して無線周波数通信を行う場合、応用回路部500は、第2アンテナ120から電源生成部300を介して直流電源を受信することができる。この場合、第1LED素子LED1の高レベルの電源端子P11は、前記直流電源の高レベル電源電圧Vを有することができる。第1LED素子LED1の低レベルの電源端子P21は、第1GPIO端子GPIOに接続されており、第1トランジスタT1の第1ゲート端子G1に信号が印加されていない場合、オープン状態であるため電流が流れない。
【0050】
一方、スマートカードチップ200は、電源生成部300から受信した電源又は第1アンテナ110を介して外部のカードリーダーから受信した信号に応じて活性化され、予め設定されたロジックに従って第1トランジスタT1の第1ゲート端子G1に制御信号(又は、ターンオン信号)を印加することができる。これにより、第1トランジスタT1は、ターンオン状態となり、第1ドレイン端子D1から第1ソース端子S1に電流が流れ、第1LED素子LED1の低レベルの電源端子P21の電圧は、仮想グラウンド端子210の電圧と同じになる。
【0051】
但し、この場合においても、仮想グラウンド端子210の電圧は、電圧生成部300の低レベルの電源端子P2と異なるため、第1LED素子LED1を点灯するためには、第1LED素子LED1の低レベルの電源端子P21の電圧を前記直流電源の低レベル電源電圧Vと同期させる必要がある。
【0052】
このために、スマートカードチップ200は、電源生成部300の低レベルの電源端子P2と接続された第2トランジスタT2をターンオン状態となるように第2ゲート端子G2に信号を印加することができ、電源生成部300の低レベルの電源端子P2と仮想グラウンド端子210の電圧は、前記直流電源の低レベル電源電圧Vに同期させることができる。
【0053】
これにより、第1トランジスタT1の第1ソース端子S1の電圧も前記直流電源の低レベル電源電圧Vと同じになるため、第1LED素子LED1は点灯状態になる。
【0054】
このように、スマートカードチップ200は、複数のGPIO端子GPIO1、GPIO2、GPIO3、GPIO4と接続された複数のトランジスタT1、T2のゲート端子G1、G2に制御信号を伝送することにより、複数の受動素子LED1、LED2、LED3をそれぞれ制御することができる。また、スマートカードチップ200と応用回路部500との間の共通接地を形成することにより、スマートカード10の電源及び信号線の電圧レベルが統一され、応用回路部500とスマートカードチップ200の作動電源が安定化する効果がある。
【0055】
スマートカードチップ200は、複数のGPIO端子GPIO1、GPIO2、GPIO3、GPIO4を介して応用回路部500の受動素子を様々な方式で駆動することができる。例えば、スマートカード10が外部のカードリーダーに接触(又は接近)する場合、複数のLED素子LED1、LED2、LED3を点滅するように制御するか、スマートカード10を使用して決済が進行中の場合、複数のLED素子LED1、LED2、LED3を順次に点滅するように制御するなど、ユーザがスマートカード10の作動を視覚的に認識させることができる。
【0056】
また、応用回路部500が、スピーカー素子(未図示)を含む場合、スマートカードチップ200は、ユーザがスマートカード10の作動を聴覚的に認識させることができ、応用回路部500が振動モジュール(未図示)を含む場合、ユーザがスマートカード10の作動を触覚的に認識するように制御することができる。これにより、一実施例によるスマートカード10による場合、視覚的又は聴覚的に制約のあるユーザのカード使用を円滑にするのに有利である。
【0057】
図5は、本発明の別の実施例による応用回路部の回路構造を概略的に示す回路図である。
図5の実施例は、応用回路部500が追加応用回路510をさらに含むことで、図2の実施例と異なる。
【0058】
追加応用回路510は、プリント回路又はチップ形態のMCU(Micro Controller Unit)を含むことができる。追加応用回路510は、スマートカード10に付加される様々な応用モジュールを作動させるように制御することができる。例えば、スマートカード10が、残額表示機能、カード作動(例えば、決済中、決済完了など)の表示機能などの機能を表示するディスプレイを追加構成する場合、追加応用回路510は、スマートカードチップ200とのデータ交換を通じて前記ディスプレイを作動させるための機能を制御するように実現することができる。
【0059】
具体的に図示していないが、追加応用回路510は、スマートカードチップ200が応用回路部500の受動素子を制御するための複数のGPIO端子GPIO1、GPIO2、GPIO3、GPIO4以外のスマートカードチップ200の他の端子に電気的に接続することができる。
【0060】
追加応用回路510は、スマートカードチップ200を活性化及び非活性化することができる。ここで、前記活性化及び非活性化は、スマートカードチップ200と外部のカードリーダーとの間の無線通信に対する活性化及び非活性化を意味する。
【0061】
例えば、無線充電(Wireless Power Charging;WPC)は、データ通信を行う場合と異なり、高い領域の周波数を使用するため、スマートカードチップ200が破損するおそれがあるため、追加応用回路510は、無線充電機器を介したスマートカードの無線充電が行われる場合、スマートカードチップ200を非活性化させるために非活性化信号を生成して、スマートカードチップ200を非活性化することができる。
【0062】
また、追加応用回路510は、電源生成部300から供給された直流電源によって正常作動する場合、スマートカードチップ200を活性化させるための活性化信号を生成及び出力し、スマートカードチップ200は、前記活性化信号が受信されると、電源生成部300から直流電源が供給されて作動が活性化されるように構成することができる。
【0063】
このような構成によると、追加応用回路510がスマートカードチップ200を活性化又は非活性化することができるため、応用回路部500とスマートカードチップ200と間の通信過程でのエラーを防止し、これらを効果的に同期させることができる。
【0064】
図6は、本発明の別の実施例によるスマートカードの概略的な回路図である。
図6の実施例は、スマートカード12が接触端子600をさらに含むことで図1の実施例と異なる。接触端子600は、外部のカードリーダーと接触して電源が供給されるとともに、スマートカードチップ200と前記外部のカードリーダーと間のデータ通信のための構成であってもよい。
【0065】
接触端子600は、外部のカードリーダーから電源が供給され、応用回路部500及びスマートカードチップ200に電源を供給することができ、また、電源貯蔵部400にも電源を供給することができる。
【0066】
この場合も、応用回路部500に含まれた少なくとも一つの受動素子は、図3及び図4を参照して説明したのと実質的に同様に、スマートカードチップ200のGPIO端子と接続され制御されてもよく、応用回路部500とスマートカードチップ200の共通接地も仮想グラウンド端子210によって実現することができる。
【0067】
本発明のいくつかの実施例のそれぞれの特徴は、部分的に又は全体的に互いに結合又は組み合わせ可能であり、技術的に様々な連動及び駆動が可能であり、各実施例がお互いに対し独立して実施可能であってもよく、関連して一緒に実施してもよい。
【0068】
以上、添付図面を参照して本発明の実施例を説明したが、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者は、本発明のその技術的思想や必須の特徴を変更することなく他の具体的な形態で実施することが理解されよう。これらの実施例は、発明を限定するのではなく例示的なものに過ぎず、限定的な観点ではなく説明的な観点から考慮されるべきである。ただし、本明細書に特定の用語が使用されているが、これは単に本発明概念を説明するための目的で使用されたことを意味し、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲を限定するために使用されたものではない。したがって、以上で説明した実施例は、すべての点で例示的なものであり、限定的なものではないことに理解すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】