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特表2025-501039油圧サスペンションシステム及びそれを有する車両
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-17
(54)【発明の名称】油圧サスペンションシステム及びそれを有する車両
(51)【国際特許分類】
   B60G 17/015 20060101AFI20250109BHJP
【FI】
B60G17/015 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515857
(86)(22)【出願日】2022-12-30
(85)【翻訳文提出日】2024-06-28
(86)【国際出願番号】 CN2022144183
(87)【国際公開番号】W WO2023125984
(87)【国際公開日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】202111652021.8
(32)【優先日】2021-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BYD Company Limited
【住所又は居所原語表記】No. 3009, BYD Road, Pingshan, Shenzhen, Guangdong 518118, P. R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100198650
【弁理士】
【氏名又は名称】小出 宗一郎
(72)【発明者】
【氏名】黄▲飛▼
(72)【発明者】
【氏名】▲許▼豪▲倫▼
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼智▲いえ▼
(72)【発明者】
【氏名】王▲鋒▼
【テーマコード(参考)】
3D301
【Fターム(参考)】
3D301AA02
3D301AA48
3D301CA01
3D301DA08
3D301DA33
3D301DA68
3D301DA82
3D301DB35
3D301DB40
3D301DB41
3D301EA04
3D301EB16
3D301EB34
3D301EC01
3D301EC06
(57)【要約】
油圧サスペンションシステム(1000)は、複数の車輪と1対1に対応して設けられた複数の高さ調整装置と、中央制御装置(24)とを含み、中央制御装置(24)は、ハウジング(240)と、移動部材(241)とを含み、移動部材(241)は、ハウジング(240)内に移動可能に設けられ、かつ移動方向にハウジング(240)を第1の領域及び第2の領域に分け、第1の領域は、互いに隔絶され、かつ高さ調整装置にそれぞれ対応して連通した第1のチャンバ(243)及び第2のチャンバ(244)を含み、第2の領域は、互いに隔絶され、かつそれぞれ高さ調整装置に対応して連通した第3のチャンバ(245)及び第4のチャンバ(246)を含み、第1のチャンバ243及び第2のチャンバ244に対応する車輪は、対角線に位置し、第3のチャンバ245及び第4のチャンバ246に対応する車輪も対角線に位置する。該システムは、車両の操縦安定性の向上により役立つ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の高さ調整装置と、中央制御装置とを含み、 複数の前記高さ調整装置は、車両の複数の車輪と1対1に対応して設けられ、
前記中央制御装置は、ハウジングと移動部材とを含み、前記移動部材は、前記ハウジング内に移動可能に設けられ、かつ前記ハウジングを前記移動部材の移動方向に第1の領域及び第2の領域に分け、前記第1の領域は、互いに隔絶された第1のチャンバ及び第2のチャンバを含み、前記第2の領域は、互いに隔絶された第3のチャンバ及び第4のチャンバを含み、
前記第1のチャンバ、第2のチャンバ、第3のチャンバ及び第4のチャンバは、複数の前記高さ調整装置と1対1に対応して連通し、前記第1のチャンバ及び前記第2のチャンバに連通した前記高さ調整装置に対応する車輪は、対角線に位置し、第3のチャンバ及び前記第4のチャンバに連通した前記高さ調整装置に対応する車輪も、対角線に位置する、油圧サスペンションシステム。
【請求項2】
前記第1の領域における前記第1のチャンバ及び前記第2のチャンバの体積変化と、前記第2の領域における前記第3のチャンバ及び前記第4のチャンバの体積変化とは、逆である、請求項1に記載の油圧サスペンションシステム。
【請求項3】
前記第1のチャンバ、前記第2のチャンバ、前記第3のチャンバ及び前記第4のチャンバは、前記移動部材の移動方向に沿って順に設けられる、請求項1又は2に記載の油圧サスペンションシステム。
【請求項4】
初期状態で、前記第1のチャンバと前記第4のチャンバの体積は、同じであり、前記第2のチャンバと前記第3のチャンバの体積は、同じである、請求項1~3のいずれか一項に記載の油圧サスペンションシステム。
【請求項5】
前軸高さ調整装置及び後軸高さ調整装置のうちの一方は、前記第1のチャンバ及び前記第3のチャンバに連通し、前記前軸高さ調整装置及び前記後軸高さ調整装置のうちの他方は、前記第2のチャンバ及び前記第4のチャンバに連通する、請求項1~4のいずれか一項に記載の油圧サスペンションシステム。
【請求項6】
前軸高さ調整装置及び後軸高さ調整装置のうちの一方は、前記第1のチャンバ及び前記第4のチャンバに連通し、前記前軸高さ調整装置及び前記後軸高さ調整装置のうちの他方は、前記第2のチャンバ及び前記第3のチャンバに連通する、請求項1~5のいずれか一項に記載の油圧サスペンションシステム。
【請求項7】
前記中央制御装置には、第1の接続ポートが設けられ、前記高さ調整装置は、リザーバと、ダンパとを含み、前記ダンパは、車輪に対応して設けられ、前記リザーバは、前記ダンパにオイルを供給し、前記第1の接続ポートは、前記ダンパに連通し、
前記第1の接続ポートは、複数設けられ、かつ第1のポート、第2のポート、第3のポート及び第4のポートを含み、前記第1のポート、第2のポート、第3のポート及び第4のポートは、それぞれ前記第1のチャンバ、第2のチャンバ、第3のチャンバ及び第4のチャンバに連通する、請求項1~6のいずれか一項に記載の油圧サスペンションシステム。
【請求項8】
前記中央制御装置は、第2の接続ポートをさらに含み、前記第2の接続ポートは、前記リザーバに連通するように構成され、
前記第2の接続ポートは、複数設けられ、かつ第5のポート、第6のポート、第7のポート及び第8のポートを含み、前記第5のポート、第6のポート、第7のポート及び第8のポートは、それぞれ第1のチャンバ、第2のチャンバ、第3のチャンバ及び第4のチャンバに連通する、請求項7に記載の油圧サスペンションシステム。
【請求項9】
前記第1の接続ポートの軸線は、前記第2の接続ポートの軸線に対して垂直に設けられる、請求項8に記載の油圧サスペンションシステム。
【請求項10】
第1の制御弁、第2の制御弁、第3の制御弁及び第4の制御弁をさらに含み、前記第1の制御弁は、前記第5のポートと前記リザーバとの間に設けられ、前記第2の制御弁は、第6のポートと前記リザーバとの間に設けられ、前記第3の制御弁は、前記第7のポートと前記リザーバとの間に設けられ、前記第4の制御弁は、前記第8のポートと前記リザーバとの間に設けられる、請求項8又は9に記載の油圧サスペンションシステム。
【請求項11】
前記制御弁は、前記第1の制御弁、前記第2の制御弁、前記第3の制御弁及び前記第4の制御弁を含み、前記制御弁は、前記第2の接続ポート及びダンパのうちの一方と、前記リザーバとを選択的に連通する、請求項10に記載の油圧サスペンションシステム。
【請求項12】
前記第1の制御弁と前記第4の制御弁との間には、第1の接続通路が設けられ、前記第1の接続通路には、第5の制御弁が設けられ、前記第2の制御弁と前記第3の制御弁との間には、第2の接続通路が設けられ、前記第2の接続通路には、第6の制御弁が設けられる、請求項10又は11に記載の油圧サスペンションシステム。
【請求項13】
前記移動部材は、第1の部分、第2の部分及び第3の部分を含み、前記第1の部分は、前記ハウジングの側壁に沿って軸方向に移動して前記ハウジングを前記第1の領域及び前記第2の領域に仕切り、前記第2の部分は、前記第1の部分の一方側に接続され、かつ前記ハウジングの側壁に沿って移動して前記第1の領域を前記第1のチャンバ及び前記第2のチャンバに仕切り、前記第3の部分は、前記第1の部分の他方側に接続され、かつ前記ハウジングの側壁に沿って移動して前記第2の領域を前記第3のチャンバ及び前記第4のチャンバに仕切る、請求項1~12のいずれか一項に記載の油圧サスペンションシステム。
【請求項14】
前記ハウジングは、前記移動部材の移動方向に沿って順に設けられた第1の筒体、第2の筒体及び第3の筒体を有し、前記第2の筒体の内径は、前記第1の筒体の内径よりも大きく、かつ前記第3の筒体の内径よりも大きく、前記第2の部分と前記第1の筒体の内壁との間には、前記第1のチャンバが形成され、前記第1の部分は、前記第2の筒体の内壁に接触して前記第2の筒体を前記第2のチャンバ及び前記第3のチャンバに仕切り、前記第3の部分と前記第3の筒体の内壁との間には、前記第4のチャンバが形成される、請求項13に記載の油圧サスペンションシステム。
【請求項15】
前記第1の部分の延在方向は、前記第2の部分の延在方向に垂直であり、前記第2の部分の延在方向と、前記第3の部分とは、前記第1の部分に関して対称に設けられる、請求項13又は14に記載の油圧サスペンションシステム。
【請求項16】
前記第1のチャンバと前記第2のチャンバとは、前記第1の部分の一方側に位置し、前記第3のチャンバと前記第4のチャンバとは、前記第1の部分の他方側に位置する、請求項13~15のいずれか一項に記載の油圧サスペンションシステム。
【請求項17】
前記移動部材と前記ハウジングの端壁との間には、リターンスプリングが設けられる、請求項1~16のいずれか一項に記載の油圧サスペンションシステム。
【請求項18】
前記ダンパは、ダンパハウジング、ピストン及びピストンロッドを有し、前記ダンパハウジングは、車輪に接続されるように構成され、前記ピストンは、前記ダンパハウジング内に位置し、かつ前記ダンパハウジングと協働して上チャンバ及び下チャンバを画定し、前記ピストンロッドの一端は、前記ピストンに接続され、前記ピストンロッドは、車体に接続されるように構成され、前記ピストンロッド内には、オイル通路が設けられ、前記オイル通路は、前記下チャンバに連通し、前記リザーバは、前記オイル通路を介して前記ダンパにオイルを供給する、請求項7~12のいずれか一項に記載の油圧サスペンションシステム。
【請求項19】
前記高さ調整装置は、接続通路と、アキュムレータモジュールとをさらに含み、前記接続通路は、前記中央制御装置と、対応する前記ダンパとを連通し、
前記アキュムレータモジュールは、ダンピング調整アキュムレータと、開度調整弁とを含み、前記ダンピング調整アキュムレータは、前記ダンパと前記中央制御装置との間に接続され、前記開度調整弁は、前記ダンピング調整アキュムレータと前記ダンパとの間に設けられる、請求項7~12、18のいずれか一項に記載の油圧サスペンションシステム。
【請求項20】
前記アキュムレータモジュールは、剛性調整アキュムレータと、剛性調整弁とをさらに含み、前記接続通路には、剛性調整接続点が設けられ、前記剛性調整アキュムレータは、前記剛性調整接続点に連通し、前記剛性調整弁は、前記剛性調整アキュムレータと前記剛性調整接続点との間に設けられる、請求項19に記載の油圧サスペンションシステム。
【請求項21】
前記高さ調整装置は、第7の制御弁をさらに含み、前記第7の制御弁は、前記剛性調整接続点と前記ダンピング調整アキュムレータとの間に設けられる、請求項20に記載の油圧サスペンションシステム。
【請求項22】
前記中央制御装置は、シリンダ構造である、請求項1~20のいずれか一項に記載の油圧サスペンションシステム。
【請求項23】
請求項1~22のいずれか一項に記載の油圧サスペンションシステムを含む車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2021年12月30日に提出された、出願番号が202111652021.8である中国特許出願に基づくものであり、かつその優先権を主張するものであり、その全ての内容は、参照により本願に組み込まれるものとする。
【0002】
本願は、車両の分野に関し、特に、油圧サスペンションシステム及びそれを有する車両に関する。
【背景技術】
【0003】
サスペンションシステムは、車両の安全性及び安定性に対して非常に重要な役割を果たすが、車両の快適性及び操縦安定性と、車両のサスペンション特性に対する要求とは、相反する関係にある。現在のサスペンションシステムの設計は、高い快適性を提供して一定の操縦安定性を犠牲にすることが多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願は、関連技術における技術的課題の1つを少なくともある程度解決することを目的とする。
【0005】
そのため、本願の1つの目的は、車両の操縦安定性の向上に役立つ油圧サスペンションシステムを提供することにある。
【0006】
本願は、上記油圧サスペンションシステムを有する車両をさらに提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願の実施例に係る油圧サスペンションシステムは、複数の高さ調整装置と、中央制御装置とを含み、複数の前記高さ調整装置は、車両の複数の車輪と1対1に対応して設けられ、前記中央制御装置は、ハウジングと移動部材とを含み、前記移動部材は、前記ハウジング内に移動可能に設けられ、かつ前記ハウジングを前記移動部材の移動方向に第1の領域及び第2の領域に分け、前記第1の領域は、互いに隔絶された第1のチャンバ及び第2のチャンバを含み、前記第2の領域は、互いに隔絶された第3のチャンバ及び第4のチャンバを含み、前記第1のチャンバ、第2のチャンバ、第3のチャンバ及び第4のチャンバは、複数の前記高さ調整装置と1対1に対応して連通し、前記第1のチャンバ及び前記第2のチャンバに連通した前記高さ調整装置に対応する車輪は、対角線に位置し、前記第3のチャンバ及び前記第4のチャンバに連通した前記高さ調整装置に対応する車輪も、対角線に位置する。
【0008】
本願の実施例に係る油圧サスペンションシステムにおいて、車両の単一の車輪が障害物に遭遇すると、該単一の車輪の高さが上昇するため、該単一の車輪に対応する高さ調整装置内の媒体が中央制御装置に流入して、移動部材が移動する。したがって、媒体が他の対角線上の車輪に対応する高さ調整装置内に流入し、これにより、他の対角線上の車輪の高さを低くし、他の対角線上の車輪が地面から離れる時間を延長させ、その地面から離れる難度を増加させ、該車両の操縦安定性を向上させる。
【0009】
本願のいくつかの実施例において、前記第1の領域における前記第1のチャンバ及び前記第2のチャンバの体積変化と、前記第2の領域における前記第3のチャンバ及び前記第4のチャンバの体積変化とは、逆である。
【0010】
本願のいくつかの実施例において、前記第1のチャンバ、前記第2のチャンバ、前記第3のチャンバ及び前記第4のチャンバは、前記移動部材の移動方向に沿って順に設けられる。
【0011】
本願のいくつかの実施例において、初期状態で、前記第1のチャンバと前記第4のチャンバの体積は、同じであり、前記第2のチャンバと前記第3のチャンバの体積は、同じである。
【0012】
本願のいくつかの実施例において、前軸高さ調整装置及び後軸高さ調整装置のうちの一方は、前記第1のチャンバ及び前記第3のチャンバに連通し、前記前軸高さ調整装置及び前記後軸高さ調整装置のうちの他方は、前記第2のチャンバ及び前記第4のチャンバに連通する。
【0013】
本願のいくつかの実施例において、前軸高さ調整装置及び後軸高さ調整装置のうちの一方は、前記第1のチャンバ及び前記第4のチャンバに連通し、前記前軸高さ調整装置及び前記後軸高さ調整装置のうちの他方は、前記第2のチャンバ及び前記第3のチャンバに連通する。
【0014】
本願のいくつかの実施例において、前記中央制御装置には、第1の接続ポートが設けられ、前記高さ調整装置は、リザーバと、ダンパとを含み、前記ダンパは、車輪に対応して設けられ、前記リザーバは、前記ダンパにオイルを供給し、前記第1の接続ポートは、前記ダンパに連通し、前記第1の接続ポートは、複数設けられ、かつ第1のポート、第2のポート、第3のポート及び第4のポートを含み、前記第1のポート、第2のポート、第3のポート及び第4のポートは、それぞれ前記第1のチャンバ、第2のチャンバ、第3のチャンバ及び第4のチャンバに連通する。
【0015】
本願のいくつかの実施例において、前記中央制御装置は、第2の接続ポートをさらに含み、前記第2の接続ポートは、前記リザーバに連通するように構成され、前記第2の接続ポートは、複数設けられ、かつ第5のポート、第6のポート、第7のポート及び第8のポートを含み、前記第5のポート、第6のポート、第7のポート及び第8のポートは、それぞれ第1のチャンバ、第2のチャンバ、第3のチャンバ及び第4のチャンバに連通する。
【0016】
本願のいくつかの実施例において、前記第1の接続ポートの軸線は、前記第2の接続ポートの軸線に対して垂直に設けられる。
【0017】
本願のいくつかの実施例において、前記油圧サスペンションシステムは、第1の制御弁、第2の制御弁、第3の制御弁及び第4の制御弁をさらに含み、前記第1の制御弁は、前記第5のポートと前記リザーバとの間に設けられ、前記第2の制御弁は、第6のポートと前記リザーバとの間に設けられ、前記第3の制御弁は、前記第7のポートと前記リザーバとの間に設けられ、前記第4の制御弁は、前記第8のポートと前記リザーバとの間に設けられる。
【0018】
本願のいくつかの実施例において、前記第1の制御弁と前記第4の制御弁との間には、第1の接続通路が設けられ、前記第1の接続通路には、第5の制御弁が設けられ、前記第2の制御弁と前記第3の制御弁との間には、第2の接続通路が設けられ、前記第2の接続通路には、第6の制御弁が設けられる。
【0019】
本願のいくつかの実施例において、前記移動部材は、第1の部分、第2の部分及び第3の部分を含み、前記第1の部分は、前記ハウジングの側壁に沿って軸方向に移動して前記ハウジングを前記第1の領域及び前記第2の領域に仕切り、前記第2の部分は、前記第1の部分の一方側に接続され、かつ前記ハウジングの側壁に沿って移動して前記第1の領域を前記第1のチャンバ及び前記第2のチャンバに仕切り、前記第3の部分は、前記第1の部分の他方側に接続され、かつ前記ハウジングの側壁に沿って移動して前記第2の領域を前記第3のチャンバ及び前記第4のチャンバに仕切る。
【0020】
本願のいくつかの実施例において、前記ハウジングは、移動部材の移動方向に沿って順に設けられた第1の筒体、第2の筒体及び第3の筒体を有し、前記第2の筒体の内径は、前記第1の筒体の内径よりも大きく、かつ前記第3の筒体の内径よりも大きく、前記第2の部分と前記第1の筒体の内壁との間には、前記第1のチャンバが形成され、前記第1の部分は、前記第2の筒体の内壁に接触して前記第2の筒体を前記第2のチャンバ及び前記第3のチャンバに仕切り、前記第3の部分と前記第3の筒体の内壁との間には、前記第4のチャンバが形成される。
【0021】
本願のいくつかの実施形態において、前記第1の部分の延在方向は、前記第2の部分の延在方向に垂直であり、前記第2の部分の延在方向と、前記第3の部分とは、前記第1の部分に関して対称に設けられる。
【0022】
本願のいくつかの実施例において、前記移動部材と前記ハウジングの端壁との間には、リターンスプリングが設けられる。
【0023】
本願のいくつかの実施例において、前記ダンパは、ダンパハウジング、ピストン及びピストンロッドを有し、前記ダンパハウジングは、車輪に接続されるように構成され、前記ピストンは、前記ダンパハウジング内に位置し、かつ前記ダンパハウジングと協働して上チャンバ及び下チャンバを画定し、前記ピストンロッドの一端は、前記ピストンに接続され、前記ピストンロッドは、車体に接続されるように構成され、前記ピストンロッド内には、オイル通路が設けられ、前記オイル通路は、前記下チャンバに連通し、前記リザーバは、前記オイル通路を介して前記ダンパにオイルを供給する。
【0024】
本願のいくつかの実施例において、前記高さ調整装置は、接続通路と、アキュムレータモジュールとをさらに含み、前記接続通路は、前記中央制御装置と、対応するダンパとを連通し、
【0025】
前記アキュムレータモジュールは、ダンピング調整アキュムレータと、開度調整弁とを含み、前記ダンピング調整アキュムレータは、前記ダンパと前記中央制御装置との間に接続され、前記開度調整弁は、前記ダンピング調整アキュムレータと前記ダンパとの間に設けられる。
【0026】
本願のいくつかの実施例において、前記アキュムレータモジュールは、剛性調整アキュムレータと、剛性調整弁とをさらに含み、前記接続通路には、剛性調整接続点が設けられ、前記剛性調整アキュムレータは、前記剛性調整接続点に連通し、前記剛性調整弁は、前記剛性調整アキュムレータと前記剛性調整接続点との間に設けられる。
【0027】
本願のいくつかの実施例において、前記高さ調整装置は、第7の制御弁をさらに含み、前記第7の制御弁は、前記剛性調整接続点と前記ダンピング調整アキュムレータとの間に設けられる。
【0028】
本願のいくつかの実施例において、前記中央制御装置は、シリンダ構造である。
【0029】
本願の実施例に係る車両は、本願の上記実施例に記載の油圧サスペンションシステムを含む。
【0030】
本願の実施例に係る車両において、車両がロールする傾向がある場合、ロールを抑制する役割を果たすことができる。車両の4つの車輪の高さが一致しない場合、車体の高さを調整して車両の傾斜幅を小さくし、車両のロールを回避することができる。
【0031】
本願の追加の態様及び利点は、一部が以下の説明において示され、一部が以下の説明において明らかになるか、又は本願の実施により把握される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本願の異なる実施例に係る油圧サスペンションシステムの概略図である。
図2】本願の異なる実施例に係る油圧サスペンションシステムの概略図である。
図3】本願の実施例に係る左前側ダンパアセンブリ及び右前側ダンパアセンブリの概略図である。
図4図3に示すダンパアセンブリの断面図である。
図5】本願の実施例に係る中央制御装置の断面図である。
図6】本願の実施例に係る中央制御装置の斜視図である。
図7】本願の実施例に係る金属ベローズアキュムレータの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本願の実施例を詳細に説明し、上記実施例の例は、図面に示され、全体を通して同一又は類似の符号は、同一又は類似の素子、或いは同一又は類似の機能を有する素子を示す。以下、図面を参照しながら説明される実施例は例示的なものに過ぎず、本願を解釈するためのものであり、本願を限定するためのものであると理解すべきではない。
【0034】
以下、図1図7を参照して、本願の実施例に係る油圧サスペンションシステム1000を説明し、油圧サスペンションシステム1000は、車両に用いられ、車両のアクスルと車体とを接続する。
【0035】
図1図2図5に示すように、本願の実施例に係る油圧サスペンションシステム1000は、複数の高さ調整装置と、中央制御装置24とを含み、複数の高さ調整装置は、車両の複数の車輪と1対1に対応して設けられ、各高さ調整装置は、車両の車体に接続され、具体的には、複数の高さ調整装置は、前軸高さ調整装置と後軸高さ調整装置とを含み、前軸高さ装置は、それぞれ左前輪及び右前輪に対応して設けられ、後軸高さ調整装置は、それぞれ左後輪及び右後輪に対応して設けられる。本願の説明において、説明の便宜上、左前輪に対応する高さ調整装置を左前高さ調整装置と称し、右前輪に対応する高さ調整装置を右前高さ調整装置と称し、左後輪に対応する高さ調整装置を左後高さ調整装置と称し、右後輪に対応する高さ調整装置を右後高さ調整装置と称する。本願に係る高さ調整装置は、車両の高さ、すなわち、車輪と車体との相対距離を調整する。
【0036】
中央制御装置24は、ハウジング240と、移動部材241とを含み、移動部材241は、ハウジング240内に移動可能に設けられ、かつハウジング240を移動部材241の移動方向に第1の領域及び第2の領域に分け、第1の領域は、互いに隔絶された第1のチャンバ243及び第2のチャンバ244を含み、第2領域は、互いに隔絶された第3のチャンバ245及び第4のチャンバ246を含む。第1のチャンバ243、第2のチャンバ244、第3のチャンバ245及び第4のチャンバ246は、媒体を充填するように構成される。本願は、オイルを媒体とする。他の実施例において、他の媒体であってもよく、高さ調整装置内の媒体と一致する。
【0037】
具体的には、第1のチャンバ243、第2のチャンバ244、第3のチャンバ245及び第4のチャンバ246内に、いずれもオイルが充填され、第1の領域内のオイルの量が多くなると、第2の領域に向かって移動する作用力を移動部材241に与え、第2の領域内のオイルの量が多くなると、第1の領域に向かって移動する作用力を移動部材241に与えることができる。本願のいくつかの具体例において、第1のチャンバ243、第2のチャンバ244、第3のチャンバ245及び第4のチャンバ246は、移動部材241の移動方向に沿って順に設けられる。勿論、理解できるように、第1のチャンバ243、第2のチャンバ244、第3のチャンバ245及び第4のチャンバ246の配置順序は、これに限定されず、第1のチャンバ243及び第2のチャンバ244が第1の領域に分布し、第3のチャンバ245及び第4のチャンバ246が第2の領域に分布することを保証すればよい。
【0038】
第1のチャンバ243、第2のチャンバ244、第3のチャンバ245及び第4のチャンバ246は、複数の高さ調整装置と1対1に対応して連通し、第1のチャンバ243及び第2のチャンバ244に連通した高さ調整装置に対応する車輪は、対角線に位置し、第3のチャンバ245及び第4のチャンバ246に連通した高さ調整装置に対応する車輪も、対角線に位置する。
【0039】
具体的には、第1のチャンバ243及び第2のチャンバ244に連通した高さ調整装置に対応する車輪が左前輪及び右後輪である場合、第3のチャンバ245及び第4のチャンバ246に連通した高さ調整装置に対応する車輪は、右前輪及び左後輪であってもよい。この場合、第1のチャンバ243は、左前高さ調整装置及び右後高さ調整装置のうちの一方に連通し、第2のチャンバ244は、左前高さ調整装置及び右後高さ調整装置のうちの他方に連通する。第3のチャンバ245は、右前高さ調整装置及び左後高さ調整装置のうちの一方に連通し、第4のチャンバ246は、右前高さ調整装置及び左後高さ調整装置のうちの他方に連通する。
【0040】
第1のチャンバ243及び第2のチャンバ244に連通した高さ調整装置に対応する車輪が右前輪及び左後輪である場合、第3のチャンバ245及び第4のチャンバ246に連通した高さ調整装置に対応する車輪は、左前輪及び右後輪である。この場合、第1のチャンバ243は、右前高さ調整装置及び左後高さ調整装置のうちの一方に連通し、第2のチャンバ244は、右前高さ調整装置及び左後高さ調整装置のうちの他方に連通する。第3のチャンバ245は、左前高さ調整装置及び右後高さ調整装置のうちの一方に連通し、第4のチャンバ246は、左前高さ調整装置及び右後高さ調整装置のうちの他方に連通する。
【0041】
なお、中央制御装置24の1つのチャンバが対応する高さ調整装置に連通する場合、オイルは、該チャンバと高さ調整装置との間を流れてもよい。車輪と、対応する車体との距離が変化する場合、オイルは、高さ調整装置内に流入するか、又は高さ調整装置から流出することができる。本願の実施例において、中央制御装置24は、シリンダ構造である。
【0042】
車両の単一の車輪が障害物に遭遇すると、該単一の車輪の高さが上昇するため、該単一の車輪に対応する高さ調整装置内のオイルが中央制御装置に流入して、移動部材が移動する。したがって、媒体が他の対角線上の車輪に対応する高さ調整装置内に流入し、これにより、他の対角線上の車輪の高さを低くし、他の対角線上の車輪が地面から離れる時間を延長させ、その地面から離れる難度を増加させ、該車両の操縦安定性を向上させる。
【0043】
例えば、左前輪が障害物に遭遇すると、左前輪が持ち上げられ、走行継続中に、車両の重心が持ち上げられ、右前輪と左後輪とが地面から離れるおそれがあり、車両が暴走するおそれがある。本願は、中央制御装置を設けることにより、左前輪が障害物に遭遇すると、左前高さ調整装置内のオイルが第1の領域に流入し、第1の領域内に流入したオイルが移動部材241に作用して、移動部材241を第2の領域内へ移動させ、このように、第2の領域内のオイルが押し出されて右前高さ調整装置及び左後高さ調整装置に流入して、右前輪及び左後輪と車体との距離を大きくし、右前輪及び左後輪の高さを低くして、右前輪及び左後輪が地面から離れるおそれを低減し、車両の操縦安定性を向上させる。
【0044】
一方、車両がロールする傾向がある場合、例えば、左前輪及び左後輪が持ち上げられる場合、左前高さ調整装置及び左後高さ調整装置がそれぞれ第1の領域及び第2の領域内に流入し、第1の領域の移動部材241に対する作用力と、第2の領域の移動部材241に対する作用力とが逆であり、2つの逆方向の作用力が互いに相殺するため、移動部材241が移動せず、すなわち、中央制御装置24と右前高さ調整装置及び右後高さ調整装置との間の油路が流れず、これにより、右前高さ調整装置及び右後高さ調整装置が現在の高さ状態を保持し、右前輪と車体との間の距離の変化を抑制し、右後輪と車体との間の距離の変化を抑制して、ロールを抑制する作用を果たすことができる。
【0045】
車両の左前輪が石のような障害物に遭遇すると、左前輪が持ち上げられ、左前高さ調整装置内のオイルが第1の領域及び第2の領域のうちの一方に流入して、移動部材241が移動でき、さらに第1の領域及び第2の領域のうちの他方内のオイルが右前高さ調整装置及び左後高さ調整装置に流入して、右前輪及び左後輪と車体との距離を大きくし、これにより、車体の高さを調整して車両の傾斜幅を小さくし、車両のロールを回避することができる。
【0046】
勿論、理解できるように、上記いくつかの状況は、例示的な説明に過ぎず、車両が右前輪持ち上げ、左後輪持ち上げなどの他の状況に遭遇する場合、オイルは、いずれも上記連動原理に従って流れて車両のロールを回避し、ここでは、各状況について詳細に説明しない。
【0047】
本願の実施例に係る油圧サスペンションシステム1000において、中央制御装置24及び複数組の高さ調整装置を設けることにより、車両がロールする傾向がある場合、ロールを抑制する作用を果たすことができる。車両の4つの車輪の高さが一致しない場合、車体の高さを調整して車両の傾斜幅を小さくし、車両のロールを回避することができる。
【0048】
本願のいくつかの実施例において、第1の領域における第1のチャンバ243及び第2のチャンバ244の体積変化と、第2の領域における第3のチャンバ245及び第4のチャンバ246の体積変化とは、逆である。すなわち、第1のチャンバ243及び第2のチャンバ244の体積が大きくなると、第3のチャンバ245及び第4のチャンバ246の体積が小さくなる。あるいは、第1のチャンバ243及び第2のチャンバ244の体積が小さくなると、第3のチャンバ245及び第4のチャンバ246の体積が大きくなる。これにより、移動部材241の確実な移動を保証でき、中央制御装置24によるロール抑制作用を保証することができる。
【0049】
本願のいくつかの具体例において、初期状態で、第1のチャンバ243と第4のチャンバ246の体積は、同じであり、第2のチャンバ244と第3のチャンバ245の体積は、同じである。これにより、初期状態で、移動部材241は、中間位置にあり、各高さ調整装置に対する応答状況が同じであることを保証する。
【0050】
本願のいくつかの実施例において、前軸高さ調整装置及び後軸高さ調整装置のうちの一方は、第1のチャンバ243及び第3のチャンバ245に連通し、前軸高さ調整装置及び後軸高さ調整装置のうちの他方は、第2のチャンバ244及び第4のチャンバ246に連通する。具体的には、左前高さ調整装置が第1のチャンバ243に連通し、右前高さ調整装置が第3のチャンバ245に連通し、左後高さ調整装置が第4のチャンバ246に連通し、右後高さ調整装置が第2のチャンバ244に連通することを例として説明する。
【0051】
車両がピッチングする傾向がある場合、例えば、緊急ブレーキによる車両のノーズダイブ現象が発生し、すなわち、車両の前部車体と前軸高さ調整装置に対応する車輪との間の距離が小さくなる場合、左前高さ調整装置及び右前高さ調整装置内のオイルがそれぞれ第1のチャンバ243及び第3のチャンバ245に流入し、第1の領域の移動部材241に対する作用力と、第2の領域の移動部材241に対する作用力とが逆であり、2つの逆方向の作用力が互いに相殺するため、移動部材241が移動せず、すなわち、中央制御装置24と右後高さ調整装置及び左後高さ調整装置との間の油路が流れず、これにより、左後高さ調整装置及び右後高さ調整装置が現在の高さ状態を保持し、左後輪と車体との間の距離の変化を抑制し、右後輪と車体との間の距離の変化を抑制して、ノーズダイブを抑制する作用を果たすことができ、すなわち、車両にアンチピッチング機能を備えさせる。
【0052】
勿論、理解できるように、上記オイルの流れについての説明は、アンチピッチング原理を紹介するための例示的なものに過ぎず、車両の急発進による車両のスクォート現象が発生する場合、或いは、他の状況においてピッチングする傾向がある場合、上記アンチピッチング原理を利用して、油圧サスペンションシステム1000は、アンチピッチングの力を提供することができる。
【0053】
本願のいくつかの実施例において、前軸高さ調整装置及び後軸高さ調整装置のうちの一方は、第1のチャンバ243及び第4のチャンバ246に連通し、前軸高さ調整装置及び後軸高さ調整装置のうちの他方は、第2のチャンバ244及び第3のチャンバ245に連通する。具体的には、左前高さ調整装置が第1のチャンバ243に連通し、右前高さ調整装置が第4のチャンバ246に連通し、左後高さ調整装置が第3のチャンバ245に連通し、右後高さ調整装置が第2のチャンバ244に連通することを例として説明する。
【0054】
車両がロールする傾向がある場合、例えば、左前輪と車体との間の距離が小さくなり、左後輪と車体との間の距離が小さくなる場合、左前高さ調整装置から流出したオイルが第1のチャンバ243に流入し、左後高さ調整装置から流出したオイルが第3のチャンバ245に流入し、すなわち、第1の領域の移動部材241に対する作用力と、第2の領域の移動部材241に対する作用力とが逆であり、2つの逆方向の作用力が互いに相殺するため、移動部材241が移動せず、すなわち、中央制御装置24と右前高さ調整装置及び右後高さ調整装置との間の油路が流れず、これにより、右前高さ調整装置及び右後高さ調整装置が現在の高さ状態を保持し、右前輪と車体との間の距離の変化を抑制し、右後輪と車体との間の距離の変化を抑制して、ロールを抑制する作用を果たすことができる。
【0055】
勿論、理解できるように、上記オイルの流れについての説明は、アンチロール原理を紹介するための例示的なものに過ぎず、車両が他のロール状況に遭遇すると、上記アンチロール原理を利用して、油圧サスペンションシステム1000は、アンチロールの力を提供することができる。
【0056】
本願のいくつかの実施例において、図1図2図5及び図6に示すように、中央制御装置24には、第1の接続ポート2401が設けられ、高さ調整装置は、リザーバと、ダンパ200とを含み、ダンパ200は、車輪に対応して設けられ、リザーバは、ダンパ200にオイルを供給し、第1の接続ポート2401は、ダンパ200に連通する。第1の接続ポート2401は、複数設けられ、かつ第1のポート24011、第2のポート24012、第3のポート24013及び第4のポート24014を含み、第1のポート24011、第2のポート24012、第3のポート24013及び第4のポート24014は、それぞれ第1のチャンバ243、第2のチャンバ244、第3のチャンバ245及び第4のチャンバ246に連通する。第1の接続ポート2401を設けることにより、複数のダンパ200と中央制御装置24との連通を実現し、異なる高さ調整装置と中央制御装置24との連通も実現する。
【0057】
好ましくは、図1図2図5及び図6に示すように、中央制御装置24は、第2の接続ポート2402をさらに含み、第2の接続ポート2402は、リザーバに連通するように構成される。第2の接続ポート2402は、複数設けられ、かつ第5のポート24021、第6のポート24022、第7のポート24023及び第8のポート24024を含み、第5のポート24021、第6のポート24022、第7のポート24023及び第8のポート24024は、それぞれ第1のチャンバ243、第2のチャンバ244、第3のチャンバ245及び第4のチャンバ246に連通する。これにより、リザーバ内のオイルは、中央制御装置24を通ってから高さ調整装置に流入して、車両の非水平状態での高さ調整を実現でき、車両が非水平状態にある時、各高さ調整装置の状態が異なり、この時、リザーバは、中央制御装置を介してそれぞれ各高さ調整装置に通液し、移動部材241は、自動的に、各高さ調整装置内に流入したオイルを分配し、これにより、車両の状態に応じて各高さ調整装置に通液する必要があるオイルの量を余分に計算する必要がなく、簡単で便利である。
【0058】
図6に示すように、本願のいくつかの例において、第1の接続ポート2401の軸線は、第2の接続ポート2402の軸線に対して垂直に設けられる。これにより、中央制御装置24の外周空間を合理的に利用して、油圧サスペンションシステム1000をよりコンパクトにすることができる。
【0059】
図1及び図2に示すように、本願のいくつかの実施例において、油圧サスペンションシステム1000は、第1の制御弁3、第2の制御弁4、第3の制御弁5及び第4の制御弁6をさらに含み、第1の制御弁3は、第5のポート24021とリザーバとの間に設けられ、第2の制御弁4は、第6のポート24022とリザーバとの間に設けられ、第3の制御弁5は、第7のポート24023とリザーバとの間に設けられ、第4の制御弁6は、第8のポート24024とリザーバとの間に設けられる。これにより、第1の制御弁3~第4の制御弁6の作動状態を制御することにより、リザーバ内のオイルが中央制御装置を通って高さ調整装置に流入するか否かを制御することができる。
【0060】
好ましくは、制御弁は、第1の制御弁3、第2の制御弁4、第3の制御弁5及び第4の制御弁6を含み、第2の接続ポート2402及びダンパのうちの一方をリザーバに選択的に連通する。ここでの制御弁内の通路切り替えは、リザーバから高さ調整装置に直接流入することを実現するだけでなく、リザーバから中央制御装置を通って高さ調整装置に流入することを実現することができる。これにより、2本の分岐路及び2つの弁を設けて、それぞれリザーバから高さ調整装置に直接流入すること、及びリザーバから中央制御装置を通って高さ調整装置に流入することを実現する必要がない。
【0061】
勿論、他の実施例において、2本の分岐路及び2つの弁を設けることにより実現してもよい。
【0062】
本願のいくつかの実施例において、第1の制御弁3と第4の制御弁6との間には、第1の接続通路が設けられ、第1の接続通路には、第5の制御弁7が設けられ、第2の制御弁4と第3の制御弁5との間には、第2の接続通路が設けられ、第2の接続通路には、第6の制御弁8が設けられる。
【0063】
具体的には、第5の制御弁7が開かれると、第5のポート24021と第8のポート24024とが連通することにより、第1のチャンバ243と第4のチャンバ246とが連通する。第6の制御弁8が開かれると、第6のポート24022と第7のポート24023とが連通することにより、第2のチャンバ244と第3のチャンバ245とが連通するため、複数の高さ調整装置が連通し、車体の高さを保持する目的を実現することができる。
【0064】
図5及び図6に示すように、本願のいくつかの実施例において、移動部材241は、第1の部分2410、第2の部分2411及び第3の部分2412を含み、第1の部分2410は、ハウジング240の側壁に沿って軸方向に移動してハウジング240を第1の領域及び第2の領域に仕切り、第2の部分2411は、第1の部分2410の一方側に接続され、かつハウジング240の側壁に沿って移動して第1の領域を第1のチャンバ243及び前記第2のチャンバ244に仕切り、第3の部分2412は、第1の部分2410の他方側に接続され、かつハウジング240の側壁に沿って移動して第2の領域を第3のチャンバ245及び第4のチャンバ246に仕切る。これにより、移動部材241の構造は、簡単である。
【0065】
好ましくは、ハウジング240は、移動部材241の移動方向に沿って順に設けられた第1の筒体2403、第2の筒体2404及び第3の筒体2405を有し、第2の筒体2404の内径は、第1の筒体2403の内径よりも大きく、かつ第3の筒体2405の内径よりも大きく、第2の部分2411と第1の筒体2403の内壁との間には、第1のチャンバ243が形成され、第1の部分2410は、第2の筒体2404の内壁に接触して第2の筒体2404を第2のチャンバ244及び第3のチャンバ245に仕切り、第3の部分2412と第3の筒体2405の内壁との間には、第4のチャンバ246が形成される。これにより、中央制御装置24の構造は、簡単である。
【0066】
本願のいくつかの例において、第1の部分2410の延在方向は、第2の部分2411の延在方向に垂直であり、第2の部分2411の延在方向と、第3の部分2412とは、第1の部分2410に関して対称に設けられる。これにより、第1の領域と第2の領域の体積が同じであることを保証する。
【0067】
本願のいくつかの実施例において、移動部材241とハウジング240の端壁との間には、リターンスプリングが設けられる。これにより、移動部材241を押して中間位置に復帰させることができる。
【0068】
好ましくは、図5に示すように、中央制御装置24は、第1のリターンスプリング247と第2のリターンスプリング248とをさらに含み、第1のリターンスプリング247の両端は、それぞれハウジング240及び移動部材241の左端に当接し、第2のリターンスプリング248の両端は、それぞれハウジング240及び移動部材241の右端に当接し、第1のリターンスプリング247と第2のリターンスプリング248とは、移動部材241を押して中間に向かって復帰させる。具体的には、車両のロールのため移動部材241が左に移動する場合、第1のリターンスプリング247は、移動部材241を右に押して復帰させることができる。車両のロールのため移動部材241が右に移動する場合、第2のリターンスプリング248は、移動部材241を左に押して復帰させて、中央制御装置24の信頼性を保証することができる。
【0069】
本願のいくつかの例において、図5に示すように、中央制御装置24は、ガイドユニット249を含み、ガイドユニット249は、第1のガイド部材2490と第2のガイド部材2491とを含み、第1のガイド部材2490と第2のガイド部材2491とは、スライド可能に係合され、第1のガイド部材2490は、ハウジング240に固定され、第2のガイド部材2491は、移動部材241に固定され、第1のリターンスプリング247は、左側のガイドユニット249に外嵌され、第1のガイド部材2490に当接し、第2のリターンスプリング248は、右側のガイドユニット249に外嵌され、第1のガイド部材2490に当接し、これにより、ガイドユニット249を設けることで、第1のリターンスプリング247と第2のリターンスプリング248との組み立てを容易にするだけでなく、第1のリターンスプリング247と第2のリターンスプリング248との変形幅を容易に限定し、第1のリターンスプリング247と第2のリターンスプリング248との過度変形による失効を回避する。
【0070】
好ましくは、第2のガイド部材2491は、ねじであり、第2のガイド部材2491の一端は、第1のガイド部材2490内に入り込んで第1のガイド部材2490と移動可能に係合され、これにより、ガイドユニット249の構造を簡単にする。
【0071】
図1図7に示すように、本願の実施例に係る油圧サスペンションシステム1000は、中央制御装置24と、4組のダンパアセンブリ2と、リザーバとを含み、リザーバは、オイル貯蔵ポット1を含み、高さ調整装置は、ダンパアセンブリを含み、複数組の高さ調整装置のリザーバは、同一であり、これにより、コストを節約し、油圧サスペンションシステム1000をよりコンパクトにすることができる。
【0072】
中央制御装置24は、ハウジング240と、移動部材241とを含み、移動部材241は、ハウジング240内に移動可能に設けられ、かつハウジング240と協働して第1のチャンバ243、第2のチャンバ244、第3のチャンバ245及び第4のチャンバ246を画定し、第1のチャンバ243、第2のチャンバ244、第3のチャンバ245及び第4のチャンバ246は、移動部材241の移動方向に順に配列され、第1のチャンバ243及び第2のチャンバ244は、移動部材241の第1の部分2411の一方側に分布し、第3のチャンバ245及び第4のチャンバ246は、第1の部分2411の他方側に分布し、第1の部分2411は、ハウジング240の内壁と移動可能に係合される。
【0073】
4組のダンパアセンブリ2は、左前ダンパアセンブリ2、左後ダンパアセンブリ2、右前ダンパアセンブリ2及び右後ダンパアセンブリ2に分けられ、各組のダンパアセンブリ2は、ダンパ200を含み、ダンパ200は、ダンパハウジング201、ピストン202及びピストンロッド203を含み、ピストン202は、ダンパハウジング201内に位置し、ダンパハウジング201と協働して上チャンバ2011及び下チャンバ2012を画定し、ピストンロッド203は、ピストン202に設けられ、ピストンロッド203の上端は、車体に接続されるように構成され、ピストンロッド203内には、オイル通路204が設けられ、オイル通路204は、下チャンバ2012に連通する。なお、本願の説明において、前とは、車のヘッドに向かう方向を指し、後とは、車のテールに向かう方向を指し、前向きの方向で、主運転者の右手方向を右側、主運転者の左手方向を左側とする。
【0074】
左前ダンパアセンブリ2のオイル通路204は、第1のチャンバ243及び第2のチャンバ244のうちの一方に接続され、右後ダンパアセンブリ2のオイル通路204は、第1のチャンバ243及び第2のチャンバ244のうちの他方に接続される。左後ダンパアセンブリ2のオイル通路204は、第3のチャンバ245及び第4のチャンバ246のうちの一方に接続され、右前ダンパアセンブリ2のオイル通路204は、第3のチャンバ245及び第4のチャンバ246のうちの他方に接続される。以下、説明の便宜上、左前ダンパアセンブリ2のオイル通路204が第1のチャンバ243に接続され、右後ダンパアセンブリ2のオイル通路204が第2のチャンバ244に接続され、左後ダンパアセンブリ2のオイル通路204が第3のチャンバ245に接続され、右前ダンパアセンブリ2のオイル通路204が第4のチャンバ246に接続されることを例として説明する。
【0075】
具体的には、車両がロールする傾向がある場合、例えば、左前ダンパアセンブリ2及び左後ダンパアセンブリ2のピストンロッド203が圧縮され、右前ダンパアセンブリ2及び右後ダンパアセンブリ2のピストンロッド203が引っ張られる場合、左前ダンパアセンブリ2の下チャンバ2012内のオイルがオイル通路204を通って第1のチャンバ243に流入し、左後ダンパアセンブリ2の下チャンバ2012内のオイルがオイル通路204通って第3のチャンバ245に流入し、第1のチャンバ243及び第3のチャンバ245が第1の部分2411の両側に位置するため、第1のチャンバ243内のオイルの第1の部分2411に対する作用力の方向と第3のチャンバ245の第1の部分2411に対する作用力の方向とが逆であり、2つの逆方向の作用力が互いに相殺するため、移動部材241が移動せず、これにより、左前ダンパアセンブリ2のピストンロッド203及び左後ダンパアセンブリ2のピストンロッド203の移動を抑制でき、ロールを抑制する作用を果たすことができる。
【0076】
車両の左前輪が石のような障害物に遭遇すると、左前輪が持ち上げられて左前ダンパアセンブリ2の圧縮幅が左後ダンパアセンブリ2の圧縮幅よりも大きくなる場合、左前ダンパアセンブリ2から第1のチャンバ243内に流入したオイルの量が左後ダンパアセンブリ2から第3のチャンバ245内に流入したオイルの量よりも多くなるため、移動部材241が右に移動して第3のチャンバ245及び第4のチャンバ246を押圧し、第3のチャンバ245内のオイルが左後ダンパアセンブリ2の下チャンバ2012内に流入してピストンロッド203を上方に移動させることができ、第4のチャンバ246内のオイルが右前ダンパアセンブリ2の下チャンバ2012内に流入してピストンロッド203を上方に移動させることができ、これにより、左後輪及び右前輪の地面から離れる可能性を小さくし、車両の安定性を向上させる。
【0077】
勿論、理解できるように、上記いくつかの状況は、例示的な説明に過ぎず、車両が右前輪持ち上げ、左後輪持ち上げなどの他の状況に遭遇する場合、オイルは、いずれも上記連動原理に従って流れて車両の安定性を向上させ、ここでは、各状況について詳細に説明しない。
【0078】
本願の実施例に係る油圧サスペンションシステム1000において、中央制御装置24及び4組のダンパアセンブリが設けられ、各組のダンパアセンブリ2には、いずれもオイル通路204が設けられるため、車両がロールする傾向がある場合、ロールを抑制する作用を果たすすることができる。車両の4つの車輪の高さが一致しない場合、車体の高さを調整して車両の傾斜幅を小さくし、車両の傾斜を回避することができる。
【0079】
図1及び図2に示すように、オイル貯蔵ポット1と中央制御装置との間は、第3の接続通路により接続され、第1の制御弁3~第4の制御弁6は、それぞれ対応する第3の接続通路に設けられ、対応する第3の接続通路を導通又は遮断し、すなわち、各組のダンパアセンブリ2に対応する制御弁が対応する第3の接続通路を遮断する場合、オイル貯蔵ポット1と中央制御装置に対応する第1のチャンバ、第2のチャンバ、第3のチャンバ及び第4のチャンバとの間の流路が遮断され、オイル貯蔵ポット1内のオイルが対応する中央制御装置内に流入しない。
【0080】
具体的には、油圧サスペンションシステム1000は、リフトモードと高さ低減モードとを有し、リフトモードで、オイルが左前ダンパアセンブリ2のオイル通路204、右前ダンパアセンブリ2のオイル通路204、左後ダンパアセンブリ2のオイル通路204及び右後ダンパアセンブリ2のオイル通路204内に流入することができ、各オイル通路204内に流入したオイルが下チャンバ2012内に流入し、これにより、下チャンバ2012内の油圧が大きくなってピストン202を上方に移動させ、ピストン202が上方に移動してピストンロッド203を動かして上方に移動させる。左前ダンパアセンブリ2のピストンロッド203が上方に移動し、右前ダンパアセンブリ2のピストンロッド203が上方に移動し、左後ダンパアセンブリ2のピストンロッド203が上方に移動し、右後ダンパアセンブリ2のピストンロッド203が上方に移動して、車体を動かして上方に移動させ、車体をリフトする目的を実現する。
【0081】
高さ低減モードで、オイルが左前ダンパアセンブリ2のオイル通路204、右前ダンパアセンブリ2のオイル通路204、左後ダンパアセンブリ2のオイル通路204及び右後ダンパアセンブリ2のオイル通路204からそれぞれオイル貯蔵ポット1内に流入することができ、各ダンパ200の下チャンバ2012の油圧が小さくなってピストン202を下方に移動させ、ピストン202が下方に移動してピストンロッド203を動かして下方に移動させる。左前ダンパアセンブリ2のピストンロッド203が下方に移動し、右前ダンパアセンブリ2のピストンロッド203が下方に移動し、左後ダンパアセンブリ2のピストンロッド203が下方に移動し、右後ダンパアセンブリ2のピストンロッド203が下方に移動して、車体を動かして下方に移動させ、車体の高さを低減する目的を実現する。
【0082】
車両が走行中に、様々な道路状況に遭遇し、関連技術における車両のサスペンションシステムが選定された後、自動車の走行中に調整できず、そのため、従来のサスペンションは、自動車が特定の道路及び速度条件で性能の最適なマッチングを達成することのみを保証でき、地面の車体への作用力を受動的に受け、道路、車速に応じてサスペンションパラメータを変更できず、さらに、地面の車体への作用力を能動的に制御することができない。
【0083】
本願の実施例に係る油圧サスペンションシステム1000は、道路状況などに応じて車体の高さを調整でき、例えば、比較的険しい山道を走行する場合、リフトモードに入り、車両の重心を高め、車両走行の安定性を向上させることができる。走行速度に対する車体の影響を低減する必要がある場合、高さ低減モードに入り、車両の重心を下げることができる。勿論、理解できるように、上記は、例示的な説明に過ぎず、走行中の実際の必要に応じて車体の高さを調整してもよい。
【0084】
本願の実施例に係る油圧サスペンションシステム1000は、車体の高さを調整でき、車両の快適性を損なうことなく、車両の操作安定性を向上させ、車両の快適性と操縦安定性との間の矛盾を効果的に解決することができる。また、中空のピストンロッド203を用いると、重量を低減するだけでなく、中空のピストンロッド203で画定されたオイル通路204を利用してオイルの流入又は流出を実現してピストンロッド203の位置を調整でき、調整方式が簡単で、信頼性が高く、コストが低く、応答速度が速い。
【0085】
図1図2に示すように、本願のいくつかの実施例において、オイル貯蔵ポット1は、オイル出口と、オイル入口とを有し、リザーバは、制御ポンプ26と、オイル戻し弁27とをさらに含み、制御ポンプ26は、それぞれオイル出口及び第3の接続通路に接続されてオイル貯蔵ポット1内のオイルを第3の接続通路にガイドする。オイル戻し弁27は、それぞれオイル入口及び第3の接続通路に接続され、オイル戻し弁27が開かれると、オイルは、第3の接続通路からオイル入口に流入する。すなわち、オイル貯蔵ポット1は、独立したオイル流入通路とオイル流出通路とを有し、オイルが流出する必要がある場合、制御ポンプ26が開かれ、かつオイル戻し弁27が閉じ状態にあり、制御ポンプ26は、オイルを各組のダンパアセンブリ2にガイドする。オイルが流入する必要がある場合、制御ポンプ26が閉じられ、かつオイル戻し弁27が開かれ、各組のダンパアセンブリ2から流出したオイルは、オイル戻し弁27を通ってオイル貯蔵ポット1に流入することができる。これにより、2本の独立した通路を設けることにより、オイル流出とオイル流入の確実な進行を保証する。
【0086】
本願のいくつかの例において、図1図2に示すように、制御ポンプ26は、制御弁体260と、駆動モータ261とを含み、駆動モータ261は、制御弁体260内の弁に電気的に接続され、駆動モータ261が回転して弁の回転を制御して制御ポンプ26のオン又はオフを実現する。これにより、駆動モータ261と弁との協働により制御ポンプ26のオン又はオフを実現し、制御ポンプ26の比較的確実な作動を保証し、制御ポンプ26のオン又はオフに対するオイルの影響を低減することができる。
【0087】
好ましくは、図1図2に示すように、油圧サスペンションシステム1000は、逆止弁28をさらに含み、逆止弁28は、制御ポンプ26の出口端に設けられ、かつ一方向に導通するため、オイル流入の場合、逆止弁28により、制御ポンプ26へのオイルの流れを効果的に回避し、制御ポンプ26の不具合の場合にオイルが制御ポンプ26を通ってオイル出口に流入することを回避することができる。
【0088】
本願のいくつかの実施例において、図1図2に示すように、油圧サスペンションシステム1000は、圧力保持アキュムレータ29をさらに含み、圧力保持アキュムレータ29は、制御ポンプ26の出口端に設けられて、圧力保持して制御ポンプ26の出口端での流量変動を解消することができるむ。
【0089】
本願のいくつかの例において、圧力保持アキュムレータ29は、金属ベローズアキュムレータを用いることができ、図7に示すように、金属ベローズアキュムレータは、筒体アセンブリとベローズアセンブリとからなる。筒体アセンブリは、上カバー、パッキン、シリンダチューブ、スナップリング及びシールリングを含み、ベローズアセンブリは、シールキャップ、ガイドリングと、ベローズ及び下カバーを含む。金属ベローズアキュムレータは、エアバッグやダイヤフラムに代えて、金属ベローズ101を流体と気体との間の可撓性分離素子として用いてもよい。該ベローズは、非常に広い温度範囲で使用することができる。金属ベローズは、他の部材に溶接されるため、完全に気密である。それは、摩擦や摩耗を生じさせることなく、アキュムレータ内部に上下に移動でき、一度に調整するだけで長時間作動することができる。
【0090】
本願のいくつかの実施例において、図1図2に示すように、油圧サスペンションシステム1000は、リリーフ弁31をさらに含み、リリーフ弁31は、制御ポンプ26の出口端に位置し、制御ポンプ26のオイル出口の圧力が一定の閾値に達すると、リリーフ弁31が開かれてリリーフして、油圧サスペンションシステム1000が正常な圧力範囲内にあるように保護する。なお、リリーフ弁31の動作原理は、既に従来技術となり、ここでは、詳細に説明しない。
【0091】
図1及び図2に示すように、本願のいくつかの実施例において、油圧サスペンションシステム1000は、第1の接続通路と、第2の接続通路とをさらに含み、第1の接続通路は、それぞれ左前ダンパアセンブリ2のオイル通路204及び右前ダンパアセンブリ2のオイル通路204に接続され、第1の接続通路には、それを導通又は遮断する第5の制御弁7が設けられる。
【0092】
第2の接続通路は、それぞれ左後ダンパアセンブリ2のオイル通路204及び右後ダンパアセンブリ2のオイル通路204に接続され、第2の接続通路には、それを導通又は遮断する第6の制御弁8が設けられる。
【0093】
具体的には、第5の制御弁7が開かれると、第1の接続通路は、導通され、第5の制御弁7が閉じられると、第1の接続通路は、遮断される。第6の制御弁8が開かれると、第2の接続通路は、導通され、第6の制御弁8が閉じられると、第2の接続通路は、遮断される。
【0094】
車体の高さを保持する必要がある場合、油圧サスペンションシステム1000は、高さ保持モードに切り替え、第5の制御弁7及び第6の制御弁8がいずれも開かれ、第1の接続通路及び第2の接続通路が導通され、左前ダンパアセンブリ2のオイル通路204と右前ダンパアセンブリ2のオイル通路204とが連通し、左後ダンパアセンブリ2のオイル通路204と左後ダンパアセンブリ2のオイル通路204とが連通する。すなわち、左前ダンパアセンブリ2のピストンロッド203と右前ダンパアセンブリ2のピストンロッド203とが連動状態にあり、左後ダンパアセンブリ2のピストンロッド203と左後ダンパアセンブリ2のピストンロッド203とが連動状態にあり、これにより、車体ができるだけ現在の高さを保持することができる。
【0095】
本願のいくつかの実施例において、図1図2に示すように、高さ調整装置は、接続通路と、アキュムレータモジュールとをさらに含み、該接続通路は、中央制御装置と、対応するダンパとの間に接続され、アキュムレータモジュールは、ダンピング調整アキュムレータ9と、開度調整弁80とを含み、ダンピング調整アキュムレータ9は、ダンパと中央制御装置との間に接続され、開度調整弁80は、ダンピング調整アキュムレータ9とダンパとの間に設けられる。対応する接続通路内のオイルの流量を調整することにより、対応する接続通路のダンピングを調整し、油圧サスペンションシステム1000のダンピングを調整する目的を実現でき、これにより、実際の状況に応じて油圧サスペンションシステム1000のダンピングを調整でき、例えば、道路状況などに応じて調整し、油圧サスペンションシステム1000のダンピングが制振要求を満たすことを保証し、車両の快適性と操縦安定性との間の矛盾を効果的に解消することができる。本願のいくつかの例において、開度調整弁80は、第1のモータと、第1の弁体とを含み、第1のモータは、第1の弁体内の弁の動作を制御して、第1の弁体の流通面積を変化させ、流量調整の目的を実現することができる。
【0096】
開度調整弁80の開度が小さくなって接続通路内に流通可能なオイルの量が低下すると、ダンパから接続通路までの流路が狭くなり、ダンパのダンピングが大きくなる。開度調整弁80の開度が大きくなると、ダンパから接続通路までの流路が広くなり、ダンパのダンピングが小さくなるため、ダンピング調整アキュムレータ9と開度調整弁80との協働により、油圧サスペンションシステム1000のダンピングを調整する信頼性を保証し、接続通路内に流通するオイルの量が必要なダンピングに適合することを保証する。
【0097】
本願のいくつかの実施例において、図1図2に示すように、アキュムレータモジュールは、剛性調整アキュムレータ10を含み、各組のダンパアセンブリ2には、1つの剛性調整アキュムレータ10が対応して設けられ、剛性調整アキュムレータ10は、剛性調整接続点で接続通路に接続され、剛性調整アキュムレータ10と剛性調整接続点との間には、剛性調整弁11が設けられ、オイル貯蔵ポット1内のオイルは、剛性調整アキュムレータ10内に流入してアキュムレートすることができる。剛性を高める必要がある場合、第1の制御弁3~第4の制御弁6がいずれも閉じられ、剛性調整弁11も閉じられ、これにより、剛性調整アキュムレータ10は、対応するダンパ200から遮断され、サスペンションの剛性を向上させる。
【0098】
理解できるように、各剛性調整弁11が独立に調整でき、これにより、油圧サスペンションシステム1000の前側及び後側の剛性が一致せず、異なる状況のニーズを満たすことができる。例えば、車両のアンチノーズダイブ状況及び旋回時のアンチロール状況の場合、前軸が大きな剛性を提供する必要があるため、左前ダンパアセンブリ2及び右前ダンパアセンブリ2に対応する剛性調整弁11を閉じ、右後ダンパアセンブリ2及び左後ダンパアセンブリ2に対応する剛性調整弁11を開くことができる。
【0099】
本願のいくつかの例において、ダンピング調整アキュムレータ9は、金属ベローズアキュムレータを用い、剛性調整アキュムレータ10は、ダイヤフラム式アキュムレータを用い、ダイヤフラム式アキュムレータは、金属ベローズアキュムレータよりも迅速な蓄圧能力及び多くの蓄圧量を有する。ダイヤフラム式アキュムレータは、比較的短時間でより高い蓄圧量に達することができるため、剛性調整アキュムレータ10は、ダイヤフラム式アキュムレータを用いて各サスペンションの蓄圧を行って車体リフトを実現する。なお、金属ベローズアキュムレータ及びダイヤフラム式アキュムレータのアキュムレート原理はいずれも従来技術となり、ここでは詳細に説明しない。
【0100】
本願のいくつかの実施例において、図1に示すように、高さ調整装置は、第7の制御弁12をさらに含み、第7の制御弁12は、剛性調整接続点とダンピング調整アキュムレータ9との間に設けられる。具体的には、油圧サスペンションシステム1000は、増圧モードを有してもよく、増圧モードで、第1の制御弁3~第4の制御弁6がいずれも開かれ、第7の制御弁12が閉じられ、剛性調整弁11が開かれ、オイル貯蔵ポット1内のオイルは、剛性調整アキュムレータ10内に流入してアキュムレートする。
【0101】
リフトモードに切り替える必要がある場合、第1の制御弁3~第4の制御弁6がいずれも閉じられ、第7の制御弁12が開かれ、剛性調整弁11が開かれ、剛性調整アキュムレータ10内のオイルは、オイル通路204内に流入してピストン202を上昇させる。高さ低減モードに切り替える必要がある場合、第1の制御弁3~第4の制御弁6がいずれも開かれ、第7の制御弁12が開かれ、剛性調整弁11が開かれ、ダンパ200のオイル通路204から流出したオイルは、オイル貯蔵ポット1内に戻す。したがって、第7の制御弁12を設けることにより、先に剛性調整弁11を利用してアキュムレートすることができ、リフト又は剛性調整を行う必要がある場合、剛性調整弁11を開閉すれば実現でき、応答速度が速く、確実である。
【0102】
好ましくは、油圧サスペンションシステム1000は、アンチノーズダイブ制動モード及びアンチスクォート加速モードをさらに有してもよく、車両が走行中に、各組のダンパアセンブリ2に対応する第1の制御弁3~第4の制御弁6のうちの一方が閉じられ、第7の制御弁12が開かれ、剛性調整弁11が閉じられるように制御し、これにより、各組のダンパアセンブリ2のオイル通路204がダンピング調整アキュムレータ9に連通し、ダンピング調整アキュムレータ9は、対応するダンパ200内のオイルの量を調整することができる。したがって、各組のダンパアセンブリ2に対応するダンパ200が、対応する位置での車体の運動傾向に対する反力を有するため、油圧サスペンションシステム1000は、アンチノーズダイブ制動モード及びアンチスクォート加速モードを有する。
【0103】
図2に示すように、本願のいくつかの実施例において、リザーバは、中央アキュムレータ13をさらに含み、複数組のダンパアセンブリ2に対応する第1の制御弁3~第4の制御弁6は、いずれも中央アキュムレータ13に接続される。すなわち、第1の制御弁3~第4の制御弁6がいずれも閉じられると、オイル貯蔵ポット1内のオイルは、中央アキュムレータ13に流入してアキュムレートする。第1の制御弁3~第4の制御弁6がいずれも開かれると、中央アキュムレータ13内のオイルが各組のダンパアセンブリ2のオイル通路204内に流入することができ、これにより、中央アキュムレータ13を設けることで、先に増圧によりアキュムレートし、オイルが各組のダンパアセンブリ2に確実に流入することができることを保証し、油圧サスペンションシステム1000のダンピングシステム及び剛性係数をさらに調整することを容易にする。図2に示すように、リフトモードで、中央アキュムレータ13内のオイルがオイル通路204内に流入してもよい。
【0104】
図1図2に示すように、本願のいくつかの実施例において、各ダンパアセンブリ2には、1つの減圧アキュムレータ30が対応して設けられ、各減圧アキュムレータ30は、対応するオイル通路204に連通する。したがって、車両が走行中に、車両が揺れ衝撃などを受ける場合、各ダンパアセンブリ2の下チャンバ2012内のオイルは、オイル通路204を通って減圧アキュムレータ30に流入してアキュムレートし、迅速な降圧を実現することができる。
【0105】
図1図4に示すように、本願のいくつかの実施例において、各組のダンパアセンブリ2は、制振スプリング205を含み、制振スプリング205の両端は、車体及びアクスルに接続するように構成される。したがって、制振スプリング205を設けることにより、各組のダンパアセンブリ2の緩衝効果を増加させ、車両の走行中の車体の揺れを低減することができる。
【0106】
好ましくは、図1図4に示すように、左前ダンパアセンブリ2の制振スプリング205は、ダンパ200に外嵌固定され、右前ダンパアセンブリ2の制振スプリング205は、ダンパ200に外嵌固定され、左後ダンパアセンブリ2の制振スプリング205は、ダンパ200と並列に設けられ、右後ダンパアセンブリ2の制振スプリング205は、ダンパ200と並列に設けられる。
【0107】
以下、図1図2を参照しながら、本願の2つの具体的例に係る油圧サスペンションシステム1000を詳細に説明し、理解できるように、上記各実施例は、限定的ではなく、例示的な説明に過ぎず、実際の状況に応じて各実施例を例示的に修正することができる。
【実施例1】
【0108】
図1に示すように、本願の実施例に係る油圧サスペンションシステム1000は、左前ダンパアセンブリ2と、右前ダンパアセンブリ2と、左後ダンパアセンブリ2と、右後ダンパアセンブリ2と、オイル貯蔵ポット1と、制御ポンプ26と、オイル戻し弁27と、逆止弁28と、圧力保持アキュムレータ29と、リリーフ弁31と、開度調整弁80と、ダンピング調整アキュムレータ9と、剛性調整アキュムレータ10と、減圧アキュムレータ30と、中央制御装置24と、第1の接続通路と、第2の接続通路とを含む。
【0109】
左前ダンパアセンブリ2及び右前ダンパアセンブリ2は、いずれもダンパ200と制振スプリング205とを含み、制振スプリング205は、ダンパ200に外嵌固定される。左後ダンパアセンブリ2及び右後ダンパアセンブリ2は、いずれもダンパ200と制振スプリング205とを含み、制振スプリング205は、ダンパ200と並列に設けられ、左後ダンパアセンブリ2の制振スプリング205の両端は、それぞれ車体及びアクスルに接続される。右後ダンパアセンブリ2の制振スプリング205の両端は、それぞれ車体及びアクスルに接続される。各ダンパ200は、ダンパハウジング201、ピストンロッド203及びピストン202を含み、ピストンロッド203は、ピストン202に接続され、ピストン202は、ダンパハウジング201内に移動可能に設けられて上チャンバ2011及び下チャンバ2012を区画し、ピストンロッド203内には、オイル通路204が設けられ、オイル通路204は、下チャンバ2012に連通し、中央制御装置は、第3の接続通路によりオイル貯蔵ポット1に接続され、第1の制御弁3~第4の制御弁6は、それぞれ対応する第3の接続通路に設けられる。
【0110】
オイル貯蔵ポット1は、オイル出口と、オイル入口とを有し、制御ポンプ26は、それぞれオイル出口及び第3の接続通路に接続されてオイル貯蔵ポット1内のオイルを第3の接続通路にガイドする。オイル戻し弁27は、それぞれオイル入口及び第3の接続通路に接続され、オイル戻し弁27が開かれると、オイルは、第3の接続通路からオイル入口に流入する。逆止弁28は、制御ポンプ26の出口端に設けられ、かつ一方向に導通する。圧力保持アキュムレータ29は、制御ポンプ26の出口端に設けられ、かつ逆止弁28と制御ポンプ26との間に位置し、圧力保持アキュムレータ29は、制御ポンプ26の出口端での流量変動を安定させて解消することができる。
【0111】
油圧サスペンションシステム1000は、共通流路と、4つの分岐流路とを含み、4つの分岐流路は、それぞれ4組のダンパアセンブリ2のオイル通路204に接続される。逆止弁28及びオイル戻し弁27は、それぞれ共通流路に接続される。リリーフ弁31は、共通流路に接続される。
【0112】
第1の制御弁3~第4の制御弁6は、それぞれ4つの分岐流路に1対1に対応して直列に接続され、第1の制御弁3~第4の制御弁6は、それぞれ対応する分岐流路の導通又は遮断を制御する。
【0113】
各ダンパアセンブリ2に対応する剛性調整アキュムレータ10は、対応する分岐流路に接続され、剛性調整アキュムレータ10のオイル出入口には、剛性調整弁11が設けられ、剛性調整弁11は、常閉状態にある。
【0114】
各分岐流路には、さらに開度調整弁80、ダンピング調整アキュムレータ9及び第7の制御弁12が設けられ、開度調整弁80は、対応する分岐流路を流れる流量を調整して油圧サスペンションシステム1000のダンピングを調整する。ダンピング調整アキュムレータ9は、アキュムレートすることができる。第7の制御弁12は、ダンピング調整アキュムレータ9と剛性調整アキュムレータ10との間に設けられる。
【0115】
各ダンパアセンブリ2には、1つの減圧アキュムレータ30が対応して設けられ、左前ダンパアセンブリ2に対応する減圧アキュムレータ30は、ピストンロッド203に直接接続されて対応するオイル通路204に連通し、右前ダンパアセンブリ2に対応する減圧アキュムレータ30は、ピストンロッド203に直接接続されて対応するオイル通路204に連通する。左後ダンパアセンブリ2に対応する減圧アキュムレータ30は、対応する分岐流路に接続され、右後ダンパアセンブリ2に対応する減圧アキュムレータ30は、対応する分岐流路に直接接続される。
【0116】
具体的には、油圧サスペンションシステム1000は、増圧モード、リフトモード及び高さ低減モードを有し、増圧モードで、第1の制御弁3~第4の制御弁6がいずれも開かれ、第7の制御弁12が閉じられ、剛性調整弁11が開かれ、制御ポンプ26が作動することにより、オイル貯蔵ポット1内のオイルは、4つの分岐流路を通ってそれぞれ対応する剛性調整アキュムレータ10内に流入してアキュムレートする。各剛性調整アキュムレータ10を利用してアキュムレートした後に、剛性調整弁11は閉じられる。
【0117】
リフトモードで、オイル貯蔵ポット1内のオイルが左前ダンパアセンブリ2のオイル通路204、右前ダンパアセンブリ2のオイル通路204、左後ダンパアセンブリ2のオイル通路204及び右後ダンパアセンブリ2のオイル通路204内に流入することができ、各オイル通路204内に流入したオイルが下チャンバ2012内に流入し、これにより、下チャンバ2012内の油圧が大きくなってピストン202を上方に移動させ、ピストン202が上方に移動してピストンロッド203を動かして上方に移動させる。左前ダンパアセンブリ2のピストンロッド203が上方に移動し、右前ダンパアセンブリ2のピストンロッド203が上方に移動し、左後ダンパアセンブリ2のピストンロッド203が上方に移動し、右後ダンパアセンブリ2のピストンロッド203が上方に移動して、車体を動かして上方に移動させ、車体をリフトする目的を実現する。
【0118】
高さ低減モードで、オイルがそれぞれ左前ダンパアセンブリ2のオイル通路204、右前ダンパアセンブリ2のオイル通路204、左後ダンパアセンブリ2のオイル通路204及び右後ダンパアセンブリ2のオイル通路204から流出することができ、各ダンパ200の下チャンバ2012の油圧が小さくなってピストン202を下方に移動させ、ピストン202が下方に移動してピストンロッド203を動かして下方に移動させる。左前ダンパアセンブリ2のピストンロッド203が下方に移動し、右前ダンパアセンブリ2のピストンロッド203が下方に移動し、左後ダンパアセンブリ2のピストンロッド203が下方に移動し、右後ダンパアセンブリ2のピストンロッド203が下方に移動して、車体を動かして下方に移動させ、車体の高さを低減する目的を実現する。理解できるように、高さ低減モードで、各組のダンパアセンブリ2から流出したオイルは、オイル貯蔵ポット1に直接流入してもよく、アキュムレータアセンブリ内に流入してアキュムレートしてもよく、或いは、同時にオイル貯蔵ポット1及びアキュムレータアセンブリに流入してもよい。
【0119】
油圧サスペンションシステム1000内の圧力が大きい場合、例えば、制御ポンプ26の出口での圧力が一定の閾値(30MPa)に達すると検出する場合、オイル戻し弁27を開いてリリーフして油圧サスペンションシステム1000が正常な圧力範囲内にあるように保護し、この時、各ダンパ200内のオイルは、オイル貯蔵ポット1内に流入することができる。
【0120】
リリーフした後、油圧サスペンションシステム1000内の圧力がまだ大きいか又は作動中に圧力が大きい場合、リリーフ弁31を開いてリリーフして、油圧サスペンションシステム1000全体の信頼性を確保することができる。
【0121】
車両が走行中に、油圧サスペンションシステム1000のダンピングが大きく、車体が揺れて快適性に影響を与える場合、開度調整弁80により各分岐流路内のオイルの量を調整して油圧サスペンションシステム1000のダンピングを調整でき、開度調整弁80の開度が小さくなってダンパから接続通路までの流路が狭くなると、ダンパのダンピングが大きくなる。開度調整弁80の開度が大きくなると、ダンパから接続通路までの流路が広くなり、ダンパのダンピングが小さくなり、油圧サスペンションシステム1000のダンピングを確実に調整することができる。
【0122】
油圧サスペンションシステム1000の剛性が高くて車両の快適性を低下させる場合、剛性調整弁11を開くように制御して、剛性調整アキュムレータ10内のオイルを各分岐流路内に補充することができ、これにより、油圧サスペンションシステム1000の剛性を低下させ、油圧サスペンションシステム1000の揺れへの緩衝効果を増加させることができる。
【0123】
車両が走行中に、車両が揺れ衝撃などを受ける場合、各ダンパアセンブリ2の下チャンバ2012内のオイルは、オイル通路204を通って減圧アキュムレータ30に流入してアキュムレートし、迅速な降圧を実現することができる。車両の前軸が走行安定性を保証し、車両の後軸が主に快適性を保証する必要があるため、左前ダンパアセンブリ2に対応する減圧アキュムレータ30がピストンロッド203に直接接続されて対応するオイル通路204に連通し、右前ダンパアセンブリ2に対応する減圧アキュムレータ30がピストンロッド203に直接接続されて対応するオイル通路204に連通し、迅速なリリーフを実現することができる。
【0124】
中央制御装置24は、ハウジング240と、移動部材241とを含み、移動部材241は、ハウジング240内に移動可能に設けられ、かつハウジング240と協働して第1のチャンバ243、第2のチャンバ244、第3のチャンバ245及び第4のチャンバ246を画定し、第1のチャンバ243、第2のチャンバ244、第3のチャンバ245及び第4のチャンバ246は、移動部材241の移動方向に順に配列され、第1のチャンバ243及び第2のチャンバ244は、移動部材241の第1の部分2411の一方側に分布し、第3のチャンバ245及び第4のチャンバ246は、第1の部分2411の他方側に分布し、第1の部分2411は、ハウジング240の内壁と移動可能に係合される。
【0125】
左前ダンパアセンブリ2のオイル通路204は、第1のチャンバ243及び第2のチャンバ244のうちの一方に接続され、右後ダンパアセンブリ2のオイル通路204は、第1のチャンバ243及び第2のチャンバ244のうちの他方に接続される。左後ダンパアセンブリ2のオイル通路204は、第3のチャンバ245及び第4のチャンバ246のうちの一方に接続され、右前ダンパアセンブリ2のオイル通路204は、第3のチャンバ245及び第4のチャンバ246のうちの他方に接続される。以下、説明の便宜上、左前ダンパアセンブリ2のオイル通路204が第1のチャンバ243に接続され、右後ダンパアセンブリ2のオイル通路204が第2のチャンバ244に接続され、左後ダンパアセンブリ2のオイル通路204が第3のチャンバ245に接続され、右前ダンパアセンブリ2のオイル通路204が第4のチャンバ246に接続されることを例として説明する。
【0126】
具体的には、車両がロールする傾向がある場合、例えば、左前ダンパアセンブリ2及び左後ダンパアセンブリ2のピストンロッド203が圧縮され、右前ダンパアセンブリ2及び右後ダンパアセンブリ2のピストンロッド203が引っ張られる場合、左前ダンパアセンブリ2の下チャンバ2012内のオイルがオイル通路204を通って第1のチャンバ243に流入し、左後ダンパアセンブリ2の下チャンバ2012内のオイルがオイル通路204通って第3のチャンバ245に流入し、第1のチャンバ243及び第3のチャンバ245が第1の部分2411の両側に位置するため、第1のチャンバ243内のオイルの第1の部分2411に対する作用力の方向と第3のチャンバ245の第1の部分2411に対する作用力の方向とが逆であり、2つの逆方向の作用力が互いに相殺するため、移動部材241が移動せず、これにより、左前ダンパアセンブリ2のピストンロッド203及び左後ダンパアセンブリ2のピストンロッド203の移動を抑制でき、ロールを抑制する作用を果たすことができる。
【0127】
車両の左前輪が石のような障害物に遭遇すると、左前輪が持ち上げられて左前ダンパアセンブリ2の圧縮幅が左後ダンパアセンブリ2の圧縮幅よりも大きくなる場合、左前ダンパアセンブリ2から第1のチャンバ243内に流入したオイルの量が左後ダンパアセンブリ2から第3のチャンバ245内に流入したオイルの量よりも多くなるため、移動部材241が右に移動して第3のチャンバ245及び第4のチャンバ246を押圧し、第3のチャンバ245内のオイルが左後ダンパアセンブリ2の下チャンバ2012内に流入してピストンロッド203を上方に移動させることができ、第4のチャンバ246内のオイルが右前ダンパアセンブリ2の下チャンバ2012内に流入してピストンロッド203を上方に移動させることができ、これにより、右前輪及び左後輪と車体との距離を増大させ、車両の傾斜幅を小さくし、車両のロールを回避する。
【0128】
勿論、理解できるように、上記いくつかの状況は、例示的な説明に過ぎず、車両が右前輪持ち上げ、左後輪持ち上げなどの他の状況に遭遇する場合、オイルは、いずれも上記連動原理に従って流れて車両のロールを回避し、ここでは、各状況について詳細に説明しない。
【0129】
第1の接続通路は、それぞれ左前ダンパアセンブリ2のオイル通路204及び右前ダンパアセンブリ2のオイル通路204に接続され、第1の接続通路には、それを導通又は遮断する第5の制御弁7が設けられる。
【0130】
第2の接続通路は、それぞれ左後ダンパアセンブリ2のオイル通路204及び右後ダンパアセンブリ2のオイル通路204に接続され、第2の接続通路には、それを導通又は遮断する第6の制御弁8が設けられる。
【0131】
具体的には、第5の制御弁7が開かれると、第1の接続通路は、導通され、第5の制御弁7が閉じられると、第1の接続通路は、遮断される。第6の制御弁8が開かれると、第2の接続通路は、導通され、第6の制御弁8が閉じられると、第2の接続通路は、遮断される。
【0132】
車体の高さを保持する必要がある場合、油圧サスペンションシステム1000は、高さ保持モードに切り替え、第5の制御弁7及び第6の制御弁8がいずれも開かれ、第1の接続通路及び第2の接続通路が導通され、左前ダンパアセンブリ2のオイル通路204と右前ダンパアセンブリ2のオイル通路204とが連通し、左後ダンパアセンブリ2のオイル通路204と左後ダンパアセンブリ2のオイル通路204とが連通する。すなわち、左前ダンパアセンブリ2のピストンロッド203と右前ダンパアセンブリ2のピストンロッド203とが連動状態にあり、左後ダンパアセンブリ2のピストンロッド203と左後ダンパアセンブリ2のピストンロッド203とが連動状態にあり、これにより、車体ができるだけ現在の高さを保持することができる。
【実施例2】
【0133】
図2に示すように、該実施例において、本願の実施例に係る油圧サスペンションシステム1000には、実施例に比べて、第7の制御弁12が設けられず、油圧サスペンションシステム1000は、中央アキュムレータ13を含む。
【0134】
なお、該実施例において、増圧モードで、オイル貯蔵ポット1内のオイルは、中央アキュムレータ13及び剛性調整アキュムレータ10に流入してアキュムレートする。
【0135】
本実施例に係る油圧サスペンションシステム1000が有するモードは、実施例1におけるモードと同様であり、ここでは説明しない。
【0136】
本願の実施例に係る車両は、本願の上記いずれか一実施例に記載の油圧サスペンションシステム1000を含む。
【0137】
本願の実施例に係る車両において、中央制御装置24と複数の高さ調整装置とを設けることにより、車両がロールする傾向がある場合、ロールを抑制する作用を果たすことができる。車両の4つの車輪の高さが一致しない場合、車体の高さを調整して車両の傾斜幅を小さくし、車両のロールを回避することができる。
【0138】
なお、本願の説明において、用語「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「半径方向」、「周方向」などで示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、本願を容易に説明し説明を簡略化するためのものに過ぎず、示された装置又は素子が特定の方位を有し、特定の方位で構成されて操作しなければならないことを示すか又は示唆するものではないため、本願を限定するものであると理解すべきではない。
【0139】
また、用語「第1」、「第2」は、目的の説明のためのものに過ぎず、相対的な重要性を示すか又は示唆し、或いは示された技術的特徴の数を暗示するものであると理解すべきではない。これにより、「第1」、「第2」で限定された特徴は、1つ以上の該特徴を明示的又は暗示的に含んでもよい。本願の説明において、「複数」とは、明確かつ具体的な限定がない限り、2つ以上を意味する。
【0140】
本願において、別に明らかな規定及び限定がない限り、用語「取り付け」、「連結」、「接続」、「固定」などは、広義に理解されるべきであり、例えば、別に明らかな限定がない限り、固定接続であっても、着脱可能な接続であっても、一体的な接続であってもよく、機械的な接続であっても、電気的な接続であってもよく、直接的な連結であっても、中間媒体を介した間接的な連結であってもよく、2つの部品の内部の連通、又は2つの部品の相互作用の関係であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて本願における上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0141】
本願において、別に明らかな規定及び限定がない限り、第1特徴が第2特徴の「上」又は「下」にあることは、第1特徴と第2特徴とが直接的に接触することを含んでもよく、第1特徴と第2特徴とが中間媒体を介して間接的に接触することを含んでもよい。また、第1特徴が第2特徴の「上」、「上方」又は「上面」にあることは、第1特徴が第2特徴の真上及び斜め上にあることを含んでもよく、第1特徴の水平高さが第2特徴よりも高いことだけを表してもよい。第1特徴が第2特徴の「下」、「下方」又は「下面」にあることは、第1特徴が第2特徴の真下及び斜め下にあることを含んでもよく、第1特徴の水平高さが第2特徴よりも低いことだけを表してもよい。
【0142】
本明細書の説明では、用語「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例」、「具体例」又は「いくつかの例」などを参照する説明は、該実施例又は例を組み合わせて説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性が本願の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書では、上記用語の例示的な表現は、必ずしも同一の実施例又は例に限定されるものではない。また、説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性は、任意の1つ以上の実施例又は例において適切に組み合わせることができる。また、互いに矛盾しない場合、当業者であれば、本明細書で説明された異なる実施例又は例、及び異なる実施例又は例の特徴を結合するか又は組み合わせることができる。
【0143】
以上、本願の実施例が示され、説明されるが、理解できるように、上記実施例は、例示的なものであり、本願を限定するものと理解すべきではなく、当業者であれば、本願の範囲で上記実施例に対して変更、修正、交換及び変形を行うことができる。
【符号の説明】
【0144】
1000 油圧サスペンションシステム
1 オイル貯蔵ポット
2 ダンパアセンブリ
200 ダンパ
201 ダンパハウジング
2011 上チャンバ
2012 下チャンバ
202 ピストン
203 ピストンロッド
204 オイル通路
205 制振スプリング
3 第1の制御弁
4 第2の制御弁
5 第3の制御弁
6 第4の制御弁
7 第5の制御弁
8 第6の制御弁
80 開度調整弁
9 ダンピング調整アキュムレータ
10 剛性調整アキュムレータ
101 金属ベローズ
11 剛性調整弁
12 第7の制御弁
13 中央アキュムレータ
32 中央蓄圧調整弁
24 中央制御装置
240 ハウジング
241 移動部材
2410 第1の部分
2411 第2の部分
2412 第3の部分
243 第1のチャンバ
244 第2のチャンバ
245 第3のチャンバ
246 第4のチャンバ
247 第1のリターンスプリング
248 第2のリターンスプリング
249 ガイドユニット
2490 第1のガイド部材
2491 第2のガイド部材
2401 第1の接続ポート
24011 第1のポート
24012 第2のポート
24013 第3のポート
24014 第4のポート
2402 第2の接続ポート
24021 第5のポート
24022 第6のポート
24023 第7のポート
24024 第8のポート
2403 第1の筒体
2404 第2の筒体
2405 第3の筒体
26 制御ポンプ
260 制御弁体
261 駆動モータ
27 オイル戻し弁
28 逆止弁
29 圧力保持アキュムレータ
30 減圧アキュムレータ
31 リリーフ弁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2024-06-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の高さ調整装置と、中央制御装置とを含み、複数の前記高さ調整装置は、車両の複数の車輪と1対1に対応して設けられ、
前記中央制御装置は、ハウジングと移動部材とを含み、前記移動部材は、前記ハウジング内に移動可能に設けられ、かつ前記ハウジングを前記移動部材の移動方向に第1の領域及び第2の領域に分け、前記第1の領域は、互いに隔絶された第1のチャンバ及び第2のチャンバを含み、前記第2の領域は、互いに隔絶された第3のチャンバ及び第4のチャンバを含み、
前記第1のチャンバ、第2のチャンバ、第3のチャンバ及び第4のチャンバは、複数の前記高さ調整装置と1対1に対応して連通し、前記第1のチャンバ及び前記第2のチャンバに連通した前記高さ調整装置に対応する車輪は、対角線に位置し、第3のチャンバ及び前記第4のチャンバに連通した前記高さ調整装置に対応する車輪も、対角線に位置する、油圧サスペンションシステム。
【請求項2】
前記第1の領域における前記第1のチャンバ及び前記第2のチャンバの体積変化と、前記第2の領域における前記第3のチャンバ及び前記第4のチャンバの体積変化とは、逆である、請求項1に記載の油圧サスペンションシステム。
【請求項3】
前記第1のチャンバ、前記第2のチャンバ、前記第3のチャンバ及び前記第4のチャンバは、前記移動部材の移動方向に沿って順に設けられる、請求項1に記載の油圧サスペンションシステム。
【請求項4】
初期状態で、前記第1のチャンバと前記第4のチャンバの体積は、同じであり、前記第2のチャンバと前記第3のチャンバの体積は、同じである、請求項1に記載の油圧サスペンションシステム。
【請求項5】
前軸高さ調整装置及び後軸高さ調整装置のうちの一方は、前記第1のチャンバ及び前記第3のチャンバに連通し、前記前軸高さ調整装置及び前記後軸高さ調整装置のうちの他方は、前記第2のチャンバ及び前記第4のチャンバに連通する、請求項1に記載の油圧サスペンションシステム。
【請求項6】
前軸高さ調整装置及び後軸高さ調整装置のうちの一方は、前記第1のチャンバ及び前記第4のチャンバに連通し、前記前軸高さ調整装置及び前記後軸高さ調整装置のうちの他方は、前記第2のチャンバ及び前記第3のチャンバに連通する、請求項1に記載の油圧サスペンションシステム。
【請求項7】
前記中央制御装置には、第1の接続ポートが設けられ、前記高さ調整装置は、リザーバと、ダンパとを含み、前記ダンパは、車輪に対応して設けられ、前記リザーバは、前記ダンパにオイルを供給し、前記第1の接続ポートは、前記ダンパに連通し、
前記第1の接続ポートは、複数設けられ、かつ第1のポート、第2のポート、第3のポート及び第4のポートを含み、前記第1のポート、第2のポート、第3のポート及び第4のポートは、それぞれ前記第1のチャンバ、第2のチャンバ、第3のチャンバ及び第4のチャンバに連通する、請求項1に記載の油圧サスペンションシステム。
【請求項8】
前記中央制御装置は、第2の接続ポートをさらに含み、前記第2の接続ポートは、前記リザーバに連通するように構成され、
前記第2の接続ポートは、複数設けられ、かつ第5のポート、第6のポート、第7のポート及び第8のポートを含み、前記第5のポート、第6のポート、第7のポート及び第8のポートは、それぞれ第1のチャンバ、第2のチャンバ、第3のチャンバ及び第4のチャンバに連通する、請求項7に記載の油圧サスペンションシステム。
【請求項9】
前記第1の接続ポートの軸線は、前記第2の接続ポートの軸線に対して垂直に設けられる、請求項8に記載の油圧サスペンションシステム。
【請求項10】
第1の制御弁、第2の制御弁、第3の制御弁及び第4の制御弁をさらに含み、前記第1の制御弁は、前記第5のポートと前記リザーバとの間に設けられ、前記第2の制御弁は、第6のポートと前記リザーバとの間に設けられ、前記第3の制御弁は、前記第7のポートと前記リザーバとの間に設けられ、前記第4の制御弁は、前記第8のポートと前記リザーバとの間に設けられる、請求項に記載の油圧サスペンションシステム。
【請求項11】
御弁は、前記第1の制御弁、前記第2の制御弁、前記第3の制御弁及び前記第4の制御弁を含み、前記制御弁は、前記第2の接続ポート及びダンパのうちの一方と、前記リザーバとを選択的に連通する、請求項10に記載の油圧サスペンションシステム。
【請求項12】
前記第1の制御弁と前記第4の制御弁との間には、第1の接続通路が設けられ、前記第1の接続通路には、第5の制御弁が設けられ、前記第2の制御弁と前記第3の制御弁との間には、第2の接続通路が設けられ、前記第2の接続通路には、第6の制御弁が設けられる、請求項10に記載の油圧サスペンションシステム。
【請求項13】
前記移動部材は、第1の部分、第2の部分及び第3の部分を含み、前記第1の部分は、前記ハウジングの側壁に沿って軸方向に移動して前記ハウジングを前記第1の領域及び前記第2の領域に仕切り、前記第2の部分は、前記第1の部分の一方側に接続され、かつ前記ハウジングの側壁に沿って移動して前記第1の領域を前記第1のチャンバ及び前記第2のチャンバに仕切り、前記第3の部分は、前記第1の部分の他方側に接続され、かつ前記ハウジングの側壁に沿って移動して前記第2の領域を前記第3のチャンバ及び前記第4のチャンバに仕切る、請求項1に記載の油圧サスペンションシステム。
【請求項14】
前記ハウジングは、前記移動部材の移動方向に沿って順に設けられた第1の筒体、第2の筒体及び第3の筒体を有し、前記第2の筒体の内径は、前記第1の筒体の内径よりも大きく、かつ前記第3の筒体の内径よりも大きく、前記第2の部分と前記第1の筒体の内壁との間には、前記第1のチャンバが形成され、前記第1の部分は、前記第2の筒体の内壁に接触して前記第2の筒体を前記第2のチャンバ及び前記第3のチャンバに仕切り、前記第3の部分と前記第3の筒体の内壁との間には、前記第4のチャンバが形成される、請求項13に記載の油圧サスペンションシステム。
【請求項15】
前記第1の部分の延在方向は、前記第2の部分の延在方向に垂直であり、前記第2の部分の延在方向と、前記第3の部分とは、前記第1の部分に関して対称に設けられる、請求項13に記載の油圧サスペンションシステム。
【請求項16】
前記第1のチャンバと前記第2のチャンバとは、前記第1の部分の一方側に位置し、前記第3のチャンバと前記第4のチャンバとは、前記第1の部分の他方側に位置する、請求項13に記載の油圧サスペンションシステム。
【請求項17】
前記移動部材と前記ハウジングの端壁との間には、リターンスプリングが設けられる、請求項1に記載の油圧サスペンションシステム。
【請求項18】
前記ダンパは、ダンパハウジング、ピストン及びピストンロッドを有し、前記ダンパハウジングは、車輪に接続されるように構成され、前記ピストンは、前記ダンパハウジング内に位置し、かつ前記ダンパハウジングと協働して上チャンバ及び下チャンバを画定し、前記ピストンロッドの一端は、前記ピストンに接続され、前記ピストンロッドは、車体に接続されるように構成され、前記ピストンロッド内には、オイル通路が設けられ、前記オイル通路は、前記下チャンバに連通し、前記リザーバは、前記オイル通路を介して前記ダンパにオイルを供給する、請求項7に記載の油圧サスペンションシステム。
【請求項19】
前記高さ調整装置は、接続通路と、アキュムレータモジュールとをさらに含み、前記接続通路は、前記中央制御装置と、対応する前記ダンパとを連通し、
前記アキュムレータモジュールは、ダンピング調整アキュムレータと、開度調整弁とを含み、前記ダンピング調整アキュムレータは、前記ダンパと前記中央制御装置との間に接続され、前記開度調整弁は、前記ダンピング調整アキュムレータと前記ダンパとの間に設けられる、請求項7に記載の油圧サスペンションシステム。
【請求項20】
前記アキュムレータモジュールは、剛性調整アキュムレータと、剛性調整弁とをさらに含み、前記接続通路には、剛性調整接続点が設けられ、前記剛性調整アキュムレータは、前記剛性調整接続点に連通し、前記剛性調整弁は、前記剛性調整アキュムレータと前記剛性調整接続点との間に設けられる、請求項19に記載の油圧サスペンションシステム。
【請求項21】
前記高さ調整装置は、第7の制御弁をさらに含み、前記第7の制御弁は、前記剛性調整接続点と前記ダンピング調整アキュムレータとの間に設けられる、請求項20に記載の油圧サスペンションシステム。
【請求項22】
前記中央制御装置は、シリンダ構造である、請求項1に記載の油圧サスペンションシステム。
【請求項23】
請求項1~22のいずれか一項に記載の油圧サスペンションシステムを含む車両。
【国際調査報告】