(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-17
(54)【発明の名称】マルチパスケースにおける確立および障害を扱うための方法および装置
(51)【国際特許分類】
H04W 76/23 20180101AFI20250109BHJP
H04W 88/04 20090101ALI20250109BHJP
H04W 72/231 20230101ALI20250109BHJP
H04W 72/0457 20230101ALI20250109BHJP
【FI】
H04W76/23
H04W88/04
H04W72/231
H04W72/0457 110
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024523746
(86)(22)【出願日】2021-12-30
(85)【翻訳文提出日】2024-05-29
(86)【国際出願番号】 CN2021143238
(87)【国際公開番号】W WO2023123242
(87)【国際公開日】2023-07-06
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523107950
【氏名又は名称】レノボ・(ベイジン)・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(72)【発明者】
【氏名】リアンハイ・ウー
(72)【発明者】
【氏名】ミンゼン・ダイ
(72)【発明者】
【氏名】ジン・ハン
(72)【発明者】
【氏名】コンチ・ジャン
(72)【発明者】
【氏名】ラン・ユエ
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA22
5K067BB21
5K067EE02
5K067EE06
5K067EE10
5K067JJ22
(57)【要約】
本願の実施形態は、マルチパスケースにおける確立および障害を扱うための方法および装置に関する。本出願の実施形態では、UEは、プロセッサと、プロセッサに結合されたトランシーバとを備え、プロセッサが、ある経路を介してネットワークノードのサービングセルにアクセスすることであって、ある経路がUEとネットワークノードの間の直接経路または間接経路である、ことと、ネットワークノードからトランシーバを介して経路追加手順についての構成情報を受信することであって、経路追加手順が、UEとネットワークノードの間のさらなる経路を追加するためのものである、ことと、経路追加手順を開始することと、経路追加手順に関連したタイマをスタートすることとを行うように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ機器(UE)であって、
プロセッサと、
前記プロセッサに結合されたトランシーバとを備え、
前記プロセッサが、
第1の経路を介してネットワークノードのサービングセルにアクセスすることであって、前記第1の経路が、前記UEと前記ネットワークノードの間の直接経路または間接経路である、ことと、
前記ネットワークノードから前記トランシーバを介して経路追加手順についての第1の構成情報を受信することであって、前記経路追加手順が、前記UEと前記ネットワークノードの間の第2の経路を追加するためのものである、ことと、
前記経路追加手順を開始することと、
前記経路追加手順に関連したタイマをスタートすることと
を行うように構成される、UE。
【請求項2】
前記第1の経路が間接経路であることに応じて、前記第2の経路が直接経路であり、前記第1の経路が直接経路であることに応じて、前記第2の経路が間接経路である、請求項1に記載のUE。
【請求項3】
前記第1の構成情報が、同期を伴う再構成情報要素(IE)を含む第1の無線リソース制御(RRC)再構成メッセージで搬送される、請求項1に記載のUE。
【請求項4】
前記第1の構成情報が、経路追加情報を含む第1のRRC再構成メッセージで搬送され、前記経路追加情報が、
前記第1の経路が前記間接経路であることに応じて、前記ネットワークノードの前記サービングセルの識別子(ID)、
前記第1の経路が前記直接経路であることに応じて、前記第2の経路上のリレーUEのID、または
無線ベアラ構成情報
の少なくとも1つを含む、請求項1に記載のUE。
【請求項5】
前記経路追加手順に関連した前記タイマが、
前記第1の構成情報を受信すること、または
前記経路追加手順を開始すること
に応じてスタートされる、請求項1に記載のUE。
【請求項6】
前記UEの前記プロセッサが、前記経路追加手順に関連した前記タイマの満了に応じて、前記経路追加手順に関連付けられた障害情報手順を開始するように構成される、請求項1に記載のUE。
【請求項7】
前記障害情報手順の開始中に、前記UEの前記プロセッサが、前記ネットワークノードに、前記トランシーバを介して、障害タイプを含む障害メッセージを送信するように構成され、前記障害タイプが、
前記経路追加手順に関連した前記タイマの満了、または
経路追加障害
の少なくとも1つを含む、請求項6に記載のUE。
【請求項8】
前記経路追加手順に関連した前記タイマの前記満了の後、あるいは前記障害情報手順を開始した後、前記UEの前記プロセッサが、前記経路追加手順を開始する前に、第2の構成情報を使用するためにフォールバックするように構成される、請求項6に記載のUE。
【請求項9】
前記UEの前記プロセッサは、前記経路追加手順が正常に完了したことに応じて、前記ネットワークノードに、前記トランシーバを介してRRC再構成完了メッセージを送信するように構成される、請求項1に記載のUE。
【請求項10】
前記RRC再構成完了メッセージが、1つの経路を介して送信され、前記RRC再構成完了メッセージに関連付けられたRRC再構成メッセージが、前記1つの経路を介して受信される、請求項9に記載のUE。
【請求項11】
前記経路追加手順が正常に完了した後、前記UEの前記プロセッサが、前記ネットワークノードから前記トランシーバを介して第2のRRC再構成メッセージを受信するように構成され、前記第2のRRC再構成メッセージが、
前記間接経路上のリレーUEのIDおよび前記間接経路に関連する第1のリリース指示、または
前記ネットワークノードのIDおよび前記直接経路に関連する第2のリリース指示
の少なくとも1つを含む、請求項1に記載のUE。
【請求項12】
ユーザ機器(UE)であって、
プロセッサと、
前記プロセッサに結合されたトランシーバとを備え、
前記プロセッサが、
第1の経路および第2の経路を介してネットワークノードのサービングセルにアクセスすることであって、前記第1の経路が、前記UEと前記ネットワークノードの間の直接経路であり、前記第2の経路が、前記UEと前記ネットワークノードの間の間接経路である、ことと、
前記ネットワークノードから前記トランシーバを介して無線リソース制御(RRC)再構成メッセージを受信することと
を行うように構成される、UE。
【請求項13】
前記RRC再構成メッセージを受信した後、前記UEの前記プロセッサが、前記ネットワークノードに、前記トランシーバを介してRRC再構成完了メッセージを送信するように構成される、請求項12に記載のUE。
【請求項14】
前記UEの前記プロセッサが、前記第1の経路および前記第2の経路から1つの経路を選択するように構成され、前記RRC再構成完了メッセージが、選択された経路を介して送信される、請求項13に記載のUE。
【請求項15】
前記RRC再構成完了メッセージが前記第1の経路を介して送信される、請求項13に記載のUE。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願の実施形態は、概してワイヤレス通信技術に関し、特に、マルチパスケースにおける確立および障害を扱うための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車車間/路車間通信(V2X、Vehicle to Everything)が、5Gワイヤレス通信技術に導入されている。V2X通信のチャネル構造の観点から、2つのユーザ装置(UE)間の直接リンクはサイドリンクと呼ばれる。サイドリンクは、3GPP(登録商標)リリース12で導入されたロングタームエボリューション(LTE)の特徴であり、近接するUE間の直接通信を可能にし、データは、基地局(BS)またはコアネットワークを経由する必要がない。
【0003】
第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP(登録商標))では、ワイヤレス通信システムでのリレーノード(RN)の導入が推進されている。RN導入の一つの目的は、カバレッジ内、あるいは、相対的に低い信号品質を生じ得るBSから遠くに位置するユーザ機器(UE)のスループットを向上させることによって、BSのカバレッジ領域を強化することである。RNはまた、いくつかのケースではリレーUEと呼ばれ得る。リレーUEを含む3GPP(登録商標) 5G サイドリンクシステムは、サイドリンクリレーシステムと呼ばれ得る。
【0004】
現在では、3GPP(登録商標) 5G ニューラジオ(NR)システムなどにおいて、マルチパスケースにおける確立および障害を扱う方法の詳細は、まだ具体的に議論されていない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本出願のいくつかの実施形態では、ユーザ機器を提供する。UEは、プロセッサと、プロセッサに結合されたトランシーバとを備え、プロセッサが、ある経路を介してネットワークノードのサービングセルにアクセスすることであって、ある経路がUEとネットワークノードの間の直接経路または間接経路である、ことと、ネットワークノードからトランシーバを介して経路追加手順についての構成情報を受信することであって、経路追加手順が、UEとネットワークノードの間のさらなる経路を追加するためのものである、ことと、経路追加手順を開始することと、経路追加手順に関連したタイマをスタートすることとを行うように構成される。いくつかの実施形態では、経路追加手順に関連したタイマが、経路追加手順についての構成情報を受信すること、または経路追加手順を開始することに応じてスタートされる。
【0006】
いくつかの実施形態では、ある経路が間接経路であることに応じて、さらなる経路が直接経路であり、ある経路が直接経路であることに応じて、さらなる経路が間接経路である。
【0007】
いくつかの実施形態では、経路追加手順についての構成情報が、同期を伴う再構成情報要素(IE)を含む無線リソース制御(RRC)再構成メッセージで搬送される。いくつかの実施形態では、経路追加手順についての構成情報が、経路追加情報を含むRRC再構成メッセージで搬送される。経路追加情報が、ある経路が間接経路であることに応じて、ネットワークノードのサービングセルの識別子(ID)、ある経路が直接経路であることに応じて、さらなる経路上のリレーUEのID、または無線ベアラ構成情報の少なくとも1つを含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、UEのプロセッサが、経路追加手順に関連したタイマの満了に応じて、経路追加手順に関連付けられた障害情報手順を開始するように構成される。一実施時形態では、障害情報手順の開始中に、UEのプロセッサが、ネットワークノードに、トランシーバを介して障害タイプを含む障害メッセージを送信するように構成され、障害タイプが、経路追加手順に関連したタイマの満了または経路追加障害の少なくとも1つを含む。一実施時形態では、経路追加手順に関連したタイマの満了の後、あるいは障害情報手順を開始した後、UEのプロセッサが、経路追加手順を開始する前に、第2の構成情報を使用するためにフォールバックするように構成される。
【0009】
いくつかの実施形態では、UEのプロセッサは、経路追加手順が正常に完了したことに応じて、ネットワークノードにトランシーバを介してRRC再構成完了メッセージを送信するように構成される。一実施形態では、RRC再構成完了メッセージが1つの経路を介して送信され、RRC再構成完了メッセージに関連付けられたRRC再構成メッセージが、該1つの経路を介して受信される。
【0010】
いくつかの実施形態では、経路追加手順が正常に完了した後、UEのプロセッサは、ネットワークノードからトランシーバを介してさらなるRRC再構成メッセージを受信するように構成され、さらなるRRC再構成メッセージが、間接経路上のリレーUEのIDおよび間接経路に関連するリリース指示、またはネットワークノードのIDおよび直接経路に関連するさらなるリリース指示の少なくとも1つを含む。
【0011】
本出願のいくつかの実施形態では、UEによって実行され得る方法が提供される。方法は、ある経路を介してネットワークノードのサービングセルにアクセスするステップであって、ある経路がUEとネットワークノードの間の直接経路または間接経路である、ステップと、ネットワークノードからトランシーバを介して経路追加手順についての構成情報を受信するステップであって、経路追加手順が、UEとネットワークノードの間のさらなる経路を追加するためのものである、ステップと、経路追加手順を開始するステップと、経路追加手順に関連したタイマをスタートするステップとを備える。いくつかの実施形態では、経路追加手順に関連したタイマが、経路追加手順についての構成情報を受信すること、または経路追加手順を開始することに応じてスタートされる。
【0012】
いくつかの実施形態では、ある経路が間接経路であることに応じて、さらなる経路が直接経路であり、ある経路が直接経路であることに応じて、さらなる経路が間接経路である。いくつかの実施形態では、経路追加手順についての構成情報が、同期を伴う再構成情報要素(IE)を含む無線リソース制御(RRC)再構成メッセージで搬送される。いくつかの実施形態では、経路追加手順についての構成情報が、経路追加情報を含むRRC再構成メッセージで搬送される。経路追加情報が、ある経路が間接経路であることに応じて、ネットワークノードのサービングセルの識別子(ID)、ある経路が直接経路であることに応じて、さらなる経路上のリレーUEのID、または無線ベアラ構成情報の少なくとも1つを含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、方法はさらに、経路追加手順に関連したタイマの満了に応じて、経路追加手順に関連付けられた障害情報手順を開始するステップを備える。一実施時形態では、方法はさらに、障害情報手順の開始中に、ネットワークノードに、トランシーバを介して、障害タイプを含む障害メッセージを送信するステップを備え、障害タイプが、経路追加手順に関連したタイマの満了、または経路追加障害の少なくとも1つを含む。一実施時形態では、方法はさらに、経路追加手順に関連したタイマの満了の後、あるいは障害情報手順を開始した後、経路追加手順を開始する前に、第2の構成情報を使用するためにフォールバックするステップを備える。
【0014】
いくつかの実施形態では、方法はさらに、経路追加手順が正常に完了したことに応じて、ネットワークノードに、トランシーバを介してRRC再構成完了メッセージを送信するステップを備える。一実施形態では、RRC再構成完了メッセージが、1つの経路を介して送信され、RRC再構成完了メッセージに関連付けられたRRC再構成メッセージが、該1つの経路を介して受信される。
【0015】
いくつかの実施形態では、方法はさらに、経路追加手順が正常に完了した後、ネットワークノードからトランシーバを介してさらなるRRC再構成メッセージを受信するステップを備え、さらなるRRC再構成メッセージが、間接経路上のリレーUEのIDおよび間接経路に関連するリリース指示、またはネットワークノードのIDおよび直接経路に関連するさらなるリリース指示の少なくとも1つを含む。
【0016】
本出願のいくつかの実施形態では、ワイヤレス通信のための装置が提供される。装置は、コンピュータ実行可能命令を記憶した非一時的コンピュータ可読媒体と、受信回路と、送信回路と、および非一時的コンピュータ可読媒体、受信回路、および送信回路に結合されたプロセッサとを備え、コンピュータ実行可能命令は、UEによって実行される上述の方法のいずれかをプロセッサに実施させる。
【0017】
本出願のいくつかの実施形態では、UEが提供される。UEは、プロセッサと、プロセッサに結合されたトランシーバとを備え、プロセッサが、ある経路およびさらなる経路を介してネットワークノードのサービングセルにアクセスすることであって、ある経路がUEとネットワークノードの間の直接経路であり、さらなる経路がUEとネットワークノードの間の間接経路である、ことと、ネットワークノードからトランシーバを介して無線リソース制御(RRC)再構成メッセージを受信することとを行うように構成される。いくつかの実施形態では、RRC再構成メッセージを受信した後、UEのプロセッサが、ネットワークノードに、トランシーバを介してRRC再構成完了メッセージを送信するように構成される。
【0018】
いくつかの実施形態では、UEのプロセッサが、ある経路およびさらなる経路から1つの経路を選択するように構成され、RRC再構成完了メッセージが、選択された経路を介して送信される。いくつかの実施形態では、RRC再構成完了メッセージがある経路を介して送信される。
【0019】
いくつかの実施形態では、RRC再構成メッセージを受信した後、UEのプロセッサが、ネットワークノードが間接経路のすべてのデータ無線ベアラ(DRB)をリリースすることに応じて間接経路を自律的にリリースすること、または、ネットワークノードが直接経路のすべてのDRBをリリースすることに応じて直接経路を自律的にリリースすること、または、ネットワークノードが間接経路のすべてのDRBおよびシグナリング無線ベアラ(SRB)をリリースすることに応じて間接経路をリリースすること、あるいは、ネットワークノードが直接経路のすべてのDRBおよびSRBをリリースすることに応じて直接経路をリリースすることを行うように構成される。
【0020】
いくつかの実施形態では、RRC再構成完了メッセージを受信した後、UEのプロセッサが、ある経路に障害が発生するとともにさらなる経路が利用可能であること、さらなる経路に障害が発生するとともにある経路が利用可能であることの少なくとも一つに応じて、障害情報手順を開始し、UEとさらなる経路上のリレーUEの間のPC5リンク上の無線リンク障害(RLF)を宣言し、あるいは、リレーUEから、リレーUEとネットワークノードの間のリンク上のRLFの指示を受け取るように構成される。一実施形態では、UEのプロセッサがさらに、障害情報手順を開始することに応じてタイマをスタートするように構成される。
【0021】
いくつかの実施形態では、UEのプロセッサが、ある経路に障害が発生した後にある経路が回復する前にさらなる経路に障害が発生したこと、ある経路とさらなる経路の両方が停止したこと、ある経路とさらなる経路の両方に障害が発生したこと、あるいは、プライマリ経路がUEに構成されている場合にプライマリ経路に障害が発生したことの少なくとも1つに応じて、RRC再確立手順を開始するように構成される。
【0022】
いくつかの実施形態では、RRC再確立手順の開始中、UEのプロセッサが、セルを選択し、選択したセルにRRC再確立要求メッセージを送信するように構成される。RRC再確立要求メッセージは、セル無線ネットワーク一時識別子(C-RNTI)、物理セル識別子(PCI)、およびある経路およびさらなる経路の両方に関連付けられたshort 媒体アクセス制御識別子(MAC-I)、あるいは、さらなるC-RNTI、さらなるPCI、およびプライマリ経路がUEに構成されている場合プライマリ経路に関連付けられたさらなるshort MAC-Iの1つを含み、short MAC-Iまたはさらなるshort MAC-Iが、RRC再確立手順においてUEを識別および検証するために使用される。
【0023】
本出願のいくつかの実施形態では、UEによって実行される方法が提供される。方法は、ある経路およびさらなる経路を介してネットワークノードのサービングセルにアクセスするステップであって、ある経路がUEとネットワークノードの間の直接経路であり、さらなる経路がUEとネットワークノードの間の間接経路である、ステップと、ネットワークノードからトランシーバを介して無線リソース制御(RRC)再構成メッセージを受信するステップとを備える。いくつかの実施形態では、方法はさらに、RRC再構成メッセージを受信した後、ネットワークノードに、トランシーバを介してRRC再構成完了メッセージを送信するステップを備える。
【0024】
いくつかの実施形態では、方法はさらに、ある経路およびさらなる経路から1つの経路を選択するステップを備え、RRC再構成完了メッセージが、選択された経路を介して送信される。いくつかの実施形態では、RRC再構成完了メッセージがある経路を介して送信される。
【0025】
いくつかの実施形態では、方法はさらに、RRC再構成メッセージを受信した後、ネットワークノードが間接経路のすべてのデータ無線ベアラ(DRB)をリリースすることに応じて間接経路を自律的にリリースするステップ、または、ネットワークノードが直接経路のすべてのDRBをリリースすることに応じて直接経路を自律的にリリースするステップ、または、ネットワークノードが間接経路のすべてのDRBおよびシグナリング無線ベアラ(SRB)をリリースすることに応じて間接経路をリリースするステップ、あるいは、ネットワークノードが直接経路のすべてのDRBおよびSRBをリリースすることに応じて直接経路をリリースするステップを備える。
【0026】
いくつかの実施形態では、方法はさらに、RRC再構成完了メッセージを受信した後、ある経路に障害が発生するとともにさらなる経路が利用可能であること、さらなる経路に障害が発生するとともにある経路が利用可能であることの少なくとも一つに応じて、障害情報手順を開始するステップと、UEとさらなる経路上のリレーUEの間のPC5リンク上の無線リンク障害(RLF)を宣言するステップと、あるいは、リレーUEから、リレーUEとネットワークノードの間のリンク上のRLFの指示を受け取るステップとを備える。一実施形態では、方法はさらに、障害情報手順を開始することに応じてタイマをスタートするステップを備える。
【0027】
いくつかの実施形態では、方法はさらに、ある経路に障害が発生した後にある経路が回復する前にさらなる経路に障害が発生したこと、ある経路とさらなる経路の両方が停止したこと、ある経路とさらなる経路の両方に障害が発生したこと、あるいは、プライマリ経路がUEに構成されている場合、プライマリ経路に障害が発生したことの少なくとも1つに応じてRRC再確立手順を開始するステップを備える。
【0028】
いくつかの実施形態では、方法はさらに、RRC再確立手順の開始中、セルを選択するステップと、選択したセルにRRC再確立要求メッセージを送信するステップとを備える。RRC再確立要求メッセージは、セル無線ネットワーク一時識別子(C-RNTI)、物理セル識別子(PCI)、およびある経路およびさらなる経路の両方に関連付けられたshort 媒体アクセス制御識別子(MAC-I)、あるいは、さらなるC-RNTI、さらなるPCI、およびプライマリ経路がUEに構成されている場合プライマリ経路に関連付けられたさらなるshort MAC-Iの1つを含み、short MAC-Iまたはさらなるshort MAC-Iが、RRC再確立手順においてUEを識別および検証するために使用される。
【0029】
本出願のいくつかの実施形態では、ネットワークノード(例えば、基地局(BS))を提供する。ネットワークノードは、プロセッサと、プロセッサに結合されたトランシーバとを備え、プロセッサが、ある経路を介してユーザ機器(UE)にトランシーバを介して経路追加手順についての構成情報を送信するように構成され、経路が、UEとネットワークノードの間の直接経路または間接経路であり、経路追加手順が、UEとネットワークノードの間のさらなる経路を追加するためのものである。いくつかの実施形態では、ある経路が間接経路であることに応じて、さらなる経路が直接経路であり、ある経路が直接経路であることに応じて、さらなる経路が間接経路である。
【0030】
いくつかの実施形態では、経路追加手順についての構成情報が、同期を伴う再構成情報要素(IE)を含む無線リソース制御(RRC)再構成メッセージで搬送される。いくつかの他の実施形態では、経路追加手順についての構成情報が、経路追加情報を含むRRC再構成メッセージで搬送される。経路追加情報が、ある経路が間接経路であることに応じて、ネットワークノードのサービングセルの識別子(ID)、ある経路が直接経路であることに応じて、さらなる経路上のリレーUEのID、または無線ベアラ構成情報の少なくとも1つを含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、ネットワークノードのプロセッサが、UEからトランシーバを介して障害タイプを含む障害メッセージを受信するように構成され、障害タイプが、経路追加手順に関連したタイマの満了、または経路追加障害の少なくとも1つを含む。
【0032】
いくつかの実施形態では、ネットワークノードのプロセッサは、経路追加手順が正常に完了したことに応じて、UEからトランシーバを介してRRC再構成完了メッセージを受信するように構成される。
【0033】
いくつかの実施形態では、RRC再構成完了メッセージが、1つの経路を介して送信され、1つの経路が、RRC再構成完了メッセージに関連付けられたRRC再構成メッセージを送信するために、ネットワークノードによって選択される。
【0034】
いくつかの実施形態では、ネットワークノードのプロセッサが、UEにトランシーバを介してさらなるRRC再構成メッセージを送信するように構成され、さらなるRRC再構成メッセージが、間接経路上のリレーUEのIDおよび間接経路に関連するリリース指示、あるいはネットワークノードのIDおよび直接経路に関連するリリース指示の少なくとも1つを含む。
【0035】
いくつかの実施形態では、ネットワークノードのプロセッサが、ある経路に障害が発生するとともにさらなる経路が利用可能であること、さらなる経路に障害が発生するとともにある経路が利用可能であることの少なくとも1つに応答して、UEからトランシーバを介して障害情報を受信するように構成され、UEが、UEとさらなる経路上のリレーUEの間のPC5リンク上の無線リンク障害(RLF)を宣言し、あるいは、UEが、リレーUEから、リレーUEとネットワークノードの間のリンク上のRLFの指示を受け取る。
【0036】
本出願のいくつかの実施形態では、ネットワークノード(例えば、BS)によって実行され得る方法が提供される。方法は、ある経路を介してユーザ機器(UE)にトランシーバを介して経路追加手順についての構成情報を送信するステップを備え、経路が、UEとネットワークノードの間の直接経路または間接経路であり、経路追加手順が、UEとネットワークノードの間のさらなる経路を追加するためのものである。
【0037】
いくつかの実施形態では、ある経路が間接経路であることに応じて、さらなる経路が直接経路であり、ある経路が直接経路であることに応じて、さらなる経路が間接経路である。いくつかの実施形態では、経路追加手順についての構成情報が、同期を伴う再構成情報要素(IE)を含む無線リソース制御(RRC)再構成メッセージで搬送される。いくつかの他の実施形態では、経路追加手順についての構成情報が、経路追加情報を含むRRC再構成メッセージで搬送される。経路追加情報が、ある経路が間接経路であることに応じて、ネットワークノードのサービングセルの識別子(ID)、ある経路が直接経路であることに応じて、さらなる経路上のリレーUEのID、または無線ベアラ構成情報の少なくとも1つを含む。
【0038】
いくつかの実施形態では、ネットワークノードのプロセッサが、UEからトランシーバを介して障害タイプを含む障害メッセージを受信するように構成され、障害タイプが、経路追加手順に関連したタイマの満了、または経路追加障害の少なくとも1つを含む。
【0039】
いくつかの実施形態では、ネットワークノードのプロセッサは、経路追加手順が正常に完了したことに応じて、UEからトランシーバを介してRRC再構成完了メッセージを受信するように構成される。
【0040】
いくつかの実施形態では、RRC再構成完了メッセージが、1つの経路を介して送信され、1つの経路が、RRC再構成完了メッセージに関連付けられたRRC再構成メッセージを送信するために、ネットワークノードによって選択される。
【0041】
いくつかの実施形態では、方法はさらに、UEにトランシーバを介してさらなるRRC再構成メッセージを送信するステップを備え、さらなるRRC再構成メッセージが、間接経路上のリレーUEのIDおよび間接経路に関連するリリース指示、あるいはネットワークノードのIDおよび直接経路に関連するリリース指示の少なくとも1つを含む。
【0042】
いくつかの実施形態では、方法はさらに、ある経路に障害が発生するとともにさらなる経路が利用可能であること、さらなる経路に障害が発生するとともにある経路が利用可能であることの少なくとも1つに応答して、UEからトランシーバを介して障害情報を受信するステップを備え、UEが、UEとさらなる経路上のリレーUEの間のPC5リンク上の無線リンク障害(RLF)を宣言し、あるいは、UEが、リレーUEから、リレーUEとネットワークノードの間のリンク上のRLFの指示を受け取る。
【0043】
本出願のいくつかの実施形態では、装置が提供される。装置は、コンピュータ実行可能命令を記憶した非一時的コンピュータ可読媒体と、受信回路と、送信回路と、および非一時的コンピュータ可読媒体、受信回路、および送信回路に結合されたプロセッサとを備え、コンピュータ実行可能命令は、ネットワークノード(例えば、BS)によって実行される上述の方法のいずれかをプロセッサに実施させる。
【0044】
1つまたは複数の例の詳細は、添付の図面および以降の説明に記載されている。他の特徴、目的、および利点は、本明細書および図面から、かつ特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【0045】
本出願の利点および特徴を取得することができる方法を説明するために、添付の図面に示される特定の実施形態を参照して本出願の説明が行われる。これらの図面は、本開示の例示的な実施形態のみを示しており、したがって、本出願の範囲を限定するとみなされるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【
図1】本出願のいくつかの実施形態による、ワイヤレス通信システムの概略図である。
【
図2】本出願のいくつかの実施形態による、サイドリンクRRC再構成手順の例示的なフローチャートである。
【
図3】本出願のいくつかの実施形態による、装置の例示的なブロック図である。
【
図4】本出願のいくつかの実施形態による、マルチパス確立のための例示的なシグナリングフローを示す図である。
【
図5】本出願のいくつかの実施形態による、マルチパスケースにおける経路再構成のための例示的なシグナリングフローを示す図である。
【
図6】本出願のいくつかの実施形態による、マルチパスケースにおける経路リリースのための例示的なシグナリングフローを示す図である。
【
図7】本出願のいくつかの実施形態による、マルチパスケースにおける経路障害のための例示的なシグナリングフローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
添付の図面の詳細な説明は、本出願の好ましい実施形態の説明として意図され、本出願が実施され得る唯一の形態を表すものではない。同じまたは均等な機能は、本出願の趣旨および範囲内に包含されるものである、異なる実施形態によって達成され得ることを理解されたい。
【0048】
次に、本出願のいくつかの実施形態を詳細に参照し、その例が添付の図面に示されている。理解を容易にするために、実施形態は、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP(登録商標)) LTEおよびLTE advanced、3GPP(登録商標) 5G NR、5G-Advanced、6Gなど、特定のネットワークアーキテクチャおよび新しいサービスシナリオの下で提供される。ネットワークアーキテクチャおよび新しいサービスシナリオの開発とともに、本出願におけるすべての実施形態は、同様の技術的課題にも適用可能であることが企図され、その上、本出願に記載されている用語は、変わることがあり、それによって、本出願の原理に影響を及ぼすべきではない。
【0049】
図1は、本出願のいくつかの実施形態による、ワイヤレス通信システムの概略図を示す。
図1に図示されているように、ワイヤレス通信システム100は、説明の目的で、少なくとも2つのUE(例えば、UE101およびリレーUE102)および少なくとも1つのBS(例えば、BS103)を含む。特定の数のUEおよびBSが
図1に示されているが、任意の数のUSおよびBSがワイヤレス通信システム100に含まれ得ると企図される。
【0050】
図1に示すように、UE101は、UE101とBS103の間の直接経路を介して、またはリレーUE102を経由してUE101とBS103の間の間接経路を介してBS103と通信し得る。本出願の実施形態では、直接経路は、UE-to-Network(U2N)伝送経路の一種であり、データが、サイドリンク中継なしでUEとネットワークの間で伝送される。間接経路は、U2N伝送経路の一種であり、データが、U2NリモートUEとネットワークの間でU2NリレーUEを介して転送される。U2NリレーUEは、U2NリモートUEのためにネットワークへの接続性をサポートするための機能を提供するUEである。U2NリモートUEは、U2NリレーUEを介してネットワークと通信するUEである。
図1の実施形態では、UE101は、U2NリモートUEであってよく、リレーUE102は、U2NリレーUEであってよい。
【0051】
ワイヤレス通信システム100のUEは、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、携帯情報端末(PDA)、タブレットコンピュータ、スマートテレビ(例えば、インターネットに接続されたテレビ)、セットトップボックス、ゲーム機、セキュリティシステム(セキュリティカメラを含む)、車載コンピュータ、ネットワークデバイス(例えば、ルータ、スイッチ、およびモデム)などのコンピューティングデバイスを含み得る。本出願のいくつかの実施形態によれば、UEは、ポータブルワイヤレス通信デバイス、スマートフォン、セルラ電話、折りたたみ式電話、加入者識別モジュールを備えたデバイス、パーソナルコンピュータ、選択呼出しレシーバ、またはワイヤレスネットワーク上で通信信号の送受信が可能な任意の他のデバイスを含み得る。いくつかの実施形態では、UEは、スマートウォッチ、フィットネスバンド、光学式ヘッドマウントディスプレイなどのウェアラブルデバイスを含み得る。さらに、UEは、加入者ユニット、モバイル、移動局、ユーザ、端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、固定端末、加入者局、ユーザ端末、またはデバイスと呼ばれてもよく、当技術分野において使用される他の用語を使用して説明されてもよい。UEは、UL通信信号を介してBSと直接通信し得る。
【0052】
本出願のいくつかの実施形態では、UEの各々は、IoTアプリケーション、エンハンスドモバイルブロードバンド(eMBB)アプリケーション、および/または超高信頼性低遅延通信(URLLC)アプリケーションを展開できる。UEに展開された具体的なタイプのアプリケーションは様々であり、限定されないと企図される。
【0053】
ワイヤレス通信システム100のBSは、地理的領域にわたって分散され得る。本出願の特定の実施形態では、BSの各々は、アクセスポイント、アクセス端末、ベース、ベースユニット、マクロセル、ノードB、進化型ノードB(eNB)、gNB、NG-RAN(次世代無線アクセスネットワーク)ノード、ホームノードB、リレーノード、またはデバイスと呼ばれてよく、あるいはこの分野で使用される他の用語を使用して説明されてよい。BSは一般に、1つまたは複数の対応するBSに通信可能に結合された1つまたは複数のコントローラを含み得る無線アクセスネットワークの一部である。BSの各々は、1つまたは複数のセルを含み得る。各UEは、異なるBSの異なるセルの間でセル選択手順を実行し得る。ワイヤレス通信システム100は、ワイヤレス通信信号を送受信可能な任意のタイプのネットワークと互換性がある。例えば、ワイヤレス通信システム100は、ワイヤレス通信ネットワーク、セルラ電話ネットワーク、時分割多元アクセス(TDMA)ベースのネットワーク、符号分多元重アクセス(CDMA)ベースのネットワーク、直交周波数分割多元アクセス(OFDMA)ベースのネットワーク、LTEネットワーク、3GPP(登録商標)ベースのネットワーク、3GPP(登録商標) 5Gネットワーク、衛星通信ネットワーク、成層圏プラットフォームネットワーク、および/または他の通信ネットワークと互換性がある。
【0054】
本出願のいくつかの実施形態では、ワイヤレス通信システム100は、3GPP(登録商標)プロトコルの5Gニューラジオ(NR)と互換性があり、BSは、DL上でOFDM変調方式を使用してデータを送信し、UE101は、シングルキャリア周波数分割多元アクセス(SC-FDMA)またはOFDM方式を使用してUL上でデータを送信する。しかしながら、より一般的には、ワイヤレス通信システム100は、特に、例えば、WiMAXなど、いくつかの他のオープンな通信プロトコルまたは独自の通信プロトコル、を実装してもよい。
【0055】
本出願のいくつかの実施形態では、ワイヤレス通信システム100のBSは、ワイヤレス通信プロトコルのIEEE802.11ファミリなど、他の通信プロトコルを使用して通信し得る。さらに、本出願のいくつかの実施形態では、BSは認可スペクトルを介して通信し得るが、他の実施形態では、BSは無認可スペクトルを介して通信し得る。本出願は、任意の特定のワイヤレス通信システム機構またはプロトコルの実装に限定することを意図していない。本出願のさらにいくつかの実施形態では、BSは3GPP(登録商標) 5Gプロトコルを使用してUEと通信し得る。
【0056】
図2は、本出願のいくつかの実施形態による、サイドリンクRRC再構成手順の例示的なフローチャートを示す。
図2に示すように、ステップ201では、UE(a)(例えば、
図1に図示されたUE101)は、RRCReconfigurationSidelinkメッセージをUE(b)(例えば、
図1に図示されたリレーUE102)に送信することによって、UE(b)へのサイドリンクRRC再構成手順を開始する。
【0057】
サイドリンクRRC再構成手順が正常に完了した場合、ステップ202では、UE(b)は、3GPP(登録商標)規格文書に指定される、例えば、RRCReconfigurationCompleteSidelinkメッセージなど、「RRC再構成完了サイドリンクメッセージ」をUE(a)に送信し得る。代替的に、サイドリンクRRC再構成手順が正常に完了しない場合、ステップ202では、UE(b)は、3GPP(登録商標)規格文書に指定される、例えば、RRCReconfigurationFailureSidelinkメッセージなど、「RRC再構成障害サイドリンクメッセージ」をUE(a)に送信し得る。
【0058】
サイドリンクRRC再構成手順の目的は、例えば、サイドリンクデータ無線ベアラ(DRB)を確立、変更、またはリリースするなど、PC5 RRC接続を変更すること、NRサイドリンク測定および報告を構成すること、およびサイドリンクチャネル状態情報(CSI)基準信号リソースを構成することである。
【0059】
UE(例えば、
図2に図示されたUE(a))は、サイドリンクRRC再構成手順を開始するとともに、以下の場合では、対応するPC5 RRC接続についての動作を実行し得る。
- ピアUE(例えば、
図2に図示されたUE(b))に関連付けられたサイドリンクDRBのリリース、
- ピアUEに関連付けられたサイドリンクDRBの確率、
- ピアUEに関連付けられたサイドリンクDRBのサイドリンク無線ベアラ(SLRB)-Configに含まれたパラメータに対する変更、
- NRサイドリンク測定および報告を実行するためのピアUEの構成情報、および
- サイドリンクCSI基準信号リソースの構成情報。
【0060】
NRサイドリンク通信が可能なUEは、NRのためのサイドリンクUE情報の手順を開始して、サイドリンク無線リンク障害(RLF)(例えば、タイマT400の満了)またはサイドリンクRRC再構成障害が宣言されていることを、ネットワークまたはBSに報告する。
【0061】
本出願の実施形態は、マルチパスケースにおける、経路確立、経路再構成、および経路リリースを含む課題を解決することが狙いである。本出願のいくつかの実施形態は、reconfigurationWithSync IEを含むRRC再構成メッセージが再使用されるかどうかに影響を与えることを検討する。本出願のいくつかの実施形態は、RRC再構成メッセージを受信した後、RRC再構成完了メッセージの送信のための1つの経路を選択するための原則を検討する。本出願のいくつかの実施形態は、1つの経路をリリースするための明示的なおよび暗黙的な解決策を導入する。本出願のいくつかの実施形態は、複数の経路に関連付けられた障害ケースの解決策を提供する。本出願のいくつかの実施形態は、さらなる経路追加障害のケース、UEが2つの利用可能な経路を有する場合に1つの経路に障害が発生しているケース、UEが2つの利用可能な経路を有する場合に2つの経路に障害が発生しているケースを検討する。
【0062】
詳細は、添付の図面と合わせて以下の記載に説明されている。当業者は、「第1の」、「第2の」、および「第3の」などの記載が、明確な説明のためにのみ使用されており、シーケンスの限定など、いかなる実質的な限定とみなされるべきではないことを理解されたい。
【0063】
図3は、本出願のいくつかの実施形態による、装置の例示的なブロック図を示す。
図3に示すように、装置300は、少なくとも1つのプロセッサ304と、プロセッサ304に結合された少なくとも1つのトランシーバ302を含み得る。少なくとも1つのトランシーバ302は、ワイヤードトランシーバまたはワイヤレストランシーバであってよい。装置300は、UEまたはネットワークノード(例えば、BS)であってよい。
【0064】
この図では、少なくとも1つのトランシーバ302およびプロセッサ304が単数形で説明されるが、単数形への限定が明記されていない限り、複数形が企図される。本出願のいくつかの実施形態では、トランシーバ302は、受信回路および送信回路などの2つのデバイスに分割され得る。本出願のいくつかの実施形態では、装置300は、入力デバイス、メモリ、および/または他の構成要素をさらに含み得る。
【0065】
本出願のいくつかの実施形態によれば、装置300は、UE(例えば、
図1または
図2に図示されたUE101またはUE(a))であってよい。UEのプロセッサ304が、ある経路を介してネットワークノード(例えば、
図1に図示されたBS103)のサービングセルにアクセスすることであって、ある経路がUEとネットワークノードの間の直接経路または間接経路である、ことと、ネットワークノードからトランシーバを介して経路追加手順についての構成情報を受信することであって、経路追加手順が、UEとネットワークノードの間のさらなる経路を追加するためのものである、ことと、経路追加手順を開始することと、経路追加手順に関連したタイマをスタートすることとを行うように構成される。いくつかの実施形態では、経路追加手順に関連したタイマが、経路追加手順についての構成情報を受信すること、または経路追加手順を開始することに応じてスタートされる。
【0066】
いくつかの実施形態では、ある経路が間接経路であることに応じて、さらなる経路が直接経路であり、ある経路が直接経路であることに応じて、さらなる経路が間接経路である。いくつかの実施形態では、経路追加手順についての構成情報が、同期を伴う再構成情報要素(IE)を含む無線リソース制御(RRC)再構成メッセージで搬送される。いくつかの実施形態では、経路追加手順についての構成情報が、経路追加情報を含むRRC再構成メッセージで搬送される。経路追加情報が、ある経路が間接経路であることに応じて、ネットワークノードのサービングセルの識別子(ID)、ある経路が直接経路であることに応じて、さらなる経路上のリレーUE(例えば、
図1に図示されたリレーUE102)のID、または無線ベアラ構成情報の少なくとも1つを含む。
【0067】
いくつかの実施形態では、UEのプロセッサ304が、経路追加手順に関連したタイマの満了に応じて、経路追加手順に関連付けられた障害情報手順を開始するように構成される。一実施時形態では、障害情報手順の開始中に、UEのプロセッサ304が、ネットワークノードに、UEのトランシーバ302を介して、障害タイプを含む障害メッセージを送信するように構成され、障害タイプが、経路追加手順に関連したタイマの満了、または経路追加障害の少なくとも1つを含む。一実施時形態では、経路追加手順に関連したタイマの満了の後、あるいは障害情報手順を開始した後、UEのプロセッサ304が、経路追加手順を開始する前に、第2の構成情報を使用するためにフォールバックするように構成される。
【0068】
いくつかの実施形態では、UEのプロセッサ304は、経路追加手順が正常に完了したことに応じて、ネットワークノードに、UEのトランシーバ302を介してRRC再構成完了メッセージを送信するように構成される。一実施形態では、RRC再構成完了メッセージが、1つの経路を介して送信され、RRC再構成完了メッセージに関連付けられたRRC再構成メッセージが、該1つの経路を介して受信される。
【0069】
いくつかの実施形態では、経路追加手順が正常に完了した後、UEのプロセッサ304は、ネットワークノードからトランシーバを介してさらなるRRC再構成メッセージを受信するように構成され、さらなるRRC再構成メッセージが、間接経路上のリレーUE(例えば、
図1に図示されたリレーUE102)のIDおよび間接経路に関連するリリース指示、またはネットワークノードのIDおよび直接経路に関連するさらなるリリース指示の少なくとも1つを含む。
【0070】
いくつかの他の実施形態によれば、装置300は、UE(例えば、
図1または
図2に図示されたUE101またはUE(a))であってよい。UEのプロセッサ304が、ある経路およびさらなる経路を介してネットワークノード(例えば、
図1に図示されたBS103)のサービングセルにアクセスすることであって、ある経路がUEとネットワークノードの間の直接経路であり、さらなる経路がUEとネットワークノードの間の間接経路である、ことと、ネットワークノードからUEのトランシーバ302を介して無線リソース制御(RRC)再構成メッセージを受信することとを行うように構成される。
【0071】
いくつかの実施形態では、RRC再構成メッセージを受信した後、UEのプロセッサ304が、ネットワークノードに、UEのトランシーバ302を介してRRC再構成完了メッセージを送信するように構成される。
【0072】
いくつかの実施形態では、UEのプロセッサ304が、ある経路およびさらなる経路から1つの経路を選択するように構成され、RRC再構成完了メッセージが、選択された経路を介して送信される。いくつかの実施形態では、RRC再構成完了メッセージがある経路を介して送信される。
【0073】
いくつかの実施形態では、RRC再構成メッセージを受信した後、UEのプロセッサ304が、ネットワークノードが間接経路のすべてのデータ無線ベアラ(DRB)をリリースすることに応じて間接経路を自律的にリリースすること、または、ネットワークノードが直接経路のすべてのDRBをリリースすることに応じて直接経路を自律的にリリースすること、または、ネットワークノードが間接経路のすべてのDRBおよびシグナリング無線ベアラ(SRB)をリリースすることに応じて間接経路をリリースすること、あるいは、ネットワークノードが直接経路のすべてのDRBおよびSRBをリリースすることに応じて直接経路をリリースすることを行うように構成される。
【0074】
いくつかの実施形態では、RRC再構成完了メッセージを受信した後、UEのプロセッサ304が、ある経路に障害が発生するとともにさらなる経路が利用可能であること、さらなる経路に障害が発生するとともにある経路が利用可能であることの少なくとも一つに応じて、障害情報手順を開始し、UEとさらなる経路上のリレーUE(例えば、
図1に図示されたリレーUE102)の間のPC5リンク上の無線リンク障害(RLF)を宣言し、あるいは、リレーUEから、リレーUEとネットワークノードの間のリンク上のRLFの指示を受け取るように構成される。一実施形態によれば、UEのプロセッサ304がさらに、障害情報手順を開始することに応じてタイマをスタートするように構成される。
【0075】
いくつかの実施形態では、UEのプロセッサ304が、ある経路に障害が発生した後にある経路が回復する前にさらなる経路に障害が発生したこと、ある経路とさらなる経路の両方が停止したこと、ある経路とさらなる経路の両方に障害が発生したこと、あるいは、プライマリ経路がUEに構成されている場合、プライマリ経路に障害が発生したことの少なくとも1つに応じてRRC再確立手順を開始するように構成される。
【0076】
いくつかの実施形態では、RRC再確立手順の開始中、UEのプロセッサ304が、セルを選択し、選択したセルにRRC再確立要求メッセージを送信するように構成される。RRC再確立要求メッセージは、セル無線ネットワーク一時識別子(C-RNTI)、物理セル識別子(PCI)、およびある経路およびさらなる経路の両方に関連付けられたshort 媒体アクセス制御識別子(MAC-I)、あるいは、さらなるC-RNTI、さらなるPCI、およびプライマリ経路がUEに構成されている場合プライマリ経路に関連付けられたさらなるshort MAC-Iの1つを含み、short MAC-Iまたはさらなるshort MAC-Iが、RRC再確立手順においてUEを識別および検証するために使用される。
【0077】
いくつかの実施形態によれば、装置300は、ネットワークノード(例えば、
図1に図示されたBS103)であってよい。ネットワークノードのプロセッサ304が、ある経路を介してUE(例えば、
図1または
図2に図示されたUE101またはUE(a))にネットワークノードのトランシーバ302を介して経路追加手順についての構成情報を送信するように構成され、経路が、UEとネットワークノードの間の直接経路または間接経路であり、経路追加手順が、UEとネットワークノードの間のさらなる経路を追加するためのものである。いくつかの実施形態では、ある経路が間接経路であることに応じて、さらなる経路が直接経路であり、ある経路が直接経路であることに応じて、さらなる経路が間接経路である。
【0078】
いくつかの実施形態では、経路追加手順についての構成情報が、同期を伴う再構成情報要素(IE)を含む無線リソース制御(RRC)再構成メッセージで搬送される。いくつかの他の実施形態では、経路追加手順についての構成情報が、経路追加情報を含むRRC再構成メッセージで搬送される。経路追加情報が、ある経路が間接経路であることに応じて、ネットワークノードのサービングセルの識別子(ID)、ある経路が直接経路であることに応じて、さらなる経路上のリレーUE(例えば、
図1に図示されたリレーUE102)のID、または無線ベアラ構成情報の少なくとも1つを含む。
【0079】
いくつかの実施形態では、ネットワークノードのプロセッサ304が、UEからネットワークノードのトランシーバ302を介して障害タイプを含む障害メッセージを受信するように構成され、障害タイプが、経路追加手順に関連したタイマの満了、または経路追加障害の少なくとも1つを含む。
【0080】
いくつかの実施形態では、ネットワークノードのプロセッサ304は、経路追加手順が正常に完了したことに応じて、UEからネットワークノードのトランシーバ302を介してRRC再構成完了メッセージを受信するように構成される。
【0081】
いくつかの実施形態では、RRC再構成完了メッセージが、1つの経路を介して送信され、1つの経路が、RRC再構成完了メッセージに関連付けられたRRC再構成メッセージを送信するために、ネットワークノードによって選択される。
【0082】
いくつかの実施形態では、ネットワークノードのプロセッサ304が、UEにネットワークノードのトランシーバ302を介してさらなるRRC再構成メッセージを送信するように構成され、さらなるRRC再構成メッセージが、間接経路上のリレーUE(例えば、
図1に図示されたリレーUE102)のIDおよび間接経路に関連するリリース指示、あるいはネットワークノードのIDおよび直接経路に関連するリリース指示の少なくとも1つを含む。
【0083】
いくつかの実施形態では、ネットワークノードのプロセッサ304が、ある経路に障害が発生するとともにさらなる経路が利用可能であること、さらなる経路に障害が発生するとともにある経路が利用可能であることの少なくとも1つに応答して、UEからネットワークノードのトランシーバ302を介して障害情報を受信するように構成され、UEが、UEとさらなる経路上のリレーUE(例えば、
図1に図示されたリレーUE102)の間のPC5リンク上の無線リンク障害(RLF)を宣言し、あるいは、UEが、リレーUEから、リレーUEとネットワークノードの間のリンク上のRLFの指示を受け取る。
【0084】
本出願のいくつかの実施形態では、装置300は、少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読媒体を含み得る。本出願のいくつかの実施形態では、非一時的コンピュータ可読媒体は、プロセッサに上述したUEまたはネットワークノード(例えば、BS)に関する方法を実施させるためのコンピュータ実行可能命令を記憶する。例えば、コンピュータ実行可能命令は、実行されると、トランシーバ302とインタラクトするプロセッサ304に、例えば、
図4~7を参照して説明するような方法の動作を実行させる。
【0085】
図4は、本出願のいくつかの実施形態による、マルチパス確立のための例示的なシグナリングフローを示す。
図4の実施形態は、経路追加手順についての課題を解決する。
図4の実施形態は、正常な経路追加手順に言及している。
図4の実施形態では、UE401(
図1または
図2に図示されたUE101またはUE(a))は、リモートUEと呼ばれ得る。リレーUE402は、
図1に図示されたリレーUE102であってよい。BS403は、
図1に図示されたBS103であってよい。
【0086】
図4に示されるように、ステップ411では、UE401は、例えば、直接経路または間接経路など、1つのリンクを介してサービングBS(すなわち、BS403)にアクセスする。UE401は、RRC接続状態を維持する。UE401は、BS403からの構成情報に基づいて測定結果を報告する。
【0087】
図4に示されたステップ412では、BS403は、測定結果に基づいてさらなる経路を追加することを決定する。次いで、
図4に示されたステップ413では、BS403は、UE401にRRC再構成メッセージを送信する。
【0088】
いくつかの実施形態では、reconfigurationWithSync IEを含むRRC再構成メッセージが、経路追加を通知するために再使用される。例えば、ターゲットノードIDおよびベアラ構成は、従来通りRRC再構成メッセージに追加されるべきである。従来通り、1つのタイマが経路追加手順を制御するために構成されるであろう。例えば、従来のタイマ、例えば、タイマT304が、追加経路が直接経路である場合、再使用され得る。
【0089】
いくつかの他の実施形態では、例えば、ターゲットノードIDおよびベアラ構成情報など、経路追加情報を含むRRC再構成メッセージが、経路追加コマンドとして使用される。UE401が経路追加手順を開始すると、1つのタイマがスタートされ得る。UE401が経路追加情報を含むRRC再構成メッセージを受信すると、UE401は経路追加のためのタイマをスタートする。
【0090】
図4に示されたステップ414では、UEが経路追加のためのRRC再構成メッセージを受信すると、UE401が経路追加のためのタイマをスタートする。UE401が直接経路を介してBS403とのRRC接続を有する場合、新規の追加経路は間接経路である。UE401は、直接経路から間接経路に経路切り替えのためのタイマと同じである、タイマをスタートし得る。UE401が間接経路を介してBS403とのRRC接続を有する別の場合、新規の追加経路は直接経路である。UE401は、タイマT304(3GPP(登録商標)規格文書TS38.331に規定されている)をスタートし得る。
【0091】
図4に示されたステップ415では、UE401が経路追加のためのRRC再構成メッセージを受信した後、UE401とリレーUE402の間のPC5接続が確立される。PC5接続が確立されると、UE401はタイマを停止し得る。
【0092】
図4に示されたステップ416では、UE401がRRC再構成完了メッセージを送信する。RRC再構成完了メッセージが送信されると(タイマがステップ415で停止されていない場合)、UE401がタイマを停止し得る。
図4に示されたステップ417では、データ送信またはデータ受信が実行される。
【0093】
本出願のすべての他の実施形態で説明された詳細(例えば、マルチパス確立を扱う方法についての詳細)は、
図4の実施形態に適用可能である。さらに、
図4の実施形態で説明された詳細は、
図1~3および5~7のすべての実施形態に適用可能である。本開示の範囲を逸脱することなく、
図4の実施形態の代表的な手順における動作のシーケンスは、変更可能であり、
図4の実施形態の代表的な手順における動作のいくつかは省略または修正が可能であることは当業者には明らかであろう。
【0094】
図5は、本出願のいくつかの実施形態による、マルチパスケースにおける経路再構成のための代表的なシグナリングフローを示す。
図5の実施形態では、UE501(例えば、
図1または
図2に図示されたUE101またはUE(a))は、リモートUEとも呼ばれる。BS502は、
図1に図示されたBS103であってよい。
【0095】
図5に示されるように、ステップ511では、UE501は、マルチパス(例えば、直接経路および/または間接経路)介してサービングBS(すなわち、BS502)にアクセスする。UE501は、RRC接続状態を維持する。例えば、UE501は、BS502とUE501の間の直接経路、およびリレーUE(例えば、
図1に図示されたリレーUE102)を介したBS502とUE501の間の間接経路の両方を介して、サービングBS502にアクセスし得る。UE501は、BS502からの構成情報に基づいて測定結果を報告し得る。
【0096】
図5に示されたステップ512では、サービングBS502は、1つ経路を介して、UE501にRRC再構成メッセージを送信する。構成メッセージは、ベアラ構成を含み得る。
【0097】
図5に示されたステップ513では、UE501がサービングBS502からRRC再構成メッセージを受信した後、UE501は、サービングBS502にRRC再構成完了メッセージを送信する。
【0098】
いくつかの他の実施形態では、再構成メッセージを受信する経路が、RRC再構成完了メッセージを送信するために選択され得る。いくつかのさらなる実施形態では、RRC再構成完了メッセージは、それを経由してRRC再構成メッセージが受信された経路で送信される。いくつかの他の実施形態では、例えば、特にスプリットSRBが設定されている場合には、RRC再構成完了メッセージを送信するために任意のパスを選択することができる。
【0099】
本出願のすべての他の実施形態で説明された詳細(例えば、マルチパスケースにおける確立および障害を扱う方法についての詳細)は、
図5の実施形態に適用可能である。さらに、
図5の実施形態で説明された詳細は、
図1~4、6、および7のすべての実施形態に適用可能である。本開示の範囲を逸脱することなく、
図5の実施形態の代表的な手順における動作のシーケンスは、変更可能であり、
図5の実施形態の代表的な手順における動作のいくつかは省略または修正が可能であることは当業者には明らかであろう。
【0100】
図6は、本出願のいくつかの実施形態による、マルチパスケースにおける経路リリースのための代表的なシグナリングフローを示す。
図6の実施形態では、UE601(例えば、
図1または
図2に図示されたUE101またはUE(a))は、リモートUEとも呼ばれる。BS602は、
図1に図示されたBS103であってよい。
【0101】
図6に示されるように、UE601は、マルチパス(例えば、直接経路および/または間接経路)を介してサービングBS(すなわち、BS602)にアクセスする。UE601は、RRC接続状態を維持する。例えば、UE601は、BS602とUE601の間の直接経路、およびリレーUE(例えば、
図1に図示されたリレーUE102)を介したBS602とUE601の間の間接経路の両方を介して、サービングBS602にアクセスし得る。UE601は、サービングBS602からの構成情報に基づいて測定結果を報告し得る。
【0102】
図6に示されたステップ612では、サービングBS602が、複数の経路のうちの1つをリリースすることを望む場合、サービングBS602は、UE601に構成メッセージを送信する。
【0103】
いくつかの他の実施形態では、サービングBS602は、リリース指示および対応するノードID、例えば、リレーUEのIDまたはサービングセルのIDなどを含むRRC再構成メッセージを送信する。他の構成、例えば、ベアラ構成がまた、RRC再構成メッセージに含まれる。いくつかの他の実施形態は、明示的なリリース指示を提供する。
【0104】
いくつかのさらなる実施形態では、サービングBS602が1つの経路におけるすべてのDRBをリリースする場合、UE601はこの経路を自律的にリリースする。いくつかの他の実施形態では、サービングBS602が1つの経路におけるすべてのDRBとSRBをリリースする場合、UE601はこの経路をリリースする。これらの実施形態は、暗黙的なリリース指示を提供する。
【0105】
図6に示されたステップ613では、UE601が、リリース情報(明示的なまたは暗黙的な)を含むRRC再構成メッセージを受信した後、UE601は、サービングBS602にRRC再構成完了メッセージを送信する。UE601は、サービングBS602によってリリースされていない利用可能な経路を介してサービングBS602にRRC再構成完了メッセージを送信する。
【0106】
本出願のすべての他の実施形態で説明された詳細(例えば、マルチパスケースにおける確立および障害を扱う方法についての詳細)は、
図6の実施形態に適用可能である。さらに、
図6の実施形態で説明された詳細は、
図1~5および8のすべての実施形態に適用可能である。本開示の範囲を逸脱することなく、
図6の実施形態の代表的な手順における動作のシーケンスは、変更可能であり、
図6の実施形態の代表的な手順における動作のいくつかは省略または修正が可能であることは当業者には明らかであろう。
【0107】
図7は、本出願のいくつかの実施形態によるマルチパスケースにおける経路障害のための代表的なシグナリングフローを示す。
図7の実施形態では、UE701(例えば、
図1または
図2に図示されたUE101またはUE(a))は、リモートUEとも呼ばれる。BS702は、
図1に図示されたBS103であってよい。
【0108】
図7に示されるように、ステップ711では、UE701は、マルチパス(例えば、直接経路および/または間接経路)を介してサービングBS(すなわち、7S602)にアクセスする。UE701は、RRC接続状態を維持する。例えば、UE701は、BS702とUE701の間の直接経路、およびリレーUE(例えば、
図1に図示されたリレーUE102)を介したBS702とUE701の間の間接経路の両方を介して、サービングBS702にアクセスし得る。UE701は、サービングBS702からの構成情報に基づいて測定結果を報告し得る。
【0109】
図7に示されたステップ712では、マルチパスの1つの経路に障害が発生した場合、UE701は、2つの経路のうちの片方に障害が発生し、もう一方が利用可能であると、障害情報手順を開始する。いくつかの他の実施形態では、マルチパスの1つの経路に障害が発生した場合、UE701が障害中の経路を一時停止し、もう一方の利用可能な経路を介してサービングBS702に障害情報を報告する。1つのタイマが障害情報手順を制御するために必要とされ得る。UE701が障害情報手順を開始すると、UE701はタイマをスタートし得る。直接経路の障害の場合、UE701が直接経路のためにUu RLFを宣言すると、UE701は経路障害メッセージを送信し得る。例えば、タイマT310が満了した、あるいはタイマT312が満了したなど、障害のタイプが経路障害メッセージに追加され得る。
【0110】
いくつかの他の実施形態では、間接経路の場合、PC5リンク上のRLFまたはUu RLFの受信の一方が発生すると、UE701は経路上のRLFを宣言する。いくつかの他の実施形態では、UE701がPC5リンク上のRLFを宣言する、またはUE701がリレーUEからUu RLFの指示を受け取ると、UE701は経路障害情報手順を開始する。
【0111】
図7に示されたステップ713では、UE701は、利用可能な経路を介してサービングBS702に経路障害情報を送信する。
図7に示されたステップ714では、BS702が経路障害情報を受信した後、BS702はUE701にRRC再構成メッセージを送信する。
【0112】
本出願のすべての他の実施形態で説明された詳細(例えば、マルチパスケースにおける確立および障害を扱う方法についての詳細)は、
図7の実施形態に適用可能である。さらに、
図7の実施形態で説明された詳細は、
図1~6のすべての実施形態に適用可能である。本開示の範囲を逸脱することなく、
図7の実施形態の代表的な手順における動作のシーケンスは、変更可能であり、
図7の実施形態の代表的な手順における動作のいくつかは省略または修正が可能であることは当業者には明らかであろう。
【0113】
以降の記載は、
図3~7に図示された方法の具体的な実施形態1~3を説明する。実施形態1~3では、UE(例えば、
図1または
図2に図示されたUE101またはUE(a))、リレーUE(例えば、
図1に図示されたリレーUE102)、およびネットワークノード(例えば、
図1に図示されたBS103)が以下の動作を実行する。
【0114】
実施形態1
実施形態1は、経路追加手順および経路追加障害ケースについての課題を解決することが狙いである。実施形態1は、追加障害ケースを参照する。実施形態1では、以下の動作が実行される。
(1)ステップ1:UEは、例えば、直接経路と間接経路のうちの1つなど、1つのリンクを介してサービングBSにアクセスする。UEは、RRC接続状態を維持する。UEは、サービングBSからの構成情報に基づいて測定結果を報告し得る。
(2)ステップ2:サービングBSは、測定結果に基づいて別の経路を追加すると決定する。サービングBSは、UEにRRC再構成メッセージを送信する。
-方法#1: reconfigurationWithSync IEを含むRRC再構成メッセージは、経路追加を通知するために再使用される。
-ターゲットノードIDとベアラ構成は、従来通りRRC再構成メッセージに追加されるべきである。
-従来通り、1つのタイマは、経路追加手順を制御するために構成される。例えば、従来のタイマ、例えば、タイマT304は、追加経路が直接経路である場合に再使用され得る。 -方法#2:例えば、ターゲットノードIDおよびベアラ構成情報など、経路追加情報を含むRRC再構成メッセージは、経路追加コマンドとして使用される。
-UEが経路追加手順を開始すると、1つのタイマがスタートされる。UEが経路追加情報を含むRRC再構成メッセージを受信すると、UEは経路追加のためにタイマをスタートする。
(3)ステップ3:UEが経路追加のために再構成メッセージを受信すると、UEは経路追加のためにタイマをスタートする。
-ユースケース1:UEは、直接経路を介してサービングBSとのRRC接続を有する。新規の追加経路は間接経路である。
-UEは、直接経路から間接経路に経路切り替えのためのタイマと同じである、タイマをスタートする。
-ユースケース2:UEは、間接経路を介したサービングBSとのRRC接続を有する。新規の追加経路は直接経路である。
-UEは、(3GPP(登録商標)規格文書TS38.331に規定された)タイマT304をスタートし得る。
(4)ステップ4:経路追加のためのタイマが満了すると、UEは経路追加のための障害情報手順を開始する。
- synch Reconfiguration Failureが、障害情報報告に含まれる障害タイプを指示するために再使用され得る。
-障害メッセージの内容は、例えば、synchReconfigFailure IEなど、通常の経路切り替えとは区別され得る、例えば、経路追加のためのタイマ満了または経路追加障害などの障害タイプを含む。
(5)ステップ5:UEが障害情報手順を開始した後、UEはサービングBSから再構成メッセージを受信することが期待される。代替的に、タイマが満了した後あるいはUEが障害情報手順を開始した後、UEは自律的に経路追加の前に構成情報をフォールバックする。
【0115】
実施形態2
実施形態2は、マルチパスケースにおける経路障害についての課題を解決することが狙いである。実施形態2では、以下の動作が実行される。
(1)ステップ1:UEは、マルチパス(例えば、直接経路および/または間接経路)を介してサービングBSにアクセスする。UEは、RRC接続状態を維持する。
- 例えば、UEは、BSとUEの間の直接経路、およびリレーUEを介したBSとUEの間の間接経路の両方を介してサービングBSにアクセスする。
- UEは、サービングBSからの構成情報に基づいて測定結果を報告し得る。
(2)ステップ2:マルチパスのうちの1つの経路に障害が発生する。UEは、2つの経路のうちの片方の経路に障害が発生し、もう一方の経路が利用可能であると、障害情報手順を開始する。
- UEは、利用可能な経路を介してサービングBSに経路障害情報を送信する。
(3)ステップ3:最初に障害の発生した経路が回復する前に、もう一方の経路に障害が発生する。UEはRRC再確立手順を開始する。
-ポイント#2:両方の経路が一時停止または障害発生中である場合、UEはRRC再確立手順を開始する。
(4)ステップ4:UEは1つの適切なセルを選択する。UEは、選択したセルにRRC再確立要求メッセージを送信する。RRC再確立要求メッセージは、以下を含む。
- ポイント#2: 両方の経路が一時停止または障害発生中である場合、UEはRRC再確立手順を開始する。
- 再確立理由は、「他の障害」を再使用できる。
- 従来では、C-RNTI、PCI、およびShortMAC-IがRRC再確立要求メッセージに含まれる。マルチパスケースでは、両方の経路に関連付けられたすべてのC-RNTI、PCI、およびShortMAC-Iが含まれるべきである。
(5)ステップ5:UEが選択したセルにアクセスする。
【0116】
実施形態3
実施形態3は、マルチパスケースにおける経路障害についての課題を解決することが狙いである。実施形態3では、以下の動作が実行される。
(1)ステップ1:UEは、マルチパス(例えば、直接経路および/または間接経路)を介してサービングBSにアクセスする。UEは、RRC接続状態を維持する。
- 例えば、UEは、BSとUEの間の直接経路、およびリレーUEを介したBSとUEの間の間接経路の両方を介してサービングBSにアクセスする。UEは、サービングBSからの構成情報に基づいて測定結果を報告し得る。
(2)ステップ2:マルチパスのうちの1つの経路に障害が発生する。プライマリ経路が構成される場合、プライマリ経路に対する障害が発生すると、UEはRRC再確立手順を開始する。(ポイント#3)
(3)ステップ3:UEは1つの適切なセルを選択する。UEは、選択したセルにRRC再確立要求メッセージを送信する。RRC再確立要求メッセージは、以下を含む。
- ポイント#3:プライマリ経路が構成される場合、プライマリ経路に対する障害が発生すると、UEはRRC再確立手順を開始する。プライマリ経路に関連付けられたC-RNTI、PCI、およびShortMAC-Iが含まれるべきである。
(4)ステップ4:UEが選択したセルにアクセスする。
【0117】
本開示の方法はまた、プログラムされたプロセッサ上で実施され得る。しかしながら、コントローラ、フローチャート、およびモジュールもまた、汎用または専用コンピュータ、プログラムされたマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラおよび周辺集積回路要素、集積回路、離散要素回路などのハードウェア電子または論理回路、プログラマブル論理デバイスなどにおいて実装され得る。一般に、図に示されたフローチャートを実装することが可能な有限状態機械を有する任意のデバイスが、本開示の処理機能を実装するために使用され得る。
【0118】
本開示は、その特定の実施形態とともに説明されているが、多くの代替、変更、および変形が当業者に明らかであることは判然としている。例えば、実施形態の様々な構成要素は、他の実施形態において交換、追加、または置換されてよい。また、各図のすべての要素は、開示された実施形態の動作に必ずしも必須ではない。例えば、当業者であれば、独立請求項の要素を単に採用することによって開示された教示を作成および使用できるようになるであろう。したがって、本明細書に記載された本開示の実施形態は、限定ではなく、例示的なものを意図している。様々な変更が、本開示の範囲から逸脱することなくなされてよい。
【0119】
本明細書では、「含む(includes)」、「含む(including)」という用語、またはそれらの任意の他の変形形態は、非排他的包含をカバーするものとし、要素のリストを含むプロセス、方法、物品、または装置は、それらの要素のみを含むのではなく、明確に列挙されないか、またはそのようなプロセス、方法、物品、もしくは装置に固有でない他の要素を含み得るようになる。「a」、「an」などが前に来る要素は、より多くの制約なしに、その要素を含むプロセス、方法、物品、または装置における追加の同等の要素の存在を排除しない。また、「別の(another)」という用語は、少なくとも第2以上として定義される。本明細書で使用される「有する(having)」などの用語は、「含む(including)」として定義される。
【符号の説明】
【0120】
100 ワイヤレス通信システム
101 UE
102 リレーUE
103 US
300 装置
302 トランシーバ302
304 プロセッサ
【国際調査報告】