(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-17
(54)【発明の名称】ゼリーロール型電極組立体およびそれを含む二次電池
(51)【国際特許分類】
H01M 10/04 20060101AFI20250109BHJP
H01M 10/0587 20100101ALI20250109BHJP
【FI】
H01M10/04 W
H01M10/0587
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024534380
(86)(22)【出願日】2023-11-16
(85)【翻訳文提出日】2024-06-07
(86)【国際出願番号】 KR2023018464
(87)【国際公開番号】W WO2024117624
(87)【国際公開日】2024-06-06
(31)【優先権主張番号】10-2022-0165774
(32)【優先日】2022-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0165783
(32)【優先日】2022-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ヨングク・クォン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・ハン・ハ
【テーマコード(参考)】
5H028
5H029
【Fターム(参考)】
5H028AA05
5H028CC08
5H028CC12
5H029AJ12
5H029AK01
5H029AK02
5H029AK03
5H029AK11
5H029AL06
5H029AL11
5H029AM02
5H029AM03
5H029AM04
5H029AM07
5H029BJ02
5H029BJ14
5H029HJ12
(57)【要約】
本発明は、ゼリーロール型電極組立体およびそれを含む二次電池に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極、第1分離膜、第2電極および第2分離膜が順次積層されて巻き取られたゼリーロール型電極組立体であって、
前記第2電極は、前記ゼリーロール型電極組立体の巻取軸方向である第1面と、前記第1面とは反対面である第2面を含み、
前記ゼリーロール型電極組立体のコア部は、前記第2電極の第1面上に設けられる第1分離膜重畳部、および前記第2電極の第2面上に設けられる第2分離膜重畳部を含み、
前記第1分離膜重畳部および前記第2分離膜重畳部は、前記第2電極の長手方向端部に対応する領域に設けられている、ゼリーロール型電極組立体。
【請求項2】
前記第1分離膜重畳部および前記第2分離膜重畳部は、それぞれ前記第1分離膜および前記第2分離膜が前記第2電極側に折り曲げられて形成されている、請求項1に記載のゼリーロール型電極組立体。
【請求項3】
前記第1分離膜重畳部および前記第2分離膜重畳部は、それぞれ前記第1分離膜および前記第2分離膜が2回以上折り曲げられて形成されている、請求項1に記載のゼリーロール型電極組立体。
【請求項4】
前記第1分離膜重畳部および前記第2分離膜重畳部では、それぞれ前記第1分離膜および前記第2分離膜が3重以上重畳されている、請求項1に記載のゼリーロール型電極組立体。
【請求項5】
前記第1分離膜重畳部および前記第2分離膜重畳部の幅方向の長さは、それぞれ前記第2電極の幅100%を基準として、100%以上110%以下である、請求項1に記載のゼリーロール型電極組立体。
【請求項6】
前記第1分離膜重畳部および前記第2分離膜重畳部の長手方向の長さは、0.1mm以上30mm以下である、請求項1に記載のゼリーロール型電極組立体。
【請求項7】
前記ゼリーロール型電極組立体のコア部において、前記第1電極の長手方向端部から延びた前記第1分離膜および前記第2分離膜が前記ゼリーロール型電極組立体の巻取軸方向の反対方向に一緒に折り曲げられ、
前記第2分離膜重畳部は、2重以上で重畳して配置される分離膜を有する、請求項1に記載のゼリーロール型電極組立体。
【請求項8】
前記ゼリーロール型電極組立体のコア部において、前記第1分離膜、前記第1電極および前記第2分離膜が前記第2電極の長手方向端部より長く延びてさらに巻き取られている、請求項7に記載のゼリーロール型電極組立体。
【請求項9】
前記第2分離膜重畳部では、前記第1電極の長手方向端部から延びた前記第2分離膜が前記第2電極と前記第2電極の第2面に対向する第2分離膜との間に配置されている、請求項7に記載のゼリーロール型電極組立体。
【請求項10】
前記第2分離膜重畳部では、前記第1電極の長手方向端部から延びた前記第1分離膜および前記第2分離膜が前記第2電極と前記第2電極の第2面に対向する前記第2分離膜との間に重畳して配置されている、請求項7に記載のゼリーロール型電極組立体。
【請求項11】
前記第2電極と前記第2電極の第1面に対向する前記第1電極との間に第1分離膜重畳部をさらに含み、
前記第1分離膜重畳部は、2重以上で重畳して配置される分離膜を有する、請求項7に記載のゼリーロール型電極組立体。
【請求項12】
前記第2電極と前記第2電極の第1面に対向する前記第1電極との間に第1分離膜重畳部をさらに含み、
前記第1分離膜重畳部では、前記第1電極の長手方向端部から延びた前記第1分離膜が前記第2電極と前記第2電極の第1面に対向する前記第1分離膜との間に配置されている、請求項7に記載のゼリーロール型電極組立体。
【請求項13】
前記第2電極と前記第2電極の第1面に対向する前記第1電極との間に第1分離膜重畳部をさらに含み、
前記第1分離膜重畳部では、前記第1電極の長手方向端部から延びた前記第1分離膜が前記第2電極と前記第2電極の第1面に対向する前記第1分離膜との間に配置され、
前記第2分離膜重畳部では、前記第1電極の長手方向端部から延びた前記第2分離膜が前記第2電極と前記第2電極の第2面に対向する前記第2分離膜との間に配置されている、請求項7に記載のゼリーロール型電極組立体。
【請求項14】
前記第2電極は、
第2電極集電体と、
前記第2電極集電体の少なくとも一面上に設けられ、前記第2電極集電体と同じ位置で長手方向端部を有する第2電極活物質層と、を含む、請求項1に記載のゼリーロール型電極組立体。
【請求項15】
前記第1電極は負極であり、前記第2電極は正極である、請求項1に記載のゼリーロール型電極組立体。
【請求項16】
請求項1に記載のゼリーロール型電極組立体と、
前記ゼリーロール型電極組立体を収容するための電池ケースと、を含む二次電池。
【請求項17】
前記電池ケースは円筒型である、請求項16に記載の二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゼリーロール型電極組立体およびそれを含む二次電池に関し、より具体的には、分離膜重畳部を含むゼリーロール型電極組立体およびそれを含む円筒型二次電池に関する。本出願は、2022年12月1日付にて韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10-2022-0165774号および2022年12月1日付にて韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10-2022-0165783号の出願日の利益を主張し、該当韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は、本明細書に含まれる。
【背景技術】
【0002】
円筒型電池の場合、幅が定められた長い電極をロール状に巻いてゼリーロール(Jelly Roll)状の電極組立体を製造する。このようなゼリーロール型電極組立体を電池ケースに挿入して製造される円筒型電池は、充放電時に電極の収縮/膨張を繰り返す。特に、ゼリーロール型電極組立体のコアにタブ(In tab)が位置するか、負極電極内にシリコン系活物質が添加されて電極組立体の収縮/膨張の程度が増加する場合、電極組立体のコア部に作用する圧力は大きく増加することになる。
【0003】
近年、低抵抗/高容量設計が増加するにつれて、ゼリーロール型電極組立体が複数のタブを含むか、シリコン系活物質が添加される場合が増加しており、高容量設計のために分離膜の厚さはますます薄くなっている。
【0004】
厚さが薄くなるほど分離膜の物理的強度は弱くなり、電極組立体の収縮/膨張に伴う前記コア部に位置する電極組立体の変形可能性が増加し、特に負極と正極との間に位置する分離膜が破損する場合、負極および正極が直接接触して内部ショートにより発熱および発火が発生するという問題があった。
【0005】
このような電極組立体の変形による分離膜破損および内部ショート発生問題を解決するために、当該領域の電極および分離膜を保護し、内部ショート発生を抑制できる技術の開発が必要な実状である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、ゼリーロール型電極組立体の設計を変更したゼリーロール型電極組立体およびそれを含む二次電池を提供しようとする。
【0007】
ただし、本発明が解決しようとする課題は、前記言及した課題に制限されず、言及されていない他の課題は、以下の記載から当業者には明確に理解できる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1電極;第1分離膜;第2電極および第2分離膜が順次積層されて巻き取られたゼリーロール型電極組立体であって、前記第2電極は、前記ゼリーロール型電極組立体の巻取軸方向である第1面と、前記第1面の反対面である第2面を含み、前記電極組立体のコア部は、前記第2電極の第1面上に設けられる第1分離膜重畳部;および前記第2電極の第2面上に設けられる第2分離膜重畳部を含み、前記第1分離膜重畳部および前記第2分離膜重畳部は前記第2電極の長手方向端部に対応する領域に設けられる、ゼリーロール型電極組立体を提供する。
【0009】
本発明の他の実施態様は、前記ゼリーロール型電極組立体;および前記電極組立体を収容するための電池ケースを含む、二次電池を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一実施態様によるゼリーロール型電極組立体は、コア部分離膜の折曲および重畳構造を調節した分離膜重畳部を含むことにより、電池充放電時の電極の収縮/膨張による電極組立体の変形から第1電極および分離膜の損傷を防止し、分離膜損傷が発生した場合でも、前記分離膜重畳部により第1電極および第2電極間の内部ショートを防止して電池安定性および寿命特性が改善されることができる。
【0011】
また、本発明に係る二次電池は、電池充放電時に電極の収縮/膨張による電極組立体の変形時にも、前記分離膜重畳部により第1電極と第2電極との間の内部ショートを防止することにより、電池安定性および寿命特性が改善されることができる。
【0012】
本発明の効果は前述の効果に限定されず、言及されていない効果は、本願明細書および添付の図面から当業者には明確に理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施態様による分離膜重畳部を含むゼリーロール型電極組立体を模式的に示す。
【
図2】本発明の一実施態様による分離膜重畳部を含むゼリーロール型電極組立体を模式的に示す。
【
図3】本発明の一実施態様による分離膜重畳部を含むゼリーロール型電極組立体を模式的に示す。
【
図4】本発明の一実施態様による分離膜重畳部を含むゼリーロール型電極組立体を模式的に示す。
【
図5】本発明の一実施態様による分離膜重畳部を含むゼリーロール型電極組立体を模式的に示す。
【
図6】本発明の一実施態様による分離膜重畳部を含むゼリーロール型電極組立体を模式的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本願明細書の全体にわたって、ある部分がある構成要素を「含む」という場合、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0015】
本明細書の全体にわたって、ある部材が他の部材「上」に位置しているという場合、これは、ある部材が他の部材に接している場合だけでなく、2つの部材の間に他の部材が存在する場合も含む。
【0016】
本発明の一実施態様は、第1電極;第1分離膜;第2電極および第2分離膜が順次積層されて巻き取られたゼリーロール型電極組立体であって、前記第2電極は、前記ゼリーロール型電極組立体の巻取軸方向である第1面と、前記第1面の反対面である第2面を含み、前記電極組立体のコア部は、前記第2電極の第1面上に設けられる第1分離膜重畳部;および前記第2電極の第2面上に設けられる第2分離膜重畳部を含み、前記第1分離膜重畳部および前記第2分離膜重畳部は、前記第2電極の長手方向端部に対応する領域に設けられる、ゼリーロール型電極組立体を提供する。
【0017】
本発明の一実施態様によるゼリーロール型電極組立体は、コア部分離膜の折曲および重畳構造を調節した分離膜重畳部を含むことにより、電池充放電時に電極の収縮/膨張による電極組立体の変形から第1電極および分離膜の損傷を防止し、分離膜損傷が発生した場合でも、前記分離膜重畳部により第1電極と第2電極との間の内部ショートを防止して電池安定性および寿命特性を改善することができる。ここで、前記「コア部」は、電極組立体の巻取軸に位置した中空;および巻き取られた第1電極/第1分離膜/第2電極/第2分離膜の積層構造の一部を含む領域であって、前記電極組立体の最内角に位置する前記第2電極の長手方向一端部から前記第2電極の2ターン(Turn)以内の領域を意味するものであってもよい。
【0018】
本発明の一実施態様によれば、前記第1分離膜重畳部および前記第2分離膜重畳部は、前記第2電極の長手方向端部に対応する領域に設けられてもよい。具体的には、前記第1分離膜重畳部および前記第2分離膜重畳部は、前記第2電極の巻き取りが開始される長手方向端部に対応する領域に設けられてもよい。言い換えれば、前記第2電極の長手方向端部の長手方向に垂直な方向の延長線が、前記第1分離膜重畳部および前記第2分離膜重畳部の長手方向の両端部の間に位置してもよい。前記第1分離膜重畳部および前記第2分離膜重畳部が前記第2電極の長手方向端部に対応する領域に設けられる場合、電池充放電時に鋭い第2電極の長手方向端部による第1電極および分離膜の損傷を効果的に防止することができる。
【0019】
図1は、本発明の一実施態様による分離膜重畳部を含むゼリーロール型電極組立体を示したものである。具体的には、
図1の(a)は、第1分離膜および第2分離膜がそれぞれ第2電極側に折り曲げられて形成される第1分離膜重畳部および第2分離膜重畳部を含むゼリーロール型電極組立体を示し、
図1の(b)は、第1分離膜および第2分離膜が第2電極の反対側に折り曲げられて形成される第1分離膜重畳部および第2分離膜重畳部を含むゼリーロール型電極組立体を示す。
【0020】
本発明の一実施態様によれば、前記第1分離膜重畳部および前記第2分離膜重畳部は、それぞれ前記第1分離膜および前記第2分離膜を折り曲げることによって形成されてもよい。具体的には、前記第1分離膜が折り曲げられて前記第2電極の第1面上に設けられる第1分離膜重畳部を形成してもよく、前記第2分離膜が折り曲げられて前記第2電極の第2面上に設けられる第2分離膜重畳部を形成するものであってもよい。前記第1分離膜重畳部および前記第2分離膜重畳部を前記第2電極の第1面および第2面上にそれぞれ形成することにより、第2電極の長手方向端部による第1電極および分離膜の損傷を効果的に防止することができる。また、前記第1分離膜重畳部および前記第2分離膜重畳部を形成する分離膜の折り曲げ方向を調節することにより、各折り曲げ構造によるさらなる効果を得ることができる。
【0021】
図1および
図2を参照すると、前記第1分離膜20が折り曲げられて前記第2電極300の前記第1電極100と対向する第1面上に設けられる第1分離膜重畳部S1を形成してもよく、前記第2分離膜40が折り曲げられて前記第2電極300の前記第1電極100’と対向する第2面上に設けられる第2分離膜重畳部S2を形成するものであってもよい。
【0022】
本発明の一実施態様によれば、前記第1分離膜重畳部および前記第2分離膜重畳部は、それぞれ前記第1分離膜および前記第2分離膜を前記第2電極側に折り曲げることによって形成されてもよい。具体的には、
図1の(a)を参照すると、前記第1分離膜重畳部S1は、前記第1分離膜20が前記第2電極300側に折り曲げられ、前記第2電極300の第1面上に形成されるものであってもよい。また、前記第2分離膜重畳部S2は、前記第2分離膜40が前記第2電極300側に折り曲げられて前記第2電極300の第2面上に形成されてもよい。この場合、第1電極と分離膜との間の空き空間を最小化することができるため、高速充電時にも第1電極と分離膜との間の空間のリチウム析出など、追加の段差により発生し得る局部的な問題の発生を最小化することができる。
【0023】
本発明の一実施態様によれば、前記第1分離膜重畳部および前記第2分離膜重畳部は、それぞれ前記第1分離膜および前記第2分離膜を前記第2電極の反対側に折り曲げることによって形成されてもよい。具体的には、
図1の(b)を参照すると、前記第1分離膜重畳部S1は、前記第1分離膜20を前記第2電極300の反対側に折り曲げることによって、前記第2電極300の第1面上に形成されてもよい。また、前記第2分離膜重畳部S2は、前記第2分離膜40を前記第2電極300の反対側に折り曲げることによって前記第2電極300の第2面上に形成されてもよい。この場合、巻芯の直径が小さいか、第2電極活物質層のローディング量が増加する場合でも、前記第2電極が第1面または第2面上に位置する前記分離膜重畳部による段差と直接対面しないため、第2電極のクラックの発生を低減することができる。また、長期サイクル進行時に前記第1電極の収縮/膨張による摺動が繰り返される場合であっても、前記分離膜重畳部の変形を最小化することができるため、前記第1電極のクラック防止効果および電池寿命特性がより優れることができる。
【0024】
本発明の一実施態様によれば、前記第1分離膜重畳部は、前記第1分離膜を前記第2電極側に折り曲げることによって形成され、前記第2分離膜重畳部は、前記第2分離膜を前記第2電極の反対側に曲げることによって形成されるものであってもよい。具体的には、
図2の(a)を参照すると、前記第1分離膜重畳部S1は、前記第1分離膜20を前記第2電極側に折り曲げることによって、前記第2電極300の第1面上に形成されるものであってもよい。また、前記第2分離膜重畳部S2は、前記第2分離膜40を前記第2電極300の反対側に折り曲げることによって、前記第2電極300の第2面上に形成されるものであってもよい。この場合、電極組立体の巻き取り時に第2電極の長手方向端部が第2面に向かう場合でも、第2分離膜重畳部による第1電極および分離膜の保護効果がより優れ得て、第1分離膜重畳部の損傷を最小化して、電池の寿命特性をより改善することができる。
【0025】
本発明の一実施態様によれば、前記第1分離膜重畳部は、前記第1分離膜を前記第2電極の反対側に折り曲げることによって形成され、前記第2分離膜重畳部は、前記第2分離膜を前記第2電極側に折り曲げることによって形成されるものであってもよい。具体的には、
図2の(b)を参照すると、前記第1分離膜重畳部S1は、前記第1分離膜20を前記第2電極の反対側に折り曲げることによって、前記第2電極300の第1面上に形成されるものであってもよい。また、前記第2分離膜重畳部S2は、前記第2分離膜40を前記第2電極300側に折り曲げることによって、前記第2電極300の第2面上に形成されてもよい。この場合、電極組立体を巻き取る際に前記第1電極と第2電極との間に前記分離膜重畳部が介在する場合でも、第2分離膜重畳部S2の厚さおよび第1分離膜重畳部S1の厚さによる段階的な段差形成が可能であり、電極組立体の真円度が改善されることができる。
【0026】
本発明の一実施態様によれば、前記第1分離膜重畳部および前記第2分離膜重畳部は、それぞれ前記第1分離膜および前記第2分離膜を2回以上折り曲げることによって形成されてもよい。具体的には、前記第1分離膜重畳部および前記第2分離膜重畳部は、それぞれ前記第1分離膜および前記第2分離膜を2回以上4回以下折り曲げることによって形成されてもよい。より具体的には、前記第1分離膜重畳部および前記第2分離膜重畳部は、それぞれ前記第1分離膜および前記第2分離膜を2回または4回折り曲げることによって形成されてもよい。前記折り曲げ回数が2回未満の場合、第1電極および分離膜の損傷防止効果が劣ることがあり、4回超の場合、追加的な段差形成により当該領域に応力が集中し、追加的な分離膜損傷が発生することがあり、電解液不足によるリチウム析出などの局所的な問題が発生することがある。
【0027】
本発明の一実施態様によれば、前記第1分離膜重畳部および前記第2分離膜重畳部は、それぞれ前記第1分離膜および前記第2分離膜が3重以上重畳されたものであってもよい。具体的には、前記第1分離膜重畳部および前記第2分離膜重畳部は、それぞれ前記第1分離膜および前記第2分離膜が3重以上5重以下重畳されたものであってもよい。より具体的には、前記第1分離膜重畳部および前記第2分離膜重畳部は、それぞれ前記第1分離膜および前記第2分離膜が3重または5重重畳されたものであってもよい。前記分離膜の重畳が3重未満の場合、第1電極および分離膜の損傷防止効果が劣ることがあり、5重超の場合、追加の段差形成により当該領域に応力が集中し、追加の分離膜損傷が発生することがあり、電解液不足によるリチウム析出などの局所的な問題が発生することがある。
【0028】
本発明の一実施態様によれば、前記第1分離膜重畳部および前記第2分離膜重畳部の幅方向の長さは、それぞれ前記第2電極の幅100%を基準として、100%以上110%以下であってもよい。具体的には、前記第1分離膜重畳部および前記第2分離膜重畳部の幅方向の長さは、それぞれ前記第2電極の幅100%を基準として、100%以上105%以下または105%以上110%以下であってもよい。第1電極および分離膜の幅は、充/放電効率および電池安定性改善のために第2電極の幅より大きくなり得て、鋭い第2電極の長手方向端部による第1電極および分離膜損傷が第2電極の長手方向端部の全体で同じく起きるようにすることができる。したがって、前記第1分離膜重畳部および前記第2分離膜重畳部の幅方向の長さを前記第2電極の幅をすべて覆うように調節することにより、第1電極および分離膜の損傷防止効果がより優れることができる。一方、第1分離膜重畳部および前記第2分離膜重畳部の幅方向の長さが前述の範囲を満たす場合、第1分離膜および第2分離膜の幅方向の長さとの差を最小化して工程性を改善することができる。
【0029】
本発明の一実施態様によれば、前記第1分離膜重畳部および前記第2分離膜重畳部の長手方向の長さは、0.1mm以上30mm以下であってもよい。具体的には、前記第1分離膜重畳部および前記第2分離膜重畳部の長手方向の長さは、1mm以上、2mm以上、3mm以上、4mm以上、または5mm以上であってもよく、29mm以下、28mm以下、27mm以下、26mm以下または25mm以下であってもよい。前記第1分離膜重畳部および前記第2分離膜重畳部の幅方向の長さが前述の範囲を満たす場合、電池の充/放電時に前記第2電極の摺動が起こった場合でも、前記分離膜重畳部が第2電極の長さ方向端部に対応する領域に位置することができる。また、所定の工程誤差が存在する場合でも、分離膜重畳部による第1電極および分離膜の損傷防止効果がより優れることができる。ここで、前記第1分離膜重畳部の長手方向の長さは、前記第2電極の長手方向端部320から前記第1分離膜重畳部S1の長手方向両端部までの距離L1、L1’の和を意味してもよい。また、前記第2分離膜重畳部の長手方向の長さは、前記第2電極の長手方向端部320から前記第2分離膜重畳部S2の長手方向両端部までの距離L2、L2’の和を意味することができる。
【0030】
本発明の一実施態様によれば、前記第1分離膜重畳部および前記第2分離膜重畳部の中心部は、前記第2電極の長手方向端部に対応する領域に設けられてもよい。例えば、前記第1分離膜重畳部および前記第2分離膜重畳部の長手方向の長さの1/2地点を延長した線が、前記第2電極の巻き取りが開始される長手方向端部と一致してもよい。ここで、「中心部」は、長手方向の長さをLとした場合、長手方向一端部から距離が1/3Lの地点を結んだ線と、2/3Lの地点を結んだ線との間の領域を意味し、「一致」は分離膜折り曲げ工程などで発生し得る工程上の誤差により実質的に同じ位置で端部を形成する場合を含んでもよい。前記第1分離膜重畳部および前記第2分離膜重畳部の中心部が前記第2電極の長手方向端部に対応する領域に設けられる場合、電池充放電時に鋭い第2電極の長手方向端部による第1電極および分離膜の損傷防止効果がより優れることができる。
【0031】
図3は、本発明の一実施態様による分離膜重畳部を含むゼリーロール型電極組立体を示したものである。具体的には、
図3の(a)は、第1分離膜および第2分離膜をそれぞれ第2電極側に折り曲げることによって形成される第1分離膜重畳部および第2分離膜重畳部を含むゼリーロール型電極組立体を示し、
図3の(b)は、第1分離膜および第2分離膜を第2電極の反対側に折り曲げることによって形成される第1分離膜重畳部および第2分離膜重畳部を含むゼリーロール型電極組立体を示したものである。
【0032】
本発明の一実施態様によれば、前記第2電極の長手方向端部と前記第1分離膜重畳部の長手方向端部との間の距離は、0.5mm以上15mm以下であってもよい。具体的には、
図3を参照すると、前記第2電極の長手方向端部と前記第1分離膜重畳部の長手方向端部との間の距離L1、L1’は、互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれ1mm以上、1.5mm以上、2mm以上、2.5mm以上または3mm以上であってもよく、14.5mm以下、14mm以下、13.5mm以下または13mm以下であってもよい。前記第2電極の長手方向端部と第1分離膜重畳部の長手方向端部との間の距離L1、L1’が前述の範囲を満たす場合、第1分離膜重畳部が第2電極の第1面および第2電極の長手方向端部を効果的に包むことができるため、前記第2電極の第1面上の第1電極および分離膜の損傷防止効果がより優れ、さらなる段差形成を最小化することができる。
【0033】
本発明の一実施態様によれば、前記第2電極の長手方向端部と第2分離膜重畳部の長手方向端部との間の距離は、0.5mm以上15mm以下であってもよい。具体的には、
図3を参照すると、前記第2電極の長手方向端部と第2分離膜重畳部の長手方向端部との間の距離L2、L2’は、互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれ1mm以上、1.5mm以上、2mm以上、2.5mm以上または3mm以上であってもよく、14.5mm以下、14mm以下、13.5mm以下または13mm以下であってもよい。前記第2電極の長手方向端部と第2分離膜重畳部の長手方向端部との間の距離L2、L2’が前述の範囲を満たす場合、第2分離膜重畳部が第2電極の第2面および第2電極の長手方向端部を効果的に包むことができるため、前記第2電極の第2面上の第1電極および分離膜の損傷防止効果により優れることができ、さらなる段差形成を最小化することができる。
【0034】
本発明の一実施態様によれば、前記電極組立体のコア部において、前記第1分離膜、第1電極および第2分離膜が前記第2電極の長手方向端部より長く延びてさらに巻き取られてもよい。具体的には、前記第1分離膜、第1電極および第2分離膜の巻き取りが行われた後、前記第2電極と共に巻き取りが行われてもよい。例えば、前記第1分離膜、第1電極および第2分離膜が巻芯の周りを1ターン(turn)以上一緒に巻き取られた後、前記第2電極と一緒に巻き取られてもよい。すなわち、前記ゼリーロール型電極組立体のコア部において、前記第1分離膜、第1電極および第2分離膜の長手方向端部は、前記第2電極の長手方向端部より内側に位置してもよい。言い換えれば、前記第1電極の長さおよび幅は前記第2電極より大きくてもよく、前記第1電極の一面および反対面に位置した前記第1分離膜および前記第2分離膜の長さおよび幅もまた前記第2電極より大きくてもよい。前記第1分離膜、第1電極および第2分離膜が前記第2電極の長手方向端部より長く延びてさらに巻き取られる場合、リチウムイオン電池の化学反応において第2電極のリチウムイオンの第1電極への伝達がより容易であり得る。第1電極の長さや幅がより広く形成される場合、リチウムイオンを受ける第1電極の面積が増加して充/放電効率の減少を防止することができ、電池安定性および寿命特性に優れる。
【0035】
本発明の一実施態様によれば、前記電極組立体のコア部において、前記第1電極の長手方向端部から延びた前記第1分離膜および前記第2分離膜が、前記電極組立体の巻取軸方向の反対方向に一緒に折り曲げられ、前記第2分離膜重畳部は、重畳して配置される分離膜が2重以上であってもよい。
【0036】
コア部分離膜の折曲構造を変更した分離膜重畳部を含むことにより、電池充放電時に電極の収縮/膨張による電極組立体の変形から第1電極および分離膜の損傷を防止することができ、分離膜損傷が発生する場合でも、前記分離膜重畳部により、第1電極および第2電極間の内部ショートを防止して電池安定性および寿命特性を改善することができる。
【0037】
図4および
図5は、本発明の一実施態様による分離膜重畳部を含むゼリーロール型電極組立体を示したものである。具体的には、
図4は本発明の一実施態様による第2分離膜重畳部を含むゼリーロール型電極組立体を示し、
図5は本発明の一実施態様による第1分離膜重畳部をさらに含むゼリーロール型電極組立体を示したものである。
【0038】
本発明の一実施態様によれば、前記電極組立体のコア部において、前記第1電極の長手方向端部から延びた前記第1分離膜および前記第2分離膜が前記電極組立体の巻取軸方向の反対方向に一緒に折り曲げられてもよい。
【0039】
具体的には、前記第1分離膜および前記第2分離膜は、前記電極組立体のコア部において前記第1電極の長手方向端部から延び、前記第1電極の巻取軸に対向する方向の反対方向に一緒に折り曲げられて、それぞれ前記第2電極と前記第2電極の第1面または第2面に対向する前記第1電極との間に重畳して配置されてもよい。
【0040】
具体的に、
図4の(a)および(b)を参照すると、前記第1電極の長手方向端部120から延びた前記第1分離膜20’および前記第2分離膜40’は、前記第1電極の巻き取り軸に対向する方向の反対方向、すなわち前記第2電極の長手方向端部320側に一緒に折り曲げられてもよく、延長された前記第1分離膜20’および前記第2分離膜40’が前記第2電極300と前記第2電極の第2面に対向する前記第1電極100’との間に重畳して配置されて第2分離膜重畳部S2を形成してもよい。
【0041】
言い換えれば、前記第1電極の長手方向端部120から延びた前記第1分離膜20’および前記第2分離膜40’は、前記第1電極の巻取軸に対向する方向の反対方向、すなわち、前記電極組立体の外郭方向に折り返されてもよく、延長された前記第1分離膜20’および前記第2分離膜40’が前記第2電極300と前記第2電極の第2面に対向する前記第1電極100’との間に重畳して配置されて第2分離膜重畳部S2を形成してもよい。
【0042】
これを通じて、より簡単な折り曲げ構造により、前記第2分離膜重畳部を構成する分離膜が2重以上になるようにすることができる。また、前記第2分離膜重畳部を備えることにより、第2電極の巻取軸方向とは反対面である第2面に対向する第1電極および分離膜の損傷防止効果により優れることができる。
【0043】
図6は、本発明の一実施態様によるゼリーロール型電極組立体の分離膜重畳部を模式的に示したものである。
【0044】
本発明の一実施態様によれば、前記ゼリーロール型電極組立体は、前記第2電極と前記第2電極の第2面に対向する前記第1電極との間に第2分離膜重畳部を含み、前記分離膜重畳部は、重畳して配置される分離膜が2重以上であってもよい。
【0045】
具体的には、前記第2分離膜重畳部は、重畳して配置される分離膜が2重以上または3重以上のものでであってもよく、前記第2分離膜重畳部は、重畳して配置される分離膜が5重以下、4重以下または3重以下のものであってもよい。
【0046】
図4および
図5を参照すると、前記電極組立体のコア部は、前記第2電極300と前記第2電極の第2面に対向する前記第1電極100’との間に第2分離膜重畳部S2を含み、前記第2分離膜重畳部S2は、前記第2電極の長手方向端部320を中心に、重畳して配置される分離膜が2重以上である領域の一部を意味してもよい。
【0047】
ここで、前記第2分離膜重畳部S2は、前記第2電極の長手方向端部320を中心として、重畳して配置される分離膜が2重以上である領域の端部、すなわち第2分離膜重畳部の長手方向端部までの領域と、前記電極組立体のコア部方向に同じ長さを有する領域を意味するものであってもよい。
【0048】
具体的には、
図4の(a)を参照すると、前記第2分離膜重畳部S2は、前記第2電極の長手方向端部320を中心として、前記第2分離膜重畳部S2の長手方向端部から、前記第2分離膜重畳部の長手方向端部と第2電極の長手方向端部との間の離隔距離L2と前記電極組立体のコア部方向に同一長さL2’までの領域を意味してもよく、前記第2分離膜重畳部S2の長手方向端部からL2+L2’=L2+L2=2L2の長さを有する領域を意味してもよい。
【0049】
本発明の一実施態様によれば、前記第1分離膜および第2分離膜は、前記第1電極の長手方向端部よりも長く延びてさらに巻き取られてもよい。すなわち、前記第1分離膜20および前記第2分離膜40は、前記第1電極の長手方向端部120から延びた領域を含んでもよい。言い換えれば、前記第1分離膜20および第2分離膜40が所定の長さだけ巻き取られた後、前記第1電極100と共に巻き取られてもよい。
【0050】
したがって、前記第1電極の長手方向端部120から延びた前記第1分離膜20’および前記第2分離膜40’は、前記第1電極100よりも先に巻き取られた前記第1分離膜20および前記第2分離膜40の一部分であってもよく、折り曲げおよび重畳配置されて第1分離膜重畳部S1または第2分離膜重畳部S2を形成するものであってもよい。
【0051】
すなわち、別途の補助分離膜などを設けることなく、前記第1分離膜および第2分離膜から一体に延びた折り曲げ構造により、第1分離膜重畳部または第2分離膜重畳部を形成することができる。これにより、より簡単な構造により、前記第1分離膜重畳部または第2分離膜重畳部を構成する分離膜が2重以上になるように調整されることができる。
【0052】
本発明の一実施態様によれば、前記第2分離膜重畳部は、前記延長された第2分離膜が前記第2電極と前記第2電極の第2面に対向する第2分離膜との間に配置されるものであってもよい。
【0053】
具体的には、
図4および
図5を参照すると、前記第2分離膜重畳部S2は、前記電極組立体のコア部において前記第1電極の長手方向端部120から延びた前記第2分離膜40’が第2分離膜40と重畳して配置されるものであってもよい。前記延長された第2分離膜が前記第2電極と前記第2電極の第2面に対向する第2分離膜との間に配置される場合、別途の補助分離膜などを設けることなく、前記第2分離膜から一体に延びた折り曲げ構造により第2分離膜重畳部を形成することができる。これにより、より簡単な構造により、前記第2分離膜重畳部を構成する分離膜が2重以上になるように調節されることができる。
【0054】
本発明の一実施態様によれば、前記第2分離膜重畳部は、前記延長された第1分離膜および前記延長された第2分離膜が、前記第2電極と前記第2電極の第2面に対向する前記第2分離膜との間に重畳して配置されるものであってもよい。
【0055】
具体的に、
図4を参照すると、前記第2分離膜重畳部S2は、前記電極組立体のコア部において前記第1電極の長手方向端部120から延びた、前記第1分離膜20’および前記第2分離膜40’が第2分離膜40と重畳して配置されるものであってもよい。
【0056】
前記延長された第1分離膜および前記延長された第2分離膜が、前記第2電極と前記第2電極の第2面に対向する前記第2分離膜との間に重畳して配置される場合、別途の補助分離膜などを設けることなく、前記第1分離膜および第2分離膜から一体に延びた折り曲げ構造により、第2分離膜重畳部を形成することができる。これにより、より簡単な構造により、前記第2分離膜重畳部を構成する分離膜が3重以上になるように調節することができる。
【0057】
前記第1電極の長手方向端部から延びた、前記第1分離膜および前記第2分離膜が2重以上重畳して配置されることで、第2分離膜重畳部を形成する場合、電極の収縮/膨張による電極組立体の変形から第1電極および分離膜の損傷を防止し、分離膜損傷が発生した場合でも、前記第2分離膜重畳部により第1電極と第2電極との間の内部ショートを防止して電池安定性および寿命特性を改善することができる。また、第2分離膜重畳部を含む場合、前記第2電極の巻取軸方向とは反対方向である第2面に対向する第1電極および分離膜の損傷防止効果がより優れることができる。
【0058】
本発明の一実施態様によれば、前記第2電極と前記第2電極の第1面に対向する前記第1電極との間に第1分離膜重畳部をさらに含んでもよい。具体的に、
図5の(a)および(b)を参照すると、前記第1電極の長手方向端部120から延びた前記第1分離膜20’および前記第2分離膜40’は、前記第1電極の巻取軸に対向する方向の反対方向、すなわち前記第2電極の長手方向端部320側に一緒に折り曲げられてもよく、延長された前記第2分離膜40’は、前記第2電極300と前記第2電極の第2面に対向する前記第1電極100’との間に重畳して配置されて第2分離膜重畳部S2を形成し、延長された前記第1分離膜20’は、前記第2電極300と前記第2電極の第1面に対向する前記第1電極100との間に重畳配置されて第1分離膜重畳部S1を形成することができる。
【0059】
これを通じて、より簡単な折り曲げ構造により、前記第1分離膜重畳部および第2分離膜重畳部を構成する分離膜がそれぞれ2重以上になるようにすることができる。また、第1分離膜重畳部をさらに含むことにより、前記第2電極の巻取軸方向である第1面に対向する第1電極および分離膜の損傷防止効果がより優れることができる。
【0060】
本発明の一実施態様によれば、前記第2電極と前記第2電極の第1面に対向する前記第1電極との間に第1分離膜重畳部を含み、前記第1分離膜重畳部は、重畳して配置される分離膜が二重以上であるものであってもよい。具体的には、前記第1分離膜重畳部は、重畳して配置される分離膜が2重以上または3重以上であるものであってもよく、前記第1分離膜重畳部は、重畳して配置される分離膜が5重以下、4重以下または3重以下であるものであってもよい。
【0061】
図5を参照すると、前記電極組立体のコア部は、前記第2電極300と前記第2電極の第1面に対向する前記第1電極100との間に第1分離膜重畳部S1を含み、前記第1分離膜重畳部S1は、前記第2電極の長手方向端部320を中心に、重畳して配置される分離膜が2重以上である領域の一部を意味するものであってもよい。
【0062】
ここで、前記第1分離膜重畳部S1は、前記第2電極の長手方向端部320を中心として、重畳して配置される分離膜が2重以上である領域の端部、すなわち第1分離膜重畳部の長手方向端部までの領域と、前記電極組立体のコア部方向に同じ長さを有する領域を意味するものであってもよい。
【0063】
具体的には、
図5の(b)を参照すると、前記第1分離膜重畳部S1は、前記第2電極の長手方向端部320を中心として、前記第1分離膜重畳部S1の長手方向端部から、前記第1分離膜重畳部の長手方向端部と第2電極の長手方向端部との間の離隔距離L1と前記電極組立体のコア部方向と同一長さL1’までの領域を意味することができ、前記第1分離膜重畳部S1の長手方向端部からL1+L1’=L1+L1=2L1の長さを有する領域を意味することができる。
【0064】
本発明の一実施態様によれば、前記第1分離膜重畳部は、前記延長された第1分離膜が前記第2電極と前記第2電極の第1面に対向する前記第1分離膜との間に配置されるものであってもよい。具体的には、
図5を参照すると、前記第1分離膜重畳部S1は、前記電極組立体のコア部において前記第1電極の長手方向端部120から延びた前記第1分離膜20’が第1分離膜20と重畳して配置されるものであってもよい。
【0065】
前記延長された第1分離膜が前記第2電極と前記第2電極の第1面に対向する第1分離膜との間に配置される場合、別途の補助分離膜などを設けることなく、前記第1分離膜から一体に延びた折り曲げ構造により第1分離膜重畳部を形成することができる。これにより、より簡単な構造により、前記第1分離膜重畳部を構成する分離膜が2重以上になるように調節することができる。
【0066】
本発明の一実施態様によれば、前記第1分離膜重畳部は、前記延長された第1分離膜が前記第2電極と前記第2電極の第1面に対向する前記第1分離膜との間に配置されるものであり、前記第2分離膜重畳部は、前記延長された第2分離膜が前記第2電極と前記第2電極の第2面に対向する前記第2分離膜との間に配置されるものであってもよい。
【0067】
具体的には、
図5を参照すると、前記第1分離膜重畳部S1は、前記電極組立体のコア部において前記第1電極の長手方向端部120から延びた前記第1分離膜20’が第1分離膜20と重畳して配置されるものであり、前記第2分離膜重畳部S2は、前記電極組立体のコア部において前記第1電極の長手方向端部120から延びた前記第2分離膜40’が第2分離膜40と重畳して配置されるものであってもよい。
【0068】
前記延長された第1分離膜が前記第2電極と前記第2電極の第1面に対向する前記第1分離膜との間に配置され、前記延長された第2分離膜が前記第2電極と前記第2電極の第2面に対向する第2分離膜との間に配置される場合、別途の補助分離膜などを設けることなく、前記第1分離膜および第2分離膜から一体に延びた折り曲げ構造により、第1分離膜重畳部および第2分離膜重畳部を形成することができる。これにより、より簡単な構造により、前記第1分離膜重畳部および第2分離膜重畳部を構成する分離膜が2重以上になるように調節することができる。
【0069】
前記第1電極の長手方向端部から延びた、前記第1分離膜および前記第2分離膜が2重以上重畳して配置されることで第1分離膜重畳部および第2分離膜重畳部を形成する場合、電極の収縮/膨張による電極組立体の変形から第1電極および分離膜の損傷を防止し、分離膜損傷が発生する場合でも前記第1分離膜重畳部および第2分離膜重畳部により第1電極および第2電極間の内部ショートを防止し、電池安定性および寿命特性を改善することができる。また、第1分離膜重畳部および第2分離膜重畳部のいずれも含む場合、前記第2電極の巻取軸方向である第1面と前記第1面の反対方向である第2面に対向する第1電極および分離膜の損傷防止効果がより優れることができる。
【0070】
本発明の一実施態様によれば、前記ゼリーロール型電極組立体は複数の分離膜を含んでもよい。例えば、前記ゼリーロール型電極組立体は、第2電極/第1分離膜/第1電極/第2分離膜を順に積層した構造であってもよく、第1分離膜/第1電極/第2分離膜/第2電極を順に積層した構造であってもよい。前記分離膜は、第2電極と第1電極とを分離してリチウムイオンの移動通路を提供するものであり、通常、二次電池で分離膜として用いられるものであれば特に制限なく使用可能であり、特に電解質のイオン移動に対して低抵抗ながら電解質含湿能力に優れるものが好ましい。具体的には、多孔性高分子フィルム、例えばエチレン単独重合体、プロピレン単独重合体、エチレン/ブテン共重合体、エチレン/ヘキセン共重合体およびエチレン/メタクリレート共重合体などのようなポリオレフィン系高分子から製造した多孔性高分子フィルムまたはこれらの2層以上の積層構造体が用いられてもよい。また、従来の多孔性不織布、例えば高融点のガラス繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維などからなる不織布が使用されてもよい。また、前記分離膜は、通常10μm以上20μm以下の厚さを有してもよく、前述した分離膜素材を基材層として、耐熱性または機械的強度確保のために、セラミック成分または高分子物質が含まれたスラリーを基材層上コーティングした分離膜を使用することができ、選択的に単層または多層構造で使用されてもよい。
【0071】
本発明の一実施態様によれば、前記第2分離膜重畳部の長手方向の長さは、前記電極組立体の内周面の周り100%を基準にして10%以上50%以下であってもよい。具体的には、前記第2分離膜重畳部の長手方向の長さは、前記電極組立体の内周面の周り100%を基準に、15%以上、20%以上、25%以上、または30%以上であってもよく、45%以下、40%以下、35%以下または30%以下であってもよい。
【0072】
すなわち、前記第2分離膜重畳部の長手方向の長さは、前記電極組立体のコア部の内周面の1/10ターン(turn)以上1/2ターン(turn)以下、または1/5ターン(turn)以上1/3ターン(turn)以下であってもよい。ここで、前記「内周面の周り」は、前記電極組立体の巻取軸を中心に、前記電極組立体の中空に接する最内角層までの距離のうち最も大きい値を半径とする仮想の円の周りを意味することができる。
図6を参照すると、前記第2分離膜重畳部の長手方向の長さは、L2+L2’=L2+L2=2L2の長さを意味することができる。
【0073】
前述した第2分離膜重畳部の長手方向の長さ範囲を満たす場合、電池充放電時に電極の収縮/膨張による電極組立体の変形から前記第2電極の巻取軸方向の反対方向である第2面に対向する第1電極および分離膜の損傷を防止しながらも、リチウムイオンを受ける負極の面積が減少し過ぎて充/放電効率の減少を防止することができ、電池安定性および寿命特性が優れる。
【0074】
本発明の一実施態様によれば、前記第2分離膜重畳部の長手方向端部と第2電極の長手方向端部との間の離隔距離は、2mm以上10mm以下であってもよい。具体的には、
図6を参照すると、前記第2分離膜重畳部の長手方向端部と第2電極の長手方向端部との間の離隔距離L2、L2’は、3mm以上、4mm以上、または5mm以上であり、9mm以下、8mm以下または7mm以下であってもよい。すなわち、前記電極組立体のコア部において、前記第1電極の長手方向端部120から延びた前記第1分離膜20’または前記第2分離膜40’は、前記第2電極300と前記第2電極の第2面に対向する前記第1電極100’との間に、前記第2電極の長手方向端部320から2mm以上10mm以下配置されてもよい。
【0075】
前述の前記第2分離膜重畳部の長手方向の長さ範囲を満たす場合、前記第1分離膜および第2分離膜の投入時に工程誤差が存在する場合でも、前記第2分離膜重畳部を前記第2電極と前記第2電極の第2面に対向する前記第1電極との間に配置することができ、前記第2電極の第2面に対向する第1電極および分離膜の損傷を防止するのに十分であり、リチウムイオンを受ける第1電極の面積が減少し過ぎて充/放電効率が減少することを防止し、電池安定性および寿命特性が優れることができる。
【0076】
本発明の一実施態様によれば、前記第1分離膜重畳部の長手方向の長さは、前記第2分離膜重畳部の長手方向の長さと同一または異なってもよい。具体的には、前記第1分離膜重畳部の長手方向の長さは、前記第2分離膜重畳部の長手方向の長さと同じでも小さくてもよい。前記第1分離膜重畳部の長手方向の長さが前記第2分離膜重畳部の長手方向の長さより小さい場合、第1分離膜重畳部および第2分離膜重畳部の厚さによる追加の段差形成を最小化することができ、前記第2電極の巻取軸方向である第1面および巻取軸方向の反対方向である第2面に対向する第1電極および分離膜損傷を防止することができる。
【0077】
本発明の一実施態様によれば、前記第1分離膜重畳部の長手方向の長さは、前記電極組立体の内周面の周り100%を基準にして10%以上50%以下であってもよい。具体的には、前記第1分離膜重畳部の長手方向の長さは、前記電極組立体の内周面の周り100%を基準にして15%以上、20%以上、25%以上、または30%以上であり、45%以下、40%以下、35%以下、または30%以下であってもよい。
【0078】
すなわち、前記第1分離膜重畳部の長手方向の長さは、前記電極組立体のコア部の内周面の1/10ターン(turn)以上1/2ターン(turn)以下、または1/5ターン(turn)以上1/3ターン(turn)以下であってもよい。
図6を参照すると、前記第1分離膜重畳部の長手方向の長さは、L1+L1’=L1+L1=2L1の長さを意味することができる。
【0079】
前述した第1分離膜重畳部の長手方向の長さ範囲を満たす場合、電池充放電時に電極の収縮/膨張による電極組立体の変形から前記第2電極の巻取軸方向である第1面に対向する第1電極および分離膜の損傷を防止しながらも、リチウムイオンを受ける第1電極の面積が減少し過ぎて充/放電効率が減少することを防ぐことができ、電池安定性および寿命特性が優れることができる。
【0080】
本発明の一実施態様によれば、前記第1分離膜重畳部の長手方向端部と第2電極の長手方向端部との間の離隔距離は、2mm以上10mm以下であってもよい。
【0081】
具体的には、
図6を参照すると、前記第1分離膜重畳部の長手方向端部と第2電極の長手方向端部との間の離隔距離L1、L1’は、3mm以上、4mm以上、または5mm以上であり、9mm以下、8mm以下または7mm以下であってもよい。すなわち、前記電極組立体のコア部において前記第1電極の長手方向端部120から延びた前記第1分離膜20’は、前記第2電極300と前記第2電極の第1面に対向する前記第1電極100との間に、前記第2電極の長手方向端部320から2mm以上10mm以下で配置されるものであってもよい。
【0082】
前述の前記第1分離膜重畳部の長手方向の長さ範囲を満たす場合、前記第1分離膜投入時に工程誤差が存在する場合でも、前記第1分離膜重畳部を前記第2電極と前記第2電極の第1面対向する前記第1電極との間に配置することができ、前記第2電極の第1面に対向する第1電極および分離膜の損傷を防止するのに十分であり、リチウムイオンを受ける第1電極の面積が減少し過ぎて充放電効率が減少することを防止し、電池安定性および寿命特性が優れることができる。
【0083】
本発明の一実施態様によれば、前記第1電極は、第1電極集電体;および前記第1電極集電体の少なくとも一面上に設けられる第1電極活物質層を含んでもよい。具体的には、前記第1電極は、第1電極集電体および前記第1電極集電体の一面または両面に形成され、第1電極活物質を含む第1電極活物質層を含んでもよい。言い換えれば、前記第1電極活物質層は、前記第1電極集電体の第1電極保持部に形成され、前記第1電極活物質層が設けられていない面は、第1電極無地部と表されることができる。
【0084】
本発明の一実施態様によれば、前記第1電極集電体は、第1電極活物質層が形成される第1電極保持部と、第1電極活物質層が形成されない第1電極無地部を含んでもよく、第1電極無地部上にタブを含むものであってもよい。具体的には、前記第1電極集電体は第1電極無地部を含んでもよく、前記第1電極無地部に形成された第1電極タブを含んでもよい。これにより、製造される電極組立体は、第1電極タブを1つ以上含むことができる。
【0085】
本発明の一実施態様によれば、前記第2電極は、第2電極集電体;および前記第2電極集電体の少なくとも一面上に設けられる第2電極活物質層を含んでもよい。具体的には、前記第2電極は、第2電極集電体および前記第2電極集電体の一面または両面に形成され、第2電極活物質を含む第2電極活物質層を含んでもよい。言い換えれば、前記第2電極活物質層は、前記第2電極集電体の第2電極保持部に形成され、前記第2電極活物質層が設けられていない面は、第2電極無地部として表されることができる。
【0086】
本発明の一実施態様によれば、前記第2電極集電体は、第2電極活物質が塗布される第2電極保持部と、第2電極活物質が塗布されない第2電極無地部を含んでもよく、第2電極無地部上にタブを含んでもよい。具体的には、前記第2電極集電体は、第2電極無地部を含んでもよく、前記第2電極無地部に形成された第2電極タブを含んでもよい。
【0087】
本発明の一実施態様によれば、前記第2電極の第2電極集電体;および前記第2電極集電体上に設けられる第2電極活物質層は、同じ位置で長手方向の端部を有してもよい。言い換えれば、前記第2電極の長手方向一端部は、フリーエッジ(Free-edge)状であってもよい。これにより、不要な第2電極集電体無地部の面積を減少させて経済性を確保することができ、電極上に活物質層を形成した後にスリッティング工程を行うことができ、スリッティング工程およびワインディング工程を含むロールツーロール工程をより効率的に行うことができる。ここで、「同じ位置」とは、長手方向端部が同一であることを意味し、スリッティング工程などで発生し得る工程上の誤差により実質的に同一位置で端部を形成する場合を含んでもよい。
【0088】
本発明の一実施態様によれば、前記第1電極は負極であり、前記第2電極は正極であってもよい。具体的には、前記第1電極、第1電極集電体および第1電極活物質層は、それぞれ負極、負極集電体および負極活物質層であってもよく、前記第2電極、第2電極集電体および第2電極活物質層は、それぞれ正極、正極集電体および正極活物質層であってもよい。
【0089】
本発明の一実施態様によれば、前記負極活物質層は、シリコン系物質および炭素系物質からなる群から選択される少なくとも1つを含む負極活物質を含んでもよい。また、前記負極活物質層は、負極導電材および負極バインダーをさらに含んでもよく、前記負極活物質;負極導電材;および負極バインダーは、当業界で使用される物質が制限なく使用されてもよい。
【0090】
本発明の一実施態様によれば、前記負極集電体は、当該電池に化学的変化を誘発することなく導電性を有するものであればよく、特に制限されるものではない。例えば、前記負極集電体としては、銅、ステンレススチール、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素、またはアルミニウムやステンレススチールの表面に、カーボン、ニッケル、チタン、銀などで表面処理したものなどが用いられてもよい。具体的には、銅、ニッケルなどの炭素をうまく吸着する遷移金属を負極集電体として用いてもよい。前記負極集電体の厚さは6μm以上80μm以下であってもよいが、前記負極集電体の厚さはこれに制限されない。
【0091】
本発明の一実施態様によれば、前記負極バインダーは、ポリビニリデンフルオリド-ヘキサフルオロプロピレンコポリマー(PVDF-co-HFP)、ポリビニリデンフルオリド(polyvinylidenefluoride)、ポリアクリロニトリル(polyacrylonitrile)、ポリメチルメタクリレート(polymethylmethacrylate)、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース(CMC)、デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、再生セルロース、ポリビニルピロリドン、テトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリル酸、エチレン-プロピレン-ジエンモノマー(EPDM)、スルホン化EPDM、スチレンブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム、ポリアクリル酸(poly acrylic acid)およびそれらの水素をLi、NaまたはCaなどで置換された物質からなる群から選択される少なくとも1つを含んでもよく、またそれらの様々な共重合体を含んでもよい。
【0092】
本発明の一実施態様によれば、前記負極導電材は、当該電池に化学的変化を誘発することなく導電性を有するものであれば特に制限されるものではなく、例えば、天然黒鉛や人造黒鉛などの黒鉛;アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラックなどのカーボンブラック;炭素繊維や金属繊維などの導電性繊維;カーボンナノチューブなどの導電性チューブ;フルオロカーボン、アルミニウム、ニッケル粉末などの金属粉末;酸化亜鉛、チタン酸カリウムなどの導電性ウィスカー;酸化チタンなどの導電性金属酸化物;ポリフェニレン誘導体などの導電性素材などが使用されてもよい。
【0093】
本発明の一実施態様によれば、前記正極集電体は、電池に化学的変化を誘発せず導電性を有するものであれば特に制限されるものではなく、具体的には、前記正極集電体としてはステンレススチール、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素またはアルミニウムやステンレススチールの表面に、炭素、ニッケル、チタン、銀などで表面処理したものなどが用いられてもよい。すなわち、正極集電体は、表面処理されたステンレススチール、アルミニウム箔などの形態で提供されてもよい。
【0094】
また、前記正極集電体は、通常3~50μmの厚さを有することができ、前記集電体表面上に微細な凹凸を形成して正極活物質の接着力を高めることもできる。例えば、フィルム、シート、箔、ネット、多孔質体、発泡体、不織布体などの様々な形態で使用されてもよい。
【0095】
本発明の一実施態様によれば、前記正極活物質は、通常用いられる正極活物質であってもよい。具体的には、前記正極活物質は、リチウムコバルト酸化物(LiCoO2)、リチウムニッケル酸化物(LiNiO2)などの層状化合物や1つまたはそれ以上の遷移金属で置換された化合物;LiFe3O4などのリチウム鉄酸化物;化学式Li1+xMn2-xO4(0≦x≦0.33)、LiMnO3、LiMn2O3、LiMnO2などのリチウムマンガン酸化物;リチウム銅酸化物(Li2CuO2);LiV3O8、V2O5、Cu2V2O7などのバナジウム酸化物;化学式LiNi1-yMyO2(ここで、Mは、Co、Mn、Al、Cu、Fe、Mg、BおよびGaからなる群から選択される少なくともいずれかであり、0.01≦y≦0.3を満たす。)で表されるNiサイト型リチウムニッケル酸化物;化学式LiMn2-zMzO2(ここで、Mは、Co、Ni、Fe、Cr、ZnおよびTaからなる群から選択される少なくともいずれかであり、0.01≦z≦0.1を満たす。)またはLi2Mn3MO8(ここで、MはFe、Co、Ni、CuおよびZnからなる群から選択される少なくともいずれかである。)で表されるリチウムマンガン複合酸化物;化学式のLiの一部がアルカリ土類金属イオンで置換されたLiMn2O4などが挙げられるが、これらだけに限定されるものではない。前記正極はLi金属(metal)であってもよい。
【0096】
本発明の一実施態様によれば、前記正極活物質層は、正極導電材および正極バインダーをさらに含んでもよい。前記正極導電材は、電極に導電性を付与するために用いられるものであり、構成される電池において、化学変化を起こすことなく電子伝導性を有するものであれば特に制限なく使用可能である。具体的には、前記正極導電材は、天然黒鉛や人造黒鉛などの黒鉛;カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック、炭素繊維などの炭素系物質;銅、ニッケル、アルミニウム、銀などの金属粉末または金属繊維;酸化亜鉛、チタン酸カリウムなどの導電性ウィスカー;酸化チタンなどの導電性金属酸化物;あるいは、ポリフェニレン誘導体などの導電性高分子などを用いることができ、これらのうち1種単独または2種以上の混合物が用いられてもよい。
【0097】
また、前記正極バインダーは、正極活物質粒子間の付着および正極活物質と正極集電体との接着力を向上させる役割を果たす。具体例としては、ポリビニリデンフルオリド(PVDF)、ビニリデンフルオリド-ヘキサフルオロプロピレンコポリマー(PVDF-co-HFP)、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル(polyacrylonitrile)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、再生セルロース、ポリビニルピロリドン、テトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン-ジエンポリマー(EPDM)、スルホン化EPDM、スチレンブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム、またはそれらの様々な共重合体などが挙げられ、これらのうち1種単独または2種以上の混合物が使用されてもよい。
【0098】
本発明の一実施態様は、前記ゼリーロール型電極組立体;および前記電極組立体を収容するための電池ケースを含む二次電池を提供する。具体的には、前記二次電池は、前述した一実施態様による電極組立体および前記電極組立体を収容するための電池ケースを含んでもよい。
【0099】
本発明に係る二次電池は、コア部分離膜の折曲および重畳構造を調節した分離膜重畳部を含むことにより、電池充放電時の電極の収縮/膨張による電極組立体の変形時にも第2電極および第1電極間の内部ショートを防止することにより、電池安定性および寿命特性が改善されることができる。
【0100】
本発明の一実施態様によれば、前記電池ケースは円筒型であってもよい。具体的には、前記電池ケースは用途に応じて円筒型、角型またはパウチ型などであってもよいが、前記電池ケースが円筒型の場合、ゼリーロール型電極組立体の収容により好適であり、電池ケースが円筒型の場合、前記ゼリーロール型電極組立体および前記電極組立体を収容するための電池ケースを含む二次電池の形状が円筒型であり得る。すなわち、
図7を参照すると、本発明に係るゼリーロール型電極組立体は、円筒型電池ケース50に収容されてもよく、前記電極組立体;キャップアセンブリ;および電解質が含まれている電池ケースが円筒形状を有するため、製造される二次電池1000自体の形態が円筒型であり得る。
【0101】
本発明の一実施態様によれば、前記電池ケースの内部は電解質を含んでもよい。具体的には、前記電解質は、リチウム二次電池製造時に使用可能な有機系液体電解質、無機系液体電解質、固体高分子電解質、ゲル型高分子電解質、固体無機電解質または溶融型無機電解質などが挙げられ、これらに限定されるものではない。具体的には、前記電解質は、非水系有機溶媒と金属塩を含んでもよい。
【0102】
本発明の一実施態様によれば、前記非水系有機溶媒としては、例えば、N-メチル-2-ピロリジノン、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ガンマ-ブチロラクトン、1,2-ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、1,3-ジオキソラン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、アセトニトリル、ニトロメタン、ギ酸メチル、酢酸メチル、リン酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導体、スルホラン、メチルスルホラン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、エーテル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチルなどの非プロトン性有機溶媒が使用されてもよい。
【0103】
本発明の一実施態様によれば、前記金属塩はリチウム塩であってもよく、前記リチウム塩は、前記非水電解液に溶解されやすい物質であって、例えば、前記リチウム塩のアニオンとしては、F-、Cl-、I-、NO3
-、N(CN)2-、BF4
-、ClO4
-、PF6
-、(CF3)2PF4
-、(CF3)3PF3
-、(CF3)4PF2
-、(CF3)5PF-、(CF3)6P-、CF3SO3
-、CF3CF2SO3
-、(CF3SO2)2N-、(FSO2)2N-、CF3CF2(CF3)2CO-、(CF3SO2)2CH-、(SF5)3C-、(CF3SO2)3C-、CF3(CF2)7SO3
-、CF3CO2
-、CH3CO2
-、SCN-および(CF3CF2SO2)2N-からなる群から選択される1種以上を用いてもよい。
【0104】
本発明の一実施態様によれば、前記電解質には、前記電解質構成成分の他にも、電池の寿命特性向上、電池容量減少抑制、電池の放電容量向上などを目的として、例えば、ジフルオロエチレンカーボネートなどのハロアルキレンカーボネート系化合物、ピリジン、トリエチルホスファイト、トリエタノールアミン、環状エーテル、エチレンジアミン、n-グライム(glyme)、ヘキサリン酸トリアミド、ニトロベンゼン誘導体、硫黄、キノンイミン染料、N-置換オキサゾリジノン、N,N-置換イミダゾリジン、エチレングリコールジアルキルエーテル、アンモニウム塩、ピロール、2-メトキシエタノールまたは三塩化アルミニウムなどの添加剤がさらに1種以上含まれてもよい。
【0105】
本発明の一実施態様は、前記二次電池を単位セルとして含む電池モジュールおよびそれを含む電池パックを提供する。前記電池モジュールおよび電池パックは、高容量、高い電池安定性および寿命特性が改善された前記二次電池を含むため、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、プラグインハイブリッド電気自動車および電力貯蔵用システムからなる群から選択される中大型デバイスの電源として使用されるものであってもよい。
【0106】
以上の詳細な説明は、本発明を例示して説明するものである。また、前述の内容は本発明の好ましい実施態様を表して説明するものに過ぎず、前述したように、本発明は様々な他の組み合わせ、変更および環境で使用することができ、本明細書に開示の発明の概念の範囲、前述の開示内容と均等な範囲および/または当業界の技術または知識の範囲内で変更または修正が可能である。したがって、以上の発明の詳細な説明は、開示された実施態様に本発明を制限することを意図していない。また、添付の特許請求の範囲は他の実施態様も含むと解釈されるものである。
【符号の説明】
【0107】
100、100’ 第1電極
101 第1電極集電体
102、103 第1電極活物質層
120 第1電極の長手方向端部
20、20’ 第1分離膜
300 第2電極
301 第2電極集電体
302、303 第2電極活物質層
320 第2電極の長手方向端部
40、40’ 第2分離膜
S1 第1分離膜重畳部
S2 第2分離膜重畳部
L1、L1’ 第2電極の長手方向端部および第1分離膜重畳部の長手方向端部間の距離
L2、L2’ 第2電極の長手方向端部および第2分離膜重畳部の長手方向端部間の距離
50 電池ケース
1000 二次電池
【国際調査報告】