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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-17
(54)【発明の名称】無線電力伝送
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/12 20160101AFI20250109BHJP
   H02J 50/80 20160101ALI20250109BHJP
【FI】
H02J50/12
H02J50/80
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024534642
(86)(22)【出願日】2022-12-27
(85)【翻訳文提出日】2024-06-11
(86)【国際出願番号】 EP2022087850
(87)【国際公開番号】W WO2023131564
(87)【国際公開日】2023-07-13
(31)【優先権主張番号】22150125.7
(32)【優先日】2022-01-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【弁理士】
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163809
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 貴裕
(74)【代理人】
【識別番号】100145654
【弁理士】
【氏名又は名称】矢ヶ部 喜行
(72)【発明者】
【氏名】スターリング アントニウス アドリアーン マリア
(72)【発明者】
【氏名】アガフォノフ アレクセイ
(57)【要約】
電力受信機105はチップシーケンスによって変調された負荷変調データシンボルを使用して電力送信機101と通信し、チップシーケンスは、異なる変調負荷を有する負荷時間インターバルに分割される。電力送信機101は、負荷時間インターバルについて電力伝送信号の測定された負荷値を決定する負荷測定器209を含む受信機207を備える。チップ決定回路211は、測定された負荷値から受信されたチップシーケンスを決定し、受信されたチップシーケンスは、チップ値のシーケンスを含む。各チップ値は、チップの少なくとも2つの変調負荷時間インターバルについての測定された負荷値間の差に応じて決定される。記憶部215は、各チップシーケンスがデータシンボルにリンクされたチップシーケンスのセットを記憶する。検出器213は、受信されたチップシーケンスとチップシーケンスのセットのうちのチップシーケンスとの間の相関に応じて、受信されたデータシンボル値を検出する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁的な電力伝送信号を介して電力受信機に無線で電力を供給する電力送信機であって、
出力回路に印加される駆動信号に応じて前記電力伝送信号を生成するように構成された送信機コイルを有する当該出力回路と、
前記駆動信号を生成するように構成されたドライバと、
チップシーケンスにより変調された負荷変調データシンボルを受信するように構成された受信機であって、チップシーケンスの各チップが複数の負荷時間インターバルに分割される持続時間を有し、前記負荷変調の変調負荷が前記複数の負荷時間インターバルの連続する時間インターバルで異なり、前記複数の負荷時間インターバルの変調負荷により形成される変調負荷パターンが各チップの異なるチップ値に対して異なる、受信機と、
を有し、前記受信機が、
負荷時間インターバルの間の測定された負荷値を決定するために前記電力伝送信号の負荷を測定するように構成された負荷測定器と、
前記測定された負荷値から受信されたチップシーケンスを決定するように構成されたチップ決定器回路であって、前記受信されたチップシーケンスはチップ値のシーケンスを有し、各チップ値は、チップの少なくとも2つの負荷時間インターバルの間の測定された負荷値間の差に応じて決定される、チップ決定器回路と、
各チップシーケンスがデータシンボルにリンクされたチップシーケンスのセットを記憶するように構成された記憶部と、
前記受信されたチップシーケンスとチップシーケンスの前記セットのうちのチップシーケンスとの間の相関に応じて受信されたデータシンボル値を検出するように構成された検出器と、
を有する、電力送信機。
【請求項2】
チップシーケンスの各チップが、異なる変調負荷を有する2つの負荷時間インターバルに分割される、請求項1に記載の電力送信機。
【請求項3】
チップシーケンスの各チップが、異なる変調負荷を有する3つ以上の負荷時間インターバルに分割される、請求項1に記載の電力送信機。
【請求項4】
前記負荷測定器が、前記電力伝送信号の負荷の測定を前記電力伝送信号のサイクルに同期させるように構成される、請求項1から3のいずれか一項に記載の電力送信機。
【請求項5】
各負荷時間インターバルが、前記電力電量信号の1サイクルの持続時間を有する、請求項4に記載の電力送信機。
【請求項6】
各負荷時間インターバルが、前記電力伝送信号の複数サイクルの持続時間を有する、請求項4に記載の電力送信機。
【請求項7】
前記負荷測定器が、負荷時間インターバルあたり1回の負荷測定を実行するように構成される、請求項1から6のいずれか一項に記載の電力送信機。
【請求項8】
前記チップ決定器回路が、チップのバイナリチップ値を、当該チップの2つの負荷時間インターバルの測定された負荷値間の差の符号の関数として決定するように構成される、請求項1から7のいずれか一項に記載の電力送信機。
【請求項9】
前記チップ決定器回路が、チップの2つの負荷時間インターバルの測定された負荷値間の差の大きさに応じて軟判定チップ値を含むように前記受信されたチップシーケンスを決定するように構成され、前記検出器が、前記軟判定チップ値に応じてチップシーケンスの前記セットのうちのチップシーケンスとの前記相関を実行するように構成される、請求項1から7のいずれか一項に記載の電力送信機。
【請求項10】
異なる変調負荷のパターンが、バイナリ変調負荷値のパターンである、請求項1から9のいずれか一項に記載の電力送信機。
【請求項11】
電磁的な電力伝送信号を介して電力送信機から無線で電力を受け取る電力受信機であって、
前記電力伝送信号から電力を抽出するように構成された受信機コイルを有する入力回路と、
前記電力伝送信号を負荷変調することにより前記電力送信機にデータシンボルを送信するように構成された送信機であって、各データシンボルはチップシーケンスのセットのうちのチップシーケンスに対応する変調負荷値のシーケンスにより変調され、チップシーケンスの前記セットのチップシーケンスは異なるデータシンボル値にリンクされる、送信機と、
を有し、前記送信機は、チップシーケンスの各チップの持続時間を複数の負荷時間インターバルに分割することにより前記電力伝送信号を変調するように構成され、前記負荷変調の変調負荷は、前記複数の負荷時間インターバルの連続する時間インターバルで異なり、前記複数の負荷時間インターバルの変調負荷により形成される変調負荷パターンは、各チップの異なるチップ値に対して異なる、電力受信機。
【請求項12】
前記送信機が、前記少なくとも2つの負荷時間インターバルを前記電力伝送信号のサイクルに同期させるように構成される、請求項11に記載の電力受信機。
【請求項13】
請求項1から10のいずれか一項に記載の電力送信機と、請求項11または12に記載の電力受信機とを有する無線電力伝送システム。
【請求項14】
電磁的な電力伝送信号を介して電力を電力受信機に無線で供給する電力送信機の動作方法であって、前記電力送信機は、
出力回路に印加される駆動信号に応じて前記電力伝送信号を生成するように構成された送信機コイルを有する当該出力回路と、
前記駆動信号を生成するように構成されたドライバと、
チップシーケンスにより変調された負荷変調データシンボルを受信するように構成された受信機であって、チップシーケンスの各チップが複数の負荷時間インターバルに分割される持続時間を有し、前記負荷変調の変調負荷が前記複数の負荷時間インターバルの連続する時間インターバルで異なり、前記複数の負荷時間インターバルの変調負荷により形成される変調負荷パターンが各チップの異なるチップ値に対して異なる、受信機と、
を有し、当該方法は、前記受信機が、
負荷時間インターバルの間の測定された負荷値を決定するために前記電力伝送信号の負荷を測定するステップと、
前記測定された負荷値から受信されたチップシーケンスを決定するステップであって、前記受信されたチップシーケンスはチップ値のシーケンスを有し、各チップ値は、チップの少なくとも2つの負荷時間インターバルの間の測定された負荷値間の差に応じて決定される、ステップと、
各チップシーケンスがデータシンボルにリンクされたチップシーケンスのセットを記憶する捨てプと、
前記受信されたチップシーケンスとチップシーケンスの前記セットのうちのチップシーケンスとの間の相関に応じて受信されたデータシンボル値を検出するステップと、
を実行する、方法。
【請求項15】
電磁的な電力伝送信号を介して電力送信機から無線で電力を受け取る電力受信機の動作方法であって、当該方法は、
入力回路が前記電力伝送信号から電力を抽出するように構成された受信機コイルを有するステップと、
前記電力伝送信号を負荷変調することにより前記電力送信機にデータシンボルを送信するステップであって、各データシンボルはチップシーケンスのセットのうちのチップシーケンスに対応する変調負荷値のシーケンスにより変調され、チップシーケンスの前記セットのチップシーケンスは異なるデータシンボル値にリンクされる、ステップと、
を有し、前記データシンボルを送信するステップは、チップシーケンスの各チップの持続時間を複数の負荷時間インターバルに分割することにより前記電力伝送信号を変調することを含み、前記負荷変調の変調負荷は、前記複数の負荷時間インターバルの連続する時間インターバルで異なり、前記複数の負荷時間インターバルの変調負荷により形成される変調負荷パターンは、各チップの異なるチップ値に対して異なる、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は無線電力伝送に関し、特に、限定はしないが、Qi無線電力伝送規格などの電力伝送システムにおける通信に関する。
【背景技術】
【0002】
現在のほとんどの電気製品は外部電源から電力を供給するために、専用の電気接点を必要とする。しかしながら、これは、非実用的である傾向があり、ユーザが物理的にコネクタを挿入するか、さもなければ物理的な電気的接触を確立することを必要とする。典型的には、電力要件も大きく異なり、現在のところ、ほとんどの装置には専用の電源が提供されており、その結果、典型的なユーザは、各電源が特定の装置専用である多数の異なる電源を有することになる。しかし、内蔵バッテリの使用は使用中に電源への有線接続の必要性を回避し得るが、これはバッテリの再充電(または交換)を必要とするため、部分的な解決策を提供するに過ぎない。また、バッテリを使用することは、装置の重量および潜在的なコストおよびサイズを実質的に増大させ得る。
【0003】
著しく改善されたユーザ体験を提供するために、電力が電力送信装置内の送信機コイルから、個々の装置内の受信機コイルに誘導伝送される無線電源を使用することが提案される。
【0004】
磁気誘導を介した電力伝送はよく知られた概念であり、大部分は、一次送信機インダクタ/コイルと二次受信機コイルとの間の密結合を有する変圧器に適用される。一次送信機コイルと二次受信機コイルを二つの装置間で分離することにより、これらの間の無線電力伝送が疎結合変圧器の原理に基づいて可能になる。
【0005】
このような構成は、有線または物理的な電気接続を行う必要なく、装置への無線電力伝送を可能にする。実際、外部から再充電または電力を供給するために、単に、送信機コイルに隣接してまたはその上に装置を配置することができる。例えば、電力送信機は、電力を供給するために装置を単に配置することができる水平面を有するように構成されることができる。
【0006】
さらに、そのような無線電力伝送構成は、電力送信機がある範囲の電力受信装置と共に使用され得るように有利に設計され得る。特に、Qi規格として知られる無線電力伝送アプローチが定義され、現在さらに開発されている。このアプローチは、Qi規格を満たす電力送信機装置が同じ製造業者からのものである必要も、互いに専用である必要もなく、Qi規格を満たす電力受信機装置と共に使用されることを可能にする。Qi規格は、特定の電力受信装置に動作を適合させることを可能にするためのいくつかの機能をさらに含んでいる(例えば、特定の電力ドレインに依存する)。
【0007】
Qi規格は無線電力コンソーシアムによって開発されており、更なる情報は例えば、そのウェブサイトhttp://www.wirelesspowerconsortium.com/index.htmlで見つけることができ、特に、定義された規格書を見つけることができる。
【0008】
効率的な無線電力伝送をサポートするために、Qiベースのシステムのような無線電力伝送システムは、電力送信機と電力受信機との間の実質的な通信を利用する。当初、Qiは電力伝送信号の負荷変調を用いた電力受信機から電力送信機への通信のみをサポートした。したがって、初期のQi装置は、電力受信機から電力送信機への一方向通信のみをサポートする。
【0009】
しかしながら、規格の開発は双方向通信を導入し、多くの機能が電力受信機と電力送信機の間の通信交換によってサポートされている。多くのシステムにおいて、電力送信機から電力受信機への通信は、電力伝送信号を変調することによって達成される。
【0010】
いくつかのシステムでは、例えば、Bluetooth(登録商標)またはNFC(近距離無線通信)ベースの通信など、別個の専用通信機能を使用することが提案されている。しかしながら、そのようなアプローチは、多くのシナリオにおいて効率的な動作を提供する傾向がある一方で、専用の複雑な通信回路を必要とすること、および電力送信機が実際に電力を供給されている電力受信機と通信していることの確信度を潜在的に低下させることを含む、いくつかの欠点にも関連付けられる。また、例えばQiベースの装置との後方互換性は、別個の通信に基づくより新しいデバイスにとって問題となり得る。
【0011】
しかしながら、電力受信機に電力を伝送する電力伝送信号の負荷変調を使用して通信することは、いくつかの関連する欠点を有する傾向がある。例えば、負荷変調は、装置の信号へのノイズと放射電磁ノイズの両方を含む、いくつかの電気ノイズを導入する傾向がある。負荷変調は、他の装置への電磁干渉を増加させる場合があり、十分なまたは最適な電磁両立性を維持することは、困難であることが分かっている。
【0012】
また、実際に、負荷変調が駆動信号および電力伝送信号への望ましくないスプリアス振動を導入する可能性があることも分かっている。別の欠点は、電力伝送信号の負荷変調が音響ノイズをもたらす可能性があることである。そのようなノイズは負荷変調によって引き起こされる電磁界に対する変動の機械的要素への影響から生じる可能性があり、具体的には、それは機械的要素を動かし、振動させて、潜在的な音響ノイズを生成する可能性がある。
【0013】
場合によっては、例えば、Qi規格の初期バージョンで使用される負荷変調通信は完全な信頼性を有さないことがあり、場合によってはいくつかのビット誤りが発生することがある。例えば、高レベルの雑音はビット誤りをもたらす可能性があり、および/または、負荷変調から生じる電気雑音または音響ノイズの増加をもたらす可能性がある変調深度の増加を必要とする可能性がある。
【0014】
いくつかの方法では、後方互換性を維持するか、または既存の設計およびアプローチに対して必要とされる変更の量を低減する異なる通信アプローチに変更することが望まれる場合があるが、これはしばしば魅力的でないものになる、主要な課題である。
【0015】
したがって、改善されたアプローチが有利であり、特に、柔軟性の向上、コストの低減、複雑性の低減、電力伝送動作の改善、信頼性の向上、通信エラーの低減、後方互換性の改善、電磁的両立性の改善、電気的および/または音響的ノイズの低減、通信の改善、および/または性能の改善を可能にするアプローチが有利である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
したがって、本発明は、好ましくは上記の欠点の1つ以上を単独でまたは任意の組み合わせで軽減、低減または排除しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の一側面によれば、電磁電力伝送信号を介して電力受信機に無線で電力を供給するための電力送信機が提供され、 当該電力送信機は、以下からなる: 出力回路に印加される駆動信号に応じて電力伝送信号を生成するように構成された送信機コイルを含む当該出力回路と、駆動信号を生成するように構成されたドライバと、チップシーケンスによって変調された負荷変調データシンボルを受信するように構成された受信機であって、 チップシーケンスの各チップは複数の負荷時間インターバルに分割された持続時間を有し、 負荷変調の変調負荷は、前記複数の負荷時間インターバルのうちの連続する時間インターバルに対して異なり、 前記複数の負荷時間インターバルの変調負荷よって形成される変調負荷パターンが、各チップの異なるチップ値に対して異なる、受信機とを有し、前記受信機は、負荷時間インターバルの間の測定された負荷値を決定するために電力伝送信号の負荷を測定するように構成された負荷測定器と、測定された負荷値から受信されたチップシーケンスを決定するように構成されたチップ決定回路であって、 受信されたチップシーケンスはチップ値のシーケンスから構成され、 各チップ値は、チップの少なくとも2つの変調負荷時間インターバルの間の測定された負荷値間の差に応じて決定される、チップ決定回路と、チップシーケンスのセットを記憶するように構成された格納部であって、各チップシーケンスがデータシンボルにリンクされている、記憶部と、受信されたチップシーケンスとチップシーケンスの前記セットのうちのチップシーケンスとの間の相関に応じて、受信されたデータシンボル値を検出するように構成された検出器とを有する。
【0018】
本発明は多くの実施形態において改善された性能を可能にすることができ、特に多くの実施形態において、電力受信機と電力送信機との間の改善された通信を可能にすることができる。それは、多くの実施形態において改善された電力伝送を可能にすることができる。
【0019】
このアプローチは、改善された通信を可能にすることができ、多くの実施形態において、異なるパラメータと動作特性との間の改善されたトレードオフを可能にすることができる。このアプローチは、例えば、信頼性の高い通信を可能にしつつ、低減された変調深度が使用されることを可能にし得る。このアプローチは電気ノイズおよび/または電磁干渉を低減し、改善された電磁両立性を可能にすることができる。このアプローチは、多くの場合、音響ノイズを低減または防止することができる。さらに、アプローチは有利な後方互換性を提供することができ、例えば、Qi規格によって使用されるものなど、既存のアプローチの比較的容易な修正を可能にすることができる。このアプローチは、多くの場合、そのような既存のアプローチから多くの機能を再利用することができる。このアプローチは複雑性の低い実装を可能にしつつ、非常に効率的な性能を提供することができる。この通信アプローチは、そのようなシステムにおいては帯域幅の考慮があまり重要でない場合があるので、電力伝送システムにおいて使用するために特に有利であり得る。
【0020】
このアプローチは、多くのシナリオにおいて、計算リソース要件、データ検出精度、ビット誤り率、データレートなどを含む様々なパラメータ間の改善されたトレードオフを可能にすることができる。
【0021】
このアプローチは、多くの実施形態において、電力送信機における負荷変調データの改善されたおよび/または容易化された検出を可能にする。それは、多くのシナリオにおいて、変調負荷レベルおよび変動を検出するために平均または公称負荷基準レベルを決定する必要性を低減または除去することができる。例えば、多くの実施形態では、チップ値がチップ自体内の変調負荷値のみを考慮して決定されることができる。
【0022】
多くのシナリオでは、個々のチップの負荷変調は、チップ値を示すだけでなく、チップ値の決定のための基準負荷値を提供することができる。
【0023】
多くのシナリオでは、電力受信機から電力送信機へのデータの通信に対して、時間的変動、ノイズ、歪みなどに対する低減された感度が達成される。
【0024】
チップシーケンスは、チップ値のシーケンス/パターンである。これらの変調負荷値の各々は、負荷時間インターバル内で一定であることができる。異なるデータシンボルのためのチップシーケンスは、チップ値の異なるシーケンス/パターンを有する。
【0025】
多くの実施形態では、チップシーケンスの長さは10チップ以上、1024チップ以下である。
【0026】
測定された負荷値は、電力伝送信号の負荷を示す信号のサンプルであることができる。測定された負荷値は、駆動信号のパラメータのサンプルであってもよい。
【0027】
負荷測定器は、負荷時間インターバルごとに1つの測定された負荷値を決定するように構成されることができる。
【0028】
負荷測定器は、負荷時間インターバルについて測定された負荷値を決定するために、(特に電力受信機による)電力伝送信号の装荷/負荷を測定するように構成されることができる。
【0029】
チップシーケンスの各チップは、変調負荷パターンによって表されることができ、異なるチップ値は異なる変調負荷パターンによって表され、各変調負荷パターンは負荷時間インターバルのシーケンスによって形成され、変調負荷値は各負荷時間インターバル内で一定であり、異なる時間インターバル間で変化する。
【0030】
チップシーケンスの各チップは、異なる変調負荷を有する少なくとも2つの負荷時間インターバルに分割され、異なる変調負荷のパターンは異なるチップ値に対して異なる。
【0031】
本発明のオプションの特徴によれば、チップシーケンスの各チップは、異なる変調負荷を有する2つの負荷時間インターバルに分割される。
【0032】
これは、改善された性能および/または促進された動作および/または低減された複雑性を可能にすることができる。
【0033】
本発明のオプションの特徴によれば、チップシーケンスの各チップは、異なる変調負荷を有する少なくとも3つの負荷時間インターバルに分割される。
【0034】
これは、改善された性能および/または促進された動作および/または低減された複雑性を可能にすることができる。
【0035】
いくつかの実施形態では、チップシーケンスの各チップが3つ以上の負荷時間インターバルに分割され、チップの隣接する負荷時間インターバルは異なる変調負荷を有する。
【0036】
本発明のオプションの特徴によれば、負荷測定器は、電力伝送信号の負荷の測定を電力伝送信号のサイクルに同期させるように構成される。
【0037】
これは、改善された性能および/または促進された動作および/または低減された複雑性を可能にすることができる。それは、特に、データシンボル検出のための適切な負荷値の改善されたおよび/または容易にされた決定を可能にすることができる。
【0038】
本発明のオプションの特徴によれば、各負荷時間インターバルは、電力伝送信号の1サイクルの持続時間を有する。
【0039】
これは、改善された性能および/または促進された動作および/または低減された複雑性を可能にすることができる。これは、多くのシナリオにおいて、データレートの増加を可能にする。
【0040】
本発明のオプションの特徴によれば、各負荷時間インターバルは、電力伝送信号の複数のサイクルの持続時間を有する。
【0041】
これは、改善された性能および/または促進された動作および/または低減された複雑性を可能にすることができる。これは、いくつかの実施形態では同期エラーに対する低減された感度を提供することができる。
【0042】
本発明のオプションの特徴によれば、負荷測定器は、負荷時間インターバルごとに単一の負荷測定を実行するように構成される。
【0043】
これは、改善された性能および/または促進された動作および/または低減された複雑性を可能にすることができる。
【0044】
本発明のオプションの特徴によれば、チップ決定器は、チップのための2つの変調負荷時間インターバルの間の測定された負荷値間の差の符号の関数として、チップごとのバイナリチップ値を決定するように構成される。
【0045】
これは、改善された性能および/または促進された動作および/または低減された複雑性を可能にすることができる。
【0046】
本発明のオプションの特徴によれば、チップ決定器は、チップのための2つの変調負荷時間インターバルの間の測定された負荷値間の差の大きさに応じて、軟判定チップ値を含むように受信されたチップシーケンスを決定するように構成され、検出器は、軟判定チップ値に応じてチップシーケンスのセットのうちのチップシーケンスとの相関を実行するように構成される。
これは、改善された性能および/または促進された動作および/または低減された複雑性を可能にすることができる。
【0047】
本発明のオプションの特徴によれば、異なる変調負荷のパターンは、バイナリ変調負荷値のパターンである。
【0048】
これは、改善された性能および/または促進された動作および/または低減された複雑性を可能にすることができる。
【0049】
本発明の一態様によれば、電磁電力伝送信号を介して電力送信機から電力を無線に受信するための電力受信機が提供され、電力受信機は電力伝送信号から電力を抽出するように構成された受信機コイルと、電力伝送信号を負荷変調することによってデータシンボルを電力送信機に送信するように構成された送信機であって、各データシンボルはチップシーケンスのセットのチップシーケンスに対応する変調負荷値のシーケンスによって変調され、チップシーケンスのセットのチップシーケンスは異なるデータシンボル値にリンクされ、送信機はチップシーケンスの各チップの持続時間を複数の負荷時間インターバルに分割することによって電力伝送信号を変調するように構成され、負荷変調の変調負荷は複数の負荷時間インターバルの連続する時間インターバルに対して異なる、送信機と、複数の負荷時間インターバルの変調負荷によって形成される変調負荷パターンは各チップの異なるチップ値に対して異なる、送信機と、を備える。
【0050】
本発明のオプションの特徴によれば、送信機は、少なくとも2つの負荷時間インターバルを電力伝送信号のサイクルに同期させるように構成される。
【0051】
本発明の一側面によれば、 電磁電力伝送信号を介して電力受信機に無線で電力を供給する電力送信機の動作方法が提供され、該電力送信機は、出力回路に印加される駆動信号に応じて電力伝送信号を生成するように構成された送信機コイルを含む当該出力回路と、駆動信号を生成するように構成されたドライバと、チップシーケンスによって変調された負荷変調データシンボルを受信するように構成された受信機であって、 チップシーケンスの各チップは複数の負荷時間インターバルに分割された持続時間を有し、 前記負荷変調の変調負荷は前記複数の負荷時間インターバルの連続する時間インターバルごとに異なり、前記複数の負荷時間インターバルの変調負荷によって形成される変調負荷パターンは各チップの異なるチップ値に対して異なる、受信機とを有し、 当該方法は、受信機が、電力伝送信号の負荷を測定して負荷時間インターバルの測定された負荷値を決定するステップと、測定された負荷値から受信されたチップシーケンスを決定するステップであって、受信されたチップシーケンスはチップ値のシーケンスから構成され、 各チップ値は、チップの少なくとも2つの変調負荷時間インターバルの測定された負荷値間の差に応じて決定される、ステップと、チップシーケンスのセットを記憶するステップであって、各チップシーケンスがデータシンボルにリンクされる、ステップと 受信された負荷チップシーケンスとチップシーケンスのセットのうちのチップシーケンスとの間の相関に応じて、受信されたデータシンボル値を検出するステップとを実行する。
【0052】
本発明の一側面によれば、電磁電力伝送信号を介して電力送信機から電力を無線で受信する電力受信機の動作方法が提供され、 当該方法は、受信機コイルを有する入力回路が電力伝送信号から電力を抽出するステップと、電力伝送信号を負荷変調してデータシンボルを電力送信機に送信するステップであって、 各データシンボルはチップシーケンスのセットのうちのチップシーケンスに対応する変調負荷値のシーケンスによって変調され、 チップシーケンスのセットのうちのチップシーケンスは異なるデータシンボル値にリンクされている、ステップとを有し、 データシンボルを送信するステップは、チップシーケンスの各チップの継続時間を複数の負荷時間インターバルに分割することによって電力伝送信号を変調することを含み、 前記負荷変調の変調負荷が、前記複数の負荷時間インターバルの連続する時間インターバルで異なり、 前記複数の負荷時間インターバルの変調負荷によって形成される変調負荷パターンが、各チップの異なるチップ値に対して異なる。
【0053】
本発明のこれらおよび他の態様、特徴および利点は以下に記載される実施形態から明らかになり、それを参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0054】
本発明の実施形態は、単なる例として、図面を参照して説明される。
図1】本発明のいくつかの実施形態による電力伝送システムの要素の例を示す図。
図2】本発明のいくつかの実施形態による電力送信機の要素の例を示す図。
図3】電力送信機のためのハーフブリッジインバータの例を示す図。
図4】電力送信機のためのフルブリッジインバータの例を示す図。
図5】本発明のいくつかの実施形態による電力受信機の要素の例を示す図。
図6】チップシーケンスの例を示す図。
図7】無線電力伝送システムにおける負荷通信の例を示す図。
図8】無線電力伝送システムにおける負荷変調通信のシミュレーション結果の例を示す図。
図9】本発明のいくつかの実施形態による無線電力伝送システムにおける負荷通信の例を示す図。
図10】無線電力伝送システムにおける負荷変調通信のシミュレーション結果の例を示す図。
図11】本発明のいくつかの実施形態による無線電力伝送システムにおける負荷変調通信のシミュレーション結果の例を示す図。
図12】無線電力伝送システムにおける負荷変調通信のシミュレーション結果の例を示す図。
図13】本発明のいくつかの実施形態による無線電力伝送システムにおける負荷変調通信のシミュレーション結果の例を示す図。
図14】無線電力伝送システムにおける負荷変調通信のシミュレーション結果の例を示す図。
図15】本発明のいくつかの実施形態による無線電力伝送システムにおける負荷変調通信のシミュレーション結果の例を示す図。
図16】無線電力伝送システムにおける負荷変調通信のシミュレーション結果の例を示す図。
図17】本発明のいくつかの実施無線電力伝送システムにおける負荷変調通信のシミュレーション結果の例を示す図。
図18】本発明のいくつかの実施無線電力伝送システムにおける負荷通信の例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0055】
以下の説明は、Qi規格書またはKi規格書から知られるような電力伝送アプローチを利用する高電力無線電力伝送システムに適用可能な本発明の実施形態に焦点を当てる。しかしながら、本発明は、このアプリケーションに限定されず、多くの他の無線電力伝送システムに適用されることができることが理解されるであろう。
【0056】
図1は、本発明のいくつかの実施形態による電力伝送システムの一例を示す。電力伝送システムは、送信機コイル/インダクタ103を含む(またはそれに結合される)電力送信機101を含む。システムは、受信機コイル/インダクタ107を含む(またはそれに結合される)電力受信機105をさらに備える。
【0057】
システムは、電力送信機101から電力受信機105に電力を誘導的に伝送することができる誘導電磁電力伝送信号を提供する。具体的には、電力送信機101が電磁信号を生成し、これは送信機コイルまたはインダクタ103によって磁束として伝搬される。電力伝送信号は、典型的には、約20kHz~約500kHzの間の周波数を有することができ、多くの実用的なシステムでは、約120~150kHzであることができる。送信機コイル103及び受電コイル107は緩く結合されており、従って、受電コイル107は、電力送信機101からの電力伝送信号(の少なくとも一部)をピックアップする。したがって、電力は、送信機コイル103から受電コイル107への無線誘導結合を介して、電力送信機101から電力受信機105に伝送される。電力伝送信号という用語は主に、送信機コイル103と受電コイル107との間の誘導信号/磁界(磁束信号)を指すために使用されるが、同等なものとして、それは送信機コイル103に供給されるか、または受電コイル107によって取り出される電気信号を指すものとしても考えられ、使用され得ることが理解されるであろう。
【0058】
実施例では、電力受信機105は、具体的には受信機コイル107を介して電力を受信する電力受信機である。しかしながら、他の実施形態では、電力受信機105は、金属加熱素子のような金属素子を含んでもよく、この場合、電力伝送信号は素子の直接加熱をもたらす渦電流を直接誘導する。
【0059】
以下では、電力送信機101および電力受信機105の動作を、概してQi仕様(本明細書で説明される(または必然的である)修正や拡張を除く)による実施形態を具体的に参照して説明する。
【0060】
多くの無線電力伝送システムは、送信機コイル103が共振回路の一部であり、典型的には受信機コイル107も共振回路の一部である共振電力伝送を利用する。多くの実施形態では、共振回路は直列共振回路であり得、したがって、送信機コイル103および受信機コイル107は対応する共振キャパシタと直列に結合され得る。共振回路の使用は、より効率的な電力伝送を提供する傾向がある。
【0061】
通常、無線電力伝送システムは、システムを適切な動作点に向けて導くために、電力制御ループを使用する。この電力制御ループは、電力送信機から電力受信機に伝送される電力の量を変化させる。受信された電力(または電圧または電流)を測定することができ、設定電力値により、誤差信号を生成することができる。電力受信機は、この誤差信号を電力送信機の電力制御機能に送り、この静的誤差を、理想的にはゼロに低減する。
【0062】
図2は、図1の電力送信機101の要素をより詳細に示す。
【0063】
電力送信機101は電力送信機コイル103に供給される駆動信号を生成することができるドライバ201を含み、電力送信機コイル103は引き換えに電磁電力伝送信号を生成し、それによって電力受信機105への電力伝送を提供する。送信機コイル103は、送信機コイル103とキャパシタ203とを含む出力共振回路の一部である。この例では、出力共振回路は直列共振回路であるが、他の実施形態では出力共振回路は並列共振回路であることができることが理解されよう。複数のインダクタおよび/またはキャパシタを使用するものを含む任意の適切な共振回路が使用され得ることが理解されるであろう。
【0064】
ドライバ201は出力共振回路に、したがって送信機コイル103に供給される電流および電圧を生成する。ドライバ201は、典型的には直流電圧から交流信号を生成するインバータの形の駆動回路である。ドライバ201の出力は、通常、スイッチブリッジのスイッチの適切なスイッチングによって駆動信号を生成するスイッチブリッジである。図3は、ハーフブリッジスイッチブリッジ/インバータを示す。スイッチS1およびS2は、同時に閉じることがないように制御される。交互に、S2が開いている間にS1が閉じられ、S1が開いている間にS2が閉じられる。スイッチは、所望の周波数で開閉され、それによって、出力において交流信号を生成される。典型的には、インバータの出力は、共振キャパシタを介して送信機インダクタに接続される。図4は、フルブリッジスイッチブリッジ/インバータを示す。スイッチS1およびS2は、同時に閉じることがないように制御される。スイッチS3およびS4は、同時に閉じることがないように制御される。交互に、S2とS3が開いている間はスイッチS1とS4が閉じ、S1とS4が開いている間はスイッチS2とS3が閉じ、それによって出力に方形波信号が生成される。スイッチは、所望の周波数で開閉される。
【0065】
電力送信機101は、所望の動作原理に従って電力送信機101の動作を制御するように構成される電力送信機コントローラ205をさらに有する。具体的には、電力送信機101がQi規格に従って電力制御を実行するために必要な機能の多くを含むことができる。
【0066】
電力送信機コントローラ205は特に、ドライバ201による駆動信号の生成を制御するように構成され、特に、駆動信号の電力レベル、従って、生成される電力伝送信号のレベルを制御することができる。電力送信機コントローラ205は、電力伝送フェイズ中に電力受信機105から受信された電力制御メッセージに応じて電力伝送信号の電力レベルを制御する電力ループコントローラを備える。
【0067】
図5は、電力受信機105のいくつかの例示的な要素を示す。
【0068】
この例では、受信機コイル107は、受信機コイル107と共に入力共振回路を形成するキャパシタ503を介して電力受信機コントローラ501に結合される。したがって、電力伝送は、共振回路間の共振電力伝送であることができる。他の実施形態では、電力受信機および電力送信機のうちの1つのみが電力伝送のために共振回路を利用することができるか、あるいはいずれも利用しない。
【0069】
電力受信機コントローラ501は、スイッチ507を介して受信機コイル107を負荷505に結合する。電力受信機コントローラ501は、受信機コイル107によって抽出された電力を負荷505に適した供給に変換する電力制御経路を含む。いくつかの実施形態では、電力受信機コントローラ501は、入力共振回路をスイッチ507または負荷505に単に接続する直接電力経路を提供することができ、すなわち、電力受信機コントローラ501の電力経路は単に2つのワイヤによって実装され得る。他の実施形態では、電力経路は、直流電圧を供給するために、例えば整流器、および、場合によっては平滑キャパシタを含むことができる。さらに他の実施形態では、電力経路は、例えば、電圧制御回路、インピーダンス整合回路、電流制御回路などのより複雑な機能を含むことができる。同様に、スイッチ507はいくつかの実施形態でのみ存在してもよく、いくつかの実施形態では負荷505が入力共振回路に恒久的に結合されることができることが理解されよう。
【0070】
さらに、電力受信機コントローラ501は電力伝送を実行するために必要とされる様々な電力受信機コントローラ機能、特に、Qi規格に従って電力伝送を実行するために必要とされる機能を含むことができる。
【0071】
電力受信機105は、電力送信機101にデータを送信するように構成される。そのようなデータは、特に、当業者に知られているように、電力伝送中に電力伝送信号の電力レベルを制御するためのフィードバック電力ループを実施するために使用される電力制御ループ誤差メッセージを含むことができる。電力受信機は、多くの実施形態では、当業者に知られているように、異なる目的を果たす様々な異なるメッセージを送信することが可能である。例えば、Qi規格で規定されているような様々な異なるメッセージが送信されることができる。メッセージは、1つまたは複数のデータビット/シンボルを含むことができる。
【0072】
電力受信機は、負荷変調を使用して電力送信機にメッセージを送信するように構成される。
【0073】
当業者にはよく知られているように、負荷変調のために、電力伝送信号の負荷の変化が電力受信機によって導入されることができ、ここで、この変化は送信されるべきデータ値に従う。そして、これらの変化は電力受信機からのデータを復号するために、電力送信機によって検出されることができる。
【0074】
負荷変調は、電力受信機が、例えばQi無線電力規格に従って、制御メッセージまたは他のデータを電力送信機に通信するための方法として使用されることができる。
【0075】
典型的には、負荷変調を実行する2つの主な方法があり、すなわち、入力回路の抵抗負荷/電力抽出を直接変更すること、および/または、例えば、入力回路の無効負荷を変更することによって、入力回路の共振を離調すること(典型的には送信されるべきデータに沿ってキャパシタをイン/アウトすること)のいずれかである。電力伝送信号を負荷変調するために、電力受信機によって同様のアプローチが使用されることができる。
【0076】
それに対応して、電力送信機において、Qi規格システムについて知られているものなどの検出アプローチが、負荷変動を検出するために使用されることができる。例えば、駆動信号の電力レベルまたは電流振幅の直接測定が負荷の指標として使用されることができ、したがって、当業者に知られるように、電力受信機によって導入される負荷変調変動が使用されることができる。
【0077】
電力受信機105は、電力伝送信号を負荷変調することによってデータを電力送信機101に送信するように構成されたデータ送信機509を備える。例えば、データ送信機509は、電力受信機コントローラ501または共振キャパシタ503と並列に配置され、それによって共振周波数および電力伝送信号の負荷を変化させることができる通信コンデンサをスイッチイン/スイッチアウトするように構成されることができる。
【0078】
データ送信機509は、電力受信機コントローラ501に結合されることができ、電力送信機への送信のために電力受信機コントローラ501からデータを受信するように構成され得る。
【0079】
例えば、データ送信機509は、電力受信機コントローラ501から電力誤差制御データを受信し、負荷変調を使用して、対応する電力誤差制御メッセージを電力送信機101に送信することができる。動作中、システムは、典型的には、電力伝送信号が適切な動作パラメータ/特性を達成し、電力伝送が適切な動作点で動作するように、駆動信号を制御するように構成される。そうするために、電力送信機は、電力受信機から受信される電力制御誤差メッセージに応じて電力伝送信号/駆動信号の電力特性が制御される電力制御ループを使用して駆動信号のパラメータを制御するように構成される。
【0080】
データ送信機509は、チップシーケンスに対応する変調負荷値のシーケンスによって電力伝送信号を負荷変調することによってデータシンボルを送信するように構成される。
【0081】
このアプローチでは、負荷変調が使用されるが、各シンボルは、複数のチップを含むチップシーケンスによって、典型的には10~1023個のチップを含むシーケンスによって表される。したがって、各シンボルまたはビットに従って負荷を単に変動させるのではなく、データ送信機509は、一連の負荷変化および変動によって所与のシンボル(典型的にはビット)を送信するように構成され、ここで、その変化および変動はシンボルごとに異なる。具体的には、チップシーケンスは、シンボルごとに定義されることができ、所与のシンボルを送信するとき、データ送信機509は、その特定のシンボルのためのチップシーケンスを読み出し、そのシンボルのためのチップシーケンスに従って電力伝送信号を負荷変調することに進むことができる。
【0082】
同様に、後でより詳細に説明するように、電力送信機は、チップシーケンス全体を考慮することによって負荷変調を検出することができ、具体的には、測定された負荷変動チップパターンがそのシンボルのチップシーケンスパターンと最も密接に一致するシンボルとして、受信されたシンボルを決定しようとすることができる。
【0083】
そのようなアプローチは特に、変調深さ、すなわち負荷変動の大きさが大幅に低減されることを可能にし、これは、例えば、電磁雑音および干渉を低減し、音響雑音を低減し、スプリアス振動を低減することができる。それはまた、多くの実施形態において、改善された信号対雑音比をもたらし、例えば、しばしばより低いビット誤り率を有する、大幅に改善された、より信頼できる通信をもたらすることができる。したがって、全体的に改善された電力伝送を達成することができる。
【0084】
図6は、2つの可能なチップシーケンスの一部の例を示す。各チップシーケンスは、チップのシーケンスからなる。典型的には、チップ値の集合は2つであり、バイナリチップシーケンスに対応する。そして、シンボル時間は複数のチップインターバルに分割され、チップのチップシーケンスは異なるデータシンボルに対して異なる。典型的には、各シーケンスが少なくとも10個のチップを含み、多くの場合、大幅に多くのチップを含む。多くの実施形態では、各々のチップシーケンスが2N -1の長さを有することができ、ここで、Nは典型的には4以上の整数である。
【0085】
記憶されたチップシーケンスの各々が1つのシンボルに割り当てられる。したがって、電力送信機に送信される必要がある各々の可能なデータシンボル値は、リンクされた/関連付けられたチップシーケンスを有することができる。例えば、2つのデータシンボルのみが考えられる場合、すなわち、バイナリ通信が実装される場合、チップシーケンスのセットは、2つのチップシーケンスのみを含むことができる。
【0086】
電力受信機がデータシンボルを送信しようとするとき、その値は、電力受信機コントローラ501からデータ送信機509に供給され、データ送信機509は、送信されるべきデータシンボル値にリンクされるチップシーケンスを決定するように進む。
【0087】
データ送信機509は、電力伝送信号上でチップシーケンスを変調するように構成される。具体的には、チップに沿って変調負荷を出し入れ(オン/オフ)することができ、すなわち、チップシーケンスの変調負荷値に応じて負荷を変更することができる。変調負荷は、(負荷)変調に起因する電力伝送信号の負荷の一部であることができる。変調負荷は、(負荷)変調に起因して変動する/可変である電力伝送信号の負荷の一部であることができる。多くのシナリオでは、意図された変動(たとえば、最終負荷のための抽出された電力の変動)と、意図されない変動(たとえば、電力送信機の近傍における金属(たとえば、電力受信機)の位置の変化)との両方を含む、電力伝送信号の負荷の他の変動が存在する場合がある。
【0088】
チップシーケンスは、チップシーケンスのセットから選択され、この例ではデータ送信機509がそのようなチップシーケンスのセットを記憶し、各チップシーケンスはデータシンボル値にリンクされる。典型的には、チップシーケンスのセットは、各々の可能なデータシンボル値に対するチップシーケンスを含む。例えば、バイナリ通信が使用される場合には、チップシーケンスの第1のセットは、2つのチップシーケンスのみを含むことができる。データ送信機509は、任意の適切な形態でチップシーケンスを記憶することができ、可能なデータシンボルごとに完全なシーケンスを記憶する必要がないことが理解されよう。例えば、1つまたは複数のチップシーケンスは、別のチップシーケンスとの関係によって表されることができる。たとえば、バイナリ通信の場合、データ送信機509は、バイナリデータ値のうちの1つに対応する単一のチップシーケンスのみを記憶することができる。他方のバイナリデータ値のためのチップシーケンスは、記憶されたビットシーケンスの逆として与えられることができるので、同じ記憶されたビットシーケンスによって表されることができる。したがって、多くの場合、チップシーケンスのセットは、データシンボルのペアのために相補的な逆チップシーケンスを利用し、したがって、使用されるチップシーケンスの半分のみが、通常、データ送信機509に明示的に記憶され、残りのチップシーケンスはこれらの逆として自動的かつ暗黙的に記憶される。
【0089】
セット中のチップシーケンスは、典型的には同じ長さである。
【0090】
負荷変調は、多くのシステムやアプリケーションにおいて有利な動作を提供することができ、電力を伝送する目的で電力伝送信号が生成される電力伝送システムに適した信頼性のある複雑性が低い動作を提供する傾向がある。通信キャリアとしての電力伝送信号の再利用は、典型的には、複雑さを低減し、必要な回路を少なくし、それによってコストを低減することができる。Qi規格は、元々、バイナリデータ値間の容易な区別を可能にする変調シンボル形状での負荷変調を使用することによって、電力受信機から電力送信機への単方向通信を用いて実装された。
【0091】
しかしながら、例えばQiシステムで使用される負荷変調は、いくつかの関連する欠点も有する場合がある。そのような欠点は、例えば、電磁的互換性、通信品質(ビット誤り率)、および可聴ノイズなどの問題に関連し得る。
【0092】
負荷変調は、電磁スペクトル内に追加の成分を生成し、追加の電磁干渉および電気ノイズを引き起こす可能性がある。また、多くの場合、負荷変調によって引き起こされる電磁場の変化は、可聴ノイズをもたらす機械的な力および動きを引き起こし得ることが分かっている。また、強い負荷変調は、無線電力システムにおけるエネルギーバランスを乱し、通信キャリアスペクトル内のスプリアス発振をもたらす可能性があることが分かっている。スプリアス発振が存在する場合、無線電力送信機は、信号を適切に復調することができないことが多く、したがって、安全な動作を維持するために電力供給を中断しなければならない。
【0093】
この問題は、より高い電力伝送レベルに対して悪化する傾向がある。実際、電力伝送信号の電力レベルが増加することにつれて、負荷変調のための負荷変化も同様に増加することが典型的に必要とされる。典型的には、負荷変調は、電力伝送信号の電力レベル、または最大電力レベルの適切な割合であることが必要とされる。例えば、負荷変調によって引き起こされる負荷変調は、電力受信機の一般的な負荷の例えば約1%以上の大きさを有することが要求され得る(すなわち、負荷変調によって引き起こされる受信機コイルの負荷変動は、受信機コイル107の総負荷の1%以上であることが要求され得る)。Qiは、元々、5W程度未満の低い電力アプリケーションのために導入された。そのような低い電力レベルでは、負荷変調の欠点の影響は、比較的扱いやすいか、または実質的に重要ではない。しかしながら、Qiの最大電力レベルは現在、15Wの最大値まで増加されており、45Wの最大レベルまでこれをさらに増加させるための作業が進行中である。しかしながら、このような電力レベルでは上述の欠点が顕著になる傾向があり、これらはQi仕様の更なる発展に大きな障害となり得る。
【0094】
図1、2および5のシステムは、多くの状況において、負荷変調に関連する問題のうちの1つまたは複数に対処し得るアプローチを利用することができる。負荷変調が使用されるが、各シンボルは複数のチップを含むチップシーケンスによって、典型的には15~127個のチップを含むシーケンスによって表される。したがって、各シンボルまたはビットに従って負荷を単に変動させるのではなく、データ送信機509は、一連の負荷変化および変動によって所与のシンボル(典型的にはビット)を送信するように構成され、ここで、その変化および変動はシンボルごとに異なる。具体的には、チップシーケンスは、シンボルごとに定義されることができ、所与のシンボルを送信するとき、データ送信機509は、その特定のシンボルのためのチップシーケンスを読み出し、そのシンボルのためのチップシーケンスに従って電力伝送信号を負荷変調することに進むことができる。
【0095】
電力送信機は、シーケンス全体を考慮することによって負荷変調を検出することができ、具体的には、電力送信機は、検出された負荷変動パターンがそのシンボルのチップシーケンスパターンと最も密接に一致するシンボルとして、受信されたシンボルを決定しようとすることができる。
【0096】
そのようなアプローチは特に、変調深さ、すなわち負荷変動の大きさが大幅に低減されることを可能にし、これは、例えば、電磁雑音および干渉を低減し、音響雑音を低減し、スプリアス振動を低減し得る。それはまた、多くの実施形態において、改善された信号対雑音比をもたらし、例えば、しばしばより低いビット誤り率を有する、大幅に改善された、より信頼できる通信をもたらし得る。したがって、全体的に改善された電力伝送を達成することができる。
【0097】
多くの実施形態では、2つのデータシンボル値のみが可能であるバイナリ通信が使用されることができる(「0」ビット値または「1」ビット値に対応する)。そのような場合、一方のビット値が所与のチップシーケンスによって表されることができ、他方のビット値は逆のビットシーケンス、すなわち、各チップ値を反対の値に変更することから生じるビットシーケンスに関連付けられることができる。したがって、2つのビットシーケンスは典型的には相補的であり、一方が他方に-1を乗算することによって生じる(チップ値は+1および-1によって表される)。
【0098】
そのような場合の特定の利点は、単一の相関を使用してビット値間を区別することができるので復調が特に容易であることであるが、これは相関の大きさがチップシーケンスに対して同じであるが、相関値の符号が反対であるからである。
【0099】
以下の説明はそのようなバイナリ通信に焦点を当てるが、本発明はバイナリ通信のみに限定されないことが理解されよう。
【0100】
そして、データ送信機509は、典型的には電力受信機コントローラ501から、電力送信機に送信されるべきデータシンボルを受信するように構成されることができ、対応するチップシーケンスを決定して、このチップシーケンスによって電力伝送信号を負荷変調するように進むことができる。典型的には、データシンボルはバイナリであるが、場合によってはより高次の変調シンボルが使用されてもよい(すなわち、3つ以上の可能な値を有する)。場合によっては、そのようなより高次のデータシンボルは、受信されたデータビットの組合せに対応し得る。例えば、2ビットは、単一の四元データシンボルに結合されることができる。そのような組み合わせは、それらのデータビットが関連しあうときと、例えば完全に独立しているときとの両方で可能であり得る。
【0101】
より長いチップシーケンスは改善された雑音抑圧などを提供することができるが、所与のチップレートについてシンボル時間が増加することなるのでデータレートが低下することにもなるだろう。チップシーケンス長の増加はまた、特に、より長いシーケンスとの相関が、計算の数を大幅に必要とする場合がある受信機において、複雑さおよびリソース需要を増加させる。典型的な適切な値はN=5であり、これは31チップのチップ長である。
【0102】
各チップシーケンスが1つのデータシンボルに割り当てられる。したがって、電力送信機に送信される必要がある各々の可能なデータシンボル値は、リンクされた/関連付けられたチップシーケンスを有することができる。例えば、2つのデータシンボルのみが考えられる場合、すなわち、バイナリ通信が実装される場合、チップシーケンスのセットは、2つのチップシーケンスのみを含むことができる。この場合、チップシーケンスは、前述のように互いに逆であってもよく、具体的には、一方が他方の-1の乗算から生じることができる。
【0103】
チップシーケンスの第1のセットは、所与のデータシンボルに対して2つ以上のチップシーケンスを含むことが可能であり、すなわち、複数のシーケンスが同じデータシンボルにリンクされることが可能である(例えば、異なる長さを有するチップシーケンス)。しかしながら、典型的には、各チップシーケンスが1つのデータシンボルにリンクされ、1つのデータシンボルはチップシーケンスの第1のセットのうちの1つのチップシーケンスのみにリンクされる。
【0104】
2つの逆のチップシーケンスが使用されるこのようなバイナリアプローチは、2つの起こりうるバイナリ値が、同じチップシーケンスによって変調されるが、データシンボルが反対のデータ値(例えば、+1および-1)を有すると考えることと等価であることが理解されよう。
【0105】
図2の電力送信機101は、電力伝送信号の負荷変調を使用して電力受信機105によって送信された負荷変調データシンボルを受信するように構成された受信機207を備える。
【0106】
受信機207は、電力伝送信号の負荷を測定して、電力伝送信号の測定された負荷値を決定するように構成された負荷測定器209を備える。測定された負荷値は、電力受信機による電力伝送信号の負荷を示し、したがって、電力受信機105によって電力伝送信号に印加される変調負荷を示すことができる。
【0107】
負荷測定器209は、測定された負荷値から受信されたチップシーケンスを決定するように構成されたチップ決定回路211に結合される。受信されたチップシーケンスは、具体的には、負荷測定値から導出された推定されるチップ値に対応するバイナリチップ値のシーケンスであることができる。受信されたチップシーケンスは、いくつかの実施形態では、チップデータ値だけでなく、このチップデータ値の信頼度も示す軟判定値であることができる。したがって、受信されたチップシーケンスは、電力伝送信号の負荷を測定することによって決定された負荷変動から決定される。
【0108】
チップ決定回路211は、受信されたチップシーケンスが供給される検出器213に結合される。検出器213は、電力受信機のデータ送信機509によって記憶されて使用されるチップシーケンスに具体的に対応するチップシーケンスのセットを記憶する記憶部215に結合される。したがって、記憶部215はチップシーケンスのセットのチップシーケンスを記憶し、電力受信機および電力送信機はしたがって、同じチップシーケンスのローカルレプリカを記憶し、これらは同じデータシンボルにリンクされる。電力送信機101は、電力受信機によって使用されるチップシーケンスのローカル表現を含む。電力受信機および電力送信機は、基準チップシーケンスとデータシンボルとの間の対応するリンクを記憶している。
【0109】
この例では、記憶部215は、単一のデータシンボルチップシーケンス、すなわち、バイナリデータシンボルを変調するために使用されるデータシンボルチップシーケンスのみを記憶することができる(したがって、単一の記憶されたデータシンボルチップシーケンスが一方のバイナリデータ値を表すチップシーケンスと等しく、逆の(典型的には符号が反転した)チップシーケンスが他方のバイナリデータ値を表す)。
【0110】
検出器213は、(チップシーケンスのセットの)記憶されたチップシーケンスと受信されたチップシーケンスとの相関に応じて、電力受信機から受信されたデータシンボルを決定するように構成される。具体的には、いくつかの実施形態では、負荷検出器213は、検出器213によって提供される決定された受信チップシーケンスを、チップシーケンスのセットのすべての記憶されたデータシンボルチップシーケンスと相関させて、それぞれについての相関値を決定することができる。いくつかのシーケンスが互いに逆である、上述のバイナリケースのような場合では、1つの相関のみが実行されることができ、相関値の符号が2つの可能なチップシーケンスとの相関を反映する。
【0111】
したがって、検出器213は、受信されたチップシーケンスを基準チップシーケンスと相関させて、これらがどれだけ密接に一致するかを示す相関値を決定することができる。
【0112】
そして、検出器213は、関連する相関値が所与の閾値を超えて十分に高いチップシーケンスにリンクされたデータシンボルとしてデータシンボルを決定することができる。閾値は、多くの実施形態では、適応閾値であることができ、例えば、閾値は、他のシンボルとの相関値に依存して設定されることができる。具体的な例として、閾値は、次に高い相関値の値として設定され(例えば、最小閾値が適用される)、その結果、データシンボルは相関値が最も高い(例えば、最小閾値を超える)データシンボルとして選択される。
【0113】
したがって、電力受信機は、データシンボルごとに比較的長いチップシーケンスを用いた負荷変調を使用してデータを電力送信機に送信することができ、電力送信機は、この通信を受信するように構成されることができる。このアプローチは、多くの実施形態において、大幅に改善された通信および動作を提供することができる。特に、大幅に改善された通信性能および信頼性、特に、シンボル信号対雑音比が、大幅に増加され得る。これは、変調深さ、具体的には電力伝送信号レベル/電力伝送レベルに対する変調負荷変動が大幅に低減されることを可能にし得る。実際、多くの場合、変調深さは、10倍、100倍またはそれ以上に低減され得る。これは、負荷変調を使用することの欠点の多くを低減および軽減することができ、例えば、電磁干渉を低減し、電気雑音を低減し、機械雑音を低減し、スプリアス振動を防止または軽減し得る。
【0114】
例えば、(最大2kBps通信レートの)Qiで使用されるビットレートに対応するチップレートを使用して、信号対雑音比の改善は、シーケンス長に対応する量だけ増加され得る。例えば、63または127のビット長を使用することは、同じビット誤り率を維持しながら、対応する量だけ、シンボルエネルギー対雑音比を増加させることができ、変調深さが、対応して、63または127倍だけ低減されることを可能にする。
【0115】
そのようなアプローチの欠点は、有効な通信レートが低下されることである。例えば、63または127のシーケンス長を使用すると、有効なボーレートがそれぞれ30.7または15.7 bpsに低下する可能性がある。これに対処するために、チップ時間間隔持続時間を短縮することができる。この短縮は、所望の通信レートとビット誤り性能との間の適切なトレードオフであり、特定のアプリケーションおよび実装のために選択され得る。チップレートを増加させることで、負荷変調の必要な帯域幅および周波数スペクトルが対応して増加し、潜在的には大幅に増加する。しかしながら、無線電力伝送システムにおける通信は、典型的には、帯域幅が制限されないか、または通信の帯域幅に敏感ではなく、したがって、そのような追加の帯域幅は典型的には他の機能または性能に影響を及ぼすことなく利用可能であり得ることが、現在のアプローチの特定の利点である。
【0116】
しかしながら、説明されたアプローチは、多くのシナリオおよび実施形態において好ましい動作および性能を提供することができるが、いくつかの課題ももたらす。1つの課題は、電力送信機におけるチップ値を正確に検出する方法である。典型的には、負荷変調によって生じる負荷変動は比較的小さく、これはチップ値を正確に検出することを困難にする。
【0117】
チップ値を検出するために使用されることができるアプローチは、測定された負荷値を閾値と比較することである。例えば、負荷測定器209は、チップ値ごとに1回負荷を測定するように構成されることができ、すなわち、負荷測定値は、チップごとに1つのサンプルで生成される負荷測定サンプルであることができる。
【0118】
例えば、駆動信号の負荷値(例えば、電流および/または電力)が、メッセージが電力受信機から受信される(ことが予定される)時間中に、チップ間隔に対応する時間インターバルで測定およびサンプリングされることができる。したがって、受信されるチップシーケンスは、出力回路の信号のサンプリングから生成される。
【0119】
しかしながら、特定の動作条件が大幅に変化する傾向があるので、固定された所定の閾値は、典型的には実現可能ではない。むしろ、信号条件に基づいて適切な閾値を決定することができ、特に、平均変調負荷レベルに対応するように閾値を導出することができる。
【0120】
図7は、電力伝送信号がチップシーケンスのチップによってどのように負荷変調されるかの一例を示す。この例では、2つの電力信号サイクルにつき1チップのレートで変調が電力伝送信号に同期される。図7の矢印は、電力伝送信号の負荷が測定/サンプリングされる時間を示す。サンプリングは、電力伝送信号と同期され、各チップに対して1つのサンプルが生成される。
【0121】
(バイナリ)チップ値を決定するために、サンプリングされた負荷値は、平均レベル701と比較される。具体例では、電力伝送信号の負荷は、測定された信号のピークサイクル値(具体的には電力伝送信号の電流、電圧、位相または電力であることができる)として決定され、サンプリングは電力伝送信号のピークと同期される。さらに、ピークサイクル値の平均レベル701が最初に決定され、次いで、測定されたサンプル値が平均レベル701を上回るか下回るかに基づいてチップ値が決定される。
【0122】
しかしながら、そのようなアプローチは、多くの状況において非常に有用な通信リンクを提供し得るが、場合によってはノイズ、誤りなどに敏感であり、それは時として、好ましくない高いビット誤り率をもたらす可能性がある。具体的には、図7を参照して説明したアプローチでは、高い精度で平均レベルを決定することが重要である。偏差および誤差は、個々のチップ値だけでなく、データシンボル自体を決定するために使用される相関結果にも重大な影響を及ぼし得る。これは、大幅に減少したピーク値、ピークに対する強いサイドローブ、または反対の符号を有するピークなどをもたらすことさえある。したがって、これは、大幅なビット誤りをもたらすj可能性がある。
【0123】
図8は、このようなアプローチのシミュレーション結果の一例を示している。上のチャートは、5次のチップシーケンスを用いて、3つのデータシンボル(2つの 「0 」と1つの 「1」)を電力伝送信号上に変調した場合のサンプリング信号(電力伝送信号のサンプリングピーク値)を示している。下のチャートは、単純指数移動平均(EMA)フィルタを使用して平均レベルを決定するためのチップシーケンスへの相関の出力を示している。強いサイドローブを明確に観察することができ、これは、主相関ピークと反対の符号を有し、それによってビット誤りを潜在的にもたらす。そのようなサイドローブの有無はEMAフィルタリングパラメータに強く依存し、フィルタリングにおける過去のサンプルの重みが低減される場合、アーチファクトはより顕著になる。
【0124】
しかしながら、図1、2、5のシステムは異なるアプローチを使用し、具体的には、典型的には改善された性能および/または促進された動作を提供し得るアプローチを使用する。
【0125】
正確な平均レベルの決定を必要とするのではなく、このアプローチは、基準レベルを変調フォーマット自体に効果的に埋め込む。
【0126】
このアプローチでは、各チップが異なる変調負荷を有する2つ(またはそれ以上)の負荷時間インターバルに分割される。したがって、各チップは、異なる変調負荷を有する少なくとも2つの負荷時間インターバルを含むことができ、したがって、各チップは、少なくとも2つの異なる変調負荷によって表され、具体的には、各チップは、少なくとも2つの負荷時間インターバルについて異なる変調負荷のパターンによって表される。さらに、異なる変調負荷のパターンは、所与のチップ値に固有である。したがって、異なるチップ値は、負荷変調の異なるパターンにリンクされる。
【0127】
このアプローチにおいて、チップシーケンスの各チップは、複数の時間インターバル(負荷時間インターバルとも呼ばれる)に分割された持続時間を有し、多くの実施形態では、2つの時間インターバルを有する。変調負荷(値)は連続する時間インターバルの間で変化するので、変調負荷(値)は異なる時間インターバルで異なる。変調負荷(値)は、各負荷時間インターバル内で一定であることができる。多くの場合、時間インターバルは、変調負荷が変化する時点によって画定されると考えることができる。したがって、チップの持続時間は、少なくとも2つの異なる変調負荷(値)の時間にまたがる。チップ持続時間は、単一の一定の変調負荷値に対応するのではなく、少なくとも2つの異なる変調負荷値にまたがる。したがって、一定の変調負荷ではなく、変調負荷のパターンが各チップ持続時間内に存在する。変調負荷パターンはチップ値に依存し、異なるチップ値は異なる変調負荷パターンにリンクされる。
【0128】
チップシーケンスの各チップは変調負荷パターンによって表され、異なるチップ値は異なる変調負荷パターンによって表され、各変調負荷パターンは一連の負荷時間インターバルによって形成され、変調負荷値は各負荷時間インターバル内で一定であり、異なる/連続する時間インターバル間で変化する。 多くの実施形態では、システムは、バイナリ変調負荷を使用することができ、すなわち、電力受信機によって印加される変調負荷は、2つの可能な負荷値のうちの1つを有することができる。このようなアプローチは、複雑さが低い実装および容易な動作を可能にすることによって有利である。それは、典型的には、送信および受信機能の両方のための負荷変調動作を容易にし、効率的な性能および信頼性できる通信につながる傾向がある。
【0129】
一例として、データ送信機509は、典型的には、キャパシタ又は抵抗器などの変調負荷コンポーネントのスイッチングを制御することができ、したがって、異なる変調負荷に適用することができる。
【0130】
したがって、多くの実施形態では、バイナリ負荷変調が使用されることができる。さらに、多くの実施形態では、チップ時間インターバルは2つの負荷時間インターバルに分割されることができ、1つのバイナリ負荷値が1つの負荷時間インターバルで適用され、他の負荷値が他の負荷時間インターバルで適用される。そして、2つの負荷時間インターバルに割り当てられる2つの変調負荷の2つの可能なパターン/順序に対応するように、2つのバイナリチップ値を決定することができる。具体的には、いくつかの実施形態では、各々の送信されるチップは、それらの半分の各々において逆の変調負荷を有するように2つの半分に分割されることができ、これらの順序(すなわち、どの変調負荷が前半に割り当てられるか)はバイナリチップ値に依存する。
【0131】
この例は図9に示されており、一番上の信号901はチップシーケンスを示し、中央の信号903は変調負荷値の変動を示す。図示のように、各チップは、高い変調負荷を有する負荷時間インターバルと低い変調負荷を有する負荷時間インターバルの2つの負荷時間インターバルに分割される。所与のチップの第1の負荷時間インターバルが高い変調負荷であるか低い変調負荷であるかは、チップ値に依存する。
【0132】
具体的には、信号901がシーケンス内のチップを示し、信号903はデータ送信機509による変調負荷の切り替えを示し、すなわち、負荷時間インターバル内の変調負荷レベルを示す。この例では、データ送信機509は、「1」のチップのために、前半では変調負荷をオフ(または低)に切り替え、後半ではオン(または高)に切り替える。逆に、「0」チップの場合、データ送信機509は、前半では変調負荷をオン(または高)に切り替え、後半ではオフ(または低)に切り替える。
【0133】
このアプローチでは、電力送信機は、チップ内の相対的な負荷変動を考慮することによってデータシンボルを決定するように構成される。具体的には、負荷測定器209は、電力伝送信号の負荷を測定して、負荷時間インターバルの間の測定された負荷値を決定するように構成される。測定された負荷値/サンプルは、各負荷時間インターバルに対して決定されることができる。
【0134】
チップ決定回路211は、個々のチップの少なくとも2つの変調負荷時間インターバルについての測定された負荷値間の差に応じて個々のチップ値を決定するように構成される。
【0135】
具体的には、チップ決定回路211は、2つの負荷時間インターバルの間の差を決定するように構成され、例えば、第1の負荷時間インターバルの負荷値が第2の負荷時間インターバルの負荷値から減算されることができる。その結果に応じて、チップ決定回路211は、差の関数としてチップ値を決定するように進むことができる。
【0136】
図9において、信号905は、駆動信号/電力伝送信号の測定値を表す。このように、各チップは、信号レベルが高い(変調負荷が高い)負荷時間インターバルと、信号レベルが低い(変調負荷が低い)負荷時間インターバルからなり、これらの順序はチップ値に依存する。この例では、増加した信号レベル(第2の負荷時間インターバルのレベルが第1の負荷時間インターバルのレベルよりも高い)が「1」のチップ値として復号され、減少した信号レベル(第1の負荷時間インターバルのレベルが第2の負荷時間インターバルのレベルよりも高い)が「0」として復号される。
【0137】
チップの前半(第1の負荷時間インターバル)における駆動信号/電力伝送信号の振幅/レベルはチップの後半(第2の負荷時間インターバル)において行われる測定のための基準レベルとして機能することができ、逆もまた同様である。したがって、個々のチップの負荷変調決定のための基準は、変調フォーマット内に直接埋め込まれる。したがって、チップ値の決定は、推定または決定されるべき平均または基準レベルを必要とすることなく行われることができる。むしろ、チップ値を決定するために、局所的なチップ内での相対的測定および比較を使用することができる。
【0138】
そして、チップ値は、受信されたチップシーケンスを生成するために使用され、受信されたチップシーケンスは、データシンボル値を決定するために検出器213によってチップシーケンスと比較される。
【0139】
具体的には、受信されたチップシーケンスを示す負荷値が検出器213の相関に供給されることができ、負荷値はチップの2つの半分の各々において測定された駆動信号/電力伝送信号の(ピーク)値間の差である。そのような手順は、平均レベルを見つける必要性、およびそのための任意のフィルタリングパラメータの最適化などを除去することができる。別の利点は、提案されたアプローチが電力信号のゆっくりとした変動に対して、または速い変動に対しても、鈍感であることである。
【0140】
このアプローチは、実質的に改善された性能およびより信頼性の高いデータ通信を提供することができる。一例として、図10は、負荷変調および雑音に起因する電力伝送信号変動、ならびに、(単純なEMAフィルタを使用する)図7に従うアプローチの結果として生じる相関値のそれぞれの例を図示する。図11は、図9によるアプローチの対応する結果を示す。図から分かるように、後者の場合の相関ピークは明らかに、大幅に顕著である。埋め込まれたデータは、1%の変調深さで5次のシーケンスを使用する。
【0141】
図12および図13は、それぞれ図10および図11の例に対応するが、電力伝送信号に小さい発振ノイズ成分が重ね合わされる場合に対応する。振動の周期は、ビット長の約半分である。単純なEMAフィルタを用いたアプローチはこれらの振動成分に大きな影響を受けるが、提案した新しい方法の性能は全く影響を受けない。
【0142】
図14および図15は、それぞれ図10および図11の例に対応するが、キャリア信号/電力伝送信号にステップがある場合に対応する。明らかに、単純なEMAフィルタリング手法を使用した場合、信頼できる復調は不可能である。しかし、図9のアプローチによる復調は、ほとんど影響がない。
【0143】
図16および図17はそれぞれ、図10および図11の例に対応するが、キャリア信号/電力伝送信号が強いノイズ、強い振動および急峻なステップを受ける状況についてである。データは、1%の変調深度で7次のシーケンスを使用して埋め込まれる。復調は、単純なEMAフィルタリングを使用しては不可能である。しかしながら、図9のアプローチを用いると、高い信頼性で復調を達成することができる。
【0144】
多くの実施形態では、チップ決定回路211は、チップ値をバイナリチップ値として決定するように構成されることができる。チップ決定回路211は、具体的には、チップの負荷時間インターバルにおける負荷値/測定値間の差の符号に対応するようにバイナリチップ値を選択するように構成されることができる。たとえば、信号ピークサンプルが第1の負荷時間インターバルにおいて第2の負荷時間インターバルよりも高い場合、チップ値は「1」として決定され、一方、信号ピークサンプルが第1の負荷時間インターバルにおいて第2の負荷時間インターバルよりも低い場合、チップ値は「0」として決定されることができる(またはその逆)。多くの実施形態では、チップ決定器回路211は、負荷時間インターバルにおける負荷値間の差を決定し、その符号に対応するようにバイナリ値を設定することができる。
【0145】
このようなアプローチは、受信チップシーケンスの低複雑度でありながら正確な決定を提供することができ、低複雑度相関に適する。例えば、それは、乗算が単純なバイナリ演算(例えば、単純なバイナリ排他的論理和演算)によって置き換えられることができるので、複雑度およびリソース要求が大幅に低いバイナリ相関演算を可能にすることができる。
【0146】
いくつかの実施形態では、チップ決定器回路211は、軟判定チップ値を含むように、受信されたチップシーケンスを決定するように構成されることができる。単純なバイナリ値ではなく、生成されたチップ値は、チップ値の信頼性または信頼性レベルを示すこともできる。
【0147】
例えば、符号に加えて、差の大きさが考慮されることができる。たとえば、雑音がない所与の公称の場合、差の公称の大きさが決定されることができる(またはたとえば、複数の、典型的には多くのチップの差を平均化/低フィルタリングすることによって公称差が決定されることができる)。したがって、この差に対する特定のチップの差の偏差は、決定が正しい値である確率を示し得る。しかしながら、ほとんどの実施形態では、差の大きさは単に信頼度または信頼性を示し、測定された差が大きいほど、符号が正しい可能性が高く、すなわち、差の大きさが大きいほど、チップ値の信頼性が高くなる。
【0148】
チップシーケンスのセットのうちのチップシーケンスとの相関は、軟判定チップ値に応じて実行されることができ、具体的には、相関は軟判定値を使用して実行されることができる。
【0149】
例えば、いくつかの実施形態では、相関は、記憶されたバイナリチップシーケンスと、決定された差の符号によって形成された受信されたチップシーケンスとの間のバイナリ排他的論理和演算として実行されることができ、各々の排他的論理和演算の結果は、結果の合計に先立って、(例えば公称差に対する)差の大きさによって重み付けされる(例えば乗算される)。別の例として、記憶されたチップシーケンスは+1および-1のチップ値によって表されることができ、これらの値は(受信されたチップシーケンスに対応する)対応するチップ負荷差分によって直接乗算され得る。そして、相関は、乗算結果を合計することによって決定されることができる。
【0150】
そのようなアプローチは、より複雑な演算を必要とする可能性があるが、多くの実施形態およびシナリオにおいて改善された性能を提供し、具体的には、より正確なデータシンボル検出を可能にすることができる。
【0151】
上述の例のように、チップ時間インターバルは、典型的には電力伝送信号のサイクルと同期されることができる。同様に、負荷時間インターバルは、典型的には電力伝送信号のサイクルと同期されることができる。多くの実施形態では、システムは、負荷変調通信(特に、チップ時間インターバルおよび負荷時間インターバル)を電力伝送信号/駆動信号に同期させるように構成されることができる。
【0152】
多くの実施形態では、データ送信機509は、具体的には、チップシーケンスの負荷変調および負荷時間インターバルを電力伝送信号に同期させるように構成されることができる。電力伝送信号は、典型的には、10kHz~500kHzの範囲の動作周波数を有し、Qiについては、多くの場合、約100kHzである。データ送信機509は、チップ時間インターバルおよび負荷時間インターバルのタイミングを、電力伝送信号の振動および周期に同期されるように適応させることができる。たとえば、多くの実施形態では、データ送信機509は、電力伝送信号周期の倍数であるチップ持続時間/時間インターバルおよび/または負荷時間インターバル(持続時間)を使用することができる。したがって、各負荷時間インターバルは、電力伝送信号の周期の倍数である持続時間を有することができ、すなわち、負荷時間インターバルの持続時間はN*Tであることができ、Nは整数、Tは電力伝送信号/駆動信号の周期の持続時間である。
【0153】
多くの実施形態では、データ送信機509は、負荷時間インターバルの持続時間を電力伝送信号の周期の持続時間に同期させるだけでなく、負荷時間インターバルの開始および/または停止タイミングを電力伝送信号のタイミングに合わせることもできる。具体的には、負荷時間インターバルの変調レベル間の遷移時間は、電力伝送信号のゼロ交差で、または例えば、電力伝送信号のゼロ交差に対して固定オフセットで発生するように同期されることができる。同期は、電力伝送信号によって受信機コイル107内に誘導される信号のタイミングに基づき得ることが理解されよう。
【0154】
同様に、電力送信機は、(おそらく整合フィルタリングが適用された後の)電力伝送信号/駆動信号の負荷のサンプル/測定値から受信されたチップシーケンスを生成するように構成されることができる。
【0155】
負荷測定器209は、具体的には、駆動信号の電流および/または電力、駆動信号の電流と電圧との間の相対位相、送信機コイル103を通る電流など、電力伝送信号に対応する出力回路の信号をサンプリングすることができる。そして、負荷変調受信機207は、所与のチップの異なる負荷時間インターバルに属する所与のサンプリング時間におけるそのような負荷測定値間の差から、受信されたチップシーケンスを生成することができる。
【0156】
多くの実施形態では負荷測定器209がサンプリングを電力伝送信号に同期させるように構成され、具体的にはこれはそれを駆動信号に同期させることによって達成され得る。
【0157】
多くの実施形態では、同期は、例えば1つのサンプルが(おそらく整合フィルタリング後に)負荷時間インターバルごとに行われるようなサンプリングであってもよい。特に、負荷時間インターバルの持続時間が電力伝送信号の周期のN倍に等しい場合、サンプリングもN回ごとに1回になるように同期されることができる。したがって、多くの実施形態では、同期は、サンプリングレートが負荷変調の負荷時間インターバル周波数に等しいようにすることができる。
【0158】
いくつかの実施形態では、サンプリングは、いくつかのサンプルがより高い周波数で生成され、そして所与のサンプルレートへと間引かれる2段階プロセスであることができる。例えば、電力伝送信号の周期の10倍の負荷時間インターバル持続時間の場合、サンプラは、周期ごとに1つのサンプルをとることができる。そして、平均化フィルタは、最後の10個のサンプルを加算することができ、すなわち、それは、(等しい重みで)10個の最新のサンプルを合計する正方形ウィンドウFIRフィルタとすることができる。そしてサンプリングの出力は、このフィルタのサンプリングされた出力であり、具体的には10期間ごとの出力であり、フィルタが単一のチップ内の10期間の合計であることと一致する。したがって、同期された瞬間におけるサンプリングは、フィルタの出力における適切に同期されたデシメーションによって効果的に達成され得る。
【0159】
しかしながら、ほとんどの実施形態では、負荷時間インターバルごとに単一のサンプリング/測定のみが実行される。そのような状況では、サンプリングのタイミングは、各サンプルについて、測定される信号/パラメータのサイクルのピークで生じるように同期されることができる。負荷時間インターバルおよびサンプリングが電力伝送信号サイクルに同期される場合、これは単に、負荷時間インターバルの中心時間においてサンプリング/測定することによって達成されることができる。
【0160】
多くの実施形態では、駆動信号および電力伝送信号の動作周波数が、出力回路の信号のサンプリングのサンプリングレートの整数倍、ならびに/または、負荷変調の負荷時間インターバルおよびチップ周波数の整数倍であることができる。倍数は、具体的には1であってもよい。実際、多くの実施形態では、効率的な通信およびより高いデータレートを可能にするために、整数倍は有利には比較的低い。多くの実施形態において、整数は、有利には1、3、5、10または20を超えない。
【0161】
負荷変調の電力伝送信号への同期は、多くの実際の実施において、電力送信機が実行しなければならないサンプリング量の低減を可能にするので、チップレートおよび/またはビットレートの増加を可能にすることができる。チップ周波数が電力伝送信号周波数と同じである極端な場合、電力受信機は、電力伝送信号のサイクル毎にチップシーケンスに従って負荷を変化させることができ、2つの負荷時間インターバルについて、電力伝送信号の半サイクル毎に負荷を変化させることができる。あるいは、電力受信機は、電力信号のNサイクルごとにチップシーケンスに従って負荷を変更し、チップ周波数を係数Nだけ低減することができる。
【0162】
同期変調は、これが同期サンプリング技法を適用することを可能にし、検出された信号をそのステップ後変調シーケンスに相関させることによって、電力送信機側での変調検出を容易にする。このアプローチは典型的には効率的な通信を達成しながら、大幅に実装を容易にし得る。
【0163】
チップシーケンスの長さは、個々の実施形態の特定の選好および要件に合わせて選択されることができ、通信信頼性と性能(例えば、ビットレート)、データレート、帯域幅、変調深さ、および関連する欠点などとの間の適切な妥協を提供するように、選択されることができる。ほとんどの実施形態では、8チップ以上および/または128チップ以下の長さが、特にQiシステムなどの無線電力伝送システムに好適かつ有利な性能を提供する。
【0164】
多くの実施形態では、チップシーケンスの第1のセットが2つのチップシーケンスのみを含むことができる。そのような例では、各シンボルは、シンボル値に応じて一方または他方のチップシーケンスによって表されることができ、したがって、各シンボルはバイナリシンボル(ビット)であり、通信はバイナリ通信であることができる。
【0165】
いくつかの実施形態では、チップシーケンスの第1のセットは3つ以上のチップシーケンスを含むことができ、3つ以上の異なるシンボル値が可能である。例えば、いくつかの実施形態では、チップシーケンスの第1のセットは、例えば、チップシーケンスによって通信される各シンボルについて3つの異なるシンボル値を可能にする3つのチップシーケンスを含むことができる。他の実施形態では、より多くのシーケンスが含まれることができ、各チップシーケンス/データシンボルがより多くのデータ値を表すことを可能にし、それによって有効ビットレートを増加させる。そのようなアプローチは、特に、チップシーケンス間の相関値のより大きな差異が実現可能であるより長いチップシーケンスに適している。
【0166】
例えば、31ビットのチップ長の場合、2147483648個の異なるシーケンスが可能であり、システムは、高い自己相関および低い相互相関を有するこれらのうちの2つのシーケンスを選択することができる。典型的には、これらのシーケンスは、自己相関が非常に高いシーケンスと、相互相関が最も低い(-1と1の二値を使って正規化された相互相関が-1)バイナリ逆チップシーケンスとして選択されることができる。そして、これらの2つのシーケンスは、負荷変調受信機207によって実行される相関が、受信されている2つの起こりうるチップシーケンスに対して大幅に異なる相関値を生成するので、高い信頼性を可能にするバイナリ通信のために使用されることができる。
【0167】
使用される特定のシーケンスおよびパターンは、個々の実施形態の選好および要件に依存し得る。典型的には、シーケンスが良好な相関特性を提供するように選択され、具体的には、チップシーケンスのセットが高い自己相関値および低い相互相関値を有するシーケンスからなるように選択される。多くの実施形態では、チップシーケンスが最大長シーケンスとして選択されることができる。例えば、多くの実施形態において、チップシーケンスは、多項式から生成される最大長シーケンスとして選択されることができ、多項式の次数は、所望の/選択された変調深度と所望の通信速度に従って電力受信機によって選択される。具体的には、直接シーケンススペクトラム拡散通信および符号分割多元接続システムのために開発され、その中で使用される擬似雑音シーケンスが、説明されたアプローチにも適している傾向がある。
【0168】
前述のように、シーケンスのセットは、鏡像または反転チップシーケンスを含むことができ、すなわち、所与のバイナリチップシーケンスについて、チップシーケンスのセットは、全てのチップが相補的な値を有するチップシーケンスも含むことができる。例えば、負荷値が1および-1によって表される場合、チップシーケンスのセットは、各チップシーケンスについて、-1による乗算から生じるチップシーケンスも含み得る(1および0の値によって表されるチップシーケンスについてのすべてのチップについて0と1との間のスワップに等しい)。実際、いくつかの実施形態では、チップシーケンスのセットは、チップシーケンスおよびその反転のチップシーケンスのみを含んでもよい。そのような実施形態では、チップシーケンスと反転チップシーケンスとのペアを表すために、単一の表現のみを記憶する必要があることが理解されよう。
【0169】
そのようなアプローチは多くのアプリケーションに特に適しており、良好なパフォーマンスおよび低い複雑性をもたらし得る。例えば、受信されたチップシーケンスと基準チップシーケンスとの間の単一の相関は、基準チップシーケンスと逆チップシーケンスとの両方に対して相関値を提供することができる。実際、ノイズが存在しない場合、リファレンスチップシーケンスのうちの1つの相関値は+1であり、逆のリファレンスチップシーケンスの相関値は-1である。したがって、2つのシンボル値/シーケンスに適用可能な単一の相関値を決定することができ、2つのシンボル間で選択するために直接使用することができる。
【0170】
反転リファレンスチップシーケンスを使用するアプローチは、バイナリデータシンボルと(バイナリ値を表すために1および-1の値を使用する)単一のリファレンスチップシーケンスとの乗算に等しいと考えることができることが理解されよう。
【0171】
具体例として、本システムは、以下のアプローチを採用することができる。
【0172】
電力受信機は負荷変調の深さを大幅に低減し、その結果、スプリアス振動が発生せず、電気的および音響的ノイズが低減される。
【0173】
電力受信機は急峻な自己相関関数を有する直接(例えば、擬似ランダム)チップシーケンスとして個々のビットを符号化する。
【0174】
電力受信機は電力伝送信号と同期して(例えば、電力信号サイクルごとの遷移または複数の電力信号サイクルごとの遷移)負荷を操作する(典型的には負荷を変更するか、または共振回路を離調する)。
【0175】
電力送信機は、例えば、電力伝送信号に同期したサンプリング時間(例えば、電力信号サイクル当たり1サンプル、電力信号サイクル当たり複数サンプル、または複数の電力信号サイクル当たり1サンプル)で電力送信機コイル電圧またはコイル電流を測定することによって、負荷変化を測定する。
【0176】
電力送信機は、個々のチップ内の負荷時間インターバル間の負荷変化に基づいて、受信されたチップシーケンスを決定する。
【0177】
電力送信機は、一致するチップシーケンス、すなわちデータシンボル値を見つけるために、受信されたチップシーケンスを記憶されたチップシーケンスと相関させることによってデータを復号する。
【0178】
チップシーケンスおよびシンボルごとの電力信号サイクルの数は、事前に電力受信機および電力送信機によって知られる。
【0179】
説明した例では、各チップが異なる変調負荷を有する2つの負荷時間インターバルに分割されている。これは、改善された性能を有する効率的な動作を可能にする。それは、特に、多くの実施形態において、大幅に改善された性能を依然として提供しながら、低複雑さおよび低リソース使用を可能にする。
【0180】
しかしながら、いくつかの実施形態では、各チップが異なる変調負荷を有する3つ以上の負荷時間インターバルに分割されることができる。
【0181】
たとえば、いくつかの実施形態では、各チップは、第1の負荷時間インターバルの負荷レベルが基準レベルである3つの負荷時間インターバルに分割されることができる。第2の負荷時間インターバルにおける負荷は第1のバイナリチップ値に対する基準レベルよりも高く、第3の負荷時間インターバルにおける負荷は基準レベルよりも低い。他のバイナリ値に対して、負荷は、第2の負荷時間インターバルにいて基準レベルよりも低く、第3の負荷時間インターバルにおいて基準レベルよりも高い。そして、チップ決定回路211は、2つの負荷変化があるかどうか、および個々の負荷時間インターバルにおいてどちらの方向に変化しているかを検出することにより、(例えばバイナリの)チップ値を決定することができる。そのようなアプローチは、異なるシナリオにおける改善されたチップ値決定を可能にする。例えば、それは、負荷変化の方向に対する感度を低減することができる。
【0182】
他の実施形態では、非バイナリチップを表すために、異なる負荷値を有するより多くの負荷時間インターバルが使用されることができる。たとえば、3つの負荷時間インターバルを有することで、4つの異なるチップ値が可能になる。
【0183】
多くの実施形態では、各負荷時間インターバルが電力伝送信号の単一サイクルの持続時間を有することができる。これは、例えば、チップ毎に必要とされる最小時間を低減し、それによって、より高いデータレート又は例えばより長いチップシーケンスが使用されることを可能にし得るので、多くの実施形態において有利である。
【0184】
しかしながら、いくつかの実施形態では、各負荷時間インターバルは、電力伝送信号の複数のサイクルの持続時間を有することができる。いくつかの実施形態では、各負荷時間インターバルが電力伝送信号の2、3、5または10サイクル以上の持続時間を有することができる。これは、例えば、測定プロセスを容易にするか、または改善することによって、多くのシナリオにおいて有利である。例えば、電力伝送信号/駆動信号のサンプルピーク値への同期は達成するのが比較的容易であるが、各負荷時間インターバルに対応するサイクルのセットとチップとの間の同期は困難である場合がある。例えば、サイクルピークと個々のチップの負荷時間インターバルとの間のアライメントが乱れ、その結果、電力送信機が誤った負荷時間インターバル/チップに負荷測定値を割り当てる可能性がある。
【0185】
例えば、多くの実施形態では、次の電力伝送信号サイクルの決定は、電力伝送信号のゼロ交差を検出することによって決定されることができる。しかしながら、ノイズなどのために、誤った追加のゼロ交差が検出される可能性があり、またはゼロ交差が見つからない可能性がある。各負荷時間インターバルが1つの電力伝送信号サイクルの持続時間を有する場合、これは、サイクル/測定と個々のチップの負荷時間インターバルとの間の位置ずれをもたらし、検出エラーをもたらす可能性がある。
【0186】
しかしながら、電力伝送信号の複数のサイクルの持続時間である負荷時間インターバルを有することによって、そのようなエラーは緩和される。
【0187】
このアプローチのロバスト性を高めるために、チップ/負荷時間インターバル当たりの電力伝送信号サイクル数を(ビットレートを犠牲にして)増加させることができる。これにより、電力受信機が電力サイクルの開始を検出して測定と負荷時間インターバルを合わせる際にミスを犯すことに対する通信の回復力を高めることができる。各負荷時間インターバルが4つの電力伝送信号サイクルの持続時間を有するアプローチの例を図18に示す。図18では、最初の行が電力サイクルと負荷時間インターバルとの間のアライメントが正しい状況を示す。中央の行では一方向に1つのサイクルオフセットがあり、下側の行では他方向に1つのサイクルオフセットがある。アライメントにおけるそのようなオフセットが生じても、測定は依然として、正しい負荷時間インターバルに適合しており、したがって、結果として検出エラーが生じない可能性が高い。
【0188】
変調負荷は、負荷変調に起因する/依存する/変化する、電力伝送信号/駆動信号の負荷の負荷成分であり得る。
【0189】
明確にするための上記の説明は、異なる機能回路、ユニットおよびプロセッサを参照して本発明の実施形態を説明したことが理解されるであろう。しかしながら、本発明から逸脱することなく、異なる機能回路、ユニットまたはプロセッサ間での機能の任意の適切な分散を使用できることは明らかであろう。例えば、別個のプロセッサまたはコントローラによって実行されることが示されている機能が同じプロセッサまたはコントローラによって実行されてもよい。したがって、特定の機能ユニットまたは回路への言及は、厳密な論理的または物理的構造または編成を示すのではなく、説明された機能を提供するための適切な手段への言及としてのみ見なされるべきである。
【0190】
本発明は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアまたはこれらの任意の組合せを含む任意の適切な形態で実施することができる。本発明は、任意選択で、1つまたは複数のデータプロセッサおよび/またはデジタル信号プロセッサ上で実行されるコンピュータソフトウェアとして少なくとも部分的に実装され得る。本発明の実施形態の要素およびコンポーネントは、任意の適切な方法で物理的、機能的および論理的に実装され得る。実際、機能は、単一のユニットで、複数のユニットで、または他の機能ユニットの一部として実装されてもよい。したがって、本発明は、単一のユニットで実施されてもよく、または異なるユニット、回路およびプロセッサの間で物理的および機能的に分散されてもよい。
【0191】
本発明はいくつかの実施形態に関連して説明されてきたが、本明細書に記載された特定の形態に限定されることは意図されていない。むしろ、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。さらに、或る特徴が特定の実施形態に関連して説明されるように見えるかもしれないが、当業者は説明された実施形態の様々な特徴が本発明に従って組み合わされ得ることを認識するであろう。請求項において、「有する(comprising)」という用語は、他の要素又はステップの存在を排除するものではない。
【0192】
さらに、個別に列挙されているが、複数の手段、素子、回路または方法ステップが、例えば単一の回路、ユニットまたはプロセッサによって実装され得る。さらに、個々の特徴が異なる請求項に含まれている場合があるが、これらは場合によっては有利に組み合わされてもよく、異なる請求項に含まれることは特徴の組み合わせが実現可能ではない及び/又は有利ではないことを意味しない。また、或る特徴を請求項の1つのカテゴリに含めることは、このカテゴリへの限定を意味するものではなく、むしろ、その特徴が必要に応じて他の請求項カテゴリに等しく適用可能であることを示す。1つの独立請求項の従属請求項に或る特徴を含めることは、この独立請求項に対する限定を意味するものではなく、むしろ、その特徴が適切な場合には他の独立請求項に等しく適用可能であることを示す。さらに、請求項における特徴の順序は、当該特徴が動作しなければならない特定の順序を意味するものではなく、特に、方法の請求項における個々のステップの順序は、当該ステップがこの順序で実行されなければならないことを意味するものではない。むしろ、ステップは任意の適切な順序で実行されることができる。さらに、単数への言及は複数を除外しない。従って、「a」、「an」、「第1」、「第2」等の参照も、複数を排除するものではない。請求項中の参照符号は、単に明確な例として提供されているにすぎず、請求項の範囲を何らかの態様で限定するものと解釈してはならない。
【0193】
一般に、アプローチの例は、以下の実施形態によって示される。
【0194】
電磁電力伝送信号を介して電力受信機(105)に電力を無線で供給するための電力送信機(101)であって、前記電力送信機(101)は、出力回路(203、103)に印加される駆動信号に応じ前記電力伝送信号を生成するように構成された送信機コイル(103)を含む当該出力回路(203、103)と、前記駆動信号を生成するように構成されたドライバ(201)と、チップシーケンスによって変調された負荷変調データシンボルを受信するように構成された受信機(207)であって、チップシーケンスの各チップは異なる変調負荷を有する少なくとも2つの負荷時間インターバルに分割され、異なる変調負荷のパターンは異なるチップ値に対して異なる、受信機とを有し、前記受信機(207)は、電力伝送信号の負荷を測定して負荷時間インターバルの測定された負荷値を決定するように構成された負荷測定器(209)と、測定された負荷値から受信されたチップシーケンスを決定するように構成されたチップ決定器回路(211)であって、受信されたチップシーケンスはチップ値のシーケンスを含み、各チップ値はチップの少なくとも2つの変調負荷時間インターバルの測定された負荷値間の差に応じて決定される、チップ決定器回路と、各チップシーケンスがデータシンボルにリンクされたチップシーケンスのセットを記憶するように構成された記憶部(215)と、受信されたチップシーケンスとチップシーケンスのセットのうちのチップシーケンスとの間の相関に応じて受信されたデータシンボル値を検出するように構成された検出器(213)とを有する。
【0195】
電磁電力伝送信号を介して電力受信機(105)に電力を無線で提供するための電力送信機(101)であって、前記電力送信機(101)は、出力回路(203、103)に印加された駆動信号に応じて前記電力伝送信号を生成するように構成された送信機コイル(103)を備える当該出力回路(203、103)と、 前記駆動信号を生成するように構成されたドライバ(201)と、 チップシーケンスによって変調された負荷変調データシンボルを受信するように構成された受信機(207)であって、チップシーケンスの各チップは変調負荷パターンによって表され、異なるチップ値は異なる変調負荷パターンによって表され、各変調負荷パターンは負荷時間インターバルのシーケンスによって形成され、変調負荷値は各負荷時間インターバル内で一定であり、異なる時間インターバルの間で変化する、受信機(207)とを有し、前記受信機(207)は、負荷時間インターバルについて測定された負荷値を決定するために電力伝送信号の負荷を測定するように構成された負荷測定器(209)と、 測定された負荷値から受信されたチップシーケンスを決定するように構成されたチップ決定器回路(211)であって、前記受信されたチップシーケンスはチップ値のシーケンスを含み、各チップ値は、前記チップの少なくとも2つの変調負荷時間インターバルについての測定された負荷値間の差に応じて決定され、各チップシーケンスがデータシンボルにリンクされたチップシーケンスのセットを記憶するように構成された記憶部(215)と、前記受信されたチップシーケンスと前記チップシーケンスのセットのうちのチップシーケンスとの間の相関に応じて、受信されたデータシンボル値を検出するように構成された検出器(213)と、を備える。
【0196】
電磁電力伝送信号を介して電力送信機(101)から電力を無線で受信するための電力受信機(105)であって、前記電力受信機(105)は、前記電力伝送信号から電力を抽出するように構成された受信機コイル(107)を備える入力回路(107、503)と、 前記電力伝送信号を負荷変調することによって前記電力送信機にデータシンボルを送信するように構成された送信機(509)であって、各データシンボルはチップシーケンスのセットのうちのチップシーケンスに対応する変調負荷値のシーケンスによって変調され、前記チップシーケンスのセットのうちのチップシーケンスは異なるデータシンボル値にリンクされる送信機とを有し、前記送信機は、前記チップシーケンスの各チップを、異なる変調負荷を有する少なくとも2つの負荷時間インターバルに分割することによって、前記電力伝送信号を変調するように構成される。
【0197】
電力伝送信号を介して電力送信機(101)から電力を無線で受信するための電力受信機(105)であって、電力伝送信号から電力を抽出するように構成された受信機コイル(107)を備える入力回路(107, 503)と、電力伝送信号を負荷変調することによってデータシンボルを電力送信機に送信するように構成された送信機(509)であって、各データシンボルはチップシーケンスのセットのうちのチップシーケンスに対応する変調負荷値のシーケンスによって変調され、チップシーケンスのセットのシーケンスは異なるデータシンボル値にリンクされる、送信機とを有し、前記送信機は、チップシーケンスの各チップを変調負荷パターンで表すことによって電力伝送信号を変調するように構成され、異なるチップ値は異なる変調負荷パターンで表され、各変調負荷パターンは負荷時間インターバルのシーケンスによって形成され、変調負荷値は各負荷時間インターバル内では一定であり、異なる時間インターバル間で変化する。
図1
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【国際調査報告】