(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-17
(54)【発明の名称】ナノクラスタを用いた大面積の透明反射パネル及びこの製造方法
(51)【国際特許分類】
G02B 5/00 20060101AFI20250109BHJP
【FI】
G02B5/00 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024537510
(86)(22)【出願日】2023-05-25
(85)【翻訳文提出日】2024-06-20
(86)【国際出願番号】 KR2023007184
(87)【国際公開番号】W WO2023229398
(87)【国際公開日】2023-11-30
(31)【優先権主張番号】10-2022-0063927
(32)【優先日】2022-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516149457
【氏名又は名称】韓国機械研究院
【氏名又は名称原語表記】KOREA INSTITUTE OF MACHINERY & MATERIALS
【住所又は居所原語表記】156, Gajeongbuk-ro Yuseong-gu Daejeon 34103 (KR)
(71)【出願人】
【識別番号】518438933
【氏名又は名称】センター フォー アドバンスト メタ-マテリアルズ
【氏名又は名称原語表記】CENTER FOR ADVANCED META-MATERIALS
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100149249
【氏名又は名称】田中 達也
(72)【発明者】
【氏名】チョン ジュノ
(72)【発明者】
【氏名】ファン ソンヒョン
(72)【発明者】
【氏名】チョン ソヒ
(72)【発明者】
【氏名】チョン ヨンロク
(72)【発明者】
【氏名】チョウ ジージン
(72)【発明者】
【氏名】カン ヒョクジュン
【テーマコード(参考)】
2H042
【Fターム(参考)】
2H042AA02
2H042AA07
2H042AA26
(57)【要約】
ナノクラスタを用いた大面積の透明反射パネル及びこの製造方法において、前記透明反射パネルは、光透過性媒質と、前記光透過性媒質上に形成された複数の金属クラスタとを含む。この場合、前記金属クラスタのそれぞれは、互いに離隔した状態で、前記光透過性媒質上に形成された単位金属体を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光透過性媒質と、
前記光透過性媒質上に形成された複数の金属クラスタとを含み、
前記金属クラスタのそれぞれは、互いに離隔した状態で、前記光透過性媒質上に形成された単位金属体を含むことを特徴とする透明反射パネル。
【請求項2】
前記金属クラスタは、第1の方向(X)、及び前記第1の方向に垂直な第2の方向(Y)に互いに同一の間隔で配列されることを特徴とする請求項1に記載の透明反射パネル。
【請求項3】
前記金属クラスタが配列される間隔は、100nm乃至10mmであることを特徴とする請求項2に記載の透明反射パネル。
【請求項4】
前記金属クラスタのそれぞれは、境界を有し、
前記単位金属体は、前記金属クラスタの境界内に配列されることを特徴とする請求項2に記載の透明反射パネル。
【請求項5】
前記金属クラスタが有する境界は、ラウンド形状の境界であることを特徴とする請求項4に記載の透明反射パネル。
【請求項6】
前記ラウンド形状の境界のサイズは、50nm乃至5mmであることを特徴とする請求項5に記載の透明反射パネル。
【請求項7】
前記単位金属体は、前記金属クラスタの境界内にランダムに配列されることを特徴とする請求項4に記載の透明反射パネル。
【請求項8】
前記単位金属体のサイズは、10nm乃至10μmであることを特徴とする請求項1に記載の透明反射パネル。
【請求項9】
プレート上に複数の突出部が形成された金型に、前記突出部を覆うようにレジンを塗布するステップと、
前記レジンの第1の面上にフィルムを形成するステップと、
前記レジンを凝固させた後、前記レジンから前記金型を分離するステップと、
前記金型が分離されることにつれ、外部に露出する前記レジンの第2の面上に、第1の金属層を形成するステップと、
前記第1の金属層を、光透過性媒質上に形成された第2の金属層上で押圧するステップと、
前記光透過性媒質を熱処理して、前記第2の金属層を溶融させるステップと、
前記光透過性媒質を除去して、前記第1の金属層上に前記第2の金属層が残留するようにするステップとを含むことを特徴とする透明反射パネルの製造方法。
【請求項10】
前記第1の金属層は、金(Au)を含み、前記第2の金属層は、銀(Ag)を含むことを特徴とする請求項9に記載の透明反射パネルの製造方法。
【請求項11】
前記突出部のそれぞれは、円柱形状を有することを特徴とする請求項9に記載の透明反射パネルの製造方法。
【請求項12】
前記突出部は、前記プレートの第1の面から、第1の方向(X)、及び前記第1の方向に垂直な第2の方向(Y)に同一の間隔で配列されることを特徴とする請求項9に記載の透明反射パネルの製造方法。
【請求項13】
前記フィルムは、PETを含むことを特徴とする請求項9に記載の透明反射パネルの製造方法。
【請求項14】
前記光透過性媒質を熱処理して、前記第2の金属層を溶融させるステップにおいて、
前記第1の金属層と接触される前記第2の金属層は溶融されて、前記第1の金属層に付着されることを特徴とする請求項9に記載の透明反射パネルの製造方法。
【請求項15】
前記レジンから前記金型を分離することにより、前記レジンには、前記突出部により複数の空間部が形成されることを特徴とする請求項9に記載の透明反射パネルの製造方法。
【請求項16】
前記レジンの第2の面上に第1の金属層を形成するステップにおいて、
前記レジンの空間部上にも、前記第1の金属層が形成されることを特徴とする請求項15に記載の透明反射パネルの製造方法。
【請求項17】
前記光透過性媒質を熱処理して、前記第2の金属層を溶融させるステップにおいて、
前記空間部上に形成される前記第1の金属層に対向する前記第2の金属層は溶融されて、前記光透過性媒質上に単位金属体で形成されることを特徴とする請求項16に記載の透明反射パネルの製造方法。
【請求項18】
前記単位金属体は、前記空間部の離隔により、前記光透過性媒質上に互いに離隔して配列されることを特徴とする請求項17に記載の透明反射パネルの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナノクラスタを用いた大面積の透明反射パネル及びこの製造方法に関し、より詳しくは、大面積のガラス基板にナノ単位の単位金属体からなるクラスタを配列して、散乱機能を有する大面積の透明反射パネル及びこの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
透明反射パネルとは、透過度のあるパネルにより周辺背景が識別されると共に、プロジェクタの投射画像は散乱される反射型ディスプレイを言う。
【0003】
一般に、透明反射パネルは、透過度のある媒質に投射画像を散乱することができるマイクロスケールの構造物からなっているため、散乱角が小さい。すなわち、従来の半透過性フィルムには、マイクロ回折格子などを活用して、特定角に対する反射量を増加することができるが、散乱角が小さいため、スクリーンのような役割をし難い。
【0004】
これにより、大韓民国登録特許第10-0949870号などのように散乱角を増加することができる透明反射パネルに関する研究が多くなされているが、未だ満足な結果を得ていない実情である。
【発明の概要】
【解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このようなことに着眼してなされており、本発明の目的は、可視光全域で散乱角を増加することができる大面積の透明反射パネルを提供することである。
【0006】
また、本発明の他の目的は、前記透明反射パネルの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記した本発明の目的のための一実施形態に係る透明反射パネルは、光透過性媒質と、前記光透過性媒質上に形成された複数の金属クラスタとを含む。この場合、前記金属クラスタのそれぞれは、互いに離隔した状態で、前記光透過性媒質上に形成された単位金属体を含む。
【0008】
前記金属クラスタは、第1の方向(X)、及び前記第1の方向に垂直な第2の方向(Y)に互いに同一の間隔で配列される。
【0009】
前記金属クラスタが配列される間隔は、100nm乃至10mmである。
【0010】
前記金属クラスタのそれぞれは、境界を有し、前記単位金属体は、前記金属クラスタの境界内に配列される。
【0011】
前記金属クラスタが有する境界は、ラウンド形状の境界である。
【0012】
前記ラウンド形状の境界のサイズは、50nm乃至5mmである。
【0013】
前記単位金属体は、前記金属クラスタの境界内にランダムに配列される。
【0014】
前記単位金属体のサイズは、10nm乃至10μmである。
【0015】
前記した本発明の他の目的のための一実施形態に係る透明反射パネルの製造方法において、プレート上に複数の突出部が形成された金型に、前記突出部を覆うようにレジンを塗布する。前記レジンの第1の面上にフィルムを形成する。前記レジンを凝固させた後、前記レジンから前記金型を分離する。前記金型が分離されることにつれ、外部に露出する前記レジンの第2の面上に、第1の金属層を形成する。前記第1の金属層を、光透過性媒質上に形成された第2の金属層上で押圧する。前記光透過性媒質を熱処理して、前記第2の金属層を溶融させる。前記光透過性媒質を除去して、前記第1の金属層上に前記第2の金属層が残留するようにする。
【0016】
前記第1の金属層は、金(Au)を含み、前記第2の金属層は、銀(Ag)を含む。
【0017】
前記突出部のそれぞれは、円柱形状を有する。
【0018】
前記突出部は、前記プレートの第1の面から、第1の方向(X)、及び前記第1の方向に垂直な第2の方向(Y)に同一の間隔で配列される。
【0019】
前記フィルムは、PET(polyethylene terephthalate)を含む。
【0020】
前記光透過性媒質を熱処理して、前記第2の金属層を溶融させるステップにおいて、前記第1の金属層と接触される前記第2の金属層は溶融されて、前記第1の金属層に付着される。
【0021】
前記レジンから前記金型を分離することにより、前記レジンには、前記突出部により複数の空間部が形成される。
【0022】
前記レジンの第2の面上に第1の金属層を形成するステップにおいて、前記レジンの空間部上にも、前記第1の金属層が形成される。
【0023】
前記光透過性媒質を熱処理して、前記第2の金属層を溶融させるステップにおいて、前記空間部上に形成される前記第1の金属層に対向する前記第2の金属層は溶融されて、前記光透過性媒質上に単位金属体で形成される。
【0024】
前記単位金属体は、前記空間部の離隔により、前記光透過性媒質上に互いに離隔して配列される。
【発明の効果】
【0025】
本発明によると、可視光全域で散乱角を増加することができる大面積の透明反射パネルを製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る透明反射パネルを概略的に示す平面図である。
【0027】
<符号の説明>
【0028】
10: 光透過性媒質
100: 金属クラスタ
【0029】
110: 単位金属体
210: 金型
【0030】
220: レジン
230: フィルム
【0031】
240: 第1の金属層
250: 第2の金属層
【発明を実施するための具体的な内容】
【0032】
本発明は、様々な変更を加えることができ、様々なな実施例を有することができるところ、特定の実施例を図面に例示し、これを詳細な説明により詳しく説明しようとする。しかし、これは、本発明を特定の実施形態について限定しようとすることではなく、本発明は、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物乃至代替物を含むことと理解すべきである。
【0033】
本発明を説明することに当たり、関連する公知技術に対する具体的な説明が本発明の要旨を不要に濁していると判断される場合、その詳細な説明を省略する。また、本明細書の説明過程で利用される数字(例えば、第1、第2など)は、ある構成要素を他の構成要素と区分するための識別記号に過ぎない。
【0034】
また、本明細書において、ある構成要素が他の構成要素と「連結される」か「接続される」などと言及される場合は、前記ある構成要素が前記他の構成要素と直接連結又は直接接続されることもできるが、特に反対の記載が存在しない以上、中間に更に他の構成要素を介して連結又は接続されることもできると理解すべきである。
【0035】
また、本明細書において、「~部」と表現される構成要素は、2つ以上の構成要素が1つの構成要素に合わさるか、又は、1つの構成要素がより細分化した機能別に2つ以上に分化されることもできる。また、以下で説明する構成要素のそれぞれは、自分が担当する主機能の他にも、他の構成要素が担当する機能の一部又は全部の機能を更に行うこともでき、構成要素のそれぞれが担当する主機能の一部機能が他の構成要素により担当されて行えることもできる。
【0036】
以下、本発明の技術思想による実施例について、詳しく説明する。
【0037】
図1は、本発明の一実施形態に係る透明反射パネルを概略的に示す平面図である。
【0038】
本実施形態による透明反射パネルは、光透過性媒質10と、光透過性媒質10上に形成された金属クラスタ100とを含む。
【0039】
ここで、光透過性媒質10は、例えば、ガラスである。但し、前記光透過性媒質10は、光透過性を有し、熱処理時に物性値と形状変更しない部材であれば、制限されず、使用可能である。
【0040】
金属クラスタ100のそれぞれは、互いに離隔した状態で、光透過性媒質10上に形成された単位金属体110を含む。ここで、単位金属体110のそれぞれは、ランダムに決まる形状を有しており、例えば、銀(Ag)を含む。ここで、単位金属体110の形状は、後述する熱処理工程で取得されるもので、個別的な形状は、熱処理工程により任意に決められる。
【0041】
金属クラスタ100は、第1の方向(X)、及び前記第1の方向(X)に垂直な第2の方向(Y)に同一の間隔(P)を置いて配列される。すなわち、前記第1の方向(X)と前記第2の方向(Y)に同一の間隔で離隔するので、前記金属クラスタ100は、全体として正四角形状の配列を有する。
【0042】
但し、これとは異なり、前記第1の方向(X)への間隔と前記第2の方向(Y)への間隔が互いに異なることがあり、これにより、前記金属クラスタ100は、全体として長方形状の配列を有することになる。
【0043】
金属クラスタ100は、図示しているように、所定の形状の境界を有し、この場合、前記所定の形状の境界は、様々な任意の形状であり、このような任意の形状の境界は、内部に所定の領域を形成するように閉鎖した形状を有する。
【0044】
また、前記金属クラスタ100が有する任意の形状は、例えば、ラウンド形状であり、より具体的には、円形状の境界である。但し、前記円形状の境界である場合でも、内部に含まれる前記単位金属体110が一定の形状を有することではないので、全体として円形状の境界を有することはできるが、完全な円のような形状ではなく、略円形境界を有すれば足りる。
【0045】
ここで、前述したように、単位金属体110は、円形の境界内に配列される。円形の境界における前記円形の直径は、後述する製造方法において、突出部213の直径により決められる。ここで、単位金属体110は、円形の境界内にランダムに配列される。
【0046】
一方、金属クラスタ100が、前記第1の方向及び前記第2の方向のそれぞれに100nm乃至10mm範囲の同一の間隔(P)を置いて配列され、金属クラスタ100のラウンド形状の境界のサイズ(D)は、50nm乃至5mmであり、単位金属体110のサイズは、10nm乃至10μmである。
【0047】
この場合、単位金属体110のサイズは、直線距離で測定した値のうち、最大値と最小値の中間値で計算し、最大値を使用することもできる。
【0048】
以上のように、ナノ粒子である単位金属体110が金属クラスタ100を構成することで、可視光帯域で共振を起こす金属クラスタ100による散乱角は、プラズモン共鳴により広がることになり、可視光全域で散乱角が大きくなる。
【0049】
以下では、前記透明反射パネルの製造方法について、具体的に説明する。
【0050】
図2a乃至
図2fは、
図1の透明反射パネルの製造方法を示す工程図である。
【0051】
まず、
図2aに示しているように、プレート211の第1の面212に、複数の突出部213が形成された金型210を準備する。ここで、第1の面212は、図面上では、プレート211の上面と示している。
【0052】
突出部213のそれぞれは、直径(D)を有する円柱形状からなり、突出部213は、全体としてプレート211平面上の第1の方向と、前記第1の方向に垂直な第2の方向にそれぞれ互いに同一の間隔(P)を置いて配列される。この場合、金型210は、例えば、シリコン材質からなる。
【0053】
一方、突出部213のそれぞれの高さは、様々に形成され、後述する工程において、
図2eでのように、第1の金属層240と第2の金属層250の間で十分な隔離距離が形成されるように、突出部により形成される空間部223の高さが形成されると足りる。
【0054】
ついで、
図2bに示しているように、突出部213が覆われるように、金型210の第1の面212に、液体状態のレジン220を塗布する。ここで、前記レジン220は、前記突出部213の高さよりも高い厚さを有するように塗布されなければならず、これにより、前記突出部213の上面上にも、一定の厚さを有するレジン220が形成される。
【0055】
レジン220は、時間が立つことにつれ凝固される。レジン220は、金型210の第1の面212と当接する第2の面223と、第2の面223の反対側に位置した第1の面222とを含み、図面からは、第1の面222は、レジン220の上面と示され、第2の面223は、レジン220の下面と示される。
【0056】
ついで、
図2bに示しているように、レジン220の第1の面222に、フィルム230を形成する。フィルム230は、例えば、PET(polyethylene terephthalate)材質からなるが、これに限定されるものではない。フィルム230は、金型210が分離した状態で、レジン220の形状を維持させるベース基板としての役割を果たす。
【0057】
ついで、
図2cに示しているように、凝固したレジン220から、金型210を分離する。
【0058】
以上のように、レジン220から金型210を分離すると、レジン220上には、金型210の突出部213の形状が反転して形成される。
【0059】
すなわち、
図2cでのように、金型210が分離したレジン220の場合、突出部213の突出形状が反映されて陥入される形状に空間部221が形成される。ここで、空間部221の間の隔離距離は、突出部213の間の間隔と実質的に同一である。
【0060】
次に、
図2dに示しているように、レジン220の第2の面223に、第1の金属層240を形成する。
【0061】
ここで、レジン220の第2の面223は、突出部213が除去されることにつれ、空間部221が形成される面に該当する。そこで、レジン220の第2の面223に第1の金属層240を形成すると、図示しているように、レジン220の外部に突出する面に第1の金属層240が形成されることは勿論であり、レジン220の空間部221の内側面にも、第2の金属層240が同時に形成される。
【0062】
ここで、第1の金属層240は、金(Au)を主成分とする材質からなるが、これに限定されるものではない。第1の金属層240は、蒸着やコーティングのような公知の様々な方式でレジン220に付着され、前述したように、空間部221では、空間部221の底に第1の金属層240が充填されることになる。
【0063】
ついで、
図2eに示しているように、レジン220上に第1の金属層240を形成することとは別に、別の光透過性媒質10の第1の面12に、第2の金属層250を形成する。ここで、第1の面12は、図面において、光透過性媒質10の上面と示される。ここで、第2の金属層250は、銀(Au)を主成分とする材質からなるが、これに制限されるものではない。
【0064】
ついで、
図2eに示しているように、レジン220を光透過性媒質10に向けて押圧する。
【0065】
ここで、レジン220のうち、第1の金属層240が形成された面と、光透過性媒質10のうち、第2の金属層250が形成された面とを互いに対向配置した状態で、レジン220を光透過性媒質10に向けて押圧する。
【0066】
これにより、レジン220の第2の面223に形成された第1の金属層240が、光透過性媒質10の第1の面12に形成された第2の金属層250と接触した状態で、第1の金属層240が、第2の金属層250を押圧することになる。
【0067】
また、前記押圧工程と共に、熱処理工程も行われる。
【0068】
このような熱処理により、第2の金属層250が溶融し、第1の金属層240に凝固付着される。この過程で、光透過性媒質10と第2の金属層250の間の付着力よりも、第1の金属層240と第2の金属層250の間の付着力が大きくなる。
【0069】
ここで、第2の金属層250は、銀(Ag)であり、第1の金属層240は、金(Au)であると説明したが、第2の金属層250の融点が第1の金属層240の融点よりも低いように、第1の金属層240と第2の金属層250の材質を選択することもできる。
【0070】
一方、熱処理工程が行われると、レジン220の空間部221に対応する、すなわち、レジン220の空間部221に形成される第1の金属層240と対向し、空間部221の陥入によって、第1の金属層240とは所定の間隔離隔した第2の金属層250は、光透過性媒質10上で溶融される。
【0071】
このように、第2の金属層250が光透過性媒質10上で溶融されることにつれ、第2の金属層250は、互いに離隔した状態でランダムに配列される単位金属体110で形成されることができる。
【0072】
ここで、単位金属体110は、空間部221が形成する直径内でのみ形成されることができる。一方、前記空間部221が有する径は、前記工程で突出部213が有する径と実質的に同一であると言えるので、結果として、単位金属体110が形成される範囲である径は、突出部213が有する径の範囲であると言える。
【0073】
ついで、
図2fに示しているように、レジン220を光透過性媒質10から分離して除去する。
【0074】
この場合、前述したように、熱処理による第1の金属層240と第2の金属層250の間の接着力が、第2の金属層250と光透過性媒質10の間の接着力よりも増加することになり、第1の金属層240に付着した第2の金属層250は、光透過性媒質10から分離される。
【0075】
また、空間部221に対応し、溶融された第2の金属層250は、そのまま、光透過性媒質10上に残留し、単位金属体110で形成される。
【0076】
かくして、
図1に示しているように、光透過性媒質10上に単位金属体110が形成され、このような単位金属体110の形状と配列に対しては、前述したことと同様である。
【0077】
本発明によると、可視光全域で散乱角を増加することができる大面積の透明反射パネルを製作することができる。
【0078】
前述した説明は、本発明の最上のモードを提示しており、本発明を説明するために、そして、当業者が本発明を製作及び利用できるようにするための例を提供している。このように作成された明細書は、その提示された具体的な用語に、本発明を制限することではない。そこで、前述した例を参照して本発明を詳細に説明したが、当業者であれば、本発明の範囲を逸脱しない範囲内で、本例に対する改造、変更、及び変形を加えることができる。
【国際調査報告】