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特表2025-501112リサイクル複合材料から作製された部品及び製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-17
(54)【発明の名称】リサイクル複合材料から作製された部品及び製造方法
(51)【国際特許分類】
   C08J 5/04 20060101AFI20250109BHJP
   B29B 17/00 20060101ALN20250109BHJP
【FI】
C08J5/04 CEZ
C08J5/04 CFC
C08J5/04 CFG
B29B17/00 ZAB
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024537963
(86)(22)【出願日】2022-12-21
(85)【翻訳文提出日】2024-08-20
(86)【国際出願番号】 EP2022087372
(87)【国際公開番号】W WO2023118383
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】2114292
(32)【優先日】2021-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524234190
【氏名又は名称】フェアマット
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100108903
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 和広
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100217179
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 智史
(72)【発明者】
【氏名】ベンジャミン サーダ
(72)【発明者】
【氏名】アドリアン コンタン
(72)【発明者】
【氏名】ウゴー デュボワ
【テーマコード(参考)】
4F072
4F401
【Fターム(参考)】
4F072AA02
4F072AA04
4F072AA07
4F072AA08
4F072AB10
4F072AB27
4F072AD25
4F072AD26
4F072AD27
4F072AD28
4F072AD31
4F072AD42
4F072AD44
4F072AD46
4F072AG03
4F072AH04
4F072AH25
4F072AJ04
4F072AJ22
4F072AK05
4F072AK14
4F072AL02
4F072AL04
4F072AL17
4F401AD08
4F401BA09
4F401CA13
4F401FA20Z
(57)【要約】
本発明は、複合材料部品であって、
- チップ(1)であって、各チップ(1)は、チップの2つの平行な互いに反対側の面(4)の間に規定された実質的に一定の厚さを有し、各チップは、当該部品の形成前の第1の硬化中に硬化した接着剤中に少なくとも部分的に含まれる炭素繊維(3)を含み、チップの当該繊維の少なくとも大部分は、チップの当該対向する面(4)に対して実質的に平行に延びている、チップ(1)と、
- 各チップ(1)が少なくとも部分的に含まれるマトリックス(2)であって、当該マトリックス(2)は、第2の硬化中に硬化した接着剤から形成される、マトリックス(2)とを、
部品のマトリックス(2)と各チップとの間に結合界面が形成されるように含む、複合材料部品に関する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合材料部品であって、
- チップ(1)であって、各チップ(1)は、前記チップの2つの平行な互いに反対側の面(4)の間に規定された実質的に一定の厚さを有し、各チップは、前記部品の形成前の第1の硬化中に硬化した接着剤中に少なくとも部分的に含まれる炭素繊維(3)を含み、前記チップの前記繊維の少なくとも大部分は、前記チップ(1)の前記互いに反対側の面(4)に対して実質的に平行に延びている、チップ(1)と、
- 各チップ(1)が少なくとも部分的に含まれるマトリックス(2)であって、前記マトリックス(2)は、第2の硬化中に硬化した接着剤から形成される、マトリックス(2)とを、
前記部品の前記マトリックス(2)と各チップ(1)との間に結合界面が形成されるように含む、複合材料部品。
【請求項2】
前記結合界面が、本質的に機械的接着結合を含む、請求項1に記載の複合部品。
【請求項3】
各チップ(1)の前記面(4)が、前記チップの表面積と呼ばれる少なくとも1cmの表面積を有する、請求項1又は請求項2に記載の複合部品。
【請求項4】
各チップと前記マトリックス(2)との間の前記結合界面が、前記チップ全体にわたって変曲点を有しない、請求項3に記載の複合材料部品。
【請求項5】
各チップ(1)が、厚さ(e)と、前記チップの前記表面積について測定することができる最大寸法(d)とを、比(e)/(d)が0.05~0.0005に含まれるように有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の複合部品。
【請求項6】
前記炭素繊維(3)が、主として、平行な平面中に延びている、請求項1~5のいずれか一項に記載の複合材料部品。
【請求項7】
前記チップが、前記炭素繊維(3)の一方向配列を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の複合材料部品。
【請求項8】
前記チップが、前記部品の前記炭素繊維(3)が実質的に同じ方向に配向されるように配向される、請求項7に記載の複合材料部品。
【請求項9】
前記チップが、前記部品の前記炭素繊維(3)が2つの異なる方向のみに、例えば間に90°の角度を形成する第1の方向及び第2の方向に、実質的に配向されるように、配向される、請求項1~7のいずれか一項に記載の複合材料部品。
【請求項10】
前記チップが、繰り返しパターンで配置されている、請求項1~9のいずれか一項に記載の複合材料部品。
【請求項11】
前記チップ(1)が、実質的に同じ形状及び同じ寸法を有する、請求項1~10のいずれか一項に記載の複合材料部品。
【請求項12】
各チップ(1)の前記面(4)が、実質的に矩形形状である、請求項11に記載の複合材料部品。
【請求項13】
前記チップの前記厚さが、200μm~1mmに含まれる、請求項1~12のいずれか一項に記載の複合材料部品。
【請求項14】
前記部品が、前記チップによって形成され、かつ前記部品の20体積%~85体積%を占める繊維領域と、前記第2の硬化中に添加されて硬化される前記接着剤からなり、かつ前記部品の残りを形成する非繊維領域とを含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の複合材料部品。
【請求項15】
複合材料物品であって、
- 炭素繊維及び第1の接着剤を含む複数の領域であって、前記炭素繊維は、同じ領域内で非ランダム配向を有し、炭素繊維を含む前記領域は、2つの平行な互いに反対側の面の間に規定された実質的に一定の厚さを有し、炭素繊維を含む前記領域のすべての炭素繊維は、実質的に平行な平面に沿って配向されている、複数の領域と、
- 第2の接着剤を含み、炭素繊維を含まない少なくとも1つの領域と、
を含み、
炭素繊維及び第1の接着剤を含む前記複数の領域は、第2の接着剤を含み、炭素繊維を含まない前記少なくとも1つの領域に少なくとも部分的に含まれる、複合材料部品。
【請求項16】
前記炭素繊維(3)が、同じ領域内で実質的に平行、直交、及び/又は45°に配向されている、請求項15に記載の複合材料部品。
【請求項17】
前記部品が、平坦又は湾曲パネルである、請求項1~16のいずれか一項に記載の複合材料部品。
【請求項18】
以下の工程を含む、複合材料部品の製造方法:
- 第1の硬化中に硬化した接着剤中に炭素繊維(3)を含む複合材料を提供する工程;
- 前記複合材料をチップに切断する工程(S1)であって、各チップ(1)は、前記チップの2つの平行な互いに反対側の面(4)の間に規定された実質的に一定の厚さを有し、各チップは、第1の硬化中に硬化した接着剤中に少なくとも部分的に含まれる炭素繊維(3)を含み、前記チップの前記繊維の少なくとも大部分は、前記チップの前記互いに反対側の面(4)に対して実質的に平行に延びている、工程;
- 前記チップを接着剤でコーティングする工程(S2);
- チップの絡み合いを形成するように前記チップを配置する工程(S7);
- 第2の硬化と呼ばれる、前記液体接着剤を硬化させる工程(S11)。
【請求項19】
請求項18に記載の製造方法によって得られる複合材料部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合材料、特に、炭素繊維を含む複合材料をリサイクルする分野に関する。
【背景技術】
【0002】
炭素繊維に基づく複合材料は、それらの機械的特性のために、特に、強度及び軽さといった機械的特性の故に多くの技術分野で使用されている。それらは、特に、航空分野、自動車産業、ボートで一般的に使用されているが、建設、エネルギーなどの分野でも使用されている。
【0003】
炭素繊維に基づく複合材料は、一般的に、マトリックス中に含まれる炭素繊維を含む。
【0004】
炭素繊維を製造するためにいくつかの方法を使用することができ、その原理は、紙若しくはビスコース(「ex-セルロース」繊維)、又はポリアクリロニトリル(「ex-PAN」繊維)、又は石油若しくは石炭残留物(「ex-ピッチ」繊維)のいずれかからの非常に高温での炭素の堆積である。
【0005】
炭素繊維は、所与の配向で、例えば、一方向に、又は織繊維ウェブの形態でマトリックスに含まれる。
【0006】
マトリックスに関しては、一般的に、それは、ポリマーからなる、又は本質的にポリマーを含む。マトリックスは、「接着剤」又は更には「樹脂」(マトリックスは一般的にポリマーである)と呼ぶこともできる。周知のように、マトリックスは、熱可塑性又は熱硬化性の性質のものであることができる。性質が類似しているグルーは、本発明の範囲内で同じように使用することができる。
【0007】
したがって、別段の定めがない限り、「マトリックス」、「グルー」、「接着剤」及び「樹脂」という用語は、本明細書において同義であるとみなされる。
【0008】
熱硬化性ポリマーは、複合材料を造形するときに架橋と呼ばれる化学反応を受ける。この反応は、化学結合を生成し、不可逆的である。炭素繊維に基づく複合材料を形成するための最も効率的な熱硬化性ポリマーは、ポリエポキシド(「エポキシ」として知られている)であることが一般的に認められている。
【0009】
熱可塑性ポリマーは、それらの熱分解温度よりも低い「相転移温度」と呼ばれる特定の温度を超えると粘性になり、したがって造形することができるポリマーである。温度がこの相転移温度未満に低下すると、ポリマーは硬化し、その初期剛性に戻る。この硬化は、ポリマーを再び加熱することにより、可逆的である。
【0010】
最も一般的な熱可塑性ポリマーは、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、又はポリカプロラクタム(PA-6)である。いくつかの用途では、ポリ
(フェニレンエーテルエーテルケトン)(PEEK)、ポリ(フェニレンスルフィド)(PPS)、又はポリエーテルイミド(PEI)などの特殊な熱可塑性ポリマーを使用することができる。
【0011】
炭素繊維に基づく複合材料の用途は、非常に多く、ますます広がっているため、これらの材料をリサイクルする問題が生じている。リサイクルできる材料の量が増加しているという事実に加えて、これらの複合材料は、価値の高い材料であり(主に炭素繊維を含有するため)、その価値化が経済的に重要であることはわかるであろう。
【0012】
リサイクルは、寿命の終わりに又は損傷を受けた複合材料から作製された要素、製造されたが意図される用途(特に航空又は宇宙分野)に必要とされる特定の基準を満たしていないか又はもはや満たさない要素、あるいは、より稀な場合として、特定の日に使用されなかった要素に関係し得る。
【0013】
炭素繊維で強化された複合材料をリサイクルするために、3つの主要なカテゴリーの方法、いわゆる機械的リサイクル、いわゆるケミカルリサイクル、及びいわゆるサーマルリサイクルが開発されている。
【0014】
機械的リサイクルは、原理上、既存の複合材料部品を分割及びグラインディングして、樹脂から繊維を少なくとも部分的に解離させて、新しい樹脂の強化材として再利用することができる様々な長さの繊維を得ることである。グラインディングから得られたわずかに繊維状の粒子は、粉末形態であり、新しい複合材料要素の形成中に樹脂と混合することができる。
【0015】
複合材料の粉砕片は、充填要素として、又は成形部品における強化材として使用されるが、複合材料要素(非リサイクル材料に基づく)を製造するための従来の方法で使用されるような未使用の炭素繊維を置き換えることを実際には意図していない。
【0016】
この方法では、リサイクルされる複合材料をグラインディングすることによって得られた粉末を篩にかけて、粒径のいくつかのカテゴリーに選別することができるが、このサイズは、これらの粒子を含めることによって後に形成される要素の機械的特性に有意な影響を及ぼすことはない。
【0017】
一般的に、最先端の機械的リサイクル法によって得られる部品の機械的特性(曲げ強度又は曲げ剛性)は、類似の新しい部品と比較して少なくとも4分の1であると推定される。
【0018】
したがって、機械的リサイクル法によって得られるリサイクル炭素繊維に基づく複合材料は、一般的に、質量に対する機械的特性が非常に高い必要性のない特定の分野に限定された用途を有する。したがって、それらは、主に建設(建物)において使用される。
【0019】
ケミカルリサイクルは、複合材料中に存在する炭素繊維を回収するために、複合材料の硬化樹脂を化学的に分解することから構成される。次いで、回収された繊維は、一般的に、数千の回収された繊維から糸を作り出すために、整列及び/又は紡糸される。これらのリサイクル繊維を含む複合材料から形成される部品の機械的特性は、新しい非リサイクル炭素繊維を含む複合材料の機械的特性よりもはるかに低い。
【0020】
いくつかの化学分解法、特に、従来の加溶媒分解、「穏和な条件下」での加溶媒分解、又は超臨界条件下での加溶媒分解が、知られている。
【0021】
従来の加溶媒分解法では、リサイクルされる部品は、樹脂が分解されるように、高温(200℃超)及び高圧(180バールの範囲)で溶媒中に浸漬される。これらは、例えば、濃酸(特に硝酸又は硫酸)であってもよい。
【0022】
穏和な条件下での加溶媒分解法では、従来の加溶媒分解よりもおだやかな200℃未満の温度が使用される。その方法は、大気圧(周囲圧力)で行われ、アセトン又はN,N-ジメチルホルムアミドなどのより穏和な溶媒が使用され、並びに場合によっては過酸化水素又はペルオキシ酢酸などの触媒が使用される。酢酸による前処理が使用されてもよい。とは言え、穏和な条件下での加溶媒分解は、生産効率がかなり低い。
【0023】
超臨界条件下での加溶媒分解法では、溶媒は、より良好な拡散性及び増加した溶媒和能力を有するように、超臨界条件下で使用される。それは複雑で費用のかかる方法である。
【0024】
最後に、サーマルリサイクルは、原理上、複合材料の樹脂を熱分解して、そこから炭素繊維を回収することから構成される。熱は、一般的にオーブン中で樹脂を燃焼させることから構成される熱分解法によって、溶媒と高温との組み合わせ作用を使用する流動床法によって、最後にマイクロ波によって、提供することができる。
【0025】
これらの方法は最適化されているが、回収された繊維は、新しい繊維と比較して有意に劣化した機械的特性を有する。回収された繊維は、一般的に短く、正しい機械的特性を必要とする用途において再使用するためには、それらを整列させ、紡糸しなければならない。そうでなければ、それらは、例えば、上述した機械的リサイクル法において得られる粉末のように、充填のために使用される。
【0026】
要約すると、炭素繊維に基づく複合材料をリサイクルする分野で知られている様々な技術は、
- 複合材料をグラインディングして、粉砕された材料を強化材として使用する技術(機械的リサイクル)、
- 又は、樹脂を分解して炭素繊維を再生する(ケミカル又はサーマルリサイクル)技術から構成されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0027】
しかし、これらの2つの解決策は各々重大な欠点を有する。すなわち、これらの解決策は、不十分な機械的性能を有する材料を提供し、並びに/又はこれらの解決策は、実現することが高コストであり及び/又は複雑である。樹脂を分解して炭素繊維を回収するリサイクル技術は、更に、著しい環境コストがかかる。実際、それらは、分解された樹脂を液体又は気体の形態で放出する。これらの放出は処理されなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0028】
本発明は、上述した問題のすべて又は一部を克服するリサイクル方法によって得られる複合材料部品を提案することを目的としている。特に、本発明は、制御された経済的及び環境的コストで、高い機械的特性を有する複合材料部品を得ることを目的としている。
【0029】
したがって、本発明は、マトリックス中に少なくとも部分的に含まれるチップを含む複合材料部品に関する。各チップは、チップの2つの平行な互いに反対側の面の間に規定された実質的に一定の厚さを有し、各チップは、当該部品の形成前の第1の硬化中に硬化した接着剤中に少なくとも部分的に含まれる炭素繊維を含む。チップの繊維の少なくとも大部分は、チップの互いに反対側の面に対して実質的に平行に延びている。各チップが少なくとも部分的に含まれるマトリックスは、第2の硬化中に硬化した接着剤から形成される。したがって、マトリックスと、部品の各チップとの間に接合界面が形成される。
【0030】
実質的に一定の厚さという概念は、以下のように解釈される。厚さは、チップの最小寸法に対応し、それは、他の寸法と比較して(例えば、矩形形状のチップの長さ及び幅と比較して)小さい。チップはすべての点で実質的に平行な2つの対向する(主)面を有するため、チップの厚さは実質的に一定である。チップは、制約がない場合には平坦であるが、本発明の主題である部品に含まれると湾曲される場合がある。この考え得る湾曲が可能であるのは、チップの厚さが薄いためであり、それはチップにある程度の柔軟性を付与する。チップの主面に対して直角に測定されるチップの厚さは、チップ上のすべての点で一定である、又は少なくとも観察者によって一定であると知覚される。厚さが「実質的に」一定である、すなわち、自然に一定であるとして知覚されると示されるのは、この意味においてである。あるいは、最小厚さが、チップで測定された最大厚さの半分以上である場合、好ましくは、チップで測定された最大厚さと最小厚さとの差が25%を超えない場合、厚さは実質的に一定であるとみなされる。あるいは、チップで測定される最小厚さと最大厚さとの差が0.5mmを超えない場合、厚さは実質的に一定であるとみなされる。
【0031】
結合界面は、本質的に機械的接着結合を含み得る。
【0032】
「機械的接着結合」という用語は、機械的固着(チップの固体表面の凹凸における接着剤の物理的固着)などの機械的結合、並びに可能性として拡散による結合(チップにおける接着剤の拡散)及び/又は熱力学的タイプの結合、特に「ファンデルワールス」タイプの結合を意味する。機械的接着結合は、本質的に、イオン-共有結合とは区別される。
【0033】
「本質的に機械的な接着結合」という表現は、第1の硬化が完了したとみなされるが、部品のマトリックスとイオン-共有結合を形成する可能性がある少数の稀な部位がチップに残ることを排除できないという事実を表している。言い換えれば、チップ接着剤は、第1の硬化中に硬化し、すなわち、熱硬化性又は熱可塑性接着剤へと重合し、その結果として、チップ接着剤は、第2の硬化のためにチップが含まれている接着剤との化学結合を形成できる部位をもはや含有していない(又はほとんど含有していない)。したがって、第2の硬化中に、チップと、硬化した接着剤との間にイオン-共有結合が存在することは稀であるか、又は存在しないことさえあり、その結果として、チップと接着剤との間の結合界面は、以下に記載する図2及び図3で強調されているように、肉眼で見ることができる。
【0034】
本明細書全体を通して、「実質的に」という用語は、従来、その測定又は製造に使用されるシステムによるこの特徴の知覚を指す。特徴が肉眼で観察される場合、「実質的に」という用語は、したがって、観察者がその特徴を知覚することを指す。「実質的に」という用語を含む表現は、その製造方法の公差範囲内で生成される技術的特徴と解釈されるべきである。特に、2つの要素間の「実質的に平行」という特徴は、10°以内の角度までと理解することができる。考慮される繊維が織物(典型的にはタフタ、ツイル又はサテン)に含まれている場合、繊維の延びる方向は、製織に関連する繊維の起伏を無視することによって、考慮される。
【0035】
「マトリックス内に少なくとも部分的に含まれるチップ」という用語は、考え得る例外として部品の表面上に出現し得る特定のチップを除いて、各チップがマトリックス中に埋め込まれているという事実を意味している。同様に、「第1の硬化中に硬化した接着剤に少なくとも部分的に含まれる炭素繊維」という用語は、考え得る例外としてチップの表面領域上に出現し得る特定の炭素繊維を除いて、炭素繊維がチップの接着剤中に埋め込まれているという事実を意味している。
【0036】
硬化プロセス(又は架橋、これらの用語は特に明記しない限り同義的に使用される)は、架橋プロセスを介して樹脂を変換する。エネルギー及び/又は触媒を添加して、分子鎖を化学活性部位で反応させ、強固な3D構造に結合させる。架橋プロセスは、より高い分子量を有する分子を形成させ、より高い融点を有する材料をもたらす。反応中、融点が周囲温度よりも高くなるまで分子量が増加し、材料は固体材料に変換する。
【0037】
複合材料に好適な接着剤は、エポキシ樹脂、シアン酸エステル及びフェノール樹脂などの熱硬化性樹脂からなる群から選択することができる。好適なエポキシ樹脂には、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ノボラックエポキシ樹脂及びN-グリシジルエーテル、グリシジルエステル、脂肪族及び脂環式グリシジルエーテル、アミノフェノールグリシジルエーテル、任意の置換フェノールのグリシジルエーテル及びこれらの混合物が含まれる。
【0038】
前述の熱硬化性ポリマーの変性ブレンドも含まれる。
【0039】
「変性ブレンド」とは、典型的には、ゴム又は熱可塑性樹脂の添加によって変性されたポリマーを指す。
【0040】
任意の好適な触媒(又は「硬化剤」)を使用することができる。触媒は、使用される樹脂に適合するように選択する。
【0041】
触媒は加速することができる。
【0042】
例えば、ジシアンジアミド触媒を使用する場合、置換尿素を促進剤として使用することができる。
【0043】
エポキシ樹脂との硬化剤は、ダプソン(DDS)、ジアミノジフェニルメタン(DDM)、BF3-アミン錯体、置換イミダゾール、促進無水物(accelerated anhydride)、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルエーテル、芳香族ポリエーテルアミン、脂肪族アミン付加物、脂肪族アミン塩、芳香族アミン付加物及び芳香族アミン塩から選択することもできる。
【0044】
好適な促進剤としては、ジウロン、モヌロン、フェヌロン、クロルトルロン、トルエンジイソシアネートビス-尿素及び他の置換同族体が挙げられる。
【0045】
複合材料に好適な接着剤は、熱可塑性樹脂からなる群から選択することもできる。熱可塑性樹脂では、高性能プラスチック、エンジニアリングプラスチック及び標準プラスチックを区別することができる。複合材料に使用されるほとんどの熱可塑性樹脂は、高性能プラスチック又はエンジニアリングプラスチックである。これらのプラスチックは、特に、より大きな耐摩耗性及び耐薬品性によって標準的なプラスチックと区別される。
【0046】
熱可塑性樹脂は、それらの性質に応じて、非晶質形態又は結晶質形態で硬質であり得る。
【0047】
複合材料において一般的に使用される非晶質熱可塑性樹脂の中には、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルスルホン(PES)、及びポリスルホン(PSU)がある。
【0048】
複合材料において一般的に使用される結晶性熱可塑性物質の中には、ポリアミド(PA)、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリフタルアミド(PPA)、ポリ(フェニレンスルフィド)(PPS)、及びポリエーテルエーテルケトン(PEEK)がある。
【0049】
チップが含有する繊維の大部分の配向が、チップの面に対して平行であるように、各チップは形成されている。したがって、繊維は、チップにおいて、有意な長さ及び制御された配向を有することができる。最終的に、チップ中の繊維の長さ及び配向、並びに部品中のチップの配列は、部品に高い機械的特性を付与する。
【0050】
チップは、特に、以下でより詳細に説明するように、リサイクルされる炭素繊維に基づく複合材料要素から切り出すことによって得られる。したがって、本発明による部品の形成は、形成された部品に良好な機械的性能を提供しながら、低汚染の機械的方法によるそのような要素のリサイクルを可能にする。
【0051】
各チップの面は、チップの表面積と呼ばれる少なくとも1cmの表面積を有し得る。
【0052】
例として与えられるこれらの値は、最小値として理解されるべきである。考慮される部品によれば、チップは、例えば、3cm、5cm、10cm又は20cm、100cmの範囲で、非常により大きい表面積を有し得る。
【0053】
したがって、本発明の範囲内で形成かつ使用されるチップは、有意な表面積を有して、非常に長い炭素繊維を封入することができるものであり、なぜなら、炭素繊維が、チップの互いに反対側の面に対して実質的に平行に延びているためである。
【0054】
各チップとマトリックスとの間の結合界面は、チップの全表面領域にわたって変曲点を有していなくてもよい。
【0055】
特に、その界面は、チップの表面領域の大部分にわたって実質的に平坦であってよい。
【0056】
これは、複合材料部品を形成するためにマトリックスに封入する前の、硬化した接着剤中に炭素繊維を含む各チップの相対的な剛性によるものである。
【0057】
各チップは、有利には、他の寸法と比較して小さな厚さ(e)を有する。したがって、チップは、本質的に二次元の小片であり、厚さが小さく、チップの他の寸法は、典型的には、チップの表面領域上で測定することができる最大寸法(d)、及びやはりチップの表面領域上で直角に測定される寸法に対応している。
【0058】
有利には、比(e)/(d)は、0.05~0.0005、好ましくは0.01~0.001、更により好ましくは0.005~0.001に含まれる。
【0059】
本出願において、別段の指示がない限り、範囲は包括的であると理解される。
【0060】
複合材料部品において、炭素繊維は、有利には、主に平行な平面中に延びている。
【0061】
例えば、チップは、炭素繊維の一方向配列を有し得る。例えば、チップは、部品の炭素繊維が実質的に同じ方向に配向されるように、配向され得る。あるいは、チップは、部品の炭素繊維が2つの異なる方向のみに、例えば間に90°の角度を形成する第1の方向及び第2の方向に、実質的に配向されるように、配向され得る。
【0062】
チップは、有利には、繰り返しパターンで部品内に配置される。
【0063】
パターンは、いくつかのチップの特定の相対的配列に対応している。パターンは、特に、非ランダム配列に対応しており、形成される部品において一般的に繰り返し可能である。
【0064】
一実施形態によれば、各チップ中に存在する炭素繊維は、各々が炭素繊維織物を有するウェブに配列される。
【0065】
したがって、チップの、したがって部品中の繊維の制御された配向により、所望の機械的特性を得ることが可能になる。
【0066】
複合材料部品において、チップはすべて実質的に同じ形状及び同じ寸法を有することができる。例えば、各チップは、実質的に矩形形状である(すなわち、各チップの面は実質的に矩形である)。
【0067】
したがって、チップの二次元形状は、部品の機械的特性を改善し、かつ/又はリサイクルされる要素の形状に適合するように最適化することができるパラメータである。
【0068】
チップの厚さは、例えば、200μm~1mmに含まれ得る。
【0069】
本発明はまた、チップによって形成され、かつ部品の20体積%~85体積%を占める繊維領域と、第2の硬化中に添加されて硬化される接着剤からなり、部品の残りを形成する非繊維領域と、を含む複合材料部品にも関する。
【0070】
本発明は、
- 炭素繊維及び第1の接着剤を含む複数の領域であって、炭素繊維は、同じ領域内で非ランダム配向を有し、炭素繊維を含む当該領域は、2つの平行な互いに反対側の面の間に規定された実質的に一定の厚さを有し、炭素繊維を含む当該領域のすべての炭素繊維は、実質的に平行な平面に沿って配向されている、複数の領域と、
- 第2の接着剤を含み、炭素繊維を含まない少なくとも1つの領域と、
を含み、
炭素繊維及び第1の接着剤を含む複数の領域は、第2の接着剤を含み、炭素繊維を含まない少なくとも1つの領域に少なくとも部分的に含まれる、複合材料部品にも関する。
【0071】
「当該領域中のすべての炭素繊維が実質的に平行な平面に沿って配向されている」という用語は、当該領域中に存在する炭素繊維が、実質的に平行な平面に沿って配向されており、かつ、これは、領域ごとに成されていることを意味している。
【0072】
「炭素繊維及び第1の接着剤を含む複数の領域が、第2の接着剤を含み炭素繊維を含まない少なくとも1つの領域に少なくとも部分的に含まれる」という用語は、炭素繊維を含まない少なくとも1つの領域の第2の接着剤が、炭素繊維及び第1の接着剤を含む複数の領域の表面積の、少なくとも75%、好ましくは少なくとも80%、更により好ましくは少なくとも85%、例えば、90%を包含していることを意味している。
【0073】
図5を参照して以下でより詳細に記載されるように、本発明による複合材料部品の断面図により、炭素繊維を含む複数の領域(図5に示された縞状の明るい灰色の部分、縞は炭素繊維である)と、炭素繊維を含まない少なくとも1つの領域(暗い灰色の部分)とを視覚化することができる。
【0074】
炭素繊維を含む領域は、複合材料部品全体にわたってあるパターンで分布することもできる。
【0075】
有利には、炭素繊維を含む領域は、部品の20体積%~85体積%を占める。
【0076】
繊維領域とも呼ばれる炭素繊維を含む領域は、実際には、複合材料部品に含まれるチップである。
【0077】
第1の実施形態によれば、第1の接着剤は第2の接着剤と同一であり、第1の接着剤は第2の接着剤より前に硬化されている。
【0078】
第2の実施形態によれば、第1及び第2の接着剤は異なる。
【0079】
そのような部品において、炭素繊維は、同じ領域内で実質的に平行、直交、及び/又は45°に配向させることができる。
【0080】
複合材料部品は、例えば、平坦又は湾曲パネルであり得る。
【0081】
本発明は更に、以下の工程を含む、複合材料部品の製造方法に関する:
- 第1の硬化中に硬化した接着剤中に炭素繊維を含む複合材料を準備する工程と、
- 複合材料をチップに切断する工程であって、各チップは、チップの2つの平行な互いに反対側の面の間に規定された実質的に一定の厚さを有し、各チップは、第1の硬化中に硬化した接着剤中に少なくとも部分的に含まれる炭素繊維を含み、チップの当該繊維の少なくとも大部分は、チップの当該互いに反対側の面に対して実質的に平行に延びている、工程と、
- チップを接着剤でコーティングする工程と、
- チップの絡み合い(すなわち、チップのネスティング及び/又は混合を形成する重ね合わせ)を形成するようにチップを配置する工程と、
- 第2の硬化と呼ばれる、液体接着剤を硬化させる工程。
【0082】
最後に、本発明は、そのような製造方法によって得られる可能性が高い複合材料部品に関する。
【0083】
本発明の他の特徴及び利点は、以下の説明において明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0084】
添付の図面では、非限定的な例として示されている。
図1図1は、本発明の一実施形態に従う方法を、ブロック図によって概略的に示す。
図2図2は、本発明の範囲内で実現することができるいわゆるランダムチップ配列を写真で示す。
図3図3は、本発明の範囲内で実現することができるいわゆる一方向チップ配列を写真で示す。
図4図4は、本発明の範囲内で実現することができるいわゆる二方向のチップ配列を概略的に示す。
図5図5は、本発明の一実施形態による複合材料部品の断面を50倍の倍率にて写真形態で示す。
図6図6は、チップが一方向に組織化されている、本発明の一実施形態に従うパネルの曲げ弾性率と、一方向に配向されている新しい炭素繊維を含有しているパネルの曲げ弾性率とをグラフの形態で示す。
図7a図7aは、チップの配列が非ランダムパターンによって行われる、本発明の一実施形態によって製造されたパネルの態様を例示する。
図7b図7bは、チップの配列が非ランダムパターンによって行われる、本発明の一実施形態によって製造されたパネルの態様を例示する。
図7c図7cは、チップの配列が非ランダムパターンによって行われる、本発明の一実施形態によって製造されたパネルの態様を例示する。
図8a図8aは、チップの配列が非ランダムパターンによって行われる、本発明の一実施形態によって製造された別のパネルの態様を例示する。
図8b図8bは、チップの配列が非ランダムパターンによって行われる、本発明の一実施形態によって製造された別のパネルの態様を例示する。
図9a図9aは、チップの配列が非ランダムパターンによって行われる、本発明の一実施形態によって製造された更に別のパネルの態様を例示する。
図9b図9bは、チップの配列が非ランダムパターンによって行われる、本発明の一実施形態によって製造された更に別のパネルの態様を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0085】
図1は、本発明の一実施形態に従う方法を、ブロック図によって概略的に示しており、本発明の一実施形態に従う複合材料部品を得ることができる。
【0086】
その方法は、以下に記載するステップを実現する。
【0087】
チップの切断(ステップS1)
【0088】
本発明の実現は、リサイクルされるべき炭素繊維に基づく複合材料要素からチップを形成することが必要である。
【0089】
そのためには、当該要素を機械的に切断することによってチップを得る。
【0090】
チップの切断は、ブレード装置などの切断機を用いて行うことができる。ブレード装置は、プレーナ型システムであってもよい。プレーナ型システムとは、通過した要素の表面から規則的な厚さの薄いスライスを分離することを可能にするブレードを備えた切断機のことである。
【0091】
要素がチップを形成するために切断されるとき、ブレード装置のブレードは、従来の仕方で、そのエッジが切断方向に対して平行な平面内において延びるように配置される。
【0092】
切断される材料は、それが含有する炭素繊維の組織に従って切断機に配置される。
【0093】
切断される材料中の繊維が一方向性である場合、すなわち、一方向のみに実質的に平行にマトリックス中に含まれる場合、繊維は、ブレード装置の前進方向に対して平行に配置される。
【0094】
繊維が織物ウェブの形態で含まれる場合、部品は、好ましくは、よこ糸又はたて糸がブレード装置の前進方向に対して実質的に平行であるように置かれる。
【0095】
繊維はまた、連続層中に配置することもでき、各層は一方向繊維を含むが、層は異なる繊維配向を有する。これは、例えば、「4方向」材料と呼ばれる材料の場合であり、その層は、0°(基準層)、90°、45°、-45°の連続的な相対配向を有することができる。
【0096】
ブレード装置は、有利には、そのブレードが、一方向繊維の2つの層であるか又は2つの織物ウェブであるかにかかわらず、繊維の2つの層の間で要素に切り込むように調整することができる。
【0097】
切断面は、有利には、繊維の層の完全性を可能な限り維持するために、繊維の層間に維持される。
【0098】
このようにして、複合材料の薄片が得られる。これらのスライスは、特に、200μm~1mm、好ましくは200μm~500μmに含まれる厚さを有することができる。
【0099】
切断される要素は、所望の長さを有するチップが切断機の出口で直接得られるように、切断機によってスライスに切断される前にチップにとって所望の長さにされる。
【0100】
あるいは、スライスは、続いてチップを得るために再切断される。典型的には、それらは、規則的な長さの微細な矩形のチップを形成するために、任意の好適な切断手段によって、例えば、鋸引きによって、横方向に切断される。もちろん、得られたスライスから他の形状のチップが切断される場合もある。
【0101】
例えば、平面パネルの製造では、長さ10cm~20cmのチップが得られ、以下に例示するように、機械的性能に関して非常に良好な結果を得ることができた。50cm又は更に1mの範囲など、より長い長さを実現することもできる。
【0102】
明らかに、上述の切断方法は、考慮される用途及び製造される量に応じて適合させることができる。
【0103】
リサイクルされる材料が、予めコーティングされているが未硬化の炭素繊維織物である場合、この材料は、最初に硬化され(熱硬化性樹脂でコーティングされた材料の場合は重合され)、次いで、チップの所望の形状に切断される。このような織物は、一般的に200μm~500μmに含まれる厚さを有し、このようにして得られたチップは、複合材料製の、特に成形された部品の形成のために本発明によって実現されるように完全に適合された厚さを有する。
【0104】
したがって、チップが形成されると、チップは、硬化樹脂中に少なくとも部分的に含まれる炭素繊維を含む微細要素の形態をとる。したがって、チップは、実質的に二次元部品の形態である(それらの厚さは、他の寸法と比較して非常に薄い)。チップの表面は、有利には少なくとも1cmであり、好ましくは3cmを超え、10cmの範囲内であり、又は更に大きく、例えば、最大約100cmである。
【0105】
チップのマトリックスの硬化は、成形による最終部品の形成の前であり、(部品の成形中に実行される、チップを結合することを目的とした部品のマトリックスの硬化と区別するため)第1の硬化と呼ぶ。
【0106】
炭素繊維は、チップの硬化樹脂中で配向される。好ましくは、それらは実質的に平行であり、互いに直交し、かつ/又は互いに45°で配向される。
【0107】
実質的に一定の厚さを有するチップの繊維は、2つの互いに反対側の面(その間に厚さが規定される)を含む。チップの切断は、炭素繊維をできる限り無傷に保つように行われる。これを行うために、チップは、繊維(それらの大部分、又は更にほとんどすべて若しくはすべて)がチップの互いに反対側の面に対して平行に延びるように切断される。したがって、繊維は、チップが延びている全般的な平面に対して平行な平面中に延び、チップの厚さが小さいにもかかわらず、大きな長さを有することができる。
【0108】
「大部分」という用語は、数において50%を超えることを意味し、
「ほとんどすべて」という用語は、数において90%を超えていることを意味する。
【0109】
コーティング(ステップS2)
【0110】
次いで、チップを成形する目的でチップをコーティングするために、チップを液体接着剤と混合する。
【0111】
このステップは、所望の部品を形成するように意図された金型内にチップを置く前に、又は金型内へ置いている間若しくは置いた後であっても、実行することができる。以下に、本発明の一実施形態に従う部品を得ることについて、パイロットスケール又はプロトタイプスケールで記載する。この例では、チップは、金型内に置かれる前に接着剤と混合される。
【0112】
プロトタイプスケールでは、混合は、例えば、アルミニウム製の好適な容器中で手動によって行うことができる。
【0113】
最初にチップを容器に秤量し(ステップS3)、次いで接着剤(例えば、樹脂/硬化剤系、下記参照)を調製し(ステップS4)、添加する。各チップが接着剤で均一に覆われると、コーティングは完了である。
【0114】
接着剤の添加及びチップと接着剤との混合は、自動的に行うことができる。チップ及び接着剤を撹拌するために自動ミキサーを使用することができる。
【0115】
チップに添加される接着剤の量は、製造されることが意図される部品(例えば、パネル)の特性によって決定される。
【0116】
添加される接着剤の量は、例えば、所望の機械的特性を得るための最終材料中のチップの所望の体積又は質量パーセント、及び使用される接着剤、特にその密度に依存する。
【0117】
適用される質量は、得ようとするパネルの厚さによっても決定される。
【0118】
有意な機械的性能が求められる多くの用途では、材料中のチップの割合を最大にすることが適切である。本出願人は、最大80質量%のチップを含有する部品を製造しており、最大85質量%のチップ、又はそれよりわずかに多いチップを含有する部品を問題なく製造することができると推定している。
【0119】
様々な接着剤を問題なく使用することができる。一般的に、炭素繊維を含む複合材料中のマトリックスとして使用されることが知られているすべての接着剤を使用できるが、考え得る例外としてチップ中に存在する硬化した接着剤と不適合な接着剤は除く。
【0120】
「不適合」という用語は、使用した接着剤が、チップ内に存在する硬化した接着剤との望ましくない化学反応を引き起こすか、又はチップとの機械的結合を形成するのにあまり好適でないことを意味している。
【0121】
例として、2つの2成分エポキシ系タイプの接着剤を以下に記載する。
【0122】
2成分エポキシ系は、エポキシ樹脂及び硬化剤を含む。
【0123】
樹脂と硬化剤が接触すると、重合が始まる。重合時間は、使用される系の性質に依存して変化する。
【0124】
例として挙げられる第1の2成分エポキシ系は、ADEKIT H9011(ADEKITは登録商標である)の名称でSIKA社によって販売されている系である。
【0125】
この系は、一般的な系であり、その製造業者の推奨に従って、多くの金属、セラミック、ガラス、ゴム、硬質プラスチックの接着の用途、又は一般的な材料の結合の用途に使用することができる。これはほとんどの産業技術用途に好適である。
【0126】
樹脂は、明るい琥珀色であり、25℃で1.16の密度、及び25℃で25~50Pa.sの粘度を有する。硬化剤は、琥珀色であり、25℃で0.96の密度及び25℃で20~40Pa・sの粘度を有する。2つの混合物は、明るい琥珀色であり、重合後の23℃における密度は1.07であり、25℃における粘度は25~50Pa・sである。樹脂/硬化剤混合物の混合質量比は100/80であり、25℃における体積比は100/100である。25℃で110gにおいて2つの成分を接触させた後に混合物を使用することができる期間(一般的に「ポットライフ」という表現で呼ばれ、所与の質量及び温度について与えられる)は、100分である。
【0127】
一旦硬化した接着剤は透明性であるため、最終部品中のチップを見ることが可能である。
【0128】
例として挙げられる第2の2成分エポキシ系は、SICOMIN社によって「SR 1700 EPOXY RESIN+SD 2803 STANDARD CURING AGENT」の名称で市販されている系である。
【0129】
この系は、一般的な系であり、その製造業者の推奨に従って、ボート、車体及び模型製作などの様々な分野における積層用途に使用することができる。
【0130】
混合物は、20℃で0.6~0.7Pa・sの粘度を有する。樹脂/硬化剤混合物の質量混合比は100/39であり、体積比は100/45である。20℃で500gにおいて2つの成分を接触させた後に混合物を使用することができる期間(一般的に「ポットライフ」という表現で呼ばれ、所与の質量及び温度について与えられる)は、120分である。
【0131】
上述したように、本発明の様々な実施形態に従う部品を形成するために、多数の接着剤を使用することができる。特に、複合材料製造用途を意図した系(注入樹脂、射出樹脂、積層樹脂)だけでなく、接着剤として構造用途のために提供された系。
【0132】
系は、特に、25℃で1.03~1.38に含まれる密度を有し得る。それらの動的粘度は、特に0.4~80Pa・sであり得る。それらは、特に、2GPa~4GPaに含まれる弾性率(硬化後)を有し得る。
【0133】
これらの接着剤の重合は、周囲温度、又は70℃の範囲のより高い温度で行うことができる。
【0134】
重合時間は、熱硬化性接着剤系に依存して実質的に異なり、系の選択は、機械的特性及び所望のサイクル時間に応じて、この重合時間にも左右される場合がある。
【0135】
あるいは、接着剤は熱可塑性樹脂であってもよい。
【0136】
最後に、(以下に説明するように)接着剤に添加することができる着色添加剤とは無関係に、各接着剤は、特定の色及び特定の透明度(又は不透明度)を有する。これを活用して、最終部品の所望の外観を得ることができる。
【0137】
チップをコーティングする前に、接着剤、例えば、グルー/硬化剤混合物に添加剤を添加することもできる。
【0138】
添加剤(複数可)は、染料、顔料、顔料ペースト(樹脂と既に混合された顔料)を含んでいてもよい。
【0139】
透明な樹脂の有意な着色は、樹脂/硬化剤混合物の質量に対して、わずか0.94%のペーストを混合することによって得ることができた。この割合は、混合物に非常に不透明な色を与えるのに十分であった。色は、成形後に得られる部品、例えば、パネルについて見ることができる。
【0140】
部品の表面上のチップは、目に見えたままであり、部品に対して価値ある技術的な外観を与えた。
【0141】
試験された市販の様々な着色添加剤(顔料、顔料ペーストなど)を用いて、最大でも5質量%の顔料及び/又は最大でも5質量%の染料で良好な着色が得られる。
【0142】
添加剤(複数可)は、充填剤を含むこともできる。充填剤とは、その特性を変化させるために、及び/又は等体積でそのコストを下げるために接着剤に添加することができるすべての粒子状要素を指す。考慮される充填剤としては、特に、最終部品の特定の特性、特に、引っかき又は摩耗に対するその耐性を改善する可能性がある無機又は有機粒子が挙げられる。
【0143】
これらの充填剤は、ほとんどの場合、粒径がナノメートル又はマイクロメートルの大きさの範囲にある粒子の形態に無機性を有するもの(アルミニウム、カルシウム充填剤など)である。
【0144】
接着剤は、ガラスマイクロビーズを含んでもよい。
【0145】
使用済み充填剤は、例えば、リサイクルされる要素の調製及び切断の操作からの炭素ダストを含んでもよい。したがって、この場合、それは有機充填剤である。
【0146】
成形(ステップS5)
【0147】
次いで、チップと接着剤との混合物を成形する。
【0148】
上で説明したように、接着剤は、金型のトッピングを作製するために任意選択的に使用される(ステップS6)。トッピングは、表面上に樹脂の層を作出することを可能にし、製造された部品に美しい表面仕上げ、例えば、滑らかな表面仕上げ、又は金型によって提供される表面仕上げに完全に適合する表面仕上げを与える。
【0149】
トッピングの代替として、オーバーモールドを行うことができる。これを行うために、重合(下記参照)の終わりに、樹脂を金型に注入して成形部品を覆い、トッピングの効果と同様の効果を得る。オーバーモールド中の高い射出圧力は、成形部品の表面に機能要素(溝、ノッチ、レールなど)を追加すること、又は所望の表面外観を作り出すことを可能にし得る。
【0150】
トッピング又はオーバーモールドの代わりに、又はそれに加えて、ゲルコート(ゲルコートと言い換えることができる)を金型に適用することができる。そして、ゲルコートの代替として、トップコート(仕上げコートと言い換えることができる)を、成形された部品に適用することができる。
【0151】
以下、平面パネルを製造する場合を考える。
【0152】
使用される金型は、雌型インプリントと呼ばれる凹部と、対応する雄型インプリントを形成する部分とを有する。
【0153】
コーティングは、雌型インプリントの表面上及び雄型インプリントの表面上に作製される。平面パネルの場合、雌型インプリントの表面積は、雄型インプリントの表面積に等しく、以下の規則を使用することができる。
【0154】
各側について、使用される接着剤量の10%を、過剰な接着剤量の半分にプラスして(すなわち、意図的に過剰に提供され、成形中に排出される接着剤の量)、適用する。
【0155】
雄型インプリントの側に作製されるトッピングについては、以下に記載するように、雄型インプリントの表面上に、又は雌型インプリント中に置いたチップ上に、接着剤を堆積させることができる。
【0156】
例えば、使用されるグルーの量が68gであり、過剰なグルーが5gである場合、トッピングのためのグルーの量は、各側に対して9.3g、すなわち合計で18.6gとなる。
【0157】
トッピングを作り出すために、グルーは、可撓性アプリケータを使用して適用されてよい、又は被覆されるべき壁上に投入されてもよい。生産規模に応じて、このステップは、オペレータによって、又は自動的に実行することができる。
【0158】
トッピング及び/又はチップの配置前に、成形された部品の取り出しを容易にするために、離型剤を金型の内面に適用することができる。
【0159】
チップが接着剤と混合されると、チップは、金型の雌型インプリント中に配置され、次いでプレス成形で仕上げられるべきである。
【0160】
考慮される生産規模に応じて、チップを置くことは、テンプレート又は視覚的合図(例えば、レーザによって形成されるガイド)を使用して手動で、又は自動的に行うことができる。
【0161】
接着剤で覆われたチップは、抽出プレート上の金型の雌型インプリント中に置かれる。抽出プレートは、プレス動作の後にパネルが金型から抽出されることを可能にする。それはまた、形成されるパネルの厚さを適合させるために使用することもできる(いくつかの厚さを、抽出プレートの厚さを変化させることによって、同じ金型で作製することができる)。抽出プレートが使用される場合、抽出プレートは、金型の内面を形成し、したがって、必要に応じて接着剤が、また必要に応じて予め離型剤が、トッピングされる抽出プレートである。
【0162】
金型中にチップを配列するステップ(ステップS7)は、形成されるパネル(又はより一般的には部品)の機械的特性にとって重要であり得る。
【0163】
チップが一方向炭素繊維を有するという仮説から出発して、チップは、3つの主なタイプの分布に従って金型中に配列することができる。
【0164】
第1の配列は、ランダム配列と呼ばれる。「ランダム」という用語は、チップが様々な配向で配列され、不規則に互いに重なり合っていることを意味している。いわゆるランダム配列が、図2に示されている。図2は、チップがいわゆるランダム配列を有する本発明の一実施形態による平面パネルの表面をより具体的に表している。ここで使用されるチップは矩形である。ランダムチップ配列1を有するパネルは、一般的に、その機械的特性に関する限り、それが延びている平面中で実質的に等方性である。
【0165】
金型においてチップ1のランダムな配列が行われる場合、それにもかかわらず、本出願人は、特に、厚さの小さいパネル(典型的には2mm以下)では、チップを重ね合わせることによって空く容積を最小限に抑える必要があることに気付いた。
【0166】
第2の配列は、一方向配列と呼ばれる。いわゆる一方向配列の例が、図3に示されている。この配列によれば、チップは、すべて同じ方向(A)に配列され、すなわち、異なるチップに含有される炭素繊維は、すべて実質的に同じ方向に配向される。プラス又はマイナス10°の範囲の角度公差は、許容可能である。この公差は、チップ10の理論上の方向(A)と各チップの全体的な延びる方向(典型的には、矩形チップの場合、チップの長さに沿った方向)との間に形成される角度αによって測定される。更に、チップの最大10%が、所望の配向及び角度公差を満たしていないことが許容される。それにもかかわらず、不正確に配向されたチップの角度及び/又は割合の公差をより小さくすることができ、これは所望の機械的特性を得ることに寄与する。したがって、チップ1は、同じように配向されるが、パネルの弱さを引き起こし得る構造に従う互いに対する厳密な組織化は成されない。したがって、チップの長手方向のアライメントを保証しながら、チップを長手方向及び横方向に不規則に配列することが好ましい。この配列により、その機械的特性に関して異方性パネルを得ることができる。これらの特性、特に、曲げ強度及び破壊強度は、チップ及び繊維のアライメントの方向(A)では非常に有利であり、繊維に直交する方向(B)においては不利である。
【0167】
第3の配列は、多方向配列と呼ばれ、例えば、二方向配列と呼ばれる。いわゆる二方向配列の例が、図4に示されている。それは、隣接するプライ間で異なるチップ配向を有するいくつかのプライ(各々がチップの1つ以上の層を含む)を作製することから構成されている。例えば、矩形のチップでは、1つのプライのチップを隣接するプライのチップに対して90°に配列して、プライを交互にすることが可能である。したがって、二方向配列は、前述のように一方向層のスタックとして定義することができる。2つのプライが、すなわち、チップが第1の方向(x)に配向されている上側のプライと、チップが方向(x)に直交する方向(y)に配向されている下側の折り重なりとが(すなわち、チップの重ね合わせを例示するために、各プライの特定のチップのみが表されている)図4に部分的に示されている。ここで例として挙げた平面パネルのチップは、(x,y)平面に対して平行に配置されている。
【0168】
上述の原理によれば、任意の多方向配列が考慮され得る。
【0169】
上で提示した配列は、薄い平面パネルに関する。有意な厚さを有する部品(例えば、立方体)又は複雑な三次元形状を有する部品を形成するために、上述したようなランダムな、一方向の、又は二方向の構成を形成するチップの延びている平面に直交している成形のためのチップを配置することもできる。部品の厚さを貫通して延びているこれらのチップは、それらの延びている方向における部品の機械的特性を増大させる。直交座標系(x,y,z)を考慮すると、図4に示されるように、チップの大部分は、平面(x,y)に対して平行な平面内に配向され、z方向に、(例えば、(x,z)平面又は(y,z)平面に対して平行に、直交して配置されるチップは、したがって、部品をz方向に機械的に補強する。
【0170】
一般的に、チップの配列は、それが純粋にランダムでない限り、チップは特定のパターンを形成し、それを繰り返して、パネル(又はより一般的には部品)を形成するような配列であり得る。
【0171】
パターンは、三次元におけるチップ間のいくつかのチップの特定の配列に対応している。したがって、純粋にランダムな配列を除いて、他の考慮される配列(一方向、二方向、多方向、適切な場合にはチップの三次元配列など)は、チップのパターンの繰り返しとみなすことができる。
【0172】
チップの非ランダム配列により得ることができる利点を例示するパターンの例を以下に示す(実施例III及び実施例IV)。
【0173】
使用済みチップの配列、幾何学的形状、サイズ及びプライの厚さは、意図される用途に応じて適合させることができる。
【0174】
ある程度まで、チップが長ければ長いほど、機械的特性はより良好である。しかしながら、実際には、形成され使用することができるチップの長さは、リサイクルされる要素及び新たに形成される部品に依存し、特に、それらの幾何学的複雑さに依存する(複雑な幾何学的形状を有し、かつ/又は多数の幾何学的詳細を有する湾曲部品よりも、大きな平面パネルに大きな長さのチップを組み込む方が容易であることは全く明らかである)。原則として、長さなどの最大寸法が3~20cmに含まれるチップを実現することが有利である。
【0175】
好ましくは、部品の外面(例えば、パネルの2つの互いに反対側の面)を形成するプライは、長手方向に、すなわち、部品の主要な延びている方向に配向されている、又はこの方向が決定できない場合には、任意に固定された方向に配向されているそのチップ11を有し、内側プライ又は2つの内側プライごとに1つのプライは、横方向に(すなわち、長手方向に配向されているチップに対して直角に)配向されているそのチップ12を有する。各プライの厚さを変えることによって、これらの2つの方向におけるパネルの性能を変えることも可能である。
【0176】
上述したすべての配列において、各プライは、1つ以上のチップ層を有することができる。
【0177】
チップが金型の雌型インプリント中に配置されると、雄型インプリントを配置することによって金型が閉じられる(金型閉鎖ステップS8)。
【0178】
金型は、金型の内容物を圧力下に置くために起動されるプレスに設置される(プレス成形ステップS9)。パネルプロトタイプは、20トン力(約1600daN)の力を加えることによって製造された。それにもかかわらず、実質的には、より低い圧力でも十分であり得る。熱硬化性樹脂を使用する場合、重合は周囲温度で行うことができる。有利には、重合を促進するために金型を加熱することができる。効率的かつ均一な加熱(70℃の範囲の温度が望ましい可能性がある)を得るために、金型の両側に2つの加熱プレートを使用することができる。加熱を調節し、接着剤の重合の発熱性を考慮するために、例えば、PIDタイプ(比例、積分、微分)の閉ループ制御を使用することができる。
【0179】
変形することなく取り扱うことができる部品を作製するのに十分に接着剤が硬化したときに、部品は離型される(離型ステップS10)。しかしながら、重合は、離型時に必ずしも完全に完了しているわけではない。これにより、他の成形のためにプレスを解除することが可能である。
【0180】
部品の硬化を完了させるために(ステップS11)、部品は、典型的には70℃のオーブン内に置くことができる。
【0181】
ADEKIT H9011系については、重合時間は70℃で16時間である。比較のために、この接着剤の完全な重合は、周囲温度で約1週間かかる。
【0182】
したがって、上記の方法により、リサイクルすることが望ましい炭素繊維に基づく複合材料要素から形成された複合材料で作製された成形部品を得ることが可能である。
【0183】
上記の方法は、部品の成形を実現する。あるいは、他の造形技術を使用することができる。例えば、プルトルージョン法やカレンダー法が使用され得る。
【0184】
本発明に従う部品を得ることを可能にするプルトルージョン法では、チップは、ノズル内でコーティングかつ配向され、(第2の)硬化を受ける樹脂中で所望の配列で当該ノズルを出る。プルトルージョンは、特に、非常に長い部品(ビーム、パネルなど)を得るために使用することができる。
【0185】
本発明に従う部品を得ることを可能にするカレンダー法では、重合のプロセス中であり、正確に配列されたチップを含む接着剤の塊が、薄い部品、例えば、薄いパネルを形成するためにローラ間隙を通過する。
【0186】
一般的にその再利用のために炭素繊維を抽出することを目的とする既知のリサイクル法とは異なり、本発明では、繊維が、少なくとも部分的に、リサイクルされた要素の硬化マトリックスに含まれたままであるチップを形成することが提案される。
【0187】
多くの部品の幾何学的形状を得ることができる。
【0188】
図5は、本発明の一実施形態による複合材料部品の断面を倍率50倍の写真形態で示している。この場合、図5は、互いに平行に配置され、かつマトリックス2中に含まれたチップ1を含む平面パネルの断面を示している。図5のチップ1は、矩形のチップであり、長手方向において一方向に配列されている。作製されている断面は、当該パネルが延びている平面に対して直角な、パネルの長手方向断面である。
【0189】
この断面写真では、チップ1は、明るい灰色の縞状部分として認められ、縞は、炭素繊維3に対応し、炭素繊維3の間に位置するチップ内部の領域は、第1の硬化中に硬化した接着剤に対応している。
【0190】
第2の硬化中に硬化した接着剤から形成され、チップ1が含まれるマトリックス2は、図5において暗灰色に見える炭素繊維のない領域に対応している。
【0191】
チップ1は、マトリックス2とは別個のままであり、各チップ1とマトリックス2との間の結合界面は知覚可能である。したがって、図5により、各チップが、小さい厚さeの本質的に二次元の要素であることを視覚化している。チップの厚さeは、チップ1の2つの平行な面4の間で測定される(厚さは、従来、面4の間の最小距離であり、すなわち、これらの面4に対して直角に測定される)。
【実施例
【0192】
実施例I:本発明により得られたパネルの特性評価
本出願人は、本発明によって得られた材料の機械的特性に関する特性評価試験を行い、以下の実施例に記載した。
【0193】
以下に結果を示す試験は、23cm×23cmの寸法であり、3.5mm~3.6mmに含まれる厚さを有するプロトタイププレート上で実施した。
【0194】
本実施例で提示する試験で使用されるチップは、エポキシ樹脂タイプの接着剤中に含まれる一方向配列の炭素繊維を含む複合材料要素からのものである。使用される要素は、航空産業からのものである。複合材料は、「UDカーボンプレート」材料と同一又は類似の特性を有し、その特性を以下の表1に示す。
【0195】
使用されるチップは矩形であり、長さ1は100mm、幅bは9mmを有し、厚さは0.3mm~0.5mmに含まれる。
【0196】
プレートは、図1を参照して前述したような方法に従って製造する。
【0197】
金型を離型剤でコーティングし、上記の条件下でトッピングする。
【0198】
使用した接着剤は、上記で想起された製造業者の推奨に従って使用したADEKIT H9011系である。
【0199】
チップは金型内に手動で配置する。
【0200】
接着剤に対するチップの比率は、特に明記しない限り、完成したプレートにおいて質量に基づいて65/35である。
【0201】
成形は、プレス下で、20トンの力を適用することによって、かつ温度を約70℃に制御することによって、行う。
【0202】
金型から取り出した後、測定に使用する前に、プレートを周囲温度(20℃)で1週間保持する。
【0203】
試験により、以下の表に示す結果を得ることができた。
【0204】
実施形態に従うプレートの特性は、基準材料と比較して、表中に提示される。
【0205】
【表1】
「UDカーボンプレート」とは、新しい一方向炭素繊維に基づく複合材料で作製されたプレートのことである。
【0206】
「二方向カーボンプレート」は、二方向に組織化された新しい炭素繊維に基づく複合材料のプレートに対応し、すなわち、長手方向繊維を有する層と横方向繊維を有する層とが等しい数で交互になっている。
【0207】
「プレートUD1」及び「プレートUD2」は、上記のように得られた本発明の実施形態に従う複合材料プレートに対応し、そのチップ、したがって繊維は、一方向配列によって配置される。
【0208】
「BD1プレート」は、チップ及び繊維の二方向配列を有する材料に対応し、すなわち、試験されたプレートは、チップ、したがって繊維が長手方向一方向配列で配置されている2つの外部プライ(部品の外面を形成している)と、チップ、したがって繊維が横方向一方向配列で配置されている内部プライとを有する。内側プライは、各外側プライの厚さの2倍の厚さを有する。
【0209】
「BD2プレート」は、チップ及び繊維の二方向配列を有する材料に対応し、すなわち、試験されたプレートは、チップ、したがって繊維が長手方向一方向配列で配置されている2つの外側プライと、チップ、したがって繊維が横方向一方向配列で配置されている内側プライとを含む。内側プライは、各外側プライの厚さの約6倍の厚さを有する(参照下のパネルのプレートBD2に対して長手方向及び横方向のこれらの方向において等方性挙動を提供する)。
【0210】
注目すべきことに、プレートUD2(65質量%のチップを有する)の曲げ弾性率及び引張強度は、基準UDカーボンプレートについて、すなわち、同等の新しい一方向繊維(使用済みのチップを抽出することができる)に基づく複合材料について得られた値の50%よりも有意に大きい。特に、得られた曲げ弾性率は、長手方向において、炭素繊維に基づく同等の新しい一方向材料の曲げ弾性率の57%に等しい。これらの結果を、パネルの質量で合わせると(密度について観察された差を考慮に入れる)、プレートUD2(65質量%のチップを有する)の曲げ弾性率は、基準UDカーボンプレートの曲げ弾性率の63%に等しい。
【0211】
二方向組織化で得られたパネルに関して、プレートBD2は同様の結果を提供する。実際、長手方向及び横方向の両方において、プレートBD2の曲げ弾性率及び引張強度は、二方向カーボンプレートについて得られた値の50%を有意に超える。
【0212】
更に、プレートBD1は、横方向におけるより低い性能を犠牲にして、長手方向において基準二方向カーボンプレートと同一の曲げ弾性率(したがって、等しい質量では、長手方向において新しいパネルよりも大きい性能)を提供する。
【0213】
上に示した結果は、高い機械的性能を有するリサイクル材料が得られることを示している。これらの結果は、接着剤の添加量に対して更に増加させることができる割合のチップ(示した実施例では最大で65/35の質量比)を含む材料について得られる。しかしながら、本出願人は、チップのパーセントが、材料内の繊維のパーセントを誘導することから、得られる機械的性能に直接影響を及ぼすことを観察した。特に、プレートUD2(65質量%のチップを含む)の曲げ弾性率は、プレートUD1(50質量%のチップを含む)の曲げ弾性率よりもほぼ50%高い。破壊強度は、20%を超えて増加する。
【0214】
したがって、本発明は、簡単な製造方法によって、ケミカル又はサーマルリサイクル法と比較して環境への影響が低い、ほぼ70%の機械的性能、特に70%の曲げ弾性率を有するリサイクル材料を、及び(同一質量で最大75%~80%の性能である)新しい繊維に基づくものと同等の材料を得ることを可能にする。
【0215】
更に、一層高い性能を達成することができ、本出願人は、65質量%を超えるチップを含有する部品を問題なく製造した(この場合は、最大78質量%であり、約85質量%のチップを含有するパネルが実現可能であるように思われる)。
【0216】
実施例II:本発明によって得られたパネルの特性評価
図6は、チップが一方向に組織化されている本発明の実施形態に従うパネルの曲げ弾性率と、一方向に配向された新しい炭素繊維を含有するパネルの曲げ弾性率とを表している。
【0217】
曲げ弾性率が縦座標にプロットされている。
【0218】
横座標は、測定を行った角度を示している。0°の角度は繊維又はチップの延びている方向に対応し、90°は繊維及び/又はチップに対する横方向に対応している。
【0219】
三角形は、本発明の実施形態による材料のプレート上で行われた測定に対応しており、一方向炭素繊維を含む要素から形成されたそのチップは、一方向に組織化され、チップ及びチップが含有する繊維の延びている方向において測定された曲げ弾性率は47GPaである。
【0220】
円は、新しい一方向炭素繊維に基づく新しい複合材料から形成された同等のプレートについて計算された理論曲げ弾性率を表しており、プレートが含有する繊維の方向における曲げ弾性率は47GPaである。
【0221】
驚くべきことに、本発明によって形成された複合材料について行われた測定は、新しい同等の連続繊維で形成された材料について得られた理論値と完全に一致しているのは明らかである。したがって、本発明によって形成された要素の機械的特性は、一方向に組織化された繊維と、プライにおける組織化とを含むチップについては、少なくとも、新しい同等の連続炭素繊維に基づく複合材料に一般的に適用される知識に従って予測可能である。
【0222】
実施例III:織炭素繊維を含むチップパターンで作製されたプライを含む積層パネル
この実施例は、2つの異なる非ランダムパターンのチップを使用するパネルの形成に関し、各パターンは、チップの層を形成することを可能にし、2つのパターンに従って形成されたチップの層は、パネルにおいて交互に配列される。
【0223】
参照のために、以下の表に示した機械的特性は、いわゆる「セミランダム」チップ配列によって形成された230mm×230mm×4mmの寸法を有する積層パネルについて測定した。このような配列では、チップは、金型の良好な充填を得るために、金型中に手動で置くが、それにもかかわらず、特定の又は反復的なパターンは作り出さない。
【0224】
基準パネルを形成するために、60mm×60mm×0.4mmの寸法のチップを使用した。
【0225】
これらの実施例において、チップは、織物ウェブにおいて配列された織炭素繊維を組み込んでいる複合材料を切断することによって得る。チップを形成するための切断は、可能な限り層間で行う。
【0226】
パネルを得るための接着剤及び条件は、実施例Iに記載したものと同様である。
【0227】
このようにして形成されたプロトタイプパネルの曲げ特性(規格ISO 14125:1998によって3点曲げ試験によって決定される)並びに密度を、以下の表2に要約する。
【0228】
以下の表2に提示した平均及び偏差は、各々6回の測定から得ている。
【0229】
【表2】
変動係数CVは、平均に対する標準偏差の比率であり、パーセントで表される。変動係数の値が高いほど、平均付近の分散が大きい。
【0230】
したがって、測定された曲げ特性は、異なる製造されたプロトタイプ間で有意な変動を示す。特に、変動係数は、機械的特性について10%よりもはるかに高いことが注目される。
【0231】
次いで、同じ寸法(すなわち、230mm×230mm×4mm)の積層パネルを形成し、チップは、基準パネルと同じ材料で、同じ厚さで得た。
【0232】
図7a、7b及び7cを参照して記載したパターンを構成するために、以下の寸法を有するチップを使用した:
A:60×60×0.4mm
B:60×48×0.4mm
C:60×30×0.4mm
D:60×18×0.4mm
E:48×48×0.4mm
F:30×30×0.4mm
G:30×18×0.4mm
H:18×18×0.4mm
図7aは、チップが端から端まで配列されている第1のパターンを表しており、230mm×230mmの層を形成している。
【0233】
使用したチップの符号(上記リストによるA~H)は、各々表されたチップに示されている。
【0234】
図7bは、チップが端から端まで配列されて、230mm×230mmの層を形成する第2のパターンを表している。
【0235】
使用したチップの符号(上記リストによるA~H)は、各々表されたチップに示されている。
【0236】
パネルを形成するために、チップを、金型内に置き、第1のパターンの層と第2のパターンの層とを交互にしている。
【0237】
図7cは、第1のパターンの層(点線)と第2のパターンの層(実線)との重ね合わせを表している。
【0238】
このパネルの形成の背後にある考えは、機械的に弱い領域を構成する可能性がある2つのチップ間の当接領域が、常に2つのチップの間に挟まれるようにすることである。
【0239】
チップの厚さの制御及び定常性が、各々の層(プライとも呼ばれる)の厚さを規定するのはこの寸法であるために重要であることには留意されたい。
【0240】
しかしながら、プライの厚さは、(リサイクルされるか否かにかかわらず)積層体の形成において重要なパラメータである。したがって、一定のチップ厚さを有することにより、プライの厚さ、配列、形成されるパネル(又は部品)の厚さ、並びにその機械的特性を制御することが可能となる。
【0241】
上記のようにして得られたプロトタイプパネルを3点曲げ試験でも試験し、それらの密度を測定した。得られた値を以下の表3に要約する。
【0242】
【表3】
したがって、ランダムでない繰り返しパターンの採用は、ここで与えられた実施例の構成によって、約30%の引張強度値の増加がもたらされる。
【0243】
これは、パネルの弱い領域が減少したことを意味する。
【0244】
更に、異なるパネル間の機械的特性の変動は、基準パネルと比較して大幅に減少した。曲げ特性の変動は、引張強度の変動係数が10%に制限されるように、基準パネルと比較して半減された。パネル密度の変動は非常に小さい。
【0245】
したがって、チップの反復パターン(又は複数のパターン)及び非ランダム配列を制御することにより、均質な材料を得ることができ、その均質な材料は、機械的特性を最適化することができ、制御され、予測可能であり、変動がほとんどない。
【0246】
実施例4:一方向炭素繊維を含むチップパターンで作製されたプライを含む積層パネル
この実施例は、2つの異なる非ランダムパターンのチップを使用するパネルの形成にも関し、各パターンは、チップの層を形成することを可能にし、2つのパターンに従って形成されたチップの層は、パネルにおいて交互に配列される。
【0247】
参照のために、以下の表に示した機械的特性は、いわゆる「セミランダム」チップ配列によって形成された230mm×230mm×4mmの寸法を有する積層パネルについて測定した。このような配列では、チップは、金型の良好な充填を得るために、金型中に手動で置くが、それにもかかわらず、特定の又は反復的なパターンは作り出さない。
【0248】
これらの実施例において、チップは、一方向炭素繊維を組み込んでいる複合材料を切断することによって得る。
【0249】
使用したチップは、100mm×10mm×0.4mmの寸法を有する。
【0250】
パネルを得るための接着剤及び条件は、実施例Iに記載したものと同様である。
【0251】
このように形成されたプロトタイプパネルの曲げ特性(規格ISO 14125:1998に従って3点曲げ試験によって決定される)並びに厚さを以下の表4に要約する。
【0252】
【表4】
以下に説明するように、以下の寸法を有するチップを用いてパネル(パネル1及びパネル2)を形成した。
I:100×10×0.4mm
J:70×10×0.4mm
K:65×10×0.4mm
L:55×10×0.4mm
M:25×10×0.4mm
次いで、同じ寸法(すなわち、230mm×230mm×0.4mm)の積層パネル(パネル1)を形成し、チップは、基準パネルと同じ材料で得た。
【0253】
図8aは、チップが端から端まで配列されている第1のパターンを表しており、230mm×230mmの層を形成している。
【0254】
図8bは、チップが端から端まで配列されて、230mm×230mmの層を形成する第2のパターンを表している。
【0255】
パネル1は、図8aのパターン及び図8bのパターンによって、チップの層を交互に重ねることによって形成される。
【0256】
使用したチップの符号(上記リストによるI~N)は、各々表されたチップに示されている。
【0257】
次いで、同じ寸法(すなわち、230mm×230mm×4mm)の積層パネル(パネル2)を形成し、チップは、基準パネルと同じ材料で得た。
【0258】
図9aは、チップが端から端まで配列されている第1のパターンを表しており、230mm×230mmの層を形成している。
【0259】
図9bは、チップが端から端まで配列されて、230mm×230mmの層を形成する第2のパターンを表している。
【0260】
使用したチップの符号(上記リストによるI~N)は、各々表されたチップに示されている。
【0261】
上記の得られたプロトタイプパネル(パネル1及びパネル2)もまた、3点曲げ試験に従って試験し、それらの厚さを測定した。得られた値を以下の表5に要約する。
【0262】
【表5】
反復パターン及びチップの制御された配列を使用するという事実は、機械的特性に関して、いわゆるセミランダム配列(基準パネル)で得られる結果よりも良好な結果を必ずしも意味しないことに留意されたい。
【0263】
配列1により、基準パネルの機械的特性と同等の機械的特性を有するパネルを得ることができるが、曲げ引張強度に関してはより高い変動がある。
【0264】
非ランダム装置では、パネル厚さの変動率は非常に低い。したがって、パネルを作製するために非ランダムパターン(又は複数の非ランダムパターン)を使用するという事実は、製造されたパネルの厚さの変動を制限することを可能にする。実際、上記したパネルは、すべて同じ数のプライを有するが、チップの「セミランダム」配列は、同じプライ中の特定のチップの重なりをもたらす。この結果、パネルの厚さが大きくなり、パネルごとの厚さの変動も大きくなる。
【0265】
パネル2は、曲げにおいて、セミランダム配列と比較して同様の変動と共にはるかに良好な結果、すなわち、基準パネルと比較して曲げ弾性率で25%超、及び引張強度で15%超良好な結果を得るが、同時に、パネル2は、上記で説明した理由のために、より薄い。
【0266】
したがって、実施例III及びIVは、全体として、非ランダム反復パターンの使用が、本発明によって形成された部品の機械的特性を改善可能とし得ることを示している。また、部品特性の変動を小さくすることもできる。得られる特性が、より良好に制御され、安定で、予測可能であることから、部品の最も正確なサイズ設定が可能になる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7a
図7b
図7c
図8a
図8b
図9a
図9b
【国際調査報告】