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特表2025-501135物体を塗装するための方法及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-17
(54)【発明の名称】物体を塗装するための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   B05D 1/02 20060101AFI20250109BHJP
   B05B 12/00 20180101ALI20250109BHJP
   B05D 3/00 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
B05D1/02 B
B05B12/00 A
B05D1/02 J
B05D3/00 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024538425
(86)(22)【出願日】2022-12-20
(85)【翻訳文提出日】2024-08-02
(86)【国際出願番号】 US2022082051
(87)【国際公開番号】W WO2023122613
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】63/265,939
(32)【優先日】2021-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520190045
【氏名又は名称】アクサルタ コーティング システムズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100162824
【弁理士】
【氏名又は名称】石崎 亮
(72)【発明者】
【氏名】ループ ロバート ケイ
(72)【発明者】
【氏名】ジャワディワル アシシュ
(72)【発明者】
【氏名】カラブリア アンソニー ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ムーア ジョン アール
(72)【発明者】
【氏名】キャニング ジュニア ロバート ヴィ
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー ブライアント シー
(72)【発明者】
【氏名】ティアガラジャン プラヴィーン
【テーマコード(参考)】
4D075
4F035
【Fターム(参考)】
4D075AA01
4D075AA37
4D075AA85
4D075AC06
4D075AC07
4D075AC93
4D075BB91X
4D075BB99X
4D075EA05
4F035AA03
4F035BA21
4F035BB07
4F035BB08
4F035BB09
4F035BC02
4F035CA01
4F035CA05
4F035CB03
(57)【要約】
物体をロボット塗装する方法及びシステムが提供される。一実施例では、本方法は、スキャナロボット機構を提供するステップを含む。スキャナロボット機構は、3Dスキャナ、ロボット、及び少なくとも1つのプロセッサを含む。少なくとも1つのプロセッサと通信している3Dスキャナで、物体が検出され、塗装されるエリアが決定される。アプリケータは、少なくとも1つのプロセッサと通信しているロボットで、物体のエリアからオフセットされて保持される。アプリケータは、塗料を含む塗料供給源と流体連通している。アプリケータは、物体のエリア上にアプリケータから塗料を堆積させながら、少なくとも1つのプロセッサと通信しているロボットで、物体のエリアに対して移動される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体をロボット塗装する方法であって、
3Dスキャナと、ロボットと、前記3Dスキャナ及び前記ロボットと通信する少なくとも1つのプロセッサと、を備えるスキャナロボット機構を提供するステップと、
前記少なくとも1つのプロセッサと通信して、前記3Dスキャナで物体を検出するステップと、
前記少なくとも1つのプロセッサと通信して、前記3Dスキャナを用いて、塗装される前記物体のエリアを決定するステップと、
前記少なくとも1つのプロセッサと通信して、前記ロボットを用いて前記物体の前記エリアからオフセットされたアプリケータを保持するステップであって、前記アプリケータが、塗料を含む塗料供給源と流体連通している、前記アプリケータを保持するステップと、
前記塗料を前記アプリケータから前記物体の前記エリアに堆積させながら、前記少なくとも1つのプロセッサと通信して、前記ロボットを用いて前記物体の前記エリアに対して前記アプリケータを移動させるステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
塗装ブースを提供するステップと、
前記アプリケータを保持して移動させる前に、前記物体を前記塗装ブースに移動させるステップと、
を更に含み、
前記アプリケータを保持して移動させるステップが、前記ロボットが前記塗装ブースに配置された状態で前記アプリケータを保持して移動させて、前記物体の前記エリアに前記塗料を堆積させるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
(i)前記ロボットが、前記塗装ブースに配置された床置き型ロボットであるか、又は(ii)前記ロボットが移動可能なロボットであり、前記方法が更に、前記アプリケータを保持して移動させる前に、前記移動可能なロボットを前記塗装ブースに移動させて、前記物体の前記エリアに前記塗料を堆積させるステップを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記3Dスキャナが前記塗装ブースに配置され、前記物体を移動させるステップが、塗装される前記物体の前記エリアを検出し決定する前に、前記物体を前記塗装ブースに移動させるステップを含み、前記物体を検出するステップが、前記少なくとも1つのプロセッサと通信する前記3Dスキャナを用いて、前記物体を前記塗装ブース内に位置させるステップを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記3Dスキャナが、前記塗装ブースの外側に配置され、前記物体を検出して塗装される前記物体の前記エリアを決定するステップは、前記物体が前記塗装ブースの外側に配置されている間、前記少なくとも1つのプロセッサと通信する前記3Dスキャナを用いて、前記物体を検出して塗装される前記物体の前記エリアを決定するステップを含み、前記物体を移動させるステップが、前記物体を検出して塗装される前記物体の前記エリアを決定するステップの後に、前記物体を前記塗装ブースの所定位置に位置付けるステップを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記方法が更に、前記少なくとも1つのプロセッサと通信するドローンを提供するステップを含み、前記3Dスキャナが前記ドローンによって搬送される、請求項1~5の何れか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つのプロセッサと通信するレールガントリシステムを提供するステップを更に含み、前記3Dスキャナが前記レールガントリシステム上に配置される、請求項1~5の何れか1項に記載の方法。
【請求項8】
(i)前記アプリケータが、スプレーガン又はプリントヘッドである、(前記3Dスキャナが前記ロボット上に配置される)、(iii)前記3Dスキャナが接触スキャナ、非接触スキャナ、若しくはこれらの組み合わせである、又は、(iv)前記(i)~(iii)の何れかの組み合わせである、請求項1~7の何れか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記3Dスキャナが非接触スキャナであり、前記非接触スキャナが、超広帯域(UWB)スキャナ、カメラスキャナ、飛行時間(TOF)カメラ、音波スキャナ、レーザスキャナ、及び光検出及び測距レーザ(LiDAR)スキャナのうちの何れかである、請求項1~7の何れか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記物体を検出するステップが、前記3Dスキャナ用いて、前記物体をスキャンしてデータを生成するステップを含み、塗装される前記物体のエリアを決定するステップが、前記少なくとも1つのプロセッサが前記データを使用して前記物体の3D形状を決定するステップを含む、請求項1~9の何れか1項に記載の方法。
【請求項11】
(i)前記少なくとも1つのプロセッサが、前記データを評価して前記物体の前記3D形状を決定するように、前記少なくとも1つのプロセッサに指示するアルゴリズムを実行するよう動作可能である、
(ii)前記少なくとも1つのプロセッサが、複数の対応する3D形状を含む複数の部品を収容するデータベースと通信し、前記少なくとも1つのプロセッサが、前記データベースを検索して前記データを前記複数の部品の1つにマッチさせ、前記対応する3D形状を特定する、
(iii)前記3Dスキャナが、前記3D形状に対応する前記データとしてポイントクラウドを生成する、
又は
(iv)前記(i)~(iii)の何れかの組み合わせである、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記方法が、塗装される前記物体の前記エリアについての識別子を適用するステップを更に含み、前記物体を検出するステップは、前記識別子を含む前記物体を前記3Dスキャナでスキャンするステップを含み、前記エリアを決定するステップは、前記少なくとも1つのプロセッサが前記識別子を使用して塗装される前記エリアを決定するステップを含み、前記識別子が、無線周波数識別(RFID)テープ、着色テープ、RFIDタグ、超広帯域(UWB)デバイス、色コントラストボーダー、コーナーを含む多角形ボーダー、又はこれらの組み合わせから選択される非接触検知デバイスを備える、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記アプリケータが第1のアプリケータであり、前記塗料供給源が第1の塗料供給源であり、前記塗料が第1のコーティングであり、前記アプリケータを移動させるステップが、前記第1のアプリケータから前記物体の前記エリア上に前記第1のコーティングを堆積させながら、前記ロボットを前記少なくとも1つのプロセッサと通信させて、前記物体の前記エリアに対して前記第1のアプリケータを移動させるステップを含み、
前記方法が、
前記第1のアプリケータを前記ロボットから解放するステップと、
前記少なくとも1つのプロセッサと通信するロボットを用いて、前記物体の前記エリアからオフセットされた第2のアプリケータを保持するステップであって、前記第2のアプリケータが、第2のコーティングを含む第2の塗料供給源と流体連通している、前記第2のアプリケータを保持するステップと、
前記第1のコーティング上にある前記物体の前記エリア上に前記第2のアプリケータから前記第2のコーティングを堆積させながら、前記少なくとも1つのプロセッサと通信している前記ロボットを用いて、前記物体の前記エリアに対して前記第2のアプリケータを移動させるステップと、
を更に含む、請求項1~12の何れか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記ロボットから前記第2のアプリケータを解放するステップと、
前記少なくとも1つのプロセッサと通信する前記ロボットを用いて、前記物体の前記エリアからオフセットされた第3のアプリケータを保持するステップであって、前記第3のアプリケータが、第3のコーティングを含む第3の塗料供給源と流体連通している、前記第3のアプリケータを保持するステップと、
前記第2のコーティング上にある前記物体の前記エリア上に前記第3のアプリケータから前記第3のコーティングを堆積させながら、前記少なくとも1つのプロセッサと通信しているロボットを用いて、前記物体の前記エリアに対して前記第3のアプリケータを移動させるステップと、
を更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
スキャナロボット機構を備えた、物体をロボット塗装するシステムであって、
前記スキャナロボット機構が、
前記物体をスキャンするように構成された3Dスキャナと、
ロボットと、
前記3Dスキャナ及び前記ロボットと通信する少なくとも1つのプロセッサであって、当該少なくとも1つのプロセッサと通信する前記3Dスキャナが、前記物体を検出して、塗装される前記物体のエリアを決定するように協働的に構成される、前記少なくとも1つのプロセッサと、
塗料を含む塗料供給源と流体連通しているように構成されたアプリケータであって、前記少なくとも1つのプロセッサと通信する前記ロボットが、前記アプリケータを前記物体の前記エリアからオフセットして保持し、前記物体の前記エリア上に前記アプリケータから前記塗料を堆積させながら、前記物体の前記エリアに対して前記アプリケータを移動させるように協働的に構成された、前記アプリケータと、
を備える、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願との相互参照)
本出願は、2021年12月23日に出願された米国仮出願第63/265,939号に対する優先権並びに全ての利益を主張するものであり、その内容は引用によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
(技術分野)
本技術分野は、一般にコーティングに関し、より詳細には、ロボットに動作可能に結合されたアプリケータ(例えば、塗料を塗布するスプレーガン又は他のアプリケータ)を用いて物体を塗装するための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
塗装ブースは、換気され、空気濾過され、温度制御されて物体の塗装を行うことができる環境を提供する構造である。塗装作業は、溶剤及び粒子状物質のような、大気中に大量に侵入してはならない塗料成分の分注を含むので、塗装ブースは、このような活動を安全に実施するために必要である。このため、塗装ブース内の環境は閉鎖的であり、高度な管理及び専門知識が要求される。訓練された経験豊かな人材は、見つけ出して確保することが困難であることが多く、このような危険な閉鎖空間で作業するためには、特殊な個人保護具(PPE)が必要となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、前述の問題のうちの1又は2以上に対処した、物体を塗装する方法及びシステムを提供することが望ましい。更に、本開示の他の望ましい特徴及び特性は、この背景技術と併せて考慮される、以下の詳細な説明及び添付の特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
物体をロボット塗装するための方法及びシステムが、本明細書において提供される。例示的な実施形態によれば、方法は、スキャナロボット機構を提供するステップを含む。スキャナロボット機構は、3Dスキャナと、ロボットと、3Dスキャナ及びロボットと通信する少なくとも1つのプロセッサとを含む。本方法は更に、少なくとも1つのプロセッサと通信する3Dスキャナで物体を検出するステップを含む。少なくとも1つのプロセッサと通信する3Dスキャナで、塗装される物体の領域が決定される。アプリケータは、少なくとも1つのプロセッサと通信しているロボットで、物体の領域からオフセットされて保持される。アプリケータは、塗料を含む塗料供給源と流体連通している。本方法は、物体の領域上にアプリケータから塗料を堆積させながら、少なくとも1つのプロセッサと通信しているロボットで物体のエリアに対してアプリケータを移動させるステップを更に含む。
【0006】
例示的な実施形態によれば、システムはスキャナロボット機構を含む。スキャナロボット機構は、物体をスキャンするように構成された3Dスキャナと、ロボットと、3Dスキャナ及びロボットと通信する少なくとも1つのプロセッサとを含む。少なくとも1つのプロセッサと通信する3Dスキャナは、物体を検出し、塗装される物体の領域を決定するように協働的に構成される。システムは更に、塗料を含む塗料供給源と流体連通しているように構成されたアプリケータを含む。少なくとも1つのプロセッサと通信するロボットは、アプリケータを物体の領域からオフセットして保持し、物体の領域上にアプリケータから塗料を堆積させながらで物体のエリアに対してアプリケータを移動させるように協働的に構成される。
【0007】
以下、様々な実施形態について、同じ数字が同じ要素を示す以下の図面と共に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】例示的な実施形態に従って物体をロボット塗装するための方法のブロック図である。
【0009】
図2】例示的な実施形態に従ってプリントヘッドとして構成されたアプリケータの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の詳細な説明は、単に本質的に例示的なものに過ぎず、様々な実施形態又はその適用及び使用を限定することを意図するものではない。更に、上記の背景技術又は以下の詳細な説明において提示される理論に拘束されるものではない。
【0011】
本明細書で使用される「上にある」という用語は、上にある材料が、下にある基板又は層に物理的に接することができ、又は上にある材料が、ベースコートによって下にある基板又は層(例えば、プライマー層)から分離することができる上にあるクリアコートのような介在層によって、下にある基板又は層から物理的に分離することができることを意味する。構成要素又は物体は、回転又は移動できることが理解されるので、別の構成要素、物体、又は物品(層)の上にある構成要素、物体、又は物品(層)への言及は、実際の構成要素、物体、又は物品(層)が異なる向きに回転できることを理解した上で、特定の向きを指している。
【0012】
本明細書で企図される様々な実施形態は、物体をロボット塗装するための方法及びシステムに関する。図1を参照すると、例示的な実施形態に従って物体をロボット塗装するための方法100が提供される。物体は、部品、例えば自立することができ、治具に取り付けることができ、又は車両に取り付けることができる車両のボディ又はトリムパネル(例えば、外装又は内装のボディ又はトリムパネル)などの構成要素、又は例えば車両の構成要素の組立体、その一部、又は同様のものとすることができる。
【0013】
例示的な実施形態において、方法100は、塗装ブースを提供するステップ(STEP102)を含む。塗装ブースは、例えば、換気され、空気濾過され、温度制御されて、物体の塗装を行うことができる環境を提供する構造として構成される。構造体は、様々な物体、構成要素、部品、材料、物品、及び/又は同様のものを、必要に応じて又は他の所望に応じて、塗装ブースの内外に移動させることができ、並びに人員の出入りを可能にする開口部又はドアを含む。
【0014】
スキャナロボット機構が提供される(STEP104)。スキャナロボット機構は、3Dスキャナと、ロボットと、3Dスキャナ及びロボットと通信する少なくとも1つのプロセッサとを含む。
【0015】
3Dスキャナは、物体をスキャンし、物体(例えば、物体の一部又は全部)の表面(例えば、表面データ)及び/又は3D形状に対応するデータを生成するように構成される。例示的な実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、3Dスキャナに指示して物体をスキャンさせて、データを生成する。以下で更に詳細に説明するように、データは、表面、表面のエリア又は一部、及び/又は物体の3D形状を決定する、及び/又は物体を特定する処理のために、少なくとも1つのプロセッサに通信される。例示的な実施形態では、3Dスキャナは、例えば、超広帯域(UWB)スキャナ、カメラスキャナ、飛行時間(TOF)カメラ、音波スキャナ、レーザスキャナ、及び光検出及び測距レーザ(LiDAR)スキャナ等の非接触スキャナである。一例では、3Dスキャナは、物体のエリアの3D形状に対応するデータとしてポイントクラウドを生成する。代替の実施形態では、3Dスキャナは接触スキャナであり、例えば、グリッドパターンに沿って表面に物理的に接触し、物体の表面及び/又は3D形状に対応するワイヤフレームデータを生成するプローブである。例示的な実施形態では、3Dスキャナは、非接触スキャナと接触スキャナの組み合わせである。
【0016】
例示的な実施形態において、ロボットは、ベースと、ベース上に配置されて複数の軸に沿って移動するアームとを含む。ロボットは、例えば、3軸、4軸、5軸、6軸、又は7軸ロボットとすることができる。
【0017】
例示的な実施形態において、少なくとも1つのプロセッサは、コンピュータの一部である。コンピュータは、本明細書に記載される技術及び方法を実施するデバイスとして使用することができる。コンピュータは、キーボード、マウス、モデム等の電子通信デバイス、又は他の様々な通信デバイス等の入力デバイスを含むことができる。入力デバイスは、コンピュータの少なくとも1つのプロセッサ(処理ユニット)及び/又はメモリと通信し、処理ユニット及びメモリは互いに通信する。多種多様な処理ユニット及びメモリの実施形態が当業者には知られている。コンピュータはまた、出力デバイスを含む。出力デバイスの他の例示的な実施形態には、モデム、プリンタ、又は当業者に公知の他のコンポーネントが挙げられる。以下に説明する方法及び技術は、コンピュータ上に実装することができる。
【0018】
コンピュータ可読媒体は、1又は2以上のアルゴリズムを含み得るコンピュータプログラムを具現化するものであり、コンピュータプログラムは、以下に記載される方法及び技術を実施するようにコンピュータに指示する。コンピュータ可読媒体は、SDカード、USB記憶媒体、フロッピーディスク、CD-ROM、DVD、ハードドライブ、又はコンピュータによって読み取り可能であり、コンピュータプログラムを保存するためのメモリを含む他のデバイスとすることができる。幾つかの実施形態では、コンピュータプログラムは、コンピュータに電子的にダウンロードすることができ、ダウンロードされたコンピュータプログラムは、どこかの有形デバイス上に保存される。
【0019】
例示的な実施形態では、3Dスキャナは、ロボット上、例えばロボットのベース上、又は代替的にロボットのアーム上に配置される。ロボットは、塗装ブースの内部又は外部に設けることができる。例えば、ロボットは、塗装ブース内に配置され、固定位置で床に取り付けられた床置き型ロボットとすることができる。或いは、ロボットは、必要に応じて塗装ブースに出入りするように構成された移動可能なロボットとすることができる。一実施例では、3Dスキャナは、塗装ブース内の床に取り付けられたロボットのアーム上に配置され、ロボットは、少なくとも1つのプロセッサと通信してアームの動きを制御し、結果として物体をスキャンするため3Dスキャナを制御する。別の例では、3Dスキャナは、移動可能なロボットであるロボットのベース上に配置され、ロボットは、少なくとも1つのプロセッサと通信して、ロボットの動きを制御し、結果として物体をスキャンするための3Dスキャナを制御する。或いは、3Dスキャナは、移動可能なロボットのアームに取り付けることができ、ロボットは、少なくとも1つのプロセッサと通信して、アームの動きを制御し、結果として物体をスキャンするための3Dスキャナを制御する。
【0020】
或いは、3Dスキャナは、レールガントリシステム上に配置される。レールガントリシステムは、塗装ブースの内部又は外部に設けることができる。3Dスキャナは、レールガントリシステムに動作可能に結合され、例えば、レールガントリシステム上に移動可能に配置され、レールガントリシステムは、少なくとも1つのプロセッサと通信して、レールガントリシステム及び結果として物体をスキャンする3Dスキャナの移動を制御する。別の代替の実施形態では、3Dスキャナは、ドローンによって搬送される。ドローンは、塗装ブースの内部及び任意的に外部で移動可能である。3Dスキャナは、ドローンに動作可能に結合され、例えば、ドローンによって搬送され、ドローンは、少なくとも1つのプロセッサと通信して、ドローン及びその結果として物体をスキャンする3Dスキャナの移動(例えば、飛行、着陸、及び/又はその他)を制御する。
【0021】
例示的な実施形態では、3Dスキャナは、少なくとも1つのプロセッサと通信している間に、物体を検出する(STEP106)、又は他の方法で物体を見つけ出す。例えば、物体は、塗装ブースに一般的エリアに移動させることができる。或いは、物体は、塗装ブースの外側で、塗装ブースの近くの一般エリアに存在することができる。3Dスキャナは、ロボット又はレールガントリシステムのどちらに配置されていても、物体を含む一般エリアをスキャンし、スキャンデータを少なくとも1つのプロセッサに伝達し、プロセッサは、スキャンデータを使用して、物体の位置及び/又は向きを含む一般エリア内の物体を見つけ出す。
【0022】
上述のように、少なくとも1つのプロセッサは、物体の表面データをスキャン及び収集するよう3Dスキャナに指示し、この表面データは、物体の表面及び/又は3D形状を決定するため、及び/又は物体を特定する処理のため、少なくとも1つのプロセッサに通信される。更に、3Dスキャナ及び少なくとも1つのプロセッサは、協働して、塗装される物体のエリアを決定する(STEP108)。例えば、少なくとも1つのプロセッサは、データを評価して物体の3D形状を決定するように少なくとも1つのプロセッサに指示するアルゴリズムを実行するように動作可能である。少なくとも1つのプロセッサは、アルゴリズムを使用して表面データ及び/又は3D形状を評価し、塗装の補修及び/又は再仕上げを要求又は他の方法で必要とする物体の表面のエリア又は部分を特定することができる。
【0023】
例示的な実施形態において、識別子は、塗装される物体のエリア(例えば、塗装補修及び/又は再仕上げを必要とするエリアを部分的に又は完全に囲む)について(例えば、手動で、又は他の方法で)適用される。識別子の非限定的な例としては、非接触感知デバイス、例えば、無線周波数識別(RFID)テープ、着色テープ、RFIDタグ、超広帯域(UWB)デバイス、色コントラストボーダー、及び/又は少なくとも1つのプロセッサと通信する3Dスキャナによって容易に特定できるコーナー又は他のテープ又はボーダーマスキング材料を含む多角形ボーダーが挙げられる。例示的な実施形態では、3Dスキャナで識別子を含む物体がスキャンされ、識別子の位置データを使用して、少なくとも1つのプロセッサが、塗装されるエリアを決定する。例えば、少なくとも1つのプロセッサは、多角形状のRFIDテープボーダーを認識し、RFIDテープボーダーの内側に位置するエリアが塗装されるエリアであると決定することができる。
【0024】
代替的に又は追加的に、少なくとも1つのプロセッサは、データベースと通信し、データベースにアクセスすることができる。データベースは、例えば、塗装又は追加塗装を必要とする、様々な部品/物体、例えば仕上げされていない又は少なくとも部分的に未塗装の部品/物体の表面の複数の対応する3D形状、エリア及び/又は部分を含む複数の様々な部品/物体を含む。例示的な実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、表面データ及び/又は3D形状を、塗装される対応するエリアを含むデータベース内の特定の部品/物体にマッチさせる(例えば、表面データ/3D形状を、特定の部品/物体の対応する3D形状にマッチさせる)。更に、例示的な実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、アルゴリズム及び/又はデータベースを使用して、色及び何れかの特殊効果を含む特定の塗料配合、並びに物体のエリアを塗装するのに使用されるパラメータ(例えば、速度、インデックス、オフセット距離、空気圧、コーティング回数、フラッシュ時間、液滴発生頻度及び/又はその他を含む、プロセスパラメータ又はプロセス仕様)を決定する。
【0025】
上述のように、塗装される物体のエリアの検出及び決定の間、物体は、塗装ブースの内側又は外側に存在することができる。物体が塗装ブースの外側にある場合、物体は塗装のために塗装ブースの内側に移動される。例示的な実施形態では、物体の位置及び/又は向きは、塗装ブースの外側のエリアで決定されている可能性があるので、物体は、その位置及び/又は向きを含む物体の再見出し及び/又は再検出を回避するために、塗装ブース内で少なくとも1つのプロセッサに既知の所定の位置まで移動及び位置決めされ、物体のエリアが塗装ブースの内側で正確に塗装できるようにする。更に、ロボットが移動可能なロボットであり、塗装され物体のエリアの検出及び決定の際に塗装ブースの外側に位置する場合、移動可能なロボットは、物体を塗装する前に塗装ブース内に移動される。
【0026】
例示的な実施形態では、物体及びロボットの両方が塗装ブース内に配置された状態で、方法100は、少なくとも1つのプロセッサと通信しているロボット(例えば、ロボットのアームの端部)で物体のエリアからオフセットされたアプリケータを保持するステップ(STEP110)に進む。例示的な実施形態において、例えば、再仕上げ塗料設定/塗布において、又は代替的に工業塗装設定/塗布において、アプリケータは、スプレーガンである。別の例示的な実施形態において、アプリケータは、例えば、再仕上げ塗料設定において、又は代替的に工業塗装設定において、プリントヘッドである。別の例示的な実施形態において、アプリケータは、例えば工業塗装設定において、回転ベルアプリケータである。
【0027】
図2を参照すると、アプリケータがプリントヘッドである場合、アプリケータは、コーティング組成物を射出するための1又は2以上の高転写効率アプリケータを含むことができる。コーティング組成物10は、1又は2以上のノズルから、微細なストリームを形成するように設計/制御された様式で噴出され、液滴に分解される場合、又は分解されない場合がある。流体ストリームは、ジェット又は液滴が特定の位置に到達して基板12上に連続膜又はパターンを形成するように、基板12に標的設定される。その結果、オーバースプレー(液滴が標的から外れること)は本質的になく、ほぼ100%の転写効率(本質的に全ての塗料が標的の場所に行くこと)となる。例示的な実施形態では、基板12上に堆積されるコーティング組成物の転写効率は、99.9%又はそれ以上である。高転写効率アプリケータ16の始動及び停止のために幾らかの許容がなされるべきである。このタイプのデバイスは、ドロップオンデマンド、ストリームオンデマンド、オーバースプレーフリー、又は超高転写効率アプリケータと呼ばれてきた。高移送効率アプリケータ16は、空気圧、油圧又は遠心エネルギーのようなエネルギーが、液滴サイズ、軌道及び速度の部分的に制御され、ランダムな分布を作成するために導入されるスプレー霧化技術から区別される。その後、何らかの付加的な機構(静電気及び又はシェーピングエア)により、コーティング組成物10の液滴群を基板12に誘導することができる。塗料スプレーの場合、常に幾らかのオーバースプレー及び転写効率の損失が存在する。
【0028】
例示的な実施形態において、高転写効率アプリケータ16は、プリントヘッド組立体22に収容されるか、又はその一部を備える。プリントヘッド組立体22は、異なる実施形態において、1又は2以上の高転写効率アプリケータ16を備えることができる。コーティング組成物10は、基板12に向かって高転写効率アプリケータ16から加圧され射出されて、基板12上にコーティング層14を形成する。プリントヘッド組立体22は、コーティング組成物10の塗布の間、基板12に接触せず、従って、コーティング層14の塗布の間、基板12から空間的に分離されたままである。コーティング層14は、コーティング層厚さ24を有し、及びコーティング層厚さ24は、コーティング層表面28の長さ及び/又は幅にわたって変化することができる。例示的な実施形態では、プリントヘッド組立体22は、コーティング組成物10の塗布中、基板12から1~約30ミリメートルの距離に位置決め又は配置される。プリントヘッド組立体22は、基板12の上を移動するように制御されて、複数の後続のパスを行って基板12の上にコーティング層14を設けることができ、コーティング層14及び基板12は、両方ともプリントヘッド組立体22よりも広くすることができる。代替の実施形態では、コーティング層14を塗布するために、複数のプリントヘッド組立体22を利用することができる。一実施形態では、第2のアプリケータ26を使用して、流体18(例えば、ガス、シェーピングエア)をジェッティング20からコーティング層14の表面28上に塗布することができる。
【0029】
図1を参照すると、アプリケータは、塗料を含む塗料供給源と流体連通している。塗料配合物は、例えば、プライマー配合物、シーラー配合物、ベースコート配合物、クリアコート配合物、トップコート配合物、及び/又はティントコート配合物とすることができる。塗料製剤中に存在し得る様々な成分の非限定的な例としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、及び/又は同様のものなどの1又は2以上の種類の樹脂、様々な添加剤、促進剤、硬化剤、塗料製剤の乾燥又は硬化中にフラッシュオフする水及び/又は溶剤ベースのキャリア、着色剤、効果顔料フレーク、干渉フレーク、着色顔料、及び/又は同様のもの顔料が挙げられる。
【0030】
例示的な実施形態において、方法100は、物体のエリア上にアプリケータから塗料を堆積させながら(例えば、スプレー(例えば、霧化)又はストリーム等を介して)、少なくとも1つのプロセッサと通信しているロボットと共に(例えば、ロボットのアームを動かすことを介して)アプリケータを物体のエリアに対して移動させるステップ(STEP112)に進む。例示的な実施形態では、アプリケータは、経路又はパターン(例えば、ロボット経路、スプレー経路、ストリーム経路、又は同様のもの)に沿って物体のエリアの表面上を移動されて、塗料の所望のコーティング厚さでエリアの完全な被覆を提供する。
【0031】
例示的な実施形態において、アプリケータは第1のアプリケータであり、塗料供給源は、第1の塗料供給源であり、塗料は第1のコーティングである。方法100は、第1のアプリケータから物体のエリア上に第1のコーティングを堆積させながら、少なくとも1つのプロセッサと通信しているロボットを用いて、物体のエリアに対して第1のアプリケータを移動させるステップを含む。方法100は、任意選択的に、物体のエリア上に堆積された後に第1のコーティングがフラッシュすることを可能にするステップ、及びロボットから第1のアプリケータを解放するステップに進む。第2のアプリケータは、少なくとも1つのプロセッサと通信しているロボットで、物体のエリアからオフセットして保持される。第2のアプリケータは、第2のコーティングを含む第2の塗料供給源と流体連通している。第2のアプリケータは、第2のアプリケータから第1のコーティングの上にある物体のエリアに第2のコーティングを堆積させながら、少なくとも1つのプロセッサと通信しているロボットで物体のエリアに対して移動される。
【0032】
例示的な実施形態において、方法100は、任意選択的に、物体のエリア上に堆積された後に第2のコーティングをフラッシュすることを可能にするステップ、及び第2のアプリケータをロボットから解放するステップに進む。第3のアプリケータは、少なくとも1つのプロセッサと通信しているロボットで、物体のエリアからオフセットして保持される。第3のアプリケータは、第3のコーティングを含む第3の塗料供給源と流体連通している。第3のアプリケータは、第3のアプリケータからベースコートの上にある物体のエリアに第3のコーティングを堆積させながら、少なくとも1つのプロセッサと通信しているロボットで物体のエリアに対して移動される。例示的な実施形態において、第3のコーティングは、任意選択的にフラッシュさせられ、第1、第2及び第3のコーティングが硬化される。例示的な実施形態では、第1のコーティング、第2のコーティング、及び独立して第3のコーティングの複数の層を堆積することができる。更に、例示的な実施形態において、第1のコーティング、第2のコーティング、及び第3のコーティングは、プライマー、シーラー、ベースコート、クリアコート、トップコート、及び/又はティントコートの群から独立して選択される。
【0033】
本開示の前述の詳細な説明において、少なくとも1つの例示的な実施形態が提示されているが、膨大な数の変形例が存在することを理解されたい。また、例示的な実施形態又は例示的な実施形態は例示に過ぎず、何ら本開示の範囲、適用性、又は構成を限定することを意図するものではないことを理解されたい。むしろ、前述の詳細な説明は、本開示の例示的な実施形態を実施するための好都合なロードマップを当業者に提供する。添付の特許請求の範囲に定められる本開示の範囲から逸脱することなく、例示的な実施形態に記載される要素の機能及び配置において様々な変更がなされ得ることが理解される。
【符号の説明】
【0034】
10 コーティング組成物
12 基板
14 コーティング層
16 高転写効率アプリケータ
22 プリントヘッド組立体
24 コーティング層厚さ
28 コーティング層表面
図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2024-08-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体をロボット塗装する方法であって、
3Dスキャナと、ロボットと、前記3Dスキャナ及び前記ロボットと通信する少なくとも1つのプロセッサと、を備えるスキャナロボット機構を提供するステップと、
前記少なくとも1つのプロセッサと通信して、前記3Dスキャナで物体を検出するステップと、
前記少なくとも1つのプロセッサと通信して、前記3Dスキャナを用いて、塗装される前記物体のエリアを決定するステップと、
前記少なくとも1つのプロセッサと通信して、前記ロボットを用いて前記物体の前記エリアからオフセットされたアプリケータを保持するステップであって、前記アプリケータが、塗料を含む塗料供給源と流体連通している、前記アプリケータを保持するステップと、
前記塗料を前記アプリケータから前記物体の前記エリアに堆積させながら、前記少なくとも1つのプロセッサと通信して、前記ロボットを用いて前記物体の前記エリアに対して前記アプリケータを移動させるステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
塗装ブースを提供するステップと、
前記アプリケータを保持して移動させる前に、前記物体を前記塗装ブースに移動させるステップと、
を更に含み、
前記アプリケータを保持して移動させるステップが、前記ロボットが前記塗装ブースに配置された状態で前記アプリケータを保持して移動させて、前記物体の前記エリアに前記塗料を堆積させるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
(i)前記ロボットが、前記塗装ブースに配置された床置き型ロボットであるか、又は(ii)前記ロボットが移動可能なロボットであり、前記方法が更に、前記アプリケータを保持して移動させる前に、前記移動可能なロボットを前記塗装ブースに移動させて、前記物体の前記エリアに前記塗料を堆積させるステップを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記3Dスキャナが前記塗装ブースに配置され、前記物体を移動させるステップが、塗装される前記物体の前記エリアを検出し決定する前に、前記物体を前記塗装ブースに移動させるステップを含み、前記物体を検出するステップが、前記少なくとも1つのプロセッサと通信する前記3Dスキャナを用いて、前記物体を前記塗装ブース内に位置させるステップを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記3Dスキャナが、前記塗装ブースの外側に配置され、前記物体を検出して塗装される前記物体の前記エリアを決定するステップは、前記物体が前記塗装ブースの外側に配置されている間、前記少なくとも1つのプロセッサと通信する前記3Dスキャナを用いて、前記物体を検出して塗装される前記物体の前記エリアを決定するステップを含み、前記物体を移動させるステップが、前記物体を検出して塗装される前記物体の前記エリアを決定するステップの後に、前記物体を前記塗装ブースの所定位置に位置付けるステップを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つのプロセッサと通信するドローンを提供するステップを含み、前記3Dスキャナが前記ドローンによって搬送される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つのプロセッサと通信するレールガントリシステムを提供するステップを更に含み、前記3Dスキャナが前記レールガントリシステム上に配置される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
(i)前記アプリケータが、スプレーガン又はプリントヘッドである、(ii)前記3Dスキャナが前記ロボット上に配置される、(iii)前記3Dスキャナが接触スキャナ、非接触スキャナ、若しくはこれらの組み合わせである、又は、(iv)前記(i)~(iii)の何れかの組み合わせである、請求項1~7の何れか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記3Dスキャナが非接触スキャナであり、前記非接触スキャナが、超広帯域(UWB)スキャナ、カメラスキャナ、飛行時間(TOF)カメラ、音波スキャナ、レーザスキャナ、及び光検出及び測距レーザ(LiDAR)スキャナのうちの何れかである、請求項1~7の何れか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記物体を検出するステップが、前記3Dスキャナ用いて、前記物体をスキャンしてデータを生成するステップを含み、塗装される前記物体のエリアを決定するステップが、前記少なくとも1つのプロセッサが前記データを使用して前記物体の3D形状を決定するステップを含む、請求項1~7の何れか1項に記載の方法。
【請求項11】
(i)前記少なくとも1つのプロセッサが、前記データを評価して前記物体の前記3D形状を決定するように、前記少なくとも1つのプロセッサに指示するアルゴリズムを実行するよう動作可能である、
(ii)前記少なくとも1つのプロセッサが、複数の対応する3D形状を含む複数の部品を収容するデータベースと通信し、前記少なくとも1つのプロセッサが、前記データベースを検索して前記データを前記複数の部品の1つにマッチさせ、前記対応する3D形状を特定する、
(iii)前記3Dスキャナが、前記3D形状に対応する前記データとしてポイントクラウドを生成する、
又は
(iv)前記(i)~(iii)の何れかの組み合わせである、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記方法が、塗装される前記物体の前記エリアについての識別子を適用するステップを更に含み、前記物体を検出するステップは、前記識別子を含む前記物体を前記3Dスキャナでスキャンするステップを含み、前記エリアを決定するステップは、前記少なくとも1つのプロセッサが前記識別子を使用して塗装される前記エリアを決定するステップを含み、前記識別子が、無線周波数識別(RFID)テープ、着色テープ、RFIDタグ、超広帯域(UWB)デバイス、色コントラストボーダー、コーナーを含む多角形ボーダー、又はこれらの組み合わせから選択される非接触検知デバイスを備える、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記アプリケータが第1のアプリケータであり、前記塗料供給源が第1の塗料供給源であり、前記塗料が第1のコーティングであり、前記アプリケータを移動させるステップが、前記第1のアプリケータから前記物体の前記エリア上に前記第1のコーティングを堆積させながら、前記ロボットを前記少なくとも1つのプロセッサと通信させて、前記物体の前記エリアに対して前記第1のアプリケータを移動させるステップを含み、
前記方法が、
前記第1のアプリケータを前記ロボットから解放するステップと、
前記少なくとも1つのプロセッサと通信するロボットを用いて、前記物体の前記エリアからオフセットされた第2のアプリケータを保持するステップであって、前記第2のアプリケータが、第2のコーティングを含む第2の塗料供給源と流体連通している、前記第2のアプリケータを保持するステップと、
前記第1のコーティング上にある前記物体の前記エリア上に前記第2のアプリケータから前記第2のコーティングを堆積させながら、前記少なくとも1つのプロセッサと通信している前記ロボットを用いて、前記物体の前記エリアに対して前記第2のアプリケータを移動させるステップと、
を更に含む、請求項1~7の何れか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記ロボットから前記第2のアプリケータを解放するステップと、
前記少なくとも1つのプロセッサと通信する前記ロボットを用いて、前記物体の前記エリアからオフセットされた第3のアプリケータを保持するステップであって、前記第3のアプリケータが、第3のコーティングを含む第3の塗料供給源と流体連通している、前記第3のアプリケータを保持するステップと、
前記第2のコーティング上にある前記物体の前記エリア上に前記第3のアプリケータから前記第3のコーティングを堆積させながら、前記少なくとも1つのプロセッサと通信しているロボットを用いて、前記物体の前記エリアに対して前記第3のアプリケータを移動させるステップと、
を更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
スキャナロボット機構を備えた、物体をロボット塗装するシステムであって、
前記スキャナロボット機構が、
前記物体をスキャンするように構成された3Dスキャナと、
ロボットと、
前記3Dスキャナ及び前記ロボットと通信する少なくとも1つのプロセッサであって、当該少なくとも1つのプロセッサと通信する前記3Dスキャナが、前記物体を検出して、塗装される前記物体のエリアを決定するように協働的に構成される、前記少なくとも1つのプロセッサと、
塗料を含む塗料供給源と流体連通しているように構成されたアプリケータであって、前記少なくとも1つのプロセッサと通信する前記ロボットが、前記アプリケータを前記物体の前記エリアからオフセットして保持し、前記物体の前記エリア上に前記アプリケータから前記塗料を堆積させながら、前記物体の前記エリアに対して前記アプリケータを移動させるように協働的に構成された、前記アプリケータと、
を備える、システム。
【国際調査報告】