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特表2025-501157送達システムのための構成要素、ならびに送達システムのための構成要素を製造するための方法および装置
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  • 特表-送達システムのための構成要素、ならびに送達システムのための構成要素を製造するための方法および装置 図1
  • 特表-送達システムのための構成要素、ならびに送達システムのための構成要素を製造するための方法および装置 図1B
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  • 特表-送達システムのための構成要素、ならびに送達システムのための構成要素を製造するための方法および装置 図10A-10B
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-17
(54)【発明の名称】送達システムのための構成要素、ならびに送達システムのための構成要素を製造するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   A24D 3/04 20060101AFI20250109BHJP
   A24D 1/20 20200101ALI20250109BHJP
   A24D 3/02 20060101ALI20250109BHJP
   A24F 40/20 20200101ALN20250109BHJP
【FI】
A24D3/04
A24D1/20
A24D3/02
A24F40/20
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024539007
(86)(22)【出願日】2022-12-29
(85)【翻訳文提出日】2024-08-22
(86)【国際出願番号】 EP2022088047
(87)【国際公開番号】W WO2023126503
(87)【国際公開日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】2119093.9
(32)【優先日】2021-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ヘップワース, リチャード
(72)【発明者】
【氏名】グリシェンコ, アンドレイ
【テーマコード(参考)】
4B045
4B162
【Fターム(参考)】
4B045AA21
4B045AB16
4B045BA02
4B045BC23
4B045BD04
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AC06
4B162AC08
(57)【要約】
エアロゾル供給システム(100)で使用するためのまたはエアロゾル供給システム(100)として使用するための物品(1)のための構成要素(2)であって、構成要素(2)が、繊維状材料の本体(4)を備える、構成要素(2)が提供される。第1および第2の管状要素(4a、4b)は、繊維状材料の本体(4)を通って実質的に共通の軸線に沿って延在し、第1および第2の管状要素(4a、4b)の各々は、前記繊維状材料によって円周方向に取り囲まれている。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル供給システムで使用するためのまたは前記エアロゾル供給システムとして使用するための物品のための構成要素であって、前記構成要素が、
繊維状材料の本体と、
前記本体を通って実質的に共通の軸線に沿って延在しかつ各々が前記繊維状材料によって円周方向に取り囲まれた第1および第2の管状要素と、
を備える、構成要素。
【請求項2】
前記構成要素が、単一の物品の吸い口を形成する、請求項1に記載の構成要素。
【請求項3】
前記繊維状材料が、第1のセルロース系材料である、請求項1または2に記載の構成要素。
【請求項4】
前記第1のセルロース系材料が、紙である、請求項3に記載の構成要素。
【請求項5】
前記紙が、木材パルプから形成されている、請求項4に記載の構成要素。
【請求項6】
前記第1のセルロース系材料が、再構成タバコシートである、請求項3に記載の構成要素。
【請求項7】
前記第1および第2の管状要素が、0.5mm~5mm、または0.75mm~1.5mm、または1mm~3mmの間隙によって分離されている、請求項1~6のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項8】
前記第1および第2の管状要素が、5mm~15mm、または6mm~12mm、または8mm~11mmの間隙によって分離されている、請求項1~6のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項9】
前記繊維状材料の本体が、前記間隙内に延在する、請求項8に記載の構成要素。
【請求項10】
前記第1および/または第2の管状要素が、前記構成要素の長手方向端部まで延在する、請求項1~9のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項11】
第1のクリンピング係数が、前記繊維状材料の本体の第1の長手方向領域に適用されており、第2のクリンピング係数が、前記繊維状材料の本体の第2の長手方向領域に適用されている、請求項1~10のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項12】
前記第1および第2のクリンピング係数が、深さ、間隔、圧力、または温度のうちの1つである、請求項11に記載の構成要素。
【請求項13】
前記第1および/または第2の管状要素が、第2のセルロース系材料から形成されている、請求項1~12のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項14】
前記第2のセルロース系材料が、紙である、請求項13に記載の構成要素。
【請求項15】
前記紙が、木材パルプから形成されている、請求項14に記載の構成要素。
【請求項16】
前記第2のセルロース系材料が、再構成タバコシートである、請求項15に記載の構成要素。
【請求項17】
前記繊維状材料の本体が、シート材料の1つ以上のセクションから形成されている、請求項1~16のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項18】
エアロゾル供給システムで使用するためのまたは前記エアロゾル供給システムとして使用するための物品のための構成要素であって、前記構成要素が、
繊維状材料の本体と、
管状要素であって、前記管状要素が前記本体を形成する前記繊維状材料によって円周方向および長手方向に取り囲まれるように、前記本体内に埋め込まれた管状要素と、
を備える、構成要素。
【請求項19】
前記構成要素が、単一の物品の吸い口を形成する、請求項18に記載の構成要素。
【請求項20】
前記繊維状材料が、第1のセルロース系材料である、請求項18または19に記載の構成要素。
【請求項21】
前記第1のセルロース系材料が、紙である、請求項20に記載の構成要素。
【請求項22】
前記紙が、木材パルプから形成されている、請求項21に記載の構成要素。
【請求項23】
前記第1のセルロース系材料が、再構成タバコシートである、請求項20に記載の構成要素。
【請求項24】
前記管状要素の近位端部が、前記構成要素の長手方向端部から少なくとも5mm、または少なくとも8mm、または少なくとも10mm離間している、請求項18~23のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項25】
前記管状要素が、前記構成要素の長手方向端部まで延在する、請求項18~23のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項26】
第1のクリンピング係数が、前記繊維状材料の本体の第1の長手方向領域に適用されており、第2のクリンピング係数が、前記繊維状材料の本体の第2の長手方向領域に適用されている、請求項18~25のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項27】
前記第1および第2のクリンピング係数が、深さ、間隔、圧力、または温度のうちの1つである、請求項26に記載の構成要素。
【請求項28】
前記管状要素が、第2のセルロース系材料から形成されている、請求項18~27のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項29】
前記繊維状材料の本体が、シート材料の1つ以上のセクションから形成されている、請求項18~28のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項30】
エアロゾル供給システムで使用するためのまたは前記エアロゾル供給システムとして使用するための物品であって、前記物品が、下流端部を有し、前記物品が、
繊維状材料の本体と、
前記繊維状材料によって円周方向に取り囲まれた管状要素と、を備え、前記管状要素が、前記本体の第1の長手方向端部まで延在しかつ前記本体の第2の長手方向端部から離間しており、前記管状要素が前記本体の前記長手方向端部まで延在する前記本体の前記長手方向端部が、前記物品の前記下流端部から離間している、
物品。
【請求項31】
前記繊維状材料が、第3のセルロース系材料である、請求項30に記載の物品。
【請求項32】
前記第3のセルロース系材料が、紙である、請求項31に記載の物品。
【請求項33】
前記紙が、木材パルプから形成されている、請求項32に記載の物品。
【請求項34】
前記第3のセルロース系材料が、再構成タバコシートである、請求項33に記載の物品。
【請求項35】
前記管状要素の近位端部が、前記物品の長手方向端部から少なくとも5mm、または少なくとも8mm、または少なくとも10mm離間している、請求項30~34のいずれか一項に記載の物品。
【請求項36】
前記管状要素が、前記物品の長手方向端部まで延在する、請求項30~35のいずれか一項に記載の物品。
【請求項37】
第1のクリンピング係数が、前記繊維状材料の本体の第1の長手方向領域に適用されており、第2のクリンピング係数が、前記繊維状材料の本体の第2の長手方向領域に適用されている、請求項30~36のいずれか一項に記載の物品。
【請求項38】
前記第1および第2のクリンピング係数が、深さ、間隔、圧力、または温度のうちの1つである、請求項37に記載の物品。
【請求項39】
前記管状要素が、第2のセルロース系材料から形成されている、請求項30~38のいずれか一項に記載の物品。
【請求項40】
前記繊維状材料の本体が、シート材料の1つ以上のセクションから形成されている、請求項30~39のいずれか一項に記載の物品。
【請求項41】
請求項1~29のいずれか一項に記載の構成要素を備える物品。
【請求項42】
エアロゾル供給システムで使用するための物品のための構成要素を形成するための方法であって、前記方法が、
繊維状材料のシートにクリンプパターンを施すステップであって、前記クリンプパターンが、一連の実質的に平行な隆起および溝を備える、施すステップと、
管状要素の供給材料を提供するステップと、
前記繊維状材料のシートを前記管状要素の周りに寄せ集めて材料の本体を形成するステップであって、前記材料の本体において、少なくとも少なくとも1つの管状要素が実質的に共通の軸線に沿って前記本体を通って延在しかつ前記繊維状材料のシートによって円周方向に取り囲まれている、形成するステップと、
を含む、方法。
【請求項43】
前記少なくとも1つの管状要素が前記材料の本体を形成する前記繊維状材料のシートによって円周方向および長手方向の両方で取り囲まれるように、前記少なくとも1つの管状要素が前記材料の本体内に埋め込まれるように前記少なくとも1つの管状要素を位置決めするステップをさらに含む、請求項41に記載の方法。
【請求項44】
請求項1~39のいずれか一項に記載の構成要素を製造するように構成された装置であって、
繊維状材料のシートにクリンプパターンを施すためのクリンプローラであって、前記クリンプパターンが、一連の実質的に平行な隆起および溝を備える、クリンプローラと、
管状要素のための給送機構と、
前記繊維状材料のシートを前記管状要素の周りに寄せ集めて材料の本体を形成するためのガーニチャアセンブリであって、前記材料の本体において、少なくとも少なくとも1つの管状要素が実質的に共通の軸線に沿って前記本体を通って延在しかつ前記繊維状材料によって円周方向に取り囲まれている、ガーニチャアセンブリと、
を備える、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアロゾル供給システムにおいて、またはエアロゾル供給システムとして使用するための構成要素に関する。本開示はまた、エアロゾル供給システムにおいてまたはエアロゾル供給システムとして使用するための物品、ならびにエアロゾル供給システムのための構成要素を製造するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特定のタバコ産業製品は、使用中にエアロゾルを発生させ、これはユーザによって吸入される。例えば、タバコ加熱デバイスは、タバコなどのエアロゾル生成基材を加熱して、基材を燃やすのではなく加熱することによってエアロゾルを形成する。このようなタバコ産業製品は、一般的に、エアロゾルがそこを通過してユーザの口に到達する吸い口を含む。
【発明の概要】
【0003】
本明細書に記載の実施形態による、第1の態様によれば、エアロゾル供給システムで使用するためのまたはエアロゾル供給システムとして使用するための物品のための構成要素であって、構成要素が、繊維状材料の本体と、前記本体を通って実質的に共通の軸線に沿って延在しかつ各々が前記繊維状材料によって円周方向に取り囲まれた第1および第2の管状要素と、を備える、構成要素が提供される。
【0004】
本明細書に記載の実施形態による、第2の態様によれば、エアロゾル供給システムで使用するためのまたはエアロゾル供給システムとして使用するための物品のための構成要素であって、構成要素が、繊維状材料の本体と、管状要素であって、管状要素が前記本体を形成する繊維状材料によって円周方向および長手方向に取り囲まれるように、本体内に埋め込まれた管状要素と、を備える、構成要素が提供される。
【0005】
本明細書に記載の実施形態による、第3の態様によれば、エアロゾル供給システムで使用するためのまたはエアロゾル供給システムとして使用するための物品であって、物品が、下流端部を有し、物品が、繊維状材料の本体と、前記繊維状材料によって円周方向に取り囲まれた管状要素と、を備え、管状要素が、前記本体の第1の長手方向端部まで延在しかつ前記本体の第2の長手方向端部から離間しており、管状要素が前記本体の長手方向端部まで延在する前記本体の長手方向端部が、物品の下流端部から離間している、物品が提供される。
【0006】
本明細書に記載の実施形態による、第4の態様によれば、エアロゾル供給システムで使用するための物品のための構成要素を形成するための方法であって、方法が、シート材料にクリンプパターンを施すことであって、クリンプパターンが、一連の実質的に平行な隆起および溝を備える、施すことと、管状要素の供給材料を提供することと、前記シート材料を前記管状要素の周りに寄せ集めて材料の本体を形成することであって、材料の本体において、少なくとも少なくとも1つの管状要素が実質的に共通の軸線に沿って前記本体を通って延在しかつ前記繊維状材料によって円周方向に取り囲まれている、形成することと、を含む、方法が提供される。
【0007】
本明細書に記載の実施形態による、第5の態様によれば、第4の態様による構成要素を製造するように構成された装置であって、シート材料にクリンプパターンを施すためのクリンプローラであって、クリンプパターンが、一連の実質的に平行な隆起および溝を備える、クリンプローラと、管状要素のための給送機構と、前記シート材料を前記管状要素の周りに寄せ集めて材料の本体を形成するためのガーニチャアセンブリであって、材料の本体において、少なくとも少なくとも1つの管状要素が実質的に共通の軸線に沿って前記本体を通って延在しかつ前記繊維状材料によって円周方向に取り囲まれている、ガーニチャアセンブリと、を備える、装置が提供される。
【0008】
次に、本発明の実施形態を、添付の図面を参照して、単なる限定されない例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】非燃焼式エアロゾル供給デバイスとして使用するためのまたは非燃焼式エアロゾル供給デバイスとともに使用するための物品であって、物品が、吸い口を含む、物品の側面断面図である。
図1B図1の物品の第1の材料の本体を形成するシート材料の側面図である。
図2】非燃焼式エアロゾル供給デバイスとして使用するためのまたは非燃焼式エアロゾル供給デバイスとともに使用するための物品の別の実施形態の側面断面図である。
図3】非燃焼式エアロゾル供給デバイスとして使用するためのまたは非燃焼式エアロゾル供給デバイスとともに使用するための物品の別の実施形態の側面断面図である。
図4】非燃焼式エアロゾル供給デバイスとして使用するためのまたは非燃焼式エアロゾル供給デバイスとともに使用するための別の物品の側面断面図である。
図5】非燃焼式エアロゾル供給デバイスとして使用するためのまたは非燃焼式エアロゾル供給デバイスとともに使用するための別の物品の側面断面図である。
図6図1から図5の物品のエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するための非燃焼式エアロゾル供給デバイスの斜視図である。
図7】外側カバーが取り外されており、物品が存在しない図6のデバイスを示す。
図8】部分断面における図7のデバイスの側面図である。
図9】外側カバーが省略された、図7のデバイスの分解図である。
図10A図7のデバイスの一部分の断面図である。
図10B図10Aのデバイスの一領域の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書に記載の図では、同等の特徴、物品または構成要素を示すために同様の参照番号が使用されている。
【0011】
図1は、非燃焼式エアロゾル供給システムとともに使用するための物品1の側面断面図である。
【0012】
物品1は、吸い口2と、吸い口2に接続されたエアロゾル生成材料3、この場合はタバコ材料の円筒形ロッドと、を備える。エアロゾル生成材料3は、例えば、本明細書に記載の非燃焼式エアロゾル供給デバイス、例えば、システムを形成する、コイルを備える非燃焼式エアロゾル供給デバイス内で加熱されたときにエアロゾルを供給する。他の実施形態では、物品1は、別個のエアロゾル供給デバイスを必要とせずにエアロゾル供給システムを形成する、物品1自体の熱源を備え得る。
【0013】
物品1の吸い口2は、エアロゾル生成材料3に隣接する上流端部2aと、エアロゾル生成材料3から遠位の下流端部2bと、を備える。
【0014】
本明細書ではエアロゾル生成基材3とも呼ばれるエアロゾル生成材料3は、少なくとも1つのエアロゾル形成剤材料を含む。本例では、エアロゾル形成剤材料は、グリセロールである。代替的な例では、エアロゾル形成剤材料は、本明細書に記載の別の材料またはそれらの組合せであり得る。エアロゾル形成剤材料は、香味化合物などの化合物をエアロゾル生成材料から消費者に伝達するのを助けることによって、物品の感覚性能が改善されることが分かっている。しかしながら、非燃焼式エアロゾル供給システムで使用するための物品中のエアロゾル生成材料にそのようなエアロゾル形成剤材料を加えることに伴う問題は、エアロゾル形成剤材料が加熱時にエアロゾル化されたときに、物品によって送達されるエアロゾルの質量を増加させ得、この増加した質量が、エアロゾルが吸い口を通過する際により高い温度を維持し得ることであり得る。エアロゾルが吸い口を通過する際、エアロゾルは吸い口に熱を伝達し、これは、使用中に消費者の唇と接触するエリアを含む吸い口の外面を温める。吸い口の温度は、消費者が喫煙時に慣れている可能性がある温度、例えば従来のシガレットよりも著しく高くなり得、これは、そのようなエアロゾル形成剤材料の使用によって引き起こされる望ましくない影響であり得る。
【0015】
本例では、吸い口は第1の材料の本体4を含み、第1および第2の管状要素4a、4bが第1の材料の本体4内に埋め込まれている。第1および第2の管状要素は、材料の本体4内に埋め込まれており、本体4を形成する材料によって円周方向に取り囲まれている。第1の材料の本体は、第1のプラグラップ7に包まれている。
【0016】
本実施形態では、本体4は、フィルタである。しかしながら、他の実施形態では、本体4は、物品1の吸入物を実質的に濾過することなく、単に第1および第2の管状要素4a、4bのためのキャリアまたは支持体として作用するように設けられ得ることを認識されたい。
【0017】
第1の材料の本体4は、繊維状材料から形成されている。本例では、第1の材料の本体4は、シート材料14から形成されている。シート材料14は、折り畳まれて材料の本体4を形成してもよい。材料の本体4は、シート材料の連続ウェブから形成されてもよい。本例では、シート材料14は、「クレープフィルタ」と同様の方法で寄せ集められて材料の本体4を形成する。第1および第2の管状要素4a、4bは、寄せ集められたシート材料内に埋め込まれ、かつ寄せ集められたシート材料によって円周方向に取り囲まれて、第1の材料の本体4を形成する。
【0018】
本例では、第1の管状要素4aは、材料の本体4の長手方向端部に位置決めされており、本体の前記長手方向端部まで延在する。第2の管状要素4bは、第1の管状要素4aの下流に位置決めされており、材料の本体4は、第2の管状要素が第1の材料の本体4によって円周方向および長手方向の両方で取り囲まれるように、第2の管状要素4bを越えて延在する。好適には、このような構成は、同じ材料の本体4内にキャビティおよびフィルタセクションを形成することが可能であるため、単純化された製造プロセスをもたらすことができる。あるいは、エアロゾル改質剤放出成分などのさらなる物体が材料の本体4内に埋め込まれてもよい。
【0019】
本例では、第1および第2の管状要素4a、4bは、効果的に連続した管状部分を形成するように約1mmの間隙によって分離されている。第1および第2の管状要素4a、4bが効果的に連続した管状部分を形成するように意図されている実施形態では、管状要素は、0.5mm~6mm、例えば1mm~3mm、または2mm~5mmの間隙によって好適に分離され得る。本例では、第1および第2の管状要素4a、4bによって形成された管状部分は、冷却セグメントとして作用するエアギャップを吸い口内に画定する。他の実施形態では、管状要素4a、4bのうちの単一の1つがエアロゾル冷却のための管状部分を形成してもよく、管状要素のうちの他方は、本体4内の他の場所に位置決めされてもよい。
【0020】
エアギャップは、エアロゾル生成材料3によって生成された加熱された揮発成分が流れるチャンバを提供する。管状要素4a、4bは、エアロゾル蓄積のためのチャンバを提供するために中空であるが、製造中および物品1が使用されている間に生じ得る軸方向の圧縮力および曲げモーメントに耐えるのに十分に剛性である。第1および第2の管状要素4a、4bによって形成された管状部分は、エアロゾル生成材料3と吸い口2の下流部分との間で物理的変位を提供する。管状部分によって提供された物理的変位は、第1の材料の本体4の長さにわたって熱勾配を提供する。
【0021】
好ましくは、管状要素4a、4bの組み合わされた内部容積は、100mmよりも大きい。少なくともこの容積のキャビティを提供することにより、改善されたエアロゾルの形成が可能になることが見出された。このようなキャビティサイズは、吸い口2内に十分な空間を提供して加熱された揮発成分が冷却されるのを可能にし、したがって、そうしなければ揮発成分が過度に温かいエアロゾルをもたらし得る可能性があり得るよりも高い温度にエアロゾル生成材料3をさらすことを可能にする。本例では、キャビティは、隣接する管状要素4a、4bによって形成されているが、代替的な構成では、単一の管状要素4aによって形成され得る。より好ましくは、吸い口2は、例えば隣接する管状要素4a、4bによって形成されており120mmよりも大きい、さらにより好ましくは150mmよりも大きい内部容積を有するキャビティを備え、エアロゾルのさらなる改善を可能にする。いくつかの例では、内部キャビティは、約110mm~約600mm、好ましくは約120mm~約500mmの容積を有する。本例では、隣接する管状要素4a、4bによって形成された内部キャビティは、約250mmの容積を有する。あるいは、管状要素のうちの単一の1つが冷却セグメントを提供するように配置された場合、その管状要素は、好ましくは上述のような内部容積を有する。
【0022】
キャビティは、キャビティの第1の上流端部に入る加熱された揮発成分と、キャビティの第2の下流端部から出る加熱された揮発成分との間に少なくとも摂氏40度の温度差を提供するように構成され得る。キャビティは、好ましくは、キャビティの第1の上流端部に入る加熱された揮発成分と、キャビティの第2の下流端部から出る加熱された揮発成分との間に、少なくとも摂氏60度、好ましくは少なくとも摂氏80度、より好ましくは少なくとも摂氏100度の温度差を提供するように構成され得る。キャビティの長さにわたるこの温度差により、エアロゾル生成材料3が加熱されたときのエアロゾル生成材料3の高温からキャビティの下流の吸い口の温度に敏感な要素を保護することができる。
【0023】
好ましくは、管状部分の長さは、約50mm未満である。より好ましくは、管状部分の長さは、約40mm未満である。さらにより好ましくは、管状部分の長さは、約35mm未満である。加えて、または代替として、管状部分の長さは、好ましくは少なくとも約10mmである。好ましくは、管状部分の長さは、少なくとも約15mmである。
【0024】
いくつかの好ましい実施形態では、管状部分の長さは、約15mm~約35mm、より好ましくは約16mm~約30mm、さらにより好ましくは約18~約25mm、最も好ましくは約23mmである。本例では、管状部分の長さは、23mmである。本例では、管状部分は、各々が11mmの長さを有しかつ1mmの間隙によって分離されている、第1および第2の管状要素4a、4bを備える。本明細書で説明したように、代替的に、管状部分は、上述したような長さを有する単一の管状要素4aを備えてもよい。
【0025】
他の実施形態では、第1および第2の管状要素は、材料の本体4の他の位置に設けられてもよく、または材料の本体4自体は、以下に説明するように、物品の異なる位置に設けられてもよい。
【0026】
本例では、第1および第2の管状要素4a、4bは同じ仕様を有し、すなわち、各管状要素の長さ、壁厚、および内径は同じである。あるいは、第1および第2の管状要素は、例えば吸い口内の異なる位置で異なる内部キャビティ容積または通気を提供するために、異なる仕様を有し得る。
【0027】
本例では、管状要素4a、4bは各々、継ぎ目が突き合わせられて平行に巻かれた複数の紙の層から形成されて、中空管を形成する。本例では、第1および第2の紙層が2プライ管に設けられているが、他の例では、3つ、4つ、またはそれ以上の紙層を使用して3、4、またはそれ以上のプライ管を形成することができる。螺旋状に巻かれた紙の層、厚紙の管、張り子タイプのプロセスを用いて形成された管、または成形もしくは押出成形されたプラスチックの管などの他の構造を用いることができる。
【0028】
いくつかの実施形態では、管状要素は各々、好ましくは少なくとも約50μm~最大約1mm、好ましくは50μm~500μm、より好ましくは60μm~130μmの壁厚を有する。本例では、管状要素は各々、約130μmの壁厚を有する。管状要素の「壁厚」は、管状要素がその中に埋め込まれた周囲材料を含まず、半径方向における管状要素の壁の厚さに対応する。これは、例えばキャリパを用いて測定され得る。
【0029】
いくつかの実施形態では、管状要素4a、4bの壁の厚さは、少なくとも50ミクロン、好ましくは少なくとも75、80、85、90、95、100、または105ミクロンである。いくつかの実施形態では、管状要素の壁の厚さは、少なくとも100または110ミクロンである。
【0030】
いくつかの実施形態では、管状要素4a、4bの壁の厚さは、1000ミクロン未満、好ましくは500ミクロン未満である。
【0031】
いくつかの例では、管状要素4a、4bは各々、40gsm~100gsmの範囲の坪量を有する紙から形成されている。例えば、60gsm~80gsmの坪量を有する紙。
【0032】
管状要素4a、4bと周囲の材料の本体4とを合わせた厚さは、管状部分がより大きな熱質量を有することを意味し、これは、管状部分を通過するエアロゾルの温度を低下させ、管状部分の下流の場所で吸い口の表面温度を低下させるのに役立つことが見出された。これは、管状部分の熱質量が大きいほど、より薄い壁厚を有する管状部分と比べて、管状部分がより多くの熱をエアロゾルから吸収することが可能になると考えられる。管状部分の厚さが増加すると、エアロゾルからの熱が材料の本体の外側部分などの吸い口の外側部分に伝達されることが少なくなるように、吸い口内の中央にエアロゾルを導く。
【0033】
いくつかの実施形態では、管状要素4a、4bの壁の材料の通気度は、少なくとも100のコレスタ単位、好ましくは少なくとも200、500、または1000のコレスタ単位である。
【0034】
管状要素4a、4bの比較的高い通気度は、エアロゾルから管状部分に伝達される熱量を増加させ、したがって、エアロゾルの温度を低下させることが見出された。管状要素4a、4bの通気度はまた、エアロゾルから管状部分に伝達される水分の量を増加させることが見出され、これにより、ユーザの口の中のエアロゾルの感触が改善されることが見出された。管状要素4a、4bの高い通気度はまた、管状部分を取り囲む材料の本体4の部分に入る通気が、外側のプラグラップ(複数可)およびチップペーパー、本体4の材料、ならびに管状部分を形成する管状要素(複数可)のすべてに通気孔をカットして通す必要なく、管状要素4a、4bの壁を通過してエアロゾル流になることができることを意味し、それによって、製造の複雑さが軽減される。
【0035】
いくつかの例では、シート材料14には、材料の本体4の密度を低下させるために、切欠き部分、例えば打ち抜かれた領域が設けられ得る。いくつかの例では、切欠き部分は、中空管状要素4a、4bを取り囲む材料の本体4の部分を形成するシート材料の部分内に設けられ得る。好適には、本体のこの部分を形成するシート材料14に切欠き部分を設けることによって、管状要素4a、4b内に通気を提供するために穿孔される材料の量が低減され得る。
【0036】
いくつかの実施形態では、中空管状要素8の壁の材料の通気度は、前記材料内に形成された穿孔によって提供されている。いくつかの例では、材料は非多孔質紙であり、通気度は材料内に形成された穿孔によって提供される。他の例では、材料は多孔質紙であり、穿孔を含む場合も含まない場合もある。穿孔が設けられる場合、穿孔は、例えば、中空管状要素の壁を通って延在する1つ以上の穿孔のラインとして設けられてもよい。穿孔は、中空管状要素の壁を通る穿孔の帯またはリングとして設けられてもよい。この場合、穿孔は、中空管状要素の上流端部に向かって、例えば、中空管状要素の上流端部から約8mm~約2mm、または約5mm~約2mmの場所に設けることができる。
【0037】
材料の本体4は、Decoufle(商標)製のCU-20フィルタ製造機を使用して製造され得る。しかしながら、当業者は、第1の材料の本体4を製造するために他の機械を使用してもよいことを理解するであろう。
【0038】
いくつかの実施形態では、シート材料14は、少なくとも60mm、好ましくは少なくとも70、80、90、100、110、または120mmの幅を有する。
【0039】
いくつかの実施形態では、シート材料14は、最大でも240mm、好ましくは最大でも230、220、210、200、190、180、170、160、または150mmの幅を有する。
【0040】
いくつかの実施形態では、シート材料14は、180mm未満、好ましくは170、160、150、140、または130mm未満の幅を有する。
【0041】
いくつかの実施形態では、シート材料14は、60~240mmの範囲、好ましくは80~240mmの範囲、90~200mmの範囲、または100~170mmの範囲の幅を有する。
【0042】
本例では、シート材料14は、セルロースを含む。本例では、シート材料14は、紙である。しかしながら、シート材料14は、追加的または代替的に、異なる材料を含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、シート材料14は、材料の本体4を形成するように配置されたシート材料14に形成された再構成タバコを含む。再構成タバコは、セルロースを含む。再構成タバコは、任意選択的に紙再構成タバコであり得る。他の実施形態では、シート材料14は、異なる材料、例えば、綿、タバコ、リヨセル、ポリビニルアルコール(PVOH)、ポリ乳酸(PLA)、ポリ(ε-カプロラクトン)(PCL)、ポリ(1-4ブタンジオールスクシネート)(PBS)、ポリ(ブチレンアジペート-コ-テレフタレート)(PBAT)、デンプン系材料、脂肪族ポリエステル材料、多糖類ポリマー、および/または織布もしくは不織布材料を含む。シート材料14は、生分解性であり得る。1つの実施形態では、シート材料14は非プラスチックであってもよいし、プラスチックであってもよい。いくつかの実施形態では、シート材料14は、酢酸セルロースを含まない。
【0043】
1つの実施形態では、シート材料14は、15~80gsmの範囲、好ましくは20~50gsmの範囲の坪量を有する紙を含む。
【0044】
いくつかの実施形態では、シート材料14は、少なくとも15gsm、好ましくは少なくとも20gsm、25gsm、30gsm、35gsm、40gsm、45gsm、50gsm、55gsm、または60gsmの坪量を有する。
【0045】
いくつかの実施形態では、シート材料14は、100gsm以下、好ましくは90gsm以下、80gsm以下、70gsm以下、60gsm以下、50gsm以下、または40gsm以下、または30gsm以下の坪量を有する。いくつかの実施形態では、シート材料14の坪量は、20gsm以下である。
【0046】
いくつかの実施形態では、シート材料14は、20~100gsmの範囲、好ましくは25~80gsmの範囲または30~65gsmの範囲の坪量を有する。
【0047】
本例では、シート材料14は、材料の本体4内に配置される前にクリンピングされる。例えば、シート材料14は、一対のクリンピングローラを通過させられ得る。この例では、第1の材料の本体4は、一連の実質的に平行な隆起および溝を備えるクリンプパターンを有して形成された、クリンピングされたシート材料14を含む。クリンピングは、シート材料14を寄せ集めて材料の本体4を形成することをより容易にし得る。クリンピングはまた、特定の体積の材料の本体4を形成するために使用することができるシート材料14の長さを増加させ得る。材料の本体4内のシート材料14の量を増加させることにより、材料の本体4を通過するエアロゾルと接触するシート材料の表面積が増加し得、したがって、シート材料14によってエアロゾルから吸収される水分の量が増加し得る。
【0048】
生分解性は、ISO 14855に記載の手順に従って測定することができる。
【0049】
本明細書に記載の管状要素4a、4b、4a’、4b’、4a’’、4b’’、ならびに第1および第2の材料の本体4、4’、4’’、6は、淡水または海水のいずれかにさらされた場合、30日間で50%を超える生分解を達成することができる。
【0050】
望ましいことは、異なる量のシート材料から材料の本体4の異なる部分を形成することであり得、これは、前記部分が形成されるシート材料14に異なるレベルのクリンピングを施すことによって達成することができる。例えば、望ましいことは、より長い長さのシート材料から本体4の長手方向端部を形成することであり得、それによって、シート材料はより密に配置され、本体4の長手方向端部は、長手方向端部から見たときに、消費者にとって従来のフィルタ要素により類似して見え、追加的または代替的に、より高い硬さを有する。したがって、本体の長手方向中央部分よりも、本体の長手方向端部を形成するシート材料14により多くのクリンピング量を適用することが有利であり得る。同様に、シート材料があまり密集していない構成が望ましい場合には、より短い長さのシート材料から本体4の一部を形成することが有利であり得る。例えば、物体が本体4内に埋め込まれている場合、埋め込まれた物体の周りのシート材料14の密度をより低くするために、物体が埋め込まれている本体の長手方向部分を形成するシート材料14に対してクリンピングをより少なく施すことが望ましい場合がある。このような構成は、本体の長手方向部分における圧力降下が望ましくないほど高くなるのを好適に防止し得る。
【0051】
シート材料に施されるクリンピングのレベルは、前記シート材料から形成された本体の硬度の一因となり得る。好適には、材料の本体の硬度は、材料の本体が形成されるシート材料14に施されるクリンプ係数を変化させることによって、材料の本体の長さに沿って変化し得る。例えば、より高いレベルのクリンピングを有するシート材料から形成された材料の本体の一部は、約88%~92%の硬度を有し得る。88%~92%の硬度を有する材料の本体の一部は、本体の遠位端部にて、その端部から見たときの本体の外観を改善するとともに、構成要素の長手方向端部部分の改善された安定性を提供するように、好適に形成され得る。同様に、本体の他の部分は、より低いレベルのクリンピングを有するシート材料から形成され得、少なくとも80%の硬度を有し得る。
【0052】
本例では、シート材料14の隣接する隆起間の平均間隔は、約0.3mmよりも大きい。また、本例では、クリンプ振幅は、約0.7mm未満である。
【0053】
クリンプ振幅(「クリンピング係数」としても知られる)は、本体を形成するシート材料14内にクリンピングすることで形成する溝の深さを指す。すなわち、図1Bに示すように、シート材料14をクリンピングすることにより、シート材料14の第1の側面から見たときにシート材料14内に複数の山および谷が作成され、クリンプ振幅「A」は、それらの山から測定された谷の深さである。クリンピングは、「ジグザグ」形態または別の形状を形成し得る。いくつかの例では、クリンピングされたシート材料14の隣接する溝は、0.3~2mmの範囲、好ましくは0.4~1mmの範囲の距離分離間しているかまたはピッチ「P」を有する。いくつかの実施形態では、クリンピングされたシート材料の隣接する溝は、0.1~3mmの範囲、好ましくは0.2~2mmの範囲の距離分離間している。いくつかの実施形態では、クリンピングされたシート材料10の隣接する溝は、少なくとも0.1mm、好ましくは少なくとも0.2、0.5、0.7、1、1.5、2、2.5、または3mmの距離分離間している。いくつかの実施形態では、クリンピングされたシート材料の隣接する溝は、最大でも3mm、好ましくは最大でも2.5、2、1、1.5、0.7、0.5、0.2、または0.1mmの距離分離間している。
【0054】
例えば、シート材料14は、500μm未満のクリンプ振幅および少なくとも300μm、少なくとも400μm、または少なくとも500μmの山(または谷)間の間隔を有するクリンプを有し得る。
【0055】
いくつかの実施形態では、シート材料14は、クリンピングされるときに加熱される。例えば、シート材料14は、クリンピングローラ間を通過させられ得、クリンピングローラのうちの一方または両方が加熱されている。例えば、ローラのうちの一方または両方は、最大摂氏100度まで、例えば摂氏50度または摂氏60度の温度まで加熱され得る。ローラ間を通過するシート材料に加えられる圧力の量もまた変化され得る。ローラ(複数可)を加熱するか、またはより高いレベルの圧力をシート材料に加えることにより、より高いレベルのクリンピングをもたらすことができる。
【0056】
好適には、上記のクリンプピッチおよび/または振幅を有するシート材料14、例えば紙は、エアロゾル供給システムの構成要素に使用された場合に改善された性能を呈することが見出された。特に、これらの比較的低いレベルのクリンプピッチおよび振幅は、驚くべきことに、より高いレベルのクリンピングを有するシート材料14から形成された本体または本体の部分と比較して、より低い圧力降下を有する材料の本体または材料の本体の部分をもたらす。
【0057】
これらの例のいずれにおいても、前記材料の本体の平均密度は、約0.1~約0.25mg/mmであり得る。材料の本体の密度は、前記本体を物品ならびに周囲のプラグラップおよび/またはチップペーパーから分離し、埋め込まれた物体を除去することによって測定することができるが、シート材料14に添加された任意の添加剤は含める。密度は、シート材料14およびシート材料14に添加された任意の添加剤の重量、ならびにシート材料14が占める全体積に基づいて、緊度として計算され得る。例えば、プラグラップ7の内側で測定された材料の本体4の全体積。
【0058】
本例では、材料の本体4の密度は、約0.19mg/mmである。いくつかの実施形態では、本体4は、少なくとも0.1mg/mm、0.12mg/mmまたは0.15mg/mmの密度を有する。代替的または追加的に、材料の本体4は、約0.3mg/mm未満、約0.25mg/mm未満、または約0.22mg/mm未満の密度を有し得る。好適には、材料の本体の密度は、約0.15mg/mm~約0.25mg/mmであり得る。上述のように、材料の本体4の異なる部分は、その部分を形成するシート材料14に施されたクリンピングおよび寄せ集めのレベルに応じて異なる密度を有し得る。これらの値は、材料の本体4中に含まれる任意の添加剤を含む。クリンピングされて材料の本体に形成される前、シート材料14は、約0.2~0.5mg/mm、例えば約0.25、0.30、または0.35mg/mmの密度を有し得る。
【0059】
シート材料14の所与の寸法は、クリンピングするかまたは寄せ集めて材料の本体を形成する前のシート材料のサイズを指す。シート材料14の寸法は、目に見えるクリンプが残っていない程度までシート材料14を引き伸ばすことによって測定され得る。
【0060】
本例では、管状要素4a、4bがその中に埋め込まれた材料の本体4の部分を形成するシート材料14にはより低いレベルのクリンピングが施されており、本体4の遠位端部を形成するシート材料14にはより高いレベルのクリンピングが施されている。
【0061】
いくつかの実施形態では、シート材料14は、少なくとも0.1mm、好ましくは少なくとも0.3mm、0.4mm、または0.5mmのクリンプ振幅にクリンピングされている。
【0062】
いくつかの実施形態では、シート材料14は、最大でも1mm、好ましくは最大でも0.8mm、0.6mm、または0.5mmのクリンプ振幅にクリンピングされている。
【0063】
いくつかの実施形態では、シート材料14は、本体4の長手方向軸線に対して実質的に垂直の方向に延在する少なくとも1つのスリットを備える。少なくとも1つのスリットは、シート材料14が本体4に組み立てられたときに、スリットが、埋め込まれた物体を包有する空間の境界を少なくとも部分的に画定する内縁を本体4内に形成するように、スリットが、例えば第2の管状要素4bなどの本体内に埋め込まれた物体の第1の側(例えば、下流側)のシート材料14が一緒に寄せ集められることを可能にするように位置決めされている。
【0064】
スリットによって形成された内縁により、シート材料14が、埋め込まれた物体の一方の側に一緒に寄せ集められて、少なくとも部分的にまたは完全に境界が画定され、それによって、物体が、中に埋め込まれた空間の第1の端部から外に移動するのを防止することが可能になる。これにより、本体4内に埋め込まれた物体の位置決めが改善される。加えて、シート材料14が一緒に寄せ集められるため、本体4の長手方向端部から見たときに埋め込まれた物体を隠すのに役立ち、これにより、吸い口2の審美性が改善され得る。好適には、スリットは、埋め込まれた物体の下流または本体4の下流に別個の構成要素、例えば酢酸セルロースプラグを設けることを必要とせずにこれらの利点を達成する。
【0065】
物品1は、エアロゾルの約75%が物品を通して引き込まれる通気レベルを有する。代替的な実施形態では、物品は、エアロゾルの20%~80%、例えば65%~75%が物品を通して引き込まれる通気レベルを有し得る。これらのレベルでの通気は、吸い口2を通して引き込まれるエアロゾルの流れを減速させるのに役立ち、それによって、エアロゾルが吸い口2の下流端部2bに到達する前にエアロゾルが十分に冷却されることを可能にする。通気は、物品1の吸い口2内に直接提供されている。本例では、通気は管状部分内に提供されており、これは、エアロゾル生成プロセスを支援するのに特に有益であることが見出された。通気は、吸い口2の下流の口端部2bからそれぞれ17.925mmおよび18.625mmの位置に、この場合はレーザ穿孔として形成された通気孔12の第1および第2の平行な列によって提供されている。本例では、これらの通気孔12は、チップペーパー5、プラグラップ7、および第2の管状要素4bを貫通している。代替的な実施形態では、通気は、吸い口内の他の位置に提供され得る。
【0066】
あるいは、通気は、単一の列の通気孔、例えばレーザ穿孔によって、管状部分がその中に位置する物品の一部内に提供され得る。これは、所与の通気レベルに対して、通気孔を通る空気流が複数の列の通気孔よりも均一であることに起因すると考えられる改善されたエアロゾル形成をもたらすことが見出された。
【0067】
エアロゾル温度は、一般に、通気レベルの低下とともに上昇することが見出された。しかしながら、エアロゾル温度と通気レベルとの間の関係は線形ではないように見え、例えば製造公差による通気の変動があり、より低い目標通気レベルでは影響が少ない。例えば、±15%の通気公差で、目標通気レベルが75%の場合、エアロゾル温度は、通気下限値(60%の通気)で約6℃上昇し得る。しかしながら、60%の目標通気レベルでは、エアロゾル温度は、通気下限値(45%の換気)で約3.5℃しか上昇しない場合がある。したがって、物品の目標通気レベルは、40%~70%、例えば45%~65%の範囲内とすることができる。少なくとも20個の物品の平均通気レベルは、40%~70%、例えば45%~70%、または51%~59%であり得る。
【0068】
いくつかの例では、本明細書に記載のエアロゾル生成材料3は、第1のエアロゾル生成材料であり、第1および/または第2の管状要素4a、4bは、第2のエアロゾル生成材料を備え得る。1つの例では、管状要素4aの内壁は、第2のエアロゾル生成材料を備える。例えば、第2のエアロゾル生成材料は、管状要素4aの内面上に配設され得る。
【0069】
第2のエアロゾル生成材料は、少なくとも1つのエアロゾル形成剤材料を含み、また、少なくとも1つのエアロゾル改質剤または他の感覚材料を含んでもよい。エアロゾル形成剤材料および/またはエアロゾル改質剤は、本明細書に記載の任意のエアロゾル形成剤材料もしくはエアロゾル改質剤、またはそれらの組合せであり得る。
【0070】
本明細書で第1のエアロゾルと呼ばれるエアロゾル生成材料3から生成されたエアロゾルが吸い口の第1の管状要素4aを通して引き込まれる際、第1のエアロゾルからの熱は、第2のエアロゾル生成材料のエアロゾル形成材料をエアロゾル化して第2のエアロゾルを形成し得る。第2のエアロゾルは、第1のエアロゾルの香味に追加的または補完的であり得る香味料を含み得る。
【0071】
第1または第2の管状要素4a、4b上に第2のエアロゾル生成材料を設けることにより、第1のエアロゾルの香味または視覚的外観を増強または補完する第2のエアロゾルを生成する結果となり得る。
【0072】
他の実施形態では、第1および第2の管状要素4a、4bは、エアロゾル生成材料のロッド内に埋め込まれ得る。このような実施形態では、管状要素は、上述のように紙から、または再構成タバコシートから形成され得る。
【0073】
本例では、物品1は、約21mmの外周を有する(すなわち、物品は、デミスリムフォーマットである)。好ましくは、物品1は、19mmよりも大きい円周を有するエアロゾル生成材料のロッドを有する。これは、消費者にとって好ましい通常のエアロゾル生成セッションにわたって改善された持続的なエアロゾルを生成するのに十分な円周を提供することが見出された。物品が加熱されると、熱がエアロゾル生成材料3のロッドを通して伝達されて、ロッドの成分が揮発し、19mmよりも大きい円周は、このようにしてエアロゾルを発生させるのに特に効果的であることが見出された。物品は、加熱されてエアロゾルを放出することになるため、約23mm未満の円周を有する物品を使用することで改善された加熱効率を実現することができる。好適な製品長さを維持しながら、加熱による改善されたエアロゾルを実現するために、19mmよりも大きく23mm未満のロッド円周が好ましい。いくつかの例では、ロッド円周は20mm~22mmであり得、これにより、効果的なエアロゾル送達を提供することと、一方における効率的な加熱を可能にすることとの提供する間の良好なバランスがもたらされることが見出された。
【0074】
吸い口2の外周は、エアロゾル生成材料3のロッドの外周と、これらの構成要素間に滑らかな移行が存在するように実質的に同じである。本例では、吸い口2の外周は、約20.8mmである。
【0075】
いくつかの例では、チップペーパー5は、クエン酸ナトリウムまたはクエン酸カリウムなどのクエン酸塩を含む。このような例では、チップペーパー5は、2重量%以下、または1重量%以下のクエン酸塩含有量を有し得る。チップペーパー5のクエン酸塩含有量を低減させることは、使用中に起こり得る炭化効果を軽減するのに役立つと考えられる。
【0076】
本例では、チップペーパー5は、エアロゾル生成材料3のロッドの上に5mm延在するが、代替的に、吸い口2とロッド3との間の確実な取付けを提供するために、ロッド3の上に3mm~10mm、またはより好ましくは4mm~6mm延在し得る。チップペーパー5は、物品1で使用されたプラグラップの坪量よりも高い坪量、例えば40gsm~80gsm、より好ましくは50gsm~70gsm、本例では58gsmの坪量を有し得る。坪量のこれらの範囲は、物品1の周りを包み、チップペーパー自体に、紙の長手方向の重ね継ぎ目に沿って接着するのに十分な可撓性を有しながら、許容可能な引張強度を有するチップペーパーをもたらすことが見出された。チップペーパー5の外周は、吸い口2の周りに巻き付けられた時点で、約21mmである。
【0077】
いくつかの実施形態では、第1のプラグラップ7は、50gsm未満、より好ましくは約20gsm~40gsmの坪量を有する。しかしながら、吸い口の硬度を高めるために、第1のプラグラップ7の坪量はより高くてもよいことを認識されたい。例えば、第1のプラグラップ7の坪量は、少なくとも50、60、70、80、90、または100gsmであり得る。いくつかの実施形態では、第1のプラグラップ7の坪量は、50~110gsmの範囲、または60~100gsmの範囲である。
【0078】
いくつかの実施形態では、第1のプラグラップ7は、少なくとも20gsmまたは少なくとも30gsmの坪量を有する。
【0079】
いくつかの実施形態では、第1のプラグラップ7は、最大でも120、110、または100gsmの坪量を有する。
【0080】
いくつかの実施形態では、第1のプラグラップ7は、20~120gsmの範囲、好ましくは30~100gsmの範囲の坪量を有する。
【0081】
好ましくは、第1のプラグラップ7は、30μm~60μm、より好ましくは35μm~45μmの厚さを有する。しかしながら、吸い口の硬度を高めるために、第1のプラグラップ7の厚さ重量はより大きくてもよいことを認識されたい。いくつかの実施形態では、例えば、第1のプラグラップ7の厚さは、少なくとも40、50、60、70、80、90、または100ミクロンであり得る。いくつかの実施形態では、第1のプラグラップ7の厚さは、40~120ミクロンの範囲、または50~100ミクロンの範囲である。
【0082】
好ましくは、第1のプラグラップ7は、例えば100未満のコレスタ単位、例えば50未満のコレスタ単位の通気度を有する非多孔質プラグラップである。しかしながら、他の実施形態では、第1のプラグラップ7は、例えば200コレスタ単位を超える通気度を有する多孔質プラグラップであり得る。
【0083】
吸い口、例えばエアロゾル生成材料3の下流の物品1の部分にわたる圧力降下または圧力差(引込み抵抗とも呼ばれる)は、好ましくは約40mmHO未満である。このような圧力降下は、香味化合物などの望ましい化合物を含む十分なエアロゾルが吸い口2を通過して消費者に到達することを可能にすることが見出された。より好ましくは、吸い口2にわたる圧力降下は、約20mmHO未満である。いくつかの実施形態では、15mmHO未満、例えば約6mmHO、約10mmHO、または約14mmHOの圧力降下を有する吸い口2を使用して、特に改善されたエアロゾルが実現された。代替的または追加的に、吸い口の圧力降下は、少なくとも3mmHO、好ましくは少なくとも4mmHO、より好ましくは少なくとも5mmHOであり得る。いくつかの実施形態では、吸い口の圧力降下は、約5mmHO~20mmHO、好ましくは5mmHO~15mmHOであり得る。これらの値により、エアロゾルの温度が吸い口2の下流端部2bに到達する前に低下する時間を有するように、吸い口2が吸い口2を通過するときにエアロゾルを減速させることが可能になる。
【0084】
本例では、エアロゾル生成材料3は、包装材10に包まれている。包装材10は、例えば、紙または紙で裏打ちされた箔包装材であり得る。本例では、包装材10は、空気に対して実質的に非通気性である。代替的な実施形態では、包装材10は、好ましくは100未満のコレスタ単位、より好ましくは60未満のコレスタ単位の通気度を有する。例えば100未満のコレスタ単位、より好ましくは60未満のコレスタ単位の通気度を有する低通気度の包装材は、エアロゾル生成材料3におけるエアロゾル形成の改善をもたらすことが見出された。理論に束縛されることを望むものではないが、これは、包装材10を通るエアロゾル化合物の減少した損失に起因すると仮定される。包装材10の通気度は、シガレットペーパー、フィルタプラグラップ、およびフィルタ接合紙として使用される材料の空気通気度の判定に関するISO 2965:2009に従って測定することができる。
【0085】
本実施形態では、包装材10は、アルミニウム箔を含む。アルミニウム箔は、エアロゾル生成材料3内のエアロゾルの形成を促進するのに特に効果的であることが見出された。本例では、アルミニウム箔は、約6μmの厚さを有する金属層を有する。本例では、アルミニウム箔は、紙裏打ちを有する。しかしながら、代替的な構成では、アルミニウム箔は、他の厚さ、例えば4μm~16μmの厚さであってもよい。アルミニウム箔はまた、紙裏打ちを有さなくてもよいが、例えば箔に適切な引張強度を提供するのを助けるために、他の材料から形成された裏打ちを有してもよく、または裏打ちを有さなくてもよい。アルミニウム以外の金属層または箔も使用することができる。包装材の総厚は、好ましくは20μm~60μm、より好ましくは30μm~50μmであり、これにより、適切な構造的完全性および熱伝達特性を有する包装材を設けることができる。包装材が破損する前に包装材に加えることができる張力は、3,000グラムを超える力、例えば3,000~10,000グラムの力、または3,000~4,500グラムの力であり得る。
【0086】
いくつかの例では、エアロゾル生成材料3を取り囲む包装材10は、高レベルの通気度、例えば約1000を超えるコレスタ単位、または約1500を超えるコレスタ単位、または約2000を超えるコレスタ単位を有する。包装材10の通気度は、シガレットペーパー、フィルタプラグラップ、およびフィルタ接合紙として使用される材料の空気通気度の判定に関するISO 2965:2009に従って測定することができる。
【0087】
包装材10は、高い固有のレベルの通気度を有する材料、固有の多孔質材料から形成されてもよく、または包装材10に通気性ゾーンまたはエリアを設けることによって最終レベルの通気度が達成される任意のレベルの固有の通気度を有する材料から形成されてもよい。通気性包装材10を設けることにより、空気が物品に入るための経路を提供する。包装材10には、エアロゾル生成材料のロッドを通って入る空気の量が吸い口内の通気孔12を通って物品に入る空気の量よりも相対的に多くなるように通気度が設けられ得る。この構成を有する物品は、ユーザにとってより満足のいくこととなり得る、より風味豊かなエアロゾルを発生させ得る。
【0088】
この例では、エアロゾル生成基材3に添加されたエアロゾル形成剤材料は、エアロゾル生成基材3の14重量%を含む。好ましくは、エアロゾル形成剤材料は、エアロゾル生成基材の少なくとも5重量%、より好ましくは少なくとも10重量%を含む。好ましくは、エアロゾル形成剤材料は、25重量%未満、より好ましくは20重量%未満、例えば10重量%~20重量%、12重量%~18重量%、または13重量%~16重量%のエアロゾル生成基材を含む。
【0089】
好ましくは、エアロゾル生成材料3は、エアロゾル生成材料の円筒形ロッドとして設けられる。エアロゾル生成材料の形態にかかわらず、エアロゾル生成材料は、好ましくは約10mm~100mmの長さを有する。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料の長さは、好ましくは約25mm~50mmの範囲、より好ましくは約30mm~45mmの範囲、さらにより好ましくは約30mm~40mmである。
【0090】
いくつかの例では、物品1は、非燃焼式エアロゾル供給デバイス100のヒータと第1の管状要素4aとの間に分離(すなわち、最小距離)が存在するように構成され得る。これにより、ヒータからの熱によって第1の管状要素4aを形成する材料が損傷することが防止される。
【0091】
非燃焼式エアロゾル供給デバイス100のヒータと第1の管状要素4aとの間の最小距離は、3mm以上であり得る。いくつかの例では、非燃焼式エアロゾル供給デバイス100のヒータと第1の管状要素4aとの間の最小距離は、3mm~10mmの範囲、例えば3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、または10mmであり得る。
【0092】
非燃焼式エアロゾル供給デバイス100のヒータと第1の管状要素4aとの間の分離は、例えば、エアロゾル生成材料3のロッドの長さを調整することによって達成され得る。
【0093】
提供されるエアロゾル生成材料3の体積は、約200mm~約4300mm、好ましくは約500mm~1500mm、より好ましくは約1000mm~約1300mmで様々であり得る。例えば約1000mm~約1300mmのこれらの体積のエアロゾル生成材料の提供は、範囲の下端から選択された体積で達成されるものと比較して、優れた視認性および感覚性能を有する優れたエアロゾルを実現することが好適に示されている。
【0094】
提供されるエアロゾル生成材料3の質量は、200mg超、例えば約200mg~400mg、好ましくは約230mg~360mg、より好ましくは約250mg~360mgであり得る。より高い質量のエアロゾル生成材料を提供することは、より低い質量のタバコ材料から生成されたエアロゾルと比較して改善された感覚性能をもたらすことが好適に見出された。
【0095】
好ましくは、エアロゾル生成材料または基材は、タバコ成分を含む本明細書に記載のタバコ材料から形成される。
【0096】
本明細書に記載のタバコ材料において、タバコ成分は、紙再構成タバコを含有することが好ましい。タバコ成分はまた、葉タバコ、押出成形タバコ、および/またはバンドキャストタバコを含有し得る。
【0097】
エアロゾル生成材料3は、約700ミリグラム立方センチメートル(mg/cc)未満の密度を有する再構成タバコ材料を含み得る。このようなタバコ材料は、より高密度の材料と比較して、エアロゾルを放出するために迅速に加熱することができるエアロゾル生成材料を提供するのに特に有効であることが見出された。例えば、本発明者らは、加熱されたときのバンドキャスト再構成タバコ材料および紙再構成タバコ材料などの様々なエアロゾル生成材料の特質をテストした。各所与のエアロゾル生成材料について、特定のゼロ熱流温度があり、材料に熱が加えられている間、その温度を下回る場合では正味熱流は吸熱性、換言すれば材料に入る熱の方が材料を出るよりも多く、その温度を上回る場合では正味熱流は発熱性、換言すれば材料を出る熱の方が材料に入るよりも多いことが分かった。700mg/cc未満の密度を有する材料は、より低いゼロ熱流温度を有した。材料から出る熱流の大部分はエアロゾルの形成を介するため、より低いゼロ熱流温度を有することは、エアロゾル生成材料からエアロゾルを最初に放出するのにかかる時間に有益な効果を有する。例えば、700mg/cc未満の密度を有するエアロゾル生成材料は、164℃を超えるゼロ熱流温度を有する700mg/ccを超える密度を有する材料と比較して、164℃未満のゼロ熱流温度を有することが分かった。
【0098】
エアロゾル生成材料の密度はまた、熱が材料を通って伝導する速度に影響を及ぼし、より低い密度、例えば700mg/cc未満の密度では、材料を通ってよりゆっくりと熱を伝導し、したがってエアロゾルのより持続的な放出を可能にする。
【0099】
好ましくは、エアロゾル生成材料3は、約700mg/cc未満の密度を有する再構成タバコ材料、例えば紙再構成タバコ材料を含む。より好ましくは、エアロゾル生成材料3は、約600mg/cc未満の密度を有する再構成タバコ材料を含む。代替的または追加的に、エアロゾル生成材料3は、好ましくは、材料を通る十分な量の熱伝導を可能にすると考えられる少なくとも350mg/ccの密度を有する再構成タバコ材料を含む。
【0100】
タバコ材料は、カットラグタバコの形態で設けられ得る。カットラグタバコは、少なくとも15カット/インチ(約1.7mmのカット幅に相当する約5.9カット/cm)のカット幅を有し得る。好ましくは、カットラグタバコは、少なくとも18カット/インチ(約1.4mmのカット幅に相当する約7.1カット/cm)、より好ましくは少なくとも20カット/インチ(約1.27mmのカット幅に相当する約7.9カット/cm)のカット幅を有する。1つの例では、カットラグタバコは、22カット/インチ(約1.15mmのカット幅に相当する約8.7カット/cm)のカット幅を有する。好ましくは、カットラグタバコは、40カット/インチ(約0.64mmのカット幅に相当する約15.7カット/cm)以下のカット幅を有する。0.5mm~2.0mm、例えば0.6mm~1.5mm、または0.6mm~1.7mmのカット幅は、特に加熱されたときの表面積対体積比、ならびに基材3の全体的な密度および圧力降下に関して、好ましいタバコ材料となることが見出された。カットラグタバコは、タバコ材料の形態の混合物、例えば紙再構成タバコ、葉タバコ、押出成形タバコ、およびバンドキャストタバコのうちの1つ以上の混合物から形成することができる。好ましくは、タバコ材料は、紙再構成タバコ、または紙再構成タバコおよび葉タバコの混合物を含む。
【0101】
本明細書に記載のタバコ材料において、タバコ材料は、充填剤成分を含有し得る。充填剤成分は、一般に、非タバコ成分、すなわちタバコに由来する原材料を含まない成分である。充填剤成分は、木材繊維またはパルプまたは小麦繊維などの非タバコ繊維であり得る。充填剤成分はまた、チョーク、パーライト、バーミキュライト、珪藻土、コロイダルシリカ、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、炭酸マグネシウムなどの無機材料であり得る。充填剤成分はまた、非タバコキャスト材料または非タバコ押出成形材料であり得る。充填剤成分は、タバコ材料の0~20重量%の量で、または組成物の1~10重量%の量で存在し得る。いくつかの実施形態では、充填剤成分は存在しない。
【0102】
本明細書に記載のタバコ材料では、タバコ材料は、エアロゾル形成剤材料を含有する。この文脈では、「エアロゾル形成剤材料」は、エアロゾルの生成を促進する薬剤である。エアロゾル形成剤材料は、吸入可能な固体および/または液体エアロゾルへのガスの初期気化および/または凝縮を促進することによってエアロゾルの生成を促進し得る。いくつかの実施形態では、エアロゾル形成剤材料は、エアロゾル生成材料からの香味の送達を改善し得る。一般に、本明細書に記載されたものを含む任意の好適なエアロゾル形成剤材料が、本発明のエアロゾル生成材料に含まれ得る。他の好適なエアロゾル形成剤材料には、ソルビトール、グリセロール、およびプロピレングリコールもしくはトリエチレングリコールのようなグリコールなどのポリオール、一価アルコールなどの非ポリオール、高沸点炭化水素、乳酸などの酸、グリセロール誘導体、ジアセチン、トリアセチン、トリエチレングリコールジアセテート、クエン酸トリエチル、またはミリスチン酸エチルおよびミリスチン酸イソプロピルを含むミリスチン酸などのエステル、ならびにステアリン酸メチル、ドデカン二酸ジメチル、およびテトラデカン二酸ジメチルなどの脂肪族カルボン酸エステルが含まれるがこれらに限定されない。いくつかの実施形態では、エアロゾル形成剤材料は、グリセロール、プロピレングリコール、またはグリセロールおよびプロピレングリコールの混合物であり得る。グリセロールは、タバコ材料の10~20重量%、例えば組成物の13~16重量%、または組成物の約14%もしくは15重量%の量で存在し得る。プロピレングリコールは、存在する場合、組成物の0.1~0.3重量%の量で存在し得る。
【0103】
エアロゾル形成剤材料は、タバコ材料の任意の成分、例えば任意のタバコ成分中、および/または存在する場合には充填剤成分中に含まれ得る。代替的または追加的に、エアロゾル形成剤材料は、タバコ材料に個別に添加され得る。いずれの場合も、タバコ材料中のエアロゾル形成剤材料の総量は、本明細書で定義された通りであり得る。
【0104】
タバコ材料は、10重量%~90重量%のタバコ葉を含有し得、エアロゾル形成剤材料は、葉タバコの最大約10重量%の量で提供されている。タバコ材料の10重量%~20重量%のエアロゾル形成剤材料の全体的なレベルを達成するために、これは、再構成タバコ材料などのタバコ材料の別の成分に対してより高い重量パーセントで添加され得ることが好適に見出された。
【0105】
本明細書に記載のタバコ材料は、ニコチンを含有する。ニコチン含有量は、タバコ材料に対して0.5~1.75重量%であり、例えば、タバコ材料に対して0.8~1.5重量%であり得る。追加的または代替的に、タバコ材料は、タバコ葉の1.5重量%超のニコチン含有量を有する10重量%~90重量%のタバコ葉を含有する。紙再構成タバコなどのより低いニコチン基材と組み合わせて1.5%を超えるニコチン含有量を有するタバコ葉を使用すると、紙再構成タバコ単独の使用よりも適切なニコチンレベルであるが優れた感覚性能を有するタバコ材料が提供されることが好適に見出された。タバコ葉、例えばカットラグタバコは、例えば、タバコ葉の1.5重量%~5重量%のニコチン含有量を有し得る。
【0106】
本明細書に記載のタバコ材料は、本明細書に記載の香味のうちのいずれかなどのエアロゾル改質剤を含有し得る。1つの実施形態では、タバコ材料はメントールを含有し、メントールを含む物品を形成する。タバコ材料は、3mg~20mgのメントール、好ましくは5mg~18mg、より好ましくは8mg~16mgのメントールを含み得る。本例では、タバコ材料は、16mgのメントールを含む。タバコ材料は、2重量%~8重量%のメントール、好ましくは3重量%~7重量%のメントール、より好ましくは4重量%~5.5重量%のメントールを含有し得る。1つの実施形態では、タバコ材料は、4.7重量%のメントールを含む。このような高レベルのメントール充填は、例えばタバコ材料の50重量%を超える高いパーセントの再構成タバコ材料を使用して達成することができる。代替的または追加的に、大量のエアロゾル生成材料、例えばタバコ材料を使用することにより、メントール充填レベルを高めることができ、それは例えば、約500mm超または好適には約1000mm超のタバコ材料などのエアロゾル生成材料が使用される場合に達成することができる。
【0107】
本明細書に記載の組成物では、量が重量%で与えられている場合、誤解を避けるために、これは、特に反対のことが示されていない限り、乾燥重量基準を指す。したがって、タバコ材料中またはその任意の成分中に存在し得る水は、重量%を決定する目的では完全に無視される。本明細書に記載のタバコ材料の含水量は様々であり得、例えば、5~15重量%であり得る。本明細書に記載のタバコ材料の含水量は、例えば、組成物が維持される温度、圧力、および湿度の条件に従って変化し得る。含水量は、当業者に知られているように、カールフィッシャー分析によって決定することができる。一方、誤解を避けるために、エアロゾル形成剤材料がグリセロールまたはプロピレングリコールなどの液相の成分である場合でも、水以外の任意の成分がタバコ材料の重量に含まれる。しかしながら、エアロゾル形成剤材料が、タバコ材料に別個に添加される代わりにまたはそれに加えて、タバコ材料のタバコ成分中またはタバコ材料の充填剤成分(存在する場合)中に提供されている場合、エアロゾル形成剤材料は、タバコ成分または充填剤成分の重量に含まれず、本明細書で定義される重量%で「エアロゾル形成剤材料」の重量に含まれる。タバコ成分中に存在するすべての他の成分は、非タバコ由来(例えば、紙再構成タバコの場合は非タバコ繊維)であっても、タバコ成分の重量に含まれる。
【0108】
一実施形態では、タバコ材料は、本明細書で定義されるタバコ成分および本明細書で定義されるエアロゾル形成剤材料を含む。一実施形態では、タバコ材料は、本明細書で定義されるタバコ成分および本明細書で定義されるエアロゾル形成剤材料から本質的になる。一実施形態では、タバコ材料は、本明細書で定義されるタバコ成分および本明細書で定義されるエアロゾル形成剤材料からなる。
【0109】
紙再構成タバコは、タバコ成分の10重量%~100重量%の量で本明細書に記載のタバコ材料のタバコ成分中に存在する。実施形態では、紙再構成タバコは、タバコ成分の10重量%~80重量%、または20重量%~70重量%の量で存在する。さらなる実施形態では、タバコ成分は、紙再構成タバコから本質的になるか、または紙再構成タバコからなる。好ましい実施形態では、葉タバコは、タバコ成分の少なくとも10重量%の量でタバコ材料のタバコ成分中に存在する。例えば、葉タバコは、タバコ成分の少なくとも10重量%の量で存在し得、一方、タバコ成分の残りは、紙再構成タバコ、バンドキャスト再構成タバコ、またはバンドキャスト再構成タバコとタバコ顆粒などの別の形態のタバコとの組合せを含む。
【0110】
紙再構成タバコは、タバコ原料を溶媒で抽出して可溶性物質の抽出物と繊維状材料を含む残留物とを得、次いで、(通常は濃縮後の、任意選択的にさらなる処理の後の)抽出物を、繊維状材料上への抽出物の堆積によって(通常は繊維状材料を精製した後の、任意選択的に非タバコ繊維の一部を添加した)残留物からの繊維状材料と再結合させるプロセスによって形成されたタバコ材料を指す。再結合のプロセスは、紙を作製するプロセスに似ている。
【0111】
紙再構成タバコは、当該技術分野で知られている任意の種類の紙再構成タバコであり得る。特定の実施形態では、紙再構成タバコは、タバコストリップ、タバコ茎、および全葉タバコのうちの1つ以上を含む原料から作製されている。さらなる実施形態では、紙再構成タバコは、タバコストリップおよび/または全葉タバコ、ならびにタバコ茎からなる原料から作製されている。しかしながら、他の実施形態では、くず、微粉、およびワインニングを代替的または追加的に原料に採用することができる。
【0112】
本明細書に記載のタバコ材料に使用するための紙再構成タバコは、紙再構成タバコを調製するための当業者に公知の方法によって調製され得る。
【0113】
図2は、材料の本体4’を含む吸い口2’を含むさらなる物品1’の側面断面図である。吸い口2’は、第1の管状要素4a’が材料の本体4’の上流端部に設けられておりかつ本体4’を形成する材料によって充填されている間隙によって第2の管状要素4b’から分離されており、第2の管状要素4b’が本体4’の下流端部に設けられていることを除いて、上述の吸い口2と実質的に同じである。
【0114】
本例では、第1の管状要素4a’と第2の管状要素4b’とは、10mmの間隙によって分離されている。あるいは、第1および第2の管状要素4a’、4b’は、他の距離、例えば5mm~15mm、または6mm~12mm、または約6mm、約7mm、約8mm、または約9mmの間隙によって分離されている。材料の本体4’は、間隙内に延在する。本例では、材料の本体4’を形成する材料は、第1および第2の管状要素4a’、4b’間の間隙内の材料の本体4’の全幅にわたって延在する。本例では、本体4’を形成するシート材料14は、それぞれ第1および第2の管状要素4a’、4b’の下流端部および上流端部に位置決めされた2つのスリットを備える。スリットは、シート材料14が本体4’に組み立てられたときに、スリットによってシート材料14がスリット間で解放され、第1および第2の管状要素4a’、4b’間の間隙内に延在して、材料の本体4’の中央部分が2つの管状要素間の間隙を完全に横切って延在することを可能にするように、位置決めされている。
【0115】
本例では、第1の管状要素4a’は、エアロゾル冷却のためのキャビティとして作用する上述の管状部分を提供する。本例では、第1の管状要素4a’は、約15mmの長さを有する。あるいは、第1の管状要素4a’は、管状部分について上述したような長さを有してもよい。
【0116】
第2の管状要素4b’は、材料の本体4’の下流端部で材料の本体4’内に埋め込まれており、本体4’の長手方向端部まで延在する。この位置に管状要素を設けることは、好適には、物品1’が使用されているときに消費者の口と接触する吸い口の下流端部2bにおいて、吸い口2’の外面の温度を大幅に低下させることが見出された。加えて、管状部分の使用は、管状部分の上流であっても吸い口2’の外面の温度を大幅に低下させることも見出された。理論に束縛されることを望むものではないが、これは、管状部分が吸い口2’の中心により近くエアロゾルを導き、したがってエアロゾルから吸い口2’の外面への熱伝達を減少させることに起因すると仮定される。加えて、第1の管状要素4a’と第2の管状要素4b’との間の間隙を充填する材料の本体4’は、エアロゾルが吸い口2の材料の本体4’を通過する際にエアロゾル生成材料3によって生成されたエアロゾルから水分を除去することが見出され、これにより、エアロゾルはユーザの口の中でより冷たく感じるようになる。
【0117】
材料の本体4’の対向する端部に埋め込まれた第1および第2の管状要素4a’、4b’を備える材料の本体4’を含む吸い口を形成することにより、好適には、そのような構造に典型的には必要とされ得るよりも薄い厚さのプラグラップによって取り囲まれた、凹状の口端部と、吸い口の上流端部におけるエアロゾル冷却のためのキャビティと、を有する吸い口が得られるが、これは、両方のキャビティが同じ材料の本体内に埋め込まれた管状要素によって提供されるためであり、異なる構成要素のための別個のプラグラップおよび結合ラップの必要性がなくなる。構成要素の数を減らすことによって吸い口の製造を単純化するだけでなく、穿孔するプラグラップの厚さがより少ないため、所望の位置で材料の本体4’に通気アパーチャを形成することがより容易になり得る。
【0118】
本例では、第2の管状要素4b’によって提供された吸い口の口端部2bのキャビティが、管状要素4a’によって形成されたキャビティよりも小さくなるように、第2の管状要素4b’は第1の管状要素4a’よりも厚い壁厚を有し、かつ第2の管状要素4b’は第1の管状要素4a’よりも短い。他の例では、第1の管状要素4a’の壁厚は、第2の管状要素4b’の壁厚よりも厚くてもよい。好適には、第1および第2の管状要素4a’、4b’に対してそれぞれ異なる壁厚、内径、および/または長さを選択することにより、材料の本体4’の両端部に設けられたキャビティを、吸い口内の第1および第2の管状要素4a’、4b’の位置に基づいて、所望に応じて吸い口を通るエアロゾルの冷却および/またはエアロゾルを導くために最適化することが可能になる。
【0119】
好ましくは、第2の管状要素4b’の長さは、約20mm未満である。より好ましくは、第2の管状要素4b’の長さは、約15mm未満である。さらにより好ましくは、第2の管状要素4b’の長さは、約10mm未満である。加えて、または代替として、第2の管状要素4b’の長さは、少なくとも約5mmである。好ましくは、第2の管状要素4b’の長さは、少なくとも約6mmである。いくつかの好ましい実施形態では、第2の管状要素4b’の長さは、約5mm~約20mm、より好ましくは約6mm~約10mm、さらにより好ましくは約6mm~約8mm、最も好ましくは約6mm、7mm、または約8mmである。本例では、第2の管状要素4b’の長さは、6mmである。
【0120】
本例では、第1および第2の管状要素4a’、4b’の各々は、同じ外径を有し、同じ厚さの材料の本体4’によって取り囲まれている。
【0121】
上述のように、材料の本体4’の異なる部分を形成するシート材料14に、異なるレベルのクリンピングを施すことができる。本例では、第1の管状要素4a’がその中に埋め込まれた本体4’の部分を形成するシート材料14、および第1および第2の管状要素4a’、4b’間の間隙を充填するシート材料14に施されたクリンピングのレベルと比較して、第2の管状要素4b’がその中に埋め込まれた本体4’の口端部部分を形成するシート材料にはより高いレベルのクリンピングが施されている。好適には、第2の管状要素4b’の周りのシート材料14により高いレベルのクリンピングを施すことにより、口端部2bにおける吸い口のより望ましい硬さ、および吸い口の口端部から見たときの外観の改善をもたらすことができる。
【0122】
図3は、材料の本体4’’を含む吸い口2’’を含むさらなる物品1’’の側面断面図である。本例では、材料の本体4’’は、第2の管状要素4bを実質的に超えて延在しない。本例の吸い口2’’は、第1の材料の本体4’’の下流に、この例では第1の材料の本体4’’に隣接し当接関係にある第2の材料の本体6を含む。第1および第2の材料の本体4’’、6は各々、略円筒形の全体的な外形を画定し、共通の長手方向軸線を共有する。
【0123】
本例では、材料の本体4’’を形成するシート材料14全体に同じレベルのクリンピングが施されている。
【0124】
第2の材料の本体6は、第1の材料の本体4に関して説明したように、シート材料から形成されている。第2の材料の本体6は、第1の材料の本体4と同じシート材料14、または異なる組成もしくはクリンピングレベルなどの他の特質を有するシート材料から形成され得る。いくつかの例では、第2の材料の本体6は、第1の材料の本体4と同じ密度を有し得る。
【0125】
好ましくは、第2の材料の本体6の長さは、約20mm未満である。本例では、第2の材料の本体6の長さは、16mmである。
【0126】
いくつかの実施形態では、第2の材料の本体6の軸方向長さは、10~20mmの範囲である。
【0127】
いくつかの実施形態では、エアロゾル形成剤材料が第2の材料の本体6に塗布されている。例えば、エアロゾル形成剤材料は、シート材料が折り畳まれて第2の材料の本体6を形成する前にシート材料に塗布され得る。エアロゾル形成剤材料は、シート材料上に噴霧されてもよく、ブラシによって、またはシート材料をエアロゾル形成剤材料中に浸漬することによって塗布されてもよい。
【0128】
いくつかの実施形態では、エアロゾル形成剤材料は、グリセリン、グリセロール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、エリスリトール、メソエリスリトール、バニリン酸エチル、ラウリン酸エチル、スベリン酸ジエチル、クエン酸トリエチル、トリアセチン、ジアセチン混合物、安息香酸ベンジル、フェニル酢酸ベンジル、トリブチリン、酢酸ラウリル、ラウリン酸、ミリスチン酸、および炭酸プロピレンのうちの1つ以上を含み得る。
【0129】
いくつかの実施形態では、第2の材料の本体6の軸方向長さ1mm当たり少なくとも0.02mgのエアロゾル形成剤材料が、第2の材料の本体に塗布されている。好ましくは、材料の本体の軸方向長さ1mm当たり少なくとも0.03、0.04、または0.05mgのエアロゾル形成剤材料が、第2の材料の本体に塗布される。
【0130】
いくつかの実施形態では、材料の本体の軸方向長さ1mm当たり0.5mg以下のエアロゾル形成剤材料が、第2の材料の本体6に塗布されている。好ましくは、材料の本体の軸方向長さ1mmの当たり0.4mg以下、0.3mg以下、0.2mg以下、または0.1mg以下のエアロゾル形成剤材料が、第2の材料の本体6に塗布される。
【0131】
エアロゾル形成剤材料の少なくとも一部は、第2の材料の本体6を通過する際にエアロゾルと組み合わされ、ユーザの口内でのエアロゾルの乾燥感を軽減するのに役立つ。
【0132】
いくつかの実施形態では、第2の材料の本体6は、少なくとも115mmの外体積を有する。本例では、第2の材料の本体6は、略円筒形であり、したがって、略円筒形の外体積を有する。他の実施形態では、第2の材料の本体6は、115mmよりも小さい外体積を有し得ることを認識されたい。
【0133】
セルロースを含み、少なくとも115mmの体積を有する第2の材料の本体6は、エアロゾルが吸い口2’’の第2の材料の本体6を通過する際に、エアロゾル生成材料3によって生成されたエアロゾルから水分を除去するのに役立つことが見出された。すなわち、第2の材料の本体6を形成するセルロース含有シート材料は、エアロゾルから水を吸収する。エアロゾルから水分を除去すると、エアロゾルはユーザの口の中でより冷たく感じられる。
【0134】
本明細書に記載の他の例では、材料の本体4、4’は、第1の管状要素4aを越えて延在し、材料の本体4、4’の一部分は、本体4、4’の全幅にわたって延在する。これらの例では、エアロゾル形成剤は、第2の材料の本体6について上述したように、本体4、4’の前記部分に塗布され得る。これらの例では、前記部分は、別個の材料の本体を設ける必要なしに、材料の本体6の上述の機能を提供し得る。
【0135】
第2の材料の本体は、第2のプラグラップ8によって囲まれている。第2のプラグラップ8は、プラグラップ7について述べたような任意の仕様を有し得る。
【0136】
いくつかの実施形態では、第2の材料の本体6は、材料の本体の軸方向長さmm当たり少なくとも19mm、好ましくは軸方向長さmm当たり少なくとも25mm、またはmm当たり少なくとも30mmの体積を有する。例えば、第2の材料の本体6が軸方向長さmm当たり19mmの体積、および10mmの長さを有する場合、材料の本体の体積は190mmとなり得る。
【0137】
より大きな体積の第2の材料の本体6は、一般に、エアロゾルから水分を除去するのにより効果的となる。いくつかの例では、材料の本体6の外容積は、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも400、少なくとも500、少なくとも600、少なくとも700、少なくとも800、少なくとも900、または少なくとも1000mmである。
【0138】
いくつかの実施形態では、第2の材料の本体6の軸方向長さは、少なくとも4mm、少なくとも5mm、少なくとも6mm、少なくとも7mm、少なくとも8mm、少なくとも9mm、または少なくとも10mmである。
【0139】
いくつかの実施形態では、第2の材料の本体6の軸方向長さは、約5~20mm、好ましくは6~15mm、好ましくは6~10mmの範囲である。
【0140】
いくつかの実施形態では、第2の材料の本体6の幅は、少なくとも4mm、少なくとも5mm、少なくとも6mm、少なくとも7mm、少なくとも8mm、または少なくとも9mmである。
【0141】
いくつかの実施形態では、第2の材料の本体6の円周は、少なくとも16mm、少なくとも18mm、少なくとも20mm、少なくとも22mm、少なくとも25mm、または少なくとも28mmである。
【0142】
いくつかの実施形態では、第2の材料の本体6にわたる圧力降下は、少なくとも2WGmm、好ましくは少なくとも3mmWG、好ましくは少なくとも4mmWGである。材料の本体にわたる圧力降下は、少なくとも5、6、7、8、9、10、または11mmWGであり得る。
【0143】
いくつかの実施形態では、第2の材料の本体6にわたる圧力降下は、20mmWG未満、おそらく16mmWG未満、好ましくは15、14、13、または12mmWG未満である。
【0144】
いくつかの実施形態では、第2の材料の本体6にわたる圧力降下は、約4.4、8.1、または11.9mmWGである。
【0145】
いくつかの実施形態では、第2の材料の本体6にわたる圧力降下は、3~15mmWGの範囲、好ましくは4~12mmWGの範囲である。
【0146】
いくつかの実施形態では、第2の材料の本体6にわたる圧力降下は、第2の材料の本体6の軸方向長さmm当たり少なくとも0.2mmWG、好ましくは、第2の材料の本体6の軸方向長さmm当たり少なくとも0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、または1.1mmWGである。
【0147】
いくつかの実施形態では、第2の材料の本体6にわたる圧力降下は、第2の材料の本体6の軸方向長さmm当たり2mmWG未満、好ましくは、第2の材料の本体6の軸方向長さmm当たり1.6、1.5、1.4、1.3、または1.2mmWG未満である。
【0148】
いくつかの実施形態では、第2の材料の本体6にわたる圧力降下は、第2の材料の本体6の軸方向長さmm当たり0.3~1.5mmWGの範囲、好ましくは、第2の材料の本体6の軸方向長さmm当たり0.4~1.2mmWGの範囲である。
【0149】
いくつかの実施形態では、第2の材料の本体6にわたる圧力降下は、少なくとも2mmWG、好ましくは少なくとも3mmWG、好ましくは少なくとも4mmWG、少なくとも6mmWG、少なくとも8mmWG、少なくとも10mmWG、または少なくとも11mmWG、または少なくとも12mmWG、または少なくとも15mmWG、または少なくとも20mmWG、または少なくとも23mmWGである。
【0150】
いくつかの実施形態では、第2の材料の本体6にわたる圧力降下は、25mmWG未満、好ましくは23mmWG未満、20mmWG未満、15mmWG未満、14mmWG未満、好ましくは12mmWG未満または10mmWG未満である。
【0151】
いくつかの実施形態では、第2の材料の本体6にわたる圧力降下は、10~25mmWGの範囲、好ましくは、12~23mmWGまたは13~20mmWGの範囲である。
【0152】
いくつかの実施形態では、第2の材料の本体6にわたる圧力降下は、材料の本体の軸方向長さmm当たり少なくとも0.2mmWG、好ましくは、材料の本体の軸方向長さmm当たり少なくとも0.3、0.4、0.6、または0.8mmWGであり、好ましくは、材料の本体の軸方向長さmm当たり少なくとも1、1.1、1.2、1.5、2、または2.33mmWGである。
【0153】
いくつかの実施形態では、第2の材料の本体6にわたる圧力降下は、材料の本体の軸方向長さmm当たり2.5mmWG未満、好ましくは、第2の材料の本体の軸方向長さmm当たり2.3、2、1.5、1.4、1.2、または1mmWG未満である。
【0154】
いくつかの実施形態では、第2の材料の本体6にわたる圧力降下は、第2の材料の本体の軸方向長さmm当たり1から2.5mmWGの範囲、好ましくは、第2の材料の本体の軸方向長さmm当たり1.2~2.3、または1.3~2mmWGの範囲である。
【0155】
上述の圧力降下値のうちのいずれかを有するいくつかの実施形態では、第2の材料の本体6は、約10mmの軸方向長さを有する。
【0156】
実施形態のうちのいくつかでは、第2の材料の本体6の質量は、少なくとも20mg、好ましくは少なくとも30mg、少なくとも40mg、少なくとも50mg、少なくとも55mg、または少なくとも60mgである。より高い質量の第2の材料の本体6を設けることにより、エアロゾルから吸収される水分の量が増加することが好適に見出された。本例では、第2の材料の本体の質量は、約44mgである。
【0157】
実施形態のうちのいくつかでは、第2の材料の本体6の質量は、150mg未満、好ましくは100mg未満、75mg未満、55mg未満、50mg未満、または45mg未満である。
【0158】
いくつかの実施形態では、第2の材料の本体6は、材料の本体の軸方向長さmm当たり少なくとも2mg、好ましくは軸方向長さmm当たり少なくとも3mg、または軸方向長さmm当たり少なくとも4mgの重量を有する。
【0159】
本例では、第2の材料の本体6は、約4.4mg/mmの重量を有する。すなわち、本例のように、材料の本体6が10mmの軸方向長さを有する場合、質量は約44mgになる。
【0160】
いくつかの実施形態では、第2の材料の本体6は、中実円筒形の材料の本体である。
【0161】
この例では、第1および第2の材料の本体4、6は、両方のセクションの周りに巻き付けられた第3のプラグラップ9を使用して組み合わされている。チップペーパー5は、吸い口2の全長にわたってエアロゾル生成材料3のロッドの一部の上に巻き付けられており、吸い口2とロッド3とを接続するためにチップペーパー5の内面に接着剤を有する。
【0162】
好ましくは、第3のプラグラップ9は、50gsm未満、より好ましくは約20gsm~45gsmの坪量を有する。しかしながら、吸い口の硬度を高めるために、第3のプラグラップ9の坪量はより高くてもよいことを認識されたい。例えば、第3のプラグラップ9の坪量は、少なくとも50、60、70、80、90、または100gsmであり得る。いくつかの実施形態では、第3のプラグラップ9の坪量は、50~110gsmの範囲、または60~100gsmの範囲である。
【0163】
いくつかの実施形態では、第3のプラグラップ9は、少なくとも10gsm、または少なくとも15gsm、または少なくとも20gsm、または少なくとも25gsmの坪量を有する。
【0164】
いくつかの実施形態では、第3のプラグラップ9は、40gsm未満、35gsm未満、または30gsm未満の坪量を有する。
【0165】
いくつかの実施形態では、第3のプラグラップ9は、10~40gsmの範囲、好ましくは15~35gsmの範囲、または20~30gsmの範囲、または25~30gsmの範囲の坪量を有する。いくつかの実施形態では、第3のプラグラップ9の坪量は、約27gsmである。
【0166】
好ましくは、第3のプラグラップ9は、30μm~60μm、より好ましくは35μm~45μmの厚さを有する。しかしながら、吸い口の硬度を高めるために、第3のプラグラップ9の厚さ重量はより大きくてもよいことを認識されたい。いくつかの実施形態では、例えば、第3のプラグラップ9の厚さは、少なくとも40、50、60、70、80、90、または100ミクロンであり得る。いくつかの実施形態では、第3のプラグラップ9の厚さは、40~120ミクロンの範囲、または50~100ミクロンの範囲である。
【0167】
第3のプラグラップ9は、好ましくは、100未満のコレスタ単位、例えば50未満のコレスタ単位の通気度を有する非多孔質プラグラップである。しかしながら、代替的な実施形態では、第3のプラグラップ9は、例えば200を超えるコレスタ単位の通気度を有する多孔質プラグラップであり得る。
【0168】
本例では、第2の材料の本体6は、構成要素の口端部を形成する。あるいは、さらなるセクションが第2の材料の本体6の下流に設けられてもよい。
【0169】
図4は、吸い口2’’’を備えるさらなる物品1’’’の側面断面図である。吸い口2’’’は、吸い口の口端部に第1の材料の本体4’’’を備え、第1および第2の管状要素4a’’、4b’’が第1の材料の本体4’’’内に埋め込まれている。第1の材料の本体4’’’ならびに第1および第2の管状要素4a’’、4b’’は、吸い口の口端部に設けられるように構成されていることを除いて、第1の材料の本体4ならびに第1および第2の管状要素4a、4bと実質的に同じである。上述のように、望ましいことは、吸い口の口端部から見える材料の本体または材料の本体の一部分を形成するシート材料に、より高いレベルのクリンピングを施すことであり得、それによって、材料の本体は、口端部から見たときに所望の外観を有する。
【0170】
本例では、第1および第2の管状要素4a’’、4b’’を取り囲む材料の本体4’’’にあるレベルのクリンピングが施されており、その結果、第1および第2の管状要素4a’’、4b’’の周りにシート材料が密集して配置されている。好適には、これは、そのレベルのクリンピングを有するシート材料から形成された本体の一部分に望ましい硬度をもたらすことができる。例えば、第1および第2の管状要素4a’’、4b’’を円周方向に取り囲むエリアにおける材料の本体4’’’の硬度は、約82%超であり得る。
【0171】
本例では、材料の本体4’’’は、第1および第2の管状要素4a’’、4b’’の端部を超えて延在していない。あるいは、図1に記載された実施形態と同様に、第1の材料の本体4’’’は、第1の管状要素4a’’よりもさらに延在して、第1の材料の本体4’’’の全幅にわたって延在する、第1の管状要素4a’’の上流の材料の本体4’’の一部分を形成してもよい。そのような実施形態では、第1の管状要素4a’’の上流にある第1の材料の本体4’’’の部分は、第2の材料の本体6の機能を提供し得、第2の材料の本体6は省略されてもよい。
【0172】
本例では、第1および第2の管状要素4a’’、4b’’は、同じ仕様を有する。第1および第2の管状要素4a’’、4b’’は、第1および第2の管状要素4a、4bに関して上述したような任意の好適な仕様を有し得る。
【0173】
好ましくは、第1の材料の本体4’’’の長さは、約20mm未満である。より好ましくは、第1の材料の本体4’’’の長さは、約15mm未満である。さらにより好ましくは、第1の材料の本体4’’’の長さは、約10mm未満である。加えて、または代替として、第1の材料の本体4’’’の長さは、少なくとも約5mmである。好ましくは、第1の材料の本体4’’’の長さは、少なくとも約6mmである。いくつかの好ましい実施形態では、第1の材料の本体4’’’の長さは、約5mm~約20mm、より好ましくは約6mm~約10mm、さらにより好ましくは約6mm~約8mm、最も好ましくは約6mm、7mm、または約8mmである。本例では、第1の材料の本体4’’’の長さは、6mmである。本例では、第1および第2の中空管状要素4a’’、4b’’の各々は、約2.5mmの長さを有し、約1mmの間隙によって分離されている。あるいは、第1および第2の管状要素は、0.5mm~5mm、例えば0.75mm~1.5mm、または1mm~3mm分離され得る。
【0174】
好ましくは、第1および第2の中空管状要素4a’’、4b’’は各々、3.0mmよりも大きい内径を有する。これよりも小さい直径は、吸い口2’’’を通過して消費者の口に到達するエアロゾルの速度を、エアロゾルが過度に暖かくなり、例えば40℃を超えるまたは45℃を超える温度に達するように、望ましい速度よりも増加させる結果となり得る。より好ましくは、第1および第2の中空管状要素4a’’、4b’’は各々、3.1mmよりも大きい、さらにより好ましくは3.5mmまたは3.6mmよりも大きい内径を有する。1つの実施形態では、第1および第2の中空管状要素4a’’、4b’’の各々の内径は、約3.9mmである。
【0175】
本例では、管状部分は、中空管状要素13から形成されている。中空管状要素13は、第1および第2の管状要素4a、4bについて上述したような任意の好適な仕様を有し得る。
【0176】
図5は、吸い口2’’’’を備えるさらなる物品1’’’の側面断面図である。吸い口2’’’’は、第1の材料の本体4’’’’を形成する材料によって長手方向および円周方向に取り囲まれるように第1の管状要素4aが中に埋め込まれた第1の材料の本体4’’’’’を備える。本例では、第1の管状要素4aは、図1に関連して説明した第1の管状要素4aと同じであるが、異なる位置に設けられている。本例では、第1の管状要素4aは、材料の本体4’’’’が管状要素4aの上流および下流の長手方向端部の両方を越えて延在するように、材料の本体4’’’’のほぼ中央の位置に設けられている。上述のように、材料の本体を形成するシート材料はスリットを備え得、スリットは、シート材料14が本体4に組み立てられたときに、スリットが、埋め込まれた物体を包有する空間の境界を少なくとも部分的に画定する内縁を本体4内に形成するように、本体内に埋め込まれた物体の第1の側(例えば、下流側)のシート材料14が一緒に寄せ集められることを可能にするように位置決めされている。本例では、シート材料14は2つのスリットを備え、2つのスリットは、シート材料が本体4に組み立てられたときに、スリットが管状要素4aの上流端部および下流端部に隣接するように位置決めされている。管状要素4aの各端部に位置決めされたシート材料14内に前記スリットを設けることにより、シート材料14が解放されて、埋め込まれた管状要素の周りで歪むことなく、材料の本体4’’’’の幅にわたって完全に延在する。
【0177】
好適には、管状要素が材料の本体によって長手方向および円周方向の両方で取り囲まれる位置に管状要素4aが中に埋め込まれた材料の本体4’’’’は、管状要素および材料の本体が一緒になってエアロゾルの所望の冷却および濾過を提供するため、吸い口2’’’’の唯一のフィルタ構成要素として提供され得る。吸い口の唯一のフィルタ構成要素として本体4’’’を設けることにより、吸い口2’’’の製造を好適に単純化することができる。
【0178】
本開示によれば、「エアロゾル供給システム」は、燃焼式エアロゾル供給システムおよび非燃焼式エアロゾル供給システムの両方を含む。
【0179】
本開示によれば、「燃焼式」エアロゾル供給システムは、使用中に、ユーザへの少なくとも1つの物質の送達を容易にするためにエアロゾル供給システムの構成エアロゾル生成材料(またはその成分)が燃焼される、または燃やされるシステムである。
【0180】
いくつかの実施形態では、送達システムは、シガレット、シガリロ、およびシガーからなる群から選択されたシステムなどの燃焼式エアロゾル供給システムである。
【0181】
いくつかの実施形態では、本開示は、フィルタ、フィルタロッド、フィルタセグメント、タバコロッド、スピル、カプセル、糸、もしくはビーズなどのエアロゾル改質剤放出成分、またはプラグラップ、チップペーパー、もしくはシガレットペーパーなどの紙などの、燃焼式エアロゾル供給システムで使用するための構成要素に関する。
【0182】
本開示によれば、「非燃焼式」エアロゾル供給システムは、ユーザへの少なくとも1つの物質の送達を容易にするために、エアロゾル供給システムの構成エアロゾル生成材料(またはその成分)が燃焼されないかまたは燃やされないシステムである。
【0183】
いくつかの実施形態では、送達システムは、動力式の非燃焼式エアロゾル供給システムなどの非燃焼式エアロゾル供給システムである。
【0184】
いくつかの実施形態では、非燃焼式エアロゾル供給システムは、ベイピングデバイスまたは電子ニコチン送達システム(END)としても知られる電子シガレットであるが、エアロゾル生成材料中のニコチンの存在は要件ではないことに留意されたい。
【0185】
いくつかの実施形態では、非燃焼式エアロゾル供給システムは、非燃焼加熱式システムとしても知られるエアロゾル生成材料加熱システムである。そのようなシステムの一例は、タバコ加熱システムである。
【0186】
いくつかの実施形態では、非燃焼式エアロゾル供給システムは、エアロゾル生成材料の組合せを用いてエアロゾルを生成するように構成されたハイブリッドシステムであり、エアロゾル生成材料のうちの1つまたは複数が加熱され得る。エアロゾル生成材料の各々は、例えば、固体、液体、またはゲルの形態であり得、ニコチンを含有する場合もしない場合もある。いくつかの実施形態では、ハイブリッドシステムは、液体またはゲルエアロゾル生成材料および固体エアロゾル生成材料を備える。固体エアロゾル生成材料は、例えば、タバコまたは非タバコ製品を含み得る。
【0187】
典型的には、非燃焼式エアロゾル供給システムは、非燃焼式エアロゾル供給デバイスと、非燃焼式エアロゾル供給デバイスとともに使用するための消耗品と、を備え得る。
【0188】
いくつかの実施形態では、本開示は、エアロゾル生成材料を備えかつ非燃焼式エアロゾル供給デバイスとともに使用されるように構成された消耗品に関する。これらの消耗品は、本開示の全体にわたって物品と呼ばれることがある。
【0189】
いくつかの実施形態では、非燃焼式エアロゾル供給システム、例えばその非燃焼式エアロゾル供給デバイスなどは、動力源およびコントローラを備え得る。動力源は、例えば、電源または発熱動力源であり得る。いくつかの実施形態では、発熱動力源は、発熱動力源に近接するエアロゾル生成材料または熱伝達材料に熱の形態で動力を分配するようにエネルギーが与えられ得る炭素基材を備える。
【0190】
いくつかの実施形態では、非燃焼式エアロゾル供給システムは、消耗品を受容するためのエリア、エアロゾル生成器、エアロゾル生成エリア、ハウジング、吸い口、フィルタ、および/またはエアロゾル改質剤を含み得る。
【0191】
いくつかの実施形態では、非燃焼式エアロゾル供給デバイスとともに使用するための消耗品は、エアロゾル生成材料、エアロゾル生成材料貯蔵エリア、エアロゾル生成材料移送構成要素、エアロゾル生成器、エアロゾル生成エリア、ハウジング、包装材、フィルタ、吸い口、および/またはエアロゾル改質剤を含み得る。
【0192】
いくつかの実施形態では、送達される物質は、活性物質を含む。
【0193】
本明細書で使用される活性物質は、生理学的応答を達成または増強することを意図した材料である生理学的活性材料であり得る。活性物質は、例えば、栄養補助食品、向知性薬、向精神薬から選択され得る。活性物質は、天然に存在してもよく、または合成により得られてもよい。活性物質は、例えば、ニコチン、カフェイン、タウリン、テイン、B6もしくはB12もしくはCなどのビタミン、メラトニン、カンナビノイド、またはそれらの構成成分、誘導体、もしくは組合せを含み得る。活性物質は、タバコ、大麻、または別の植物性物質の1つ以上の構成成分、誘導体、または抽出物を含み得る。
【0194】
いくつかの実施形態では、活性物質は、ニコチンを含む。いくつかの実施形態では、活性物質は、カフェイン、メラトニン、またはビタミンB12を含む。
本明細書で述べるように、活性物質は、1つ以上の植物性物質またはその構成成分、誘導体、もしくは抽出物を含み得るか、またはそれらに由来し得る。本明細書で使用される場合、「植物性物質」という用語は、限定するものではないが、抽出物、葉、樹皮、繊維、茎、根、種子、花、果実、花粉、外皮、または殻などを含む植物に由来する任意の材料を含む。あるいは、材料は、植物性物質中に天然に存在する活性化合物を合成して得たものを含んでもよい。例示的な植物性物質は、タバコ、ユーカリ、スターアニス、麻、ココア、大麻、フェンネル、レモングラス、ペパーミント、スペアミント、ルイボス、カモミール、亜麻、ショウガ、イチョウ、ハシバミ、ハイビスカス、月桂樹、甘草(リコリス)、抹茶、マテ、オレンジの皮、パパイヤ、バラ、セージ、緑茶もしくは紅茶などの茶、タイム、チョウジ、シナモン、コーヒー、アニシード(アニス)、バジル、ローリエ、カルダモン、コリアンダー、クミン、ナツメグ、オレガノ、パプリカ、ローズマリー、サフラン、ラベンダー、レモンの皮、ミント、ビャクシン、ニワトコの花、バニラ、ウィンターグリーン、シソ、クルクマ、ウコン、サンダルウッド、シラントロ、ベルガモット、オレンジの花、ギンバイカ、カシス、バレリアン、ピメント、メース、ダミアン、マジョラム、オリーブ、レモンバーム、レモンバジル、チャイブ、カルヴィ、バーベナ、タラゴン、ゼラニウム、クワ、チョウセンニンジン、テアニン、テアクリン、マカ、アシュワガンダ、ダミアナ、ガラナ、クロロフィル、バオバブ、またはそれらの任意の組合せである。ミントは、以下のミント品種である、ヨウシュハッカ、ハッカc.v.、エジプシャンミント、セイヨウハッカ、オーデコロンミント、キャンディーミント、カーリーミント、ケンタッキーカーネルミント、ホースミント、パイナップルミント、ペニーロイヤルミント、ミドリハッカ、およびアップルミントから選択され得る。
【0195】
いくつかの実施形態では、活性物質は1つ以上の植物性物質またはその構成成分、誘導体、もしくは抽出物を含むか、またはそれらに由来し、植物性物質はタバコである。
【0196】
いくつかの実施形態では、活性物質は1つ以上の植物性物質またはその構成成分、誘導体、もしくは抽出物を含むか、またはそれらに由来し、植物性物質はユーカリ、スターアニス、ココア、および麻から選択される。
【0197】
いくつかの実施形態では、活性物質は1つ以上の植物性物質またはその構成成分、誘導体、もしくは抽出物を含むか、またはそれらに由来し、植物性物質はルイボスおよびフェンネルから選択される。
【0198】
いくつかの実施形態では、送達される物質は、香味を含む。
【0199】
本明細書で使用される場合、「香味」および「香味料」という用語は、地域の規制が認可している場合に、成人消費者向けの製品に所望の味、香り、または他の体性感覚を作り出すために使用され得る材料を指す。それらは、天然に存在する香味材料、植物性物質、植物性物質の抽出物、合成により得られた材料、またはそれらの組合せ(例えば、タバコ、大麻、甘草(リコリス)、アジサイ、オイゲノール、ホオノキの葉、カモミール、フェヌグリーク、チョウジ、カエデ、抹茶、メントール、ニホンハッカ、アニシード(アニス)、シナモン、ターメリック、インディアンスパイス、アジアンスパイス、ハーブ、ウィンターグリーン、サクランボ、ベリー、レッドベリー、クランベリー、モモ、リンゴ、オレンジ、マンゴー、クレメンタイン、レモン、ライム、トロピカルフルーツ、パパイヤ、ルバーブ、ブドウ、ドリアン、ドラゴンフルーツ、キュウリ、ブルーベリー、クワ、柑橘類、ドランブイ、バーボン、スコッチ、ウイスキー、ジン、テキーラ、ラム、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、アロエベラ、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、サンダルウッド、ベルガモット、ゼラニウム、カート、ナスベイ、キンマ、シーシャ、マツ、ハニーエッセンス、バラ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、オレンジの花、サクラの花、カシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイラン、セージ、フェンネル、ワサビ、ピーマン、ショウガ、コリアンダー、コーヒー、麻、ハッカ属のいずれかの種からのハッカ油、ユーカリ、スターアニス、ココア、レモングラス、ルイボス、亜麻、イチョウ、ハシバミ、ハイビスカス、月桂樹、マテ、オレンジの皮、バラ、緑茶もしくは紅茶などの茶、タイム、ビャクシン、ニワトコの花、バジル、ローリエ、クミン、オレガノ、パプリカ、ローズマリー、サフラン、レモンの皮、ミント、シソ、クルクマ、シラントロ、ギンバイカ、カシス、カノコソウ、ピメント、メース、ダミアン、マジョラム、オリーブ、レモンバーム、レモンバジル、チャイブ、カルヴィ、バーベナ、タラゴン、リモネン、チモール、カンフェン)、香味増強剤、苦味受容体部位遮断薬、感覚受容体部位活性化剤もしくは刺激剤、糖および/もしくは代替糖(例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、シクラメート、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトール、もしくはマンニトール)、ならびに木炭、クロロフィル、ミネラル、植物性物質、もしくは呼気清涼化剤などの他の添加剤を含み得る。それらは、模倣、合成、もしくは天然原材料、またはそれらのブレンドであり得る。それらは、任意の好適な形態の、例えば、油などの液体、粉末などの固体、またはガスであり得る。
【0200】
いくつかの実施形態では、香味は、メントール、スペアミント、および/またはペパーミントを含む。いくつかの実施形態では、香味は、キュウリ、ブルーベリー、柑橘類、および/またはレッドベリーの香味成分を含む。いくつかの実施形態では、香味は、オイゲノールを含む。いくつかの実施形態では、香味は、タバコから抽出された香味成分を含む。いくつかの実施形態では、香味は、大麻から抽出された香味成分を含む。
【0201】
いくつかの実施形態では、香味は、感覚惹起剤を含み得、感覚惹起剤は、香りまたは味覚神経に加えて、またはその代わりに、第5脳神経(三叉神経)の刺激によって通常化学的に誘発され、知覚される体性感覚を達成することが意図されており、これらは、加熱、冷却、ヒリヒリ感、麻痺効果をもたらす薬剤を含み得る。好適な熱効果剤は、バニリルエチルエーテルであり得るが、これに限定されず、好適な冷却剤は、ユーカリプトール、WS-3であり得るが、これに限定されない。
【0202】
エアロゾル生成材料は、例えば、任意の他の方法で加熱された、照射された、またはエネルギーが与えられたときにエアロゾルを生成することができる材料である。エアロゾル生成材料は、例えば、活性物質および/または香味料を含有する場合もしない場合もある固体、液体、またはゲルの形態であり得る。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料は、「非晶質固体」を含み得、これは代替的に「モノリシック固体」(すなわち、非繊維状)と称される場合もある。いくつかの実施形態では、非晶質固体は、乾燥ゲルであり得る。非晶質固体は、非晶質固体中に液体などの何らかの流体を保ち得る固体材料である。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料は、例えば、約50wt%、60wt%、または70wt%の非晶質固体から、約90wt%、95wt%、または100wt%の非晶質固体までを含み得る。
【0203】
エアロゾル生成材料は、1つ以上の活性物質および/または香味、1つ以上のエアロゾル形成剤材料、ならびに任意選択的に1つ以上の他の機能性材料を含み得る。
【0204】
エアロゾル形成剤材料は、エアロゾルを形成することができる1つ以上の構成成分を含み得る。いくつかの実施形態では、エアロゾル形成剤材料は、グリセリン、グリセロール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、エリスリトール、メソエリスリトール、バニリン酸エチル、ラウリン酸エチル、スベリン酸ジエチル、クエン酸トリエチル、トリアセチン、ジアセチン混合物、安息香酸ベンジル、フェニル酢酸ベンジル、トリブチリン、酢酸ラウリル、ラウリン酸、ミリスチン酸、および炭酸プロピレンのうちの1つ以上を含み得る。
【0205】
1つ以上の他の機能性材料は、pH調整剤、着色剤、保存剤、結合剤、充填剤、安定剤、および/または酸化防止剤のうちの1つ以上を含み得る。
【0206】
材料は、基材を形成するために支持体上または支持体内に存在し得る。支持体は、例えば、紙、カード、板紙、厚紙、再構成材料、プラスチック材料、セラミック材料、複合材料、ガラス、金属、または金属合金であってもよく、またはそれらを備えてもよい。いくつかの実施形態では、支持体は、サセプタを備える。いくつかの実施形態では、サセプタは、材料内に埋め込まれている。いくつかの代替的な実施形態では、サセプタは、材料の片面または両面上にある。
【0207】
消耗品は、エアロゾル生成材料を備えるかまたはそれからなる物品であり、その一部またはすべては、ユーザによる使用中に消費されることが意図されている。消耗品は、エアロゾル生成材料貯蔵エリア、エアロゾル生成材料移送構成要素、エアロゾル生成エリア、ハウジング、包装材、吸い口、フィルタ、および/またはエアロゾル改質剤などの1つ以上の他の構成要素を備え得る。消耗品はまた、使用時に熱を発してエアロゾル生成材料にエアロゾルを生成させるヒータなどのエアロゾル生成器を備え得る。ヒータは、例えば、可燃性材料、電気伝導によって加熱可能な材料、またはサセプタを備え得る。
【0208】
サセプタは、交流磁場などの変動磁場による貫通によって加熱可能な材料である。サセプタは導電性材料であってもよく、その結果、変動磁場による導電性材料の貫通が加熱材料の誘導加熱を引き起こす。加熱材料は磁性材料であってもよく、その結果、変動磁場による磁性材料の貫通が加熱材料の磁気ヒステリシス加熱を引き起こす。サセプタは、導電性および磁性の両方であってもよく、その結果、サセプタは両方の加熱機構によって加熱可能である。変動磁場を生成するように構成されたデバイスは、本明細書では磁場生成器と呼ばれる。
【0209】
エアロゾル改質剤は、例えば、エアロゾルの味、香味、酸性度、または別の特性を変化させることによって、生成されたエアロゾルを改質するように構成された物質である。エアロゾル改質剤は、エアロゾル改質剤を選択的に放出するように動作可能なエアロゾル改質剤放出成分内に提供され得る。
【0210】
エアロゾル改質剤は、例えば、添加剤または吸着剤であり得る。エアロゾル改質剤は、例えば、香味料、着色剤、水、および炭素吸着剤のうち1つ以上を含み得る。エアロゾル改質剤は、例えば、固体、液体、またはゲルであり得る。エアロゾル改質剤は、粉末、糸、または顆粒の形態であり得る。エアロゾル改質剤は、濾過材料を含まなくてもよい。
【0211】
エアロゾル生成器は、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成させるように構成された装置である。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成器は、エアロゾル生成材料から1つ以上の揮発性物質を放出してエアロゾルを形成するように、エアロゾル生成材料を熱エネルギーに供するように構成されたヒータである。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成器は、加熱せずにエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成させるように構成されている。例えば、エアロゾル生成器は、エアロゾル生成材料を振動、圧力上昇、または静電エネルギーのうちの1つ以上に供するように構成され得る。
【0212】
物品、例えばロッドの形状の物品は、製品の長さに従って、「レギュラー」(典型的には、68~75mmの範囲、例えば、約68mm~約72mm)、「ショート」または「ミニ」(68mm以下)、「キングサイズ」(典型的には、75~91mmの範囲、例えば、約79mm~約88mm)、「ロング」または「スーパーキング」(典型的には、91~105mmの範囲、例えば、約94mm~約101mm)、および「ウルトラロング」(典型的には、約110mm~約121mmの範囲)と命名されることが多い。
【0213】
それらはまた、製品の円周に従って、「レギュラー」(約23~25mm)、「ワイド」(25mm超)、「スリム」(約22~23mm)、「デミスリム」(約19~22mm)、「スーパースリム」(約16~19mm)、および「マイクロスリム」(約16mm未満)と命名される。
【0214】
したがって、キングサイズのスーパースリム形式の物品は、例えば、約83mmの長さおよび約17mmの円周を有することとなる。
【0215】
各形式は、異なる長さの吸い口を用いて製作され得る。吸い口の長さは、約30mm~50mmとなる。チップペーパーは、チップペーパーが吸い口を覆い、例えば基材材料のロッドの形態でエアロゾル生成材料に重なって、吸い口をロッドに接続するように、吸い口をエアロゾル生成材料に接続し、通常、吸い口よりも長い、例えば3~10mm長い長さを有することとなる。
【0216】
本明細書に記載の物品ならびに物品のエアロゾル生成材料および吸い口は、上記の形式のうちのいずれかで作製することができるが、これらに限定されない。
【0217】
本明細書で使用される「上流」および「下流」という用語は、使用中の物品またはデバイスを通して引き込まれる主流エアロゾルの方向に関して定義される相対的な用語である。
【0218】
本明細書に記載のフィラメント状トウ材料は、酢酸セルロース繊維トウを含み得る。フィラメント状トウは、ポリビニルアルコール(PVOH)、ポリ乳酸(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリ(1-4ブタンジオールスクシネート)(PBS)、ポリ(ブチレンアジペート-コ-テレフタレート)(PBAT)、デンプン系材料、綿、脂肪族ポリエステル材料、および多糖類ポリマー、またはそれらの組合せなどの、繊維を形成するために使用される他の材料を使用して形成することもできる。フィラメント状トウは、材料が酢酸セルローストウである場合、トリアセチンなどのトウに適した可塑剤で可塑化されてもよく、またはトウは可塑化されなくてもよい。トウは、「Y」字形または「X」字形などの他の断面を有し、フィラメント当たり2.5~15デニール、例えばフィラメント当たり8.0~11.0デニール、および5,000~50,000、例えば10,000~40,000の総デニール値のフィラメント状デニール値の繊維などの、任意の好適な仕様を有し得る。
【0219】
本明細書で使用される場合、「タバコ材料」という用語は、タバコまたはその誘導体もしくは代替物を含む任意の材料を指す。「タバコ材料」という用語は、タバコ、タバコ誘導体、拡張タバコ、再構成タバコ、またはタバコ代替物のうちの1つ以上を含み得る。タバコ材料は、粉砕タバコ、タバコ繊維、カットタバコ、押出成形タバコ、タバコ茎、タバコ葉身、再構成タバコ、および/またはタバコ抽出物のうちの1つ以上を含み得る。
【0220】
図6は、本明細書に記載の物品1、1’、1’’、1’’’、1’’’’のうちのいずれかのエアロゾル生成材料3などのエアロゾル生成媒体/材料からエアロゾルを生成するための非燃焼式エアロゾル供給デバイス100の一例を示している。概略的には、デバイス100は、エアロゾル生成媒体を備える交換可能な物品110、例えば本明細書に記載の物品1、1’、1’’、1’’’、1’’’’を加熱して、デバイス100のユーザによって吸入されるエアロゾルまたは他の吸入可能な媒体を生成するために使用され得る。デバイス100および交換可能な物品110は、ともにシステムを形成する。
【0221】
デバイス100は、デバイス100の様々な構成要素を取り囲み収容するハウジング102(外側カバーの形態)を備える。デバイス100は、開口部104を一方の端部内に有し、物品110が、加熱アセンブリによる加熱のために開口部104を通して挿入され得る。使用時に、物品110は、加熱アセンブリ内に完全にまたは部分的に挿入され得、そこで物品110は、ヒータアセンブリの1つ以上の構成要素によって加熱され得る。
【0222】
物品110がデバイス100内に挿入されたとき、ヒータアセンブリの1つ以上の構成要素と物品110の管状本体4aとの間の最小距離は、3mm~10mmの範囲、例えば3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、または10mmであり得る。
【0223】
この例のデバイス100は、第1の端部部材106を備え、第1の端部部材106は、物品110が所定の位置にないときに開口部104を閉鎖するために第1の端部部材106に対して移動可能な蓋108を備える。図6では、蓋108は開放構成で示されているが、蓋108は閉鎖構成に移動し得る。例えば、ユーザは、蓋108を矢印「B」の方向にスライドさせ得る。
【0224】
デバイス100はまた、押されたときにデバイス100を動作させるボタンまたはスイッチなどの、ユーザ操作可能な制御要素112を含み得る。例えば、ユーザは、スイッチ112を操作することによってデバイス100をオンにし得る。
【0225】
デバイス100はまた、デバイス100のバッテリーを充電するためのケーブルを受容することができるソケット/ポート114などの電気部品を備え得る。例えば、ソケット114は、USB充電ポートなどの充電ポートであり得る。
【0226】
図7は、外側カバー102が取り外されており、物品110が存在しない図6のデバイス100を描写している。デバイス100は、長手方向軸線134を画定する。
【0227】
図7に示すように、第1の端部部材106はデバイス100の一方の端部に配置されており、第2の端部部材116はデバイス100の反対側の端部に配置されている。第1および第2の端部部材106、116は、デバイス100の端面を少なくとも部分的にともに画定する。例えば、第2の端部部材116の底面は、デバイス100の底面を少なくとも部分的に画定する。外側カバー102の縁部はまた、端面の一部分を画定し得る。この例では、蓋108はまた、デバイス100の頂面の一部分を画定する。
【0228】
開口部104に最も近いデバイスの端部は、使用時にユーザの口に最も近いため、デバイス100の近位端部(または口端部)として知られている場合がある。使用時に、ユーザは開口部104内に物品110を挿入し、ユーザ制御部112を操作してエアロゾル生成材料の加熱を開始し、デバイス内で生成されたエアロゾルを吸引する。これにより、エアロゾルは、デバイス100の近位端部に向かう流路に沿ってデバイス100を通って流れる。
【0229】
開口部104から最も遠いデバイスの他方の端部は、使用時に、ユーザの口から最も遠い端部であるため、デバイス100の遠位端部として知られている場合がある。ユーザがデバイス内で生成されたエアロゾルを吸引すると、エアロゾルはデバイス100の遠位端部から流れる。
【0230】
デバイス100は、電源118をさらに備える。電源118は、例えば、充電式バッテリーまたは非充電式バッテリーなどのバッテリーであり得る。好適な電池の例には、例えば、リチウムバッテリー(リチウムイオンバッテリーなど)、ニッケルバッテリー(ニッケルカドミウムバッテリーなど)、およびアルカリバッテリーが含まれる。バッテリーは、必要に応じてコントローラ(図示せず)の制御下で電力を供給してエアロゾル生成材料を加熱するために、加熱アセンブリに電気的に結合されている。この例では、バッテリーは、バッテリー118を所定の位置に保持する中央支持体120に接続されている。
【0231】
デバイスは、少なくとも1つの電子モジュール122をさらに備える。電子モジュール122は、例えば、プリント回路基板(PCB)を備え得る。PCB122は、少なくともプロセッサなどの1つのコントローラ、およびメモリを支持し得る。PCB122はまた、デバイス100の様々な電子部品を一緒に電気的に接続するための1つ以上の電気トラックを備え得る。例えば、バッテリー端子は、電力をデバイス100全体に分配することができるようにPCB122に電気的に接続され得る。ソケット114はまた、電気トラックを介してバッテリーに電気的に結合され得る。
【0232】
例示的なデバイス100では、加熱アセンブリは誘導加熱アセンブリであり、誘導加熱プロセスを介して物品110のエアロゾル生成材料を加熱するための様々な構成要素を備える。誘導加熱は、電磁誘導により導電性物体(サセプタなど)を加熱するプロセスである。誘導加熱アセンブリは、誘導素子、例えば1つ以上のインダクタコイルと、交流電流などの可変電流を誘導素子に流すためのデバイスと、を備え得る。誘導素子内の可変電流は、変動磁場を発生させる。変動磁場は、誘導素子に対して好適に位置決めされたサセプタを貫通し、サセプタ内部に渦電流を生成する。サセプタは、渦電流に対する電気抵抗を有し、したがって、この抵抗に対する渦電流の流れは、サセプタをジュール加熱によって加熱させる。サセプタが鉄、ニッケル、またはコバルトなどの強磁性材料を含む場合、熱は、サセプタ内の磁気ヒステリシス損失によって、すなわち、変動磁場との整列の結果として磁性材料内の時期双極子の向きが変化することによっても熱が生成され得る。誘導加熱では、例えば伝導による加熱と比較して、サセプタ内部で熱が生成され、迅速な加熱が可能になる。さらに、誘導ヒータとサセプタとの間にいかなる物理的接触も必要とせずに、構造および適用の自由度を高めることが可能になる。
【0233】
例示的なデバイス100の誘導加熱アセンブリは、サセプタ構成体132(本明細書では「サセプタ」と呼ばれる)と、第1のインダクタコイル124と、第2のインダクタコイル126と、を備える。第1および第2のインダクタコイル124、126は、導電性材料から作製されている。この例では、第1および第2のインダクタコイル124、126は、螺旋状に巻回されて螺旋状のインダクタコイル124、126を提供する、リッツ線/ケーブルから作製されている。リッツ線は、個別に絶縁されておりかつ一緒にねじられて単一のワイヤを形成する、複数の個別のワイヤを含む。リッツ線は、導体における表皮効果損失を低減させるように設計されている。例示的なデバイス100では、第1および第2のインダクタコイル124、126は、矩形断面を有する銅リッツ線から作製されている。他の例では、リッツ線は、円形などの他の形状の断面を有し得る。
【0234】
第1のインダクタコイル124は、サセプタ132の第1のセクションを加熱するための第1の変動磁場を生成するように構成されており、第2のインダクタコイル126は、サセプタ132の第2のセクションを加熱するための第2の変動磁場を生成するように構成されている。この例では、第1のインダクタコイル124は、デバイス100の長手方向軸線134に沿った方向に、第2のインダクタコイル126に隣接している(すなわち、第1および第2のインダクタコイル124、126は重ならない)。サセプタ構成体132は、単一のサセプタ、または2つ以上の別個のサセプタを備え得る。第1および第2のインダクタコイル124、126の端部130は、PCB122に接続され得る。
【0235】
第1および第2のインダクタコイル124、126は、いくつかの例では、互いに異なる少なくとも1つの特性を有し得ることが理解されよう。例えば、第1のインダクタコイル124は、第2のインダクタコイル126とは異なる少なくとも1つの特性を有し得る。より具体的には、1つの例では、第1のインダクタコイル124は、第2のインダクタコイル126とは異なるインダクタンス値を有し得る。図8において、第1および第2のインダクタコイル124、126は、第1のインダクタコイル124が第2のインダクタコイル126よりも小さいサセプタ132のセクションの上に巻回されるように、異なる長さである。したがって、第1のインダクタコイル124は、(個々のターン間の間隔が実質的に同じであると仮定して)第2のインダクタコイル126とは異なる数のターンを含み得る。さらに別の例では、第1のインダクタコイル124は、第2のインダクタコイル126とは異なる材料から作製され得る。いくつかの例では、第1および第2のインダクタコイル124、126は、実質的に同一であり得る。
【0236】
この例では、第1のインダクタコイル124と第2のインダクタコイル126とは反対方向に巻回されている。これは、インダクタコイルが異なる時間にアクティブである場合に有用であり得る。例えば、最初に、第1のインダクタコイル124が、物品110の第1のセクション/部分を加熱するように動作し得、後に、第2のインダクタコイル126が、物品110の第2のセクション/部分を加熱するように動作し得る。コイルを反対方向に巻回することは、特定の種類の制御回路とともに使用されたときに非アクティブのコイル内に誘導される電流を低減させることに役立つ。図7では、第1のインダクタコイル124は右つる巻き螺旋であり、第2のインダクタコイル126は左つる巻き螺旋である。しかしながら、別の実施形態では、インダクタコイル124、126は同じ方向に巻回されてもよく、または第1のインダクタコイル124が左つる巻き螺旋であってもよく、第2のインダクタコイル126が右つる巻き螺旋であってもよい。
【0237】
この例のサセプタ132は中空であり、したがって、その中にエアロゾル生成材料が受容されるレセプタクルを画定する。例えば、物品110をサセプタ132内に挿入することができる。この例では、サセプタ120は、円形断面を有する管状である。
【0238】
サセプタ132は、1つ以上の材料から作製され得る。好ましくは、サセプタ132は、ニッケルまたはコバルトのコーティングを有する炭素鋼を含む。
【0239】
いくつかの例では、サセプタ132は、少なくとも2つの材料の選択的エアロゾル化のために2つの異なる周波数で加熱されることができる少なくとも2つの材料を含み得る。例えば、(第1のインダクタコイル124によって加熱される)サセプタ132の第1のセクションは、第1の材料を含み得、第2のインダクタコイル126によって加熱されるサセプタ132の第2のセクションは、第2の異なる材料を含み得る。別の例では、第1のセクションは、第1のおよび第2の材料を含み得、第1のおよび第2の材料は、第1のインダクタコイル124の動作に基づいて異なるように加熱され得る。第1および第2の材料は、サセプタ132によって画定された軸線に沿って隣接してもよく、サセプタ132内に異なる層を形成してもよい。同様に、第2のセクションは、第3および第4の材料を含み得、第3のおよび第4の材料は、第2のインダクタコイル126の動作に基づいて異なるように加熱され得る。第3および第4の材料は、サセプタ132によって画定された軸線に沿って隣接してもよく、サセプタ132内に異なる層を形成してもよい。第3の材料は、例えば、第1の材料と同じであり得、第4の材料は、第2の材料と同じであり得る。あるいは、材料の各々は異なり得る。サセプタは、例えば、炭素鋼またはアルミニウムを含み得る。
【0240】
図7のデバイス100は、一般に管状であり得かつサセプタ132を少なくとも部分的に取り囲み得る、絶縁部材128をさらに備える。絶縁部材128は、例えば、プラスチックなどの任意の絶縁材料から構築され得る。この特定の例では、絶縁部材は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)から構築されている。絶縁部材128は、サセプタ132内で生成された熱からデバイス100の様々な構成要素を絶縁するのに役立つ。
【0241】
絶縁部材128はまた、第1および第2のインダクタコイル124、126を完全にまたは部分的に支持することができる。例えば、図8に示すように、第1および第2のインダクタコイル124、126は、絶縁部材128の周りに位置決めされており、絶縁部材128の半径方向外側面と接触している。いくつかの例では、絶縁部材128は、第1および第2のインダクタコイル124、126に当接しない。例えば、絶縁部材128の外面と第1および第2のインダクタコイル124、126の内面との間に小さな間隙があってもよい。
【0242】
具体的な例では、サセプタ132、絶縁部材128、ならびに第1および第2のインダクタコイル124、126は、サセプタ132の中心長手方向軸線を中心として同軸である。
【0243】
図8は、部分断面におけるデバイス100の側面図を示している。この例では、外側カバー102が存在する。第1および第2のインダクタコイル124、126の矩形断面形状がより明瞭に視認できる。
【0244】
デバイス100は、サセプタ132の一方の端部と係合してサセプタ132を所定の位置に保持する支持体136をさらに備える。支持体136は、第2の端部部材116に接続されている。
【0245】
デバイスはまた、制御要素112内に関連付けられた第2のプリント回路基板138を備え得る。
【0246】
デバイス100は、デバイス100の遠位端部に向かって配置された第2の蓋/キャップ140およびばね142をさらに備える。ばね142は、第2の蓋140が開放されてサセプタ132へのアクセスを提供することを可能にする。ユーザは、第2の蓋140を開放してサセプタ132および/または支持体136を清掃することができる。
【0247】
デバイス100は、サセプタ132の近位端部から離れるようにデバイスの開口部104に向かって延在する膨張チャンバ144をさらに備える。膨張チャンバ144内に少なくとも部分的に、物品110がデバイス100内に受容されたときに物品110に当接し保持するための保持クリップ146が位置する。膨張チャンバ144は、端部部材106に接続されている。
【0248】
図9は、外側カバー102が省略された、図8のデバイス100の分解図である。
【0249】
図10Aは、図9のデバイス100の一部分の断面を描写している。図10Bは、図10Aの一領域の拡大図を描写している。図10Aおよび図10Bは、サセプタ132内に受容された物品110を示しており、物品110は、物品110の外面がサセプタ132の内面に当接するように寸法決めされている。これにより、加熱が最も効率的に行われることが保証される。この例の物品110は、エアロゾル生成材料110aを備える。エアロゾル生成材料110aは、サセプタ132内に位置決めされている。物品110はまた、フィルタ、包装材料、および/または冷却構造体などの他の構成要素を備え得る。
【0250】
図10Bは、サセプタ132の外面が、サセプタ132の長手方向軸線158に対して垂直な方向に測定した距離150だけインダクタコイル124、126の内面から離間していることを示している。1つの特定の例では、距離150は、約3mm~4mm、約3~3.5mm、または約3.25mmである。
【0251】
図10Bは、絶縁部材128の外面が、サセプタ132の長手方向軸線158に対して垂直な方向に測定した距離152だけインダクタコイル124、126の内面から離間していることをさらに示している。1つの特定の例では、距離152は、約0.05mmである。別の例では、距離152は、インダクタコイル124、126が絶縁部材128に当接し接触するように、実質的に0mmである。
【0252】
1つの例では、サセプタ132は、約0.025mm~1mm、または約0.05mmの壁厚154を有する。
【0253】
1つの例では、サセプタ132は、約40mm~60mm、約40mm~45mm、または約44.5mmの長さを有する。
【0254】
1つの例では、絶縁部材128は、約0.25mm~2mm、0.25mm~1mm、または約0.5mmの壁厚156を有する。
【0255】
使用時に、本明細書に記載の物品1、1’、1’’、1’’’、1’’’’は、図6から図10Bを参照して説明したデバイス100などの非燃焼式エアロゾル供給デバイス内に挿入され得る。物品1、1’、1’’、1’’、1’’’’の吸い口2、2’、2’’、2’’’、2’’’’の少なくとも一部分は、非燃焼式エアロゾル供給デバイス100から突出し、ユーザの口内に位置付けされ得る。デバイス100を用いてエアロゾル生成材料3を加熱することにより、エアロゾルが発生する。エアロゾル生成材料3によって発生したエアロゾルは、吸い口2を通ってユーザの口に到達する。
【0256】
本明細書に記載の吸い口2、2’、2’’、2’’’、2’’’’を形成するための方法は、シート材料にクリンプパターンを施すステップであって、クリンプパターンが、一連の実質的に平行な隆起および溝を備える、施すステップと、管状要素の供給材料を提供するステップと、前記繊維状材料のシートを前記管状要素の周りに寄せ集めて材料の本体を形成するステップであって、材料の本体において、少なくとも少なくとも1つの管状要素が実質的に共通の軸線に沿って前記本体を通って延在しかつ前記繊維状材料のシートによって円周方向に取り囲まれている、形成するステップと、を好適に含み得る。いくつかの例では、方法は、少なくとも1つの管状要素が前記本体を形成する繊維状材料によって円周方向および長手方向の両方で取り囲まれるように、少なくとも1つの管状要素が材料内に埋め込まれるように少なくとも1つの管状要素を位置決めすることをさらに含む。
【0257】
本明細書に記載の構成要素を製造するように構成された装置は、繊維状材料のシートにクリンプパターンを施すためのクリンプローラであって、クリンプパターンが、一連の実質的に平行な隆起および溝を備える、クリンプローラと、管状要素のための給送機構と、前記繊維状材料のシートを前記管状要素の周りに寄せ集めて材料の本体を形成するためのガーニチャアセンブリであって、材料の本体において、少なくとも少なくとも1つの管状要素が実質的に共通の軸線に沿って前記本体を通って延在しかつ繊維状材料によって円周方向に取り囲まれている、ガーニチャアセンブリと、を好適に備え得る。
図1
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A-10B】
【手続補正書】
【提出日】2024-12-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル供給システムで使用するためのまたは前記エアロゾル供給システムとして使用するための物品のための構成要素であって、前記構成要素が、
繊維状材料の本体と、
前記本体を通って実質的に共通の軸線に沿って延在しかつ各々が前記繊維状材料によって円周方向に取り囲まれた第1および第2の管状要素と、
を備える、構成要素。
【請求項2】
前記構成要素が、単一の物品の吸い口を形成する、請求項1に記載の構成要素。
【請求項3】
前記繊維状材料が、第1のセルロース系材料である、請求項に記載の構成要素。
【請求項4】
前記第1のセルロース系材料が、紙である、請求項3に記載の構成要素。
【請求項5】
前記紙が、木材パルプから形成されている、請求項4に記載の構成要素。
【請求項6】
前記第1のセルロース系材料が、再構成タバコシートである、請求項3に記載の構成要素。
【請求項7】
前記第1および第2の管状要素が、0.5mm~5mm、または0.75mm~1.5mm、または1mm~3mmの間隙によって分離されている、請求項1~6のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項8】
前記第1および第2の管状要素が、5mm~15mm、または6mm~12mm、または8mm~11mmの間隙によって分離されている、請求項1~6のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項9】
前記繊維状材料の本体が、前記間隙内に延在する、請求項8に記載の構成要素。
【請求項10】
前記第1および/または第2の管状要素が、前記構成要素の長手方向端部まで延在する、請求項1~のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項11】
第1のクリンピング係数が、前記繊維状材料の本体の第1の長手方向領域に適用されており、第2のクリンピング係数が、前記繊維状材料の本体の第2の長手方向領域に適用されている、請求項1~のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項12】
前記第1および第2のクリンピング係数が、深さ、間隔、圧力、または温度のうちの1つである、請求項11に記載の構成要素。
【請求項13】
前記第1および/または第2の管状要素が、第2のセルロース系材料から形成されている、請求項1~のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項14】
前記第2のセルロース系材料が、紙である、請求項13に記載の構成要素。
【請求項15】
前記紙が、木材パルプから形成されている、請求項14に記載の構成要素。
【請求項16】
前記第2のセルロース系材料が、再構成タバコシートである、請求項15に記載の構成要素。
【請求項17】
前記繊維状材料の本体が、シート材料の1つ以上のセクションから形成されている、請求項1~のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項18】
エアロゾル供給システムで使用するためのまたは前記エアロゾル供給システムとして使用するための物品のための構成要素であって、前記構成要素が、
繊維状材料の本体と、
管状要素であって、前記管状要素が前記本体を形成する前記繊維状材料によって円周方向および長手方向に取り囲まれるように、前記本体内に埋め込まれた管状要素と、
を備える、構成要素。
【請求項19】
前記構成要素が、単一の物品の吸い口を形成する、請求項18に記載の構成要素。
【請求項20】
前記繊維状材料が、第1のセルロース系材料である、請求項18に記載の構成要素。
【請求項21】
前記第1のセルロース系材料が、紙である、請求項20に記載の構成要素。
【請求項22】
前記紙が、木材パルプから形成されている、請求項21に記載の構成要素。
【請求項23】
前記第1のセルロース系材料が、再構成タバコシートである、請求項20に記載の構成要素。
【請求項24】
前記管状要素の近位端部が、前記構成要素の長手方向端部から少なくとも5mm、または少なくとも8mm、または少なくとも10mm離間している、請求項18~23のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項25】
前記管状要素が、前記構成要素の長手方向端部まで延在する、請求項18~23のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項26】
第1のクリンピング係数が、前記繊維状材料の本体の第1の長手方向領域に適用されており、第2のクリンピング係数が、前記繊維状材料の本体の第2の長手方向領域に適用されている、請求項18~23のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項27】
前記第1および第2のクリンピング係数が、深さ、間隔、圧力、または温度のうちの1つである、請求項26に記載の構成要素。
【請求項28】
前記管状要素が、第2のセルロース系材料から形成されている、請求項18~23のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項29】
前記繊維状材料の本体が、シート材料の1つ以上のセクションから形成されている、請求項18~23のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項30】
エアロゾル供給システムで使用するためのまたは前記エアロゾル供給システムとして使用するための物品であって、前記物品が、下流端部を有し、前記物品が、
繊維状材料の本体と、
前記繊維状材料によって円周方向に取り囲まれた管状要素と、を備え、前記管状要素が、前記本体の第1の長手方向端部まで延在しかつ前記本体の第2の長手方向端部から離間しており、前記管状要素が前記本体の前記長手方向端部まで延在する前記本体の前記長手方向端部が、前記物品の前記下流端部から離間している、
物品。
【請求項31】
前記繊維状材料が、第3のセルロース系材料である、請求項30に記載の物品。
【請求項32】
前記第3のセルロース系材料が、紙である、請求項31に記載の物品。
【請求項33】
前記紙が、木材パルプから形成されている、請求項32に記載の物品。
【請求項34】
前記第3のセルロース系材料が、再構成タバコシートである、請求項33に記載の物品。
【請求項35】
前記管状要素の近位端部が、前記物品の長手方向端部から少なくとも5mm、または少なくとも8mm、または少なくとも10mm離間している、請求項30~34のいずれか一項に記載の物品。
【請求項36】
前記管状要素が、前記物品の長手方向端部まで延在する、請求項30~34のいずれか一項に記載の物品。
【請求項37】
第1のクリンピング係数が、前記繊維状材料の本体の第1の長手方向領域に適用されており、第2のクリンピング係数が、前記繊維状材料の本体の第2の長手方向領域に適用されている、請求項30~34のいずれか一項に記載の物品。
【請求項38】
前記第1および第2のクリンピング係数が、深さ、間隔、圧力、または温度のうちの1つである、請求項37に記載の物品。
【請求項39】
前記管状要素が、第2のセルロース系材料から形成されている、請求項30~34のいずれか一項に記載の物品。
【請求項40】
前記繊維状材料の本体が、シート材料の1つ以上のセクションから形成されている、請求項30~34のいずれか一項に記載の物品。
【請求項41】
請求項1~のいずれか一項に記載の構成要素を備える物品。
【請求項42】
エアロゾル供給システムで使用するための物品のための構成要素を形成するための方法であって、前記方法が、
繊維状材料のシートにクリンプパターンを施すステップであって、前記クリンプパターンが、一連の実質的に平行な隆起および溝を備える、施すステップと、
管状要素の供給材料を提供するステップと、
前記繊維状材料のシートを前記管状要素の周りに寄せ集めて材料の本体を形成するステップであって、前記材料の本体において、少なくとも少なくとも1つの管状要素が実質的に共通の軸線に沿って前記本体を通って延在しかつ前記繊維状材料のシートによって円周方向に取り囲まれている、形成するステップと、
を含む、方法。
【請求項43】
前記少なくとも1つの管状要素が前記材料の本体を形成する前記繊維状材料のシートによって円周方向および長手方向の両方で取り囲まれるように、前記少なくとも1つの管状要素が前記材料の本体内に埋め込まれるように前記少なくとも1つの管状要素を位置決めするステップをさらに含む、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
請求項1~6及び18~23のいずれか一項に記載の構成要素を製造するように構成された装置であって、
繊維状材料のシートにクリンプパターンを施すためのクリンプローラであって、前記クリンプパターンが、一連の実質的に平行な隆起および溝を備える、クリンプローラと、
管状要素のための給送機構と、
前記繊維状材料のシートを前記管状要素の周りに寄せ集めて材料の本体を形成するためのガーニチャアセンブリであって、前記材料の本体において、少なくとも少なくとも1つの管状要素が実質的に共通の軸線に沿って前記本体を通って延在しかつ前記繊維状材料によって円周方向に取り囲まれている、ガーニチャアセンブリと、
を備える、装置。
【国際調査報告】