(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-17
(54)【発明の名称】機械的特性に優れ、光学特性が向上されたポリカーボネート樹脂組成物及びそれを含む成形品
(51)【国際特許分類】
C08L 69/00 20060101AFI20250109BHJP
C08L 71/02 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
C08L69/00
C08L71/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024539069
(86)(22)【出願日】2022-12-26
(85)【翻訳文提出日】2024-08-22
(86)【国際出願番号】 KR2022021277
(87)【国際公開番号】W WO2023128503
(87)【国際公開日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】10-2021-0188434
(32)【優先日】2021-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515261354
【氏名又は名称】サムヤン コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】SAMYANG CORPORATION
【住所又は居所原語表記】31,Jongno 33-gil,Jongno-gu,Seoul,110-725 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100159385
【氏名又は名称】甲斐 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100163407
【氏名又は名称】金子 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100166936
【氏名又は名称】稲本 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100189429
【氏名又は名称】保田 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100213849
【氏名又は名称】澄川 広司
(72)【発明者】
【氏名】クォン,スン ヨン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,ス ヒョク
(72)【発明者】
【氏名】キム,サム ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ペ,ド ヨン
(72)【発明者】
【氏名】アン,テ ジン
【テーマコード(参考)】
4J002
【Fターム(参考)】
4J002CG001
4J002CG011
4J002CH022
4J002CH023
4J002EW066
4J002FD022
4J002FD066
4J002GN00
4J002GP00
(57)【要約】
本発明は、ポリカーボネート樹脂組成物及びそれを含む成形品に関し、より具体的には、ベース樹脂としてポリカーボネート、可塑剤成分としてバイオマス由来物質であるアンヒドロ糖アルコールのポリアルキレングリコール付加物、及びポリアルキレングリコールを含み、引張強度、加工性及び耐熱性などの優れた機械的特性を保持しつつ、光学特性の向上を示すポリカーボネート樹脂組成物及びそれを含む成形品に関するものである。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性樹脂組成物であって、
(1)ベース樹脂としてポリカーボネート樹脂;
(2)可塑剤成分としてアンヒドロ糖アルコールのポリアルキレングリコール付加物;及び
(3)ポリアルキレングリコール;
を含み、
組成物の全量100重量部に対して、前記アンヒドロ糖アルコールのポリアルキレングリコール付加物の含量が0.5重量部を超えて3重量部未満であり、前記ポリアルキレングリコールの含量が3重量部未満である熱可塑性樹脂組成物。
【請求項2】
前記(1)ポリカーボネート樹脂が、熱可塑性芳香族ポリカーボネート樹脂である請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
【請求項3】
前記(2)アンヒドロ糖アルコールのポリアルキレングリコール付加物中のアンヒドロ糖アルコールが、イソソルビドである請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
【請求項4】
前記(2)アンヒドロ糖アルコールのポリアルキレングリコール付加物中のポリアルキレングリコールが、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール又はそれらの組み合わせである請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
【請求項5】
前記(2)アンヒドロ糖アルコールのポリアルキレングリコール付加物が、下記式(2)
【化1】
(式中、[O-A-O]は、アンヒドロ糖アルコールの両末端ヒドロキシ基から水素原子を除去したアンヒドロ糖アルコール由来の部分であり、H-[X]
pは、独立して、H-[O-アルキレン]
pであり、[X’]
q-Hは、独立して、[アルキレン-O]
q-Hであり、p及びqは、それぞれ独立して、2~15の整数を表す。)で示される請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
【請求項6】
前記(2)アンヒドロ糖アルコールのポリアルキレングリコール付加物が、下記式(3)
【化2】
(式中、R
1及びR
2は、それぞれ独立して、炭素数2~8の直鎖状又は炭素数3~8の分岐状アルキレン基を表し、m及びnは、それぞれ独立して、2~15の整数を表す。)で示される請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
【請求項7】
前記(3)ポリアルキレングリコールが、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリペンチレングリコール、ポリへキシレングリコール、ポリトリメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポルリペンタメチレングルリコル、ポリヘキサメチレングリコール及びそれらの組み合わせから選択されたものである請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
【請求項8】
さらに、リン系熱安定剤を含む請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物を含む成形品。
【請求項10】
ライトガイドである請求項9に記載の成形品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリカーボネート樹脂組成物及びそれを含む成形品に関し、より詳しくは、ベース樹脂としてポリカーボネート、可塑剤成分としてバイオマス由来物質であるアンヒドロ糖アルコールのポリアルキレングリコール付加物及びポリアルキレングリコールを含み、引張強度、加工性及び耐熱性などの優れた機械的特性を保持しつつ、光学特性の向上を示すポリカーボネート樹脂組成物及びそれを含む成形品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車のヘッドランプなどに使用されるライトガイド、各種電子装置の照明部品、ハウジングなどは均一な厚さで製造するために、メルトインデックスの高い樹脂が求められるとともに、優れた透過率、低黄色度指数特性、良好な耐衝撃性などを備えなければならない。また、最近では、環境配慮の重要性が高まり、環境に配慮しつつ、前記物性を同時に満たし、透明性が向上した樹脂の開発が求められている。
【0003】
特許文献1には、レオロジー特性と光学特性が改善されたポリカーボネート及びイソソルビドのカルボン酸エステルを含有する組成物が開示されているが、開示された材料は、厚さ4mmでの透過率が89%しかなく、また、YI値が2を超えるため、ライトガイドとして使用するには物性が不十分である。
【0004】
また、特許文献2には、環境にやさしく、バイオマス由来材料の含量が高く、色、成形性、耐熱性及び耐衝撃性などの物性のバランスが良好な[ポリ(イソソルビドカーボネートと芳香族カーボネート-芳香族カーボネート)]-[ポリカーボネート]のブロック共重合体を開示されているが、開示された材料は、光学特性の向上などライトガイドとして使用するための物性を実現することを意図したものではない。
したがって、前記従来技術の問題点を克服するために、環境にやさしく、かつ高透過率、低黄色度指数、成形性、引張強度などの機械的特性及び耐熱性に優れ、特にライトガイド用途に適した樹脂組成物の開発が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国 特許 第10-2234098号
【特許文献2】韓国 特許 第10-1608411号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記従来技術の問題点を解決するものであり、環境にやさしく、従来のポリカーボネート樹脂組成物に比べて光学特性(すなわち、高透過率及び低黄色度指数)が向上し、しかも引張強度などの機械的特性、加工性及び耐熱性に優れたポリカーボネート樹脂組成物及びそれを含む成形品(特に、ライトガイド)を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明の一側面は、(1)ベース樹脂としてポリカーボネート樹脂;(2)可塑剤成分としてアンヒドロ糖アルコールのポリアルキレングリコール付加物;及び(3)ポリアルキレングリコール;を含み、組成物の全量100重量部に対して、前記アンヒドロ糖アルコールのポリアルキレングリコール付加物の含量が0.5重量部を超えて3重量部未満であり、前記ポリアルキレングリコールの含量が3重量部未満である熱可塑性樹脂組成物を提供する。
本発明の別の側面は、本発明による熱可塑性樹脂組成物を含む成形品、好ましくはライトガイドを提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明による熱可塑性樹脂組成物は、従来のポリカーボネート樹脂組成物に比べて、環境に優しく、光学特性(高透過度及び低黄色度指数)が向上し、同時に引張強度などの機械的特性、加工性及び耐熱性にも優れているため、これを含む成形品は、各種産業における光学用途に好適に使用することができ、特に、ライトガイド(より具体的には、自動車用ライトガイド、さらに具体的には、自動車のヘッドランプ用ライトガイド)として極めて好適に使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、ベース樹脂としてポリカーボネート樹脂;及び可塑剤成分としてアンヒドロ糖アルコールのポリアルキレングリコール付加物;を含む。
【0010】
(1)ベース樹脂:ポリカーボネート樹脂
本発明の熱可塑性樹脂組成物にベース樹脂として含まれるポリカーボネート樹脂は、芳香族ポリカーボネート樹脂であってもよいが、本発明の技術的思想を具現できる限り、その種類に特に制限はなく、この分野で従来使用されている熱可塑性芳香族ポリカーボネート樹脂であればいずれも使用可能である。
一実施形態において、前記芳香族ポリカーボネート樹脂は、2価フェノール、カーボネート前駆体及び分子量調節剤から製造することができる。
【0011】
前記2価フェノール類は、芳香族ポリカーボネート樹脂を構成するモノマーの1つであり、下記式(1)
【化1】
[式中、Xは、官能基を有さない直鎖状、分岐状又は環状アルキレン基;又はスルファイド基、エーテル基、スルホキシド基、スルホン基、ケトン基、ナフチル基及びイソブチルフェニル基からなる群から選ばれる1つ以上の官能基を含む直鎖状、分岐状又は環状アルキレン基(例えば、炭素数1~10の直鎖状アルキレン基、又は炭素数3~10の分岐状又は環状アルキレン基)を表し、
R
1及びR
2は、それぞれ独立して、ハロゲン原子(例えば、Cl又はBr)、又は直鎖状、分岐状又は環状アルキル基(例えば、炭素数1~20(より具体的には1~10)の直鎖状アルキル基、炭素数3~20(より具体的には3~10)の分岐状アルキル基、又は炭素数3~20(より具体的には3~6)の環状アルキル基)を表し、
n及びmは、独立して、0~4の整数を表す。]で示される化合物であってもよい。
【0012】
前記2価フェノール類の非限定的な例としては、ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)ナフチルメタン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)-(4-イソブチルフェニル)メタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、1-エチル-1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、1-フェニル-1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、1-ナフチル-1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、1,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、1,10-ビス(4-ヒドロキシフェニル)デカン、2-メチル-1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)などが挙げられ、好ましくはビスフェノールAが用いられる。
【0013】
前記カーボネート前駆体は、芳香族ポリカーボネート樹脂を構成する他のモノマーであり、その非限定的な例としては、カルボニルクロリド(ホスゲン)、カルボニルブロミド、ビスハロホルメート、ジフェニルカーボネート、ジメチルカーボネートなどが挙げられ、好ましくはカルボニルクロリド(ホスゲン)が用いられる。
【0014】
前記分子量調節剤としては、従来公知の化合物、すなわち、熱可塑性芳香族ポリカーボネート樹脂の製造に用いられるモノマーと同様の単官能性化合物を使用することができる。前記分子量調節剤の非限定的な例としては、フェノール系誘導体(例えば、p-イソプロピルフェノール、p-tert-ブチルフェノール(PTBP)、p-クミル(cumyl)フェノール、p-イソオクチルフェノール、p-イソノニルフェノールなど)、脂肪族アルコール類などが挙げられる。好ましくは、p-tert-ブチルフェノール(PTBP)を使用することができる。
このような2価フェノール類、カーボネート前駆体及び分子量調節剤から製造される芳香族ポリカーボネート樹脂としては、例えば、直鎖状ポリカーボネート樹脂、分岐状ポリカーボネート樹脂、共ポリカーボネート樹脂及びポリエステルカーボネート樹脂などが挙げられ、本発明では、これらの樹脂を単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。
【0015】
一実施形態において、前記芳香族ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量(Mv、25℃塩化メチレン溶液で測定時)は、15,000~40,000、より具体的には17,000~30,000、さらに具体的には20,000~30,000であってもよい。前記芳香族ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量が15,000未満であると、衝撃強度、引張強度などの機械的物性が低下するおそれがあり、逆に、40,000を超えると、溶液粘度が上昇し、樹脂加工に問題が生じるおそれがある。
【0016】
一実施形態において、本発明の熱可塑性樹脂組成物の全量100重量部に対して、前記ポリカーボネートベース樹脂が、例えば、15重量部以上、20重量部以上、30重量部以上、40重量部以上、45重量部以上、50重量部以上、55重量部以上、60重量部以上、70重量部以上、80重量部以上又は90重量部以上の量で含まれてもよく、また、99.9重量部以下、99.8重量部以下、99.7重量部以下、99.6重量部以下、99.5重量部以下、99.4重量部以下、99.3重量部以下、99.2重量部以下、99.1重量部以下又は99重量部以下の量で含まれてもよい。
【0017】
(2)可塑剤成分:アンヒドロ糖アルコールのポリアルキレングリコール付加物
本発明の熱可塑性樹脂組成物に可塑剤成分として含まれるアンヒドロ糖アルコールのポリアルキレングリコール付加物は、アンヒドロ糖アルコールの末端ヒドロキシ基にポリアルキレングリコール置換基が付着した形態の化合物である。
【0018】
前記アンヒドロ糖アルコールは、天然物由来の水素化糖を脱水反応により製造することができる。水素化糖(「糖アルコール」ともいう)は、糖類の還元性末端基に水素を添加して得られる化合物を意味し、一般にHOCH2(CHOH)nCH2OH(ここで、nは2~5の整数)の化学式を有する。炭素数に応じて、水素化糖は、テトリトール、ペンチトール、ヘキシトール及びヘプチトール(それぞれ、炭素数4、5、6及び7)に分類される。このうち、炭素数6のヘキシトールには、ソルビトール、マンニトール、イジトール、ガラクチトールなどが含まて、特にソルビトールとマンニトールは、非常に有用な材料である。
前記アンヒドロ糖アルコールとしては、モノアンヒドロ糖アルコール、ジアンヒドロ糖アルコール又はそれらの混合物のいずれであってもよく、特に限定しないが、ジアンヒドロ糖アルコールを使用することができる。
【0019】
モノアンヒドロ糖アルコールは、水素化糖から1分子の水を除去して形成されるアンヒドロ糖アルコールであり、分子内に4つのヒドロキシ基が有するテトラオール形態を有する。本発明において、前記モノアンヒドロ糖アルコールの種類は、特に限定されず、好ましくはモノアンヒドロ糖ヘキシトール、より具体的には1,4-アンヒドロヘキシトール、3,6-アンヒドロヘキシトール、2,5-アンヒドロヘキシトール、1,5-アンヒドロヘキシトール、2,6-アンヒドロヘキシトール又はこれらの2以上の混合物であってもよい。
【0020】
ジアンヒドロ糖アルコールは、水素化糖から2分子の水を除去して形成されるアンヒドロ糖アルコールであり、分子内に2つのヒドロキシ基が有するジオール形態であり、デンプン由来のヘキシトールを用いて製造することができる。ジアンヒドロ糖アルコールは、再生可能な天然資源由来の環境に優しい材料であるため、古くから注目されており、その製造に関る研究が続けられてきている。このようなジアンヒドロ糖アルコールのうち、ソルビトールから製造されるイソソルビドは、現在最も産業上の利用範囲が広い。
【0021】
前記ジアンヒドロ糖アルコールの種類は特に限定されず、好ましくはジアンヒドロ糖ヘキシトール、より具体的には1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトールであってもよい。前記1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトールは、イソソルビド、イソマンニド、イソイジド又はこれらの2以上の混合物であってもよい。
本発明の好ましい一実施形態において、前記アンヒドロ糖アルコールは、イソソルビドであってもよい。
一実施形態において、前記ポリアルキレングリコールは、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール又はそれらの組み合わせであってもよい。
一実施形態において、前記ポリアルキレングリコールの分子量(重量平均分子量)は、500~5000g/mol、より具体的には1000~4000g/molであってもよいが、これに限定されるものではない。
【0022】
一実施形態において、前記アンヒドロ糖アルコールのポリアルキレングリコール付加物は、下記式(2)
【化2】
(式中、[O-A-O]は、アンヒドロ糖アルコールの両末端ヒドロキシ基から水素原子を除去したアンヒドロ糖アルコール由来の部分であり、H-[X]
pは、独立して、H-[O-アルキレン]
pであり、[X’]
q-Hは、独立して、[アルキレン-O]
q-Hであり、p及びqは、それぞれ独立して、2~15の整数を表す。)で示されてもよい。
より具体的には、前記式(2)において、前記アンヒドロ糖アルコールは、イソソルビドであり、前記アルキレンは、炭素数2~8の直鎖状又は炭素数3~8の分岐状アルキレンであり、より具体的には、エチレン、プロピレン、ブチレン又はそれらの組み合わせであり、p及びqは、それぞれ独立して、2~12の整数を表す。
【0023】
一実施形態において、前記アンヒドロ糖アルコールのポリアルキレングリコール付加物は、下記式(3)
【化3】
(式中、R
1及びR
2は、それぞれ独立して、炭素数2~8の直鎖状又は炭素数3~8の分岐状アルキレン基を表し、m及びnは、それぞれ独立して、2~15の整数を表す。)で示される化合物であってもよい。
より具体的には、前記式(3)において、
R
1及びR
2は、それぞれ独立して、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基又はブチレン基を表し、好ましくはR
1及びR
2は同じであり、
m及びnは、それぞれ独立して、2~12の整数を表す。
【0024】
一実施形態において、例えば、以下の反応スキームに示すように、前記アンヒドロ糖アルコールのポリアルキレングリコール付加物は、触媒(例えば、塩基触媒)の存在下で、アンヒドロ糖アルコールの両末端又は片末端(好ましくは、両末端)のヒドロキシ基とアルキレンオキシドを反応させることにより製造することができ、アンヒドロ糖アルコールの両末端又は片末端(好ましくは、両末端)ヒドロキシ基の水素がアルキレンオキシドの開環形態であるヒドロキシアルキル基で置換された形態の化合物として得られる。
【化4】
【0025】
一実施形態において、前記アルキレンオキシドは、炭素数2~8の直鎖状又は炭素数3~8の分岐状アルキレンオキシドであってもよく、より具体的には、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド又はそれらの組み合わせであってもよい。
【0026】
一実施形態において、アンヒドロ糖アルコールは、アルキレンオキシドとの反応前に酸成分で処理されてもよく、酸処理されたアンヒドロ糖アルコールとアルキレンオキシドとの反応は、例えば、加圧(例えば、3MPa以上に加圧)が可能な高圧反応器内で、塩基触媒(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物又は水酸化カルシウムなどのアルカリ土類金属の水酸化物)の存在下で、高温(例えば、100℃~180℃、又は120℃~160℃)で、例えば、1時間~8時間又は2時間~4時間行われてもよいが、これに限定されるのではない。アルキレンオキシドのアンヒドロ糖アルコール1モルに対する反応モル比は、例えば、1モル以上、2モル以上又は3モル以上であってもよく、また、30モル以下、20モル以下、15モル以下又は12モル以下であってもよく、例えば、1モル~30モルを、好ましくは2~20モルを、より好ましくは3~15モルであってもよいが、これに限定されない。
【0027】
本発明の熱可塑性樹脂組成物の全量100重量部に対して、樹脂組成物中の可塑剤成分としての前記アンヒドロ糖アルコールのポリアルキレングリコール付加物の量は、0.5重量部を超えて3重量部未満である。熱可塑性樹脂組成物の全量100重量部に対するアンヒドロ糖アルコールのポリアルキレングリコール付加物の含量が0.5重量部以下であると、組成物の黄色度指数が増加する。逆に、その含量が3重量部以上であると、組成物中の可塑剤が結晶化し、透過度が低下する。
【0028】
一実施形態において、本発明の熱可塑性樹脂組成物の全量100重量部対して、樹脂組成物中の可塑剤成分としての前記アンヒドロ糖アルコールのポリアルキレングリコール付加物の量は、例えば、0.5重量部超、0.6重量部以上、0.7重量部以上、0.8重量部以上、0.9重量部以上又は1重量部以上であってもよく、また、3重量部未満、2.9重量部以下、2.8重量部以下、2.7重量部以下、2.6重量部以下、2.5重量部以下、2.4重量部以下、2.1重量部以下、2重量部以下、1.9重量部以下、1.8重量部以下、1.7重量部以下、1.6重量部以下又は1.5重量部以下であってもよい。
【0029】
(3)ポリアルキレングリコール
本発明の熱可塑性樹脂組成物に含まれるポリアルキレングリコールは、前記アンヒドロ糖アルコールのポリアルキレングリコール付加物中のポリアルキレングリコール部位とは異なる独立した成分である。
前記ポリアルキレングリコールは、アルキレングリコールから誘導された単位で構成されるエーテル重合体であり、そのアルキレン基は、直鎖状アルキレン基又は分岐状アルキレン基であってもよい。
【0030】
一実施形態において、前記ポリアルキレングリコールは、炭素原子数2~6のアルキレングリコールから誘導される単位で構成される重合体であってもよく、より具体的には、このようなアルキレングリコールは、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、へキシレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、3-メチルテトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール及びそれらの組み合わせから選択され、炭素数3~6のアルキレングリコールが、例えば、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール及びそれらの組み合わせから選択されることが好ましい。
【0031】
一実施形態において、前記ポリアルキレングリコールは、単一のアルキレングリコールの単独重合体又は2種以上のアルキレングリコールのランダム共重合体若しくはブロック共重合体であってもよい。
より具体的には、前記ポリアルキレングリコールは、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリペンチレングリコール、ポリへキシレングリコール、ポリトリメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポルリペンタメチレングルリコル、ポリヘキサメチレングリコール及びそれらの組み合わせから選択され、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリトリメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール及びそれらの組み合わせから選択されることが好ましい。
【0032】
一実施形態において、前記ポリアルキレングリコールは、アルキルエーテル、アリールエーテル、アラルキルエーテル、脂肪酸エステル、アリールエステル、アラルキルエステルなどで片末端または両末端がキャップされたものであってもよく、影響なく、エーテル又はエステルの形態も使用することができる。
【0033】
前記アルキルエーテルを構成するアルキル基は、直鎖状及び/又は分岐状アルキル基であってもよく、より具体的には、炭素数1~22のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基、ラウロイル、ステアリル基などであってもよい。すなわち、一実施形態において、アルキルエーテルでキャップされたポリアルキレングリコールは、ポリアルキレングリコールのメチルエーテル、エチルエーテル、ブチルエーテル、ラウリルエーテル、ステアリルエーテルなどであってもよい。
【0034】
前記アリールエーテルを構成するアリール基は、具体的には、炭素数6~22、炭素数6~12、又は炭素数6~10のアリール基が挙げられ、例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基などが挙げられ、フェニル基、トリル基などが好ましい。
【0035】
前記アラルキルエーテルを構成するアラルキル基は、具体的には、炭素数7~23,炭素数7~13、又は炭素数7~11のアラルキル基が挙げられ、例えば、ベンジル基、フェネチル基などが挙げられ、ベンジル基が好ましい。
【0036】
前記脂肪酸エステルを構成する脂肪酸は、直鎖状及び/又は分岐状脂肪酸であってもよく、飽和又は不飽和脂肪酸であってもよく、より具体的には、炭素数1~22の1価又は2価の飽和又は不飽和脂肪酸であってもよく、さらに具体的には、1価の飽和脂肪酸(例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、バレリアン酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸など)、1価の不飽和脂肪酸(例えば、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸など)、又は炭素数10以上の2価の脂肪酸(例えば、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、タフシア酸(taphciaic acid)及びデセン二酸、ウンデセン二酸、ドデセン二酸など)であってもよい。
【0037】
前記アリールエステルを構成するアリール基は、具体的には、炭素数6~22、炭素数6~12、又は炭素数6~10のアリール基が挙げられ、例えば、フェニル基、トリル、ナフチル基などが挙げられ、フェニル基、トリル基などが好ましい。
【0038】
前記アラルキルエステルを構成するアラルキル基は、具体的には、炭素数7~23、炭素数7~13、又は炭素数7~11のアラルキル基が挙げられ、例えば、ベンジル基、フェネチル基などが挙げられ、ベンジル基が好ましい。
【0039】
一実施形態において、前記ポリアルキレングリコールの数平均分子量(Mn、g/mol)は、700以上又は800以上であってもよく、また、4,000以下又は3,000以下であってもよい。ポリアルキレングリコールの数平均分子量が前記レベルより大きすぎると、相溶性が低下する可能性があり、逆に、前記レベルより小さすぎると、成形時にガスが発生する可能性がある。
【0040】
前記ポリアルキレングリコールの数平均分子量は、JIS K1577に準拠して測定された水酸基価に基づいて算出される数平均分子量であってもよい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物の全量100重量部に対して、樹脂組成物中の前記ポリアルキレングリコールの含量は3重量部未満である。熱可塑性樹脂組成物の全量100重量部に対するポリアルキレングリコールの含量が3重量部以上であると、組成物の黄色度指数が上昇し、樹脂の白濁により透過率が低下し、ポリアルキレングリコール由来のガスにより金型への付着物量が増加する。前記ポリアルキレングリコールの含量の下限については特に制限はないが、使用量が少なすぎると色調や黄変の改善が不十分であり、ガス発生の低減効果が不充分になる場合がある。
【0041】
一実施形態において、本発明の熱可塑性樹脂組成物の全量100重量部に対して、前記ポリアルキレングリコールの含量は、例えば、0.01重量部以上、0.05重量部以上、0.1重量部以上、0.15重量部以上、0.2重量部以上又は0.25重量部以上であってもよく、また、3重量部未満、2.9重量部以下、2.5重量部以下、2重量部以下、1.5重量部以下、1重量部以下又は0.75重量部以下であってもよい。
【0042】
リン系熱安定剤
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、組成物の色調の改善、耐熱及び耐変色性を高めるために、リン系熱安定剤をさらに含むことができる。
前記リン系熱安定剤としては、公知のものをいずれも使用することができ、具体的には、例えば、リン酸、ホスホン酸、亜燐酸、ホスフィン酸、ポリリン酸などのリンのオキソ酸;酸性ピロリン酸ナトリウム、酸性ピロリン酸カリウム、酸性ピロリン酸カルシウムなどの酸性ピロリン酸金属塩;リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸セシウム、リン酸亜鉛などの1族又は2B族金属のリン酸塩;ホスフェート化合物、ホスファイト化合物、ホスホナイト化合物などが挙げられ、ホスファイト化合物が、耐変色性と連続生産性の側面から好ましく用いられるが、これに限定されない。
【0043】
一実施形態において、前記ホスファイト化合物は、式:P(OR)3で示される3価のリン化合物であってもよく、ここで、Rは1価又は2価の有機基を表す。より具体的には、前記ホスファイト化合物は、例えば、トリフェニルホスファイト、トリス(モノノニルペニル)ホスファイト、トリス(モノノニル/ジノニルペニル)ホスファイト、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリステアリルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリトールホスファイト、ビス(2,6-ジ-tert-ブチルフェニル)オクチルホスフェート、2,2-メチレンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)オクチルホスフェート、テトラキス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)-4,4'-ビフェニレン-ジホスファイト、6-[3-(3-tert-ブチル-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロポキシ]-2,4,8,10-テトラ-tert-ブチルジベンゾ[d,f][1,3,2]-ジオキサホスフェピンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
前記リン系熱安定剤は、単独で用いてもよいし、2種以上が組み合わせて用いてもよい。
【0044】
一実施形態において、本発明の熱可塑性樹脂組成物の全量100重量部に対して、前記組成物中の前記リン系熱安定剤の含量は、0.05重量部~0.5重量部であってもよい。前記組成物中のリン系熱安定剤の含量が前記範囲より少なすぎると、色及び黄変の改善効果が十分でない場合があり、逆に、前記範囲より多すぎると、耐熱性や耐変色性が低下する傾向があり、また、湿気や熱に対する安定性も低下する傾向がある。
【0045】
より具体的には、本発明の熱可塑性樹脂組成物の全量100重量部に対して、前記リン系熱安定剤の含量は、例えば、0.05重量部以上、0.07重量部以上、0.1重量部以上、0.12重量部以上又は0.15重量部以上であってもよく、また、0.5重量部以下、0.45重量部以下、0.4重量部以下、0.35重量部以下、0.3重量部以下又は0.25重量部以下であってもよい。
【0046】
任意の他の添加剤
本発明の熱可塑性樹脂組成物には、本発明の目的を達成できる範囲内で、前述した成分に加えて、必要に応じて、他の添加剤がさらに含むことができる。
前記他の添加剤の種類及び含量は、様々な目的に応じて、当業者によって容易に選択することができる。一実施形態において、無機充填剤、潤滑剤、酸化防止剤、光安定剤、加水分解安定剤、離型剤、着色剤、紫外線安定剤、帯電防止剤、導電性付与剤、磁性付与剤、架橋剤、抗菌剤、加工助剤、摩擦防止剤、摩耗防止剤及びカップリング剤を、単独で、又は2種以上の混合物として組成物に添加することができる。
【0047】
前記酸化防止剤としては、フェノール系、ホスファイト系、チオエーテル系又はアミン系などの酸化防止剤が使用され、前記離型剤としては、フッ素含有重合体、シリコーンオイル、ステアリン酸の金属塩、モンタン酸の金属塩、モンタン酸エステルワックス又はポリエチレンワックスなどが使用され、また、前記紫外線安定剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系及びアミン系の紫外線安定剤が使用され、前記着色剤としては、染料又は顔料が使用される。
また、前記以外の添加剤としては、市販されている一般的なものを使用することができ、その配合量は特に限定されず、例えば、本発明の組成物の全量100重量部に対して、例えば、0.1~5重量部、より具体的には0.2~5重量部とすることができるが、これに限定されるものではない。
【0048】
本発明による熱可塑性樹脂組成物は、バイオマス由来の材料であるアンヒドロ糖アルコールを使用しているため環境にやさしく、従来のポリカーボネート樹脂組成物に比べて光学特性(すなわち、高透過度及び低黄色度指数)が改善されるとともに、引張強度などの機械的特性、加工性及び耐熱性にも優れているため、これを含む成形品は、各種産業における光学用途に好適に使用することができ、特に、ライトガイド(より具体的には、自動車用ライトガイド、さらに具体的には自動車のヘッドランプ用ライトガイド)として極めて好適に使用することができる。
したがって、本発明の別の態様によれば、前記本発明の熱可塑性樹脂組成物を含む成形品が提供される。
前記成形品は、本発明の熱可塑性樹脂組成物の押出成形品又は射出成形品であってもよい。
好ましい一実施形態において、前記成形品は、ライトガイドであってもよい。
本発明を以下の実施例及び比較例を通じてさらに詳細に説明する。しかし、本発明の範囲は、これらによって何ら限定されるものではない。
【実施例】
【0049】
実施例及び比較例で用いられた成分は、以下の通りである。
(A)ポリカーボネート樹脂:SAMYANG CORPORATION.社製の3017 PJ
(B)イソソルビドのポリプロピレングリコール付加物
(B-1)PI-1000(ポリプロピレングリコール分子量:1000g/mol)
(B-2)PI-2000(ポリプロピレングリコール分子量:2000g/mol)
(B-3)PI-4000(ポリプロピレングリコール分子量:4000g/mol)
(C)ポリプロピレングリコール(PPG)
(C-1)PPG-1000(分子量:1000g/mol)
(C-2)PPG-2000(分子量:2000g/mol)
(C-3)PPG-4000(分子量:4000g/mol)
(D)リン系熱安定剤(S9228PC、Dover社製)
【0050】
前記イソソルビドのポリプロピレングリコール付加物は、酸処理したイソソルビドと対応するプロピレンオキシドを、KOH触媒の存在下で、100℃~140℃で付加反応させ、生成物を冷却し、ろ過し、イオン交換樹脂を用いて精製することによって製造された。
【0051】
下記表1に示す各実施例及び比較例の成分及び含量で樹脂組成物を製造し、L/D=48及びΦ=25mmの二軸溶融混練押出機を使用して、溶融温度240~260℃、スクリュー回転速度150rpm、第1ベント圧力約-600mmHg及び自己供給速度20kg/hの条件で押出し、押出ストランドを水で冷却した後、回転カッターで切断してペレットを製造した。
製造されたペレットを80℃~100℃の熱風で4時間乾燥した後、250℃~280℃のシリンダー温度、成形温度80℃で射出成形して試片を製造し。製造された各試片の物性を以下に説明する方法で測定し、その結果を下記表1に示した。
【0052】
製造された各試片の物性は、以下の方法で測定した。
(1)引張強度:ASTM D638に従って評価
(2)曲げ強度及び曲げ弾性率:ASTM D790に従って評価
(3)衝撃強度:ASTM D256(1/8インチ厚さ、ノッチアイゾット)に従って評価
(4)熱変形温度:ASTM D648に従って18.6kg/cm
2の荷重で評価
(5)溶融指数:ASTM D1238に従って300℃の温度及び1.2kgf荷重条件で測定
(6)透過率:BYK社製のGardner i Haze Meterを使用して、正方形試片(90×80×6.4mm)の透過率(%)値をASTM D1003に従って測定
(7)YI(黄色度指数):X-rite社製の分光光度計CI 7800SEを使用して正方形試片(90×80×6.4mm)のYI値を測定
【表1】
【0053】
【0054】
前記表1に示すように、本発明による実施例1~6はいずれも光学特性(すなわち、高透過率及び低黄色度指数)に優れ、同時に加工性(高溶融指数)、引張強度、曲げ強度、曲げ弾性率及び衝撃強度などの機械的特性及び耐熱性にも優れ、バランスの取れた物性を確保しており、自動車用ヘッドライトのライトガイドとして好適に使用することができるものであった。
しかし、前記表2に示すように、比較例の場合、実施例に比べて光学特性が劣っていた(すなわち、低透過率及び高黄色度指数)。
【国際調査報告】