(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-17
(54)【発明の名称】呼吸刺激薬非経口製剤
(51)【国際特許分類】
A61K 31/53 20060101AFI20250109BHJP
A61P 11/16 20060101ALI20250109BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20250109BHJP
A61K 47/10 20170101ALI20250109BHJP
A61K 47/40 20060101ALI20250109BHJP
A61K 47/36 20060101ALI20250109BHJP
A61K 47/02 20060101ALI20250109BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20250109BHJP
A61K 47/18 20170101ALI20250109BHJP
【FI】
A61K31/53
A61P11/16
A61P11/00
A61K47/10
A61K47/40
A61K47/36
A61K47/02
A61K47/12
A61K47/18
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024539090
(86)(22)【出願日】2022-12-23
(85)【翻訳文提出日】2024-08-07
(86)【国際出願番号】 US2022053935
(87)【国際公開番号】W WO2023129502
(87)【国際公開日】2023-07-06
(32)【優先日】2021-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523416667
【氏名又は名称】エナラーレ セラピューティクス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100110663
【氏名又は名称】杉山 共永
(72)【発明者】
【氏名】ペルゴリッジ,ジョセフ,ブイ.
(72)【発明者】
【氏名】ディアナ,フランク
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ジャーイー
(72)【発明者】
【氏名】ドッド,デヴォン,イー.
(72)【発明者】
【氏名】アギェマン,イサック
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA12
4C076BB11
4C076BB15
4C076CC15
4C076DD23
4C076DD37
4C076DD38
4C076DD41Z
4C076DD43Z
4C076DD51Z
4C076EE23
4C076EE30
4C076EE39
4C076FF04
4C076FF36
4C076FF61
4C076FF63
4C076FF68
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC64
4C086MA02
4C086MA03
4C086MA05
4C086MA17
4C086MA55
4C086NA03
4C086NA10
4C086NA11
4C086NA14
4C086ZA59
4C086ZA60
(57)【要約】
ある特定の実施形態では、本明細書に開示される式(I)の化合物と、薬学的に許容される賦形剤とを含む非経口製剤が開示されており、製剤は、2週間、60%の相対湿度で、25℃の加速貯蔵条件の後、化合物の少なくとも90%を維持する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物と、薬学的に許容される賦形剤と、を含む非経口製剤であって、前記製剤が、2週間、60%の相対湿度で、25℃の加速貯蔵条件の後、前記化合物の少なくとも90%を維持し、前記式(I)の化合物が、以下:
【化1】
(式中、
R
1及びR
2が、独立して、H、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、フェニル、置換フェニル、フェニルアルキル、置換フェニルアルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリール、もしくは置換ヘテロアリールであるか、またはR
1及びR
2が、組み合わさって、3-ヒドロキシ-ペンタン-1,5-ジイル、6-ヒドロキシ-シクロヘプタン-1,4-ジイル、プロパン-1,3-ジイル、ブタン-1,4-ジイル、及びペンタン-1,5-ジイルからなる群から選択されるビラジカルを形成し、
R
3が、H、アルキル、置換アルキル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、-NR
1R
2、-C(O)OR
1、アシル、またはアリールであり、
R
4が、H、アルキル、または置換アルキルであり、
R
5が、H、アルキル、プロパギル、置換プロパギル、ホモプロパギル、置換ホモプロパギル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、-OR
1、-NR
1R
2、-C(O)OR
1、アシル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、もしくは置換複素環であるか、またはR
3及びR
5が、組み合わさって、3,6,9-トリオキサ-ウンデカン-1,11-ジイル及び3,6-ジオキサ-オクタン-1,8-ジイルからなる群から選択されるビラジカルを形成し、
R
6が、H、アルキル、置換アルキル、またはアルケニルであり、
Xが、結合、O、またはNR
4であり、
Yが、N、CR
6、またはCであり、
YがNまたはCR
6である場合には、結合b
1が無であり、かつ(i)ZがHであり、結合b
2が単結合であり、AがCHであるか、または(ii)Zが無であり、結合b
2が無であり、Aが単結合であり、
YがCである場合には、結合b
1は単結合であり、かつ(i)ZがCH
2であり、結合b
2が単結合であり、AがCHあるか、または、(ii)ZがCHであり、結合b
2が二重結合であり、AがCである)
またはその塩から選択される、前記非経口製剤。
【請求項2】
前記製剤が、1ヶ月間、60%の相対湿度で、25℃の加速貯蔵条件の後、前記化合物の少なくとも90%を維持する、請求項1に記載の非経口製剤。
【請求項3】
前記製剤が、2ヶ月間、60%の相対湿度で、25℃の加速貯蔵条件の後、前記化合物の少なくとも90%を維持する、請求項1に記載の非経口製剤。
【請求項4】
前記製剤が、3ヶ月間、60%の相対湿度で、25℃の加速貯蔵条件の後、前記化合物の少なくとも90%を維持する、請求項1に記載の非経口製剤。
【請求項5】
前記製剤が、2週間、60%の相対湿度で、25℃の加速貯蔵条件の後、前記化合物の少なくとも95%を維持する、請求項1に記載の非経口製剤。
【請求項6】
前記製剤が、1ヶ月間、60%の相対湿度で、25℃の加速貯蔵条件の後、前記化合物の少なくとも95%を維持する、請求項1に記載の非経口製剤。
【請求項7】
前記製剤が、2ヶ月間、60%の相対湿度で、25℃の加速貯蔵条件の後、前記化合物の少なくとも90%を維持する、請求項1に記載の非経口製剤。
【請求項8】
前記製剤が、3ヶ月間、60%の相対湿度で、25℃の加速貯蔵条件の後、前記化合物の少なくとも90%を維持する、請求項1に記載の非経口製剤。
【請求項9】
前記製剤が、2週間、75%の相対湿度で、40℃の加速貯蔵条件の後、前記化合物の少なくとも90%を維持する、請求項1に記載の非経口製剤。
【請求項10】
前記製剤が、1ヶ月間、75%の相対湿度で、40℃の加速貯蔵条件の後、前記化合物の少なくとも90%を維持する、請求項1に記載の非経口製剤。
【請求項11】
前記製剤が、2ヶ月間、75%の相対湿度で、40℃の加速貯蔵条件の後、前記化合物の少なくとも90%を維持する、請求項1に記載の非経口製剤。
【請求項12】
前記製剤が、3ヶ月間、75%の相対湿度で、40℃の加速貯蔵条件の後、前記化合物の少なくとも90%を維持する、請求項1に記載の非経口製剤。
【請求項13】
前記製剤が、2週間、75%の相対湿度で、40℃の加速貯蔵条件の後、前記化合物の少なくとも95%を維持する、請求項1に記載の非経口製剤。
【請求項14】
前記製剤が、1ヶ月間、75%の相対湿度で、40℃の加速貯蔵条件の後、前記化合物の少なくとも95%を維持する、請求項1に記載の非経口製剤。
【請求項15】
前記製剤が、2ヶ月間、75%の相対湿度で、40℃の加速貯蔵条件の後、前記化合物の少なくとも90%を維持する、請求項1に記載の非経口製剤。
【請求項16】
前記製剤が、3ヶ月間、75%の相対湿度で、40℃の加速貯蔵条件の後、前記化合物の少なくとも90%を維持する、請求項1に記載の非経口製剤。
【請求項17】
前記製剤のpHが、約3.5~約5.5である、先行請求項のいずれか1項に記載の非経口製剤。
【請求項18】
前記pHが、約4~約5である、請求項17に記載の非経口製剤。
【請求項19】
前記pHが、約4.0、約4.5、または約5.0から選択される、請求項18に記載の非経口製剤。
【請求項20】
前記化合物の濃度が、約10mg/mL~約30mg/mLである、先行請求項のいずれか1項に記載の非経口製剤。
【請求項21】
前記化合物の前記濃度が、約15mg/mL~約25mg/mLである、請求項20に記載の非経口製剤。
【請求項22】
前記化合物の前記濃度が、約15mg/mL、約20mg/mL、または約25mg/mLから選択される、請求項21に記載の非経口製剤。
【請求項23】
前記賦形剤が、エタノール、ポリアルキレングリコール、アルキレングリコール、シクロデキストリン、生理食塩水、リンガー溶液、デキストロース、ポリエチレングリコール-ヒドロキシステアレート、またはそれらの組み合わせから選択される、先行請求項のいずれか1項に記載の非経口製剤。
【請求項24】
前記賦形剤が、エタノールを含む、請求項23に記載の非経口製剤。
【請求項25】
前記賦形剤が、約1%~約30%、約5%~約25%、または約10%~約20%の量のエタノールを含む、請求項23に記載の非経口製剤。
【請求項26】
前記賦形剤が、プロピレングリコールを含む、請求項23に記載の非経口製剤。
【請求項27】
前記賦形剤が、約20%~約100%、約50%~約95%、または約70%~約90%の量のプロピレングリコールを含む、請求項23に記載の非経口製剤。
【請求項28】
前記賦形剤が、ポリエチレングリコールを含む、請求項23に記載の非経口製剤。
【請求項29】
前記賦形剤が、約20%~約100%、約50%~約95%、または約70%~約90%の量のポリエチレングリコールを含む、請求項23に記載の非経口製剤。
【請求項30】
前記賦形剤が、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンを含む、請求項23に記載の非経口製剤。
【請求項31】
前記賦形剤が、約1%~約50%、約10%~約40%、または約20%~約30%の量のヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンを含む、請求項23に記載の非経口製剤。
【請求項32】
筋肉内投与に好適である、先行請求項のいずれか1項に記載の非経口製剤。
【請求項33】
請求項32に記載の非経口製剤を筋肉内に投与することを含む、呼吸刺激を提供する方法。
【請求項34】
緩衝溶液を更に含む、請求項1に記載の非経口製剤。
【請求項35】
前記緩衝溶液が、クエン酸、グリシン、クエン酸塩、または酢酸塩を含む、請求項34に記載の非経口製剤。
【請求項36】
前記緩衝溶液が、クエン酸塩を含む、請求項34に記載の非経口製剤。
【請求項37】
前記緩衝溶液が、酢酸塩を含む、請求項34に記載の非経口製剤。
【請求項38】
請求項1~37のいずれか1項に記載の製剤を非経口的に投与することを含む、呼吸抑制を治療する方法。
【請求項39】
前記呼吸抑制が、オピオイド剤によって引き起こされる、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記呼吸抑制が、非オピオイド剤によって引き起こされる、請求項38に記載の方法。
【請求項41】
前記呼吸抑制が、炎症によって引き起こされる、請求項38に記載の方法。
【請求項42】
前記呼吸抑制が、感染によって引き起こされる、請求項38に記載の方法。
【請求項43】
前記製剤が、約2.0mg/kg~約40mg/kg、約3.0mg/kg~約35mg/kg、約4.0mg/kg~約30mg/kg、約5.0mg/kg~約25mg/kg、約6.0mg/kg~約20mg/kg、約7.0mg/kg~約15mg/kg、または約8.0mg/kg~約10mg/kgの投薬速度で投与される、請求項41に記載の方法。
【請求項44】
前記製剤が、約4.0mg/kg~約5.0mg/kg、または約4.8mg/kgの投薬速度で投与される、請求項41に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、Biomedical Advanced Research and Development Authority(BARDA)によって授与された契約75A50121C00044の下で政府の支援を受けて行われた。政府は、本発明においてある権利を有する。
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年12月27日に出願された米国仮特許出願第63/293,985号及び2022年2月24日に出願された第63/313,472号の優先権を主張し、その内容全体が本明細書に組み込まれる。
【0003】
本開示は、例えば、オピオイドもしくは非オピオイド剤、炎症、または感染によって調節される、呼吸抑制を治療するための方法及び組成物に関する。
【背景技術】
【0004】
人体は、酸素の適切な取り込み及び二酸化炭素(CO2)の除去のために換気制御系に大きく依存している。オピオイド鎮痛薬などの多くの活性薬剤は、脳幹の呼吸神経に発現するμオピオイド受容体に対して作用することで、過剰摂取などのある特定の状況で呼吸抑制を引き起こす可能性がある。
【0005】
他の薬剤は、過剰摂取または他の状況で呼吸抑制を引き起こし得る。例えば、プロポフォールなどの麻酔薬は、生命を脅かす可能性がある呼吸抑制を引き起こし得る。
【0006】
呼吸抑制は、炎症または感染などの非薬理学的理由によっても引き起こされ得る。
【0007】
任意の理由によって引き起こされる呼吸抑制を治療するための治療方法及び製剤が、当該技術分野で必要とされている。
【発明の概要】
【0008】
ある特定の実施形態では、本開示は、例えば、オピオイド剤、非オピオイド剤、炎症、または感染によって引き起こされる呼吸抑制を治療するための治療方法及び製剤を対象とする。
【0009】
ある特定の実施形態では、本開示は、本明細書に開示される式(I)の化合物と、薬学的に許容される賦形剤とを含む非経口製剤を対象とし、製剤は、2週間、60%の相対湿度で、25℃の加速貯蔵条件の後、化合物の少なくとも90%を維持する。
【0010】
定義
本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明確に別途指示しない限り、複数形の言及を含む。このため、例えば、「活性剤」への言及は、単一の活性剤だけでなく2つ以上の異なる活性剤の混合物も含み、「賦形剤」への言及は、単一の賦形剤だけでなく2つ以上の異なる賦形剤の混合物(他同様)を含む。
【0011】
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、測定量に関連して、測定を行い、測定の目的及び測定装置の精度に見合ったレベルの注意をはらうなかで当業者によって予想される、その測定量の正常な変動を指す。ある特定の実施形態では、「約」という用語は記載された数字±10%を含み、したがって、「約10」は9~11を含むであろう。
【0012】
本明細書で使用される場合、「活性剤」、「活性成分」、及び「活性医薬成分」という用語は、治療効果、予防効果、または他の意図された効果を生み出すことが意図される、その目的のために政府機関によって承認されているか否かにかかわらない任意の材料を指す。特定の薬剤に関するこれらの用語には、全ての薬学的に活性な薬剤、その全ての薬学的に許容される塩、複合体、立体異性体、結晶形態、共結晶、エーテル、エステル、水和物、溶媒和物、及びその混合物が含まれ、その形態は薬学的に活性である。
【0013】
本明細書で使用される場合、「立体異性体」という用語は、空間におけるそれらの原子の配向のみが異なる個々の分子の全ての異性体に対する一般用語である。これは、互いの鏡像ではない(ジアステレオマー)1つ以上のキラル中心を有する化合物の鏡像異性体及び異性体を含む。
【0014】
「鏡像異性体」または「鏡像異性」という用語は、その鏡像上に重ね合わせることができず、よって光学的に活性である分子を指し、ここで、鏡像異性体は、偏光面をある程度一方向に回転させ、その鏡像は、偏光面を同じ程度であるが反対方向に回転させる。
【0015】
「キラル中心」という用語は、4つの異なる基が結合する炭素原子を指す。
【0016】
「患者」という用語は、治療の必要性を示唆する特定の症状(単数または複数)の臨床所見が見られるか、または状態のために防止目的もしくは予防目的で治療されているか、または治療される状態と診断されている、対象、動物、またはヒトを指す。「対象」という用語は、「患者」という用語の定義を含み、別様に健康である個体を除外しない。
【0017】
「薬学的に許容される塩」または「塩」としては、限定されないが、無機酸塩、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩(sulfate)、硫酸水素塩、リン酸塩(phosphate)、硝酸塩、炭酸塩、硫酸塩(sulfuric)、リン酸塩(phosphoric)(リン酸水素及びリン酸二水素を含む)など、有機酸塩、例えば、シュウ酸塩、マロン酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、コハク酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、グルコン酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、キシナホ酸塩、パモ酸塩、アスコルビン酸塩、アジピン酸塩、ケイ皮酸など、スルホン酸塩、例えば、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩など、アミノ酸塩、例えば、アルギン酸塩、アパラギン酸塩、グルタミン酸塩など、金属塩、例えば、亜鉛塩、ナトリウム塩、セシウム塩など、アルカリ土類金属、例えば、カルシウム塩、マグネシウム塩など、ならびに有機アミン塩、例えば、トリエチルアミン塩、ピリジン塩、ピコリン塩、エタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N,N’-ジベンジルエチレンジアミン塩、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン(N-メチルグルカミン)、及びプロカインなどが挙げられる。これらの塩は、水和物、溶媒和物、または結晶多形体の形態で存在してもよい。ある特定の実施形態では、適切な有機酸は、脂肪族、脂環式、芳香族、芳香脂肪族、複素環式、有機酸のカルボン酸及びスルホン酸クラスから選択され、その例としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、グルクロン酸、マレイン酸、フマル酸、ピルビン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、安息香酸、アントラニル酸、4-ヒドロキシ安息香酸、フェニル酢酸、マンデル酸、エンボン(パモ)酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パントテン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、スルファニル酸、シクロヘキシルアミノスルホン酸、ステアリン酸、アルギン酸、β-ヒドロキシ酪酸、サリチル酸、ガラクタル酸、及びガラクツロン酸が挙げられる。これらの塩の全ては、例えば、適切な酸または塩基を本発明の化合物と反応させることによって、本発明の対応する化合物から従来の手段によって調製され得る。Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,and Use(P.H.Stahl&C.G.Wermuth eds.,Verlag Helvetica Chimica Acta,2002)[1].
【0018】
「疾患(単数または複数)」または「状態(単数または複数)」という用語は、有効量の活性剤を対象に投与することによって治療または予防することができる医学的状態を指す。
【0019】
「の治療」及び「治療すること」という用語は、状態の重症度の軽減もしくは停止、または状態の症状の重症度の軽減もしくは停止を含む。ある特定の実施形態では、「治療」または「治療すること」という用語は、状態に関連して、転帰にかかわらず、薬力学的効果をもたらす意図による投与を意味する。ある特定の実施形態では、「治療」または「治療すること」は、「状態に正の効果を有する」ことを意味し、状態の少なくとも1つの症状の重症度の低減、改善、及び/または緩和、状態の重症度の低減、改善、及び/または緩和、状態の進行の遅延、予防、もしくは阻害、または治療の結果として知覚される向上もしくは利益を包含する。治療は、本明細書で使用される場合、状態の完全な治癒を必要としない。ある特定の実施形態では、本開示の組成物により、患者の生活の質の向上、または状態の1つ以上の症状の発症の遅延、予防、阻害がもたらされ得るか、あるいは知覚される利益がもたらされ得る。
【0020】
「の防止」及び「防止すること」という用語は、状態の発症の回避を含む。
【0021】
「治療有効量」という用語は、例えば、対象における状態を治療もしくは防止するため、または状態の症状を治療するための活性剤の量または活性剤の組み合わせの量を含むことが意図される。
【0022】
「有効量」という用語は、ある特定の結果または特性を達成するための成分の量または成分の組み合わせの量を含むことが意図されており、例えば、6.0のpHを達成するためのpH調整剤の有効量は、6.0のpHに到達するための1つ以上のpH調整剤の量を含むことが意図される。
【0023】
「適用」、「適用する」、及び「適用すること」という用語は、開示の局所組成物または開示の局所組成物を使用する方法に関連して、医学的または美容学的実践において、組成物を患者の皮膚表面に送達する、患者の皮膚に局所組成物を投与する任意の様式を指す。好適なデバイスを用いてまたは用いずに、開示の局所組成物を患者の皮膚に塗ること、こすりつけること、広げること、噴霧することは全て、本明細書で使用される場合、「適用」という用語の範囲内に含まれる。「局所的な」または「局所的に」という用語は、開示の製剤の投与または適用に関連して、表皮投与もしくは適用、または皮膚上での投与を指す。
【0024】
本明細書で使用される場合、「非経口投与」は、医薬剤形が、例えば、筋肉(筋肉内投与)、静脈(静脈内投与)、皮膚下(皮下投与)に注射される投与経路を指す。
【0025】
「薬学的に許容される」という語句は、妥当な医学的判断の範囲内で、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、または合理的な利益/リスク比に見合った他の問題または合併症なしでヒト及び動物の組織と接触して使用するのに好適な化合物、材料、組成物、及び/または剤形を指す。
【0026】
本明細書で使用される場合、「アルキル」という用語は、それ自体で、または別の置換基の一部として、別途示されない限り、指定された炭素原子の数を有する直鎖または分岐鎖炭化水素を意味し(すなわち、C1-C10は、1~10個の炭素原子を意味する)、直鎖、分岐鎖、または環式置換基を含む。例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、及びシクロプロピルメチルが挙げられる。エチル、メチル、イソプロピル、イソブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、及びシクロプロピルメチルなどであるがこれらに限定されない(C1-C6)アルキルが最も好ましい。
【0027】
本明細書で使用される場合、「シクロアルキル」という用語は、それ自体で、または別の置換基の一部として、別途示されない限り、指定された数の炭素原子を有する環式鎖炭化水素を意味し(すなわち、C3-C6は、3~6個の炭素原子からなる環基を含む環式基を意味する)、直鎖、分岐鎖、または環式置換基を含む。例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、及びシクロオクチルが挙げられる。シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、及びシクロヘキシルなどであるがこれらに限定されない(C3-C6)シクロアルキルが最も好ましい。
【0028】
本明細書で使用される場合、「アルケニル」という用語は、単独で、または他の用語と組み合わせて用いられ、別途示されない限り、定められた数の炭素原子を有する安定な一価不飽和もしくは二価不飽和直鎖または分岐鎖炭化水素基を意味する。例としては、ビニル、プロペニル(またはアリル)、クロチル、イソペンテニル、ブタジエニル、1,3-ペンタジエニル、1,4-ペンタジエニル、ならびにより高次の相同体及び異性体が挙げられる。アルケンを表す官能基は、-CH2-CH=CH2によって例示される。
【0029】
本明細書で使用される場合、「アルキニル」という用語は、単独で、または他の用語と組み合わせて用いられ、別途示されない限り、定められた数の炭素原子を有する、三重炭素間結合を伴う安定な直鎖または分岐鎖炭化水素基を意味する。例としては、エチニル及びプロピニル、ならびにより高次の相同体及び異性体が挙げられる。
【0030】
本明細書で使用される場合、「置換アルキル」、「置換シクロアルキル」、「置換アルケニル」、または「置換アルキニル」という用語は、上で定義したアルキル、シクロアルキル、アルケニル、またはアルキニルであって、ハロゲン、-OH、アルコキシ、テトラヒドロ-2-H-ピラニル、-NH2、-N(CH3)2、(1-メチル-イミダゾール-2-イル)、ピリジン-2-イル、ピリジン-3-イル、ピリジン-4-イル、-C(=O)OH、トリフルオロメチル、-C≡N、-C(=O)O(C1-C4)アルキル、-C(=O)NH2、-C(=O)NH(C1-C4)アルキル、-C(=O)N((C1-C4)アルキル)2、-SO2NH2、-C(=NH)NH2、及び-NO2からなる群から選択され、好ましくは、ハロゲン、-OH、アルコキシ、-NH2、トリフルオロメチル、-N(CH3)2、及び-C(=O)OHから選択される、より好ましくは、ハロゲン、アルコキシ、及び-OHから選択される1つまたは2つの置換基を含む、1つ、2つ、または3つの置換基で置換された、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、またはアルキニルを意味する。置換アルキルの例としては、2,2-ジフルオロプロピル、2-カルボキシシクロペンチル、及び3-クロロプロピルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0031】
本明細書で使用される場合、「アルコキシ」という用語は、単独で、または他の用語と組み合わせて用いられ、別途示されない限り、酸素原子を介して残りの分子に接続する、上で定義した、指定された数の炭素原子を有するアルキル基、例えば、メトキシ、エトキシ、1-プロポキシ、2-プロポキシ(イソプロポキシ)、ならびにより高次の相同体及び異性体などを意味する。エトキシ及びメトキシなどであるがこれらに限定されない(C1-C3)アルコキシが好ましい。
【0032】
本明細書で使用される場合、「ハロ」または「ハロゲン」という用語は、単独でまたは別の置換基の一部として、別途定めのない限り、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素原子、好ましくは、フッ素、塩素、または臭素、より好ましくは、フッ素または塩素を意味する。
【0033】
本明細書で使用される場合、「ヘテロアルキル」という用語は、それ自体で、または別の用語と組み合わせて、別途示されない限り、定められた数の炭素原子と、O、N、及びSからなる群から選択される1個または2個のヘテロ原子とからなる安定な直鎖または分岐鎖アルキル基を意味し、窒素原子及び硫黄原子は、任意選択で酸化されてもよく、窒素ヘテロ原子は任意選択で四級化されてもよい。ヘテロ原子(複数可)は、ヘテロアルキル基の残りの部分とそれが結合する断片との間を含む、ヘテロアルキル基の任意の位置に配置されてもよく、ヘテロアルキル基の最も遠位の炭素原子に結合されてもよい。例としては、-O-CH2-CH2-CH3、-CH2-CH2-CH2-OH、-CH2-CH2-NH-CH3、-CH2-S-CH2-CH3、及び-CH2CH2-S(=O)-CH3が挙げられる。例えば、-CH2-NH-OCH3、または-CH2-CH2-S-S-CH3など、最大2個のヘテロ原子が連続していてもよい。
【0034】
本明細書で使用される場合、「ヘテロアルケニル」という用語は、それ自体で、または別の用語と組み合わせて、別途示されない限り、定められた数の炭素原子と、O、N、及びSからなる群から選択される1個または2個のヘテロ原子とからなる安定な直鎖または分岐鎖一価不飽和または二価不飽和炭化水素基を意味し、窒素原子及び硫黄原子は、任意選択で酸化されてもよく、窒素ヘテロ原子は任意選択で四級化されてもよい。最大2個のヘテロ原子が連続して配置されてもよい。例としては、-CH=CH-O-CH3、-CH=CH-CH2-OH、-CH2-CH=N-OCH3、-CH=CH-N(CH3)-CH3、及び-CH2-CH=CH-CH2-SHが挙げられる。
【0035】
本明細書で使用される場合、「芳香族」という用語は、1つ以上の多価不飽和環を伴い、芳香族特性を有する、すなわち(4n+2)非局在化π(pi)電子(式中、nは整数である)を有する炭素環または複素環を指す。
【0036】
本明細書で使用される場合、「アリール」という用語は、単独で、または他の用語と組み合わせて用いられ、別途示されない限り、1つ以上の環(典型的には、1つ、2つ、または3つの環)を含む炭素環式芳香族系を意味し、かかる環は、ビフェニルなど、ペンダント様式で一緒に結合してもよく、ナフタレンなど、縮合されてもよい。例としては、フェニル、アントラシル、及びナフチルが挙げられる。フェニル及びナフチルが好ましく、フェニルが最も好ましい。
【0037】
本明細書で使用される場合、「アリール-(C1-C3)アルキル」という用語は、1~3個の炭素アルキレン鎖がアリール基に結合する官能基、例えば、-CH2CH2-フェニルまたは-CH2-フェニル(ベンジル)を意味する。アリール-CH2-及びアリール-CH(CH3)-が好ましい。「置換アリール-(C1-C3)アルキル」という用語は、アリール基が置換されているアリール-(C1-C3)アルキル官能基を意味する。置換アリール(CH2)-が好ましい。同様に、「ヘテロアリール-(C1-C3)アルキル」という用語は、1~3個の炭素アルキレン鎖がヘテロアリール基に結合する可能器、例えば、-CH2CH2-ピリジルを意味する。ヘテロアリール-(CH2)-が好ましい。「置換ヘテロアリール-(C1-C3)アルキル」という用語は、ヘテロアリール基が置換されているヘテロアリール-(C1-C3)アルキル官能基を意味する。置換ヘテロアリール-(CH2)-が好ましい。
【0038】
本明細書で使用される場合「複素環」または「ヘテロシクリル」または「複素環式」という用語は、それ自体で、または別の置換基の一部として、別途示されない限り、炭素原子と、N、O、及びSからなる群から選択される少なくとも1つのヘテロ原子とからなる、置換されていないまたは置換された安定な単環式または多環式の複素環式環系を意味し、窒素ヘテロ原子及び硫黄ヘテロ原子は、任意選択で酸化されてもよく、窒素原子は、任意選択で四級化されてもよい。複素環式系は、別途示されない限り、安定な構造を提供する任意のヘテロ原子または炭素原子において結合していてもよい。複素環は、本質的に芳香族であっても非芳香族であってもよい。一実施形態では、複素環は、ヘテロアリールである。
【0039】
本明細書で使用される場合、「ヘテロアリール」または「ヘテロ芳香族」という用語は、芳香族の特徴を有する複素環を指す。多環式ヘテロアリールには、部分的に飽和した1つ以上の環が含まれてもよい。例としては、テトラヒドロキノリン及び2,3-ジヒドロベンゾフリルが挙げられる。
【0040】
非芳香族複素環の例としては、単環式基、例えば、アジリジン、オキシラン、チイラン、アゼチジン、オキセタン、チエタン、ピロリジン、ピロリン、イミダゾリン、ピラゾリジン、ジオキソラン、スルホラン、2,3-ジヒドロフラン、2,5-ジヒドロフラン、テトラヒドロフラン、チオファン、ピペリジン、1,2,3,6-テトラヒドロピリジン、1,4-ジヒドロピリジン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリン、ピラン、2,3-ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、1,4-ジオキサン、1,3-ジオキサン、ホモピペラジン、ホモピペリジン、1,3-ジオキセパン、4,7-ジヒドロ-1,3-ジオキセピン、及びヘキサメチレンオキシドが挙げられる。
【0041】
ヘテロアリール基の例としては、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル(例えば、限定されないが、2-及び4-ピリミジニル)、ピリダジニル、チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、1,3,4-トリアゾリル、テトラゾリル、1,2,3-チアジアゾリル、1,2,3-オキサジアゾリル、1,3,4-チアジアゾリル、及び1,3,4-オキサジアゾリルが挙げられる。
【0042】
多環式複素環の例としては、インドリル(例えば、限定されないが、3-、4-、5-、6-、及び7-インドリル)、インドリニル、キノリル、テトラヒドロキノリル、イソキノリル(例えば、限定されないが、1-及び5-イソキノリル)、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリル、シンノリニル、キノキサリニル(例えば、限定されないが、2-及び5-キノキサリニル)、キナゾリニル、フタラジニル、1,8-ナフチリジニル、1,4-ベンゾジオキサニル、クマリン、ジヒドロクマリン、1,5-ナフチリジニル、ベンゾフリル(例えば、限定されないが、3-、4-、5-、6-、及び7-ベンゾフリル)、2,3-ジヒドロベンゾフリル、1,2-ベンゾイソキサゾリル、ベンゾチエニル(例えば、限定されないが、3-、4-、5-、6-、及び7-ベンゾチエニル)、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル(例えば、限定されないが、2-ベンゾチアゾリル及び5-ベンゾチアゾリル)、プリニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、チオキサンチニル、カルバゾリル、カルボリニル、アクリジニル、ピロリジニル、及びキノリジジニル、及びキノリジニルが挙げられる。
【0043】
ヘテロシクリル部分及びヘテロアリール部分の前述のリストは、代表的であり、限定するものではないことが意図される。
【0044】
本明細書で使用される場合、「置換」という用語は、原子または原子の群が、別の基に結合した置換基として水素を置き換えたことを意味する。
【0045】
アリール基、アリール-(C1-C3)アルキル基、及びヘテロシクリル基について、これらの基の環に適用される「置換」という用語は、任意のレベルの置換、すなわち、一置換、二置換、三置換、四置換、または五置換(かかる置換が許可される場合)を指す。置換基は独立して選択され、置換は、任意の化学的にアクセス可能な位置にあってもよい。一実施形態では、置換基は、1~4個の間で数が異なる。別の実施形態では、置換基は、1~3個の間で数が異なる。また別の実施形態では、置換基は、1~2個の間で数が異なる。また別の実施形態では、置換基は、独立して、C1-6アルキル、-OH、C1-6アルコキシ、ハロ、アミノ、アセトアミド、及びニトロからなる群から選択される。本明細書で使用される場合、置換基がアルキル基またはアルコキシ基であるとき、炭素鎖は、分岐鎖であっても、直鎖であっても、環式であってもよいが、直鎖が好ましい。
【0046】
本明細書の値の範囲の列挙は、本明細書で別途示されない限り、単に、範囲内に収まるそれぞれの別個の値を個々に指す速記方法としての役割を果たすことが意図され、それぞれの別個の値は、本明細書に個々に列挙されるのと同程度に、本明細書に組み込まれる。本明細書に記載される全ての方法は、本明細書に別様が示されない限り、または文脈によって別様が明らかに矛盾しない限り、任意の好適な順序で実行され得る。本明細書中提示されるありとあらゆる例、または例示的な言葉(例えば、「例えば(such as)」など)の使用は、特定の材料及び方法をより理解しやすくすることを意図するに過ぎず、特許請求の範囲に制限をかけることはない。本明細書のいかなる言葉も、開示されている材料及び方法の実施にとって必須として任意の請求されていない要素を示すものと解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【
図1】
図1は、40℃及び60℃で貯蔵後のpH安定性プロファイルを示す。
【
図2】
図2は、40℃及び60℃で貯蔵後のpH安定性プロファイルを示す。
【
図3】
図3は、24時間までの時間に対する平均血漿濃度のプロットを表す。
【
図4】
図4は、4時間までの時間に対する平均血漿濃度のプロットを表す。
【発明を実施するための形態】
【0048】
本開示のある特定の実施形態は、式(I)の化合物と、薬学的に許容される賦形剤と、を含む非経口製剤を対象とし、製剤は、2週間、60%の相対湿度で、25℃の加速貯蔵条件の後、化合物の少なくとも90%を維持し、式(I)の化合物は、以下:
【化1】
(式中、
R
1及びR
2が、独立して、H、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、フェニル、置換フェニル、フェニルアルキル、置換フェニルアルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリール、もしくは置換ヘテロアリールであるか、またはR
1及びR
2が、組み合わさって、3-ヒドロキシ-ペンタン-1,5-ジイル、6-ヒドロキシ-シクロヘプタン-1,4-ジイル、プロパン-1,3-ジイル、ブタン-1,4-ジイル、及びペンタン-1,5-ジイルからなる群から選択されるビラジカルを形成し、
R
3が、H、アルキル、置換アルキル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、-NR
1R
2、-C(O)OR
1、アシル、またはアリールであり、
R
4が、H、アルキル、または置換アルキルであり、
R
5が、H、アルキル、プロパギル、置換プロパギル、ホモプロパギル、置換ホモプロパギル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、-OR
1、-NR
1R
2、-C(O)OR
1、アシル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、もしくは置換複素環であるか、またはR
3及びR
5が、組み合わさって、3,6,9-トリオキサ-ウンデカン-1,11-ジイル及び3,6-ジオキサ-オクタン-1,8-ジイルからなる群から選択されるビラジカルを形成し、
R
6が、H、アルキル、置換アルキル、またはアルケニルであり、
Xが、結合、O、またはNR
4であり、
Yが、N、CR
6、またはCであり、
YがNまたはCR
6である場合には、結合b
1が無であり、かつ(i)ZがHであり、結合b
2が単結合であり、AがCHであるか、または(ii)Zが無であり、結合b
2が無であり、Aが単結合であり、
YがCである場合には、結合b
1は単結合であり、かつ(i)ZがCH
2であり、結合b
2が単結合であり、AがCHあるか、または、(ii)ZがCHであり、結合b
2が二重結合であり、AがCである)
またはその塩から選択される。
【0049】
本開示のある特定の実施形態は、式(I)の化合物と、薬学的に許容される賦形剤と、を含む非経口製剤を対象とし、製剤は、2週間、60%の相対湿度で、25℃の加速貯蔵条件の後、化合物の少なくとも90%を維持し、式(I)の化合物は、以下:
【化2】
(式中、
R
1及びR
2が、独立して、H、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、フェニル、置換フェニル、フェニルアルキル、置換フェニルアルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリール、もしくは置換ヘテロアリールであるか、またはR
1及びR
2が、組み合わさって、3-ヒドロキシ-ペンタン-1,5-ジイル、6-ヒドロキシ-シクロヘプタン-1,4-ジイル、プロパン-1,3-ジイル、ブタン-1,4-ジイル、及びペンタン-1,5-ジイルからなる群から選択されるビラジカルを形成し、
R
3が、H、アルキル、置換アルキル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、-NR
1R
2、-C(O)OR
1、アシル、またはアリールであり、
R
4が、H、アルキル、または置換アルキルであり、
R
5が、H、アルキル、プロパギル、置換プロパギル、ホモプロパギル、置換ホモプロパギル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、-OR
1、-NR
1R
2、-C(O)OR
1、アシル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、もしくは置換複素環であるか、またはR
3及びR
5が、組み合わさって、3,6,9-トリオキサ-ウンデカン-1,11-ジイル及び3,6-ジオキサ-オクタン-1,8-ジイルからなる群から選択されるビラジカルを形成し、R
1、R
2、R
3、及びR
5からなる群から選択される少なくとも1つの置換基が、アルキニルまたは置換アルキニルであり、
R
6が、H、アルキル、置換アルキル、またはアルケニルであり、
Xが、結合、O、またはNR
4であり、
Yが、N、CR
6、またはCであり、
YがNまたはCR
6である場合には、結合b
1が無であり、かつ(i)ZがHであり、結合b
2が単結合であり、AがCHであるか、または(ii)Zが無であり、結合b
2が無であり、Aが単結合であり、
YがCである場合には、結合b
1は単結合であり、かつ(i)ZがCH
2であり、結合b
2が単結合であり、AがCHあるか、または、(ii)ZがCHであり、結合b
2が二重結合であり、AがCである)
またはその塩から選択される。
【0050】
式(I)の化合物と、薬学的に許容される賦形剤と、を含む非経口製剤であって、製剤が、2週間、60%の相対湿度で、25℃の加速貯蔵条件の後、化合物の少なくとも90%を維持し、式(I)の化合物が、以下:
【化3】
(式中、
R
1及びR
2が、独立して、H、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、フェニル、置換フェニル、フェニルアルキル、置換フェニルアルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリール、もしくは置換ヘテロアリールであるか、またはR
1及びR
2が、組み合わさって、3-ヒドロキシ-ペンタン-1,5-ジイル、6-ヒドロキシ-シクロヘプタン-1,4-ジイル、プロパン-1,3-ジイル、ブタン-1,4-ジイル、及びペンタン-1,5-ジイルからなる群から選択されるビラジカルを形成し、
R
3が、H、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、-NR
1R
2、-C(O)OR
1、アシル、またはアリールであり、
R
4が、H、アルキル、または置換アルキルであり、
R
5が、H、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、-OR
1、-NR
1R
2、-C(O)OR
1、アシル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、もしくは置換複素環であるか、またはR
3及びR
5が、組み合わさって、3,6,9-トリオキサ-ウンデカン-1,11-ジイル及び3,6-ジオキサ-オクタン-1,8-ジイルからなる群から選択されるビラジカルを形成し、
R
6が、H、アルキル、置換アルキル、またはアルケニルであり、
Xが、結合、O、またはNR
4であり、
Yが、N、CR
6、またはCであり、
YがNまたはCR
6である場合には、結合b
1が無であり、かつ(i)ZがHであり、結合b
2が単結合であり、AがCHであるか、または(ii)Zが無であり、結合b
2が無であり、Aが単結合であり、
YがCである場合には、結合b
1は単結合であり、かつ(i)ZがCH
2であり、結合b
2が単結合であり、AがCHあるか、または、(ii)ZがCHであり、結合b
2が二重結合であり、AがCである)
またはその塩から選択される、非経口製剤。
【0051】
一実施形態では、R3は、H、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、または置換アルケニルである。別の実施形態では、R5は、H、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、またはアシルである。
【0052】
本開示のある特定の実施形態は、式(I)の化合物と、薬学的に許容される賦形剤と、を含む非経口製剤を対象とし、製剤は、2週間、60%の相対湿度で、25℃の加速貯蔵条件の後、化合物の少なくとも90%を維持し、式(I)の化合物は、以下:
【化4】
R
1及びR
2が、独立して、H、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、フェニル、置換フェニル、フェニルアルキル、置換フェニルアルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリール、もしくは置換ヘテロアリールであるか、またはR
1及びR
2が、組み合わさって、3-ヒドロキシ-ペンタン-1,5-ジイル、6-ヒドロキシ-シクロヘプタン-1,4-ジイル、プロパン-1,3-ジイル、ブタン-1,4-ジイル、及びペンタン-1,5-ジイルからなる群から選択されるビラジカルを形成し、
R
3が、H、アルキル、置換アルキル、アルキニル、または置換アルキニルであり、
R
4が、H、アルキル、または置換アルキルであり、
R
5が、アルキル、プロパルジル、置換プロパルジル、ホモプロパルジル、または置換ホモプロパルジルであり、R
1、R
2、R
3、及びR
5からなる群から選択される少なくとも1つの置換基が、アルキニルまたは置換アルキニルであり、
R
6が、H、アルキル、置換アルキル、またはアルケニルであり、
Xが、結合、O、またはNR
4であり、
Yが、N、CR
6、またはCであり、
YがNまたはCR
6である場合には、結合b
1が無であり、かつ
(i)ZがHであり、結合b
2が単結合であり、AがCHであるか、または
(ii)Zが無であり、結合b
2が無であり、Aが単結合であり、
YがCである場合には、結合b
1が単結合であり、かつ
(i)ZがCH
2であり、結合b
2が単結合であり、AがCHであるか、または
(ii)ZがCHであり、結合b
2が二重結合であり、AがCである)
またはその塩から選択される。
【0053】
ある特定の実施形態では、(i)R3は、H、アルキル、もしくは置換アルキルであり、R5は、プロパルギル、置換プロパルギル、ホモプロパルギル、もしくは置換ホモプロパルギルであるか、または(ii)R3は、Hもしくはアルキニルであり、R5は、アルキル、プロパルギル、置換プロパルギル、ホモプロパルギル、もしくは置換ホモプロパルギルである。
【0054】
一実施形態では、式(I)の少なくとも1つの化合物は、(i)YがNであり、結合b1が無であり、ZがHであり、結合b2が単結合であり、AがCHであり、少なくとも1つの化合物が式(II-a)の化合物またはその塩である、以下
【化5】
及び
(ii)YがNであり、結合b1が無であり、Zが無であり、結合b2が無であり、Aが結合であり、本発明の化合物が式(II-b)の化合物またはその塩である、以下、からなる群から選択される。
【化6】
【0055】
一実施形態では、式(I)の少なくとも1つの化合物は、(i)YがCR
6であり、結合b
1が無であり、ZがHであり、結合b
2が単結合であり、AがCHであり、少なくとも1つの化合物が式(III-a)の化合物またはその塩である、以下:
【化7】
及び
(ii)YがCR
6であり、結合b
1が無であり、Zが無であり、結合b
2が無であり、Aが結合であり、本発明の化合物が式(III-b)の化合物またはその塩である、以下、からなる群から選択される。
【化8】
【0056】
一実施形態では、YがCであり、結合b
1が単結合であり、ZがCH
2であり、結合b
2が単結合であり、AがCHであり、当該少なくとも1つの化合物が式(IV)の化合物またはその塩である。
【化9】
【0057】
一実施形態では、YがCであり、結合b
1が単結合であり、ZがCHであり、結合b
2が二重結合であり、AがCであり、当該少なくとも1つの化合物が式(V)の化合物またはその塩である。
【化10】
【0058】
一実施形態では、少なくとも1つの化合物は、N-(4,6-ビス-メチルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-N,O-ジメチル-ヒドロキシルアミン(XX)、N-(4,6-ビス-エチルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-N,O-ジメチル-ヒドロキシルアミン(XXII)、N-(4-シクロプロピルメチルアミノ)-N-(6-n-プロピルアミノ)[1,3,5]トリアジン-2-イル)-N,O-ジメチル-ヒドロキシルアミン(XXV)、N-(4-エチルアミノ)-N-(6-n-プロピルアミノ)-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-N,O-ジメチル-ヒドロキシルアミン(XXVII)、N-(ビス-4,6-(2-メチルプロピルアミノ))[1,3,5]トリアジン-2-イル)-N,O-ジメチル-ヒドロキシルアミン(XXIX)、N-(ビス-4,6-(2,2-ジメチルプロピルアミノ))[1,3,5]トリアジン-2-イル)-O,N-ジメチル-ヒドロキシルアミン(XXXI)、4,6-ビス-N-シクロプロピルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-N,O-ジメチル-ヒドロキシルアミン塩酸塩(XXXIII)、N-(4,6-ビス-n-プロピルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-O,N-ジメチル-ヒドロキシルアミン(XXXV)、N-(4-(メトキシ(メチル)アミノ)-6-(プロピルアミノ)-1,3,5-トリアジン-2-イル)プロピオンアミド(XL)、N-(4,6-ビス-プロピルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-O-メチル-ヒドロキシルアミン(XLI)、O-アリル-N-(4,6-ビス-プロピルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-ヒドロキシルアミン(XLIII)、N-(4,6-ビス-プロピルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-ヒドロキシルアミン(XLV)、6-(メトキシ(メチル)アミノ)-N2-プロピル-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミン(XLVII)、N-(4,6-ビス-プロピルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-N-メチル-ヒドロキシルアミン(XLVIII)、O-ベンジル-N-(4,6-ビス-プロピルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-N-メチル-ヒドロキシルアミン(LIII)、N-(4,6-ビス-プロピルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-N-イソプロピル-ヒドロキシルアミン(LV)、6-[1,2]オキサジナン-2-イル-N,N′-ジプロピル-[1,3,5]トリアジン-2,4-ジアミン(LVII)、N-(4,6-ビス-プロピルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-O-イソプロピル-N-メチル-ヒドロキシルアミン(LXIV)、O-ベンジル-N-(4,6-ビス-プロピルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-N-エチル-ヒドロキシルアミン(LXVIII)、N-(4,6-ビス-プロピルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-O-イソプロピル-ヒドロキシルアミン(LXX)、6-((ベンジルオキシ)(イソプロピル)アミノ)-N2,N4-ジプロピル-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミン(LXXII)、N-(4,6-ビス-プロピルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-N-エチル-O-イソプロピル-ヒドロキシルアミン(LXXVI)、N-(4,6-ビス-プロピルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-O-イソブチル-N-メチル-ヒドロキシルアミン(LXXXII)、6-(メチル(チオフェン-2-イルメトキシ)アミノ)-N2,N4-ジプロピル-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミン(LXXXIV)、N-(4,6-ビス-プロピルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-O-シクロプロピルメチル-N-メチル-ヒドロキシルアミン(XCI)、N-(4,6-ビス-プロピルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-O-エチル-N-メチル-ヒドロキシルアミン(XCVI)、N-(4,6-ビス-プロピルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-O-(2,2-ジフルオロ-エチル)-ヒドロキシルアミン(C)、4-N-(2-ジメチルアミノエチル)アミノ-6-N-(n-プロピル)アミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-N,O-ジメチル-ヒドロキシルアミン(CIII)、4-N-(3-(1-N-メチルイミダゾール-2-イル)-プロピル)-アミノ-6-N-(n-プロピル)アミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-N,O-ジメチル-ヒドロキシルアミン(CV)、4-N-(1-N-メチルイミダゾール-2-イル)-メチルアミノ-6-N-(n-プロピル)アミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-O,N-ジメチル-ヒドロキシルアミン(CVII)、4,6-ビス-(N-(2-ジメチルアミノエチル)アミノ)-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-N,O-ジメチル-ヒドロキシルアミン(CIX)、4,6-ビス-(N-(ピリジン-4-イルメチル)アミノ)-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-N,O-ジメチル-ヒドロキシルアミン(CXI)、4,6-ビス-[N-(3-メトキシ-n-プロピル)アミノ]-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-N,O-ジメチル-ヒドロキシルアミン(CXIII)、4,6-ビス-[N-(テトラヒドロピラン-4-イルメチル)アミノ]-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-N,O-ジメチル-ヒドロキシルアミン(CXV)、N-(5,8,11-トリオキサ-2,14,16,18,19-ペンタアザビシクロ[13.3.1]-ノナデカ-1(18),15(19),16(17)-トリエン-17-イル)-N,O-ジメチルヒドロキシルアミン(CXVII)、N-(4,6-ビス-プロピルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-N′,N′-ジメチルヒドラジン(XLVI)、N-(4,6-ビス-プロピルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-N-メチル-N′-メチルヒドラジン(XLIX)、それらの塩、及びそれらの混合物からなる群から選択される。別の実施形態では、塩は、硫酸水素塩または塩酸塩である。
【0059】
一実施形態では、少なくとも1つの化合物は、2,6-ビス-(N-n-プロピルアミノ)-[1,3]ピリミジン-4-イル)-N,O-ジメチル-ヒドロキシルアミンN-(4-(メトキシ(メチル)アミノ)-6-(プロピルアミノ)-1,3,5-トリアジン-2-イル)プロピオンアミドまたはその塩である。別の実施形態では、塩は、硫酸水素塩または塩酸塩である。
【0060】
一実施形態では、少なくとも1つの化合物は、N-(4-(メトキシ(メチル)アミノ)-6-(プロピルアミノ)-1,3,5-トリアジン-2-イル)プロピオンアミドまたはその塩である。別の実施形態では、塩は、硫酸水素塩または塩酸塩である。
【0061】
一実施形態では、少なくとも1つの化合物は、2-(n-プロピル)アミノ-4-(i-プロピルアミノ-7-メチル-ピロリジノ[2,3-d]ピリミジン(CXXVI)、2-(n-プロピル)アミノ-4-ジメチルアミノ-7-メチル-ピロリジノ[2,3-d]ピリミジン(CXXVIII)、2-(n-プロピル)アミノ-4-メチルアミノ-7-メチル-ピロリジノ[2,3-d]ピリミジン(CXXXI)、2-(n-プロピル)アミノ-4-(i-プロピル)アミノ-7-i-プロピル-ピロリジノ[2,3-d]ピリミジン(CXXXVI)、2,4-ビス-(n-プロピル)アミノ-7H-ピロリジノ[2,3-d]ピリミジン(CXLIX)、2-(n-プロピル)アミノ-4-(4-ヒドロキシピペリジン-1-イル)-7-メチル-ピロリジノ[2,3-d]ピリミジン(CLII)、8-(7-メチル-2-(プロピルアミノ)-ピロリジノ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-オール(CLV)、それらの塩、及びそれらの混合物からなる群から選択される。別の実施形態では、塩は、硫酸水素塩または塩酸塩である。
【0062】
一実施形態では、少なくとも1つの化合物は、N-(2-プロピルアミノ-7H-ピロロ[2,3d]ピリミジン-4-イル)-O,N-ジメチル-ヒドロキシルアミン(CXLI)、N-(2-(プロペン-2-イル)アミノ-7-メチル-ピロロ[2,3d]ピリミジン-4-イル)-N,O-ジメチル-ヒドロキシルアミン(CLVIII)、N-(2-(プロペン-2-イル)アミノ-7-メチル-ピロロ[2,3d]ピリミジン-4-イル)-O-メチル-ヒドロキシルアミン(CLX)、N-(2-n-プロピルアミノ-7-メチル-ピロロ[2,3d]ピリミジン-4-イル)-O,N-ジメチル-ヒドロキシルアミン(CLXII)、N-(2-n-プロピルアミノ-7-メチル-ピロロ[2,3d]ピリミジン-4-イル)-O-メチル-ヒドロキシルアミン(CLXIV)、N-(2-n-プロピルアミノ-7-メチル-ピロロ[2,3d]ピリミジン-4-イル)-ヒドラジン(CLXVI)、N-メチル-N-(2-n-プロピルアミノ-7-メチル-ピロロ[2,3d]ピリミジン-4-イル)-ヒドラジン(CLXVIII)、N,N-ジメチル-N′-(2-n-プロピルアミノ-7-メチル-ピロロ[2,3d]ピリミジン-4-イル)-ヒドラジン(CLXX)、それらの塩、及びそれらの混合物からなる群から選択される。別の実施形態では、塩は、硫酸水素塩または塩酸塩である。
【0063】
ある特定の実施形態では、本化合物は、O,N-ジメチル-N-[4-(n-プロピルアミノ)-6-(プロプ-2-イニルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル]-ヒドロキシルアミン、N-メチル-N′-n-プロピル-N″-プロプ-2-イニル-[1,3,5]トリアジン-2,4,6-トリアミン、それらの塩、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。
【0064】
ある特定の実施形態では、以下の化合物A
【化11】
または硫酸水素塩などのその薬学的に許容される塩が、本発明で利用される。
【0065】
ある特定の実施形態では、式(I)の化合物は、米国特許第9,162,992号及び/または米国特許第9,351,972号及び/または米国特許出願公開第2015-0291597号(現在は放棄されている)に記載されている化合物から選択され、その教示は、全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0066】
ある特定の実施形態では、製剤は、2週間、60%の相対湿度で、25℃の加速貯蔵条件の後、化合物の少なくとも90%を維持する。
【0067】
ある特定の実施形態では、製剤は、1ヶ月、60%の相対湿度で、25℃の加速貯蔵条件の後、化合物の少なくとも90%を維持する。
【0068】
ある特定の実施形態では、製剤は、6週間、60%の相対湿度で、25℃の加速貯蔵条件の後、化合物の少なくとも90%を維持する。
【0069】
ある特定の実施形態では、製剤は、2ヶ月、60%の相対湿度で、25℃の加速貯蔵条件の後、化合物の少なくとも90%を維持する。
【0070】
ある特定の実施形態では、製剤は、3ヶ月、60%の相対湿度で、25℃の加速貯蔵条件の後、化合物の少なくとも90%を維持する。
【0071】
ある特定の実施形態では、製剤は、2週間、60%の相対湿度で、25℃の加速貯蔵条件の後、化合物の少なくとも95%、少なくとも99%、または少なくとも99.5%を維持する。
【0072】
ある特定の実施形態では、製剤は、1ヶ月、60%の相対湿度で、25℃の加速貯蔵条件の後、化合物の少なくとも95%、少なくとも99%、または少なくとも99.5%を維持する。
【0073】
ある特定の実施形態では、製剤は、6週間、60%の相対湿度で、25℃の加速貯蔵条件の後、化合物の少なくとも95%、少なくとも99%、または少なくとも99.5%を維持する。
【0074】
ある特定の実施形態では、製剤は、2ヶ月、60%の相対湿度で、25℃の加速貯蔵条件の後、化合物の少なくとも95%、少なくとも99%、または少なくとも99.5%を維持する。
【0075】
ある特定の実施形態では、製剤は、3ヶ月、60%の相対湿度で、25℃の加速貯蔵条件の後、化合物の少なくとも95%、少なくとも99%、または少なくとも99.5%を維持する。そのような実施形態では、3ヶ月で、総不純物は、約0.1%~約0.12%、または約0.10%以下、約0.09%以下、または約0.08%以下である。
【0076】
ある特定の実施形態では、製剤は、2週間、75%の相対湿度で、40℃の加速貯蔵条件の後、化合物の少なくとも90%を維持する。
【0077】
ある特定の実施形態では、製剤は、1ヶ月、75%の相対湿度で、40℃の加速貯蔵条件の後、化合物の少なくとも90%を維持する。
【0078】
ある特定の実施形態では、製剤は、6週間、75%の相対湿度で、40℃の加速貯蔵条件の後、化合物の少なくとも90%を維持する。
【0079】
ある特定の実施形態では、製剤は、2ヶ月、75%の相対湿度で、40℃の加速貯蔵条件の後、化合物の少なくとも90%を維持する。
【0080】
ある特定の実施形態では、製剤は、3ヶ月、75%の相対湿度で、40℃の加速貯蔵条件の後、化合物の少なくとも90%を維持する。
【0081】
ある特定の実施形態では、製剤は、2週間、75%の相対湿度で、40℃の加速貯蔵条件の後、化合物の少なくとも95%、少なくとも99%、または少なくとも99.5%を維持する。
【0082】
ある特定の実施形態では、製剤は、1ヶ月、75%の相対湿度で、40℃の加速貯蔵条件の後、化合物の少なくとも95%、少なくとも99%、または少なくとも99.5%を維持する。
【0083】
ある特定の実施形態では、製剤は、6週間、75%の相対湿度で、40℃の加速貯蔵条件の後、化合物の少なくとも95%、少なくとも99%、または少なくとも99.5%を維持する。
【0084】
ある特定の実施形態では、製剤は、2ヶ月、75%の相対湿度で、40℃の加速貯蔵条件の後、化合物の少なくとも95%、少なくとも99%、または少なくとも99.5%を維持する。
【0085】
ある特定の実施形態では、製剤は、2ヶ月、75%の相対湿度で、40℃の加速貯蔵条件の後、化合物の少なくとも95%、少なくとも99%、または少なくとも99.5%を維持する。そのような実施形態では、3ヶ月で、総不純物は、約0.1%~約0.40%、または約0.35%以下、約0.20%以下、または約0.15%以下である。
【0086】
ある特定の実施形態では、製剤のpHは、約2.5~約5.5である。
【0087】
ある特定の実施形態では、製剤のpHは、約3.5~約5.5である。
【0088】
ある特定の実施形態では、pHは、約4~約5である。
【0089】
ある特定の実施形態では、pHは、約4.0、約4.5、約4.6、約4.8、または約5.0から選択される。
【0090】
ある特定の実施形態では、化合物の濃度は、約10mg/mL~約30mg/mLである。
【0091】
ある特定の実施形態では、化合物の濃度は、約15mg/mL~約25mg/mLである。
【0092】
ある特定の実施形態では、化合物の濃度は、約15mg/mL、約20mg/mL、または約25mg/mLから選択される。
【0093】
ある特定の実施形態では、賦形剤は、エタノール、ポリアルキレングリコール、アルキレングリコール、シクロデキストリン、生理食塩水、リンガー溶液、デキストロース、またはそれらの組み合わせから選択される。ある特定の実施形態では、賦形剤は、ポリエチレングリコール-ヒドロキシステアレートであり、例えば、15モルのエチレングリコールを1モルの12-ヒドロキシステアリン酸と反応させることによって得られる。これは、BASFのKolliphor(登録商標)HS15として市販されている。
【0094】
ある特定の実施形態では、賦形剤は、エタノールを含む。
【0095】
ある特定の実施形態では、賦形剤は、約1%~約30%、約5%~約25%、または約10%~約20%の量のエタノールを含む。
【0096】
ある特定の実施形態では、賦形剤は、プロピレングリコールを含む。
【0097】
ある特定の実施形態では、賦形剤は、約20%~約100%、約50%~約95%、または約70%~約90%の量のプロピレングリコールを含む。
【0098】
ある特定の実施形態では、賦形剤は、ポリエチレングリコールを含む。
【0099】
ある特定の実施形態では、賦形剤は、約20%~約100%、約50%~約95%、または約70%~約90%の量のポリエチレングリコールを含む。
【0100】
ある特定の実施形態では、賦形剤は、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンを含む。
【0101】
ある特定の実施形態では、賦形剤は、約1%~約50%、約10%~約40%、または約20%~約30%の量のヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンを含む。
【0102】
ある特定の実施形態では、製剤は、筋肉内投与に好適である。
【0103】
ある特定の実施形態では、製剤は、約75/25~約25/75または約60/40~約40/60または約50/50の比率のプロピレングリコール/酢酸緩衝液である。そのような実施形態では、活性剤の濃度は、10mg/mL~約30mg/mL、約15mg/mL~約25mg/mL、約15mg/mL、約20mg/mLまたは約25mg/mLであり得る。そのような実施形態では、pHは、約4.0、約4.5、約4.6、約4.8、または約5.0であり得る。
【0104】
ある特定の実施形態では、製剤は、約10-40/5-25/2-20/25-75または約25/15/10/5025~約25/75または約60/40~約40/60または約50/50の比率のプロピレングリコール/マクロゴール(15)-ヒドロキシステアレート/エタノール/酢酸緩衝液である。そのような実施形態では、活性剤の濃度は、10mg/mL~約30mg/mL、約15mg/mL~約25mg/mL、約15mg/mL、約20mg/mLまたは約25mg/mLであり得る。そのような実施形態では、pHは、約4.0、約4.5、約4.6、約4.8、または約5.0であり得る。
【0105】
ある特定の実施形態では、本発明は、本明細書に開示される非経口製剤を筋肉内に投与することを含む、呼吸刺激を提供する方法を対象とする。
【0106】
ある特定の実施形態では、製剤は、約2.0mg/kg~約40mg/kg、約3.0mg/kg~約35mg/kg、約4.0mg/kg~約30mg/kg、約5.0mg/kg~約25mg/kg、約6.0mg/kg~約20mg/kg、約7.0mg/kg~約15mg/kg、または約8.0mg/kg~約10mg/kgの投薬速度で投与される。ある特定の実施形態では、投薬速度は、約4.0mg/kg~約5.0mg/kg、または約4.8mg/kgである。
【0107】
組成物
ある特定の実施形態では、本医薬組成物は、予め混合される(例えば、活性剤は、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤、及び任意選択で1つ以上の追加の活性剤で予め混合される)。
【0108】
ある特定の実施形態では、本医薬組成物は、ガラス容器またはプラスチック容器に収容されてもよい。
【0109】
ある特定の実施形態では、本医薬組成物は、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤を更に含む。好適な薬学的に許容される賦形剤は、本組成物の最終形態及び投与経路に基づいて変化し得る。
【0110】
ある特定の実施形態では、薬学的に許容される賦形剤は、液体または固体充填剤、安定剤、分散剤、懸濁剤、希釈剤、増粘剤、溶媒、またはカプセル化材料などの薬学的に許容される担体を含み、本発明内で有用な化合物を対象内または対象に運ぶまたは輸送することで、その意図された機能を果たし得る。典型的には、そのような構築物は、ある器官または身体の一部から別の器官または身体の一部に運ばれるまたは輸送される。各担体は、本発明内で有用な化合物を含む製剤の他の成分と適合するという意味で「許容可能」でなければならず、対象に有害であってはならない。薬学的に許容される担体として機能し得る材料のいくつかの例としては、糖、例えば、ラクトース、グルコース、及びスクロース;デンプン、例えば、トウモロコシデンプン及びジャガイモデンプン;セルロース及びその誘導体、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、及び酢酸セルロース;粉末トラガカント;麦芽;ゼラチン;タルク;賦形剤、例えば、ココアバター及び坐剤ワックス;油、例えば、ピーナッツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、及び大豆油;グリコール、例えば、プロピレングリコール;ポリオール、例えば、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、及びポリエチレングリコール;エステル、例えば、オレイン酸エチル及びラウリン酸エチル;寒天;緩衝剤、例えば、水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウム;表面活性剤;アルギン酸;パイロジェンフリー水;等張食塩水;リンゲル液;エチルアルコール;リン酸緩衝溶液;ならびに医薬製剤に用いられる他の非毒性適合性物質が挙げられる。本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される担体」はまた、本発明内で有用な化合物の活性と適合し、対象にとって生理学的に許容可能であるありとあらゆるコーティング剤、抗菌剤及び抗真菌剤、ならびに吸収遅延剤などを含む。補助活性化合物も、本組成物に組み込まれ得る。「薬学的に許容される担体」は、本発明内で有用な化合物の薬学的に許容される塩を更に含んでもよい。本発明の実施に使用される医薬組成物に含まれ得る他の追加の成分は、当該技術分野で既知であり、例えば、参照により本明細書に援用されるRemington’s Pharmaceutical Sciences(Genaro,Ed.,Mack Publishing Co.,1985,Easton,Pa.)に記載されている。
【0111】
有用な薬学的に許容される担体としては、グリセロール、水、生理食塩水、エタノール、ならびにリン酸塩及び有機酸の塩などの他の薬学的に許容される塩の溶液が挙げられるが、これらに限定されない。これら及び他の薬学的に許容される担体の例は、Remington’s Pharmaceutical Sciences(1991,Mack Publication Co.,New Jersey)に記載されている。
【0112】
担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、及び液体ポリエチレングリコールなど)、それらの好適な混合物、及び植物油を含有する、溶媒または分散媒体であってもよい。適当な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティングの使用によって、分散剤の場合には必要とされる粒径の維持によって、及び界面活性剤の使用によって、維持されてもよい。微生物の作用の防止は、様々な抗菌剤及び抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサールなどによって達成されてもよい。多くの場合、等張剤、例えば、糖、塩化ナトリウム、またはマンニトール及びソルビトールなどのポリアルコールを本組成物に含めることが好ましい。注射可能な組成物の長期吸収は、吸収を遅らせる薬剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウムまたはゼラチンを組成物に含めることによってもたらされ得る。一実施形態では、薬学的に許容される担体は、DMSO単独ではない。
【0113】
本医薬製剤は、滅菌されてもよく、所望であれば、補助剤、例えば、潤滑剤、防腐剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、浸透圧緩衝剤に影響を与えるための塩、着色剤などと混合されてもよい。
【0114】
本発明に従って有用な防腐剤の例としては、ベンジルアルコール、ソルビン酸、パラベン、イミド尿素、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0115】
本組成物は、好ましくは、化合物の分解を阻害する酸化防止剤及びキレート剤を含む。いくつかの化合物に好ましい酸化防止剤は、組成物の総重量により、約0.01重量%~0.3重量%の好ましい範囲のBHT、BHA、α-トコフェロール、及びアスコルビン酸であり、より好ましくは、0.03重量%~0.1重量%の範囲のBHTである。好ましくは、キレート剤は、組成物の総重量により、0.01重量%~0.5重量%の量で存在する。特に好ましいキレート剤としては、組成物の総重量により、約0.01重量%~0.20重量%の範囲、より好ましくは0.02重量%~0.10重量%の範囲のエデト酸塩(例えば、エデト酸二ナトリウム)及びクエン酸が挙げられる。キレート剤は、本組成物中の金属イオンをキレートするのに有用であり、これは、製剤の貯蔵寿命に害を及ぼし得る。BHT及びエデト酸二ナトリウムは、それぞれ、いくつかの化合物について特に好ましい酸化防止剤及びキレート剤であるが、これを理由に、当業者には既知であるように、他の好適かつ等価な酸化防止剤及びキレート剤で置き換えられてもよい。
【0116】
水性または油性ビヒクル中で活性成分の懸濁を達成するために、従来の方法を使用して液体懸濁液を調製してもよい。水性ビヒクルとしては、例えば、水及び等張生理食塩水が挙げられる。油性ビヒクルとしては、例えば、アーモンド油、油性エステル、エチルアルコール、植物油、例えば、ラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油、またはココナッツ油、分画植物油、及び鉱物油、例えば、液体パラフィンが挙げられる。液体懸濁液は、懸濁剤、分散剤、または湿潤剤、乳化剤、粘滑剤、防腐剤、緩衝液、塩、風味剤、着色剤、及び甘味剤を含むがこれらに限定されない、1つ以上の追加の成分を更に含んでもよい。油性懸濁液は、増粘剤を更に含んでもよい。既知の懸濁剤としては、ソルビトールシロップ、水素化食用脂肪、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガントゴム、アカシアゴム、及びセルロース誘導体、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースが挙げられるが、これらに限定されない。既知の分散剤または湿潤剤としては、レシチンなどの天然に存在するリン脂質、アルキレンオキシドの、脂肪酸との、長鎖脂肪族アルコールとの、脂肪酸及びヘキシトールに由来する部分エステルとの、または脂肪酸及び無水ヘキシトールに由来する部分エステルとの縮合生成物(例えば、それぞれ、ステアリン酸ポリオキシエチレン、ヘプタデカエチレンオキシセタノール、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトール、及びモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン)が挙げられるが、これらに限定されない。既知の乳化剤としては、レシチン及びアカシアが挙げられるが、これらに限定されない。既知の防腐剤としては、メチル、エチル、またはn-プロピルのパラ-ヒドロキシベンゾエート、アスコルビン酸、及びソルビン酸が挙げられるが、これらに限定されない。既知の甘味剤としては、例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、スクロース、及びサッカリンが挙げられる。油性懸濁液のための既知の増粘剤としては、例えば、ミツロウ、硬質パラフィン、及びセチルアルコールが挙げられる。
【0117】
水性または油性溶媒中の活性成分の液体溶液は、液体懸濁液と実質的に同じ様式で調製されてもよく、主な違いは、活性成分を溶媒中に懸濁させるのではなく、溶解させることである。本明細書で使用される場合、「油性」液体は、炭素含有液体分子を含み、水よりも低い極性を呈す液体である。本発明の医薬組成物の液体溶液は、液体懸濁液に関連して記載した成分の各々を含んでもよく、懸濁剤は必ずしも溶媒中の活性成分の溶解を助けるものではないことが理解される。水性溶媒としては、例えば、水及び等張生理食塩水が挙げられる。油性溶媒としては、例えば、アーモンド油、油性エステル、エチルアルコール、植物油、例えば、ラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油、またはココナッツ油、分画植物油、及び鉱物油、例えば、液体パラフィンが挙げられる。
【0118】
本発明の医薬調製物の粉末製剤及び顆粒製剤は、既知の方法を使用して調製され得る。かかる製剤は、対象に直接投与されてもよいか、または水性もしくは油性の懸濁液もしくは溶液を、それに水性もしくは油性のビヒクルを加えることによって調製するためであってもよい。これらの製剤の各々は、分散剤または湿潤剤、懸濁剤、及び防腐剤のうちの1つ以上を更に含んでもよい。充填剤及び着色剤などの追加の賦形剤も、これらの製剤に含まれ得る。
【0119】
本発明の医薬組成物はまた、水中油型エマルションまたは油中水型エマルションの形態で調製、包装、または販売されてもよい。油性相は、オリーブ油またはアラキス油などの植物油、液体パラフィンなどの鉱物油、またはこれらの組み合わせであってもよい。かかる組成物は、1つ以上の乳化剤、例えば、アカシアゴムまたはトラガカントゴムなどの天然に存在するゴム、ダイズまたはレシチンリン脂質などの天然に存在するリン脂質、モノオレイン酸ソルビタンなどの脂肪酸とヘキシトール無水物との組み合わせに由来するエステルまたは部分エステル、ならびにモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンなどのエチレンオキシドとのそのような部分エステルの縮合生成物を更に含んでもよい。
【0120】
ある特定の実施形態では、1つ以上の追加の賦形剤は、pH調整剤を含み、pH調整剤は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化アンモニウム、硫酸、リン酸、硝酸、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、水酸化マグネシウム、クエン酸、塩酸、またはそれらの混合物から選択されてもよい。
【0121】
ある特定の実施形態では、本組成物は、1つ以上の追加の賦形剤、例えば、限定されないが、炭水化物、酸化防止剤、キレート剤、低分子量タンパク質、高分子量ポリマー、ゲル形成剤、安定剤、添加剤、湿潤剤、乳化剤、界面活性剤及び/または分散剤、アルカリ化剤、着色剤、合成染料、充填剤、希釈剤、鉱物酸化物、防腐剤、またはそれらの混合物を含んでもよい。
【0122】
ある特定の実施形態では、本組成物は、酸化防止剤を更に含む。ある特定の実施形態では、酸化防止剤は、例えば、亜リン酸塩のような三価リン、フェノール系酸化防止剤、ヒドロキシルアミン、置換ベンゾフラノンなどのラクトンを含んでもよい。ヒンダードフェノール、チオ共力剤、及び/またはヒンダードアミンは、ポリマーの長期安定性に有用であるが、以下の酸化防止剤も、活性物質が酸化に供される状況で使用するのに好適である:酸(アスコルビン酸、エリソルビン酸、エチドロン酸、没食子酸、次亜リン酸、ノルジヒドログアヤレチン酸、プロピオン酸など)、フェノール(例えば、BHA、BHT、t-ブチルヒドロキノン、没食子酸ドデシル、没食子酸オクチル、1,3,5-トリヒドロキシベンゼン)、有機及び無機塩(アスコルビン酸カルシウム、アスコルビン酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸カリウム、メタ重亜硫酸カリウム)、エステル(アスコルビン酸カルシウム、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジミリスチル)、ピラノン(マルトール)、及びビタミン(トコフェロール、D-α-トコフェロール、DL-α-トコフェロール、酢酸トコフェロール、酢酸d-α-トコフェロール、酢酸dl-α-トコフェリル)。しかしながら、当該技術分野で既知の他の抗酸化剤を本発明に従って使用してもよい。
【0123】
ある特定の実施形態では、好適な酸化防止剤としては、限定されないが、立体障害フェノール、アリールアミン、チオ尿素、チオカルバメート、亜リン酸塩、チオエーテルエステル、及び上記の組み合わせが挙げられる。酸化防止剤の他の好適な例としては、限定されないが、アルキル化モノフェノール類、例えば、限定されないが、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール、2-tert-ブチル-4,6-ジ-メチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-エチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-n-ブチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-イソブチルフェノール、2,6-ジシクロペンチル-4-メチルフェノール、2-(α-メチルシクロヘキシル)-4,6-ジメチルフェノール、2,6-ジオクタデシル-4-メチルフェノール、2,4,6-トリシクロヘキシルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メトキシメチルフェノール、側鎖が直鎖状または分岐鎖状であるノニルフェノール類、例えば、2,6-ジ-ノニル-4-メチルフェノール、2,4-ジメチル-6-(1′-メチルウンデス-1′-イル)フェノール、2,4-ジメチル-6-(1′-メチルヘプタデス-1′-イル)フェノール、2,4-ジメチル-6-(1′-メチルトリデス-1-イル)フェノール、及びそれらの混合物、アルキルチオメチルフェノール類、例えば、限定されないが、2,4-ジオクチルチオメチル-6-tert-ブチルフェノール、2,4-ジオクチルチオメチル-6-メチルフェノール、2,4-ジオクチルチオメチル-6-エチルフェノール、2,6-ジ-ドデシルチオメチル-4-ノニルフェノール、ヒドロキノン及びアルキル化ヒドロキノン類、例えば、限定されないが、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メトキシフェノール、2,5-ジ-tert-ブチルヒドロキノン、2,5-ジ-tert-アミルヒドロキノン、2,6-ジフェニル-4-オクタデシルオキシフェノール、2,6-ジ-tert-ブチルヒドロキノン、2,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシアニソール、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシアニソール、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルステアレート、ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)アジペート、トコフェロール類、例えば、限定されないが、α-トコフェロール、β-トコフェロール、γ-トコフェロール、δ-トコフェロール、及びそれらの混合物(ビタミンE)、ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル、例えば、限定されないが、2,2′-チオビス(6-tert-ブチル-4-メチルフェノール)、2,2′-チオビス(4-オクチルフェノール)、4,4′-チオビス(6-tert-ブチル-3-メチルフェノール)、4,4′-チオビス(6-tert-ブチル-2-メチルフェノール)、4,4′-チオビス(3,6-ジ-sec-アミルフェノール)、4,4′-ビス(2,6-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)-ジスルフィド、アルキリデンビスフェノール類、例えば、限定されないが、2,2′-メチレンビス(6-tert-ブチル-4-メチルフェノール)、2,2′-メチレンビス(6-tert-ブチル-4-エチルフェノール)、2,2′-メチレンビス[4-メチル-6-(α-メチルシクロヘキシル)-フェノール]、2,2′-メチレンビス(4-メチル-6-シクロヘキシルフェノール)、2,2′-メチレンビス(6-ノニル-4-メチルフェノール)、2,2′-メチレンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、2,2′-エチリデンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、2,2′-エチリデンビス(6-tert-ブチル-4-イソブチルフェノール)、2,2′-メチレンビス[6-(α-メチルベンジル)-4-ノニルフェノール]、2,2′-メチレンビス[6-(α,α-ジメチルベンジル)-4-ノニルフェノール]、4,4′-メチレンビス(2,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、4,4′-メチレンビス(6-tert-ブチル-2-メチルフェノール)、1,1-ビス(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ブタン、2,6-ビス(3-tert-ブチル-5-メチル-2-ヒドロキシベンジル)-4-メチルフェノール、1,1,3-トリス(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ブタン、1,1-ビス(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチル-フェニル)-3-n-ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコールビス[3,3-ビス(3′-tert-ブチル-4′-ヒドロキシフェニル)ブチレート]、ビス(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチル-フェニル)ジシクロペンタジエン、ビス[2-(3′-tert-ブチル-2′-ヒドロキシ-5′-メチルベンジル)-6-tert-ブチル-4-メチルフェニル]テレフタレート、1,1-ビス-(3,5-ジメチル-2-ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)-4-n-ドデシルメルカプトブタン、1,5,5-テトラ-(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ペンタン、O-、N-、及びS-ベンジル化合物、例えば、限定されないが、3,5,3′,5′-テトラ-tert-ブチル.-4,4′-ジヒドロキシジベンジルエーテル、オクタデシル-4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルベンジルメルカプトアセテート、トリデシル-4-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ブチルベンジルメルカプトアセテート、トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)アミン、ビス(4-tert-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)ジチオテレフタレート、ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)スルフィド、イソオクチル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルメルカプトアセテート、ヒドロキシベンジル化マロネート、例えば、限定されないが、ジオクタデシル-2,2-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-2-ヒドロキシベンジル)マロネート、ジ-オクタデシル-2-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルベンジル)マロネート、ジドデシルメルカプトエチル-2,2-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)マロネート、ビス[4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェニル]-2,2-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)マロネート、芳香族ヒドロキシベンジル化合物、例えば、限定されないが、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2,4,6-トリメチルベンゼン、1,4-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2,3,5,6-テトラメチルベンゼン、2,4,6-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)フェノール、トリアジン化合物、例えば、限定されないが、2,4-ビス(オクチルメルカプト)-6-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシアニリノ)-1,3,5-トリアジン、2-オクチルメルカプト-4,6-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシアニリノ)-1,3,5-トリアジン、2-オクチルメルカプト-4,6-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェノキシ)-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリス-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェノキシ)-1,2,3-トリアジン、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5-トリス(4-tert-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)イソシアヌレート、2,4,6-トリス-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルエチル)-1,3,5-トリアジン、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-フェニルプロピオニル)-ヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン、1,3,5-トリス(3,5-ジシクロヘキシル-4-ヒドロキシベンジル)イソ-シアヌレート、ベンジルホスホネート、例えば、限定されないが、ジメチル-2,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホネート、ジエチル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル-5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-3-メチルベンジルホスホネート、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホン酸のモノエチルエステルのカルシウム塩、アシルアミノフェノール類、例えば、限定されないが、4-ヒドロキシラウラニリド(ヒドロキシlauranilide)、4-ヒドロキシステアラニリド(ヒドロキシstearanilide)、N-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)カルバミン酸オクチル、β-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸の、例えば、一価または多価アルコールとの、例えば、メタノール、エタノール、n-オクタノール、i-オクタノール、オクタデカノール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N′-ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3-チアウンデカノール、3-チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4-ヒドロキシメチル-1-ホスファ-2,6,7-トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル、β-(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プロピオン酸の、一価または多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、n-オクタノール、i-オクタノール、オクタデカノール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N′-ビス-(ヒドロキシエチル)オキサミド、3-チアウンデカノール、3-チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4-ヒドロキシメチル-1-ホスファ-2,6,7-トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン;3,9-ビス[2-{3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ}-1,1-ジメチルエチル]-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]-ウンデカンとのエステル、6-(3,5-ジシクロヘキシル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸の、一価または多価アルコールとの、例えば、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N′-ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3-チアウンデカノール、3-チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4-ヒドロキシメチル-1-ホスファ-2,6,7-トリオキサビシクロ[2.2,2]オクタンとのエステル、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル酢酸の、一価または多価アルコールとの、例えば、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、エチレングリコ
ール、1,2-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N′-ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3-チアウンデカノール、3-チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4-ヒドロキシメチル-1-ホスファ-2,6,7-トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル、6-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド類、例えば、N,N′-ビス(3,5-ジ-tert-ブチルA-ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミド、N,N′-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)トリメチレンジアミド、N,N′-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジド、N,N′-ビス[2-(3-[3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル]プロピオニルオキシ)エチル]オキサミド(Naugard(登録商標)XL-1、Uniroyal製)、アスコルビン酸(ビタミンC)、アミン系酸化防止剤、例えば、限定されないが、N,N′-ジ-イソプロピル-p-フェニレンジアミン、N,N′-ジ-sec-ブチル-p-フェニレンジアミン、N,N′-ビス(1,4-ジメチルペンチル)-p-フェニレンジアミン、N,N′-ビス(1-エチル-3-メチルペンチル)-p-フェニレンジアミン、N,N′-ビス(1-メチルヘプチル)-p-フェニレンジアミン、N,N′-ジシクロヘキシル-p-フェニレンジアミン、N,N′-ジフェニル-p-フェニレンジアミン、N,N′-ビス(2-ナフチル)-p-フェニレンジアミン、N-イソプロピル-N′-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1,3-ジメチルブチル)-N′-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1-メチルヘプチル)-N′-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-シクロヘキシル-N′-フェニル-p-フェニレンジアミン、4-(p-トルエンスルファモイル)ジフェニルアミン、N,N′-ジメチル-N,N′-ジ-sec-ブチル-p-フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N-アリルジフェニルアミン、4-イソプロポキシジフェニルアミン、N-フェニル-1-ナフチルアミン、N-(4-tert-オクチルフェニル)-1-ナフチルアミン、N-フェニル-2-ナフチルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、例えば、限定されないが、p,p′-ジ-tert-オクチルジフェニルアミン、4-n-ブチルアミノフェノール、4-ブチリルアミノフェノール、4-ノナノイルアミノフェノール、4-ドデカノイルアミノフェノール、4-オクタデカノイルアミノフェノール、ビス(4-メトキシフェニル)アミン、2,6-ジ-tert-ブチル-4-ジメチルアミノメチルフェノール、2,4′-ジアミノジフェニルメタン、4,4′-ジアミノジフェニルメタン、N,N,N′,N′-テトラメチル-4,4′-ジアミノジフェニルメタン、1,2-ビス[(2-メチルフェニル)アミノ]エタン、1,2-ビス(フェニルアミノ)プロパン、(o-トリル)ビグアナイド、ビス[4-(1′,3′-ジメチルブチル)フェニル]アミン、tert-オクチル化N-フェニル-1-ナフチルアミン、モノ及びジアルキル化tert-ブチル/tert-オクチルジフェニルアミンの混合物、モノ及びジアルキル化ノニルジフェニルアミンの混合物、モノ及びジアルキル化ドデシルジフェニルアミンの混合物、モノ及びジアルキル化イソプロピル/イソヘキシルジフェニルアミンの混合物、モノ及びジアルキル化tert-ブチルジフェニルアミン、2,3-ジヒドロ-3,3-ジメチル-4H-1,4-ベンゾチアジン、フェノチアジン、モノ及びジアルキル化tert-ブチル/tert-オクチルフェノチアジンの混合物、モノ及びジアルキル化tert-オクチル-フェノチアジンの混合物、N-アリルフェノチアジン、N,N,N′,N′-テトラフェニル-1,4-ジアミノブト-2-エン、ならびに上記の組み合わせが挙げられる。
【0124】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、アクリル、セルロース誘導体、多糖類、単糖類、ゴム、天然もしくは合成ポリマー(例えば、ポリアルキレンオキシド(例えば、ポリメチレンオキシド、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド)ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリカプロラクトン、そのポリメタクリレートコポリマー、及びそれらの混合物)、リポソーム、崩壊剤(例えば、ポリビニルピロリドン、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、またはそれらの混合物)、流動促進剤、潤滑剤、吸収促進剤、界面活性剤、結合剤、軟化剤、可塑剤(例えば、レシチン、水素化植物油、グリセロールエステル、ラノリン、メチルエステル、ペンタエリスリトールエステル、米ぬかワックス、ステアリン酸、ステアリン酸カリウムナトリウムなど)、ワックス、脂肪、乳化剤、充填剤、酸化防止剤、着色剤、希釈剤、加工助剤(例えば、造粒補助剤)、固定剤(例えば、ポリオール、例えば、限定されないが、ソルビトール、マルチトール/イソマルト、マンニトール、デンプンなど)、pH調整剤、粘度調整剤、溶解度増加剤もしくは減少剤、浸透物質、溶媒、またはそれらの組み合わせが含まれてもよい。
【0125】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、ポリビニルピロリドン、天然及び合成ゴム、ポリビニルアルコール、トウモロコシデンプン、徐放性ポリマーなどの親水性及び疎水性材料、アクリル樹脂、タンパク質由来材料、ワックス、シェラック、ならびに水素化ヒマシ油及び水素化植物油などの固体または半固体油が含まれてもよい。より具体的には、制御放出材料は、例えば、アルキルセルロース、例えば、エチルセルロース、アクリル及びメタクリル酸ポリマー及びコポリマー(例えば、アクリル酸及びメタクリル酸コポリマー、メタクリル酸メチルコポリマー、メタクリル酸エトキシエチル、メタクリル酸シアノエチル、メタクリル酸アミノアルキルコポリマー、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、メタクリル酸メチルアルキルアミドコポリマー、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリ(メタクリル酸)(無水化物)、メタクリル酸メチル、ポリメタクリレート、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリ(メタクリル酸メチル)コポリマー、ポリアクリルアミド、メタクリル酸アミノアルキルコポリマー、ポリ(メタクリル酸無水物)、メタクリル酸グリシジルコポリマー、及び前述のうちのいずれかの混合物)、ならびにヒドロキシアルキルセルロース(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルコース)及びカルボキシアルキルセルロースなどのセルロースエーテルであり得る。ワックスとしては、例えば、天然及び合成ワックス、脂肪酸、脂肪アルコール、及びそれらの混合物(例えば、ミツロウ、カルナウバワックス、ステアリン酸、及びステアリルアルコール)が挙げられる。
【0126】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、ゲル化剤、例えば、限定されないが、糖または糖由来アルコール、例えば、マンニトール、ソルビトールなど、デンプン及びデンプン誘導体、セルロース誘導体(例えば、微結晶セルロース、カボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、セルロースエステル、セルロースジエステル、セルローストリエステル、セルロースエーテル、セルロースエステルエーテル、セルロースアシレート、セルロースジアシレート、セルローストリアシレート、酢酸セルロース、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸コハク酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル)、及びそれらの混合物)、アタパルジャイト、ベントナイト、デキストリン、アルギネート、アルギン酸ナトリウム及びアルギン酸カリウムなどのアルギン酸塩、カゼイン、ステアリン酸、シェラック、カラギーナン、トラガカントゴム、アカシアゴム、アラビアゴム、プルランゴム、デキストリン、ジェランゴム、アガーゴム、タラゴム、カラヤゴム、グアーゴム、ウェランゴム、ラムサンゴム、イナゴマメゴム、キサンタンゴム、ペクチン、ゼラチン、カオリン、レシチン、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、カルボマー及びカルボポール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリビニルアルコール、二酸化ケイ素、界面活性剤、混合界面活性剤/湿潤剤系、乳化剤、他の高分子材料、ならびにそれらの混合物が含まれてもよい。
【0127】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、親水性賦形剤、例えば、限定されないが、水、低分子量ポリオール、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、またはそれらの組み合わせが含まれてもよい。他の好適な親水性担体の例としては、限定されないが、ソルビタンエステルのポリオキシエチレン誘導体、例えば、ソルビタンモノラウレート(ポリソルベート20)、ポリソルベート80、ポリソルベート60、ポリオキシエチレン20ソルビタントリオレエート(ポリソルベート85)、酢酸、ギ酸、他の親水性界面活性剤、及びそれらの混合物が挙げられる。例示的な低分子量ポリオールとしては、限定されないが、数平均分子量が、約200ダルトン、約400ダルトン、約600ダルトン、約800ダルトン、もしくは約1000ダルトンのうちのいずれかから、約2000ダルトン、約3000ダルトン、約4000ダルトン、約5000ダルトン、約6000Da、もしくは約7000Daのうちのいずれかまで、またはその中の任意のサブ範囲もしくは単一の値であるもの(例えば、ポリエチレングリコール400、ポリエチレングリコール600など)が挙げられる。
【0128】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、可塑剤、例えば、限定されないが、トリアセチン、イソマルト、マルチトール、キシリトール、エリスリトール、アドニトール、ダルシトール、ペンタエリスリトール、もしくはマンニトール;またはポリオール可塑剤、例えば、ジグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、最大10,000MWのポリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、トリメチロールプロパン、ポリエーテルポリオール、エタノールアミン、及びそれらの混合物が含まれてもよい。他の例示的な可塑剤としては、限定されないが、低分子量ポリマー、オリゴマー、コポリマー、油、有機小分子、脂肪族ヒドロキシルを有する低分子量ポリオール、エステル型可塑剤、グリコールエーテル、ポリ(プロピレングリコール)、マルチブロックポリマー、シングルブロックポリマー、クエン酸エステル型可塑剤、及びトリアセチンも挙げることができる。かかる可塑剤としては、1,2-ブチレングリコール、2,3-ブチレングリコール、スチレングリコール、モノプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、乳酸ソルビトール、乳酸エチル、乳酸ブチル、グリコール酸エチル、セバシン酸ジブチル、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸トリエチル、モノステアリン酸グリセリル、ポリソルベート80、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸トリブチル、及びグリコール酸アリル、ならびにそれらの混合物を挙げることができる。
【0129】
。ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、可塑剤、例えば、限定されないが、リン酸エステル;フタル酸エステル;アミド;鉱油;脂肪酸及びエステル;アセチル化水素化綿実グリセリド及びアセチル化水素化ダイズ油グリセリドを含む、脂肪アルコール、植物油、及び水素化植物油;クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸アセチルトリエチル、ヒマシ油、ジアセチル化モノグリセリド、ジプロピレングリコールサリチレートグリセリン、グリセリセリルココエート、モノ及びジアセチル化モノグリセリド、ニトロベンゼン、二硫化炭素、fl-ナフチルサリチレート、フタリルグリコレート、ジオシルフタレート;ソルビトール、ソルビトールグリセリルトリシトレート;スクロースオクタアセート;a-トコフェリルポリエチレングリコールサクシネート、リン酸エステル;フタル酸エステル;アミド;鉱油;脂肪酸及びエステル;脂肪アルコール;ならびに植物油、セトステアリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、及びミリスチルアルコールを含む脂肪アルコール;アビエチン酸メチル、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸アセチルトリエチル、アジピン酸ジイソオクチル、オレイン酸アミル、リシノール酸ブチル、安息香酸ベンジル、脂肪酸のブチル及びグリコールエステル、炭酸ブチルジグリコール、オレイン酸ブチル、ステアリン酸ブチル、アジピン酸ジ(ベータ-メトキシエチル)、セバシン酸ジブチル、酒石酸ジブチル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジヘキシル、トリエチレングリコールジ(2-エチルヘキソエート)、モノラウリン酸ジエチレングリコール、モノマーポリエチレンエステル、ロジンの水素化メチルエステル、オレイン酸メトキシエチル、ステアリン酸ブトキシエチル、グリコール酸ブチルフタリルブチル、グリセロールトリブチレート、プロピレングリコールジペラゴナート、ベータ-(p-tert-アミルフェノキシ)エタノール、ベータ(p-tert-ブチルフェノキシ)エタノール、ベータ-(p-tert-ブチルフェノキシエチル)アセテート、ビス(ベータ-p-tert-ブチルフェノキシジエチル)エーテル、ショウノウ、Cumar W-1、Cumar MH-1、Cumar V-1、ジアミルフタレート、(ジアミルフェノキシ)エタノール、ジフェニルオキシド、工業用ヒドロアビエチルアルコール、ベッコリン(beckolin)、ベンゼンヘキサヒドロクロリド、Clorafin 40、Piccolastic A-5、Piccalastic A-25、Flexol B-400、グリセロールアルファ-メチルアルファ-フェニルエーテル、塩素化ナフタレン、HB-40、モノアミルフタレート。Nevillac 10 o-ニトロジフェニル、及びParacril 26が含まれてもよい。
【0130】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、可塑剤、例えば、限定されないが、イソマルト、マルチトール、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、アドニトール、ダルシトール、ペンタエリスリトール、もしくはマンニトール;またはポリオール可塑剤、例えば、グリセリン、ジグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、最大10,000MWのポリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、トリメチロールプロパン、ポリエーテルポリオール、エタノールアミン、及びそれらの混合物が含まれてもよい。他の例示的な可塑剤としては、限定されないが、低分子量ポリマー、オリゴマー、コポリマー、油、有機小分子、脂肪族ヒドロキシルを有する低分子量ポリオール、エステル型可塑剤、グリコールエーテル、ポリ(プロピレングリコール)、マルチブロックポリマー、シングルブロックポリマー、クエン酸エステル型可塑剤、及びトリアセチンを挙げることができる。かかる可塑剤としては、1,2-ブチレングリコール、2,3-ブチレングリコール、スチレングリコール、モノプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、乳酸ソルビトール、乳酸エチル、乳酸ブチル、グリコール酸エチル、セバシン酸ジブチル、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸トリエチル、モノステアリン酸グリセリル、ポリソルベート80、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸トリブチル、及びグリコール酸アリル、ならびにそれらの混合物を挙げることができる。
【0131】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、芳香剤、例えば、限定されないが、天然及び/または合成芳香原料が含まれてもよい。例えば、水溶性香油と混合されている場合もされていない場合もある油溶性香油である。油溶性香料は、オレンジオイル、ラベンダーオイル、パインオイル、ユーカリオイル、レモンオイル、クローブリーフ、ペパーミントオイル、シダーウッドオイル、ローズマリーオイル、ベルガモットオイル、ラバンディンオイル、パチョリオイル、カモミールオイル、ジャスミンオイル、スパイクオイル、ローズオイル、ベチバーオイル、フェンネルオイル、アニスオイル、タイムオイル、ゲルマニウムオイル、メントール、及びマジョラムオイルなどの天然または天然同様のエッセンシャルオイルである。動物性芳香剤は、例えば、ムスク、カストリウム、エイバー(aber)、またはシベットである。スパゲリックエッセンスも、当該技術分野で知られている。これらは、ある特定のハーブを発酵させて作製され、最終製品に加工される。合成芳香剤成分は、例えば、リナロール、テルピノール、ネロール、シトロネラール、ベンズアルデヒド、シナモンアルデヒド、バニリン、エチルバニリン、またはメチルアセトフェノンなどの単一の化合物で構成されるものなどの合成エッセンシャルオイルである。芳香剤材料はまた、芳香炭化水素、アルコール、ケトン、アルデヒド、エーテル、エステル、ポリエン誘導体からなる通常の群から選択される合成油溶性香油であってもよい。使用され得る他の芳香剤は、S.Arctander,Perfume and Flavor Chemicals,Volumes I and II(1960,1969;2000再版)、Allured’s Flavor and Fragrance Materials(2005)などの参考文献及びデータベース、ならびにwww.rifm.orgにてResearch Institute for Fragrance Materialsによって管理されているデータベースに分類され記載されている。
【0132】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤は、香油を含んでもよい。好適な香油としては、天然芳香剤及び合成芳香剤の混合物が挙げられる。天然芳香剤は、花(ユリ、ラベンダー、バラ、ジャスミン、ネロリ、イランイラン)、茎及び葉(ゼラニウム、パチョリ、プチグレイン)、果実(アニス、コリアンダー、クミン、ジュニパー)、果実の皮(ベルガモット、レモン、オレンジ)、根(メース、アンジェリカ、セロリ、カルダモン、コスツス、アヤメ、ショウブ)、木(パインウッド、サンダルウッド、グアヤクウッド、シダーウッド、ローズウッド)、ハーブ及び草(タラゴン、レモングラス、セージ、タイム)、針葉及び枝(トウヒ、モミ、マツ、ドワーフパイン)、樹脂及びバルサム(ガルバナム、エレミ、ベンゾイン、ミルラ、オリバナム、オポポナックス)からの抽出物である。典型的な合成芳香剤化合物は、エステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコール、及び炭化水素型の生成物である。エステル型の芳香剤化合物は、例えば、酢酸ベンジル、イソ酪酸フェノキシエチル、酢酸p-tert-ブチルシクロヘキシル、酢酸リナリル、酢酸ジメチルベンジルカルビニル、酢酸フェニルエチル、安息香酸リナリル、ギ酸ベンジル、グリシン酸エチル-メチルフェニル、シクロヘキシルプロピオン酸アリル、プロピオン酸スチラリル、及びサリチル酸ベンジルである。エーテルには、例えば、ベンジルエチルエーテルが含まれ、アルデヒドには、例えば、8~18個の炭素原子を有する直鎖アルカナール、シトラール、シトロネラール、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、シクラメンアルデヒド、ヒドロキシシトロネラール、リリアル、及びブルジョナールが含まれ、ケトンには、例えば、イオノン、α-イソメチルイオノン、及びメチルセドリルケトンが含まれ、アルコールには、アネトール、シトロネロール、オイゲノール、イソオイゲノール、ゲラニオール、リナロール、フェニルエチルアルコール、及びテルピネオールが含まれ、炭化水素には、主に、テルペン及びバルサムが含まれる。
【0133】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、香料成分として主に使用され、香油、例えば、セージオイル、カモミールオイル、クローブのオイル、メリッサオイル、ミントオイル、シナモンリーフオイル、リンデンブロッサムオイル、ジュニパーベリーオイル、ベチバーオイル、オリバナムオイル、ガルバナムオイル、ラボラナムオイル、及びラバンディンオイルとしても好適である、比較的低揮発性のエッセンシャルオイルが含まれてもよい。他の好適な油としては、ベルガモットオイル、ジヒドロミルセノール、リリアル、リラル、シトロネロール、フェニルエチルアルコール、α-ヘキシルシンナムアルデヒド、ゲラニオール、ベンジルアセトン、シクラメンアルデヒド、リナロール、boisambrene forte、アンブロキサン、インドール、ヘジオン、サンデリス、レモンオイル、マンダリンオイル、オレンジオイル、アリルアミルグリコレート、シクロバルタル(cyclovertal)、ラバンディンオイル、クラリーセージオイル、β-ダマスコーン、ゼラニウムオイルバーボン、サリチル酸シクロヘキシル、Vertofix coeur、iso-E-Super、Fixolide NP、evernyl、iraldein Gamma、フェニル酢酸、酢酸ゲラニル、酢酸ベンジル、ローズオキシド、ロミラット、イロチル、及びフロラマート単独または混合物が挙げられる。
【0134】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、防腐剤が含まれてもよい。本明細書で使用される場合、「防腐剤」という用語は、風味、臭気、色、質感、外観、治療価値、または安全性の劣化を遅延するまたは防止することによって、剤形の貯蔵寿命を延長する薬剤を指す。防腐剤は、部分的または完全な微生物細胞破壊または無力化をもたらす致命的で不可逆的な作用を提供する必要はない。滅菌剤、清浄剤、消毒剤、殺胞子剤、殺ウイルス剤、及び結核菌殺菌剤は、かかる不可逆的な作用様式を提供し、これは、「殺菌」作用と称されることもある。対照的に、防腐剤は、防腐剤が除去された場合、標的微生物が増殖を再開することができるという点で、可逆的である阻害または抑菌作用を提供することができる。防腐剤と清浄剤との主要な違いは、主に作用様式(防腐剤は微生物を殺すのではなく成長を防止する)及び曝露時間(防腐剤は作用するのに数日から数ヶ月かかるが、清浄剤は作用するのに長くても数分しかかからない)である。好適な防腐剤としては、限定されないが、フェノキシエタノール、パラベン、ペンタンジオール、及びソルビン酸の溶液、ならびに銀錯体が挙げられる。
【0135】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、着色剤、例えば、限定されないが、色素、例えば、白色、黒色、黄色、青色、緑色、ピンク色、赤色、オレンジ色、紫色、藍色、及び茶色が含まれてもよい。
【0136】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、アルキル化剤(複数可)、例えば、限定されないが、酸化マグネシウム、水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、リン酸三ナトリウム、及び/またはリン酸二ナトリウムが含まれてもよい。
【0137】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、潤滑剤(複数可)/放出剤(複数可)、例えば、限定されないが、脂肪酸及びそれらの塩、脂肪アルコール、脂肪エステル、脂肪アミン、脂肪アミンアセテート、及び脂肪アミドが含まれてもよい。他の好適な潤滑剤としては、限定されないが、ベヘン酸グリセリル(Compritol(商標)888)、金属ステアレート(例えば、マグネシウム、カルシウム、及びナトリウムステアレート)、ステアリン酸、水素化植物油(例えば、Sterotex(商標))、タルク、ミツロウ及びカルナウバワックスなどのワックス、シリカ、フュームドシリカ、コロイド状シリカ、カルシウムステアレート、長鎖脂肪アルコール、ホウ酸、安息香酸ナトリウム及び酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、DL-ロイシン、ポリエチレングリコール(例えば、Carbowax(商標)4000及びCarbowax(商標)6000)、オレイン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム(Pruv(商標))、ラウリル硫酸マグネシウム、ステアリン酸、ステアリルアルコール、鉱油、パラフィン、微結晶セルロース、グリセリン、プロピレングリコール、及びそれらの組み合わせを挙げることができる。
【0138】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、希釈剤、例えば、限定されないが、ラクトースUSP、ラクトースUSP(無水)、ラクトースUSP(噴霧乾燥)、デンプンUSP、直接圧縮可能なデンプン、マンニトールUSP、ソルビトール、デキストロース一水和物、微結晶セルロースNF、第二リン酸カルシウム二水和物NF、スクロース系希釈剤、製菓用砂糖、第二硫酸カルシウム一水和物、硫酸カルシウム二水和物NF、乳酸カルシウム三水和物顆粒NF、デキストレートNF(例えば、Emdex(商標))、デキストロース(例えば、Cerelose(商標))、イノシトール、Maltrons(商標)及びMor-Rex(商標)などの加水分解穀固形物、アミロース、粉末セルロース(例えば、Elcema(商標))、炭酸カルシウム、グリシン、ベントナイト、ポリビニルピロリドンなどが含まれてもよい。
【0139】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、油及び脂肪、例えば、限定されないが、アーモンド油、アルガン油、アボカド油、菜種油、カシュー油、ヒマシ油、ココアバター、ココナッツ油、セイヨウアブラナ油、トウモロコシ油、綿実油、グレープシード油、ヘーゼルナッツ油、大麻油、ヒドロキシル化レシチン、レシチン、亜麻仁油、マカダミア油、マンゴーバター、マニラ油、モンゴンゴナッツ油、オリーブ油、パーム核油、パーム油、ピーナッツ油、ピーカン油、エゴマ油、松の実油、ピスタチオ油、ポピーシード油、パンプキンシード油、米ぬか油、ベニバナ油、ゴマ油、シアバター、ダイズ油、ヒマワリ油、クルミ油、及びスイカ種油を挙げることができる。PVAシェルの充填物中にあってもよい他の油及び脂肪としては、限定されないが、魚油(オメガ3)、オキアミ油、例えば水素化形態にある動物性または植物性脂肪、C12-、C14-、C16-、C18-、C20-、及びC22-脂肪酸を有するモノ、ジ、及びトリグリセリドを挙げることができる。
【0140】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、植物性タンパク質、例えば、ヒマワリタンパク質、ダイズタンパク質、綿実タンパク質、ピーナッツタンパク質、グレープシードタンパク質、乳清タンパク質、乳清タンパク質単離物、血液タンパク質、卵タンパク質、アクリル化タンパク質、水溶性多糖類、例えば、アルギネート、カラギーナン、グアーゴム、寒天、キサンタンゴム、ジェランゴム、アラビアゴム、及び関連ゴム(ガティゴム、カラヤゴム、トラガカントゴム)、ペクチン、セルロースの水溶性誘導体:アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、及びヒドロキシアルキルアルキルセルロース、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、セルロースエステル、及びヒドロキシアルキルセルロースエステル、例えば、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC);カルボキシアルキルセルロース、カルボキシアルキルアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロースエステル、例えば、カルボキシメチルセルロース、及びそれらのアルカリ金属塩;水溶性合成ポリマー、例えば、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、及びポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸、ポリメタクリルアミド、及びポリメタクリル酸エステル、酢酸ポリビニル、ポリビニルアルコール、酢酸フタル酸ポリビニル(PVAP)、ポリビニルピロリドン(PVP)、PVY/酢酸ビニルコポリマー、及びポリクロトン酸が含まれてもよく、フタレート化ゼラチン、コハク酸ゼラチン、架橋ゼラチン、シェラック、デンプンの水溶性化学誘導体、所望であれば四級化してもよい、例えばジエチルアミノエチル基などの三級または四級アミノ基を保有する、カチオン修飾アクリレート及びメタクリレート;ならびに他の同様のポリマー;無機充填材、例えば、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、チタンのオキシドなども好適である。
【0141】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、疎水性材料、例えば、限定されないが、消化可能な長鎖(C8-C50、特にC12-C40)の置換または非置換炭化水素、例えば、天然または合成ワックス(蜜蝋、グリコワックス、ヒマシワックス、及びカルナウバワックスなど)、脂肪アルコール(ラウリル、ミリスチル、ステアリル、セチル、または好ましくはセトステアリルアルコールなど)、脂肪酸、例えば、限定されないが、中鎖脂肪酸のモノジグリセリド(カプリル酸、カプリン酸、カプロ酸、ラウリン酸、オレイン酸、リノール酸など)、中鎖トリグリセリド、脂肪酸エステル、脂肪酸グリセリセリド(モノ、ジ、及びトリグリセリセリド)、水素化脂肪、炭化水素、通常のワックス、ステアリン酸、ステアリルアルコール、ならびに炭化水素骨格を有する疎水性及び親水性材料が含まれてもよい。
【0142】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシド、ポリアクリル酸、セルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、セルロースアミド、酢酸ポリビニル、ポリカルボン酸及び塩、酢酸、カプリル酸、オレイン酸、ポリアミノ酸またはペプチド、ポリアミド、ポリアクリルアミド、マレイン酸/アクリル酸のコポリマー、デンプン及びゼラチンを含む多糖類、キサンタン及びカラギーナンなどの天然ゴムが含まれてもよい。例えば、ポリマーは、ポリアクリレート及び水溶性アクリレートコポリマー、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストリン、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、ポリメタクリレート、ならびにそれらの組み合わせから選択されるか、またはポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマー、及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メタクリル酸/メタクリル酸メチル、メタクリル酸/アクリル酸エチルコポリマー、メタクリル酸/アクリル酸メチルコポリマー、シェラック、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、トリメチル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、酢酸フタル酸ポリビニル、PEG-35ヒマシ油、カプリロカプロイルポリオキシ-8グリセリド、二ステアリン酸グリセリド、ならびにそれらの組み合わせから選択され得る。
【0143】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、高HLB界面活性剤、例えば、限定されないが、ポリソルベート80-ポリオキシエチレン(20)モノオレイン酸ソルビタン、ポリオキシル40水素化ヒマシ油、ポリオキシル35ヒマシ油、カプリロカプロイルマクロゴールグリセリド、及びそれらの組み合わせが含まれてもよい。
【0144】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、充填剤、例えば、限定されないが、ラクトース、微結晶セルロース、及びそれらの組み合わせが含まれてもよい。
【0145】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、天然ゴム(例えば、天然の植物ゴム)が含まれてもよい。好適な天然ゴムとしては、限定されないが、グアーゴム、イナゴマメゴム、コンニャクゴム、キサンタンゴム、スクレロチウムゴム、アカシアゴム、セルロースゴム(修飾されているものまたはされていないもの)、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0146】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、乳化剤、例えば、限定されないが、PEG-30ジポリヒドロキシステアレート、PEG-4ジラウレート、PEG-8ジオレエート、PEG-40ソルビタンペルオレエート、PEG-7グリセリルココエート、PEG-20アーモンドグリセリド、PEG-25水素化ヒマシ油、グリセリルステアレート(及び)PEG-100ステアレート、PEG-7オリベート、PEG-8オレエート、PEG-8ラウレート、PEG-60アーモンドグリセリド、PEG-20メチルグルコースセスキステアレート、PEG-40ステアレート、PEG-100ステアレート、PEG-80ソルビタンラウレート、ステアレス-2、ステアレス-12、オレス-2、セテス-2、ラウレス-4、オレス-10、オレス-10/ポリオキシル10オレイルエーテル、セテス-10、イソステアレス-20、セテアレス-20、オレス-20、ステアレス-20、ステアレス-21、セテス-20、イソセテス-20、ラウレス-23、ステアレス-100、グリセリルステアレートシトレート、グリセリルステアレートSE(自己乳化型)、ステアリン酸、ステアリン酸の塩、ポリグリセリル-3-メチルグリコセジステアレート、またはそれらの組み合わせが含まれてもよい。
【0147】
更なる好適な乳化剤は、リン酸エステル及びその塩、例えば、リン酸セチル(Amphisol(登録商標)A)、リン酸ジエタノールアミンセチル(Amphisol(登録商標)DEA)、リン酸セチルカリウム(Amphisol(登録商標)K)、セテアリル硫酸ナトリウム、グリセリルオレイン酸ナトリウム、リン酸グリセリルオレイン酸ナトリウム、リン酸水添植物グリセリド、及びそれらの混合物である。更なる好適な乳化剤は、ソルビタンオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタンイソステアレート、ソルビタントリオレエート、セテアリルグルコシド、ラウリルグルコシド、デシルグルコシド、ナトリウムステアロイルグルタメート、スクロースポリステアレート、及び水和ポリイソブテンである。更に、1つ以上の合成ポリマーを乳化剤として使用してもよい。例えば、PVPエイコセンコポリマー、アクリレート/C10-3oアルキルアクリレートクロスポリマー、アクリレート/ステアレス-20メタクリレートコポリマー、PEG-22/ドデシルグリコールコポリマー、PEG-45/ドデシルグリコールコポリマー、及びそれらの混合物である。
【0148】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、キレート剤、例えば、限定されないが、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、N-(ヒドロキシエチル)-エチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、及びニトリロ三酢酸(NTA)が含まれてもよい。
【0149】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、脂肪アルコール、例えば、限定されないが、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セテアリルアルコール、オレイルアルコール、オクチルドデカノール、C12-C15アルコールのベンゾエート、アセチル化ラノリンアルコールなどを含む、6~18個、好ましくは8~10個の炭素原子を有する脂肪アルコールに基づくゲルベアルコールが含まれてもよい。
【0150】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、脂肪酸のエステル、例えば、限定されないが、直鎖C6-C24脂肪酸の直鎖C3-C24アルコールとのエステル、分岐鎖C6-C13カルボン酸の直鎖C6-C24脂肪アルコールとのエステル、直鎖C6-C24脂肪酸の分岐鎖アルコールとのエステル、特に、2-エチルヘキサノール、ヒドロキシカルボン酸の直鎖または分岐鎖C6-C22脂肪アルコールとのエステル、特に、マレイン酸ジオクチル、直鎖及び/または分岐鎖脂肪酸の多価アルコール(例えば、プロピルグリコール、二量体ジオール、または三量体ジオール)及び/またはゲルベアルコールとのエステル、例えば、カプロン酸、カプリル酸、2-エチルヘキサン酸、カプリン酸、ラウリン酸、イソトリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、ペトロセリン酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸、アラキジン酸、ガドレイン酸、ベヘン酸、及びエルカ酸、ならびにそれらの工業グレード混合物(例えば、天然脂肪及び油の圧力除去において、Roelenのオキソ合成からのアルデヒドの還元において、または飽和脂肪酸の二量体化において得られる)の、アルコール、例えば、イソプロピルアルコール、カプロンアルコール、カプリルアルコール、2-エチルヘキシルアルコール、カプリンアルコール、ラウリルアルコール、イソトリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、パルモレイルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、エライジルアルコール、ペトロセリニルアルコール、リノイルアルコール、リノレニルアルコール、エレオステアリルアルコール、アラキジルアルコール、ガドレイルアルコール、ベヘニルアルコール、エルシルアルコール、及びブラシジルアルコール、及びそれらの工業グレードの混合物(例えば、脂肪及び油に基づく工業グレードのメチルエステルの高圧水素化において、またはRoelenのオキソ合成からのアルデヒド、ならびに不飽和脂肪アルコールの二量体化における単量体画分として得られる)とのもの、が含まれてもよい。エステル油の追加の好適な例は、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソプロピル、オレイン酸イソプロピル、ステアリン酸n-ブチル、ラウリン酸n-ヘキシル、オレイン酸n-デシル、ステアリン酸イソオクチル、ステアリン酸イソノニル、イソノナン酸イソノニル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、ラウリン酸2-ヘキシル、ステアリン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-オクチルドデシル、オレイン酸オレイル、エルカ酸オレイル、オレイン酸エルシル、エルカ酸エルシル、オクタン酸セテアリル、パルミチン酸セチル、ステアリン酸セチル、オレイン酸セチル、ベヘン酸セチル、酢酸セチル、ミリスチン酸ミリスチル、ベヘン酸ミリスチル、オレイン酸ミリスチル、ステアリン酸ミリスチル、パルミチン酸ミリスチル、乳酸ミリスチル、ジカプリル酸/カプリル酸プロピレングリコール、ヘプタン酸ステアリル、リンゴ酸ジイソステアリル、ヒドロキシステアリル酸オクチルなどである。
【0151】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、他のアジュバント、例えば、限定されないが、ナフタレート2,6-ジエチルヘキシル、ジ-n-ブチルアジペート、ジ(2-エチルヘキシル)-アジペート、ジ(2-エチルヘキシル)-サクシネート、及びジイソトリデシルアセテート、ならびに同様にジオールエステル、例えば、エチレングリコールジオレエート、エチレングリコールジイソトリデカノエート、プロピレングリコールジ(2-エチルヘキサノエート)、プロピレングリコールジイソステアレート、プロピレングリコールジペラルゴネート、ブタンジオールジイソステアレート、及びネオペンチルグリコールジカプリレートが含まれてもよい。C6-C24脂肪アルコール及び/またはゲルベアルコールの、芳香族カルボン酸、飽和及び/または不飽和の、特に安息香酸とのエステル、C2-C12ジカルボン酸の、1~22個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖アルコールまたは2~10個の炭素原子及び2~6個のヒドロキシ基を有するポリオールとのエステル。
【0152】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、天然または合成トリグリセリド(グリセリルエステル及び誘導体を含む)、例えば、限定されないが、他のアルコールとの反応によって修飾された、C6-C18脂肪酸に基づく、ジグリセリドまたはトリグリセリド(カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、小麦胚芽グリセリドなど)が含まれてもよい。ポリグリセリンの脂肪酸エステル(ポリグリセリル-n、例えば、ポリグリセリル-4カプレート、ポリグリセリル-2イソステアレートなど、またはヒマシ油、水素化植物油、スイートアーモンド油、小麦胚芽油、ゴマ油、水素化綿実油、ココナッツ油、アボカド油、トウモロコシ油、水素化ヒマシ油、シアバター、ココアバター、大豆油、ミンク油、ヒマワリ油、サフラワー油、マカダミナッツ油、オリーブ油、水素化獣脂、杏仁油、ヘーゼルナッツ油、ルリヂサ油など。追加の好適な賦形剤としては、長鎖酸及びアルコールのエステルを含むワックス、ならびにワックス様特性を有する化合物、例えば、カルナウバワックス、蜜蝋(白色または黄色)、ラノリンワックス、カンデリラワックス、オゾケライト、木蝋、パラフィンワックス、微結晶ワックス、セレシン、セテアリルエステルワックス、合成蜜蝋などが挙げられる。また、セテアリルアルコールまたは部分グリセリドとしての親水性ワックス。
【0153】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、真珠光沢ワックス、例えば、限定されないが、アルキレングリコールエステル、特にエチレングリコールジステアレート;脂肪酸アルカノールアミド、特にココ脂肪酸ジエタノールアミド;部分グリセリド、特にステアリン酸モノグリセリド;多価の非置換またはヒドロキシ置換カルボン酸の、6~22個の炭素原子を有する脂肪アルコールとのエステル、特に、酒石酸の長鎖エステル;脂肪物質、例えば、合計で少なくとも24個の炭素原子を有する、脂肪アルコール、脂肪ケトン、脂肪アルデヒド、脂肪エーテル、及び脂肪カーボネート、特に、ラウリル及びジステアリルエーテル;脂肪酸、例えば、ステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、またはベヘン酸、12~22個の炭素原子を有するオレフィンエポキシドの、12~22個の炭素原子を有する脂肪アルコール及び/または2~15個の炭素原子及び2~10個のヒドロキシ基を有するポリオールとの開環生成物、ならびにこれらの混合物が含まれてもよい。
【0154】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、炭化水素油、例えば、限定されないが、鉱油(軽油または重油)、ワセリン(黄色または白色)、微結晶ワックス、パラフィン及びイソパラフィン化合物、ポリデセン及びポリブテンとしての水素化イソパラフィン分子、水素化ポリイソブテン、スクワラン、イソヘキサデカン、イソドデカン、ならびに植物及び動物界からの他のものが含まれてもよい。
【0155】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、シリコーンまたはシロキサン(有機置換ポリシロキサン)、例えば、限定されないが、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、環式シリコーン、ならびに同様にアミノ、脂肪酸、アルコール、ポリエーテル、エポキシ、フッ素、グリコシド、及び/またはアルキル修飾シリコーン化合物が含まれてもよく、これらは室温で液体形態または樹脂形態のいずれかであり得る。直鎖ポリシロキサン、ジメチコン(Dow Corning 200 fluid、Rhodia Mirasil DM)、ジメチコノール、環式シリコーン液、シクロペンタシロキサン揮発性物質(Dow Corning 345 fluid)、フェニルトリメチコン(Dow Corning 556 fluid)。また、平均鎖長が200~300ジメチルシロキサン単位であるジメチコンと水素化ケイ酸塩との混合物であるシメチコンも好適である。加えて、Todd et al.による好適な揮発性シリコーンの詳細な調査は、Cosm.Toil.91,27(1976)に見ることができる。
【0156】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、乳化剤、例えば、限定されないが、カルボン酸及びそれらの塩:ナトリウム、カリウム、及びアンモニウムのアルカリ石鹸、カルシウムまたはマグネシウムの金属石鹸、有機系石鹸、例えば、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、及びオレイン酸などを含んでもよい。アルキルホスフェートまたはリン酸エステル、酸性ホスフェート、ジエタノールアミンホスフェート、カリウムセチルホスフェート。エトキシル化カルボン酸またはポリエチレングリコールエステル、PEG-nアシレート。2~30モルのエチレンオキシド及び/または0~5モルのプロピレンオキシドから、12~22個の炭素原子を有する脂肪酸及びアルキル基中に8~15個の炭素原子を有するアルキルフェノールで分岐させた、8~22個の炭素原子を有する直鎖脂肪アルコール。脂肪アルコールポリグリコールエーテル、例えば、ラウレス-n、セテアレス-n、ステアレス-n、オレス-n。脂肪酸ポリグリコールエーテル、例えば、PEG-nステアレート、PEG-nオレエート、PEG-nココエート。モノグリセリド及びポリオールエステル。ポリオールとのエチレンオキシド1~30モルの付加生成物のC12-C22脂肪酸モノエステル及びジエステル。脂肪酸及びポリグリセロールエステル、例えば、モノステアレートグリセロール、ジイソステアロイルポリグリセリル-3-ジイソステアレート、ポリグリセリル-3-ジイソステアレート、トリグリセリルジイソステアレート、ポリグリセリル-2-セスキイソステアレート、またはポリグリセリルジメレート。複数のこれらの物質クラスからの化合物の混合物も好適である。脂肪酸ポリグリコールエステル、例えば、モノステアレートジエチレングリコール、脂肪酸及びポリエチレングリコールエステル、脂肪酸及びサッカロースエステル、例えば、スクロエステル、グリセロール及びサッカロースエステル、例えば、スクログリセリド。ソルビトール及びソルビタン、6~22個の炭素原子を有する飽和及び不飽和脂肪酸のソルビタンモノエステル及びジエステル、ならびにエチレンオキシド付加生成物。ポリソルベート-nシリーズ、ソルビタンエステル、例えば、セスキイソステアレート、ソルビタン、PEG-(6)-イソステアレートソルビタン、PEG-(10)-ソルビタンラウレート、PEG-17-ジオレエートソルビタン。グルコース誘導体、C8-C22アルキルモノ及びオリゴグリコシド、ならびにエトキシ化類似体であり、グルコースが糖成分として好ましい。O/W乳化剤、例えば、メチルグルセス-20セスキステアレート、ソルビタンステアレート/スクロースココエート、メチルグルコースセスキステアレート、セテアリルアルコール/セテアリルグルコシド。W/O乳化剤、例えば、メチルグルコースジオレエート/メチルグルコースイソステアレート。サルフェート及びスルホン化誘導体、ジアルキルスルホサクシネート、ジオクチルサクシネート、アルキルラウリルスルホネート、直鎖スルホン化パラフィン、スルホン化テトラプロピエンスルホネート、ナトリウムラウリルサルフェート、アンモニウム及びエタノールアミンラウリルサルフェート、ラウリルエーテルサルフェート、ナトリウムラウレスサルフェート、スルホサクシネート、アセチルイソチオネート、アルカノールアミドサルフェート、タウリン、メチルタウリン、イミダゾールサルフェート。ポリシロキサン/ポリアルキル/ポリエーテルコポリマー及び誘導体、ジメチコン、コポリオール、シリコーンポリエチレンオキシドコポリマー、シリコーングリコールコポリマー。プロポキシ化またはPOE-nエーテル(Meroxapol)、Polaxamerまたはポリ(オキシエチレン)m-ブロック-ポリ(オキシプロピレン)n-ブロック(オキシエチレン)。分子内に少なくとも1つの四級アンモニウム基と少なくとも1つのカルボキシレート及び/またはスルホネート基を担持する両性イオン界面活性剤。特に好適な両性イオン界面活性剤は、ベタイン、例えば、N-アルキル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシネート、ココアルキルジメチルアンモニウムグリシネート、N-アシルアミノプロピル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシネート、ココアシルアミノプロピルジメチルアンモニウムグリシネート、及び各々アルキルまたはアシル基に8~18個の炭素原子を有する2-アルキル-3-カルボキシメチル-3-ヒドロキシエチルイミダゾリン、ならびにココアシルアミノエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルグリシネート、N-アルキルベタイン、N-アルキルアミノベタインである。アルキルイミダゾリン、アルキルペプチド、リポアミノアシド、自己乳化型塩基、及びK.F.DePolo,A short textbook of cosmetology,Chapter 8,Table 8-7,p250-251に記載されている化合物。
【0157】
好適な非イオン性塩基としては、限定されないが、PEG-6蜜蝋(及び)PEG-6ステアレート(及び)ポリグリセリル-2-イソステアレート(及び)、グリセリルステアレート(及び)PEG-100ステアレート、PEG-5グリセリルステアレート、ソルビタンオレエート(及び)ポリグリセリル-3リシノレート、ソルビタンステアレート及びスクロースココエート、グリセリルステアレート及びラウレス-23、セテアリルアルコール及びセテス-20、セテアリルアルコール及びポリソルベート60及びPEG-150及びステアレート-20、セテアリルアルコール及びセテアリルポリグルコシド、セテアリルアルコール及びセテアレス-20、セテアリルアルコール及びPEG-40ヒマシ油、セテアリルアルコール及びPEG-40ヒマシ油及びナトリウムセテアリルサルフェート、ステアリルアルコール及びステアレス-7及びステアレス-10、セテアリルアルコール及びステアレス-7及びステアレス-10、グリセリルステアレート及びPEG-75ステアレート、プロピレングリコールセテス-3アセテート、プロピレングリコールイソセテス-3アセテート、セテアリルアルコール及びセテス-12及びオレス-12、PEG-6ステアレート及びPEG-32ステアレート、PEG-6ステアレート及びセテス-20及びステアレス-20、PEG-6ステアレート及びセテス-20及びグリセリルステアレート及びステアレス-20、グリセリルステアレート及びセテアレス-20が挙げられる。
【0158】
好適なアニオン性アルカリ塩基としては、限定されないが、PEG-2ステアレートSE、グリセリルステアレートSE、プロピレングリコールステアレートが挙げられる。アニオン酸塩基、例えば、セテアリルアルコール及びナトリウムセテアリルサルフェート、セテアリルアルコール及びナトリウムラウリルサルフェート、トリラネス-4ホスフェート及びグリコールステアレート及びPEG-2ステアレート、グリセリルステアレート及びナトリウムラウリルサルフェート。カチオン性酸塩基、例えば、セテアリルアルコール及びセトリモニウムブロミド。
【0159】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、アジュバント及び添加剤、例えば、限定されないが、界面活性剤、超脂化剤(super-fatting agent)、稠度調節剤、増粘剤、ポリマー、安定剤、生体活性成分、膨潤剤、更なるUV光保護因子、酸化防止剤、ヒドロトロープ剤、防腐剤、セルフタンニング剤、可溶化剤、香油、着色剤、細菌阻害剤などが含まれてもよい。
【0160】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、超脂化剤、例えば、限定されないが、ラノリン及びレシチン、ならびに同様にポリエトキシ化またはアセチル化ラノリン及びレシチン誘導体、ポリオール脂肪酸エステル、モノグリセリド、及び脂肪酸アルカノールアミドが含まれてもよく、後者は同時に泡安定剤として作用する。
【0161】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、界面活性剤、例えば、限定されないが、脂肪アルコールポリグリコールエーテルサルフェート、モノグリセリドサルフェート、モノ及び/またはジアルキルスルホサクシネート、脂肪酸イセチネート、脂肪酸サルコシネート、脂肪酸タウリド、脂肪酸グルタメート、アルファ-オレフィンスルホネート、エーテルカルボン酸、アルキルオリゴグルコシド、脂肪酸グルカミド、アルキルアミドベタイン、及び/またはタンパク質脂肪酸縮合生成物が含まれてもよく、後者は、好ましくは、小麦タンパク質に基づく。
【0162】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、一貫性調節剤/増粘剤及びレオロジー改質剤、例えば、限定されないが、二酸化ケイ素、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、多糖類もしくはそれらの誘導体、例えば、ヒアルロン酸、キサンタンガム、グアーグアー、寒天、アルギネート、カラゲナン、ゲラン、ペクチン、またはヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの修飾セルロースが含まれ得る。加えて、網状アクリル酸及びポリアクリルアミドのポリアクリレートまたはホモポリマー、カルボマー(CARBOPOLタイプ980、981、1382、ETD2001、ETD2020、ULTREZ10)、またはSALCARE製品、例えば、SALCARE SC80(ステアレス-10アリルエーテル/アクリレートコポリマー)、Salcare SC81(アクリレートコポリマー)、Salcare SC91及びSalcare AST(ナトリウムアクリレートコポリマー/PPG-1トリデセス-6)、SEPIGEL 305(ポリアクリルアミド/ラウレス-7)、SIMULGEL NS及びSIMULGEL EG(ヒドロキシエチルアクリレート/ナトリウムアクリロイルジメチルタウレートコポリマー)、STABILEN 30(アクリレート/ビニルイソデカノエートクロスポリマー)、PEMULEN TR-1(アクリレート/C10-30アルキルアクリレートクロスポリマー)、LUVIGEL EM(ナトリウムアクリレートコポリマー)、ACULYN 28(アクリレート/ベヘネス-25メタクレートコポリマー)など。
【0163】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤にはポリマー、例えば、限定されないが、アニオン性、両性イオン性、両性、及び非イオン性ポリマーが考慮され、例えば、ビニルアセテート/クロトン酸コポリマー、ビニルピロリドン/ビニルアクリレートコポリマー、ビニルアセテート/ブチルマレエート/イソボルニルアクリレートコポリマー、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマー及びそのエステル、架橋されていないポリアクリル酸及びポリオールで架橋されたポリアクリル酸、アクリルアミドプロピル-トリメチルアンモニウムクロリド/アクリレートコポリマー、オクチルアクリルアミド/メチルメタクレート-tert-ブチルアミノエチルメタクレート/2-ヒドロキシプロピルメタクレートコポリマー、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/ビニルアセテートコポリマー、ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクレート/ビニルカプロラクタムターポリマー、ならびに同様に任意選択で誘導体化されたセルロースエーテル及びシリコーンが含まれてもよい。更に、EP1093796(3~8ページ、段落17~68)に記載されているポリマーを使用してもよい。
【0164】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、酸化防止剤、例えば、限定されないが、アミノ酸(例えば、グリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)及びその誘導体、イミダゾール(例えば、ウロカニン酸)及びその誘導体、ペプチド、例えば、D,L-カルノシン、D-カルノシン、L-カルノシン、及びその誘導体(例えば、アンセリン)、カロチノイド、カロテン、リコペン、及びその誘導体、クロロゲン酸及びその誘導体、リポ酸及びその誘導体(例えば、ジヒドロリポ酸)、オーロチオグルコース、プロピルチオウラシル及び他のチオール(例えば、チオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミン、及びグリコシル、N-アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、ブチル、ラウリル、パルミトイル、オレイル、リノレイル、コレステリル、及びそれらのグリセリルエステル)、及び同様にそれらの塩、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、チオジプロピオン酸、及びその誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシド、及び塩)、ならびに同様にスルホキシイミン化合物(例えば、ブチオニンスルホキシイミン、ホモシステインスルホキシイミン、ブチオニンスルホン、ペンタ-、ヘキサ-、ヘプタ-チオニンスルホキシイミン)、また(金属)キレート剤(例えば、ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸フィチン酸、ラクトフェリン)、ヒドロキシ酸(例えば、クエン酸、乳酸、リンゴ酸)、フミン酸、胆汁酸、胆汁抽出物、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EDDS、EGTA、及びその誘導体、不飽和脂肪酸及びその誘導体(例えば、リノレン酸、リノール酸、オレイン酸)、葉酸及びその誘導体、ユビキノン及びユビキノール及びその誘導体、ビタミンC及びその誘導体(例えば、アスコルビルパルミテート、マグネシウムアスコルビルホスフェート、アスコルビルアセテート)、トコフェロール及び誘導体(例えば、ビタミンEアセテート)、ビタミンA及び誘導体(例えば、ビタミンAパルミテート)、ならびに同様にベンゾイン樹脂のコニフェリルベンゾエート、ルチン酸及びその誘導体、グリコシルルチン、フェルラ酸、フルフリリデングルシトール、カルノシン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログアヤレチン酸、トリヒドロキシブチロフェノン、尿酸及びその誘導体、マンノース及びその誘導体、スーパーオキシドジスムターゼ、N-[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニル]スルファニル酸(及びその塩、例えば、ジナトリウム塩)、セレン及びその誘導体(例えば、セレンメチオニン)、スチルベン及びその誘導体(例えば、スチルベンオキシド、トランス-スチルベンオキシド)、ならびにこれらの前述した活性成分の本発明に従って好適な誘導体(塩、エステル、エーテル、糖、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチド、及び脂質)が含まれてもよい。HALS(=「ヒンダードアミン系光安定剤(Hindered Amine Light Stabilizers)」)化合物も言及され得る。
【0165】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤としては、ヒドロトピック剤、例えば、限定されないが、エトキシ化されたまたはエトキシル化されていないモノアルコール、炭素原子数が少ないジオールまたはポリオールまたはそれらのエーテル(例えば、エタノール、イソプロパノール、1,2-ジプロパンジオール、プロピレングリコール、グリセリン、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、及び同様の製品)が含まれてもよい。その目的で考慮されるポリオールは、好ましくは、2~15個の炭素原子と、少なくとも2つのヒドロキシ基とを有する。ポリオールはまた、更なる官能基、特にアミノ基を含んでもよく、及び/または窒素で修飾されてもよい。典型的な例は、以下の通りである:グリセロール、アルキレングリコール、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、及び同様に平均分子量が100~1000ダルトンのポリエチレングリコール;固有の縮合度が1.5~10の工業用オリゴグリセロール混合物、例えば、ジグリセロール含有量が40~50重量%の工業用ジグリセロール混合物;メチロール化合物、例えば、特に、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ペンタエリスリトール、及びジペンタエリスリトール;低級アルキルグルコシド、特に、アルキルラジカル中の炭素原子が1~8個のもの、例えば、メチル及びブチルグルコシド;炭素原子が5~12個の糖アルコール、例えば、ソルビトールまたはマンニトール;炭素原子が5~12個の糖、例えば、グルコースまたはサッカロース;アミノ糖、例えば、グルカミン;ジアルコールアミン、例えば、ジエタノールアミンまたは2-1,3-プロパンジオール。
【0166】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、防腐剤、例えば、限定されないが、メチル-、エチル-、プロピル-、ブチル-パラベン、ベンザルコニウムクロリド、2-ブロモ-2-ニトロ-プロパン-1,3-ジオール、デヒドロ酢酸、ジアゾリジニル尿素、2-ジクロロ-ベンジルアルコール、DMDMヒダントイン、ホルムアルデヒド溶液、メチルジブロモグルタニトリル、フェノキシエタノール、ナトリウムヒドロキシメチルグリシネート、イミダゾリジニル尿素、トリクロサン、及び以下の参考文献に列挙されている更なる物質クラスが含まれてもよい。K.F.DePolo-A short textbook of cosmetology,Chapter 7,Table 7-2,7-3,7-4 and 7-5,p 210-219.
【0167】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、細菌阻害剤、例えば、限定されないが、2,4,4’-トリクロロ-2’-ヒドロキシジフェニルエーテル、クロルヘキシジン(1,6-ジ(4-クロロフェニル-ビグアニド)ヘキサン)、またはTCC(3,4,4’-トリクロロカルバニリド)が含まれてもよい。多数の芳香族物質及びエーテル油も抗菌特性を有する。典型的な例は、クローブオイル、ミントオイル、及びタイムオイル中の有効成分であるオイゲノール、メントール、及びチモールである。関心の天然消臭剤は、テルペンアルコールファルネソール(3,7,11-トリメチル-2,6,10-ドデカトリエン-1-オール)であり、これは、ライムブロッサムオイルに存在する。グリセロールモノラウレートも静菌剤であることが証明されている。
【0168】
他の薬学的に許容される賦形剤も、当業者によって認識されるように利用され得る。
【0169】
ある特定の実施形態では、薬学的に許容される賦形剤は、組成物の総重量に基づいて、約5重量%、約10重量%、約15重量%、約20重量%、約25重量%、約30重量%、約35重量%、約40重量%、約45重量%、もしくは約50重量%のうちのいずれかから、約55重量%、約60重量%、約65重量%、約70重量%、約75重量%、約80重量%、約85重量%、約90重量%、約95重量%、もしくは約99重量%のうちのいずれかまでの範囲、またはその中の任意のサブ範囲もしくは単一の値の濃度で、本明細書に記載の医薬組成物中に(個別にまたは累積して)含まれてもよい。
【0170】
治療の方法
本明細書に開示される製剤は、固有であるか、または薬物過剰摂取(例えば、オキシコドン、モルヒネ、ヒドロコドン、ヘロインもしくはフェンタニルなどのオピオイド、またはプロパフォールなどの薬剤)などの外部要因によって引き起こされる呼吸制御障害または疾患の治療のために利用することができる。ある特定の実施形態における障害または疾患は、呼吸抑制、睡眠時無呼吸、未熟児無呼吸発作、肥満低換気症候群、原発性肺胞低換気症候群、呼吸困難、高山病、低酸素症、高炭酸ガス血症、及び慢性閉塞性肺疾患(COPD)から選択することができ、呼吸抑制は、麻酔薬、鎮静剤、不安薬、催眠薬、アルコール、または麻薬によって引き起こされ得る。ある特定の実施形態では、患者または対象は、アセタゾールアミド、アルミトリン、テオフィリン、カフェイン、メチルプロゲステロン、セロチン作動性(serotinergic)調節物質、カンナビノイド、及びアンパキンなどの当該呼吸障害または疾患を治療するのに有用な少なくとも1つの追加の化合物を含む組成物を更に投与される。別の実施形態では、製剤は、対象に対する機械的換気装置または陽圧呼吸装置の使用と併せて、またはそのような装置の中止後に投与される。ある特定の実施形態では、本明細書に開示される製剤は、てんかん、発作性ジスキネジア、もしくは統合失調症などの神経障害;心臓虚血もしくは心臓低酸素症などの心臓障害;または脳虚血もしくは脳低酸素症などの脳障害などの大コンダクタンスカリウムチャネルによって調節される疾患または状態を治療するために使用され得る。一実施形態では、対象は、哺乳動物である。また別の実施形態では、哺乳動物は、ヒトである。また別の実施形態では、本明細書に開示される製剤は、吸入、局所、経口、頬側、直腸、膣、筋肉内、皮下、経皮、くも膜下腔内または静脈内経路によって患者または対象に投与されてもよい。
【0171】
調製方法
ある特定の実施形態では、本開示は、本明細書に記載の組成物のうちのいずれかを調製する方法を対象とする。ある特定の実施形態では、本方法には、治療有効量の本明細書に開示される化合物を、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤と組み合わせることが含まれる。
【0172】
本明細書に記載の様々な組成物は、活性剤のためのカスタマイズされた放出プロファイル、例えば、限定されないが、即時放出プロファイル、制御放出プロファイル、遅延放出プロファイル、ゼロ次放出プロファイル、一次放出プロファイル、パルス放出プロファイル、体内のある特定の位置(胃腸管内の標的位置など)における標的放出などを有するように製剤化されてもよい。
【実施例】
【0173】
ここで、本発明の特定の実施形態を、以下の実施例を参照して示す。これらの実施例は、本発明を例示することによってのみ開示され、いかなる方法においても本発明の範囲を限定するとされるべきではないことが理解されるべきである。
【0174】
安定性研究
製剤を、活性剤(N-(4,6-ビス-n-プロピルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-O,N-ジメチル-ヒドロキシルアミン硫酸水素)を用いて、表1に提示される製剤で調製した。
【表1】
【0175】
表1の試料の安定性を、25℃及び40℃で4週間後に試験した。その結果を以下の表2に表す。表2の濃度は、濾過された濃度のものであることに留意されたい。
【表2】
【0176】
15mg/mLの濃度を有する別の実施形態を調製し、安定性を40℃及び60℃で2週間にわたって試験した。50%ポリエチレングリコールをpH4.0及び5.0で使用して、15mg/mLの濃度を調製した。安定性研究の結果を表3~5に提示する。
【表3】
【表4】
【表5】
【0177】
25mg/mLの濃度を有する別の実施形態を調製し、安定性を40℃及び60℃で2週間にわたって試験した。50%ポリエチレングリコールをpH4.0及び5.0で使用して、25mg/mLの濃度を調製した。安定性研究の結果を表6~8に提示する。
【表6】
【表7】
【表8】
【0178】
更に、5.0のpHで50mg/mLの濃度を有する異なる賦形剤を使用して安定性試験を実施した。安定性試験の結果を以下の表9~11に提示する。
【表9】
【表10-1】
【表10-2】
【表11-1】
【表11-2】
【0179】
pHの関数としての製剤の溶解度
pH溶解性研究を実施して、活性剤(N-(4,6-ビス-n-プロピルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-O,N-ジメチル-ヒドロキシルアミン)をIV製剤のための合理的なpHで単純な緩衝溶液として製剤化することの実現可能性を評価した。
【0180】
方法論:pH2.5で100mMクエン酸中の濃度約107mg/mLの活性剤(N-(4,6-ビス-n-プロピルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-O,N-ジメチル-ヒドロキシルアミン)及びH2SO4溶液を調製した。約150μLのこの溶液を、6個の別々のガラスHPLCバイアルに移した。各アリコートを、表12に示されるように、6N水酸化ナトリウムで、3~5.5範囲の異なるpH値まで滴定した。pH2.5の溶液を含む全ての試料を、旋回シェーカーを使用して室温で一晩振盪した。振盪後、試料を沈殿物の存在について目視で評価し、次いで、0.45μmのシリンジ先端フィルター(直径4mm)を介して3000rpmで20分間スピン濾過した。濾液の最終pH値を測定した。次いで、濾液を適切に希釈し、HPLCアッセイを使用して活性剤(N-(4,6-ビス-n-プロピルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-O,N-ジメチル-ヒドロキシルアミン).H2SO4濃度について分析した。
【0181】
結果:一晩振盪する前及び後の試料のpH値、外観、ならびに試料の濃度を表12に示す。2.5、3.0、及び3.5の標的pH値で調製された溶液は、透明であり(過剰な固体が存在しない)、したがって、これらの試料の濃度値は、飽和溶解度値を表さない。
【表12】
【0182】
pHの関数としての安定性
活性剤(N-(4,6-ビス-n-プロピルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-O,N-ジメチル-ヒドロキシルアミン)は、pKaが5.6であり、理論的遊離塩基溶解度が約0.18mg/mLであると評価されている。したがって、本発明者らは、約pH3.6を超える意図された生成物濃度に対して、薬物の溶解度が不十分になると考えている。しかしながら、医療品は、注入前に希釈され、次いで、静脈内にゆっくりと注入され、そのような低いpHは、安全性または患者の快適性の問題を提示する可能性は低いが、溶液中の薬物の安定性は、そのような低いpHでの問題であり得る。この実験の目的は、pHの関数としての薬物の安定性を評価することであった。
【0183】
そのような実験における重要な考慮事項は、使用される薬物及び緩衝液の濃度である。実験中にpHが劇的に変化した場合、データは無意味であるため、緩衝液の使用は不可欠である。しかしながら、緩衝液触媒作用の影響を最小限に抑えるために、緩衝液を最小限の強度に保つことが望ましい。薬物濃度を低く保つことにより、緩衝駅強度を最小限に抑えることができる。薬物濃度を低く保つことはまた、データを溶解性限界(すなわち、薬物が溶液から沈殿する)と混同することを最小限に抑える。
【0184】
方法論:2~6のpH範囲のクエン酸及びグリシンの各々を約10mM含む緩衝溶液を、250mLの両方の緩衝剤を含む単一ストックを1N NaOH/1N HClで滴定し、所定のpH値で50mLのアリコートを除去することによって調製した。1mg/mLの溶液を、所与の緩衝液の約23mL中の活性剤(N-(4,6-ビス-n-プロピルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-O,N-ジメチル-ヒドロキシルアミン)H2SO4を有する約25mgの化合物をpH2~5の緩衝液中に溶解させ、pHを標的に調整し、測容フラスコ中で体積を25.0mLにすることによって調製した。pH6での溶液を、同様であるが、活性剤(N-(4,6-ビス-n-プロピルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-O,N-ジメチルl-ヒドロキシルアミン)H2SO4を有する6.68mgの化合物を使用して、0.25mg/mLのより低い薬物濃度で調製した。
【0185】
緩衝溶液の各々を0.2μmのポリエーテルスルホンシリンジフィルターを通して、70%エタノールで事前にすすぎ、かつ層流フードで乾燥させた測容フラスコ中に濾過した。濾過後、各緩衝溶液を、70%エタノールで事前にすすぎ、かつ層流フードで乾燥させた5mLの血清バイアル中に、10個のアリコート(それぞれ2.5mLの9個のアリコート及び2mLの1個のアリコート)に分割した。層流フード内で濾過及びアリコートの調製を行った。各緩衝溶液の2mLのアリコートを、T0分析(HPLCアッセイ及び関連物質)のために提出した。9つの2.5mLアリコートのうち、3つのアリコートをそれぞれ40℃及び60℃で貯蔵し、2つのアリコートを25℃で貯蔵し、1つのアリコートを-70℃で貯蔵した。40℃及び60℃で貯蔵した試料を、1週間、2週間、及び4週間の貯蔵後に、物理的外観、pH、アッセイ、及び関連物質について評価した。25℃及び-70℃の試料は、必要に応じて分析するための対照として役立った。
【0186】
結果:pH安定性データを表13に示す。全ての試料は、40℃及び60℃の両方で最大4週間の貯蔵の間、透明、無色、及び粒子を含まないままであった。両方の貯蔵温度で、全ての試料のpH値は、最大4週間比較的一定のままであった。アッセイ及び不純物データの両方は、溶液が、評価された残りのpH値と比較してpH2で有意に安定性が低かったことを示す。pH範囲3~6において、特定の傾向は観察されなかった。60℃におけるpH安定性プロファイルを
図1に示す(不純物%)。
【表13】
【0187】
pHの関数としての安定性-pHの狭い範囲
上に記載のpH安定性研究は、化合物がpH2.0では不安定であったが、より高いpH値ではより安定であったことを示した。したがって、化合物の安定性をpH範囲2~3.6で評価した。
【0188】
方法論:2~3.6のpH範囲のクエン酸及びグリシンの各々を約10mM含む緩衝溶液を、250mLの両方の緩衝剤を含む単一ストックを1N NaOH/1N HClで滴定し、所定のpH値で50mLのアリコートを除去することによって調製した。1mg/mLの溶液を、約25mgの化合物を約23mLの所与の緩衝液中に溶解させ、pHを標的に調整し、測容フラスコ中で体積を25.0mLにすることによって緩衝液中で調製した。
【0189】
緩衝溶液の各々を0.2μmのポリエーテルスルホンシリンジフィルターを通して、70%エタノールで事前にすすぎ、かつ層流フードで乾燥させた測容フラスコ中に濾過した。濾過後、各緩衝溶液を、70%エタノールで事前にすすぎ、かつ層流フードで乾燥させた5mLの血清バイアル中の9個のアリコートに分割した。層流フード内で濾過及びアリコートの調製を行った。9つのアリコートのうち、3つのアリコートをそれぞれ40℃及び60℃で貯蔵し、2つのアリコートを25℃で貯蔵し、1つのアリコートをT0試験のために提出した。試料を、T0、ならびに40℃及び60℃での1週間、2週間、及び4週間の貯蔵後のpH、アッセイ、及び関連物質について評価した。25℃で貯蔵した試料は、必要に応じて分析するための対照として役立った。結果を表14及び
図2に表す。
【0190】
この研究からの最も顕著な結果は、40℃及び60℃の両方の貯蔵中に、研究された全pH範囲にわたってpHが増加するにつれて、不純物レベルが著しく低下することである。これは、製剤のpHのいかなる増加も、水性製剤が実現可能であるpH範囲内の安定性の改善をもたらすことを意味する。
【表14】
【0191】
原薬の安定性
方法論:約100mgのAPI(ロット009MSB058)を、40℃及び60℃の各々で、クローズドタイプIガラスバイアル中に貯蔵した。試料を、T0、ならびに1週間、2週間、及び4週間の貯蔵後に、外観及び純度パーセントについて分析した。
【0192】
結果:表15に示されるように、APIは60℃でも4週間非常に安定していた。目視では、劣化(すなわち、変色など)の兆候はなかった。
【表15】
【0193】
単純なプロトタイプの安定性
実験を行って、単純な製剤プロトタイプにおけるAPIの安定性を決定した。活性剤(N-(4,6-ビス-n-プロピルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-O,N-ジメチル-ヒドロキシルアミン)(式(I)を有する化合物とも称される)H2SO4を有する化合物35mg/mLに対応する遊離塩基として25mg/mLのAPIの濃度を有する溶液を調製した。
【0194】
方法論:表16に示されるように、単純な緩衝溶液、共溶媒系、及び非水溶液を含む合計9個のプロトタイプを調製した。
【表16】
【0195】
プロトタイプ6、7、及び8は、調製中に著しい沈殿をもたらしたため、それ以上評価されなかった。残りのプロトタイプを2~8℃、室温、40℃、及び60℃で血清バイアル中に貯蔵した。2~8℃及び室温で貯蔵した試料を、選択した時点で分析した。
【0196】
結果:データを表17~表22に提供する。水性緩衝製剤(プロトタイプ#1)は、室温及び冷蔵下で安定していることが見出されたが、加速条件下でいくらかの劣化を観察した。1つまたは2つの雪片状の粒子として説明される非常に少量の沈殿物が、60℃で2週間後、及び40℃で8週間後に観察された。60℃で貯蔵中のこの沈殿物の出現は、一次不純物ピークの実際の減少と一致しているため、分解物が不溶性である可能性が調査されている。
【0197】
プロトタイプ#2は、pH調整なしで、50%PEG/50%水中で不安定であった。不安定性は、おそらくこの製剤の低いpHに起因していた。薬物は、同じ50%のPEG塩基を有するが、見かけのpHを約4.5にするのに十分な水酸化ナトリウムも含むプロトタイプ#3においてはるかにより安定であることが見出された。同様に、見かけのpHを約5.3にするために、酢酸アンモニウム緩衝液を含むプロトタイプ#9、70%プロピレングリコール/30%水において良好な安定性が見られた。PEGまたはプロピレングリコール中の塩の単純な溶液においても、おそらく反応物としての水の不在に起因して、良好な安定性が見られた。
【表17】
【表18】
【表19】
【表20】
【表21】
【表22】
【0198】
狭い範囲のpH安定性研究から、研究された範囲の上部であっても、pHが増加するにつれて安定性が実質的に改善されることが明らかである。pHの上限は、薬物の溶解度によって定義されるため、溶解する必要がある薬物の濃度の減少は、生成物がより高いpHで製剤化されることを可能にし、これは、生成物の安定性を改善する。具体的には、濃度を半減させることで、製剤のpHを約0.3単位増加させることができ、表6でわかるように、0.3単位のpH増加は、製剤の安定性を実質的に改善する。この考慮事項に基づき、製剤中の(N-(4,6-ビス--n-プロピルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-O,N-ジメチル-ヒドロキシルアミン)濃度を25mg/mLから10mg/mLに低減させ、標的pHを3.0から3.2に増加させることを決定した。緩衝液濃度は、50mMから20mMに比例して減少した。最終製剤を表23に提供する。
【表23】
【0199】
製剤研究
物質誘発性呼吸抑制の治療として、筋肉内(IM)投与のための式(I)(N-(4,6-ビス-n-プロピルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-O,N-ジメチル-ヒドロキシルアミン)を有する化合物を製剤化するための研究を行った。
【0200】
研究は、ミニブタでの生物学的同等性(BE)試験の実施から構成された。式(I)(N-(4,6-ビス-n-プロピルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-O,N-ジメチル-ヒドロキシルアミン)を有する化合物の2つの製剤を、以下のように研究で試験した。
製剤1:50/50プロピレングリコール/酢酸塩緩衝液中20mg/mL、pH約4.8
製剤2:25/15/10/50プロピレングリコール/Kolliphor HS15/エタノール/酢酸緩衝液、pH約4.6中20mg/mL
【0201】
IV投与に関して、ミニブタ(n=3)は、頸静脈でVAP(血管アクセスポート)を介して、式(I)(N-(4,6-ビス-n-プロピルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-O,N-ジメチル-ヒドロキシルアミン)を有する化合物の単回IVボーラス(1~2分)投与を受けた。IM投与に関して、ミニブタ(n=3)は、外側頸部筋肉(耳の後ろ)を介して、式(I)(N-(4,6-ビス-n-プロピルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-O,N-ジメチル-ヒドロキシルアミン)を有する化合物の単回IM投与を受けた。動物は投与日の正午前に投与された。経路は、IV及びIM投与からの式(I)(N-(4,6-ビス-n-プロピルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-O,N-ジメチル-ヒドロキシルアミン)を有する化合物の薬物動態の決定を可能にした。
【0202】
製剤1及び2の両方の安定性データを以下の表24に表す。12週間の安定性結果は、IM製剤が室温(25℃/60%RH)及び加速条件(40℃/75%RH)で安定であったことを示した。
【表24】
【0203】
ミニブタにおける三相薬物動態(PK)研究
雄ゴッティンゲンミニブタ(n=3)でPK研究を実施し、表25に概説される投与スキームを使用して、単回IV及びその後のIM用量で投与した。用量イベントの間に最低3日のウォッシュアウト期間があった。
【表25】
【0204】
IV用量群1の平均用量は、4.79+/-0.012mg/kgであった。IM用量群2の平均用量は、4.82+/-0.036mg/kgであった。IM用量群3の平均用量は、4.79+/-0.033mg/kgであった。全ての群を通した公称用量は4.8mg/kgであった。これらの用量は、用量製剤中の式(I)(N-(4,6-ビス-n-プロピルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-O,N-ジメチル-ヒドロキシルアミン)を有する化合物の公称濃度(純度、水分、及び塩分含有量を補正した)に基づいた。
【0205】
IV投与に関して、ミニブタ(n=3)は、頸静脈内の血管アクセスポート(VAP)を介して、式(I)(N-(4,6-ビス-n-プロピルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-O,N-ジメチル-ヒドロキシルアミン)を有する化合物の単回IVボーラス(1~2分)投与を受けた。IM投与に関して、ミニブタ(n=3)は、外側頸部筋肉(耳の後ろ)を介して各IM製剤の単回IM投与を受けた。各用量イベントについて、血液試料を8つの時点で収集した:投与後0.083、0.167、0.25、0.5、1、2、4、及び24時間。一般的な観察は、任意の治療関連の効果/毒性及び/または忍容性について1日2回実施した。表26は、式(I)(N-(4,6-ビス-n-プロピルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-O,N-ジメチル-ヒドロキシルアミン)を有する化合物の血漿濃度記述統計を含む。表27は、式(I)(N-(4,6-ビス-n-プロピルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-O,N-ジメチル-ヒドロキシルアミン)を有する化合物の血漿濃度薬物動態パラメータを示す。
【表26】
【表27】
【0206】
図3は、24時間までの時間に対する平均血漿濃度のプロットを表し、
図4は4時間までの時間に対する平均血漿濃度のプロットを表す。このPKデータを解釈するとき、ミニブタにおける生物学的同等性試験のために選択された4.8mg/kgの用量は保存的であり、例えば、以前の研究では、試験された最高用量は30mg/kgであったことに留意されたい。
【0207】
血漿濃度データ及び薬物動態パラメータ
式(I)(N-(4,6-ビス-n-プロピルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-O,N-ジメチル-ヒドロキシルアミン)を有する化合物の血漿濃度記述統計を表28に表す。
【表28】
【0208】
用量イベント1、2、及び3の薬物動態パラメータを表29に提示する。IV投与後、Tmaxは、群1で0.083時間であった。IM投与後、Tmaxは、群2(pH4.8の50/50プロピレングリコール/酢酸塩緩衝液)で0.5時間及び群3(pH4.6の25/15/10/50プロピレングリコール/Kolliphor HS15/エタノール/酢酸塩緩衝液)で1時間であった。T1/2値は、IV群1では3.0時間であり、IM群2及び3では3.2時間及び2.7時間であった。
【0209】
IV投与の場合、C
maxは2820ng/mLであり、AUC
lastは2313時間*ng/mLであった。IM投与の場合、C
maxは、群2では466ng/mLであり、AUC
lastは2617時間*ng/mLであり、C
maxは、群3では601ng/mLであり、AUC
lastは2711時間*ng/mLであった。各用量レベルについて、C
maxは、IM投与よりもIV投与で高かったが、AUC
lastは、IV投与よりもIM投与で高かった。
【表29】
【0210】
式(I)(N-(4,6-ビス-n-プロピルアミノ-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-O,N-ジメチル-ヒドロキシルアミン)を有する化合物のIV及びIMバイオアベイラビリティを表30に提示する。IV投与からのバイオアベイラビリティは、群2では100%及び113.1%、ならびに群3では117.2%と計算した。
【表30】
【0211】
ミニブタ研究からの結果の論評は、CmaxがミニブタにおけるIV注入に関する以前のデータと同様であるため、Cmax及び曲線下面積血漿曝露(AUC)によって示されるように、両方のIM製剤が急速な吸収をもたらしたことを示した。IV製剤単回注射により、より高いCmax及びCmaxまでのより短い時間(Tmax)がもたらされた。結果から、IM製剤2は、IM製剤1よりも高いCmax(601対466ng/mL)をもたらし、IM製剤1は、製剤2よりも短いTmax(0.5対1時間)をもたらした。本薬物動態研究から、IM製剤1は、溶解度が高く、Tmaxがより短い単純製剤であるが、IM製剤2は、ラット及びミニブタの両方においてより高い吸収を有すると考えられる。
【0212】
説明を簡潔にするために、本開示の方法の実施形態は、一連の行為として描写され、説明される。しかしながら、本開示に従った行為は、様々な順序で及び/または同時に、ならびに本明細書に提示も記載もされていない他の行為とともに行うことができる。更に、開示の主題に従って方法を実装するために、全ての例示される行為が必要とされるわけではない。加えて、当業者であれば、本方法が、状態図または事象を介して一連の相互に関連する状態としてあるいは表され得ることを理解、認識する。
【0213】
上記の説明では、本発明の完全な理解を提供するために、特定の材料、寸法、プロセスパラメータなどの多くの具体的な詳細が述べられている。特定の特徴、構造、材料、または特性は、1つまたは複数の実施形態において任意の好適方法で組み合わせられ得る。「例」または「例示的な」という単語は、本明細書では、例(example)、実例(instance)、または実例(illustration)として役立つことを意味するために使用される。本明細書に「例」または「例示的」として説明されるいかなる態様または設計も、必ずしも、他の態様または設計よりも好ましいまたは有利と解釈されるべきではない。むしろ、「例」または「例示的な」という語の使用は、具体的な様式で本概念を示すことを意図している。本出願で使用される場合、「または」は、排他的な「または」ではなく包含的な「または」を意味することが意図される。すなわち、別様に指定されない限り、または文脈から明らかでない限り、「XはAまたはBを含む」とは、あらゆる自然な包括的置換を意味することが意図される。すなわち、XがAを含む場合、XがBを含む場合、またはXがAとBの両方を含む場合には、「XはAまたはBを含む」は、あらゆる上記の実例の下で満たされる。「一実施形態(an embodiment)」、「ある特定の実施形態(certain embodiments)」、または「一実施形態(one embodiment)」に対する本明細書全体での言及は、その実施形態と関係して記載される特定の機能、構造、または特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体の様々な箇所で出現するフレーズ「一実施形態」、「ある特定の実施形態」、または「一実施形態」は、必ずしも全て同じ実施形態を言及しているわけではない。
【0214】
本発明を、その特定の例示的な実施形態を参照して説明された。したがって、明細書及び図面は、限定する意味ではなくて例示的なものとみなされる。本明細書に示され記載されたものに加えて、本発明の様々な改変形態が、当業者にとって明らかとなり、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図される。
【国際調査報告】