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特表2025-501177送達システム用の構成要素、ならびに送達システム用の構成要素を製造するための方法および装置
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  • 特表-送達システム用の構成要素、ならびに送達システム用の構成要素を製造するための方法および装置 図1
  • 特表-送達システム用の構成要素、ならびに送達システム用の構成要素を製造するための方法および装置 図1B
  • 特表-送達システム用の構成要素、ならびに送達システム用の構成要素を製造するための方法および装置 図2
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  • 特表-送達システム用の構成要素、ならびに送達システム用の構成要素を製造するための方法および装置 図8
  • 特表-送達システム用の構成要素、ならびに送達システム用の構成要素を製造するための方法および装置 図9A-9B
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-17
(54)【発明の名称】送達システム用の構成要素、ならびに送達システム用の構成要素を製造するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   A24D 3/04 20060101AFI20250109BHJP
   A24D 3/02 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
A24D3/04
A24D3/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024539269
(86)(22)【出願日】2022-12-29
(85)【翻訳文提出日】2024-08-01
(86)【国際出願番号】 EP2022088046
(87)【国際公開番号】W WO2023126502
(87)【国際公開日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】2119092.1
(32)【優先日】2021-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ヘップワース, リチャード
(72)【発明者】
【氏名】グリシェンコ, アンドレイ
【テーマコード(参考)】
4B045
【Fターム(参考)】
4B045BA02
4B045BB03
4B045BC07
4B045BC23
4B045BC36
4B045BD04
4B045BD06
(57)【要約】
セルロース系材料のクリンプ加工されたシート(14)を含む本体(4)を含む、エアロゾル供給システムにおいて、またはエアロゾル供給システムとして使用するための物品(1)のための構成要素(2)が提供される。セルロース系材料のクリンプ加工されたシート(14)は、第1のレベルのクリンプ加工を有する第1の領域と、第1の領域から長手方向にオフセットされ、第1のレベルのクリンプ加工とは異なる第2のレベルのクリンプ加工を含む第2の領域とを含む。構成要素(2)を含む物品(110)、構成要素(2)を製造するための方法、および構成要素(2)を製造するように構成された装置も記載される。
【選択図】 図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル供給システムにおいて、またはエアロゾル供給システムとして使用するための物品のための構成要素であって、セルロース系材料のクリンプ加工されたシートを含む本体を備え、前記クリンプ加工されたシートが、第1のレベルのクリンプ加工を有する第1の領域と、前記第1の領域から長手方向にオフセットされ、前記第1のレベルのクリンプ加工とは異なる第2のレベルのクリンプ加工を含む第2の領域とを含む、構成要素。
【請求項2】
前記第1の領域および/または前記第2の領域が、3mm~30mmの長さである、請求項1に記載の構成要素。
【請求項3】
前記クリンプ加工のレベルが、前記クリンプ加工の深さおよび/または間隔に基づいて異なる、請求項1または2に記載の構成要素。
【請求項4】
前記クリンプ加工のレベルが、前記クリンプ加工が適用される圧力および/または温度に基づいて異なる、請求項1~3のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項5】
前記クリンプ加工のレベルが、前記第1の領域でより大きく、前記第1の領域が、前記構成要素の長手方向端部にある、請求項1~4のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項6】
少なくとも1つの物体が、前記第1の領域または前記第2の領域のうちの一方に埋め込まれており、前記第1の領域または前記第2の領域のうちの前記一方を形成する前記シート材料に適用されるクリンプ加工係数が、前記第1の領域または前記第2の領域のうちの他方を形成する前記シート材料に適用されるクリンプ加工係数よりも低い、請求項1~4のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項7】
前記少なくとも1つの物体が、管状要素および/またはエアロゾル改質剤放出構成要素である、請求項6に記載の構成要素。
【請求項8】
物体が、前記第1の領域に埋め込まれている、請求項1~4のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項9】
前記物体が、管状要素またはエアロゾル改質剤を含む、請求項8に記載の構成要素。
【請求項10】
前記物体が、管状要素を含み、前記管状要素が、前記構成要素の長手方向端部まで延在する、請求項9に記載の構成要素。
【請求項11】
第2の物体が、前記第1の領域または前記第2の領域に埋め込まれている、請求項8~10のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項12】
前記第2の物体が、管状要素またはエアロゾル改質剤放出構成要素を含む、請求項11に記載の構成要素。
【請求項13】
前記構成要素が、単一の物品のマウスピースを形成する、請求項1~12のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項14】
前記セルロース系材料が、紙であり、任意選択的に、前記紙が、木材パルプから形成される、請求項1~13のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項15】
前記第1の物体および前記第2の物体が、0.5mm~30mm、または1mm~20mm、または1mm~15mmの間隙によって分離されている、請求項11に記載の構成要素。
【請求項16】
前記本体が、前記間隙内に延在する、請求項15に記載の構成要素。
【請求項17】
前記物体が、前記構成要素の長手方向端部から少なくとも5mm、または少なくとも8mm、または少なくとも10mmだけ離間している、請求項7~9のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項18】
前記セルロース系材料の管状本体が、寄せ集められたシート材料を含み、前記寄せ集められたシート材料が、切り欠き部分を含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項19】
エアロゾル供給システムにおいて、またはエアロゾル供給システムとして使用するための物品であって、請求項1~18のいずれか一項に記載の構成要素を備える、物品。
【請求項20】
エアロゾル供給システムにおいて使用するための物品のための構成要素を製造する方法であって、
シート材料の供給物を準備するステップと、
前記シート材料の第1の部分にクリンプパターンを適用するステップであって、前記クリンプパターンが、一連の実質的に平行な隆起部および溝を含み、第1のクリンプ係数によってスケーリングされる、適用するステップと、
前記シート材料の第2の部分にクリンプパターンを適用するステップであって、前記クリンプパターンが、第2のクリンプ係数によってスケーリングされ、前記第1のクリンプ係数および前記第2のクリンプ係数が、熱、圧力、間隔または深さのうちの1つから選択される、適用するステップと、
前記シート材料を寄せ集めて、第1のレベルのクリンプ加工を有する第1の領域と、前記第1の領域から長手方向にオフセットされ、前記第1のレベルのクリンプ加工とは異なる第2のレベルのクリンプ加工を含む第2の領域とを含む材料本体を形成するステップと、
を含む、方法。
【請求項21】
請求項1~18のいずれか一項に記載の構成要素を製造するように構成された装置であって、
クリンプパターンをシート材料に適用するためのクリンプローラであって、前記クリンプパターンが、一連の実質的に平行な隆起部および溝を含む、クリンプローラと、
前記シート材料を寄せ集めて、第1のレベルのクリンプ加工を有する第1の領域と、前記第1の領域から長手方向にオフセットされ、前記第1のレベルのクリンプ加工とは異なる第2のレベルのクリンプ加工を含む第2の領域とを含む材料本体を形成するためのガニチャーアセンブリと、
を備える、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアロゾル供給システムにおいて、またはエアロゾル供給システムとして使用するための構成要素に関する。本開示はまた、エアロゾル供給システムにおいて、またはエアロゾル供給システムとして使用するための物品、ならびにエアロゾル供給システム用の構成要素を製造するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特定のタバコ産業製品は、使用中にエアロゾルを生成し、これがユーザによって吸入される。例えば、タバコ加熱デバイスは、タバコなどのエアロゾル生成物質を加熱して、基材を燃やすのではなく加熱することによって、エアロゾルを形成する。そのようなタバコ産業製品は、一般に、エアロゾルが通過してユーザの口に到達するマウスピースを含む。
【発明の概要】
【0003】
本明細書に記載の実施形態によれば、第1の態様では、エアロゾル供給システムにおいて、またはエアロゾル供給システムとして使用するための物品のための構成要素であって、セルロース系材料のクリンプ加工されたシートを含む本体を備え、クリンプ加工されたシートは、第1のレベルのクリンプ加工を有する第1の領域と、第1の領域から長手方向にオフセットされ、第1のレベルのクリンプ加工とは異なる第2のレベルのクリンプ加工を含む第2の領域とを含む、構成要素が提供される。
【0004】
本明細書に記載の実施形態によれば、第2の態様では、エアロゾル供給システムにおいて、またはエアロゾル供給システムとして使用するための物品であって、第1の態様による構成要素を備える、物品が提供される。
【0005】
本明細書に記載の実施形態によれば、第3の態様では、エアロゾル供給システムにおいて使用するための物品のための構成要素を製造する方法であって、シート材料の供給物を準備するステップと、前記シート材料の第1の部分にクリンプパターンを適用するステップであって、クリンプパターンが、一連の実質的に平行な隆起部および溝を含み、第1のクリンプ係数によってスケーリングされる、適用するステップと、前記シート材料の第2の部分にクリンプパターンを適用するステップであって、クリンプパターンが、第2のクリンプ係数によってスケーリングされ、第1のクリンプ係数および第2のクリンプ係数が、熱、圧力、間隔または深さのうちの1つから選択される、適用するステップと、前記シート材料を寄せ集めて、第1のレベルのクリンプ加工を有する第1の領域と、第1の領域から長手方向にオフセットされ、第1のレベルのクリンプ加工とは異なる第2のレベルのクリンプ加工を含む第2の領域とを含む材料本体を形成するステップと、を含む、方法が提供される。
【0006】
本明細書に記載の実施形態によれば、第4の態様では、第1の態様による構成要素を製造するように構成された装置であって、クリンプパターンをシート材料に適用するためのクリンプローラであって、クリンプパターンが、一連の実質的に平行な隆起部および溝を含む、クリンプローラと、前記シート材料を寄せ集めて、第1のレベルのクリンプ加工を有する第1の領域と、第1の領域から長手方向にオフセットされ、第1のレベルのクリンプ加工とは異なる第2のレベルのクリンプ加工を含む第2の領域とを含む材料本体を形成するためのガニチャーアセンブリと、を備える、装置が提供される。
【0007】
ここで、添付の図面を参照して、本発明の実施形態を専ら非限定的な例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】マウスピースを含む、非燃焼式エアロゾル供給デバイスとしてまたはそれとともに使用するための物品の側面断面図である。
図1B図1の物品の第1の材料本体を形成するシート材料の側面図である。
図2】非燃焼式エアロゾル供給デバイスとしてまたはそれとともに使用するための物品の別の実施形態の側面断面図である。
図3】非燃焼式エアロゾル供給デバイスとしてまたはそれとともに使用するための物品の別の実施形態の側面断面図である。
図4】非燃焼式エアロゾル供給デバイスとしてまたはそれとともに使用するための物品の別の実施形態の側面断面図である。
図5図1図4の物品のエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するための非燃焼式エアロゾル供給デバイスの斜視図である。
図6】外側カバーが取り外され、物品が存在しない図5のデバイスを示す図である。
図7】部分断面における図6のデバイスの側面図である。
図8】外側カバーを省略した、図7のデバイスの分解図である。
図9A図6のデバイスの一部の断面図である。
図9B図9Aのデバイスのある領域の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[詳細な説明]
本明細書に記載の図では、同等の特徴、物品または構成要素を示すために同様の参照番号が使用されている。
【0010】
図1は、非燃焼式エアロゾル供給システムとともに使用するための物品1の側面断面図である。
【0011】
物品1は、マウスピース2と、マウスピース2に接続されたエアロゾル生成材料3、この場合はタバコ材料の円筒形ロッドとを備える。エアロゾル生成材料3は、例えば本明細書に記載のような非燃焼式エアロゾル供給デバイス、例えばシステムを形成するコイルを備える非燃焼式エアロゾル供給デバイス内で加熱されると、エアロゾルを提供する。他の実施形態では、物品1は、別個のエアロゾル供給デバイスを必要とせずにエアロゾル供給システムを形成する、それ自体の熱源を含むことができる。
【0012】
物品1のマウスピース2は、エアロゾル生成材料3に隣接する上流端部2aと、エアロゾル生成材料3から遠位の下流端部2bとを備える。
【0013】
本明細書ではエアロゾル生成基材3とも呼ばれるエアロゾル生成材料3は、少なくとも1つのエアロゾル形成材料を含む。本例では、エアロゾル形成材料は、グリセロールである。代替的な例では、エアロゾル形成材料は、本明細書に記載のような別の材料またはそれらの組合せであり得る。エアロゾル形成材料は、香料化合物などの化合物をエアロゾル生成材料から消費者に伝達するのを助けることによって、物品の感覚性能を改善することが分かっている。しかしながら、非燃焼式エアロゾル供給システムで使用するために物品内のエアロゾル生成材料にそのようなエアロゾル形成材料を添加することに伴う問題は、エアロゾル形成材料が加熱時にエアロゾル化されると、物品によって送達されるエアロゾルの質量を増加させる可能性があり、この増加した質量は、マウスピースを通過するにつれてより高い温度を維持する可能性があることであり得る。エアロゾルは、マウスピースを通過するにつれて、マウスピースに熱を伝達し、これは、使用中に消費者の唇と接触するエリアを含むマウスピースの外側表面を温める。マウスピース温度は、消費者が喫煙時に慣れている可能性がある、例えば従来のシガレットよりも著しく高くなる可能性があり、これは、そのようなエアロゾル形成材料の使用によって引き起こされる望ましくない影響であり得る。
【0014】
本例では、マウスピースは、第1の材料本体4を含む。第1の材料本体4には、中空管状要素8およびカプセル15が埋め込まれている。中空管状要素8およびカプセル14はそれぞれ、材料本体4に埋め込まれており、本体4を形成する材料によって円周方向に囲まれている。第1の材料本体は、第1のプラグラップ7に包まれている。
【0015】
本実施形態では、本体4は、フィルタである。しかしながら、他の実施形態では、本体4は、物品1の吸入剤を実質的に濾過することなく、単に埋め込まれた物体のためのキャリアまたは支持体として作用するように提供されてもよいことを認識されたい。
【0016】
第1の材料本体4は、繊維材料から形成される。本例では、第1の材料本体4は、シート材料14から形成されている。シート材料14は、材料本体4を形成するために折り畳まれてもよい。材料本体4は、シート材料14の連続ウェブから形成されてもよい。本例では、シート材料14は、「クレープフィルタ」と同様に材料本体4を形成するように寄せ集められている。中空管状要素8およびカプセル15は、第1の材料本体4を形成するために、寄せ集められたシート材料14に埋め込まれて円周方向に取り囲まれている。
【0017】
本例では、中空管状要素8は、材料本体4の長手方向端部に位置決めされており、本体の前記長手方向端部まで延在する。カプセル15は、中空管状要素8の下流に位置決めされており、材料本体4は、カプセル14が第1の材料本体4によって円周方向および長手方向の両方に取り囲まれるように、カプセル14の位置を越えて延在する。好適には、そのような構成は、エアロゾル冷却用の空洞とエアロゾル改質剤放出構成要素の両方を含む単一の構成要素を提供することが可能であるため、単純化された製造プロセスをもたらすことができる。
【0018】
本例では、中空管状要素8は、マウスピース内に、冷却セグメントとして作用する空隙を画定する。空隙は、エアロゾル生成材料3によって生成された加熱された揮発成分が流れるチャンバを提供する。中空管状要素8は、エアロゾル蓄積のためのチャンバを提供するために中空であるが、製造中および物品1の使用中に生じ得る軸方向の圧縮力および曲げモーメントに耐えるのに十分に剛性である。中空管状要素8は、エアロゾル生成材料3とマウスピース2の下流部分との間の物理的変位を提供する。中空管状要素8によって提供される物理的変位は、第1の材料本体4の長さにわたって熱勾配を提供する。
【0019】
好ましくは、中空管状要素8の内部容積は、130mmより大きい。少なくともこの容積の空洞を提供することにより、改善されたエアロゾルの形成が可能になることが分かっている。そのような空洞サイズは、加熱された揮発成分が冷却するのを可能にするためにマウスピース2内に十分な空間を提供し、したがって、エアロゾル生成材料3が過度に温かいエアロゾルをもたらす可能性があるため、その他の場合に可能であるよりも高い温度にエアロゾル生成材料3を曝露することを可能にする。より好ましくは、マウスピース2は、120mmより大きい、さらにより好ましくは150mmより大きい内部容積を有する空洞を備え、エアロゾルのさらなる改善を可能にする。いくつかの例では、内部空洞は、約110mm~約600mm、好ましくは約120mm~約500mmの容積を含む。本例では、管状要素8によって形成される内部空洞は、約250mmの容積を有する。代替的には、単一の管状要素が冷却セグメントを提供するように配置される場合、その管状要素は、好ましくは上述のような内部容積を有する。
【0020】
空洞は、空洞の第1の上流端部に入る加熱された揮発成分と、空洞の第2の下流端部から出る加熱された揮発成分との間に少なくとも摂氏40度の温度差を提供するように構成することができる。空洞は、好ましくは、空洞の第1の上流端部に入る加熱された揮発成分と、空洞の第2の下流端部から出る加熱された揮発成分との間に少なくとも摂氏60度、好ましくは少なくとも摂氏80度、より好ましくは少なくとも摂氏100度の温度差を提供するように構成されている。空洞の長さにわたるこの温度差は、加熱されたときのエアロゾル生成材料3の高温から、空洞の下流のマウスピースの感温要素を保護することができる。
【0021】
好ましくは、中空管状要素8の長さは、約50mm未満である。より好ましくは、中空管状要素8の長さは、約40mm未満である。さらにより好ましくは、中空管状要素8の長さは、約35mm未満である。加えて、または代替として、中空管状要素8の長さは、好ましくは少なくとも約10mmである。好ましくは、中空管状要素8の長さは、少なくとも約15mmである。
【0022】
いくつかの好ましい実施形態では、中空管状要素8の長さは、約15mm~約35mm、より好ましくは約16mm~約30mm、またさらにより好ましくは約18~約25mm、最も好ましくは約23mmである。本例では、中空管状要素8の長さは、23mmである。
【0023】
本例では、中空管状要素8は、中空管を形成するために、継ぎ目を突き合わせて平行に巻かれた複数の紙層から形成されている。本例では、第1および第2の紙層は、2プライ管で提供されているが、他の例では、3、4またはそれ以上の紙層を使用して、3、4またはそれ以上のプライ管を形成することができる。紙の螺旋状に巻かれた層、厚紙管、張り子式プロセスを使用して形成された管、成形または押出プラスチック管などといった他の構成を使用することができる。
【0024】
いくつかの実施形態では、中空管状要素8は、好ましくは、少なくとも約50μm~最大約1mm、好ましくは50μm~500μm、より好ましくは60μm~130μmの壁厚を有する。本例では、中空管状要素8の壁厚は、約130μmである。管状要素の「壁厚」は、管状要素が埋め込まれる周囲材料を含まず、半径方向における管状要素の壁の厚さに対応する。これは、例えばキャリパを用いて測定することができる。
【0025】
いくつかの実施形態では、中空管状要素8の壁の厚さは、少なくとも50ミクロン、好ましくは少なくとも75、80、85、90、95、100、または105ミクロンである。いくつかの実施形態では、管状要素の壁の厚さは、少なくとも100または110ミクロンである。
【0026】
いくつかの実施形態では、中空管状要素8の壁の厚さは、1000ミクロン未満、好ましくは500ミクロン未満である。
【0027】
いくつかの例では、中空管状要素8の壁は、40gsm~100gsmの範囲の坪量を有する紙から形成される。例えば、60gsm~80gsmの坪量を有する紙。
【0028】
中空管状要素8と周囲の材料本体4とを組み合わせた厚さは、材料本体4に埋め込まれた中空管状要素8によって形成された管状部分が、より高い熱質量を有することを意味し、これは、管状部分を通過するエアロゾルの温度を低下させ、管状部分の下流の位置におけるマウスピースの表面温度を低下させるのに役立つことが分かっている。これは、管状部分のより高い熱質量が、壁厚が薄い管状部分に比べて、管状部分がエアロゾルからより多くの熱を吸収することを可能にするためであると考えられる。管状部分の増加した厚さはまた、エアロゾルからの熱が材料本体の外側部分などのマウスピースの外側部分に伝達されることが少なくなるように、マウスピース内の中央にエアロゾルを導く。
【0029】
いくつかの実施形態では、中空管状要素8の壁の材料の通気度は、少なくとも100コレスタ単位、好ましくは少なくとも200、500または1000コレスタ単位である。
【0030】
中空管状要素8の比較的高い通気度は、エアロゾルから管状部分に伝達される熱の量を増加させ、したがってエアロゾルの温度を低下させることが分かっている。中空管状要素8の通気度はまた、エアロゾルから管状部分に伝達される水分の量を増加させることが分かっており、これは、ユーザの口の中のエアロゾルの感触を改善することが分かっている。中空管状要素8の高い通気度はまた、管状部分を取り囲む材料本体4の部分に入る通気が、外側プラグラップ(複数可)およびチッピング紙、材料本体4、および管状部分を形成する管状要素の全てを通して通気孔を切る必要なく、中空管状要素8の壁を通過してエアロゾル流に入ることができ、それによって製造の複雑さを低減することを意味する。
【0031】
いくつかの実施形態では、中空管状要素8の壁の材料の通気度は、前記材料に形成された穿孔によって提供される。いくつかの例では、材料は、非多孔質紙であり、通気度は、材料に形成された穿孔によって提供される。他の例では、材料は、多孔質紙であり、穿孔を含んでも含まなくてもよい。穿孔が設けられる場合、穿孔は、例えば、中空管状要素の壁を通って延在する1つまたは複数の穿孔ラインとして設けられてもよい。穿孔は、中空管状要素の壁を通る穿孔のバンドまたはリングとして設けられてもよい。この場合、穿孔は、中空管状要素の上流端部に向かって、例えば、中空管状要素の上流端部から約8mm~約2mm、または約5mm~約2mmの位置に設けることができる。
【0032】
いくつかの例では、シート材料14には、材料本体4の密度を低下させるために、切り欠き部分、例えば打ち抜かれた領域が設けられてもよい。いくつかの例では、切り欠き部分は、中空管状要素8を取り囲む材料本体4の部分を形成するシート材料の部分に設けられてもよい。好適には、本体のこの部分を形成するシート材料14に切り欠き部分を設けることによって、中空管状要素8内に通気を提供するために穿孔される材料の量を減らすことができる。
【0033】
カプセル15は、破壊可能なカプセル、例えば、液体ペイロードを取り囲む固体の脆弱なシェルを有するカプセルを含むことができる。本例では、単一のカプセル15が使用される。カプセル15は、材料本体4内に完全に埋め込まれる。言い換えると、カプセル15は、本体4を形成する材料によって完全に取り囲まれている。他の例では、複数の破壊可能なカプセル、例えば2、3またはそれ以上の破壊可能なカプセルを材料本体4内に配置することができる。材料本体4の長さは、必要なカプセルの数に対応するように増加させることができる。複数のカプセルが使用される例では、個々のカプセルは、互いに同じであってもよく、またはサイズおよび/もしくはカプセルペイロードに関して互いに異なっていてもよい。
【0034】
カプセル15は、コアシェル構造を有する。言い換えると、カプセル15は、液体剤、例えば、本明細書に記載の香味料またはエアロゾル改質剤のいずれかであり得る香味料または他の作用物質を封入するシェルを含む。カプセルのシェルは、香味料または他の作用物質を材料本体4に放出するために、ユーザによって破断され得る。第1のプラグラップ7は、プラグラップの材料をカプセル15の液体ペイロードに対して実質的に不透過性にするためのバリアコーティングを含むことができる。
【0035】
本例では、カプセル15は、球状であり、直径が約3mmである。他の例では、カプセルの他の形状およびサイズを使用することができる。例えば、カプセルは、4mm未満、または3.5mm未満、または3.25mm未満の直径を有することができる。代替的な実施形態では、カプセルは、約3.25mmを超える、例えば3.5mmを超える、または4mmを超える直径を有してもよい。カプセル15の総重量は、約10mg~約50mgの範囲であってもよい。
【0036】
本例では、カプセル15は、中空管状要素8の下流の位置で材料本体4内に位置付けられている。本例では、カプセル15は、その中心が中空管状要素8の近位端部から5mmであるように位置決めされている。代替的には、カプセルは、中空管状要素8およびカプセル15が1mm~30mm、または1.5mm~20mm、または2mm~15mm、または3mm~10mmの間隙によって分離されるように、位置決めされてもよい。本例では、カプセルの中心は、マウスピースの下流端部2bから12mmに位置決めされている。この位置にカプセルを設けることにより、使用中に加熱される物品のエアロゾル生成セクションにカプセルが近接しているために、カプセル内容物の揮発性が改善される一方で、使用中にエアロゾル供給システムに挿入されるエアロゾル生成セクションからも十分に離れており、ユーザがカプセルに容易にアクセスし、自身の指でそれを破裂させることを可能にする。
【0037】
好ましくは、マウスピース2’は、カプセル15および通気孔12がマウスピース2’内で互いから長手方向にオフセットされるように構成されている。
【0038】
材料本体4は、Decoufle(商標)製のCU-20フィルタ製造機を使用して製造することができる。しかしながら、当業者は、第1の材料本体4を製造するために他の機械を使用することができることを認識するであろう。
【0039】
いくつかの実施形態では、シート材料14は、少なくとも60mm、好ましくは少なくとも70、80、90、100、110または120mmの幅を有する。
【0040】
いくつかの実施形態では、シート材料14は、最大でも240mm、好ましくは最大でも230、220、210、200、190、180、170、160または150mmの幅を有する。
【0041】
いくつかの実施形態では、シート材料14は、180mm未満、好ましくは170、160、150、140または130mm未満の幅を有する。
【0042】
いくつかの実施形態では、シート材料14は、60~240mmの範囲、好ましくは80~240mmの範囲、90~200mmの範囲、または100~170mmの範囲の幅を有する。
【0043】
本例では、シート材料14は、セルロースを含む。本例では、シート材料14は、紙である。しかしながら、シート材料14は、追加的または代替的に、異なる材料を含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、シート材料14は、材料本体4を形成するように構成された、シート材料14に形成された再構成タバコを含む。再構成タバコは、セルロースを含む。再構成タバコは、任意選択的に紙再構成タバコであってもよい。他の実施形態では、シート材料14は、異なる材料、例えば、綿;タバコ;リヨセル;ポリビニルアルコール(PVOH)、ポリ乳酸(PLA)、ポリ(ε-カプロラクトン)(PCL)、ポリ(1-4ブタンジオールスクシネート)(PBS)、ポリ(ブチレンアジペート-コ-テレフタレート)(PBAT)、デンプン系材料、脂肪族ポリエステル材料、多糖類ポリマー、および/または織布もしくは不織布材料を含む。シート材料14は、生分解性であってもよい。一実施形態では、シート材料14は、非プラスチックであってもよいし、プラスチックであってもよい。いくつかの実施形態では、シート材料14は、酢酸セルロースを含まない。
【0044】
一実施形態では、シート材料14は、15~80gsmの範囲、好ましくは20~50gsmの範囲の坪量を有する紙を含む。
【0045】
いくつかの実施形態では、シート材料14は、少なくとも15gsm、好ましくは少なくとも20gsm、25gsm、30gsm、35gsm、40gsm、45gsm、50gsm、55gsmまたは60gsmの坪量を有する。
【0046】
いくつかの実施形態では、シート材料14は、100gsm以下、好ましくは90gsm以下、80gsm以下、70gsm以下、60gsm以下、50gsm以下、または40gsm以下、または30gsm以下の坪量を有する。いくつかの実施形態では、シート材料14の坪量は、20gsm以下である。
【0047】
いくつかの実施形態では、シート材料14は、20~100gsmの範囲、好ましくは25~80gsmの範囲または30~65gsmの範囲の坪量を有する。
【0048】
本例では、シート材料14は、材料本体4に構成される前にクリンプ加工される。例えば、シート材料14は、一対のクリンプ加工ローラに通されてもよい。本例では、第1の材料本体4は、一連の実質的に平行な隆起部および溝を含むクリンプパターンを有して形成されたクリンプ加工シート材料14を含む。クリンプ加工は、シート材料14を寄せ集めて材料本体4を形成することをより容易にすることができる。クリンプ加工はまた、特定の体積の材料本体4を形成するために使用することができるシート材料14の長さを増加させることができる。材料本体4内のシート材料14の量を増加させると、材料本体4を通過するエアロゾルと接触するシート材料の表面積が増加し、したがって、シート材料14によってエアロゾルから吸収される水分の量が増加し得る。
【0049】
異なる量のシート材料から材料本体4の異なる部分を形成することが望ましい場合があり、これは、前記部分が形成されるシート材料14に異なるレベルのクリンプ加工を適用することによって達成することができる。例えば、シート材料が、より密に配置され、本体4の長手方向端部分が、長手方向端部から見たときに、消費者にとって従来のフィルタ要素により類似して見え、追加的または代替的に、より高い硬さを有するように、本体4の長手方向端部をより長いシート材料から形成することが望ましい場合がある。したがって、本体の長手方向中央部分よりも、本体の長手方向端部分を形成するシート材料14により多くの量のクリンプ加工を適用することが有利であり得る。同様に、より短い長さのシート材料から本体4の一部を形成することが有利であり得、この場合、シート材料のより低密度に詰められた配置が望まれる。例えば、物体が本体4に埋め込まれる場合、埋め込まれる物体の周りのシート材料14の密度をより低くするために、物体が埋め込まれる本体の長手方向部分を形成するシート材料14により少ないクリンプ加工を適用することが望ましい場合がある。そのような構成は、本体の長手方向部分が不所望に高い圧力降下を有することを好適に防止することができる。
【0050】
シート材料に適用されるクリンプ加工のレベルは、前記シート材料から形成される本体の硬度に寄与することができる。好適には、材料本体の硬度は、それが形成されるシート材料14に適用されるクリンプ係数を変化させることによって、その長さに沿って変化させることができる。例えば、より高いレベルのクリンプ加工を有するシート材料から形成された材料本体の一部は、およそ88%~92%の硬度を有することができる。88%~92%の硬度を有する材料本体の一部は、本体の遠位端部から見たときの本体の外観を改善するとともに、構成要素の長手方向端部分の安定性を改善するために、本体の遠位端部に適切に形成することができる。同様に、本体の他の部分は、より低いレベルのクリンプ加工を有し、少なくとも80%の硬度を有するシート材料から形成され得る。
【0051】
本例では、シート材料14の隣接する隆起部間の平均間隔は、約0.3mmより大きい。加えて、本例では、クリンプ振幅は、約0.7mm未満である。
【0052】
クリンプ振幅(「クリンプ加工係数」としても知られる)は、本体を形成するシート材料14にクリンプ加工が形成する溝の深さを指す。すなわち、図1Bに示すように、シート材料14をクリンプ加工することにより、シート材料14の第1の側から見たときにシート材料14に複数の山および谷が生成され、クリンプ振幅「A」は、それらの山から測定された谷の深さである。クリンプ加工は、「ジグザグ」形態または別の形状を形成することができる。いくつかの例では、クリンプ加工されたシート材料14の隣接する溝は、0.3~2mmの範囲、好ましくは0.4~1mmの範囲の距離だけ離間しているか、またはピッチ「P」を有する。いくつかの実施形態では、クリンプ加工されたシート材料の隣接する溝は、0.1~3mmの範囲、好ましくは0.2~2mmの範囲の距離だけ離間している。いくつかの実施形態では、クリンプ加工されたシート材料10の隣接する溝は、少なくとも0.1mm、好ましくは少なくとも0.2、0.5、0.7、1、1.5、2、2.5または3mmの距離だけ離間している。いくつかの実施形態では、クリンプ加工されたシート材料の隣接する溝は、最大でも3mm、好ましくは最大でも2.5、2、1、1.5、0.7、0.5、0.2または0.1mmの距離だけ離間している。
【0053】
例えば、シート材料14は、500μm未満のクリンプ振幅および少なくとも300μm、少なくとも400μmまたは少なくとも500μmの山(または谷)間の間隔を有するクリンプを有することができる。
【0054】
いくつかの実施形態では、シート材料14は、クリンプ加工されるときに加熱される。例えば、シート材料14は、クリンプ加工ローラの間に通されてもよく、クリンプ加工ローラの一方または両方が加熱される。例えば、ローラの一方または両方は、摂氏100度まで、例えば摂氏50度または摂氏60度の温度に加熱されてもよい。ローラ間を通過するシート材料に加えられる圧力の量はまた、例えばXとYとの間で変化してもよい。ローラ(複数可)を加熱するか、またはシート材料により高いレベルの圧力を加えると、より高いレベルのクリンプ加工をもたらすことができる。
【0055】
好適には、上記のクリンプピッチおよび/または振幅を有するシート材料14、例えば紙は、エアロゾル供給システムの構成要素に使用された場合に改善された性能を示すことが分かっている。特に、これらの比較的低いレベルのクリンプピッチおよび振幅は、驚くべきことに、より高いレベルのクリンプ加工を有するシート材料14から形成された本体または本体の部分と比較して、より低い圧力降下を有する材料本体または材料本体の部分をもたらす。
【0056】
これらの例のいずれにおいても、前記材料本体の平均密度は、約0.1~約0.25mg/mmであり得る。材料本体の密度は、前記本体を物品ならびに周囲のプラグラップおよび/またはチッピング紙から分離し、任意の埋め込まれた物体を取り出すが、シート材料14に添加された任意の添加剤を含めることによって測定することができる。密度は、シート材料14およびシート材料14に添加された任意の添加剤の重量、ならびにシート材料14が占める全体積に基づいて、かさ密度として計算することができる。例えば、プラグラップ7の内側で測定された材料本体4の全体積。
【0057】
本例では、材料本体4の密度は、約0.19mg/mmである。いくつかの実施形態では、本体4は、少なくとも0.1mg/mm3、0.12mg/mm3または0.15mg/mmの密度を有する。代替的にまたは加えて、材料本体4は、約0.3mg/mm未満、約0.25mg/mm未満または約0.22mg/mm未満の密度を有することができる。好適には、材料本体の密度は、約0.15mg/mm~約0.25mg/mmであり得る。上述したように、材料本体4の異なる部分は、その部分を形成するシート材料14に適用されるクリンプ加工および寄せ集めのレベルに応じて、異なる密度を有することができる。これらの値は、材料本体4内に含まれる任意の添加剤を含む。クリンプ加工されて材料本体に形成される前に、シート材料14は、約0.2~0.5mg/mm、例えば約0.25、0.30または0.35mg/mmの密度を有することができる。
【0058】
シート材料14の所与の寸法は、材料本体を形成するためにクリンプ加工または寄せ集められる前のシート材料のサイズを指す。シート材料14の寸法は、目に見えるクリンプが残っていない点までシート材料14を引き伸ばすことによって測定することができる。
【0059】
本例では、管状要素8が埋め込まれる材料本体4の部分を形成するシート材料14にはより低いレベルのクリンプ加工が適用され、本体4の遠位端部を形成するシート材料14にはより高いレベルのクリンプ加工が適用される。
【0060】
いくつかの実施形態では、シート材料14は、少なくとも0.1mm、好ましくは少なくとも0.3mm、0.4mmまたは0.5mmのクリンプ振幅にクリンプ加工される。
【0061】
いくつかの実施形態では、シート材料14は、最大でも1mm、好ましくは最大でも0.8mm、0.6mmまたは0.5mmのクリンプ振幅にクリンプ加工される。
【0062】
いくつかの実施形態では、シート材料14は、本体4の長手方向軸線に略垂直な方向に延在する少なくとも1つのスリットを含む。少なくとも1つのスリットは、シート材料14が本体4に組み立てられると、スリットが、本体内に埋め込まれた物体、例えば中空管状要素8の第1の側(例えば、下流側)でシート材料14を一緒に寄せ集めることを可能にし、それによって、スリットが、埋め込まれた物体を収容する空間の境界を少なくとも部分的に画定する本体4内の内側縁部を形成するように、位置決めされる。例えば、シート材料14は、1つのスリットが中空管状要素8の下流端部に位置決めされ、別のスリットがカプセル15の両側に位置決めされるように、3つのスリットを含むことができる。
【0063】
スリットによって形成された内側縁部は、物体が埋め込まれた空間の第1の端部から移動するのを防止するために、境界を少なくとも部分的にまたは完全に画定するために、シート材料14が埋め込まれた物体の一方の側に一緒に寄せ集められることを可能にする。これにより、本体4内の埋め込まれた物体の位置決めが改善される。加えて、シート材料14が一緒に寄せ集められるため、本体4の長手方向端部から見たときに埋め込まれた物体を隠すのに役立ち、これは、マウスピース2の審美性を改善することができる。好適には、スリットは、埋め込まれた物体の下流または本体4の下流に設けられる別個の構成要素、例えばセルロースアセテートプラグを必要とせずにこれらの利点を達成する。
【0064】
物品1は、物品を通して引き込まれるエアロゾルの約75%の通気レベルを有する。代替的な実施形態では、物品は、物品を通して引き込まれるエアロゾルの20%~80%、例えば65%~75%の通気レベルを有することができる。これらのレベルでの通気は、マウスピース2を通して引き込まれるエアロゾルの流れを減速させるのに役立ち、それによって、エアロゾルがマウスピース2の下流端部2bに到達する前にエアロゾルが十分に冷却することを可能にする。通気は、物品1のマウスピース2内に直接提供される。本例では、通気は、管状部分内に提供され、これは、エアロゾル生成プロセスを支援するのに特に有益であることが分かっている。通気は、マウスピース2の下流の吸い口端部2bからそれぞれ17.925mmおよび18.625mmの位置に、この場合はレーザ穿孔として形成された通気孔12の第1および第2の平行な列を介して提供される。本例では、これらの通気孔12は、チッピング紙5、プラグラップ7および中空管状要素8を貫通している。代替的な実施形態では、通気は、他の位置でマウスピース内に提供されてもよい。
【0065】
代替的には、通気は、単一列の通気孔、例えばレーザ穿孔を介して、管状部分が位置する物品の部分に提供することができる。これは、改善されたエアロゾル形成をもたらすことが分かっており、これは、所与の通気レベルに関して、通気孔を通る空気流が複数列の通気孔の場合よりも均一であることに起因すると考えられる。
【0066】
エアロゾル温度は、概して、通気レベルの低下とともに上昇することが分かっている。しかしながら、エアロゾル温度と通気レベルとの間の関係は線形ではないように見え、例えば製造公差による通気の変動があり、より低い目標通気レベルでは影響が少ない。例えば、±15%の通気許容範囲では、目標通気レベルが75%の場合、エアロゾル温度は、通気下限(60%通気)でおよそ6°Cだけ上昇する可能性がある。しかしながら、60%の目標通気レベルでは、エアロゾル温度は、通気下限(45%通気)でおよそ3.5°Cしか上昇しない可能性がある。したがって、物品の目標通気レベルは、40%~70%、例えば45%~65%の範囲内とすることができる。少なくとも20個の物品の平均通気レベルは、40%~70%、例えば45%~70%または51%~59%であり得る。
【0067】
いくつかの例では、本明細書に記載のエアロゾル生成材料3は、第1のエアロゾル生成材料であり、中空管状要素8は、第2のエアロゾル生成材料を含んでもよい。一例では、管状要素8の内側壁は、第2のエアロゾル生成材料を含む。例えば、第2のエアロゾル生成材料は、中空管状要素8の内側表面に配設することができる。
【0068】
第2のエアロゾル生成材料は、少なくとも1つのエアロゾル形成材料を含み、少なくとも1つのエアロゾル改質剤または他の感知材料も含んでもよい。エアロゾル形成材料および/またはエアロゾル改質剤は、本明細書に記載のような任意のエアロゾル形成材料もしくはエアロゾル改質剤、またはそれらの組合せであり得る。
【0069】
本明細書で第1のエアロゾルと呼ばれるエアロゾル生成材料3から生成されたエアロゾルは、マウスピースの中空管状要素8を通して引き込まれるため、第1のエアロゾルからの熱は、第2のエアロゾル生成材料のエアロゾル形成材料をエアロゾル化して、第2のエアロゾルを形成することができる。第2のエアロゾルは、第1のエアロゾルの香料に追加的または相補的であり得る香味料を含んでもよい。
【0070】
管状要素8上に第2のエアロゾル生成材料を提供することにより、第1のエアロゾルの香料または視覚的外観を増強または補完する第2のエアロゾルを生成することができる。
【0071】
本例では、物品1は、約21mmの外周を有する(すなわち、物品は、デミスリムフォーマットである)。好ましくは、物品1は、19mmよりも大きい周長を有するエアロゾル生成材料のロッドを有する。これは、消費者が好む通常のエアロゾル生成セッションにわたって改善された持続的なエアロゾルを生成するのに十分な周長を提供することが分かっている。物品が加熱されると、エアロゾル生成材料3のロッドを通じて熱が伝達されてロッドの成分が揮発し、19mmよりも大きい周長は、このようにしてエアロゾルを生成するのに特に効果的であることが分かっている。物品がエアロゾルを放出するために加熱されることになるため、約23mm未満の周長を有する物品を使用して改善された加熱効率を達成することができる。加熱によって改善されたエアロゾルを達成するために、適切な製品長さを維持しながら、19mmより大きく23mm未満のロッド円周が好ましい。いくつかの例では、ロッド周長は20mm~22mmであり得、これは、効率的な加熱を可能にしながら効果的なエアロゾル送達を提供する間の良好なバランスを提供することが分かっている。
【0072】
マウスピース2の外周は、エアロゾル生成材料3のロッドの外周と実質的に同じであり、それによって、これらの構成要素間に滑らかな移行が存在する。本例では、マウスピース2の外周は、約20.8mmである。
【0073】
いくつかの例では、チッピング紙5は、クエン酸塩、例えばクエン酸ナトリウムまたはクエン酸カリウムを含む。そのような例では、チッピング紙5は、2重量%以下、または1重量%以下のクエン酸塩含有量を有することができる。チッピング紙5のクエン酸塩含有量の低減は、使用中に起こり得る炭化効果の低減を支援すると考えられる。
【0074】
本例では、チッピング紙5は、エアロゾル生成材料3のロッド上に5mm延在するが、代替的に、マウスピース2とロッド3との間の確実な取り付けを提供するために、ロッド3上に3mm~10mm、またはより好ましくは4mm~6mm延在することができる。チッピング紙5は、物品1で使用されるプラグラップの坪量よりも高い坪量、例えば40gsm~80gsm、より好ましくは50gsm~70gsm、本例では58gsmの坪量を有することができる。坪量のこれらの範囲は、物品1を包み、紙の長手方向の重ね継ぎ目に沿ってそれ自体に接着するのに十分な可撓性を有しながら、許容可能な引張強度を有するチッピング紙をもたらすことが分かっている。チッピング紙5の外周は、マウスピース2に巻き付けられると、約21mmである。
【0075】
いくつかの実施形態では、第1のプラグラップ7は、50gsm未満、より好ましくは約20gsm~40gsmの坪量を有する。しかしながら、マウスピースの硬度を高めるために、第1のプラグラップ7の坪量がより高くてもよいことを認識すべきである。例えば、第1のプラグラップ7の坪量は、少なくとも50、60、70、80、90、または100gsmであってもよい。いくつかの実施形態では、第1のプラグラップ7の坪量は、50~110gsmの範囲内、または60~100gsmの範囲内である。
【0076】
いくつかの実施形態では、第1のプラグラップ7は、坪量または少なくとも20gsmもしくは少なくとも30gsmを有する。
【0077】
いくつかの実施形態では、第1のプラグラップ7は、最大でも120、110または100gsmの坪量を有する。
【0078】
いくつかの実施形態では、第1のプラグラップ7は、20~120gsmの範囲、好ましくは30~100gsmの範囲の坪量を有する。
【0079】
好ましくは、第1のプラグラップ7は、30μm~60μm、より好ましくは35μm~45μmの厚さを有する。しかしながら、マウスピースの硬度を高めるために、第1のプラグラップ7の厚さ重量がより大きくてもよいことを認識すべきである。いくつかの実施形態では、例えば、第1のプラグラップ7の厚さは、少なくとも40、50、60、70、80、90または100ミクロンであってもよい。いくつかの実施形態では、第1のプラグラップ7の厚さは、40~120ミクロンの範囲内、または50~100ミクロンの範囲内である。
【0080】
好ましくは、第1のプラグラップ7は、例えば100コレスタ単位未満、例えば50コレスタ単位未満の通気度を有する非多孔質プラグラップである。しかしながら、他の実施形態では、第1のプラグラップ7は、例えば200コレスタ単位を超える通気度を有する多孔質プラグラップとすることができる。
【0081】
マウスピース、例えばエアロゾル生成材料3の下流の物品1の部分にわたる圧力降下または圧力差(吸引抵抗とも呼ばれる)は、好ましくは約40mmH2O未満である。そのような圧力降下は、香料化合物などの望ましい化合物を含む十分なエアロゾルが、マウスピース2を通過して消費者に到達することを可能にすることが分かっている。より好ましくは、マウスピース2を横切る圧力降下は、約20mmH2O未満である。いくつかの実施形態では、15mmH2O未満、例えば約6mmH2O、約10mmH2Oまたは約14mmH2Oの圧力降下を有するマウスピース2を使用して、特に改善されたエアロゾルが達成された。代替的にまたは追加的に、マウスピースの圧力降下は、少なくとも3mmH2O、好ましくは少なくとも4mmH2O、より好ましくは少なくとも5mmH2Oであり得る。いくつかの実施形態では、マウスピースの圧力降下は、約5mmH2O~20mmH2O、好ましくは5mmH2O~15mmH2Oであり得る。これらの値は、エアロゾルの温度が、マウスピース2の下流端部2bに到達する前に低下する時間を有するように、マウスピース2が、エアロゾルがマウスピース2を通過するときにエアロゾルを減速させることを可能にする。
【0082】
本例では、エアロゾル生成材料3は、包装材10に包まれている。包装材10は、例えば、紙または紙で裏張りされた箔包装材とすることができる。本例では、包装材10は、空気に対して実質的に不透過性である。代替的な実施形態では、包装材10は、好ましくは100コレスタ単位未満の、より好ましくは60コレスタ単位未満の通気度を有する。例えば100コレスタ単位未満、より好ましくは60コレスタ単位未満の通気度を有する低通気度包装材が、エアロゾル生成材料3におけるエアロゾル形成の改善をもたらすことが分かっている。理論によって拘束されることを望むものではないが、これは、包装材10を通るエアロゾル化合物の損失の低減に起因すると仮定される。包装材10の通気度は、シガレット紙、フィルタプラグラップおよびフィルタ接合紙として使用される材料の通気度の決定に関するISO2965:2009に従って測定することができる。
【0083】
本実施形態では、包装材10は、アルミニウム箔を含む。アルミニウム箔は、エアロゾル生成材料3内のエアロゾルの形成を促進するのに特に効果的であることが分かっている。本例では、アルミニウム箔は、厚さ約6μmの金属層を有する。本例では、アルミニウム箔は、紙の裏張りを有する。しかしながら、代替的な構成では、アルミニウム箔は、他の厚さ、例えば4μm~16μmの厚さであってもよい。アルミニウム箔はまた、紙の裏張りを有する必要はないが、例えば箔に適切な引張強度を提供するのを助けるために、他の材料から形成された裏張りを有することができ、または裏打ち材を有しないことができる。アルミニウム以外の金属層または箔も使用することができる。包装材の総厚は、好ましくは20μm~60μm、より好ましくは30μm~50μmであり、これは、適切な構造的完全性および熱伝達特性を有する包装材を提供することができる。包装材が破損する前に包装材に加えることができる張力は、3,000グラムを超える力、例えば3,000~10,000グラムの力、または3,000~4,500グラムの力であり得る。
【0084】
いくつかの例では、エアロゾル生成材料3を取り囲む包装材10は、高レベルの通気度、例えば約1000コレスタ単位を超える、または約1500コレスタ単位を超える、または約2000コレスタ単位を超える通気度を有する。包装材10の通気度は、シガレット紙、フィルタプラグラップおよびフィルタ接合紙として使用される材料の通気度の決定に関するISO2965:2009に従って測定することができる。
【0085】
包装材10は、高い固有のレベルの通気度を有する材料、本質的に多孔性の材料から形成されてもよく、または包装材10に通気性ゾーンもしくはエリアを設けることによって最終レベルの通気度が達成される任意のレベルの固有の通気度を有する材料から形成されてもよい。通気性包装材10を提供することは、空気が物品に入るための経路を提供する。包装材10には、エアロゾル生成材料のロッドを通って入る空気の量が、マウスピース内の通気孔12を通って物品に入る空気の量よりも相対的に多くなるように、通気性を提供することができる。この構成を有する物品は、ユーザがより満足する可能性がある、より風味のあるエアロゾルを生成することができる。
【0086】
本例では、エアロゾル生成基材3に添加されるエアロゾル形成材料は、エアロゾル生成基材3の14重量%を構成する。好ましくは、エアロゾル形成材料は、エアロゾル生成基材の少なくとも5重量%、より好ましくは少なくとも10%を構成する。好ましくは、エアロゾル形成材料は、エアロゾル生成基材の25重量%未満、より好ましくは20%未満、例えば10%~20%、12%~18%または13%~16%を構成する。
【0087】
好ましくは、エアロゾル生成材料3は、エアロゾル生成材料の円筒形ロッドとして提供される。エアロゾル生成材料の形態にかかわらず、エアロゾル生成材料は、好ましくは約10mm~100mmの長さを有する。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料の長さは、好ましくは約25mm~50mmの範囲、より好ましくは約30mm~45mmの範囲、さらにより好ましくは約30mm~40mmである。
【0088】
いくつかの例では、物品1は、非燃焼式エアロゾル供給デバイス100のヒータと中空管状要素8との間に分離(すなわち、最小距離)が存在するように構成されてもよい。これにより、ヒータからの熱が中空管状要素8を形成する材料に損傷を与えることが防止される。
【0089】
非燃焼式エアロゾル供給デバイス100のヒータと中空管状要素8との間の最小距離は、3mm以上であり得る。いくつかの例では、非燃焼式エアロゾル供給デバイス100のヒータと中空管状要素8との間の最小距離は、3mm~10mmの範囲、例えば3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mmまたは10mmであり得る。
【0090】
非燃焼式エアロゾル供給デバイス100のヒータと中空管状要素8との間の分離は、例えば、エアロゾル生成材料3のロッドの長さを調整することによって達成されてもよい。
【0091】
提供されるエアロゾル生成材料3の体積は、約200mm~約4300mm、好ましくは約500mm~1500mm、より好ましくは約1000mm~約1300mmで変化し得る。例えば約1000mm~約1300mmのこれらの体積のエアロゾル生成材料の提供は、好適には、その範囲の下端から選択された体積で達成されるものと比較して、より高い視認性および感覚性能を有する優れたエアロゾルを達成することが示されている。
【0092】
提供されるエアロゾル生成材料3の質量は、200mg超、例えば約200mg~400mg、好ましくは約230mg~360mg、より好ましくは約250mg~360mgであり得る。好適には、より高い質量のエアロゾル生成材料を提供することは、より低い質量のタバコ材料から生成されたエアロゾルと比較して改善された感覚性能をもたらすことが分かっている。
【0093】
好ましくは、エアロゾル生成材料または基材は、タバコ成分を含む、本明細書に記載のようなタバコ材料から形成される。
【0094】
本明細書に記載のタバコ材料において、タバコ成分は、好ましくは、紙再構成タバコを含む。タバコ成分はまた、葉タバコ、押出タバコ、および/またはバンドキャストタバコを含んでもよい。
【0095】
エアロゾル生成材料3は、約700ミリグラム/立方センチメートル(mg/cc)未満の密度を有する再構成タバコ材料を含むことができる。そのようなタバコ材料は、より高密度の材料と比較して、エアロゾルを放出するために迅速に加熱することができるエアロゾル生成材料を提供するのに特に効果的であることが分かっている。例えば、本発明者らは、加熱されるときに、バンドキャスト再構成タバコ材料および紙再構成タバコ材料などの様々なエアロゾル生成材料の特性を試験した。各所与のエアロゾル生成材料について、特定のゼロ熱流温度が存在することが分かり、熱が材料に加えられている間に、その温度を下回ると、正味の熱流が吸熱性であり、換言すると、材料を出るよりも多くの熱が材料に入り、その温度を上回ると、正味の熱流が発熱性であり、換言すると、材料に入るよりも多くの熱が材料を出る。700mg/cc未満の密度を有する材料は、より低いゼロ熱流温度を有していた。材料を出る熱流の大部分はエアロゾルの形成によるものであるため、より低いゼロ熱流温度を有することは、エアロゾル生成材料からエアロゾルを最初に放出するのにかかる時間に有益な効果を有する。例えば、700mg/cc未満の密度を有するエアロゾル生成材料は、164°Cを超えるゼロ熱流温度を有する、700mg/ccを超える密度を有する材料と比較して、164°C未満のゼロ熱流温度を有することが分かった。
【0096】
エアロゾル生成材料の密度はまた、熱が材料を通って伝導する速度に影響を及ぼし、より低い密度、例えば700mg/cc未満の密度の場合、材料を通してよりゆっくりと熱を伝導し、したがってエアロゾルのより持続的な放出を可能にする。
【0097】
好ましくは、エアロゾル生成材料3は、約700mg/cc未満の密度を有する再構成タバコ材料、例えば紙再構成タバコ材料を含む。より好ましくは、エアロゾル生成材料3は、約600mg/cc未満の密度を有する再構成タバコ材料を含む。代替的にまたは加えて、エアロゾル生成材料3は、好ましくは、材料を通る十分な量の熱伝導を可能にすると考えられる少なくとも350mg/ccの密度を有する再構成タバコ材料を含む。
【0098】
タバコ材料は、カットラグタバコの形態で提供されてもよい。カットラグタバコは、少なくとも15カット/インチ(約1.7mmのカット幅に相当する約5.9カット/cm)のカット幅を有することができる。好ましくは、カットラグタバコは、少なくとも18カット/インチ(約1.4mmのカット幅に相当する約7.1カット/cm)、より好ましくは少なくとも20カット/インチ(約1.27mmのカット幅に相当する約7.9カット/cm)のカット幅を有する。一例では、カットラグタバコは、22カット/インチ(約1.15mmのカット幅に相当する約8.7カット/cm)のカット幅を有する。好ましくは、カットラグタバコは、40カット/インチ(約0.64mmのカット幅に相当する約15.7カット/cm)以下のカット幅を有する。0.5mm~2.0mmの間、例えば0.6mm~1.5mmの間、または0.6mm~1.7mmの間のカット幅は、特に加熱されたときの表面積対体積比、ならびに基材3の全体的な密度および圧力降下に関して好ましい、タバコ材料をもたらすことが分かっている。カットラグタバコは、タバコ材料の形態の混合物、例えば紙再構成タバコ、葉タバコ、押出タバコおよびバンドキャストタバコのうちの1つまたは複数の混合物から形成することができる。好ましくは、タバコ材料は、紙再構成タバコ、または紙再構成タバコおよび葉タバコの混合物を含む。
【0099】
本明細書に記載のタバコ材料において、タバコ材料は、充填剤成分を含有してもよい。充填剤成分は、一般に、非タバコ成分、すなわちタバコに由来する構成要素を含まない成分である。充填剤成分は、木材繊維またはパルプまたは小麦繊維などの非タバコ繊維であってもよい。充填剤成分はまた、チョーク、パーライト、バーミキュライト、珪藻土、コロイダルシリカ、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、炭酸マグネシウムなどの無機材料であってもよい。充填剤成分はまた、非タバコキャスト材料または非タバコ押出材料であってもよい。充填剤成分は、タバコ材料の0~20重量%の量で、または組成物の1~10重量%の量で存在してもよい。いくつかの実施形態では、充填剤成分は存在しない。
【0100】
本明細書に記載のタバコ材料では、タバコ材料は、エアロゾル形成材料を含有する。これに関連して、「エアロゾル形成材料」は、エアロゾルの生成を促進する作用物質である。エアロゾル形成材料は、吸入可能な固体および/または液体エアロゾルへのガスの初期気化および/または凝縮を促進することによって、エアロゾルの生成を促進することができる。いくつかの実施形態では、エアロゾル形成材料は、エアロゾル生成材料からの香料の送達を改善し得る。概して、本明細書に記載されるものを含む、任意の適切なエアロゾル形成材料または作用物質が、本発明のエアロゾル生成材料に含まれてもよい。他の適切なエアロゾル形成材料としては、ソルビトール、グリセロール、およびプロピレングリコールもしくはトリエチレングリコールなどのグリコールのようなポリオール、一価アルコール、高沸点炭化水素、乳酸などの酸、グリセロール誘導体、ジアセチンなどのエステル、トリアセチン、トリエチレングリコールジアセテート、クエン酸トリエチル、もしくはミリスチン酸エチルおよびミリスチン酸イソプロピルを含むミリスチン酸塩、ならびにステアリン酸メチル、ドデカン二酸ジメチル、およびテトラデカン二酸ジメチルなどの脂肪族カルボン酸エステルのような非ポリオールが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、エアロゾル形成材料は、グリセロール、プロピレングリコール、またはグリセロールおよびプロピレングリコールの混合物であってもよい。グリセロールは、タバコ材料の10~20重量%、例えば組成物の13~16重量%、または組成物の約14重量%もしくは15重量%の量で存在し得る。プロピレングリコールは、存在する場合、組成物の0.1~0.3重量%の量で存在し得る。
【0101】
エアロゾル形成材料は、タバコ材料の任意の成分、例えば任意のタバコ成分、および/または存在する場合には充填剤成分に含まれてもよい。代替的にまたは追加的に、エアロゾル形成材料は、タバコ材料に別個に添加されてもよい。いずれの場合も、タバコ材料中のエアロゾル形成材料の総量は、本明細書で規定される通りであり得る。
【0102】
タバコ材料は、10重量%~90重量%のタバコ葉を含有することができ、エアロゾル形成材料は、葉タバコの約10重量%までの量で提供される。タバコ材料の10重量%~20重量%のエアロゾル形成材料という全体的なレベルを達成するために、これは、好適には、再構成タバコ材料などのタバコ材料の別の成分に対してより高い重量パーセントで添加できることが分かっている。
【0103】
本明細書に記載のタバコ材料は、ニコチンを含有する。ニコチン含有量は、タバコ材料の0.5~1.75重量%であり、例えば、タバコ材料の0.8~1.5重量%であってもよい。追加的にまたは代替的に、タバコ材料は、タバコ葉の1.5重量%を超えるニコチン含有量を有する10重量%~90重量%のタバコ葉を含有する。好適には、紙再構成タバコなどのより低いニコチンベース材料と組み合わせて、1.5%よりも高いニコチン含有量を有するタバコ葉を使用すると、紙再構成タバコ単独の使用よりも適切なニコチンレベルであるが優れた感覚性能を有するタバコ材料が提供されることが分かっている。タバコ葉、例えばカットラグタバコは、例えば、タバコ葉の1.5重量%~5重量%のニコチン含有量を有することができる。
【0104】
本明細書に記載のタバコ材料は、本明細書に記載の香料のいずれかなどのエアロゾル改質剤を含有することができる。一実施形態では、タバコ材料は、メントールを含有し、メントールを含んだ物品を形成する。タバコ材料は、3mg~20mgのメントール、好ましくは5mg~18mg、より好ましくは8mg~16mgのメントールを含むことができる。本例では、タバコ材料は、16mgのメントールを含む。タバコ材料は、2重量%~8重量%のメントール、好ましくは3重量%~7重量%のメントール、より好ましくは4重量%~5.5重量%のメントールを含有することができる。一実施形態では、タバコ材料は、4.7重量%のメントールを含む。そのような高レベルのメントール充填は、例えばタバコ材料の50重量%を超える高い割合の再構成タバコ材料を使用して達成することができる。代替的にまたは追加的に、大量のエアロゾル生成材料、例えばタバコ材料の使用は、例えばタバコ材料などのエアロゾル生成材料の約500mm3超または適切には約1000mm3超が使用される場合に達成され得るメントール充填レベルを増加させることができる。
【0105】
本明細書に記載の組成物では、量が重量%で示される場合、誤解を避けるために、これは、特に反対のことが示されない限り、乾燥重量基準を指す。したがって、タバコ材料中またはその任意の成分中に存在し得る任意水は、重量%を決定する目的では完全に無視される。本明細書に記載のタバコ材料の含水量は、様々であってもよく、例えば、5~15重量%であってもよい。本明細書に記載のタバコ材料の含水量は、例えば、組成物が維持される温度、圧力および湿度の条件に従って変化し得る。含水量は、当業者に知られているように、カールフィッシャー分析によって決定することができる。一方、誤解を避けるために、エアロゾル形成材料が、グリセロールまたはプロピレングリコールなどの液相の成分である場合でも、水以外の任意の成分が、タバコ材料の重量に含まれる。しかしながら、エアロゾル形成材料が、タバコ材料に別個に添加される代わりに、またはそれに加えて、タバコ材料のタバコ成分またはタバコ材料の充填剤成分(存在する場合)に提供される場合、エアロゾル形成材料は、タバコ成分または充填剤成分の重量に含まれず、本明細書で規定されるような重量%で「エアロゾル形成材料」の重量に含まれる。タバコ成分中に存在する他の全ての成分は、非タバコ起源(例えば、紙再構成されたタバコの場合は非タバコ繊維)であっても、タバコ成分の重量に含まれる。
【0106】
一実施形態では、タバコ材料は、本明細書で規定されるようなタバコ成分および本明細書で規定されるようなエアロゾル形成材料を含む。一実施形態では、タバコ材料は、本質的に、本明細書で規定されるようなタバコ成分および本明細書で規定されるようなエアロゾル形成材料からなる。一実施形態では、タバコ材料は、本明細書で規定されるようなタバコ成分および本明細書で規定されるようなエアロゾル形成材料からなる。
【0107】
紙再構成されたタバコは、タバコ成分の10重量%~100重量%の量で本明細書に記載のタバコ材料のタバコ成分中に存在する。実施形態では、紙再構成タバコは、タバコ成分の10重量%~80重量%、または20重量%~70重量%の量で存在する。さらなる実施形態では、タバコ成分は、紙再構成タバコから本質的になるか、または紙再構成タバコからなる。好ましい実施形態では、葉タバコは、タバコ成分の少なくとも10重量%からの量でタバコ材料のタバコ成分中に存在する。例えば、葉タバコは、タバコ成分の少なくとも10重量%の量で存在することができ、タバコ成分の残りは、紙再構成タバコ、バンドキャスト再構成タバコ、またはバンドキャスト再構成タバコおよびタバコ顆粒などの別の形態のタバコの組合せを含む。
【0108】
紙再構成タバコは、タバコ供給原料を溶媒で抽出して可溶分の抽出物と繊維材料を含む残渣とを得、次いで抽出物(通常は濃縮後であり、任意選択的にはさらなる処理の後である)を、繊維材料上への抽出物の堆積によって、残渣からの繊維材料(通常、繊維材料を精製した後、任意選択的には非タバコ繊維の一部を添加して)と再び組み合わせるプロセスによって形成されるタバコ材料を指す。再び組み合わせるプロセスは、紙を作製するプロセスに似ている。
【0109】
紙再構成タバコは、当該技術分野で知られている任意の種類の紙再構成タバコであってもよい。特定の実施形態では、紙再構成タバコは、タバコストリップ、タバコ茎、および全葉タバコのうちの1つまたは複数を含む原料から作製される。さらなる実施形態では、紙再構成タバコは、タバコストリップおよび/または全葉タバコ、ならびにタバコ茎からなる供給原料から作製される。しかしながら、他の実施形態では、スクラップ、微粉および選別したものを代替的にまたは追加的に供給原料において採用することができる。
【0110】
本明細書に記載のタバコ材料において使用するための紙再構成タバコは、紙再構成タバコを調製するための当業者に知られている方法によって調製することができる。
【0111】
図2は、非燃焼式エアロゾル供給システムとともに使用するための物品1’の側面断面図である。物品1’は、材料本体4が、本体4’の下流端部に第2の管状要素11を追加的に備える材料本体4’によって置き換えられていることを除いて、マウスピース2と実質的に同じであるマウスピース2’を備える。第2の管状要素11は、材料本体4’の吸い口端部まで延在する。
【0112】
本例では、中空管状要素8および第2の中空管状要素11は、10mmの間隙によって分離されている。代替的には、第1の中空管状要素8および第2の中空管状要素11は、他の距離、例えば5mm~15mm、または6mm~12mm、または約6mm、約7mm、約8mm、または約9mmの間隙によって分離されている。材料本体4’は、間隙内にかつ間隙を横切って延在する。本例では、カプセル15は、第1の中空管状要素8と第2の中空管状要素11との間の間隙の材料本体4’に埋め込まれている。
【0113】
本例では、本体4’を形成するシート材料14は、第1の中空管状要素8および第2の中空管状要素11のそれぞれ下流端部および上流端部に位置決めされた2つのスリットを含む。スリットは、シート材料14が本体4’に組み立てられたときに、スリットが、スリット間のシート材料14を解放して第1の中空管状要素8と第2の中空管状要素11との間の間隙内に延在するように位置決めされている。追加的にまたは代替的に、シート材料14は、埋め込まれたカプセル15の両側に位置決めされたスリット(単数または複数)を含むことができる。
【0114】
本例では、第1の中空管状要素8は、上述したように、エアロゾル冷却用の空洞を提供する。
【0115】
第2の中空管状要素11は、材料本体4’の下流端部で材料本体4’に埋め込まれ、本体4’の長手方向端部まで延在する。この位置に管状要素を設けることは、好適には、物品1’が使用されているときに消費者の口と接触するマウスピースの下流端部2bでマウスピース2’の外側表面の温度を大幅に低下させることが分かっている。加えて、管状部分の使用は、管状部分の上流であってもマウスピース2’の外側表面の温度を大幅に低下させることも分かっている。理論によって拘束されることを望むものではないが、これは、管状部分がマウスピース2’の中心のより近くにエアロゾルを導き、したがってエアロゾルからマウスピース2’の外側表面への熱伝達を減少させることに起因すると仮定される。加えて、第1の管状要素4a’と第2の中空管状要素11との間の間隙を満たす材料本体4’は、エアロゾルがマウスピース2の材料本体4’を通過するときに、エアロゾル生成材料3によって生成されたエアロゾルから水分を除去することが分かっており、これにより、エアロゾルはユーザの口の中でより冷たく感じられる。
【0116】
第2の中空管状要素11は、好ましくは3.0mmより大きい内径を有する。これよりも小さい直径は、マウスピース2’’’を通過して消費者の口に到達するエアロゾルの速度を望ましいよりも増加させる可能性があり、それによって、エアロゾルが過度に暖かくなり、例えば40°Cを超える温度または45°Cを超える温度に達する。より好ましくは、第2の中空管状要素11は、3.1mmを超える、さらにより好ましくは3.5mmまたは3.6mmを超える内径を有する。一実施形態では、第2の中空管状要素11の内径は、約3.9mmである。
【0117】
材料本体4’の反対側の端部に埋め込まれた第1の中空管状要素8および第2の中空管状要素11を備える材料本体4’を含むマウスピースを形成することにより、好適には、凹状の吸い口端部と、そのような構造に通常必要とされるよりも薄いプラグラップの厚さによって囲まれた、マウスピースの上流端部におけるエアロゾル冷却のためのキャビティとを有するマウスピースが得られるが、これは、両方のキャビティが同じ材料本体内に埋め込まれた管状要素によって提供され、異なる構成要素用の別個のプラグラップおよび組合せラップの必要性がなくなるためである。構成要素の数を減らすことによってマウスピースの製造を単純化するだけでなく、穿孔するプラグラップの厚さがより薄いため、所望の位置で材料本体4’に通気開口を形成することがより容易になり得る。第1の中空管状要素8および第2の中空管状要素11と、第1の中空管状要素8と第2の中空管状要素11との間の材料本体4’に埋め込まれたカプセル15との両方を備える材料本体4’は、好適には、図1に関連して記載し、上述したように、製造が簡略化されるという利点を有する構成要素をもたらす。
【0118】
本例では、第2の管状要素11によって提供されるマウスピースの吸い口端部2bの空洞が、第1の管状要素8によって形成される空洞よりも小さいように、第2の中空管状要素11は、第1の中空管状要素8よりも大きい壁厚を有し、第2の中空管状要素11は、第1の中空管状要素8よりも短い。他の例では、中空管状要素8の壁厚は、第2の中空管状要素11の壁厚よりも大きくてもよい。好適には、第1の中空管状要素8および第2の中空管状要素11のそれぞれに対して異なる壁厚、内径および/または長さを選択することにより、材料本体4’の両端部に設けられた空洞を、マウスピース内のそれらの位置に基づいて所望に応じて、エアロゾル冷却および/またはマウスピースを通してエアロゾルを導くことのために最適化することが可能になる。
【0119】
好ましくは、第2の中空管状要素11の長さは、約20mm未満である。より好ましくは、第2の中空管状要素11の長さは、約15mm未満である。さらにより好ましくは、第2の中空管状要素11の長さは、約10mm未満である。加えて、または代替として、第2の中空管状要素11の長さは、少なくとも約5mmである。好ましくは、第2の中空管状要素11の長さは、少なくとも約6mmである。いくつかの好ましい実施形態では、第2の中空管状要素11の長さは、約5mm~約20mm、より好ましくは約6mm~約10mm、またさらにより好ましくは約6mm~約8mm、最も好ましくは約6mm、7mmまたは約8mmである。本例では、第2の中空管状要素11の長さは、6mmである。
【0120】
本例では、第1の中空管状要素8および第2の中空管状要素11の各々は、同じ外径を有し、同じ厚さの材料本体4’によって囲まれている。
【0121】
上述したように、材料本体4’の異なる部分を形成するシート材料14に、異なるレベルのクリンプ加工を適用することができる。本例では、第2の中空管状要素11が埋め込まれる本体4’の吸い口端部分を形成するシート材料には、第1の中空管状要素8およびカプセル15が埋め込まれる本体4’の部分を形成するシート材料14に適用されるクリンプ加工のレベルと比べて、より高いレベルのクリンプ加工が適用される。好適には、第2の中空管状要素11の周りのシート材料14により高いレベルのクリンプ加工を適用することにより、マウスピースの吸い口端部2bにおけるより望ましい硬さ、およびマウスピースの吸い口端部から見たときの改善された外観をもたらすことができる。
【0122】
プラグラップ7および/またはチッピング紙5は、そのプラグラップおよび/またはチッピング紙の材料をカプセル15の液体ペイロードに対して実質的に不透過性にするためのバリアコーティングを含むことができる。
【0123】
図3は、非燃焼式エアロゾル供給システムとともに使用するための物品1’’の側面断面図である。物品1’’は、材料本体4’’を含むマウスピース2’’を備える。材料本体4’’は、材料本体4’’がカプセル15の上流に第1の中空管状要素8を含まないことを除いて、材料本体4’と実質的に同じである。本例では、代わりに、材料本体4’’の上流に冷却セクション13が設けられており、エアロゾル冷却用の空洞を提供する。
【0124】
本例では、材料本体4’’は、カプセル15の上流に約3.5mm延在する。代替的には、材料本体4’’は、カプセル15の上流に約1mm、またはカプセル15の上流に約2mm、約3mm、約5mm、約6mm、約7mm、約8mmもしくは約10mm延在してもよい。
【0125】
本例では、カプセル15は、約4.5mmの間隙によって吸い口端部の第2の中空管状要素11から離間されている。代替的には、カプセル15は、0.5mm~30mm、または1mm~20mm、または1.5mm~15mm、または2mm~10mmの間隙によって第2の中空管状要素11から離間されてもよい。例えば、カプセル15は、約3mm、約4mm、約5mm、約6mm、約7mmまたは約8mmの間隙によって第2の中空管状要素11から離間されてもよい。第2の中空管状要素11からのカプセル15の分離は、カプセル15の液体チャージを吸収するために材料本体4’’内に適切な体積の材料を提供することと、構成要素の所望の長さおよび圧力降下とのバランスをとるために選択され得る。
【0126】
図2に関連して記載したように、様々なレベルのクリンプ加工を、材料本体4’’を形成するシート材料14に適用することができる。本例では、より高いレベルのクリンプ加工が、吸い口端部で材料本体4’’のセクションを形成するシート材料に適用される。材料本体4’’は、材料本体4’’の下流端部に近い部分において、上流端部により近い部分よりも高い密度を有することができる。例えば、本体4’’の長手方向端部の3mm以内の材料本体4’’の部分は、この3mm部分の上流の部分よりも高い密度を有することができる。本体の、より高いレベルのクリンプ加工を有し、本体の別の部分よりも高い密度を有するシート材料から形成された部分は、消費者にとってより魅力的な外観を有することができる。好適には、そのようなセクションは、本体4’’の長手方向端部に設けられ得、本体4’’に、消費者にとって魅力的な長手方向端部からの外観を与え、一方、構成要素の上流部分は、材料本体4’’を形成するのに必要なシート材料14の量を制限し、本体4’’が望ましくない高い圧力降下を有するのを防止するように、より低い密度を有することができる。本体4’’の特定のセクションの密度は、前記部分を本体の残りの部分ならびに周囲のプラグラップおよび/またはチッピング紙から(例えば、本体を切断することによって)分離し、任意の埋め込まれた物体を除去するが、シート材料14に添加された任意の添加剤を含めることによって測定することができる。
【0127】
本例では、冷却セクション13は、中空管状要素8に関して記載したように、マウスピース内に、冷却セグメントとして作用する空隙を画定する。空隙は、エアロゾル生成材料3によって生成された加熱された揮発成分が流れるチャンバを提供する。冷却セクション13は、エアロゾル蓄積のためのチャンバを提供するために中空であるが、製造中および物品1が使用されている間に生じ得る軸方向の圧縮力および曲げモーメントに耐えるのに十分に剛性である。冷却セクション13は、エアロゾル生成材料3とマウスピース2の下流部分との間の物理的変位を提供する。
【0128】
好ましくは、冷却セクション13の内部容積は、130mmより大きい。少なくともこの容積の空洞を提供することにより、改善されたエアロゾルの形成が可能になることが分かっている。そのような空洞サイズは、加熱された揮発成分が冷却するのを可能にするためにマウスピース2内に十分な空間を提供し、したがって、エアロゾル生成材料3が過度に温かいエアロゾルをもたらす可能性があるため、その他の場合に可能であるよりも高い温度にエアロゾル生成材料3を曝露することを可能にする。より好ましくは、マウスピース2’’は、170mmより大きい、さらにより好ましくは200mmより大きい内部容積を有する空洞を備え、エアロゾルのさらなる改善を可能にする。いくつかの例では、内部空洞は、約130mm~約700mm、好ましくは約160mm~約700mmの容積を含む。
【0129】
空洞は、空洞の第1の上流端部に入る加熱された揮発成分と、空洞の第2の下流端部から出る加熱された揮発成分との間に少なくとも摂氏40度の温度差を提供するように構成することができる。空洞は、好ましくは、空洞の第1の上流端部に入る加熱された揮発成分と、空洞の第2の下流端部から出る加熱された揮発成分との間に少なくとも摂氏60度、好ましくは少なくとも摂氏80度、より好ましくは少なくとも摂氏100度の温度差を提供するように構成されている。空洞の長さにわたるこの温度差は、加熱されたときのエアロゾル生成材料3の高温から、空洞の下流のマウスピースの感温要素を保護することができる。
【0130】
好ましくは、冷却セクション13の長さは、約50mm未満である。より好ましくは、冷却セクション13の長さは、約40mm未満である。さらにより好ましくは、冷却セクション13の長さは、約35mm未満である。加えて、または代替として、冷却セクション13の長さは、好ましくは少なくとも約10mmである。好ましくは、冷却セクション13の長さは、少なくとも約15mmである。
【0131】
いくつかの好ましい実施形態では、冷却セクション13の長さは、約15mm~約35mm、より好ましくは約20mm~約30mm、またさらにより好ましくは約23~約27mm、最も好ましくは約25mmである。本例では、冷却セクション13の長さは、23mmである。
【0132】
本例では、冷却セクション13は、中空管を形成するために、継ぎ目を突き合わせて平行に巻かれた複数の紙層から形成されている。本例では、第1および第2の紙層は、2プライ管で提供されているが、他の例では、3、4またはそれ以上の紙層を使用して、3、4またはそれ以上のプライ管を形成することができる。紙の螺旋状に巻かれた層、厚紙管、張り子式プロセスを使用して形成された管、成形または押出プラスチック管などといった他の構成を使用することができる。
【0133】
いくつかの実施形態では、冷却セクション13は、好ましくは、少なくとも約50μm~最大約1mm、好ましくは100μm~500μm、より好ましくは100μm~150μmの壁厚を有する。本例では、冷却セクション13の壁厚は、約150μmである。管状要素の「壁厚」は、管状要素が埋め込まれる周囲材料を含まず、半径方向における管状要素の壁の厚さに対応する。これは、例えばキャリパを用いて測定することができる。
【0134】
いくつかの実施形態では、冷却セクション13の壁の厚さは、少なくとも50ミクロン、好ましくは少なくとも75、80、85、90、95、100、または105ミクロンである。いくつかの実施形態では、管状要素の壁の厚さは、少なくとも100または110ミクロンである。
【0135】
いくつかの実施形態では、冷却セクション13の壁の厚さは、1000ミクロン未満、好ましくは500ミクロン未満である。
【0136】
いくつかの実施形態では、冷却セクション13の壁の材料の通気度は、少なくとも100コレスタ単位、好ましくは少なくとも500または1000コレスタ単位である。
【0137】
冷却セクション13の比較的高い通気度は、エアロゾルから管状部分に伝達される熱の量を増加させ、したがってエアロゾルの温度を低下させることが分かっている。冷却セクション13の通気度はまた、エアロゾルから管状部分に伝達される水分の量を増加させることが分かっており、これは、ユーザの口の中のエアロゾルの感触を改善することが分かっている。冷却セクション13の高い通気度はまた、管状部分を取り囲む材料本体4の部分に入る通気が、外側プラグラップ(複数可)およびチッピング紙、材料本体4、および管状部分を形成する管状要素の全てを通して通気孔を切る必要なく、冷却セクション13の壁を通過してエアロゾル流に入ることができ、それによって製造の複雑さを低減することを意味する。
【0138】
冷却セクション13および材料本体4’’は、第2のプラグラップ9によって接続されている。
【0139】
本開示によれば、「エアロゾル供給システム」は、燃焼式エアロゾル供給システムおよび非燃焼式エアロゾル供給システムの両方を含む。
【0140】
図4は、非燃焼式エアロゾル供給システムとともに使用するためのさらなる物品1’’’の側面断面図である。物品1’’’は、マウスピース2’’’を含み、これは、本例では中空管状要素8が管状要素4a、4bに置き換えられていることを除いて、マウスピース2と実質的に同じである。本例では、管状要素4a、4bは、中空管状要素8に関して記載したように、エアロゾル冷却用の空洞を形成する。管状要素4a、4bは、材料本体4’’’に埋め込まれており、本体4’’’を形成する材料によって円周方向に取り囲まれている。管状要素4a、4bは、第1の中空管状要素8および第2の中空管状要素11について記載したような任意の適切な仕様を有することができる。本例では、管状要素4a、4bは、同じ仕様を有する。代替的には、管状要素4aの仕様は、例えば、様々な内径または多孔度の領域を含む空洞を提供するために、管状要素4bの仕様と異なってもよい。
【0141】
本例では、第1の管状要素4aは、材料本体4’’’の長手方向端部に位置決めされており、本体の前記長手方向端部まで延在する。第2の管状要素4bは、第1の管状要素4aの下流に位置決めされており、材料本体4’’’は、第2の管状要素が第1の材料本体4によって円周方向および長手方向の両方に取り囲まれるように、第2の管状要素4bを越えて延在する。
【0142】
本例では、第1の管状要素4aおよび第2の管状要素4bは、効果的に連続した管状部分を形成するように約1mmの間隙によって分離されている。第1の管状要素4aおよび第2の管状要素4bが効果的に連続した管状部分を形成することが意図される実施形態では、管状要素は、0.5mm~6mm、例えば1mm~3mm、または2mm~5mmの間隙によって適切に分離されてもよい。本例では、第1の管状要素4aおよび第2の管状要素4bによって形成された管状部分は、マウスピース内に冷却セグメントとして作用する空隙を画定する。本例では、管状部分は、各々が11mmの長さを有し、1mmの間隙によって分離されている第1の管状要素4aおよび第2の管状要素4bを備える。
【0143】
他の例では、中空管状要素11は、第1および第2の管状要素(図示せず)によって同様に形成されてもよい。
【0144】
本開示によれば、「燃焼式」エアロゾル供給システムは、ユーザへの少なくとも1つの物質の送達を容易にするために、使用中にエアロゾル供給システムの構成エアロゾル生成材料(またはその成分)が燃焼される、または燃やされるシステムである。
【0145】
いくつかの実施形態では、送達システムは、シガレット、シガリロおよびシガーからなる群から選択されるシステムなどの燃焼式エアロゾル供給システムである。
【0146】
いくつかの実施形態では、本開示は、燃焼式エアロゾル供給システムで使用するための構成要素、例えば、フィルタ、フィルタロッド、フィルタセグメント、タバコロッド、スピル、カプセル、糸もしくはビーズなどのエアロゾル改質剤放出構成要素、またはプラグラップ、チッピング紙もしくはシガレット紙などの紙に関する。
【0147】
本開示によれば、「非燃焼式」エアロゾル供給システムは、ユーザへの少なくとも1つの物質の送達を容易にするために、エアロゾル供給システムの構成エアロゾル生成材料(またはその成分)が燃焼されない、または燃やされないシステムである。
【0148】
いくつかの実施形態では、送達システムは、動力式の非燃焼式エアロゾル供給システムなどの非燃焼式エアロゾル供給システムである。
【0149】
いくつかの実施形態では、非燃焼式エアロゾル供給システムは、ベイピングデバイスまたは電子ニコチン送達システム(END)としても知られる電子シガレットであるが、エアロゾル生成材料中のニコチンの存在は必要条件ではないことに留意されたい。
【0150】
いくつかの実施形態では、非燃焼式エアロゾル供給システムは、非燃焼加熱式システムとしても知られるエアロゾル生成材料加熱システムである。そのようなシステムの一例は、タバコ加熱システムである。
【0151】
いくつかの実施形態では、非燃焼式エアロゾル供給システムは、エアロゾル生成材料のうちの1つまたは複数が加熱され得るエアロゾル生成材料の組合せを用いてエアロゾルを生成するハイブリッドシステムである。エアロゾル生成材料の各々は、例えば、固体、液体またはゲルの形態であってもよく、ニコチンを含有しても含有しなくてもよい。いくつかの実施形態では、ハイブリッドシステムは、液体またはゲルエアロゾル生成材料および固体エアロゾル生成材料を含む。固体エアロゾル生成材料は、例えば、タバコまたは非タバコ製品を含み得る。
【0152】
典型的には、非燃焼式エアロゾル供給システムは、非燃焼式エアロゾル供給デバイスと、非燃焼式エアロゾル供給デバイスとともに使用するための消耗品と、を備え得る。
【0153】
いくつかの実施形態では、本開示は、エアロゾル生成材料を備え、かつ非燃焼式エアロゾル供給デバイスとともに使用されるように構成された消耗品に関する。これらの消耗品は、本開示の全体にわたって物品と称されることがある。
【0154】
いくつかの実施形態では、非燃焼式エアロゾル供給システム、例えばその非燃焼式エアロゾル供給デバイスは、動力源およびコントローラを備え得る。電源は、例えば、電力源または発熱動力源であってもよい。いくつかの実施形態では、発熱動力源は、発熱動力源に近接するエアロゾル生成材料または熱伝達材料に熱の形態で動力を分配するようにエネルギー供給され得る炭素基材を含む。
【0155】
いくつかの実施形態では、非燃焼式エアロゾル供給システムは、消耗品を受容するためのエリア、エアロゾル生成器、エアロゾル生成エリア、ハウジング、マウスピース、フィルタ、および/またはエアロゾル改質剤を備え得る。
【0156】
いくつかの実施形態では、非燃焼式エアロゾル供給デバイスとともに使用するための消耗品は、エアロゾル生成材料、エアロゾル生成材料保管エリア、エアロゾル生成材料移送構成要素、エアロゾル生成器、エアロゾル生成エリア、ハウジング、包装材、フィルタ、マウスピース、および/またはエアロゾル改質剤を備え得る。
【0157】
いくつかの実施形態では、送達される物質は、活性物質を含む。
【0158】
本明細書で使用されるような活性物質は、生理学的応答を達成または増強することを意図した材料である生理学的活性材料であり得る。活性物質は、例えば、栄養補助食品、向知性薬、精神賦活剤から選択され得る。活性物質は、天然由来であり得るか、または合成的に得られ得る。活性物質は、例えば、ニコチン、カフェイン、タウリン、テイン、B6もしくはB12もしくはCなどのビタミン、メラトニン、カンナビノイド、またはそれらの構成成分、誘導体、もしくは組合せを含んでもよい。活性物質は、タバコ、カンナビス、または別の植物の、1つもしくは複数の構成成分、誘導体、または抽出物を含んでもよい。
【0159】
いくつかの実施形態では、活性物質は、ニコチンを含む。いくつかの実施形態では、活性物質は、カフェイン、メラトニンまたはビタミンB12を含む。
【0160】
本明細書で述べるように、活性物質は、1つまたは複数の植物性物質、またはその構成成分、誘導体もしくは抽出物を含むか、またはそれらに由来し得る。本明細書で使用される場合、「植物性物質」という用語は、限定するものではないが、抽出物、葉、樹皮、繊維、茎、根、種子、花、果実、花粉、殻、皮などを含む植物に由来する任意の材料を含む。あるいは、材料は、合成的に得られた植物性物質に天然に存在する活性化合物を含んでもよい。植物の例は、タバコ、ユーカリ、スターアニス、麻、ココア、大麻、フェンネル、レモングラス、ペパーミント、スペアミント、ルイボス、カモミール、亜麻、ジンジャー、イチョウビロバ、ハシバミ、ハイビスカス、ローレル、甘草(リコリス)、抹茶、マト、オレンジスキン、パパイヤ、ローズ、セージ、緑茶または紅茶などの茶、タイム、クローブ、シナモン、コーヒー、アニス(アニス)、バジル、ベイリーフ、カルダモン、コリアンダー、クミン、ナツメグ、オレガノ、パプリカ、ローズマリー、サフラン、ラベンダー、レモンピール、ミント、ジュニパー、エルダーフラワー、バニラ、ウィンターグリーン、ビーフステーキプラント、クルフマ、ウコン、ビャクダン、シラントロ、ベルガモット、オレンジの花、ギンバイカ、カシス、バレリアン、ピメント、メース、ダミエン、マルジョラム、オリーブ、レモンバーム、レモンバジル、チャイブ、ウイキョウ、バーベナ、タラゴン、ゼラニウム、クワ、人参、テアニン、シアクリン、マカ、シュワガンダ、ダミアナ、グアラナ、クロロフィル、バオバブまたはそれらの任意の組合せである。ミントは、以下のミント品種である、ヨウシュハッカ、ハッカ属、エジプシャンミント、セイヨウハッカ、オーデコロンミント、キャンディーミント、カーリーミント、ケンタッキーカーネルミント、ホースミント、パイナップルミント、ベニーロイヤルミント、ミドリハッカ、およびアップルミントから選択され得る。
【0161】
いくつかの実施形態では、活性物質は、1つまたは複数の植物性物質、またはその構成成分、誘導体もしくは抽出物を含むか、またはそれらに由来し、植物性物質はタバコである。
【0162】
いくつかの実施形態では、活性物質は、1つまたは複数の植物性物質、またはその構成成分、誘導体もしくは抽出物を含むか、またはそれらに由来し、植物性物質は、ユーカリ、スターアニス、ココア、および麻から選択される。
【0163】
いくつかの実施形態では、活性物質は、1つまたは複数の植物性物質、またはその構成成分、誘導体もしくは抽出物を含むか、またはそれらに由来し、植物性物質は、ルイボスおよびフェンネルから選択される。
【0164】
いくつかの実施形態では、送達される物質は、香料を含む。
【0165】
本明細書で使用される場合、「香料」および「香味料」という用語は、地域の規制が認可している場合、成人消費者向けの製品に所望の味、香り、または他の体性感覚を作り出すために使用され得る材料を指す。それらは、天然に存在する香料材料、植物性物質、植物性物質の抽出物、合成により得られる材料、またはそれらの組合せ(例えば、タバコ、大麻、甘草(リコリス)、アジサイ、オイゲノール、ホオノキの葉、モクセイ葉、カミツレ、フェヌグリーク、チョウジ、メイプル、抹茶、メントール、二ホンハッカ、アニシード(アニス)、シナモン、ターメリック、インドスパイス、アジアスパイス、ハーブ、ヒメコウジ、サクランボ、ベリー、レッドベリー、クランベリー、モモ、リンゴ、オレンジ、マンゴー、クレメンタイン、レモン、ライム、トロピカルフルーツ、パパイヤ、ルバーブ、ブドウ、ドリアン、ドラゴンフルーツ、キュウリ、ブルーベリー、クワ、柑橘類、ドランブイ、バーボン、スコッチ、ウイスキー、ジン、テキーラ、ラム、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、アロエベラ、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、サンダルウッド、ベルガモット、ゼラニウム、チャット、ナスワール、キンマ、シーシャ、マツ、ハチミツエキス、バラ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、オレンジの花、サクラの花、カシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイランノキ、セージ、ウイキョウ、ワサビ、ピメント、ショウガ、コリアンダー、コーヒー、麻、ハッカ属のいずれかの種からのハッカ油、ユーカリ、スターアニス、ココア、レモングラス、ルイボス、亜麻、イチョウ、ハシバミ、ハイビスカス、月桂樹、マテ茶、オレンジの皮、バラ、緑茶または紅茶のような茶、タイム、ビャクシン、ニワトコの花、バジル、ローリエの葉、クミン、オレガノ、パプリカ、ローズマリー、サフラン、レモンピール、ミント、シソ、クルクマ、シラントロ、ギンバイカ、カシス、カノコソウ、ピメント、メース、ダミエン、ハナハッカ、オリーブ、レモンバーム、レモンバジル、チャイブ、ウイキョウ、バーベナ、タラゴン、リモネン、チモール、カンフェン)、香料強化剤、苦味受容体部位遮断剤、感覚受容体部位活性化剤または刺激剤、糖および/または糖置換体(例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、シクラメート、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトールまたはマンニトール)、ならびに木炭、クロロフィル、鉱物、植物性物質、または息清涼剤などの他の添加剤を含んでもよい。それらは、模倣、合成もしくは天然成分またはそれらのブレンドであってもよい。それらは、任意の適切な形態、例えば、油などの液体、粉末などの固体、または気体であってもよい。
【0166】
いくつかの実施形態では、香料は、メントール、スペアミントおよび/またはペパーミントを含む。いくつかの実施形態では、香料は、キュウリ、ブルーベリー、柑橘類、および/またはレッドベリーの香料成分を含む。いくつかの実施形態では、香料は、オイゲノールを含む。いくつかの実施形態では、香料は、タバコから抽出された香料構成成分を含む。いくつかの実施形態では、香料は、大麻から抽出された香料成分を含む。
【0167】
いくつかの実施形態では、香料は、感覚惹起剤を含んでもよく、感覚惹起剤は、アロマまたは味覚神経に加えて、またはその代わりに、第5脳神経(三叉神経)の刺激によって通常化学的に誘発され、認識される体性感覚を達成することが意図され、これらは、加熱、冷却、刺痛、麻痺効果をもたらす作用物質を含んでもよい。適切な熱効果剤は、限定されないが、バニリルエチルエーテルであり得、適切な冷却剤は、限定されないが、ユーカリプトール、WS-3であり得る。
【0168】
エアロゾル生成材料は、例えば、加熱、照射、または他の任意の方法でエネルギー供給されたときにエアロゾルを生成可能な材料である。エアロゾル生成材料は、例えば、活性物質および/または香味料を含有しても含有しなくてもよい固体、液体またはゲルの形態であってもよい。いくつかの実施形態において、エアロゾル生成材料は、「非晶質固体」を含んでもよく、これは代替的に「モノリシック固体」(すなわち、非繊維状)と称される場合もある。いくつかの実施形態では、非晶質固体は乾燥ゲルであってもよい。非晶質固体は、その中に液体などの何らかの流体を保持し得る固体材料である。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料は、例えば、約50wt%、60wt%、または70wt%の非晶質固体から、約90wt%、95wt%、または100wt%の非晶質固体までを含み得る。
【0169】
エアロゾル生成材料は、1つまたは複数の活性物質および/または香料、1つまたは複数のエアロゾル形成材料、ならびに任意選択的に1つまたは複数の他の機能性材料を含んでもよい。
【0170】
エアロゾル形成材料は、エアロゾルを形成可能な1つまたは複数の構成成分を含んでもよい。いくつかの実施形態では、エアロゾル形成材料は、グリセリン、グリセロール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、エリスリトール、メソエリスリトール、バニリン酸エチル、ラウリン酸エチル、スベリン酸ジエチル、クエン酸トリエチル、トリアセチン、ジアセチン混合物、安息香酸ベンジル、フェニル酢酸ベンジル、トリブチリン、酢酸ラウリル、ラウリン酸、ミリスチン酸、および炭酸プロピレンのうちの1つまたは複数を含み得る。
【0171】
1つまたは複数の他の機能性材料は、pH調整剤、着色剤、防腐剤、結合剤、充填剤、安定剤、および/または酸化防止剤のうち1つまたは複数を含んでもよい。
【0172】
材料は、基材を形成するために、支持体の上または中に存在してもよい。支持体は、例えば、紙、カード、板紙、厚紙、再構成材料、プラスチック材料、セラミック材料、複合材料、ガラス、金属、または金属合金であってもよく、またはそれらを含んでもよい。いくつかの実施形態では、支持体はサセプタを含む。いくつかの実施形態では、サセプタは材料内に埋め込まれる。いくつかの代替的な実施形態では、サセプタは、材料の片面または両面上にある。
【0173】
消耗品は、エアロゾル生成材料を含むかまたはそれからなる物品であり、その一部または全ては、ユーザによる使用中に消費されることが意図される。消耗品は、エアロゾル生成材料保管エリア、エアロゾル生成材料移送構成要素、エアロゾル生成エリア、ハウジング、包装材、マウスピース、フィルタ、および/またはエアロゾル改質剤など、1つまたは複数の他の構成要素を備えてもよい。消耗品はまた、使用中にエアロゾル生成材料にエアロゾルを生成させるために熱を放出する、ヒータなどのエアロゾル生成器を備えてもよい。ヒータは、例えば、可燃性材料、電気伝導によって加熱可能な材料、またはサセプタを備えてもよい。
【0174】
サセプタは、交流磁場などの変動磁場による貫通によって加熱可能な材料である。サセプタは、導電性材料であってもよく、その結果、変動磁場による導電性材料の貫通が加熱材料の誘導加熱を引き起こす。加熱材料は、磁性材料であってもよく、その結果、変動磁場による磁性材料の貫通が加熱材料の磁気ヒステリシス加熱を引き起こす。サセプタは、導電性と磁性の両方であってもよく、その結果、サセプタは両方の加熱機構によって加熱可能である。変動磁場を生成するように構成されたデバイスは、本明細書では磁場生成器と呼ばれる。
【0175】
エアロゾル改質剤は、例えば、エアロゾルの味、香味、酸性度または別の特性を変化させることによって、生成されたエアロゾルを改質するように構成された物質である。エアロゾル改質剤は、エアロゾル改質剤を選択的に放出するように動作可能なエアロゾル改質剤放出構成要素中に提供されてもよい。
【0176】
エアロゾル改質剤は、例えば、添加剤または吸着剤であってもよい。エアロゾル改質剤は、例えば、香味料、着色剤、水、および炭素吸着剤のうち1つまたは複数を含んでもよい。エアロゾル改質剤は、例えば、固体、液体、またはゲルであってもよい。エアロゾル改質剤は、粉末、糸、または顆粒の形態であってもよい。エアロゾル改質剤は、濾過材料を含まなくてもよい。
【0177】
エアロゾル生成器は、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するように構成された装置である。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成器は、エアロゾル生成材料から1つまたは複数の揮発性物質を放出してエアロゾルを形成するために、エアロゾル生成材料を熱エネルギーに供するように構成されたヒータである。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成器は、加熱せずにエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するように構成されている。例えば、エアロゾル生成器は、エアロゾル生成材料を振動、圧力上昇、または静電エネルギーの1つまたは複数に供するように構成されてもよい。
【0178】
例えばロッドの形状の物品である物品は、製品長に従って命名されることが多く、「レギュラー」(典型的には、68~75mmの範囲、例えば、約68mm~約72mm)、「ショート」または「ミニ」(68mm以下)、「キングサイズ」(典型的には、75~91mmの範囲、例えば、約79mm~約88mm)、「ロング」または「スーパーキング」(典型的には、91~105mmの範囲、例えば、約94mm~約101mm)、および「ウルトラロング」(典型的には、約110mm~約121mmの範囲)。
【0179】
物品はまた、製品周長に従って命名される:「レギュラー」(約23~25mm)、「ワイド」(25mm超)、「スリム」(約22~23mm)、「デミスリム」(約19~22mm)、「スーパースリム」(約16~19mm)、および「マイクロスリム」(約16mm未満)。
【0180】
したがって、キングサイズのスーパースリム形式の物品は、例えば、約83mmの長さおよび約17mmの周長を有する。
【0181】
各形式は、異なる長さのマウスピースを用いて製造されてもよい。マウスピースの長さは、約30mm~50mmである。チッピング紙は、マウスピースをエアロゾル生成材料に接続し、通常、チッピング紙がマウスピースを覆い、例えば基材材料のロッドの形態でエアロゾル生成材料に重なり、マウスピースをロッドに接続するように、マウスピースよりも長い、例えば3~10mm長い長さを有する。
【0182】
本明細書に記載の物品ならびに物品のエアロゾル生成材料およびマウスピースは、上記の形式のいずれかで作製することができるが、これらに限定されない。
【0183】
本明細書で使用される「上流」および「下流」という用語は、使用中の物品またはデバイスを通して引き込まれる主流エアロゾルの方向に関して規定される相対的な用語である。
【0184】
本明細書に記載のフィラメント状トウ材料は、酢酸セルロース繊維トウを含むことができる。フィラメント状トウは、ポリビニルアルコール(PVOH)、ポリ乳酸(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリ(1-4ブタンジオールスクシネート)(PBS)、ポリ(ブチレンアジペート-コ-テレフタレート)(PBAT)、デンプン系材料、綿、脂肪族ポリエステル材料および多糖類ポリマーまたはそれらの組合せなどの、繊維を形成するために使用される他の材料を使用して形成することもできる。フィラメント状トウは、材料が酢酸セルローストウであるトリアセチンなどのトウに適した可塑剤で可塑化されてもよく、またはトウは可塑化されなくてもよい。トウは、「Y」字形または「X」字形などの他の断面を有する繊維などの任意の適切な仕様を有することができ、フィラメント当たり2.5~15デニール、例えばフィラメント当たり8.0~11.0デニール、および5,000~50,000、例えば10,000~40,000の総デニール値のフィラメント状デニール値を有する。
【0185】
本明細書で使用される場合、「タバコ材料」という用語は、タバコまたはその誘導体もしくは代替物を含む任意の材料を指す。「タバコ材料」という用語は、タバコ、タバコ誘導体、拡張タバコ、再生タバコまたはタバコ代替物のうちの1つまたは複数を含むことができる。タバコ材料は、粉砕タバコ、タバコ繊維、カットタバコ、押出タバコ、タバコステム、タバコラミナ、再生タバコおよび/またはタバコ抽出物のうちの1つまたは複数を含んでもよい。
【0186】
図5は、本明細書に記載の物品1、1’、1’’、1’’’、1’’’’のいずれかのエアロゾル生成材料3などのエアロゾル生成媒体/材料からエアロゾルを生成するための非燃焼式エアロゾル供給デバイス100の一例を示す。概略的には、デバイス100は、例えば本明細書に記載の物品1、1’、1’’、1’’’、1’’’’である、エアロゾル生成媒体を備える交換可能な物品110を加熱して、デバイス100のユーザによって吸入されるエアロゾルまたは他の吸入可能な媒体を生成するために使用され得る。デバイス100および交換可能な物品110は、ともにシステムを形成する。
【0187】
デバイス100は、デバイス100の様々な構成要素を取り囲み収容するハウジング102(外側カバーの形態)を備える。デバイス100は、開口部104を一方の端部内に有し、物品110が、加熱アセンブリによる加熱のために開口部104を通して挿入され得る。使用中に、物品110は、加熱アセンブリ内に完全にまたは部分的に挿入され得、そこで物品110は、ヒータアセンブリの1つまたは複数の構成要素によって加熱され得る。
【0188】
物品110がデバイス100に挿入されるとき、ヒータアセンブリの1つまたは複数の構成要素と物品110の管状本体4aとの間の最小距離は、3mm~10mmの範囲、例えば3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mmまたは10mmであってもよい。
【0189】
この例のデバイス100は、第1の端部部材106を備え、第1の端部部材106は、物品110が所定の位置にないときに開口部104を閉鎖するために第1の端部部材106に対して移動可能な蓋108を備える。図5では、蓋108は開放構成で示されているが、蓋108は閉鎖構成に移動し得る。例えば、ユーザは、蓋108を矢印「B」の方向にスライドさせ得る。
【0190】
デバイス100はまた、押されたときにデバイス100を動作させるボタンまたはスイッチなどの、ユーザ操作可能な制御要素112を含み得る。例えば、ユーザは、スイッチ112を操作することによってデバイス100をオンにし得る。
【0191】
デバイス100はまた、デバイス100のバッテリーを充電するためのケーブルを受容することができるソケット/ポート114などの電気部品を備え得る。例えば、ソケット114は、USB充電ポートなどの充電ポートであり得る。
【0192】
図6は、外側カバー102が取り外されており、物品110が存在しない図5のデバイス100を描写している。デバイス100は、長手方向軸線134を画定する。
【0193】
図6に示すように、第1の端部部材106はデバイス100の一方の端部に配置されており、第2の端部部材116はデバイス100の反対側の端部に配置されている。第1の端部部材106および第2の端部部材116は、デバイス100の端部表面を少なくとも部分的にともに画定する。例えば、第2の端部部材116の底部表面は、デバイス100の底部表面を少なくとも部分的に画定する。外側カバー102の縁部はまた、端部表面の一部分を画定し得る。この例では、蓋108はまた、デバイス100の上部表面の一部分を画定する。
【0194】
開口部104に最も近いデバイスの端部は、使用中にユーザの口に最も近いため、デバイス100の近位端部(または吸い口端部)として知られている場合がある。使用中に、ユーザは開口部104内に物品110を挿入し、ユーザ制御部112を操作してエアロゾル生成材料の加熱を開始し、デバイス内で生成されたエアロゾルを吸引する。これにより、エアロゾルは、デバイス100の近位端部に向かう流路に沿ってデバイス100を通って流れる。
【0195】
開口部104から最も遠いデバイスの他方の端部は、使用中に、ユーザの口から最も遠い端部であるため、デバイス100の遠位端部として知られている場合がある。ユーザがデバイス内で生成されたエアロゾルを吸引すると、エアロゾルはデバイス100の遠位端部から流れる。
【0196】
デバイス100は、電源118をさらに備える。電源118は、例えば、充電式バッテリーまたは非充電式バッテリーなどのバッテリーであり得る。適切なバッテリーの例には、例えば、リチウムバッテリー(リチウムイオンバッテリーなど)、ニッケルバッテリー(ニッケルカドミウムバッテリーなど)、およびアルカリバッテリーが含まれる。バッテリーは、必要に応じてコントローラ(図示せず)の制御下で電力を供給してエアロゾル生成材料を加熱するために、加熱アセンブリに電気的に結合されている。この例では、バッテリーは、バッテリー118を所定の位置に保持する中央支持体120に接続されている。
【0197】
デバイスは、少なくとも1つの電子モジュール122をさらに備える。電子モジュール122は、例えば、プリント回路基板(PCB)を備え得る。PCB122は、プロセッサなどの少なくとも1つのコントローラ、およびメモリを支持し得る。PCB122はまた、デバイス100の様々な電子部品を一緒に電気的に接続するための1つまたは複数の電気トラックを備え得る。例えば、バッテリー端子は、電力をデバイス100全体に分配することができるようにPCB122に電気的に接続され得る。ソケット114はまた、電気トラックを介してバッテリーに電気的に結合され得る。
【0198】
例示的なデバイス100では、加熱アセンブリは、誘導加熱アセンブリであり、誘導加熱プロセスを介して物品110のエアロゾル生成材料を加熱するための様々な構成要素を備える。誘導加熱は、電磁誘導により導電物(サセプタなど)を加熱するプロセスである。誘導加熱アセンブリは、誘導素子、例えば1つまたは複数のインダクタコイルと、交流電流などの可変電流を誘導素子に流すためのデバイスと、を備え得る。誘導素子内の可変電流は、変動磁場を生成する。変動磁場は、誘導素子に対して適切に位置決めされたサセプタを貫通し、サセプタ内部に渦電流を発生させる。サセプタは、渦電流に対する電気抵抗を有し、したがって、この抵抗に対する渦電流の流れは、サセプタをジュール加熱によって加熱させる。サセプタが鉄、ニッケル、またはコバルトなどの強磁性材料を含む場合、熱は、サセプタ内の磁気ヒステリシス損失によって、すなわち、変動磁場との磁性材料の整列の結果として生じる磁性材料内の磁気双極子の変動する向きによっても生成され得る。誘導加熱では、例えば伝導による加熱と比較して、サセプタ内部で熱が生成され、迅速な加熱が可能になる。さらに、誘導ヒータとサセプタとの間にいかなる物理的接触も必要とせず、構築および適用の自由度を高めることが可能になる。
【0199】
例示的なデバイス100の誘導加熱アセンブリは、サセプタ構成体132(本明細書では「サセプタ」と呼ばれる)と、第1のインダクタコイル124と、第2のインダクタコイル126と、を備える。第1のインダクタコイル124および第2のインダクタコイル126は、導電性材料から作製されている。この例では、第1のインダクタコイル124および第2のインダクタコイル126は、螺旋状に巻回されて螺旋状のインダクタコイル124、126を提供する、リッツ線/ケーブルから作製されている。リッツ線は、個別に絶縁されておりかつ一緒にねじられて単一のワイヤを形成する、複数の個別のワイヤを含む。リッツ線は、導体における表皮効果損失を低減させるように設計されている。例示的なデバイス100では、第1のインダクタコイル124および第2のインダクタコイル126は、矩形断面を有する銅リッツ線から作製されている。他の例では、リッツ線は、円形などの他の形状の断面を有し得る。
【0200】
第1のインダクタコイル124は、サセプタ132の第1のセクションを加熱するための第1の変動磁場を生成するように構成されており、第2のインダクタコイル126は、サセプタ132の第2のセクションを加熱するための第2の変動磁場を生成するように構成されている。この例では、第1のインダクタコイル124は、デバイス100の長手方向軸線134に沿った方向に、第2のインダクタコイル126に隣接している(すなわち、第1のインダクタコイル124および第2のインダクタコイル126は重ならない)。サセプタ構成体132は、単一のサセプタ、または2つ以上の別個のサセプタを備え得る。第1のインダクタコイル124および第2のインダクタコイル126の端部130は、PCB122に接続され得る。
【0201】
第1のインダクタコイル124および第2のインダクタコイル126は、いくつかの例では、互いに異なる少なくとも1つの特性を有し得ることが理解されよう。例えば、第1のインダクタコイル124は、第2のインダクタコイル126とは異なる少なくとも1つの特性を有し得る。より具体的には、一例では、第1のインダクタコイル124は、第2のインダクタコイル126とは異なるインダクタンス値を有し得る。図7において、第1のインダクタコイル124および第2のインダクタコイル126は、第1のインダクタコイル124が第2のインダクタコイル126よりも小さいサセプタ132のセクションにわたって巻回されるように、異なる長さである。したがって、第1のインダクタコイル124は、(個々のターン間の間隔が実質的に同じであると仮定して)第2のインダクタコイル126とは異なる数のターンを含み得る。さらに別の例では、第1のインダクタコイル124は、第2のインダクタコイル126とは異なる材料から作製され得る。いくつかの例では、第1のインダクタコイル124および第2のインダクタコイル126は、実質的に同一であり得る。
【0202】
この例では、第1のインダクタコイル124と第2のインダクタコイル126とは反対方向に巻回されている。これは、インダクタコイルが異なる時間にアクティブである場合に有用であり得る。例えば、最初に、第1のインダクタコイル124が、物品110の第1のセクション/部分を加熱するように動作し得、後に、第2のインダクタコイル126が、物品110の第2のセクション/部分を加熱するように動作し得る。コイルを反対方向に巻回することは、特定の種類の制御回路とともに使用されたときに非アクティブのコイル内に誘導される電流を低減させることに役立つ。図6では、第1のインダクタコイル124は右つる巻き螺旋であり、第2のインダクタコイル126は左つる巻き螺旋である。しかしながら、別の実施形態では、インダクタコイル124、126は同じ方向に巻回されてもよく、または第1のインダクタコイル124が左つる巻き螺旋であってもよく、第2のインダクタコイル126が右つる巻き螺旋であってもよい。
【0203】
この例のサセプタ132は中空であり、したがって、その中にエアロゾル生成材料が受容されるレセプタクルを画定する。例えば、物品110をサセプタ132内に挿入することができる。この例では、サセプタ120は、円形断面を有する管状である。
【0204】
サセプタ132は、1つまたは複数の材料から作製されてもよい。好ましくは、サセプタ132は、ニッケルまたはコバルトのコーティングを有する炭素鋼を含む。
【0205】
いくつかの例では、サセプタ132は、少なくとも2つの材料の選択的エアロゾル化のために2つの異なる周波数で加熱可能な少なくとも2つの材料を含むことができる。例えば、(第1のインダクタコイル124によって加熱される)サセプタ132の第1の部分は、第1の材料を含んでもよく、第2のインダクタコイル126によって加熱されるサセプタ132の第2の部分は、第2の異なる材料を含んでもよい。別の例では、第1のセクションは、第1および第2の材料を含んでもよく、第1および第2の材料は、第1のインダクタコイル124の動作に基づいて異なって加熱されてもよい。第1および第2の材料は、サセプタ132によって画定された軸線に沿って隣接していてもよく、またはサセプタ132内に異なる層を形成してもよい。同様に、第2のセクションは、第3および第4の材料を含んでもよく、第3および第4の材料は、第2のインダクタコイル126の動作に基づいて異なって加熱されてもよい。第3および第4の材料は、サセプタ132によって画定された軸線に沿って隣接していてもよく、またはサセプタ132内に異なる層を形成してもよい。例えば、第3の材料は、第1の材料と同じであってもよく、第4の材料は、第2の材料と同じであってもよい。代替物には、材料の各々は異なっていてもよい。サセプタは、例えば、炭素鋼またはアルミニウムを含んでもよい。
【0206】
図6のデバイス100は、一般に管状であり得かつサセプタ132を少なくとも部分的に取り囲み得る、絶縁部材128をさらに備える。絶縁部材128は、例えば、プラスチックなどの任意の絶縁材料から構築され得る。この特定の例では、絶縁部材は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)から構築されている。絶縁部材128は、サセプタ132内で発生した熱からデバイス100の様々な構成要素を絶縁するのに役立ち得る。
【0207】
絶縁部材128はまた、第1のインダクタコイル124および第2のインダクタコイル126を完全にまたは部分的に支持することができる。例えば、図7に示すように、第1のインダクタコイル124および第2のインダクタコイル126は、絶縁部材128の周りに位置決めされており、絶縁部材128の半径方向外側表面と接触している。いくつかの例では、絶縁部材128は、第1のインダクタコイル124および第2のインダクタコイル126に当接しない。例えば、絶縁部材128の外側表面と第1のインダクタコイル124および第2のインダクタコイル126の内側表面との間に小さな間隙があってもよい。
【0208】
具体的な例では、サセプタ132、絶縁部材128、ならびに第1のインダクタコイル124および第2のインダクタコイル126は、サセプタ132の中心長手方向軸線を中心として同軸である。
【0209】
図7は、部分断面におけるデバイス100の側面図を示している。この例では、外側カバー102が存在する。第1のインダクタコイル124および第2のインダクタコイル126の矩形断面形状がより明瞭に視認できる。
【0210】
デバイス100は、サセプタ132の一方の端部と係合してサセプタ132を所定の位置に保持する支持体136をさらに備える。支持体136は、第2の端部部材116に接続されている。
【0211】
デバイスはまた、制御要素112内に関連付けられた第2のプリント回路基板138を備え得る。
【0212】
デバイス100は、デバイス100の遠位端部に向かって配置された第2の蓋/キャップ140およびばね142をさらに備える。ばね142は、第2の蓋140が開放されてサセプタ132へのアクセスを提供することを可能にする。ユーザは、第2の蓋140を開放してサセプタ132および/または支持体136を清掃することができる。
【0213】
デバイス100は、サセプタ132の近位端部から離れるようにデバイスの開口部104に向かって延在する膨張チャンバ144をさらに備える。膨張チャンバ144内に少なくとも部分的に、物品110がデバイス100内に受容されたときに物品110に当接し保持するための保持クリップ146が位置する。膨張チャンバ144は、端部部材106に接続されている。
【0214】
図8は、外側カバー102が省略された、図7のデバイス100の分解図である。
【0215】
図9Aは、図8のデバイス100の一部分の断面を描写している。図9Bは、図9Aの領域の拡大図を描写している。図10Aおよび図10Bは、サセプタ132内に受容された物品110を示しており、物品110は、物品110の外側表面がサセプタ132の内側表面に当接するように寸法決めされている。これにより、加熱が最も効率的に行われることが保証される。この例の物品110は、エアロゾル生成材料110aを備える。エアロゾル生成材料110aは、サセプタ132内に位置決めされている。物品110はまた、フィルタ、包装材料、および/または冷却構造体などの他の構成要素を備えてもよい。
【0216】
図9Bは、サセプタ132の外側表面が、サセプタ132の長手方向軸線158に対して垂直な方向に測定した距離150だけインダクタコイル124、126の内側表面から離間していることを示している。1つの特定の例では、距離150は、約3mm~4mm、約3~3.5mm、または約3.25mmである。
【0217】
図9Bは、絶縁部材128の外側表面が、サセプタ132の長手方向軸線158に対して垂直な方向に測定した距離152だけインダクタコイル124、126の内側表面から離間していることをさらに示している。1つの特定の例では、距離152は約0.05mmである。別の例では、距離152は、インダクタコイル124、126が絶縁部材128に当接し接触するように、実質的に0mmである。
【0218】
一例では、サセプタ132は、約0.025mm~1mm、または約0.05mmの壁厚154を有する。
【0219】
一例では、サセプタ132は、約40mm~60mm、約40mm~45mm、または約44.5mmの長さを有する。
【0220】
一例では、絶縁部材128は、約0.25mm~2mm、0.25mm~1mm、または約0.5mmの壁厚156を有する。
【0221】
エアロゾル供給システムにおいて使用するための物品のための構成要素を製造する方法は、シート材料の供給物を準備するステップと、前記シート材料の第1の部分にクリンプパターンを適用するステップであって、クリンプパターンは、一連の実質的に平行な隆起部および溝を含み、第1のクリンプ係数によってスケーリングされる、適用するステップと、前記シート材料の第2の部分にクリンプパターンを適用するステップであって、クリンプパターンは、第2のクリンプ係数によってスケーリングされ、第1のクリンプ係数および第2のクリンプ係数は、熱、圧力、間隔または深さのうちの1つから選択される、適用するステップと、前記シート材料を寄せ集めて、第1のレベルのクリンプ加工を有する第1の領域と、第1の領域から長手方向にオフセットされ、第1のレベルのクリンプ加工とは異なる第2のレベルのクリンプ加工を含む第2の領域とを含む材料本体を形成するステップと、を含むことができる。
本明細書に記載のような構成要素を製造するように構成された装置は、クリンプパターンをシート材料に適用するためのクリンプローラであって、クリンプパターンは、一連の実質的に平行な隆起部および溝を含む、クリンプローラと、前記シート材料を寄せ集めて、第1のレベルのクリンプ加工を有する第1の領域と、第1の領域から長手方向にオフセットされ、第1のレベルのクリンプ加工とは異なる第2のレベルのクリンプ加工を含む第2の領域とを含む材料本体を形成するためのガニチャーアセンブリと、を備えることができる。
図1
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A-9B】
【手続補正書】
【提出日】2024-12-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル供給システムにおいて、またはエアロゾル供給システムとして使用するための物品のための構成要素であって、セルロース系材料のクリンプ加工されたシートを含む本体を備え、前記クリンプ加工されたシートが、第1のレベルのクリンプ加工を有する第1の領域と、前記第1の領域から長手方向にオフセットされ、前記第1のレベルのクリンプ加工とは異なる第2のレベルのクリンプ加工を含む第2の領域とを含む、構成要素。
【請求項2】
前記第1の領域および/または前記第2の領域が、3mm~30mmの長さである、請求項1に記載の構成要素。
【請求項3】
前記クリンプ加工のレベルが、前記クリンプ加工の深さおよび/または間隔に基づいて異なる、請求項1に記載の構成要素。
【請求項4】
前記クリンプ加工のレベルが、前記クリンプ加工が適用される圧力および/または温度に基づいて異なる、請求項1に記載の構成要素。
【請求項5】
前記クリンプ加工のレベルが、前記第1の領域でより大きく、前記第1の領域が、前記構成要素の長手方向端部にある、請求項1~4のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項6】
少なくとも1つの物体が、前記第1の領域または前記第2の領域のうちの一方に埋め込まれており、前記第1の領域または前記第2の領域のうちの前記一方を形成する前記シート材料に適用されるクリンプ加工係数が、前記第1の領域または前記第2の領域のうちの他方を形成する前記シート材料に適用されるクリンプ加工係数よりも低い、請求項1~4のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項7】
前記少なくとも1つの物体が、管状要素および/またはエアロゾル改質剤放出構成要素である、請求項6に記載の構成要素。
【請求項8】
物体が、前記第1の領域に埋め込まれている、請求項1~4のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項9】
前記物体が、管状要素またはエアロゾル改質剤を含む、請求項8に記載の構成要素。
【請求項10】
前記物体が、管状要素を含み、前記管状要素が、前記構成要素の長手方向端部まで延在する、請求項9に記載の構成要素。
【請求項11】
第2の物体が、前記第1の領域または前記第2の領域に埋め込まれている、請求項8に記載の構成要素。
【請求項12】
前記第2の物体が、管状要素またはエアロゾル改質剤放出構成要素を含む、請求項11に記載の構成要素。
【請求項13】
前記構成要素が、単一の物品のマウスピースを形成する、請求項1~のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項14】
前記セルロース系材料が、紙であり、任意選択的に、前記紙が、木材パルプから形成される、請求項1~のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項15】
前記第1の物体および前記第2の物体が、0.5mm~30mm、または1mm~20mm、または1mm~15mmの間隙によって分離されている、請求項11に記載の構成要素。
【請求項16】
前記本体が、前記間隙内に延在する、請求項15に記載の構成要素。
【請求項17】
前記物体が、前記構成要素の長手方向端部から少なくとも5mm、または少なくとも8mm、または少なくとも10mmだけ離間している、請求項7に記載の構成要素。
【請求項18】
前記セルロース系材料の管状本体が、寄せ集められたシート材料を含み、前記寄せ集められたシート材料が、切り欠き部分を含む、請求項1~のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項19】
エアロゾル供給システムにおいて、またはエアロゾル供給システムとして使用するための物品であって、請求項1~のいずれか一項に記載の構成要素を備える、物品。
【請求項20】
エアロゾル供給システムにおいて使用するための物品のための構成要素を製造する方法であって、
シート材料の供給物を準備するステップと、
前記シート材料の第1の部分にクリンプパターンを適用するステップであって、前記クリンプパターンが、一連の実質的に平行な隆起部および溝を含み、第1のクリンプ係数によってスケーリングされる、適用するステップと、
前記シート材料の第2の部分にクリンプパターンを適用するステップであって、前記クリンプパターンが、第2のクリンプ係数によってスケーリングされ、前記第1のクリンプ係数および前記第2のクリンプ係数が、熱、圧力、間隔または深さのうちの1つから選択される、適用するステップと、
前記シート材料を寄せ集めて、第1のレベルのクリンプ加工を有する第1の領域と、前記第1の領域から長手方向にオフセットされ、前記第1のレベルのクリンプ加工とは異なる第2のレベルのクリンプ加工を含む第2の領域とを含む材料本体を形成するステップと、
を含む、方法。
【請求項21】
請求項1~のいずれか一項に記載の構成要素を製造するように構成された装置であって、
クリンプパターンをシート材料に適用するためのクリンプローラであって、前記クリンプパターンが、一連の実質的に平行な隆起部および溝を含む、クリンプローラと、
前記シート材料を寄せ集めて、第1のレベルのクリンプ加工を有する第1の領域と、前記第1の領域から長手方向にオフセットされ、前記第1のレベルのクリンプ加工とは異なる第2のレベルのクリンプ加工を含む第2の領域とを含む材料本体を形成するためのガニチャーアセンブリと、
を備える、装置。
【国際調査報告】