(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-17
(54)【発明の名称】手術用インストルメント
(51)【国際特許分類】
A61B 17/29 20060101AFI20250109BHJP
【FI】
A61B17/29
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024539307
(86)(22)【出願日】2022-12-29
(85)【翻訳文提出日】2024-06-27
(86)【国際出願番号】 KR2022021611
(87)【国際公開番号】W WO2023128657
(87)【国際公開日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】10-2021-0191638
(32)【優先日】2021-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516316716
【氏名又は名称】リブスメド インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】ゾ、ジュンヒ
(72)【発明者】
【氏名】イ、ジョンジュ
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヒジン
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160GG24
4C160NN02
4C160NN03
4C160NN09
4C160NN15
(57)【要約】
本発明は、手術用インストルメントに関するもので、詳細には、腹腔鏡手術または様々な手術で使用するために手動または自動で操作可能な手術用インストルメントにおいて、少なくともいずれか一つの動作に対するロックおよび/またはロック解除が可能なロック装置を含む手術用インストルメントに関するものである。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上のジョー(jaw)を含み、2つ以上の方向に回転可能に形成されるエンドツール(end tool)、
前記エンドツールの前記2つ以上の方向への回転を制御する操作部、
前記操作部と連結されて前記操作部の回転を前記ジョー(jaw)に伝達する1つ以上のジョーワイヤを含む動力伝達部、及び
第1方向(X軸)に延びて形成され、一方の端部には前記エンドツールが結合され、他端部には前記操作部が結合されて前記操作部と前記エンドツールを連結する連結部を含み、
前記操作部は、
前記エンドツールのピッチ(pitch)動作を制御するピッチ操作部、及び
前記ピッチ操作部に締結可能に形成され、前記ピッチ操作部との締結可否に応じて、前記ピッチ操作部のピッチ(pitch)動作をロックまたはロック解除するロック部材を含む、手術用インストルメント。
【請求項2】
前記ロック部材は、
前記ピッチ操作部に固定結合されたロック本体部及び、前記ロック本体部と締結可能に形成されるロック部を含む、請求項1に記載の手術用インストルメント。
【請求項3】
前記ロック部が第1位置にあるときは、前記ロック部が前記ロック本体部と締結されるように形成され、前記ロック本体部の動きが制限され、
前記ロック部が第2位置にあるときは、前記ロック部が前記ロック本体部から一定程度離隔するように形成され、前記ロック本体部の回転が可能となることを特徴とする、請求項2に記載の手術用インストルメント。
【請求項4】
前記ロック本体部は、複数の第1締結部を含むギア状に形成され、
前記ロック部は、前記第1締結部に締結可能にフック状に形成されることを特徴とする、請求項2に記載の手術用インストルメント。
【請求項5】
前記ロック部が前記第1位置または第2位置のいずれかに位置するように前記ロック部の位置を制御するロック制御部をさらに含む、請求項3に記載の手術用インストルメント。
【請求項6】
前記ロック制御部は、前記ロック本体部に対して直線往復運動可能に形成され、
前記ロック制御部は、いずれかの方向に移動しながら前記ロック部を加圧し、前記ロック部が前記ロック本体部から離隔する方向に前記ロック部を移動させることを特徴とする、請求項5に記載の手術用インスツルメント。
【請求項7】
前記ロック制御部の移動方向である一方向において、
前記ロック制御部の幅は、前記一方向に沿って行くにつれて増加することを特徴とする、請求項6に記載の手術用インストルメント。
【請求項8】
前記ロック制御部が前記一方向に移動しながら、
前記ロック部が前記ロック本体部から離れる方向に前記ロック制御部が前記ロック部を加圧することを特徴とする、請求項7に記載の手術用インストルメント。
【請求項9】
前記ロック制御部と前記ロック本体部との間には、第1弾性部材が介在され、前記ロック部が前記第1位置または第2位置のいずれかに位置するように所定の弾性力を前記ロック制御部に加えることを特徴とする、請求項5に記載の手術用インストルメント。
【請求項10】
前記ピッチ操作部は前記連結部と軸結合し、前記ロック部材は前記連結部に対する前記ピッチ操作部が回転するか否かを制御することを特徴とする、請求項1に記載の手術用インストルメント。
【請求項11】
1つ以上のジョー(jaw)を含み、2つ以上の方向に回転可能に形成されるエンドツール(end tool)、
前記エンドツールの前記2つ以上の方向への回転を制御する操作部、
前記操作部と連結されて前記操作部の回転を前記ジョー(jaw)に伝達する1つ以上のジョーワイヤを含む動力伝達部、及び
第1方向(X軸)に延びて形成され、一方の端部には前記エンドツールが結合され、他端部には前記操作部が結合されて前記操作部と前記エンドツールとを連結する連結部を含み、
前記操作部は、
前記エンドツールのヨー(yaw)動作を制御するヨー操作部、及び
前記ヨー操作部に締結可能に形成され、前記ヨー操作部との締結可否に応じて、前記ヨー操作部のヨー(yaw)動作をロックまたはロック解除するロック部材を含む、手術用インストルメント。
【請求項12】
前記ロック部材は、
前記ヨー操作部に固定結合されたロック本体部、及び前記ロック本体部と締結可能に形成されるロック部を含む、請求項11に記載の手術用インストルメント。
【請求項13】
前記ロック部が第1位置にあるときは、前記ロック部が前記ロック本体部と締結されるように形成され、前記ロック本体部の動きが制限され、
前記ロック部が第2位置にあるときは、前記ロック部が前記ロック本体部から一定程度離隔するように形成され、前記ロック本体部の回転が可能となることを特徴とする、請求項12に記載の手術用インストルメント。
【請求項14】
前記ロック本体部は、複数の第1締結部を含むギア状に形成され、
前記ロック部は、前記第1締結部に締結可能にフック状に形成されることを特徴とする、請求項12に記載の手術用インストルメント。
【請求項15】
前記ロック部が前記第1位置または第2位置のいずれかを維持するように前記ロック部の位置を制御するロック制御部をさらに含む、請求項13に記載の手術用インストルメント。
【請求項16】
前記ロック制御部は、前記ロック本体部に対して直線往復運動可能に形成され、
前記ロック制御部は、いずれかの方向に移動しながら前記ロック部を加圧し、前記ロック部が前記ロック本体部から離隔する方向に前記ロック部を移動させることを特徴とする、請求項15に記載の手術用インストルメント。
【請求項17】
前記ロック制御部の移動方向である一方向において、
前記ロック制御部の幅は、前記一方向に沿って行くにつれて増加することを特徴とする、請求項16に記載の手術用インストルメント。
【請求項18】
前記ロック制御部が前記一方向に移動しながら、
前記ロック部が前記ロック本体部から離れる方向に前記ロック制御部が前記ロック部を加圧することを特徴とする、請求項17に記載の手術用インストルメント。
【請求項19】
前記ロック制御部と前記ロック本体部との間には、第1弾性部材が介在され、前記ロック部が前記第1位置または第2位置のいずれかに位置するように所定の弾性力を前記ロック制御部に加えることを特徴とする、請求項15に記載の手術用インストルメント。
【請求項20】
前記ヨー操作部はピッチ操作部と軸結合し、前記ロック部材は前記ピッチ操作部に対する前記ヨー操作部が回転するか否かを制御することを特徴とする、請求項11に記載の手術用インストルメント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手術用インストルメントに関し、具体的には腹腔鏡手術または様々な手術で使用するために手動または自動で作動可能な手術用インストルメントにおいて、少なくともいずれかの動作に対するロック及び/またはロック解除が可能なロック装置を含む手術用インストルメントに関する。
【背景技術】
【0002】
医学的において手術とは、皮膚や粘膜、その他の組織を医療機器を使って切除しったり、切ったり、操作を加えて病気を治すことをいう。特に、手術部位の皮膚を切開して開け、その内部にある器官などを治療、成形または除去する開腹手術などは、出血、副作用、患者の痛み、瘢痕などの問題を引き起こす。したがって、最近では皮膚に所定の孔を形成して医療機器、例えば、腹腔鏡、手術用インストルメント、微小手術用顕微鏡などのみを挿入して行う手術またはロボット(robot)を使用した手術が代替として脚光を浴びている。
【0003】
手術用インストルメントは、皮膚に穿孔された孔を通過するシャフトの一端に設けられたエンドツールを、所定の駆動部を使用して医師が直接手で操作したり、ロボットアームを用いて操作することにより手術部位を手術するためのツールである。手術用インストルメントに設けられたエンドツールの所定の構造を介した回転動作、鉗子動作(gripping)、切断動作(cutting)などを行う。
【0004】
ところで、このような手術用インストルメントを用いて手術を行っている間、ユーザが手術用インストルメントに力を加えなくても、手術用インストルメントが特定の姿勢に維持されてほしい、すなわちロック状態に対する必要性が存在した。例えば、第1手術用インストルメントが患者の組織をとっている状態で、医師が第2手術用インストルメントを用いてとっている組織を縫合(suturing)することを望む場合、第1手術用インストルメントが患者の組織をとっている状態でロック(locking)状態になってほしいという必要性が存在した。
【0005】
上述した背景技術は、発明者が本発明の導出のために保有していたり、または本発明の導出過程で習得した技術情報であり、必ずしも本発明の出願前に一般公衆に公開された公知技術とは限らない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、腹腔鏡手術または様々な手術で使用するための手動または自動で作動可能な手術用インストルメントにおいて、少なくともいずれかの動作のためのロック及び/またはロック解除可能なロック装置を含む手術用インストルメントを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態は、1つ以上のジョー(jaw)を含み、2つ以上の方向に回転可能に形成されるエンドツール(end tool)、前記エンドツールの前記2つ以上の方向への回転を制御する操作部、前記操作部と連結されて前記操作部の回転を前記ジョー(jaw)に伝達する1つ以上のジョーワイヤを含む動力伝達部、及び第1方向(X軸)に延びて形成され、一方の端部には前記エンドツールが結合され、他端部には前記操作部が結合されて前記操作部と前記エンドツールを連結する連結部を含み、前記操作部は、前記エンドツールのピッチ(pitch)動作を制御するピッチ操作部、及び前記ピッチ操作部に締結可能に形成され、前記ピッチ操作部との締結可否に応じて前記ピッチ操作部のピッチ(pitch)動作をロックまたはロック解除するロック部材を含む手術用インストルメントを提供する。
【0008】
本発明において、前記ロック部材は、前記ピッチ操作部に固定結合されたロック本体部、及び前記ロック本体部と締結可能に形成されるロック部とを含むことができる。
【0009】
本発明において、前記ロック部が第1位置にあるときは、前記ロック部が前記ロック本体部と締結されるように形成され、前記ロック本体部の動きが制限され、前記ロック部が第2位置にあるときは、前記ロック部が前記ロック本体部から一定程度離隔するように形成され、前記ロック本体部の回転が可能となる。
【0010】
本発明において、前記ロック本体部は、複数の第1締結部を含むギア状に形成され、前記ロック部は、前記第1締結部に締結可能にフック状に形成されてもよい。
【0011】
本発明において、前記ロック部が前記第1位置または第2位置のいずれかに位置するように前記ロック部の位置を制御するロック制御部をさらに含むことができる。
【0012】
本発明において、前記ロック制御部は、前記ロック本体部に対して直線往復運動可能に形成され、前記ロック制御部がいずれかの方向に移動しながら前記ロック部を加圧し、前記ロック部が前記ロック本体部から離隔する方向に前記ロック部を移動させることができる。
【0013】
本発明において、前記ロック制御部の幅は前記一方向に沿って行くにつれて増加することができる。
【0014】
本発明において、前記ロック制御部が前記一方向に移動しながら、前記ロック部が前記ロック本体部から離れる方向に前記ロック制御部が前記ロック部を加圧することができる。
【0015】
本発明において、前記ロック制御部と前記ロック本体部との間には、第1弾性部材が介在され、前記ロック部が前記第1位置または第2位置のいずれかに位置するように所定の弾性力を前記ロック制御部に加えることができる。
【0016】
本発明において、前記ピッチ操作部は前記連結部と軸結合し、前記ロック部材は前記連結部に対する前記ピッチ操作部が回転するか否かを制御することができる。
【0017】
本発明の他の実施形態は、1つ以上のジョー(jaw)を含み、2つ以上の方向に回転可能に形成されるエンドツール(end tool)、前記エンドツールの前記2つ以上の方向への回転を制御する操作部、前記操作部と連結されて前記操作部の回転を前記ジョー(jaw)に伝達する1つ以上のジョーワイヤを含む動力伝達部、及び第1方向(X軸)に延びて形成され、一方の端部には前記エンドツールが結合され、他端部には前記操作部が結合されて前記操作部と前記エンドツールとを連結する連結部を含み、前記操作部は、前記エンドツールのヨー(yaw)動作を制御するヨー操作部、及び前記ヨー操作部に締結可能に形成され、前記ヨー操作部との締結可否に応じて、前記ヨー操作部のヨー(yaw)動作をロックまたはロック解除するロック部材を含む手術用インストルメントを提供する。
【0018】
本発明において、前記ロック部材は、前記ヨー操作部に固定結合されたロック本体部、及び前記ロック本体部と締結可能に形成されるロック部を含むことができる。
【0019】
本発明において、前記ロック部が第1位置にあるときは、前記ロック部が前記ロック本体部と締結されるように形成され、前記ロック本体部の動きが制限され、前記ロック部が第2位置にあるときは、前記ロック部が前記ロック本体部から一定程度離隔するように形成され、前記ロック本体部の回転が可能となる。
【0020】
本発明において、前記ロック本体部は、複数の第1締結部を含むギア状に形成され、前記ロック部は、前記第1締結部に締結可能にフック状に形成されてもよい。
【0021】
本発明において、前記ロック部が前記第1位置または第2位置のいずれかに位置するように前記ロック部の位置を制御するロック制御部をさらに含むことができる。
【0022】
本発明において、前記ロック制御部は、前記ロック本体部に対して直線往復運動可能に形成され、前記ロック制御部がいずれかの方向に移動しながら前記ロック部を加圧し、前記ロック部が前記ロック本体部から離隔する方向に前記ロック部を移動させることができる。
【0023】
本発明において、前記ロック制御部の幅は前記一方向に沿って行くにつれて増加することができる。
【0024】
本発明において、前記ロック制御部が前記一方向に移動しながら、前記ロック部が前記ロック本体部から離れる方向に前記ロック制御部が前記ロック部を加圧することができる。
【0025】
本発明において、前記ロック制御部と前記ロック本体部との間には、第1弾性部材が介在され、前記ロック部が前記第1位置または第2位置のいずれかに位置するように所定の弾性力を前記ロック制御部に加えることができる。
【0026】
本発明において、前記ヨー操作部は前記連結部と軸結合し、前記ロック部材は前記連結部に対する前記ヨー操作部が回転するか否かを制御することができる。
【0027】
上述した以外の他の態様、特徴、利点は、以下の図面、特許請求の範囲及び発明の詳細な説明から明らかになるであろう。
【発明の効果】
【0028】
このような本発明により、少なくともいずれかの動作に対するロック及び/またはロック解除が可能となり、施術者の利便性が向上し、手術の精度、信頼性及び迅速性等が向上する効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】
図1aは従来の手術用インストルメントのピッチ動作概念図である。
図1bは従来の手術用インストルメントのヨー動作概念図である。
図1cは他の従来の手術用インストルメントのピッチ動作概念図である。
図1dは他の従来の手術用インストルメントのヨー動作概念図である。
図1eは本発明による手術用インストルメントのピッチ動作概念図である。
図1fは本発明による手術用インストルメントのヨー動作概念図である。
【
図2】本発明の第1実施形態による手術用インストルメントを示す斜視図である。
【
図3】
図2の手術用インストルメントの側面図である。
【
図4】
図2の手術用インストルメントのエンドツールを示す斜視図である。
【
図5】
図2の手術用インストルメントのエンドツールを示す斜視図である。
【
図6】
図4の手術用インストルメントのエンドツールハブを示す拡大斜視図である。
【
図7】
図2の手術用インストルメントのエンドツールを示す平面図である。
【
図8】
図2の手術用インストルメントのエンドツールを示す平面図である。
【
図9】
図2の手術用インストルメントの操作部を示す斜視図である。
【
図10】
図2の手術用インストルメントの操作部を示す斜視図である。
【
図11】
図2に示す手術用インストルメントの関節を構成するプーリ及びワイヤの構成のみを簡略に示す図である。
【
図12】
図2に示す手術用インストルメントのロック状態を示す斜視図である。
【
図13】
図2に示す手術用インストルメントのロック解除状態を示す斜視図である。
【
図14】
図12に示す手術用インストルメントのロック装置の結合斜視図である。
【
図15】
図12に示す手術用インストルメントのロック装置の分解斜視図である。
【
図16】
図14に示す手術用インストルメントのロック装置のロック状態を示す平面図である。
【
図17】
図14に示す手術用インストルメントのロック装置のロック状態を示す平面図である。
【
図18】
図14に示す手術用インストルメントのロック装置のロック解除状態を示す平面図である。
【
図19】
図14に示す手術用インストルメントのロック装置のロック解除状態を示す平面図である。
【
図20】
図2に示す手術用インストルメントのロック装置の分解斜視図である。
【
図21】
図2に示す手術用インストルメントのレバー部のロック状態を示す斜視図である。
【
図22】
図2に示す手術用インストルメントのレバー部のロック解除状態を示す斜視図である。
【
図23】
図2に示す手術用インストルメントのピッチ動作を示す斜視図である。
【
図24】
図2に示す手術用インストルメントのピッチ動作を示す斜視図である。
【
図25】
図2に示す手術用インストルメントのヨー動作を示す斜視図である。
【
図26】
図2に示す手術用インストルメントのヨー動作を示す斜視図である。
【
図27】本発明の他の実施形態によるロック装置のロック状態を示す平面図である。
【
図28】本発明の他の実施形態によるロック装置のロック解除状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明は、様々な変換を加えることができ、様々な実施形態を有することができるので、特定の実施形態を図面に示し、これについて詳細に説明する。しかしながら、これは本発明を特定の実施形態に対して限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術的範囲に含まれるすべての変換、等価物ないし代替物を含むものと理解されるべきである。本発明の説明するにあたって、関連する公知技術の具体的な説明が本発明の要旨を不明瞭にすると判断される場合、その詳細な説明は省略する。
【0031】
第1、第2などの用語は様々な構成要素を説明するために使用することができるが、前記構成要素は前記用語によって限定されるべきではない。前記用語は、ある構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ使用される。
【0032】
本出願で使用される用語は、単に特定の実施形態を説明するために使用されたものであり、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上明らかに他に意味がない限り、複数の表現を含む。本出願において、「含む」または「有する」などの用語は、本明細書に記載の特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品、またはそれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであり、1つまたは複数の他の特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品、またはこれらを組み合わせたものの存在または追加の可能性を予め排除しないことと理解されるべきである。
【0033】
以下、本発明の実施形態を添付した図面を参照して詳細に説明することにし、添付図面を参照して説明するにあたり、同一または対応する構成要素は同一の図面番号を付与し、これに対する重複する説明は省略する。
【0034】
また、本発明の様々な実施形態を説明するにあたり、各実施形態が独立して解釈または実施されるべきではなく、各実施形態で説明される技術的思想が個別に説明される他の実施形態に組み合わせて解釈または実施することができるものと理解されるべきである。
【0035】
本発明による手術用インストルメントは、ピッチ、ヨー、アクチュエーション動作のうち少なくともいずれか1つ以上の動作に対して、操作部をある一方向に回転させると、エンドツールが操作部の操作方向と直観的に同じ方向に回転することを特徴とする。
【0036】
図1Aは、従来の手術用インストルメントのピッチ動作の概念図であり、
図1Bは、ヨー動作の概念図である。
【0037】
図1Aを参照すると、従来の手術用インストルメントのピッチ動作を行うにあたり、エンドツール120aはエンドツールの回転中心121aよりも前方に形成され、操作部110aは操作部の回転中心111aよりも後方に形成された状態で、操作部110aを時計方向に回転させるとエンドツール120aも時計方向に回転し、操作部110aを反時計方向に回転させるとエンドツール120aも反時計方向に回転するように形成される。一方、
図1Bを参照すると、従来の手術用インストルメントのヨー動作を行うにあたり、エンドツール120aはエンドツールの回転中心121aよりも前方に形成され、操作部110aは操作部の回転中心111aよりも後方に形成された状態で、操作部110aを時計方向に回転させるとエンドツール120aも時計方向に回転し、操作部110aを反時計方向に回転させるとエンドツール120aも反時計方向に回転するように形成される。この場合、ユーザの左右方向の観点から見ると、ユーザが操作部110aを左に動かすと、エンドツール120aは右に動き、ユーザが操作部110aを右に動かすと、エンドツール120aは左に動くようになる。その結果、ユーザの操作方向とエンドツールの動作方向とが逆になることで、ユーザに錯誤を引き起こす可能性があり、ユーザの操作が容易でないという問題があった。
【0038】
図1Cは、他の従来の手術用インストルメントのピッチ動作の概念図であり、
図1Dは、ヨー動作の概念図である。
【0039】
図1Cを参照すると、従来の手術用インストルメントのうち一部はミラー対称形態で形成され、ピッチ動作を行うにあたり、エンドツール120bはエンドツールの回転中心121bよりも前方に形成され、操作部110bは操作部の回転中心111bよりも後方に形成された状態で、操作部110bを時計方向に回転させると、エンドツール120bは反時計方向に回転し、操作部110bを反時計方向に回転させると、エンドツール120bは時計方向に回転するように形成される。この場合、操作部とエンドツールの回転方向という観点から見ると、ユーザが操作部110bを回転させる回転方向とそれに応じたエンドツール120bの回転方向とは互いに逆になる。その結果、ユーザに操作方向の混乱をもたらす可能性があり、関節の動作が直観的ではなく、ミスを引き起こす可能性があるという問題があった。また、
図1Dを参照すると、ヨー動作を行うにあたり、エンドツール120bはエンドツールの回転中心121bよりも前方に形成され、操作部110bは操作部の回転中心111bよりも後方に形成された状態で、操作部110bを時計方向に回転させると、エンドツール120bが反時計方向に回転し、操作部110bを反時計方向に回転させると、エンドツール120bは時計方向に回転するように形成される。この場合、操作部とエンドツールの回転方向という観点から見ると、ユーザが操作部110bを回転させる回転方向とそれに応じたエンドツール120bの回転方向とは互いに逆になる。その結果、ユーザに操作方向の混乱をもたらす可能性があり、関節の動作が直観的ではなく、ミスを引き起こす可能性があるという問題があった。このように従来の手術用インストルメントのユーザのピッチまたはヨー操作において、ユーザの操作方向とエンドツールの動作方向とが回転方向の観点または左右方向の観点のいずれかにおいては互いに一致しない。これは、従来の手術用インストルメントの関節構成において、エンドツールと操作部との構成が互いに異なるためである。すなわち、エンドツールはエンドツールの回転中心よりも前方に形成されたのに対し、操作部は操作部の回転中心よりも後方に形成されるためである。このような問題を解決するために、
図1E及び
図1Fに示す本発明の一実施形態による手術用インストルメントは、エンドツール120cをエンドツールの回転中心121cよりも前方に形成し、操作部110cも操作部の回転中心111cよりも前方に形成し、操作部110cとエンドツール120cの動作とが直観的に一致するようにすることを特徴とする。このような特性を別に表現すると、
図1A、
図1B、
図1C及び
図1Dのように、操作部が自分の関節に対してユーザ側に近づく(すなわち、エンドツールから離れる)構成の既存の例とは異なり、
図1E及び
図1Fに示す本発明の一実施形態による手術用インストルメントは、操作過程のある一瞬間以上では、操作部の少なくとも一部が自分の関節を基準に(自分の関節よりも)エンドツールにさらに近づけるように形成されるものである。
【0040】
これを別に説明すると、
図1A、
図1B、
図1C及び
図1Dのような従来の手術用インストルメントの場合には、エンドツールが自分の回転中心よりも前方に位置するのに対し、操作部は自分の回転中心よりも後方に形成され、前方が固定された状態で後方を動かす操作部の動作により、後方が固定された状態で前方が動くエンドツールを動かすことになるので、構造上直観的に一致しない構造である。これにより、操作部の操作とエンドツールの動作において左右方向の観点または回転方向の観点において不一致が生じ、ユーザに混乱をもたらす可能性があり、操作部の操作を直観的に迅速に行うことが困難になり、ミスを引き起こす可能性があるという問題があった。これに対し、本発明の一実施形態による手術用インストルメントは、エンドツールと操作部の両方が後方に形成された回転中心を基準に動くため、構造上直観的に動作が互いに一致すると言えるのである。別に説明すると、エンドツールの動く部分が後方に形成された回転中心を基準に動くように、操作部の動く部分も後方に形成された当該回転中心を基準に動くため、構造上直観的に動作が一致すると言える。これにより、ユーザはエンドツール方向の操縦を直観的に迅速に行うことができ、ミスが引き起こされる可能性が著しく減るという利点がある。以下では、このような機能を可能にする具体的なメカニズムについて説明する。
【0041】
<手術用インストルメント >
【0042】
図2は、本発明の第1実施形態による手術用インストルメントを示す斜視図である。
図3は、
図2の手術用インストルメントの側面図である。
図4は、
図2の手術用インストルメントのエンドツールを示す斜視図である。
図5は、
図2の手術用インストルメントのエンドツールを示す斜視図である。
図6は、
図4の手術用インストルメントのエンドツールハブを示す拡大斜視図である。
図7は、
図2の手術用インストルメントのエンドツールを示す平面図である。
図8は、
図2の手術用インストルメントのエンドツールを示す平面図である。
図9は、
図2の手術用インストルメントの操作部を示す斜視図である。
図10は、
図2の手術用インストルメントの操作部を示す斜視図である。
図11は、
図2に示す手術用インストルメントの関節を構成するプーリ及びワイヤの構成のみを簡略に示す図である。
【0043】
まず、
図2及び
図3を参照すると、本発明の第1実施形態による手術用インストルメント10は、エンドツール(end tool)100、操作部200、動力伝達部300、及び連結部400を含む。
【0044】
ここで、連結部400は中空のシャフト(shaft)状に形成され、その内部に1つ以上のワイヤ及び電線が収容されてもよい。連結部400の一端部には、操作部200が結合され、他端部にはエンドツール100が結合され、連結部400は操作部200とエンドツール(end tool)100とを連結する役割を果たすことができる。ここで、本発明の第1実施形態による手術用インストルメント10の連結部400は、直線部401と折曲部402とを備え、エンドツール100と結合する側に直線部401が形成され、操作部200が結合する側に折曲部402が形成されていることを特徴とする。このように連結部400の操作部200側端部が折り曲げられて形成されることにより、ピッチ操作部201とヨー操作部202とアクチュエーション操作部203とがエンドツール100の延長線上に形成されるか、また延長線に隣接して形成される。これを別の側面で表現すると、折曲部402が形成する凹部内にピッチ操作部201及びヨー操作部202の少なくとも一部が収容されると説明してもよい。このような折曲部402の形状により、操作部200とエンドツール100との形状及び動作がさらに直観的に一致することができる。
【0045】
一方、折曲部402が形成される平面は、ピッチ平面、すなわち
図2のXZ平面と実質的に同じ平面であり得る。このように、折曲部402がXZ平面と実質的に同じ平面上に形成されることにより、操作部間の干渉が低減することができる。もちろん、エンドツールと操作部の直観的な動作のために、XZ平面だけでなく他の形態の構成も可能である。
【0046】
一方、折曲部402にはコネクタ410を形成されてもよい。コネクタ410は外部の電源(図示せず)と連結することができ、またはコネクタ410は電線(electric wire)411、412を介してジョー(jaw)103と連結され、外部の電源(図示せず)から供給される電気エネルギーをジョー(jaw)103に伝達することができる。
【0047】
操作部200は、連結部400の一端部に形成され、医師が直接操縦可能なインターフェース、例えば、鉗子状、スティック状、レバー状等で備えられ、これを医師が操縦すれば、当該インターフェースに連結され、手術患者の体内に挿入されるエンドツール100が所定の作動を行うことにより手術を行うことになる。ここで、
図2には、操作部200が指を入れた状態で回転させることができるハンドル状に形成されるものと示されているが、本発明の思想はこれに限定されず、エンドツール100と連結されてエンドツール100を操作することができる様々な形態の操作部が可能だと言える。
【0048】
エンドツール100は、連続部400の他端部に形成され、手術部位に挿入され、手術に必要な動作を行う。このようなエンドツール100の一例として、
図2に示すようにグリップ(grip)動作を行うための一対のジョー(jaw)103が使用されることができる。ただし、本発明の思想はこれに限定されず、手術のための様々な装置がエンドツール100として使用されてもよい。例えば、単腕焼灼器のような構成もエンドツールとして使用されてもよい。このようなエンドツール100は、動力伝達部300によって操作部200と連結され、動力伝達部300を介して操作部200の駆動力を伝達されることにより、グリップ(grip)、切断(cutting)、縫合(suturing)動作などの手術に必要な動作を行うことになる。
【0049】
ここで、本発明の第1実施形態による手術用インストルメント10のエンドツール100は、少なくとも1つ以上の方向に回転可能に形成され、例えばエンドツール100は、
図2のY軸を中心にピッチ(pitch)運動を行うとともに、
図2のZ軸を中心にヨー(yaw)運動及びアクチュエーション(actuation)運動を行うように形成されてもよい。
【0050】
ここで、本発明で使用されるピッチ(pitch)とヨー(yaw)とアクチュエーション(actuation)動作のそれぞれについて定義すれば次の通りである。
【0051】
まず、ピッチ(pitch)動作は、エンドツール100が連結部400の延びる方向(
図2のX軸方向)に対して上下方向に回転する運動、すなわち
図2のY軸を中心に回転する動作を意味する。言い換えれば、連結部400の延びる方向(
図2のX軸方向)に連結部400から延びて形成されているエンドツール100が連結部400に対してY軸を中心に上下に回転する運動を意味する。
【0052】
次に、ヨー(yaw)動作は、エンドツール100が連結部400の延びる方向(
図2のX軸方向)に対して左右方向に回転する動作、すなわち
図2のZ軸を中心に回転する動作を意味する。言い換えれば、連結部400の延びる方向(
図2のX軸方向)に連結部400から延びて形成されているエンドツール100が連結部400に対してZ軸を中心に左右に回転する運動を意味する。すなわち、エンドツール100に形成された2つのジョー(jaw)103がZ軸を中心に互いに同じ方向に回転する運動を意味する。
【0053】
一方、アクチュエーション(actuation)動作は、エンドツール100がヨー(yaw)動作と同じ回転軸を中心に回転するが、2つのジョー(jaw)103が互いに反対方向に回転しながらジョー(jaw)が閉じたり開いたりする動作を意味する。すなわち、エンドツール100に形成された2つのジョー(jaw)103がZ軸を中心に互いに反対方向に回転する運動を意味する。
【0054】
動力伝達部300は、操作部200とエンドツール100とを連結し、操作部200の駆動力をエンドツール100に伝達する役割を果たし、複数のワイヤ、プーリ、リンク、節、ギアなどを含んでもよい。
【0055】
このような
図2の手術用インストルメント10のエンドツール100、操作部200、動力伝達部300等については以下で詳細に説明する。
【0056】
(直観的駆動)
以下では、本発明の手術用インストルメント10の直観的な駆動について説明する。
【0057】
まず、ユーザは、手のひらで第1ハンドル204を握っている状態で、第1ハンドル204をY軸(すなわち、回転軸246)を中心に回転させてピッチ動作を行い、第1ハンドル204をZ軸(すなわち、回転軸243)を中心に回転させてヨー動作を行うことができる。また、ユーザは、親指と人差し指をアクチュエーション操作部203の一端部に形成されている指穴リング状の第1アクチュエーション延長部252及び/または第2アクチュエーション延長部257に入れた状態でアクチュエーション操作部203を操作してアクチュエーション動作を行うことができる。
【0058】
ここで、本発明の第1実施形態による手術用インストルメント10は、操作部200を連結部400に対してある一方向に回転させると、エンドツール100が操作部200の操作方向と、直観的に同じ方向に回転することを特徴とする。言い換えれば、操作部200の第1ハンドル204をある一方向に回転させると、エンドツール100も前記一方向と直観的に同じ方向に回転してピッチ運動またはヨー運動を行う。ここで、直観的に同じ方向とは、操作部200を把持しているユーザの指の移動方向とエンドツール100の先端部の移動方向とが実質的に同じ方向を成すものであると、付け加えてもよい。もちろん、ここで同じ方向とは、3次元座標上で完全に一致する方向ではなくてもよく、例えば、ユーザの指が左に移動するとエンドツール100の先端部も左に移動し、ユーザの指が下に移動するとエンドツール100の先端部も下に移動する程度の同一性だと理解してもよい。
【0059】
そして、このために本発明の第1実施形態による手術用インストルメント10は、操作部200とエンドツール100とが連結部400の延長軸(X軸)に垂直な平面を基準に同じ方向に形成されることを特徴とする。すなわち、
図2のYZ平面を基準に見たとき、操作部200は+X軸方向に延びて形成されており、同時にエンドツール100も+X軸方向に延びて形成されている。これを言い換えると、連結部400の一端部におけるエンドツール100の形成方向と、連結部400の他端部における操作部200の形成方向とが、YZ平面を基準に同じ方向であると言ってもよい。また、これを言い換えると、操作部200がそれを把持するユーザの胴体から離れる方向、すなわちエンドツール100が形成された方向の方に形成されたと言ってもよい。すなわち、アクチュエーション動作、ヨー動作、ピッチ動作のためにユーザが把持して動くようになる第1ハンドル204、第1アクチュエーション操作部251及び第2アクチュエーション操作部256等は、各動作を行うために動く部分が、当該動作のための各関節の回転中心よりも+X軸方向に延びて形成されている。これにより、エンドツール100の動く部分が当該動作のための各関節の回転中心よりも+X軸方向に延びて形成されているのと同様に操作部200を構成することができ、
図1を参照して説明したようにユーザの操作方向とエンドツールの動作方向とが回転方向の観点と左右方向の観点との両方が一致するようになり、結果として直観的に同じ操作が可能である。
【0060】
具体的には、従来の手術用インストルメントの場合、ユーザが操作部を操作する方向とエンドツールの実際の作動方向とが互いに異なって直観的に一致しないため、手術者の立場で直観的な作動が容易ではなく、エンドツールが所望の方向に動くように熟練するのに長い時間がかかり、場合によっては誤動作が発生して患者にダメージを与える可能性があるという問題があった。
【0061】
このような問題を解決するために、本発明の第1実施形態による手術用インストルメント10は、操作部200の操作方向とエンドツール100の作動方向とが直観的に同じ方向となるようにし、このために操作部200は、エンドツール100のように、アクチュエーション動作、ヨー動作、ピッチ動作のために実際に動く部分が各動作の対応する関節の回転中心より+X軸方向に延びて形成されることを特徴とする。
【0062】
以下では、
図2の手術用インストルメント10のエンドツール100、操作部200、動力伝達部300等についてより詳細に説明する。
【0063】
(動力伝達部)
以下では、
図2の手術用インストルメント10の動力伝達部300についてさらに詳細に説明する。
【0064】
図2~
図11を参照すると、本発明の一実施形態による手術用インストルメント10の動力伝達部300は、ワイヤ301、ワイヤ302、ワイヤ303、ワイヤ304、ワイヤ305、ワイヤ306を含んでもよい。
【0065】
ここで、ワイヤ301とワイヤ305とは一対であり、第1ジョーワイヤとしての役割を果たすことができる。ワイヤ302とワイヤ306とは一対であり、第2ジョーワイヤとしての役割を果たすことができる。ここで、第1ジョーワイヤであるワイヤ301及びワイヤ305と、第2ジョーワイヤであるワイヤ302及びワイヤ306とを包括する構成要素をジョーワイヤ(jaw wire)と呼ぶことができる。そして、ワイヤ303とワイヤ304とは一対であり、ピッチワイヤとしての役割を果たすことができる。
【0066】
また、本発明の一実施形態による手術用インストルメント10の動力伝達部300は、ワイヤとプーリとを結合するために各ワイヤの各端部に結合される締結部材321、 締結部材322、締結部材323、締結部材324、締結部材326、締結部材327を含んでもよい。ここで、各締結部材は、ボール(ball)状、チューブ(tube)状など、必要に応じて様々な形態であり得る。
【0067】
ここで、エンドツール100側では、締結部材321、締結部材322がピッチワイヤ-エンドツール締結部材の役割を果たし、締結部材323は第1ジョーワイヤ-エンドツール締結部材の役割を果たし、締結部材326は第2ジョーワイヤ-エンドツール締結部材の役割を果たすことができる。
【0068】
また、操作部200側では、締結部材324が第1ジョーワイヤ-操作部締結部材の役割を果たし、締結部材327は第2ジョーワイヤ-操作部締結部材の役割を果たすことができる。また、図面には示されていないが、操作部200側には、ピッチワイヤ-操作部締結部材がさらに形成されてもよい。
【0069】
ワイヤと締結部材及び各プーリ間の結合関係を詳細に説明すれば、次の通りである。
【0070】
まず、第1ジョーワイヤであるワイヤ301とワイヤ305とは、一つの単一ワイヤであり得る。単一ワイヤである第1ジョーワイヤの中間点に第1ジョーワイヤ-エンドツール締結部材である締結部材323をはめ込み、この締結部材323を圧着(Crimping)して固定した後、締結部材323を中心に第1ジョーワイヤの両筋をそれぞれワイヤ301とワイヤ305と呼ぶことができる。
【0071】
また、第1ジョーワイヤであるワイヤ301とワイヤ305とはそれぞれ別々のワイヤで形成され、締結部材323によってワイヤ301とワイヤ305とが連結されてもよい。
【0072】
そして、この締結部材323がプーリ111に結合されることにより、ワイヤ301及びワイヤ305がプーリ111と固定結合されることができる。これにより、ワイヤ301及びワイヤ305が引っ張られ、巻き戻されることによって、プーリ111が回転できるようになる。
【0073】
一方、ワイヤ301及びワイヤ305において締結部材323が締結された箇所の反対側の端部には、第1ジョーワイヤ-操作部締結部材324が結合されてもよい。
【0074】
そして、このように第1ジョーワイヤ-操作部締結部材324 がプーリ210に結合されることにより、ワイヤ301及びワイヤ305がプーリ210と固定結合されることができる。その結果、プーリ210がモータまたは人力によって回転すると、ワイヤ301及びワイヤ305が引っ張られ、巻き戻されることで、エンドツール100のプーリ111が回転できるようになる。
【0075】
これと同様に、第2ジョーワイヤであるワイヤ302とワイヤ306は、それぞれ第2ジョーワイヤ-エンドツール締結部材である締結部材326 と、第2ジョーワイヤ-操作部締結部材327 と結合される。そして、締結部材326 はプーリ121と結合し、第2ジョーワイヤ-操作部締結部材327 はプーリ220と結合する。その結果、プーリ220がモータまたは人力によって回転すると、ワイヤ302及びワイヤ306が引っ張られ、巻き戻されることで、エンドツール100のプーリ121が回転できるようになる。
【0076】
これと同様に、ピッチワイヤであるワイヤ303とワイヤ304は、それぞれピッチワイヤ-エンドツール締結部材である締結部材321 と、ピッチワイヤ-操作部締結部材(図示せず)と結合される。そして、締結部材321 はプーリ131と結合し、ピッチワイヤ-操作部締結部材(図示せず)はプーリ231と結合する。その結果、プーリ231がモータまたは人力によって回転すると、ワイヤ303及びワイヤ304が引っ張られ、巻き戻されることで、エンドツール100のプーリ131が回転できるようになる。
【0077】
(エンドツール)
以下では、
図2の手術用インストルメント10のエンドツール100についてさらに詳細に説明する。
【0078】
図4及び
図5は、
図2の手術用インストルメントのエンドツールを示す斜視図であり、
図6は、
図4の手術用インストルメントのエンドツールハブを示す拡大斜視図であり、
図7及び
図8は、
図2の手術用インストルメントのエンドツールを示す平面図である。
【0079】
ここで、
図4は、エンドツールハブ180及びピッチハブ107が結合された状態を示し、
図5は、エンドツールハブ180及びピッチハブ107が除去された状態を示す。そして、
図7は、ワイヤを中心に示す図であり、
図8は、プーリを中心に示す図である。
【0080】
図4~
図8を参照すると、本発明の第1実施形態のエンドツール(end tool)100は、グリップ(grip)動作を行うための一対のジョー(jaw)、すなわち第1ジョー101と第2ジョー102を設ける。ここで、第1ジョー101と第2ジョー102のそれぞれ、または第1ジョー101と第2ジョー102とを包括する構成要素をジョー(jaw)103と呼んでもよい。
【0081】
また、エンドツール100は、第1ジョー(jaw)101の回転運動に関連するプーリ111、プーリ113、プーリ114、プーリ115及びプーリ116を含むことができる。また、第2ジョー(jaw)102の回転運動に関連するプーリ121、プーリ123、プーリ124、プーリ125、プーリ126を含むことができる。
【0082】
ここで、図には対向しているプーリが互いに平行に形成されるように示されているが、本発明の思想はこれに限定されず、それぞれのプーリがエンドツールの構成に適した位置及びサイズで様々に形成され得る。
【0083】
また、本発明の第1実施形態のエンドツール(end tool)100は、エンドツールハブ180とピッチハブ107とを含むことができる。
【0084】
エンドツールハブ180には後述する回転軸141が貫通挿入され、さらに回転軸141に軸結合されたプーリ111及びプーリ121と、これと結合された第1ジョー101及び第2ジョー102の少なくとも一部がエンドツールハブ180の内部に収容されることができる。ここで、本発明の一実施形態は、エンドツールハブ180に補助プーリの役割を果たすガイド部183が形成されることを特徴とする。すなわち、エンドツールハブ180には、ワイヤ305及びワイヤ302の経路をガイドするガイド部183が形成されることができる。このようなエンドツールハブ180のガイド部183は、一種の補助プーリの役割を果たしてワイヤの経路を変更することができ、このように補助プーリの役割を果たすエンドツールハブ180のガイド部183については、後でより詳細に説明する。
【0085】
一方、エンドツールハブ180の一方の端部には、エンドツールピッチプーリの役割を果たすプーリ131が形成されてもよい。
図4に示すように、プーリ131がエンドツールハブ180と一体的(one-body)に形成されてもよい。この場合、プーリ131は、一種のガイドチャネル(guide channel)の形態でエンドツールハブ180の内部に形成され、ワイヤ303及びワイヤ304の経路をガイドすることができる。また、プーリ131がエンドツールハブ180とは別の部材で形成されてエンドツールハブ180と結合してもよい。そして、ワイヤ303及びワイヤ304がエンドツールピッチプーリの役割を果たすプーリ131に結合され、このプーリ131が回転軸143を中心に回転しながらピッチ動作を行うようになる。
【0086】
ピッチハブ107には回転軸143及び回転軸144が貫通挿入され、回転軸143によりピッチハブ107がエンドツールハブ180及びプーリ131と軸結合することができる。したがって、回転軸143を中心にエンドツールハブ180及びプーリ131がピッチハブ107に対してピッチ回転可能に形成されることができる。
【0087】
また、ピッチハブ107は、回転軸143に軸結合されたプーリ113、プーリ114、プーリ123、及びプーリ124の少なくとも一部を内部に収容することができる。また、ピッチハブ107は、回転軸144に軸結合されたプーリ115、プーリ116、プーリ125、及びプーリ126の少なくとも一部を内部に収容することができる。
【0088】
また、本発明の第1実施形態のエンドツール100は、回転軸141、回転軸143、及び回転軸144を含むことができる。上述したように、回転軸141はエンドツールハブ180に貫通挿入され、回転軸143と回転軸144とはピッチハブ107に貫通挿入されることができる。
【0089】
回転軸141、回転軸143、及び回転軸144は、エンドツール100の遠位部(distal end)104から近位部(proximal end)105方向へと順次に配置することができる。これにより、遠位部104から順に、回転軸141を1番ピン、回転軸143を3番ピン、回転軸144を4番ピンと呼んでもよい。さらに、回転軸141と回転軸143との間に配置されるエンドツールハブ180のガイド部183は、2番ピンの役割を果たすことができる。
【0090】
ここで、回転軸141はエンドツールジョープーリ回転軸として機能し、回転軸143はエンドツールピッチ回転軸として機能し、回転軸144はエンドツール100のエンドツールピッチ補助回転軸として機能することができる。また、エンドツールハブ180のガイド部183は、エンドツールジョー補助プーリ回転軸として機能することができる。
【0091】
このような各回転軸141、143、144には1つ以上のプーリが嵌まることができ、これについては以下で詳細に説明する。
【0092】
プーリ111はエンドツール第1ジョープーリとして機能し、プーリ121はエンドツール第2ジョープーリとして機能する。プーリ111は第1ジョープーリと呼んでもよく、プーリ121は第2ジョープーリと呼んでもよく、これら2つの構成要素を通称してエンドツールジョープーリと呼んでもよい。
【0093】
エンドツールジョープーリであるプーリ111及びプーリ121は互いに対向するように形成され、エンドツールジョープーリ回転軸である回転軸141を中心に互いに独立して回転可能に形成される。ここで、図には、プーリ111及びプーリ121が1つの回転軸141を中心に回転するように形成されているが、それぞれのジョープーリが別々の軸を中心に回転可能に形成されてもよいことは言うまでもない。ここで、プーリ111には第1ジョー(jaw)101が固定結合されてプーリ111と共に回転し、プーリ121には第2ジョー(jaw)102が固定結合されてプーリ121と共に回転することができる。プーリ111及びプーリ121の回転に応じて、エンドツール(end tool)100のヨー動作及びアクチュエーション動作が行われる。すなわち、プーリ111及びプーリ121が回転軸141を中心に同じ方向に回転すると、ヨー動作が行われるものであり、プーリ111及びプーリ121が回転軸141を中心に互いに反対方向に回転すると、アクチュエーション動作が行われるものである。
【0094】
ここで、第1ジョー(jaw)101とプーリ111とは、別の部材で形成されて互いに結合されてもよく、または第1ジョー(jaw)101とプーリ111とが一体的(one-body)に形成されてもよい。同様に、第2ジョー(jaw)102とプーリ121とは,別の部材で形成されて互いに結合されてもよく、第2ジョー(jaw)102とプーリ121とが一体的(one-body)に形成されてもよい。
【0095】
エンドツールハブ180のガイド部183は、エンドツールジョープーリであるプーリ111及びプーリ121の一方の側に形成され、エンドツールジョー補助プーリの役割を果たすことができる。具体的には、エンドツールハブ180のガイド部183は、プーリ111及びプーリ121の一方の側に位置することができる。このようなエンドツールハブ180のガイド部183については、後でより詳細に説明する。
【0096】
プーリ113とプーリ114とはエンドツール第1ジョーピッチメインプーリとして機能し、プーリ123とプーリ124とはエンドツール第2ジョーピッチメインプーリとして機能し、これら2つの構成要素を通称してエンドツールジョーピッチメインプーリと呼んでもよい。
【0097】
プーリ115とプーリ116とはエンドツール第1ジョーピッチサブプーリとして機能し、プーリ125とプーリ126とはエンドツール第2ジョーピッチサブプーリとして機能し、これら2つの構成要素を通称してエンドツールジョーピッチサブプーリと呼んでもよい。
【0098】
以下では、プーリ111の回転に関連する構成要素について説明する。
【0099】
プーリ113とプーリ114とは、エンドツール第1ジョーピッチメインプーリとして機能する。すなわち、第1ジョー101のピッチ動作のメイン回転プーリとして機能する。ここで、プーリ113には第1ジョーワイヤであるワイヤ301が巻き付けられ、プーリ114には第1ジョーワイヤであるワイヤ305が巻き付けられる。
【0100】
プーリ115とプーリ116とは、エンドツール第1ジョーピッチサブプーリとして機能する。すなわち、第1ジョー101のピッチ動作のサブ回転プーリとして機能する。ここで、プーリ115には第1ジョーワイヤであるワイヤ301が巻き付けられ、プーリ116には第1ジョーワイヤであるワイヤ305が巻き付けられる。
【0101】
ここで、プーリ111の一方の側には、互いに対向するようにプーリ113及びプーリ114が配置される。ここで、プーリ113及びプーリ114は、エンドツールピッチ回転軸である回転軸143を中心に互いに独立して回転可能に形成される。また、プーリ113及びプーリ114のそれぞれの一方の側には、互いに対向するようにプーリ115及びプーリ116が配置される。ここで、プーリ115及びプーリ116は、エンドツールピッチ補助回転軸である回転軸144を中心に互いに独立して回転可能に形成される。ここで、図には、プーリ113、プーリ115、プーリ114及びプーリ116が全てY軸方向を中心に回転可能に形成されるように示されているが、本発明の思想はこれに限定されず、各プーリの回転軸は、その構成に適するように様々な方向に形成することができる。
【0102】
第1ジョーワイヤであるワイヤ301は、プーリ115、プーリ113及びプーリ111と、少なくとも一部が接触するように順次に巻き付けられる。そして、締結部材323によってワイヤ301と連結されたワイヤ305は、プーリ111、ガイド部183、プーリ114及びプーリ116と、少なくとも一部が接触するように順次に巻き付けられる。
【0103】
これを他の観点から説明すると、第1ジョーワイヤであるワイヤ301とワイヤ305とは、プーリ115、プーリ113、プーリ111、ガイド部183、プーリ114及びプーリ116と、少なくとも一部が接触するように順次に巻き付けられ、ワイヤ301とワイヤ305とは、前記プーリを回転させながら前記プーリに沿って移動できるように形成される。
【0104】
したがって、ワイヤ301が
図7の矢印301側に引っ張られると、ワイヤ301が結合された締結部材323及びそれに結合されたプーリ111が、
図7の矢印L方向に回転することになる。逆に、ワイヤ305が
図7の矢印305側に引っ張られると、ワイヤ305が結合された締結部材323及びそれに結合されたプーリ111が、
図7の矢印R方向に回転することになる。
【0105】
次に、プーリ121の回転に関連する構成要素について説明する。
【0106】
プーリ123とプーリ124とは、エンドツール第2ジョーピッチメインプーリとして機能する。すなわち、第2ジョー102のピッチ動作のメイン回転プーリとして機能する。ここで、プーリ123には第2ジョーワイヤであるワイヤ306が巻き付けられ、プーリ124には第2ジョーワイヤであるワイヤ302が巻き付けられる。
【0107】
プーリ125とプーリ126とは、エンドツール第2ジョーサブプーリとして機能する。すなわち、第2ジョー102のピッチ動作のサブ回転プーリとして機能する。ここで、プーリ125には第2ジョーワイヤであるワイヤ306が巻き付けられ、プーリ126には第2ジョーワイヤであるワイヤ302が巻き付けられる。
【0108】
プーリ121の一方の側には、互いに対向するようにプーリ123及びプーリ124が配置される。ここで、プーリ123及びプーリ124は、エンドツールピッチ回転軸である回転軸143を中心に互いに独立して回転可能に形成される。また、プーリ123及びプーリ124のそれぞれの一方の側には、互いに対向するようにプーリ125及びプーリ126が配置される。ここで、プーリ125及びJ15プーリ123J25は、エンドツールピッチ補助回転軸である回転軸144を中心に互いに独立して回転可能に形成される。ここで、図には、プーリ123、プーリ125、プーリ124及びプーリ126が全てY軸方向を中心に回転可能に形成されるように示されているが、本発明の思想はこれに限定されず、各プーリの回転軸は、その構成に適するように様々な方向に形成することができる。
【0109】
第2ジョーワイヤであるワイヤ306は、プーリ125、プーリ123及びプーリ121と、少なくとも一部が接触するように順次に巻き付けられる。そして、締結部材326によってワイヤ306と連結されたワイヤ302は、プーリ121、ガイド部183、プーリ124及びプーリ126と、少なくとも一部が接触するように順次に巻き付けられる。
【0110】
これを他の観点から説明すると、第2ジョーワイヤであるワイヤ306とワイヤ302とは、プーリ125、プーリ123、プーリ121、ガイド部183、プーリ124及びプーリ126と、少なくとも一部が接触するように順次に巻き付けられ、ワイヤ306とワイヤ302とは、前記プーリを回転させながら前記プーリに沿って移動できるように形成される。
【0111】
したがって、ワイヤ306が
図7の矢印306側に引っ張られると、ワイヤ306が結合された締結部材322及びそれに結合されたプーリ121が、
図7の矢印R方向に回転することになる。逆に、ワイヤ302が
図7の矢印302側に引っ張られると、ワイヤ302が結合された締結部材326及びそれに結合されたプーリ121が、
図7の矢印L方向に回転することになる。
【0112】
以下では、本発明の一実施形態のエンドツールハブ180についてより詳細に説明し、特に補助プーリの役割を果たすエンドツールハブ180のガイド部183について重点的に説明する。
【0113】
エンドツールハブ180は、一対のジョープーリ結合部181、182、ガイド部183、ガイド溝184及びピッチプーリ部185を含む。
【0114】
具体的には、一対のジョープーリ結合部181、182は互いに対向するように形成され、その内部にプーリ111及びプーリ121が収容される。また、各ジョープーリ結合部181、182には貫通孔が形成されて、回転軸141がジョープーリ結合部181、182とプーリ111及びプーリ121とを貫通してこれらを軸結合させる。
【0115】
一対のジョープーリ結合部181、182はガイド部183によって連結される。すなわち、互いに平行な一対のジョープーリ結合部181、182は、これに対して大体垂直な方向に形成されるガイド部183によって結合され、一対のジョープーリ結合部181、182とガイド部183とは、大体「コ」の字型をなすようになり、その内部にプーリ111及びプーリ121が収容されるものである。
【0116】
これを他の観点から説明すると、Z軸方向に長く形成されているガイド部183の両端部から一対のジョープーリ結合部181、182がX軸方向に延びて形成されるとみなしてもよい。
【0117】
ここで、ガイド部183は、大体断面が半円の円柱状に形成されてもよい。そして、この半円部をプーリ111及びプーリ121の方に突出するように配置することができる。これを他の観点から表現すると、一対のジョープーリ結合部181、182とガイド部183とがなす空間に向けて、ガイド部183が突出形成されると表現してもよい。これを他の観点から表現すると、ガイド部183においてジョープーリ結合部181、182と隣接する領域は、その断面が所定の曲率を有するように湾曲して形成されると表現してもよい。
【0118】
あるいは、これを他の観点から表現すると、ガイド部183は、その外周面にワイヤ305及びワイヤ302が巻き付けられ、ワイヤ305及びワイヤ302の経路をガイドする、一種のプーリ部材としての機能を果たすとも言える。ただし、ここでガイド部183は、本来の意味のプーリのように所定の軸を中心に回転する部材ではなく、エンドツールハブ180の一部として固定されるように形成され、ただしその周りにワイヤが巻き付けられることによりワイヤの経路を案内するプーリの機能をいくつか同様に行うと言える。
【0119】
ここで、図には、ガイド部183が、大体断面が半円の円柱状に形成されるように示されている。すなわち、XY平面上におけるガイド部183の断面の少なくとも一部が所定の円弧形状をなすように示されている。しかしながら、本発明の思想はこれに限定されず、断面が楕円形、放物線などのように所定の曲率を有するように形成されるか、または多角柱の角がある程度丸くなるように形成されるなど、ワイヤ305及びワイヤ302の経路をガイドするのに適した様々な形状及びサイズで形成され得る。
【0120】
ここで、ガイド部183において、ワイヤ305及びワイヤ302と接触する部分には、ワイヤ305及びワイヤ302の経路をより良くガイドするためのガイド溝184をさらに形成することができる。ガイド溝184は、ガイド部183の突出面からある程度凹んだ溝(groove)状に形成されてもよい。
【0121】
ここで、図にはガイド溝184がガイド部183の円弧面全体に形成されるように示されているが、本発明の思想はこれに限定されず、必要に応じてガイド溝184がガイド部183の円弧面の一部にのみ形成されることも可能である。
【0122】
このようにガイド部183にガイド溝184をさらに形成することにより、ワイヤとの不要な摩擦を低減してワイヤの耐久性を向上させることができる。
【0123】
ガイド部183において、ジョープーリ結合部181、182の形成方向とは反対方向にピッチプーリ部185をさらに形成することができる。そして、ピッチプーリ部185には、ピッチワイヤであるワイヤ303及びワイヤ304が巻き付けられることができるピッチプーリであるプーリ131を形成することができる。ただし、ここでプーリ131は、本来の意味のプーリのように所定の軸を中心に回転する部材ではなく、エンドツールハブ180の一部として固定されるように形成され、ただしその周りにワイヤが巻き付けられることによりプーリの機能をいくつか同様に行うと言える。すなわち、プーリ131は、エンドツールハブ180のピッチプーリ部185に一種の溝(groove)状に形成することができ、このようなプーリ131は、ワイヤ303及びワイヤ304のガイドチャンネルの役割を果たすことができる。ここで、ピッチプーリ部185は、XZ平面上に形成することができる。そして、ピッチプーリ部185には、回転軸143が通挿入される貫通孔を形成することができる。
【0124】
一方、図には示されていないが、ピッチプーリ部とピッチプーリが別の部材で形成されて結合してもよく、回転軸143がピッチプーリ部とプーリとを貫通するように形成してもよい。
【0125】
以下では、ガイド部183の役割及び機能についてより詳細に説明する。
【0126】
ガイド部183は、ワイヤ305及びワイヤ302と接触してワイヤ305及びワイヤ302の配置経路を一定程度変更することにより、第1ジョー101及び第2ジョー102のそれぞれの回転半径を拡大する役割を果たすことができる。
【0127】
すなわち、補助プーリまたはガイド部183が配置されていない場合、第1ジョープーリであるプーリ111、第2ジョープーリであるプーリ121はそれぞれ直角までしか回転できなかったが、本発明の一実施形態ではエンドツールハブ180にガイド部183をさらに設けることによって、各プーリの最大回転角度が大きくなる効果を得ることができる。
【0128】
これは、エンドツール100の両ジョーが90°だけヨー回転した状態で、アクチュエーション動作のために両ジョーが広がらなければならない動作を可能にする。言い換えれば、エンドツールハブ180のガイド部183の構成により、アクチュエーション動作が可能なヨー回転の範囲を拡大できる特徴を有する。
【0129】
さらに、補助プーリなどの別個の構造物を追加することなく、既存在していたエンドツールハブ180にガイド部183を形成することにより、部品や製造工程を追加することなく回転範囲の拡大を実現することができる特徴を有する。
【0130】
このように、回転角度拡張のための別個の構造物をさらに配置しなくなり、部品点数が減り、製造工程が簡単になり、補助プーリの大きさだけエンドツールの長さが短くなり、ピッチ動作実行時のエンドツールの長さが短くなり、したがって、狭い空間で手術動作の実行がより容易になる効果を得ることができる。
【0131】
これをより詳細に説明すれば次の通りである。
【0132】
本発明の一実施形態による手術用インストルメントのエンドツール100では、エンドツールハブ180の内壁にワイヤの経路を変更できるガイド部183を形成することにより、別個の構造物がなくても、ワイヤの配置経路を変更することを特徴とする。このようにエンドツールハブ180にガイド部183を形成し、ワイヤ305、ワイヤ302の配置経路を一定程度変更することにより、ワイヤ305、ワイヤ302の接線方向を変更させ、したがって、各ワイヤとプーリとを結合させる締結部材323、締結部材326の回転角度が拡張されるのである。
【0133】
すなわち、ワイヤ302とプーリ121とを結合させる締結部材326は、プーリ121とガイド部183との共通内接線上に位置するまで回転可能になる。同様に、ワイヤ305とプーリ111とを結合させる締結部材(
図11の323参照)は、プーリ111とガイド部183との共通内接線上に位置するまで回転可能となり、締結部材(
図11の323参照)の回転角度を拡張することができる。
【0134】
これを他の観点から説明すると、ガイド部183によりプーリ111に巻き付けられたワイヤ301とワイヤ305とは、Y軸に垂直でX軸を通る平面を基準に一方の側に配置される。同時に、ガイド部183によってプーリ121に巻き付けられたワイヤ302とワイヤ306とは、Y軸に垂直でX軸を通る平面を基準に他側に配置される。
【0135】
言い換えれば、プーリ113及びプーリ114は、Y軸に垂直でX軸を通る平面を基準に一方の側に配置され、プーリ123及びプーリ124は、Y軸に垂直でX軸を通る平面を基準に他側に配置される。
【0136】
言い換えれば、ワイヤ305は、プーリ111とガイド部183との内接線上に位置し、ガイド部183によってプーリ111の回転角度が拡張される。また、ワイヤ302は、プーリ121とガイド部183との内接線上に位置し、ガイド部183によってプーリ121の回転角度が拡張される。
【0137】
別の補助プーリが形成された手術用インストルメントに比べて、補助プーリが形成されずにエンドツールハブ180の内壁にワイヤの経路を変更することができるガイド部183を形成した本実施形態の手術用インストルメントのエンドツールの長さが短くなることができる。このようにエンドツールの長さが短くなることにより、人体内の狭い手術空間で手術を行う際に施術者の操作が容易になり、手術の副作用が減少する効果を得ることができる。
【0138】
このような本発明により、第1ジョープーリであるプーリ111及び第2ジョープーリであるプーリ121の回転半径が広くなることにより、通常の開閉アクチュエーション動作を行うことができるヨー動作範囲が広がる効果を得ることができる。
【0139】
以下では、本発明のピッチ運動についてより詳細に説明する。
【0140】
一方、ワイヤ301は
図7の矢印301側に引っ張られ、同時にワイヤ305は
図7の矢印305側に引っ張られると(すなわち、第1ジョーワイヤの両筋が全て引っ張られると)、
図5のようにワイヤ301及びワイヤ305は、エンドツールピッチ回転軸である回転軸143を中心に回転可能なプーリ113とプーリ114との下方に巻き付けられているため、ワイヤ301及びワイヤ305が固定結合されているプーリ111及びプーリ111が結合されたエンドツールハブ180は、全体として回転軸143を中心に反時計方向に共に回転することになり、結果としてエンドツール100が下方に回転しながらピッチ運動を行うことになる。このとき、第2ジョー102及びこれに固定結合されたワイヤ302とワイヤ306は、回転軸143を中心に回転可能なプーリ123とプーリ124との上方に巻き付けられているため、ワイヤ302及びワイヤ306は、それぞれ302、306とは反対方向にほどけることになる。
【0141】
逆に、ワイヤ302は
図7の矢印302側に引っ張られ、同時にワイヤ306は
図7の矢印306側に引っ張られると、
図5のようにワイヤ302及びワイヤ306はエンドツールピッチ回転軸である回転軸143を中心に回転可能なプーリ123とプーリ124との上方に巻き付けられているため、ワイヤ302及びワイヤ306が固定結合されているプーリ121及びプーリ121が結合されたエンドツールハブ180は、全体として回転軸143を中心に時計方向に共に回転することになり、結果としてエンドツール100が上方に回転しながらピッチ運動を行うことになる。このとき、第1ジョー101及びこれに固定結合されたワイヤ301とワイヤ305は、回転軸143を中心に回転可能なプーリ113とプーリ114との下方に巻き付けられているため、ワイヤ302及びワイヤ306はそれぞれ301、305とは反対方向に移動することになる。
【0142】
一方、本発明の手術用インストルメント10のエンドツール100は、エンドツールピッチプーリであるプーリ131をさらに設け、操作部200は、操作部ピッチプーリであるプーリ231及びプーリ232をさらに設け、動力伝達部300は、ピッチワイヤであるワイヤ303及びワイヤ304をさらに設けることができる。具体的には、エンドツール100のプーリ131は、エンドツールピッチ回転軸である回転軸143を中心に回転可能であり、エンドツールハブ180と一体的に(または、エンドツールハブ180に固定結合するように)形成されてもよい。また、ワイヤ303及びワイヤ304は、エンドツール100のプーリ131と操作部200のプーリ231及びプーリ232とを連結する役割を果たすことができる。
【0143】
したがって、操作部200のプーリ231及びプーリ232が回転すると、プーリ231及びプーリ232の回転は、ワイヤ303及びワイヤ304を介してエンドツール100のプーリ131に伝達されてプーリ131も共に回転することになり、結果としてエンドツール100が回転しながらピッチ運動を行うようになるのである。
【0144】
すなわち、本発明の第1実施形態による手術用インストルメント10は、ピッチ運動のための動力伝達のためにエンドツール100のプーリ131、操作部200のプーリ231及びプーリ232、動力伝達部300のワイヤ303及びワイヤ304を設け、操作部200のピッチ動作の駆動力がより完全にエンドツール100に伝達されるようにすることで、動作信頼性を向上させることができる。
【0145】
ここで、エンドツールジョーピッチメインプーリであるプーリ113、プーリ114、プーリ123及びプーリ124の直径と、エンドツールピッチプーリであるプーリ131の直径とは等しくてもよく、または互いに異なってもよい。このとき、エンドツールジョーピッチメインプーリの直径対エンドツールピッチプーリの直径の比率は、後述する操作部200の操作部ピッチプーリの直径対操作部ピッチメインプーリの直径の比率と同じであってもよい。
【0146】
図9及び
図10は、
図2の手術用インストルメントの操作部を示す斜視図である。
図11は、
図2に示す手術用インストルメントの関節を構成するプーリ及びワイヤの構成のみを簡略に示す図である。
【0147】
図2~
図11を参照すると、本発明の第1実施形態による手術用インストルメント10の操作部200は、ユーザが把持可能な第1ハンドル204と、エンドツール100のアクチュエーション運動を制御するアクチュエーション操作部203と、エンドツール100のヨー運動を制御するヨー操作部202と、エンドツール100のピッチ運動を制御するピッチ操作部201とを含む。
【0148】
操作部200は、第1ジョー(jaw)101の回転運動に係るプーリ210、プーリ211、プーリ212、プーリ213、プーリ214、プーリ215、プーリ216、プーリ217、及びプーリ218を含んでもよい。また、第2ジョー(jaw)102の回転運動に係るプーリ220、プーリ221、プーリ222、プーリ223、プーリ224、プーリ225、プーリ226 、プーリ227及びプーリ228を含んでもよい。また、操作部200は、ピッチ運動に係るプーリ231、プーリ232、プーリ233、及びプーリ234を含んでもよい。また、連結部400の折曲部402の中間に配置された中介プーリであるプーリ235を含んでもよい。
【0149】
ここで、図には対向しているプーリが互いに平行に形成されるものと示されているが、本発明の思想はこれに限定されず、それぞれのプーリが操作部の構成に適合した位置及び大きさで様々に形成されてもよいと言える。
【0150】
また、本発明の第1実施形態の操作部200は、回転軸241、回転軸242、回転軸243、回転軸244、回転軸245及び回転軸246を含んでもよい。ここで、回転軸241は操作部第1ジョーアクチュエーション回転軸として機能し、回転軸242は操作部第2ジョーアクチュエーション回転軸として機能してもよい。そして、回転軸243は操作部ヨーメイン回転軸として機能し、回転軸244は操作部ヨーサブ回転軸として機能してもよい。そして、回転軸245は操作部ピッチサブ回転軸として機能し、回転軸246は操作部ピッチメイン回転軸として機能してもよい。
【0151】
回転軸241/回転軸242、回転軸243、回転軸244、回転軸245、及び回転軸246は、操作部200の遠位部(distal end)205から近位部(proximal end)206方向に向かって順次配置されてもよい。
【0152】
このようなそれぞれの回転軸241、242、243、244、245、及び246には1つ以上のプーリがはめ込まれてもよく、これについては後で詳細に説明する。
【0153】
プーリ210は操作部第1ジョーアクチュエーションプーリとして機能し、プーリ220は操作部第2ジョーアクチュエーションプーリとして機能し、これらの構成要素を通称して操作部アクチュエーションプーリと呼ばれてもよい。
【0154】
プーリ211とプーリ212とは操作部第1ジョーヨーメインプーリとして機能し、プーリ221とプーリ222とは操作部第2ジョーヨーメインプーリとして機能し、これらの構成要素を通称して操作部ヨーメインプーリと呼ばれてもよい。
【0155】
プーリ213とプーリ214とは操作部第1ジョーヨーサブプーリとして機能し、プーリ223とプーリ224とは操作部第2ジョーヨーサブプーリとして機能し、これらの構成要素を通称して操作部ヨーサブプーリと呼ばれてもよい。
【0156】
プーリ215とプーリ216とは操作部第1ジョーピッチサブプーリとして機能し、プーリ225とプーリ226とは操作部第2ジョーピッチサブプーリとして機能し、これらの構成要素を通称して操作部ピッチサブプーリと呼ばれてもよい。
【0157】
プーリ217とプーリ218とは操作部第1ジョーピッチメインプーリとして機能し、プーリ227とプーリ228とは操作部第2ジョーピッチメインプーリとして機能し、これらの構成要素を通称して操作部ピッチメインプーリと呼ばれてもよい。
【0158】
プーリ231とプーリ232とは操作部ピッチワイヤメインプーリとして機能し、プーリ233とプーリ234とは操作部ピッチワイヤサブプーリとして機能する。
【0159】
上記構成要素を各運動(ピッチ/ヨー/アクチュエーション)に対する操作部の観点から分類すると次の通りである。
【0160】
エンドツール100のピッチ運動を制御するピッチ操作部201は、プーリ215、プーリ216、プーリ217、プーリ218、プーリ225、プーリ226、プーリ227、プーリ228、プーリ231、プーリ232、プーリ234、及びプーリ235を含んでもよい。また、ピッチ操作部201は、回転軸245及び回転軸246を含んでもよい。また、ピッチ操作部201は、ピッチフレーム208をさらに含んでもよい。
【0161】
エンドツール100のヨー運動を制御するヨー操作部202は、プーリ211、プーリ212、プーリ213、プーリ214、プーリ221、プーリ222、プーリ223、及びプーリ224を含んでもよい。また、ヨー操作部202は、回転軸243及び回転軸244を含んでもよい。また、ヨー操作部202は、ヨーフレーム207をさらに含んでもよい。
【0162】
エンドツール100のアクチュエーション運動を制御するアクチュエーション操作部203は、プーリ210、プーリ220、回転軸241、及び回転軸242を含んでもよい。また、アクチュエーション操作部203は、第1アクチュエーション操作部251及び第2アクチュエーション操作部256をさらに含んでもよい。
【0163】
以下では、操作部200の各構成要素についてより詳細に説明する。
【0164】
第1ハンドル204は、ユーザが手で把持可能に形成され、特にユーザが自分の手のひらで第1ハンドル204を包み込むようにつかめるように形成されてもよい。そして、第1ハンドル204上にはアクチュエーション操作部203及びヨー操作部202が形成され、ヨー操作部202の一側にはピッチ操作部201が形成される。そして、ピッチ操作部201の他端部は、連結部400の折曲部402に連結される。
【0165】
アクチュエーション操作部203は、第1アクチュエーション操作部251と第2アクチュエーション操作部256とを含む。第1アクチュエーション操作部251は、回転軸241、プーリ210、第1アクチュエーション延長部252、及び第1アクチュエーションギア253を含む。第2アクチュエーション操作部256は、回転軸242、プーリ220、第2アクチュエーション延長部257、及び第2アクチュエーションギア258を含む。ここで、第1アクチュエーション延長部252と第2アクチュエーション延長部257との端部は、指穴リング状に形成され、第2ハンドルとして動作することができる。
【0166】
ここで、アクチュエーション回転軸である回転軸241及び回転軸242は、連結部400が形成されているXY平面と所定の角度をなすように形成されてもよい。例えば、回転軸241及び回転軸242は、Z軸と平行な方向に形成されてもよく、この状態でピッチ操作部201またはヨー操作部202が回転する場合、アクチュエーション操作部203の座標系は相対的に変わってもよい。もちろん、本発明の思想はこれに限定されず、人間工学的(ergonomic)設計によって、アクチュエーション操作部203を把持するユーザの手構造に適合するように、回転軸241及び回転軸242は様々な方向に形成されてもよい。
【0167】
一方、プーリ210、第1アクチュエーション延長部252、及び第1アクチュエーションギア253は互いに固定結合されて回転軸241を中心に共に回転可能に形成されてもよい。ここで、プーリ210は、1つのプーリから構成されてもよく、互いに固定結合された2つのプーリから構成されてもよい。
【0168】
同様に、プーリ220、第2アクチュエーション延長部257、及び第2アクチュエーションギア258は互いに固定結合されて回転軸242を中心に共に回転可能に形成されてもよい。ここで、プーリ220は、1つのプーリから構成されてもよく、互いに固定結合された2つのプーリから構成されてもよい。
【0169】
ここで、第1アクチュエーションギア253と第2アクチュエーションギア258とは互いに噛み合うように形成され、いずれかの側が回転すると互いに反対方向に共に回転するように形成されてもよい。
【0170】
ヨー操作部202は、回転軸243と、操作部第1ジョーヨーメインプーリであるプーリ211及びプーリ212と、操作部第2ジョーヨーメインプーリであるプーリ221及びプーリ222と、ヨーフレーム(yaw frame)207とを含んでもよい。また、ヨー操作部202は、プーリ211及びプーリ212の一側に形成された操作部第1ジョーヨーサブプーリであるプーリ213及びプーリ214と、プーリ221及びプーリ222の一側に形成された操作部第2ジョーヨーサブプーリであるプーリ223及びプーリ224とをさらに含んでもよい。ここで、プーリ213及びプーリ214と、プーリ223及びプーリ224とは、後述するピッチフレーム208に結合されてもよい。
【0171】
ここで、図には、ヨー操作部202がプーリ211及びプーリ212とプーリ221及びプーリ222とを含み、プーリ211及びプーリ212とプーリ221及びプーリ222とはそれぞれ互いに対向するように形成され、独立して回転可能な2つのプーリを備えるものと示されているが、本発明の思想はこれに限定されない。すなわち、互いに直径が同じであるか、異なる1つ以上のプーリをヨー操作部202の構成に従って備えてもよいのである。
【0172】
具体的には、第1ハンドル204上において、アクチュエーション操作部203の一側には、操作部ヨーメイン回転軸である回転軸243が形成される。このとき、第1ハンドル204は、回転軸243を中心に回転可能に形成される。
【0173】
ここで回転軸243は、連結部400が形成されているXY平面と所定の角度をなすように形成されてもよい。例えば、回転軸243は、Z軸と平行な方向に形成されてもよく、この状態でピッチ操作部201が回転すると、上述したように回転軸243の座標系は相対的に変わってもよい。もちろん、本発明の思想はこれに限定されず、人間工学的(ergonomic)設計によって、操作部200を把持するユーザの手構造に適合するように、回転軸243は様々な方向に形成されてもよい。
【0174】
一方、プーリ211及びプーリ212とプーリ221及びプーリ222とは、回転軸243を中心に回転可能に回転軸243に結合する。そして、プーリ211及びプーリ212には第1ジョーワイヤであるワイヤ301またはワイヤ305が巻き付けられ、プーリ221及びプーリ222には第2ジョーワイヤであるワイヤ302またはワイヤ306が巻き付けられてもよい。このとき、プーリ211及びプーリ212とプーリ221及びプーリ222とはそれぞれ互いに対向するように形成され、独立して回転可能な2つのプーリから構成されてもよい。したがって、巻き込まれるワイヤと巻き出されるワイヤが分離されたプーリにそれぞれ巻き付けられることができ、互いに干渉を与えることなく動作することができる。
【0175】
ヨーフレーム207は、第1ハンドル204、回転軸241、回転軸242、及び回転軸243を剛体連結し、第1ハンドル204とヨー操作部202とアクチュエーション操作部203とが回転軸243を中心に一体としてヨー回転可能にする。
【0176】
ピッチ操作部201は、回転軸246と、操作部第1ジョーピッチメインプーリであるプーリ217及びプーリ218と、操作部第2ジョーピッチメインプーリであるプーリ227及びプーリ228と、ピッチフレーム(pitch frame)208とを含んでもよい。また、ピッチ操作部201は、回転軸245と、プーリ217及びプーリ218の一側に形成された操作部第1ジョーピッチサブプーリであるプーリ215及びプーリ216と、プーリ227及びプーリ228の一側に形成された操作部第2ジョーピッチサブプーリであるプーリ225及びプーリ226とをさらに含んでもよい。ピッチ操作部201は、回転軸246を介して連結部400の折曲部402に連結されてもよい。
【0177】
具体的には、ピッチフレーム208はピッチ操作部201のベースフレームとなり、一端部に回転軸243が回転可能に結合される。すなわち、ヨーフレーム207は、ピッチフレーム208に対して回転軸243を中心に回転可能に形成される。
【0178】
上述したように、ヨーフレーム207は第1ハンドル204、回転軸243、回転軸241、及び回転軸242を連結し、またヨーフレーム207はピッチフレーム208と軸結合するため、ピッチフレーム208が回転軸246を中心にピッチ回転すると、ピッチフレーム208と連結されたヨーフレーム207、第1ハンドル204、回転軸241、回転軸242、及び回転軸243が共にピッチ回転することになる。すなわち、ピッチ操作部201が回転軸246を中心に回転すると、アクチュエーション操作部203及びヨー操作部202がピッチ操作部201と共に回転するのである。言い換えれば、ユーザが第1ハンドル204を、回転軸246を中心にピッチ回転させると、アクチュエーション操作部203、ヨー操作部202、及びピッチ操作部201が共に動くようになる。
【0179】
プーリ217及びプーリ218と、プーリ227及びプーリ228とは、ピッチフレーム208の回転軸246を中心に回転可能に回転軸246に結合する。
【0180】
ここで、プーリ217及びプーリ218は互いに対向するように形成され、独立して回転可能に形成されてもよい。したがって、巻き込まれるワイヤと巻き出されるワイヤが分離されたプーリにそれぞれ巻き付けられることができ、互いに干渉を与えることなく動作することができる。同様に、プーリ227及びプーリ228も互いに対向するように形成され、独立して回転可能に形成されてもよい。したがって、巻き込まれるワイヤと巻き出されるワイヤが分離されたプーリにそれぞれ巻き付けられることができ、互いに干渉を与えることなく動作することができる。
【0181】
次に、ピッチワイヤであるワイヤ303及びワイヤ304の動作は以下の通りである。
【0182】
エンドツール100には、エンドツールピッチプーリであるプーリ131がエンドツールハブ180に固定結合されて形成され、操作部200には、操作部ピッチプーリであるプーリ231及びプーリ232がピッチフレーム208に固定結合されて形成される。そして、このプーリはピッチワイヤであるワイヤ303及びワイヤ304で互いに連結され、操作部200のピッチ操作に応じてエンドツール100のピッチ動作をより容易に行うことができる。ここで、ワイヤ303はプーリ231及びプーリ233を介してピッチフレーム208に固定結合され、ワイヤ304はプーリ232及びプーリ234を介してピッチフレーム208に固定結合される。すなわち、操作部200のピッチ回転によってピッチフレーム208とプーリ231及びプーリ232とが回転軸246を中心に共に回転することになり、結果としてワイヤ303及びワイヤ304も移動することになり、ジョーワイヤであるワイヤ301、ワイヤ302、ワイヤ305、及びワイヤ306によるエンドツールのピッチ動作とは別に、追加のピッチ回転の動力を伝達することができる。
【0183】
第1ハンドル204とピッチ操作部201、ヨー操作部202、及びアクチュエーション操作部203のそれぞれの連結関係をまとめると、次の通りである。第1ハンドル204上には、回転軸241及び回転軸242と、回転軸243、回転軸244、回転軸245、及び回転軸246とが形成されてもよい。このとき、回転軸241及び回転軸242は第1ハンドル204上に直接形成されるので、第1ハンドル204とアクチュエーション操作部203とは直接連結されていてもよい。一方、回転軸243は第1ハンドル204上に直接形成されるので、第1ハンドル204とヨー操作部202とは直接連結されていてもよい。一方、ピッチ操作部201は、ヨー操作部202の一側にヨー操作部202と連結されるように形成されるため、ピッチ操作部201は第1ハンドル204と直接連結されず、ピッチ操作部201と第1ハンドル204とは、ヨー操作部202を介して間接連結されるように形成されてもよい。
【0184】
続いて図を参照すると、本発明の第1実施形態による手術用インストルメント10において、ピッチ操作部201とエンドツール(end tool)100が同一または平行な軸(X軸)上に形成されてもよい。すなわち、連結部400の折曲部402の一端部にはピッチ操作部201の回転軸246が形成され、連結部400の他端部にはエンドツール(end tool)100が形成されるのである。
【0185】
そして、連結部400の中間、特に折曲部402部分には、ワイヤの経路を変更またはガイドする1つ以上の仲介プーリ235が配置されてもよい。このような仲介プーリ235にワイヤの少なくとも一部が巻き付けられるように形成されてワイヤの経路をガイドすることにより、折曲部402の折り曲げられた形状に沿ってワイヤが配置されてもよいのである。
【0186】
ここで、図には、連結部400が折曲部402を備えて所定の曲率を有するように湾曲して形成されるものと示されているが、本発明の思想はこれに限定されず、連結部400が必要に応じて直線状に形成されてもよく、1回以上折り曲げて形成されてもよく、このような場合でも、ピッチ操作部201とエンドツール(end tool)100とは実質的に同一または平行な軸上に形成されるものと言える。また、
図3には、ピッチ操作部201とエンドツール(end tool)100がX軸と平行な軸上にそれぞれ形成されるものと示されているが、本発明の思想はこれに限定されず、ピッチ操作部201とエンドツール(end tool)100とが、互いに異なる軸上に形成されてもよい。
【0187】
(アクチュエーション動作、ヨー動作、ピッチ動作)
本実施形態におけるアクチュエーション動作、ヨー動作、及びピッチ動作について説明すれば次の通りである。
【0188】
まず、アクチュエーション動作は次の通りである。
【0189】
ユーザが第1アクチュエーション延長部252に形成された指穴リングに人差し指を入れ、第2アクチュエーション延長部257に形成された指穴リングに親指を入れた状態でいずれかの指または両指を用いてアクチュエーション延長部252、257を回転させると、第1アクチュエーション延長部252と固定結合されたプーリ210及び第1アクチュエーションギア253は回転軸241を中心に回転し、第2アクチュエーション延長部257と固定結合されたプーリ220及び第2アクチュエーションギア258は回転軸242を中心に回転する。このとき、プーリ210とプーリ220とは互いに反対方向に回転するようになり、したがってプーリ210に一端部が固定結合されて巻き付けられたワイヤ301及びワイヤ305と、プーリ220に一端部が固定結合されて巻き付けられたワイヤ302及びワイヤ306も互いに反対方向に移動することになる。そして、このような回転力が動力伝達部300を介してエンドツール100に伝達され、エンドツール100の2つのジョー(jaw)103がアクチュエーション動作を行う。
【0190】
ここでアクチュエーション動作とは、上述したように、2つのジョー(jaw)101、102が互いに反対方向に回転しながら、ジョー(jaw)101、102を開けたり閉じたりする動作を意味する。すなわち、アクチュエーション操作部203のアクチュエーション延長部252、257を互いに近づく方向に回転させると、第1ジョー(jaw)101は反時計方向に回転し、第2ジョー(jaw)102は時計方向に回転しながらエンドツール100が閉じられる。逆に、アクチュエーション操作部203のアクチュエーション延長部252、257を互いに離れる方向に回転させると、第1ジョー(jaw)121は時計方向に回転し、第2ジョー(jaw)122は反時計方向に回転しながらエンドツール100が開くことになる。
【0191】
本実施形態では、上述したアクチュエーション操作のために、第1アクチュエーション延長部252と第2アクチュエーション延長部257とを備えて第2ハンドルを構成し、2本の指を把持して操作できるようにした。しかしながら、エンドツール100の2つのジョーを互いに開けて閉じるアクチュエーション操作のためのアクチュエーション操作部203の構成は、上述したのと異なり、1つのアクチュエーション回転部で2つのアクチュエーションプーリ(プーリ210、プーリ220)が互いに逆に動作するような構成などの他の変形例も十分可能である。
【0192】
次に、ヨー動作は以下の通りである。
【0193】
ユーザが第1ハンドル204を握っている状態で回転軸243を中心に第1ハンドル204を回転させると、アクチュエーション操作部203及びヨー操作部202が回転軸243を中心にヨー回転することになる。すなわち、ワイヤ301及びワイヤ305が固定結合されている第1アクチュエーション操作部251のプーリ210が回転軸243を中心に回転すると、プーリ211及びプーリ212に巻き付けられているワイヤ301及びワイヤ305が移動することになる。同様に、ワイヤ302及びワイヤ306が固定結合されている第2アクチュエーション操作部256のプーリ220が回転軸243を中心に回転すると、プーリ221及びプーリ222に巻き付けられているワイヤ302及びワイヤ306が移動することになる。このとき、第1ジョー101に連結されたワイヤ301及びワイヤ305と、第2ジョー102に連結されたワイヤ302及びワイヤ306とは、ヨー回転時に第1ジョー101と第2ジョー102とが同じ方向に回転するようにプーリ211及びプーリ212とプーリ221及びプーリ222に巻き付けられている。そして、このような回転力が動力伝達部300を介してエンドツール100に伝達され、エンドツール100の2つのジョー(jaw)103が同じ方向に回転するヨー動作を行う。
【0194】
このときヨーフレーム207が第1ハンドル204、回転軸241、回転軸242、及び回転軸243を連結するため、第1ハンドル204とヨー操作部202とアクチュエーション操作部203とは回転軸243を中心に共に回転することになる。
【0195】
次に、ピッチ動作は次の通りである。
【0196】
ユーザが第1ハンドル204を握っている状態で回転軸246を中心に第1ハンドル204を回転させると、アクチュエーション操作部203、ヨー操作部202及びピッチ操作部201が回転軸246を中心にピッチ回転することになる。すなわち、ワイヤ301及びワイヤ305が固定結合されている第1アクチュエーション操作部251のプーリ210が回転軸246を中心に回転すると、プーリ217及びプーリ218に巻き付けられているワイヤ301及びワイヤ305が移動することになる。同様に、ワイヤ302及びワイヤ306が固定結合されている第2アクチュエーション操作部256のプーリ220が回転軸246を中心に回転すると、プーリ227及びプーリ228に巻き付けられているワイヤ302及びワイヤ306が移動することになる。このとき、
図5を参照して説明したように、第1ジョーワイヤであるワイヤ301及びワイヤ305が互いに同じ方向に移動し、第2ジョーワイヤであるワイヤ302及びワイヤ306が互いに同じ方向に移動して、第1ジョー101と第2ジョー102とがピッチ回転できるように、ジョーワイヤであるワイヤ301、ワイヤ305、ワイヤ302及びワイヤ306がそれぞれ操作部ピッチメインプーリであるプーリ217、プーリ218、プーリ227及びプーリ228に巻き付けられることになる。そして、このような回転力が動力伝達部300を介してエンドツール100に伝達され、エンドツール100の2つのジョー(jaw)103がピッチ動作を行う。
【0197】
このとき、ピッチフレーム208はヨーフレーム207と連結され、ヨーフレーム207は第1ハンドル204、回転軸241、回転軸242、及び回転軸243を連結するため、ピッチフレーム208が回転軸246を中心に回転すると、ピッチフレーム208と連結されたヨーフレーム207、第1ハンドル204、回転軸241、回転軸242、及び回転軸243が共に回転することになる。すなわち、ピッチ操作部201が回転軸246を中心に回転すると、アクチュエーション操作部203及びヨー操作部202がピッチ操作部201と共に回転するのである。
【0198】
まとめると、本発明の一実施形態による手術用インストルメント10は、各関節点(アクチュエーション関節、ヨー関節、ピッチ関節)にプーリが形成され、このプーリにはワイヤ(第1ジョーワイヤまたは第2ジョーワイヤ)が巻き付けられており、操作部の回転操作(アクチュエーション回転、ヨー回転、ピッチ回転)が各ワイヤの移動を引き起こし、結果としてエンドツール100の所望の動作を誘導することを特徴とする。さらに、各プーリの一側には補助プーリが形成されてもよく、これらの補助プーリによって1つのプーリにワイヤが複数回巻き付けられないようになる。
【0199】
図11は、
図2に示す本発明の一実施形態による手術用インストルメント10の関節を構成するプーリ及びワイヤの構成のみを簡略に示す図である。
図43では、関節運動に関わらずワイヤの経路を変更するための中介プーリは省略した。
【0200】
図11を参照すると、操作部200は、第1ジョー(jaw)101の回転運動に係るプーリ210、プーリ211、プーリ212、プーリ213、プーリ214、プーリ215、プーリ216、プーリ217、及びプーリ218を含んでもよい。
【0201】
また、操作部200は、第2ジョー(jaw)102の回転運動に係るプーリ220、プーリ221、プーリ222、プーリ223、プーリ224、プーリ225、プーリ226、プーリ227、及びプーリ228を含んでもよい。(操作部200における各プーリの配置及び構成は、エンドツール100における各プーリの配置及び構成と原理的に同一であるので、図面上の符号の具体的な表記は一部省略する。)
【0202】
プーリ211及びプーリ212とプーリ221及びプーリ222とは、同じ軸である回転軸243を中心に互いに独立して回転可能に形成されてもよい。このとき、プーリ211及びプーリ212と、それぞれプーリ221及びプーリ222とは、互いに対向するように形成され、独立して回転可能に形成される2つのプーリで形成されてもよい。
【0203】
プーリ213及びプーリ214とプーリ223及びプーリ224とは、同じ軸である回転軸244を中心に互いに独立して回転可能に形成されてもよい。このとき、プーリ213及びプーリ214は互いに対向するように形成され、独立して回転可能に形成される2つのプーリで形成されてもよく、このとき2つのプーリは互いに異なる直径を有するように形成されてもよい。同様に、プーリ223及びプーリ224は、互いに対向するように形成され、独立して回転可能に形成される2つのプーリで形成されてもよく、このとき2つのプーリは互いに異なる直径を有するように形成されてもよい。
【0204】
プーリ215及びプーリ216とプーリ225及びプーリ226とは、同じ軸である回転軸245を中心に互いに独立して回転可能に形成されてもよい。このとき、プーリ215及びプーリ216は互いに異なる直径を有するように形成されてもよい。また、プーリ225及びプーリ226は互いに異なる直径を有するように形成されてもよい。
【0205】
プーリ217及びプーリ218とプーリ227及びプーリ228とは、同じ軸である回転軸246を中心に互いに独立して回転可能に形成されてもよい。
【0206】
ワイヤ301は、操作部200のプーリ217、プーリ215、プーリ213、及びプーリ211を順次通過してプーリ210に巻き付けられた後に、締結部材324によってプーリ210に結合される。一方、ワイヤ305は、操作部200のプーリ218、プーリ216、プーリ214、及びプーリ212を順次通過して締結部材324によってプーリ210に結合される。したがって、プーリ210が回転すると、これに応じてワイヤ301及びワイヤ305がプーリ210に巻き付けられたり、巻き戻されたりして第1ジョー101が回転することになる。
【0207】
ワイヤ306は、操作部200のプーリ227、プーリ225、プーリ223、及びプーリ221を順次通過してプーリ220に巻き付けられた後に、締結部材327によってプーリ220に結合される。一方、ワイヤ302は、操作部200のプーリ228、プーリ226、プーリ224、及びプーリ222を順次通過して締結部材327によってプーリ220に結合される。したがって、プーリ220が回転すると、それに応じてワイヤ302及びワイヤ306がプーリ220に巻き付けられたり巻き戻されたりして第2ジョー102が回転することになる。
【0208】
したがって、アクチュエーション操作、ヨー操作、及びピッチ操作は互いに独立して操作が可能である。
【0209】
図1を参照して説明したように、アクチュエーション操作部203、ヨー操作部202、及びピッチ操作部201は、自分の回転軸が各操作部の後方に位置することにより、エンドツールの関節構成と同様に構成され、ユーザが直観的に一致する操作を行うことが可能である。
【0210】
特に、本発明の一実施形態による手術用インストルメント10は、各関節点(アクチュエーション関節、ヨー関節、ピッチ関節)にプーリが形成され、このプーリをワイヤ(第1ジョーワイヤまたは第2ジョーワイヤ)が巻き付くように形成されており、操作部の回転操作(アクチュエーション回転、ヨー回転、ピッチ回転)が各ワイヤの移動を引き起こし、結果としてエンドツール100の所望の動作を誘導することを特徴とする。さらに、各プーリの一側には、補助プーリが形成されてもよく、これらの補助プーリによって1つのプーリにワイヤが複数回巻き付けられないようになり、プーリに巻き付けられるワイヤが互いに接触せず、プーリに巻き込まれるワイヤと巻き出されるワイヤとの経路も安全に形成され、ワイヤの動力伝達の安全性及び効率等を向上させることができる。
【0211】
一方、上述したように、ヨー操作部202とアクチュエーション操作部203とは、第1ハンドル204上に直接形成されている。したがって、第1ハンドル204が回転軸246を中心に回転すると、ヨー操作部202とアクチュエーション操作部203も第1ハンドル204と共に回転することになる。これにより、ヨー操作部202とアクチュエーション操作部203との座標系は固定されたのではなく、第1ハンドル204の回転に伴って相対的に変化し続けることになる。すなわち、
図2等には、ヨー操作部202及びアクチュエーション操作部203はZ軸と平行であるように示されている。しかしながら、第1ハンドル204が回転すると、ヨー操作部202とアクチュエーション操作部203とがZ軸と平行にならなくなる。すなわち、ヨー操作部202とアクチュエーション操作部203との座標系が第1ハンドル204の回転に応じて変化したのである。ただし、本明細書では説明の便宜上、別途の説明がない限り、ヨー操作部202とアクチュエーション操作部203との座標系は
図2のように第1ハンドル204が連結部400に対して垂直に位置した状態を基準として説明した。
【0212】
(ロック装置)
以下では、本発明の一実施形態による手術用インストルメント10のロック装置260、270についてより詳細に説明する。
【0213】
図12は、
図2に示す手術用インストルメントのロック状態を示す斜視図であり、
図13は、
図2に示す手術用インストルメントのロック解除状態を示す斜視図である。
図14は、
図12に示す手術用インストルメントのロック装置の結合斜視図であり、
図15は、
図12に示す手術用インストルメントのロック装置の分解斜視図である。
図16及び
図17は、
図14に示す手術用インストルメントのロック装置のロック状態を示す平面図である。
図18及び
図19は、
図14に示す手術用インストルメントのロック装置のロック解除状態を示す平面図である。ここで、
図16及び
図18は弾性部材を省略した図である。
図20は、
図2に示す手術用インストルメントのロック装置の分解斜視図である。
図21は、
図2に示す手術用インストルメントのレバー部のロック状態を示す斜視図であり、
図22は、
図2に示す手術用インストルメントのレバー部のロック解除状態を示す斜視図である。ここでは、説明の便宜上、一部の図面では一部の構成要素を省略して示している。
【0214】
図12~
図22を参照すると、本発明の一実施形態による手術用インストルメント10は、ピッチ動作のロック/ロック解除を担当するロック装置260と、ヨー動作のロック/ロック解除を担当するロック装置270を含む。本発明では、ユーザがロック操作部280を介してロック装置260、270を制御して、連結部400、ピッチ操作部201、及びヨー操作部202間の相対運動を制御することができる。
【0215】
上述したように、本発明における操作部200のピッチ動作は、連結部400に対するピッチ操作部201の相対的な回転、より具体的には折り曲げ部402に対するヨーフレーム207の相対的な回転動作を意味する。ここで、ヨーフレーム207を含むピッチ操作部201と、ヨーフレーム207に連結されたヨー操作部202、アクチュエーション操作部203及び第1ハンドル204とは、回転軸246を中心に共に回転しながらピッチ動作を行う。ここで、ロック部材270によってピッチ操作部201の動きが制限されると、エンドツール(
図2などの100参照)のピッチの動きも制限される。
【0216】
なお、上述したように本発明における操作部200のヨー動作は、ピッチ操作部201に対するヨー操作部202の相対的な回転、より具体的にはヨーフレーム207に対するヨーフレーム207の相対的な回転動作を意味する。ここで、ヨーフレーム207を含むヨー操作部202と、ヨーフレーム207に結合された第1ハンドル204及びアクチュエーション操作部203は、回転軸243を中心に共に回転しながらヨー動作を行う。ここで、ロック部材260によってヨー操作部202の動きが制限されると、エンドツール(
図2などの100参照)のヨーの動きも制限される。
【0217】
以下では、ピッチ動作のロック/ロック解除を担当するロック装置260についてより詳細に説明する。
【0218】
ロック装置260は、ロック本体部261と、ロック部263と、ロック制御部265とを含むことができる。このようなロック装置260は、ピッチ操作部202のピッチ(pitch)動作をロックまたはロック解除する役割を果たす。
【0219】
まず、図には詳細には示されていないが、ロック本体部261は連結部400の折り曲げ部402と固定結合することができる。したがって、ロック本体部261は、連結部400の折り曲げ部402と共に回転することができる。
【0220】
そして、折り曲げ部402の一方の端部及びロック本体部261は、回転軸246によってヨーフレーム207と軸結合されている。したがって、ヨーフレーム207は、折り曲げ部402(及びロック本体部261)に対して回転可能に形成される。
【0221】
一方、ヨーフレーム207にはロック部263を結合することができる。
【0222】
言い換えれば、ロック本体部261は連結部400の折り曲げ部402と固定結合され、ロック部263はヨーフレーム207に結合される。したがって、ロック部263がロック本体部261と締結されると、ヨーフレーム207が折り曲げ部402及びロック本体部261に対して回転できなくなり、ロック状態となる。そして、ロック部263がロック本体部261から離隔すると、ヨーフレーム207が折り曲げ部402及びロック本体部261に対して回転可能になり、ロック解除状態となる。これをより詳細に説明すれば次の通りである。
【0223】
具体的には、ロック本体部261は、連結部400の折り曲げ部402と固定結合される。ここで、ロック本体部261は大体円板状に形成され、その外周面には歯車状の第1締結部261aが複数形成され、全体としてギア状に形成されてもよい。ロック本体部261は、連結部400の折り曲げ部402の一方の端部に固定結合され、したがって、ロック部263及びロック制御部265によりロック本体部261の回転が制限されると、ロック本体部261と固定結合された連結部400の回転が制限され、ピッチ動作がロックされるのである。
【0224】
ロック部263はヨーフレーム207に結合される。具体的には、ロック部263は、ヨーフレーム207に対して回転可能に軸結合される。ここで、ロック部263は、ロック本体部261の第1締結部261aと離隔及び/または締結可能に形成される。ロック部263は、ヨーフレーム207に固定結合されるロック回転軸267を中心に回転可能に形成される棒状の本体部263aと、本体部263aの一方の端部に形成され、第1締結部261aと嵌合する形状に形成される第2締結部263bと、後述するロック制御部265と接触する接触部263cとを含むことができる。
【0225】
ここで、第2締結部263bはフック(hook)状に形成され、上述した第1締結部261aのそれぞれの歯車のうち少なくとも一つに嵌合できるように形成されることができる。
【0226】
ここで、第2締結部263bは、第1面263b1と第2面263b2とを含むことができ、第1面263b1は、所定の角度を有し緩やかな傾斜を有するように形成され、第2面263b2は、垂直から垂直に近接して形成することができる。同様に、ロック本体部261の第1締結部261a、または第1面261a1と第2面261a2とを含むことができ、第1面261a1は所定の角度を有して緩やかな傾斜を有するように形成され、第2面261a2は垂直から垂直に近接して形成することができる。このとき、第2締結部263bで傾斜した第1面263b1と、第1締結部261aで傾斜した第1面261a1とが互いに対向するように(すなわち、当接するように)配置されてもよい。
【0227】
ロック制御部265は、ロック本体部261及びロック部263に対して相対的に移動可能に形成され、その位置に応じてロック本体部261とロック部263との間の締結/離隔可否を制御する。
【0228】
ロック制御部265は、本体部265a、ガイド部265b、及び加圧部265cを含むことができる。具体的には、ロック制御部265の本体部265aは棒状に形成され、ロック本体部261に対して往復直線運動ができるように形成することができる。そして、ロック制御部265の本体部265aには、その移動経路をガイドするためのガイド部265bが形成されてもよい。ガイド部265bは細長い孔(hole)状で形成され、ヨーフレーム207に固定結合された1つ以上のガイドピン266がガイド部265bに?み合うことができる。このようなガイド部265b及びガイドピン266によりロック制御部265がロック本体部261に対して往復直線運動を行うことができる。ここで、図にはガイド部265bが孔状であり、ガイドピン266がピン状に形成されるように示されているが、本発明の思想はこれに限定されず、ロック制御部265に突出部が形成されロック本体部261やヨーフレーム207などにガイド溝が形成されるなど、ロック制御部265の直線運動をガイドするための様々な形態のガイド部を構成することができる。
【0229】
加圧部265cは、ロック制御部265から両側面に一定程度突出して、ロック部263の接触部263cと接触するように形成することができる。ここで、加圧部265cは、操作部200の遠位部205に向かって次第に突出するように形成され、大体矢印形状に形成されてもよい。
【0230】
図には、加圧部265cが孔状に形成され、この孔状の加圧部265c内にロック部263の接触部263cが嵌め込まれ、加圧部265cの内縁面によって接触部263cが加圧されるように示されている。しかしながら、本発明の思想はこれに限定されず、
図27~
図28に示すように、加圧部(
図27の565c参照)が全体として本体部(
図27の565a参照)から突出形成され、加圧部(
図27の565c)の外周面によって接触部(
図27の563c)を加圧することもできる。
【0231】
いずれの形態であっても、加圧部265cは、移動中心軸であるガイドピン266またはガイド部265bに対して一定程度傾斜して形成されてもよい。すなわち、ガイドピン266に沿ってある一方向に向かって次第に幅が厚くなるように形成されると表現してもよい。言い換えれば、ロック制御部265の移動方向である一方向において、ロック制御部の幅が前記一方向に沿って行くにつれて増加すると表現することもできる。したがって、ロック制御部265がある一方向に移動すると、ロック制御部265の加圧部265cがロック部263の接触部263cを加圧して押し出しながら、ロック部263がロック本体部261から離隔することができるものである。
【0232】
言い換えれば、
図16と同様の状態で、ロック制御部265が
図18の矢印A1方向に移動するにつれて、ロック制御部265がロック部263の接触部263cを押し出しながら、ロック部263が
図18の矢印A2方向に回転することができる。そして、このようにロック部263が矢印A2方向に回転するにつれて、ロック部263の第2締結部263bがロック本体部261の第1締結部261aと離隔することによりロック解除状態になるのである。
【0233】
逆に、
図18と同様の状態で、ロック制御部265が
図18の矢印A1の反対方向に移動すると、ロック部263が
図18の矢印A2の反対方向に回転することができる。そして、このようにロック部263が矢印A2と反対方向に回転するにつれて、ロック部263の第2締結部263bがロック本体部261の第1締結部261aと接触及び締結されることでロック状態になるのである。
【0234】
ここで、ロック制御部265は後述する第1ロックワイヤ291と結合されて、第1ロックレバー部281の回転により第1ロックワイヤ291が移動しつつロック制御部265がある一方向に移動することができる。
【0235】
一方、ロック部263とロック制御部265との間には、弾性部材268がさらに形成されてもよい。一例として、弾性部材268はコイルばねの形態で形成され、一方の側はロック制御部265側に結合され、他方側はヨーフレーム207側に固定結合されることができる。このとき、弾性部材268は引張ばねで形成され、ロック制御部265が
図18の矢印A1と反対方向に移動するように所定の弾性力を加えることができる。
【0236】
したがって、他の部材の介入がない場合、ロック制御部265は、弾性部材268が提供する弾性力によって基本的に
図16のように位置するようになる。この状態は、ロック制御部265がロック部263に加える力が最小の状態であり、この状態ではロック本体部261とロック部263とが相互締結されるため、ロック状態となる。すなわち、弾性部材268によってロック部263は基本的にロック状態となるように力を受けていると見ることができる。
【0237】
一方、後述するロック操作部280が作動して第1ロックワイヤ291がロック制御部265を
図18の矢印A1方向に引っ張ると、ロック部材260は
図18と同様の状態となる。この状態ではロック制御部265がロック部263を最大限押し出し、ロック部263がロック本体部261からできるだけ離隔した状態となり、この状態ではロック本体部261とロック部263が接触/締結されないため、ロック解除状態となる。
【0238】
一方、この状態でも弾性部材268は矢印A1と反対方向に弾性力を加えており、したがって第1ロックワイヤ291を引っ張る力が除去されると、弾性部材268の弾性力によりロック制御部265は
図16の位置に戻ることになり、したがってロック装置260は再びロック状態となる。
【0239】
以下では、ヨー動作のロック/ロック解除を担当するロック装置270についてより詳細に説明する。
【0240】
ロック装置270は、ロック本体部271と、ロック部273と、ロック制御部275とを含むことができる。このようなロック装置270は、ヨー操作部202のヨー(Yaw)動作をロックまたはロック解除する役割を果たす。
【0241】
まず、図には詳細には示されていないが、ロック本体部271はピッチフレーム208と固定結合することができる。したがって、ロック本体部271はピッチフレーム208と共に回転することができる。
【0242】
そして、ロック本体部271は、回転軸243によってヨーフレーム207と軸結合されている。したがって、ヨーフレーム207はピッチフレーム208に対して回転可能に形成される。
【0243】
一方、ヨーフレーム207にはロック部273を結合することができる。
【0244】
言い換えれば、ロック本体部271はピッチフレーム208と固定結合され、ロック部273はヨーフレーム207に結合される。したがって、ロック部273がロック本体部271と締結されると、ヨーフレーム207がピッチフレーム208に対して回転できなくなり、ロック状態となる。そして、ロック部273がロック本体部271から離隔すると、ヨーフレーム207がピッチフレーム208に対して回転可能になり、ロック解除状態となる。これをより詳細に説明すれば次の通りである。
【0245】
具体的には、ロック本体部271はピッチフレーム208と固定結合される。ここで、ロック本体部271は大体円板状に形成され、その外周面には歯車状の第1締結部271aが複数形成され、全体としてギア状に形成されてもよい。ロック本体部271はピッチフレーム208に固定結合され、したがって、ロック部273及びロック制御部275によってロック本体部271の回転が制限されると、ロック本体部271と固定結合されたピッチフレーム208の回転が制限され、ヨー動作がロックされるのである。
【0246】
ロック部273はヨーフレーム207に結合される。具体的には、ロック部273は、ヨーフレーム207に対して回転可能に軸結合される。ここで、ロック部273は、ロック本体部271の第1締結部271aと離隔及び/または締結可能に形成される。ロック部273は、ヨーフレーム207に固定結合されるロック回転軸277を中心に回転可能に形成される棒状の本体部273aと、本体部273aの一方の端部に形成され、第1締結部271aと嵌合する形状に形成される第2締結部273bと、後述するロック制御部275と接触する接触部273cとを含むことができる。
【0247】
ここで、第2締結部273bはフック(hook)状に形成され、上述した第1締結部271aのそれぞれの歯車のうち少なくとも一つに嵌合できるように形成されることができる。
【0248】
ここで、第2締結部273bは第1面273b1と第2面273b2とを含むことができ、第1面273b1は所定の角度を有し緩やかな傾斜を有するように形成され、第2面273b2は、垂直から垂直に近接して形成することができる。同様に、ロック本体部271の第1締結部271aも第1面271a1と第2面271a2とを含むことができ、第1面271a1は所定の角度を有し緩やかな傾斜を有するように形成され、第2面271a2は垂直から垂直に近接して形成することができる。このとき、第2締結部273bで傾斜した第1面273b1と、第1締結部271aで傾斜した第1面271a1とが互いに対向するように(すなわち、当接するように)配置されてもよい。
【0249】
ロック制御部275は、ロック本体部271及びロック部273に対して相対的に移動可能に形成され、その位置に応じてロック本体部271とロック部273との間の締結/離隔可否を制御する。
【0250】
ロック制御部275は、本体部275a、ガイド部275b及び加圧部275cを含むことができる。詳細には、ロック制御部275の本体部275aは棒状に形成され、ロック本体部271に対して往復直線運動ができるように形成することができる。そして、ロック制御部275の本体部275aには、その移動経路をガイドするためのガイド部275bが形成されてもよい。ガイド部275bは細長い孔(hole)状で形成され、ヨーフレーム207に固定結合された1つ以上のガイドピン276がガイド部275bに噛み合うことができる。このようなガイド部275b及びガイドピン276によりロック制御部275がロック本体部271に対して往復直線運動を行うことができる。ここで、図にはガイド部275bが孔状であり、ガイドピン276がピン状に形成されるように示されているが、本発明の思想はこれに限定されず、ロック制御部275に突出部が形成されロック本体部271やヨーフレーム207などにガイド溝が形成されるなど、ロック制御部275の直線運動をガイドするための様々な形態のガイド部を構成することができる。
【0251】
加圧部275cは、ロック制御部275から両側面に一定程度突出して、ロック部273の接触部273cと接触するように形成することができる。ここで、加圧部275cは、操作部200の遠位部205に向かって次第に突出するように形成され、大体矢印形状に形成されてもよい。
【0252】
図には加圧部275cが孔状に形成され、この孔状の加圧部275c内にロック部273の接触部273cが嵌め込まれ、加圧部275cの内縁面によって接触部273cが加圧されるように示されている。しかしながら、本発明の思想はこれに限定されず、
図27~
図28に示すように、加圧部(
図27の565c参照)が全体として本体部(
図27の565a参照)から突出形成され、加圧部(
図27の565c)の外周面によって接触部(
図27の563c)を加圧することができる。
【0253】
いずれの形態であっても、加圧部275cは、移動中心軸であるガイドピン276またはガイド部275bに対して一定程度傾斜して形成されてもよい。すなわち、ガイドピン276に沿ってある一方向に向かって次第に幅が厚くなるように形成されると表現してもよい。したがって、ロック制御部275がある一方向に移動すると、ロック制御部275の加圧部275cがロック部273の接触部273cを加圧して押し出しながら、ロック部273がロック本体部271から離隔することができるものである。
【0254】
ここで、ロック制御部275は、後述する第2ロックワイヤ292と結合されて、第1ロックレバー部281の回転により第2ロックワイヤ292が移動しつつロック制御部275がある一方向に移動することができる。
【0255】
一方、ロック部273とロック制御部275との間には、弾性部材278がさらに形成されてもよい。一例として、弾性部材278はコイルばねの形態で形成され、一方の側はロック制御部275側に結合され、他方側はヨーフレーム207側に固定結合されることができる。このとき、弾性部材278は引張ばねで形成され、ロック制御部275が一方向に移動するように所定の弾性力を加えることができる。
【0256】
ロック部材270の動作は基本的にロック部材260の動作と大体同様であるので、ロック部材270の具体的な動作は省略する。
【0257】
以下では、ロック操作部280についてより具体的に説明する。
【0258】
ロック操作部280は、第1ロックレバー部281、第2ロックレバー部282、第1ロックワイヤ291、及び第2ロックワイヤ292を含むことができる。また、ロック操作部280は、ロックワイヤホルダ295をさらに含むことができる。
【0259】
本発明では、ロック操作部280の操作による第1ロックワイヤ291及び第2ロックワイヤ292の移動により、ピッチ操作部201、ヨー操作部202、折り曲げ部402間の相対回転運動を制御するが、本発明の思想はこれに限定されるものではなく、スライド(Slide)方式の相対直線運動またはボタン方式で制御するなど、様々な変形実施が可能である。
【0260】
本明細書においてロックワイヤは、第1ロックワイヤ291及び第2ロックワイヤ292を意味する。
【0261】
まず、ロック操作部280は、第1ハンドル204内に少なくとも一部が収容され、ロック装置260、270のロック及びロック解除動作を制御する役割を果たすことができる。ここで、第1ハンドル204は内部に中空部が形成され、第1ロックワイヤ291、第2ロックワイヤ292などの移動経路を提供することができる。
【0262】
第1ハンドル204の端部には、第1ロックレバー部281の第1端部が回転可能に結合される。すなわち、第1ロックレバー部281は、回転軸L1を中心に第1ハンドル204に対して回転可能に形成される。ここで、第1ロックレバー部281の回転軸L1には弾性部材285が介在し、第1ロックレバー部281が第1ハンドル204に対して
図21に示すように時計方向に回転するように所定の弾性力を提供することができる。
【0263】
一方、第1ロックレバー部281内にはロックワイヤホルダ295が形成され、第1ロックレバー部281と共に回転軸L1を中心に回転可能に形成されることができる。そして、ロックワイヤホルダ295には、第1ロックワイヤ291及び第2ロックワイヤ292を固定結合することができる。したがって、第1ロックレバー部281が回転軸L1を中心として第1ハンドル204に対して回転すると、ロックワイヤホルダ295も第1ロックレバー部281と共に回転しながら、第1ロックワイヤ291及び第2ロックワイヤ292を引っ張ったりほどけたりすることができる。
【0264】
一方、第1ロックレバー部281の第2端部には、第2ロックレバー部282が回転可能に連結される。ここで、第2ロックレバー部282は、第1ハンドル204と着脱可能に結合されてもよい。
【0265】
このために、第2ロックレバー部282は、大体90°折り曲げられた「L」の字型に形成されてもよく、第2ロックレバー部282の両端部のうち第1ハンドル204と結合する側には、フック部284を形成されてもよい。そして、第1ハンドル204にはフック部284が着座するように係止溝部204aが形成され、係止溝部204aの一側にはフック部284が係止可能な係止顎部204bが突出形成することができる。
【0266】
ここで、第2ロックレバー部282の回転軸L2には弾性部材(図示せず)が介在し、第2ロックレバー部282が第1ロックレバー部281に対して
図21に示すように時計方向に回転するように所定の弾性力を提供することができる。
【0267】
第1ロックワイヤ291は、その一方の端部がロック部材260と結合され、他端部がロックワイヤホルダ295と結合するように形成されてもよい。第2ロックワイヤ292は、その一方の端部がロック部材270と結合され、他端がロックワイヤホルダ295と結合するように形成されてもよい。
【0268】
以下では、ロック操作部280の動作についてより具体的に説明する。
【0269】
【0270】
ロック解除状態では、第2ロックレバー部282のフック部284が第1ハンドル204の係止顎部204bと締結され、第2ロックレバー部282及びこれに連結された第1ロックレバー部281が第1ハンドル204に密着結合される。
【0271】
この状態では、第2ロックレバー部282の回転軸L2に介在された弾性部材(図示せず)が
図21に示すように時計方向に回転するように所定の弾性力を提供するため、第2ロックレバー部282のフック部284が第1ハンドル204の係止顎部204bと締結された状態が維持される。
【0272】
このように、第1ロックレバー部281が第1ハンドル204に締結された状況で、ユーザは、第1ロックレバー部281を第1ハンドル204から離れるように第1ロックレバー部281の回転軸L1を回転中心として回転させることができ、このとき第2ロックレバー部282の折り曲がる所定部分を指で押す簡単な動作により第2ロックレバー部282を第1ハンドル204から解除することができ、第1ロックレバー部281を第1ハンドル204から離隔させることができる。
【0273】
具体的には、第2ロックレバー部282を第1ロックレバー部281に対して相対回転させて第2ロックレバー部282のフック部71を係止顎部52から締結解除させることにより、第1ロックレバー部281に連結されるレバースプリング65の弾性復元力により第1ロックレバー部281を第1ハンドル204から脱着させることにより、第1ロックレバー部281が第1ハンドル204に対して離れるようにすることができる。
【0274】
<第2実施形態>
【0275】
図27は、本発明の他の実施形態によるロック装置のロック状態を示す平面図であり、
図28は、本発明の他の実施形態によるロック装置のロック解除状態を示す平面図である。
【0276】
図12、
図27及び
図28を参照すると、ロック装置560は、ロック本体部561、ロック部563、及びロック制御部565を含むことができる。このようなロック装置560は、ピッチ操作部202のピッチ(Yaw)動作をロックまたはロック解除する役割を果たす。
【0277】
まず、図には詳細には示されていないが、ロック本体部561は、連結部400の折り曲げ部402と固定結合することができる。したがって、ロック本体部561は、連結部400の折り曲げ部402と共に回転することができる。
【0278】
そして、折り曲げ部402の一方の端部及びロック本体部561は、回転軸546によってヨーフレーム507と軸結合されている。したがって、ヨーフレーム507は、折り曲げ部402(及びロック本体部561)に対して回転可能に形成される。
【0279】
一方、ヨーフレーム507にはロック部563が結合されることができる。
【0280】
言い換えれば、ロック本体部561は連結部400の折り曲げ部402と固定結合され、ロック部563はヨーフレーム507に結合される。したがって、ロック部563がロック本体部561と締結されると、ヨーフレーム507が折り曲げ部402及びロック本体部561に対して回転できなくなり、ロック状態となる。そして、ロック部563がロック本体部561から離隔すると、ヨーフレーム507が折り曲げ部402及びロック本体部561に対して回転可能になり、ロック解除状態となる。これをより詳細に説明すれば次の通りである。
【0281】
具体的には、ロック本体部561は、連結部400の折り曲げ部402と固定結合される。ここで、ロック本体部561は大体円板状に形成され、その外周面には歯車状の第1締結部561aが複数形成され、全体としてギア状に形成されてもよい。ロック本体部561は、連結部400の折り曲げ部402の一方の端部に固定結合され、したがって、ロック部563及びロック制御部565によってロック本体部561の回転が制限されると、ロック本体部561と固定結合された連結部400の回転が制限され、ピッチ動作がロックされるのである。
【0282】
ロック部563はヨーフレーム507に結合される。具体的には、ロック部563は、ヨーフレーム507に対して回転可能に軸結合される。ここで、ロック部563は、ロック本体部561の第1締結部561aと離隔及び/または締結可能に形成される。ロック部563は、ヨーフレーム507に固定結合されるロック回転軸567を中心に回転可能に形成される棒状の本体部563aと、本体部563aの一方の端部に形成され、第1締結部561aと嵌合する形に形成される第2締結部563bと、後述するロック制御部565と接触する接触部563cとを含むことができる。
【0283】
ここで、第2締結部563bはフック(hook)状に形成され、上述した第1締結部561aのそれぞれの歯車のうち少なくとも一つに嵌合できるように形成されることができる。
【0284】
ここで、第2締結部563bは第1面563b1と第2面563b2とを含むことができ、第1面563b1は所定の角度を有し緩やかな傾斜を有するように形成され、第2面563b2は、垂直から垂直に近接して形成することができる。同様に、ロック本体部561の第1締結部561aも第1面561a1と第2面561a2とを含むことができ、第1面561a1は所定の角度を有し緩やかな傾斜を有するように形成され、第2面561a2は垂直から垂直に近接して形成することができる。このとき、第2締結部563bで傾斜した第1面563b1と、第1締結部561aで傾斜した第1面561a1とが互いに対向するように(すなわち、当接するように)配置されてもよい。
【0285】
ロック制御部565は、ロック本体部561及びロック部563に対して相対的に移動可能に形成され、その位置に応じてロック本体部561とロック部563との間の締結/離隔可否を制御する。
【0286】
ロック制御部565は、本体部565a、ガイド部565b、及び加圧部565cを含むことができる。詳細には、ロック制御部565の本体部565aは棒状に形成され、ロック本体部561に対して往復直線運動ができるように形成することができる。そして、ロック制御部565の本体部565aには、その移動経路をガイドするためのガイド部565bが形成されてもよい。ガイド部565bは細長い孔(hole)状で形成され、ヨーフレーム507に固定結合された1つ以上のガイドピン566がガイド部565bに?み合うことができる。このようなガイド部565b及びガイドピン566によりロック制御部565がロック本体部561に対して往復直線運動を行うことができる。ここで、図にはガイド部565bが孔状であり、ガイドピン566がピン状に形成されるように示されているが、本発明の思想はこれに限定されず、ロック制御部565に突出部が形成されロック本体部561やヨーフレーム507などにガイド溝が形成されるなど、ロック制御部565の直線運動をガイドするための様々な形態のガイド部を構成することができる。
【0287】
加圧部565cは、ロック制御部565から両側面に一定程度突出して、ロック部563の接触部563cと接触するように形成することができる。ここで、加圧部565cは、操作部500の遠位部505に向かって次第に突出するように形成され、大体矢印形状に形成されてもよい。ここで、加圧部565cは、全体として本体部565aから突出形成され、加圧部565cの外周面によって接触部563cが加圧されてもよい。
【0288】
いずれの形態であっても、加圧部565cは、移動中心軸であるガイドピン566またはガイド部565bに対して一定程度傾斜して形成されてもよい。すなわち、ガイドピン566に沿ってある一方向に向かって次第に幅が厚くなるように形成されると表現してもよい。したがって、ロック制御部565がある一方向に移動すると、ロック制御部565の加圧部565cがロック部563の接触部563cを加圧して押し出しながら、ロック部563がロック本体部561から離隔することができるものである。
【0289】
一方、ロック制御部565には、第1弾性部材568がさらに形成されてもよい。第1弾性部材568は、ロック制御部565が矢印A3と反対方向に移動するように所定の弾性力を加えることができる。ここで、第1弾性部材568は圧縮ばねで形成されてもよい。
【0290】
一方、ロック部563には、第2弾性部材569がさらに形成されてもよい。第2弾性部材569は、一対のロック部563が互いに集まる方向(すなわち、矢印A4とは反対方向)に回転するように所定の弾性力を加えることができる。(例えば、
図27に示すように、左側のロック部563は時計方向に回転し、右側のロック部563は反時計方向に回転するように弾性力を加えることができる。)
【0291】
したがって、ロック制御部565の介入がない場合、基本的にロック部563は、ロック本体部561の第1締結部561aに近づく方向に力を受けていると説明することができる。すなわち、第2弾性部材569によってロック部563は基本的にロック状態となるように力を受けていると見ることができる。
【0292】
ここで、第2弾性部材569は圧縮ばねで形成され、ロック部563が所定の方向に回転するように所定の弾性力を加えることができる。あるいは、第2弾性部材569はトーションばねで形成されてもよい。
【0293】
したがって、他の部材の介入がない場合、ロック制御部565は、第1弾性部材568及び第2弾性部材569が提供する弾性力によって基本的に
図27のように位置するようになる。この状態は、ロック制御部565がロック部563に加える力が最小の状態であり、この状態ではロック本体部561とロック部563とが相互締結されるため、ロック状態となる。すなわち、第1弾性部材568及び第2弾性部材569によってロック部563は基本的にロック状態となるように力を受けていると見ることができる。
【0294】
この状態で外力によりロック制御部565が矢印A3方向に移動すると、ロック制御部565が移動しながらロック部563を矢印A4方向に回転させ、したがって、ロック部563とロック本体部561が離隔しつつロックが解除される。
【0295】
このように、本発明は図に示された一実施形態を参照して説明されたが、これは例示的なものに過ぎず、当分野で通常の知識を有する者であればこれから様々な変形及び実施形態の変形が可能であることが理解されるであろう。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は、添付の特許請求の範囲の技術的思想によって定められるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0296】
本発明は、手術用インストルメントに関し、具体的には腹腔鏡手術または様々な手術で使用するために手動または自動で作動可能な手術用インストルメントにおいて、少なくともいずれかの動作に対するロック及び/またはロック解除が可能なロック装置を含む手術用インストルメントに使用することができる。
【国際調査報告】