(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-17
(54)【発明の名称】食品パッケージのネック及びキャップ
(51)【国際特許分類】
B65D 55/16 20060101AFI20250109BHJP
B65D 41/34 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
B65D55/16
B65D41/34 110
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024539545
(86)(22)【出願日】2022-12-30
(85)【翻訳文提出日】2024-07-02
(86)【国際出願番号】 EP2022088087
(87)【国際公開番号】W WO2023126526
(87)【国際公開日】2023-07-06
(32)【優先日】2021-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391053799
【氏名又は名称】テトラ ラバル ホールディングス アンド ファイナンス エス エイ
【住所又は居所原語表記】70 Avenue General Guisan,CH-1009 Pully,Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100151105
【氏名又は名称】井戸川 義信
(72)【発明者】
【氏名】スティレルッド、レナート
(72)【発明者】
【氏名】ヨハンソン、ヨーラン
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA05
3E084AA12
3E084AB01
3E084AB06
3E084CA01
3E084DA01
3E084DB12
3E084FA09
3E084FB01
3E084GA01
3E084GB01
3E084JA15
3E084JA16
(57)【要約】
食品パッケージ用のネック(20)が開示されている。ネック(20)は、本体(200)を備え、本体(200)は、キャップ(30)で閉じられるように構成された上部(210)と、食品パッケージに取り付けられるように構成された下部と、ネック(20)の主軸(A)に沿って上部(210)と下部との間に延在するネック壁と、ネック壁(230)は、主軸(A)に直交する方向(R)に沿った壁厚を有し、テザーバンド(330)を介してキャップをネック(20)に保持するように構成されたテザーバンド保持部と、を備え、ネック壁の外面に、キャップパーキング突起(231)が設けられ、キャップパーキング突起(231)は、主軸(A)に直交する方向(R)において壁厚の50%未満の延長部を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品パッケージ(10)用のネック(20)であって、前記ネック(20)は、本体(200)を備え、前記本体(200)は、
キャップ(30)で閉じられるように構成された上部(210)と、
前記食品パッケージ(10)に取り付けられるように構成された下部(220)と、
前記ネック(20)の主軸(A)に沿って前記上部(210)と前記下部(220)との間に延びるネック壁(230)と、前記ネック壁(230)は、前記主軸(A)に直交する方向(R)に沿って壁厚(WT)を有し、
テザーバンド(330)を介して前記キャップ(30)を前記ネック(20)に保持するように構成されたテザーバンド保持部(233)と、
を備え、
前記ネック壁(230)の外面(235)に、キャップパーキング突起(231)が設けられ、前記キャップパーキング突起(231)は、前記主軸(A)に直交する方向(R)に、前記壁厚(WT)の50%未満の延長部(RE)を有する、
ネック(20)。
【請求項2】
前記キャップパーキング突起(231)は、前記主軸(A)に沿って、0.4~0.8mmの中心間距離(CD)で配置されている、
請求項1に記載のネック(20)。
【請求項3】
前記キャップパーキング突起(231)の前記延長部(RE)が0.05~0.6mm、0.05~0.4mm又は0.05~0.20mmである、
請求項1又は2に記載のネック(20)。
【請求項4】
前記ネック壁(230)の外面(235)が、少なくとも3つの前記キャップパーキング突起(231)を備える、
請求項1~3のいずれか一項に記載のネック(20)。
【請求項5】
前記キャップパーキング突起(231)が、前記ネック壁(230)の円周上に延在する、
請求項1~4のいずれか一項に記載のネック(20)。
【請求項6】
前記キャップパーキング突起(231)が、前記主軸(A)に平行な方向(D)において、0.20~0.50mmの厚さ(RT)を有する、
請求項1~5のいずれか一項に記載のネック(20)。
【請求項7】
前記ネック壁(230)の外面(235)には、前記キャップ(30)と係合するための外ねじ(232)が設けられ、前記キャップパーキング突起(231)が前記外ねじ(232)の間に配置されている、
請求項1~6のいずれか一項に記載のネック(20)。
【請求項8】
前記外ねじ(232)は、前記主軸(A)に直交する方向(R)に外ねじ延長部(ETE)を有し、前記キャップパーキング突起(231)の前記延長部(RE)は、前記外ねじ延長部(ETE)の50%未満である、
請求項7に記載のネック(20)。
【請求項9】
テザーバンド保持部(233)が、前記本体(200)の周囲に延びるフランジ(233)を有し、前記キャップパーキング突起(231)が、前記主軸(A)に沿って、前記フランジ(233)と前記本体(200)の前記上部(210)との間に配置される、
請求項1~8のいずれか一項に記載のネック(20)。
【請求項10】
前記フランジ(233)が、前記主軸(A)に直交する方向(R)にフランジ延長部(FE)を有し、前記延長部(RE)が前記フランジ延長部(FE)の25%未満である、
請求項9に記載のネック(20)。
【請求項11】
食品パッケージ(10)を閉じるためのネック及びキャップ構成(500)であって、前記ネック及びキャップ構成(500)は、
請求項1~10のいずれか一項に記載のネック(20)と、
前記ネック(20)上に配置されるように構成されたキャップ(30)と、を備え、
前記キャップ(30)は、前記ネック(20)の前記上部(210)を閉じるように構成された頂部(310)と、前記頂部(310)から延びるキャップ壁(320)と、前記キャップ(30)が開放位置にあるときに前記キャップ(30)が前記ネック(20)に固定されるように、前記キャップ(30)を前記ネック(20)のテザーバンド保持部(233)に接続するように構成されたテザーバンド(330)と、を備え、
前記テザーバンド(330)は、前記キャップ(30)が開放位置にあるとき、前記キャップ壁(320)の下縁(322)を前記ネック壁(230)の前記キャップパーキング突起(231)に接触するように引っ張るように構成されている、
ネック及びキャップ構成(500)。
【請求項12】
前記テザーバンド(330)が、前記キャップ壁(320)の前記下縁(322)から、前記下縁(322)の反対側で、前記テザーバンド保持部(233)に向かって延びる第1のテザーバンド部分(330a)及び第2のテザーバンド部分(330b)を備える、
請求項11に記載のネック及びキャップ構成(500)。
【請求項13】
前記テザーバンド(330)は、前記テザーバンド保持部(233)に連結されるリング状部(338)を備える、
請求項11又は12に記載のネック及びキャップ構成体(500)。
【請求項14】
請求項1~10のいずれか一項に記載のネック(20)を閉じるように構成されたキャップ(30)であって、前記キャップ(30)は、
前記ネック(20)の前記上部(210)を閉じるように構成された頂部(310)と、
前記頂部(310)から延び、前記頂部(310)の反対側に位置するキャップ端縁(321)を有するキャップ壁(320)と、
前記キャップ端縁(321)に取り付けられた上縁(331a)を有し、前記キャップ端縁(321)へのテザーバンド(330)の取り付けが解除されたときに、前記キャップ(30)を前記ネック(20)に固定するために、前記キャップ(30)を前記ネック(20)のテザーバンド保持部(233)に接続するように構成されたテザーバンド(330)と、を備え、
前記テザーバンド(330)は、前記上縁(331a)の反対側に位置する下縁(331b)を有し、
前記キャップ端縁(321)と前記テザーバンド(330)の前記上端縁(331a)との間に位置し、前記テザーバンド(330)の円周の少なくとも270°に沿って前記キャップ端縁(321)を前記テザーバンド(330)から分離する、第1の切れ目(334)と、
前記第1の切れ目(334)の少なくとも一部と前記テザーバンド(330)の下縁(331b)との間に位置し、前記テザーバンド(330)の円周の90°~270°に沿って前記テザーバンド(330)を切断する、第2の切れ目(336)と、を備える、
キャップ(30)。
【請求項15】
食品を保持するための食品パッケージ体(10)であって、前記食品パッケージ体(10)は、
請求項11~13のいずれか一項に記載のネック及びキャップ構成(500)と、
前記食品パッケージ(10)を閉じるためにネック及びキャップ構成(500)が取り付けられる、前記食品を保持するための、カートンベースの本体(11)と、
を備える、
食品パッケージ体(10)
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、食品パッケージのネックに関する。本発明はまた、ネックの上部を閉じるように構成されたキャップに関する。本発明はまた、食品パッケージを閉じるためのネック及びキャップ構成、並びにネック及びキャップ構成を含む食品パッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
フルーツジュース、牛乳、トマトソース、ヨーグルトなど、多くの注出食品は、殺菌された包装材料で作られた食品パッケージで販売されている。これは本技術分野で周知である。食品パッケージは、食品パッケージを閉じるように構成されたクロージャを備えてもよい。このクロージャは、食品パッケージを数回開閉することができるように、再シール可能なクロージャとして形成されてもよい。さらに、ネック及びキャップ構成をクロージャとして使用することは本技術分野で周知である。食品パッケージとネック及びキャップ構成のネックは、成形により一つのピースとして提供されてもよいし、一緒に成形される2つの別個のピースとして提供されてもよい。
【0003】
ネック及びキャップ構成、さらにはネックとキャップ自体が、何十年もの間、食品パッケージ業界で顧客に使用されているが、改善の余地はある。例えば、今日のネック及びキャップ構成の課題は、キャップが開いた位置にあるときに、テザードキャップ(tethered caps)を食品パッケージに対して簡単かつ効率的な方法で所定の位置に保持できるようにすることである。
【0004】
このため、キャップが開放位置にあるときにキャップを所定位置に保持することができるネック及びキャップ構成に対する需要がある。また、簡単かつ効率的な方法で食品パッケージを開閉できるネック及びキャップ構成に対する需要もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述の従来技術で特定された制限の1つ以上を少なくとも部分的に克服することを目的とする。特に、キャップが開放位置にあるときにキャップを所定位置に保持することができるネック及びキャップ構成を提供することが目的である。また、簡単かつ効率的な方法で食品パッケージを開閉することができるネック及びキャップ構成に対する要望もある。
【0006】
第1の態様によれば、食品パッケージ用のネックが提供され、ネックは、キャップで閉じられるように構成された上部と、食品パッケージに取り付けられるように構成された下部と、上部と下部との間にネックの主軸に沿って延びるネック壁と、ネック壁は、主軸に直交する方向に沿って壁厚を有しており、テザーバンドを介してキャップをネックに保持するように構成されたテザーバンド保持部と、を備える本体を備え、ネック壁の外面にはキャップパーキング突起が設けられ、キャップパーキング突起は、主軸に直交する方向において、壁厚の100%未満、壁厚の75%未満、又は壁厚の50%未満の延長部を有する。
【0007】
キャップパーキング突起はリブであってもよく、主軸に直交する方向の延長部は、主軸に直交する方向のリブ延長部であってもよい。ここで、「リブ」は「キャップパーキング突起」として理解すべきである。同様に、「リブ延長部」は「キャップパーキング突起延長部」、「リブ厚さ」はキャップ「パーキング突起厚さ」等と理解され得る。
【0008】
主軸に直交する方向への延長は、リブがネック壁の表面から突出する距離と理解することができる。
【0009】
ネック壁は円筒形であってもよい。主軸に直交する方向は、ネック壁の半径方向である。従って、リブはネック壁の半径方向に延在してもよい。
【0010】
この文脈では、主本体が円筒形状の主本体であることが好ましいが、必要ではない。少なくともこの場合、リブ延長部は、半径方向から見て放射状の延長部と同じである。本体は、食品パッケージに適した任意の幾何学的形状の本体であってもよいことに留意すべきである。
【0011】
リブは、キャップの下縁を所定の位置に保持するために、主軸に対して半径方向に延在してもよい。このように、リブは半径方向に延びている。リブはネック壁の外面から突出しているとも言える。また、リブは半径方向に突出しているとも言える。
【0012】
リブはネック壁の外面に沿って長手方向に延在してもよい。長手方向の延長部は、ネックの主軸に対して横方向に延びる成分を有してもよい。長手方向の延長部は、主軸に平行な方向に延びる成分を有してもよい。これは、例えば、リブがネックの主軸に対して傾斜している場合である。
【0013】
ネックは、三次元(3D)印刷を使って作られてもよい。これは、簡単かつ効率的な方法でネックを製造できるという点で有利である。ネックは、食品パッケージ用スリーブの両面にポリエチレンを高圧で射出する射出成形装置を用いて食品パッケージに取り付けてもよい。ネックは、他の適切な取り付け方法又は装置を使用して食品パッケージに取り付けてもよい。ネックと食品パッケージは、成型によって一体として提供されてもよく、一緒に成型される2つの別個の部分として提供されてもよい。
【0014】
本体がキャップで閉じられると、食品パッケージは閉じられ、キャップは閉じた位置になる。キャップの閉位置は、食品を食品パッケージ内に確実に保持するためのものである。キャップが本体の上部から取り外されると、食品パッケージは開き、キャップは開放位置になる。キャップの開放位置は、食品パッケージから食品を注げるようにするためである。ネックは、食品パッケージがキャップで閉じられているときに、キャップを閉位置から開放位置に移動させることによって、食品パッケージを簡単かつ効率的に開けることができる点で有利である。
【0015】
テザーバンド保持部は、キャップが開放位置にあるとき、テザーバンドを介してキャップを所定位置に保持できる点で有利である。テザーバンド保持部は、テザーバンドとキャップとの間の接続が解除され、キャップが開放位置に移動したとき、テザーバンドがネックに留まることを可能にする点でさらに有利である。
【0016】
この文脈では、リブはネック壁の外面に位置する小さな突起であると解釈すべきである。小さいという用語は、主軸に直交する方向に沿った壁の厚さに対して小さいと解釈すべきである。
【0017】
ネックは、キャップが開放位置にあるとき、キャップを所定の位置に保持できる点で有利である。従って、キャップが開放位置にあるとき、キャップの下端は、リブがキャップを所定の位置に保つように、隣接するリブの間に配置される。これにより、食品が注がれる上部にキャップが邪魔になることなく、食品パッケージから食品を注ぐことが容易になる。
【0018】
ネックは、キャップが閉位置から開放位置に動かされるとき、キャップの下端がネック壁の外面に設けられたリブと接触することを可能にするという点でさらに有利である。キャップの下端がリブに接触すると、音が鳴ってもよく、鳴ることが好ましい。この音は、キャップが閉位置から開放位置に移動していることを示す。音が止まると、キャップは開放位置にあり、好ましくは開放位置にある。この音は、キャップが開放位置にあり、食品パッケージから食品を注いでよいことを示す確認音と称されてもよい。これにより、キャップが閉位置と開放位置との間を移動しているとき、及びキャップが開放位置にあるときに、ユーザーに知らせることができる、効率的で使い勝手のよい食品パッケージの開封を提供することが容易になる。
【0019】
ネックが安定し、材料効率が良いという点でさらに有利である。
【0020】
リブは、主軸に沿った中心間距離を0.4~0.8mmとして配置されてもよい。これは、キャップが開放位置にあるときに、隣接するリブの間にキャップを配置できる点で有利である。このことは、キャップが開放位置にあるとき、リブがキャップの下縁と接触する方法で、キャップが隣接するリブの間に保持されることを可能にする点でさらに有利である。これは、音を出すことができるという点でさらに有利である。
【0021】
リブは、好ましくは、あまり近接して配置すべきではない。そうすると、キャップが隣接するリブの間に収まらないことがある。さらに、リブが互いに近すぎるように配置された場合、キャップがリブに接触せず、音が出ない可能性がある。ここで、「近すぎる」とは、中心間距離が0.4mm未満であると解釈すべきである。リブは、好ましくは、互いに離れすぎている距離で配置されるべきではない。リブが互いに離れすぎる距離に配置された場合、音が出ない可能性があり、キャップが開放位置にあるとき、リブによって所定の位置に保持されない可能性がある。ここで、「互いの離れすぎている距離」とは、中心間距離が0.8mm以上と解釈すべきである。
【0022】
リブ延長部は0.05~0.20mmであってもよい。これは、キャップを隣接するリブ間に容易に効率的に配置できる点で有利である。このことは、キャップが開放位置にあるとき、キャップを所定の位置に保つことができるという点でさらに有利である。したがって、リブ延長部が小さすぎると、キャップがリブの間の所定の位置に保持される代わりに、リブの上を滑ってしまう可能性がある。ここで、「小さすぎる」とは、リブ延長部が0.05mm未満であると解釈すべきである。リブ延長部が大きすぎると、隣接するリブ間にキャップを簡単かつ効率的に配置することが困難になる場合がある。ここで、「大きすぎる」とは、リブの延びが0.20mmより大きいと解釈すべきである。
【0023】
ネック壁の外面には、少なくとも3つのリブを設けてもよい。好ましくは、ネックの外面には5つのリブが設けられる。
【0024】
リブは互いに平行に配置され、ネック壁の円周上に延びてもよい。このことは、キャップをネック壁の全周に沿った開放位置に、より容易に配置できる点で有利である。従って、食品パッケージを効率的に、かつ柔軟な方法で開封することができる。
【0025】
リブの厚さは、主軸に平行な方向で0.20~0.50mmであってもよい。
【0026】
ネック壁の外面には、キャップと係合するための外ねじが設けられてもよく、リブは外ねじの間に配置されてもよい。リブは、主軸に直交する方向から見て、外部ねじの間に配置されてもよい。リブは、主軸に平行な方向から見て、外ねじの間に配置されてもよい。
【0027】
外ねじは、通常、ネック壁の外面に配置されたねじれねじとして設計される。外ねじは、好ましくは内ねじを含むキャップを容易に受けることができるという点で有利である。好ましくは、ネックの外ねじは、キャップが閉じた状態にあるとき、キャップが所定の位置に保持されるように、キャップの内ねじと係合する。外ねじは、キャップが閉位置にあるとき、キャップをネックに密封することを可能にするという点でさらに有利である。
【0028】
外ねじは、主軸に直交する方向に外ねじ延長部を有してもよく、リブ延長部は、外ねじ延長部の50%未満であってもよい。
【0029】
上述したように、本体が円筒形状の本体であることが好ましいが、必要ではない。少なくともこの場合、外ねじ延長部は、半径方向から見て半径方向の延長部と同じである。リブ延長部を外ねじ延長部より小さくすることにより、リブが外ねじに干渉せず、その逆も同様となる。リブの目的は、上述したように、キャップが開放位置にあるときにキャップを所定の位置に保持し、キャップが閉位置から開放位置に移動したときに音を出せるようにすることである。外ねじの目的は、上述のように、キャップが閉位置にあるときにキャップを所定の位置に保持することである。
【0030】
テザーバンド保持部は、本体の周囲に延びるフランジの形状を有してもよく、リブは、主軸に沿って見て、フランジと本体の上部との間に配置されてもよい。
【0031】
外ねじは、主軸に沿って見て、フランジと本体の上部との間に配置されてもよい。
【0032】
フランジは、主軸に直交する方向にフランジ延長部を有してもよく、リブ延長部は、フランジ延長部の25%未満であってもよい。
【0033】
上述したように、主本体が円筒形状の主本体であることが好ましいが、その必要はない。少なくともこの場合、フランジ延長部は、半径方向から見て半径方向延長部と同じである。リブ延長部をフランジ延長部より小さくすることにより、リブがフランジに干渉しないようにすることができ、その逆も同様である。
【0034】
第2の態様によれば、食品パッケージを閉じるためのネック及びキャップ構成が提供され、ネック及びキャップ構成は、第1の態様によるネックと、ネック上に配置されるように構成されたキャップとを含み、キャップは、ネックの上部を閉じるように構成された頂部と、頂部から延びるキャップ壁とキャップが開放位置にあるときにキャップがネックに固定されるように、キャップをネックのテザーバンド保持部に接続するように構成されたテザーバンドと、を備え、テザーバンドは、キャップが開放位置にあるときにキャップ壁の下縁をネック壁のリブに接触するように引っ張るように構成される。
【0035】
この文脈では、キャップ壁の下縁はキャップ壁の一部であると定義される。下縁は、開口後もキャップの一部であるテザーバンドの延長部ともみなせることに留意されたい。下縁は、上述したように、隣接するリブの間に配置されるように構成されており、キャップが開放位置にあるときにキャップを所定の位置に維持するようになっている。したがって、ネック及びキャップ構成は、キャップが開放位置にあるとき、キャップをネックに対して所定の位置に維持できるという点で有利である。
【0036】
これは、食品パッケージを簡単かつ効率的に閉じることができるという点でさらに有利である。このことは、食品パッケージを簡単かつ効率的に開封できるという点でさらに有利である。
【0037】
テザーバンドは、キャップが閉位置から開放位置に動かされるとき、キャップ壁の下縁をリブに接触するように引っ張るように構成され得る。これにより、キャップが閉位置から開放位置に動かされたときに、上述したような音が提供されるように、キャップの下縁がリブに接触することが容易になる。
【0038】
テザーバンドがキャップ壁の下縁をリブと接触するように引っ張ることができることにより、キャップが開放位置にあるとき、キャップが所望の位置、すなわち隣接するリブの間に配置されやすくなる。したがって、テザーバンドは、キャップの動きや位置決めを簡単かつ効率的に制御できるという点で有利である。
【0039】
加えて、第2の態様の効果や特徴は、第1の態様に関連して上述したものとほぼ同様である。しかし、ネックは、キャップが導入されたときの効果や特徴を可能にするという点で有利である。ネック及びキャップ構成は、これらの効果や特徴を可能にするという点で有利である。
【0040】
テザーバンドは、キャップ壁の下縁から、下縁の反対側で、テザーバンド保持部に向かって延びる第1のテザーバンド部分と第2のテザーバンド部分とを備えてもよい。
【0041】
これは、テザーバンドをネックのテザーバンド保持部に、ネックの反対側で接続できる点で有利である。したがって、キャップが開いた位置にあるとき、キャップはネックに対して、簡単かつ効率的な方法で、所定の位置に保持される。
【0042】
これは、テザーバンド部分がキャップ壁の下縁をリブと接触するように引っ張るように構成され、キャップが開放位置にあるときに、キャップがネックに向かって引っ張られ、それによって所定位置に保持される点でさらに有利である。
【0043】
テザーバンドは、テザーバンド保持部に接続され得るリング状部分を備えてもよい。
【0044】
リング状部分は、キャップが以前に開けられたことがあるかどうかを示す、キャップのいわゆるタンパー・エビデンス・リングを形成してもよい。
【0045】
第3の態様によれば、食品パッケージのネックを閉じるように構成されたキャップが提供され、キャップは、ネックの上部を閉じるように構成された頂部と、頂部から延び、頂部の反対側に位置するキャップ端縁を有するキャップ壁と、キャップ端縁に取り付けられた上縁を有し、キャップ端縁へのテザーバンドの取り付けが解除されたときにキャップをネックに固定するためにキャップをネックのテザーバンド保持部に接続するように構成されたテザーバンドと、を備える、テザーバンドは、上端縁の反対側に位置する下端縁と、キャップ端縁とテザーバンドの上端縁との間に位置する第1の切れ目と、を有し、第1の切れ目は、テザーバンドの円周の少なくとも270°に沿ってキャップ端縁をテザーバンドから分離し、第1の切れ目の少なくとも一部とテザーバンドの下端縁との間に位置する第2の切れ目と、を有し、第2の切れ目は、テザーバンドの円周の90°~270°に沿ってテザーバンドを切断する。
【0046】
キャップは、好ましくは、テザーバンドと一体に射出成形され、テザーバンドは、複数の破断可能なブリッジ、例えば、第1及び第2の切れ目によってキャップ自体と同軸に連結され、ブリッジが破断してキャップのねじが外されると、ネックに装着されたままになるように設計されている。したがって、キャップ端縁へのテザーバンドの取り付けが破壊されると、複数の破壊可能なブリッジが破壊される。
【0047】
第1の切れ目は、少なくとも1つの破断可能なブリッジによって、キャップ端縁とテザーバンドの上端縁との間に位置する第1のタンパーエビデンス手段として規定してもよい。少なくとも1つの破断可能なブリッジは、キャップの移動中に破断するように構成されている。したがって、少なくとも1つの破断可能なブリッジは、キャップが閉位置から初めて移動するときに破断するように構成されている。これは、キャップが以前に開いていたかどうかを示すことができるという点で有利である。
【0048】
第2の切れ目は、少なくとも1つの破断可能なブリッジによって、第1の切れ目の少なくとも一部とテザーバンドの下端との間に位置する第2のタンパーエビデンス手段として規定してもよい。少なくとも1つの破断可能なブリッジは、キャップの移動中に破断するように構成されている。したがって、少なくとも1つの破断可能なブリッジは、キャップが閉位置から初めて移動するときに破断するように構成されている。第2の切れ目は、上述のとおり、第1テザーバンド部分及び第2テザーバンド部分を形成するためのものである。
【0049】
タンパーエビデンス手段とは、キャップの耐タンパー性又はタンパーエビデント機能として定義される。タンパーエビデンス手段は、食品パッケージが以前に開封されたかどうかを示す点で有利である。したがって、食品パッケージを開封するためには、テザーバンドの第1及び第2の切れ目を破らなければならない。切れ目があれば、その食品パッケージが以前に開封されたことがわかる。したがって、テザーバンドは、食品パッケージが以前に開封されたかどうかを示すセキュリティ機構を容易にするという点でさらに有利である。したがって、テザーバンドは、テザーバンド機能とタンパーエビデンス機能とを有する。テザーバンドは、テザーバンドであり、タンパーエビデンスバンドでもある。
【0050】
第4の態様によれば、食品を保持するための食品パッケージが提供され、この食品パッケージは、第2の態様によるネック及びキャップ構成と、食品を保持するためのカートンベースの本体であって、食品パッケージを閉じるためにネック及びキャップ構成が取り付けられる本体とを備える。
【0051】
第2、第3、第4の態様の効果と特徴は、第1の態様に関連して上述したものとほぼ同様である。
【0052】
さらに他の目的、特徴、側面及び利点は、以下の詳細な説明及び図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0053】
以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照しながら例示的に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【
図1】キャップ及びネック構成を有する食品パッケージの概略図である。
【
図2】食品パッケージのネックの概略側面図である。
【
図4】
図3に示すネックをさらに詳細に示す図である。
【
図5】キャップが閉位置にある、食品パッケージのネック及びキャップ構成を示す概略側面図である。
【
図7】
図5~6に示すネック及びキャップ構成の概略背面図である。
【
図8】キャップが開放位置にある、ネック及びキャップ構成を示す概略側面図である。
【
図9】
図8に示すネック及びキャップ構成の断面図である。
【
図10】
図8に示すネック及びキャップ構成の概略側面図であり、キャップは取り外されている。
【
図11】ネック及びキャップ構成を示す斜視図である。
【
図12】ネック及びキャップ構成の変形例を示す概略図である。
【
図13】ネック上に配置されたキャップパーキング突起の変形例を示す概略図である。
【
図14】ネック上に配置されたキャップパーキング突起の変形例を示す概略図である。
【
図15】ネック上に配置されたキャップパーキング突起の変形例を示す概略図である。
【
図16】ネック上に配置されたキャップパーキング突起の変形例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
図1を参照すると、食品を保持するための食品パッケージ10が例示されている。食品パッケージ10は、好ましくはカートンベースの積層体から作られたカートンベースの本体11と、頂部12とによって形成されたボトルの形状を有する。カートンベースの本体11は、食品を保持するためのものである。頂部12は、
図1に示すように、ショルダー部13を備えてもよい。食品パッケージ10はまた、ネック20を備える。ネック20は、頂部12と一体的に形成されてもよく、ネック20を含む頂部12全体が成形によって一体として提供されるか、又は一緒に成形される2つの別個の部分として提供されてもよい。ネック20については、
図2~4に関連してさらに詳細に説明する。食品パッケージ10は、食品パッケージ10を閉じるためにネック20上に配置されるキャップ30をさらに備える。ネック20及びキャップ30は、食品パッケージ10を閉じるためのネック及びキャップ構成500を形成する。ネック及びキャップ構成については、
図5~12に関連してさらに詳しく説明する。
【0056】
図2~4を参照すると、
図1に関連して紹介したネック20がさらに詳細に図示されている。
図2~3において、ネック20は食品パッケージ10の頂部12に取り付けられている。
図2は、ネック20の側面図を示す。
図3は、
図2に示すネック20の断面図を示す。
図4は、ネック20をさらに詳細に図示する。
【0057】
ネック20は本体200を備える。本体200は上部210と下部220を備える。下部220は食品パッケージ10の頂部12に取り付けられている。上部210は注ぎ口として形成され、食品を簡単かつ制御可能な方法で食品パッケージから注ぐことができる。
【0058】
本体200は、主軸Aに沿って上部210と下部220との間に延びるネック壁230をさらに備える。
図4に詳細に示されているように、ネック壁230は、主軸Aに直交する方向Rに沿った壁厚WTを有し、その壁厚は0.55mmである。0.25~1.0mm、好ましくは0.4~0.6mmのような他の厚さを使用してもよい。
【0059】
ネック壁230は、外面235と内面236(
図11参照)を備える。ネック壁230の外面235には、キャップパーキング突起231が設けられている。図示の実施形態では、キャップパーキング突起231は細長いリブ231の形状を有する。
図4では、ネック壁230の外面235には5つのリブ231が設けられている。外面235には、好ましくは少なくとも3つのリブ231が配置される。
【0060】
図4に詳細に示されているように、各リブ231は、主軸Aに直交する方向Rにリブ延長部REを有する。好ましくは、リブ231は、同様のリブ延長部REを有する。リブ延長部REは、壁延長部WEの20%未満である。壁延長部WEの50%未満、好ましくは30%未満のリブ延長部REのような他のリブ延長部REを使用してもよい。リブ延長部REは0.1mmである。0.05~0.20mm、より好ましくは0.08~0.12mmのリブ延長部REなどの他のリブ延長部REを使用してもよい。各リブ231は、主軸Aに平行な方向Dにリブ厚さRTを有する。リブ厚さRTは0.34mmである。0.20~0.50mm、より好ましくは0.30~0.40mmのリブ厚さ等の他のリブ厚さRTを使用してもよい。リブは、リブ距離RDだけ離れている。リブ距離RDは0.3mmである。0.1~0.5mmのリブ距離等の他のリブ距離を使用してもよい。
【0061】
リブ231は、主軸Aに沿った中心間距離CDが0.6mmとなるように配置されている。0.4~0.8mmの中心間距離CD等の他の距離を使用してもよい。
【0062】
図2に戻ると、リブ231は互いに平行に配置されている。リブ231は、ネック壁230の周方向に延びている。リブ231は、主軸Aに直交する方向Rに延びている。
【0063】
ネック壁230の外面235は、外部ねじ232をさらに備える。外部ねじ232は、キャップ30が閉位置にあるときに、キャップ30と係合するためのものである。これは
図5~7に関連してさらに図示されている。
【0064】
図4に詳細に示されているように、外ねじ232は、主軸Aに直交する方向Rに外ねじ延長部ETEを有する。外ねじ延長部ETEは、0.55mmである。0.35~0.75mmの外ねじ延長部ETE等の他の延長部を使用してもよい。リブ延長部REは、主軸Aに直交する方向Rにおいて、外ねじ延長部ETEの10%未満である。外ねじ延長部ETEの50%未満、好ましくは15%未満のリブ延長部等の他のリブ延長部REを使用してもよい。外ねじ232は、主軸Aに平行な方向Dに外ねじ厚さETTを有する。
【0065】
図2及び
図3に戻ると、ネック壁230の外面235には、テザーバンド保持部233がさらに設けられている。テザーバンド保持部233は、
図5~11に関連してさらに詳細に説明するテザーバンド331を介してキャップをネック30に保持するように構成されている。テザーバンド保持部233は、フランジの形態を有する。フランジは本体200の周囲に延びている。リブ231は、主軸Aに沿って見て、フランジと本体200の上部との間に配置され、外ねじ232は、主軸Aに沿って見て、フランジと本体200の上部210との間に配置される。0.2~0.6mmのフランジ延長部FE等の他の延長部を使用してもよい。リブ延長部REは、主軸Aに直交する方向Rにおいて、フランジ延長部の10%未満である。フランジ延長部FEの50%未満、好ましくは25%未満のリブ延長部等の他のリブ延長部REを使用してもよい。フランジは、主軸Aに平行な方向Dにフランジ厚さFTを有する。
【0066】
図5~11を参照すると、ネック及びキャップ構成500が例示されている。ネック及びキャップ構成500は、
図2~4に関連して説明したようなネック20と、
図1に関連して紹介したようなキャップ30とからなる。
【0067】
図5~7を参照すると、キャップ30は閉位置にあり、食品パッケージのネック20の上部210を閉じている。キャップ30が閉位置にあるとき、キャップ30は本体200上に配置され、本体200の上部210を閉鎖する。
図5は、ネック及びキャップ構成500の側面図を示す。
図6は、ネック及びキャップ構成部500の断面図を示す。
図7は、ネック及びキャップ構成部500の背面図を示す。
図8~11を参照すると、キャップ30は開放位置にある。キャップ30が開放位置にあるとき、キャップ30は本体200の上部210から取り外される。キャップ30の開放位置は、食品パッケージ10から食品を注ぐことができるようにするためのものである。
図8は、ネック及びキャップ構成500の概略側面図である。
図9は、ネック及びキャップ構成500の断面図である。
図10は、キャップ30が取り外された、
図8に示すネック及びキャップ構成500の側面図である。
図11は、ネック及びキャップ構成500の斜視図である。
【0068】
キャップ30は、頂部310とキャップ壁320を備える。頂部310は、ネック20の上部210を閉じるように構成されている。キャップ壁320は、主軸Aに沿って頂部310から延びている。キャップ30がネック20を閉じているとき、キャップ壁320はネック壁230を取り囲む。キャップ壁320は、頂部310の反対側に位置するキャップ端縁321を有する。キャップ壁320は、キャップ端縁321の一部を形成する下縁322をさらに備える。下縁322は、
図8~11に詳細に示されているように、キャップ30が開放位置にあるときにリブ231と接触するように構成されている。下縁は、キャップ30が開放位置にあるとき、ネック20に対してキャップ30を所定の位置に保つために、隣接するリブ231の間に配置される。
【0069】
キャップ30は、テザーバンド330をさらに備える。テザーバンド330は、
図9に詳細に示されているように、キャップ30をテザーバンド保持部233に連結するように構成されている。これにより、
図8~
図11に図示されるように、キャップ30が開放位置にあるとき、キャップ30がネック20に固定されることが容易になる。テザーバンド330は、上縁331aと下縁331bとを有する。上縁331aはキャップ端縁321に取り付けられている。テザーバンド330は、キャップ端縁321へのテザーバンド330の取り付けの少なくとも一部が破断したときに、キャップ30をネック20に固定するように構成されている。テザーバンド330はさらに、
図8~10に図示されているように、キャップ30が開放位置にあるときに、キャップ壁320の下縁322をネック壁230のリブ231に接触するように引っ張るように構成される。
【0070】
キャップ30はさらに、第1の切れ目334を備える。第1の切れ目334は、キャップ端縁321とテザーバンド330の上端縁331aとの間に位置する。第1の切れ目334は、キャップ端縁321と上端縁331aとの間の取り付け部の一部を形成する。第1の切れ目334は、テザーバンド330の円周の少なくとも270度に沿って延びている。キャップ30は、キャップ端縁321とテザーバンド330の上端縁331aとの間に位置する非切断部335をさらに備える。非切断部335は、第1の切れ目334が位置しないテザーバンド330の円周に沿って位置する。非切断部335はキャップ30の下縁322に位置する。したがって、第1の切れ目334は、テザーバンド330の円周に沿って、下縁322の第1の側から、下縁322の第2の、反対側の側まで延びている。それゆえ、第1の切れ目334と非切れ込み部335は一緒になってキャップ30の完全な円周の周りに延びる。
図8~10に最もよく示されているように、キャップ30が開放位置にあるとき、テザーバンド330の円周の少なくとも270度に沿って、キャップ端縁321をテザーバンド330から分離する第1の切れ目334がある。キャップ30の第1の切れ目334は、キャップ30が開放位置に移動したときに、キャップ端縁321と上端縁331aとを破断し、それによって分離するように構成された1つ以上の破断可能なブリッジによって形成される。第1の切れ目334は、キャップ30が以前に開かれたかどうか、すなわち第1の切れ目334が破断されたかどうかを示す、テザーバンド330のタンパーエビデンス手段を形成する。
【0071】
キャップ30は、第2の切れ目336をさらに備える。第2の切れ目336は、第1の切れ目334の少なくとも一部とテザーバンド330の下縁331bとの間に位置する。第2の切れ目336は、キャップ30の円周の90~270度、好ましくは
図8~11に図示されているように180度に沿って延びている。キャップ30は、第1の切れ目334の少なくとも一部とテザーバンド330の底縁331bとの間に位置する非切断部337をさらに備える。非切断部337は、第2の切れ目336が配置されていないテザーバンド330の円周に沿って配置されている。したがって、第2の切れ目336と非切れ込み部337は一緒にキャップ30の完全な円周の周りに延びている。第2の切れ目335は、第1の切れ目334に関連して説明したようなタンパーエビデンス手段と同様のテザーバンド330のさらなるタンパーエビデンス手段を形成する。
【0072】
第2の切れ目336は、テザーバンド330の第1のテザーバンド部分330a及び第2のテザーバンド部分330bを形成する。
図8~11に詳細に示されているように、キャップ30が開放位置にあるとき、第2の切れ目336は、第1及び第2のテザーバンド部分330a、330bをテザーバンド330のリング状部338から分離している。リング状部338は、キャップ30が開放位置にあるときにキャップ30を所定位置に保持するように構成されたテザーバンド保持部233に接続されている。したがって、キャップ30が開放位置にあるとき、第2の切れ目336は、第1の切れ目334の少なくとも一部とテザーバンド330の下縁331bとを分離するように構成され、それによって、テザーバンド部分330a、330bは、リング状部338から分離される。
図10を参照すると、テザーバンド部分330a、330bとリング状部分338とは、0~30度の間の角度αだけ離れている。角度αに加えて、
図10は、
図8に開示されたものと同様の特徴を示しているが、
図10では、角度αを例示的に示せるようにキャップ30が除外されている。キャップ30が開放位置にあるとき、第1及び第2のテザーバンド部分330a、330bは、隣接するリブ231の間にキャップ30を配置するためにねじられる。
【0073】
第1及び第2のテザーバンド部分330a、330bは、キャップ壁320の下縁322から延びている。
【0074】
テザーバンド330は、テザーバンド部分330a、330bが配置されていないキャップ30の円周に沿って、主軸Aに横切る方向Rで見て、それぞれのテザーバンド部分330a、330bから延びるさらなる部分339を備える。
【0075】
第1及び第2のテザーバンド部分330a、330bは、キャップが閉位置にあるときに主軸Aに横切る方向Rに沿って見て、下縁322の反対側でテザーバンド330のさらなる部分339の反対側に接続され、延びている。
【0076】
テザーバンド部330a,330bは、第1の側において、第2の切れ目336を介してリング状部分に接続されている。テザーバンド部330a,330bは、第2の側において、第1の切れ目334を介してキャップ30に接続されている。第2の側は、主軸Aに沿って見て第1の側とは反対側である。
【0077】
したがって、第1及び第2のテザーバンド部分330a、330b、リング状部分338及びさらなる部分339がテザーバンド330を形成する。
【0078】
好ましくは、キャップはテザーバンドと一体的に射出成形され、このテザーバンドは、複数の破断可能なブリッジ、例えば、第1及び第2の切れ目によってキャップ自体と同軸に連結される。第1及び第2の切れ目334、336は、破断可能なブリッジを形成するように構成されたナイフによって形成されてもよい。
【0079】
図11を参照すると、上述の内容に加えて、ネック及びキャップ構成500のキャップ30は、内ねじ323をさらに備える。内ねじ323は、キャップ30が閉位置にあるとき、ネック20の外ねじ232と係合するように構成されている。
【0080】
図12を参照すると、ネック・キャップ構成1200の変形例が例示されている。ネック及びキャップ構成1200は、食品パッケージ10'を閉じるためのものである。ネック及びキャップ構成1200は、ネック20'及びキャップ30'を備える。ネック20'は、上述の
図2~4に関連して説明したネック20と同様であってもよい。キャップ30'は、上述の
図5~11に関連して説明したキャップ30と同様の特徴を有するが、例えばスクリューキャップの代わりにフリップ式キャップである。
【0081】
ネック20'は、本体200'を備える。本体200'は、上部210'と下部220'とを有する。上部210'は、キャップ30'で閉じられるように構成されている。下部220'は、食品パッケージ10'に取り付けられるように構成されている。
【0082】
ネック20'は、主軸Aに沿って上部210'と下部220'との間に延びるネック壁230'をさらに備える。ネック壁230'は、テザーバンド330'を介してキャップ30'をネック20'に保持するように構成されたテザーバンド保持部233'を備える。ネック壁230'は、外側表面235'と内側表面(図示せず)とを有する。外面235'にはリブ231'が設けられている。
【0083】
図示されていないが、ネック壁230'は、主軸Aに直交する方向に沿った壁厚WTを有し、リブ231'は、主軸Aに直交する方向Rに延在する延長部REを有する。壁厚WT及びリブ延長部REは、
図4に関連して説明した壁厚WT及びリブ延長部REと同様である。
【0084】
キャップ30'は、頂部310'とキャップ壁320'を備える。頂部310'は、ネック20'の上部210'を閉じるように構成されている。キャップ壁320'は、主軸Aに沿って頂部310'から延びている。
【0085】
キャップ30'は、テザーバンド330'をさらに備える。テザーバンド330'は、キャップ30'をネック20'のテザーバンド保持部233'に連結するように構成されている。それにより、キャップ30'は、
図12に示されるように、キャップ30'が開放位置にあるときに、ネック20'に固定される。テザーバンド330'はさらに、キャップ30'が開放位置にあるとき、キャップ壁320'の下縁322'をネック壁230'のリブ231に接触するように引っ張るように構成されている。これにより、キャップ30'は、開放位置にあるとき、所定の位置に保持される。
【0086】
図12に関連して説明され、図示したことに加えて、
図12に示すようなネック及びキャップ構成1200は、上記の
図2~11に関連して説明したのと同様の特徴と効果を備え得る。
【0087】
リブ231はネック20の全周に渡って延びていなくてもよい。ネックの周囲に対して、小さな角度、例えば約15°で延びていれば十分である。この場合、キャップ30を開いた位置に維持するために、ユーザーはキャップ30を回転させ、その下縁322をリブ231に接触させる必要がある。
【0088】
リブ231は、バンド保持部233の上方で、ねじ232の最上部の下方に位置してもよい。
【0089】
図13を参照すると、ここではリブ2311と呼ばれるキャップパーキング突起2311の変形例が例示されている。リブ2311は、先に説明したリブと同様に、ネック壁の外面に沿って長手方向に延びている。長手方向の延長部は、ネックの主軸Aに対して横方向Hに延びる成分を有する。これは、リブ2311が、図示されているように、ネックの主軸Aに対して傾斜していてもよいことを意味する。リブ2311が傾斜していても、キャップを開放位置に保持するために使用できることが試験で示されている。先の図のリブ231、231'は、ネックの主軸Aに対して直角な方向Hにのみ延びている。これが、先の図のリブと
図13のリブ2311との唯一の相違点である。
【0090】
ネック20が直立して配置されている場合、主軸Aは垂直方向と平行である。
図2のリブ231は、ネック20から水平方向に突出しており、水平方向に平行な長手方向の延長部を有する。
図13のリブ2311もまた、ネック20から水平方向に突出しており、水平方向に平行な成分と垂直方向に平行な成分とを有する延長部を有している。
【0091】
いくつかのリブは傾斜しているが、他のリブは主軸Aに対して横断してもよい。一部又は全てのリブは、互いに平行であってもよい。
【0092】
図14を参照すると、キャップパーキング突起2312は、破断したリブの形状を有し、リブの部分がネック壁の外面235に沿って延びている。
図15は、同様の変形例を示しており、リブ2313は、リブ2313がドット状の部分で構成されるような密接な間隔で破断されている。
【0093】
図16を参照すると、キャップパーキング突起2314の別の変形例が示されている。ここで、キャップパーキング突起2314は、ネック壁の外面235に沿って延びる個々の突起である。これらの突起2314は、キャップパーキング突起の他の実施形態と同様に、主軸に直交する方向に同じ延びを有する。キャップパーキング突起2314は、他の変形例の突起と同じ領域をカバーし、キャップ30の下縁322がリブ突起2314に接触するように密接に配置されており、キャップ30は、効率的に停止される。
【0094】
基本的に、キャップの下縁に十分な摩擦を与えることができる突起であれば、どのようなものでも使用することができ、その摩擦によって、キャップが開放位置にあるときにキャップの下縁がネックに対して滑らないようにすることができる。
【0095】
ここで、「キャップパーキング突起」は、主軸に直交する方向に延びるネック壁上の領域であって、キャップパーキング突起に直接隣接するネック壁のそれらの領域よりも上(さらに外側)にある領域と理解することができる。したがって、キャップパーキング突起は、くぼみ又は溝をネック壁に配置することによって形成することができ、くぼみ又は溝に隣接する隆起がキャップパーキング突起を形成してもよい。
【0096】
本明細書で説明するすべてのリブは、主軸に直交する方向に同じ延長部を有してもよい。これらはすべて、ネック壁の円周上に延び、同じ厚さを有し、ネック壁の外面に沿って長手方向に延び、ネックの主軸に対して横方向及び平行方向の両方の延長部を有し、ネック上の同じ位置に配置されてもよい。したがって、これらは同じ特徴を共有し、互いに組み合わせてもよい。基本的に、異なるキャップパーキング突起間の唯一の違いは、例えば
図2及び
図13から
図15に示されているように、ネック上で有する特定の形状である。
【0097】
上述したパーキング突起の1つ、いくつか、又は全ては、一実施形態では、ねじではなく、タンパーバンド保持部でもなく、及び/又はテザーバンド保持部ではない。
【0098】
以上の説明から、本発明の様々な実施形態を説明し示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲に定義される主題の範囲内で他の方法で具体化してもよい。
【国際調査報告】