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特表2025-501252アップリンクプリコーディング方法および装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-17
(54)【発明の名称】アップリンクプリコーディング方法および装置
(51)【国際特許分類】
   H04B 7/0456 20170101AFI20250109BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20250109BHJP
   H04W 28/18 20090101ALI20250109BHJP
【FI】
H04B7/0456 300
H04W16/28
H04W28/18 110
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024539598
(86)(22)【出願日】2022-12-30
(85)【翻訳文提出日】2024-08-08
(86)【国際出願番号】 CN2022144275
(87)【国際公開番号】W WO2023125996
(87)【国際公開日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】202111668221.2
(32)【優先日】2021-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100132481
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 克豪
(74)【代理人】
【識別番号】100115635
【弁理士】
【氏名又は名称】窪田 郁大
(72)【発明者】
【氏名】▲孫▼ ▲イエン▼
(72)【発明者】
【氏名】柴 ▲暁▼萌
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ ▲芸▼群
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067DD11
5K067EE02
5K067EE10
5K067KK03
(57)【要約】
アップリンクプリコーディング方法および装置が提供される。この方法は、端末デバイスが第1の情報をアクセスネットワークデバイスから受信することと、端末デバイスが第1の情報および第1のモデルに基づいて第1のプリコーディング行列を決定することであって、第1のプリコーディング行列は、第1のモデルの出力であり、第1のモデルの入力は、第1の情報に基づいて決定される、ことと、端末デバイスが第1のプリコーディング行列に基づいてアップリンク信号をプリコーディングすることと、端末デバイスが、プリコーディングされたアップリンク信号をアクセスネットワークデバイスに送信することとを含む。この方法では、端末デバイスは、第1の情報および第1のモデルに基づいて第1のプリコーディング行列を決定する。プリコーディング行列は、オフラインのコードブックから選択されなくなり、端末デバイスによって第1の情報に基づいて生成される浮動小数点行列である。これは、チャネル環境により良好に適合し、プリコーディング効果を改善することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の情報をアクセスネットワークデバイスから受信するステップと、
第1のプリコーディング行列に基づいてアップリンク信号をプリコーディングするステップであって、
前記第1のプリコーディング行列は、第1のモデルの出力に基づいて決定され、前記第1のモデルの入力は前記第1の情報に基づいて決定される、ステップと、
プリコーディングされたアップリンク信号を前記アクセスネットワークデバイスに送信するステップとを含むアップリンクプリコーディング方法。
【請求項2】
前記第1の情報は、圧縮された第1のプリコーディング行列を示し、かつ、前記第1のモデルの前記出力は、前記第1のプリコーディング行列を含み、または、
前記第1の情報は、圧縮されたチャネル状態情報CSIを示し、前記第1のモデルの前記出力は、アップリンクチャネル情報を含み、かつ、前記第1のプリコーディング行列は、前記アップリンクチャネル情報に基づいて決定される、または、
前記第1の情報は、圧縮されたCSIを示し、かつ、前記第1のモデルの前記出力は、前記第1のプリコーディング行列を含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のプリコーディング行列は、広帯域レベル、サブバンドレベル、またはリソース要素レベルである請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
アップリンクチャネル情報および第2のモデルに基づいて第1の情報を決定するステップであって、
前記第2のモデルの入力は、前記アップリンクチャネル情報に基づいて決定され、かつ、前記第1の情報は、前記第2のモデルの出力に基づいて決定される、ステップと、
前記第1の情報を端末デバイスに送信するステップであって、
前記第1の情報は、圧縮された第1のプリコーディング行列を示す、または前記第1の情報は、圧縮されたチャネル状態情報CSIを示す、ステップと
を含むアップリンクプリコーディング方法。
【請求項5】
第1の参照信号を端末デバイスから受信するステップと、
前記受信された第1の参照信号に基づいて第1のコードブックを決定するステップであって、前記第1のコードブックは、アップリンク信号をプリコーディングするために使用される、ステップと、
前記第1のコードブックを前記端末デバイスに送信するステップと
を含むアップリンクプリコーディング方法。
【請求項6】
前記受信された第1の参照信号に基づいて第1のコードブックを決定するステップは、 Z個のリソース上の前記第1の参照信号を別個に測定して、Z個のアップリンクチャネル情報を得るステップであって、Zは、1以上の整数である、ステップと、
前記Z個のアップリンクチャネル情報に基づいて前記第1のコードブックを決定するステップとを含む請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記Z個のアップリンクチャネル情報に基づいて前記第1のコードブックを決定するステップは、
前記Z個のアップリンクチャネル情報およびコードブック生成モデルに基づいて前記第1のコードブックを決定することを含む請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記Z個のアップリンクチャネル情報に基づいて前記第1のコードブックを決定するステップは、
前記Z個のアップリンクチャネル情報に基づいてZ個のプリコーディング行列を決定するステップと、
前記Z個のプリコーディング行列に基づいて前記第1のコードブックを決定するステップと
を含む請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記Z個のプリコーディング行列に基づいて前記第1のコードブックを決定するステップは、
前記Z個のプリコーディング行列およびプリコーディング行列生成モデルに基づいてM個のプリコーディング行列を決定するステップであって、Mは、Z以下であり、
前記第1のコードブックは、前記M個のプリコーディング行列を含む、ステップを含む請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記Z個のプリコーディング行列に基づいて前記第1のコードブックを決定するステップは、
前記Z個のプリコーディング行列およびプリコーディング行列生成モデルに基づいてM個のプリコーディング行列を決定するステップであって、Mは、N以下である、ステップと、
前記M個のプリコーディング行列を別個に量子化してM個の量子化されたプリコーディング行列を得るステップであって、前記第1のコードブックは、前記M個の量子化されたプリコーディング行列を含む、ステップとを含む請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記方法は、
表示情報を前記端末デバイスに送信するステップであって、前記表示情報は、X個のサブバンドに対応するX個のプリコーディング行列を示し、前記X個のプリコーディング行列は、前記第1のコードブックに属し、前記X個のプリコーディング行列の各々は、対応するサブバンド上のアップリンク信号をプリコーディングするために使用され、Xは、正の整数である、ステップを
さらに含む請求項5乃至10いずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記表示情報を前記端末デバイスに送信するステップは、
サブバンドプリコーディング行列の表示規則に従って前記表示情報を前記端末デバイスに送信することを含む請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記方法は、
前記サブバンドプリコーディング行列の前記表示規則を前記端末デバイスに送信するステップを
さらに含む請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
前記サブバンドプリコーディング行列の前記表示規則は、
アップリンクチャネル帯域幅が、第1のサブバンドおよび第2のサブバンドを少なくとも含み、
前記第1のサブバンドに対応するプリコーディング行列の表示規則は、前記第1のサブバンドに対応する前記プリコーディング行列のインデックスを示すステップを含み、
前記第2のサブバンドに対応するプリコーディング行列の表示規則は、前記第1のサブバンドの前記プリコーディング行列の前記インデックスに対する前記第2のサブバンドの前記プリコーディング行列のインデックスのオフセット方向およびオフセット値を示すステップを含む、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1のコードブックは、前記第1のサブバンドのコードブックであり、かつ、前記第1のコードブックは、前記第1のサブバンド上のアップリンク信号をプリコーディングするために使用される請求項5乃至10いずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
第1の参照信号をアクセスネットワークデバイスに送信するステップと、
第1のコードブックを前記アクセスネットワークデバイスから受信するステップと、
前記第1のコードブックを用いてアップリンク信号をプリコーディングするステップとを含むアップリンクプリコーディング方法。
【請求項17】
前記第1のコードブックを用いてアップリンク信号をプリコーディングするステップは、
表示情報を前記アクセスネットワークデバイスから受信するステップであって、前記表示情報は、X個のサブバンドに対応するX個のプリコーディング行列を示し、かつ、前記X個のプリコーディング行列は、前記第1のコードブックに属する、ステップと、
前記X個のプリコーディング行列の各々を用いて対応するサブバンド上のアップリンク信号をプリコーディングするステップと
を含む請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記方法は、
サブバンドプリコーディング行列の表示規則を前記アクセスネットワークデバイスから受信するステップをさらに含む請求項16又は17に記載の方法。
【請求項19】
前記サブバンドプリコーディング行列の前記表示規則は、
アップリンクチャネル帯域幅が、第1のサブバンドおよび第2のサブバンドを少なくとも含み、
前記第1のサブバンドに対応するプリコーディング行列の表示規則は、前記第1のサブバンドに対応する前記プリコーディング行列のインデックスを示すステップを含み、
前記第2のサブバンドに対応するプリコーディング行列の表示規則は、前記第1のサブバンドの前記プリコーディング行列の前記インデックスに対する前記第2のサブバンドの前記プリコーディング行列のインデックスのオフセット方向およびオフセット値を示すステップを含む、
請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第1のコードブックは、前記第1のサブバンドのコードブックであり、かつ、前記第1のコードブックを用いてアップリンク信号をプリコーディングするステップは、
前記第1のコードブックを用いて前記第1のサブバンド上のアップリンク信号をプリコーディングするステップを含む請求項16に記載の方法。
【請求項21】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成されるユニット、または請求項16乃至20のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成されるユニットとを含む通信装置。
【請求項22】
プロセッサおよびメモリを含む通信装置であって、前記プロセッサは前記メモリに結合され、かつ、前記プロセッサは、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法、または請求項16乃至20のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成されている通信装置。
【請求項23】
請求項4に記載の方法を実行するように構成されたユニット、または請求項5乃至15のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成されたユニットを含む通信装置。
【請求項24】
プロセッサおよびメモリを含む通信装置であって、前記プロセッサは、前記メモリに結合され、前記プロセッサは、請求項4に記載の方法、または請求項5乃至15のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成されている、通信装置。
【請求項25】
請求項21または22に記載の通信装置と、請求項23または24に記載の通信装置とを含む通信システム。
【請求項26】
コンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ可読記憶媒体が命令を記憶し、前記命令がコンピュータ上で実行されると、前記コンピュータが請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法、または請求項4に記載の方法、または請求項5乃至15のいずれか一項に記載の方法、または請求項16乃至20のいずれか一項に記載の方法を実行することを可能にされる、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項27】
命令を含むコンピュータプログラム製品であって、かつ、前記命令はコンピュータ上で実行されると、前記コンピュータは、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法、または請求項4に記載の方法、または請求項5乃至15のいずれか一項に記載の方法、または請求項16乃至20のいずれか一項に記載の方法を実行することを可能にされる、コンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、通信技術の分野に関し、特にアップリンクプリコーディング方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
[関連出願の相互参照]
本願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる2021年12月31日に中国国家知識産権局に出願された「UPLINK PRECODING METHOD AND APPARATUS」と題する中国特許出願第202111668221.2号の優先権を主張するものである。
【0003】
例えば移動体通信ネットワークなどのワイヤレス通信ネットワークでは、ネットワークによってサポートされるサービスがますます多様化しており、したがって満たされる必要がある要件もますます多様化している。例えば、ネットワークは、超高レート、超低レイテンシ、および/または超大規模接続をサポートすることができる必要がある。この特徴により、ネットワーク計画、ネットワーク構成、および/またはリソーススケジューリングがますます複雑になる。さらに、例えば、ますます高くなるスペクトルをサポートし、高次の多入力多出力(multiple-input multiple-output, MIMO)技術、ビームフォーミング、および/またはビーム管理などの新技術をサポートする対ネットワーク機能はますます強力になっているので、ネットワークのエネルギー節約が最新の研究主題になっている。これらの新たな要件、新たなシナリオ、および新たな特徴は、ネットワークの計画、運用および保守、ならびに効率的な稼働に前例のない難題をもたらす。この難題に対処するために、ネットワークインテリジェンスを実施するために人工知能技術がワイヤレス通信ネットワークに導入されることがある。これに基づき、どのようにして人工知能をネットワークに効果的に実装するかが、研究する価値のある問題になっている。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、アップリンク信号に対するプリコーディングを実施するために、アップリンクプリコーディング方法および装置を提供する。
【0005】
第1の態様によれば、アップリンクプリコーディング方法が提供される。この方法は、端末デバイスによって実行され、または端末デバイス内に構成される構成要素(例えばプロセッサ、チップ、もしくは別の構成要素)によって実行されることもあるし、ソフトウェアモジュールなどによって実行されることもある。この方法は、第1の情報をアクセスネットワークデバイスから受信することと、第1のプリコーディング行列に基づいてアップリンク信号をプリコーディングすることであって、第1のプリコーディング行列は、第1のモデルの出力に基づいて決定され、第1のモデルの入力は第1の情報に基づいて決定される、ことと、プリコーディングされたアップリンク信号をアクセスネットワークデバイスに送信することとを含む。
【0006】
上記の方法によれば、端末デバイスは、第1の情報および第1のモデルに基づいて第1のプリコーディング行列を決定する。プリコーディング行列は、オフラインのコードブックから選択されなくなり、端末デバイスによって第1の情報に基づいて生成される浮動小数点行列であることもある。浮動小数点行列は、複素行列であるので、生成されたプリコーディング行列は、チャネル環境により良好に適合し、それによりプリコーディング効果を改善する。
【0007】
一設計では、第1の情報は、圧縮された第1のプリコーディング行列を示し、第1のモデルの出力は、第1のプリコーディング行列を含む。代替として、第1の情報は、圧縮されたチャネル状態情報CSIを示し、第1のモデルの出力は、アップリンクチャネル情報を含み、第1のプリコーディング行列は、アップリンクチャネル情報に基づいて決定される。代替として、第1の情報は、圧縮されたCSIを示し、第1のモデルの出力は、第1のプリコーディング行列を含む。
【0008】
本開示では、圧縮されたCSIは、代替としてCSIと呼ばれることもある。
【0009】
一設計では、第1のプリコーディング行列は、広帯域レベル、サブバンドレベル、またはリソース要素レベルである。
【0010】
上記の設計によれば、端末デバイスによって生成される第1のプリコーディング行列が帯域幅レベルである場合には、帯域幅全体のアップリンク信号が、同じプリコーディング行列を用いてプリコーディングされる。代替として、第1のプリコーディング行列がサブバンドレベルである場合には、アップリンク信号は、帯域幅全体のうちの異なるサブバンドに対応するプリコーディング行列を用いてプリコーディングされる。同様に、第1のプリコーディング行列がリソース要素REレベルである場合には、各REのアップリンク信号は、各REのアップリンク信号に対応するアップリンク信号を用いてプリコーディングされる。帯域幅レベルのプリコーディング行列と比較して、サブバンドレベルのプリコーディング行列またはREレベルのプリコーディング行列は、コードブックおよびチャネル適合を改善することができ、プリコーディング精度を向上させることができる。
【0011】
第2の態様によれば、アップリンクプリコーディング方法が提供される。この方法は、アクセスネットワークデバイスによって実行され、またはアクセスネットワークデバイス内に構成される構成要素(例えばプロセッサ、チップ、もしくは別の構成要素)によって実行されることもあるし、ソフトウェアモジュールなどによって実行されることもある。この方法は、アップリンクチャネル情報および第2のモデルに基づいて第1の情報を決定することであって、第2のモデルの入力は、アップリンクチャネル情報に基づいて決定され、第1の情報は、第2のモデルの出力に基づいて決定される、ことと、第1の情報を端末デバイスに送信することであって、第1の情報は、圧縮された第1のプリコーディング行列を示す、または第1の情報は、圧縮されたチャネル状態情報CSIを示す、こととを含む。
【0012】
上記の設計によれば、第2のモデルは、アクセスネットワークデバイスにデプロイされ、アクセスネットワークデバイスは、端末デバイスのアップリンクチャネル情報および第2のモデルに基づいて第1の情報を決定することがあり、端末デバイスは、第1の情報および第1のモデルに基づいてプリコーディング行列を復元することがある。端末デバイスによって第1の情報に基づいて復元されるプリコーディング行列は、オフライン行列から選択されるのではなく、浮動小数点行列であり、端末デバイスの現在のチャネル環境により良好に適合することにより、プリコーディング精度を向上させる。
【0013】
第3の態様によれば、アップリンクプリコーディング方法が提供される。この方法は、アクセスネットワークデバイスによって実行され、またはアクセスネットワークデバイス内に構成される構成要素(例えばプロセッサ、チップ、もしくは別の構成要素)によって実行されることもあるし、ソフトウェアモジュールなどによって実行されることもある。この方法は、第1の参照信号を端末デバイスから受信することと、受信された第1の参照信号に基づいて第1のコードブックを決定することであって、第1のコードブックは、アップリンク信号をプリコーディングするために使用される、ことと、第1のコードブックを端末デバイスに送信することとを含む。
【0014】
上記の方法によれば、アクセスネットワークデバイスは、端末デバイスによって送信される参照信号に基づいて、端末デバイスについての対応する個別化されたコードブック、すなわち上記の第1のコードブックを構成することがある。端末デバイスによって使用される固定コードブックと比較すると、個別化されたコードブックは、各端末デバイスのチャネル特性により良好に適合し、それにより端末デバイスのプリコーディング精度を向上させることができる。
【0015】
一設計では、受信された第1の参照信号に基づいて第1のコードブックを決定することは、Z個のリソース上の第1の参照信号を別個に測定して、Z個のアップリンクチャネル情報を得ることであって、Zは、1以上の整数である、ことと、Z個のアップリンクチャネル情報に基づいて第1のコードブックを決定することとを含む。
【0016】
一設計では、Z個のアップリンクチャネル情報に基づいて第1のコードブックを決定することは、Z個のアップリンクチャネル情報およびコードブック生成モデルに基づいて第1のコードブックを決定することを含む。
【0017】
一設計では、Z個のアップリンクチャネル情報に基づいて第1のコードブックを決定することは、Z個のアップリンクチャネル情報に基づいてZ個のプリコーディング行列を決定することと、Z個のプリコーディング行列に基づいて第1のコードブックを決定することとを含む。
【0018】
一設計では、Z個のプリコーディング行列に基づいて第1のコードブックを決定することは、Z個のプリコーディング行列およびプリコーディング行列生成モデルに基づいてM個のプリコーディング行列を決定することであって、Mは、Z以下であり、第1のコードブックは、このM個のプリコーディング行列を含む、ことを含む。
【0019】
一設計では、Z個のプリコーディング行列に基づいて第1のコードブックを決定することは、Z個のプリコーディング行列およびプリコーディング行列生成モデルに基づいてM個のプリコーディング行列を決定することであって、Mは、N以下である、ことと、M個のプリコーディング行列を別個に量子化してM個の量子化されたプリコーディング行列を得ることであって、第1のコードブックは、このM個の量子化されたプリコーディング行列を含む、こととを含む。
【0020】
上記の設計によれば、端末デバイスについての個別化されたコードブックを構成するときに、アクセスネットワークデバイスは、端末デバイスの収集されたZ個のアップリンクチャネル情報に基づいてZ個のプリコーディング行列を決定する。Z個のコーディング行列は、M個のプリコーディング行列に収束され、ここで、Mの値は、Zの値以下である。端末デバイスについて構成される個別化されたコードブックは、M個のプリコーディング行列を含む。この設計では、アクセスネットワークデバイスが、個別化されたコードブックを構成する、または個別化されたコードブックを端末デバイスに対して示す必要がある。したがって、上記の設計が用いられるときには、個別化されたコードブックを端末デバイスによって示すためのオーバヘッドが低減され得る。
【0021】
一設計では、この方法は、表示情報を端末デバイスに送信することであって、表示情報は、X個のサブバンドに対応するX個のプリコーディング行列を示し、このX個のプリコーディング行列は、第1のコードブックに属し、X個のプリコーディング行列の各々は、対応するサブバンド上のアップリンク信号をプリコーディングするために使用され、Xは、正の整数である、ことをさらに含む。
【0022】
上記の設計によれば、端末デバイスについて個別化されたコードブックを構成した後で、アクセスネットワークデバイスは、表示情報を端末デバイスにさらに送信することがあり、ここで、この表示情報は、端末デバイスのアップリンク帯域幅中の各サブバンドに対応するプリコーディング行列を示す。アップリンク帯域幅全体で同じプリコーディング行列が使用される方法と比較すると、この方法では、プリコーディング行列は各サブバンドに対応するチャネル特性に適合し、それによりプリコーディング精度を向上させることができる。
【0023】
一設計では、表示情報を端末デバイスに送信することは、サブバンドプリコーディング行列の表示規則に従って表示情報を端末デバイスに送信することを含む。
【0024】
一設計では、この方法は、サブバンドプリコーディング行列の表示規則を端末デバイスに送信することをさらに含む。
【0025】
一設計では、サブバンドプリコーディング行列の表示規則は、アップリンクチャネル帯域幅が、第1のサブバンドおよび第2のサブバンドを少なくとも含み、ここで、第1のサブバンドに対応するプリコーディング行列の表示規則は、第1のサブバンドに対応するプリコーディング行列のインデックスを示すことを含み、第2のサブバンドに対応するプリコーディング行列の表示規則は、第1のサブバンドのプリコーディング行列のインデックスに対する第2のサブバンドのプリコーディング行列のインデックスのオフセット方向およびオフセット値を示すことを含む、ことを含む。
【0026】
上記の設計によれば、アクセスネットワークデバイスが各サブバンドに対応するプリコーディング行列のインデックスを別個に示す場合には、表示オーバヘッドは高い。この設計では、アクセスネットワークデバイスは、表示規則を予め規定し、この表示規則を端末デバイスに通知する。その後、アクセスネットワークデバイスは、帯域幅全体のうちのいくつかのサブバンドについての対応するプリコーディング行列のインデックスを示す。別のサブバンドは、これらのいくつかのサブバンドの隣接する帯域の役割を果たすことがある。アクセスネットワークデバイスは、以前のサブバンドに対応するプリコーディング行列のインデックスに対するこの隣接する帯域のプリコーディング行列のインデックスのオフセット方向およびオフセット値などを示す。これにより、プリコーディング行列を示すためのオーバヘッドを低減する。
【0027】
一設計では、第1のコードブックは、第1のサブバンドのコードブックであり、第1のコードブックは、第1のサブバンド上のアップリンク信号をプリコーディングするために使用される。
【0028】
上記の設計によれば、基地局は、端末デバイスについて、アップリンク帯域幅全体に適用可能なコードブック、すなわち第1のコードブックを構成することがある。その後、基地局は、第1のコードブック中の各サブバンドに対応するプリコーディング行列のインデックスを端末デバイスに対して示す必要があることがある。代替として、基地局は、端末について、各サブバンドに適用可能なコードブック、例えば第1のサブバンドに適用可能な第1のコードブックを直接構成することもある。その後、基地局は、各サブバンドに対応するコードブックにおいて、各サブバンドに対応するプリコーディング行列のインデックスなどを示す。この各サブバンドに対応するコードブックを構成する方式は、端末について構成されるコードブックの精度を向上させ得る。
【0029】
第4の態様によれば、アップリンクプリコーディング方法が提供される。この方法は、第3の態様における端末デバイスに対応する。有利な効果については、第3の態様を参照されたい。この方法は、端末デバイスによって実行され、または端末デバイス内に構成される構成要素(例えばプロセッサ、チップ、もしくは別の構成要素)によって実行されることもあるし、ソフトウェアモジュールなどによって実行されることもある。この方法は、第1の参照信号をアクセスネットワークデバイスに送信することと、第1のコードブックをアクセスネットワークデバイスから受信することと、第1のコードブックを用いてアップリンク信号をプリコーディングすることとを含む。
【0030】
一設計では、第1のコードブックを用いてアップリンク信号をプリコーディングすることは、表示情報をアクセスネットワークデバイスから受信することであって、表示情報は、X個のサブバンドに対応するX個のプリコーディング行列を示し、このX個のプリコーディング行列は、第1のコードブックに属する、ことと、X個のプリコーディング行列の各々を用いて対応するサブバンド上のアップリンク信号をプリコーディングすることとを含む。
【0031】
一設計では、この方法は、サブバンドプリコーディング行列の表示規則をアクセスネットワークデバイスから受信することをさらに含む。
【0032】
一設計では、サブバンドプリコーディング行列の表示規則は、アップリンクチャネル帯域幅が、第1のサブバンドおよび第2のサブバンドを少なくとも含み、ここで、第1のサブバンドに対応するプリコーディング行列の表示規則は、第1のサブバンドに対応するプリコーディング行列のインデックスを示すことを含み、第2のサブバンドに対応するプリコーディング行列の表示規則は、第1のサブバンドのプリコーディング行列のインデックスに対する第2のサブバンドのプリコーディング行列のインデックスのオフセット方向およびオフセット値を示すことを含む、ことを含む。
【0033】
一設計では、第1のコードブックは、第1のサブバンドのコードブックであり、第1のコードブックを用いてアップリンク信号をプリコーディングすることは、第1のコードブックを用いて第1のサブバンドのアップリンク信号をプリコーディングすることを含む。
【0034】
第5の態様によれば、装置が提供される。有利な効果については、第1の態様または第4の態様の説明を参照されたい。この装置は、端末デバイス、端末デバイス内に構成される装置、または端末デバイスと組み合わせて使用されることが可能な装置であり得る。一設計では、この装置は、第1の態様または第4の態様に記載される方法/動作/ステップ/アクションと一対一の対応にあるユニットを含むことがある。これらのユニットは、ハードウェア回路、ソフトウェア、またはハードウェア回路とソフトウェアの組合せを用いて実装され得る。
【0035】
例えば、この装置は、処理ユニットと通信ユニットとを含むことがあり、処理ユニットおよび通信ユニットは、第1の態様の任意の設計例における対応する機能を実行し得る。具体的には、以下の通りである。
【0036】
通信ユニットは、第1の情報をアクセスネットワークデバイスから受信するように構成される。処理ユニットは、第1のプリコーディング行列に基づいてアップリンク信号をプリコーディングするように構成され、第1のプリコーディング行列は、第1のモデルの出力に基づいて決定され、第1のモデルの入力は、第1の情報に基づいて決定される。通信ユニットは、プリコーディングされたアップリンク信号をアクセスネットワークデバイスに送信するようにさらに構成される。
【0037】
処理ユニットおよび通信ユニットの具体的な実行プロセスについては、第1の態様の説明を参照されたい。
【0038】
例えば、この装置は、第1の態様に記載される方法を実施するように構成されたプロセッサを含む。この装置は、命令および/またはデータを記憶するように構成されたメモリをさらに含むこともある。メモリは、プロセッサに結合される。プロセッサがメモリに記憶されたプログラム命令を実行したときに、第1の態様の方法が実施されることが可能である。この装置は、通信インタフェースをさらに含むこともあり、通信インタフェースは、この装置が別のデバイスと通信するために使用される。例えば、通信インタフェースは、トランシーバ、回路、バス、モジュール、ピン、または別のタイプの通信インタフェースであり得、上記の別のデバイスは、アクセスネットワークデバイスなどであることがある。
【0039】
可能な設計では、この装置は、第1の態様に記載される方法を実施するように構成される。この装置は、
プログラム命令を記憶するように構成されたメモリと、
第1の情報をアクセスネットワークデバイスから受信し、プリコーディングされたアップリンク信号をアクセスネットワークデバイスに送信するように構成された通信インタフェースと、
第1のプリコーディング行列に基づいてアップリンク信号をプリコーディングするように構成されたプロセッサであって、第1のプリコーディング行列は、第1のモデルの出力に基づいて決定され、第1のモデルの入力は、第1の情報に基づいて決定される、プロセッサとを含む。
【0040】
通信インタフェースおよびプロセッサの具体的な実行プロセスについては、第1の態様の説明を参照されたい。詳細について重ねて述べることはしない。
【0041】
例えば、この装置は、処理ユニットと通信ユニットとを含むことがあり、処理ユニットおよび通信ユニットは、第4の態様の任意の設計例における対応する機能を実行し得る。具体的には、以下の通りである。
【0042】
通信ユニットは、第1の参照信号をアクセスネットワークデバイスに送信し、第1のコードブックをアクセスネットワークデバイスから受信するように構成される。処理ユニットは、第1のコードブックを用いてアップリンク信号をプリコーディングするように構成される。
【0043】
処理ユニットおよび通信ユニットの具体的な実行プロセスについては、第4の態様の説明を参照されたい。
【0044】
例えば、この装置は、第4の態様に記載される方法を実施するように構成されたプロセッサを含む。この装置は、命令および/またはデータを記憶するように構成されたメモリをさらに含むこともある。メモリは、プロセッサに結合される。プロセッサがメモリに記憶されたプログラム命令を実行したときに、第4の態様の方法が実施されることが可能である。この装置は、通信インタフェースをさらに含むこともあり、通信インタフェースは、この装置が別のデバイスと通信するために使用される。例えば、通信インタフェースは、トランシーバ、回路、バス、モジュール、ピン、または別のタイプの通信インタフェースであり得、上記の別のデバイスは、アクセスネットワークデバイスなどであることがある。
【0045】
可能な設計では、この装置は、第4の態様に記載される方法を実施するように構成される。この装置は、
プログラム命令を記憶するように構成されたメモリと、
第1の参照信号をアクセスネットワークデバイスに送信し、第1のコードブックをアクセスネットワークデバイスから受信するように構成された通信ユニットと、
第1のコードブックを用いてアップリンク信号をプリコーディングするように構成されたプロセッサとを含む。
【0046】
通信インタフェースおよびプロセッサの具体的な実行プロセスについては、第4の態様の説明を参照されたい。詳細について重ねて述べることはしない。
【0047】
第6の態様によれば、装置が提供される。有利な効果については、第2の態様または第3の態様の説明を参照されたい。この装置は、アクセスネットワークデバイス、アクセスネットワークデバイス内に構成される装置、またはアクセスネットワークデバイスと組み合わせて使用されることが可能な装置であり得る。一設計では、この装置は、第2の態様または第3の態様に記載される方法/動作/ステップ/アクションと一対一の対応にあるユニットを含むことがある。これらのユニットは、ハードウェア回路、ソフトウェア、またはハードウェア回路とソフトウェアの組合せを用いて実装され得る。
【0048】
例えば、この装置は、処理ユニットと通信ユニットとを含むことがあり、処理ユニットおよび通信ユニットは、第2の態様の任意の設計例における対応する機能を実行し得る。具体的には、以下の通りである。
【0049】
処理ユニットは、アップリンクチャネル情報および第2のモデルに基づいて第1の情報を決定するように構成され、第2のモデルの入力は、アップリンクチャネル情報に基づいて決定され、第1の情報は、第2のモデルの出力に基づいて決定される。
【0050】
通信ユニットは、第1の情報を端末デバイスに送信するように構成され、ここで、第1の情報は、圧縮された第1のプリコーディング行列を示す、または第1の情報は、圧縮されたチャネル状態情報CSIを示す。
【0051】
処理ユニットおよび通信ユニットの具体的な実行プロセスについては、第2の態様の説明を参照されたい。本明細書では、詳細について重ねて述べることはしない。
【0052】
例えば、この装置は、第2の態様に記載される方法を実施するように構成されたプロセッサを含む。この装置は、命令および/またはデータを記憶するように構成されたメモリをさらに含むこともある。メモリは、プロセッサに結合される。プロセッサがメモリに記憶されたプログラム命令を実行したときに、第2の態様に記載される方法が実施されることが可能である。この装置は、通信インタフェースをさらに含むこともあり、通信インタフェースは、この装置が別のデバイスと通信するために使用される。例えば、通信インタフェースは、トランシーバ、回路、バス、モジュール、ピン、または別のタイプの通信インタフェースであり得、上記の別のデバイスは、端末などであることがある。可能な設計では、この装置は、
プログラム命令を記憶するように構成されたメモリと、
アップリンクチャネル情報および第2のモデルに基づいて第1の情報を決定するように構成されたプロセッサであって、第2のモデルの入力は、アップリンクチャネル情報に基づいて決定され、第1の情報は、第2のモデルの出力に基づいて決定される、プロセッサと、
第1の情報を端末デバイスに送信するように構成された通信インタフェースであって、第1の情報は、圧縮された第1のプリコーディング行列を示す、または第1の情報は、圧縮されたチャネル状態情報CSIを示す、通信インタフェースとを含む。
【0053】
通信インタフェースおよびプロセッサの具体的な実行プロセスについては、第2の態様の説明を参照されたい。詳細について重ねて述べることはしない。
【0054】
例えば、この装置は、処理ユニットと通信ユニットとを含むことがあり、処理ユニットおよび通信ユニットは、第3の態様の任意の設計例における対応する機能を実行し得る。具体的には、以下の通りである。
【0055】
通信ユニットは、第1の参照信号を端末デバイスから受信するように構成される。
【0056】
処理ユニットは、受信された第1の参照信号に基づいて第1のコードブックを決定するように構成され、第1のコードブックは、アップリンク信号をプリコーディングするために使用される。
【0057】
通信ユニットは、第1のコードブックを端末デバイスに送信するように構成される。
【0058】
通信ユニットおよび処理ユニットの具体的な実行プロセスについては、第3の態様の説明を参照されたい。詳細について重ねて述べることはしない。
【0059】
例えば、この装置は、第3の態様に記載される方法を実施するように構成されたプロセッサを含む。この装置は、命令および/またはデータを記憶するように構成されたメモリをさらに含むこともある。メモリは、プロセッサに結合される。プロセッサがメモリに記憶されたプログラム命令を実行したときに、第3の態様に記載される方法が実施されることが可能である。この装置は、通信インタフェースをさらに含むこともあり、通信インタフェースは、この装置が別のデバイスと通信するために使用される。例えば、通信インタフェースは、トランシーバ、回路、バス、モジュール、ピン、または別のタイプの通信インタフェースであり得、上記の別のデバイスは、端末などであることがある。可能な設計では、この装置は、
プログラム命令を記憶するように構成されたメモリと、
第1の参照信号を端末デバイスから受信し、第1のコードブックを端末デバイスに送信するように構成された通信インタフェースと、
受信された第1の参照信号に基づいて第1のコードブックを決定するように構成されたプロセッサであって、第1のコードブックは、アップリンク信号をプリコーディングするために使用される、プロセッサとを含む。
【0060】
通信インタフェースおよびプロセッサの具体的な実行プロセスについては、第3の態様の説明を参照されたい。詳細について重ねて述べることはしない。
【0061】
第7の態様によれば、本開示は、命令を含むコンピュータ可読記憶媒体をさらに提供する。命令がコンピュータ上で実行されたときに、コンピュータは、第1の態様から第4の態様のいずれか1つの方法を実行することができるようになる。
【0062】
第8の態様によれば、本開示は、チップシステムをさらに提供する。このチップシステムは、プロセッサを含み、メモリをさらに含むこともあり、第1の態様から第4の態様のいずれか1つの方法を実施するように構成される。このチップシステムは、チップを含むこともあるし、チップと別の個別構成要素とを含むこともある。
【0063】
第9の態様によれば、本開示は、命令を含むコンピュータプログラム製品をさらに提供する。命令がコンピュータ上で実行されたときに、コンピュータは、第1の態様から第4の態様のいずれか1つの方法を実行することができるようになる。
【0064】
第10の態様によれば、本開示は、システムをさらに提供する。このシステムは、第5の態様の装置と第6の態様の装置とを含む。
【図面の簡単な説明】
【0065】
図1】本開示による通信システムの図である。
図2】本開示によるAIモデルのデプロイメントの図である。
図3】本開示によるAIモデルのデプロイメントの図である。
図4a】本開示による通信システムのアーキテクチャの図である。
図4b】本開示による通信システムのアーキテクチャの図である。
図4c】本開示によるAIモデルの適用の図である。
図5】本開示によるニューロンの図である。
図6】本開示によるニューラルネットワークの図である。
図7】本開示によるアップリンクプリコーディング方法の図である。
図8】本開示によるアップリンクプリコーディング方法の図である。
図9】本開示によるコードブック生成プロセスの図である。
図10】本開示によるアップリンクプリコーディング方法の図である。
図11】本開示によるサブバンドの図である。
図12】本開示によるサブバンドプリコーディング行列の生成の図である。
図13】本開示によるアップリンクプリコーディング方法の図である。
図14】本開示によるアップリンクプリコーディング方法の図である。
図15】本開示によるCSI圧縮モデルおよびプリコーディングモデルの訓練の図である。
図16】本開示によるCSI圧縮モデルおよびプリコーディングモデルの適用の図である。
図17】本開示によるCSI圧縮モデルおよびプリコーディングモデルの構造の図である。
図18】本開示による装置の構造の図である。
図19】本開示による装置の構造の図である。
【発明を実施するための形態】
【0066】
図1は、本開示が適用されることが可能な通信システム1000のアーキテクチャの図である。図1に示されるように、この通信装置は、無線アクセスネットワーク100とコアネットワーク200とを含む。任意選択で、通信システム1000は、インターネット300をさらに含むこともある。無線アクセスネットワーク100は、少なくとも1つのアクセスネットワークデバイス(例えば図1の110aおよび110b)を含むことがあり、少なくとも1つの端末デバイス(例えば図1の120aから120j)をさらに含むこともある。端末デバイスは、ワイヤレス方式でアクセスネットワークデバイスに接続され、アクセスネットワークデバイスは、ワイヤレス方式または有線方式でコアネットワークに接続される。コアネットワークデバイスとアクセスネットワークデバイスは、互いに独立した異なる物理デバイスであってもよいし、コアネットワークデバイスの機能とアクセスネットワークデバイスの論理機能が同じ物理デバイスに統合されていてもよく、コアネットワークデバイスの一部の機能とアクセスネットワークデバイスの一部の機能は、1つの物理デバイスに統合されることもある。端末デバイスは、有線またはワイヤレス方式で互いに接続され得、アクセスネットワークデバイスは、有線またはワイヤレス方式で互いに接続され得る。図1は、単なる図である。通信システムは、別のネットワークデバイスをさらに含むこともあり、例えば図1には示されていないワイヤレス中継デバイスおよびワイヤレスバックホールデバイスをさらに含むこともある。
【0067】
アクセスネットワークデバイスは、基地局(base station)、進化型NodeB(evolved NodeB, eNodeB)、送受信ポイント(transmission reception point, TRP)、第五世代(5th generation, 5G)移動体通信システムの次世代NodeB(next generation NodeB, gNB)、オープン無線アクセスネットワーク(open radio access network, O-RAN)のアクセスネットワークデバイス、第六世代(6th generation, 6G)移動体通信システムの次世代基地局、将来の移動体通信システムの基地局、またはワイヤレスフィデリティ(wireless fidelity, Wi-Fi)システムのアクセスノードなどであることもある。代替として、アクセスネットワークデバイスは、基地局の一部の機能を完了するモジュールもしくはユニットであることもあり、例えば中央ユニット(central unit, CU)、分散ユニット(distributed unit, DU)、中央ユニット制御プレーン(CU control plane, CU-CP)モジュール、または中央ユニットユーザプレーン(CU user plane, CU-UP)モジュールであることもある。アクセスネットワークデバイスは、マクロ基地局(例えば図1の110a)であることもあるし、マイクロ基地局もしくは屋内基地局(例えば図1の110b)であることもあるし、または中継ノードもしくはドナーノードなどであることもある。アクセスネットワークデバイスで使用される具体的な技術および具体的なデバイス形態は、本開示では限定されない。
【0068】
本開示では、アクセスネットワークデバイスの機能を実装するように構成された装置は、アクセスネットワークデバイスであることもあるし、例えばチップシステム、ハードウェア回路、ソフトウェアモジュール、またはハードウェア回路とソフトウェアモジュールの組合せなど、アクセスネットワークデバイスがその機能を実装するのをサポートすることができる装置であることもある。この装置は、アクセスネットワークデバイス内に設置されることもあるし、使用に際してアクセスネットワークデバイスと組み合わされることもある。本開示では、チップシステムは、チップを含むこともあるし、チップと別の個別構成要素とを含むこともある。説明を容易にするために、以下では、アクセスネットワークデバイスの機能を実装するように構成された装置がアクセスネットワークデバイスであり、このアクセスネットワークデバイスが基地局である例を用いて、本開示で提供される技術的解決策について述べる。
【0069】
(1)プロトコル層構造
【0070】
アクセスネットワークデバイスと端末デバイスの間の通信は、指定されたプロトコル層構造に準拠する。このプロトコル層構造は、制御プレーンプロトコル層構造とユーザプレーンプロトコル層構造とを含むことがある。例えば、制御プレーンプロトコル層構造は、無線リソース制御(radio resource control, RRC)層、パケットデータコンバージェンスプロトコル(packet data convergence protocol, PDCP)層、無線リンク制御(radio link control, RLC)層、媒体アクセス制御(media access control, MAC)層、および物理層などのプロトコル層の機能を含むことがある。例えば、ユーザプレーンプロトコル層構造は、PDCP層、RLC層、MAC層、および物理層などのプロトコル層の機能を含むことがある。可能な実装では、サービスデータ適応プロトコル(service data adaptation protocol, SDAP)層が、PDCP層の上にさらに含まれることもある。
【0071】
任意選択で、アクセスネットワークデバイスと端末デバイスの間のプロトコル層構造は、AI機能に関係するデータを伝送するために使用される人工知能(artificial intelligence, AI)層をさらに含むこともある。
【0072】
(2)中央ユニット(central unit, CU)および分散ユニット(distributed unit, DU)
【0073】
アクセスデバイスは、CUおよびDUを含むことがある。複数のDUが1つのCUによって集中方式で制御されることもある。例えば、CUとDUの間のインタフェースは、F1インタフェースと呼ばれることがある。制御プレーン(control plane, CP)インタフェースはF1-Cとすればよく、ユーザプレーン(user plane, UP)インタフェースはF1-Uとすればよい。インタフェースの具体的な名称は、本開示では限定されない。CUおよびDUは、無線ネットワークのプロトコル層に基づいて分割されることがある。例えば、PDCP層およびPDCP層より上位のプロトコル層の機能はCUに設定され、PDCP層より下位のプロトコル層(例えばRLC層およびMAC層)の機能はDUに設定される。別の例では、PDCP層より上位のプロトコル層の機能はCUに設定され、PDCP層およびPDCP層より下位のプロトコル層の機能はDUに設定される。これは、限定されない。
【0074】
プロトコル層に基づくCUおよびDUの処理機能の分割は、単なる例に過ぎず、CUおよびDUの処理機能は、代替として別の様式で分割されることもある。例えば、CUまたはDUは、さらに多くのプロトコル層を有する機能に分割されることもある。別の例では、CUまたはDUは、プロトコル層を有するいくつかの処理機能にさらに分割されることもある。一設計では、RLC層の一部の機能およびRLC層より上位のプロトコル層の機能はCUに設定され、RLC層の残りの機能およびRLC層より下位のプロトコル層の機能はDUに設定される。別の設計では、CUまたはDUの機能の分割は、代替としてサービスタイプまたはその他のシステム要件に基づいて実行されることもある。例えば、分割は、レイテンシに基づいて実行されることもある。処理時間がレイテンシ要件を満たす必要がある機能はDUに設定され、処理時間がレイテンシ要件を満たす必要がない機能はCUに設定される。別の設計では、CUは、代替としてコアネットワークの1つまたは複数の機能を有することがある。例えば、CUは、集中管理を容易にするためにネットワーク側に配置されることもある。別の設計では、DUの無線ユニット(radio unit, RU)は、遠隔に配置される。任意選択で、RUは、無線周波数機能を有することもある。
【0075】
任意選択で、DUとRUが物理層(physical layer, PHY)で分割されることがある。例えば、DUは、PHY層の上位層機能を実装することがあり、RUは、PHY層の下位層機能を実装することがある。PHY層が送信のために使用されるときには、PHY層は、以下の機能、すなわち巡回冗長検査(cyclic redundancy check, CRC)コード付加、チャネルコーディング、レートマッチング、スクランブル、変調、層マッピング、プリコーディング、リソースマッピング、物理アンテナマッピング、または無線周波数送信のうちの少なくとも1つを含むことがある。PHY層が受信のために使用されるときには、PHY層は、以下の機能、すなわちCRC、チャネル復号、レートマッチング解除、スクランブル解除、復調、層マッピング解除、チャネル検出、リソースマッピング解除、物理アンテナマッピング解除、または無線周波数受信のうちの少なくとも1つを含むことがある。PHY層の上位層機能は、PHY層のいくつかの機能を含むことがある。例えば、これらのいくつかの機能は、MAC層により近い。PHY層の下位層機能は、PHY層のいくつかの他の機能を含むことがある。例えば、これらのいくつかの機能は、無線周波数機能により近い。例えば、PHY層の上位層機能は、CRCコード付加、チャネルコーディング、レートマッチング、スクランブル、変調、および層マッピングを含むことがあり、PHY層の下位層機能は、プリコーディング、リソースマッピング、物理アンテナマッピング、および無線周波数送信機能を含むことがある。代替として、PHY層の上位層機能は、CRCコード付加、チャネルコーディング、レートマッチング、スクランブル、変調、層マッピング、およびプリコーディングを含むこともあり、PHY層の下位層機能は、リソースマッピング、物理アンテナマッピング、および無線周波数送信機能を含むことがある。例えば、PHY層の上位層機能は、CRC、チャネル復号、レートマッチング解除、復号、復調、および層マッピング解除を含むことがあり、PHY層の下位層機能は、チャネル検出、リソースマッピング解除、物理アンテナマッピング解除、および無線周波数受信機能を含むことがある。代替として、PHY層の上位層機能は、CRC、チャネル復号、レートマッチング解除、復号、復調、層マッピング解除、およびチャネル検出を含むこともあり、PHY層の下位層機能は、リソースマッピング解除、物理アンテナマッピング解除、および無線周波数受信機能を含むこともある。
【0076】
例えば、CUの機能は、1つのエンティティによって実装されることもあるし、異なるエンティティによって実装されることもある。例えば、CUの機能は、さらに分割されることもある、すなわち制御プレーンとユーザプレーンとが、制御プレーンCUエンティティ(すなわちCU-CPエンティティ)およびユーザプレーンCUエンティティ(すなわちCU-UPエンティティ)という異なるエンティティによって分離されて実装される。CU-CPエンティティおよびCU-UPエンティティは、DUに結合されて、協働でアクセスネットワークデバイスの機能を完成する。
【0077】
任意選択で、DU、CU、CU-CP、CU-UP、およびRUのうちの任意の1つは、ソフトウェアモジュールであることもあるし、ハードウェア構造であることもあるし、またはソフトウェアモジュールとハードウェア構造の組合せであることもある。これは、限定されない。異なるエンティティは、異なる形態で存在し得る。これは、限定されない。例えば、DU、CU、CU-CP、およびCU-UPはソフトウェアモジュールであり、RUは、ハードウェア構造である。これらのモジュールおよびこれらのモジュールによって実行される方法も、本開示の保護範囲に含まれる。
【0078】
可能な実装では、アクセスネットワークデバイスは、CU-CP、CU-UP、DU、およびRUを含む。例えば、本開示は、DUによって実行されるか、またはDUおよびRUによって実行されるか、またはCU-CP、DU、およびRUによって実行されるか、またはCU-UP、DU、およびRUによって実行される。これは、限定されない。これらのモジュールによって実行される方法も、本開示の保護範囲に含まれる。
【0079】
端末デバイスは、代替として、端末、ユーザ機器(user equipment, UE)、移動局、またはモバイル端末デバイスなどと呼ばれることもある。端末デバイスは、例えば限定されるわけではないが、以下のシナリオ、すなわちデバイス間(device-to-device, D2D)、車車間/路車間(vehicle-to-everything, V2X)、マシンタイプ通信(machine-type communication, MTC)、モノのインターネット(internet of things, IOT)、仮想現実、拡張現実、産業制御、自動運転、遠隔医療、スマートグリッド、スマート家具、スマートオフィス、スマートウェアラブル、スマート輸送、およびスマートシティなどのうちの少なくとも1つなどを含み、様々なシナリオで通信のために広く使用され得る。端末デバイスは、携帯電話、タブレットコンピュータ、ワイヤレストランシーバ機能を有するコンピュータ、ウェアラブルデバイス、車両、無人航空機、ヘリコプタ、飛行機、船舶、ロボット、ロボットアーム、またはスマートホームデバイスなどであり得る。端末デバイスで使用される具体的な技術および具体的なデバイス形態は、本開示では限定されない。
【0080】
本開示では、端末デバイスの機能を実装するように構成される装置は、端末デバイスであることもあるし、例えばチップシステム、ハードウェア回路、ソフトウェアモジュール、またはハードウェア回路とソフトウェアモジュールの組合せなど、端末デバイスがその機能を実装するのをサポートすることができる装置であることもある。この装置は、端末デバイス内に設置されることもあるし、使用に際して端末デバイスと組み合わされることもある。説明を容易にするために、以下では、端末デバイスの機能を実装するように構成された装置が端末デバイスであり、この端末デバイスがUEである例を用いて、本開示で提供される技術的解決策について述べる。
【0081】
基地局および端末デバイスは、固定型であっても移動型であってもよい。基地局および/または端末デバイスは、屋内デバイスもしくは屋外デバイスおよび手持ち型デバイスもしくは車載型デバイスなど陸上にデプロイされることもあるし、水上にデプロイされることもあるし、または空中の航空機、バルーンおよび人工衛星にデプロイされることもある。基地局および端末デバイスの適用シナリオは、本開示では限定されない。基地局と端末デバイスは、同じシナリオでデプロイされることもあるし、異なるシナリオでデプロイされることもある。例えば、基地局と端末デバイスの両方が陸上にデプロイされ、または基地局は陸上にデプロイされ、端末デバイスは水上にデプロイされる。例をひとつひとつ繰り返し挙げることはしない。
【0082】
基地局および端末デバイスの役割は相対的なものであり得る。例えば、図1のヘリコプタまたは無人航空機120iは、移動基地局として構成されることもある。120iを介して無線アクセスネットワーク100にアクセスする端末120jにとって、端末デバイス120iは基地局である。しかし、基地局110aにとっては、120iは端末である。換言すれば、110aと120iは、無線エアインタフェースプロトコルに基づいて互いに通信する。代替として、110aと120iは、基地局間のインタフェースプロトコルに基づいて互いに通信することもある。この場合には、110aにとって、120iも基地局である。したがって、基地局および端末デバイスの両方が通信装置と総称されることもある。図1の110aおよび110bは、基地局の機能を有する通信装置と呼ばれることもあり、図1の120aから120jは、端末デバイスの機能を有する通信装置と呼ばれることもある。
【0083】
本開示では、基地局は、ダウンリンク信号またはダウンリンク情報を端末デバイスに送信し、ここで、ダウンリンク情報はダウンリンクチャネルで搬送され、端末デバイスは、アップリンク信号またはアップリンク信号を基地局に送信し、ここで、アップリンク情報はアップリンクチャネルで搬送される。基地局と通信するためには、端末デバイスは、基地局によって制御されるセルとのワイヤレス接続を確立する必要がある。端末デバイスとのワイヤレス接続を確立するセルは、端末デバイスのサービングセルと呼ばれる。サービングセルと通信するとき、端末デバイスは、近傍セルからの信号によってさらに干渉されることがある。
【0084】
本開示の実施形態では、物理ダウンリンク共有チャネル(physical downlink shared channel, PDSCH)、物理ダウンリンク制御チャネル(physical downlink control channel, PDCCH)、物理アップリンク共有チャネル(physical uplink shared channel, PUSCH)、および物理アップリンク制御チャネル(physical uplink control channel, PUCCH)は、単にダウンリンクデータチャネル、ダウンリンク制御チャネル、アップリンクデータチャネル、およびアップリンク制御チャネルの例に過ぎない。異なるシステムおよび異なるシナリオでは、データチャネルおよび制御チャネルは異なる名称を有することもある。これは、本開示の実施形態では限定されない。
【0085】
本開示では、AI関連動作を実施するために、例えばAIネットワーク要素またはAIノードなど、独立したネットワーク要素が図1に示される通信システムに導入されることがある。AI可燃動作は、データ収集、モデル訓練、モデル情報リリース、モデル推論、または推論結果リリースのうちの少なくとも1つを含む。AIネットワーク要素は、通信システム内のアクセスネットワークデバイスに直接接続されることもあるし、第三者ネットワーク要素を用いて間接的にアクセスネットワークデバイスに接続されることもある。第三者ネットワーク要素は、認証管理機能(authentication management function, AMF)またはユーザプレーン機能(user plane function, UPF)のようなコアネットワーク要素であることがある。代替として、AI機能、AIモジュール、またはAIエンティティは、通信システム内の別のネットワーク要素においてAI関連動作を実施するように構成されることもある。例えば、この別のネットワーク要素は、アクセスネットワークデバイス(gNBなど)、コアネットワークデバイス、または運用、管理および保守(operation, administration and maintenance, OAM)であることもある。この場合には、AI関連動作を実行するネットワーク要素は、内蔵AI機能を有するネットワーク要素である。OAMは、アクセスネットワークデバイスおよび/またはコアネットワークデバイスに対して運用、管理、および保守などを実行するように構成される。
【0086】
本開示では、図2または図3に示されるように、AIモデルは、コアネットワークデバイス、アクセスネットワークデバイス、端末デバイス、またはOAMなどのうちの少なくとも1つにデプロイされることがあり、対応する機能が、AIモデルを用いて実装される。本開示では、異なるノードにデプロイされるAIモデルは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。モデルが異なるとは、例えばモデルの層および/もしくは重み値の数量などモデルの構造パラメータが異なること、モデルの入力パラメータが異なること、またはモデルの出力パラメータが異なることなどのうちの少なくとも1つを含む。モデルの入力パラメータおよび/またはモデルの出力パラメータが異なるとは、モデルの機能が異なると述べられることもある。図2とは異なり、図3では、アクセスネットワークデバイスが機能の点でCUとDUに分割されている。任意選択で、このCUおよびDUは、O-RANアーキテクチャのCUおよびDUであることもある。1つまたは複数のAIモデルがCUにデプロイされることもある。これに加えて/代替として、1つまたは複数のAIモデルがDUにデプロイされることもある。任意選択で、図3のCUは、CU-CPおよびCU-UPにさらに分割されることもある。任意選択で、1つまたは複数のAIモデルがCU-CPにデプロイされることもある。これに加えて/代替として、1つまたは複数のAIモデルがCU-UPにデプロイされることもある。任意選択で、図2または図3で、アクセスネットワークデバイスのOAMとコアネットワークデバイスのOAMが別個に独立してデプロイされることもある。
【0087】
任意選択で、図4aは、本開示による通信システムのアーキテクチャである。図4aに示されるように、第1の設計では、アクセスネットワークデバイスは、モデル訓練および推論を実行するように構成された準実時間無線アクセスネットワークインテリジェントコントローラ(RAN intelligent controller, RIC)モジュールを含む。例えば、準実時間RICは、AIモデルを訓練するように構成されることがあり、推論はこのAIモデルを用いて実行される。例えば、準実時間RICは、CU、DU、およびRUのうちの少なくとも1つからネットワーク側および/または端末側についての情報を取得することがあり、この情報は、訓練データまたは推論データとして使用されることがある。任意選択で、準実時間RICは、CU、DU、RU、または端末デバイスのうちの少なくとも1つに推論結果を提出することもある。任意選択で、CUとDUは、推論結果を交換することもある。任意選択で、DUとRUは、推論結果を交換することもある。例えば、準実時間RICは、推論結果をDUに提出し、DUは、推論結果をRUに転送する。
【0088】
代替として、第2の設計では、図4aに示されるように、アクセスネットワークデバイスの外部に非実時間RIC(任意選択で、非実時間RICはOAM内に位置することも、コアネットワークデバイス内に位置することもある)が含まれ、モデル訓練および推論を実行するように構成される。例えば、非実時間RICは、AIモデルを訓練するように構成され、推論はこのモデルを用いて実行される。例えば、非実時間RICは、CU、DU、またはRUのうちの少なくとも1つからネットワーク側および/または端末側についての情報を取得することがある。この情報は、訓練データまたは推論データとして使用されることがあり、推論結果は、CU、DU、RU、または端末デバイスのうちの少なくとも1つに提出されることがある。任意選択で、CUとDUは、推論結果を交換することもある。任意選択で、DUとRUは、推論結果を交換することもある。例えば、非実時間RICは、推論結果をDUに提出し、DUは、推論結果をRUに転送する。
【0089】
代替として、第3の設計では、図4aに示されるように、アクセスネットワークデバイスは準実時間RICを含み、アクセスネットワークデバイスの外部に非実時間RIC(任意選択で、非実時間RICはOAM内に位置することも、コアネットワークデバイス内に位置することもある)が含まれる。上記の第2の設計と同様に、非実時間RICは、モデル訓練および推論を実行するように構成されることがある。これに加えて/代替として、上記の第1の設計と同様に、準実時間RICは、モデル訓練および推論を実行するように構成されることがある。これに加えて/代替として、非実時間RICは、モデル訓練を実行し、準実時間RICは、非実時間RICからAIモデル情報を取得し、CU、DU、またはRUのうちの少なくとも1つからネットワーク側および/または端末側についての情報を取得し、この情報およびAIモデル情報を用いて推論結果を得ることがある。任意選択で、準実時間RICは、CU、DU、RU、または端末デバイスのうちの少なくとも1つに推論結果を提出することがある。任意選択で、CUとDUは、推論結果を交換することもある。任意選択で、DUとRUは、推論結果を交換することもある。例えば、準実時間RICは、推論結果をDUに提出し、DUは、推論結果をRUに転送する。例えば、準実時間RICは、モデルAを訓練し、モデルAを用いて推論を実行するように構成される。例えば、非実時間RICは、モデルBを訓練し、モデルBを用いて推論を実行するように構成される。例えば、非実時間RICは、モデルCを訓練し、モデルCについての情報を準実時間RICに送信するように構成される。準実時間RICは、モデルCを用いて推論を実行する。
【0090】
図4bは、本開示による別の通信システムのアーキテクチャである。図4aと比較すると、図4bでは、CUがCU-CPおよびCU-UPなどに分離されている。
【0091】
図4cは、AIの適用フレームワークの図である。データソース(data source)は、訓練データおよび推論データを記憶するように構成される。モデル訓練ノード(モデル訓練ホスト)は、データソースによって提供される訓練データ(training data)を解析または訓練してAIモデルを得、AIモデルをモデル推論ノード(モデル推論ホスト)にデプロイする。任意選択で、モデル訓練ノードは、モデル推論ノードにデプロイされたAIモデルをさらに更新することもある。モデル推論ノードは、デプロイされたモデルの関連情報をモデル訓練ノードにさらにフィードバックして、モデル訓練ノードがデプロイされたAIモデルに対して最適化または更新などを実行するようにすることもある。
【0092】
AIモデルは、モデルの入力と出力の間のマッピング関係を表す。モデル訓練ノードによる学習によってAIモデルを得ることは、訓練データを用いたモデル訓練ノードによる学習によってモデルの入力と出力の間のマッピング関係を得ることと等価である。モデル推論ノードは、AIモデルを用いてデータソースによって提供される推論データに基づいて推論を実行し、推論結果を得る。この方法は、次のように述べられることもある。すなわち、モデル推論ノードは、推論データをAIモデルに入力し、AIモデルを用いて出力を得る。この出力が、推論結果である。推論結果は、アクション主体によって使用される(作用される)設定パラメータ、および/またはアクション主体によって実行される動作を示すことがある。推論結果は、アクタ(actor)エンティティによって統一された方式で計画され、1つまたは複数のアクション主体(例えばネットワークエンティティ)にアクションのために送信されることもある。
【0093】
本開示では、AIモデルは、AI機能の特定の方法を実施する。AIモデルは、ニューラルネットワークまたは別の機械学習モデルであることがある。AIモデルは、短くモデルと呼ばれることもある。ニューラルネットワークを例として用いる。ニューラルネットワークは、機械学習技術の具体的な実装形態である。普遍性定理によれば、ニューラルネットワークは、理論上は任意の連続関数を近似することができるので、ニューラルネットワークは、任意のマッピングを学習することができる。従来の通信システムは、豊富な専門知識を用いて通信モジュールを設計する必要がある。しかし、ニューラルネットワークベースのディープラーニング通信システムは、大量のデータセットから暗黙のパターン構造を自動的に発見し、データ間のマッピング関係を確立し、従来のモデリング方法より良好な性能を得ることができる。
【0094】
ニューラルネットワークの概念は、脳組織のニューロン構造に由来する。各ニューロンは、そのニューロンの入力値に対して加重総和演算を実行し、活性化関数を介して加重総和の結果を出力する。図5は、ニューロンの構造の図である。ニューロンの入力はx=[x,x,…,x]であり、入力に対応する重み値がそれぞれw=[w,w,…,w]であり、加重総和のオフセットがbであると仮定する。多様な形態の活性化関数があり得る。ニューロンの活性化関数がy=f(z)=max(0,z)である場合には、そのニューロンの出力は、
【0095】
【数1】
【0096】
である。別の例で、ニューロンの活性化関数がy=f(z)=zである場合には、そのニューロンの出力は、
【0097】
【数2】
【0098】
である。本明細書では、bは、小数、整数(0、正の整数、もしくは負の整数などを含む)、または複素数など、様々な取り得る値であり得る。ニューラルネットワーク内の異なるニューロンの活性化関数は、同じであることもあるし、異なることもある。
【0099】
ニューラルネットワークは、一般に多層構造を含み、各層は1つまたは複数のニューロンを含み得る。ニューラルネットワークの深さおよび/または幅を増大させることにより、ニューラルネットワークの表現能力を向上させ、複雑なシステムのためのより強力な情報抽出および抽象モデリング能力を提供することができる。ニューラルネットワークの深さは、ニューラルネットワークに含まれる層の数量を指すこともあり、各層に含まれるニューロンの数量は、層の幅と呼ばれることもある。図6は、ニューラルネットワークの層関係の図である。一実装では、ニューラルネットワークは、入力層と出力層とを含む。ニューラルネットワークの入力層は、受信される入力に対してニューロン処理を実行した後で、結果を出力層に転送し、出力層は、ニューラルネットワークの出力結果を得る。別の実装では、ニューラルネットワークは、入力層と、隠れ層と、出力層とを含む。ニューラルネットワークの入力層は、受信される入力に対してニューロン処理を実行した後で、結果を中間の隠れ層に転送する。隠れ層は、次いで、計算結果を出力層または隣接する隠れ層に転送する。最後に、出力層は、ニューラルネットワークの出力結果を得る。ニューラルネットワークは、1つの隠れ層を含むこともあるし、順次接続された複数の隠れ層を含むこともある。これは、限定されない。ニューラルネットワークの訓練プロセスでは、損失関数が定義されることがある。損失関数は、ニューラルネットワークの出力値と理想目標値の間のギャップまたは差分を記述する。損失関数の具体的な形態は、本開示では限定されない。ニューラルネットワークの訓練プロセスは、ニューラルネットワークの層の数量および幅、ニューロンの重み値、ならびに/またはニューロンの活性化関数のパラメータなどのニューラルネットワークパラメータを調整して、損失関数の値が閾値未満になる、または目標要件を満たすようにするプロセスである。
【0100】
ニューラルネットワークは、ディープニューラルネットワーク(deep neural network, DNN)を含む。ネットワーク構築様式に基づくと、DNNは、フィードフォワードニューラルネットワーク(feedforward neural network, FNN)、畳み込みニューラルネットワーク(convolutional neural network, CNN)、および再帰型ニューラルネットワーク(recurrent neural network, RNN)などに分類され得る。本開示では、AIモデルは、FNN、CNN、またはRNNなどであることもあるし、別のタイプのニューラルネットワークなどであることもある。これは、限定されない。
【0101】
ワイヤレス通信システムでは、アップリンク通信リンクおよびダウンリンク通信リンクがある。端末デバイスがアップリンク信号またはアップリンク情報を基地局に送信するリンクがアップリンク通信リンクと呼ばれ、基地局がダウンリンク信号またはダウンリンク情報を端末デバイスに送信するリンクがダウンリンク通信リンクと呼ばれる。過去10年以上にわたり、ワイヤレスネットワークの大部分のデータはダウンリンク通信データであるので、ほとんどの注意がダウンリンク通信リンクに払われてきた。近年、ライブブロードキャストおよび高精細度ビデオ電話などのサービスの登場とともに、アップリンク通信の必要がますます喫緊になっている。アップリンク通信レートをどのようにして向上させるかが、現在の研究の方向性である。
【0102】
アップリンクプリコーディング技術は、アップリンク通信レートを向上させる重要な方法である。アップリンクプリコーディング技術では、UEの複数のアンテナ(またはアンテナポートと呼ばれる)が、各アンテナによって送信されるデータにそれぞれの重み値を割り当てて、ビームフォーミング効果を実現するために使用されるので、UEによって送信される信号は、UEと基地局の間のチャネル状態により良好に適合する。例えば、端末デバイスによって送信される信号がXであり、アップリンクチャネルがHであり、アップリンクプリコーディング行列がWであり、雑音がNである場合には、UEによって送信されるアップリンク信号は、S=WXであり、基地局によって受信されるアップリンク信号は、Y=HWX+Nである。
【0103】
プリコーディング行列WがアップリンクチャネルHに可能な限り最大限に適合することが期待されるので、基地局は、最初にアップリンクチャネルHを推定し、対応するプリコーディング行列Wを計算し、次いでアップリンクプリコーディングのためにUEにWを通知する。Wの形式は、通常は複素配列である、すなわち
w=[w,w,…,w
である。
【0104】
本明細書では、Nは、UEのアンテナの数量を示し、wiは、第iのアンテナに割り当てられた重み値を示し、ここで、wiは、浮動小数点複素数であり、iの値は、1からNの範囲である。基地局がUEに正確なWを通知するときには、大量のエアインタフェースオーバヘッドが消費される必要がある。さらに、UEの数量が増加したときには、フィードバックオーバヘッドが指数関数的に増大する。これは、ワイヤレスネットワークのエアインタフェース効率に深刻な影響を及ぼす。したがって、どのようにして低いエアインタフェースオーバヘッドでUEにプリコーディング行列Wを通知するかが、解決されるべき喫緊の課題である。
【0105】
可能な実装では、コードブックベースのアップリンク伝送(codebook-based uplink transmission)が定義されることがあり、その原理は次の通りである。すなわち、UEが異なる数量のアンテナを有するケースにそれぞれ適用可能である一連の固定プリコーディングコードブック(codebook, CB)が同意される。各コードブックは、互いに異なるいくつかのプリコーディング行列を含む。アップリンクデータ伝送中には、基地局は、アップリンク信号をプリコーディングするためにコードブック中のプリコーディング行列を選択するようにUEに通知する。例えば、4つのアンテナを有するUEでは、同意される固定コードブックCB=[W,W,…,W]は、4つの任意選択のプリコーディング行列Wを含み、ここで、W=[w,w,…,wである。
【0106】
一設計では、図7に示されるように、基地局がプリコーディング行列をUEに通知する手順は、以下のステップを含む。
【0107】
ステップ701:UEは、サウンディング参照信号(sounding reference signal, SRS)を基地局に送信する。
【0108】
ステップ702:基地局は、SRSに対して実行された測定に基づいてアップリンクチャネルHを推定し、既定のCBからHに適合するプリコーディング行列を選択する。
【0109】
ステップ703:基地局は、選択されたプリコーディング行列のインデックスをUEに通知する。
【0110】
ステップ704:インデックスを受信した後で、UEは、既定のコードブックに基づいて、インデックスに対応するプリコーディング行列を決定し、プリコーディング行列に基づいてアップリンク信号をプリコーディングする。
【0111】
上記の設計では、基地局は、プリコーディング行列WをUEに通知しなくなる。Wは、浮動小数点複素数行列であり、そのデータボリュームは大きい。
【0112】
その代わりに、基地局は、プリコーディング行列WのインデックスをUEに通知する。インデックスは、通常は小さい整数であり、そのデータボリュームは小さいので、エアインタフェースオーバヘッドがかなり低減されることが可能である。ただし、この設計では、同意されるコードブックは汎用の固定コードブックであり、すべてのUEが同じコードブックを使用し、コードブック中の候補プリコーディング行列の数量は小さい。したがって、この設計は柔軟性を欠いている。例えば、可能な設計では、360度が4アンテナコードブックに基づいてわずか4つの部分に等分され、各プリコーディング行列は1つの等分された角度を指す。したがって、表示精度が低すぎる。実際には、異なるUEが位置するチャネル環境は大きく異なる。例えば、一部のチャネルは主にダイレクトマルチパスを使用し、一部のチャネルは主に散乱マルチパスを使用する。信号は、異なる到着方向およびチャネル特性を有する。1つの固定コードブックでは、変化し続けるチャネル環境に適合することができない。さらに、コードブック中のプリコーディング行列は、通常は最適なプリコーディング行列とは大きく異なり、したがって、プリコーディング行列のビームフォーミング利得効果は大きく低下する。例えば、4つのアンテナを有するUEでは、同意されたコードブックから選択されるプリコーディング行列は、最適に設計されたプリコーディング行列と比較して約1.2dBの復調損失を有することが、シミュレーションによって分かっている。このことは、同意されたコードブックも依然として大きな改善の余地を有することを示している。
【0113】
本開示は、アップリンクプリコーディング方法を提供する。この方法では、各UEについて個別化されたコードブックが構成され得るので、コードブックは、UEの実際のチャネル環境により良好に適合する。これにより、UEのプリコーディング精度を向上させる。図8に示されるように、この方法は、少なくとも以下のステップを含む。
【0114】
ステップ801:UEは、第1の参照信号を基地局に送信し、これに対応して、基地局は、UEから第1の参照信号を受信する。
【0115】
第1の参照信号は、SRSまたは別のアップリンク参照信号などであり得る。
【0116】
ステップ802:基地局は、受信された第1の参照信号に基づいて第1のコードブックを決定し、ここで、第1のコードブックは、アップリンク信号をプリコーディングするために使用される。任意選択で、第1のコードブックの粒度は限定されない。例えば、コードブックは、アップリンク帯域幅全体にわたってUE用に構成されることもある、すなわち第1のコードブックは、アップリンク帯域幅全体のプリコーディングに適用可能であることもある。代替として、アップリンク帯域幅のうち各サブバンドごとに、基地局はUEについてのコードブックなどを別個に構成することもある。例えば、基地局は、第1のサブバンドについて第1のコードブックを構成し、ここで、第1のコードブックは、第1のサブバンドをプリコーディングするために適用可能である、などである。
【0117】
例えば、UEは、Z個の参照信号をZ個のリソースで別個に送信することがある。Z個のリソースは、時間領域、周波数領域、および/または空間領域などで区別され得、Zは、0より大きい正の整数である。例えば、UEは、Z個の参照信号をZ個の瞬間に別個に送信することもある。この場合、Z個のリソースは、時間領域で区別される。基地局は、受信されるZ個の参照信号を別個に測定して、アップリンクチャネル情報を得る。アップリンクチャネル情報は、アップリンクチャネルの特性行列Hであることがある。説明を容易にするために、アップリンクチャネルの特性行列Hは、代替的にはアップリンクチャネルHと呼ばれることもある。第1のコードブックは、Z個のアップリンクチャネル情報に基づいて決定され、ここで、第1のコードブックは、UEの個別化されたコードブックと呼ばれることもある。
【0118】
一実装では、基地局は、Z個のアップリンクチャネル情報およびコードブック生成モデルに基づいて第1のコードブックを決定することがある。コードブック生成モデルは、Z個のアップリンクチャネル情報に基づいて第1のコードブックを決定するために使用される。コードブック生成モデルの名称は、限定されない。例えば、コードブック生成モデルは、代替的にはモデルまたはAIモデルなどと呼ばれることもある。
【0119】
例えば、例えばZ個のHなどZ個のアップリンクチャネル情報が、コードブック生成モデルの入力として使用されることがあり、コードブック生成モデルの出力は、第1のコードブックである。例えば、図9に示されるように、UE1に対応するアップリンクチャネル情報h1がコードブック生成モデルに入力され、出力はUE1に対応するコードブックであり、UE2に対応するアップリンクチャネル情報h2がコードブック生成モデルに入力され、出力はUE2に対応するコードブックである。代替として、Z個のアップリンクチャネル情報に対して処理が実行されることがある。この処理は、限定されるわけではないが、Z個のHを量子化すること、実数部を虚数部から分離すること、または位相を振幅から分離することなどを含む。処理されたZ個のHは、コードブック生成モデルの入力として使用される。これに加えて/代替として、コードブック生成モデルの出力は、第1のコードブックに関係する情報であり、第1のコードブックは、コードブック生成モデルの出力に基づいて決定される。例えば、第1のコードブックは、Z個のプリコーディング行列、またはZ個の量子化されたプリコーディング行列、またはM個のプリコーディング行列、またはM個の量子化されたプリコーディング行列を含むことがあり、ここで、Mの値は、Z以下で0超の正の整数である。例えば、コードブック生成モデルの出力は、Z個のプリコーディング行列である。基地局は、Z個のプリコーディング行列をクラスタリングしてM個のプリコーディング行列を生成し、M個のプリコーディング行列を量子化し、ここで、第1のコードブックは、M個の量子化されたプリコーディング行列などを含む。もちろん、代替として、コードブック生成モデルの出力がM個の量子化されたプリコーディング行列になるなど、直接的に設計されることもあり得る。
【0120】
上記の説明では、基地局が単一のUEのZ個のチャネル情報に基づいて単一のUEの第1のコードブックを決定する例が説明に用いられていることに留意されたい。別の解決策では、複数のUEが同じリソース上でアップリンク参照信号を送信するものと設定される。この場合には、UEに対応するアップリンクチャネル情報は、各UEによって送信されるアップリンク参照信号に基づいて得られることがある。基地局は、複数のUEに対応するアップリンクチャネル情報およびコードブック生成モデルに基づいて、複数のUEに適用可能なコードブックを決定することがある。例えば、基地局は、2つのUEに同時にサーブすることがあり、この2つのUEが同じリソース上で参照信号を送信する。UE1によって送信される参照信号について、基地局はアップリンクチャネル情報h1を決定し、UE2によって送信される参照信号について、基地局は、アップリンクチャネル情報h2を決定する。この場合には、基地局は、上記の2つのUEのチャネルのカスケードされたH={h1、h2}をコードブック生成モデルの入力として使用し、UE1およびUE2によって共有されるコードブックを出力することがある。代替として、基地局は、複数のUEのチャネルのカスケードされたHを処理し、処理された情報は、コードブック生成モデルの入力として使用される、かつ/またはコードブック生成モデルの出力は、複数のUEの共有されるコードブック以外の情報である。基地局は、コードブック生成モデルによって出力される他の情報をさらに処理して、複数のUEによって共有されるコードブックなどを決定する。
【0121】
別の実装では、基地局は、Z個のアップリンクチャネル情報に基づいてZ個のプリコーディング行列を決定することがある。基地局は、Z個のアップリンクチャネル情報Hに基づいてZ個のプリコーディング行列を計算する。その計算方法は、加重最小二乗平均誤差(weighted minimum mean square error, WMMSE)法、ゼロフォーシング(zero forcing, ZF)法、または別の方法などを含み得る。基地局は、Z個のプリコーディング行列に基づいて第1のコードブックを決定することがある。
【0122】
第1のコードブックは、Z個のプリコーディング行列を含み、コードブック中のプリコーディング行列は、代替としてコードワードと呼ばれることもある。さらに、Z個のプリコーディング行列は、量子化されることがあり、第1のコードブックは、Z個の量子化されたプリコーディング行列を含む。代替として、Z個のプリコーディング行列およびプリコーディング行列生成モデルに基づいてM個のプリコーディング行列が決定され、ここで、Mは、Z以下である。プリコーディング行列生成モデルは、Z個のプリコーディング行列をM個のプリコーディング行列に収束させるために使用される。本開示では、プリコーディング行列生成モデルの名称は限定されない。例えば、プリコーディング行列生成モデルは、モデルまたはAIモデルなどと呼ばれることもある。この設計では、Z個のプリコーディング行列がそのままプリコーディング行列生成モデルの入力として使用されて、プリコーディング行列生成モデルに入力されることもある。プリコーディング行列生成モデルの出力は、第1のコードブックである。代替として、Z個のプリコーディング行列が処理され、処理されたZ個のプリコーディング行列がプリコーディング行列生成モデルの入力として使用される、かつ/またはプリコーディング行列生成モデルの出力が代替として第1のコードブックに関係する他の情報であることもあり、この他の情報が処理されて、第1のコードブックを得ることができるようになっている、などということもある。第1のコードブックは、少数のプリコーディング行列を含む。したがって、基地局がその後に第1のコードブック中のプリコーディング行列のインデックスをUEに対して示すときに、必要とされるシグナリングオーバヘッドは小さい。代替として、上記のAI方法に加えて、Z個のプリコーディング行列は、クラスタリング方法を用いてM個のプリコーディング行列にクラスタリングされることもある。クラスタリング方法は、限定されるわけではないが、K平均法、双方向K平均法、および階層的クラスタリング法などを含む。さらに、M個のプリコーディング行列が量子化されてM個の量子化されたプリコーディング行列が得られることもあり、この場合、第1のコードブックはM個の量子化されたプリコーディング行列を含む。
【0123】
上記の説明では、基地局が単一のUEのアップリンク参照信号を測定することによってこの単一のUEのプリコーディング行列を得、この単一のUEのプリコーディング行列に基づいてこの単一のUEの第1のコードブックを決定する例が説明に用いられていることに留意されたい。一設計では、基地局が複数のUEに同時にサーブし、この複数のUEが同じリソースを占有する場合には、基地局は、各UEによって送信される参照信号に基づいて、そのUEに対応するアップリンクチャネル情報を決定することがある。さらに、各UEに対応するプリコーディング行列は、各UEに対応するアップリンクチャネル情報に基づいて決定される。この複数のUEに適用可能なコードブックは、この複数のUEに対応するプリコーディング行列などに基づいて決定される。例えば、システムは、2つのUEを含む。この2つのUEは、同じリソースを占有し、この同じリソースの数量は、Zである。この場合には、Z1個のプリコーディング行列が、Z個のリソース上でUE1によって送信される参照信号について決定される。Z2個のプリコーディング行列が、Z個のリソース上でUE2によって送信される参照信号について決定される。一設計では、UE1およびUE2の両方に適用可能なコードブックは、(Z1+Z2)個のプリコーディング行列を含むか、またはUE1およびUE2の両方に適用可能なコードブックは、量子化された(Z1+Z2)個のプリコーディング行列を含む。代替として、基地局は、(Z1+Z2)個のプリコーディング行列を収束させて、M個のプリコーディング行列を得ることもある。UE1およびUE2の両方に適用可能なコードブックは、M個のプリコーディング行列または量子化されたM個のプリコーディング行列などを含む。
【0124】
代替として、ステップ802のプロセスは、次のように説明されることもある。すなわち、基地局は、UEによって送信される参照信号に基づいてアップリンクチャネルを推定し、このアップリンクチャネルに適合するプリコーディング行列を計算する。任意選択で、計算されるプリコーディング行列Wの値の範囲は、連続空間内の複素行列である。第1のコードブックは、単一のUEによって複数の瞬間に計算される複数のプリコーディング行列Wに基づいて決定される。この複数のプリコーディング行列の数量は、Zである。Z個のプリコーディング行列に基づいて第1のコードブックを決定するプロセスについては、上記の説明を参照されたい。
【0125】
ステップ803:基地局は、第1のコードブックをUEに送信し、これに対応して、UEは、基地局から第1のコードブックを受信する。
【0126】
上記の方法によれば、基地局は、UEについて個別化されたコードブックを構成することがある。個別化されたコードブックは、UEのチャネル特性により良好に適合し得る。個別化されたコードブックのプリコーディング行列に対応するビームは、空間内で均等に分割されなくなり、主到着方向に精細に分割され得る。これにより、UEのプリコーディング精度を向上させる。
【0127】
上記の説明では、基地局は、コードブック生成モデルまたはプリコーディング行列生成モデルをデプロイする必要があることがあることに留意されたい。本開示では、基地局における任意のモデルは、その基地局によってオフラインもしくはオンラインで訓練されることもあるし、または別の第三者ノードによって訓練された後で基地局に送信されることもある。これは、限定されない。コードブック生成モデルの訓練プロセスでは、例として教師あり学習が用いられる。訓練データは、訓練サンプルおよびラベルを含む。訓練サンプルは、Z個のアップリンクチャネル情報である。ラベルは、コードブックであり、コードブックは、M個の量子化されたプリコーディング行列などである。この場合には、モデル訓練ノードは、Z個のアップリンクチャネル情報およびコードブック生成モデルに基づいてコードブック生成モデルの出力を決定し、コードブック生成モデルの出力およびラベルに基づいて損失関数の値を決定することがある。損失関数の値が閾値未満(もしくは以下)である、または目標要件を満たす場合には、訓練は完了する。本開示では、損失関数の値が閾値未満(もしくは以下)である、または目標要件を満たすとは、1つまたは複数の訓練サンプルについて、すべての訓練サンプルの損失関数の値が閾値未満(もしくは以下)である、または目標要件を満たすこと、あるいはすべての訓練サンプルの損失関数の例えば平均値などの加重総和値が閾値未満(もしくは以下)である、または目標要件を満たすことを含む。そうでない場合には、コードブック生成モデルのパラメータが調整され、モデル訓練が継続する。コードブック生成モデルがニューラルネットワークである場合には、モデルの以下のパラメータ、すなわちニューラルネットワークの層の数量、ニューラルネットワークの幅、層間の接続関係、ニューロンの重み値、ニューロンの活性化関数、または活性化関数のオフセットなどのうちのいずれか1つが訓練プロセスで調整され得るので、ニューラルネットワーク要素の出力と理想目標値の間の差分は可能な限り小さくなる。プリコーディング行列生成モデルの訓練プロセスは、コードブック生成モデルの訓練プロセスと同様である。詳細について重ねて述べることはしない。上記の説明では、教師あり学習を説明のための例として用いている。これは、限定されない。例えば、訓練プロセスでは、教師なし学習または強化学習などがさらに用いられることもある。
【0128】
任意選択で、ステップ801からステップ803に加えて、図8に示される手順は、以下のステップをさらに含むこともある。
【0129】
ステップ804a:UEは、第2の参照信号を基地局に送信し、これに対応して、基地局は、UEから第2の参照信号を受信する。第2の参照信号は、SRSまたは別のアップリンク参照信号などであり得る。これは、限定されない。
【0130】
ステップ805a:基地局は、受信された第2の参照信号に基づいて第1のコードブック中の第1のプリコーディング行列を決定する。
【0131】
例えば、基地局は、受信された参照信号に基づいてアップリンクチャネルHを決定する。基地局は、アップリンクチャネルHに基づいて第1のコードブック中の第1のプリコーディング行列を決定する。例えば、第1のコードブックは、n個のプリコーディング行列を含む。第iのプリコーディング行列について、iは、1以上、n以下の正の整数である。基地局が第iのプリコーディング行列を用いてアップリンクチャネルHに対するプリコーディングについてのアナログ計算を実行するときには、基地局は、アップリンク伝送インジケータに対応する。アップリンク伝送インジケータは、アップリンク信号対干渉および雑音比またはアップリンクスループットなどのうちの少なくとも1つを含む。基地局は、第1のコードブックに含まれるn個のプリコーディング行列から、最適なアップリンク伝送インジケータを有するプリコーディング行列を、UEに通知される第1のプリコーディング行列として選択する。例えば、最大の信号対干渉および雑音比を有するプリコーディング行列が、第1のプリコーディング行列として選択される、または最大のアップリンクスループットを有するプリコーディング行列が、第1のプリコーディング行列として選択される。
【0132】
例えば、一実装では、基地局は、現在の瞬間に推定された第iのUEのアップリンクチャネルHiに基づいて、第iのUEに対応する第1のプリコーディング行列を決定する。上記の説明と同様に、第1のコードブックは、n個のプリコーディング行列を含むものとして設定される。n個のプリコーディング行列の各プリコーディング行列について、そのプリコーディング行列がアップリンクチャネルHiをプリコーディングするときのそのプリコーディング行列に対応するアップリンクスループットが計算される。第1のコードブックでは、最大のアップリンクスループットを有するプリコーディング行列が、UEに通知される第1のプリコーディング行列として選択される。例えば、基地局がシミュレーションによってアップリンクスループットを計算するための可能な数式は、以下である。
【0133】
【数3】
【0134】
本明細書では、|H|は、第iのUEのプリコーディングされたアップリンク信号の透過信号パワーを表し、|H|は、第iのUE以外のUEが第iのUEに対して生じる干渉パワーを表し、σは、雑音パワーを表し、
【0135】
【数4】
【0136】
は、第iのUEの信号対干渉および雑音比、すなわちSINRを表し、第iのUEのアップリンクスループットは、第iのUEのSINRの対数をとる(すなわち第iのUEのSINRに対してlg()演算を実行する)ことによって決定されることが可能である。
【0137】
ステップ806a:基地局は、第1のプリコーディング行列のインデックスをUEに送信し、ここで、第1のプリコーディング行列のインデックスは、第1のインデックスと呼ばれることもあり、これに対応して、UEは、基地局から第1のプリコーディング行列のインデックスを受信する。
【0138】
本開示では、第1のプリコーディング行列のインデックス、すなわち第1のインデックスを受信したときに、UEは、第1のコードブックに基づいて第1のインデックスに対応する第1のプリコーディング行列Pを決定し、プリコーディング行列Pを用いてアップリンク信号をプリコーディングすることがある。例えば、プリコーディングされた信号は、S=PXと表されることがあり、ここで、Xは、プリコーディングされていない情報を表し、Sは、実際に伝送されるプリコーディングされた信号を表す。
【0139】
ステップ807a:UEは、プリコーディングされたアップリンク信号を基地局に送信し、これに対応して、基地局は、UEからプリコーディングされたアップリンク信号を受信する。
【0140】
上記の説明によれば、基地局は、UEについて個別化されたコードブックを事前構成し、UEが実際にアップリンク伝送を実行したときに、基地局は、個別化されたコードブック中のプリコーディング行列をそのUEに対して示す。UEについて固定コードブックを構成する方式と比較すると、この方式は、プリコーディング精度およびチャネル整合を改善することができる。さらに、個別化されたコードブックは、UEについて構成されるので、マルチユーザ干渉がある程度回避されることが可能である。
【0141】
図8の上記の説明では、帯域幅全体で、基地局は1つのプリコーディング行列のみをUEに対して示す。UEは、基地局によって示されるプリコーディング行列を用いて、帯域幅に対応するアップリンク信号をプリコーディングする。この場合には、UEは、帯域幅全体のアップリンク信号を、同じプリコーディング行列を用いてプリコーディングする。チャネルの周波数選択性により、各サブバンドのチャネルは通常は異なる。本開示は、基地局が帯域幅に含まれるサブバンド単位でプリコーディング行列をUEに対して示すという解決策を提供する。例えば、帯域幅全体がX個のサブバンドを含む場合には、基地局は、X個のサブバンドの各々について対応するプリコーディング行列を別個に示すことがあり、ここで、Xは、0超の正の整数である。図10に示されるように、アップリンクプリコーディング方法の流れ図が提供される。上記のステップ801からステップ803に加えて、任意選択で、手順は以下のステップをさらに含むこともある。
【0142】
ステップ804b:UEは、第2の参照信号を基地局に送信し、これに対応して、基地局は、UEから第2の参照信号を受信する。
【0143】
ステップ805b:基地局は、受信される第2の参照信号に基づいて第1のコードブック中のプリコーディング行列を選択する。
【0144】
本開示は、基地局は、受信される第2の参照信号に基づいて、UEのアップリンク帯域幅中の各サブバンドに対応するアップリンクチャネルHを決定し、各サブバンドに対応するHに基づいて、各サブバンドに対応するプリコーディング行列を決定することがある。例えば、アップリンク帯域幅に含まれる少なくとも1つのサブバンドのうちのいずれか1つについて、第1のコードブックは、n個のプリコーディング行列を含むものとして設定され、基地局は、シミュレーション計算を実行して、そのサブバンドに対応するHがn個のプリコーディング行列の各々を用いて別個にプリコーディングされるときの対応するアップリンク信号対干渉および雑音比または対応するアップリンクスループットを得ることがある。基地局は、n個のプリコーディング行列から、最大のアップリンク信号対干渉および雑音比または最大のアップリンクスループットを有するプリコーディング行列をそのサブバンドのプリコーディング行列として選択する。
【0145】
ステップ806b:基地局は、各サブバンドに対応するプリコーディング行列のインデックスをUEに送信する。
【0146】
例えば、基地局は、各サブバンドに対応するプリコーディング行列のインデックスをそのままUEに通知する。例えば、UEのアップリンク帯域幅は、2つのサブバンド、サブバンド1およびサブバンド2を含む。第1のコードブックは、2つのプリコーディング行列、プリコーディング行列1およびプリコーディング行列2を含む。この場合には、基地局は、例えばプリコーディング行列1などサブバンド1に対応するプリコーディング行列と、例えばプリコーディング行列2などサブバンド2に対応するプリコーディング行列とをUEに通知することがある。
【0147】
代替として、周波数領域における無線チャネルの連続変動により、サブバンドのチャネルが正確には同じではないが、隣接するサブバンド間に相関がある。したがって、隣接するサブバンドのプリコーディング行列の間にも、ある程度は相関がある。本開示では、基地局は、隣接するサブバンドのプリコーディング行列の間の相関を用いて異なるサブバンドのプリコーディング行列をUEに対して示すことがある。この場合には、サブバンドプリコーディング行列の表示規則がプロトコルで同意されていることもあるし、基地局がサブバンドプリコーディング行列の表示規則を予めUEに通知することもある。例えば、ステップ803で、基地局は、第1のコードブックおよびサブバンドプリコーディング行列の表示規則の両方をUEに通知する。換言すれば、上記のステップ803で、第1のコードブックをUEに送信することに加えて、基地局は、さらにサブバンドプリコーディング行列の表示規則をUEに送信する必要がある。例えば、少なくとも1つの表示規則が事前設定または事前定義されることがある。基地局は、使用される特定の表示規則をUEに通知し、各サブバンドに対応するプリコーディング行列などをUEに送信する。例えば、アップリンクチャネル帯域幅は、第1のサブバンドおよび第2のサブバンドを含み、第1のサブバンドと第2のサブバンドは隣接するサブバンドである。この場合には、サブバンドプリコーディング行列の表示規則は、第1のサブバンドに対応するプリコーディング行列について、第1のサブバンドに対応するプリコーディング行列のインデックスを示すことと、第2のサブバンドに対応するプリコーディング行列について、第1のサブバンドのプリコーディング行列のインデックスに対する第2のサブバンドのプリコーディング行列のインデックスのオフセット方向およびオフセット値を示すこととを含む。オフセット方向は、第2のサブバンドに対応するプリコーディング行列のインデックスが第1のサブバンドに対応するプリコーディング行列のインデックスを基準として増大するか減少するかを含む。例えば、増大は1で表されることがあり、減少は0で表されることがある。オフセット値は、第2のサブバンドに対応するプリコーディング行列のインデックスと第1のサブバンドに対応するプリコーディング行列のインデックスの間の差分の絶対値を含む。例えば、第2のサブバンドに対応するプリコーディング行列のインデックスがXであり、第1のサブバンドに対応するプリコーディング行列のインデックスがYである場合には、この2つのサブバンドのオフセット値は、|X-Y|である。各サブバンドに対応するプリコーディング行列インデックスをそのまま示す上記の方式と比較すると、この表示方法は、プリコーディング行列のインデックスを示すためのオーバヘッドを低減することができる。
【0148】
例えば、基地局によってUEについて構成される第1のコードブックは、32個のプリコーディング行列を含み、各プリコーディング行列のインデックスは、5ビットを用いて表されることがある。さらに、UEのアップリンク帯域幅全体が5つの連続したサブバンドに分割される場合には、各サブバンドに対応するプリコーディング行列のインデックスをそのまま示す解決策では、基地局が各サブバンドに対応するプリコーディング行列のインデックスをUEに対して示すために、5*5=25ビットのオーバヘッドが必要となる。サブバンド間の相関がサブバンド間のインデックス変動を示すために使用される場合には、プリコーディング行列を示すためのオーバヘッドが低減されることが可能である。研究により、隣接するサブバンド間のプリコーディング行列インデックス変化は通常は特定の値を超えないことが分かっている。例えば、この値は4であることがある。例えば、図11に示されるように、サブバンド1のプリコーディング行列のインデックスが5である場合には、サブバンド1に隣接するサブバンド2のプリコーディング行列のインデックスの値の範囲は、1から9である。この場合には、サブバンド1のプリコーディング行列に対するサブバンド2のプリコーディング行列の変動は、3ビットを用いて表されることがある。1ビットは、サブバンド2のプリコーディング行列のインデックスがサブバンド1のプリコーディング行列のインデックスを基準として増大するか減少するかを表す。2ビットは、サブバンド2のプリコーディング行列のインデックスとサブバンド1のプリコーディング行列のインデックスの間のオフセット値を表す。アップリンク帯域幅全体が5つの連続したサブバンドに分割される例では、サブバンド1のプリコーディング行列は、5ビットを用いて示される必要があり、サブバンド2からサブバンド5のプリコーディング行列の各々は、3ビットを用いて示される必要がある。したがって、この5つのサブバンドのプリコーディング行列は、全部で5+3+3+3+3=17ビットを用いて示される必要がある。5つのサブバンドのプリコーディング行列が全部で25ビットを用いて示される必要がある上記の解決策と比較すると、この方法は、プリコーディング行列を示すためのオーバヘッドを低減することができる。
【0149】
ステップ807b:UEは、プリコーディングされたアップリンク信号を基地局に送信し、これに対応して、基地局は、UEからプリコーディングされたアップリンク信号を受信する。
【0150】
本開示では、基地局は、帯域幅全体中の各サブバンドに対応するプリコーディング行列をUEに対して示し、UEは、対応するサブバンドで伝送されるアップリンク信号を対応するプリコーディング行列に基づいてプリコーディングする。上記の例をさらに用いる。アップリンク帯域幅全体は、5つのサブバンドに分割され、サブバンド1からサブバンド5は、それぞれプリコーディング行列P1からP5に対応する。UEは、サブバンド1からサブバンド5に対応するアップリンク信号をP1からP5を用いて別個にプリコーディングする。サブバンド1を、例として用いる。サブバンド1でUEによって伝送される信号は、S=P1X1として表され、ここで、X1は、サブバンド1上のプリコーディングされていないアップリンク信号である。
【0151】
図10の手順では、基地局が異なるサブバンドに対応するプリコーディング行列を決定するプロセスが、AI方式で実装され得ることに留意されたい。例えば、図12に示されるように、UE1のアップリンクチャネルh1が、プリコーディング行列計算モデルに入力され、このモデルの出力は、UE1に対応する全帯域アップリンクチャネル中の各サブバンドに対応するプリコーディング行列である。さらに、UE1の各サブバンドに対応するプリコーディング行列の表示情報が、サブバンドプリコーディング行列の表示規則に基づいて決定される。この設計では、各サブバンドに対応するプリコーディング行列のインデックスがそのまま示されることはなくなり、表示規則が使用されることにより、表示オーバヘッドが低減される。したがって、このプロセスは、UE1の対応するサブバンドに対応するプリコーディング行列に対して圧縮表示を実行するプロセスなどと呼ばれることもある。UE2の各サブバンドに対応するプリコーディング行列を示すプロセスは、上記のプロセスと同様である。プリコーディング行列計算モデルの入力はアップリンクチャネルHであり、出力は、アップリンクチャネルHに対応するサブバンドのプリコーディング行列である。プリコーディング行列計算モデルの名称は、限定されない。
【0152】
本開示では、基地局は、UEについて個別化されたコードブックを構成し、サブバンドレベルのプリコーディング表示をさらにサポートすることによって、コードブックとチャネルおよびプリコーディング精度との間の適合を改善する。
【0153】
本開示は、アップリンクプリコーディング方法をさらに提供する。この方法では、基地局は、第1の情報をUEに送信し、UEは、第1の情報および第1のモデルに基づいてプリコーディング行列を独立して決定する。図13に示されるように、この方法は、少なくとも以下のステップを含む。
【0154】
ステップ1301:基地局は、アップリンクチャネル情報および第2のモデルに基づいて第1の情報を決定する。
【0155】
第2のモデルの入力は、アップリンクチャネル情報に基づいて決定され、第1の情報は、第2のモデルの出力に基づいて決定される。第2のモデルは、基地局によってオフラインもしくはオンラインで訓練されることもあるし、または第三者ノードから得られることもある。例えば、第三者ノードは、OAM、クラウドサーバ、またはコアネットワークデバイスである。基地局は、アップリンクチャネルを測定することによってアップリンクチャネル情報を決定する。アップリンクチャネル情報は第2のモデルの入力として使用される、またはアップリンクチャネル情報は処理される。例えば、アップリンクチャネル情報が量子化される、アップリンクチャネル情報の実数部がアップリンクチャネル情報の虚数部から分離される、またはアップリンクチャネル情報の位相がアップリンクチャネル情報の振幅から分離される、などである。処理されたアップリンクチャネル情報は、第2のモデルの入力として使用される。第2のモデルの出力は第1の情報である、または第2のモデルの出力は処理されて、第1の情報などが得られる。
【0156】
ステップ1302:基地局は、第1の情報をUEに送信し、これに対応して、UEは、基地局から第1の情報を受信する。
【0157】
ステップ1303:UEは、第1のプリコーディング行列に基づいてアップリンク信号をプリコーディングする。
【0158】
代替として、ステップ1303は、次のように説明され得る。すなわち、UEは、第1の情報および第1のモデルに基づいて第1のプリコーディング行列を決定し、UEは、第1のプリコーディング行列に基づいてアップリンク信号をプリコーディングする。第1のモデルは、UEによってオフラインもしくはオンラインで訓練されるか、または例えば基地局、OAM、クラウドサーバ、もしくはコアネットワークデバイスなどの第三者ノードからのものである。第1のモデルの入力は、第1の情報に基づいて決定され、第1のプリコーディング行列は、第1のモデルの出力に基づいて決定される。例えば、第1の情報を受信したときに、UEは、第1の情報を第1のモデルの入力として使用し、第1の情報をそのまま第1のモデルに入力することもあるし、または受信された第1の情報を処理し、処理された第1の情報を第1のモデルの入力などとして使用することもある。第1のモデルの出力は、第1のプリコーディング行列であることもある。代替として、第1のモデルの出力は、例えばアップリンクチャネルHなど、他の情報であることもある。第1のモデルの出力が処理されて、第1のプリコーディング行列が得られる。
【0159】
本開示では、第1のモデルの出力に基づいて決定される第1のプリコーディング行列の粒度は、限定されない。例えば、第1のプリコーディング行列の粒度は、帯域幅レベル、サブバンドレベル、リソースブロック(resource block, RB)レベル、またはリソース要素(resource element, RE)レベルである。例えば、第1のプリコーディング行列が帯域幅レベルである場合には、アップリンク帯域幅全体が、1つのプリコーディング行列、すなわち第1のプリコーディング行列に対応する。UEは、第1のプリコーディング行列を用いてアップリンク帯域幅内のアップリンク信号をプリコーディングする。代替として、第1のプリコーディング行列がサブバンドレベルである場合には、1つのサブバンドが、1つのプリコーディング行列に対応する。UEは、各サブバンドに対応するプリコーディング行列などを用いて、対応するサブバンドのアップリンク信号をプリコーディングする。代替として、第1のプリコーディング行列がRBまたはREレベルである場合には、各RBまたはREが1つのプリコーディング行列に対応する。UEは、各RBまたはREに対応するプリコーディング行列を用いて、そのRBまたはRE上で伝送されるアップリンク信号などをプリコーディングする。以上は単なる例であり、本開示を限定することが意図されているわけではないことは理解され得る。例えば、異なる設計または要件に基づき、第1のプリコーディング行列は代替として別の粒度であることもある。
【0160】
ステップ1304:UEは、プリコーディングされたアップリンク信号を基地局に送信し、これに対応して、基地局は、UEからプリコーディングされたアップリンク信号を受信する。
【0161】
本開示では、アップリンク信号がPUSCH上で搬送されるアップリンクデータ情報である例が用いられている。UEは、第1のプリコーディング行列を用いて、PUSCHおよびPUSCHに対応する復調参照信号(demodulation reference signal, DMRS)の両方をプリコーディングする。基地局は、受信されるDRMSを推定することによって第1のプリコーディング行列を決定し、第1のプリコーディング行列などに基づいてPUSCHを復号する。代替として、UEは、第1のプリコーディング行列を基地局に送信する。基地局は、受信された第1のプリコーディング行列に基づいて、UEからのアップリンク信号(例えばPUSCHで搬送される信号)などを復号する。
【0162】
図13に示されるアップリンクプリコーディング方法では、UEは、第1の情報および第1のモデルに基づいて、独立してプリコーディング行列を決定する。プリコーディング行列は、オフラインでコードブックから選択されることはなくなり、第1の情報に基づいてUEによって生成される浮動小数点行列であるので、プリコーディング行列は、チャネル環境により良好に適合することができ、より良好なポインティング精度を実現することができる。
【0163】
図14に示されるように、アップリンクプリコーディング方法の手順が提供される。例えば、基地局は、第1のモデルをUEに送信する。この手順には、少なくとも以下のステップが含まれる。
【0164】
ステップ1401:UEは、能力を基地局に報告し、これに対応して、基地局は、UEによって報告される能力を受信する。ステップ1401は、任意選択である。
【0165】
例えば、ネットワークにアクセスするときに、UEは能力を基地局に報告することがある。報告される能力は、
UEが機械学習モデルの実行をサポートするかどうか、
例えばCNN、RNN、またはランダムフォレストモデルなど、UEによってサポートされる機械学習モデルのタイプ、
機械学習モデルを記憶するために使用される、UE内のメモリスペースのサイズ、
例えばUEのプロセッサの動作速度および/またはプロセッサによって処理されることが可能なデータのボリュームといった情報を含み、代替的にUEの実行モデルのコンピューティング能力と呼ばれることもあるUEのコンピューティングパワー情報、
例えばチップの実行電力消費およびバッテリ容量などのUEの電力消費情報など、あるいは
例えばアンテナの数量もしくは偏向方向および/または無線周波数チャネルなどのUEのアンテナの設定情報など、UEのハードウェア情報
のうちの少なくとも1つを含む。
【0166】
ステップ1402:基地局は、第1のモデルについての情報をUEに送信し、これに対応して、UEは、基地局から第1のモデルについての情報を受信する。
【0167】
基地局は、UEによって報告される能力が機械学習をサポートするときにのみ、第1のモデルについての情報をUEに送信する。この設計では、基地局は、第1のモデルおよび第2のモデルをオフラインまたはオンラインで訓練する。
【0168】
一設計では、第2のモデルは、プリコーディング圧縮モデルであり、第1のモデルは、プリコーディング復元モデルである。本開示では、基地局がモデル訓練を実行する例を説明に用いる。別のノードによってモデル訓練を実行する方法も同様である。任意選択で、モデル訓練を実行するために別のノードによって用いられるサンプルは、基地局からのものであるか、または所与のチャネル生成アルゴリズムもしくは所与のチャネル生成モデルに基づいて決定される。これは、限定されない。教師付き学習を、例として用いる。基地局によって収集される訓練データは、訓練サンプルおよびラベルを含む。訓練サンプルは、アップリンクチャネルHであり、ラベルは、アップリンクチャネルHに対応するプリコーディング行列である。第2のモデルは、プリコーディング圧縮モデルである。基地局は、Hを第2のモデルの入力として使用し、第2のモデルの出力は、圧縮されたプリコーディング行列である。代替として、基地局は、AI方式または非AI方式でアップリンクチャネルHに対応するプリコーディング行列を決定する。プリコーディング行列は、第2のモデルの入力として使用され、出力は、圧縮されたプリコーディング行列である。圧縮されたプリコーディング行列は、第1のモデルの入力として使用され、出力は、プリコーディング行列である。基地局は、第1のモデルによって出力されるプリコーディング行列をラベルと比較して、損失関数の値を決定する。任意選択で、損失関数は、平均二乗誤差(mean square error, MSE)関数である。損失関数の値が閾値未満である、または目標要件を満たす場合には、モデル訓練は停止される。代替として、損失関数の値が閾値以上である、または目標要件を満たさない場合には、第1のモデルのパラメータおよび/または第2のモデルのパラメータが調整され、モデル訓練は継続する。この設計では、第2のモデルは、プリコーディング行列を圧縮するために使用される。第2のモデルは、代替としてプリコーディング圧縮モデルと呼ばれることもあるし、別の名称を有することもある。第1のモデルは、受信される第1の情報に基づいてプリコーディング行列を決定または復元するために使用される。第1のモデルは、代替としてプリコーディング復元モデルと呼ばれることもあるし、別の名称を有することもある。
【0169】
別の設計では、第2のモデルがCSI圧縮モデルであり、第1のモデルがプリコーディングモデルである例を用いて、モデル訓練プロセスを説明する。
【0170】
可能なモデル訓練方法では、CSI圧縮モデルおよびプリコーディングモデルは、共同で訓練される。その訓練プロセスは、図15に示されている。CSI圧縮モデルの入力は、アップリンクチャネルHであり、CSI圧縮モデルの出力は、圧縮されたCSIである。各UEの圧縮されたCSIは、そのUEに対応するプリコーディングモデルに入力され、プリコーディングモデルの出力は、そのUEのプリコーディング行列であるか、またはプリコーディングモデルの出力は、アップリンクチャネル情報である。プリコーディング行列は、アップリンクチャネル情報に基づいて決定される。すべてのUEのプリコーディング行列が結合され、損失関数に代入される。損失関数について、各UEのCSIモデルのパラメータおよびプリコーディングモデルのパラメータが最適化される。例えば、確率的勾配降下法などの逆伝播方法が、反復アルゴリズムを用いて最適なモデルのパラメータを得るために使用されることがある。この方法では、ラベルは必要ない。したがって、この方法は、教師なし学習のカテゴリに属する。図15では、3つのUEのCSI圧縮モデルおよびプリコーディングモデルの共同訓練が例として用いられているが、これは本開示を限定することが意図されているわけではない。
【0171】
代替として、各UEのプリコーディングモデルとCSI圧縮モデルは、別々に訓練される。訓練プロセスは、基地局が訓練データを収集することであって、ここで、訓練データは訓練サンプルおよびラベルを含み、訓練サンプルはUEに対応するアップリンクチャネルHであり、ラベルはUEに対応するプリコーディング行列である、収集することと、アップリンクチャネルHがCSI圧縮モデルの入力として使用され、出力はUEに対応する圧縮されたCSIであることと、圧縮されたCSIがUEに対応するプリコーディングモデルに入力され、UEに対応するプリコーディング行列として出力されるか、またはアップリンクチャネル情報として出力され、プリコーディング行列は、アップリンクチャネル情報に基づいて決定されることと、損失関数の値がプリコーディングモデルによって出力されるプリコーディング行列およびラベルに基づいて計算されることと、損失関数の値が閾値未満である、もしくは目標要件を満たすときに、モデル訓練が終了され得る、または損失関数の値が閾値以上である、もしくは目標要件を満たさないときに、プリコーディングモデルまたはCSI圧縮モデルのうちの少なくとも1つのモデルのパラメータが更新もしくは最適化され、モデル訓練が継続することとを含む。
【0172】
この設計では、CSI圧縮モデルは、アップリンクチャネルHを圧縮すること、各UEについて対応する圧縮されたCSIを出力すること、および圧縮されたCSIをUEに送信することを担う。UEは、受信された圧縮されたCSIを処理して、プリコーディング行列を生成する。サブバンドとHの偶数番サブキャリアの間には相関があるので、基地局側のCSI圧縮モデルは、Hを圧縮することができる。さらに、プリコーディングは主にチャネルを適合させ、干渉を回避する役割を果たすので、CSI圧縮モデルは、チャネルの主要な特性および干渉の主要な特性を抽出することができ、これらの特性を圧縮されたCSIに反映させることができる。UEは、圧縮されたCSIに含まれる主要な特性に基づいてプリコーディング行列を設計して、理想的なプリコーディング効果を実現し得る。
【0173】
本開示では、第1のモデルおよび第2のモデルを訓練した後で、基地局は、第1のモデルについての情報をUEに送信することがある。第1のモデルについての情報は、モデルのパラメータ、モデルの入力フォーマット、またはモデルの出力フォーマットなどのうちの少なくとも1つを含む。ニューラルネットワークを例として用いる。モデルのパラメータは、ニューラルネットワークの層の数量、ニューラルネットワークの幅、層間の接続関係、ニューロンの重み、ニューロンの活性化関数、または活性化関数のオフセットなどのうちの少なくとも1つを含む。UEは、第1のモデルについての情報に基づいて第1のモデルを復元または決定する。
【0174】
ステップ1403:UEは、参照信号を基地局に送信し、これに対応して、基地局は、UEから参照信号を受信する。
【0175】
基地局は、受信される参照信号に対して推定または測定などを実行して、アップリンクチャネル情報を決定する。
【0176】
ステップ1404:基地局は、アップリンクチャネル情報および第2のモデルに基づいて第1の情報を決定する。
【0177】
ステップ1405:基地局は、第1の情報をUEに送信し、これに対応して、UEは、基地局から第1の情報を受信する。
【0178】
ステップ1406:UEは、第1の情報および第1のモデルに基づいてプリコーディング行列を決定し、このプリコーディング行列を用いてアップリンク信号をプリコーディングする。
【0179】
ステップ1407:UEは、プリコーディングされたアップリンク信号を基地局に送信し、これに対応して、基地局は、UEからプリコーディングされたアップリンク信号を受信する。
【0180】
一設計では、第2のモデルは、プリコーディング圧縮モデルであり、第1のモデルは、プリコーディング復元モデルである。基地局は、端末によって送信される参照信号に基づいて決定されたアップリンクチャネル情報を第2のモデルの入力として使用する、またはアップリンクチャネル情報が処理された後に得られる情報を第2のモデルの入力として使用する。第2のモデルの出力は、圧縮されたプリコーディング行列である、または第2のモデルの出力が処理された後に得られる情報は、圧縮されたプリコーディング行列である。代替として、基地局は、AI方式または非AI方式でアップリンクチャネル情報に対応するプリコーディング行列を決定し、このプリコーディング行列を第2のモデルの入力として使用する、または処理されたプリコーディング行列を第2のモデルの入力として使用することもある。第2のモデルの出力は、圧縮されたプリコーディング行列である。第1の情報は、圧縮されたプリコーディング行列を示すことがあり、第1の情報は、圧縮されたプリコーディング行列を明示的に示すことも、暗示的に示すこともある。その後、第1の情報を受信したときに、UEは、第1の情報に基づいて圧縮されたプリコーディング行列を決定することがある。圧縮されたプリコーディング行列は、第1のモデルの入力として使用される、または圧縮されたプリコーディング行列が処理された後に得られる情報が、第1のモデルの入力として使用される。第1のモデルの出力は、プリコーディング行列を含む、または第1のモデルによって出力される情報が処理された後に得られる情報は、プリコーディング行列などを含む。
【0181】
別の設計では、第2のモデルは、CSI圧縮モデルであり、第1のモデルは、プリコーディングモデルである。基地局は、アップリンクチャネル情報を第2のモデルの入力として使用し、第2のモデルの出力は、圧縮されたCSIである。第1の情報は、圧縮されたCSIを示す。第1の情報は、圧縮されたCSIを明示的に示すことも、暗示的に示すこともある。第1の情報を受信したときに、端末は、圧縮されたCSIを第1のモデルの入力として使用する、または圧縮されたCSIが処理された後に得られる情報を第1のモデルの入力として使用することがある。第1のモデルの出力は、アップリンクチャネル情報を含む。端末は、アップリンクチャネル情報に基づいてプリコーディング行列を決定する。具体的には、端末は、AI方式または非AI方式でアップリンクチャネル情報をプリコーディング行列などに変換することがある。非AI方式は、限定されるわけではないが、WMMSE法、ゼロフォーシングZF法、または別の方法などを含む。代替として、第1のモデルの出力は、プリコーディング行列などをそのまま含む。
【0182】
上記の説明では、単一のUEのプリコーディング行列を決定することが説明のための例として用いられていることに留意されたい。基地局側では、基地局が複数のUEにサーブし、この複数のUEが同じリソースを占有する場合には、この複数のUEの第1の情報が、上記の第2のモデルに基づいて同時に決定されることがある。例えば、第2のモデルは、CSI圧縮モデルであり、第1のモデルは、プリコーディングモデルである。
【0183】
図16に示されるように、基地局が2つのUEにサーブし、この2つのUEが同じリソースを占有するものとして設定される。この場合には、基地局は、この2つのUEに対応するアップリンクチャネル情報を別個に測定する。2つのUEは、それぞれh1およびh2と呼ばれる。基地局は、h1およびh2に基づいてチャネルのカスケードされたHを決定し、ここで、H={h1、h2}である。カスケードされたHは、CSI圧縮モデルの入力として使用され、出力は、カスケードされた圧縮されたCSIであり、ここで、カスケードされた圧縮されたCSIは、G=[G,G,…,G]として表されることがあり、ここで、Uの値は、UEの数量と一致する。2つのUEが同じリソースを占有するシナリオでは、Uの値は2である、すなわちこのシナリオでは、CSI圧縮モデルの出力はG=[G,G]であり、ここで、G1は、UE1に対応する圧縮されたCSIを表し、G2は、UE2に対応する圧縮されたCSIを表す。本開示では、圧縮されたCSIは、以下のように表されることがある。
=[g,g,…,g
【0184】
本明細書では、iは、UEの番号を表す。iの値の範囲は、U以下の正の整数であり、Uの値の範囲は、1以上の正の整数である。Lは、エアインタフェースを介してフィードバックされるCSIの長さを示す。さらに、圧縮されたCSIをフィードバックするためのエアインタフェースオーバヘッドを低減するために、CSI圧縮モデルによって出力されるGの長さが中断されることもある。
【0185】
本開示では、図16に示されるように、UE1の圧縮されたCSIは圧縮されたCSI1と呼ばれ、圧縮されたCSI1は上記のGであるものとして設定される。圧縮されたCSI1は、UE1に対応するプリコーディングモデル1の入力として使用され、出力は、プリコーディング行列W1である。UE1は、W1を用いてUE1のアップリンク信号をプリコーディングする。UE2に対応する圧縮されたCSIは圧縮されたCSI2と呼ばれることがあるものとして設定される。圧縮されたCSI2は、UE2に対応するプリコーディングモデル2の入力として使用され、出力は、プリコーディング行列W2である。UE2は、W2を用いてUE2のアップリンク信号をプリコーディングする。
【0186】
代替として、本開示では、基地局は、各UEのアップリンクチャネルHを別個に圧縮することがある。例えば、基地局は、各UEに対応するアップリンクチャネルの特性行列Hを決定し、ここで、Hは、CSI圧縮モデルの入力として使用され、CSI圧縮モデルの出力は、UEに対応する圧縮されたCSIである。例えば、基地局は、UE1に対応するアップリンクチャネル情報h1をCSI圧縮モデルの入力として使用することがあり、出力は、UE1に対応する圧縮されたCSI、すなわち圧縮されたCSI1である。代替として、基地局は、UE2に対応するアップリンクチャネル情報h2をCSI圧縮モデルの入力として使用し、出力は、UE2に対応する圧縮されたCSI、すなわち圧縮されたCSI2である。
【0187】
一設計では、図17に示されるように、CSI圧縮モデルは、5層の畳み込み層ネットワークおよび2層の全結合層ネットワークを含むことがあり、プリコーディングモデルは、4層の畳み込み層ネットワークおよび3層の全結合層ネットワークなどを含むことがある。
【0188】
本開示では、Hの意味は、次のように記述されることに留意されたい。すなわち、Hは、アップリンクチャネル情報、アップリンクチャネルの特性行列、またはアップリンクチャネルの応答などと呼ばれることもある。本開示では、Hは、単一のUEのアップリンクチャネル情報を指すこともあるし、複数のUEのアップリンクチャネル情報を示すこともある。例えば、システムは3つのUEを含み、この3つのUEは同じリソースを占有する。この場合には、基地局は、3つのUEによって対応するリソース上でそれぞれ送信される参照信号を測定し、各UEに対応するアップリンクチャネル情報hiを決定することがあり、この場合、Hは、3つのUEのカスケードされたアップリンクチャネル情報H=[h1、h2、h3]を指すことがある。
【0189】
本開示では、コードブックは使用されなくなり、基地局側の第2のモデルおよびUE側の第1のモデルが設計される。例えば、第2のモデルは、圧縮されたCSIモデルである。圧縮されたCSIモデルにおいて、CSIは、小さい長さを有するビットストリングに圧縮されることがある。基地局は、CSIの長さを制御することによってエアインタフェースオーバヘッドを制御し得、小さいエアインタフェースオーバヘッドが設計により実現され得る。UE側では、プリコーディングモデルおよび圧縮されたCSIを用いてプリコーディング行列が生成される。この設計では、UEによって得られるプリコーディング行列が個別のコードブックから選択されないので、プリコーディング行列は、チャネル環境により良好に適合することができ、より良好なポインティング精度を有する。さらに、第2のモデルは、第2のモデルの出力が、例えば帯域幅レベルのプリコーディング行列、サブバンドレベルのプリコーディング行列、またはREレベルのプリコーディング行列など、様々な粒度のプリコーディング行列をサポートするように設計される。
【0190】
さらに、図8および図10は両方とも、明示的なコードブックに基づく解決策を示している。元のプリコーディング浮動小数点行列Wをフィードバックすることと比較すると、コードブック中のプリコーディング行列のコードワードをフィードバックすることにより、フィードバックオーバヘッドをかなり低減することができる。ただし、コードブック中のコードワードは離散的である。したがって、最適なプリコーディング行列Wからの差分がある。コードブック中のコードワードの数量を増加させることによって差分は低減され得るが、コードブックが大きくなれば、それにつれてインデックスのビットの数量が増大し、フィードバックオーバヘッドが増大する。図13または図14の解決策では、プリコーディングの低オーバヘッド表示は、それぞれ基地局側とUE側にある2つの適合AIモデルを使用して完了される。
【0191】
上記の方法の機能を実装するためには、基地局および端末がそれらの機能を実行するための対応するハードウェア構造および/またはソフトウェアモジュールを含むことは理解され得る。当業者なら、本開示に記載される例におけるユニットおよび方法ステップを参照すれば、本開示がハードウェアまたはハードウェアとコンピュータソフトウェアの組合せによって実装されることが可能であることに容易に気づくものとする。機能がハードウェアによって実行されるか、またはコンピュータソフトウェアによって駆動されるハードウェアによって実行されるかは、技術的解決策の個々の適用シナリオおよび設計制約によって決まる。
【0192】
図18および図19はそれぞれ、本開示による通信装置の可能な構造の図である。これらの通信装置は、上記の方法における端末または基地局の機能を実装するように構成されることがあり、したがって、上記の方法の有利な効果を実現することもできる。本開示では、通信装置は、図1に示される端末120aから120jのうちの1つであることもあるし、図1に示される基地局119aまたは119bであることもあるし、端末または基地局で使用されるモジュール(例えばチップ)であることもある。
【0193】
図18に示されるように、通信装置1800は、処理ユニット1810とトランシーバユニット1820とを含む。トランシーバユニットは、代替として通信ユニットと呼ばれることもある。通信装置1800は、図8図10、または図13に示される方法における端末または基地局の機能を実装するように構成される。
【0194】
通信装置1800が図8または図10に示される方法における基地局の機能を実装するように構成されるときには、トランシーバユニット1820は、第1の参照信号を端末デバイスから受信するように構成され、処理ユニット1810は、受信される第1の参照信号に基づいて第1のコードブックを決定するように構成され、ここで、第1のコードブックは、アップリンク信号をプリコーディングするために使用され、トランシーバユニット1820は、第1のコードブックを端末デバイスに送信するようにさらに構成される。
【0195】
通信装置1800が図8または図10に示される方法におけるUEの機能を実装するように構成されるときには、トランシーバユニット1820は、第1の参照信号をアクセスネットワークデバイスに送信し、第1のコードブックをアクセスネットワークデバイスから受信するように構成され、処理ユニット1810は、第1のコードブックを用いてアップリンク信号をプリコーディングするように構成される。
【0196】
通信装置1800が図13に示される方法におけるUEの機能を実装するように構成されるときには、トランシーバユニット1820は、第1の情報をアクセスネットワークデバイスから受信するように構成され、処理ユニット1810は、第1のプリコーディング行列に基づいてアップリンク信号をプリコーディングするように構成され、ここで、第1のプリコーディング行列は、第1のモデルの出力に基づいて決定され、第1のモデルの入力は、第1の情報に基づいて決定され、トランシーバユニット1820は、プリコーディングされたアップリンク信号をアクセスネットワークデバイスに送信するようにさらに構成される。
【0197】
通信装置1800が図13に示される方法における基地局の機能を実装するように構成されるときには、処理ユニット1810は、アップリンクチャネル情報および第2のモデルに基づいて第1の情報を決定するように構成され、ここで、第2のモデルの入力は、アップリンクチャネル情報に基づいて決定され、第1の情報は、第2のモデルの出力に基づいて決定され、トランシーバユニット1820は、第1の情報を端末デバイスに送信するように構成され、ここで、第1の情報は、圧縮された第1のプリコーディング行列を示す、または第1の情報は、圧縮されたチャネル状態情報CSIを示す。
【0198】
処理ユニット1810およびトランシーバユニット1820のさらなる詳細な説明については、図8図10、または図13に示される方法の関連する説明を直接参照されたい。本明細書では、詳細については述べない。
【0199】
図19に示されるように、通信装置1900は、プロセッサ1910とインタフェース回路1920とを含む。プロセッサ1910とインタフェース回路1920は、互いに結合される。インタフェース回路1920は、トランシーバまたは入出力インタフェースであり得ることは理解され得る。任意選択で、通信装置1900は、プロセッサ1910によって実行される命令を記憶する、プロセッサ1910によって命令を実行するために必要とされる入力データを記憶する、またはプロセッサ1910が命令を実行した後で生成されるデータを記憶するように構成されたメモリ1930をさらに含むこともある。
【0200】
通信装置1900が上記の方法を実施するように構成されるときには、プロセッサ1910は、処理ユニット1810の機能を実装するように構成され、インタフェース回路1920は、通信ユニット1820の機能を実装するように構成される。
【0201】
通信装置が端末で使用されるチップであるときには、端末内のチップは、上記の方法における端末の機能を実装する。端末内のチップは、端末内の別のモジュール(例えば無線周波数モジュールもしくはアンテナ)から情報を受信し、この情報は、基地局によって端末に送信されるものであるか、または端末内のチップは、端末内の別のモジュール(例えば無線周波数モジュールもしくはアンテナ)に情報を送信し、この情報は、端末によって基地局に送信されるものである。
【0202】
通信装置が基地局で使用されるモジュールであるときには、この基地局内のモジュールは、上記の方法における基地局の機能を実装する。基地局内のモジュールは、基地局内の別のモジュール(例えば無線周波数モジュールもしくはアンテナ)から情報を受信し、この情報は、端末によって基地局に送信されるものであるか、または基地局内のモジュールは、基地局内の別のモジュール(例えば無線周波数モジュールもしくはアンテナ)に情報を送信し、この情報は、基地局によって端末に送信されるものである。本明細書における基地局内のモジュールは、基地局内のベースバンドチップであることもあるし、DUまたは別のモジュールであることもある。本明細書におけるDUは、オープン無線アクセスネットワーク(open radio access network, O-RAN)アーキテクチャのDUであることもある。
【0203】
本開示におけるプロセッサは、中央処理装置(central processing unit, CPU)であることもあるし、別の汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor, DSP)、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit, ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array, FPGA)もしくは別のプログラマブル論理デバイス、トランジスタ論理デバイス、ハードウェア構成要素、またはそれらの任意の組合せであることもあることは理解され得る。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであることもあるし、任意の一般的なプロセッサであることもある。
【0204】
本開示におけるメモリは、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ、読取り専用メモリ、プログラマブル読取り専用メモリ、消去可能プログラマブル読取り専用メモリ、電気的消去可能プログラマブル読取り専用メモリ、レジスタ、ハードディスク、取外し可能ハードディスク、CD-ROM、または当技術分野で周知の任意の他の形態の記憶媒体であり得る。
【0205】
例えば、記憶媒体はプロセッサに結合されて、プロセッサが記憶媒体から情報を読み取り、記憶媒体に情報を書き込むことができるようになっている。記憶媒体は、代替としてプロセッサの構成要素であることもある。プロセッサおよび記憶媒体は、ASIC内に位置することもある。さらに、ASICは、基地局内に位置することもあるし、端末に位置することもある。もちろん、プロセッサと記憶媒体とは、別個の構成要素として基地局または端末内に存在することもある。
【0206】
本開示の方法のすべてまたは一部は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せによって実装され得る。方法を実装するためにソフトウェアが使用されるときには、方法のすべてまたは一部は、コンピュータプログラム製品の形態で実装されることがある。コンピュータプログラム製品は、1つまたは複数のコンピュータプログラムまたは命令を含む。コンピュータプログラムまたは命令がコンピュータにロードされて実行されたときに、本開示による手順または機能のすべてまたは一部が実行される。コンピュータは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、コンピュータネットワーク、ネットワークデバイス、ユーザ機器、コアネットワークデバイス、OAM、または別のプログラマブル装置であり得る。コンピュータプログラムまたは命令は、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されることもあるし、コンピュータ可読記憶媒体から別のコンピュータ可読記憶媒体に伝送されることもある。例えば、コンピュータプログラムまたは命令は、有線方式またワイヤレス方式で、ウェブサイト、コンピュータ、サーバ、またはデータセンタから別のウェブサイト、コンピュータ、サーバ、またはデータセンタに伝送されることもある。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされることが可能な任意の使用可能な媒体、または1つもしくは複数の使用可能な媒体を一体化した、例えばサーバもしくはデータセンタなどのデータ記憶デバイスであり得る。使用可能な媒体は、例えばフロッピーディスク、ハードディスク、または磁気テープなどの磁気媒体であることもあるし、例えばデジタルビデオディスクなどの光学媒体であることもあるし、例えばソリッドステートディスクなどの半導体媒体であることもある。コンピュータ可読記憶媒体は、揮発性または不揮発性の記憶媒体であることもあるし、2種類の記憶媒体、すなわち揮発性記憶媒体と不揮発性記憶媒体とを含むこともある。
【0207】
本開示では、特に指定がない限り、または論理的な矛盾がない限り、異なる実施形態における用語および/または記述は一貫したものであり、相互に参照され得、異なる実施形態の技術的特徴がそれらの内部論理関係に基づいて組み合わされて、新たな実施形態を形成することもある。
【0208】
本開示では、「少なくとも1つの」は、1つまたは複数を意味し、「複数の」は2つ以上を意味する。「および/または」は、関連するオブジェクト間の関連関係を示し、3つの関係が存在し得ることを表している。例えば、Aおよび/またはBは、次のケース、すなわちAのみが存在するケース、AおよびBの両方が存在するケース、ならびにBのみが存在するケースを表し得、ここで、AおよびBは単数であってもよいし、複数であってもよい。本開示の説明文中では、「/」という文字は、関連するオブジェクト間の「または」の関係を示す。本開示の数式では、「/」という文字は、関連するオブジェクト間の「除算」の関係を示す。「A、B、またはCのうちの少なくとも1つを含む」は、Aを含むこと、Bを含むこと、Cを含むこと、AおよびBを含むこと、AおよびCを含むこと、BおよびCを含むこと、ならびにA、B、およびCを含むことを示し得る。
【0209】
本開示における様々な数字は、単に説明を容易にするための区別のために使用されているものであり、本開示の範囲を限定するために使用されているわけではないことは理解され得る。上記のプロセスの続き番号は、実行順序を意味するものではなく、プロセスの実行順序は、プロセスの機能および内部論理に基づいて決定されるものとする。
図1
図2
図3
図4a
図4b
図4c
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
【手続補正書】
【提出日】2024-08-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の参照信号を端末デバイスから受信するステップと、
前記受信された第1の参照信号に基づいて第1のコードブックを決定するステップであって、前記第1のコードブックは、アップリンク信号をプリコーディングするために使用される、ステップと、
前記第1のコードブックを前記端末デバイスに送信するステップと
を含むアップリンクプリコーディング方法。
【請求項2】
前記受信された第1の参照信号に基づいて第1のコードブックを決定するステップは、 Z個のリソース上の前記第1の参照信号を別個に測定して、Z個のアップリンクチャネル情報を得るステップであって、Zは、1以上の整数である、ステップと、
前記Z個のアップリンクチャネル情報に基づいて前記第1のコードブックを決定するステップとを含む請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記Z個のアップリンクチャネル情報に基づいて前記第1のコードブックを決定するステップは、
前記Z個のアップリンクチャネル情報およびコードブック生成モデルに基づいて前記第1のコードブックを決定することを含む請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記Z個のアップリンクチャネル情報に基づいて前記第1のコードブックを決定するステップは、
前記Z個のアップリンクチャネル情報に基づいてZ個のプリコーディング行列を決定するステップと、
前記Z個のプリコーディング行列に基づいて前記第1のコードブックを決定するステップと
を含む請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記Z個のプリコーディング行列に基づいて前記第1のコードブックを決定するステップは、
前記Z個のプリコーディング行列およびプリコーディング行列生成モデルに基づいてM個のプリコーディング行列を決定するステップであって、Mは、Z以下であり、
前記第1のコードブックは、前記M個のプリコーディング行列を含む、ステップを含む請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記Z個のプリコーディング行列に基づいて前記第1のコードブックを決定するステップは、
前記Z個のプリコーディング行列およびプリコーディング行列生成モデルに基づいてM個のプリコーディング行列を決定するステップであって、Mは、N以下である、ステップと、
前記M個のプリコーディング行列を別個に量子化してM個の量子化されたプリコーディング行列を得るステップであって、前記第1のコードブックは、前記M個の量子化されたプリコーディング行列を含む、ステップとを含む請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記方法は、
表示情報を前記端末デバイスに送信するステップであって、前記表示情報は、X個のサブバンドに対応するX個のプリコーディング行列を示し、前記X個のプリコーディング行列は、前記第1のコードブックに属し、前記X個のプリコーディング行列の各々は、対応するサブバンド上のアップリンク信号をプリコーディングするために使用され、Xは、正の整数である、ステップを
さらに含む請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記表示情報を前記端末デバイスに送信するステップは、
サブバンドプリコーディング行列の表示規則に従って前記表示情報を前記端末デバイスに送信することを含む請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記方法は、
前記サブバンドプリコーディング行列の前記表示規則を前記端末デバイスに送信するステップを
さらに含む請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記サブバンドプリコーディング行列の前記表示規則は、
第1のサブバンドおよび第2のサブバンドを少なくとも含むアップリンクチャネル帯域幅を含み、
前記第1のサブバンドに対応するプリコーディング行列の表示規則は、前記第1のサブバンドに対応する前記プリコーディング行列のインデックスを示すステップを含み、
前記第2のサブバンドに対応するプリコーディング行列の表示規則は、前記第1のサブバンドの前記プリコーディング行列の前記インデックスに対する前記第2のサブバンドの前記プリコーディング行列のインデックスのオフセット方向およびオフセット値を示すステップを含む、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記第1のコードブックは、第1のサブバンドのコードブックであり、かつ、前記第1のコードブックは、前記第1のサブバンド上のアップリンク信号をプリコーディングするために使用される請求項に記載の方法。
【請求項12】
第1の参照信号をアクセスネットワークデバイスに送信するステップと、
第1のコードブックを前記アクセスネットワークデバイスから受信するステップと、
前記第1のコードブックを用いてアップリンク信号をプリコーディングするステップとを含むアップリンクプリコーディング方法。
【請求項13】
前記第1のコードブックを用いてアップリンク信号をプリコーディングするステップは、
表示情報を前記アクセスネットワークデバイスから受信するステップであって、前記表示情報は、X個のサブバンドに対応するX個のプリコーディング行列を示し、かつ、前記X個のプリコーディング行列は、前記第1のコードブックに属する、ステップと、
前記X個のプリコーディング行列の各々を用いて対応するサブバンド上のアップリンク信号をプリコーディングするステップと
を含む請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記方法は、
サブバンドプリコーディング行列の表示規則を前記アクセスネットワークデバイスから受信するステップ
をさらに含む請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記サブバンドプリコーディング行列の前記表示規則は、
第1のサブバンドおよび第2のサブバンドを少なくとも含むアップリンクチャネル帯域幅を含み、
前記第1のサブバンドに対応するプリコーディング行列の表示規則は、前記第1のサブバンドに対応する前記プリコーディング行列のインデックスを示すステップを含み、
前記第2のサブバンドに対応するプリコーディング行列の表示規則は、前記第1のサブバンドの前記プリコーディング行列の前記インデックスに対する前記第2のサブバンドの前記プリコーディング行列のインデックスのオフセット方向およびオフセット値を示すステップを含む、
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第1のコードブックは、第1のサブバンドのコードブックであり、かつ、前記第1のコードブックを用いてアップリンク信号をプリコーディングするステップは、
前記第1のコードブックを用いて前記第1のサブバンド上のアップリンク信号をプリコーディングするステップを含む請求項12に記載の方法。
【請求項17】
請求項1乃至16のいずれか一項に記載の方法を実行する手段を含む通信装置。
【請求項18】
コンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ可読記憶媒体は命令を記憶し、前記命令が通信装置上で実行されると、前記通信装置は、請求項1乃至16のいずれか一項に記載の方法を実行することを可能にされる、コンピュータ可読記憶媒体。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
上記の設計によれば、端末デバイスによって生成される第1のプリコーディング行列が帯域幅レベルである場合には、帯域幅全体のアップリンク信号が、同じプリコーディング行列を用いてプリコーディングされる。代替として、第1のプリコーディング行列がサブバンドレベルである場合には、アップリンク信号は、帯域幅全体のうちの異なるサブバンドに対応するプリコーディング行列を用いてプリコーディングされる。同様に、第1のプリコーディング行列がリソース要素REレベルである場合には、各REのアップリンク信号は、各REのアップリンク信号に対応するプリコーディング行列を用いてプリコーディングされる。帯域幅レベルのプリコーディング行列と比較して、サブバンドレベルのプリコーディング行列またはREレベルのプリコーディング行列は、コードブックおよびチャネル適合を改善することができ、プリコーディング精度を向上させることができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0020】
上記の設計によれば、端末デバイスについての個別化されたコードブックを構成するときに、アクセスネットワークデバイスは、端末デバイスの収集されたZ個のアップリンクチャネル情報に基づいてZ個のプリコーディング行列を決定する。Z個のプリコーディング行列は、M個のプリコーディング行列に収束され、ここで、Mの値は、Zの値以下である。端末デバイスについて構成される個別化されたコードブックは、M個のプリコーディング行列を含む。この設計では、アクセスネットワークデバイスが、個別化されたコードブックを構成する、または個別化されたコードブックを端末デバイスに対して示す必要がある。したがって、上記の設計が用いられるときには、個別化されたコードブックを端末デバイスによって示すためのオーバヘッドが低減され得る。
【国際調査報告】