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特表2025-501265核酸の等温増幅のための組成物および方法
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  • 特表-核酸の等温増幅のための組成物および方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-17
(54)【発明の名称】核酸の等温増幅のための組成物および方法
(51)【国際特許分類】
   C12Q 1/6888 20180101AFI20250109BHJP
   C12N 15/11 20060101ALI20250109BHJP
   C12M 1/00 20060101ALI20250109BHJP
   C12Q 1/6853 20180101ALI20250109BHJP
【FI】
C12Q1/6888 Z
C12N15/11 Z
C12M1/00 A
C12Q1/6853 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024539637
(86)(22)【出願日】2021-12-30
(85)【翻訳文提出日】2024-08-27
(86)【国際出願番号】 US2021065780
(87)【国際公開番号】W WO2023129167
(87)【国際公開日】2023-07-06
(81)【指定国・地域】
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 本願発明により構成される製品の例、公開者:キュー ヘルス インコーポレイテッド、販売日:令和3年1月1日
(71)【出願人】
【識別番号】524371358
【氏名又は名称】シロ ダイアグノスティクス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】カッタク, アユブ
【テーマコード(参考)】
4B029
4B063
【Fターム(参考)】
4B029AA07
4B029BB13
4B029FA04
4B063QA01
4B063QA18
4B063QQ10
4B063QQ42
4B063QQ52
4B063QR08
4B063QR32
4B063QR35
4B063QR62
4B063QS24
4B063QS25
4B063QX02
(57)【要約】
本開示は、一般に、ヘアピン構造およびメチル化されたRNA領域を含む組換え核酸プライマー(オリゴヌクレオチド)、単一およびマルチプレックス分析において、より高い特異性および感度で、標的核酸を等温増幅するための組換え核酸プライマーを含む核酸増幅プロセスに関連する。組換え核酸プライマーを含む組成物、および核酸増幅プロセスにおいて、または核酸増幅プロセスと共に使用するのに適したデバイスが、さらに提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下を含む組換え核酸プライマー(オリゴヌクレオチド)
(i)ヘアピン領域;
(ii)標的核酸の配列と相補的である標的結合領域
前記標的結合領域は、ポリメラーゼによる前記組換え核酸プライマーの増幅を防止するための少なくとも1つの修飾ヌクレオシド(塩基)を含む、請求項1に記載の方法
【請求項2】
請求項1に記載の組換え核酸プライマーであって、
5'-ジメトキシトリチル-N-ベンゾイル-3'-デオキシアデノシン、2'-スクシノイル-長鎖アルキルアミノ-CPG (3'-dA-CPG);5'-ジメトキシトリチル-N-ジメチルホルムアミド-3'-デオキシグアノシン、2'-スクシノイル-長鎖アルキルアミノ-CPG (3'-dG-CPG); 5'-ジメトキシトリチル-N-ベンゾイル-3'-デオキシCytosine、2'-スクシノイル-長鎖アルキルアミノ-CPG (3'-dC-CPG);5'-ジメトキシトリチル-3'-デオキシチミジン、2'-スクシノイル-長鎖アルキルアミノ-CPG (3'-dT-CPG);3'-デオキシアデノシン;シトシンアラビノシド;逆dT; 2'-O-メチルアデノシン(2'-OMe-a);2'-O-メチルシトシン(2'-OMe-C);2'-O-メチルグアノシン(2'-OMe-G);2'-O-メチルウリジン(2'-OMe-U);イノシン、または5'-3'ポリメラーゼ増幅を阻害する修飾塩基;
(ii)少なくとも1つの修飾ヌクレオシドがジデオキシシチジン(ddC)、2'-3'-ジデオキシシチジン(2'、3'ジデオキシ-C)、5'-ジメトキシトリチル-N-スクシノイル-長鎖アルキルアミノ-CPG、2'、3'-デオキシシトシン(2'、 3'-ddC-CPG);2'-3'-ジデオキシアデノシン(2'、3'ジデオキシ-A);または5'-ジメトキシトリチル-N-スクシノイル-長鎖アルキルアミノ-CPG、2'、3'-デオキシドノシン(2'、3'-ddA-CPG);
(iii)前記標的結合領域が、C 3スペーサーアミダイト(DMT-1、3-プロパンジオール)で修飾された塩基;C 3スペーサーホスホami dite;C 3スペーサー;C 6スペーサー;ヘキサンジオール;トリエチレングリコールスペーサー(スペーサー9); C 6アミン;ペプチド核酸(PNA);ロック核酸(LNA);または1-ジメトキシトリチルオキシ-プロパンジオール-3-スクシノイル)-長鎖アルキルアミノ-CPG (3'-スペーサー-C 3-CPG);
【請求項3】
ポリメラーゼによる増幅を阻害する少なくとも1つの修飾された塩基が、(i)3'末端、(ii)5'末端、 または(iii)前記ポリメラーゼによる増幅を阻害するために、前記標的結合領域の内部領域内にある、請求項1に記載の方法
【請求項4】
請求項3に記載の組換え核酸プライマーであって:
(i)前記標的結合領域の前記3'末端および前記5'末端は、同一または異なる1つ以上の修飾された塩基を含み;
(ii)前記標的結合領域の前記3'末端および前記内部領域は、同一または異なる1つ以上の修飾された塩基を含み;
(iii)前記標的結合領域の前記5'末端および前記内部領域が、同一または異なる1つ以上の修飾された塩基を含む、請求項1に記載の方法
(iv)前記標的結合領域の前記3'末端、前記5'末端、及び前記内部領域は、前記1つ以上の修飾塩基を含み、前記3'末端修飾、前記5'末端修飾、 前記内部修飾は、同一であっても異なっていてもよい
【請求項5】
改変された塩基が2'-O-メチルRNA (2'0ME)ヌクレオチドであり;任意選択的に、少なくとも1つの2'0MEヌクレオチドを含む領域がメチル化RNA領域である、請求項2又は3に記載の組換え核酸プライマー
【請求項6】
前記標的結合領域が、第1のメチル化RNA領域および第2のメチル化RNA領域をさらに含む、請求項5に記載の組換え核酸プライマー
【請求項7】
請求項6に記載の組換え核酸プライマーであって:
(i)第1のメチル化RNA領域は、少なくとも1つの2'0MEヌクレオチド、または少なくとも2つの2'0MEヌクレオチド、または少なくとも3つの2'0MEヌクレオチド、または少なくとも4つの2'0MEヌクレオチド、または少なくとも約52'0MEヌクレオチドを含む
(ii)前記第1のメチル化RNA領域が、前記組換え核酸プライマーの前記標的結合領域の5'末端に位置する、請求項1に記載の組換え核酸プライマー
【請求項8】
請求項6に記載の組換え核酸プライマーであって:
(i)前記第2のメチル化RNA領域は、前記標的結合領域の3'末端に位置し;
(ii)前記第2のメチル化RNA領域が、少なくとも7-少なくとも13個の連続したヌクレオチドを含む、請求項1に記載の方法
(iii)前記標的結合領域中の全ての相補的核酸残基が、2'0MEヌクレオチドを含む、請求項1に記載の方法
【請求項9】
以下を含む組換え核酸プライマー(オリゴヌクレオチド)
(i)ヘアピン領域;
(ii)標的核酸の配列に相補的である第1のメチル化RNA領域;
(iii)標的核酸の配列と相補的である標的結合領域;および(iii)標的核酸の配列に相補的である標的結合領域;
(iv)標的核酸の配列に相補的な第2のメチル化RNA領域
【請求項10】
ヘアピン領域が、5'ヘアピンループ領域及びステム領域を含む、請求項9に記載の組換え核酸プライマー
【請求項11】
前記5'ヘアピンループ領域が、約25-約65ヌクレオチド長である、請求項10に記載の組換え核酸プライマー
【請求項12】
前記5'ヘアピンループ領域が、前記ステム領域及び非隣接部分に隣接する部分を含む、請求項11に記載の組換え核酸プライマー
【請求項13】
非隣接部分が隣接部分に対して5'であり、ヘアピンループ領域の非隣接部分がステム領域にハイブリダイズする、請求項12に記載の組換え核酸プライマー 前記ヘアピンループ領域の前記隣接しない部分は、前記ステム領域のポリデオキシシチニル酸(ポリ-dC)配列に対して相補的であるポリデオキシグアニル酸(ポリ-dG)配列を含む、請求項1に記載の方法 前記ヘアピンループ領域の非隣接部分は、前記ヘアピンループ領域の
幹領域のポリデオキシグアニル酸(ポリ-dG)配列に対して相補的であるポリデオキシシチジル酸(ポリ-dC)配列
【請求項14】
前記ステム領域が、ポリデオキシシチニル酸(ポリ-dC)領域を含み、および/または前記ステム領域が、少なくとも約7-13の連続するdC塩基を含む、請求項10に記載の組換え核酸プライマー
【請求項15】
請求項9に記載の組換え核酸プライマーであって:
(i)組換え核酸プライマーは、ポリメラーゼによって伸長されず、それによって、ポリメラーゼによる増幅に耐性のある組換え核酸プライマーをレンダリングする、および/または、
(ii)組換え核酸プライマーは、3'-末端反転ヌクレオチド修飾を含まない、組換え核酸プライマー
【請求項16】
請求項9に記載の組換え核酸プライマーであって、前記組換え核酸プライマーが、1つ以上の追加のヌクレオシド修飾を含み、
(i)5-ニトロインドール;8-オキソ-2'-デオキシグアノシン(8-オキソ-dG);8-オキソ-2'-デオキシグアノシン(8-オキソ-dG);8-オキソ7、8-ジヒドロ-2'-デオキシグアノシン;8-オキソ-デオキシアデノシン(8-オキソ-dA);5-ヒドロキシメチルデオキシシトシン(5-ヒドロキシメチル-dC); 5'-ジメトキシトリチル-N-ベンゾイル-3'-デオキシアデノシン、2'-スクシノイル-長鎖アルキルアミノ-CPG (3'-dA-CPG);5'-ジメトキシトリチル-N-ジメチルホルムアミド-3'-デオキシグアノシン、2'-スクシノイル-長鎖アルキルアミノ-CPG (3'-dG-CPG); 5'-ジメトキシトリチル-N-ベンゾイル-3'-デオキシCytosine、2'-スクシノイル-長鎖アルキルアミノ-CPG (3'-dC-CPG);5'-ジメトキシトリチル-3'-デオキシチミジン、2'-スクシノイル-長鎖アルキルアミノ-CPG (3'-dT-CPG);3'-デオキシアデノシン;シトシンアラビノシド;逆dT;イノシン、 または5'-3'ポリメラーゼ増幅をブロックする修飾された塩基である、請求項1に記載の方法
(ii)前記1つ以上の追加のヌクレオシド修飾が、ジデオキシシチジン(ddC)、2'-3'-ジデオキシシチジン(2'、3'ジデオキシ-C)、5'-ジメトキシトリチル-N-スクシノイル-長鎖アルキルアミノ-CPG、 3'-デオキシシトシン(2'、3'-ddC-CPG);2'-3'-ジデオキシアデノシン(2'、3'ジデオキシ-A);または5'-ジメトキシトリチル-N-スクシノイル-長鎖アルキルアミノ-CPG、2'、3'-デオキシドノシン(2'、3-ddA-CPG);
(iii)前記1つ以上の追加のヌクレオシド修飾が、C 3スペーサーアミダイト(DMT-l、3-プロパンジオール)で修飾されたヌクレオシドである;C 3スペーサーホスホロアミダイト;C 3スペーサー;C 6スペーサー;ヘキサンジオール;トリエチレングリコールスペーサー(スペーサー9); C 6アミン;ペプチド核酸(PNA);ロック核酸(LNA);L 6アミン;ペプチド核酸(PNA);ロック核酸(LNA); または1-ジメトキシトリチルオキシ-プロパゲーションol-3-スクシノイル)-長鎖アルキルアミノ-CPG (3'-スペーサー-C 3-CPG)
【請求項17】
前記組換え核酸プライマーが、増幅のための鋳型ではなく、それによって、順方向および/または逆方向プライマー結合の活性によって引き起こされる非特異的増幅に耐性である、請求項9に記載の組換え核酸プライマー
【請求項18】
前記第1のメチル化RNAまたは前記第2のメチル化領域が、2'-O-メチルRNA (2'0ME)ヌクレオチドを含む、請求項9に記載の組換え核酸プライマー
【請求項19】
前記第1のメチル化RNA領域が、少なくとも約1つの2'0MEヌクレオチド、または少なくとも約2'0MEヌクレオチド、または少なくとも約32'0MEヌクレオチドを含む、請求項9に記載の組換え核酸プライマー または少なくとも約42'0MEヌクレオチド、または少なくとも約2'0MEヌクレオチドである、請求項1に記載の方法
【請求項20】
請求項18に記載の組換え核酸プライマーであって:
(i)前記第2のメチル化RNA領域は、前記組換え核酸プライマーの3'末端に位置し;
(ii)第2のメチル化RNA領域が、少なくとも約7-少なくとも約13個の連続したヌクレオチドを含む、請求項1に記載の方法
(iii)全ての相補的核酸残基が2'0MEヌクレオチドで置換されている、請求項1に記載の方法
【請求項21】
組換え核酸プライマーが多重アッセイにおいて使用される、請求項18-20のいずれか一項に記載の組換え核酸プライマー
【請求項22】
組換え核酸プライマーが多重アッセイの特異性および感度を有意に増強する、請求項9-21のいずれか1項に記載の組換え核酸プライマー
【請求項23】
組換え核酸プライマー上の第1および第2のメチル化RNA領域の存在が、多重アッセイの特異性および感度を向上させる、請求項9-22のいずれか一項に記載の組換え核酸プライマー 前記第1のメチル化RNA領域または前記第2のメチル化RNA領域のみを含む組換え核酸プライマー
【請求項24】
請求項9-23のいずれか1項に記載の組換え核酸プライマーであって、前記5'ヘアピン領域と前記第1のメチル化RNA領域との組み合わせは、a 5'ヘアピンループ領域、5'ヘアピンステム領域、第1のメチル化RNA領域、又は第2のメチル化RNA領域のみを含む組換え核酸プライマー
【請求項25】
以下を含む組換え核酸プライマー
(i)5'ヘアピン領域:
長さ約25-約65ヌクレオチドである5'ヘアピンループ領域;及びポリデオキシシチニル酸(ポリ-dC)領域を含む及び/又は少なくとも約7-13の連続dC塩基を有するステム領域;
(ii)少なくとも約52'-メチルRNA (2'0ME)ヌクレオチドを含む標的核酸の配列に相補的である第1のメチル化RNA領域;
(iii)標的核酸の配列と相補的である標的結合領域と、(iii)標的核酸の配列と相補的である標的結合領域と、
(iv)少なくとも約7-少なくとも約13の2'0MEヌクレオチドを含む標的核酸の配列に相補的である第2のメチル化RNA領域;
前記組換え核酸プライマーは、増幅のための鋳型ではない、請求項1に記載の方法
前記組換え核酸プライマーは、前記5'ヘアピン領域、前記第1のメチル化RNA領域、前記第1のメチル化RNA領域、前記第1のメチル化RNA領域、 または前記第2のメチル化RNA領域である、請求項1に記載の方法。
多重アッセイの特異性および感度が偽陽性結果の発生に基づく、請求項1に記載の方法
【請求項26】
請求項9-25のいずれか一項に記載の組換え核酸プライマーであって、前記標的核酸が、コロナウイルス科ウイルス、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)、 West Nailウイルス、Chikungunyaウイルス、Ebolaウイルス、Lasssaウイルス、デングウイルス、SARSコロナウイルス、中東呼吸症候群(MERS)コロナウイルス、Juninウイルス、C型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、インフルエンザウイルス、 インフルエンザBウイルス、インフルエンザCウイルス、ワクシニアウイルス、バリオラウイルス、ポリマウイルス、Poxウイルス、ヘルペスウイルス、サイトメガロウイルス(CMV)、ヒト免疫不全ウイルス、JCウイルス、JCポリマウイルス(JCV)、BKポリマウイルス(BKV)、 Simianウイルス40(SV 40)、Monkeypoxウイルス、Marburgウイルス、Bunyavirus、arenavirus、αウイルス、又はフラビウイルス
【請求項27】
前記標的核酸は、SARS-CoV-1、SARS-CoV-2、MERS-CoV、p-コロナウイルス、HCoV-OC 43、HCoVHKUl、HCoV-NL 63、またはHCoV-229Eから選択されるコロナウイルス科ウイルスからのものである、請求項9-26のいずれか一項に記載の組換え核酸プライマー
【請求項28】
請求項1-27のいずれか1項に記載の組換え核酸プライマーを含む核酸増幅プロセス
【請求項29】
請求項28に記載の核酸増幅プロセスであって、
(i)前記核酸増幅プロセスが、ループ媒介等温増幅(LAMPまたはLoopamp)、鎖置換増幅(SDA)、リコンビナーゼポリメラーゼ増幅(RPA)から選択される等温増幅である、請求項1に記載の方法 ヘリカーゼ依存性増幅(HD A);等温多重変位増幅(IMDA);ローリングサークル増幅(RCA);RNA技術(SMART)のシグナル媒介増幅;ポリメラーゼ螺旋反応(PSR); 又はニッキング酵素増幅反応(NEAR);
(ii)前記核酸増幅プロセスが、RPA、SDA、またはHD Aである、請求項1に記載の方法
(iii)前記核酸増幅プロセスがRPAである、方法
(iv)前記核酸増幅プロセスが、リコンビナーゼ酵素を含む相同組換え酵素指向等温増幅である、請求項1に記載の方法
【請求項30】
前記核酸増幅プロセスが、リコンビナーゼ酵素を含む相同組換え酵素指向等温増幅である、請求項28に記載の核酸増幅プロセス
(i)リコンビナーゼを組換え核酸プライマーと接触させてオリゴリコンビナーゼ複合体を形成する工程;
(ii)オリゴ-リコンビナーゼ複合体が二本鎖標的核酸に侵入することを可能にする条件下で、オリゴ-リコンビナーゼ複合体を相補二本鎖標的核酸に接触させる工程であって、 前記二本鎖標的核酸のオリゴ-リコンビナーゼ複合体浸潤が、前記組換え核酸プライマーに相補的である二本鎖標的核酸の領域を変性する、請求項1に記載の組換え核酸プライマー
(iii)フォワードプライマー、リバースプライマー、ポリメラーゼ、およびデオキシヌクレオチド三リン酸(dNTP)を、フォワードプライマーおよびリバースプライマーがそれらのそれぞれの相補的領域に二重に結合することを可能にする条件下でのプロセスに混合する工程 ポリメラーゼがフォワードプライマーおよびリバースプライマーの3'末端をdNTPで伸長させて、第1および第2の増幅された二本鎖核酸を生成することを可能にする
(iv)所望の程度の増幅産物が生成されるまで、(i)および(iii)の繰り返しを通して増幅プロセスを継続する、請求項1に記載の方法
【請求項31】
前記核酸が、リコンビナーゼ負荷因子の不在下で増幅される、請求項30に記載の核酸増幅プロセス
【請求項32】
核酸が、一本鎖DNA結合分子(SSB)の存在下で増幅され、任意選択的に、SSBがEから選択される、請求項30または31に記載の核酸増幅プロセス coll SSBタンパク質、任意のバクテリオファージからのgp 32タンパク質;ミオウイルス科バクテリオファージ由来のgp 32タンパク質、T 4gp 32タンパク質、Rb 69gp 32タンパク質、またはそれらの誘導体
【請求項33】
SSBが組換え核酸プライマーに結合または弱く結合せず、それによってリコンビナーゼ-組換え核酸プライマー複合体の形成を増強する、請求項32に記載の核酸増幅プロセス 増幅中にリコンビナーゼ負荷因子を必要としないことを特徴とする請求項1に記載の方法
【請求項34】
前記リコンビナーゼが、E coll RecA、任意のバクテリオファージ種からのUvsX、T 4UvsX、Rb 69UvsX、T 2UvsX、T 6UvsX、Aehl UvsX、KvP 40UvsX、 またはそれらの任意の誘導体または任意の組み合わせ
【請求項35】
請求項30-34のいずれか一項に記載の核酸増幅プロセスであって、前記ポリメラーゼが、大腸菌Pol I、枯草菌Pol I大断片(Bsuポリメラーゼ)、ムーニーマウス白血病ウイルス(MuMLV)逆転写酵素、 黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)Pol I、またはそれらの組み合わせ
【請求項36】
請求項30-35のいずれか一項に記載の核酸増幅プロセスであって、前記組換え核酸プライマー、前記標的核酸分子、前記順方向および逆方向プライマー、前記ポリメラーゼ、 前記核酸増幅プロセスに同時にdNTPを添加する、請求項1に記載の方法
【請求項37】
リコンビナーゼおよびSSBが同じ種由来であるか、またはリコンビナーゼおよびSSBが異なる種由来である、請求項30-36のいずれか一項に記載の核酸増幅プロセス
【請求項38】
リコンビナーゼおよびSSBが同じバクテリオファージ種からである、またはリコンビナーゼおよびSSBが異なるバクテリオファージ種からのものである、請求項30-37のいずれか一項に記載の核酸増幅プロセス
【請求項39】
請求項1-27のいずれか1項に記載の組換え核酸プライマーを含む組成物
【請求項40】
前記組成物が以下を含む、請求項39に記載の組成物
(i)組換え核酸プライマー;
(ii)リコンビナーゼ;
(iii)ポリメラーゼ;
(iv)標的核酸;
(v)クラウディング剤;
(vi)一本鎖DNA結合タンパク質(SSB)
【請求項41】
リコンビナーゼおよびSSBが同じバクテリオファージ種からである、またはリコンビナーゼおよびSSBが異なるバクテリオファージ種からのものである、請求項40に記載の組成物
【請求項42】
前記リコンビナーゼ及びSSBは、筋ウイルス科バクテリオファージ、T 4バクテリオファージ、Rb 69バクテリオファージ、T 2バクテリオファージ、T 6バクテリオファージ、Aehlバクテリオファージ、KvP 40バクテリオファージ、 またはその誘導体である、請求項1に記載の方法
【請求項43】
dNTPをさらに含む、請求項40-42のいずれか一項に記載の組成物
【請求項44】
前記組成物が乾燥される、請求項40-43のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項45】
前記組成物が、凍結乾燥、凍結乾燥粉末、ペレット、またはビーズである、請求項40-44のいずれか一項に記載の組成物
【請求項46】
前記組成物が試薬ボール中で凍結乾燥される、請求項40-45のいずれか一項に記載の組成物
【請求項47】
前記組成物がトレハロースで再構成される、請求項40-46のいずれか一項に記載の組成物
【請求項48】
前記組成物が1つ以上のプライマーセットを含み、各プライマーセットがフォワードプライマー及びリバースプライマーを含み、各プライマーセットが異なる標的核酸を増幅する、請求項40-47のいずれか一項に記載の組成物
【請求項49】
請求項1-27のいずれか1項に記載の組換え核酸プライマー、または請求項39-48のいずれか1項に記載の組成物を含む増幅装置
【請求項50】
前記デバイスが、サンプル中の1つまたは複数の標的核酸の存在、不在、または量を決定するための方法において使用される、請求項49に記載の増幅デバイス
【請求項51】
前記方法が、以下を含む、請求項54に記載の増幅デバイス
(i)1つ以上の標的核酸を含むサンプルを、サンプル分析カートリッジのサンプル調製リザーバ内の流体に導入するステップであって、前記カートリッジが、請求項39-48のいずれか一項に記載の組成物を含む、請求項39-48のいずれか一項に記載の組成物
(ii)請求項28-30のいずれか一項に記載の方法を使用して1つ以上の標的核酸を増幅すること;
(iii)前記増幅された標的核酸を前記試料調製リザーバ内の前記流体中の1つ以上のシグナル剤に直接的または間接的に結合させる工程であって、 請求項1に記載の方法であって、前記1つ以上のシグナル剤は、それぞれ、前記1つ以上の増幅された標的核酸の各々に特異的な検出可能な電位を有し;前記1つ以上の増幅された核酸の検出可能な電位は、異なる;
(iv)前記1つ以上の増幅された標的核酸が前記1つ以上のシグナル伝達剤に直接的または間接的に結合するように、前記サンプル調製リザーバからの前記流体を、センサーを含む分析チャネルに放出する工程;
(v)前記センサ上に局在化されたシグナル剤と基材とを反応させる工程;
(vi)前記反応基質シグナル伝達物質複合体を電気的に刺激して、前記センサーによって検出される1つ以上の信号を生成するステップであって、 請求項1に記載の方法であって、各基質シグナル伝達剤複合体のシグナルが、1種以上の増幅された核酸標的に対するシグナル剤のそれぞれの電位に基づく、請求項1に記載の方法
(viii)前記1つまたは複数の信号を処理して、前記1つまたは増幅された標的核酸の存在、不在、または量を決定することを特徴とする請求項1に記載の方法
【請求項52】
前記センサは、前記1つまたは複数の信号を同時に検出し、それによって、サンプル中の1つまたは複数の標的核酸の存在、不在、または量を同時に検出する、請求項49-51のいずれか一項に記載の増幅デバイス
【請求項53】
装置が2つ以上のセンサを含む、請求項49-52のいずれか一項に記載の増幅装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
核酸
技術分野
本開示は、多重アッセイのための標的核酸の等温増幅のための組換え核酸プライマー、組成物、方法およびデバイスに関する
【背景技術】
【0002】
背景
本技術の背景についての以下の説明は、単に本技術を理解する助けとして提供され、本技術の先行技術を説明または構成することを認めるものではない
【0003】
核酸の効率的な増幅は、臨床診断および医学研究の重要な部分である。特に、核酸の増幅は、病原体、疾患の有無を検出するために重要である またはヒトまたは他の動物内の状態。診断ツールとしての核酸増幅は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術を開始して開始し、 全ゲノム配列決定及び疾患の生物学的マーカーの同定の最近の進歩により拡張される
【0004】
PCRは、より大型かつより複雑な核酸分子内に含まれる短い核酸配列を増幅する非常に敏感で効率的な方法である しかしながら、PCRは、非常に高い温度で増幅反応を熱サイクリングすることを必要とするため、制限される。特に、PCRは、(1)溶融物(i)に高温を必要とする e)標的二本鎖DNA (>90℃)を2本鎖DNA分子を生成するために(>90℃)、(2)プライマーハイブリダイゼーションを促進する(すなわち、 (3)プライマー(72℃)を重合/増幅して、一本鎖核酸の新たなコピーを生成する 実際、PCRは、極めて高温(72℃)でのみ機能し得る耐熱性ポリメラーゼを使用する
【0005】
PCRは、増幅プロセス中に温度を円滑かつ効率的に変化させるために必要とされる高度な機械のコストによってさらに制限される PCR増幅技術は、高価な実験機器および高度に訓練された医療専門家の専門知識を必要とする その結果、PCR技術に依存する診断方法は、典型的には、実験室または医療施設内で行われる そのような多くの医学的状態は、研究室または医療施設へのアクセシビリティの欠如のために診断されない可能性がある さらに、感染性疾患が広がり、病原体が同定される前に集団に実質的な害を引き起こす
【0006】
診断ツールとしてよりアクセス可能な核酸増幅技術を作製するために、等温技術として知られる第2のクラスの増幅技術が最近開発された 最近開発された等温増幅技術としては、ループ媒介等温増幅(LAMPまたはルーパ);鎖置換増幅(SDA);リコンビナーゼポリメラーゼ増幅(RPA)が挙げられるが、これらに限定されない ヘリカーゼ依存性増幅(HD A);等温多重変位増幅(IMDA);ローリングサークル増幅;ポリメラーゼスパイラル反応(PSR);RNA技術(SMART)のシグナル媒介増幅; およびニッキング酵素増幅反応(NEAR)。等温増幅プロセスは、DNAまたは任意の熱安定成分の熱融解を必要としない むしろ、等温増幅技術は、核酸配列をコピーするための温度変化ではなく、酵素の生物学的活性を使用して、単一かつ一定の温度で実施される 特に、いくつかの等温増幅技術は、相同組換え中に関与する酵素(すなわち、DNA修復、リコンビナーゼおよびアクセサリー分子)、DNA複製(すなわち、DNA複製)の生物学的活性に依存する(すなわち、 ヘリカーゼおよびアクセサリー分子)、または標的二本鎖DNAを所望の領域(例えば、増幅中に存在する1つまたは複数のオリゴヌクレオチドに相補的な核酸領域)で融解させるための制限酵素である 特異的ポリメラーゼ(DNAおよびRNAポリメラーゼ;鎖置換DNAポリメラーゼ);および/または特別に設計されたプライマー(単一プライマー、プライマー対、複数のプライマーセット、またはDNA-RNAキメラプライマー)
【0007】
新生の技術として、等温増幅は依然として多くの欠点を有する。例えば、多くの酵素およびそれらの補機分子は、インビトロでうまく機能しない いくつかの酵素は、プライマー結合のためにそれらの補機分子と競合し、これは増幅プロセスの運動を減少させる 加えて、等温増幅産物は、等温増幅機械の異なる構成要素間の非特異的相互作用によって引き起こされる複数の増幅サルファールを含有する 高レベルの人工関節増幅産物の存在は、医療診断における等温増幅アッセイの感度および特異性を低下させる これらの全ての欠点は、単一の又は多重化された増幅アッセイとして、医療診断におけるこの新生の、まだ励起している技術を使用することである
【0008】
したがって、多重化増幅アッセイのための高い特異性および/または感度を有する、代替的および/または改善された等温核酸増幅プロセスに対する必要性が存在する
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示は、等温の間の二本鎖核酸の侵入のためのリコンビナーゼ酵素に結合する非機能プライマー(オリゴヌクレオチド)として使用するための新規な組換え核酸プライマーのエンジニアリングに基づく 増幅。新規な組換え核酸プライマーは、非特異的増幅産物を低減した高度に特異的かつ高感度な増幅プロセスを提供する
【0010】
本開示の一態様は、ヘアピン領域を含むか又はそれからなる組換え核酸プライマー(本明細書ではプライマー、IOプライマー、又はオリゴヌクレオチドとも呼ばれる)を提供する 標的結合領域は、標的二本鎖核酸の配列と相補的である。いくつかの実施形態では、標的結合領域は、少なくとも1つの修飾ヌクレオシドを含むか、または本質的にそれからなる(すなわち、 (修正された塩基)ポリメラーゼによる組換え核酸プライマーの増幅を防止するための改変された塩基)。一実施形態では、標的結合領域の少なくとも1つの修飾ヌクレオシド(塩基)は、5-ニトロインドールから選択される 8-オキソ-2'-デオキシグアノシン(8-オキソ-dG);8-オキソ7、8-ジヒドロ-2'-デオキシグアノシン;8-オキソ-デオキシアデノシン(8-オキソ-dA);5-ヒドロキシメチルデオキシシトシン(5-ヒドロキシメチル-dC);5'-ジメトキシトリチル-N-ベンゾイル-3'-デオキシアデノシン、 2'-スクシノイル-長鎖アルキルアミノ-CPG (3'-dA-CPG);5'-ジメトキシトリチル-N-ジメチルホルムアミド-3'-デオキシグアノシン、2'-スクシノイル-長鎖アルキルアミノ-CPG (3'-dG-CPG);5'-ジメトキシトリチル-N-ベンゾイル-3'-デオキシCytosine、 2'-スクシノイル-長鎖アルキルアミノ-CPG (3'-dC-CPG);5'-ジメトキシトリチル-3'-デオキシチミジン、2'-スクシノイル-長鎖アルキルアミノ-CPG (3'-dT-CPG);3'-デオキシアデノシン;シトシンアラビノシド;反転dT;2'-O-メチルRNAヌクレオチド; 2'-O-メチルアデノシン(2'-OMe-a);2'-O-メチルシトシン(2'-OMe-C);2'-O-メチルグアノシン(2'-OMe-G);2'-O-メチルウリジン(2'-OMe-U);イノシン、または5'-3'ポリメラーゼ増幅をブロックする修飾塩基 別の実施形態では、標的結合領域の少なくとも1つの修飾ヌクレオシドは、ジデオキシシチジン(ddC)、2'-3'-ジデオキシシチジン(2'、3'ジデオキシ-C)から選択されるジデオキシ-ヌクレオチドである 5'-ジメトキシトリチル-N-スクシノイル-長鎖アルキルアミノ-CPG、2'、3'-デオキシシトシン(2'、3'-ddC-CPG);2'-3'-ジデオキシアデノシン(2'、3'ジデオキシ-A);または5'-ジメトキシトリチル-N-スクシノイル-長鎖アルキルアミノ-CPG、2'、3'-デオキシドノシン(2'、3'-ddA-CPG) いくつかの実施形態では、標的結合領域は、C 3スペーサーアミダイト(DMT-l、3-プロパンジオール)で修飾された塩基、C 3スペーサーを含む
ホスホロアミダイト;C 3スペーサー;C 6スペーサー;ヘキサンジオール;トリエチレングリコールスペーサー(スペーサー9);18原子六a-エチレングリコールスペーサー(スペーサー18);1'、2'-ジデオキシリボース(dSpacer);C 6アミン;ペプチド核酸(PNA);ロック核酸(LNA); または1-ジメトキシトリチルオキシ-プロパンジオール-3-スクシノイル)-長鎖アルキルアミノ-CPG (3'-スペーサー-C 3-CPG)。いくつかの実施形態では、ポリメラーゼによる増幅を阻害する標的結合領域の少なくとも1つの修飾された塩基は、1つまたは複数に位置する より多くの3'末端、5'末端、または標的結合領域の内部領域内にある。いくつかの実施形態では、改変された塩基は、2'-O-メチルRNA (2'0ME)ヌクレオチドであり;任意選択的に、 ここで、少なくとも1つの2'0MEヌクレオチドを含む領域は、メチル化RNA領域である。一態様では、少なくとも1つの2'0MEヌクレオチドを含む領域は、メチル化RNA領域である
【0011】
本開示の一態様は、(i)ヘアピン領域と、(ii)標的核酸の配列と相補的である第1のメチル化RNA領域と、を含む、またはそれらからなる組換え核酸プライマー(オリゴヌクレオチド)を提供する (iii)標的核酸の配列に相補的な標的結合領域;および(iv)標的核酸の配列に相補的な第2のメチル化RNA領域 標的核酸は、二本鎖または一本鎖であり得、DNAまたはRNAであり得る
【0012】
いくつかの実施形態では、組換え核酸プライマーのヘアピン領域は、5'ヘアピンループ領域及びステム領域を含むか、又はそれからなる いくつかの実施形態では、第1のメチル化RNAまたは第2のメチル化領域は、2'-O-メチルRNA (2'0ME)ヌクレオチドを含むか、またはそれからなる
【0013】
いくつかの実施形態では、組換え核酸プライマーはポリメラーゼによって伸長されない。いくつかの実施形態では、組換え核酸プライマーは、ポリメラーゼによる増幅に耐性である いくつかの実施形態では、組換え核酸プライマーは、増幅のための鋳型ではなく、それによって、順方向および/または逆方向プライマー結合の活性によって引き起こされる非特異的増幅に耐性である
【0014】
いくつかの実施形態では、組換え核酸プライマーの標的結合領域は、1つ以上の追加のヌクレオシド修飾を含む 一実施形態では、1つ以上の追加の改変は、5-ニトロインドール;8-オキソ-2'-デオキシグアノシン(8-オキソ-dG);8-オキソ7、8-ジヒドロ-2'-デオキシグアノシン;8-オキソ-デオキシアデノシン(8-オキソ-dA);5-ヒドロキシメチルデオキシシトシン(5-ヒドロキシメチル-dC); 5'-ジメトキシトリチル-N-ベンゾイル-3'-デオキシアデノシン、2'-スクシノイル-長鎖アルキルアミノ-CPG (3'-dA-CPG);5'- ジメトキシトリチル-N-ジメチルホルムアミド-3'-デオキシグアノシン、2'-スクシノイル-長鎖アルキルアミノ-CPG (3'-dG-CPG);5'-ジメトキシトリチル-N-ベンゾイル-3'-デオキシCytosine、2'-スクシノイル-長鎖アルキルアミノ-CPG (3'-dC-CPG);5'-ジメトキシトリチル-3'-デオキシチミジン、 2'-スクシノイル-長鎖アルキルアミノ-CPG (3'-dT-CPG);3'-デオキシアデノシン;シトシンアラビノシド;反転dT;イノシン、または5'-3'ポリメラーゼ増幅をブロックする修飾塩基 別の実施形態では、1つ以上の追加のヌクレオシド修飾は、ジデオキシシチジン(ddC)、2'-3ジデオキシシチジン(2'、3'ジデオキシ-C)、5'-ジメトキシトリチル-N-スクシノイル-長鎖アルキルアミノ-CPG、2'、 3'-デオキシシトシン(2'、3'-ddC-CPG);2'-3'-ジデオキシアデノシン(2'、3'ジデオキシ-A);または5'-ジメトキシトリチル-N-スクシノイル-長鎖アルキルアミノ-CPG、2'、3'-デオキシドノシン(2'、3'-ddA-CPG) さらに、別の実施形態では、1つ以上の追加のヌクレオシド修飾は、C 3スペーサーアミダイト(DMT-l、3-プロパンジオール)、C 3スペーサーホスホロアミダイト、C 3スペーサー、C 6スペーサー、ヘキサンジオールで修飾されたヌクレオシドである トリエチレングリコールスペーサー(スペーサー9);18原子六a-エチレングリコールスペーサー(スペーサー18);1'、2'-ジデオキシリボース(dSpacer);C 6アミン;ペプチド核酸(PNA);ロック核酸(LNA); または1-ジメトキシトリチルオキシ-プロパンジオール-3-スクシノイル)-長鎖アルキルアミノ-CPG (3'-スペーサー-C 3-CPG)
【0015】
いくつかの実施形態では、組換え核酸プライマーは、多重アッセイにおいて使用される。いくつかの実施形態では、5'ヘアピン領域と第1のメチル化RNA領域との組み合わせは、aの特異性及び感度を有意に向上させる 5'ヘアピン構造、第1のメチル化RNA領域、又は第2のメチル化RNA領域のみを含む組換え核酸プライマーと比較した場合、多重化アッセイ 多重アッセイの特異性および感度は、先行技術のプライマーを使用するアッセイの偽陽性結果の発生によって、またはそれに基づいて決定することができる
【0016】
本開示の一態様は、(i)約25-約65ヌクレオチドの長さである5'ヘアピンループ領域を含むか又はそれからなる5'ヘアピン領域を含むか又はそれからなる組換え核酸プライマーを提供する および/または少なくとも約7-13の連続するdC塩基を有する、ポリデオキシ嚢胞酸(poly-dC)領域および/または少なくとも約7-13の連続dC塩基を含む幹領域 (ii)少なくとも約52'-メチルRNA (2'0ME)ヌクレオチドを含む標的核酸の配列と相補的である第1のメチル化RNA領域 (iii)標的核酸の配列に相補的な標的結合領域、および(iv)少なくとも約7-132'0MEヌクレオチドを含む標的核酸の配列に相補的な第2のメチル化RNA領域 いくつかの実施形態では、いくつかの実施形態では、これらの実施形態では、組換え核酸プライマーは、増幅のための鋳型ではない。いくつかの実施形態では、組換え核酸プライマーは、aと比較した場合、多重アッセイの特異性および感度を有意に増強した 5'ヘアピン構造、第1のメチル化RNA領域、又は第2のメチル化RNA領域のみを含む組換え核酸プライマー。標的核酸は、二本鎖または一本鎖であり得、DNAまたはRNAであり得る
【0017】
標的核酸は、DNAまたはRNAであり得る。いくつかの実施形態では、標的核酸は、コロナウイルス科ウイルス、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)、ポリオウイルス、西ナイルウイルス、 Chikungunyaウイルス、Ebolaウイルス、Lasssaウイルス、デングウイルス、SARSコロナウイルス、中東呼吸症候群(MERS)コロナウイルス、Juninウイルス、C型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、インフルエンザaウイルス、インフルエンザBウイルス、 インフルエンザCウイルス、ワクシニアウイルス、バリオラウイルス、ポリマウイルス、Poxウイルス、ヘルペスウイルス、サイトメガロウイルス(CMV)、ヒト免疫不全ウイルス、JCウイルス、JCポリマウイルス(JCV)、BKポリマウイルス(BKV)、サルウイルス40(SV 40)、 Monkeypoxウイルス、Marburgウイルス、Bunyavirus、arenavirus、αウイルス、又はフラビウイルス。いくつかの実施形態では、標的核酸は、SARS-CoV-1、SARS-CoV-2、MERS-CoV、p-コロナウイルス、HCoV-OC 43、 HCoVHKUl、HCoV-NL 63、またはHCoV-229E
【0018】
本明細書に記載の組換え核酸プライマーを含む核酸増幅プロセスも提供される。このような増幅プロセスは、ループ媒介等温から選択された等温増幅を含むか、またはそれからなることができる 増幅(LAMPまたはLoopamp);鎖置換増幅(SDA);リコンビナーゼポリメラーゼ増幅(RPA);ヘリカーゼ依存性増幅(HD A);等温多重変位増幅(IMDA);ローリングサークル増幅(RCA); シグナル媒介性RNA技術(SMART)の増幅;ポリメラーゼスパイラル反応(PSR);またはニッキング酵素増幅反応(NEAR) いくつかの実施形態では、核酸増幅プロセスは、リコンビナーゼポリメラーゼ増幅(RPA)、鎖置換増幅(SDA)、またはヘリカーゼ依存性増幅(HDA)を含むか、またはそれらからなることができる いくつかの実施形態では、核酸増幅プロセスは、リコンビナーゼポリメラーゼ増幅(RPA)を含むか、またはそれからなることができる いくつかの実施形態では、核酸増幅プロセスは、リコンビナーゼ酵素を含む相同組換え酵素指向等温増幅を含むか、またはそれからなることができる
【0019】
いくつかの実施形態では、核酸増幅プロセスは、相同組換え酵素指向等温増幅を含むか、またはそれからなることができる 本方法は、(i)リコンビナーゼを本開示の組換え核酸プライマーと接触させてオリゴリコンビナーゼ複合体を形成する工程を含むか、またはそれからなる (ii)オリゴリコンビナーゼ複合体が二本鎖標的核酸に侵入することを可能にする条件下で、オリゴリコンビナーゼ複合体を相補二本鎖標的核酸に接触させること;(iii)フォワードプライマー、 フォワードプライマーおよびリバースプライマーが二本鎖標的核酸上のそれぞれの相補的領域に結合することを可能にする条件下でのプロセスへのリバースプライマー、ポリメラーゼ、およびデオキシヌクレオチド三リン酸(dNTP) ポリメラーゼがフォワードプライマーおよびリバースプライマーの3'末端をdNTPで伸長させて、第1および第2の増幅された二本鎖核酸を生成することを可能にする (iv)所望の程度の増幅産物が生成されるまで、(i)および(iii)の繰り返しを通して増幅プロセスを継続する いくつかの実施形態では、二本鎖標的核酸のオリゴリコンビナーゼ複合体浸潤は、組換え核酸プライマーに相補的である二本鎖標的核酸の領域を変性する 本方法のステップは、逐次的であっても同時であってもよい
【0020】
いくつかの実施形態では、方法は、リコンビナーゼ負荷因子の不在下で実施される。いくつかの実施形態では、核酸は、一本鎖DNA結合分子(SSB)の存在下で増幅される SSBの非限定的な例としては、例えば、大腸菌SSBタンパク質、任意のバクテリオファージからのgp 32タンパク質;ミオウイルス科バクテリオファージ由来のgp 32タンパク質、T 4gp 32タンパク質、Rb 69gp 32タンパク質、またはその誘導体の誘導体が挙げられる
【0021】
リコンビナーゼのさらなる非限定的な例としては、例えば、大腸菌RecA、任意のバクテリオファージ種からのUvsX、T 4UvsX、Rb 69UvsX、T 2UvsX、T 6UvsX、Aehl UvsX、KvP 40UvsX、またはそれらのいずれかの誘導体または任意の組み合わせが挙げられる
【0022】
また、本明細書において提供されるのは、本明細書に記載の組換え核酸プライマーを含むか、または本質的に(活性プライマー要素として)からなる組成物または増幅システムである いくつかの実施形態では、組成物は、(i)組換え核酸プライマー、(ii)リコンビナーゼ、(iii)ポリメラーゼ(iv)、標的核酸、および/または(v)クラウディング剤を含むか、またはそれらから本質的になる(活性組換え要素として) 及び/又は(vi)一本鎖DNA結合タンパク質(SSB)。いくつかの実施形態では、組成物またはシステムは、リコンビナーゼ負荷因子を含まない。いくつかの実施形態では、いくつかの実施形態では、これらの実施形態では、組成物またはシステムは、1つまたは複数のプライマーセットをさらに含み、またはそれらから本質的になり、各プライマーセットは、フォワードプライマーおよびリバースプライマーを含み、各プライマーセットは、相補的な標的核酸を増幅する いくつかの実施形態では、組成物は乾燥または凍結乾燥される
【0023】
本開示の一態様は、本明細書に記載の組成物またはシステムを含む増幅装置を提供する。いくつかの実施形態では、デバイスは、存在の有無を判定するための方法に使用される またはサンプル中の1つ以上の標的核酸の量。いくつかの実施形態では、本方法は、以下を含むか、またはそれらから本質的になるか、またはからなる (i)本明細書に記載の核酸プライマーおよび/またはシステムを使用して、サンプル中の1つまたは複数の標的核酸を増幅する(存在する場合) (ii)増幅された標的核酸を1つ以上のシグナル伝達物質に直接的または間接的に結合し、標的核酸が存在する場合にシグナル伝達物質を検出する (iii)試料中に存在する場合、増幅された標的増幅核酸を検出する。標的核酸が試料中に存在しない場合、シグナルは検出されない
【0024】
別の態様では、本方法は、(i)1つ以上の標的核酸を含む疑いのある試料を試料分析の試料調製リザーバ内の流体に導入することを含むか、またはそれから本質的になる カートリッジ;(ii)本明細書に記載の核酸プライマーおよび/またはシステムを使用して、存在する場合、試料中の1つまたは複数の標的核酸を増幅すること; (iii)増幅された標的核酸を1つ以上のシグナル剤に直接的または間接的に結合し、存在する場合に増幅された核酸を検出する工程;(iv)一態様では、 増幅された標的増幅核酸を試料中に存在する場合、増幅された標的増幅核酸を検出することは、試料調製リザーバから、1つ以上の増幅された標的核酸を含む分析チャネルに流体を放出することを含む 酸は、1つ以上のシグナル剤に直接的または間接的に結合し;(v)基材を、センサー上に局在化されたシグナル剤と反応させる; (vi)反応した基質シグナル伝達剤複合体を電気的に刺激して、センサーによって検出される1つまたは複数の信号を生成するステップであって、 各基質シグナル伝達剤複合体のシグナルは、1つ以上の増幅された核酸標的に対するシグナル剤のそれぞれの電位に基づく;および(viii)1つ以上のシグナルを処理して、 1又は増幅された標的核酸の不在又は量。標的核酸が試料中に存在しない場合、シグナルは検出されない
【0025】
いくつかの実施形態では、カートリッジは、本明細書に記載の組成物を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のシグナル伝達剤はそれぞれ、検出可能である1以上の増幅された標的核酸の各々に特異的な電位。いくつかの実施形態では、各1つ以上の増幅核酸の検出可能電位は異なる
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】3つのサブ領域を含む未修飾浸潤オリゴヌクレオチド(IOプライマー)の構造の概略図を示す 5'-3'に列挙されるサブ領域は、(1)ポリdCサブ領域(長さ:7-13塩基)、(2)標的に相同であるDNAサブ領域(長さ:25-35塩基)、および(3)標的に相同であるメチル化RNAサブ領域である(長さ: 7-13塩基)。メチル化RNA領域は、2'-O-メチルRNA (2'Ome)ヌクレオチドを含む
【0027】
図2】元のIOプライマーを用いた場合の非特異的増幅産物の模式図である 特に、IOプライマーを鋳型として使用し、これは、COVID-19PCT試験における偽陽性の原因である自己調化を引き起こす COVID 19IOプライマーおよび内部対照リバースプライマーは、両方とも予想外に位置合わせされて、CO VID-19増幅反応からの産物の配列決定において観察されるハイブリッド配列リードの一部を生成する
【0028】
図3】多重アッセイにおける偽陽性率(FPR)を低くしないために最適化された改良された新規な組換え核酸プライマー設計の構造の概略図を示す 改善は、(1)余分な2'-O-メチルRNA (2'0ME)部位および(2)5'ヘアピンループ領域の添加を含む
【発明を実施するための形態】
【0029】
詳細な説明
以下、種々の実施形態について説明する。特定の実施形態は、網羅的な説明として、または本明細書で論じられるより広範な態様への限定として意図されていないことに留意されたい 特定の実施形態に関連して説明される一態様は、必ずしもその実施形態に限定されず、任意の他の実施形態で実施することができる
【0030】
本開示の一態様は、組換え核酸プライマー(本明細書ではオリゴヌクレオチドまたはプローブとも呼ばれる)を提供する。本開示の別の態様は、核酸増幅プロセスを提供する(例えば、 等温増幅プロセス)本明細書に記載の組換え核酸プライマーを含む等温増幅プロセス。別の態様は、組換え核酸プライマーを含む組成物を提供する さらに別の態様は、本明細書に記載の組成物および/または組換え核酸プライマー(オリゴヌクレオチド)を含む増幅デバイスを提供する
【0031】
本技術の実質的な理解を提供するために、本方法のいくつかの態様、モード、実施形態、変形、および特徴は、以下に詳細に説明されることを理解されたい
【0032】
一態様では、本開示は、二本鎖の侵入を促進するために酵素(UvsXなどのリコンビナーゼ)に結合する非機能性プライマーとして使用するための新規な組換え核酸プライマーのエンジニアリングに基づく 核酸および等温増幅中に二本鎖DNAをアンジップすること。新規な組換え核酸プライマーは、等温増幅プロセスの感度および効率を改善し、偽陽性の速度を排除する および/または偽陰性試験は、疾患の診断および予後診断のための単一または多重アッセイで使用される。COVID-19試験のような多重試験の精度を向上させることは、 偽陰性試験は、個体の不必要なストレスおよび不要な週に長い単離をもたらし得るため、重要である
【0033】
また、本明細書では、(i)ヘアピン領域、(ii)標的核酸の配列に対して相補的である第1のメチル化RNA領域を含むか、またはそれらからなる組換え核酸プライマー(オリゴヌクレオチド;IOプライマー)も提供される (iii)標的核酸の配列に相補的な標的結合領域;および(iv)標的核酸の配列に相補的な第2のメチル化RNA領域 新規な組換え核酸プライマーは、非特異的増幅産物を低減した高度に特異的かつ高感度な増幅プロセスを提供する
【0034】
新規な組換え核酸プライマー(浸潤オリゴヌクレオチド(IO)プライマー)設計は、非特異的増幅に耐性である。これは、多重アッセイを使用して臨床設定において良好に行う等温増幅化学を改善する 特に、新規な組換え核酸プライマー(IOプライマー)設計は、多重化(2プレックス、3プレックス、4プレックスなど)アッセイの特異性および感度を大幅に改善する
【0035】
組換え核酸プライマー(すなわち、IOプライマー)の多くは、鋳型核酸の標的領域と相同である(相補的な100%)大きな領域を含む 組換え核酸プライマーはまた、等温増幅で使用される順方向プライマーおよび逆方向プライマー(それぞれ15-25ヌクレオチド)との重複領域を含む反応。リバースプライマーおよびフォワードプライマーは、IOプライマーの領域と部分的に相同であるように設計されている(順方向および逆方向プライマー長の50%未満) 出願人は、当技術分野で知られているIOプライマーにアニーリングされた順方向または逆方向プライマーが、5'末端を越えて組換え核酸プライマーを増幅し、結果として増幅をもたらすことを観察した 組換え核酸プライマー(すなわち、自己テンプレーティング増幅)。図2を参照すると、そのような反応の増幅産物は、自己テンプレーティング増幅によって引き起こされた非特異的生成物であった IOプライマーおよび組換え核酸プライマーの多くは、鋳型核酸の標的領域に相同な大きな領域を含むので、自己テンプレーティング増幅は、IOプライマーを導入するときに特定の問題である したがって、IOのコピーが自己調質によって増幅されるとき、増幅された生成物は、テンプレート核酸のほぼ完全な標的領域を含む
【0036】
IOプライマーおよび組換え核酸プライマーとの重複領域は、自己調化のメカニズムに寄与するのに役立ち、これは、COVID-19試験などの多重アッセイにおいて偽陽性の結果であることが見出された 対照的に、出願人の組換え核酸プライマーは、自己テンプレーティング増幅を防止する。特に、本出願人の組換え核酸プライマーのヘアピン構造及び第1のメチル化RNA領域は、前方又は リバースプライマーは、出願人のプライマーに対してアニーリングせず、最終的には、鎖置換ポリメラーゼは、組換え核酸プライマーの5'末端を超えて組換え核酸プライマーを増幅せず、 これは、このヘアピン構造を欠いている当該技術分野において公知で使用されている類似のブロッキングプライマー(例えば、IOプライマー)で一般的に観察された
【0037】
いくつかの実施形態では、ヘアピン領域は、5'ヘアピンループ領域及びステム領域を含む。いくつかの実施形態では、5'ヘアピンループ領域は、ポリC領域及び非隣接部分への隣接部分を含む 非隣接部分は、隣接部分に対して5'であり、ヘアピンの非隣接部分は、ステム領域にハイブリダイズし、 ヘアピンループ領域の非隣接部分は、ステム領域のポリデオキシシチジル酸(ポリ-dC)領域に相補的なポリデオキシグアニル酸(ポリ-dG)配列を含むか、またはそれからなる いくつかの実施形態では、ヘアピンループ領域の非隣接部分は、ステム領域のポリデオキシグアニル酸(ポリ-dG)配列に相補的なポリデオキシシチニル酸(ポリ-dC)配列を含む。いくつかの実施形態では、ステム領域は、ポリデオキシシチニル酸(ポリ-dC)領域を含み、および/または、ステム領域は、少なくとも約7-13の連続するdC塩基を含む
【0038】
ステム領域のポリデオキシシチニル酸(ポリ-dC)領域がヘアピンループ構造のポリdGと相互作用すると、ポリdGsポリ-DCペアリングから形成された天然の二次構造が形成される ヘアピン領域のC-Gステムの結合が特に強いため、ヘアピン領域のC-Gステムは、鎖置換ポリメラーゼがC-G領域を通って処理するのを防止する 出願人は、この偽陽性現象を遅らせるようにヘアピンの幹領域を設計した
【0039】
いくつかの実施形態では、組換え核酸プライマーは、標的核酸の配列に相補的な第1のメチル化RNA領域を含むか、またはそれからなる および標的核酸の配列に相補的である第2のメチル化RNA領域。いくつかの実施形態では、第1のメチル化RNAまたは第2のメチル化領域は、2'-O-メチルRNA (2'0ME)ヌクレオチドを含む 別の態様では、組換え核酸プライマーは、組換え核酸プライマーの5'末端(ヘアピン領域のちょうど3')および組換え核酸プライマーの3'末端に非常に近い第1のメチル化RNAを含む これらの2'O-メチル化RNAは、"ポリメラーゼをノックアウトするのに役立つ。これらは、ポリメラーゼが2'を通るハード時間処理を有するため、組換え核酸プライマーから鎖置換ポリメラーゼを蹴るのを助ける速度バンプとして作用する O-メチル塩基。一態様では、それらは、鎖置換ポリメラーゼが組換え核酸プライマーを鋳型として使用することを可能にしないことによって、自己調化現象を防止するために、5'末端および3'末端の近位に近位である
いずれの方向においても、ヘアピン構造及び第1及び第2のメチル化RNA力増幅は、共により特異的であるため、 IOを困難にする組換え核酸プライマーの5'末端のヘアピン構造の複数の特徴(メチル化RNA又は他の修飾塩基)又はヘアピン構造のステムループが存在する 複製のためのテンプレートとなることは、偽陽性の結果をもたらすであろう
【0040】
本開示の別の態様は、本明細書に記載の組換え核酸プライマーを含む核酸増幅プロセス(例えば、等温増幅プロセス)を提供する 別の態様は、組換え核酸プライマーを含む組成物を提供する。さらに別の態様は、本明細書に記載の組成物および/または組換え核酸プライマー(オリゴヌクレオチド)を含む増幅デバイスを提供する
【0041】
本開示の一態様は、ヘアピン領域と、標的核酸の配列と相補的な標的結合領域とを含む組換え核酸プライマー(オリゴヌクレオチド;IOプライマー)を提供する 標的結合領域は、ポリメラーゼによる組換え核酸プライマーの増幅を防止するために、少なくとも1つの修飾ヌクレオシド(塩基)を含む
I。定義
【0042】
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、一般に、この技術が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する 本明細書および添付の特許請求の範囲において使用されるように、単数形は、内容が別段明確に指示しない限り、複数の指示対象を含む 例えば、細胞への参照は、2つ以上の細胞の組み合わせなどを含む。一般に、本明細書で使用される命名法および細胞培養、分子遺伝学、有機化学、 以下に記載される分析化学および核酸化学およびハイブリダイゼーションは、当技術分野でよく知られており一般的に採用されているものである 数値範囲に関して本明細書で使用される場合、用語"約"、約"約"、"実質的に、"、および類似の用語は、当業者によって理解され、それが存在する文脈に応じて、ある程度変化するであろう 使用。当業者には明らかでない用語の使用がある場合、それが使用される文脈を考慮すると、用語は、開示された値のプラスまたはマイナス10%である 約、約、約、略、略、および類似の用語が、構造的特徴に適用される場合(例えば、その形状、サイズ、向き、方向などを説明するために) これらの用語は、例えば、製造プロセスまたは組み立てプロセスに起因する可能性がある構造の軽微な変形をカバーすることを意味し、一般的な使用および受け入れられた使用と調和した広い意味を有することが意図されている 本開示の主題が関連する当業者は、本開示の主題が関連する。したがって、これらの用語は、記載及び特許請求される主題の実質的でない又は重要でない改変又は改変を示すものとして解釈されるべきである 添付の特許請求の範囲に記載される本開示の範囲内であると考えられる
【0043】
要素を説明する文脈(特に、以下の特許請求の範囲の文脈において)における用語"a"および""ならびに類似の指示対象の使用は、単数形および複数形の両方をカバーするように解釈されるべきであり、 本明細書に別段の指示がない限り、または文脈と明らかに矛盾しない限り。本明細書における値の範囲の列挙は、単に範囲内に入る各別個の値を個々に参照する簡単な方法として機能することを意図しているにすぎない 本明細書に別段の指示がない限り、それぞれの別個の値は、本明細書に個々に記載されているかのように本明細書に組み込まれる 本明細書に記載のすべての方法は、本明細書に別段の指示がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実行することができる。任意の及び全ての例、又は例示的な言語の使用(例えば、 本明細書に提供されるものなどの)は、単に実施形態をよりよく照らすことを意図しており、特に明記しない限り、特許請求の範囲の範囲を限定するものではない 明細書中のいかなる言葉も、任意の請求されていない要素を本質的に示すものと解釈されるべきではない
【0044】
本明細書で使用される場合、用語"サンプル"または核酸サンプルとは、核酸を含むかまたはそれを含むと推定される任意の物質を指し、例えば、細胞抽出物、組織抽出物、または流体抽出物を含み、 またはそのような細胞、組織、または流体抽出物から精製または単離された任意のポリヌクレオチド(単数または複数)は、血漿、血清、痰、皮膚、脊髄液、リンパ液、滑液、尿、涙、血球、器官、腫瘍、 全血、骨髄、羊水、毛髪、精液、肛門分泌物、膣分泌物、発汗、唾液、頬側スワブ、およびin vitro細胞培養成分の試料(これに限定されないが、 細胞培養培地、組換え細胞、および細胞成分における細胞(原核細胞および真核細胞を含む)の増殖に起因する馴化培地
【0045】
サンプルは、医療処置または生検などの医療処置または介入中に個体または生物から得られた細胞外植体または組織外植体を含むことができる 環境源からの核酸試料もまた、本明細書に記載の方法を適用することができる試料の間に含まれる 標的ポリヌクレオチドは、当技術分野で知られている様々な手順のいずれかを使用して、そのような試料から単離することができることが理解されるであろう 標的ポリヌクレオチドは、機械力、超音波処理、制限エンドヌクレアーゼ切断、または当技術分野で知られている任意の方法のような処置の使用を含む、分析の前に切断または剪断され得ることが理解されるであろう 一般に、本教示の標的ポリヌクレオチドは一本鎖であるが、いくつかの実施形態では、標的ポリヌクレオチドは二本鎖であり得、単一鎖は変性に起因し得る 本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、別個の分離ステップはなく、方法は、例えば細胞抽出物または溶解物、組織抽出物または溶解物など、対象の試料に対して直接実行される または流体抽出物。
【0046】
本明細書で使用される場合、用語"核酸"、"ポリヌクレオチド"、または"オリゴヌクレオチド"は、一般に、任意のポリリボヌクレオチドまたはポリデオキシリボヌクレオチドを指し、修飾されていないRNA、修飾されていないDNA、修飾されたRNA、および修飾されたDNAを含む ポリヌクレオチドとしては、限定されないが、一本鎖DNAおよび二本鎖DNAおよびRNAポリヌクレオチドが挙げられる。本明細書で使用されるポリヌクレオチドという用語は、化学的に、酵素的に、または代謝的に修飾された形態のポリヌクレオチドを包含し、 DNAおよびRNAの天然に存在する化学的形態、ならびに、例えば、単純な(原核生物)細胞および複合体(真核生物)細胞を含む、ウイルスおよび細胞に見出されるDNAおよびRNAの天然に存在する化学的形態 本明細書に記載の核酸ポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドは、その同族相補鎖にハイブリダイズする能力を保持する 核酸試料は、重合反応のための鋳型および/または基質として機能する核酸を含む。本明細書に記載の方法に有用なポリヌクレオチドは、単離されたまたは精製されたポリヌクレオチドであり得る それは、増幅反応における増幅ポリヌクレオチド、またはインビトロ転写反応からの転写産物であり得る
【0047】
したがって、本明細書で使用されるように、核酸、ポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドという用語はまた、プライマーおよびプローブ、ならびにオリゴヌクレオチドフラグメントを包含し、ポリデオキシリボヌクレオチド(2-デオキシ-D-リボースを含む)に一般的である ポリリボヌクレオチド(D-リボースを含む)、およびプリンまたはピリミジン塩基のN-gly側である任意の他のタイプのポリヌクレオチド、または修飾プリンもしくはピリミジン塩基(限定はしないが、塩基部位を含む) 用語と核酸との間の長さの意図された区別は存在せず、これらの用語は互換的に使用される。これらの用語は、分子の主要構造のみを指す オリゴヌクレオチドは、必ずしも存在するまたは天然の配列から物理的に誘導されるわけではなく、化学合成、DNA複製、DNA増幅、逆転写、またはそれらの任意の組み合わせを含む、任意の様式で生成することができる
【0048】
本明細書で使用される場合、用語"非伸縮性ヌクレオチド"は、ポリメラーゼによるポリヌクレオチド鎖の伸長を防止するヌクレオチドを指す そのようなヌクレオチドの例は、リボース環上に3'-ヒドロキシルを欠くジデオキシヌクレオチド(ddA、ddT、ddG、ddC)を含み、それによってDNAポリメラーゼによる3'伸長を防止する そのようなヌクレオチドの他の例としては、限定するものではないが、オリゴの3'末端に組み込むことができ、DNAポリメラーゼによる伸長を阻害する3'-3'結合をもたらす反転塩基が挙げられる 追加の非伸長ヌクレオシドが、本明細書で議論される
【0049】
本明細書で使用される場合、用語、標的核酸、標的RNA、標的DNA、標的オリゴヌクレオチド、γおよび標的ポリヌクレオチドは、目的の核酸を指し、例えば、特定のヌクレオチド配列の核酸は、本明細書に記載のアプローチを使用して、試料中で増幅、検出、および/または定量することを望む 標的ポリヌクレオチドは、任意の供給源から得ることができ、任意の数の異なる組成成分を含むことができる。例えば、標的は核酸であり得る(例えば、 DNAまたはRNA)、トランスファーRNA、sRNA、および核酸類似体または他の核酸模倣体を含むことができる。標的は、メチル化、非メチル化、またはその両方であり得る。標的は、硫酸塩処理され、非メチル化シトシンがウラシルに変換され得る さらに、標的ポリヌクレオチドは、標的ポリヌクレオチド自体、ならびにその代用物、例えば増幅産物、および天然配列を指すことができることが理解されるであろう いくつかの実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、希少変異を含む核酸配列である。用語は、一本鎖または二本鎖ポリヌクレオチド分子を指すことができる(例えば、 その場合、RNA、DNA、またはその特定の鎖は、例えば、標的核酸のアニールまたはハイブリダイズのために特異的なオリゴヌクレオチドプライマーである 本明細書で使用される標的核酸は、ヘアピンバーコードプライマーなどの標的特異的オリゴヌクレオチド分子と相補的(例えば、長さが39-61塩基)である配列の少なくとも一部を有する
【0050】
本明細書で使用される場合、他の用語"偽陽性率"または"FPR"は、陽性(偽陽性)として報告された陰性サンプルの数の商を、偽陽性および真の陰性サンプルの総数の合計で除算した商を指す 負(FPR=[偽陽性]/(偽陽性+真陰性)])。いくつかの実施形態では、FPRは、偽陽性(FP)の総数と真の総数との合計に対する偽陽性(FP)の総数の商を意味する 陰性(TN)(FPR=FP/(FP+TN))
【0051】
本明細書で使用される場合、真陽性率(TPR)は、真陽性(TP)の総数と偽陰性(FN)の総数(PR=TP/(TP+FN))の合計に対する真陽性(TP)の総数の商である 本明細書で使用される場合、"真陰性率"または"TNR"という用語は、偽陽性(FP)および(TN)の総数(TNR=TN/(FP+TN))の合計に対する真陰性(TN)の総数の商を意味する 本明細書で使用される場合、偽陰性率εまたはγFNRは、真陽性(TP)の総数と偽陰性(FN)の総数(FNR=FN/(TP+FN))の合計に対する偽陰性(FN)の総数の商である
【0052】
本明細書で使用される場合、用語"ヘアピン"又は"ステムループ"は、プライマーが閉鎖構成にあるときに形成するステムループプライマーの部分的に二本鎖の領域又は構造を指す
【0053】
本明細書で使用される場合、用語"相補性"または"相補性"は、塩基対形成規則に関連するポリヌクレオチド(すなわち、オリゴヌクレオチドまたは標的核酸などのヌクレオチドの配列)に関して使用される 相補性は、一部の核酸塩基のみが塩基対合規則に従ってマッチングされる、部分的であってもよい。または、核酸間の完全なまたは全体的な相補性が存在してもよい 核酸鎖間の相補性の程度は、核酸鎖間のハイブリダイゼーションの効率および強度に有意な効果を有する これは、増幅反応、ならびに核酸間の結合に依存する検出方法において特に重要である いずれの用語もまた、個々のヌクレオチドに関して、特にポリヌクレオチドの文脈内で使用され得る。例えば、オリゴヌクレオチド内の特定のヌクレオチドは、その相補性またはその欠如のために留意され得る 他の核酸鎖内のヌクレオチドに、対照的に、または残りのオリゴヌクレオチドと核酸鎖との間の相補性と比較して、である
【0054】
本明細書で使用される場合、用語"ハイブリダイゼーション"は、相補的核酸のペアリングに関して使用される。ハイブリダイゼーションおよびハイブリダイゼーションの強さ(すなわち、 核酸間の会合の強さは、核酸間の相補性の程度、関与する条件のストリンジェンシー、および形成されたハイブリッドのTmなどの因子によって影響される ハイブリダイゼーションの方法は、1つの核酸を別の相補的な核酸、すなわち相補的なヌクレオチド配列を有する核酸にアニーリングすることを含む 相補的配列を含有する核酸の2つのポリマーが互いに発見し、塩基対合相互作用を介してアニールする能力は、よく認識された現象である Marmur and Lane、Proc Natl Acad Sci USA 46:453(1960)およびDoty et al、Proc Natl Acad Sci。by Marmur and Lane、Proc Natl Acad Sci USA 46:461(1960)の後に、このプロセスを現代生物学の本質的なツールに改良した
【0055】
本明細書で使用される核酸配列の相補体は、一方の配列の5'末端が他方の3'末端と対になるように核酸配列と整列したときに、逆平行会合であるオリゴヌクレオチドを指す 天然核酸において一般に見出されない特定の塩基は、本開示の核酸に含まれ得、例えばイノシンおよび7-デアザグアニンを含む 相補性は完全である必要はなく、安定した二本鎖はミスマッチ塩基対または不一致塩基を含有してもよい。核酸技術の当業者は、以下を含むいくつかの変数を考慮して、二重安定性を経験的に決定することができる 例えば、オリゴヌクレオチドの長さ、塩基組成及びオリゴヌクレオチドの配列、イオン強度及びミスマッチ塩基対の発生率
【0056】
本明細書で使用される場合、オリゴヌクレオチドプライマーとは、標的核酸の配列の一部にアニーリングすることができるポリヌクレオチド分子(すなわち、DNA、RNA、人工ヌクレオチド、またはそれらの組み合わせ)を指す ポリメラーゼ酵素のための3'末端基材を提供して、ポリヌクレオチドがアニーリングされる核酸に相補的な酵素延長生成物を生成する オリゴヌクレオチドプライマーは、2つ以上のプライマーを指すことができ、例えば、精製された制限消化のように天然に存在することができ、または合成的に生成された分子を指すことができる オリゴヌクレオチドプライマーは、プライマー伸長が触媒され得る条件下に置かれたとき、標的核酸の配列に相補的な鎖の合成のための開始点として作用することができる プライマーは、増幅における最大効率のために一本鎖であることが好ましい。開始および伸長の条件は、通常、4つの異なるデオキシリボヌクレオシド三リン酸(dNTP)および重合誘導剤の存在を含む DNAポリメラーゼまたは逆転写酵素などの適切な緩衝液(緩衝液は、酵素反応のための補因子である、および/またはpH、イオン強度などに影響を及ぼす成分を含む)および適切な温度での成分を含む
【0057】
本明細書で使用される場合、"多重増幅"という用語は、同じ反応における複数の異なる標的核酸配列の増幅を指す(例えば、PCR PRIMER、A LABORATORY MANUAL (Dieffenbach、ed 1995)Cold Spring Harbor Press、pages 157-171)。本明細書で使用する場合、多重増幅は、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、 少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも30以上の標的 、少なくとも50、少なくとも100、少なくとも250、少なくとも500、少なくとも750、少なくとも1000、少なくとも5000以上の標的
【0058】
本明細書で使用される場合、本発明を含む用語"は、本発明の組成物、方法、およびそのそれぞれの成分(複数可)を参照して使用されるが、これは、有用であるか否かにかかわらず、実施形態に有用であるが、未指定の要素を含むことには開放されている
【0059】
本明細書で使用される場合、実質的に"からなる"という用語は、所与の実施形態のためのそれらの要素を指す。この用語は、その実施形態の基本的および新規または機能的特性に実質的に影響しない要素の存在を可能にする
【0060】
本明細書で使用される場合、用語"浸潤オリゴヌクレオチド"または"浸潤プライマー"または"IOプライマー"は、標的上のプライマー結合部位間のハイブリダイゼーションの領域に近い位置で標的核酸にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドを指す 核酸は、浸潤プライマーが、順方向プライマー結合部位と逆方向プライマー結合部位との間のハイブリダイゼーションの領域と重複する部分(例えば、化学部分、またはその標的に相補的であるかどうかに相補的であるか否か)を含む 標的上には、下記式(1)で表される化合物が含まれる。例えば、Hoser et al、PlosOne 9(1l):el 12656(2014)DOI:10。1371/仕訳。pone。Ol 12656を参照されたい。
組換え核酸プライマー
【0061】
一態様では、本開示は、ヘアピン領域を含む組換え核酸プライマー(すなわち、修飾浸潤オリゴヌクレオチド;ヘアピン浸潤オリゴヌクレオチド)を提供する 標的核酸の配列に相補的である標的結合領域。標的核酸は、二本鎖または一本鎖であり得、DNAまたはRNAであり得る
【0062】
一態様では、本開示は、(i)ヘアピン領域を含むか又はそれからなる組換え核酸プライマー(すなわち、修飾浸潤オリゴヌクレオチド;ヘアピン浸潤オリゴヌクレオチド)を提供する (ii)標的核酸の配列に相補的な第1のメチル化RNA領域;(iii)標的核酸の配列に相補的な標的結合領域 (iv)標的核酸の配列に相補的である第2のメチル化RNA領域。図3に示すように、組換えanr核酸プライマーは、長さが約39-100塩基であり、4つのサブ領域を含む 5'-3'に列挙されるサブ領域は、(1)約10-20塩基であるヘアピンループ構造;(2)約7-13塩基長を有するポリdCサブ領域(ヘアピンステム構造); (3)標的核酸領域と相同であり、長さが約25-35塩基または約25-50塩基であったDNAサブ領域;および(4)I sbout 1-4ヌクレオチドである第1のメチル化領域 および(5)長さ7-13塩基であるメチル化RNAサブ領域
【0063】
本開示の相同組換え酵素指向型等温増幅プロセスの間、リコンビナーゼは、一本鎖DNA (ssDNA;プライマー、またはプローブ)に結合し、これを被覆して、核酸複合体またはフィラメントを形成する 次いで、このヌクレオタンパク質複合体またはフィラメントは、標的二本鎖DNA (dsDNA)モリエルを走査して、結合ssDNA (プライマーまたはプローブ)と配列相同性の領域を同定する リコンビナーゼヌクレオタンパク質/フィラメントによる相同二重鎖の位置は、標的二本鎖DNAの浸潤(開口)、およびssDNAと二本鎖DNAとの間の相同関節の形成をもたらす これにより、鎖交換がもたらされ、その間、核タンパク質フィラメント内に含まれるssDNAは、標的二本鎖DNAの相補鎖とWatson-Crick塩基対を形成し、 -dsDNA中の非相補鎖を変位させる。鎖交換によって形成されたハイブリッドDNAは、ポリメラーゼおよび他の組換え因子によってさらに処理され、最終的に2つの無傷のDNA二本鎖に降伏する
【0064】
RPAなどの当技術分野で知られている等熱増幅の間、フォワードプライマーおよび/またはリバースプライマーは、二本鎖DNAの在庫を容易にするためにリコンビナーゼに結合する一本鎖DNAとして機能する 本開示では、組換え核酸プライマー(長/非伸縮性オリゴヌクレオチドとしても参照される)、改変浸潤オリゴヌクレオチドプライマー;改変IOプライマー オリゴヌクレオチド)は、標的二本鎖DNAの侵入を促進し、dsDNAをほどくために、唯一の役割がリコンビナーゼを結合することである非機能性プライマーとして機能する 本開示の組換え核酸プライマーは、等温増幅中の二本鎖核酸二本鎖の分離を促進する それによって、フォワードプライマーおよびリバースプライマーが、リコンビナーゼ酵素とは独立した標的分子上のそれらのそれぞれの相補的な一本鎖DNAに結合することを可能にする しかしながら、組換え核酸プライマーは、増幅反応中に標的核酸結合のためのプライマーと競合しない 組換え核酸プライマーの構造は、等温増幅プロセス中のその機能を促進する
1.ヘアピン領域
【0065】
組換え核酸プライマーのいくつかの実施形態では、ヘアピン領域は、5'ヘアピンループ領域及びステム領域を含む 組換え核酸の5'末端のヘアピン領域は、組換え核酸プライマーがそれ自体のテンプレートとして作用するのを防止する剛性ステムを形成するように設計された いくつかの実施形態では、5'ヘアピンループ領域は、約25-約65ヌクレオチド長である
【0066】
いくつかの実施形態では、5'ヘアピンループ領域は、ステム領域及び非隣接部分に隣接する部分を含む いくつかの実施形態では、非ADJ部分は、隣接部分に対して5'であり、ヘアピンループ領域の非隣接部分は、ステム領域にハイブリダイズする
【0067】
いくつかの実施形態では、5'ヘアピンループ領域の5'末端部分は、10-30塩基長(例えば、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、又は30塩基長)である 他の実施形態では、5'ヘアピンループ領域の5'末端部分は、長さが15-25塩基である。いくつかの実施形態では、組換え核酸プライマーの5'ヘアピンループ領域は、8-15ヌクレオチド長である(例えば、 、8、9、10、11、12、13、14、又は15ヌクレオチド)
【0068】
ヘアピン領域は、典型的には、約18-約50ヌクレオチド、より典型的には約25-約40ヌクレオチドを含む いくつかの実施形態では、ヘアピンループ領域の非隣接部分は、ポリデオキシシチニル酸(ポリ-dC)領域に相補的なポリデオキシグアニル酸(ポリ-dG)配列を含む いくつかの実施形態では、ポリdC領域は、ステム領域の一部である。いくつかの実施形態では、ヘアピンループ領域の非隣接部分は、ポリデオキシグアニル酸に相補的なポリデオキシシチニル酸(ポリ-dC)配列を含む (ポリ-dG)幹領域の領域
【0069】
ヘアピン構造の形成は、実質的な反平行な相補性を有する2つの部分領域の設計を介して達成される 。ストリンジェントな条件下で特異的にハイブリダイズするのに十分な相補性が反対方向に進行し、それによってステム領域を形成する 実質的に互いに相補的な領域の間には、分子内にハイブリダイズしない非相補的配列が介在し、したがって、二本鎖茎の形成時に一本鎖ループ構成を有する 領域。ループ領域内のヌクレオチドの数および塩基組成は、ステムの互いに相補的な部分領域がハイブリダイズすることを可能にするように選択される 例えば、ループ領域は、幹領域のいずれかの鎖との実質的な相補性を回避するように設計され、典型的には、3-20ヌクレオチド、より典型的には3-10ヌクレオチド、最も典型的には5-8ヌクレオチドを有する
【0070】
いくつかの実施形態では、所望の相対的安定性の二本鎖ハイブリッドがあるように、反対方向に走る2つの領域の実質的な相補性のために、ステム領域内のヌクレオチドの数およびベース組成が選択される ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で形成された。典型的には、幹領域は、典型的には、14-46ヌクレオチド(すなわち、ステムの各鎖に対して7-23ヌクレオチド)、より典型的には16-40ヌクレオチドを有する(すなわち、 -ステムの各ストランドについて8-20ヌクレオチド)、最も典型的には20-32ヌクレオチド(すなわち、ステムの各ストランドについて10-16ヌクレオチド) 標的結合領域は、ヘアピン領域と重ならず、典型的には少なくとも3または少なくとも6ヌクレオチド、より典型的には少なくとも10ヌクレオチド、さらにより典型的には少なくとも14または少なくとも17ヌクレオチドであり、 さらにより典型的には、少なくとも25個または少なくとも30個のヌクレオチド長である。長さが20塩基を超える相補的な配列を有する標的結合領域が一般に好ましい
【0071】
標的結合領域の長さおよびベース組成は、一般に、取り付けられたヘアピン構造の形成を妨げないように選択され、それ自体では、それ自体が同等以上の熱安定性を有するステムループ構造を形成しないように選択される 標的核酸の特異的検出に適したハイブリダイゼーション条件下で、標識されたステムループ構造。標的結合領域のヌクレオチド配列は、例えば、所定の、ランダムな、または縮重であり得る 例えば、所定の標的結合領域は、例えば感染因子に関連する核酸などの所定のポリヌクレオチドと実質的な相補性を有するように設計することができる(例えば、 例えば、H 1NまたはEBV核酸などのウイルス核酸)
【0072】
いくつかの実施形態では、標的核酸は、コロナウイルス科ウイルス、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)、ポリオウイルス、西ナイルウイルス、Chikungunyaウイルス、Ebolaウイルス、 Lasaウイルス、デングウイルス、SARSコロナウイルス、中東呼吸症候群(MERS)コロナウイルス、Juninウイルス、C型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、インフルエンザaウイルス、インフルエンザBウイルス、インフルエンザCウイルス、ワクシニアウイルス、 バリオラウイルス、ポリマウイルス、Poxウイルス、ヘルペスウイルス、サイトメガロウイルス(CMV)、ヒト免疫不全ウイルス、JCウイルス、JCポリマウイルス(JCV)、BKポリマウイルス(BKV)、サルウイルス40(SV 40)、モンキーPoxウイルス、マルバーグウイルス、 Bunyavirus、arenavirus、αウイルス、又はフラビウイルス。いくつかの実施形態では、標的核酸はコロナウイルス科ウイルスからのものである SARS-CoV-1、SARS-CoV-2、MERS-CoV、P-コロナウイルス、HCoV-OC 43、HCoVHKUl、HCoV-NL 63、またはHCoV-229Eから選択される
【0073】
いくつかの実施形態では、ヘアピン領域のステム領域は、ポリデオキシシチニル酸(ポリ-dC)領域を含む。いくつかの実施形態では、ステム領域は、少なくとも約1-20;少なくとも約5-20;少なくとも約6-20;少なくとも約7-20; 少なくとも約10-20;少なくとも約1-15、少なくとも約5-15、少なくとも約6-15、少なくとも約7-15;少なくとも約10-15;少なくとも約1-13;少なくとも約5-13;少なくとも約6-13;少なくとも約7-13;少なくとも約10-13; 少なくとも約1-10;少なくとも約5-10;少なくとも約 6 連続dC塩基。いくつかの実施形態では、ステム領域は、少なくとも約を含む 7 -13個の連続するdC塩基
2. 修飾ヌクレオシド
【0074】
本開示の組換え核酸プライマーは、等温増幅中の二本鎖核酸二本鎖の分離を促進する それによって、フォワードプライマーおよびリバースプライマーが、リコンビナーゼ酵素とは独立した標的分子上のそれらのそれぞれの相補的な一本鎖DNAに結合することを可能にする しかしながら、組換え核酸プライマーは、増幅中に標的核酸結合のためのプライマーと競合しない さらに、本開示の組換え核酸プライマーは、組換え体の増幅を防止するために、標的結合領域が少なくとも1つの修飾ヌクレオシド(塩基)を含むため、DNAポリメラーゼの基質ではない ポリメラーゼによる核酸プライマー。オリゴヌクレオチドのポリメラーゼ増幅をブロックする多数のヌクレオシド修飾が当業者に知られている 当業者には、200を超える市販のDNAおよび/またはRNAオリゴヌクレオチド修飾が存在する。これらの修飾ヌクレオシドは、例えば、Sigma-AldrichまたはIntegrated DNA Technologiesで見出すことができる。例えば、σaldrichを参照されたい com/deepweb/アセット/σアルドリッチ/マーケティング/グローバル/ドキュメント/373/354/custo m-オリゴヌクレオチド-修飾-ガイド。pdf;idtdna。com/site/カタログ/改変/カテゴリ/7 いくつかの実施形態では、組換え核酸プライマー(オリゴヌクレオチド)の標的結合領域は、ポリメラーゼによる組換え核酸プライマーの増幅を防止するために、少なくとも1つの修飾ヌクレオシド(塩基)を含む
【0075】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの修飾ヌクレオシド(塩基)は、5-ニトロインドール;8-オキソ-2'-デオキシグアノシン(8-オキソ-dG);8-オキソ7、8-ジヒドロ-2'-デオキシグアノシン;8-オキソ-デオキシアデノシン(8-オキソ-dA); 5-ヒドロキシメチルデオキシシトシン(5-ヒドロキシメチル-dC);5'-ジメトキシトリチル-N-ベンゾイル-3'-デオキシアデノシン、2'-スクシノイル-長鎖アルキルアミノ-CPG (3'-dA-CPG);5'-ジメトキシトリチル-N-ジメチルホルムアミド-3'-デオキシグアノシン、 2'-スクシノイル-長鎖アルキルアミノ-CPG (3'-dG-CPG);5'-ジメトキシトリチル-N-ベンゾイル-3'-デオキシCytosine、2'-スクシノイル-長鎖アルキルアミノ-CPG (3'-dC-CPG);5'-ジメトキシトリチル-3'-デオキシチミジン、2'-スクシノイル-長鎖アルキルアミノ-CPG (3'-dT-CPG); 3'-デオキシアデノシン;シトシンアラビノシド;反転dT;2'-O-メチルRNAヌクレオチド;2'-O-メチルアデノシン(2'-OMe-A);2'-O-メチルシトシン(2'-OMe-C);2'-O-メチルグアノシン(2'-OMe-G);2'-O-メチルウリジン(2'-OMe-U);イノシン、 または5'-3'ポリメラーゼ増幅をブロックする修飾塩基。いくつかの実施形態では、修飾ヌクレオシドは5-ニトロインドールであり、DNAポリメラーゼのための鋳型として使用される場合、任意の特定の塩基のランダム組み込みを誘導し、部分的にブロックする ポリメラーゼ加工性。いくつかの実施形態では、修飾ヌクレオシドはジデオキシシチジン(ddC)であり、これはDNAポリメラーゼによる3'伸長を防止する3'鎖ターミネーターである。いくつかの実施形態では、修飾ヌクレオシドは、Inverted dTである 逆dTをオリゴの3'末端に組み込み、DNAポリメラーゼによる伸長を阻害する。加えて、Inverted dTは、3'エキソヌクレアーゼによる分解を阻害する。いくつかの実施形態では、修飾塩基は、8-オキソ-dAまたは8-オキソ-dGなどのオキソ基である オキソ塩基は、DNA重合を阻害するために、組換え核酸プライマーの5'末端または内部領域内に配置することができる 3'-dA-CPG、-dC-CPG、-dG-CPG、または-dT-CPGを組換え組換え核酸プライマーの3'末端に配置して、DNAポリメラーゼによる伸長を阻害することができる Ara-Cは、DNA複製を阻害する化学療法剤であり、組換え核酸プライマーの標的結合領域内に配置することができる
【0076】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの修飾ヌクレオシドは、ジデオキシシチジン(ddC)、2'-3'-ジデオキシシチジン(2'、3'ジデオキシ-C)、5'-ジメトキシトリチル-N-スクシノイル-長鎖アルキルアミノ-CPG、2'、3'-デオキシシトシン(2'、 3'-ddC-CPG);2'-3'-ジデオキシアデノシン(2'、3'ジデオキシ-A);又は5'-ジメトキシトリチル-N-スクシノイル-長鎖アルキルアミノ-CPG、2'、3'-デオキシドノシン(2'、3'-ddA-CPG)
【0077】
いくつかの実施形態では、標的結合領域は、C 3スペーサーアミダイト(DMT-l、3-プロパンジオール)で修飾された塩基;C 3スペーサーホスホロアミダイト;C 3スペーサー;C 6スペーサー;ヘキサンジオール;トリエチレングリコールスペーサー(スペーサー9); 18原子のヘキサエチレングリコールスペーサー(スペーサー18);1'、2'-ジデオキシリボース(dSpacer);C 6アミン;ペプチド核酸(PNA);ロック核酸(LNA); または1-ジメトキシトリチルオキシ-プロパゲーションol-3-スクシノイル)-長鎖アルキルアミノ-CPG (3'-スペーサー-C 3-CPG)
【0078】
一実施形態では、ポリメラーゼによる増幅を阻害する少なくとも1つの修飾された塩基は、3'末端、5'末端のうちの1つ以上に位置する または組換え核酸プライマーの標的結合領域の内部領域内の任意の場所で、ポリメラーゼによる増幅を阻害する 一実施形態では、組換え核酸プライマーの標的結合領域の3'末端および5'末端は、1つ以上の修飾塩基を含む。一実施形態では、1つ以上の修飾された塩基は、同じであるか、または異なっている 別の実施形態では、標的結合領域の3'末端および内部領域は、同じかまたは異なる1つまたは複数の修飾された塩基を含む 別の実施形態では、組換え核酸プライマーの標的結合領域の5'末端および内部領域は、1つ以上の修飾塩基を含む。一実施形態では、1つ以上の修飾された塩基は、同じであるか、または異なっている 別の実施形態では、組換え核酸プライマーの標的結合領域の3'末端、5'末端、および内部領域は、1つ以上の修飾塩基を含む 一実施形態では、3'末端修飾、5'末端修飾、および内部修飾のうちの少なくとも2つは、同一であるか、または異なっている
【0079】
いくつかの実施形態では、修飾塩基は、2'-O-メチルRNA (2'0ME)ヌクレオチドであり;任意選択的に、少なくとも1つの2'0MEヌクレオチドを含む領域は、メチル化RNA領域である いくつかの実施形態では、標的結合領域は、第1のメチル化RNA領域および第2のメチル化RNA領域をさらに含む いくつかの実施形態では、第1のメチル化RNA領域は、少なくとも1つの2'0MEヌクレオチド、または少なくとも2つの2'0MEヌクレオチド、または少なくとも3つの2'0MEヌクレオチド、または少なくとも4つの2'0MEヌクレオチド、または少なくとも約52'0MEヌクレオチドを含む 別の実施形態では、第1のメチル化RNA領域は、組換え核酸プライマーの標的結合領域の5'末端に位置する 別の実施形態では、第2のメチル化RNA領域は、標的結合領域の3'末端に位置する。別の実施形態では、第2のメチル化RNA領域は、少なくとも7-少なくとも13個の連続ヌクレオチドを含む 一実施形態では、標的結合領域中の全ての相補的核酸残基は、2'0MEヌクレオチドを含む
5. メチル化RNA領域
いくつかの実施形態では、組換え核酸は、2つのメチル化領域を含む。いくつかの実施形態では、第1のメチル化RNAまたは第2のメチル化領域は、2'-O-メチルRNA (2'OME)ヌクレオチドを含む いくつかの実施形態では、第1のメチル化RNA領域は、標的核酸の配列に対して相補的である。いくつかの実施形態では、第1のメチル化RNA領域は、少なくとも約2'0MEヌクレオチド、または少なくとも約2'0MEヌクレオチドを含む または少なくとも約32'0MEヌクレオチド、または少なくとも約42'0MEヌクレオチド、または少なくとも約52'0MEヌクレオチドである いくつかの実施形態では、第1のメチル化RNA領域は、約1-32'0MEヌクレオチド、約1-62'0MEヌクレオチド、約1-82'0MEヌクレオチド、約1-102'0MEヌクレオチド、 または約1-16の0MEヌクレオチドの間である。いくつかの実施形態では、第1のメチル化RNA領域は、ヘアピン領域のステム領域に近接して、組換え核酸プライマーの5'末端に位置する
【0080】
いくつかの実施形態では、第2のメチル化RNA領域はまた、標的核酸の配列に対して相補的である。いくつかの実施形態では、第2のメチル化RNA領域は、組換え核酸プライマーの3'末端に位置する いくつかの実施形態では、第2のメチル化RNA領域は、少なくとも約7-少なくとも約13個の連続ヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、第2のメチル化RNA領域は、約1-72の0MEヌクレオチドと、 約1-82"0MEヌクレオチド、約1-102"0MEヌクレオチド、約1-122"0MEヌクレオチド、約1-132"0MEヌクレオチド、約1-142"0MEヌクレオチド、約1-212"0MEヌクレオチド、 約1-27"0MEヌクレオチド、または約1-32"0MEヌクレオチドの間である。いくつかの実施形態では、第1のメチル化RNA領域または第2のメチル化RNA領域中のすべての相補的核酸残基は、2'0MEヌクレオチドで置換される
【0081】
2'-O-メチルRNAヌクレオチドは、組換え核酸プライマーが生存可能なポリメラーゼ基質または鋳型ではないことを確実にする 2'-O-メチルRNAヌクレオチドを含むDNAプライマーは、DNAプライマーとして効率的に標的DNAをプライムすることができるが、指数積増幅をもたらすことができない したがって、2'-O-メチルRNAヌクレオチドは、ポリメラーゼが2'O-メチル塩基を通るハード時間処理を有するため、鎖置換ポリメラーゼを蹴るのを助ける速度バンプとして作用する
【0082】
いくつかの実施形態では、第1および第2のメチル化RNA領域の位置は、組換え核酸プライマーの有効性に影響を及ぼす 第1および第2の2'O-メチル化RNAは、"ポリメラーゼをノックアウトし、それによって組換え核酸プライマーの増幅を防止するのに役立つ 第1および第2の2'O-メチル化RNAは、ポリメラーゼが2'O-メチル塩基を通るハード時間処理を有するため、鎖置換ポリメラーゼを蹴るのを助ける速度バンプとして作用する 組換え核酸プライマーの近位5'末端および3'末端の近位に第1および第2のメチル化RNAを配置することは、これらの位置において、 それらは、当該技術分野で知られているIOプライマーで観察される自己テンポ化現象を防止するのに役立つ。したがって、第1および第2のメチル化RNAの、組換え核酸の近位5'末端および3'末端の近位に位置する プライマーはまた、ポリメラーゼが組換え核酸プライマーを鋳型として使用しないことを確実にする。これは、いずれの方向においても等温増幅がより特異的であるように強制する 組換え核酸プライマーの5'末端のヘアピン構造の複数の特徴(メチル化されたRNAまたは他の修飾された塩基)またはヘアピン構造の食事性幹ループが存在する
【0083】
第1のメチル化RNA領域および第2のメチル化RNA領域は、組換え核酸プライマーの非特異的増幅および高い速度の偽陽性結果(FPR)を回避するために、ポリメラーゼをノックアウトするための速度バンプとして作用する 組換え核酸プライマーが鋳型として作用しないことが重要である。これは、組換え核酸プライマーが増幅されるべき標的配列とほぼ完全な相同性を有するため、重要である フォワードプライマー及びリバースプライマーの両方は、組換え核酸プライマーとの自然なオーバーラップを有する。第1のメチル化RNA領域及び第2のメチル化RNA領域が存在しない場合、 等温増幅反応は、通常、ポリメラーゼが実際の標的領域の不在下で停止されないため、非常に現実に見えるアンプリコン増幅産物を生成する。したがって、この設計は、当技術分野で知られている設計に対して新規性及び進歩性を有する
4. 標的結合RNA領域
【0084】
いくつかの実施形態では、標的結合領域は、標的核酸の配列に対して相補的である。いくつかの実施形態では、組換え核酸プライマーはポリメラーゼによって伸長されない これにより、ポリメラーゼによる増幅に耐性のある組換え核酸プライマーをレンダリングする
【0085】
いくつかの実施形態では、組換え核酸プライマーは、3'末端反転ヌクレオチド塩基修飾を含まない。いくつかの実施形態では、 組換え核酸プライマーは、ポリメラーゼによる増幅に耐性があり、3'末端反転ヌクレオチド塩基修飾を含まない 3'末端反転ヌクレオチド塩基修飾を単独で含むことによって観察される出願人は、自己自己調化現象を防止するのに十分でなかった いくつかの実施形態では、組換え核酸プライマーは、増幅のための鋳型ではなく、それによって、順方向および/または逆方向プライマー結合の活性によって引き起こされる非特異的増幅に耐性である
【0086】
本開示の一態様では、組換え核酸プライマーは、単一または多重アッセイで使用される。多重アッセイで使用される場合、 複数のプライマーが、それぞれ特異性を有する標的核酸領域に結合される。いくつかの実施形態では、組換え核酸プライマーの存在は、多重化の特異性および感度を有意に増強する アッセイは、組換え核酸プライマーの非存在下で実施された多重アッセイと比較した場合のアッセイである。いくつかの実施形態では、 本明細書に記載の組換え核酸プライマー上の第1および第2のメチル化RNA領域の存在は、多重アッセイの特異性および感受性を、含有する組換え核酸プライマーと比較したときに増強する 第1のメチル化RNA領域または第2のメチル化RNA領域のみ
【0087】
いくつかの実施形態では、5'ヘアピン構造と第1のメチル化RNA領域との組み合わせは、のみを含む組換え核酸プライマーと比較した場合、多重アッセイの特異性および感度を有意に増強する 5'ヘアピン構造、第1のメチル化RNA領域、又は第2のメチル化RNA領域。いくつかの実施形態では、多重アッセイの特異性および感度は、偽陽性結果の発生に基づく
【0088】
いくつかの実施形態では、組換え核酸プライマーは、1つ以上の追加のヌクレオシド修飾を含む。一実施形態では、1つ以上の追加の改変は、5-ニトロインドール;8-オキソ-2'-デオキシグアノシン(8-オキソ-dG);8-オキソ7、 8-ジヒドロ-2'-デオキシグアノシン;8-オキソ-デオキシアデノシン(8-オキソ-dA);5-ヒドロキシメチルデオキシシトシン(5-ヒドロキシメチル-dC);5'-ジメトキシトリチル-N-ベンゾイル-3'-デオキシアデノシン、2'-スクシノイル-長鎖アルキルアミノ-CPG (3'-dA-CPG); 5'-ジメトキシトリチル-N-ジメチルホルムアミド-3'-デオキシグアノシン、2'-スクシノイル-長鎖アルキルアミノ-CPG (3'-dG-CPG);5'-ジメトキシトリチル-N-ベンゾイル-3'-デオキシCytosine、2'-スクシノイル-長鎖アルキルアミノ- CPG (3'-dC-CPG);5'-ジメトキシトリチル-3'-デオキシチミジン、2'-スクシノイル-長鎖アルキルアミノ-CPG (3'-dT-CPG);3'-デオキシアデノシン;シトシンアラビノシド;反転dT;イノシン、または5'-3'ポリメラーゼ増幅を阻害する修飾塩基 一実施形態では、1つ以上の追加のヌクレオシド修飾は、ジデオキシシチジン(ddC)、2'-3'-ジデオキシシチジン(2'、3'ジデオキシ-C)、5'-ジメトキシトリチル-N-スクシノイル-長鎖アルキルアミノ-CPG、2'、 3'-デオキシシトシン(2'、3'-ddC-CPG);2'-3'-ジデオキシアデノシン(2'、3'ジデオキシ-A);または5'-ジメトキシトリチル-N-スクシノイル-長鎖アルキルアミノ-CPG、2'、3'-デオキシドノシン(2'、3'-ddA-CPG) 別の実施形態では、1つ以上の追加のヌクレオシド修飾は、C 3スペーサーアミダイト(DMT-l、3-プロパンジオール)、C 3スペーサーホスホロアミダイト、C 3スペーサー、C 6スペーサー、ヘキサンジオールで修飾されたヌクレオシドである トリエチレングリコールスペーサー(スペーサー9);18原子六a-エチレングリコールスペーサー(スペーサー18);1'、2'-ジデオキシリボース(dSpacer);C 6アミン;ペプチド核酸(PNA);ロック核酸(LNA); または1-ジメトキシトリチルオキシ-プロパゲーションol-3-スクシノイル)-長鎖アルキルアミノ-CPG (3'-スペーサー-C 3-CPG)。いくつかの実施形態では、2'-O-メチルRNAヌクレオチド(2''')修飾と1つ以上の追加の修飾との組み合わせ 多重アッセイの感度を有意に改善する。いくつかの実施形態では、組換え体と比較した場合の組換え核酸プライマーの自動および/または自己テンポ化の増強された抑制によって改善が示される 1種の修飾を有する核酸
【0089】
本開示の別の態様は、(i)長さが約25-約65ヌクレオチドである5'ヘアピンループ領域を含む5'ヘアピン領域と、aを含むステム領域とを含む組換え核酸プライマーを提供する ポリデオキシ嚢胞酸(ポリ-dC)領域及び/又は少なくとも約7-13個の連続dC塩基を有する第1のメチル化RNA領域;(ii)少なくとも約5-少なくとも約5を含む標的核酸の配列に相補的な第1のメチル化RNA領域 2'-メチルRNA (2'0ME)ヌクレオチド、(iii)標的核酸の配列に相補的な標的結合領域、 および(iv)少なくとも約7から少なくとも約13の2'MEヌクレオチドを含む標的核酸の配列に相補的である第2のメチル化RNA領域 一実施形態では、組換え核酸プライマーは、増幅のための鋳型ではない。一実施形態では、組換え核酸プライマーは、aと比較した場合、多重アッセイの特異性および感度を著しく向上させる 5'ヘアピン領域、第1のメチル化RNA領域、又は第2のメチル化RNA領域のみを含む組換え核酸プライマー 一実施形態では、多重アッセイの特異性および感度は、偽陽性結果の発生に基づく
【0090】
いくつかの実施形態では、標的核酸は、コロナウイルス科ウイルス、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)、ポリオウイルス、西ナイルウイルス、Chikungunyaウイルス、Ebolaウイルス、 Lasaウイルス、デングウイルス、SARSコロナウイルス、中東呼吸症候群(MERS)コロナウイルス、Juninウイルス、C型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、インフルエンザaウイルス、インフルエンザBウイルス、インフルエンザCウイルス、ワクシニアウイルス、 バリオラウイルス、ポリマウイルス、Poxウイルス、ヘルペスウイルス、サイトメガロウイルス(CMV)、ヒト免疫不全ウイルス、JCウイルス、JCポリマウイルス(JCV)、BKポリマウイルス(BKV)、サルウイルス40(SV 40)、モンキーPoxウイルス、マルバーグウイルス、 Bunyavirus、arenavirus、αウイルス、又はフラビウイルス。いくつかの実施形態では、標的核酸は、インフルエンザウイルス、B型肝炎ウイルス、コロナウイルス科ウイルス、SARSコロナウイルス、 中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルス。いくつかの実施形態では、標的核酸は、インフルエンザまたはHIV感染の検出および/または診断のためのRNAであってもよく、 DNAウイルス又は細菌のためのDNA、又は細菌のための16s rRNAの検出のためのRNA
【0091】
いくつかの実施形態では、標的核酸は、SARS-CoV-1、SARS-CoV-2、MERS-CoV、P-コロナウイルス、HCoV-OC 43、HCoVHKUl、HCoV-NL 63、またはHCoV-229Eから選択されるコロナウイルス科ウイルスからのものである
5. 多重アッセイ
【0092】
本開示の一態様では、組換え核酸プライマーは、多重アッセイにおいて使用される。本明細書で使用する多重アッセイは、反応ごとに複数の別個の標的配列または対立遺伝子を検出する増幅アッセイである 多重アッセイは、本明細書に開示される装置および/または例えば米国特許第9、207、245号、または米国特許出願公開第2020/0408750号に開示された装置において使用される いくつかの実施形態では、組換え核酸プライマーの存在は、組換え核酸の非存在下で実施される多重アッセイと比較した場合、多重アッセイの特異性および感度を有意に増強する プライマー。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換え核酸プライマー上の第1および第2のメチル化RNA領域の存在は、組換え体と比較したときの多重アッセイの特異性および感度を向上させる 第1のメチル化RNA領域または第2のメチル化RNA領域のみを含む核酸プライマー
【0093】
1988(Chamberlain、et al Nucleic Acids Res、16:11141(1988))におけるその導入から、多重PCRは、単一の反応で複数の遺伝子座を増幅するルーチン手段になっている このアプローチは、多くの研究、ならびに臨床的な用途において有用性を見出した。マルチプレックスPCRは、診断ウイルス学(Elnifro等)で使用するために記載されている Clinical Microbiology Reviews、13:559(2000))、paternity test (Hidding andシュミット、Forensic Sci Int。113:47(2000);Bauer et al、Int。J Legal Med。116:39(2002))、プレ埋め込み遺伝的診断(Ouhbi、et al、Curr Enens Health Rep) 1:138(2001))、環境および食品試料における微生物分析(Rudi et al、Int Jfood Microbiology、78:171(2002))、および獣医学(Zarrata and Higgins、Vet Parasitol。101:215(2001))等が挙げられる 最も最近では、ゲノムレベル全体、特に一塩基多型またはSNPについての遺伝子解析の拡張は、高度に多重化されたPCR能力の必要性を作り出した いくつかの実施形態では、多重アッセイは、単一反応における複数の特異的標的核酸および/または配列変動を検出および特徴付けることができるアッセイ法である いくつかの実施形態では、本開示の方法は、サンプル中の一塩基多型(SNP)を検出する。いくつかの実施形態では、本開示の方法は、1つ以上の遺伝子座におけるSNPを検出する
【0094】
本開示は、本開示の組換え核酸プライマーを多重等温増幅と組み合わせることによる等温増幅反応の実質的な多重化のための方法を提供する いくつかの実施形態では、組換え核酸プライマーは、多重反応において非常に多数の標的を検出することを可能にする検出工程およびシグナル増幅を増強する いくつかの実施形態では、等温増幅の感度は、多重反応において数百-数千-数百万の標的が検出され得るように劇的に増強される いくつかの実施形態では、組換え核酸プライマーの存在は、多重アッセイと組み合わせたときの信号の106-107倍の増幅による等温増幅プロセスの感度を向上させる いくつかの実施形態では、多重アッセイの偽陽性率は、実質的に減少またはゼロである
III。核酸増幅法
【0095】
本開示の一態様は、本明細書に記載の組換え核酸プライマーを含む核酸増幅プロセスを提供する
【0096】
いくつかの実施形態では、核酸増幅プロセスは、ループ媒介等温増幅(LAMPまたはLoopamp)、鎖置換増幅(SDA)、リコンビナーゼポリメラーゼ増幅(RPA)から選択される等温増幅である ヘリカーゼ依存性増幅(HD A);等温多重変位増幅(IMDA);ローリングサークル増幅(RCA);RNA技術(SMART)のシグナル媒介増幅;ポリメラーゼスパイラル反応(PSR); 又はニッキング酵素増幅反応(NEAR)。いくつかの実施形態では、核酸増幅プロセスは、リコンビナーゼポリメラーゼ増幅(RPA)、鎖置換増幅(SDA)、またはヘリカーゼ依存性増幅(HDA)である 一実施形態では、核酸増幅プロセスは、リコンビナーゼポリメラーゼ増幅(RPA)である。一実施形態では、核酸増幅プロセスは、aを含む相同組換え酵素指向等温増幅である リコンビナーゼ酵素
【0097】
等温増幅技術が最近開発され、複数の疾患の診断において重要な役割を果たしている 等温増幅技術としては、ループ媒介等温増幅(LAMPまたはルーパ);鎖置換増幅(SDA);リコンビナーゼポリメラーゼ増幅(RPA);ヘリカーゼ依存性増幅(HDA)が挙げられるが、これらに限定されない 等温多重変位増幅(IMDA);ローリングサークル増幅;ポリメラーゼスパイラル反応(PSR);RNA技術(SMART)のシグナル媒介増幅;およびニッキング酵素増幅反応(NEAR) Li&amp;Macindald (Biosens。バイオ電子 64 196-211(2015));Pumford et al、Biosens Bioelectron。170:112674(2020);Gill&amp;Ghaemi、Nucleosideヌクレオチド&amp;Nucleic Acids 27(3):224-43(2008)
【0098】
いくつかの等温増幅技術は、相同組換えに関与する酵素(すなわち、DNA修復、リコンビナーゼおよびアクセサリー分子)、DNA複製(すなわち、DNA複製)の生物学的活性に依存する(すなわち、 ヘリカーゼおよびアクセサリー分子)、または標的二本鎖DNAを所望の領域(例えば、増幅中に存在する1つまたは複数のオリゴヌクレオチドに相補的な核酸領域)で融解させるための制限酵素である 特異的ポリメラーゼ(DNAおよびRNAポリメラーゼ;鎖置換 DNAポリメラーゼ);および/または特別に設計されたプライマー(単一のプライマー、プライマー対、複数のプライマーセット、またはDNA-RNAキメラプライマー)
【0099】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換え核酸プライマーを含む核酸増幅プロセスは、ローリングサークル増幅(RCA)、ループ媒介等温増幅、 ループ媒介等温増幅(LAMPまたはLoopamp);鎖置換増幅(SDA);リコンビナーゼポリメラーゼ増幅(RPA);ヘリカーゼ依存性増幅(HD a);RNA技術(SMART)のシグナル媒介増幅; ポリメラーゼスパイラル反応(PSR);ニッキング酵素増幅反応(NEAR)。当業者には明らかなように、各等温増幅技術は、効率的かつ効率的な酵素および成分の好ましい組み合わせを有する アカモットおよび/または標的、および/または内部制御核酸の選択的増幅および/または内部制御核酸は、当業者に知られている
【0100】
いくつかの等温増幅技術は、相同組換えに関与する酵素(すなわち、DNA修復、リコンビナーゼおよびアクセサリー分子)、DNA複製(すなわち、DNA複製)の生物学的活性に依存する(すなわち、 ヘリカーゼおよびアクセサリー分子)、または標的二本鎖DNAを所望の領域(例えば、増幅中に存在する1つまたは複数のオリゴヌクレオチドに相補的な核酸領域)で融解させるための制限酵素である 特異的ポリメラーゼ(DNAおよびRNAポリメラーゼ;鎖置換DNAポリメラーゼ);および/または特別に設計されたプライマー(単一プライマー、プライマー対、複数のプライマーセット、またはDNA-RNAキメラプライマー)
【0101】
これらの等温増幅技術は、DNAまたは任意の熱安定成分の熱融解を必要としない。むしろ、等温増幅技術は、単一かつ一定の温度で実施される 温度変化ではなく酵素の生物活性を使用して核酸配列をコピーする
/。ループ媒介等温増幅(LAMP又はルーパ)
【0102】
いくつかの実施形態では、本開示によって企図される増幅反応は、ループ媒介等温増幅(LAMPまたはルーパ)などの等温増幅である LAMPは、PCRベースの増幅アッセイに対して良好な代替物を提供する。例えば、Notomi et al、Nucleic Acids Res 28:e 6(2000)を参照されたい。LAMPは、DNAポリメラーゼおよび4種または6種のプライマーを使用して、非常に速く特異的な増幅を提供する 標的DNAまたはcDNAは、各末端にヘアピンループを含む中間一本鎖核酸産物の形成に基づいて、一定の温度でDNAまたはcDNAを標的化する(Loopamp Start構造)。ルーパスタート構造は、ダンベル構造を有する ルーパ開始構造は、内部及びループプライマーの両方のための開ループ及びアニーリング部位の3つの素数端からの合成の開始のための複数の部位を含むため、指数LAMP増幅段階のための種子である 結果として得られるLAMPの生成物は、容易に検出される長いコンカテマーである
【0103】
LAMPの1つの重要な利点は、その速度である。Lamp Starting Structureおよびコンカテマーは複数のDNA合成開始部位を有するため、非常に短い時間で多くのDNAを合成するための非常に高速なアプローチである LAMPは、様々な生物学的障害に関連する微生物および/またはバイオマーカーを検出するための迅速な分子試験として現在使用されている しかしながら、COVID-19パンデミックの間、迅速なCOVID-19診断アッセイの一部として使用される場合、20%の偽陰性結果まで生成されたLAMPは、SARS-CoV-2ウイルス負荷の低い患者において生じることが観察された。Butler et al、(bioRxiv doi:10) 1101/2020。04。20。048066)。SARS-CoV-2を検出するCOVID-19のアッセイツールとしてのLAMPの感度は、SARS-CoV-2ウイルスRNAの数百コピーを超える場合にのみ効率的であった。例えば、Ben-Assaらを参照されたい 、medRxiv 2020。04。22。20072389);Zhang et al、medRxiv。Doi: 10.1101/2020.02.26.20028373.
2. ヘリカーゼ依存性増幅(HD A)
【0104】
いくつかの実施形態では、本開示によって企図される増幅反応は、ヘリカーゼ依存性増幅(HAD)反応などの等温増幅である HDAは、ヘリカーゼの生物学的活性を使用して二本鎖DNA (dsDNA)分子を侵入させ、巻き戻して増幅プロセスを開始する等温増幅プロセスである この等温技術は、インビボDNA複製プロセス中に関与する酵素の生物学的活性に基づく。ヘリカーゼは、DNAにおけるミスマッチの修復に関与し、 通常は、ヘリカーゼ活性を刺激するメチル系ミスマッチ修復(MutL)タンパク質と協調して機能する。したがって、元のHDAシステムは、ヘリカーゼ(例えば、e)を必要とする 。大腸菌UvrD)、および2種のアクセサリータンパク質:MutLおよび一本鎖DNA結合タンパク質(SSB)を用いてdsDNAを巻き戻し、ssDNAを安定化させて、相補鎖の再会合を防止する dsDNAが等温的に解かれて安定化されると、2つのオリゴヌクレオチドプライマーが標的配列の5'および3'境界にハイブリダイズし、DNAポリメラーゼがアニールされたプライマーを伸長させる 二本鎖増幅産物を生成するためにデオキシヌクレオチド三リン酸(dNTP)を添加する。ヘリカーゼ触媒反応は、律速段階である 加えて、ヘリカーゼおよびポリメラーゼは、ポリメラーゼがヘリカーゼによって変位されるのを防止するために、調整された方法で機能しなければならない
【0105】
DAは、生物学的サンプル中のウイルスタンパク質および細菌タンパク質の検出のために使用されている。Barreda-Garcia et al、(Analytical and Bioanalytical Chemistry 410:679-693(2018))を参照されたい しかしながら、HD aの有用性は、偽陽性の結果を生じさせる高い割合の非特異的増幅現象によって妨げられる 偽陽性の高い速度の一部は、テンプレートに依存しないプライマー相互作用に起因し、HDAの検出可能性及び堅牢性に悪影響を及ぼす いくつかの実施形態では、SDAは、本明細書に開示される組換え核酸プライマーに結合し、それを被覆するリコンビナーゼ酵素をさらに含む いくつかの実施形態では、本開示のリコンビナーゼ核酸の添加は、HAD反応の感度および効率を高め、非特異的増幅産物および偽陽性率を減少させる
3. 鎖置換増幅(SDA)
【0106】
いくつかの実施形態では、本開示によって企図される増幅反応は、鎖置換増幅(SDA)などの等温増幅である。例えば、Walker et al、Proc Natl Acad Sci Unit。状態Am 89:392-396(1992);Walker et al、Nucleic Acids Res 20:1691-1696(1992)。初期変性工程を有するため、SDAは真の等温増幅反応ではない SDAは、制限酵素(Hindi)、エキソヌクレアーゼ欠損DNAポリメラーゼ、および4つのプライマーに依存する。SDAは、4つのプライマーの存在下で変性工程から始まる 2つのプライマーは、それらの3'末端における標的DNAに対する相補的配列と、それらの5'末端におけるHindiの制限酵素部位とからなる。他の2つのプライマーは、順方向プライマーおよび逆方向プライマーである 予熱工程は二本鎖DNAを変性するが、残りの反応は37℃SDAで実施されるが、(i)DNA標的の未修飾鎖をニックする制限エンドヌクレアーゼ、および(ii)エキソヌクレアーゼ欠損鎖を必要とする DNAポリメラーゼ(例えばexo-Klenowポリメラーゼ)を置換して、ニック部位において下流のDNA鎖を変位させる。2つの酵素は、初期変性工程の後に添加される ポリメラーゼがDNAを合成すると、新たに合成された鎖が制限酵素によってニッキングされ、ポリメラーゼが再び合成を開始し、先の鎖を蹴り、DNA増幅をもたらす。いくつかの制限は、より低いプライマー特異性を含む
【0107】
いくつかの実施形態では、SDAは、本開示の組換え核酸プライマーを含む。いくつかの実施形態では、SDAは、本明細書に開示される組換え核酸プライマーに結合し、それを被覆するリコンビナーゼ酵素をさらに含む いくつかの実施形態では、組換え核酸プライマーおよびリコンビナーゼの添加は、最初の熱依存性変性工程の必要性を除去する いくつかの実施形態では、組換え核酸プライマーおよびリコンビナーゼはプライマー特異性を増強し、それによって非特異的増幅産物を減少させ、偽陽性率(FPR)を減少させる
3. 等温多重変位増幅(IMDA)
【0108】
いくつかの実施形態では、本開示によって企図される増幅反応は、等温増幅、例えば等温多重変位増幅(IMDA)である IMDAは、鎖置換DNAポリメラーゼおよび複数のプライマーセットを使用して核酸配列を増幅する。Gill&amp;Ghaemi、Nucleoside Nuclean&amp;nucleic Acids 27(3):224-43(2008) PCRに対するIMDAの1つの利点は、試料中のDNAの量が非常に低いときのその感度および特異性である。Mairinger el al、ダブテール2014:7、1441-1447
4. ローリングサークル増幅(RCA)
【0109】
いくつかの実施形態では、本開示によって企図される増幅反応は、ローリングサークル増幅(RCA)などの等温増幅である RCAは、短い環状一本鎖DNA鋳型および単一のプライマーを使用して長い一本鎖DNAを合成する。RCAは、鎖置換DNAポリメラーゼ(例えば、φ29($29)DNAポリメラーゼ)を用いてDNAを酵素的に合成する RCAは、ゲノミクスおよび診断における感受性DNA検出のために使用されている。Zhao et al、Angew Chem Int。Ed Engl 47(34):6330-7 (2008).
5. リコンビナーゼポリメラーゼ増幅(RPA)
【0110】
いくつかの実施形態では、本開示によって企図される増幅反応は、DNAを増幅するために熱サイクル、耐熱性DNAまたはRNAポリメラーゼを必要としない等温増幅反応である または熱を加えて二本鎖DNAを変性させて、それらの相補的な核酸配列へのリバースプライマーおよびフォワードプライマーのアニーリングを促進する むしろ、本開示の等温増幅は、細胞DNA複製および修復機械に関与する酵素を利用する改良された代替の増幅プロセスである 相同組換え(米国特許第5、223、414号;米国特許第6、950、915号)などの相同ペアリングまたはDループ形成)。いくつかの実施形態では、等温増幅反応は、リコンビナーゼポリメラーゼ増幅(RPA)である
【0111】
E。cohのような細菌における相同組換えの間、またはバクテリオファージの種々の株、細菌リコンビナーゼタンパク質(RecA)、またはその原核生物および真核生物(UvsXなど)との相同組換えの間、 一本鎖DNA (ssDNA)に結合して一本鎖DNA (ssDNA)を被覆して核タンパク質フィラメントを形成する。次いで、この核タンパク質フィラメントは、標的二本鎖DNA (dsDNA)を走査して、一本鎖DNAに相同な領域を同定する 相同シーケンサーが位置すると、核タンパク質フィラメント鎖がdsDNAに侵入し、ハイブリッドDNAバブルがDループを呼び出す Dループは、(1)ssDNAとdsDNA (ハイブリッドフィラメント)の置換された鎖の1つとの間の短い二本鎖ハイブリッド、および(2)DNAの置換された鎖を含む DNAポリメラーゼの存在下で、Dループ中のハイブリッドフィラメントストランドの遊離3'末端は、DNAポリメラーゼによって伸長され、新しい相補鎖を合成する 相補鎖は、最初に対になった鎖を伸長させるので、最初に対になった鎖を変位させる。このプロセス全体は、二本鎖DNA分子全体を完全に変性する必要なしに起こる
【0112】
組換えシステムと同様に、RPAプロセスは、細菌又はバクテリオファージに由来する組換え因子を利用する(例えば、 リコンビナーゼUvsX)は、標的二本鎖DNAの侵入および制限された変性を触媒して、フォワードプライマーおよびリバースプライマー(例えばssDNA)のハイブリダイゼーションを促進する 特に、第1の工程は、通常、E。coli由来のリコンビナーゼ(リコンビナーゼ因子)またはバクテリオファージとフォワードプライマーおよびリバースプライマーとの結合を必要とし、リコンビナーゼ-プライマー複合体(核タンパク質複合体)を形成する これに続いて、少なくとも2つのアクセサリータンパク質:リコンビナーゼ負荷因子(例えば、バクテリオファージUvsY)および/または一本鎖DNA結合タンパク質の助けを借りて、二本鎖DNA中にリコンビナーゼ媒介プライマー挿入が続く(例えば、バクテリオファージUvsY)および/または一本鎖DNA結合タンパク質 SSBまたはgp 32)は、等温増幅プロセスを促進する。次いで、フォワードプライマーおよびリバースプライマーは、それらのそれぞれの相同配列に個々にハイブリダイズする DNAポリメラーゼが部位に動員されると、DNAポリメラーゼは標的核酸配列の増幅を開始する
【0113】
しかしながら、当業者に知られているように、以前に確立された等温増幅反応は、多くの理由で臨床使用に最適ではなかった。例えば、米国特許第8、071、308号および第7、399、590号を参照されたい 重要な理由の1つは、リコンビナーゼ酵素(例えば、UvsX)と一本鎖結合タンパク質(SSB;gp 32)との間の十分に確立された競合である。)一本鎖核酸(例えば、リバースプライマーおよびフォワードプライマー)の結合のための SSBタンパク質は、インビトロ等温増幅プロセスにおいて必須であるが、SSBは、一般に、リコンビナーゼ(例えば、RecAまたはUvsX)よりも一本鎖DNA (例えば、プライマー)に対してかなり高い親和性を有する したがって、SSBは、リコンビナーゼ/プライマーヌクレオタンパク質複合体の核生成を阻害することができる。さらに、核タンパク質複合体は、ATPの存在下では不安定であり、末端に依存する分解を受ける(Bone、Cox and Inman、J Biol Chem 2001Dec 7;276(49):45740-3)。このような分解事象の後、SSBは、結合していない一本鎖核酸を急速に飽和させ、浸潤反応の開始を阻害する
【0114】
この競合は、(1)リコンビナーゼ(例えば、UvsX)に特異的なリコンビナーゼ負荷因子(例えば、UvsY)の添加;エンジニアリングリコンビナーゼタンパク質(例えば、 (uvsX)および/またはSSB突然変異体は、協調的挙動が増強され、クラウド化剤の反応への添加;および/またはリコンビナーゼとSSBとの間の競合を回避するための非機能性の第3のプライマーの導入 しかしながら、これらの変化は、高い感度、効率、および低減された偽陽性率(FPR)を有する改善された等温増幅プロセスを生成しなかった
6. InvasionオリゴヌクレオチドおよびSelf-template
【0115】
本開示の一態様は、疾患の診断および予後のための高感度かつ効率的な等温増幅プロセス(例えば、COVID-19感染の診断のためのSARS-CoV-2のo検出)を提供する 新規かつ改良された等温増幅反応は、野生型酵素と併せて組換え核酸プライマーを使用する(すなわち、 リコンビナーゼおよび/またはヘリカーゼ)、一本鎖結合タンパク質であり、リコンビナーゼ負荷因子を必要としない。新規な組換え核酸プライマーは、当技術分野で知られている浸潤オリゴヌクレオチドプライマーに対する実質的な改良である いくつかの実施形態では、組換え核酸プライマーは、dsDNAテンプレートの浸潤および巻き戻しを容易にするために非機能性プライマーとして作用する長尺非伸縮性オリゴヌクレオチドである
【0116】
侵入オリゴヌクレオチドプライマー(IO)は、長さが約39-61塩基であり、3つの3つのサブ領域を含んでいる。5'-3'に列挙されたこれら3つのサブ領域は、(1)約7-13塩基長を有するポリdCサブ領域であった (2)標的核酸領域と相同であり、長さが約25-35塩基であったDNAサブ領域;(3)標的核酸領域にも相同であるメチル化RNAサブ領域、 及び(4)3'-末端反転ヌクレオチド塩基修飾。メチル化RNAサブ領域は、プライマーがそれにアニーリングしておらず、ポリメラーゼが増幅のための基質としてそれを使用しなかったことを確実にするように設計された ポリdCサブ領域は、核酸リコンビナーゼの結合を最適化した播種領域となるように設計された DNAサブ領域は、標的dsDNAの部分的変性を可能にするために、標的dsDNAの侵入および巻き戻しを容易にするように設計された
【0117】
等温増幅の間、リコンビナーゼ(UvsX)およびIOプライマーは、互いに結合して核タンパク質複合体を形成する。この核タンパク質複合体は、次いで、相同的な配列のために標的核酸を探索する 一旦見出されると、核タンパク質複合体はdsDNA標的の相補的領域に侵入し、dsDNAを単一の鎖に巻き戻し、フォワードプライマーおよびリバースプライマーの鋳型DNAへのハイブリダイゼーションを促進する 次いで、プライマーは、鋳型二本鎖DNA (dsDNA)の各末端上のそれらのそれぞれの相補的部位に結合する。鋳型へのプライマーのハイブリダイゼーションに続いて、ポリメラーゼおよびSSB (例えば、T 4gp 32)が部位に動員される。SSB (e g、T 4gp 32)は、未結合DNA鎖を安定化させ、DNAの2つの単一鎖を一時的に分離し、それによってポリメラーゼによるDNA合成を促進する ポリメラーゼは、増幅されたコピーを生成するために、dNTPを2つのプライマーのそれぞれに添加することによって、標的配列を複製および増幅する。このシステムでは、プライマーは、リコンビナーゼによって結合されるには短すぎる(通常のPCRプライマーサイズ、18-25塩基)
【0118】
メチル化RNAサブ領域(2'-O-メチルRNA)の存在にもかかわらず、本出願人による実験的証拠は、組換え核酸プライマー自体がフォワードプライマーおよび/またはリバースプライマーおよびポリメラーゼのための鋳型として機能し得ることを示した 増幅プロセス中に。実際に、当該技術のIOプライマーを使用した場合、高い速度の偽陽性結果が得られた。実際、ポリメラーゼによって増幅された、IOプライマーにアニーリングされた順方向プライマーおよび逆方向プライマーの両方 当該技術分野で知られているIOプライマーによって生成された非特異的アンプリコンの概略図を図2に示す
【0119】
IOプライマーを使用する等温増幅は、診断試験(例えば、COVID-19PCR試験)において高い偽陽性率をもたらした。非特異的な速度増幅は、組換え核酸プライマーが多重アッセイ系で使用されたときに悪化し、ここで、多数のアッセイが増加し、および/または追加のプライマーが必要であった これらの状況下では、非特異的プライマー対プライマー相互作用の確率は、一般に増加した。非特異的増幅産物の配列決定は、ポリメラーゼが組換え核酸を依然として使用できることを示した メチル化された部分領域(2'-O-メチルRNA)が存在するにもかかわらず、基材および/または鋳型としてのプライマーは、自己テンプレーティング増幅をもたらした 組換え核酸プライマーが関心対象領域の多くを含むため、自己テンプレーティング増幅は、組換え核酸プライマーを導入するときに特定の問題であった したがって、組換え核酸プライマーのコピーは、所望の標的テンプレートではなく、自己調質化によって作製された さらに、組換え核酸プライマーは、フォワードプライマーおよびリバースプライマーと重複領域を有するように設計された。この設計特徴はまた、自己調質化も向上させた 本明細書で使用される場合、用語"自己テンポ化"は、等温増幅プロセス中に、増幅産物が、組換え核酸プライマーを標的ではなく増幅のためのテンプレートとして使用することによって生成されたことを意味する テンプレート
【0120】
したがって、本出願人は、組換え核酸プライマーを再設計して感度を向上させることによって、元の組換え核酸プライマーを使用するときの高い偽陽性結果が防止され得ると仮定し、 等温増幅の効率および偽陽性率を排除および/または低減する。本開示は、低バックグラウンドを示す多重アッセイにおいて使用するための組換え核酸プライマーのための最適な設計を提供する 特性は、テンプレート依存性増幅のための優れた機能性を維持する。いくつかの実施形態では、組換え核酸プライマー(改変された浸潤オリゴヌクレオチドプライマー;改変されたIOプライマー; オリゴヌクレオチド)は、一本鎖結合タンパク質(SSB)に結合しないか、又は弱く結合しないように設計された
【0121】
本開示の一態様は、等温反応(例えば、CO VID-19試験)の臨床適用において効果的に働く新規等温増幅を提供する 新規な反応は、本明細書に記載の野生型リコンビナーゼ、一本鎖結合タンパク質、および組換え核酸プライマーを使用する いくつかの実施形態では、新規等温増幅プロセスは、2つの特異的プライマー(例えば、2つの特異的プライマー)の同時添加を必要とする単一のステップ反応を使用する 、フォワードプライマーおよびリバースプライマー);組換え核酸プライマー(長/非伸縮性オリゴヌクレオチド、非機能性プライマー;修飾浸潤オリゴヌクレオチドプライマー;改変IOプライマー; 一本鎖結合タンパク質(SSB)に結合しないか又は弱く結合しないように設計されたオリゴヌクレオチド;再結合因子(例えば、 UvsX)バクテリオファージからの一本鎖結合タンパク質(SSB);DNAポリメラーゼ;および増幅反応の動態を増強するためのグリセロール、フィコール、または低分子量PEGなどのクラウディング剤
【0122】
いくつかの実施形態では、核酸増幅プロセスは、リコンビナーゼを例えば組換え核酸プライマーと接触させるステップを含む IOプライマー;浸潤オリゴヌクレオチド;又は組換えオリゴヌクレオチド);オリゴ-リコンビナーゼ複合体を形成する;オリゴ-リコンビナーゼ複合体を相補二本鎖標的核酸に接触させる条件下で、オリゴ-リコンビナーゼ複合体を相補二本鎖標的核酸に接触させること; オリゴ-リコンビナーゼ複合体は、二本鎖標的核酸に侵入し;順方向プライマー、逆方向プライマー、ポリメラーゼ、 およびデオキシヌクレオチド三リン酸(dNTP)を、順方向プライマーおよび逆方向プライマーが二本鎖標的核酸上のそれらのそれぞれの相補的領域に結合することを可能にする条件下で、 ポリメラーゼがフォワードプライマーおよびリバースプライマーの3'末端をdNTPで伸長させて、第1および第2の増幅された二本鎖核酸を生成することを可能にする 所望の程度の増幅産物が生成される前の工程の反復を通して増幅プロセスを任意選択的に継続する
【0123】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の核酸増幅プロセスで使用される順方向および反転プライマーは、DNA、RNA、PNA、LNA、モルホリノ骨格核酸から選択され、 ホスホロチオエート骨格核酸またはそれらの組み合わせ
【0124】
いくつかの実施形態では、二本鎖標的核酸のオリゴリコンビナーゼ複合体浸潤は、組換え核酸プライマーに相補的である二本鎖標的核酸の領域を変性する 本明細書に記載の核酸増幅プロセスのいくつかの実施形態では、核酸は、リコンビナーゼ負荷因子の不在下で増幅される 本明細書に記載の核酸増幅プロセスのいくつかの実施形態では、核酸は、リコンビナーゼ負荷因子の存在下で増幅される いくつかの実施形態では、リコンビナーゼ負荷因子は、バクテリオファージuvsY、E。coll recO、E。coli recR、それらの誘導体、またはこれらのタンパク質の組み合わせから選択される
【0125】
本明細書に記載の核酸増幅プロセスのいくつかの実施形態では、核酸は、一本鎖DNA結合分子(SSB)の存在下で増幅され、任意選択的に、SSBはEから選択される 。coli SSBタンパク質、任意のバクテリオファージからのgp 32タンパク質;ミオウイルス科バクテリオファージ由来のgp 32タンパク質、T 4gp 32タンパク質、Rb 69gp 32タンパク質、またはそれらの誘導体 いくつかの実施形態では、SSBは、増幅反応において進行中の様々な交換トランザクション中に核酸を安定化させる 本明細書に記載されるように、当該技術は、リコンビナーゼと一本鎖DNAとの間の核タンパク質複合体がSSBタンパク質の存在下で不安定であることを理解する 本開示は、反応の増幅工程に必要なフォワードプライマーおよびリバースプライマーとは異なるIOプライマーを含むことによって、この競合に対処する いくつかの実施形態では、SSB (gp 32)SSBは、組換え核酸プライマーに結合または弱く結合せず、それによって、リコンビナーゼ-IOプライマー複合体の形成を安定化または増強する いくつかの実施形態では、IOプライマーの存在は、増幅中のリコンビナーゼ負荷因子の必要性を否定する
【0126】
本明細書に記載の核酸増幅プロセスのいくつかの実施形態では、リコンビナーゼは、E。coli RecA、または任意のバクテリオファージ種からのUvsXから選択される いくつかの実施形態では、リコンビナーゼは、T 4、T 2、T 6、Rb 69、Aehl、KVP 40、アシネトバクター。ファージ133、エアロモナス。ファージ65、シアン相P-SMM 2、シアン相PSMM 4、シアン相S-PM 2、Rbl 4、Rb 32、エアロモナス。ファージ25、 Vibrioファージnt-1、φ-1、Rbl 6、Rb 43、ファージ31、ファージ44RR2。8t、Rb 49、ファージRb 3、およびファージLZ 2。いくつかの実施形態では、リコンビナーゼは、t 4UvsX、Rb 69UvsX、t 2UvsX、t 6UvsX、Aehl UvsX、KvP 40UvsX、またはそれらの任意の誘導体または任意の組み合わせである
【0127】
本明細書に記載の核酸増幅プロセスのいくつかの実施形態では、ポリメラーゼは、大腸菌Pol I、枯草菌Pol I大断片(Bsuポリメラーゼ)、ムーニーマウス白血病ウイルス(MuMLV)逆転写酵素、 Staphylococcus aureus Pol I、またはそれらの組み合わせ
【0128】
本明細書に記載の核酸増幅プロセスのいくつかの実施形態では、増幅プロセスは、ポリエチレングリコール、PEG 1450、PEG 6000、PEG 8000、PEG 10000、PEG 15000、PEG 20000、 PEG 35000、グリセロール、デキストラン、フィコール、またはそれらの組み合わせ
【0129】
本明細書に記載の核酸増幅プロセスのいくつかの実施形態では、組換え核酸プライマー、標的核酸分子、順方向プライマーおよび逆方向プライマー、ポリメラーゼ、 及びdNTPを核酸増幅プロセスに同時に添加する
【0130】
いくつかの実施形態では、リコンビナーゼおよびSSBは、同じ種からであり、またはリコンビナーゼおよびSSBは、異なる種からのものである いくつかの実施形態では、リコンビナーゼおよびSSBは、同じバクテリオファージ種からであり、またはリコンビナーゼおよびSSBは、異なるバクテリオファージ種からのものである
【0131】
いくつかの実施形態では、リコンビナーゼおよびSSBは、筋ウイルス科バクテリオファージ、T 4バクテリオファージ、Rb 69バクテリオファージ、T 2バクテリオファージ、T 6バクテリオファージ、Aehlバクテリオファージ、KvP 40バクテリオファージ、またはそれらの誘導体から誘導される いくつかの実施形態では、リコンビナーゼおよびSSBは、(a)Rb 69UvsXおよびRb 69gp 32、T 4gp 32、またはAehl gp 32、T 4gp 32、またはAehl gp 32、T 4gp 32、またはAehl gp 32、またはT 6gp 32、(c)T 4UvsX、およびRb 69gp 32、T 4gp 32、またはAehl gp 32、またはT 6gp 32である 及び(d)T 6UvsX及びRb 69gp 32、T 4gp 32、又はAehl gp 32、又はT 6gp 32。いくつかの実施形態では、リコンビナーゼはRb 69UvsXであり、SSBはT 4gp 32である いくつかの実施形態では、ポリメラーゼは、枯草菌Pol I大断片(Bsuポリメラーゼ)、ムーニーマウス白血病ウイルス(MuMLV)逆転写酵素、またはそれらの誘導体または組み合わせである
IV。組換え核酸プライマーを含む組成物
【0132】
本開示の一態様は、本明細書に記載されるような1つ以上の組換え核酸プライマー(ze、オリゴヌクレオチド、浸潤オリゴヌクレオチド、またはIOプライマー)を含む組成物を提供する いくつかの実施形態では、組成物は、(i)組換え核酸プライマー(ze、オリゴヌクレオチド、浸潤オリゴヌクレオチド、またはIOプライマー);(ii)リコンビナーゼ;(iii)ポリメラーゼ;(iv)標的核酸;(v)クラウディング剤; (vi)1つ以上のプライマー;および(vi)一本鎖DNA結合タンパク質(SSB)
【0133】
いくつかの実施形態では、組成物は、単一または多重アッセイで使用される。多重アッセイにおいて使用される場合、複数のプライマーは、それぞれ特異的な標的核酸領域に対して特異性を有するように組み合わされる いくつかの実施形態では、組成物中の組換え核酸プライマーの存在は、多重アッセイの非存在下で実施される多重アッセイと比較したとき、多重アッセイの特異性および感度を有意に増強する 組換え核酸プライマー。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換え核酸プライマー上の第1および第2のメチル化RNA領域の存在は、多重アッセイの特異性および感度を向上させる 第1のメチル化RNA領域または第2のメチル化RNA領域のみを含む組換え核酸プライマーと比較して、
1.一本鎖DNA結合タンパク質(SSB)
【0134】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物は、大腸菌SSBタンパク質、任意のバクテリオファージからのgp 32タンパク質、筋ウイルス科バクテリオファージ由来のgp 32タンパク質、T 4gp 32タンパク質、Rb 69gp 32タンパク質、 またはその誘導体。SSBは、DNAのインビトロ等温増幅の間に必要とされる。SSBタンパク質は、(1)フォワードプライマーおよびリバースプライマーによって占有されていない一本鎖DNAに結合するため、必須である (2)二本鎖DNA内の二次構造を溶融させる;(3)DNAの新たに放出された一本鎖に結合することによってDNAポリメラーゼによる出鎖置換を促進する; (4)DNA増幅時の分岐マイグレーションを抑制する。SSBは、放出ストランドを結合および安定化するために必要とされ、 また、二次構造を一本鎖DNA中で溶融させて、ポリメラーゼの加工性および合成酸味を増強するためのものである。上述したように、SSBは、複製フォークの文脈において一本鎖DNAを区別しない(例えば、 D-ループ形成)および順方向および/または逆方向プライマー
2. リコンビナーゼ
【0135】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物は、大腸菌RecA、任意のバクテリオファージ種からのUvsX、筋ウイルス科バクテリオファージからのUvsX、T 4UvsX、Rb 69UvsX、T 2UvsX、T 6UvsX、Aehl UvsX、KvP 40UvsX、 またはそれらの任意の誘導体または組み合わせ
【0136】
リコンビナーゼは、相同組換えの間のヘテロ二重鎖DNAの形成を促進するタンパク質である。リコンビナーゼ機能は、一本鎖DNA (ssDNA)を結合してコーティングすることによって、核酸複合体またはフィラメントを形成することを必要とする この核タンパク質複合体またはフィラメントは、次に、二本鎖DNA (dsDNA)モリエルを走査して、結合ssDNAとの配列相同性の領域を同定する リコンビナーゼヌクレオタンパク質/フィラメントによる相同二重鎖の位置は、二本鎖DNAの浸潤(開口)、およびssDNAと二本鎖DNAとの間の相同関節の形成をもたらす これにより、鎖交換がもたらされ、その間、核タンパク質フィラメント内に含まれるssDNAは、標的二重鎖の相補鎖とWatson-Crick塩基対を形成し、二重鎖中の非相補鎖を変位させる 鎖交換によって形成されたハイブリッドDNAは、修復ポリメラーゼおよび他の組換え因子によってさらに処理され、最終的に2つの無傷のDNA二本鎖を生成する。例えば、ガス化またはガス等のPNAS 98(15):8411-8418(2001)を参照されたい
【0137】
最もよく特徴付けられるリコンビナーゼはRecAファミリーのリコンビナーゼであり、eukaryeaにおけるRecA、archea、Radd 51およびDmclにおけるRadA、ならびにバクテリオファージT 4UvsXタンパク質を含む いくつかの実施形態では、RecAファミリーのリコンビナーゼは、筋ウイルス科バクテリオファージなどのバクテリオファージから誘導され、いくつかの実施形態では、リコンビナーゼは、ミオウイルス科の6つの属のうちの1つから誘導される いくつかの実施形態では、バクテリオファージリコンビナーゼは、T 4バクテリオファージ、T 2バクテリオファージ、T 6バクテリオファージ、Rb 69バクテリオファージ、Aehlバクテリオファージ、KVP 40バクテリオファージ、アシネトバクターファージ133、エアロモナスファージ65、 シアン相P-SMM 2、シアン相PSMM 4、シアン相S-PM 2、Rbl 4、Rb 32バクテリオファージ、エアロモナス。ファージ25、Vibrioファージnt-1、φ-1、Rbl 6、Rb 43、ファージ31、ファージ44RR2。8t、Rb 49、ファージRb 3、およびファージLZ 2
【0138】
いくつかの実施形態では、リコンビナーゼは、少なくともT 4、T 2、T 6、Rb 69、Aehl、KVP 40を含むT 4様バクテリオファージの属に属するバクテリオファージから誘導される T 4型のバクテリオファージは、粒子の形態に基づいて広く定義されている。それらは、腸内細菌(125代表者)、アシネトバクター、エアロノッド、シュードモナス、およびビブリos (16単離物)で生じる
【0139】
いくつかの実施形態では、リコンビナーゼはRb 69UvsXである。当該技術は、R b69UvsXがT 4様バクテリオファージファミリーの他のUvsXタンパク質と同じ方法で機能しないことを開示している。例えば、以下を参照されたい。米国特許第8、071、308号 R b69UvsXは、比較的低いDNA結合を有し、相補的オリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションを支持しない。当該技術は、R b69UvsXがssDNAに対して低い親和性、またはssDNA上での滞留時間を有することを開示している T 4UvsXまたはT 6UvsXと比較して、過剰なgp 32と不十分に競合することを意味する(したがってgp 32過滴定に対する感受性) Rb 69UvsXはまた、オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションをサポートすることができず、したがって、過度に高いオリゴヌクレオチド-リコンビナーゼ負荷を促進することはまた、少数のプライマーがハイブリダイゼーションのために利用可能であるため、増幅反応の障害につながる 構造的には、R b69UvsXはまた、T 4、T 6、Aehl、KVP 40、ファージ133などのその最も近い相同近傍に比べて非常に異常なloop 2配列を有するため、異なる R b69UvsXのループ2はまた、異なる数のアミノ酸を有し、T 4、T 6、Aehl、KVP 40、ファージ133(および近接Rb 69であるJS 98から離れたすべてのUvsX分子)、およびシアン相タンパク質と比較して完全に再コーティングされるように見える
【0140】
実際には、in vitroでRB 69UvsXを使用して作業するための増幅反応を得るために多大な努力がなされた。特に、等温増幅反応は、リコンビナーゼRB 69UvsXおよび/またはRB 69gp 32の濃度に敏感である
さらに、RB 69に由来するリコンビナーゼUvsXは、UvsYなどのリコンビナーゼ負荷タンパク質が存在しない場合、インビトロで機能し得ない。例えば、以下を参照されたい。特許文献1には、特許文献1が開示されている
8,071,308.
【0141】
バクテリオファージRb 69に由来するリコンビナーゼUvsXの使用に関して当該技術分野で開示された全ての困難にもかかわらず、本出願人は驚くべきことに、Rb 69UvsXが特許請求される組成物および方法において極めて良好に機能したことを見出した Rb 69UvsXは、リコンビナーゼ負荷因子を必要としなかった。本明細書に記載の方法および組成物におけるRb 69UvsXの有効性は、組換え核酸プライマーの存在に起因する(/。本実施形態では、本発明は、下記一般式(1)で表される化合物を含有する 本明細書に記載のオリゴヌクレオチド、浸潤オリゴヌクレオチド、またはI Oプライマー)。実際、本明細書に記載の組換え核酸プライマーは、等温反応を簡略化し、aの侵入および変性によって増幅動態を増強する 二本鎖DNAのより大きな領域。さらに、本明細書に記載の組成物および方法は、フォワードプライマーおよびリバースプライマーの唯一の機能が、aによる増幅のために曝露された一本鎖DNAをプライミングすることであるPCRとより類似している DNAポリメラーゼ
【0142】
いくつかの実施形態では、リコンビナーゼおよびSSBは、同じ種からであり、またはリコンビナーゼおよびSSBは、異なる種からのものである いくつかの実施形態では、リコンビナーゼおよびSSBは、同じバクテリオファージ種またはリコンビナーゼからであり、SSBは、異なるバクテリオファージ種からのものである いくつかの実施形態では、リコンビナーゼおよびSSBは、筋ウイルス科バクテリオファージ、T 4バクテリオファージ、Rb 69バクテリオファージ、T 2バクテリオファージ、T 6バクテリオファージ、Aehlバクテリオファージ、KvP 40バクテリオファージ、またはそれらの誘導体から誘導される
【0143】
本明細書に記載の組成物のいくつかの実施形態では、リコンビナーゼはRb 69UvsXであり、SSBはRb 69gp 32、T 4gp 32、Aehl gp 32、またはT 6gp 32から選択され;(b)リコンビナーゼはAehl UvsXであり、SSBはRb 69gp 32、T 4gp 32、 Aehl gp 32、T 6gp 32、またはその誘導体、(c)リコンビナーゼはT 4UvsXであり、SSBはRb 69gp 32、T 4gp 32、Aehl gp 32、T 6gp 32、またはそれらの任意の誘導体から選択されるか、または(d)リコンビナーゼはT 6UvsXであり、SSBはRb 69gp 32から選択され、 T 4gp 32、Aehl gp 32、T 6gp 32、またはそれらの任意の誘導体。本明細書に記載の組成物のいくつかの実施形態では、リコンビナーゼはRb 69UvsXであり、SSBはT 4gp 32である
3. リコンビナーゼ負荷因子
【0144】
本明細書に記載の組成物のいくつかの実施形態では、組成物はリコンビナーゼ負荷因子を含まない。本明細書に記載の組成物のいくつかの実施形態では、組成物はリコンビナーゼ負荷因子を含む いくつかの実施形態では、リコンビナーゼ負荷因子は、バクテリオファージuvsY、大腸菌recO、またはcoll recRおよび誘導体、ならびにそれらの組み合わせから選択される。本明細書に記載されるように、当該技術は、リコンビナーゼ充填剤(例えば、 UvsY)(1)単一核酸プライマーとのリコンビナーゼ(UvsX)の結合を促進して核タンパク質複合体を形成し、(2)gp 32と一本鎖DNAに結合するリコンビナーゼとの間の競合に対処した(すなわち、 プライマー);(3)Dループ生成のために核タンパク質複合体を安定化させる;および/または(4)好ましくないSSB/gp 32環境においてリコンビナーゼ負荷を増加させた 本明細書に記載の組成物のいくつかの実施形態では、IOプライマーの存在は、増幅プロセス中のリコンビナーゼ負荷因子の必要性を打ち消す
4. ポリメラーゼ
【0145】
本明細書に記載の組成物のいくつかの実施形態では、ポリメラーゼは、大腸菌Pol I、枯草菌Pol I大断片(Bsuポリメラーゼ)、ムーニーマウス白血病ウイルス(MuMLV)逆転写酵素、 黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)Pol I、またはそれらの組み合わせ。いくつかの実施形態では、ポリメラーゼは、Bsuポリメラーゼ、MuMLV、および/またはその誘導体である
【0146】
本明細書に記載の組成物と共に使用することができる追加のポリメラーゼは、大腸菌DNAポリメラーゼIクレノウ断片、バクテリオファージT 4gp 43DNAポリメラーゼ、Bacillus stear他のmophilusポリメラーゼI大断片、Phi-29DNAポリメラーゼ、 T 7DNAポリメラーゼ、枯草菌Pol I、大腸菌DNAポリメラーゼI、大腸菌DNAポリメラーゼII、大腸菌DNAポリメラーゼIII、大腸菌DNAポリメラーゼIV、大腸菌DNAポリメラーゼVおよび誘導体およびそれらの組み合わせ
【0147】
いくつかの実施形態では、ポリメラーゼは、鎖置換ポリメラーゼである。鎖置換複製では、1本の鎖のみが一度に複製される。この合成により一本鎖DNAが放出され、次いで二本鎖DNAにコピーされる 鎖置換の間、ポリメラーゼは、プライマーを伸長させるために二本鎖(ds)DNAを開く。鎖置換DNAポリメラーゼの合成および鎖置換活性は、二本鎖DNAおよびaの産生をもたらす 置換された一本鎖。この置換された一本鎖は、第2のオリゴヌクレオチド/プライマーの直接ハイブリダイゼーションおよび伸長のいずれかによって複製される または、反対側の端部から侵襲事象が既に発生していた場合には、鎖置換合成によって、またはストランド変位合成によって行われる
【0148】
多くのポリメラーゼは迅速かつプロセス的なプライマー伸長活性を示すが、非効率的な鎖置換活性は複製ポリメラーゼの一般的な特徴であると思われる 結果として、複製ヘリカーゼは、二本鎖DNAを開放するために必要とされ、レプリームとの関連での先行鎖ポリメラーゼの前進を促進する 本開示では、複製ヘリカーゼは、二本鎖DNAを開く必要はなく、組換え核酸プライマーの存在のために、先行鎖ポリメラーゼの前進を促進する(/。本実施形態では、本発明は、下記一般式(1)で表される化合物を含有する オリゴヌクレオチド、浸潤オリゴヌクレオチド、又はIOプライマー)。いくつかの実施形態では、一本鎖結合タンパク質(例えば、e coll SSBまたはバクテリオファージgp 32)は、DNA増幅中に効率的な鎖置換を可能にするために必要である いくつかの実施形態では、ポリメラーゼは鎖置換ポリメラーゼではない
【0149】
いくつかの実施形態では、ポリメラーゼは高い加工性を有する。本明細書で使用される場合、用語"加工性"は、DNAポリメラーゼが頻繁に解離することなく鋳型DNA上で連続的なDNA合成を行う能力を意味する プロセス性は、DNAポリメラーゼによって単一の会合/解離事象上に組み込まれたヌクレオチドの平均数によって測定される。DNAポリメラーゼの加工性は、合成速度および速度ならびにその基質に対する親和性を反映する したがって、高加工性DNAポリメラーゼは、長いテンプレートおよび二次構造および高いGC含量を有する配列の増幅、ならびにヘパリン、キシラン、およびフミン酸などのPCR阻害剤の存在下で、 これは、血液および植物組織に見られる。Zhuang et al、Biochim。Biophys Acta 1804(5):1081-1093(2010)。いくつかの実施形態では、ポリメラーゼは、Phi-29DNAポリメラーゼ、Bst DNAポリメラーゼ、 Bacillus subtilis Poll (Bsu)、及びT 7DNAポリメラーゼ
5. クラウディング剤
【0150】
本明細書に記載の組成物のいくつかの実施形態では、組成物はクラウディング剤を含む。クラウディング剤は、最適な増幅反応環境を確立するのに役立つ Ficoll、デキストラン、およびポリエチレングリコールなどの高分子クラウディング剤は、インビトロでいくつかの酵素の反応速度を増加させる 特に、クラウディング剤は、DNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼ、リガーゼ、エンドヌクレアーゼ、およびエキソヌクレアーゼの活性を増加させる クラウディング剤は、DNAポリメラーゼ複合体を安定化することによって、DNA増幅中のヌクレオチドの取り込み速度を増加させる。例えば、Zimmerman and Harrison、Proc Natl Acad Sci USA、84:1871-1875(1987);Ellis et al、Curr。オパール。不信。Biol 11(1):114-119(2001);Ikeda et al、US Pat No、5、66、572。例えば、高分子クラウディングは、大腸菌のDNAポリメラーゼI (Pol 1)またはT 4DNAポリメラーゼのそれらの鋳型プライマーへの結合の有意な増加を引き起こす DNA。特に、ポリエチレングリコール(PEG 8000およびPRG 35000)などのクラウディング剤の添加は、インビトロでDNA Pol IおよびT 4DNA Pol Iの結合親和性および活性を増強した クラウディング剤はまた、大腸菌DNA Pol IおよびT 4DNAポリメラーゼのエキソヌクレアーゼおよびポリメラーゼ活性を増強する
【0151】
本明細書に記載の組成物のいくつかの実施形態では、クラウディング剤は、ポリエチレングリコール、PEG 1450、PEG 6000、PEG 8000、PEG 10000、PEG 15000、PEG 20000、PEG 35000、グリセロール、デキストラン、フィコール又はこれらの組み合わせから選択される 好ましい実施形態では、組成物はPEG 6000を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、反応ごとに少なくとも約1%-少なくとも約12体積%のクラウディング剤を含む いくつかの実施形態では、組成物は、反応当たり少なくとも約1重量%-少なくとも約12重量%のクラウディング剤を含む
【0152】
本明細書に記載の組成物のいくつかの実施形態では、組成物はdNTPをさらに含む。dNTPは当業者によく知られている。dNTPは、例えば、dATP、dGTP、dCTP、dTTP、及びその誘導体及び類似体を含む 本明細書に記載の組成物のいくつかの実施形態では、組成物は、ATP、GTP、CTP、UTP、またはそれらの誘導体および類似体から選択されるNTPを含む いくつかの実施形態では、組成物は、例えば、フラグメントラダーを生成するためにddNTP (ddATP、ddTTP、ddGTPおよびddGTP)を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、dNTPおよびddNTPの混合物を含む
6. 乾燥組成物-トレハロース
【0153】
本明細書に記載の等温増幅方法の利点は、高度なPCR機械を必要とせず、必要な試薬を含む組成物が冷蔵を必要としないことである これは、組成物を乾燥させ、使用する準備ができたときに液体で再構成することができるため可能である。凍結乾燥組成物は、冷蔵の不在下でそれらの活性を維持することができ、無制限に室温で維持することができる 期間。乾燥組成物の貯蔵寿命を向上させるため、および/または凍結乾燥性能を改善するために、乾燥組成物に賦形剤安定剤を添加してもよい 使用前に凍結乾燥することができる試薬は、リコンビナーゼ、一本鎖DNA結合タンパク質、DNAポリメラーゼ、dNTPまたはその混合物、緩衝液、および第1のプライマーである
【0154】
本明細書に記載の組成物のいくつかの実施形態では、組成物は乾燥される。いくつかの実施形態では、クラウディング剤は、乾燥組成物中に含まれない いくつかの実施形態では、組成物は、凍結乾燥、凍結乾燥粉末、ペレット、またはビーズである。いくつかの実施形態では、組成物は、試薬ボールまたはチューブ中で凍結乾燥される いくつかの実施形態では、組成物は、賦形剤安定剤(例えば、タンパク質安定剤)の存在下で乾燥される。いくつかの実施形態では、賦形剤安定剤は、緩衝剤から選択される(例えば、 リン酸塩、アセテート、及びヒスチジン);等張剤/安定剤(例えば、スクロース、ソルビトール等のポリオール);増量剤、例えばマンニトール等のリヨ保護剤);界面活性剤(例えば、ポリソルベート);抗酸化剤(e g、メチオニン);金属イオン/キレート剤(例えば、エチレンジアミン四酢酸、EDTA);または保存剤(例えば、ベンジルアルコール)。いくつかの実施形態では、賦形剤安定剤は、二糖糖から選択される糖である(例えば、 スクロース、トレハロース、マルトース、およびラクトース)またはポリオール(例えば、マンニトール、ソルビトールおよびグリセロール)。いくつかの実施形態では、賦形剤安定剤はトレハロースである トレハロースは、タンパク質の例外的な安定剤であることが知られており、溶液中の酵素の活性、ならびに凍結乾燥状態を保持するのに役立つ、天然に存在する浸透圧分子である トレハロースは、他の糖およびポリオールと比較した場合の溶媒水の構造および特性に対する優れた効果のため、タンパク質コンフォメーションのユニバーサル安定剤である。例えば、Kaushik and Bhat、J。Biol。Chem 278(29):P 26458-26465(2003)
【0155】
いくつかの実施形態では、組成物は、水、液体、緩衝液で再構成される。いくつかの実施形態では、再構成液は、クラウディング試薬、標的核酸、標的核酸を含む試料を含む。いくつかの実施形態では、いくつかの実施形態では、これらの実施形態では、再構成された組成物は、所望の程度の増幅産物が生成されるまでインキュベートされる
7. プライマー
【0156】
本明細書に記載の組成物のいくつかの実施形態では、組成物は、1つ以上のプライマーセットを含む。いくつかの実施形態では、各プライマーセットは、フォワードプライマーおよびリバースプライマーを含む いくつかの実施形態では、各プライマーセットは、異なる標的核酸を増幅する。いくつかの実施形態では、各プライマーセットは、同じ標的核酸の異なる領域を増幅する
【0157】
いくつかの実施形態では、プライマーの長さは、当技術分野で使用されるプライマーの長さよりも短い。15ヌクレオチド程度の短いプライマー長が、Eとの機能的相同性検索複合体を組み立てることが示されている 非加水分解性補因子類似体ATP-y-Sの存在下での大腸菌recAであるが、このような短いプライマーによって形成された核タンパク質複合体は機能し得ない 特に、リコンビナーゼの相同性検索機能は、鎖交換を完了させるのに十分ではなく、ポリメラーゼアクセスを可能にするために浸潤複合体から放出された 当該技術分野では、等温増幅のために少なくとも約30塩基のプライマー長さを推奨する。Salinas et al、J Biol Chem 270(10):5181-6(1995);Formosa et al J。Biol。Chem 261(13):6107-18(1986) さらに、33ヌクレオチド程度の短い相同性の長さは、リコンビナーゼ/ssDNA核タンパク質複合体をその適切な標的iに誘導し、完全な鎖交換を可能にするのに十分であった。例えば、以下を参照されたい。米国特許第7、399、590号 等温増幅のためのオリゴヌクレオチドの推奨される最適な長さは、30ヌクレオチドと50ヌクレオチドとの間にあり、徐々により大きなオリゴヌクレオチドは、浸潤/伸長の速度を減少させることができる
【0158】
対照的に、特許請求の範囲の開示のプライマーは、ルーチンPCRプライマーの長さを有する。本組成物の少なくとも1つのプライマーは、相同性検索機能を有するリコンビナーゼを補助するために使用されていないので、 あるいは、鎖交換は、PCRプライマーの最適な長さより長くする必要はない。いくつかの実施形態では、プライマーは、少なくとも約15-少なくとも約25塩基である いくつかの実施形態では、プライマーは、少なくとも約16、少なくとも約17、少なくとも約18、少なくとも約18、少なくとも約19、少なくとも約20、少なくとも約21、少なくとも約22、少なくとも約23、少なくとも約24、 少なくとも約25塩基。いくつかの実施形態では、逆方向または前方プライマーは、DNA、RNA、ペプチド核酸(PNA)、ロックド核酸(LNA)、モルホリノ骨格核酸、ホスホロチオエート骨格核酸またはaを含む これらの組み合わせ。本明細書で使用される場合、ペプチド核酸(PNA)は、デオキシリボースリン酸骨格が、核酸塩基が連結されている疑似ペプチドポリマーによって置き換えられたDNAの合成模倣物を意味する PNAは、本質的にそれらの非荷電性及び可撓性ポリアミド骨格のために、非常に高い親和性及び特異性を有する相補的なDNA又はRNAとハイブリダイズする 本明細書で使用される場合、ロックド核酸(LNA)は、糖コンホメーションを模倣するRNAにロックされた二環式フラノース単位を有する1つ以上のLNAヌクレオチドモノマーを含有する核酸類似体を意味する
【0159】
プライマーを設計および生成するための様々なソフトウェアが当業者に知られており、市販されている。本開示のプライマーは、当技術分野で知られている方法に従って設計される プライマーの長さを選択する際の最初の考慮事項は、本明細書に記載の方法に利用されることが予想される温度である 例えば、オリゴヌクレオチドの選択された長さは、切断手段の熱安定性に応じて変化し得る。より長いプライマーは、一般に、より高いハイブリダイゼーション特異性を有すると予想される。Lyamichevらを参照されたい (1999)Nature Biotechnology 17:292-296;米国特許第6、562、611号;第5、994069号および同第5、844、717号も参照されたい さらに、本発明のプライマーは、製造業者、Thermo Fisher Scientific、Integrated DNA Technologies、またはSigma-Aldrichから購入することができる
V。増幅装置
【0160】
本開示の一態様は、本明細書に記載の組成物を含む増幅装置を提供する。いくつかの実施形態では、デバイスは、存在の有無を判定するための方法に使用される またはサンプル中の1つ以上の標的核酸の量。いくつかの実施形態では、装置は、本明細書に記載の組換え核酸プライマー、組成物および等温増幅技術を使用して核酸を増幅するために使用される
【0161】
本開示の一態様は、本明細書に記載の組成物またはシステムを含む増幅装置を提供する。いくつかの実施形態では、デバイスは、存在の有無を判定するための方法に使用される またはサンプル中の1つ以上の標的核酸の量。いくつかの実施形態では、本方法は、以下を含むか、またはそれらから本質的になるか、またはからなる (i)本明細書に記載の核酸プライマーおよび/またはシステムを使用して、サンプル中の1つまたは複数の標的核酸を増幅する(存在する場合) (ii)増幅された標的核酸を1つ以上のシグナル伝達物質に直接的または間接的に結合し、標的核酸が存在する場合にシグナル伝達物質を検出する (iii)試料中に存在する場合、増幅された標的増幅核酸を検出する。標的核酸が試料中に存在しない場合、シグナルは検出されない
【0162】
本明細書に記載の増幅デバイスのいくつかの実施形態では、サンプル中の1つ以上の標的核酸の存在、不在、または量を決定するための方法は、以下を含む (i)1つ以上の標的核酸を含む試料を、試料分析カートリッジの試料調製リザーバ内の流体に導入する工程であって、カートリッジが、本明細書に記載の組成物を含む、試料を導入する工程 (ii)本明細書に記載の組換え核酸プライマーを含む増幅プロセスを使用して1つ以上の標的核酸を増幅する (iii)増幅された標的核酸を、サンプル調製リザーバ内の流体中の1つ以上のシグナル剤に直接的または間接的に結合するステップ (iv)1つ以上の増幅された標的核酸が1つ以上のシグナル伝達剤に直接的または間接的に結合するように、サンプル調製リザーバからセンサを含む分析チャネルに流体を放出する (v)基板を、センサ上に局在化されたシグナル剤と反応させる工程;(vi)反応した基材シグナル伝達剤複合体を電気的に刺激して、センサによって検出される1つ以上のシグナルを生成する工程; および(viii)1つまたは複数の信号を処理して、1つまたは増幅された標的核酸の存在、不在、または量を決定する
【0163】
いくつかの実施形態では、サンプル調製リザーバ内の流体中の各1つ以上のシグナル剤は、1つ以上の増幅された標的核酸の各々に特異的な検出可能な電位を有する いくつかの実施形態では、各1つ以上の増幅核酸の検出可能電位は異なる。いくつかの実施形態では、各基質シグナル伝達剤複合体のシグナルは、そのシグナル剤のそれぞれの電位に基づく 1つ以上の増幅された核酸標的
【0164】
いくつかの実施形態では、センサーは、1つまたは複数の信号を同時に検出し、それによって、サンプル中の1つまたは複数の標的核酸の存在、不在、または量を同時に検出する いくつかの実施形態では、デバイスは、2つ以上のセンサを備える
【0165】
いくつかの実施形態では、デバイスは、サンプル調製リザーバを備える。いくつかの実施形態では、サンプル調製リザーバは、本明細書に記載の組成物を含む いくつかの実施形態では、サンプルリザーバは、(i)組換え核酸プライマー、(ii)リコンビナーゼ、(iii)ポリメラーゼ、(iv)標的核酸、(v)クラウディング剤、(vi)1つ以上のプライマー、 及び(vi)一本鎖DNA結合タンパク質(SSB)。いくつかの実施形態では、サンプル調製リザーバは、異なるタイプの標的に対して異なる検出可能電位を有する1つ以上のタイプのシグナル剤をさらに含み、または増幅される 核酸。例えば、シグナル剤は、標的または増幅された核酸の各々について、異なる酸化還元電位の酸化還元染料であり得る いくつかの実施形態では、信号は、センサ上に局在化されたシグナル剤と反応する基質に応答して、センサによって感知される 各基質シグナル剤の反応は、特定の種類の標的核酸に対するシグナル剤の電位に基づいて異なるであろう
【0166】
いくつかの実施形態では、サイクリックボルタンメトリー(CV)、方形波ボルタンメトリー、またはアンペロメトリーなどの走査技法を使用して、生成された核酸標的の存在および/または量についてセンサ上の局所化されたサンプルをプローブすることができる 試料中に導入されている核酸標的への応答、または任意の内部制御反応。そのような技術は、センサごとに複数の増幅された核酸タイプを含む複数の標的分析物タイプを検出し、それを可能にするために使用され得る 。各センサまたは異なるセンサ上での多重化。例えば、CV走査または方形波ボルタンメトリー中に異なる酸化還元電位で検出することができる3つの異なるレドックス色素、または既知の電位範囲にわたる線形掃引が存在する場合 (例えば、-0。6V-0。5V)、センサ毎に測定された3つの検体が存在し得る。3つのセンサがある場合、3つのセンサを有する分析チャネル内で9つの標的を分析することができる いくつかの実施形態では、デバイスは、WO 2018/140540に記載されるようなメモリを備え、走査技法を実行するための命令は、リーダが電気信号を処理するように、リーダのプロセッサに結合されたメモリに記憶され得る カートリッジのセンサ(複数可)によって感知される、例えば、それぞれの電気コネクタを介して、リーダに送信される。例えば、 リーダのプロセッサは、カートリッジ内の1つ以上のセンサの1つ以上の電極に電圧掃引を印加するように指示してもよい。異なるタイプのシグナリング。エージェントは、電圧掃引中に異なる電圧に応答することができる 各タイプのシグナル剤に対する応答は、対応する標的分析物の存在、不在、および/または量を決定するために使用され得る
【0167】
いくつかの実施形態では、等温増幅産物は、様々な親和性およびシグナル分子と、上記の方法の組み合わせとを組み合わせることによって、核酸品種(RNA、DNA)の標的を測定することができるように、同時に進行することができる
【実施例
【0168】
本技術は、以下の実施例によってさらに示されており、これは決して限定するものと解釈されるべきではない 本明細書の実施例は、本技術の利点を例示し、本技術の組成物およびシステムを調製または使用することによって当業者をさらに支援するために提供される 実施例は、添付の特許請求の範囲によって定義されるように、本技術の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。実施例は、様々な態様、態様のいずれかを含むか、または組み込むことができる 以上に記載された本技術の実施形態。上記の変形形態、態様、または実施形態はまた、任意のまたはすべての他の変形形態の変形形態をさらに含むか、または組み込むことができる
【0169】
実施例1:元の浸潤オリゴヌクレオチドプライマーは、非特異的増幅産物をもたらした
[発明の概要]
本明細書で論じられる等温増幅化学は、3つのプライマー、すなわち、フォワードプライマー、リバースプライマー、および新規または改良された組換え核酸プライマー(オリゴヌクレオチド、浸潤オリゴヌクレオチド、またはIOプライマー)に依存する IOプライマーは、等温増幅プロセスの一体部分である。IOプライマーは、リコンビナーゼUuvsXと共に、標的二本鎖DNA (dsDNA)アンプリコンの鎖浸潤を媒介する 浸潤工程は、標的二本鎖DNAへのフォワードプライマー及び/又はリバースプライマー及びポリメラーゼの結合に必要なアクセシビリティを生成するため、等温増幅プロセスにおいて必要な工程である したがって、アンプリコンの指数関数的増幅につながる
【0170】
IOプライマー(図1)の元の設計において、潜在的なピフェイルが観察された。実験的証拠は、IOプライマー自体が、増幅中にフォワードプライマーおよび/またはリバースプライマーおよびポリメラーゼのための鋳型として機能し得ることを示した プロセス。この現象は、多数の試験、例えばCOVID-19PCR試験において問題となる高い速度で偽陽性の結果をもたらした さらに、この問題は、多重アッセイ系においてIOプライマーが使用されたときに悪化し、ここで、多数のアッセイが増加し、および/または追加のプライマーが必要であった これらの状況下では、非特異的プライマー対プライマー相互作用の確率は、一般に増加する。これらについては、以下の通りである 理由から、IOプライマーの元の設計は、例えばCOVID-19PCR Testのような臨床応用のためのIOプライマーの有用性を制限すると結論付けられた
【0171】
したがって、出願人は、(1)IOプライマー内の改変されたDNAまたはRNA塩基を使用して、(1)IOプライマーを再設計することによって、元のIOプライマーを使用するときの高い偽陽性結果が防止され得ると仮定し、 (2)IOプライマーに二次構造を導入するか、または(3)2つのアプローチの組み合わせにより、二次構造を導入する。本開示は、低いバックグラウンド特性を示す多重アッセイにおいて使用するためのIOプライマーのための最適な設計を提供する -テンプレート依存性増幅のための優れた機能性を維持する
IOプライマー設計
【0172】
IOプライマー設計の改変されていないベースケースは、二次構造を含まない。図1に示すように、元のIOプライマーは、長さが約39-61塩基であり、3つの3つのサブ領域を含んでいた 5'-3'に列挙されたこれら3つのサブ領域は、(1)長さが約7-13塩基のポリ-dCサブ領域;(2)標的核酸領域と相同であり、長さが約25-35塩基であったDNAサブ領域であった および(3)標的核酸領域にも相同であるメチル化RNAサブ領域(長さ:7-13塩基)
【0173】
(組換え核酸プライマーとも呼ばれる)元のIOプライマーを用いて得られた増幅産物の次世代シークエンシング または非官能性プライマー)は、IOプライマーが、フォワードプライマーおよびリバースプライマーならびにポリメラーゼのための基質として、および/または増幅反応(例えば、増幅プロセス)のための増幅プライマーとして機能し得ることを示した 元のIOプライマーを使用した完成した増幅反応の複数の増幅産物に対する次世代シークエンシングの実施に続いて、非特異的配列リードのセットが観察された これらの異常な配列リードの存在は、IOプライマーそれ自体が、単に、意図される二本鎖核酸標的の浸潤においてのみ機能するのではなく、増幅のためのプライマーとして機能し得ることを示唆している デザイン。この現象の最大証拠はCOVID-19増幅産物で観察された。図2に示すように、 COVID-19IOプライマー及び内部リバースプライマー(内部対照リバースプライマー)の両方に由来する配列を含むハイブリッド配列の存在が観察された したがって、増幅反応中に、COVID-19IOプライマーおよび内部対照リバースプライマーは両方とも、予想外に標的核酸の一部と位置合わせされて、配列決定において観察されたハイブリッド増幅産物を生成する COVID 19-陰性反応からの生成物
【0174】
さらに、いくつかの配列は、内部制御リバースプライマーがCOVID 19IOプライマーの逆相補体の増幅(転写)に結合し、その増幅(転写)をプライミングすることができるメカニズムを示唆している 出願人は、IOプライマーの標的増幅領域(DNA領域)内のフォワードまたはリバースプライマーの3'末端の結合をポリメラーゼによって転写して、IOの逆相補体を生成することができると仮定した これは、指数関数的な非特異的増幅につながる可能性がある。そのような非特異的増幅は、COVID-19試験において偽陽性結果を生じた
実施例2:新規な組換え核酸プライマー設計の評価
等温増幅
【0175】
上記の観察を前提として、本出願人は、重合のための鋳型として機能すると予想されない、IOプライマー内にDNAまたはRNA塩基を含むことを選択した 元のIOプライマーは、1)DNAサブ領域内の酸化dG DNA塩基(オキソ-dG)、または2)DNAサブ領域内の2-3メチル化RNA塩基の包含のいずれかを含むように改変された
【0176】
加えて、IOプライマーの構造が改変された戦略も考慮された。元のIOプライマーのポリdCサブ領域を隔離することによって、 重合のためのテンプレートとして機能するIOプライマーの適合性を低下させることができる。この目的のために、2つの別個のアプローチを試験した 最初に、IOプライマーを改変して、短いポリ-dGオリゴヌクレオチドを添加して、IOプライマーのポリ-dCサブ領域のアクセシビリティを制限した。第2に、5'ヘアピン構造をIOプライマー自体に導入した これらの2つの改変の組み合わせもまた、ポリdCサブ領域がステム構造の一部として機能するであろうと考えられた
【0177】
上記の設計変更のそれぞれを、基礎となるシステムとして会社のCOVID-19試験を使用して、Cue Health Incカートリッジプラットフォーム上で試験した。Cue COVID-19は二重試験である この試験複合プライマーは、ヒト試料(内部対照鋳型)中に存在する標的を増幅するためのプライマーと、SARS-CoV-2ウイルス(アッセイ標的)を増幅するためのプライマーとを組み合わせた このシステムを使用して、偽陽性アッセイ結果の速度を決定した
【0178】
偽陽性率(FPR)を評価するために、各IO条件を、内部制御テンプレートのみを工夫した鼻マトリックスの形で(すなわち、標的テンプレートが添加されていない)試験した。結果を以下の表1に要約する 元のIOプライマーを改変することなく使用した場合、偽陽性率は約5。1%であった(196陰性試験対10偽陽性) 5'ヘアピン構造を元のIOプライマーに加えたとき、偽陽性率は5。1%から1。3%に減少した(232陰性試験対3偽陽性) 元のIOプライマーが5'ヘアピン構造及び2'0ME部位を含むように改変された場合、偽陽性率は5。1%から0。3%に減少した(294陰性試験対1偽陽性)
【表1】
【0179】
元のIOプライマーが、ポリGオリゴヌクレオチドおよび2'0ME部位またはオキソ-dG部位を含有するように改変された場合、同様の結果が得られた 例えば、元のIOプライマーがポリGオリゴヌクレオチドおよび2'0ME部位を含有するように改変された場合、偽陽性率は5。1%から1。5%に減少した(197陰性試験対3偽陽性) 元のIOプライマーが、ポリGオリゴヌクレオチドおよびオキソ-dG部位を含有するように改変された場合、偽陽性率は5。1%から1。3%に減少した(299陰性試験対4偽陽性)
【0180】
全体として、余分な2'0MEサイトおよび5'ヘアピン構造を含むように実装された改変された条件は、対照条件(0。3%対5。1%)と比較して偽陽性の発生を低減するのに最も成功した
実施例3:改良されたIOプライマーはCOVID-19試験の偽陽性率を低下させた
【0181】
改良されたIOプライマー設計がCOVID-19試験の偽陽性率を低下させる可能性があるかどうかを決定するために、各IO修飾は、COVID-19RNA鋳型が添加された増幅反応において試験された 以下の表2に示すように、改変されたIOプライマーは、標的SARS-CoV-2ウイルス遺伝子の成功した増幅を促進した。試験したほとんどの条件では、偽陰性結果は観察されなかった。2つの条件は、1個の偽の結果を示した これらは、低いn値のために統計的に有意であった
【表2-1】
【表2-2】
【0182】
全体として、検出は全ての条件にわたって一貫しており、各々が0または1の偽陰性のいずれかをもたらす。余分な2'0MEサイトおよび5'ヘアピン構造を含むように実装された改変された条件は、同様に最も成功した 制御条件と比較して偽陽性の発生を低減することにおいて、偽陽性の発生を低減する
【0183】
多重アッセイにおける低偽陽性率(FPR)のために最適化されたIOプライマーのための新しい設計(バイプレックス、三重鎖、4プレックス状態)は、図3に示されるように、約5サブ領域を含む 5'-3'に列挙されるサブ領域は、(1)5'ヘアピン構造;(2)ポリdCサブ領域(長さ:7-13塩基)、(3)1-4塩基を含む第1のメチル化RNAサブ領域;(4)標的に相同であるDNAサブ領域(長さ: 25-35塩基)、および(5)標的に相同である第2のメチル化RNAサブ領域(長さ:7-13塩基)。メチル化RNA領域は、2'-O-メチルRNA (2'Ome)を含む
【0184】
この新規な組換え核酸プライマー設計は、図2に示される非特異的増幅に耐性があり、この特性は、多重アッセイを使用して臨床設定において良好に行う等温増幅化学にとって重要である(必須) 本開示によって企図される。特に、この新規な組換え核酸プライマー設計は、多重化(2プレックス、3プレックス、4プレックスなど)の特異性および感度を大幅に改善することが示された 本明細書に記載の組成物および方法を用いたアッセイ
等価物
【0185】
本技術は、本出願に記載された特定の実施形態に関して限定されるべきではなく、本技術の個々の態様の単一の例示として意図されている 当業者には明らかであるように、本技術の多くの修正および変形を、その精神および範囲から逸脱することなく行うことができる 本明細書に列挙されたものに加えて、本技術の範囲内の機能的に同等の方法および装置は、前述の説明から当業者には明らかであろう そのような改変及び変形は、本技術の範囲内に入ることが意図される。本技術は、特定の方法、試薬、化合物組成物または生物学的システムに限定されず、 これは、当然変化することができる。また、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態のみを説明するためのものであり、限定することを意図するものではないことも理解されたい
【0186】
加えて、本開示の特徴または態様がマーカッシュ群に関して説明される場合、当業者は、本開示が、それによっても、それによって、それらのメンバーの任意の個々のメンバーまたはサブグループに関して説明されることを認識するであろう マーカッシュ群
【0187】
当業者には理解されるように、特に記載された説明を提供するという用語において、本明細書に開示される全ての範囲はまた、それらの部分範囲のいずれか及び全ての可能な部分範囲及び組み合わせを包含する 任意の列挙された範囲は、少なくとも等しい半分、3分の1、4分の1、5分の1、10分の1などに分解されるのと同じ範囲を十分に記述し、可能にするものとして容易に認識され得る 非限定的な例として、本明細書で論じられる各範囲は、下方の第3の、中央の第3の、および上方の第3のなどに容易に分解され得る また、当業者には理解されるように、全ての言語、例えば、上への、少なくとも、上への、これよりも大きい、 上述のように、後に部分範囲に分解され得る範囲を含む、記載された数を含む。最後に、当業者には理解されるように、範囲は各個々の部材を含む したがって、例えば、1-3個の細胞を有する基は、1、2、または3個の細胞を有する基を指す。同様に、1-5個の細胞を有する基は、1、2、3、4、または5個の細胞などを有する基を指す
【0188】
本明細書で参照または引用されるすべての特許、特許出願、仮出願、および刊行物は、すべての図および表を含む、それらの全体を参照することによって組み込まれる 本明細書の明示的な教示と矛盾しない範囲である
図1
図2
図3
【誤訳訂正書】
【提出日】2024-12-24
【誤訳訂正1】
【訂正対象書類名】特許請求の範囲
【訂正対象項目名】全文
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組換え核酸プライマー(オリゴヌクレオチド)であって、
(i)ヘアピン領域;および
(ii)標的核酸の配列に相補的な標的結合領域;
を含み、
前記標的結合領域が、ポリメラーゼによる前記組換え核酸プライマーの増幅を防止するための少なくとも1つの修飾ヌクレオシド(塩基)を含む、組換え核酸プライマー。
【請求項2】
請求項1に記載の組換え核酸プライマーであって、
(i)前記少なくとも1つの修飾ヌクレオシド(塩基)が、5-ニトロインドール;8-オキソ-2’-デオキシグアノシン(8-オキソ-dG);8-オキソ7,8-ジヒドロ-2’-デオキシグアノシン;8-オキソ-デオキシアデノシン(8-オキソ-dA);5-ヒドロキシメチルデオキシシトシン(5-ヒドロキシメチル-dC);5’-ジメトキシトリチル-N-ベンゾイル-3’-デオキシアデノシン、2’-スクシノイル長鎖アルキルアミノ-CPG(3’-dA-CPG);5’-ジメトキシトリチル-N-ジメチルホルムアミジン-3’-デオキシグアノシン、2’-スクシノイル長鎖アルキルアミノ-CPG(3’-dG-CPG);5’-ジメトキシトリチル-N-ベンゾイル-3’-デオキシシトシン、2’-スクシノイル長鎖アルキルアミノ-CPG(3’-dC-CPG);5’-ジメトキシトリチル-3’-デオキシチミジン、2’-スクシノイル長鎖アルキルアミノ-CPG(3’-dT-CPG);3’-デオキシアデノシン;シトシンアラビノシド;逆位dT;2’-O-メチルRNAヌクレオチド;2’-O-メチルアデノシン(2’-OMe-A);2’-O-メチルシトシン(2’-OMe-C);2’-O-メチルグアノシン(2’-OMe-G);2’-O-メチルウリジン(2’-OMe-U);イノシン、または5’から3’へのポリメラーゼ増幅を遮断する修飾塩基から選択されるか;または
(ii)前記少なくとも1つの修飾ヌクレオシドが、ジデオキシシチジン(ddC);2’-3’-ジデオキシシチジン(2’,3’ジデオキシ-C);5’-ジメトキシトリチル-N-スクシノイル長鎖アルキルアミノ-CPG、2’,3’-デオキシシトシン(2’,3’-ddC-CPG);2’-3’-ジデオキシアデノシン(2’,3’ジデオキシ-A);または5’-ジメトキシトリチル-N-スクシノイル長鎖アルキルアミノ-CPG、2’,3’-デオキシアデノシン(2’,3’-ddA-CPG)から選択されるジ-デオキシ-ヌクレオチドであるか;または
(iii)前記標的結合領域が、C3スペーサーアミダイト(DMT-1,3-プロパンジオール);C3スペーサーホスホルアミダイト;C3スペーサー;C6スペーサー;ヘキサンジオール;トリエチレングリコールスペーサー(スペーサー9);18原子のヘキサエチレングリコールスペーサー(スペーサー18);1’,2’-ジデオキシリボース(dSpacer);C6アミン;ペプチド核酸(PNA);ロックド核酸(LNA);または1-ジメトキシトリチルオキシ-プロパンジオール-3-スクシノイル)-長鎖アルキルアミノ-CPG(3’-スペーサー-C3-CPG)で修飾された塩基を含む、組換え核酸プライマー。
【請求項3】
前記ポリメラーゼによる増幅を阻害する前記少なくとも1つの修飾塩基が、前記ポリメラーゼによる増幅を阻害するための前記標的結合領域の(i)3’末端;(ii)5’末端;または(iii)内部領域内のうちの1またはそれを超えるものに位置する、請求項1~2のいずれか一項に記載の組換え核酸プライマー。
【請求項4】
請求項3に記載の組換え核酸プライマーであって、
(i)前記標的結合領域の前記3’末端および前記5’末端が、同じかまたは異なる1またはそれを超える修飾塩基を含むか;
(ii)前記標的結合領域の前記3’末端および前記内部領域が、同じかまたは異なる前記1またはそれを超える修飾塩基を含むか;
(iii)前記標的結合領域の前記5’末端および前記内部領域が、同じかまたは異なる前記1またはそれを超える修飾塩基を含むか;または
(iv)前記標的結合領域の前記3’末端、前記5’末端、および前記内部領域が、前記1またはそれを超える修飾塩基を含み、前記3’末端修飾、前記5’末端修飾および前記内部修飾のうちの少なくとも2つが、同じかまたは異なる、組換え核酸プライマー。
【請求項5】
前記修飾塩基が、2’-O-メチルRNA(2’OME)ヌクレオチドであり;必要に応じて、少なくとも1つの2’OMEヌクレオチドを含む領域がメチル化RNA領域である、請求項2または3に記載の組換え核酸プライマー。
【請求項6】
前記標的結合領域が、第1のメチル化RNA領域および第2のメチル化RNA領域をさらに含む、請求項5に記載の組換え核酸プライマー。
【請求項7】
請求項6に記載の組換え核酸プライマーであって、
(i)前記第1のメチル化RNA領域が、少なくとも1つの2’OMEヌクレオチド、もしくは少なくとも2つの2’OMEヌクレオチド、もしくは少なくとも3つの2’OMEヌクレオチド、もしくは少なくとも4つの2’OMEヌクレオチド、もしくは少なくとも約5つの2’OMEヌクレオチドを含み;および/または
(ii)前記第1のメチル化RNA領域が、前記組換え核酸プライマーの前記標的結合領域の前記5’末端に位置する、組換え核酸プライマー。
【請求項8】
請求項6に記載の組換え核酸プライマーであって、
(i)前記第2のメチル化RNA領域が、前記標的結合領域の前記3’末端に位置するか;
(ii)前記第2のメチル化RNA領域が、少なくとも7個~少なくとも13個の連続ヌクレオチドを含むか;または
(iii)前記標的結合領域中のすべての相補的核酸残基が、2’OMEヌクレオチドを含む、組換え核酸プライマー。
【請求項9】
組換え核酸プライマー(オリゴヌクレオチド)であって、
(i)ヘアピン領域;
(ii)標的核酸の配列に相補的な第1のメチル化RNA領域;
(iii)前記標的核酸の配列に相補的な標的結合領域;および
(iv)前記標的核酸の配列に相補的な第2のメチル化RNA領域
を含む、組換え核酸プライマー。
【請求項10】
前記ヘアピン領域が、5’ヘアピンループ領域およびステム領域を含む、請求項9に記載の組換え核酸プライマー。
【請求項11】
前記5’ヘアピンループ領域が約25~約65ヌクレオチド長である、請求項10に記載の組換え核酸プライマー。
【請求項12】
前記5’ヘアピンループ領域が、前記ステム領域に対する隣接部分および非隣接部分を含む、請求項11に記載の組換え核酸プライマー。
【請求項13】
前記非隣接部分が前記隣接部分に対して5’であり、前記ヘアピンループ領域の前記非隣接部分が前記ステム領域にハイブリダイズし;前記ヘアピンループ領域の前記非隣接部分が、前記ステム領域のポリデオキシシチジル酸(ポリ-dC)配列に相補的なポリデオキシグアニル酸(ポリ-dG)配列を含むか;または前記ヘアピンループ領域の前記非隣接部分が、前記ステム領域のポリデオキシグアニル酸(ポリ-dG)配列に相補的なポリデオキシシチジル酸(ポリ-dC)配列を含む、請求項12に記載の組換え核酸プライマー。
【請求項14】
前記ステム領域がポリデオキシシチジル酸(ポリ-dC)領域を含み;および/または前記ステム領域が少なくとも約7~13個の連続したdC塩基を含む、請求項10に記載の組換え核酸プライマー。
【請求項15】
請求項9に記載の組換え核酸プライマーであって、
(i)前記組換え核酸プライマーがポリメラーゼによって伸長されず、それにより、前記組換え核酸プライマーがポリメラーゼによる増幅に対して耐性になり;および/または
(ii)前記組換え核酸プライマーが3’末端逆位ヌクレオチド修飾を含まない、組換え核酸プライマー。
【請求項16】
請求項9に記載の組換え核酸プライマーであって、前記組換え核酸プライマーが、1またはそれを超える追加のヌクレオシド修飾を含み、
(i)前記1またはそれを超える追加の修飾が、5-ニトロインドール;8-オキソ-2’-デオキシグアノシン(8-オキソ-dG);8-オキソ7,8-ジヒドロ-2’-デオキシグアノシン;8-オキソ-デオキシアデノシン(8-オキソ-dA);5-ヒドロキシメチルデオキシシトシン(5-ヒドロキシメチル-dC);5’-ジメトキシトリチル-N-ベンゾイル-3’-デオキシアデノシン、2’-スクシノイル長鎖アルキルアミノ-CPG(3’-dA-CPG);5’-ジメトキシトリチル-N-ジメチルホルムアミジン-3’-デオキシグアノシン、2’-スクシノイル長鎖アルキルアミノ-CPG(3’-dG-CPG);5’-ジメトキシトリチル-N-ベンゾイル-3’-デオキシシトシン、2’-スクシノイル長鎖アルキルアミノ-CPG(3’-dC-CPG);5’-ジメトキシトリチル-3’-デオキシチミジン、2’-スクシノイル長鎖アルキルアミノ-CPG(3’-dT-CPG);3’-デオキシアデノシン;シトシンアラビノシド;逆位dT;イノシン、または5’から3’へのポリメラーゼ増幅を遮断する修飾塩基から選択されるか;または
(ii)前記1またはそれを超える追加のヌクレオシド修飾が、ジデオキシシチジン(ddC);2’-3’-ジデオキシシチジン(2’,3’ジデオキシ-C);5’-ジメトキシトリチル-N-スクシノイル長鎖アルキルアミノ-CPG、2’,3’-デオキシシトシン(2’,3’-ddC-CPG);2’-3’-ジデオキシアデノシン(2’,3’ジデオキシ-A);または5’-ジメトキシトリチル-N-スクシノイル長鎖アルキルアミノ-CPG、2’,3’-デオキシアデノシン(2’,3’-ddA-CPG)から選択されるジ-デオキシ-ヌクレオチドであるか;または
(iii)前記1またはそれを超える追加のヌクレオシド修飾が、C3スペーサーアミダイト(DMT-1,3-プロパンジオール);C3スペーサーホスホルアミダイト;C3スペーサー;C6スペーサー;ヘキサンジオール;トリエチレングリコールスペーサー(スペーサー9);18原子のヘキサエチレングリコールスペーサー(スペーサー18);1’,2’-ジデオキシリボース(dSpacer);C6アミン;ペプチド核酸(PNA);ロックド核酸(LNA);または1-ジメトキシトリチルオキシ-プロパンジオール-3-スクシノイル)-長鎖アルキルアミノ-CPG(3’-スペーサー-C3-CPG)で修飾されたヌクレオシドである、組換え核酸プライマー。
【請求項17】
前記組換え核酸プライマーが、増幅のための鋳型ではなく、それにより、フォワードおよび/またはリバースプライマー結合の活性によって引き起こされる非特異的増幅に耐性である、請求項9に記載の組換え核酸プライマー。
【請求項18】
前記第1のメチル化RNAまたは前記第2のメチル化領域が2’-O-メチルRNA(2’OME)ヌクレオチドを含む、請求項9に記載の組換え核酸プライマー。
【請求項19】
前記第1のメチル化RNA領域が、少なくとも約1つの2’OMEヌクレオチド、または少なくとも約2つの2’OMEヌクレオチド、または少なくとも約3つの2’OMEヌクレオチド、または少なくとも約4つの2’OMEヌクレオチド、または少なくとも約2’OMEヌクレオチドを含む、請求項9に記載の組換え核酸プライマー。
【請求項20】
請求項18に記載の組換え核酸プライマーであって、
(i)前記第2のメチル化RNA領域が、前記組換え核酸プライマーの3’末端に位置し;
(ii)前記第2のメチル化RNA領域が、少なくとも約7個~少なくとも約13個の連続ヌクレオチドを含み;および
(iii)すべての相補的核酸残基が、2’OMEヌクレオチドで置換されている、組換え核酸プライマー。
【請求項21】
前記組換え核酸プライマーが多重化アッセイに使用される、請求項18~20のいずれか一項に記載の組換え核酸プライマー。
【請求項22】
前記組換え核酸プライマーが、多重化アッセイの特異性および感度を有意に増強する、請求項9~21のいずれか一項に記載の組換え核酸プライマー。
【請求項23】
前記組換え核酸プライマー上の前記第1のメチル化RNA領域および前記第2のメチル化RNA領域の存在が、前記第1のメチル化RNA領域または前記第2のメチル化RNA領域のみを含有する組換え核酸プライマーと比較した場合、多重化アッセイの特異性および感度を増強する、請求項9~22のいずれか一項に記載の組換え核酸プライマー。
【請求項24】
前記5’ヘアピン領域と前記第1のメチル化RNA領域との組み合わせが、前記5’ヘアピンループ領域、前記5’ヘアピンステム領域、前記第1のメチル化RNA領域または前記第2のメチル化RNA領域のみを含む組換え核酸プライマーと比較した場合、多重化アッセイの特異性および感度を有意に増強する、請求項9~23のいずれか一項に記載の組換え核酸プライマー。
【請求項25】
組換え核酸プライマーであって、
(i)以下:
約25~約65ヌクレオチド長である5’ヘアピンループ領域;ならびにポリデオキシシチジル酸(ポリ-dC)領域を含み、および/または少なくとも約7~13個の連続したdC塩基を有する、ステム領域
を含む5’ヘアピン領域;
(ii)少なくとも約1個~少なくとも約5個の2’-メチルRNA(2’OME)ヌクレオチドを含む標的核酸の配列に相補的な第1のメチル化RNA領域;
(iii)前記標的核酸の配列に相補的な標的結合領域、および
(iv)少なくとも約7個~少なくとも約13個の2’OMEヌクレオチドを含む前記標的核酸の配列に相補的な第2のメチル化RNA領域;
を含み、
前記組換え核酸プライマーは、増幅のための鋳型ではなく;
前記組換え核酸プライマーは、前記5’ヘアピン領域、前記第1のメチル化RNA領域、または前記第2のメチル化RNA領域のみを含む組換え核酸プライマーと比較した場合、多重化アッセイの特異性および感度を有意に増強し;および
多重化アッセイの前記特異性および感度は、偽陽性結果の発生に基づく、
組換え核酸プライマー。
【請求項26】
前記標的核酸が、コロナウイルス科ウイルス、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)、ポリオウイルス、西ナイルウイルス、チクングニアウイルス、エボラウイルス、ラッサウイルス、デングウイルス、SARSコロナウイルス、中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルス、フニンウイルス、C型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、A型インフルエンザウイルス、B型インフルエンザウイルス、C型インフルエンザウイルス、ワクシニアウイルス、痘瘡ウイルス、ポリオーマウイルス、ポックスウイルス、ヘルペスウイルス、サイトメガロウイルス(CMV)、ヒト免疫不全ウイルス、JCウイルス、JCポリオーマウイルス(JCV)、BKポリオーマウイルス(BKV)、シミアンウイルス40(SV40)、サル痘ウイルス、マールブルグウイルス、ブニヤウイルス、アレナウイルス、アルファウイルス、またはフラビウイルスから選択される感染性因子由来の核酸分子である、請求項9~25のいずれか一項に記載の組換え核酸プライマー。
【請求項27】
前記標的核酸が、SARS-CoV-1、SARS-CoV-2、MERS-CoV、β-コロナウイルス、HCoV-OC43、HCoVHKU1、HCoV-NL63またはHCoV-229Eから選択されるコロナウイルス科ウイルスに由来する、請求項9~26のいずれか一項に記載の組換え核酸プライマー。
【請求項28】
請求項1~27のいずれか一項に記載の組換え核酸プライマーを含む核酸増幅方法。
【請求項29】
請求項28に記載の核酸増幅方法であって、
(i)前記核酸増幅方法が、ループ媒介等温増幅(LAMPもしくはLoopamp);鎖置換増幅(SDA);リコンビナーゼポリメラーゼ増幅(RPA);ヘリカーゼ依存性増幅(HDA);等温多重置換増幅(IMDA);ローリングサークル増幅(RCA);RNA技術のシグナル媒介増幅(SMART);ポリメラーゼスパイラル反応(PSR);もしくはニッキング酵素増幅反応(NEAR)から選択される等温増幅であるか;
(ii)前記核酸増幅方法が、RPA、SDAもしくはHDAであるか;
(iii)前記核酸増幅方法が、RPAであるか;または
(iv)前記核酸増幅方法が、リコンビナーゼ酵素を含む相同組換え酵素誘導性等温増幅である、
核酸増幅方法。
【請求項30】
前記核酸増幅方法が、リコンビナーゼ酵素を含む相同組換え酵素誘導性等温増幅であり;前記方法が、
(i)リコンビナーゼを前記組換え核酸プライマーと接触させてオリゴ-リコンビナーゼ複合体を形成する工程;
(ii)前記オリゴ-リコンビナーゼ複合体が相補的二本鎖標的核酸に侵入することを可能にする条件下で、前記オリゴ-リコンビナーゼ複合体を前記二本鎖標的核酸に接触させる工程であって、前記二本鎖標的核酸の前記オリゴ-リコンビナーゼ複合体侵入が、前記組換え核酸プライマーに相補的な前記二本鎖標的核酸の領域を変性させる、工程;
(iii)フォワードプライマー、リバースプライマー、ポリメラーゼおよびデオキシヌクレオチド三リン酸(dNTP)を、前記フォワードプライマーおよび前記リバースプライマーが前記二本鎖標的核酸上のそれぞれの相補的領域に結合することを可能にし、前記ポリメラーゼが前記フォワードプライマーおよび前記リバースプライマーの3’末端をdNTPで伸長させて第1および第2の増幅された二本鎖核酸を生成させることを可能にする条件下で、前記方法に混合する工程;および必要に応じて、
(iv)所望の程度の増幅産物が産生されるまで、(i)および(iii)の繰り返しによって増幅方法を継続する工程
を含む、請求項28に記載の核酸増幅方法。
【請求項31】
前記核酸が、リコンビナーゼ負荷因子の非存在下で増幅される、請求項30に記載の核酸増幅方法。
【請求項32】
前記核酸が一本鎖DNA結合分子(SSB)の存在下で増幅され;必要に応じて、前記SSBは、大腸菌SSBタンパク質、任意のバクテリオファージ由来のgp32タンパク質;マイオウイルス科バクテリオファージに由来するgp32タンパク質、T4 gp32タンパク質、Rb69 gp32タンパク質、またはそれらの誘導体から選択される、請求項30または31に記載の核酸増幅方法。
【請求項33】
前記SSBが前記組換え核酸プライマーに結合しないかまたは弱く結合し、それにより、リコンビナーゼ-組換え核酸プライマー複合体の形成を増強し、増幅中のリコンビナーゼ負荷因子の必要性をなくす、請求項32に記載の核酸増幅方法。
【請求項34】
前記リコンビナーゼが、大腸菌RecA、任意のバクテリオファージ種由来のUvsX、T4 UvsX、Rb69 UvsX、T2 UvsX、T6 UvsX、Aeh1 UvsX、KvP40 UvsX、またはそれらの任意の誘導体もしくは任意の組み合わせから選択される、請求項30~33のいずれか一項に記載の核酸増幅方法。
【請求項35】
前記ポリメラーゼが、大腸菌Pol I、Bacillus subtilis Pol Iラージフラグメント(Bsuポリメラーゼ)、モロニーマウス白血病ウイルス(MuMLV)逆転写酵素、Staphylococcus aureus Pol I、またはそれらの組み合わせから選択される、請求項30~34のいずれか一項に記載の核酸増幅方法。
【請求項36】
前記組換え核酸プライマー、前記標的核酸分子、前記フォワードプライマーおよび前記リバースプライマー、前記ポリメラーゼ、およびdNTPが、前記核酸増幅方法に同時に付加される、請求項30~35のいずれか一項に記載の核酸増幅方法。
【請求項37】
前記リコンビナーゼおよび前記SSBが同じ種に由来するか;または前記リコンビナーゼおよび前記SSBが異なる種に由来する、請求項30~36のいずれか一項に記載の核酸増幅方法。
【請求項38】
前記リコンビナーゼおよび前記SSBが同じバクテリオファージ種に由来するか;または前記リコンビナーゼおよび前記SSBが異なるバクテリオファージ種に由来する、請求項30~37のいずれか一項に記載の核酸増幅方法。
【請求項39】
請求項1~27のいずれか一項に記載の組換え核酸プライマーを含む組成物。
【請求項40】
前記組成物が、
(i)前記組換え核酸プライマー;
(ii)リコンビナーゼ;
(iii)ポリメラーゼ;
(iv)標的核酸;
(v)クラウディング剤;および
(vi)一本鎖DNA結合タンパク質(SSB)
を含む、請求項39に記載の組成物。
【請求項41】
前記リコンビナーゼおよび前記SSBが同じバクテリオファージ種に由来するか;または前記リコンビナーゼおよび前記SSBが異なるバクテリオファージ種に由来する、請求項40に記載の組成物。
【請求項42】
前記リコンビナーゼおよび前記SSBが、マイオウイルス科バクテリオファージ、T4バクテリオファージ、Rb69バクテリオファージ、T2バクテリオファージ、T6バクテリオファージ、Aeh1バクテリオファージ、KvP40バクテリオファージ、またはそれらの誘導体に由来する、請求項40または41に記載の組成物。
【請求項43】
dNTPをさらに含む、請求項40~42のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項44】
前記組成物が乾燥される、請求項40~43のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項45】
前記組成物が、凍結乾燥されるか、凍結乾燥粉末、ペレットまたはビーズである、請求項40~44のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項46】
前記組成物が試薬ボール中で凍結乾燥される、請求項40~45のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項47】
前記組成物がトレハロースで再構成される、請求項40~46のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項48】
前記組成物が1またはそれを超えるプライマーセットを含み、各プライマーセットがフォワードプライマーおよびリバースプライマーを含み、各プライマーセットが異なる標的核酸を増幅する、請求項40~47のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項49】
請求項1~27のいずれか一項に記載の組換え核酸プライマーまたは請求項39~48のいずれか一項に記載の組成物を含む増幅デバイス。
【請求項50】
前記デバイスが、サンプル中の1またはそれを超える標的核酸の存在、非存在または量を決定するための方法において使用される、請求項49に記載の増幅デバイス。
【請求項51】
前記方法が、
(i)1またはそれを超える標的核酸を含む前記サンプルをサンプル分析カートリッジのサンプル調製リザーバー内の流体に導入する工程であって、前記カートリッジが、請求項39~48のいずれか一項に記載の組成物を含む、工程;
(ii)請求項28~30のいずれか一項に記載の方法を用いて1またはそれを超える標的核酸を増幅する工程;
(iii)前記増幅された標的核酸を前記サンプル調製リザーバー内の前記流体中の1またはそれを超えるシグナル伝達剤に直接的または間接的に結合させる工程であって、前記1またはそれを超えるシグナル伝達剤は各々、前記1またはそれを超える増幅された標的核酸の各々に特異的な検出可能な電位を有しており;各1またはそれを超える増幅された核酸に対する前記検出可能な電位は異なる、工程;
(iv)前記1またはそれを超える増幅された標的核酸が前記1またはそれを超えるシグナル伝達剤に直接的または間接的に結合するように、前記サンプル調製リザーバーからセンサーを含む分析チャネルに前記流体を放出する工程;
(v)基質を前記センサー上に局在化した前記シグナル伝達剤と反応させる工程;
(vi)前記反応した基質-シグナル伝達剤複合体を電気的に刺激して、前記センサーによって検出される1またはそれを超えるシグナルを生成する工程であって、各基質-シグナル伝達剤複合体に対する前記シグナルが、前記1またはそれを超える増幅された核酸標的に対する前記シグナル伝達剤のそれぞれの電位に基づく、工程;および
(viii)前記1またはそれを超えるシグナルを処理して、前記1または増幅された標的核酸の存在、非存在、または量を決定する工程
を含む、請求項54に記載の増幅デバイス。
【請求項52】
前記センサーが、前記1またはそれを超えるシグナルを同時に検出し、それにより、サンプル中の1またはそれを超える標的核酸の存在、非存在、または量を同時に検出する、請求項49~51のいずれか一項に記載の増幅デバイス。
【請求項53】
前記デバイスが、1つよりも多くのセンサーを備える、請求項49~52のいずれか一項に記載の増幅デバイス。
【誤訳訂正2】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】全文
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本開示は、多重化アッセイのための標的核酸の等温増幅のための組換え核酸プライマー、組成物、方法およびデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
背景
本技術の背景に関する以下の説明は、単に本技術を理解するための補助として提供されるものであり、本技術の先行技術を説明または構成することを認めたものではない。
【0003】
核酸の効率的な増幅は、臨床診断および医学研究の重要な部分である。特に、核酸の増幅は、ヒトまたは他の動物内の病原体、疾患または状態の存在または非存在を検出するために重要である。診断ツールとしての核酸増幅は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術の発端とともに始まり、全ゲノムシーケンシングおよび疾患の生物学的マーカーの同定における近年の進歩とともに拡大した。
【0004】
PCRは、より大きく、より複雑な核酸分子内に含有される短い核酸配列を増幅する非常に高感度で効率的な方法である。しかしながら、PCRは、非常に高温で増幅反応を熱サイクリングする必要があるため、制限される。特に、PCRは、以下のために高温を必要とする:(1)標的二本鎖DNAを融解(すなわち、変性)して(>90℃)、2つの一本鎖DNA分子を生成する;(2)変性した一本鎖DNAへのプライマーハイブリダイゼーションを促進する(すなわち、アニーリング、50~60℃);および(3)プライマーを重合/増幅して(72℃)、一本鎖核酸の新しいコピーを生成する。実際、PCRは、極めて高い温度(72℃)でのみ機能することができる熱安定性ポリメラーゼを使用する。
【0005】
PCRは、増幅過程中に温度を円滑かつ効率的に変化させるために必要とされる精巧な機械のコストによってさらに制限される。PCR増幅技術は、高価な実験設備および高度に訓練された医療専門家の専門知識を必要とする。その結果、PCR技術に依存する診断方法は、典型的に、実験室または医療施設内で行われる。そのため、多くの医学的状態は、研究室または医療施設へのアクセス可能性の欠如のために診断されない可能性がある。さらに、病原体が同定される前に、感染疾患が広がり、集団に実質的な害を引き起こす。
【0006】
核酸増幅技術を診断ツールとしてよりアクセスしやすくするために、等温技術として知られる第2のクラスの増幅技術が最近開発された。最近開発された等温増幅技術は、ループ媒介等温増幅(LAMPまたはLoopamp);鎖置換増幅(SDA);リコンビナーゼポリメラーゼ増幅(RPA);ヘリカーゼ依存性増幅(HDA);等温多重置換増幅(IMDA);ローリングサークル増幅;ポリメラーゼスパイラル反応(polymerase spiral reaction)(PSR);RNA技術のシグナル媒介増幅(SMART);およびニッキング酵素増幅反応(NEAR)を含むが、これらに限定されない。等温増幅方法は、DNAまたは任意の熱安定性構成要素の熱融解を必要としない。むしろ、等温増幅技術は、核酸配列をコピーするために、温度変化ではなく酵素の生物学的活性を使用して、単一の一定温度で実施される。特に、いくつかの等温増幅技術は、相同組換え中に関与する酵素(すなわち、DNA修復、リコンビナーゼおよびアクセサリー分子)、DNA複製中に関与する酵素(すなわち、ヘリカーゼおよびアクセサリー分子)、または所望の領域(例えば、増幅中に存在する1またはそれを超えるオリゴヌクレオチドに相補的な核酸領域)で標的二本鎖DNAを融解させる制限酵素;特定のポリメラーゼ(DNAおよびRNAポリメラーゼ;鎖置換DNAポリメラーゼ);および/または特別に設計されたプライマー(単一のプライマー、プライマー対、複数のプライマーセット、またはDNA-RNAキメラプライマー)の生物学的活性に依存する。
【0007】
新興技術として、等温増幅には依然として多くの欠点がある。例えば、多くの酵素およびそれらのアクセサリー分子はインビトロで良好に機能しない。いくつかの酵素は、プライマー結合についてそれらのアクセサリー分子と競合し、増幅方法の動態を低減させる。さらに、等温増幅産物は、等温増幅機構の異なる構成要素間の非特異的相互作用によって引き起こされる複数の増幅アーチファクトを含有する。高レベルのアーチファクト増幅産物の存在は、医療診断における等温増幅アッセイの感度および特異性を低減させる。これらの欠点はすべて、単一または多重化増幅アッセイとしての医療診断におけるこの新生であるが興味を引く技術の使用を妨げている。
【0008】
したがって、多重化増幅アッセイのための高い特異性および/または感度を有する代替的および/または改良された等温核酸増幅方法が必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の概要
本開示は、等温増幅中の二本鎖核酸の侵入のためにリコンビナーゼ酵素に結合する非機能性プライマー(オリゴヌクレオチド)として使用するための新規な組換え核酸プライマーの操作に基づく。新規な組換え核酸プライマーは、非特異的増幅産物が低減した高度に特異的かつ高感度の増幅方法を提供する。
【0010】
本開示の一態様は、ヘアピン領域;および標的二本鎖核酸の配列に相補的な標的結合領域を含むかまたはそれらからなる組換え核酸プライマー(本明細書では、プライマー、IOプライマー、またはオリゴヌクレオチドとも呼ばれる)を提供する。いくつかの実施形態では、標的結合領域は、ポリメラーゼによる組換え核酸プライマーの増幅を防止するために、少なくとも1つの修飾ヌクレオシド(すなわち、修飾塩基)を含むか、またはそれから本質的になる。一実施形態では、標的結合領域の少なくとも1つの修飾ヌクレオシド(塩基)は、5-ニトロインドール;8-オキソ-2’-デオキシグアノシン(8-オキソ-dG);8-オキソ7,8-ジヒドロ-2’-デオキシグアノシン;8-オキソ-デオキシアデノシン(8-オキソ-dA);5-ヒドロキシメチルデオキシシトシン(5-ヒドロキシメチル-dC);5’-ジメトキシトリチル-N-ベンゾイル-3’-デオキシアデノシン、2’-スクシノイル長鎖アルキルアミノ-CPG(3’-dA-CPG);5’-ジメトキシトリチル-N-ジメチルホルムアミジン-3’-デオキシグアノシン、2’-スクシノイル長鎖アルキルアミノ-CPG(3’-dG-CPG);5’-ジメトキシトリチル-N-ベンゾイル-3’-デオキシシトシン、2’-スクシノイル長鎖アルキルアミノ-CPG(3’-dC-CPG);5’-ジメトキシトリチル-3’-デオキシチミジン、2’-スクシノイル長鎖アルキルアミノ-CPG(3’-dT-CPG);3’-デオキシアデノシン;シトシンアラビノシド;逆位dT;2’-O-メチルRNAヌクレオチド;2’-O-メチルアデノシン(2’-OMe-A);2’-O-メチルシトシン(2’-OMe-C);2’-O-メチルグアノシン(2’-OMe-G);2’-O-メチルウリジン(2’-OMe-U);イノシン、または5’から3’へのポリメラーゼ増幅を遮断する修飾塩基から選択される。別の実施形態では、標的結合領域の少なくとも1つの修飾ヌクレオシドは、ジデオキシシチジン(ddC);2’-3’-ジデオキシシチジン(2’,3’ジデオキシ-C);5’-ジメトキシトリチル-N-スクシノイル長鎖アルキルアミノ-CPG、2’,3’-デオキシシトシン(2’,3’-ddC-CPG);2’-3’-ジデオキシアデノシン(2’,3’ジデオキシ-A);または5’-ジメトキシトリチル-N-スクシノイル長鎖アルキルアミノ-CPG、2’,3’-デオキシアデノシン(2’,3’-ddA-CPG)から選択されるジ-デオキシ-ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、標的結合領域は、C3スペーサーアミダイト(DMT-1,3-プロパンジオール);C3スペーサーホスホルアミダイト;C3スペーサー;C6スペーサー;ヘキサンジオール;トリエチレングリコールスペーサー(スペーサー9);18原子のヘキサエチレングリコールスペーサー(スペーサー18);1’,2’-ジデオキシリボース(dSpacer);C6アミン;ペプチド核酸(PNA);ロックド核酸(LNA);または1-ジメトキシトリチルオキシ-プロパンジオール-3-スクシノイル)-長鎖アルキルアミノ-CPG(3’-スペーサー-C3-CPG)で修飾された塩基を含む。いくつかの実施形態では、ポリメラーゼによる増幅を阻害する標的結合領域の少なくとも1つの修飾塩基は、標的結合領域の3’末端;5’末端;または内部領域内のうちの1またはそれを超えるものに位置する。いくつかの実施形態では、修飾塩基は、2’-O-メチルRNA(2’OME)ヌクレオチドであり;必要に応じて、少なくとも1つの2’OMEヌクレオチドを含む領域がメチル化RNA領域である。一態様では、少なくとも1つの2’OMEヌクレオチドを含む領域は、メチル化RNA領域である。
【0011】
本開示の一態様は、組換え核酸プライマー(オリゴヌクレオチド)であって、(i)ヘアピン領域;(ii)標的核酸の配列に相補的な第1のメチル化RNA領域;(iii)標的核酸の配列に相補的な標的結合領域;および(iv)標的核酸の配列に相補的な第2のメチル化RNA領域を含むか、またはそれらからなる、組換え核酸プライマーを提供する。標的核酸は、二本鎖または一本鎖であり得、DNAまたはRNAであり得る。
【0012】
いくつかの実施形態では、組換え核酸プライマーのヘアピン領域は、5’ヘアピンループ領域およびステム領域を含むか、またはそれらからなる。いくつかの実施形態では、第1のメチル化RNAまたは第2のメチル化領域は、2’-O-メチルRNA(2’OME)ヌクレオチドを含むか、またはそれらからなる。
【0013】
いくつかの実施形態では、組換え核酸プライマーは、ポリメラーゼによって伸長されない。いくつかの実施形態では、組換え核酸プライマーは、ポリメラーゼによる増幅に耐性である。いくつかの実施形態では、組換え核酸プライマーは、増幅のための鋳型ではなく、それにより、フォワードおよび/またはリバースプライマー結合の活性によって引き起こされる非特異的増幅に耐性である。
【0014】
いくつかの実施形態では、組換え核酸プライマーの標的結合領域は、1またはそれを超える追加のヌクレオシド修飾を含む。一実施形態では、1またはそれを超える追加の修飾は、5-ニトロインドール;8-オキソ-2’-デオキシグアノシン(8-オキソ-dG);8-オキソ7,8-ジヒドロ-2’-デオキシグアノシン;8-オキソ-デオキシアデノシン(8-オキソ-dA);5-ヒドロキシメチルデオキシシトシン(5-ヒドロキシメチル-dC);5’-ジメトキシトリチル-N-ベンゾイル-3’-デオキシアデノシン、2’-スクシノイル長鎖アルキルアミノ-CPG(3’-dA-CPG);5’-ジメトキシトリチル-N-ジメチルホルムアミジン-3’-デオキシグアノシン、2’-スクシノイル長鎖アルキルアミノ-CPG(3’-dG-CPG);5’-ジメトキシトリチル-N-ベンゾイル-3’-デオキシシトシン、2’-スクシノイル長鎖アルキルアミノ-CPG(3’-dC-CPG);5’-ジメトキシトリチル-3’-デオキシチミジン、2’-スクシノイル長鎖アルキルアミノ-CPG(3’-dT-CPG);3’-デオキシアデノシン;シトシンアラビノシド;逆位dT;イノシン、または5’から3’へのポリメラーゼ増幅を遮断する修飾塩基から選択される。別の実施形態では、1またはそれを超える追加のヌクレオシド修飾は、ジデオキシシチジン(ddC);2’-3’-ジデオキシシチジン(2’,3’ジデオキシ-C);5’-ジメトキシトリチル-N-スクシノイル長鎖アルキルアミノ-CPG、2’,3’-デオキシシトシン(2’,3’-ddC-CPG);2’-3’-ジデオキシアデノシン(2’,3’ジデオキシ-A);または5’-ジメトキシトリチル-N-スクシノイル長鎖アルキルアミノ-CPG、2’,3’-デオキシアデノシン(deoxyadnosine)(2’,3’-ddA-CPG)から選択されるジ-デオキシ-ヌクレオチドである。さらに、別の実施形態では、1またはそれを超える追加のヌクレオシド修飾は、C3スペーサーアミダイト(DMT-1,3-プロパンジオール);C3スペーサーホスホルアミダイト;C3スペーサー;C6スペーサー;ヘキサンジオール;トリエチレングリコールスペーサー(スペーサー9);18原子のヘキサエチレングリコールスペーサー(スペーサー18);1’,2’-ジデオキシリボース(dSpacer);C6アミン;ペプチド核酸(PNA);ロックド核酸(LNA);または1-ジメトキシトリチルオキシ-プロパンジオール-3-スクシノイル)-長鎖アルキルアミノ-CPG(3’-スペーサー-C3-CPG)で修飾されたヌクレオシドである。
【0015】
いくつかの実施形態では、組換え核酸プライマーは、多重化アッセイにおいて使用される。いくつかの実施形態では、5’ヘアピン領域と第1のメチル化RNA領域との組み合わせは、5’ヘアピン構造、第1のメチル化RNA領域または第2のメチル化RNA領域のみを含む組換え核酸プライマーと比較した場合、多重化アッセイの特異性および感度を有意に増強する。多重化アッセイの特異性および感度は、先行技術のプライマーを使用したアッセイの偽陽性結果の発生によって決定することができるか、またはそれに基づく。
【0016】
本開示の一態様は、(i)以下を含むか、またはそれからなる5’ヘアピン領域:約25~約65ヌクレオチド長である5’ヘアピンループ領域;ならびにポリデオキシシチジル酸(ポリ-dC)領域を含み、および/または少なくとも約7~13個の連続したdC塩基を有する、ステム領域;(ii)少なくとも約1個~少なくとも約5個の2’-メチルRNA(2’OME)ヌクレオチドを含む標的核酸の配列に相補的な第1のメチル化RNA領域;(iii)標的核酸の配列に相補的な標的結合領域、および(iv)少なくとも約7~13個の2’OMEヌクレオチドを含む標的核酸の配列に相補的な第2のメチル化RNA領域を含むか、またはそれらからなる組換え核酸プライマーを提供する。いくつかの実施形態では、組換え核酸プライマーは、増幅のための鋳型ではない。いくつかの実施形態では、組換え核酸プライマーは、5’ヘアピン構造、第1のメチル化RNA領域または第2のメチル化RNA領域のみを含む組換え核酸プライマーと比較した場合、多重化アッセイの特異性および感度を有意に増強した。標的核酸は、二本鎖または一本鎖であり得、DNAまたはRNAであり得る。
【0017】
標的核酸は、DNAまたはRNAであり得る。いくつかの実施形態では、標的核酸は、コロナウイルス科ウイルス、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)、ポリオウイルス、西ナイルウイルス、チクングニアウイルス、エボラウイルス、ラッサウイルス、デングウイルス、SARSコロナウイルス、中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルス、フニンウイルス、C型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、A型インフルエンザウイルス、B型インフルエンザウイルス、C型インフルエンザウイルス、ワクシニアウイルス、痘瘡ウイルス、ポリオーマウイルス、ポックスウイルス、ヘルペスウイルス、サイトメガロウイルス(CMV)、ヒト免疫不全ウイルス、JCウイルス、JCポリオーマウイルス(JCV)、BKポリオーマウイルス(BKV)、シミアンウイルス40(SV40)、サル痘ウイルス、マールブルグウイルス、ブニヤウイルス、アレナウイルス、アルファウイルス、またはフラビウイルスから選択される感染性因子由来の核酸分子である。いくつかの実施形態では、標的核酸は、SARS-CoV-1、SARS-CoV-2、MERS-CoV、β-コロナウイルス、HCoV-OC43、HCoVHKU1、HCoV-NL63またはHCoV-229Eから選択されるコロナウイルス科ウイルスに由来する。
【0018】
本明細書に記載の組換え核酸プライマーを含む核酸増幅方法も提供される。そのような増幅方法は、ループ媒介等温増幅(LAMPまたはLoopamp);鎖置換増幅(SDA);リコンビナーゼポリメラーゼ増幅(RPA);ヘリカーゼ依存性増幅(HDA);等温多重置換増幅(IMDA);ローリングサークル増幅(RCA);RNA技術のシグナル媒介増幅(SMART);ポリメラーゼスパイラル反応(PSR);またはニッキング酵素増幅反応(NEAR)から選択される等温増幅を含むか、またはそれらからなり得る。いくつかの実施形態では、核酸増幅方法は、リコンビナーゼポリメラーゼ増幅(RPA);鎖置換増幅(SDA);またはヘリカーゼ依存性増幅(HDA)を含むか、またはそれらからなり得る。いくつかの実施形態では、核酸増幅方法は、リコンビナーゼポリメラーゼ増幅(RPA)を含むか、またはそれからなり得る。いくつかの実施形態では、核酸増幅方法は、リコンビナーゼ酵素を含む相同組換え酵素誘導性等温増幅(homologous recombination enzyme directed isothermal amplification)を含むか、またはそれからなり得る。
【0019】
いくつかの実施形態では、核酸増幅方法は、相同組換え酵素誘導性等温増幅を含むか、またはそれからなり得る。本方法は、(i)リコンビナーゼを本開示の組換え核酸プライマーと接触させてオリゴ-リコンビナーゼ複合体を形成する工程;(ii)オリゴ-リコンビナーゼ複合体が二本鎖標的核酸に侵入することを可能にする条件下で、オリゴ-リコンビナーゼ複合体を相補的二本鎖標的核酸に接触させる工程;(iii)フォワードプライマー、リバースプライマー、ポリメラーゼおよびデオキシヌクレオチド三リン酸(dNTP)を、フォワードプライマーおよびリバースプライマーが二本鎖標的核酸上のそれぞれの相補的領域に結合することを可能にし、ポリメラーゼがフォワードプライマーおよびリバースプライマーの3’末端をdNTPで伸長させて第1および第2の増幅された二本鎖核酸を生成させることを可能にする条件下で、方法に混合する工程;および必要に応じて、(iv)所望の程度の増幅産物が産生されるまで、(i)および(iii)の繰り返しによって増幅方法を継続する工程を含むか、またはそれらからなる。いくつかの実施形態では、二本鎖標的核酸のオリゴ-リコンビナーゼ複合体侵入は、組換え核酸プライマーに相補的な二本鎖標的核酸の領域を変性させる。本方法の工程は、逐次的または同時的であり得る。
【0020】
いくつかの実施形態では、本方法は、リコンビナーゼ負荷因子(recombinase loading factor)の非存在下で行われる。いくつかの実施形態では、核酸は、一本鎖DNA結合分子(SSB)の存在下で増幅される。SSBの非限定的な例は、例えば、大腸菌SSBタンパク質、任意のバクテリオファージ由来のgp32タンパク質;マイオウイルス科バクテリオファージ由来のgp32タンパク質、T4 gp32タンパク質、Rb69 gp32タンパク質、またはそれらの各々の誘導体を含む。
【0021】
リコンビナーゼの追加の非限定的な例は、例えば、大腸菌RecA、任意のバクテリオファージ種由来のUvsX、T4 UvsX、Rb69 UvsX、T2 UvsX、T6 UvsX、Aeh1 UvsX、KvP40 UvsX、またはそれらの各々の任意の誘導体もしくは任意の組み合わせを含む。
【0022】
(活性プライマーエレメントとして)本明細書に記載の組換え核酸プライマーを含むか、または本質的にそれからなる、組成物または増幅システムも本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、組成物は、(活性組換えエレメントとして)(i)組換え核酸プライマー;(ii)リコンビナーゼ;(iii)ポリメラーゼ(iv)標的核酸;および/または(v)クラウディング剤;および/または(vi)一本鎖DNA結合タンパク質(SSB)を含むか、または本質的にそれからなる。いくつかの実施形態では、組成物またはシステムは、リコンビナーゼ負荷因子を含まない。いくつかの実施形態では、組成物またはシステムは、1またはそれを超えるプライマーセットをさらに含むかまたは本質的にそれからなり、各プライマーセットはフォワードプライマーおよびリバースプライマーを含み、各プライマーセットは相補的標的核酸を増幅する。いくつかの実施形態では、組成物は乾燥または凍結乾燥される。
【0023】
本開示の一態様は、本明細書に記載の組成物またはシステムを含む増幅デバイスを提供する。いくつかの実施形態では、デバイスは、サンプル中の1またはそれを超える標的核酸の存在、非存在または量を決定するための方法において使用される。いくつかの実施形態では、本方法は、(i)本明細書に記載の核酸プライマーおよび/またはシステムを使用してサンプル中の1またはそれを超える標的核酸を(存在する場合)増幅すること;(ii)増幅された標的核酸を1またはそれを超えるシグナル伝達剤に直接的または間接的に結合させ、標的核酸が存在する場合にはシグナル伝達剤を検出すること;(iii)サンプル中に存在する場合、増幅された標的の増幅された核酸を検出することを含むか、本質的にそれらからなるか、またはそれらからなる。標的核酸がサンプル中に存在しない場合、シグナルは検出されない。
【0024】
別の態様では、本方法は、(i)1またはそれを超える標的核酸を含むと疑われるサンプルを、サンプル分析カートリッジのサンプル調製リザーバー内の流体に導入すること;(ii)本明細書に記載の核酸プライマーおよび/またはシステムを使用して、存在する場合、サンプル中の1またはそれを超える標的核酸を増幅すること;(iii)増幅された標的核酸を1またはそれを超えるシグナル伝達剤に直接的または間接的に結合させ、存在する場合、増幅された核酸を検出すること;(iv)一態様では、1またはそれを超える増幅された標的核酸が1またはそれを超えるシグナル伝達剤に直接的または間接的に結合するように、サンプル調製リザーバーからセンサーを含む分析チャネルに流体を放出することを含む、サンプル中に存在する場合に増幅された標的の増幅された核酸を検出すること;(v)基質をセンサー上に局在化したシグナル伝達剤と反応させること;(vi)反応した基質-シグナル伝達剤複合体を電気的に刺激して、センサーによって検出される1またはそれを超えるシグナルを生成することであって、各基質-シグナル伝達剤複合体に対するシグナルが、1またはそれを超える増幅された核酸標的に対するシグナル伝達剤のそれぞれの電位に基づく、反応した基質-シグナル伝達剤複合体を電気的に刺激して、センサーによって検出される1またはそれを超えるシグナルを生成すること;および(viii)1またはそれを超えるシグナルを処理して、1または増幅された標的核酸の存在、非存在、または量を決定することを含むか、または本質的にそれらからなるか、またはそれからなる。標的核酸がサンプル中に存在しない場合、シグナルは検出されない。
【0025】
いくつかの実施形態では、カートリッジは、本明細書に記載の組成物を含む。いくつかの実施形態では、1またはそれを超えるシグナル伝達剤は各々、1またはそれを超える増幅された標的核酸の各々に特異的な検出可能な電位を有する。いくつかの実施形態では、各1またはそれを超える増幅された核酸に対する検出可能な電位は異なる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は、3つのサブ領域を含む未修飾の侵入オリゴヌクレオチド(IOプライマー)の構造の概略図を示す。5’から3’に列挙されるサブ領域は、(1)ポリ-dCサブ領域(長さ:7~13塩基)、(2)標的に相同なDNAサブ領域(長さ:25~35塩基)、および(3)標的に相同なメチル化RNAサブ領域(長さ:7~13塩基)である。メチル化RNA領域は、2’-O-メチルRNA(2’Ome)ヌクレオチドを含む。
【0027】
図2図2は、元のIOプライマーを使用した場合に得られた非特異的増幅産物の概略 図を示す。特に、IOプライマーを、COVID-19 PCT試験における偽陽性結果の原因である自己鋳型化を引き起こす鋳型として使用した。COVID19 IOプライマーおよび内部対照リバースプライマーは両方とも、COVID-19増幅反応からの産物のシーケンシングにおいて観察されるハイブリッド配列リードの一部を生成するように予想外に整列した。
【0028】
図3図3は、多重化アッセイにおいて偽陽性率(FPR)が低い~無しであるように 最適化された改良された新規の組換え核酸プライマー設計の構造の概略図を示す。この改良は、(1)追加の2’-O-メチルRNA(2’OME)部位および(2)5’ヘアピンループ領域の付加を含む。
【発明を実施するための形態】
【0029】
詳細な説明
様々な実施形態を以下に説明する。特定の実施形態は、網羅的な説明として、または本明細書で説明されるより広い態様に対する限定として意図されていないことに留意されたい。特定の実施形態に関連して説明される1つの態様は、必ずしもその実施形態に限定されず、任意の他の実施形態(複数可)で実施することができる。
【0030】
本開示の一態様は、組換え核酸プライマー(本明細書ではオリゴヌクレオチドまたはプローブとも呼ばれる)を提供する。本開示の別の態様は、本明細書に記載の組換え核酸プライマーを含む核酸増幅方法(例えば、等温増幅方法)を提供する。別の態様は、組換え核酸プライマーを含む組成物を提供する。さらに別の態様は、本明細書に記載の組成物および/または組換え核酸プライマー(オリゴヌクレオチド)を含む増幅デバイスを提供する。
【0031】
本技術の実質的な理解を提供するために、本方法の特定の態様、モード、実施形態、バリエーションおよび特徴を様々な詳細レベルで以下に説明することを理解されたい。
【0032】
一態様では、本開示は、酵素(UvsXなどのリコンビナーゼ)に結合して二本鎖核酸の侵入を促進し、等温増幅中に二本鎖DNAを解離させる(unzip)非機能性プライマーとして使用するための新規な組換え核酸プライマーの操作に基づく。新規な組換え核酸プライマーは、疾患の診断および予後のための単一または多重アッセイで使用される場合、等温増幅方法の感度および効率を改良し、偽陽性および/または偽陰性試験の割合を排除する。偽陰性試験は、不必要なストレスおよび不必要な数週間にわたる個体の隔離をもたらし得るので、COVID-19試験などの多重試験の精度を改良することは重要である。
【0033】
また本明細書では、(i)ヘアピン領域;(ii)標的核酸の配列に相補的な第1のメチル化RNA領域;(iii)標的核酸の配列に相補的な標的結合領域;および(iv)標的核酸の配列に相補的な第2のメチル化RNA領域を含むか、またはそれらからなる、組換え核酸プライマー(オリゴヌクレオチド;IOプライマー)も提供される。新規な組換え核酸プライマーは、非特異的増幅産物が低減した高度に特異的かつ高感度の増幅方法を提供する。
【0034】
新規な組換え核酸プライマー(侵入オリゴヌクレオチド(IO)プライマー)設計は、非特異的増幅に耐性である。これは、多重アッセイを使用して臨床現場で良好に機能するように等温増幅化学を改良する。特に、新規な組換え核酸プライマー(IOプライマー)設計は、多重化(2重、3重、4重など)アッセイの特異性および感度を大幅に改良する。
【0035】
組換え核酸プライマー(すなわちIOプライマー)の多くは、鋳型核酸の標的領域と相同な(100%相補的な)大きな領域を含有する。組換え核酸プライマーはまた、等温増幅反応で使用されるフォワードプライマーおよびリバースプライマー(各々15~25ヌクレオチド)と重複する領域を含む。リバースプライマーおよびフォワードプライマーは、IOプライマーの領域と部分的に相同であるように設計されている(フォワードプライマーおよびリバースプライマーの長さの50%未満)。出願人は、当技術分野で公知のIOプライマーにアニーリングしたフォワードプライマーまたはリバースプライマーが、鎖置換ポリメラーゼに5’末端を超えて組換え核酸プライマーを増幅させ、組換え核酸プライマーの増幅をもたらすことを観察した(すなわち、自己鋳型増幅)。図2を参照されたい。このような反応の増幅産物は、自己鋳型増幅によって生じる非特異的産物であった。自己鋳型増幅は、IOプライマーおよび組換え核酸プライマーの多くが鋳型核酸の標的領域と相同な大きな領域を含有するため、IOプライマーを導入するときに特に問題である。したがって、IOのコピーが自己鋳型化によって増幅される場合、増幅産物は鋳型核酸のほぼ完全な標的領域を含む。
【0036】
IOプライマーおよび組換え核酸プライマーと重複する領域は、自己鋳型化の機構に寄与するのに役立ち、これは、COVID-19試験などの多重アッセイで偽陽性結果の原因であることが分かった。対照的に、本出願人の組換え核酸プライマーは、自己鋳型増幅を防止する。特に、本出願人の組換え核酸プライマーのヘアピン構造および第1のメチル化RNA領域は、フォワードプライマーまたはリバースプライマーが本出願人のプライマーにアニールせず、最終的に鎖置換ポリメラーゼが組換え核酸プライマーの5’末端を超えて組換え核酸プライマーを増幅しないことを確実にする(これは、このヘアピン構造を欠く当技術分野で公知で使用されている類似のブロッキングプライマー(例えばIOプライマー)で一般的に観察された)。
【0037】
いくつかの実施形態では、ヘアピン領域は、5’ヘアピンループ領域およびステム領域を含む。いくつかの実施形態では、5’ヘアピンループ領域は、ポリC領域に対する隣接部分および非隣接部分を含む。非隣接部分は隣接部分に対して5’であり、ヘアピンの非隣接部分はステム領域にハイブリダイズし、ヘアピンループ領域の非隣接部分は、ステム領域のポリデオキシシチジル酸(ポリ-dC)領域に相補的なポリデオキシグアニル酸(ポリ-dG)配列を含むか、またはそれからなる。いくつかの実施形態では、ヘアピンループ領域の非隣接部分は、ステム領域のポリデオキシグアニル酸(ポリ-dG)配列に相補的なポリデオキシシチジル酸(ポリ-dC)配列を含む。いくつかの実施形態では、ステム領域は、ポリデオキシシチジル酸(ポリ-dC)領域を含み;および/またはステム領域は、少なくとも約7~13個の連続したdC塩基を含む。
【0038】
ステム領域のポリデオキシシチジル酸(ポリ-dC)領域がヘアピンループ構造のポリ-dGと相互作用すると、ポリ-dGポリ-dC対合から天然の二次構造が形成される。ヘアピン領域のC-Gステムの結合が特に強いため、ヘアピン領域のC-Gステムは、鎖置換ポリメラーゼがC-G領域を通ってプロセシングするのを妨げる。出願人は、この偽陽性現象を減速させるためにヘアピンのステム領域を設計した。
【0039】
いくつかの実施形態では、組換え核酸プライマーは、標的核酸の配列に相補的な第1のメチル化RNA領域;および標的核酸の配列に相補的な第2のメチル化RNA領域を含むか、またはそれらからなる。いくつかの実施形態では、第1のメチル化RNAまたは第2のメチル化領域は、2’-O-メチルRNA(2’OME)ヌクレオチドを含む。別の態様では、組換え核酸プライマーは、組換え核酸プライマーの5’末端(ヘアピン領域のちょうど3’)および組換え核酸プライマーの3’末端に非常に近い第1のメチル化RNAを含む。これらの2’O-メチル化RNAは、ポリメラーゼを「中断させる(knock off)」のに役立つ。それらは、ポリメラーゼが2’O-メチル塩基を通ってプロセシングするのが困難であるため、組換え核酸プライマーから鎖置換ポリメラーゼを追い出すのを助ける「スピードバンプ」として作用する。一態様では、それらは5’末端の近位および3’末端の近位にあり、鎖置換ポリメラーゼが組換え核酸プライマーを鋳型として使用させないことによって自己鋳型化現象を防止する。合わせて、ヘアピン構造ならびに第1および第2のメチル化RNAは、いずれの方向においても、IOを複製のための鋳型とする(これは偽陽性結果をもたらす)ことを困難にする、組換え核酸プライマーの5’末端におけるヘアピン構造の複数の特徴(メチル化RNAまたはポリメラーゼがプロセシングするのに困難な他の修飾塩基)またはステムループが存在するので、増幅をより特異的にさせる。
【0040】
本開示の別の態様は、本明細書に記載の組換え核酸プライマーを含む核酸増幅方法(例えば、等温増幅方法)を提供する。別の態様は、組換え核酸プライマーを含む組成物を提供する。さらに別の態様は、本明細書に記載の組成物および/または組換え核酸プライマー(オリゴヌクレオチド)を含む増幅デバイスを提供する。
【0041】
本開示の一態様は、ヘアピン領域;および標的核酸の配列に相補的な標的結合領域を含む組換え核酸プライマー(オリゴヌクレオチド;IOプライマー)を提供する。標的結合領域は、ポリメラーゼによる組換え核酸プライマーの増幅を防止するために、少なくとも1つの修飾ヌクレオシド(塩基)を含む。
【0042】
I.定義
他に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、一般に、本技術が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は、内容が明らかにそうでないことを指示しない限り、複数の指示対象を含む。例えば、「細胞(a cell)」への言及は、2またはそれを超える細胞の組み合わせなどを含む。一般に、本明細書で使用される命名法ならびに以下に記載される細胞培養、分子遺伝学、有機化学、分析化学および核酸化学ならびにハイブリダイゼーションにおける実験室手順は、当技術分野で周知であり、一般的に使用されるものである。数値範囲に関して本明細書で使用される場合、「およそ(approximately)」、「約(about)」、「実質的に(substantially)」という用語および同様の用語は、当業者によって理解され、それが使用される文脈に応じてある程度変化する。当業者に明確でない用語の使用がある場合、それが使用される文脈を考慮し、その用語は開示された値の+または-10%である。「およそ(approximately)」、「約(about)」、「実質的に(substantially)」、および同様の用語が構造的特徴に(例えば、その形状、サイズ、向き、方向などを説明するために)適用される場合、これらの用語は、例えば、製造または組み立て過程から生じ得る構造の小さなバリエーションを網羅することを意味し、本開示の主題が関係する当業者による一般的かつ許容される使用法と調和した広い意味を有することを意図する。したがって、これらの用語は、記載され、特許請求される主題の実質的または重要でない修正または変更が、添付の特許請求の範囲に記載される開示の範囲内にあると考えられることを示すものとして解釈されるべきである。
【0043】
エレメントを説明する文脈における(特に以下の特許請求の範囲の文脈における)用語「a」および「an」および「the」ならびに同様の指示対象の使用は、本明細書で特に指示されない限り、または文脈と明らかに矛盾しない限り、単数および複数の両方を包含すると解釈されるべきである。本明細書における値の範囲の列挙は、本明細書に別段の指示がない限り、範囲内に含まれる各別個の値を個々に参照する簡略方法として役立つことを意図しているにすぎず、各別個の値は、本明細書に個々に列挙されているかのように本明細書に組み込まれる。本明細書に記載のすべての方法は、本明細書に別段の指示がない限り、または文脈と明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実行することができる。本明細書で提供されるありとあらゆる例または例示的な言語(例えば、「など」)の使用は、単に実施形態をよりよく明らかにすることを意図しており、特に明記しない限り、特許請求の範囲に限定を課すものではない。本明細書におけるいかなる言語も、特許請求されていないエレメントを必須として示すと解釈されるべきではない。
【0044】
本明細書で使用される場合、「サンプル」または「核酸サンプル」という用語は、核酸を含有するかまたは含有すると推定される任意の物質を指し、例えば、細胞抽出物、組織抽出物もしくは流体抽出物、またはそのような細胞、組織もしくは流体抽出物から精製もしくは単離された任意のポリヌクレオチド(複数可)を含み、血漿、血清、痰、皮膚、脊髄液、リンパ液、滑液、尿、涙、血球、器官、腫瘍、全血、骨髄、羊水、毛髪、精液、肛門分泌物、膣分泌物、発汗、唾液、頬側スワブ、およびインビトロ細胞培養成分(限定されないが、細胞培養培地における細胞(原核細胞および真核細胞を含む)の成長から生じる馴化培地、組換え細胞および細胞構成要素を含む)のサンプルを含むが、これらに限定されない。
【0045】
サンプルは、外科的手順または生検などの医療手順または介入中に個体または生物から得られた細胞外植片または組織外植片を含むことができる。環境供給源からの核酸サンプルも、本明細書に記載の方法を適用することができる「サンプル」の中に含まれる。標的ポリヌクレオチドは、当技術分野で公知の様々な手順のいずれかを使用してそのようなサンプルから単離することができることが理解されよう。機械的な力、超音波処理、制限エンドヌクレアーゼ切断、または当技術分野で公知の任意の方法などの手順の使用を含む、分析前に標的ポリヌクレオチドを切断または剪断することができることが理解されよう。一般に、本教示の標的ポリヌクレオチドは一本鎖であるが、いくつかの実施形態では、標的ポリヌクレオチドは二本鎖であり得、一本鎖は変性から生じ得る。本明細書に記載される方法のいくつかの実施形態では、別個の単離工程はなく、本方法は、例えば、細胞抽出物もしくは溶解物、組織抽出物もしくは溶解物、または流体抽出物などの目的のサンプルに対して直接行われる。
【0046】
本明細書で使用される場合、「核酸」、「ポリヌクレオチド」または「オリゴヌクレオチド」という用語は、一般に、任意のポリリボヌクレオチドまたはポリデオキシリボヌクレオチドを指し、未修飾RNA、未修飾DNA、修飾RNA、および修飾DNAを含む。ポリヌクレオチドは、一本鎖および二本鎖のDNAおよびRNAポリヌクレオチドを含むが、これらに限定されない。ポリヌクレオチドという用語は、本明細書で使用される場合、ポリヌクレオチドの化学的、酵素的または代謝的に修飾された形態、ならびに例えば単純な細胞(原核生物)および複雑な細胞(真核生物)を含むウイルスおよび細胞に見られるまたはウイルスおよび細胞に特徴的な天然に存在するDNAおよびRNAの化学的形態を包含する。本明細書に記載の核酸ポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドは、その同族の相補鎖にハイブリダイズする能力を保持する。核酸サンプルは、重合反応のための鋳型および/または基質として作用する核酸を含む。本明細書中に記載される方法に有用なポリヌクレオチドは、単離されたポリヌクレオチドまたは精製されたポリヌクレオチドであり得る。それは、増幅反応における増幅されたポリヌクレオチド、またはインビトロ転写反応からの転写産物であり得る。
【0047】
したがって、本明細書で使用される場合、核酸、ポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドという用語は、プライマーおよびプローブ、ならびにオリゴヌクレオチドフラグメントも包含し、ポリデオキシリボヌクレオチド(2-デオキシ-D-リボースを含有する)、ポリリボヌクレオチド(D-リボースを含有する)、およびプリンもしくはピリミジン塩基または修飾プリンもしくはピリミジン塩基のN-グリコシドである任意の他のタイプのポリヌクレオチド(それだけに限らないが、脱塩基部位を含む)に一般的である。「核酸」、「ポリヌクレオチド」、および「オリゴヌクレオチド」という用語の間には、長さにおいて意図した区別はなく、これらの用語は互換的に使用される。これらの用語は、分子の一次構造のみを指す。オリゴヌクレオチドは、必ずしも任意の既存の配列または天然の配列から物理的に誘導されるわけではなく、化学合成、DNA複製、DNA増幅、逆転写またはそれらの任意の組み合わせを含む任意の様式で生成することができる。
【0048】
本明細書で使用される場合、「非伸長性ヌクレオチド」という用語は、ポリメラーゼによるポリヌクレオチド鎖の伸長を妨げるヌクレオチドを指す。そのようなヌクレオチドの例は、リボース環上に3’-ヒドロキシルを欠き、それによってDNAポリメラーゼによる3’伸長を妨げるジデオキシヌクレオチド(ddA、ddT、ddG、ddC)を含む。そのようなヌクレオチドの他の例とは、限定されないが、オリゴの3’末端に組み込むことができ、DNAポリメラーゼによる伸長を阻害する3’-3’結合をもたらす逆位塩基を含む。追加の非伸長性ヌクレオシドについて本明細書で論じる。
【0049】
本明細書で使用される場合、「標的核酸」、「標的RNA」、「標的DNA」、「標的オリゴヌクレオチド」、および「標的ポリヌクレオチド」という用語は、目的の核酸、例えば、本明細書に記載のアプローチを使用してサンプル中で増幅、検出、および/または定量することを望む特定のヌクレオチド配列の核酸を指す。標的ポリヌクレオチドは、任意の供給源から得ることができ、任意の数の異なる組成構成要素を含むことができる。例えば、標的は、核酸(例えば、DNAまたはRNA)、トランスファーRNA、sRNAであり得、核酸類似体または他の核酸模倣物を含み得る。標的は、メチル化されているか、メチル化されていないか、またはその両方であり得る。標的は、バイサルファイト(bisulfate)処理され、ウラシルに変換された非メチル化シトシンであり得る。さらに、「標的ポリヌクレオチド」は、標的ポリヌクレオチド自体、ならびにその代用物、例えば増幅産物および天然配列を指すことができることが理解されよう。いくつかの実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、稀少変異を含む核酸配列である。この用語は、例えば、標的核酸に「特異的」なオリゴヌクレオチドプライマーがアニーリングするかまたはハイブリダイズする一本鎖もしくは二本鎖ポリヌクレオチド分子(場合によっては、例えばRNA、DNA)またはその特定の鎖を指すことができる。本明細書で使用される標的核酸は、ヘアピンバーコードプライマーなどの標的特異的オリゴヌクレオチド分子に相補的な配列(例えば、39~61塩基長)の少なくとも一部を有する。
【0050】
本明細書で使用される場合、「偽陽性率」または「FPR」という用語は、陽性と報告された陰性サンプル(偽陽性)の数を偽陽性および真陰性の陰性サンプルの総数の和で割った商を指す(FPR=[偽陽性]/(偽陽性+真陰性)])。いくつかの実施形態では、FPRは、偽陽性(FP)の総数と真陰性(TN)の総数との和に対する偽陽性(FP)の総数の商を意味する(FPR=FP/(FP+TN))。
【0051】
本明細書で使用される場合、真陽性率(TPR)は、真陽性(TP)の総数と偽陰性(FN)の総数の和に対する真陽性(TP)の総数の商である(PR=TP/(TP+FN))。本明細書で使用される場合、「真陰性率」または「TNR」という用語は、偽陽性(FP)の総数および(TN)の和に対する真陰性(TN)の総数の商を意味する(TNR=TN/(FP+TN))。本明細書で使用される場合、「偽陰性率」または「FNR」は、真陽性(TP)の総数および偽陰性(FN)の総数の和に対する偽陰性(FN)の総数の商である(FNR=FN/(TP+FN))。
【0052】
本明細書で使用される場合、「ヘアピン」または「ステム-ループ」という用語は、プライマーが閉じた構成にあるときに形成されるステムループプライマーの部分的に二本鎖の領域または構造を指す。
【0053】
本明細書で使用される場合、「相補的」または「相補性」という用語は、塩基対合規則によって関連するポリヌクレオチド(すなわち、オリゴヌクレオチドまたは標的核酸などのヌクレオチドの配列)に関して使用される。相補性は、核酸の塩基の一部のみが塩基対合規則に従って一致する「部分的」なものであり得る。または、核酸間に「完全」または「全」相補性が存在し得る。核酸鎖間の相補性の程度は、核酸鎖間のハイブリダイゼーションの効率および強度に対して有意な影響を有する。これは、増幅反応において、ならびに核酸間の結合に依存する検出方法において特に重要である。いずれの用語もまた、個々のヌクレオチドに関して、特にポリヌクレオチドの文脈内で使用され得る。例えば、オリゴヌクレオチド内の特定のヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドの残りの部分と核酸鎖との間の相補性とは対照的に、またはそれと比較して、別の核酸鎖内のヌクレオチドに対するその相補性またはその欠如について注目され得る。
【0054】
本明細書で使用される場合、「ハイブリダイゼーション」という用語は、相補的核酸の対合に関して使用される。ハイブリダイゼーションおよびハイブリダイゼーションの強度(すなわち、核酸間の会合の強度)は、核酸間の相補性の程度、関与する条件のストリンジェンシー、および形成されたハイブリッドのTmなどの因子によって影響される。「ハイブリダイゼーション」方法は、1つの核酸を別の相補的核酸、すなわち相補的ヌクレオチド配列を有する核酸にアニーリングすることを含む。相補的配列を含有する核酸の2つのポリマーが互いに見つけ、塩基対合相互作用によってアニーリングする能力は、よく知られた現象である。Marmur and Lane,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 46:453(1960)およびDoty et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 46:461(1960)による「ハイブリダイゼーション」過程の最初の観測の後に、この過程は現代生物学の必須ツールに洗練された。
【0055】
本明細書で使用される核酸配列の相補体は、一方の配列の5’末端が他方の配列の3’末端と対合するように核酸配列とアライメントさせた場合に「逆平行会合」にあるオリゴヌクレオチドを指す。天然の核酸に一般的に見られない特定の塩基が本開示の核酸に含まれ得、例えば、イノシンおよび7-デアザグアニンを含む。相補性は完全である必要はない;安定な二重鎖は、ミスマッチ塩基対またはマッチしない塩基を含有し得る。核酸技術の当業者は、例えば、オリゴヌクレオチドの長さ、オリゴヌクレオチドの塩基組成および配列、イオン強度およびミスマッチ塩基対の発生率を含む多くの変数を考慮して、二重鎖安定性を経験的に決定することができる。
【0056】
本明細書で使用される場合、「オリゴヌクレオチドプライマー」は、標的核酸の配列の一部にアニーリングし、ポリヌクレオチドがアニーリングされる核酸に相補的な酵素伸長産物を産生するためのポリメラーゼ酵素のための3’末端基質を提供することができるポリヌクレオチド分子(すなわち、DNA、RNA、人工ヌクレオチドまたはそれらの組み合わせ)を指す。オリゴヌクレオチドプライマーは、1よりも多くのプライマーを指すことができ、例えば精製された制限消化物のように天然に存在することができ、または合成的に産生された分子を指すことができる。オリゴヌクレオチドプライマーは、プライマー伸長が触媒され得る条件下に配置された場合、標的核酸の配列に相補的な鎖の合成の開始点として作用し得る。増幅における最大効率のために、プライマーは好ましくは一本鎖である。開始および伸長のための条件は、通常、適切な緩衝液中(「緩衝液」は、酵素反応の補因子である、および/またはpH、イオン強度などに影響を及ぼす成分を含む)および適切な温度での、4つの異なるデオキシリボヌクレオシド三リン酸(dNTP)および重合誘導剤、例えばDNAポリメラーゼまたは逆転写酵素の存在を含む。
【0057】
本明細書で使用される場合、「多重増幅」という用語は、同じ反応における複数の異なる標的核酸配列の増幅を指す(例えば、PCR PRIMER,A LABORATORY MANUAL(例えば、Dieffenbach,ed.1995)Cold Spring Harbor Press,pages 157-171を参照されたい)。本明細書で使用される「多重増幅」は、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも30またはそれを超える標的、例えば少なくとも50、少なくとも100、少なくとも250、少なくとも500、少なくとも750、少なくとも1000、少なくとも5000またはそれを超える標的の増幅を指す。
【0058】
本明細書で使用される場合、「含む(comprising)」または「含む(comprises)」という用語は、一実施形態に有用であるが、有用であるか否かにかかわらず、特定されていないエレメントの包含について限定されていない組成物、方法、およびそのそれぞれの構成要素(複数可)に関して使用される。
【0059】
本明細書で使用される場合、「から本質的になる(consisting essentially of)」という用語は、所与の実施形態のためのエレメントを指す。この用語は、本開示のその実施形態の基本的および新規または機能的特性(複数可)に実質的に影響を及ぼさないエレメントの存在を許容する。
【0060】
本明細書で使用される場合、「侵入オリゴヌクレオチド」または「侵入プライマー」または「IOプライマー」という用語は、標的核酸上のプライマー結合部位間のハイブリダイゼーション領域の近くの位置で標的核酸にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドを指し、侵入プライマーは、標的上のフォワードプライマー結合部位とリバースプライマー結合部位との間のハイブリダイゼーション領域と重複する部分(例えば、化学的部分、またはその標的に相補的であるか否かのいずれかのヌクレオチド)を含む。例えば、Hoser et al.,PlosOne 9(11):e112656(2014)DOI:10.1371/journal.pone.0112656を参照されたい。
【0061】
II.組換え核酸プライマー
一態様では、本開示は、ヘアピン領域;および標的核酸の配列に相補的な標的結合領域を含む組換え核酸プライマー(すなわち、修飾侵入オリゴヌクレオチド;ヘアピン侵入オリゴヌクレオチド)を提供する。標的核酸は、二本鎖または一本鎖であり得、DNAまたはRNAであり得る。
【0062】
一態様では、本開示は、(i)ヘアピン領域;(ii)標的核酸の配列に相補的な第1のメチル化RNA領域;(iii)標的核酸の配列に相補的な標的結合領域;および(iv)標的核酸の配列に相補的な第2のメチル化RNA領域を含むか、またはそれらからなる、組換え核酸プライマー(すなわち、修飾侵入オリゴヌクレオチド;ヘアピン侵入オリゴヌクレオチド)を提供する。図3に示すように、組換え核酸プライマーは約39~100塩基長であり、4つのサブ領域を含有する。5’から3’に列挙されたサブ領域は以下の通りである:(1)約10~20塩基であるヘアピンループ構造;(2)約7~13塩基長のポリ-dCサブ領域(ヘアピンステム構造);(3)標的核酸領域と相同であり、約25~35塩基または約25~50塩基長であったDNAサブ領域;および(4)約1~4ヌクレオチドである第1のメチル化領域;および(5)長さ:7~13塩基であるメチル化RNAサブ領域。
【0063】
本開示の相同組換え酵素誘導性等温増幅方法の間、リコンビナーゼは、一本鎖DNA(ssDNA;プライマーまたはプローブ)に結合してこれをコーティングし、核タンパク質複合体またはフィラメントを形成する。次いで、この核タンパク質複合体またはフィラメントは、標的二本鎖DNA(dsDNA)分子を走査して、結合したssDNA(プライマーまたはプローブ)と配列相同性の領域を同定する。リコンビナーゼ核タンパク質/フィラメントによる相同二重鎖の位置は、標的二本鎖DNAの侵入(開口)およびssDNAと二本鎖DNAとの間の相同結合部の形成をもたらす。これは次に鎖交換をもたらし、その間、核タンパク質フィラメント内に含有されるssDNAは、「標的」二本鎖DNAの相補鎖とワトソン-クリック塩基対を形成し、dsDNA中の非相補鎖を置換する。鎖交換によって形成されたハイブリッドDNAは、ポリメラーゼおよび他の組換え因子によってさらにプロセシングされ、最終的に2つのインタクトなDNA二重鎖が生じる。
【0064】
RPAなどの当技術分野で公知の等温増幅中、フォワードプライマーおよび/またはリバースプライマーは、リコンビナーゼに結合して二本鎖DNAの侵入を促進する一本鎖DNAとして働く。本開示において、組換え核酸プライマー(長鎖/非伸長性オリゴヌクレオチド、修飾侵入オリゴヌクレオチドプライマー;修飾IOプライマー;オリゴヌクレオチドとも呼ばれる)は、リコンビナーゼに結合して標的二本鎖DNAの侵入を促進し、dsDNAを巻き戻すことが唯一の役割である非機能性プライマーとして機能する。本開示の組換え核酸プライマーは、等温増幅中に二本鎖核酸二重鎖の分離を促進し、それによってフォワードプライマーおよびリバースプライマーがリコンビナーゼ酵素とは無関係に標的分子上のそれぞれの相補的一本鎖DNAに結合することを可能にする。しかしながら、組換え核酸プライマーは、増幅反応中に標的核酸結合についてプライマーと競合しない。組換え核酸プライマーの構造は、等温増幅過程中のその機能を促進する。
【0065】
1.ヘアピン領域
組換え核酸プライマーのいくつかの実施形態では、ヘアピン領域は、5’ヘアピンループ領域およびステム領域を含む。組換え核酸の5’末端上のヘアピン領域は、組換え核酸プライマーがそれ自体の鋳型として作用するのを防ぐ剛性ステムを作り出すように設計された。いくつかの実施形態では、5’ヘアピンループ領域は、約25~約65ヌクレオチド長である。
【0066】
いくつかの実施形態では、5’ヘアピンループ領域は、ステム領域に対する隣接部分および非隣接部分を含む。いくつかの実施形態では、非隣接部分は隣接部分に対して5’側であり、ヘアピンループ領域の非隣接部分はステム領域にハイブリダイズする。
【0067】
いくつかの実施形態では、5’ヘアピンループ領域の5’末端部分は、10~30塩基の間の長さ(例えば、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29または30塩基の長さ)である。他の実施形態では、5’ヘアピンループ領域の5’末端部分は、15~25塩基の間の長さである。いくつかの実施形態では、組換え核酸プライマーの5’ヘアピンループ領域は8~15ヌクレオチドの間の長さ(例えば、8、9、10、11、12、13、14または15ヌクレオチド)である。
【0068】
ヘアピン領域は、典型的には約18~約50ヌクレオチド、より典型的には約25~約40ヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、ヘアピンループ領域の非隣接部分は、ポリデオキシシチジル酸(ポリ-dC)領域に相補的なポリデオキシグアニル酸(ポリ-dG)配列を含む。いくつかの実施形態では、ポリdC領域はステム領域の一部である。いくつかの実施形態では、ヘアピンループ領域の非隣接部分は、ステム領域のポリデオキシグアニル酸(ポリ-dG)領域に相補的なポリデオキシシチジル酸(ポリ-dC)配列を含む。
【0069】
ヘアピン構造の形成は、実質的な逆平行相補性、すなわち、ストリンジェントな条件下で特異的にハイブリダイズするために反対方向に延びる十分な相補性を有する2つのサブ領域の設計によって達成され、それによってステム領域を形成する。実質的に相互に相補的な領域の間には、分子内でハイブリダイズせず、したがって二本鎖ステム領域の形成時に一本鎖ループ構成として有する非相補的配列が介在する。ループ領域内のヌクレオチドの数および塩基組成は、ステムの相互に相補的なサブ領域がハイブリダイズすることを可能にするように選択される。例えば、ループ領域は、ステム領域のいずれかの鎖との実質的な相補性を回避するように設計され、典型的には3~20ヌクレオチド、より典型的には3~10ヌクレオチド、最も典型的には5~8ヌクレオチドを有する。
【0070】
いくつかの実施形態では、ステム領域におけるヌクレオチドの数および塩基組成は、所望の相対的安定性の二本鎖ハイブリッドがストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で形成されるように、反対方向に延びる2つの領域の実質的な相補性について選択される。典型的には、ステム領域は、典型的には14~46ヌクレオチド(すなわち、ステムの各鎖について7~23ヌクレオチド)、より典型的には16~40ヌクレオチド(すなわち、ステムの各鎖について8~20ヌクレオチド)、最も典型的には20~32ヌクレオチド(すなわち、ステムの各鎖について10~16ヌクレオチド)を有する。標的結合領域は、ヘアピン領域と重複せず、典型的には少なくとも3または少なくとも6ヌクレオチド、より典型的には少なくとも10ヌクレオチド、さらにより典型的には少なくとも少なくとも14または少なくとも17ヌクレオチド、さらにより典型的には少なくとも25または少なくとも30ヌクレオチド長である。20塩基長を超えるストレッチにわたって相補配列を有する標的結合領域が一般に好ましい。
【0071】
標的結合領域の長さおよび塩基組成は、一般に、付着したヘアピン構造の形成を妨害せず、それ自体で、標的核酸の特異的検出に適切なハイブリダイゼーション条件下での標識化ステムループ構造と同等またはそれを超える熱安定性を有するステムループ構造を形成しないように選択される。標的結合領域のヌクレオチド配列は、例えば、所定、ランダムまたは縮重であり得る。例えば、所定の標的結合領域は、例えば感染性因子に関連する核酸(例えばウイルス核酸、例えばH1NまたはEBV核酸)などの所定のポリヌクレオチドとの実質的な相補性を有するように設計され得る。
【0072】
いくつかの実施形態では、標的核酸は、コロナウイルス科ウイルス、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)、ポリオウイルス、西ナイルウイルス、チクングニアウイルス、エボラウイルス、ラッサウイルス、デングウイルス、SARSコロナウイルス、中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルス、フニンウイルス、C型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、A型インフルエンザウイルス、B型インフルエンザウイルス、C型インフルエンザウイルス、ワクシニアウイルス、痘瘡ウイルス、ポリオーマウイルス、ポックスウイルス、ヘルペスウイルス、サイトメガロウイルス(CMV)、ヒト免疫不全ウイルス、JCウイルス、JCポリオーマウイルス(JCV)、BKポリオーマウイルス(BKV)、シミアンウイルス40(SV40)、サル痘ウイルス、マールブルグウイルス、ブニヤウイルス、アレナウイルス、アルファウイルス、またはフラビウイルスから選択される感染性因子由来の核酸分子である。いくつかの実施形態では、標的核酸は、SARS-CoV-1、SARS-CoV-2、MERS-CoV、β-コロナウイルス、HCoV-OC43、HCoVHKU1、HCoV-NL63またはHCoV-229Eから選択されるコロナウイルス科ウイルスに由来する。
【0073】
いくつかの実施形態では、ヘアピン領域のステム領域は、ポリデオキシシチジル酸(ポリ-dC)領域を含む。いくつかの実施形態では、ステム領域は、少なくとも約1~20;少なくとも約5~20;少なくとも約6~20;少なくとも約7~20;少なくとも約10~20;少なくとも約1~15、少なくとも約5~15、少なくとも約6~15、少なくとも約7~15;少なくとも約10~15;少なくとも約1~13;少なくとも約5~13;少なくとも約6~13;少なくとも約7~13;少なくとも約10~13;少なくとも約1~10;少なくとも約5~10;少なくとも約6~10個の連続したdC塩基を含む。いくつかの実施形態では、ステム領域は、少なくとも約7~13個の連続するdC塩基を含む。
【0074】
2.修飾ヌクレオシド
本開示の組換え核酸プライマーは、等温増幅中に二本鎖核酸二重鎖の分離を促進し、それによってフォワードプライマーおよびリバースプライマーがリコンビナーゼ酵素とは無関係に標的分子上のそれぞれの相補的一本鎖DNAに結合することを可能にする。しかしながら、組換え核酸プライマーは、増幅中に標的核酸結合についてプライマーと競合しない。さらに、標的結合領域がポリメラーゼによる組換え核酸プライマーの増幅を防止するための少なくとも1つの修飾ヌクレオシド(塩基)を含むので、本開示の組換え核酸プライマーはDNAポリメラーゼの基質ではない。オリゴヌクレオチドのポリメラーゼ増幅を遮断するいくつかのヌクレオシド修飾は、当業者に公知である。当業者には、200を超える市販のDNAおよび/またはRNAオリゴヌクレオチド修飾がある。これらの修飾ヌクレオシドは、例えば、Sigma-AldrichまたはIntegrated DNA Technologiesで見出すことができる。例えば、sigmaaldrich.com/deepweb/assets/sigmaaldrich/marketing/global/documents/373/354/custom-oligonucleotide-modifications-guide.pdf;idtdna.com/site/catalog/modifications/category/7を参照されたい。いくつかの実施形態では、組換え核酸プライマー(オリゴヌクレオチド)の標的結合領域は、ポリメラーゼによる組換え核酸プライマーの増幅を防止するための少なくとも1つの修飾ヌクレオシド(塩基)を含む。
【0075】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの修飾ヌクレオシド(塩基)は、5-ニトロインドール;8-オキソ-2’-デオキシグアノシン(8-オキソ-dG);8-オキソ7,8-ジヒドロ-2’-デオキシグアノシン;8-オキソ-デオキシアデノシン(8-オキソ-dA);5-ヒドロキシメチルデオキシシトシン(5-ヒドロキシメチル-dC);5’-ジメトキシトリチル-N-ベンゾイル-3’-デオキシアデノシン、2’-スクシノイル長鎖アルキルアミノ-CPG(3’-dA-CPG);5’-ジメトキシトリチル-N-ジメチルホルムアミジン-3’-デオキシグアノシン、2’-スクシノイル長鎖アルキルアミノ-CPG(3’-dG-CPG);5’-ジメトキシトリチル-N-ベンゾイル-3’-デオキシシトシン、2’-スクシノイル長鎖アルキルアミノ-CPG(3’-dC-CPG);5’-ジメトキシトリチル-3’-デオキシチミジン、2’-スクシノイル長鎖アルキルアミノ-CPG(3’-dT-CPG);3’-デオキシアデノシン;シトシンアラビノシド;逆位dT;2’-O-メチルRNAヌクレオチド;2’-O-メチルアデノシン(2’-OMe-A);2’-O-メチルシトシン(2’-OMe-C);2’-O-メチルグアノシン(2’-OMe-G);2’-O-メチルウリジン(2’-OMe-U);イノシン、または5’から3’へのポリメラーゼ増幅を遮断する修飾塩基から選択される。いくつかの実施形態では、修飾ヌクレオシドは5-ニトロインドールであり、DNAポリメラーゼの鋳型として使用される場合、任意の特定の塩基のランダムな取り込みを指示し、ポリメラーゼの処理能力を部分的に遮断する。いくつかの実施形態において、修飾ヌクレオシドは、DNAポリメラーゼによる3’伸長を妨げる3’鎖ターミネーターであるジデオキシシチジン(ddC)である。いくつかの実施形態では、修飾ヌクレオシドは、逆位dTである。逆位dTはオリゴの3’末端に取り込まれ、DNAポリメラーゼによる伸長を阻害する。さらに、逆位dTは、3’エキソヌクレアーゼによる分解を阻害する。いくつかの実施形態では、修飾塩基は、8-オキソ-dAまたは8-オキソ-dGなどのオキソ塩基である。DNA重合を阻害するために、組換え核酸プライマーの5’末端または内部領域内にオキソ塩基を配置することができる。3’-dA-CPG、-dC-CPG、-dG-CPG、または-dT-CPGを組換え核酸プライマーの3’末端に配置して、DNAポリメラーゼによる伸長を阻害することができる。Ara-Cは、DNA複製を阻害する化学療法剤であり、組換え核酸プライマーの標的結合領域内に配置することができる。
【0076】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの修飾ヌクレオシドは、ジデオキシシチジン(ddC);2’-3’-ジデオキシシチジン(2’,3’ジデオキシ-C);5’-ジメトキシトリチル-N-スクシノイル長鎖アルキルアミノ-CPG、2’,3’-デオキシシトシン(2’,3’-ddC-CPG);2’-3’-ジデオキシアデノシン(2’,3’ジデオキシ-A);または5’-ジメトキシトリチル-N-スクシノイル長鎖アルキルアミノ-CPG、2’,3’-デオキシアデノシン(2’,3’-ddA-CPG)から選択されるジ-デオキシ-ヌクレオチドである。
【0077】
いくつかの実施形態では、標的結合領域は、C3スペーサーアミダイト(DMT-1,3-プロパンジオール);C3スペーサーホスホルアミダイト;C3スペーサー;C6スペーサー;ヘキサンジオール;トリエチレングリコールスペーサー(スペーサー9);18原子のヘキサエチレングリコールスペーサー(スペーサー18);1’,2’-ジデオキシリボース(dSpacer);C6アミン;ペプチド核酸(PNA);ロックド核酸(LNA);または1-ジメトキシトリチルオキシ-プロパンジオール-3-スクシノイル)-長鎖アルキルアミノ-CPG(3’-スペーサー-C3-CPG)で修飾された塩基を含む。
【0078】
一実施形態では、ポリメラーゼによる増幅を阻害する少なくとも1つの修飾塩基は、ポリメラーゼによる増幅を阻害するための組換え核酸プライマーの標的結合領域の3’末端;5’末端;または内部領域内のどこかのうちの1またはそれを超えるものに位置する。一実施形態では、組換え核酸プライマーの標的結合領域の3’末端および5’末端は、1またはそれを超える修飾塩基を含む。一実施形態では、1またはそれを超える修飾塩基は、同じかまたは異なる。別の実施形態では、標的結合領域の3’末端および内部領域は、同じかまたは異なる1またはそれを超える修飾塩基を含む。別の実施形態では、組換え核酸プライマーの標的結合領域の5’末端および内部領域は、1またはそれを超える修飾塩基を含む。一実施形態では、1またはそれを超える修飾塩基は、同じかまたは異なる。別の実施形態では、組換え核酸プライマーの標的結合領域の3’末端、5’末端および内部領域は、1またはそれを超える修飾塩基を含む。一実施形態では、3’末端修飾、5’末端修飾、および内部修飾のうちの少なくとも2つは、同じであるか、または異なる。
いくつかの実施形態では、修飾塩基は、2’-O-メチルRNA(2’OME)ヌクレオチドであり;必要に応じて、少なくとも1つの2’OMEヌクレオチドを含む領域がメチル化RNA領域である。いくつかの実施形態では、標的結合領域は、第1のメチル化RNA領域および第2のメチル化RNA領域をさらに含む。いくつかの実施形態では、第1のメチル化RNA領域は、少なくとも1つの2’OMEヌクレオチド、または少なくとも2つの2’OMEヌクレオチド、または少なくとも3つの2’OMEヌクレオチド、または少なくとも4つの2’OMEヌクレオチド、または少なくとも約5つの2’OMEヌクレオチドを含む。別の実施形態では、第1のメチル化RNA領域は、組換え核酸プライマーの標的結合領域の5’末端に位置する。別の実施形態では、第2のメチル化RNA領域は、標的結合領域の3’末端に位置する。別の実施形態では、第2のメチル化RNA領域は、少なくとも7個~少なくとも13個の連続ヌクレオチドを含む。一実施形態では、標的結合領域中のすべての相補的核酸残基は、2’OMEヌクレオチドを含む。
【0079】
3.メチル化RNA領域
いくつかの実施形態では、組換え核酸は、2つのメチル化領域を含む。いくつかの実施形態では、第1のメチル化RNAまたは第2のメチル化領域は、2’-O-メチルRNA(2’OME)ヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、第1のメチル化RNA領域は、標的核酸の配列に相補的である。いくつかの実施形態では、第1のメチル化RNA領域は、少なくとも約1つの2’OMEヌクレオチド、または少なくとも約2つの2’OMEヌクレオチド、または少なくとも約3つの2’OMEヌクレオチド、または少なくとも約4つの2’OMEヌクレオチド、または少なくとも約5つの2’OMEヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、第1のメチル化RNA領域は、約1~3個の間の2’OMEヌクレオチド、約1~6個の間の2’OMEヌクレオチド、約1~8個の間の2’OMEヌクレオチド、約1~10個の間の2’OMEヌクレオチド、または約1~16個の間の2’OMEヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、第1のメチル化RNA領域は、ヘアピン領域のステム領域に近接した組換え核酸プライマーの5’末端に位置する。
【0080】
いくつかの実施形態では、第2のメチル化RNA領域もまた、標的核酸の配列に相補的である。いくつかの実施形態では、第2のメチル化RNA領域は、組換え核酸プライマーの3’末端に位置する。いくつかの実施形態では、第2のメチル化RNA領域は、少なくとも約7個~少なくとも約13個の連続ヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、第2のメチル化RNA領域は、約1~7個の間の2’OMEヌクレオチド、約1~8個の間の2’OMEヌクレオチド、約1~10個の間の2’OMEヌクレオチド、約1~12個の間の2’OMEヌクレオチド、約1~13個の間の2’OMEヌクレオチド、約1~14個の間の2’OMEヌクレオチド、約1~21個の間の2’OMEヌクレオチド、約1~27個の間の2’OMEヌクレオチド、または約1~32個の間の2’OMEヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、第1または第2のメチル化RNA領域中のすべての相補的核酸残基は、2’OMEヌクレオチドで置き換えられる。
【0081】
2’-O-メチルRNAヌクレオチドは、組換え核酸プライマーが実行可能なポリメラーゼ基質または鋳型ではないことを確実にする。2’-O-メチルRNAヌクレオチドを含むDNAプライマーは、DNAプライマーと同程度に効率的に標的DNAをプライミングすることができるが、指数関数的産物増幅をもたらすことはできない。このように、2’-O-メチルRNAヌクレオチドは、ポリメラーゼが2’O-メチル塩基を通ってプロセシングするのが困難であるため、鎖置換ポリメラーゼを追い出すのを助けるスピードバンプとして作用する。
【0082】
いくつかの実施形態では、第1および第2のメチル化RNA領域の位置は組換え核酸プライマーの有効性に影響を及ぼす。第1および第2の2’O-メチル化RNAは、ポリメラーゼを「中断」するのを助け、それによって、組換え核酸プライマーの増幅を妨げる。第1および第2の2’O-メチル化RNAは、ポリメラーゼが2’O-メチル塩基を通ってプロセシングするのが困難であるため、鎖置換ポリメラーゼを追い出すのを助けるスピードバンプとして作用する。組換え核酸プライマーの近位5’末端および3’末端の近位に第1および第2のメチル化RNAを配置することは、これらの位置で、当技術分野で公知のIOプライマーで観察される自己鋳型化現象を防ぐのに役立つので、戦略的決定であった。したがって、組換え核酸プライマーの近位5’末端および3’末端の近位における第1および第2のメチル化RNAの位置もまた、ポリメラーゼが組換え核酸プライマーを鋳型として使用しないことを確実にする。これは、いずれの方向においても、組換え核酸プライマーの5’末端に複数の特徴(メチル化RNAまたはポリメラーゼがプロセシングしようとする他の修飾塩基)またはヘアピン構造のかさ高い(meaty)ステムループが存在するため、等温増幅をより特異的にする。
【0083】
組換え核酸プライマーの非特異的増幅および高い割合の偽陽性結果(FPR)を回避するために、組換え核酸プライマーが鋳型として作用しないことが重要であるため、第1および第2のメチル化RNA領域はポリメラーゼを中断するためのスピードバンプとして作用する。これは、組換え核酸プライマーが増幅される標的配列とほぼ完全な相同性を有し、フォワードプライマーおよびリバースプライマーの両方が組換え核酸プライマーと天然の重複を有するため、重要である。第1および第2のメチル化RNA領域の非存在下では、ポリメラーゼは現実の標的領域の非存在下で停止しないので、等温増幅反応は通常、非常に現実的なアンプリコン増幅産物を作り出す。したがって、この設計は、当技術分野で知られている設計よりも新規かつ進歩的である。
【0084】
4.標的結合RNA領域
いくつかの実施形態では、標的結合領域は、標的核酸の配列に相補的である。いくつかの実施形態では、組換え核酸プライマーはポリメラーゼによって伸長されず、それによって組換え核酸プライマーをポリメラーゼによる増幅に対して耐性にする。
【0085】
いくつかの実施形態では、組換え核酸プライマーは、3’末端逆位ヌクレオチド塩基修飾を含まない。いくつかの実施形態では、組換え核酸プライマーは、ポリメラーゼによる増幅に耐性であり、3’末端逆位ヌクレオチド塩基修飾を含まない。出願人は、3’末端逆位ヌクレオチド塩基修飾のみを含めることが自己鋳型化現象を防止するのに十分ではなかったことを観察した。いくつかの実施形態では、組換え核酸プライマーは、増幅のための鋳型ではなく、それにより、フォワードおよび/またはリバースプライマー結合の活性によって引き起こされる非特異的増幅に耐性である。
【0086】
本開示の一態様では、組換え核酸プライマーは、単一または多重化アッセイで使用される。多重化アッセイにおいて使用される場合、複数のプライマーは、各々が別個の標的核酸領域に対する特異性を有するように組み合わされる。いくつかの実施形態では、組換え核酸プライマーの存在は、組換え核酸プライマーの非存在下で実施される多重化アッセイと比較した場合、多重化アッセイの特異性および感度を有意に増強する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換え核酸プライマー上の第1および第2のメチル化RNA領域の存在は、第1または第2のメチル化RNA領域のみを含有する組換え核酸プライマーと比較した場合、多重化アッセイの特異性および感度を増強する。
【0087】
いくつかの実施形態では、5’ヘアピン構造と第1のメチル化RNA領域との組み合わせは、5’ヘアピン構造、第1のメチル化RNA領域または第2のメチル化RNA領域のみを含む組換え核酸プライマーと比較した場合、多重化アッセイの特異性および感度を有意に増強する。いくつかの実施形態では、多重化アッセイの特異性および感度は、偽陽性結果の発生に基づく。
【0088】
いくつかの実施形態では、組換え核酸プライマーは、1またはそれを超える追加のヌクレオシド修飾を含む。一実施形態では、1またはそれを超える追加の修飾は、5-ニトロインドール;8-オキソ-2’-デオキシグアノシン(8-オキソ-dG);8-オキソ7,8-ジヒドロ-2’-デオキシグアノシン;8-オキソ-デオキシアデノシン(8-オキソ-dA);5-ヒドロキシメチルデオキシシトシン(5-ヒドロキシメチル-dC);5’-ジメトキシトリチル-N-ベンゾイル-3’-デオキシアデノシン、2’-スクシノイル長鎖アルキルアミノ-CPG(3’-dA-CPG);5’-ジメトキシトリチル-N-ジメチルホルムアミジン-3’-デオキシグアノシン、2’-スクシノイル長鎖アルキルアミノ-CPG(3’-dG-CPG);5’-ジメトキシトリチル-N-ベンゾイル-3’-デオキシシトシン、2’-スクシノイル長鎖アルキルアミノ-CPG(3’-dC-CPG);5’-ジメトキシトリチル-3’-デオキシチミジン、2’-スクシノイル長鎖アルキルアミノ-CPG(3’-dT-CPG);3’-デオキシアデノシン;シトシンアラビノシド;逆位dT;イノシン、または5’から3’へのポリメラーゼ増幅を遮断する修飾塩基から選択される。一実施形態では、1またはそれを超える追加のヌクレオシド修飾は、ジデオキシシチジン(ddC);2’-3’-ジデオキシシチジン(2’,3’ジデオキシ-C);5’-ジメトキシトリチル-N-スクシノイル長鎖アルキルアミノ-CPG、2’,3’-デオキシシトシン(2’,3’-ddC-CPG);2’-3’-ジデオキシアデノシン(2’,3’ジデオキシ-A);または5’-ジメトキシトリチル-N-スクシノイル長鎖アルキルアミノ-CPG、2’,3’-デオキシアデノシン(2’,3’-ddA-CPG)から選択されるジ-デオキシ-ヌクレオチドである。別の実施形態では、1またはそれを超える追加のヌクレオシド修飾は、C3スペーサーアミダイト(DMT-1,3-プロパンジオール);C3スペーサーホスホルアミダイト;C3スペーサー;C6スペーサー;ヘキサンジオール;トリエチレングリコールスペーサー(スペーサー9);18原子のヘキサエチレングリコールスペーサー(スペーサー18);1’,2’-ジデオキシリボース(dSpacer);C6アミン;ペプチド核酸(PNA);ロックド核酸(LNA);または1-ジメトキシトリチルオキシ-プロパンジオール-3-スクシノイル)-長鎖アルキルアミノ-CPG(3’-スペーサー-C3-CPG)で修飾されたヌクレオシドである。いくつかの実施形態では、2’-O-メチルRNAヌクレオチド(2’OMe)修飾と1またはそれを超える追加の修飾との組み合わせは、多重アッセイの感度を有意に改良する。いくつかの実施形態では、改良は、1つのタイプの修飾を有する組換え核酸と比較した場合の組換え核酸プライマーの自己鋳型化(auto-templatization)および/または自己鋳型化(self-templatization)の増強された抑制によって示される。
【0089】
本開示の別の態様は、(i)約25~約65ヌクレオチド長である5’ヘアピンループ領域を含む5’ヘアピン領域;ならびにポリデオキシシチジル酸(ポリ-dC)領域を含み、および/または少なくとも約7~13個の連続したdC塩基を有する、ステム領域;(ii)少なくとも約1個~少なくとも約5個の2’-メチルRNA(2’OME)ヌクレオチドを含む標的核酸の配列に相補的な第1のメチル化RNA領域;(iii)標的核酸の配列に相補的な標的結合領域、および(iv)少なくとも約7個~少なくとも約13個の2’OMEヌクレオチドを含む標的核酸の配列に相補的な第2のメチル化RNA領域を含む組換え核酸プライマーを提供する。一実施形態では、組換え核酸プライマーは、増幅のための鋳型ではない。一実施形態では、組換え核酸プライマーは、5’ヘアピン領域、第1のメチル化RNA領域または第2のメチル化RNA領域のみを含む組換え核酸プライマーと比較した場合、多重化アッセイの特異性および感度を有意に増強する。一実施形態では、多重化アッセイの特異性および感度は、偽陽性結果の発生に基づく。
【0090】
いくつかの実施形態では、標的核酸は、コロナウイルス科ウイルス、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)、ポリオウイルス、西ナイルウイルス、チクングニアウイルス、エボラウイルス、ラッサウイルス、デングウイルス、SARSコロナウイルス、中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルス、フニンウイルス、C型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、A型インフルエンザウイルス、B型インフルエンザウイルス、C型インフルエンザウイルス、ワクシニアウイルス、痘瘡ウイルス、ポリオーマウイルス、ポックスウイルス、ヘルペスウイルス、サイトメガロウイルス(CMV)、ヒト免疫不全ウイルス、JCウイルス、JCポリオーマウイルス(JCV)、BKポリオーマウイルス(BKV)、シミアンウイルス40(SV40)、サル痘ウイルス、マールブルグウイルス、ブニヤウイルス、アレナウイルス、アルファウイルス、またはフラビウイルスから選択される感染性因子由来の核酸分子である。いくつかの実施形態では、標的核酸は、インフルエンザウイルス、B型肝炎ウイルス;エボラウイルス、コロナウイルス科ウイルス、SARSコロナウイルス、中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスに由来する核酸分子である。いくつかの実施形態では、標的核酸は、インフルエンザまたはHIV感染症の検出および/または診断のためのRNA、ならびにDNAウイルスまたは細菌のためのDNA、または細菌のための16s rRNAの検出のためのRNAであり得る。
【0091】
いくつかの実施形態では、標的核酸は、SARS-CoV-1、SARS-CoV-2、MERS-CoV、β-コロナウイルス、HCoV-OC43、HCoVHKU1、HCoV-NL63またはHCoV-229Eから選択されるコロナウイルス科ウイルスに由来する。
【0092】
5.多重化アッセイ
本開示の一態様では、組換え核酸プライマーは、多重化アッセイで使用される。本明細書で使用される場合、多重化アッセイは、反応ごとに複数の別個の標的配列または対立遺伝子を検出する増幅アッセイである。多重アッセイは、本明細書に開示されるデバイスおよび/または例えば米国特許第9,207,245号または米国特許出願公開第2020/0408750号に開示されるデバイスで使用される。いくつかの実施形態では、組換え核酸プライマーの存在は、組換え核酸プライマーの非存在下で実施される多重化アッセイと比較した場合、多重化アッセイの特異性および感度を有意に増強する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換え核酸プライマー上の第1および第2のメチル化RNA領域の存在は、第1または第2のメチル化RNA領域のみを含有する組換え核酸プライマーと比較した場合、多重化アッセイの特異性および感度を増強する。
【0093】
1988年におけるその導入(Chamberlain,et al.Nucleic Acids Res.,16:11141(1988))以来、多重PCRは、単一の反応で複数の遺伝子座を増幅する日常的な手段となっている。このアプローチは、多くの研究ならびに臨床適用において有用性を見出している。多重PCRは、とりわけ、診断ウイルス学(Elnifro,et al.Clinical Microbiology Reviews,13:559(2000))、父子鑑定(Hidding and Schmitt,Forensic Sci.Int.,113:47(2000);Bauer et al.,Int.J.Legal Med.116:39(2002))、着床前遺伝子診断(Ouhibi,et al.,Curr Womens Health Rep.1:138(2001))、環境サンプルおよび食品サンプルにおける微生物分析(Rudi et al.,Int J Food Microbiology,78:171(2002))、ならびに獣医学(Zarlenga and Higgins,Vet Parasitol.101:215(2001))における使用について記載されている。ごく最近では、特に一塩基多型、すなわちSNPについての全ゲノムレベルへの遺伝子分析の拡大は、高度に多重化されたPCR能力の必要性を作り出している。いくつかの実施形態において、多重化アッセイは、単一の反応において複数の特異的標的核酸および/または配列バリエーションを検出し、特徴付けることができるアッセイ方法である。いくつかの実施形態では、本開示の方法は、サンプル中の一塩基多型(SNP)を検出する。いくつかの実施形態では、本開示の方法は、1またはそれを超える遺伝子座におけるSNPを検出する。
【0094】
本開示は、本開示の組換え核酸プライマーを多重等温増幅と組み合わせることによる等温増幅反応の実質的な多重化のための方法を提供する。いくつかの実施形態では、組換え核酸プライマーは、多重反応において非常に多数の標的を検出することを可能にする検出工程およびシグナル増幅を増強する。いくつかの実施形態では、等温増幅の感度は、数百から数千から数十万の標的が多重反応において検出され得るように劇的に増強される。いくつかの実施形態では、組換え核酸プライマーの存在は、多重化アッセイと組み合わせた場合に、シグナルの10 ~10 倍の増幅によって等温増幅方法の感度を増強する。いくつかの実施形態では、多重化アッセイの偽陽性率は、実質的に低減するか、またはゼロである。
【0095】
III.核酸増幅方法
本開示の一態様は、本明細書に記載の組換え核酸プライマーを含む核酸増幅方法を提供する。
【0096】
いくつかの実施形態では、核酸増幅方法は、ループ媒介等温増幅(LAMPまたはLoopamp);鎖置換増幅(SDA);リコンビナーゼポリメラーゼ増幅(RPA);ヘリカーゼ依存性増幅(HDA);等温多重置換増幅(IMDA);ローリングサークル増幅(RCA);RNA技術のシグナル媒介増幅(SMART);ポリメラーゼスパイラル反応(PSR);またはニッキング酵素増幅反応(NEAR)から選択される等温増幅である。いくつかの実施形態では、核酸増幅方法は、リコンビナーゼポリメラーゼ増幅(RPA);鎖置換増幅(SDA);またはヘリカーゼ依存性増幅(HDA)である。一実施形態では、核酸増幅方法は、リコンビナーゼポリメラーゼ増幅(RPA)である。一実施形態では、核酸増幅方法は、リコンビナーゼ酵素を含む相同組換え酵素誘導性等温増幅である。
【0097】
等温増幅技術は最近開発され、複数の疾患の診断において重要な役割を果たしている。等温増幅技術は、ループ媒介等温増幅(LAMPまたはLoopamp);鎖置換増幅(SDA);リコンビナーゼポリメラーゼ増幅(RPA);ヘリカーゼ依存性増幅(HDA);等温多重置換増幅(IMDA);ローリングサークル増幅;ポリメラーゼスパイラル反応(PSR);RNA技術のシグナル媒介増幅(SMART);およびニッキング酵素増幅反応(NEAR)を含むが、これらに限定されない。Li&Macdonald,(Biosens.Bioelectron.64:196-211(2015));Pumford et al.,Biosens Bioelectron.170:112674(2020);Gill&Ghaemi,Nucleosides Nucleotides&Nucleic Acids 27(3):224-43(2008)を参照されたい。
【0098】
いくつかの等温増幅技術は、相同組換え中に関与する酵素(すなわち、DNA修復、リコンビナーゼおよびアクセサリー分子)、DNA複製中に関与する酵素(すなわち、ヘリカーゼおよびアクセサリー分子)、または所望の領域(例えば、増幅中に存在する1またはそれを超えるオリゴヌクレオチドに相補的な核酸領域)で標的二本鎖DNAを融解させる制限酵素;特定のポリメラーゼ(DNAおよびRNAポリメラーゼ;鎖置換DNAポリメラーゼ);および/または特別に設計されたプライマー(単一のプライマー、プライマー対、複数のプライマーセット、またはDNA-RNAキメラプライマー)の生物学的活性に依存する。
【0099】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換え核酸プライマーを含む核酸増幅方法は、ローリングサークル増幅(RCA)、ループ媒介等温増幅、ループ媒介等温増幅(LAMPまたはLoopamp);鎖置換増幅(SDA);リコンビナーゼポリメラーゼ増幅(RPA);ヘリカーゼ依存性増幅(HDA);RNA技術のシグナル媒介増幅(SMART);ポリメラーゼスパイラル反応(PSR);ニッキング酵素増幅反応(NEAR)から選択される。当業者に明らかなように、各等温増幅技術は、標的(単数および/または複数)、および/または内部対照核酸の効率的かつ選択的な増幅を可能にし、当業者に公知である酵素および構成要素のそれ自体の好ましい組み合わせを有する。
【0100】
いくつかの等温増幅技術は、相同組換え中に関与する酵素(すなわち、DNA修復、リコンビナーゼおよびアクセサリー分子)、DNA複製中に関与する酵素(すなわち、ヘリカーゼおよびアクセサリー分子)、または所望の領域(例えば、増幅中に存在する1またはそれを超えるオリゴヌクレオチドに相補的な核酸領域)で標的二本鎖DNAを融解させる制限酵素;特定のポリメラーゼ(DNAおよびRNAポリメラーゼ;鎖置換DNAポリメラーゼ);および/または特別に設計されたプライマー(単一のプライマー、プライマー対、複数のプライマーセット、またはDNA-RNAキメラプライマー)の生物学的活性に依存する。
【0101】
これらの等温増幅技術は、DNAまたは任意の熱安定性構成要素の熱融解を必要としない。むしろ、等温増幅技術は、核酸配列をコピーするために、温度変化ではなく酵素の生物学的活性を使用して、単一の一定温度で実施される。
【0102】
1.ループ媒介等温増幅(LAMPまたはLoopamp)
いくつかの実施形態では、本開示によって企図される増幅反応は、等温増幅、例えばループ媒介等温増幅(LAMPまたはLoopamp)である。LAMPは、PCRベースの増幅アッセイの優れた代替法を提供する。例えば、Notomi et al.,Nucleic Acids Res.28:E6(2000)を参照されたい。LAMPは、鎖置換DNAポリメラーゼおよび4つまたは6つのプライマーを使用して、各末端にヘアピンループを含む中間一本鎖核酸産物(Loopamp Starting Structure)の形成に基づいて、一定温度で標的DNAまたはcDNAの非常に迅速かつ特異的な増幅を提供する。Loopamp Starting Structureは、ダンベル構造を有する。Loopamp Starting Structureは、開ループの3つのプライム末端からの合成開始のための複数の部位と、内側プライマーおよびループプライマーの両方のためのアニーリング部位とを含有するので、指数関数的LAMP増幅段階のためのシードである。LAMPの得られた産物は、容易に検出される長いコンカテマーである。
【0103】
LAMPの1つの重要な利点は、その速度である。LAMPは、Loopamp Starting Structureおよびコンカテマーが複数のDNA合成開始部位を有するため、非常に短時間で多くのDNAを合成するための非常に速いアプローチである。LAMPは、現在、様々な生物学的障害に関連する微生物および/またはバイオマーカーを検出するための迅速な分子試験として使用されている。しかしながら、COVID-19のパンデミックの間、迅速なCOVID-19診断アッセイの一部として使用した場合、LAMPは、低いSARS-CoV-2ウイルス負荷を有する患者において最大20%の偽陰性結果を生成することが観察された。Butler et al.,(bioRxiv doi:10.1101/2020.04.20.048066)。SARS-CoV-2を検出するためのCOVID-19のアッセイツールとしてのLAMPの感度は、数百コピーを超えるSARS-CoV-2ウイルスRNAが反応アッセイに存在する場合にのみ効率的であった。例えば、Ben-Assa et al.,medRxiv 2020.04.22.20072389);Zhang et al,medRxiv.doi:10.1101/2020.02.26.20028373を参照されたい。
【0104】
2.ヘリカーゼ依存性増幅(HDA)
いくつかの実施形態では、本開示によって企図される増幅反応は、ヘリカーゼ依存性増幅(HAD)反応などの等温増幅である。HDAは、ヘリカーゼの生物学的活性を使用して二本鎖DNA(dsDNA)分子に侵入し、巻き戻して増幅過程を開始する等温増幅方法である。この等温技術は、インビボDNA複製過程中に関与する酵素の生物学的活性に基づく。ヘリカーゼは、DNA中のミスマッチの修復に関与し、通常、ヘリカーゼ活性を刺激するメチル誘導性ミスマッチ修復(MutL)タンパク質と協調して作動する。したがって、元のHDAシステムは、ヘリカーゼ(例えば、大腸菌UvrD)と、dsDNAを巻き戻し、ssDNAを安定化して相補鎖の再会合を防ぐために、2つのアクセサリータンパク質:MutLおよび一本鎖DNA結合タンパク質(SSB)とを必要とする。dsDNAが等温的に巻き戻されて安定化されると、2つのオリゴヌクレオチドプライマーが標的配列の5’および3’境界にハイブリダイズし、DNAポリメラーゼが、デオキシヌクレオチド-三リン酸(dNTP)を付加することによってアニーリングされたプライマーを伸長させて二本鎖増幅産物を生成する。ヘリカーゼ触媒反応は律速工程である。さらに、ヘリカーゼおよびポリメラーゼは、ポリメラーゼがヘリカーゼによって置換されるのを防ぐために協調して作動しなければならない。
【0105】
DAは、生物学的サンプル中のウイルスおよび細菌タンパク質の検出に使用されている。Barreda-Garcia et al.,(Analytical and Bioanalytical Chemistry 410:679-693(2018))を参照されたい。しかしながら、HDAの有用性は、偽陽性結果を生じさせる高い割合の非特異的増幅現象によって妨げられる。高い偽陽性率の一部は、鋳型非依存性プライマー相互作用に起因し、HDAの検出性および堅牢性に悪影響を及ぼす。いくつかの実施形態では、SDAは、本明細書に開示される組換え核酸プライマーに結合し、これをコーティングするリコンビナーゼ酵素をさらに含む。いくつかの実施形態では、本開示のリコンビナーゼ核酸の添加は、HAD反応の感度および効率を増強し、非特異的増幅産物および偽陽性率を低減させる。
【0106】
3.鎖置換増幅(SDA)
いくつかの実施形態では、本開示によって企図される増幅反応は、等温増幅、例えば鎖置換増幅(SDA)である。例えば、Walker et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.Unit.States Am.89:392-396(1992);Walker et al.,Nucleic Acids Res.20:1691-1696(1992)を参照されたい。SDAは初期変性工程を有するため、真の等温増幅反応ではない。SDAは、制限酵素(HincII)、エキソヌクレアーゼ欠損DNAポリメラーゼ、および4つのプライマーに依存する。SDAは、4つのプライマーの存在下での変性工程で始まる。2つのプライマーは、それらの3’末端における標的DNAに対する相補配列およびそれらの5’末端におけるHincIIの制限酵素部位からなる。他の2つのプライマーは、通常のプライマーのフォワードプライマーおよびリバースプライマーである。予熱工程は二本鎖DNAを変性させ、残りの反応は37℃で行う。SDAは、(i)DNA標的の未修飾鎖にニックを入れるための制限エンドヌクレアーゼ、および(ii)ニック部位で下流DNA鎖を置換するためのエキソヌクレアーゼ欠損鎖置換DNAポリメラーゼ(例えば、エキソ-Klenowポリメラーゼ)を必要とする。2つの酵素は、最初の変性工程の後に添加される。ポリメラーゼがDNAを合成すると、新しく合成された鎖が制限酵素によってニックを入れられ、ポリメラーゼが再び合成を開始し、前の鎖が追い出され、DNA増幅が生じる。いくつかの制限は、より低いプライマー特異性を含む。
【0107】
いくつかの実施形態では、SDAは、本開示の組換え核酸プライマーを含む。いくつかの実施形態では、SDAは、本明細書に開示される組換え核酸プライマーに結合し、これをコーティングするリコンビナーゼ酵素をさらに含む。いくつかの実施形態では、組換え核酸プライマーおよびリコンビナーゼの添加は、最初の熱依存性変性工程の必要性をなくす。いくつかの実施形態では、組換え核酸プライマーおよびリコンビナーゼはプライマー特異性を増強し、それによって非特異的増幅産物を低減させ、偽陽性率(FPR)を低減させる。
【0108】
3.等温多重置換増幅(IMDA)
いくつかの実施形態では、本開示によって企図される増幅反応は、等温多重置換増幅(IMDA)などの等温増幅である。IMDAは、鎖置換DNAポリメラーゼおよび複数のプライマーセットを使用して核酸配列を増幅する。Gill&Ghaemi,Nucleosides Nucleotides&Nucleic Acids 27(3):224-43(2008)。PCRに勝るIMDAの1つの利点は、サンプル中のDNAの量が非常に少ない場合の感度および特異性である。Mairinger et al.,Dovepress 2014:7,1441-1447。
【0109】
4.ローリングサークル増幅(RCA)
いくつかの実施形態では、本開示によって企図される増幅反応は、ローリングサークル増幅(RCA)などの等温増幅である。RCAは、短い環状一本鎖DNA鋳型および単一プライマーを使用して長い一本鎖DNAを合成する。RCAは、鎖置換DNAポリメラーゼ(例えば、phi 29(φ29)DNAポリメラーゼ)を使用してDNAを酵素的に合成する。RCAは、ゲノミクスおよび診断における高感度DNA検出に使用されてきた。Zhao et al.,Angew Chem.Int.Ed.Engl.47(34):6330-7(2008)。
【0110】
5.リコンビナーゼポリメラーゼ増幅(RPA)
いくつかの実施形態では、本開示によって企図される増幅反応は、熱サイクル、DNAを増幅するための熱安定性DNAもしくはRNAポリメラーゼ、またはそれらの相補的核酸配列へのリバースプライマーおよびフォワードプライマーのアニーリングを促進するために二本鎖DNAを変性させるための熱を必要としない等温増幅反応である。むしろ、本開示の等温増幅は、相同組換え(米国特許第5,223,414号;米国特許第6,929,915号)などの細胞DNA複製および修復機構(例えば、相同対合またはDループ形成)に関与する酵素を利用する改良された代替増幅方法である。いくつかの実施形態では、等温増幅反応は、リコンビナーゼポリメラーゼ増幅(RPA)である。
【0111】
大腸菌などの細菌、またはバクテリオファージの様々な株における相同組換え中、細菌リコンビナーゼタンパク質(RecA)、またはその原核生物および真核生物の関連物(UvsXなど)は、一本鎖DNA(ssDNA)に結合してこれをコーティングし、核タンパク質フィラメントを形成する。次いで、この核タンパク質フィラメントは、標的二本鎖DNA(dsDNA)を走査して、一本鎖DNAと相同な領域を同定する。相同配列が位置すると、核タンパク質フィラメント鎖がdsDNAに侵入して、Dループと呼ばれるハイブリッドDNAバブルを作り出す。Dループは、(1)ssDNAとdsDNAの置換鎖の1つとの間の短い二本鎖ハイブリッド(ハイブリッドフィラメント)、および(2)DNAの置換鎖を含む。DNAポリメラーゼの存在下で、Dループ中のハイブリッドフィラメント鎖の遊離3’末端がDNAポリメラーゼによって伸長されて、新しい相補鎖が合成される。相補鎖は、伸長するにつれて元々対になっていた鎖を置換する。この全過程は、二本鎖DNA分子全体を完全に変性させる必要なく行われる。
【0112】
組換えシステムと同様に、RPA方法は、細菌またはバクテリオファージに由来する組換え因子(例えば、リコンビナーゼUvsX)を利用して、標的二本鎖DNAの侵入および限定された変性を触媒し、フォワードプライマーおよびリバースプライマーのハイブリダイゼーションを促進する(例えばssDNA)。特に、第1の工程は、通常、リコンビナーゼ-プライマー複合体(核タンパク質複合体)を形成するために、大腸菌またはバクテリオファージに由来するリコンビナーゼ(リコンビナーゼ因子)とフォワードプライマーおよびリバースプライマーとの結合を必要とする。その後、少なくとも2つのアクセサリータンパク質:リコンビナーゼ負荷因子(例えば、バクテリオファージUvsY)および/または等温増幅過程を促進する一本鎖DNA結合タンパク質(例えば、SSBまたはgp32)の助けを借りて、リコンビナーゼ媒介プライマーを二本鎖DNAに挿入する。次いで、フォワードプライマーおよびリバースプライマーは、それらのそれぞれの相同配列に個々にハイブリダイズする。DNAポリメラーゼがその部位に動員されると、それは標的核酸配列の増幅を開始する。
【0113】
しかしながら、当業者に知られているように、以前に確立された等温増幅反応は、いくつかの理由で臨床使用に最適ではなかった。例えば、米国特許第8,071,308号および同第7,399,590号を参照されたい。重要な理由の1つは、リバースプライマーおよびフォワードプライマーなどの一本鎖核酸の結合についてのリコンビナーゼ酵素(例えば、UvsX)と一本鎖結合タンパク質(SSB;gp32)との間の十分に確立された競合である。SSBタンパク質はインビトロ等温増幅方法に必須であるが、SSBは一般に、リコンビナーゼ(例えば、RecAまたはUvsX)よりも一本鎖DNA(例えば、プライマー)に対してかなり高い親和性を有する。したがって、SSBは、リコンビナーゼ/プライマー核タンパク質複合体の核形成を阻害することができる。さらに、核タンパク質複合体はATPの存在下で不安定であり、末端依存性解体を受ける(Bork,Cox and Inman,J Biol Chem.2001 Dec.7;276(49):45740-3)。このような解体事象の後、SSBは未結合の一本鎖核酸を急速に飽和させ、侵入反応の開始を阻害する。
【0114】
この競合は、(1)リコンビナーゼ(例えば、UvsX)に特異的なリコンビナーゼ負荷因子(例えば、UvsY)の添加;リコンビナーゼタンパク質(例えば、UvsX)および/または協調的挙動が増強されたSSB変異体の操作;反応へのクラウディング剤の添加;および/またはリコンビナーゼとSSBとの間の競合を回避するための非機能性の第3のプライマーの導入を含むいくつかの方法で対処された。しかしながら、これらの変化は、高い感度、効率および低減された偽陽性率(FPR)を有する改良された等温増幅方法を生成しなかった。
【0115】
6.侵入オリゴヌクレオチドおよび自己鋳型化
本開示の一態様は、疾患診断および予後(例えば、COVID-19感染の診断のためのSARS-CoV-2の検知)のための高感度かつ効率的な等温増幅方法を提供する。新規かつ改良された等温増幅反応は、一本鎖結合タンパク質である野生型酵素(すなわち、リコンビナーゼおよび/またはヘリカーゼ)と組み合わせて組換え核酸プライマーを使用し、リコンビナーゼ負荷因子を必要としない。新規な組換え核酸プライマーは、当技術分野で公知の侵入オリゴヌクレオチドプライマーに対する実質的な改良である。いくつかの実施形態では、組換え核酸プライマーは、dsDNA鋳型の侵入および巻き戻しを促進するための非機能性プライマーとして作用する長い非伸長性オリゴヌクレオチドである。
【0116】
侵入オリゴヌクレオチドプライマー(IO)は、約39~61塩基長であり、3つの3つのサブ領域を含有していた。5’から3’に列挙されたこれらの3つのサブ領域は以下の通りであった:(1)約7~13塩基長を有するポリ-dCサブ領域;(2)標的核酸領域と相同であり、約25~35塩基長であったDNAサブ領域;(3)標的核酸領域にも相同なメチル化RNAサブ領域、および(4)3’末端逆位ヌクレオチド塩基修飾。メチル化RNAサブ領域は、プライマーがそれにアニールせず、ポリメラーゼがそれを増幅のための基質として使用しないことを確実にするように設計された。ポリ-dCサブ領域は、リコンビナーゼ核酸リコンビナーゼの結合を最適化したシーディング領域(seeding region)であるように設計された。DNAサブ領域は、標的dsDNAの侵入および巻き戻しを促進して、標的dsDNAの部分的変性を可能にするように設計された。
【0117】
等温増幅中、リコンビナーゼ(UvsX)およびIOプライマーは;互いに結合して核タンパク質複合体を形成する。次いで、この核タンパク質複合体は、相同配列について標的核酸を検索する。一旦見出されると、核タンパク質複合体は、dsDNA標的の相補領域に侵入し、dsDNAを一本鎖に巻き戻し、鋳型DNAに対するフォワードプライマーおよびリバースプライマーのハイブリダイゼーションを促進する。次いで、プライマーは、鋳型二本鎖DNA(dsDNA)の各末端のそれぞれの相補的部位に結合する。鋳型に対するプライマーのハイブリダイゼーション後、ポリメラーゼおよびSSB(例えば、T4gp32)がその部位に動員される。SSB(例えば、T4gp32)は、未結合DNA鎖を安定化し、DNAの2つの一本鎖を一時的に離して維持し、それによってポリメラーゼによるDNA合成を促進する。ポリメラーゼは、2つのプライマーの各々にdNTPを付加して増幅されたコピーを生成することによって標的配列を複製および増幅する。このシステムでは、プライマーはリコンビナーゼによって結合されるには短すぎた(通常のPCRプライマーサイズ、18~25塩基)。
【0118】
メチル化RNAサブ領域(2’-O-メチルRNA)の存在にもかかわらず、本出願人による実験的証拠は、増幅過程中に組換え核酸プライマー自体がフォワードプライマーおよび/またはリバースプライマーおよびポリメラーゼの鋳型として機能し得ることを示した。実際、当技術分野のIOプライマーを使用した場合、高い割合の偽陽性結果が得られた。実際、フォワードプライマーとリバースプライマーの両方がIOプライマーにアニーリングし、ポリメラーゼによって増幅された。当該分野で公知のIOプライマーによって生成された非特異的アンプリコンの概略図を図2に示す。
【0119】
IOプライマーを用いた等温増幅は、診断試験において高い偽陽性率をもたらした(例えば、COVID-19 PCR試験)。アッセイの多重度が増加し、および/または追加のプライマーが必要とされる多重化アッセイ系で組換え核酸プライマーを使用した場合、非特異的増幅の割合が悪化した。これらの状況下では、非特異的プライマー間相互作用の確率が一般に増加した。非特異的増幅産物のシーケンシングは、メチル化サブ領域(2’-O-メチルRNA)の存在にもかかわらず、ポリメラーゼが依然として組換え核酸プライマーを基質および/または鋳型として使用することができ、自己鋳型増幅をもたらしたことを示した。自己鋳型増幅は、組換え核酸プライマーが目的の標的領域の多くを含有するので、組換え核酸プライマーを導入するときの特定の問題であった。したがって、組換え核酸プライマーのコピーを、所望の標的鋳型ではなく自己鋳型化によって作製した。さらに、フォワードプライマーおよびリバースプライマーと重複する領域を有するように組換え核酸プライマーを設計した。この設計特徴はまた、自己鋳型化を増強した。本明細書で使用される場合、「自己鋳型化」という用語は、等温増幅過程中に、標的鋳型ではなく増幅のための鋳型として組換え核酸プライマーを使用することによって増幅産物が生成されたことを意味する。
【0120】
したがって、出願人は、等温増幅の感度および効率を増強し、偽陽性率を排除および/または低減するために組換え核酸プライマーを再設計することによって、元の組換え核酸プライマーを使用した場合の高い割合の偽陽性結果を防ぐことができると仮定した。本開示は、鋳型依存性増幅のための例外的な機能性を維持しながら、低いバックグラウンド特性を示す多重アッセイで使用するための組換え核酸プライマーの最適な設計を提供する。いくつかの実施形態では、組換え核酸プライマー(修飾侵入オリゴヌクレオチドプライマー;修飾IOプライマー;オリゴヌクレオチド)は、一本鎖結合タンパク質(SSB)に結合しないか、または弱く結合するように設計された。
【0121】
本開示の一態様は、等温反応(例えば、COVID-19試験)の臨床適用において効果的に作動する新規な等温増幅を提供する。新規の反応は、野生型リコンビナーゼ、一本鎖結合タンパク質および本明細書に記載の組換え核酸プライマーを使用する。いくつかの実施形態では、新規な等温増幅方法は、2つの特異的プライマー(例えば、フォワードプライマーおよびリバースプライマー);一本鎖結合タンパク質(SSB)に結合しないかまたは弱く結合するように設計された組換え核酸プライマー(長鎖/非伸長性オリゴヌクレオチド、非機能性プライマー;修飾侵入オリゴヌクレオチドプライマー;修飾IOプライマー;オリゴヌクレオチド);バクテリオファージ由来の組換え因子(例えば、UvsX)タンパク質;バクテリオファージ由来の一本鎖結合タンパク質(SSB);DNAポリメラーゼ;および、増幅反応の動態を増強させるためのグリセロール、フィコール、または低分子量PEGなどのクラウディング剤の同時添加を必要とする単一工程反応を使用する。
【0122】
いくつかの実施形態では、核酸増幅方法は、リコンビナーゼを組換え核酸プライマー(例えば、IOプライマー;侵入オリゴヌクレオチド;または組換えオリゴヌクレオチド)と接触させてオリゴ-リコンビナーゼ複合体を形成する工程;オリゴ-リコンビナーゼ複合体が二本鎖標的核酸に侵入することを可能にする条件下で、オリゴ-リコンビナーゼ複合体を相補的二本鎖標的核酸に接触させる工程;フォワードプライマー、リバースプライマー、ポリメラーゼおよびデオキシヌクレオチド三リン酸(dNTP)を、フォワードプライマーおよびリバースプライマーが二本鎖標的核酸上のそれぞれの相補的領域に結合することを可能にし、ポリメラーゼがフォワードプライマーおよびリバースプライマーの3’末端をdNTPで伸長させて第1および第2の増幅された二本鎖核酸を生成させることを可能にする条件下で、増幅方法に混合する工程;および必要に応じて、所望の程度の増幅産物が産生されるまで、先行する工程の繰り返しによって増幅方法を継続する工程を含む。
【0123】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の核酸増幅方法で使用されるフォワードプライマーおよびリバースプライマーは、DNA、RNA、PNA、LNA、モルホリノ骨格核酸、ホスホロチオレート骨格核酸またはそれらの組み合わせから選択される。
【0124】
いくつかの実施形態では、二本鎖標的核酸のオリゴ-リコンビナーゼ複合体侵入は、組換え核酸プライマーに相補的な二本鎖標的核酸の領域を変性させる。本明細書に記載の核酸増幅方法のいくつかの実施形態では、核酸はリコンビナーゼ負荷因子の非存在下で増幅される。本明細書に記載の核酸増幅方法のいくつかの実施形態では、核酸はリコンビナーゼ負荷因子の存在下で増幅される。いくつかの実施形態では、リコンビナーゼ負荷因子は、バクテリオファージuvsY、大腸菌recO、大腸菌recR、それらの誘導体またはこれらのタンパク質の組み合わせから選択される。
【0125】
本明細書に記載の核酸増幅方法のいくつかの実施形態では、核酸は、一本鎖DNA結合分子(SSB)の存在下で増幅され;必要に応じて、SSBは、大腸菌SSBタンパク質、任意のバクテリオファージ由来のgp32タンパク質;マイオウイルス科バクテリオファージに由来するgp32タンパク質、T4 gp32タンパク質、Rb69 gp32タンパク質、またはそれらの誘導体から選択される。いくつかの実施形態では、SSBは、増幅反応で進行中の様々な交換処理中に核酸を安定化する。本明細書に記載されるように、当技術分野は、リコンビナーゼと一本鎖DNAとの間の核タンパク質複合体がSSBタンパク質の存在下で不安定であることを理解している。本開示は、反応の増幅工程に必要なフォワードプライマーおよびリバースプライマーとは異なるIOプライマーを含めることによってこの競合に対処する。いくつかの実施形態では、SSB(gp32)SSBは、組換え核酸プライマーに結合しないかまたは弱く結合し、それによってリコンビナーゼ-IOプライマー複合体の形成を安定化または増強する。いくつかの実施形態では、IOプライマーの存在は、増幅中のリコンビナーゼ負荷因子の必要性をなくす。
【0126】
本明細書に記載の核酸増幅方法のいくつかの実施形態では、リコンビナーゼは、大腸菌RecA、または任意のバクテリオファージ種由来のUvsXから選択される。いくつかの実施形態では、リコンビナーゼは、T4、T2、T6、Rb69、Aeh1、KVP40、アシネトバクターファージ133、アエロモナスファージ65、シアノファージP-SSM2、シアノファージPSSM4、シアノファージS-PM2、Rb14、Rb32、アエロモナスファージ25、ビブリオファージnt-1、phi-1、Rb16、Rb43、ファージ31、ファージ44RR2.8t、Rb49、ファージRb3、およびファージLZ2から選択されるマイオウイルス科ファージに由来する。いくつかの実施形態では、リコンビナーゼは、T4 UvsX、Rb69 UvsX、T2 UvsX、T6 UvsX、Aeh1 UvsX、KvP40 UvsX、またはそれらの任意の誘導体もしくは任意の組み合わせである。
【0127】
本明細書に記載の核酸増幅方法のいくつかの実施形態では、ポリメラーゼは、大腸菌Pol I、Bacillus subtilis Pol Iラージフラグメント(Bsuポリメラーゼ)、モロニーマウス白血病ウイルス(MuMLV)逆転写酵素、Staphylococcus aureus Pol I、またはそれらの組み合わせから選択される。
【0128】
本明細書に記載の核酸増幅方法のいくつかの実施形態では、増幅方法は、ポリエチレングリコール、PEG1450、PEG6000、PEG8000、PEG10000、PEG15000、PEG20000、PEG35000、グリセロール、デキストラン、フィコール、またはそれらの組み合わせから選択されるクラウディング剤の添加をさらに含む。
【0129】
本明細書に記載の核酸増幅方法のいくつかの実施形態では、組換え核酸プライマー、標的核酸分子、フォワードプライマーおよびリバースプライマー、ポリメラーゼ、およびdNTPは、核酸増幅方法に同時に付加される。
【0130】
いくつかの実施形態では、リコンビナーゼとSSBは、同じ種に由来するか;またはリコンビナーゼとSSBは異なる種に由来する。いくつかの実施形態では、リコンビナーゼとSSBは、同じバクテリオファージ種に由来するか;またはリコンビナーゼとSSBは異なるバクテリオファージ種に由来する。
【0131】
いくつかの実施形態では、リコンビナーゼおよびSSBは、マイオウイルス科バクテリオファージ、T4バクテリオファージ、Rb69バクテリオファージ、T2バクテリオファージ、T6バクテリオファージ、Aeh1バクテリオファージ、KvP40バクテリオファージ、またはそれらの誘導体に由来する。いくつかの実施形態では、リコンビナーゼおよびSSBは、(a)Rb69 UvsXおよびRb69 gp32、T4 gp32、またはAeh1 gp32、またはT6 gp32;(b)Aeh1 UvsX、およびRb69 gp32、T4 gp32、またはAeh1 gp32、またはT6 gp32;(c)T4 UvsX、およびRb69 gp32、T4 gp32、またはAeh1 gp32、またはT6 gp32;および(d)T6 UvsXおよびRb69 gp32、T4 gp32、またはAeh1 gp32、またはT6 gp32である。いくつかの実施形態では、リコンビナーゼはRb69 UvsXであり、SSBはT4 gp32である。いくつかの実施形態では、ポリメラーゼは、Bacillus subtilis Pol Iラージフラグメント(Bsuポリメラーゼ)、モロニーマウス白血病ウイルス(MuMLV)逆転写酵素、またはそれらの誘導体もしくは組み合わせである。
【0132】
IV.組換え核酸プライマーを含む組成物
本開示の一態様は、本明細書に記載の1またはそれを超える組換え核酸プライマー(すなわち、オリゴヌクレオチド、侵入オリゴヌクレオチド、または「IOプライマー」)を含む組成物を提供する。いくつかの実施形態では、組成物は、(i)組換え核酸プライマー(すなわち、オリゴヌクレオチド、侵入オリゴヌクレオチド、または「IOプライマー」);(ii)リコンビナーゼ;(iii)ポリメラーゼ;(iv)標的核酸;(v)クラウディング剤;(vi)1またはそれを超えるプライマー、および(vi)一本鎖DNA結合タンパク質(SSB)を含む。
【0133】
いくつかの実施形態では、組成物は、単一アッセイまたは多重化アッセイで使用される。多重化アッセイにおいて使用される場合、複数のプライマーは、各々が別個の標的核酸領域に対する特異性を有するように組み合わされる。いくつかの実施形態では、組成物中の組換え核酸プライマーの存在は、組換え核酸プライマーの非存在下で実施される多重化アッセイと比較した場合、多重化アッセイの特異性および感度を有意に増強する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換え核酸プライマー上の第1および第2のメチル化RNA領域の存在は、第1または第2のメチル化RNA領域のみを含有する組換え核酸プライマーと比較した場合、多重化アッセイの特異性および感度を増強する。
【0134】
1.一本鎖DNA結合タンパク質(SSB)
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物は、大腸菌SSBタンパク質、任意のバクテリオファージ由来のgp32タンパク質;マイオウイルス科バクテリオファージ由来のgp32タンパク質、T4 gp32タンパク質、Rb69 gp32タンパク質、またはそれらの誘導体から選択されるSSBを含む。SSBは、DNAのインビトロ等温増幅中に必要とされる。SSBタンパク質は、以下の理由で必須である:(1)それらは、フォワードプライマーおよびリバースプライマーによって占有されていない一本鎖DNAに結合する;(2)それらは、二本鎖DNA内の二次構造を融解させる;(3)それらは、DNAの新たに放出される一本鎖に結合することによって、DNAポリメラーゼによる外向き鎖置換を促進する;(4)それらは、DNA増幅時の分岐移動を抑制する。SSBは、ポリメラーゼの処理能力および合成活性を増強するために、外向き鎖を結合および安定化するために、ならびに一本鎖DNAの二次構造を融解するために必要である。上記のように、SSBは、複製フォーク(例えば、Dループ形成)との関連における一本鎖DNAと、インビトロでのフォワードプライマーおよび/またはリバースプライマーとの間を区別しない。
【0135】
2.リコンビナーゼ
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物は、大腸菌RecA、任意のバクテリオファージ種由来のUvsX、マイオウイルス科バクテリオファージ由来のUvsX、T4 UvsX、Rb69 UvsX、T2 UvsX、T6 UvsX、Aeh1 UvsX、KvP40 UvsX、またはそれらの任意の誘導体もしくは組み合わせから選択されるリコンビナーゼを含む。
【0136】
リコンビナーゼは、相同組換え中にヘテロ二本鎖DNAの形成を促進するタンパク質である。リコンビナーゼ機能は、一本鎖DNA(ssDNA)を結合およびコーティングすることによって、核タンパク質複合体またはフィラメントを形成するために必要とされる。次いで、この核タンパク質複合体またはフィラメントは、二本鎖DNA(dsDNA)分子を走査して、結合したssDNAと配列相同性の領域を同定する。リコンビナーゼ核タンパク質/フィラメントによる相同二重鎖の位置は、二本鎖DNAの侵入(開口)およびssDNAと二本鎖DNAとの間の相同結合部の形成をもたらす。これは次に鎖交換をもたらし、その間、核タンパク質フィラメント内に含有されるssDNAは、「標的」二重鎖の相補鎖とワトソン-クリック塩基対を形成し、二重鎖中の非相補鎖を置換する。鎖交換によって形成されたハイブリッドDNAは、修復ポリメラーゼおよび他の組換え因子によってさらにプロセシングされ、最終的に2つのインタクトなDNA二重鎖が生じる。例えば、Gasior et al.,PNAS 98(15):8411-8418(2001)を参照されたい。
【0137】
最もよく特徴付けられているリコンビナーゼは、真正細菌のRecA、古細菌のRadA、真核生物のRad51およびDmc1、ならびにバクテリオファージT4 UvsXタンパク質を含む、RecAファミリーのリコンビナーゼである。いくつかの実施形態では、RecAファミリーのリコンビナーゼは、バクテリオファージ、例えば、マイオウイルス科バクテリオファージに由来する。いくつかの実施形態では、リコンビナーゼは、マイオウイルス科の6つの属のうちの1つに由来する。いくつかの実施形態では、バクテリオファージリコンビナーゼは、T4バクテリオファージ、T2バクテリオファージ、T6バクテリオファージ、Rb69バクテリオファージ、Aeh1バクテリオファージ、KVP40バクテリオファージ、アシネトバクターファージ133、アエロモナスファージ65、シアノファージP-SSM2、シアノファージPSSM4、シアノファージS-PM2、Rb14、Rb32バクテリオファージ、アエロモナスファージ25、ビブリオファージnt-1、phi-1、Rb16、Rb43、ファージ31、ファージ44RR2.8t、Rb49、ファージRb3およびファージLZ2に由来するUvsX分子である。
【0138】
いくつかの実施形態では、リコンビナーゼは、少なくともT4、T2、T6、Rb69、Aeh1、KVP40を含むT4様バクテリオファージの属に属するバクテリオファージに由来する。バクテリオファージのT4型は、粒子形態に基づいて広く定義される。これらは腸内細菌(125の代表)、アシネトバクター、アエロモナス(aeromonad)、シュードモナス(pseudomonad)およびビブリオ(16の分離株)に存在する。
【0139】
いくつかの実施形態では、リコンビナーゼは、Rb69 UvsXである。当技術分野は、Rb69 UvsXがT4様バクテリオファージファミリーの他のUvsXタンパク質と同じように機能しないことを開示している。例えば、米国特許第8,071,308号を参照されたい。RB69 UvsXは、比較的低いDNA結合を有し、相補的オリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションをサポートしない。当技術分野は、Rb69 UvsXが、T4 UvsXまたはT6 UvsXと比較して、ssDNAに対して低い親和性またはssDNA上での短い滞留時間を有することを開示しており、これは、過剰なgp32とあまり競合しないことを意味する(したがって、gp32過滴定(overtitration)に対して感受性である)。Rb69 UvsXはまた、オリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションをサポートすることができず、したがって、過度に高いオリゴヌクレオチド-リコンビナーゼ負荷を促すと、ハイブリダイゼーションに利用可能なプライマーが少ないため、増幅反応が損なわれる。構造的には、Rb69 UvsXはまた、T4、T6、Aeh1、KVP40、ファージ133などの最も近い相同近縁種と比較した場合に非常に珍しいループ2配列を有するので異なる。Rb69 UvsXのループ2はまた、異なる数のアミノ酸を有し、T4、T6、Aeh1、KVP40、ファージ133(およびRb69近縁種であるJS98を除くすべてのUvsX分子)およびシアノファージタンパク質と比較して完全に再コード(recode)されているように見える。
【0140】
実際、インビトロでRB69 UvsXを使用して増幅反応を作動させるために、かなりの努力がなされた。特に、等温増幅反応は、リコンビナーゼRB69 UvsXおよび/またはRB69 gp32の濃度に対して感受性である。さらに、RB69由来のリコンビナーゼUvsXは、UvsYなどのリコンビナーゼ負荷タンパク質の非存在下ではインビトロで機能することができなかった。例えば、米国特許第8,071,308号を参照されたい。
【0141】
バクテリオファージRb69由来のリコンビナーゼUvsXの使用に関して当技術分野で開示されているすべての困難にもかかわらず、本出願人は驚くべきことに、Rb69 UvsXが特許請求の範囲に記載の組成物および方法において極めて良好に作動することを見出した。Rb69 UvsXはリコンビナーゼ負荷因子を必要としなかった。本明細書に記載の方法および組成物におけるRb69 UvsXの有効性は、本明細書に記載の組換え核酸プライマー(すなわち、オリゴヌクレオチド、侵入オリゴヌクレオチド、または「IOプライマー」)の存在に起因する。実際、本明細書中に記載される組換え核酸プライマーは、等温反応を単純化し、二本鎖DNAのより大きな領域に侵入して変性させることによって増幅動態を増強する。さらに、本明細書に記載の組成物および方法は、フォワードプライマーおよびリバースプライマーの唯一の機能が、DNAポリメラーゼによる増幅のために露出した一本鎖DNAをプライミングすることであるPCRにより類似している。
【0142】
いくつかの実施形態では、リコンビナーゼとSSBは、同じ種に由来するか;またはリコンビナーゼとSSBは異なる種に由来する。いくつかの実施形態では、リコンビナーゼとSSBは、同じバクテリオファージ種に由来するか;またはリコンビナーゼとSSBは異なるバクテリオファージ種に由来する。いくつかの実施形態では、リコンビナーゼおよびSSBは、マイオウイルス科バクテリオファージ、T4バクテリオファージ、Rb69バクテリオファージ、T2バクテリオファージ、T6バクテリオファージ、Aeh1バクテリオファージ、KvP40バクテリオファージ、またはそれらの誘導体に由来する。
【0143】
本明細書に記載される組成物のいくつかの実施形態では、(a)リコンビナーゼはRb69 UvsXであり、SSBは、Rb69 gp32、T4 gp32、Aeh1 gp32、またはT6 gp32から選択されるか;(b)リコンビナーゼはAeh1 UvsXであり、SSBは、Rb69 gp32、T4 gp32、Aeh1 gp32、T6 gp32、またはそれらの誘導体から選択されるか;(c)リコンビナーゼはT4 UvsXであり、SSBは、Rb69 gp32、T4 gp32、Aeh1 gp32、T6 gp32、またはそれらの任意の誘導体から選択されるか;または(d)リコンビナーゼはT6 UvsXであり、SSBは、Rb69 gp32、T4 gp32、Aeh1 gp32、T6 gp32、またはそれらの任意の誘導体から選択される。本明細書に記載される組成物のいくつかの実施形態では、リコンビナーゼはRb69 UvsXであり、SSBはT4 gp32である。
【0144】
3.リコンビナーゼ負荷因子
本明細書に記載される組成物のいくつかの実施形態では、組成物はリコンビナーゼ負荷因子を含まない。本明細書に記載される組成物のいくつかの実施形態では、組成物はリコンビナーゼ負荷因子を含む。いくつかの実施形態では、リコンビナーゼ負荷因子は、バクテリオファージuvsY、大腸菌recOまたは大腸菌recRならびにそれらの誘導体および組み合わせから選択される。本明細書に記載されるように、当技術分野は、リコンビナーゼ負荷剤(例えば、UvsY)が、(1)リコンビナーゼ(UvsX)と単一核酸プライマーとの結合を促進して核タンパク質複合体を形成し、(2)一本鎖DNA(すなわちプライマー)への結合についてgp32とリコンビナーゼとの間の競合に対処し;(3)Dループ作成のために核タンパク質複合体を安定させ;および/または(4)好ましくないSSB/gp32環境におけるリコンビナーゼ負荷を増加させたことを開示している。本明細書に記載される組成物のいくつかの実施形態では、IOプライマーの存在は、増幅過程中のリコンビナーゼ負荷因子の必要性をなくす。
【0145】
4.ポリメラーゼ
本明細書に記載の組成物のいくつかの実施形態では、ポリメラーゼは、大腸菌Pol I、Bacillus subtilis Pol Iラージフラグメント(Bsuポリメラーゼ)、モロニーマウス白血病ウイルス(MuMLV)逆転写酵素、Staphylococcus aureus Pol I、またはそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、ポリメラーゼは、Bsuポリメラーゼ、MuMLVおよび/またはそれらの誘導体である。
【0146】
本明細書中に記載される組成物とともに使用され得る追加のポリメラーゼは、大腸菌DNAポリメラーゼI Klenowフラグメント、バクテリオファージT4 gp43 DNAポリメラーゼ、Bacillus stearothermophilusポリメラーゼIラージフラグメント、Phi-29 DNAポリメラーゼ、T7 DNAポリメラーゼ、Bacillus subtilis Pol I、大腸菌DNAポリメラーゼI、大腸菌DNAポリメラーゼII、大腸菌DNAポリメラーゼIII、大腸菌DNAポリメラーゼIV、大腸菌DNAポリメラーゼVならびにそれらの誘導体および組み合わせを含む。
【0147】
いくつかの実施形態では、ポリメラーゼは鎖置換ポリメラーゼである。鎖置換複製では、一度に1つの鎖のみが複製される。この合成は、一本鎖DNAを放出し、次いで二本鎖DNAにコピーされる。鎖置換中、ポリメラーゼは、プライマーを伸長するために二本鎖(ds)DNAを開く。鎖置換DNAポリメラーゼの合成および鎖置換活性は、二本鎖DNAおよび置換一本鎖の産生をもたらす。この置換された一本鎖は、第2のオリゴヌクレオチド/プライマーの直接ハイブリダイゼーションおよび伸長によって、または侵入事象が反対側の末端から既に起こっている場合には鎖置換合成によって複製される。
【0148】
多くのポリメラーゼは迅速かつ前進性(processive)のプライマー伸長活性を示すが、非効率的な鎖置換活性は、複製ポリメラーゼの一般的な特徴であるようである。結果として、複製ヘリカーゼは、二重鎖DNAを開き、レプリソームに関連してリーディング鎖ポリメラーゼの前進を促進するために必要とされる。本開示において、複製ヘリカーゼは、組換え核酸プライマー(すなわち、オリゴヌクレオチド、侵入オリゴヌクレオチド、または「IOプライマー」)の存在のため、二重鎖DNAを開いてリーディング鎖ポリメラーゼの前進を促進するために必要ではない。いくつかの実施形態では、一本鎖結合タンパク質(例えば、大腸菌SSBまたはバクテリオファージgp32)は、DNA増幅中に効率的な鎖置換を可能にするために必要である。いくつかの実施形態では、ポリメラーゼは鎖置換ポリメラーゼではない。
【0149】
いくつかの実施形態では、ポリメラーゼは高い処理能力を有する。本明細書で使用される場合、「処理能力」という用語は、頻繁な解離なしに鋳型DNA上で連続DNA合成を実施するDNAポリメラーゼの能力を意味する。処理能力は、単一の会合/解離事象でDNAポリメラーゼによって組み込まれたヌクレオチドの平均数によって測定される。DNAポリメラーゼの処理能力は、合成率および速度、ならびにその基質に対する親和性を反映する。したがって、高度に前進性のDNAポリメラーゼは、血液および植物組織に見られるヘパリン、キシランおよびフミン酸などのPCR阻害剤の存在下で、長い鋳型および二次構造および高いGC含有量を有する配列の増幅に有益である。Zhuang et al.,Biochim.Biophys.Acta 1804(5):1081-1093(2010)。いくつかの実施形態では、高い処理能力を有するポリメラーゼは、Phi-29 DNAポリメラーゼ、Bst DNAポリメラーゼ、Bacillus subtilis PolI(Bsu)およびT7 DNAポリメラーゼから選択される。
【0150】
5.クラウディング剤
本明細書に記載される組成物のいくつかの実施形態では、組成物はクラウディング剤を含む。クラウディング剤は、最適な増幅反応環境を確立するのに役立つ。フィコール、デキストランおよびポリエチレングリコールなどの高分子クラウディング剤は、インビトロでいくつかの酵素の反応速度を増加させる。特に、クラウディング剤は、DNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼ、リガーゼ、エンドヌクレアーゼ、およびエキソヌクレアーゼの活性を増加させる。クラウディング剤は、DNA-ポリメラーゼ複合体を安定化することによって、DNA増幅中のヌクレオチド取り込み率を増加させる。例えば、Zimmerman and Harrison,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,84:1871-1875(1987);Ellis et al.,Curr.Opin.Struc.Biol.11(1):114-119(2001);Ikeda et al.,米国特許第5,665,572号を参照されたい。例えば、高分子クラウディングは、大腸菌のDNAポリメラーゼI(Pol I)またはT4 DNAポリメラーゼのそれらの鋳型プライマーおよび/またはDNAへの結合の有意な増加を引き起こす。特に、ポリエチレングリコール(PEG8000およびPRG35000)などのクラウディング剤の添加は、インビトロでのDNA Pol IおよびT4 DNA Pol Iの結合親和性および活性を増強した。クラウディング剤はまた、大腸菌DNA Pol IおよびT4 DNAポリメラーゼのエキソヌクレアーゼおよびポリメラーゼ活性を増強する。
【0151】
本明細書に記載される組成物のいくつかの実施形態では、クラウディング剤は、ポリエチレングリコール、PEG1450、PEG6000、PEG8000、PEG10000、PEG15000、PEG20000、PEG35000、グリセロール、デキストラン、フィコール、またはそれらの組み合わせから選択される。好ましい実施形態では、組成物はPEG6000を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、反応あたり少なくとも約1体積%~少なくとも約12体積%のクラウディング剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、反応あたり少なくとも約1重量%~少なくとも約12重量%のクラウディング剤を含む。
【0152】
本明細書に記載される組成物のいくつかの実施形態では、組成物はdNTPをさらに含む。dNTPは当業者に周知である。dNTPは、例えば、dATP、dGTP、dCTP、dTTP、ならびにこれらの誘導体および類似体を含む。本明細書に記載される組成物のいくつかの実施形態では、組成物は、ATP、GTP、CTP、UTP、またはそれらの誘導体および類似体から選択されるNTPを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、例えばフラグメントラダーを生成するためのddNTP(ddATP、ddTTP、ddGTPおよびddGTP)を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、dNTPとddNTPとの混合物を含む。
【0153】
6.乾燥組成物-トレハロース
本明細書に記載の等温増幅方法の利点は、精巧なPCR機械を必要とせず、必要な試薬を含む組成物が冷蔵を必要としないことである。これは、組成物を乾燥させ、使用準備ができたときに液体で再構成し得るために可能である。凍結乾燥組成物は、冷蔵の非存在下でそれらの活性を維持することができ、室温で無制限の期間維持することができる。乾燥組成物の貯蔵寿命を向上させるため、および/または凍結乾燥性能を改良するために、乾燥組成物に添加物安定化剤を添加してもよい。使用前に凍結乾燥することができる試薬は、リコンビナーゼ、一本鎖DNA結合タンパク質、DNAポリメラーゼ、dNTPまたはそれらの混合物、緩衝液および第1のプライマーである。
【0154】
本明細書に記載される組成物のいくつかの実施形態では、組成物は乾燥される。いくつかの実施形態では、クラウディング剤は、乾燥組成物中に含まれない。いくつかの実施形態では、組成物は、凍結乾燥されるか、凍結乾燥粉末、ペレット、またはビーズである。いくつかの実施形態では、組成物は、試薬ボールまたはチューブ内で凍結乾燥される。いくつかの実施形態では、組成物は、添加物安定化剤(例えば;タンパク質安定化剤)の存在下で乾燥される。いくつかの実施形態では、添加物安定化剤は、緩衝液(例えば、リン酸、酢酸、およびヒスチジン);張度剤(tonicity agent)/安定化剤(例えば、スクロースなどの糖、ソルビトールなどのポリオール);増量剤、例えばマンニトールなどの凍結保護剤);界面活性剤(例えば、ポリソルベート);酸化防止剤(例えば、メチオニン);金属イオン/キレート剤(例えば、エチレンジアミン四酢酸、EDTA);または防腐剤(例えば、ベンジルアルコール)から選択される。いくつかの実施形態では、添加物安定化剤は、二糖(例えば、スクロース、トレハロース、マルトースおよびラクトース)またはポリオール(例えば、マンニトール、ソルビトールおよびグリセロール)から選択される糖である。いくつかの実施形態では、添加物安定化剤はトレハロースである。トレハロースは、タンパク質の並外れた安定化剤であることが知られており、溶液中ならびに凍結乾燥状態で酵素の活性を保持するのに役立つ天然に存在する浸透圧調節物質である。トレハロースは、他の糖およびポリオールと比較して、溶媒水の構造および特性に対するその並外れた効果のため、タンパク質コンフォメーションの普遍的な安定化剤である。例えば、Kaushik and Bhat,J.Biol.Chem.278(29):P26458-26465(2003)を参照されたい。
【0155】
いくつかの実施形態では、組成物は、水、液体、緩衝溶液で再構成される。いくつかの実施形態では、再構成液は、クラウディング試薬、標的核酸、標的核酸を含むサンプルを含む。いくつかの実施形態では、再構成された組成物は、所望の程度の増幅産物が産生されるまでインキュベートされる。
【0156】
7.プライマー
本明細書に記載される組成物のいくつかの実施形態では、組成物は1またはそれを超えるプライマーセットを含む。いくつかの実施形態では、各プライマーセットは、フォワードプライマーおよびリバースプライマーを含む。いくつかの実施形態では、各プライマーセットは、異なる標的核酸を増幅する。いくつかの実施形態では、各プライマーセットは、同じ標的核酸の異なる領域を増幅する。
【0157】
いくつかの実施形態では、プライマー長は、当技術分野で使用されるプライマーの長さよりも短い。15ヌクレオチドという短いプライマー長は、非加水分解性補因子類似体ATP-γ-Sの存在下で大腸菌recAと機能的相同性検索複合体を組み立てることが示されているが、そのような短いプライマーによって形成された核タンパク質複合体は機能することができなかった。特に、リコンビナーゼの相同性検索機能は、鎖交換を完了し、ポリメラーゼアクセスを可能にするために侵入複合体から放出されるのに十分ではなかった。当技術分野は、等温増幅のために少なくとも約30塩基のプライマー長を推奨する。Salinas et al.,J Biol Chem.270(10):5181-6(1995);Formosa et al.J.Biol.Chem.261(13):6107-18(1986)。さらに、リコンビナーゼ/ssDNA核タンパク質複合体をその適切な標的iに導き、完全な鎖交換を可能にするには、33ヌクレオチドほどの短い相同性長で十分であった。例えば、米国特許第7,399,590号を参照されたい。等温増幅のためのオリゴヌクレオチドの推奨される最適な長さは、30ヌクレオチド~50ヌクレオチドの間にあり、より大きなオリゴヌクレオチドは、漸進的に侵入/伸長の速度を減少させる可能性がある。
【0158】
対照的に、特許請求の範囲の開示のプライマーは、通常のPCRプライマーの長さを有する。本組成物の少なくとも1つのプライマーは、相同性検索機能、侵入または鎖交換を有するリコンビナーゼを補助するために使用されていないので、それらはPCRプライマーの最適な長さよりも長い必要はない。いくつかの実施形態では、プライマーは、少なくとも約15~少なくとも約25塩基である。いくつかの実施形態では、プライマーは、少なくとも約16、少なくとも約17、少なくとも約18、少なくとも約18、少なくとも約19、少なくとも約20、少なくとも約21、少なくとも約22、少なくとも約23、少なくとも約24、少なくとも約25塩基である。いくつかの実施形態では、リバースプライマーまたはフォワードプライマーは、DNA、RNA、ペプチド核酸(PNA)、ロックド核酸(LNA)、モルホリノ骨格核酸、ホスホロチオレート骨格核酸またはそれらの組み合わせを含む。本明細書で使用される場合、ペプチド核酸(PNA)は、デオキシリボースのリン酸骨格が、核酸塩基が結合している擬似ペプチドポリマーで置き換えられているDNAの合成模倣物を意味する。PNAは、本質的にそれらの非荷電で柔軟なポリアミド骨格のために、著しく高い親和性および特異性を有する相補的DNAまたはRNAとハイブリダイズする。本明細書で使用される場合、ロックド核酸(LNA)は、RNAを模倣する糖立体配座にロックされた二環式フラノース単位を有する1またはそれを超えるLNAヌクレオチドモノマーを含有する核酸類似体を意味する。
【0159】
プライマーを設計および生成するための様々なソフトウェアが当業者に知られており、市販されている。本開示のプライマーは、当技術分野で公知の方法に従って設計される。プライマーの長さを選択する際の最初の検討事項は、本明細書に記載の方法に利用されると予想される温度である。例えば、オリゴヌクレオチドの選択された長さは、切断手段の熱安定性に応じて変化し得る。より長いプライマーは、一般に、より高いハイブリダイゼーション特異性を有すると予想される。Lyamichev et al.(1999)Nature Biotechnology 17:292-296を参照されたい;また、米国特許第6,562,611号;同第5,994,069号および同第5,846,717号も参照されたく、その全内容は参照により本明細書に組み込まれる。さらに、本発明のプライマーは、Thermo Fisher Scientific、Integrated DNA Technologies、またはSigma-Aldrichなどの製造業者から購入され得る。
【0160】
V.増幅デバイス
本開示の一態様は、本明細書に記載の組成物を含む増幅デバイスを提供する。いくつかの実施形態では、デバイスは、サンプル中の1またはそれを超える標的核酸の存在、非存在または量を決定するための方法において使用される。いくつかの実施形態では、デバイスは、本明細書に記載の組換え核酸プライマー、組成物および等温増幅技術を使用して核酸を増幅するために使用される。
【0161】
本開示の一態様は、本明細書に記載の組成物またはシステムを含む増幅デバイスを提供する。いくつかの実施形態では、デバイスは、サンプル中の1またはそれを超える標的核酸の存在、非存在または量を決定するための方法において使用される。いくつかの実施形態では、本方法は、(i)本明細書に記載の核酸プライマーおよび/またはシステムを使用してサンプル中の1またはそれを超える標的核酸を(存在する場合)増幅すること;(ii)増幅された標的核酸を1またはそれを超えるシグナル伝達剤に直接的または間接的に結合させ、標的核酸が存在する場合にはシグナル伝達剤を検出すること;(iii)サンプル中に存在する場合、増幅された標的の増幅された核酸を検出することを含むか、本質的にそれらからなるか、またはそれらからなる。標的核酸がサンプル中に存在しない場合、シグナルは検出されない。
【0162】
本明細書に記載の増幅デバイスのいくつかの実施形態では、サンプル中の1またはそれを超える標的核酸の存在、非存在、または量を決定する方法は、(i)1またはそれを超える標的核酸を含むサンプルをサンプル分析カートリッジのサンプル調製リザーバー内の流体に導入することであって、カートリッジが、本明細書に記載の組成物を含む、1またはそれを超える標的核酸を含むサンプルをサンプル分析カートリッジのサンプル調製リザーバー内の流体に導入すること;(ii)本明細書に記載の組換え核酸プライマーを含む増幅方法を用いて1またはそれを超える標的核酸を増幅すること;(iii)増幅された標的核酸を、サンプル調製リザーバー内の流体中の1またはそれを超えるシグナル伝達剤に直接的または間接的に結合させること;(iv)1またはそれを超える増幅された標的核酸が1またはそれを超えるシグナル伝達剤に直接的または間接的に結合するように、サンプル調製リザーバーからセンサーを含む分析チャネルに流体を放出すること;(v)基質をセンサー上に局在化したシグナル伝達剤と反応させること;(vi)反応した基質-シグナル伝達剤複合体を電気的に刺激して、センサーによって検出される1またはそれを超えるシグナルを生成すること;および(viii)1またはそれを超えるシグナルを処理して、1または増幅された標的核酸の存在、非存在、または量を決定することを含む。
【0163】
いくつかの実施形態では、サンプル調製リザーバー中の流体中の1またはそれを超えるシグナル伝達剤の各々は、1またはそれを超える増幅された標的核酸の各々に特異的な検出可能な電位を有する。いくつかの実施形態では、各1またはそれを超える増幅された核酸に対する検出可能な電位は異なる。いくつかの実施形態では、各基質-シグナル伝達剤複合体に対するシグナルは、1またはそれを超える増幅された核酸標的に対するシグナル伝達剤のそれぞれの電位に基づく。
【0164】
いくつかの実施形態では、センサーは、1またはそれを超えるシグナルを同時に検出し、それにより、サンプル中の1またはそれを超える標的核酸の存在、非存在、または量を同時に検出する。いくつかの実施形態では、デバイスは1よりも多くのセンサーを備える。
【0165】
いくつかの実施形態では、デバイスはサンプル調製リザーバーを含む。いくつかの実施形態では、サンプル調製リザーバーは、本明細書に記載の組成物を含む。いくつかの実施形態では、サンプルリザーバーは、(i)組換え核酸プライマー;(ii)リコンビナーゼ;(iii)ポリメラーゼ;(iv)標的核酸;(v)クラウディング剤;(vi)1またはそれを超えるプライマー、および(vi)一本鎖DNA結合タンパク質(SSB)を含む。いくつかの実施形態では、サンプル調製物リザーバーは、異なるタイプの標的または増幅された核酸に対して異なる検出可能な電位を有する1またはそれを超えるタイプのシグナル伝達剤をさらに含む。例えば、シグナル伝達剤は、標的または増幅された核酸の各々について異なる酸化還元電位の酸化還元色素であり得る。いくつかの実施形態では、シグナルは、センサー上に局在化したシグナル伝達剤と反応する基質に応答して、センサー(複数可)によって感知される。各基質-シグナル伝達剤の反応は、特定のタイプの標的核酸に対するシグナル伝達剤の電位に基づいて異なる。
【0166】
いくつかの実施形態では、サイクリックボルタンメトリー(CV)、矩形波ボルタンメトリー、またはアンペロメトリーなどの走査技術を使用して、サンプルに導入された核酸標的および/または任意の内部対照反応に応答して生成された核酸標的の存在および/または量について、センサー(複数可)上に局在化したサンプルをプローブし得る。そのような技術は、各センサーまたは異なるセンサー上での多重化を可能にするために、センサーごとに複数の増幅された核酸タイプを含む複数の標的分析物タイプを検出するために使用することができる。例えば、既知の電位範囲(例えば、-0.6V~0.5V)にわたってCV走査または矩形波ボルタンメトリーまたは線形掃引中に異なる酸化還元電位で検出することができる3つの異なる酸化還元色素が存在する場合、センサーごとに測定される3つの分析物があり得る。3つのセンサーがある場合、3つのセンサーを有する分析チャネル内で9つの標的を分析することができる。いくつかの実施形態では、デバイスは、国際公開第2018/140540号に記載されているようなメモリを備える。走査技術を実行するための命令は、リーダーが、例えばそれぞれの電気コネクタを介してリーダーに送信されるカートリッジのセンサー(複数可)によって感知された電気シグナルを処理するように、リーダーのプロセッサに連結されたメモリに記憶されてもよい。例えば、リーダーのプロセッサは、カートリッジ内の1またはそれを超えるセンサーの1またはそれを超える電極に電圧掃引を適用するように指示し得る。異なるタイプのシグナル伝達剤は、電圧掃引中に異なる電圧に応答し得る。各タイプのシグナル伝達剤に対する応答を使用して、対応する標的分析物の存在、非存在、および/または量を決定し得る。
【0167】
いくつかの実施形態では、等温増幅産物は、様々な親和性分子およびシグナル分子ならびに上記の方法の組み合わせを組み合わせることによって多様な核酸の標的(RNA、DNA)を測定できるように同時に進行することができる。
【実施例
【0168】
実施例
本技術は、以下の実施例によってさらに説明されるが、これは決して限定として解釈されるべきではない。本明細書の実施例は、本技術の利点を説明し、当業者が本技術の組成物およびシステムを調製または使用するのをさらに支援するために提供される。実施例は、添付の特許請求の範囲によって定義される本技術の範囲を限定するものとして決して解釈されるべきではない。実施例は、上述した本技術のバリエーション、態様、または実施形態のいずれかを含むか、または組み込むことができる。上述したバリエーション、態様、または実施形態はそれぞれ、本技術の任意のまたはすべての他のバリエーション、態様、または実施形態のバリエーションをさらに含んでもよく、または組み込んでもよい。
【0169】
実施例1:元の侵入オリゴヌクレオチドプライマーは非特異的増幅産物をもたらした
概要
本明細書で論じられる等温増幅化学は、3つのプライマー:フォワードプライマー、リバースプライマー、および新規または改良された組換え核酸プライマー(オリゴヌクレオチド、侵入オリゴヌクレオチド、または「IOプライマー」)に依存する。IOプライマーは、等温増幅方法の不可欠な部分である。リコンビナーゼUuvsXとともに、IOプライマーは標的二本鎖DNA(dsDNA)アンプリコンの鎖侵入を媒介する。侵入工程は、フォワードプライマーおよび/またはリバースプライマーならびにポリメラーゼの標的二本鎖DNAへの結合に必要なアクセス可能性を作り出し、したがってアンプリコンの指数関数的増幅を作り出すので、等温増幅方法において必要な工程である。
【0170】
電位ピットフォールがIOプライマーの元の設計で観察された(図1)。実験的証拠は、IOプライマー自体が、増幅過程中にフォワードプライマーおよび/またはリバースプライマーおよびポリメラーゼの鋳型として機能し得ることを示した。この現象は、多数の試験、例えばCOVID-19 PCR試験において問題となる高い割合で偽陽性結果をもたらした。さらに、この問題は、アッセイの多重度が増加し、および/または追加のプライマーが必要とされる多重化アッセイ系でIOプライマーを使用した場合に悪化した。これらの状況下では、非特異的プライマー間相互作用の確率が一般に増加した。これらの理由から、IOプライマーの元の設計は、例えばCOVID-19 PCR試験などの臨床適用に対するIOプライマーの有用性を制限すると結論付けられた。
【0171】
したがって、出願人は、以下の3つの方法のいずれか1つでIOプライマーを再設計することによって、元のIOプライマーを使用した場合の高い割合の偽陽性結果を防ぐことができると仮定した:(1)IOプライマー内で修飾されたDNAまたはRNA塩基を使用すること、(2)IOプライマーに二次構造を導入すること、または(3)この2つのアプローチの組み合わせ。本開示は、鋳型依存性増幅のための例外的な機能性を維持しながら、低いバックグラウンド特性を示す多重アッセイで使用するためのIOプライマーの最適な設計を提供する。
【0172】
IOプライマー設計
未修飾の、IOプライマー設計の塩基ケースは、二次構造を含まなかった。図1に示すように、元のIOプライマーは約39~61塩基長であり、3つの3つのサブ領域を含有していた。5’から3’に列挙されたこれらの3つのサブ領域は以下の通りであった:(1)約7~13塩基長を有するポリ-dCサブ領域;(2)標的核酸領域と相同であり、約25~35塩基長であったDNAサブ領域;および(3)標的核酸領域にも相同なメチル化RNAサブ領域(長さ:7~13塩基)。
【0173】
元のIOプライマー(組換え核酸プライマー;または非機能性プライマーとも呼ばれる)を用いて得られた増幅産物の次世代シーケンシングは、IOプライマーがフォワードプライマーおよびリバースプライマーならびにポリメラーゼの基質として;および/または増幅反応(例えば、増幅方法)のための増幅プライマーとして機能し得ることを示した。元のIOプライマーを使用した完了した増幅反応の複数の増幅産物に対する次世代シーケンシングの実施後、一組の非特異的配列リードが観察された。これらの異常な配列リードの存在は、IOプライマー自体が、設計によって企図されるように単に二本鎖核酸標的の侵入において機能するのではなく、時折、増幅のためのプライマーとして機能し得ることを示唆した。この現象の最大の証拠は、COVID-19増幅産物で観察された。図2に示すように、COVID-19 IOプライマーと内部リバースプライマー(内部対照リバースプライマー)の両方に由来する配列を含有するハイブリッド配列リードの存在が観察された。したがって、増幅反応中に、COVID-19 IOプライマーおよび内部対照リバースプライマーの両方が予想外にも標的核酸の一部とアライメントして、COVID19陰性反応からの産物のシーケンシングで観察されたハイブリッド増幅産物を生成した。
【0174】
さらに、いくつかの配列リードは、内部対照リバースプライマーがCOVID19 IOプライマーの逆相補体に結合し、その増幅(転写)を「プライミング」することができる機構を示唆した。出願人は、IOプライマーの標的増幅領域(DNA領域)内のフォワードプライマーまたはリバースプライマーの3’末端の結合がポリメラーゼによって転写されてIOの逆相補体を作り出すことができると仮定した。これは次に、指数関数的な非特異的増幅をもたらし得る。このような非特異的増幅は、COVID-19試験で偽陽性結果を生成した。
【0175】
実施例2:等温増幅のための新規組換え核酸プライマー設計の評価
上記の観察を考慮して、本出願人は、重合のための鋳型として機能するとは予想されないDNAまたはRNA塩基をIOプライマー内に含めることを選択した。元のIOプライマーを、1)DNAサブ領域内の酸化dG DNA塩基(オキソ-dG)、または2)DNAサブ領域内の2~3個のメチル化RNA塩基の包含のいずれかを含むように修飾した。
【0176】
さらに、IOプライマーの構造を修飾する戦略も考慮した。元のIOプライマーのポリ-dCサブ領域を隔離することによって、重合のための鋳型として機能するIOプライマーの適合性が低減し得ると仮定された。この目的に向けて、2つの別々のアプローチを試験した。第1に、IOプライマーを修飾して短いポリdGオリゴヌクレオチドを付加し、IOプライマーのポリdCサブ領域のアクセス可能性を制限した。第2に、5’ヘアピン構造をIOプライマー自体に導入した。ポリ-dCサブ領域がステム構造の一部として機能する場合、これらの2つの修飾の組み合わせも考慮した。
【0177】
上記の設計修飾の各々は、基本システムとして会社のCOVID-19試験を使用して、Cue Health Incカートリッジプラットフォームで試験された。Cue COVID-19は、二重試験である。この試験は、ヒトサンプル中に存在する標的(内部対照鋳型)を増幅するためのプライマーとSARS-CoV-2ウイルス(アッセイ標的)を増幅するためのプライマーとを組み合わせた。このシステムを使用して、偽陽性アッセイ結果の割合を決定した。
【0178】
偽陽性率(FPR)を評価するために、各IO条件を、作為的な鼻腔マトリックス(すなわち、標的鋳型が追加されていない)の形態の内部対照鋳型のみを添加して試験した。結果を以下の表1にまとめる。元のIOプライマーを修飾せずに使用した場合、偽陽性率は約5.1%であった(196個の陰性試験 対 10個の偽陽性)。5’ヘアピン構造を元のIOプライマーに追加した場合、偽陽性率は5.1%から1.3%に低減した(232個の陰性試験 対 3個の偽陽性)。元のIOプライマーが5’ヘアピン構造および2’OME部位を含むように修飾した場合、偽陽性率は5.1%から0.3%に低減した(294個の陰性試験 対 1個の偽陽性)。
【表1】
【0179】
元のIOプライマーを、ポリGオリゴヌクレオチドおよび2’OME部位またはオキソ-dG部位を含有するように修飾した場合にも、同様の結果が得られた。例えば、元のIOプライマーを、ポリGオリゴヌクレオチドおよび2’OME部位を含有するように修飾した場合、偽陽性率は5.1%から1.5%に低減した(197個の陰性試験 対 3個の偽陽性)。元のIOプライマーを、ポリGオリゴヌクレオチドおよびオキソ-dG部位を含有するように修飾した場合、偽陽性率は5.1%から1.3%に低減した(299個の陰性試験 対 4個の偽陽性)。
【0180】
全体として、追加の2’OME部位および5’ヘアピン構造の包含を実施した修飾した条件は、対照条件と比較して偽陽性の発生を低減させるのに最も成功した(0.3%対5.1%)。
【0181】
実施例3:改良されたIOプライマーはCOVID-19試験の偽陽性率を低減させた
改良されたIOプライマー設計がCOVID-19試験の偽陽性率を低減させることができるかどうかを決定するために、各IO修飾を、COVID-19 RNA鋳型を添加した増幅反応で試験した。以下の表2に示すように、修飾IOプライマーは、標的SARS-CoV-2ウイルス遺伝子の成功裏の増幅を促進した。試験したほとんどの条件で、偽陰性結果は観察されなかった。2つの条件は1つの誤った結果を示した。これらは、低いn値のため、統計学的に有意であった。
【表2-1】

【表2-2】
【0182】
全体として、検出はすべての条件にわたって一貫しており、各々が0または1の偽陰性をもたらした。追加の2’OME部位および5’ヘアピン構造の包含を実施した修飾した条件は、同様に、対照条件と比較して偽陽性の発生を低減させるのに最も成功した。
【0183】
多重アッセイ(二重、三重、四重の条件)において低い偽陽性率(FPR)に最適化されたIOプライマーの新しい設計は、図3に示すように約5つのサブ領域を含有する。5’から3’に列挙されるサブ領域は、(1)5’ヘアピン構造;(2)ポリ-dCサブ領域(長さ:7~13塩基)、(3)1~4個の塩基を含む第1のメチル化RNAサブ領域;(4)標的に相同なDNAサブ領域(長さ:25~35塩基)、および(5)標的に相同な第2のメチル化RNAサブ領域(長さ:7~13塩基)である。メチル化RNA領域は、2’-O-メチルRNA(2’Ome)を含む
【0184】
この新規な組換え核酸プライマー設計は、図2に示される非特異的増幅に耐性である。この特性は、等温増幅化学が本開示によって企図される多重アッセイを使用して臨床現場で十分に機能するために重要である(必須である)。特に、この新規な組換え核酸プライマー設計は、本明細書に記載の組成物および方法を用いた多重化(2重、3重、4重など)アッセイの特異性および感度を大幅に改良することが示された。
【0185】
同等物
本技術は、本技術の個々の態様の単一の例示として意図される本出願に記載された特定の実施形態に関して限定されるべきではない。当業者には明らかなように、本技術の趣旨および範囲から逸脱することなく、本技術の多くの修正およびバリエーションを行うことができる。本明細書に列挙されたものに加えて、本技術の範囲内の機能的に等価な方法および装置は、前述の説明から当業者には明らかであろう。そのような修正およびバリエーションは、本技術の範囲内に含まれることが意図される。この本技術は、特定の方法、試薬、化合物組成または生物学的システムに限定されず、当然のことながら変化し得ることを理解されたい。本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明するためだけのものであり、限定することを意図するものではないことも理解されたい。
【0186】
さらに、本開示の特徴または態様がマーカッシュ群に関して記載される場合、当業者は、本開示がそれによってマーカッシュ群の任意の個々のメンバーまたはメンバーのサブグループに関しても記載されることを認識するであろう。
【0187】
当業者によって理解されるように、ありとあらゆる目的のために、特に書面による説明を提供することに関して、本明細書に開示されるすべての範囲は、ありとあらゆる可能な部分範囲およびその部分範囲の組み合わせも包含する。列挙された範囲はいずれも、同じ範囲を少なくとも等しい半分、3分の1、4分の1、5分の1、10分の1などに分割することを十分に説明し、可能にするものとして容易に認識することができる。非限定的な例として、本明細書で説明する各範囲は、下3分の1、中央3分の1、および上3分の1などに容易に分割することができる。また、当業者によって理解されるように、「まで(up to)」、「少なくとも(at least)」、「より多い(greater than)」、「より少ない(less than)」などのすべての言語は、列挙された数を含み、上記のように部分範囲に後で分割することができる範囲を指す。最後に、当業者によって理解されるように、範囲は各個々のメンバーを含む。したがって、例えば、1~3個の細胞を有する群は、1、2、または3個の細胞を有する群を指す。同様に、1~5個の細胞を有する群は、1、2、3、4または5個の細胞を有する群などを指す。
【0188】
本明細書で言及または引用されるすべての特許、特許出願、仮出願、および刊行物は、それらが本明細書の明示的な教示と矛盾しない限り、すべての図および表を含むそれらの全体が参照により組み込まれる。
【誤訳訂正3】
【訂正対象書類名】図面
【訂正対象項目名】全図
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
図1
図2
図3
【国際調査報告】