(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-17
(54)【発明の名称】回転関節及びそれを備えた機器
(51)【国際特許分類】
G01D 5/245 20060101AFI20250109BHJP
【FI】
G01D5/245 110L
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024539709
(86)(22)【出願日】2022-12-07
(85)【翻訳文提出日】2024-06-28
(86)【国際出願番号】 CN2022137226
(87)【国際公開番号】W WO2023124856
(87)【国際公開日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】202111654607.8
(32)【優先日】2021-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202123401562.1
(32)【優先日】2021-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522453131
【氏名又は名称】シャンハイ・フレクシブ・ロボティクス・テクノロジー・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】宋 庭科
(72)【発明者】
【氏名】安 然
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲軒▼
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ 柏彦
【テーマコード(参考)】
2F077
【Fターム(参考)】
2F077JJ01
2F077JJ07
2F077JJ23
2F077NN04
2F077PP12
2F077PP14
2F077WW04
(57)【要約】
回転関節は、関節ハウジング(20)と、関節ハウジング(20)内に取り付けられた駆動装置と、駆動装置に取り付けられたエンコーダモジュール(30)とを含み、前記駆動装置は、内軸(12)と、内軸(12)を取り囲んで内軸(12)から径方向に離間する外軸(11)とを有し、エンコーダモジュール(30)は、外軸(11)と同期して回転するように構成される第1磁気ディスクアセンブリ(31)と、内軸(12)と同期して回転するように構成される第2磁気ディスクアセンブリ(32)と、第1磁気ディスクアセンブリ(31)に隣接して配置され、第1磁気ディスクアセンブリ(31)の磁気ディスクの動きを検出する第1センサアセンブリと、第2磁気ディスクアセンブリ(32)に隣接して配置され、第2磁気ディスクアセンブリ(32)の磁気ディスクの動きを検出する第2センサアセンブリと、を含み、第1磁気ディスクアセンブリ(31)の磁気ディスク表面と第2磁気ディスクアセンブリ(32)の磁気ディスク表面とは、面一に配置され、径方向に少なくとも所定の距離だけ離間している。少なくとも1つの回転関節を含む機器がさらに提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
関節ハウジングと、関節ハウジング内に取り付けられた駆動装置と、前記駆動装置に取り付けられたエンコーダモジュールとを含み、
前記駆動装置は、内軸と、前記内軸を取り囲んで前記内軸から径方向に離間する外軸とを有し、
前記エンコーダモジュールは、
前記外軸と同期して回転するように構成される第1磁気ディスクアセンブリと、
前記内軸と同期して回転するように構成される第2磁気ディスクアセンブリと、
前記第1磁気ディスクアセンブリに隣接して配置され、前記第1磁気ディスクアセンブリの磁気ディスクの動きを検出するように構成される第1センサアセンブリと、
前記第2磁気ディスクアセンブリに隣接して配置され、前記第2磁気ディスクアセンブリの磁気ディスクの動きを検出するように構成される第2センサアセンブリと、を含み、
前記第1磁気ディスクアセンブリの磁気ディスク表面と前記第2磁気ディスクアセンブリの磁気ディスク表面とは、面一に配置され、径方向に少なくとも所定の距離だけ離間している、回転関節。
【請求項2】
前記エンコーダモジュールは、
第1端と第2端とを有する第1接続軸であって、前記第1接続軸の第1端が前記外軸の末端に接続される第1接続軸と、
第1端と第2端とを有する第2接続軸であって、前記第2接続軸の第1端が前記内軸に固定接続される第2接続軸と、
前記第1接続軸と前記第2接続軸との間に取り付けられた軸受と、をさらに含み、
前記第1磁気ディスクアセンブリは、前記第1接続軸に固定され、
前記第2磁気ディスクアセンブリは、前記第2接続軸に固定される、請求項1に記載の回転関節。
【請求項3】
前記第1接続軸は、中空軸であり、その内周面に第1軸受位置決めショルダが形成され、及び/又は、前記第2接続軸の外周面に第2軸受位置決めショルダが形成される、請求項2に記載の回転関節。
【請求項4】
前記第1接続軸の前記第1端の内周面又は外周面には、前記外軸に対する前記第1接続軸の取付位置を位置決めするための第1接続位置決めショルダが形成される、請求項3に記載の回転関節。
【請求項5】
前記第1接続軸の外周面には、追加モジュール位置決めショルダが形成される、請求項3に記載の回転関節。
【請求項6】
前記第2接続軸の外周面又は前記第1端の端面には、前記内軸に対する前記第2接続軸の取付位置を位置決めするための第2接続位置決めショルダが形成される、請求項3に記載の回転関節。
【請求項7】
前記内軸は、中空軸であり、前記外軸から一定の長さだけ張り出し、前記第2接続軸は、中空軸であり、前記内周面には、前記内軸に対する前記第2接続軸の取付位置を位置決めするための第2接続位置決めショルダ及び/又は前記第2接続軸を前記内軸から分離するための取り外し補助ショルダが形成される、請求項3に記載の回転関節。
【請求項8】
前記第1接続軸の第2端の端面は、前記軸受の外端面と面一であり、前記第2接続軸の第2端の端面は、前記第1磁気ディスクアセンブリの磁気ディスク表面及び前記第2磁気ディスクアセンブリの磁気ディスク表面と面一である、請求項2に記載の回転関節。
【請求項9】
前記軸受は、接着剤によって前記第1接続軸及び前記第2接続軸のうちの少なくとも一方に接着される、請求項2に記載の回転関節。
【請求項10】
前記エンコーダモジュールの構造は、前記第1センサアセンブリ及び前記第2センサアセンブリが取り付けられたPCB回路基板をさらに含み、前記PCB回路基板は、前記第1磁気ディスクアセンブリの磁気ディスク表面及び前記第2磁気ディスクアセンブリの磁気ディスク表面と平行であり、かつ離間している、請求項1に記載の回転関節。
【請求項11】
前記PCB回路基板は、前記関節ハウジングの一端の内壁、外壁及び端面のうちの少なくとも一方に固定され、前記PCB回路基板は、前記関節ハウジングの前記一端から所定の距離だけ離間している、請求項10に記載の回転関節。
【請求項12】
前記所定の距離は、少なくとも前記第1磁気ディスクモジュールと第2磁気ディスクモジュールの総厚より大きい、請求項11に記載の回転関節。
【請求項13】
前記PCB回路基板は、少なくとも1つのスペーサー柱を介して前記関節ハウジングに直接固定され、各スペーサー柱の各端には、雌ネジ又は雄ネジが形成される、請求項11に記載の回転関節。
【請求項14】
前記関節ハウジングは、前記関節ハウジングの前記一端の内壁、外壁及び/又は端面の少なくとも一方に設けられた少なくとも1つのボスと、前記ボスに螺合されたネジ締結具とを含み、前記1つのボスは、前記関節ハウジングの一端に対して所定の距離だけ張り出し、各ボスにネジ孔が形成され、前記PCB回路基板は、ネジ締結具と前記ボスとの結合により接続され、前記関節ハウジングに固定接続される、請求項11に記載の回転関節。
【請求項15】
前記PCB回路基板は、ケーブルを通すための中心孔を有する、請求項11に記載の回転関節。
【請求項16】
前記第1センサアセンブリ及び/又は第2センサアセンブリは、ホールセンサ又は巨大磁気抵抗センサであるセンサと、チップに集積された調整回路とを含む、請求項10に記載の回転関節。
【請求項17】
前記第1磁気ディスクアセンブリは、第1磁気ディスクと、前記第1磁気ディスクを支持する第1取付ブラケットとを含み、前記第1取付ブラケットは、前記第1接続軸の前記第2端に取り付けられ、
前記第2磁気ディスクアセンブリは、第2磁気ディスクと、前記第2磁気ディスクを支持する第2取付ブラケットとを含み、前記第2取付ブラケットは、前記第2接続軸の前記第2端に取り付けられる、請求項2に記載の回転関節。
【請求項18】
前記駆動装置は、モータと、モータに駆動される伝動装置とを含み、前記モータは、前記内軸及び前記外軸のうちの一方を駆動し、前記伝動装置は、前記外軸及び前記内軸のうちの他方を駆動し、前記駆動装置は、前記関節ハウジング内に取り付けられ、前記エンコーダモジュールは、前記関節ハウジングの一端に対して所定の長さだけ張り出して前記駆動装置から取り外される、請求項1に記載の回転関節。
【請求項19】
前記第1センサアセンブリ及び前記第2センサアセンブリから出力された信号に基づいて前記駆動装置の動作を調整するように構成された制御装置をさらに含む、請求項1に記載の回転関節。
【請求項20】
請求項1~19のいずれか一項に記載の回転関節を少なくとも1つ含む、機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2021年12月30日に出願された、出願番号が2021116546078であり、発明の名称が「回転関節用エンコーダモジュール、回転関節、ロボットアーム及びロボット」である中国特許出願、及び2021年12月30日に出願された、出願番号が2021234015621であり、名称が「ロボット用関節及び該関節を有するロボットアーム及びロボット」である中国実用新案出願の優先権を主張するものであり、その全ての内容は参照により本願に組み込まれる。
【0002】
本願は、ロボットの分野に関し、特に、ロボット用回転関節、及び該回転関節を備えた機器、例えばロボットアームやロボットに関する。
【背景技術】
【0003】
要するに、ロボットアームを備えたロボットは、関節によってロボットアームの構成要素間の相対運動を制御する。関節は、通常、回転関節と並進関節(直動関節とも呼ばれる)とに分けられる。回転関節は、駆動装置により2つの部材にそれぞれ接続されて回転可能であり、これにより、2つの部材の間で相対運動を発生させることができる。ロボットアームの移動及び位置を正確に制御するために、駆動装置の2つの出力軸の回転数を正確に測定し、測定された回転数に基づいて各出力軸の回転数を調整する必要がある。
【0004】
通常、駆動装置の2つの出力軸の回転数は、エンコーダによって測定される。エンコーダは、磁気的又は光学的な測定原理によって信号を正弦波に変換する装置である。磁気エンコーダは、1マイクロメートルと低い分解能を実現可能であり、振動に耐え、塵埃、油汚れ、水蒸気及び塩水噴霧などによる汚染及び腐食に強いとともに、光学エンコーダよりも丈夫で耐久性があるため、移動位置を正確に制御する必要があるロボット分野に広く適用されている。
【0005】
磁気エンコーダは、磁気ディスクと、センサと、調整回路とを含む。磁気ディスクは、既に磁化され、その円周には、複数の磁極が分布し、隣接する2つの磁極は、極性が逆である。センサは、磁気ディスク回転時の磁界の変化を検出し、その情報を正弦波に変換する。センサは、電圧の変化を感知するホール素子であってもよいし、磁場の変化を感知する磁気抵抗素子であってもよい。調整回路は、所望の出力を生成するために、信号を逓倍し、分周するか又は補間する。
【0006】
ロボットの関節において、駆動装置の2つの出力軸は、通常、駆動装置の両側に位置し、それに応じて、2組の磁気エンコーダモジュールも駆動装置の両側にそれぞれ位置する。各磁気エンコーダモジュールは、磁気ディスクと、センサチップを有するPCB回路基板とを有し、磁気ディスクは、出力軸に固定され、対応するPCB回路基板は、駆動装置に対して固定された状態で取り付けられる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様によれば、関節ハウジングと、関節ハウジング内に取り付けられた駆動装置と、前記駆動装置に取り付けられたエンコーダモジュールとを含む回転関節であって、前記駆動装置は、内軸と、前記内軸を取り囲んで前記内軸から径方向に離間する外軸とを有し、前記エンコーダモジュールは、前記外軸と同期して回転するように構成される第1磁気ディスクアセンブリと、前記内軸と同期して回転するように構成される第2磁気ディスクアセンブリと、前記第1磁気ディスクアセンブリに隣接して配置され、前記第1磁気ディスクアセンブリの磁気ディスクの動きを検出するように構成される第1センサアセンブリと、前記第2磁気ディスクアセンブリに隣接して配置され、前記第2磁気ディスクアセンブリの磁気ディスクの動きを検出するように構成される第2センサアセンブリと、を含み、前記第1磁気ディスクアセンブリの磁気ディスク表面と前記第2磁気ディスクアセンブリの磁気ディスク表面とは、面一に配置され、径方向に少なくとも所定の距離だけ離間している、回転関節を提供する。
【0008】
本願の少なくとも1つの実施例において、前記エンコーダモジュールは、第1端と第2端とを有する第1接続軸であって、前記第1接続軸の第1端が前記外軸の末端に接続される第1接続軸と、第1端と第2端とを有する第2接続軸であって、前記第2接続軸の第1端が前記内軸に固定接続される第2接続軸と、前記第1接続軸と前記第2接続軸との間に取り付けられた軸受と、をさらに含んでもよい。前記第1磁気ディスクアセンブリは、前記第1接続軸に固定されてもよい。前記第2磁気ディスクアセンブリは、前記第2接続軸に固定されてもよい。
【0009】
本願の少なくとも1つの実施例において、前記第1接続軸は、中空軸であり、その内周面に第1軸受位置決めショルダが形成されてもよく、及び/又は前記第2接続軸の外周面に第2軸受位置決めショルダが形成されてもよい。
【0010】
本願の少なくとも1つの実施例において、前記第1接続軸の前記第1端の内周面又は外周面には、前記外軸に対する前記第1接続軸の取付位置を位置決めするための第1接続位置決めショルダが形成されてもよい。
【0011】
本願の少なくとも1つの実施例において、前記第1接続軸の外周面には、追加モジュール位置決めショルダが形成されてもよい。
【0012】
本願の少なくとも1つの実施例において、前記第2接続軸の外周面又は前記第1端の端面には、前記内軸に対する前記第2接続軸の取付位置を位置決めするための第2接続位置決めショルダが形成されてもよい。
【0013】
本願の少なくとも1つの実施例において、前記内軸は、中空軸であり、前記外軸から一定の長さだけ張り出してもよい。前記第2接続軸は、中空軸である。前記内周面には、第2接続位置決めショルダ及び/又は取り外し補助ショルダが形成されてもよい。第2接続位置決めショルダは、前記内軸に対する前記第2接続軸の取付位置を位置決めするように構成される。前記取り外し補助ショルダは、第2接続軸を前記内軸から分離するように構成される。
【0014】
本願の少なくとも1つの実施例において、前記第1接続軸の第2端の端面は、前記軸受の外端面と面一である。前記第2接続軸の第2端の端面は、前記第1磁気ディスクアセンブリの磁気ディスク表面及び前記第2磁気ディスクアセンブリの磁気ディスク表面と面一である。
【0015】
本願の少なくとも1つの実施例において、前記軸受は、接着剤によって前記第1接続軸及び前記第2接続軸のうちの少なくとも一方に接着されてもよい。
【0016】
本願の少なくとも1つの実施例において、前記軸受は、深溝玉軸受であってもよく、前記軸受の内輪は、接着剤によって前記第2接続軸に接着されてもよい。
【0017】
本願による少なくとも1つの実施例において、前記エンコーダモジュールは、前記第1センサアセンブリ及び前記第2センサアセンブリが取り付けられたPCB回路基板をさらに含んでもよい。前記PCB回路基板は、前記第1磁気ディスクアセンブリの磁気ディスク表面及び前記第2磁気ディスクアセンブリの磁気ディスク表面と平行であり、かつ離間している。
【0018】
本願の少なくとも1つの実施例において、前記PCB回路基板は、前記関節ハウジングの一端の内壁、外壁及び端面のうちの少なくとも一方に固定されてもよい。前記PCB回路基板は、前記関節ハウジングの前記一端から所定の距離だけ離間している。前記所定の距離は、少なくとも前記第1磁気ディスクモジュールと第2磁気ディスクモジュールの総厚よりも大きい。
【0019】
本願の少なくとも1つの実施例において、前記PCB回路基板は、少なくとも1つのスペーサー柱を介して前記関節ハウジングに直接固定される。各スペーサー柱の各端には、雌ネジ又は雄ネジが形成される。
【0020】
本願の少なくとも1つの実施例において、前記関節ハウジングは、前記関節ハウジングの前記一端の内壁、外壁及び/又は端面の少なくとも一方に設けられた少なくとも1つのボスと、前記ボスに螺合されたネジ締結具とを含む。前記1つのボスは、前記関節ハウジングの一端に対して所定の距離だけ張り出し、各ボスにネジ孔が形成される。前記PCB回路基板は、ネジ締結具と前記ボスとの結合により接続され、前記関節ハウジングに固定接続される。
【0021】
本願の少なくとも1つの実施例において、前記PCB回路基板は、ケーブルを通すための中心孔を有してもよい。
【0022】
本願の少なくとも1つの実施例において、前記第1センサアセンブリ及び/又は第2センサアセンブリは、センサと、チップに集積された調整回路とを含んでもよい。前記センサは、ホールセンサ又は巨大磁気抵抗センサであってもよい。
【0023】
本願の少なくとも1つの実施例において、前記第1磁気ディスクアセンブリは、第1磁気ディスクと、前記第1磁気ディスクを支持する第1取付ブラケットとを含んでもよい。前記第1取付ブラケットは、前記第1接続軸の第2端に取り付けられてもよい。
【0024】
本願の少なくとも1つの実施例において、前記第2磁気ディスクアセンブリは、第2磁気ディスクと、前記第2磁気ディスクを支持する第2取付ブラケットとを含んでもよい。前記第2取付ブラケットは、前記第2接続軸の第2端に取り付けられてもよい。
【0025】
本願の少なくとも1つの実施例において、前記第1取付ブラケットと前記第2取付ブラケットとは、軸方向にも径方向にも離間している。前記第1取付ブラケットと前記第1接続軸とは、別体又は一体に形成され、前記第2取付ブラケットと前記第2接続軸とは、別体又は一体に形成される。
【0026】
本願の少なくとも1つの実施例において、前記第1磁気ディスクの外輪及び/又は内輪は、前記第1取付ブラケットに固定されてもよい。前記第2磁気ディスクの外輪及び/又は内輪は、前記第2取付ブラケットに固定されてもよい。
【0027】
本願の少なくとも1つの実施例において、前記駆動装置は、モータと、モータに駆動される伝動装置とを含んでもよい。前記モータは、前記内軸及び前記外軸のうちの一方を駆動することができ、前記伝動装置は、前記外軸及び前記内軸のうちの他方を駆動することができる。
【0028】
本願の少なくとも1つの実施例において、前記駆動装置は、前記関節ハウジング内に取り付けられてもよく、前記エンコーダモジュールは、前記関節ハウジングの一端に対して所定の長さだけ張り出してもよい。
【0029】
本願の少なくとも1つの実施例において、前記回転関節は、前記第1センサアセンブリ及び前記第2センサアセンブリから出力された信号に基づいて前記駆動装置の動作を調整するように構成された制御装置をさらに含んでもよい。
【0030】
本開示の他の態様によれば、上記回転関節を少なくとも1つ含む機器を提供する。
【0031】
本願の少なくとも1つの実施例において、前記機器は、ロボット、ロボットアームなどを含む。
【0032】
本願の実施例又は従来技術における技術的手段をより明確に説明するために、以下、実施例又は従来技術の説明に使用される必要がある図面を簡単に説明する。明らかなように、以下の説明における図面は、本願の実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労働をせずに、開示された図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】本願の実施例に係る関節におけるエンコーダモジュールの構造及び取付方式を模式的に示す部分正面図である。
【
図2】本願の実施例に係る回転関節におけるエンコーダモジュールの構造を模式的に示す部分断面図である。
【
図3】本願の実施例に係る回転関節におけるエンコーダモジュールの磁気ディスクアセンブリの構造及び取付方式を模式的に示す部分断面図である。
【
図4】本願の実施例に係る回転関節におけるエンコーダモジュールの2つの磁気ディスクアセンブリの部分取付構造を模式的に示す断面図である。
【
図5】本願の実施例に係るエンコーダモジュールにおける磁気ディスクアセンブリと接続軸との組み合わせ構造を模式的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本願の実施例における図面を参照しながら、本願の実施例における技術的手段を明確で完全に説明する。明らかに、説明する実施例は、本願の一部の実施例にすぎず、全てではない。本願の実施例に基づいて、当業者が創造的な労働をせずに得られる全ての他の実施例は、いずれも本願の保護範囲に属する。
【0035】
以下、
図1~
図5を参照しながら、本願の具体的な実施例を詳細に説明する。
【0036】
図1~
図5に示すように、本願の一実施例に係る回転関節は、駆動装置(図示せず)と、関節ハウジング20と、エンコーダアセンブリ30とを含む。駆動装置は、関節ハウジング20に固定して取り付けられ、駆動装置の同一側に向かって張り出しかつ同一の軸線回りに回転する2つの軸、即ち、外軸11及び内軸12を有する。外軸11は、中空軸であり、前記内軸12を取り囲んで前記内軸から径方向に離間する。これにより、内軸12と外軸11とは、互いに独立して回転する。
【0037】
前記エンコーダアセンブリ30は、磁気ディスクアセンブリ及びセンサアセンブリを含み、センサアセンブリは、PCB回路基板50上に取り付けられてもよく、PCB回路基板50は、駆動装置の出力軸に垂直に取り付けられてもよい。具体的には、磁気ディスクアセンブリは、外軸11と同期して回転する第1磁気ディスクアセンブリ31と、内軸12と同期して回転する第2磁気ディスクアセンブリ32とを含む。センサアセンブリは、第1磁気ディスクアセンブリ31の回転による磁場の変化を検出する第1センサアセンブリ(図示せず)と、第2磁気ディスクアセンブリ32の回転による磁場の変化を検出する第2センサアセンブリ(図示せず)とを含む。
【0038】
PCB回路基板50は、接続アセンブリ40を介して駆動装置に対して固定された状態で取り付けられ、例えば、関節ハウジング20に固定される。一実施例において、PCB回路基板は、磁気ディスクアセンブリの磁気ディスクと平行で、間隔をあけて取り付けられ、例えば、関節ハウジング20の一端に接続されるとともに、関節ハウジング20の一端から所定の距離だけ離間している。第1センサアセンブリと第2センサアセンブリは、異なる回路基板に取り付けられてもよいが、本願において、同一のPCB回路基板50に取り付けられることが提案されており、これは、PCB回路基板の取付空間の節約及び取付の簡略化に有利である。
【0039】
センサアセンブリは、ホールセンサチップセット又は巨大磁気抵抗チップセットなどのセンサチップセットであってもよい。各センサアセンブリにおけるチップには、信号処理回路が集積される。信号処理回路は、センサアセンブリにおけるセンサによって検知された電気信号を処理して、回転数に関するデジタル信号を、関節、当該関節を有するロボットアーム、当該関節を有するロボットのうちの少なくとも一方の制御装置に出力する。該制御装置は、受信したデジタル信号に基づいて所定のプログラムに従って駆動装置の出力回転数を調整したり、発生した誤差に応じて駆動装置の出力回転数を補正したりすることができる。ここでは、誤差とは、測定された回転数と所望の回転数との差である。
【0040】
駆動装置は、関節ハウジング20に取り付けられて固定され、両モータ、二軸モータ、又はモータ及び伝動装置システムなどの様々な配置であってもよい。モータ及び伝動装置システムは、モータ及び伝動装置を含み、伝動装置は、モータに駆動されてもよく、減速機、変速機又は増速装置であってもよい。
図1及び
図2に示すように、駆動装置は、その一方側から、同心回転する2つの軸、即ち、外軸11及び内軸12を張り出している。例えば、モータにより外軸11を駆動して回転させ、伝動装置により内軸12を駆動して回転させる。外軸11は、回転関節の駆動軸であってもよく、例えば、外軸11は、回転関節のモータ出力軸であってもよい。内軸12は、回転関節の出力軸であってもよいし、回転関節の出力軸に接続されてもよいし、回転関節の出力軸の一部であってもよい。外軸11は、前記内軸12を取り囲んで前記内軸12から径方向に離間するため、外軸11と内軸12とは、独立して回転可能である。
【0041】
一実施例において、外軸11の駆動装置からの張り出し長さは、内軸12の駆動装置からの張り出し長さより短く、つまり、
図1~
図3に示すように、外軸11は、中空軸であり、内軸12は、中空の外軸11の末端から一定の長さだけ張り出している。もちろん、
図1~
図3に示すように、内軸12を中空軸としてもよく、これにより、内軸の重量を低減するだけでなく、回転関節の配線通し軸とすることができる。必要に応じて、内軸12を中実軸としてもよく、内軸12の末端が外軸11の末端を超えないように設計してもよい。
【0042】
外軸11の末端は、第1接続軸61に接続され、内軸12の末端は、第2接続軸62に接続される。第1接続軸61は、第1磁気ディスクアセンブリ31を取り付けるためのものであり、第2接続軸62は、第2磁気ディスクアセンブリ32を取り付けるためのものである。
【0043】
以下、
図1~
図5を参照しながら、第1接続軸61及び第2接続軸62を用いてエンコーダアセンブリ30を取り付けて回転関節の駆動軸及び出力軸を監視する取付構造を詳細に説明する。
【0044】
第1接続軸61は、中空軸であり、第2接続軸62も中空軸であり、軸方向のいずれの位置においても、第2接続軸62の外径は、第1接続軸61の内径より小さく、即ち、第1接続軸61は、第2接続軸62の径方向外側に位置する。つまり、第2接続軸62は、第1接続軸61の中空部分に位置し、中空の第1接続軸61に囲まれ、両者は、径方向に離間している。
【0045】
第1接続軸61は、外軸11の末端に固定して接続される第1端と、第1磁気ディスクアセンブリ31を取り付けるための第2端とを有する。第2接続軸62は、内軸12の末端に固定して接続される第1端と、第2磁気ディスクアセンブリ32を取り付けるための第2端とを有する。第1接続軸61と外軸11とは、締まり嵌めにより接続されてもよく、第2接続軸62と内軸12とは、締まり嵌めにより接続されてもよい。また、必要に応じて、第1接続軸61と外軸11との間、及び/又は、第2接続軸62と内軸12との間に接着剤を塗布してもよい。
【0046】
これにより、第1接続軸61、外軸11及び第1磁気ディスクアセンブリ31は、同期回転し、第1磁気ディスクアセンブリ31の回転数は、回転関節の駆動軸の回転数であり、第2接続軸62、内軸12及び第2磁気ディスクアセンブリ32は、同期回転し、第2磁気ディスクアセンブリ32の回転数は、回転関節の出力軸の回転数である。
【0047】
軸受70は、例えば、深溝玉軸受であり、第1接続軸61と第2接続軸62との間に取り付けられる。軸受70の外輪は、第1接続軸61の内面に接触し、軸受70の内輪は、第2接続軸62の外面に接触している。本願に係る一実施例において、軸受70は、第1接続軸61の第2端に取り付けられ、その一端の端面が第1接続軸61の第2端の端面と面一であり、他端が第2接続軸62の外面に形成された軸受位置決めショルダ623に当接する。第1接続軸61の内面には、軸受位置決めショルダ613が形成されてもよい。軸受70と第1接続軸61及び第2接続軸62との接続を強固にするために、第1接続軸61と軸受の外輪との間、及び第2接続軸62と軸受70の内輪との間に接着剤、例えば、609接着剤を塗布してもよい。取付を強固にするために、軸受70と第1接続軸61及び第2接続軸62との間の接続は、締まり嵌め接続を用いることが好ましい。
【0048】
また、
図1~
図3に示すように、第1接続軸61の第1端の内周面には、外軸11に対する第1接続軸61の取付位置を位置決めする第1接続位置決めショルダ611がさらに形成され、第2接続軸62の第1端の外周面又は端面には、内軸12に対する第2接続軸62の取付位置を位置決めする第2接続位置決めショルダ621がさらに形成される。
図1及び
図2に示すように、第1接続軸61が所定の位置に取り付けられると、外軸11の末端は、第1接続位置決めショルダ611に当接し、第2接続軸62が所定の位置に取り付けられると、内軸12の末端は、第2接続位置決めショルダ621に当接する。
【0049】
しかしながら、本願は、これに限定されず、外軸11と内軸12のサイズが適切である場合、第1接続位置決めショルダ部611を第1接続軸61の外周面に形成してもよく、第2接続位置決めショルダ部621を第2接続軸62の内周面に形成してもよい。
【0050】
回転関節の内部空間が十分である場合、第1接続軸61の外周面には、追加モジュール位置決めショルダ612が形成されてもよい。例えば、追加モジュール位置決めショルダ612を用いてブレーキモジュールを第1接続軸61の外周面に取り付けることができる。一実施例において、ブレーキモジュールは、追加モジュール位置決めショルダ612とエンコーダアセンブリ30との間に取り付けられて、外軸11を制動することができる。
【0051】
図1~
図5に示す実施例において、第2接続軸62は、中空軸であり、その中空部分が配線を通すためのものであるので、第2接続軸62は、関節の配線通し軸とすることができる。関節における配線が第2接続軸62を介して通る必要がない場合、第2接続軸62は、中実軸であってもよい。本願の実施例において、第2接続軸62は、トルクを出力するために用いられず、伝動装置の回転軸の回転数を補助的に測定するためのみに用いられてもよいし、配線通し軸としてもよい。
【0052】
また、第2接続軸62の内周面には、取り外し補助ショルダ622が形成されてもよい。取り外し補助ショルダ622は、第2接続軸62と内軸12との分離操作を補助するためのものである。具体的には、第2接続軸62の第1端の一方側から1本の取り外し専用の段付き軸を挿入して取り外し補助ショルダ622に当接させ、第2接続軸62を押して、第2接続軸62を内軸12から分離させることができる。
【0053】
第1接続軸61は、駆動装置のモータに駆動されて回転してもよく、関節の駆動軸として使用されてもよく、関節の駆動軸に接続されてもよく、又は関節の駆動軸と一体に形成されてもよく、即ち、第1接続軸61の回転数は、関節の駆動軸の回転数である。第2接続軸62は、伝動装置に駆動され、関節の出力軸に接続されるか又は関節の出力軸と一体に形成されてもよい。即ち、伝動装置の出力は、関節の出力軸として使用されてもよく、第2接続軸62は、関節の出力軸と同期して回転し、第2接続軸62の回転数は、関節の出力軸の回転数である。上記実施例において、第1接続軸61は、回転関節の駆動軸と同期して回転することができ、第2接続軸62は、回転関節の出力軸と同期して回転することができるが、本願は、これに限定されず、駆動装置の構造が許される場合、第1接続軸61は、回転関節の出力軸と同期して回転することができ、第2接続軸62は、回転関節の駆動軸と同期して回転することができる。
【0054】
いくつかの実施例において、関節の出力軸及び関節の駆動軸(例えば、回転関節のモータ軸)は、駆動装置の両側にそれぞれ位置してもよい。
図1~
図5に示す実施例において、第2接続軸62及び第1接続軸61の延伸方向は、関節の駆動軸(例えば、関節のモータ軸)の延伸方向である。また、軸方向において、第2接続軸62の第2端は、第1接続軸61の第2端を超えない。第1接続軸61の第2端及び第2接続軸62の第2端は、それぞれ、エンコーダアセンブリの磁気ディスクアセンブリ31、32を取り付けるために用いられ、これにより、2つの接続軸に取り付けられたエンコーダモジュール又はエンコーダアセンブリは、軸方向に沿って駆動装置の同一側にコンパクトに取り付けられ得、関節におけるエンコーダモジュールの占有空間及び関連する軸方向空間の減少に有利である。当業者であれば理解できるように、関連する軸方向空間は、必要な退避空間であってもよく、例えば、放熱問題、振動問題や配線問題を考慮して残される空間であってもよい。
【0055】
図2に示すように、第1接続軸61及び第2接続軸62の軸方向のいずれの位置においても、第2接続軸62の外径が第1接続軸61の内径よりも小さいため、両者は、互いに直接接触することなく、径方向に離間している。これにより、第1接続軸61と第2接続軸62の回転が相対的に独立し、即ち、第1接続軸61の回転が第2接続軸62の回転と干渉せず、第2接続軸62の回転が第1接続軸61の回転と干渉せず、これにより、第1接続軸61の回転数と第2接続軸62の回転数は、それぞれ、関節の駆動軸の回転数と出力軸の回転数を表すことができる。2つのエンコーダアセンブリでそれぞれ第1接続軸61の回転数と第2接続軸62の回転数を測定する場合、関節の駆動軸の回転数と出力軸の回転数の実際の状況を正確に反映できる。
【0056】
図2~
図5に示す実施例において、第1接続軸61の回転数及び第2接続軸62の回転数は、それぞれ、関節の駆動軸の回転数及び出力軸の回転数を表すが、本願は、これに限定されない。即ち、駆動装置の出力構造において、例えば、モータの構造や伝動装置の構造が許される場合、第1接続軸61は関節の出力軸と同期して回転するように配置されてもよく、第2接続軸62は関節の駆動軸(例えば、関節のモータ軸)と同期して回転するように配置されてもよい。
【0057】
また、上記のように、本願の実施例において、駆動装置における伝動装置の伝動比は、1以上であってもよく、1以下であってもよい。即ち、必要に応じて、伝動装置は、減速機であっても、増速装置であっても、増速と減速の両方の伝動能力を併せ持つ変速装置であってもよい。よって、関節の駆動軸と関節の出力軸との回転数の比は、1以上であってもよいし、1以下であってもよい。
【0058】
上記のように、前記エンコーダアセンブリ30は、磁気ディスクアセンブリ及びセンサアセンブリを含む。以下、
図1~
図5を参照して、本願の実施例に係るエンコーダアセンブリ30の関節における取付構造を詳細に説明する。
【0059】
図1~
図5に示すように、エンコーダアセンブリ30は、第1接続軸61に取り付けられた第1磁気ディスクアセンブリ31と、第2接続軸62に取り付けられた第2磁気ディスクアセンブリ32とを含む。第1磁気ディスクアセンブリ31は、第1磁気ディスク311と、第1磁気ディスク311を取り付ける第1取付ブラケット312とを含む。第1取付ブラケット312は、内孔を有する環状部材であり、内孔を介して第1接続軸61の第2端に外嵌固定される。取付を強固にするために、第1取付ブラケット312と第1接続軸61との間は、締まり嵌めで接続されることが好ましい。
【0060】
第1磁気ディスク311の外輪は、ネジなどのネジ締結具により第1取付ブラケット312の環状部に固定されてもよい。これにより、第1接続軸61が回転すると、第1取付ブラケット312と第1磁気ディスク311とからなる第1磁気ディスクアセンブリ31は、第1接続軸61と同期して回転する。即ち、第1磁気ディスク311の回転数は、関節の駆動軸の回転数である。さらなる実施例において、第1接続軸61と第1取付ブラケット312とは、一体化部材として形成されてもよい。
【0061】
第2磁気ディスクアセンブリ32は、第2磁気ディスク321と、第2磁気ディスク321を取り付ける第2取付ブラケット322とを含む。第2取付ブラケット322は、内孔を有する環状部材であり、内孔を介して第2接続軸62の第2端に外嵌固定される。取付を強固にするために、第2取付ブラケット322と第2接続軸62との間は、締まり嵌めで接続されることが好ましい。第2磁気ディスク321の外輪は、ネジなどのネジ締結具により第2取付ブラケット322の環状部に固定されてもよい。これにより、第2接続軸62が回転すると、第2取付ブラケット322と第2磁気ディスク321とからなる第2磁気ディスクアセンブリ32は、第2接続軸62と同期して回転する。即ち、第2磁気ディスク321の回転数は、関節の出力軸の回転数である。さらなる実施例において、第2接続軸62と第2取付ブラケット322とは、一体化部材として形成されてもよい。
【0062】
本実施例において、第1取付ブラケット312の第1接続軸61における取付位置と、第1磁気ディスク311の端面との間の距離は、第2取付ブラケット322の第2接続軸62における位置と、第2磁気ディスク321の端面との間の距離よりも大きい。第1取付ブラケット312は、第1磁気ディスク取付部と、内孔を有する第1接続軸取付部と、その両者を接続する接続部とを含んでもよい。
図1~
図3に示すように、接続部は、軸方向において第2取付ブラケット322のために取付空間を確保するように、傾斜部として形成されてもよく、これにより、第1取付ブラケット312と第2取付ブラケット322との間に軸方向又は径方向のいずれかの干渉が発生して磁気ディスクの回転数に影響を与えたり、2つの磁気ディスクの間に磁界干渉が発生したりすることを回避する。接続部の傾斜角度は、90度以上であってもよい。また、接続部は、湾曲した形状に形成されてもよい。
【0063】
本実施例において、第1取付ブラケット312及び第2取付ブラケット322を介して第1磁気ディスク311及び第2磁気ディスク321を第1接続軸61及び第2接続軸62にそれぞれ取り付けるが、当業者であれば理解できるように、例えば、第2磁気ディスク321の内孔のサイズが適切である場合、第2磁気ディスク321を第2接続軸62に直接取り付けることを考慮することができる。即ち、第1磁気ディスク311及び第2磁気ディスク321が第1接続軸61及び第2接続軸62にそれぞれ固定して接続される形態は、第1磁気ディスク311及び第2磁気ディスク321が第1接続軸61及び第2接続軸62にそれぞれ同期して回転することを保証できる任意の取付構造であればよく、上述した形態に限定されない。
【0064】
さらに、第1磁気ディスク311及び第2磁気ディスク321が面一に取り付けられることは、関節におけるエンコーダアセンブリ30によって占有される軸方向空間又は関連する軸方向空間を減少させるのに有利である。
図2及び
図3に示すように、第1磁気ディスク311は、第2磁気ディスク321の径方向外側に位置してもよく、第1磁気ディスク311と第2磁気ディスク321とは、両者の間に磁界干渉が発生して、対応するセンサアセンブリが受信した電気信号に歪みが生じることを回避するように、径方向に離間してもよい。
【0065】
上記のように、エンコーダアセンブリ30は、第1磁気ディスク311に隣接して取り付けられた第1センサアセンブリと、第2磁気ディスク321に隣接して取り付けられた第2センサアセンブリとをさらに含む。第1センサアセンブリは、第1磁気ディスク311の回転運動を検出するように構成され、第2センサアセンブリは、第2磁気ディスク321の回転運動を検出するように構成される。明確に示されていないが、第1センサアセンブリ及び第2センサアセンブリは、以下に詳細に説明されるPCB回路基板50に取り付けられる。即ち、第1センサアセンブリ(特に、第1センサアセンブリのセンサ)は、第1磁気ディスク311に面することができ、第2センサアセンブリ(特に、第2センサアセンブリのセンサ)は、第2磁気ディスク321に面することができる。第1センサアセンブリは、第1磁気ディスク311の回転による電気信号に基づいて第1接続軸61の回転数に関するデジタル信号を生成し、第2センサアセンブリは、第2磁気ディスク321の回転による電気信号に基づいて第2接続軸62の回転数に関するデジタル信号を生成する。関節、ロボットアーム及びロボットのうちの少なくとも一方の制御装置は、第1センサアセンブリ及び第2センサアセンブリからこれらのデジタル信号を受信し、必要に応じて関節の駆動装置に対してフィードバック制御又は調整制御を行うことにより、関節及び該関節を有するロボットアーム又はロボットの具体的な運動を正確に制御することができる。
【0066】
上記実施例において、第1センサアセンブリと第2センサアセンブリは、同一のPCB回路基板50に取り付けられることにより、回路の集積度を向上させ、PCB回路基板の占有空間と退避空間を節約するだけでなく、放熱問題を減少させ、配線の長さを減少させ、配線の接続を簡略化する。
【0067】
図1及び
図2に示すように、PCB回路基板50は、第1磁気ディスク311及び第2磁気ディスク321に平行に取り付けられ、接続アセンブリ40を介して関節ハウジングの一端に固定して接続される。接続アセンブリ40は、関節ハウジングの一端とPCB回路基板50との間に介在し、一端が関節ハウジングの一端に接続され、他端がPCB回路基板50に接続され、それにより、PCB回路基板50と関節ハウジングの一端との間に一定の間隔を保持する。該一定の間隔は、関節ハウジングの一端に対する第1磁気ディスクアセンブリ31及び第2磁気ディスクアセンブリ32の設計された張り出し長さよりやや大きい。2つのセンサアセンブリがいずれもPCB回路基板50に取り付けられる場合、第1センサアセンブリ及び第2センサアセンブリが第1磁気ディスク311及び第2磁気ディスク321の回転数を正確に検出できるように、第1磁気ディスクアセンブリ31及び第2磁気ディスクアセンブリ32の端面とPCB回路基板50上のセンサアセンブリとの間に適切な隙間を確保する必要がある。本願の一実施例において、設計された張り出し長さは、磁気ディスクアセンブリの厚さ(即ち、第1磁気ディスクアセンブリ及び第2磁気ディスクアセンブリの総厚)よりも大きくてもよい。本願において、磁気ディスクアセンブリの厚さは、磁気ディスクアセンブリの磁気ディスク表面と、その取付ブラケットの後面との間の距離を指してもよく、磁気ディスクアセンブリの厚さを挟持することにより磁気ディスクアセンブリを取り外すことができる。言い換えると、磁気ディスクアセンブリの厚さとは、磁気ディスクアセンブリの外周において挟持可能な厚さである。
図2に示すように、本願において、面一に配置された第1磁気ディスクアセンブリ31及び第2磁気ディスクアセンブリ32の両方を含む磁気ディスクアセンブリについて、磁気ディスクアセンブリの厚さは、径方向外側に位置する第1磁気ディスクアセンブリ31の厚さを指す。
【0068】
第1磁気ディスクアセンブリ31及び第2磁気ディスクアセンブリ32を取り付ける際に、まず、外軸11の末端が第1接続位置決めショルダ611に当接するように第1接続軸61を外軸11に取り付け、次に、内軸12の末端が第2接続位置決めショルダ621に当接するように第2接続軸62を内軸12に接続し、次に、軸受70の内輪に609接着剤を塗布して第1接続軸61と第2接続軸62との間に圧入し、次に、第1磁気ディスク311を第1取付ブラケット312に取り付けて第1磁気ディスクアセンブリ31を形成し、第2磁気ディスク321を第2取付ブラケット322に取り付けて第2磁気ディスクアセンブリ32を形成し、第1磁気ディスクアセンブリ31を第1接続軸61に嵌装し、第2磁気ディスクアセンブリ32を第2接続軸62に嵌装し、次に、
図3に示すような磁気ディスク圧入治具14を用いて2つの磁気ディスクアセンブリ31、32を軸方向に沿って駆動装置の内軸12及び外軸11にそれぞれ接続された第1接続軸61及び第2接続軸62に同時に圧入する。磁気ディスク圧入治具14を用いて2つの磁気ディスクアセンブリ31、32を同時に圧入することにより、2つの磁気ディスクの端面(即ち、PCB回路基板50に面するか又はセンサアセンブリに面する磁気ディスク表面)から関節ハウジングの端面までの距離及び2つの磁気ディスク(即ち、磁気ディスク表面)のコプラナリティが要求を満たすことを保証することができる。
【0069】
磁気ディスクアセンブリが所定の位置に取り付けられた後、磁気ディスク圧入治具14を除去し、次に、接続アセンブリ40を用いてPCB回路基板50を固定し(例えば、それを関節ハウジング又は駆動装置に固定する)、PCB回路基板50と2つの磁気ディスクの端面(即ち、磁気ディスク表面)との間の隙間を調整する。PCB回路基板50と2つの磁気ディスクの端面との間の適切な隙間を確保することにより、各センサアセンブリは、対応する磁気ディスクアセンブリの回転による磁界変化を正確に検出し、対応する接続軸の回転数に関するデジタル信号を出力することができ、これにより、回転関節の駆動軸及び回転関節の出力軸の回転数情報を取得する。エンコーダモジュールが所定の位置に取り付けられた後、
図1及び
図2に示すように、エンコーダモジュール又はエンコーダアセンブリは、その後のエンコーダモジュールの取り外しを容易にするように、関節ハウジングの一端に対して所定の長さだけ張り出す状態で取り付けられてもよい。
【0070】
接続アセンブリ40は、円柱状又は六角形状のスペーサー柱などのスペーサー柱を含んでもよく、各スペーサー柱の各端部に雌ネジ又は雄ネジが形成されてもよい。スペーサー柱は、一端が関節ハウジングの一端に螺合されてもよく、他端がPCB回路基板50に螺合されてもよい。より具体的には、スペーサー柱は、一端が関節ハウジングの一端の端面、内壁又は外壁のうちの少なくとも一方に接続されてもよく、他端が他のネジ、ボルト又はナットによってPCB回路基板50に螺合されてもよい。スペーサー柱の一端が関節ハウジングの一端の内壁又は外壁に接続される場合、関節ハウジングの内壁又は外壁には、対応する内側突起又は外側突起が形成されてもよい。内突起又は外突起には、接続するための貫通孔又はネジ孔が形成されてもよい。接続アセンブリ40は、少なくとも2つであり、例えば、3つ、4つ、5つ、6つ又はそれ以上である。接続アセンブリ40の数は、関節ハウジングのサイズ、PCB回路基板の形状及び重量、並びにスペーサー柱の仕様に応じて決定することができる。
【0071】
接続アセンブリ40は、両端に雌ネジ又は雄ネジを有するスペーサー柱に限定されない。例えば、接続アセンブリ40は、関節ハウジングの一端の内壁、外壁及び/又は端面の少なくとも一方に軸方向に沿って張り出す少なくとも1つのボスと、該ボスに螺合されるネジ締結具とをさらに含んでもよい。ボスは、関節ハウジングの一端から所定の距離だけ張り出して、関節ハウジングと一体に形成されており、ボスにはネジ孔が形成される。PCB回路基板50は、関節ハウジングの一端から所定の距離だけ離間して関節ハウジングに固定されるように、ネジ締結具とボスとの結合によって接続され、関節ハウジングに固定接続される。
【0072】
図2に示すように、PCB回路基板50には、ケーブル又は配線を通すための中心孔51が形成される。前記第2接続軸62の末端は、PCB回路基板50まで延びておらず、又はPCB回路基板50を貫通しておらず、前記PCB回路基板50と駆動装置の軸方向に離間し、磁気ディスクアセンブリの磁気ディスク表面と面一である。上記説明を参照して分かるように、第1取付ブラケット312及び第2取付ブラケット322は、前記第1磁気ディスク及び前記第2磁気ディスクの一方の側に位置し、それに軸方向に隙間なく接続され、PCB回路基板50は、前記第1磁気ディスク及び前記第2磁気ディスクの他方の側に位置し、それに軸方向に離間している。PCB回路基板と、第1接続軸61及び第2接続軸62にそれぞれ取り付けられた第1磁気ディスクアセンブリ及び第2磁気ディスクアセンブリとをコンパクトに配置することにより、エンコーダモジュールの回転関節における軸方向空間の占有を効果的に低減することができる。
【0073】
一実施例において、接続アセンブリ40は、スペーサー柱であってもよく、ボス及びネジ締結具であってもよく、2種類の接続アセンブリは、1つの関節におけるPCB回路基板50と関節ハウジング20の一端との接続に同時に適用されてもよい。
【0074】
取り付け及び取り外しを容易にするために、スペーサー柱は、一端に雄ネジを有し、他端に雌ネジを有する六角スタッドであってもよい。六角スタッドは、一端が関節ハウジングの一端の端面にネジ込まれてもよく、他端がPCB回路基板50を貫通する貫通孔によってネジ付けされてもよい。六角スタッドの一端のネジ込み深さを変更することにより、PCB回路基板50と関節ハウジングの一端との間の距離を調整して、磁気ディスクアセンブリとセンサアセンブリとの間の隙間を調整することができる。
【0075】
上記実施例において、エンコーダモジュールを取り外す際に、まず、PCB回路基板50を取り外してから、磁気ディスク取り外し治具を用いて第1磁気ディスクアセンブリ31及び第2磁気ディスクアセンブリ32をそれぞれ第1接続軸61及び第2接続軸62から同時に取り外すことができる。そして、前述した段付き軸を用いて第2接続軸62と軸受70を同時に取り外し、最後に第1接続軸61を取り外す。
【0076】
本願の実施例において、第1接続軸及び第2接続軸の末端の磁気ディスク取付ブラケットに隣接する位置には、軸受を取り付ける段差(即ち、ショルダ)が形成され、これにより、関節ハウジングにおける駆動装置から張り出す2本の細長い軸の同軸度及びこの2つの軸に対する剛性支持能力を確保するとともに、この2つの軸の独立回転を妨げず、エンコーダモジュールと回転関節の駆動軸及び出力軸との同心的な取付を確保し、非対称又は角度誤差の発生を回避する。上記構造は、衝撃や振動に対するエンコーダモジュールのロバスト性をさらに向上させる。同時に、2つの接続軸の第2端の端面は、それぞれ対応する磁気ディスク表面と面一であり、細長い軸の長さを最大限に短縮し、製品の加工難度を低減し、エンコーダモジュールの取り付け及び調整を簡略化する。
【0077】
また、エンコーダモジュールの軸受、入力磁気ディスクブラケット、出力磁気ディスクブラケットの取付は、いずれも段付き軸位置決めと締まり嵌めを組み合わせるとともに、接着剤を塗布する取付方式を用いることができ、エンコーダモジュールの組み立て構造を簡略化し、取り付け及び取り外しをさらに容易にする。
【0078】
本願の実施例において、接続アセンブリが接続される関節ハウジングの一端の具体的な位置は、関節ハウジングのサイズ及び構造、PCB回路基板のサイズ及び構造、並びにエンコーダアセンブリにおける第1磁気ディスクアセンブリのサイズに応じて合理的に選択することができ、ある固定位置に限定されない。
【0079】
本願の少なくとも1つの実施例によれば、PCB回路基板と関節ハウジングとの接続方式は、PCB回路基板及びエンコーダアセンブリの取り付け及び取り外しを容易にするだけでなく、PCB回路基板上のセンサアセンブリとエンコーダアセンブリにおける磁気ディスクの端面との間の隙間を容易に調整し、関節の組立効率をさらに向上させる。
【0080】
また、関節のエンコーダモジュールにおける入力磁気ディスクと出力磁気ディスク(即ち、第1磁気ディスクと第2磁気ディスク)が同一端面に配置され、かつ1つのPCB回路基板のみを使用することにより、径方向空間を十分に利用し、関節の軸方向空間を大幅に節約し、システム集積度を向上させて製品の小型化設計に寄与する。同時に、2つの磁気ディスクを同時に取り付け、位置を同時に調整し、同時に取り外し、同一の治工具を使用することができ、取付精度と効率を向上させる。
【0081】
また、関節の駆動軸(例えば、関節モータ軸)及び出力軸のためのエンコーダモジュールを関節ハウジングの一端に集中して配置することにより、磁気ディスクとPCB回路基板上のセンサとの間の隙間の調整をさらに簡略化する(磁気ディスクとセンサとの間の隙間に対する要求が非常に厳しいためである)。上記配置方式は、磁気ディスク取り付け治具を用いて精確に圧入することができ、隙間を調整する段階を減少させ、このようなエンコーダモジュール構造は、温度が極端で、湿っており、パーティクル汚染が存在する厳しい産業環境により適応する。
【0082】
本願の説明において、「中心」、「縦方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内側」、「外側」、「軸方向」、「径方向」などの用語で示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係であり、本願を説明しやすい、又は説明を簡単にするだけに用いられ、示している装置又は部品が必ず特定の方位を有し、特定の方位構造と操作を有することを表す又は暗示することではないことを理解されるべきであり、そのため本願を限定するものと解釈されるべきではない。
【0083】
また、用語「第1」、「第2」は、目的を説明するためだけに用いられるものであり、比較的な重要性を指示又は暗示するか、或いは示された技術的特徴の数を黙示的に指示すると理解してはいけない。これにより、「第1」、「第2」に限定されている特徴は、少なくとも1つの該特徴を明示的又は暗示的に含んでもよい。本願の説明において、明確かつ具体的な限定がない限り、「複数」は、少なくとも2つ、例えば、2つ、3つなどを意味する。
【0084】
本願において、特に明確な規定及び限定しない限り、「取り付け」、「連結」、「接続」などの用語は、広義に理解すべきであり、例えば、固定接続であってもよく、着脱可能な接続であってもよく、或いは、一体的な接続であってもよく、機械的な接続であってもよく、電気的な接続であってもよく、直接的に接続してもよく、中間媒体を介して間接的に接続されてもよく、2つの部材の内部の連通又は2つの部材の相互作用関係であってもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて上記用語の本願中の具体的な意味を理解することができる。
【0085】
本願において、明確な規定と限定がない限り、第1特徴が第2特徴の「上」又は「下」にあることは、第1特徴と第2特徴とが直接接触することを含んでもよく、第1特徴と第2特徴とが中間媒体を介して間接的に接触することを含んでもよい。また、第1特徴が第2特徴の「上」、「上方」及び「上面」にあることは、第1特徴が第2特徴の真上又は斜め上にあることを含み、或いは、第1特徴の水平高さが第2特徴よりも高いことを表すだけである。第1特徴が第2特徴の「下」、「下方」及び「下面」にあることは、第1特徴が第2特徴の直下又は斜め下にあることを含み、或いは、第1特徴の水平高さが第2特徴よりも低いことを表すだけである。
【0086】
なお、要素が別の要素に「固定される」又は「設けられる」と呼ばれる場合、それは別の要素上に直接存在する場合もあれば、介在要素が存在する場合もある。素子が他の素子に「接続される」と考えられる場合、当該素子は他の素子に直接接続されてもよいが、それらの間に介在する素子が同時に存在してもよい。本明細書で用いられる用語「垂直」、「水平」、「上」、「下」、「左」、「右」及び同様の表現は、説明のみを目的としており、唯一の実施形態を表すものではない。
【0087】
上述した実施例の各技術的特徴は任意に組み合わせることができる。簡潔に説明するために、上述した実施例における各技術的特徴の全ての可能な組み合わせを説明していないが、これらの組み合わせは全て本明細書に記載された範囲に属すると考えられるべきである。
【0088】
以上、実施例は本願のいくつかの実施形態のみを説明しており、それらの説明は、具体的で詳細であるが、本願の特許の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。なお、当業者にとって、本願の趣旨を離脱しない限り、本願に対して各種の変形及び改善を行ってもよく、これらの変形及び改善は、両方とも、本願の保護範囲に属する。よって、本願の特許の保護範囲は、添付の特許請求の範囲を基準とするべきである。
【国際調査報告】