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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-17
(54)【発明の名称】光伝送方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H04B 10/61 20130101AFI20250109BHJP
   H04B 10/25 20130101ALI20250109BHJP
【FI】
H04B10/61
H04B10/25
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024539845
(86)(22)【出願日】2022-12-19
(85)【翻訳文提出日】2024-08-09
(86)【国際出願番号】 CN2022140169
(87)【国際公開番号】W WO2023125120
(87)【国際公開日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】202111651329.0
(32)【優先日】2021-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】110004381
【氏名又は名称】弁理士法人ITOH
(72)【発明者】
【氏名】シヤオ,カーン
(72)【発明者】
【氏名】ロウ,イエンニエン
(72)【発明者】
【氏名】ウエイ,ジュエン
(72)【発明者】
【氏名】ジュヨン,ドーンシュヨン
【テーマコード(参考)】
5K102
【Fターム(参考)】
5K102AA52
5K102AD15
5K102AH02
5K102AH11
5K102AH26
5K102AH27
5K102AL13
5K102KA20
5K102KA42
5K102PA12
5K102PB01
5K102PB03
5K102PH21
5K102PH31
5K102PH41
5K102PH49
5K102RB07
5K102RD26
5K102RD28
(57)【要約】
本願は、位相ノイズを低減又は除去する光伝送方法及び装置を提供し、通信分野に関する。第1光伝送装置は、第1サーキュレータ及び第1受信モジュールを含む。第1受信モジュールは、第1サーキュレータに結合される。第1サーキュレータは、第2光伝送装置から第2未変調光信号を受信するように構成される。第1受信モジュールは、第2光伝送装置から第2変調光信号を受信し、第1サーキュレータから第2未変調光信号を受信するように構成される。第2変調光信号は、第1未変調光信号を変調して得られ、第2未変調光信号は、第2変調光信号をコヒーレンス検出するために用いられ、第1未変調光信号と第2未変調光信号は、第3未変調光信号を分離して得られ、第3未変調光信号は、第1光伝送装置から第2光伝送装置に提供される光信号である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1光伝送装置であって、
第2光伝送装置から第2未変調光信号を受信するように構成された第1サーキュレータと、
前記第1サーキュレータに結合され、前記第2光伝送装置からの第2変調光信号を受信し、前記第1サーキュレータから前記第2未変調光信号を受信するよう構成された第1受信モジュールであって、前記第2変調光信号は、第1未変調光信号を変調して得られ、前記第2未変調光信号は、前記第2変調光信号に対してコヒーレンス検出を行うために用いられ、前記第1未変調光信号と前記第2未変調光信号とは、第3未変調光信号を分離して得られ、前記第3未変調光信号は、前記第1光伝送装置から前記第2光伝送装置に供給される光信号である、第1受信モジュールと、
を含む装置。
【請求項2】
前記第1サーキュレータは、更に第2サーキュレータに結合され、前記第2光伝送装置は、前記第2サーキュレータを含み、
前記第1サーキュレータが、第2光伝送装置から第2未変調光信号を受信するように構成されることは、前記第2サーキュレータから前記第2未変調光信号を受信することを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1サーキュレータに結合された第1偏波制御モジュールを更に含み、前記第1偏波制御モジュールは、前記第2未変調光信号の偏波を制御するように構成される、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記第2未変調光信号が、前記第2変調光信号に対してコヒーレンス検出を行うために用いられることは、偏波制御が行われた前記第2未変調光信号が、前記第2変調光信号に対してコヒーレンス検出を行うために用いられることを含む、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記第1偏波制御モジュールは、第1変調光信号の偏波を制御するように構成され、前記第1変調光信号は、前記第1光伝送装置が前記第2光伝送装置に伝送する光信号である、請求項3又は4に記載の装置。
【請求項6】
前記第1サーキュレータに結合され、前記第1変調光信号を前記第1サーキュレータを介して前記第1偏波制御モジュールに送信するように構成された第1伝送モジュール、を更に含む請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記第1光伝送装置がアクティブアンテナユニット(AAU)側の光伝送装置であり、前記第2光伝送装置がベースバンドユニット(BBU)側の光伝送装置である、又は、
前記第1光伝送装置がBBU側の光伝送装置であり、前記第2光伝送装置がAAU側の光伝送装置である、請求項1~6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
第2光伝送装置であって、
第3未変調光信号を少なくとも第1未変調光信号と第2未変調光信号とに分離するよう構成された第2カプラであって、前記第3未変調光信号が第1光伝送装置から供給された光信号である、第2カプラと、
前記第2カプラに結合され、第2変調光信号を前記第1光伝送装置に送信するよう構成された第2伝送モジュールであって、前記第2変調光信号は、前記第1未変調光信号を変調して得られる、第2伝送モジュールと、
前記第2カプラに結合され、前記第2カプラから前記第2未変調光信号を受信し、前記第2未変調光信号を前記第1光伝送装置に送信する第2サーキュレータであって、前記第2未変調光信号は前記第2変調光信号のコヒーレンス検出に用いられる、第2サーキュレータと、
を含む装置。
【請求項9】
前記第2サーキュレータは、更に第1サーキュレータに結合され、前記第1光伝送装置は、前記第1サーキュレータを含み、
前記第2サーキュレータが、前記第1光伝送装置に前記第2未変調光信号を送信するように構成されることは、前記第2未変調光信号を前記第1サーキュレータに送信することを含む、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記第2カプラに結合され、前記第3未変調光信号の偏波を制御するように構成された第2偏波制御モジュール、を更に含む請求項8又は9に記載の装置。
【請求項11】
前記第2カプラが、前記第3未変調光信号を少なくとも第1未変調光信号と第2未変調光信号とに分離することは、偏波制御が行われた前記第3未変調光信号を少なくとも前記第1未変調光信号と前記第2未変調光信号とに分離することを含む、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記第2カプラは、偏波制御が行われた前記第3未変調光信号を第5未変調光信号に分離するように更に構成され、前記第5未変調光信号は、第1変調光信号のコヒーレンス検出に用いられ、前記第1変調光信号は、前記第1光伝送装置が前記第2光伝送装置に伝送する光信号である、請求項10又は11に記載の装置。
【請求項13】
前記第2サーキュレータと前記第2カプラの両方に結合され、前記第1光伝送装置から前記第2サーキュレータを介して前記第1変調光信号を受信し、前記第2カプラから前記第5未変調光信号を受信するように構成された第2受信モジュール、を更に含む請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記第2偏波制御モジュールは、前記第2伝送モジュールに更に結合され、前記第2未変調光信号の偏波を制御するように構成される、請求項10~13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
第3サーキュレータを更に含み、
前記第2偏波制御モジュールが、前記第2カプラに結合されることは、前記第2偏波制御モジュールが、前記第3サーキュレータを介して前記第2カプラに結合されることを含み、
前記第2偏波制御モジュールが、前記第2伝送モジュールに更に結合されることは、前記第2偏波制御モジュールが、前記第3サーキュレータを介して前記第2伝送モジュールに更に結合されることを含む、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記第1光伝送装置がアクティブアンテナユニット(AAU)側の光伝送装置であり、前記第2光伝送装置がベースバンドユニット(BBU)側の光伝送装置である、又は、
前記第1光伝送装置がBBU側の光伝送装置であり、前記第2光伝送装置がAAU側の光伝送装置である、請求項8~15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
光伝送方法であって、前記方法は第1光伝送装置に適用され、前記装置は、第1サーキュレータと第1受信モジュールとを含み、前記方法は、
前記第1サーキュレータにより、第2光伝送装置から第2未変調光信号を受信するステップと、
前記第1受信モジュールにより、前記第2光伝送装置から第2変調光信号を受信し、前記第1サーキュレータから前記第2未変調光信号を受信するステップであって、前記第2変調光信号は、第1未変調光信号を変調して得られ、前記第2未変調光信号は、前記第2変調光信号に対してコヒーレンス検出を行うために用いられ、前記第1未変調光信号と前記第2未変調光信号とは、第3未変調光信号を分離して得られ、前記第3未変調光信号は、前記第1光伝送装置から前記第2光伝送装置に供給される光信号である、ステップと、
を含む方法。
【請求項18】
前記第1サーキュレータにより、第2光伝送装置から第2未変調光信号を受信するステップは、
前記第1サーキュレータにより、第2サーキュレータから前記第2未変調光信号を受信するステップであって、前記第1サーキュレータは、前記第2サーキュレータに更に結合され、前記第2光伝送装置は、前記第2サーキュレータを含む、ステップを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記方法は、
第1偏波制御モジュールにより、前記第2未変調光信号の偏波を制御するステップであって、前記装置は、前記第1偏波制御モジュールを更に含み、前記第1偏波制御モジュールは、前記第1サーキュレータに結合される、ステップ、
を更に含む請求項17又は18に記載の方法。
【請求項20】
前記第2未変調光信号が、前記第2変調光信号に対してコヒーレンス検出を行うために用いられることは、偏波制御が行われた前記第2未変調光信号が、前記第2変調光信号に対してコヒーレンス検出を行うために用いられることを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記方法は、
前記第1偏波制御モジュールにより、第1変調光信号の偏波を制御するステップであって、前記第1変調光信号は、前記第1光伝送装置が前記第2光伝送装置に伝送する光信号である、ステップ、
を更に含む請求項19又は20に記載の方法。
【請求項22】
前記方法は、
第1伝送モジュールによって、前記第1変調光信号を、前記第1サーキュレータを介して前記第1偏波制御モジュールに送信するステップであって、前記装置は、前記第1伝送モジュールを更に含み、前記第1伝送モジュールは、前記第1サーキュレータに結合される、ステップ、
を更に含む請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記第1光伝送装置がアクティブアンテナユニット(AAU)側の光伝送装置であり、前記第2光伝送装置がベースバンドユニット(BBU)側の光伝送装置である、又は、
前記第1光伝送装置がBBU側の光伝送装置であり、前記第2光伝送装置がAAU側の光伝送装置である、請求項17~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
光伝送方法であって、前記方法は第2光伝送装置に適用され、前記装置は、第2カプラと、第2伝送モジュールと、第2サーキュレータとを含み、前記方法は、
前記第2カプラにより、第3未変調光信号を少なくとも第1未変調光信号と第2未変調光信号とに分離するステップであって、前記第3未変調光信号が第1光伝送装置から供給された光信号である、ステップと、
前記第2伝送モジュールにより、第2変調光信号を前記第1光伝送装置に送信するステップであって、前記第2変調光信号は、前記第1未変調光信号を変調して得られる、ステップと、
前記第2サーキュレータにより、前記第2カプラから前記第2未変調光信号を受信し、前記第2未変調光信号を前記第1光伝送装置に送信するステップであって、前記第2未変調光信号は前記第2変調光信号のコヒーレンス検出に用いられる、ステップと、
を含む方法。
【請求項25】
前記第2サーキュレータにより、前記第1光伝送装置に前記第2未変調光信号を送信するステップは、
前記第2サーキュレータにより、第1サーキュレータに前記第2未変調光信号を送信するステップであって、前記第2サーキュレータは、前記第1サーキュレータに更に結合され、前記第1光伝送装置は、前記第1サーキュレータを含む、ステップを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記方法は、
第2偏波制御モジュールにより、前記第3未変調光信号の偏波を制御するステップであって、前記装置は、前記第2偏波制御モジュールを更に含み、前記第2偏波制御モジュールは、前記第2カプラに結合される、ステップ、
を更に含む請求項24又は25に記載の方法。
【請求項27】
前記第2カプラにより、第3未変調光信号を少なくとも第1未変調光信号と第2未変調光信号とに分離するステップは、
前記第2カプラにより、偏波制御が行われた前記第3未変調光信号を少なくとも前記第1未変調光信号と前記第2未変調光信号とに分離するステップを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記方法は、
前記第2カプラにより、偏波制御が行われた前記第3未変調光信号を第5未変調光信号に分離するステップであって、前記第5未変調光信号は、第1変調光信号のコヒーレンス検出に用いられ、前記第1変調光信号は、前記第1光伝送装置が前記第2光伝送装置に伝送する光信号である、ステップ、
を更に含む請求項26又は27に記載の方法。
【請求項29】
前記方法は、
第2受信モジュールにより、前記第1光伝送装置から前記第2サーキュレータを介して前記第1変調光信号を受信し、前記第2カプラから前記第5未変調光信号を受信するステップであって、前記装置は第2受信モジュールを更に含み、前記第2受信モジュールは前記第2サーキュレータと前記第2カプラの両方に結合される、ステップ、
を更に含む請求項28記載の方法。
【請求項30】
前記方法は、前記第2偏波制御モジュールにより、前記第2変調光信号の偏波を制御するステップであって、前記第2偏波制御モジュールは、前記第2伝送モジュールに更に結合される、請求項26~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記第1光伝送装置がアクティブアンテナユニット(AAU)側の光伝送装置であり、前記第2光伝送装置がベースバンドユニット(BBU)側の光伝送装置である、又は、
前記第1光伝送装置がBBU側の光伝送装置であり、前記第2光伝送装置がAAU側の光伝送装置である、請求項24~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
コンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ可読記憶媒体はプログラムを格納し、前記プログラムがプロセッサにより呼び出されると、請求項17~23又は請求項24~31のいずれか一項に記載の方法が実行される、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項33】
命令を含むコンピュータプログラムプロダクトであって、前記コンピュータプログラムプロダクトがプロセッサにより呼び出されると、請求項17~23又は請求項24~31のいずれか一項に記載の方法が実行される、コンピュータプログラムプロダクト。
【請求項34】
請求項1~7のいずれか一項に記載の第1光伝送装置と、請求項8~16のいずれか一項に記載の第2光伝送装置と、を含む通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本願は、参照により全体がここに組み込まれる、中国特許出願番号202111651329.0号、中国国家知識産権局に2021年12月30日に出願、名称「OPTICAL TRANSMISSION METHOD AND APPARATUS」の優先権を主張する。
[技術分野]
本願の実施形態は、通信分野に関し、特に、光伝送方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通信システムにおいて、第1光伝送装置は、第2光伝送装置に第3未変調光信号を供給し、第2光伝送装置は、第3未変調光信号に基づいて変調を行い、第2変調光信号を得る。そして、第1光伝送装置は、第2光伝送装置から第2変調光信号を受信し、局部発振器光を用いて第2変調光信号のコヒーレンス検出を行う。局部発振器光と第3未変調光信号とは、同一の光信号を第1光伝送装置側で分離することにより得られる。
【0003】
しかしながら、上記通信システムは、位相ノイズが大きい。
【発明の概要】
【0004】
本願は、位相ノイズを低減又は除去する光伝送方法及び装置を提供する。
【0005】
前述の目的を達成するために、以下の技術的ソリューションは、本願の実施形態において使用される。
【0006】
第1態様によると、本願の実施形態は、第1光伝送装置を提供する。装置は、第1サーキュレータ及び第1受信モジュールを含む。第1受信モジュールは、第1サーキュレータに結合される。第1サーキュレータは、第2光伝送装置から第2未変調光信号を受信するように構成される。第1受信モジュールは、第2光伝送装置から第2変調光信号を受信し、第1サーキュレータから第2未変調光信号を受信するように構成される。第2変調光信号は、第1未変調光信号を変調して得られ、第2未変調光信号は、第2変調光信号をコヒーレンス検出するために用いられ、第1未変調光信号と第2未変調光信号は、第3未変調光信号を分離して得られ、第3未変調光信号は、第1光伝送装置から第2光伝送装置に提供される光信号である。
【0007】
これにより、第2変調光信号と第2未変調光信号との伝送路が同一又は近接する。第2変調光信号は、第1未変調光信号を変調して得られ、第1未変調光信号と第2未変調光信号とは、第1光伝送装置が提供する同一の光信号、すなわち第3未変調光信号を分離して得られる。更に、第2変調光信号と第2未変調光信号との伝送路が同一又は近接する。従って、2つの信号は周波数差がなく、コヒーレント光に属する。これにより、位相ノイズが低減又は除去される。
【0008】
可能な設計では、第1サーキュレータは更に第2サーキュレータに結合される。第2光伝送装置は、第2サーキュレータを含む。第1サーキュレータが、第2光伝送装置から第2未変調光信号を受信するよう構成されることは、第2サーキュレータから第2未変調光信号を受信し、第2未変調光信号を受信することを含む。
【0009】
可能な設計では、本願の実施形態における第1光伝送装置は、更に第1偏波制御モジュールを更に含む。第1偏波制御モジュールは、第1サーキュレータに結合される。第1偏波制御モジュールは、第2未変調光信号の偏波を制御するように構成される。
【0010】
第2未変調光信号の伝送プロセスにおいて、第2未変調光信号の偏波状態はランダムに回転する。これは、コヒーレンス検出不良の原因となる。第1偏波制御モジュールは、第2未変調光信号の偏波状態を期待される偏波状態に変換することができ、これにより、正常なコヒーレンス検出を実現することができる。
【0011】
可能な設計において、第2未変調光信号を用いて第2変調光信号に対してコヒーレンス検出を行うことは、偏波制御が行われた第2未変調光信号を用いて第2変調光信号に対してコヒーレンス検出を行うことを含む。
【0012】
このように、コヒーレンス検出に用いられる局部発振器光は、偏波制御が行われた第2未変調光信号である。第2未変調光信号は、期待される偏波状態において高いエネルギを有するため、ランダムな偏波状態変化の影響を除去又は低減することができる。従って、コヒーレンス検出の精度を向上させることができる。
【0013】
可能な設計では、第1偏波制御モジュールは、第1変調光信号の偏波を制御するように更に構成される。第1変調光信号は、第1光伝送装置が第2光伝送装置に伝送する光信号である。
【0014】
このように、第2光伝送装置側で第3未変調光信号に対しても偏波制御を行うと、第2光伝送装置がコヒーレンス検出に用いる局部発振器光と第1変調光信号とは同じ偏波状態となる。コヒーレンス検出後は、偏波分離処理を行わずに電気信号を取得し、その電気信号に基づいて目標情報を取得してもよい。これにより、偏波分離を行うチップを別途設計することなく、システム消費電力を低減することができ、それによりシステムコストの低減を図ることができる。
【0015】
可能な設計では、本願の実施形態における第1光伝送装置は、第1伝送モジュールを更に含む。第1伝送モジュールは、第1サーキュレータに結合され、第1変調光信号を第1サーキュレータを介して第1偏波制御モジュールに送信するように構成され、第1光伝送装置は、第1光変調信号を第2光伝送装置に提供することができる。
【0016】
可能な設計では、第1光伝送装置は、アクティブアンテナユニットAAU側の光伝送装置であり、第2光伝送装置は、ベースバンドユニットBBU側の光伝送装置である。代替として、第1光伝送装置は、BBU側の光伝送装置であり、第2光伝送装置は、AAU側の光伝送装置である。
【0017】
第2態様によると、本願の実施形態は、第2光伝送装置を提供する。装置は、第2カプラと、第2伝送モジュールと、第2サーキュレータとを含む。第2伝送モジュールは、第2カプラと第2サーキュレータの両方に結合される。第2カプラは、第3未変調光信号を少なくとも第1未変調光信号と第2未変調光信号とに分離するように構成される。第3未変調光信号は、第1光伝送装置によって提供される光信号である。第2伝送モジュールは、第2変調光信号を第1光伝送装置に送信するように構成される。第2変調光信号は、第1未変調光信号を変調することによって得られる。第2サーキュレータは、第2カプラから第2未変調光信号を受信し、第2未変調光信号を第1光伝送装置に送信するように構成される。第2未変調光信号は、第2変調光信号のコヒーレンス検出に使用される。
【0018】
可能な設計では、第2サーキュレータは更に第1サーキュレータに結合される。第1光伝送装置は、第1サーキュレータを含む。第2サーキュレータが、第1光伝送装置に第2未変調光信号を送信するよう構成されることは、第1サーキュレータに第2未変調光信号を送信し、第2未変調光信号を送信することを含む。
【0019】
可能な設計では、本願の実施形態における第2光伝送装置は、第2偏波制御モジュールを更に含む。第2偏波制御モジュールは、第2カプラに結合され、第3未変調光信号の偏波を制御するように構成される。
【0020】
第3未変調光信号の伝送プロセスにおいて、第3未変調光信号の偏波状態はランダムに回転する。これは、コヒーレンス検出不良の原因となる。第2偏波制御モジュールは、第3未変調光信号の偏波状態を期待される偏波状態に変換することができ、これにより、正常なコヒーレンス検出を実現することができる。
【0021】
可能な設計では、第2カプラが、第3未変調光信号を少なくとも第1未変調光信号と第2未変調光信号とに分離することは、偏波制御が行われた第3未変調光信号を少なくとも第1未変調光信号と第2未変調光信号とに分離することを含む。
【0022】
すなわち、第1未変調光信号と第2未変調光信号とは、偏波制御が行われた光信号でもある。
【0023】
可能な設計において、第2カプラは、偏波制御が行われた第3未変調光信号を第5未変調光信号に分離するように更に構成される。第5未変調光信号は、第1変調光信号のコヒーレンス検出に用いられ、第1変調光信号は、第1光伝送装置が第2光伝送装置に伝送する光信号である。
【0024】
このように、コヒーレンス検出に用いられる局部発振器光は、偏波制御が行われた第5未変調光信号である。第5未変調光信号は、期待される偏波状態において高いエネルギを有するため、ランダムな偏波状態変化の影響を除去又は低減することができる。従って、コヒーレンス検出の精度を向上させることができる。
【0025】
可能な設計では、本願の実施形態における第2光伝送装置は、第2受信モジュールを更に含む。第2受信モジュールは、第2サーキュレータと第2カプラの両方に結合され、第1光伝送装置から第2サーキュレータを介して第1変調光信号を受信し、第2カプラから第5未変調光信号を受信し、第1変調光信号のコヒーレンス検出を実現するように構成される。
【0026】
可能な設計では、第2偏波制御モジュールは、第2伝送モジュールに結合され、第3変調光信号の偏波を制御するように構成される。
【0027】
このように、第1光伝送装置側で第2未変調光信号に対しても偏波制御を行うと、第1光伝送装置がコヒーレンス検出に用いる局部発振器光(つまり、第2未変調光信号)と第2変調光信号とは同じ偏波状態となる。コヒーレンス検出後は、偏波分離処理を行わずに電気信号を取得し、その電気信号に基づいて目標情報を取得してもよい。これにより、偏波分離を行うチップを別途設計することなく、システム消費電力を低減することができ、それによりシステムコストの低減を図ることができる。
【0028】
可能な設計では、本願の実施形態における第2光伝送装置は、第3サーキュレータを更に含む。第2偏波制御モジュールが第2カプラに結合されることは、第2偏波制御モジュールが第3サーキュレータを介して第2カプラに結合され、第3未変調光信号の一方向伝送を実現することを含む。第2偏波制御モジュールが第2伝送モジュールに更に結合されることは、第2偏波制御モジュールが第3サーキュレータを介して第2伝送モジュールに更に結合され、第2変調光信号の一方向伝送を実現することを含む。
【0029】
可能な設計では、第1光伝送装置は、アクティブアンテナユニットAAU側の光伝送装置であり、第2光伝送装置は、ベースバンドユニットBBU側の光伝送装置である。代替として、第1光伝送装置は、BBU側の光伝送装置であり、第2光伝送装置は、AAU側の光伝送装置である。
【0030】
第3態様によれば、本願の実施形態は、光伝送方法を提供し、方法は、第1光伝送装置に適用される。装置は、第1サーキュレータ及び第1受信モジュールを含む。第1サーキュレータは、第1受信モジュールに結合される。方法は、以下を含む。第1サーキュレータが、第2光伝送装置から第2未変調光信号を受信し、第1受信モジュールが、第2光伝送装置から第2変調光信号を受信し、第1サーキュレータから第2未変調光信号を受信する。第2変調光信号は、第1未変調光信号を変調して得られ、第2未変調光信号は、第2変調光信号をコヒーレンス検出するために用いられ、第1未変調光信号と第2未変調光信号は、第3未変調光信号を分離して得られ、第3未変調光信号は、第1光伝送装置から第2光伝送装置に提供される光信号である。
【0031】
可能な設計では、第1サーキュレータが、第2光伝送装置から第2未変調光信号を受信することは、第1サーキュレータが第2サーキュレータから第2未変調光信号を受信することを含む。第1サーキュレータは更に第2サーキュレータに結合され、第2光伝送装置は第2サーキュレータを含む。
【0032】
可能な設計では、本願の実施形態における光伝送方法は、更に以下を含む。第1偏波制御モジュールは、第2未変調光信号の偏波を制御する。第1光伝送装置は、更に、第1偏波制御モジュールを含み、第1偏波制御モジュールは、第1サーキュレータに結合される。
【0033】
可能な設計において、第2未変調光信号を用いて第2変調光信号に対してコヒーレンス検出を行うことは、偏波制御が行われた第2未変調光信号を用いて第2変調光信号に対してコヒーレンス検出を行うことを含む。
【0034】
可能な設計では、本願の実施形態における光伝送方法は、更に以下を含む。第1偏波制御モジュールは、第1変調光信号の偏波を制御する。第1変調光信号は、第1光伝送装置が第2光伝送装置に伝送する光信号である。
【0035】
可能な設計では、本願の実施形態における光伝送方法は、更に以下を含む。第1伝送モジュールは、第1サーキュレータを介して第1変調光信号を第1偏波制御モジュールに送信する。第1光伝送装置は、更に、第1伝送モジュールを含み、第1伝送モジュールは、第1サーキュレータに結合される。
【0036】
可能な設計では、第1光伝送装置は、アクティブアンテナユニットAAU側の光伝送装置であり、第2光伝送装置は、ベースバンドユニットBBU側の光伝送装置である。代替として、第1光伝送装置は、BBU側の光伝送装置であり、第2光伝送装置は、AAU側の光伝送装置である。
【0037】
第4態様によれば、本願の実施形態は、光伝送方法を提供し、方法は、第2光伝送装置に適用される。装置は、第2カプラと、第2伝送モジュールと、第2サーキュレータとを含む。方法は、以下を含む。第2カプラは、第3未変調光信号を少なくとも第1未変調光信号と第2未変調光信号とに分離する。第3未変調光信号は、第1光伝送装置によって提供される光信号である。第2伝送モジュールは、第2変調光信号を第1光伝送装置に送信する。第2変調光信号は、第1未変調光信号を変調することによって得られる。第2サーキュレータは、第2カプラから第2未変調光信号を受信し、第2未変調光信号を第1光伝送装置に送信する。第2未変調光信号は、第2変調光信号のコヒーレンス検出に使用される。
【0038】
可能な設計では、第2サーキュレータが第2未変調光信号を第1光伝送装置に送信することは、以下を含む。第2サーキュレータが、第2未変調光信号を第1サーキュレータに送信する。第2サーキュレータは更に第1サーキュレータに結合され、第1光伝送装置は第1サーキュレータを含む。
【0039】
可能な設計では、本願の実施形態における光伝送方法は、更に以下を含む。第2偏波制御モジュールは、第3未変調光信号の偏波を制御する。第2光伝送装置は、更に、第2偏波制御モジュールを含み、第2偏波制御モジュールは、第2サーキュレータに結合される。
【0040】
可能な設計では、第2カプラが、第3未変調光信号を少なくとも第1未変調光信号と第2未変調光信号とに分離することは、以下を含む。第2カプラは、偏波制御が行われた第3未変調光信号を少なくとも第1未変調光信号と第2未変調光信号とに分離する。
【0041】
可能な設計では、本願の実施形態における光伝送方法は、更に以下を含む。第2カプラは、偏波制御が行われた第3未変調光信号を第5未変調光信号に分離する。第5未変調光信号は、第1変調光信号のコヒーレンス検出に用いられ、第1変調光信号は、第1光伝送装置が第2光伝送装置に伝送する光信号である。
【0042】
可能な設計では、本願の実施形態における光伝送方法は、更に以下を含む。第2受信モジュールは、第1光伝送装置から第2サーキュレータを介して第1変調光信号を受信し、第2カプラから第5未変調光信号を受信する。装置は、第2受信モジュールを更に含み、第2受信モジュールは、第2サーキュレータと第2カプラの両方jに結合される。
【0043】
可能な設計では、本願の実施形態における光伝送方法は、更に以下を含む。第2偏波制御モジュールは、第2変調光信号の偏波を制御する。第2偏波制御モジュールは、第2伝送モジュールに更に結合される。
【0044】
可能な設計では、第1光伝送装置は、アクティブアンテナユニットAAU側の光伝送装置であり、第2光伝送装置は、ベースバンドユニットBBU側の光伝送装置である。代替として、第1光伝送装置は、BBU側の光伝送装置であり、第2光伝送装置は、AAU側の光伝送装置である。
【0045】
第5態様によると、本願の実施形態は、コンピュータ可読記憶媒体を提供し、コンピュータ可読記憶媒体はプログラムを格納している。プログラムがプロセッサによって呼び出されると、第3態様又は第3態様の実装のいずれか1つに記載の方法が実行され、又は、第4の態様又は第4の態様の実装のいずれか1つに記載の方法が実行される。
【0046】
第6態様によると、本願の実施形態は、命令を含むコンピュータプログラムプロダクトを提供する。コンピュータプログラムプロダクトがプロセッサによって呼び出されると、第3態様又は第3態様の実装のいずれか1つに記載の方法が実行され、又は、第4の態様又は第4の態様の実装のいずれか1つに記載の方法が実行される。
【0047】
第7態様によると、本願の実施形態は、通信システムを提供する。システムは、第1態様又は第1態様若しくは第1態様の実装のいずれか1つに記載の第1光伝送装置と、第2態様又は第2態様若しくは第2態様の実装のいずれか1つに記載の第2光伝送装置とを含む。
【0048】
第2態様~第7態様のいずれかの設計によってもたらされる技術的効果については、上述の対応する方法における有益な効果を参照されたい。詳細は、ここでは再度説明しない。
【図面の簡単な説明】
【0049】
図1】本願の実施形態による通信システムのアーキテクチャの図である。
【0050】
図2A】本願の実施形態による別の通信システムのアーキテクチャの図である。
【0051】
図2B】本願の実施形態による更に別の通信システムのアーキテクチャの図である。
【0052】
図3A】本願の実施形態によるまた別の通信システムのアーキテクチャの図である。
【0053】
図3B】本願の実施形態によるまた更に別の通信システムのアーキテクチャの図である。
【0054】
図4】本願の実施形態による更に別の通信システムのアーキテクチャの図である。
【0055】
図5】本願の実施形態による光伝送方法の概略フローチャートである。
【0056】
図6】本願の実施形態による別の光伝送方法の概略フローチャートである。
【0057】
図7】本願の実施形態による更に別の光伝送方法の概略フローチャートである。
【0058】
図8】本願の実施形態によるまた別の光伝送方法の概略フローチャートである。
【0059】
図9】本願の実施形態によるまた更に別の光伝送方法の概略フローチャートである。
【0060】
図10】本願の実施形態による更に別の光伝送方法の概略フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0061】
本願の明細書及び添付の図面では、用語「第1」、「第2」、等は、異なるオブジェクトの間を区別すること、又は同じオブジェクトの異なる処理の間を区別することを意図しており、オブジェクトの特定の順序を示さない。また、本願の説明における用語「含む(including)」、「有する(having)」、又はそれらの他の変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図している。例えば、一連のステップ又はユニットを含むプロセス、方法、システム、プロダクト、又は装置は、リストされたステップ又はユニットに限定されず、任意でリストされていない他のステップ又はユニットを更に含むか、又は任意でプロセス、方法、プロダクト、又は装置の別の固有のステップ又はユニットを更に含む。本願の実施形態では、「複数の(a plurality of)」は、2つ以上を含む。本願の実施形態では、語「例」又は「例えば」等は、例、図示、又は説明を表すために使用される。本願の実施形態において「例」又は「例えば」として記載される任意の実施形態又は設計方式は、別の実施形態又は設計方式より好適である又はより多くの利点を有するとして説明されるべきではない。正確には、単語「例」、「例えば」、等は、特定の方法で関連する概念を提示することを意図している。本願の実施形態では、「伝送(transmission)」は、「送信(sending)」又は「受信(receiving)」を含む。
【0062】
まず、本願の実施形態の理解を容易にするために、本願における関連技術を以下に簡単に説明する。
【0063】
1.光変調、未変調光信号及び変調光信号
【0064】
光変調とは、一般に、光キャリアのパラメータを変化させることにより、光キャリアが情報を伝達する処理をいう。例えば、光キャリアのパラメータには、振幅、強度、位相、周波数等が含まれる。
【0065】
本願の実施形態では、光変調が行われない光キャリアは、未変調光信号、例えば、レーザにより放射されたレーザ光又は別の光源により提供された光として説明される。これは、本願の実施形態において限定されない。
【0066】
本願の実施形態では、光変調により得られた光信号は、変調光信号、例えば、振幅変調、強度変調、位相変調又は周波数変調により得られた光信号として説明される。
【0067】
2.位相ノイズ
【0068】
位相ノイズは、一般に、時間ドメインにおいて信号のランダムな位相オフセットを引き起こし、この位相オフセットは、周波数ドメインにおいても観測され得る。
【0069】
3.コヒーレント光伝送技術
【0070】
コヒーレント光伝送技術は、主に単一周波数のコヒーレント光源を用いることにより、位相、周波数、振幅などの複数次元のパラメータを用いてより多くの変調情報を伝達して、光ファイバの帯域幅をフルに利用して超大容量伝送を実現する。
【0071】
例えば、以下では、コヒーレント光伝送技術を用いて通信を行うシステムについて説明する。図1は、本願の実施形態による従来の通信システム1000のアーキテクチャの図である。図1に示すように、通信システム1000は、第1光伝送装置110と第2光伝送装置120とを含む。
【0072】
第1光伝送装置110は、レーザ111と、カプラ112と、伝送モジュール113と、サーキュレータ114と、受信モジュール115と、デジタル信号処理(digital signal processing, DSP)モジュール116とを含む。第1光伝送装置110内では、レーザ111がカプラ112に結合され、カプラ112が更に伝送モジュール113と、サーキュレータ114のポートと、受信モジュール115とに結合されている。伝送モジュール113は、更に光インタフェース1に結合されている。サーキュレータ114の別のポートは、光インタフェース2に結合されている。サーキュレータ114の更に別のポートは、受信モジュール115に結合されている。受信モジュール115は、更にDSPモジュール116に結合されている。
【0073】
第2光伝送装置120は、受信モジュール121と、DSPモジュール122と、カプラ123と、サーキュレータ124と、伝送モジュール125とを含む。第2光伝送装置120内では、受信モジュール121が光インタフェース3に結合され、受信モジュール121が更にDSPモジュール122とカプラ123の両方に結合されている。カプラ123は更にサーキュレータ124のポートと伝送モジュール125に結合され、サーキュレータ124の別のポートは伝送モジュール125に結合され、サーキュレータ124の更に別のポートは光インタフェース4に結合されている。
【0074】
光インタフェース1と光インタフェース3はシングルモード光ファイバ130を介して結合され、光インタフェース2と光インタフェース4はシングルモード光ファイバ140を介して結合されている。
【0075】
例えば、第1光伝送装置110内の各要素の処理プロセスは次の通りである。
【0076】
レーザ111は未変調光信号1を伝送する。カプラ112は、レーザ111から未変調光信号1を受信した後、受信した未変調光信号1を次のアイテムのうちのいずれか1つに分離する。
アイテム1:未変調光信号2、未変調光信号3、未変調光信号4;
アイテム2:未変調光信号2、未変調光信号3;又は、
アイテム3:未変調光信号3、未変調光信号4。
【0077】
カプラ112は、分離により未変調光信号2が得られた場合、未変調光信号2を伝送モジュール113の局部発振器光として伝送モジュール113に送信する。伝送モジュール113は、情報1を用いて未変調光信号2を変調して第1変調光信号を得て、第1変調光信号を光インタフェース1及びシングルモード光ファイバ130を介して第2光伝送装置120に送信する。
【0078】
カプラ112は、分離により未変調光信号3が得られた場合、未変調光信号3をサーキュレータ114のポートに送信する。サーキュレータ114は、別のポートを介して未変調光信号3を光インタフェース2に送信し、シングルモード光ファイバ140を介して第2光伝送装置120に送信する。
【0079】
カプラ112は、分離により未変調光信号4が得られた場合、図1の破線矢印で示すように、未変調光信号4を受信モジュール115の局部発振器光として受信モジュール115に送信する。更に、サーキュレータ114は、光インタフェース2から第2変調光信号を受信し、図1に実線矢印で示すように、第2変調光信号を受信モジュール115に送信する。受信モジュール115は、未変調光信号4を用いて第2変調光信号をコヒーレンス検出して電気信号2を得て、電気信号2をDSPモジュール116に送信する。DSPモジュール116は、電気信号2に対してサンプリング、アナログデジタル変換、デジタル信号処理を行い、情報2を得る。
【0080】
第2光伝送装置120内の各要素の処理プロセスは次の通りである。
【0081】
第1光伝送装置110がシングルモード光ファイバ140を介して未変調光信号3を第2光伝送装置120に送信すると、サーキュレータ124は、光インタフェース4を介して未変調光信号3を受信し、未変調光信号3をカプラ123に送信する。カプラ123は、未変調光信号3を次のアイテムのうちの1つに分離する。
アイテム1:未変調光信号5、未変調光信号6;
アイテム2:未変調光信号5。すなわち、未変調光信号3が未変調光信号5として使用される;又は、
アイテム3:未変調光信号6。すなわち、未変調光信号3が未変調光信号6として使用される。
【0082】
カプラ123は、分離により未変調光信号5が得られた場合、未変調光信号5を受信モジュール121の局部発振器光として受信モジュール121に送信する。第1光伝送装置110がシングルモード光ファイバ130を介して第2光伝送装置120に第1変調光信号を送信すると、受信モジュール121は、光インタフェース3を介して第1変調光信号を受信する。受信モジュール115は、未変調光信号5を用いて第1変調光信号をコヒーレンス検出して電気信号1を得て、電気信号1をDSPモジュール116に送信する。DSPモジュール116は、電気信号1に対してサンプリング、アナログデジタル変換、デジタル信号処理を行い、情報1を得る。
【0083】
カプラ123は、分離により未変調光信号6が得られた場合、未変調光信号6を伝送モジュール125の局部発振器光として伝送モジュール125に送信する。伝送モジュール125は、情報2を用いて未変調光信号6を変調して第2変調光信号を得て、第2変調光信号をサーキュレータ124に送信する。サーキュレータ124は、図1に実線矢印で示すように、第2変調光信号を光インタフェース4及びシングルモード光ファイバ140を介して第1光伝送装置110に送信する。
【0084】
なお、図1は、従来の通信システムの構成及び動作プロセスの一例を説明するための可能な実装の例として用いられるだけであり、本願の実施形態を限定するものではない。
【0085】
結論として、第2光伝送装置120が第2変調光信号をシングルモード光ファイバ140を介して第1光伝送装置110に送信する場合、第2変調光信号については、コヒーレンス検出に用いられる光信号は未変調光信号4であることが分かる。しかし、第1光伝送装置110と第2光伝送装置120との距離が長い場合、未変調光信号4と第2変調光信号との伝送路長の差が大きくなり、未変調光信号4と第2変調光信号とが互いに関連しなくなる。このため、位相ノイズが大きくなる。
【0086】
これに鑑み、本願の実施形態は通信システムを提供する。図2Aに示すように、本願の実施形態で提供される通信システム2000は、第1光伝送装置210と第2光伝送装置220とを含む。例えば、第1光伝送装置210と第2光伝送装置220とは、光ファイバを介して結合されている。例えば、第1光伝送装置210の光インタフェース1は、第2光伝送装置220の光インタフェース3にシングルモード光ファイバ230を介して結合され、第1光伝送装置210の光インタフェース2は、第2光伝送装置220の光インタフェース4にシングルモード光ファイバ240を介して結合されている。
【0087】
例えば、第1光伝送装置210は、ベースバンドユニット(baseband unit, BBU)側の光伝送装置、例えばBBUに結合可能な光モジュールとして実現されてもよい。第2光伝送装置220は、アクティブアンテナユニット(active antenna unit, AAU)側の光伝送装置、例えばAAUに結合可能な光モジュールとして実現されてもよい。代替として、逆に、第1光伝送装置210は、AAU側の光伝送装置、例えばAAUに結合可能な光モジュールとして実現されてもよい。第2光伝送装置220は、BBU側の光伝送装置、例えばBBUに結合可能な光モジュールとして実現されてもよい。なお、技術の発展に伴い、AAU及びBBUは他の名称であってもよいし、AAU及びBBUの機能を実現可能な他のデバイスであってもよい。AAU及びBBUの名称は、本願の実施形態において限定されない。同様に、第1光伝送装置210及び第2光伝送装置220は、他の名称であってもよいし、他のデバイス側の光伝送装置として実現されてもよい。これは、本願の実施形態において限定されない。
【0088】
なお、第1光伝送装置210と第2光伝送装置220との間の信号伝送方向は、2つあってもよい。具体的には、第1光伝送装置210から第2光伝送装置220への伝送を第1伝送方向と呼び、第2光伝送装置220から第1光伝送装置210への伝送を第2伝送方向と呼ぶことができる。例えば、AAUとBBUとを実現する場合、BBUが変調光信号をAAUに伝送する処理をダウンリンク伝送と呼ぶこともできる。また、AAUが変調光信号をBBUに伝送する処理をアップリンク伝送と呼ぶこともできる。本願の実施形態では、変調光信号について、第1伝送方向に伝送される変調光信号を第1変調光信号という。第2伝送方向に伝送される変調光信号を第2変調光信号という。
【0089】
図2Aに示すように、第1光伝送装置210において、第1光伝送装置210は、図2Aに実線ブロックで示すように、第1サーキュレータ214と、第1受信モジュール216とを含む。第1サーキュレータは、第1受信モジュール216に結合される。例えば、第1サーキュレータ214のポートは、偏波維持光ファイバ又は光導波路を介して第1受信モジュール216に結合される。
【0090】
第1サーキュレータ214は、一方向信号伝送を実現することができる。例えば、第1サーキュレータ214は、3ポートコンポーネントであってもよい。例えば、第1サーキュレータ214の3つのポートは、各々、ポートA、ポートB、ポートCと示され、第1サーキュレータ214では、ポートAで受信した信号をポートBを介して送出し、ポートBで受信した信号をポートCを介して送出し、ポートCで受信した信号をポートAを介して送出して、一方向信号伝送を実現する。なお、本願の実施形態において、3ポートコンポーネントは、第1サーキュレータ214を説明するための一例に過ぎない。もちろん、第1サーキュレータ214は、一方向信号伝送が実現可能であれば、他のポート数を有してもよい。第1サーキュレータ214の具体的な実装は、本願の実施形態において限定されない。
【0091】
本願の実施形態において、第1サーキュレータ214は、第2光伝送装置220から未変調光信号7を受信するように構成されている。例えば、図2Aを例にとると、第1サーキュレータ214は、光インタフェース1及びシングルモード光ファイバ230を介して第2光伝送装置220から未変調光信号7を受信するように構成されている。
【0092】
また、図2Aを例にとると、第2光伝送装置220が第2サーキュレータ221を含む場合、第1サーキュレータ214は、第2サーキュレータ221に結合される。例えば、第1サーキュレータ214は、光インタフェース1、シングルモード光ファイバ230、光インタフェース3を介して第2サーキュレータ221に結合される。第1サーキュレータ214は、図2Aに破線矢印で示すように、光インタフェース1、シングルモード光ファイバ230、光インタフェース3を介して第2サーキュレータ221からの未変調光信号7を受信するように構成されている。第2サーキュレータ221については、第2光伝送装置220の説明を参照されたい。詳細は、ここでは再度説明しない。
【0093】
第1受信モジュール216は、光信号を電気信号に変換することができる。第1受信モジュール216は、受信機又はコヒーレント受信機とも呼ばれてよい。本願の実施形態では、受信モジュールのみを説明の例として使用する。例えば、第1受信モジュール216は、統合コヒーレント受信機(integrated coherent receiver, ICR)として実現することができる。コヒーレンスとは、第1受信モジュール216が振幅情報及び位相情報を復元できることを意味する。
【0094】
本願の実施形態では、第1受信モジュール216は、第2光伝送装置220から第2変調光信号を受信するように構成される。例えば、図2Aを例にとると、第1受信モジュール216は、光インタフェース2及びシングルモード光ファイバ240を介して第2光伝送装置220から第2変調光信号を受信するように構成される。
【0095】
必要に応じて、第1光伝送装置210が第4サーキュレータ215を含み、第2光伝送装置220が第3サーキュレータ225を含む場合、図2Aに示すように、第1受信モジュール216は第4サーキュレータ215に結合され、第4サーキュレータ215は、光インタフェース2、シングルモード光ファイバ240及び光インタフェース4を介して第3サーキュレータ225に結合される。第1受信モジュール216は、図2Aに太実線矢印で示すように、第4サーキュレータ215、光インタフェース2及びシングルモード光ファイバ240を介して第3サーキュレータ225から第2変調光信号を受信するように構成される。第1受信モジュール216は、更に、第1サーキュレータ214からの未変調光信号7を受信するように構成される。未変調光信号7は、第2変調光信号に対してコヒーレンス検出を行い、電気信号2を得る。
【0096】
第2変調光信号は、未変調光信号6を変調することによって得られる。詳細については、第2伝送モジュール226の説明を参照のこと。未変調光信号6と未変調光信号7は、未変調光信号3を分離して得られる。詳細については、第2カプラ224の説明を参照のこと。
【0097】
未変調光信号3は、図2Aに細線実線矢印で示すように、第1光伝送装置210から第2光伝送装置220に供給される光信号である。
【0098】
任意で、図2Aが更に例として使用される。第1光伝送装置210は、図2Aに破線ブロックで示すように、レーザ211、第1カプラ212、及び第4サーキュレータ215を含む。第1カプラ212は、レーザ211及び第4サーキュレータ215の両方に結合される。例えば、第1カプラ212は、偏波維持光ファイバ又は光導波路を介してレーザ211に結合され、第1カプラ212は、偏波維持光ファイバ又は光導波路を介して第4サーキュレータ215に結合される。
【0099】
例えば、レーザ211は、波長がλである連続波を提供することができる。波長λは、約1260ナノメートル(nm)から約1360nmまでのOバンド、又は約1530nmから約1625nmまでのC/Lバンドであってもよい。レーザ211は、温度制御又は他の波長制御を行わない分布帰還型(distributed feedback, DFB)レーザであってもよい。この場合、レーザ211は、非冷却レーザと呼ばれ、100キロヘルツ(kHz)より大きく、1メガヘルツ(MHz)まで又はそれ以上の線幅を有してもよい。代替として、レーザ211は、狭い線幅の外部共振型レーザ(external cavity laser, ECL)である。
【0100】
本願の実施形態では、レーザ211は、未変調光信号1を伝送するように構成される。未変調光信号1は、光信号の変調又はコヒーレンス検出のために使用される。本願の実施形態では、レーザが未変調光信号1を提供する例が単に説明のために使用されることを理解されたい。もちろん、別のデバイスが代替として光源を提供してもよい。これは、本願の実施形態において限定されない。
【0101】
例えば、第1カプラ212は、入力光信号を分離して、少なくとも1つの光信号を得ることができる。例えば、第1カプラ212は、入力光信号を均等に分離して、光信号の2つのビームを得ることができる。分離光ビームの数及び分離比は、本願の実施形態に限定されないことを理解されたい。カプラは、光スプリッタ、スプリッタなどとも呼ばれてよい。本願の実施形態では、カプラのみを説明の例として使用する。
【0102】
本願の実施形態において、第1カプラ212は、レーザ211からの未変調光信号1を受信し、未変調光信号1を分離するよう構成される。分離結果は、次のアイテムのうちのいずれか1つを含む。
【0103】
第1アイテムは、未変調光信号2、及び未変調光信号3である。第1カプラ212は、未変調光信号1を特定の比率に基づき未変調光信号2と未変調光信号3とに分離するよう構成される。第1カプラ212が分離を行う際に使用される比率は、予め設定された値であってもよいし、基準係数に基づいて決定された値であってもよい。例えば、基準係数は、第1光伝送装置210と第2光伝送装置220との間の伝送距離を含む。
【0104】
第2アイテムは、未変調光信号3である。すなわち、未変調光信号1は分離されず、そのまま未変調光信号3として用いられる。
【0105】
以上の分離結果について、分離により未変調光信号2が得られた場合には、未変調光信号2を用いて第1変調光信号を変調し、第1伝送方向に変調光信号の伝送を実施する。詳細については、図1又は第1伝送モジュール213の説明を参照のこと。詳細は、ここでは再度説明しない。
【0106】
以上の分離結果について、分離により未変調光信号3が得られた場合には、第2変調光信号の変調及びコヒーレンス検出に未変調光信号3が使用される。詳細については、第2伝送モジュール226及び第1受信モジュール216の説明を参照のこと。
【0107】
なお、図2Aの第1カプラ212は、図1のカプラ112と比較して、局部発振器光すなわち未変調光信号4を第1受信モジュール216に直接提供しない。
【0108】
例えば、第4サーキュレータ215は、一方向信号伝送を実現することができる。例えば、第4サーキュレータ215は、3ポートコンポーネントであってもよい。詳細については、第1サーキュレータ214の説明を参照のこと。詳細は、ここでは再度説明しない。
【0109】
本願の実施形態において、第4サーキュレータ215は、第1カプラ212からの未変調光信号3を受信し、未変調光信号3を第2光伝送装置220に送信するよう構成される。例えば、引き続き図2Aを例にとると、第4サーキュレータ215のポートは、第1カプラ212からの未変調光信号3を受信するように構成されている。第4サーキュレータ215の別のポートは、光インタフェース2、シングルモード光ファイバ240、光インタフェース4を介して、未変調光信号3を第3サーキュレータ225に送信するよう構成される。
【0110】
第1光伝送装置210がレーザ211、第1カプラ212及び第4サーキュレータ215を含む場合、3つのコンポーネントの協働の下で未変調光信号3を分離して伝送することができ、第1光伝送装置210は、未変調光信号3を第2光伝送装置220に提供することができることが分かる。
【0111】
なお、図2Aでは、レーザ211、第1カプラ212及び第4サーキュレータ215の結合関係のみを例として使用して、未変調光信号3の生成及び伝送について説明している。もちろん、第1光伝送装置は、他のコンポーネント又はコンポーネント間の結合関係を有して、未変調光信号3の生成及び伝送機能を実現してもよい。これは、本願の実施形態において限定されない。
【0112】
任意で、第1光伝送装置210は、図2Aに破線で示すように、第1DSPモジュール217を更に含む。第1DSPモジュール217は、第1受信モジュール216に結合される。例えば、第1DSPモジュール217は、電気結合ケーブルを介して第1受信モジュール216に結合される。第1DSPモジュール217は、第1受信モジュール216から電気信号2を受信し、電気信号2に基づいて情報2を決定するように構成される。詳細は、図1の説明を参照されたい。詳細は、ここでは再度説明しない。
【0113】
なお、図1の受信モジュール115と比較して、図2Aの第1受信モジュール216の局部発振器光、すなわち未変調光信号7は、第1サーキュレータ214によって与えられる。未変調光信号7は、第2カプラ224によって未変調光信号3が分離された後に得られるものであり、未変調光信号3は、第1カプラ212によって分離された光信号である。すなわち、第1受信モジュール216の局部発振器光は、第1カプラ212によって直接分離された光信号ではなく、第1カプラ212によって分離され、第2光伝送装置220を通過した後に第1光伝送装置210に帰還された光信号である。
【0114】
なお、第1光伝送装置210においては、電気信号2を処理可能なコンポーネントとして、第1DSPモジュール217のみを例として使用して説明している。もちろん、第1光伝送装置210は、電気信号2の処理機能を実現するために、他のコンポーネントやコンポーネント間の結合関係を有していてもよい。これは、本願の実施形態において限定されない。
【0115】
第1光伝送装置210においては、第2変調光信号及び未変調光信号7は両方とも、第2光伝送装置220からのものである。従って、第2変調光信号と未変調光信号7の伝送路が同一又は近接する。第2変調光信号は、未変調光信号6を変調したものであり、未変調光信号6と未変調光信号7とは、第1光伝送装置210から供給される同一の光信号、すなわち未変調光信号3を分離して得られる。更に、第2変調光信号と未変調光信号の伝送路は同一又は近接する。従って、2つの信号は周波数差がなく、コヒーレント光に属する。これにより、位相ノイズが低減又は除去される。
【0116】
図2Aに示すように、第2光伝送装置220において、第2光伝送装置220は、第2カプラ224と、第2サーキュレータ221と、第2伝送モジュール226とを含む。第2カプラ224は、第2サーキュレータ221と第2伝送モジュール226の両方に結合されている。例えば、第2カプラ224の出力ポートは、偏波維持光ファイバ又は光導波路を介して第2サーキュレータ221のポートに結合されている。第2カプラ224の別の出力ポートは、偏波維持光ファイバ又は光導波路を介して第2伝送モジュール226に結合されている。
【0117】
第2カプラ224は、入力光信号を分離することもできる。例えば、第2カプラ224の具体的な実装については、第1カプラ212の説明を参照されたい。詳細は、ここでは再度説明しない。
【0118】
本願の実施形態では、第2カプラ224は、未変調光信号3を分離するように構成される。第2カプラ224が分離を行う際に用いられる比率については、第1カプラ212の説明を参照されたい。ここでは詳細な説明は省略する。なお、第2カプラ224が分離を行う際に用いられる比率は、第1カプラ212が分離を行う際に用いられる比率と同じであっても異なっていてもよい。これは、本願の実施形態において限定されない。
【0119】
任意で、第2光伝送装置220は、図2Aに破線ブロックで示すように、第3サーキュレータ225を更に含む。第3サーキュレータ225は、一方向信号伝送を実現することもできる。例えば、第3サーキュレータ225は、3ポートコンポーネントであってもよい。具体的な実装については、第1サーキュレータ214の説明を参照のこと。詳細は、ここでは再度説明しない。例えば、第3サーキュレータ225と第2カプラ224との結合関係は、以下の通りである。第2カプラ224の入力ポートが偏波維持光ファイバ又は光導波路を介して第3サーキュレータ225のポートに結合され、第3サーキュレータ225の他のポートが偏波維持光ファイバ又は光導波路を介して光インタフェース4に結合されている。本願の実施形態では、第3サーキュレータ225は、第4サーキュレータ215からの未変調光信号3を光インタフェース4、シングルモード光ファイバ240及び光インタフェース2を介して受信し、未変調光信号3を第2カプラ224に送信するように構成されており、第2カプラ224は未変調光信号3を受信する。
【0120】
例えば、第2カプラ224の分離結果は、以下のアイテムのうちの1つを含む。
【0121】
第1アイテムは、未変調光信号5、未変調光信号6、未変調光信号7である。
【0122】
第2アイテムは、未変調光信号5である。すなわち、未変調光信号3は分離されず、そのまま未変調光信号5として用いられる。
【0123】
第3アイテムは、未変調光信号6、及び未変調光信号7である。
【0124】
分離により未変調光信号5が得られた場合には、第1変調光信号のコヒーレンス検出に未変調光信号5が使用される。詳細については、図1又は第2受信モジュール222の説明を参照のこと。詳細は、ここでは再度説明しない。
【0125】
第2カプラ224は、分離により未変調光信号6が得られた場合には、未変調光信号6を第2伝送モジュール226に送信するように構成されている。未変調光信号6は、第2変調光信号を変調するために使用される。詳細については、第2伝送モジュール226の説明を参照のこと。詳細は、ここでは再度説明しない。
【0126】
第2カプラ224は、分離により未変調光信号7が得られた場合には、未変調光信号7を第2サーキュレータ221に送信するように構成されている。未変調光信号7は、第2変調光信号のコヒーレンス検出を実施するために、第1光伝送装置210に供給される。詳細については、第2受信モジュール216の説明を参照のこと。詳細は、ここでは再度説明しない。例えば、図2Aが例として使用される。第2サーキュレータ221は、図2Aに破線矢印で示すように、光インタフェース3、シングルモード光ファイバ230、光インタフェース1を介して第1サーキュレータ214に未変調光信号7を送信するように構成されている。
【0127】
なお、図2Aの第2カプラ224は、図1のカプラ123と比較して、未変調光信号7を更に分離することができる。詳細については、第2カプラ224の分離結果の説明を参照のこと。
【0128】
第2伝送モジュール226は、電気信号を光信号に変換することができる。第2伝送モジュール226は、伝送器又は変調器とも呼ばれてよい。本願の実施形態では、伝送モジュールのみを説明の例として使用する。例えば、第2伝送モジュール226は、偏波多重同相直交(in-phase and quadrature, IQ)変調器として実現されてもよい。例えば、第2伝送モジュール226は、振幅情報と位相情報を用いて、例えば高次直交振幅変調(quadrature amplitude modulation, QAM)を用いて、未変調光信号を変調し、電気信号に基づいて特定波長の変調光信号を生成する。なお、第2伝送モジュール226は、代替として、他の適切な変調フォーマットを用いて変調を実行してもよい。これは、本願の実施形態において限定されない。
【0129】
本願の実施形態では、第2伝送モジュール226は、第1光伝送装置210に第2変調光信号を送信するように構成される。第2変調光信号は、未変調光信号6が変調された後に得られる。更に図2Aを例に用いると、第2伝送モジュール226は、光インタフェース4を介して第1光伝送装置210に第2変調光信号を送信するように構成される。
【0130】
任意で、第2光伝送装置220が第3サーキュレータ225を含む場合、更に図2Aを例に用いると、第2伝送モジュール226の出力ポートは、偏波維持光ファイバ又は光導波路を介して第3サーキュレータ225のポートに結合される。第2伝送モジュール226は、第2変調光信号を第3サーキュレータ225に送信するように構成される。第3サーキュレータ225は、第2変調光信号を光インタフェース4に送信するように構成されており、第2変調光信号は、図2Aに太い実線矢印で示すように、シングルモード光ファイバ240を介して第1光伝送装置210に伝送される。
【0131】
第2サーキュレータ221は、一方向信号伝送を実現することができる。例えば、第2サーキュレータ221は、3ポートコンポーネントであってもよい。具体的な実装については、第1サーキュレータ214の説明を参照のこと。詳細は、ここでは再度説明しない。
【0132】
本願の実施形態において、第2サーキュレータ221は、第2カプラ224からの未変調光信号7を受信し、未変調光信号7を第1光伝送装置210に送信するよう構成される。例えば、図2Aに示すように、第2サーキュレータ221は、未変調光信号7を光インタフェース3を介して第1光伝送装置210に送信するように構成されている。
【0133】
任意で、第1光伝送装置210が第1サーキュレータ221を含む場合、第2サーキュレータ221は、第1サーキュレータ214に結合される。第2サーキュレータ221は、未変調光信号7を第1サーキュレータ214に送信するように構成されている。例えば、第2サーキュレータ221は、図2Aに破線矢印で示すように、光インタフェース3、シングルモード光ファイバ230、光インタフェース1を介して第1サーキュレータ214に未変調光信号7を送信するように構成されている。第2未変調光信号は、第2変調光信号のコヒーレンス検出に使用される。詳細については、第2受信モジュール216の説明を参照のこと。詳細は、ここでは再度説明しない。
【0134】
第2光伝送装置220において、第2変調光信号及び未変調光信号7は、第1光伝送装置210に伝送される。従って、第2変調光信号と未変調光信号7の伝送路が同一又は近接する。第2変調光信号は、未変調光信号6を変調したものであり、未変調光信号6と未変調光信号7とは、第1光伝送装置210から供給される同一の光信号、すなわち未変調光信号3を分離して得られる。更に、第2変調光信号と未変調光信号の伝送路は同一又は近接する。従って、2つの信号は周波数差がなく、コヒーレント光に属する。これにより、位相ノイズが低減又は除去される。
【0135】
以上では、第2変調光信号のみを例に挙げて、変調、伝送、復調の観点で各コンポーネントの結合関係及び機能について説明した。任意で、以上では、第1変調光信号のみを例に挙げて、変調、伝送、コヒーレンス検出の観点で各コンポーネントの結合関係及び機能について説明した。
【0136】
任意で、第1光伝送装置210は、図2Aに破線ブロックで示すように、第1伝送モジュール213を更に含む。第1伝送モジュール213は、電気信号を光信号に変換することもできる。詳細については、第2伝送モジュール226の説明を参照のこと。詳細は、ここでは再度説明しない。例えば、第1伝送モジュール213と他のコンポーネントとの結合関係は、以下の通りである。第1伝送モジュール213は、第1カプラ212と第1サーキュレータ214の両方に結合されている。例えば、第1伝送モジュール213は、偏波維持光ファイバ又は光導波路を介して第1カプラ212に結合され、第1伝送モジュール213は、偏波維持光ファイバ又は光導波路を介して第1サーキュレータ214に結合される。
【0137】
本願の実施形態では、第1伝送モジュール213の機能を以下のように説明する。
【0138】
第1伝送モジュール213は、第1カプラ212が分離により未変調光信号2を得ると、第1カプラ212から未変調光信号2を受信し、未変調光信号2を変調して第1変調光信号を得る。詳細は、図1の説明を参照されたい。詳細は、ここでは再度説明しない。なお、本願の実施形態では、第1伝送モジュール213のみを例に挙げて、第1変調光信号を生成する機能を実現するための第1伝送モジュール213と他のコンポーネントとの結合関係を説明している。もちろん、第1光伝送装置210は、代替として、第1変調光信号2を生成する機能を実現するために、他のコンポーネントやコンポーネント間の結合関係を有していてもよい。これは、本願の実施形態において限定されない。
【0139】
更に、本願の実施形態において、第1サーキュレータ214は、第1伝送モジュール213からの第1変調光信号を受信し、第1変調光信号を第2光伝送装置220に送信するよう更に構成される。例えば、第1サーキュレータ214は、図2Bに太実線矢印で示すように、光インタフェース1、シングルモード光ファイバ230、光インタフェース3を介して第2サーキュレータ221に第1変調光信号を送信するように構成されている。
【0140】
任意で、第2光伝送装置220において、第2サーキュレータ221は、第1光伝送装置210から第1変調光信号を受信し、第1変調光信号を第2受信モジュール222に送信するように更に構成される。例えば、第2サーキュレータ221は、光インタフェース3を介して第1サーキュレータ214から第1変調光信号を受信し、第1変調光信号を第2受信モジュール222に送信するように構成される。
【0141】
任意で、第2光伝送装置220は、図2Aに破線ブロックで示すように、第2受信モジュール222を更に含む。第2受信モジュール222は、光信号を電気信号に変換することもできる。例えば、第2受信モジュール222の具体的な実装については、第1受信モジュール216の説明を参照されたい。詳細は、ここでは再度説明しない。例えば、第2受信モジュール222と他のコンポーネントとの結合関係は、以下の通りである。第2受信モジュール222は、第2カプラ224と第2サーキュレータ221の両方に結合されている。例えば、第2受信モジュール222は、偏波維持光ファイバ又は光導波路を介して第2カプラ224に結合され、第2受信モジュール222は、偏波維持光ファイバ又は光導波路を介して第2サーキュレータ221に結合される。
【0142】
本願の実施形態では、第2受信モジュール222の機能を以下のように説明する。
【0143】
第2受信モジュール222は、第1変調光信号を第2サーキュレータ221から受信するように構成される。第2カプラ224が分離により未変調光信号5を得ると、未変調光信号5は、第1変調光信号に対してコヒーレンス検出を実行するために使用される。例えば、第2受信モジュール222は、未変調光信号5を用いて第1変調光信号にコヒーレンス検出を実行して、電気信号1を得る。詳細は、図1の説明を参照されたい。詳細は、ここでは再度説明しない。
【0144】
なお、本願の実施形態では、第2受信モジュール222のみを例に挙げて、第2変調光信号を受信する機能を実現するための第2受信モジュール222と他のコンポーネントとの結合関係を説明している。もちろん、第2光伝送装置220は、代替として、第2変調光信号を受信する機能を実現するために、他のコンポーネントやコンポーネント間の結合関係を有していてもよい。これは、本願の実施形態において限定されない。
【0145】
任意で、第2光伝送装置220は、図2Aに破線ブロックで示すように、第2DSPモジュール223を更に含む。第2DSPモジュール223は、第2受信モジュール222に結合される。例えば、第2DSPモジュール223は、電気結合ケーブルを介して第2受信モジュール222に結合される。第2DSPモジュール223は、第2受信モジュール222から電気信号1を受信し、電気信号1に基づいて情報1を決定するように構成される。詳細は、図1の説明を参照されたい。詳細は、ここでは再度説明しない。
【0146】
なお、第2光伝送装置220においては、電気信号1を処理可能なコンポーネントとして、第2DSPモジュール223のみを例として使用して説明している。もちろん、第2光伝送装置220は、電気信号1の処理機能を実現するために、他のコンポーネントやコンポーネント間の結合関係を有していてもよい。これは、本願の実施形態において限定されない。
【0147】
上記コンポーネントの結合関係や機能に基づいて、第1変調光信号の変調、伝送、コヒーレンス検出機能を実現することができることが分かる。
【0148】
実施形態によっては、図3Aに示すように、第1光伝送装置210は、図3Aに太実線ブロックで示すように、第1偏波制御(自動偏波制御(automatic polarization controller, APC))モジュール218を更に含む。偏波制御モジュールは、偏波状態制御コンポーネントであり、動的に変化する任意の入力偏波状態を任意の期待される出力偏波状態に変換することができる。例えば、偏波制御モジュールは、結晶の複屈折現象を利用して偏波状態を変化させ、特定の合成方法及び制御アルゴリズムを利用して期待される偏波状態の偏波光を得る。合成方法は、直列に結合された波長板の数及び波長板間の相対的な配向関係を含むことができる。制御アルゴリズムは、波長板の方位及び複屈折相対位置差を高速で動的に変更することを含むことができる。偏波制御モジュールは、偏波コントローラとも呼ばれる。本願の実施形態では、偏波制御モジュールのみを説明の例として使用する。
【0149】
例えば、第1偏波制御モジュール218と他のコンポーネントとの結合関係は、以下の通りである。第1偏波制御モジュール218は、第1サーキュレータ214に結合される。例えば、図3Aを参照すると、第1偏波制御モジュール218は、偏波維持光ファイバ又は光導波路を介して第1サーキュレータ214に結合され、第1偏波制御モジュール218は、偏波維持光ファイバ又は光導波路を介して光インタフェース1に結合されている。また、第1偏波制御モジュール218を第1光伝送装置210側に配置するのではなく、第2光伝送装置220側に配置してもよい。例えば、第2サーキュレータ221は、第1偏波制御モジュール218(図3Aには図示せず)を介して光インタフェース3に結合されている。これは、本願の実施形態において限定されない。
【0150】
なお、図3Aに示すように、第1偏波制御モジュール218と第1受信モジュール216とは、互いに独立したコンポーネントであってもよい。また、第1偏波制御モジュール218と第1受信モジュール216とを統合してもよい。例えば、第1偏波制御モジュール218は、図3Aには図示されていないが、第1受信モジュール216の内部コンポーネントである。
【0151】
第1偏波制御モジュール218の機能は以下の通り説明される。第1偏波制御モジュール218は、未変調光信号7の偏波を制御するよう構成される。例えば、第1偏波制御モジュール218は、光インタフェース1を介して未変調光信号7を受信した後、未変調光信号7の偏波状態を期待偏波状態に変換するよう構成される。期待偏波状態は、第2変調光信号の偏波状態と同じであってもよい。また、第1偏波制御モジュール218は、偏波制御が行われた未変調光信号7を第1サーキュレータ214を介して第1受信モジュール216に送信するよう構成される。
【0152】
なお、光インタフェース1と光インタフェース3とは、通常、偏波維持光ファイバを介して結合され、未変調光信号7が可能な限り一定の偏波状態で十分なエネルギを有し、コヒーレンス検出が正常に行われるようになっている。しかし、実際の適用では、偏波維持光ファイバは、押出し加工や、踏み付けや施工時の伸張などの他の適用環境の変化の影響を受ける可能性がある。その結果、偏波維持光ファイバの偏波状態を維持する機能が低下する。この場合、偏波維持光ファイバ内を伝送する未変調光信号7の偏波状態はランダムに回転する。これは、コヒーレンス検出不良の原因となる。しかし、第1偏波制御モジュール218は、未変調光信号7の偏波状態を期待される偏波状態に変換することができ、これにより、正常なコヒーレンス検出を実現することができる。
【0153】
この場合、未変調光信号7を用いて第2変調光信号に対してコヒーレンス検出を行うことは、以下を含む。偏波制御が行われた未変調光信号7を用いて第2変調光信号に対してコヒーレンス検出を行う。例えば、図3Aが更に例として使用される。第1受信モジュール216は、第2光伝送装置220が未変調光信号7を第1光伝送装置210に伝送する際に、第1サーキュレータ214からの偏波制御が行われた未変調光信号7を受信し、局部発振器光として提供して、第2変調光信号のコヒーレンス検出を行う。
【0154】
このように、コヒーレンス検出に用いられる局部発振器光は、偏波制御が行われた未変調光信号7である。未変調光信号7は、期待される偏波状態において高いエネルギを有するため、ランダムな偏波状態変化の影響を除去又は低減することができる。従って、コヒーレンス検出の精度を向上させることができる。
【0155】
任意で、第1偏波制御モジュール218は、第1変調光信号の偏波を制御するように更に構成される。第1変調光信号は、第1光伝送装置210が第2光伝送装置220に伝送する光信号である。詳細は、図2Bの説明を参照されたい。詳細は、ここでは再度説明しない。例えば、引き続き図3Aを例として用いると、第1サーキュレータ214は、第1変調光信号を第1偏波制御モジュール218に送信するように更に構成される。第1偏波制御モジュール218は、偏波制御が行われた第1変調光信号が期待される偏波方向でより多くのエネルギを有するように、第1変調光信号の偏波を制御するように構成される。偏波制御が行われた第1変調光信号と、偏波制御が行われた未変調光信号3とは、同じ偏波状態であってもよい。第2光伝送装置220側でも、未変調光信号3に対して偏波制御が行われると、第2受信モジュール222がコヒーレンス検出を行うために用いる局部発振器光(すなわち、未変調光信号5)と、第1変調光信号とは、同じ偏波状態となる。このように、第2受信モジュール222がコヒーレンス検出を行った後、電気信号1を取得することができる。第2DSPモジュール223は、電気信号1に基づいて情報1を取得することができ、偏波分離処理を行う必要がないため、システム消費電力が低減され、チップを個別に設計する必要がない。これは、システムコストの低減に役立つ。
【0156】
なお、コヒーレント通信システム2000が第1偏波制御モジュール218を含む場合、システムコストを低減するために、シングルモード光ファイバ230を他の結合材料、例えば共通ファイバに置き換えることもできる。
【0157】
幾つかの実施形態では、第2光伝送装置220は、図3Bに太実線ブロックで示すように、第2偏波制御モジュール227を更に含む。偏波制御モジュールについては、第1偏波制御モジュール218の説明を参照のこと。詳細は、ここでは再度説明しない。
【0158】
例えば、第2偏波制御モジュール227と他のコンポーネントとの結合関係は、以下の通り説明される。
【0159】
第2偏波制御モジュール227は、第2カプラ224に結合される。例えば、図3Bを参照する。第2偏波制御モジュール227は、第3サーキュレータ225を介して第2カプラ224に結合されている。また、第2偏波制御モジュール227を第2光伝送装置220側に配置するのではなく、第1光伝送装置210側に配置してもよい。例えば、第4サーキュレータ215は、第2偏波制御モジュール227(図3Bには図示せず)を介して光インタフェース2に結合されている。これは、本願の実施形態において限定されない。
【0160】
なお、図3Bに示すように、第2偏波制御モジュール227と第2受信モジュール222とは、互いに独立したコンポーネントであってもよい。また、第2偏波制御モジュール227と第2受信モジュール222とを統合してもよい。例えば、第2偏波制御モジュール227は、図3Bには図示されていないが、第2受信モジュール222の内部コンポーネントである。
【0161】
第2偏波制御モジュール227の機能は以下の通り説明される。
【0162】
第2偏波制御モジュール227は、未変調光信号3の偏波を制御するよう構成される。例えば、第2偏波制御モジュール227は、光インタフェース4を介して未変調光信号3を受信し、未変調光信号3の偏波状態を期待偏波状態に変換するように構成されている。期待偏波状態は、第1光伝送装置210側の未変調光信号3の偏波状態と同じであってもよいし、他の方向の偏波状態であってもよい。これは、本願の実施形態において限定されない。
【0163】
この場合、第2カプラ224は、偏波制御が行われた未変調光信号3を分離するよう構成される。例えば、第2カプラ224は、第2偏波制御モジュール227からの偏波制御が行われた未変調光信号3を第3サーキュレータ225を介して受信し、次に未変調光信号3を分離するように構成されている。例えば、第2カプラ224は、偏波制御が行われた未変調光信号3を少なくとも未変調光信号6と未変調光信号7とに分離するよう構成される。別の例では、第2カプラ224は、偏波制御が行われた未変調光信号3を少なくとも未変調光信号6と未変調光信号7と未変調光信号5とに分離するよう構成される。別の例では、第2カプラ224は、偏波制御が行われた未変調光信号3を未変調光信号5に分離するよう構成される。未変調光信号6については、第2伝送モジュール226の説明を参照のこと。未変調光信号7については、第2サーキュレータ221の説明を参照されたい。未変調光信号5は、第1変調光信号のコヒーレンス検出に使用される。詳細については、第2受信モジュール222の説明を参照のこと。詳細は、ここでは再度説明しない。未変調光信号6、未変調光信号7及び未変調光信号5は、偏波制御が行われた未変調光信号3を分離して得られるため、未変調光信号6、未変調光信号7及び未変調光信号5は、偏波制御が行われた未変調光信号3と同じ偏波状態であり、偏波制御が行われた光信号でもある。
【0164】
第2受信モジュール222は、第1変調光信号を第1光伝送装置210から受信するように構成される。図3Bに示すように、第2受信モジュール222は、第2サーキュレータ221を介して、第1変調光信号を第1サーキュレータ214から受信するように構成される。第1変調光信号は、未変調光信号2を変調することによって得られる。詳細については、第1伝送モジュール213の説明を参照のこと。未変調光信号2と未変調光信号3は、同じ光信号(つまり未変調光信号1)を分離して得られる。詳細については、第1カプラ212の説明を参照のこと。詳細は、ここでは再度説明しない。例えば、第2受信モジュール222は、例えば未変調光信号5を用いて第1変調光信号にコヒーレンス検出を実行するように構成される。
【0165】
このように、コヒーレンス検出に用いられる局部発振器光は、偏波制御が行われた未変調光信号5である。未変調光信号5は、期待される偏波状態において高いエネルギを有するため、ランダムな偏波状態変化の影響を除去又は低減することができる。従って、コヒーレンス検出の精度を向上させることができる。
【0166】
任意で、第2偏波制御モジュール227は、第3サーキュレータ225を介して第2伝送モジュール226に更に結合されている。例えば、図3Bに示すように、第3サーキュレータ225は、第3サーキュレータ225の3つのポートが各々、第2カプラ224、第2伝送モジュール226及び第2偏波制御モジュール227に結合される。
【0167】
第2偏波制御モジュール227は、更に、第2変調光信号の偏波を制御するために使用される。例えば、図3Bに示すように、第2カプラ224は、分離により未変調光信号6が得られた場合には、第2変調光信号を変調するために、未変調光信号6を第2伝送モジュール226に送信するように構成されている。詳細については、第2伝送モジュール226の説明を参照のこと。詳細は、ここでは再度説明しない。また、第2偏波制御モジュール227は、第3サーキュレータ225を介して第2伝送モジュール226から第2変調光信号を受信し、第2変調光信号の偏波を制御し、偏波制御が行われた第2変調光信号を第1光伝送装置210の第4サーキュレータ215に送信するように構成されている。
【0168】
このように、第1受信モジュール216では、コヒーレンス検出に用いられる変調光信号は、偏波制御が行われた光信号であり、期待される偏波方向でより大きなエネルギを有する。偏波制御が行われた第2変調光信号と、偏波制御が行われた未変調光信号7とは、同じ偏波状態であってもよい。第1光伝送装置210側でも、未変調光信号7に対して偏波制御が行われると、第1受信モジュール216がコヒーレンス検出を行うために用いる局部発振器光(すなわち、未変調光信号7)と、第2変調光信号とは、同じ偏波状態となる。このように、第1受信モジュール216がコヒーレンス検出を行った後、電気信号2を取得することができる。第1DSPモジュール217は、電気信号2に基づいて情報2を取得することができ、偏波分離処理を行う必要がないため、システム消費電力が低減される。
【0169】
なお、コヒーレント通信システム2000が第2偏波制御モジュール227を含む場合、システムコストを低減するために、シングルモード光ファイバ240を他の結合材料、例えば共通ファイバに置き換えることもできる。
【0170】
幾つかの実施形態では、図4に示すように、第1光伝送装置210が第1偏波制御モジュール218を更に含み、第2光伝送装置220が第2偏波制御モジュール227を更に含む。第1偏波制御モジュール218と他のコンポーネントとの結合関係及び機能については、図3Aの説明を参照されたい。第2偏波制御モジュール227と他のコンポーネントとの結合関係及び機能については、図3Bの説明を参照されたい。詳細は、ここでは再度説明しない。未変調光信号について、図4に示す通信システムでは、第1伝送方向の未変調光信号(すなわち、未変調光信号3)の偏波を制御するとともに、第2伝送方向の未変調光信号(すなわち、未変調光信号7)の偏波も制御することができるので、ランダムな偏波状態変化による影響を除去又は低減し、システムのコヒーレンス検出性能を向上するのに役立つ。また、変調光信号については、図4に示す通信システムでは、第1伝送方向の第1変調光信号の偏波を制御するとともに、第2伝送方向の第2変調光信号の偏波も制御することができるので、2つの光伝送装置(すなわち、第1光伝送装置210及び第2光伝送装置220)のいずれも偏波分離処理を行う必要がない。これは、システムコストの低減に役立つ。
【0171】
本願の実施形態は、コヒーレント光伝送方法5000を更に提供する。本方法は、図2A、図2B、図3A、図3B又は図4に示す通信システム2000に適用可能である。図5に示すように、光伝送方法5000は、以下のステップを含む。
【0172】
S501:第1光伝送装置210は、第2光伝送装置220に未変調光信号3を送信する。対応して、第2光伝送装置220は、第1光伝送装置210から未変調光信号3を受信する。
【0173】
例えば、図2Aを参照する。第1光伝送装置210では、第4サーキュレータ215が、光インタフェース2、シングルモード光ファイバ240、光インタフェース4を介して、未変調光信号3を第3サーキュレータ225に送信する。対応して、第2光伝送装置220では、第3サーキュレータ225が、光インタフェース4を介して未変調光信号3を受信する。
【0174】
例えば、図2Aを参照する。第1光伝送装置210において、未変調光信号3を生成する処理は、以下の通りである。
【0175】
レーザ211は未変調光信号1を生成する。第1カプラ212は、レーザ211からの未変調光信号1を受信し、未変調光信号1を分離して分離結果を得る。分離結果は、次のアイテムのうちの1つを含む。
アイテム1:未変調光信号2、未変調光信号3;又は、
アイテム2:未変調光信号3。
【0176】
分離結果については、第1カプラ212の説明を参照のこと。詳細は、ここでは再度説明しない。分離により未変調光信号2が得られると、第1光伝送装置210は、S511の説明を実行する。分離により未変調光信号3が得られると、第1カプラ212は、未変調光信号3を第4サーキュレータ215に送信し、次に未変調光信号3を第2光伝送装置220に伝送する。
【0177】
S502:第2光伝送装置220は、未変調光信号3を分離する。
【0178】
例えば、図2Aを参照する。第2カプラ224は、第3サーキュレータ225からの未変調光信号3を受信し、未変調光信号3を分離して分離結果を得る。分離結果は、次のアイテムのうちの1つを含む。
アイテム1:未変調光信号5、未変調光信号6、未変調光信号7;
アイテム2:未変調光信号5;又は、
アイテム3:未変調光信号6、未変調光信号7。
【0179】
分離結果については、図2Aの第2カプラ224の説明を参照のこと。詳細は、ここでは再度説明しない。分離により未変調光信号5が得られると、第2光伝送装置220は、S513を実行する。分離により未変調光信号6が得られると、第2光伝送装置220は、S503を実行する。分離により未変調光信号7が得られると、第2光伝送装置220は、S505を実行する。S503とS505は以下の通り説明される。
【0180】
S503:第2光伝送装置220は、未変調光信号6を変調して、第2変調光信号を得る。
【0181】
例えば、図2Aを参照する。第2伝送モジュール226は、第2カプラ224からの未変調光信号6を受信し、未変調光信号6を変調して、第2変調光信号を得る。詳細については、図2Aの第2伝送モジュール226の説明を参照のこと。詳細は、ここでは再度説明しない。
【0182】
S504:第2光伝送装置220は、第1光伝送装置210に第2変調光信号を送信する。対応して、第1光伝送装置210は、第2光伝送装置220から第2変調光信号を受信する。
【0183】
例えば、図2Aを参照する。第2伝送モジュール226は、第2変調光信号を第3サーキュレータ225に送信し、第3サーキュレータ225は、第2変調光信号を光インタフェース4に送信することにより、第2変調光信号はシングルモード光ファイバ240を介して第1光伝送装置210の第4サーキュレータ215に伝送される。対応して、第4サーキュレータ215は光インタフェース2を介して第2変調光信号を受信する。
【0184】
S505:第2光伝送装置220は、第1光伝送装置210に未変調光信号7を送信する。対応して、第1光伝送装置210は、第2光伝送装置220から未変調光信号7を受信する。
【0185】
例えば、図2Aを参照する。第2カプラ224は未変調光信号7を第2サーキュレータ221に送信し、第2サーキュレータ221は未変調光信号7を光インタフェース3に送信することにより、未変調光信号7がシングルモード光ファイバ230を介して第1光伝送装置210の第1サーキュレータ214に伝送される。対応して、第1サーキュレータ214は光インタフェース1を介して未変調光信号7を受信する。
【0186】
任意で、第1光伝送装置210については、S504及びS505を行った後、S506を行う。
【0187】
S506:第1光伝送装置210は、未変調光信号7を用いて第2変調光信号のコヒーレンス検出を行う。
【0188】
例えば、図2Aを参照する。第1受信モジュール216は、第1サーキュレータ214からの未変調光信号7を受信し、未変調光信号7を局部発振器光として用いる。第1受信モジュール216は、更に、第4サーキュレータ215からの第2変調光信号を受信し、未変調光信号7を用いて第2変調光信号にコヒーレンス検出を行って、電気信号2を得る。詳細については、図2Aの第1受信モジュール216の説明を参照のこと。そして、第1DSPモジュール217は、この電気信号2を処理して情報2を得る。詳細については、図2Aの第1DSPモジュール217の説明を参照のこと。詳細は、ここでは再度説明しない。
【0189】
光伝送方法5000において、本願の実施形態では、第2光伝送装置220は、第2変調光信号及び未変調光信号7を第1光伝送装置210に伝送する。従って、第2変調光信号と未変調光信号7の伝送路が同一又は近接する。第2変調光信号は、未変調光信号6を変調したものであり、未変調光信号6と未変調光信号7とは、第1光伝送装置210から供給される同一の光信号、すなわち未変調光信号3を分離して得られる。更に、第2変調光信号と未変調光信号の伝送路は同一又は近接する。従って、2つの信号は周波数差がなく、コヒーレント光に属する。これにより、位相ノイズが低減又は除去される。
【0190】
以上は、第2変調光信号のみを変調、伝送、復調の観点から説明した。任意で、以上は、第1変調光信号を変調、伝送、コヒーレンス検出の観点から説明した。図6を参照する。本願の実施形態におけるコヒーレント光伝送方法5000は、更に以下を含む。
【0191】
S511:第1光伝送装置210は、未変調光信号2を変調して、第1変調光信号を得る。
【0192】
例えば、図2Aを参照する。分離により未変調光信号2が得られると、第1伝送モジュール213は、第1カプラ212から未変調光信号2を受信し、未変調光信号2を変調して第1変調光信号を得る。詳細については、図2Aの第1伝送モジュール213の説明を参照のこと。詳細は、ここでは再度説明しない。
【0193】
S512:第1光伝送装置210は、第2光伝送装置220に第1変調光信号を送信する。対応して、第2光伝送装置220は、第1光伝送装置210から第1変調光信号を受信する。
【0194】
例えば、図2Aを参照する。第1伝送モジュール213は、第1変調光信号を第1サーキュレータ214に送信し、第1サーキュレータ214は、第1変調光信号を光インタフェース1に送信することにより、第1変調光信号はシングルモード光ファイバ230を介して第2光伝送装置220の第2サーキュレータ221に伝送される。対応して、第2サーキュレータ221は光インタフェース3を介して第1変調光信号を受信する。
【0195】
S513:第2光伝送装置220は、未変調光信号5を用いて第1変調光信号のコヒーレンス検出を行う。
【0196】
例えば、図2Aを参照する。第2受信モジュール222は、第2カプラ224からの未変調光信号5を受信し、未変調光信号5を局部発振器光として用いる。第2受信モジュール222は、更に、第2サーキュレータ221からの第1変調光信号を受信し、未変調光信号5を用いて第1変調光信号にコヒーレンス検出を行って、電気信号1を得る。そして、第2DSPモジュール223は、この電気信号1を処理して情報1を得る。
【0197】
幾つかの実施形態では、図7に示すように、本願の実施形態におけるコヒーレント光伝送方法5000は、更に以下を含む。
【0198】
S520:第1光伝送装置220は、未変調光信号7の偏波を制御する。
【0199】
例えば、図3Aを参照する。第1偏波制御モジュール218は、光インタフェース1を介して未変調光信号7を受信した後、未変調光信号7の偏波状態を期待偏波状態に変換する。詳細については、図3Aの第1偏波制御モジュール218の説明を参照のこと。詳細はここで再び説明されない。
【0200】
S520が実行される場合、S506をS506aに置き換えてもよい。
【0201】
S506a:第1光伝送装置210は、偏波制御が行われた未変調光信号7を用いて第2変調光信号にコヒーレンス検出を行う。
【0202】
例えば、第1受信モジュール216は、第1偏波制御モジュール218からの偏波制御が行われた未変調光信号7を第1サーキュレータ214を介して受信し、未変調光信号7を局部発振器光として用いて、第2変調光信号にコヒーレンス検出を行う。
【0203】
このように、コヒーレンス検出に用いられる局部発振器光は、偏波制御が行われた未変調光信号7である。未変調光信号7は、期待される偏波状態において高いエネルギを有するため、ランダムな偏波状態変化の影響を除去又は低減することができる。従って、コヒーレンス検出の精度を向上させることができる。
【0204】
任意で、図8に示すように、本願の実施形態におけるコヒーレント光伝送方法5000は、更に以下のステップを含む。
【0205】
S521:第1光伝送装置220は、第1変調光信号の偏波を制御する。
【0206】
例えば、図3Aを参照する。第1変調光信号を生成した後、第1伝送モジュール213は、第1サーキュレータ214を介して第1変調光信号を第1偏波制御モジュール218に送信する。第1偏波制御モジュール218は、第1変調光信号の偏波を制御して、偏波制御が行われた第1変調光信号が期待される偏波方向でより多くのエネルギを有するように、構成される。
【0207】
S521が実行される場合、S512をS512aに置き換えてもよい。
【0208】
S512a:第1光伝送装置210は、第2光伝送装置220に、偏波制御が行われた第1変調光信号を送信する。対応して、第2光伝送装置220は、第1光伝送装置210から、偏波制御が行われた第1変調光信号を受信する。
【0209】
例えば、図3Aを参照する。第1偏波制御モジュール218は、偏波制御が行われた第1変調光信号を、光インタフェース1及びシングルモード光ファイバ230を介して伝送する。対応して、第2サーキュレータ221は、偏波制御が行われた第1変調光信号を、光インタフェース3を介して受信し、偏波制御が行われた第1変調光信号を第2受信モジュール222に供給する。
【0210】
第2光伝送装置220側でも、未変調光信号3に対して偏波制御が行われると、第2受信モジュール222がコヒーレンス検出を行うために用いる局部発振器光(すなわち、未変調光信号5)と、第1変調光信号とは、同じ偏波状態となる。このように、第2受信モジュール222がコヒーレンス検出を行った後、電気信号1を取得することができる。第2DSPモジュール223は、電気信号1に基づいて情報1を取得することができ、偏波分離処理を行う必要がないため、システム消費電力が低減される。
【0211】
幾つかの実施形態では、図9に示すように、本願の実施形態における光伝送方法5000は、更に以下のステップを含む。
【0212】
S530:第2光伝送装置220は、未変調光信号3の偏波を制御する。
【0213】
例えば、図3Bを参照する。光インタフェース4を介して未変調光信号3を受信した後、第2偏波制御モジュール227は、未変調光信号3の偏波状態を期待偏波状態に変換する。詳細については、図3Bの第2偏波制御モジュール227の説明を参照のこと。詳細はここで再び説明されない。
【0214】
S530が実行される場合、S502をS502aに置き換えてもよい。
【0215】
S502a:第2光伝送装置220は、偏波制御が行われた未変調光信号3を分離する。
【0216】
未変調光信号6、未変調光信号7及び未変調光信号5は、偏波制御が行われた未変調光信号3を分離して得られるため、未変調光信号6、未変調光信号7及び未変調光信号5は、偏波制御が行われた未変調光信号3と同じ偏波状態である。
【0217】
任意で、第2光伝送装置220において、分離により未変調光信号5が得られた場合には、S513をS513aに置き換えてもよい。
【0218】
S513a:第2光伝送装置220は、偏波制御が行われた未変調光信号5を用いて第1変調光信号にコヒーレンス検出を行う。
【0219】
例えば、第2受信モジュール222は、更に、第2サーキュレータ221を介して第1光伝送装置210からの第1変調光信号を受信し、偏波制御が行われた未変調光信号5を用いて第1変調光信号にコヒーレンス検出を行う。詳細については、図3Bの第2受信モジュール222の説明を参照のこと。詳細は、ここでは再度説明しない。
【0220】
このように、コヒーレンス検出に用いられる局部発振器光は、偏波制御が行われた未変調光信号5である。未変調光信号5は、期待される偏波状態において高いエネルギを有するため、ランダムな偏波状態変化の影響を除去又は低減することができ、コヒーレンス検出の精度が向上する。
【0221】
任意で、図10に示すように、本願の実施形態における光伝送方法5000は、更に以下を含む。
【0222】
S531:第2光伝送装置220は、第2変調光信号の偏波を制御する。
【0223】
例えば、図3Bを参照する。第2変調光信号を生成した後、第2伝送モジュール226は、第3サーキュレータ225を介して第2変調光信号を第2偏波制御モジュール227に送信する。第2偏波制御モジュール227は、第2変調光信号の偏波を制御して、偏波制御が行われた第2変調光信号が期待される偏波方向でより多くのエネルギを有するようにする。
【0224】
S531が実行される場合、S504をS504aに置き換えてもよい。
【0225】
S504a:第2光伝送装置220は、第1光伝送装置210に、偏波制御が行われた第2変調光信号を送信する。対応して、第1光伝送装置210は、第2光伝送装置220から、偏波制御が行われた第2変調光信号を受信する。
【0226】
例えば、図3Bを参照する。第2偏波制御モジュール227は、偏波制御が行われた第2変調光信号を、光インタフェース4及びシングルモード光ファイバ240を介して伝送する。対応して、第4サーキュレータ215は、偏波制御が行われた第2変調光信号を光インタフェース2を介して受信し、偏波制御が行われた第2変調光信号を第1受信モジュール216に供給する。
【0227】
このように、偏波制御が行われた第2変調光信号と、偏波制御が行われた未変調光信号7とは、同じ偏波状態であってもよい。第1光伝送装置210側でも、未変調光信号7に対して偏波制御が行われると、第1受信モジュール216がコヒーレンス検出を行うために用いる局部発振器光(すなわち、未変調光信号7)と、第2変調光信号とは、同じ偏波状態となる。このように、第1受信モジュール216がコヒーレンス検出を行った後、電気信号2を取得することができる。第1DSPモジュール217は、電気信号2に基づいて情報2を取得することができ、偏波分離処理を行う必要がないため、システム消費電力が低減される。
【0228】
前述の説明は、単に本願の特定の実装であり、本願の保護範囲を限定することを意図しない。本願に開示された技術的範囲内の変更又は代替は、本願の保護範囲に含まれる。従って、本願の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従うべきである。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2024-08-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光伝送方法であって、前記方法は第1光伝送装置に適用され、前記装置は、第1サーキュレータと第1受信モジュールとを含み、前記方法は、
前記第1サーキュレータにより、第2光伝送装置から第2未変調光信号を受信するステップと、
前記第1受信モジュールにより、前記第2光伝送装置から第2変調光信号を受信し、前記第1サーキュレータから前記第2未変調光信号を受信するステップであって、前記第2変調光信号は、第1未変調光信号を変調して得られ、前記第2未変調光信号は、前記第2変調光信号に対してコヒーレンス検出を行うために用いられ、前記第1未変調光信号と前記第2未変調光信号とは、第3未変調光信号を分離して得られ、前記第3未変調光信号は、前記第1光伝送装置から前記第2光伝送装置に供給される光信号である、ステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記第1サーキュレータにより、第2光伝送装置から第2未変調光信号を受信するステップは、
前記第1サーキュレータにより、第2サーキュレータから前記第2未変調光信号を受信するステップであって、前記第1サーキュレータは、前記第2サーキュレータに更に結合され、前記第2光伝送装置は、前記第2サーキュレータを含む、ステップを含む、請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記方法は、
第1偏波制御モジュールにより、前記第2未変調光信号の偏波を制御するステップであって、前記第1光伝送装置は、前記第1偏波制御モジュールを更に含み、前記第1偏波制御モジュールは、前記第1サーキュレータに結合される、ステップ、
を更に含む請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記第2未変調光信号が、前記第2変調光信号に対してコヒーレンス検出を行うために用いられることは、偏波制御が行われた前記第2未変調光信号が、前記第2変調光信号に対してコヒーレンス検出を行うために用いられることを含む、請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記方法は、
前記第1偏波制御モジュールにより、第1変調光信号の偏波を制御するステップであって、前記第1変調光信号は、前記第1光伝送装置が前記第2光伝送装置に伝送する光信号である、ステップ、
を更に含む請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記方法は、
第1伝送モジュールによって、前記第1変調光信号を、前記第1サーキュレータを介して前記第1偏波制御モジュールに送信するステップであって、前記第1光伝送装置は、前記第1伝送モジュールを更に含み、前記第1伝送モジュールは、前記第1サーキュレータに結合される、ステップ、
を更に含む請求項に記載の方法。
【請求項7】
光伝送方法であって、前記方法は第2光伝送装置に適用され、前記装置は、第2カプラと、第2伝送モジュールと、第2サーキュレータとを含み、前記方法は、
前記第2カプラにより、第3未変調光信号を少なくとも第1未変調光信号と第2未変調光信号とに分離するステップであって、前記第3未変調光信号が第1光伝送装置から供給された光信号である、ステップと、
前記第2伝送モジュールにより、第2変調光信号を前記第1光伝送装置に送信するステップであって、前記第2変調光信号は、前記第1未変調光信号を変調して得られる、ステップと、
前記第2サーキュレータにより、前記第2カプラから前記第2未変調光信号を受信し、前記第2未変調光信号を前記第1光伝送装置に送信するステップであって、前記第2未変調光信号は前記第2変調光信号のコヒーレンス検出に用いられる、ステップと、
を含む方法。
【請求項8】
前記第2サーキュレータにより、前記第1光伝送装置に前記第2未変調光信号を送信するステップは、
前記第2サーキュレータにより、第1サーキュレータに前記第2未変調光信号を送信するステップであって、前記第2サーキュレータは、前記第1サーキュレータに更に結合され、前記第1光伝送装置は、前記第1サーキュレータを含む、ステップを含む、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記方法は、
第2偏波制御モジュールにより、前記第3未変調光信号の偏波を制御するステップであって、前記第1光伝送装置は、前記第2偏波制御モジュールを更に含み、前記第2偏波制御モジュールは、前記第2カプラに結合される、ステップ、
を更に含む請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記第2カプラにより、第3未変調光信号を少なくとも第1未変調光信号と第2未変調光信号とに分離するステップは、
前記第2カプラにより、偏波制御が行われた前記第3未変調光信号を少なくとも前記第1未変調光信号と前記第2未変調光信号とに分離するステップを含む、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記方法は、
前記第2カプラにより、偏波制御が行われた前記第3未変調光信号を第5未変調光信号に分離するステップであって、前記第5未変調光信号は、第1変調光信号のコヒーレンス検出に用いられ、前記第1変調光信号は、前記第1光伝送装置が前記第2光伝送装置に伝送する光信号である、ステップ、
を更に含む請求項に記載の方法。
【請求項12】
第1光伝送装置であって、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法を実行するモジュールを含む第1光伝送装置。
【請求項13】
第2光伝送装置であって、請求項7~11のいずれか一項に記載の方法を実行するモジュールを含む第2光伝送装置。
【請求項14】
コンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ可読記憶媒体はプログラムを格納し、前記プログラムがプロセッサにより呼び出されると、請求項1~6又は請求項7~11のいずれか一項に記載の方法が実行される、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項15】
コンピュータプログラムあって、前記コンピュータプログラムがプロセッサにより呼び出されると、請求項1~6又は請求項7~11のいずれか一項に記載の方法が実行される、コンピュータプログラム
【請求項16】
請求項12に記載の第1光伝送装置と、請求項13に記載の第2光伝送装置と、を含む通信システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
[技術分野]
本願の実施形態は、通信分野に関し、特に、光伝送方法及び装置に関する。
【国際調査報告】