(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-17
(54)【発明の名称】昇降コンベヤベルト
(51)【国際特許分類】
B65G 15/16 20060101AFI20250109BHJP
E02F 7/00 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
B65G15/16
E02F7/00 L
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024539891
(86)(22)【出願日】2022-12-29
(85)【翻訳文提出日】2024-08-19
(86)【国際出願番号】 IB2022062874
(87)【国際公開番号】W WO2023126870
(87)【国際公開日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】102021000033014
(32)【優先日】2021-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524246148
【氏名又は名称】エスティーエム インダストリアル エス.ピー.エー.
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ジルポリ,アントニオ
【テーマコード(参考)】
3F023
【Fターム(参考)】
3F023AA01
3F023AB01
3F023BA01
3F023BB06
3F023BC04
3F023CA07
3F023EA04
(57)【要約】
本発明は、支持構造体(2)と、構造体(2)に固定されており、かつ物質(M)を支持することを目的とした第1の平坦面(4)を有する第1の搬送要素(3)であって、前記第1の平坦面(4)は積荷領域(Zc)と荷降ろし領域(Zs)との間で長手延在方向(L)に沿って連続的に延在している第1の搬送要素(3)と、前記長手延在方向(L)に実質的に平行な進行方向(A)に沿った第1の搬送要素(3)の制御された移動を促進するための支持構造体(2)に固定された取り扱い手段(9)とを備える、物質Mの取り扱いを促進するのに適した昇降コンベヤベルト(1)である。取り扱い手段(9)の動作中に積荷領域Zcおよび荷降ろし領域(Zs)においてそれぞれ、物質(M)を第1の搬送要素(3)に/から積み降ろす。第1の搬送要素(3)の少なくとも一部の上に配置された第2の搬送要素(14)が存在し、前記第2の搬送要素(14)には、積荷領域(Zc)から荷降ろし領域(Zs)への搬送中に物質(M)と相互作用し、かつそれを案内するための第1の搬送要素(3)の第1の平坦面(4)の上に配置するのに適した複数の実質的に短手横桟(15)が設けられている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
・支持構造体(2)と、
・前記支持構造体(2)に固定され、かつ搬送される物質(M)を支持することを目的とした第1の平坦面(4)を有する第1の搬送要素(3)であって、前記第1の平坦面(4)は搬送される前記物質(M)のための積荷領域(Zc)と搬送された前記物質(M)のための荷降ろし領域(Zs)との間で長手延在方向(L)に沿って連続的に延在している第1の搬送要素(3)と、
・前記支持構造体(2)に固定され、かつ前記第1の平坦面(4)の前記長手延在方向(L)に実質的に平行な所定の進行方向(A)に沿った前記第1の搬送要素(3)の制御された移動を促進するのに適した取り扱い手段(9)と
を備え、
前記取り扱い手段(9)の動作中に前記積荷領域(Zc)および前記荷降ろし領域(Zs)においてそれぞれ、前記物質(M)を前記第1の搬送要素(3)に/からそれぞれ積み降ろし、
前記第1の搬送要素(3)の少なくとも一部の上に配置された第2の搬送要素(14)を備え、前記第2の搬送要素(14)には、前記積荷領域(Zc)から前記荷降ろし領域(Zs)に搬送される間に前記物質(M)と相互作用し、かつそれを案内するような方法で実質的に交差した状態で位置決めされ、かつ前記第1の搬送要素(3)の前記第1の平坦面(4)の上に配置するのに適した複数の横桟(15)が設けられている
ことを特徴とする、不均質な要素からなる物質、好ましくは物質(M)の取り扱いを促進するに適した昇降コンベヤベルト(1)。
【請求項2】
前記横桟(15)はそれぞれ、実質的に交差した状態で位置決めされた自由縁(18)を有し、前記自由縁(18)は前記第1の搬送要素(3)の前記第1の平坦面(4)の近くに配置されていることを特徴とする、請求項1に記載のベルト。
【請求項3】
前記複数の各横桟(15)の前記自由縁(18)は、その上に配置された前記物質(M)を完全に保持するために、前記第1の搬送要素(3)の前記第1の表面(4)に実質的に接触した状態であることを特徴とする、請求項2に記載のベルト。
【請求項4】
前記第1の表面(4)は搬送される前記物質(M)と相互作用するのに適した中央部(6)を有し、前記中央部(6)は所定の幅(w
1)を有することを特徴とする、前記請求項の1つ以上に記載のベルト。
【請求項5】
前記第2の搬送要素(14)の前記横桟(15)は、前記中央部(6)において前記第1の平坦面(4)と重ねるのに適していることを特徴とする、請求項4に記載のベルト。
【請求項6】
前記複数の各横桟(15)は、前記第1の表面(4)の前記中央部(6)の前記幅(w
1)に実質的に等しい幅(w
2)を有することを特徴とする、請求項4または5に記載のベルト。
【請求項7】
前記第1の搬送要素(3)は、前記横桟(15)によって画定される短手延在方向(T2)に実質的に直交する短手方向(T1)に沿って前記第1の平坦面(4)から延在する一対の実質的に平行な末端縁部(8)を有することを特徴とする、前記請求項の1つ以上に記載のベルト。
【請求項8】
前記末端縁部(8)は、前記第1の搬送要素(3)の前記第1の平坦面(4)の前記中央部(6)の範囲を定めるのに適していることを特徴とする、請求項7に記載のベルト。
【請求項9】
前記第1の搬送要素(3)の前記末端縁部(8)の高さ(h
1)は前記複数の1つ以上の横桟(15)の高さ(h
2)に実質的に等しいことを特徴とする、請求項8に記載のベルト。
【請求項10】
前記第2の搬送要素(14)は、前記第1の搬送要素(3)の前記第1の平坦面(4)の上に位置決めされた第2の平坦面(17)を有することを特徴とする、前記請求項の1つ以上に記載のベルト。
【請求項11】
前記第2の平坦面(17)は前記第1の平坦面(4)に実質的に平行であることを特徴とする、請求項10に記載のベルト。
【請求項12】
前記複数の各横桟(15)は前記表面(17)と一緒に単一の組立体を形成するような方法で、末端縁部(19)において前記第2の平坦面(17)に接合されていることを特徴とする、請求項11に記載のベルト。
【請求項13】
前記第2の平坦面(17)は前記第1の平坦面(4)の前記中央部(6)の前記幅(w
1)よりも大きい所定の幅(w
3)を有し、前記第2の表面(17)は前記第1の搬送要素(3)の前記末端縁部(8)のそれぞれを完全に覆うのに適していることを特徴とする、請求項10または11に記載のベルト。
【請求項14】
前記取り扱い手段(9)は前記第2の搬送要素(14)の制御された移動を促進するのに適していることを特徴とする、前記請求項の1つ以上に記載のベルト。
【請求項15】
前記取り扱い手段(9)は前記第1の搬送要素(3)の前記移動および前記第2の搬送要素(14)の前記移動を実質的に同じ進行速度で促進するのに適しており、前記第1(3)および前記第2の搬送要素(14)は実質的にゼロに等しい相対速度で進行方向(A)に沿って移動させるのに適していることを特徴とする、請求項14に記載のベルト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコンベヤベルトの技術分野に関し、より具体的には鉱床、従来の地下掘削またはTBMによる機械化トンネル掘削現場、採石場、船舶の積み降ろしのための港湾施設、食品産業における製造プロセス工場、廃棄物発電プラント、セメント工場、製糖所、製鋼所、バイオマス処理プラント、製油所および一般的なプロセス工業からの、大きい粒径および高速流量を有するものを含む固体および半固体物質の移動を促進するのに適した昇降コンベヤベルトに関する。
【背景技術】
【0002】
公知のように、コンベヤベルトは所定の進行方向に沿って物質の連続的かつ自動的な移動を促進するために、多くの技術分野で広く使用されている。
【0003】
市場で入手可能な大部分のコンベヤベルトには、収集地点と荷降ろし地点との間で搬送される物質を支持するのに適した平坦で連続的な表面が設けられている。
【0004】
当該ベルトは1つ以上の駆動ドラムに動作可能に接続されており、後者は、1つ以上の電動機に連結された運動の伝達のための機械装置(例えば、ベルトプーリーシステムまたは歯車を備えた装置)により回転するように設定されている。
【0005】
電動機の起動により伝達装置の選択的運動が発生し、こうして、これにより運動を当該ベルトに移動させ、それを所定の方向に沿って前進させることができる。
【0006】
昇降ベルトは特定の種類のコンベヤベルトである。
【0007】
これらの特定のベルトの典型的な用途は、地下通路、立坑、変電所および/またはトンネルの掘削中に形成される掘削物の処分、サイロ、タンクおよび貯蔵ドームの充填のための一般的な物質の移動、石炭、硫黄、クリンカー、鉱石、石油コークス、尿素などバルク物質などを搬送するために使用される船倉の積み降ろし、ならびに工業炉の充填に関連するものである。より一般に、全てのそれらの用途は垂直方向またはほぼ垂直方向にかなりの高さまでの物質の移動を必要とする。
【0008】
昇降コンベヤベルトの用途の多くの例の1つは、地下鉄、地下トンネルまたは他の地下通路の建設中に形成される土類もしくは岩石物質の処分に関する。
【0009】
この種類のベルトでは掘削物は、一般に掘削領域近くの地表面の下に位置する収集地点から、一般に外部地表面の上に位置する荷降ろし地点まで取り扱われる。
【0010】
従って掘削物の移動は実質的に垂直移動方向を辿り、この理由のためにベルトの表面は、非常に深い領域から地表面までの掘削物の上方移動を促進するために、水平に対して急傾斜している。
【0011】
これらの装置で使用される搬送面は、当該ベルトの動作中に掘削物が下方に落下または滑落するのを防止するように設計された複数の横桟を含む。
【0012】
これらの横桟は一般に、当該ベルトの平坦な外面に硬化されている。
【0013】
より具体的には、横桟は当該ベルトの進行方向に対して実質的に交差する方向に沿って延在しており、ベルトの延在部全体に沿って分散されている。
【0014】
横桟は一般に、実質的に均等であり、従って一定のピッチで互いに対して互い違いに配置されている。
【0015】
コンベヤベルトのこの特定の構成は、地下掘削の特定の技術分野における場合と同様に粘着性であり、かつ非常に緻密な物質を搬送するためにそれらを使用することを困難にさせる多くの欠点を有する。
【0016】
実際、掘削物は濡れている場合が非常に多く、その物理的特性は汚泥(水、土および岩の混合物)の特性に類似している。
【0017】
下から上への搬送中に、ベルトの表面に接触している掘削物の一部はその表面自体に粘着する高い能力を有する。言い換えると、掘削物はこの表面に「付着」し、これらの2つの要素間に実質的に「付着」作用が生じる。
【0018】
これにより、後者が荷降ろし地点に到着した際にベルト表面からそれを除去することが困難になる。
【0019】
実際、コンベヤベルトからの掘削物の分離は重力によって行われることが知られているが、泥状の掘削物が収集地点でそれ自体が落下するのを妨げることを特徴とするその高い粘着能力はそれどころか、戻り経路(すなわち、荷降ろし地点から収集地点までの経路)の間でさえそれをベルトに付着させ続ける。
【0020】
この事実はかなり不都合であり、ベルトの外面への収集された物質の蓄積の増加は後者の能力を制限し、かつベルトをクリーニングするための頻繁なメンテナンスをスケジューリングすることを操作者に強いる。
【0021】
横桟の存在により、そこに付着している物質を剥離するためにベルトの外面に作用する剥離システムまたは回転ブラシなどの連続ベルトクリーニング装置を設置することが(絶対に不可能ではないとしても)さらに困難になる。
【0022】
上記欠点により、昇降ベルトを適切にクリーニングすることが困難になり、これにより、地下掘削が行われる建設現場などで中度および高度の粘着能力を有する物質を搬送する必要がある用途において、これらのベルトの使用が制限される可能性がある。
【0023】
このようにして設計された昇降ベルトは、高所でのその搬送中に落下物からの好適な保護を提供しないというさらなる欠点も有する。
【0024】
実際、それらの本質的な中度から高度の粘着特性により、ベルトの戻り部分に「付着」したままである物質の一部は、その後に動作中に下方に落下する場合がある。この状況は、ベルトの近くにいる操作者にとって潜在的に危険であるだけでなく、収集地点とは異なる地点で当該物質を昇降ベルトの下の領域に沿って蓄積させる場合がある。
【0025】
しかしこの物質はその後に収集地点まで運搬しなければならず、結果として当該ベルトの戻り部分に沿って下方に落下する物質の処分に関連するコストの上昇ならびに掘削材の現場を完全にクリーニングするために必要な時間の増加が生じる。
【0026】
ドイツ特許第2631643号、特開平1087044号および米国特許出願公開第2008/053796号は、第1の平坦な搬送要素と第1の要素に重ねられた第2の搬送要素とを備え、かつ複数の横桟を備えたコンベヤベルトについて記載している。しかしこれらの文書に記載されているベルトはかなり硬い横桟を有しており、かつ平坦な搬送要素に対して妨害または応力を容易に引き起こす可能性がある。さらに、この構成の横桟は、当該装置によって搬送しなければならない物質の形状に対してそれらの形状を適合させるそれらの能力が限られていることを特徴とする。
【発明の概要】
【0027】
本発明は、特に革新的かつ高性能の昇降コンベヤベルトを提供することにより、上記技術的欠点を克服することを目的としている。
【0028】
より具体的には、本発明の主な目的は、従来のコンベヤベルトに典型的なレベルの清浄度を保証することができる従来のシステムを設置することを可能にするため、長期にわたって高い清浄度を維持することができる昇降コンベヤベルトを提供することにある。
【0029】
本発明のさらなる目的は、現在公知のベルトと比較して長期にわたって移動させる物質の量を増加させ、従ってコンベヤシステムの生産性を高めることを可能にするコンベヤベルトを提供することにある。
【0030】
本発明のさらなる目的は、使用中に高い柔軟度を有し、場合によりそれらの総重量に対して多量の液体を含み、かつ汚泥および汚水などの液体になりやすい物質のコンシステンシーを有する、いくつかの種類の物質を搬送および/または処分するために使用することができる昇降コンベヤベルトを提供することにある。
【0031】
本発明の別の目的は、当該ベルト自体の周りで作業している操作者の安全性を高めることができる昇降コンベヤベルトを提供することにある。
【0032】
本発明の別のさらに特に重要な目的は、製造が比較的単純であり、かつ長期にわたってより少ない回数のメンテナンス作業を必要とするような昇降コンベヤベルトを提供することにある。
【0033】
これらの目的は以下でより明らかにされる他の目的と共に、請求項1に記載の種類の昇降コンベヤベルトによって達成される。
【0034】
以下により良く説明されている他の目的は、従属請求項に記載の昇降コンベヤベルトによって達成される。
【0035】
本発明の利点および特性は、特に以下の図面を参照するいくつかの好ましいが限定的でない構成の昇降コンベヤベルトの以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】本発明に係る昇降コンベヤベルトの側面図を示す。
【
図4】横断面I-Iに沿った
図1のコンベヤベルトの断面図を示す。
【
図5】
図1に示されているベルトの部品の特定の構成の底面図を示す。
【
図6】
図1に示されているベルトのさらなる部品の概略側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明の主題は、本明細書の残りの部分において参照番号1によって示されている昇降コンベヤベルトに関する。
【0038】
より具体的には、このベルト1は、積荷領域Zcと荷降ろし領域Zsとの間で様々な種類の物質Mの取り扱いを促進するのに適し得る。
【0039】
この具体的な事例では、ベルト1は、前記物質Mが集積されたか以前に運搬された積荷領域Zcにおいて物質Mを収集するように構成されている。
【0040】
このベルト1の機能は、積荷領域Zcから前記物質Mが放出される荷降ろし領域Zsまで物質Mを搬送することである。
【0041】
このベルト1は、積荷領域Zcから、積荷領域Zcの位置に対してかなり異なる高さに位置する荷降ろし領域Zsまで物質Mを搬送するように構成されたコンベヤベルトを意味する昇降ベルトの範疇に入る。
【0042】
図に示されているベルト1の構成では、荷降ろし領域Zsは積荷領域Zcの水準に対してより高い高さHにあり、従ってベルト1の動作中に搬送される物質Mは持ち上げられる。
【0043】
具体的には、このベルト1は地下作業中に生じる物質Mの地上までの搬送を促進するために地下建設現場に設置するのに特に適している。
【0044】
例えばベルト1を使用して、トンネル、地下通路または他の同様の通路の建設中に生じる掘削物Mを地上まで搬送することができる。
【0045】
掘削物Mは、均質もしくは不均質な種類のものであってもよい。
【0046】
本明細書において「均質」という用語は、主に単一の種類の成分、例えば乾燥した土、石、小石または他の同様の物質からなる物質Mを指す。
【0047】
但し最も実用的な事例では、掘削物Mは「不均質な」種類のものであり、すなわち複数の異なる成分からなる。
【0048】
地下掘削活動中に一般に見られる不均質な物質Mは、土壌、石(または他の鉱物)、水および/または他の液体の混合物からなる。
【0049】
従ってこの場合、掘削物Mは実質的に泥状のコンシステンシーおよび高い粘度を有する。
【0050】
その高い粘度により、物質Mは表面に粘着する比較的高い能力を有する。
【0051】
ベルトの表面に粘着する物質Mは、後者の動作中に重大な欠点を引き起こす可能性がある。
【0052】
以下に記載されている本発明の主な目的は、あらゆる種類の不均質物質を搬送することができる昇降ベルト1を提供することにより、高粘性物質Mの搬送から生じる欠点を克服することにある。
【0053】
本発明の主題である昇降コンベヤベルト1は、地面Sに置くのに適し、かつベルト1の全ての部品を支持することを目的とした支持構造体2を備える。
【0054】
支持構造体2に固定された第1の搬送要素3も設けられている。
【0055】
搬送要素3は、長手延在方向Lに沿って連続的に延在する第1の平坦面4を有する。
【0056】
特に第1の平坦面4は、搬送される物質Mの積荷領域Zcと搬送された物質Mの荷降ろし領域Zsとの間に継ぎ目なく延在することができる。
【0057】
図1により良く示すように、第1の搬送要素3は、積荷領域Zcと荷降ろし領域Zsとの間に延在する実質的に閉鎖されたベルト要素からなっていてもよい。
【0058】
従ってこのようにして、第1の平坦面4は、積荷領域Zcおよび荷降ろし領域Zsにそれぞれ位置するその端部で閉鎖されたコースを形成する。
【0059】
従って第1の搬送要素3の第1の平坦面4は、
図1および
図3にP1、P2によって示されている2つの実質的に平行なコース上に延在している。
【0060】
上側コースP1は、積荷領域Zcから荷降ろし領域Zsまで延在する物質Mを支持するのに適した第1の平坦面4の経路を画定する。
【0061】
下側コースP2は、荷降ろし領域Zsから積荷領域Zcまで第1の表面4の戻り経路を画定し、この部分に沿って第1の表面4は搬送される物質Mと相互作用しない。
【0062】
第1の搬送要素3は、積荷領域Zcおよび荷降ろし領域Zsの近くに位置する実質的に水平の(または僅かに傾斜した)部分5’、5’’ならびに2つの水平な部分5’、5’’を互いに接続するのに適した実質的に垂直な部分5’’’を有することができる。
【0063】
この構成は
図1において明確に視認可能であり、ここでは積荷領域Zcを荷降ろし領域Zsから分離する高さHの差に気づくことができる。
【0064】
図1において視認可能なベルト1の側面図から、各部分5’、5’’、5’’’が垂直方向に対して(または第1の部分5’が位置する地面の最下点に対して)異なる水準(高さ)にあるため、第1の搬送要素3の「分割された」形状に気づくことができる。
【0065】
但し、
図2において視認可能なベルト1の上面図から、延在部Lの単一の長手方向に沿った第1の搬送要素3の連続的な延在に気づくことができる。
【0066】
ベルト1の異なる部分5’、5’’、5’’’は異なる高さに位置しているが、その上面図により、全てのこれらの部分のために単一の長手延在方向Lを定めることが可能になり、ここでは第1の搬送要素3は、積荷領域Zcと荷降ろし領域Zsとの間に前記方向に沿って延在している。
【0067】
ベルト部分5’、5’’、5’’’は実質的に垂直な中心線平面(図示せず)に対して異なる高さに位置決めされており、長手延在方向Lは要素5の全ての部分について実質的に同じであり、かつ各部分5’、5’’、5’’’の高さとは無関係に、それは実質的に水平の平面(図示せず)に位置することができると述べることで、この構成を要約することができる。
【0068】
好都合なことに、昇降ベルト1の断面図を示す
図4により良く示すように、第1の搬送要素3の第1の表面4は、搬送される物質Mと接触する(または相互作用する)のに適した中央部6を有することができる。
【0069】
言い換えると、第1の搬送要素3の第1の表面4の構成および延在は、第1の搬送要素3の側部末端領域7を実質的に自由にしたまま、ベルト5の上に積まれた物質を中央部6に自然に分散させる(または集積させる)ことができるような方法で選択する。
【0070】
さらに、第1の搬送要素3には第1の平坦面4から上方に延在する一対の実質的に平行な末端縁部8を設けることができる。
【0071】
これらの縁部8は、第1の平坦面4に実質的に直交するそれぞれの短手延在方向Tに沿って延在していてもよく、かつ同じ所定の高さh1を有していてもよい。
【0072】
末端縁部8は、第1の搬送要素3の第1の平坦面4の中央部6の範囲を定めるような方法で位置決めすることができる。
【0073】
末端縁部8の存在により、物質自体が第1の平坦面4の端部7から抜け出るのを防止するために、取り扱い手段9の動作中に物質を中央部6内に保持する(または含める)ことがより容易になる。
【0074】
好都合なことに、
図4においてより良好に視認可能なように、第1の表面4の中央部6は所定の幅w
1を有していてもよい。
【0075】
例えば中央部6の幅w1は500mm~1000mmに含めることができるが、本発明の主題であるベルトは、特に異なるサイズを有する広範囲の構成を有し、かつ搬送される物質の流量および粒径が非常に大きい場合であってもこれらに適合させるのに適した型のベルトを提供することを可能にするため、その寸法は必ずしも上記範囲内である必要はない。
【0076】
支持構造体2に固定された取り扱い手段9も設けられている。
【0077】
前記取り扱い手段9は、図において矢印によって示されている所定の進行方向Aに沿った第1の搬送要素3の制御された移動を促進するのに適している。
【0078】
特に取り扱い手段9は、第1の平坦面4の長手延在方向Lに実質的に平行な進行方向Aに沿った第1の搬送要素3の移動を促進するように構成されている。
【0079】
取り扱い手段9には、第1の搬送要素3の平坦面4に動作可能に連結された伝達部材(図示せず)に接続された複数の電動機を設けることができる。
【0080】
例えば伝達部材は、第1の搬送要素3の第1の表面4と相互作用する複数のモーター駆動ローラーからなっていてもよい。
【0081】
前記ローラーの制御された回転により、積荷領域Zcから荷降ろし領域Zsまでの上側コースP1を構成する第1の表面4の一部の方向Aに沿った進行を促進することが可能になる。
【0082】
前記ローラーの回転により、荷降ろし領域Zsを積荷領域Zcに接続する進行方向Aとは反対の方向に沿った下側コースP2を構成する表面4の一部の戻りを促進することも可能になる。
【0083】
好都合なことに当該ローラーは、例えば、歯車に作用する減速歯車とチェーン、プーリーと駆動ベルト、歯車を有する運動学的機構と他の同様の要素などの異なる運動伝達部材で置き換えることができる。
【0084】
本発明の特有の態様によれば、ベルト1は、前記第1の搬送要素3の少なくとも一部の上に位置決めすることを目的とした第2の搬送要素14を備える。以下の記載では、第2の搬送要素14に関連する「~の上に位置する」という表現は、第1および第2の搬送要素が互いに相互作用するように構成されているため、「~と結合されている」と同じ意味を有するものと解釈しなければならない。
【0085】
特に、第2の搬送要素14は長手方向Lに沿って延在しており、第1の搬送要素3の第1の平坦面4の一部と結合されるように構成されている。
【0086】
図1においてより良好に視認可能なように、第2の搬送要素14は、少なくとも第1の搬送要素3の垂直部分5’’’と結合されるように構成することができる。
【0087】
第1の搬送要素3の水平部分5’、5’’は代わりに、第2の搬送要素14に対して自由であってもよく(第2の搬送要素14は前記部分の上に延在しておらず)、これは、後者がこれらの部分と相互作用しないようにするために、第1の搬送要素3に対して限られた延在を有し得ることを意味する。
【0088】
実際、図示されていない本発明の構成では、第2の搬送要素14の延在は、上側コースP1を画定するのに適した第1の表面4の一部、すなわち積荷領域Zcから荷降ろし領域Zsまで方向Aに沿った物質の進行を促進することを目的とした第1の表面4の一部のみと結合させることができるように選択することができる。
【0089】
好都合なことに、第2の搬送要素14には、第1の搬送要素3の第1の平坦面4の上側と結合させることを目的とした複数の横桟15が設けられている。
【0090】
本明細書において「横桟」という用語は、短手方向T2に沿って延在する実質的に平坦であり、かつ真っ直ぐな要素を示し、特にこの要素は、第1の搬送要素3の平坦面4に実質的に直交している。
【0091】
好都合なことに横桟15は、場合により第1の搬送要素3の第1の表面4に形成された一対の末端縁部8の延在方向T1にも直交していてもよい。このようにして、横桟15は実質的に第1の搬送要素3の第1の表面4にも直交している。
【0092】
異なる構成のベルト(図示せず)では、直角とは異なる所定の取付角(例えば70°~105°の取付角)を形成するような方法で、横桟15を第1の表面4と結合させることができる。
【0093】
図に示されており、特に
図1の断面図において視認可能な実施形態では、第2の搬送要素14は、2つの端部22、23間に延在する実質的に閉鎖されたベルトの形状の対応する要素からなっていてもよい。
【0094】
より具体的には、第2の搬送要素14は、そこから横桟15が延在している実質的に閉ループの形状のコースを画定するのに適した第2の平坦面17を有することができる。
【0095】
第2の搬送要素14の第2の平坦面17は、第1の搬送要素3の第1の平坦面4の上に位置決めすることができる。
【0096】
横桟15は、第2の表面17の閉鎖された延在部全体に沿って均等および不均等の両方で分散させることができる。
【0097】
より具体的には、図に示されているベルトの構成では、横桟15は第2の表面17の延在部に沿って実質的に一定のピッチpで離間させることができる。
【0098】
あるいは、横桟15のピッチpは第2の表面17の延在部に沿って変えることができる。
【0099】
第2の表面17は、どちらも第1の搬送要素3の上に位置する2つの実質的に平行なコースP3、P4に沿って移動することができる。
【0100】
コースP4は第1の搬送要素3からより短い距離にあるコースである。従って、2つの搬送要素3、14間の結合は前記コースP4上でのみ生じることができる。
【0101】
コースP3は第1の搬送要素3からより大きい距離にあるコースである。従って前記コースP3上では2つの搬送要素3、14間で結合は生じない。
【0102】
本明細書の残りの部分では、コースP4を「下側コース」と呼び、コースP3を「上側コース」と呼ぶ。
【0103】
上記に加えてコースP4では、第2の表面17および横桟15は進行方向Aに沿って移動し、コースP3では第2の表面17および横桟15は進行方向Aに対して反対の方向に沿って移動する。
【0104】
好都合なことに、取り扱い手段9は、第1の搬送要素3だけでなく第2の搬送要素14の制御された移動を促進するように構成することができる。
【0105】
この場合も、電動機を第2の搬送要素14に動作可能に接続するのに適した好適な運動伝達部材を設けることができる。このようにして、取り扱い手段9は同時かつ同期された運動を各搬送要素3、14に伝達するのに適している。従ってこれらの搬送要素3、14は互いに独立して移動することができるように、どちらもモーター駆動式である。
【0106】
また取り扱い手段9は、実質的に同じ進行速度での第1の搬送要素3および第2の搬送要素14の(それらのそれぞれのコースP1およびP4に沿った)移動を促進するのに適し得る。
【0107】
言い換えると、第1の搬送要素3および第2の搬送要素14は実質的にゼロに等しい相対速度で同時に進行方向Aに沿って移動する。
【0108】
横桟15は、垂直部分5’’’に沿った第1の要素3の進行中にそれが落下するのを防止するような方法で第1の搬送要素3の中央部6上に配置された物質Mと相互作用するための機能を有する。
【0109】
このようにして、横桟15は「仕切り要素」として機能し、すなわちそれにより第1の表面4に配置された物質Mを、積荷領域Zcから荷降ろし領域Zsに向かったその漸進的上方移動中にその上に置くことができる。
【0110】
さらに横桟15の存在により、物質Mが垂直部分5’’’に沿った進行中に下方に落下または回転するのを防止する。
【0111】
好都合なことに、各横桟15は第1の表面4に実質的に交差し、かつ平行に位置する自由縁18を有することができる。
【0112】
結合状態で、自由縁18は第1の搬送要素3の第1の平坦面4の近くに位置決めすることができる。
【0113】
特に横桟15の自由縁18は、第1の搬送要素3の表面4に実質的に接触した状態にすることができる。
【0114】
横桟15の自由縁18は、所定の圧力をそこに印加するような方法で第1の表面4と相互作用することができる。
【0115】
前記圧力により、横桟15の機械的剛性を一時的に増加させ、その弾性を(部分的に)低下させることが可能になる。この状態により、荷降ろし領域Zsに向かうその上方移動中に物質Mに対して作用する重量の力に、より良好に対抗することが可能になる。
【0116】
図に示されている本発明の構成によれば、横桟15は、後者の中央部6において第1の平坦面4と結合されるように構成されている。
【0117】
この理由のために、各横桟15の全幅w2は、第1の表面4の中央部6の幅w1に一致する(すなわち、それと実質的に同じである)ように選択することができる。
【0118】
第1の表面4に言及する上記例に関して、各横桟15の全幅w2は500mm~1000mmに含めることができる。
【0119】
第2の搬送要素14に第2の表面17が設けられている事例では、横桟15は、自由縁に対向し、かつ前記表面17と単一の組立体を形成するように後者と一体化された縁部19を有することができる。
【0120】
各横桟15は、それぞれが自由縁18に対向するそれぞれの縁部19を介して第2の表面17に接合された、横並びに配置された2つ以上のセグメント20からなっていてもよい。
【0121】
各セグメント20は、自由縁18から対向する縁部19(第2の表面17に接合されている)の近くの地点まで延在する短手切断部25によって次のものから分離することができる。
【0122】
このようにして、各セグメント20はそれに隣接するセグメント20とは独立して第2の表面17に接合された縁部19の周りで僅かに自由に回転する(変形する)。
【0123】
横桟15のセグメント20への分割により、搬送される物質Mが第1の表面4に配置された後に取り得る形状へのより良好な適合を得ることが可能になる。このようにして、物質Mをそれが垂直部分5’’’を通過する際に安全に、かつしっかりと支持することが可能になる。
【0124】
図4に示されているベルト1の実施形態では、横桟15は実質的に短手方向に沿って(すなわち、それに沿って第2の搬送要素14が延在する長手軸に垂直に)延在しており、横並びに(前記短手方向に沿って)位置決めされているが切断部25によって互いから分離されている一対のセグメント20を備える。
【0125】
ベルト1の他の構成によれば、横桟15は、そこに沿って第2の搬送要素14が延在する長手延在軸Lに対して傾斜した延在方向J、Kに沿って配置された一対のセグメント20を備えることができる。
【0126】
より具体的には、セグメント20の延在方向Jは第1の所定の傾斜角度αで方向Lに対して傾斜させることができ、他のセグメント20の延在方向Kは第2の所定の傾斜角度βで傾斜させることができる。
【0127】
方向J、Kの向きは、
図5において視認可能なように第2の搬送要素14の表面17の内側に向かって集束するような方法で選択される。より具体的には、これらのセグメント20は実質的にV字形状の横桟15を画定しており、進行方向Aに沿った物質Mの収集および搬送を可能にするような方法で方向づけられている(
図5により良好に示されている)。
【0128】
第1の傾斜角度αおよび第2の傾斜角度βは同じであっても異なってもよく、典型的には前記角度α、βの値は15°~60°に含めることができる。
【0129】
傾斜したセグメント20は互いに接触しておらず、それどころか
図5の参照番号26によって示されているスリットによって離間されている。
【0130】
これらのセグメントはスリット26の形成を可能にするような方法で配置されている。特に、それらのうちの1つの最終縁部(例えば、左に配置された横桟の最終縁部27)が他のセグメント20(例えば、右に配置されたものの外面28)に面し、かつそれに重なるような方法でセグメントを位置決めすることにより、前記スリット26は得られる。
【0131】
明らかに、セグメント20の配置は上に記載されているものに相補的であってもよく、これは、右に配置されたセグメント20の最終縁部27が左に配置された他のセグメント20の外面28に面し、かつ最終縁部27を外面28から離間させることができることを意味する。
【0132】
この重なっている状態は、セグメント20間の接触を定めず、それどころかセグメント20の最終縁部27は他のセグメント20の外面28から離間されたままであり、従ってスリット26を作り出す。
【0133】
従って、セグメント20の最終縁部27と他のセグメント20の外面28との距離を変えることにより、スリット26の幅uも変えることができる。
【0134】
また、横桟15を画定しているセグメント20の長さf1およびf2は互いに同じであっても異なってもよい。
【0135】
傾斜方向J、Kに沿ったセグメントの配置およびスリット26の存在により、当該ベルトを動作状態に設定した場合に物質Mの液体部分(例えば水)を下方に、すなわち積荷領域Zcに向かって運搬することが可能になる。
【0136】
但し、頂点にスリット26を有する実質的にV字形状の横桟15は、下方に運搬されている間にそれを減速させるために、液体部分のための強制的な経路を画定する。
【0137】
実際、液体部分は同部分に得られたスリット26を通して横桟15から流れ出し、次いで液体は、前記横桟15によって定められる「V」の向きにより、最も幅広の部分が液体に面するように配置する(実際に、落下する液体を収集する漏斗のように挙動する)という事実のおかげで、真下に位置する横桟15によって収集される。この場合にも、液体はスリット26から流れ出し、次いで地面/さらに下側の場所よりも深く位置決めされた横桟によって収集され、従ってちょうど上に記載した運搬スキームを繰り返す。
【0138】
液体を下方に運搬するためのこの特定の方法のおかげで、搬送要素3、14からのその分離または離脱を促進するために液体自体が同物質Mの固体の部分にそのような駆動力を加えるのを防止するために、物質Mに関連する液体部分の速度および流量は制限されたままである。
【0139】
好都合なことに、各横桟の高さh2は、第1の搬送要素3の第1の表面4から延在する末端縁部8の高さh1と等しくなる(または実質的に近くなる)ように選択することができる。このようにして、搬送要素3、14を相互に結合させた場合に、横桟の自由縁18は第1の平坦面4に実質的に接触している(またはそこから減少した距離だけ離間されている)状態になる。
【0140】
さらに第2の表面17の全幅w3は、第1の表面4の中央部6の幅w1よりも大きくなるように選択することができる。
【0141】
従って、このようにして第2の表面17は、第1の搬送要素3の第1の表面4から延在する末端縁部8を完全に覆うように構成されている。特に、第2の搬送要素14に関連する第2の表面17は縁部8の自由端と接触する。この構成では第2の表面は、一対の末端縁部8間に延在する第1の搬送要素3の中央部6を全体的に覆っている。
【0142】
第1の搬送要素3および第2の搬送要素14は、全体的または部分的に可撓性の物質、例えばゴムまたはポリマー物質などで作製することができる。
【0143】
上記に加えて、2つの要素3、14が結合されている部分における取り扱い手段9の起動中に、複数の区画21が形成され、それらのそれぞれの範囲は、2つの隣接する横桟15によって長手方向に、かつ第1の搬送要素3の末端縁部8によって短手方向に定められる。
【0144】
さらに各区画21はまた、第2の搬送要素14の第2の表面17によって上部において閉鎖されている。
【0145】
より具体的には、これらの区画は下側コースP4における横桟15の通過中に形成される。
【0146】
一時的な区画21の形成により、物質Mが垂直部分5’’’を通過する際に搬送される際にそれをより良好に保持することが可能になる。
【0147】
第1の搬送要素3および第2の搬送要素14の構築のための可撓性材料の使用は、異なる形状を有する搬送される物質Mの破片を含むことができる可変容積を有する区画21を得るという利点を有する。
【0148】
特に、第1の搬送要素3および/または第2の搬送要素14を作製するための材料の相対的コンプライアンスおよび可撓性により、前記物質Mの高さが第1の搬送要素3の末端縁部8の高さh1を超えている場合であっても、後者が区画21内に配置された物質Mの形状を少なくとも部分的に取ることが可能になる。
【0149】
このようにして、第1の搬送要素3および第2の搬送要素14は、比較的大きい寸法を有し、かつ高さh1を超える物質Mを含む可変容積を有する区画21を画定し、区画21に「膨隆部」を作り出すことができる。
【0150】
但し、第2の搬送要素14に関連する横桟15も大きいサイズの物質Mのために支持部を画定し、従って、方向Aに沿った搬送要素3、14の進行中にそれが長手方向Lに沿って後方に落下または移動するのを防止する。
【0151】
図6により詳細に概略的に示すように、ベルト1は、第2の搬送要素14に作用し、かつ第2の表面17と第1の搬送要素3の縁部8の端部との相互接近(または接触)を促進するのに適した押圧手段28を備える。
【0152】
押圧手段28は、第2の搬送要素14の延在方向Lを実質的に横断し、かつそれに直交する回転軸Eの周りを遊転するローラー29を備える。
【0153】
但し前記ローラー29は、搬送されている物質Mが比較的大きい場合に作り出すことができる「膨隆部」(すなわち、可変容積を有する区画21)に適合するような方法で振動する。
【0154】
ローラー29の振動を可能にするために、直線ロッド30が設けられており、これはその回転軸Eにおいてローラー29に接続された一端31と、支持構造体2の点Sにヒンジで取り付けられた対向端32とを有する。
【0155】
従って当該ロッドは、第2の搬送要素14の表面17上の膨隆部がその下を通る場合にローラー29が軌道Yに沿って上方/下方に移動することを可能にするために、ヒンジ点Sの周りを回転することができる。
【0156】
ローラー29の下降を促進するために、所定の値を有し、かつロッドに固定された質量32を使用する。質量32は、後者により、第2の搬送要素14に押圧作用を加えてそれを第1の搬送要素3に近づけるために、ローラー29の下方への戻り運動を促進するカウンターウエイトとして機能する。
【0157】
ローラー29の下方への戻りは、例えばバネ、リニアアクチュエーター、カムなどのカウンターウエイトと実質的に同等の戻り要素を使用することによっても達成することができる。
【0158】
本発明の異なる構成では、第2の搬送要素14の第2の表面17は横桟15を支持するという機能を有する他の同様の要素で置き換えることができる。
【0159】
例として、第2の表面17は網および/または複数の長手および/または短手ストリップなどで置き換えることができる。
【0160】
この場合、区画21は上部において実質的に緊密(またはほぼ緊密)に閉鎖されていない場合がある(それがメッシュ構造を有するため)が、第2の表面17を置き換える部品を、物質Mが抜け出るのを防止するような方法で選択された所定の寸法を有する開口部を画定するためなどの要素により画定することができる。
【0161】
実際、厚いメッシュを有する網を選択したり、比較的高密度なパターンを得るために長手および/または短手ストリップを離間させたりすることができる。
【0162】
従ってこの場合にも、部分5’’’に沿って搬送される物質Mをそれが落下するのを防止しながら取り扱うことができることを保証することができる。
【0163】
好都合なことに、本発明の主題であるコンベヤベルトは、荷降ろし領域Zsでの荷降ろし後であってもそれに粘着しているあらゆる残留する物質Mを除去するために、第1の搬送要素3の平坦面4と相互作用することを目的としたスクレーパ要素(図示せず)を備えることができる。
【0164】
特にスクレーパ要素は、第1の搬送要素3の水平部分5’’に設置することができる。実際、この部分では平坦面4は自由であり、第2の搬送要素14と相互作用しないため、外部からアクセスすることができる。
【0165】
従って、この部品と第2の搬送要素14とのどんな相互作用も生じさせることなく、平坦面4の全範囲と相互作用するのに適したスクレーパ要素を設置することができる。
【0166】
この構成および第1の搬送要素3から延在する突起部が存在しないという事実のおかげで、第1の搬送要素3の表面4の高度な清浄度を保証しながらスクレーパ要素を比較的容易に設置することができる。
【0167】
本発明は他の変形形態で実施することができ、全てが特許請求の範囲および本明細書に記載されている本発明の特徴の範囲に含まれる。前記技術的特徴は、異なる技術的に等価の要素および物質で置き換えることができる。本発明の形状および寸法はその使用に適合可能な限り、どんなものであってもよい。
【0168】
特許請求の範囲および本明細書に含められている参照番号および符号は、理解のために本文をより明確にすることのみを目的としており、それらによって特定される目的またはプロセスの技術的解釈を限定する要素とみなしてはならない。
【国際調査報告】