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▶ シュラピック, ケビン, ディー.の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-17
(54)【発明の名称】二重幾何ヒンジ接続磁気パズル
(51)【国際特許分類】
   A63F 9/12 20060101AFI20250109BHJP
   A63H 33/10 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
A63F9/12 B
A63H33/10 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024541011
(86)(22)【出願日】2023-01-10
(85)【翻訳文提出日】2024-08-29
(86)【国際出願番号】 US2023060406
(87)【国際公開番号】W WO2023137277
(87)【国際公開日】2023-07-20
(31)【優先権主張番号】63/298,718
(32)【優先日】2022-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524208065
【氏名又は名称】シュラピック, ケビン, ディー.
(74)【代理人】
【識別番号】100128347
【弁理士】
【氏名又は名称】西内 盛二
(72)【発明者】
【氏名】シュラピック, ケビン, ディー.
(72)【発明者】
【氏名】ション ユー
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150BA23
2C150CA26
2C150DC03
(57)【要約】
【課題】本発明は、二重幾何パズルを提供する。
【解決手段】二重幾何パズルは、ヒンジを介して互いに接続された多面体からなる連続ループを備える。前記多面体は、第1幾何形状を有する第1種多面体と、異なる第2幾何形状を有する第2種多面体とを含む。前記多面体のそれぞれは、その少なくとも1つの面に近接して設けられる少なくとも1つのマグネットを含む。前記パズルは、第1反転構成と第2反転構成との間に構成可能であり。前記第1反転構成と前記第2反転構成とは、合同な平行六面体であり、例えば、それを貫通する孔を有する。前記第1反転構成の全ての最外表面と前記第2反転構成の全ての最外表面とは、互いに排他的である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二重幾何パズルであって、
ヒンジを介して互いに接続された多面体からなる連続ループを備え、
第1の複数の多面体は、第1幾何形状を有する第1種多面体であり、第2の複数の多面体は、異なる第2幾何形状を有する第2種多面体であり、前記多面体のそれぞれは、その少なくとも1つの面に近接して設けられる少なくとも1つのマグネットを含む、二重幾何パズル。
【請求項2】
前記多面体は、12個あり、前記12個の多面体のうちの4つは、前記第1種多面体であり、前記12個の多面体のうちの8つは、前記第2種多面体である、請求項1に記載の二重幾何パズル。
【請求項3】
前記12個の多面体は、1つの前記第1種多面体、1つの前記第2種多面体、2番目の前記第1種多面体という繰り返し順番で前記ヒンジを介して接続されることにより、前記連続ループをなす、請求項2に記載の二重幾何パズル。
【請求項4】
前記第1種多面体のそれぞれは、4つの直角三角形面を含む、請求項2に記載の二重幾何パズル。
【請求項5】
前記第1種多面体及び第2種多面体のそれぞれは、1単位、2単位の平方根である√(2)単位、2単位又は3単位の平方根である√(3)単位の辺長を有する、請求項2に記載の二重幾何パズル。
【請求項6】
前記多面体からなる連続ループは、第1反転構成と第2反転構成との間に構成可能であり、前記第1反転構成及び前記第2反転構成は、それを貫通する孔を有する合同な平行六面体である、請求項2に記載の二重幾何パズル。
【請求項7】
前記第1反転構成の全ての最外表面と前記第2構成の全ての最外表面とは、互いに排他的である、請求項6に記載の二重幾何パズル。
【請求項8】
各第1種多面体の第1面と各第2種多面体の第1面及び第2面とは、合同である、請求項2に記載の二重幾何パズル。
【請求項9】
各第1種多面体の第4面と各第2種多面体の第3面及び第4面とは、合同である、請求項8に記載の二重幾何パズル。
【請求項10】
前記12個の多面体のそれぞれは、その各面に近接して設けられる少なくとも1つのマグネットを含む、請求項1に記載の二重幾何パズル。
【請求項11】
各多面体の前記少なくとも1つのマグネットは、前記連続ループの各隣接する多面体の前記少なくとも1つのマグネットとは逆の極性を有する、請求項10に記載の二重幾何パズル。
【請求項12】
前記第1種多面体のそれぞれは、6つの辺を有する四面体であり、前記6つの辺は、1単位の辺長を有する2つの辺と、2単位の平方根である√(2)単位の辺長を有する2つの辺と、2単位の辺長を有する1つの辺と、3単位の平方根である√(3)単位の辺長を有する1つの辺とを含む、請求項1に記載の二重幾何パズル。
【請求項13】
前記第2種多面体のそれぞれは、6つの辺を有する四面体であり、前記6つの辺は、1単位の辺長を有する2つの辺と、2単位の平方根である√(2)単位の辺長を有する1つの辺と、2単位の辺長を有する1つの辺と、3単位の平方根である√(3)単位の辺長を有する2つの辺とを含む、請求項12に記載の二重幾何パズル。
【請求項14】
二重幾何パズルであって、
ヒンジを介して互いに接続された多面体からなる連続ループを備え、
第1の複数の多面体は、第1幾何形状を有する第1種多面体であり、第2の複数の多面体は、第2幾何形状を有する第2種多面体であり、前記第1幾何形状は、前記第2幾何形状と異なり、前記多面体のそれぞれは、その少なくとも1つの面に近接して設けられる少なくとも1つのマグネットを含み、
前記多面体からなる連続ループは、第1反転構成と第2反転構成との間に構成可能であり、前記第1反転構成と前記第2反転構成は、それを貫通する孔を有する合同な平行六面体であり、前記第1反転構成の全ての最外表面と前記第2構成の全ての最外表面とは、互いに排他的である、二重幾何パズル。
【請求項15】
前記多面体は、12個あり、前記12個の多面体のうちの4つは、前記第1種多面体であり、前記12個の多面体のうちの8つは、前記第2種多面体である、何れかの請求項に記載の二重幾何パズル。
【請求項16】
前記12個の多面体は、1つの前記第1種多面体、1つの前記第2種多面体、2番目の前記第1種多面体という繰り返し順番で前記ヒンジを介して接続されることにより、前記連続ループをなす、何れかの請求項に記載の二重幾何パズル。
【請求項17】
前記第1種多面体及び第2種多面体のそれぞれは、四面体である、何れかの請求項に記載の二重幾何パズル。
【請求項18】
前記第1種多面体のそれぞれは、4つの直角三角形面を含む、何れかの請求項に記載の二重幾何パズル。
【請求項19】
前記第1種多面体及び第2種多面体のそれぞれは、1単位、√(2)単位、2単位又は√(3)単位の辺長を有する、何れかの請求項に記載の二重幾何パズル。
【請求項20】
各第1種多面体の第1面と各第2種多面体の第1面及び第2面とは、合同である、何れかの請求項に記載の二重幾何パズル。
【請求項21】
各第1種多面体の第4面と各第2種多面体の第3面及び第4面とは、合同である、何れかの請求項に記載の二重幾何パズル。
【請求項22】
前記12個の多面体のそれぞれは、その各面に近接して設けられる少なくとも1つのマグネットを含む、何れかの請求項に記載の二重幾何パズル。
【請求項23】
各多面体の前記少なくとも1つのマグネットは、前記連続ループの各隣接する多面体の前記少なくとも1つのマグネットとは逆の極性を有する、何れかの請求項に記載の二重幾何パズル。
【請求項24】
前記ヒンジは、隣接する多面体の間に設けられるブリッジストリップを含む、何れかの請求項に記載の二重幾何パズル。
【請求項25】
前記第1種多面体のそれぞれは、6つの辺を有する四面体であり、前記6つの辺は、1単位の辺長を有する2つの辺と、√(2)単位の辺長を有する2つの辺と、2単位の辺長を有する1つの辺と、√(3)単位の辺長を有する1つの辺とを含む、何れかの請求項に記載の二重幾何パズル。
【請求項26】
前記第2種多面体のそれぞれは、6つの辺を有する四面体であり、前記6つの辺は、1単位の辺長を有する2つの辺と、√(2)単位の辺長を有する1つの辺と、2単位の辺長を有する1つの辺と、√(3)単位の辺長を有する2つの辺とを含む、何れかの請求項に記載の二重幾何パズル。
【請求項27】
前記多面体からなる連続ループは、第1反転構成と第2反転構成との間に構成可能であり、前記第1反転構成及び前記第2反転構成は、それを貫通する孔を有する合同な平行六面体である、何れかの請求項に記載の二重幾何パズル。
【請求項28】
前記第1反転構成の全ての最外表面と前記第2反転構成の全ての最外表面とは、互いに排他的である、何れかの請求項に記載の二重幾何パズル。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
(関連出願)
本願は、2022年1月12日に出願された米国仮特許出願第63/298,718号の優先権及びその利益を主張する。この米国仮特許出願の全ての内容は、参照として本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明は、玩具及びパズル(puzzle)分野に関する。
【背景技術】
【0003】
パズルは、ゲーム、玩具、教育支援ツール、治療機器等として世代を超えた魅力を持っている。このようなパズルは、例えば、Asanoの第GB2,107,200号英国特許出願及びSchaedelの第6,264,199B1号米国特許に示されるように、異なる幾何構成として構成され得る。従来技術で教示されているように、任意の特定の多面体パズルの属性は、その特定のパズルの幾何形状及びヒンジ接続形態に大きく依存する。例えば、Schaedelで教示されている折り畳みパズルは、約70.53°、54.74°及び54.74°の角度を持つ4つの三角形面によって形成される24つの同じ二等辺四面体本体からなる。四面体は、その基部(最も長い)辺で互いに接合され、「多くの異なる方法」で菱形十二面体に操作することができる。しかし、Schaedelは、菱形十二面体の幾何形状を実現するために多くの異なる方法で行うことができる他のいかなるものも教示していない。実際には、当業者であれば理解できるように、このようなパズルには、多面体の面と辺の数、多面体の内角と辺の長さ、多面体の数、すべての多面体が同じか否か、多面体がどのように配列されているか、多面体間のヒンジの位置及び他の変数を含む変数の無限の異なる組み合わせが存在する。また、変数のこのような無限に見える組み合わせと、互いに関連する変数の変化による予測不可能な結果とにより、1つの変数のわずかな変化でも、通常はパズル自体の機能及び魅力に有害な方式でパズル全体の属性を変更する可能性がある。
【0004】
したがって、異なる幾何形状及びエキサイティングな新属性を持つ新たなパズルは、必要となっている。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、連続ループをなすようにヒンジ接続された複数の中実多面体本体を有するパズルを提供する。異なる移動順番を実行することにより、パズルを視覚と触覚の面白い多くの異なる構成に操作することができる。例えば、多面体は、連続ループのループ軸線の周りに操作されるように構成され(即ち、パズルを内側から外側に反転させる)、及び/又は隣接する多面体を連結するヒンジ(例えば、ブリッジストリップ)の周りに切り換えられる。多面体の特定の幾何形状とヒンジによって規定される特定のヒンジ接続関係とにより、パズルが多くの異なる幾何構成に操作され、且つ2つの異なる方法で反転(invert)されることができる(内から外へ反転)。また、相補極性を有する複数のマグネットが全パズルに構成されている。有利には、マグネットは、パズルを多くの構成に安定化させる。
【0006】
一態様において、本発明は、二重幾何(dual geometry)パズルを提供する。前記二重幾何パズルは、ヒンジ接続装置(例えば、ヒンジ)によってヒンジ接続された多面体からなる連続ループを備え、第1の複数の多面体は、第1幾何形状を有する第1種多面体であり、第2の複数の多面体は、異なる第2幾何形状を有する第2種多面体であり、前記多面体のそれぞれは、その少なくとも1つの面に近接して設けられる少なくとも1つのマグネットを含む。
【0007】
別の態様において、本発明は、二重幾何パズルを提供する。前記二重幾何パズルは、ヒンジを介して互いに接続された多面体からなる連続ループを備え、第1の複数の多面体は、第1幾何形状を有する第1種多面体であり、第2の複数の多面体は、異なる第2幾何形状を有する第2種多面体であり、前記多面体のそれぞれは、その少なくとも1つの面に近接して設けられる少なくとも1つのマグネットを含む。前記多面体からなる連続ループは、第1反転構成と第2反転構成との間に構成可能であり、前記第1反転構成と前記第2反転構成は、それを貫通する孔を有する合同な平行六面体である。前記第1反転構成の全ての最外表面と前記第2構成の全ての最外表面とは、互いに排他的であってもよい。
【0008】
何れかの実施例において、前記多面体は、12個あってもよい。例えば、前記12個の多面体のうちの8つは、第1種又は第2種多面体であり、それ相応に、前記12個の多面体のうちの4つは、第2種又は第1種多面体である。
【0009】
何れかの実施例において、前記12個の多面体は、繰り返し順番で前記ヒンジを介して接続されることにより、前記連続ループを形成してもよい。前記繰り返し順番は、例えば、1つの前記第1種多面体、1つの前記第2種多面体、2番目の前記第1種多面体という順番である。
【0010】
何れかの実施例において、前記第1種及び第2種多面体のそれぞれは、四面体であってもよい。
【0011】
何れかの実施例において、前記第1種多面体のそれぞれは、4つの直角三角形面を含んでもよい。
【0012】
何れかの実施例において、前記第1種及び第2種多面体のそれぞれは、1単位、2単位の平方根(√(2)単位)、2単位又は3単位の平方根(√(3)単位)の辺長を有してもよい。
【0013】
何れかの実施例において、多面体の前記連続ループは、第1反転構成と第2反転構成との間に構成可能であり、前記第1反転構成と前記第2反転構成は、それを貫通する孔を有する合同な平行六面体であってもよい。
【0014】
何れかの実施例において、前記第1反転構成の全ての最外表面と前記第2構成の全ての最外表面とは、互いに排他的であってもよい。
【0015】
何れかの実施例において、各第1種多面体の第1面と各第2種多面体の第1面及び第2面とは、合同であってもよい。
【0016】
何れかの実施例において、各第1種多面体の第4面と各第2種多面体の第3面及び第4面とは、合同であってもよい。
【0017】
何れかの実施例において、前記12個の多面体のそれぞれは、その各面に近接して設けられる少なくとも1つのマグネットを含んでもよい。
【0018】
何れかの実施例において、各多面体の前記少なくとも1つのマグネットは、前記連続ループの各隣接する多面体の前記少なくとも1つのマグネットとは逆の極性を有する。
【0019】
何れかの実施例において、前記第1種多面体のそれぞれは、6つの辺を有する四面体であってもよく、前記6つの辺は、1単位の辺長を有する2つの辺と、2単位の平方根(√(2)単位)の辺長を有する2つの辺と、2単位の辺長を有する1つの辺と、3単位の平方根(√(3)単位)の辺長を有する1つの辺とを含む。
【0020】
何れかの実施例において、前記第2種多面体のそれぞれは、6つの辺を有する四面体であってもよい。前記6つの辺は、1単位の辺長を有する2つの辺と、2単位の平方根(√(2)単位)の辺長を有する1つの辺と、2単位の辺長を有する1つの辺と、3単位の平方根(√(3)単位)の辺長を有する2つの辺とを含む。
【0021】
何れかの実施例において、上記特徴のうちの何れか1つ又は複数は、重要なものである可能性がある。
【0022】
本発明の制限的ではない代表的な実施例は、以下の図面を参照しながら記述されている。別途に説明されない限り、各図面に類似する符号は、類似する部分を指す。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の1つの代表的な実施例に関わる2つの反転構成であるパズルを示す。
図2】本発明の1つの代表的な実施例に関わるパズルの斜視図を示す。
図3A図2のパズルの第1種多面体の幾何形状の模式的な表示形態である。
図3B図2のパズルの第2種多面体の幾何形状の模式的な表示形態である。
図4A図2のパズルの第1ヒンジ接続構成の斜視図を示す。
図4B図2のパズルの第2ヒンジ接続構成の斜視図を示す。
図4C図2のパズルの第3ヒンジ接続構成の斜視図を示す。
図5図2のパズルの第1種と第2種多面体におけるマグネットの1つの代表的な配置の模式的な表示形態である。
図6A】本発明の1つの代表的な実施例に関わる反転構成であるパズルの平面図を示す。
図6B】その正面図を示す。
図6C】その右側面図を示す。
図6D】その右上斜視図を示す。
図7A】本発明の1つの代表的な実施例に関わる第2構成であるパズルの斜視図を示す。
図7B】第3構成である図7Aのパズルの斜視図を示す。
図7C】第4構成である図7Aのパズルの斜視図を示す。
図8A】本発明の1つの代表的な実施例に関わるパズルを反転構成に操作する方法における第1ステップを示す。
図8B図8Aのパズルを反転構成に操作する方法における第2ステップを示す。
図8C図8Aのパズルを反転構成に操作する方法における第3ステップを示す。
図8D図8Aのパズルを反転構成に操作する方法における第4ステップを示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下は、ヒンジ接続による磁気二重幾何学パズル(簡潔のために、以下では、パズルと称する)を記述する。当該パズルは、ヒンジ接続された多面体を含み、多面体のそれぞれは、特定の幾何学的特性を有する。また、多面体のそれぞれは、パズルの他の多面体にヒンジ接続され、パズルの独自の機能を実現し、及び/又は、パズルの独自の属性を表す構造的特徴を有することが好ましい。
【0025】
特に、パズルは、少なくとも2つの異なるタイプの多面体本体(即ち、少なくとも2種の異なる幾何形状を有する)を有する。これは、教学補助ツール、治療装置、玩具としてのそのようなパズルの魅力を個別に及び/又は共通に強化する、新たでユニークな属性を実現する特性である。以下の説明から理解するように、このような属性は、以下のいずれか1つ又は複数を含んでもよい。
1.パズルは、1つ以上の方式で単一の共通の多面体形状に構成する能力を持つ。この共通の多面体形状を持つ各構成は、当該構成になるようにパズルが内側から外側に反転する(又は、逆にする)ことができるため、「反転構成」と呼ばれる。再確認すると、各反転構成の多面体形状と他の反転構成の多面体形状は、合同である。幾つかの実施例において、反転構成は、平行六面体、例えば、それを貫通する孔を有する平行六面体であるため、「ホール付き」形状を提供する。
2.図1及び図7B図7Cに示す構成など、以前に実現できなかった新たな構成を実現する能力。
3.各反転構成について、パズルの最外表面は、各他の反転構成であるパズルの最外表面と異なる(例えば、互いに排他的である)。
4.各反転構成について、多面体の最外表面は、少なくとも1つの他の合同な反転構成の最外表面とは異なる外観及び/又はテクスチャ(表面処理)を有する。
5.他のパズルとの幾何学的及び磁気的互換性により、パズルが他の類似のパズルと組み立て及び/又は結合することができる。
【0026】
本明細書で使用されるように、「合同」という用語は、2つの幾何図形(単一のパズルの2つの多面体、又は、2つのパズルの全体的な形状など)が形状及びサイズで同じであることを意味する。これには、1つの幾何図形がもう1つの幾何図形のミラーである場合が含まれる。
【0027】
本明細書で説明される具体例は、制限的ではなく代表的であり、本発明は、説明される具体例に限定されないことを理解されたい。何れかの実施例は、以下に説明する特徴のうちのいずれか1つ又は複数を任意の組み合わせで含むことができることも理解されたい。
【0028】
図1は、本発明の1つの代表的な実施例に関わる二重幾何パズル100を示す。以下に詳述するように、パズル100は、マグネットを有する複数の多面体を含み、当該多面体は、図2及び図3A図3Bに関して説明したように、ヒンジを介して互いに接続された連続ループをなす。パズル100は、パズル100を図1図4A図4C図7A図7C図8Dに示す構成などの多くの構成に安定化させる2つの異なるタイプの多面体及びマグネットを含むため、ユニークである。
【0029】
特に、図1は、2つの異なる時点での同一のパズル100を示し、2つの反転構成に操作される能力である独自の「二重反転」属性を表現する。本明細書で使用されるように、用語「反転構成」とは、パズルのある構成に関し、当該構成が当該パズルの別の構成(即ち、別の反転構成)と合同な全体形状を有するが、当該構成の最外表面と当該別の構成の最外表面とが互いに排他的である。つまり、パズル100は、互いに排他的である最外表面を有する2種の異なる方式で単一の多面体形状に構成することができる。
【0030】
例えば、第1時間t1におけるパズル100(パズル100aとして示される)は、第1最外表面(平行描画線で示される)を有する平行六面体形状を有する第1反転構成として構成される。対照的に、第2時間t2におけるパズル100(パズル100bとして示される)は、第1構成と合同であり且つ第2最外表面(クロススクリーン線によって示される)を呈する平行六面体形状を有する第2反転構成として構成される。
【0031】
第1及び第2反転構成(即ち、時間t1及び時間t2における)パズル100の第1最外表面及び第2最外表面は、互いに排他的である。幾つかの実施例では、各反転構成の最外表面は、パズルの魅力を高めるために、異なる表面処理(例えば、図形及び/又はテクスチャ)を設定することができる。例えば、異なる表面処理は、異なる反転構成が実装された時期をユーザに示すことができる。
【0032】
もう1つのユニークな属性は、図1に示す反転構成が、それを貫通する孔を有する平行六面体であることである。この構成は、平衡的で対称的であるため、視覚的に魅力的で、包装に適しており、且つこれまで知られていた磁気的に安定したパズルでは実現できなかった構成でもある。
【0033】
パズル100の追加されたユニークな属性は、以下の説明から明らかである。
【0034】
図2を参照し、パズル200の特性について説明する。パズル200は、パズル100と同じ幾何形状を有するため、図1に示す反転構成を実現することができる。
【0035】
パズル200は、ループ軸線206の周りに接続されて連続ループをなす複数の多面体モジュール又は多面体202a~202lを含む。各多面体は、内部にキャビティを形成する中実本体であり、熱可塑性ポリマー(例えば、PLA)又は他の剛性材料によって形成することができる。明確にするために、本明細書で説明される多面体は、完全中実な本体に限定されない。幾つかの実施例では、多面体のうちの1つ又は複数は、中空であってもよく(即ち、キャビティがある)、その体積から1つ又は複数の切り欠きを有していてもよい。
【0036】
多面体202a~202lは、ヒンジ(例えば、ブリッジストリップ204a~204l)を介して端から端までヒンジ接続される。ブリッジストリップ204a~204lは、隣接する多面体202a~202lをフレキシブルに接合することにより、異なる面が互いに隣接するように接合された本体の可逆的な切り替えを実現する。
【0037】
以下に説明するように、多面体202a~202lの各多面体には、少なくとも1つのマグネットが設けられている。マグネットは、パズル200を視覚的及び触覚的に魅力的なさまざまな構成(図1の平行六面体反転構成や図7A図7Cの構成)に安定化させる。
【0038】
多面体202a~202lを操作することにより、パズル200は、複数の異なる構成に磁気的に安定化することができる。図6A図7Cは、平行六面体反転構成、立方体六面体、2つのヒンジ接続を有する平行六面体を有する多面体、三角形輪郭を有する六面体、各種の規則的な多面体、不規則的な多面体、凸多面体、凹多面体、その他の多面体タイプを含む代表的な構成を示す。
【0039】
異なる構成を実現するために、多面体202a~202lは、以下のステップ又は移動中の1つ又は複数の異なる順番で操作され得る。
・1つ又は複数の多面体202a~202lをループ軸線206の周りに回転させ(これは、パズル200を反転させる傾向がある)、
・多面体202a~202lの異なる面が互いに隣接するように、1つ又は複数の多面体202a~202lをブリッジストリップ204a~204lの周りで切り替え、又は、
・1つ又は複数の多面体202a~202lを互いに平行移動させる。
【0040】
既知のパズルとは異なり、本発明のパズルは、少なくとも2つの異なる多面体202a~202lによる連続ループを含む。1つの多面体は、次の条件のいずれか1つ又は複数に基づいて、別の多面体とは異なるように限定することができる。
・2つの多面体は、少なくとも1つの異なるサイズの面及び/又は辺を有し、
・2つの多面体は、異なる数の面、辺、及び/又は、頂点を有し、
・2つの多面体は、幾何的に類似しているが、面及び/又は辺のサイズが異なり、
・2つの多面体は、合同ではなく、
・2つの多面体は、異なる体積を有し、
・2つの多面体は、異なる数の二等辺三角形面を有し、
・2つの多面体は、異なる数の合同三角形面を有し、
・2つの多面体は、上記の基準のいずれか1つ又は複数の他に、共通の多面体形状(例えば、両方とも四面体)を有する。
【0041】
有利には、2つ以上の異なる多面体の利用により、パズル200は、新たに興味深い構成(例えば、図1及び図6A図7Cに示される構成)に操作され、二重反転機能を実現することができる。
【0042】
異なる多面体の利用は、個々の多面体の幾何形状に使用される選択が複雑化することを理解されたい。理論的には、異なる多面体のほぼ無限の組み合わせを使用することができる。異なる辺長と頂点のために、異なる多面体のほとんどの可能な組み合わせは、パズル200を用いて実現可能な調和(harmonious)構成を生成することができない。例えば、全ての多面体が合同なものである場合、又は、図3A図3Bに後述するもの以外のほとんどの幾何形状を単独の多面体が有する場合、図1の貫通孔を有する平行六面体形状を実現することはできない。また、パズル200は、他のほとんどの幾何形状を有する同じ平行六面体の反転構成では、二重反転機能を実現することができない。更に、不整合な面と辺のため、他の多面体のほとんどの組み合わせでは、図7A図7Cに示す構成の組み合わせを実現することはできない。以下に説明するように、パズル200は、異なるタイプの複数の多面体を含むが、異なるタイプの多面体は、共通の辺長や幾つかの合同面など、幾つかの共通の特徴を共有している。これらの共通の属性により、パズル全体が本明細書で説明される構成を実現することができる。
【0043】
したがって、本明細書に記載されたパズルによって克服される重要な技術的問題は、2つ以上の異なる幾何形状を有する磁気化された多面体の選択と順番のある配置とを持つことにより、人気のある磁気安定化の構成と二重反転機能を実現できるパズルを実現することにある。幾何形状の異なる多面体を有するパズルは、不整合な辺と面(即ち、異なる辺長と面形状)の挑戦を提出し、これにより、人気のある磁気的に安定した構成を実現できるパズルを実現することが更に困難になることを理解されたい。
【0044】
図示された実施例では、パズル200は、ヒンジ接続された12個の多面体202a~202lからなる連続ループによって形成され、各多面体は、四面体である。各四面体は、ブリッジストリップ204a~204lのうちの2つを介して、ループ軸線206に沿って隣接する2つの四面体にヒンジ接続されている。
【0045】
12個の多面体のうちの8つの多面体202a、202c、202d、202f、202g、202i、202j、202lは、図3Aに記載の第1幾何形状を有する第1種四面体である。残りの4つの多面体202b、202e、202h、202kは、図3Bに記載された異なる第2幾何形状を有する第2種四面体である。本明細書で使用されるように、2つ以上の多面体が互いに合同である場合、表面処理における任意の違いにもかかわらず、それらは、単一タイプの多面体(即ち、第1種又は第2種)であってもよい。例えば、2つのミラー多面体は、合同であるため、両方とも第1種又は第2種多面体であってもよい。
【0046】
多面体202a~202lは、第1種の1つ、第2種の1つ及び第1種のもう1つという繰り返し順番でヒンジ接続されている。つまり、第1種多面体がタイプ「A」と表され、第2種多面体がタイプ「B」と表される場合に、多面体202a~202lは、四面体202aで始まり、A、B、A、A、B、A、A、B、A、A、B、Aという順番で接続される。したがって、パズル200は、例えば、8つの第1種多面体と4つの第2種多面体とを含む(構成される)。
【0047】
図3A及び図3Bは、それぞれパズル200の第1種及び第2種多面体202a~202lの幾何形状を示す。図3A及び図3Bの意味は、第1種多面体と第2種多面体の異なる辺長の関係を説明する図例208によって示される。プラス記号「+」が付いている辺は、異なる実施例でスケーリングに応じて拡大又は縮小できる1単位の長さを持っています。単位(「+」)の値にかかわらず、異なる辺の間の相対関係は、異なる実施例間で一定のままである。つまり、単位長「+」の数値にかかわらず、「〇」と示された辺は、√(2)(単位長)(即ち、単位長の2倍の平方根)に等しい辺長を有し、「Δ」と示された辺は、2(単位長)に等しい辺長を有し、「□」と表示された辺は、√(3)(単位長)(即ち、単位長の3倍の平方根)に等しい辺長を有する。
【0048】
図3Aは、多面体202c、202d、202f、202g、202i、202j、202lと合同な第1種多面体202aの幾何形状を概略的に示す。図示されるように、多面体202aは、4つの面210、212、214、216と、6つの辺218、220、222、224、226、228とを有する四面体である。各辺の相対長さは、図例208によって示される。図例208の辺長の関係により、4つの面210、212、214、216は、全て直角三角形であり、第2面212と第3面214は、二等辺三角形である。
【0049】
図示された実施例では、第1種多面体のそれぞれは、1単位の辺長を有する2つの辺(辺218と辺228)と、√(2)単位の辺長を有する2つの辺(辺224と辺226)と、2単位の辺長を有する1つの辺(辺222)と、√(3)単位の辺長を有する1つの辺(辺220)とを含む6つの辺を有する4面体である。
【0050】
図3Bは、多面体202e、202h、202kと合同な第2種多面体202bの幾何形状を概略的に示す。図示されるように、多面体202bは、4つの面230、232、234、236と、6つの辺238、240、242、244、246、248とを有する四面体である。各辺の相対長さは、図例208によって示される。図例208の辺長関係により、4つの面230、232、234、236は、全て直角三角形である。また、第1面230と第2面232は、合同であり、第3面234と第4面236は、合同である。
【0051】
図示された実施例では、第2種多面体のそれぞれは、1単位の辺長を有する2つの辺(辺238と辺244)、√(2)単位(2単位の平方根)の辺長を有する1つの辺(辺248)、2単位の辺長を有する1つの辺(辺242)、√(3)単位(3単位の平方根)の辺長を有する2つの辺(辺240と辺246)を含む6つの辺を有する4面体である。
【0052】
図3A図3Bと比較すると、明らかに、第1種多面体202aの第1面210と第2種多面体202bの第1面230及び第2面232は、合同である。この合同は、2つのタイプの4面体の他の辺の関係、連続ループにおける上述した第1種多面体と第2種多面体の順番、及びヒンジの配置とともに、第1種多面体のうちの1つの多面体の第1面210が第2種多面体のうちの1つの多面体の第1面230又は第2面232に隣接することができるようにして、3つの直交する面を有する配置を形成することができる。このような3つの直交する面を有する構成は、様々な平行六面体構成(例えば、図1の平行六面体反転構成、図7Aの立方体六面体、及び図7Bのヒンジ接続された平行六面体)の構造にとって有用である。
【0053】
ここで、図4A図4Cに移行し、パズル200の多面体間の代表的なヒンジ配置の詳細について説明する。例示的な実施例は、3つの異なるタイプの位置に設けられたブリッジストリップ(以下に識別される異なる辺は、図3A図3Bの図示に対応する)を含む。
・第1種の四面体の第1辺と隣接する第2種の四面体の第1辺との間(図4Aは、(第1種の)多面体202aの第1辺218から(第2種の)多面体202bの第1辺238まで延びるブリッジストリップ204aを示す)、
・第1種の四面体の第1辺と隣接する第2種の四面体の第4辺との間(図4Bは、(第1種の)多面体202cの第1辺218から(第2種の)多面体202bの第4辺244まで延びるブリッジストリップ204Bを示す)、及び
・第1種の四面体の第5辺と隣接する第1種の四面体の第5辺との間(図4Cは、(第1種の)多面体202cの第5辺226から隣接する(第1種の)多面体202dの第5辺226まで延びるブリッジストリップ204cを示す)。
【0054】
幾つかの実施例では、図2のパズル200に関し、前述のヒンジタイプが上述した順番でパズル200の周りに配置される。幾つかの実施例では、ブリッジストリップは、多面体の隣接する面に接着して接合された接着剤型、デカール型又はテープ型のブリッジストリップであってもよい。しかし、ブリッジストリップは、これに限定されない。幾つかの実施例では、ブリッジストリップは、各多面体の内部体積を貫通して延びる内部型ブリッジストリップである。
【0055】
図2図4Cに示される代表的なヒンジにもかかわらず、ヒンジは、多くの異なる形態を取ることができる。幾つかの実施例では、図2に示すように、ヒンジの各々は、ヒンジが多面体のうちの1つの多面体からもう1つの多面体まで直接延びるように、少なくとも2つの隣接する多面体の面に適用されるデカール又はステッカーである。図2の各ヒンジは、2つの隣接する多面体を接続しているが、幾つかの実施例では、1つ又は複数のヒンジは、2つ以上の多面体を接続してもよい。例えば、幾つかの実施例では、単一の連続するデカールを2つ以上の多面体に適用することができる。この構成の代表的なヒンジは、参照によって全体として本明細書に組み込まれたHoenigschmidの第10,569,185号及び第10,918,964号の米国特許に詳述されている。
【0056】
他の実施例では、ヒンジは、多面体モジュールと一体的に形成され(例えば、可動ヒンジ)、モジュールのうちの1つのモジュールから隣接するモジュールに直接延びる。このような実施例では、ヒンジは、多面体モジュールのハウジングと同一又は類似の材料の可撓性ポリマーストリップとして形成することができる。この構成の代表的なヒンジは、参照によって全体として本明細書に組み込まれたAbergの第11,358,070号の米国特許に詳細に記載されている。
【0057】
他の実施例では、ヒンジは、隣接するモジュール間を延び、隣接する多面体の内腔内に固定されるように構成された1つ又は複数の内部可撓性連結ストリップ(例えば、薄い可撓性ポリマー又は織物)として形成される。この構成の代表的なヒンジは、参照によって全体として本明細書に組み込まれたHoenigschmidの第WO2022/130285号PCT公開物に詳細に記載されている。
【0058】
何れかの実施例において、複数のヒンジは、隣接するモジュールの隣接する辺の間に延びることができる。前記ヒンジ構造は、制限的ではなく代表的である。
【0059】
図5を参照すると、パズル200の多面体のうちの幾つか又は全ては、図1の反転構成と図7A図7Cの構成とを含むパズル200を本明細書で図示及び説明する構成のうちのいずれか1つ又は複数に安定化させるマグネットを含む。特に、少なくとも1つのマグネットは、1つの位置において各多面体に配置され、パズル200が異なる構成に操作された場合など、他の多面体上に配置された反対の極性として選択された少なくとも1つのマグネットと磁気的に結合された極性を有する。
【0060】
例示的な実施例では、各多面体の各面は、それに隣接して配置された少なくとも1つのマグネットを含む。即ち、各第1種多面体(例えば、四面体202a)は、第1面210に隣接して設けられた少なくとも1つのマグネット250aと、第2面212に隣接して設けられた少なくとも1つのマグネット250bと、第3面214に隣接して設けられた少なくとも1つのマグネット250cと、第4面216に隣接して設けられた少なくとも1つのマグネット250dとを含む。
【0061】
類似的に、各第2種多面体(例えば、四面体202b)は、第1面230に隣接して配置された少なくとも1つのマグネット252aと、第2面232に隣接して配置された少なくとも1つのマグネット252bと、第3面234に隣接して配置された少なくとも1つのマグネット252cと、第4面236に隣接して配置された少なくとも1つのマグネット252dとを含む。
【0062】
例示的な実施例では、各マグネットは、各面に埋め込まれ、例えば、面自体に形成された凹部(外面又は内面)に埋め込まれる。他の実施例では、各マグネットは、各多面体の内腔内に配置することができ、マグネットの磁束が面を貫通して延びるように、関連する面に十分に近接して配置することができる。例えば、幾つかの実施例では、各マグネットは、当該内腔内に設けられた溝、スロット、及び/又は、軌道内に保持されてもよい。幾つかの実施例では、マグネットのうちの1つ又は複数は、マグネットからの磁束が多面体の複数の面を貫通して延びるように、ブラケット(多面体の辺の頂点付近に設けられたブラケット)内に配置することができる。マグネットを多面体に固定するための代表的な構造は、Hoenigschmidの第10,569,185号及び第10,918,964号米国特許、並びに、US2022/0047960号米国特許公開物に記載されており、それらの米国特許及び米国特許公開物は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0063】
マグネット250a~250d及び252a~252dは、パズル200の他のマグネットと磁気的に結合するように位置決め及び分極される。例えば、何れかの実施例では、以下のマグネット対のうちのいずれか1つ又は複数を互いに磁気的に結合するように位置決め及び分極することができる(即ち、2つのマグネットは、反対の極性を有することができる)。
・第1種多面体の第1面210に隣接して位置決めされたマグネット250aと、第2種多面体(例えば、ヒンジ接続された第2種多面体)の第1面230に隣接して位置決めされたマグネット252a。
・第1種多面体の第1面210に隣接して位置決めされたマグネット250aと、第2種多面体(例えば、ヒンジ接続された第2種多面体)の第2面232に隣接して位置決めされたマグネット252b。
・隣接する第1種多面体(例えば、ヒンジ接続された第1種多面体)の第2面212に隣接して位置決めされたマグネット250b。
・隣接する第1種多面体(例えば、ヒンジ接続された第1種多面体)の第3面214に隣接して位置決めされたマグネット250c。
・第1種多面体の第4面216に隣接して位置決めされたマグネット250d。
・第2種多面体の第3面234に隣接して位置決めされたマグネット252c。
・第2種多面体の第4面236に隣接して位置決めされたマグネット252d。
【0064】
上述した磁気結合を容易にするために、幾つかの実施例では、各第1種多面体は、類似的に位置決めされたマグネット250a~250dを有し、各第2種多面体は、類似的に位置決めされたマグネット252a~252dを有する。幾つかの実施例(図2に示すような)では、各多面体は、単極性(即ち、正又は負)のマグネットを有し、多面体が第1種であるか第2種であるかにかかわらず、連続ループ中の連続する多面体間で極性が交互になる。つまり、幾つかの実施例では、1つの多面体中の全てのマグネットの極性は、正又は負であり、連続ループ中の次の多面体中の全てのマグネットの極性は、対応して逆の極性、即ち負又は正である。
【0065】
幾つかの実施例では、各第1種多面体及び各第2種多面体は、4つのマグネットを有する。しかし、幾つかの実施例では、第1種多面体のうちの1つ又は複数、及び/又は、第2種多面体のうちの1つ又は複数は、1つ、2つ又は3つのマグネットなど、4つ未満のマグネットを有する。有利には、低減された磁気安定性を犠牲にしても、より少ないマグネットを含むことは、パズルの製造コストを低減することができる。
【0066】
図6A図6Dは、図1に示す反転構成の1つにおけるパズル600の図を示す。パズル600は、図1のパズル100と同じであり、パズル600は、図2及び図3A図3Bに示すのと同じ幾何形状を有する同一のヒンジ接続された配置内にある多面体を含む。特に、図6A図6Dは、図1のパズル100aに示す平行六面体反転構成に関する平面図、正面図、右側面図、上斜視図をそれぞれ示している。図示されるように、パズル600は、それを完全に貫通する正方形の孔664を有する平行六面体構成内で磁気的に安定化される。このような形状を持つ磁気的に安定したパズルは、以前は知られていなかった。したがって、パズル600の幾何形状は、多面体に設置されたマグネットとともに、これまで実現できなかった価値ある新機能を付与する。
【0067】
孔664は、第1種多面体と第2種多面体との間の異なる幾何形状によって形成される。例えば、多面体602a及び602bは、互いに接続され、異なる幾何形状を有する。即ち、多面体602aは、図3Aに示す第1種多面体であり、602bは、図3Bに示す第2種多面体である。多面体602g及び602hについても同様である。第1種多面体と第2種多面体との間の異なる辺長は、孔664を形成する。
【0068】
図7A図7Cは、図1のパズル100と同じ幾何形状を有し、同じヒンジ接続された配置にあり、図2及び図3A図3Bに示すのと同じ幾何形状を有する多面体を含むパズル700を用いて実現可能な追加の磁気安定化構成を示す。
【0069】
パズル100の興味深い属性の1つは、そのような全ての構成が共通の体積を有することである。図7A図7Cに示す構成は、二重幾何パズル700で実現可能な興味深い構成を表すが、限定的ではない。パズル100を用いて多くの付加的な磁気安定構成を実現することができる。
【0070】
図7Aは、パズル100で実装可能な立方体六面体又は立方体平行六面体多面体を示す。立方体六面体構成は、一致且つコンパクトなサイズを考慮すると、パズル100の梱包及び出荷に理想的である。興味深いことに、パズル700は、少なくとも2つの異なる幾何形状を有する多面体を含むが、図7Aの立方体六面体を実現することができる。それは、図7Aに示される構成では、第1種多面体のみが提示されるからである。つまり、図7Aの構成では、外表面は、合同な第1種多面体702a、702c、702d、702f、702g、702i、702j、702lから構成されている。
【0071】
図7Bは、2つの合同なヒンジ接続された平行六面体の磁気的に安定な多面体を示し、パズル100で実現可能である。
【0072】
図7Cは、三角形の輪郭を有する別の磁気的に安定な六面体である。この六面体は、図7Aの立方体六面体からの2回の順次移動により磁気的に安定した位置で実現することができる。
【0073】
図8A図8Dは、本発明のパズル800を図1に示す平行六面体反転構成に操作する代表的な方法(特にパズル100aについて)を示す。パズル800は、図1のパズル100と同じ幾何形状を有し、パズル800は、同じヒンジ接続された配置内にあり且つ図2及び図3A図3Bに示すのと同じ幾何形状を有する多面体を含む。
【0074】
ユーザを更に誘導するために、パズル800の多面体は、図2の多面体に対応する。つまり、図8Aの多面体802aは、図2の多面体202aに対応し、図8Bの多面体802bは、多面体202bに対応し、これによって類推する。
【0075】
以下の説明は、パズル800を平行六面体反転構成として構成するための一般的な方法、即ち、図1及び図6A図6Dに示す平行六面体反転構成を提供する。熟練したユーザは、以下に説明する方法を修正することにより、互いに排他的である最外表面の合同な反転構成を実現可能であることを理解するであろう。
【0076】
例示的な方法は、制限的ではなく代表的であることを理解すべきである。図8Dに示された反転構成は、例示された全てのステップよりも少ないステップ及び/又は幾つかのステップを組み合わせることによって実現することができる。
【0077】
図2に示す選択可能な第1ステップでは、パズル800は、例示的なオープンループ構成に配置される。
【0078】
次に、図8Aに示すように、異なる幾何形状を有する対向する多面体が互いに隣接して位置決めされることにより(且つ互いに磁気的に安定化している)、パズル800が縦方向軸線858によって概略的に表される線形構成に配向されるようにする。例えば、多面体802j(第1種多面体)は、多面体802k(第2種多面体)に隣接して位置決めされ、多面体802a(第1種多面体)は、多面体802h(第2種多面体)に隣接して位置決めされ、これによって類推する。
【0079】
ここで、注意すべきことは、ユーザが、図8Dの結果として得られた平行六面体構成においてどれらの最外の面が表されるかを変更するために、前述のステップを調整することができる。つまり、パズル800は、多面体802aが多面体802hに隣接して配置された図8Aに示す構成にパズル800を配置することにより、図8Dの平行六面体に操作されると、第1最外表面を呈する。しかし、代わりに多面体802l(第1種多面体)を多面体802e(第2種多面体)に隣接して配置することにより、図8Dの平行六面体に操作されると、パズル800は、第2最外表面を呈し、第2最外表面と第1最外表面とは、互いに排他的である。このような変更により、ユーザは、2つの平行六面体反転構成を実現することができるため、パズル800の二重反転機能を実現することができる。したがって、パズル800は、第1最外表面が第2最外表面と異なる外観を有する場合、2つの異なる外観を有する同じ形状(図1に示す)を実現することができる。
【0080】
図8Aに戻り、端多面体を、端多面体が対応する最後から2番目の多面体にヒンジ接続されるまで、内側へ回転させる。図示された実施例では、多面体802j、802kをそれぞれ多面体802i、802l上に内向きに回転させる。同様に、多面体802D、802eをそれぞれ内向きに回転させる。これにより、図8Bに示す構成となる。
【0081】
ここで図8Bを参照すると、この中間構成では、パズル800は、縦方向軸線858と、それに垂直な横方向軸線860とによって概略的に表される。縦方向軸線858の各側において、パズル800は、1つ又は複数の多面体の頂点を含む3つの表現点(1つの中心点と2つの外点)を有する。次に、多面体は、縦方向軸線858の第1側において中心点が横方向軸線860の第1側の外点と交わるように操作される。例えば、多面体802b、802Cの点を軸線858、860の第1「象限」の中で一緒にする。更に、多面体は、縦方向軸線858の第2側(第1側に対向する)において中心点が横方向軸線860の第2側(第1側に対向する)の外点と交わるように操作される。例えば、多面体802h、802iの点を、第1象限と対角線をなす第2「象限」の中で一緒にする。これにより、図8Cに示す構成となる。
【0082】
ここで図8Cを参照すると、パズル800の中心部分(軸線858、860が交差する位置)が上方に持ち上げられると同時に、最外点が下方に回転される。例えば、多面体802a及び802hは、多面体802e、802kによって形成された点を下に回転させながら上昇させることができる。パズル800の幾何形状のため、この動きは、最終的に且つ自然に、多面体802a、802hを横方向軸線860に沿って互いに反対方向に回転させて互いに離間させる。したがって、パズル800は、図8Dの平行六面体反転構成を実現する。
【0083】
図8Dは、前述のステップによって生成された平行六面体反転構成を示す。図8Dの構成は、図1及び図6A図6Dに示す構成と同じである。図示されるように、パズル800は、それを貫通する孔864を有する。孔864は、第1種多面体と第2種多面体との間の異なる幾何形状の結果である。例えば、多面体802a及び802bは、ヒンジ804aにおいて互いに結合され、異なる幾何形状を有する。つまり、多面体802aは、図3Aに示す第1種多面体であり、多面体802bは、図3Bに示す第2種多面体である。多面体802g及び802hについても同様である。したがって、第1種多面体と第2種多面体との間の異なる辺長は、孔864を形成する。
【0084】
考慮された上記特徴を組み合わせると、パズルへ非常に多い独自の特性を与える。前記特徴は、幾何構造及び他の数学的概念を学習するためのパズル、玩具及び/又は教育補助ツールとしての魅力を高める。一例として、隣接する多面体間のヒンジ接続により、ループ軸線206の周りにパズル200を内側から外側に反転させることができる。連続ループ中のヒンジ接続により、単独な多面体を失わずに様々な構成間で迅速に操作することができる。
【0085】
磁化された多面体の具体的な幾何形状、規則的な配置及び位置決めにより、パズルは、図1図6A図6D図7A図7C及び図8Dに示す構成を含むが、これらに限定されない、視覚的及び触覚的な魅力を得ることができる多くの磁気的に安定した構成を得ることができる。この構成は、独特の対称的な形態を示し、例えば、便利な包装、収納及び携帯のために、図7Aの立方体構成に迅速に再編成することができる。特に、図3A及び図3Bに規定された特定の幾何形状を有する2つの異なるタイプの多面体の使用は、新規であり、非自明ではない。
【0086】
最後に、パズルを全ての主要構成における特定の構成位置合わせと分極マグネットに安定させることにより、楽しい中実品質感覚を与える。
【0087】
上記メリットが単独の特徴や前記特徴の非自明な組み合わせによるものであることは、理解されるべきである。
【0088】
本発明の代表的な実施例は、多くの異なる形態で実施することができ、本明細書で説明する実施例に限定されない。逆に、これらの実施例を提供する目的は、本発明の開示をより徹底的且つ全面的にすることである。
【0089】
注意すべきこは、1つの構成部品が別の構成部品に「接続」されていると考えられる場合、別の構成部品に直接接続してもよいし、介在する構成部品が存在してもよい。本明細書で使用される用語「上」、「下」、「側」、「垂直」、「水平」、「左」、「右」及び類似する表現は、例示的な目的のためにのみ使用される。
【0090】
別途に限定されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、当業者が一般的に理解するものと同じ意味を有する。本明細書における本発明の説明に使用される用語は、具体的な実施例を説明するためだけの目的であり、本発明を制限することを意図していない。本明細書で使用される用語「及び/又は」は、関連するリスト項目の任意の組合せ及びすべての組合せを含む。

図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
図8D
【国際調査報告】