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特表2025-501414サルコイドーシスに関連する肺高血圧症(PH-SARC)を有する患者を治療するための一酸化窒素吸入療法(iNO)の使用
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-17
(54)【発明の名称】サルコイドーシスに関連する肺高血圧症(PH-SARC)を有する患者を治療するための一酸化窒素吸入療法(iNO)の使用
(51)【国際特許分類】
   A61K 33/00 20060101AFI20250109BHJP
   A61P 9/12 20060101ALI20250109BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20250109BHJP
   A61M 16/12 20060101ALI20250109BHJP
   A61M 16/00 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
A61K33/00
A61P9/12
A61P11/00
A61M16/12
A61M16/00 305C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024561738
(86)(22)【出願日】2023-01-04
(85)【翻訳文提出日】2024-08-22
(86)【国際出願番号】 US2023060080
(87)【国際公開番号】W WO2023133399
(87)【国際公開日】2023-07-13
(31)【優先権主張番号】63/296,359
(32)【優先日】2022-01-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/341,986
(32)【優先日】2022-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/342,535
(32)【優先日】2022-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521438571
【氏名又は名称】マリンクロット ファーマシューティカルズ アイルランド リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135415
【弁理士】
【氏名又は名称】中濱 明子
(72)【発明者】
【氏名】シャー,パラグ
(72)【発明者】
【氏名】フェルナンデス,ピーター・ポール
(72)【発明者】
【氏名】キム,ボバエ
(72)【発明者】
【氏名】デッカー,マーチン
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086HA07
4C086HA21
4C086MA12
4C086MA56
4C086NA14
4C086ZA42
4C086ZA59
(57)【要約】
一酸化窒素吸入療法(iNO)を使用して、サルコイドーシスに関連する肺高血圧症(PH-SARC)を有する患者を治療するための方法が記載されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サルコイドーシスに関連する肺高血圧症(PH-SARC)の治療を必要とする患者におけるサルコイドーシスに関連する肺高血圧症(PH-SARC)を治療するための方法であって、前記患者に吸入用一酸化窒素(iNO)を投与することを含む方法。
【請求項2】
サルコイドーシスに関連する肺高血圧症(PH-SARC)の治療を必要とする患者におけるサルコイドーシスに関連する肺高血圧症(PH-SARC)を治療するための方法であって、前記患者に吸入用一酸化窒素(iNO)を投与することを含み、前記iNOが、
a.1回の呼吸の合計吸息時間を含む、前記患者における呼吸パターンを検出するステップと、
b.前記呼吸パターンを、ある用量の一酸化窒素を投与するタイミングを算出するためのアルゴリズムと関連付けるステップと、
c.前記患者に前記一酸化窒素を、前記合計吸息時間の一部の時間にわたってパルス方式で送達するステップと
によってパルス方式で送達される方法。
【請求項3】
呼吸パターンを検出するステップが、呼吸レベルトリガー(breath level trigger)および呼吸傾斜トリガー(breath slope trigger)から選択される少なくとも1つのトリガーの使用を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記アルゴリズムが、閾値感度および傾斜アルゴリズムの一方または両方を使用し、前記傾斜アルゴリズムは、圧力降下速度が既定の閾値に達した際に呼吸を検出する、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記治療が、ベースラインレベルと比較して、肺血管抵抗(PVR)を低下させること、および/または平均肺動脈圧(mPAP)を低下させることをさらに含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
肺血管抵抗(PVR)が、ベースラインレベルと比較して、少なくとも約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、または約50%以上低下し、任意選択で少なくとも約20%低下する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
平均肺動脈圧(mPAP)が、ベースラインレベルと比較して、少なくとも約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、または約50%以上低下し、任意選択で少なくとも約10%低下する、請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
ベースラインレベルと比較して、安静時心拍出量(CO)を維持することおよび/または肺毛細血管楔入圧(PCWP)を維持することをさらに含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
iNOの用量の送達が、前記合計吸息時間の最初の3分の1、前記合計吸息時間の最初の3分の2、または前記合計吸息時間の最初の2分の1以内に行われる、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
iNOの前記用量の少なくとも50パーセントの送達が、前記合計吸息時間の最初の3分の1以内に行われ、iNOの前記用量の少なくとも90パーセントの送達が、前記合計吸息時間の最初の3分の2以内に行われ、および/またはiNOの前記用量の少なくとも70パーセントの送達が、前記合計吸息時間の最初の2分の1以内に行われる、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記一酸化窒素が、一定期間にわたって一連のパルスで送達される、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記肺高血圧症が、WHO第I群、WHO第II群、WHO第III群、WHO第IV群、およびWHO第V群の肺高血圧症から選択され、任意選択で、WHO第V群の肺高血圧症である、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記患者が、長期酸素療法(LTOT)を受けている、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記吸入用一酸化窒素が、約20mcg/kg IBW/時間~約150mcg/kg IBW/時間の範囲の用量で投与される、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
iNOの前記用量が、約30mcg/kg IBW/時間、約45mcg/kg IBW/時間、約75mcg/kg IBW/時間、および約125mcg/kg IBW/時間から選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
iNOの前記用量が、約45mcg/kg IBW/時間である、請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
iNOの前記用量が、約125mcg/kg IBW/時間である、請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
肺血管抵抗(PVR)の低下を必要とする患者におけるサルコイドーシスに関連する肺高血圧症(PH-SARC)を有するまたは有するリスクがある患者の肺血管抵抗(PVR)を低下させるための方法であって、前記患者に吸入用一酸化窒素(iNO)を投与することを含み、前記一酸化窒素が、
a.1回の呼吸の合計吸息時間を含む、前記患者における呼吸パターンを検出するステップと、
b.前記呼吸パターンを、ある用量の一酸化窒素を投与するタイミングを算出するためのアルゴリズムと関連付けるステップと、
c.前記患者に前記一酸化窒素を、前記合計吸息時間の一部の時間にわたってパルス方式で送達するステップと
によってパルス方式で送達される方法。
【請求項19】
平均肺動脈圧(mPAP)の低下を必要とする患者におけるサルコイドーシスに関連する肺高血圧症(PH-SARC)を有するまたは有するリスクがある患者の平均肺動脈圧(mPAP)を低下させるための方法であって、前記患者に吸入用一酸化窒素(iNO)を投与することを含み、前記一酸化窒素が、
a.1回の呼吸の合計吸息時間を含む、前記患者における呼吸パターンを検出するステップと、
b.前記呼吸パターンを、ある用量の一酸化窒素を投与するタイミングを算出するためのアルゴリズムと関連付けるステップと、
c.前記患者に前記一酸化窒素を、前記合計吸息時間の一部の時間にわたってパルス方式で送達するステップと
によってパルス方式で送達される方法。
【請求項20】
呼吸パターンを検出するステップが、呼吸レベルトリガーおよび呼吸傾斜トリガーから選択される少なくとも1つのトリガーの使用を含む、請求項18または19に記載の方法。
【請求項21】
前記アルゴリズムが、閾値感度および傾斜アルゴリズムの一方または両方を使用し、前記傾斜アルゴリズムは、圧力降下速度が既定の閾値に達した際に呼吸を検出する、請求項18から20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
肺血管抵抗(PVR)が、ベースラインレベルと比較して、少なくとも約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、または約50%以上低下し、任意選択で少なくとも約20%低下する、請求項18、20、または21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
平均肺動脈圧(mPAP)が、ベースラインレベルと比較して、少なくとも約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、または約50%以上低下し、任意選択で少なくとも約10%低下する、請求項19から21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
ベースラインレベルと比較して、安静時心拍出量(CO)を維持することおよび/または肺毛細血管楔入圧(PCWP)を維持することをさらに含む、請求項18から23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
iNOの前記用量の送達が、前記合計吸息時間の最初の3分の1、前記合計吸息時間の最初の3分の2、または前記合計吸息時間の最初の2分の1以内に送達される、請求項18から24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
iNOの前記用量の少なくとも50パーセントの送達が、前記合計吸息時間の最初の3分の1以内に行われ、iNOの前記用量の少なくとも90パーセントの送達が、前記合計吸息時間の最初の3分の2以内に行われ、および/またはiNOの前記用量の少なくとも70パーセントの送達が、前記合計吸息時間の最初の2分の1以内に行われる、請求項18から25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記一酸化窒素が、一定期間にわたって一連のパルスで送達される、請求項18から26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記肺高血圧症が、WHO第I群、WHO第II群、WHO第III群、WHO第IV群、およびWHO第V群の肺高血圧症から選択され、任意に選択で、WHO第V群の肺高血圧症である、請求項18から27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記患者が、長期酸素療法(LTOT)を受けている、請求項18から28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記吸入用一酸化窒素が、約20mcg/kg IBW/時間~約150mcg/kg IBW/時間の範囲の用量で投与される、請求項18から29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
iNOの前記用量が、約30mcg/kg IBW/時間、約45mcg/kg IBW/時間、約75mcg/kg IBW/時間、および約125mcg/kg IBW/時間から選択される、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
iNOの前記用量が、約45mcg/kg IBW/時間である、請求項18から31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
iNOの前記用量が、約125mcg/kg IBW/時間である、請求項18から31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記患者は、肺高血圧症(PH)を有するおよび/または発症するリスクが低い、リスクが中程度である、またはリスクが高い、請求項1から33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
請求項1から34のいずれか一項に記載の方法であって、前記患者の1つまたは複数の活動レベルの低下を防止、活動レベルを維持、または改善することをさらに含む方法。
【請求項36】
前記1つまたは複数の活動レベルが、全般的活動、非座位活動、中等度の活動、中高強度身体活動(MVPA)、歩数、カロリー、代謝当量単位(MET)、睡眠、心拍数、酸素飽和度、消費カロリー、6分歩行距離(6MWD)試験、およびその他のタイプの活動および/または日常活動パラメーターから選択される、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
サルコイドーシスに関連する肺高血圧症(PH-SARC)の治療を必要とする患者におけるサルコイドーシスに関連する肺高血圧症(PH-SARC)を治療するための方法であって、前記患者に吸入用一酸化窒素(iNO)を投与することを含み、前記iNOが、
a.1回の呼吸の合計吸息時間を含む、前記患者における呼吸パターンを検出するステップと、
b.前記呼吸パターンを、約45mcg/kg IBW/時間の用量の一酸化窒素を投与するタイミングを算出するためのアルゴリズムと関連付けるステップと、
c.前記患者に前記一酸化窒素を、前記合計吸息時間の一部の時間にわたってパルス方式で送達するステップと
によってパルス方式で送達される方法。
【請求項38】
サルコイドーシスに関連する肺高血圧症(PH-SARC)の治療を必要とする患者におけるサルコイドーシスに関連する肺高血圧症(PH-SARC)を治療するための方法であって、前記患者に吸入用一酸化窒素(iNO)を投与することを含み、前記iNOが、
a.1回の呼吸の合計吸息時間を含む、前記患者における呼吸パターンを検出するステップと、
b.前記呼吸パターンを、約125mcg/kg IBW/時間の用量の一酸化窒素を投与するタイミングを算出するためのアルゴリズムと関連付けるステップと、
c.前記患者に前記一酸化窒素を、前記合計吸息時間の一部の時間にわたってパルス方式で送達するステップと
によってパルス方式で送達される方法。
【請求項39】
肺血管抵抗(PVR)の低下を必要とする患者におけるサルコイドーシスに関連する肺高血圧症(PH-SARC)を有するまたは有するリスクがある患者の肺血管抵抗(PVR)を低下させるための方法であって、前記患者に吸入用一酸化窒素(iNO)を投与することを含み、前記一酸化窒素が、
a.1回の呼吸の合計吸息時間を含む、前記患者における呼吸パターンを検出するステップと、
b.前記呼吸パターンを、約45mcg/kg IBW/時間の用量の一酸化窒素を投与するタイミングを算出するためのアルゴリズムと関連付けるステップと、
c.前記一酸化窒素を、前記患者に前記合計吸息時間の一部の時間にわたってパルス方式で送達するステップと
によってパルス方式で送達される方法。
【請求項40】
肺血管抵抗(PVR)の低下を必要とする患者におけるサルコイドーシスに関連する肺高血圧症(PH-SARC)を有するまたは有するリスクがある患者の肺血管抵抗(PVR)を低下させるための方法であって、前記患者に吸入用一酸化窒素(iNO)を投与することを含み、前記一酸化窒素が、
a.1回の呼吸の合計吸息時間を含む、前記患者における呼吸パターンを検出するステップと、
b.前記呼吸パターンを、約125mcg/kg IBW/時間の用量の一酸化窒素を投与するタイミングを算出するためのアルゴリズムと関連付けるステップと、
c.前記一酸化窒素を、前記患者に前記合計吸息時間の一部の時間にわたってパルス方式で送達するステップと
によってパルス方式で送達される方法。
【請求項41】
平均肺動脈圧(mPAP)の低下を必要とする患者におけるサルコイドーシスに関連する肺高血圧症(PH-SARC)を有するまたは有するリスクがある患者の平均肺動脈圧(mPAP)を低下させるための方法であって、前記患者に吸入用一酸化窒素(iNO)を投与することを含み、前記一酸化窒素が、
a.1回の呼吸の合計吸息時間を含む、前記患者における呼吸パターンを検出するステップと、
b.前記呼吸パターンを、約45mcg/kg IBW/時間の用量の一酸化窒素を投与するタイミングを算出するためのアルゴリズムと関連付けるステップと、
c.前記一酸化窒素を、前記患者に前記合計吸息時間の一部の時間にわたってパルス方式で送達するステップと
によってパルス方式で送達される方法。
【請求項42】
平均肺動脈圧(mPAP)の低下を必要とする患者におけるサルコイドーシスに関連する肺高血圧症(PH-SARC)を有するまたは有するリスクがある患者の平均肺動脈圧(mPAP)を低下させるための方法であって、前記患者に吸入用一酸化窒素(iNO)を投与することを含み、前記一酸化窒素が、
a.1回の呼吸の合計吸息時間を含む、前記患者における呼吸パターンを検出するステップと、
b.前記呼吸パターンを、約125mcg/kg IBW/時間の用量の一酸化窒素を投与するタイミングを算出するためのアルゴリズムと関連付けるステップと、
c.前記一酸化窒素を、前記患者に前記合計吸息時間の一部の時間にわたってパルス方式で送達するステップと
によってパルス方式で送達される方法。
【請求項43】
呼吸パターンを検出するステップが、呼吸レベルトリガーおよび呼吸傾斜トリガーから選択される少なくとも1つのトリガーの使用を含む、請求項37から42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
前記アルゴリズムが、閾値感度および傾斜アルゴリズムの一方または両方を使用し、前記傾斜アルゴリズムは、圧力降下速度が既定の閾値レベルに達した際に呼吸を検出する、請求項37から43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
肺血管抵抗(PVR)が、ベースラインレベルと比較して、少なくとも約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、または約50%以上低下し、任意選択で少なくとも約20%低下する、請求項39、40、43、または44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
平均肺動脈圧(mPAP)が、ベースラインレベルと比較して、少なくとも約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、または約50%以上低下し、任意選択で少なくとも約10%低下する、請求項41から44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
ベースラインレベルと比較して、安静時心拍出量(CO)を維持することおよび/または肺毛細血管楔入圧(PCWP)を維持することをさらに含む、請求項37から46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
iNOの前記用量の送達が、前記合計吸息時間の最初の3分の1、前記合計吸息時間の最初の3分の2、または前記合計吸息時間の最初の2分の1以内に送達される、請求項37から47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
iNOの前記用量の少なくとも50パーセントの送達が、前記合計吸息時間の最初の3分の1以内に行われ、iNOの前記用量の少なくとも90パーセントの送達が、前記合計吸息時間の最初の3分の2以内に行われ、および/またはiNOの前記用量の少なくとも70パーセントの送達が、前記合計吸息時間の最初の2分の1以内に行われる、請求項37から48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
前記一酸化窒素が、一定期間にわたって一連のパルスで送達される、請求項37から49のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
前記肺高血圧症が、WHO第I群、WHO第II群、WHO第III群、WHO第IV群、およびWHO第V群の肺高血圧症から選択され、任意選択で、WHO第V群の肺高血圧症である、請求項37から50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
前記患者が、長期酸素療法(LTOT)を受けている、請求項37から51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
前記患者は、肺高血圧症(PH)を有するおよび/または発症するリスクが低い、リスクが中程度である、またはリスクが高い、請求項37から52のいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
請求項37から53のいずれか一項に記載の方法であって、前記患者の1つまたは複数の活動レベルの低下を防止、活動レベルを維持、または改善することをさらに含む方法。
【請求項55】
前記1つまたは複数の活動レベルが、全般的活動、非座位活動、中等度の活動、中高強度身体活動(MVPA)、歩数、カロリー、代謝当量単位(MET)、睡眠、心拍数、酸素飽和度、消費カロリー、6分歩行距離(6MWD)試験、およびその他のタイプの活動および/または日常活動パラメーターから選択される、請求項54に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[001]本出願は、2022年1月4日出願の「Use of Inhaled Nitric Oxide for Decreasing Pulmonary Arterial Pressure and Pulmonary Vascular Resistance」と題する米国仮特許出願第63/296,359号、2022年5月13日出願の「Use of Inhaled Nitric Oxide for Decreasing Pulmonary Arterial Pressure and Pulmonary Vascular Resistance」と題する米国仮特許出願第63/341,986号、2022年5月16日出願の「Use of Inhaled Nitric Oxide for Decreasing Pulmonary Arterial Pressure and Pulmonary Vascular Resistance」と題する米国仮特許出願第63/342,535号、の利益を主張し、それらの出願はすべて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
[002]本出願は、概して、一酸化窒素を投与するための装置および方法、いくつかの実施形態において、サルコイドーシスに関連する肺高血圧症(PH-SARC)を有する患者への一酸化窒素のパルス送達に関し、また、概して、一酸化窒素を投与するための方法、いくつかの実施形態において、肺動脈圧(PAP)および肺血管抵抗(PVR)を低下させるための、同じ患者への一酸化窒素のパルス送達に関する。
【背景技術】
【0003】
[003]一酸化窒素(NO)は、吸入すると、肺の血管を拡張させる作用を示すガスであり、血液の酸素化を改善し、肺高血圧症を軽減する。このため、一酸化窒素は、病態、例えば、肺動脈性肺高血圧症(PAH)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、気腫合併肺線維症(CPFE)、嚢胞性線維症(CF)、特発性肺線維症(IPF)、肺気腫、間質性肺疾患(ILD)、慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)、慢性高山病、または他の肺疾患による、息切れ(呼吸困難)、疲労、運動能力の低下、酸素飽和度低下、および場合により他の適応症を発症している患者の吸息呼吸相における治療用ガスとして提供される。
【0004】
[004]適切な条件下で投与される場合、NOは治療上有効である可能性があるが、正しく投与されなかった場合には有毒にもなり得る。NOは、酸素と反応して二酸化窒素(NO)を形成するが、NO送出管内に酸素または空気が存在する場合、NOが形成される可能性がある。NOは、多くの副作用を招く可能性のある有毒ガスであり、Occupational Safety&Health Administration(OSHA)は、一般産業におけるその許容曝露限界をわずか5ppmと規定している。このため、NO療法の間、NOへの曝露を制限することは望ましい。
【0005】
[005]肺高血圧症関連PH-SARCを有する患者を治療するためのiNOの使用に関する実施形態の以下の詳細な説明は、例示的な実施形態の添付の図面と共に読まれることで、より良く理解されるであろう。しかし、開示は、示された正確な配置および手段に限定されないことを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】[007]吸入された一酸化窒素(iNO)の種々の用量にわたるmPAP、PCWP、COおよびPVRの変化の検査を含む、例示的な急性iNO用量漸増研究設計を示す概略図である。
図2-1】[008]図2A~2Hは、PVR、mPAP、COおよびPCWPの変化に関連するベースライン血行動態からの絶対変化を示す実験データのグラフである。
図2-2】図2A~2Hは、PVR、mPAP、COおよびPCWPの変化に関連するベースライン血行動態からの絶対変化を示す実験データのグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[009]別段の定めがない限り、本明細書で使用される全ての技術的および科学的用語は、本開示が属する技術分野の当業者に一般的に理解されるものと同じ意味を有する。
【0008】
[0010]本開示のいくつかの例示的な実施形態を説明する前に、本開示が、以下の説明に明記された構成または工程段階の詳細に限定されるものではないことは理解されるべきである。本開示は、他の実施形態が可能であるとともに、様々な方法で実践するか、または実行することができる。
【0009】
[0011]本明細書全体を通した「一実施形態」、「特定の実施形態」、「1つまたは複数の実施形態」、または「ある実施形態」への言及は、実施形態に関連して説明された特定の特徴、構造、材料、または特性が、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。このため、本明細書全体を通して様々な箇所における「1つまたは複数の実施形態において」、「特定の実施形態において」、「一実施形態において」、または「ある実施形態において」などの語句の出現は、必ずしも本開示の同じ実施形態を意味していない。さらに、特定の特徴、構造、材料、または特性は、1つまたは複数の実施形態において、任意の適当な方法で組み合わされる場合がある。
【0010】
[0012]本開示は、特定の実施形態を参照して本明細書で説明されているが、これらの実施形態が、本開示の原理および用途を単に例示するものであることは理解されるべきである。本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、本開示の方法および装置に対する様々な修正および変形を行うことが可能であることは、当業者にとって明白であろう。このため、本開示は、添付の特許請求の範囲およびその等価物の範囲内である修正および変形を含むことが意図される。
【0011】
定義
[0013]「有効量」または「治療上有効な量」という用語は、本明細書に記載される化合物または化合物の組合せの量であって、以下に限定されないが、疾患の治療を含む、意図された用途に影響を与えるために十分な量を指す。治療上有効な量は、意図された用途(in vitroまたはin vivo)、治療する対象および病状(例えば、対象の体重、年齢、および性別)、病状の重症度、投与の方法などによって変更されることがあり、当業者によって容易に決定され得る。この用語は、標的細胞における特定の反応(例えば、血小板粘着能の低下および/または細胞遊走の減少)を引き起こすであろう用量にも適用される。具体的な用量は、選ばれた特定の化合物、準拠される投与レジメン、化合物が他の化合物と組み合わせて投与されるかどうか、投与タイミング、投与される組織、および化合物が運ばれる物理的送達システムによって変更されるであろう。
【0012】
[0014]本明細書で使用する場合、「治療効果」という用語は、治療的利益および/または予防的利益を包含する。予防効果には、疾患もしくは状態の出現を遅延させることもしくは排除すること、疾患もしくは状態の症状の発症を遅延させることもしくは排除すること、疾患もしくは状態の進行を緩やかにすること、止めること、もしくは後退させること、またはその任意の組合せが含まれる。
【0013】
[0015]本開示の態様を説明するために、例えば、投与範囲、製剤の構成成分の量などの範囲を本明細書で使用する場合、範囲の全ての組合せおよび下位の組合せならびにその場合の特定の実施形態を含むことが意図されている。数または数値範囲に言及する場合における「約」という用語の使用は、言及された数または数値範囲が、実験のばらつき内(すなわち、統計的実験誤差内)の概数であり、このため、この数または数値範囲は変動することがある。この変動は、前述の数または数値範囲の通常0%~約25%、0%~約20%、0%~15%、好ましくは0%~10%、より好ましくは0%~5%である。「含んでいる(comprising)」という用語(および「含む(comprise)」または「含む(comprises)」または「有している」または「含んでいる(including)」などの関連用語)は、例えば、記載される特徴「からなる」もしくは「から本質的になる」物質の任意の組成物、任意の方法、または任意の工程の実施形態のような実施形態を含む。
【0014】
[0016]誤解を避けるために、本開示の特定の態様、実施形態、または実施例に関連して説明される特定の特徴(例えば、整数、特性、値、使用、疾病、式、化合物、または群)は、それと矛盾しない限り、本明細書に記載される他のいかなる態様、実施形態、または実施例にも適用できると理解されるべきであることは、本明細書で意図されている。したがって、このような特徴は、本明細書で定義される定義、請求項、または実施形態のいずれかに関連して適切であれば、使用されることがある。本明細書(任意の添付の請求項、要約、および図を含む)で開示される特徴の全て、および/または同様に開示される任意の方法または工程の段階の全ては、特徴および/または階段の少なくともいくつかが互いに相容れない組合せを除く、任意の組合せで組み合わせてもよい。本開示は、開示されるいかなる実施形態のいかなる詳細にも限定されるものではない。本開示は、本明細書(任意の添付の請求項、要約、および図を含む)で開示される特徴のうちの任意の新規のものもしくは任意の新規の組合せ、または同様に開示される任意の方法または工程の段階のうちの任意の新規のものもしくは任意の新規の組合せに及ぶ。
【0015】
[0017]本明細書で使用する場合、「サルコイドーシスに関連する肺高血圧症(PH-SARC)」および「サルコイドーシス関連肺高血圧症(SAPH)」という用語は、互換的に使用される。
【0016】
[0018]サルコイドーシスは、炎症細胞(肉芽腫)の増殖を特徴とし、最も一般的には肺またはリンパ組織に発生する。サルコイドーシスの原因は不明であるが、遺伝的に素因のある人における感染または化学物質などの未知の誘因に対する免疫反応であると考えられている。症状には、疲労、体重減少、関節の痛み、ドライアイ、膝の腫脹、かすみ目、息切れ、乾いた空咳、または皮膚病変が含まれる。
【0017】
[0019]本開示に関して、特定の実施形態において、ある用量のガス(例えば、NO)は、患者による吸息の間に患者に投与される。実施形態において、ある用量のガス(例えば、NO)は、患者による吸息の間にパルスで患者に投与される。驚くべきことに、一酸化窒素の送達は、合計呼吸吸息時間またはその一部、例えば最初の3分の2にわたって、精密で正確に行われることが可能であり、患者は、このような送達による利益を得ることが見出されている。医薬品の損失および有害な副作用のリスクを最小限に抑えるこのような送達は、パルス投与の有効性を高め、ひいては、有効であるために、患者に投与する必要のあるNOの全体的な量をより少なくする結果となる。このような送達は、種々の疾患、例えば、以下に限定されないが、世界保健機関(WHO)第I~V群の肺高血圧症を含む、サルコイドーシスに関連する肺高血圧症(PH-SARC)の治療のために有用である。
【0018】
[0020]NOの有効な投与は、薬物の量および送達のタイミングを含む、多くの異なる可変要因に基づく。米国特許第7,523,752号、第8,757,148号、第8,770,199号、および第8,803,717号、ならびにNO送達デバイスの設計に対する意匠特許第D701,963号を含む、NO送達に関連する複数の特許が付与されており、その全ては参照により本明細書に組み込まれている。さらに、US2013/0239963およびUS2016/0106949を含む、NO送達に関連する係属中の出願があり、その両方とも参照により本明細書に組み込まれている。これらの特許および係属中の公報をふまえても、サルコイドーシスに関連する肺高血圧症(PH-SARC)の治療において、治療用量による利益を最大限に高め、潜在的に有害な副作用を最小限に抑えるため、精密に制御された方式で、NOを送達する方法および装置はいまだに必要とされている。
【0019】
[0021]このような精度は、換気が不十分な肺領域の部分のみをNOに曝露するという点で、さらに有利である。低酸素症およびヘモグロビンの障害も、このようなパルス送達を用いることで減少する可能性があるが、NOへの曝露もより限定的なものとなる。
本開示のデバイス
[0022]特定の実施形態において、本開示は、デバイス、例えば、ある用量のガス(例えば、一酸化窒素)を必要としている患者に送達するためのプログラム可能なデバイスを含む。デバイスは、送達部分、患者に送達するための圧縮ガスを含む薬剤カートリッジ、呼吸感度設定を含む患者の呼吸パターンを検出するための呼吸感知部分、圧縮ガスをいつ患者に投与するかを決定するための少なくとも1つの呼吸検出アルゴリズム、および該用量の一酸化窒素を1回または複数回の一連のパルスを介して患者に投与するための部分を含むことができる。
【0020】
[0023]特定の実施形態において、薬剤カートリッジは交換可能である。
【0021】
[0024]特定の実施形態において、送達部分は、経鼻カニューレ、フェイスマスク、噴霧器、および鼻吸入器のうちの1つまたは複数を含む。特定の実施形態において、この送達部分は、1種または複数の他のガス(例えば、酸素)を患者に同時に投与することを可能にする第2の送達部分をさらに含むことができる。
【0022】
[0025]特定の実施形態において、また本明細書の別の箇所で詳述されるように、デバイスは、閾値感度および傾斜アルゴリズムのうちの1つまたは両方を用いるアルゴリズムであって、傾斜アルゴリズムが、圧力降下速度が既定の閾値に達した際に呼吸を検出するアルゴリズムを含む。
【0023】
[0026]本開示のある実施形態において、機械的に、パルス用量のガスは、排出されない場合、他のガスセンサーにおいて通常問題を引き起こすベンチュリー効果を低下させることができる。例えば、本開示のパルス用量を用いない場合、Oを、NOのような別のガスと同時に投与する際に、O背圧センサーが、Oの送達を無効にすることがある。
【0024】
呼吸パターン、検出、およびトリガー
[0027]呼吸パターンは、個人、時間帯、活動のレベル、および他の可変要因に基づいて変動する。このため、個人の呼吸パターンを予め決定することは困難である。そのため、呼吸パターンに基づいて患者に治療法を届ける送達システムは、有効であるために、可能性のある呼吸パターンの範囲に対処可能であるべきである。
【0025】
[0028]特定の実施形態において、患者または個人は任意の年齢であり得るが、より特定の実施形態において、患者の年齢は16歳以上または18歳以上である。
【0026】
[0029]本開示のある実施形態において、呼吸パターンには、本明細書で使用される通り、単回の呼吸に対して決定される合計吸息時間の測定値が含まれる。しかし、文脈によって、「合計吸息時間」は、療法の間に検出された全ての呼吸における全ての吸息時間の総和を指すこともある。合計吸息時間は、観察されるか、または算出される場合がある。別の実施形態において、合計吸息時間は、シミュレートした呼吸パターンに基づいて検証された時間である。
【0027】
[0030]本開示のある実施形態において、呼吸検出には、少なくとも1つのトリガーが含まれ、いくつかの実施形態では、一緒に機能する少なくとも2つの個別のトリガー、すなわち、呼吸レベルトリガー(breath level trigger)および/または呼吸傾斜トリガー(breath slope trigger)が含まれる。
【0028】
[0031]本開示のある実施形態において、呼吸レベルトリガーアルゴリズムは、呼吸検出のために使用される。呼吸レベルトリガーは、圧力の閾値レベル(例えば、閾値陰圧)が吸息に達した際に呼吸を検出する。
【0029】
[0032]本開示のある実施形態において、呼吸傾斜トリガーは、圧力波形の傾斜が吸息を示す際に呼吸を検出する。呼吸傾斜トリガーは、場合によっては、特に短くて浅い呼吸の検出に使用する場合に、閾値トリガーよりも正確である。
【0030】
[0033]本開示のある実施形態において、これら2つのトリガーの組合せによって、特に複数の治療用ガスが患者に同時に投与されている場合に、概してより正確な呼吸検出システムが提供される。
【0031】
[0034]本開示のある実施形態において、呼吸レベルおよび/または呼吸傾斜を検出するための呼吸感度制御は固定されている。本開示のある実施形態において、呼吸レベルまたは呼吸傾斜のいずれかを検出するための呼吸感度制御は、調整可能であるか、またはプログラム可能である。本開示のある実施形態において、呼吸レベルおよび/または呼吸傾斜を検出するための呼吸感度制御は、最低感度から最高感度までの範囲で調整可能であり、ここで、最高感度設定は、最低感度設定よりも呼吸を検出する感度が高い。
【0032】
[0035]少なくとも2つのトリガーが使用される特定の実施形態において、各トリガーの感度は、異なる相対的レベルで設定される。少なくとも2つのトリガーが使用される一実施形態において、1つのトリガーは、最大感度に設定され、もう1つのトリガーは、最大感度より低く設定される。少なくとも2つのトリガーが使用され、また1つのトリガーが呼吸レベルトリガーである一実施形態において、この呼吸レベルトリガーは、最大感度に設定される。
【0033】
[0036]しばしば、患者の吸入/吸息の全てが検出され、ガス(例えば、NO)のパルス投与に対する吸入/吸息イベントとして分類されるわけではない。検出の過誤は、特に複数のガスが患者に同時に投与されている場合、例えば、NOと酸素の組合せ療法で生じる可能性がある。
【0034】
[0037]本開示の実施形態および特に、呼吸傾斜トリガーを単独でまたは別のトリガーと組み合させて組み入れている実施形態は、吸息イベントの正しい検出を最大限に高めることが可能であり、それによって、タイミングにおける誤認または過誤による無駄を最小限に抑えつつ、療法の有効性および効率を最大限に高める。
【0035】
[0038]特定の実施形態において、患者へのガス送達のための時間枠にわたる患者の合計吸息回数の50%を上回る吸息が検出される。特定の実施形態において、患者の合計吸息回数の75%を上回る吸息が検出される。特定の実施形態において、患者の合計吸息回数の90%を上回る吸息が検出される。特定の実施形態において、患者の合計吸息回数の95%を上回る吸息が検出される。特定の実施形態において、患者の合計吸息回数の98%を上回る吸息が検出される。特定の実施形態において、患者の合計吸息回数の99%を上回る吸息が検出される。特定の実施形態において、患者の合計吸息回数の75%~100%が検出される。
【0036】
投与量および投与レジメン
[0039]本開示のある実施形態において、患者に送達する一酸化窒素は、1リットル当たりNO約3~約18mg、1リットル当たりNO約6~約10mg、1リットル当たりNO約3mg、1リットル当たりNO約6mg、1リットル当たりNO約15mg、または1リットル当たりNO約18mgの濃度で製剤化される。NOは、単独でまたは代替のガス療法と組み合わせて投与されることがある。特定の実施形態において、酸素(例えば、濃縮された酸素)は、NOと組み合わせて患者に投与され得る。実施形態において、NOは吸入用一酸化窒素(iNO)である。
【0037】
[0040]本開示のある実施形態において、ある体積の一酸化窒素は、呼吸当たり約0.350mL~約7.5mLの量で投与される(例えば、単回のパルスで)。いくつかの実施形態において、単回のセッション過程の間、各パルス用量における一酸化窒素の体積は同じであってよい。いくつかの実施形態において、ガスを患者に送達するための単回の時間枠の間、いくつかのパルス用量における一酸化窒素の体積は異なってもよい。いくつかの実施形態において、ガスを患者に送達するための単回の時間枠の過程の間、呼吸パターンをモニターしつつ、各パルス用量における一酸化窒素の体積を調整してもよい。本開示のある実施形態において、肺疾患の症状を治療するか、または軽減する目的のために、パルス単位(「パルス用量」)で患者に送達される一酸化窒素(ng)の量は、以下の通りに算出され、ナノグラムの値に四捨五入される:
用量mcg/kg-IBW/時間×理想体重kg(kg-IBW)×((1時間/60分)/(1分/呼吸数(bpm))×(1,000ng/ug)。
【0038】
[0041]例として、100mcg/kg IBW/時間の用量における患者Aは、理想体重が75kgであり、呼吸数が1分間当たり20呼吸(または、1時間当たり1200呼吸)である:
100mcg/kg-IBW/時間×75kg×(1時間/1200呼吸)×(1,000ng/ug)=1パルス当たり6250ng。
【0039】
[0042]特定の実施形態において、60/呼吸数(分)の変数は、投与イベント時間といわれることもある。本開示の別の実施形態において、投与イベント時間は、1秒、2秒、3秒、4秒、5秒、6秒、7秒、8秒、9秒、または10秒である。
【0040】
[0043]本開示のある実施形態において、単回のパルス用量によって、患者に治療効果(例えば、治療上有効な量のNO)がもたらされる。本開示の別の実施形態において、2回以上のパルス用量の総量によって、患者に治療効果(例えば、治療上有効な量のNO)がもたらされる。
【0041】
[0044]本開示のある実施形態において、一酸化窒素の少なくとも約300、約310、約320、約330、約340、約350、約360、約370、約380、約390、約400、約410、約420、約430、約440、約450、約460、約470、約480、約490、約500、約510、約520、約530、約540、約550、約560、約570、約580、約590、約600、約625、約650、約675、約700、約750、約800、約850、約900、約950、または約1000パルスが、1時間毎に患者に投与される。
【0042】
[0045]本開示のある実施形態において、一酸化窒素療法セッションは、時間枠にわたって生じる。一実施形態において、時間枠は、1日当たり少なくとも約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、約14時間、約14時間、約15時間、約16時間、約17時間、約18時間、または約24時間である。
【0043】
[0046]本開示のある実施形態において、一酸化窒素治療は、最短の治療過程の時間枠の間に実施される。本開示のある実施形態において、最短の治療過程は、約10分、約15分、約20分、約30分、約40分、約50分、約60分、約70分、約80分、または約90分である。本開示のある実施形態において、最短の治療過程は、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、約14時間、約14時間、約15時間、約16時間、約17時間、約18時間、または約24時間である。本開示のある実施形態において、最短の治療過程は、約1、約2、約3、約4、約5、約6、もしくは約7日間、または約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、もしくは約8週間、または約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約18、もしくは約24か月である。
【0044】
[0047]本開示のある実施形態において、一酸化窒素治療セッションは、1日当たり1回または複数回実施される。本開示のある実施形態において、一酸化窒素治療セッションは、1日当たり1回、2回、3回、4回、5回、6回、または6回を超えてもよい。本開示のある実施形態において、治療セッションは、月1回、2週に1回、週1回、1日置きに1回、1日1回、または1日に複数回実施されてもよい。
【0045】
NOパルスのタイミング
[0048]本開示のある実施形態において、呼吸パターンは、ある用量の一酸化窒素を投与するタイミングを算出するためのアルゴリズムと相関している。
【0046】
[0049]吸入/吸息イベントを検出する精度は、さらに、単回の検出された呼吸の合計吸息時間における特定の時間枠にガスを投与することで、ガス(例えば、NO)パルスのタイミングによって、その有効性を最大限に高める。
【0047】
[0050]本開示のある実施形態において、ガスのパルス用量の少なくとも50パーセント(50%)は、各呼吸の合計吸息時間の最初の3分の1にわたって送達される。本開示のある実施形態において、ガスのパルス用量の少なくとも60パーセント(60%)は、合計吸息時間の最初の3分の1にわたって送達される。本開示のある実施形態において、ガスのパルス用量の少なくとも75パーセント(75%)は、各呼吸の合計吸息時間の最初の3分の1にわたって送達される。本開示のある実施形態において、ガスのパルス用量の少なくとも85パーセント(85%)は、各呼吸の合計吸息時間の最初の3分の1にわたって送達される。本開示のある実施形態において、ガスのパルス用量の少なくとも90パーセント(90%)は、合計吸息時間の最初の3分の1にわたって送達される。本開示のある実施形態において、ガスのパルス用量の少なくとも92パーセント(92%)は、合計吸息時間の最初の3分の1にわたって送達される。本開示のある実施形態において、ガスのパルス用量の少なくとも95パーセント(95%)は、合計吸息時間の最初の3分の1にわたって送達される。本開示のある実施形態において、ガスのパルス用量の少なくとも99パーセント(99%)は、合計吸息時間の最初の3分の1にわたって送達される。本開示のある実施形態において、ガスのパルス用量の90%~100%は、合計吸息時間の最初の3分の1にわたって送達される。
【0048】
[0051]本開示のある実施形態において、パルス用量の少なくとも70パーセント(70%)は、合計吸息時間の最初の2分の1にわたって患者に送達される。さらに別の実施形態において、パルス用量の少なくとも75パーセント(75%)は、合計吸息時間の最初の2分の1にわたって患者に送達される。本開示のある実施形態において、パルス用量の少なくとも80パーセント(80%)は、合計吸息時間の最初の2分の1にわたって患者に送達される。本開示のある実施形態において、パルス用量の少なくとも90パーセント(90%)は、合計吸息時間の最初の2分の1にわたって患者に送達される。本開示のある実施形態において、パルス用量の少なくとも95パーセント(95%)は、合計吸息時間の最初の2分の1にわたって患者に送達される。本開示のある実施形態において、ガスのパルス用量の95%~100%は、合計吸息時間の最初の2分の1にわたって送達される。
【0049】
[0052]本開示のある実施形態において、パルス用量の少なくとも90パーセント(90%)は、合計吸息時間の最初の3分の2にわたって送達される。本開示のある実施形態において、パルス用量の少なくとも95パーセント(95%)は、合計吸息時間の最初の3分の2にわたって送達される。本開示のある実施形態において、パルス用量の95%~100%は、合計吸息時間の最初の3分の2にわたって送達される。
【0050】
[0053]集計した場合、療法セッション/時間枠にわたる複数回のパルス用量の投与も、上記の範囲に該当し得る。例えば、集計した場合、療法セッションの間に投与された全パルス用量のうちの95%を超える用量は、検出された全呼吸のうちの全吸息時間の最初の3分の2にわたって投与された。より高い精度の実施形態において、集計した場合、療法セッションの間に投与された全パルス用量のうちの95%を超える用量は、検出された全呼吸のうちの全吸息時間の最初の3分の1にわたって投与された。
【0051】
[0054]本開示の検出方法の精度の高さをふまえると、パルス用量を、吸息のうちの任意の特定の時間窓の間に投与することが可能である。例えば、パルス用量を、患者の吸息の最初の3分の1、中間の3分の1、または最後の3分の1に定めて投与することが可能である。あるいは、吸息の最初の2分の1または2番目の2分の1を、パルス用量を投与するための標的に定めることが可能である。さらに、投与するための標的を変更してもよい。一実施形態において、吸息時間の最初の3分の1を、1回または一連の吸息に対する標的とすることが可能であり、ここで、2番目の3分の1または2番目の2分の1を、同じまたは異なる療法セッションの間の続く1回または一連の吸息に対する標的としてもよい。あるいは、吸息時間の最初の4分の1が経過した後に、パルス投与を開始し、中間の2分の1(次の2つの4分の1)の間継続して、パルス投与が、吸息時間の最後の4分の1の開始時に終了するように定めることが可能である。いくつかの実施形態において、パルスは、50、100、もしくは200ミリ秒(ms)遅延する場合があるか、または約50~約200ミリ秒の範囲で遅延する場合がある。
【0052】
[0055]吸入の間にパルス投与を利用することは、パルス投与されたガス、例えば、NOへの曝露から、換気が不十分な肺領域および肺胞の曝露を低減する。一実施形態において、換気が不十分な(a)肺領域または(b)肺胞の5%未満がNOに曝露される。一実施形態において、換気が不十分な(a)肺領域または(b)肺胞の10%未満がNOに曝露される。一実施形態において、換気が不十分な(a)肺領域または(b)肺胞の15%未満がNOに曝露される。一実施形態において、換気が不十分な(a)肺領域または(b)肺胞の20%未満がNOに曝露される。一実施形態において、換気が不十分な(a)肺領域または(b)肺胞の25%未満がNOに曝露される。一実施形態において、換気が不十分な(a)肺領域または(b)肺胞の30%未満がNOに曝露される。一実施形態において、換気が不十分な(a)肺領域または(b)肺胞の50%未満がNOに曝露される。一実施形態において、換気が不十分な(a)肺領域または(b)肺胞の60%未満がNOに曝露される。一実施形態において、換気が不十分な(a)肺領域または(b)肺胞の70%未満がNOに曝露される。一実施形態において、換気が不十分な(a)肺領域または(b)肺胞の80%未満がNOに曝露される。一実施形態において、換気が不十分な(a)肺領域または(b)肺胞の90%未満がNOに曝露される。
【0053】
治療方法
[0056]本開示の一態様では、サルコイドーシスに関連する肺高血圧症(PH-SARC)の治療を必要とする患者におけるサルコイドーシスに関連する肺高血圧症(PH-SARC)を治療するための方法が記載されている。別の実施形態において、サルコイドーシスに関連する肺高血圧症(PH-SARC)を有するまたは有するおよび/もしくは発症するリスクがある患者の肺血管抵抗(PVR)を、例えばベースラインレベルと比較して低下させるための方法を提供する。別の実施形態において、サルコイドーシスに関連する肺高血圧症(PH-SARC)を有するまたは有するおよび/もしくは発症するリスクがある患者の平均肺動脈圧(mPAP)を、例えばベースラインレベルと比較して低下させることを提供する。いくつかの実施形態において、この方法は、PVRおよび/またはmPAPをベースラインレベルと比較することを含む。いくつかの実施形態において、この方法は、iNOの投与を含み、任意選択で、iNO投与を酸素で補う。本開示のある実施形態において、iNOは、本明細書で論じられるパルス方式に従って投与される。本開示のある実施形態において、iNOは、INOpuls(登録商標)デバイス(BellerofonTherapeutics)を使用して患者に送達される。ある実施形態において、患者は、サルコイドーシスに関連する肺高血圧症(PH-SARC)を有するまたは有するおよび/もしくは発症するリスクがある。ある実施形態において、患者は、サルコイドーシスに関連する肺高血圧症(PH-SARC)を有するおよび/または発症するリスクが低い。ある実施形態において、患者は、サルコイドーシスに関連する肺高血圧症(PH-SARC)を有するおよび/または発症するリスクが中程度である。ある実施形態において、患者は、サルコイドーシスに関連する肺高血圧症(PH-SARC)を有するおよび/または発症するリスクが高い。ある実施形態において、患者は、肺高血圧症(PH)を有するまたは有するおよび/もしくは発症するリスクがある。ある実施形態において、患者は、肺高血圧症(PH)を有するおよび/または発症するリスクが低い。ある実施形態において、患者は、肺高血圧症(PH)を有するおよび/または発症するリスクが中程度である。ある実施形態において、患者は、肺高血圧症(PH)を有するおよび/または発症するリスクが高い。いくつかの実施形態において、肺高血圧症は、WHO第I群、WHO第II群、WHO第III群、WHO第IV群、およびWHO第V群の肺高血圧症から選択される。いくつかの実施形態において、肺高血圧症は、WHO第V群の肺高血圧症である。
【0054】
[0057]一実施形態において、患者は、少なくとも約1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、13週間、14週間、15週間、16週間、17週間、18週間、19週間、または20週間の期間、1日当たり少なくとも12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、または24時間の期間、iNOを投与される。一実施形態において、患者は、iNOを8週間投与される。別の実施形態において、患者は、iNOを16週間投与される。本開示のある実施形態において、一酸化窒素療法セッションは、時間枠にわたって生じる。一実施形態において、時間枠は、1日当たり少なくとも約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、約14時間、約14時間、約15時間、約16時間、約17時間、約18時間、または約24時間である。
【0055】
[0058]本開示のある実施形態において、一酸化窒素治療は、最短の治療過程の時間枠の間に投与される。本開示のある実施形態において、最短の治療過程は、約10分、約15分、約20分、約30分、約40分、約50分、約60分、約70分、約80分、または約90分である。本開示のある実施形態において、最短の治療過程は、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、約14時間、約14時間、約15時間、約16時間、約17時間、約18時間、または約24時間である。本開示のある実施形態において、最短の治療過程は、約1、約2、約3、約4、約5、約6、もしくは約7日間、または約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、もしくは約8週間、または約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約18、もしくは約24か月である。
【0056】
[0059]本開示のある実施形態において、iNOは、約10mcg/kg理想体重(IBW)/時間~約200mcg/kg IBW/時間以上の範囲の用量で投与される。一実施形態において、iNOは、約20mcg/kg IBW/時間~約150mcg/kg IBW/時間の範囲の用量を投与される。一実施形態において、iNOは、約25mcg/kg IBW/時間~約100mcg/kg IBW/時間の範囲の用量を投与される。一実施形態において、iNOは、約30mcg/kg IBW/時間~約75mcg/kg IBW/時間の範囲の用量を投与される。一実施形態において、iNOは、約25mcg/kg IBW/時間~約50mcg/kg IBW/時間の範囲の用量を投与される。一実施形態において、iNOは、約30mcg/kg IBW/時間~約45mcg/kg IBW/時間の範囲の用量を投与される。一実施形態において、iNOは、約25mcg/kg IBW/時間の用量で投与される。一実施形態において、iNOは、約30mcg/kg IBW/時間の用量で投与される。一実施形態において、iNOは、約35mcg/kg IBW/時間の用量で投与される。一実施形態において、iNOは、約40mcg/kg IBW/時間の用量で投与される。一実施形態において、iNOは、約45mcg/kg IBW/時間の用量で投与される。一実施形態において、iNOは、約50mcg/kg IBW/時間の用量で投与される。一実施形態において、iNOは、約55mcg/kg IBW/時間の用量で投与される。一実施形態において、iNOは、約60mcg/kg IBW/時間の用量で投与される。一実施形態において、iNOは、約65mcg/kg IBW/時間の用量で投与される。一実施形態において、iNOは、約70mcg/kg IBW/時間の用量で投与される。一実施形態において、iNOは、約75mcg/kg IBW/時間の用量で投与される。一実施形態において、iNOは、約80mcg/kg IBW/時間の用量で投与される。一実施形態において、iNOは、約85mcg/kg IBW/時間の用量で投与される。一実施形態において、iNOは、約90mcg/kg IBW/時間の用量で投与される。一実施形態において、iNOは、約95mcg/kg IBW/時間の用量で投与される。一実施形態において、iNOは、約100mcg/kg IBW/時間の用量で投与される。一実施形態において、iNOは、約105mcg/kg IBW/時間の用量で投与される。一実施形態において、iNOは、約110mcg/kg IBW/時間の用量で投与される。一実施形態において、iNOは、約115mcg/kg IBW/時間の用量で投与される。一実施形態において、iNOは、約120mcg/kg IBW/時間の用量で投与される。一実施形態において、iNOは、約125mcg/kg IBW/時間の用量で投与される。一実施形態において、iNOは、約130mcg/kg IBW/時間の用量で投与される。一実施形態において、iNOは、約135mcg/kg IBW/時間の用量で投与される。一実施形態において、iNOは、約140mcg/kg IBW/時間の用量で投与される。一実施形態において、iNOは、約145mcg/kg IBW/時間の用量で投与される。一実施形態において、iNOは、約150mcg/kg IBW/時間の用量で投与される。一実施形態において、iNOは、約155mcg/kg IBW/時間の用量で投与される。一実施形態において、iNOは、約160mcg/kg IBW/時間の用量で投与される。一実施形態において、iNOは、約165mcg/kg IBW/時間の用量で投与される。一実施形態において、iNOは、約170mcg/kg IBW/時間の用量で投与される。一実施形態において、iNOは、約175mcg/kg IBW/時間の用量で投与される。一実施形態において、iNOは、約180mcg/kg IBW/時間の用量で投与される。一実施形態において、iNOは、約185mcg/kg IBW/時間の用量で投与される。一実施形態において、iNOは、約190mcg/kg IBW/時間の用量で投与される。一実施形態において、iNOは、約195mcg/kg IBW/時間の用量で投与される。一実施形態において、iNOは、約200mcg/kg IBW/時間の用量で投与される。
【0057】
[0060]本開示のある実施形態において、患者はまた、iNOと共に酸素を投与される。本開示のある実施形態において、酸素は、最大20L/分で投与される。本開示のある実施形態において、酸素は、最大1L/分、2L/分、3L/分、4L/分、5L/分、6L/分、7L分、8L/分、9L/分、10L/分、11L/分、12L/分、13L/分、14L/分、15L/分、16L/分、17L/分、18L/分、19L/分、または20L/分で投与される。本開示のある実施形態において、酸素は医師が処方するように投与される。いくつかの実施形態において、患者は、長期酸素療法(LTOT)を受けている。
【0058】
[0061]いくつかの実施形態において、サルコイドーシスに関連する肺高血圧症(PH-SARC)の治療を必要とする患者におけるPH-SARCに関連する肺高血圧症を治療するための方法は、PH-SARCに関連する1つまたは複数の症状の重症度を治療および/または軽減することをさらに含む。症状の非限定的な例としては、肺血管抵抗(PVR)の低下および平均肺動脈圧(mPAP)の低下が挙げられ、これらの症状は、ベースラインレベルと比較して低下される。いくつかの実施形態において、サルコイドーシスに関連する肺高血圧症(PH-SARC)の治療を必要とする患者におけるPH-SARCに関連する肺高血圧症を治療するための方法は、PH-SARCに関連する1つまたは複数の症状の重症度を維持することをさらに含む。症状の非限定的な例としては、肺血管抵抗(PVR)の低下および平均肺動脈圧(mPAP)の低下が挙げられる。
【0059】
[0062]非限定的な実施形態において、ベースラインレベルは、iNOの投与前に患者または患者コホート(例えば、PH-SARCを有する1または複数の患者)のレベル(例えば、PVR、mPAP)を測定および/または計算することによって決定することができる。
【0060】
[0063]いくつかの実施形態において、肺血管抵抗(PVR)は、ベースラインレベルと比較して、少なくとも約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、または約50%以上低下する。いくつかの実施形態において、肺血管抵抗(PVR)は、ベースラインレベルと比較して、少なくとも約20%低下する。
【0061】
[0064]いくつかの実施形態において、平均肺動脈圧(mPAP)は、ベースラインレベルと比較して、少なくとも約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、または約50%以上低下する。いくつかの実施形態において、平均肺動脈圧(mPAP)は、ベースラインレベルと比較して、少なくとも約10%低下する。
【0062】
[0065]一態様では、本明細書に開示された、サルコイドーシスに関連する肺高血圧症(PH-SARC)の治療を必要とする患者におけるサルコイドーシスに関連する肺高血圧症(PH-SARC)を治療するための方法は、治療中に現れる有害事象(AE)の発生を起こさず、もしくは結果としてもたらさず、および/または他の治療形態と比較して治療中に現れる有害事象(AE)の重症度を低減する。いくつかの実施形態において、治療中に現れる有害事象(AE)には、デバイスの欠陥に関連するものが含まれる。
【0063】
[0066]実施形態において、本明細書に開示された、サルコイドーシスに関連する肺高血圧症(PH-SARC)の治療を必要とする患者におけるサルコイドーシスに関連する肺高血圧症(PH-SARC)を治療するための方法は、iNOの急性離脱に関連するリバウンドに起因し得る症状を起こさず、もしくは結果としてもたらさず、および/または他の一酸化窒素治療と比較して、iNOの急性離脱に関連するリバウンドに起因し得る症状の重症度を低減する。iNOの急性離脱に関連するリバウンドに起因し得る症状の非限定的な例:全身性動脈血酸素飽和度低下、低酸素血症、徐脈、頻脈、全身性低血圧、息切れ、失神寸前、および失神。
【0064】
[0067]実施形態において、本明細書に開示される、サルコイドーシスに関連する肺高血圧症(PH-SARC)の治療を必要とする患者におけるサルコイドーシスに関連する肺高血圧症(PH-SARC)を治療するための方法は、例えばベースラインレベルと比較して、バイタルサインおよび/または他のパラメーターの維持をもたらす。実施形態において、バイタルサインおよび/または他のパラメーターは、ベースラインレベルと比較して、他のタイプの治療の投与によって悪影響を受ける。他のパラメーターの非限定的な例としては、酸素飽和度、心拍出量(CO)、および肺毛細血管楔入圧(PCWP)の変化が挙げられる。実施形態において、この方法は、ベースラインレベルと比較して安静時心拍出量(CO)を維持することをさらに含む。実施形態において、この方法は、ベースラインレベルと比較して肺毛細血管楔入圧(PCWP)を維持することをさらに含む。
【0065】
[0068]本開示のある実施形態において、iNOの効果を評価するのに有用な他のパラメーターには、臨床的改善までの時間および臨床的悪化までの時間が含まれる。iNOの治療を受けた患者では、臨床的改善が見られるまでにかかる時間が短くなり、臨床的悪化が見られるまでにかかる時間が長くなることが予想される。患者関連アウトカム(Patient related outcome)測定(PRO)もまた、iNOの効果を評価するのに有用である。PROは質問票の形で測定され、生活の質全般に関する対象の視点を提供する。PROの非限定的な例としては、セントジョージ呼吸器質問票(SGRQ)およびUniversity of California、San Diego息切れ質問票(UCSD SOBQ)、Kingサルコイドーシス質問票(KSQ)、倦怠感評価スケール(FAS)、およびemPHasis10、が挙げられる。これらの質問票は、当技術分野で使用される標準的質問票であり、周知であり、臨床的に受け入れられている。これらのPROの両スコアの改善が、iNO療法を受けている患者に対して予想される。
【0066】
アクチグラフィ
[0069]本開示はまた、サルコイドーシスに関連する肺高血圧症(PH-SARC)を有するまたは有するおよび/もしくは発症するリスクがある患者の活動レベルを改善もしくは維持する、または活動レベルの低下を防止する方法に関する。この方法は、アクチグラフィを使用して活動レベルの変化を監視および測定することを含む。
【0067】
[0070]実施形態において、アクチグラフィは、歩数計もしくは加速度計に類似したウェアラブル活動モニター、または三軸加速度計、Actigraph GT9X、またはFITBIT(登録商標)の使用を伴い、これによって活動パラメーターを測定する。このような活動モニターによって、活動を評価し、ユーザーの活動パラメーターを測定する。測定される活動パラメーターには、全般的活動、非座位活動、中等度活動、中高強度身体活動(MVPA)、歩数、カロリー、代謝当量単位(MET)、睡眠、心拍数、酸素飽和度、消費カロリー、6分歩行距離(6MWD)試験、およびその他の種類の活動および/または日常活動パラメーターが含まれる。
【0068】
[0071]本開示のある実施形態において、活動レベルは、一定期間にわたって絶えず監視および測定される。本開示のある実施形態において、活動レベルは、一定期間にわたって断続的に監視および測定される。一実施形態において、活動レベルは、少なくとも約1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、13週間、14週間、15週間、16週間、17週間、18週間、19週間、20週間、21週間、22週間、23週間、24週間、25週間、または26週間の期間、1日当たり少なくとも約8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、または24時間の期間にわたって監視および測定される。別の実施形態において、活動レベルは、少なくとも約1か月、2か月、3か月、4か月、5か月、または6か月の期間、少なくとも1日当たり約8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、または24時間の期間にわたって監視および測定される。別の実施形態において、活動レベルは、患者が覚醒している時間中にのみ監視される。一実施形態において、活動レベルは、覚醒期間全体にわたって連続的な方法で測定される。別の実施形態において、患者は、ある特定の活動のためにデバイスを取り外すことができ、したがって、活動レベルは、覚醒期間にわたって非連続的な方法で測定される。別の実施形態において、覚醒期間は少なくとも10時間である。別の実施形態において、覚醒期間は少なくとも8時間である。別の実施形態において、覚醒期間は少なくとも12時間である。別の実施形態において、覚醒期間は少なくとも14時間である。
【0069】
[0072]本開示のある実施形態において、活動レベルは、ベースライン活動レベルと比較して改善されている。ある実施形態において、ベースライン活動レベルは、血管拡張剤の投与前に少なくとも1週間監視および測定される。別の実施形態において、ベースライン活動レベルは、約1日~約14日間、約1日~約10日間、約1日~約7日間、または約1日~約5日間監視または測定される。別の実施形態において、ベースライン活動レベルは、約1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、または14日間、監視または測定される。本開示のある実施形態において、ベースライン活動は、約7日間監視または測定される。本開示のある実施形態において、ベースライン活動レベルは、1日当たり約6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間15時間、16時間17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、または24時間の期間にわたって監視または測定される。本開示のある実施形態において、ベースライン活動は、対象が覚醒している間、監視または測定される。本開示のある実施形態において、ベースライン活動は、対象が眠っている間、監視または測定される。本開示のある実施形態において、ベースライン活動は、対象が覚醒し、眠っている時間中に、監視または測定される。
【0070】
[0073]一実施形態において、活動レベルは、ベースライン活動レベルと比較して改善されている。一実施形態において、活動レベルは、約1%~約50%改善される。別の実施形態において、活動レベルは、ベースライン活動レベルと比較して、約1%~約25%改善される。別の実施形態において、活動レベルは、ベースライン活動レベルと比較して、約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、または25%改善される。別の実施形態において、活動レベルは、ベースライン活動レベルと比較して、約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、または50%改善される。
【0071】
[0074]本開示の別の実施形態において、活動レベルは、ベースライン活動レベルと比較して維持されている。別の実施形態において、活動レベルは、ベースライン活動レベルと比較して低下しない。別の実施形態において、活動レベルは、未治療患者またはプラセボ患者よりも治療患者において経時的に低下することが少ない。一実施形態において、活動レベルは、治療患者において約5%低下し、一方、活動レベルは、プラセボ患者または未治療患者において約20%以上低下する。
【0072】
[0075]本開示の一実施形態において、対象は、非利き腕にアクチグラフィモニターを装着する。手首の加速度は、モニターによって継続的に測定される。モニターは30Hzで3軸加速度を記録する。アルゴリズムは、加速度の測定値を分単位の活動数に変換する。各分は、確立され検証されたカットポイントに基づいた活動レベルで分類される。アルゴリズムはまた、装着時間、カロリー、およびその他のパラメーターを決定することができる。1日の活動データは、データの比較ができるように、週の活動レベルに変換される。所定のフィルターを利用して、順守データのみが分析されるようにする。このようなフィルターには、順守を確保するための最小数の「装着覚醒」分(例えば、少なくとも600分)を含めることができ、および順守(complaint)週に少なくとも3日の順守日を含めることができる。フィルターは、アクチグラフィ分析に使用される業界標準に基づいていてもよい。
【0073】
[0076]カウントは、複数の方法で活動レベルに変換することができる。例えば、カウントの平均は、身体活動の直接的な測定値を提供する。表Aに示すように、1日の各分を活動強度に変換して、座位、軽強度、中強度、および高強度活動の時間量を決定することができる。
【表A】
【0074】
[0078]本明細書に包含される実施形態は、以下の実施例を参照しつつ、ここで説明される。これらの実施例は、例示のみの目的で提供され、本明細書に包含される開示は、決してこれらの実施例に限定されると解釈されるべきではなく、むしろ、本明細書で提示される教示の結果として明らかとなるありとあらゆる変形を包含すると解釈されるべきである。
【0075】
実施例1:酸素補給を必要とするサルコイドーシス関連肺高血圧症(SAPH)を有する患者におけるINOpulseの第2相試験
[0079]サルコイドーシスを有する患者は、生活の質の低下および日常生活の活動の制限を伴う肺高血圧症(PH)を発症する場合がある。第2相試験は、サルコイドーシス関連PH患者に対する、強力かつ良好に確立された血管拡張薬であるパルスiNOの安全性および臨床的有効性を決定するように、ならびに、サルコイドーシスに関連する肺高血圧症の可能性があるかまたはサルコイドーシスに関連する肺高血圧症と確定された、長期酸素療法(LTOT)を受けている対象におけるiNOの安全かつ有効な用量を評価するように設計された。図1は、例示的な研究設計を示している。
【0076】
[0080]以前の右心カテーテル検査(RHC)または心エコー検査でPHとされたサルコイドーシス患者を、2部構成の非盲検研究に登録した。患者はRHCを受け、平均肺動脈圧(mPAP)、心拍出量(CO)、肺毛細血管楔入圧(pulmonary wedge pressure)(PCWP)を含むベースライン血行動態を確立し、肺血管抵抗(PVR)を導出した。
【0077】
[0081]患者には、INOpulseデバイスを介して、30mcg/kg理想体重/時間(iNO30)から始めて125mcg/kg理想体重/時間(iNO125)まで増加するパルスiNOの急性漸増用量を投与して、各用量レベルの血行動態パラメーターに対する影響を評価した。患者は、投与間に10分間のウォッシュアウトを伴って、投与ごとに10分間iNOによる治療を受けた。
【0078】
[0082]各用量レベルでの投与の後に、ウォッシュアウト期間が続いた。すべての血行動態波形を、盲検血行動態コアラボにより再調査して、呼気終末PAPおよびPCWPを決定した。急性血管拡張薬研究の後、対象は、治験責任医師によって決定された、RHC測定値によって最も有益であると判明したiNOの用量で、長期非盲検継続投与研究に参加する資格があった。
【0079】
[0083]表1Aおよび1Bは、本研究に登録された8名の患者の対象個体群統計を示している。
【0080】
【表1-1】
【0081】
【表1-2】
【0082】
【表1-3】
[0084]表2は、ベースラインの血行動態パラメーターを示している。
【0083】
【表2】
[0085]表3は、ベースラインの血行動態パラメーターからの変化を示している。
【0084】
【表3】
[0086]本研究の第1部の治療訪問中に、対象は、心臓カテーテル室/ICU/CCUに入院し、スワンガンツカテーテルが挿入され、30、45、75、125mcg/kg IBW/時間のiNOへの急性曝露中に監視された。本研究のこの部分では、血行動態の変化を監視した。研究の第1部の主要評価項目は、iNO 30、45、75、125mcg/kg IBW/時間による、平均肺動脈圧(mPAP)、肺毛細血管楔入圧(PCWP)、心拍出量(CO)、および肺血管抵抗(PVR)の変化をベースラインと比較評して価することであった。安全性評価項目には、デバイスの欠陥、iNOの急性離脱に関連するリバウンドに起因し得る症状:全身性動脈血酸素飽和度の低下、低酸素血症、徐脈、頻脈、全身性低血圧、息切れ、失神寸前、および失神、に関連するものを含む、治療中に現れた有害事象(AE)の発生率および重症度、ならびに酸素飽和度およびバイタルサインの変化、が含まれる。
【0085】
[0087]PH-Sarc患者8名全員に用量を増量し、少なくとも75mcg/kgを投与し、7名にはプロトコルに従って最高用量の125mcg/kgまで用量設定した。盲検コアラボにより判定すると、8名全員が、iNO30からiNO125までのiNOの用量にわたってmPAPおよびPVRの低下を示した。群のmPAPベースライン中央値は37.2mmHgであり、iNO30からiNO125までの用量にわたって6~10%低下した。群のPVRベースライン中央値は329ダイン*秒*cm-5であり、iNO45用量では20%の中央値低下(-54%~+22%)を示した。用量をiNO125用量まで増加させた結果、中央値は29%低下した(-43~-5%;ベースラインおよび以前の用量に対してp=0.02)。iNOに関連する有害事象または重大な有害事象は報告されていなかった。
【0086】
[0088]血行動態の変化を、PVR、mPAP、CO、およびPCWPのベースラインからの絶対変化(図2A~2Dに示す)およびパーセント変化(図2E~2Hに示す)について決定した。示された分析は、ベースラインからの変化を示している(箱ひげ図は、中央値、IQR、および最小/最大を示す)。ウィルコクソンログランク検定に基づく統計分析を、ベースラインと各用量との間、および各用量と先行の各用量との間で評価し、多重性に対する補正は行わなかった。8名の対象全員が、用量範囲全体でmPAPおよびPVRの低下を示し、iNO30用量ではベースラインと比較してmPAPが統計的に有意となり、iNO125用量ではベースラインと先行のiNO75用量の両方と比較してPVRが統計的に有意となった。COおよびPCWPは、すべての用量にわたって安定なままであり、iNOは、すべての用量にわたって忍容性が良好であった。mPAP低下の中央値は6.3%~10.6%の範囲であり、IQRでは10%~15.8%の範囲であった。mPAPの低下は、iNO30用量では統計的に有意となった(p<0.05)が、データセットが小さいため、残りの用量では、ベースラインまたは先行の用量からの変化については統計的に有意なレベルには達しなかった。心拍出量の値はすべての用量にわたって安定なままであり、iNOのどの用量でも有意な変化は認められなかった。
【0087】
[0089]PVRの低下の中央値は7.0%~28.7%であり、IQRでは10.6%~37.7%であった。用量間の四分位範囲の重複を考慮し、試料サイズが小さいことにより、どの用量も明らかに優れているとは判断されなかったが、iNO125用量では、ベースラインと比較してPVRでは統計的に有意な低下が示され(p<0.05)、先行のiNO75用量でも低下が示された。
【0088】
[0090]本開示の好ましい実施形態は、本明細書で示され、説明されているが、このような実施形態は、例としてのみ提供されており、その他に本開示の範囲を限定することを意図するものではない。記載される本開示の実施形態に対する種々の代替は、本開示を実施する際に採用されることがある。
図1
図2-1】
図2-2】
【国際調査報告】