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特表2025-501419滅菌ラップならびに製造方法および使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-20
(54)【発明の名称】滅菌ラップならびに製造方法および使用
(51)【国際特許分類】
   A61B 50/30 20160101AFI20250110BHJP
   A61L 2/26 20060101ALI20250110BHJP
   B32B 5/02 20060101ALI20250110BHJP
   B32B 5/26 20060101ALI20250110BHJP
   B32B 7/05 20190101ALI20250110BHJP
   D04H 1/55 20120101ALI20250110BHJP
   D04H 1/587 20120101ALI20250110BHJP
   D04H 1/26 20120101ALI20250110BHJP
【FI】
A61B50/30
A61L2/26
B32B5/02 Z
B32B5/26
B32B7/05
D04H1/55
D04H1/587
D04H1/26
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024539395
(86)(22)【出願日】2021-12-28
(85)【翻訳文提出日】2024-08-05
(86)【国際出願番号】 IB2021062389
(87)【国際公開番号】W WO2023126647
(87)【国際公開日】2023-07-06
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518147286
【氏名又は名称】アールストローム オーワイジェイ
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】バーコム,クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ベントン,ダグラス・マッキー
【テーマコード(参考)】
4C058
4F100
4L047
【Fターム(参考)】
4C058AA12
4C058BB05
4C058EE02
4F100AJ04B
4F100AK01A
4F100AK07A
4F100AK12B
4F100AK25B
4F100AK27B
4F100AK42B
4F100BA02
4F100CA18B
4F100DG01B
4F100DG10B
4F100DG15A
4F100DG15B
4F100EC03
4F100EJ46
4F100GB16
4F100GB66
4F100JC00
4F100JD01
4F100JD04
4F100JG03A
4F100JK02
4F100JK03
4F100YY00A
4F100YY00B
4L047AA08
4L047AA14
4L047AA21
4L047AB02
4L047AB03
4L047BA08
4L047BC08
4L047BC14
4L047CA05
4L047CA19
4L047CB08
4L047CB10
4L047CC03
(57)【要約】
本明細書では、有利な滅菌ラップ、ならびにその製造の関連方法および使用が開示される。より詳細には、本開示は、熱可塑性材料を含む外層と、ウェットレイド不織布材料を含む内層とを有する有利な滅菌ラップを提供し、外層は、少なくとも第1の溶接領域によって内層に固定および接合される。本開示はまた、滅菌ラップを製造するための方法であって、熱可塑性材料を含む外層を提供することと、ウェットレイド不織布材料を含む内層を提供することと、少なくとも第1の溶接領域によって前記外層を前記内層に固定および接合することと、を含む、方法を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
滅菌ラップであって、
熱可塑性材料を含む外層と、
ウェットレイド不織布材料を含む内層と、を含み、
前記外層が、少なくとも第1の溶接領域によって前記内層に固定および接合される、滅菌ラップ。
【請求項2】
前記外層が、少なくとも前記第1の溶接領域によって前記内層に直接固定され、直接接合される、請求項1に記載の滅菌ラップ。
【請求項3】
前記外層が、熱可塑性材料の厚さを画定し、前記内層が、ウェットレイド不織布材料の厚さを画定し、
前記外層が、前記外層が少なくとも前記第1の溶接領域によって前記内層に固定および接合された後、別の層または材料の厚さに固定または接合されない、先行する請求項のいずれか1項に記載の滅菌ラップ。
【請求項4】
前記外層が、前記外層および前記内層の第1の縁部に沿って少なくとも前記第1の溶接領域によって前記内層に固定および接合される、先行する請求項のいずれか1項に記載の滅菌ラップ。
【請求項5】
前記外層が、前記外層および前記内層の第2の縁部に沿って少なくとも第2の溶接領域によって前記内層に固定および接合される、請求項4に記載の滅菌ラップ。
【請求項6】
前記外層および前記内層が、各々、添加された接着材料を含まない、先行する請求項のいずれか1項に記載の滅菌ラップ。
【請求項7】
前記外層が不織メルトブロー材料を含み、好ましくは、前記外層がメルトブロー合成繊維を含み、より好ましくは、前記外層がスパンボンド-メルトブローン-スパンボンド(SMS:spunbond-meltblown-spunbond)合成繊維を含み、さらにより好ましくは、前記外層がSMSポリプロピレン繊維等のSMSポリオレフィン繊維を含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の滅菌ラップ。
【請求項8】
前記第1の溶接領域または前記第2の溶接領域の少なくとも一方が、超音波溶接領域である、請求項5に記載の滅菌ラップ。
【請求項9】
前記滅菌ラップが、滅菌プロセス中に同時ラップ技術を利用して医療装置を滅菌するための使用に適している、先行する請求項のいずれか1項に記載の滅菌ラップ。
【請求項10】
前記滅菌ラップが、滅菌プロセス中に追加のトレイライナーを利用することなく医療装置を滅菌するための使用に適している、先行する請求項のいずれか1項に記載の滅菌ラップ。
【請求項11】
前記ウェットレイド不織布材料が、セルロース繊維、合成繊維、バインダー、および任意に界面活性剤を含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の滅菌ラップ。
【請求項12】
前記滅菌ラップの総目付重量が、1平方メートル当たり約70グラム(gsm)~約170gsmである、先行する請求項のいずれか1項に記載の滅菌ラップ。
【請求項13】
前記内層が、吸収性および透湿性である、先行する請求項のいずれか1項に記載の滅菌ラップ。
【請求項14】
前記滅菌ラップが、蒸気等の滅菌剤に対して透過性である、先行する請求項のいずれか1項に記載の滅菌ラップ。
【請求項15】
前記滅菌ラップが、微生物バリア特性を示し、細菌に対して不透過性である、先行する請求項のいずれか1項に記載の滅菌ラップ。
【請求項16】
前記滅菌ラップが、滅菌バリアシステムとしての欧州規格EN 868 Part2の要件を満たす、先行する請求項のいずれか1項に記載の滅菌ラップ。
【請求項17】
前記滅菌ラップが、滅菌バリアシステムとしての国際規格ISO 11607 Part1の要件を満たす、先行する請求項のいずれか1項に記載の滅菌ラップ。
【請求項18】
前記外層の目付重量が、1平方メートル当たり約35グラム(gsm)~約85gsmである、および/または
前記内層の目付重量が、1平方メートル当たり約35グラム(gsm)~約85gsmである、先行する請求項のいずれか1項に記載の滅菌ラップ。
【請求項19】
前記内層が、前記内層内の前記繊維の乾燥重量に基づいて40重量%~100重量%、好ましくは前記内層内の前記繊維の乾燥重量に基づいて60重量%~85重量%の量のセルロース繊維を含み、
前記セルロース繊維が、広葉樹繊維、針葉樹繊維、一年生植物繊維または綿繊維のうちの少なくとも1つを含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の滅菌ラップ。
【請求項20】
前記内層が、マーセライズ加工もしくは非マーセライズ加工したセルロース繊維、またはそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の滅菌ラップ。
【請求項21】
前記内層が、マイクレックス加工またはマイクロクレープ加工されている、先行する請求項のいずれか1項に記載の滅菌ラップ。
【請求項22】
前記内層が、合成繊維、好ましくはポリエステル短繊維、より好ましくはポリエチレンテレフタレート(PET:polyethylene terephthalate)繊維を含み、
前記内層が、前記内層の前記繊維の乾燥重量に基づくパーセンテージで、5重量%~60重量%合成繊維、好ましくは15%~30%の量の合成繊維を含み、任意の合成バインダー繊維が、存在する場合、このパーセンテージに含まれる、先行する請求項のいずれか1項に記載の滅菌ラップ。
【請求項23】
前記内層が、バインダーを含み、好ましくはアニオン性アクリレート-スチレンおよび/またはアニオン性アクリレート-スチレン-アクリロニトリルのうちの少なくとも1つを含み、より好ましくは前記バインダーが、アクリロニトリルを有するアクリル分散体を含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の滅菌ラップ。
【請求項24】
前記内層が、前記内層の総乾燥重量に基づく重量パーセンテージで、15重量%~40重量%、好ましくは15~30重量%、より好ましくは18~28重量%、さらにより好ましくは20~25重量%の量のバインダーを含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の滅菌ラップ。
【請求項25】
前記内層が界面活性剤を含み、前記界面活性剤がアニオン性界面活性剤を含み、好ましくはラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、ミレス硫酸ナトリウム、パレス硫酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、αオレフィンスルホン酸塩、およびラウレス硫酸アンモニウム、より好ましくはビス(2-エチル-1-ヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム等のアニオン性界面活性剤を含み、
前記内層が、バインダー混合物の0.5~5%、好ましくは1~3%、より好ましくは1~2%の量の界面活性剤を含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の滅菌ラップ。
【請求項26】
少なくとも前記第1の溶接領域によって前記内層に固定および接合された前記外層が、標準方法ASTM F88に従って、80cN/15mm以上、好ましくは100cN/15mm以上の接合強度を有する、先行する請求項のいずれか1項に記載の滅菌ラップ。
【請求項27】
前記第1の溶接領域または前記第2の溶接領域の少なくとも一方が、複数の連続および/または非連続溶接線および/または溶接スポットを含む、請求項5に記載の滅菌ラップ。
【請求項28】
前記外層が、帯電防止組成物で処理されている、先行する請求項のいずれか1項に記載の滅菌ラップ。
【請求項29】
滅菌ラップを製造するための方法であって、
熱可塑性材料を含む外層を提供することと、
ウェットレイド不織布材料を含む内層を提供することと、
少なくとも第1の溶接領域によって前記外層を前記内層に固定および接合することと
を含む、方法。
【請求項30】
前記外層が、少なくとも前記第1の溶接領域によって前記内層に直接固定され、直接接合される、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記外層が、熱可塑性材料の厚さを画定し、前記内層が、ウェットレイド不織布材料の厚さを画定し、
前記外層が、前記外層が少なくとも前記第1の溶接領域によって前記内層に固定および接合された後、別の層または材料の厚さに固定または接合されない、請求項29または請求項30のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
少なくとも前記第1の溶接領域および少なくとも第2の溶接領域によって前記外層を前記内層に固定および接合することをさらに含み、前記外層が、前記外層および前記内層の第1の縁部に沿って少なくとも前記第1の溶接領域によって前記内層に固定および接合され、前記外層が、前記外層および前記内層の第2の縁部に沿って少なくとも前記第2の溶接領域によって前記内層に固定および接合される、請求項29~31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
前記外層および前記内層が、各々、添加された接着材料を含まない、請求項29~32のいずれか1項に記載の方法。
【請求項34】
前記外層が不織メルトブロー材料を含み、好ましくは、前記外層がメルトブロー合成繊維を含み、より好ましくは、前記外層がスパンボンド-メルトブローン-スパンボンド(SMS:spunbond-meltblown-spunbond)合成繊維を含み、さらにより好ましくは、前記外層がSMSポリプロピレン繊維等のSMSポリオレフィン繊維を含む、請求項29~33のいずれか1項に記載の方法。
【請求項35】
前記第1の溶接領域または前記第2の溶接領域の少なくとも一方が、超音波溶接である、請求項32に記載の方法。
【請求項36】
前記滅菌ラップを利用して、同時ラップ技術を介して、かつ滅菌プロセス中に追加のトレイライナーを利用せずに、医療装置を滅菌することをさらに含む、請求項29~35のいずれか1項に記載の方法。
【請求項37】
前記ウェットレイド不織布材料が、セルロース、合成繊維、バインダー、および任意に界面活性剤を含む、請求項29~36のいずれか1項に記載の方法。
【請求項38】
少なくとも前記第1の溶接領域によって前記内層に固定および接合された前記外層が、標準方法ASTM F88に従って、80cN/15mm以上、好ましくは100cN/15mm以上の接合強度を有する、請求項29~37のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、滅菌ラップ、ならびに滅菌ラップを製造および利用するためのシステム/方法に関し、より詳細には、熱可塑性材料を含む外層と、ウェットレイド不織布材料を含む内層とを有し、外層が少なくとも第1の溶接領域によって内層に固定および結合されている滅菌ラップに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、いくつかの滅菌ラップ等が知られている。例えば、いくつかの滅菌ラップ等は、米国特許出願公開第2012/0227362号および同第2018/0281344号に記載されており、各々の内容全体が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
改善された滅菌ラップ、ならびに製造および使用の関連方法に対する関心が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
これらおよび他の非効率性および改善の機会は、本開示の滅菌ラップ、アセンブリおよび方法によって対処および/または克服される。
【0005】
本開示の簡潔な概要
本開示は、有利な滅菌ラップ、ならびに滅菌ラップを製造および利用するためのシステム/方法を提供する。
【0006】
より詳細には、本開示は、熱可塑性材料を含む外層と、ウェットレイド不織布材料を含む内層とを有する有利な滅菌ラップを提供し、外層は、少なくとも第1の溶接領域によって内層に固定および接合される。
【0007】
上記および他の特徴は、以下の図および詳細な説明によって例示される。
【0008】
実施形態の任意の組み合わせまたは順列が想定される。本開示の開示された滅菌ラップ、アセンブリおよび方法の追加の有利な特徴、機能および用途は、特に添付の図面と併せて読まれる場合、以下の説明から明らかになるであろう。本開示に列挙された全ての参考文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0009】
図面の簡単な説明
以下の図は、同様の要素に同じ番号が付けられている例示的な実施形態である。
【0010】
実施形態の特徴および態様は、添付の図面を参照して以下に説明されるが、要素は必ずしも縮尺どおりに描かれていない。
【0011】
本開示の例示的な実施形態は、添付の図面を参照してさらに説明される。以下に記載され、図に示される様々な特徴、工程、および特徴/工程の組み合わせは、依然として本開示の範囲内にある実施形態をもたらすように異なるように配置および編成することができることに留意されたい。開示された滅菌ラップ、アセンブリおよび方法の作製および使用において当業者を支援するために、添付の図面が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本開示による、溶接前の例示的な滅菌ラップの側面斜視図である。
図2図2は、本開示による、溶接後の例示的な滅菌ラップの側面斜視図である。
図3図3は、図2の滅菌ラップの側面断面図である。
図4図4は、本開示によるウェットレイド不織布材料を含む例示的な内層を、スパンボンド-メルトブローン-スパンボンド(SMS:spunbond-meltblown-spunbond)材料を含む層よりも速く乾燥させることができることを実証するグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書に開示される例示的な実施形態は、本開示の有利な滅菌ラップおよびシステムならびにその方法/技術を例示するものである。しかしながら、開示された実施形態は、本開示の単なる例示であり、様々な形態で実施され得ることを理解されたい。したがって、例示的な滅菌ラップならびに組み立ておよび使用の関連するプロセス/技術を参照して本明細書に開示される詳細は、限定として解釈されるべきではなく、本開示の有利な滅菌ラップおよび/または代替の滅菌ラップをどのように製造および使用するかを当業者に教示するための基礎としてのみ解釈されるべきである。
【0014】
本明細書では、有利な滅菌ラップ、ならびにその製造の関連方法および使用が開示される。
【0015】
本開示は、改善された滅菌ラップ、ならびに滅菌ラップを利用および製造するための改善されたシステム/方法を提供する。
【0016】
より詳細には、本開示は、熱可塑性材料を含む外層と、ウェットレイド不織布材料を含む内層とを有する有利な滅菌ラップを提供し、外層は、少なくとも第1の溶接領域によって内層に固定および接合される。
【0017】
従来の慣例では、滅菌ラップに使用されるいくつかの一般的な材料は、(i)スパンボンド-メルトブローン-スパンボンド(SMS:spunbond-meltblown-spunbond)材料、(ii)疎水性ウェットレイド不織布材料、および(iii)クレープ紙である。3つの技術は全て、滅菌プロセスに固有の利点/欠点を有し得る。滅菌ラップ用途で使用される従来の不織布/紙は、適切な滅菌および経時的な滅菌の維持に必要なバリア基準を満たすために、本質的に撥水性であり得る。撥水性は、主に繊維の種類(例えば、ポリプロピレン)または化学処理(例えば、フルオロカーボン)によって達成することができる。
【0018】
一般に、滅菌ラップは、包装方法に基づいて、順次包装および同時包装の2つの主要な製品タイプを有する。市場の大部分は同時包装を使用している。このように、市場は同時ラップを望んでいるが、同時ラップは、一般に、特定の従来のウェットレイドおよびクレープ材料の超音波接合の制限のために、特定の従来のSMSタイプのラップに限定される場合がある。
【0019】
一般に、従来の滅菌ラップは、標準的な医療行為に従って滅菌される医療装置の1つまたは集合を包むために使用される不織布/紙の正方形または長方形のシートである。医療装置滅菌基準は、典型的には、最初の滅菌ならびに経時的な滅菌維持の両方で必要な滅菌効力およびバリア保護に適合するために、2枚のラップの使用を必要とする。
【0020】
滅菌ラップは、一般に、必要な2枚のシート(順次包装および同時包装)で医療装置を包む方法に基づいて、2つの製品提供物に分離することができる。
【0021】
順次包装は、医療装置の周りに個別に巻き付けられるべき不織布/紙の2つの単一のシートとして定義することができる。装置は、1枚のラップで収容され、その後、2枚目のシートで再び繰り返される。一般に、3つの従来の材料タイプの滅菌ラップ((i)(SMS)材料、(ii)疎水性ウェットレイド不織布材料、および(iii)クレープ紙)は全て、順次包装で使用することができ、滅菌システムで使用される2枚のラップが同じ材料または2つの異なる材料(例えば、ウェットレイド内側+SMS外側;クレープ内側+ウェットレイド外側;SMS内側+クレープ外側;等)となるように組み合わせることができる。
【0022】
同時包装は、標準的な医療行為に従って滅菌される医療装置の1つまたは集合を簡便にラッピングするために、2つの縁部に沿って超音波接合された2枚の不織布シートとして定義することができる。音波接合シートは、順次包装の2つの工程に対して、医療装置を1工程の包装プロセスで包装することを可能にする。これにより、滅菌プロセスにおける時間および誤差を低減することができ、より効率的であるとみなすことができる。
【0023】
同時包装は、一般に音波溶接される2つの包装シートを必要とするという事実のために、ポリプロピレンは超音波接合と高度に適合することができるため、市場は主にSMS材料を利用する。いくつかの代替的な従来の材料(クレープおよびウェットレイド)は、相溶性が低い可能性がある。クレープ紙は、主にセルロース系であり、一般に超音波接合特性が非常に低い。今日滅菌ラップに時々使用される従来のウェットレイド不織布は、それらの合成繊維およびバインダー組成物のために適度な超音波接合能力を有することができる。
【0024】
同時包装の利便性およびその使用に一般的に関連する効率のために、今日販売されている滅菌ラップは圧倒的に同時ラップである。例えば、現在、米国市場の90%超が同時ラップとして販売されており、一般に主にSMS不織布製品からなる。
【0025】
医療業界で使用される最も一般的な滅菌方法の1つである蒸気滅菌は、滅菌ラップを貫通し、ラップされた容器内の医療装置を滅菌し、次いでラップされた容器から完全に出るために水分を必要とする。典型的には、ラップされた環境から全ての水分が出ることが重要であり、したがって、ほとんどの滅菌基準は、実質的に全ての水分が除去されることを確実にするために最小の乾燥時間(例えば、20~30分)を必要とする。医療装置が無菌的に包装されておらず、水滴が見つかった場合(ウェットパックと呼ばれる)、医療装置は一般に滅菌されていないとみなされ、滅菌プロセスを繰り返さなければならない。ウェットパックの存在は、再滅菌の必要性のために、医療産業において高価で時間のかかる問題である。
【0026】
一般に、ラップの従来の層は典型的には疎水性/撥水性であるため、ラップされたシステムの外側の蒸気水分の放散を改善するのを助けるために、滅菌ラップと組み合わせて1つまたは複数の別個の吸収性トレイライナー層がしばしば利用される。これらのトレイライナーは、典型的には、トレイの底部またはトレイの真下に配置された吸収性不織布または紙である。トレイライナーは、医療装置から蒸気を引き離し、ラップされた容器の内側からの除去を促進するために水分を効率的に放散することができる。トレイライナーは、プロセスの余分な工程であることが多く、したがって、ユーザは誤って包装プロセスに含めることを忘れ、ウェットパックおよび再滅菌の可能性を高め、コストおよび時間を追加する可能性がある。
【0027】
本開示は、有利には、吸収性ウェットレイド不織布が内層として作用し、熱可塑性材料(例えば、SMS)を含む帯電防止層または未処理層が外層として作用する2枚シートのラップシステムを提供する。特定の実施形態では、ウェットレイド材料のセルロース構造は、親水性処理されたポリプロピレンSMS材料よりも改善されたおよび/または優れた水分吸収特性および透湿特性、ならびに改善されたおよび/または優れた蒸発乾燥速度を提供する。ポリプロピレン繊維への吸収性処理はウィッキングを向上させるが、ポリプロピレンは本来疎水性で吸着性であるが吸収性ではなく、したがってその性能には限界があり得る。セルロース系繊維は、優れたウィッキング性能を提供することができ、吸収性であり得る(水は表面だけでなくセルロース構造体に吸収される)。親水性処理されたSMS材料と比較して、その能力および吸収能力は優れている。例示的なウェットレイド層を通じた水分放散がより良好である(図4を参照されたく、以下でさらに論じられる)。例示的な吸収性ウェットレイド層の吸収特性および吸着特性は、吸収性処理されたSMSよりもそれを優れたものとし、その吸水能力は、滅菌プロセスにおけるトレイライナーの排除を可能にすることができる。
【0028】
図4において、このグラフは、本開示による例示的なウェットレイド層をSMS層よりも速く乾燥させることができることを実証している。使用される3つのサンプルは以下のとおりである。(1)43gsmのポリプロピレンベースのSMS(帯電防止処理および本質的に疎水性の市販グレード);(2)70gsmのポリプロピレンベースのSMS(帯電防止処理および本質的に疎水性の市販グレード);(3)吸水性のための追加のエアロゾルOT(A-OT:Aerosol OT)を用いた撥水処理なし(ワックスおよびフルオロカーボン処理なし)の51gsmの例示的なウェットレイド。
【0029】
0.5gの水を各々の材料の7.1inのサンプルに適用した。次いで、サンプルを100℃で乾燥させた。水損失率を異なる時間間隔で測定した。得られたデータは、例示的なウェットレイドがSMSサンプルと比較してより速い蒸発速度を有し、したがってより速い速度で乾燥することを示している。理論に拘束されることを望むものではないが、例示的なウェットレイド乾燥は、界面活性剤の添加が水分のウィッキング(毛管作用)を助けるため、およびセルロースが吸収(繊維に吸収)を可能にするため、セルロースでの水分除去能力がはるかに高いため、より速く乾燥することに留意されたい。そのポリプロピレン繊維を有するSMSは、表面湿潤吸着のみを提供する。
【0030】
いくつかの現在の従来の滅菌ラップ材料は、良好なバリア性能および無菌性のためにある程度のレベルの撥水性を有する。しかし、この撥水性は、(滅菌中/滅菌後の)包装された装置からの水分放散の効率を低下させる可能性があり、これはウェットパックにつながる可能性がある。以前は、吸収性トレイライナーを追加の(別個の)1つまたは複数の層として追加することができ、最終使用中に顧客が包むが、これは非効率性および/またはエラーのリスクを引き起こす可能性がある。あるいは、通常は忌避性のあるSMS層をより吸収性になるように処理することができるが、SMSは一般に、(ポリプロピレン繊維の固有の疎水性のために)セルロース不織布の吸収特性を再現することができない。
【0031】
本開示は、有利には、滅菌バリア特性に加えて内層が吸湿性の性質を提供する滅菌ラップを提供する。特定の実施形態では、本開示の滅菌ラップは、ラップの内層としてウェットレイド材料を使用して、ラップに必要な吸収性を提供する。
【0032】
上記のように、同時包装システムは、顧客による好ましいタイプの滅菌ラップである。同時ラップのための製品は、内層/外層(例えば、シートの2つの縁部に沿って、)間の音波接合を必要とし得ることに留意されたい。一般に、音波接合は、典型的なSMS/SMS構成間の典型的な問題ではないが、適切な音波接合は、典型的には、従来のSMS/ウェットレイドシートを組み合わせるためにはあまり実現可能ではない。本開示は、超音波接合された二枚シート熱可塑性材料(例えば、SMS)/ウェットレイド滅菌ラップを同時包装における使用(例えば、以下にさらに論じられるように、特定の合成バインダーおよび繊維含有量を有するウェットレイド内層を使用するために)に対してより容易に提供するために、強化された超音波接合能を有するウェットレイド層を有利に提供する。
【0033】
吸収性ウェットレイド不織布材料+熱可塑性材料(SMS)層のこの有利なハイブリッド二枚シート包装システムは、有利には、少なくとも以下を達成することができる:(1)少なくとも1つの層としてウェットレイドを含む超音波接合同時ラップシステムの商業的堅牢性および実行可能性の改善;(2)ユーザが滅菌プロセスにおいてトレイライナーを排除することを可能にし、滅菌システム全体の利便性および効率を高める;(3)蒸気滅菌サイクルにおけるより速い乾燥時間、滅菌プロセスコストおよびターンアラウンド時間の削減-またウェットパック生成および再滅菌の必要性の削減;(4)必要な強度およびバリア特性要件の維持。
【0034】
ここで図面を参照すると、同様の部分は、本明細書および図面を通してそれぞれ同じ参照番号で示されている。図面は必ずしも縮尺どおりではなく、特定の図では、明確にするために部品が誇張されている場合がある。
【0035】
図1に示すように、溶接前の例示的な滅菌ラップ10の側面斜視図が示されている。一般に、以下にさらに論じるように、例示的な滅菌ラップ10は、熱可塑性材料を含む外層12と、ウェットレイド不織布材料を含む内層14とを備え、外層12は、少なくとも第1の溶接領域16A(図2および図3)によって内層14に固定および接合されている。
【0036】
図2は、溶接後の例示的な滅菌ラップ10の側面斜視図を示す。図3は、溶接後の例示的な滅菌ラップ10の側面断面図である。
【0037】
本発明はさらに、滅菌ラップ10を製造するための方法であって、熱可塑性材料を含む外層12を提供することと、ウェットレイド不織布材料を含む内層14を提供することと、少なくとも第1の溶接領域16Aによって外層12を内層14に固定および接合することと、を含む、方法を提供する。
【0038】
例示的な実施形態では、外層12は、少なくとも第1の溶接領域16Aおよび少なくとも第2の溶接領域16Bによって内層14に固定および接合される。一般に、溶接領域16A、16Bは、外層12および内層14を通る溶接または接合領域16A、16Bを提供する。
【0039】
いくつかの実施形態では、溶接領域16A、16Bは超音波溶接領域(例えば、外層12および内層14を通る超音波溶接または接合領域16A、16B)であるが、本開示はこれに限定されない。外層12を内層14に固定して接合するために、他の溶接技術および方法を利用することができることに留意されたい。
【0040】
各々の溶接領域16A、16Bは、少なくとも1つの連続および/または非連続溶接線および/または溶接スポットを含むことができる。いくつかの実施形態では、各々の溶接領域16A、16Bは、複数の連続および/または非連続溶接線および/または溶接スポットを含む。
【0041】
外層12および内層14の様々な位置および/または位置に沿って、様々な溶接線および/または溶接スポットを利用して、少なくとも1つの溶接領域16A(および/または16B)によって外層12を固定して内層14に接合することができることに留意されたい。一般に、外層12および内層14は、互いに固定されて接合された後、各々、添加された接着材料を含まないことに留意されたい。別の言い方をすれば、外層12および内層14は、追加の接着材料を使用せずに(ただし、内層14に存在するバインダーを用いて)組み立てる(互いに固定および接合する)ことができる。例えば、層12、14は、追加の接着材料を使用せずに、例えば、接着剤、テープ、ウェブ、スプレー、ホットメルト接着剤を利用するフォーム、感圧接着剤、硬化性接着剤(例えば、ポリウレタン等)の形態をとることができる非バインダー/分散タイプの材料等を含まずに、また、熱可塑性接着剤(例えば、エチルビニルアセテート、エチレン-ビニルアルコールコポリマー、およびアイオノマー)を含まないか、または他の従来の工業用接着剤化学も含まずに、(内層14に存在するバインダーと共に)一緒に組み立て/固定することができる。
【0042】
例えば、外層12は、外層12および内層14の第1の縁部18に沿って少なくとも第1の溶接領域16Aによって内層14に固定および接合することができる。
【0043】
図2に示すように、外層12は、外層12および内層14の第2の縁部20に沿って少なくとも第2の溶接領域16Bによって内層14に固定および接合することができる。
【0044】
溶接領域16Aおよび/または16B(または追加の溶接領域16)は、外層12および内層14の縁部22および/または24に沿って配置することができることに留意されたい。ここでも、外層12および内層14の様々な位置および/または位置に沿って、様々な溶接線および/または溶接スポットを利用して、少なくとも1つの溶接領域16A(および/または16B)によって外層12を固定して内層14に接合することができることに留意されたい。
【0045】
例示的な実施形態では、外層12は、少なくとも第1の溶接領域16Aによって内層12に直接固定され、直接接合される。いくつかの実施形態では、外層12は、少なくとも第1の溶接領域16Aによって内層14のみに固定および接合される。
【0046】
いくつかの実施形態では、外層12は、熱可塑性材料の厚さを画定し、内層14は、ウェットレイド不織布材料の厚さを画定し、外層12は、外層12が少なくとも第1の溶接領域16Aによって内層14に固定および接合された後、別の層または材料の厚さに固定または接合されない。
【0047】
特定の実施形態では、少なくとも第1の溶接領域16Aによって内層14に固定および接合された外層12は、標準方法ASTM F88に従って、80cN/15mm以上、好ましくは100cN/15mm以上の接合強度を有する。
【0048】
例示的な実施形態では、外層12は不織メルトブロー材料を含み、好ましくは、外層12はメルトブロー合成繊維を含み、より好ましくは、外層12はスパンボンド-メルトブローン-スパンボンド(SMS:spunbond-meltblown-spunbond)合成繊維を含み、さらにより好ましくは、外層12はSMSポリプロピレン繊維等のSMSポリオレフィン繊維を含む。
【0049】
一般に、例示的な外層12の目付重量は、1平方メートル当たり約35グラム(gsm)~約85gsmであり、任意に、帯電防止組成物で処理される。外層14は、ラップ10の細菌バリア特性に寄与することができる。
【0050】
例示的な実施形態では、内層14の目付重量は、1平方メートル当たり約35グラム(gsm)~約85gsmである。
【0051】
例示的な内層14は、吸収性および透湿性である。特定の実施形態では、内層14のウェットレイド不織布材料は、セルロース繊維、合成繊維、バインダー、および任意に界面活性剤を含む。
【0052】
一般に、内層14は、内層14の繊維の乾燥重量に基づいて40重量%~100重量%、好ましくは内層14の繊維の乾燥重量に基づいて60重量%~85重量%の量のセルロース繊維を含む。
【0053】
内層のセルロース繊維は、広葉樹パルプ繊維、針葉樹パルプ繊維、一年生植物繊維または綿繊維のうちの少なくとも1つを含むことができる。内層14は、マーセライズ加工もしくは非マーセライズ加工したセルロース繊維の少なくとも一方、またはそれらの組み合わせを含むことができる。繊維は、マーセライズ加工および/または非マーセライズ加工セルロース繊維であり得る。マーセライズ加工は、吸収を増加させるために繊維に余分なかさを追加する。
【0054】
いくつかの実施形態では、内層14のウェットレイド不織布材料は、マイクレックス加工またはマイクロクレープ加工(例えば、内層14のウェットレイド不織布材料のマイクレックスまたはマイクロクレーピング)である。ウェットレイドは、任意に、好ましくはマイクレックス加工されている。これは、ドレープ性、柔軟性、バリア特性および吸収能力を助ける。
【0055】
いくつかの実施形態では、内層14は、合成繊維、好ましくはポリエステル短繊維、より好ましくはポリエチレンテレフタレート(PET:polyethylene terephthalate)繊維を含む。特定の実施形態では、内層14は人工セルロース繊維(例えば、リヨセルまたはレーヨン)を含む。
【0056】
例えば、内層14は、内層14の繊維の乾燥重量に基づくパーセンテージで、5重量%~60重量%合成繊維、好ましくは15%~30%の量の合成繊維を含むことができ、任意の合成バインダー繊維が存在する場合、このパーセンテージに含まれる。
【0057】
例示的な実施形態では、内層14はバインダーを含み、バインダーはアクリロニトリルを有するアクリル分散体を含み、好ましくはアニオン性アクリレート-スチレンおよび/またはアニオン性アクリレート-スチレン-アクリロニトリルの少なくとも一方を含む。
【0058】
例えば、内層14は、内層14の総乾燥重量に基づく重量パーセンテージで、15重量%~40重量%、好ましくは15~30重量%、より好ましくは18~28重量%、さらにより好ましくは20~25重量%の量のバインダーを含むことができる。
【0059】
いくつかの実施形態では、内層14は界面活性剤を含み、界面活性剤は好ましくはアニオン性界面活性剤、好ましくはアニオン性界面活性剤、例えばラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、ミレス硫酸ナトリウム、パレス硫酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、αオレフィンスルホン酸塩、およびラウレス硫酸アンモニウム、より好ましくはビス(2-エチル-1-ヘキシル)スルホコハク酸ナトリウムを含む。
【0060】
例えば、内層14は、バインダー混合物の0.5~5%、好ましくは1~3%、より好ましくは1~2%の量の界面活性剤を含むことができる。
【0061】
以下の表1は、内層14のウェットレイド不織布材料の例示的な成分/材料および例示的な量の成分/材料の要約を提供する。
【0062】
一般に、滅菌ラップ10の総目付重量は、1平方メートル当たり約70グラム(gsm)~約170gsmであり得る。
【0063】
例示的な滅菌ラップ10は、滅菌プロセス中に同時ラップ技術を利用して医療装置を滅菌するために使用するのに適している。例示的な滅菌ラップ10は、滅菌プロセス中に追加のトレイライナーを利用することなく医療装置を滅菌するための使用に適している。
【0064】
一般に、滅菌ラップ10は、蒸気等の滅菌剤に対して透過性である。例示的な滅菌ラップ10は、微生物バリア特性を示し、および/または細菌に対して不透過性である。特定の実施形態では、滅菌ラップ10は、滅菌バリアシステムとしての欧州規格EN 868 Part2の要件を満たす。いくつかの実施形態では、滅菌ラップ10は、滅菌バリアシステムとしての国際規格ISO 11607パート1の要件を満たす。
【0065】
したがって、上述したように、本開示は、有利には、吸収性ウェットレイド不織布層14が内層14として作用し、熱可塑性材料(例えば、SMS)を含む帯電防止層または未処理層12が外層12として作用する二枚シートラップ10またはラップシステム10を提供する。ウェットレイド材料14のセルロース構造は、親水性処理されたポリプロピレンSMS材料よりも改善されたおよび/または優れた水分吸収特性および透湿特性、ならびに改善されたおよび/または優れた蒸発乾燥速度を提供する。セルロース繊維は、優れたウィッキング性能を提供することができ、吸収性であり得る。例示的な吸収性ウェットレイド層14の吸収特性および吸着特性は、吸収性処理されたSMSよりもそれを優れたものとし、その吸水能力は、滅菌プロセスにおけるトレイライナーの排除を可能にすることができる。
【0066】
本開示はまた、有利には、滅菌バリア特性に加えて内層14が吸湿性の性質を提供する滅菌ラップ10を提供する。本開示の滅菌ラップ10は、ラップ10の内層14としてウェットレイド材料14を使用して、ラップ10に必要な吸収性を提供する。
【0067】
本開示はまた、超音波接合された二枚シート熱可塑性材料12(例えば、SMS)/ウェットレイド滅菌ラップ10を同時包装における使用(例えば、上述のように、特定の合成バインダーおよび繊維含有量を有するウェットレイド内層14を使用するために)に対してより容易に提供するために、強化された超音波接合能を有するウェットレイド層14を有利に提供する。
【0068】
吸収性ウェットレイド不織布材料14+熱可塑性材料(例えば、SMS)層12のこの有利なハイブリッド二枚シートラップ10および包装システムは、有利には、少なくとも以下を達成することができる:(1)少なくとも1つの層14としてウェットレイドを含む超音波接合同時ラップ10およびラップシステムの商業的堅牢性および実行可能性の改善;(2)ユーザが滅菌プロセスにおいてトレイライナーを排除することを可能にし、滅菌システム全体の利便性および効率を高める;(3)蒸気滅菌サイクルにおけるより速い乾燥時間、滅菌プロセスコストおよびターンアラウンド時間の削減-またウェットパック生成および再滅菌の必要性の削減;(4)ラップ10の必要な強度およびバリア特性要件の維持。
【0069】
本開示は、有利には、同時ラップ技術での使用に適したラップ10またはラップシステム10を提供するために、2つの縁部18、20に沿って接合することができる2つの層12、14を含む滅菌ラップ10を提供する。ラップ/システム10の例示的な内層14は、吸湿性の性質を示し、蒸気滅菌サイクル中の水分損失率(乾燥速度)を改善し、それによってウェットパック形成の普及を低減する。この吸収性を提供する内層14は、ウェットレイド不織布材料を含むことができる。ラップ/システム10の外層12は、ラップ10に必要な強度特性を提供し、ポリオレフィンSMS不織布等を含むことができる。層12、14は、音波接合等によってラップ/システム10の1つまたは複数の縁部18、20に沿って互いに接合することができ、これは内層14の改善されたウェットレイド不織布材料の使用によって可能になる。
【0070】
本開示は、非限定的な以下の実施例によってさらに説明される。
【実施例
【0071】
異なるバインダーポリマーを試験した。
【0072】
吸湿性/透湿性を改善するために、サンプルはワックスおよびフルオロカーボン処理等の撥水処理を行わなかった。Hycar 26430x6バインダーのみを含有するセルロースウェットレイド、サンプル4が参照としての役割を果たす。
【0073】
本開示によるサンプルは、強度、柔軟性/可撓性、および吸収性の特性の組み合わせのために最適化された。
【0074】
望ましくは、セルロースウェットレイドは適切な機械的特性を有し、可能な限り柔らかく、吸収性も高い。しかしながら、これらの特性は、多くの方法で互いに作用し得る。
【0075】
サンプルは、以下のベースウェブ配合物を有していた:全繊維の75重量%のNorthern Bleached Softwood Kraft(NBSK)パルプ;全繊維の25重量%のTeijin PET安定繊維(1.7dtexおよび15mm)。
【0076】
サンプル1、1.1、1.2、1.3および1.4は、上記のベースウェブ配合物を含有し、BASFによって市販されている様々な量のバインダーAcronal S728およびSolvayによって市販されている界面活性剤Aerosol OT-75を含有した。
【0077】
サンプル2、2.1、2.2、2.3および2.4は、上記ウェブ配合物を含有し、BASFによって市販されている様々な量のバインダーAcronal S504および界面活性剤Aerosol OT-75を含有した。
【0078】
サンプル3は、上記ウェブ配合物を含有し、等量のAcronal S728およびS504ならびにAerosol OT-75との混合物を含有した。
【0079】
サンプル4は、上記のベースウェブ配合物を含有し、Hycar 26430x6バインダーを含有し、サンプル4.1は、上記のベースウェブ配合物および界面活性剤Aerosol OT-75を含有した。
【0080】
比較例2.1および2.2は、それぞれ70および43g/mの従来技術によるポリプロピレンベースのSMSであった。
【0081】
【表1】
【0082】
A-OTの添加は、ある意味では大いに役立つが、他の点では痛みを伴う可能性がある。肯定的な場合、それは吸収特性を著しく改善する。否定的な場合には、アニオン性界面活性剤の攻撃的な性質は、繊維の完全性に影響を与える繊維(特にセルロース系)に深く浸透する傾向がある。不織布の湿潤引張強度/耐久性を低下させる場合がある。以下の表2に示すように、A-OTを添加すると、強度が低下した。
【0083】
また、バインダーのガラス転移温度(Tg)は、機器トレイのより効率的/生産的な包装プロセスのための柔軟性を付与するために重要であり得る。また、超音波接合性能にも影響を及ぼし得る。Acronal S 504のTgは4℃であり、Acronal S 728のTgは23℃である。
【0084】
バインダーのTgが低いほど、不織布が柔らかくなる傾向がある。
【0085】
また、Tgが低いほど、バインダーをより熱処理可能にし、溶接性能、特に超音波接合特性を改善することができる。
【0086】
しかし、Tgが低いポリマーは、強度特性、特に乾燥強度が低いことが多い。
【0087】
アクリロニトリルは、靭性を付与するためにポリマー骨格に添加されることが多いことに留意されたい。これは、これらのバインダー系が自己架橋していないことを考慮すると重要であるため、耐湿性/耐薬品性はポリマー骨格に由来するはずである。
【0088】
アクリロニトリル系コポリマーは、特に耐薬品性の点でより堅牢であることが知られている。それらは、耐溶剤性が必要とされる用途に有用であり得る。
【0089】
本発明者らは、アクリロニトリルを含むバインダーの使用が、配合物中のA-OTの攻撃的性質を相殺することができ、乾燥強度および湿潤強度の両方に関して、不織布が適切な強度特性を維持することを可能にすることに気付いた。
【0090】
また、アクリロニトリルは、音波接合に悪影響を及ぼすほどポリマー骨格の大きな構成要素ではない。非常に柔らかい熱可塑性のブチルアクリレート骨格の利点を依然として得ることができる。
【0091】
【表2】
【0092】
【表3】
【0093】
【表4】
【0094】
表2および3に関するコメント:
ウェットパック形成を最小限に抑え、滅菌ラップの乾燥時間を改善するために、ワックスおよびフルオロカーボン処理を除去し、その結果、吸水性を改善することができた。
【0095】
Hycar 26430x6で達成された吸水性は完全に満足のいくものではなかったため、異なるバインダー組成物を試験して吸水性をさらに改善した。
【0096】
セルロース系ウェットレイド内のバインダーの性能を評価するために使用したウェットレイドの特性は、以下のとおりであった:強度/耐久性;柔らかさ/柔軟性;吸収性/透湿性。
【0097】
ウェットレイド媒体の吸水性をさらに改善するために、追加の界面活性剤を添加した。しかし、界面活性剤の添加は、ウェットレイド媒体の特定の機械的特性、特に湿潤引張強度に有害な影響を及ぼした。以下の試験方法に記載の試験方法に従って、表2に示す異なる機械的特性を測定した。界面活性剤の添加は、全てのサンプルの湿潤引張強度を低下させた。しかし、影響は、Acronal S 504バインダーを含むサンプルではやや中程度であった。
【0098】
このバインダーは、Acronal S 504がポリマー主鎖にアクリロニトリルを添加しており、これが一定の耐薬品性を付与するため、影響を受けにくいと考えられる。この耐薬品性は、バインダーに添加される界面活性剤の攻撃的な性質を相殺する。
【0099】
滅菌ラップの場合、測定された異なる機械的特性の中で、好ましい滅菌方法が蒸気滅菌であるため、湿潤引張強度が重要であり得る。他の機械的特性は、界面活性剤の添加による影響が少なく、ある程度の変動を示すが、許容可能なレベルのままである。
【0100】
表3に関するコメント:
上記のように、バインダーを選択するための重要な特性の1つは、吸水性および透湿性であった。これらの特性を評価するために、吸水能および水滴値を測定した(試験方法は後述)。吸収率の向上は、サンプル4を基準とした水滴測定から導出された。
【0101】
このデータは、Acronal S 504が単独で使用された場合に吸収特性を実際に改善しないことを示している。しかし、Acronal S 728は、固有の吸水特性を有するようである。Acronal S 504およびAcronal S 728を含むサンプルのバインダーに界面活性剤を導入すると、吸収特性が実質的に改善された。界面活性剤は、Hycar 26430x6を含むサンプル4.1に対する影響が非常に限られていた。
【0102】
上述のように、Acronal S 728はより良好な吸水性を有するように思われるが、界面活性剤は、Acronal S 728バインダーを含むウェットレイド媒体の湿潤強度特性に、Acronal S 504バインダーを含むウェットレイド媒体よりも大きく影響するようである。
【0103】
表4に関するコメント:
サンプルの接合性能を評価するために、各々のサンプルを単独でヒートシールし、ASTM F88に記載の試験プロトコルに従って接合強度試験を行った。
【0104】
試験した全てのサンプルは、比較的良好な接合強度性能を示した。このデータは、ウェットレイド媒体について、最適なバインダー含有量が15~30重量%、好ましくは18~28重量%であり得ることを示す。バインダーの量が非常に少ない場合、許容可能なレベルの接合を達成するのに十分な材料がない。バインダーの量が非常に多い場合、結合に対する繊維の寄与が減少する傾向があり、したがってウェットレイドの全体的な接合強度が減少する。
【0105】
SMSによる超音波接合
これらの初期発見に基づいて、例示的なレシピを超音波接合性能についてさらに試験し、以下のレシピを有した。
【0106】
主剤:NBSKパルプ75重量%、Teijin PET安定繊維(1.7detx、15mm)25重量%(繊維全体に対する重量%)。
【0107】
バインダー混合物:97%のAcronal S 504、2重量%のAerosol OT、1重量%の緑色顔料(任意の着色のためおよびアンモニアを使用してpHを8に調整した。バインダー混合物は、ウェットレイドの総乾燥重量あたり22重量%を占めた。
【0108】
異なる目付重量を有する異なるサンプルを調製し、超音波接合を用いてポリプロピレンベースのSMS層に組み立てた。Aurizon機器の超音波接合パラメーターは、幅4.5mm、深さ0.015インチ×0.015インチ、および振幅100%、および動作速度100~350fpmで、ローレットパターンアンビルであり、ダブルパターンアンビルの場合は55psi、シングルアンビルの場合は35psiの設定を用いる。
【0109】
サンプルは以下のように調製した:(1)サンプルX1.1=>外側43gsmSMS青/内側37gsmウェットレイド緑;(2)サンプルX1.2=>外側43gsmSMS青/内側46gsmウェットレイド緑;(3)サンプルX1.3=>外側70gsmSMS青/内側63gsmウェットレイド緑。
【0110】
サンプルX1.1およびサンプルX1.3のウェットレイド層とSMS層との間の接合強度を、標準方法ASTM F88に従って測定した。サンプルX1.1およびサンプルX1.3の接合強度は、それぞれ232cN/15mmおよび237cN/15mmであった。
【0111】
有利かつ驚くべきことに、100CN/15mm以上の接合強度でウェットレイド層をSMS層に接着することが可能であることが分かった。
【0112】
【表5】
【0113】
表2において、X値は、以下のようにMDおよびCD測定値から導出される:(1)Xグラブ引張=平方根(MDグラブ引張*CDグラブ引張);(2)X湿潤引張=平方根(MD湿潤引張*CD湿潤引張);(3)Xトラップ引裂=平方根(MDトラップ引裂*CDトラップ引裂)。
【0114】
表3では、サンプル4を参照として使用し、水滴測定を使用して、吸収速度の改善を計算した。
【0115】
乾燥時間検証研究:プレバキューム式蒸気:
乾燥時間試験は、以下の滅菌ラップ設計条件で完了した:(1)サンプルX1.4=>外側43gsmSMS青/内側40gsmウェットレイド緑;(2)サンプルX1.5=>外側70gsmSMS青/内側62gsmウェットレイド緑。
【0116】
プレバキューム式蒸気滅菌では、医療機器トレイおよび全ての付属品は、滅菌後に水分を完全に含まない必要がある。水分は、微生物が閉鎖された封じ込めシステムに入り、その囲まれたシステム内の内容物を汚染する可能性があるためのベクターを提供し得る。滅菌封じ込めシステムに水分を保持させることができる多くの可変要素があり、ラップされた医療機器トレイを完全に乾燥させるのに必要な時間の確立は、滅菌プロセス後に「ウェットパック」を発生させるリスクを最小限に抑えるために重要である。ウェットパックは、ラップされた機器トレイ内の水分の存在について業界で理解されている用語であり、トレイ内に見られる物品の無菌性を無効にする。
【0117】
サンプルX1.4およびサンプルX1.5は、Highpower LaboratoriesまたはNelson Laboratories等の市販の滅菌検証実験室で一般的に利用可能な標準的な乾燥時間試験によって試験した。この研究は、蒸気プレバキューム式滅菌サイクルで処理された場合の滅菌ラップの適切な乾燥時間を決定する。機器トレイに、模擬医療機器を所定の重量まで装填し、132℃の蒸気プレバキューム式サイクルで4分間曝露して処理し、所定の期間乾燥させる。サイクル完了後、機器トレイを再計量し、滅菌前後の重量を比較して評価する。さらに、機器トレイ、内容物および滅菌ラップを目視による水分保持について評価する。ラップされたシステムの内側に見られる一般的な構成要素は、トレイライナー、すなわち、機器トレイの底部または機器トレイの真下に配置される吸収性シートを含むことである。トレイライナーは、システム全体の吸収性拡張部として機能し、システムの透湿特性を高め、乾燥性能を向上させる(そしてウェットパックの事例を減らす)。サンプルX1.4およびサンプルX1.5の場合、トレイライナーはラップシステムに含まれていなかった。
【0118】
乾燥時間研究の結果は以下のとおりであった:
【0119】
サンプルX1.4を、9lbトレイの機器を用い、トレイライナーを用いずに12分間の乾燥時間にわたって検証した。比較のために、市販の同時ラップ(2枚のポリプロピレン系SMS、各々50gsm)は、トレイライナーを備えた同様の9lbのトレイの機器について、20分の検証済み乾燥時間を有した。同じ機器重量で、トレイライナーなしで乾燥時間を40%短縮。
【0120】
サンプルX1.5を、25lbのトレイの機器を用い、トレイライナーを用いずに20分間の乾燥時間にわたって検証した。比較のために、市販の同時ラップ(2枚のポリプロピレン系SMS、各々85gsm)は、トレイライナーを備えた同様の24lbのトレイの機器について、30分の検証済み乾燥時間を有した。同じ機器重量で、トレイライナーなしで乾燥時間を33%短縮。
【0121】
バリア特性試験:
バリア試験1番:半サイクル研究によるプレバキューム式蒸気滅菌検証:
上記の新たに検証された乾燥時間を利用した半サイクル滅菌検証試験によって、バリア特性性能についてサンプルX1.4およびサンプルX1.5を試験した。半サイクル滅菌検証は、Highpower LaboratoriesまたはNelson Laboratories等の市販の滅菌検証実験室で一般的に利用可能な研究である。この研究の目的は、医療機器の位置を滅菌することが困難な最小量の生物学的胞子を接種し、意図された曝露時間の半分の間プレバキューム式滅菌サイクルで処理した模擬医療機器を装填した滅菌ラップの滅菌効果を決定することであった。試験は、滅菌ラップが試験条件下で生物学的胞子(sports)を根絶することが分かった場合にバリア性能の高い確率を提供する最悪の場合の滅菌環境を想定する。この研究では、温度は同じままであった(132℃)が、曝露時間は4分から2分に短縮された。
半サイクル試験の結果は以下のとおりであった:
サンプルX1.4
Pre-Vac蒸気条件(132℃、2分間の曝露時間)50%曝露時間短縮
乾燥時間(12分)
機器トレイ重量:9lb
試験結果:全ての生物学的指標試験サンプルが増殖について陰性であり、接種された生物学的胞子は全て死滅した
サンプルX1.5
Pre-Vac蒸気条件(132℃、2分間の曝露時間)50%曝露時間短縮
乾燥時間(20分)
機器トレイ重量:25lb
試験結果:全ての生物学的指標試験サンプルが増殖について陰性であり、接種された生物学的胞子は全て死滅した
【0122】
この研究は、例示的なラップの高目付重量バージョンと低目付重量バージョンの両方が、乾燥時間が短縮された有効な滅菌効果を有することを実証した。
【0123】
バリア試験2番:微生物エアロゾル誘発試験:
サンプルX1.4およびサンプルX1.5もまた、微生物エアロゾルチャレンジ試験によって追加のバリア特性性能について試験した。微生物エアロゾルチャレンジ試験は、Highpower LaboratoriesまたはNelson Laboratories等の市販の滅菌検証実験室での業界で認められている試験である。試験の意図は、生物学的胞子のエアロゾルチャレンジ後に滅菌包装の完全性を維持するための滅菌ラップ能力を決定することである。ラップされた医療機器トレイを、各々所望の機器トレイ重量でサンプルX1.4およびX1.5を用いて調製した。次いで、ラップされたトレイを、サンプルに固有の4分間の曝露時間および乾燥時間で132℃の標準的な蒸気プレバキューム式サイクルによって処理した。pre-vac滅菌プロセスの完了後、ラップされた機器トレイシステムに生物学的胞子のエアロゾル濃度をシャワーし、微生物に対するラップの透過性をチャレンジした。30分間のエアロゾルチャレンジ後、パッケージを無菌的に開封し、内容物を生物学的存在について試験した。
半サイクル試験の結果は以下のとおりであった:
サンプルX1.4
Pre-Vac蒸気条件(132℃、4分間の曝露時間)
乾燥時間(12分)
機器トレイ重量:9lb
試験結果:合格
サンプルX1.5
Pre-Vac蒸気条件(132℃、2分間の曝露時間)50%曝露時間短縮
乾燥時間(20分)
機器トレイ重量:25lb
試験結果:合格
【0124】
【表6】
【0125】
本開示は、さらに以下の態様を包含する。
【0126】
態様1.滅菌ラップであって、熱可塑性材料を含む外層と、ウェットレイド不織布材料を含む内層と、を含み、前記外層が、少なくとも第1の溶接領域によって前記内層に固定および接合される、滅菌ラップ。
【0127】
態様2.前記外層が、少なくとも前記第1の溶接領域によって前記内層に直接固定され、直接接合される、態様1に記載の滅菌ラップ。
【0128】
態様3.前記外層が、熱可塑性材料の厚さを画定し、前記内層が、ウェットレイド不織布材料の厚さを画定し、前記外層が、前記外層が少なくとも前記第1の溶接領域によって前記内層に固定および接合された後、別の層または材料の厚さに固定または接合されない、先行する態様のいずれか1つに記載の滅菌ラップ。
【0129】
態様4.前記外層が、前記外層および前記内層の第1の縁部に沿って少なくとも前記第1の溶接領域によって前記内層に固定および接合される、先行する態様のいずれか1つに記載の滅菌ラップ。
【0130】
態様5.前記外層が、前記外層および前記内層の第2の縁部に沿って少なくとも第2の溶接領域によって前記内層に固定および接合される、態様4に記載の滅菌ラップ。
【0131】
態様6.前記外層および前記内層が、各々、添加された接着材料を含まない、先行する態様のいずれか1つに記載の滅菌ラップ。
【0132】
態様7.前記外層が不織メルトブロー材料を含み、好ましくは、前記外層がメルトブロー合成繊維を含み、より好ましくは、前記外層がスパンボンド-メルトブローン-スパンボンド(SMS:spunbond-meltblown-spunbond)合成繊維合成繊維を含み、さらにより好ましくは、前記外層がSMSポリプロピレン繊維等のSMSポリオレフィン繊維を含む、先行する態様のいずれか1つに記載の滅菌ラップ。
【0133】
態様8.前記第1の溶接領域または前記第2の溶接領域の少なくとも一方が、超音波溶接領域である、先行する態様のいずれか1つに記載の滅菌ラップ。
【0134】
態様9.前記滅菌ラップが、滅菌プロセス中に同時ラップ技術を利用して医療装置を滅菌するための使用に適している、先行する態様のいずれか1つに記載の滅菌ラップ。
【0135】
態様10.前記滅菌ラップが、滅菌プロセス中に追加のトレイライナーを利用することなく医療装置を滅菌するための使用に適している、先行する態様のいずれか1つに記載の滅菌ラップ。
【0136】
態様11.前記ウェットレイド不織布材料が、セルロース繊維、合成繊維、バインダー、および任意に界面活性剤を含む、先行する態様のいずれか1つに記載の滅菌ラップ。
【0137】
態様12.前記滅菌ラップの総目付重量が、1平方メートル当たり約70グラム(gsm)~約170gsmである、先行する態様のいずれか1つに記載の滅菌ラップ。
【0138】
態様13.前記内層が、吸収性および透湿性である、先行する態様のいずれか1つに記載の滅菌ラップ。
【0139】
態様14.前記滅菌ラップが、蒸気等の滅菌剤に対して透過性である、先行する態様のいずれか1つに記載の滅菌ラップ。
【0140】
態様15.前記滅菌ラップが、微生物バリア特性を示し、細菌に対して不透過性である、先行する態様のいずれか1つに記載の滅菌ラップ。
【0141】
態様16.前記滅菌ラップが、滅菌バリアシステムとしての欧州規格EN 868 Part2の要件を満たす、先行する態様のいずれか1つに記載の滅菌ラップ。
【0142】
態様17.前記滅菌ラップが、滅菌バリアシステムとしての国際規格ISO 11607 Part1の要件を満たす、先行する態様のいずれか1つに記載の滅菌ラップ。
【0143】
態様18.前記外層の目付重量が、1平方メートル当たり約35グラム(gsm)~約85gsmである、および/または前記内層の目付重量が、1平方メートル当たり約35グラム(gsm)~約85gsmである、先行する態様のいずれか1つに記載の滅菌ラップ。
【0144】
態様19.前記内層が、前記内層内の前記繊維の乾燥重量に基づいて40重量%~100重量%、好ましくは前記内層内の前記繊維の乾燥重量に基づいて60重量%~85重量%の量のセルロース繊維を含み、前記セルロース繊維が、広葉樹繊維、針葉樹繊維、一年生植物繊維または綿繊維のうちの少なくとも1つを含む、先行する態様のいずれか1つに記載の滅菌ラップ。
【0145】
態様20.前記内層が、マーセライズ加工もしくは非マーセライズ加工したセルロース繊維、またはそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、先行する態様のいずれか1つに記載の滅菌ラップ。
【0146】
態様21.前記内層が、マイクレックス加工またはマイクロクレープ加工されている、先行する態様のいずれか1つに記載の滅菌ラップ。
【0147】
態様22.前記内層が、合成繊維、好ましくはポリエステル短繊維、より好ましくはポリエチレンテレフタレート(PET:polyethylene terephthalate)繊維を含み、前記内層が、前記内層の前記繊維の乾燥重量に基づくパーセンテージで、5重量%~60重量%合成繊維、好ましくは15%~30%の量の合成繊維を含み、任意の合成バインダー繊維が、存在する場合、このパーセンテージに含まれる、先行する態様のいずれか1つに記載の滅菌ラップ。
【0148】
態様23.前記内層が、バインダーを含み、好ましくはアニオン性アクリレート-スチレンおよび/またはアニオン性アクリレート-スチレン-アクリロニトリルのうちの少なくとも1つを含み、より好ましくは前記バインダーが、アクリロニトリルを有するアクリル分散体を含む、先行する態様のいずれか1つに記載の滅菌ラップ。
【0149】
態様24.前記内層が、前記内層の総乾燥重量に基づく重量パーセンテージで、15重量%~40重量%、好ましくは15~30重量%、より好ましくは18~28重量%、さらにより好ましくは20~25重量%の量のバインダーを含む、先行する態様のいずれか1つに記載の滅菌ラップ。
【0150】
態様25.前記内層が界面活性剤を含み、前記界面活性剤がアニオン性界面活性剤を含み、好ましくはラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、ミレス硫酸ナトリウム、パレス硫酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、αオレフィンスルホン酸塩、およびラウレス硫酸アンモニウム、より好ましくはビス(2-エチル-1-ヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム等のアニオン性界面活性剤を含み、前記内層が、バインダー混合物の0.5~5%、好ましくは1~3%、より好ましくは1~2%の量の界面活性剤を含む、先行する態様のいずれか1つに記載の滅菌ラップ。
【0151】
態様26.少なくとも前記第1の溶接領域によって前記内層に固定および接合された前記外層が、標準方法ASTM F88に従って、80cN/15mm以上、好ましくは100cN/15mm以上の接合強度を有する、先行する態様のいずれか1つに記載の滅菌ラップ。
【0152】
態様27.前記第1の溶接領域または前記第2の溶接領域の少なくとも一方が、複数の連続および/または非連続溶接線および/または溶接スポットを含む、先行する態様のいずれか1つに記載の滅菌ラップ。
【0153】
態様28.前記外層が、帯電防止組成物で処理されている、先行する態様のいずれか1つに記載の滅菌ラップ。
【0154】
態様29.滅菌ラップを製造するための方法であって、熱可塑性材料を含む外層を提供することと、ウェットレイド不織布材料を含む内層を提供することと、少なくとも第1の溶接領域によって前記外層を前記内層に固定および接合することと、を含む、方法。
【0155】
態様30.前記外層が、少なくとも前記第1の溶接領域によって前記内層に直接固定され、直接接合される、態様29に記載の方法。
【0156】
態様31.前記外層が、熱可塑性材料の厚さを画定し、前記内層が、ウェットレイド不織布材料の厚さを画定し、前記外層が、前記外層が少なくとも前記第1の溶接領域によって前記内層に固定および接合された後、別の層または材料の厚さに固定または接合されない、態様29または態様30のいずれか1つに記載の方法。
【0157】
態様32.少なくとも前記第1の溶接領域および少なくとも第2の溶接領域によって前記外層を前記内層に固定および接合することをさらに含み、前記外層が、前記外層および前記内層の第1の縁部に沿って少なくとも前記第1の溶接領域によって前記内層に固定および接合され、前記外層が、前記外層および前記内層の第2の縁部に沿って少なくとも前記第2の溶接領域によって前記内層に固定および接合される、態様29~31のいずれか1つに記載の方法。
【0158】
態様33.前記外層および前記内層が、各々、添加された接着材料を含まない、態様29~32のいずれか1つに記載の方法。
【0159】
態様34.前記外層が不織メルトブロー材料を含み、好ましくは、前記外層がメルトブロー合成繊維を含み、より好ましくは、前記外層がスパンボンド-メルトブローン-スパンボンド(SMS:spunbond-meltblown-spunbond)合成繊維を含み、さらにより好ましくは、前記外層がSMSポリプロピレン繊維等のSMSポリオレフィン繊維を含む、態様29~33のいずれか1つに記載の方法
【0160】
態様35.前記第1の溶接領域または前記第2の溶接領域の少なくとも一方が、超音波溶接である、態様29~34のいずれか1つに記載の方法。
【0161】
態様36.前記滅菌ラップを利用して、同時ラップ技術を介して、かつ滅菌プロセス中に追加のトレイライナーを利用せずに、医療装置を滅菌することをさらに含む、態様29~35のいずれか1つに記載の方法。
【0162】
態様37.前記ウェットレイド不織布材料が、セルロース、合成繊維、バインダー、および任意に界面活性剤を含む、態様29~36のいずれか1つに記載の方法。
【0163】
態様38.少なくとも前記第1の溶接領域によって前記内層に固定および接合された前記外層が、標準方法ASTM F88に従って、80cN/15mm以上、好ましくは100cN/15mm以上の接合強度を有する、態様29~37のいずれか1つに記載の方法。
【0164】
特定の実施形態を説明してきたが、現時点では予測できない、または予測できない可能性がある代替、修正、変形、改善、および実質的な等価物が、出願人または他の当業者に生じる可能性がある。したがって、出願された添付の特許請求の範囲およびそれらが補正され得る添付の特許請求の範囲は、全てのそのような代替形態、修正形態、改良形態、および実質的な均等物を包含することが意図されている。
【0165】
本明細書に開示される全ての範囲は、終点を含み、終点は、互いに独立して組み合わせることができる(例えば、「最大25重量%、またはより具体的には5重量%~20重量%%」の範囲は、「5重量%~25重量%」の範囲の端点および全ての中間値を含む)。「組み合わせ」は、ブレンド、混合物、合金、反応生成物等を含む。「第1」、「第2」等の用語は、順序、量、または重要性を示すものではなく、ある要素を別の要素から区別するために使用される。「1つの(a)」および「1つの(an)」および「その(the)」という用語は、量の限定を示すものではなく、本明細書で特に指示されない限り、または文脈と明らかに矛盾しない限り、単数形および複数形の両方を包含すると解釈されるべきである。「または」は、特に明記しない限り、「および/または」を意味する。本明細書全体を通して「いくつかの実施形態」、「実施形態」等への言及は、実施形態に関連して説明される特定の要素が本明細書に記載される少なくとも1つの実施形態に含まれ、他の実施形態には存在してもしなくてもよいことを意味する。さらに、記載された要素は、様々な実施形態において任意の適切な方法で組み合わせることができることを理解されたい。「それらの組み合わせ」はオープンであり、列挙された成分または特性の少なくとも1つを任意選択的に列挙されていない同様または同等の成分または特性と共に含む任意の組み合わせを含む。
【0166】
他に定義されない限り、本明細書で使用される技術用語および科学用語は、本出願が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。全ての引用された特許、特許出願、および他の参考文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。しかしながら、本出願の用語が組み込まれた参照の用語と矛盾または矛盾する場合、本出願の用語は、組み込まれた参照の矛盾する用語よりも優先される。
【0167】
本明細書において別段の指定がない限り、全ての試験規格は、本出願の出願日、または優先権が主張される場合は、試験規格が現れる最も早い優先権出願の出願日に有効な最新の規格である。
【0168】
本開示の滅菌ラップ、システムおよび方法を、その例示的な実施形態を参照して説明してきたが、本開示は、そのような例示的な実施形態および/または実施態様に限定されない。むしろ、本開示の滅菌ラップ、システムおよび方法は、本明細書の開示から当業者には容易に明らかであるように、多くの実施および用途に適している。本開示は、開示された実施形態のそのような修正、強化および/または変形を明確に包含する。上記の構成に多くの変更を加えることができ、本開示の範囲から逸脱することなく本開示の多くの広く異なる実施形態を加えることができるので、図面および明細書に含まれる全ての事項は、限定的な意味ではなく例示として解釈されるべきであることが意図される。追加の修正、変更、および置換は、前述の開示において意図されている。したがって、添付の特許請求の範囲は、広く、本開示の範囲と一致する方法で解釈されることが適切である。
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2024-02-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
滅菌ラップであって、
熱可塑性材料を含む外層と、
ウェットレイド不織布材料およびバインダーを含む内層であって、前記バインダーがアニオン性アクリレート-スチレンおよび/またはアニオン性アクリレート-スチレン-アクリロニトリルのうちの少なくとも1つを含む、内層と、を含み、
前記内層が、吸収性および透湿性であり、
前記外層が、少なくとも第1の溶接領域によって前記内層に固定および接合される、滅菌ラップ。
【請求項2】
前記外層が、少なくとも前記第1の溶接領域によって前記内層に直接固定され、直接接合される、請求項1に記載の滅菌ラップ。
【請求項3】
前記外層が、熱可塑性材料の厚さを画定し、前記内層が、ウェットレイド不織布材料の厚さを画定し、
前記外層が、前記外層が少なくとも前記第1の溶接領域によって前記内層に固定および接合された後、別の層または材料の厚さに固定または接合されない、先行する請求項のいずれか1項に記載の滅菌ラップ。
【請求項4】
前記外層が、前記外層および前記内層の第1の縁部に沿って少なくとも前記第1の溶接領域によって前記内層に固定および接合される、先行する請求項のいずれか1項に記載の滅菌ラップ。
【請求項5】
前記外層が、前記外層および前記内層の第2の縁部に沿って少なくとも第2の溶接領域によって前記内層に固定および接合される、請求項4に記載の滅菌ラップ。
【請求項6】
前記外層が不織メルトブロー材料を含み、好ましくは、前記外層がメルトブロー合成繊維を含み、より好ましくは、前記外層がスパンボンド-メルトブローン-スパンボンド(SMS:spunbond-meltblown-spunbond)合成繊維を含み、さらにより好ましくは、前記外層がSMSポリプロピレン繊維等のSMSポリオレフィン繊維を含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の滅菌ラップ。
【請求項7】
前記第1の溶接領域または前記第2の溶接領域の少なくとも一方が、超音波溶接領域である、請求項5に記載の滅菌ラップ。
【請求項8】
前記ウェットレイド不織布材料が、セルロース繊維、合成繊維、バインダー、および任意に界面活性剤を含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の滅菌ラップ。
【請求項9】
前記滅菌ラップの総目付重量が、1平方メートル当たり約70グラム(gsm)~約170gsmである、先行する請求項のいずれか1項に記載の滅菌ラップ。
【請求項10】
前記滅菌ラップが、蒸気等の滅菌剤に対して透過性である、先行する請求項のいずれか1項に記載の滅菌ラップ。
【請求項11】
前記滅菌ラップが、微生物バリア特性を示し、細菌に対して不透過性である、先行する請求項のいずれか1項に記載の滅菌ラップ。
【請求項12】
前記滅菌ラップが、滅菌バリアシステムとしての欧州規格EN 868 Part2の要件を満たす、先行する請求項のいずれか1項に記載の滅菌ラップ。
【請求項13】
前記滅菌ラップが、滅菌バリアシステムとしての国際規格ISO 11607 Part1の要件を満たす、先行する請求項のいずれか1項に記載の滅菌ラップ。
【請求項14】
前記外層の目付重量が、1平方メートル当たり約35グラム(gsm)~約85gsmである、および/または
前記内層の目付重量が、1平方メートル当たり約35グラム(gsm)~約85gsmである、先行する請求項のいずれか1項に記載の滅菌ラップ。
【請求項15】
前記内層が、前記内層内の前記繊維の乾燥重量に基づいて40重量%~100重量%、好ましくは前記内層内の前記繊維の乾燥重量に基づいて60重量%~85重量%の量のセルロース繊維を含み、
前記セルロース繊維が、広葉樹繊維、針葉樹繊維、一年生植物繊維または綿繊維のうちの少なくとも1つを含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の滅菌ラップ。
【請求項16】
前記内層が、マーセライズ加工もしくは非マーセライズ加工したセルロース繊維、またはそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の滅菌ラップ。
【請求項17】
前記内層が、マイクレックス加工またはマイクロクレープ加工されている、先行する請求項のいずれか1項に記載の滅菌ラップ。
【請求項18】
前記内層が、合成繊維、好ましくはポリエステル短繊維、より好ましくはポリエチレンテレフタレート(PET:polyethylene terephthalate)繊維を含み、
前記内層が、前記内層の前記繊維の乾燥重量に基づくパーセンテージで、5重量%~60重量%合成繊維、好ましくは15%~30%の量の合成繊維を含み、前記バインダーが合成バインダー繊維を含む場合、前記合成バインダー繊維が、このパーセンテージに含まれる、先行する請求項のいずれか1項に記載の滅菌ラップ。
【請求項19】
前記バインダーが、アクリロニトリルを有するアクリル分散体を含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の滅菌ラップ。
【請求項20】
前記内層が、前記内層の総乾燥重量に基づく重量パーセンテージで、15重量%~40重量%、好ましくは15~30重量%、より好ましくは18~28重量%、さらにより好ましくは20~25重量%の量のバインダーを含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の滅菌ラップ。
【請求項21】
前記内層が界面活性剤を含み、前記界面活性剤がアニオン性界面活性剤を含み、前記アニオン性界面活性剤が、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、ミレス硫酸ナトリウム、パレス硫酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、αオレフィンスルホン酸塩、ラウレス硫酸アンモニウム、またはビス(2-エチル-1-ヘキシル)スルホコハク酸ナトリウムを含み、
前記内層が、バインダー混合物の0.5~5%、好ましくは1~3%、より好ましくは1~2%の量の前記界面活性剤を含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の滅菌ラップ。
【請求項22】
少なくとも前記第1の溶接領域によって前記内層に固定および接合された前記外層が、標準方法ASTM F88に従って、80cN/15mm以上、好ましくは100cN/15mm以上の接合強度を有する、先行する請求項のいずれか1項に記載の滅菌ラップ。
【請求項23】
前記第1の溶接領域または前記第2の溶接領域の少なくとも一方が、複数の連続および/または非連続溶接線および/または溶接スポットを含む、請求項5に記載の滅菌ラップ。
【請求項24】
前記外層が、帯電防止組成物で処理されている、先行する請求項のいずれか1項に記載の滅菌ラップ。
【請求項25】
滅菌ラップを製造するための方法であって、
熱可塑性材料を含む外層を提供することと、
ウェットレイド不織布材料およびバインダーを含む内層を提供することであって、前記バインダーが、アニオン性アクリレート-スチレンおよび/またはアニオン性アクリレート-スチレン-アクリロニトリルのうちの少なくとも1つを含む、ウェットレイド不織布材料およびバインダーを含む内層を提供することと、
少なくとも第1の溶接領域によって前記外層を前記内層に固定および接合することと
を含む、方法。
【請求項26】
前記外層が、少なくとも前記第1の溶接領域によって前記内層に直接固定され、直接接合される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記外層が、熱可塑性材料の厚さを画定し、前記内層が、ウェットレイド不織布材料の厚さを画定し、
前記外層が、前記外層が少なくとも前記第1の溶接領域によって前記内層に固定および接合された後、別の層または材料の厚さに固定または接合されない、請求項25または請求項26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
少なくとも前記第1の溶接領域および少なくとも第2の溶接領域によって前記外層を前記内層に固定および接合することをさらに含み、前記外層が、前記外層および前記内層の第1の縁部に沿って少なくとも前記第1の溶接領域によって前記内層に固定および接合され、前記外層が、前記外層および前記内層の第2の縁部に沿って少なくとも前記第2の溶接領域によって前記内層に固定および接合される、請求項25~27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
前記外層が不織メルトブロー材料を含み、好ましくは、前記外層がメルトブロー合成繊維を含み、より好ましくは、前記外層がスパンボンド-メルトブローン-スパンボンド(SMS:spunbond-meltblown-spunbond)合成繊維を含み、さらにより好ましくは、前記外層がSMSポリプロピレン繊維等のSMSポリオレフィン繊維を含む、請求項25~28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
前記第1の溶接領域または前記第2の溶接領域の少なくとも一方が、超音波溶接である、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記ウェットレイド不織布材料が、セルロース、合成繊維、バインダー、および任意に界面活性剤を含む、請求項25~30のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
少なくとも前記第1の溶接領域によって前記内層に固定および接合された前記外層が、標準方法ASTM F88に従って、80cN/15mm以上、好ましくは100cN/15mm以上の接合強度を有する、請求項25~31のいずれか1項に記載の方法。
【国際調査報告】