(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-22
(54)【発明の名称】電池及び電力消費機器
(51)【国際特許分類】
H01M 50/204 20210101AFI20250115BHJP
H01M 50/342 20210101ALI20250115BHJP
H01M 50/291 20210101ALI20250115BHJP
H01M 10/658 20140101ALI20250115BHJP
H01M 50/293 20210101ALI20250115BHJP
H01M 50/209 20210101ALI20250115BHJP
H01M 50/213 20210101ALI20250115BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20250115BHJP
H01M 10/655 20140101ALI20250115BHJP
H01M 10/6561 20140101ALI20250115BHJP
H01M 10/6567 20140101ALI20250115BHJP
【FI】
H01M50/204 401E
H01M50/342 101
H01M50/291
H01M10/658
H01M50/293
H01M50/209
H01M50/213
H01M50/204 401H
H01M10/613
H01M10/655
H01M10/6561
H01M10/6567
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024533980
(86)(22)【出願日】2023-03-30
(85)【翻訳文提出日】2024-06-06
(86)【国際出願番号】 CN2023085205
(87)【国際公開番号】W WO2023202348
(87)【国際公開日】2023-10-26
(31)【優先権主張番号】202210423355.6
(32)【優先日】2022-04-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524304976
【氏名又は名称】香港時代新能源科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】CONTEMPORARY AMPEREX TECHNOLOGY (HONG KONG) LIMITED
【住所又は居所原語表記】LEVEL 19, CHINA BUILDING, 29 QUEEN’S ROAD CENTRAL, CENTRAL, CENTRAL AND WESTERN DISTRICT, HONG KONG, CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】胥 恩▲東▼
(72)【発明者】
【氏名】李 ▲ティン▼
(72)【発明者】
【氏名】肖 志▲偉▼
(72)【発明者】
【氏名】牛 少▲軍▼
(72)【発明者】
【氏名】金 ▲海▼族
【テーマコード(参考)】
5H012
5H031
5H040
【Fターム(参考)】
5H012BB01
5H012DD05
5H012FF01
5H031AA09
5H031KK02
5H031KK08
5H040AA28
5H040AA37
5H040AS07
5H040AS12
5H040AS13
5H040AS14
5H040AS19
5H040AS26
5H040AT01
5H040AT02
5H040AY04
5H040LL06
5H040NN01
(57)【要約】
本願の実施例は電池及び電力消費機器を開示する。該電池は、第1の壁に圧力逃がし機構が設けられる電池セルと、圧力逃がし機構に対向して設けられる高分子マトリックス複合繊維板である防護板とを含む。本願による技術案は、電池の筐体を電池の熱暴走時に発生した空気流衝撃と高温溶融から保護することができ、電池の安全性能を向上させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の壁に圧力逃がし機構(65)が設けられる電池セル(6)と、前記圧力逃がし機構(65)に対向して設けられる高分子マトリックス複合繊維板である防護板(8)と、を含むことを特徴とする電池。
【請求項2】
前記高分子マトリックス複合繊維板は繊維強化樹脂複合板であることを特徴とする請求項1に記載の電池。
【請求項3】
前記電池セル(6)は筐体(20)内に収容され、前記第1の壁は、前記電池セル(6)の前記筐体(20)のトップカバー(201)に近く、かつ前記トップカバー(201)に対向して設けられる壁であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電池。
【請求項4】
前記防護板(8)は前記トップカバー(201)に一体に設けられることを特徴とする請求項3に記載の電池。
【請求項5】
前記防護板(8)は前記トップカバー(201)と前記第1の壁との間に設けられることを特徴とする請求項3に記載の電池。
【請求項6】
前記防護板(8)と前記トップカバー(201)の寸法は同じであることを特徴とする請求項5に記載の電池。
【請求項7】
前記防護板(8)の寸法は前記トップカバー(201)よりも小さいことを特徴とする請求項5に記載の電池。
【請求項8】
前記防護板(8)はストリップ状であり、前記防護板(8)の前記第1の壁における投影は前記圧力逃がし機構(65)を覆うことを特徴とする請求項5に記載の電池。
【請求項9】
前記防護板(8)はボルト又は接着剤によって前記トップカバー(201)に接続されることを特徴とする請求項6~8のいずれか1項に記載の電池。
【請求項10】
前記電池セル(6)は筐体(20)内に収容され、前記第1の壁は、前記電池セル(6)の前記筐体(20)の底壁(202)に近く、かつ前記底壁(202)に対向して設けられる壁であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電池。
【請求項11】
前記防護板(8)は前記筐体(20)の底壁(202)に一体に設けられることを特徴とする請求項10に記載の電池。
【請求項12】
前記防護板(8)は前記底壁(202)と前記第1の壁との間に設けられることを特徴とする請求項10に記載の電池。
【請求項13】
前記防護板(8)と前記第1の壁との間に熱管理部材(66)が設けられ、前記熱管理部材(66)は、前記電池セル(6)の温度を調整するように、流体を収容するために用いられる、ことを特徴とする請求項12に記載の電池。
【請求項14】
前記熱管理部材(66)に前記圧力逃がし機構(65)に対向して設けられる脆弱領域(661)が設けられ、前記脆弱領域(661)は、前記圧力逃がし機構(65)が動作する時に前記電池セル(6)の排出物によって破壊されて、前記排出物が前記脆弱領域(661)を通過することを可能にするように配置されることを特徴とする請求項13に記載の電池。
【請求項15】
前記防護板(8)と前記筐体(20)との間に断熱部材(67)が設けられることを特徴とする請求項5又は12に記載の電池。
【請求項16】
前記断熱部材(67)は空気介在層であることを特徴とする請求項15に記載の電池。
【請求項17】
前記防護板(8)は多層の繊維強化樹脂層(81)を含み、前記繊維強化樹脂層(81)は、繊維材料と樹脂材料とを複合して形成されることを特徴とする請求項1~16のいずれか1項に記載の電池。
【請求項18】
前記樹脂材料は、シリコーン系エアロゲル変性樹脂又は耐高温難燃性樹脂であることを特徴とする請求項17に記載の電池。
【請求項19】
前記繊維材料は、ガラス繊維、セラミックス繊維、炭素繊維、石英繊維、高シリカ繊維、ケイ酸アルミナ繊維、ムライト繊維、炭化珪素繊維、窒化シリコン繊維、アルミナ繊維、窒化ホウ素繊維、バサルト繊維、ブルーサイト繊維、アタパルガイド繊維、ボロン繊維、カーボンナノチューブ繊維、アラミド繊維、ポリイミド繊維、超高分子量ポリエチレン繊維など繊維のうちの少なくとも1種であることを特徴とする請求項17に記載の電池。
【請求項20】
前記繊維材料はセラミックス繊維材料であることを特徴とする請求項19に記載の電池。
【請求項21】
前記セラミックス繊維材料はシリカ又はアルミナであることを特徴とする請求項20に記載の電池。
【請求項22】
前記繊維材料の厚さは6~100μmであることを特徴とする請求項17~21のいずれか1項に記載の電池。
【請求項23】
前記防護板(8)の厚さは0.2~5mmであることを特徴とする請求項1~22のいずれか1項に記載の電池。
【請求項24】
請求項1~23のいずれか1項に記載される電力を提供するための電池(2)を含む電力消費機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2022年4月21日に提出された発明の名称が「電池及び電力消費機器」である中国特許出願202210423355.6の優先権を主張しており、該出願の内容の全ては援用により本願に組み込まれる。
【0002】
本願は、電池技術の分野に関し、特に電池及び電力消費機器に関する。
【背景技術】
【0003】
省エネルギーと排出削減は自動車工業のサスティナビリティの鍵である。この場合、電気自動車はその省エネルギー及び環境保護の利点を備えるため車両のサスティナビリティの重要な構成要素である。電気自動車にとって、電池技術はその発展に係る重要な要素である。
【0004】
電池技術の発展において、電池の性能を向上させることに加えて、安全性も無視できない問題である。電池の安全性問題が保証されることができない場合、該電池は使用できない。従って、如何に電池の安全性を向上させるかは、電池技術において解決すべき緊急の課題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記課題に鑑み、本願の実施例は、電池の筐体を電池の熱暴走時に発生した空気流衝撃及び高温溶融から保護して、電池の安全性能を向上させることができる電池及び電力消費機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様によれば、電池を提供する。この電池は、第1の壁に圧力逃がし機構が設けられる電池セルと、前記圧力逃がし機構に対向して設けられる高分子マトリックス複合繊維板である防護板とを含む。
【0007】
本願の実施例において、該電池は、第1の壁に電池セルを保護するための圧力逃がし機構が設けられる電池セルを含み、電池は、圧力逃がし機構に対向して設けられる防護板をさらに含み、即ち、防護板は圧力逃がし機構に正対する。防護板は高分子マトリックス複合繊維板であり、耐高温性と耐衝撃性を有する。圧力逃がし機構を防護板に対向して設けることにより、電池セルが熱暴走する場合に、高分子マトリックス複合繊維である防護板は、圧力逃がし機構から放出された高温高速の気固混合物を遮蔽することができ、電池の筐体を空気流衝撃と高温溶融から保護して、電池の安全性を保証する。
【0008】
1つの可能な実施の形態では、前記高分子マトリックス複合繊維板は繊維強化樹脂複合板である。
【0009】
本願の実施例において、高分子材料における樹脂をマトリックスとして繊維強化樹脂複合板を防護板として製造し、他の高分子材料マトリックスに比べ、繊維強化樹脂複合板の耐高温性能及び耐衝撃性能はいずれも優れる。
【0010】
1つの可能な実施の形態では、前記電池セルは筐体内に収容され、前記第1の壁は、前記電池セルの前記筐体のトップカバーに近く、かつ前記トップカバーに対向して設けられる壁である。
【0011】
本願の実施例において、第1の壁が電池セルの筐体のトップカバーに近く、かつトップカバーに対向して設けられる壁である場合、圧力逃がし機構はトップカバーに向かう。防護板は圧力逃がし機構に対向して設けられ、即ち、防護板はトップカバーの近くに設けられる。電池セルが熱暴走する場合に、高分子マトリックス複合繊維である防護板は圧力逃がし機構から放出された高温高速の気固混合物を遮蔽することができ、電池のトップカバーを空気流衝撃と高温溶融から保護することができる。
【0012】
1つの可能な実施の形態では、前記防護板は前記トップカバーに一体に設けられる。
【0013】
本願の実施例において、防護板はトップカバーに一体に設けられる。防護板はトップカバーとともに電池のトップカバーとして機能してもよく、防護板は単独で電池のトップカバーとして機能してもよい。防護板がトップカバーとともに電池のトップカバーとして機能する場合、防護板はトップカバーを保護して、電池をよりよく保護する。防護板が単独で電池のトップカバーとして機能する場合、電池のトップカバーを高温と空気流衝撃から保護するとともに、電池のトップカバーの構造をさらに簡略化させる。
【0014】
1つの可能な実施の形態では、前記防護板は前記トップカバーと前記第1の壁との間に設けられる。
【0015】
本願の実施例において、防護板はトップカバーと第1の壁との間に設けられ、即ち、防護板はトップカバーと圧力逃がし機構との間に設けられる。このように、防護板はトップカバーを直接に保護することができ、トップカバーを高温と空気流衝撃から保護して、電池の安全性能を向上させる。
【0016】
1つの可能な実施の形態では、前記防護板と前記トップカバーの寸法は同じである。
【0017】
本願の実施例において、防護板はトップカバーと第1の壁との間に設けられる。防護板とトップカバーの寸法が同じである場合、防護板はトップカバーを保護し、トップカバーを圧力逃がし機構から放出された高温高速の気固混合物から保護することができるとともに、電池の内部をシールする効果を向上させることができる。そして、防護板とトップカバーの寸法が同じである場合、装着作業に有利であり、装着の難しさを低減させる。
【0018】
1つの可能な実施の形態では、前記防護板の寸法は前記トップカバーよりも小さい。
【0019】
本願の実施例において、防護板はトップカバーと第1の壁との間に設けられる。防護板の寸法がトップカバーよりも小さい場合、防護板はトップカバーを保護することができるとともに、コストを低減させる。
【0020】
1つの可能な実施の形態では、前記防護板はストリップ状であり、前記防護板の前記第1の壁における投影は前記圧力逃がし機構を覆う。
【0021】
本願の実施例において、防護板はトップカバーと第1の壁との間に設けられる。防護板がストリップ状であり、かつ第1の壁における投影が圧力逃がし機構を覆う場合、防護板はトップカバーに対する優れた保護効果を維持することができるとともに、コストを可能な限り低減させ、非保護領域の材料の無駄遣いを避けることができる。
【0022】
1つの可能な実施の形態では、前記防護板はボルト又は接着剤によって前記トップカバーに接続される。
【0023】
本願の実施例において、ボルト又は接着剤によって防護板とトップカバーとの接続を実現することができ、該接続方式は簡単で、作業性は良く、生産における広範な運用に有利である。
【0024】
1つの可能な実施の形態では、前記電池セルは筐体内に収容され、前記第1の壁は、前記電池セルの前記筐体の底壁に近く、かつ前記底壁に対向して設けられる壁である。
【0025】
本願の実施例において、第1の壁が電池セルの筐体の底壁に近く、かつ底壁に対向して設けられる壁である場合、圧力逃がし機構は底壁に向かう。防護板は圧力逃がし機構に対向して設けられ、即ち、防護板は底壁の近くに設けられる。電池セルの内部に熱暴走が発生する場合、高分子マトリックス複合繊維である防護板は圧力逃がし機構から放出された高温高速の気固混合物を遮蔽し、電池の底壁を空気流衝撃と高温溶融から保護することができる。
【0026】
1つの可能な実施の形態では、前記防護板は前記筐体の底壁に一体に設けられる。
【0027】
本願の実施例において、防護板は底壁に一体に設けられる。防護板は底壁とともに電池の底壁として機能してもよく、防護板は単独で電池の底壁として機能してもよい。防護板が底壁とともに電池の底壁として機能する場合、防護板は底壁を保護して、電池の安全性をよりよく保護する。防護板が単独で電池の底壁として機能する場合、電池の底壁を高温と空気流衝撃から保護するとともに、電池の底壁の構造をより簡略化させる。
【0028】
1つの可能な実施の形態では、前記防護板は前記底壁と前記第1の壁との間に設けられる。
【0029】
本願の実施例において、防護板は底壁と第1の壁との間に設けられ、即ち、防護板は底壁と圧力逃がし機構との間に設けられる。このように、防護板は底壁を直接に保護することができ、底壁を高温と空気流衝撃から保護して、電池の安全性能が保証される。
【0030】
1つの可能な実施の形態では、前記防護板と前記第1の壁との間に熱管理部材が設けられ、前記熱管理部材は、前記電池セルの温度を調整するように、流体を収容するために用いられる。
【0031】
本願の実施例において、防護板を第1の壁と電池の筐体との間に設けるか、又は防護板を直接に電池の筐体として機能させることにより、電池の筐体を高温と空気流衝撃から保護して、電池の安全性能を向上させる。第1の壁と防護板との間に電池セルの温度を調整する熱管理部材を設けることにより、電池セルの実際のニーズに応じて、電池セルの温度を調整することができ、電池セルが通常に動作することが保証される。
【0032】
1つの可能な実施の形態では、前記熱管理部材に前記圧力逃がし機構に対向して設けられる脆弱領域が設けられ、前記脆弱領域は、前記圧力逃がし機構が動作する時に前記電池セルの排出物に破壊されて、前記排出物が前記脆弱領域を通過することを可能にするように配置される。
【0033】
本願の実施例において、防護板を第1の壁と電池の筐体との間に設けるか、又は防護板を直接に電池の筐体として機能させることにより、電池の筐体の安全性を保護することができる。第1の壁と防護板との間に熱管理部材を設けることにより、電池セルの実際のニーズに応じて、電池セルの温度を調整することができ、電池セルが通常に動作することが保証される。熱管理部材に脆弱領域が設けられ、空気流衝撃又は高温が脆弱領域を破壊した場合、排出物は脆弱領域を通って速やかに排出され電池セルから離れることができ、電池への排出物の危険性を低減させ、電池の安全性能を向上させることができる。
【0034】
1つの可能な実施の形態では、前記防護板と前記筐体との間に断熱部材が設けられる。
【0035】
本願の実施例において、圧力逃がし機構が設けられる第1の壁と筐体との間に防護板を増設することにより、電池の筐体を高温高速の空気流衝撃から保護することができる。防護板と筐体との間に断熱部材をさらに設けることにより、筐体の温度をさらに低減させ、電池の安全性能を向上させることができる。
【0036】
1つの可能な実施の形態では、前記断熱部材は空気介在層である。
【0037】
本願の実施例において、空気介在層を断熱部材として防護板と筐体との間に設けることにより、筐体の温度をさらに低減させ、電池の安全性能を向上させることができる。
【0038】
1つの可能な実施の形態では、前記防護板は多層の繊維強化樹脂層を含み、前記繊維強化樹脂層は、繊維材料と樹脂材料とを複合して形成される。
【0039】
本願の実施例において、繊維強化樹脂は耐高温、耐衝撃の材料である。該材料を採用して防護板を製造し、防護板を圧力逃がし機構と筐体との間に設けることにより、電池セルの内部の高温と排泄物が電池セルから高速に飛び出す際に、防護板は筐体を保護することができ、筐体を高温溶融と高速の排出物の衝撃から保護して、電池の安全性を保護する。
【0040】
1つの可能な実施の形態では、前記樹脂材料は、シリコーン系エアロゲル変性樹脂又は耐高温難燃性樹脂である。
【0041】
本願の実施例において、繊維と樹脂とを複合して形成された材料は、耐高温と耐衝撃の性能を備える。シリコーン系エアロゲル変性樹脂又は耐高温難燃性樹脂という2種類の材料を採用することにより、防護板の耐高温と耐衝撃の性能をさらに向上させることができる。
【0042】
1つの可能な実施の形態では、前記繊維材料は、ガラス繊維、セラミックス繊維、炭素繊維、石英繊維、高シリカ繊維、ケイ酸アルミナ繊維、ムライト繊維、炭化珪素繊維、窒化シリコン繊維、アルミナ繊維、窒化ホウ素繊維、バサルト繊維、ブルーサイト繊維、アタパルガイド繊維、ボロン繊維、カーボンナノチューブ繊維、アラミド繊維、ポリイミド繊維、超高分子量ポリエチレン繊維などの繊維のうちの少なくとも1種である。
【0043】
1つの可能な実施の形態では、前記繊維材料はセラミックス繊維材料である。
【0044】
本願の実施例において、繊維と樹脂とを複合して形成される材料は、耐高温と耐衝撃の性能を備える。セラミックス繊維材料は他の繊維材料に比べ、より優れた耐高温性能を備える。
【0045】
1つの可能な実施の形態では、前記セラミックス繊維材料は、シリカ又はアルミナである。
【0046】
本願の実施例において、シリカ又はアルミナを採用して製造される防護板は、その耐高温性能が最も良い。
【0047】
1つの可能な実施の形態では、前記繊維材料の厚さは6~100μmである。
【0048】
本願の実施例において、厚さが6~100μmの繊維材料を採用することにより、防護板は耐高温と耐衝撃の性能を備えるとともに、生産コストを低減させることができる。
【0049】
1つの可能な実施の形態では、前記防護板の厚さは0.2~5mmである。
【0050】
本願の実施例において、厚さが0.2~5mmである防護板を採用することにより、防護板は耐高温と耐衝撃の性能を備えるとともに、生産コストを低減させることができる。
【0051】
第2の態様によれば、電力消費機器を提供する。この電力消費機器は、上記実施例のいずれか1項に記載される、電力を提供するための電池を含む。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【
図2】本願の一実施例の電池の分解構造概略図である。
【
図3】本願の一実施例の電池セルの分解構造概略図である。
【
図4】本願の他の一実施例の電池の分解構造概略図である。
【
図5】本願の一実施例の電池筐の半断面構造概略図である。
【
図6】本願の一実施例の電池のトップカバーの概略図である。
【
図7】本願の別の一実施例の電池の分解構造概略図である。
【
図8】本願の別の一実施例の電池の分解構造概略図である。
【
図9】本願の一実施例の電池の底壁の分解構造概略図である。
【
図10】本願の他の一実施例の電池の筐体の半断面構造概略図である。
【
図11】本願の他の一実施例の電池の底壁の分解構造概略図である。
【
図12】本願の一実施例の繊維樹脂強化層の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
以下、図面を参照しながら本願の技術案の実施例を詳細に記述する。以下の実施例は単に本願の技術案をより明確に説明するためのものであるため、例示に過ぎず、それによって本願の保護範囲を制限するものではない。
【0054】
別途に定義されていない限り、本明細書で使用されるすべての技術と科学用語は、当業者に一般的に理解される意味と同じである。本明細書で使用される用語は具体的な実施例を説明するためのものに過ぎず、本願を制限することを意図するものではない。本願の明細書、特許請求の範囲及び上記図面の説明における「含む」、「有する」という用語及びそれらの任意の変形は、非排他的な「含む」をカバすることを意図するものである。
【0055】
本願の実施例の説明において、「第1」、「第2」などの技術用語は、異なる対象を区別するためのものであり、相対的重要性を指示し又は黙示したり、示される技術的特徴の数量、特定の順番又は主従の関係を示唆したりするものとして理解されるべきではない。本願の実施例の説明において、特に明確で具体的な限定がない限り、「複数」とは、2つ以上を意味する。
【0056】
本明細書において、「実施例」が言及された場合、実施例を結び付けて説明される特定の特徴、構造又は特性が本願の少なくとも1つの実施例に含まれ得ることを意味する。明細書の各位置に現れた当該言葉はいずれも同じ実施例を指すとは限らず、他の実施例と相互排他的で独立的又は選択的な実施例でもない。当業者は、本明細書に説明される実施例が他の実施例と組み合わせることができると明確又は暗黙に理解できる。
【0057】
本願の実施例の説明において、「及び/又は」という用語は、関連対象の相互関係を述べるものに過ぎず、3つの関係があり得ることを示し、例えば、A及び/又はBは、Aだけが存在すること、A及びBが同時に存在すること、及びBだけが存在すること、という3つの場合を示すことができる。また、本明細書において、「/」という文字は、一般的には、前後に関係する対象が「又は」という関係であることを示す。
【0058】
本願の実施例の説明において、「複数」という用語は2つ以上(2つを含む)を指し、同様に、「複数の群」とは、2群以上(2群を含む)を指し、「複数の枚」とは、2枚以上(2枚を含む)を指す。
【0059】
本願の実施例の説明において、技術用語である「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」などによって指示された方位又は位置関係は、図面に基づく方位又は位置関係であり、本願の実施例の説明の便宜及び説明の簡略化のためのものに過ぎず、示された装置や素子が特定の方位を有し、特定の方位で構成され、操作されなければならないことを指示又は黙示するものではないので、本願の実施例を制限するものとして理解できない。
【0060】
本願の実施例の記載において、特に明確な規定及び限定がない限り、「取り付け」、「繋がる」、「接続する」、「固定する」などの用語は広い意味で理解すべきであり、例えば、固定接続であってもよく、取り外し可能な接続であってもよく、又は一体化であってもよく、機械的接続であってもよく、電気的接続であってもよく、直接に繋がってもよく、介在物によって間接に繋がってもよく、2つの素子の内部の連通又は2つの素子の相互作用関係であってもよい。当業者にとっては、具体的な状況に応じて、上記の用語の本願の実施例における具体的な意味を理解することができる。
【0061】
本願において、電池セルは、リチウム金属電池、ナトリウム金属電池又はマグネシウム金属電池などを含んでもよく、本願の実施例はこれを限定しない。電池セルは円柱体、扁平体又は他の形状などであってもよく、本願の実施例はこれについても限定しない。電池セルは、一般的に、パッケージの方式によって、柱状電池セル、方形状電池セル及びパウチ電池セルという3つの種類に分けられ、本願の実施例はこれについても限定しない。以下の実施例において、説明の便宜上、リチウム金属電池を例として説明する。
【0062】
本願の実施例で言及される電池とは、より高い電圧と容量を提供するように、1つ又は複数の電池セルを含む単一の物理モジュールを指す。例えば、本願で言及される電池は電池モジュール又は電池パックなどを含んでもよい。電池は、一般的に、1つ又は複数の電池セルをパッケージするための筐体を含む。筐体は、液体又は他の異物が電池セルの充放電に影響を与えることを避けることができる。
【0063】
新エネルギー電池自動車では、エネルギーとしての電池ケースは自動車内に取り付けられ、電池ケースにおける電池が放電することにより、新エネルギー自動車のモータを運転させるように駆動する。新エネルギー自動車に対する要求が徐々に高まる中、電池のエネルギー密度に対する要求も絶えず高まっている。陽極シリコン添加の高エネルギー電池システムにとって、電池システム内の単一の電池又は複数の電池が熱暴走する際に、温度が1500℃よりも大きいガスが発生する。ガスの最高速度が音速よりも大きくなる場合、従来技術における主にエアロゲルを成分とする断熱材料は、このような高温高速の空気流の温度衝撃及び空気流衝撃を受け止めることができないため、主にエアロゲルを成分とする断熱材料は構造上の熱解体及び機械解体が発生し、防護が失敗する。高温高速の空気流が電池パック筐体を通って、融点が1500℃である鋼板製の電池の筐体は直接に燃焼し、約30sを持続して燃焼すると、新エネルギー自動車の本体は直接に破壊され、乗客の安全に危害を及ぼす。
【0064】
上記問題を解決するために、本願の実施例は技術案を提供する。電池パックの筐体内に、電池が熱暴走する際に発生した高温高速の気固混合物を遮蔽することができる保護板材が設けられ、電池の筐体を空気流衝撃及び高温溶融から保護して、電池の安全性能を向上させる。
【0065】
本願の実施例において記述される防護板は、電池及び電池を使用する電力消費機器に適する。
【0066】
電力消費機器は、車両、携帯電話、携帯機器、ノードパソコン、船舶、宇宙航空機、電動玩具及び電動工具などであってもよい。車両は、ガソリン自動車、ガス自動車又は新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は、純電気自動車、ハイブリッド自動車又はレンジエクステンデッド自動車などであってもよく、宇宙航空機は、飛行機、ロケット、スペースシャトル及び宇宙船などを含み、電動玩具は、固定型又は移動型の電動玩具、例えば、ゲーム機、電気自動車玩具、電動船舶玩具及び電動飛行機玩具などを含み、電動工具は、金属切削電動工具、研磨電動工具、装着電動工具及び鉄道用電動工具、例えば電気ドリル、電気グラインダ、電気レンチ、電気ドライバ、電気ハンマ、ハンマードリル、コンクリート振動機及び電気カンナなどを含む。本願の実施例は、上述した電力消費機器を特に制限しない。
【0067】
以下の実施例では、説明の便宜上、電力消費機器が車両であることを例として説明する。
【0068】
図1は、本願の一実施例による車両1の構造概略図である。
図1に示すように、車両1の内部に電池2が設けられ、電池2は車両1の底部、頭部又は尾部に設けられてもよい。電池2は車両1に給電するために用いられてもよく、例えば電池2は車両1の操作電源として機能してもよい。
【0069】
図2は、本願の一実施例による電池2の分解概略図である。
図2に示すように、電池2は筐体20、電池セル6及び防護板8を含む。電池セル6と防護板8は筐体20内に収容される。
【0070】
筐体20は電池セル6を収容するために用いられる。筐体20は様々な構造であってもよい。いくつかの実施例において、筐体20は第1の筐体部201と第2の筐体部202とを含んでもよく、第1の筐体部201と第2の筐体部202は相互に係合され、第1の筐体部201は第2の筐体部202とともに電池セル6を収容するための収容空間203を限定する。第2の筐体部202は一端が開口する中空構造であってもよく、第1の筐体部201は板状構造であり、第1の筐体部201は第2の筐体部202の開口側に係合されて、収容空間203を有する筐体20が形成され、第1の筐体部201と第2の筐体部202はいずれも一方側が開口する中空構造であってもよく、第1の筐体部201の開口側は第2の筐体部202の開口側に係合されて、収容空間203を有する筐体20が形成される。もちろん、第1の筐体部201と第2の筐体部202は様々な形状、例えば円柱体、直方体などであってもよい。
【0071】
第1の筐体部201と第2の筐体部202が接続された後のシール性を向上させるために、第1の筐体部201と第2の筐体部202との間にシール材、例えば、シーラント、シールリングなどを設けてもよい。
【0072】
第1の筐体部201が第2の筐体部202の頂部に係合される場合、第1の筐体部201はトップカバーと呼ばれてもよく、第2の筐体部202は底壁と呼ばれてもよい。
【0073】
電池2では、電池セル6は複数である。複数の電池セル6の間は直列接続され、又は並列接続され、又は直並列接続されてもよく、直並列接続とは、複数の電池セル6において、直列接続されるものがあるし、並列接続されるものもあることを意味する。複数の電池セル6の間は、直接に直列接続され、又は並列接続され、又は直並列接続されてから、複数の電池セル6からなる全体を筐体20内に収容してもよく、もちろん、複数の電池セル6は先ず直列接続され、又は並列接続され、又は直並列接続されて電池モジュール(図示せず)を構成し、そして、複数の電池モジュールは、直列接続され、又は並列接続され、又は直並列接続されて1つの全体を形成し、筐体20内に収容されてもよい。電池モジュールにおける複数の電池セル6の間はバスバー部材を介して電気的な接続を実現して、電池モジュールにおける複数の電池セル6の並列接続、又は直列接続又は直並列接続を実現してもよい。
【0074】
図3は、本願の1つの実施例の電池セル6の構造概略図である。
図3に示すように、電池セル6は、1つ又は複数の電極アセンブリ61、ケース621及びエンドカバー622を含む。ケース621とエンドカバー622はハウジング又は電池ボックス62を形成する。ケース621の壁及びエンドカバー622はいずれも電池セル6の壁と呼ばれ、直方体式の電池セル6である場合、ケース621の壁は底壁と4つの側壁を含む。ケース621は1つ又は複数の電極アセンブリ61が組み合わせられた後の形状によって決められ、例えば、ケース621は中空の直方体又は正方体又は円柱体であってもよく、かつケース621の1つの面に開口を有して1つ又は複数の電極アセンブリ61をケース621内に配置することができる。例えば、ケース621が中空の直方体又は正方体である場合、ケース621の1つの平面は開口面であり、即ち、該平面は壁を有せずケース621の内外を連通させる。ケース621が中空の円柱体である場合、ケース621の端面は開口面であり、即ち、該端面は壁を有せずケース621の内外を連通させる。エンドカバー622は開口を覆い、かつケース621に接続されて、電極アセンブリ61を配置するための閉塞されたチャンバーが形成される。ケース621内に電解質、例えば電解液が充填される。
【0075】
該電池セル6は、2つの電極端子63をさらに含んでもよく、2つの電極端子63はエンドカバー622に設けられてもよい。エンドカバー622は一般的に平板形状であり、2つの電極端子63はエンドカバー622の平板面に固定され、2つの電極端子63はそれぞれ正電極端子631と負電極端子632である。各電極端子63にそれぞれ1つの接続ユニット64(又は集電ユニット64と呼ばれでもよい)が対応して設けられ、それはエンドカバー622と電極アセンブリ61との間に位置し、電極アセンブリ61と電極端子63とを電気的に接続することを実現するために用いられる。
【0076】
該電池セル6では、実際の使用ニーズに応じて、単一の電池アセンブリ61が設けられてもよく、複数の電池アセンブリ61が設けられてもよく、
図3に示すように、電池セル6内に4つの独立する電池アセンブリ61が設けられる。
【0077】
電池セル6に圧力逃がし機構65が設けられてもよい。圧力逃がし機構65は、電池セル6の内部の圧力又は温度が閾値に達する時に動作して内部の圧力又は温度を逃すために用いられる。
【0078】
図4は、本願の他の一実施例の電池の分解構造概略図である。
図4に示すように、該電池2は電池セル6を含み、電池セル6の第1の壁に圧力逃がし機構65と防護板8が設けられ、防護板8は圧力逃がし機構65に対向して設けられ、ここで、防護板8は高分子マトリックス複合繊維板である。
【0079】
本願の実施例において、圧力逃がし機構65は、電池セル6の内部の圧力又は温度が閾値に達する時に動作して電池セル6の内部の圧力を逃す構造部材である。例えば、圧力逃がし機構65は感温圧力逃がし機構であってもよく、感温圧力逃がし機構は、圧力逃がし機構65が設けられる電池セル6の内部の温度が閾値に達する時に溶融できるように配置され、及び/又は、圧力逃がし機構65は感圧圧力逃がし機構であってもよく、感圧圧力逃がし機構は、圧力逃がし機構65が設けられる電池セル6の内部の気圧が閾値に達する時に破裂することができるように配置され、本願は圧力逃がし機構のタイプを限定しない。
【0080】
電池2は電池セル6を含み、電池セル6の第1の壁に電池セル6を保護するための圧力逃がし機構65が設けられる。電池2は防護板8をさらに含み、防護板8は圧力逃がし機構65に対向して設けられ、即ち、防護板8は圧力逃がし機構65に正対する。防護板8は高分子マトリックス複合繊維板であり、耐高温性及び耐衝撃性を備える。
【0081】
上述した技術案では、圧力逃がし機構65を圧力逃がし機構65に対向して設けることにより、電池セル6の内部に熱暴走が発生する場合、高分子マトリックス複合繊維である防護板8は、圧力逃がし機構65から放出された高温高速の気固混合物を遮蔽し、電池ケースを空気流衝撃と高温溶融から保護して、電池2の安全性を保証することができる。
【0082】
選択的に、高分子マトリックス複合繊維板は繊維強化樹脂複合板である。
【0083】
上述した技術案では、高分子材料における樹脂をマトリックスとして繊維強化樹脂複合板を製造して防護板8とし、他の高分子材料マトリックスに比べ、繊維強化樹脂複合板の耐高温及び耐衝撃の性能はいずれも優れる。
【0084】
選択的に、
図4に示すように、電池セル6は筐体20内に収容され、第1の壁は、電池セル6における筐体20のトップカバー201に近く、かつトップカバー201に対向して設けられる壁である。
【0085】
第1の壁が電池セル6における筐体20のトップカバー201に近く、かつトップカバー201に対向して設けられる壁である場合、圧力逃がし機構65はトップカバー201に近づいて向かう。
【0086】
上述した技術案では、防護板8は圧力逃がし機構65とトップカバー201との間に設けられる。電池セル6が熱暴走する場合に、圧力逃がし機構65から電池セル6の内部の温度及び圧力を逃す場合、高分子マトリックス複合繊維である防護板8は、圧力逃がし機構65から放出された高温高速の気固混合物を遮蔽し、電池2のトップカバー201を空気流衝撃と高温溶融から保護して、電池2の安全性を保護することができる。
【0087】
図5は、本願の一実施例の電池の筐体の半断面構造概略図である。
図5に示すように、選択的に、防護板8はトップカバー201に一体に設けられる。
【0088】
防護板8はトップカバー201に一体に設けられ、即ち、防護板8はトップカバー201とともに電池2のトップカバー201として機能してもよく、防護板8は
図5に示すように、単独で電池2のトップカバー201として機能してもよい。
【0089】
上述した技術案では、防護板8がトップカバー201とともに電池2のトップカバー201として機能する場合、電池2のトップカバー201は二層構造を有し、防護板8はトップカバー201を保護して、電池2の安全性をよりよく保護する。防護板8が単独で電池2のトップカバー201として機能する場合、防護板8は、電池2のトップカバー201を高温及び空気流衝撃から保護するのを維持することができるとともに、電池2の構造をより簡略化させ、電池2の生産コストを低減させることができる。
【0090】
図6は、本願の一実施例のトップカバーの概略図である。
図6に示すように、防護板8がトップカバー201に一体に設けられる場合、トップカバー201は不定形状であってもよい。本願の実施例において、トップカバー201は方形状、円形などであってもよく、本願はこれについて限定せず、即ち、生産過程において、具体的な製品のニーズに応じて任意形状のトップカバー201と防護板8を製造することができる。
【0091】
選択的に、
図4に示すように、防護板8はトップカバー201と第1の壁との間に設けられる。
【0092】
防護板8はトップカバー201と第1の壁との間に設けられ、即ち、圧力逃がし機構65はトップカバー201に向かっており、防護板8はトップカバー201と圧力逃がし機構65との間に設けられる。
【0093】
上述した技術案では、防護板8をトップカバー201と圧力逃がし構造65との間に設けることにより、圧力逃がし機構65はトップカバー201に向かう。このように、防護板8はトップカバー201を直接に保護することができ、圧力逃がし機構65が正対するトップカバー201を高温と空気流の衝撃から保護して、電池2の安全性が保証される。
【0094】
続いて
図4を参照し、選択的に、防護板8とトップカバー201の寸法は同じである。
【0095】
防護板8はトップカバー201と圧力逃がし構造65との間に設けられ、かつ防護板8とトップカバー201の寸法は同じであることにより、防護板8はトップカバー201をよりよく保護することができる。
【0096】
上述した技術案では、防護板8はトップカバー201と圧力逃がし構造65との間に設けられ、かつ防護板8とトップカバー201の寸法は同じであることにより、防護板8はトップカバー201をよりよく保護して、トップカバー201を圧力逃がし機構65から放出された高温高速の気固混合物から保護することができるとともに、電池2の内部をシールする役割を果たすことができる。そして、防護板8とトップカバー201の寸法が同じである場合、装着作業に有利であり、装着の難しさを低減させる。
【0097】
図7は、本願の別の一実施例の電池の分解構造概略図である。
図7に示すように、選択的に、防護板8の寸法はトップカバー201よりも小さい。
【0098】
上述した技術案では、防護板8はトップカバー201と圧力逃がし機構65が設けられる第1の壁との間に設けられる。防護板8の寸法がトップカバー201よりも小さい場合、防護板8はトップカバー201を保護して電池2の安全性能を向上させることができるとともに、生産コストを低減させることもできる。
【0099】
図8は、本願の別の一実施例の電池の分解構造概略図である。
図8に示すように、選択的に、防護板8はストリップ状であり、防護板8の第1の壁における投影は圧力逃がし機構65を覆う。
【0100】
防護板8の形状は、
図8に示すストリップ状であってもよく、円形又は他の任意形状であってもよく、防護板8の第1の壁における投影は圧力逃がし機構65を覆い、電池2の筐体を保護する機能を発揮することができればよく、本願は防護板8の形状を限定しない。
【0101】
上述した技術案では、防護板8はトップカバー201と第1の壁との間に設けられる。防護板8がストリップ状であり、かつ第1の壁における投影が圧力逃がし機構65を覆う場合、防護板8はトップカバー201をよく保護する効果を維持することができるとともに、コストをできる限り低減させることができ、非保護領域の材料の無駄使いを避ける。
【0102】
選択的に、防護板8はボルト又は接着剤によってトップカバー201に接続される。
【0103】
防護板8とトップカバー201の接続方式は様々であり、両者を固定することができればよく、本願はこれを限定しない。実際の生産過程において、簡単で作業性の良い接続方式を選択することにより、実際の運用において広く普及するのに有利である。
【0104】
上述した技術案では、ボルト又は接着剤を利用して防護板8とトップカバー201との間の接続を実現し、該接続方式は簡単で、作業性は良く、生産における広範な運用に有利である。
【0105】
図9は、本願の一実施例の電池の底壁の構造概略図である。
図9に示すように、選択的に、電池セル6は筐体20内に収容され、第1の壁は電池セル6における筐体20の底壁202に近く、かつ底壁202に対向して設けられる壁である。
【0106】
第1の壁が電池セル6における筐体20の底壁202に近く、かつ底壁202に対向して設けられる壁である場合、圧力逃がし機構65は底壁202に近づいて向かう。
【0107】
上述した技術案では、防護板8は圧力逃がし機構65と底壁202との間に設けられる。電池セル6が熱暴走すると、圧力逃がし機構65は電池セル6の内部の温度及び圧力を逃す場合、高分子マトリックス複合繊維である防護板8は圧力逃がし機構65から放出された高温高速の気固混合物を遮蔽し、電池2の底壁202を空気流衝撃及び高温溶融から保護して、電池2の安全性を保護することができる。
【0108】
図10は、本願の他の一実施例の電池の筐体の半断面構造概略図である。
図10に示すように、選択的に、防護板8は底壁202に一体に設けられる。
【0109】
防護板8は底壁202に一体に設けられ、即ち、防護板8は底壁202とともに電池2の底壁202として機能してもよく、防護板8は
図10に示すように、単独で電池2の底壁202として機能してもよい。
【0110】
上述した技術案では、防護板8が底壁202とともに電池2の底壁202として機能する場合、電池2の底壁202は二層構造を有し、防護板8は底壁202を保護して、電池2の安全性をよりよく保護する。防護板8が単独で電池2の底壁202として機能する場合、防護板8は電池2の底壁202を高温と空気流衝撃から保護することができるとともに、電池2の構造をさらに簡略化させ、電池2の生産コストを低減させることができる。
【0111】
電池2の内部の圧力逃がし機構65がトップカバー201のみに向かう場合、防護板8はトップカバー201に一体に設けられて電池2の安全性を保護し、圧力逃がし機構65が底壁202のみに向かう場合、防護板8は底壁202に一体に設けられて電池2の安全性を保護する。電池2の内部の圧力逃がし機構65がトップカバー201に向かうとともに、底壁202にも向かう場合、
図10に示すように、トップカバー201と底壁202にいずれも防護板8が設けられてもよい。本願は、防護板8の電池2における設置を具体的に限定せず、電池2における電池セル6の圧力逃がし機構65が正対する壁には防護板8が存在すればよく、つまり、防護板8はトップカバー201、底壁202及び側壁であってもよい。また、防護板8は電池2におけるクロスメンバであってもよく、防護板8の具体的な位置は電池2における電池セル6の配列位置に応じて変更してもよく、実際の運用のニーズに応じて電池2における任意位置に設けられてもよい。
【0112】
選択的に、
図9に示すように、防護板8は底壁202と第1の壁との間に設けられる。
【0113】
防護板8は底壁202と第1の壁との間に設けられ、即ち、圧力逃がし機構65は底壁202に向かっており、防護板8は底壁202と圧力逃がし機構65との間に設けられる。
【0114】
上述した技術案では、防護板8は底壁202と圧力逃がし構造65との間に設けられ、圧力逃がし機構65はトップカバー201に向かう。このように、防護板8は底壁202を直接に保護することができ、圧力逃がし機構65が正対する底壁202を高温と空気流の衝撃から保護して、電池2の安全性が保証される。
【0115】
選択的に、
図9に示すように、防護板8と第1の壁との間に熱管理部材66が設けられ、熱管理部材66は流体を収容して電池セル6の温度を調整するために用いられる。
【0116】
熱管理部材66は流体を収容して電池セル6の温度を調整するために用いられる。ここでの流体は液体又はガスであってもよく、温度を調整することとは、電池セル6を加熱又は冷却することを指す。電池セル6を冷却又は降温させる場合、該熱管理部材66は冷却流体を収容して電池セル6の温度を下げるために用いられ、この場合、熱管理部材66は冷却部材、冷却システム又は冷却板などと呼ばれてもよく、収容される流体は冷却媒体又は冷却流体と呼ばれてもよく、より具体的には、冷却液又は冷却ガスと呼ばれてもよい。また、熱管理部材66は加熱して電池セル6の温度を上昇するために用いられてもよく、本願の実施例はこれを限定しない。選択的に、前記流体は、温度を調整する効果を向上させるように、循環して流れてもよい。選択的に、流体は水、水とエチレングリコールの混合液又は空気などであってもよい。
【0117】
上述した技術案では、防護板8は第1の壁と電池2の筐体との間に設けられ、又は防護板8は直接に電池2の筐体として機能し、これにより、電池2の筐体を高温と空気流衝撃から保護して、電池2の安全性を保護する。第1の壁と防護板8との間に電池セル6の温度を調整する熱管理部材を設けることにより、電池セル6のニーズに応じて、電池セル6の温度を調整して電池セル6を通常に動作させることができる。
【0118】
選択的に、熱管理部材66に圧力逃がし機構65に対向して設けられる脆弱領域661が設けられ、脆弱領域661は、圧力逃がし機構65が動作する時に電池セル6の排出物によって破壊され、排出物が脆弱領域661を通過することを可能にするように配置される。
【0119】
脆弱領域661は、排出物によって容易に破壊される様々な設計を採用してもよく、本願の実施例はこれを限定しない。
【0120】
熱管理部材66は、導熱材料からなり、流体を有する通路を含んでもよい。流体は流路を流れ、かつ導熱材料によって熱量を伝達することにより電池セル6の温度を調整する。本願の実施例において、脆弱領域661は導熱材料のみを有し流体を有しなくてもよく、既に薄い導熱材料層が形成されており、排出物によって破壊されやすい。例えば、脆弱領域661の底壁202に近い側は、脆弱領域661を形成するように、導熱材料層であってもよい。
【0121】
上述した技術案では、防護板8は第1の壁と電池2の筐体との間に設けられ、又は防護板8は直接に電池2の筐体として機能し、電池2の安全性を保護することができる。第1の壁と防護板8との間に熱管理部材66を設けることにより、電池セル6の実際のニーズに応じて電池セル6の温度を調整して、電池セル6が通常に機能することを保証することができる。熱管理部材66に脆弱領域661を設けることにより、空気流衝撃又は高温が脆弱領域661を破壊する場合、排出物は脆弱領域661を通って速やかに排出されて電池セル6から離れることができ、電池2への排出物の危険性を低減させ、電池2の安全性能を向上させる。
【0122】
図11は、本願の他の一実施例の電池の底壁の分解構造概略図である。
図11に示すように、本願の1つの実施例では、防護板8と筐体20との間に断熱部材67が設けられる。
【0123】
上述した技術案では、圧力逃がし機構65が設けられる第1の壁と筐体20との間に防護板8を増設することにより、電池2の筐体20を高温高速の空気流衝撃から保護することができる。防護板8と筐体20との間に断熱部材67をさらに設けることにより、筐体20の温度をさらに低減させることができ、電池2の安全性を保護する。
【0124】
選択的に、空気部材67は空気介在層である。
【0125】
断熱部材67を増設することは、筐体20の温度をさらに低減させるためであり、空気介在層を採用して断熱部材67とする場合、電池2の内部の熱量を筐体20に伝達することを大幅に低減させることができ、断熱効果は非常に顕著である。
【0126】
上述した技術案では、空気介在層を断熱部材67として防護板8と筐体20との間に設けることにより、筐体20の温度をさらに低減させ、電池2の安全性能を向上させることができる。
【0127】
図12は、本願の一実施例の繊維強化樹脂層の構造概略図である。
図12に示すように、選択的に、防護板8は多層の繊維強化樹脂層81を含み、繊維強化樹脂層81は繊維材料と樹脂材料とを複合して形成される。
【0128】
本願は、繊維材料と樹脂材料とを複合する過程について限定しない。例えば、単一の繊維材料層811を樹脂材料のスラリーに浸して、樹脂材料のスラリーを単一の繊維材料層811における繊維細孔812に充分に浸潤させ、そして、60℃~120℃の温度条件で3~30分間焼成することにより、繊維強化樹脂層81を製造することができる。1~20層の繊維強化樹脂層81を積層し、0.1~10Mpaの圧力の条件で、100℃~200℃の温度条件で、熱間プレス成形して、防護板8を製造する。
【0129】
本願は、樹脂材料のスラリーの製造方法についても限定しない。例えば、本願の実施例において、樹脂材料のスラリーは、水性弾性塗料、樹脂材料、難燃剤、分散剤、カップリング剤、シリカ粉末、短繊維を質量比(35~55):(15~34):(15~20):(1~3):(0.5~3):(1~3):(0.5~3)で構成されてもよい。
【0130】
本願の実施例における繊維強化樹脂材料は、黒褐色であり、優れた耐酸性能、機械的性能、耐熱性能を有する材料であり、非常に高い温度でもその構造の完全性及び寸法の安定性を維持することができ、防腐工学、接着剤及び難燃剤に広く利用されている。
【0131】
上述した技術案では、繊維強化樹脂は耐高温、耐衝撃の材料である。該材料を採用して防護板8を製造し、防護板8を圧力逃がし機構65と筐体20との間に設けることにより、電池セル6の内部の高温と排出物が電池セル6から高速に飛び出す際に、防護板8は筐体20を保護し、筐体20を高温溶融と高速の排出物の衝撃から保護して、電池2の安全性を保護することができる。
【0132】
選択的に、樹脂材料は、シリコーン系エアロゲル変性樹脂又は耐高温難燃性樹脂である。
【0133】
本願の実施例における樹脂材料は、シリコーン系エアロゲル変性樹脂又は耐高温難燃性樹脂であってもよい。
【0134】
上述した技術案では、繊維と樹脂とを複合して形成された材料は耐高温と耐衝撃の性能を備える。シリコーン系エアロゲル変性樹脂又は耐高温難燃性樹脂という2種の材料を採用することにより、防護板8の耐高温と耐衝撃の性能をさらに向上させることができる。
【0135】
選択的に、繊維材料は、ガラス繊維、炭素繊維、石英繊維、高シリカ繊維、ケイ酸アルミナ繊維、ムライト繊維、炭化珪素繊維、窒化シリコン繊維、アルミナ繊維、窒化ホウ素繊維、バサルト繊維、ブルーサイト繊維、アタパルガイド繊維、ボロン繊維、カーボンナノチューブ、アラミド繊維、ポリイミド繊維、超高分子量ポリエチレン繊維などの繊維のうちの少なくとも1種であってもよい。
【0136】
選択的に、繊維材料はセラミックス繊維材料である。
【0137】
本願の実施例において、セラミックス繊維は、様々な繊維材料において優れた耐高温性能を持つ。
【0138】
上述した技術案では、繊維と樹脂とを複合して形成された材料は耐高温と耐衝撃の性能を備える。セラミックス繊維材料は他の繊維材料に比べ、より優れる耐高温性能を備える。
【0139】
選択的に、セラミックス繊維材料はシリカ又はアルミナである。
【0140】
上述した技術案では、シリカ又はアルミナを採用して製造された防護板8は、その耐高温性能が最も良い。
【0141】
選択的に、繊維材料の厚さは6~100μmである。
【0142】
上述した技術案では、厚さが6~100μmである繊維材料を採用することにより、防護板8は耐高温と耐衝撃の性能を備えるとともに、生産コストを低減させることもできる。
【0143】
選択的に、防護板8の厚さは0.2~5mmである。
【0144】
上述した技術案では、厚さが0.2~5mmである防護板8を採用することにより、防護板8は耐高温と耐衝撃の性能を備えるとともに、生産コストを低減させることもできる。
【0145】
本願の実施例は電力消費機器をさらに提供する。この電力消費機器は、上述した実施例における、電力を提供するための電池2を含む。
【0146】
以下、本願の実施例を説明する。以下に記述される実施例は例示的なものであり、本願を解釈するためのものに過ぎず、本願に対する制限として理解されるべきではない。実施例において具体的な技術や条件が明示されていない場合、本分野の文献に記述される技術、条件又は製品の説明書に従って行われるものとする。
【0147】
繊維強化樹脂材料によって製造された防護板に対して引張性能テストを行い、そのテスト結果を表1に示し、圧縮性能テストを行い、そのテスト結果を表2に示し、曲げ性能テストを行い、そのテスト結果を表3に示し、リブのせん断性能テストを行い、そのテスト結果を表4に示し、衝撃性能テストを行い、そのテスト結果を表5に示す。
【0148】
【0149】
【0150】
【0151】
【0152】
【0153】
また、厚さが3mmである防護板に対して硬さテストを行い、テスト結果は、ショアD硬さが87であり、バーコル厚さが46であることである。
【0154】
好ましい実施例を参考して本願を記述したが、本願の範囲を逸脱しない限り、様々な改良を行うことができ、かつ同等物によってそのうちの部材を置き換えることができる。特に、構造上に矛盾しない限り、各実施例において言及される各技術的特徴はいずれも任意の方式で組み合わせることができる。本願は本明細書に開示された特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に含まれるすべての技術案を含むものとする。
【符号の説明】
【0155】
1 車両
2 電池
6 電池セル
8 防護板
20 筐体
61 電極アセンブリ
62 ハウジング
63 電極端子
64 接続ユニット
65 圧力逃がし機構
66 熱管理部材
67 断熱部材
81 繊維強化樹脂層
811 繊維材料層
812 繊維細孔
201 第1の筐体部/トップカバー
202 第2の筐体部/底壁
203 収容空間
621 ケース
622 エンドカバー
631 正電極端子
632 負電極端子
661 脆弱領域
【手続補正書】
【提出日】2024-06-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の壁に圧力逃がし機構(65)が設けられる電池セル(6)と、前記圧力逃がし機構(65)に対向して設けられる高分子マトリックス複合繊維板である防護板(8)と、を含むことを特徴とする電池。
【請求項2】
前記高分子マトリックス複合繊維板は繊維強化樹脂複合板であることを特徴とする請求項1に記載の電池。
【請求項3】
前記電池セル(6)は筐体(20)内に収容され、前記第1の壁は、前記電池セル(6)の前記筐体(20)のトップカバー(201)に近く、かつ前記トップカバー(201)に対向して設けられる壁であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電池。
【請求項4】
前記防護板(8)は前記トップカバー(201)に一体に設けられることを特徴とする請求項3に記載の電池。
【請求項5】
前記防護板(8)は前記トップカバー(201)と前記第1の壁との間に設けられることを特徴とする請求項3に記載の電池。
【請求項6】
前記防護板(8)と前記トップカバー(201)の寸法は同じであることを特徴とする請求項5に記載の電池。
【請求項7】
前記防護板(8)の寸法は前記トップカバー(201)よりも小さいことを特徴とする請求項5に記載の電池。
【請求項8】
前記防護板(8)はストリップ状であり、前記防護板(8)の前記第1の壁における投影は前記圧力逃がし機構(65)を覆うことを特徴とする請求項5に記載の電池。
【請求項9】
前記防護板(8)はボルト又は接着剤によって前記トップカバー(201)に接続されることを特徴とする請求項
6に記載の電池。
【請求項10】
前記電池セル(6)は筐体(20)内に収容され、前記第1の壁は、前記電池セル(6)の前記筐体(20)の底壁(202)に近く、かつ前記底壁(202)に対向して設けられる壁であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電池。
【請求項11】
前記防護板(8)は前記筐体(20)の底壁(202)に一体に設けられることを特徴とする請求項10に記載の電池。
【請求項12】
前記防護板(8)は前記底壁(202)と前記第1の壁との間に設けられることを特徴とする請求項10に記載の電池。
【請求項13】
前記防護板(8)と前記第1の壁との間に熱管理部材(66)が設けられ、前記熱管理部材(66)は、前記電池セル(6)の温度を調整するように、流体を収容するために用いられる、ことを特徴とする請求項12に記載の電池。
【請求項14】
前記熱管理部材(66)に前記圧力逃がし機構(65)に対向して設けられる脆弱領域(661)が設けられ、前記脆弱領域(661)は、前記圧力逃がし機構(65)が動作する時に前記電池セル(6)の排出物によって破壊されて、前記排出物が前記脆弱領域(661)を通過することを可能にするように配置されることを特徴とする請求項13に記載の電池。
【請求項15】
前記防護板(8)と前記筐体(20)との間に断熱部材(67)が設けられることを特徴とする請求項
5に記載の電池。
【請求項16】
前記断熱部材(67)は空気介在層であることを特徴とする請求項15に記載の電池。
【請求項17】
前記防護板(8)は多層の繊維強化樹脂層(81)を含み、前記繊維強化樹脂層(81)は、繊維材料と樹脂材料とを複合して形成されることを特徴とする請求項1
又は2に記載の電池。
【請求項18】
前記樹脂材料は、シリコーン系エアロゲル変性樹脂又は耐高温難燃性樹脂であることを特徴とする請求項17に記載の電池。
【請求項19】
前記繊維材料は、ガラス繊維、セラミックス繊維、炭素繊維、石英繊維、高シリカ繊維、ケイ酸アルミナ繊維、ムライト繊維、炭化珪素繊維、窒化シリコン繊維、アルミナ繊維、窒化ホウ素繊維、バサルト繊維、ブルーサイト繊維、アタパルガイド繊維、ボロン繊維、カーボンナノチューブ繊維、アラミド繊維、ポリイミド繊維、超高分子量ポリエチレン繊維など繊維のうちの少なくとも1種であることを特徴とする請求項17に記載の電池。
【請求項20】
前記繊維材料はセラミックス繊維材料であることを特徴とする請求項19に記載の電池。
【請求項21】
前記セラミックス繊維材料はシリカ又はアルミナであることを特徴とする請求項20に記載の電池。
【請求項22】
前記繊維材料の厚さは6~100μmであることを特徴とする請求項
17に記載の電池。
【請求項23】
前記防護板(8)の厚さは0.2~5mmであることを特徴とする請求項1
又は2に記載の電池。
【請求項24】
請求項1
又は2に記載される電力を提供するための電池(2)を含む電力消費機器。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0076
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0076】
該電池セル6では、実際の使用ニーズに応じて、単一の
電極アセンブリ61が設けられてもよく、複数の
電極アセンブリ61が設けられてもよく、
図3に示すように、電池セル6内に4つの独立する
電極アセンブリ61が設けられる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0081
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0081】
上述した技術案では、圧力逃がし機構65を防護板8に対向して設けることにより、電池セル6の内部に熱暴走が発生する場合、高分子マトリックス複合繊維である防護板8は、圧力逃がし機構65から放出された高温高速の気固混合物を遮蔽し、電池ケースを空気流衝撃と高温溶融から保護して、電池2の安全性を保証することができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0124
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0124】
選択的に、断熱部材67は空気介在層である。
【国際調査報告】