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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-22
(54)【発明の名称】光学系を較正する方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/04 20140101AFI20250115BHJP
   B23K 26/34 20140101ALI20250115BHJP
   B23K 26/21 20140101ALI20250115BHJP
   B23K 26/00 20140101ALI20250115BHJP
   B22F 10/28 20210101ALI20250115BHJP
   B22F 10/31 20210101ALI20250115BHJP
   B22F 12/44 20210101ALI20250115BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20250115BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20250115BHJP
【FI】
B23K26/04
B23K26/34
B23K26/21 Z
B23K26/00 P
B22F10/28
B22F10/31
B22F12/44
B33Y10/00
B33Y30/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024533984
(86)(22)【出願日】2022-12-14
(85)【翻訳文提出日】2024-06-06
(86)【国際出願番号】 EP2022085755
(87)【国際公開番号】W WO2023117606
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】102021134005.5
(32)【優先日】2021-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523394734
【氏名又は名称】ニコン エスエルエム ソルーションズ アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100112357
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 繁樹
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】マルコ シュタントフース
(72)【発明者】
【氏名】カルステン ノイマン
【テーマコード(参考)】
4E168
4K018
【Fターム(参考)】
4E168BA35
4E168BA81
4E168BA87
4E168CA06
4E168CA07
4E168CA11
4E168CA13
4E168CB04
4E168CB18
4E168CB22
4E168DA28
4E168EA20
4E168FB03
4E168KA08
4K018CA44
4K018EA51
4K018EA60
(57)【要約】
本発明は、光学系を較正する方法及び装置に関する。光学系(24)を較正する方法であって、特に、原材料粉末の層に照射することによって三次元ワークピースを生産するための装置(100)の使用に関する方法が、記述される。該方法は、光学ユニット(16)によって放出された放射ビーム(14)を、放射ビーム(14)を照射平面(I)にわたって走査するように構成されたスキャナ(22)のスキャナ座標系の既知の位置にあるターゲット(32)に照射することにより、較正スポット(C)を生成するステップ(i)を含んでいる。ステップ(ii)では、較正スポット(C)から、較正されるべき光学系(24)の方向に、較正ビーム(36)が放出される。ステップ(iii)では、光学系(24)は、較正スポット(C)から放出された較正ビーム(36)のビーム経路が、較正スポットを生成するステップ(i)において用いられた放射ビーム(14)のビーム経路と同一線上になるように、較正される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学系(24)を較正する方法であって、特に、原材料粉末の層に照射することによって三次元ワークピースを生産するための装置(100)の使用に関する方法であり、前記方法は、
(i)光学ユニット(16)によって放出された放射ビーム(14)を、前記放射ビーム(14)を照射平面(I)にわたって走査するように構成されたスキャナ(22)のスキャナ座標系内の既知の位置にあるターゲット(32)に照射することにより、較正スポット(C)を生成するステップと、
(ii)前記較正スポット(C)から、較正されるべき前記光学系(24)の方向に、較正ビーム(36)を放出するステップと、
(iii)前記光学系(24)を、前記較正スポット(C)から放出された前記較正ビーム(36)のビーム経路が、前記較正スポット(C)を生成するステップ(i)において用いられた前記放射ビーム(14)のビーム経路と同一線上になるように、較正するステップと、を含む、方法。
【請求項2】
ステップ(i)において、前記ターゲット(32)は、前記照射平面(I)内の、前記スキャナ(22)の前記スキャナ座標系内の前記既知の位置を含むと予測される領域内に、位置決めされている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ステップ(i)において生成された前記較正スポット(C)は、前記放射ビーム(14)を前記ターゲット(32)に照射することによって生成されたピンホールによって定められるか、又は、前記放射ビーム(14)を前記ターゲット(32)に照射することによって前記ターゲット(32)内に生成されるビーム反射構造及び/又はビーム散乱構造によって定められる、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記ターゲット(32)は、フィルム、特にアルミニウムフィルム又は透明フィルムであり、前記照射平面(I)内に配置され、かつ/又は、
前記較正ビーム(36)は、光源(34)によって生成されるか、又は前記較正スポット(C)から反射及び/又は散乱させられる、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記ターゲット(32)は、前記光源(34)によって生成された前記較正ビーム(36)の前記ビーム経路内で、前記光源(34)と較正されるべき前記光学系(24)の間に、配置されており、かつ/又は、
シャッター(38)が、少なくともステップ(i)で前記較正スポット(C)を生成している間は、前記放射ビーム(14)の前記ビーム経路内で、前記ターゲット(32)と前記光源(34)の間に、配置される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記光学系(24)は、光学センサシステムを、特に、メルトプール監視システム、カメラベースのシステム、フォトダイオードベースのシステム、及び/又は光コヒーレンストモグラフィーシステムの光学センサシステムを含んでいる、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記方法は、
(iv)さらなる光学ユニット(16’)によって放出されたさらなる放射ビーム(14’)を、前記さらなる放射ビーム(14’)を前記照射平面(I)にわたって走査するように構成されたさらなるスキャナ(22’)のさらなるスキャナ座標系内の既知の位置にある前記ターゲット(32)に照射することによって、さらなる較正スポットを生成するステップを、さらに含んでいる、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記方法は、
(v)前記さらなる較正スポットから、較正されるべきさらなる光学系(24’)の方向に、さらなる較正ビームを放出するステップと、
(vi)前記さらなる較正スポットから放出された前記さらなる較正ビームのビーム経路が、ステップ(iv)で前記さらなる較正スポットを生成するために使用される前記さらなる放射ビーム(14’)のビーム経路と同一線上になるように、前記さらなる光学系(24’)を較正するステップと、をさらに含んでいる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記方法は、
(vii)前記さらなる較正スポットから、前記光学系(24)の方向に、さらなる較正ビームを放出するステップと、
(viii)前記スキャナ(22)の前記スキャナ座標系及び/又は前記さらなるスキャナ(22’)の前記さらなるスキャナ座標系を、一致させるように調節するステップと、をさらに含んでいる、請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
光学系(24)を較正する装置であって、特に、原材料粉末層に照射することによって三次元ワークピースを生産するための装置(100)内で使用するための、装置であり、前記装置は、
(i)較正スポット(C)を生成するために、光学ユニット(16)によって放出された放射ビーム(14)を照射されるように構成されたターゲット(32)であって、前記放射ビーム(14)を照射平面(I)にわたって走査するように構成されたスキャナ(22)のスキャナ座標系内の公知の位置にある、ターゲット(32)と、
(ii)前記較正スポット(C)から、較正されるべき前記光学系の方向に、較正ビーム(36)を放出するように構成された、較正ビーム放出装置と、
(iii)調節装置であって、前記較正スポット(C)から放出された前記較正ビーム(36)のビーム経路が、前記較正スポット(C)を生成するために使用される前記放射ビーム(14)のビーム経路と同一線上になるように、前記光学系(24)を較正することを可能にするように構成された、調節装置と、を備えている、装置。
【請求項11】
前記装置は、前記ターゲット(32)を、前記照射平面(I)内の、前記スキャナ(22)の前記スキャナ座標系内の前記公知の位置を含むと予測される領域内に、位置決めするように構成された位置決め装置(42)を、さらに備えている、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記較正スポット(C)は、前記放射ビーム(14)を前記ターゲット(32)に照射することによって生成されたピンホールによって定められるか、又は、前記放射ビーム(14)を前記ターゲット(32)に照射することによって前記ターゲット(32)内に生成されるビーム反射構造及び/又はビーム散乱構造によって定められる、請求項10又は11に記載の装置。
【請求項13】
前記ターゲット(32)は、フィルム、特にアルミニウムフィルム又は透明フィルムであり、前記照射平面(I)内に配置されるように構成されており、かつ/又は、前記較正ビーム放出装置は、光源(34)、又は、前記放射ビーム(14)を前記ターゲット(32)に照射することによって前記ターゲット(32)内に生成されたビーム反射構造及び/又はビーム散乱構造、を備えている、請求項10から12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記ターゲット(32)は、前記光源(34)によって生成された前記較正ビーム(36)の前記ビーム経路内で、前記光源(34)と較正されるべき前記光学系(24)の間に配置されており、かつ/又は、前記装置は、シャッター(38)をさらに備えており、前記シャッター(38)は、少なくとも前記較正スポット(C)が生成されている間は、前記放射ビーム(14)の前記ビーム経路内で、前記ターゲット(32)と前記光源(34)の間に配置されるように構成されている、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記光学系(24)は、光学センサシステムを、特に、メルトプール監視システム、カメラベースのシステム、フォトダイオードベースのシステム、及び/又は光コヒーレンストモグラフィーシステムの光学センサシステムを含んでいる、請求項10から14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
前記装置は、
(iv)さらなる光学ユニット(16’)をさらに備えており、前記さらなる光学ユニット(16’)は、さらなる較正スポットを生成するために、さらなる放射ビーム(14)を、前記さらなる放射ビーム(14’)を前記照射平面(I)にわたって走査するように構成されたさらなるスキャナ(22’)のさらなるスキャナ座標系内の既知の位置にある前記ターゲット(32)に、照射するように構成されている、請求項10から15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
(v)前記較正ビーム放出装置は、前記さらなる較正スポットから、較正されるべきさらなる光学系(24’)の方向に、さらなる較正ビームを放出するように構成されており、かつ、
前記装置は、
(vi)さらなる調節装置をさらに備えており、前記さらなる調節装置は、前記さらなる光学系から放出された前記さらなる較正ビームのビーム経路が、前記さらなる較正スポットを生成するために使用される前記さらなる放射ビームのビーム経路と同一線上になるように、前記さらなる光学系(24’)を較正することを可能にするように構成されている、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
(vii)前記較正ビーム放出装置は、前記さらなる較正スポットから、前記光学系(24)の方向に、さらなる較正ビームを放出するように構成されており、かつ、
(viii)前記調節装置及び/又はさらなる調節装置は、前記スキャナ(22)の前記スキャナ座標系及び/又は前記さらなるスキャナ(22’)の前記さらなるスキャナ座標系を、一致させるように調節するように構成されている、請求項16又は17に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学系を較正する方法及び装置に関する。特に、放射ビームを原材料粉末の層に照射することによって三次元ワークピースを生産するための装置で使用される方法及び装置に関する。
【0002】
粉末床溶融結合法(powder bed fusion)は、粉末状の、特に金属又はセラミックの原材料を、複雑な形状の三次元ワークピースへと加工することができる、AM(additive manufacturing)プロセスである。この目的のために、原材料粉末層は、キャリア上に塗布され、生産されるべきワークピースの所望の幾何学形状に依存する部位選択的なやり方で、電磁気放射又は粒子放射を受ける。粉末層に浸透する放射によって、原材料粉末粒子の加熱が、結果的には溶融又は焼結が引き起こされる。ワークピースが所望の形状及びサイズを得るまで、さらなる原材料粉末層が、既にレーザ処理を受けたキャリア上の層に続けて塗布される。粉末床溶融結合法は、プロトタイプ、工具、交換部品、又は歯科用人工器官又は整形外科用人工器官等の医療用人工器官を、CADデータに基づいて生産するために、特に用いられ得る。
【0003】
照射プロセスを監視するために、かつ、特に放射ビームが原材料粉末層上に入射させられてメルトプールが生成される照射スポットにおける溶融及び焼結状態を監視するために、メルトプール監視システムが採用され得る。メルトプール監視システムは、例えば、照射スポットで放出される熱放射に対応する波長領域の放射に敏感な光検出器を備える、カメラ及び/又は高温測定検出ユニットを備え得る。従って、メルトプール監視システムは、例えば、メルトプールのサイズ及び形状ならびに/又はメルトプールの温度を表示する、画像及び/又はセンサ値を出力する。メルトプール監視システムによって収集された測定データは、照射プロセスの最中又は三次元ワークピースを生成するための構築プロセスの完了後のいずれかにおいて、品質制御の目的のために使用され得る。
【0004】
検出平面の異なるポイントから放出された熱放射を受け取るように構成された高温測定検出ユニットを備えた高温測定検出装置を較正する方法及び装置が、特許文献1に記載されている。この公知の方法は、平面形状基質、複数の光ガイド部、及び光源の使用を含んでいる。光源によって放出された光は、光ガイド部の第1の端に結合される。光ガイド部の第2の端は、例えば、マトリックス配置を定めるために、かつ、高温測定検出ユニットの光検出方向に対応する主要光検出方向に光を放出するために、基質に固定されている。
【0005】
高温測定検出ユニットを較正するために、該基質は、光ガイド部の第2の端が高温測定検出ユニットの検出平面に配置されるように、位置決めされる。高温測定検出ユニットの光検出ユニットは、検出平面内の事前決定された位置に配置された1つの事前決定された光ガイド部から放出された光が、事前決定された時刻に、高温測定検出ユニットによって検出されるように、制御される。角度依存性及び/又は位置依存性により、複数の光ガイド部の各々から放出された光の強度が実質的に同じであっても、高温測定検出ユニットによって測定される光強度値は異なり得る。異なる測定値を比較することにより、高温測定検出装置を較正することができ、かつ角度依存性及び/又は位置依存性を補償することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】欧州特許第3023747号明細書
【発明の概要】
【0007】
本発明は、特に放射ビームを原材料粉末の層に照射することによって三次元ワークピースを生産する装置における使用に適した光学系の、単純かつ信頼性の高い較正を可能にする方法及び装置を提供するという目的に向けられている。
【0008】
本発明は、独立請求項に記載されている。本発明の好ましい実施形態は、従属請求項において概説されている。
【0009】
本開示は、特に原材料粉末の層に照射することによって三次元ワークピースを生産する装置における使用に適した、光学系を較正する方法に関する。本方法は、光学ユニットによって放出された放射ビームを、放射ビームを照射平面にわたって走査するように構成されたスキャナのスキャナ座標系内の既知の位置にあるターゲットに照射することにより、較正スポットを生成するステップ(i)を含む。較正スポットを生成するために使用されるこの放射ビームは、電磁気放射ビーム又は粒子放射ビームであり得る。
【0010】
三次元ワークピースを生産するための装置の照射システムは、該照射システムが単一の放射ビームを生成する単一ビーム照射システムの形態で設計されるように、単一の光学ユニットを備えている場合がある。しかしながら、照射システムが、複数の光学ユニットを備えており、従って複数の放射ビームを生成するように構成されている、複数ビーム照射システムの形態で設計されることもまた考えられる。後者の例においては、較正スポットは、照射システムの光学ユニットのうち選択された1つによって放出された、放射ビームのうち選択された1つによって生成され得る。該照射システムは、放射光源を、特に、ダイオード励起イッテルビウムファイバーレーザ等のレーザ光源をさらに備え得る。この照射システムは、単一の放射光源を備え得る。もっとも、特に、照射システムが複数ビーム照射システムの形態で設計されている場合には、照射システムが複数の放射光源を備えていることも考えられる。
【0011】
照射ビームを横切るように放射ビームを走査するように使用されるスキャナは、照射システムの構成要素であり得る。スキャナは、放射ビームを照射平面にわたって走査するように適合された枢動可能なスキャナミラーを備え得る。照射システムは、スキャナ以外にも、放射光源によって放出された放射ビームを拡大するためのビームエキスパンダーと、特にfθ対物レンズである対物レンズと、をさらに備え得る。代替的には、照射システムは、集光光学素子を含むビームエキスパンダーを備えていてもよい。
【0012】
本出願の文脈において、「スキャナ座標系」という用語は、スキャナのセットアップ特にスキャナミラーの角度位置と、照射スポット即ち照射平面内の放射ビームの入射点との間の相関を確立することに役立つ座標系を定義する。典型的には、このスキャナ座標系は、三次元ワークピースを生産するための装置等のグローバル機械座標系とは一致しない。しかしながら、本明細書に記載の較正の目的のためには、上記のスキャナ座標系を参照して照射平面内の較正スポットの位置を定めれば十分であり、即ち、較正スポットをグローバル機械座標系にローカライズすることは必要ではない。
【0013】
光学系を較正する本方法のステップ(ii)では、較正スポットから、較正されるべき光学系の方向に、較正ビームが放出される。好ましくは、較正スポットを生成するために使用される放射ビームとこの較正ビームは、同時には放出されない。具体的には、ステップ(i)及びステップ(ii)は、順次実行され得る。ステップ(i)を最初に実行して較正スポットを生成し、その後にはじめて、即ちステップ(i)の完了後にはじめて、ステップ(ii)を実行するとよい。特に、較正スポットから放出された較正ビームは、ステップ(i)において較正スポットに放射ビームを向けるように使用されたスキャナを介して、光学系に向けられる。例えば、スキャナミラーが、ステップ(i)において放射ビームをターゲットに照射することによって較正スポットを生成するために、かつ、ステップ(ii)において較正スポットから放出された較正ビームを較正されるべき光学系に向けるために、同じ角度位置に維持され得る。
【0014】
ステップ(iii)では、光学系は、較正スポットから放出された較正ビームのビーム経路が、較正スポットを生成するステップ(i)において用いられた放射ビームのビーム経路と同一線上になるように、較正される。光学系を較正するために、光学系の少なくとも1つの光学的構成要素が、例えば光学ミラーが、例えば手動又は自動で操作可能なアクチュエータ等の適切な調節装置によって、光学系の光学的中心が較正スポットと整列するように、調節され得る。
【0015】
光学系を較正する本明細書に記載の方法は、放射ビームのビーム経路に関してインラインシステムの形態で設計されたすべての光学系を、即ち放射ビームと同じビーム経路に従う放射を放出するか又は受け取るすべての光学系を、較正することに適している。本方法では、機械座標系内での較正ビーム放出装置の正確な位置決めを省略することが可能である。さらに、本方法は、較正されるべき光学系のスキャンフィールド補正及びこれまで使用されてきたキャリブレーションプレートの正確性によらない。結果的に、本方法は、オペレータのスキルには多少なりともよらない、短時間での、信頼性ある光学系の較正を可能にするのである。光学系の整列は、手動又は光学系の対応するアクチュエータを制御する制御ユニット上で実行されるソフトウェアの補助によってかのいずれかで、実施されることができる。
【0016】
ステップ(i)では、ターゲットは、照射平面内の、スキャナのスキャナ座標系内の上記既知の位置を含むと予測される領域内に、位置決めされ得る。本明細書に記載の較正法において放射ビームを照射される照射平面は、三次元ワークピースを生産する装置の通常の動作中に放射ビームが入射する照射平面と一致していてよい。例えば、本較正法において、放射ビームを照射される照射平面は、三次元ワークピースを生産する装置の動作中に選択的に照射を受ける原材料粉末層の表面によって定められる照射平面と、一致し得る。ターゲットを位置決めするための領域は、放射ビームを照射平面にわたって走査する際に生じる典型的な位置のずれ又は公差を考慮しつつ、選択されるのがよい。もっとも、照射平面の表面積全体を覆うようにサイズ決め及び寸法決めされたターゲットを使用することも考えられる。
【0017】
ステップ(i)で生成される較正スポットは、較正ビームが較正されるべき光学系の方向に放出される前に、較正ビーム放出装置を配置することができる、ターゲット上の可視スポットであり得る。代替的には、ステップ(i)で生成される較正スポットは、放射ビームをターゲットに照射することによって生成されるピンホールによって定められ得る。その際、較正ビーム放出装置は、較正スポットの生成の間に既に所定の位置に配置されている場合がある。放射ビームをターゲットに照射することによって生成されるピンホールは、ターゲットを通って延びる貫通ホールであり得る。もっとも、放射ビームのターゲットへの照射は、単に較正ビーム放出装置によって放出された光を伝える較正スポットを単に生成することであるとも考えられる。
【0018】
もっとも、較正スポットは、他の形態をとる場合もあれば、異なるやり方で生成される場合もある。例えば、較正スポットは、放射ビームをターゲットに照射することによってターゲット内に生成されるビーム反射構造及び/又はビーム散乱構造によって定められてもよい。
【0019】
ターゲットは、フィルム、特にアルミニウムフィルム又は透明フィルムであり得るのであって、照射平面内に配置されることができる。例えば、ターゲットは、適切なクランプ装置に固定され、照射平面の少なくとも一領域にわたって延びている場合がある。
【0020】
較正ビームは光源によって生成される場合もあれば、較正スポットから反射及び/又は散乱させられる場合もある。
【0021】
特に、較正ビーム放出装置が較正ビームを生成するための光源を備えている場合には、ターゲットは、好ましくは、光源によって生成される較正ビームのビーム経路内で、該光源と較正されるべき光学系の間に配置される。
【0022】
さらに、光学系を較正する本方法の好ましい実施形態では、少なくともステップ(i)で較正スポットを生成している間には、シャッターが、放射ビームのビーム経路内で、ターゲットと光源の間に配置され得る。シャッターをターゲットと光源の間に配置することは、較正スポットを生成する際の放射ビームとの相互作用から光源を防護することに役に立つ。しかしながら、例えば、光源が放射ビームに対して敏感ではないように設計されている場合、又は、光源がピンホールの形成後にはじめて放射ビームのビーム経路内に配置される場合には、このシャッターは省略されてもよい。また、較正ビームが、ターゲット内に生成されたビーム反射構造又はビーム散乱構造によって反射及び/又は散乱させられるビームである場合においても、シャッターは必須ではない。
【0023】
上で既に示唆されているように、較正されるべき光学系は、好ましくは、放射ビームのビーム経路に関して、放射ビームと同じビーム経路に従う放射を放出する又は受け取るインラインシステムの形態で設計される、システムである。例えば、光学系は、メルトプール監視システム、カメラベースのシステム、フォトダイオードベースのシステム、及び/又は光コヒーレンストモグラフィーシステムの光学センサシステムを含み得る。
【0024】
本開示の方法は、さらなる光学ユニットによって放出されたさらなる放射ビームを、さらなる放射ビームを照射平面にわたって走査するように構成されたさらなるスキャナのさらなるスキャナ座標系内の既知の位置にある上記ターゲットに照射することによって、さらなる較正スポットを生成するステップ(iv)を、さらに備え得る。
【0025】
さらなる較正スポットからさらなる較正されるべき光学系の方向に、さらなる較正ビームが放出され得る。さらなる較正されるべき光学系は、さらなる放射ビームを生成するさらなる光学ユニットに関連づけられ得る。さらなる光学系は、さらなる較正スポットから放出されたさらなる較正ビームのビーム経路が、さらなる較正スポットを生成するステップ(iv)において使用されるさらなる放射ビームのビーム経路と同一線上になるように、較正され得る。このようにして、さらなる光学系を、上記の光学系と類似のやり方で較正することができる。
【0026】
もっとも、代替的又は追加的には、さらなる較正スポットから上記光学系の方向に、さらなる較正ビームを放出することも考えられる。その後、スキャナのスキャナ座標系及び/又はさらなるスキャナのさらなるスキャナ座標系は、一致するように調節され得る。このように、本較正法は、複数の光学ユニットを同一線上に整列させるためにも使用され得る。
【0027】
本開示はまた、光学系を較正する装置にも、特に、原材料粉末層に照射することによって三次元ワークピースを生産するための装置内で使用される装置にも関する。該装置は、較正スポットを生成するために、放射ビームを照射平面にわたって走査するように構成されたスキャナのスキャナ座標系内の既知の位置にあり、光学ユニットによって放出された放射ビームを照射されるように構成されている、ターゲットを含んでいる。該装置は、較正スポットから放出された較正ビームを生成するように構成された較正ビーム放出装置を、さらに備えている。さらに、該装置は、較正スポットから放出される較正ビームのビーム経路が、較正スポットを生成するために使用された放射ビームのビーム経路と同一線上になるように、光学系を較正することを可能にするように構成された調節装置を備えている。例えば、調節装置は、光学系の手動又は自動いずれかでの較正が可能になるような、手動又は自動で動作可能なアクチュエータを備え得る。
【0028】
制御ユニットは、光学系を較正するための装置内に設けられ得るのであって、ここで、該光学系は、較正スポットを生成するために使用される放射ビームと上記較正ビームが同時には放出されないように、光学ユニット及び較正ビーム放出装置を制御するように構成されている。制御ユニットは、放射ビーム及び較正ビームの放出を手動又は自動で制御するように構成され得る。具体的には、制御ユニットは、較正スポットを生成するために使用される放射ビームがまず放出され、放射ビームの放出が終了した後にはじめて較正ビームが放出されるように、光学ユニット及び較正ビーム放出装置を制御するように構成され得る。
【0029】
該装置は、ターゲットを、照射平面内の、スキャナのスキャナ座標系内の上記既知の位置を含むと予測される領域内に、位置決めするように構成された位置決め装置を、さらに備え得る。
【0030】
この較正スポットは、放射ビームをターゲットに照射することによって生成されたピンホールによって定められ得る。代替的には、この較正スポットは、放射ビームをターゲットに照射することによってターゲット内に生成されるビーム反射構造又はビーム散乱構造によって定められる場合もある。
【0031】
ターゲットは、フィルム、特にアルミニウムフィルム又は透明フィルムであり得るのであって、照射平面内に配置されるように構成される。
【0032】
較正ビーム放出装置は、光源を、又は、放射ビームをターゲットに照射することによってターゲット内に生成されたビーム反射構造又はビーム散乱構造を、含み得る。
【0033】
ターゲットは、光源によって生成された較正ビームのビーム経路内で、光源と較正されるべき光学系の間に配置され得る。
【0034】
上記の装置は、少なくとも較正スポットを生成している間には、放射ビームのビーム経路内で、ターゲットと光源の間に配置されるように構成されたシャッターを、さらに備え得る。
【0035】
較正されるべき光学系は、光学センサシステムを、特に、メルトプール監視システム、カメラベースのシステム、フォトダイオードベースのシステム、及び/又は光コヒーレンストモグラフィーシステムの光学センサシステムを含み得る。この光学系はまた、シャッター、レンズ、及び/又はミラー等のさらなる構成要素も備え得る。
【0036】
さらなる較正スポットを生成するために、上記装置は、さらなる放射ビームを照射平面にわたって走査するように構成されたさらなるスキャナのさらなるスキャナ座標系内の上記既知の位置にあるターゲットに、さらなる放射ビームを照射するように構成された、さらなる光学ユニットを備え得る。
【0037】
較正ビーム放出装置は、さらなる較正ビームを、さらなる較正スポットから較正されるべきさらなる光学系の方向に放出するように構成され得る。さらに、該装置は、さらなる調節装置を備え得るのであり、このさらなる調節装置は、さらなる較正スポットから放出されたさらなる較正ビームのビーム経路が、さらなる較正スポットを生成するために使用されるさらなる放射ビームのビーム経路と同一線上になるように、さらなる光学系を較正することを可能にする。
【0038】
代替的又は追加的には、較正ビーム放出装置は、さらなる較正ビームを、さらなる較正スポットから上記光学系の方向に放出するように構成され得る。調節装置及び/又はさらなる調節装置は、スキャナのスキャナ座標系及び/又はさらなるスキャナのさらなるスキャナ座標系を一致させるように構成され得る。
【0039】
本発明の好ましい実施形態は、添付の概略的な図面を参照しつつ、より詳細に記述される。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1図1は、放射ビームを原材料粉末の放射層に照射することによって三次元ワークピースを生産するための装置を示している。
【0041】
図2図2は、図1に描かれた装置において採用される光学系を較正する方法における、較正スポットを生成するステップを示している。
【0042】
図3図3は、光源によって生成された較正ビームを、較正スポットから較正されるべき光学系の方向に放出するステップを示している。
【0043】
図4図4は、図2及び3に示されたような光学系を較正する装置の概略図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0044】
図1は、AMプロセスによって三次元ワークピースを生産するための装置100を示している。装置100は、キャリア102と、原材料粉末をキャリア102上に塗布するための粉末塗布装置104と、を備えている。原材料粉末は、金属粉末である場合があるが、セラミック粉末又はプラスチック材料粉末又は異なる材料を含有する粉末であってもよい。粉末は、任意の適切な粒子サイズ又は粒子サイズ分布を有してよい。もっとも、粉末を粒子サイズ100μm未満に加工することが好ましい。キャリア102及び粉末塗布装置104は、周囲の大気に対してシール可能である処理チャンバ106内に収容されている。キャリア102は、ワークピース110がキャリア12上で層を成すように原材料粉末から構築されていく際に、ワークピース110の構造高さの増加に伴ってキャリア102を下方に移動させることができるように、構築済シリンダ108内で垂直方向に変位可能である。キャリア102は、ヒータ又はクーラを備えていてもよい。
【0045】
装置100は、レーザ放射をキャリア102上に塗布された原材料粉末層上に選択的に照射するための照射システム10を、さらに備えている。図1に示された装置100の実施形態では、照射システム10は、放射ビーム14を生成するように構成された放射ビーム光源12と、さらなる放射ビーム14’を生成するように構成されたさらなる放射ビーム光源12’と、を備えている。放射ビーム光源12、12’は、レーザビームを生成するように構成されたレーザビーム光源であり得る。放射ビーム光源12によって生成された放射ビーム14をガイド及び処理するための光学ユニット16が、放射ビーム光源12に関連付けられている。さらなる放射ビーム光源12’によって生成されたさらなる放射ビーム14’をガイド及び処理するためのさらなる光学ユニット16’が、さらなる放射ビーム光源12’に関連付けられている。しかしながら、光学ユニット16とさらなる光学ユニット16’が単一の放射ビーム光源に関連付けられていること、及び/又は、照射システム10が複数の光学ユニットを備えており、2つより多くの放射ビームを生成するように構成されていることも、考えられる。
【0046】
光学ユニット16、16’の各々が、両方とも正の屈折力を有する2つのレンズ(図示されてはいない)を備えている場合がある。1つのレンズは、放射ビーム光源12、12’によって放出されたレーザ光をコリメートし、コリメートされたか又は実質的にコリメートされた放射ビームが生成されるように、構成され得る。さらなるレンズが、コリメートされた(又は実質的にコリメートされた)放射ビーム14、14’が、z方向の所望の位置に焦点を合わせられるように構成され得る。光学ユニット16の各々は、枢動可能なスキャナミラー22、22’をさらに備えており、それらは、放射ビーム14、14’を偏向させ、従って、装置100の操作中に、典型的には選択的に照射されるようにキャリア102上に塗布された原材料粉末層の表面によって定められる照射平面Iにわたって、x方向及びy方向に放射ビーム14、14’を走査することに役立つ。
【0047】
図1に示された実施形態においては光学センサシステムの形態で設計されている光学系24、24’は、メルトプール監視システムの一部分を形成しており、従って、放射ビーム14、14’が原材料粉末に衝突するときに生成されるメルトプールを観察することに役立つ。具体的には、光学系24、24’の各々は、メルトプールの温度に関連したセンサ値又はメルトプールの温度表示を出力する。
【0048】
光学系24、24’の各々は、放射ビーム14、14’と同じビーム経路に従う熱放射26、26’を受け取るインラインシステムの形態で設計されている。この目的のために、光学ユニット16、16’の各々は、半透明なビームスプリッタ28、28’を備えており、それは、放射光源12、12’によって放出された放射ビーム14、14’は通過させるが、メルトプールから放出された熱放射ビーム26、26’は偏向させることに、適している。従って、メルトプールから放出された熱放射ビーム26、26’は、スキャナミラー22、22’によって偏向させられた後で、最終的にはビームスプリッタ28、28’によって光学系24、24’に向けられる。
【0049】
制御ユニット30は、光学系24、24’の操作のみを制御するために設けられるか、又は、装置100のさらなる構成要素を、例えば照射システム10及び/又は粉末塗布装置104等を制御するためにも設けられているかのいずれかである。
【0050】
制御されたガス雰囲気、好ましくは不活性ガス雰囲気が、処理ガス入口112を介してシールドガスを処理チャンバ106に供給することにより、処理チャンバ106内に確立される。ガスは、処理チャンバ106を通るように、かつキャリア102上に塗布された原材料粉末層を横切るように向けられた後で、処理ガス出口114を介して処理チャンバ106から排出される。処理ガスは、処理ガス出口114から処理ガス入口112へと再循環され、そこで冷却又は過熱され得る。
【0051】
三次元ワークピースを生産するための装置100の運転中に、原材料粉末層が、粉末塗布装置104によってキャリア102上に塗布される。原材料粉末層を塗布するために、粉末塗布装置104は、例えば制御ユニット30の制御下で、キャリア102にわたって動かされる。その後、例えば再度制御ユニット30の制御下で、原材料粉末層が、照射装置10によって生産されるべきワークピース110の対応する層の幾何学形状に従って選択的に照射される。原材料粉末層をキャリア102上に塗布し、生産されるべきワークピース110の対応する層の幾何学形状に従って原材料粉末層に選択的に照射するステップは、ワークピース110が所望の形状及びサイズに達するまで繰り返される。
【0052】
照射平面I内におけるメルトプールの位置によることなく、メルトプールの放射/温度を正確に検出することを可能にするための、光学系24を較正する方法が、図2及び3に関連して記述される。
【0053】
図2に示されているように、ターゲット32は、照射平面I内に配置される。同図に示された実施形態では、ターゲット32は、薄いフィルムの形態で設計されており、特にアルミニウムフィルムである。光学系24を較正する本方法のステップ(i)において、装置100の照射システム10によって放出された放射ビーム14をターゲット32に照射することにより、放射ビーム14を照射平面Iにわたって走査するスキャナ22のスキャナ座標系内の既知の位置に、較正スポットCが生成される。従って、x-y照射平面I内の較正スポットCの位置は、機械座標系内のx-y座標の観点からは正確に知られていない場合があるが、それでもそのスキャナ座標による特定が可能である。もっとも、ターゲット32は、スキャナ22のスキャナ座標系内の、上記既知の位置を含むと予測される照射平面Iの領域内に、位置決めされる。具体的には、ターゲット32に入射させられた放射ビーム14は、ターゲット32を通って延びるピンホールの形状の較正スポットCを生成する。
【0054】
較正ビーム36を生成できる光源34の形態で設計された較正ビーム放出装置が、ターゲット32の下方に示されている。具体的には、光源34は、図3を参照のとおり、以下のような位置に配置される、即ち、光源34によって生成された較正ビーム36が、光学系24を較正する本方法のステップ(ii)において較正スポットCから放出され、ステップ(i)で放射ビーム14を較正スポットCに向けるように使用されたスキャナミラー22及び半透明ビームスプリッタ28を介して光学系24に向けられるような、較正スポットCに対する位置に配置される。ステップ(i)及び(ii)は、順次実行される、即ち、較正ビーム36は、較正スポットCの生成完了後に放射ビーム14の放出が停止された後にはじめて、較正スポットCから放出される。スキャナミラー22は、ステップ(i)において放射ビーム14をターゲット32に照射することによって較正スポットCを生成するために、かつ、ステップ(ii)において較正スポットCから放出された較正ビーム36を較正されるべき光学系24に向けるために、同じ角度位置に維持され得る。
【0055】
光学系24を較正する本方法のステップ(iii)では、光学系24は、較正スポットCから放出された較正ビーム36のビーム経路が、較正スポットCを生成するステップ(i)において用いられた放射ビーム14のビーム経路と同一線上になるように、較正される。例えば、光学系24は、光学系24の光学ミラーを、光学系24の光学的中心が図3の矢印によって示された較正スポットCと整列するように、制御ユニット30の制御下で調節することによって、較正され得る。しかしながら、光学系24の較正が、光学系24のセンサを移動させるか又は傾けることによって調節することを、平面プレートをねじること(ビームオフセット)を、又は他の適切な調節手順を含むこともまた考えられる。
【0056】
図に示された実施形態では、ターゲット32は、光源34によって生成された較正ビーム36のビーム経路内で、光源34と較正されるべき光学系24の間に、配置されている。さらに、ターゲット32は、放射ビーム14のビーム経路内で、放射光源12と光源34の間に、配置されている。ピンホールを生成する際に放射ビーム14によって引き起こされ得る損傷から光源34を保護するために、少なくともステップ(i)において較正スポットCを較正している間、シャッター38が、放射ビーム14のビーム経路内で、ターゲット32と光源34の間に、配置される。もっとも、ステップ(ii)では、シャッター38は、ターゲット32内に生成されたピンホールを通じた較正ビーム36の妨げられない伝播を可能にするために、除去されている。
【0057】
しかしながら、例えば、光源34が放射ビーム14に対して敏感ではないように設計されている場合、又は、光源34がピンホールの形成後にはじめて放射ビーム14のビーム経路内に配置される場合には、シャッター38は省略されてもよい。また、較正ビーム36が光源34によって生成されず、代わりに、ステップ(i)においてターゲットに生成されたビーム反射構造又はビーム散乱構造の形態で設計された較正ビーム放出装置によって反射及び/又は散乱されるビームである場合においても、シャッター38は必須ではない。
【0058】
さらなる光学系24’は、光学系24と同じやり方で構成され得る。特に、ステップ(iv)では、さらなる較正スポットが、さらなる光学ユニット16’によって放出されたさらなる放射ビーム14’を、さらなる放射ビーム14’を照射平面Iにわたって走査するように構成されたさらなるスキャナ22’のさらなるスキャナ座標系内の既知の位置にあるターゲット32に照射することによって、生成され得る。さらなる較正ビームは、さらなる較正スポットから較正されるべきさらなる光学系24’の方向に放出され得る。
【0059】
その後、さらなる光学系24’は、さらなる較正スポットから放出されたさらなる較正ビームのビーム経路が、さらなる較正スポットを生成するステップ(iv)で使用されるさらなる放射ビーム14’のビーム経路と同一線上になるように、較正され得る。光学系24と同様に、さらなる光学系24’もまた、さらなる光学系24’の光学的中心がさらなる較正スポットと整列するように、さらなる光学系24の光学ミラーを制御ユニット30の制御下で調節することによって、較正され得る。しかしながら、さらなる光学系24’の較正が、さらなる光学系24’のセンサを移動させるか又は傾けることによって調節すること、平面プレートをねじること(ビームオフセット)、又はaで手動で実施され得る他の適切な調節手順を含むことも考えられる。
【0060】
さらに、さらなる較正ビームが、さらなる較正スポットから光学系24の方向に放出され得る。その後、スキャナ22のスキャナ座標系及び/又はさらなるスキャナ22’のさらなるスキャナ座標系は、一致するように調節され得る。このように、光学ユニット16、16’は、同一線上に整列させられて使用され得る。
【0061】
このように、本較正法はまた、複数の光学ユニットを同一線上に整列させるためにも使用され得る。
【0062】
図2及び3に示されておりかつ上記された光学系24、24’を較正するための装置40が、図4に概略的に示されている。装置40は、照射平面I内の所望の位置にターゲット32を位置決めし適切に取付けるための位置決め装置42を備えている。光源34は、ターゲット32の下方に配置されるように、位置決め装置42に取付けられている。シャッター38は、位置決め装置42内に、移動可能に収容される。特に、該シャッターは、位置決め装置42、光源34、及びターゲット32に対して、図4の矢印bによって示されているように相対変位可能である。
【0063】
装置40は、例えば、較正スポットCから放出された較正ビーム36のビーム経路中に異なる光学フィルタを配置することを可能にするフィルタ配置部(図示されていない)等のさらなる構成要素を備えている場合もある。該光学フィルタは、較正スポットCから放出された較正ビーム36の強度を変化させることができ、従って、光学ユニット24の放射強度検出機能を較正するために使用され得る。さらに、装置40は、例えば、実質的に較正スポットCから放出された較正ビーム36のみが光学ユニット24に向けられるようなやり方で、光学ユニット24の焦点を調節するためにも使用され得る。
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2024-06-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0063
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0063】
装置40は、例えば、較正スポットCから放出された較正ビーム36のビーム経路中に異なる光学フィルタを配置することを可能にするフィルタ配置部(図示されていない)等のさらなる構成要素を備えている場合もある。該光学フィルタは、較正スポットCから放出された較正ビーム36の強度を変化させることができ、従って、光学ユニット24の放射強度検出機能を較正するために使用され得る。さらに、装置40は、例えば、実質的に較正スポットCから放出された較正ビーム36のみが光学ユニット24に向けられるようなやり方で、光学ユニット24の焦点を調節するためにも使用され得る。
また、本開示は、以下の態様を含む。
〔態様1〕
光学系(24)を較正する方法であって、特に、原材料粉末の層に照射することによって三次元ワークピースを生産するための装置(100)の使用に関する方法であり、前記方法は、
(i)光学ユニット(16)によって放出された放射ビーム(14)を、前記放射ビーム(14)を照射平面(I)にわたって走査するように構成されたスキャナ(22)のスキャナ座標系内の既知の位置にあるターゲット(32)に照射することにより、較正スポット(C)を生成するステップと、
(ii)前記較正スポット(C)から、較正されるべき前記光学系(24)の方向に、較正ビーム(36)を放出するステップと、
(iii)前記光学系(24)を、前記較正スポット(C)から放出された前記較正ビーム(36)のビーム経路が、前記較正スポット(C)を生成するステップ(i)において用いられた前記放射ビーム(14)のビーム経路と同一線上になるように、較正するステップと、を含む、方法。
〔態様2〕
ステップ(i)において、前記ターゲット(32)は、前記照射平面(I)内の、前記スキャナ(22)の前記スキャナ座標系内の前記既知の位置を含むと予測される領域内に、位置決めされている、態様1に記載の方法。
〔態様3〕
ステップ(i)において生成された前記較正スポット(C)は、前記放射ビーム(14)を前記ターゲット(32)に照射することによって生成されたピンホールによって定められるか、又は、前記放射ビーム(14)を前記ターゲット(32)に照射することによって前記ターゲット(32)内に生成されるビーム反射構造及び/又はビーム散乱構造によって定められる、態様1又は2に記載の方法。
〔態様4〕
前記ターゲット(32)は、フィルム、特にアルミニウムフィルム又は透明フィルムであり、前記照射平面(I)内に配置され、かつ/又は、
前記較正ビーム(36)は、光源(34)によって生成されるか、又は前記較正スポット(C)から反射及び/又は散乱させられる、態様1から3のいずれか一つに記載の方法。
〔態様5〕
前記ターゲット(32)は、前記光源(34)によって生成された前記較正ビーム(36)の前記ビーム経路内で、前記光源(34)と較正されるべき前記光学系(24)の間に、配置されており、かつ/又は、
シャッター(38)が、少なくともステップ(i)で前記較正スポット(C)を生成している間は、前記放射ビーム(14)の前記ビーム経路内で、前記ターゲット(32)と前記光源(34)の間に、配置される、態様4に記載の方法。
〔態様6〕
前記光学系(24)は、光学センサシステムを、特に、メルトプール監視システム、カメラベースのシステム、フォトダイオードベースのシステム、及び/又は光コヒーレンストモグラフィーシステムの光学センサシステムを含んでいる、態様1から5のいずれか一つに記載の方法。
〔態様7〕
前記方法は、
(iv)さらなる光学ユニット(16’)によって放出されたさらなる放射ビーム(14’)を、前記さらなる放射ビーム(14’)を前記照射平面(I)にわたって走査するように構成されたさらなるスキャナ(22’)のさらなるスキャナ座標系内の既知の位置にある前記ターゲット(32)に照射することによって、さらなる較正スポットを生成するステップを、さらに含んでいる、態様1から6のいずれか一つに記載の方法。
〔態様8〕
前記方法は、
(v)前記さらなる較正スポットから、較正されるべきさらなる光学系(24’)の方向に、さらなる較正ビームを放出するステップと、
(vi)前記さらなる較正スポットから放出された前記さらなる較正ビームのビーム経路が、ステップ(iv)で前記さらなる較正スポットを生成するために使用される前記さらなる放射ビーム(14’)のビーム経路と同一線上になるように、前記さらなる光学系(24’)を較正するステップと、をさらに含んでいる、態様7に記載の方法。
〔態様9〕
前記方法は、
(vii)前記さらなる較正スポットから、前記光学系(24)の方向に、さらなる較正ビームを放出するステップと、
(viii)前記スキャナ(22)の前記スキャナ座標系及び/又は前記さらなるスキャナ(22’)の前記さらなるスキャナ座標系を、一致させるように調節するステップと、をさらに含んでいる、態様7又は8に記載の方法。
〔態様10〕
光学系(24)を較正する装置であって、特に、原材料粉末層に照射することによって三次元ワークピースを生産するための装置(100)内で使用するための、装置であり、前記装置は、
(i)較正スポット(C)を生成するために、光学ユニット(16)によって放出された放射ビーム(14)を照射されるように構成されたターゲット(32)であって、前記放射ビーム(14)を照射平面(I)にわたって走査するように構成されたスキャナ(22)のスキャナ座標系内の公知の位置にある、ターゲット(32)と、
(ii)前記較正スポット(C)から、較正されるべき前記光学系の方向に、較正ビーム(36)を放出するように構成された、較正ビーム放出装置と、
(iii)調節装置であって、前記較正スポット(C)から放出された前記較正ビーム(36)のビーム経路が、前記較正スポット(C)を生成するために使用される前記放射ビーム(14)のビーム経路と同一線上になるように、前記光学系(24)を較正することを可能にするように構成された、調節装置と、を備えている、装置。
〔態様11〕
前記装置は、前記ターゲット(32)を、前記照射平面(I)内の、前記スキャナ(22)の前記スキャナ座標系内の前記公知の位置を含むと予測される領域内に、位置決めするように構成された位置決め装置(42)を、さらに備えている、態様10に記載の装置。
〔態様12〕
前記較正スポット(C)は、前記放射ビーム(14)を前記ターゲット(32)に照射することによって生成されたピンホールによって定められるか、又は、前記放射ビーム(14)を前記ターゲット(32)に照射することによって前記ターゲット(32)内に生成されるビーム反射構造及び/又はビーム散乱構造によって定められる、態様10又は11に記載の装置。
〔態様13〕
前記ターゲット(32)は、フィルム、特にアルミニウムフィルム又は透明フィルムであり、前記照射平面(I)内に配置されるように構成されており、かつ/又は、前記較正ビーム放出装置は、光源(34)、又は、前記放射ビーム(14)を前記ターゲット(32)に照射することによって前記ターゲット(32)内に生成されたビーム反射構造及び/又はビーム散乱構造、を備えている、態様10から12のいずれか一つに記載の装置。
〔態様14〕
前記ターゲット(32)は、前記光源(34)によって生成された前記較正ビーム(36)の前記ビーム経路内で、前記光源(34)と較正されるべき前記光学系(24)の間に配置されており、かつ/又は、前記装置は、シャッター(38)をさらに備えており、前記シャッター(38)は、少なくとも前記較正スポット(C)が生成されている間は、前記放射ビーム(14)の前記ビーム経路内で、前記ターゲット(32)と前記光源(34)の間に配置されるように構成されている、態様13に記載の装置。
〔態様15〕
前記光学系(24)は、光学センサシステムを、特に、メルトプール監視システム、カメラベースのシステム、フォトダイオードベースのシステム、及び/又は光コヒーレンストモグラフィーシステムの光学センサシステムを含んでいる、態様10から14のいずれか一つに記載の装置。
〔態様16〕
前記装置は、
(iv)さらなる光学ユニット(16’)をさらに備えており、前記さらなる光学ユニット(16’)は、さらなる較正スポットを生成するために、さらなる放射ビーム(14)を、前記さらなる放射ビーム(14’)を前記照射平面(I)にわたって走査するように構成されたさらなるスキャナ(22’)のさらなるスキャナ座標系内の既知の位置にある前記ターゲット(32)に、照射するように構成されている、態様10から15のいずれか一つに記載の装置。
〔態様17〕
(v)前記較正ビーム放出装置は、前記さらなる較正スポットから、較正されるべきさらなる光学系(24’)の方向に、さらなる較正ビームを放出するように構成されており、かつ、
前記装置は、
(vi)さらなる調節装置をさらに備えており、前記さらなる調節装置は、前記さらなる光学系から放出された前記さらなる較正ビームのビーム経路が、前記さらなる較正スポットを生成するために使用される前記さらなる放射ビームのビーム経路と同一線上になるように、前記さらなる光学系(24’)を較正することを可能にするように構成されている、態様16に記載の装置。
〔態様18〕
(vii)前記較正ビーム放出装置は、前記さらなる較正スポットから、前記光学系(24)の方向に、さらなる較正ビームを放出するように構成されており、かつ、
(viii)前記調節装置及び/又はさらなる調節装置は、前記スキャナ(22)の前記スキャナ座標系及び/又は前記さらなるスキャナ(22’)の前記さらなるスキャナ座標系を、一致させるように調節するように構成されている、態様16又は17に記載の装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学系(24)を較正する方法であって、特に、原材料粉末の層に照射することによって三次元ワークピースを生産するための装置(100)の使用に関する方法であり、前記方法は、
(i)光学ユニット(16)によって放出された放射ビーム(14)を、前記放射ビーム(14)を照射平面(I)にわたって走査するように構成されたスキャナ(22)のスキャナ座標系内の既知の位置にあるターゲット(32)に照射することにより、較正スポット(C)を生成するステップと、
(ii)前記較正スポット(C)から、較正されるべき前記光学系(24)の方向に、較正ビーム(36)を放出するステップと、
(iii)前記光学系(24)を、前記較正スポット(C)から放出された前記較正ビーム(36)のビーム経路が、前記較正スポット(C)を生成するステップ(i)において用いられた前記放射ビーム(14)のビーム経路と同一線上になるように、較正するステップと、を含む、方法。
【請求項2】
ステップ(i)において、前記ターゲット(32)は、前記照射平面(I)内の、前記スキャナ(22)の前記スキャナ座標系内の前記既知の位置を含むと予測される領域内に、位置決めされている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ステップ(i)において生成された前記較正スポット(C)は、前記放射ビーム(14)を前記ターゲット(32)に照射することによって生成されたピンホールによって定められるか、又は、前記放射ビーム(14)を前記ターゲット(32)に照射することによって前記ターゲット(32)内に生成されるビーム反射構造及び/又はビーム散乱構造によって定められる、請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記ターゲット(32)は、フィルム、特にアルミニウムフィルム又は透明フィルムであり、前記照射平面(I)内に配置され、かつ/又は、
前記較正ビーム(36)は、光源(34)によって生成されるか、又は前記較正スポット(C)から反射及び/又は散乱させられる、請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記ターゲット(32)は、前記光源(34)によって生成された前記較正ビーム(36)の前記ビーム経路内で、前記光源(34)と較正されるべき前記光学系(24)の間に、配置されており、かつ/又は、
シャッター(38)が、少なくともステップ(i)で前記較正スポット(C)を生成している間は、前記放射ビーム(14)の前記ビーム経路内で、前記ターゲット(32)と前記光源(34)の間に、配置される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記光学系(24)は、光学センサシステムを、特に、メルトプール監視システム、カメラベースのシステム、フォトダイオードベースのシステム、及び/又は光コヒーレンストモグラフィーシステムの光学センサシステムを含んでいる、請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記方法は、
(iv)さらなる光学ユニット(16’)によって放出されたさらなる放射ビーム(14’)を、前記さらなる放射ビーム(14’)を前記照射平面(I)にわたって走査するように構成されたさらなるスキャナ(22’)のさらなるスキャナ座標系内の既知の位置にある前記ターゲット(32)に照射することによって、さらなる較正スポットを生成するステップを、さらに含んでいる、請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記方法は、
(v)前記さらなる較正スポットから、較正されるべきさらなる光学系(24’)の方向に、さらなる較正ビームを放出するステップと、
(vi)前記さらなる較正スポットから放出された前記さらなる較正ビームのビーム経路が、ステップ(iv)で前記さらなる較正スポットを生成するために使用される前記さらなる放射ビーム(14’)のビーム経路と同一線上になるように、前記さらなる光学系(24’)を較正するステップと、をさらに含んでいる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記方法は、
(vii)前記さらなる較正スポットから、前記光学系(24)の方向に、さらなる較正ビームを放出するステップと、
(viii)前記スキャナ(22)の前記スキャナ座標系及び/又は前記さらなるスキャナ(22’)の前記さらなるスキャナ座標系を、一致させるように調節するステップと、をさらに含んでいる、請求項に記載の方法。
【請求項10】
光学系(24)を較正する装置であって、特に、原材料粉末層に照射することによって三次元ワークピースを生産するための装置(100)内で使用するための、装置であり、前記装置は、
(i)較正スポット(C)を生成するために、光学ユニット(16)によって放出された放射ビーム(14)を照射されるように構成されたターゲット(32)であって、前記放射ビーム(14)を照射平面(I)にわたって走査するように構成されたスキャナ(22)のスキャナ座標系内の公知の位置にある、ターゲット(32)と、
(ii)前記較正スポット(C)から、較正されるべき前記光学系の方向に、較正ビーム(36)を放出するように構成された、較正ビーム放出装置と、
(iii)調節装置であって、前記較正スポット(C)から放出された前記較正ビーム(36)のビーム経路が、前記較正スポット(C)を生成するために使用される前記放射ビーム(14)のビーム経路と同一線上になるように、前記光学系(24)を較正することを可能にするように構成された、調節装置と、を備えている、装置。
【請求項11】
前記装置は、前記ターゲット(32)を、前記照射平面(I)内の、前記スキャナ(22)の前記スキャナ座標系内の前記公知の位置を含むと予測される領域内に、位置決めするように構成された位置決め装置(42)を、さらに備えている、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記較正スポット(C)は、前記放射ビーム(14)を前記ターゲット(32)に照射することによって生成されたピンホールによって定められるか、又は、前記放射ビーム(14)を前記ターゲット(32)に照射することによって前記ターゲット(32)内に生成されるビーム反射構造及び/又はビーム散乱構造によって定められる、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記ターゲット(32)は、フィルム、特にアルミニウムフィルム又は透明フィルムであり、前記照射平面(I)内に配置されるように構成されており、かつ/又は、前記較正ビーム放出装置は、光源(34)、又は、前記放射ビーム(14)を前記ターゲット(32)に照射することによって前記ターゲット(32)内に生成されたビーム反射構造及び/又はビーム散乱構造、を備えている、請求項10に記載の装置。
【請求項14】
前記ターゲット(32)は、前記光源(34)によって生成された前記較正ビーム(36)の前記ビーム経路内で、前記光源(34)と較正されるべき前記光学系(24)の間に配置されており、かつ/又は、前記装置は、シャッター(38)をさらに備えており、前記シャッター(38)は、少なくとも前記較正スポット(C)が生成されている間は、前記放射ビーム(14)の前記ビーム経路内で、前記ターゲット(32)と前記光源(34)の間に配置されるように構成されている、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記光学系(24)は、光学センサシステムを、特に、メルトプール監視システム、カメラベースのシステム、フォトダイオードベースのシステム、及び/又は光コヒーレンストモグラフィーシステムの光学センサシステムを含んでいる、請求項10に記載の装置。
【請求項16】
前記装置は、
(iv)さらなる光学ユニット(16’)をさらに備えており、前記さらなる光学ユニット(16’)は、さらなる較正スポットを生成するために、さらなる放射ビーム(14)を、前記さらなる放射ビーム(14’)を前記照射平面(I)にわたって走査するように構成されたさらなるスキャナ(22’)のさらなるスキャナ座標系内の既知の位置にある前記ターゲット(32)に、照射するように構成されている、請求項10に記載の装置。
【請求項17】
(v)前記較正ビーム放出装置は、前記さらなる較正スポットから、較正されるべきさらなる光学系(24’)の方向に、さらなる較正ビームを放出するように構成されており、かつ、
前記装置は、
(vi)さらなる調節装置をさらに備えており、前記さらなる調節装置は、前記さらなる光学系から放出された前記さらなる較正ビームのビーム経路が、前記さらなる較正スポットを生成するために使用される前記さらなる放射ビームのビーム経路と同一線上になるように、前記さらなる光学系(24’)を較正することを可能にするように構成されている、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
(vii)前記較正ビーム放出装置は、前記さらなる較正スポットから、前記光学系(24)の方向に、さらなる較正ビームを放出するように構成されており、かつ、
(viii)前記調節装置及び/又はさらなる調節装置は、前記スキャナ(22)の前記スキャナ座標系及び/又は前記さらなるスキャナ(22’)の前記さらなるスキャナ座標系を、一致させるように調節するように構成されている、請求項16に記載の装置。
【国際調査報告】