(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-22
(54)【発明の名称】エネルギーの貯蔵及び供給システム及び方法
(51)【国際特許分類】
H02J 15/00 20060101AFI20250115BHJP
E04B 1/18 20060101ALN20250115BHJP
【FI】
H02J15/00 C
E04B1/18 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024534607
(86)(22)【出願日】2022-11-29
(85)【翻訳文提出日】2024-07-26
(86)【国際出願番号】 US2022051282
(87)【国際公開番号】W WO2023114001
(87)【国際公開日】2023-06-22
(32)【優先日】2021-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521020778
【氏名又は名称】エナジー ヴォールト インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ペドレッティ アンドレア
(57)【要約】
エネルギー貯蔵及び供給システムは、エレベーターケージを備え、ここで、エレベーターケージは、1つ以上のブロックを、低い位置から高い位置へ移動させることによってエネルギーを貯蔵するように(例えば高い位置おける、ブロックの位置エネルギーによって)動作可能であり、かつ、1つ以上のブロックを、高い位置から低い位置へ移動させることによって(例えば重力によって)発電するように(例えば低い位置へ移動させられた時のブロックの運動エネルギーによって)動作可能である。ブロックは、低い位置と高い位置の間で、等しい垂直距離だけ移動させられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギーの貯蔵及び供給のシステムであって、前記システムは、
1つ以上のモジュールであって、前記1つ以上のモジュールのそれぞれは、
複数のブロック群と、
水平方向に延びる複数のロウによって規定された、基礎からの垂直高さを有するフレームであって、前記フレームは、
前記ロウの第1セットを有する上部であって、前記ロウの第1セットのそれぞれは、その上で複数のブロック群を収容及び支持するように構成されている、上部と、
前記ロウの第2セットを有する下部であって、前記ロウの第2セットのそれぞれは、その上で複数のブロック群を収容及び支持するように構成されている、下部と、
前記上部及び前記下部の間の中間部と、
前記複数のロウの互いに反対側の端部群に配置された、一対のエレベーターシャフトと、
前記一対のエレベーターシャフトのそれぞれにおいて移動可能に配置され、かつ電動発電機に動作可能に結合されたエレベーターケージアセンブリであって、前記エレベーターケージアセンブリは、その中に1つ以上のブロックを収容及び支持するような大きさに作られた、エレベーターケージアセンブリと、を備えた、
フレームと、
を備えた1つ以上のモジュール、
を備え、
前記一対のエレベーターシャフトのそれぞれにおける前記エレベーターケージアセンブリは、1つ以上のブロックを、前記ロウの第2セットの交互のロウから、前記ロウの第1セットの対応する交互のロウにピックアップして移動させることによって、前記ブロックの位置エネルギーの量に対応する量の電気エネルギーを貯蔵するように動作可能であり、
前記一対のエレベーターシャフトのそれぞれにおける前記エレベーターケージアセンブリは、1つ以上のブロックを、前記ロウの第1セットの交互のロウから、前記ロウの第2セットの対応する交互のロウに、重力下で、ピックアップして移動させることによって、電力を発生するように動作可能であり、
前記エレベーターケージアセンブリは、前記ブロック群を、前記ロウの第2セットのそれぞれと、前記対応するロウの第1セットのそれぞれとの間で等しい垂直距離だけ移動させる、
システム。
【請求項2】
前記エレベーターケージアセンブリを移動させるためのリフト駆動システムをさらに備え、
前記リフト駆動システムは、前記エレベーターケージアセンブリに結合する1つ以上のケーブルが延びるシャフトを有する前記電動発電機を備え、
前記1つ以上のケーブルは、前記エレベーターケージアセンブリの垂直上方に配置された滑車の周りに延びており、前記エレベーターケージアセンブリが前記フレームを上下に移動する時に、前記1つ以上のケーブルは、実質的に垂直方向に維持されることによって、前記エレベーターケージアセンブリにモーメントが加わるのを抑制する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記一対のエレベーターシャフトのそれぞれにおける前記エレベーターケージアセンブリは、前記モジュールの基礎に対する荷重の平均分布が実質的に一定に維持されるように、前記ロウの第1セットと前記ロウの第2セットとの間で、前記ブロックを移動させるように動作可能である、
請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記フレームは、その上で梁を支持する1つ以上のピラーによって規定される、複数のカラムを含み、
前記梁のそれぞれの対は、前記カラムに直交して延びる、前記ロウの第1セット及び前記ロウの第2セットにおけるロウを規定し、
前記梁は、その上部表面上で、前記ブロック群を支持するように構成され、
前記梁のそれぞれは、前記上部表面の下に長手方向の溝を有する、
請求項1-3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記カラムの間に延び、前記ロウの長さに沿ってその中に対角のブレースを提供する、複数の横材をさらに備える、
請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記ロウの第1セット及び前記ロウの第2セットのうちの、1つ又は両方におけるそれぞれのロウは、前記ロウを規定する前記梁の対の間に、移動可能に結合されたトロリーを含み、
前記トロリーは、前記ロウを規定する前記梁の対の前記溝の間に延びるように構成され、かつ、前記ロウを規定する前記梁の対上に配置されている、前記ブロック群の下を移動するように構成され、
前記トロリーは、ブロックを前記梁の対の上に持ち上げて、前記ブロックを、前記ロウに沿って水平方向に移動させるように動作可能である、
請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記トロリーは、
前記梁の対の前記溝の中に延びる車輪アセンブリと、
前記梁の対の間に延びるフレームと、
前記ロウに沿った前記ブロックの水平方向の移動のために、前記ブロックを前記梁の対の上に持ち上げるように動作可能であり、前記ロウ上の前記ブロックの位置を固定するために、前記ブロックを前記梁の対に降ろすように動作可能である、支持ピストンと、を備える、
請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記エレベーターケージアセンブリは、移動可能に基部に結合されたエレベーターケージを備え、前記エレベーターケージは、前記基部に対して横方向に移動することによって、前記ブロックをピックアップするために、前記エレベーターケージの底部支持体を、ブロックの下に配置することを促進するように構成されている、
請求項1-7のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項9】
前記エレベーターケージの前記底部支持体に移動可能に結合された1つ以上の支持部材を駆動して、前記ブロックを、前記ロウの前記梁の対から持ち上げることによって、前記エレベーターケージは、ロウから前記ブロックをピックアップする、
請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記エレベーターケージアセンブリは、前記エレベーターケージを、前記エレベーターケージアセンブリの前記基部に対して横方向に移動させるように駆動可能なリニアアクチュエータを含む、前記基部と前記エレベーターケージとの間に配置されたスライディング機構を備える、
請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
それぞれのモジュールの前記ロウが、隣接するモジュールにおける前記ロウに対して直交して延びることによって、風や地震による力に対する自動のブレースを4つのモジュールに提供するように、前記1つ以上のモジュールは、平面視において正方形に配置された4つのモジュールである、
請求項1-10のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項12】
それぞれのモジュールの前記ロウが、実質的に正対するように、前記1つ以上のモジュールは、一列に配置された2つのモジュールである、
請求項1-11のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項13】
エネルギーの貯蔵及び供給のシステムであって、前記システムは、
複数のブロック群と、
水平方向に延びる複数のロウによって規定された、基礎からの垂直高さを有するフレームであって、前記フレームは、
ロウの第1セットを有する上部であって、前記ロウの第1セットのそれぞれは、その上で複数のブロック群を収容及び支持するように構成されている、上部と、
ロウの第2セットを有する下部であって、前記ロウの第2セットのそれぞれは、その上で複数のブロック群を収容及び支持するように構成されている、下部と、
前記上部及び前記下部の間の中間部と、
前記複数のロウの互いに反対側の端部群に配置された、一対のエレベーターシャフトと、を備えた、
フレームと、
前記ロウの第1セット及び前記ロウの第2セットのうちの、1つ又は両方において、それぞれのロウに移動可能に結合されたトロリーであって、
前記トロリーは、前記ロウにおいて、前記ブロック群の下を移動するように動作可能であり、前記ロウに沿った、ブロックの水平方向の移動のために、前記ブロックを持ち上げるように構成されている、
トロリーと、
前記一対のエレベーターシャフトのそれぞれにおいて移動可能に配置され、かつ電動発電機に動作可能に結合されたエレベーターケージアセンブリであって、前記エレベーターケージアセンブリは、
前記エレベーターシャフトに沿って移動する間、その中に前記ブロックを保持及び支持するような大きさに作られており、
前記エレベーターケージアセンブリは、スライディング機構によって基部に移動可能に結合されたエレベーターケージを備え、
前記スライディング機構は、前記エレベーターケージを、前記エレベーターケージアセンブリの前記基部に対して横方向に移動させるように、選択的に駆動可能なリニアアクチュエータを備えた、
エレベーターケージアセンブリと、
を備え、
前記一対のエレベーターシャフトのそれぞれにおける前記エレベーターケージアセンブリは、1つ以上のブロックを、前記ロウの第2セットの交互のロウから、前記ロウの第1セットの対応する交互のロウに移動させることによって、前記ブロック群の位置エネルギーの量に対応する量の電気エネルギーを貯蔵するように動作可能であり、
前記一対のエレベーターシャフトのそれぞれにおける前記エレベーターケージアセンブリは、1つ以上の前記ブロックを、前記ロウの第1セットの交互のロウから、前記ロウの第2セットの対応する交互のロウに、重力下で移動させることによって、電力を発生するように動作可能であり、
前記エレベーターケージアセンブリは、前記ブロック群を、前記ロウの第2セットのそれぞれと、前記対応するロウの第1セットのそれぞれとの間で等しい垂直距離だけ移動させる、
システム。
【請求項14】
前記エレベーターケージアセンブリを移動させるためのリフト駆動システムをさらに備え、
前記リフト駆動システムは、前記エレベーターケージアセンブリに結合された1つ以上のケーブルが延びるシャフトを有する、前記電動発電機を備え、
前記1つ以上のケーブルは、前記エレベーターケージアセンブリの垂直上方に配置された滑車の周りに延びており、前記エレベーターケージアセンブリが前記フレームを上下に移動する時に、前記1つ以上のケーブルは、実質的に垂直方向に維持されることによって、前記エレベーターケージアセンブリにモーメントが加わるのを抑制する、
請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記滑車は、前記エレベーターケージが前記エレベーターケージアセンブリの前記基部に対して移動する時に、横方向に移動するように駆動可能であり、前記エレベーターケージがロウに対して出入りする時に、前記1つ以上のケーブルは、実質的に垂直方向に維持されることによって、前記エレベーターケージにモーメントが加わるのを抑制する、
請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記一対のエレベーターシャフトのそれぞれにおける前記エレベーターケージは、前記フレームの、前記基礎に対する荷重の平均分布が実質的に一定に維持されるように、前記ロウの第1セットと前記ロウの第2セットとの間で、前記ブロック群を移動させるように動作可能である、
請求項13-15のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項17】
前記ロウの第1セット及び前記ロウの第2セットのうちの、1つ又は両方におけるそれぞれのロウは、一対の梁によって規定され、前記トロリーは、前記一対の梁の間で移動可能に結合されている、
請求項13-16のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項18】
電気を貯蔵及び発生する方法であって、前記方法は、
フレームの複数のロウの互いに反対側の端部群にある一対のエレベーターケージアセンブリを操作することによって、前記フレームの上部におけるロウの第1セットと、前記フレームの中間部の下に配置されている前記フレームの下部における、対応するロウの第2セットとの間で複数のブロック群を移動させることを含み、
前記一対のエレベーターケージアセンブリのそれぞれを操作することは、
前記エレベーターケージアセンブリを、ロウに、又はロウの近くに配置することと、
エレベーターケージを、前記エレベーターケージアセンブリの基部に対して第1方向に横方向に移動させ、前記エレベーターケージの底部支持体を、前記ロウ上のブロックの下に配置することによって、前記ブロックをピックアップすることと、
前記エレベーターケージを、前記エレベーターケージアセンブリの前記基部に対して、前記第1方向とは反対である第2方向において横方向に移動さることによって、前記エレベーターケージを、前記ブロックをピックアップした後に、前記基部の上方に配置することと、
前記エレベーターケージアセンブリを、その関連付けられたエレベーターシャフトに沿って垂直に移動させることによって、前記エレベーターケージアセンブリが、前記ブロック群を、前記ロウの第2セットのそれぞれと、前記対応するロウの第1セットのそれぞれとの間で、等しい垂直距離だけ移動させるようにすることと、
を含む方法。
【請求項19】
前記底部支持体に結合された、1つ以上の移動可能な支持体を駆動することによって、前記ブロックを持ち上げることを、さらに含む、
請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記ロウの第2セットの交互のロウから、前記ロウの第1セットの対応する交互のロウに、前記ブロック群を移動させること、又は、前記ロウの第1セットの交互のロウから、前記ロウの第2セットの対応する交互のロウに、前記ブロック群を移動させることは、前記フレームの、基礎に対する荷重の平均分布が実質的に一定に維持されるように、前記ブロック群を配置することを含む、
請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記ロウの第2セットの交互のロウから、前記ロウの第1セットの対応する交互のロウに、前記ブロックを移動させることは、前記ロウの第2セットの前記交互のロウの最初のロウに戻る前に、前記ロウの第2セットの前記交互のロウのそれぞれから、前記ロウの第1セットの前記対応する交互のロウに、ブロックを順次、移動させることを含む、
請求項17-20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記ロウの第1セットの交互のロウから、前記ロウの第2セットの対応する交互のロウに、前記ブロックを移動させることは、前記ロウの第1セットの前記交互のロウの最初のロウに戻る前に、前記ロウの第1セットの前記交互のロウのそれぞれから、前記ロウの第2セットの前記対応する交互のロウに、ブロックを順次、移動させることを含む、
請求項17-21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記ロウの第2セットの交互のロウから、前記ロウの第1セットの対応する交互のロウに、前記ブロックを移動させることは、前記ロウの第2セットの前記交互のロウのそれぞれから、前記ロウの第1セットの前記対応する交互のロウに、ブロックを同時に移動させることを含む、
請求項17-22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記ロウの第1セットの交互のロウから、前記ロウの第2セットの対応する交互のロウに、前記ブロックを移動させることは、前記ロウの第1セットの前記交互のロウのそれぞれから、前記ロウの第2セットの前記対応する交互のロウに、ブロックを同時に移動させることを含む、
請求項17-23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記ロウの第2セットの交互のロウから、前記ロウの第1セットの対応する交互のロウに、複数のブロック群のうちの1つ以上のブロックを移動させることは、前記ロウの端部に前記1つ以上のブロックを運ぶために、前記ブロック群の下を移動し、前記ロウの梁の上で前記ブロック群を選択的に持ち上げるトロリーを用いて、前記ロウの第2セットのうちの1つ以上のロウに沿って、前記1つ以上のブロックを水平方向に移動させることを含む、
請求項17-24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
エレベーターケージを、前記エレベーターケージアセンブリの基部に対して、第1方向に横方向に移動させることによって、前記エレベーターケージの底部支持体を、前記ロウ上のブロックの下に配置することは、前記基部と、前記エレベーターケージアセンブリの前記エレベーターケージとの間に挿入されたスライディング機構のリニアアクチュエータを駆動することによって、前記エレベーターケージを、前記基部に対して横方向に移動させることを含む、
請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記エレベーターケージを、前記第1方向、又は前記第2方向において横方向に移動させることは、前記エレベーターケージに取付された1つ以上のケーブルを、垂直方向で維持することを含み、前記1つ以上のケーブルは、リフト駆動システムによって駆動されることによって、前記エレベーターケージアセンブリを、前記ロウの第1セットと前記ロウの第2セットとの間で、垂直に移動させる、
請求項17-26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
電気を貯蔵及び発生する方法であって、前記方法は、
1つ以上のブロックを、ロウの末端部分に向かって、トロリーを用いて、フレームの上部におけるロウの第1セットのロウに沿って、水平方向に移動させることと、
エレベーターケージアセンブリを操作することによって、前記1つ以上のブロックを、前記フレームのロウの第2セットのロウに、重力下で垂直に移動させて、前記エレベーターケージアセンブリに電気的に結合された電動発電機によって電力を発生することと、
を含み、
前記エレベーターケージアセンブリを操作することは、
前記エレベーターケージアセンブリを、前記ロウに、又は前記ロウの近くに配置することと、
エレベーターケージを、前記エレベーターケージアセンブリの基部に対して、第1方向に横方向に移動させ、前記エレベーターケージの底部支持体を、前記ロウの前記末端部分において、ブロックの下に配置することによって、前記ブロックをピックアップすることと、
前記エレベーターケージを、前記エレベーターケージアセンブリの前記基部に対して、前記第1方向とは反対である第2方向において横方向に移動さることによって、前記エレベーターケージを、前記ブロックをピックアップした後に、前記基部の上方に配置することと、
前記エレベーターケージアセンブリを、その関連付けられたエレベーターシャフトに沿って垂直に移動させることと、
を含む方法。
【請求項29】
前記底部支持体に結合された1つ以上の移動可能な支持体を駆動することによって、前記ブロックを持ち上げることを、さらに含む、
請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記エレベーターケージアセンブリを操作することは、
前記ブロックを、所望のロウに、垂直に移動させることと、
前記エレベーターケージアセンブリを、前記ロウと、概ね正対させることと、
エレベーターケージを、前記エレベーターケージアセンブリの前記基部に対して、前記第1方向に横方向に移動させ、前記ブロックを、前記ロウの前記末端部分の上方に配置することと、
前記底部支持体に結合された1つ以上の移動可能な支持体を駆動することによって、前記ブロックを、前記ロウの前記末端部分に降ろすことと、
前記エレベーターケージを、前記エレベーターケージアセンブリの前記基部に対して、前記第1方向とは反対である第2方向において横方向に移動させ、前記エレベーターケージを、前記基部の上方に配置することと、
前記エレベーターケージアセンブリを、その関連付けられたエレベーターシャフトに沿って垂直に移動させることと、
をさらに含む、
請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記エレベーターケージを、前記第1方向、又は前記第2方向において、横方向に移動させることは、前記エレベーターケージに取付された1つ以上のケーブルを、垂直方向で維持することを含み、前記1つ以上のケーブルがリフト駆動システムによって駆動されることによって、前記エレベーターケージアセンブリを、前記ロウの第1セットと前記ロウの第2セットとの間で、垂直に移動させる、
請求項28に記載の方法。
【請求項32】
タワーの低い位置とタワーの高い位置との間でブロック群を移動させ、エネルギーを貯蔵し、及び、ブロック群を、重力下で前記タワーの前記高い位置と前記タワーの前記低い位置との間で移動さることによって電気を発生するための、請求項1-31のいずれか1項に記載のエネルギーの貯蔵及び供給のシステムにおいて使用するエレベーターケージアセンブリであって、前記エレベーターケージアセンブリは、
エレベーターケージであって、前記エレベーターケージは、
1つ以上のケーブル又はリボンに結合可能な上部支持体と、
前記上部支持体に取付された後部支持体と、
前記後部支持体に取付された底部支持体と、を備え、
前記エレベーターケージはC形の側面を有し、ブロックを収容及び支持するような大きさに作られている、
エレベーターケージと、
前記エレベーターケージの下に配置された基部であって、
前記エレベーターケージは、前記基部に対して横方向に移動するように構成されている、
基部と、
を備えたエレベーターケージアセンブリ。
【請求項33】
前記エレベーターケージと前記基部との間に挿入され、前記エレベーターケージを、前記基部に対して横方向に移動させるように駆動可能であるスライディング機構を、さらに備える、
請求項32に記載のエレベーターケージアセンブリ。
【請求項34】
前記スライディング機構は、前記エレベーターケージを、前記基部に対して横方向に移動させるように駆動可能であるリニアアクチュエータを備えた、
請求項33に記載のエレベーターケージアセンブリ。
【請求項35】
前記底部支持体は、前記底部支持体に対して、異なる高さまで延びるように駆動可能な1つ以上の支持部材を備え、前記1つ以上の支持部材は、その上でブロックを支持するように構成された、
請求項32-34のいずれか1項に記載のエレベーターケージアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願とともに提出されたアプリケーションデータシートにおいて、外国又は国内の優先権主張が特定されている全ての出願は、米国特許法第119条の下で、ここに参照により援用される。
【0002】
本発明は、エネルギー貯蔵及び供給システムに関し、より具体的には、ブロック又はレンガの鉛直移動によって電気を貯蔵及び供給するためのエネルギー貯蔵及び供給システムに関する。
【背景技術】
【0003】
再生可能エネルギー源(例えば太陽光エネルギー、風力、水力、バイオマス等)を用いた発電は増加し続けている。しかし、これらの再生可能エネルギー源(例えば太陽光エネルギー、風力)の多くは、断続的で予測不可能であるので、断続的な再生可能エネルギー源から電力網に供給され得る電力量は制限されてしまう。
【発明の概要】
【0004】
したがって、再生可能エネルギー源によって生成された電気を、電力系統への予測可能な供給のために確保する、改良されたシステムが必要である。本明細書で使用されるように、電力系統は、発電事業者から消費者への電気供給のための相互接続されたネットワークであり、都市、州及び/又は国を含む、大きな地理的地域にまたがる。
【0005】
本開示の別の局面によれば、重力駆動型のエネルギー貯蔵及び供給システムが提供される。例示的な重力駆動型のエネルギー貯蔵及び供給システムは、1つ以上のブロックを、より低い位置からより高い位置へ移動させることによってエネルギーを貯蔵するように動作可能であり、かつ、1つ以上のブロックを、重力下で、より高い位置からより低い位置へ移動させることによって発電するように動作可能であるエレベーターケージを備える。
【0006】
本開示の別の局面によれば、エネルギー貯蔵及び供給システムは、ある例では、時間外の電気を生成するために、太陽エネルギーを貯蔵し得る。エネルギー貯蔵及び供給システムは、複数のブロック群を、より低い位置から、より高い位置へ移動させることによって、太陽光発電が豊富な日中の間、太陽エネルギーを、ブロック群において位置エネルギーとして貯蔵し得る。エネルギー貯蔵システムは、その後、夜間に、ブロック群を、より高い位置からより低い位置に移動させるように動作することによって、発電機を駆動し、電力系統への供給のための電気を生成し得る。
【0007】
本開示の別の局面によれば、電気を貯蔵及び生成するための方法が提供される。この方法は、タワー上のエレベーターケージを操作することによって、複数のブロックを、タワーのより低い位置からタワーのより高い位置へ移動させ、ブロックにエネルギーを貯蔵することを含み、ブロックのうちのそれぞれは、ブロックの位置エネルギー量に対応する量のエネルギーを貯蔵する。この方法は、エレベーターケージを操作することによって、ブロックを、重力下で、タワーのより高い位置からタワーのより低い位置に移動させ、それによって、より高い位置からより低い位置へ移動させられる時に、前記1つ以上のブロックの運動エネルギー量に対応する量の電気を発生することも含む。前記方法は、クレーン又はエレベーターケージの操作中、タワーに対する平均負荷が実質的に一定であるように、ブロックを移動させることを含む。
【0008】
本開示のある局面によれば、エネルギー貯蔵及び供給システムは、1つ以上のモジュールを備えて提供される。それぞれのモジュールは、複数のブロック群と、水平方向に延びる複数のロウによって規定された、基礎からの垂直高さを有するフレームとを備える。前記フレームは、前記ロウの第1セットを有する上部であって、前記ロウの第1セットのそれぞれは、その上で複数のブロック群を収容及び支持するように構成されている上部と、前記ロウの第2セットを有する下部であって、前記ロウの第2セットのそれぞれは、その上で複数のブロック群を収容及び支持するように構成されている下部と、ブロックのない、前記上部及び前記下部の間の中間部と、前記複数のロウの互いに反対側の端部群に配置された、一対のエレベーターシャフトと、前記一対のエレベーターシャフトのそれぞれにおいて移動可能に配置され、かつ電動発電機に動作可能に結合されたエレベーターケージであって、前記エレベーターケージは、その中に1つ以上のブロックを収容及び支持するような大きさに作られた、エレベーターケージと、を備える。前記一対のエレベーターシャフトのそれぞれにおける前記エレベーターケージは、1つ以上のブロックを、前記ロウの第2セットの交互のロウから、前記ロウの第1セットの対応する交互のロウに移動させることによって、前記ブロックの位置エネルギーの量に対応する量の電気エネルギーを貯蔵するように動作可能である。前記一対のエレベーターシャフトのそれぞれにおける前記エレベーターケージは、1つ以上のブロックを、前記ロウの第1セットの交互のロウから、前記ロウの第2セットの対応する交互のロウに、重力下で、移動させることによって、電力を発生するように動作可能である。前記エレベーターケージは、前記ブロック群を、前記ロウの第2セットのそれぞれと、前記対応するロウの第1セットのそれぞれとの間で等しい垂直距離だけ移動させる。
【0009】
本開示の別の局面によれば、エネルギー貯蔵及び供給システムが提供される。前記システムは、複数のブロック群と、水平方向に延びる複数のロウによって規定された、基礎からの垂直高さを有するフレームとを備える。前記フレームは、ロウの第1セットを有する上部であって、前記ロウの第1セットのそれぞれは、その上で複数のブロック群を収容及び支持するように構成されている上部と、ロウの第2セットを有する下部であって、前記ロウの第2セットのそれぞれは、その上で複数のブロック群を収容及び支持するように構成されている下部と、ブロックのない、前記上部及び前記下部の間の中間部と、前記複数のロウの互いに反対側の端部群に配置された、一対のエレベーターシャフトと、を備える。トロリーは、前記ロウの第1セット及び前記ロウの第2セットのうちの、1つ又は両方において、それぞれのロウに移動可能に結合されており、前記トロリーは、前記ロウにおいて、前記ブロック群の下を移動するように動作可能であり、前記ロウに沿った、前記ブロックの水平方向の移動のために、ブロックを持ち上げるように構成されている。エレベーターケージは、前記一対のエレベーターシャフトのそれぞれにおいて移動可能に配置され、かつ電動発電機に動作可能に結合されている。前記エレベーターケージは、前記エレベーターシャフトに沿って移動する間、ロウからブロックを持ち上げ、エレベーターケージの中に前記ブロックを保持及び支持するような大きさに作られており、前記エレベーターケージは、異なる垂直高さにおいて、ブロックをロウに下げるように、さらに構成される。前記一対のエレベーターシャフトのそれぞれにおける前記エレベーターケージは、1つ以上のブロックを、前記ロウの第2セットの交互のロウから、前記ロウの第1セットの対応する交互のロウに移動させることによって、前記ブロック群の位置エネルギーの量に対応する量の電気エネルギーを貯蔵するように動作可能である。前記一対のエレベーターシャフトのそれぞれにおける前記エレベーターケージは、1つ以上の前記ブロックを、前記ロウの第1セットの交互のロウから、前記ロウの第2セットの対応する交互のロウに、重力下で移動させることによって、電力を発生するように動作可能である。前記エレベーターケージは、前記ブロック群を、前記ロウの第2セットのそれぞれと、前記対応するロウの第1セットのそれぞれとの間で、等しい垂直距離だけ移動させる。
【0010】
本開示の別の局面によれば、電気を貯蔵及び発生する方法が提供される。前記方法は、フレームの複数のロウの互いに反対側の端部群にある一対のエレベーターケージを操作することによって、前記フレームの上部におけるロウの第1セットと、ブロック群のない、前記フレームの中間部の下に配置されている前記フレームの下部における、対応するロウの第2セットとの間で複数のブロック群を移動させることを含む。前記一対のエレベーターケージを操作することは、一対のエレベーターケージを用いて、1つ以上のブロックを、前記ロウの第2セットの交互のロウから、前記ロウの第1セットの対応する交互のロウに移動させることによって、前記ブロック群の位置エネルギーの量に対応する量の電気エネルギーを貯蔵することを含む。前記一対のエレベーターケージを操作することは、一対のエレベーターケージを用いて、1つ以上のブロックを、前記ロウの第1セットの交互のロウから、前記ロウの第2セットの対応する交互のロウに、重力下で移動させることによって、エレベーターケージに電気的に結合された電動発電機によって、電力を発生することも含む。前記エレベーターケージは、前記ブロック群を、前記ロウの第2セットのそれぞれと、前記対応するロウの第1セットのそれぞれとの間で、等しい垂直距離だけ移動させる。
【0011】
本開示の別の局面によれば、電気を貯蔵及び発生する方法が提供される。前記方法は、1つ以上のブロックを、トロリーを用いて、前記ロウの互いに反対側の端部上のエレベーターケージに向かって、フレームの上部におけるロウの第1セットの交互のロウに沿って水平方向に移動させることを含む。前記方法は、エレベーターケージを操作して、1つ以上のブロックを、フレームの中間部を越えて、前記フレームの前記ロウの第2セットの対応する交互のロウに、重力下で垂直に移動させることにより、エレベーターケージに電気的に結合された電動発電機によって、電力を発生することも含む。前記エレベーターケージは、前記ブロック群を、前記ロウの第1セットの交互のロウと、前記ロウの第2セットの対応する交互のロウのそれぞれと間で、等しい垂直距離だけ移動させる。
【0012】
本開示の別の局面によれば、タワーの低い位置とタワーの高い位置との間でブロック群を移動させ、エネルギーを貯蔵し、及び、ブロック群を、重力下で前記タワーの前記高い位置と前記タワーの前記低い位置との間で移動さることによって電気を発生するための、エネルギーの貯蔵及び供給システムにおいて使用するエレベーターケージアセンブリが提供される。前記エレベーターケージアセンブリは、エレベーターケージと、前記エレベーターケージの下に配置された基部と、前記基部に対して前記エレベーターケージを横方向に移動させるように駆動可能なスライディング機構とを備える。エレベーターケージは、エレベーターケージの底部支持体に対して移動可能な、1つ以上の支持体を有し、前記1つ以上の支持体は、底部支持体に対して、ブロックを持ち上げる、又は下げるように駆動可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、要望に応じてエネルギーを貯蔵し電気を発生するための、エネルギー貯蔵及び供給システムの概略斜視図である。
【
図3】
図3は、エネルギー貯蔵及び供給システムの部分的な概略図であり、
図1におけるシステムに類似している、2つの隣接するモジュールのタワーの上部におけるブロックの配置を示す。
【
図4】
図4は、エネルギー貯蔵及び供給システムの4つのモジュールの概略上面図であり、それぞれのモジュールは、
図1におけるシステムと類似しており、モジュールは、互いに隣接して配置されている。
【
図5】
図5は、
図1におけるシステムの一部分の概略斜視図であり、システムのロウの梁に移動可能に結合されたトロリーを示し、当該ロウの梁上に支持されているブロックを図示している。
【
図6】
図6は、
図5におけるシステムの概略上面図であり、システムのロウの梁に移動可能に結合されたトロリーを示し、当該ロウの梁上に支持されているブロックを図示している。
【
図7】
図7は、
図5のシステムの概略端面図であり、システムのロウの梁に移動可能に結合されたトロリーを示し、当該ロウの梁上に支持されているブロックを図示している。
【
図8】
図8は、
図1のシステムの部分的な概略斜視図であり、ブロックを、タワーのロウに沿って移動させ、システムのエレベーターシャフトにおける垂直移動のために、ブロックを、エレベーターケージに移すためのステップのシーケンスを図示している。
【
図9】
図9は、
図1のシステムの部分的な概略斜視図であり、ブロックを、タワーのロウに沿って移動させ、システムのエレベーターシャフトにおける垂直移動のために、ブロックを、エレベーターケージに移すためのステップのシーケンスを図示している。
【
図10】
図10は、
図1のシステムの部分的な概略斜視図であり、ブロックを、タワーのロウに沿って移動させ、システムのエレベーターシャフトにおける垂直移動のために、ブロックを、エレベーターケージに移すためのステップのシーケンスを図示している。
【
図11】
図11は、
図1のシステムの部分的な概略斜視図であり、ブロックを、タワーのロウに沿って移動させ、システムのエレベーターシャフトにおける垂直移動のために、ブロックを、エレベーターケージに移すためのステップのシーケンスを図示している。
【
図12】
図12は、
図1のシステムの部分的な概略斜視図であり、ブロックを、タワーのロウに沿って移動させ、システムのエレベーターシャフトにおける垂直移動のために、ブロックを、エレベーターケージに移すためのステップのシーケンスを図示している。
【
図13】
図13は、
図1のシステムの部分的な概略斜視図であり、ブロックを、タワーのロウに沿って移動させ、システムのエレベーターシャフトにおける垂直移動のために、ブロックを、エレベーターケージに移すためのステップのシーケンスを図示している。
【
図14】
図14は、
図1のシステムの部分的な概略斜視図であり、ブロックを、タワーのロウに沿って移動させ、システムのエレベーターシャフトにおける垂直移動のために、ブロックを、エレベーターケージに移すためのステップのシーケンスを図示している。
【
図15】
図15は、
図1のシステムの部分的な概略側面図であり、ブロックを、エレベーターケージからタワーのロウに移すためのステップのシーケンスを図示している。
【
図16】
図16は、
図1のシステムの部分的な概略側面図であり、ブロックを、エレベーターケージからタワーのロウに移すためのステップのシーケンスを図示している。
【
図17】
図17は、
図1のシステムの部分的な概略側面図であり、ブロックを、エレベーターケージからタワーのロウに移すためのステップのシーケンスを図示している。
【
図18】
図18は、
図1のシステムの部分的な概略底面図であり、システムのエレベーターシャフトにおける垂直移動のために、ブロックを、エレベーターケージに移すためのステップのシーケンスを図示している。
【
図19】
図19は、
図1のシステムの部分的な概略底面図であり、システムのエレベーターシャフトにおける垂直移動のために、ブロックを、エレベーターケージに移すためのステップのシーケンスを図示している。
【
図20】
図20は、
図1のシステムの部分的な概略底面図であり、システムのエレベーターシャフトにおける垂直移動のために、ブロックを、エレベーターケージに移すためのステップのシーケンスを図示している。
【
図21】
図21は、
図1のシステムの部分的な概略斜視図であり、ブロックを、エレベーターケージから、タワーのロウに移すためのステップのシーケンスを図示している。
【
図22】
図22は、
図1のシステムの部分的な概略斜視図であり、ブロックを、エレベーターケージから、タワーのロウに移すためのステップのシーケンスを図示している。
【
図23】
図23は、
図1のシステムの部分的な概略斜視図であり、ブロックを、エレベーターケージから、タワーのロウに移すためのステップのシーケンスを図示している。
【
図24】
図24は、
図1のシステムにおけるエレベーターケージのためのリフト機構の、ある実現例の部分的な概略側面図である。
【
図26】
図26は、
図1のシステムにおけるエレベーターケージのためのリフト機構の、別の実現例の部分的な概略側面図である。
【
図27】
図27は、
図1のシステムにおけるエレベーターケージのためのリフト機構の、別の実現例の部分的な概略側面図である。
【
図28】
図28は、リフト駆動システムの一部の概略側面図である。
【
図29】
図29は、リフト駆動システムの一部の概略側面図である。
【
図30】
図30は、隣接するエレベーターシャフトにおいてブロックを持ち上げるように動作可能な、タワー上のリフト駆動システムの概略斜視図である。
【
図31】
図31は、タワーにおけるブロックの配置、及び、発電のための、タワーの上部からタワーの下部へのブロックの移動を図示する、
図1のシステムの概略端面図である。
【
図32A】
図32Aは、発電のための、タワーの上部からタワーの下部へのブロックの移動を図示する、
図1のシステムの概略端面図である。
【
図32B】
図32Bは、発電のための、タワーの上部からタワーの下部へのブロックの移動を図示する、
図1のシステムの概略端面図である。
【
図32C】
図32Cは、発電のための、タワーの上部からタワーの下部へのブロックの移動を図示する、
図1のシステムの概略端面図である。
【
図32D】
図32Dは、発電のための、タワーの上部からタワーの下部へのブロックの移動を図示する、
図1のシステムの概略端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に記載されるのは、電気を位置エネルギーに変換し、電気の需要がある時に、位置エネルギーから電気を発生するように動作可能な、エネルギー貯蔵及び供給システムである。エネルギー貯蔵及び供給システムは、電力系統を安定させ、家庭、商業、及び/又は工業の消費者に対して電気を供給するために、電力系統に動作可能に結合され得る。
【0015】
図1-
図2は、貯蔵のために、電気エネルギーつまり電気を位置エネルギーに変換し、例えば、電力系統への供給のために、位置エネルギーを電気エネルギーつまり電気に変換するように動作可能な、例示的な、エネルギー貯蔵及び供給システム1000(「システム」)を図示する。
【0016】
システム1000は、タワー1100の高さ方向Zにおいて延びる1つ以上のカラム1120、フレーム又はタワー1100の幅方向Xにおいて延びる1つ以上のロウ又はフロア1140、及び、フレーム又はタワー1100の奥行き方向Yにおいて、ロウ1140及びカラム1120のセットによって規定される1つ以上の構造体1110(例えばモジュール1100のスライス)を有するフレーム又はタワー1100(本開示ではモジュールとも呼ばれる)を含む。それぞれの構造体1110(例えばモジュール1100のスライス)は、システム1000からのエネルギー需要に依拠して、独立して操作され得る。フレーム1100は、上部1102、下部1104、及び中間部1106を有する。ある実現例では、バラストウェイト又はブロック1300は、上部1102と下部1104との間を移動させられ、下でさらに説明されるように、中間部1106が他の目的のために使用されることを可能にする。
【0017】
ある実現例では、中間部1106は、垂直農法に使用され得る。例えば、中間部1106は温室として動作し得て、照明が施された水耕栽培を提供し、ここで、そのような照明には、エネルギー貯蔵及び供給システム1000によって発電される(例えばブロック1300を下げることによって)電力が供給され得る。別の実現例では、中間部1106は、貯水のために使用され得る。別の実現例では、中間部1106は、材料を貯蔵するための倉庫(例えば無人化された資材庫)として使用され得る。さらに別の実施例では、中間部1106は、データセンター(例えばコンピュータサーバーを格納する)として使用され得て、ここで、データセンターには、エネルギー貯蔵及び供給システム1000によって発電される(例えばブロック1300を下げることによって)電力が供給され得る。したがって、中間部1106は生産的に使用され得て、システム1000の操作の間、空のままになることはなく、システム1000に付加価値を提供する。
【0018】
上部1102及び下部1104は、同一の寸法(例えば同じ数のロウ1140及びカラム1120)を有し得る。いくつかの実現例では、上部1102及び下部1104におけるロウ1140の数は、それぞれ偶数(例えば8,10,12のロウ)である。他の実現例では、上部1102及び下部1104におけるロウ1140の数は、それぞれ奇数(例えば9,11,13のロウ)である。
【0019】
ある実現例では、上部1102及び下部1104はそれぞれ、フレーム又はタワー1100の高さ又は面積の1/4を占め、中間部1106は、フレーム又はタワー1100の高さ又は面積の残りの1/2を構成する。別の実現例では、上部1102及び下部1104はそれぞれ、フレーム又はタワー1100の高さ又は面積の1/3を占め、中間部1106は、フレーム又はタワー1100の高さ又は面積の残りの1/3を構成する。
【0020】
フレーム1100は、複数のエレベーターシャフト1130を含む。例えば、フレーム1100は、ロウ1140の一方の端にエレベーターシャフト(群)1130A、及びロウ1140の反対側の端にエレベーターシャフト(群)1130Bを有し得て(各構造体1110について)、これらを介して、ブロック1300は、下でさらに説明されるように、フレーム1100の上部1102における1つ以上のロウ1140、及びフレーム1100の下部1104における1つ以上のロウの間を移動させられる。ある実現例では、ロウ1140の反対の端にあるエレベーターシャフト1130Bの数と等しい数のエレベーターシャフト1130Aが、フレーム又はタワー1100のロウ1140の一方の端にある。フレーム又はタワー1100は、ある実現例では、30階建てのビルの高さ(例えば約90メートルの高さ)を有し得る。しかし、フレーム又はタワー1100は、30階より低い、又は30階より高い位置(例えば120メートルの高さ)を有してもよい。
【0021】
引き続き
図1を参照すると、ブロック1300は、ロウ1140の端におけるエレベーターシャフト1130A,1130Bまで、ロウ1140に沿って水平に移動させられてから(下でさらに説明される、それぞれのロウ1140におけるトロリーによって)、それぞれのエレベーターシャフト1130A,1130Bにおけるエレベーターケージアセンブリ1400によって(下でより詳細に説明される)、エレベーターシャフト1130A,1130Bに沿って垂直に移動させられる。エレベーターケージアセンブリ1400は、低い位置に移動する(例えば重力下で)ことによって発電し、電動発電機(
図24の1500,
図28の2500)によって、タワー又はフレーム1100の最上部に引き上げられる。カウンターウエイトCWは、エレベーターケージアセンブリ1400の移動を促進する。反対側のエレベーターシャフト1130A,1130Bにおけるエレベーターケージアセンブリ1400の移動は、システム1000の効率を最大にするように同期される。
【0022】
エレベーターシャフト1130A、1130Bの間のロウ1140が長ければ長いほど、ロウ1140はより多くのブロック1300(例えば質量)を保持し得て、システム1000が供給し得るエネルギー(例えばエネルギーの時間)がより大きくなる。エレベーターシャフト1130A,1130Bの奥行き(Y方向における)が深くなればなるほど(例えばY方向における、構造体1110又はモジュール1100のスライスの数が大きくなればなるほど)、システム1000が発電し得る電力量がより大きくなる。ある実現例では、それぞれのエレベーターシャフト1130A,1130Bにおけるエレベーターケージアセンブリ1400の動作は、約500kWと約1000kWとの間(例えば約800kW)の電力を提供し得えて、その結果、1つの構造体1110又はモジュール1100のスライスにおける、2つのエレベーターシャフト1130A,1130Bは約1.6MWを発電し得る。Y方向において8つの構造体1110(例えばモジュール1100のスライス)を有するシステムにおいて、それぞれの構造体1110は2つのエレベーターシャフト1130,1130Bを有し、システムは約12.8MWの電力を発電し得る。ロウ1140の長さが4時間のエネルギーを可能にすると仮定すると、システムの総出力は、約12.8MW×4時間、つまり51.2メガワット時である。
【0023】
図2において最もよく示されているように、フレーム1100は、1つ以上のカラム1120を規定する複数のピラー1160(例えば鉄筋コンクリート、コンクリートのプレキャスト柱でできている)、フレーム1100に安定を提供するようにカラム1120を相互に接続する(例えばフレーム1100の幅方向Xにおいて)横材1170(例えば金属で作られている、筋交の部材)、及び、1つ以上のロウ1140を規定し、カラム1120の間のフレーム1100の奥行き方向Yに延びる横桁1190上で支持される複数の梁(例えばI型鋼)1180で作られてもよい。梁1180及び横桁1190は、金属(例えば鋼材)で作られてもよい。カラム1120は、フレーム1100の奥行き方向Yにおいて、互いに距離1122だけ間隔を空けて配置され得て、ロウ1140は、フレーム1100の高さ方向Zにおいて、互いに距離1142だけ間隔を空けて配置され得る。距離1122,1142は、下でさらに議論されるように、ブロック1300が梁1180上で支持されるように、1つ以上のブロック1300がそれぞれのロウに(縦に並んで)収まるように大きさが決められる。ある実現例では、距離1122,1142は同一であり、ブロック1300が実質的に正方形の端面を有することを可能にし(
図12を参照)、これにより例えば、ブロック1300の製造が単純化できる。ある実現例では、ブロック1300は、地域の土壌及び/又は有償廃棄物(remunerated waste material)(例えばボトムアッシュのような石炭燃焼残渣、廃止された風力タービンブレードからの繊維ガラス、採鉱プロセスからの尾鉱)又は他の再生材料から作られてもよい。
【0024】
図3は、互いに隣接して配置されている2つのモジュール1000A,1000Bを有するエネルギー貯蔵及び供給システム1000’の一部の、部分的な斜視図を示す。モジュール1000A,1000Bはそれぞれ、
図1-
図2に示されているエネルギー貯蔵及び供給システム1000のモジュール1100と類似している。よって、モジュール1000A,1000Bのさまざまな構成要素を示すために使用される参照番号は、数値識別子の末尾に「A」又は「B」が追加されていることを除いては、
図1-
図2におけるモジュール1100の、対応する構成要素を示すために使用される参照番号と同一である。したがって、
図1-
図2におけるモジュール1100のさまざまな特徴についての構造及び説明は、下記のものを除き、
図3におけるシステム1000’のモジュール1000A,1000Bの、対応する特徴にも当てはまることが理解されよう。
【0025】
モジュール1000A,1000Bのエレベーターシャフト1130AA,1130ABは互いに隣接していてもよく、ロウ1140A,1140Bは、両方のモジュール1000A,1000Bに対して(例えば上部1102A,1102Bにおいて)、ほぼ同じ方向に向けられる(例えば正対する)。
図7に示されるように、いずれのブロック1300も、システム1000’のモジュール1000A,1000Bのフレーム1100A,1100Bの中間部1106A,1106Bには格納されない。上で議論されているように、中間部1106A,1106Bは、他の目的のために使用され得る。オプションとして、モジュール1100Aの中間部1106Aは、モジュール1100Bの中間部1106Bとは異なる目的のために使用される。
【0026】
図4は、互いに隣接して配置されている4つのモジュール1000A,1000B,1000C,1000Dを含む、エネルギー貯蔵及び供給システム1000’’の上面図、つまり平面図を示す。モジュール1000A,1000B,1000C,1000Dはそれぞれ、
図1-
図2に示されているモジュール1100と類似している。よって、モジュール1000A,1000B,1000C,1000Dのさまざまな構成要素を示すために使用される参照番号は、数値識別子の末尾に「A」,「B」,「C」又は「D」が追加されていることを除いては、
図1-
図2におけるモジュール1100の、対応する構成要素を示すために使用される参照番号と同一である。したがって、
図1-
図2におけるシステム又はモジュール1100のさまざまな特徴についての構造及び説明は、下記のものを除き、
図4におけるシステム1000’’のモジュール1000A,1000B,1000C,及び1000Dの、対応する特徴にも当てはまることが理解されよう。
【0027】
モジュール1100と同様に、モジュール1000A-1000Dのそれぞれは、システムのロウの互いに反対側の端部群に、2組のエレベーターシャフトを有する。例えば、モジュール1000Aは、ロウ1140Aの互いに反対側の端部群にエレベーターシャフト1130AA及び1130BAを有し、モジュール1000Bは、ロウ1140Bの互いに反対側の端部群にエレベーターシャフト1130AB及び1130BBを有し、モジュール1000Cは、ロウ1140Cの互いに反対側の端部群にエレベーターシャフト1130AC及び1130BCを有し、モジュール1000Dは、ロウ1140Dの互いに反対側の端部群にエレベーターシャフト1130AD及び1130BDを有する。
【0028】
図4に示されているように、ロウ1140A,1140B,1140C,1140Dのそれぞれのセットが、隣接するモジュール1000A-1000Dにおけるロウに対して直交して(例えば垂直に)延びるように、モジュール1000A,1000B,1000C,1000Dのそれぞれは配置される。例えば、モジュール1000Aのロウ1140Aは、モジュール1000Bのロウ1140Bに、及びモジュール1000Dのロウ1140Dに、直交して延びる。モジュール1000A-1000Dの間の、この直交する配置は、モジュール1000A-1000Dそれぞれの安定性を高め、好適には、任意の方向において、モジュール1000A-1000Dに自動でブレース(例えば風及び/又は地震による力に対するブレース)を提供する。上で説明したように、横材1170(例えば対角線上のブレース)は、ロウ1140の方向に沿って、モジュール1100に安定を提供するように(例えばフレーム1100の幅方向Xにおいて)カラム1120を相互に接続する。しかし、フレーム又はモジュール1100を横切る方向には、横材が存在しない。したがって、モジュール1000A-1000Dを互いに直交するように配置することは、1つのフレーム1100における横材1170が、いずれの横材1170も有しない方向において、隣接するモジュール1000A-1000Dに対して構造上の安定又はブレースを提供することを好適には可能にする。モジュール1000A-1000Dのそれぞれは、互いに独立して操作され得る。例えば、操作の間、モジュール1000A-1000Dのうちの1つ以上(例えば1つ,2つ,3つ,又は4つ)は、電気を貯蔵及び発生するように(例えば需要に応じて)操作され得て、又は、残りのモジュール1000A-1000Dについてメンテナンスが実行されている間は、モジュール1000A-1000Dのうちの、いくつかのみが操作され得る。
【0029】
図4は、4つのモジュール1000A-1000Dを示すが、当業者であれば、システム1000’’は、オプションとして、上で説明された方法で配置され得る、任意の個数(例えば2個,3個,5個,6個,7個,8個,10個,12個)のモジュールを有し得ることがわかるだろう。したがって、エネルギー貯蔵及び供給システムは拡張可能であり、数ギガワット時(GWh)のオーダーのエネルギー貯蔵及び供給を提供し得る。モジュール1000A-1000Dは、クリーンエネルギー発電所(例えば太陽エネルギー発電所、風力発電所)の近くで動作し得て、クリーンエネルギー発電所の少なくとも一部を貯蔵するように操作され得る(例えば夜間のような時間外における、電力系統への供給のために)。
【0030】
図5-
図7は、ロウ1140に沿ってブロック1300を移動させるためのシステム1000の特徴を示し、システム1000の特徴についての、上での説明の全ては、
図5-
図7において図示されている特徴に当てはまる。当業者であれば、
図5-
図7における、及び下で説明される同一の特徴は、
図3-
図4におけるシステム1000’、1000’’において実現され得るので、下での説明は、
図3-
図4におけるシステム1000’、1000’’にも当てはまることがわかるだろう。
【0031】
図5を参照すると、ブロック1300は、フレーム又はタワー1100のロウ1140における一対の梁1180上で(例えば固定位置で)支持され得る。梁1180は、ブロック1300がそこで支持されている梁1180の上部(例えば上部フランジ)、及び梁1180の底部(例えば底部フランジ)の間の溝1182(
図7において最もよく示されている)を規定する、I型鋼又はC字形断面を有してもよい。梁1180は、エレベーターシャフト1130に向かって延び、ブロック1300の、エレベーターシャフト1130におけるエレベーターケージアセンブリ1400への移送を可能にし、エレベーターケージアセンブリ1400は、下でさらに説明されるように、ブロック1300を、異なる垂直位置に移動させるように操作され得る。エレベーターケージアセンブリ1400の、ある実現例が、
図8-
図23に示される。電動発電機1500(
図24、又は
図28の2500を参照)は、エレベーターシャフト1130の少なくとも一部の中に又はそれに接して(例えばエレベーターケージアセンブリ1400最上部の位置より上の垂直位置において)取付され得る。
【0032】
ブロック1300は、端部から見た時、概ね長方形(例えば正方形)の形状を有し得る(
図7を参照)。ある実現例では、ブロック1300は、ピラー1160のテーパー末端1162の形状に概ね対応する、1つ以上の(例えば一対の)、面取りされた又は先端を切ったような形の角1310を有してもよい。梁1180のフック部(例えばC字形)1183(
図5を参照)は、梁1180の下に延びるピラー1160のテーパー末端1162によって支持され得て、梁1180の上に延びるピラー1160を少なくとも部分的に囲み得て、梁1180のピラー1160への結合を促進し、梁1180をピラー1160に横方向に(X方向に)固定する。上述のように、ある実現例では、ロウ1140の幅1122及び高さ1142は、ほぼ等しく、正方形の形状を規定する。ある実現例では、ブロック1300は、ロウ1140の幅1122及び高さ1142に近似する大きさに作られ、ブロック1300が、ロウ1140の開口部を通過することを可能にする。
【0033】
トロリー1200は、梁1180に移動可能に結合され得て、梁1180上で支持されるブロック1300の下に、選択的に配置され得る(
図7を参照)。ロウ1140の梁1180上で支持される1つ以上のブロック1300を有する、それぞれのロウ1140は、ブロック1300をロウ1140に沿って移動させるように、1つ以上のトロリー1200を有し得る。トロリー1200は、フレーム1230の対向する辺上にある車輪1210を含み得て、ここで、車輪1210は、ブロック1300が支持されている(一対の)梁1180の溝1182内を移動(例えば回転)する(例えば車輪1210は、梁1180の底部フランジ上を回転する)。トロリー1200は、例えば、フレーム1230の対向する辺上に、トロリー1200がブロック1300の下に配置される時にブロック1300の底部側に面する、1つ以上の駆動可能な支持ピストン1220も含む。支持ピストン1220は、支持ピストン1220がブロック1300と接触しない、格納された状態と、ブロック1300と接触し、ブロック1300を梁1180の上に(例えば約2センチ又は1インチ上に)持ち上げるように(例えばブロック1300の重量が支持ピストン1220のみによって支持されていることによって、トロリー1200が、ブロック1300を水平に(例えばX方向に沿って)移動させることを可能にするように)支持ピストン1220がフレーム1230から垂直方向に(例えば上の方に)移動された、伸長された位置との間で、駆動可能である(例えば油圧で、空気圧で、電動発電機によって電気的に)。ある実現例では、
図5-
図6で示されているように、トロリー1200は、二対の支持ピストン群1220及び二対の車輪アセンブリ群1210を有し得て、それぞれの支持ピストン1220は、車輪アセンブリ群1210のうちの1つと正対する。別の実現例では、支持ピストン1220は、フレーム1230の幅と概ね一致する幅を持つプラットフォームによって置き換えられてもよく、ここで、プラットフォームは、ブロック1300の底面に係合しない、格納された位置と、ブロック1300と接触し、ブロック1300を梁1180から持ち上げる、伸長された位置との間で、移動し得る。
【0034】
いったん、トロリー1200が、梁1180の上にブロック1300を持ち上げると(例えばブロック1300が梁1180と接触しないように)、トロリー1200は、ブロック1300をロウ1140に沿って(例えばX方向において水平に)平行移動させることができ、例えば、下でさらに説明されるように、ブロック1300をエレベーターケージアセンブリ1400に移送するように、エレベーターシャフト1130に向かって平行移動させることができる。
【0035】
エレベーターケージアセンブリ1400は、エレベーターケージ1410の下の基部1420に移動可能に結合されたエレベーターケージ1410を備え得る。エレベーターケージ1410は、底部支持体1412、後壁1414、及び上部支持体1416を備え得る。ある実現例では、エレベーターケージ1410は、底部支持体1412と上部支持体1416との間に延びる側壁も備え得る。
図17において最もよく示されているように、上部支持体1416は、底部支持体1412より、長さが短くてもよい。下でさらに説明されるように、上部支持体1416は、ケーブル又はリボン1520の一方の端において、1つ以上のケーブル又はリボン(例えば金属リボン)1520に結合され、ケーブル又はリボン1520の他方の端において、カウンターウエイトCWに結合される。ある実現例では、エレベーターケージ1410は、C字形断面(
図17に示されるように、側面から見た時に)を有し得る。
【0036】
1つ以上(例えば複数、4つ)の支持体1430は、底部支持体1412に、移動可能に結合される。ある実現例では、1つ以上の支持体1430は、同時に移動される。オプションとして、1つ以上の支持体1430は、油圧で駆動される(例えば油圧アクチュエータによって駆動される)ことによって、底部支持体1412に対する低い位置と、底部支持体に対する高い位置との間で移動する。別の実現例では、1つ以上の支持体1430は、ソレノイドアクチュエータ(例えば、電気的に駆動される)によって、底部支持体1412に対する低い位置と、底部支持体1412に対する高い位置との間で移動させられる。さらに別の実現例では、1つ以上の支持体1430は、空気圧で駆動される(例えば空気圧式アクチュエータによって駆動される)ことによって、底部支持体1412に対する低い位置と、底部支持体に対する高い位置との間で移動する。好適には、1つ以上の支持体1430は、底部支持体1412に対して、1つ以上のケーブル又はリボン1520の伸長量又は伸縮量より大きい移動距離(例えば折り畳まれた位置と伸長された位置との間)を有するので(例えば1つ以上の支持体1430が駆動されることによって、ブロック1300に吊り上げ力を加える時)、下でさらに説明されるように、1つ以上の支持体1430が、梁1180からブロック1300を持ち上げることが可能になる。したがって、支持体1430は、ケーブル又はリボン1520の伸長量又は伸縮量を補償するのに十分な移動距離を有するので、したがって、ブロック1300を、梁1180から持ち上げることができる。好適には、主電動機1500を動作させることによってブロック1300を持ち上げる(
図24、又は
図28の2500を参照)代わりに、支持体(群)1430が駆動される(例えば油圧で)ことによってブロック1300を持ち上げることにより、ケーブル(群)又はリボン(群)1520によってエレベーターケージ1410を持ち上げ、その結果、主電動機1500は、ロウ群又はフロア群1140の間でエレベーターケージ1410を移動させるためだけに動作される。
【0037】
上で説明したように、エレベーターケージ1410は、エレベーターケージ1410の下の基部1420に、移動可能に結合されている。そのような移動は、エレベーターケージ1410を、基部1420に対して水平方向又は横方向に移動させるスライディングアセンブリ1440によって提供され、エレベーターケージ1410が、ロウ又はフロア1140に出入りすることが可能になる(例えば
図10-
図13に示されるように)。例えば
図19に示されるように、スライディングアセンブリ1440は、基部1420とエレベーターケージ1410との間に配置され、かつ、基部1420及びエレベーターケージ1410に結合された、1つ以上の(例えば2つの、複数の)レール1442を備え、それは、基部1420及びエレベーターケージ1410の相対的な移動を可能にする。スライディングアセンブリ1440は、エレベーターケージ1410を、基部1420に対して横方向に移動させるリニアアクチュエータ1444も備える。ある実現例では、リニアアクチュエータ1444は、油圧で駆動されるピストンシリンダアセンブリである。別の実現例では、リニアアクチュエータ1444は、空気圧で駆動されるピストンシリンダアセンブリである。さらに別の実現例では、リニアアクチュエータ1444は、電気的に駆動されるアセンブリ(例えばピストンがソレノイドアクチュエータによって動かされるピストンシリンダアセンブリ)である。さらに別の実現例では、リニアアクチュエータ1444は、ラック及びピニオンのアセンブリであり、ここで、ピニオンは回転させられる(例えば電動アクチュエータによって)ことによって、ラックを直線的に移動させる。
【0038】
スライディングアセンブリ1440の1つ以上の支持体1430及びリニアアクチュエータ1444が油圧で駆動される実現例では、油圧システムが迅速に動作することによって、1つ以上の支持体1430及びリニアアクチュエータ1444の高速移動を実現することができる。ある実現例では、油圧システムはアキュムレータを備えてもよく、ポンプが動作されることによって(例えば単独で動作される)、アキュムレータ内の流体(例えば油のような非圧縮性液体)を、130バール-250バールのように加圧する。それから、1つ以上の支持体1430(例えば支持体(群)1430を延ばすことによってブロック1300を持ち上げるように)又はリニアアクチュエータ1444(例えば基部1420に対して、エレベーターケージ1410を横方向に移動させるように)を駆動するよう流体が油圧システムを流れるように、バルブは駆動され得る。
【0039】
図8に示されるように、システム1000は、ガイドレールGRをエレベーターシャフト1130に有し、ガイドレールGRに沿ってエレベーターケージアセンブリ1400及びカウンターウエイトCWは移動する(例えば基部1420は、ガイドレールGRのうちの一方に移動可能に結合され、カウンターウエイトCWは、ガイドレールGRのうちの他方に移動可能に結合される)。ガイドレールGRは、例えば、ロウ又はフロア1140ごとに、クロスバーCBに結合され(
図8を参照)、それは、ガイドレールGRに水平方向の支持を提供し、同様に、エレベーターケージ1410が基部1420対して横方向に動く時に、エレベーターケージ1410に水平方向の支持を提供する(例えば
図10-
図13に示されるように)。
【0040】
図13において最もよく示されているように、ブロック1300をエレベーターシャフト1130に沿って移動させる(例えばロウ又はフロア1140の間で)時に、ケーブル又はリボン1520は、好適には、エレベーターケージアセンブリ1400及びブロック1300の重心と正対させられる。ケーブル又はリボン1520は、エレベーターケージアセンブリ1400の隣のガイドレールGRと、正対させられ、又は、中央へ位置合わせもされる。これは、ガイドレールGRに必要以上の力(例えば曲げ荷重)をかけることなく、エレベーターシャフト1130に沿ったブロック1300の移動を促進する。同様に、エレベーターケージ1410が空である(例えばブロック1300を運んでいない)時、ケーブル又はリボン1520は、好適には、エレベーターケージアセンブリ1400と、エレベーターケージアセンブリ1400の隣のガイドレールGRとの重心と正対させられ、エレベーターケージアセンブリ1400のエレベーターシャフト1130に沿った移動の間に、エレベーターケージ1410が傾く、又は、ガイドレールGRに必要以上の力(例えば曲げ荷重)がかかることを抑制する(例えば阻止する)。同様に、ケーブル又はリボン1520は、カウンターウエイトCWの重心と正対させられ、かつ、カウンターウエイトCWの隣のガイドレールGRと正対させられ、又は、中央へ位置合わせされることによって、ガイドレールGRに必要以上の力をかけることも、カウンターウエイトCWにモーメントを加えることもなく、カウンターウエイトCWの移動を促進する。
【0041】
図8-
図23は、ブロック1300をロウ又はフロア1140からピックアップして、それを、異なるロウ又はフロア1140に運搬するための、エレベーターケージアセンブリ1400の動作のシーケンスを図示する。
図8-
図14は、ブロック1300をロウ又はフロア1140からピックアップして、それを、エレベーターシャフト1130に沿って、より高いロウ又はフロア1140に引き上げるための、エレベーターケージアセンブリ1400の動作のシーケンスの斜視図を示す。当業者であれば、エレベーターシャフト1130に沿ってブロックを下げ、それを、より低いロウ又はフロア1140に運搬するためのシーケンスは、
図8-
図14に示されていることの逆のシーケンスであることが分かるであろう。
図15-
図17は、ブロック1300を、ロウ又はフロア1140の梁1180上に運搬するための、エレベーターケージアセンブリ1400の動作のシーケンスの側面図を示す。当業者であれば、ロウ又はフロア1140の梁1180から、ブロック1300をピックアップするためのシーケンスは、
図15-
図17に示されていることの逆のシーケンスであることが分かるであろう。
図18-
図20は、ブロック1300を、ロウ又はフロア1140の梁1180からピックアップするための、エレベーターケージアセンブリ1400の動作のシーケンスの上面図を示す。当業者であれば、ブロック1300を、ロウ又はフロア1140の梁1180上に運搬するためのシーケンスは、
図18-
図20に示されていることの逆のシーケンスであることが分かるであろう。
図21-
図23は、ブロック1300を、ロウ又はフロア1140の梁1180上に運搬するための、エレベーターケージアセンブリ1400の動作のシーケンスの底面斜視図を示す。当業者であれば、ブロック1300を、ロウ又はフロア1140の梁1180からピックアップするためのシーケンスは、
図21-
図23に示されていることの逆のシーケンスであることが分かるであろう。
【0042】
図8-
図9は、ブロック1300がエレベーターケージアセンブリ1400によってピックアップされるように、ブロック1300を、ロウ又はフロア1140の梁1180の端部(例えばカンチレバー構造の端部)1180aに運んでいるトロリー1200を示す。いったん、梁1180の端部1180aの上に来ると、トロリー1200は、ブロック1300を端部1180a上に下げ、ブロック1300から離れ(例えばロウ又はフロア1140から別のブロック1300をピックアップするために)、
図10に示され、
図18にも示されるように、ブロック1300は、梁1180の端部1180aによって支持されたままになる。ブロック1300は、好適には、エレベーターケージアセンブリ1400がロウ又はフロア1140に到着する前に、梁1180の端部1180aに運搬され得る。
【0043】
引き続き
図10を参照すると、エレベーターケージアセンブリ1400は、ほぼ、ロウ又はフロア1140の高さに到着する。好適には、ブロック1300をロウ又はフロア1140の梁1180からピックアップできるようにするためには、又は、ブロック1300をロウ又はフロア1140の梁1180上に運搬することができるようにするためには、エレベーターケージアセンブリ1400は、ロウ又はフロア1140の梁1180と正確に正対させられなくてもよく、ロウ又はフロア1140の梁1180と高さが合わせられなくてもよい。加えて、ブロック1300をそこからピックアップし、又はブロック1300をそこに運搬するためには、エレベーターケージアセンブリ1400は、好適には、ロウ又はフロア1140の梁1180に係合する(例えば固定する)必要がないので、それによって、システム100において、エレベーターケージアセンブリ1400を用いてブロック1300を移動させるための構造及びプロセスを簡略化できる。
【0044】
図11-
図14は、エレベーターケージアセンブリ1400を用いて、ブロック1300をロウ又はフロア1140の梁1180からピックアップし、ブロック1300を異なる垂直位置(例えば異なるロウ又はフロア1140)に動かすためのシーケンスを図示する。
図10と比較すると、
図11は、エレベーターケージ1410の底部支持体1412が、ブロック1300の下に配置されるように、基部1420に対して横方向に移動させられる(例えばスライディングアセンブリ1440によって、具体的には、リニアアクチュエータ1444の駆動によって)エレベーターケージ1410を示す。ブロック1300の下の底部支持体1412のそのような移動は、
図18-
図20及び
図21-
図23にも示される。エレベーターケージ1410(例えば底部支持体1412)の幅は、梁1180の間の間隔Dより狭い(
図20を参照)ので、エレベーターケージ1410は、梁1180の端部1180aに対して移動する(妨げられることなく)ことができ、底部支持体1412をブロック1300の下に配置できる。エレベーターケージ1410が、ブロック1300に向かって横方向に移動する間、ガイドレールGRは、エレベーターケージアセンブリ1400の基部1420を支持する(例えば横方向に支持する)。
【0045】
図12を参照すると、1つ以上の支持体1430が駆動される(例えば油圧駆動のような方法で例えば延ばされる)ことによって、ブロック1300は、梁1180から(例えば梁1180の端部1180aから)持ち上げられる。
図12と比較すると、
図13は、ブロック1300が、エレベーターシャフト1130内にあり、ロウ又はフロア1140の外にあるように、基部1420の上方へと後退させられたエレベーターケージ1410を示す。それからエレベーターケージアセンブリ1400は、運転されることによって(例えばケーブル又はリボン1520を移動させる電動機1500(
図24、又は
図28の2500を参照)によって)、
図14に示されるように、ブロック1300を、異なるロウ又はフロア1140に垂直に移動させる。
【0046】
図15-
図17は、エレベーターケージアセンブリ1400を用いて、ブロック1300をロウ又はフロア1140に運搬し、ブロック1300をロウ又はフロア1140の梁1180に下げるためのシーケンスを図示する。いったん、ブロック1300が、エレベーターケージアセンブリ1400によって、エレベーターシャフト1130に沿って所望のロウ又はフロア1140まで移動させられたら、
図15に示されるように、エレベーターケージ1410の底部支持体1412、及びその上で支持されているブロック1300が、梁1180の上方に(例えば梁1180の端部1180aの上方に)移動させられるように、エレベーターケージ1410は、基部1420に対して横方向に移動させられる(例えばスライディングアセンブリ1440によって、具体的には、基部1420に対してエレベーターケージ1410を延ばすようなリニアアクチュエータ1444の駆動によって)。1つ以上の支持体1430が駆動される(油圧駆動のような方法で、例えば収縮させられ、下げられる)ことによって、ブロック1300を梁1180上に降ろし(例えば梁1180の端部1180a上に)、
図16に示されるように、エレベーターケージ1410は、基部1420の上方の位置へ後退し始める(例えばスライディングアセンブリ1440によって、具体的には、基部1420に対してエレベーターケージ1410を後退させるようなリニアアクチュエータ1444の駆動によって)。エレベーターケージ1410は、基部1420の上方の定位置に移動させられ(
図17に示される)、その後、エレベーターケージアセンブリ1400は動作され、異なるロウ又はフロア1140に移動することができる(例えばブロック1300をピックアップするために)。
【0047】
好適には、ブロック1300を、ピックアップし、持ち上げ、及び下ろすためのエレベーターケージ1410の移動は、速くてもよい。ある実現例では、エレベーターケージ1410は、空のとき(例えばブロック1300を運んでいないとき)、約1秒-1.5秒で、基部1420の上方の定位置(例えば
図10に示される)からブロック1300の下の位置(
図11を参照)まで、又は、ブロック1300の下の位置から基部1420の上方の定位置まで移動させられ得る。ある実現例では、1つ以上の支持体1430は、約3秒で、ブロック1300を梁1180から持ち上げ得て、又は、ブロック1300を梁1180に下げ得る。ある実現例では、エレベーターケージ1410は、ブロック1300を運んでいるとき、約2秒で、基部1420の上方の定位置から梁1180の上方の位置(
図15を参照)まで、又は、梁1180の上方の位置から基部1420の上方の定位置まで移動させられ得る。好適には、エレベーターケージ1410は、梁1180の上方の位置(
図12を参照)と、エレベーターシャフト1130内の位置(
図13を参照)との間で、吊り下げ荷重を移動させるので、基部1420に対するエレベーターケージ1410の移動は、最小限の摩擦又は損失で行われ得る。加えて、システム1000は、好適には、トロリー1200及びエレベーターケージアセンブリ1400による、ブロック1300の移動の調整を必要としない。上述のように、トロリー1200が動作されることによって、ブロック1300を、梁1180の端部1180aに移動させることができ、エレベーターケージアセンブリ1400が、後で到着し、ブロック1300をピックアップすることができる。
【0048】
図24-
図25は、エレベーターケージアセンブリ1400を移動させるための、リフト駆動システムDの概略図を示す。ある実現例では、それぞれのエレベーターケージアセンブリ1400は、別個のリフト駆動システムDによって駆動される。別の実現例では、リフト駆動システムDは、別個の(例えば隣接している)エレベーターシャフト1130において、2つのエレベーターケージアセンブリ1400を動作し得る(下でさらに説明される、
図28-
図30のリフト駆動システム2000のように)。リフト駆動システムDは、エレベーターシャフト1130の上のような、システムのタワー1100の上部に配置され得る。リフト駆動システムDは、シャフト1510を駆動する(例えば回転させる)電動発電機1500を備え得る。ケーブル又はリボン(例えば鋼鉄帯)1520は、エレベーターケージアセンブリ1400に取付された一端から、シャフト1510の周りを通り、カウンターウエイトCWに取付されたケーブル又はリボン1520の他端まで延びる。
図24-
図25に示されるように、ケーブル又はリボン1520は、エレベーターケージアセンブリ1400の垂直上方に配置されたローラーR1の周りに、少なくとも部分的に延びてもよく、カウンターウエイトCWの垂直上方に配置されたローラーR2の周りに、少なくとも部分的に延びてもよい。
【0049】
リフト駆動システムDのある実現例では、電動発電機1500は、シャフト1510を反時計回りの方向に回転させることによって(
図24に示されるように)エレベーターケージアセンブリ1400を下げて(エレベーターシャフト1130に沿って、具体的には所望のロウ又はフロア1140まで)、カウンターウエイトCWを引き上げることができ、又は、シャフト1510を時計回りの方向に回転させることによって(
図24に示されるように)エレベーターケージアセンブリ1400を引き上げて(エレベーターシャフト1130に沿って、具体的には所望のロウ又はフロア1140まで)、カウンターウエイトCWを下げることができる。エレベーターケージアセンブリ1400及びカウンターウエイトCWがエレベーターシャフト1130に沿って移動するとき、ローラーR1,R2は、ケーブル又はリボン1520を垂直方向に維持する。これは、好適には、ケーブル又はリボン1520が、エレベーターケージアセンブリ1400及びカウンターウエイトCWに、傾けるような力又はモーメントを加えることを抑制(例えば阻止)する。この傾けるような力又はモーメントは、エレベーターシャフト1130に沿った移動の間にエレベーターケージアセンブリ1400及びカウンターウエイトCWを揺らす、又はガイドレールGRに力を加えてしまうものであり、これを抑制(例えば阻止)することによって、エレベーターケージアセンブリ1400及びカウンターウエイトCWを引き上げて下げる間の、効率が向上し、エネルギー損失(例えば摩擦による)が削減される。
【0050】
図25を参照すると、ある実現例では、エレベーターケージアセンブリ1400の垂直上方のローラーR1は、固定された位置にある。例えば、ブロック1300をロウ又はフロア1140からピックアップする、又はブロック1300をロウ又はフロア1140に運搬するように、エレベーターケージ1410が、基部1420に対して横方向に移動する時(
図8-
図23に関連して上で説明されたように)、ケーブル又はリボン1520は、垂直方向から、垂直に対して角度をなす方向(角度αにおいて)に動く(例えばケーブル又はリボン1520は、エレベーターケージ1410に結合されているので)。ケーブル又はリボン1520の、そのような各変位により、エレベーターケージアセンブリ1400によって、ガイドレールGRに、傾けるような力又はモーメントが加えられる可能性がある。ある実現例では、エレベーターケージアセンブリ1400が、タワー1100のより低い位置(例えば
図31のロウ群L1-L8)にある場合、そのような角度及びガイドレールGRに加えられる力は、比較的小さくなり得るが、そのような角度(α)及びガイドレールGRに加えられる力は、エレベーターケージアセンブリ1400が引き上げられる(例えば
図31のロウ群U1-U8)につれて増加し得て、タワー1100の最上部のロウで最も大きい角度(α)及び力となる。
【0051】
図26は、
図24におけるリフト駆動システムDと類似しているリフト駆動システムD’を示す。よって、リフト駆動システムD’のさまざまな構成要素を示すために使用される参照番号は、
図24のリフト駆動システムDの、対応する構成要素を示すために使用される参照番号と同一であり、
図24のリフト駆動システムDのさまざまな特徴についての構造及び説明は、後述のものを除き、
図26におけるリフト駆動システムD’の、対応する特徴にも当てはまることが理解されよう。
【0052】
図26のリフト駆動システムD’は、例えば、ブロック1300をロウ又はフロア1140からピックアップするように、又はブロック1300をロウ又はフロア1140に運搬するように、エレベーターケージ1410が基部1420対して横方向に移動する時(
図8-
図23に関連して上で説明されたように)、エレベーターケージアセンブリ1400の垂直上方に配置されたローラーR1が、ケーブル又はリボン1520を実質的に垂直に維持することを可能にする可変位置を有するという点で、
図24のリフト駆動システムDとは異なる。好適には、これによって、ケーブル又はリボン1520が、エレベーターケージアセンブリ1400に、傾けるような力又はモーメントを加えることを抑制(例えば阻止)する。この傾けるような力又はモーメントは、ガイドレールGRに力を加えてしまうものであり、これを抑制(例えば阻止)することによって、エレベーターケージアセンブリ1400がブロック1300をピックアップ又運搬するように動作している間の、ガイドレールGRに対する負荷または応力が低くなる。
【0053】
ある実現例では、ローラーR1は、スライディング機構に移動可能に結合され得て、ここで、アクチュエータ(例えばリニアアクチュエータ、具体的には油圧アクチュエータ)は、ローラーR1を動かし得て(
図26に示されているように水平方向に)、具体的には、基部1420に対するエレベーターケージ1410の移動と同時に動かすことによって、エレベーターケージ1410がエレベーターケージアセンブリ1400の基部1420に対して移動する時に、ケーブル又はリボン1520を、エレベーターケージ1410とローラーR1との間で実質的に垂直に維持する。オプションとして、基部1420に対するエレベーターケージ1410の移動を制御する同じコントローラは、ローラーR1の移動も制御する。ある実現例では、そのような移動の間にエレベーターケージアセンブリ1400が存在するロウ又はフロア1140に関係なく、ローラーR1は、エレベーターケージアセンブリ1400の基部1420に対するエレベーターケージ1410の移動とともに(例えば同時に)横方向に移動するように駆動される。別の実現例では、タワー1100のロウ又はフロア1140の全てではなくいくつかについて、エレベーターケージアセンブリ1400の基部1420に対するエレベーターケージ1410の移動とともに(例えば同時に)横方向に移動するように、コントローラはローラーR1を駆動し得る。例えば、エレベーターケージアセンブリがタワー1100の低いフロア(例えば
図31のロウ群L1-L8)にある時は、コントローラは、基部1420に対するエレベーターケージ1410の移動の間、ローラーR1を固定された位置で維持し得て、一方、タワー1100の高いフロア(例えば
図31のロウ群U1-U3,ロウ群U1-U5,ロウ群U1-U8)にある時は、基部1420に対するエレベーターケージ1410の移動とともに(同時に)ローラーR1を横方向に動かし得る(例えばこのような場合は、
図25に示される、ケーブル又はリボン1520と垂直との間の角度α、及びガイドレールGRに加えられる力は、大きくなり得るので)。
【0054】
図1に示されるように、タワー1100は、奥行き、つまりY方向に、複数のモジュール群を有し得て、それぞれのモジュールは、ロウ又はフロア1140の両端にエレベーターシャフト1130を備えた複数のロウ又はフロア1140を有し、エレベーターケージアセンブリ1400は、それぞれのエレベーターシャフト1130において移動することができる。
図27を参照すると、電動発電機1500’が、別のエレベーターシャフト1130の上方に配置され得て(例えば
図27の紙面奥に向かって)、電動発電機1500と同じように動作することによって、その関連付けられたエレベーターケージアセンブリ1400を、そのエレベーターシャフト1130に沿って移動させ、ブロック1300を、そのエレベーターシャフト1130に関連付けられたロウ又はフロア1140に、ピックアップし、引き上げ又は下げ、及び運搬する(例えば
図1のタワー1100の、紙面の奥行き方向、つまりY方向の異なるモジュールにおいて)。電動発電機1500,1500’、及びそれらの関連付けられたシャフト1510,1510’は、例えば、横方向に軸がずらされ得る(
図27に示されるように)ので、これによって、リフト駆動システムDが、エレベーターシャフト1130の上方に収まることを可能にする(例えば互いに干渉することなく)。電動発電機1500’によって動かされ、及び、それぞれのエレベーターケージアセンブリ1400及びカウンターウエイトCWに取付されるケーブル又はリボン1520は、それらの関連付けられたローラーR1,R2の周りに、少なくとも部分的に延び、このローラーR1,R2は、電動発電機1500に関連付けられたローラーR1,R2と正対させられ得る(
図27の奥行き方向、つまり
図1のY方向において)。ある実現例では、ケーブル又はリボン1520がローラーR1,R2及びそれらの対応するエレベーターケージアセンブリ1400及びカウンターウエイトCWの間で奥行き方向に正対され、エレベーターケージアセンブリ1400が正対され(例えば奥行き方向に)、及び、カウンターウエイトCWが正対される(奥行き方向に)ように、ローラーR1,R2は、奥行き方向に(例えば
図1のY方向に)正対され得る。
【0055】
図28は、
図1のシステム1000のタワー1100において使用される、リフト駆動システム2000の一部を示す。システム2000は、クラッチ2200に取付された出力軸2110をもつ、電動機2100(例えば電動発電機1500に類似している)を備える。シャフト2300は、クラッチ2200の反対側の端部に結合され、その結果、クラッチ2200は、モーター2100とシャフト2300との間にある。シャフト2300は、第1部分2310及び第2部分2320を有する。ブレーキアセンブリ2400は、シャフト2300の、第1部分2310及び第2部分2320の間に、少なくとも部分的に配置される。ブレーキアセンブリ2400は、第1部分2310及び第2部分2320の間のシャフト2300の周りに取付がされたブレーキディスク2410と、ディスク2410の両側に配置されて、ディスク2410と選択的に係合するように動作可能なブレーキパッド機構2420とを備えることによって、ディスク2410の回転を抑制する(例えば防止する)ようにディスク2410と摩擦係合し、それによって、シャフト2300の回転を阻止し、ディスク2410の回転を可能にするようにディスク2410から選択的に解放し、それによって、シャフト2300の回転が妨げられないようにする。シャフト2300の端部2330は、さらに下で説明されるように、電動機2500(例えば電動発電機)に結合され得る。ある実現例では、電動機2500は、50kWの電動機であってもよく、非同期電動機であってもよい。ある実現例では、電動機2100は、800kW-1000kWの電動機であってもよく、同期電動機であってもよい。リフト駆動システム2000の詳細は、2021年7月7日に出願された、米国仮出願62/203070に記載されており、ここに参照により援用される。
【0056】
図29は、リフト駆動システム2000の実現例を示し、
図30は、2つの隣接するエレベーターシャフト1130A,1130Bの上方のタワー又はフレーム1100の最上部の(例えば
図1に示されるように、タワー1100の、Y方向、つまり奥行き方向において)、
図29のリフト駆動リフト駆動システム2000を示す。
図27に関連して上で説明されたように、2つの他の隣接するエレベーターシャフトに対するリフト駆動システム2000(例えばエレベーターシャフト1130Aの左側に隣接するか、又はエレベーターシャフト1130Bの右側に隣接する)は、
図30に示されているリフト駆動システム2000に対して、横方向に軸がずらされ得る(例えば
図30おいて、紙面奥に向かって又は紙面手前に向かって)。
【0057】
図29を参照すると、電動機2100は、電動機2100の両端にある2つのクラッチ2200A,2200Bに結合する2つの出力軸群(不図示)を有し、それらは、第1シャフト部分2310A,2310B、及び第2シャフト部分2320A,2320Bを有するシャフト2300A,2300Bに結合し、ブレーキアセンブリ2400A,2400Bは、第1シャフト部分2310A,2310B、及び第2シャフト部分2320A,2320Bの間に配置される。シャフト2300A,2300Bは、端部2330A,2330Bを有する。示されていないが、電動機2500に類似している電動機(例えば電動発電機)は、端部2330A,2330Bのそれぞれと、動作可能に結合されてもよい。
【0058】
図30を参照すると、ケーブル又はリボン(例えば鋼鉄帯)1520Aは、第1部分2310A及び第2部分2320Aの周りに少なくとも部分的に延び、フレーム又はタワー1100のエレベーターシャフト1130A内を移動するエレベーターケージアセンブリ1400A(例えば上述のエレベーターケージアセンブリ1400と類似している)に動作可能に結合し得る。ケーブル又はリボン(例えば鋼鉄帯)1520Bは、第1部分2310B及び第2部分2320Bの周りに少なくとも部分的に延び、フレーム又はタワー1100のエレベーターシャフト1130B内を移動するエレベーターケージアセンブリ1400B(例えば上述のエレベーターケージアセンブリ1400と類似している)に動作可能に結合し得る。示されていないが、第1シャフト部分2310A,2310B、及び第2シャフト部分2320A,2320B上に延びる、ケーブル又はリボン1520A,1520Bの部分は、
図1及び8-23においてカウンターウエイトCWに接続するのと同じように、カウンターウエイトに接続する。
図30は、タワー1100の最上部に配置されたリフト駆動システム2000を示すが、別の実現例では、リフト駆動システムはタワー1100の底部に配置され得て、ケーブル又は鋼鉄帯は、そこから上へ延び、滑車の上を通り、ケーブル又はリボンを、エレベーターケージアセンブリ及び/又はカウンターウエイトの方向へ向ける。
【0059】
図29-
図30を参照すると、動作中、電動機2100は電力系統に接続され得て、電力系統で常に動作され得る。電動機2100のシャフト2110は、一方向のみに回転する。
図30は、タワー1100のより低い位置に存在するエレベーターケージアセンブリ1400Bと、タワー1100のより高い位置に存在するエレベーターケージアセンブリ1400Aとを示す。エレベーターケージアセンブリ1400Bは、クラッチ2200Bを電動機2100から解放することによって、かつ垂直位置においてエレベーターケージアセンブリ1400Bを維持するように、ブレーキ2400Bを係合することによって、より低い位置で維持される(例えばブロック1300をピックアップして、より高い位置に移動させるように)。いったんエレベーターケージアセンブリ1400Bが上昇させられる準備ができると、クラッチ2200Bが完全に係合される(例えば開放)まで、クラッチ2200Bは徐々に係合され、ブレーキ2400Bは徐々に解放され、電動機2100のシャフト2110の回転によって、シャフト2300Bは回転され、エレベーターケージアセンブリ1400Bは上昇させられる(例えばケーブル又はリボン1520Bを引き上げ、第1及び第2部分2310B,2320B上に配置することによって)。エレベーターケージアセンブリ1400Bが持ち上げられる時、ケーブル又はリボン1520Bの反対側に動作可能に結合されたカウンターウエイト(不図示)は下げられる。いったん、エレベーターケージアセンブリ1400Bが、タワー1100の、所望のより高い位置に到達すると、クラッチ2200Bは解放され、ブレーキ2400Bは係合され、エレベーターケージアセンブリ1400Bが、ブロック1300を、ロウ又はフロア1140の梁1180に下げることを可能にする(上述のように)。いったん、エレベーターケージアセンブリ1400Bが空になり(及び、エレベーターケージ1410が、基部1420の上方の定位置にあり)、下げられる準備ができると、それは、エレベーターケージアセンブリ1400Aを下げるために下で説明されるのと同様の方法で下げられ得る。
【0060】
引き続き
図30を参照すると、エレベーターケージアセンブリ1400Bは持ち上げられる準備ができている一方で、エレベーターケージアセンブリ1400Aは、より高い位置において、下げられる準備ができている。このより高い位置において、クラッチ2200Aが解放されており、ブレーキ2400Aは係合されていることによって、エレベーターケージアセンブリ1400Aが、ブロック1300を、ロウ又はフロア1140の梁1180に下げることを可能にする(上述のように)。いったん、エレベーターケージアセンブリ1400Aが空になる(及び、エレベーターケージ1410が、基部1420の上方の定位置にある)と、ブレーキ2400Aは解放され、クラッチ2200Aは解放されたままになり、シャフト2300Aの端部2330Aに取付がされた電動機2100は、シャフト2300Aを反対方向に回転させることによって、急速にエレベーターケージアセンブリ1400Aをより低い位置に下げ、別のブロック1300をピックアップする。電動機2100は、オプションとして、可変周波数駆動を用いて動作することによって、下げられた時に、エレベーターケージアセンブリ1400Aを正確に配置し得る。いったん、エレベーターケージアセンブリ1400Aがブロック1300をピックアップし、引き上げられる準備ができると、それは、エレベーターケージアセンブリ1400Bを引き上げるために上述されたのと同様の方法で、引き上げられ得る。
【0061】
上述の方法において、クラッチ群2200A,2200Bのうちの一方は、常に係合され、クラッチ群2200B,2200Aのうちの他方は、常に解放されるので、エレベーターケージアセンブリ群1400A,1400Bのうちの一方が引き上げられている時、エレベーターケージアセンブリ群1400B,1400Aのうちの他方は下げられていることになる。したがって、電力の継続性は、1つのクラッチを解放し(例えばいったんブロック1300が引き上げられたら、そのエレベーターケージアセンブリは下げられる準備ができる)、別のクラッチを係合すること(例えばいったんブロック1300がエレベーターケージアセンブリ上に積まれたら、引き上げられる準備ができる)によって達成される。好適には、電動機2100は、電力系統からの電力で常に動作し、変速機もパワーエレクトロニクスも利用せず、それによって、リフト駆動システム2000の複雑さが軽減され、コストが低くなる。加えて、電動機2100は、電力系統からの電力で常に動作しているものの、荷を持ち上げていない時には、電気コストは比較的小さい。
【0062】
タワー1100のより高い位置からより低い位置へブロック1300を下げることによって、電気を発生し供給する(例えば下げられているブロック1300のエネルギー又は運動エネルギーに基づいて)ために、エレベーターケージアセンブリ1400Aを下げるための上述のプロセスの改変が用いられる。非同期電動機2500の回路が開かれ、ブレーキ2400Aが解放されると、電動機2500は反対方向に回転することが可能になり、発生された電気は電力系統に移され得る。いったんエレベーターケージアセンブリ1400Aがより低い位置に到達すると、ブレーキ2400Aは係合される。ブロック1300は、その後、上述のように、ロウ又はフロア1140に移され得て、エレベーターケージアセンブリ1400Aが引き上げられることによって、別のブロック1300をピックアップする。同じアプローチが用いられることによって、エレベーターケージアセンブリ1400Bが高い位置にあり、ブロック1300を運んでおり、かつ、下げられる準備ができている時、エレベーターケージアセンブリ1400Bを用いて発電することができる。
【0063】
図31は、フレーム又はタワー1100におけるブロック1300の配置、及び、エネルギーを貯蔵し発電するための、フレーム又はタワー1100の、上部1102におけるロウ1140と、下部1104におけるロウ1140との間のブロック1300の移動を図示している、エネルギーの貯蔵及び供給システム又はモジュール1000の概略端面図である。当業者であれば、下で説明されるプロセスは、
図3のエネルギー貯蔵システム1000’及び
図4のエネルギー貯蔵システム1000’’において実現され得るので、下の説明は、
図3-
図4におけるシステム1000’,1000’’にも当てはまることが分かるだろう。例えば、電力系統への送電、又は中間部1106による使用のために(例えばデータセンターに電力を供給するため、又は垂直農法のために光を供給するために)発電(例えば
図24の電動発電機1500、又は
図28の2500によって)するように、バラストウェイト又はブロック1300は、上部1102におけるロウ又はフロア1140から、下部1104における対応するロウ又はフロア1140に移動させられる。バラストウェイト又はブロック1300は、下部1104におけるロウ又はフロア1140から、上部1102における対応するロウ又はフロア1140に移動させられることによって、ブロック1300の位置エネルギーとして、電気エネルギーを貯蔵する。
【0064】
バラストウェイト又はブロック1300は、タワー又はフレーム1100の上部1102におけるロウ1140(例えばロウU1-U8)に配置され得る。上部1102における、それぞれのロウ1140におけるブロック1300は、その関連付けられたエレベーターケージアセンブリ1400によって、下部1104における対応するロウ1140(例えばロウL1-L8)に垂直に(Z方向に)下げられるように、それぞれのロウU1-U8におけるトロリー1200によって、エレベーターシャフト1130A,1130Bへ、水平方向に(X方向に)移動させられ得る。ロウL1からL8に運搬されたブロック1300は、ロウL1-L8のそれぞれにおけるトロリー1200によって、水平方向に移動させられる。ブロック1300は、ロウ群1140の端にあるエレベーターシャフト1130A,1130Bを介して、エレベーターケージアセンブリ1400によって、例えば、
図8-23に関連して上述されたシーケンスの移動によって、下げられてもよい。ロウ群1140の端にある、エレベーターケージアセンブリ1400及び固定されたエレベーターシャフト1130A,1130Bは、上部1102及び下部1104の間での、ブロック1300の、効率的な、迅速な、かつ、ガイドされた移動を提供する。エネルギー貯蔵及び供給システム1000の動作の間、右のエレベーターシャフト1130Aにおけるエレベーターケージアセンブリ1400の移動は、後述されるように、左のエレベーターシャフト1130Bにおけるエレベーターケージ1400の移動と交互に行われる。
図31におけるシステム1000は、ブロック1300を支持する、上部1102における8つのロウU1-U8及び下部1104における8つのロウL1-L8を示すが、ロウ群1140の個数が変わってもよいことと、上部1102におけるロウ1140から下部1104における対応するロウ1140に、ブロック1300を移動させるためにここで記載されている同じプロセスと、ブロック1300を分散配置する方法とが、上部1102及び下部1104におけるロウ群1140の合計数にかかわらず適用できることとが当業者には理解されよう。
【0065】
図31を参照すると、上部1102におけるロウ1140から除去される、全てのブロック1300は、フレーム又はタワー1100の、地面(例えば基礎)に対する平均の基礎荷重及び/又は荷重の平均分布が実質的に一定(例えば一定)であるよう維持されるように、好適には、下部1104における別のブロック1300によって置き換えられる。ある実現例において、荷重が、当該カラム1120において同一に維持されるように、上部1102におけるロウ1140から除去される全てのブロックは、好適には、同一のカラム1120の位置における、下部1104のロウ1140における別のブロック1300によって置き換えられる。例えば、上部1102が、ブロック1300で満たされている8つのロウ群U1-U8を有し、下部1104が、ブロック1300が上部1102から移動させられ得る8つのロウL1-L8を有する場合、任意の1つのカラム1120には8つのブロック群1300が存在する。システム1000の動作の間、それぞれのカラム1120は、同じ個数のブロック1300(例えば8つのブロック)を維持し、好適には、フレーム又はタワー1100を、バランスの取れた荷重の下で維持する(例えば全てのカラム1120は、実質的に同一の荷重を維持する)。したがって、フレーム又はタワー1100の、基礎(又は地面)に対する荷重は、システム1000の動作の間に変化しないので、基礎は、好適には、上部1102におけるロウ又はフロア1140と下部1104におけるロウ又はフロア1140との間のブロック1300の移動によっても、応力が加えられることはなく(例えば周期的に)、不等沈下にも遭遇しない。
【0066】
引き続き
図31を参照すると、発電するためには、上部1102におけるロウU1におけるブロック1300が、下部1104におけるロウL1に下げられ得る。同様に、ロウU2におけるブロック1300はロウL2に下げられ得て、ロウU3におけるブロック1300はロウL3に下げられ得て、ロウU4におけるブロック1300はロウL4に下げられ得て、ロウU5におけるブロック1300はロウL5に下げられ得て、ロウU6におけるブロック1300はロウL6に下げられ得て、ロウU7におけるブロック1300はロウL7に下げられ得て、ロウU8におけるブロック1300はロウL8に下げられ得る。それぞれのブロック1300が同一の垂直の上昇を得るように、上部1102における任意のロウ1140におけるブロック群は、下部1104における対応するロウ1140まで、同一の垂直距離を移動する。
図31に示されているように、ロウ1140(例えばロウU1,U3,U5,及びU7)のサブセットにおけるブロック1300は、一方のエレベーターシャフト1130Aによって下げられ、残りのロウ1140(例えばロウU2,U4,U6,及びU8)におけるブロック1300は、他方のエレベーターシャフト1130Bによって下げられる。上述のように、中間部1106はブロックがないままであり、他の目的のために使用され得る。
【0067】
ブロック群1300は、エレベーターシャフト1130A、1130Bによって、上部1102及び下部1104の間を同時に移動させられ得る。例えば、ブロック1300は、エレベーターシャフト1130Aによって、ロウU1からロウL1に下げられ得て、トロリー1200に移送され得て(例えば
図8-14について上述されたシーケンスとは逆のシーケンスで)、それによって、ブロック1300が取出されたロウU1上の位置から、ロウL1の反対の端に向かって、ブロック1300を水平方向に移動させることができる。実質的に同時に、ブロック1300は、エレベーターシャフト1130Bによって、ロウU2からロウL2に下げられ得て、トロリー1200に移送され得て(例えば
図8-14について上述された順序とは逆の順序で)、それによって、ブロック1300が取出されたロウU2上の位置から、ロウL2の反対の端に向かって、ブロック1300を水平方向に移動させることができる。上述のように、これによって、好適には、フレーム又はタワー1100の、地面(例えば基礎)に対する平均基礎荷重及び/又は負荷の平均分布が、実質的に一定に維持される。
【0068】
好適には、エレベーターケージアセンブリ1400は、フレーム又はタワー1100の、上部1102におけるロウU1-U8及び下部1104におけるロウL1-L8の間を速く移動する(例えばそれは、ブロック1300を移動させるために使用される電力のコストは、ブロック1300がエレベーターケージアセンブリ1400によって移動させられる速度に応じて減少するからである)。エレベーターケージアセンブリ1400は、トロリー1200より、はるかに速く移動するので、ある実現例において、エレベーターケージアセンブリ1400が、関連付けられたエレベーターシャフト1130A,1130Bを供給する上部1102における残りのロウ群1140から、下部1104におけるそれらの対応するロウ群1140に、ブロック1300を移動させ終わるまで、エレベーターケージアセンブリ1400は、上部1102における同一のロウ1140には戻らない。
【0069】
図32A-32Dは、エレベーターシャフト1130A,1130Bによって(例えばエレベーターケージアセンブリ1400を用いて)、上部1102から下部1104にブロック1300を移動させることによって発電するプロセスを図示する。
図32Bに示されるように、ブロックA1は、エレベーターシャフト1130Aによって、ロウU1の一方の端からロウL1に移動させられ、ロウL1の反対の端に移動させられる。同様に、ブロックB1は、エレベーターシャフト1130Bによって、ロウU2の一方の端から、ロウL2に移動させられ、ロウL2の反対の端に移動させられる。いったん、上述のように、ブロックA1がロウL1に運搬されると、エレベーターシャフト1130Aにおけるエレベーターケージは、上部1102における次のロウU3に戻り、エレベーターシャフト1130Aによって、下部1104における、それが対応するロウL3にブロックC1を移動させ、ブロックC1を、ロウL3の反対の端に移動させる。同様に、いったん、上述のように、ブロックB1がロウL2に運搬されると、エレベーターシャフト1130Bにおけるエレベーターケージは、上部1102における次のロウU4に戻り、エレベーターシャフト1130Bによって、下部1104における、それが対応するロウL4にブロックD1を移動させ、ブロックD1を、ロウL4の反対の端に移動させる。このプロセスは、上部1102における残りのロウ群について(例えば
図31におけるロウU5-U8について)、この方法で続き得る。引き続き
図32Bを参照すると、いったん、ブロック1300が、上部1102におけるそれぞれのロウ(例えばU1-U4)から、下部1104における、それが対応するロウ(例えばL1-L4)に下げられると、
図32Cで示されるように、上部1102におけるロウ群(U1-U4)における次のブロック(例えばA2ーD2)を、下部における、それらの対応するロウ群(L1ーL4)に移動させるように、それぞれのエレベーターシャフト1130A,1130Bにおけるエレベーターケージ1400は、上述されているステップと同じステップを再び実行する。同様に、いったん、2番目のブロック1300が、上部1102におけるそれぞれのロウ(例えばU1-U4)から、下部1104における、それが対応するロウ(例えばL1-L4)に下げられると、
図32Dにおいて示されるように、上部1102におけるロウ群(U1-U4)における次のブロック(例えばA3ーD3)を、下部における、それらの対応するロウ群(L1ーL4)に移動させるように、それぞれのエレベーターシャフト1130A,1130Bにおけるエレベーターケージ1400は、上述されているステップと同じステップを再び実行し、以下同様である。エレベーターケージアセンブリ1400は、トロリー(群)1200がロウ群1140(例えばU1-U4及び/又はL1-L4)に沿って水平方向に移動するよりはるかに速く、エレベーターシャフト1130A,1130Bに沿って垂直に移動するので、上述のシーケンスは、好適には、エレベーターケージアセンブリ1400が同一のロウに移動する時刻までに、ロウ1140に沿って移動することによって別のブロック1300をピックアップして、それをエレベーターシャフト1130A,1130Bの近くに移動させるための十分な時間をトロリー1200に与え、それによって、システム1000が効率的に動作することを可能にする。上述のプロセスによって、好適には、基礎に対する荷重(例えば平均の荷重)、及び/又は、フレーム又はタワー1100の地面(例えば基礎)に対する荷重分布(例えば平均の荷重)が、実質的に一定に維持することが可能になる。
【0070】
ブロック1300は、オプションとして、約20トン及び約50トンの間の重量であって、具体的には、約30トン(例えば30メートルトン)の重量であってもよい。しかし、他の例では、ブロック1300は、他の適当な量の重量であってもよい。
【0071】
ブロック1300は、例えば、シェルに封入されたバラスト質量(例えば耐荷重性の充填材料)を含み得る。ある例では、バラスト質量は、シェルの材料とは異なる物質である。例えば、バラスト質量つまり耐荷重性の充填材料は、後述のように、低品質又は安価なコンクリートと混合及び/又は圧縮された、土壌、石炭、フライアッシュ、廃石、解体廃棄物、砂利、建築廃棄物、及び/又は再生材料であってもよい。このことは、好適には、ブロック1300の製造コストを削減し、さもなければ廃棄物埋立地に送られることになる物質(例えば解体廃棄物、建築廃棄物、廃石等)を分配するためのメカニズムを提供する。別の例において、バラスト質量及びシェルは、同一の物質である(例えば境界も継ぎ目もない、一体式又は単一の物質を規定する)。好適には、ブロック1300は、システム1000,1000’,1000’’の場所の近くで入手可能な物質を用いて製造され得る。オプションとして、ブロック1300は、1つ以上の、スチールメッシュ又は鉄筋(例えば構造用鋼)の補強層のようなもので、補強され得る(例えば鋼で)。
【0072】
ブロック1300は、オプションとして、少なくとも一部がコンクリートで作られてもよい(例えばブロック1300のシェルはコンクリートで作られてもよい)。好適には、コンクリートは水より高い密度を有するので、ブロック1300の容積は、水の、対応する容積より多くの位置エネルギーを貯蔵し得る。ある例では、ブロック1300のうちの少なくとも一部は、低品質なコンクリート(例えば3-8MPaのような、10MPaより低い圧縮強度を有する)で作られてもよい。
【0073】
エネルギー貯蔵及び供給システム1000,1000’,1000’’は、ブロック1300を、低い位置から高い位置に持ち上げる(例えば垂直方向に持ち上げる)ことによって、電気エネルギーつまり電気を、貯蔵のための位置エネルギーに変換し、1つ以上のブロック1300を、重力によって、高い位置から低い位置に移動させる(例えば垂直方向に移動させる、垂直方向に下げる)ことによって、位置エネルギーを、電気エネルギーつまり電気に変換するように動作可能である。電動発電機1500(
図24、又は
図28の2500を参照)は、エレベーターケージアセンブリ1400を動作させることによって、1つ以上のブロック1300を低い位置から持ち上げて(例えば垂直に持ち上げて)、ブロック1300を高い位置に配置するように動作し得る。高い位置にあるブロック1300のそれぞれは、ブロック1300の、質量と、低い位置及び高い位置の間の高低差とに対応する(例えば比例する)位置エネルギーの量を貯蔵する(例えば位置エネルギー=質量×重力×(地表面のような、基準面より上の高さ))。ブロック1300が重くなればなるほど、及び、それらが引き上げられる高さが高くなればなるほど、より多くの位置エネルギーが貯蔵され得る。
【0074】
貯蔵された位置エネルギーを電気に変換するために、エレベーターケージアセンブリ1400は、1つ以上のブロック1300を高い位置から低い位置に移動させ(例えば重力下で、少なくとも部分的に垂直に下げて)、1つ以上のケーブル又は鋼鉄帯によって
図24の電動発電機1500(又は
図28の2500)を駆動することによって発電することができ、その電気は、電動発電機1500(又は
図28の2500)が電気的に接続されている電力系統へ供給され得る。ブロック1300が下げられるたびに、電気の形で仕事が発生する。
【0075】
好適には、エネルギー貯蔵及び供給システム1000,1000’,1000’’は、例えば、太陽光エネルギーが入手可能な昼間の間に、太陽光エネルギーから発電される電気を、引き上げられたブロック1300に位置エネルギーとして貯蔵し得て、太陽光エネルギーが入手不可能な夜間の間に、1つ以上のブロック1300を下げることによって、ブロック1300における位置エネルギーを電気に変換し得て、変換された電気を電気系統に供給し得る。
【0076】
本明細書に記載されているのは、貯蔵のために、電気エネルギーつまり電気を位置エネルギーに変換し、例えば、電気系統への供給のために、位置エネルギーを、電気エネルギーつまり電気に変換するように動作可能な、エネルギー貯蔵及び供給システム(例えばエネルギー貯蔵及び供給システム1000,1000’,1000’’)の例である。好適には、エネルギー貯蔵システムは、メンテナンスをほとんど必要とせず、エネルギー貯蔵能力が実質的に低下することなく、数十年(例えば30-50年)動作し得る。
【0077】
いくつかの実現例では、本明細書に記載されているエネルギー貯蔵システムは、約10メガワット時以上(例えば10メガワット時-100MWh、具体的には、15MWh,20MWh,30MWh,50MWh,80MWh,90MWh)のエネルギーを貯蔵し得て、約10MWh以上(例えば10MWh-100MWh、具体的には、15MWh,20MWh,30MWh,50MWh,80MWh,90MWh)のエネルギーを電力系統に供給し得る。本明細書に記載されているエネルギー貯蔵システムは、時間ごとにエネルギー(例えば1メガワットから6メガワット以上まで)を供給し得る。しかし、他の実現例では、本明細書に記載されているエネルギー貯蔵及び供給システムは、他の適切なエネルギー貯蔵及び供給能力(例えば1MWh,3MWh,5MWh等)を有し得る。ある実現例では、エネルギー貯蔵及び供給システムは、オプションとして、1日のあいだ、約1000世帯以上に電力を供給し得る。
【0078】
本明細書に記載されているエネルギー貯蔵及び供給システムは、好適には、例えば、太陽光エネルギーシステム、風力エネルギーシステム(例えば風力タービン)等のような再生可能エネルギー(例えばグリーンエネルギー)発電システムに接続され得る。好適には、再生可能エネルギー発電システムの動作(例えば昼間の間の太陽光エネルギーシステムの動作、風の強い条件の間の風力エネルギーシステムの動作)の間、エネルギー貯蔵及び供給システムは、再生可能エネルギー発電システムによって発電された電気を取得する。エネルギー貯蔵及び供給システムは、再生可能エネルギー発電システムが動作不能である時(例えば夜間、無風状態の間)には、後で、貯蔵された電気を電力系統に供給し得る。したがって、エネルギー貯蔵及び供給システムは、再生可能エネルギー発電システムに対してバッテリーのように動作し、再生可能エネルギー発電システムから電力系統に、時間外の電気を供給し得る。
【0079】
上述の実現例では、エネルギー貯蔵及び供給システム1000,1000’,1000’’は、ブロック1300を持ち上げることによって、位置エネルギーとしての電気エネルギーを貯蔵し、ブロック1300を下げることによって発電する。ある実現例では、エレベーターケージアセンブリ1400は、電力系統からの余剰電力で動作させられてもよい。ブロック1300を持ち上げるために使用されるエネルギーの単位ごとに、エネルギー貯蔵システム1000,1000’,1000’’によって回収されるエネルギーの量は、オプションとして、80%-90%であってもよい。
【0080】
[追加の実施形態]
本発明の実施形態において、エネルギー貯蔵システム、前記システムを操作する方法、及び、前記システムにおいて使用されるエレベーターケージアセンブリは、以下の条項のうちのいずれかに従うものであり得る。
【0081】
条項1:エネルギーの貯蔵及び供給システムであって、前記システムは、
1つ以上のモジュールであって、前記1つ以上のモジュールのそれぞれは、
複数のブロック群と、
水平方向に延びる複数のロウによって規定された、基礎からの垂直高さを有するフレームであって、前記フレームは、
前記ロウの第1セットを有する上部であって、前記ロウの第1セットのそれぞれは、その上で複数のブロック群を収容及び支持するように構成されている、上部と、
前記ロウの第2セットを有する下部であって、前記ロウの第2セットのそれぞれは、その上で複数のブロック群を収容及び支持するように構成されている、下部と、
ブロックのない、前記上部及び前記下部の間の中間部と、
前記複数のロウの互いに反対側の端部群に配置された、一対のエレベーターシャフトと、
前記一対のエレベーターシャフトのそれぞれにおいて移動可能に配置され、かつ電動発電機に動作可能に結合されたエレベーターケージアセンブリであって、前記エレベーターケージアセンブリは、その中に1つ以上のブロックを収容及び支持するような大きさに作られた、エレベーターケージアセンブリと、を備えた、
フレームと、
を備えた1つ以上のモジュール、
を備え、
前記一対のエレベーターシャフトのそれぞれにおける前記エレベーターケージアセンブリは、1つ以上のブロックを、前記ロウの第2セットの交互のロウから、前記ロウの第1セットの対応する交互のロウに移動させることによって、前記ブロックの位置エネルギーの量に対応する量の電気エネルギーを貯蔵するように動作可能であり、
前記一対のエレベーターシャフトのそれぞれにおける前記エレベーターケージアセンブリは、1つ以上のブロックを、前記ロウの第1セットの交互のロウから、前記ロウの第2セットの対応する交互のロウに、重力下で、移動させることによって、電力を発生するように動作可能であり、
前記エレベーターケージアセンブリは、前記ブロック群を、前記ロウの第2セットのそれぞれと、前記対応するロウの第1セットのそれぞれとの間で等しい垂直距離だけ移動させる、
システム。
【0082】
条項2:前記中間部は、1つ以上の垂直農法ユニットを収容するように構成されている、
条項1に記載のシステム。
【0083】
条項3:前記一対のエレベーターシャフトのそれぞれにおける前記エレベーターケージアセンブリは、前記モジュールの基礎に対する荷重の平均分布が実質的に一定のままであるように、前記ロウの第1セットと前記ロウの第2セットとの間で、前記ブロックを移動させるように動作可能である、
条項1又は2に記載のシステム。
【0084】
条項4:前記フレームは、その上で梁を支持する1つ以上のピラーによって規定される、複数のカラムを含み、
前記梁のそれぞれの対は、前記カラムに直交して延びる、前記ロウの第1セット及び前記ロウの第2セットにおけるロウを規定し、
前記梁は、その上部表面上で、前記ブロック群を支持するように構成され、
前記梁のそれぞれは、前記上部表面の下に長手方向の溝を有する、
条項1-3のいずれか1項に記載のシステム。
【0085】
条項5:前記カラムの間に延び、前記ロウの長さに沿ってその中に対角のブレースを提供する、複数の横材をさらに備える、
条項4に記載のシステム。
【0086】
条項6:前記ロウの第1セット及び前記ロウの第2セットのうちの、1つ又は両方におけるそれぞれのロウは、前記ロウを規定する前記梁の対の間に、移動可能に結合されたトロリーを含み、
前記トロリーは、前記ロウを規定する前記梁の対の前記溝の間に延びるように構成され、かつ、前記ロウを規定する前記梁の対上に配置されている、前記ブロック群の下を移動するように構成され、
前記トロリーは、ブロックを前記梁の対の上に持ち上げて、前記ブロックを、前記ロウに沿って水平方向に移動させるように動作可能である、
条項4に記載のシステム。
【0087】
条項7:前記トロリーは、
前記梁の対の前記溝の中に延びる車輪アセンブリと、
前記梁の対の間に延びるフレームと、
前記ロウに沿った前記ブロックの水平方向の移動のために、前記ブロックを前記梁の対の上に持ち上げるように動作可能であり、前記ロウ上の前記ブロックの位置を固定するために、前記ブロックを前記梁の対に降ろすように動作可能である、支持ピストンと、を備える、
条項6に記載のシステム。
【0088】
条項8:前記エレベーターケージアセンブリは、移動可能に基部に結合されたエレベーターケージを備え、前記エレベーターケージは、前記基部に対して横方向に移動することによって、前記ブロックをピックアップするために、前記エレベーターケージの底部支持体を、ブロックの下に配置することを促進するように構成されている、
条項6に記載のシステム。
【0089】
条項9:前記エレベーターケージの前記底部支持体に移動可能に結合された1つ以上の支持部材を駆動して、前記ブロックを、前記ロウの前記梁の対から持ち上げることによって、前記エレベーターケージは、ロウから前記ブロックをピックアップする、
条項8に記載のシステム。
【0090】
条項10:前記エレベーターケージアセンブリは、前記エレベーターケージを、前記エレベーターケージアセンブリの前記基部に対して横方向に移動させるように駆動可能なリニアアクチュエータを含む、前記基部と前記エレベーターケージとの間に配置されたスライディング機構を備える、
条項8に記載のシステム。
【0091】
条項11:それぞれのモジュールの前記ロウが、隣接するモジュールにおける前記ロウに対して直交して延びることによって、前記4つのモジュールに、風や地震による力に対する自動のブレースを提供するように、前記1つ以上のモジュールは、平面視において正方形に配置された4つのモジュールである、
条項1-10のいずれか1項に記載のシステム。
【0092】
条項12:それぞれのモジュールの前記ロウが、実質的に正対するように、前記1つ以上のモジュールは、一列に配置された2つのモジュールである、
条項1-11のいずれか1項に記載のシステム。
【0093】
条項13:エネルギーの貯蔵及び供給システムであって、前記システムは、
複数のブロック群と、
水平方向に延びる複数のロウによって規定された、基礎からの垂直高さを有するフレームであって、前記フレームは、
ロウの第1セットを有する上部であって、前記ロウの第1セットのそれぞれは、その上で複数のブロック群を収容及び支持するように構成されている、上部と、
ロウの第2セットを有する下部であって、前記ロウの第2セットのそれぞれは、その上で複数のブロック群を収容及び支持するように構成されている、下部と、
ブロックのない、前記上部及び前記下部の間の中間部と、
前記複数のロウの互いに反対側の端部群に配置された、一対のエレベーターシャフトと、を備えた、
フレームと、
前記ロウの第1セット及び前記ロウの第2セットのうちの、1つ又は両方において、それぞれのロウに移動可能に結合されたトロリーであって、
前記トロリーは、前記ロウにおいて、前記ブロック群の下を移動するように動作可能であり、前記ロウに沿った、前記ブロックの水平方向の移動のために、ブロックを持ち上げるように構成されている、
トロリーと、
前記一対のエレベーターシャフトのそれぞれにおいて移動可能に配置され、かつ電動発電機に動作可能に結合されたエレベーターケージアセンブリであって、前記エレベーターケージアセンブリは、
前記エレベーターシャフトに沿って移動する間、その中に前記ブロックを保持及び支持するような大きさに作られており、
前記エレベーターケージアセンブリは、スライディング機構によって基部に移動可能に結合されたエレベーターケージを備え、
前記スライディング機構は、前記エレベーターケージを、前記エレベーターケージアセンブリの前記基部に対して横方向に移動させるように、選択的に駆動可能なリニアアクチュエータを備えた、
エレベーターケージアセンブリと、
を備え、
前記一対のエレベーターシャフトのそれぞれにおける前記エレベーターケージアセンブリは、1つ以上のブロックを、前記ロウの第2セットの交互のロウから、前記ロウの第1セットの対応する交互のロウに移動させることによって、前記ブロック群の位置エネルギーの量に対応する量の電気エネルギーを貯蔵するように動作可能であり、
前記一対のエレベーターシャフトのそれぞれにおける前記エレベーターケージアセンブリは、1つ以上の前記ブロックを、前記ロウの第1セットの交互のロウから、前記ロウの第2セットの対応する交互のロウに、重力下で移動させることによって、電力を発生するように動作可能であり、
前記エレベーターケージアセンブリは、前記ブロック群を、前記ロウの第2セットのそれぞれと、前記対応するロウの第1セットのそれぞれとの間で等しい垂直距離だけ移動させる、
システム。
【0094】
条項14:前記中間部は、1つ以上の垂直農法ユニットを収容するように構成されている、
条項13に記載のシステム。
【0095】
条項15:前記一対のエレベーターシャフトのそれぞれにおける前記エレベーターケージは、前記モジュールの、前記基礎に対する荷重の平均分布が実質的に一定のままであるように、前記ロウの第1セットと前記ロウの第2セットとの間で、前記ブロック群を移動させるように動作可能である、
条項13-14のいずれか1項に記載のシステム。
【0096】
条項16:前記ロウの第1セット及び前記ロウの第2セットのうちの、1つ又は両方におけるそれぞれのロウは、一対の梁によって規定され、前記トロリーは、前記一対の梁の間で移動可能に結合されている、
条項13-15のいずれか1項に記載のシステム。
【0097】
条項17:条項1-16のいずれか1項に記載のエネルギーの貯蔵及び供給システムによって、電気を貯蔵及び発生する方法であって、前記方法は、
フレームの複数のロウの互いに反対側の端部群にある一対のエレベーターケージアセンブリを操作することによって、前記フレームの上部におけるロウの第1セットと、ブロック群のない、前記フレームの中間部の下に配置されている前記フレームの下部における、対応するロウの第2セットとの間で複数のブロック群を移動させることを含み、
前記エレベーターケージアセンブリの対のそれぞれを操作することは、
前記エレベーターケージアセンブリを、ロウに、又はロウの近くに配置することと、
エレベーターケージを、前記エレベーターケージアセンブリの基部に対して第1方向に横方向に移動させ、前記エレベーターケージの底部支持体を、前記ロウ上のブロックの下に配置することと、
前記底部支持体に結合された、1つ以上の移動可能な支持体を駆動することによって、前記ブロックを、前記ロウから持ち上げることと、
前記エレベーターケージを、前記エレベーターケージアセンブリの前記基部に対して、前記第1方向とは反対である第2方向において横方向に移動さることによって、前記エレベーターケージを、前記基部の上方に配置することと、
前記エレベーターケージアセンブリを、その関連付けられたエレベーターシャフトに沿って垂直に移動させることによって、前記エレベーターケージアセンブリが、前記ブロック群を、前記ロウの第2セットのそれぞれと、前記対応するロウの第1セットのそれぞれとの間で、等しい垂直距離だけ移動させるようにすることと、
を含む方法。
【0098】
条項18:前記ロウの第2セットの交互のロウから、前記ロウの第1セットの対応する交互のロウに、前記1つ以上ブロックを移動させること、又は、前記ロウの第1セットの交互のロウから、前記ロウの第2セットの対応する交互のロウに、前記1つ以上のブロックを移動させることは、前記フレームの、基礎に対する荷重の平均分布が実質的に一定のままであるように、前記ブロック群を配置することを含む、
条項17に記載の方法。
【0099】
条項19:前記ロウの第2セットの交互のロウから、前記ロウの第1セットの対応する交互のロウに、前記1つ以上のブロックを移動させることは、前記ロウの第2セットの前記交互のロウの最初のロウに戻る前に、前記ロウの第2セットの前記交互のロウのそれぞれから、前記ロウの第1セットの前記対応する交互のロウに、ブロックを順次、移動させることを含む、
条項17-18のいずれか1項に記載の方法。
【0100】
条項20:前記ロウの第1セットの交互のロウから、前記ロウの第2セットの対応する交互のロウに、前記1つ以上のブロックを移動させることは、前記ロウの第1セットの前記交互のロウの最初のロウに戻る前に、前記ロウの第1セットの前記交互のロウのそれぞれから、前記ロウの第2セットの前記対応する交互のロウに、ブロックを順次、移動させることを含む、
条項17-19のいずれか1項に記載の方法。
【0101】
条項21:前記ロウの第2セットの交互のロウから、前記ロウの第1セットの対応する交互のロウに、前記1つ以上のブロックを移動させることは、前記ロウの第2セットの前記交互のロウのそれぞれから、前記ロウの第1セットの前記対応する交互のロウに、ブロックを同時に移動させることを含む、
条項17-20のいずれか1項に記載の方法。
【0102】
条項22:前記ロウの第1セットの交互のロウから、前記ロウの第2セットの対応する交互のロウに、前記1つ以上のブロックを移動させることは、前記ロウの第1セットの前記交互のロウのそれぞれから、前記ロウの第2セットの前記対応する交互のロウに、ブロックを同時に移動させることを含む、
条項17-21のいずれか1項に記載の方法。
【0103】
条項23:前記ロウの第2セットの交互のロウから、前記ロウの第1セットの対応する交互のロウに、前記複数のブロック群のうちの前記1つ以上のブロックを移動させることは、前記ロウの端部に前記1つ以上のブロックを運ぶために、前記ブロック群の下を移動し、前記ロウの梁の上で前記ブロック群を選択的に持ち上げるトロリーを用いて、前記ロウの第2セットのうちの前記1つ以上のロウに沿って、前記1つ以上のブロックを水平方向に移動させることを含む、
条項17-22のいずれか1項に記載の方法。
【0104】
条項24:エレベーターケージを、前記エレベーターケージアセンブリの基部に対して、第1方向に横方向に移動させることによって、前記エレベーターケージの底部支持体を、前記ロウ上のブロックの下に配置することは、前記基部と、前記エレベーターケージアセンブリの前記エレベーターケージとの間に挿入されたスライディング機構のリニアアクチュエータを駆動することによって、前記エレベーターケージを、前記基部に対して横方向に移動させることを含む、
条項23に記載の方法。
【0105】
条項25:条項1-24のいずれか1項に記載のエネルギーの貯蔵及び供給システムによって、電気を貯蔵及び発生する方法であって、前記方法は、
1つ以上のブロックを、前記ロウの末端部分に向かって、トロリーを用いて、フレームの上部におけるロウの第1セットのロウに沿って、水平方向に移動させることと、
エレベーターケージアセンブリを操作することによって、前記1つ以上のブロックを、前記フレームのロウの第2セットのロウに、重力下で垂直に移動させて、前記エレベーターケージに電気的に結合された電動発電機によって電力を発生することと、
を含み、
前記エレベーターケージアセンブリを操作することは、
前記エレベーターケージアセンブリを、前記ロウに、又は前記ロウの近くに配置することと、
エレベーターケージを、前記エレベーターケージアセンブリの基部に対して、第1方向に横方向に移動させ、前記エレベーターケージの底部支持体を、前記ロウの前記末端部分において、ブロックの下に配置することと、
前記底部支持体に結合された、1つ以上の移動可能な支持体を駆動することによって、前記ブロックを、前記ロウから持ち上げることと、
前記エレベーターケージを、前記エレベーターケージアセンブリの前記基部に対して、前記第1方向とは反対である第2方向において横方向に移動さることによって、前記エレベーターケージを、前記基部の上方に配置することと、
前記エレベーターケージアセンブリを、その関連付けられたエレベーターシャフトに沿って垂直に移動させることと、
を含む方法。
【0106】
条項26:前記エレベーターケージアセンブリを操作することは、
前記ブロックを、所望のロウに、垂直に移動させることと、
前記エレベーターケージアセンブリを、前記ロウと、概ね正対させることと、
エレベーターケージを、前記エレベーターケージアセンブリの前記基部に対して、前記第1方向に横方向に移動させ、前記ブロックを、前記ロウの前記末端部分の上方に配置することと、
前記底部支持体に結合された1つ以上の移動可能な支持体を駆動することによって、前記ブロックを、前記ロウの前記末端部分に降ろすことと、
前記エレベーターケージを、前記エレベーターケージアセンブリの前記基部に対して、前記第1方向とは反対である第2方向において横方向に移動させ、前記エレベーターケージを、前記基部の上方に配置することと、
前記エレベーターケージアセンブリを、その関連付けられたエレベーターシャフトに沿って垂直に移動させることと、
をさらに含む、
条項25に記載の方法。
【0107】
条項27:タワーの低い位置とタワーの高い位置との間でブロック群を移動させ、エネルギーを貯蔵し、及び、ブロック群を、重力下で前記タワーの前記高い位置と前記タワーの前記低い位置との間で移動さることによって電気を発生するための、条項1-26のいずれか1項に記載のエネルギーの貯蔵及び供給システムにおいて使用するエレベーターケージアセンブリであって、前記エレベーターケージアセンブリは、
エレベーターケージであって、前記エレベーターケージは、
1つ以上のケーブル又はリボンに結合可能な上部支持体と、
前記上部支持体に取付された後部支持体と、
前記後部支持体に取付された底部支持体と、を備え、
前記エレベーターケージはC形の側面を有し、
前記エレベーターケージの下に配置された基部と、
前記エレベーターケージと前記基部との間に配置されて、かつ、前記基部に対して前記エレベーターケージを横方向に移動させるように駆動可能なスライディング機構と、
を備えたエレベーターケージアセンブリ。
【0108】
条項28:前記スライディング機構は、前記エレベーターケージを、前記基部に対して横方向に移動させるように駆動可能であるリニアアクチュエータを備えた、
条項27に記載のエレベーターケージ。
【0109】
条項29:前記底部支持体は、前記底面支持体に対して、異なる高さまで延びるように駆動可能な1つ以上の支持部材を備え、前記1つ以上の支持部材は、その上でブロックを支持するように構成された、
条項27-28のいずれか1項に記載のエレベーターケージ。
【0110】
本発明のある実施形態が記載されてきたが、これらの実施形態は、例として提示されているのに過ぎず、本開示の範囲を限定することは意図されていない。実際、本明細書に記載された新規の方法及びシステムは、さまざまな他の形態において、具体化され得る。さらに、本明細書に記載されたシステム及び方法におけるさまざまな省略、置換、及び変更は、本開示の精神から逸脱することなく行われ得る。添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物は、本開示の範囲及び精神に包含されるものとして、そのような形態又は改変を含むように意図される。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照することによってのみ規定される。
【0111】
特定の局面、実施形態、又は例に関連して記載された特徴、材料、特性、又はグループは、本開示と矛盾しない限り、本明細書のこの部分又は他の部分に記載された、任意の他の局面、実施形態、又は例に適用可能であると理解されるべきである。そのような特徴及び/又はステップの少なくともいくつかが相互に排他的である組み合わせを除き、本明細書(任意の添付の特許請求の範囲、要約書、及び図面を含む)に開示されている特徴の全て、及び/又はそのように開示されている任意の方法又はプロセスのステップの全ては、任意の組み合わせで組み合わせられ得る。保護は、前述のどの実施形態の詳細にも限定されない。保護は、本明細書(任意の添付の特許請求の範囲、要約書、及び図面を含む)に開示されている特徴群のうちの任意の新規な1つのもの、又は任意の新規な組み合わせ、又はそのように開示された任意の方法又はプロセスのステップ群のうちの任意の新規な1つのもの、又は任意の新規な組み合わせに及ぶ。
【0112】
さらに、別個の実現例群の文脈において本開示に記載されているある特徴は、単一の実現例においても、組み合わせて実現され得る。逆に、単一の実現例の文脈において記載されているさまざまな特徴は、複数の実現例において別個に実現されてもよいし、又は任意の適切なサブコンビネーションにおいて実現されてもよい。さらに、特徴は、上記では、ある組み合わせにおいて作用するように記載されているかもしれないが、場合によっては、クレームされた組み合わせからの1つ以上の特徴が、当該組み合わせから省略されてもよく、その組み合わせは、サブコンビネーション又はサブコンビネーションの変形例としてクレームされてもよい。
【0113】
さらに、操作は、特定の順序で図面に描かれているか、又は特定の順序で明細書に記載されているかもしれないが、そのような操作は、所望の結果を達成するために、示されている特定のシーケンスで実行される必要はなく、一連のシーケンスで実行される必要もなく、全ての操作が実行される必要もない。図示されていない又は記載されていない他の操作が、例示的な方法及びプロセスに包含されてもよい。例えば、1つ以上の追加の操作が、記載されている操作のうちの任意のものの前に、後に、同時に、又はその間に実行され得る。さらに、これら操作は、他の実現例においては、再編成され、又は順序を変更されてもよい。当業者であれば、いくつかの実施形態において、図示されたプロセス及び/又は開示されたプロセスにおいて行われる実際のステップが、図において示されたステップと異なることがあることを理解するであろう。実施形態によっては、上で記載されたステップのうちの特定のステップが削除されてもよく、他のステップが追加されてもよい。さらに、上で開示されている特定の実施形態の特徴及び特性は、追加の実施形態を形成するために、異なる方法で組み合わせられてもよく、それらの全ては、本開示の範囲に含まれる。また、上で記載されている実現例における、さまざまなシステムの構成要素を分離することは、そのような分離が全ての実現例において必要であると理解されるべきではなく、記載されている構成要素及びシステムは、概して単一の製品に共に統合されてもよく、又は複数の製品にまとめられてもよいことが理解されるべきである。
【0114】
本開示の目的のために、本明細書においては、ある局面、利点、及び新規の特徴が記載されている。必ずしも、全てのそのような効果が、任意の特定の実施形態に従って達成され得るわけではない。よって、例えば、当業者であれば、本明細書で教示又は示唆されている他の効果を必ずしも達成せずに、本明細書において教示されているような、ある効果又は一群の効果群を達成するような方法で、本開示が実現又は実行され得ることが理解できるであろう。
【0115】
「できる(can)」、「できた(could)」、「かもしれない(might)」、又は「でもよい(may)」のような条件付き表現は、特段の記載がない限り、又は使用される文脈内で理解されない限り、一般には、特定の実施形態は、ある特徴、要素及び/又はステップを含むが、他の実施形態はそれらを含まないことを伝えるように意図されている。よって、そのような条件付き言語は、一般には、特徴、要素、及び/又はステップが、何らかの形で1つ以上の実施形態に必要であること示唆することを意図したものではなく、1つ以上の実施形態が、これらの特徴、要素、及び/又はステップは任意の特定の実施形態に含まれるか、又は任意の特定の実施形態において実行されるべきかを、ユーザのインプット又は指示の有無にかかわらず決定するためのロジックを必ず含むことを示唆するように意図したものでもない。
【0116】
「X,Y,及びZのうちの少なくとも1つ」という句のような接続語は、特段の記載がない限り、項目、用語等がX,Y,又はZのいずれかであってよいことを伝えるために、一般に使用されるものとして、文脈に応じて理解される。よって、そのような接続後は、一般には、特定の実施形態が、Xのうちの少なくとも1つ、Yのうちの少なくとも1つ、及びZのうちの少なくとも1つの存在を要求することを示唆するように意図するものではない。
【0117】
本明細書で使用される「ほぼ」、「約」、「一般に」、及び「実質的に」の語のような程度を示す用語は、所望の機能を実行する、又は所望の結果を達成する、記載された値、量、又は特性に近い値、量、又は特性を表す。例えば、「ほぼ」、「約」、「一般に」、及び「実質的に」という語は、記載された量の10%未満、5%未満、1%未満、0.1%未満、及び0.01%未満の範囲内の量を表し得る。別の例として、特定の実施形態において、「概ね平行」及び「実質的に平行」という語は、平行から、15度以下、10度以下、5度以下、3度以下、1度以下、又は0.1度以下の誤差で離れている値、量、又は特性を表す。
【0118】
本開示の範囲は、この部分又は本明細書における他の箇所の好ましい実施形態の、特定の開示によって限定されることを意図するものではなく、この部分又は本明細書における他の箇所で表されるように、請求項によって規定されてもよいし、将来において提示されるものであってもよい。特許請求の範囲の文言は、特許請求の範囲で用いられた用語に基づいて、広く解釈されるべきであり、本明細書において又は本願の審査において記載された実施例に限定されるものではなく、それらの例は非排他的であると解釈されるべきである。
【国際調査報告】