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特表2025-501488血管内砕石装置用の光エミッタハウジングアセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-22
(54)【発明の名称】血管内砕石装置用の光エミッタハウジングアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/26 20060101AFI20250115BHJP
   A61B 17/3207 20060101ALI20250115BHJP
   A61B 18/24 20060101ALI20250115BHJP
   A61M 25/10 20130101ALI20250115BHJP
   A61M 25/00 20060101ALI20250115BHJP
【FI】
A61B18/26
A61B17/3207
A61B18/24
A61M25/10
A61M25/00 530
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535375
(86)(22)【出願日】2022-10-25
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-11-21
(85)【翻訳文提出日】2024-06-13
(86)【国際出願番号】 US2022047751
(87)【国際公開番号】W WO2023113922
(87)【国際公開日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】63/289,294
(32)【優先日】2021-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/335,131
(32)【優先日】2022-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/970,363
(32)【優先日】2022-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521549268
【氏名又は名称】ボルト メディカル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュルタイス、エリック
(72)【発明者】
【氏名】サリナス、アルヴィン
(72)【発明者】
【氏名】ズオン、アラン
【テーマコード(参考)】
4C026
4C160
4C267
【Fターム(参考)】
4C026AA04
4C026BB07
4C026DD03
4C026DD05
4C026FF18
4C026FF43
4C160EE15
4C160EE30
4C160MM33
4C267AA05
4C267AA06
4C267AA28
4C267BB02
4C267BB08
4C267BB09
4C267BB29
4C267BB32
4C267BB40
4C267BB47
4C267CC09
4C267CC19
4C267GG09
4C267GG14
4C267GG34
(57)【要約】
患者(109)の体(107)内の血管(108)の血管壁(108A)内または血管壁(108A)に隣接する治療部位(106)を治療するためのカテーテルシステム(100)は、エネルギー源(124)と、カテーテル流体(132)と、エミッタアセンブリ(129)とを含む。エネルギー源(124)は、エネルギーを生成する。エミッタアセンブリ(129)は、(i)治療部位(106)の近くに選択的に配置されるガイド遠位端(122D)を有するエネルギーガイド(122A)の少なくとも一部と、(ii)プラズマ発生器(133)と、(iii)エネルギーガイド(122A)およびプラズマ発生器(133)の各々に固定され、エネルギーガイド(122A)のガイド遠位端(122D)とプラズマ発生器(133)との間の相対位置を維持するエミッタハウジング(260)とを含む。エネルギーガイド(122A)は、エネルギー源(124)からエネルギーを受け取り、そのエネルギーをプラズマ発生器(133)に向けて導き、カテーテル流体(132)内にプラズマバブル(134)を生成するように構成される。プラズマ発生器(133)は、プラズマバブル(134)からのエネルギーを治療部位(106)に向けて導く。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の体内の血管若しくは心臓弁内または血管若しくは心臓弁に隣接する治療部位を治療するためのカテーテルシステムであって、
エネルギーを生成するエネルギー源と、
カテーテル流体と、
エミッタアセンブリと
を備え、前記エミッタアセンブリは、
(i)前記治療部位の近くに選択的に配置されるガイド遠位端を有するエネルギーガイドの少なくとも一部と、
(ii)プラズマ発生器と、
(iii)前記エネルギーガイドおよび前記プラズマ発生器の各々に固定され、前記エネルギーガイドの前記ガイド遠位端と前記プラズマ発生器との間の相対位置を維持するエミッタハウジングと
を含み、
前記エネルギーガイドは、前記エネルギー源からエネルギーを受け取り、前記エネルギーを前記プラズマ発生器に向けて導き、前記カテーテル流体内にプラズマバブルを生成するように構成され、
前記プラズマ発生器は、前記プラズマバブルからのエネルギーを前記治療部位に向けて導くように構成される、カテーテルシステム。
【請求項2】
前記エミッタハウジングは、
(i)前記ガイド遠位端で、または前記ガイド遠位端の近くで、前記エネルギーガイドに固定される第1のハウジングセクションと、
(ii)前記プラズマ発生器に固定されるか、または前記プラズマ発生器と一体的に形成される、第2のハウジングセクションと、
(iii)前記第1のハウジングセクションおよび前記第2のハウジングセクションに結合され、前記第1のハウジングセクションと前記第2のハウジングセクションとの間に延びるコネクタセクションと
を含む、請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項3】
前記第1のハウジングセクションは略円筒形である、請求項2に記載のカテーテルシステム。
【請求項4】
前記第1のハウジングセクションは、前記第1のハウジングセクションの長さに実質的に沿って延びるハウジングギャップを含み、前記第1のハウジングセクションは、環境条件の変化により膨張および収縮するように構成される、請求項3に記載のカテーテルシステム。
【請求項5】
前記第1のハウジングセクションは、ガイド開口部を含み、前記エネルギーガイドの少なくとも一部は、前記ガイド開口部内に固定される、請求項2~4のいずれか一項に記載のカテーテルシステム。
【請求項6】
前記ガイド遠位端で、または前記ガイド遠位端の近くで、前記第1のハウジングセクションを前記エネルギーガイドに固定する接着材料をさらに備える、請求項2~5のいずれか一項に記載のカテーテルシステム。
【請求項7】
前記第1のハウジングセクションは、前記第1のハウジングセクションと前記エネルギーガイドとの間に位置する第1のハウジングポートを含み、前記第1のハウジングポートは、前記接着材料が、前記ガイド遠位端で、または前記ガイド遠位端の近くで、前記第1のハウジングセクションを前記エネルギーガイドに固定するように、前記接着材料を受け入れるように構成される、請求項6に記載のカテーテルシステム。
【請求項8】
前記第2のハウジングセクションは、略円筒形である、請求項2~7のいずれか一項に記載のカテーテルシステム。
【請求項9】
前記第2のハウジングセクションは、前記第2のハウジングセクションの長さに実質的に沿って延びるハウジングギャップを含み、前記第2のハウジングセクションは、環境条件の変化により膨張および収縮するように構成される、請求項2に記載のカテーテルシステム。
【請求項10】
前記第2のハウジングセクションは、発生器開口部を含み、前記プラズマ発生器の少なくとも一部は、前記発生器開口部内に固定される、請求項2~9のいずれか一項に記載のカテーテルシステム。
【請求項11】
前記接着材料は、前記第2のハウジングセクションを前記プラズマ発生器に固定する、請求項6または7に記載のカテーテルシステム。
【請求項12】
前記第2のハウジングセクションは、前記第2のハウジングセクションと前記エネルギーガイドとの間に位置する第2のハウジングポートを含み、前記第2のハウジングポートは、前記接着材料が、前記ガイド遠位端で、または前記ガイド遠位端の近くで、前記第2のハウジングセクションを前記エネルギーガイドに固定するように、前記接着材料を受け入れるように構成される、請求項11に記載のカテーテルシステム。
【請求項13】
前記第2のハウジングセクションは、前記プラズマ発生器と一体的に形成される、請求項2~12のいずれか一項に記載のカテーテルシステム。
【請求項14】
前記コネクタセクションは、セクション開口部を含み、前記プラズマ発生器は、前記プラズマバブルからの前記エネルギーを、前記セクション開口部を通って前記治療部位に向けて導くように構成される、請求項2~13のいずれか一項に記載のカテーテルシステム。
【請求項15】
前記コネクタセクションは、部分的に円筒形であり、前記セクション開口部は、前記コネクタセクションの長さに実質的に沿って延びる、請求項14に記載のカテーテルシステム。
【請求項16】
前記プラズマ発生器は、前記プラズマ発生器が前記プラズマバブルからの前記エネルギーを、前記セクション開口部を通って前記治療部位に向けて導くように構成されるように、角度が付けられた近位端を有する、請求項14または15に記載のカテーテルシステム。
【請求項17】
前記プラズマ発生器の近位端は、平坦な垂直構造に対して約5度~45度で角度が付けられている、請求項16に記載のカテーテルシステム。
【請求項18】
前記エミッタハウジングを実質的に取り囲むように配置された補強カバーをさらに備える、請求項1~17のいずれか一項に記載のカテーテルシステム。
【請求項19】
前記補強カバーは、ポリイミドチューブを含む、請求項18に記載のカテーテルシステム。
【請求項20】
溝を有する外面を含むガイドワイヤールーメンをさらに備え、前記エミッタハウジングが前記溝内に配置される、請求項1~19のいずれか一項に記載のカテーテルシステム。
【請求項21】
前記第1のハウジングセクションに隣接して配置される第1のアセンブリ取り付け具と、前記第2のハウジングセクションに隣接して配置される第2のアセンブリ取り付け具とをさらに備え、前記第1のアセンブリ取り付け具および前記第2のアセンブリ取り付け具は、前記ガイドワイヤールーメンの前記外面に沿って形成された前記溝内に前記エミッタハウジングを保持するように構成される、請求項20に記載のカテーテルシステム。
【請求項22】
バルーン内部を画定するバルーン壁を含むバルーンをさらに備え、前記バルーンは、前記バルーン内部内に前記カテーテル流体を保持するように構成され、前記ガイド遠位端、前記プラズマ発生器、および前記エミッタハウジングは、前記バルーン内部に配置される、請求項1~21のいずれか一項に記載のカテーテルシステム。
【請求項23】
前記バルーンは、膨張状態に拡張するために前記カテーテル流体によって選択的に膨張可能であり、前記バルーンが前記膨張状態にあるとき、前記バルーン壁は、前記治療部位に実質的に隣接して配置されるように構成される、請求項22に記載のカテーテルシステム。
【請求項24】
前記プラズマ発生器は、前記プラズマバブルからの前記エネルギーを、前記治療部位に実質的に隣接して位置する前記バルーン壁の一部に向けて導くように構成される、請求項23に記載のカテーテルシステム。
【請求項25】
前記エネルギーガイドは、前記治療部位に力を与える1つまたは複数の圧力波を前記カテーテル流体内に生成する、請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項26】
前記エネルギーガイドは光ファイバを含む、請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項27】
前記エネルギー源はレーザを含む、請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項28】
前記カテーテル流体は、湿潤剤および界面活性剤のうちの一方を含む、請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項29】
請求項1~28のいずれか一項に記載のカテーテルシステムを利用する、患者の体内の血管または心臓弁内または隣接する治療部位を治療する方法。
【請求項30】
患者の体内の血管若しくは心臓弁内または血管若しくは心臓弁に隣接する治療部位を治療するための方法であって、
エネルギー源を用いてエネルギーを生成するステップと、
前記治療部位近くのカテーテル流体内にエミッタアセンブリを配置するステップであって、前記エミッタアセンブリは、
(i)前記治療部位の近くに選択的に配置されるガイド遠位端を有するエネルギーガイドの少なくとも一部と、
(ii)プラズマ発生器と、
(iii)前記エネルギーガイドおよび前記プラズマ発生器の各々に固定され、前記エネルギーガイドの前記ガイド遠位端と前記プラズマ発生器との間の相対位置を維持するエミッタハウジングと
を含む、ステップと、
前記エネルギーガイドを用いて前記エネルギー源からエネルギーを受け取るステップと、
前記プラズマ発生器に向けて導かれた前記エネルギーガイドからの前記エネルギーによって、前記カテーテル流体内にプラズマバブルを生成するステップと、
前記プラズマ発生器を使用して前記プラズマバブルからのエネルギーを前記治療部位に向けて導くステップと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血管壁を有する血管内に留置するためのカテーテルシステムを対象とするものである。
【背景技術】
【0002】
体内の血管内の血管病変(本明細書では「治療部位」とも呼ばれる)は、例えば、心筋梗塞、塞栓症、深部静脈血栓症、脳卒中などの重大な有害事象のリスクの増加に関連する可能性がある。重度の石灰化血管病変などの重度の血管病変は、臨床現場で医師が治療したり開存性を達成したりすることが困難な場合がある。
【0003】
血管病変は、いくつか例を挙げると、薬物療法、バルーン血管形成術、アテローム切除術、ステント留置術、血管移植片バイパスなどの介入を使用して治療される場合がある。このような介入は、必ずしも理想的であるとは限らず、病変に対処するためにその後の治療が必要になる場合もある。
【0004】
血管内砕石術は、体内の血管内の血管病変を破壊するために最近使用され、ある程度の成功を収めている1つの方法である。血管内砕石術は、流体で満たされたバルーンカテーテル内で血管内に生成される圧力波と気泡の動力学の組み合わせを利用する。特に、血管内砕石術の治療中は、高エネルギー源を使用してプラズマを生成し、最終的には圧力波を生成するだけでなく、流体で満たされたバルーン内で急速な気泡の膨張を発生させ、1つまたは複数の血管病変を含む血管系内の治療部位の石灰化に亀裂を加える。プラズマの開始に伴う急速な気泡形成と、その結果生じるバルーン内の局所的な流体速度により、非圧縮性流体を介して機械エネルギーが伝達され、バルーン壁に対向する血管内のカルシウムに破壊力が加わる。風船の壁に衝突したときの流体の運動量の急速な変化は、油圧衝撃またはウォーターハンマーとして知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
血管壁内または血管壁に隣接する治療部位に圧力を加えて破砕を誘発するために、流体で満たされたバルーン内で生成されたエネルギーをより正確かつ精密に導くおよび/または集中させることが望ましい。
【0006】
一貫して製造可能な方法で血管開存性を強化し、血管内砕石術カテーテルシステム内の治療送出パラメータを最適化したいという要望が継続的に存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、血管壁を有する血管内に配置するためのカテーテルシステムを対象とする。カテーテルシステムは、患者の体内の血管壁または心臓弁内またはそれに隣接する治療部位を治療するために使用することができる。様々な実施形態では、カテーテルシステムは、エネルギー源、カテーテル流体、およびエミッタアセンブリを含む。エネルギー源は、エネルギーを生成する。エミッタアセンブリは、(i)治療部位の近くに選択的に配置されるガイド遠位端を有するエネルギーガイドの少なくとも一部と、(ii)プラズマ発生器と、(iii)エネルギーガイドおよびプラズマ発生器の各々に固定され、エネルギーガイドのガイド遠位端とプラズマ発生器との間の相対位置を維持するエミッタハウジングとを含む。エネルギーガイドは、エネルギー源からエネルギーを受け取り、そのエネルギーをプラズマ発生器に向けて導き、カテーテル流体内にプラズマバブルを生成するように構成される。プラズマ発生器は、プラズマバブルからのエネルギーを治療部位に向けて導く。
【0008】
いくつかの実施形態では、エミッタハウジングは、(i)ガイド遠位端またはその近くでエネルギーガイドに固定される第1のハウジングセクションと、(ii)プラズマ発生器に固定されるか、またはプラズマ発生器と一体的に形成される第2のハウジングセクションと、(iii)第1のハウジングセクションおよび第2のハウジングセクションに結合され、第1のハウジングセクションと第2のハウジングセクションとの間に延びるコネクタセクションとを含む。
【0009】
特定の実施形態では、第1のハウジングセクションは、略円筒形である。いくつかのそのような実施形態では、第1のハウジングセクションは、小さなハウジングギャップを含み、小さなハウジングギャップは、第1のハウジングセクションの長さに完全に沿って延び、環境条件の変化による第1のハウジングセクションのわずかな膨張または収縮を可能にする。
【0010】
特定の実施形態では、第1のハウジングセクションは、ガイド開口部を含み、エネルギーガイドの少なくとも一部は、ガイド開口部内に固定される。
【0011】
いくつかの実施形態では、カテーテルシステムは、ガイド遠位端で、またはガイド遠位端の近くで、第1のハウジングセクションをエネルギーガイドに固定するように構成された接着材料をさらに含む。
【0012】
特定の実施形態では、第1のハウジングセクションは、第1のハウジングポートを含み、ガイド遠位端で、またはガイド遠位端の近くで、第1のハウジングセクションをエネルギーガイドに固定するために、第1のハウジングポートを通して第1のハウジングセクションとエネルギーガイドとの間に接着材料を供給することができる。
【0013】
いくつかの実施形態では、第2のハウジングセクションは、略円筒形である。
【0014】
特定の実施形態では、第2のハウジングセクションは、小さなハウジングギャップを含み、小さなハウジングギャップは、第2のハウジングセクションの長さに完全に沿って延び、環境条件の変化による第2のハウジングセクションのわずかな膨張または収縮を可能にする。
【0015】
特定の実施形態では、第2のハウジングセクションは、発生器開口部を含み、プラズマ発生器の少なくとも一部は、発生器開口部内に固定される。
【0016】
いくつかの実施形態では、カテーテルシステムは、第2のハウジングセクションをプラズマ発生器に固定するように構成された接着材料をさらに含む。
【0017】
特定の実施形態では、第2のハウジングセクションは、第2のハウジングポートを含み、第2のハウジングセクションをプラズマ発生器に固定するために、第2のハウジングポートを通して第2のハウジングセクションとプラズマ発生器との間に接着材料を供給することができる。
【0018】
他の実施形態では、第2のハウジングセクションは、プラズマ発生器と一体的に形成される。
【0019】
特定の実施形態では、コネクタセクションは、セクション開口部を含み、プラズマ発生器は、プラズマバブルからのエネルギーを、セクション開口部を通って治療部位に向けて導く。
【0020】
いくつかの実施形態では、コネクタセクションは、部分的に円筒形である、セクション開口部は、コネクタセクションの長さに完全に沿って延びる。
【0021】
いくつかの実施形態では、プラズマ発生器は、プラズマバブルからのエネルギーを、セクション開口部を通って治療部位に向けて導くように角度が付けられた近位端を有する。
【0022】
特定の実施形態では、プラズマ発生器の近位端は、平坦な垂直構造に対して約5度~45度で角度が付けられている。
【0023】
いくつかの実施形態では、カテーテルシステムは、エミッタハウジングを実質的に取り囲むように配置された補強カバーをさらに含む。
【0024】
一実施形態では、補強カバーは、ポリイミドチューブを含む。
【0025】
特定の実施形態では、カテーテルシステムは、溝を有する外面を含むガイドワイヤールーメンをさらに含み、エミッタハウジングは、ガイドワイヤールーメンの外面に沿って形成された溝内に配置される。
【0026】
いくつかの実施形態では、カテーテルシステムは、ガイドワイヤールーメンの外面に沿って形成された溝内にエミッタハウジングを保持するために、第1のハウジングセクションに隣接して配置される第1アセンブリ取り付け具と、第2のハウジングセクションに隣接して配置される第2アセンブリ取り付け具とをさらに含む。
【0027】
いくつかの実施形態では、カテーテルシステムは、バルーン内部を画定するバルーン壁を含むバルーンをさらに含み、バルーンは、バルーン内部内にカテーテル流体を保持するように構成される。
【0028】
様々な実施形態では、ガイド遠位端、プラズマ発生器、およびエミッタハウジングは、バルーン内部に配置される。
【0029】
このような特定の実施形態では、バルーンは、膨張状態に拡張するためにカテーテル流体によって選択的に膨張可能であり、バルーンが膨張状態にあるとき、バルーン壁は、治療部位に実質的に隣接して配置されるように構成される。
【0030】
いくつかの実施形態では、プラズマ発生器は、プラズマバブルからのエネルギーを、治療部位に実質的に隣接して位置するバルーン壁の一部に向けて導くように構成される。
【0031】
特定の実施形態では、エネルギーガイドは、治療部位に力を与える1つまたは複数の圧力波をカテーテル流体内に生成する。
【0032】
いくつかの実施形態では、エネルギーガイドは、光ファイバを含む。
【0033】
様々な実施形態では、エネルギー源は、レーザを含む。
【0034】
特定の実施形態では、カテーテル流体は、湿潤剤および界面活性剤のうちの一方を含む。
【0035】
本発明はさらに、患者の体内の血管または心臓弁内またはそれに隣接する治療部位を治療するための方法であって、エネルギー源を用いてエネルギーを生成するステップと、治療部位近くのカテーテル流体内にエミッタアセンブリを配置するステップであって、エミッタアセンブリは、(i)治療部位の近くに選択的に配置されるガイド遠位端を有するエネルギーガイドの少なくとも一部と、(ii)プラズマ発生器と、(iii)エネルギーガイドおよびプラズマ発生器の各々に固定され、エネルギーガイドのガイド遠位端とプラズマ発生器との間の相対位置を維持するエミッタハウジングとを含む、ステップと、エネルギーガイドを用いてエネルギー源からエネルギーを受け取るステップと、プラズマ発生器に向けて導かれたエネルギーガイドからのエネルギーによって、カテーテル流体内にプラズマバブルを生成するステップと、プラズマ発生器を使用してプラズマバブルからのエネルギーを治療部位に向けて導くステップとを含む、方法を対象とする。
【0036】
この概要は、本出願の教示の一部の概説であり、本主題を排他的または網羅的に扱うことを意図したものではない。さらなる詳細は、詳細な説明および添付の特許請求の範囲に見出される。他の態様は、以下の詳細な説明を読んで理解し、その一部を形成する図面を見ることによって当業者には明らかになるであろうが、その各々は、限定的な意味で解釈されるべきではない。本明細書の範囲は、添付の特許請求の範囲およびその法的均等物によって定義される。
【0037】
本発明の新規な構成、ならびに本発明自体は、その構造およびその動作の両方に関して、同様の符号が同様の部品を指す、添付図面を添付の説明と併せて参照することにより、最もよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】エネルギーガイドの少なくとも一部を含むエミッタアセンブリを含む、様々な実施形態に係るカテーテルシステムの一実施形態の簡略化された概略断面図である。
図2】エミッタアセンブリの一実施形態を含むカテーテルシステムの一実施形態の一部の簡略化された概略断面図である。
図3図2に示されるエミッタアセンブリの簡略化された概略斜視図である。
図4図2に示されるエミッタアセンブリの簡略化された概略分解図である。
図5】カテーテルシステムのガイドワイヤールーメンに固定された、図2に示されるエミッタアセンブリの簡略化された概略斜視図である。
図6】エミッタアセンブリの別の一実施形態の簡略化された概略斜視図である。
図7図6に示されるエミッタアセンブリの一部の簡略化された概略端面図である。
図8】エミッタアセンブリのさらに別の一実施形態の簡略化された概略斜視図である。
【0039】
本発明の実施形態は、様々な修正形態および代替形態が可能であるが、その詳細は、例および図面によって示されており、本明細書で詳細に説明される。しかしながら、本明細書の範囲は、説明された特定の実施形態に限定されないことが理解される。逆に、その意図は、本明細書の趣旨および範囲内に入る修正物、等価物、および代替物を網羅することである。
【発明を実施するための形態】
【0040】
血管病変の治療により、影響を受けた被験者の重大な有害事象または死亡を減らすことができる。本明細書で言及される場合、主要な有害事象は、血管病変の存在により体内のどこでも起こり得る事象である。主要な有害事象には、主要な心臓の有害事象、末梢血管系または中枢血管系における主要な有害事象、脳における主要な有害事象、筋肉系における主要な有害事象、または内臓器官のいずれかにおける主要な有害事象が含まれ得るが、これらに限定されない。
【0041】
本明細書で使用される場合、「治療部位」、「血管内病変」、および「血管病変」という用語は、特に断りのない限り、互換的に使用される。したがって、血管内病変および/または血管病変は、本明細書では単に「病変」と呼ばれることもある。
【0042】
当業者であれば、本発明の以下の詳細な説明は、例示のみを目的とするものであり、いかなる意味においても限定を意図するものではないことを理解するであろう。本発明の他の実施形態は、本開示の恩恵を受ける当業者であれば容易に示唆されるであろう。次に、添付図面に示されるような本発明の実装形態を詳細に参照する。図面および以下の詳細な説明全体を通じて、同一または同様の部品を指すために、同一または同様の命名法および/または参照指標が使用される。
【0043】
明確にするために、本明細書で説明される実装の所定の構成のすべてが示され、説明されるわけではない。このような実際の実装の開発では、アプリケーション関連およびビジネス関連の制約への準拠など、開発者の具体的な目標を達成するために実装固有の多数の決定を下す必要があり、これらの具体的な目標は、実装および開発者によって異なることが理解される。さらに、そのような開発努力は、複雑で時間がかかるかもしれないが、それでも本開示の恩恵を受ける当業者にとっては日常的なエンジニアリング作業であることが認識される。
【0044】
本明細書に開示されるカテーテルシステムは、多くの異なる形態を含むことができる。ここで図1を参照すると、様々な実施形態に係るカテーテルシステム100の簡略化された概略断面図が示されている。カテーテルシステム100は、圧力波を与えて、患者の体内の血管壁内もしくは血管壁に隣接する、または心臓弁に隣接する1つまたは複数の治療部位に破砕を誘発するのに適している。図1に示される実施形態では、カテーテルシステム100は、カテーテル102と、1つまたは複数のエネルギーガイド122Aを含むエネルギーガイドバンドル122と、ソースマニホールド136と、流体ポンプ138と、エネルギー源124、電源125、システムコントローラ126、およびグラフィックユーザーインターフェース127(「GUI」)のうちの1つまたは複数を含むシステムコンソール123と、ハンドルアセンブリ128と、エミッタアセンブリ129とのうちの1つまたは複数を含むことができる。様々な実施形態では、エミッタアセンブリ129は、エネルギーガイド122Aの少なくとも一部を含み、および/または組み込んでおり、エミッタアセンブリ129は、患者109の体107内の血管108の血管壁108Aまたは心臓弁内の、またはそれに隣接する治療部位106で、1つまたは複数の治療部位106Aに向けてエネルギーを導くおよび/または集中させるように構成される。あるいはまた、カテーテルシステム100は、図1に関連して具体的に図示および説明されたものよりも多くの構成要素またはより少ない構成要素を含むことができる。
【0045】
カテーテル102は、患者109の体107内の血管108の血管壁108Aまたは心臓弁内またはそれに隣接する治療部位106に移動するように構成されている。治療部位106は、例えば石灰化血管病変などの1つまたは複数の血管病変106Aを含むことができる。加えて、または代替として、治療部位106は、線維性血管病変などの血管病変106Aを含むことができる。さらに代替的に、いくつかの実施形態では、カテーテル102は、患者109の体107内の心臓弁内またはそれに隣接する治療部位106で使用することができる。
【0046】
カテーテル102は、膨張可能なバルーン104(本明細書では単に「バルーン」と呼ばれることもある)、カテーテルシャフト110、およびガイドワイヤー112を含むことができる。バルーン104は、カテーテルシャフト110に結合することができる。バルーン104は、バルーン近位端104Pおよびバルーン遠位端104Dを含むことができる。カテーテルシャフト110は、カテーテルシステム100の近位部分114からカテーテルシステム100の遠位部分116まで延びることができる。カテーテルシャフト110は、長手方向軸線144を含むことができる。カテーテル102および/またはカテーテルシャフト110は、ガイドワイヤー112上にわたって移動するように構成されたガイドワイヤールーメン118も含むことができる。本明細書で使用されるように、ガイドワイヤールーメン118は、ガイドワイヤー112が貫通して延びる導管を画定する。カテーテルシャフト110はさらに、膨張ルーメン(図示せず)および/または他の様々な目的のための様々な他のルーメンを含むことができる。いくつかの実施形態では、カテーテル102は、遠位端開口部120を有することができ、カテーテル102が移動されて治療部位106またはその近くに位置決めされるときに、ガイドワイヤー112を収容し、ガイドワイヤー112上にわたって追跡することができる。いくつかの実施形態では、バルーン近位端104Pは、カテーテルシャフト110に結合することができ、バルーン遠位端104Dは、ガイドワイヤールーメン118に結合することができる。
【0047】
バルーン104は、バルーン内部146を画定するバルーン壁130を含む。バルーン104は、カテーテル流体132で選択的に膨張させて、カテーテル102を患者の血管系を通して前進させるのに適した収縮状態から、カテーテル102を治療部位106に対して所定の位置に固定するのに適した(図1に示されるような)膨張状態まで拡張することができる。別の言い方をすると、バルーン104が膨張状態にあるとき、バルーン104のバルーン壁130は、治療部位106に実質的に隣接して配置されるように構成される。図1では、バルーン104のバルーン壁130が、膨張状態にあるときに血管108または心臓弁の治療部位106から離間して示されているが、これは説明を容易にするために行われていることが理解される。バルーン104が膨張状態にあるとき、バルーン104のバルーン壁130は、典型的には治療部位106に実質的に直接隣接および/または当接していることが認識される。
【0048】
カテーテルシステム100での使用に適したバルーン104には、収縮状態にあるときに患者109の血管系を通過できるものが含まれる。いくつかの実施形態では、バルーン104は、シリコーンから作製される。他の実施形態では、バルーン104は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリウレタン、PEBAX(商標名)材料などのポリマー、ナイロン、または任意の他の適切な材料などの材料から作製することができる。
【0049】
バルーン104は、(膨張状態で)任意の適切な直径を有することができる。様々な実施形態では、バルーン104は、(膨張状態で)1ミリメートル(mm)未満~最大25mmの範囲の直径を有することができる。いくつかの実施形態では、バルーン104は、(膨張状態で)少なくとも1.5mm~最大14mmの範囲の直径を有することができる。いくつかの実施形態では、バルーン104は、(膨張状態で)少なくとも2mm~最大5mmの範囲の直径を有することができる。
【0050】
いくつかの実施形態では、バルーン104は、少なくとも3mm~300mmの範囲の長さを有することができる。より具体的には、いくつかの実施形態では、バルーン104は、少なくとも8mm~200mmの範囲の長さを有することができる。比較的長い長さを有するバルーン104は、より大きな治療部位106に隣接して配置することができ、したがって、治療部位106内の正確な位置でより大きな血管病変106Aまたは複数の血管病変106Aに圧力波を与えて破砕を誘発するのに使用可能であることが理解される。さらに、より長いバルーン104を任意の1つの時点で複数の治療部位106に隣接して配置できることも理解される。
【0051】
バルーン104は、約1気圧(atm)~70atmの膨張圧力まで膨張させることができる。いくつかの実施形態では、バルーン104は、少なくとも20atm~60atmの膨張圧力まで膨張させることができる。他の実施形態では、バルーン104は、少なくとも6atm~20atmの膨張圧力まで膨張させることができる。さらに他の実施形態では、バルーン104は、少なくとも3atm~20atmの膨張圧力まで膨張させることができる。またさらに他の実施形態では、バルーン104は、少なくとも2atm~10atmの膨張圧力まで膨張させることができる。
【0052】
バルーン104は、円錐形状、正方形形状、長方形形状、球形状、円錐形/正方形形状、円錐形/球形状、伸びた球形状、楕円形状、テーパ形状、骨形状、段付き直径形状、オフセット形状、または円錐形オフセット形状を含むがこれらに限定されない様々な形状を有することができる。いくつかの実施形態では、バルーン104は、薬剤溶出コーティングまたは薬剤溶出ステント構造を含むことができる。薬物溶出コーティングまたは薬物溶出ステントは、抗炎症剤、抗腫瘍剤、抗血管新生剤などを含む1つまたは複数の治療薬を含むことができる。
【0053】
カテーテル流体132は、液体または気体とすることができる。使用に適したカテーテル流体132のいくつかの例には、水、生理食塩水、造影媒体、フルオロカーボン、パーフルオロカーボン、二酸化炭素などの気体、または任意の他の適切なカテーテル流体132のうちの1つまたは複数が含まれ得るが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、カテーテル流体132は、ベース膨張流体として使用することができる。いくつかの実施形態では、カテーテル流体132は、体積比約50:50の生理食塩水と造影媒体の混合物を含むことができる。他の実施形態では、カテーテル流体132は、体積比約25:75の生理食塩水と造影媒体の混合物を含むことができる。さらに他の実施形態では、カテーテル流体132は、体積比約75:25の生理食塩水と造影媒体の混合物を含むことができる。しかしながら、生理食塩水対造影媒体の任意の適切な比率を使用できることが理解される。カテーテル流体132は、圧力波の伝播速度が適切に操作されるように、組成、粘度などに基づいて調整することができる。特定の実施形態では、使用に適したカテーテル流体132は、生体適合性である。カテーテル流体132の体積は、選択されたエネルギー源124および使用されるカテーテル流体132の種類によって調整することができる。
【0054】
特定の実施形態では、カテーテル流体132は、湿潤剤または表面活性剤(界面活性剤)を含むことができる。これらの化合物は、固体と液体の間の張力を下げることができる。これらの化合物は、乳化剤、分散剤、洗剤、および水浸透剤として機能することができる。湿潤剤または界面活性剤は、液体の表面張力を低減させ、液体を完全に濡らし、光学部品(例えば、エネルギーガイド(複数可)122A)および機械部品(例えば、エミッタアセンブリ(複数可)129の他の部分)と接触させることができる。これにより、気泡およびポケットの蓄積またはエミッタアセンブリ129内のガスの混入が低減または排除される。湿潤剤として使用できる化学物質の非限定的な例としては、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム、ポロクサマー188、ポロクサマー407、ポリソルベート20、ポリソルベート40などが含まれるが、これらに限定されない。界面活性剤の非限定的な例としては、イオン性および非イオン性洗剤、およびステアリン酸ナトリウムが含まれ得るが、これらに限定されない。別の適切な界面活性剤は、4-(5-ドデシル)ベンゼンスルホネートである。他の例としては、いくつか例を挙げると、ドキュセート(スルホコハク酸ジオクチルナトリウム)、リン酸アルキルエーテル、およびパーフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)が含まれ得る。
【0055】
湿潤剤または界面活性剤を使用することにより、エネルギーガイド122Aとの液体の直接接触は、エネルギーをより効率的にプラズマに変換することを可能にする。エミッタアセンブリ129、およびカテーテル102の他の部分に使用される小さい寸法の光学部品および機械部品と共に湿潤剤または界面活性剤を使用すると、より大きな(または完全な)濡れを達成することはそれほど難しくない。液体の表面張力を低下させると、そのような小さな構造体が液体によって効果的に濡れて、ほぼまたは完全に浸漬されることの困難性は、低減され得る。空気または他の気泡が光学的および機械的構造体およびエネルギーガイド122Aに付着するのを低減または排除することによって、装置の効率を大幅に向上させることができる。
【0056】
湿潤剤または界面活性剤の具体的な割合は、使用されているカテーテルシステム100および/またはエミッタアセンブリ129の設計パラメータに適合するように変えることができる。一実施形態では、湿潤剤または界面活性剤の割合は、カテーテル流体132の約50体積%未満とすることができる。非排他的な代替実施形態では、湿潤剤または界面活性剤の割合は、カテーテル流体132の約40体積%、30体積%、20体積%、10体積%、5体積%、2体積%、1体積%、0.1体積%、または0.01体積%未満とすることができる。さらに代替的に、湿潤剤または界面活性剤の割合は、前述の範囲外とすることができる。
【0057】
いくつかの実施形態では、造影媒体内で使用される造影剤としては、イオン性または非イオン性ヨウ素系造影剤などのヨウ素系造影剤が含まれ得るが、これらに限定されない。イオン性ヨウ素系造影剤のいくつかの非限定的な例としては、ジアトリゾエート、メトリゾエート、イオタラム酸、およびイオキサグレートが含まれる。非イオン性ヨウ素系造影剤のいくつかの非限定的な例としては、イオパミドール、イオヘキソール、イオキシラン、イオプロミド、イオジキサノール、およびイオベルソールが含まれる。他の実施形態では、非ヨウ素系造影剤を使用することができる。適切な非ヨウ素含有造影剤には、ガドリニウム(III)系造影剤が含まれ得る。適切なフルオロカーボンおよびパーフルオロカーボン剤としては、パーフルオロカーボンドデカフルオロペンタン(DDFP、C5F12)などの薬剤が含まれ得るが、これに限定されない。
【0058】
カテーテル流体132は、電磁スペクトルの紫外領域(例えば、少なくとも10ナノメートル(nm)~400nm)、可視領域(例えば、少なくとも400nm~780nm)、または近赤外領域(例えば、少なくとも780nm~2.5μm)の光を選択的に吸収できる吸収剤を含むものを含むことができる。適切な吸収剤としては、少なくとも10nm~2.5μmのスペクトルに沿って吸収極大を有するものが含まれ得る。あるいはまた、カテーテル流体132は、電磁スペクトルの中赤外領域(例えば、少なくとも2.5μm~15μm)または遠赤外領域(例えば、少なくとも15μm~1mm)の光を選択的に吸収できる吸収剤を含むものを含むことができる。様々な実施形態では、吸収剤は、カテーテルシステム100で使用されるレーザの発光最大値と一致する吸収最大値を有するものとすることができる。非限定的な例として、カテーテルシステム100で使用可能な様々なレーザには、ネオジム:イットリウム-アルミニウム-ガーネット(Nd:YAG-発光最大値=1064nm)レーザ、ホルミウム:YAG(Ho:YAG-発光最大値=2.1nm)レーザ、またはエルビウム:YAG(Er:YAG-発光最大値=2.94μm)レーザが含まれ得る。いくつかの実施形態では、吸収剤は、水溶性とすることができる。他の実施形態では、吸収剤は、水溶性ではない。いくつかの実施形態では、カテーテル流体132に使用される吸収剤は、エネルギー源124のピーク発光に適合するように調整することができる。少なくとも10ナノメートルから1ミリメートルまでの発光波長を有する様々なエネルギー源124については、本明細書の他の箇所で説明する。
【0059】
カテーテル102のカテーテルシャフト110は、エネルギー源124と光学的に連通するエネルギーガイドバンドル122の1つまたは複数のエネルギーガイド122Aに結合することができる。エネルギーガイド(複数可)122Aは、カテーテルシャフト110に沿ってバルーン104内に配置することができる。いくつかの実施形態では、各々のエネルギーガイド122Aは、光ファイバとすることができ、エネルギー源124は、レーザとすることができる。エネルギー源124は、カテーテルシステム100の近位部分114でエネルギーガイド122Aと光学的に連通することができる。
【0060】
いくつかの実施形態では、カテーテルシャフト110は、例えば、第1のエネルギーガイド、第2のエネルギーガイド、第3のエネルギーガイドなどの複数のエネルギーガイド122Aに結合することができ、これらのエネルギーガイドは、ガイドワイヤールーメン118および/またはカテーテルシャフト110の周囲のおよび/またはそれらに対して任意の適切な位置に配置することができる。例えば、特定の非排他的な実施形態では、2つのエネルギーガイド122Aは、ガイドワイヤールーメン118および/またはカテーテルシャフト110の周辺部の周りに約180度の間隔をあけて配置することができ、3つのエネルギーガイド122Aは、ガイドワイヤールーメン118および/またはカテーテルシャフト110の周辺部の周りに約120度の間隔をあけて配置することができ、あるいは、4つのエネルギーガイド122Aは、ガイドワイヤールーメン118および/またはカテーテルシャフト110の周囲に約90度の間隔をあけて配置することができる。さらに代替的に、複数のエネルギーガイド122Aは、ガイドワイヤールーメン118および/またはカテーテルシャフト110の周辺部の周りに互いに均等に間隔をあけて配置される必要はない。より具体的には、所望の位置で所望の効果を達成するために、エネルギーガイド122Aをガイドワイヤールーメン118および/またはカテーテルシャフト110の周りに均等または不均等に配置できることがさらに理解される。
【0061】
特定の実施形態では、ガイドワイヤールーメン118は、溝付きの外面を有することができ、溝は、ガイドワイヤールーメン118に沿って略長手方向に延びる。このような実施形態では、エネルギーガイド122Aおよび/またはエミッタアセンブリ(複数可)129の各々は、ガイドワイヤールーメン118の外面に沿っておよび/または外面内に形成された個別の溝内に位置決めされ、受容され、保持されることができる。あるいはまた、ガイドワイヤールーメン118は、溝付き外面なしで形成することができ、ガイドワイヤールーメン118に対するエネルギーガイド122Aおよび/またはエミッタアセンブリ(複数可)129の位置は、別の適切な方法で維持することができる。
【0062】
カテーテルシステム100および/またはエネルギーガイドバンドル122は、近位部分114でエネルギー源124と、および遠位部分116でバルーン104のバルーン内部146内のカテーテル流体132と光学的に連通する任意の数のエネルギーガイド122Aを含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、カテーテルシステム100および/またはエネルギーガイドバンドル122は、1つのエネルギーガイド122Aから30を超えるエネルギーガイド122Aまでを含むことができる。あるいはまた、他の実施形態では、カテーテルシステム100および/またはエネルギーガイドバンドル122は、30を超えるエネルギーガイド122Aを含むことができる。
【0063】
エネルギーガイド122Aは、バルーン内部146内のカテーテル流体132内にプラズマおよび/または圧力波を生成する目的のために、任意の適切な設計を有することができる。したがって、光ガイドとしてのエネルギーガイド122Aの一般的な説明は、本明細書に添付の特許請求の範囲に記載される場合を除き、いかなる形でも限定することを意図したものではない。より具体的には、カテーテルシステム100は、光源としてのエネルギー源124および光ガイドとしての1つまたは複数のエネルギーガイド122Aを用いて説明されることが多いが、カテーテルシステム100は、代替的に、バルーン内部146内のカテーテル流体132中に所望のプラズマを生成する目的で、任意の適切なエネルギー源124およびエネルギーガイド122Aを含むことができる。例えば、1つの非排他的代替実施形態では、エネルギー源124は、高電圧パルスを提供するように構成することができ、各々のエネルギーガイド122Aは、バルーン内部146内に延びる離間した電極を含む電極対を含むことができる。このような実施形態では、高電圧の各々のパルスが電極に印加され、電極間に電気アークを形成し、これにより次いでプラズマが生成され、治療部位106の血管病変106Aに破壊力を与えるために利用される圧力波がカテーテル流体132内に形成される。さらに代替的に、エネルギー源124および/またはエネルギーガイド122Aは、別の適切な設計および/または構成を有することができる。
【0064】
特定の実施形態では、エネルギーガイド122Aは、光ファイバまたはフレキシブルライトパイプを含むことができる。エネルギーガイド122Aは、薄くて可撓性であることができ、強度をほとんど失わずに光信号を送信できるようにすることができる。エネルギーガイド122Aは、コアであって、その周囲をクラッドで囲まれたコアを含むことができる。いくつかの実施形態では、コアは、円筒形のコアまたは部分的に円筒形のコアとすることができる。エネルギーガイド122Aのコアおよびクラッドは、1つまたは複数の種類のガラス、シリカ、または1つまたは複数のポリマーを含むがこれらに限定されない1つまたは複数の材料から形成することができる。エネルギーガイド122Aは、ポリマーなどの保護コーティングを含むこともできる。コアの屈折率がクラッドの屈折率よりも大きくなることが理解される。
【0065】
各々のエネルギーガイド122Aは、その長さに沿ってガイド近位端122Pから、バルーン内部146内に配置された少なくとも1つの光学窓(図示せず)を有するガイド遠位端122Dまでエネルギーを導くことができる。
【0066】
エネルギーガイド122Aは、カテーテル102のカテーテルシャフト110の周囲におよび/またはカテーテルシャフト110に対して多くの構成をとることができる。いくつかの実施形態では、エネルギーガイド122Aは、カテーテルシャフト110の長手方向軸線144と平行に延びることができる。いくつかの実施形態では、エネルギーガイド122Aは、カテーテルシャフト110に物理的に結合することができる。他の実施形態では、エネルギーガイド122Aは、カテーテルシャフト110の外径の長さに沿って配置することができる。さらに他の実施形態では、エネルギーガイド122Aは、カテーテルシャフト110内の1つまたは複数のエネルギーガイドルーメン内に配置することができる。
【0067】
エネルギーガイド122Aは、ガイドワイヤールーメン118および/またはカテーテルシャフト110の周囲の任意の適切な位置に配置することもでき、エネルギーガイド122Aの各々のガイド遠位端122Dは、ガイドワイヤールーメン118の長さに対しておよび/またはカテーテルシャフト110の長さに対して任意の適切な長手方向位置に配置して、治療部位106の血管病変106Aを破壊する目的で、より効果的かつ正確に圧力波を与えることができる。
【0068】
特定の実施形態では、エネルギーガイド122Aは、1つまたは複数の光音響トランスデューサ154を含むことができ、各々の光音響トランスデューサ154は、内部に配置されるエネルギーガイド122Aと光学的に連通することができる。いくつかの実施形態では、光音響トランスデューサ154は、エネルギーガイド122Aのガイド遠位端122Dと光学的に連通することができる。このような実施形態では、光音響トランスデューサ154は、エネルギーガイド122Aのガイド遠位端122Dに対応する、および/またはそれに倣った形状を有することができる。
【0069】
光音響トランスデューサ154は、エネルギーガイド122Aのガイド遠位端122Dまたはその近くで光エネルギーを音響波に変換するように構成される。音響波の方向は、エネルギーガイド122Aのガイド遠位端122Dの角度を変えることによって調整することができる。
【0070】
特定の実施形態では、エネルギーガイド122Aのガイド遠位端122Dに配置された光音響トランスデューサ154は、エネルギーガイド122Aのガイド遠位端122Dと同じ形状をとることができる。例えば、特定の非排他的実施形態では、光音響トランスデューサ154および/またはガイド遠位端122Dは、円錐形状、凸形状、凹形状、球根形状、正方形状、段差形状、半円形状、卵形状などを有することができる。エネルギーガイド122Aは、エネルギーガイド122Aの長さの1つまたは複数の側面に沿って配置された追加の光音響トランスデューサ154をさらに含むことができる。
【0071】
いくつかの実施形態では、エネルギーガイド122Aおよび/またはエミッタアセンブリ129は、エネルギーがバルーン壁130に導かれる前に、エネルギーガイド122Aのガイド遠位端122Dまたはその近くに配置され得る側面に向けてエネルギーガイド122Aからのエネルギーを導くように構成された1つまたは複数の方向転換機構または「ダイバータ」(図1には図示せず)を、エネルギーガイド122A内および/またはガイド遠位端付近などにさらに含むことができる。方向転換機構は、エネルギーガイド122Aからのエネルギーをその軸方向経路から離れてエネルギーガイド122Aの側面に向かって方向転換するシステムの任意の機構を含むことができる。エネルギーガイド122Aはそれぞれ、各々のエネルギーガイド122Aの長手方向または円周方向の表面に沿って配置され、方向転換機構と光学的に連通する1つまたは複数の光学窓を含むことができる。別の言い方をすると、方向転換機構は、ガイド遠位端122Dまたはその近くにある側面であって、光学窓と光学的に連通している側面に向けてエネルギーガイド122A内のエネルギーを導くように構成することができる。光学窓は、エネルギーがエネルギーガイド122A内からエネルギーガイド122Aを出ることを可能にするエネルギーガイド122Aの一部、例えば、エネルギーガイド122A上またはその周囲でクラッド材が欠けているエネルギーガイド122Aの一部を含むことができる。
【0072】
使用に適した方向転換機構の例としては、反射素子、屈折素子、およびファイバディフューザーが含まれる。エネルギーをエネルギーガイド122Aの先端から離れて集中させるのに適した方向転換機構としては、凸面、屈折率分布型(GRIN)レンズ、およびミラーフォーカスレンズを有するものを含むことができるが、これらに限定されない。方向転換機構と接触すると、エネルギーは、プラズマ発生器133と、エネルギーガイド122Aの側面と光学的に連通する光音響トランスデューサ154とのうちの1つまたは複数にエネルギーガイド122A内で方向転換される。光音響トランスデューサ154は、使用されると、その後、光エネルギーを音響波に変換し、音響波は、エネルギーガイド122Aの側面から離れて広がる。
【0073】
加えて、または代替として、特定の実施形態では、エネルギーガイド122Aに組み込むことができるそのような方向転換機構は、治療部位106の血管病変106Aに接触しているバルーン壁130の特定の領域に向けて音響エネルギーおよび機械的エネルギーを導いて、および/または集中させて、このような血管病変106Aに圧力を与えて、このような血管病変106A内で破砕を誘発する目的で、エミッタアセンブリ129および/またはプラズマ発生器133の設計に組み込むこともできる。
【0074】
ソースマニホールド136は、カテーテルシステム100の近位部分114またはその近くに配置することができる。ソースマニホールド136は、エネルギーガイドバンドル122のうちの1つまたは複数のエネルギーガイド122A、ガイドワイヤー112、および/または流体ポンプ138と流体連通して結合された膨張導管140を受け入れることができる1つまたは複数の近位端開口部を含むことができる。カテーテルシステム100は、必要に応じてカテーテル流体132によってバルーン104を膨張させるように構成された流体ポンプ138を含むこともできる。
【0075】
上述のように、図1に示される実施形態では、システムコンソール123は、エネルギー源124、電源125、システムコントローラ126、およびGUI127のうちの1つまたは複数を含む。あるいはまた、システムコンソール123は、図1に具体的に示される構成要素よりも多くの構成要素またはより少ない構成要素を含むことができる。例えば、特定の非排他的代替実施形態では、システムコンソール123は、GUI127なしで設計することができる。さらに代替的に、エネルギー源124、電源125、システムコントローラ126、およびGUI127のうちの1つまたは複数は、システムコンソール123を特に必要とすることなく、カテーテルシステム100内に設けることができる。
【0076】
図示されるように、システムコンソール123およびそれに含まれる構成要素は、カテーテル102、エネルギーガイドバンドル122、およびカテーテルシステム100の残りの部分に動作可能に結合される。例えば、いくつかの実施形態では、図1に示されるように、システムコンソール123は、コンソール接続開口部148(一般的に「ソケット」とも呼ばれることがある)を含むことができ、これによりエネルギーガイドバンドル122がシステムコンソール123に機械的に結合されるる。このような実施形態では、エネルギーガイドバンドル122は、エネルギーガイド122Aの各々の一部(例えば、ガイド近位端122P)を収容するガイド結合ハウジング150(一般的に「フェルール」とも呼ばれることがある)を含むことができる。ガイド結合ハウジング150は、エネルギーガイドバンドル122とシステムコンソール123との間に機械的結合を提供するために、コンソール接続開口部148内に嵌合して選択的に保持されるように構成される。
【0077】
エネルギーガイドバンドル122はまた、カテーテルシステム100の使用中にカテーテル102と共に血管108または心臓弁内に延びるとき、エネルギーガイド122Aおよび/またはエネルギーガイドバンドル122をよりコンパクトな形態にすることができるように、個々のエネルギーガイド122Aの各々を互いに近づけるガイドバンドラー152(または「シェル」)を含むこともできる。
【0078】
エネルギー源124は、エネルギーガイドバンドル122内のエネルギーガイド122Aの各々(例えば、エネルギーガイド122Aの各々のガイド近位端122P)と光学的に連通して選択的におよび/または代替的に結合することができる。特に、エネルギー源124は、エネルギーガイドバンドル122内のエネルギーガイド122Aの各々に選択的および/または代替的に導かれ、個別のガイドビーム124Bとしてエネルギーガイド122Aの各々によって受け取られ得る、パルスソースビームなどのソースビーム124Aの形態でエネルギーを生成するように構成される。あるいはまた、カテーテルシステム100は、2つ以上のエネルギー源124を含むことができる。例えば、1つの非排他的代替実施形態では、カテーテルシステム100は、エネルギーガイドバンドル122内のエネルギーガイド122Aの各々に対して別個のエネルギー源124を含むことができる。
【0079】
エネルギー源124は、任意の適切な設計を有することができる。特定の実施形態では、エネルギー源124は、エネルギーガイド122Aのガイド近位端122Pに結合するために、小さなスポットに集束されるエネルギーのサブミリ秒パルスをエネルギー源124から提供するように構成することができる。次いで、このようなエネルギーのパルスは、エネルギーガイド122Aに沿ってバルーン104のバルーン内部146内の位置に導かれ、および/または案内され、それにより、エネルギーガイド122Aのガイド遠位端122Dまたはその近傍に配置され得るプラズマ発生器133を介するなどして、バルーン104のバルーン内部146内のカテーテル流体132内にプラズマ形成を誘発する。特に、このような実施形態では、エネルギーガイド122Aのガイド遠位端122Dで放射されるエネルギーは、プラズマ発生器133に向けて導かれ、プラズマ発生器133にエネルギーを与えて、バルーン内部146内のカテーテル流体132内にプラズマを形成する。プラズマの形成は、急速な気泡の形成を引き起こし、治療部位106に圧力波を与える。例示的なプラズマ誘発気泡134を図1に示す。
【0080】
様々な非排他的代替実施形態では、エネルギー源124からのエネルギーのサブミリ秒パルスは、約1ヘルツ(Hz)~5000Hz、約30Hz~1000Hz、約10Hz~100Hz、または約1Hz~30Hzの周波数で治療部位106に送出され得る。あるいはまた、エネルギーのサブミリ秒パルスは、5000Hzを超えるか1Hz未満の周波数、または任意の他の適切な範囲の周波数で治療部位106に送出され得る。
【0081】
エネルギー源124は、典型的には、エネルギーのパルスを提供するために利用されるが、エネルギー源124は依然として、単一のソースビーム124A、すなわち単一のパルス化されたソースビームを提供するものとして説明できることが理解される。
【0082】
使用に適したエネルギー源124には、レーザおよびランプを含む様々なタイプの光源が含まれ得る。あるいはまた、エネルギー源124は、任意の適切なタイプのエネルギー源を含むことができる。
【0083】
適切なレーザには、ミリ秒未満のタイムスケールの短パルスレーザが含まれ得る。いくつかの実施形態では、エネルギー源124は、ナノ秒(ns)タイムスケールのレーザを含むことができる。レーザには、ピコ秒(ps)、フェムト秒(fs)、およびマイクロ秒(μs)タイムスケールの短パルスレーザも含まれ得る。カテーテル102のカテーテル流体132内にプラズマを生成するために使用できるレーザ波長、パルス幅、およびエネルギーレベルの多くの組み合わせがあることが理解される。様々な非排他的代替実施形態では、パルス幅は、少なくとも10ns~3000ns、少なくとも20ns~100ns、または少なくとも1ns~500nsを含む範囲に入るパルス幅を含むことができる。あるいはまた、他の任意の適切なパルス幅範囲を使用することもできる。
【0084】
例示的なナノ秒レーザには、約10ナノメートル(nm)~1ミリメートル(mm)の波長にわたるUV~IRスペクトル内のものが含まれ得る。いくつかの実施形態では、カテーテルシステム100での使用に適したエネルギー源124は、少なくとも750nm~2000nmの波長の光を生成できるエネルギー源を含むことができる。他の実施形態では、エネルギー源124は、少なくとも700nm~3000nmの波長の光を生成できるエネルギー源を含むことができる。さらに他の実施形態では、エネルギー源124は、少なくとも100nm~10マイクロメートル(μm)の波長の光を生成できるエネルギー源を含むことができる。ナノ秒レーザには、最大200kHzの繰り返し速度を有するレーザが含まれ得る。
【0085】
いくつかの実施形態では、レーザは、Qスイッチツリウム:イットリウム-アルミニウム-ガーネット(Tm:YAG)レーザを含むことができる。他の実施形態では、レーザは、ネオジム:イットリウム-アルミニウム-ガーネット(Nd:YAG)レーザ、ホルミウム:イットリウム-アルミニウム-ガーネット(Ho:YAG)レーザ、エルビウム:イットリウム-アルミニウム-ガーネット(Er:YAG)レーザ、エキシマレーザ、ヘリウム-ネオンレーザ、二酸化炭素レーザ、ならびにドープされたパルスファイバレーザを含むことができる。
【0086】
さらに他の実施形態では、エネルギー源124は、直列に共にグループ化された複数のレーザを含むことができる。さらに他の実施形態では、エネルギー源124は、マスターオシレータパワーアンプ(MOPA)などの高エネルギー増幅器に供給される1つまたは複数の低エネルギーレーザを含むことができる。またさらに他の実施形態では、エネルギー源124は、カテーテル流体132内にプラズマバブル134を生成するのに必要なエネルギーを提供するために並列または直列に組み合わせることができる複数のレーザを含むことができる。
【0087】
カテーテルシステム100は、少なくとも1メガパスカル(MPa)~100MPaの範囲に最大圧力を有する圧力波を生成することができる。特定のカテーテルシステム100によって生成される最大圧力は、エネルギー源124、吸収材料、気泡の膨張、伝播媒体、バルーン材料、および他の要因に依存する。様々な非排他的代替実施形態では、カテーテルシステム100は、少なくとも約2MPa~50MPa、少なくとも約2MPa~30MPa、または少なくとも約15MPa~25MPaの範囲に最大圧力を有する圧力波を生成することができる。
【0088】
圧力波は、カテーテル102が治療部位106に配置されるときに、エネルギーガイド122Aから半径方向に延びる少なくとも約0.1ミリメートル(mm)から約25mmを超える範囲の距離から治療部位106に与えることができる。様々な非排他的代替実施形態では、圧力波は、カテーテル102が治療部位106に配置されるとき、エネルギーガイド122Aから半径方向に延びる少なくとも約10mm~20mm、少なくとも約1mm~10mm、少なくとも約1.5mm~4mm、または少なくとも約0.1mm~10mmの範囲の距離から治療部位106に与えることができる。他の実施形態では、圧力波は、前述の範囲とは異なる別の適切な距離から治療部位106に与えられ得る。いくつかの実施形態では、圧力波は、少なくとも約0.1mm~10mmの距離で、少なくとも約2MPa~30MPaの範囲で治療部位106に与えることができる。いくつかの実施形態では、圧力波は、少なくとも約0.1mm~10mmの距離で、少なくとも約2MPa~25MPaの範囲で治療部位106に与えることができる。さらに代替的に、他の適切な圧力範囲および距離を使用することもできる。
【0089】
電源125は、エネルギー源124、システムコントローラ126、GUI127、およびハンドルアセンブリ128の各々に電気的に接続され、これらに必要な電力を供給するように構成される。電源125は、そのような目的に適した任意の設計を有することができる。
【0090】
システムコントローラ126は、電源125に電気的に結合され、電源125から電力を受け取る。システムコントローラ126は、エネルギー源124およびGUI127の各々に結合され、それらの動作を制御するように構成される。システムコントローラ126は、少なくともエネルギー源124およびGUI127の動作を制御する目的で、1つまたは複数のプロセッサまたは回路を含むことができる。例えば、システムコントローラ126は、要望に応じて、および/または任意の所望の発射速度でエネルギーのパルスを生成するためにエネルギー源124を制御することができる。
【0091】
システムコントローラ126は、例えば、治療部位106に隣接したカテーテル102の位置決め、カテーテル流体132によるバルーン104の膨張など、カテーテルシステム100の他の構成要素の動作を制御するように構成することもできる。さらに、またはその代わりに、カテーテルシステム100は、カテーテルシステム100の様々な動作を制御する目的のために任意の適切な方法で配置することができる1つまたは複数の追加のコントローラを含むことができる。例えば、特定の実施形態では、追加のコントローラおよび/またはシステムコントローラ126の一部を、ハンドルアセンブリ128内に配置および/または組み込むことができる。
【0092】
GUI127は、カテーテルシステム100のユーザまたはオペレータによってアクセス可能である。GUI127は、システムコントローラ126に電気的に接続されている。このような設計では、GUI127をユーザまたはオペレータが使用して、治療部位106の血管病変106Aに圧力を加えて破砕を誘発するためにカテーテルシステム100が効果的に利用されることを保証することができる。GUI127は、カテーテルシステム100の使用前、使用中、使用後に使用できる情報をユーザまたはオペレータに提供することができる。一実施形態では、GUI127は、静的な視覚データおよび/または情報をユーザまたはオペレータに提供することができる。追加して、または代替として、GUI127は、カテーテルシステム100の使用中に経時的に変化するビデオデータまたは任意の他のデータなどの動的な視覚データおよび/または情報をユーザまたはオペレータに提供することができる。様々な実施形態では、GUI127は、ユーザまたはオペレータへの警告として機能し得る、1つまたは複数の色、異なるサイズ、変化する明るさなどを含むことができる。加えて、または代替として、GUI127は、オーディオデータまたは情報をユーザまたはオペレータに提供することができる。GUI127の詳細は、カテーテルシステム100の設計要件、またはユーザまたはオペレータの具体的なニーズ、仕様、および/または要望に応じて変化し得る。
【0093】
図1に示されるように、ハンドルアセンブリ128は、カテーテルシステム100の近位部分114またはその近くに、および/またはソースマニホールド136の近くに配置することができる。この実施形態では、ハンドルアセンブリ128は、バルーン104に結合され、バルーン104から離間して配置される。あるいはまた、ハンドルアセンブリ128は、別の適切な位置に配置することもできる。
【0094】
ハンドルアセンブリ128は、カテーテル102を操作し、位置決めし、制御するためにユーザまたはオペレータによって取り扱われ、使用される。ハンドルアセンブリ128の設計および具体的な構成は、カテーテルシステム100の設計要件に合わせて変更することができる。図1に示される実施形態では、ハンドルアセンブリ128は、システムコントローラ126、エネルギー源124、流体ポンプ138、およびGUI127のうちの1つまたは複数とは別個であるが、それらと電気的および/または流体的に連通している。いくつかの実施形態では、ハンドルアセンブリ128は、ハンドルアセンブリ128の内部にシステムコントローラ126の少なくとも一部を一体化するおよび/または含めることができる。例えば、図示されるように、特定のそのような実施形態では、ハンドルアセンブリ128は、システムコントローラ126の少なくとも一部を形成することができる回路156を含むことができる。一実施形態では、回路156は、1つまたは複数の集積回路を有するプリント回路基板、または任意の他の適切な回路を含むことができる。代替実施形態では、回路156は、省略することができるか、またはシステムコントローラ126内に含めることができ、様々な実施形態では、システムコントローラ126は、システムコンソール123内など、ハンドルアセンブリ128の外部に配置することができる。ハンドルアセンブリ128は、本明細書で具体的に図示され説明されたものよりも少ない、または追加の構成要素を含むことができることが理解される。
【0095】
様々な実施形態では、エミッタアセンブリ129は、エネルギーガイド122Aのガイド遠位端122Dとプラズマ発生器133との間の所望の位置決めを維持し、バルーン内部内のカテーテル流体132内で生成されたエネルギーを導く、および/または集中させる、これにより、血管108の血管壁108Aまたは心臓弁内またはそれに隣接する治療部位106の血管病変106Aに圧力を加えて破砕を誘発するように構成される。より詳細には、エネルギーガイド122Aのガイド遠位端122Dとプラズマ発生器133との間の所望の位置決めを効果的に維持することによって、エミッタアセンブリ129に組み込むことができる特定の設計構成により、エミッタアセンブリ129は、治療部位106の血管病変106Aと接触するバルーン壁130の特定の領域に向けて音響エネルギーおよび/または機械的エネルギーを集中させ導き、そのようなエネルギーの治療部位106への送出を強化するように構成される。したがって、エミッタアセンブリ129は、カテーテルシステム100の有効性を効果的に改善することができる。
【0096】
いくつかの実施形態では、別個のエミッタアセンブリ129を各々個々のエネルギーガイド122Aに含めること、および/または各々個々のエネルギーガイド122Aに組み込むことができることが理解される。あるいはまた、他の実施形態では、単一のエミッタアセンブリ129が、複数のエネルギーガイド122Aと連動して動作するように構成することができる。さらに代替的に、各々のエネルギーガイド122Aは、エミッタアセンブリ129をその中に組み込むか、またはそれに関連させる必要がない。
【0097】
エミッタアセンブリ129の設計および/またはエミッタアセンブリ129の特定の配置は、カテーテルシステム100の要件に適合するように変更することができる。様々な実施形態では、エミッタアセンブリ129は、エネルギーガイド122Aのガイド遠位端122Dを含む部分など、エネルギーガイド122Aの少なくとも一部を利用および/または組み込むことができる。
【0098】
エミッタアセンブリ129の様々な代替実施形態が、後続の図に図示され、以下に詳細に説明される。
【0099】
本明細書に図示され説明されるすべての実施形態と同様に、理解を明瞭かつ容易にするために、様々な構造が図から省略されている場合がある。さらに、図には、本発明の意図および範囲から逸脱することなく省略できる特定の構造が含まれる場合がある。
【0100】
図2は、エミッタアセンブリ229の一実施形態を含む、カテーテルシステム200の一実施形態の一部の簡略化された概略断面図である。カテーテルシステム200の設計は、変更することができる。様々な実施形態では、図2に示すように、カテーテルシステム200は、カテーテルシャフト210を含むカテーテル202と、バルーン内部246、バルーン近位端204P、およびバルーン遠位端204Dを画定するバルーン壁230を有するバルーン204と、実質的にバルーン内部246内に保持されるカテーテル流体232と、特定の実施形態では、エネルギーガイド222Aの少なくとも一部を組み込むことができるエミッタアセンブリ229とを含むことができる。あるいはまた、他の実施形態では、カテーテルシステム200は、本明細書に具体的に図示され説明されるものよりも多くの構成要素、またはより少ない構成要素を含むことができる。例えば、ガイドワイヤー112、ガイドワイヤールーメン118、ソースマニホールド136、流体ポンプ138、エネルギー源124、電源125、システムコントローラ126、GUI127、およびハンドルアセンブリ128など、図1に示された特定の構成要素は、明確にするために図2には特に示されていないが、カテーテルシステム200の任意の実施形態に含まれる可能性がある。
【0101】
カテーテルシャフト210、バルーン204、およびカテーテル流体232の設計および機能は、本明細書で上に図示し説明したものと実質的に同様である。したがって、そのような構成要素についての詳細な説明は繰り返さない。
【0102】
バルーン204は、再び、患者の血管系を通してカテーテル202を前進させるのに適した収縮状態と、(図1に示される)治療部位106に対して所定の位置にカテーテル202を固定するのに適した膨張状態との間で選択的に移動可能である。いくつかの実施形態では、バルーン近位端204Pは、カテーテルシャフト210に結合することができ、バルーン遠位端204Dは、(図1に示される)ガイドワイヤールーメン118に結合することができる。バルーン204は、(図1に示される)膨張導管140を介してバルーン204のバルーン内部246に導かれる(図1に示される)流体ポンプ138などからのカテーテル流体232によって再び膨張させることができる。
【0103】
前の実施形態と同様に、エネルギーガイド222Aは、(図1に示される)1つまたは複数の光音響トランスデューサ154を含むことができ、各々の光音響トランスデューサ154は、内部に配置されているエネルギーガイド222Aと光学的に連通することができる。いくつかの実施形態では、光音響トランスデューサ154は、エネルギーガイド222Aのガイド遠位端222Dと光学的に連通することができる。あるいはまた、他の実施形態では、エネルギーガイド222Aは、1つまたは複数の光音響トランスデューサ154なしで設計することができる。
【0104】
様々な実施形態では、エミッタアセンブリ229は、バルーン内部246内のカテーテル流体232に生成されたエネルギーを導き、および/または集中させて、治療部位106で(図1に示される)血管病変106Aに圧力を加えて破砕を誘発するように構成される。より具体的には、エミッタアセンブリ229は、治療部位106の血管病変106Aと接触するバルーン壁230の特定の領域に向けて音響エネルギーおよび/または機械的エネルギーを導き集中させ、そのようなエネルギーの治療部位106への送出を強化するように構成される。この実施形態に示されるように、エミッタアセンブリ229の構成要素の少なくとも一部は、バルーン内部246内に配置される。
【0105】
エミッタアセンブリ229の設計は、変更することができる。図2に示されるように、特定の実施形態では、エミッタアセンブリ229は、エネルギーガイド222Aの少なくとも一部と、プラズマ発生器233と、エネルギーガイド222Aおよびプラズマ発生器233に結合および/または固定されるエミッタハウジング260とを含む。
【0106】
いくつかの実施形態では、図示されるように、エミッタハウジング260は、(i)エネルギーガイド222Aのガイド遠位端222Dまたはその近くで、エネルギーガイド222Aに結合および/または固定される第1のハウジングセクション262、(ii)プラズマ発生器233に結合および/または固定された第2のハウジングセクション264、および(iii)第1のハウジングセクション262と第2のハウジングセクション264に結合される、それらと一体的に形成される、および/またはそれらの間に延びるコネクタセクション266のうちの1つまた複数をふくむことができる。このような実施形態では、エミッタハウジング260は、第1のハウジングセクション262、第2のハウジングセクション264、およびコネクタセクション266の各々を含む一体構造として形成することができるか、または、エミッタハウジング260の第1のハウジングセクション262、第2のハウジングセクション264、およびコネクタセクション266は、互いに固定される別個の部品として形成することができる。あるいはまた、エミッタハウジング260は、図2に具体的に示されているものよりも多くの部品または少ない部品を含むことができる。
【0107】
図示のように、エミッタハウジング260の第1のハウジングセクション262は、エネルギーガイド222Aのガイド遠位端222Dまたはその近くなど、エネルギーガイド222Aの少なくとも一部に固定され、それを実質的に取り囲むように構成される。このような一実施形態では、エミッタハウジング260の第1のハウジングセクション262は、実質的に環状形状および/または円筒形状であり、ガイド開口部362Aを通して、および/またはガイド開口部362A内へとエネルギーガイド222Aを配置することができる(図3に示される)ガイド開口部362Aを含む。あるいはまた、第1のハウジングセクション262は、別の適切な形状を有することができる。本明細書で使用される場合、エネルギーガイド222Aの少なくとも一部を実質的に取り囲む、および/または実質的に環状形状および/または円筒形状であるとしての第1のハウジングセクション262の説明は、第1のハウジングセクション262がエネルギーガイド222Aのそのような部分の少なくとも約90%~95%を取り囲むが、(図3に示される)小さなハウジングギャップ368をさらに含むことができ、小さなハウジングギャップ368は、第1のハウジングセクション262の長さに沿って完全に延び、カテーテルシステム200が使用されている環境条件の変化により第1のハウジングセクション262のわずかな拡張または収縮を可能にすることを意図している。ハウジングギャップ368は、第1のハウジングセクション262が周囲に配置されるエネルギーガイド222Aのガイド遠位端222Dの構造に悪影響を与えることなく、第1のハウジングセクション262のそのような潜在的な拡張または収縮を可能にする。
【0108】
第1のハウジングセクション262は、任意の適切な方法で、ガイド遠位端222Dまたはその近くなど、エネルギーガイド222Aの一部に固定することができる。例えば、第1のハウジングセクション262は、任意の適切な種類の接着材料を用いてエネルギーガイド222Aの一部に固定することができる。あるいはまた、第1のハウジングセクション262は、別の適切な方法でエネルギーガイド222Aの一部に固定することができる。
【0109】
ある程度同様に、図示されるように、エミッタハウジング260の第2のハウジングセクション264は、プラズマ発生器233に固定され、プラズマ発生器233を実質的に取り囲むように構成される。このような一実施形態では、エミッタハウジング260の第2のハウジングセクション264は、実質的に環状形状および/または円筒形状であり、発生器開口部364Aを通して、および/または発生器開口部364A内へとプラズマ発生器233を配置することができる(図3に示される)発生器開口部364Aを含む。あるいはまた、第2のハウジングセクション264は、別の適切な形状を有することができる。本明細書で使用される場合、プラズマ発生器233を実質的に取り囲む、および/または実質的に環状および/または円筒形状であるとしての第2のハウジングセクション264の説明は、第2のハウジングセクション264がプラズマ発生器233の少なくとも約90%~95%を取り囲むが、(図3に示される)小さなハウジングギャップ370をさらに含むことができ、小さなハウジングギャップ370は、第2のハウジングセクション264の長さに沿って完全に延び、カテーテルシステム200が使用されている環境条件の変化により第2のハウジングセクション264のわずかな膨張または収縮を可能にすることを意味することを意図している。ハウジングギャップ370は、第2のハウジングセクション264が周囲に配置されるプラズマ発生器233の構造に悪影響を与えることなく、第2のハウジングセクション264のそのような潜在的な膨張または収縮を可能にする。
【0110】
第2のハウジングセクション264は、任意の適切な方法でプラズマ発生器233に固定することができる。例えば、第2のハウジングセクション264は、任意の適切な種類の接着材料を用いてプラズマ発生器233に固定することができる。あるいはまた、第2のハウジングセクション264は、別の適切な方法でプラズマ発生器233に固定することができる。
【0111】
上述したように、エミッタハウジング260のコネクタセクション266は、第1のハウジングセクション262と第2のハウジングセクション264とに結合される、それらと一体的に形成される、および/またはそれらの間に延びる。いくつかの実施形態では、コネクタセクション266は、部分的に環状形状および/または円筒形状とすることができ、コネクタセクション266の完全ではない環状形状および/または円筒形状を画定するのに役立つようにコネクタセクション266の長さに沿って完全に延び、バルーン内部246内のカテーテル流体232内に形成されたプラズマエネルギーが、セクション開口部272を通って治療部位106に形成された血管病変106Aに向けて導かれる、および/または集中するように構成されたセクション開口部272を備える。セクション開口部272のサイズおよび向きは、カテーテルシステム200を使用して治療される血管病変106Aのサイズおよび位置に応じて変えることができる。いくつかの非排他的代替実施形態では、セクション開口部272は、そうでなければコネクタセクション266の完全な環状形状および/または円筒形状を形成するであろうものの約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、または90%未満であり得る。別の言い方をすると、コネクタセクション266は、完全な環状および/または円筒状本体の少なくとも約90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、または10%として形成することができる。
【0112】
様々な実施形態では、エミッタハウジング260は、細長い管(ハイポチューブ)および任意の適切な材料から形成することができる。例えば、特定の非排他的な実施形態では、エミッタハウジング260は、例えば、チタン、ステンレス鋼、タングステンなどの1つまたは複数の金属を含むハイポチューブから形成することができる。あるいはまた、エミッタハウジング260は、ポリイミドおよびナイロンなどのプラスチックを含むハイポチューブから形成することができる。さらに代替的に、エミッタハウジング260は、射出成形されてもよく、オーバーモールド処理を使用してエネルギーガイド222Aおよび/またはプラズマ発生器233を所定の位置に固定することができる。さらに代替的に、エミッタハウジング260は、別の適切な方法で、および/または他の適切な材料から形成することができる。例えば、特定の代替実施形態では、エミッタハウジング260の特徴付けは、未加工のハイポチューブのレーザ切断、フライス加工、またはスイスネジ加工プロセスによって行うことができる。
【0113】
エミッタハウジング260のこのような設計により、エネルギーガイド222Aのガイド遠位端222Dとプラズマ発生器233との間の所望の相対位置を効果的に維持することができる。カテーテルシステム200の使用中、エネルギーは、エネルギーガイド222Aを通って伝達されることができ、ガイド遠位端222Dを通ってプラズマ発生器233に向けて導かれることができ、その結果、バルーン202のバルーン内部246内のカテーテル流体232内にプラズマを生成することができる。ガイド遠位端222Dは、エネルギーガイド222Aを通して伝達されるエネルギーがガイド遠位端222Dを通してプラズマ発生器233に向けて効果的かつ正確に導かれ得るように、任意の適切な形状を有することができる。一実施形態では、ガイド遠位端222Dは、平坦な劈開端を有することができ、これを通してエネルギーがプラズマ発生器233に向けて導かれる。あるいはまた、ガイド遠位端222Dは、概して、半球形、ボール形、円錐形、楔形、角錐形であってもよく、または別の適切な形状であってもよい。
【0114】
いくつかの実施形態では、図2に示されるように、プラズマ発生器233(またはターゲット)は、エミッタハウジング260のコネクタセクション266内のセクション開口部272を通してカテーテル流体232中で生成されたプラズマの形態のエネルギーを治療部位106の血管病変106Aに隣接して配置されたバルーン壁230に向かってより効果的に導く、および/または集中させるように角度が付けられているか、または他の方法で構成された近位端233Pを含むことができる。プラズマ発生器233の近位端233Pは、要望通りにプラズマエネルギーを効果的に導く、および/または集中させるために、任意の適切な角度で構成できることが理解される。例えば、いくつかのそのような実施形態では、プラズマ発生器233の近位端233Pは、平坦な垂直構造に対して約5度~45度で角度を付けることができる。あるいはまた、プラズマ発生器233の近位端233Pは、カテーテル流体232内で生成されたプラズマの形態のエネルギーを治療部位106に隣接して配置されたバルーン壁230に向けて導くために、平坦な垂直構造に対して5度未満または45度を超えて角度を付けることができる。
【0115】
プラズマ発生器233は、任意の適切な材料から形成することができる。例えば、特定の非排他的な実施形態では、プラズマ発生器233は、例えば、チタン、ステンレス鋼、タングステンなどの1つまたは複数の金属から形成することができる。あるいはまた、プラズマ発生器233は、ポリイミドおよびナイロンなどのプラスチックから形成することができる。さらに代替的に、プラズマ発生器233は、他の適切な材料から形成することができる。異なる実施形態では、プラズマ発生器233は、エミッタハウジング260と同じ材料から形成されてもよいし、エミッタハウジング260とは異なる材料から形成されてもよいことが理解される。
【0116】
カテーテルシステム200の使用中、バルーン204を膨張させるために利用されるカテーテル流体232も、セクション開口部272を通ってエミッタハウジング260のコネクタセクション266の領域に入ることができることが理解される。続いて、エネルギーガイド222Aを通ってプラズマ発生器233に向けて導かれるパルスエネルギーは、エミッタハウジング260のコネクタセクション266の一般領域内のカテーテル流体232内に(図1に示される)プラズマ誘発気泡134を生成する。気泡134が膨張するにつれて、気泡134は、プラズマ発生器233の近位端233Pによって、コネクタセクション266のセクション開口部272を通って、治療部位106の血管病変106Aに隣接して配置されたバルーン壁230に向けて導かれる、および/または集束される。
【0117】
図3は、図2に示されるエミッタアセンブリ229の簡略化された概略斜視図である。より詳細には、図3は、エネルギーガイド222Aの一部と、プラズマ発生器233と、第1のハウジングセクション262、第2のハウジングセクション264、およびコネクタセクション266を含み、それらは一緒になってエミッタアセンブリ229を形成するエミッタハウジング260とを示す簡略化された概略斜視図である。
【0118】
図示のように、第1のハウジングセクション262は、実質的に環状および/または円筒形状とすることができ、小さなハウジングギャップ368を含むことができ、小さなハウジングギャップ368は、第1のハウジングセクション262の長さに沿って完全に延び、(図2に示される)カテーテルシステム200が使用されている環境条件の変化による第1のハウジングセクション262のわずかな拡張または収縮を可能にする。
【0119】
図3はまた、エネルギーガイド222Aのガイド遠位端222Dまたはその近くなど、エネルギーガイド222Aの一部に第1のハウジングセクション262を結合する目的で使用される第1のハウジングカプラ374を示す。第1のハウジングカプラ374の設計は、変更することができる。例えば、一実施形態では、第1のハウジングカプラ374は、第1のハウジングセクション262をエネルギーガイド222Aに効果的に結合および/または固定するために、エネルギーガイド222Aの外面と第1のハウジングセクション262の内面との間に配置される接着材料を含むことができる。あるいはまた、第1のハウジングカプラ374は、別の適切な設計を有することができる。
【0120】
第1のハウジングセクション262をエネルギーガイド222Aに固定するために第1のハウジングカプラ374と共に使用される接着材料の種類は、変更することができる。例えば、特定の実施形態では、エネルギーガイド222Aへの衝撃波力を減衰/軽減するために、低硬度特性を有する接着材料(例えば、シリコーンベースの接着剤)を選択することができる。あるいはまた、他の適切な接着材料を選択してもよい。
【0121】
いくつかの実施形態では、(例えば、Pebax(登録商標)、ナイロン、ポリウレタンなどの材料から作られた)押出熱可塑性チューブを使用して、エネルギーガイド222Aとエミッタハウジング260の第1のハウジングセクション262との間に軟質保護層375を追加することができる。このような保護層375はまた、プラズマ発生器233との適切な位置合わせを促進するために、エミッタハウジング260の内径からわずかにオフセットされた方法でエネルギーガイド222Aをセンタリングするのに役立ち得る。
【0122】
図示されるように、第2のハウジングセクション264は、実質的に環状および/または円筒形状とすることができ、小さなハウジングギャップ370を含むことができ、小さなハウジングギャップ370は、第2のハウジングセクション264の長さに沿って完全に延び、カテーテルシステム200が使用されている環境条件の変化による第2のハウジングセクション264のわずかな拡張または収縮を可能にする。
【0123】
図3はまた、第2のハウジングセクション264をプラズマ発生器233に結合する目的で使用される第2のハウジングカプラ376を示す。第2のハウジングカプラ376の設計は、変更することができる。例えば、一実施形態では、第2のハウジングカプラ376は、第2のハウジングセクション264をプラズマ発生器233に効果的に結合および/または固定するために、プラズマ発生器233の外面と第2のハウジングセクション264の内面との間に配置される接着材料を含むことができる。このような実施形態では、任意の適切なタイプの接着材料を第2のハウジングカプラ376に使用できることが理解される。あるいはまた、第2のハウジングカプラ376は、別の適切な設計を有することができる、および/または第2のハウジングセクション264は、別の適切な方法でプラズマ発生器233に固定することができる。例えば、圧着プロセスは、プラズマ発生器233を第2のハウジングセクション264内の適所に機械的に圧着することができる。さらに代替的に、プラズマ発生器233は、第2のハウジングセクション264内に圧入されてもよい。さらに代替的に、ハウジングギャップ368は、第2のハウジングセクション264とプラズマ発生器233との間の締まりばめを補助し得る拡張スロットとして機能し得る。ハウジングギャップ368または拡張スロットは、上端のエミッタハウジング260の壁厚を取り除くため、内側シャフトに対するエミッタハウジングの外径を最小にするのに十分な幅に作られ得る。
【0124】
図3にさらに示されるように、ガイド遠位端222Dの略平坦な劈開端は、エミッタハウジング260のコネクタセクション266を横切ってプラズマ発生器233の角度の付いた近位端233Pに面している。
【0125】
図4は、図2に示されるエミッタアセンブリ229の簡略化された概略分解図である。より詳細には、図4は、エネルギーガイド222Aの少なくとも一部、プラズマ発生器233、およびエミッタハウジング260を含むエミッタアセンブリ229の分解図を示す。図4はまた、エミッタハウジング260の第1のハウジングセクション262および第2のハウジングセクション264にそれぞれ形成することができる小さなハウジングギャップ368、370を示す。
【0126】
また、図4には、(i)エミッタハウジング260の第1のハウジングセクション262内に形成された第1のハウジングポート478であって、エネルギーガイド222Aのガイド遠位端222Dまたはその近くなど、エネルギーガイド222Aの一部に第1のハウジングセクション262を効果的に固定するために、第1のハウジングポート478を通して接着材料を導入することができる、第1のハウジングポート478と、(ii)エミッタハウジング260の第2のハウジングセクション264内に形成される第2のハウジングポート480であって、第2のハウジングセクション264をプラズマ発生器233に効果的に固定するために、第2のハウジングポート480を通して接着材料を導入することができる、第2のハウジングポート480が示されている。
【0127】
図4はまた、(図1に示される)治療部位106で(図1に示される)血管病変106Aに隣接して配置された(図2に示される)バルーン壁230に向けてセクション開口部272を通してプラズマエネルギーを導くことができるセクション開口部272を含む、コネクタセクション266の一実施形態の形状をより明確に示す。
【0128】
図5は、(図2に示される)カテーテルシステム200のガイドワイヤールーメン518に固定された、図2に示されるエミッタアセンブリ229の簡略化された概略斜視図である。
【0129】
この実施形態に示されるように、ガイドワイヤールーメン518は、ガイドワイヤールーメン518の外面518Aに沿っておよび/またはその中に形成された1つまたは複数の溝582を含むことができる。次に、エミッタアセンブリ229を溝582のうちの1つの中に配置し、1つまたは複数のアセンブリ取り付け具584(図5には2つが示される)によって溝582内の所定の位置に保持することができる。図示のように、ガイドワイヤールーメン518の外面518A内に形成された溝582内の所定の位置にエミッタアセンブリ229を効果的に保持するために、第1のアセンブリ取り付け具584は、エミッタハウジング260の第1のハウジングセクション262に実質的に隣接して配置することができ、第2のアセンブリ取り付け具584は、エミッタハウジング260の第2のハウジングセクション264に実質的に隣接して配置することができる。
【0130】
アセンブリ取り付け具584は、任意の適切な設計を有することができる。いくつかの実施形態では、図5に示されるように、アセンブリ取り付け具584は、熱収縮式取り付け具の形態で提供することができる。あるいはまた、アセンブリ取り付け具584は、別の適切な設計を有することができる。
【0131】
第2エミッタアセンブリ229も、ガイドワイヤールーメン518の外面518Aに形成された溝582のうちの別の1つの内部の所定の位置に保持されているものとして図5に示されていることが理解される。
【0132】
図6は、エミッタアセンブリ629の別の一実施形態の簡略化された概略斜視図である。図6に示されるように、エミッタアセンブリ629は、設計、配置、および機能において前の実施形態とある程度類似している。この実施形態では、エミッタアセンブリ629は、再び、エネルギーガイド622Aの少なくとも一部、プラズマ発生器633、およびエミッタハウジング660を含む。エミッタハウジング660はまた、再び、(i)例えば、エネルギーガイド622Aのガイド遠位端622Dまたはその近くで、エネルギーガイド622Aの一部を少なくとも実質的に取り囲むように構成される、ガイド開口部662Aを含む、第1のハウジングセクション662と、(ii)第2のハウジングセクション664と、(iii)第1のハウジングセクション662と第2のハウジングセクション664とに結合される、それらと一体的に形成される、および/またはそれらの間に延びる、セクション開口部672を再び含む、コネクタセクション666とを含む。この実施形態では、エミッタアセンブリ629は、再び、(図2に示される)バルーン204内に保持される(図2に示される)カテーテル流体232内で生成されたエネルギーを効果的に導きおよび/または集中させて、(図1に示される)治療部位106で(図1に示される)血管病変106A上に圧力を加えて、その中で破砕を誘発するように構成される。
【0133】
しかしながら、図6に示される実施形態に示されるように、プラズマ発生器633は、前の実施形態のように実質的に第2のハウジングセクション内に配置および/または固定されるのではなく、エミッタハウジング660の第2のハウジングセクション664と一体的に形成される。
【0134】
このような設計では、エミッタハウジング660は、図2に示されるエミッタハウジング260の実施形態に典型的に使用されるように、ハイポチューブからロッドを作製する代わりに、単一部品のロッドを使用して機械加工することによって製造することができる。エミッタハウジング660の機械加工は、任意の適切な機械加工プロセスを使用して達成することができる。例えば、特定の非排他的実装形態では、エミッタハウジング660の機械加工は、放電加工、またはフライス加工またはスイスネジ加工技術を使用する微細加工によって達成することができる。
【0135】
ハイポチューブ設計と比較して、この設計にはいくつかの重要な利点がある可能性があることが理解される。第1に、エミッタハウジング660が単一部品のロッドから形成されるこの一体化設計により、第1のハウジングセクション662内に形成され、エミッタハウジング660の中心軸688から(図7に示される)オフセット距離786だけオフセットされるエネルギーガイド622Aの部分を受け入れて保持するように構成されるガイド開口部662Aが可能になり、したがって、コネクタセクション666の寸法をより厚くすることができる。第2に、この一体化設計は、プラズマ発生器633が第2のハウジングセクション664と同じ材料から作られるため、プラズマ発生器633の断面積を最大にするが、一方、ハイポチューブの設計では、プラズマ発生器の材料とハイポチューブの材料は異なる可能性があり、したがって、ハイポチューブの壁により、プラズマ発生器の断面積が減少する。プラズマ発生器633に対するエネルギーガイド622Aのガイド遠位端622Dの正確な位置合わせの必要性を減らすために、プラズマ発生器633の断面積を最大にすることが望ましい。第3に、図示されるように、第1のハウジングセクション662および第2のハウジングセクション664は、それぞれ、内側部材のシャフトにつなぎ合わせて、熱収縮式取り付け具などの(図5に示される)アセンブリ取り付け具584を収容するための切り欠き690、692を含むことができ、バルーンカテーテルアセンブリの断面プロファイルを低減するように作製することができる。第4に、いくつかの実施形態では、第1のハウジングセクション662とエネルギーガイド622Aとの間の接着材料の追加に適応する接着剤ポートなどの第1のハウジングポート678を、第1のハウジングセクション662内の切り欠き690と組み合わせることができ、接着剤が内部に浸透して一貫した接着が可能になる。第5に、半径694をエミッタハウジング660内に切り込み、エミッタハウジング660上の鋭いエッジの数を減らし、バルーン204への潜在的な損傷を抑制することができる。最後に、ハイポチューブ設計と比較して、プラズマ発生器633がエミッタハウジング660の第2のハウジングセクション664内にすでに一体化しているため、プラズマ発生器をエミッタハウジング660に結合する必要がない。
【0136】
図7は、図6に示されるエミッタアセンブリ629の一部の簡略化された概略端面図である。特に、図7は、エミッタハウジング660の第1のハウジングセクション662を直接見た簡略化された端面図であり、(図6に示される)エネルギーガイド622Aの一部を受け入れて保持する目的でエミッタハウジング660内に形成されたガイド開口部662Aを示す。図示されるように、ガイド開口部662Aは、エミッタハウジング660の(小さな円として図示される)中心軸688からオフセット距離786だけオフセットされ、したがって、(図6に図示される)コネクタセクション666の寸法をより厚くすることができる。特定の非排他的実施形態では、ガイド開口部662Aは、約0.010インチ~0.020インチのオフセット距離786だけエミッタハウジング660の中心軸688からオフセットすることができる。このような一実施形態では、ガイド開口部662Aは、エミッタハウジング660の中心軸688から約0.015インチのオフセット距離786だけオフセットすることができる。あるいはまた、ガイド開口部662Aは、0.020インチより大きい、または0.010インチより小さいオフセット距離786だけエミッタハウジング660の中心軸688からオフセットすることができる。
【0137】
図8は、エミッタアセンブリ829のさらに別の一実施形態の簡略化された概略斜視図である。この実施形態では、エミッタアセンブリ829は、再び、(図2に示される)バルーン204内に保持される(図2に示される)カテーテル流体232内で生成されたエネルギーを効果的に導きおよび/または集中させて、(図1に示される)治療部位106の(図1に示される)血管病変106A上に圧力を加えて、その中で破砕を誘発するように構成される。
【0138】
図8に示されるように、エミッタアセンブリ829は、設計、配置、および機能において図6に示される実施形態とある程度類似しており、したがって、上記と同じ利点のすべてではないにしてもほとんどを実現することができる。例えば、この実施形態では、エミッタアセンブリ829は、再び、エネルギーガイド822Aの少なくとも一部、プラズマ発生器833、およびエミッタハウジング860を含む。エミッタハウジング860はまた、再び、(i)例えば、エネルギーガイド822Aのガイド遠位端822Dまたはその近くで、エネルギーガイド822Aの一部を少なくとも実質的に取り囲むように構成される、ガイド開口部862Aを含む、第1のハウジングセクション862と、(ii)プラズマ発生器833と一体的に形成された第2のハウジングセクション864と、(iii)第1のハウジングセクション862と第2のハウジングセクション864とに結合される、それらと一体的に形成される、および/またはそれらの間に延びる、セクション開口部872を再び含む、コネクタセクション866とを含む。
【0139】
このような設計では、エミッタハウジング860は、図2に示されるエミッタハウジング260の実施形態に典型的に使用されるように、ハイポチューブから作製する代わりに、単一部品のロッドを使用して機械加工することによって再び製造され得る。エミッタハウジング860の機械加工は、任意の適切な機械加工プロセスを使用して達成することができる。例えば、特定の非排他的実装形態では、エミッタハウジング860の機械加工は、放電加工、またはフライス加工またはスイスネジ加工技術を使用する微細加工によって達成することができる。
【0140】
しかしながら、図8に示される実施形態に示されるように、エミッタアセンブリ829は、エミッタハウジング860の周りに配置される、エミッタハウジング860の上にわたって配置される、および/またはエミッタハウジング860を実質的に取り囲む補強カバー896をさらに含む。いくつかの実施形態では、補強カバー896は、ポリイミドチューブの形態で提供することができ、図示のように、エミッタハウジング860の設計に適合するように切り込みを入れることができ、エミッタハウジング860の周りに配置され、エミッタハウジング860の上にわたって配置され、および/またはエミッタハウジング860を実質的に取り囲み、UV硬化接着剤を用いるなどして、所定の位置に接着される。あるいはまた、補強カバー896は、他の材料から形成することができる、および/または別の適切な設計を有することができる。
【0141】
補強カバー896は、通常の装置機能中に加えられる繰り返しの力(プラズマの開始によって生成される音響圧力)に対して中実のエミッタハウジング860および/またはプラズマ発生器833の構造を補強するのに役立つ。さらに、固体エミッタハウジング860および/またはプラズマ発生器833が損傷した場合、補強カバー896は、生成される可能性のある破片または断片を収容するようにさらに構成され、それによって、それらがエミッタハウジング860から完全に分離されるのを防ぐことができる。
【0142】
前の実施形態と同様に、エミッタハウジング860および/またはプラズマ発生器833は、任意の適切な材料から形成することができる。例えば、いくつかの非排他的実施形態では、エミッタハウジング860および/またはプラズマ発生器833は、例えば、チタン、ステンレス鋼、タングステンなどの金属のうちの1つまたは複数から形成することができる。あるいはまた、エミッタハウジング860および/またはプラズマ発生器833は、プラズマ発生器833は、他の適切な材料から形成することができる。
【0143】
さらに、特定の非排他的代替実施形態では、補強カバー896は、本明細書に図示および詳細に説明されるエミッタアセンブリの他の実施形態のうちの1つまたは複数と共に利用することもできることが理解される。
【0144】
様々な実施形態では、本明細書に開示されるカテーテルシステムおよび関連する方法は、患者の体内の血管または心臓弁内またはその近傍に位置する治療部位で、石灰化血管病変または線維性血管病変などの血管病変に前進するように構成されたカテーテルを含むことができる。カテーテルは、カテーテルシャフトと、カテーテルシャフトに結合および/または固定された膨張可能なバルーンとを含む。バルーンは、バルーン内部を画定するバルーン壁を含むことができる。バルーンは、バルーン内部にカテーテル流体を受け入れて、患者の血管系を通してカテーテルを前進させるのに適した収縮状態から、治療部位に対して所定の位置にカテーテルを固定するのに適した膨張状態まで拡張するように構成することができる。本技術は、血管壁内または血管壁に隣接する治療部位を治療する方法も対象としており、そのような方法は、本明細書に開示される装置を利用する。
【0145】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形の「a」、「an」、および「the」には、内容および/または文脈上、明らかに別段の指示がない限り、複数の指示対象が含まれることを留意すべきである。文脈上、明らかに別段の指示がない限り、用語「または(or)」は、一般的に「および/または(and/or)」を含む意味で使用されることにも留意すべきである。
【0146】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、「構成された(configured)」という語句は、特定のタスクを実行するか、または特定の構成を採用するように構築または構成されたシステム、装置、または他の構造を説明することにも留意すべきである。「構成された(configured)」という語句は、配置され構成された(arranged and configured)、構築され配置された(constructed and arranged)、構築された(constructed)、製造され配置された(manufactured and arranged)などの他の同様の語句と交換可能に使用することができる。
【0147】
図示および説明される図は必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではなく、参照および理解を容易にするため、および構造物の相対的な位置決めのために提供されていることが認識される。
【0148】
本明細書で使用される見出しは、37 CFR 1.77に基づく示唆との一貫性を図るため、または組織上の手がかりを提供するために提供されている。これらの見出しは、本開示から発行される可能性のある特許請求の範囲に記載された1つまたは複数の発明を限定したり、特徴付けたりするものとしてみなされるものではない。一例として、「背景技術」における技術の説明は、その技術が本開示における1つまたは複数の発明の先行技術であることを認めるものではない。「概要」または「要約」も、発行された特許請求の範囲に記載されている1つまたは複数の発明の特徴付けとしてみなされるものではない。
【0149】
本明細書に記載される実施形態は、網羅的であること、または本発明を以下の詳細な説明に開示される正確な形態に限定することを意図したものではない。むしろ、実施形態は、他の当業者が原理および実践を認識および理解できるように選択され、説明されている。このように、様々な具体的な好ましい実施形態および技術を参照して態様を説明してきた。しかしながら、本明細書の趣旨および範囲内に留まりながら、多くの変形および修正を行うことができることを理解すべきである。
【0150】
カテーテルシステムのいくつかの異なる実施形態が本明細書に図示され説明されているが、任意の1つの実施形態の1つまたは複数の構成を、他の1つまたは複数の実施形態の1つまたは複数の構成と組み合わせることが、そのような組み合わせが本発明の趣旨を満たすのであれば、可能であることが理解される。
【0151】
カテーテルシステムのいくつかの例示的な態様および実施形態を上で論じてきたが、当業者であれば、それらの特定の修正、置換、追加、およびサブコンビネーションを認識するであろう。したがって、以下の添付の特許請求の範囲および今後導入される特許請求の範囲は、その真の趣旨および範囲内にあるようなすべてのそのような修正、置換、追加、およびサブコンビネーションを含むものと解釈されることが意図されており、本明細書で示される構造または設計の詳細にはいかなる制限も意図されていない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2024-06-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の体内の血管若しくは心臓弁内または血管若しくは心臓弁に隣接する治療部位を治療するためのカテーテルシステムであって、
エネルギーを生成するエネルギー源と、
カテーテル流体と、
エミッタアセンブリと
を備え、前記エミッタアセンブリは、
(i)前記治療部位の近くに選択的に配置されるガイド遠位端を有するエネルギーガイドの少なくとも一部と、
(ii)プラズマ発生器と、
(iii)前記エネルギーガイドおよび前記プラズマ発生器の各々に固定され、前記エネルギーガイドの前記ガイド遠位端と前記プラズマ発生器との間の相対位置を維持するエミッタハウジングと
を含み、
前記エネルギーガイドは、前記エネルギー源からエネルギーを受け取り、前記エネルギーを前記プラズマ発生器に向けて導き、前記カテーテル流体内にプラズマバブルを生成するように構成され、
前記プラズマ発生器は、前記プラズマバブルからのエネルギーを前記治療部位に向けて導くように構成され
前記カテーテルシステムは、溝を有する外面を含むガイドワイヤールーメンをさらに備え、前記エミッタハウジングが、前記溝内に配置される、カテーテルシステム。
【請求項2】
前記エミッタハウジングは、
(i)前記ガイド遠位端で、または前記ガイド遠位端の近くで、前記エネルギーガイドに固定される第1のハウジングセクションと、
(ii)前記プラズマ発生器に固定されるか、または前記プラズマ発生器と一体的に形成される、第2のハウジングセクションと、
(iii)前記第1のハウジングセクションおよび前記第2のハウジングセクションに結合され、前記第1のハウジングセクションと前記第2のハウジングセクションとの間に延びるコネクタセクションと
を含む、請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項3】
前記第1のハウジングセクションは略円筒形であり、前記第1のハウジングセクションは、前記第1のハウジングセクションの長さに実質的に沿って延びるハウジングギャップを含み、前記第1のハウジングセクションは、環境条件の変化により膨張および収縮するように構成される、請求項2に記載のカテーテルシステム。
【請求項4】
前記第1のハウジングセクションは、ガイド開口部を含み、前記エネルギーガイドの少なくとも一部は、前記ガイド開口部内に固定される、請求項2に記載のカテーテルシステム。
【請求項5】
前記ガイド遠位端で、または前記ガイド遠位端の近くで、前記第1のハウジングセクションを前記エネルギーガイドに固定する接着材料をさらに備える、請求項2に記載のカテーテルシステム。
【請求項6】
前記第1のハウジングセクションは、前記第1のハウジングセクションと前記エネルギーガイドとの間に位置する第1のハウジングポートを含み、前記第1のハウジングポートは、前記接着材料が、前記ガイド遠位端で、または前記ガイド遠位端の近くで、前記第1のハウジングセクションを前記エネルギーガイドに固定するように、前記接着材料を受け入れるように構成される、請求項に記載のカテーテルシステム。
【請求項7】
前記第2のハウジングセクションは、略円筒形であり、前記第2のハウジングセクションは、前記第2のハウジングセクションの長さに実質的に沿って延びるハウジングギャップを含み、前記第2のハウジングセクションは、環境条件の変化により膨張および収縮するように構成される、請求項2に記載のカテーテルシステム。
【請求項8】
前記第2のハウジングセクションは、発生器開口部を含み、前記プラズマ発生器の少なくとも一部は、前記発生器開口部内に固定される、請求項2に記載のカテーテルシステム。
【請求項9】
前記接着材料は、前記第2のハウジングセクションを前記プラズマ発生器に固定する、請求項に記載のカテーテルシステム。
【請求項10】
前記第2のハウジングセクションは、前記第2のハウジングセクションと前記エネルギーガイドとの間に位置する第2のハウジングポートを含み、前記第2のハウジングポートは、前記接着材料が、前記第2のハウジングセクションを前記プラズマ発生器に固定するように、前記接着材料を受け入れるように構成される、請求項に記載のカテーテルシステム。
【請求項11】
前記第2のハウジングセクションは、前記プラズマ発生器と一体的に形成される、請求項2に記載のカテーテルシステム。
【請求項12】
前記コネクタセクションは、セクション開口部を含み、前記プラズマ発生器は、前記プラズマバブルからの前記エネルギーを、前記セクション開口部を通って前記治療部位に向けて導くように構成される、請求項2に記載のカテーテルシステム。
【請求項13】
前記コネクタセクションは、部分的に円筒形であり、前記セクション開口部は、前記コネクタセクションの長さに実質的に沿って延びる、請求項12に記載のカテーテルシステム。
【請求項14】
前記プラズマ発生器は、前記プラズマ発生器が前記プラズマバブルからの前記エネルギーを、前記セクション開口部を通って前記治療部位に向けて導くように構成されるように、角度が付けられた近位端を有する、請求項12に記載のカテーテルシステム。
【請求項15】
前記プラズマ発生器の近位端は、平坦な垂直構造に対して約5度~45度で角度が付けられている、請求項14に記載のカテーテルシステム。
【請求項16】
前記エミッタハウジングを実質的に取り囲むように配置された補強カバーをさらに備える、請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項17】
前記補強カバーは、ポリイミドチューブを含む、請求項16に記載のカテーテルシステム。
【請求項18】
前記エミッタハウジングは、
(i)前記ガイド遠位端で、または前記ガイド遠位端の近くで、前記エネルギーガイドに固定される第1のハウジングセクションと、
(ii)前記プラズマ発生器に固定されるか、または前記プラズマ発生器と一体的に形成される、第2のハウジングセクションと
を備え、
前記カテーテルシステムは、前記第1のハウジングセクションに隣接して配置される第1のアセンブリ取り付け具と、前記第2のハウジングセクションに隣接して配置される第2のアセンブリ取り付け具とをさらに備え、前記第1のアセンブリ取り付け具および前記第2のアセンブリ取り付け具は、前記ガイドワイヤールーメンの前記外面に沿って形成された前記溝内に前記エミッタハウジングを保持するように構成される、請求項に記載のカテーテルシステム。
【請求項19】
バルーン内部を画定するバルーン壁を含むバルーンをさらに備え、前記バルーンは、前記バルーン内部内に前記カテーテル流体を保持するように構成され、前記ガイド遠位端、前記プラズマ発生器、および前記エミッタハウジングは、前記バルーン内部に配置され
前記バルーンは、膨張状態に拡張するために前記カテーテル流体によって選択的に膨張可能であり、前記バルーンが前記膨張状態にあるとき、前記バルーン壁は、前記治療部位に実質的に隣接して配置されるように構成され、
前記プラズマ発生器は、前記プラズマバブルからの前記エネルギーを、前記治療部位に実質的に隣接して位置する前記バルーン壁の一部に向けて導くように構成される、請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項20】
前記エネルギーガイドは光ファイバを含み、前記エネルギー源はレーザを含む、請求項1に記載のカテーテルシステム。
【国際調査報告】