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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-22
(54)【発明の名称】地震検出システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G01V 1/01 20240101AFI20250115BHJP
【FI】
G01V1/01 100
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535792
(86)(22)【出願日】2022-12-15
(85)【翻訳文提出日】2024-08-08
(86)【国際出願番号】 EP2022086239
(87)【国際公開番号】W WO2023111222
(87)【国際公開日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】2118417.1
(32)【優先日】2021-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515134368
【氏名又は名称】オカド・イノベーション・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】メウス、ベンジャミン
(72)【発明者】
【氏名】ハーリク、サキブ
【テーマコード(参考)】
2G105
【Fターム(参考)】
2G105AA03
2G105BB01
2G105EE02
2G105MM02
2G105NN02
(57)【要約】
地震イベントを検出するための方法であって、本方法は、a)グリッドフレームワーク構造上に位置する1つまたは複数の加速度計から所与の時間期間にわたって加速度データを収集するステップと、前記グリッドフレームワーク構造は、i)第1の方向に延在する水平グリッド部材の第1のセットと、ii)第1の方向に対して実質的に直角な第2の方向に延在し、交差部において水平グリッド部材の第1のセットと交差する、水平グリッド部材の第2のセットと、水平グリッド部材の第1のセットおよび水平グリッド部材の第2のセットが、水平平面において複数の実質的に矩形のフレームを備えるグリッドを形成するように配置され、実質的に矩形のフレームの各々がグリッドセルをなす、iii)水平グリッド部材の第1のセットおよび水平グリッド部材の第2のセットを支持する複数の直立カラムと、複数の直立カラムが、直立カラム間にスタックされるべきコンテナのための複数の垂直保管ロケーションを形成する、を備える、b)収集された加速度データを、地面上に位置する1つまたは複数の加速度計からの地面加速度データと比較するステップと、c)加速度データと地面加速度データとの間の差分加速度を決定するステップと、d)差分加速度から変位データを決定するステップと、e)変位データに基づいて、地震イベントが所与の時間期間にわたって起こったかどうかを決定するステップとを備える、方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地震イベントを検出するための方法であって、前記方法は、
a)グリッドフレームワーク構造114上に位置する1つ又は複数の加速度計302から所与の時間期間にわたって加速度データを収集するステップと、ここで、前記グリッドフレームワーク構造114は、
i)第1の方向に延在する水平グリッド部材118の第1のセットと、
ii)前記第1の方向に対して実質的に直角な第2の方向に延在し、交差部56において水平グリッド部材118の前記第1のセットと交差する、水平グリッド部材120の第2のセットと、ここで、前記水平グリッド部材118の前記第1のセット及び前記水平グリッド部材120の前記第2のセットが、水平平面において複数の実質的に矩形のフレーム54を備えるグリッド50を形成するように配置され、前記実質的に矩形のフレームの各々がグリッドセルをなし、
iii)前記水平グリッド部材118の前記第1のセット及び前記水平グリッド部材120の前記第2のセットを支持する複数の直立カラム116と、ここで、前記複数の直立カラム116が、前記直立カラム116間にスタックされるべきコンテナ10のための複数の垂直保管ロケーションを形成し、
を備え、
b)収集された前記加速度データを、地面上に位置する1つ又は複数の加速度計302aからの地面加速度データと比較するステップと、
c)前記加速度データと前記地面加速度データとの間の差分加速度を決定するステップと、
d)前記差分加速度から変位データを決定するステップと、
e)前記変位データに基づいて、地震イベントが前記所与の時間期間にわたって起こったかどうかを決定するステップと
を備える、方法。
【請求項2】
地震イベントが前記所与の時間期間にわたって起こったかどうかを前記決定するステップは、前記変位データが、前記グリッドフレームワーク構造114の部材の弾性限界に対応する所定の変位しきい値を超えるかどうかを決定することを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
地震イベントが起こったかどうかを決定する前記ステップが、前記所与の時間期間にわたる、前記変位データの振動の周波数及び/又は周期の変化を決定することを備える、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記変位データの振動の前記周波数及び/又は前記周期の変化を決定することは、振動の前記周波数及び/又は前記周期が、振動の所定の周波数しきい値及び/又は所定の周期とは異なるかどうかを決定することを備える、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
地震イベントが前記所与の時間期間にわたって起こったかどうかを前記決定するステップは、前記変位データから静的変位を決定することと、前記静的変位が所定の静的変位しきい値を超えるかどうかを決定することとを備える、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
非地震イベントに関連する1つ又は複数の信号を除去するか又は減衰させるために前記加速度データをフィルタ処理するステップをさらに備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記加速度データをフィルタ処理する前記ステップが、ハイパスフィルタ、ローパスフィルタ、及び/又は帯域フィルタを使用することを備える、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
非地震イベントに関連する1つ又は複数の信号を除去するか又は減衰させるために前記加速度データをフィルタ処理する前記ステップは、地震イベントの不在下で振動が生じた周波数範囲を決定することと、前記加速度データからこれらの周波数範囲を減衰させるか又はフィルタで除去することとを備える、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
前記グリッドフレームワーク構造114上に位置する前記1つ又は複数の加速度計302が、複数の加速度計302を備え、地震イベントが起こったかどうかを決定する前記ステップが、前記複数の加速度計302の各々からの変位データに基づく、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
地震イベントが前記所与の時間期間にわたって起こったと決定することに応答して、1つ又は複数の出力デバイス310に信号を送るステップをさらに備える、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
地震イベントに続いてグリッドフレームワーク構造114を状況監視する方法であって、前記グリッドフレームワーク構造114は、
i)第1の方向に延在する水平グリッド部材118の第1のセットと、
ii)前記第1の方向に対して実質的に直角な第2の方向に延在し、交差部56において水平グリッド部材118の前記第1のセットと交差する、水平グリッド部材120の第2のセットと、ここで、前記水平グリッド部材118の前記第1のセット及び前記水平グリッド部材120の前記第2のセットが、水平平面において複数の実質的に矩形のフレーム54を備えるグリッド50を形成するように配置され、前記実質的に矩形のフレームの各々がグリッドセルをなし、
iii)前記水平グリッド部材118の前記第1のセット及び前記水平グリッド部材120の前記第2のセットを支持する複数の直立カラム116と、ここで、前記複数の直立カラム116が、前記直立カラム116間にスタックされるべきコンテナ10のための複数の垂直保管ロケーションを形成し、
iv)前記グリッドフレームワーク構造114上に位置する1つ又は複数の加速度計302と
を備え、
前記方法は、
a)前記1つ又は複数の加速度計302から所与の時間期間にわたって加速度データを収集するステップと、
b)収集された前記加速度データを、地面上に位置する1つ又は複数の加速度計302aからの前記所与の時間期間にわたる地面加速度データと比較するステップと、
c)前記加速度データと前記地面加速度データとの間の差分加速度を決定するステップと、
d)前記差分加速度のデータが前記所与の時間期間中に所定の加速度しきい値を超えたかどうかを決定することによって、前記所与の時間期間中に生じた前記グリッドフレームワーク構造の異なる部分への損傷の程度を決定するステップと
を備える、方法。
【請求項12】
前記所定の加速度しきい値が、複数の所定の加速度しきい値を備え、前記複数の所定の加速度しきい値の各々が、前記グリッドフレームワーク構造の前記異なる部分のうちの1つ又は複数への損傷の異なるレベルを示す、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
複数の前記所定の加速度しきい値が、前記グリッドフレームワーク構造の一部分の弾性限界を示す第1の加速度しきい値を含み、したがって、前記第1の加速度しきい値を超える前記グリッドフレームワーク構造の前記一部分の前記差分加速度は、前記グリッドフレームワーク構造の前記一部分が永続的に変形されたという指示を提供する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の加速度しきい値が実質的に0.6gである、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
複数の前記所定の加速度しきい値が、安全限界を示す第2の加速度しきい値を含み、したがって、前記第2の加速度しきい値を超える前記グリッドフレームワーク構造の一部分の前記差分加速度は、人員が前記グリッドフレームワーク構造の前記一部分に入ることが安全でないという指示を提供する、請求項13又は14に記載の方法。
【請求項16】
前記第2の加速度しきい値が実質的に1.0gである、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
複数の前記所定の加速度しきい値が、構造限界を示す第3の加速度しきい値を含み、したがって、前記第3の加速度しきい値を超える前記グリッドフレームワーク構造の一部分の前記差分加速度は、前記グリッドフレームワーク構造の前記一部分が、余震に耐えるのに十分な構造耐力を有しないという指示を提供する、請求項13から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記第3の加速度しきい値が約1.83gである、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
e)前記差分加速度から変位データを決定するステップと、
f)前記変位データが所定の変位しきい値を超えたかどうかを決定することによって、前記グリッドフレームワーク構造の異なるパートへの損傷の程度を決定するステップと
をさらに備える、請求項11から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記所定の変位しきい値が弾性限界を示し、したがって、前記所定の変位しきい値を超える前記グリッドフレームワーク構造の一部分の変位は、前記グリッドフレームワーク構造の前記一部分が永続的に変形されたという指示を提供する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
請求項1から20のいずれか一項に記載の方法を行うように構成された、グリッドフレームワーク構造114のための地震検出システム300であって、前記地震検出システム300は、
a)前記グリッドフレームワーク構造114上に取り付けられた1つ又は複数の加速度計302と、
b)前記1つ又は複数の加速度計302から加速度データを収集するように構成された入力モジュール304と、
c)前記入力モジュール304と通信しているコントローラ306と、ここで、前記コントローラ306が、1つ又は複数のプロセッサと、命令を記憶するメモリとを備え、前記命令は、前記1つ又は複数のプロセッサによって実行されたとき、前記1つ又は複数のプロセッサに、
i)前記1つ又は複数の加速度計302からの前記収集された加速度データに基づいて、地震イベントが起こったかどうかを決定することと、
ii)地震イベントが起こったと決定することに応答して、1つ又は複数の出力デバイス310に信号を送ることと
を行わせる、
を備える、地震検出システム300。
【請求項22】
前記グリッドフレームワーク構造114の近くに、地面上に位置する1つ又は複数の加速度計302aをさらに備える、請求項21に記載の地震検出システム。
【請求項23】
前記1つ又は複数の出力デバイス310が、ビーコン、アラーム、及び/又はサイレンを備える、請求項21又は22に記載の地震検出システム。
【請求項24】
i)第1の方向に延在する水平グリッド部材118の第1のセットと、
ii)前記第1の方向に対して実質的に直角な第2の方向に延在し、交差部56において水平グリッド部材118の前記第1のセットと交差する、水平グリッド部材120の第2のセットと、前記水平グリッド部材118の前記第1のセット及び前記水平グリッド部材120の前記第2のセットが、実質的に水平な平面において複数の実質的に矩形のフレーム56を備えるグリッド50を形成するように配置され、前記実質的に矩形のフレームの各々がグリッドセル56をなし、
iii)前記水平グリッド部材118の前記第1のセット及び前記水平グリッド部材120の前記第2のセットを支持する複数の直立カラム116と、ここで、前記複数の直立カラム116が、前記直立カラム116間にスタックされるべきコンテナ10のための複数の垂直保管ロケーションを形成し、
を備える、グリッドフレームワーク構造114であって、
前記グリッドフレームワーク構造114が、請求項21から23のいずれか一項に記載の地震検出システム300をさらに備える、グリッドフレームワーク構造114。
【請求項25】
前記グリッドフレームワーク構造114上に取り付けられた1つ又は複数の加速度計302が、複数の加速度計302を備え、前記複数の加速度計302が、前記グリッド50の前記第1の方向及び/又は前記第2の方向に沿って配置される、請求項24に記載のグリッドフレームワーク構造114。
【請求項26】
前記複数の加速度計302が、前記グリッド50の周辺の少なくとも一部分に沿って配置される、請求項25に記載のグリッドフレームワーク構造114。
【請求項27】
前記グリッドフレームワーク構造114上に取り付けられた前記1つ又は複数の加速度計が、複数の加速度計302を備え、前記複数の加速度計302の少なくとも一部分が、前記グリッド50の前記第1の方向及び前記第2の方向に対して対角線方向に配置される、請求項24に記載のグリッドフレームワーク構造114。
【請求項28】
前記複数の加速度計302が実質的に水平な平面にある、請求項25から27のいずれか一項に記載のグリッドフレームワーク構造114。
【請求項29】
前記複数の加速度計302が、15個から28個の間の加速度計302からなる、請求項25から28のいずれか一項に記載のグリッドフレームワーク構造114。
【請求項30】
前記グリッドフレームワーク構造114上に取り付けられた前記1つ又は複数の加速度計が、前記水平グリッド部材118、120上に取り付けられる、請求項24に記載のグリッドフレームワーク構造114。
【請求項31】
1つ又は複数のブレース部材220、222によってブレースされた複数の垂直フレームカラム218を備える外骨格をさらに備え、前記グリッド50が、さらに、地震力抑制システム(SFRS)を形成するために前記外骨格によって支持される、請求項24から30のいずれか一項に記載のグリッドフレームワーク構造114。
【請求項32】
前記グリッドフレームワーク構造114上に取り付けられた前記1つ又は複数の加速度計302が、前記SFRS上に取り付けられる、請求項31に記載のグリッドフレームワーク構造114。
【請求項33】
前記グリッドフレームワーク構造114上に取り付けられた前記1つ又は複数の加速度計302が、前記1つ又は複数のブレース部材220、222に取り付けられる、請求項32に記載のグリッドフレームワーク構造114。
【請求項34】
前記グリッドフレームワーク構造114が、複数のモジュール式フレーム514に細分され、したがって、前記グリッド50が、前記複数のモジュール式フレーム514にわたって延在する、請求項24から33のいずれか一項に記載のグリッドフレームワーク構造114。
【請求項35】
前記グリッドフレームワーク構造114に作用する地震力を低減するための地震の免震システム208をさらに備え、前記グリッドフレームワーク構造114が、前記地震の免震システム208によって支持され、前記地震の免震システム208が、上部構造202と、下部構造200と、前記上部構造202と前記下部構造200との間に配設された少なくとも1つの免震デバイス204とを備え、したがって、前記少なくとも1つの免震デバイス204が、地震イベントにおける前記下部構造200に対する前記上部構造202の移動を抑制する、請求項24から34のいずれか一項に記載のグリッドフレームワーク構造114。
【請求項36】
i)第1のレベルにおける第1のグリッドフレームワーク構造と、
ii)第2のレベルにおける第2のグリッドフレームワーク構造と、ここで、前記第2のレベルは前記第1のレベルの上にあり、
を備える、多層階グリッドフレームワーク構造であって、
前記第1のグリッドフレームワーク構造及び前記第2のグリッドフレームワーク構造の各々が、請求項24から35のいずれかにおいて定義されたグリッドフレームワーク構造を備える、多層階グリッドフレームワーク構造。
【請求項37】
a)請求項24から36のいずれかにおいて定義されたグリッドフレームワーク構造114と、
b)前記グリッドフレームワーク構造114中に保管された1つ又は複数のコンテナ10を移動させるようにリモートで動作可能な1つ又は複数の積荷取扱デバイス30と、ここで、前記1つ又は複数の積荷取扱デバイス30の各々が、
i)前記グリッドフレームワーク構造114上で前記積荷取扱デバイス30を誘導するためのホイールアセンブリと、
ii)前記グリッドフレームワーク構造114の上に位置するコンテナ受入空間40と、
iii)スタック12から単一のコンテナ10を持ち上げ、前記コンテナ受入空間40に入れるように配置された、持ち上げデバイスと、を備え、
を備える、保管及び取出しシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グリッドフレームワーク構造のための地震検出(seismic detection)システムおよび方法の分野に関する。グリッドフレームワーク構造は、グリッドフレームワーク構造においてスタックされた保管コンテナまたはビンを取り扱うための、グリッドフレームワーク構造上に位置するトラック上のリモートで動作される積荷取扱デバイス(load handling device)を支持する。
【背景技術】
【0002】
保管コンテナ/ビンが互いの上部にスタックされる、3次元保管グリッド構造を備える保管システムが、よく知られている。PCT公開番号第WO2015/185628A号(Ocado)は、ビンまたはコンテナのスタックがグリッドフレームワーク構造内に配置される、知られている保管およびフルフィルメントシステムについて説明する。ビンまたはコンテナは、グリッドフレームワーク構造の上部に位置するトラック上でリモートで動作可能な積荷取扱デバイスによってアクセスされる。このタイプのシステムが、添付の図面の図1図3に概略的に示されている。
【0003】
図1および図2に示されているように、ビンまたはコンテナ10として知られる、スタック可能なコンテナが、互いの上部にスタックされて、スタック12を形成する。スタック12は、倉庫保管環境または製造環境において、グリッドフレームワーク構造14において配置される。グリッドフレームワーク構造は、複数の保管カラム(column)またはグリッドカラムからなる。グリッドフレームワーク構造における各グリッドが、コンテナのスタックの保管のための少なくとも1つのグリッドカラムを有する。図1は、グリッドフレームワーク構造14の概略斜視図であり、図2は、グリッドフレームワーク構造14内に配置されたビン10のスタック12を示すトップダウン図である。各ビン10が、一般に、複数の製品アイテム(図示せず)を保持し、ビン10内の製品アイテムは、適用例に応じて、同等であり得るか、または異なる製品タイプのものであり得る。
【0004】
グリッドフレームワーク構造14は、水平部材18、20を支持する複数の直立部材または直立カラム16を備える。平行な水平グリッド部材18の第1のセットが、直立部材16によって支持された複数の水平グリッド構造を形成するように、平行な水平グリッド部材20の第2のセットに対して直角に配置される。部材16、18、20は、一般に金属から製造され、一般に、互いに溶接されるかまたはボルトで止められるか、あるいはその両方の組合せである。ビン10は、グリッドフレームワーク構造14が、ビン10のスタック12の水平移動に対してガードし、ビン10の垂直移動を誘導するように、グリッドフレームワーク構造14の部材16、18、20の間にスタックされる。
【0005】
グリッドフレームワーク構造14の最上レベルは、スタック12の上部にわたってグリッドパターンにおいて配置されたレール22を含む。さらに図3を参照すると、レール22は、複数の積荷取扱デバイス30を支持する。平行なレール22の第1のセット22aが、グリッドフレームワーク構造14の上部にわたって、第1の方向(たとえば、X方向)におけるロボット積荷取扱デバイス30の移動を誘導し、第1のセット22aに対して直角に配置された、平行なレール22の第2のセット22bが、第1の方向に対して直角な第2の方向(たとえば、Y方向)における積荷取扱デバイス30の移動を誘導する。このようにして、レール22は、積荷取扱デバイス30が、スタック12のいずれかの上の位置に移動され得るように、水平X-Y平面における2つの次元における横方向へのロボット積荷取扱デバイス30の移動を可能にする。
【0006】
車両本体32を備える、図4および図5に示されている知られている積荷取扱デバイス30が、参照により本明細書に組み込まれる、PCT特許公報第WO2015/019055号(Ocado)において説明され、各積荷取扱デバイス30が、グリッドフレームワーク構造14の1つのグリッド空間のみをカバーする。ここで、積荷取扱デバイス30は、第1の方向におけるそのデバイスの移動を誘導するためにレールまたはトラックの第1のセットと係合するための、車両本体32の前面上のホイールのペアと車両本体32の背面上のホイール34のペアとからなる、ホイール34の第1のセットと、第2の方向におけるそのデバイスの移動を誘導するためにレールまたはトラックの第2のセットと係合するための、車両本体32の各側面上のホイール36のペアからなるホイール36の第2のセットとを備える、ホイールアセンブリを備える。ホイールのセットの各々は、レールに沿ってそれぞれX方向およびY方向における車両の移動を可能にするように駆動される。ホイールの一方または両方のセットは、それぞれのレールから離れてホイールの各セットを持ち上げるように垂直に移動され得、それにより、車両が所望の方向において移動することを可能にする。
【0007】
積荷取扱デバイス30は、上から保管コンテナを持ち上げるための持ち上げデバイスまたはクレーン機構を装備している。クレーン機構は、スプールまたはリール(図示せず)に巻かれたウインチテザーまたはケーブル38と、グラバーデバイス39とを備える。持ち上げデバイスは、垂直方向に延在し、保管コンテナ10への解放可能な接続のために、場合によってはグラバーデバイスとして知られる持ち上げフレーム39の4つのコーナーの近くにまたはそのコーナーにおいて接続された、持ち上げテザー38のセット(グラバーデバイスの4つのコーナーの各々の近くに1つのテザー)を備える。グラバーデバイス39は、保管コンテナ10の上部を解放可能に把持して、図1および図2に示されているタイプの保管システムにおけるコンテナのスタックからそれを持ち上げるように、構成される。
【0008】
ホイール34、36は、下側部分における、コンテナ受入リセスまたはコンテナ受入空間40として知られる、キャビティまたはリセスの周辺の周りに配置される。リセスは、図5(aおよびb)に示されているように、コンテナ10がクレーン機構によって持ち上げられたとき、それを収容するようにサイズ決定される。リセス中にあるときに、コンテナは、車両が、異なるロケーションに横方向に移動することができるように、下のレールから離れて持ち上げられる。ターゲットロケーション、たとえば、別のスタック、保管システム中のアクセスポイントまたはコンベヤベルトに到着すると、ビンまたはコンテナは、コンテナ受入部分から降ろされ、グラバーデバイスから解放され得る。
【0009】
他の例では、積荷取扱デバイス30のコンテナ受入空間40は、積荷取扱デバイス30の本体32内に位置しないことがある。たとえば、いくつかの例では、コンテナ受入空間40は、たとえば、積荷取扱デバイス30の本体32の重量が持ち上げられるべきコンテナの重量と釣り合う、カンチレバー配置において、積荷取扱デバイス30の本体32と隣接し得る。そのような実施形態では、持ち上げデバイスのフレームまたはアームが、積荷取扱デバイス30の本体32から水平に突出し得、持ち上げテザー38は、突出するフレーム/アーム上のそれぞれのロケーションにおいて配置され、それらのロケーションから昇降されて、コンテナ10を昇降し、本体32に隣接するコンテナ受入空間40に入れるように構成され得る。
【0010】
グリッドフレームワーク構造は、様々な外力および内力を受ける。これらは、限定しないが、地面または土壌タイプの組成に起因し得る地面移動、100kgを超える重量があり得るグリッドフレームワーク構造上の積荷取扱デバイスの移動によって生じる力、近くの建造物、または列車などの移動する車両の結果としての、さらには地震または嵐の間の、移動を含む。グリッドフレームワーク構造が受けたそのような外力の結果としてグリッドフレームワーク構造内の個々の要素を元のままに保つことが、最も重要である。
【0011】
グリッドフレームワーク構造の安定性を保証するために、従来技術の保管システムは、グリッドの周辺内にまたは少なくとも部分的にグリッドの周辺に沿って配置された様々な支持およびブレーシングに大きく依存する。しかしながら、内力および外力からグリッドフレームワーク構造を安定させるための様々な支持およびブレーシング(移動防止ブレース(brace))の使用は、いくつかの理由で不利である。グリッドフレームワーク構造は、コンテナを保管するためにグリッドによって利用され得る空間またはエリアを占有し、そこで、それは、コンテナの保管のための利用可能な空間またはエリアの最適な使用を妨げる。支持構造の必要は、どの補助グリッド支持構造も、しばしば、建物の内壁など、周囲の構造への接続、およびコスト効率が高くない支持構造の要件を必要とするので、グリッドフレームワーク構造の位置決めのための利用可能なオプションを限定し得る。
【0012】
WO2019/101367(Autostore Technology AS)は、自動保管システムの保管グリッド構造における統合のためのグリッド支持構造を教示する。そのグリッド支持構造は、複数の垂直に傾斜した支持ストラットによって相互接続された4つの保管カラムからなる。保管カラムプロファイルが、中空中央セクションと4つのコーナーセクションとを備える断面を有し、各コーナーセクションが、保管ビンのコーナーを収容するための2つの直角ビン誘導プレートを備える。支持ストラットは、それらが、コンテナまたは保管ビンのスタックを収容する保管カラムの能力を損なわないように2つの平行な誘導プレートの中間に収まることを可能にする、幅を有する。
【0013】
したがって、自立保管グリッドを提供するようにコンテナの保管のための利用可能な空間またはエリアの影響を最小限に抑える、あるいは少なくとも、あまり広範でない補助グリッド支持構造を必要とする、代替のグリッドフレームワーク構造が必要とされる。
【0014】
世界の人口の大部分は、地震断層線に沿って、またはハリケーンおよびトルネードなど、強力な嵐の経路に位置する。そのようなエリア中にグリッドフレーム構造を位置させることは、現在のグリッドフレームワーク構造がグリッド構造を一緒に保持しないことがあるので、地震および嵐イベントからの構造的損傷のリスクがある。強力な地震および嵐イベントは、たとえば、構造締結具が、グリッドを直立部材に堅く付着されたままに保つことができないことの結果として、それらの構造的完全性の不具合を生じ得る。地震は、地震の重大度に応じて、タイプA、B、C、またはDとしてラベリングされた4つのカテゴリーにラベリングされ得、タイプAは、最も強力でない地震と見なされ、タイプDは、最も強力な地震と見なされる。タイプA~Dは、地面レベルの上の物体が地震中に受けることになる、gで測定される最大加速度である、それらのスペクトル加速度によって等級をつけられ得る。最も強力な地震イベントを表すと見なされるタイプDは、一般に、0.5g~1.83gの範囲における測定されたスペクトル加速度(短期間スペクトル応答加速度SDS。https://www.fegstructural.com/seismic-design-category-101/参照)を有し、建物の大部分の不具合の結果である。強力な地震イベントが構造に作用するとき、3次元の動的な力が、グリッドフレームワーク構造を一緒に保持する構造締結具を損ない、構造締結具が、徐々に、それらが埋め込まれた部材を緩ませるかまたはそれらの部材から外れることを引き起こすか、あるいは、構造締結具が所定の位置にとどまる場合、それらは、構造締結具を通って乱し得る。
【0015】
米国の州など、多くの管轄区域が、居住用または商用のすべての新しい建物が、その中に組み込まれたいくつかの地震ブレース特徴(bracing feature)を伴って建造されることを義務づける、法律を通した。グリッドフレームワーク構造が、グリッドフレームワーク構造内に組み込まれ、それにより、直立部材のうちの1つまたは複数が、1つまたは複数のブレース部材(bracing member)またはブレースタワー(bracing tower)によって一緒にブレース(brace)される、内部ブレース特徴を備え、図6に示されている。一般に、ブレース部材は、グリッドフレームワーク構造全体にわたって内部に分散される。内部ブレーシングの分散は、グリッドフレームワーク構造のサイズ、地面状況、および温度などの環境状況に大きく依存する。しかしながら、グリッドフレームワーク構造は、0.3gよりも小さいスペクトル加速度を有する極めて低いレベルの地震イベントに持ちこたえることが可能であるが、現在、0.5g~1.83gの範囲におけるスペクトル加速度によってカテゴリー分類される、より強力なタイプCおよびタイプC地震イベントに持ちこたえることが可能であるグリッドフレームワーク構造のための地震抑制システムがない。
【0016】
地震イベントの後に、グリッドフレームワーク構造の状態が査定される必要がある。地震イベントの後の手動検査が可能であるが、もちろん、人員を投入する前にグリッドフレームワーク構造の状態を理解することが好ましい。
【0017】
グリッドフレームワーク構造における損傷が矯正され得る前の、第1のステップは、特に、グリッドフレームワーク構造におけるたわみ(yielding)の程度を測定するために、損傷の程度を理解することである。手動でこれを行うことは、エッジにおけるおよびグリッドフレームワーク構造の内側の、構造部材の位置を測定することを必要とすることになり、これは、労働集約型のおよび時間がかかるプロセスである。手動介入を必要としない、変位を測定する別の方法が必要とされる。
【0018】
したがって、地震イベントが起こったかどうかを決定することと、人間が、グリッドに入り、手動で測定を行う必要なしに、グリッドフレームワーク構造のたわみの程度を査定することとを行うことができる、地震検出システムが必要とされる。
【発明の概要】
【0019】
本発明の一態様は、地震イベントを検出するための方法であって、本方法は、
a)グリッドフレームワーク構造上に位置する1つまたは複数の加速度計から所与の時間期間にわたって加速度データを収集するステップと、前記グリッドフレームワーク構造は、
i)第1の方向に延在する水平グリッド部材の第1のセットと、
ii)第1の方向に対して実質的に直角な第2の方向に延在し、交差部において水平グリッド部材の第1のセットと交差する、水平グリッド部材の第2のセットと、水平グリッド部材の第1のセットおよび水平グリッド部材の第2のセットが、水平平面において複数の実質的に矩形のフレームを備えるグリッドを形成するように配置され、実質的に矩形のフレームの各々がグリッドセルをなす、
iii)水平グリッド部材の第1のセットおよび水平グリッド部材の第2のセットを支持する複数の直立カラムと、複数の直立カラムが、直立カラム間にスタックされるべきコンテナのための複数の垂直保管ロケーションを形成する、
を備える、
b)収集された加速度データを、地面上に位置する1つまたは複数の加速度計からの地面加速度データ(ground acceleration data)と比較するステップと、
c)加速度データと地面加速度データとの間の差分加速度を決定するステップと、
d)差分加速度から変位データを決定するステップと、
e)変位データに基づいて、地震イベントが所与の時間期間にわたって起こったかどうかを決定するステップと
を備える、方法を提供する。
【0020】
加速度データは、時間の関数としての加速度の信号として1つまたは複数の加速度計から収集される。差分加速度は、加速度データから地面加速度データを減算することによって計算され、加速度データと地面加速度データとの間の差である。差分加速度は、地面に対するグリッドフレームワーク構造の加速度を表す。
【0021】
所与の時間期間は、地震イベントの開始から地震イベントの終了の間の時間を表す。たとえば、所与の時間期間は、加速度計によって測定された加速度が背景加速度よりも著しく高い時間、または差分加速度が最小加速度しきい値を上回る時間期間であり得る。
【0022】
変位データを決定するステップは、差分加速度データに対して二重積分を実施することを備え得る。差分加速度を時間に関して1回積分することが、差分速度(地面に対するグリッドフレームワーク構造の速度)を与える。差分加速度を2回目に積分すること、すなわち、差分速度を時間に関して積分することが、変位データを与える。変位データは、差分変位(グリッドフレームワーク構造の移動の結果としての、地面に対するグリッドフレームワーク構造の変位)を表し、時間の関数としての変位の信号である。加速度データおよび変位データは、地面に対する、1つまたは複数の加速度計の各々が位置する、グリッド構造上のポイントの加速度および変位を表す。地面加速度データは、地面加速度データが、地面上に位置する1つまたは複数の加速度計から収集され、差分加速度データを計算するための基準ポイントを提供するので、地面の加速度を表す。
【0023】
地面上に位置する1つまたは複数の加速度計は、グリッドフレームワーク構造がその上に構築される下部構造(たとえば、コンクリート基礎またはスラブ)に付着され得るか、または代替的に、地面上に位置する1つまたは複数の加速度計は、土壌の上部に直接置かれ(たとえば、下部構造における穴の内側に位置し)得る。
【0024】
地震イベントが起こったかどうかを決定するステップは、
a)変位データから非比例応答を検出するステップと、
b)変位データにおける周期伸長(period elongation)を検出するステップと、
c)変位データから静的変位を計算するステップと
のうちの1つまたは複数を備え得る。
【0025】
これらの3つのケースa)、b)およびc)の各々では、地震イベントが起こったかどうかを決定するステップは、変位データにおける1つまたは複数の特徴的振動領域(regime)の存在を識別することを備え得、ここで、1つまたは複数の特徴的振動領域は、
a)非比例応答領域と、
b)周期伸長領域と、
c)残留ドリフト領域と
を備える。
【0026】
これらの3つのケースa)、b)およびc)の各々では、地震イベントが起こったかどうかを決定することは、変位データ、または変位データから導出されたパラメータを、所定のしきい値と比較することを備え得る。ケースa)非比例応答では、所定のしきい値は変位しきい値を備え得、ケースb)周期伸長では、所定のしきい値は、振動の所定の周波数および/または所定の周期を備え得、ケースc)残留ドリフトでは、所定のしきい値は所定の静的変位しきい値を備え得る。これらの3つの特徴的振動領域の各々は、以下でより詳細に説明される。
【0027】
ケースa)、非比例応答領域は、グリッドフレームワーク構造の構造部材がそれの弾性限界を越えて延在し、非弾性挙動を呈するとき、生じ得る。
【0028】
地震イベントが所与の時間期間にわたって起こったかどうかを決定するステップは、変位データが、グリッド構造の部材の弾性限界に対応する所定の変位しきい値を超えるかどうかを決定することを備え得る。地震イベントが起こったかどうかを決定するステップは、変位が加速度に比例するかどうかを決定することによって、非比例応答領域を識別することを備え得る。
【0029】
ケースb)、周期伸長領域は、構造部材がたわみ、その結果、グリッドフレームワーク構造の動的性質が変化したとき、生じ得る。
【0030】
地震イベントが起こったかどうかを決定するステップは、所与の時間期間にわたる、変位データの振動の周波数および/または周期の変化を決定することを備え得る。変位データの振動の周波数および/または周期の変化を決定することは、振動の周波数および/または周期が、振動の所定の周波数および/または所定の周期とは異なるかどうかを決定することを備え得る。変位データの振動の周波数および/または周期の変化を決定するステップは、グリッドフレームワーク構造の周波数スペクトルを取得するために変位データのフーリエ変換を計算することを備え得る。本方法は、地震イベントの不在下でのグリッドフレームワーク構造の挙動を表す基準変位データを提供することと、グリッドフレームワーク構造の基準周波数スペクトルを取得するために基準変位データのフーリエ変換を計算することとを行うステップをさらに備え得る。本方法は、グリッドフレームワーク構造の周波数スペクトルをグリッドフレームワーク構造の基準周波数スペクトルと比較するステップをさらに備え得る。グリッド構造の振動の固有周波数が、グリッドフレームワーク構造の周波数スペクトルから取得され得る。グリッドフレームワーク構造の基準周波数スペクトルから取得された固有周波数(すなわち、地震イベントの不在下での固有周波数)が、グリッドフレームワーク構造の周波数スペクトルから取得された固有周波数とは異なる場合、固有周波数の変化が、グリッドフレームワーク構造におけるたわみの指示であり得る。
【0031】
ケースc)、残留ドリフト領域は、振動が静まった後に残る、グリッドフレームワーク構造の静的変位があるとき、すなわち、静的変位が、加速度計がそれの初期位置から移動したことを示すとき、生じ得る。
【0032】
変位データは、2つのパート、すなわち、加速度計の、それの中心位置を中心とする振動を表す振動変位または動的変位と、振動変位の中心位置の、それの起点または初期位置に対する移動を表す静的変位とに分けられ得る。動的変位は、加速度計の位置が、それの中心位置を中心として振動していることを示し、静的変位は、加速度計が、それの起点または初期位置から移動したかまたは変位されたことを示す。変位データは、振動変位と静的変位との重ね合わせである。
【0033】
地震イベントが所与の時間期間にわたって起こったかどうかを決定するステップは、変位データから静的変位を決定することと、静的変位が所定の静的変位しきい値を超えるかどうかを決定することとを備え得る。
【0034】
振動変位の中心位置が起点にとどまる場合、静的変位は0である。しかしながら、加速度計が取り付けられた構造部材がたわむ場合、加速度計は移動することになり、したがって、それの振動変位の中心位置が加速度計の起点または初期位置にもはやない。中心位置のこの移動は、残留ドリフトとしても説明され得、これは、振動変位が静まるかまたは減衰した後、加速度計が、それの初期位置から変位させれている(すなわち、ドリフトした)ことを意味する。
【0035】
非0静的変位または残留ドリフトの存在から、地震イベントが起こったかどうかを決定するのではなく、0よりも大きい所定の静的変位しきい値を定義することが有利である。静的変位がこの所定の静的変位しきい値を上回るとき、地震イベントが起こったと見なされる。0の所定の静的変位は、小さい変位をピックアップし、地震イベントによって引き起こされない小さい変位によるフォールスアラーム(たとえば測定誤差)を引き起こすことになる。
【0036】
3つのケースa)b)およびc)のいずれかまたはすべてが、地震イベントが起こったかどうかを決定するために使用され得る。いくつかの場合には、イベントが、フォールスポジティブではなく、実際、地震イベントであることを保証するために、これらの方法のうちの2つ以上を使用することが有利であり得る(たとえば、残留ドリフト/静的変位は、加速度計が取り付けられた構造部材の不具合を示すのではなく、加速度計がグリッドフレームワーク構造に対して移動した場合、検出され得る)。
【0037】
本方法は、非地震イベントに関連する1つまたは複数の信号を除去するかまたは減衰させるために加速度データをフィルタ処理するステップをさらに備え得る。震動信号を引き起こし得る非地震イベントは、同じ建物におけるまたは周囲エリアにおける、保管および取出しシステムまたは他の機械類の通常動作を含み得る。たとえば、震動は、グリッドフレームワーク構造上で移動する積荷取扱デバイス、またはコンベヤシステム、ピックステーション、車両(たとえばフォークリフトトラック)の移動、または同じ建物における他の機械類によって生成され得る。建物の外側では、震動は、通過する交通、道路工事、または地面の移動によって生成され得る。これらの非地震信号をフィルタで除去することは、フィルタ処理されたデータがよりクリーンであり、フォールスポジティブが生じることになる(すなわち、本方法が、地震イベントが生じなかったとき、地震イベントを検出する)可能性が低いので、有利である。
【0038】
加速度データをフィルタ処理するステップは、ハイパスフィルタ、ローパスフィルタ、および/または帯域フィルタを使用することを備え得る。ハイパスフィルタは、しきい値周波数を下回る周波数における信号を除去するかまたは減衰させ、しきい値周波数を上回る周波数における信号が通過することを可能にする。ローパスフィルタは、しきい値周波数を上回る周波数における信号を除去するかまたは減衰させ、しきい値周波数を下回る周波数における信号が通過することを可能にする。帯域フィルタは、下限しきい値周波数を下回るまたは上限しきい値周波数を上回る周波数における信号を除去するかまたは減衰させ、下限しきい値周波数から上側しきい値周波数の間の周波数における信号が通過することを可能にする。フィルタ処理は、それが、関心の周波数範囲、たとえば、地震イベントが生じる周波数範囲、または、信号が地震イベントの結果として変化する可能性がある周波数範囲以外の周波数における、ノイズを除去することができるので、有利である。
【0039】
非地震イベントに関連する1つまたは複数の信号を除去するかまたは減衰させるために加速度データをフィルタ処理するステップは、地震イベントの不在下で振動が生じた周波数範囲を決定することと、加速度データからこれらの周波数範囲を減衰させるかまたはフィルタで除去することとを備え得る。
【0040】
非地震イベントに関連する1つまたは複数の信号を除去するかまたは減衰させるために加速度データをフィルタ処理するステップは、地震イベントの不在下でのグリッドフレームワーク構造の挙動を表す基準加速度データを提供することと、地震イベントの不在下で振動が生じた基準加速度データにおける周波数範囲を決定することと、加速度データからこれらの周波数範囲を減衰させるかまたはフィルタで除去することとを備え得る。
【0041】
どの周波数範囲をフィルタで除去すべきかを決定することは、周波数スペクトルを取得するために加速度および/または基準加速度データのフーリエ変換を行うことによって行われ得る。
【0042】
グリッドフレームワーク構造上に位置する1つまたは複数の加速度計は、複数の加速度計を備え得、地震イベントが起こったかどうかを決定するステップは、複数の加速度計からの変位データに基づき得る。
【0043】
グリッドフレームワーク構造上に位置する複数の加速度計を使用することの利点は、本方法に加えられた冗長があることである。第1の加速度計が地震イベントを検出することができない場合、第2の加速度計が、同じタスクを実施しており、地震イベントを、第1の加速度計が検出しない場合に検出することができる。本方法が、グリッドフレームワーク構造上に位置する単一の加速度計のみに依拠した場合、単一の加速度計に伴う問題点は、地震イベントが検出されないことになることを意味することになる。
【0044】
グリッドフレームワーク構造上に位置する複数の加速度計による、いくつかの例では、地震イベントが起こったかどうかを決定するために、投票システムが使用され得る。各加速度計が、その加速度計によって収集されたデータが地震イベントを肯定的に識別したか否かに応じて、「はい」または「いいえ」に投票することになる。たとえば、複数の加速度計の大多数が「はい」に投票した(すなわち、複数の加速度計の大多数からのデータが、地震イベントが起こったと肯定的に識別した)場合、地震イベントが起こったと見なされ得る。地震イベントが起こったかどうかを決定するためのしきい値が、「はい」に投票する、複数の加速度計のある割合に基づき得、そのしきい値は、加速度計の数(たとえば、少なくとも10個の加速度計)、または加速度計の総数のある割合(たとえば、大多数または50%、3つ中の2つ、75%)であり得る。
【0045】
地震イベントが起こったかどうかを決定するステップは、地震イベントを検出する、複数の加速度計の3つのうちの少なくとも2つを備え得る。この場合、グリッドフレームワーク構造上に位置する3つの加速度計がある場合、第1の加速度計および第2の加速度計が「はい」に投票したが、第3のものが「いいえ」に投票した場合に、地震イベントが起こったと見なされることになる。
【0046】
本方法は、地震イベントが所与の時間期間にわたって起こったと決定することに応答して、1つまたは複数の出力デバイスに信号を送るステップをさらに備え得る。これは、地震イベントについて人員にアラートし、建物から避難させられることを可能にするために、重要である。
【0047】
本方法は、
a)グリッドフレームワーク構造が永続的に変形したかどうか、および/または
b)グリッドフレームワーク構造が、動作することを継続するのに十分に損傷を受けていないかどうか、および/または
c)グリッドフレームワーク構造が、人員が入るのに安全であるかどうか、および/または
d)グリッドフレームワーク構造が余震に耐えるためのの構造耐力(structural capacity)かあるかどうか
を決定するために、差分加速度および/または変位データを使用するステップをさらに備え得る。
【0048】
グリッドフレームワーク構造のこれらの異なる状態は、後でより詳細に説明される。
【0049】
1つまたは複数の加速度計が、グリッドフレームワーク構造にわたって分散された複数の加速度計を備える例では、本方法は、グリッドフレームワーク構造の異なるパートへの損傷の程度を決定するために差分加速度および/または変位データを使用するステップをさらに備え得る。
【0050】
本方法は、本方法が地震イベントの早期段階を検出した場合、さらなる地震活動のためにグリッドフレームワーク構造を準備するステップをさらに備え得る。
【0051】
地震イベントのためにグリッドフレームワーク構造を準備するステップは、
グリッドフレームワーク構造の構成要素への電力供給を遮断するステップと、
グリッドフレームワーク構造上で動作可能な積荷取扱デバイスを停止させるステップと、
積荷取扱デバイス上のブレーキをアクティブ化するステップと、
グリッドフレームワーク構造上で動作可能な積荷取扱デバイスへの電力供給を遮断するステップと
のうちの1つまたは複数を備え得る。
【0052】
代替または追加として、準備アクションは、場合によっては緊急地震速報(EEW:Earthquake Early Warning)または早期警戒システム(EWS:Early Warning System)として知られる、地震早期警戒システムからのアラートの結果として行われ得る。そのようなシステムは、地震イベントの震央の領域からの電子アラートが地震波よりも迅速に進むことができるという原理に基づいて動作する。地震イベント中に、P波(圧力波または第一波)の後にS波(せん断波または第二波)が続く。P波は、縦圧縮波であり、S波よりも速く進み、地球の内部の液体層を通して伝えられ得る。S波は、横せん断波であり、P波よりも破壊的であるが、よりゆっくり進む。地震イベントが生じたとき、初期P波が、それらの存在を検出するセンサーをトリガする。地震イベントのロケーションおよびマグニチュードがP波から推定され、システムは、影響を受けるエリアにアラートを送る。地震イベントの震央からより遠いロケーションは、より破壊的なS波が到達する前に、準備するための数秒または数分を有することができる。早期警戒システムと自動応答との組合せが、大きい地震イベントに一般に関連する負傷および損傷のうちのいくつかを防ぐのを助けることができる。
【0053】
地震早期警戒システムからのアラートの結果として、適切なアクションがとられ得る。たとえば、人員は、グリッドフレームワーク構造を格納する建物から避難させられ得、車両は、駐車され、電源(たとえばエンジンまたはモーター)がオフに切り替えられ、他の機械類がオフにされるかまたはシャットダウンされ得る。さらに、上記で説明された、グリッドフレームワーク構造を準備するためのステップが適用可能である。
【0054】
別の態様では、本発明は、地震イベントに続いてグリッドフレームワーク構造を状況監視(condition monitor)する方法であって、グリッドフレームワーク構造は、
i)第1の方向に延在する水平グリッド部材の第1のセットと、
ii)第1の方向に対して実質的に直角な第2の方向に延在し、交差部において水平グリッド部材の第1のセットと交差する、水平グリッド部材の第2のセットと、水平グリッド部材の第1のセットおよび水平グリッド部材の第2のセットが、水平平面において複数の実質的に矩形のフレームを備えるグリッドを形成するように配置され、実質的に矩形のフレームの各々がグリッドセルをなす、
iii)水平グリッド部材の第1のセットおよび水平グリッド部材の第2のセットを支持する複数の直立カラムと、複数の直立カラムが、直立カラム間にスタックされるべきコンテナのための複数の垂直保管ロケーションを形成する、
iv)グリッドフレームワーク構造上に位置する1つまたは複数の加速度計と
を備え、
本方法は、
a)1つまたは複数の加速度計から所与の時間期間にわたって加速度データを収集するステップと、
b)収集された加速度データを、地面上に位置する1つまたは複数の加速度計からの所与の時間期間にわたる地面加速度データと比較するステップと、
c)加速度データと地面加速度データとの間の差分加速度を決定するステップと、
d)差分加速度データが所与の時間期間中に所定の加速度しきい値を超えたかどうかを決定することによって、所与の時間期間中に生じたグリッドフレームワーク構造の異なる部分への損傷の程度を決定するステップと
を備える、方法を提供する。
【0055】
状況監視の目的は、地震イベントの後のグリッドフレームワーク構造の状況、たとえば、グリッドフレームワーク構造の異なる部分への損傷の程度を決定することである。地震イベントの後の状況監視は、グリッドフレームワーク構造の異なる部分への損傷の程度を査定するために重要であり、グリッドフレームワーク構造が、より速く修復され、ダウンタイムを低減することを可能にすることになる。状況監視がない場合、グリッドフレームワーク構造の全体が損傷について査定される必要があることになり、さらに重要なことに、グリッドフレームワーク構造が、人員が入るのに安全であるかどうかの指示がないことになる。所定の加速度しきい値は、グリッドフレームワーク構造の一部分のステータスを定義するために使用される加速度値であり、すなわち、差分加速度が所定の加速度しきい値を超えるか否かに応じて、異なるアクション(たとえば、検査、修復)が必要とされ得る。
【0056】
所定の加速度しきい値は、複数の所定の加速度しきい値を備え得、複数の所定の加速度しきい値の各々が、グリッドフレームワーク構造の部分のうちの1つまたは複数への損傷の異なるレベルを示す。これは、グリッドフレームワーク構造の異なる部分が、適切なアクション(たとえば、検査および/または修復)が効率的に着手され得るように、損傷のレベルに従って分類またはカテゴリー分類されることを可能にする。
【0057】
複数の所定の加速度しきい値は、グリッドフレームワーク構造の一部分の弾性限界を示す第1の加速度しきい値を備え得、したがって、第1の加速度しきい値を超えるグリッドフレームワーク構造の一部分の差分加速度は、グリッドフレームワーク構造の一部分が永続的に変形されたという指示を提供する。永続的に変形された場合、グリッドフレームワーク構造の一部分は、動作することを継続するのに好適な状況にないことがあり、たとえば、積荷取扱デバイスは、変形されたまたは不整合なトラック上を進むことが可能でないことがあり、積荷取扱デバイスは、垂直直立部が変形されたかまたは不整合である場合、スタックから保管コンテナを持ち上げることが可能でないことがある。永続的に変形されたとは限らない場合、グリッドフレームワーク構造の一部分は、動作することを継続するのに好適な状況にあり得、たとえば、トラックは、それらの元の形状および位置に戻っており、したがって、積荷取扱デバイスは依然としてトラック上で動作することができ、垂直直立部は、それらの元の形状および位置に戻っており、したがって、積荷取扱デバイスは、顧客注文のための製品を取り出すためにスタックから保管コンテナを持ち上げることを継続することができる。
【0058】
第1の加速度しきい値は実質的に0.6gであり得る。
【0059】
複数の所定の加速度しきい値は、安全限界を示す第2の加速度しきい値を備え得、したがって、第2の加速度しきい値を超えるグリッドフレームワーク構造の一部分の差分加速度は、人員がグリッドフレームワーク構造の一部分に入ることが安全でないという指示を提供する。グリッドフレームワーク構造のどの部分が、人員が入るのに安全であるかを理解することは、人員へのリスクを低減することと、人員が入るのに安全である、グリッドフレームワーク構造の部分を、人員が、確信的におよび安全に検査することを可能にすることの両方を行うために、有利である。
【0060】
第2の加速度しきい値は実質的に1.0gであり得る。
【0061】
複数の所定の加速度しきい値は、構造限界を示す第3の加速度しきい値を備え得、したがって、第3の加速度しきい値を超えるグリッドフレームワーク構造の一部分の差分加速度は、グリッドフレームワーク構造の一部分が、余震に耐えるのに十分な構造耐力を有しないという指示を提供する。構造限界は、グリッドフレームワーク構造の一部分が、余震に耐えるのに十分な構造耐力を有するかどうかの測度であり、すなわち、差分加速度が構造限界を下回ったままである場合、グリッドフレームワーク構造の一部分は、余震に耐えることが可能であり、差分加速度が構造限界を超えた場合、グリッドフレームワーク構造の一部分は、余震に耐えることが可能でなく、したがって、余震の結果として崩壊する危険がある。第3の加速度しきい値が超えられた場合、どの人員もグリッドフレームワーク構造に入るべきではない。
【0062】
第3の加速度しきい値は実質的に1.83gであり得る。
【0063】
本方法は、
f)差分加速度から変位データを決定するステップと、
g)変位データが所定の変位しきい値を超えたかどうかを決定することによって、グリッドフレームワーク構造の異なるパートへの損傷の程度を決定するステップと
をさらに備え得る。
【0064】
所定の変位しきい値は弾性限界を示し得、したがって、所定の変位しきい値を超えるグリッドフレームワーク構造の一部分の変位は、グリッドフレームワーク構造の一部分が永続的に変形されたという指示を提供する。グリッドフレームワーク構造の一部分の変位が所定の変位しきい値を下回る場合、弾性限界は超えられておらず、グリッドフレームワーク構造の一部分は、弾性的に変形し、それの元の位置に戻った。これは、グリッドフレームワーク構造の一部分が、通常通り動作することを継続することができ、すなわち、積荷取扱デバイスを支持するトラックが、不整合でなく、したがって、継続して使用されることができることを示し得る。グリッドフレームワーク構造のどの部分が弾性限界を超えていないかを知ることは、いくつかの部分は、通常通り動作することを継続することが可能であり得るが、他の部分は、損傷について査定され、必要に応じて修復されるので、有利である。ビジネス継続性、すなわち、顧客注文を履行することを継続することが可能であることを保証することは、大きい利点である。
【0065】
別の態様では、本発明は、いずれかの上述する態様の方法を行うように構成された、グリッドフレームワーク構造のための地震検出システムであって、地震検出システムは、
a)グリッドフレームワーク構造上に取り付けられた1つまたは複数の加速度計と、
b)1つまたは複数の加速度計から加速度データを収集するように構成された入力モジュールと、
c)入力モジュールと通信しているコントローラと、コントローラが、1つまたは複数のプロセッサと、命令を記憶するメモリとを備え、命令は、1つまたは複数のプロセッサによって実行されたとき、1つまたは複数のプロセッサに、
i)1つまたは複数の加速度計からの収集された加速度データに基づいて、地震イベントが起こったかどうかを決定することと、
ii)地震イベントが起こったと決定することに応答して、1つまたは複数の出力デバイスに信号を送ることと
を行わせる、
を備える、地震検出システムを提供する。
【0066】
いくつかの場合には、入力モジュールはまた、加速度計に電力を供給し得る。
【0067】
地震検出システムは、コントローラが1つまたは複数の出力デバイスに信号を送ることを可能にするように構成された、出力モジュールをさらに備え得る。
【0068】
地震検出システムは、グリッドフレームワーク構造の近くに、地面上に位置する1つまたは複数の加速度計をさらに備え得る。グリッドフレームワーク構造の近くの、地面上に位置する1つまたは複数の加速度計は、上記で説明されたように、差分加速度データを計算する際に基準として使用されるべき、地面加速度データを収集するために使用され得る。
【0069】
1つまたは複数の出力デバイスは、ビーコン、アラーム、および/またはサイレンを備え得る。
【0070】
別の態様では、本発明は、
第1の方向に延在する水平グリッド部材の第1のセットと、
第1の方向に対して実質的に直角な第2の方向に延在し、交差部において水平グリッド部材の第1のセットと交差する、水平グリッド部材の第2のセットと、水平グリッド部材の第1のセットおよび水平グリッド部材の第2のセットが、実質的に水平な平面において複数の実質的に矩形のフレームを備えるグリッドを形成するように配置され、実質的に矩形のフレームの各々がグリッドセルをなす、
水平グリッド部材の第1のセットおよび水平グリッド部材の第2のセットを支持する複数の直立カラムと、複数の直立カラムが、直立カラム間にスタックされるべきコンテナのための複数の垂直保管ロケーションを形成する、
を備える、グリッドフレームワーク構造であって、
ここにおいて、グリッドフレームワーク構造が、本発明の地震検出システムをさらに備える、グリッドフレームワーク構造を提供する。
【0071】
グリッドフレームワーク構造上に取り付けられた1つまたは複数の加速度計は、グリッドの第1の方向および/または第2の方向に沿って配置された複数の加速度計を備え得る。たとえば、第1の方向はX方向を表し得、第2の方向は、X方向に対して直角なY方向を表し得る。加速度計は、X方向および/またはY方向に沿って1つまたは複数の線において配置されるか、あるいはグリッドパターンにおいて配置され得る。複数の加速度計は、グリッドの周辺の少なくとも一部分に沿って配置され得る。たとえば、複数の加速度計は、グリッドの1つのエッジ、またはグリッドの2つのエッジ、またはグリッドの3つのエッジ、またはグリッドのすべての4つのエッジに沿って、線において配置され得る。いくつかの例では、複数の加速度計の一部分がグリッドの周辺上に配置され得、それらの加速度計の残りがグリッド内に配置され得る。複数の加速度計の少なくとも一部分が、グリッドの第1の方向および第2の方向に対して対角線方向に配置され得る。たとえば、複数の加速度計の一部分が、グリッドにわたって対角線において配置され得る。これらおよび他の配置の組合せも可能である。
【0072】
複数の加速度計は実質的に水平な平面にあり得る。それらの加速度計は、グリッド自体と同じ平面にある(たとえば、トラック上にまたは水平グリッド部材上に取り付けられる)か、または平行な水平平面にあり得る。それらの加速度計は、グリッドフレームワーク構造の上部と地面との間の差分加速度を測定するために、グリッドフレームワーク構造の上部にまたはその近くに位置し得る。
【0073】
グリッドフレームワーク構造上に水平に分散された複数の加速度計を有することの利点は、データの正確さが改善されることである。より多数の加速度計は、グリッドフレームワーク構造の変位が、より大きい正確さでおよびより詳細に決定されることを可能にする。
【0074】
グリッドフレームワーク構造上に水平に分散された複数の加速度計を有することのさらなる利点は、加速度計からのデータが、グリッドフレームワーク構造のどの(1つまたは複数の)パートが地震イベントにおいて損傷を被ったかを決定するために使用され得ることである。グリッドフレームワーク構造のあるパートが損傷を受けているが、別のパートが元のままである場合、積荷取扱デバイスが、損傷を受けたパートが修復される間、グリッドの損傷を受けていないパート上で動作し続けることが、可能であり得る。また、加速度計データは、グリッドフレームワーク構造へのたわみ/損傷の程度を決定するために、たとえば、グリッドフレームワーク構造のあるパートが、弾性限界を越えておらず、通常通り動作することを継続することができるのか、または損傷を受けているが、人員が入って、その事態(situation)を査定し、是正アクションをとるために安全であるのか、または人員がグリッドフレームワーク構造のそのエリアに入ることが安全でないほど損傷を受けているのかを決定するために使用され得る。
【0075】
複数の加速度計は、15個から28個の間の加速度計からなり得る。
【0076】
グリッドフレームワーク構造上に取り付けられた1つまたは複数の加速度計は、水平グリッド部材上に取り付けられ得る。いくつかの例では、それらの加速度計は、トラック上に、またはトラック支持体上に、または垂直直立部上に取り付けら得る。
【0077】
グリッドフレームワーク構造は、1つまたは複数のブレース部材によってブレースされた複数の垂直フレームカラムを備える外骨格をさらに備え得、グリッドは、さらに、地震力抑制システム(SFRS:seismic force restraint system)を形成するために外骨格によって支持される。後でより詳細に説明されるように、外骨格は、グリッドフレームワーク構造にさらなる支持を提供し、地震イベントの場合、グリッドフレームワーク構造を損傷から保護する。
【0078】
グリッドフレームワーク構造上に取り付けられた1つまたは複数の加速度計は、SFRS上に取り付けられ得る。特に、グリッドフレームワーク構造上に取り付けられた1つまたは複数の加速度計は、1つまたは複数のブレース部材に取り付けられ得る。ブレース部材は、地震イベントの場合、犠牲部材として働き(すなわち、ブレース部材は、最初にたわみ、グリッドフレームワーク構造を損傷から保護することになる)、したがって、ブレース部材上に加速度計を置くことによって、地震検出システムは、ブレース部材がたわんでいるかどうかを検出することが可能である。ブレース部材がたわんでいない場合、グリッドと支持フレームワーク構造とは、元のままであり、動作することを継続することができる。グリッドのパートが損傷を受けておらず、動作することを継続することができると決定することが可能であることが、有利であり、なぜなら、その場合、保管システムの少なくとも一部が、著しいダウンタイムなしに顧客注文を履行することを継続し、したがって、コストを低減し、ビジネスの継続性を可能にすることができるからである。
【0079】
グリッドフレームワーク構造は、複数のモジュール式フレームに細分(subdevide)され得、したがって、グリッドは、複数のモジュール式フレームにわたって延在する。グリッドフレームワーク構造がモジュール式である例では、モジュール式フレームのうちのいくつかまたはすべてが外骨格によって支持され得る。複数のモジュール式フレームの各々が、1つまたは複数のブレース部材によってブレースされた複数の垂直フレームカラムを備える外骨格を備え得、グリッドは、地震力抑制システム(SFRS)を形成するために外骨格によって支持され、ここにおいて、隣接するモジュール式フレームが、SFRSの少なくとも一部分が、隣接するモジュール式フレーム間で共有されるように、配置される。
【0080】
モジュール式グリッドフレームワーク構造について説明する別のやり方は、複数のモジュール式フレームを備えるアセンブリであり、ここにおいて、複数のモジュール式フレームの各々がグリッドフレームワーク構造を備え、グリッドは、複数のモジュール式フレームにわたって延在し、複数のモジュール式フレームのうちの少なくとも1つが、上記で説明された地震検出システムを備える。
【0081】
グリッドフレームワーク構造を複数のモジュール式フレームに細分することの利点は、モジュール式フレームのうちの1つが地震イベントによりたわむ場合、他のモジュール式フレームが、影響を受けず、動作することを継続することが可能であり得ることである。
【0082】
グリッドフレームワーク構造は、グリッドフレームワーク構造に作用する地震力を低減するための地震の免震システム(seismic isolation system)をさらに備え得、ここにおいて、グリッドフレームワーク構造は、地震の免震システムによって支持され、地震の免震システムは、上部構造と、下部構造と、上部構造と下部構造との間に配設された少なくとも1つの免震デバイス(base isolation device)とを備え、したがって、少なくとも1つの免震デバイスは、地震イベントにおける下部構造に対する上部構造の移動を抑制する。
【0083】
地震の免震システムは、グリッドフレームワーク構造をそれの基礎から部分的に隔離(isolate)または分離(decouple)することの利点を有し、したがって、地震イベント中の地面移動の水平成分が減衰される。少なくとも1つの免震デバイスは、上部構造と下部構造との相対的動きを可能にし、したがって、地面の水平移動のすべてがグリッドフレームワーク構造の水平移動に変換されるとは限らない。
【0084】
別の態様では、本発明は、
i)第1のレベルにおける第1のグリッドフレームワーク構造と、
ii)第2のレベルにおける第2のグリッドフレームワーク構造と、第2のレベルが第1のレベルの上にある、
を備える、多層階(multi-storey)グリッドフレームワーク構造であって、
ここにおいて、第1のグリッドフレームワーク構造および第2のグリッドフレームワーク構造の各々が、本明細書で定義されるグリッドフレームワーク構造を備える、多層階グリッドフレームワーク構造を提供する。
【0085】
多層階グリッドフレームワーク構造の利点は、同じフットプリントについて、より多くの保管空間が提供されることである。これは、使用可能な土地が貴重であり、したがって、利用可能な空間を最も効率的に利用するような、外側にではなく上方に構築することに利点がある、テリトリーにおいて特に有用である。
【0086】
別の態様では、本発明は、
本明細書で定義されるグリッドフレームワーク構造と、
グリッドフレームワーク構造中に保管された1つまたは複数のコンテナを移動させるようにリモートで動作可能な1つまたは複数の積荷取扱デバイスと、1つまたは複数の積荷取扱デバイスの各々が、
i)グリッドフレームワーク構造上で積荷取扱デバイスを誘導するためのホイールアセンブリと、
ii)グリッドフレームワーク構造の上に位置するコンテナ受入空間と、
iii)スタックから単一のコンテナを持ち上げ、コンテナ受入空間に入れるように配置された、持ち上げデバイスと
を備える、
を備える、保管および取出しシステムを提供する。
【0087】
本発明のさらなる特徴および態様は、図面を参照しながら行われる、例示的な実施形態の以下の詳細な説明から明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0088】
図1】知られているシステムによる、グリッドフレームワーク構造の概略図。
図2図1のフレームワーク構造内に配置されたビンのスタックを示すトップダウン図の概略図。
図3】グリッドフレームワーク構造上で動作する知られている積荷取扱デバイスのシステムの概略図。
図4】上からコンテナを把持する持ち上げデバイスを示す積荷取扱デバイスの概略斜視図。
図5(a)】(a)積荷取扱デバイスのコンテナ受入空間内に収容されるコンテナを示す、図4の積荷取扱デバイスの概略斜視破断図。
図5(b)】(b)積荷取扱デバイスのコンテナ受入空間を示す、図4の積荷取扱デバイスの概略斜視破断図。
図6】本発明の一実施形態による、グリッドフレームワーク構造の斜視図。
図7】本発明の一実施形態による、交差部において、隣接するグリッド要素を結合(join)するための、キャッププレートの斜視図。
図8】本発明の一実施形態による、交差部においてグリッド要素の端部を接続することによって、隣接するグリッド要素をリンクするキャッププレートの斜視図。
図9】本発明の実施形態による、グリッド要素の中央セクションと、隣接するグリッド要素の端部とを接続することによって、交差部において、隣接するグリッド要素をリンクするキャッププレートの斜視図。
図10】本発明の一実施形態による、隣接するグリッド要素を、それらのグリッド要素が十字に交わる(cross)交差部において、互いに接続するための、直立カラムに収まったキャッププレートの斜視図。
図11】本発明の一実施形態による、交差部におけるグリッド要素のパターンを示す斜視図。
図12(a)】本発明の一実施形態による、ブレーストタワー(braced tower)の概略図。
図12(b)】本発明の一実施形態による、ブレーストタワーの概略図。
図13】本発明の一実施形態による、調整可能なフット(foot)の斜視図。
図14】本発明の第2の実施形態による、アンカーフットの(a)側面図および(b)平面図。
図15】本発明の第1の実施形態による、地震グリッドフレームワーク構造の斜視図。
図16】地震検出システムの主要なハードウェア構成要素の概略図。
図17】イベント後データ処理がクラウドにおいて行われる、地震検出システムアーキテクチャの可能な配置を示す図。
図18(a)】グリッド構造上の加速度計のロケーションのための異なるオプションを示す、グリッド構造の概略平面図。
図18(b)】グリッド構造上の加速度計のロケーションのための異なるオプションを示す、グリッド構造の概略平面図。
図19】本発明の一実施形態による、地震イベントを検出するための方法におけるステップを示すフローチャート。
図20】非比例応答、周期伸長、および残留ドリフト領域を示す、例示的な変位データのグラフ。
図21】本発明の一実施形態による、地震検出システムのコントローラおよび他の構成要素の概略図。
図22】グリッドフレームワーク構造のモジュール性を示す平面図。
図23】ピックアイルとメザニン(mezzanine)とをもつモジュール式グリッド構造の概略平面図。
図24】グリッド構造上の対角線における加速度計の配置を示す、図23のグリッド構造の概略平面図。
図25】グリッド構造上の対角線における加速度計の配置を示す、図23のグリッド構造の概略平面図。
図26】グリッド構造の2つの側面上の加速度計の配置を示す、図23のグリッド構造の概略平面図。
図27】グリッド構造上の2つの側面上の加速度計の配置を示す、図23のグリッド構造の概略平面図。
図28】グリッド構造上の4つの側面上の加速度計の配置を示す、図23のグリッド構造の概略平面図。
図29】グリッド構造上の損傷の近似ロケーションを示す、図26に示されている加速度計の配置を伴うグリッド構造の概略平面図。
図30】(a)単一層階保管システムおよび(b)多層階保管システムの概略図。
図31】免震デバイスを示す、地震の免震システムの一部分の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0089】
[グリッドフレームワーク構造]
図6は、本発明の一実施形態による、グリッドフレームワーク構造114の斜視図を示す。本発明によるグリッドフレームワーク構造114の基本構成要素は、複数の直立カラムまたは直立部材116に取り付けられた、水平平面にあるグリッドまたはグリッド構造50を備える。「(1つまたは複数の)直立部材」および「(1つまたは複数の)直立カラム」という用語は、本明細書では互換的に使用されて同じ物を意味する。図6に示されているように、グリッド50は、複数の矩形フレーム54を形成するように配置された一連の水平交差ビームまたはグリッド部材118、120を備え、より詳細には、グリッド部材118の第1の1セットが第1の方向xに延在し、グリッド部材120の第2のセットが第2の方向yに延在し、グリッド部材120の第2のセットは、実質的に水平な平面においてグリッド部材118の第1のセットに対して横方向に延びる。第1の方向に延在するグリッド部材および/または第2の方向に延在するグリッド部材の各々は、互いに結合またはリンクされた個別グリッド要素に細分または区分され得る。
【0090】
図6を参照しながら説明されるように複数の直立カラム116上で2次元グリッド50を直接支持するグリッドフレームワーク構造114の代替として、他の例では、グリッドフレームワーク構造114は、グリッドパターンにおいて配置された複数のプレハブモジュール式パネルの上部でグリッド50を支持し、その詳細は、以下で手短におよびOcado Innovation Ltdの名義のPCT出願WO2022034195A1において完全に説明され、参照により本明細書に組み込まれる。WO2022034195A1において説明されるこのグリッドフレームワーク構造は、複数のグリッドセルを画定するために3次元グリッドパターンにおいて配置された複数のプレハブモジュール式パネルを備える支持フレームワーク構造上で2Dグリッドを支持することによって、アセンブルするための時間およびコストの問題に対処する。支持フレームワーク構造のグリッドセルの各々は、積荷取扱デバイスがその上で動作する、グリッドの2つまたはそれ以上のグリッドセルを支持するようにサイズ決定される。グリッドフレームワーク構造は、より少数の構造構成要素から形成されるが、依然として、上記で説明された一般的な「スティックビルト(stick-built)」グリッドフレームワーク構造114と同じ構造的完全性を維持し、構築するのがはるかに速く、安価である。
【0091】
上記で説明されたグリッドフレームワーク構造のプレハブモジュール式パネルは、直立カラム116を備える。たとえば、直立カラムのサブグループが、プレハブパネルまたはフレームを形成するために1つまたは複数のブレース部材によってブレースされ得る。本発明の目的で、複数の直立カラム116はまた、プレハブパネルにおける直立カラム116を含むことができる。グリッドフレームワーク構造114は、グリッドを直接支持する直立カラム116、ならびに/あるいは、直立カラム116を組み込むプレハブパネルおよび/またはフレームを含む、グリッドを支持するための任意の適切な支持フレームワーク構造を備えることができる。
【0092】
図7に示されている接続プレートまたはキャッププレート150は、グリッド要素が直立カラムの各々において十字に交わるかまたは交差する接合において、第1の方向と第2の方向の両方において個々のグリッド要素を互いにリンクまたは結合するために使用され得、すなわち、キャッププレート150は、グリッド要素を直立カラム116に一緒に接続するために使用される。その結果、直立カラムは、複数のグリッド要素がキャッププレート150によってグリッド構造において十字に交わる接合において、それらの直立カラムの上側端部において相互接続される。図7に示されているように、キャッププレート150は、十字形であり、グリッド要素の交差部において、それらのグリッド要素の端部に、またはそれらのグリッド要素の長さに沿ったどこかに、接続するための4つの接続部分152を有する(図8および図9参照)。キャッププレート150は、図10に示されているように、複数の直立カラムをグリッド部材に相互接続するために堅く収まって(直立カラムの第2の端部において)直立カラム116の中空中央セクション70に置かれるようにサイズ決定された、差し込み部(spigot)または突出部154を備える。図13は、1つまたは複数のキャッププレートによる、直立カラムの上側端部における隣接するグリッド要素間の交差部におけるジョイント(joint)を示す。説明の目的で、フロアに取り付けられた直立カラムの下側端部が直立カラムの第1の端部をなし、グリッド50に隣接する直立カラムの上側端部が直立カラムの第2の端部をなす。
【0093】
グリッド部材の第1のセットおよびグリッド部材の第2のセットは、それぞれ、積荷取扱デバイスがグリッドフレームワーク構造上で1つまたは複数のコンテナを移動するための、トラックまたはレールの第1のセット22aおよびトラックまたはレールの第2のセット22bを支持する。いくつかの例では、トラック22a、22bは、グリッド部材と一体であり得る。他の例では、トラックは、(トラック支持体としても知られる)グリッド部材の上部に取り付けられ得る。本発明の説明の目的で、交差部56は、グリッド構造のノードをなす。矩形フレーム54の各々は、グリッドセルをなし、直立カラム116間にスタックされた1つまたは複数のコンテナを取り出し、降下させるための、グリッドフレームワーク構造上を進むリモートで動作される積荷取扱デバイスまたはボットのために、サイズ決定される。グリッド50は、コンテナが、直立カラム116間にスタックされ、複数の実質的に矩形のフレーム54を通って垂直方向に直立カラム116によって誘導されるための、複数の垂直保管ロケーション58を形成するように、グリッド部材118、120が十字に交わる交差部またはノード56において複数の直立カラム116に取り付けられることによって、地面レベルの上方に上昇させられる。本発明の目的で、コンテナのスタックは、複数のコンテナまたは1つまたは複数のコンテナを包含することができる。
【0094】
グリッドフレームワーク構造114は、交差する水平グリッド部材118、120から形成されたグリッド50を支持する直立カラム116の自立(または自己支持)直線集合体、すなわち、4壁形状フレームワークと見なされ得る。直立カラムのうちの2つまたはそれ以上が、グリッドフレームワーク構造114内の1つまたは複数のブレーストタワー80を提供するために少なくとも1つの対角ブレース部材によってブレースされる。グリッドフレームワーク構造の構造剛性およびモーメント抵抗は、大部分は、1つまたは複数のトラスアセンブリまたはブレーストタワー80を、少なくとも部分的にグリッドフレームワーク構造の周辺の周りにおよび/またはその本体内に組み込むことによって提供される(図6参照)。トラスアセンブリは、三角形のまたは他の非台形の形状を有し得る。たとえば、トラスアセンブリは、限定はしないが、ワーレントラスまたはKトラスまたはフィンクトラスまたはプラットトラスまたはギャンブレルトラスまたはハウトラスを含む、横方向の力に対して構造剛性をグリッドフレームワーク構造に提供する任意のタイプのトラスであり得る。対角ブレースを直立カラムに固定するために、ボルトまたは他の好適な付着手段が使用され得る。本発明の一実施形態による、図12に示されているブレーストタワー80は、1つまたは複数の角度付きまたは対角ブレースまたは対角ブレース部材82によって複数の直立カラム116のサブセットまたはサブグループを剛性的に(rigidly)結合することによって形成され得る。本発明の目的で、対角ブレース82は、1つまたは複数の三角形を形成するようにブレーストタワー80における直立カラム116と協働する。本発明のブレーストタワー80を形成するために互いにブレースされた複数の直立カラムのサブセットは、同じまたは単一の垂直平面にある、および1つまたは複数の対角ブレース82によって互いに結合された、2つまたはそれ以上の隣接する直立カラム116であり得る。別の言い方をすると、1つまたは複数の対角ブレース82によって接続された2つまたはそれ以上の隣接する直立カラム116は、同じまたは単一の垂直平面にあり、すなわち、それらは共面である。図12に示されている本発明の特定の実施形態では、ブレーストタワー80の各々は、平行関係にある3つの直立カラムを備え、単一の垂直平面にあり(共面)、それらは、複数の対角ブレース82によって互いに剛性的に接続される。3つの直立カラムのうちの2つ116a、116bが、中間直立カラム116cの両側に横方向に配設され、2つの横方向に配設された直立カラム116a、116bは、複数の対角ブレース82によって中間直立カラム116cに剛性的に接続される。本発明のブレーストタワー80では、対角ブレース部材82の一方の端部が、結合プレート(joining plate)121によって中間直立カラムに接続される。結合プレート121は、直立カラムの縦方向に対して直角な方向に、中間直立カラム116cの中空中央セクションを通ってスロットに挿入される。1つまたは複数の対角ブレース82によってグリッドフレームワーク構造内で内部的に直立カラム116の1つまたは複数のサブグループをブレースすることによって、グリッドフレームワーク構造の構造剛性は、改善される。本発明の目的で、「垂直直立カラム」、「直立カラム」および「直立部材」という用語は、説明を通して互換的に使用される。
【0095】
グリッドフレームワーク構造は、1つまたは複数のアンカーボルトによって地面に、この場合、上部構造にアンカリングされる。本発明の一実施形態では、直立カラムのうちの1つまたは複数は、それらの下側端部において、調整可能なフットによって上部構造に取り付けられる(図13参照)。調整可能なフットは、直立カラムのうちの1つまたは複数の高さ、したがって、全体としてグリッドフレームワーク構造の高さが、調整されることを可能にする。これは、水平平面におけるグリッドのレベルが、グリッド構造上で進むように大部分はリモートで動作される積荷取扱デバイスのために実質的に平坦であることと、それにより、トラックまたはレールのいずれも、グリッドフレームワーク構造における直立部材116のうちの1つまたは複数の高さの変動によるひずみにさらされるのを防ぐこととを可能にする。図13に示されている調整可能なフット90は、ベースプレート92と、図8に示されているように直立カラムの下側端部に置かれる別個のプッシュフィットキャップまたはプラグ96とねじ係合可能であるねじ付きスピンドルまたはロッド94とを備える。図6に示されているように、直立カラム116のうちの1つまたは複数は、ベースプレート92によってフロアまたは上部構造に取り付けられる。ベースプレート92は、1つまたは複数のボルトによってベースプレート92をフロアに取り付けるための1つまたは複数の取付け穴を有する。
【0096】
上記で説明された調整可能なフットによって、グリッドフレームワーク構造を構成する直立カラムを取り付けることに加えて、ブレーストタワー80を構成する直立カラムのうちの1つまたは複数が、1つまたは複数のアンカーフット132a、132bによって上部構造にアンカリングされる(図12参照)。図12に示されている特定の実施形態では、外側直立カラム116a、116bまたは横方向に配設された直立カラム116a、116bは、1つまたは複数のアンカーフット132によってコンクリート基礎にアンカリングされ、中間直立カラム116cは、上記で説明された調整可能なフット90上で支持される。ブレーストタワーの下側端部(第1の端部)は、1つまたは複数のアンカーボルトによってコンクリート基礎にアンカリングされる。ブレーストタワーをコンクリート基礎に剛性的にアンカリングするための様々なタイプのアンカーフット132a、132bが、本発明において適用可能である。アンカーフットは、直立カラム荷重(upright column load)と、ブレーストタワー80のブレースアセンブリ82のブレース荷重(bracing load)とを支える(bear)ように機能する。
【0097】
図12および図14は、本発明による、ブレーストタワーをコンクリート基礎にアンカリングするために使用されるアンカーフットの2つの例を示す。図12に示されているアンカーフットは、図14に示されているアンカーフットと比較してサイズおよび重量に関してより相当なものである。図12に示されているアンカーフット132aは、1つまたは複数のアンカーボルトによってフロアにアンカリングするための、水平平面にあるベースプレート133と、直立カラムの下側端部およびブレース部材82の端部に付着するための、ベースプレート133に対して直角なアンカープレート134とを備える、Tジョイントとして作製される。アンカープレート134は、最も大きい表面積をもつアンカープレート134の表面が、ブレーストタワー80の3つの直立カラム116a、116b、116cと同じ垂直平面にあり、たとえば、最も大きい表面積をもつアンカープレート134の表面と、ブレーストタワー80の直立部材116a、116b、116cとが共面であるように、配向される。図12に示されているアンカーフット132aに関する問題は、相当な重量であり、したがって、アンカーフットを作製するためのコストである。
【0098】
図14は、本発明の第2の実施形態による、ブレーストタワー80をコンクリート基礎にアンカリングするための代替アンカーフット132bを示す。中実矩形ベースプレート133の代わりに、そのアンカーフットは、荷重の所与のセットについて所与の設計空間内の材料レイアウトを最適化する、最適化されたトポロジーである。アンカーフットのトポロジー最適化において考慮される2つの荷重は、直立カラム116a、116b、116cからの荷重、およびブレース部材82からの荷重である。加えられた荷重によって与えられる制約に基づいて、本発明のアンカーフット132bは、直立部分140から延在する複数の個別フィンガーまたはデジット138を備えるスタビライザ136を備え、したがって、荷重は、複数のフィンガー138、たとえば別個のフィンガーの間で分散される。図14に示されている本発明の特定の実施形態では、直立部分140は、直立カラム116a、116bの荷重と対角ブレース82の加えられた荷重とを支えるように1つまたは複数のボルトによって直立カラム116a、116bおよび対角ブレース82に剛性的に接続するように配置されたアンカープレートを備える。図12に示されている本発明の第1の実施形態のアンカープレート134のように、アンカープレート140は、最も大きい表面積をもつアンカープレート140の表面が、本発明のブレーストタワー80を構成する3つの直立カラム116a、116b、116cと同じ垂直平面にあるように、配向される(図7参照)。本発明の用語を使用すると、直立カラム116a、116b、116cと、対角ブレース82と、アンカープレート134、140の表面とは、すべて、同じ平面にあり、すなわち、それらは共面である。
【0099】
アンカーフット132bの個別フィンガー138のうちの1つまたは複数が、アンカーフット132bの改善された安定性を提供するように、直立部分140からの2つまたはそれ以上の異なる方向に、延在するかまたは広がる。フィンガー138のうちの1つまたは複数が、本発明のアンカーフット132bの安定性を助けるために、異なる長さのものである。フィンガー138の長さは、異なり、したがって、ブレーストタワー80の安定性の異なるレベルを提供することができる。軸方向移動からのフィンガー138のうちの1つまたは複数を支持するために1つまたは複数の接続ウェブ142が使用される。アンカーフット132bは、アンカーフット132bのフィンガー138における穴を通して1つまたは複数のボルトによってコンクリート基礎にアンカリングされる。
【0100】
本発明の特定の実施形態では、アンカーボルトを介してアンカーフットを地面にアンカリングするための、フィンガー138の遠位端部における穴をもつ、直立部分140から延在する変動する長さの5つのフィンガー138が示される(図14b参照)。アンカーフット132bは、本発明の第2の実施形態によれば、単一の本体、たとえば鋳物、または互いに結合された別個のパート、たとえば溶接物として形成され得る。
[地震フレームワーク抑制システム]
現在のグリッドフレームワーク構造114は、地面が比較的安定している、すなわち、タイプAおよびタイプBイベントとしてカテゴリー分類される、0.33gよりも小さいスペクトル加速度を有している場合、十分であるが、これは、そのグリッドフレームワーク構造が、タイプCまたはD地震イベントとしてカテゴリー分類される、0.55gスペクトル加速度を超える強い横方向の力を生成する強力な地震イベントを受ける場合、十分であるとは言えない。そのような強力な地震イベントは、交差部においてグリッド要素(たとえばトラック支持体要素)を結合する構造締結具を損ない、構造締結具が徐々に、それらがボルトで止められたキャッププレートを緩ませるかまたはそれらのキャッププレートから外れることを引き起こす。その結果は、横方向の力がもはや構造基礎まで安全に伝達されることが可能でないので、グリッドフレームワーク構造の構造的完全性の弱まりまたは完全な喪失である。グリッドを構成するグリッド部材またはトラック支持体要素の交差部において不具合が生じ得る。グリッドフレームワーク構造の構造的完全性を維持するために使用される上記で説明されたブレースタワー80は、0.55gをかなり超える強力なタイプD地震イベントの結果としての横方向の力に持ちこたえることが可能でないことがある。
【0101】
上記の問題を緩和する1つの方法は、その内容が参照により本明細書に組み込まれる、WO2021175873(Ocado)において説明されるように、外骨格によってグリッドフレームワーク構造を支持することである。外骨格は、地震イベントからのグリッドフレームワーク構造に追加のレベルの支持を提供する。より詳細には、外骨格は、少なくとも1つのブレース部材によってブレースされた複数の垂直フレームカラム218を備え、前記グリッドは、さらに、地震力抑制システム(SFRS)を形成するために外骨格によって支持される。
【0102】
本発明は、図15に示されているように、強力な地震および嵐イベント中に本発明のグリッドフレームワーク構造の構造的完全性を維持するために、場合によっては地震力抑制システム(SFRS)として知られる構造抑制システムを備える、地震抑制グリッドフレームワーク構造214を提供し、すなわち、SFRSは、タイプCおよび/またはD地震イベントの結果としての強い横方向の力に対して本発明のグリッドフレームワーク構造を支持する。本発明の抑制システムは、構造構成要素にわたる破損、緩み、脱離または破断による、交差部においてキャッププレートを介してグリッド要素を直立カラムに固定するジョイントなどの構造締結具の不具合を低減するかまたはなくす。本発明のSFRSは、横方向の力に対してグリッドを支持するための、複数の垂直フレームカラム218によって支持される周囲ブレース構造215を備える。周囲ブレース構造215は、複数の垂直フレームカラム218から延在する少なくとも1つのブレース部材220、222を備える。本発明の目的で、「支持」という用語は、SFRSとグリッドとの間の任意の形態の機械的接続をカバーするように解釈される。たとえば、グリッドレベルにおいて生成される横方向の力は、グリッド250の周辺において本発明のSFRSに伝達される。さらに、本発明の目的で、少なくとも1つのブレース部材220、222は、垂直フレームカラム218間の少なくとも1つの水平フレームビーム、および/または垂直フレームカラム218間の少なくとも1つの対角ブレース部材222であり得る。本発明の目的で、「垂直フレームカラム」および「垂直支持フレームカラム」という用語は、ブレース部材220、222を支持するカラム218を表すために、本明細書では互換的に使用される。垂直フレームカラム218は、上記で説明された、グリッドを支持する垂直直立カラム116とは異なり、1つまたは複数のスペーサ74によって離間される。垂直フレームカラム218は、本発明の周囲ブレース構造とともにSFRSの一部を形成する。SFRSは、グリッドフレームワーク構造の周りに外骨格を形成することが想定され得る。
【0103】
SFRSは、本発明のグリッドフレームワーク構造の周りに外骨格を形成することが想像され得る。本発明の特定の実施形態では、周囲ブレース構造215は、グリッドフレームワーク構造のコーナーにおいて少なくとも1つの垂直フレームカラム218aによって支持され、グリッドフレームワーク構造のコーナーから延在する少なくとも1つの水平フレームビーム220によってブレースされる。図15に示されている本発明の特定の実施形態では、4つの垂直フレーム支持カラム218aが、上面と4つの側面とを有する3次元外骨格、たとえば直方体構造を形成するようにグリッドフレームワーク構造の4つのコーナーにおいて配置される。SFRSは、本発明のグリッドフレームワーク構造の周辺の周りに外骨格を形成するので、グリッドフレームワーク構造のコーナーにおける垂直フレーム支持カラム218aは、本発明のSFRSの説明を簡単にするために周囲フレームカラムと呼ばれることがある。本発明の特定の実施形態では、4つの水平フレームビーム220は、SFRSフレームの各コーナーから延在するように4つの周囲フレームカラム218aの各々の上部に取り付けられる。水平フレームビーム220は、2つの垂直フレームカラム218aを、周囲ブレース構造215のそれらの上端部において接続する、上部弦材を表すことが想定され得、周囲フレームビームと呼ばれることがある。
【0104】
垂直フレームカラム218a、218bのうちの少なくとも2つが、前方向および/または後方向におけるグリッドフレームワーク構造のための横方向支持を提供するためのブレーストフレームを形成するために、少なくとも1つの対角ブレース部材222によって互いに結合される。ブレーストフレームは、地震力に耐えるように設計された構造システムである。対角ブレース部材222は、トラスと同様に、引張および圧縮において働くように設計され、引張また圧縮のいずれかによる、軸方向の応力の形態の横方向の荷重に耐えるように設計される。ブレーストフレームは、グリッドフレームワーク構造の周辺またはグリッドフレームワーク構造の少なくとも1つの面の周りに配置され、グリッドフレームワーク構造が受ける横方向の力の大半を吸収するように設計され得る。
【0105】
グリッドおよび/またはグリッドフレームワーク構造に横方向支持を提供するための当技術分野で一般に知られている任意のタイプのブレーストフレームが、本発明において適用可能である。図15では、ブレーストフレームは、2つの対角ブレース222が、Xを形成するように互いに十字に交わる、十字ブレースである。ブレーストフレームはまた、2つの対角ブレースが、水平フレームビーム上の頂点において合する、Kブレースであり得る。垂直フレームカラム218a、218bのうちの少なくとも2つを、少なくとも1つの水平フレームビーム220によって、垂直フレームカラム218a、218bの上部においてブレースすることは、当技術分野で一般に知られている少なくとも1つのドラッグストラットまたはコレクタを形成する。ドラッグストラットまたはコレクタは、少なくとも2つの垂直フレームカラム218a、218bが、それらの2つの垂直フレームカラム218a、218bの上部において水平フレームビーム220によってブレースされ、隔板(diaphragm)せん断力を集め、垂直フレームカラムに伝達するように機能するところである。
【0106】
複数の垂直フレームカラム218a、218bの各々は、C字形またはU字形断面、ダブルCまたはダブルUの中実支持体であり得る。好ましくは、複数の垂直フレームカラム218a、218bの各々は、上側ビームフランジと下側ビームフランジとを備える、I字形の中実支持体である。垂直フレームカラム218a、218bのうちの少なくとも2つは、少なくとも1つのブレース部材220、たとえば対角ブレース部材222および/または水平フレームビームによって互いに剛性的に結合される。垂直フレームカラム218a、218bのうちの少なくとも2つの各々が、上端部と下端部とを有し、下端部は、1つまたは複数のアンカーボルトを使用してコンクリート基礎にアンカリングされる。強力な地震イベントに対してブレーストフレームに横方向支持を提供するために垂直フレームカラムの下端部をコンクリート基礎にアンカリングするための、当技術分野で一般に知られている様々な方法が、本発明において適用可能である。
【0107】
SFRSの複数のブレーストフレームが、図15に示されているように、単一フレーム本体を形成するようにグリッドフレームワーク構造の周辺の周りに(すなわち、グリッドフレームワーク構造の各面の周りに)配設され得、すなわち、SFRSは、タイプCまたはタイプD地震イベントの結果としての強い横方向の力に対してグリッドフレームワーク構造を支持する外骨格を形成する。代替的に、少なくとも1つのブレーストフレームが、グリッドフレームワーク構造の少なくとも1つの面に配設され得る。本発明のブレーストフレームは、直方体の4つの側面のうちの少なくとも1つに配設され得る。図15に示されている特定の実施形態では、ブレーストフレームが、直方体の4つの側面の各々に配設される。グリッドフレームワーク構造のコーナーにおける周囲フレームカラム218aは、グリッドの周辺を囲む水平平面における実質的に矩形のまたは正方形の周囲フレームを形成するために、4つの周囲フレームカラム218aの各々の上部から長手方向に延在する少なくとも1つの水平フレームビーム220、320によってブレースされる。
【0108】
複数の垂直フレームカラム218a、218bのうちの少なくとも1つの218bは、外骨格を、少なくとも2つの垂直フレームカラム218a、218bが少なくとも1つの対角ブレース222とドラッグストラットまたはコレクタ232とによってブレースされるブレーストフレームに分けるように、グリッドフレームワーク構造のコーナーにおいて、2つの垂直フレームカラム218aの中間にまたはそれらの間に配設され得る。ドラッグストラットまたはコレクタ232は、少なくとも2つの垂直フレームカラム218a、218bが、それらの2つの垂直フレームカラム218a、218bの上部において水平フレームビーム220によってブレースされ、隔板せん断力を集め、垂直フレームカラム218a、218bに伝達するように機能するところである。図15に示されている本発明の特定の実施形態では、SFRSは、複数の垂直フレームカラム218a、218bのうちの少なくとも2つが、ドラッグストラットを形成するために、少なくとも1つの対角ブレース222と水平フレームビーム220によってブレースされる、ブレーストフレームを備える。また、図15に示されている少なくとも1つの対角ブレース部材222は、ブレーストフレーム230を形成するように中間垂直支持カラム218bの一方の側に配設され、ドラッグストラット232は、ブレーストフレームの他方の側に配設される。グリッドフレームワーク構造の周りのSFRSの各面において、少なくとも1つの対角ブレース部材によって、SFRSのコーナーにおける垂直フレームカラムと中間垂直支持カラムとの間でブレースすることは、地震イベントの本質、すなわち、地震イベントがタイプC地震イベントであるのかタイプD地震イベントであるのかに依存する。タイプD地震イベントに応ずるべきよりロバストな抑制システムでは、本発明による、少なくとも1つの対角ブレースを備えるブレーストフレームが、グリッドフレームワーク構造の周辺の周りに配設される。
[モジュール式グリッドフレームワーク構造]
いくつかの例では、地震グリッドフレームワーク構造214がモジュール化され得、したがって、2つまたはそれ以上のモジュールまたはモジュール式フレームのアセンブリにおけるグリッドフレームワーク構造の隣接するモジュール514が、1つまたは複数の近隣するモジュール式フレームのSFRSの少なくとも一部分を共有する。モジュール514の各々が、図15を参照しながら上記で説明された地震グリッドフレームワーク構造を備え、したがって、モジュール514の各々は、所定の数のグリッドセルと、グリッドをさらに支持する、本発明の複数の垂直フレームカラム218a、bによって支持される周囲ブレース構造215とを備える。2つ以上のモジュールのアセンブリが、地震グリッドフレームワーク構造全体の保管容量を増加させるために互いにアセンブルされ得、ここにおいて、アセンブリにおける隣接するモジュールは、本発明の周囲ブレース構造の少なくとも一部分を共有し、すなわち、第1のモジュール式フレームが、第2のモジュール式フレームの周囲ブレース構造の少なくとも一部分を共有し、それにより、第1のモジュール式フレームは第2のモジュール式フレームに隣接する。言い換えれば、隣接するモジュールは、少なくとも2つの垂直フレームカラム218aによって支持される共通ブレース部材220、222を共有する。ブレース部材は、限定はしないが、水平フレームビーム220および/または対角ブレース部材222を含む。
【0109】
隣接するモジュールによる、SFRSの少なくとも一部分の共有は、図22に示されている平面図において想定され得る。隣接するモジュール式グリッドのSFRSの部分を共有する、4つのモジュール式グリッドが図22に示されている。図22では、三角形の描画として示される、SFRSの共通ブレーストフレーム230が、隣接するモジュール式グリッド514(a~d)間で共有される。また、図22に破線として示されているドラッグストラット232は、隣接するモジュールが共通ドラッグストラット232を共有するように、隣接するモジュール514(a~d)間で共有される。隣接するモジュールは、隣接するモジュール間でSFRSの少なくとも一部分を共有するので、隣接するモジュールからのグリッドは共通水平フレームビーム220に接続され、したがって、隣接するモジュールのグリッド内で生成された横方向の力が共通水平フレームビーム220に伝達される。グリッドは、グリッドの一部分がSFRSから張り出す様式で、グリッドの境界において支持されるので、隣接するモジュールからのグリッドは、隣接するモジュールからの張出しを接続することによって互いに結合され得る。
【0110】
同じく隣接するモジュール間で共有されるのが、少なくとも1つのブレース部材220、222を支持する垂直フレームカラム218a、218bである。隣接するモジュール間でSFRSの部分を共有することによって、隣接するモジュール514の外部ブレース構造が、横方向の力を偏向させるように単一本体として連携して協働する。別の言い方をすると、共通ブレース部材220、222、たとえば水平フレームビームによって、隣接するモジュールからのグリッド50を結合して、複数の隣接するグリッド50は、少なくとも1つのフィーレンディールトラスを形成するように一緒に機能することができ、したがって、横方向の力が、複数のグリッドにわたって、モジュールの周辺における垂直フレームカラム218a、218bに伝達される。隣接するモジュール514間で共有される周囲ブレース構造215はまた、モジュール514の集合体内の内部ブレースを提供する。内部ブレースは、共通ブレーストフレーム230および/または共通ドラッグストラット232を共有する隣接するモジュールを含む。
【0111】
本発明の地震グリッドフレームワーク構造は、メザニン構造700が、本発明の周囲ブレース構造215および垂直フレームカラム218に統合されることを可能にする。上記で説明された、地震グリッドフレームワーク構造をモジュール化する能力は、メザニン702が、隣接するモジュールのSFRSの少なくとも一部分を共有すること、すなわち、共通ブレーストフレーム230および/またはドラッグストラット232を隣接または近隣するモジュールと共有することを可能にする。アセンブリ内に統合されたメザニン702を組み込んだモジュール514のアセンブリの断面図が、図23に示されている。図23に見られるように、メザニン構造700は、隣接するモジュール514の周囲ブレース構造215および垂直フレームカラム218を共有し、したがって、メザニン構造700は、隣接するモジュール514を支持する垂直フレームカラム218a、bによって支持される。隣接するモジュール514は、スタックにおいて1つまたは複数のコンテナまたは保管ビンを保管するグリッドフレームワーク構造であり得る。従来技術の保管システムにおいて使用されるスタンドアロンメザニンと比較して、地震グリッドフレームワーク構造のメザニンは、そのメザニンを支持するための別個の垂直支持カラムが必要でないように、SFRS内に統合される。
【0112】
メザニンを作成するために、隣接するまたは横方向に配設されたモジュール514のグリッドフレーム構造を支持する垂直フレームカラム218a、bが、1つまたは複数のブレース部材、たとえば、メザニンフロアを作成するための水平フレームビームと、1つまたは複数の対角ブレース部材222とによって、互いに接続される。メザニンフロアを支持する垂直支持(フレーム)カラムが、図23に示されているように、より多くの支持をメザニン構造に提供するために、ブレースされ得る。グリッドフレームワーク構造とメザニンとを組み込んだ、SFRSの組合せは、アセンブリを囲む単一のフレームワークを提供する。SFRSは、周囲フレーム構造215が、単に、1つまたは複数のブレース部材、たとえば水平フレームビームを使用して、隣接するモジュールの周囲フレーム構造と垂直フレームカラムとを一緒にリンクすることによって、様々な他の構造をSFRSに統合し、したがって、グリッドおよび/または統合されたメザニンを支持するための追加の周囲フレーム構造を統合するように、フレキシブルであるという点で、汎用性がある。各々、ステーションを収容するためにメザニン構造700の両側に地震グリッドフレームワーク構造を備える、モジュールのアセンブリの平面図が、図23に示されている。図23に見られるように、メザニン構造700は、メザニン構造700の両側でSFRSに統合され、したがって、個々のモジュールまたはモジュール式フレーム514のSFRSが、それらのモジュールとメザニンとを包含する統合されたSFRSを提供するために共有される。
【0113】
図23に示されている特定の配置では、12個のモジュール514が3×4グリッドにおいて配置されている。太線が、モジュールのエッジを示し、ここで、ブレース部材(たとえば水平フレームビームまたは対角ブレース部材)がグリッド50を支持する。その構造の外側の周りの太線が周囲フレーム構造215を示す。グリッド構造50は、モジュール514のすべての上部にわたって連続的に延在し、したがって、積荷取扱デバイス30は、あるモジュール514から別のモジュール514にグリッド50にわたって移動することができる。
【0114】
グリッドフレームワーク構造は、2つのパートに分けられ、メザニン構造700は、2つのパート間のピックアイル702にわたって延在する。ピックアイル702は、グリッド50の下にピックステーションまたは他のサービスエリアを収容することができる。周囲ブレース構造215は、モジュール514、ピックアイル702、およびメザニン700の周りに延在する。さらなるメザニン704が、メンテナンスエリアを提供するために、側面に延在し、ここで、積荷取扱デバイスは、ルーチンメンテナンスアクティビティまたは修復を実施するためにグリッドから出され(de-inducted)得る。メザニン704はまた、グリッド50の下に保管またはサービスエリアのためのさらなる空間を提供する。
[地震検出システムハードウェア]
図16に示されているものなど、例示的な実施形態では、地震検出システム300が、グリッドフレームワーク構造114上に取り付けられた1つまたは複数の加速度計302を備える。1つまたは複数の加速度計302は、グリッドフレームワーク構造114の上部にまたはその近くに位置し得る。さらなる1つまたは複数の加速度計302aが、基準ポイントを提供し、地面に対してグリッドフレームワーク構造114の上部において、差分加速度が測定されることを可能にするように、地面上に位置し得る。加速度計302は、グリッドフレームワーク構造の周辺の周りにおよび/またはグリッドフレームワーク構造内に位置し得る。
【0115】
グリッドフレームワーク構造114が、図15に示されている例の場合のように、SFRSまたは周囲ブレース構造215を備える例では、加速度計302は、水平グリッド部材118、120上に、あるいはSFRSの構成要素上に、たとえば、水平ブレース部材220または対角ブレース部材222上に、のいずれかに取り付けられ得る。加速度計302、302aは、その目的のために特別に設計され得るか、またはオフザシェルフ構成要素であり得る。
【0116】
図22および図23を参照しながら上記で説明されたように、グリッドフレームワーク構造がモジュール式であり、モジュール式フレーム514のアセンブリを備える例では、加速度計302は、水平グリッド部材118、120上に、または、SFRSの構成要素上に、たとえば、水平ブレース部材220または対角ブレース部材222上に、のいずれかに取り付けられ得る。加速度計302は、隣接するモジュール514間で共有される、SFRSのパート上に、たとえば、モジュール514のコーナーにおける水平ブレース部材または水平フレームビーム220の交差部において、または水平フレームビームの中央において、取り付けられ得る。地震検出システム300は、1つまたは複数の加速度計302から入力を受信するように構成された入力モジュール304をさらに備える。いくつかの例では、入力モジュール304は、1つまたは複数の加速度計302に電力を供給/提供するようにも構成され得る。
【0117】
地震検出システム300は、1つまたは複数の加速度計302から収集されたデータを処理するための、入力モジュールに通信可能に結合されたコントローラ306をさらに備える。コントローラ306は、cDAQ(小型データ収集)として説明され得、同じく、その目的のために特別に設計されるかまたはオフザシェルフ構成要素であるかのいずれかであり得る。コントローラ306は主電力供給を提供され得る。
【0118】
地震検出システム300は、1つまたは複数の出力デバイス310に結合された出力モジュール308をさらに備える。出力モジュールは、コントローラ306に通信可能に結合され、地震イベントを示す信号をコントローラ306から受信するように構成される。出力モジュール308はリレー出力モジュールであり得る。いくつかの例では、複数のリレーが、異なる基準に基づいてトリガすることができる。出力デバイス310は、アラーム、ビーコン、サイレン、グラフィカルユーザインターフェースディスプレイ、または任意の他の好適な出力デバイスを含むことができる。コントローラ306は、グリッドフレームワーク構造に隣接してまたはその近くに位置するメンテナンスエリア中に位置し得る。加速度計302は、ワイヤレスにまたはケーブルを介して(その場合、ジャンクションボックスが使用され得る)、コントローラ306に接続され得る。信号処理およびデータ分析がコントローラ306によって行われる。
【0119】
図16は、地震検出システム300の主要なハードウェア構成要素の簡易概略図である。図に示されているように、加速度計302および地面加速度計302aからのデータは、入力モジュール304によって集められ、コントローラ306に送出される。コントローラ306は、次いで、データを処理し、出力モジュール308を介して出力デバイス310に信号を送る。
【0120】
いくつかの例では、加速度計からのデータ(生データ、および/またはコントローラからの後処理されたデータ)は、データベースに記憶され、メンテナンスエリアにローカルにまたはクラウドにのいずれかで記憶され得る。いくつかの例では、地震イベントが生じたことを確認するために、および/またはさらなる計算を実施するために、イベントの後にデータのさらなる処理が行われ得る。
【0121】
図21は、その入力モジュール304と出力モジュール308とをもつコントローラ306の例示的な一実施形態を示す。この実施形態では、コントローラは、N9133cDAQ(小型データ収集)である。cDAQシャーシ312が、コントローラ306を格納し、入力または出力モジュールが挿入され得る8つのスロットを提供する。この例では、それらのスロットのうちの6つが、加速度計302からデータを受信するための入力モジュール304(NI-9231)によって占有され、1つのスロットが出力モジュール308(NI-9482リレー出力モジュール)によって占有され、1つのスロットがデジタル入出力モジュール314(NI-9401)によって占有される。このシステムでは、デジタル入出力モジュール314は、デジタル出力として使用されて、出力デバイス310を駆動し、また、補助機器から障害警報を受信することができる。cDAQは、以下で説明されるように、他の構成要素をも格納する外部ケーシング316内に封入される。
【0122】
入力モジュール304は入力端子318に接続され、入力端子318は、外部ケーシング316の外側上の接続ポイント320に接続される。接続ポイント320は、グリッドフレームワーク構造上の加速度計302からのケーブルを接続し、また、地面上に位置する地面加速度計302aからのケーブルを接続する。
【0123】
出力モジュール308は、リレー出力端子322に接続され、リレー出力端子322は、出力デバイス310(この場合、3つの異なる色をもつビーコンおよびブザー)に接続される。地震イベントが検出されたとき、ビーコンは、視覚表示を与えるために点灯することができ、ブザーは、可聴警告を与えるために鳴ることができる。地震イベントの重大度を表すために異なる色が使用され得る(たとえば、最も重大なイベントの場合は赤色、あまり重大でないイベントの場合は黄色、およびイベントが検出されなかった場合は緑色)。地震イベントの後に、出力デバイス310は、アラームリセットキースイッチ324を使用してリセットされ得る。
【0124】
電力入力端子328を介してコントローラ306に接続する、UPS(無停電電力供給(uninterruptible power supply))326とUPSバッテリー330とが提供される。UPSは、主電力が断たれた場合に地震検出システムが依然として動作することができることを保証する。UPSは、概して、入力電源または主電力に不具合があるとき、非常用電力を負荷に提供するために使用され、入力電力中断からのほぼ瞬時の保護を提供することになる。
【0125】
コントローラからデータを送信するためにワイヤレスルータ332が提供される。外部ケーシング316の外側上にワイヤレスアンテナ334が提供される。コントローラからのデータは、上記で説明されたように、コンピュータに送信され、ローカルに(たとえば、メンテナンスエリアに)またはクラウドに記憶され得る。
【0126】
外部ケーシング316は、外部ケーシングを壁または他の構造に取り付けるための、取付けポイント336を提供される。
【0127】
図17は、イベント後データ処理がクラウドにおいて行われる、システムアーキテクチャの1つの可能な配置を示す。この例では、加速度計302は、グリッドフレームワーク構造のSFRSビームまたはブレース部材220、222上に、又は水平部材118、120上に位置する。さらなる加速度計302bが地面上に位置する。それらの加速度計のすべてからの入力が、ジャンクションボックス312によってコントローラ306に向けられる。コントローラは、加速度計からのデータを処理し、視覚インジケータ(出力デバイス310の一例)が、地震イベントが検出されたかどうかを示す。(加速度計からの生のまたは処理されたデータであり得る)コントローラからのデータは、wifi(登録商標)ルータ314に向けられ、次いで、クラウドデータベース316に送信される。データのさらなる処理が、クラウドにおいてクラウドプロセッサ318を介して発生することがあり、グラフィックユーザインターフェース320が、ウェブアプリを介して取得されたクラウドプロセッサからのデータを使用して、不具合の視覚インジケータ、および/またはより詳細なデータを表示することができる。クラウド上でのデータ処理の利点は、データが、グリッドフレームワーク構造のステータスを監視することと、地震イベントの影響をさらに理解することとを行うために、オンサイトまたはオフサイトのどこからでも閲覧され得ることである。
【0128】
いくつかの例では、地震検出システムのコントローラ306は、グリッドフレームワーク構造114のための他の制御システムに統合され得る。
【0129】
1つまたは複数の出力デバイス310は、グリッドフレームワーク構造のステータスをチェックすることと、それが、イベントの後にアクセスするのに構造的に安全であるかどうかを決定することとを行うために、人員によって使用され得る。視覚および可聴インジケータは、ステータスを通信することと、それが、グリッドにアクセスするのに安全であるかどうかを人員に知らせることとを行うために、使用され得る。たとえば、視覚インジケータは、赤色、琥珀色、または緑色のステータスを示し得る。赤色ステータスは、グリッドフレームワーク構造が安全でなく、建物から避難させられる必要があることを意味し、琥珀色ステータスは、グリッドフレームワーク構造が、人員が入るのに安全であるが、積荷取扱デバイスがグリッド上で動作することができる前に、検査および修復または再整合される必要があることを意味し、緑色ステータスは、グリッドフレームワーク構造が、動作することを継続するのに安全であることを意味する。
【0130】
いくつかの場合には、ステータスが赤色であるのか、琥珀色であるのか、緑色であるのかを決定するために、スペクトル加速度しきい値が使用され得る。たとえば、測定された加速度が所定のスペクトル加速度しきい値を超えた場合、グリッドフレームワーク構造のステータスは、「赤色」として分類され得る。いくつかの場合には、2つ以上の所定のスペクトル加速度しきい値があり得、たとえば、下限スペクトル加速度しきい値が超えられた場合、ステータスは、「琥珀色」として定義され得、上限スペクトル加速度しきい値が超えられた場合、ステータスは、「赤色」として定義され得る。
【0131】
1つまたは複数の出力デバイス310は、リモートであり、すなわち、グリッドフレームワーク構造が格納された建物の内側に位置しないことがあり、したがって、人員は、彼らが建物にアクセスすることができない場合、リモートでステータスをチェックすることができる。
【0132】
地震イベントの後に、1つまたは複数の出力デバイスは、それらが、調査および/または是正アクションの後に、動作することを継続しないように、リセットされ得る(たとえば、アラームがオフにされ得る)。
[グリッド上での加速度計の位置決め]
図18は、グリッド構造50上での加速度計ロケーションの2つの可能な配置を示す。図18(a)では、加速度計302の大部分が、グリッド構造50の中心を越える対角線において配置される。図18(b)では、加速度計302は、4つのエッジのうちの2つに沿って、グリッド構造50の周辺に沿って配置される。どちらの場合も、追加の加速度計302aが、地面に対してグリッド構造上の加速度計の差分加速度を測定するために、地面上に位置決めされる。もちろん、これらは、例示的な例にすぎず、グリッド構造の周辺上でのおよび/またはグリッド構造内での加速度計302の任意の好適な配置が使用され得る。
【0133】
グリッドフレームワーク構造がSFRSまたは外部ブレース構造を備える例では、ブレース構造の構造部材上に加速度計を置くことが、これらの部材が、地震イベントにおいて最初にゆがむ(buckle)こと予が想されるので、有利であり得る。図15に示されているグリッドフレームワーク構造では、たとえば、加速度計が、周囲ブレースフレームワークの水平フレームビーム220または対角ブレース部材222上に置かれ得る。
【0134】
加速度計302は、グリッドフレームワーク構造の上部にまたはその近くに位置し得る。これは、グリッドの変位が、地面上の変位に対して測定されることを可能にし、構造の上部におけるたわみの指示を与える。
【0135】
地面上に位置する加速度計302aは、グリッドフレームワーク構造がその上に構築されるコンクリート基礎またはスラブに付着され得るか、または代替的に、加速度計302aは、土壌の上部に直接置かれ(たとえば、コンクリート基礎スラブにおける穴の内側に位置し)得る。
【0136】
最近の研究(https://www.nature.com/articles/s41598-018-37716-y参照)により、マグニチュート6.3の地震中に観測された非対称垂直加速度の記録が、「フラッピング効果(flapping effect)」、すなわち、センサーがその上に設置された基礎スラブの局部的な弾性跳ね返りによって説明され得ることが分かった。それらの結果は、記録された極めて大きい加速度が、実際の地面揺れを反映しなかったが、センサーの周りの局部的なシステム応答によって引き起こされたことを示唆する。この発見は、すべての、地震を起こしやすい国における、地震の危険の評価と、加速度計の設置方法論の両方についての重要な暗示を有する。基礎スラブと、そのスラブと下にある土壌との間の不規則接触表面とからなるシミュレーションモデルが、本震記録と余震記録の両方を首尾よく説明した。スラブ、たとえば、不規則表面上に置かれる基礎スラブの弾性跳ね返り(「フラッピング効果」)は、水平方向における変動を伴う、システムを通した垂直動きによって誘起される。地面の実際の揺れを表すのではなく、測定値は、少なくとも部分的に、センサーの周りの局部的なシステム応答である。
【0137】
不規則接触表面は、地震地面揺れ中のコンクリートスラブの局部的な弾性跳ね返りを可能にする。経時的な土壌の不同沈下(differential settlement)または土壌侵食によって作成されていたであろうそのような不規則接触表面は、現場調査によって確認され、コンクリートスラブと土壌地面との間のいくつかの小さい間隙(<1cm)が発見された。
【0138】
グリッドフレームワーク構造における同様の土壌-スラブ相互作用を防ぐために、基礎スラブは、たとえば、パイルまたはアンカーを使用して、土壌地面に堅く付着され得る。代替または追加として、弾性跳ね返りの効果を最小限に抑えるようにスラブ性質(厚さ、スチフネス)が設計され得る。代替または追加として、地面加速度計302aは、たとえば、基礎スラブにおける穴または間隙を通して、土壌地面上に直接置かれ得る。本明細書における「地面上に位置する」という用語は、加速度計302aが基礎スラブに固定された事態と、加速度計が土壌地面上に直接位置する事態の両方をカバーするように解釈されるべきである。
【0139】
前に説明されたおよび図23に示されているモジュール式地震グリッドフレームワーク構造に適用される、加速度計ロケーションの可能な配置のさらなる例が、図24図28に示されている。
【0140】
図24に示されている配置では、5つの加速度計302がグリッドフレームワーク構造上に位置する。図18の場合のように、追加の加速度計302aが、地面に対してグリッド構造上の加速度計の差分加速度を測定するために、地面上に位置決めされる。加速度計302は、モジュール514の交差ポイントに位置する。図示の例では、加速度計は、ブレース構造上に取り付けられ、それらは、垂直フレームカラムまたは水平フレームビームまたは対角ブレース部材上にあり得る。それらの加速度計のうちの4つが、対角線において配置され、第5の加速度計が第4の加速度計と同一線上にある。
【0141】
図25に示されている配置では、地面加速度計302aの他に、9つの加速度計302がグリッドフレームワーク構造上に位置する。それらの加速度計のうちの5つが、図24に示されている例の場合と同じ位置にある。4つの追加の加速度計が、図24の5つの加速度計の中間に置かれ、交差部においてではなくモジュール514の中心において位置決めされる。それらの加速度計は、水平グリッド部材(トラック支持)上に取り付けられ得る。この場合も、加速度計の大部分が、グリッドにわたって対角線において延在する。
【0142】
図26に示されている配置では、地面加速度計302aの他に、8つの加速度計302がグリッドフレームワーク構造上に位置する。それらの加速度計は、グリッドフレームワーク構造の2つのエッジに沿って配置される。加速度計の1つの線が第1の方向(X方向)に延在し、加速度計の第2の線が第2の方向(Y方向)に延在する。図24に示されている例の場合のように、加速度計302は、モジュール514の交差ポイントに位置し、ブレース構造上に取り付けられる。
【0143】
図27に示されている配置では、地面加速度計302aの他に、15個の加速度計302がグリッドフレームワーク構造上に位置する。それらの加速度計302のうちの8つが、図26の場合と同じ位置にある。追加の7つの加速度計が、図26の8つの加速度計の中間に位置決めされ、交差部においてではなくモジュール514のエッジに沿って中間で位置決めされる。この場合も、加速度計の1つの線が第1の方向(X方向)に延在し、加速度計の第2の線が第2の方向(Y方向)に延在する。図26の場合と同様に、それらの加速度計は、グリッドフレームワーク構造の2つの側面に沿って配置される。
【0144】
図28に示されている配置では、地面加速度計302aの他に、28個の加速度計302がグリッドフレームワーク構造上に位置する。それらの加速度計は、周囲ブレース構造215のすべての4つのエッジに沿って、ブレース構造の周辺の周りに位置決めされる。この場合、加速度計の2つの線が第1の方向(X方向)に延在し、加速度計の2つの線が第2の方向(Y方向)に延在し、それらの線は、グリッドの周囲の周りに実質的に矩形の形状を形成するように、グリッドの4つのコーナーにおいて合する。
【0145】
加速度計のこれらの配置は例にすぎず、他の配置が可能である。図示の例は、モジュール式地震グリッドフレームワーク構造に適用されるが、加速度計のこれらの配置は、モジュール式または非モジュール式のいずれかの標準的な非地震グリッドフレームワーク構造上でも使用され得る。加速度計の数は、グリッドのサイズとともにスケーリングし得る。グリッドがモジュール式である例では、加速度計の数は、モジュール514の数とともにスケーリングし得る。
【0146】
いくつかの例では、所与の数を越えて加速度計の数を増加させることは、減少するリターンを生じることになり、すなわち、加速度計の数のさらなる増加は、加速度データの正確さの実質的なさらなる改善を提供しないことになる。地震検出システムにより多くの加速度計を追加することからの正確さの周辺的な改善は、より多くの数の加速度計をもつシステムの増加されたコストおよび増加された複雑さを正当化しないことがある。
【0147】
グリッドフレームワーク構造上の加速度計の分散は、他の構造のために、たとえば建物のために必要とされることになる分散とは異なる。建物は、各フロア上に1つまたは2つの加速度計を有し得るが、グリッドフレームワーク構造は、グリッドフレームワーク構造の上部においてまたはそれに向かってより多くの数の加速度計を有する。分散のこの違いは、グリッドフレームワーク構造上の地震検出システムが、グリッドのどのパートが損傷を受けているかを検出することが可能であり、保管および取出しシステムのための一般的なグリッドフレームワーク構造が、広いエリアにわたって延在するので、必要とされる。一方、建物中の地震検出システムは、建物のどのフロアが、人間が入るのに安全であるかを決定する必要があり、したがって、加速度計は、水平方向に分散される(上のフロア上に多くの加速度計)のではなく、垂直方向に分散される(各フロア上に1つ)可能性がある。建物では、地震検出システムの目的は、建物の各フロアまたは各レベルの構造的完全性を査定することであるが、グリッドフレームワーク構造では、地震検出システムの目的は、建物において地面上に位置する、グリッドフレームワーク構造全体の構造的完全性を査定することである。
【0148】
地震地帯における一般的な建物は、多くのフロアをもつ、タワーブロックまたは他の高い多層階建物であるが、その建物の高さと比較して、広いエリアにわたって延在しない。これは、使用可能な土地が貴重であり、したがって、外側にではなく上方に構築する傾向がある、日本のようなロケーションにおいて、特に当てはまる。この理由で、加速度計の分散は、高い建物において一般的であることになるものとは異なり、加速度計は、垂直方向にではなく水平方向に分散され、グリッドフレームワーク構造の上部にまたはその近くにある。加速度計は、実質的に水平な平面において分散され得る。
【0149】
たとえば、図29は、図26の場合のような加速度計配置を伴うグリッドフレームワーク構造を示し、加速度計が、グリッドフレームワーク構造の2つのエッジに沿って配置され、水平フレームビーム220上に取り付けられる。特に、302bとラベリングされた加速度計は、220bとラベリングされた水平フレームビーム上に取り付けられ、302cとラベリングされた加速度計は、220cとラベリングされた水平フレームビーム上に取り付けられる。図示の例では、加速度計302bおよび加速度計302cのみが、これらの2つの加速度計が取り付けられた水平フレームビーム220bおよび220cが、たわんでおり、それらの初期位置から離れて移動したと決定するのに十分な、有意な加速度を測定した。他の加速度計302は、たわみを示さない加速度を測定した。2つの加速度計302bおよび302cの位置は、グリッドの最も損傷を受けたパートが識別されることを可能にする。グリッドの損傷を受けたパートは、たわんだ水平フレームビーム220bおよび220cに沿って、星印で図26上にハイライトされている。この情報は、それが、グリッドの他のパート(たとえば、左上コーナー)が損傷を受けておらず、動作することを継続することが可能であり得、人間が入るのに安全であることを示すので、有用である。
【0150】
単一の加速度計ではなく、グリッドフレームワーク構造にわたって分散された、異なるロケーションにおけるいくつかの加速度計の使用は、それが、グリッドの損傷を受けた(1つまたは複数の)セクションが地震イベントの後に識別されることを可能にするので、有利である。2つまたはそれ以上のエッジ上でのグリッド周囲の加速度計の配置は、それらが、グリッドのどのパートが、通常通り動作し続けるのに十分に損傷を受けていないか、どのパートが、動作を直ちに再開するにはあまりに損傷を受けているが、損傷を直すために人員を投入するには十分に安全であるか、およびどのパートが人員にとって危険であるかの識別を可能にするので、特に有用である。
【0151】
グリッドフレームワーク構造が地震グリッドフレームワーク構造(モジュール式構造または単一の構造のいずれか)である例では、加速度計は、ブレース構造上に直接取り付けられ得る。特に、加速度計は、グリッドのエッジに沿って水平方向に延在する、水平フレームビーム220上に取り付けられ得る。水平フレームビーム上に取り付けられた加速度計が残留ドリフトを示す場合、水平フレームビームはたわんでいる。周囲ブレース構造215上に加速度計を位置決めすることは、地震検出システムが、周囲ブレース構造の部材がたわんでいるかどうかを決定することを可能にする。グリッドフレームワーク構造が(図23の場合のように)モジュール式フレームのアセンブリである例では、周囲ブレース構造のどの部材がたわんでいるかを決定することは、個々のモジュール514が、残留ドリフトの量に応じて、異なる状態または不具合モードにカテゴリー分類されることを可能にすることができる。
[不具合モード]
地震イベントは、異なる帰結を有し、異なるアクションを必要とする、グリッドフレームワーク構造の様々な異なる不具合モードまたは状態をもたらすことがある。
・ 弾性限界 - ブレース部材のたわみの前の瞬間。ブレース部材が依然として弾性限界内にある場合、グリッドフレームワーク構造の永続的変形がなく、通常動作が地震イベントの後に継続することができる。弾性限界状態は、約0.6gの加速度未満で生じる。
・ 即時使用可(immediate occupancy) - 許容可能な塑性または弾性変形のレベル。損傷を査定および修復するために地震イベントの後に人員が建物に安全に再び入ることが可能である。即時使用可状態は、約0.6gから約1gの間の加速度について生じる。
・ 生命安全 - グリッドフレームワーク構造は、著しい構造的損傷を有し得るが、余震に耐えるための予備構造耐力を有する。建物は、修復が行われる後まで、使用されることが可能でないことがある。生命安全状態は、約1gから約1.83gの間の加速度について生じる。
・ 崩壊防止 - グリッドフレームワーク構造は、その強度およびスチフネスの限界まで押しやられ、崩壊に瀕している。余震は、グリッドフレームワーク構造または建物が崩壊することを引き起こし得る。崩壊防止状態は、約1.83gを上回る加速度について生じる。
【0152】
グリッドフレームワーク構造の状態はまた、グリッドフレームワーク構造の上部における加速度計によって測定されたスペクトル加速度に基づいて決定され得る。グリッドフレームワーク構造は、サイズ、形状、およびグリッドフレームワーク構造が構築された材料に依存することになる、固有周期と固有周波数とを有する。地震イベントが起こった後に、データは、地震イベント中の周波数スペクトルがグリッドフレームワーク構造の固有周波数に近い成分を含んでいたかどうかを決定するために、分析され得、含んでいた場合、固有周波数または固有周期に近い加えられた振動が、共振、およびしたがって、震動のより高い振幅を生じることになるので、さらなる損傷が予想されることになる。
【0153】
多くの建築基準(building code)は、構造が「不具合がある」と分類される前の、地震イベント中に許容される最大移動の限界を課す。たとえば、米国では、地震イベント中に測定される最大許容横方向変位は、構造の高さの2%であり、日本では、地震イベント中に測定される最大許容横方向変位は、構造の高さの0.5%である。構造が、建築基準に従って、「不具合がある」と分類された場合、その構造は、それが建築基準を遵守すると見なされ得る前に、適切に適格とされた人によって再認定される必要があり得る。
【0154】
グリッドフレームワーク構造は、潜在的に不具合があり得る数千個の構成要素をもつ、極めて大きい構造であり得る。損傷がどこで生じたかを識別する手段がない場合、グリッドフレームワーク構造のあらゆる重要なパートが個々に検査されなければならないことになる。グリッドフレームワーク構造の外側上のパートの外観検査は比較的簡単であるが、グリッドフレームワーク構造の内側のパートを検査することは、特に保管コンテナのスタックの存在を仮定すれば、それらの保管コンテナが、グリッドフレームワーク構造内の構成要素の外観検査を可能にするために移動される必要があることになるので、極めて時間がかかる。
【0155】
保管および取出しシステムが地震イベントの後に検査のためにオフラインにされたとき、これは、そのシステムが、オフラインの間、顧客注文を履行することができないので、極めて費用がかかる。したがって、ダウンタイムを最小限に抑え、できるだけ迅速に保管および取出しシステムを再始動させ、稼働しているようにすることが、有利である。
【0156】
一方、保管および取出しシステムが、それが損傷を受けたとき、動作することを継続した場合、これは、他のシステムに影響を及ぼすかまたは安全を脅かすことがあり、したがって、そのシステムをオンラインに戻す前に、そのシステムが、安全であり、通常動作が可能であることを保証することが、重要である。
【0157】
「即時使用可」不具合モードと「生命安全」不具合モードとの間にコストの大きい差がある。グリッドフレームワーク構造がどの状態にあるかを区別する手段がない場合、生命を危険にさらすことを回避するためにより慎重な手法をとることが必要である。
【0158】
いくつかの例では、特に、グリッドフレームワーク構造がモジュール式である場合、グリッドフレームワーク構造の異なるパートが異なる状態にあり得、たとえば、いくつかのパートは、通常通り動作することを継続するのに安全であり得、いくつかのパートは、損傷を受けたパートを交換するために人員によって安全に入られ得、いくつかのパートは安全でない。グリッドフレームワーク構造の異なるパートの状態または不具合モードを理解することは、人員の安全と建築基準の遵守とを保証しながら、ダウンタイムが最小限に抑えられることを可能にする。
[変位データを生成するための方法]
地震イベントが起こったかどうかを決定するために変位データを生成する方法が、図19に示されており、以下で説明される。
【0159】
ステップ101において、生データが、時間に対する加速度の信号の形態で加速度計によってキャプチャされる。
【0160】
そのデータは、ステップ102においてフィルタ処理される。加速度計から信号を受信したときのコントローラの第1のタスクは、過大なノイズを除去するためにその信号をフィルタ処理することである。これは、たとえば、波形を帯域制限するために(すなわち、指定された周波数帯域を上回るまたは下回る振動を減衰させるかまたは除去するために)帯域フィルタを使用することによって、または、低周波数振動を減衰させるためにハイパスフィルタを使用することによって、または高周波数ノイズを減衰させるためにローパスフィルタを使用することによって、行われ得る。
【0161】
さらに、コントローラは、ノイズの他の知られているソース、たとえば、グリッドフレームワーク構造上で移動する積荷取扱デバイスによって引き起こされる震動、あるいはグリッドフレームワーク構造上の、さらには同じ建物における、他の構成要素または周辺機器に関連する周波数をフィルタで除去し得る。これを行うために、ノイズの知られているソースは、地震活動の不在下で背景加速度信号を記録することと、次いで、この背景加速度信号を、たとえば、周波数ドメインにおいて、収集された信号のフーリエ変換を計算することによって、特徴的な背景周波数を決定するために、分析することとを行うことによって、特徴づけられ得る。これらの特徴的な背景周波数は、次いで、加速度計からコントローラによって受信された加速度信号からフィルタで除去されるかまたは減衰され得る。代替的に、背景加速度信号のフーリエ変換は、加速度計からの加速度信号のフーリエ変換から減算され得、したがって、特徴的な背景周波数によるイベントがその信号から除去される。このようにして、地震イベントを検出することは、異常イベントが背景ノイズからより容易に区別され得るので、より容易になる。
【0162】
ノイズの知られているソースをフィルタで除去することは、グリッドフレームワーク構造のための、特に、地震イベント中にさらなる支持を提供するための外骨格を有しないグリッドフレームワーク構造のための地震検出システムにとって、重要である。積荷取扱デバイスが、それらがグリッドの上部で移動するときに加速および減速することは、考慮に入れられなければならない追加の移動である。この移動は、たとえば、人々が建物内で移動することよりも、加速度計読みにかなり影響を及ぼすことになり、なぜなら、建物中の人々は、全員構造の上部においてではなく、異なるフロア上に垂直方向に分散される可能性があり、よりゆっくり移動しており、連続的に移動していない可能性があるからである。建物中の人々は、水平方向にと少なくとも同程度、垂直方向に移動する(たとえば、エレベーターに乗り、異なるフロア間を上がるおよび下がる)可能性があり、建物は、連続的に移動する人々でいっぱいではなく、ある時刻において空である可能性がある。この理由で、ノイズの知られているソースをフィルタで除去することは、有利である。
【0163】
グリッドフレームワーク構造のそばにまたはその下に、地面上に位置する地面加速度計302aが提供される。地面加速度計は、地面レベルにおける加速度を測定する。ステップ103において、地面レベルにおける加速度は、次いで、地面に対してグリッドフレームワーク構造の上部において、加速度計の差分加速度を計算するために使用される。コントローラは、差分加速度を計算するために、グリッドフレームワーク構造の上部における加速度計によって測定された加速度信号から、地面加速度計によって測定された加速度信号を減算する。
【0164】
ステップ104において、コントローラは、計算された差分加速度から、地面に対するグリッドフレームワーク構造の変位を決定する。これは、差分加速度信号に対して二重積分を実施する(すなわち、速度信号を取得するために1回、時間に関して積分し、次いで、変位信号を取得するために、時間に関してもう一度積分する)ことによって、数学的に達成され得る。したがって、変位信号は、加速度計の各々から取得される。
【0165】
ステップ105において、変位データは、地震イベントが起こったかどうかを決定するために分析され得る。
[変位データから地震イベントを検出すること]
図20は、地震イベント中のグリッドフレームワーク構造上の加速度計から計算された変位データの一例を示す。変位は、時間の関数としてプロットされる。グラフ上で見られ得る変位応答の3つの別個の領域、すなわち、非比例応答、周期伸長、および残留ドリフトがある。
【0166】
第1の領域は、高振幅スパイクを特徴とする、非比例応答である。この領域では、振幅(変位応答)は、加えられた力に比例しない。これは、構造部材のたわみ強度が上回ったことを示し、その材料は、線形弾性挙動をもはや呈していない。地震イベントの不在下で、構造構成要素の材料は、線形的に挙動し、フックの法則に従い、ここで、変位は加えられた力に比例する。
【0167】
F=kx
ここで、Fは、加えられた力であり、kは、材料のスチフネスまたはばね定数であり、xは変位である。スチフネスkは、材料の断面積、長さ、およびヤング率に依存する。上記の式は、構造構成要素の材料がそのたわみ強度を下回るときに当てはまる。たわみ強度が超えられたとき、材料は、非線形的に挙動することを開始し、kの値はもはや定数ではない。非比例応答領域では、変位は、材料が弾性的に挙動しているときに予想されるものよりも高くなり得る。
【0168】
非比例応答は、変位信号の振幅が、グリッドフレームワーク構造の構造部材の弾性限界に対応する所定の変位しきい値を超えるかどうかを決定することによって、検出され得る。代替的に、非比例応答は、(フィルタ処理の後の)加速度信号を変位信号と比較することと、それらの2つの信号の振幅が比例するかどうかを決定することとを行うことによって、検出され得る。
【0169】
第2の領域は、振動の時間期間がその通常の値から増加される、周期伸長である。これは、たわみがグリッドフレームワーク構造の動的性質を変化させるので、発生する。振動の周期を決定するために、周波数ドメインにおける信号のフーリエ変換が計算され得る。周波数ドメインにおける最も大きいスパイクが、地震イベントの周期伸長領域中のグリッドフレームワーク構造の振動周波数であることになる。周期が変化したかどうかを決定するために、振動周期は、グリッドフレームワーク構造の震動の固有周波数に対応する、基準周期と比較され得る。固有周波数は、地震イベントの不在下での変位信号のフーリエ変換を行うことによって決定され得る。
【0170】
第3の領域は残留ドリフトであり、そこにおいて、変位振動が停止したかまたはそれらの通常レベルに戻った後、残っている、静的非0変位がある。これは、図20上に破線として見られ得、振動の振幅が低減した後、変位は、0から離れてシフトしている。この残留ドリフトまたは残留変位は、加速度計がそれの元の位置からどのくらい遠くに移動したか、すなわち、加速度計が取り付けられた構造部材がどのくらい遠くに移動したかの指示である。
【0171】
これらの3つの領域(非線形応答、周期伸長、残留ドリフト)は、変位時間信号から不具合を識別するための3つの異なる方法を提供する。実際には、これらの3つの方法のうちのいずれか1つが使用され得るか、あるいは2つまたはすべての3つの組合せが使用され得る。最も単純な方法は残留ドリフトであり、なぜなら、これは、単に、構造が地震イベントの後に移動しており、これが不具合を示唆することを意味するからである。それは、静的変位の大きさから構造のたわみの程度を推定することが簡単であるという利点を有する。しかしながら、残留ドリフト方法のみでは、十分に正確でないことがあり、(たとえば、グリッド構造自体ではなく加速度計が移動した場合)フォールスポジティブのリスクを生じやすい。方法の組合せを使用することは、より正確な結果をもたらすことになる。
【0172】
非比例応答方法および周期伸長方法は、より複雑であり、より多くの分析を必要とする。しかしながら、これらの2つの方法は、非比例応答および周期伸長現象が生じる唯一のときが、グリッドフレームワーク構造がたわむときであるので、グリッドフレームワーク構造におけるたわみ不具合をより示す。非比例応答および/または周期伸長が検出された場合、たわみ不具合がある可能性がある。たわみ不具合の程度を決定することは、これらの方法では、より困難であるが、残留ドリフトは、たわみの程度の容易な推定を可能にする。したがって、すべての3つの方法の組合せを使用することが好ましい。
[適応利得制御およびオフセット補償]
いくつかの場合には、以下で説明されるように、周波数の関数としての予測されたピークツーピーク変位と測定されたピークツーピーク変位との間の差を補償するために、適応利得制御が使用され得る。ある範囲の周波数について、加速度計のピークツーピーク変位は、上記で説明されたおよび図19に示されている方法に従って計算される。計算されたピークツーピーク変位は、測定されたピークツーピーク変位と比較される。低周波数において、計算されたピークツーピーク変位は、変位を過小評価する傾向がある。ハイパスフィルタまたは帯域フィルタを使用することによって加速度信号から低周波数をフィルタで除去することは、計算された変位をより正確な(測定された変位により近い)ものにする。
【0173】
変位計算における誤差が変位の固定された割合である場合、この誤差は、計算された変位に利得またはスケールファクタを乗算することによって補正され得る。このプロシージャは、ある範囲の周波数にわたって繰り返され、これは、利得またはスケールファクタ対周波数の基準曲線を生じる。この基準曲線は、誤差を補正し、加速度計のピークツーピーク変位をより正確に推定するために、計算されたピークツーピーク変位に適用され得る。
【0174】
残留ドリフト(図20に示されている残留ドリフト領域参照)をシミュレートするために、加速度信号が、グリッドフレームワーク構造内の構造要素のたわみをシミュレートするためにピークツーピーク振動と静的変位とを重ね合わせることによって、作成される。加速度信号は、フィルタ処理され、変位信号を計算するために2回積分される。計算された変位信号は、二重積分の結果として予想され得る初期過渡応答を呈し、その後に、その信号は、それの予想される位置に落ち着く(すなわち静的変位)。
【0175】
加速度計は、背景ノイズに、および加速度測定における機器入力オフセット電圧により、静止しているときに厳密に0を測定しない。このオフセット電圧は、小さいが、長い時間にわたって二重積分されるときに増す。この効果を補償するために、(たとえば平均化アルゴリズムによる)オフセット補償が、オフセット電圧を相殺するために信号に適用される。
動的変位に関して、計算された静的変位は、低周波数において過小評価される傾向がある。したがって、適応利得制御が、ピークツーピーク変位計算に関して上記で説明されたように、適用され得る。
[多層階保管システム]
本発明の地震検出システムおよび方法は、多層階建物中に位置する多層階保管システムに等しく適用され得る。いくつかの例では、ならびに建物のグランドフロア上にグリッドフレームワーク構造を有することにおいて、さらなるグリッドフレームワーク構造が、建物の1つまたは複数の上側フロア上に位置し得る。たとえば、常温商品のための周囲グリッドフレームワーク構造がグランドフロア上に位置し得、冷温商品のための(通常、より小さい)冷却グリッドフレームワーク構造が上側フロア上に位置し得る。これは、建物の2階フロア、すなわち、グランドフロアのすぐ上のフロア、あるいはより高いフロア、たとえば、3階フロアまたは4階フロアまたは5階フロアであり得る。他の例では、同じ建物において、異なるフロア上に位置する3つまたはそれ以上のグリッドフレームワーク構造があり得る。いくつかの例では、単一のグリッドフレームワーク構造が、グランドフロア上にではなく、多層階建物のより高いフロア上に位置し得る。
【0176】
図30(a)は、建物100のグランドフロア102上に位置する単一のグリッドフレームワーク構造101を有する単層階建物100をもつ一例を示す。前の例の場合のように、1つまたは複数の地面加速度計105が、地面上に(前に説明されたように、下側グリッドフレームワーク構造101を支持する下部構造上に、または土壌地面のすぐ上に、のいずれかに)位置する。1つまたは複数の加速度計106が、グリッドフレームワーク構造101上に、すなわち、グリッド上にまたは支持フレームワーク構造上にのいずれかに取り付けられる。
【0177】
図30(b)は、建物100のグランドフロア102上に位置する下側グリッドフレームワーク構造101と、建物100の上側フロア104上に位置する上側グリッドフレームワーク構造103とを有する多層階建物100をもつ一例を示す。上側フロア104は、図示の例の場合のように、建物100の2階フロア、または別の上側フロアであり得る。前の例の場合のように、1つまたは複数の地面加速度計105が、地面上に(前に説明されたように、下側グリッドフレームワーク構造101を支持する下部構造上に、または土壌地面のすぐ上に、のいずれかに)位置する。(下側グリッド加速度計106と呼ばれることになる)1つまたは複数の加速度計が、下側グリッドフレームワーク構造上に、すなわち、グリッド上にまたは支持フレームワーク構造上にのいずれかに取り付けられる。上側フロア104上には、上側グリッドフレームワーク構造103の底部におけるフロア上の(上側フロア加速度計107と呼ばれることになる)1つまたは複数の加速度計107が位置する。(上側グリッド加速度計108と呼ばれることになる)1つまたは複数の加速度計108が、上側グリッドフレームワーク構造103上に、すなわち、グリッド上にまたは支持フレームワーク構造上にのいずれかに取り付けられる。
【0178】
地震要求(seismic demand)は、(図30に示されている信号によって表される)地面移動が建物または構造に与える加速度または力である。地面における地震要求は地面加速度計105によって測定されることになる。上側フロア上の地震要求は、地面加速度と建物の移動の両方に依存することになる。概して、地震要求は、建物のより高いフロア上でより高くなることになる。図30における地震要求は右向き矢印によって表される。図30(b)では、上側フロア104上の右向き矢印が、グランドフロア102の場合よりも長く、上側フロア104、およびしたがって、上側グリッドフレームワーク構造103のより高い地震要求(およびより高い加速度/変位)を表す。
【0179】
地震耐力(seismic capacity)は、建物または構造が耐えることができる加速度または力であり、これは、構造の材料および設計の関数である。技術設計では、地震耐力が地震要求よりも大きいかまたはそれに等しいことが要件である。上側グリッドフレームワーク構造および下側グリッドフレームワーク構造の地震耐力は、図30において左向き矢印によって示されており、グリッドフレームワーク構造がどのフロア上に位置するかにかかわず、同じである。
【0180】
上側フロア上のグリッドフレームワーク構造についての差分加速度を計算するとき、本出願で前に説明されたように、同じ方法が使用され得る。差分加速度は、上側グリッド加速度計108によって測定された加速度と上側フロア加速度計107によって測定された加速度との間の差をとることによって、ならびに上側グリッド加速度計108によって測定された加速度と地面加速度計105によって測定された加速度との間の差をとることによって、計算され得る。これは、上側グリッド構造103の移動が、建物100内で上側グリッド構造103がその上に載っているフロアに対してと、地面に対しての両方で特徴づけられることを可能にする。
[免震]
いくつかの例では、グリッドフレームワーク構造は、グリッドフレームワーク構造に作用する地震力を低減するための、地震の免震システムを備える。地震の免震システム208の一例の断面図が図31に示されている。地震の免震システム208は、上部構造または隔板202と下部構造または基礎200とを備える。上部構造202は、グリッドフレームワーク構造114の耐荷重構造の少なくとも一部を備え、いくつかの場合には、そのすべてを備える。上部構造202はコンクリート耐荷重構造であり得る。グリッドフレームワーク構造114、より詳細には、直立カラム116のフーチングが、1つまたは複数のアンカーボルトによって上部構造202に取り付けられる。直立カラム116、およびしたがって、グリッドフレームワーク構造114は、1つまたは複数の調整可能なフット90および/またはアンカーフット132によって上部構造202に取り付けられる。調整可能なフットおよびアンカーフットのさらなる詳細は上記で説明された。グリッドフレームワーク構造の底部における上部構造202の要件は、1つまたは複数の個別ブレーストフレームロケーションから集約された力を比較的より大きい数の支持ポイントに再分散することの利益を有する。下部構造200は、少なくとも、グリッドフレームワーク構造の基礎を備える。これは、地面またはコンクリート基礎であり得る。
【0181】
上部構造202と下部構造200との間に中間配設されるのが、1つまたは複数の免震デバイス204である。免震デバイス204の分散は、上部構造202における不規則性または考えられるねじれの問題点を除去するように調整され得る。1つまたは複数の免震デバイス204は、地震中に、上部構造202、およびしたがって、その上に取り付けられたグリッドフレームワーク構造114を、下部構造の動きまたは地面動きから分離する。このようにして、大きい偏向および高い加速度が、グリッドフレームワーク構造114に伝えられるのを妨げられる。1つまたは複数の免震デバイス204の数および分散は、グリッドフレームワーク構造の重量と、グリッドフレームワーク構造の高さと、地面の組成とに依存する。たとえば、より高い周波数をもつ地震波のエネルギーは、堅い岩石土壌によって吸収される傾向があり、より低い周波数をもつ地震波は、吸収されることなしに堅い岩石土壌を通過するが、最終的に、柔らかい堆積物によって増幅される。免震デバイスは、グリッド状パターンを有するアレイにおいて分散され得、免震デバイス204の各々が、それぞれ、下側取付けプレートおよび上側取付けプレートによって下部構造200と上部構造202との間に取り付けられる。免震デバイスは、グリッドフレームワーク構造に伝えられる地面移動を減衰させるために、地震の免震システムの横方向フレキシビリティを提供する。制震によって最大エネルギー散逸を得ることを試みる様々な知られている免震デバイスが、本発明において許容される。オプションは、(限定はしないが)エラストマー軸受、摺動軸受、またはそれらの組合せを含む。
【0182】
グリッドフレームワーク構造が多層階建物中に位置する例では、グリッドフレームワーク構造は、グランドフロア上ではなく上側フロア上に位置し得る。代替的に、グランドフロア上に位置するグリッドフレームワーク構造に加えて、第2のグリッドフレームワーク構造が上側フロア上に位置し得る。通常、多層階建物における地震要求は、上側フロアについて、より高いが、建物全体が地震の免震システムを利用する(すなわち、建物が、下部構造200に対して移動することができる上部構造202によって支持される)例では、いくつかの場合には、地震要求は、より高いフロア上で、グランドフロア上でよりも低くなり得る。
[定義]
本明細書では、nが、x、yおよびzのうちの1つである、「n方向における移動」という言い回し(および関係する表現)は、実質的に、n軸に沿ったまたはn軸に平行な、いずれかの方向における(すなわち、n軸の正の端部のほうへのまたはn軸の負の端部のほうへの)、移動を意味するものとする。
本明細書では、「接続する」という単語、およびその派生語は、直接および間接接続の可能性を含むものとする。たとえば、「xがyに接続される」は、介在する構成要素を用いずに、xがyに直接接続される可能性と、1つまたは複数の介在する構成要素を用いて、xがyに間接的に接続される可能性とを含むものとする。直接接続が意図される場合、「直接接続された」、「直接接続」という単語または同様のものが使用されることになる。同様に、「支持」という単語、およびその派生語は、直接および間接接触の可能性を含むものとする。
【0183】
たとえば、「xがyを支持する」は、介在する構成要素を用いずに、xがyを直接支持し、それに直接接触する可能性と、xおよび/またはyに接触する1つまたは複数の介在する構成要素を用いて、xがyを間接的に支持する可能性とを含むものとする。「取り付ける」という単語、およびその派生語は、直接および間接取付けの可能性を含むものとする。たとえば、「xがy上に取り付けられる」は、介在する構成要素を用いずに、xがy上に直接取り付けられる可能性と、1つまたは複数の介在する構成要素を用いて、xがy上に間接的に取り付けられる可能性とを含むものとする。
【0184】
本明細書では、「備える」という単語、およびその派生語は、排他的な意味ではなく包含的な意味を有するものとする。たとえば、「xがyを備える」は、xが、唯一無二のyを含む、複数のyを含む、または1つまたはより多くのyを含む、および1つまたは複数の他の要素を含む、可能性を含むものとする。排他的な意味が意図される場合、「xがyから構成される」という言い回しが使用され、これは、xがyのみを含み、他に何も含まないことを意味する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12(a)】
図12(b)】
図13
図14(a)】
図14(b)】
図15
図16
図17
図18(a)】
図18(b)】
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30a)】
図30b)】
図31
【手続補正書】
【提出日】2024-08-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地震イベントを検出するための方法であって、前記方法は、
a)グリッドフレームワーク構造114上に位置する1つ又は複数の加速度計302から所与の時間期間にわたって加速度データを収集するステップと、ここで、前記グリッドフレームワーク構造114は、
i)第1の方向に延在する水平グリッド部材118の第1のセットと、
ii)前記第1の方向に対して実質的に直角な第2の方向に延在し、交差部56において水平グリッド部材118の前記第1のセットと交差する、水平グリッド部材120の第2のセットと、ここで、前記水平グリッド部材118の前記第1のセット及び前記水平グリッド部材120の前記第2のセットが、水平平面において複数の実質的に矩形のフレーム54を備えるグリッド50を形成するように配置され、前記実質的に矩形のフレームの各々がグリッドセルをなし、
iii)前記水平グリッド部材118の前記第1のセット及び前記水平グリッド部材120の前記第2のセットを支持する複数の直立カラム116と、ここで、前記複数の直立カラム116が、前記直立カラム116間にスタックされるべきコンテナ10のための複数の垂直保管ロケーションを形成し、
を備え、
b)収集された前記加速度データを、地面上に位置する1つ又は複数の加速度計302aからの地面加速度データと比較するステップと、
c)前記加速度データと前記地面加速度データとの間の差分加速度を決定するステップと、
d)前記差分加速度から変位データを決定するステップと、
e)前記変位データに基づいて、地震イベントが前記所与の時間期間にわたって起こったかどうかを決定するステップと
を備える、方法。
【請求項2】
地震イベントが前記所与の時間期間にわたって起こったかどうかを前記決定するステップは、前記変位データが、前記グリッドフレームワーク構造114の部材の弾性限界に対応する所定の変位しきい値を超えるかどうかを決定することを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
地震イベントが起こったかどうかを決定する前記ステップが、前記所与の時間期間にわたる、前記変位データの振動の周波数及び/又は周期の変化を決定することを備える、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記変位データの振動の前記周波数及び/又は前記周期の変化を決定することは、振動の前記周波数及び/又は前記周期が、振動の所定の周波数しきい値及び/又は所定の周期とは異なるかどうかを決定することを備える、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
地震イベントが前記所与の時間期間にわたって起こったかどうかを前記決定するステップは、前記変位データから静的変位を決定することと、前記静的変位が所定の静的変位しきい値を超えるかどうかを決定することとを備える、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項6】
非地震イベントに関連する1つ又は複数の信号を除去するか又は減衰させるために前記加速度データをフィルタ処理するステップをさらに備える、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項7】
非地震イベントに関連する1つ又は複数の信号を除去するか又は減衰させるために前記加速度データをフィルタ処理する前記ステップは、地震イベントの不在下で振動が生じた周波数範囲を決定することと、前記加速度データからこれらの周波数範囲を減衰させるか又はフィルタで除去することとを備える、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
地震イベントに続いてグリッドフレームワーク構造114を状況監視する方法であって、前記グリッドフレームワーク構造114は、
i)第1の方向に延在する水平グリッド部材118の第1のセットと、
ii)前記第1の方向に対して実質的に直角な第2の方向に延在し、交差部56において水平グリッド部材118の前記第1のセットと交差する、水平グリッド部材120の第2のセットと、ここで、前記水平グリッド部材118の前記第1のセット及び前記水平グリッド部材120の前記第2のセットが、水平平面において複数の実質的に矩形のフレーム54を備えるグリッド50を形成するように配置され、前記実質的に矩形のフレームの各々がグリッドセルをなし、
iii)前記水平グリッド部材118の前記第1のセット及び前記水平グリッド部材120の前記第2のセットを支持する複数の直立カラム116と、ここで、前記複数の直立カラム116が、前記直立カラム116間にスタックされるべきコンテナ10のための複数の垂直保管ロケーションを形成し、
iv)前記グリッドフレームワーク構造114上に位置する1つ又は複数の加速度計302
を備え、
前記方法は、
a)前記1つ又は複数の加速度計302から所与の時間期間にわたって加速度データを収集するステップと、
b)収集された前記加速度データを、地面上に位置する1つ又は複数の加速度計302aからの前記所与の時間期間にわたる地面加速度データと比較するステップと、
c)前記加速度データと前記地面加速度データとの間の差分加速度を決定するステップと、
d)前記差分加速度のデータが前記所与の時間期間中に所定の加速度しきい値を超えたかどうかを決定することによって、前記所与の時間期間中に生じた前記グリッドフレームワーク構造の異なる部分への損傷の程度を決定するステップと
を備える、方法。
【請求項9】
前記所定の加速度しきい値が、複数の所定の加速度しきい値を備え、前記複数の所定の加速度しきい値の各々が、前記グリッドフレームワーク構造の前記異なる部分のうちの1つ又は複数への損傷の異なるレベルを示す、請求項に記載の方法。
【請求項10】
e)前記差分加速度から変位データを決定するステップと、
f)前記変位データが所定の変位しきい値を超えたかどうかを決定することによって、前記グリッドフレームワーク構造の異なるパートへの損傷の程度を決定するステップと
をさらに備える、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
前記所定の変位しきい値が弾性限界を示し、したがって、前記所定の変位しきい値を超える前記グリッドフレームワーク構造の一部分の変位は、前記グリッドフレームワーク構造の前記一部分が永続的に変形されたという指示を提供する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
請求項1、2、8、又は9に記載の方法を行うように構成された、グリッドフレームワーク構造114のための地震検出システム300であって、前記地震検出システム300は、
a)前記グリッドフレームワーク構造114上に取り付けられた1つ又は複数の加速度計302と、
b)前記1つ又は複数の加速度計302から加速度データを収集するように構成された入力モジュール304と、
c)前記入力モジュール304と通信しているコントローラ306と、ここで、前記コントローラ306が、1つ又は複数のプロセッサと、命令を記憶するメモリとを備え、前記命令は、前記1つ又は複数のプロセッサによって実行されたとき、前記1つ又は複数のプロセッサに、
i)前記1つ又は複数の加速度計302からの前記収集された加速度データに基づいて、地震イベントが起こったかどうかを決定することと、
ii)地震イベントが起こったと決定することに応答して、1つ又は複数の出力デバイス310に信号を送ることと
を行わせる、
を備える、地震検出システム300
【請求項13】
前記グリッドフレームワーク構造114の近くに、地面上に位置する1つ又は複数の加速度計302aをさらに備える、請求項12に記載の地震検出システム。
【請求項14】
i)第1の方向に延在する水平グリッド部材118の第1のセットと、
ii)前記第1の方向に対して実質的に直角な第2の方向に延在し、交差部56において水平グリッド部材118の前記第1のセットと交差する、水平グリッド部材120の第2のセットと、前記水平グリッド部材118の前記第1のセット及び前記水平グリッド部材120の前記第2のセットが、実質的に水平な平面において複数の実質的に矩形のフレーム56を備えるグリッド50を形成するように配置され、前記実質的に矩形のフレームの各々がグリッドセル56をなし、
iii)前記水平グリッド部材118の前記第1のセット及び前記水平グリッド部材120の前記第2のセットを支持する複数の直立カラム116と、ここで、前記複数の直立カラム116が、前記直立カラム116間にスタックされるべきコンテナ10のための複数の垂直保管ロケーションを形成し、
を備える、グリッドフレームワーク構造114であって、
前記グリッドフレームワーク構造114が、請求項12に記載の地震検出システム300をさらに備える、グリッドフレームワーク構造114
【請求項15】
前記グリッドフレームワーク構造114上に取り付けられた1つ又は複数の加速度計302が、複数の加速度計302を備え、前記複数の加速度計302が、前記グリッド50の前記第1の方向及び/又は前記第2の方向に沿って配置される、請求項14に記載のグリッドフレームワーク構造114
【請求項16】
前記複数の加速度計302が、前記グリッド50の周辺の少なくとも一部分に沿って配置される、請求項15に記載のグリッドフレームワーク構造114
【請求項17】
前記グリッドフレームワーク構造114上に取り付けられた前記1つ又は複数の加速度計が、複数の加速度計302を備え、前記複数の加速度計302の少なくとも一部分が、前記グリッド50の前記第1の方向及び前記第2の方向に対して対角線方向に配置される、請求項14に記載のグリッドフレームワーク構造114
【請求項18】
前記グリッドフレームワーク構造114が、複数のモジュール式フレーム514に細分され、したがって、前記グリッド50が、前記複数のモジュール式フレーム514にわたって延在する、請求項14に記載のグリッドフレームワーク構造114
【請求項19】
i)第1のレベルにおける第1のグリッドフレームワーク構造と、
ii)第2のレベルにおける第2のグリッドフレームワーク構造と、ここで、前記第2のレベルは前記第1のレベルの上にあり、
を備える、多層階グリッドフレームワーク構造であって、
前記第1のグリッドフレームワーク構造及び前記第2のグリッドフレームワーク構造の各々が、請求項14において定義されたグリッドフレームワーク構造を備える、多層階グリッドフレームワーク構造。
【請求項20】
a)請求項14において定義されたグリッドフレームワーク構造114と、
b)前記グリッドフレームワーク構造114中に保管された1つ又は複数のコンテナ10を移動させるようにリモートで動作可能な1つ又は複数の積荷取扱デバイス30と、ここで、前記1つ又は複数の積荷取扱デバイス30の各々が、
i)前記グリッドフレームワーク構造114上で前記積荷取扱デバイス30を誘導するためのホイールアセンブリと、
ii)前記グリッドフレームワーク構造114の上に位置するコンテナ受入空間40と、
iii)スタック12から単一のコンテナ10を持ち上げ、前記コンテナ受入空間40に入れるように配置された、持ち上げデバイスと、を備え、
を備える、保管及び取出しシステム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0184
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0184】
本明細書では、「備える」という単語、およびその派生語は、排他的な意味ではなく包含的な意味を有するものとする。たとえば、「xがyを備える」は、xが、唯一無二のyを含む、複数のyを含む、または1つまたはより多くのyを含む、および1つまたは複数の他の要素を含む、可能性を含むものとする。排他的な意味が意図される場合、「xがyから構成される」という言い回しが使用され、これは、xがyのみを含み、他に何も含まないことを意味する。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[C1]
地震イベントを検出するための方法であって、前記方法は、
a)グリッドフレームワーク構造114上に位置する1つ又は複数の加速度計302から所与の時間期間にわたって加速度データを収集するステップと、ここで、前記グリッドフレームワーク構造114は、
i)第1の方向に延在する水平グリッド部材118の第1のセットと、
ii)前記第1の方向に対して実質的に直角な第2の方向に延在し、交差部56において水平グリッド部材118の前記第1のセットと交差する、水平グリッド部材120の第2のセットと、ここで、前記水平グリッド部材118の前記第1のセット及び前記水平グリッド部材120の前記第2のセットが、水平平面において複数の実質的に矩形のフレーム54を備えるグリッド50を形成するように配置され、前記実質的に矩形のフレームの各々がグリッドセルをなし、
iii)前記水平グリッド部材118の前記第1のセット及び前記水平グリッド部材120の前記第2のセットを支持する複数の直立カラム116と、ここで、前記複数の直立カラム116が、前記直立カラム116間にスタックされるべきコンテナ10のための複数の垂直保管ロケーションを形成し、
を備え、
b)収集された前記加速度データを、地面上に位置する1つ又は複数の加速度計302aからの地面加速度データと比較するステップと、
c)前記加速度データと前記地面加速度データとの間の差分加速度を決定するステップと、
d)前記差分加速度から変位データを決定するステップと、
e)前記変位データに基づいて、地震イベントが前記所与の時間期間にわたって起こったかどうかを決定するステップと
を備える、方法。
[C2]
地震イベントが前記所与の時間期間にわたって起こったかどうかを前記決定するステップは、前記変位データが、前記グリッドフレームワーク構造114の部材の弾性限界に対応する所定の変位しきい値を超えるかどうかを決定することを備える、C1に記載の方法。
[C3]
地震イベントが起こったかどうかを決定する前記ステップが、前記所与の時間期間にわたる、前記変位データの振動の周波数及び/又は周期の変化を決定することを備える、C1又は2に記載の方法。
[C4]
前記変位データの振動の前記周波数及び/又は前記周期の変化を決定することは、振動の前記周波数及び/又は前記周期が、振動の所定の周波数しきい値及び/又は所定の周期とは異なるかどうかを決定することを備える、C3に記載の方法。
[C5]
地震イベントが前記所与の時間期間にわたって起こったかどうかを前記決定するステップは、前記変位データから静的変位を決定することと、前記静的変位が所定の静的変位しきい値を超えるかどうかを決定することとを備える、C1から4のいずれか一項に記載の方法。
[C6]
非地震イベントに関連する1つ又は複数の信号を除去するか又は減衰させるために前記加速度データをフィルタ処理するステップをさらに備える、C1から5のいずれか一項に記載の方法。
[C7]
前記加速度データをフィルタ処理する前記ステップが、ハイパスフィルタ、ローパスフィルタ、及び/又は帯域フィルタを使用することを備える、C6に記載の方法。
[C8]
非地震イベントに関連する1つ又は複数の信号を除去するか又は減衰させるために前記加速度データをフィルタ処理する前記ステップは、地震イベントの不在下で振動が生じた周波数範囲を決定することと、前記加速度データからこれらの周波数範囲を減衰させるか又はフィルタで除去することとを備える、C6又は7に記載の方法。
[C9]
前記グリッドフレームワーク構造114上に位置する前記1つ又は複数の加速度計302が、複数の加速度計302を備え、地震イベントが起こったかどうかを決定する前記ステップが、前記複数の加速度計302の各々からの変位データに基づく、C1から8のいずれか一項に記載の方法。
[C10]
地震イベントが前記所与の時間期間にわたって起こったと決定することに応答して、1つ又は複数の出力デバイス310に信号を送るステップをさらに備える、C1から9のいずれか一項に記載の方法。
[C11]
地震イベントに続いてグリッドフレームワーク構造114を状況監視する方法であって、前記グリッドフレームワーク構造114は、
i)第1の方向に延在する水平グリッド部材118の第1のセットと、
ii)前記第1の方向に対して実質的に直角な第2の方向に延在し、交差部56において水平グリッド部材118の前記第1のセットと交差する、水平グリッド部材120の第2のセットと、ここで、前記水平グリッド部材118の前記第1のセット及び前記水平グリッド部材120の前記第2のセットが、水平平面において複数の実質的に矩形のフレーム54を備えるグリッド50を形成するように配置され、前記実質的に矩形のフレームの各々がグリッドセルをなし、
iii)前記水平グリッド部材118の前記第1のセット及び前記水平グリッド部材120の前記第2のセットを支持する複数の直立カラム116と、ここで、前記複数の直立カラム116が、前記直立カラム116間にスタックされるべきコンテナ10のための複数の垂直保管ロケーションを形成し、
iv)前記グリッドフレームワーク構造114上に位置する1つ又は複数の加速度計302と
を備え、
前記方法は、
a)前記1つ又は複数の加速度計302から所与の時間期間にわたって加速度データを収集するステップと、
b)収集された前記加速度データを、地面上に位置する1つ又は複数の加速度計302aからの前記所与の時間期間にわたる地面加速度データと比較するステップと、
c)前記加速度データと前記地面加速度データとの間の差分加速度を決定するステップと、
d)前記差分加速度のデータが前記所与の時間期間中に所定の加速度しきい値を超えたかどうかを決定することによって、前記所与の時間期間中に生じた前記グリッドフレームワーク構造の異なる部分への損傷の程度を決定するステップと
を備える、方法。
[C12]
前記所定の加速度しきい値が、複数の所定の加速度しきい値を備え、前記複数の所定の加速度しきい値の各々が、前記グリッドフレームワーク構造の前記異なる部分のうちの1つ又は複数への損傷の異なるレベルを示す、C11に記載の方法。
[C13]
複数の前記所定の加速度しきい値が、前記グリッドフレームワーク構造の一部分の弾性限界を示す第1の加速度しきい値を含み、したがって、前記第1の加速度しきい値を超える前記グリッドフレームワーク構造の前記一部分の前記差分加速度は、前記グリッドフレームワーク構造の前記一部分が永続的に変形されたという指示を提供する、C12に記載の方法。
[C14]
前記第1の加速度しきい値が実質的に0.6gである、C13に記載の方法。
[C15]
複数の前記所定の加速度しきい値が、安全限界を示す第2の加速度しきい値を含み、したがって、前記第2の加速度しきい値を超える前記グリッドフレームワーク構造の一部分の前記差分加速度は、人員が前記グリッドフレームワーク構造の前記一部分に入ることが安全でないという指示を提供する、C13又は14に記載の方法。
[C16]
前記第2の加速度しきい値が実質的に1.0gである、C15に記載の方法。
[C17]
複数の前記所定の加速度しきい値が、構造限界を示す第3の加速度しきい値を含み、したがって、前記第3の加速度しきい値を超える前記グリッドフレームワーク構造の一部分の前記差分加速度は、前記グリッドフレームワーク構造の前記一部分が、余震に耐えるのに十分な構造耐力を有しないという指示を提供する、C13から16のいずれか一項に記載の方法。
[C18]
前記第3の加速度しきい値が約1.83gである、C17に記載の方法。
[C19]
e)前記差分加速度から変位データを決定するステップと、
f)前記変位データが所定の変位しきい値を超えたかどうかを決定することによって、前記グリッドフレームワーク構造の異なるパートへの損傷の程度を決定するステップと
をさらに備える、C11から18のいずれか一項に記載の方法。
[C20]
前記所定の変位しきい値が弾性限界を示し、したがって、前記所定の変位しきい値を超える前記グリッドフレームワーク構造の一部分の変位は、前記グリッドフレームワーク構造の前記一部分が永続的に変形されたという指示を提供する、C19に記載の方法。
[C21]
C1から20のいずれか一項に記載の方法を行うように構成された、グリッドフレームワーク構造114のための地震検出システム300であって、前記地震検出システム300は、
a)前記グリッドフレームワーク構造114上に取り付けられた1つ又は複数の加速度計302と、
b)前記1つ又は複数の加速度計302から加速度データを収集するように構成された入力モジュール304と、
c)前記入力モジュール304と通信しているコントローラ306と、ここで、前記コントローラ306が、1つ又は複数のプロセッサと、命令を記憶するメモリとを備え、前記命令は、前記1つ又は複数のプロセッサによって実行されたとき、前記1つ又は複数のプロセッサに、
i)前記1つ又は複数の加速度計302からの前記収集された加速度データに基づいて、地震イベントが起こったかどうかを決定することと、
ii)地震イベントが起こったと決定することに応答して、1つ又は複数の出力デバイス310に信号を送ることと
を行わせる、
を備える、地震検出システム300。
[C22]
前記グリッドフレームワーク構造114の近くに、地面上に位置する1つ又は複数の加速度計302aをさらに備える、C21に記載の地震検出システム。
[C23]
前記1つ又は複数の出力デバイス310が、ビーコン、アラーム、及び/又はサイレンを備える、C21又は22に記載の地震検出システム。
[C24]
i)第1の方向に延在する水平グリッド部材118の第1のセットと、
ii)前記第1の方向に対して実質的に直角な第2の方向に延在し、交差部56において水平グリッド部材118の前記第1のセットと交差する、水平グリッド部材120の第2のセットと、前記水平グリッド部材118の前記第1のセット及び前記水平グリッド部材120の前記第2のセットが、実質的に水平な平面において複数の実質的に矩形のフレーム56を備えるグリッド50を形成するように配置され、前記実質的に矩形のフレームの各々がグリッドセル56をなし、
iii)前記水平グリッド部材118の前記第1のセット及び前記水平グリッド部材120の前記第2のセットを支持する複数の直立カラム116と、ここで、前記複数の直立カラム116が、前記直立カラム116間にスタックされるべきコンテナ10のための複数の垂直保管ロケーションを形成し、
を備える、グリッドフレームワーク構造114であって、
前記グリッドフレームワーク構造114が、C21から23のいずれか一項に記載の地震検出システム300をさらに備える、グリッドフレームワーク構造114。
[C25]
前記グリッドフレームワーク構造114上に取り付けられた1つ又は複数の加速度計302が、複数の加速度計302を備え、前記複数の加速度計302が、前記グリッド50の前記第1の方向及び/又は前記第2の方向に沿って配置される、C24に記載のグリッドフレームワーク構造114。
[C26]
前記複数の加速度計302が、前記グリッド50の周辺の少なくとも一部分に沿って配置される、C25に記載のグリッドフレームワーク構造114。
[C27]
前記グリッドフレームワーク構造114上に取り付けられた前記1つ又は複数の加速度計が、複数の加速度計302を備え、前記複数の加速度計302の少なくとも一部分が、前記グリッド50の前記第1の方向及び前記第2の方向に対して対角線方向に配置される、C24に記載のグリッドフレームワーク構造114。
[C28]
前記複数の加速度計302が実質的に水平な平面にある、C25から27のいずれか一項に記載のグリッドフレームワーク構造114。
[C29]
前記複数の加速度計302が、15個から28個の間の加速度計302からなる、C25から28のいずれか一項に記載のグリッドフレームワーク構造114。
[C30]
前記グリッドフレームワーク構造114上に取り付けられた前記1つ又は複数の加速度計が、前記水平グリッド部材118、120上に取り付けられる、C24に記載のグリッドフレームワーク構造114。
[C31]
1つ又は複数のブレース部材220、222によってブレースされた複数の垂直フレームカラム218を備える外骨格をさらに備え、前記グリッド50が、さらに、地震力抑制システム(SFRS)を形成するために前記外骨格によって支持される、C24から30のいずれか一項に記載のグリッドフレームワーク構造114。
[C32]
前記グリッドフレームワーク構造114上に取り付けられた前記1つ又は複数の加速度計302が、前記SFRS上に取り付けられる、C31に記載のグリッドフレームワーク構造114。
[C33]
前記グリッドフレームワーク構造114上に取り付けられた前記1つ又は複数の加速度計302が、前記1つ又は複数のブレース部材220、222に取り付けられる、C32に記載のグリッドフレームワーク構造114。
[C34]
前記グリッドフレームワーク構造114が、複数のモジュール式フレーム514に細分され、したがって、前記グリッド50が、前記複数のモジュール式フレーム514にわたって延在する、C24から33のいずれか一項に記載のグリッドフレームワーク構造114。
[C35]
前記グリッドフレームワーク構造114に作用する地震力を低減するための地震の免震システム208をさらに備え、前記グリッドフレームワーク構造114が、前記地震の免震システム208によって支持され、前記地震の免震システム208が、上部構造202と、下部構造200と、前記上部構造202と前記下部構造200との間に配設された少なくとも1つの免震デバイス204とを備え、したがって、前記少なくとも1つの免震デバイス204が、地震イベントにおける前記下部構造200に対する前記上部構造202の移動を抑制する、C24から34のいずれか一項に記載のグリッドフレームワーク構造114。
[C36]
i)第1のレベルにおける第1のグリッドフレームワーク構造と、
ii)第2のレベルにおける第2のグリッドフレームワーク構造と、ここで、前記第2のレベルは前記第1のレベルの上にあり、
を備える、多層階グリッドフレームワーク構造であって、
前記第1のグリッドフレームワーク構造及び前記第2のグリッドフレームワーク構造の各々が、C24から35のいずれかにおいて定義されたグリッドフレームワーク構造を備える、多層階グリッドフレームワーク構造。
[C37]
a)C24から36のいずれかにおいて定義されたグリッドフレームワーク構造114と、
b)前記グリッドフレームワーク構造114中に保管された1つ又は複数のコンテナ10を移動させるようにリモートで動作可能な1つ又は複数の積荷取扱デバイス30と、ここで、前記1つ又は複数の積荷取扱デバイス30の各々が、
i)前記グリッドフレームワーク構造114上で前記積荷取扱デバイス30を誘導するためのホイールアセンブリと、
ii)前記グリッドフレームワーク構造114の上に位置するコンテナ受入空間40と、
iii)スタック12から単一のコンテナ10を持ち上げ、前記コンテナ受入空間40に入れるように配置された、持ち上げデバイスと、を備え、
を備える、保管及び取出しシステム。
【国際調査報告】