(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-22
(54)【発明の名称】XDDコンテキストにおけるアップリンク周波数領域の動的処理
(51)【国際特許分類】
H04W 72/1268 20230101AFI20250115BHJP
H04W 72/0453 20230101ALI20250115BHJP
H04W 72/0446 20230101ALI20250115BHJP
H04W 92/20 20090101ALI20250115BHJP
H04W 16/14 20090101ALI20250115BHJP
H04L 5/06 20060101ALI20250115BHJP
【FI】
H04W72/1268
H04W72/0453
H04W72/0446
H04W92/20
H04W16/14
H04L5/06
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535873
(86)(22)【出願日】2022-12-13
(85)【翻訳文提出日】2024-07-24
(86)【国際出願番号】 EP2022085647
(87)【国際公開番号】W WO2023110885
(87)【国際公開日】2023-06-22
(32)【優先日】2021-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523067768
【氏名又は名称】テリット シンテリオン ドイチュラント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブリューワー,フォルカー
(72)【発明者】
【氏名】ドゥマーティ,ジョエル
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA03
5K067EE02
5K067EE10
(57)【要約】
本発明は、基地局おいて、交差分割複信(XDD)コンテキストにおけるアップリンク周波数領域を動的に処理するための方法であって、前記方法は、-より大きなダウンリンク周波数領域を有する別の基地局からUL/DL分割に関する情報を受信することと、-自身のUL/DL分割に関する回答情報を送信することと、-UL/DL分割情報から少なくとも干渉周波数領域を決定することと、-干渉周波数領域におけるダウンリンクコンテンツに関する追加情報を、前記別の基地局から受信することと、-前記干渉周波数領域において前記別の基地局によって提供されたダウンリンクコンテンツを考慮に入れて、前記干渉周波数領域において受信された信号を処理することと、を含む、方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局において、交差分割複信(XDD)コンテキストにおけるアップリンク周波数領域を動的に処理するための方法であって、
-より大きなダウンリンク周波数領域を有する別の基地局からUL/DL分割に関する情報を受信することと、
-自身のUL/DL分割に関する情報を回答として送信することと、
-前記UL/DL分割情報から少なくとも干渉周波数領域を決定することと、
-干渉周波数領域における前記ダウンリンクコンテンツに関する追加情報を、前記別の基地局から受信することと、
-前記干渉周波数領域において前記別の基地局によって提供された前記ダウンリンクコンテンツを考慮に入れて、前記干渉周波数領域において受信された信号を処理することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記干渉周波数領域のコンテンツに関する追加情報が、前記干渉周波数領域において前記別の基地局によって送信された前記コンテンツを前記基地局が知ることを可能にし、前記干渉周波数領域において受信された信号を処理するステップが、前記干渉周波数領域におけるそのようなコンテンツを減算することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記干渉周波数領域の前記コンテンツが、反復定数信号を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記追加情報が、前記基地局が前記干渉周波数領域において前記受信された信号から前記反復定数信号を減算することができるようにするために、少なくとも一度、前記反復定数信号を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記反復定数信号が、2つの前記基地局間で共通である、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
反復定数信号が、
-PSS、SSS、およびPBCHを含むSSブロック、
-BCH/ブロードキャスト情報、
-システム情報、
-MBMSブロードキャスト
の中から選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記干渉周波数領域の前記コンテンツが一時的な信号を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
一時的な信号がオンデマンドシステム情報である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
追加情報が、オンデマンドシステム情報がアクティブ化または非アクティブ化されるときのそれぞれのシグナリングを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
より大きなダウンリンク周波数領域を有する別の基地局からのUL/DL分割に関する情報が、前記アップリンク周波数領域が逸脱しているという指示と、それが逸脱している側の指示とを含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
UL/DL分割に関する前記情報に加えて、UL/DL切り替え周波数であるアップリンク境界が提供される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記UL/DL切り替え周波数のうちの1つである共通周波数が、前記周波数で動作するすべての基地局のUL/DL切り替えに同じ周波数を適用するために、関与するすべての基地局のためのネットワークエンティティによってシグナリングされる、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記基地局が周波数リソースのULまたはDL割り当てを決定することができる最大許容UL/DL比が、ネットワークエンティティによってシグナリングされる、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記基地局の媒体アクセス制御において、他の基地局によってもULまたはDLに使用することができるUL/DL同期切り替え周波数およびそれぞれの最大許容UL/DL比に関するそれぞれの情報を受信することと、前記媒体アクセス制御のために、遅延クリティカルおよび高QoSセッションのために前記周波数領域を回避するリソース割り当てを実行することとをさらに含む、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
先行する請求項のいずれか1項に記載の方法に従って、交差分割複信(XDD)コンテキストにおけるアップリンク周波数領域を動的に処理するように適合された基地局であって、
-UL/DL分割に関する情報、および干渉周波数領域に関連するダウンリンクコンテンツに関する追加情報を交換するための送信/受信モジュールと、
-前記UL/DL分割情報から少なくとも干渉周波数領域を決定し、前記干渉周波数領域において別の基地局によって提供された前記ダウンリンクコンテンツを考慮に入れて、前記干渉周波数領域において受信された信号を処理するための処理モジュールと
を備える、基地局。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、基地局において、交差分割複信(XDD:cross division duplex)コンテキストにおけるアップリンク周波数領域を処理するための方法に関する。
【0002】
本発明はまた、この方法を実装する基地局に関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
3GPP(登録商標)リリース18では、時分割複信(TDD:Time Division Duplex)のための交差分割複信(XDD)に関連した議論が開始され、より一般的には、NRのための複信動作の展開に関連した、複信モードおよび干渉管理を含む配置シナリオの領域の例を用いて議論が開始された。したがって、同じTDDキャリア上であるが異なる周波数上でULおよびDLを同時に動作させるXDDは、リリース18についてさらに調査されるべきフィールドのうちの1つである。
【0004】
例えば、3.5GHz、または6GHz範囲のすべての周波数などの主要な新無線(NR:New Radio)帯域は、TDDスペクトルである。これは、アップリンク(UL:uplink)およびダウンリンク(DL:downlink)が同じ帯域で発生し、
図1に示すようにULまたはDLのための特定のスロットを定義することによって分離されることを意味する。
【0005】
図1は、5GにおけるTDDを概略的に示す。それは、固定された所定のフレームフォーマットを有さず、むしろフレーム内のスロット、すなわちスロット構成期間SCPを特定の方向に割り当てるための特定の柔軟性を提供し、またフレーム内のシンボルを特定の方向に割り当てる。この目的のために、
図1の1行目に示すように、tdd-UL-DL-ConfigurationCommonによるセル固有のスロット構成期間が標準で定義され、アップリンクスロットUおよびダウンリンクスロットDの間のスロット構成期間にフレキシブルスロットFが介在する。中間スロットD/FおよびF/Uは、それぞれダウンリンクおよびフレキシブルシンボルならびにフレキシブルおよびアップリンクシンボルに提供される。
【0006】
したがって、スロット構成期間は、ダウンリンクのみのスロットD、アップリンクのみのスロットU、およびフレキシブルスロットF、D/L、およびF/Uを含むDL-UL送信周期性を定義する。
図1の2行目は、tdd-UL-DL-ConfigurationDedicatedによるユーザ機器(UE:user equipment)固有のスロット構成を概略的に示している。ここでは、フレキシブルスロットFのうちの4つのスロットは構成されないままである。tdd-UL-DL-ConfigurationCommonで定義されているように、2つのダウンリンクスロットDがフレキシブルスロットの先頭に挿入され、1つのアップリンクスロットUがフレキシブルスロットの最後に挿入される。3行目は、セル固有の構成とUE固有の構成とを組み合わせた結果を示している。
【0007】
スロット構成に対するUE固有の情報は、UEのニーズに基づいてネットワークがDL/ULパターンを調整するのを助けるために必要である。この隣接するDLまたはUL領域が定義されているため、個々のHARQフィードバックに関してUE全体に特定の遅延がある。HARQフィードバックは、特定の最小時間を有する必要があるが、正しい方向のタイムスロットが発生するまで遅延され得る。これは、全体的な構成に応じて、いくつかのデバイスに追加の遅延をもたらす。
【0008】
所望のトラフィックに応じて、より多くのDLまたはUL機会を提供する構成を選択することができる。しかしながら、DLおよびULは、UEにおけるUL/DL切り替えには相応の時間がかかるため、連続した領域を形成する。しかしながら、これは、FDDにおいてUL周波数とDL周波数とを分離するために使用される二重フィルタを取り除くことを可能にする。
【0009】
以下の表は、提供されるレイテンシ計算を示す。
【0010】
【0011】
これは、TDDレイテンシが同等のFDDレイテンシよりも長いことを示している。したがって、サブフレーム/スロットの切り替えはオーバーヘッドを増加させ、多くの5G帯域がTDDであるとすると、ペアリングされていない周波数帯域を意味し、これは、ULおよびDLが並列に存在する場合に克服される一般的な欠点である。
【0012】
したがって、TDDスペクトルを見るときの最大の欠点は、後続のUL/DL使用変更によって引き起こされる遅延である。したがって、RTTループDL割り当て/UL送信/DL確認応答は、それに対応して時間がかかり、HARQ再送信も必要とされ得ることを考慮するとさらに長くなる。結果として、XDD進化は、リリース18において意図されている。
【0013】
図2は、時間Tに依存する周波数Fを有するTDD周波数帯域におけるXDDを示す。XDDによれば、
図2Aに示すように、任意の基地局、ここではgNB1は、その周波数帯域の外側範囲で送信し、アップリンクULは中央の内側範囲で行われる。
図2Bに示すように、異なるgNB2がMNO内に構成された異なるDL/UL比を有する場合、アップリンク中心の内側範囲の両側の2つのノード間でクロスリンク干渉IFが発生する。
【0014】
したがって、
図2に示すように、XDD、またはTDD帯域の全二重は、XDDが周波数帯域チャンク、すなわち帯域内の周波数分割複信に基づいて全二重であるため、FDDと同様に遅延および結果に関する等しい計算を可能にする。これは、UEが柔軟なフィルタリングを実現するか、または自己干渉を回避するための課題を確実に抱えている。
【0015】
図2に、特にサブバンド全二重オプション(SBFD:Subband Full-duplex)として示されるXDDは、単一の周波数帯域を1つの内側UL帯域と2つの外側DL帯域とに分割し、同時に方向が異なる特定の周波数チャンクの使用をもたらす。
【0016】
このような解決策は、TDD帯域においてもレイテンシを大幅に低減する。しかしながら、上記で想起されたように、それはまた、XDD使用および干渉シナリオの割り当てのための新しい課題および規則をもたらす。特に、隣接する基地局が同じ周波数チャンク上で異なる方向に動作する可能性がある領域は、基地局から基地局への干渉につながる。典型的には、一方の基地局は、他方の基地局がそのUEからの周波数チャンク信号を最小感度で受信しようとしているかどうかにかかわらず、そのサービスされているUEにある方向で高電力で送信しており、したがって上述の基地局から基地局への干渉につながる。受信基地局は、範囲内で、所望のUE信号に対する干渉として近隣基地局の発信も経験する。
【0017】
本発明は、特に、異なるgNBが利用可能なスペクトルを異なるように使用する場合に、基地局において生じる干渉シナリオを扱う。オペレータは、異なるgNodeB間のUL/DL共有が、それらが異なるトラフィックニーズを有する可能性があり、柔軟性を可能にするために異なるようにサポートされるべきであるという事実をすでに指摘している。いくつかのデバイスは、より多くのDL、例えば、ソフトウェア、フィルムデータの送信を行い、一方、他のデバイスは、UL中心、例えば、ビデオ監視を行う。他のデバイスは、むしろ、例えばリアルタイムゲームなど、DLおよびULに対して同等の要求を有する場合がある。したがって、リリース18の3GPPでは、TDD帯域のためのサブバンド全二重オプション(SBFD)が考慮される。オペレータは、BSクロスリンク干渉を含む干渉シナリオにつながる、各基地局において個々のUL/DLを分割する明確な意図を表明した。
【0018】
結果として、ULおよびDLのために使用される周波数チャンクを近隣の基地局ごとに異なるように構成すること、ならびにより長い時間ベースで前記割り当てを変更する際に一定の柔軟性を有することが可能であるべきである。しかしながら、異なる方向の異なる基地局において異なるトラフィック方向をサポートする場合、これは干渉の分野につながる。
【0019】
図3は、XDDが展開されている場合の可能な干渉シナリオを示しており、これは、DL領域およびUL領域が同期されていない、すなわち、これらの領域がすべての近隣セル間で同じサイズではない間に、ULデータおよびDLデータが周波数帯域に同時に存在することを意味する。したがって、
図3は、同期された一方向TDDと比較して主に現れるクロスリンク干渉の新たな効果を例示する。
【0020】
典型的には、1つの基地局は特定の周波数領域で最小感度で受信しようとし、数キロメートル離れた別の基地局は同じ周波数チャンクで最大電力で送信する。多くのそのような条件では、基地局は信号損失状態になり、これは、第2の基地局信号が他の受信基地局に大きな電力で到着し、したがって受信基地局にとって干渉状況が存在することを意味する。
【0021】
したがって、より大きなRX領域(UL)をサポートする基地局は、DLとして近隣セルによって使用されるUL側において、対応する干渉に直面することになる。これは、この領域において、近隣セルDLが所望のUE ULトラフィックと共に受信されることを意味する。
【0022】
本発明は、特に、基地局間のクロスリンク干渉に焦点を当てる。
図3に示され、技術的背景に概説されるように、XDDまたは特にSDFBが展開されるときに発生するいくつかの干渉シナリオがある。しかしながら、上述した基地局間干渉シナリオBS_CL_IFは、自己干渉S_IFおよびUEクロスリンク干渉UE_CL_IFに加えて、他の基地局が既に受信領域(UL)として使用している周波数領域(DL)で基地局が送信する際に発生する基地局クロスリンク干渉に起因して新たに現れる。また、
図3の交差する矢印によって示されているダウンリンク/ダウンリンクおよびアップリンク/アップリンクUEセル間干渉UE_IC_IFの出現により、ULの受信、すなわちUE受信は、近隣基地局のDL送信によって妨害される。この効果は既知であり、受信した必要な基地局信号が近隣セルの不要な受信基地局信号よりも著しく高い限り、処理することができる。しかしながら、本発明は、gNB間干渉緩和を意図しているが、これに限定されない。本発明はまた、基地局およびUEの干渉に関する。
【0023】
従来技術によれば、そのような干渉は、そのような干渉シナリオを回避するために同期化SXDDを行うことによって防止することができる。別の解決策は、それぞれの周波数チャンクにおいてより少ない電力で動作することである。代替的な解決策であり得るが、それらは、すべての基地局が、セルにおける個々のトラフィックのニーズに関係なく、同じUL/DL分割を適用しなければならないため、明確な効率の欠点を有する。また、影響を受けた周波数チャンクは、近隣への干渉を回避するためにそれらの使用が制限される。次いで、これらの周波数チャンクは、干渉を最小限に抑えるために、特定の方向にのみ、またはより少ない電力で使用される。
【0024】
並行して、UEクロスセル干渉はこれまで知られており、近隣セル測定を行うUEによって解決され、したがって、近隣SSブロック、特にPSSおよびSSSシーケンスの知識を有することで、UEはその受信シーケンスからSSブロック信号を減算することができる。この方法はUE中心であり、UE側でのみ干渉を解決し、そのような受信機は干渉除去受信機と呼ばれる。つまり、近隣セル測定を行いながら近隣セルに関する情報を受信すると、それらの所望信号を受信しながらより良好な信号対雑音比を達成するためにそれらを減算する。
【0025】
したがって、当技術分野では、さらなる代替的かつ有利な解決策が望ましいであろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0026】
発明の概要
本発明は、基地局クロス干渉を緩和することを目的とする。ここで、ネットワーク支援基地局クロス干渉はこれまで一度も対処されたことがなく、したがって、同期以外の方法は関連する解決策として展開されなかったことに留意されたい。
【課題を解決するための手段】
【0027】
本発明は、その最も広い意味で、基地局において、交差分割複信(XDD)コンテキストにおけるアップリンク周波数領域を動的に処理する方法として定義され、前記方法は、以下のステップを含む:
-より大きなダウンリンク周波数領域を有する別の基地局からUL/DL分割に関する情報を受信するステップ、
-自身のUL/DL分割に関する回答情報を送信するステップ、
-UL/DL分割情報から少なくとも干渉周波数領域を決定するステップ、
-干渉周波数領域におけるダウンリンクコンテンツに関する追加情報を他の基地局から受信するステップ、
-干渉周波数領域において他の基地局によって提供されたダウンリンクコンテンツを考慮に入れて、干渉周波数領域において受信された信号を処理するステップ。
【0028】
したがって、本発明は、減算することができる、ダウンリンクにおける信号に関連するセルラエンティティ間のシグナリングを提供する。したがって、クロスリンク干渉を引き起こす基地局は、干渉を引き起こす周波数チャンクの使用/コンテンツに関する追加情報を提供する。従来技術から公知の干渉補正とは対照的に、基地局は測定を行わず、他の基地局によって提供される追加情報に従ってコンテンツを減算するだけである。基地局は、適用されたUL/DL比に関する情報だけでなく、干渉周波数領域で使用されるセル固有信号に関する情報も交換する。
【0029】
干渉周波数領域のコンテンツに関する追加情報により、基地局は干渉周波数領域内の他の基地局によって送信されたコンテンツを知ることができ、受信信号間で考慮する必要がなくなる。典型的には、その後、数学的信号除去を実行することができる。本発明により、そのような除去を可能にする、干渉を引き起こす周波数チャンクの使用/コンテンツに関する追加情報が提供される。干渉を受ける基地局は、XDD干渉抑圧を行うことができる。情報交換は、BSクロスリンク干渉を排除することを可能にする。
【0030】
有利には、干渉周波数領域のコンテンツに関する追加情報は、干渉周波数領域において他の基地局によって送信されたコンテンツを基地局が知ることを可能にし、干渉周波数領域において受信された信号を処理するステップは、干渉周波数領域においてそのようなコンテンツを減算することを含む。
【0031】
これは、基地局が干渉周波数領域内のコンテンツ、すなわちそれが知っているかまたはそれを知る手段を有するコンテンツを単に減算するのに有利である。
【0032】
一実施形態では、干渉周波数領域において近隣の基地局によって送信されるコンテンツは、反復定数信号を含む。
【0033】
これは、変化しないセル固有情報を配置するので有利であり、干渉周波数領域における干渉信号の除去を単純化するために好ましい。有利なことに、そのような情報は、プライバシーおよびセキュリティ上の理由から個別に暗号化されるのではなく、セル固有の情報を指す。したがって、情報は経時的に一定のままであり、一度だけ提供されればよい。
【0034】
有利には、追加情報は、基地局が干渉周波数領域内の受信信号からそれを減算することができるようにするために、少なくとも一度、反復定数信号を含む。
【0035】
このコンテンツは、ここでは追加情報で直接提供される。
コンテンツの性質は、基地局がこのコンテンツを既に一度受信しており、それを検索できる限り、または基地局がこのコンテンツを知っている限り、追加情報で指定することもできる。
【0036】
したがって、それは、近隣セルに一度提供することができる、または近隣セルによっても知られている信号および情報に特に適合される。それに応じて、BSクロス干渉を排除するために受信信号から減算され、ULで送信している自身のUEからのUE信号のみが残る。
【0037】
有利には、反復定数信号は2つの基地局間で共通である。
これは、典型的には同期信号とすることができ、その一部はすべての基地局に共通であり、したがって基地局によって減算することが容易である。SSブロックは、実際に、干渉周波数信号に導入することができる最も単純かつ最も平易なコンテンツである。
【0038】
したがって、一実施形態によれば、反復定数信号は、以下の中から選択される:
-PSS、SSS、およびPBCHを含むSSブロック、
-BCH/ブロードキャスト情報、
-システム情報。
【0039】
したがって、本発明は、典型的には、必要に応じて近隣セルを介して提供されるシステム情報および関連する更新情報に関する情報を交換することに基づき、したがって、特定の干渉周波数領域におけるこれらの情報の展開のための調整を可能にする。
【0040】
さらなる実施形態では、干渉周波数領域のコンテンツは一時的な信号を含む。
そのような実施形態では、基地局が、本発明に従って交換される追加情報内の一時的な信号を少なくとも一度受信することが有用である。
【0041】
典型的には、一時的な信号はオンデマンドシステム情報である。
したがって、干渉周波数領域は、UEにオンデマンドシステム情報を送信するために、最大のダウンリンク周波数領域を有する基地局によって使用されることが好ましい。
【0042】
有利には、追加情報は、オンデマンドシステム情報がアクティブ化もしくは非アクティブ化されるか、またはMBMSブロードキャストされるときのそれぞれのシグナリングを含む。
【0043】
これにより、一時的な信号の発生またはそれらの変化に関する情報を提供することが可能になる。
【0044】
本発明は、静的手法と比較して柔軟性を可能にし、また、電力が低下し、したがって効率が低下したこのような重複帯域の使用を回避する。基地局は、干渉周波数領域で受信された信号内で除去することができるセル固有信号について通知される。
【0045】
この方法は、N2インタフェース、すなわち、基地局間の3GPP内で定義されるような基地局間のインタフェース上で大きなシグナリングフローを引き起こすことなく、クロスBS干渉を大幅に排除することを可能にする。情報交換は、基地局内干渉同期および通知のための特別な標準化されたコンテナにおいて実行されてもよい。情報交換はまた、基地局が同じベンダからのものである場合、すなわち基地局間のベンダ内干渉回避のための強化された手段を有する場合にも重要である専有のシグナリングによって実行または強化されてもよい。
【0046】
一実施形態によれば、より大きなダウンリンク周波数領域を有する別の基地局からのUL/DL分割に関する情報は、アップリンク周波数領域が逸脱しているという指示と、それが逸脱している側の指示とを含む。
【0047】
情報交換は、事前構成からどの方向のUL/DLにおいて領域/側が逸脱しているかを示す特定の事前構成に関する。
【0048】
有利には、UL/DL分割に関する情報に加えて、UL/DL切り替え周波数であるアップリンク境界が提供される。
【0049】
この情報を用いて、基地局は、少なくとも1つの境界を調整して干渉を照合および位置特定することができる。したがって、本発明の方法を実装する基地局は、どの領域UL、それぞれの領域DLが使用されるかを認識する。
【0050】
有利な実施形態によれば、UL/DL切り替え周波数である一般的なアップリンク境界は、前記周波数で動作するすべての基地局のUL/DL切り替えに同じ周波数を適用するために、関与するすべての基地局のネットワークエンティティによってシグナリングされる。
【0051】
したがって、干渉の影響を受ける周波数を1つの周波数領域のみに集中させることが有益であるため、本発明はさらに、UL/DL切り替えが行われる少なくとも1つの周波数境界のアライメントを考慮する。1つの周波数領域内の干渉を位置特定するために、前記アライメントは、有利には、すべての基地局に1つの切り替え境界を提供するネットワークエンティティによって行われる。したがって、上記のすべての情報交換は、前記領域を参照することができる。また、基地局のUL/DL割り当てが変更された場合の情報の交換および更新を容易にする。実際、この実施形態では、すべての基地局に対して直接、1つの周波数領域のみが影響を受ける。ULが内側周波数範囲に集中し、2つの横方向周波数領域が一方の側に固定されたUL/DL切り替え手法と比較して新たな干渉状況を経験するシナリオと比較して、明らかに有利である。
【0052】
別の有利な実施形態によれば、基地局が周波数リソースのULまたはDL割り当てを決定することができる最大許容UL/DL比は、ネットワークエンティティによってシグナリングされる。
【0053】
第1のUL/DL切り替え境界のアライメントに従って、最大許容UL/DL比、またはULもしくはDLのいずれかに使用されることが許容される周波数帯域幅も、ネットワークエンティティによって基地局に有利にシグナリングされる。これは、境界のうちの1つが位置合わせされるだけでなく、基地局が、どれが基地局干渉に最も影響を受けた領域であり得るかを評価することができるという利点を有する。したがって、クロス基地局干渉による影響を回避するための第1の予防措置を講じることができる。何を割り当てることができるか、および他者が反対方向に何を割り当てることができるか、したがって重要な領域/複数の領域は何であるかが分かっているため、境界が同期されていなくても依然として価値がある。
【0054】
有利には、本方法は、基地局の媒体アクセス制御において、他の基地局によってもULまたはDLに使用することができるUL/DL同期切り替え周波数およびそれぞれの最大許容UL/DL比に関するそれぞれの情報を受信するステップと、媒体アクセス制御のために、遅延クリティカルおよび高QoSセッションのために前記周波数領域を回避するリソース割り当てを実行するステップとをさらに含む。
【0055】
これは、いずれかの方向の割り当てのための集中UL/DL切り替えポイントおよび最大許容UL/DL比または周波数領域に関する情報、したがって他の基地局によってもULまたはDLに使用することができるスペクトル量が基地局媒体アクセス制御に認識され、媒体アクセス制御(MAC:medium access control)がそれに従ってリソース割り当てを実行することを意味する。
【0056】
したがって、基地局が最も影響を受けた周波数領域を評価することができるため、これはその近隣セルから情報を受信することなく行うことができる。その周波数領域では、それは、ユーザ機器との遅延クリティカルな情報交換に対するいかなる影響も回避するために、特にノンクリティカルな通信を配置することができる。この結果、周囲の基地局によってDLに使用され得る周波数領域以外の他の周波数領域に遅延クリティカル通信のULを配置することができる。したがって、近隣セルの自律UL/DL割当に関係なく、基地局クロス干渉は、基地局トラフィックニーズに応じてULまたはDLのいずれかが許容される前記周波数領域においてのみ発生することができる。この領域のためのさらなる調整は、どれが基地局クロス干渉の影響を受ける周波数範囲であり、それ自体の価値を有するかを知ることの利益とは無関係である。
【0057】
さらに、この情報に基づいて、基地局ベンダは、干渉の最小化または緩和のために基地局間に内部手段を追加することができる。実際、ベンダは何をする必要があるかを指定していない可能性があり、むしろ影響を受ける領域のみを指定している可能性があり、本発明はそのような状況において有利である。
【0058】
少なくとも、この潜在的な基地局クロス干渉領域外のそれぞれの5G QoSで遅延クリティカルまたは遅延に敏感なアプリケーションをスケジュールし、好ましくはバックグラウンドダウンロードまたはベストエフォートサービスなどの遅延の少ないクリティカルサービスにこの領域を割り当てることが可能である。これは、そのような情報の可用性が、スケジューリング目的のためにそのような情報を考慮する媒体アクセス制御(MAC)に特に適していることを意味する。
【0059】
本発明はまた、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法に従って、交差分割複信(XDD)コンテキストにおいてアップリンク周波数領域を動的に処理するように適合された基地局に関し、前記基地局は、以下を備える:
-UL/DL分割に関する情報と、干渉周波数領域に関連するダウンリンクコンテンツに関する追加情報とを交換するための送信/受信モジュール、
-UL/DL分割情報から少なくとも干渉周波数領域を決定し、干渉周波数領域内の別の基地局によって提供されたダウンリンクコンテンツを考慮に入れて、干渉周波数領域内で受信された信号を処理するための処理モジュール。
【0060】
前述および関連する目的を達成するために、1つ以上の実施形態は、以下で十分に説明され、特許請求の範囲で特に指摘される特徴を含む。
【0061】
図面の簡単な説明
以下の説明および添付の図面は、特定の例示的な態様を詳細に説明し、実施形態の原理が採用され得る様々な方法のうちの少数のみを示す。他の利点および新規な特徴は、図面と併せて考慮すると、以下の詳細な説明から明らかになり、開示された実施形態は、すべてのそのような態様およびそれらの均等物を含むことが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【
図1】5Gにおける時分割複信TDDの機能を概略的に例示する。
【
図2】
図2A~
図2Bは、異なるDL/UL比を有する2つの基地局のTDD周波数帯域におけるXDDを概略的に示す。
【
図3】基地局が異なるDL/UL比を有するXDDコンテキストで発生する干渉を概略的に示す。
【
図5】本発明による方法を実装する際に得られるXDD方式を示す。
【発明を実施するための形態】
【0063】
発明の実施形態の詳細な説明
本発明をより完全に理解するために、添付の図面を参照して本発明を詳細に説明する。詳細な説明は、本発明の好ましい実施形態として考えられるものを例示および説明する。当然のことながら、本発明の範囲から逸脱することなく、形態または詳細の様々な修正および変更を容易に行うことができることを理解されたい。したがって、本発明は、本明細書に示され説明される正確な形態および詳細に限定されず、本明細書に開示され、以下に特許請求される本発明の全体よりも少ないものに限定されないことが意図される。同じ要素は、異なる図面において同じ参照符号で指定されている。明確にするために、本発明の理解に有用な要素およびステップのみを図面に示し、説明する。
【0064】
図4は、本発明の方法の時間図である。第1のステップS1において、基地局gNB2は、近隣の基地局、ここではgNB1から、使用されたダウンリンク/アップリンク分割UL/DL_S1に関する指示を有するメッセージMS1を受信する。次いで、基地局gNB2はそれ自体で、ステップS2において、使用されたダウンリンク/アップリンク分割UL/DL_S2も示すメッセージMS2を少なくとも送信基地局gNB1に送信する。
【0065】
基地局間のこの情報交換により、使用されたUL/DL分割と、事前構成からの逸脱がどこで発生するかを知ることができる。そのような事前構成が
図2に示されており、アップリンクULは、ダウンリンクDL専用の2つの周波数チャンク間の周波数領域の中心にある。これにより、干渉元と、逸脱の影響を受けるクロスリンク干渉の影響を受ける周波数領域が明らかになる。gNB1のダウンリンクがgNB2におけるアップリンク受信に干渉する周波数領域/チャンクは、本発明のこの第1の情報交換段階の後に両方の基地局によって知られている。
【0066】
基地局gNB1は、次いで、影響を受けた領域US_IFの使用に関する情報を送信する可能性を有する。したがって、基地局gNB2は、ステップS3において、このような情報を受信する。本発明の好ましい実施形態によれば、この情報は、SSブロックおよびSIBの周期性ならびにタイミングを含む。
【0067】
より一般的には、影響を受ける領域US_IFの使用に関する情報は、近隣セルに一度提供することができるか、または近隣セルによっても知られている信号および情報を含むことが有利である。したがって、これは、受信信号からそれらを減算してBSクロス干渉を排除するのが簡単である。その場合、ULで送信している自身のUEからのUE信号のみが残る。
【0068】
これは、前記信号が、それぞれの使用されるRNTIを含めて近隣の基地局に一度転送され、その後、関連する保守情報のみが転送されることを意味する。事前の既知の信号の1つはPSSであり、すべての基地局について同一である一次同期シーケンスを意味する。他のSSSまたは領域SIBなどの事前の既知の信号については、それぞれの符号化/X-RNTIおよび保守情報のみが提供されればよい。
【0069】
事前の知識は、両方の基地局が同じ領域に属し、特定の領域固有のSIBが提供される場合に仮定することができ、したがって、前記SIBのコンテンツは同じであり、前記領域のすべての基地局によって先験的に知られている。前記送信に使用されるそれぞれの使用される符号化/X-RNTIが近隣の基地局にも利用可能にされ、前記情報がいつどの周期で提供/アクティブ化されるかの情報が提供/アクティブ化される場合、基地局は、前記送信からのBSクロス干渉を回避するためにその時間および周波数グリッドでそれを数学的に排除することができる。最も単純な状況では、基地局は同期され、すなわち同じタイミングを有し、したがって、適用されたタイミングのみが、排除のために近隣セルに提供される必要があり、そうでなければ、タイミング差がさらに評価される必要がある。
【0070】
次いで、ステップS4において、基地局gNB2は、受信したコンテキストから、適切な時間に基地局gNB1によって提供された情報に関連する信号を数学的に減算する。したがって、周辺のそのユーザ機器(UE)のUL受信を改善する。この実施形態によれば、基地局gNB2は、一定の干渉元信号を取り除く。
【0071】
有利な実施形態によれば、基地局gNB1はまた、領域SIBのアクティブ化、周波数周期性およびタイミングに関する情報AC_IFを、有利には開始/停止情報と共に送信する。したがって、ステップS5において、基地局gNB2は、このアクティブ化情報AC_IFを受信する。次いで、基地局gNB2は、適切な時間に、受信したコンテキストから関連する信号を数学的に減算することを可能にする。それは、そのUEのUL受信をさらに改善する。この実施形態は、ステップS6において、基地局gNB2が瞬間的な干渉元信号を取り除くことを可能にする。
【0072】
次いで、有利には、メンテナンスのために、基地局gNB1はまた、干渉に関する周波数チャンク内のSIBのコンテンツ変更またはスケジューリング変更に関する情報CH_IFを提供する。したがって、ステップS7において、基地局gNB2は、このメンテナンス情報CH_IFを受信する。次いで、基地局gNB2は、干渉処理のメンテナンスを実行することが可能となる。
【0073】
ここでは、セル間のUL/DL不均衡が変化し得ることに留意されたいが、ここでは、変化はむしろより長い時間ベースであり、上述のメカニズムを適合させるために関連情報も交換される。また、すべての基地局が同じUL/DL比に採用されている場合、クロス干渉は発生しない。
【0074】
図5は、基地局のクロスリンク干渉が1つの周波数領域/チャンクにどのように集中するかを概略的に示す。この好ましい実施形態によれば、実行可能であれば、基地局のUL/DL配置は、差が片側のみにあるように調整される。複数の基地局が関与する場合、特定のUL/DLラスタも使用され得る。これは、必ずしも仕様の対象ではなく、ネットワークベンダの内部処理の対象である。基地局間でUL/DL使用量を定期的に交換することはまた、基地局がこの領域を使用しないことによって、もしくはこの領域をより少ない電力で使用することによって、または共通のセル固有情報を送信することによって干渉を引き起こすことを最小限に抑えることを可能にする。
【0075】
図5に示すように、より小さいDL帯域、すなわちより大きい受信帯域を有する基地局gNB2は、干渉周波数チャンクにおいてダウンリンクを提供するその近隣の基地局gNB1からの情報をさらに受信している。
【0076】
これは、中程度の逸脱のみの場合、すなわちSSブロック幅に関連する5または10または20MHz程度の場合に特に適合される。より小さいULは、全周波数領域の中心にある基地局gNB2によってもはや配置されない。それはむしろ、近隣セルのUL/DLクロス同期境界SBのうちの1つに適合する、すなわち、クロス干渉領域を片側にのみ位置を特定する。これが
図5に示されているものである。ここで、同期境界SBは、ネットワーク自体によって定義および送信することもできることに留意されたい。次いで、有利には、これを考慮に入れるために、関連する任意の基地局の媒体アクセス制御によって受信される。
【0077】
この場合、1つの周波数領域への干渉のアライメントを達成するために、ULからDLへの切り替えが実行される対応する周波数の1つは、ここでは、1つのネットワークエンティティによってすべての基地局にシグナリングされる固定切り替え周波数SBである。したがって、すべての干渉は、点線領域によって示される1つの周波数領域に割り当てられる。したがって、境界のうちの1つは、1つのネットワークエンティティによって固定的にシグナリングされ、したがって、すべての基地局は、この1つの固定切り替え周波数SBを有する。
【0078】
その結果生じるダウンリンク領域において、基地局gNB1は、典型的には、
図5に示すようにシステム情報SIBを送信する。これは、セル間のUL/DL逸脱がより小さい場合に、UL/DL比がSS-ブロックプロビジョニングのための十分な帯域幅を可能にするとすぐに可能である。クロスリンク干渉を引き起こす基地局gNB1は、この領域、特にPSS、SSS、およびPBCH(BCH corset 0)を含むSSブロックを送信しており、さらに他のシステム情報、すなわちオンデマンドのSIB1またはSIBが提供され得る。
【0079】
本発明の方法を実装する基地局は、セル固有信号、すなわちSSブロックおよびシステム情報、オンデマンドSIBのBCHプロビジョニング、またはクロスリンク干渉領域で提供されるサブセット0について通知される。情報が提供されると、オンデマンドSIBまたは他の変更のアクティブ化または非アクティブ化のみが示されればよい。前記領域で送信される信号全体を常にシグナリングすることは、トラフィックの観点からは適切な方法ではなく、SIBに関する情報、すなわちそれらのコンテンツおよびX-RNTIを知ることで、前記情報が転送される必要があるのは一度だけであり、新しいコンテンツ情報が変更されたときにのみ提供されればよい状況につながる。コンテンツが変更されないままである場合、干渉元の基地局によって近隣の基地局にシグナリングされる必要があるのは、オンデマンドのSIBのアクティブ化および非アクティブ化だけである。したがって、ここで、gNB2は、gNB1の送信されたSSブロックのタイミングおよび追加情報を知っており、それに応じてそのUL時間/周波数グリッドにおいてそれを排除することができる。
【0080】
したがって、本発明は、共通セル情報を好ましくはこれらの領域に割り当てることによって、XDD MNO内/周波数内重複周波数チャンクによる完全に柔軟な使用を可能にし、その結果、信号は、周期性および使用されたX-RNTI、すなわち共通識別情報を含むと、近隣の基地局に知られることができる。次いで、オンデマンドBCH情報が、現在のSSブロックに関連する領域、すなわちタイミングにおいてアクティブ化される場合、サブキャリアがそれぞれ使用される前記領域において、情報を連続的に提供するだけでよい。
【0081】
上記の詳細な説明では、本発明が実施され得る特定の実施形態を例示として示す添付の図面を参照する。これらの実施形態は、当業者が本発明を実施することを可能にするのに十分詳細に記載されている。したがって、上記の詳細な説明は、限定的な意味で解釈されるべきではなく、本発明の範囲は、適切に解釈される添付の特許請求の範囲によってのみ定義される。
【手続補正書】
【提出日】2024-07-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局において、交差分割複信(XDD)コンテキストにおけるアップリンク周波数領域を動的に処理するための方法であって、
-より大きなダウンリンク周波数領域を有する別の基地局からUL/DL分割に関する情報を受信することと、
-自身のUL/DL分割に関する情報を回答として送信することと、
-前記UL/DL分割情報から少なくとも干渉周波数領域を決定することと、
-干渉周波数領域における前記ダウンリンクコンテンツに関する追加情報を、前記別の基地局から受信することと、
-前記干渉周波数領域において前記別の基地局によって提供された前記ダウンリンクコンテンツを考慮に入れて、前記干渉周波数領域において受信された信号を処理することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記干渉周波数領域のコンテンツに関する追加情報が、前記干渉周波数領域において前記別の基地局によって送信された前記コンテンツを前記基地局が知ることを可能にし、前記干渉周波数領域において受信された信号を処理するステップが、前記干渉周波数領域におけるそのようなコンテンツを減算することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記干渉周波数領域の前記コンテンツが、反復定数信号を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記追加情報が、前記基地局が前記干渉周波数領域において前記受信された信号から前記反復定数信号を減算することができるようにするために、少なくとも一度、前記反復定数信号を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記反復定数信号が、2つの前記基地局間で共通である、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
反復定数信号が、
-PSS、SSS、およびPBCHを含むSSブロック、
-BCH/ブロードキャスト情報、
-システム情報、
-MBMSブロードキャスト
の中から選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記干渉周波数領域の前記コンテンツが一時的な信号を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
一時的な信号がオンデマンドシステム情報である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
追加情報が、オンデマンドシステム情報がアクティブ化または非アクティブ化されるときのそれぞれのシグナリングを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
より大きなダウンリンク周波数領域を有する別の基地局からのUL/DL分割に関する情報が、前記アップリンク周波数領域が逸脱しているという指示と、それが逸脱している側の指示とを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項11】
UL/DL分割に関する前記情報に加えて、UL/DL切り替え周波数であるアップリンク境界が提供される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記UL/DL切り替え周波数のうちの1つである共通周波数が、前記周波数で動作するすべての基地局のUL/DL切り替えに同じ周波数を適用するために、関与するすべての基地局のためのネットワークエンティティによってシグナリングされる、
請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記基地局が周波数リソースのULまたはDL割り当てを決定することができる最大許容UL/DL比が、ネットワークエンティティによってシグナリングされる、
請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記基地局の媒体アクセス制御において、他の基地局によってもULまたはDLに使用することができるUL/DL同期切り替え周波数およびそれぞれの最大許容UL/DL比に関するそれぞれの情報を受信することと、前記媒体アクセス制御のために、遅延クリティカルおよび高QoSセッションのために前記周波数領域を回避するリソース割り当てを実行することとをさらに含む、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
請求項1に記載の方法に従って、交差分割複信(XDD)コンテキストにおけるアップリンク周波数領域を動的に処理するように適合された基地局であって、
-UL/DL分割に関する情報、および干渉周波数領域に関連するダウンリンクコンテンツに関する追加情報を交換するための送信/受信モジュールと、
-前記UL/DL分割情報から少なくとも干渉周波数領域を決定し、前記干渉周波数領域において別の基地局によって提供された前記ダウンリンクコンテンツを考慮に入れて、前記干渉周波数領域において受信された信号を処理するための処理モジュールと
を備える、基地局。
【国際調査報告】