(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-22
(54)【発明の名称】免疫ストレスを受けている動物の栄養状態の改善方法
(51)【国際特許分類】
A23K 10/18 20160101AFI20250115BHJP
A61P 3/02 20060101ALI20250115BHJP
A61K 31/716 20060101ALI20250115BHJP
A61K 35/74 20150101ALI20250115BHJP
A61K 36/062 20060101ALI20250115BHJP
A61K 36/06 20060101ALI20250115BHJP
A61K 31/205 20060101ALI20250115BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20250115BHJP
A61P 37/02 20060101ALI20250115BHJP
A23K 20/163 20160101ALI20250115BHJP
A23K 20/142 20160101ALI20250115BHJP
【FI】
A23K10/18
A61P3/02
A61K31/716
A61K35/74 B
A61K36/062
A61K36/06 Z
A61K31/205
A61P43/00 121
A61P37/02
A23K20/163
A23K20/142
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535935
(86)(22)【出願日】2022-12-19
(85)【翻訳文提出日】2024-08-09
(86)【国際出願番号】 US2022081979
(87)【国際公開番号】W WO2023115066
(87)【国際公開日】2023-06-22
(32)【優先日】2021-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516001834
【氏名又は名称】エランコ・ユーエス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Elanco US Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100156144
【氏名又は名称】落合 康
(72)【発明者】
【氏名】フリーセン,キム
(72)【発明者】
【氏名】ソング,ラン
(72)【発明者】
【氏名】マッサー,ロブ
【テーマコード(参考)】
2B150
4C086
4C087
4C206
【Fターム(参考)】
2B150AA02
2B150AA03
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(57)【要約】
βグルカン、酵母細胞壁、直接給餌微生物(酵母+DFM)およびL-カルニチンを含む組成物、ならびに動物に組成物を投与することにより動物において栄養状態を改善し、成長能力および生存能力を改善するために組成物を使用する方法を開示する。重要なことに、酵母+DFMをL-カルチニンと組み合わせて投与することは、動物の循環ビタミンAの不十分なレベルの相乗的な回復をもたらす。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
栄養状態の改善を必要とする免疫学的ストレスを受けている非ヒト動物の栄養状態を改善する方法であって、該方法は、βグルカン、酵母細胞壁、直接給餌微生物(酵母+DFM)およびL-カルニチンを含む組成物を動物に経口投与することを含み、動物の栄養状態の改善は、動物の循環ビタミンAの不十分なレベルが循環ビタミンAの十分なレベルに回復することを含み、酵母+DFMをL-カルチニンと組み合わせて投与することは、動物の循環ビタミンAの不十分なレベルの相乗的な回復をもたらす、方法。
【請求項2】
ビタミンAの不十分なレベルが、約0.15ppm未満であり、ビタミンAの十分なレベルが、約0.15ppm以上、約0.15ppm~約0.2ppm、または約0.2ppm以上である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
動物が、負荷に反応して免疫学的ストレスを受けている、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
動物が、微生物感染、誘発性炎症(ワクチン接種)、心的外傷(離乳)および身体的外傷より選択されるストレッサーに反応して免疫学的ストレスを受けている、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
動物が、離乳に反応して免疫学的ストレスを受けている、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
動物が、ワクチン接種に反応して免疫学的ストレスを受けている、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
組成物が、離乳開始時に動物に投与される、請求項3に記載の方法。
【請求項8】
酵母+DFMをL-カルチニンと組み合わせて動物に投与することが、動物の成長能力および生存能力を改善する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
成長能力が、ADGおよび飼料要求率を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
動物が、ブタである、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
飼料組成物が、サプリメント中、酵母、DFM、L-カルニチンをそれぞれ約89%、約1%、約10%の割合で含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
組成物が、飼料組成物中、約0.3ポンド/トン~約0.6ポンド/トンの含有割合または約0.9ポンド/トン~約1.1ポンド/トンの含有割合で投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
成長能力および生存能力の改善を必要とする動物の成長能力および生存能力を改善する方法であって、該方法は、βグルカン、酵母細胞壁、直接給餌微生物(酵母+DFM)およびL-カルニチンを含む組成物を動物に経口投与することを含み、動物の成長能力および生存能力の改善は、動物の循環ビタミンAの不十分なレベルが循環ビタミンAの十分なレベルに回復することを含み、酵母+DFMをL-カルチニンと組み合わせて投与することは、動物の循環ビタミンAの不十分なレベルの相乗的な回復をもたらす、方法。
【請求項14】
動物が、免疫学的ストレスを受けている、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
免疫学的ストレスの減少を必要とする動物の免疫学的ストレスを減少させる方法であって、該方法は、βグルカン、酵母細胞壁、直接給餌微生物(酵母+DFM)およびL-カルニチンを含む組成物を動物に経口投与することを含み、動物の免疫学的ストレスの減少は、動物の循環ビタミンAの不十分なレベルを循環ビタミンAの十分なレベルに回復することを含み、酵母+DFMをL-カルチニンと組み合わせて投与することは、動物の循環ビタミンAの不十分なレベルの相乗的な回復をもたらす、方法。
【請求項16】
動物が、免疫学的ストレスを受けている、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
動物の成長ポテンシャルおよび生存能力を予測する方法であって、該方法は、循環ビタミンAのレベルを測定すること、循環ビタミンAのレベルを成長ポテンシャルと相関させることを含み、循環ビタミンのレベルは、成長ポテンシャルおよび生存能力と正の相関を示す、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2021年12月17日出願の米国仮出願第63/290,876号に基づく優先権を主張し、その内容全体は出典明示により本明細書の一部とする。
【0002】
(発明の分野)
動物の栄養状態を改善するための組成物および組成物の使用方法を開示する。
【背景技術】
【0003】
人口の増加に伴い、畜産による食料および食品の需要は大幅に増加すると予想される。商業的な養豚事業において、成長の早い動物は収益性が高く、体重増加は動物の栄養状態に直接影響される。
【0004】
具体的には、ブタにおいて、ビタミンAの血清濃度で測定されるレチノールの栄養状態は、離乳前の授乳中のブタおよび離乳後のブタの成長率および生存能力と正の相関関係にある。しかしながら、ビタミンAなどの栄養素の食餌からの補給は、National Research Council(NRC;2012)によって決定された栄養所要量に基づいて十分であるが、身体的、心理的および環境的ストレス、PRRSおよびSIVなどのウイルス感染、ならびに大腸菌およびサルモネラ菌などの細菌感染を含むがこれらに限定されない免疫学的負荷下では、栄養不足が依然として生じる。ブタは、これらの免疫学的ストレスに反応して、免疫反応を起こし(これは栄養素を成長から免疫系に振り分ける)、飼料消費を減らす(これは栄養摂取をさらに減らす)。これらの生理学的反応は、免疫学的ストレス下で栄養欠乏を引き起こす。多くの場合、単に食餌からの栄養供給を増やすだけでは、これらの課題を克服できない。
【0005】
これらの課題に対処するには、ビタミンAの状態を回復し、免疫系の上方制御による成長および生存能力への悪影響を打ち消す飼料添加物が必要である。
【発明の概要】
【0006】
本開示の一態様は、栄養状態の改善を必要とする免疫学的ストレスを受けている非ヒト動物の栄養状態を改善する方法を含む。該方法は、βグルカン、酵母細胞壁、直接給餌微生物(酵母+DFM)およびL-カルニチンを含む組成物を動物に経口投与することを含み、動物の栄養状態の改善は、動物の循環ビタミンAの不十分なレベルが循環ビタミンAの十分なレベルに回復することを含み、酵母+DFMをL-カルチニンと組み合わせて投与することは、動物の循環ビタミンAの不十分なレベルの相乗的な回復をもたらす。
【0007】
いくつかの態様において、ビタミンAの不十分なレベルは、約0.15ppm未満であり、ビタミンAの十分なレベルは、約0.15ppm以上、約0.15ppm~約0.2ppm、または約0.2ppm以上である。
【0008】
動物は、負荷に反応して免疫学的ストレスを受けている動物であり得る。いくつかの態様において、動物は、微生物感染、誘発性炎症(ワクチン接種)、心的外傷(離乳)および身体的外傷より選択されるストレッサーに反応して免疫学的ストレスを受ける。いくつかの態様において、動物は、離乳に反応して免疫学的ストレスを受ける。いくつかの態様において、動物は、ワクチン接種に反応して免疫学的ストレスを受ける。
【0009】
組成物は、離乳開始時に動物に投与され得る。いくつかの態様において、酵母+DFMをL-カルチニンと組み合わせて動物に投与することは、動物の成長能力および生存能力を改善する。いくつかの態様において、成長能力は、ADGおよび飼料要求率を含む。
【0010】
いくつかの態様において、動物は、ブタである。動物がブタであるとき、飼料組成物は、サプリメント中、酵母、DFM、L-カルニチンをそれぞれ約89%、約1%、約10%の割合で含み得る。いくつかの態様において、組成物は、飼料組成物中、約0.3ポンド/トン~約0.6ポンド/トンの含有割合または約0.9ポンド/トン~約1.1ポンド/トンの含有割合で投与される。
【0011】
本開示の別の態様は、成長能力および生存能力の改善を必要とする動物の成長能力および生存能力を改善する方法を含む。該方法は、βグルカン、酵母細胞壁、直接給餌微生物(酵母+DFM)およびL-カルニチンを含む組成物を動物に経口投与することを含み、動物の成長能力および生存能力の改善は、動物の循環ビタミンAの不十分なレベルが循環ビタミンAの十分なレベルに回復することを含み、酵母+DFMをL-カルチニンと組み合わせて投与することは、動物の循環ビタミンAの不十分なレベルの相乗的な回復をもたらす。いくつかの態様において、動物は、免疫学的ストレスを受けている。
【0012】
本開示の更なる態様は、免疫学的ストレスの減少を必要とする動物の免疫学的ストレスを減少させる方法を含む。該方法は、βグルカン、酵母細胞壁、直接給餌微生物(酵母+DFM)およびL-カルニチンを含む組成物を動物に経口投与することを含み、動物の免疫学的ストレスの減少は、動物の循環ビタミンAの不十分なレベルを循環ビタミンAの十分なレベルに回復することを含み、酵母+DFMをL-カルチニンと組み合わせて投与することは、動物の循環ビタミンAの不十分なレベルの相乗的な回復をもたらす。いくつかの態様において、動物は、免疫学的ストレスを受けている。
【0013】
本開示の一態様は、動物の成長ポテンシャルおよび生存能力を予測する方法を含む。該方法は、循環ビタミンAのレベルを測定すること、循環ビタミンAのレベルを成長ポテンシャルと相関させることを含む。循環ビタミンのレベルは、成長ポテンシャルおよび生存能力と正の相関を示す。
【図面の簡単な説明】
【0014】
特許または出願ファイルは、少なくとも1つのカラーによる図面を含む。この特許または特許出願公開公報のカラー図面の写しは、請求および必要な費用の支払いの上、特許庁から提供される。
【0015】
【
図1】
図1は、離乳の前および後のブタにおける血清中のビタミンA濃度を示すプロットである。
【0016】
【
図2】
図2は、離乳時の血清中のビタミンAとC反応性タンパク質の濃度間の相関関係を示すプロットである。
【0017】
【
図3】
図3は、食餌処置による離乳の前および後のブタにおける血清中のビタミンA濃度の変化を示すプロットである。
【0018】
【
図4】
図4は、成長期のブタ(BWが60~200ポンド)における血清ビタミンAと飼料効率の相関関係を示すプロットである。
【0019】
【
図5】
図5は、成長期のブタ(BWが60~200ポンド)における血清ビタミンAと除去率の相関関係を示すプロットである。
【0020】
【
図6】
図6は、離乳時から肥育期終了時までのβグルカン/酵母細胞壁/直接給餌微生物/L-カルニチンの組合せ(Combo)の全成分または一部成分を給餌した肥育ブタにおける血清中のビタミンA濃度の変化を示すプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本開示は、免疫学的ストレスを受けている非ヒト動物にβグルカン、酵母細胞壁、直接給餌微生物(酵母+DFM)およびL-カルニチンを含む組成物を経口投与することが、免疫学的ストレスを受けている非ヒト動物の栄養状態を改善し、成長能力を増加させ、死亡率を減少させるという発見に基づく。
【0022】
重要なことに、本発明者らは、驚くべきことに、酵母+DFMをL-カルニチンと組み合わせて免疫学的ストレスを受けている非ヒト動物に投与することにより、動物の栄養状態、成長能力および生存能力が相乗的に改善されることを発見した。これは、酵母+DFMをL-カルニチンと組み合わせて摂取した動物が、酵母+DFMまたはL-カルニチンを別々に投与した場合に予測される改善より高いレベルの改善を示すためである。
【0023】
I. 飼料組成物
本開示の一態様は、非ヒト動物のための飼料組成物を含む。組成物は、L-カルニチンと組み合わせて、調合酵母および「直接給餌微生物」(酵母+DFM)を添加した基礎動物食餌を含む。酵母、DFM、L-カルニチンの濃度は、サプリメント中それぞれ89%、1%、10%である。
【0024】
(a) 直接給餌微生物(Direct Fed Microbial、DFM)
本明細書で用いる用語「直接給餌微生物」(DFM)は、動物が摂取すると健康上の利益を提供する、プロバイオティクスまたはプレバイオティクスの生きた微生物を指すために用いられる。
【0025】
非限定的な例として、酵母DFMは、サッカロミセス・ビスポラス(Saccharomyces bisporus)、サッカロミセス・ボウラディ(Saccharomyces boulardii)、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、サッカロミセス・カプスラリス(Saccharomyces capsularis)、サッカロミセス・デルブリッキー(Saccharomyces delbrueckii)、サッカロミセス・ファーメンタティ(Saccharomyces fermentati)、サッカロミセス・ルドウィギ(Saccharomyces lugwigii)、サッカロミセス・ミクロエリプソイデス(Saccharomyces microellipsoides)、サッカロミセス・パストリアヌス(Saccharomyces pastorianus)、サッカロミセス・ロゼイ(Saccharomyces rosei)、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、カンジダ・クロアセアエ(Candida cloaceae)、カンジダ・トロピカリス(Candida tropicalis)、カンジダ・ウティリス(Candida utilis)、ジオトリクム・カンディダム(Geotrichum candidum)、ハンゼヌラ・アメリカーナ(Hansenula americana)、ハンゼヌラ・アノマラ(Hansenula anomala)、ハンゼヌラ・ウィンゲイ(Hansenula wingei)およびアスペルギルス・オリゼー(Aspergillus oryzae)を含み得る。
【0026】
細菌DFMの非限定的な例としては、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、ビフェドバクト・サーモフィラム(Bifedobact thermophilum)、ビフェドバクト・ロンハム(Bifedobat longhum)、ストレプトコッカス・フェシウム(Streptococcus faecium)、バチルス・プミラス(Bacillus pumilus)、バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)、ビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidium)、プロピオニバクテリウム・アシディプロピオニシ(Propionibacterium acidipropionici)、プロピオニバクテリウム・フロイデンライヒ(Propionibacteriium freudenreichii)およびビフィドバクテリウム・シュードロングム(Bifidobacterium pscudolongum)が挙げられる。
【0027】
飼料組成物中のDFMの量は、DFM、飼料組成物を投与される非ヒト動物の種類、非ヒト動物の体重、性別および健康状態などの変数に応じて変化し得て、実験的に決定できる。好ましくは、本開示の飼料組成物に適したDFMは、バチルス・リケニフォルミスである。飼料組成物のDFMがバチルス・リケニフォルミスであるとき、飼料組成物中のバチルス・リケニフォルミスの濃度は、約1×101cfu/g飼料~約1×1010cfu/g飼料、約1×101cfu/g飼料~約1×106cfu/g飼料、約1×105cfu/g飼料~約1×1010cfu/g飼料、または約1×103cfu/g飼料~約1×108cfu/g飼料の範囲であり得る。好ましくは、バチルス・リケニフォルミス濃度は、約1×104~約1×106cfu/g飼料である。
【0028】
(b) 調合酵母(Formulated Yeast)
本明細書で用いる調合酵母は、全調合酵母の重量の約25~100%を占めるサッカロミセス・セレビシエ酵母抽出物と、全調合酵母の重量の約0~40%を占める加水分解酵母と、全調合酵母の重量の約0~50%を占める酵母培養物の組合せを含み得る。調合酵母はまた、全調合酵母の重量の約0~50%を占める石灰石を含み得る。
【0029】
調合酵母は、食品または医薬用途で使用するのに一般的に安全とみなされる酵母であれば、あらゆる酵母であり得る。調合酵母由来産物の非限定的な例としては、酵母細胞壁由来成分、例えばβグルカン類、アラビノキシランイソマルトース、アガロオリゴ糖、ラクトスクロース、シクロデキストリン、ラクトース、フルクトオリゴ糖類、ラミナリヘプタオース、ラクツロース、βガラクトオリゴ糖類、マンナンオリゴ糖類、ラフィノース、スタキオース、オリゴフルクトース、グルコシルスクロース、スクロース熱オリゴ糖、イソマルツロース、カラメル、イヌリンおよびキシロオリゴ糖を含み得る。一態様において、調合酵母としては、βグルカン類および/またはマンナノオリゴ糖類が挙げられ得る。酵母細胞壁由来成分の供給源は、サッカロミセス・ビスポラス、サッカロミセス・ボウラディ、サッカロミセス・セレビシエ、サッカロミセス・カプスラリス、サッカロミセス・デルブリッキー、サッカロミセス・ファーメンタティ、サッカロミセス・ルドウィギ、サッカロミセス・ミクロエリプソイデス、サッカロミセス・パストリアヌス、サッカロミセス・ロゼイ、カンジダ・アルビカンス、カンジダ・クロアセアエ、カンジダ・トロピカリス、カンジダ・ウティリス、ジオトリクム・カンディダム、ハンゼヌラ・アメリカーナ、ハンゼヌラ・アノマラ、ハンゼヌラ・ウィンゲイおよびアスペルギルス・オリゼーが挙げられる。
【0030】
調合酵母はまた、ペプチドグリカンなどの細菌細胞壁由来物質、およびペプチドグリカン含有量の高いグラム陽性菌由来の他の成分を含み得る。例示的なグラム陽性菌としては、ラクトバチルス・アシドフィルス、ビフェドバクト・サーモフィラム、ビフェドバクト・ロンハム、ストレプトコッカス・フェシウム、バチルス・プミラス、バチルス・ズブチリス、バチルス・リケニフォルミス、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・カゼイ、エンテロコッカス・フェシウム、ビフィドバクテリウム・ビフィダム、プロピオニバクテリウム・アシディプロピオニシ、プロピオニバクテリウム・フロイデンライヒおよびビフィドバクテリウム・シュードロングムが挙げられる。
【0031】
本開示の飼料組成物中の調合酵母の濃度は、調合酵母、飼料組成物を投与される非ヒト動物の種類、非ヒト動物の体重、性別および健康状態などの変数に応じて変化し得て、実験的に決定できる。例えば、飼料組成物中の調合酵母の濃度は、約0.01ポンド/トン飼料~約1ポンド/トン飼料、約0.1ポンド/トン飼料~約2ポンド/トン飼料、約0.5ポンド/トン飼料~約1ポンド/トン飼料、または約0.1ポンド/トン飼料~約1ポンド/トン飼料の範囲であり得る。いくつかの態様において、飼料組成物中のトウガラシ産物の濃度は、約0.3ポンド/トン飼料~約1.0ポンド/トン飼料の範囲であり得る。
【0032】
(c) 基礎動物食餌(Basal animal diet)
本開示の飼料組成物に適した基礎動物食餌は、対象とする動物、動物の体重および動物の成長段階などの変数に応じて変化し得る。
【0033】
用語「飼料(feed)」、「餌(food)」および「飼料配合物(feed formulation)」は、本明細書において相互交換可能に用いられ、動物に通常与えられるあらゆる飼料組成物を指し得る。動物に通常与えられる基礎動物食餌は、当該技術分野で公知である。基礎動物食餌は、動物飼料の1つ以上の成分を含み得る。飼料物質または動物飼料物質の非限定的な例としては、トウモロコシまたはトウモロコシの成分、例えば、トウモロコシミール、トウモロコシ繊維、トウモロコシ殻、トウモロコシDDGS(可溶性物質を含む蒸留乾燥穀物)、サイレージ、粉砕トウモロコシ、トウモロコシ胚芽、トウモロコシグルテン、トウモロコシ油、またはトウモロコシ植物のその他の部分;大豆または大豆の成分、例えば、大豆油、大豆ミール、大豆殻、大豆サイレージ、粉砕大豆、または大豆植物のその他の部分;小麦または小麦の成分、例えば、小麦ミール、小麦繊維、小麦殻、小麦もみ殻、粉砕小麦、小麦胚芽、または小麦植物のその他の部分;米または米の成分、例えば、米ミール、米繊維、米殻、米もみ殻、粉砕米、米胚芽、または米植物のその他の部分;キャノーラ、例えば、キャノーラ油、キャノーラミール、キャノーラタンパク質、キャノーラ殻、粉砕キャノーラ、またはキャノーラ植物のその他の部分;ヒマワリまたはヒマワリ植物の成分;モロコシまたはモロコシ植物の成分;テンサイまたはテンサイ植物の成分;サトウキビまたはサトウキビ植物の成分;大麦または大麦植物の成分;パーム油、パーム核またはパーム植物の成分;グリセロール;コーンスティープリカー;農業加工施設からの廃棄流;レシチン;第一胃保護脂肪;糖蜜;大豆糖蜜;亜麻;ピーナッツ;エンドウ豆;オート麦;牧草、例えばオーチャードグラスおよびフェスク;魚粉、肉骨粉;フェザーミール;および家禽副産物ミール;およびサイレージまたは干し草に使用されるアルファルファおよび/またはクローバー、および本明細書に記載の飼料成分のいずれかの様々な組合せ、または当該技術分野で一般的に知られている他の飼料成分が挙げられ得るが、これらに限定されない。当該技術分野で認識されるように、基礎動物食餌は、以下でさらに説明するアミノ酸、ビタミン、ミネラル、および他の飼料添加物、例えば他の種類の酵素、有機酸、精油、プロバイオティクス、プレバイオティクス、抗酸化剤、色素、固化防止剤などをさらに添加され得る。基礎動物食餌は、あらゆる動物対象への投与に配合され得る。動物対象は、以下でさらに説明する。
【0034】
基礎動物食餌は、所望により、少なくとも1つの更なる栄養物質および/または医薬物質を含み得る。例えば、少なくとも1つの更なる栄養物質および/または医薬物質は、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、抗酸化剤、プロバイオティクス、必須脂肪酸、および医薬的に許容される添加剤からなる群より選択され得る。組成物は、1つの更なる栄養成分および/または医薬成分、または前記更なる成分のいずれかの組合せを様々な量で含み得る。各更なる成分の適切な例は、以下で詳述する。
【0035】
A. ビタミン
所望により、動物飼料配合物は、1つ以上のビタミンを含み得る。食餌サプリメントでの使用に適したビタミンとしては、ビタミンC、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンB12、ビタミンK、リボフラビン、ナイアシン、ビタミンD、ビタミンB6、葉酸、ピリドキシン、チアミン、パントテン酸およびビオチンが挙げられる。ビタミンの形態としては、ビタミンの塩、ビタミンの誘導体、ビタミンと同じまたは類似の活性を有する化合物、およびビタミンの代謝物が挙げられる。
【0036】
動物飼料配合物は、本明細書に記載されるかまたは当該技術分野で知られているビタミンのいずれかの有効量の1つ以上の形態を含み得る。例示的なビタミンとしては、ビタミンK、ビタミンD、ビタミンCおよびビオチンが挙げられる。ビタミンの「有効量」は、典型的には、対象体に対する特定のビタミンの米国推奨一日摂取量(「RDA」)の少なくとも約10%の量を指す。しかしながら、RDAを超える特定のビタミンの量が、特定の動物に有益な場合があると企図される。例えば、あるビタミンの量は、適用可能なRDAを100%、200%、300%、400%、500%またはそれ以上超え得る。
【0037】
B. ミネラル
一般に、動物飼料配合物は、1つ以上のミネラルまたはミネラル源を含み得る。ミネラルの非限定的な例としては、カルシウム、鉄、クロミウム、銅、ヨウ素、亜鉛、マグネシウム、マンガン、モリブデン、リン、カリウムおよびセレニウムが挙げられるが、これらに限定されない。前記ミネラルのいずれかの適切な形態としては、可溶性ミネラル塩、難溶性ミネラル塩、不溶性ミネラル塩、キレート化ミネラル、ミネラル複合体、非反応性ミネラル、例えばカルボニルミネラルおよび還元ミネラル、およびこれらの組合せが挙げられる。
【0038】
一般的に言えば、動物飼料配合物は、本明細書に記載されるか、または当技術分野で知られているミネラルのいずれかの有効量の1つ以上の形態を含み得る。ミネラルの「有効量」は、典型的には、対象体に対する特定のミネラルの米国推奨一日摂取量(「RDA」)の少なくとも約10%の量を指す。しかしながら、RDAを超える特定のミネラルの量が、特定の対象体に有益な場合があると企図される。例えば、あるミネラルの量は、適用可能なRDAを100%、200%、300%、400%、500%またはそれ以上超え得る。典型的には、食餌サプリメント中含まれるミネラルの量は、1投与当たり約1mg~約1500mg、約5mg~約500mgまたは約50mg~約500mgの範囲であり得る。
【0039】
C. 必須脂肪酸
所望により、動物飼料配合物は、必須脂肪酸源を含み得る。必須脂肪酸は、単離され得て、必須脂肪酸を含有する油源または脂肪源であり得る。一態様において、必須脂肪酸は、少なくとも2つの炭素-炭素二重結合を一般にcis配置で有する多価不飽和脂肪酸(PUFA)であり得る。PUFAは、少なくとも18個の炭素原子を有する長鎖脂肪酸であり得る。PUFAは、第1の二重結合が炭素鎖のメチル末端(すなわち、カルボキシル酸基の反対側)から3番目の炭素-炭素結合に生じるオメガ3脂肪酸である。オメガ3脂肪酸の例としては、α-リノレン酸(18:3、ALA)、ステアリドン酸(18:4)、エイコサテトラエン酸(20:4)、エイコサペンタエン酸(20:5、EPA)、ドコサテトラエン酸(22:4)、n-3ドコサペンタエン酸(22:5、n-3DPA)、ドコサヘキサエン酸(22:6、DHA)が挙げられる。PUFAはまた、第1の二重結合がメチル末端から5番目の炭素-炭素結合に生じるオメガ5脂肪酸であり得る。代表的なオメガ5脂肪酸としては、ミリストレイン酸(14:1)、ミリストレイン酸エステル、ミリストレイン酸セチルが挙げられる。PUFAはまた、第1の二重結合がメチル末端から6番目の炭素-炭素結合に生じるオメガ6脂肪酸であり得る。オメガ6脂肪酸の例としては、リノール酸(18:2)、γリノレン酸(18:3)、エイコサジエン酸(20:2)、ジホモ-γリノレン酸(20:3)、アラキドン酸(20:4)、ドコサジエン酸(22:2)、アドレン酸(22:4)、n-6ドコサペンタエン酸(22:5)が挙げられる。脂肪酸はまた、オメガ9脂肪酸、例えばオレイン酸(18:1)、エイコセン酸(20:1)、ミード酸(20:3)、エルカ酸(22:1)、ネルボン酸(24:1)であり得る。
【0040】
別の態様において、必須脂肪酸源は、海産物由来の油であり得る。海産物は、脊椎動物の魚または海洋生物であり得て、油は、魚油または海洋油であり得る。長鎖(20C、22C)オメガ3およびオメガ6脂肪酸は、海産物に含まれている。海産物中のオメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸の比率は、約8:1~20:1の範囲である。オメガ3脂肪酸が豊富な油が得られる海産物としては、アワビ、ホタテ、ビンナガマグロ、アンチョビ、ナマズ、ハマグリ、タラ、ジェムフィッシュ、ニシン、レイクトラウト、サバ、メンハーデン、オレンジラフィー、サケ、イワシ、ボラ、スズキ、サメ、エビ、イカ、マスおよびマグロが挙げられるが、これらに限定されない。
【0041】
さらに別の態様において、必須脂肪酸源は、植物由来の油であり得る。植物油(plant and vegetable oils)は、オメガ6脂肪酸が豊富である。亜麻仁油などの一部の植物由来の油は、オメガ3脂肪酸が特に豊富である。植物油または植物性油は、一般的には植物の種子から抽出されるが、植物の他の部分から抽出することもできる。調理または風味付けに通常用いられる植物油としては、アサイー油、アーモンド油、アマランサス油、アプリコット種子油、アルガン油、アボカド種子油、ババス油、ベン油、ブラックカラント種子油、ボルネオタローナッツ油、ボラージ種子油、バッファローカボチャ油、キャノーラ油、イナゴマメポッド油、カシュー油、ヒマシ油、ココナッツ油、コリアンダー種子油、トウモロコシ油、綿実油、月見草油、アマナズナ油、フラックス種子油、グレープ種子油、ヘーゼルナッツ油、ヘンプ種子油、カポック種子油、ラレマンティア油、アマニ油、マカダミア油、メドウフォーム種子油、マスタード種子油、オクラ種子油、オリーブ油、パーム油、パーム核油、ピーナッツ油、ピーカン油、ペキ油、ペリラ種子油、松の実油、ピスタチオ油、ケシ油、プルーン核油、カボチャ種子油、キノア油、ラムチル油、米ぬか油、ベニバナ、ゴマ油、ダイズ油、ヒマワリ油、茶油、アザミ油、クルミ油または小麦胚芽油が挙げられるが、これらに限定されない。植物由来油はまた、水素添加または部分水素添加であり得る。
【0042】
さらに別の態様において、必須脂肪酸源は、藻類由来であり得る。市販の藻類由来油としては、クリプテコディニウム・コーニー(Crypthecodinium cohnii)およびシゾキトリウム種(Schizochytrium sp.)が挙げられる。油が抽出される藻類の他の適切な種はとしては、アファニゾメノン・フロスアクアエ(Aphanizomenon flos-aquae)、バシリアロフィ種(Bacilliarophy sp.)、ボツリオコッカス・ブラウニ(Botryococcus braunii)、クロロフィセアエ種(Chlorophyceae sp.)、ドナリエラ・テルティオレクタ(Dunaliella tertiolecta)、ユーグレナ・グラシリス(Euglena gracilis)、イソクリシス・ガルバナ(Isochrysis galbana)、ナンノクロロプシス・サリナ(Nannochloropsis salina)、ナンノクロリス種(Nannochloris sp.)、ネオクロリス・オレオアバンダンス(Neochloris oleoabundans)、フェオダクティルム・トリコルヌツム(Phaeodactylum tricornutum)、プルウロクリシス・カーテラエ(Pleurochrysis carterae)、プリムネシウム・パルバム(Prymnesium parvum)、セネデスムス・ディモルファス(Scenedesmus dimorphus)、スピルリナ種(Spirulina sp.)およびテトラセルミス・チュイ(Tetraselmis chui)が挙げられる。
【0043】
D. アミノ酸
動物飼料配合物は、所望により、1個から数個のアミノ酸を含み得る。適切なアミノ酸としては、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシンおよびバリン、またはこれらの水酸化類似体が挙げられる。特定の態様において、アミノ酸は、必須アミノ酸より選択される。必須アミノ酸は、一般的に、生物によって新たに合成できないため、食事で供給されなければならないアミノ酸と説明される。非限定的な例として、ヒトの必須アミノ酸としては、L-ヒスチジン、L-イソロイシン、L-ロイシン、L-リジン、L-メチオニン、L-フェニルアラニン、L-バリンおよびL-スレオニンが挙げられる。
【0044】
E. 抗酸化剤
動物飼料配合物は、1つ以上の適切な抗酸化剤を含み得る。当業者に理解されるように、所与の抗酸化剤の適合性は、食餌サプリメントが投与される種に応じて変化する。抗酸化剤の非限定的な例としては、アスコルビン酸およびその塩、パルミチン酸アスコルビル、ステアリン酸アスコルビル、アノキソマー、N-アセチルシステイン、イソチオシアン酸ベンジル、o-、m-またはp-アミノ安息香酸(oはアントラニル酸、pはPABA)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、カフェ酸、カンタキサンチン、α-カロテン、β-カロテン、β-カラオテン(beta-caraotene)、β-アポカロテン酸、カルノソール、カルバクロール、カテキン、没食子酸セチル、クロロゲン酸、クエン酸およびその塩、p-クマル酸、クルクリン、3,4-ジヒドロキシ安息香酸、N,N'-ジフェニル-p-フェニレンジアミン(DPPD)、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジステアリル、2,6-ジ-tert-ブチルフェノール、没食子酸ドデシル、エデト酸、エラジ酸、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、エスクレチン、エスクリン、6-エトキシ-1,2-ジヒドロ-2,2,4-トリメチルキノリン、没食子酸エチル、エチルマルトール、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、オイゲノール、フェルラ酸、フラボノイド類、フラボン類(例えばアピゲニン、クリシン、ルテオリン)、フラボノール類(例えばダチセチン、ミリセチン、ダエンフェロ)、フラバノン類、フラキセチン、フマル酸、没食子酸、ゲンチアナ抽出物、グルコン酸、グリシン、グアイアカムガム、ヘスペレチン、α-ヒドロキシベンジルホスフィン酸、ヒドロキシ桂皮酸、ヒドロキシグルタル酸、ヒドロキノン、N-ヒドロキシコハク酸、ヒドロキシチロソール、ヒドロキシ尿素、乳酸およびその塩、レシチン、クエン酸レシチン;R-α-リポ酸、ルテイン、リコピン、リンゴ酸、マルトール、5-メトキシトリプタミン、没食子酸メチル、クエン酸モノグリセリド;クエン酸モノイソプロピル;モリン、β-ナフトフラボン、ノルジヒドログアイアレチン酸(NDGA)、没食子酸オクチル、シュウ酸、クエン酸パルミチル、フェノチアジン、ホスファチジルコリン、リン酸、リン酸塩、フィチン酸、フィチルビクロメル、没食子酸プロピル、ポリリン酸塩、ケルセチン、トランスレスベラトロール、ロスマリン酸、セサモール、シリマリン、シナピン酸、コハク酸、クエン酸ステアリル、シリンガ酸、酒石酸、チモール、トコフェロール類(すなわち、α-、β-、γ-およびδ-トコフェロール)、トコトリエノール類(すなわち、α-、β-、γ-およびδ-トコトリエノール)、チロソール、バニリン酸、2,6-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシメチルフェノール(すなわちIonox 100)、2,4-(トリス-3',5'-ビ-tert-ブチル-4'-ヒドロキシベンジル)-メシチレン(すなわちIonox 330)、2,4,5-トリヒドロキシブチロフェノン、ユビキノン、tert-ブチルヒドロキノン(TBHQ)、チオジプロピオン酸、トリヒドロキシブチロフェノン、トリプタミン、チラミン、尿酸、ビタミンKおよびその誘導体、ビタミンQ10、ゼアキサンチン、またはこれらの組合せが挙げられる。
【0045】
食餌サプリメント中に含まれ得る天然の抗酸化剤としては、リンゴ果皮抽出物、ブルーベリー抽出物、ニンジンジュース粉末、クローブ抽出物、コーヒーベリー、コーヒー豆抽出物、クランベリー抽出物、ユーカリ抽出物、ショウガ粉末、ブドウ種子抽出物、緑茶、オリーブ葉、パセリ抽出物、ペパーミント、ピメント抽出物、ポマース、ザクロ抽出物、米ぬか抽出物、ローズヒップ、ローズマリー抽出物、セージ抽出物、タルトチェリー抽出物、トマト抽出物、ターメリックおよび小麦胚芽油が挙げられるが、これらに限定されない。
【0046】
F. 抗炎症薬
動物飼料配合物は、所望により、少なくとも1つの抗炎症薬を含み得る。一態様において、抗炎症薬は、合成非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、例えばアセチルサリチル酸、ジクロフェナク、インドメタシン、オキサメタシン、イブプロフェン、インドプロフェン、ナプロキセン、ケトプロフェン、メフェナム酸、メタミゾール、ピロキシカムおよびセレコキシブであり得る。別の態様において、抗炎症薬は、炎症過程を調節するプロホルモンであり得る。この特性を有する適切なプロホルモンとしては、プロホルモンコンバターゼ1、プロオピオメラノコルチン、プロホルモンB型ナトリウム利尿ペプチド、SMR1プロホルモンなどが挙げられる。別の態様において、抗炎症薬は、抗炎症効果を有する酵素であり得る。抗炎症酵素の例としては、ブロメライン、パパイン、セラペプチダーゼ、およびタンパク質分解酵素、例えばパンクレアチン(トリプシンとアミラーゼとリパーゼの混合物)が挙げられる。
【0047】
さらに別の態様において、抗炎症薬は、抗炎症効果を有するペプチドであり得る。例えば、ペプチドは、ホスホリパーゼA2の阻害剤、例えば、リポコルチンのアミノ酸残基246~254に対応するペプチドであるアンチフラミン1、ウテログロビンのアミノ酸残基39~47に対応するペプチドであるアンチフラミン2、インターロイキン6とインターロイキン6受容体との相互作用を阻害するS7ペプチド、プレニルタンパク質阻害剤であるRP1、および類似のペプチドであり得る。あるいは、抗炎症ペプチドは、ソマトスタチンに関連する環状神経ペプチドであるコルチスタチン、またはSV-IVタンパク質のN末端フラグメント、E-、L-およびP-セレクチンの保存領域に対応するペプチドなどであり得る。他の適切な抗炎症調製物としては、コラーゲン加水分解物およびミルク微量栄養素濃縮物(例えばStolle Milk Biologics, Inc.(Cincinnati、OH)から入手可能なMicroLactin(登録商標))、ならびにミルクタンパク質加水分解物、カゼイン加水分解物、ホエータンパク質加水分解物および植物性タンパク質加水分解物が挙げられる。
【0048】
更なる態様において、抗炎症薬は、炎症を調節することが示されているプロバイオティクスであり得る。適切な免疫調節性プロバイオティクスとしては、乳酸菌、例えばアシドフィルス菌、ラクトバチルス菌およびビフィズス菌が挙げられる。さらに別の態様において、抗炎症薬は、抗炎症特性を有する植物抽出物であり得る。抗炎症効果を有する適切な植物抽出物の非限定的な例としては、ブルーベリー、ボスウェリア、アセンヤクノキおよびコガネバナ、セロリの種子、カモミール、サクランボ、デビルズクロー、ユーカリ、月見草、ショウガ、サンザシの果実、スギナ、カロパナックス・ピクタスの樹皮、カンゾウの根、ウコン、シロツメクサ、ヤナギの樹皮およびユッカが挙げられる。
【0049】
G. 薬草
動物飼料配合物は、所望により、少なくとも1つの薬草または薬草誘導体を含み得る。本明細書で用いる適切な薬草および薬草誘導体は、薬草抽出物、ならびに植物および植物の一部、例えば葉、花および根に由来する物質を指すが、これらに限定されない。限定されない例示的な薬草および薬草誘導体としては、アグリモニー、アルファルファ、アロエベラ、アマランサス、アンジェリカ、アニス、バーベリー、バジル、ベイベリー、ビーポーレン、バーチ、ビストート、ブラックベリー、ブラックコホシュ、ブラックウォルナット、ブレスドシスル、ブルーコホシュ、ブルーバーベイン、ボーンセット、ボリジ、ブチュ、バックソーン、ラグルウィード、バードック、カプシカム、カイエン、キャラウェイ、カスカラサグラダ、キャットニップ、セロリ、セントーリー、カモミール、チャパラル、チックウィード、チコリ、チンチョナ、クローブス、コルツフット、コンフリー、コーンシルク、カウチグラス、クランプバーク、カルバーズルート、シアニ、コーンフラワー、ダミアナ、ダンデライオン、デビルズクロー、ドンクワイ、エキナセア、エレカンペーン、エフェドラ、ユーカリプタス、イブニングプリムローズ、アイブライト、ニセユニコーン、フェンネル、フェヌグリーク、イチジク、フラックスシード、ニンニク、リンドウ、ショウガ、ジンセン、ゴールデンシール、ゴツコラ、ガムウィード、ホーソン、ホップ、ホーリハウンド、ホースラディッシュ、ホーステイル、ホショウウ、ハイドランジア、ヒソップ、アイスランドモス、アイリッシュモス、ホホバ、ジュニパー、ケルプ、レディーススリッパー、レモングラス、リコリス、ロベリア、マンドレイク、マリーゴールド、マジョラム、マシュマロ、ミスルトウ、ミュレイン、マスタード、ミルラ、ネトル、オートストロー、オレゴングレープ、パパイヤ、パセリ、パッションフラワー、ピーチ、ペニーロイヤル、ペパーミント、ペリウィンクル、プランテン、プルーリシールート、ポクウィード、プリッキーアッシュ、サイリウム、クイーンオブザメドウ、レッドクローバー、レッドラズベリー、レッドモンドクレイ、ルバーブ、ローズヒップ、ローズマリー、ルエ、ベニバナ、サフラン、セージ、セントジョーンズワート、サルサパリラ、サッサフラス、ソーパルメット、スカルキャップ、セネガ、センナ、シェパーズパース、スリッパリーエルム、スペアミント、スパイクナード、スクワバイン、スティリンジア、ストロベリー、タヒボ、タイム、ウバウルシ、バレリアン、バイオレット、ウォータークレス、ホワイトオークバーク、ホワイトパインバーク、ワイルドチェリー、ワイルドレタス、ワイルドヤム、ウィロー、ウィンターグリーン、ウィッチヘーゼル、ウッドベトニー、ワームウッド、ヤロウ、イエロードック、イエルバサンタ、ユッカ、およびこれらの組合せが挙げられる。
【0050】
H. 色素
動物飼料配合物は、所望により、少なくとも1つの色素を含み得る。適切な非限定的な色素としては、アクチノエリスリン、アリザリン、アロキサンチン、β-アポ-2'-カロテナール、アポ-2-リコペナール、アポ-6'-リコペナール、アスタセイン、アスタキサンチン、アザフリンアルデヒド、バクテリオルベリン(aacterioruberin)、アイキシン、α-カロチン、β-カロチン、γ-カロチン、β-カロテノン、カンタキサンチン、カプサンチン、カプソルビン、シトラナキサンチン、シトロキサンチン、クロセチン、クロセチンセミアルデヒド、クロシン、クルスタキサンチン、クリプトカプシン、α-クリプトキサンチン、β-クリプトキサンチン、クリプトモナキサンチン、シンチアキサンチン、デカプレノキサンチン、デヒドロアドニルビン、ジアジノキサンチン、1,4-ジアミノ-2,3-ジヒドロアントラキノン、1,4-ジヒドロキシアントラキノン、2,2'-ジケトスピリロキサンチン、エシュショルツキサンチン、エシュショルツキサントン、フレキシサンチン、フォリアクロム、フコキサンチン、ガザニアキサンチン、ヘキサヒドロリコペン、ホプキンシアキサンチン、ヒドロキシスフェリオデノン、イソフコキサンチン、ロロキサンチン、ルテイン、ルテオキサンチン、リコペン、リコペルセン、リコキサンチン、モリンドン、ムタトキサンチン、ネオクロム、ネオキサンチン、ノナプレノキサンチン、OH-クロロバクテン、オケノン、オシラキサンチン、パラセントロン、ペクテノロン、ペクテノキサンチン、ペリジニン、フレキサントフィル、フェニコノン、フェニコプテロン、フェニコキサンチン、フィザリエン、フィトフルエン、ピロキサンチニノール、キノン、ロドピン、ロドピナール、ロドピノール、ロドビブリン、ロドキサンチン、ルビキサントン、サプロキサンチン、セミ-α-カロテノン、セミ-β-カロテノン、シンタキサンチン、シフォナキサンチン、シフォネイン、スフェロイデン、タンゲラキサンチン、トルラロジン、トルラロジンメチルエステル、トルラロジンアルデヒド、トルレン、1,2,4-トリヒドロキシアントラキノン、トリファシアキサンチン、トロリクロム、バウケリアキサンチン、ビオラキサンチン、ワミンゴン、キサンチン、ゼアキサンチン、α-ゼアカロテン、またはこれらの組合せが挙げられる。
【0051】
I. 医薬的に許容される薬物
動物飼料配合物は、所望により、少なくとも1つの医薬的に許容される薬物を含み得る。適切な非限定的な医薬的に許容される薬物としては、酸/アルカリに不安定な薬物、pH依存性薬物、または弱酸もしくは弱塩基である薬物が挙げられる。酸に不安定な薬物の例としては、スタチン(例えば、プラバスタチン、フルバスタチンおよびアトルバスタチン)、抗生物質(例えば、ペニシリンG、アンピシリン、ストレプトマイシン、エリスロマイシン、クラリスロマイシンおよびアジスロマイシン)、ヌクレオシド類似体(例えば、ジデオキシイノシン(ddIまたはジダノシン)、ジデオキシアデノシン(ddA)、ジデオキシシトシン(ddC)、サリチル酸(例えば、アスピリン)、ジゴキシン、ブプロピオン、パンクレアチン、ミダゾラムおよびメサドンが挙げられる。酸性pHでのみ溶解する薬物としては、ニフェジピン、エモナプリド、ニカルジピン、アモスラロール、ノスカピン、プロパフェノン、キニーネ、ジピリダモール、ジョサマイシン、ジレバロール、ラベタロール、エニソプロストおよびメトロニダゾールが挙げられる。弱酸の薬物としては、フェノバルビタール、フェニトイン、ジドブジン(AZT)、サリチレート(例えばアスピリン)、プロピオン酸化合物(例えばイブプロフェン)、インドール誘導体(例えばインドメタシン)、フェナム酸化合物(例えばメクロフェナム酸)、ピロールアカン酸化合物(例えばトルメチン)、セファロスポリン(例えばセファロチン、セファラキシン、セファゾリン、セフラジン、セファピリン、セファマンドールおよびセフォキシチン)、6-フルオロキノロンおよびプロスタグランジンが挙げられる。弱塩基の薬物としては、アドレナリン作動薬(例えばエフェドリン、デオキシエフェドリン、フェニレフリン、エピネフリン、サルブタモールおよびテルブタリン)、コリン作動薬(例えばフィゾスチグミンおよびネオスチグミン)、鎮痙薬(例えばアトロピン、メタンテリンおよびパパベリン)、クラーレ様薬物(例えばクロリソンダミン)、精神安定薬および筋弛緩薬(例えばフルフェナジン、チオリダジン、トリフロペラジン、クロルプロマジンおよびトリフルプロマジン)、抗うつ薬(例えばアミトリプチリンおよびノルトリプチリン)、抗ヒスタミン薬(例えば、ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン、ジメンヒドリナート、トリペレナミン、ペルフェナジン、クロルプロフェナジンおよびクロルプロフェンピリダミン)、心作用薬(例えばベラパミル、ジルチアゼム、ガラポミル、シンナリジン、プロプラノロール、メトプロロールおよびナドロール)、抗マラリア薬(例えばクロロキン)、鎮痛薬(例えばプロポキシフェンおよびメペリジン)、抗真菌薬(例えばケトコナゾールおよびイトラコナゾール)、抗微生物薬(例えばセフポドキシム、プロキセチルおよびエノキサシン)、カフェイン、テオフィリンならびにモルヒネが挙げられる。別の態様において、薬物は、ビホスホネートまたは骨粗鬆症の処置に用いられる別の薬物であり得る。ビホスホネートの非限定的な例としては、アレンドロネート、イバンドロネート、リセドロネート、ゾレドロネート、パミドロネート、ネリドロネート、オルパドロネート、エチドロネート、クロドロネートおよびチルドロネートが挙げられる。他の適切な薬物としては、エストロゲン、選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)および副甲状腺ホルモン(PTH)薬が挙げられる。さらに別の態様において、薬物は、抗細菌薬であり得る。適切な抗生物質としては、アミノグリコシド(例えばアミカシン、ゲンタマイシン、カナマイシン、ネオマイシン、ネチルマイシン、ストレプトマイシンおよびトブラマイシン)、カルベセフェム(例えばロラカルベフ)、カルバペネム(例えばセルタペネム、イミペネムおよびメロペネム)、セファロスポリン(例えばセファドロキシル、セファゾリン、セファレキシン、セファクロル、セファマンドール、セファレキシン、セフォキシチン、セフプロジル、セフロキシム、セフィキシム、セフジニル、セフジトレン、セフォペラゾン、セフォタキシム、セフポドキシム、セフタジジム、セフチブテン、セフチゾキシムおよびセフトリアキソン)、マクロライド(例えばアジスロマイシン、クラリスロマイシン、ジリスロマイシン、エリスロマイシンおよびトロレアンドマイシン)、モノバクタム、ペニシリン(例えばアモキシシリン、アンピシリン、カルベニシリン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、ナフシリン、オキサシリン、ペニシリンG、ペニシリンV、ピペラシリンおよびチカルシリン)、ポリペプチド(例えばバシトラシン、コリスチンおよびポリミキシンB)、キノロン(例えばプロフロキサシン、エノキサシン、ガチフロキサシン、レボフロキサシン、ロメフロキサシン、モキシフロキサシン、ノルフロキサシン、オフロキサシンおよびトロバフロキサシン)、スルホンアミド(例えばマフェニド、スルファセタミド、スルファメチゾール、スルファサラジン、スルフィソキサゾールおよびトリメトプリム-スルファメトキサゾール)ならびにテトラサイクリン(例えばデメクロサイクリン、ドキシサイクリン、ミノサイクリンおよびオキシテトラサイクリン)が挙げられる。別の態様において、薬物は、抗ウイルスプロテアーゼ阻害薬(例えばアンプレナビル、ホスアンプレナビル、インジナビル、ロピナビル/リトナビル、リトナビル、サキナビルおよびネルフィナビル)であり得る。さらに別の態様において、薬物は、心血管薬であり得る。適切な心血管薬の例としては、強心薬(例えばジギタリス(ジゴキシン)、ユビデカレノンおよびドーパミン)、血管拡張薬(例えばニトログリセリン、カプトプリル、ジヒドララジン、ジルチアゼムおよび硝酸イソソルビド)、降圧薬(例えばα-メチルドパ、クロルタリドン、レセルピン、シロシンゴピン、レシンナミン、プラゾシン、フェントラミン、フェロジピン、プロパノロール、ピンドロール、ラベタロール、クロニジン、カプトプリル、エナラプリルおよびリソノプリル)、β遮断薬(例えばレボブノロール、ピンドロール、チモロールマレイン酸塩、ビソプロロール、カルベジロールおよびブトキサミン)、カルシウムチャネル遮断薬(例えばアムロジピン、フェロジピン、ニカルジピン、ニフェジピン、ニモジピン、ニソルジピン、ニトレンジピン、ラシジピン、レルカニジピン、ベラパミル、ガロパミルおよびジルチアゼム)、モネンシン、アビラマイシン、サリノマイシン、ナラシン、ジクラセロール、タイロシン、バシトラシン、バシトラシン亜鉛ならびに抗凝血薬(例えばジピリマドール)が挙げられる。
【0052】
J. 添加剤
動物飼料配合物に一般的に用いられる様々な添加剤は、活性成分との適合性に基づいて選択され得る。適切な添加剤の非限定的な例としては、非発泡性崩壊剤、着色剤、風味改良剤、経口分散剤、安定化剤、防腐剤、希釈剤、圧縮剤、滑沢剤、賦形剤、結合剤、味覚マスキング剤、発泡性崩壊剤、およびこれらの物質のいずれかの組合せからなる群より選択される物質が挙げられる。
【0053】
一態様において、添加剤は、結合剤である。適切な結合剤としては、デンプン、アルファー化デンプン、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルオキソアゾリドン、ポリビニルアルコール、C12-C18脂肪酸アルコール、ポリエチレングリコール、ポリオール、糖類、オリゴ糖類、ポリペプチド、オリゴペプチド、およびこれらの組合せが挙げられる。ポリペプチドは、約100ダルトン~約300,000ダルトンの範囲のアミノ酸の任意の配列であり得る。
【0054】
別の態様において、添加剤は、賦形剤であり得る。適切な賦形剤としては、炭水化物、無機化合物およびポリビニルピロリドンが挙げられる。非限定的な例として、賦形剤は、二塩基性および三塩基性の硫酸カルシウム、デンプン、炭酸カルシウムート、炭酸マグネシウム、結晶セルロース、二塩基性リン酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、ケイ酸カルシウム、タルク、加工デンプン、ラクトース、スクロース、マンニトールおよびソルビトールであり得る。
【0055】
添加剤は、非発泡性崩壊剤を含み得る。非発泡性崩壊剤の適切な例としては、デンプン、例えばトウモロコシスターチ、ポテトスターチ、それらのアルファー化および加工デンプン、甘味剤、クレイ、例えばベントナイト、結晶セルロース、アルギン酸、デンプングリコール酸ナトリウム、ガム、例えば寒天、グアー、ローカストビーン、カラヤ、ペクチンおよびトラガカントが挙げられる。
【0056】
別の態様において、添加剤は、発泡性崩壊剤であり得る。非限定的な例として、適切な発泡性崩壊剤としては、重炭酸ナトリウムとクエン酸の組合せおよび重炭酸ナトリウムと酒石酸の組合せが挙げられる。
【0057】
添加剤は、防腐剤を含み得る。防腐剤の適切な例としては、抗酸化剤、例えばa-トコフェロールまたはアスコルビン酸、および抗菌剤、例えばパラベン、クロロブタノールまたはフェノールが挙げられる。
【0058】
別の態様において、添加剤は、希釈剤を含み得る。使用に適した希釈剤としては、医薬的に許容される糖類、例えばスクロース、デキストロース、ラクトース、結晶セルロース、フルクトース、キシリトールおよびソルビトール;多価アルコール類;デンプン;あらかじめ調製された直接打錠希釈剤;および前記いずれかの混合物が挙げられる。
【0059】
添加剤は、香味剤を含み得る。外層に組み込まれる香味剤は、合成の香味油および香味芳香剤および/または天然の油、植物、葉、花、果実からの抽出物、およびこれらの組合せより選択され得る。例として、これらは、シナモン油、ウィンターグリーン油、ペパーミント油、クローバー油、干し草油、アニス油、ユーカリ、バニラ、レモン油、オレンジ油、ブドウおよびグレープフルーツ油などの柑橘類油、リンゴ、モモ、洋ナシ、イチゴ、ラズベリー、チェリー、プラム、パイナップルおよびアプリコットを含むフルーツエッセンスを含み得る。
【0060】
別の態様において、添加剤は、甘味剤を含み得る。非限定的な例として、甘味剤は、グルコース(トウモロコシシロップ)、デキストロース、転化糖、フルクトース、およびこれらの混合物(担体として用いられない場合);サッカリンおよびその様々な塩、例えばナトリウム塩;ジペプチド甘味剤、例えばアスパルテーム;ジヒドロカルコン化合物、グリチルリチン;ステビア(ステビオシド);スクロースのクロロ誘導体、例えばスクラロース;糖アルコール、例えばソルビトール、マンニトール、シリトールなどより選択され得る。
【0061】
別の態様において、添加剤は、滑沢剤であり得る。滑沢剤の適切な非限定的な例としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、水素添加植物油、ステロテックス、ポリオキシエチレンモノステアレート、タルク、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウムおよび軽質鉱油が挙げられる。
【0062】
添加剤は、分散促進剤であり得る。適切な分散剤は、デンプン、アルギン酸、ポリビニルピロリドン、グアーガム、カオリン、ベントナイト、精製木材セルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、イソアモルファスシリケートおよび結晶セルロースを高HLBの乳化界面活性剤として含み得る。
【0063】
態様に応じて、外層に着色剤を提供することが望ましい場合がある。適切な着色添加物としては、食品、医薬品、化粧品用着色剤(FD&C)、医薬品、化粧品用着色剤(D&C)、または外用医薬品および化粧品用着色剤(Ext. D&C)が挙げられる。これらの着色剤または染料は、対応するレーキならびに特定の天然および由来の着色剤と共に、態様に応じて本発明における使用に適している場合がある。
【0064】
添加剤は、味覚マスキング剤を含み得る。味覚マスキング物質としては、例えば、セルロースのヒドロキシプロピルエーテル(HPC)、例えばKlucel(登録商標)、Nisswo HPCおよびPrimaFlo HP22;低置換度ヒドロキシプロピルエーテル(L-HPC);セルロースのヒドロキシプロピルメチルエーテル(HPMC)、例えばSeppifilm-LC、Pharmacoat(登録商標)、Metolose SR、Opadry YS、PrimaFlo、MP3295A、Benecel MP824およびBenecel MP843;メチルセルロースポリマー、例えばMethocel(登録商標)およびMetolose(登録商標);エチルセルロース(EC)およびこれらの混合物、例えばE461、Ethocel(登録商標)、Aqualon(登録商標)-EC、Surelease;ポリビニルアルコール(PVA)、例えばOpadry AMB;ヒドロキシエチルセルロース、例えばNatrosol(登録商標);カルボキシメチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースの塩(CMC)、例えばAualon(登録商標)-CMC;ポリビニルアルコールおよびポリエチレングリコールコポリマー、例えばKollicoat IR(登録商標);モノグリセリド(Myverol)、トリグリセリド(KLX)、ポリエチレングリコール、加工食品デンプン、アクリルポリマーおよびアクリルポリマーとセルロースエーテルの混合物、例えばEudragit(登録商標)EPO、Eudragit(登録商標)RD100およびEudragit(登録商標)E100;酢酸フタル酸セルロース;sepifilm、例えばHPMCとステアリン酸の混合物、シクロデキストリン、およびこれらの物質の混合物が挙げられる。他の態様において、企図される更なる味覚マスキング物質は、米国特許第4,851,226号;第5,075,114号;および第5,876,759号に記載のものであり、これら各々は出典明示によりその全体として本明細書の一部とする。
【0065】
様々な態様において、添加剤は、pH調節剤を含み得る。特定の態様において、pH調節剤としては、炭酸ナトリウムまたは重炭酸ナトリウムが挙げられ得る。
【0066】
動物飼料配合物に有用な成分(すなわち、金属キレート、コンドロ(chondro)保護剤、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、抗酸化剤、酵母培養物および必須脂肪酸)および他の添加剤の量および種類は、本明細書および実施例を通して記載されている。
【0067】
II. 飼料添加組成物(Feed additive composition)
本開示の一態様は、非ヒト動物のための飼料添加組成物を含む。組成物は、L-カルニチンと組み合わせて、調合酵母および「直接給餌微生物」(酵母+DFM)を添加した基礎動物食餌を含む。他の任意の添加物をさらに含んでもよい。飼料添加組成物は、非ヒト動物への投与のために基礎動物食餌に加えられ得る。飼料添加組成物は、セクションIに記載の飼料組成物を製造するために、基礎動物食餌と共に配合され得る。
【0068】
飼料添加組成物中の調合酵母の量は、調合酵母、調合酵母を含む飼料添加組成物が投与される非ヒト動物の種類、体重、性別、および飼料添加組成物が投与される非ヒト動物の健康状態に応じて変化し得る。一般に、飼料添加組成物は、約30%~約95%の調合酵母、約40%~約90%の調合酵母または約55%~約90%の調合酵母を含み得る。いくつかの態様において、飼料添加組成物は、約88%~約90%または約89%含み得る。
【0069】
本開示の飼料添加組成物中のDFMの量は、約0.05%~約15%、約0.1%~約10%、約0.5%~約5%、約0.9%~約1.1%の範囲であり得る。いくつかの態様において、本開示の飼料添加組成物中のDFMの量は、約0.9%~約1.1%の範囲である。
【0070】
本開示の飼料添加組成物中のL-カルニチンの量は、10%、約1%~約20%、約5%~約15%、約7%~約13%、約9%~約11%である。いくつかの態様において、本開示の飼料添加組成物中のL-カルニチンの量は、約9%~約11%の範囲である。
【0071】
様々な態様において、飼料添加組成物は、飼料添加組成物が液体または固形形態であるかに応じて、様々な方法で基礎動物食餌に導入され得る。飼料添加組成物を基礎動物食餌に導入する非限定的な例は、飼料添加組成物を基礎動物食餌に配合すること、基礎動物食餌の固体組成物をトップドレッシングすること、液体飼料添加組成物を基礎動物食餌に噴霧すること、またはそれらの組合せであり得る。飼料添加物を基礎動物食餌に導入する場合、基礎動物食餌に導入される飼料添加物の量は、動物の食事において治療上有効量の調合酵母とトウガラシ製品の組合せを提供するのに十分であることが認識される。
【0072】
酵母産物、DFMおよびL-カルニチンに加えて、飼料添加組成物は、DFM、必須脂肪酸および医薬的に許容される添加剤に存在し得るもの以外のビタミン、ミネラル、アミノ酸、抗酸化剤、プロバイオティクスなどの少なくとも1つの更なる成分をさらに含み得る。このような成分は、上記セクションI(e)に記載されているとおりであり得る。いくつかの態様において、飼料添加組成物は、米殻、鉱油およびステアリン酸カルシウムをさらに含む。
【0073】
III. 使用方法
本開示の別の態様は、飼料組成物の使用方法を含む。方法は、本開示の動物飼料組成物または飼料添加物を非ヒト動物に投与することを含む。いくつかの態様において、飼料または飼料添加組成物は、非ヒト動物に経口投与される。飼料組成物はセクション(I)に記載のものであり得て、飼料添加組成物は本明細書の上記セクション(II)に記載のものであり得る。
【0074】
いくつかの態様において、非ヒト動物は、免疫学的ストレスを受けている。本明細書で用いる用語「免疫学的ストレスを受けている動物」は、炎症、またはストレッサー、例えば微生物感染、誘発性炎症、例えばワクチン接種によるもの、心的外傷、例えば離乳、および身体的外傷などのストレッサーに反応してストレスを受けている非ヒト動物を指す。免疫学的ストレスを受けている動物は、一般に、循環ビタミンAの不足によって測定される不十分な栄養状態を有する。ストレッサーおよびビタミンAの不足は、動物の成長能力の低下および死亡率の上場をもたらし得る。したがって、いくつかの態様において、本開示の方法は、免疫学的ストレスを受けている非ヒト動物の栄養状態を改善することを含む。いくつかの態様において、本開示の方法は、動物の成長能力および生存能力を改善することを含む。いくつかの態様において、本開示の方法は、動物における炎症を軽減することを含む。
【0075】
本発明の組成物を動物に投与するタイミングおよび期間は、変化し得る。飼料組成物は、動物に給餌する期間全体にわたって投与され得る。あるいは、飼料組成物は、動物の成長および発育中の特定の期間に投与され得る。例えば、飼料組成物は、幼児期など、感染に対する動物の感受性が高まる期間に投与され得る。組成物はまた、微生物感染が検出された後、および感染の期間中に投与され得る。組成物はまた、様々な間隔で投与され得る。例えば、組成物は、毎日、毎週、毎月または数か月にわたって投与され得る。いくつかの態様において、組成物は、毎週投与される。他の態様において、組成物は、毎月投与される。いくつかの態様において、組成物は、毎日投与される。当該技術分野で認識されるとおり、処置の期間は、動物の成長および健康状態に応じて変化し得る。
【0076】
(a) 非ヒト動物
非ヒト動物は、広義には、飼料添加組成物の投与後に成長の改善、健康状態の改善、腸の健康状態の改善、および微生物病原体数の減少を示すあらゆる動物として定義され得る。様々な態様において、非ヒト動物は、年齢および健康状態が異なる家畜哺乳類であり得る。適切な家畜哺乳類の非限定的な例は、肉牛、ウマ、乳牛、食用の仔牛、ブタ、ヤギ、ヒツジ、バイソン、ラマまたはアルパカであり得る。他の態様において、非ヒト動物は、年齢および健康状態が種々である鳥類であり得る。適切な鳥類または家禽の非限定的な例は、肉鶏、産卵鶏および繁殖鶏を含むニワトリ、アヒル、軍鶏(game hens)、ガチョウ、キジ、ホロホロチョウ、ウズラ、七面鳥、および走鳥類、例えばエミューおよびダチョウ、および水産養殖であり得る。別の態様において、非ヒト動物は、年齢および健康状態が種々であるペット動物であり得る。ペット動物の非限定的な例は、イヌ、ネコ、トリ、ハムスターまたはモルモットであり得る。いくつかの態様において、非ヒト動物は、成長中のブタ、仔ウシ、仔ウマ、仔ヤギ、クリーア(cria)、雛鶏、家禽の雛、仔アヒル、仔イヌ、仔ネコ、またはこれらの組み合わせを含む群から選択される。いくつかの態様において、非ヒト動物は、ブタである。いくつかの態様において、非ヒト動物は、免疫学的ストレスを受けているブタである。いくつかの態様において、非ヒト動物は、免疫学的ストレスを受けている肥育(nursery)ブタである。
【0077】
(b) 生産性の改善(Improved Performance)
いくつかの態様において、方法は、飼料添加物を使用して動物の生産性を改善することを含む。本明細書で定義される「生産性の改善」は、非ヒト動物において、一定期間にわたるサイズおよび/または成熟の正の変化を指す。様々な態様において、非ヒト動物は、例えば、体重増加、飼料摂取、平均一日体重増加(ADG)の増加、飼料要求率(FCR)の低下、平均一日食物摂取(ADFI)の増加、全体的な体重の改善、およびF/G比(F/G比はADFI/ADGとして定義される)を含む、成長能力の改善を示す。
【0078】
非ヒト動物は、飼料添加組成物を添加しない対照群と比較して、約2%~約5%、約2%~約5%、または約3.0%以上の飼料要求率の低下を示し得る。非ヒト動物は、飼料添加組成物を添加しない対照群と比較して、約0.5%~約10%、約1%~約8%、約1%~約5%、または少なくとも2.0%以上の死亡率の低下を示し得る。非ヒト動物は、飼料添加組成物を添加しない対照群と比較して、増加率として定義される約1%~約10%、約3%~約5%、または少なくとも3.0%の体重増加の改善を示し得る。
【0079】
(c) 健康状態の改善(Improved Health)
本開示のさらに別の態様は、非ヒト動物の健康状態の改善する方法を含む。本明細書で用いる「健康状態の改善」は、対照群と比較して非ヒト動物における下痢の発生率の低下減少、下痢日数の減少、死亡率の低下、腸の健康状態の改善、動物の腸管内の微生物病原体の減少、TNF-αを測定するサイトカインパネルの減少、イムノクリットレベルの低下、またはこれらの組合せを指す。
【0080】
(d) 微生物病原体の影響軽減
本開示のさらに別の態様は、非ヒト動物における微生物病原体の影響を軽減する方法を含む。微生物病原体の影響を軽減することは、非ヒト動物において、腸の健康状態を改善し、微生物病原体を減らすことを含む。微生物病原体の影響を軽減することはまた、微生物病原体に曝露された非ヒト動物の全般的な健康状態および生産性を改善することを含む。
【0081】
本明細書で定義する用語「微生物病原体」は、疾患を引き起こす可能性のある微生物を指す。感染は、病原微生物が対象に侵入し増殖することである。疾患は、感染によって対象の重要な機能またはシステムに損傷が生じることである。
【0082】
「腸の健康状態の改善」および「微生物病原体の減少」は、対照群と比較して非ヒト動物における病原体数の減少および微生物病原体によって引き起こされる炎症の軽減を指す。本開示の飼料添加組成物を使用して制御できる病原細菌の非限定的な例としては、クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)、アイメリア・マキシマ(Eimeria maxima)、エロモナス・ヒドロフィラ(Aeromonas hydrophila)、エルシニア・エンテロコリティカ(Yersinia enterocolitica)、ビブリオ種(Vibrio spp.)、レプトスピラ種(Leptospira spp.)、マイコバクテリウム・ウルセランス(Mycobacterium ulcerans)、リステリア種(Listeria spp.)、E.コリ(E. coli)の病原菌株、シュードモナス種(Pseudomonas spp.)、例えばエルギノーサ(aeruginosa)、エンテロコッカス種(Enterococcus spp.)、サルモネラ種(Salmonella spp.)、カンピロバクター種(Campylobacter spp.)、スタフィロコッカス種(Staphylococcus spp.)、例えばエピデルミディス(epidermidis)、S.アウレウス(S. aureus)(MRSA)、M.スメグマティス(M. smegmatis)、ストレプトコッカス種(Streptococcus sp.)、クロストリジウム(Clostridia)およびM.マリナム(M. marinum)が挙げられる。
【0083】
好ましい別の態様において、微生物病原体の影響を軽減することは、肉鶏においてC.パーフリンジェンスの影響を軽減することを含む。別の態様において、微生物病原体の影響を軽減することは、鶏において壊死性腸炎を制御することを含む。別の態様において、微生物病原体の影響を軽減することは、疾患に罹患した若鶏においてコクシジウム症の負荷と組み合わせてC.パーフリンジェンスの影響を制御することを含む。
【0084】
定義
他に定義されない限り、本明細書で用いるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解される意味を有する。以下の参考文献は、本発明で用いる多くの用語の一般的な定義を当業者に提供する:Singleton et al., Dictionary of Microbiology and Molecular Biology (2nd ed. 1994);The Cambridge Dictionary of Science and Technology (Walker ed., 1988);The Glossary of Genetics, 5th Ed., R. Rieger et al. (eds.), Springer Verlag (1991);およびHale & Marham, The Harper Collins Dictionary of Biology (1991)。本明細書で用いる以下の用語は、他に断らない限り、それらに付された意味を有する。
【0085】
本開示の要素またはその好ましい態様を示すとき、冠詞「ある(a)」、「ある(an)」、「その(the)」および「該(said)」は、要素が1つ以上あることを意味することを意図する。用語「含む(comprising)」、「含む(including)」および「有する(having)」は、包括的であることを意図し、記載する要素以外の追加の要素が存在し得ることを意味する。
【0086】
本発明の範囲から逸脱することなく、上記の小部分(cells)および方法に様々な変更を加えることができるため、上記の説明および下記の実施例に含まれるすべての事項は、限定的な意味ではなく、例示的なものとして解釈されることが意図される。
【実施例】
【0087】
本明細書に記載するすべての特許および刊行物は、本開示が関連する技術分野の当業者のレベルを示すものである。すべての特許および刊行物は、各刊行物が具体的かつ個別に参照により組み込まれると示されている場合と同じ程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
全体を通じて論じられる刊行物は、本願の出願日前の開示のみを目的として提供される。本明細書のいかなる内容も、先行発明により当該開示に先行する権利がないことを認めるものとして解釈されるものではない。
【0088】
以下の実施例は、本開示を実証するために含まれる。以下の実施例で開示される技術は、本開示の実施において良好に機能することが発明者によって発見された技術を表すことを、当業者は理解すべきである。しかしながら、当業者は、本開示に照らして、本開示において多くの変更がなされ得て、それでもなお本開示の精神および範囲から逸脱することなく、同様または類似の結果を得ることができることを理解し、したがって、記載するすべての事項は、限定的な意味ではなく、例示的なものとして解釈されるべきである。
【0089】
実施例1. βグルカン/酵母細胞壁/直接給餌微生物/L-カルニチンの組合せ(Combo)の給餌による離乳後の肥育ブタの循環ビタミンA濃度の増加および成長能力の改善
βグルカン/酵母細胞壁/直接給餌微生物/L-カルニチンの組合せの給餌の効果を評価するために、試験を実施した。この試験において、囲い(pen)1個当たり雄雌混合のブタが27匹である合計36個の囲いを用いた。到着時に囲いごとにブタの体重を測定した。囲いを体重によりブロック分けし、ブロック内の囲いを、無作為化完全ブロックデザインにおいて3つの食餌処置のうちの1つに無作為に割り当て、1つの処置当たり12個の囲いとした(表1)。
【表1】
【0090】
Combo分析は、βグルカン、総グルカン、マンノースの濃度はそれぞれ5.7%、10.0%2、9.0%以上であることを示唆した。DFMの濃度は、7.5×108cfu/g製剤以下であった。
【0091】
この実験を、離乳直後の4段階の給餌プログラムにおいて49日間実施した。市販の対象食餌の組成を表2に示す。飼料は、FeedLogic(登録商標)システムを通じて提供し、飼料摂取のデータを囲いごとに収集できる。
【0092】
到着時、および大半の囲いが各段階を完了する時まで、囲いごとにブタの体重を測定した。ブタの体重を測定する同日に、各囲いの残りの飼料も測定した。FeedLogic(登録商標)システムからのデータを給餌活動ごとに保存した。データを用いて、各囲いのADG、ADFIおよびF/Gを計算した。
【0093】
血液サンプルを、1つの囲い当たり2匹のブタから、母ブタとの飼育ユニット(sow unit)では離乳の2日前、肥育ユニットでは0(離乳直後)、7および48日目の4つの時点で採取した。血清サンプルを、分析の実施まで-20℃で保存した。各囲いの主観的な糞便スコアを、0=なし、1=軽度、2=実質的、3=重度の下痢の兆候のスケールを用いて、肥育で3、5および7日目に測定した。
【表2-1】
【表2-2】
【0094】
結果:
パート1. 離乳前のワクチン接種および離乳は循環ビタミンA濃度を低下させる
離乳過程によるストレスと組み合わせて離乳の2日前にブタが受けたワクチン接種(PRRS/PCV2/マイコプラズマ)は、離乳日に、血清中のビタミンA濃度の27%の低下(P<0.001)を引き起こした(
図1)。離乳後48日目に、血清中のビタミンA濃度は、離乳2日前に測定したものと同様のレベルまで徐々に回復した。
多くの場合、不十分な血清中ビタミンレベルは、食餌/摂取不足の症状であると考えられる。しかしながら、必ずしもそうとは限らない。この実施例および下記実施例において、ビタミンAを酢酸レチノールとして添加して、食餌中のビタミンAを8,819.4IU/kgとし、これは、National Research Council(NRC;2012)が5~25kgの肥育ブタに対して示した必要なビタミンA濃度(2,200IU/kg)の4倍であった。データは、離乳時の血清中のビタミンA濃度が、ブタにおいて負荷の結果として血清中で上昇する主要な急性期タンパク質の1つである血清中のC反応性タンパク質(CRP)と逆相関することを示唆している(
図2)。
【0095】
パート2. βグルカン/酵母細胞壁/直接給餌微生物/L-カルニチンの組合せ(Combo)の給餌は離乳後の循環ビタミンA濃度を回復させる
ブタが離乳後の免疫ストレスから回復するにつれて、循環ビタミンA濃度は、離乳前に測定したものと同様のレベルに徐々に回復した(
図3)。サンプリングしたブタのサブセットからのデータは、対照および酵母+DFM処置を給餌したブタと比較して、βグルカン/酵母細胞壁/直接給餌微生物/L-カルニチンの組合せ(Combo)を含有する食餌を給餌したブタが、離乳から離乳後7日目まで(38.4%)および離乳から離乳後48日目まで(64.3%;表3)でそれぞれ血清中のビタミンA濃度が最も増加したことを示唆している。
【0096】
酵母+DFM処置を給餌したブタにおける離乳からの血清中のビタミンA濃度の増加は、中間であった(それぞれ25.8%および60.1%)。さらに、Combo処置を給餌したブタは、対照食餌を給餌したブタと比較して肥育期ADGが20%有意に高く(0.76対0.64ポンド/日、P=0.01)、一方、酵母+DFM処置を給餌したブタは、ブタADGがわずかに改善したのみであった(0.73対0.64ポンド/日、P=0.10)。
【表3】
【0097】
血清中のビタミンAの分配もまた評価した。Combo処置に割り当てたブタは、離乳前にビタミンAが十分な(≧0.15ppm)ブタの割合が最低(95%)から開始したが、肥育におけるComboの給餌では、対照および酵母+DFM処置(95.0%および91.7%それぞれ、表4)と比較して、49日の肥育期の終了時のビタミンAが十分なブタの割合が最高となった(95.2%)。48日目において、Comboを給餌したブタにおけるCRPの血清濃度は、対照食餌を給餌したものより21%低かった(368.3対467.5μg/ml、P=0.10;表3)。これらのデータは、Comboの食餌補給が、離乳後の循環ビタミンA濃度を効率的に回復させ、これは離乳による免疫ストレスから最大の回復を示すことを示唆している。
【表4】
【0098】
パート3. 循環ビタミンA濃度とブタ成長能力の相関関係
離乳の前および後に測定した血清中のビタミンA濃度と肥育期中の個々のブタ成長能力との相関関係を評価するために、線形相関分析を実施した(ADGおよびBW)。24組の相関分析のうち、数値的または有意に正の相関がみられた(表5)。特に、離乳時の血清ビタミンAは、肥育期残体を通して、ブタのADGおよびBWと正の相関があった。肥育期終了時のブタBWは、離乳の前および後の血清ビタミンAと正の相関があった(P<0.052)。血清ビタミンAとブタADG/BWとの正の相関の多さは、循環ビタミンAが能力の指標であり得ることを示唆している。
【表5】
【0099】
パート4. βグルカン/酵母細胞壁/直接給餌微生物/L-カルニチンの組合せ(Combo)の給餌は離乳後の肥育ブタの成長能力および生存能力を改善した
表6に示すとおり、すべてのブタの生産性データを分析したとき、Comboを含有する肥育食の給餌では、対照食餌を給餌したブタ比較して、49日の肥育期終了時のブタADGおよびBWが著しく高くなった(それぞれ0.69対0.65ポンド/日、P<0.05、45.5対43.4 ポンド、P<0.05)。酵母+DFMを給餌したブタは、中間のADGおよびBWを有し、対照処置を給餌したブタと有意に差はなかった。さらに、Comboおよび酵母+DFMの給餌では、対照処置の給餌と比較して死亡率が低くなった(1.85対3.41%)。Comboを給餌したブタはまた、対照食餌を給餌したものと比較して、より少ない個々の抗生物質処置を必要とする傾向があった(6.5対10.5%、P<0.10)。これらの結果は、Comboの給餌が離乳後のブタ成長能力および生存能力を改善したことを示唆している。
【表6-1】
【表6-2】
【0100】
実施例2. βグルカン/酵母細胞壁/直接給餌微生物/L-カルニチンの組合せ(Combo)の給餌による成長期のブタの飼料効率の改善
成長能力および生存能力に対する免疫学的ストレスを受けている成長期のブタ群へのComboおよび酵母+DFMの給餌の効果を評価するために11週間の試験を実施した。この免疫学的ストレスを受けているブタ群は、PRRSおよびSIV陽性であり、死亡率および罹病率が生産基準より比較的高いという特徴があった。到着時に、ブタ(約35ポンド)を、囲い1個当たり17~26匹のブタを含む囲いに振り分け、性別のバランスが可能な限り近くなるようにした。約2~3週間後の試験開始まで、ブタに共通の食餌を与えた。実験の1日目に、囲いを計量し、平均BWによりブロック分けして、ブロック内の囲いを、無作為化完全ブロックデザインにおいて3つの食餌処置(表7)のうちの1つに無作為に割り当てた。これにより、成長能力および健康状態を評価するために、1つの処置当たり11個の囲いとした。
【表7】
【0101】
小屋の上部と突出部(run out)の間を除き、2週間ごとに(±1日)囲いごとにブタの体重を測定した。各囲いを計量するときに、残りの飼料を測定した。これにより囲いごとのADG、ADFIおよびF/Gを計算できた。基礎食餌の組成を表8に示す。
【0102】
囲い当たりの平均サイズの去勢ブタ2匹からベースライン測定として、試験開始前に血液サンプルを採取した。これらのサンプリングしたブタに、試験開始後32および76日目に採血するためにタグ付けした。血清サンプルを、ビタミンAの分析実施まで-20℃で保存した。
【表8-1】
【表8-2】
【0103】
結果:
パート1. βグルカン/酵母細胞壁/直接給餌微生物/L-カルニチンの組合せ(Combo)の給餌は免疫学的ストレスを受けている成長期のブタの飼料効率および生存能力を改善した
表9の結果は、Comboを給餌したブタは、対照を給餌したブタと比較して、完了時F/Gが5ポイント減少したことを示している(2.22対2.27、P=0.28)。しかしながら、酵母+DFMを給餌したブタは、飼料効率に対して影響を示さなかった。さらに、Comboの給餌は、対照食餌の給餌と比較して、死亡率が低下する傾向があり(0.82対2.98%、P=0.09)、健康状態が悪化したブタの合計除去率を著しく低下させた(2.47対2.98%、P=0.04)。これらの結果は、Comboの給餌は、免疫学的ストレスを受けている成長期のブタの飼料効率および生存能力を改善したことを示唆している。
【表9】
【0104】
パート2. βグルカン/酵母細胞壁/直接給餌微生物/L-カルニチンの組合せ(Combo)の給餌は良好なブタの生産性に相関する循環ビタミンA濃度を改善した
実験の0(ベースライン)、32および76日目に、処置当たりサンプリングしたブタ22匹について血清中のビタミンA濃度を評価した(表10)。Comboの給餌は、対照と比較して、血清中のビタミンA濃度を32日目および76日目にそれぞれ0.9%および4.1%数値的に改善した。しかしながら、酵母+DFMの給餌は、全く改善しなかったか、または中間の改善であった。
【表10】
【0105】
各処置の完了時F/G、合計除去率および血清ビタミンAの平均を用いて、一般線形モデルを実施した。32日目の血清ビタミンAはブタF/Gと逆相関があり、下記式:
F/G(BWが60~200ポンド)=-26.096×血清ビタミンA(D32)+7.2606、R2=0.99
を用いてブタF/Gを予測するのに使用できた(
図4)。76日目の血清ビタミンAは、除去率と負の相関があり、下記式:
合計除去率(%)=-480.75×血清ビタミンA(D76)+101.26、R2=1.00
を用いてブタ合計除去率を予測するのに使用できた(
図5)。ブタF/Gと除去率との間の血清ビタミンAの強い線形相関と予測可能性は、血清ビタミンAが、免疫学的ストレスを受けている成長期のブタにおける生産性の指標であり得ることを示唆している。Comboの給餌は、免疫学的ストレスを受けているブタの飼料要求率、栄養状態および健康状態を改善した。
【0106】
実施例3. 肥育および成長期のブタに対するβグルカン/酵母細胞壁/直接給餌微生物/L-カルニチンの組合せ(Combo)の給餌の用量反応
肥育ブタに対するComboの給餌の用量反応を評価するために、高(1.0ポンド/トン)および低(0.5ポンド/トン)食餌中濃度のComboを、実施例1に記載の試験において離乳期のブタに給餌した。健康状態に大きな問題のない比較的健康な肥育ブタでは、0.5ポンド/トンの低用量でのComboの給餌は、1.0ポンド/トンの高用量でのComboの給餌と比較して、より良好な成長能力(表11)、および離乳後の血清ビタミンAのより大きな増加(表12)をもたらした。高用量のComboの給餌は、対照処置の給餌と比較して中間の改善を示した。
【0107】
成長期のブタに対するComboの給餌の用量反応を評価するために、高(1.0ポンド/トン)および低(0.5ポンド/トン)食餌中濃度のComboを、実施例2に記載の試験において成長期のブタに給餌した。免疫学的ストレスを受けている成長期のブタにおいて、0.5ポンド/トンの低用量でのComboの給餌は、1.0ポンド/トンの高用量でのComboの給餌と比較してより良好な飼料効率および生存能力をもたらした(表13)。肥育および成長期のブタにおけるComboの給餌の用量反応は、ブタの健康状態および免疫状態に依存し得る。
【表11-1】
【表11-2】
【表12-1】
【表12-2】
【表13】
【0108】
実施例4. βグルカン/酵母細胞壁/直接給餌微生物/L-カルニチンの組合せ(Combo)の全成分の給餌は、BWが8~45ポンドの肥育ブタへの一部成分の給餌と比較して良好な成長能力、生存能力および循環ビタミンA濃度の増加をもたらした
βグルカン/酵母細胞壁/直接給餌微生物/L-カルニチンの組合せ(Combo)の全成分と一部成分の食餌補給の効果を評価するために、離乳後にBWが8~45ポンドの肥育ブタへ、表14に示す食餌処置を給餌するように試験をデザインした。具体的には、合計216匹の雄雌混合ブタを、離乳時に、囲い1個当たり27匹のブタを含む囲いに無作為に入れた。囲いを離乳時体重によりブロック分けして、ブロック内の囲いを、4つの食餌処置のうち1つに無作為に割り当て、1つの処置当たり2個の囲いとした。この試験を、離乳直後に4段階の給餌プログラムで65日間実施した。基礎食餌の組成を表15に示す。ビタミンAを、ビタミンと微量ミネラルのプレミックス中で酢酸レチノールとして添加し、食餌中のビタミンAを8,819.4IU/kgとし、これは、National Research Council(NRC;2012)が5~25kgの肥育ブタに対して示した必要なビタミンA濃度(2,200IU/kg)の4倍であった。
【0109】
Combo分析は、βグルカン、総グルカン、マンノースの濃度はそれぞれ5.7%、10.0%、9.0%以上であることを示唆した。DFMの濃度は、7.5×10
8cfu/g製剤以下であった。βグルカン、酵母細胞壁、DFMおよびカルニチンの食餌中濃度は、食餌に含まれる場合、各処置で同じであった。
【表14】
【表15-1】
【表15-2】
【0110】
離乳時(実験食餌の摂取前)およびブタのBWが約45ポンドに達した肥育期の終了時に、囲いごとに無作為に選択したブタ2匹(1つの処置当たり合計4匹のブタ)から血清サンプルを採取した。血清サンプルをビタミンA濃度について分析した。
【0111】
図6の結果は、離乳時の平均血清中のビタミンA濃度が0.08ppmであり、R. Puls (1994)に記載の血清ビタミンAの十分なレベル(0.15ppm)より47%低いことを示している。離乳時の栄養ビタミンAの不足状態は、離乳過程中にブタが経験した免疫ストレスによるものと考えられる。Comboを給餌したブタでは、対照(0.461ppm)、酵母/DFM(0.491ppm)またはカルニチン(0.503ppm)処置を給餌したブタと比較して、肥育終了時の血清中のビタミンA濃度が最高であった(0.541ppm)。離乳時から肥育終了時までの血清中のビタミンA濃度の増加率は、対照、酵母/DFM、カルニチンおよびCombo処置それぞれで117、72、114および140%であった(
図6)。さらに、Comboの給餌では、他のすべての処置と比較して、肥育期終了時の血清中のビタミンA濃度の範囲が最も改善した(0.175~0.189ppm)(表16)。Combo処置を除いた他の3つの処置では、肥育期終了時の血清ビタミンAの最低濃度は、いずれも十分なレベルの0.15ppmより低く、これは、ブタにビタミンAが十分な食餌を給餌しているのもかかわらず、ビタミンA欠乏症を発症し得ることを示唆している。これらの結果は、Comboの食餌補給が、対照、酵母/DFMおよびカルニチン処置と比較して、離乳後のビタミンAの栄養状態を最も回復させることを示唆している。
【表16】
【0112】
離乳したばかりのブタへのComboの給餌によるビタミンAの栄養状態の回復は、Comboの一部成分の給餌と比較して、成長能力および生存能力に相乗効果をもたらした。表17の結果は、Comboの全成分の給餌では、対照と比較して、肥育完了時ADGおよび完了時G/Fがそれぞれ129%および108%向上したことを示唆している。これらの改善は、酵母/DFM(79%および41%、それぞれ)またはカルニチン(29%および29%、それぞれ)を個別に給餌した相加効果より大きかった。さらに、Comboの全成分を給餌したブタでは、Comboの一部成分および対照処置を給餌したブタと比較して、死亡率が最も低かった(P=0.14)。生存能力の改善は、循環ビタミンAの栄養状態が離乳時の免疫学的ストレスのため低い離乳後の最初の22日間に最も大きいと考えられる(
図6)。
【表17】
【0113】
実施例5. 成長能力および生存能力に対する12~53ポンドの肥育ブタへのβグルカン/酵母細胞壁/直接給餌微生物/L-カルニチンの組合せ(Combo)の給餌のメタ分析
成長能力および生存能力に対して離乳後の12~53ポンドの肥育ブタへのβグルカン/酵母細胞壁/直接給餌微生物/L-カルニチンの組合せ(Combo)の給餌を評価するために、同じ手順に従って3つの試験を実施した。各実験において、離乳期のブタ(開始時BW=12.0±0.3ポンド)を、囲い1個当たり27匹のブタを含む囲いに入れ、対照食餌(対照)、または0.5ポンド/トン飼料の配合レベルでComboを含有する食餌のいずれかに無作為に割り当てた。これにより3つの試験で、対照処置群では30個の囲いに合計809匹のブタ、Combo処置では30個の囲いに合計811匹のブタとなった。飼料グレードの医薬品、薬理学的レベルのZn(3,000ppm)およびCu(150ppm)がすべての試験に含まれていた。
【0114】
表18のデータは、BWが12~53ポンドの離乳期のブタに、0.5ポンド/トン飼料の配合レベルでComboを含有する食餌を一貫して繰り返し給餌することで、ブタの成長能力および生存能力が改善されたことを示唆している。具体的には、Comboを給餌したブタの肥育ADGは、メタ分析において対照と比較して、3つの試験それぞれで平均4.1%改善した(0.76対0.73ポンド/日;P<0.10)。肥育飼料要求率は、対照と比較して、3つのうち2つの試験で平均1.2%改善した(1.59対1.61;P=0.81)。ADGの増加により、対照と比較して、Comboを給餌したブタで肥育完了時BWが平均1.3ポンド重くなった(P=0.03)。さらに、除去ブタ合計(死亡および成長不良ブタの合計)は、対照と比較してCombo処置では、12.9%から10.6%に減少し(P=0.19)、医療的処置をされたブタは、19.0%から15.7%に減少した(P=0.10)。このメタ分析は、Comboの給餌は、BWが12~53ポンドの肥育ブタにおいて生存能力および成長能力を一貫して繰り返し改善することを示唆している。肥育ブタにおけるこれらの有益な効果は、上記の実施例で示した離乳後のビタミンAの栄養状態の回復によってもたらされると考えられる。
【表18-1】
【表18-2】
【国際調査報告】