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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-22
(54)【発明の名称】パーソナルケアデバイス
(51)【国際特許分類】
   A61C 17/22 20060101AFI20250115BHJP
   A61C 19/04 20060101ALI20250115BHJP
   A46B 15/00 20060101ALI20250115BHJP
   A61C 17/34 20060101ALI20250115BHJP
   G06T 5/50 20060101ALI20250115BHJP
   A61C 9/00 20060101ALI20250115BHJP
【FI】
A61C17/22 Z
A61C19/04 Z
A46B15/00 K
A61C17/34 A
A61C17/22 G
G06T5/50
A61C9/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024537391
(86)(22)【出願日】2022-12-08
(85)【翻訳文提出日】2024-08-02
(86)【国際出願番号】 EP2022084885
(87)【国際公開番号】W WO2023117439
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】21217445.2
(32)【優先日】2021-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】弁理士法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン マーク トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ゲルハルト ルツ クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】ファン デン ダンジェン ウィルヘルムズ アンドレアス マリヌス アルノルドゥス マリア
(72)【発明者】
【氏名】コーイマン ヘルベン
【テーマコード(参考)】
3B202
4C052
5B057
【Fターム(参考)】
3B202AA06
3B202AB08
3B202BE09
3B202GA02
4C052AA06
4C052GG24
4C052NN02
4C052NN03
4C052NN04
4C052NN15
5B057AA07
5B057BA02
5B057CA08
5B057CA12
5B057CB08
5B057CB12
5B057CD12
5B057CE03
5B057DB02
5B057DB09
(57)【要約】
提案されるのは、画像キャプチャデバイスを有する振動式パーソナルケアデバイスからの画像取得を支援及び/又は改善することに関連する、スキーム、解決法、構想、設計、方法、及びシステムである。実施形態において、パーソナルケアデバイスの単一の振動サイクル中に照明の複数のパルスを生成することが提案される。パーソナルケアデバイスの単一の振動サイクル中に使用者の一部を複数回照明することにより、改善された画像(例えば、画像に見られるぼやけ及び/又は歪みがより少ない)が得られる。このようにして、振動式パーソナルケアデバイスから改善された画像が得られる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パーソナルケアデバイスであって、
使用時に使用者の1つ又は複数の特徴の画像をキャプチャする画像キャプチャデバイスと、
使用時に前記パーソナルケアデバイスが、振動周波数を有する周期振動サイクルで振動するよう、前記パーソナルケアデバイスを振動させる、振動手段と、
使用時に前記使用者の一部を照明するためのパルス照明を生成する照明デバイスと、
前記パーソナルケアデバイスの単一の振動サイクル中に2つ以上の照明のパルスを生成するよう前記照明デバイスを制御する制御ユニットと、
前記振動サイクルのターゲット部分として、前記パーソナルケアデバイスの一部の角速度が事前に決定された要件を満たす、前記振動サイクルの第1の部分及び第2の部分を決定する、プロセッサ装置とを備え、
前記制御ユニットは、前記振動サイクルの前記第1の部分中に照明の第1のパルスを生成するよう、及び、前記振動サイクルの前記第2の部分中に照明の第2のパルスを生成するよう、前記照明デバイスを制御する、パーソナルケアデバイス。
【請求項2】
前記パーソナルケアデバイスは口腔ケアデバイスを備え、前記照明デバイスは使用時に前記使用者の口腔の一部を照明するためのパルス照明を発生する、請求項1に記載のパーソナルケアデバイス。
【請求項3】
前記制御ユニットは、前記振動サイクルの前記振動周波数の2の整数倍のパルス照明を生成するよう前記照明デバイスを制御する、請求項1又は2に記載のパーソナルケアデバイス。
【請求項4】
前記制御ユニットは前記照明デバイスの照明持続時間を、振動波形の期間の4分の1以下、より好ましくは振動波形の期間の8分の1以下、更に好ましくは振動波形の期間の16分の1以下になるよう設定する、請求項1から3のいずれか一項に記載のパーソナルケアデバイス。
【請求項5】
前記画像キャプチャデバイスはカメラを備え、前記制御ユニットは前記振動サイクルの前記第1の部分中に第1の画像をキャプチャし、前記第2の部分中に第2の画像をキャプチャするよう前記カメラを制御する、請求項1から4のいずれか一項に記載のパーソナルケアデバイス。
【請求項6】
前記パーソナルケアデバイスは、
前記第1の画像及び前記第2の画像に基づいて再構築された画像を生成する画像プロセッサを更に備える、請求項1から5のいずれか一項に記載のパーソナルケアデバイス。
【請求項7】
前記事前に決定された要件は、感知される前記角速度の大きさが第1の速度閾値を超えないことである、請求項6に記載のパーソナルケアデバイス。
【請求項8】
前記画像プロセッサは、前記第1の画像及び前記第2の画像を画像処理アルゴリズムで処理して、前記第1の画像及び前記第2の画像の各々のターゲット領域を特定し、特定された前記ターゲット領域から画像データを抽出し、抽出された前記画像データを含む再構築された画像を生成する、請求項6又は7に記載のパーソナルケアデバイス。
【請求項9】
前記事前に決定された要件は、感知された前記角速度の大きさが第2の速度閾値を超えることであり、前記画像プロセッサは、前記第1の画像及び前記第2の画像を画像組合せアルゴリズムで処理して、前記第1の画像及び前記第2の画像に基づく再構築された画像を生成する、請求項6に記載のパーソナルケアデバイス。
【請求項10】
前記パーソナルケアデバイスは、歯ブラシ、マウスピース、シェーバ、又は皮膚洗浄ブラシを備える、請求項1から9のいずれか一項に記載のパーソナルケアデバイス。
【請求項11】
パーソナルケアデバイスを制御する方法であって、前記パーソナルケアデバイスは、使用時に使用者の1つ又は複数の特徴の画像をキャプチャする画像キャプチャデバイスと、使用時に前記パーソナルケアデバイスが、振動周波数を有する周期振動サイクルで振動するよう、前記パーソナルケアデバイスを振動させる、振動手段と、使用時に前記使用者の一部を照明するためのパルス照明を生成する照明デバイスとを備え、前記方法は、
前記振動サイクルのターゲット部分として、前記パーソナルケアデバイスの一部の角速度が事前に決定された要件を満たす前記振動サイクルの第1の部分及び第2の部分を決定するステップと、
前記パーソナルケアデバイスの単一の振動サイクル中に2つ以上の照明のパルスを生成するよう前記照明デバイスを制御するステップとを有し、
前記照明デバイスを制御するステップは、前記振動サイクルの前記第1の部分中に照明の第1のパルスを生成するよう、及び、前記振動サイクルの前記第2の部分中に照明の第2のパルスを生成するよう、前記照明デバイスを制御するステップを有する、方法。
【請求項12】
コンピュータ上で実行されると請求項11に記載の方法を実施するコンピュータプログラムコード手段を含む、コンピュータプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はパーソナルケアデバイスの分野に関し、特に、使用者の1つ又は複数の特徴のデジタル印象をキャプチャするパーソナルケアデバイスの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
使用中の使用者の特徴又は一部のデジタル印象(例えば画像)をキャプチャする能力又は機能性を有するパーソナルケアデバイスを提供することが知られている。例えば、口腔内スキャナ(IOS)デバイスは、投影光(例えば、レーザ又は構造化光)と画像センサとを使用して、歯牙歯肉組織の画像をキャプチャする。これらの画像を処理して、スキャンした表面の3次元(3D)モデルを作成することができる。したがって、IOSが提供するデータは、う蝕、歯の変色、歯列の乱れなどの一般的な歯科疾患の検出を含む、口腔ケアに有用である。また、例えば経時的な歯牙歯肉組織の変化を識別するために、IOS画像を繰り返しキャプチャし、比較することが有利である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
電動のブラッシングデバイス又はシェービングデバイスなどのパーソナルケアデバイスは、定期的に(例えば毎日)使用されるため、使用者の画像を定期的にキャプチャするのに適した手段となる。そのため、例えば歯ブラシなどのパーソナルケアデバイスにカメラ又は撮像センサが組み込まれる傾向がある。しかしながら、このようなパーソナルケアデバイスの主な使用の特徴は、その振動、又はサイクル/周期的な運動であるため、パーソナルケアデバイスと統合された画像キャプチャデバイスによって取得された画像は通常、そのデバイスの運動/振動によって歪む及び/又はぼやける。
【0004】
携帯型ハンドヘルドデバイス(例えば、スマートフォン、デジタルフォトカメラ等)向けの画像安定化技術が知られているが、そのような技術の設計及び最適化は、使用者に起因する低周波数(例えば10Hz未満)の不規則な(例えば、非周期的な、無作為等の)動きのみを対象としている。パーソナルケアデバイス(歯ブラシなど)は通常、それよりもはるかに高い周期的な周波数(例えば、20~300Hz超)で運動又は振動するため、画像キャプチャプロセスを安定させる及び/又はパーソナルケアデバイスによって生じるデバイスの運動/振動に対して画像取得プロセスを堅牢にする必要性が、依然として存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は特許請求の範囲によって規定される。
【0006】
本発明の一態様に係る実施例によれば、パーソナルケアデバイスであって、
使用時に使用者の1つ又は複数の特徴の画像をキャプチャするように適合されている画像キャプチャデバイスと、
使用時にパーソナルケアデバイス(及び画像をキャプチャデバイス)がある振動周波数を有する周期振動サイクルで振動するよう、パーソナルケアデバイスを振動させるように適合されている、振動手段と、
使用時に使用者の一部を照明するためのパルス照明を生成するように構成されている照明デバイスと、
パーソナルケアデバイスの単一の振動サイクル中に2つ以上の照明のパルスを生成するよう照明デバイスを制御するように適合されている制御ユニットと、
振動サイクルのターゲット部分として、パーソナルケアデバイスの一部の角速度が事前に決定された要件を満たす振動サイクルの第1の部分及び第2の部分を決定するように構成されている、プロセッサ装置とを備え、
制御ユニットは、振動サイクルの第1の部分中に照明の第1のパルスを生成するよう、及び、振動サイクルの第2の部分中に照明の第2のパルスを生成するよう、照明デバイスを制御するように適合されている、パーソナルケアデバイスが提供される。
【0007】
提案される構想はこの場合、画像キャプチャデバイスを有する振動式パーソナルケアデバイスであって、同パーソナルケアデバイスの振動が画像キャプチャデバイスの画像に影響を与える振動式パーソナルケアデバイスからの、画像取得を、支援及び/又は改善することに関連する、スキーム、解決法、構想、設計、方法、及びシステムを提供することを目標とする。画像キャプチャデバイスは、この振動するデバイスに堅固に固定され、したがってこのデバイスと一緒に振動するカメラであり得る。或いは、カメラセンサ自体はデバイスの不動部分(例えばブラシの柄)の中に設置されてもよく、一方でデバイスの光学系(光ファイバ、光学系の撮像レンズなど)はデバイスの振動を受ける。特に、本発明の実施形態では、パーソナルケアデバイスの単一の振動サイクル中に照明の複数のパルスを生成することが提案される。パーソナルケアデバイスの単一の振動サイクル中に使用者の一部を複数回照明することにより、改善された画像(例えば、画像に見られるぼやけ及び/又は歪みがより少ない)が得られる。このようにして、振動式パーソナルケアデバイスから改善された画像が得られる。
【0008】
特に、(使用中の)振動するパーソナルケアデバイスから取得される画像の歪みを低減する又は最小限にするために、振動サイクルに基づいて照明パルスを適合させることが提案される。例えば、使用者の口腔の一部を照明するタイミングを振動サイクルと同期させることができ、この結果、振動サイクルの好ましい又は最適な部分中にだけ照明が行われることが保証される。
【0009】
また、周期振動サイクルのパラメータに基づいて振動サイクルのターゲット部分を決定することも提案される。その後照明デバイスを制御して、パルス照明を振動サイクルのターゲット部分に同期させる。例として、振動手段の運動及び/又は駆動信号をモニタし、次いで分析して、パーソナルケアデバイスの少ない動き/ゼロの動きが見られる振動サイクルの期間/部分を決定することができる。
【0010】
実施形態は、例えば電動歯ブラシなどの振動式口腔ケアデバイスに特に関連する。したがって、一実施形態では、パーソナルケアデバイスは口腔ケアデバイスを備え、画像キャプチャデバイスは、使用時に使用者の口腔の1つ又は複数の特徴の画像をキャプチャするように適合され、照明デバイスは、使用時に使用者の口腔の一部を照明するためのパルス照明を生成するように構成される。
【0011】
言い換えれば、いくつかの実施形態では、改善された品質の画像を提供するように、口腔ケアデバイスの1つ又は複数の感知された動作パラメータに基づいて、使用者の口腔のパルス照明を適合させることが提案される。したがって実施形態では、歯磨き中の安定した高品質の画像取得が容易になる。このような実施形態は遠隔歯科医療提案に特に関連しており、例えば、使用者の歯、歯肉、舌、等の改善された撮像を可能にすることで実現される。例えば、提案される実施形態によって得られる画像は、歯科医療の処置及び/又は判断を支援し得る。したがって、実施形態は、歯科処置の選択に関連して、対象者の処置を選択するときに歯科医療専門家を支援するように使用される。
【0012】
更に、実施形態は、画像ベースの診断、優れた位置感知、治療計画策定(例えば、歯科矯正、アライナー)、及び/又は歯科処置のモニタリングを容易にする。
【0013】
実施形態を(スマートフォン、歯科用内視鏡、又はハンドヘルド口腔内スキャナなどの別個のデバイスを使用する代わりに)使用者の通常のブラッシングレジメンに組み込むことによって、歯科治療の改善が支援される。したがって、提案される構想によって、改善された画像ベースの歯科治療が提供される。
【0014】
ただし実施形態は、シェーバ、皮膚洗浄デバイスなどの他の振動式パーソナルケアデバイスにも適用可能である。
【0015】
パーソナルケアデバイスの振動サイクルのターゲット部分に基づいて画像キャプチャデバイスを制御することによって、(ぼやけ及び/又は歪みの低減という点で)より高品質の画像が得られ、このことにより口腔/歯科治療が支援されることが認識されている。
【0016】
実施形態はしたがって、振動式パーソナルケアデバイスによってキャプチャされた画像の使用を通して、治療処置の選択における判断を改善できるという利点を提供する。例えば、実施形態は、(例えば、対象者の口腔の健康についてのより多くの及び/又は改善された情報の提供を通して)より多数の口腔治療処置の選択肢を利用可能にし得る。
【0017】
制御は、パルス照明のタイミングを振動サイクルと同期させるよう画像キャプチャデバイスを制御するように適合される。このことは、合計照明量を確保しつつ、画像のぼやけ及び/又は歪みを低減するのに十分な照明条件を確保するのに役立つ。つまり、不必要な時間期間に対する照明デバイスの起動が回避される。
【0018】
いくつかの実施形態では、制御ユニットは、振動中に振動周波数の2倍の整数倍、例えば2倍、4倍、又は8倍のパルス照明を生成するよう照明デバイスを制御するように適合される。
【0019】
制御ユニットは、照明デバイスの照明持続時間を、振動波形の期間の4分の1以下、より好ましくは振動波形の期間の8分の1以下、更に好ましくは振動波形の期間の16分の1以下になるよう設定するように適合される。このように、画像をキャプチャするための照明は、カメラの振動に対して、画像の歪み又はぼやけを低減する又は最小限にするのに十分に高速に設定される。つまり、照明パルスの持続時間は、パーソナルケアデバイスの最小の動きの持続時間/期間よりも短く、又はそれと同等になるように設定される。例えば、約50%のデューティサイクルの矩形波駆動振動の場合、有用な画像の取得を確実にするために、振動期間の4分の1未満になるよう照明パルスの持続時間を適合させるのが好ましい場合がある。
【0020】
いくつかの実施形態では、振動サイクルのターゲット部分(例えば、低速度の/動きの少ない部分)を特定し、次いで振動サイクルの特定されたターゲット部分に基づいてパルス照明を制御することが提案される。振動サイクルのターゲット部分に応じたパルス照明の制御により、改善された画像(例えば、画像に見られるぼやけ及び/又は歪みがより少ない)が得られる。特に、(使用中の)振動するパーソナルケアデバイスから取得される画像の歪みを低減する又は最小限にするために、振動サイクルに基づいてパルス照明のタイミング及び/又は設定を適合させることが提案される。例えば、照明パルスのタイミングを振動サイクルのターゲット部分と同期させることができ、この結果、振動サイクルの好ましい又は最適な部分中にだけ画像キャプチャが行われることが保証される。
【0021】
また、パーソナルケアデバイスの感知動作によって振動サイクルのターゲット部分を決定することも提案される。例として、運動、角速度、及び/又は駆動信号若しくは手段をモニタし、次いで分析して、パーソナルケアデバイスの少ない動き/ゼロの動きが見られる振動サイクルの期間/部分を決定することができる。
【0022】
例えば、振動手段は振動器を備えてもよく、振動器の駆動信号を感知するために駆動センサが採用されてもよい。プロセッサ装置はその場合、そのとき感知された駆動信号が事前に決定される駆動信号要件を満たすような時間期間に基づいて、振動サイクルのターゲット部分を決定するように適合される。例えば、感知された駆動信号は、振動器の駆動電流又は駆動電圧を表すものであってもよく、事前に決定される駆動信号要件は、駆動電流又は駆動電圧の大きさが閾値を超えることであってもよい。このように、振動サイクルのターゲット部分を決定する(例えば、振動サイクル内の低速度期間のタイミングを特定する)ために、振動信号の感知が採用される。
【0023】
更なる例として、パーソナルケアデバイスの一部の角速度を感知するための運動センサを採用してもよい。プロセッサ装置はその場合、そのとき感知された角速度が事前に決定される速度要件を満たすような時間期間に基づいて、振動サイクルのターゲット部分を決定するように適合される。例えば、事前に決定された速度要件は、感知された角速度の大きさが速度閾値を超えないことであってもよい。このように、振動サイクルのターゲット部分を決定する(例えば、振動サイクル内の低速度期間のタイミングを特定する)ために、運動/動きの感知の構想が採用される。
【0024】
他の例では、パーソナルケアデバイスの一部における磁場を感知するための、ホール効果センサを採用してもよい。プロセッサ装置はその場合、そのとき感知された磁場が事前に決定される磁場要件を満たすような時間期間に基づいて、振動サイクルのターゲット部分を決定するように適合される。したがって、例えば、新しい機能及び/又は拡張機能を提供するために、従来のパーソナルケアデバイスに既に組み込まれている既存のホールセンサを活用してもよい。
【0025】
更に別の例では、パーソナルケアデバイスの一部の振動の加速度又は偏位を感知するために、加速度計振動センサを採用してもよい。制御ユニットはその場合、感知された振動の大きさが事前に決定された振動要件を満たすような時間期間に基づいて、振動サイクルのターゲット部分を決定するように適合される。例えば、事前に決定された振動要件は、感知された振動の加速度が振動閾値を超えることであってもよい。同様に、低速は通常、動きの両端と関連付けられ、その場合、事前に決定された振動要件は、感知された振動の偏位が振動閾値を超えることであってもよい。このように、振動サイクルのターゲット部分を決定する(例えば、振動サイクル内の低速度期間のタイミングを特定する)ために、振動感知の構想/装置が採用される。したがって、パーソナルケアデバイスの低速度のタイミングを正確に特定するために、既存の及び/又は簡単な振動感知技術及び/又はデバイスが採用される。
【0026】
振動サイクルのターゲット部分を決定するために様々な技術を採用できることを上で概説してきたが、ここで、いくつかの提案される実施形態は、振動サイクルの複数の部分を振動サイクルのターゲット部分として特定する構想を採用することが留意される。つまり、振動サイクルのターゲット部分は、振動サイクルの、時間的に分離された複数の異なる下位部分を含む。振動サイクルのターゲット部分を形成する振動サイクルの下位部分の数は、パーソナルケアデバイスの単一の振動サイクル中に生成される照明のパルスの数に等しい。別の言い方をすれば、照明の各パルスは、周期の対応する下位部分において生じるように制御される。
【0027】
更に、画像キャプチャデバイスはカメラを備える。制御ユニットはその場合、振動サイクルの第1の部分中に第1の画像を、及び第2の部分中に第2の画像をキャプチャするよう、カメラを制御するように適合される。このようにして、画像キャプチャが照明のパルスと同期され、その結果、短時間/高速の画像キャプチャに最適な照明条件が確保される(ひいては画像のぼやけ及び/又は歪みが低減される)。実施形態はこの場合、例えば、パーソナルケアデバイスの振動と同期していないグローバルシャッターカメラ又はフリーラン動作のローリングシャッターカメラを含む、異なるタイプの画像キャプチャバイスと連繋して採用される。
【0028】
いくつかの実施形態では、画像キャプチャデバイスはローリングシャッターカメラを備える。画像取得はこの場合照明のパルスと同期され、その結果ぼやけ及び/又は歪みの低減された画像データとなる。この画像データはカメラの異なるフレームの異なる部分からの画像データと組み合わされ、この結果、(複数のキャプチャされたフレームからの)単一の高品質画像の構築が容易になる。
【0029】
実施形態はこの場合、例えば、パーソナルケアデバイスの振動と同期していないカメラを含む、異なるタイプの画像キャプチャバイスと連繋して採用される。
【0030】
デバイスは、第1の画像及び第2の画像に基づいて再構築された画像を生成するように構成されている画像プロセッサを更に備える。
【0031】
例えば、事前に決定された要件は、感知された角速度の大きさが第1の速度閾値を超えないことであってもよい。このようにして、振動が続いている間に画像のぼやけの少ない2つ以上の画像を作成することができる。
【0032】
更なる発展形態では、画像プロセッサはしたがって、第1の画像及び第2の画像を画像処理アルゴリズムで処理して、第1の画像及び第2の画像の各々のターゲット領域を特定し、特定されたターゲット領域から画像データを抽出し、抽出された画像データを含む再構築された画像を生成するように構成される。
【0033】
他の例では、事前に決定された要件は、感知された角速度の大きさが第2の速度閾値を超えることであってもよい。任意選択的に、画像プロセッサはその場合、第1の画像及び第2の画像を画像組合せアルゴリズムで処理して、第1の画像及び第2の画像に基づく再構築された画像を生成するように構成される。このような再構築された画像は、より広い視野が提供される、及び/又は、画質が改善されている(例えば、ぼやけが低減されている)という利益を有する。
【0034】
パーソナルケアデバイスは歯ブラシを備えてもよく、好ましくは、使用時に振動するように適合されている電動歯ブラシを備えてもよい。他の実施形態では、パーソナルケアデバイスは、使用時に振動するように適合されているマウスピース、シェーバ、又は皮膚洗浄ブラシを備える。1つ又は複数の提案される構想はしたがって、幅広い様々なパーソナルケアデバイスに採用される。実施形態はしたがって、パーソナルケアデバイス(並びに、振動式パーソナルケアデバイスによってキャプチャされた画像のための画像キャプチャ及び/又は処理構想)の分野において、広く適用される。
【0035】
本発明の別の態様によれば、パーソナルケアデバイスを制御する方法であって、パーソナルケアデバイスは、使用時にパーソナルケアデバイスがある振動周波数を有する周期振動サイクルで振動するよう、パーソナルケアデバイスを振動させるように適合されている、振動手段と、使用時に使用者の1つ又は複数の特徴の画像をキャプチャするように適合されている画像キャプチャデバイスと、使用時に使用者の一部を照明するためのパルス照明を生成するように構成されている照明デバイスとを備え、方法は、振動サイクルのターゲット部分として、パーソナルケアデバイスの一部の角速度が事前に決定された要件を満たす振動サイクルの第1の部分及び第2の部分を決定するステップと、パーソナルケアデバイスの単一の振動サイクル中に2つ以上の照明のパルスを生成するよう照明デバイスを制御するステップと、有し、照明デバイスを制御するステップは、振動サイクルの第1の部分中に照明の第1のパルスを生成するよう、及び、振動サイクルの第2の部分中に照明の第2のパルスを生成するよう、照明デバイスを制御するステップを有する、パーソナルケアデバイスを制御する方法が提供される。
【0036】
本発明の更に別の態様によれば、コンピュータプログラムであって、上記コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されると提案される実施形態による方法を実施するように適合されるコンピュータプログラムコード手段を含む、コンピュータプログラムが提供される。
【0037】
したがってまた、提案される実施形態によるコンピュータプログラム製品と、上記コンピュータプログラム製品のコンピュータ可読プログラムコードの実行によって提案される構想による方法を実行するように適合されている、1つ又は複数のプロセッサとを備える、コンピュータシステムも提供される。
【0038】
本発明のこれらの及び他の態様は、以下に記載する実施形態から明らかになり、それらを参照して説明されることになる。
【0039】
本発明をよりよく理解するために、及びそれがどのように実現され得るかをより明確に示すために、ここで単なる例として、以下の添付の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】提案される実施形態に係る、電動歯ブラシ10の簡略化された概略ブロック図である。
図2A図1のブラシヘッドの、ブラシヘッドの振動に伴う(変位の)角度Θ及び角速度の、例示的な経時変化を示すグラフであり、ブラシヘッドの変位角度Θの変化は実線で描かれており、ブラシヘッド14の角速度vの変化は破線で描かれている。
図2B図2Aに描かれた振動サイクルに対する、照明デバイスからの照明のパルスの例示的な位置合わせ(すなわち同期)を描いた図である。
図3】提案される実施形態に係るマウスピースの簡略化された概略ブロック図である。
図4】実施形態の1つ又は複数の部分が採用されるコンピュータの簡略化されたブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本発明についてこれらの図を参照して説明する。
【0042】
詳細な説明及び具体的な例は、装置、システム、及び方法の例示的な実施形態を示すが、例示のみを目的として意図されており、本発明の範囲を限定することは意図されていないことが理解されるべきである。本願の発明の装置、システム、及び方法の、これらの及び他の特徴、態様、及び利点は、以下の説明、付属の特許請求の範囲、及び添付の図面から、よりよく理解されるであろう。特定の手法が互いに異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手法の組合せが有利に使用され得ないことを示すものではない。
【0043】
特許請求される本発明の実施に際して、当業者は、図面、本開示、及び添付の特許請求の範囲を検討することで、開示される実施形態の変形形態を理解し実現することができる。請求項において、単語「備える、含む、有する」は他の要素又はステップを除外せず、単数形の要素は複数を除外しない。
【0044】
これらの図は概略的なものに過ぎず、正確な縮尺では描かれていないことが理解されるべきである。これらの図の全体を通して、同じ又は類似の部分を示すのに同じ参照番号が使用されていることも理解されるべきである。
【0045】
本発明は、画像キャプチャデバイスを有する振動式パーソナルケアデバイスからの画像取得を支援及び/又は改善するための構想を提案する。特に、実施形態は、パーソナルケアデバイスの単一の振動サイクル中に2つ以上の照明のパルスを生成するよう照明デバイスを制御するシステム、デバイス、及び/又は方法を提供する。その場合、振動サイクル中の照明のパルスに応じて、画像キャプチャデバイスの制御が行われる。使用者の口腔をこのように照明することにより、改善された画像(例えば、画像に見られるぼやけ及び/又は歪みがより少ない)が得られる。
【0046】
特に、振動するパーソナルケアデバイスから取得される画像の歪みを低減する又は最小限にするために、(使用中)パーソナルケアデバイスの単一の振動サイクル中に照明の複数のパルスを生成するように、照明デバイスを制御することが提案される。より詳細には、例えば示される動き/運動が減少していることに起因して、振動サイクルの1つ又は複数の部分が画像キャプチャにより適している場合のあることが認識されている。振動サイクルのこのような部分中に使用者の口腔を照明することによって、ぼやけのない画像を十分な量だけキャプチャするために必要な露光の長さが短くなる。例えば、同じ位置で2つのキャプチャを使用する場合、2つの画像を組み合わせることができるため、必要な光が少なくなり、S/N比及び全体的な露光が改善され、必要な電力が抑えられる。このような実施形態はしたがって、画像キャプチャデバイスの露光持続時間の減少/短縮を促進するのに適した照明を依然として確保しつつ、電力消費を低減する又は最小限にするのに役立つ。
【0047】
更に、画像取得を複数の照明のパルスに同期させることによって、単一の振動サイクルについて複数の画像が取得される。複数の画像は個別に有利に分析され、その場合、カメラがシーンの異なる部分を撮像していれば、複数のパルスの使用に起因して、より多くの画像が実現される。更にその場合、これら複数の画像からのデータを使用して(例えば、組み合わせて、統合して、選択して)、更に品質が改善された、再構築された画像が生成される。例えば、振動サイクルの第1の部分中に第1の画像を、及び第2の部分中に第2の画像をキャプチャしてもよく、第1の画像及び第2の画像に基づいて、再構築された画像を生成してもよい。このようにして、単一の高画質画像(又は広視野画像)の構築を容易にするために、画像データの複数の部分が使用される。
【0048】
画像キャプチャにとって好ましい(又は最適な)振動サイクルのそのような部分のタイミングが、パーソナルケアデバイスの動作パラメータに基づいて決定されることが、更に認識されている。このような動作パラメータの例としては、振動器/モータの電流、磁場、デバイスの動き、及びパーソナルケアデバイスの一部の角速度が挙げられる。したがって、画像キャプチャの好ましい、最適な、又はターゲットとなるタイミングを決定するために、パーソナルケアデバイスの動作の簡単な検出が採用され、その結果、画像キャプチャの改善又は最適化が可能になる。
【0049】
言い換えれば、実施形態では、改善された品質の画像が提供されるように、パーソナルケアデバイス(及びしたがって画像キャプチャデバイス)の振動に基づいて照明パルスのタイミングを制御することが提案される。
【0050】
したがって実施形態では、歯磨き中の安定した高品質の画像取得が容易になる。このような実施形態は、例えば、使用者の歯、歯肉、舌などの改善された撮像を可能にすることによって、特に遠隔歯科医療提案に関連し得る。例えば、提案される実施形態によって得られる画像は、歯科治療の治療及び/又は意思決定を支援し得る。例えば、提案される実施形態によって得られる画像は、歯科医療の処置及び/又は判断を支援し得る。したがって、実施形態は、歯科処置の選択に関連して、対象者の処置を選択するときに歯科医療専門家を支援するように使用される。
【0051】
図1を参照すると、提案される実施形態に係る、電動歯ブラシ10の簡略化された概略ブロック図が示されている。電動歯ブラシ10は、使用時に電動歯ブラシ10のブラシヘッド14を(約200Hzの周波数で)振動させるように適合されている、振動手段12(具体的にはモータ)を備える。
【0052】
電動歯ブラシ10はまた、使用時に使用者の1つ又は複数の口腔の特徴の画像をキャプチャするように適合されている、画像キャプチャデバイス16(例えばデジタルカメラ)を備える。
【0053】
適切に露光された画像をキャプチャするのに必要な露光持続時間の短縮を支援するために、口腔ケアデバイス(すなわち電動歯ブラシ)10は、使用時に使用者の口腔の一部を照明するように構成されている、照明デバイス19(例えばLED)も備える。つまり、画像キャプチャデバイス16の感度(例えばISO)及び/又はレンズ口径が固定及び/又は制限されている場合、照明デバイス19による使用者の口腔の照明によって、十分な量の光をキャプチャするために必要な露光の長さの短縮が得られる。
【0054】
電動歯ブラシ10はまた、パーソナルケアデバイスの動作パラメータを感知するように適合されているセンサ構成17と、振動サイクルのターゲット部分に基づいて画像キャプチャデバイスを制御するように適合されている制御ユニット18とを更に備える。
【0055】
更に、制御ユニット18は、照明デバイス19による照明のタイミングを振動サイクルと同期させるよう照明デバイス19を制御するように適合される。より詳細には、制御ユニット18は、パーソナルケアデバイスの単一の振動サイクル中に2つ以上の照明のパルスを生成するよう照明デバイス19を制御するように適合される。
【0056】
モータ12は、ブラシヘッド14を静止位置から約10°~25°だけ時計回りに、次いで反時計回りに、周期的に繰り返し回転させるように構成される。このようにして、ブラシヘッド14は周期的な振動波形で振動する。
【0057】
更なる説明として、図2Aには、ブラシヘッド14の振動に伴う、ブラシヘッド14の(変位の)角度Θ及び角速度の、例示的な経時変化を示すグラフが描かれている。ブラシヘッド14の変位角度Θの変化は実線で描かれており、一方、ブラシヘッド14の角速度vの変化は破線で描かれている。
【0058】
図2Aに描かれている変化から、「低速」期間20、すなわち、ブラシヘッド14の角速度vの大きさが事前に決定される閾値Vthを下回る時間期間を特定できることがわかる。より詳細には、変位角度Θの絶対値が、変位角度Θの時間微分の正負極性が変わるような最大値に達するとき(すなわち、実線の方向が変わるとき)、ブラシヘッド14の角速度vがゼロ近くになることが分かる。これら低速期間20によって、速さ及び露光調整能力に限界のある画像キャプチャデバイスを使用した画像キャプチャにとって、最も適した機会が提供されることが提案される。したがって、いくつかの実施形態は、照明デバイス19によって提供される照明が、単一の振動サイクルの2つの低速期間20に同期されるという提案に基づいている。
【0059】
説明として、図2Bには、図2Aに描かれた振動サイクルに対する、照明デバイス19からの照明のパルスの、そのような位置合わせ(すなわち同期)が描かれている。図2Bにおいて、下側のグラフには、図2Aのグラフ(図2Bにおいて上側のグラフとして再現されている)と同じタイムスケールでの、照明デバイス19によって提供される照明強度の変化が描かれている。図2Bの下側のグラフから、照明デバイス19によって提供される照明の第1のパルス25Aが、単一の振動サイクルの第1の低速期間20Aと同期していること、及び、照明デバイス19によって提供される照明の第2のパルス25Bが、単一の振動サイクルの第2の低速期間20Bと同期していることが分かる。
【0060】
口腔ケアデバイスの単一の振動サイクル中に使用者の口腔の一部を複数回照明することによって、及び次いで、画像取得を複数の照明のパルスと同期させることによって、単一の振動サイクルについて複数の画像が取得される。別法として、連続的に画像をキャプチャするためにフリーラン動作のカメラが採用されている場合、画像データは照明のパルス中にだけ取得/蓄積される。その場合、これら複数の画像からのデータを使用して(例えば、組み合わせて、統合して、選択して)、更に品質が改善された、再構築された画像が生成される。このようにして、単一の高画質画像又は広視野画像の構築を容易にするために、画像データの複数の部分が使用される。
【0061】
図1の特定の実施形態に戻ると、制御ユニット18は、周期的振動波形のパラメータに基づいてパルス照明を制御するように適合されている。
【0062】
この実施例では、制御ユニット18は、口腔ケアデバイスの単一の振動サイクル中に2つの照明のパルスを生成するよう照明デバイス19を制御するように適合される。詳細には、制御ユニット18は、2つの照明のパルスを振動サイクルの低速期間20と同期させるように適合される。このようにして、画像キャプチャはパルス照明及び低速期間20の両方と同期され、その結果、キャプチャされた画像のぼやけ及び/又は歪みを引き起こす運動の量が低減される。
【0063】
更に、この実施例では、制御ユニット18はまた、照明パルスの照明持続時間を振動波形の期間の4分の1以下になるよう設定するようにも適合される。実際には、閾値Vthを最大角速度の半分未満の値になるように選ぶと、単一の照明パルスの照明持続時間は、振動波形の期間の8分の1以下になるように制御される。ただし、画像取得の持続時間を、ブラシヘッド14の角速度vがゼロに近い(すなわち、閾値Vthがゼロに近い)小さな低速期間20に制限するために、照明持続時間をより短い期間(すなわち、より低い持続時間値)に制限するのが好ましい場合がある。
【0064】
例えば、照明持続時間を振動波形の期間の10分の1以下、更に好ましくは16分の1以下に設定するよう、制御部18を適合させるのが、好ましい場合がある。
【0065】
更に、例えばローリングシャッターカメラの場合、照明持続時間を、画像キャプチャデバイス上の1ピクセル未満のシフト、すなわち動いている画像のピクセル解像度以内のシフトと同等になるように、ライン毎に更に制限することが、更に好ましい場合がある。ここで、ピクセルへの言及は、画像センサの単一の感知要素、又は画像センサアレイの感知要素(単一のセンサ)を包含し得る。つまり、ピクセルは、感知される画像の単一の要素であると考えることができ、その場合感知された画像は、複数の感知された要素(すなわちピクセル)から形成される。
【0066】
このようにして、光が列ごとの短いパルス期間でセンサに入射し、全てのパルスの累積合計持続時間が露光持続時間に加算されるように、カメラセンサの全列にわたって合計照明持続時間が共有(すなわち分割)される。このことは、センサの各列を露光持続時間の何分の1かの間だけ入射光に曝すことによって、又は、照明源を露光持続時間の何分の1かの間だけパルス発光させ、このときパルス発光をローリングシャッターカメラのセンサの各列の列露光時間と同期させることによって、実施される。
【0067】
例として、被写体までの距離が固定され、動きが固定されている状態で、ピクセルシフトの速さを計算してもよい。例えば、画像キャプチャデバイスが1024×768ピクセルのセンサを有し、キャプチャされる画像エリアが幅10mmであり、動作画像エリアが左2mm、右2mmであって振動期間が2msである場合、露光持続時間は1msであり得る。移動はしたがって1/2周期(1ms)で4mmとなり、4mmは4/10×1024=410ピクセルでカバーされる。単一ピクセルの画像移動には1ms/410=2.4μsを要する。露光中の1/2ピクセルのシフトを考慮すると、1.2μsである。したがって、1msの露光は、1列あたり1ms/768=1.3μsよりも小さい露光を意味する。
【0068】
また、照明持続時間を短くすることで、例えば、画像カメラのピクセルの露光が同じ位置からのものでありしたがって次のピクセル位置とでにじむことのないことを保証することによって、露光中のピクセルシフトが防止され得る。図1の実施形態は、静止位置から約10°~25°だけ時計回りに、次いで反時計回りに、周期的に繰り返し回転するブラシヘッド14を採用するものとして説明されたが、他の実施形態では、異なる態式で振動するブラシヘッドを採用してもよいことが理解されよう。例えば、代替の実施形態は、(左右又は上下に)繰り返し揺動する、すなわち、静止位置から反対方向へと(横方向又は垂直方向に)繰り返し変位するブラシヘッドを備えてもよい。このような実施形態では、図2Aに描かれているような周期的波形を形成し、したがって(例えば、駆動パラメータ及び/又は振動手段の制御に従う)特定可能な繰り返しの「低速」期間を有する、変位及び速度の経時変化を伴う周期性の振動パターンが、依然として見られることになる。
【0069】
つまり、提案される構想を、口腔ケアデバイスの振動する部分の回転/角度のある動きを参照して上で説明してきたが、提案される構想は、反復的な振動の動きを示す、他の振動式パーソナルケアデバイスにも採用される。また、多次元的な動きの場合、低速/ゼロ速さの期間が複数の次元に関して特定され、パーソナルケアデバイスの単一の振動サイクルにおける複数の照明パルスのタイミングを制御するために使用される。
【0070】
また、提案される構想を、パーソナルケアデバイスの単一の振動サイクル中に2つの照明のパルスを生成するように制御される照明デバイスとともに上で説明してきたが、代替の実施形態は、パーソナルケアデバイスの単一の振動サイクル中にただ2つの照明のパルスを生成することに限定されない。他の実施形態では、制御ユニットは、振動周波数の2倍の整数倍のパルス照明(例えば、パーソナルケアデバイスの単一の振動サイクル中の、2つ、4つ、6つ、8つ、等の照明のパルス)を生成するよう、照明デバイスを制御するように適合される。
【0071】
実施形態ではしたがって、パーソナルケアデバイスの振動(又はその高調波)の周波数の2倍で点滅する(すなわち、パルス発光する)ストロボ照明の使用が提案される。照明のパルスの短いデューティサイクル(例えば10%以下)は、キャプチャされた画像の振動ぼやけを最小限にするのに役立つ。
【0072】
振動の2倍の周波数でパルス発光/点滅させることによって、振動の動きに対するパルスのタイミング(すなわちパルス照明の位相)に応じて、異なる可能性が存在する。
【0073】
第1の例では、照明のパルスが低速期間中に(すなわち、変位角度の振幅が最大に近いときに)生じるように制御される場合、振動の位相は、2つの照明位置が同じデバイス位置に現れることのないようなものとなる。この例では2つの異なる画像がキャプチャされ、一方は変位角度が正の場合であり、他方は変位角度が負の場合である。つまり、2つの画像は2つの異なる方向でキャプチャされる。これらの画像を組み合わせることで、より広い視角を有する改善された単一の画像が生成される。
【0074】
第2の例では、変位角度が実質的にゼロであるときに(すなわち、ゼロに近い変位角度が存在するときに)生じるように照明のパルスを制御すれば、2つの照明位置は実質的に同じ位置で生じることになる。つまり、2つの画像は同じ方向でキャプチャされる。これらの画像からのデータが処理されて、より高品質な単一の画像が生成される。この例では、振動の高速度部分でのパルス発光の利点が示される。
【0075】
図3を参照すると、提案される実施形態に係る、清浄化用又は治療用のマウスピース40の、簡略化された概略ブロック図が示されている。マウスピース40は、使用者の口に挿入され、口腔清浄化の目的で(使用中に)振動するように適合される。
【0076】
マウスピース40は、使用時にマウスピースを(例えば、50Hz~500Hzの範囲内の周波数を有する)周期的振動波形で振動させるように適合されている、振動手段42(具体的には電動モータ)を備える。
【0077】
マウスピース40はまた、マウスピースのトレイに配置され、使用時に使用者の1つ又は複数の口腔の特徴の画像をキャプチャするように適合されている、画像キャプチャデバイス44も備える。また、マウスピースのトレイには、使用時に使用者の口腔を照明するためのフラッシュLED46も設けられている。画像キャプチャデバイス44及びLED46は、マウスピースの制御ユニット(すなわち制御装置)48によって制御されるように構成される。
【0078】
特に、制御ユニット48は、マウスピース40の周期的振動波形のパラメータに基づいて、カメラ44の露光パラメータを制御し、フラッシュLED46を作動させるように構成される。マウスピースの周期的振動波形のパラメータを決定するために、マウスピース40は、マウスピースの運動/振動の特性を検出するように適合されている、センサ構成50を備える。詳細には、この実施例では、センサ構成50は、マウスピース40の変位及び速度の変化を検出するための、加速度計及びジャイロスコープ(慣性測定ユニット)を備える。検出されたマウスピース40の変位及び速度の変化についての情報は制御ユニット48に提供され、この情報に基づいて、制御ユニット48は、マウスピース40の周期的振動波形のパラメータ(例えば、期間、周波数、振幅、ゼロ交差のタイミング、等)を決定する。
【0079】
図1の実施形態を参照して上で既に説明したように、制御ユニット48は、マウスピース40の「低速/低速度」の期間、すなわち、マウスピース40の速度の大きさが事前に決定される閾値を下回る時間期間を決定する。制御ユニット48はその後、マウスピース40の単一の振動サイクルの「低速/低速度」の2つの期間中に照明のパルスを生成するように、照明デバイス46を制御する。制御ユニット48はまた、画像キャプチャが照明のパルス中に行われるよう時間調整されるように、カメラの露光パラメータを制御する。
【0080】
ただし、本実施形態では、画像キャプチャデバイス44は、画像キャプチャフレームレートで動作するように構成されているローリングシャッターカメラを備えることが留意される。このようなローリングシャッターカメラに関しては、動作特性のトレードオフが必要になる場合がある。例えば、ローリングシャッターカメラは、より費用対効果が高い(例えば、より安い)場合があるが、取得の設定及び/又は能力によっては、完全な画像キャプチャを行うのにより時間がかかる場合がある。その場合ローリングシャッターカメラからデータが取得される時間期間を「露光期間」と考える。例えば、ローリングシャッターカメラ44からの画像データは1フレームの10分の1について取得することができ、この場合有効露光持続時間は、ローリングシャッターカメラのフレームの期間の10分の1である。したがって、制御ユニット48はこの場合、ローリングシャッターカメラのフレームレートを考慮して露光パラメータを制御するように、更に適合されている。
【0081】
この例では、第1の露光パラメータは、露光開始のタイミング(すなわち、ローリングシャッターカメラからの画像データのキャプチャが始まる/開始される時間)を含み、制御ユニット48は、照明のパルスと同期するようローリングシャッターからの画像データのキャプチャの開始を制御するように適合される。詳細には、制御ユニット48は、ローリングシャッターカメラからの画像データのキャプチャの開始を、照明のパルス及び(センサ構成50からの情報に基づいて特定される)振動サイクルの低速期間の、両方に同期させるように適合される。このようにして、画像キャプチャデバイス44は、画像データのキャプチャが照明のパルス(及び低速期間)と同期するように制御され、その結果、キャプチャされた画像のぼやけ及び/又は歪みを引き起こす運動の量が低減される。
【0082】
更に、この例では、第2の露光パラメータは、画像キャプチャデバイス44の露光持続時間(すなわち、ローリングシャッターカメラからの画像データキャプチャの長さ)を含み、制御ユニット48は、照明パルスの持続時間に応じて画像データキャプチャ持続時間を設定するように適合される。例として、照明パルスの持続時間以下になるよう画像データキャプチャの露光持続時間を設定するように制御ユニット48を適合させることが、好ましい場合がある。
【0083】
つまり、ローリングシャッターカメラ44を使用した画像取得では、露光持続時間をカメラの振動に対して高速になるように適合させることが提案され、例えば、有効露光時間(すなわち、ローリングシャッターカメラ44からの画像データ取得時間)は、最大でもマウスピース40の最小の動きの持続時間/期間と同等となるように適合される。例えば、約50%のデューティサイクルの矩形波駆動振動の場合、露光持続時間は振動期間の4分の1以下であり得る。
【0084】
更なる例として、実施形態は、周期振動サイクルのパラメータに基づいて振動サイクルのターゲット部分を決定するように構成されている、プロセッサ装置を備えてもよい。より詳細には、プロセッサ装置は、振動サイクルのターゲット部分として、パーソナルケアデバイスの一部の角速度が事前に決定された要件を満たす振動サイクルの第1の部分及び第2の部分を決定するように構成される。このような実施形態では、次いで制御ユニットは、振動サイクルの第1の部分中に照明の第1のパルスを生成するように、及び、振動サイクルの第2の部分中に照明の第2のパルスを生成するように、照明デバイスを制御する。更に、制御ユニットはまた、振動サイクルの第1の部分中に第1の画像を、及び第2の部分中に第2の画像をキャプチャするように、画像キャプチャデバイスを制御する。その場合任意選択的に、第1の画像及び第2の画像に基づいて再構築された画像を生成するために、画像プロセッサを採用することができる。このようにして、キャプチャされた画像の高品質領域を特定し、次いで複数の異なる画像の特定された高品質領域を利用して、単一の高品質画像を作り上げる(すなわち、構築する)。
【0085】
例えば、事前に決定された要件は、感知された角速度の大きさが第1の速度閾値を超えないことを要求する(すなわち、低速度を要求する)ように規定されてもよい。この場合も、両方の画像を互いから独立して使用することができる。このような実施形態では、画像プロセッサは、第1の画像及び第2の画像を画像処理アルゴリズムで更に処理して、第1の画像及び第2の画像の各々のターゲット領域を特定し、特定されたターゲット領域から画像データを抽出し、抽出された画像データを含む再構築された画像を生成する。つまり、振動サイクルの低速期間からの画像の一部を使用して、最適化された画像を作り上げ、生成する。
【0086】
別法として、事前に決定された要件は、感知された角速度の大きさが第2の速度閾値を超えることを要求する(すなわち、振動サイクル内の特定の期間において生じる中速度又は高速度を要求する)ように規定されてもよい。このような実施形態では、画像は、ブラシヘッドが実質的に同じ位置にある、例えばゼロ変位である状態でキャプチャされることになる。この場合も、両方の画像を互いから独立して使用することができる。画像プロセッサは次いで、第1の画像及び第2の画像を画像組合せアルゴリズムで更に処理して、第1の画像及び第2の画像に基づいて再構築された画像を生成する。つまり、画像が同じ角度/位置からキャプチャされている場合、それらの画像を組み合わせて、新しい改善された画像が形成される。
【0087】
このように、基準画像よりも高品質の画像データを含む画像セグメントが特定され、それらを使用して、複数の異なるキャプチャ画像から改善された/最適な画像が構築される。
【0088】
様々な構想及び実施形態の上記の説明から、パーソナルケアデバイスを制御する方法であって、パーソナルケアデバイスは、使用時にパーソナルケアデバイスがある振動周波数を有する周期振動サイクルで振動するよう、パーソナルケアデバイスを振動させるように適合されている、振動手段と、使用時に使用者の1つ又は複数の特徴の画像をキャプチャするように適合されている画像キャプチャデバイスと、使用時に使用者の一部を照明するためのパルス照明を生成するように構成されている照明デバイスとを備える、パーソナルケアデバイスを制御する方法が提案されていることが、理解されるであろう。方法は、パーソナルケアデバイスの単一の振動サイクル中に2つ以上の照明のパルスを生成するよう照明デバイスを制御するステップを有する。
【0089】
図4は、実施形態の1つ又は複数の部分が採用されるコンピュータ50の例を示す。上で検討した様々な動作は、コンピュータ500の能力を利用する。例えば、対象者固有のユーザインタフェースを提供するためのシステムの1つ又は複数の部分を、本明細書で検討する任意の要素、モジュール、アプリケーション、及び/又は構成要素に組み込むことができる。この点に関して、システム機能ブロックは、単一のコンピュータ上で実行してもよく、又は、クラウドベースのコンピューティングインフラストラクチャのように、(例えばインターネットを介して接続された)いくつかのコンピュータ及び場所に分散させてもよいことを理解されたい。
【0090】
コンピュータ50には、PC、ワークステーション、ラップトップ、PDA、パームデバイス、サーバ、ストレージなどが含まれるが、これらに限定されない。一般に、ハードウェアアーキテクチャの観点から、コンピュータ50は、ローカルインタフェース(図示せず)を介して通信可能に結合されている、1つ又は複数のプロセッサ51、メモリ52、及び1つ又は複数のI/Oデバイス53を含む。ローカルインターフェースは例えば、当技術分野で知られているように、1つ若しくは複数のバス、又は他の有線若しくはワイヤレス接続とすることができるが、これらに限定されない。ローカルインターフェースは、通信を可能にするための、制御装置、バッファ(キャッシュ)、ドライバ、リピータ、受信器などの追加の要素を有する。更に、ローカルインターフェースは、上述した構成要素間の適切な通信を可能にするための、アドレス、コントロール、及び/又はデータ接続を含む。
【0091】
プロセッサ51は、メモリ52に格納可能なソフトウェアを実行するためのハードウェアデバイスである。プロセッサ51は、コンピュータ50に関連するいくつかのプロセッサのうちの、実質上任意のカスタムメイド又は市販のプロセッサ、中央処理装置(CPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、又は補助プロセッサとすることができ、またプロセッサ51は、(マイクロチップの形態の)半導体ベースのマイクロプロセッサ又はマイクロプロセッサであり得る。
【0092】
メモリ52は、揮発性メモリ要素(例えば、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、等といった、ランダムアクセスメモリ(RAM))、及び、不揮発性メモリ要素(例えば、ROM、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM)、電子消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM(登録商標))、プログラマブル読み出し専用メモリ(PROM)、テープ、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、ディスク、ディスケット、カートリッジ、カセット、又は類似のもの、等)のうちの、任意の1つ、又はこれらの組合せを含み得る。更に、メモリ52には、電子的な、磁気的な、光学的な、及び/又は他のタイプのストレージ媒体が組み込まれる。メモリ52は、様々な構成要素が互いから離れて位置しているがプロセッサ51によってアクセス可能となっている、分散型アーキテクチャを有し得ることに留意されたい。
【0093】
メモリ52内のソフトウェアは1つ又は複数の個別のプログラムを含み、それらの各々は、論理関数を実装するための実行可能命令の順序付けられたリストを備える。メモリ52内のソフトウェアは、例示的な実施形態によれば、適切なオペレーティングシステム(O/S)54、コンパイラ56、ソースコード55、及び1つ又は複数のアプリケーション57を含む。示されているように、アプリケーション57は、例示的な実施形態の特徴及び動作を実施するための、多数の機能構成要素を備える。コンピュータ50のアプリケーション57は、例示的な実施形態によれば、様々なアプリケーション、計算ユニット、ロジック、機能ユニット、プロセス、操作、仮想エンティティ、及び/又はモジュールを表すが、アプリケーション57は限定となることは意図していない。
【0094】
オペレーティングシステム54は、他のコンピュータプログラムの実行を制御し、スケジューリング、入出力制御、ファイル及びデータ管理、メモリ管理、並びに通信制御及び関連サービスを提供する。発明者らは、例示的な実施形態を実施するためのアプリケーション57が、あらゆる市販のオペレーティングシステムに適用可能であることを想定している。
【0095】
アプリケーション57は、ソースプログラム、実行可能プログラム(オブジェクトコード)、スクリプト、又は実行されるべき命令のセットを備える任意の他のエンティティであり得る。ソースプログラムの場合、プログラムは通常、メモリ52内に含まれていてもいなくてもよい、コンパイラ(コンパイラ56など)、アセンブラ、インタプリタなどを介して、O/S54に接続されて適切に動作するように翻訳される。更に、アプリケーション57は、データ及び方法のクラスがあるオブジェクト指向プログラミング言語、又は、ルーチン、サブルーチン、及び/若しくは関数がある手続き型プログラミング言語、例えば、限定するものではないが、C、C++、C#、Pascal、BASIC、APIコール、HTML、XHTML、XML、ASPスクリプト、JavaScript(登録商標)、FORTRAN、COBOL、Perl、Java(登録商標)、ADA、.NETなどとして、記述できる。
【0096】
I/Oデバイス53には、例えば、マウス、キーボード、スキャナ、マイク、カメラ、等といった、ただしこれらに限定されない、入力デバイスが含まれる。更に、I/Oデバイス53には、例えば、プリンタ、ディスプレイ、等といった、ただしこれらに限定されない、出力デバイスも含まれる。最後に、I/Oデバイス53には更に、例えば、(リモートデバイス、他のファイル、デバイス、システム、又はネットワークにアクセスするための)NIC又は変調器/復調器、無線周波数(RF)又は他のトランシーバ、電話インターフェース、ブリッジ、ルータ、等の、ただしこれらに限定されない、入力及び出力の両方を通信するデバイスが含まれる。I/Oデバイス53にはまた、インターネット又はイントラネットなどの様々なネットワークを介して通信するための構成要素も含まれる。
【0097】
コンピュータ50がPC、ワークステーション、インテリジェントデバイスなどである場合、メモリ52内のソフトウェアは、基本入力出力システム(BIOS)(簡略化のため省略)を更に含む。BIOSは、起動時にハードウェアの初期化及びテストを行い、O/S54を起動し、ハードウェアデバイス間のデータ転送をサポートする、必須のソフトウェアルーチンのセットである。BIOSは、コンピュータ800が起動されたときにBIOSを実行できるように、ROM、PROM、EPROM、EEPROM(登録商標)などの、何らかのタイプの読み出し専用メモリに格納される。
【0098】
プロセッサ51は、コンピュータ50が動作しているとき、メモリ52に格納されているソフトウェアを実行するように、メモリ52との間でデータを通信するように、及びソフトウェアに従ってコンピュータ50の動作を全般的に制御するように、構成される。アプリケーション57及びO/S54は、全体又は一部がプロセッサ51によって読み取られ、場合によってはプロセッサ51内でバッファされ、その後実行される。
【0099】
アプリケーション57がソフトウェアで実装される場合、アプリケーション57は、任意のコンピュータ関連システム又は方法によって又はそれと関連して使用される、実質上どのようなコンピュータ可読媒体にも格納できることに留意すべきである。本文書の文脈では、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ関連システム又は方法によって又はそれと関連して使用されるコンピュータプログラムを収容又は格納できる、電子的な、磁気的な、光学的な、又は他の物理的な、デバイス又は手段である。
【0100】
アプリケーション57は、命令実行システム、装置、又はデバイス、例えば、コンピュータベースのシステム、プロセッサ搭載システム、又は、命令実行システム、装置、若しくはデバイスから命令をフェッチしその命令を実行できる他のシステムによって、或いはそれと関連して使用される、任意のコンピュータ可読媒体において具現化できる。本文書の文脈では、「コンピュータ可読媒体」は、命令実行システム、装置、又はデバイスによって又はそれと関連して使用されるプログラムを格納、通信、伝播、又は搬送することのできる、任意の手段であり得る。コンピュータ可読媒体は例えば、電子的な、磁気的な、光学的な、電磁的な、赤外線の、又は半導体の、システム、装置、デバイス、又は伝播媒体であり得るが、これらに限定されない。
【0101】
提案される画像キャプチャ及び/又は処理方法は、ハードウェア若しくはソフトウェアにおいて、又は両者の混合において(例えば、ハードウェアデバイス上で動作するファームウェアとして)実装される。実施形態が部分的又は全体的にソフトウェアにおいて実装される範囲において、プロセスのフローチャートに示される機能ステップは、1つ又は複数の中央処理装置(CPU)又はグラフィック処理ユニット(GPU)などの、適切にプログラムされた物理的コンピューティングデバイスによって実行される。各プロセス、及びフローチャートに示されているようなその個々の構成ステップは、同じコンピューティングデバイスによって実行されても異なるコンピューティングデバイスによって実行されてもよい。実施形態によれば、コンピュータ可読ストレージ媒体にコンピュータプログラムコードを含むコンピュータプログラムが格納されており、このコンピュータプログラムコードは、上記プログラムが1つ又は複数の物理的コンピューティングデバイス上で実行されたときに、その1つ又は複数の物理的コンピューティングデバイスに上記したような符号化又は復号化方法を実行させるように構成されている。
【0102】
ストレージ媒体には、RAM、PROM、EPROM、及びEEPROM(登録商標)などの揮発性及び不揮発性のコンピュータメモリ、光ディスク(CD、DVD、BDなど)、磁気ストレージ媒体(ハードディスク及びテープなど)が含まれる。様々なストレージ媒体がコンピューティングデバイス内に固定される、又はそれらは、そこに格納されている1つ若しくは複数のプログラムをプロセッサにロードできるように搬送可能である。
【0103】
実施形態が部分的に又は全体的にハードウェアで実装される範囲において、図1及び図3のブロック図に示すブロックは、別々の物理的構成要素若しくは単一の物理的構成要素の論理的下位部分であってもよく、又は、1つの物理的構成要素内に統合された形で全て実装されてもよい。図面に示す1つのブロックの機能を、実装において複数の構成要素間で分割してもよいし、図面に示す複数のブロックの機能を、実装において単一の構成要として組み合わせてもよい。本発明の実施形態において使用するのに適したハードウェアに構成要素の例としては、限定するものではないが、従来のマイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)が挙げられる。1つ又は複数のブロックを、いくつかの機能を実行するための専用ハードウェアと、他の機能を実行するための1つ又は複数のプログラムされたマイクロプロセッサ及び関連する回路構成との組合せとして実装してもよい。
【0104】
特許請求される本発明の実施に際して、当業者は、図面、本開示、及び添付の特許請求の範囲を検討することで、開示される実施形態の変形形態を理解し実現することができる。請求項において、単語「備える、含む、有する」は他の要素又はステップを除外せず、単数形の要素は複数を除外しない。単一のプロセッサ又は他のユニットが、請求項に記載されたいくつかの事項の機能を満たす場合がある。特定の手法が互いに異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手法の組合せが有利に使用され得ないことを示すものではない。上記においてコンピュータプログラムが検討されている場合、それは、他のハードウェアと一緒に又はその一部として供給される光学ストレージ媒体又はソリッドステート媒体などの好適な媒体に格納/分配されていてもよいが、インターネット又は他の有線若しくはワイヤレスの電気通信システムを介してなど、他の形態で分配されていてもよい。特許請求の範囲又は説明において用語「~するように適合されている」が使用される場合、用語「~するように適合されている」は、用語「~するように構成されている」と等価となるよう意図されていることが留意される。請求項におけるいかなる参照符号も、その範囲を限定するものと解釈するべきではない。
【0105】
図中のフローチャート及びブロック図には、本発明の様々な実施形態に係るシステム、方法、及びコンピュータプログラム製品の可能な実装形態のアーキテクチャ、機能性、及び動作が説明されている。この関連において、フローチャート又はブロック図内の各ブロックは、指定された論理機能を実施するための1つ又は複数の実行可能命令を備えるモジュール、セグメント、又は命令の一部分を表し得る。いくつかの代替の実装形態では、ブロック内に記された機能は、図に記されたものとは異なる順序で実行され得る。例えば、連続して示される2つのブロックを、実際には実質的に並行して実行ことができる、又は、これらのブロックを、時には関わる機能に応じて、逆の順序で実行することができる。また、ブロック図及び/又はフローチャート図の各ブロック、並びにブロック図及び/又はフローチャート図におけるブロックの組合せは、指定された機能若しくは動作を行う、又は専用ハードウェアとコンピュータ命令の組合せを実行する、専用ハードウェアベースのシステムによって実施され得ることも留意されるであろう。

図1
図2A
図2B
図3
図4
【国際調査報告】