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特表2025-501637飲料水パイプのための部品及びそれを製造する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-22
(54)【発明の名称】飲料水パイプのための部品及びそれを製造する方法
(51)【国際特許分類】
   C22C 9/04 20060101AFI20250115BHJP
   C22F 1/08 20060101ALI20250115BHJP
   C22F 1/00 20060101ALN20250115BHJP
【FI】
C22C9/04
C22F1/08 Z
C22F1/00 626
C22F1/00 630A
C22F1/00 630K
C22F1/00 611
C22F1/00 630M
C22F1/00 641B
C22F1/00 631A
C22F1/00 681
C22F1/00 682
C22F1/00 683
C22F1/00 691B
C22F1/00 640A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024538977
(86)(22)【出願日】2023-01-12
(85)【翻訳文提出日】2024-08-20
(86)【国際出願番号】 EP2023050613
(87)【国際公開番号】W WO2023138974
(87)【国際公開日】2023-07-27
(31)【優先権主張番号】2200575.5
(32)【優先日】2022-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516312028
【氏名又は名称】コネックス アイピーアール リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Conex IPR Limited
【住所又は居所原語表記】Global House, 95 Vantage Point, Pensnett Trading Estate, Kingswinford, West Midlands, DY6 7FT, United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】シュクラレック,マテウシュ
(72)【発明者】
【氏名】ウォリンスキー,スラヴォミール
(72)【発明者】
【氏名】サレハ バフティアリ,マヌーチェル
(57)【要約】
低い鉛含有量を有するCu-Zn-Si合金並びに飲料水パイプに適した配管取付具などの部品及びそれを製造する方法が記載される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
重量パーセントにおいて、以下の成分:
11.0≦Zn≦13.0、
2.5≦Si≦3.7、
0.1≦Fe≦0.5、
0.1≦Mn≦0.2
を含むか、それらから本質的になるか又はそれらからなるCu-Zn-Si合金であって、
Znの重量百分率([Zn])と、Siの重量百分率([Si])の10倍との和は、合計重量百分率Qになり、
ここで、Q=[Zn]+(10×[Si])であり、
36≦Q≦48であり、
前記Cu-Zn-Si合金は、重量パーセントで0.05%以下のNiを含み、
前記Cu-Zn-Si合金は、0.2重量%以下のAlを含み、
前記Cu-Zn-Si合金は、0.03重量%以下のPを含み、
前記合金は、0.53重量%以下の量の不可避の不純物を含み、前記不純物は、0.2重量%以下のSn及び0.06重量%以下のPbを含有し、
残りは、銅であり、例えば82.0≦Cu≦86.3、好適には82.0≦Cu≦86.0、例えば82.0≦Cu≦85.8、好ましくは82.0≦Cu≦85.0、例えば82.2≦Cu≦85.0又は82.5≦Cu≦84.5、例えば83.0≦Cu≦84.5であり、
前記Cu-Zn-Si合金は、ISO 6892-1:2009に従って決定される、300MPa以上、好ましくは400MPa以上の引張強度を有し、及び
前記合金は、ISO 6892-1:2009に従って決定される、25%以上、好ましくは30%以上、より好ましくは40%以上の破断伸びを有する、
Cu-Zn-Si合金。
【請求項2】
前記Cu-Zn-Si合金は、重量パーセントにおいて、
2.5≦Si≦3.5
を含む、
請求項1に記載のCu-Zn-Si合金。
【請求項3】
2.5≦Si≦3.2であり、
36≦Q≦47、好ましくは38≦Q≦45、例えば38≦Q≦42である、
請求項2に記載のCu-Zn-Si合金。
【請求項4】
2.7≦Si≦3.5であり、
37≦Q≦48、好ましくは40≦Q≦46、例えば40≦Q≦44である、
請求項2に記載のCu-Zn-Si合金。
【請求項5】
11.5≦Zn≦13.0、例えば12.0≦Zn≦13.0である、請求項1~4のいずれか一項に記載のCu-Zn-Si合金。
【請求項6】
前記Cu-Zn-Si合金は、As及び/又はSbを含まない、請求項1~5のいずれか一項に記載のCu-Zn-Si合金。
【請求項7】
重量パーセントにおいて、以下:
11.0≦Zn≦13.0、
2.5≦Si≦3.7、
0.1≦Fe≦0.5、
0.1≦Mn≦0.2
を含むか、それらから本質的になるか又はそれらからなるCu-Zn-Si合金から製造される、飲料水パイプのための部品、すなわち飲料水パイプのためのバルブ及び取付具であって、
Znの重量百分率([Zn])と、Siの重量百分率([Si])の10倍との和は、合計重量百分率Qになり、
ここで、Q=[Zn]+(10×[Si])であり、
36≦Q≦48であり、
前記Cu-Zn-Si合金は、重量パーセントで0.05%以下のNiを含み、
前記Cu-Zn-Si合金は、0.2重量%以下のAlを含み、
前記Cu-Zn-Si合金は、0.03重量%以下のPを含み、
前記合金は、0.53重量%以下の量の不可避の不純物を含み、前記不純物は、0.2重量%以下のSn及び0.06重量%以下のPbを含有し、
残りは、銅であり、例えば82.0≦Cu≦86.3、好適には82.0≦Cu≦86.0、例えば82.0≦Cu≦85.8、好ましくは82.0≦Cu≦85.0、例えば82.2≦Cu≦85.0又は82.5≦Cu≦84.5、例えば83.0≦Cu≦84.5であり、
前記Cu-Zn-Si合金は、ISO 6892-1:2009に従って決定される、300MPa以上の引張強度を有し、及び
前記合金は、ISO 6892-1:2009に従って決定される、25%以上、好ましくは30%以上、より好ましくは40%以上の破断伸びを有する、
飲料水パイプのための部品、すなわち飲料水パイプのためのバルブ及び取付具。
【請求項8】
前記部品は、請求項2~6のいずれか一項に記載のCu-Zn-Si合金から製造される、請求項7に記載の飲料水パイプのための部品。
【請求項9】
前記合金は、8.0kg/m~8.29kg/m、好ましくは8.0~8.28kg/m、好適には8.18~8.28kg/mの範囲の密度を有する、請求項7又は8に記載の飲料水パイプのための部品。
【請求項10】
飲料水パイプのための部品、すなわち飲料水パイプのためのバルブ及び取付具を製造する方法であって、
(i)重量パーセントにおいて、以下:
11.0≦Zn≦13.0、
2.5≦Si≦3.7、
0.1≦Fe≦0.5、
0.1≦Mn≦0.2
を含むか、それらから本質的になるか又はそれらからなるCu-Zn-Si合金であって、
Znの重量百分率([Zn])と、Siの重量百分率([Si])の10倍との和は、合計重量百分率Qになり、
ここで、Q=[Zn]+(10×[Si])であり、
36≦Q≦48であり、
前記Cu-Zn-Si合金は、重量パーセントで0.05%以下のNiを含み、
前記Cu-Zn-Si合金は、0.2重量%以下のAlを含み、
前記Cu-Zn-Si合金は、0.03重量%以下のPを含み、
前記合金は、0.53重量%以下の量の不可避の不純物を含み、前記不純物は、0.2重量%以下のSn及び0.06重量%以下のPbを含有し、
残りは、銅であり、例えば82.0≦Cu≦86.3、好適には82.0≦Cu≦86.0、例えば82.0≦Cu≦85.8、好ましくは82.0≦Cu≦85.0、例えば82.2≦Cu≦85.0又は82.5≦Cu≦84.5、例えば83.0≦Cu≦84.5であり、
前記Cu-Zn-Si合金は、ISO 6892-1:2009に従って決定される、300MPa以上の引張強度を有し、及び
前記合金は、ISO 6892-1:2009に従って決定される、25%以上、好ましくは30%以上、より好ましくは40%以上の破断伸びを有する、Cu-Zn-Si合金を提供することと、
(ii)前記合金を加工して、前記部品を形成することと
を含む方法。
【請求項11】
ステップ(ii)は、前記合金を連続鋳造することを含み、及び/又はステップ(ii)は、1つ若しくは複数の金属成形ステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
ステップ(ii)は、前記合金を重力鋳造すること、例えば前記合金を砂型鋳造又はダイカストすることを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
ステップ(ii)は、1つ又は複数の金属成形ステップ、例えば前記合金を鍛造又は圧延することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
ステップ(ii)は、1つ又は複数の機械加工ステップをさらに含む、請求項10~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記Cu-Zn-Si合金は、ISO 6892-1:2009に従って決定される、350MPa以上、好ましくは380MPa以上、さらにより好ましくは400MPa以上、例えば450MPa以上の引張強度を有する、請求項10~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記Cu-Zn-Si合金は、8.0kg/m~8.29kg/m、好ましくは8.0~8.28kg/m、好適には8.18~8.28kg/mの範囲の密度を有する、請求項10~15のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
分野
[0001] 配管設備、例えば飲料水パイプに適した部品及びそれを製造する方法が提供される。このような部品は、例えば、カップリング部品、アングル部品、エルボ部品、T型部品、分配部品、取付具及びバルブを含む。これらの部品は、セントラルヒーティング、換気又は空調システムなどの他の配管用途における有用性も見出し得る。
【背景技術】
【0002】
背景
[0002] 配管部品を形成するために使用される真鍮及び青銅などの銅合金に少量の鉛を使用すると、結果として得られる合金に有益な特性、例えば改善された機械加工特性が提供され、それにより複雑な部品の製造が可能になった。
【0003】
[0003] 特に、飲料水などの媒体を運ぶものなどの配管設備のための部品を製造する材料は、長年にわたって耐腐食性でなければならない。加えて、このような部品の製造を可能にするために、前記部品を製造する合金は、容易及び経済的に加工され、良好な機械加工性を有しなければならない。合金は、製造中、貯蔵中、輸送中、設置中及び設備の実用寿命中、部品がさらされる可能性のある機械的ひずみに耐えることができなければならない。
【0004】
[0004] 配管部品に使用される合金中の鉛及びスズなどの重金属の存在は、健康上のリスクを引き起こす可能性があり、したがって飲料水のための配管部品の製造で使用するための合金中に存在する特定の金属の量には、規制制限がある。
【0005】
[0005] 84重量%~88重量%のCu、4重量%~6重量%のSn、4重量%~6重量%のZn、3重量%のPb及び0.10WのSbを含むCC499K(鋳造のEN記号は、CuSn5Zn5Pb2-Cである)などの銅-スズ合金は、配管部品を形成するために広く使用されている。この合金は、良好な機械的特性及び機械加工特性を有する。CC499Kは、砂型鋳造、ダイカスト、遠心鋳造及び連続鋳造に適している。CC499Kは、BE EN 1982に従って約220MPaの引張強度及び約13%の伸びを有する。0.2%耐力は、110MPaである。CC499Kは、4MSイニシアチブの下で飲料水との接触が承認されている。
【0006】
[0006] 欧州特許第1446510号は、飲料水用成形部品のための非腐食性銅-亜鉛合金の使用を開示している。欧州特許第1446510号は、以下の合金成分:a)23~32重量%の亜鉛、b)0.01~0.3重量%のスズ、鉄、ニッケル、アルミニウム及びケイ素の少なくとも1つの元素、c)0.7~1.5重量%の鉛、d)製造用材料として製造関連の不純物を含む残りの銅(残りの銅の含有量は、a)~c)の各混合成分の成分合計に基づく)で構成される、飲料水用成形部品のための耐食性銅-亜鉛合金を記載している。
【0007】
[0007] 鉛及びスズなどの元素が、配管部品を通して搬送される媒体に移行することは、特に前記媒体がヒトによる摂取のためのものである場合に望ましくない。European Drinking Water Directiveは、飲用水に含まれる鉛が1リットル当たり最大10マイクログラムであることを要求しており、この鉛の制限は、2036年までに最大5マイクログラムまで低減されなければならない。これらの制限を満たすために、住宅及び建物内の鉛含有配管部品の交換が必要とされている。
【0008】
[0008] 米国特許出願公開第2007158004号は、媒体又は飲料水を搬送するのに適した取付具、バルブ及びパイプなどの部品を製造する方法に関し、これらの部品は、金属イオンの媒体への低移行性を示すとされている。この方法は、銅合金からインゴット又はロッドを連続鋳造することを含み、この合金は、重量%で以下の組成:2重量%≦Si≦4.5重量%、1重量%≦Zn≦17重量%、0.05重量%≦Mn≦0.6重量%、合計で最大0.5重量%まで、好ましくは合計で最大0.3重量%までの不可避の付随元素を有し、残りは、銅であり、部品を製造するためのインゴット又はロッドは、少なくとも1つの冷間及び/又は熱間成形プロセスを受ける。米国特許出願公開第2007158004号は、3.5重量%のSi、1.6重量%のZn及び0.5重量%のMnを含み、最大0.5重量%までの不可避の付随元素が存在し、残りが銅である、単一例の組成物を含む。例示される組成物は、5.5重量%のZn、4.5重量%のSn、3重量%のPb、0.5重量%のNiを含み、残りが銅である真鍮合金よりも鉛、ニッケル、銅及び亜鉛の放出が少なかった。このような銅合金の引張強度は、約300MPaであり、伸びは、約16%である。この合金は、良好な機械加工性を有さず、成形のために使用することができない。
【0009】
[0009] 欧州特許第1045041号は、69~79重量パーセントの銅;2.0~4.0重量パーセントのケイ素;0.02~0.4重量パーセントのビスマス、0.02~0.4重量パーセントのテルル及び0.02~0.4重量パーセントのセレンの中から選択される少なくとも1つの元素;並びに残りの重量パーセントの亜鉛を含む、無鉛の快削銅合金を開示及び特許請求している。したがって、欧州特許第1045041号は、約16重量%~約29重量%の亜鉛を含む銅合金を開示している。欧州特許第1045041号の銅合金は、耐食性に関して批判されており、加えて、この合金は、飲料水パイプに適さない元素を含有する。
【0010】
[0010] 米国特許出願公開第2009/0214380号は、媒体を運ぶガス管又は送水管、特に飲料水管並びにその取付具及びバルブの部品を製造するための銅合金の使用を開示及び特許請求しており、銅合金は、重量%で2.8≦Si≦4.5、1≦Zn≦15、0.05≦Mn≦2、80≦Cu≦96.95を含み、任意選択的に0.05≦Al≦0.5、0.05≦Sn≦2、0.0005≦Zr≦0.05、0.01≦P≦0.2及び不可避の不純物をさらに含む。
【0011】
[0011] 米国特許出願公開第2008/0318079号は、0.2%未満の鉛含有量を有するケイ素青銅から製造された配管バルブ、取付具及び他の水を取り扱うデバイスを開示している。そこに記載されるケイ素青銅合金C87800は、重量%で以下の成分からなる。
【0012】
【表1】
【0013】
好ましいC87800合金は、約82重量%の銅、4重量%のケイ素及び14重量%の亜鉛を含んでいた。代わりに、ケイ素青銅合金C87610が使用され得る。
【0014】
【表2】
【0015】
好ましいC87610合金は、約92重量%の銅、約4重量%のケイ素及び約4重量%の亜鉛を含む。C87800は、約25%までの伸びを有し、C87610は、約20%までの伸びを有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
[0012] 低減された鉛含有量を有し、飲料水などの媒体へのイオンの移行が少なく、成形及び鋳造の両方に適しており、良好な機械加工性を有し、はんだ付けに適している合金を提供することが望ましいであろう。特に、上述の特性を有し、引張強度及び伸び特性が増大された合金を提供することが望ましいであろう。これら及び他の要求は、本発明によって提供される。
【課題を解決するための手段】
【0017】
概要
[0013] 一態様では、本発明は、重量パーセントにおいて、以下の成分:
11.0≦Zn≦13.0、
2.5≦Si≦3.7、
0.1≦Fe≦0.5、
0.1≦Mn≦0.2
を含むか、それらから本質的になるか又はそれらからなるCu-Zn-Si合金であって、
Znの重量百分率([Zn])と、Siの重量百分率([Si])の10倍との和は、合計重量百分率Qになり、
ここで、Q=[Zn]+(10×[Si])であり、
36≦Q≦48であり、
Cu-Zn-Si合金は、重量パーセントで0.05%以下のNiを含み、
Cu-Zn-Si合金は、0.2重量%以下のAlを含み、
Cu-Zn-Si合金は、0.03重量%以下のPを含み、
合金は、0.53重量%以下の量の不可避の不純物を含み、前記不純物は、0.2重量%以下のSn及び0.06重量%以下のPbを含有し、
残りは、銅であり、例えば82.0≦Cu≦86.3、好適には82.0≦Cu≦86.0、例えば82.0≦Cu≦85.8、好ましくは82.0≦Cu≦85.0、例えば82.2≦Cu≦85.0又は82.5≦Cu≦84.5、例えば83.0≦Cu≦84.5であり、
前記Cu-Zn-Si合金は、ISO 6892-1:2009に従って決定される、300MPa以上、好ましくは400MPa以上の引張強度を有し、及び
前記合金は、ISO 6892-1:2009に従って決定される、25%以上、好ましくは30%以上、より好ましくは40%以上の破断伸びを有する、Cu-Zn-Si合金を提供する。
【0018】
[0014] 好適には、Cu-Zn-Si合金は、重量パーセントで2.5≦Si≦3.5を含む。
【0019】
[0015] 好適には、38≦Q≦44である。
【0020】
[0016] 例えば、Cu-Zn-Si合金は、重量パーセントで2.5≦Si≦3.2及び36≦Q≦47、好ましくは38≦Q≦45、例えば38≦Q≦42を含み得る。このようなケイ素含有量及びQ値は、合金が連続鋳造される場合に特に有利である。
【0021】
[0017] 好適には、Cu-Zn-Si合金は、重量パーセントで2.5≦Si≦3.2及び36≦Q≦47、好ましくは38≦Q≦45、例えば38≦Q≦42を含み、前記合金は、連続鋳造される。
【0022】
[0018] 別の実施形態では、Cu-Zn-Si合金は、重量パーセントで2.7≦Si≦3.5を含み、ここで、37≦Q≦48、好ましくは40≦Q≦46、例えば40≦Q≦44であり得る。このようなケイ素含有量及びQ値は、合金が重力鋳造される場合に特に有利である。
【0023】
[0019] 好適には、Cu-Zn-Si合金は、重量パーセントで2.7≦Si≦3.5を含み、ここで、37≦Q≦48、好ましくは40≦Q≦46、例えば40≦Q≦44であり得、重力鋳造される。
【0024】
[0020] 好適には、Cu-Zn-Si合金は、11.5≦Zn≦13.0、例えば12.0≦Zn≦13.0の範囲の亜鉛含有量を含む。
【0025】
[0021] Cu-Zn-Si合金は、0.1≦Mn≦0.15の範囲、好ましくは0.10≦Mn≦0.14の範囲のマンガン含有量を含み得る。
【0026】
[0022] 好ましくは、Cu-Zn-Si合金は、As及び/又はSbを含まない。
【0027】
[0023] Cu-Zn-Si合金は、ISO 6892-1:2009に従って決定される、350MPa以上、好ましくは380MPa以上、さらにより好ましくは400MPa以上、例えば450MPa以上の引張強度を有し得る。
【0028】
[0024] 好適には、Cu-Zn-Si合金は、8.0kg/m~8.29kg/m、好ましくは8.0~8.28kg/m、好適には8.18~8.28kg/mの範囲の真の固体密度を有する。真の固体密度は、BS ISO 12154に従って測定され得る。
【0029】
[0025] 別の態様では、本発明は、重量パーセントにおいて、以下:
11.0≦Zn≦13.0、
2.5≦Si≦3.7、
0.1≦Fe≦0.5、
0.1≦Mn≦0.2、例えば0.1≦Mn≦0.15、好ましくは0.10≦Mn≦0.14
を含むか、それらから本質的になるか又はそれらからなる、本明細書に記載されるCu-Zn-Si合金から製造される、飲料水パイプのための部品、すなわち飲料水パイプのためのバルブ及び取付具を提供し、
Znの重量百分率([Zn])と、Siの重量百分率([Si])の10倍との和は、合計重量百分率Qになり、
ここで、Q=[Zn]+(10×[Si])であり、
36≦Q≦48であり、
Cu-Zn-Si合金は、重量パーセントで0.05%以下のNiを含み、
Cu-Zn-Si合金は、0.2重量%以下のAlを含み、
Cu-Zn-Si合金は、0.03重量%以下のPを含み、
合金は、0.53重量%以下の量の不可避の不純物を含み、前記不純物は、0.2重量%以下のSn及び0.06重量%以下のPbを含有し、
残りは、銅であり、例えば82.0≦Cu≦86.3、好適には82.0≦Cu≦86.0、例えば82.0≦Cu≦85.8、好ましくは82.0≦Cu≦85.0、例えば82.2≦Cu≦85.0又は82.5≦Cu≦84.5、例えば83.0≦Cu≦84.5であり、
前記Cu-Zn-Si合金は、ISO 6892-1:2009に従って決定される、300MPa以上の引張強度を有し、及び
前記合金は、ISO 6892-1:2009に従って決定される、25%以上、好ましくは30%以上、より好ましくは40%以上の破断伸びを有する。
【0030】
[0026] またさらなる態様では、本発明は、飲料水パイプのための部品、すなわち飲料水パイプのためのバルブ及び取付具を製造する方法であって、
(i)重量パーセントにおいて、以下:
11.0≦Zn≦13.0、
2.5≦Si≦3.7、
0.1≦Fe≦0.5、
0.1≦Mn≦0.2、例えば0.1≦Mn≦0.15、好ましくは0.10≦Mn≦0.14
を含むか、それらから本質的になるか又はそれらからなる、本明細書に記載されるCu-Zn-Si合金であって、
Znの重量百分率([Zn])と、Siの重量百分率([Si])の10倍との和は、合計重量百分率Qになり、
ここで、Q=[Zn]+(10×[Si])であり、
36≦Q≦48であり、
Cu-Zn-Si合金は、重量パーセントで0.05%以下のNiを含み、
Cu-Zn-Si合金は、0.2重量%以下のAlを含み、
Cu-Zn-Si合金は、0.03重量%以下のPを含み、
合金は、0.53重量%以下の量の不可避の不純物を含み、前記不純物は、0.2重量%以下のSn及び0.06重量%以下のPbを含有し、
残りは、銅であり、例えば82.0≦Cu≦86.3、好適には82.0≦Cu≦86.0、例えば82.0≦Cu≦85.8、好ましくは82.0≦Cu≦85.0、例えば82.2≦Cu≦85.0又は82.5≦Cu≦84.5、例えば83.0≦Cu≦84.5であり、
前記Cu-Zn-Si合金は、ISO 6892-1:2009に従って決定される、300MPa以上の引張強度を有し、及び
前記合金は、ISO 6892-1:2009に従って決定される、25%以上、好ましくは30%以上、より好ましくは40%以上の破断伸びを有する、Cu-Zn-Si合金を提供することと、
(ii)前記合金を加工して、前記部品を形成することと
を含む方法を提供する。
【0031】
[0027] 前記合金を加工して、本明細書に記載される部品を形成することは、前記合金を連続鋳造すること及び/又は1つ若しくは複数の金属成形ステップを含み得る。
【0032】
[0028] 前記合金を加工して、本明細書に記載される部品を形成することは、前記合金を重力鋳造すること、例えば前記合金を砂型鋳造又はダイカストすることを含み得る。
【0033】
[0029] 前記合金を加工して、本明細書に記載される部品を形成することは、加圧ダイカスト、例えば高圧ダイカストを含み得る。
【0034】
[0030] 前記合金を加工して、本明細書に記載される部品を形成することは、1つ又は複数の金属成形ステップ、例えば前記合金を鍛造又は圧延することを含み得る。
【0035】
[0031] 前記合金を加工して、本明細書に記載される部品を形成することは、1つ又は複数の機械加工ステップを含み得る。
【0036】
[0032] Cu-Zn-Si合金の加工は、1つ又は複数の加工ステップにおいて、800~1300℃、好ましくは1000℃~1300℃の範囲の温度まで銅合金を加熱することを含み得る。例えば、連続鋳造プロセスでは、Cu-Zn-Si合金は、1000℃~1150℃の範囲の温度まで加熱され得る。重力鋳造プロセスでは、Cu-Zn-Si合金は、1200℃~1300℃の範囲の温度まで加熱され得る。
【0037】
[0033] 好適には、本明細書に記載される部品の製造が連続鋳造を含む場合、Cu-Zn-Si合金は、重量パーセントで2.5≦Si≦3.2及び好適には36≦Q≦47、好ましくは38≦Q≦45、例えば38≦Q≦42を含む。
【0038】
[0034] 好適には、本明細書に記載される部品の製造が重力鋳造、例えば砂型鋳造又はダイカストを含む場合、Cu-Zn-Si合金は、重量パーセントで2.7≦Si≦3.5及び好適には37≦Q≦48、好ましくは40≦Q≦46、例えば40≦Q≦44を含む。
【0039】
[0035] Cu-Zn-Si合金は、ISO 6892-1:2009に従って決定される、350MPa以上、好ましくは380MPa以上、さらにより好ましくは400MPa以上、例えば450MPa以上の引張強度を有する。
【0040】
[0036] Cu-Zn-Si合金は、8.0kg/m~8.29kg/m、好ましくは8.0~8.28kg/m、好適には8.18~8.28kg/mの範囲の真の固体密度を有する、請求項10~15のいずれか一項に記載の方法。真の固体密度は、BS ISO 12154に従って測定され得る。
【0041】
[0037] 本開示は、重量パーセントにおいて、以下の成分:
11.0≦Zn≦13.0、任意選択的に11.5≦Zn≦13.0、例えば12.0≦Zn≦13.0、
2.4≦Si≦4.1、
0.1≦Fe≦0.5、
任意選択的に、0.1≦Mn≦0.2
を含むか、それらから本質的になるか又はそれらからなるCu-Zn-Si合金であって、
Znの重量百分率と、Siの重量百分率の10倍との和は、合計重量百分率Qになり、
ここで、Q=[Zn]+(10×[Si])であり、
35≦Q≦52であり、
合金は、0.53重量%以下の量の不可避の不純物を含み、
前記不純物は、0.2重量%以下のSn及び0.06重量%以下のPbを含有する、Cu-Zn-Si合金も提供する。
【0042】
[0038] 本明細書では、重量パーセントにおいて、以下の成分:
80≦Cu≦88、好ましくは81.0≦Cu≦86.5、
11.0≦Zn≦13.0、任意選択的に11.5≦Zn≦13.0、例えば12.0≦Zn≦13.0、
2.4≦Si≦4.1、
0.1≦Fe≦0.5、
任意選択的に、0.1≦Mn≦0.2、
を含むCu-Zn-Si合金から製造される、飲料水パイプのための部品、すなわち飲料水パイプのためのバルブ及び取付具も開示され、
Znの重量百分率と、Siの重量百分率の10倍との和は、合計重量百分率Qになり、
ここで、Q=[Zn]+(10×[Si])であり、
35≦Q≦52であり、
合金は、0.53重量%以下の量の不可避の不純物を含み、
前記不純物は、0.2重量%以下のSn及び0.06重量%以下のPbを含有する。
【0043】
[0039] 別の態様では、本開示は、飲料水パイプのための部品、すなわち飲料水パイプのためのバルブ及び取付具を製造する方法であって、
(i)重量パーセントにおいて、以下の成分:
80≦Cu≦88、好ましくは81.0≦Cu≦86.5、
11.0≦Zn≦13.0、任意選択的に11.5≦Zn≦13.0、例えば12.0≦Zn≦13.0、
2.4≦Si≦4.1、
0.1≦Fe≦0.5、
任意選択的に、0.1≦Mn≦0.2
を含むCu-Zn-Si合金であって、
Znの重量百分率([Zn])と、Siの重量百分率([Si])の10倍との和は、合計重量百分率Qになり、
ここで、Q=[Zn]+(10×[Si])であり、
35≦Q≦52であり、
合金は、0.53重量%以下の量の不可避の不純物を含み、
前記不純物は、0.2重量%以下のSn及び0.06重量%以下のPbを含有する、Cu-Zn-Si合金を提供することと、
(ii)前記合金を加工して、前記部品を形成することと
を含む方法を提供する。
【0044】
[0040] 本開示のCu-Zn-Si合金は、重量パーセントで80.5≦Cu≦87、好ましくは81.0≦Cu≦86.5、より好ましくは81.5≦Cu≦86.3、さらにより好ましくは82.0≦Cu≦86.0、例えば82.0≦Cu≦85.8、例えば82.0≦Cu≦85.0、例えば82.2≦Cu≦85.0を含み得る。
【0045】
[0041] 本発明のCu-Zn-Si合金中の銅の量は、82.2≦Cu≦85.0又は82.5≦Cu≦84.5、例えば83.0≦Cu≦84.5の範囲である場合が特に好ましい。
【0046】
[0042] Cu-Zn-Si合金は、例えば、重量パーセントで2.5≦Si≦3.7、好ましくは2.5≦Si≦3.5を含み得る。
【0047】
[0043] Cu-Zn-Si合金は、ISO 6892-1:2009に従って決定される、300MPa以上、好ましくは350MPa以上、さらにより好ましくは380MPa以上、さらにより好ましくは400MPa以上、例えば450MPa以上の引張強度を有し得る。例えば、Cu-Zn-Si合金は、ISO 6892-1:2009に従って決定される、300MPa~650MPa、例えば350MPa~650MPa、好ましくは380MPa~600MPaの範囲、例えば400MPa~600MPa、例えば450MPa~600MPaの範囲の引張強度を有し得る。
【0048】
[0044] Cu-Zn-Si合金は、好適には、ISO 6892-1:2009に従って決定される、15%以上、好適には20%以上、好ましくは25%以上、例えば30%以上又は35%以上の破断伸びを有する。例えば、Cu-Zn-Si合金は、25%~65%、例えば30%~60%又は35%~60%の範囲の破断伸びを有し得る。
【0049】
[0045] 好適には、Cu-Zn-Si合金は、ISO 6892-1:2009に従って決定される、350MPa以上の引張強度及び25%以上の破断伸びを有し得る。いくつかの実施形態では、Cu-Zn-Si合金は、380MPa以上の引張強度及び25%~65%の範囲の破断伸びを有する。特に好ましい実施形態では、Cu-Zn-Si合金(及びそれから製造された部品)は、380MPa~650MPa、例えば400~600MPa又は450MPa~600MPaの引張強度を有し、破断伸びは、ISO 6892-1:2009に従って決定されて25%~65%、例えば30%~60%又は35%~60%である。
【0050】
[0046] 好適には、Cu-Zn-Si合金は、0.1重量%以下のSn、より好適には0.06重量%以下のSnを含む。
【0051】
[0047] Cu-Zn-Si合金は、重量パーセントで0.05%以下のNiを含む。
【0052】
[0048] Cu-Zn-Si合金は、0.2重量%までのAl、例えば0.001重量%~0.2重量%のAlを含み得る。
【0053】
[0049] Cu-Zn-Si合金は、0.03重量%までのP、例えば0.001重量%~0.03重量%のPを含み得る。
【0054】
[0050] 好適には、Cu-Zn-Si合金は、Asを含まない。
【0055】
[0051] Cu-Zn-Si合金は、代替的又は追加的に、Sb、Bi、Te及びSeの1つ又は複数を含まなくてもよい。例えば、Cu-Zn-Si合金は、As、Sb、Bi、Te及びSeを含まなくてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0056】
図1】実施例1の連続鋳造ロッドの断面を示す。
図2図1の拡大図を示す。
図3】伸び計において破断するまで伸長された実施例1の連続鋳造Cu-Zn-Si合金ロッドの端部を示す。
図4】実施例2に従う連続鋳造ロッドの断面を示す。
図5】比較例4で鋳造されたロッドの断面を示す。
図6】伸び計において破断するまで伸長された比較例4のダイカストCu-Zn-Si合金ロッドの端部を示す。
図7】比較例2で鋳造されたロッドを示す。
【発明を実施するための形態】
【0057】
詳細な説明
[0052] 上記で概説されるように、本明細書では、重量パーセントにおいて、以下の成分:
11.0≦Zn≦13.0、
2.5≦Si≦3.7、
0.1≦Fe≦0.5、
0.1≦Mn≦0.2、例えば0.1≦Mn≦0.15、好ましくは0.10≦Mn≦0.14
を含むか、それらから本質的になるか又はそれらからなるCu-Zn-Si合金であって、
Znの重量百分率([Zn])と、Siの重量百分率([Si])の10倍との和は、合計重量百分率Qになり、
ここで、Q=[Zn]+(10×[Si])であり、
36≦Q≦48であり、
Cu-Zn-Si合金は、重量パーセントで0.05%以下のNiを含み、
Cu-Zn-Si合金は、0.2重量%以下のAlを含み、
Cu-Zn-Si合金は、0.03重量%以下のPを含み、
合金は、0.53重量%以下の量の不可避の不純物を含み、前記不純物は、0.2重量%以下のSn及び0.06重量%以下のPbを含有し、
残りは、銅であり、例えば82.0≦Cu≦86.3、好ましくは82.0≦Cu≦85.0、例えば82.2≦Cu≦85.0又は82.5≦Cu≦84.5、例えば83.0≦Cu≦84.5であり、
前記Cu-Zn-Si合金は、ISO 6892-1:2009に従って決定される、300MPa以上、好ましくは400MPa以上の引張強度を有し、及び
前記合金は、ISO 6892-1:2009に従って決定される、25%以上、好ましくは30%以上、より好ましくは40%以上の破断伸びを有する、Cu-Zn-Si合金が開示される。
【0058】
[0053] Cu-Zn-Si合金は、特に、配管取付具などの部品、例えば飲料水パイプ、すなわちヒトによる摂取のための飲料水又は他の媒体を搬送するのに適したパイプのための部品、例えばカップリング部品、アングル部品、エルボ部品、T型部品、分配部品、取付具及びバルブの製造に適している。当然のことながら、これらの部品は、他の配管設定、例えばセントラルヒーティング、換気又は空調システムでも使用され得る。
【0059】
[0054] 有利には、部品は、無鉛であり、部品を通して搬送される飲料水などの媒体へのイオンの移行が少ない。
【0060】
[0055] 11.0重量%~13.0重量%の亜鉛含有量は、伸び及び引張強度に影響を与える。亜鉛含有量が約11重量%よりも少ないと、伸びが低下する。亜鉛含有量が約13重量%を超えると、引張強度が低下する。いくつかの実施形態では、亜鉛含有量は、11.5重量%~13.0重量%、例えば12.0重量%~13.0重量%の範囲である。
【0061】
[0056] 2.5重量%~3.7重量%のケイ素含有量は、耐食性、鋳造性及び耐摩耗性に影響を与える。腐食速度は、ISO 16151:2018に従って決定されて0.02~0.002mm/年であり得る。ケイ素含有量が約2.5重量%よりも少ないと、これらの特性が低下する。ケイ素含有量が約3.7重量%を超えると、これらの特性が低下する。いくつかの実施形態では、ケイ素含有量は、2.5重量%~3.5重量%の範囲である。
【0062】
[0057] 重要なことに、合金が異なる加工条件下で加工される場合、亜鉛含有量とケイ素含有量との間の関係は、引張強度及び伸びに大きい影響を与える。
【0063】
[0058] 例えば、本発明の合金は、連続鋳造又は金属成形プロセスで加工される場合、Qで定義される亜鉛の量とケイ素の量との間の最適な関係を有し、ここで、Q=[Zn]+(10×[Si])であり、2.5≦Si≦3.5、例えば2.5≦Si≦3.2であり、36≦Q≦47、好ましくは38≦Q≦42である。
【0064】
[0059] 連続鋳造又は金属成形プロセスでは、Qが約36未満である場合、引張強度の低下が観察されるが、Qが約47を超える場合、伸びの低下が観察される。有利には、Qが約38重量%~約42重量%の範囲である場合、本発明に記載される部品に対して最適な引張強度及び伸びが達成される。
【0065】
[0060] したがって、本発明の一態様は、重量パーセントにおいて、以下の成分:
11.0≦Zn≦13.0
2.5≦Si≦3.5
0.1≦Fe≦0.5
0.1≦Mn≦0.2、例えば0.1≦Mn≦0.15、好ましくは0.10≦Mn≦0.14の範囲
を含むCu-Zn-Si合金を連続鋳造又は金属成形することによって製造される、飲料水パイプのための部品、すなわち飲料水パイプのためのバルブ及び取付具を提供し、
Znの重量百分率と、Siの重量百分率の10倍との和は、合計重量百分率Qになり、
ここで、Q=[Zn]+(10×[Si])であり、
36≦Q≦47、好ましくは38≦Q≦42であり、
合金は、0.53重量%以下の量の不可避の不純物を含み、
前記不純物は、0.2重量%以下のSn及び0.06重量%以下のPb、好ましくは0.05重量%以下のPbを含有し、
Cu-Zn-Si合金は、重量パーセントで0.05%以下のNiを含み、
Cu-Zn-Si合金は、0.2重量%以下のAlを含み、
Cu-Zn-Si合金は、0.03重量%以下のPを含み、
合金は、0.53重量%以下の量の不可避の不純物を含み、前記不純物は、0.2重量%以下のSn及び0.06重量%以下のPbを含有し、
残りは、銅であり、例えば82.0≦Cu≦86.3、好ましくは82.0≦Cu≦85.0、例えば82.2≦Cu≦85.0又は82.5≦Cu≦84.5、例えば83.0≦Cu≦84.5であり、
前記Cu-Zn-Si合金は、ISO 6892-1:2009に従って決定される、300MPa以上、好ましくは400MPa以上の引張強度を有し、及び
前記合金は、ISO 6892-1:2009に従って決定される、25%以上、好ましくは30%以上、より好ましくは40%以上の破断伸びを有する。
【0066】
[0061] 本発明の合金が重力鋳造プロセスで加工される場合、亜鉛の量とケイ素の量との間の最適な関係は、Qによって定義され、ここで、Q=[Zn]+(10×[Si])であり、2.7≦Si≦3.5、例えば2.8≦Si≦3.2であり、37≦Q≦48、好ましくは40≦Q≦46である。
【0067】
[0062] 砂型鋳造プロセス又はダイカストプロセスなどの重力鋳造プロセスでは、Qが約37未満である場合、引張強度の低下が観察されるが、Qが約48を超える場合、伸びの低下が観察される。有利には、Qが約40重量%~約46重量%の範囲である場合、重力鋳造に対して最適な伸び及び引張強度が達成される。
【0068】
[0063] したがって、本発明の別の態様は、重量パーセントにおいて、以下の成分:
11.0≦Zn≦13.0
2.7≦Si≦3.5
0.1≦Fe≦0.5
0.1≦Mn≦0.2、例えば0.1≦Mn≦0.15、好ましくは0.10≦Mn≦0.14の範囲
を含む本発明のCu-Zn-Si合金を重力鋳造(例えば、砂型鋳造又はダイカスト)することによって製造される、飲料水パイプのための部品、すなわち飲料水パイプのためのバルブ及び取付具を提供し、
Znの重量百分率と、Siの重量百分率の10倍との和は、合計重量百分率Qになり、
ここで、Q=[Zn]+(10×[Si])であり、
37≦Q≦48、好ましくは40≦Q≦46であり、
合金は、0.53重量%以下の量の不可避の不純物を含み、
前記不純物は、0.2重量%以下のSn及び0.06重量%以下のPbを含有する。
【0069】
[0064] 本発明のCu-Zn-Si合金は、0.1重量%~0.5重量%の量の鉄を含む。鉄の量が約0.1重量%未満である場合、加熱時のクラッキングの傾向性が増大し、延性が低下し、微粒均一構造が観察されない。鉄の量が約0.5重量%を超える場合、加熱時のクラッキングの傾向性が増大し、延性が低下し、微粒均一構造が観察されない。
【0070】
[0065] 本発明のCu-Zn-Si合金は、0.1重量%~0.2重量%の量のマンガンを含む。
【0071】
[0066] マンガンの量が約0.1重量%未満である場合、耐食性の低下が観察される。マンガンの量が約0.2重量%を超えると、耐食性の低下が観察される。マンガンの量は、好適には、0.1重量%~0.15重量%の範囲、好ましくは0.1重量%~0.14重量%の範囲である。マンガンの量がこの範囲内にある場合、有利には、破断伸びがさらに向上する。
【0072】
[0067] 好適には、連続鋳造又は金属成形を用いて製造された部品の場合、銅を除く4つの主要な合金元素、すなわちZn、Si、Fe及びMnの含有量は、13.7~16.9重量%、例えば13.7~16.6重量%である。
【0073】
[0068] 好適には、砂型鋳造又はダイカストなどの重力鋳造を用いて製造された部品の場合、銅を除く4つの主要な合金元素、すなわちZn、Si、Fe及びMnの含有量は、13.9~17.3重量%、例えば14.1~17.3重量%又は13.9~17.2重量%である。
【0074】
[0069] 本発明の部品は、Cu-Zn-Si合金:連続鋳造品、重力鋳造品、砂型鋳造品又はダイカスト品などのCu-Zn-Si合金鋳造部品である。
【0075】
[0070] 好適には、本明細書に記載される方法は、1つ又は複数の焼き鈍しステップを含み得る。有利には、このような焼き鈍しは、Cu-Zn-Si合金及びそれから製造された部品の延性を向上させることができる。例えば、Cu-Zn-Si合金は、700~900℃の範囲の温度に加熱することによって焼き鈍しされ得る。
【0076】
[0071] 明確さ及び簡潔な説明のために、本明細書では、特徴は、同じ又は別々の実施形態の一部として記載されるが、本発明の範囲は、記載される特徴の全て又は一部の組み合わせを有する実施形態を含み得ることが認識されるであろう。
【0077】
[0072] 本発明の合金の成分の重量は、合計100重量%になることが認識され、したがって例えば残りが銅であると組成物が規定される場合、これは、100重量%を構成するために組成物の残りが銅であることを意味し、すなわち100重量%になるまで残りが銅である。
【0078】
[0073] 本発明は、以下の実施例を検討することによってより容易に認識されるであろう。実施例は、特許請求の範囲で定義される本発明の範囲を限定するものではない。
【0079】
実施形態
1.重量パーセントにおいて、以下の成分:
80≦Cu≦88、好ましくは81.0≦Cu≦86.5
11.0≦Zn≦13.0
2.4≦Si≦4.1
0.1≦Fe≦0.5
任意選択的に、0.1≦Mn≦0.2
を含むCu-Zn-Si合金から製造される、飲料水パイプのための部品、すなわち飲料水パイプのためのバルブ及び取付具であって、
Znの重量百分率([Zn])と、Siの重量百分率([Si])の10倍との和は、合計重量百分率Qになり、
ここで、Q=[Zn]+(10×[Si])であり、
35≦Q≦52であり、
合金は、0.53重量%以下の量の不可避の不純物を含み、
前記不純物は、0.2重量%以下のSn及び0.06重量%以下のPbを含有する、飲料水パイプのための部品、すなわち飲料水パイプのためのバルブ及び取付具。
【0080】
2.飲料水パイプのための部品、すなわち飲料水パイプのためのバルブ及び取付具を製造する方法であって、
(i)重量パーセントにおいて、以下の成分:
80≦Cu≦88、好ましくは81.0≦Cu≦86.5、
11.0≦Zn≦13.0
2.4≦Si≦4.1
0.1≦Fe≦0.5
任意選択的に、0.1≦Mn≦0.2
を含むCu-Zn-Si合金であって、
Znの重量百分率([Zn])と、Siの重量百分率([Si])の10倍との和は、合計重量百分率Qになり、
ここで、Q=[Zn]+(10×[Si])であり、
35≦Q≦52であり、
合金は、0.53重量%以下の量の不可避の不純物を含み、
前記不純物は、0.2重量%以下のSn及び0.06重量%以下のPbを含有する、Cu-Zn-Si合金を提供することと、
(ii)前記合金を加工して、前記部品を形成することと
を含む方法。
【0081】
3.ステップ(ii)は、前記合金を連続鋳造することを含み、及び/又はステップ(ii)は、1つ若しくは複数の金属成形ステップを含む、実施形態2の方法。
【0082】
4.ステップ(ii)は、前記合金を重力鋳造すること、例えば前記合金を砂型鋳造又はダイカストすることを含む、実施形態2の方法。
【0083】
5.ステップ(ii)は、1つ又は複数の金属成形ステップ、例えば前記合金を鍛造又は圧延することを含む、実施形態2の方法。
【0084】
6.ステップ(ii)は、1つ又は複数の機械加工ステップをさらに含む、実施形態2~5のいずれか1つの方法。
【0085】
7.Cu-Zn-Si合金は、重量パーセントにおいて、
80.5≦Cu≦87、
好ましくは81.0≦Cu≦86.5、
より好ましくは81.5≦Cu≦86.3、
さらにより好ましくは82.0≦Cu≦86.0、例えば82.0≦Cu≦85.0
を含む、実施形態2~6のいずれか1つの方法。
【0086】
8.Cu-Zn-Si合金は、重量パーセントにおいて、
2.5≦Si≦3.7、好ましくは2.5≦Si≦3.5
を含む、実施形態2~7のいずれか1つの方法。
【0087】
9.ステップ(ii)は、1つ又は複数の加工ステップにおいて、Cu-Zn-Si合金を800~1300℃の範囲の温度まで加熱することを含む、実施形態2~8のいずれか1つの方法。
【0088】
10.Cu-Zn-Si合金は、重量パーセントにおいて、
2.5≦Si≦3.5、例えば2.5≦Si≦3.2
を含み、36≦Q≦47、好ましくは38≦Q≦45、例えば38≦Q≦42である、実施形態3の方法。
【0089】
11.Cu-Zn-Si合金は、重量パーセントにおいて、
2.5≦Si≦3.7、例えば2.7≦Si≦3.5
を含み、37≦Q≦480、好ましくは40≦Q≦46である、実施形態4の方法。
【0090】
12.Cu-Zn-Si合金は、ISO 6892-1:2009に従って決定される、300MPa以上、好ましくは350MPa以上、さらにより好ましくは380MPa以上、さらにより好ましくは400MPa以上、例えば450MPa以上の引張強度を有する、実施形態2~11のいずれか1つの方法。
【0091】
13.Cu-Zn-Si合金は、ISO 6892-1:2009に従って決定される、25%以上の伸びを有する、実施形態2~12のいずれか1つの方法。
【0092】
14.Cu-Zn-Si合金は、重量パーセントで0.05%以下のNiを含む、実施形態2~13のいずれか1つの方法。
【0093】
15.Cu-Zn-Si合金は、0.2重量%までのAlを含む、実施形態2~14のいずれか1つの方法。
【0094】
16.Cu-Zn-Si合金は、0.03重量%までのPを含む、実施形態2~15のいずれか1つの方法。
【0095】
17.Cu-Zn-Si合金は、As、Sbを含まない、実施形態2~16のいずれか1つの方法。
【0096】
18.重量パーセントにおいて、以下の成分:
11.0≦Zn≦13.0、
2.5≦Si≦3.7、
0.1≦Fe≦0.5、
0.1≦Mn≦0.2、例えば0.1≦Mn≦0.15、好ましくは0.10≦Mn≦0.14の範囲
を含むか、それらから本質的になるか又はそれらからなるCu-Zn-Si合金であって、
Znの重量百分率([Zn])と、Siの重量百分率([Si])の10倍との和は、合計重量百分率Qになり、
ここで、Q=[Zn]+(10×[Si])であり、
36≦Q≦48であり、
Cu-Zn-Si合金は、重量パーセントで0.05%以下のNiを含み、
Cu-Zn-Si合金は、0.2重量%以下のAlを含み、
Cu-Zn-Si合金は、0.03重量%以下のPを含み、
合金は、0.53重量%以下の量の不可避の不純物を含み、前記不純物は、0.2重量%以下のSn及び0.06重量%以下のPbを含有し、
残りは、銅であり、例えば82.0≦Cu≦86.3、好適には82.0≦Cu≦86.0、例えば82.0≦Cu≦85.8、好ましくは82.0≦Cu≦85.0、例えば82.2≦Cu≦85.0又は82.5≦Cu≦84.5、例えば83.0≦Cu≦84.5であり、
前記Cu-Zn-Si合金は、ISO 6892-1:2009に従って決定される、300MPa以上、好ましくは400MPa以上の引張強度を有し、及び
前記合金は、ISO 6892-1:2009に従って決定される、25%以上、好ましくは30%以上、より好ましくは40%以上の破断伸びを有する、Cu-Zn-Si合金。
【0097】
19.Cu-Zn-Si合金は、重量パーセントにおいて、
2.5≦Si≦3.5
を含む、請求項18に従うCu-Zn-Si合金。
【0098】
20.2.5≦Si≦3.2であり、
ここで、36≦Q≦47、好ましくは38≦Q≦45、例えば38≦Q≦42である、請求項19に従うCu-Zn-Si合金。
【0099】
21.2.7≦Si≦3.5であり、
ここで、37≦Q≦48、好ましくは40≦Q≦46、例えば40≦Q≦44である、請求項19に従うCu-Zn-Si合金。
【0100】
22.11.5≦Zn≦13.0、例えば12.0≦Zn≦13.0である、実施形態18~21のいずれか1つに従うCu-Zn-Si合金。
【0101】
23.As及び/又はSbを含まない、実施形態18~22のいずれか1つに従うCu-Zn-Si合金。
【0102】
24.重量パーセントにおいて、以下:
11.0≦Zn≦13.0、
2.5≦Si≦3.7、
0.1≦Fe≦0.5、
0.1≦Mn≦0.2、例えば0.1≦Mn≦0.15、好ましくは0.10≦Mn≦0.14
を含むか、それらから本質的になるか又はそれらからなるCu-Zn-Si合金から製造される、飲料水パイプのための部品、すなわち飲料水パイプのためのバルブ及び取付具であって、
Znの重量百分率([Zn])と、Siの重量百分率([Si])の10倍との和は、合計重量百分率Qになり、
ここで、Q=[Zn]+(10×[Si])であり、
36≦Q≦48であり、
Cu-Zn-Si合金は、重量パーセントで0.05%以下のNiを含み、
Cu-Zn-Si合金は、0.2重量%以下のAlを含み、
Cu-Zn-Si合金は、0.03重量%以下のPを含み、
合金は、0.53重量%以下の量の不可避の不純物を含み、前記不純物は、0.2重量%以下のSn及び0.06重量%以下のPbを含有し、
残りは、銅であり、例えば82.0≦Cu≦86.3、好適には82.0≦Cu≦86.0、例えば82.0≦Cu≦85.8、好ましくは82.0≦Cu≦85.0、例えば82.2≦Cu≦85.0又は82.5≦Cu≦84.5、例えば83.0≦Cu≦84.5であり、
前記Cu-Zn-Si合金は、ISO 6892-1:2009に従って決定される、300MPa以上の引張強度を有し、及び
前記合金は、ISO 6892-1:2009に従って決定される、25%以上、好ましくは30%以上、より好ましくは40%以上の破断伸びを有する、飲料水パイプのための部品、すなわち飲料水パイプのためのバルブ及び取付具。
【0103】
25.請求項2~6のいずれか一項に従うCu-Zn-Si合金から製造される、実施形態24に従う飲料水パイプのための部品。
【0104】
26.前記合金は、8.0kg/m~8.29kg/m、好ましくは8.0~8.28kg/m、好適には8.18~8.28kg/mの範囲の真の固体密度を有する、実施形態24又は25に従う飲料水パイプのための部品。
【0105】
27.飲料水パイプのための部品、すなわち飲料水パイプのためのバルブ及び取付具を製造する方法であって、
(i)重量パーセントにおいて、以下:
11.0≦Zn≦13.0、
2.5≦Si≦3.7、
0.1≦Fe≦0.5、
0.1≦Mn≦0.2、例えば0.1≦Mn≦0.15、好ましくは0.1≦Mn≦0.14
を含むか、それらから本質的になるか又はそれらからなるCu-Zn-Si合金であって、
Znの重量百分率([Zn])と、Siの重量百分率([Si])の10倍との和は、合計重量百分率Qになり、
ここで、Q=[Zn]+(10×[Si])であり、
36≦Q≦48であり、
Cu-Zn-Si合金は、重量パーセントで0.05%以下のNiを含み、
Cu-Zn-Si合金は、0.2重量%以下のAlを含み、
Cu-Zn-Si合金は、0.03重量%以下のPを含み、
合金は、0.53重量%以下の量の不可避の不純物を含み、前記不純物は、0.2重量%以下のSn及び0.06重量%以下のPbを含有し、
残りは、銅であり、例えば82.0≦Cu≦86.3、好適には82.0≦Cu≦86.0、例えば82.0≦Cu≦85.8、好ましくは82.0≦Cu≦85.0、例えば82.2≦Cu≦85.0又は82.5≦Cu≦84.5、例えば83.0≦Cu≦84.5であり、
前記Cu-Zn-Si合金は、ISO 6892-1:2009に従って決定される、300MPa以上の引張強度を有し、及び
前記合金は、ISO 6892-1:2009に従って決定される、25%以上、好ましくは30%以上、より好ましくは40%以上の破断伸びを有する、Cu-Zn-Si合金を提供することと、
(ii)前記合金を加工して、前記部品を形成することと
を含む方法。
【0106】
28.ステップ(ii)は、前記合金を連続鋳造することを含み、及び/又はステップ(ii)は、1つ若しくは複数の金属成形ステップを含む、実施形態27の方法。
【0107】
29.ステップ(ii)は、前記合金を重力鋳造すること、例えば前記合金を砂型鋳造又はダイカストすることを含む、実施形態27の方法。
【0108】
30.ステップ(ii)は、1つ又は複数の金属成形ステップ、例えば前記合金を鍛造又は圧延することを含む、実施形態27の方法。
【0109】
31.ステップ(ii)は、1つ又は複数の機械加工ステップをさらに含む、実施形態27~30のいずれか1つの方法。
【0110】
32.Cu-Zn-Si合金は、ISO 6892-1:2009に従って決定される、350MPa以上、好ましくは380MPa以上、さらにより好ましくは400MPa以上、例えば450MPa以上の引張強度を有する、実施形態27~31のいずれか1つの方法。
【0111】
33.Cu-Zn-Si合金は、BS ISO 12154に従って決定される、8.0kg/m~8.29kg/m、好ましくは8.0~8.28kg/m、好適には8.18~8.28kg/mの範囲の真の固体密度を有する、請求項27~32のいずれか1つの方法。
【実施例
【0112】
実施例
実施例1
[0074] 81.0≦Cu≦86.5
11.5≦Zn≦13.0
2.9≦Si≦3.4
0.1≦Fe≦0.5
0.1≦Mn≦0.2
を含む、本発明のCu-Zn-Si合金であって、
42≦Q≦47であり、
前記合金は、0.53重量%以下の量の不可避の不純物を含み、
前記不純物は、0.06重量%以下のSn及び0.06重量%以下のPbを含有する、
Cu-Zn-Si合金からロッドを連続鋳造した。
実施例1の組成物は、0.010≦Ni≦0.025を含有していた。
実施例1の組成物は、Bi、Ag、Te及びAsを含まなかった。
銅の量は、前記合金の全重量に基づいて82.0~85.0重量%の範囲であった。
【0113】
[0075] 上述の合金組成を有するインゴットを、製錬及び鋳造が可能な炉に投入した。合金を1000~1200℃の範囲の温度に加熱し、製錬品は、銅製クーラーを備えた黒鉛ダイスを通して鋳造される。液体金属が冷却され、連続ロッド又はチューブとして引き出される。チューブは、適当なサイズに切断され、スタンピングステーション及び/又は機械加工ステーションに搬送される。
【0114】
[0076] スタンピングプロセスの場合、連続鋳造ロッドは、特定のサイズ(サイズは、最終構成部品を製造するために必要とされる材料の量に応じて異なる)のビレットに切断される。次に、ビレットは、加熱及び鍛造され得る。鍛造後、スタンプ品は、冷却され、トリミングされる。スタンプ品は、例えば、700~900℃の範囲の温度に加熱することによって任意選択的に焼き鈍しされ得る。スタンプ品は、清浄されてから機械加工ステーションに送られる。
【0115】
[0077] 実施例1の連続鋳造Cu-Zn-Si合金を使用して、スタンピング及び機械加工ステップを含むプロセスで飲料水パイプのための部品を製造した。
【0116】
[0078] Cu-Zn-Si合金の引張強度及び伸びは、Hounsfield張力計でISO 6892-1:2009に従って評価した。
測定パラメータ:
伸びセンサータイプ:伸び計
伸び計の測定長さ(Le):50mm
力測定範囲:50kN
環境モニタリング:
湿度:50.0%
温度:22.0℃
サンプルデータ:
サンプルの初期寸法 - D0:9.50mm S0:70.88mm
初期測定長さ(L0):50.00mm
平行部の長さ(Lc):55.00mm
サンプル結果:
引張強度Rm:488.2MPa
破断伸び%(Agt):51.214%
【0117】
[0079] 実施例1の連続鋳造ロッドの断面が図1に示される。
【0118】
[0080] 図2は、図1の拡大図を示す。5XJP-6A金属顕微鏡20倍レンズ顕微鏡カメラDLT-Cam PROを使用して、酸混合物:HCl(20%):HNO(20%):HSO(20%)1:2中のφ26ロッドからのサンプルを取り込んだ。
【0119】
[0081] 図3は、伸び計において破断するまで伸長された実施例1の連続鋳造Cu-Zn-Si合金ロッドの端部を示す。
【0120】
実施例2
[0082] 以下の組成:
82≦Cu≦86.5
12.0≦Zn≦13.0
2.7≦Si≦3.1
0.1≦Fe≦0.5
0.1≦Mn≦0.2
を有する本発明のCu-Zn-Si合金であって、
38≦Q≦44であり、
前記合金は、0.53重量%以下の量の不可避の不純物を含み、
前記不純物は、0.06重量%以下のSn及び0.05重量%以下のPbを含有する、
Cu-Zn-Si合金からロッドを連続鋳造した。
実施例2の組成物は、0.010≦Ni≦0.025を含有していた。
実施例2の組成物は、Bi、Ag、Te及びAsを含まなかった。
銅の量は、前記合金の全重量に基づいて82.0~85.0重量%の範囲であった。
【0121】
[0083] 実施例1に記載されるように連続鋳造ロッドを加工した。
【0122】
[0084] 実施例2からの連続鋳造Cu-Zn-Si合金の引張強度及び伸びは、Hounsfield張力計でISO 6892-1:2009に従って評価した。
測定パラメータ:
伸びセンサータイプ:伸び計
伸び計の測定長さ(Le):50mm
力測定範囲:50kN
環境モニタリング:
湿度:50.0%
温度:20.0℃
サンプルデータ
サンプルの初期寸法 - D0:9.48m S0:70.58mm2
初期測定長さ(L0):50.00mm
平行部の長さ(Lc):55.00mm
サンプル結果:
引張強度(Rm):454.0MPa
破断伸び%(Agt):43.036%
【0123】
[0085] 図4は、実施例2に従う連続鋳造ロッドの断面を示す。
【0124】
[0086] 驚くべきことに、本発明のCu-Zn-Si合金は、連続鋳造されると、従来技術の連続鋳造品と比較して著しく優れた引張強度及び破断伸び特性を有することが見出された。例えば、連続鋳造品は、ISO 6892-1:2009に従って決定される、380MPa以上、好ましくは400MPa以上、さらにより好ましくは450MPa以上の引張強度を有した。加えて、本発明の連続鋳造品は、ISO 6892-1:2009に従って決定される、25%以上、好ましくは30%以上、さらにより好ましくは40%以上の破断伸び率を有した。例えば、連続鋳造品は、ISO 6892-1:2009に従って決定される、25%~65%、例えば35%~60%の範囲の破断伸び率を有した。好適には、本発明のCu-Zn-Si合金及びそれから製造された連続鋳造品は、380MPa以上の引張強度及び25%~65%の範囲の破断伸びを有し、好ましくは、引張強度は、380MPa~650MPa、好ましくは400MPa~600、例えば450MPa~600MPaの範囲であり、破断伸びは、ISO 6892-1:2009に従って決定されて25%~65%、例えば35%~60%である。
【0125】
実施例3
[0087] 以下の組成:
82.5≦Cu≦84.5
11.5≦Zn≦12.3
3.3≦Si≦3.5
0.1≦Fe≦0.5
0.1≦Mn≦0.2
を有する本発明のCu-Zn-Si合金であって、
40≦Q≦44であり、
前記合金は、0.53重量%以下の量の不可避の不純物を含み、
前記不純物は、0.06重量%以下のSn及び0.06重量%以下のPbを含有する、
Cu-Zn-Si合金からロッドを重力ダイカストした。
実施例3の組成物は、0.010≦Ni≦0.025を含有していた。
実施例3の組成物は、Bi、Ag及びAsを含まなかった。
【0126】
[0088] 上述の合金組成を有するインゴットを、製錬及び鋳造が可能な炉に投入した。合金を1000~1300℃の範囲、好適には1150~1300℃の温度に加熱した。
【0127】
[0089] このステップでは、化学組成をモニター及び制御して、組成が維持されることを保証し得る。例えば、いくつかの元素(例えば、Zn及びP)が蒸発するか又はスラグになった場合、これらは、本発明の必要な組成を保持するために交換されなければならない。製錬された金属は、輸送され、保持炉内に注がれ、続いてダイカスト品に鋳造される。液体金属は、ダイ内で冷却(例えば、空冷又は水冷)され、凝固すると、ダイが開かれ、ロッドが放出される。有利には、本発明のCu-Zn-Si合金は、従来技術のCu-Zn-Si合金と比較して向上した引張強度及び伸び特性を有する。向上した特性は、合金の加工のし易さを増大させる。
【0128】
[0090] ダイカスト品の特性は、実施例1及び2について上記で概説されるように、Hounsfield張力計でISO 6892-1:2009に従って評価した。
【0129】
[0091] 鋳造品は、ISO 6892-1:2009に従って決定される、380MPaを超える引張強度及び25%を超える破断伸びを有した。
【0130】
[0092] 有利には、実施例のCu-Zn-Si合金は、0.10≦Mn≦0.14の範囲のマンガン含有量を有した。マンガンの量がこの好ましい範囲内にある場合、本発明の合金は、有利には、さらにより向上した伸びを有する。
【0131】
[0093] 有利には、本明細書に記載される実施例のCu-Zn-Si合金の真の固体密度は、BS ISO 12154に従って測定されて8.18~8.28Kg/mの範囲であった。BS ISO 12154は、開放及び閉鎖細孔又は内部空隙の体積と、さらに粒状サンプル又は高度に分散したサンプルの場合のような粒子間空隙の体積とを排除した、サンプルの緻密な固体骨格の体積に対するサンプル質量の比率として真の固体密度を定義している。
【0132】
比較例
[0094] 以下の組成を有するCu-Zn-Si合金からロッドを鋳造した。
【0133】
【表3】
【0134】
[0095] CE1は、13重量%を超えるZnを含み、0.136重量%のPbを含有するにもかかわらず、低引張強度を有し、低い。
【0135】
[0096] CE2は、11重量%未満のZn、4.1重量%を超えるSiを含み、優れた引張強度を有した。しかしながら、合金は、非常に脆かった(図7を参照されたい)。したがって、好適には、CE2の合金は、適切な伸び特性を有しなかった。
【0136】
[0097] CE3は、4.1重量%を超えるSiを含み、52重量%を超えるQを有する。引張強度は、優れていたが、伸びは、好適なものではなかった。
【0137】
比較例4(CE4)
[0098] 以下の組成:
82≦Cu≦86.5
11.5≦Zn≦12.3
3.6≦Si≦4.1
0.1≦Fe≦0.5
0.1≦Mn≦0.2
を有する本発明のCu-Zn-Si合金であって、
48≦Q≦51であり、
前記合金は、0.53重量%以下の量の不可避の不純物を含み、
前記不純物は、0.06重量%以下のSn及び0.06重量%以下のPbを含有する、
Cu-Zn-Si合金からロッドを重力ダイカストした。
実施例3の組成物は、0.010≦Ni≦0.025を含有していた。
実施例3の組成物は、Bi、Ag及びAsを含まなかった。
【0138】
[0099] ダイカスト品の特性は、実施例1及び2について上記で概説されるように、Hounsfield張力計でISO 6892-1:2009に従って評価した。
【0139】
[00100] 比較例4のCu-Zn-Si合金は、363.6MPaの引張強度及び16%の破断伸びを有していた。比較例4のCu-Zn-Si合金は、約50のQを有していた。
【0140】
[00101] 図5は、比較例4で鋳造されたロッドの断面を示す。有利には、粒子は、均一/均質であるが、比較例4で鋳造されたロッドの伸びは、16%であった。図6は、伸び計において破断するまで伸長された比較例4のダイカストCu-Zn-Si合金ロッドの端部を示す。
【0141】
[00102] したがって、比較例4の合金は、優れた引張強度を有していたが、破断伸びは、25%未満であった。有利には、36≦Q≦48(本発明の重力鋳造Cu-Zn-Si合金の場合に好ましくは40≦Q≦46、本発明の連続鋳造Cu-Zn-Si合金の場合に好ましくは38≦Q≦45)の範囲のQを有する、本発明に従うCu-Zn-Si合金は、ISO 6892-1:2009に従って決定される、25%以上の破断伸びを有する。
【0142】
実施例4
[00103] 実施例1及び2に記載されるように、本発明のCu-Zn-Si合金からロッドを連続鋳造した。実施例4のCu-Zn-Si合金は、以下の組成:
82.5≦Cu≦84.5
12.5≦Zn≦13.0
2.6≦Si≦2.9
0.1≦Fe≦0.5
0.1≦Mn≦0.15
を有し、
38.5≦Q≦42であり、
前記合金は、0.53重量%以下の量の不可避の不純物を含み、
前記不純物は、0.06重量%以下のSn及び0.06重量%以下のPbを含有する。
実施例4の組成物は、0.010≦Ni≦0.025を含有していた。
実施例1の組成物は、Bi、Ag、Te及びAsを含まなかった。
【0143】
[00104] 本発明のCu-Zn-Si合金(実施例4)及びC87800の機械的特性の比較が表1に提供される。
【0144】
【表4】
【0145】
[00105] 有利には、本発明のCu-Zn-Si合金は、より大きい延性を有し、特にISO 6892-1:2009に従って決定されるより大きい破断伸びを有する。
【0146】
[00106] 本発明のCu-Zn-Si及びC87800の物理的特性の比較が表2に提供される。
【0147】
【表5】
【0148】
[00107] 有利には、本発明の合金は、従来技術の合金よりも低い密度を有する。したがって、本発明の合金は、従来技術の合金よりも軽量の合金であるが、同様の引張強度性能及びより大きい伸び特性を有する。さらに、本発明の合金は、より軽い材料であるため、1立方メートル当たりの流通コストがより低くなり、環境の観点から1メートル当たりの輸送がより経済的になる。本発明の合金は、8.0kg/m~8.29kg/m、好ましくは8.0~8.28kg/m、好適には8.18~8.28kg/mの範囲の真の固体密度を有することが特に望ましい。対照的に、比較例の合金は、8.30kg/m以上の真の固体密度を有する。
【0149】
[00108] 種々の製造プロセスにおける本発明のCu-Zn-Si及びC87800の性能の比較が表3に提供される。
【0150】
【表6】
【0151】
[00109] 有利には、本発明の合金は、上記の製造プロセスのそれぞれで加工され得るが、従来技術のC87800合金は、砂型鋳造、連続鋳造、熱間鍛造及び空冷プロセス又は熱間鍛造及び焼き入れプロセスに適していない。
【0152】
[00110] 本発明に関して本明細書で使用される場合の「含む/含んでいる」という語及び「有する/含有する」という語は、記載される特徴、整数、ステップ又は構成要素の存在を特定するために使用されるが、1つ又は複数の他の特徴、整数、ステップ、構成要素又はこれらの群の存在又は追加を除外しない。
【0153】
[00111] 明確にするために別々の実施形態と関連して記載される本発明の特定の特徴は、単一の実施形態で組み合わせて提供され得ることが認識される。逆に、簡潔にするために単一の実施形態と関連して記載される本発明の種々の特徴は、別々に又は任意の適切な部分組み合わせで提供され得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2023-11-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
重量パーセントにおいて、以下の成分:
11.0≦Zn≦13.0、
2.5≦Si≦3.7、
0.1≦Fe≦0.5、
0.1≦Mn≦0.2
からなるCu-Zn-Si合金であって、
Znの重量百分率[Zn]と、Siの重量百分率[Si]の10倍との和は、合計重量百分率Qになり、
ここで、Q=[Zn]+(10×[Si])であり、
36≦Q≦48であり、
前記Cu-Zn-Si合金は、重量パーセントで0.05%以下のNiを含み、
前記Cu-Zn-Si合金は、0.2重量%以下のAlを含み、
前記Cu-Zn-Si合金は、0.03重量%以下のPを含み、
前記合金は、0.53重量%以下の量の不可避の不純物を含み、前記不純物は、0.2重量%以下のSn及び0.06重量%以下のPbを含有し、
残りは、銅であり
前記Cu-Zn-Si合金は、ISO 6892-1:2009に従って決定される、300MPa以上、好ましくは400MPa以上の引張強度を有し、及び
前記合金は、ISO 6892-1:2009に従って決定される、30%以上の破断伸びを有する、Cu-Zn-Si合金。
【請求項2】
前記Cu-Zn-Si合金は、重量パーセントにおいて、
2.5≦Si≦3.5
を含む、請求項1に記載のCu-Zn-Si合金。
【請求項3】
2.5≦Si≦3.2であり、
36≦Q≦47、好ましくは38≦Q≦45、例えば38≦Q≦42である、
請求項2に記載のCu-Zn-Si合金。
【請求項4】
2.7≦Si≦3.5であり、
37≦Q≦48、好ましくは40≦Q≦46、例えば40≦Q≦44である、
請求項2に記載のCu-Zn-Si合金。
【請求項5】
11.5≦Zn≦13.0、例えば12.0≦Zn≦13.0である、請求項1~4のいずれか一項に記載のCu-Zn-Si合金。
【請求項6】
前記Cu-Zn-Si合金は、As及び/又はSbを含まない、請求項1~5のいずれか一項に記載のCu-Zn-Si合金。
【請求項7】
飲料水パイプのための部品の製造における、請求項1~6のいずれか一項に記載のCu-Zn-Si合金の使用。
【請求項8】
前記合金は、BS ISO 12154に従って測定される、8.0kg/m~8.29kg/m、好ましくは8.0~8.28kg/m、好適には8.18~8.28kg/mの範囲の密度を有する、請求項に記載の使用
【請求項9】
飲料水パイプのための部品、すなわち飲料水パイプのためのバルブ及び取付具を製造する方法であって、
(i)請求項1~6のいずれか一項に記載のCu-Zn-Si合金を提供することと、
(ii)前記合金を加工して、前記部品を形成することと
を含む方法。
【請求項10】
ステップ(ii)は、前記合金を連続鋳造することを含み、及び/又はステップ(ii)は、1つ若しくは複数の金属成形ステップを含む、請求項に記載の方法。
【請求項11】
ステップ(ii)は、前記合金を重力鋳造すること、例えば前記合金を砂型鋳造又はダイカストすることを含む、請求項に記載の方法。
【請求項12】
ステップ(ii)は、1つ又は複数の金属成形ステップ、例えば前記合金を鍛造又は圧延することを含む、請求項に記載の方法。
【請求項13】
ステップ(ii)は、1つ又は複数の機械加工ステップをさらに含む、請求項12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記Cu-Zn-Si合金は、ISO 6892-1:2009に従って決定される、350MPa以上、好ましくは380MPa以上、さらにより好ましくは400MPa以上、例えば450MPa以上の引張強度を有する、請求項13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記Cu-Zn-Si合金は、BS ISO 12154に従って測定される、8.0kg/m~8.29kg/m、好ましくは8.0~8.28kg/m、好適には8.18~8.28kg/mの範囲の密度を有する、請求項14のいずれか一項に記載の方法。
【国際調査報告】