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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-22
(54)【発明の名称】二次電池の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/0565 20100101AFI20250115BHJP
   H01M 10/0568 20100101ALI20250115BHJP
   H01M 50/534 20210101ALI20250115BHJP
   H01M 50/403 20210101ALI20250115BHJP
   H01M 50/451 20210101ALI20250115BHJP
   H01M 50/457 20210101ALI20250115BHJP
   H01M 10/052 20100101ALI20250115BHJP
   H01M 10/058 20100101ALI20250115BHJP
   H01M 50/46 20210101ALI20250115BHJP
   H01M 50/562 20210101ALI20250115BHJP
   H01M 50/446 20210101ALI20250115BHJP
【FI】
H01M10/0565
H01M10/0568
H01M50/534
H01M50/403 C
H01M50/403 D
H01M50/451
H01M50/457
H01M10/052
H01M10/058
H01M50/46
H01M50/562
H01M50/446
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024539059
(86)(22)【出願日】2023-01-13
(85)【翻訳文提出日】2024-06-26
(86)【国際出願番号】 KR2023000696
(87)【国際公開番号】W WO2023136676
(87)【国際公開日】2023-07-20
(31)【優先権主張番号】10-2022-0005910
(32)【優先日】2022-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0006029
(32)【優先日】2022-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ヨ・ミン・ユン
(72)【発明者】
【氏名】ジェ・ヨン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ジ・フン・リュ
(72)【発明者】
【氏名】ドン・キュ・キム
(72)【発明者】
【氏名】テ・ソブ・リム
【テーマコード(参考)】
5H021
5H029
5H043
【Fターム(参考)】
5H021BB11
5H021BB12
5H021CC04
5H021EE02
5H021EE21
5H021EE22
5H021HH01
5H021HH10
5H029AJ06
5H029AJ13
5H029AJ14
5H029AK03
5H029AL02
5H029AL03
5H029AL06
5H029AL07
5H029AL08
5H029AL11
5H029AM02
5H029AM03
5H029AM04
5H029AM05
5H029AM07
5H029BJ04
5H029BJ15
5H029CJ05
5H029CJ13
5H029CJ22
5H029CJ23
5H029DJ05
5H029EJ01
5H029HJ12
5H043AA07
5H043AA19
5H043BA19
5H043BA20
5H043CA08
5H043CA14
5H043EA06
5H043EA16
5H043KA09E
5H043LA21
(57)【要約】
本発明は、(S1)電極組立体を電池ケースに収容させるステップと、(S2)前記電池ケースに第1電解質組成物を注入して、前記電極組立体を含浸させるステップと、(S3)前記電池ケースに第2電解質組成物を注入するステップと、(S4)前記第2電解質組成物を硬化させるステップとを含み、前記電極組立体には電極タブが連結され、前記電極タブは電極組立体の外部に引き出されており、前記第1電解質組成物は、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)およびリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSI)からなる群から選択される少なくとも1種を含む第1-1リチウム塩、および第1溶媒を含み、前記第2電解質組成物は、オリゴマーおよび第2溶媒を含み、前記第2電解質組成物はリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)およびリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSI)を含んでいない二次電池の製造方法を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(S1)電極組立体を電池ケースに収容させるステップと、
(S2)前記電池ケースに第1電解質組成物を注入して、前記電極組立体を含浸させるステップと、
(S3)前記電池ケースに第2電解質組成物を注入するステップと、
(S4)前記第2電解質組成物を硬化させるステップとを含み、
前記電極組立体には電極タブが連結され、前記電極タブは電極組立体の外部に引き出されており、
前記第1電解質組成物は、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)およびリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSI)からなる群から選択される少なくとも1種を含む第1-1リチウム塩、および第1溶媒を含み、
前記第2電解質組成物は、オリゴマーおよび第2溶媒を含み、
前記第2電解質組成物は、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)およびリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSI)を含んでいない、二次電池の製造方法。
【請求項2】
前記第1電解質組成物は、液体電解質組成物である、請求項1に記載の二次電池の製造方法。
【請求項3】
前記第1電解質組成物は、ゲルポリマー電解質組成物であり、
前記第1電解質組成物は、オリゴマーをさらに含む、請求項1に記載の二次電池の製造方法。
【請求項4】
前記(S4)ステップにおいて、前記第1電解質組成物と前記第2電解質組成物がともに硬化する、請求項3に記載の二次電池の製造方法。
【請求項5】
前記(S2)ステップの後、前記第1電解質組成物を硬化させるステップをさらに含む、請求項3に記載の二次電池の製造方法。
【請求項6】
前記第1電解質組成物は、リチウムヘキサフルオロホスフェート(LiPF)、リチウムパークロレート(LiClO)、リチウムヘキサフルオロアルセネート(LiAsF)、リチウムテトラフルオロボレート(LiBF)、リチウムヘキサフルオロアンチモネート(LiSbF)、リチウムテトラオキソアルミネート(LiAlO)、リチウムテトラクロロアルミネート(LiAlCl)、リチウムトリフルオロメタンスルホネート(LiCFSO)、リチウムノナフルオロブタンスルホネート(LiCSO)、リチウムクロライド(LiCl)、リチウムアイオダイド(LiI)、リチウムビス(オキサラート)ボレート(LiB(C)、リチウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド(LiN(CSO)、リチウムフルオロアルキルボレート(LiFAB)およびリチウム2-トリフルオロメチル-4,5-ジシアノイミダゾール(LiTDI)からなる群から選択される少なくとも1種を含む第1-2リチウム塩をさらに含む、請求項1に記載の二次電池の製造方法。
【請求項7】
前記第2電解質組成物は、第2リチウム塩をさらに含み、
前記第2リチウム塩は、リチウムヘキサフルオロホスフェート(LiPF)、リチウムパークロレート(LiClO)、リチウムヘキサフルオロアルセネート(LiAsF)、リチウムテトラフルオロボレート(LiBF)、リチウムヘキサフルオロアンチモネート(LiSbF)、リチウムテトラオキソアルミネート(LiAl0)、リチウムテトラクロロアルミネート(LiAlCl)、リチウムトリフルオロメタンスルホネート(LiCFSO)、リチウムノナフルオロブタンスルホネート(LiCSO)、リチウムクロライド(LiCl)、リチウムアイオダイド(LiI)、リチウムビス(オキサラート)ボレート(LiB(C)、リチウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド(LiN(CSO)、リチウムフルオロアルキルボレート(LiFAB)およびリチウム2-トリフルオロメチル-4,5-ジシアノイミダゾール(LiTDI)からなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1に記載の二次電池の製造方法。
【請求項8】
前記オリゴマーは、前記フッ素系オリゴマー、ポリカーボネート系オリゴマーおよびポリシロキサン系オリゴマーからなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1に記載の二次電池の製造方法。
【請求項9】
前記第2電解質組成物は、重合開始剤をさらに含む、請求項1に記載の二次電池の製造方法。
【請求項10】
前記電極タブは、アルミニウムを含む、請求項1に記載の二次電池の製造方法。
【請求項11】
前記第1電解質組成物は、前記電極タブに接触しないように注入される、請求項1に記載の二次電池の製造方法。
【請求項12】
前記(S3)ステップにおいて、前記第2電解質組成物は、前記電極組立体の外部に注入される、請求項1に記載の二次電池の製造方法。
【請求項13】
前記(S4)ステップの後、前記第1電解質組成物は、前記電極組立体の内部に配置され、
前記第2電解質組成物は、硬化してゲルポリマー電解質を形成し、前記ゲルポリマー電解質は、前記電極組立体の外部に配置される、請求項1に記載の二次電池の製造方法。
【請求項14】
前記電極組立体は、電極とセパレータが交互に積層されており、前記電極と前記セパレータのうち少なくとも一つの表面に接着剤が塗布されて前記電極と前記セパレータが互いに接着されている、請求項1に記載の二次電池の製造方法。
【請求項15】
前記セパレータは、多孔性基材および前記多孔性基材の両面に配置されたセラミックコーティング層を含み、
前記セラミックコーティング層は、92重量%以上100重量%未満の無機物粒子および0重量%超8重量%以下のバインダーを含む、請求項14に記載の二次電池の製造方法。
【請求項16】
前記接着剤は、互いに離隔した複数のパターン状に塗布される、請求項14に記載の二次電池の製造方法。
【請求項17】
前記接着剤は、前記第1電解質組成物の注入によって、前記第1電解質組成物に溶解される、請求項14に記載の二次電池の製造方法。
【請求項18】
前記接着剤が溶解された後、前記セパレータと前記電極のうち一つの表面に接着剤の塗布跡が存在する、請求項17に記載の二次電池の製造方法。
【請求項19】
前記電極は、第1電極および第2電極を含み、
前記電極組立体は、下記ステップ(a)~(d)を含む方法により製造される、請求項14に記載の二次電池の製造方法。
(a)前記セパレータおよび前記第1電極の少なくとも一部に前記接着剤を塗布するステップ;
(b)前記塗布された接着剤により前記セパレータと前記第1電極を接着させるステップ;
(c)前記セパレータの一側をフォールディングして前記第1電極をカバーするステップ;
(d)前記セパレータおよび前記第2電極の少なくとも一部に前記接着剤を塗布するステップ;
(e)前記塗布された接着剤により前記セパレータと前記第2電極を接着させるステップ;
(d)前記セパレータの他側をフォールディングして前記第2電極をカバーするステップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2022年1月14日付けの韓国特許出願第10-2022-0005910号および2022年1月14日付けの韓国特許出願第10-2022-0006029号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されている全ての内容は、本明細書の一部として組み込まれる。
【0002】
本発明は、二次電池の製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
電子機器に関する技術の開発と需要の増加に伴い、エネルギー源としての二次電池の需要が急激に増加しており、このような二次電池のうち、高いエネルギー密度と電圧を有するリチウム二次電池が、商用化され、広く使用されている。
【0004】
二次電池は、例えば、電極およびセパレータが交互に積層された電極組立体および前記電極組立体に連結された電極タブを電池ケースに収納し、前記電池ケースに電解液を注入し密封して製造されることができる。
【0005】
従来、二次電池の電解質としては、液体状態の電解質、特に、非水系有機溶媒に塩を溶解したイオン伝導性有機液体電解質が主に使用されてきた。しかし、このような液体電解質は、二次電池の外部への漏液の可能性、安全性の低下、セル剛性の低下が問題となっている。
【0006】
このような観点で、液体電解質の代わりに、ゲルポリマー電解質などの高分子電解質を商用化しようとする研究が進められている。前記ゲルポリマー電解質は、二次電池の外部への漏液防止が可能であり、セル剛性に優れるという面では利点がある。しかし、ゲルポリマー電解質は、液体電解質に比べて高い界面抵抗と低いイオン伝導度が問題になる。
【0007】
一方、二次電池の抵抗低減、熱安定性などを考慮して、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)などのリチウム塩を使用する方法が考慮されており、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドなどのリチウム塩は、二次電池の電極タブを腐食させる問題があり、長期寿命特性の観点で問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の一課題は、上記のような問題を解決するためのものであり、二次電池の抵抗が低減するとともに、セル剛性および熱安定性が向上し、電極タブの腐食が防止されて、長期寿命の観点で有利な二次電池の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、(S1)電極組立体を電池ケースに収容させるステップと、(S2)前記電池ケースに第1電解質組成物を注入して、前記電極組立体を含浸させるステップと、(S3)前記電池ケースに第2電解質組成物を注入するステップと、(S4)前記第2電解質組成物を硬化させるステップとを含み、前記電極組立体には電極タブが連結され、前記電極タブは電極組立体の外部に引き出されており、前記第1電解質組成物は、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)およびリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSI)からなる群から選択される少なくとも1種を含む第1-1リチウム塩、および第1溶媒を含み、前記第2電解質組成物は、オリゴマーおよび第2溶媒を含み、前記第2電解質組成物は、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)およびリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSI)を含んでいない二次電池の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明による二次電池の製造方法は、2ステップで電解質組成物を注液する工程を含むことを特徴とする。第1電解質組成物は、液体電解質組成物またはゲルポリマー電解質組成物であり、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドおよび/またはリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドをリチウム塩として含み、電極組立体の含浸に使用され、二次電池の抵抗の低減および熱安定性の向上に役立つ。また、第2電解質組成物は、組成物にリチウムビス(フルオロスルホニル)イミドおよびリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを含まず、電極組立体の外部で硬化してゲルポリマー電解質を形成する。前記のような2ステップの電解質組成物の注入および硬化工程により、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドおよび/またはリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドは、電極組立体の内部のみに配置されるようになり、二次電池の抵抗低減、熱安定性が向上することができ、セル剛性が向上し、二次電池の外部への漏液が防止され、電極タブの腐食が防止されて、長期寿命性能が向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の二次電池の製造方法のうち(S1)ステップを説明するためのものであり、電池ケースに電極組立体が収容されたことを平面図として示した図である。
図2】本発明の二次電池の製造方法のうち(S1)ステップを説明するためのものであり、電池ケースに電極組立体が収容されたことを側面図として示した図である。
図3】本発明の二次電池の製造方法のうち(S1)ステップを説明するためのものであり、電極組立体の概略的な側面図である。
図4】本発明の二次電池の製造方法のうち(S1)ステップを説明するためのものであり、セパレータの概略的な側面図である。
図5】本発明の二次電池の製造方法のうち(S1)ステップを説明するためのものであり、セパレータまたは電極の概略的な平面図である。
図6】本発明の二次電池の製造方法のうち(S1)ステップを説明するためのものであり、電極組立体の製造工程を説明するための図である。
図7】本発明の二次電池の製造方法のうち(S1)ステップを説明するためのものであり、電極組立体の製造工程を説明するための図である。
図8】本発明の二次電池の製造方法のうち(S1)ステップを説明するためのものであり、電極組立体の製造工程を説明するための図である。
図9】本発明の二次電池の製造方法のうち(S1)ステップを説明するためのものであり、電極組立体の製造工程を説明するための図である。
図10】本発明の二次電池の製造方法のうち(S2)ステップを説明するためのものであり、(S1)ステップの後、第1電解質組成物の注入工程を説明するための平面図である。
図11】本発明の二次電池の製造方法のうち(S2)ステップを説明するためのものであり、(S1)ステップの後、第1電解質組成物の注入工程を説明するための側面図である。
図12】本発明の二次電池の製造方法のうち(S3)ステップを説明するためのものであり、(S2)ステップの後、第2電解質組成物の注入工程を説明するための平面図である。
図13】本発明の二次電池の製造方法のうち(S4)ステップを説明するためのものであり、(S3)ステップの後、第2電解質組成物の硬化工程を説明するための平面図である。
図14】本発明の二次電池の製造方法のうち(S4)ステップを説明するためのものであり、(S3)ステップの後、第2電解質組成物の硬化工程を説明するための側面図である。
図15】実施例1Aの製造方法で製造された二次電池に含まれるセパレータの表面の写真である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書および特許請求の範囲にて使用されている用語や単語は、通常的もしくは辞書的な意味に限定して解釈してはならず、発明者は、自分の発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適宜定義することができるという原則に則って、本発明の技術的思想に合致する意味と概念に解釈すべきである。
【0013】
本明細書において、平均粒径(D50)とは、粒子の粒径分布曲線において、体積累積量の50%に該当する粒径と定義することができる。前記平均粒径(D50)は、例えば、レーザ回折法(laser diffraction method)を用いて測定することができる。前記レーザ回折法は、一般的に、サブミクロン(submicron)領域から数mm程度の粒径の測定が可能であり、高再現性および高分解性の結果を得ることができる。
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の二次電池について詳細に説明する。各図面の構成要素に参照符号を付けるにあたり、同じ構成要素に対しては、異なる図面上に表示されていても、できるだけ同じ符号を付すことができる。また、本発明を説明するにあたり、関連する公知の構成または機能に関する具体的な説明が本発明の要旨を不明瞭にし得ると判断した場合には、その詳細な説明は省略することができる。
【0015】
<二次電池の製造方法>
本発明は、二次電池の製造方法、具体的には、リチウム二次電池の製造方法に関する。
【0016】
本発明は、(S1)電極組立体を電池ケースに収容させるステップと、(S2)前記電池ケースに第1電解質組成物を注入して、前記電極組立体を含浸させるステップと、(S3)前記電池ケースに第2電解質組成物を注入するステップと、(S4)前記第2電解質組成物を硬化させるステップとを含み、前記電極組立体には、電極タブが連結され、前記電極タブは、電極組立体の外部に引き出されており、前記第1電解質組成物は、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)およびリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSI)からなる群から選択される少なくとも1種を含む第1-1リチウム塩、および第1溶媒を含み、前記第2電解質組成物は、オリゴマーおよび第2溶媒を含み、前記第2電解質組成物は、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)およびリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSI)を含まない二次電池の製造方法を提供する。
【0017】
(1)電極組立体の収容ステップ(S1ステップ)
図1および図2を参照すると、先に電極組立体100を電池ケース300に収容させる。ここで、前記電極組立体100には、電極タブ400、500が連結され、前記電極タブ400、500は、電極組立体100の外部に突出している。
【0018】
以下、電極組立体100、電池ケース300および電極タブ400、500について説明する。
【0019】
電極組立体
説明の便宜上、図1および図2は、電極組立体100の構成は簡単に示しており、電極組立体100の例示的な構成は、図3図9を参照して説明することができる。
【0020】
図3を参照すると、電極組立体100は、電極110、120とセパレータ130が交互に積層されており、前記電極110、120と前記セパレータ130のうち少なくとも一つの表面に接着剤140が塗布され、前記電極110、120と前記セパレータ130が互いに接着されて製造されることができる。
【0021】
前記電極組立体100は、垂直方向Pに積層された複数の電極110、120を含む。前記電極110、120は、2以上の複数個であることができる。本明細書において、「垂直方向」とは、地面を基準とする垂直方向を意味し得、電極の積層方向を説明するためのものであって、積層方向の角度を限定するためのものではない。
【0022】
電極110、120は、第1電極110および第2電極120を含むことができる。図1に図示されているように、第1電極110および第2電極120は、交互に積層されることができる。電極110、120は、セパレータ130を挟んで交互に積層されることができる。第1電極110は正極であり、第2電極120は負極であることができる。または第1電極110は負極であり、第2電極120は正極であることができる。第1電極および第2電極は、それぞれ、1個以上、具体的には2個以上であることができる。
【0023】
第1電極110および第2電極120は、集電体に活物質スラリーが塗布された構造であることができる。第1電極110および第2電極120は、前記活物質スラリーが集電体の両面に塗布、乾燥および圧延されて形成された構造であることができる。活物質スラリーは、粒状の活物質、導電材、バインダーなどが溶媒に添加された状態で撹拌されて形成されることができる。第1電極110および第2電極120には、当分野における正極または負極に使用される活物質、導電材、バインダーなどが、制限なく使用されることができる。
【0024】
前記集電体は、電池に化学的変化を引き起こさず、高い導電性を有するものであれば、特に制限されない。具体的には、前記集電体は、銅、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素、およびアルミニウム-カドミウム合金からなる群から選択される少なくとも1種を含むことができる。例えば、電極110、120が正極である場合、電極110、120に使用される集電体は、アルミニウムを含むことができ、電極110、120が負極である場合、電極110、120に使用される集電体は、銅を含むことができる。
【0025】
前記集電体は、フィルム、シート、箔、網、メッシュ、多孔質体、発泡体、不織布体など、様々な形態で使用されることができる。また、前記集電体は、ポリマー層と、前記ポリマー層の両面に配置された金属層とを含むことができ、前記金属層が、銅、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素、およびアルミニウム-カドミウム合金からなる群から選択される少なくとも1種を含むことができる。
【0026】
具体的には、前記電極110、120が負極である場合、これに含まれる負極活物質としては、例えば、リチウムの可逆的なインターカレーションおよびデインターカレーションが可能な化合物が使用されることができる。具体的な負極活物質の例としては、人造黒鉛、天然黒鉛、黒鉛化炭素繊維、非晶質炭素などの炭素質材料;Si、Al、Sn、Pb、Zn、Bi、In、Mg、Ga、Cd、Si合金、Sn合金またはAl合金などリチウムと合金化が可能な金属質化合物;SiOβ(0<β<2)、SnO、バナジウム酸化物、リチウムバナジウム酸化物のようにリチウムをドープおよび脱ドープすることができる金属酸化物;またはSi-C複合体またはSn-C複合体のように前記金属質化合物と炭素質材料を含む複合物などが挙げられ、これらのいずれか一つまたは二つ以上の混合物が使用されることができる。また、前記負極活物質として金属リチウム薄膜が使用されてもよい。また、炭素材料は、低結晶性炭素および高結晶性炭素などがいずれも使用されることができる。低結晶性炭素としては、ソフトカーボン(soft carbon)およびハードカーボン(hard carbon)が代表的であり、高結晶性炭素としては、無定形、板状、鱗片状、球状または繊維状の天然黒鉛または人造黒鉛、キッシュ黒鉛(Kish graphite)、熱分解炭素(pyrolytic carbon)、メソフェーズピッチ系炭素繊維(mesophase pitch based carbon fiber)、メソカーボンマイクロビーズ(meso-carbon microbeads)、メソフェーズピッチ(Mesophase pitches)および石油と石炭系コークス(petroleum or coal tar pitch derived cokes)などの高温焼成炭素が代表的である。
【0027】
また、具体的には、前記電極110、120が正極である場合、これに含まれる前記正極活物質は、特に制限されず、例えば、前記正極活物質は、通常使用される正極活物質であることができる。具体的には、前記正極活物質は、リチウムコバルト酸化物(LiCoO)、リチウムニッケル酸化物(LiNiO)などの層状化合物や1またはそれ以上の遷移金属で置換された化合物;LiFeなどのリチウム鉄酸化物;化学式Li1+c1Mn2-c1(0≦c1≦0.33)、LiMnO、LiMn、LiMnOなどのリチウムマンガン酸化物;リチウム銅酸化物(LiCuO);LiV、V、Cuなどのバナジウム酸化物;化学式LiNi1-c2Mc(ここで、Mは、Co、Mn、Al、Cu、Fe、Mg、BおよびGaからなる群から選択される少なくともいずれか一つであり、0.01≦c2≦0.3を満たす)で表されるNiサイト型リチウムニッケル酸化物;化学式LiMn2-c3Mc(ここで、Mは、Co、Ni、Fe、Cr、ZnおよびTaからなる群から選択される少なくともいずれか一つであり、0.01≦c3≦0.1を満たす)またはLiMnMO(ここで、Mは、Fe、Co、Ni、CuおよびZnからなる群から選択される少なくともいずれか一つである。)で表されるリチウムマンガン複合酸化物;化学式のLiの一部がアルカリ土類金属イオンで置換されたLiMnなどが挙げられるが、これらのみに限定されるものではない。前記正極は、金属リチウム(Li-metal)正極であってもよい。
【0028】
前記電極に含まれるバインダーとしては、ポリビニリデンフルオライド高分子、ポリビニルアルコール(polyvinyl alcohol)、スチレンブタジエンゴム(styrene butadiene rubber)、ポリエチレンオキシド(polyethylene oxide)、カルボキシルメチルセルロース(carboxyl methyl cellulose)、セルロースアセテート(cellulose acetate)、セルロースアセテートブチレート(cellulose acetate butylate)、セルロースアセテートプロピオネート(cellulose acetate propionate)、シアノエチルプルラン(cyanoethylpullulan)、シアノエチルポリビニルアルコール(cyanoethyl polyvinylalcohol)、シアノエチルセルロース(cyanoethyl cellulose)、シアノエチルスクロース(cyanoethyl sucrose)、プルラン(pullulan)、ポリメチルメタクリレート(polymethylmethacrylate)、ポリブチルアクリレート(polybutylacrylate)、ポリアクリロニトリル(polyacrylonitrile)、ポリビニルピロリドン(polyvinylpyrrolidone)、ポリビニルアセテート(polyvinylacetate)、エチレンビニルアセテート共重合体(polyethylene-co-vinyl acetate)、ポリアリレート(polyarylate)および分子量10,000g/mol以下の低分子化合物からなる群から選択されるいずれか一つのバインダー高分子またはこれらのうち2種以上の混合物であることができる。
【0029】
前記電極に含まれる導電材は、当該電池に化学的変化を引き起こさず、導電性を有するものであれば、特に制限されるものではなく、例えば、天然黒鉛や人造黒鉛などの黒鉛;カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラックなどのカーボンブラック;炭素繊維や金属繊維などの導電性繊維;カーボンナノチューブなどの導電性チューブ;フルオロカーボン、アルミニウム、ニッケル粉末などの金属粉末;酸化亜鉛、チタン酸カリウムなどの導電性ウィスカー;酸化チタンなどの導電性金属酸化物;ポリフェニレン誘導体などの導電性素材などが使用されることができる。
【0030】
前記電極に含まれる増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)が例として挙げられる。
【0031】
図3に図示されているように、電極組立体100は、セパレータ130を含むことができる。前記セパレータは、前記電極と交互に積層される。
【0032】
図3に図示されているように、前記セパレータ130は、電極110、120のいずれか一つの端部を包むように、ジグザグ状に折り曲げまたはフォールディングされることができる。例えば、図1に図示されているように、第1電極110および第2電極120が交互に積層される場合、前記セパレータ130は、第1電極110の一側端部110aを包むように折り曲げられ、前記第1電極110の一側端部110aの反対側に存在する第2電極110の一側端部を包むように、また折り曲げられることができる。このような折り曲げが繰り返されるにつれて、前記セパレータ130は、ジグザグ状に折り曲げまたはフォールディングされることができる。前記電極組立体100は、一つのセパレータ130を含むことができる。
【0033】
前記電極組立体100は、前記セパレータ130がジグザグ状に折り曲げまたはフォールディングされ、前記第1電極110、前記セパレータ130、前記第2電極120および前記セパレータ130が順に積層された基本単位体が1以上、具体的には2以上積層されたジグザグスタック型電極組立体であることができる。
【0034】
図4に図示されているように、前記セパレータ130は、多孔性基材131と、前記多孔性基材の両面に配置されたセラミックコーティング層132a、132bとを含むことができる。
【0035】
前記多孔性基材131としては、通常、二次電池のセパレータとして使用されるものであれば、特に制限されない。具体的には、前記多孔性基材131は、電解質のイオン移動に対して低抵抗であり、且つ電解質含湿能力に優れたものが好ましい。より具体的には、前記多孔性基材131は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリペンテンなどのポリオレフィン系樹脂;ポリビニリデンフルオライド、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂;ポリアクリロニトリル樹脂;およびセルロース系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種を含むことができ、これらのいずれか一つまたは二つ以上の共重合体または混合物を含む多孔性フィルムまたは不織布、またはこれらの2層以上の積層構造体であってもよい。前記多孔性基材131は、前記ポリオレフィン系樹脂を含む多孔性フィルム、不織布またはこれらの2層以上の積層構造体であることができる。
【0036】
前記多孔性基材131に存在する気孔のサイズおよび気孔度は、特に限定されない。具体的には、前記多孔性基材131は、平均気孔径が0.01μm~1μm、具体的には20nm~60nmである気孔を10体積%~90体積%、具体的には30体積%~60体積%の気孔度で含む多孔性基材であることができ、この場合、多孔性基材131の機械的強度を向上させるとともに、イオン物質が正極と負極との間をよりスムーズに移動することができる面で好ましい。前記平均気孔径、気孔度は、集束イオンビーム(FIB)を用いた分析、ガス吸着法または水銀圧入法によって測定されることができる。
【0037】
前記多孔性基材131の厚さは、特に限定されないが、セパレータとしての適切な機械的強度およびイオン物質の移動容易性を考慮して、具体的には1μm~100μm、具体的には2μm~15μmであることができる。
【0038】
前記セラミックコーティング層132a、132bは、前記多孔性基材131の両面に配置される。
【0039】
前記セラミックコーティング層132a、132bは、無機物粒子およびバインダーを含む。より具体的には、前記セラミックコーティング層は、前記無機物粒子および前記バインダーのみからなることができる。
【0040】
前記無機物粒子は、多孔性基材の高温での熱収縮、これによる正極および負極の短絡を防止するための面で導入されることができ、前記無機物粒子は、多孔性基材の物理的形態を維持し、熱収縮を最小化することができる一種のスペーサ(spacer)の役割として提供されることができる。
【0041】
前記無機物粒子としては、電池の作動電圧範囲(例えば、Li/Li基準に0V~5V)で電気化学的に安定して、酸化および/または還元反応、すなわち、電気化学的反応を引き起こさないものであれば、特に制限なく使用可能である。前記無機物粒子は、リチウムホスフェート(LiPO);リチウムチタンホスフェート(LiTi(PO、0<x<2、0<y<3);リチウムアルミニウムチタンホスフェート(LiAlTi(PO、0<x<2、0<y<1、0<z<3)、14LiO-9Al-38TiO-39Pのような(LiAlTiP)系ガラス(glass)(0<x<4、0<y<13);リチウムランタンチタネート(LiLaTiO、0<x<2、0<y<3);Li3.25Ge0.250.75などのリチウムゲルマニウムチオホスフェート(LiGe、0<x<4、0<y<1、0<z<1、0<w<5);LiNなどのリチウムナイトライド(Li、0<x<4、0<y<2);LiPO-LiS-SiSなどのSiS系ガラス(LiSi、0<x<3、0<y<2、0<z<4);LiI-LiS-PなどのP系ガラス(Li、0<x<3、0<y<3、0<z<7);Al;AlOOH;BaTiO;BaSO;MgO;CaO;CeO;NiO;SiO;SnO;SrTiO;TiO;Y;ZnO;ZrO;Pb(Zr、Ti)O(PZT);Pb1-xLaZr1-yTi(PLZT);PB(MgNb2/3)O-PbTiO(PMN-PT);ハフニア(HfO);これらの2以上の混合物などであることができる。具体的には、前記無機物粒子は、Al;AlOOH;BaTiO;BaSO;MgO;CaO;CeO;NiO;SiO;SnO;SrTiO;TiO;Y;ZnO;ZrO;Pb(Zr、Ti)O(PZT);Pb1-xLaZr1-yTi(PLZT);PB(MgNb2/3)O-PbTiO(PMN-PT);ハフニア(HfO);これらの2以上の混合物であることができ、より具体的には、Al;AlOOH;BaTiO;BaSO;およびMgOからなる群から選択される少なくとも1種を含むことができる。
【0042】
前記無機物粒子の平均粒径(D50)は、0.1μm~1μm、具体的には0.2μm~0.7μmであることができる。
【0043】
前記無機物粒子は、前記セラミックコーティング層132a、132bに92重量%以上100重量%未満で含まれる。前記無機物粒子の含量は、後述するバインダーの含量との関係で考慮されなければならず、多孔性基材の熱収縮による熱安定性低下を防止し、且つバインダー過量による抵抗増加を防止する面で調節されることができる。具体的には、前記無機物粒子は、前記セラミックコーティング層に93重量%~98重量%含まれることができる。
【0044】
前記バインダーは、無機物粒子の結着、セパレータと電極の結着のために、前記セラミックコーティング層132a、132bに含まれることができる。
【0045】
ここで、前記バインダーは、前記セラミックコーティング層に0重量%超8重量%未満で含まれる。前記バインダーが8重量%超で含まれる場合、バインダーが過剰にセラミックコーティング層に含まれて、二次電池の抵抗増加を引き起こし得る。一方、前記バインダーが上述の範囲で含まれることによって、電極とセパレータの接着力の低下による二次電池のセル剛性の低下の恐れがあるが、後述するように、本発明は、上述の特徴を有するセパレータとゲルポリマー電解質を組み合わせて使用することから、二次電池の抵抗の改善とともに、セル剛性および機械的耐久性の向上を同時に達成することができる。
【0046】
具体的には、前記バインダーは、前記セラミックコーティング層に2重量%~7重量%含まれることができ、前記範囲である時に、無機物粒子の結着力を最大限に確保し、且つ二次電池の抵抗増加を防止することができる。
【0047】
前記バインダーとしては、分子内に、フッ素基(-F)、アクリレート基(CH=CHCOO-)、メタクリレート基(CH=C(CH)COO-)、ビニルアセテート基(-CH=CHOCO-)またはニトリル基(-C≡N)、などの疎水性官能基を一つ以上含む疎水性バインダーであるか、または、ヒドロキシル基(-OH)、カルボキシル基(-COOH)、無水マレイン酸基(-COOOC-)、スルホン酸基(-SOH)またはイソシアネート基(-NCO-)のような極性基を一つ以上含む親水性バインダーであることができ、これらのいずれか一つまたは二つ以上の混合物が使用されることができる。より具体的には、前記疎水性バインダーは、ポリビニリデンフルオライド(polyvinylidene fluoride)、ポリビニリデンフルオライド-ヘキサフルオロプロピレン(polyvinylidene fluoride-co-hexafluoropropylene)、ポリビニリデンフルオライド-トリクロロエチレン(polyvinylidene fluoride-co-trichloroethylene)、ポリメチルメタクリレート(polymethylmethacrylate)、ポリアクリロニトリル(polyacrylonitrile)、ポリビニルアセテート(polyvinylacetate)、エチレンビニルアセテート共重合体(polyethylene-covinylacetate)、ポリイミド(polyimide)、ポリエチレンオキシド(polyethylene oxide)などであることができる。また、前記親水性バインダーは、シアノエチルプルラン(cyanoethylpullulan)、シアノエチルポリビニルアルコール(cyanoethylpolyvinylalcohol)、シアノエチルセルロース(cyanoethylcellulose)、シアノエチルスクロース(cyanoethylsucrose)、カルボキシルメチルセルロース(carboxyl methyl cellulose)、ポリビニルアルコール(polyvinylalcohol)、ポリアクリル酸(polyacrylic acid)、ポリ無水マレイン酸(polymaleic anhydride)またはポリビニルピロリドン(polyvinylpyrrolidone)などであることができる。
【0048】
具体的には、前記バインダーは、アクリル系バインダーであることができる。前記アクリル系バインダーは、セラミックコーティング層の製造時に、前記無機物粒子の分散がよく行われるようにし、これにより、前記セラミックコーティング層が、上層にバインダー、下層に無機物粒子として層分離することを防止することができる。このような層分離は、結果として、負極、正極でのイオン移動を妨害し、抵抗増加を引き起こすため、前記バインダーとしてアクリル系バインダーを使用する場合、本発明が目的とする抵抗低減効果をより優れた水準で発揮することができる。
【0049】
前記アクリル系バインダーは、エチルヘキシルアクリレート(ethylhexyl acrylate)およびメチルメタクリレート(methyl methacrylate)の共重合体;ポリメチルメタクリレート(polymethylmethacrylate);ポリエチルヘキシルアクリレート(polyethylhexylacrylate);ポリブチルアクリレート(polybutylacrylate);ポリアクリロニトリル(polyacrylonitrile);およびブチルアクリレートおよびメチルメタクリレートの共重合体からなる群から選択される少なくとも1種を含むことができる。
【0050】
前記セラミックコーティング層は、無機物粒子およびバインダーを92:8以上100:0未満、具体的には93:7~98:2の重量比で含むことができる。
【0051】
前記セラミックコーティング層132a、132bの厚さは、0.1μm~10μm、具体的には0.5μm~5μm、より具体的には1.0μm~2.5μmであることができる。前記セラミックコーティング層132a、132bは、バインダーを上述の少ない含量で含むことから、薄い厚さのセパレータの実現が可能であり、二次電池のエネルギー密度をより向上させることができ、低い抵抗の実現を図ることができる。前記セラミックコーティング層の厚さは、前記多孔性基材の一面に形成された一つのセラミックコーティング層の厚さを意味し得る。
【0052】
前記セラミックコーティング層132a、132bは、無機物粒子およびバインダーを溶媒の中に分散させたセラミックコーティング層形成用組成物を前記多孔性基材に塗布し乾燥させて製造されることができる。前記セラミックコーティング層形成用組成物の塗布方法は、特に制限されず、ディップ(Dip)コーティング、ダイ(Die)コーティング、ロール(Roll)コーティング、コンマ(Comma)コーティング、グラビア(Gravure)コーティングなどを用いることができ、具体的には、グラビア(Gravure)コーティングを用いることができる。前記セラミックコーティング層形成用組成物の塗布後の乾燥方法としては、自然乾燥、加熱乾燥または熱風乾燥などを用いることができる。
【0053】
前記セパレータ130の厚さは、1μm~20μm、具体的には5μm~14μmであることができ、本発明によると、セラミックコーティング層内のバインダー含量を減少させることから、薄い厚さのセパレータの実現が可能であり、これにより、二次電池のエネルギー密度をより向上させることができ、低い抵抗を図ることができる。
【0054】
上述のように、前記セパレータに含まれるセラミックコーティング層は、バインダーを少ない含量で含むことから、バインダー過量による抵抗増加が防止されることができる。一方、本発明による二次電池の場合、電解質としてゲルポリマー電解質を使用することから、このような抵抗の低減に伴う二次電池のセル剛性の低下を前記ゲルポリマー電解質が補完することができる。したがって、本発明による二次電池の製造方法で製造された二次電池は、上記の構成の組み合わせによって、二次電池の抵抗低減とセル剛性および機械的耐久性を同時に向上させることもできる。
【0055】
図3および図5に図示されているように、前記電極組立体100は、前記電極110、120と前記セパレータ130のうち少なくとも一つの表面に接着剤140が塗布され、前記電極110、120と前記セパレータ130が互いに接着されていてもよい。
【0056】
前記接着剤140は、電極110、120とセパレータ130の接着のために導入されることができる。具体的には、前記接着剤は、前記二次電池の製造過程のうち電極とセパレータを積層、組み立て、スタックさせる工程において、これらの整列位置を固定させるために導入されることができる。上述のように、本発明によるセパレータ130は、バインダー含量が減少したことから二次電池の製造時に電極とセパレータの接着力が十分でない可能性があるため、前記接着剤140がこのような問題を補完して電極とセパレータを容易に接着させ、電極組立体の製造過程でセパレータずれ現象が発生することを防止し、工程の効率、品質の向上が可能になる。
【0057】
前記接着剤は、アクリレート系接着剤であることができる。前記アクリレート系接着剤を使用することにより、上述の接着剤の溶解および除去が容易に行われることができる。
【0058】
具体的には、前記アクリレート系接着剤は、メチルメタクリレート(MMA)、2-エチルヘキシルアクリレート(2-EHA)および2-ヒドロキシエチルアクリレート(2-HEA)からなる群から選択される少なくとも1種の単量体から由来した繰り返し単位を含む共重合体を含むことができる。
【0059】
前記共重合体の重量平均分子量(Mw)は、120,000g/mol~140,000g/molであることができる。前記共重合体の分子量の測定は、当業界において周知の通常の方法を用いることができる。例えば、前記分子量の測定は、分子連鎖末端にある官能基を定量分析して分子量を求める末端基定量法、浸透圧、蒸気圧降下、沸点上昇、凝固点降下といった物性を用いた総括性利用法(セパレータ浸透法、蒸気圧浸透圧法など)、光の散乱を用いた光散乱法、高分子溶液を遠心分離した後、沈降速度または濃度分布を分析することで分子量を測定する超遠心法、高分子溶液の粘度を用いた粘度法、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)などを用いたゲル浸透クロマトグラフィー(GPC、Gel Permeation Chromatography)などを用いることができる。
【0060】
前記接着剤は、電極とセパレータを接着させることによる電極組立体の製造に使用され、前記電極組立体が電池ケース内に収容され、後述する第1電解質組成物および/または第2電解質組成物、具体的には第1電解質組成物が電池ケースに注入された後、前記第1電解質組成物および/または第2電解質組成物、具体的には第1電解質組成物に含まれた有機溶媒に溶解されることができる。本発明による接着剤は、前記電極組立体の製造に使用された後、溶解されて除去されることから、セパレータのバインダーが増量することなく、電極とセパレータを容易に接着させることができるだけでなく、バインダーの増量によるセパレータの厚さの増加を防止して、二次電池のエネルギー密度をより向上させることができる。
【0061】
前記接着剤は、互いに離隔した複数のパターン状に塗布されることができる。具体的には、前記接着剤は、互いに離隔した複数のパターン状に前記電極と前記セパレータのうち少なくとも一つの表面に塗布されることができる。具体的には、前記接着剤は、互いに離隔した複数のドット(dot)状に前記電極と前記セパレータのうち少なくとも一つの表面に塗布されることができる。
【0062】
前記接着剤は、後述する第1電解質組成物の注液によって除去され、前記電極110、120および前記セパレータ130のうち少なくとも一つの表面に接着剤の塗布跡が残っていることがある。具体的には、前記第1電解質組成物が、前記電極組立体が収容された電池ケース内に注入されると、前記接着剤が、前記第1電解質組成物内の有機溶媒によって溶解され除去されながら接着剤の塗布跡を残し得る。
【0063】
前記接着剤の塗布面積は、前記セパレータと前記電極が接する面の面積に対して0%超1%以下、具体的には0.0001%~0.05%であることができる。前記範囲によると、前記電極と前記セパレータが十分な接着力で接着されることができ、且つ接着剤が過剰に塗布され溶媒に溶解されず残存して抵抗の増加を引き起こす問題を防止することができて好ましい。
【0064】
以下、図6図9を参照して、前記電極組立体の例示的な製造方法について説明する。
【0065】
具体的には、図6図9を参照すると、前記電極110、120は、第1電極110および第2電極120を含み、前記電極組立体100は、下記ステップ(a)~(d)を含む方法により製造されることができる。
【0066】
(a)前記セパレータ130および前記第1電極110のうち少なくとも一部に前記接着剤140を塗布するステップ;
(b)前記塗布された接着剤140により前記セパレータ130と前記第1電極110を接着させるステップ;
(c)前記セパレータ130の一側をフォールディングして前記第1電極110をカバーするステップ;
(d)前記セパレータ130および前記第2電極120のうち少なくとも一部に前記接着剤140を塗布するステップ;
(e)前記塗布された接着剤140により前記セパレータ130と前記第2電極120を接着させるステップ;および
(d)前記セパレータ130の他側をフォールディングして前記第2電極120をカバーするステップ。
【0067】
図6を参照すると、前記セパレータ130および前記第1電極110のうち少なくとも一部に前記接着剤140を塗布する。前記接着剤140の塗布は、第1ノズル1110で前記セパレータ130および前記第1電極110のうち少なくとも一部に接着剤140を塗布することによることができる。図6には、セパレータ130に接着剤140が塗布されたように図示されているが、これに制限されず、前記接着剤140は、セパレータ130;第1電極110;またはセパレータ130および第1電極110の両方;の少なくとも一部に塗布されることができる。
【0068】
図6に図示されているように、具体的には、前記セパレータ130は、セパレータリール630から巻き出されてテーブル700の上面に載置されていてもよい。
【0069】
図7を参照すると、前記塗布された接着剤140により前記セパレータ130と前記第1電極110を接着させる。
【0070】
前記第1電極110は、図9に図示されているように、第1電極リール610で巻き出された第1電極シート1101が、第1カッター810によって切断されて形成されることができる。ここで、第1移送装置910が第1電極110を移送させると、第1ヘッダー1010が第1電極を吸着することができる。次に、第1ヘッダー1010および/またはテーブル700の移動につれて、前記セパレータ130上に前記第1電極110が載置または配置されることができる。
【0071】
図8を参照すると、前記セパレータ130の一側をフォールディングして前記第1電極110をカバーし、前記セパレータ130および前記第2電極120のうち少なくとも一部に前記接着剤140を塗布することができる。
【0072】
セパレータ130上に第1電極110が付着された後、前記セパレータ130の一側をフォールディングして前記第1電極110をカバーする。例えば、前記セパレータ130のフォールディングは、テーブル700の側面移動によることができる。
【0073】
一方、前記セパレータ130および前記第2電極120のうち少なくとも一部に前記接着剤140を塗布する。前記接着剤140の塗布は、第2ノズル1120で前記セパレータ130および前記第2電極120のうち少なくとも一部に接着剤140を塗布することによることができる。図8には、セパレータ130に接着剤140が塗布されたように図示されているが、これに制限されず、前記接着剤140は、セパレータ130;第2電極120;またはセパレータ130および第2電極120の両方;の少なくとも一部に塗布されることができる。
【0074】
図9を参照すると、前記塗布された接着剤140により前記セパレータ130と前記第2電極120を接着させ、前記セパレータ130の他側をフォールディングして前記第2電極120をカバーする。
【0075】
前記セパレータ130の前記セパレータ130と前記第1電極110が接する面の反対面に第2電極120を接着させる。
【0076】
前記第2電極120は、図9に図示されているように、第2電極リール620で巻き出された第1電極シート1201が、第2カッター820によって切断されて形成されることができる。ここで、第2移送装置920が第2電極120を移送させると、第2ヘッダー1020が第2電極を吸着することができる。次に、第2ヘッダー1020および/またはテーブル700の移動につれて、前記セパレータ上に前記第2電極が載置または接着されることができる。
【0077】
図9を参照すると、前記第2電極120の接着後、前記セパレータ130の他側をフォールディングして前記第2電極120をカバーする。これにより、第1電極および第2電極が交互に積層され、前記第1電極と第2電極との間にセパレータが介在され、前記セパレータがジグザグ状にフォールディングされた構造の電極組立体の製造が可能になる。次に、上述の過程を繰り返すことで、複数の第1電極および第2電極が交互に積層された電極組立体の実現が可能である。
【0078】
ここで、前述のようにジグザグ形状に折り曲げられたセパレータを含む電極組立体の場合、製造工程においてセパレータの折り曲げまたはフォールディングによってセパレータおよび/または電極のずれ現象が発生し、これは、品質不良、工程効率性の減少につながる問題があるが、本発明によると、電極とセパレータの接着のために接着剤の塗布が行われることにより、上述の電極および/またはセパレータのずれ現象が著しい水準で防止されることができ、品質が向上した二次電池の製造が可能である。このような接着剤の塗布は、バインダーが低含量で含まれる本発明におけるセパレータの接着力補完の面で特に好ましい。
【0079】
電極タブ
図1および図2に図示されているように、前記電極組立体100には、電極タブ400、500が連結され、前記電極タブ400、500は、電極組立体100の外部に突出している。
【0080】
前記電極タブ400、500は、複数個であることができる。具体的には、複数の電極タブ400、500は、電極組立体100の電極110、120に連結され、より具体的には、第1電極110および第2電極120とそれぞれ連結され、電池ケース300の外部に突出して電子が移動する経路となることができる。また、図1および図2には、2個の電極タブ400、500が、電極組立体100に対して、それぞれ異なる方向に配置されたように図示されているが、これに制限されず、電極組立体100の一側から同じ方向に平行に突出してもよい。
【0081】
前記複数の電極タブ400、500は、正極タブおよび負極タブであることができ、正極および負極にそれぞれ連結されることができる。
【0082】
前記電極タブは、アルミニウムを含むことができる。後述するように、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドおよびリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドからなる群から選択される少なくとも1種を含む第1電解質組成物は、前記電極タブに接触しないことから、電極タブは、アルミニウムの腐食による損傷の恐れが著しく減少することができ、長期寿命特性が向上することができる。
【0083】
具体的には、前記電極タブは、正極タブおよび負極タブを含み、前記正極タブは、アルミニウムを含み、前記負極タブは、ニッケルを含むことができる。
【0084】
電池ケース
前記電池ケース300は、電極組立体100を収容する目的で提供されることができる。また、前記電池ケース300内で、後述する第1電解質組成物210は、電極組立体100の内部に配置され、後述する第2電解質組成物220は、硬化し、電極組立体100の外部に配置されることができる。
【0085】
電池ケース300は、柔軟性を有する素材で製造されたパウチ状のケースであることができ、例えば、アルミニウムパウチ電池ケースであることができる。
【0086】
電池ケース300がアルミニウムパウチ電池ケースである場合、電池ケース300は、例えば、内部からポリプロピレン層(PP層)、アルミニウム層、ポリエチレンテレフタレート層(PET層)の順に積層されたパウチフィルムで形成されることができる。
【0087】
電池ケース300は、電極組立体を収納するための収容空間であるカップ部310を含むことができる。
【0088】
電池ケース300は、カバー320を含むことができ、電極組立体の収納、ゲルポリマー電解質組成物の硬化およびゲル化の後、前記カバーで前記電池ケース300をシーリングして、密封された二次電池を製造することができる。
【0089】
(2)第1電解質組成物の注入および電極組立体の含浸(S2ステップ)
図10および図11を参照すると、前記電池ケース300に第1電解質組成物210を注入して、前記電極組立体100を含浸させる。ここで、前記第1電解質組成物210は、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドを含む第1-1リチウム塩、第1オリゴマーおよび第1溶媒を含む。
【0090】
前記第1電解質組成物210は、電極組立体100の含浸とともに、電極組立体100の内部に配置させるために導入されたものである。
【0091】
具体的には、前記第1電解質組成物210は、前記電極組立体100の外部に配置される電極タブ400、500と接触しないように注入されることができる。これにより、第1電解質組成物210に含まれるリチウムビス(フルオロスルホニル)イミドが、電極タブ400、500、具体的には、アルミニウムを含む電極タブ400、500に接触して腐食が発生することを防止することができる。
【0092】
前記第1電解質組成物210は、電極組立体100に注入されて電極組立体100を含浸させる。具体的には、前記第1電解質組成物210は、電極組立体100を含浸させ、且つ電極タブ400、500には接触しないために、電極組立体100のサイズ、体積などを考慮して、予め計算された量で注入されることができる。
【0093】
前記第1電解質組成物210の含浸は、10℃~30℃の温度で0.5時間~72時間行われることができ、好ましくは、15℃~30℃の温度で40時間~65時間行われることができる。
【0094】
前記第1電解質組成物210は、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI、LiN(FSO)およびリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSI、LiN(CFSO)からなる群から選択される少なくとも1種を含む第1-1リチウム塩、第1オリゴマーおよび第1溶媒を含む。
【0095】
前記第1-1リチウム塩に含まれることができるリチウムビス(フルオロスルホニル)イミドおよび/またはリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドは、電極組立体の内部に注入されることから、電極組立体の抵抗を低減するだけでなく、二次電池の熱安定性を向上させる利点を有する。一方、電極組立体の外部に注入、配置される第2電解質組成物には、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドが含まれないことから、電極タブ400、500にリチウムビス(フルオロスルホニル)イミドが接触する可能性が著しく少なく、電極タブの腐食を防止することができる。
【0096】
前記第1-1リチウム塩は、前記第1電解質組成物に0.5M以上、具体的には0.65M以上のモル濃度で含まれることができる。前記範囲である時に、二次電池の抵抗の低減および熱安定性の向上効果がより好ましく実現されることができる。前記第1-1リチウム塩のモル濃度の上限は、特に限定されず、第1-1リチウム塩の容易な溶解の面で、5M以下であることができる。本明細書において、モル濃度とは、組成物体積に対する成分のモル含量を意味し、「モル濃度」の単位「M」は、「mol/L」を意味し得る。
【0097】
前記第1電解質組成物は、前記第1-1リチウム塩とともに、さらなる抵抗低減および腐食防止の効果の目的で第1-2リチウム塩をさらに含むことができる。
【0098】
前記第1-2リチウム塩は、リチウムヘキサフルオロホスフェート(LiPF)、リチウムパークロレート(LiClO)、リチウムヘキサフルオロアルセネート(LiAsF)、リチウムテトラフルオロボレート(LiBF)、リチウムヘキサフルオロアンチモネート(LiSbF)、リチウムテトラオキソアルミネート(LiAlO)、リチウムテトラクロロアルミネート(LiAlCl)、リチウムトリフルオロメタンスルホネート(LiCFSO)、リチウムノナフルオロブタンスルホネート(LiCSO)、リチウムクロライド(LiCl)、リチウムアイオダイド(LiI)、リチウムビス(オキサラート)ボレート(LiBOB、LiB(C)、リチウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド(LiBETI、LiN(CSO)、リチウムフルオロアルキルボレート(LiFAB)およびリチウム2-トリフルオロメチル-4,5-ジシアノイミダゾール(LiTDI)からなる群から選択される少なくとも1種を含むことができ、具体的には、LiPFを含むことができる。
【0099】
前記第1電解質組成物において、前記第1-1リチウム塩のモル濃度および前記第1-2リチウム塩のモル濃度の比は、0.9:1~10:1であることができ、前記範囲である時に、二次電池の抵抗を改善し、且つ二次電池の熱安定性を好ましい水準に向上させることができる。前記第1電解質組成物において、前記第1-1リチウム塩のモル濃度および前記第1-2リチウム塩のモル濃度の比は、より具体的には0.9:1~5:1、さらに具体的には0.9:1~1.2:1であることができる。
【0100】
前記第1-2リチウム塩のモル濃度に対する前記第1-1リチウム塩のモル濃度の比率は、1.1以上であることができ、前記範囲である時に、二次電池の抵抗を改善し、且つ二次電池の熱安定性を好ましい水準に向上させることができる。より具体的には、前記第1-2リチウム塩のモル濃度に対する前記第1-1リチウム塩のモル濃度の比率は、2.5以上であることができる。前記第1-2リチウム塩のモル濃度に対する前記第1-1リチウム塩のモル濃度の比率の上限は、特に限定されず、10以下、具体的には5以下であることができる。
【0101】
前記第1電解質組成物において、前記第1-1リチウム塩および前記第1-2リチウム塩のモル濃度の和は、0.7M以上、具体的には1.2M以上であることができる。前記範囲である時に、二次電池の抵抗を改善し、且つ二次電池の熱安定性を好ましい水準に向上させることができる。前記第1-1リチウム塩および前記第1-2リチウム塩のモル濃度の和の上限は、特に限定されず、5M以下、具体的には1.8M以下であることができる。
【0102】
前記第1溶媒は、上述の第1-1リチウム塩の溶解または分散目的で用いられることができる。第1溶媒は、有機溶媒であることができる。
【0103】
前記第1溶媒は、二次電池に通常使用されるものであり、例えば、エーテル、エステル(Acetate類、Propionate類)、アミド、直鎖状カーボネートまたは環状カーボネート、ニトリル(アセトニトリル、SNなど)などをそれぞれ単独でまたは2種以上混合して使用することができる。
【0104】
そのうち、代表的には、環状カーボネート、直鎖状カーボネートまたはこれらの混合物であるカーボネート化合物を含むカーボネート系溶媒を第1溶媒として使用することができる。
【0105】
前記環状カーボネート化合物の具体的な例としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、1,2-ブチレンカーボネート、2,3-ブチレンカーボネート、1,2-ペンチレンカーボネート、2,3-ペンチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、およびこれらのハロゲン化物からなる群から選択される単一化合物または少なくとも2種以上の混合物がある。また、前記直鎖状カーボネート化合物の具体的な例としては、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジプロピルカーボネート(DPC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、メチルプロピルカーボネート(MPC)およびエチルプロピルカーボネート(EPC)からなる群から選択される化合物または少なくとも2種以上の混合物などが代表的に使用されることができるが、これに限定されるものではない。
【0106】
特に、前記カーボネート系溶媒のうち、環状カーボネートであるプロピレンカーボネートおよびエチレンカーボネートは、高粘度の有機溶媒として誘電率が高くて、電解液内のリチウム塩をよく解離させることから好ましく使用されることができ、このような環状カーボネートに、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネートまたはジメチルカーボネートのような低粘度、低誘電率の直鎖状カーボネートを適当な比率で混合して使用すると、高い電気伝導率を有する電解液にすることができ、より好ましく使用されることができる。
【0107】
また、前記第1溶媒のうち、エステルとしては、メチルアセテート、エチルアセテート、プロピルアセテート、メチルプロピオネート、エチルプロピオネート、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、γ-カプロラクトン、α-バレロラクトンおよびε-カプロラクトンからなる群から選択される単一化合物または少なくとも2種以上の混合物を使用することができるが、これに限定されるものではない。
【0108】
前記第1電解質組成物210は、液体電解質組成物またはゲルポリマー電解質組成物であることができる。
【0109】
前記第1電解質組成物210が液体電解質組成物である場合、第1電解質組成物210は、ゲルポリマー電解質の形成のためのオリゴマーを含まないことができる。
【0110】
前記第1電解質組成物210がゲルポリマー電解質組成物である場合、前記第1電解質組成物は、オリゴマーをさらに含むことができる。前記オリゴマーは、ポリエーテル系オリゴマー、ポリカーボネート系オリゴマー、アクリレート系オリゴマー、ポリシロキサン系オリゴマー、ホスファゲン系オリゴマー、ポリエチレン系オリゴマー、ウレタン系オリゴマー、エポキシ系オリゴマー、フッ素系オリゴマー、ポリエチレンオキシド、ポリエステルスルフィド、ポリビニルアルコールおよびポリフッ化ビニリデンからなる群から選択される1種以上、具体的には、フッ素系オリゴマー、ポリカーボネート系オリゴマーおよびポリシロキサン系オリゴマーから選択される少なくとも1種を含むことができる。
【0111】
例えば、前記フッ素系オリゴマーは、具体的には、フッ素系単量体由来単位を含むことができる。前記フッ素系オリゴマーは、これに含まれるフッ素系官能基が正極活物質の分解に起因する酸素ラジカルの発生を抑制することで、電池安定性をより向上させることができ、難燃性に優れるという利点がある。より具体的には、前記フッ素系オリゴマーは、テトラフルオロエチレン(TFE)-ビニルアセテートコポリマー、(アリル1,1,2,2-テトラフルオロエチルエーテル)-(2,2,2-トリフルオロエチルアクリレート)コポリマー、テトラフルオロエチレン-(2-ビニル-1,3-ジオキソラン)コポリマー、およびテトラフルオロエチレン-ビニルメタクリレートコポリマーから選択される少なくとも1種を含むことができる。
【0112】
また、前記ポリカーボネート系オリゴマーは、正極と親和的であり、有機電解液と類似する構造であり、イオン伝導度またはイオン解離度に優れるという利点がある。前記ポリカーボネート系オリゴマーは、1,000g/mol~50,000g/mol、具体的には4,500g/mol~30,000g/mol、より具体的には10,000g/mol~25,000g/molの重量平均分子量を有するポリカーボネートであることができる。
【0113】
また、前記ポリシロキサン系オリゴマーは、電解液副反応によって発生するガス(HFなど)の捕捉剤(scavenger)として機能することができ、これにより、高温保存特性の改善効果を有することができる。
【0114】
前記オリゴマーの重量平均分子量は、1,000g/mol~50,000g/mol、具体的には4,500g/mol~30,000g/molであることができる。
【0115】
前記オリゴマーは、前記第1電解質組成物に、0.1重量%~30重量%、具体的には1重量%~10重量%含まれることができ、前記範囲である時に、ゲルポリマー電解質のイオン伝導性、リチウムイオンの移動性が優れた水準に発揮されることができる。
【0116】
前記第1電解質組成物210がゲルポリマー電解質組成物である場合、必要に応じて、前記(S2)ステップの後、前記第1電解質組成物210を硬化することができる。
【0117】
本ステップは、必須ではなく、後述するように、第2電解質組成物の注入の後、(S4)ステップで第1電解質組成物210と第2電解質組成物220をともに硬化することもできる。しかし、第1電解質組成物210の含浸の後に硬化工程を行う場合、第1電解質組成物210が第2電解質組成物220注入の前に、電極組立体100の外部に流出することを防止し、第1電解質組成物210と第2電解質組成物220が互いに混合されることを防止することができるという利点がある。
【0118】
ここで、前記硬化は、50℃~100℃の温度で0.5時間~48時間行われることができ、好ましくは60℃~80℃の温度で0.5時間~24時間行われることができる。
【0119】
前記(S2)ステップの後、前記第1電解質組成物210を硬化させる場合には、前記第1電解質組成物210は、オリゴマーを重合、架橋させるための重合開始剤をさらに含むことができる。重合開始剤の種類などに関する説明は後述する。
【0120】
(3)第2電解質組成物の注入(S3ステップ)
図12を参照すると、(S2)ステップの後、前記電池ケース300に第2電解質組成物220を注入する。ここで、第2電解質組成物220は、オリゴマーおよび第2溶媒を含み、前記第2電解質組成物220は、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドおよびリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを含まない。
【0121】
図12に図示されているように、前記電池ケース300に注入される第2電解質組成物220は、前記電極組立体100の外部に注入されることができる。前記第2電解質組成物220は、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドおよびリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを含まないことから、電極組立体100の外部に存在する電極タブ400、500に腐食問題を引き起こさないことができる。
【0122】
第2電解質組成物220は、オリゴマーおよび第2溶媒を含む。第2電解質組成物は、オリゴマーを含むことで、ゲルポリマー電解質220aを形成することができる。
【0123】
前記オリゴマーは、第2電解質組成物の硬化工程により、重合、架橋されることができる。
【0124】
前記オリゴマーは、ポリエーテル系オリゴマー、ポリカーボネート系オリゴマー、アクリレート系オリゴマー、ポリシロキサン系オリゴマー、ホスファゲン系オリゴマー、ポリエチレン系オリゴマー、ウレタン系オリゴマー、エポキシ系オリゴマー、フッ素系オリゴマー、ポリエチレンオキシド、ポリエステルスルフィド、ポリビニルアルコールおよびポリフッ化ビニリデンからなる群から選択される1種以上、具体的には、フッ素系オリゴマー、ポリカーボネート系オリゴマーおよびポリシロキサン系オリゴマーから選択される少なくとも1種を含むことができる。
【0125】
例えば、前記フッ素系オリゴマーは、具体的には、フッ素系単量体由来単位を含むことができる。前記フッ素系オリゴマーは、これに含まれるフッ素系官能基が正極活物質の分解に起因する酸素ラジカルの発生を抑制することで、電池安定性をより向上させることができ、難燃性に優れるという利点がある。より具体的には、前記フッ素系オリゴマーは、テトラフルオロエチレン(TFE)-ビニルアセテートコポリマー、(アリル1,1,2,2-テトラフルオロエチルエーテル)-(2,2,2-トリフルオロエチルアクリレート)コポリマー、テトラフルオロエチレン-(2-ビニル-1,3-ジオキソラン)コポリマー、およびテトラフルオロエチレン-ビニルメタクリレートコポリマーから選択される少なくとも1種を含むことができる。
【0126】
また、前記ポリカーボネート系オリゴマーは、正極と親和的であり、有機電解液と類似する構造であり、イオン伝導度またはイオン解離度に優れるという利点がある。前記ポリカーボネート系オリゴマーは、1,000g/mol~50,000g/mol、具体的には4,500g/mol~30,000g/mol、より具体的には10,000g/mol~25,000g/molの重量平均分子量を有するポリカーボネートであることができる。
【0127】
また、前記ポリシロキサン系オリゴマーは、電解液副反応によって発生するガス(HFなど)の捕捉剤(scavenger)として機能することができ、これにより、高温保存特性の改善効果を有することができる。
【0128】
前記オリゴマーの重量平均分子量は、1,000g/mol~50,000g/mol、具体的には4,500g/mol~30,000g/molであることができる。
【0129】
前記オリゴマーは、前記第2電解質組成物に、0.1重量%~30重量%、具体的には1重量%~10重量%含まれることができ、前記範囲である時に、電極組立体の外部に配置された第2電解質組成物が硬化することで、二次電池の剛性を向上させることができ、二次電池の漏液を防止し、二次電池の安全性をより向上させることができる。
【0130】
第2溶媒の種類は、前記第1溶媒において例示されているものと同一であることができる。ただし、第1溶媒および第2溶媒は、同一であってもよく、相違していてもよい。
【0131】
前記第2電解質組成物220は、二次電池の抵抗改善のために、第2リチウム塩をさらに含むことができる。
【0132】
前記第2リチウム塩は、リチウムヘキサフルオロホスフェート(LiPF)、リチウムパークロレート(LiClO)、リチウムヘキサフルオロアルセネート(LiAsF)、リチウムテトラフルオロボレート(LiBF)、リチウムヘキサフルオロアンチモネート(LiSbF)、リチウムテトラオキソアルミネート(LiAlO)、リチウムテトラクロロアルミネート(LiAlCl)、リチウムトリフルオロメタンスルホネート(LiCFSO)、リチウムノナフルオロブタンスルホネート(LiCSO)、リチウムクロライド(LiCl)、リチウムアイオダイド(LiI)、リチウムビス(オキサラート)ボレート(LiBOB、LiB(C)、リチウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド(LiBETI、LiN(CSO)、リチウムフルオロアルキルボレート(LiFAB)およびリチウム2-トリフルオロメチル-4,5-ジシアノイミダゾール(LiTDI)からなる群から選択される少なくとも1種、具体的にはLiPFを含むことができる。ここで、前記第2リチウム塩は、電極タブの腐食を防止する面で、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドおよびリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを含まないこともできる。
【0133】
前記第2リチウム塩は、二次電池の抵抗改善の面で、前記第2電解質組成物に対して、0.1M~3.0Mのモル濃度、具体的には0.5M~1.5Mのモル濃度になるように含まれることができる。
【0134】
(4)第2電解質組成物の硬化(S4ステップ)
図13および図14を参照すると、第2電解質組成物220を硬化する。電池ケース300に注入された第2電解質組成物220は、硬化し、ゲルポリマー電解質220aを形成することができる。第1電解質組成物210がゲルポリマー電解質組成物である場合には、(S4)ステップにおいて、第1電解質組成物210と第2電解質組成物220をともに硬化することができる。
【0135】
図13および図14に図示されているように、前記(S4)ステップの後、第1電解質組成物は、電極組立体の内部に配置されることができる。ここで、前記第1電解質組成物が液体電解質組成物である場合、電極組立体の内部に含浸された状態で配置されることができる。または、前記第1電解質組成物がゲルポリマー電解質組成物である場合、硬化し、ゲルポリマー電解質形態210aで電極組立体の内部に配置されることができる。第2電解質組成物220から形成されたゲルポリマー電解質220aは、前記電極組立体100の外部に配置されることができる。
【0136】
第2電解質組成物220;または第1電解質組成物210および第2電解質組成物220;の硬化は、光硬化、熱硬化工程などによって行われることができ、具体的には、熱硬化工程によって行われることができる。
【0137】
第2電解質組成物220;または第1電解質組成物210および第2電解質組成物220;は、重合開始剤の存在下で硬化することができる。前記重合開始剤は、電解質組成物に含まれたオリゴマーを重合させて三次元構造に結合したポリマーネットワークを形成するための目的で使用されることができる。
【0138】
前記重合開始剤は、第2電解質組成物220に含まれることができる。前記重合開始剤によるラジカルの形成によって、第2電解質組成物に硬化工程が行われることができる。
【0139】
一方、前記重合開始剤は、第2電解質組成物220に含まれず、別の工程で電池ケース300に添加されて、第2電解質組成物220の硬化に役立つことができる。具体的には、本発明の二次電池の製造方法は、前記(S4)ステップを行う前に、具体的には、(S3)ステップを行った後、(S4)ステップを行う前に、重合開始剤を電池ケース100に注入するステップをさらに含むことができる。これによると、前記第2電解質組成物が重合開始剤なしで任意に発生したラジカルによって硬化するプレ-ゲル化(Pre-gelation)が防止されることができ、電極組立体の十分な含浸および二次電池製造工程のスムーズな制御が可能であるという面で好ましい。
【0140】
前記重合開始剤は、重合方式に応じて、光重合開始剤または熱重合開始剤であることができる。
【0141】
具体的には、前記光重合開始剤は、代表的な例として、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオフェノン(HMPP)、1-ヒドロキシ-シクロヘキシルフェニル-ケトン、ベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]-2-メチル-1-プロパノン、オキシ-フェニル酢酸2-[2-ヨウ素-2フェニル-アセトキシ-エトキシ]-エチルエステル、オキシ-フェニル-アセティック2-[2-ヒドロキシエトキシ]-エチルエステル、アルファ-ジメトキシ-アルファ-フェニルアセトフェノン、2-ベンジル-2-(ジメチルアミノ)-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-(4-モルホリニル)-1-プロパノン、ジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-ホスフィンオキシド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキシド、ビス(エタ5-2,4-シクロペンタジエン-1-イル)、ビス[2,6-ジフルオロ-3-(1H-ピロール-1-イル)フェニル]チタン、4-イソブチルフェニル-4'-メチルフェニルヨードニウム、ヘキサフルオロホスフェート、およびメチルベンゾイルホルメートからなる群から選択される少なくとも一つ以上の化合物を含むことができる。
【0142】
また、前記熱重合開始剤は、その代表的な例として、ベンゾイルペルオキシド(benzoyl peroxide)、アセチルペルオキシド(acetyl peroxide)、ジラウリルペルオキシド(dilauryl peroxide)、ジ-tert-ブチルペルオキシド(di-tert-butyl peroxide)、t-ブチルペルオキシ-2-エチル-ヘキサノエート(t-butyl peroxy-2-ethyl-hexanoate)、クミルヒドロペルオキシド(cumyl hydroperoxide)およびヒドロゲンペルオキシド(hydrogen peroxide)、2,2'-アゾビス(2-シアノブタン)、2,2'-アゾビス(メチルブチロニトリル)、2,2'-アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN;2,2’-Azobis(iso-butyronitrile))および2,2'-アゾビスジメチル-バレロニトリル(AMVN;2,2'-azobisdimethyl-Valeronitrile)からなる群から選択される少なくとも一つ以上の化合物を含むことができる。
【0143】
前記重合開始剤は、二次電池内で、30℃~100℃の熱によって分解されるか、常温(5℃~30℃)でUVのような光(light)によって分解されてラジカルを形成し、フリーラジカル重合によって架橋結合を形成してオリゴマーが重合されるようにすることができる。
【0144】
前記硬化は、50℃~100℃の温度で0.5時間~48時間行われることができ、好ましくは60℃~80℃の温度で0.5時間~24時間行われることができる。
【0145】
一方、前記硬化は、電池ケース300がシーリングされた状態で行われることができる。例えば、電極組立体100、第1電解質組成物210および第2電解質組成物220が収納された電池ケース300をカバー310などでシーリングした後、熱処理することにより、第2電解質組成物220を熱硬化することができる。
【0146】
前記(S4)ステップの後、前記第1電解質組成物210は、前記電極組立体100の内部に配置され、前記第2電解質組成物220は、硬化してゲルポリマー電解質220aを形成し、前記ゲルポリマー電解質220aは、前記電極組立体100の外部に配置されることができる。前記第1電解質組成物は、電極組立体の内部を含浸させて、二次電池の抵抗の低減を図ることができ、前記第2電解質組成物を電極組立体の外部でゲルポリマー電解質を形成し、セル剛性を向上させ、電解質の漏液を防止することができる。また、第1電解質組成物210は、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドを含むが、第2電解質組成物220は、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドを含まないため、二次電池の抵抗の低減を図り、熱安定性を向上させることができ、且つ電極タブの腐食を効果的に防止することができる。
【0147】
前記(S4)ステップの後、硬化した第2電解質組成物を冷却させる工程をさらに行うことができる。前記冷却は、例えば、硬化した第2電解質組成物を常温に放置する方式で行われることができる。
【0148】
前記(S4)ステップの後、前記電池ケース300を密封し、電池ケース300の内部を真空雰囲気にすることができる。前記真空雰囲気の形成によって、硬化時に生成されたガスなどのデガッシング(degassing)が行われることができる。
【0149】
以下、本発明が属する技術分野において、通常の知識を有する者が容易に実施することができるように、本発明の実施例について詳細に説明する。しかし、本発明は、様々な相違する形態に実現されることができ、ここで説明する実施例に限定されない。
【0150】
実施例および比較例
実験例A:第1電解質組成物(液体電解質組成物)および第2電解質組成物(ゲルポリマー電解質組成物)の使用
実施例1A
1.セパレータの製造
無機物粒子としてAl(平均粒径(D50):0.5μm)およびアクリル系バインダーを96:4の重量比で溶媒である水に添加してセラミックコーティング層形成用組成物を製造した。前記アクリル系バインダーとして、JSR社製のTRD 202AとAPEC社製のAP-0821の混合物を使用した。
【0151】
ポリエチレン多孔性基材(厚さ:9μm、平均気孔径:0.05μm、気孔度:45体積%)の両面に前記セラミックコーティング層形成用組成物をグラビアコーティングによって塗布し乾燥させることにより、セラミックコーティング層(一つの層の厚さ:1.5μm)を形成し、セパレータ(厚さ:12μm=1.5μm+9μm+1.5μm)を製造した。
【0152】
2.電極組立体の製造
セパレータが巻き取られたセパレータリールを巻き出して、セパレータをテーブル上に載置した。前記セパレータ上に、第1ノズルを用いて、接着剤を、互いに離隔した複数のドット形態のパターンに塗布した。前記接着剤の塗布面積(5.8875mm)は、セパレータと正極が接する面の面積(24,889mm)に対して0.002366%であった。前記接着剤は、メチルメタクリレート(MMA)、2-エチルヘキシルアクリレート(2-EHA)および2-ヒドロキシエチルアクリレート(2-HEA)由来の繰り返し単位を40:30:30の重量比で含む共重合体であるアクリレート系接着剤であった。次に、正極シートが巻き取られた第1電極リールから巻き出した後、第1カッターで切断して正極を製造し、前記正極を第1移送装置で移送させて第1ヘッダーに吸着させた。前記第1ヘッダーを前記テーブル側に移動させて前記セパレータ上に正極を付着させた。
【0153】
次に、テーブルを側面移動させ、前記セパレータを一側にフォールディングして前記正極をカバーした。
【0154】
次に、前記セパレータの表面(前記セパレータと正極が接する面の反対面)に、第2ノズルを用いて、前記で使用されたものと同じ接着剤を互いに離隔した複数のドット状のパターンに塗布した。
【0155】
次に、負極シートが巻き取られた第2電極リールから巻き出した後、第2カッターで切断して負極を製造し、前記負極を第2移送装置で移送させて第2ヘッダーに吸着させた。前記第2ヘッダーを前記テーブル側に移動させて、前記セパレータの表面(前記セパレータと正極が接する面の反対面)に負極を付着させた。
【0156】
次に、またテーブルを側面移動させ、前記セパレータを他側にフォールディングして前記負極をカバーした。
【0157】
前記工程を数回繰り返して、セパレータ/正極/セパレータ/負極が順に積層された基本単位体が18個積層された電極組立体を製造した。ここで、セパレータは、ジグザグ状にフォールディングされた。
【0158】
ここで、前記正極には、アルミニウム電極タブ(正極タブ)、前記負極には、ニッケル電極タブ(負極タブ)が連結された。
【0159】
ここで、正極の場合、正極活物質としてLi[Ni0.8Co0.1Mn0.1]O、バインダーとしてPVdF、導電材としてカーボンブラックを97.5:1.5:1.0の重量比で、溶媒であるN-メチルピロリドン(NMP)に添加して正極スラリーを製造し、正極集電体としてアルミニウム集電体の両面に前記正極スラリーを塗布し、乾燥および圧延して正極活物質層を形成したものを使用した。
【0160】
また、負極の場合、負極活物質として黒鉛、バインダーとしてスチレン-ブタジエンゴム、導電材としてカーボンブラックおよび増粘剤としてカルボキシメチルセルロース(CMC)を95.5:2.5:1.0:1.0の重量比で溶媒である水に添加して負極スラリーを製造し、負極集電体として銅集電体の両面に前記負極スラリーを塗布し、乾燥および圧延して負極活物質層を形成したものを使用した。
【0161】
3.電解質組成物の製造
(1)第1電解質組成物の製造
第1-1リチウム塩としてリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)および第1-2リチウム塩としてLiPFをそれぞれ0.7Mおよび0.3Mのモル濃度になるように溶媒(エチルカーボネート(EC)およびエチルメチルカーボネート(EMC)を3:7の体積比で混合したもの)に添加し、第1電解質組成物を製造した。
【0162】
(2)第2電解質組成物の製造
第2リチウム塩としてLiPFを第2電解質組成物に対して1.0Mのモル濃度になるように第2電解質組成物に添加し、オリゴマーとしてトリメチロールプロパントリアクリレートを第2電解質組成物の5重量%になるように溶媒(エチルカーボネート(EC)およびエチルメチルカーボネート(EMC)を3:7の体積比で混合したもの)に添加し、重合開始剤としてAIBN(Azobisisobutyronitrile)を第2電解質組成物の重量に対して0.02重量%になるように添加して第2電解質組成物を製造した。
【0163】
4.二次電池の製造
電池ケースとしてアルミニウム素材であるパウチ型電池ケースを準備し、電池ケースの収容空間に電極組立体を収納した。ここで、正極タブおよび負極タブは、前記電極組立体と連結され、電極組立体の外部に突出するように配置された。
【0164】
次に、電極組立体のみが含浸されるように、第1電解質組成物の量を計算および調節して、第1電解質組成物を電池ケースに注入し、電極組立体を含浸させた。前記第1電解質組成物の注入後、真空シーリングして電極組立体の内部を常温で60時間含浸させた。
【0165】
次に、前記第2電解質組成物を電極組立体の外部に配置されるように注入した。前記第2電解質組成物の注入後、電池ケースを真空シーリングした。
【0166】
次に、前記電池ケース内に注入された第2電解質組成物を硬化してゲルポリマー電解質を形成した。前記硬化は、65℃の温度で5時間熱処理して行われた。
【0167】
次に、電池ケースを冷却、密封およびデガッシング(degassing)して、二次電池を製造した。
【0168】
一方、前記第1電解質組成物の注入により、前記電極組立体に存在する接着剤が第1電解質組成物の溶媒によって溶解され除去された。後述するように、前記接着剤は除去されて、前記セパレータおよび電極に接着剤の塗布跡が残っていた。
【0169】
実施例2A
第1-1リチウム塩および第1-2リチウム塩をそれぞれ0.7Mおよび0.7Mのモル濃度になるように溶媒に添加した以外は、実施例1Aと同じ方法で第1電解質組成物を製造した。
【0170】
前記で製造された第1電解質組成物を使用した以外は、実施例1Aと同じ方法で二次電池を製造した。
【0171】
実施例3A
第1-1リチウム塩および第1-2リチウム塩をそれぞれ0.6Mおよび0.2Mのモル濃度になるように溶媒に添加した以外は、実施例1Aと同じ方法で第1電解質組成物を製造した。
【0172】
前記で製造された第1電解質組成物を使用し、さらなるリチウム塩の添加工程を行っていない以外は、実施例1Aと同じ方法で二次電池を製造した。
【0173】
実施例4A
第2電解質組成物に第2リチウム塩を添加しない以外は、実施例1Aと同じ方法で二次電池を製造した。
【0174】
実施例5A
第2電解質組成物に第2リチウム塩を添加しない以外は、実施例2Aと同じ方法で二次電池を製造した。
【0175】
比較例1A
1.電解質組成物の製造
第1-1リチウム塩を使用せず、第1-2リチウム塩(LiPF)を1.0Mのモル濃度になるように溶媒に添加した以外は、実施例1Aの第1電解質組成物と同じ方法で電解質組成物を製造した。
【0176】
2.二次電池の製造
電池ケースとしてアルミニウム素材であるパウチ型電池ケースを準備し、電池ケースの収容空間に電極組立体を収納した。ここで、正極タブおよび負極タブは、前記電極組立体と連結され、電極組立体の外部に突出するように配置された。前記で使用された電池ケース、電極組立体、正極タブおよび負極タブは、実施例1Aで使用されたものと同じものである。
【0177】
次に、電池ケースの内部空間に前記で製造された電解質組成物を注入し、真空シーリングして、電極組立体の内部を常温で60時間含浸させた。
【0178】
次に、電池ケースを冷却、密封およびデガッシング(degassing)して、二次電池を製造した。
【0179】
前記で製造された二次電池の製造は、互いに異なる2種の電解質組成物を使用せず、1種の電解質組成物を一つのステップで電池ケースに注入させた点、ゲルポリマー電解質を適用せず、液体電解質のみを使用した点で、実施例1Aと差がある。
【0180】
比較例2A
1.電解質組成物の製造
第1-2リチウム塩を使用せず、第1-1リチウム塩(LiFSI)を1.0Mのモル濃度になるように溶媒に添加した以外は、実施例1Aの第1電解質組成物と同じ方法で電解質組成物を製造した。
【0181】
2.二次電池の製造
電池ケースとしてアルミニウム素材であるパウチ型電池ケースを準備し、電池ケースの収容空間に電極組立体を収納した。
【0182】
次に、電池ケースの内部空間に前記で製造された電解質組成物を注入し、真空シーリングして、電極組立体の内部を常温で60時間含浸させた。
【0183】
次に、電池ケースを冷却、密封およびデガッシング(degassing)して、二次電池を製造した。
【0184】
前記で製造された二次電池の製造は、互いに異なる2種の電解質組成物を使用せず、1種の電解質組成物を一つのステップで電池ケースに注入させた点、ゲルポリマー電解質を適用せず、液体電解質のみを使用した点で、実施例1Aと差がある。
【0185】
比較例3A
1.電解質組成物の製造
第1-1リチウム塩および第1-2リチウム塩をそれぞれ0.3Mおよび0.7Mのモル濃度になるように溶媒に添加した以外は、実施例1Aの第1電解質組成物と同じ方法で電解質組成物を製造した。
【0186】
2.二次電池の製造
電池ケースとしてアルミニウム素材であるパウチ型電池ケースを準備し、電池ケースの収容空間に電極組立体を収納した。
【0187】
次に、電池ケースの内部空間に前記で製造された電解質組成物を注入し、真空シーリングして、電極組立体の内部を常温で60時間含浸させた。
【0188】
次に、電池ケースを冷却、密封およびデガッシング(degassing)して、二次電池を製造した。
【0189】
前記で製造された二次電池の製造は、互いに異なる2種の電解質組成物を使用せず、1種の電解質組成物を一つのステップで電池ケースに注入させた点、ゲルポリマー電解質を適用せず、液体電解質のみを使用した点で、実施例1Aと差がある。
【0190】
実験例1A.セパレータ表面の接着剤の塗布跡の観察
実施例1Aの二次電池において電極とセパレータが接していた面に該当するセパレータを切断し、その表面を観察した。実施例1Aの二次電池から分離されたセパレータの表面の写真を図15に示した。
【0191】
図15に示されているように、実施例1Aのセパレータの表面の写真には接着剤の塗布跡が観察された。
【0192】
実験例2A.抵抗評価
実施例1A~5A、および比較例1A~比較例3Aの二次電池において、SOC50%で2.5Cレートで10秒間放電した時に測定される電圧変化量(ΔV)を用いて抵抗値を計算した。
【0193】
比較例1Aの二次電池の抵抗値を100%とした時に、実施例1A~5A、および比較例1A~比較例3Aの二次電池の抵抗値の相対的な比率を下記表1に示した。
【0194】
実験例3A.タブ腐食の観察
実施例1A~5A、および比較例1A~比較例3Aで製造された二次電池を満充電してから、2週間60℃で保管した後、正極タブに腐食が発生したか目視で観察した。実施例1A~5A、および比較例1A~比較例3Aの二次電池をそれぞれ5個ずつ準備し、前記実験を5回行った。
【0195】
正極タブに腐食が発生していない場合「Pass」、腐食が発生した場合「Fail」と評価し、総実験数(Totalで表記、5回)のうち「Pass」と評価された回数を表1にその結果を示した。
【0196】
実験例4A.漏液量の測定
実施例1A~5A、および比較例1A~比較例3Aに対して電解質の漏液量を測定した。各二次電池の側面部を5cm切開し、切開した部位を下端として3日間放置した時の各二次電池において電解質が漏れる量を測定した。結果は下記の表1に示した。
【0197】
【表1】
【0198】
表1を参照すると、実施例1A~5Aの二次電池は、抵抗が低減し、タブ腐食も観察されず、電解質の漏液がほとんど発生しなかった。
【0199】
しかし、比較例1Aの場合、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドを使用しないことから電極タブの腐食は発生しなかったが、抵抗が非常に増加し、電極組立体の外部にゲルポリマー電解質が配置されず、二次電池の外部に電解質の漏液が相当量発生している。
【0200】
また、比較例2Aおよび比較例3Aはリチウムビス(フルオロスルホニル)イミドが電極組立体の外部に配置されて電極タブと接触することから電極タブの腐食が観察されて好ましくなく、電極組立体の外部にゲルポリマー電解質が配置されず、二次電池の外部に電解質の漏液が相当量発生している。
【0201】
実験例B:第1電解質組成物(ゲルポリマー電解質組成物)および第2電解質組成物(ゲルポリマー電解質組成物)の使用
実施例1B
1.セパレータの製造
無機物粒子としてAl(平均粒径(D50):0.5μm)およびアクリル系バインダーを96:4の重量比で溶媒である水に添加してセラミックコーティング層形成用組成物を製造した。前記アクリル系バインダーとしてJSR社製のTRD 202AとAPEC社製のAP-0821の混合物を使用した。
【0202】
ポリエチレン多孔性基材(厚さ:9μm、平均気孔径:0.05μm、気孔度:45体積%)の両面に前記セラミックコーティング層形成用組成物をグラビアコーティングによって塗布し、乾燥させることにより、セラミックコーティング層(一つの層の厚さ:1.5μm)を形成し、セパレータ(厚さ:12μm=1.5μm+9μm+1.5μm)を製造した。
【0203】
2.電極組立体の製造
セパレータが巻き取られたセパレータリールを巻き出し、セパレータをテーブル上に載置した。前記セパレータ上に、第1ノズルを用いて、接着剤を、互いに離隔した複数のドット状のパターンに塗布した。前記接着剤の塗布面積(5.8875mm)は、セパレータと正極が接する面の面積(24,889mm)に対して0.002366%であった。前記接着剤は、メチルメタクリレート(MMA)、2-エチルヘキシルアクリレート(2-EHA)および2-ヒドロキシエチルアクリレート(2-HEA)由来の繰り返し単位を40:30:30の重量比で含む共重合体であるアクリレート系接着剤であった。次に、正極シートが巻き取られた第1電極リールから巻き出した後、第1カッターで切断して正極を製造し、前記正極を第1移送装置で移送させて第1ヘッダーに吸着させた。前記第1ヘッダーを前記テーブル側に移動させて前記セパレータ上に正極を付着させた。
【0204】
次に、テーブルを側面移動させ、前記セパレータを一側にフォールディングして前記正極をカバーした。
【0205】
次に、前記セパレータの表面(前記セパレータと正極が接する面の反対面)に、第2ノズルを用いて、前記で使用されたものと同じ接着剤を互いに離隔した複数のドット状のパターンに塗布した。
【0206】
次に、負極シートが巻き取られた第2電極リールから巻き出した後、第2カッターで切断して負極を製造し、前記負極を第2移送装置で移送させて第2ヘッダーに吸着させた。前記第2ヘッダーを前記テーブル側に移動させて前記セパレータの表面(前記セパレータと正極が接する面の反対面)に負極を付着させた。
【0207】
次に、またテーブルを側面移動させ、前記セパレータを他側にフォールディングして前記負極をカバーした。
【0208】
前記工程を数回繰り返して、セパレータ/正極/セパレータ/負極が順に積層された基本単位体が18個積層された電極組立体を製造した。ここで、セパレータは、ジグザグ状にフォールディングされた。
【0209】
ここで、前記正極にはアルミニウム電極タブ(正極タブ)、前記負極にはニッケル電極タブ(負極タブ)が連結された。
【0210】
ここで、正極の場合、正極活物質としてLi[Ni0.8Co0.1Mn0.1]O、バインダーとしてPVdF、導電材としてカーボンブラックを97.5:1.5:1.0の重量比で溶媒であるN-メチルピロリドン(NMP)に添加して正極スラリーを製造し、正極集電体としてアルミニウム集電体の両面に前記正極スラリーを塗布し、乾燥および圧延して正極活物質層を形成したものを使用した。
【0211】
また、負極の場合、負極活物質として黒鉛、バインダーとしてスチレン-ブタジエンゴム、導電材としてカーボンブラックおよび増粘剤としてカルボキシメチルセルロース(CMC)を95.5:2.5:1.0:1.0の重量比で溶媒である水に添加して負極スラリーを製造し、負極集電体として銅集電体の両面に前記負極スラリーを塗布し、乾燥および圧延して負極活物質層を形成したものを使用した。
【0212】
3.ゲルポリマー電解質組成物の製造
(1)第1ゲルポリマー電解質組成物の製造
第1-1リチウム塩としてリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)および第1-2リチウム塩としてLiPFをそれぞれ0.9Mおよび0.3Mのモル濃度になるように溶媒(エチレンカーボネート(EC)およびエチルメチルカーボネート(EMC)を3:7の体積比で混合したもの)に添加し、オリゴマーとしてトリメチロールプロパントリアクリレートを組成物の重量に対して5重量%になるように前記溶媒に添加し、重合開始剤としてAIBN(Azobisisobutyronitrile)を組成物の重量に対して0.02重量%になるように溶媒に添加し、第1ゲルポリマー電解質組成物を製造した。
【0213】
(2)第2ゲルポリマー電解質組成物の製造
第1-1リチウム塩および第1-2リチウム塩を含ませない以外は、第1ゲルポリマー電解質組成物の製造方法と同じ方法で第2ゲルポリマー電解質組成物を製造した。
【0214】
4.二次電池の製造
電池ケースとしてアルミニウム素材であるパウチ型電池ケースを準備し、電池ケースの収容空間に電極組立体を収納した。ここで、正極タブおよび負極タブは、前記電極組立体と連結され、電極組立体の外部に突出するように配置された。
【0215】
次に、電極組立体のみが含浸されるように、第1ゲルポリマー電解質組成物の量を計算および調節して、第1ゲルポリマー電解質組成物を電池ケースに注入し、電極組立体を含浸させた。前記第1ゲルポリマー電解質組成物の注入後、真空シーリングして、電極組立体の内部を常温で60時間含浸させた。
【0216】
次に、前記第2ゲルポリマー電解質組成物を電極組立体の外部に配置されるように注入した。前記第2ゲルポリマー電解質組成物の注入後、真空シーリングした。
【0217】
次に、前記電池ケース内に注入された前記第1ゲルポリマー電解質組成物および第2ゲルポリマー電解質組成物を硬化した。前記硬化は65℃の温度で5時間熱処理して行われた。
【0218】
次に、電池ケースを冷却、密封およびデガッシング(degassing)し、二次電池を製造した。
【0219】
一方、前記第1ゲルポリマー電解質組成物の注入によって、前記電極組立体に存在する接着剤が第1ゲルポリマー電解質組成物の溶媒によって溶解され除去された。後述するように、前記接着剤は除去されて、前記セパレータおよび電極に接着剤の塗布跡が残っていた。
【0220】
実施例2B
第1-1リチウム塩および第1-2リチウム塩をそれぞれ0.8Mおよび0.4Mのモル濃度になるように溶媒に添加した以外は、実施例1Bと同じ方法で第1ゲルポリマー電解質組成物を製造した。
【0221】
前記で製造された第1ゲルポリマー電解質組成物を使用した以外は、実施例1Bと同じ方法で二次電池を製造した。
【0222】
実施例3B
第1-1リチウム塩および第1-2リチウム塩をそれぞれ0.7Mおよび0.5Mのモル濃度になるように溶媒に添加した以外は、実施例1Bと同じ方法で第1ゲルポリマー電解質組成物を製造した。
【0223】
前記で製造された第1ゲルポリマー電解質組成物を使用した以外は、実施例1Bと同じ方法で二次電池を製造した。
【0224】
実施例4B
第1-1リチウム塩および第1-2リチウム塩をそれぞれ0.6Mおよび0.2Mのモル濃度になるように溶媒に添加した以外は、実施例1Bと同じ方法で第1ゲルポリマー電解質組成物を製造した。
【0225】
前記で製造された第1ゲルポリマー電解質組成物を使用した以外は、実施例1Bと同じ方法で二次電池を製造した。
【0226】
比較例1B
1.電極組立体の製造
実施例1Bと同じ方法で電極組立体を製造した。
【0227】
2.ゲルポリマー電解質組成物の製造
第1-1リチウム塩を使用せず、第1-2リチウム塩(LiPF)を1.0Mのモル濃度になるように溶媒に添加した以外は、実施例1Bの第1ゲルポリマー電解質組成物と同じ方法でゲルポリマー電解質組成物を製造した。
【0228】
3.二次電池の製造
電池ケースとしてアルミニウム素材であるパウチ型電池ケースを準備し、電池ケースの収容空間に電極組立体を収納した。ここで、正極タブおよび負極タブは、前記電極組立体と連結され、電極組立体の外部に突出するように配置された。前記で使用された電池ケース、電極組立体、正極タブおよび負極タブは、実施例1Bで使用されたものと同じものである。
【0229】
次に、電池ケースの内部空間に前記で製造されたゲルポリマー電解質組成物を注入し、真空シーリングして、電極組立体の内部を常温で60時間含浸させた。
【0230】
次に、前記電池ケース内に注入された前記ゲルポリマー電解質組成物を硬化した。前記硬化は65℃の温度で5時間熱処理して行われた。
【0231】
次に、電池ケースを冷却、密封およびデガッシング(degassing)して、二次電池を製造した。
【0232】
前記で製造された二次電池の製造は、互いに異なる2種のゲルポリマー電解質組成物を使用せず、1種のゲルポリマー電解質組成物を一つのステップで電池ケースに注入し、硬化させたものである点で、実施例1Bと差がある。
【0233】
比較例2B
実施例1Bで製造された第2ゲルポリマー電解質組成物の代わりに、実施例1Bで製造された第1ゲルポリマー電解質組成物と同じものを第2ゲルポリマー電解質組成物として準備した。
【0234】
前記で製造された第2ゲルポリマー電解質組成物を使用した以外は、実施例1Bと同じ方法で二次電池を製造した。
【0235】
実験例
実験例1B.抵抗の評価
実施例1B~4B、比較例1Bおよび比較例2Bの二次電池において、SOC50%で2.5Cレートで10秒間放電した時に測定される電圧変化量(ΔV)を用いて計算された抵抗値およびその結果を下記表2に示した。
【0236】
実験例2B.熱安定性の評価
実施例1B~4B、比較例1Bおよび比較例2Bの二次電池をSOC100%で満充電した後、ホットボックス(hot box)に入れて、0.5℃/分の速度で昇温させ、ホットボックス内の温度が150℃に逹した後、2時間維持して発火が発生するか評価した。
【0237】
発火が発生しない場合「Pass」、発火が発生する場合「Fail」と評価し、表2にその結果を示した。
【0238】
実験例3B.タブ腐食の観察
実施例1B~4B、比較例1Bおよび比較例2Bで製造された二次電池を満充電してから、2週間60℃で保管した後、正極タブに腐食が発生したか目視で観察した。
【0239】
正極タブに腐食が発生していない場合「Pass」、腐食が発生した場合「Fail」と評価し、表2にその結果を示した。
【0240】
【表2】
【0241】
表2を参照すると、実施例1B~3Bの二次電池は、抵抗が低減し、熱安定性に優れるだけでなく、タブ腐食も観察されないことを確認することができる。
【0242】
一方、実施例4Bは、実施例1B~3Bに比べて抵抗は多少増加するが、熱安定性およびタブ腐食防止の面で優れる。
【0243】
しかし、比較例1Bの場合、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドを使用しないため、熱安定性において非常に良くない結果を示す。
【0244】
また、比較例2Bはリチウムビス(フルオロスルホニル)イミドが電極組立体の外部に配置されて電極タブと接触するため、電極タブの腐食が観察されて好ましくない。
【符号の説明】
【0245】
100 電極組立体
U 基本単位体
110 第1電極
110a 第1電極の一側端部
120 第2電極
120a 第2電極の一側端部
130 セパレータ
131 多孔性基材
132a、132b セラミックコーティング層
140 塗布された接着剤
210 第1電解質組成物
220 第2電解質組成物
220a ゲルポリマー電解質
300 電池ケース
310 カップ部
320 カバー
400、500 電極タブ
610 第1電極リール
620 第2電極リール
630 セパレータリール
700 テーブル
810 第1カッター
820 第2カッター
910 第1移送装置
920 第2移送装置
1010 第1ヘッダー
1020 第2ヘッダー
1101 第1電極シート
1201 第2電極シート
1110 第1ノズル
1120 第2ノズル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2024-06-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(S1)電極組立体を電池ケースに収容させるステップと、
(S2)前記電池ケースに第1電解質組成物を注入して、前記電極組立体を含浸させるステップと、
(S3)前記電池ケースに第2電解質組成物を注入するステップと、
(S4)前記第2電解質組成物を硬化させるステップとを含み、
前記電極組立体には電極タブが連結され、前記電極タブは電極組立体の外部に引き出されており、
前記第1電解質組成物は、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)およびリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSI)からなる群から選択される少なくとも1種を含む第1-1リチウム塩、および第1溶媒を含み、
前記第2電解質組成物は、オリゴマーおよび第2溶媒を含み、
前記第2電解質組成物は、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)およびリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSI)を含んでいない、二次電池の製造方法。
【請求項2】
前記第1電解質組成物は、液体電解質組成物である、請求項1に記載の二次電池の製造方法。
【請求項3】
前記第1電解質組成物は、ゲルポリマー電解質組成物であり、
前記第1電解質組成物は、オリゴマーをさらに含む、請求項1に記載の二次電池の製造方法。
【請求項4】
前記(S4)ステップにおいて、前記第1電解質組成物と前記第2電解質組成物がともに硬化する、請求項3に記載の二次電池の製造方法。
【請求項5】
前記(S2)ステップの後、前記第1電解質組成物を硬化させるステップをさらに含む、請求項3に記載の二次電池の製造方法。
【請求項6】
前記第1電解質組成物は、リチウムヘキサフルオロホスフェート(LiPF)、リチウムパークロレート(LiClO)、リチウムヘキサフルオロアルセネート(LiAsF)、リチウムテトラフルオロボレート(LiBF)、リチウムヘキサフルオロアンチモネート(LiSbF)、リチウムテトラオキソアルミネート(LiAlO)、リチウムテトラクロロアルミネート(LiAlCl)、リチウムトリフルオロメタンスルホネート(LiCFSO)、リチウムノナフルオロブタンスルホネート(LiCSO)、リチウムクロライド(LiCl)、リチウムアイオダイド(LiI)、リチウムビス(オキサラート)ボレート(LiB(C)、リチウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド(LiN(CSO)、リチウムフルオロアルキルボレート(LiFAB)およびリチウム2-トリフルオロメチル-4,5-ジシアノイミダゾール(LiTDI)からなる群から選択される少なくとも1種を含む第1-2リチウム塩をさらに含む、請求項1に記載の二次電池の製造方法。
【請求項7】
前記第2電解質組成物は、第2リチウム塩をさらに含み、
前記第2リチウム塩は、リチウムヘキサフルオロホスフェート(LiPF)、リチウムパークロレート(LiClO)、リチウムヘキサフルオロアルセネート(LiAsF)、リチウムテトラフルオロボレート(LiBF)、リチウムヘキサフルオロアンチモネート(LiSbF)、リチウムテトラオキソアルミネート(LiAl0)、リチウムテトラクロロアルミネート(LiAlCl)、リチウムトリフルオロメタンスルホネート(LiCFSO)、リチウムノナフルオロブタンスルホネート(LiCSO)、リチウムクロライド(LiCl)、リチウムアイオダイド(LiI)、リチウムビス(オキサラート)ボレート(LiB(C)、リチウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド(LiN(CSO)、リチウムフルオロアルキルボレート(LiFAB)およびリチウム2-トリフルオロメチル-4,5-ジシアノイミダゾール(LiTDI)からなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1に記載の二次電池の製造方法。
【請求項8】
前記オリゴマーは、フッ素系オリゴマー、ポリカーボネート系オリゴマーおよびポリシロキサン系オリゴマーからなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1に記載の二次電池の製造方法。
【請求項9】
前記第2電解質組成物は、重合開始剤をさらに含む、請求項1に記載の二次電池の製造方法。
【請求項10】
前記電極タブは、アルミニウムを含む、請求項1に記載の二次電池の製造方法。
【請求項11】
前記第1電解質組成物は、前記電極タブに接触しないように注入される、請求項1に記載の二次電池の製造方法。
【請求項12】
前記(S3)ステップにおいて、前記第2電解質組成物は、前記電極組立体の外部に注入される、請求項1に記載の二次電池の製造方法。
【請求項13】
前記(S4)ステップの後、前記第1電解質組成物は、前記電極組立体の内部に配置され、
前記第2電解質組成物は、硬化してゲルポリマー電解質を形成し、前記ゲルポリマー電解質は、前記電極組立体の外部に配置される、請求項1に記載の二次電池の製造方法。
【請求項14】
前記電極組立体は、電極とセパレータが交互に積層されており、前記電極と前記セパレータのうち少なくとも一つの表面に接着剤が塗布されて前記電極と前記セパレータが互いに接着されている、請求項1から13のいずれか一項に記載の二次電池の製造方法。
【請求項15】
前記セパレータは、多孔性基材および前記多孔性基材の両面に配置されたセラミックコーティング層を含み、
前記セラミックコーティング層は、92重量%以上100重量%未満の無機物粒子および0重量%超8重量%以下のバインダーを含む、請求項14に記載の二次電池の製造方法。
【請求項16】
前記接着剤は、互いに離隔した複数のパターン状に塗布される、請求項14に記載の二次電池の製造方法。
【請求項17】
前記接着剤は、前記第1電解質組成物の注入によって、前記第1電解質組成物に溶解される、請求項14に記載の二次電池の製造方法。
【請求項18】
前記接着剤が溶解された後、前記セパレータと前記電極のうち一つの表面に接着剤の塗布跡が存在する、請求項17に記載の二次電池の製造方法。
【請求項19】
前記電極は、第1電極および第2電極を含み、
前記電極組立体は
(a)前記セパレータおよび前記第1電極の少なくとも一部に前記接着剤を塗布するステップ;
(b)前記塗布された接着剤により前記セパレータと前記第1電極を接着させるステップ;
(c)前記セパレータの一側をフォールディングして前記第1電極をカバーするステップ;
(d)前記セパレータおよび前記第2電極の少なくとも一部に前記接着剤を塗布するステップ;
(e)前記塗布された接着剤により前記セパレータと前記第2電極を接着させるステップ;および
(d)前記セパレータの他側をフォールディングして前記第2電極をカバーするステップ
を含む方法により製造される、請求項14に記載の二次電池の製造方法
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0032】
図3に図示されているように、前記セパレータ130は、電極110、120のいずれか一つの端部を包むように、ジグザグ状に折り曲げまたはフォールディングされることができる。例えば、図1に図示されているように、第1電極110および第2電極120が交互に積層される場合、前記セパレータ130は、第1電極110の一側端部110aを包むように折り曲げられ、前記第1電極110の一側端部110aの反対側に存在する第2電極120の一側端部を包むように、また折り曲げられることができる。このような折り曲げが繰り返されるにつれて、前記セパレータ130は、ジグザグ状に折り曲げまたはフォールディングされることができる。前記電極組立体100は、一つのセパレータ130を含むことができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0145
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0145】
一方、前記硬化は、電池ケース300がシーリングされた状態で行われることができる。例えば、電極組立体100、第1電解質組成物210および第2電解質組成物220が収納された電池ケース300をカバー320などでシーリングした後、熱処理することにより、第2電解質組成物220を熱硬化することができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0161
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0161】
3.電解質組成物の製造
(1)第1電解質組成物の製造
第1-1リチウム塩としてリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)および第1-2リチウム塩としてLiPFをそれぞれ0.7Mおよび0.3Mのモル濃度になるように溶媒(エチレンカーボネート(EC)およびエチルメチルカーボネート(EMC)を3:7の体積比で混合したもの)に添加し、第1電解質組成物を製造した。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0162
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0162】
(2)第2電解質組成物の製造
第2リチウム塩としてLiPFを第2電解質組成物に対して1.0Mのモル濃度になるように第2電解質組成物に添加し、オリゴマーとしてトリメチロールプロパントリアクリレートを第2電解質組成物の5重量%になるように溶媒(エチレンカーボネート(EC)およびエチルメチルカーボネート(EMC)を3:7の体積比で混合したもの)に添加し、重合開始剤としてAIBN(Azobisisobutyronitrile)を第2電解質組成物の重量に対して0.02重量%になるように添加して第2電解質組成物を製造した。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0197
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0197】
【表1】
【国際調査報告】