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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-22
(54)【発明の名称】二次電池の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/0583 20100101AFI20250115BHJP
   H01M 10/0565 20100101ALI20250115BHJP
   H01M 50/403 20210101ALI20250115BHJP
   H01M 50/451 20210101ALI20250115BHJP
   H01M 50/457 20210101ALI20250115BHJP
   H01M 50/434 20210101ALI20250115BHJP
   H01M 50/443 20210101ALI20250115BHJP
   H01M 50/42 20210101ALI20250115BHJP
   H01M 50/489 20210101ALI20250115BHJP
【FI】
H01M10/0583
H01M10/0565
H01M50/403 D
H01M50/451
H01M50/457
H01M50/434
H01M50/443 M
H01M50/42
H01M50/489
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024539060
(86)(22)【出願日】2023-01-13
(85)【翻訳文提出日】2024-06-26
(86)【国際出願番号】 KR2023000695
(87)【国際公開番号】W WO2023136675
(87)【国際公開日】2023-07-20
(31)【優先権主張番号】10-2022-0006031
(32)【優先日】2022-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】テ・ソブ・リム
(72)【発明者】
【氏名】ジ・フン・リュ
(72)【発明者】
【氏名】ジェ・ヨン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ドン・キュ・キム
(72)【発明者】
【氏名】ヨ・ミン・ユン
(72)【発明者】
【氏名】ウォン・キョン・シン
【テーマコード(参考)】
5H021
5H029
【Fターム(参考)】
5H021BB11
5H021BB12
5H021CC04
5H021EE02
5H021EE21
5H021EE22
5H021HH01
5H021HH03
5H021HH04
5H021HH10
5H029AJ06
5H029AJ11
5H029AJ12
5H029AK03
5H029AL02
5H029AL03
5H029AL06
5H029AL07
5H029AL08
5H029AL11
5H029AM16
5H029BJ04
5H029BJ15
5H029CJ05
5H029CJ13
5H029CJ22
5H029CJ23
5H029DJ04
5H029EJ08
5H029HJ01
5H029HJ04
5H029HJ07
5H029HJ12
(57)【要約】
本発明は、電極とセパレータが交互に積層されており、前記電極と前記セパレータのうち少なくとも一つの表面に接着剤が塗布されて、前記電極と前記セパレータが互いに接着されている電極組立体を製造するステップと、前記電極組立体を電池ケースに収容するステップと、前記電池ケースにゲルポリマー電解質組成物を注液して前記電極組立体に含浸させるステップと、前記ゲルポリマー電解質組成物を硬化させるステップとを含み、前記接着剤は、第1オリゴマー化合物を含み、前記セパレータは、多孔性基材および前記多孔性基材の両面に配置されたセラミックコーティング層を含み、前記セラミックコーティング層は、92重量%以上100重量%未満の無機物粒子および0重量%超8重量%以下のバインダーを含み、前記ゲルポリマー電解質組成物は、リチウム塩、有機溶媒、重合開始剤および第2オリゴマー化合物を含む二次電池の製造方法を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極およびセパレータが交互に積層されており、前記電極および前記セパレータのうち少なくとも一つの表面に接着剤が塗布されて、前記電極と前記セパレータが互いに接着されている電極組立体を製造するステップと、
前記電極組立体を電池ケースに収容するステップと、
前記電池ケースにゲルポリマー電解質組成物を注液して前記電極組立体に含浸させるステップと、
前記ゲルポリマー電解質組成物を硬化させるステップとを含み、
前記接着剤は、第1オリゴマー化合物を含み、
前記セパレータは、多孔性基材および前記多孔性基材の両面に配置されたセラミックコーティング層を含み、
前記セラミックコーティング層は、92重量%以上100重量%未満の無機物粒子および0重量%超8重量%以下のバインダーを含み、
前記ゲルポリマー電解質組成物は、リチウム塩、有機溶媒、重合開始剤および第2オリゴマー化合物を含む、二次電池の製造方法。
【請求項2】
前記ゲルポリマー電解質組成物の注液によって、前記第1オリゴマー化合物は、前記ゲルポリマー電解質組成物に溶解され、
前記第1オリゴマー組成物は、前記ゲルポリマー電解質組成物の硬化時にともに硬化する、請求項1に記載の二次電池の製造方法。
【請求項3】
前記接着剤は、互いに離隔した複数のパターン状に塗布される、請求項1に記載の二次電池の製造方法。
【請求項4】
前記接着剤の塗布面積は、前記セパレータと前記電極とが接する面の面積に対して0%超1%以下である、請求項1に記載の二次電池。
【請求項5】
前記セラミックコーティング層は、93重量%~98重量%の無機物粒子および2重量%~7重量%のバインダーを含む、請求項1に記載の二次電池の製造方法。
【請求項6】
前記バインダーは、アクリル系バインダーを含む、請求項1に記載の二次電池の製造方法。
【請求項7】
前記アクリル系バインダーは、エチルヘキシルアクリレートおよびメチルメタクリレートの共重合体;ポリメチルメタクリレート;ポリエチルヘキシルアクリレート;ポリブチルアクリレート;ポリアクリロニトリル;ならびにブチルアクリレートおよびメチルメタクリレートの共重合体からなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項6に記載の二次電池の製造方法。
【請求項8】
前記セラミックコーティング層の厚さは、0.1μm~10μmである、請求項1に記載の二次電池の製造方法。
【請求項9】
前記セパレータの厚さは、1μm~20μmである、請求項1に記載の二次電池の製造方法。
【請求項10】
前記第1オリゴマー化合物および前記第2オリゴマー組成物は、互いに独立して、フッ素系オリゴマー、ポリカーボネート系オリゴマーおよびポリシロキサン系オリゴマーからなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項11】
前記電極は、第1電極および第2電極を含み、
前記電極組立体は、下記ステップ(a)~(f)を含む方法により製造される、請求項1に記載の二次電池の製造方法、
(a)前記セパレータおよび前記第1電極のうち少なくとも一部に前記接着剤を塗布するステップ;
(b)前記塗布された接着剤により前記セパレータと前記第1電極を接着させるステップ;
(c)前記セパレータの一側をフォールディングして前記第1電極をカバーするステップ;
(d)前記セパレータおよび前記第2電極のうち少なくとも一部に前記接着剤を塗布するステップ;
(e)前記塗布された接着剤により前記セパレータと前記第2電極を接着させるステップ;および
(f)前記セパレータの他側をフォールディングして前記第2電極をカバーするステップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2022年1月14日付けの韓国特許出願第10-2022-0006031号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されている全ての内容は、本明細書の一部として組み込まれる。
【0002】
本発明は、二次電池の製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
電子機器に関する技術の開発と需要の増加に伴い、エネルギー源としての二次電池の需要が急激に増加しており、このような二次電池のうち、高いエネルギー密度と電圧を有するリチウム二次電池が、商用化し、広く使用されている。
【0004】
前記二次電池は、例えば、電極およびセパレータが交互に積層された電極組立体を電池ケースに収納し、前記電池ケースに電解液を注入し密封して製造することができる。
【0005】
ここで、前記セパレータは、一般的に、多孔性基材の両面に無機物粒子およびバインダーを含むセラミックコーティング層が形成されたものが使用されている。ここで、前記バインダーは、電極とセパレータの容易な接着のために多量含まれることが一般的であり、この場合、バインダーの過量使用によって抵抗が増加し、セパレータの厚さが増加することによって電池のエネルギー密度が低下する問題がある。
【0006】
上述の問題を防止するために、セパレータに含まれるセラミックコーティング層内のバインダー含量を減少させる場合、電極とセパレータとの接着力の低下によってセルの剛性が低下し、電極の整列がずれるなど、品質低下のおそれがある。
【0007】
一方、従来、二次電池の電解質としては、液体状態の電解質、特に、非水系有機溶媒に塩を溶解したイオン伝導性有機液体電解質が主に使用されてきた。しかし、このような液体電解質は、二次電池の外部への漏液の可能性、安全性の低下、セル剛性の低下が問題となっている。
【0008】
このような観点で、液体電解質の代わりに、ゲルポリマー電解質などの高分子電解質を商用化しようとする研究がなされている。前記ゲルポリマー電解質は、二次電池の外部への漏液の防止が可能であり、セル剛性に優れるという面で利点がある。しかし、ゲルポリマー電解質は、液体電解質に比べて高い界面抵抗と低いイオン伝導度が問題となる。
【0009】
このような面で、二次電池の抵抗低減と、セル剛性が同時に改善した二次電池の開発が必要な状況である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の一課題は、上記のような問題点を解決するためのものであり、二次電池の抵抗が低減するとともに、セル剛性および機械的耐久性が同時に向上した二次電池を製造することができる二次電池の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、電極とセパレータが交互に積層されており、前記電極と前記セパレータのうち少なくとも一つの表面に接着剤が塗布されて、前記電極と前記セパレータが互いに接着されている電極組立体を製造するステップと、前記電極組立体を電池ケースに収容するステップと、前記電池ケースにゲルポリマー電解質組成物を注液して前記電極組立体に含浸させるステップと、前記ゲルポリマー電解質組成物を硬化させるステップとを含み、前記接着剤は、第1オリゴマー化合物を含み、前記セパレータは、多孔性基材および前記多孔性基材の両面に配置されたセラミックコーティング層を含み、前記セラミックコーティング層は、92重量%以上100重量%未満の無機物粒子および0重量%超8重量%以下のバインダーを含み、前記ゲルポリマー電解質組成物は、リチウム塩、有機溶媒、重合開始剤および第2オリゴマー化合物を含む二次電池の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明による二次電池の製造方法は、電極とセパレータが交互に積層された電極組立体およびゲルポリマー電解質を含み、前記セパレータが、無機物粒子とバインダーを特定の含量で含む二次電池を製造することを特徴とする。前記セパレータに含まれるセラミックコーティング層は、バインダーを少ない含量で含むことから、バインダー過量による抵抗の増加が防止されることができ、このような抵抗の低減に伴う二次電池のセル剛性の低下を前記ゲルポリマー電解質が補完することができる。したがって、本発明による二次電池の製造方法で製造された二次電池は、上記の構成の組み合わせにより、二次電池の抵抗を低減し、セル剛性および機械的耐久性を同時に向上させることができる。
【0013】
また、本発明による二次電池の製造方法は、電極とセパレータが交互に積層され、前記電極とセパレータが接着剤により接着されて製造される電極組立体を電池ケースに収容し、ゲルポリマー電解質組成物を注入し、硬化させて製造し、ここで、前記接着剤は、第1オリゴマー化合物を含むことを特徴とする。前記接着剤は、第1オリゴマー化合物を含み、前記ゲルポリマー電解質組成物の硬化時に、前記第1オリゴマー化合物も硬化に参加することができる。また、前記第1オリゴマー化合物は、前記電極および前記セパレータを接着させることができ、電極組立体の製造時に、電極、セパレータの整列位置がずれる問題を防止するだけでなく、最終的に、ゲルポリマー電解質組成物の硬化により重合されてセル剛性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の二次電池の製造方法のうち電極組立体の製造ステップを説明するためのものであり、例示的な電極組立体の概略的な側面図である。
図2】本発明の二次電池の製造方法のうち電極組立体の製造ステップを説明するためのものであり、セパレータまたは電極の概略的な平面図である。
図3】本発明の二次電池の製造方法のうち電極組立体の製造ステップを説明するためのものであり、セパレータの概略的な側面図である。
図4】本発明の二次電池の製造方法を説明するためのものであり、電極組立体の製造工程を説明するための図である。
図5】本発明の二次電池の製造方法を説明するためのものであり、電極組立体の製造工程を説明するための図である。
図6】本発明の二次電池の製造方法を説明するためのものであり、電極組立体の製造工程を説明するための図である。
図7】本発明の二次電池の製造方法を説明するためのものであり、電極組立体の製造工程を説明するための図である。
図8】本発明の二次電池の製造方法のうち電極組立体の収容ステップを説明するための図である。
図9】本発明の二次電池の製造方法のうちゲルポリマー電解質組成物の注入および電極組立体の含浸ステップを説明するための図である。
図10】本発明の二次電池の製造方法のうちゲルポリマー電解質の硬化ステップを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本明細書および特許請求の範囲にて使用されている用語や単語は、通常的もしくは辞書的な意味に限定して解釈してはならず、発明者らは、自身の発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適宜定義することができるという原則に則って、本発明の技術的思想に合致する意味と概念に解釈すべきである。
【0016】
本明細書において、平均粒径(D50)は、粒子の粒径分布曲線において、体積累積量の50%に該当する粒径と定義することができる。前記平均粒径(D50)は、例えば、レーザ回折法(laser diffraction method)を用いて測定することができる。前記レーザ回折法は、一般的に、サブミクロン(submicron)領域から数mm程度の粒径の測定が可能であり、高再現性および高分解性の結果を得ることができる。
【0017】
以下、図面を参照して、本発明の二次電池について詳細に説明する。各図面の構成要素に参照符号を付けるにあたり、同じ構成要素は、異なる図面上に表示されていても、できるだけ同じ符号を有することができる。また、本発明を説明するにあたり、関連する公知の構成または機能に関する具体的な説明が本発明の要旨を不明瞭にし得ると判断した場合には、その詳細な説明は省略することができる。
【0018】
<二次電池の製造方法>
本発明は、二次電池の製造方法、具体的には、リチウム二次電池の製造方法に関する。
【0019】
本発明は、電極110、120とセパレータ130が交互に積層されており、前記電極110、120と前記セパレータ130のうち少なくとも一つの表面に接着剤140が塗布され、前記電極110、120と前記セパレータ130が互いに接着されている電極組立体100を製造するステップと、前記電極組立体100を電池ケース300に収容するステップと、前記電池ケース300にゲルポリマー電解質組成物200を注液して前記電極組立体100に含浸させるステップと、前記ゲルポリマー電解質組成物200を硬化させるステップとを含み、前記接着剤140は、第1オリゴマー化合物を含み、前記セパレータ130は、多孔性基材131および前記多孔性基材131の両面に配置されたセラミックコーティング層132a、132bを含み、前記セラミックコーティング層132a、132bは、92重量%以上100重量%未満の無機物粒子および0重量%超8重量%以下のバインダーを含み、前記ゲルポリマー電解質組成物200は、リチウム塩、有機溶媒、重合開始剤および第2オリゴマー化合物を含む二次電池の製造方法を提供する。
【0020】
(1)電極組立体の製造ステップ
図1および図2を参照すると、先ず、電極110、120とセパレータ130が交互に積層されており、前記電極110、120と前記セパレータ130のうち少なくとも一つの表面に接着剤140が塗布され、前記電極110、120と前記セパレータ130が互いに接着されている電極組立体100を製造する。
【0021】
前記電極組立体100は、垂直方向Pに積層された複数の電極110、120を含む。前記電極110、120は、2以上の複数個であることができる。本明細書において、「垂直方向」とは、地面を基準とする垂直方向を意味し得、電極の積層方向を説明するためのものであって、積層方向の角度を限定するためのものではない。
【0022】
電極110、120は、第1電極110および第2電極120を含むことができる。図1に図示されているように、第1電極110および第2電極120は、交互に積層されることができる。電極110、120は、セパレータ130を挟んで交互に積層されることができる。第1電極110は正極であり、第2電極120は負極であることができる。または第1電極110は負極であり、第2電極120は正極であることができる。第1電極および第2電極は、それぞれ、1個以上、具体的には2個以上であることができる。
【0023】
第1電極110および第2電極120は、集電体に活物質スラリーが塗布された構造であることができる。第1電極110および第2電極120は、前記活物質スラリーが集電体の両面に塗布、乾燥および圧延されて形成された構造であることができる。活物質スラリーは、粒状の活物質、導電材、バインダーなどが溶媒に添加された状態で撹拌されて形成されることができる。第1電極110および第2電極120には、当分野における正極または負極に使用される活物質、導電材、バインダーなどが、制限なく使用されることができる。
【0024】
前記集電体は、電池に化学的変化を引き起こさず、高い導電性を有するものであれば、特に制限されない。具体的には、前記集電体は、銅、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素、およびアルミニウム-カドミウム合金からなる群から選択される少なくとも1種を含むことができる。例えば、電極110、120が正極である場合、電極110、120に使用される集電体は、アルミニウムを含むことができ、電極110、120が負極である場合、電極110、120に使用される集電体は、銅を含むことができる。
【0025】
前記集電体は、フィルム、シート、箔、網、メッシュ、多孔質体、発泡体、不織布体など、様々な形態で使用されることができる。また、前記集電体は、ポリマー層と、前記ポリマー層の両面に配置された金属層とを含むことができ、前記金属層が、銅、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素、およびアルミニウム-カドミウム合金からなる群から選択される少なくとも1種を含むことができる。
【0026】
具体的には、前記電極110、120が負極である場合、これに含まれる負極活物質としては、例えば、リチウムの可逆的なインターカレーションおよびデインターカレーションが可能な化合物が使用されることができる。具体的な負極活物質の例としては、人造黒鉛、天然黒鉛、黒鉛化炭素繊維、非晶質炭素などの炭素質材料;Si、Al、Sn、Pb、Zn、Bi、In、Mg、Ga、Cd、Si合金、Sn合金またはAl合金などリチウムと合金化が可能な金属質化合物;SiOβ(0<β<2)、SnO、バナジウム酸化物、リチウムバナジウム酸化物のようにリチウムをドープおよび脱ドープすることができる金属酸化物;またはSi-C複合体もしくはSn-C複合体のように前記金属質化合物と炭素質材料を含む複合物などが挙げられ、これらのいずれか一つまたは二つ以上の混合物が使用されることができる。また、前記負極活物質として金属リチウム薄膜が使用されてもよい。また、炭素材料は、低結晶性炭素および高結晶性炭素などがいずれも使用されることができる。低結晶性炭素としては、ソフトカーボン(soft carbon)およびハードカーボン(hard carbon)が代表的であり、高結晶性炭素としては、無定形、板状、鱗片状、球状または繊維状の天然黒鉛または人造黒鉛、キッシュ黒鉛(Kish graphite)、熱分解炭素(pyrolytic carbon)、メソ相ピッチ系炭素繊維(mesophase pitch based carbon fiber)、メソ炭素微小球体(meso-carbon microbeads)、メソ相ピッチ(Mesophase pitches)および石油と石炭系コークス(petroleum or coal tar pitch derived cokes)などの高温焼成炭素が代表的である。
【0027】
また、具体的には、前記電極110、120が正極である場合、これに含まれる前記正極活物質は、特に制限されず、例えば、前記正極活物質は、通常使用される正極活物質であることができる。具体的には、前記正極活物質は、リチウムコバルト酸化物(LiCoO)、リチウムニッケル酸化物(LiNiO)などの層状化合物や1またはそれ以上の遷移金属で置換された化合物;LiFeなどのリチウム鉄酸化物;化学式Li1+c1Mn2-c1(0≦c1≦0.33)、LiMnO、LiMn、LiMnOなどのリチウムマンガン酸化物;リチウム銅酸化物(LiCuO);LiV、V、Cuなどのバナジウム酸化物;化学式LiNi1-c2c2(ここで、Mは、Co、Mn、Al、Cu、Fe、Mg、BおよびGaからなる群から選択される少なくともいずれか一つであり、0.01≦c2≦0.3を満たす)で表されるNiサイト型リチウムニッケル酸化物;化学式LiMn2-c3c3(ここで、Mは、Co、Ni、Fe、Cr、ZnおよびTaからなる群から選択される少なくともいずれか一つであり、0.01≦c3≦0.1を満たす)またはLiMnMO(ここで、Mは、Fe、Co、Ni、CuおよびZnからなる群から選択される少なくともいずれか一つである。)で表されるリチウムマンガン複合酸化物;化学式のLiの一部がアルカリ土類金属イオンで置換されたLiMnなどが挙げられるが、これらのみに限定されるものではない。前記正極は、Li金属(Li-metal)正極であってもよい。
【0028】
前記電極に含まれるバインダーは、ポリビニリデンフルオライド高分子、ポリビニルアルコール(polyvinyl alcohol)、スチレンブタジエンゴム(styrene butadiene rubber)、ポリエチレンオキシド(polyethylene oxide)、カルボキシルメチルセルロース(carboxyl methyl cellulose)、セルロースアセテート(cellulose acetate)、セルロースアセテートブチレート(cellulose acetate butylate)、セルロースアセテートプロピオネート(cellulose acetate propionate)、シアノエチルプルラン(cyanoethylpullulan)、シアノエチルポリビニルアルコール(cyanoethyl polyvinylalcohol)、シアノエチルセルロース(cyanoethyl cellulose)、シアノエチルスクロース(cyanoethyl sucrose)、プルラン(pullulan)、ポリメチルメタクリレート(polymethylmethacrylate)、ポリブチルアクリレート(polybutylacrylate)、ポリアクリロニトリル(polyacrylonitrile)、ポリビニルピロリドン(polyvinylpyrrolidone)、ポリビニルアセテート(polyvinylacetate)、エチレンビニルアセテート共重合体(polyethylene-co-vinyl acetate)、ポリアリレート(polyarylate)および分子量10,000g/mol以下の低分子化合物からなる群から選択されるいずれか一つのバインダー高分子またはこれらのうち2種以上の混合物であることができる。
【0029】
前記電極に含まれる導電材は、当該電池に化学的変化を引き起こさず、導電性を有するものであれば、特に制限されるものではなく、例えば、天然黒鉛や人造黒鉛などの黒鉛;カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラックなどのカーボンブラック;炭素繊維や金属繊維などの導電性繊維;カーボンナノチューブなどの導電性チューブ;フルオロカーボン、アルミニウム、ニッケル粉末などの金属粉末;酸化亜鉛、チタン酸カリウムなどの導電性ウィスカー;酸化チタンなどの導電性金属酸化物;ポリフェニレン誘導体などの導電性素材などが使用されることができる。
【0030】
前記電極に含まれる増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)が例として挙げられる。
【0031】
図1および図2に図示されているように、電極組立体100は、セパレータ130を含む。前記セパレータは、前記電極と交互に積層される。
【0032】
図1に図示されているように、前記セパレータ130は、電極110、120のいずれか一つの端部を包むように、ジグザグ状に折り曲げまたはフォールディングされることができる。例えば、図1に図示されているように、第1電極110および第2電極120が交互に積層される場合、前記セパレータ130は、第1電極110の一側端部110aを包むように折り曲げられ、前記第1電極110の一側端部110aの反対側に存在する第2電極120の一側端部を包むようにまた折り曲げられることができる。このような折り曲げが繰り返されることにより、前記セパレータ130は、ジグザグ状に折り曲げまたはフォールディングされることができる。前記電極組立体100は、一つのセパレータ130を含むことができる。
【0033】
前記電極組立体100は、前記セパレータ130がジグザグ状に折り曲げまたはフォールディングされ、前記第1電極110、前記セパレータ130、前記第2電極120および前記セパレータ130が順に積層された基本単位体が1以上、具体的には2以上積層されたジグザグスタック型電極組立体であることができる。
【0034】
図3に図示されているように、前記セパレータ130は、多孔性基材131と、前記多孔性基材の両面に配置されたセラミックコーティング層132a、132bとを含む。
【0035】
前記多孔性基材131は、通常、二次電池のセパレータとして使用されるものであれば、特に制限されない。具体的には、前記多孔性基材131は、電解質のイオン移動に対して低抵抗であり、且つ電解質含湿能力に優れたものが好ましい。より具体的には、前記多孔性基材131は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリペンテンなどのポリオレフィン系樹脂;ポリビニリデンフルオライド、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂;ポリアクリロニトリル樹脂;およびセルロース系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種を含むことができ、これらのいずれか一つまたは二つ以上の共重合体もしくは混合物を含む多孔性フィルムまたは不織布、またはこれらの2層以上の積層構造体であってもよい。前記多孔性基材131は、前記ポリオレフィン系樹脂を含む多孔性フィルム、不織布またはこれらの2層以上の積層構造体であることができる。
【0036】
前記多孔性基材131に存在する気孔のサイズおよび気孔度は、特に限定されない。具体的には、前記多孔性基材131は、平均気孔径が0.01μm~1μm、具体的には20nm~60nmである気孔を10体積%~90体積%、具体的には30体積%~60体積%の気孔度で含む多孔性基材であることができ、この場合、多孔性基材131の機械的強度を向上させるとともに、イオン物質が正極と負極との間をよりスムーズに移動することができる面で好ましい。前記平均気孔径、気孔度は、集束イオンビーム(FIB)を用いた分析、ガス吸着法または水銀圧入法によって測定されることができる。
【0037】
前記多孔性基材131の厚さは、特に限定されないが、セパレータとしての適切な機械的強度およびイオン物質の移動容易性を考慮して、具体的には1μm~100μm、具体的には2μm~15μmであることができる。
【0038】
前記セラミックコーティング層132a、132bは、前記多孔性基材131の両面に配置される。
【0039】
前記セラミックコーティング層132a、132bは、無機物粒子およびバインダーを含む。より具体的には、前記セラミックコーティング層は、前記無機物粒子および前記バインダーのみからなることができる。
【0040】
前記無機物粒子は、多孔性基材の高温での熱収縮、これによる正極および負極の短絡を防止するために導入されることができ、前記無機物粒子は、多孔性基材の物理的形態を維持し、熱収縮を最小化することができる一種のスペーサ(spacer)の役割として提供されることができる。
【0041】
前記無機物粒子としては、電池の作動電圧範囲(例えば、Li/Li+基準に0V~5V)で電気化学的に安定して、酸化および/または還元反応、すなわち、電気化学的反応を引き起こさないものであれば、特に制限なく使用可能である。前記無機物粒子は、リチウムホスフェート(LiPO);リチウムチタンホスフェート(LiTi(PO、0<x<2、0<y<3);リチウムアルミニウムチタンホスフェート(LiAlTi(PO、0<x<2、0<y<1、0<z<3)、14LiO-9Al-38TiO-39Pのような(LiAlTiP)系ガラス(glass)(0<x<4、0<y<13);リチウムランタンチタネート(LiLaTiO、0<x<2、0<y<3);Li3.25Ge0.250.75などのリチウムゲルマニウムチオホスフェート(LiGe、0<x<4、0<y<1、0<z<1、0<w<5);LiNなどのリチウムナイトライド(Li、0<x<4、0<y<2);LiPO-LiS-SiSなどのSiS系ガラス(LiSi、0<x<3、0<y<2、0<z<4);LiI-LiS-PなどのP系ガラス(Li、0<x<3、0<y<3、0<z<7);Al;AlOOH;BaTiO;BaSO;MgO;CaO;CeO;NiO;SiO;SnO;SrTiO;TiO;Y;ZnO;ZrO;Pb(Zr、Ti)O(PZT);Pb1-xLaZr1-yTi(PLZT);PB(MgNb2/3)O-PbTiO(PMN-PT);ハフニア(HfO);これらのうちの2つ以上の混合物などであることができる。具体的には、前記無機物粒子は、Al;AlOOH;BaTiO;BaSO;MgO;CaO;CeO;NiO;SiO;SnO;SrTiO;TiO;Y;ZnO;ZrO;Pb(Zr、Ti)O(PZT);Pb1-xLaZr1-yTi(PLZT);PB(MgNb2/3)O-PbTiO(PMN-PT);ハフニア(HfO);これらのうちの2つ以上の混合物であることができ、より具体的には、Al;AlOOH;BaTiO;BaSO;およびMgOからなる群から選択される少なくとも1種を含むことができる。
【0042】
前記無機物粒子の平均粒径(D50)は、0.1μm~1μm、具体的には0.2μm~0.7μmであることができる。
【0043】
前記無機物粒子は、前記セラミックコーティング層132a、132bに92重量%以上100重量%未満で含まれる。前記無機物粒子の含量は、後述するバインダーの含量との関係で考慮されなければならず、多孔性基材の熱収縮による熱安定性低下を防止し、且つバインダー過量による抵抗増加を防止する面で調節されることができる。具体的には、前記無機物粒子は、前記セラミックコーティング層に93重量%~98重量%含まれることができる。
【0044】
前記バインダーは、無機物粒子の結着、セパレータと電極の結着のために、前記セラミックコーティング層132a、132bに含まれることができる。
【0045】
ここで、前記バインダーは、前記セラミックコーティング層に0重量%超8重量%未満で含まれる。前記バインダーが8重量%超で含まれる場合、バインダーが過剰にセラミックコーティング層に含まれて、二次電池の抵抗増加を引き起こし得る。一方、前記バインダーが上述の範囲で含まれることによって、電極とセパレータの接着力の低下による二次電池のセル剛性の低下のおそれがあるが、後述するように、本発明は、上述の特徴を有するセパレータとゲルポリマー電解質を組み合わせて使用することから、二次電池の抵抗の改善とともに、セル剛性および機械的耐久性の向上を同時に達成することができる。
【0046】
具体的には、前記バインダーは、前記セラミックコーティング層に2重量%~7重量%含まれることができ、前記範囲である時に、無機物粒子の結着力を最大限に確保し、且つ二次電池の抵抗増加を防止することができる。
【0047】
前記バインダーは、分子内に、フッ素基(-F)、アクリレート基(CH=CHCOO-)、メタクリレート基(CH=C(CH)COO-)、ビニルアセテート基(-CH=CHOCO-)またはニトリル基(-C≡N)、などの疎水性官能基を一つ以上含む疎水性バインダーであるか、または、ヒドロキシル基(-OH)、カルボキシル基(-COOH)、無水マレイン酸基(-COOOC-)、スルホン酸基(-SOH)またはイソシアネート基(-NCO)のような極性基を一つ以上含む親水性バインダーであることができ、これらのいずれか一つまたは二つ以上の混合物が使用されることができる。より具体的には、前記疎水性バインダーは、ポリビニリデンフルオライド(polyvinylidene fluoride)、ポリビニリデンフルオライド-ヘキサフルオロプロピレン(polyvinylidene fluoride-co-hexafluoropropylene)、ポリビニリデンフルオライド-トリクロロエチレン(polyvinylidene fluoride-co-trichloroethylene)、ポリメチルメタクリレート(polymethylmethacrylate)、ポリアクリロニトリル(polyacrylonitrile)、ポリビニルアセテート(polyvinylacetate)、エチレンビニルアセテート共重合体(polyethylene-covinylacetate)、ポリイミド(polyimide)、ポリエチレンオキシド(polyethylene oxide)などであることができる。また、前記親水性バインダーは、シアノエチルプルラン(cyanoethylpullulan)、シアノエチルポリビニルアルコール(cyanoethylpolyvinylalcohol)、シアノエチルセルロース(cyanoethylcellulose)、シアノエチルスクロース(cyanoethylsucrose)、カルボキシルメチルセルロース(carboxyl methyl cellulose)、ポリビニルアルコール(polyvinylalcohol)、ポリアクリル酸(polyacrylic acid)、ポリ無水マレイン酸(polymaleic anhydride)またはポリビニルピロリドン(polyvinylpyrrolidone)などであることができる。
【0048】
具体的には、前記バインダーは、アクリル系バインダーであることができる。前記アクリル系バインダーは、セラミックコーティング層の製造時に、前記無機物粒子との分散がよく行われ、これにより、前記セラミックコーティング層が、上層にバインダー、下層に無機物粒子として層分離することを防止することができる。このような層分離は、結果として、負極、正極でのイオン移動を妨害し、抵抗増加を引き起こすため、前記バインダーとしてアクリル系バインダーを使用する場合、本発明が目的とする抵抗低減効果をより優れた水準に発揮することができる。
【0049】
前記アクリル系バインダーは、エチルヘキシルアクリレート(ethylhexyl acrylate)およびメチルメタクリレート(methyl methacrylate)の共重合体;ポリメチルメタクリレート(polymethylmethacrylate);ポリエチルヘキシルアクリレート(polyethylhexylacrylate);ポリブチルアクリレート(polybutylacrylate);ポリアクリロニトリル(polyacrylonitrile);ならびにブチルアクリレートおよびメチルメタクリレートの共重合体からなる群から選択される少なくとも1種を含むことができる。
【0050】
前記セラミックコーティング層は、無機物粒子およびバインダーを92:8以上100:0未満、具体的には93:7~98:2の重量比で含むことができる。
【0051】
前記セラミックコーティング層132a、132bの厚さは、0.1μm~10μm、具体的には0.5μm~5μm、より具体的には1.0μm~2.5μmであることができる。前記セラミックコーティング層132a、132bは、バインダーを上述の少ない含量で含むことから、薄い厚さのセパレータの実現が可能であり、二次電池のエネルギー密度をより向上させることができ、低い抵抗を達成することができる。前記セラミックコーティング層の厚さは、前記多孔性基材の一面に形成された一つのセラミックコーティング層の厚さを意味し得る。
【0052】
前記セラミックコーティング層132a、132bは、無機物粒子およびバインダーを溶媒の中に分散させたセラミックコーティング層形成用組成物を前記多孔性基材に塗布し乾燥させて製造することができる。前記セラミックコーティング層形成用組成物の塗布方法は、特に制限されず、ディップ(Dip)コーティング、ダイ(Die)コーティング、ロール(Roll)コーティング、コンマ(Comma)コーティング、グラビア(Gravure)コーティングなどを用いることができ、具体的には、グラビア(Gravure)コーティングを用いることができる。前記セラミックコーティング層形成用組成物の塗布後の乾燥方法としては、自然乾燥、加熱乾燥または熱風乾燥などを用いることができる。
【0053】
前記セパレータ130の厚さは、1μm~20μm、具体的には5μm~14μmであることができ、本発明によると、セラミックコーティング層内のバインダー含量を減少させることから、薄い厚さのセパレータの実現が可能であり、これにより、二次電池のエネルギー密度をより向上させることができ、低い抵抗を達成することができる。
【0054】
前記電極組立体100は、前記電極110、120と前記セパレータ130のうち少なくとも一つの表面に接着剤140が塗布され、前記電極110、120と前記セパレータ130が互いに接着されている。
【0055】
前記接着剤140は、電極110、120とセパレータ130の接着のために導入されることができる。具体的には、前記接着剤140は、前記二次電池の製造過程のうち、電極とセパレータを積層、組み立て、スタックさせる工程において、これらの整列位置を固定させるために導入されることができる。上述のように、本発明によるセパレータ130は、バインダー含量が減少したものであり、二次電池の製造時に、電極とセパレータの接着力が十分でない可能性があるため、前記接着剤140がこのような問題を補完して電極とセパレータを容易に接着させ、電極組立体の製造過程でセパレータずれ現象が発生することを防止し、工程の効率、品質の向上が可能である。
【0056】
前記接着剤は、第1オリゴマー化合物を含む。
【0057】
本明細書において、「オリゴマー化合物」とは、単量体が約10個以下重合された化合物を意味し得、「オリゴマー化合物」は、架橋性基を含むことができる。
【0058】
前記第1オリゴマー化合物は、前記電極および前記セパレータを接着させる接着成分として、前記接着剤に含まれる。前記第1オリゴマー化合物は、このような電極およびセパレータの接着成分として使用された後、前記ゲルポリマー電解質組成物の注入により溶解され重合されて、ゲルポリマー電解質の成分になることができる。
【0059】
前記第1オリゴマー化合物は、ポリエーテル系オリゴマー、ポリカーボネート系オリゴマー、アクリレート系オリゴマー、ポリシロキサン系オリゴマー、ホスファゲン系オリゴマー、ポリエチレン系オリゴマー、ウレタン系オリゴマー、エポキシ系オリゴマー、フッ素系オリゴマー、ポリエチレンオキシド、ポリエステルスルフィド、ポリビニルアルコールおよびポリフッ化ビニリデンからなる群から選択される1種以上、具体的にはフッ素系オリゴマー、ポリカーボネート系オリゴマーおよびポリシロキサン系オリゴマーから選択される少なくとも1種を含むことができる。
【0060】
例えば、前記フッ素系オリゴマーは、具体的には、フッ素系単量体由来単位を含むことができる。前記フッ素系オリゴマーは、これに含まれるフッ素系官能基が正極活物質分解に起因する酸素ラジカルの発生を抑制することで電池安定性をより向上させることができ、難燃性に優れるという利点がある。より具体的には、前記フッ素系オリゴマーは、テトラフルオロエチレン(TFE)-ビニルアセテートコポリマー、(アリル1,1,2,2-テトラフルオロエチルエーテル)-(2,2,2-トリフルオロエチルアクリレート)コポリマー、テトラフルオロエチレン-(2-ビニル-1,3-ジオキソラン)コポリマー、およびテトラフルオロエチレン-ビニルメタクリレートコポリマーから選択される少なくとも1種を含むことができる。
【0061】
また、前記ポリカーボネート系オリゴマーは、正極と親和性があり、有機電解液と類似する構造であり、イオン伝導度またはイオン解離度に優れるという利点がある。前記ポリカーボネート系オリゴマーは、1,000g/mol~50,000g/mol、具体的には4,500g/mol~30,000g/mol、より具体的には10,000g/mol~25,000g/molの重量平均分子量を有するポリカーボネートであることができる。
【0062】
また、前記ポリシロキサン系オリゴマーは、電解液副反応によって発生するガス(HFなど)の捕捉剤(scavenger)として機能することができ、これにより、高温保存特性の改善効果を有することができる。
【0063】
前記第1オリゴマー化合物の重量平均分子量は、1,000g/mol~50,000g/mol、具体的には4,500g/mol~30,000g/molであることができる。
【0064】
前記接着剤140は、電極110、120とセパレータ130を接着させることによる電極組立体100の製造に使用され、前記電極組立体100が電池ケース300内に収容され、ゲルポリマー電解質組成物200が電池ケース300に注入された後、前記ゲルポリマー電解質組成物200に含まれた有機溶媒に溶解されることができる。本発明による接着剤140は、前記電極組立体100の製造に使用された後、溶解されることから、セパレータ130のバインダーを増量することなく、電極110、120とセパレータ130を容易に接着させることができるだけでなく、バインダーの増量によるセパレータの厚さの増加を防止し、二次電池のエネルギー密度をより向上させることができる。
【0065】
図2に図示されているように、前記接着剤140は、互いに離隔した複数のパターン状に塗布されることができる。具体的には、前記接着剤140は、互いに離隔した複数のパターン状に前記電極と前記セパレータのうち少なくとも一つの表面に塗布されることができる。具体的には、前記接着剤は、互いに離隔した複数のドット(dot)状に前記電極と前記セパレータのうち少なくとも一つの表面に塗布されることができる。
【0066】
前記接着剤の塗布面積は、前記セパレータと前記電極とが接する面の面積に対して0%超1%以下、具体的には0.0001%~0.05%であることができる。前記範囲によると、前記電極と前記セパレータが十分な接着力で接着されることができ、且つ接着剤が過剰に塗布されて溶媒に溶解されず残存して抵抗の増加を起こす問題を防止することができて好ましい。
【0067】
以下、図4図7を参照して、前記電極組立体の例示的な製造方法について説明する。
【0068】
具体的には、図4図7を参照すると、前記電極110、120は、第1電極110および第2電極120を含み、前記電極組立体100は、下記ステップ(a)~(f)を含む方法により製造されることができる。
【0069】
(a)前記セパレータ130および前記第1電極110のうち少なくとも一部に前記接着剤140を塗布するステップ;
(b)前記塗布された接着剤140により前記セパレータ130と前記第1電極110を接着させるステップ;
(c)前記セパレータ130の一側をフォールディングして前記第1電極110をカバーするステップ;
(d)前記セパレータ130および前記第2電極120のうち少なくとも一部に前記接着剤140を塗布するステップ;
(e)前記塗布された接着剤140により前記セパレータ130と前記第2電極120を接着させるステップ;および
(f)前記セパレータ130の他側をフォールディングして前記第2電極120をカバーするステップ。
【0070】
図4を参照すると、前記セパレータ130および前記第1電極110のうち少なくとも一部に前記接着剤140を塗布する。前記接着剤140の塗布は、第1ノズル1110で、前記セパレータ130および前記第1電極110のうち少なくとも一部に接着剤140を塗布することによることができる。図4はセパレータ130に接着剤140が塗布されたように図示されているが、これに制限されず、前記接着剤140は、セパレータ130;第1電極110;またはセパレータ130および第1電極110の両方;の少なくとも一部に塗布されることができる。
【0071】
図4に図示されているように、具体的には、前記セパレータ130は、セパレータリール630から巻き出されてテーブル700の上面に載置されていてもよい。
【0072】
図5を参照すると、前記塗布された接着剤140により前記セパレータ130と前記第1電極110を接着させる。
【0073】
前記第1電極110は、図5に図示されているように、第1電極リール610で巻き出された第1電極シート1101が、第1カッター810によって切断されて形成されることができる。ここで、第1移送装置910が第1電極110を移送させると、第1ヘッダー1010が第1電極を吸着することができる。次に、第1ヘッダー1010および/またはテーブル700の移動につれて、前記セパレータ130上に前記第1電極110が載置または配置されることができる。
【0074】
図6を参照すると、前記セパレータ130の一側をフォールディングして前記第1電極110をカバーし、前記セパレータ130および前記第2電極120のうち少なくとも一部に前記接着剤140を塗布することができる。
【0075】
セパレータ130上に第1電極110が付着された後、前記セパレータ130の一側をフォールディングして前記第1電極110をカバーする。例えば、前記セパレータ130のフォールディングは、テーブル700の側面移動によることができる。
【0076】
一方、前記セパレータ130および前記第2電極120のうち少なくとも一部に前記接着剤140を塗布する。前記接着剤140の塗布は、第2ノズル1120で、前記セパレータ130および前記第2電極120のうち少なくとも一部に接着剤140を塗布することによることができる。図6は、セパレータ130に接着剤140が塗布されたように図示されているが、これに制限されず、前記接着剤140は、セパレータ130;第2電極120;またはセパレータ130および第2電極120の両方;の少なくとも一部に塗布されることができる。
【0077】
図7を参照すると、前記塗布された接着剤140により前記セパレータ130と前記第2電極120を接着させ、前記セパレータ130の他側をフォールディングして前記第2電極120をカバーする。
【0078】
前記セパレータ130の前記セパレータ130と前記第1電極110が接する面の反対面に第2電極120を接着させる。
【0079】
前記第2電極120は、図7に図示されているように、第2電極リール620で巻き出された第2電極シート1201が、第2カッター820によって切断されて形成されることができる。ここで、第2移送装置920が第2電極120を移送させると、第2ヘッダー1020が第2電極を吸着することができる。次に、第2ヘッダー1020および/またはテーブル700の移動につれて、前記セパレータ上に前記第2電極が載置または接着されることができる。
【0080】
図7を参照すると、前記第2電極120の接着の後、前記セパレータ130の他側をフォールディングして前記第2電極120をカバーする。これにより、第1電極および第2電極が交互に積層され、前記第1電極と第2電極との間にセパレータが介在し、前記セパレータがジグザグ状にフォールディングされた構造の電極組立体の製造が可能である。次に、上述の過程を繰り返すことで、複数の第1電極および第2電極が交互に積層された電極組立体の実現が可能である。
【0081】
ここで、前記のようにジグザグ状に折り曲げられたセパレータを含む電極組立体の場合、製造工程でセパレータの折り曲げまたはフォールディングによってセパレータおよび/または電極のずれ現象が発生し、これは、品質不良、工程効率性の減少につながる問題があるが、本発明によると、電極とセパレータの接着のために接着剤の塗布が行われることにより、上述の電極および/またはセパレータのずれ現象が大幅に防止されることができ、品質が向上した二次電池の製造が可能である。このような接着剤の塗布は、バインダーが低含量で含まれる本発明におけるセパレータの接着力の補完の面で特に好ましい。
【0082】
(2)電極組立体の収容ステップ
図8を参照すると、前記電極組立体100を電池ケース300に収容する。
【0083】
説明の便宜上、図8には電極組立体を簡単に示す。
【0084】
前記電池ケース300は、電極組立体100およびゲルポリマー電解質200を収容する目的で提供されることができる。
【0085】
電池ケース300は、柔軟性を有する素材で製造されたパウチ状のケースであることができ、例えば、アルミニウムパウチ電池ケースであることができる。
【0086】
電池ケース300がアルミニウムパウチ電池ケースである場合、電池ケース300は、例えば、内部からポリプロピレン層(PP層)、アルミニウム層、ポリエチレンテレフタレート層(PET層)の順に積層されたパウチフィルムで形成されることができる。
【0087】
電池ケース300は、電極組立体を収納するための収容空間であるカップ部を含むことができる。
【0088】
電池ケース300は、カバー310を含むことができ、電極組立体の収納、ゲルポリマー電解質組成物の硬化およびゲル化の後、前記カバーで前記電池ケース300をシーリングして、密封された二次電池を製造することができる。
【0089】
図8に図示されているように、前記電極組立体には、複数の電極タブ400、500が連結されることができる。具体的には、複数の電極タブ400、500は、電極組立体100の電極110、120に連結されるものであり、より具体的には、第1電極110および第2電極120とそれぞれ連結され、電池ケース300の外部に突出して電子が移動することができる経路になることができる。また、図8には、2個の電極タブ400、500が、電極組立体100に対してそれぞれ異なる方向に配置されたように図示されているが、これに制限されず、電極組立体100の一側から同じ方向に平行に突出することもできる。前記複数の電極タブ400、500は、正極タブおよび負極タブであることができ、正極および負極にそれぞれ連結されることができる。
【0090】
(3)ゲルポリマー電解質組成物の注液および電極組立体の含浸ステップ
図9を参照すると、前記電池ケース300にゲルポリマー電解質組成物200を注液して前記電極組立体100に含浸させる。前記ゲルポリマー電解質組成物200は、電極組立体100に含浸、硬化し、電極組立体の内部および外部に配置されることができる。
【0091】
前記ゲルポリマー電解質組成物200で硬化したゲルポリマー電解質200aは、流動性がなく、ゲル化した電解質を使用することから、二次電池のセル剛性を向上させることができる。特に、本発明は、前記ゲルポリマー電解質を上述のセパレータとともに使用することで、抵抗が低減し、セル剛性が向上した二次電池の実現が可能である。一方、上述のセパレータと液体電解質を使用する場合、セル剛性が過剰に低下するため、セルひずみ、セパレータずれなどによる工程性の低下、製品不良発生の恐れがあり、安全性が低下し、二次電池の爆発可能性がある。
【0092】
前記ゲルポリマー電解質組成物200は、リチウム塩、有機溶媒、重合開始剤および第2オリゴマー化合物を含む。
【0093】
前記リチウム塩は二次電池にリチウムイオンを提供する目的で使用されることができる。
【0094】
前記リチウム塩は、二次電池で使用されるリチウムイオンを提供することができる化合物であれば、特に制限なく使用可能である。具体的には、前記リチウム塩は、LiPF、LiClO、LiAsF、LiBF、LiSbF、LiAlO、LiAlCl、LiCFSO、LiCSO、LiN(CSO、LiN(CSO、LiN(CFSO、LiCl、LiI、またはLiB(Cなどが使用されることができる。前記リチウム塩の濃度は、0.1M~5.0M、好ましくは0.1M~3.0Mの範囲内で使用することが好ましい。リチウム塩の濃度が前記範囲に含まれると、電解質が適切な伝導度および粘度を有することから、優れた電解質性能を示すことができ、リチウムイオンが効果的に移動することができる。
【0095】
前記重合開始剤は、ゲルポリマー電解質組成物に含まれたオリゴマー化合物を重合させて三次元構造に結合したポリマーネットワークを形成する目的で使用されることができる。
【0096】
前記重合開始剤は、熱または光の存在下で分解されてラジカルを形成しながらオリゴマー化合物の重合を行わせることができる。具体的には、前記重合開始剤は、前記ゲルポリマー電解質組成物に含まれる第2オリゴマー化合物および前記電極組立体の組み立てに使用された後、ゲルポリマー電解質組成物によって溶解された第1オリゴマー化合物の重合を行わせることができる。
【0097】
前記重合開始剤は、重合方式に応じて、光重合開始剤または熱重合開始剤であることができる。
【0098】
具体的には、前記光重合開始剤は、代表的な例として、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオフェノン(HMPP)、1-ヒドロキシ-シクロヘキシルフェニル-ケトン、ベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]-2-メチル-1-プロパノン、オキシ-フェニル酢酸2-[2-ヨウ素-2フェニル-アセトキシ-エトキシ]-エチルエステル、オキシ-フェニル-アセティック2-[2-ヒドロキシエトキシ]-エチルエステル、アルファ-ジメトキシ-アルファ-フェニルアセトフェノン、2-ベンジル-2-(ジメチルアミノ)-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-(4-モルホリニル)-1-プロパノン、ジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-ホスフィンオキシド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキシド、ビス(エタ5-2,4-シクロペンタジエン-1-イル)、ビス[2,6-ジフルオロ-3-(1H-ピロール-1-イル)フェニル]チタン、4-イソブチルフェニル-4'-メチルフェニルヨードニウム、ヘキサフルオロホスフェート、およびメチルベンゾイルホルメートからなる群から選択される少なくとも一つ以上の化合物を含むことができる。
【0099】
また、前記熱重合開始剤は、その代表的な例として、ベンゾイルペルオキシド(benzoyl peroxide)、アセチルペルオキシド(acetyl peroxide)、ジラウリルペルオキシド(dilauryl peroxide)、ジ-tert-ブチルペルオキシド(di-tert-butyl peroxide)、t-ブチルペルオキシ-2-エチル-ヘキサノエート(t-butyl peroxy-2-ethyl-hexanoate)、クミルヒドロペルオキシド(cumyl hydroperoxide)およびヒドロゲンペルオキシド(hydrogen peroxide)、2,2'-アゾビス(2-シアノブタン)、2,2'-アゾビス(メチルブチロニトリル)、2,2'-アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN;2,2’-Azobis(iso-butyronitrile))および2,2'-アゾビスジメチル-バレロニトリル(AMVN;2,2'-azobisdimethyl-Valeronitrile)からなる群から選択される少なくとも一つ以上の化合物を含むことができる。
【0100】
前記重合開始剤は、二次電池内で、30℃~100℃の熱によって分解されるか、常温(5℃~30℃)でUVのような光(light)によって分解されてラジカルを形成し、フリーラジカル重合によって架橋結合を形成してオリゴマーが重合されるようにすることができる。
【0101】
前記第2オリゴマー化合物は、上述の第1オリゴマー化合物の種類と同一であることができる。前記第1オリゴマー化合物および前記第2オリゴマー化合物は、同一であっても、相違していてもよい。
【0102】
具体的には、前記第2オリゴマー化合物は、ポリエーテル系オリゴマー、ポリカーボネート系オリゴマー、アクリレート系オリゴマー、ポリシロキサン系オリゴマー、ホスファゲン系オリゴマー、ポリエチレン系オリゴマー、ウレタン系オリゴマー、エポキシ系オリゴマー、フッ素系オリゴマー、ポリエチレンオキシド、ポリエステルスルフィド、ポリビニルアルコールおよびポリフッ化ビニリデンからなる群から選択される1種以上、具体的にフッ素系オリゴマー、ポリカーボネート系オリゴマーおよびポリシロキサン系オリゴマーから選択される少なくとも1種を含むことができる。
【0103】
例えば、前記フッ素系オリゴマーは、具体的には、フッ素系単量体由来単位を含むことができる。前記フッ素系オリゴマーは、これに含まれるフッ素系官能基が正極活物質の分解に起因する酸素ラジカルの発生を抑制することで、電池安定性をより向上させることができ、難燃性に優れるという利点がある。より具体的には、前記フッ素系オリゴマーは、テトラフルオロエチレン(TFE)-ビニルアセテートコポリマー、(アリル1,1,2,2-テトラフルオロエチルエーテル)-(2,2,2-トリフルオロエチルアクリレート)コポリマー、テトラフルオロエチレン-(2-ビニル-1,3-ジオキソラン)コポリマー、およびテトラフルオロエチレン-ビニルメタクリレートコポリマーから選択される少なくとも1種を含むことができる。
【0104】
また、前記ポリカーボネート系オリゴマーは、正極と親和性があり、有機電解液と類似する構造であり、イオン伝導度またはイオン解離度に優れるという利点がある。
【0105】
また、前記ポリシロキサン系オリゴマーは、電解液副反応によって発生するガス(HFなど)の捕捉剤(scavenger)として機能することができ、これにより、高温保存特性の改善効果を有することができる。
【0106】
前記第2オリゴマー化合物の重量平均分子量は、1,000g/mol~50,000g/mol、具体的には4,500g/mol~30,000g/molであることができる。
【0107】
前記第2オリゴマー化合物は、前記ゲルポリマー電解質組成物に、1重量%~20重量%、具体的には3重量%~10重量%含まれることができ、前記範囲である時に、二次電池のセル剛性の向上効果が優れて発揮され、ゲルポリマー電解質のイオン伝導性、リチウムイオンの移動性が優れた水準に発揮されることができる。前記有機溶媒は、リチウム塩および第2オリゴマー化合物の溶解または分散目的で用いられることができる。
【0108】
前記有機溶媒は、二次電池に通常使用されるものであり、例えば、エーテル、エステル(アセテート(Acetate)類、プロピオネート(Propionate)類)、アミド、直鎖状カーボネートまたは環状カーボネート、ニトリル(アセトニトリル、SNなど)などをそれぞれ単独でまたは2種以上混合して使用することができる。
【0109】
そのうち、代表的には、環状カーボネート、直鎖状カーボネートまたはこれらの混合物であるカーボネート化合物を含むカーボネート系溶媒を第1溶媒として使用することができる。
【0110】
前記環状カーボネート化合物の具体的な例としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、1,2-ブチレンカーボネート、2,3-ブチレンカーボネート、1,2-ペンチレンカーボネート、2,3-ペンチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、およびこれらのハロゲン化物からなる群から選択される単一化合物または少なくとも2種以上の混合物がある。また、前記直鎖状カーボネート化合物の具体的な例としては、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジプロピルカーボネート(DPC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、メチルプロピルカーボネート(MPC)およびエチルプロピルカーボネート(EPC)からなる群から選択される化合物または少なくとも2種以上の混合物などが代表的に使用されることができるが、これに限定されるものではない。
【0111】
特に、前記カーボネート系溶媒のうち、環状カーボネートであるプロピレンカーボネートおよびエチレンカーボネートは、高粘度の有機溶媒として誘電率が高く、電解液内のリチウム塩をよく解離させることから好ましく使用されることができ、このような環状カーボネートに、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネートまたはジメチルカーボネートのような低粘度、低誘電率の直鎖状カーボネートを適当な比率で混合して使用すると、高い電気伝導率を有する電解液にすることができ、より好ましく使用されることができる。
【0112】
また、前記有機溶媒のうち、エステルとしては、メチルアセテート、エチルアセテート、プロピルアセテート、メチルプロピオネート、エチルプロピオネート、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、γ-カプロラクトン、α-バレロラクトンおよびε-カプロラクトンからなる群から選択される単一化合物または少なくとも2種以上の混合物を使用することができるが、これに限定されるものではない。
【0113】
前記ゲルポリマー電解質組成物の注液によって、前記第1オリゴマー化合物は、前記ゲルポリマー電解質組成物に溶解されることができる。具体的には、前記ゲルポリマー電解質組成物の注液によって、前記電極組立体の組み立てに使用されていた第1オリゴマー化合物は、前記ゲルポリマー電解質組成物に溶解されることができる。以降、後述するように、前記第1オリゴマー化合物は、前記ゲルポリマー電解質組成物の硬化時に重合される。
【0114】
前記第1オリゴマー化合物の溶解は、前記二次電池製造過程において一般的に伴う活性化、デガッシング工程での加圧でよりスムーズに行われることもできる。前記活性化は、初期二次電池において充電過程により電極組立体の極板の表面に固体電解質界面膜(SEI layer、Surface Electrolyte Interface layer)を形成し、電荷を帯びるようにする工程であり、これにより、二次電池が電力を供給するようにするための工程であることができ、例えば、45℃以上、具体的には50℃~70℃で行われることができる。前記デガッシング工程は、前記活性化工程などで発生したガスを外部に排出する工程であり、前記デガッシング工程において治具などによって二次電池を加圧する工程を伴うことができる。前記第1オリゴマー化合物は、このような温度上昇、加圧などによってよりスムーズに溶解または除去されることができる。
【0115】
前記ゲルポリマー電解質組成物200は、電池ケース300に注液され、前記電極組立体100は、前記ゲルポリマー電解質組成物200によって含浸される。前記含浸は、10℃~30℃の温度で0.5時間~72時間行われることができ、好ましくは15℃~30℃の温度で40時間~60時間行われることができる。
【0116】
(4)ゲルポリマー電解質組成物の硬化ステップ
次に、図10に図示されているように、前記ゲルポリマー電解質組成物200は、硬化する。具体的には、前記ゲルポリマー電解質組成物200は、硬化し、ゲルポリマー電解質200aを形成する。
【0117】
前記ゲルポリマー電解質組成物が硬化すると、前記オリゴマー化合物が架橋(crosslink)され硬化し、ゲル(gel)状に固まった電解質(ゲルポリマー電解質)を形成することができる。具体的には、前記ゲルポリマー電解質組成物に含まれた第2オリゴマー化合物および前記ゲルポリマー電解質組成物によって溶解された第1オリゴマー化合物は、前記硬化工程によって互いに架橋、または重合されて、ゲル化した電解質を形成する。
【0118】
前記ゲルポリマー電解質組成物の硬化によって形成されたゲルポリマー電解質は、二次電池のセル剛性を向上させることに役立つことができる。上述のように、本発明によるセパレータは、低含量のバインダーを使用するセラミックコーティング層を含むことで、抵抗の低減に役立つことができる。これにより、前記セパレータおよび前記ゲルポリマー電解質が組み合わされた二次電池は、抵抗低減とセル剛性を同時に改善することができる。
【0119】
ここで、前記ゲルポリマー電解質組成物の硬化は、50℃~100℃の温度で0.5時間~48時間行われることができ、好ましくは60℃~80℃の温度で0.5時間~24時間行われることができる。
【0120】
一方、前記硬化は電池ケース300がシーリングされた状態で行われることができる。例えば、電極組立体100、および前記ゲルポリマー電解質組成物200が収納された電池ケース300をカバーなどでシーリングした後、熱処理することにより、ゲルポリマー電解質組成物が熱硬化することができる。
【0121】
前記硬化またはシーリングおよび硬化の後、当分野において公知の活性化、デガッシング(degassing)、再シーリング工程などがさらに行われることもできる。
【0122】
以下、本発明が属する技術分野において、通常の知識を有する者が容易に実施することができるように、本発明の実施例について詳細に説明する。しかし、本発明は、様々な相違する形態に実現されることができ、ここで説明する実施例に限定されない。
【0123】
実施例および比較例
実施例1
1.セパレータの製造
無機物粒子としてAl(平均粒径(D50):0.5μm)およびアクリル系バインダーを96:4の重量比で溶媒である水に添加してセラミックコーティング層形成用組成物を製造した。前記アクリル系バインダーとして、JSR社製のTRD 202AとAPEC社製のAP-0821の混合物を使用した。
【0124】
ポリエチレン多孔性基材(厚さ:9μm、平均気孔径:0.05μm、気孔度:45体積%)の両面に前記セラミックコーティング層形成用組成物をグラビアコーティングによって塗布し乾燥させることにより、セラミックコーティング層(一つの層の厚さ:1.5μm)を形成し、セパレータ(厚さ:12μm=1.5μm+9μm+1.5μm)を製造した。
【0125】
2.電極組立体の製造
セパレータが巻き取られたセパレータリールを巻き出し、セパレータをテーブル上に載置させた。前記セパレータ上に、第1ノズルを用いて、接着剤を互いに離隔した複数のドット状のパターンで塗布した。前記接着剤としては、第1オリゴマー化合物としてポリカーボネート(重量平均分子量Mw:20,000)を使用した。その後、正極シートが巻き取られた第1電極リールから巻き出した後、第1カッターで切断して正極を製造し、前記正極を第1移送装置で移送させて第1ヘッダーに吸着させた。前記第1ヘッダーを前記テーブル側に移動させて、前記セパレータ上に正極を付着させた。
【0126】
次に、テーブルを側面移動させ、前記セパレータを一側にフォールディングして前記正極をカバーした。
【0127】
次に、前記セパレータ表面(前記セパレータと正極が接する面の反対面)に、第2ノズルを用いて、前記で使用されたものと同じ接着剤を互いに離隔した複数のドット状のパターンで塗布した。
【0128】
次に、負極シートが巻き取られた第2電極リールから巻き出した後、第2カッターで切断して負極を製造し、前記負極を第2移送装置で移送させて第2ヘッダーに吸着させた。前記第2ヘッダーを前記テーブル側に移動させて、前記セパレータ表面(前記セパレータと正極が接する面の反対面)に負極を付着させた。
【0129】
次に、またテーブルを側面移動させて、前記セパレータを他側にフォールディングして前記負極をカバーした。
【0130】
前記工程を数回繰り返し、セパレータ/正極/セパレータ/負極が順に積層された基本単位体が18個積層された電極組立体を製造した。ここで、セパレータは、ジグザグ状にフォールディングされた。
【0131】
ここで、正極の場合、正極活物質としてLi[Ni0.8Co0.1Mn0.1]O、バインダーとしてPVdF、導電材としてカーボンブラックを97.5:1.5:1.0の重量比で溶媒であるN-メチルピロリドン(NMP)に添加して正極スラリーを製造し、正極集電体としてアルミニウム集電体の両面に前記正極スラリーを塗布し、乾燥および圧延して、正極活物質層を形成したものを使用した。
【0132】
また、負極の場合、負極活物質として黒鉛、バインダーとしてスチレン-ブタジエンゴム、導電材としてカーボンブラックおよび増粘剤としてカルボキシメチルセルロース(CMC)を95.5:2.5:1.0:1.0の重量比で溶媒である水に添加して負極スラリーを製造し、負極集電体として銅集電体の両面に前記負極スラリーを塗布し、乾燥および圧延して、負極活物質層を形成したものを使用した。
【0133】
3.ゲルポリマー電解質組成物の製造
ゲルポリマー電解質組成物は、オリゴマーとしてポリカーボネート系オリゴマー(重量平均分子量Mw:20,000)、リチウム塩としてLiPFおよび重合開始剤としてAIBN(Azobisisobutyronitrile)を溶媒に混合して、製造された。
【0134】
前記溶媒は、エチルカーボネート(EC)およびエチルメチルカーボネート(EMC)を3:7の体積比で混合したものであり、前記リチウム塩は、ゲルポリマー電解質組成物に1.0Mの濃度で含まれ、前記オリゴマーは、ゲルポリマー電解質組成物に5重量%含まれ、前記重合開始剤は、前記オリゴマー100重量部に対して0.6重量部でゲルポリマー電解質組成物に含まれた。
【0135】
4.二次電池の製造
電池ケースとしてアルミニウム素材であるパウチ型電池ケースを準備し、電池ケースの収容空間に電極組立体を収納した。
【0136】
次に、ゲルポリマー電解質組成物を前記電極組立体が収納された電池ケース内に注入した。前記ゲルポリマー電解質組成物の注入の後、真空シーリングした。
【0137】
前記ゲルポリマー電解質組成物の注入によって、前記電極組立体に存在する接着剤がゲルポリマー電解質組成物の溶媒により溶解された。
【0138】
次に、前記電池ケース内に注入された前記ゲルポリマー電解質組成物を硬化した。前記硬化は60℃の温度で5時間熱処理して行われた。
【0139】
次に、電池ケースを冷却、密封およびデガッシング(degassing)して、二次電池を製造した。前記二次電池の厚さは0.8cmであった。
【0140】
比較例1
1.セパレータの製造
実施例1で製造されたセパレータと同じものを使用した。
【0141】
2.電極組立体の製造
接着剤としてポリビニリデンフルオライド(PVdF)を使用した以外は、実施例1と同じ方法で電極組立体を製造した。
【0142】
3.ゲルポリマー電解質組成物の製造
実施例1と同じゲルポリマー電解質組成物を製造した。
【0143】
4.二次電池の製造
前記で製造された電極組立体を使用した以外は、実施例1と同じ方法で二次電池を製造した。前記二次電池の厚さは0.8cmであった。
【0144】
比較例2
1.セパレータの製造
無機物粒子としてAl(平均粒径(D50):0.5μm)およびバインダーとしてPVdFを70:30の重量比で溶媒であるアセトンに添加して、セラミックコーティング層形成用組成物を製造した。
【0145】
ポリエチレン多孔性基材(厚さ:9μm、平均気孔径:0.05μm、気孔度:体積%)の両面に前記セラミックコーティング層形成用組成物をグラビアコーティングによって塗布し、乾燥させることにより、セラミックコーティング層(一つの層の厚さ:3μm)を形成して、セパレータ(厚さ:15μm=3μm+9μm+3μm)を製造した。
【0146】
2.電極組立体の製造
前記で製造されたセパレータを複数個準備した。また、実施例1で製造された正極および負極と同じものを複数個準備した。
【0147】
一つのセパレータ上に、接着剤として実施例1で使用された第1オリゴマー化合物を互いに離隔した複数のドット状のパターンで塗布した。前記セパレータ上に正極を接着させた。前記正極上に前記第1オリゴマー化合物を互いに離隔した複数のドット状のパターンで塗布し、他の一つのセパレータを前記正極上に接着させた。次に、前記セパレータ上に、前記第1オリゴマー化合物を互いに離隔した複数のドット状のパターンで塗布し、前記セパレータ上に負極を接着させた。
【0148】
前記工程を繰り返して、セパレータ/正極/セパレータ/負極が順に積層された基本単位体が18個積層された電極組立体を製造した。ここで、前記基本単位体にある2個のセパレータは、別のセパレータであり、実施例1のようにジグザグ状にフォールディングされたものではない。
【0149】
3.ゲルポリマー電解質組成物の製造
実施例1と同じゲルポリマー電解質組成物を製造した。
【0150】
4.二次電池の製造
前記で製造された電極組立体を使用した以外は、実施例1と同じ方法で二次電池を製造した。前記二次電池の厚さは0.8cmであった。
【0151】
実験例
1.抵抗評価
(1)初期の抵抗の測定
実施例1、比較例1、および比較例2の二次電池において、SOC100%で0.33Cレート(C rate)で30秒間放電した時に測定される電圧変化量(ΔV)を用いて計算された初期の抵抗値を下記表1に示した。
【0152】
(2)100サイクル充放電後の抵抗測定
実施例1、比較例1、および比較例2の二次電池において、下記充電および放電条件で、100サイクル充放電を行った。次に、SOC100%で0.33Cレート(C rate)で30秒間放電した時に測定される電圧変化量(ΔV)を用いて計算された100サイクル抵抗値を表1に示した。
【0153】
(3)抵抗増加率の計算
下記式により100サイクル充放電後の抵抗増加率を評価し、下記表1に示した。
【0154】
抵抗増加率(%)=(100サイクルの抵抗-初期の抵抗)/初期の抵抗×100
【0155】
2.寿命性能の評価
前記で製造された実施例1、比較例1および比較例2の二次電池を45℃で、下記の条件で、100サイクル充電および放電し、100サイクルでの容量維持率を評価した。
【0156】
※充電および放電条件
充電:CC/CVモード;0.33C;4.2V、1/20C カットオフ(cut-off)
放電:CCモード;0.33C;2.5V カットオフ(cut-off)
【0157】
前記実験条件で100回目のサイクルに対する放電容量を最初のサイクルに対する放電容量で除した値を容量維持率と定義した。下記表1にその結果を示す。
【0158】
3.セル剛性の測定
3点曲げ(3-point bending)法によって各二次電池の中心部に下方に10mm/分の速度で力を加えて、2mm変位を与えた時の応力値を測定した。ここで、プリロード(Pre-load)は30gfを適用し、実験は常温で行われ、応力値は万能試験機(UTM)で測定された。結果は下記の表1に示した。
【0159】
4.発火温度測定テスト
実施例1、比較例1および比較例2の二次電池をSOC100%で満充電した後、ホットボックス(hot box)に入れ、0.5℃/分の速度で昇温させ、発火が始まる温度を測定し、これを表1に示した。
【0160】
【表1】
【0161】
表1を参照すると、実施例1で製造された二次電池は、低い抵抗および抵抗増加率、高い寿命特性、および優れた熱安定性を有することが分かる。
【0162】
一方、比較例1の二次電池は、実施例1に比べて高い抵抗および抵抗増加率を示している。これは、電極組立体の製造に使用された接着剤として、オリゴマー化合物を使用しなかったことによるものと考えられる。
【0163】
また、比較例2の二次電池は、バインダーが多量含有されたセパレータとゲルポリマー電解質がともに使用されたものである。これにより、比較例2で製造された二次電池は、実施例1の場合に比べて抵抗が非常に高くなっており、寿命特性が非常に低下する。一方、比較例2の場合、熱安定性が非常に低下しているが、これは、セパレータの無機物粒子の含量が相対的に少なく、セパレータの熱収縮、短絡を十分に防止することができていないことによるものと考えられる。
【符号の説明】
【0164】
10 二次電池
100 電極組立体
U 基本単位体
110 第1電極
110a 第1電極の一側端部
120 第2電極
120a 第2電極の一側端部
130 セパレータ
131 多孔性基材
132a、132b セラミックコーティング層
140 塗布された接着剤
200 ゲルポリマー電解質
300 電池ケース
310 カバー
400、500 電極タブ
610 第1電極リール
620 第2電極リール
630 セパレータリール
700 テーブル
810 第1カッター
820 第2カッター
910 第1移送装置
920 第2移送装置
1010 第1ヘッダー
1020 第2ヘッダー
1101 第1電極シート
1201 第2電極シート
1110 第1ノズル
1120 第2ノズル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2024-06-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極およびセパレータが交互に積層されており、前記電極および前記セパレータのうち少なくとも一つの表面に接着剤が塗布されて、前記電極と前記セパレータが互いに接着されている電極組立体を製造するステップと、
前記電極組立体を電池ケースに収容するステップと、
前記電池ケースにゲルポリマー電解質組成物を注液して前記電極組立体に含浸させるステップと、
前記ゲルポリマー電解質組成物を硬化させるステップとを含み、
前記接着剤は、第1オリゴマー化合物を含み、
前記セパレータは、多孔性基材および前記多孔性基材の両面に配置されたセラミックコーティング層を含み、
前記セラミックコーティング層は、92重量%以上100重量%未満の無機物粒子および0重量%超8重量%以下のバインダーを含み、
前記ゲルポリマー電解質組成物は、リチウム塩、有機溶媒、重合開始剤および第2オリゴマー化合物を含む、二次電池の製造方法。
【請求項2】
前記ゲルポリマー電解質組成物の注液によって、前記第1オリゴマー化合物は、前記ゲルポリマー電解質組成物に溶解され、
前記第1オリゴマー化合物は、前記ゲルポリマー電解質組成物の硬化時にともに硬化する、請求項1に記載の二次電池の製造方法。
【請求項3】
前記接着剤は、互いに離隔した複数のパターン状に塗布される、請求項1に記載の二次電池の製造方法。
【請求項4】
前記接着剤の塗布面積は、前記セパレータと前記電極とが接する面の面積に対して0%超1%以下である、請求項1に記載の二次電池の製造方法
【請求項5】
前記セラミックコーティング層は、93重量%~98重量%の無機物粒子および2重量%~7重量%のバインダーを含む、請求項1に記載の二次電池の製造方法。
【請求項6】
前記バインダーは、アクリル系バインダーを含む、請求項1に記載の二次電池の製造方法。
【請求項7】
前記アクリル系バインダーは、エチルヘキシルアクリレートおよびメチルメタクリレートの共重合体;ポリメチルメタクリレート;ポリエチルヘキシルアクリレート;ポリブチルアクリレート;ポリアクリロニトリル;ならびにブチルアクリレートおよびメチルメタクリレートの共重合体からなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項6に記載の二次電池の製造方法。
【請求項8】
前記セラミックコーティング層の厚さは、0.1μm~10μmである、請求項1に記載の二次電池の製造方法。
【請求項9】
前記セパレータの厚さは、1μm~20μmである、請求項1に記載の二次電池の製造方法。
【請求項10】
前記第1オリゴマー化合物および前記第2オリゴマー化合物は、互いに独立して、フッ素系オリゴマー、ポリカーボネート系オリゴマーおよびポリシロキサン系オリゴマーからなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の二次電池の製造方法
【請求項11】
前記電極は、第1電極および第2電極を含み、
前記電極組立体は、下記ステップ(a)~(f)を含む方法により製造される、請求項1に記載の二次電池の製造方法、
(a)前記セパレータおよび前記第1電極のうち少なくとも一部に前記接着剤を塗布するステップ;
(b)前記塗布された接着剤により前記セパレータと前記第1電極を接着させるステップ;
(c)前記セパレータの一側をフォールディングして前記第1電極をカバーするステップ;
(d)前記セパレータおよび前記第2電極のうち少なくとも一部に前記接着剤を塗布するステップ;
(e)前記塗布された接着剤により前記セパレータと前記第2電極を接着させるステップ;および
(f)前記セパレータの他側をフォールディングして前記第2電極をカバーするステップ。
【国際調査報告】