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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-22
(54)【発明の名称】二次電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/533 20210101AFI20250115BHJP
   H01M 50/557 20210101ALI20250115BHJP
   H01M 50/54 20210101ALI20250115BHJP
   H01M 50/536 20210101ALI20250115BHJP
   H01M 50/178 20210101ALI20250115BHJP
【FI】
H01M50/533
H01M50/557
H01M50/54
H01M50/536
H01M50/178
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024540769
(86)(22)【出願日】2023-01-10
(85)【翻訳文提出日】2024-07-04
(86)【国際出願番号】 KR2023000450
(87)【国際公開番号】W WO2023132739
(87)【国際公開日】2023-07-13
(31)【優先権主張番号】10-2022-0003644
(32)【優先日】2022-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2023-0002807
(32)【優先日】2023-01-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ソン・チョル・ファン
(72)【発明者】
【氏名】スン・ウォン・イ
(72)【発明者】
【氏名】サン・ミン・ペク
【テーマコード(参考)】
5H011
5H043
【Fターム(参考)】
5H011AA09
5H011KK01
5H043AA19
5H043CA08
5H043HA11E
5H043LA02E
5H043LA03E
5H043LA21E
(57)【要約】
本発明は、二次電池に関し、より詳細には、電極組立体と電気的に連結される電極リードを含む二次電池に関する。
本発明は、電極組立体が収納されるパウチと、前記電極組立体と電気的に連結され、前記パウチの内部から外部に向かって突出形成される電極リードとを含み、前記電極リードは、前記パウチの内部に位置したコーナーのうち少なくとも一つが曲率半径を有する二次電池を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極組立体が収納されるパウチと、
前記電極組立体と電気的に連結され、前記パウチの内部から外部に向かって突出形成される電極リードとを含み、
前記電極リードは、前記パウチの内部に位置したコーナーのうち少なくとも一つが曲率半径を有している、二次電池。
【請求項2】
前記電極リードの幅方向に対する前記コーナーの幅をRx、前記電極リードの幅をWとしたときに、1/50≦Rx/W≦1/20の条件式を満たす、請求項1に記載の二次電池。
【請求項3】
前記電極リードの長さ方向に対する前記コーナーの幅をRy、前記電極リードの長さをLとしたときに、1/45≦Ry/L≦1/20の条件式を満たす、請求項1に記載の二次電池。
【請求項4】
前記電極リードの幅方向に対する前記コーナーの幅をRx、前記コーナーの曲率半径をRとしたときに、Rx≦Rの条件式を満たす、請求項1に記載の二次電池。
【請求項5】
前記電極リードの長さ方向に対する前記コーナーの幅をRy、前記コーナーの曲率半径をRとしたときに、Ry≦Rの条件式を満たす、請求項1に記載の二次電池。
【請求項6】
前記電極リードの幅方向に対する前記コーナーの幅をRx、前記電極リードの長さ方向に対する前記コーナーの幅をRyとしたときに、1/2≦Rx/Ry≦2の条件式を満たす、請求項1に記載の二次電池。
【請求項7】
前記曲率半径をRとしたときに、2mm≦R≦5mmの条件式を満たす、請求項1に記載の二次電池。
【請求項8】
前記電極リードの幅方向に対する前記コーナーの幅をRxとしたときに、1mm≦Rx≦2mmの条件式を満たす、請求項1に記載の二次電池。
【請求項9】
前記電極リードの長さ方向に対する前記コーナーの幅をRyとしたときに、1mm≦Ry≦2mmの条件式を満たす、請求項1に記載の二次電池。
【請求項10】
前記曲率半径を有する曲率円の中心は、前記電極リード上に位置する、請求項1に記載の二次電池。
【請求項11】
前記電極組立体の電極から突出し、前記電極リードに溶接結合する複数の電極タブをさらに含む、請求項1に記載の二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2022年1月10日付けの韓国特許出願第10-2022-0003644号および2023年1月9日付けの韓国特許出願第10-2023-0002807号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願に開示されている全ての内容は、本明細書の一部として組み込まれる。
【0002】
本発明は、二次電池に関し、より詳細には、パウチに収納される電極組立体と電気的に連結される電極リードを含む二次電池に関する。
【背景技術】
【0003】
最近、モバイル機器に関する技術の開発と需要の増加に伴い、エネルギー源としての充電および放電が可能な二次電池の需要が急激に増加しており、それによって、様々なニーズに応えることができる二次電池に関する多くの研究がなされている。
【0004】
また、二次電池は、化石燃料を使用する既存のガソリン車、ディーゼル車などの大気汚染などの問題を解決するための方法として提示されている電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、プラグ-インハイブリッド電気自動車(Plug-In HEV)などの動力源としても注目されている。
【0005】
このような二次電池のうち、高いエネルギー密度と放電電圧のリチウム二次電池について多くの研究が行われ、前記リチウム二次電池は、商用化して広く使用されている。リチウム二次電池は、様々な構造を有することができるが、代表的には、薄い厚さからなっており、積層配列が容易であり、形状を一部変形することができるパウチ型二次電池に対する需要が高い。
【0006】
パウチ型二次電池は、電極組立体の収納が可能なパウチ型のラミネートシートに電極組立体と電解液が内蔵された構造からなっている。このようなラミネートシートを狭い意味で「パウチ」と称することもある。前記パウチは、金属層および樹脂層を含んでおり、前記樹脂層は、熱による融着が可能なことを特徴とする。
【0007】
パウチ型二次電池は、特に、電極組立体が外部に露出しないように、パウチが電極組立体を包む構造からなっている。ここで、パウチ型二次電池は、図1に図示されているように、電極組立体(図示せず)と電気的に連結された電極リード2がパウチ1の外側に突出した状態でパウチ1の外周が密封された構造からなっている。
【0008】
一方、上述の電極リード2は、上述のパウチ型二次電池が二次電池モジュールを構成する場合、二次電池モジュールにセンシングのために備えられるバスバー(busbar)などにベンディング(bending)されて結合することができる。
【0009】
ここで、前記電極リード2は、通常、コーナーが角を有する形状を有することから(図1参照)、電極リード2がベンディングされる場合(図2a~図2b参照)、電極リード2のコーナーとパウチ1とが接する領域(図2bのA領域)でクラックなどの損傷が発生する問題があった。
【0010】
この場合、パウチ1の樹脂層が簡単に損傷してしまい、パウチ1内部の金属層と電極リード2が接触する可能性が非常に高くなり、このような接触が発生した時に通電されて絶縁抵抗不良が発生することがあり、さらには、腐食の発生によってパウチ1内部に水分が浸透し、二次電池の品質に深刻な問題を引き起こす可能性があり、これを解決するための技術が求められる状況である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上記のような問題を解決するために導き出されたものであり、本発明の課題は、パウチ損傷を防止する電極リードを含む二次電池を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、電極組立体が収納されるパウチと、前記電極組立体と電気的に連結され、前記パウチの内部から外部に向かって突出形成される電極リードとを含み、前記電極リードは、前記パウチの内部に位置したコーナーのうち少なくとも一つが曲率半径を有している二次電池を提供する。
【0013】
前記電極リードの幅方向に対する前記コーナーの幅をRx、前記電極リードの幅をWとしたときに、1/50≦Rx/W≦1/20の条件式を満たすことができる。
【0014】
前記電極リードの長さ方向に対する前記コーナーの幅をRy、前記電極リードの長さをLとしたときに、1/45≦Ry/L≦1/20の条件式を満たすことができる。
【0015】
前記電極リードの幅方向に対する前記コーナーの幅をRx、前記コーナーの曲率半径をRとしたときに、Rx≦Rの条件式を満たすことができる。
【0016】
前記電極リードの長さ方向に対する前記コーナーの幅をRy、前記コーナーの曲率半径をRとしたときに、Ry≦Rの条件式を満たすことができる。
【0017】
前記電極リードの幅方向に対する前記コーナーの幅をRx、前記電極リードの長さ方向に対する前記コーナーの幅をRyとしたときに、1/2≦Rx/Ry≦2の条件式を満たすことができる。
【0018】
前記曲率半径をRとしたときに、2mm≦R≦5mmの条件式を満たすことができる。
【0019】
前記電極リードの幅方向に対する前記コーナーの幅をRxとしたときに、1mm≦Rx≦2mmの条件式を満たすことができる。
【0020】
前記電極リードの長さ方向に対する前記コーナーの幅をRyとしたときに、1mm≦Ry≦2mmの条件式を満たすことができる。
【0021】
前記曲率半径を有する曲率円の中心は、前記電極リード上に位置することができる。
【0022】
本発明による二次電池は、前記電極組立体の電極から突出し、前記電極リードに溶接結合する複数の電極タブをさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明はパウチの内部に位置したコーナーのうち少なくとも一つが所定の曲率半径を有する電極リードを含む二次電池を提供することでパウチ損傷を防止することにより、二次電池の絶縁抵抗不良を改善し、耐久性を向上させることができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】従来の電極リードの形状を有する二次電池を正面から見た様子を示す正面図である。
図2】(a)は、図1の二次電池を側面から見た様子を示す側面図として、電極リードのベンディング前の様子を示す側面図であり、(b)は、図1の二次電池を側面から見た様子を示す側面図として、電極リードのベンディング後の様子を示す側面図である。
図3】本発明の実施形態1による電極リードの形状を有する二次電池を正面から見た様子を示す正面図である。
図4図3の二次電池の電極リードを拡大して正面から見た様子を示す正面図である。
図5】電極リードが実験される様子の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付の図面を参照して、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施することができるように、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。しかし、本発明は、様々な相違する形態に実現されることができ、以下の実施形態によって制限されるか限定されるものではない。
【0026】
本発明を明確に説明するために説明と関係のない部分または本発明の要旨を不明瞭にし得る関連の公知技術に関する詳細な説明は省略しており、本明細書において各図面の構成要素に参照符号を付けるにあたり、明細書の全体にわたり同一または類似の構成要素に対しては、同一または類似の参照符号を付ける。
【0027】
また、本明細書および特許請求の範囲において使用されている用語や単語は、通常的もしくは辞書的な意味に限定して解釈してはならず、発明者らは、自己の発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適宜定義することができるという原則に則って、本発明の技術的思想に合致する意味と概念で解釈すべきである。
【0028】
本発明は、電極組立体(図示せず)が収納されるパウチ11と、前記電極組立体と電気的に連結され、前記パウチ11の内部から外部に向かって突出形成される電極リード12とを含み、前記電極リード12は、前記パウチ11の内部に位置したコーナーのうち少なくとも一つが所定の曲率半径を有する二次電池10を提供する。
【0029】
先ず、パウチ11は、電極組立体が収納される構成として、様々な構成が可能である。
【0030】
具体的には、前記パウチ11には、電極組立体が収納されることができ、前記電極組立体が収納された周辺領域がシーリング(sealing)されることで、電極組立体を外部から物理的、化学的に保護することができる。
【0031】
上述のパウチ11に収納される電極組立体は、電極(図示せず)およびセパレータ(図示せず)を含むことができる。具体的には、前記電極組立体は、正極および負極の電極と前記電極の間に介在されるセパレータとを含むことができる。ここで、正極は電極集電体に正極活物質が塗布されて形成され、負極は、電極集電体に負極活物質が塗布されて形成されることができる。
【0032】
このような電極組立体の電極には、後述する電極リード12に結合する電極タブ(図示せず)が突出形成されることができる。
【0033】
具体的には、電極タブは、電極活物質がコーティングされる前に、電極集電体上に切り欠き(notching)工程により形成されるか、電極活物質コーティングの後に、電極集電体のある一箇所に付着されることで、電極と連結されて、前記電極から突出形成されることができる。
【0034】
このような電極タブは、後述する電極リード12に様々に結合することができる。例えば、前記電極タブは、前記電極リード12に溶接結合することができ、そのような溶接は、超音波溶接、レーザ溶接、抵抗溶接などによって行われることができる。
【0035】
一方、前記電極リード12は、前記電極組立体と電気的に連結され、前記パウチ11の内部から外部に向かって突出形成される構成として、様々な構成が可能である。
【0036】
具体的には、前記電極リード12は、一端が電極に形成される電極タブと連結されて、他端が前記パウチ11の外部に突出形成されることで、他の二次電池10の電極リード12や外部装置(例えば、busbar)と連結されることができる。これにより、前記電極リード12は、パウチ11の内部に収納される電極組立体をパウチ11の外部の他の二次電池や外部装置と電気的に連結することができる。
【0037】
ここで、前記電極リード12は、上述のように、前記電極タブと溶接結合で連結されることができる。この場合、前記電極リード12上で前記電極タブと溶接が行われる領域は、溶接領域と定義することができる。
【0038】
このような電極リード12は、様々な形状を有することができる。
【0039】
ここで、前記電極リード12は、パウチ11内部の損傷を防止するために、前記パウチ11の内部に位置したコーナーのうち少なくとも一つが所定の曲率半径を有するように設けられることができる。ここで、前記曲率半径を有する曲率円の中心は、前記電極リード12上に位置することができる。
【0040】
より詳細には、前記電極リード12は、図3に図示されているように、前記パウチ11の内部に位置し、上述の電極タブと連結される端部のコーナーが所定の曲率半径で曲面処理された構造を有することができ、これにより、コーナーにおける鋭い隅や角、またはバリ(burr)などに集中する応力を最小化することで、パウチ11の損傷を防止することができる。ここで、図3において、電極リード12および後述する電極リードフィルム12’のうちパウチ11の外部に位置する部分は実線で、パウチ11の内部に位置する部分は点線で表された。
【0041】
一方、前記電極リード12のコーナーを曲面処理するにあたり、前記コーナーの曲面処理が過剰であるか、前記コーナーの曲面処理が足りない場合、二次電池10の品質信頼性に影響を及ぼし得る。
【0042】
すなわち、コーナーの曲面処理が過剰に行われる場合、電極タブと電極リード12との間の溶接領域の面積が十分に確保されないため、電極タブおよび電極リード12の結合不良が発生し得る問題があり、コーナーの曲面処理が足りない場合、コーナーに応力の集中する領域が依然として残っており、パウチ11に損傷を発生させ得る問題がある。
【0043】
したがって、本発明は、電極タブと電極リード12との間の溶接領域を十分に確保し、且つコーナーに応力が集中する問題を解決することができるように、前記曲面処理されたコーナーの幅Rx、Ryを曲率半径R、電極リード12の幅Wおよび電極リード12の長さLに対する比率で具体的に限定したので、以下でより詳細に説明する。
【0044】
前記コーナーの幅は、前記電極リード12の幅方向に対するコーナーの幅および前記電極リード12の長さ方向に対するコーナーの幅を含むことができる。
【0045】
ここで、前記電極リード12の幅方向に対する前記コーナーの幅は、前記電極リード12の幅方向(図4基準x方向)に対応する前記コーナーの水平方向の幅であり、前記電極リード12の長さ方向に対する前記コーナーの幅は、前記電極リード12の長さ方向(図4基準y方向)に対応する前記コーナーの水平方向の幅として理解することができる。
【0046】
先ず、前記電極リード12の幅方向に対する前記コーナーの幅は、電極リード12の幅となす比が特定の数値範囲内に限定されることができる。
【0047】
具体的には、ある数値範囲を満たすか否かを確認するために、損傷実験が行われることができる。
【0048】
例えば、図5を参照すると、パウチ11aに付着された電極リード12aを繰り返し曲げる実験が行われることができる。具体的には、パウチ11aと曲率半径Rが互いに相違する複数個の電極リード12aが準備されることができる。曲率半径Rが互いに相違する複数個の電極リード12aがパウチ11aの下面に対して90度になるように繰り返して曲げられ、曲げられた電極リード12aによって、パウチ11aに接する領域が繰り返しダメージを受ける可能性がある。
【0049】
次に、損傷を受けたパウチは、硫酸銅(CuSO)20%の割合の水溶液に入れられ、6Vの電圧を加える電源がパウチおよび水溶液と電気的に接続することができる。換言すると、電源の(+)極は水溶液と、電源の(-)極はパウチと電気的に接続することができる。
【0050】
電源は、損傷を受けたパウチおよび硫酸銅水溶液を30分~60分間通電させた後、銅(Cu)の析出によってアルミニウム(Al)の露出部分を確認することができる。すなわち、曲率半径Rが相違する電極リード12aごとに、パウチ11aを損傷させて、アルミニウム層をどれ位露出させるかを確認することができる。換言すると、銅が析出される場合、パウチ11aのアルミニウム層が露出したことになるため、これにより、パウチ11aの損傷程度を確認することができる。
【0051】
上記のような実験によると、前記電極リード12の幅方向に対する前記コーナーの幅をRx、前記電極リード12の幅をWとしたときに、前記RxおよびWは1/50≦Rx/W≦1/20の条件式を満たすように限定されることができる。
【0052】
これは、Rx/Wが1/50未満である場合、電極リード12のコーナーの曲面処理が足りず、応力が集中する領域が依然として残っていることがある。すなわち、実験過程で、Rx/Wが1/50未満である場合、銅が析出されてアルミニウム層が露出したことを確認することができる。一方、Rx/Wが1/20を超える場合、電極リード12のコーナーの曲面処理が過剰であり、前記溶接領域の面積が十分に確保されることができないため、電極タブと電極リード12との溶接強度の低下の問題が発生し得る。これを考慮すると、電極リード12の幅Wが40mm≦W≦50mmの場合、前記電極リード12の幅方向に対する前記コーナーの幅(Rx)は、1mm≦Rx≦2mmに限定されるか、より好ましくは1.1mm≦Rx≦1.9mmに限定されることができる。この場合、前記Rxは、1.5mmに設定されることが好ましい。
【0053】
また、前記電極リード12の幅方向に対する前記コーナーの幅をRx、前記曲率半径をRとしたときに、前記RxおよびRは、Rx≦Rの条件式を満たすように限定されることができる。これは、RxがRより大きい場合(Rx>R)、コーナーの曲面処理のために電極リード12上から削除される領域が過剰であり、電極タブと電極リード12との結合のための溶接領域まで削除され得るため、溶接面積が減少し、電極タブと電極リード12との溶接強度が低下し得る。
【0054】
一方、前記電極リード12の長さ方向に対する前記コーナーの幅は、電極リード12の長さとなす比を特定の数値範囲内に限定することができる。
【0055】
具体的には、前記電極リード12の長さ方向に対する前記コーナーの幅をRy、前記電極リード12の長さをLとしたときに、前記RyおよびLは、1/45≦Ry/L≦1/20の条件式を満たすように限定されることができる。
【0056】
これは、Ry/Lが1/45未満である場合、電極リード12のコーナーに曲面処理が足りず、応力が集中する領域が依然として残っていることがある。同様に、Ry/Lが1/45未満である場合、上記の実験で銅が析出されてアルミニウム層が露出したことを確認することができる。一方、Ry/Lが1/20を超える場合、電極リード12のコーナーの曲面処理が過剰であり、前記溶接領域の面積が十分に確保されることができないため、電極タブと電極リード12との溶接強度の低下の問題が発生し得る。
【0057】
これを考慮すると、前記電極リード12の長さLが40mm≦L≦45mmである場合、前記電極リード12の長さ方向に対する前記コーナーの幅Ryは、1mm≦Ry≦2mmに限定されるか、より好ましくは1.1mm≦Ry≦1.9mmに限定されることができる。この場合、前記Ryは、1.5mmに設定されることが好ましい。
【0058】
また、前記電極リード12の長さ方向に対する前記コーナーの幅をRy、前記曲率半径をRとしたときに、前記RyおよびRは、Ry≦Rの条件式を満たすことができる。これはRyがRより大きい場合(Ry>R)、コーナーの曲面処理のために電極リード12上から削除される領域が過剰であり、前記溶接領域まで削除され得るため、溶接面積が減少し、溶接強度が低下し得る。
【0059】
一方、上述の電極リード12の幅方向に対する前記コーナーの幅および前記電極リード12の長さ方向に対する前記コーナーの幅は、互いに様々な比を有するように形成されることができる。
【0060】
例えば、前記電極リード12の幅方向に対する前記コーナーの幅をRx、前記電極リード12の長さ方向に対する前記コーナーの幅をRyとしたときに、前記RxおよびRyは、1/2≦Rx/Ry≦2の条件式を満たすように限定されることができる。これは、Rx/Ryが1/2未満であるか、Rx/Ryが2を超える場合、前記電極リード12のコーナーの曲面処理される部分が非対称に形成されて、溶接領域を確保し難い問題が発生し得る。
【0061】
これを考慮すると、前記電極リード12の幅方向に対する前記コーナーの幅Rxが1mm≦Rx≦2mmである場合、前記Ryは、1mm≦R≦2mmに限定されることができる。この場合、前記Rxおよび前記Ryは、それぞれ、1.5mmに設定されることができる。
【0062】
一方、上述の曲率半径は、様々な値に設定されることができる。
【0063】
ここで、前記曲率半径はまた、前記コーナーが曲面処理されるときに前記電極リード12の溶接領域と曲面処理される部分との間の干渉を防止して、溶接強度を確保することができる範囲内に設定されることが好ましい。
【0064】
これを考慮すると、前記電極リード12の幅方向に対する前記コーナーの幅Rxおよび前記電極リード12の長さ方向に対する前記コーナーの幅Ryがそれぞれ1mm~2mmに限定される場合、前記曲率半径をRとすると、前記Rは、2mm≦R≦5mmの条件式を満たすように設定されることができる。より好ましくは、前記Rは3mmに設定されることができる。
【0065】
換言すると、Rが2mm未満である場合、上記の実験で銅が析出されてアルミニウム層が露出することからパウチが損傷したことを確認することができる。一方、Rが5mm超の場合、電極リード12のコーナーの曲面処理が過剰であり、溶接面積が十分に確保されることができないため、電極タブと電極リード12との溶接強度が弱くなって、結合不良の問題が発生し得る。
【0066】
一方、このような電極リード12のコーナーは、様々な方法で曲面処理されることができる。例えば、前記電極リード12のコーナーは、レーザなどで面取り(chamfer)加工されることで、曲面処理されることができる。
【0067】
また、上述の電極リード12は、パウチ11の少なくとも一端部から外部に向かって突出形成されることができる。一例として、前記電極リード12は、パウチ11の一端部から一方向に突出形成されることができる。他の例として、前記電極リード12は、パウチ11の両端部から互いに反対方向に向かって突出形成されてもよい。
【0068】
また、前記電極リード12は、少なくとも一面には、パウチ11の密封性を高め、電気的絶縁状態を十分に確保するために、絶縁材質の電極リードフィルム12’がさらに付着されることができる。
【0069】
また、電極リード12の材質は、電気伝導性がある材料であれば、特に制限なく使用可能である。例えば、前記電極リード12の材質は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、炭素(C)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)のうち少なくともいずれか一つを含むことができる。ただし、電極リード12は、上述の材質に限定されるものではなく、機械的強度、柔軟性および加工性などを考慮して、様々に選択されることができる。
【0070】
以上、本発明は、限定された実施形態と図面によって説明されているものの、本発明はこれによって限定されず、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者によって、本発明の技術思想と以下に記載する特許請求の範囲の均等範囲内で様々な実施が可能である。
【符号の説明】
【0071】
10 二次電池
11 パウチ
12 電極リード
12’ 電極リードフィルム
Rx 電極リードの幅方向に対するコーナーの幅
Ry 電極リードの長さ方向に対するコーナーの幅
W 電極リードの幅
L 電極リードの長さ
R 曲率半径
図1
図2(a)】
図2(b)】
図3
図4
図5
【国際調査報告】