(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-22
(54)【発明の名称】ポリマー粒子搬送用装置
(51)【国際特許分類】
B65G 53/60 20060101AFI20250115BHJP
【FI】
B65G53/60
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024541162
(86)(22)【出願日】2023-01-09
(85)【翻訳文提出日】2024-08-23
(86)【国際出願番号】 EP2023050305
(87)【国際公開番号】W WO2023131704
(87)【国際公開日】2023-07-13
(32)【優先日】2022-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523408189
【氏名又は名称】フォックス ヴェルション ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】弁理士法人牛木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ルヒト,ミリアム マルティナ
(72)【発明者】
【氏名】フェッタア,ヨルク
【テーマコード(参考)】
3F047
【Fターム(参考)】
3F047AA11
3F047BA08
3F047DB03
(57)【要約】
ポリマー粒子、特に発泡ポリマー粒子を第1の位置(L1)から第2の位置(L2)に搬送するための装置(1)であって、装置(1)は、
・特に加圧された流体中にポリマー粒子を含む、加圧された粒子搬送流体流を生成するための加圧ユニット(2)であって、加圧された粒子搬送流体流は、第1の圧力レベルを有する、加圧ユニット(2)と、
・加圧された粒子搬送流体流を第1の圧力レベルから減圧して第2の圧力レベルを有する減圧された粒子搬送流体流を生成するための減圧ユニット(3)
を備え、
減圧ユニット(3)は、加圧された粒子搬送流体流を受け入れるための第1のチャンバ(6)と、第1のチャンバ(6)を取り囲む第2のチャンバ(7)を備え、第1のチャンバ(6)は第1の壁構造(6.1)によって区切られ、第2のチャンバ(7)は第2の壁構造(7.1)によって区切られ、
第1の壁構造(6.1)は、第1のチャンバ(6)の内部容積を第2のチャンバ(7)の内部容積に接続する少なくとも1つの第1の開口部(6.1.1)を備え、第2の壁構造(7.1)は、第2のチャンバ(7)の内部容積を少なくとも1つの減衰装置(8)に接続することができるか接続する少なくとも1つの第2の開口部(7.1.1)を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマー粒子、特に発泡ポリマー粒子を第1の位置(L1)から第2の位置(L2)に搬送するための装置(1)であって、装置(1)は、
・特に加圧された流体中にポリマー粒子を含む、加圧された粒子搬送流体流を生成するための加圧ユニット(2)であって、加圧された粒子搬送流体流は、第1の圧力レベルを有する、加圧ユニット(2)と、
・加圧された粒子搬送流体流を第1の圧力レベルから減圧して第2の圧力レベルを有する減圧された粒子搬送流体流を生成するための減圧ユニット(3)
を備え、
減圧ユニット(3)は、加圧された粒子搬送流体流を受け入れるための第1のチャンバ(6)と、第1のチャンバ(6)を取り囲む第2のチャンバ(7)を備え、第1のチャンバ(6)は第1の壁構造(6.1)によって区切られ、第2のチャンバ(7)は第2の壁構造(7.1)によって区切られ、
第1の壁構造(6.1)は、第1のチャンバ(6)の内部容積を第2のチャンバ(7)の内部容積に接続する少なくとも1つの第1の開口部(6.1.1)を備え、第2の壁構造(7.1)は、第2のチャンバ(7)の内部容積を少なくとも1つの減衰装置(8)に接続することができるか接続する少なくとも1つの第2の開口部(7.1.1)を備える、装置。
【請求項2】
減圧ユニット(3)は、減圧ユニット(3)による加圧された粒子搬送流体流の減圧によって発生する騒音を減衰するための少なくとも1つの減衰装置(8)をさらに備え、少なくとも1つの減衰装置(8)は、騒音減衰構造(8.3)を含むハウジング(8.1)を任意に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
第1のチャンバ(6)は、加圧された粒子搬送流体流の少なくとも1つの入口開口部(6.3)と、減圧された粒子搬送流体流の少なくとも1つの出口開口部(6.4)を備え、
少なくとも1つの入口開口部(6.3)を介して第1のチャンバ(6)に入る加圧された粒子搬送流体流の量を制御するための少なくとも1つの入口制御装置(6.5)が少なくとも1つの入口開口部(6.3)に割り当てられ、少なくとも1つの出口開口部(6.4)を介して第1のチャンバ(6)を出る減圧された粒子搬送流体流の量および/または減圧されたポリマー粒子の量を制御するための少なくとも1つの出口制御装置(6.6)が少なくとも1つの出口開口部(6.4)に割り当てられる、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
入口制御装置(6.5)は、少なくとも1つのバルブ装置として構築されるか、または少なくとも1つのバルブ装置を備え、および/または出口制御装置(6.6)は、少なくとも1つのバルブ装置として構築されるか、または少なくとも1つのバルブ装置を備える、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
少なくとも1つの入口制御装置(6.5)および/または少なくとも1つの出口制御装置(6.6)の動作を制御するための制御装置(13)をさらに備える、請求項3または4に記載の装置。
【請求項6】
第1のチャンバ(6)を区切る第1の壁構造(6.1)は、メッシュ構造またはスクリーン構造を形成する複数の第1の開口部(6.1.1)を備える、請求項1~5のいずれかに記載の装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つの第1の開口部(6.1.1)は、粒子搬送流体流が第1のチャンバ(6)から少なくとも1つの開口部に入る入口部分から、粒子搬送流体流が少なくとも1つの開口部から第2のチャンバ(7)に出る出口部分までの間で、さまざまな寸法、特にさまざまな断面を有する、請求項1~6のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
第1のチャンバ(6)を区切る第1の壁構造(6.1)は、ワイヤラップメッシュまたはワイヤラップスクリーンから構築されるか、またはワイヤラップメッシュまたはワイヤラップスクリーンを備える、請求項1~7のいずれかに記載の装置。
【請求項9】
減圧ユニット(3)は、減圧ユニット(3)の周方向および/または長手方向の延長部に対して異なる位置に配置された複数の減衰装置(8)を備える、請求項1~8のいずれかに記載の装置。
【請求項10】
減圧ユニット(3)は、相互に定義された空間関係で配置され、特に、減圧ユニットの共通の長手方向の位置であるが異なる周方向の位置に配置された、少なくとも2つの減衰装置(8)からなる少なくとも1つのグループを備える、請求項1~9のいずれかに記載の装置。
【請求項11】
残留ポリマー粒子から減圧ユニット(3)を洗浄するための加圧された洗浄流体流を生成する洗浄流体流生成ユニットをさらに備える、請求項1~10のいずれかに記載の装置。
【請求項12】
第1のチャンバ(6)および/または第2のチャンバ(7)は、少なくとも1つのダクト要素またはパイプ要素から構築されるか、少なくとも1つのダクト要素またはパイプ要素を含む、請求項1~11のいずれかに記載の装置。
【請求項13】
請求項1~12のいずれかに記載の装置(1)のための減圧ユニット(3)であって、減圧ユニット(3)は、
加圧された粒子搬送流体流を受け入れるための第1のチャンバ(6)と、第1のチャンバ(6)を取り囲む第2のチャンバ(7)を備え、第1のチャンバ(6)は第1の壁構造(6.1)によって区切られ、第2のチャンバ(7)は第2の壁構造(7.1)によって区切られ、
第1の壁構造は、第1のチャンバ(6)の内部容積を第2のチャンバ(7)の内部容積に接続する少なくとも1つの第1の開口部(6.1.1)を備え、第2の壁構造(7.1)は、第2のチャンバ(7)の内部容積を少なくとも1つの減衰装置(8)に接続する少なくとも1つの第2の開口部(7.1)を備える、減圧ユニット。
【請求項14】
ポリマー粒子を処理するためのシステム(10)、特にポリマー粒子の後処理のためのシステムであって、このシステムは、
少なくとも1つの処理装置(12)を介して処理されるポリマー粒子を保管するための少なくとも1つの保管装置(11)、
ポリマー粒子を処理するための少なくとも1つの処理装置(12)、および
ポリマー粒子を少なくとも1つの保管装置(11)から少なくとも1つの処理装置(12)に搬送するための請求項1~12のいずれかに記載の少なくとも1つの装置(1)
を備える、システム。
【請求項15】
ポリマー粒子を第1の位置(L1)から第2の位置(L2)に搬送するための方法であって、この方法は、
・加圧ユニット(2)を介して、特に加圧された流体中にポリマー粒子を含む粒子搬送流体流を生成し、加圧された粒子搬送流体流が第1の圧力レベルを有するステップと、
・減圧ユニット(3)を介して、加圧された粒子搬送流体流を第1の圧力レベルから減圧して、第2の圧力レベルを有する減圧された粒子搬送流体流を生成するステップ
を含み、
この方法は、加圧された粒子搬送流体流を受け入れるための第1のチャンバ(6)と、第1のチャンバ(6)を取り囲む第2のチャンバ(7)を備えた減圧ユニット(3)を使用して行なわれ、第1のチャンバ(6)は第1の壁構造(6.1)によって区切られ、第2のチャンバ(7)は第2の壁構造(7.1)によって区切られ、
第1の壁構造(6.1)は、第1のチャンバ(6)の内部容積を第2のチャンバ(7)の内部容積に接続する少なくとも1つの第1の開口部(6.1.1)を備え、第2の壁構造(7.1)は、第2のチャンバ(7)の内部容積を少なくとも1つの減衰装置(8)に接続することができるか接続する少なくとも1つの第2の開口部(7.1.1)を備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリマー粒子、特に気泡状または発泡状のポリマー粒子を第1の位置から第2の位置まで搬送するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリマー粒子を搬送するためのそれぞれの装置は、ポリマー処理の分野から一般的に知られており、一般的には、ポリマー粒子を第1の位置から第2の位置へ搬送することを可能にする。例示的な第1の位置は、例えばポリマー粒子製造位置などの第1のポリマー処理位置である場合があり、例示的な第2の場所は、例えばポリマー粒子試験位置、ポリマー粒子梱包位置、またはポリマー部品製造位置などの第2のポリマー処理位置である場合がある。
【0003】
これまで、ポリマー粒子の搬送は、加圧されたガス流などの加圧流体流でポリマー粒子を搬送することを含むことが一般的である。このため、粒子は通常、加圧流体流で搬送され、したがって、それぞれの第1の位置からそれぞれの第2の位置まで搬送された後、第2の位置で減圧または除圧される必要がある。
【0004】
しかし、減圧は難題であり、先行技術から知られている原理は、ポリマー粒子の減圧または除圧に関して技術的に未熟であることが多いため、それぞれのポリマー粒子の減圧または除圧の原理を改善する必要がある。
【発明の概要】
【0005】
したがって、本発明の目的は、加圧流体内に含まれるポリマー粒子の減圧または除圧を改善することのできる、ポリマー粒子を第1の位置から第2の位置へ搬送するための装置を提供することである。
【0006】
本発明の第1の態様は、ポリマー粒子、特に気泡状または発泡状のポリマー粒子、すなわち気泡状または発泡状の構造を有するポリマー粒子を第1の位置から第2の位置へ搬送するための装置に関する。したがって、装置は、それぞれのポリマー粒子を第1の位置から第2の位置へ搬送するように構成されている。例示的な第1の位置は、例えばポリマー粒子製造位置などの第1のポリマー処理位置である場合があり、例示的な第2の位置は、例えばポリマー粒子試験位置、ポリマー粒子梱包位置、ポリマー部品製造位置などの第2のポリマー処理位置である場合がある。第1の位置および第2の位置の少なくとも1つは、ポリマー粒子を保管するための粒子保管装置、例えばタンクである場合がある。
【0007】
装置は、加圧ユニットと減圧または除圧ユニットを備え、その機能と構造は以下に詳述される。
【0008】
加圧ユニットは、加圧された粒子搬送流体流を生成するように構成されている。加圧された粒子搬送流体流は、通常、加圧された流体内にポリマー粒子を含む。加圧された流体はガスであってもよい。ガスは、例えば、空気、または、アルゴン、ヘリウム、CO2などの不活性ガスであってもよい。加圧された粒子搬送流体流は、第1の圧力レベルを有する。第1の圧力レベルは、例えば、1バールから1000バールの範囲であってもよい。したがって、第1の圧力レベルは、1バール、2バール、3バール、4バール、5バール、6バール、7バール、8バール、9バール、10バール、11バール、12バール、13バール、14バール、15バール、16バール、17バール、18バール、19バール、20バール、21バール、22バール、23バール、24バール、25バール、26バール、27バール、28バール、29バール、30バール、31バール、32バール、33バール、34バール、35バール、36バール、37バール、38バール、39バール、40バール、41バール、42バール、43バール、44バール、45バール、46バール、47バール、48バール、49バール、50バール、51バール、52バール、53バール、54バール、55バール、56バール、57バール、58バール、59バール、60バール、61バール、62バール、63バール、64バール、65バール、66バール、67バール、68バール、69バール、70バール、71バール、72バール、73バール、74バール、75バール、76バール、77バール、78バール、79バール、80バール、81バール、82バール、83バール、84バール、85バール、86バール、87バール、88バール、89バール、90バール、91バール、92バール、93バール、94バール、95バール、96バール、97バール、98バール、99バール、100バールであってもよい。それぞれの前述の例示値は、加圧された粒子搬送流体流の圧力範囲の下限または上限の閾値とみなすこともできる。前述の例示圧力レベル/値は通常、絶対圧力レベル/値を指す。前述の圧力レベル/値は、圧力レベル間隔の閾値として使用することもできる。
【0009】
減圧ユニットは、加圧された粒子搬送流体流を第1の圧力レベルから第1の圧力レベルよりも低い第2の圧力レベルに減圧するように構成されている。減圧ユニットは、このように、第1の圧力レベルよりも低い第2の圧力レベルを有する減圧された粒子搬送流体流を生成するように構成されている。したがって、減圧は、加圧された粒子搬送流体流の圧力レベルを第1の圧力レベルから第2の圧力レベルに下げることを含む。第2の圧力レベルは、第1の圧力レベルより低いことを前提として、大気圧、大気圧よりも低い圧力、または大気圧よりも高い圧力であってもよい。このように、加圧された粒子搬送流体流を減圧した後、粒子を重力および/または搬送流体によって搬送することができる。
【0010】
加圧ユニットと減圧ユニットは、通常、チューブ、ホース、パイプなどのような適切な接続手段を介して接続され、これにより、加圧された粒子搬送流体流が加圧ユニット、すなわち特に加圧ユニットの出口開口部から、減圧ユニット、すなわち特に減圧ユニットの入口開口部に流れることができる。したがって、装置は、加圧ユニットと減圧ユニットを接続するチューブ、ホース、パイプなどの少なくとも1つの接続要素を備える接続ユニットを備えることができる。減圧ユニットは、通常、加圧ユニットの下流に配置される。
【0011】
減圧ユニットは、第1のチャンバおよび第2のチャンバを備える。
【0012】
第1のチャンバは、加圧された粒子搬送流体流を受け入れるように構成されている。第1のチャンバは、減圧ユニットの入口開口部を備えることができ、または、少なくとも減圧ユニットの入口開口部と直接的または間接的に連通することができる。第1のチャンバは、第1のチャンバの中心軸を定義する中空円筒形の基本形状を有することができる。特に、第1のチャンバを、少なくとも1つのダクト要素またはパイプ要素から構築することができる。したがって、第1のチャンバは、ダクトのような形状またはパイプのような形状を含むことができる。したがって、第1のチャンバは、適切なダクト要素またはパイプ要素を選択することによって拡張可能である。いずれの場合も、第1のチャンバは、第1のチャンバの(内部)容積を表す第1の容積を定義し、または区切る、第1の壁構造を備えるか、第1の壁構造によって区切られる。したがって、具体的な例によれば、第1のチャンバを、例えば、一般にチューブまたはパイプとして構成することができる。
【0013】
第2のチャンバは第1のチャンバを取り囲む。第2のチャンバは、第2のチャンバの中心軸を定義する中空円筒形の基本形状を有することもできる。特に、第2のチャンバを、少なくとも1つのダクト要素またはパイプ要素から構築することができる。したがって、第2のチャンバは、ダクトのような形状またはパイプのような形状を備えることができる。したがって、第2のチャンバは、適切なダクト要素またはパイプ要素を選択することによって拡張可能である。いずれの場合も、第2のチャンバは、第2のチャンバの(内部)容積を表す第2の容積を定義し、または区切る、第2の壁構造を備えるか、第2の壁構造によって区切られる。したがって、具体的な例によれば、第1のチャンバおよび第2のチャンバを、同軸上に配置することができる。第2のチャンバの寸法、すなわち特に内径は、通常、第1のチャンバの寸法、すなわち特に外径よりも大きいため、したがって、第2のチャンバは、第1のチャンバを取り囲むことができる。したがって、第1のチャンバを、第2のチャンバの(内部)容積内に収容することができる。
【0014】
第1のチャンバおよび第2のチャンバを、例えば地面によって定義される水平基準面に対して、例えば90°の角度で配置することができる。特に、第1のチャンバおよび第2のチャンバを、それぞれの中心軸をそれぞれの水平基準面に対して約90°に配向して垂直に配置することができる。したがって、粒子を、上述のように加圧された粒子搬送流体流を減圧した後、例えば重力によって、減圧ユニットを通って、すなわち特に第1のチャンバを通って搬送することができる。
【0015】
上述のように、第1のチャンバは第1の壁構造によって区切られ、第2のチャンバは第2の壁構造によって区切られる。第1の壁構造は、第1のチャンバの内部容積(すなわち第1の容積)を第2のチャンバの内部容積(すなわち第2の容積)に接続する少なくとも1つの第1の開口部を備え、第2の壁構造は、第2のチャンバの内部容積(すなわち第2の容積)を少なくとも1つの減衰装置(存在する場合)に接続することができる少なくとも1つの第2の開口部を備える。
【0016】
したがって、減圧ユニットは、第1のチャンバおよび第2のチャンバの特定の流体連通配置を備える。具体的には、第1のチャンバおよび第2のチャンバは流体連通しており、これにより、第1のチャンバ内の流体が、特に半径方向に、第1の壁構造に設けられた少なくとも1つの第1の開口部を通って第1のチャンバから第2のチャンバに入ることができる。
【0017】
少なくとも1つの第1の開口部の寸法は、通常、加圧された粒子搬送流体流内のポリマー粒子が第2のチャンバに入るのを妨げるほど小さい。したがって、少なくとも1つの第1の開口部の寸法は、通常、加圧された粒子搬送流体流内のポリマー粒子の最小粒子サイズまたは平均粒子サイズよりも少なくとも小さい。したがって、第1の壁構造は、加圧された粒子搬送流体流が同時に減圧される間に、加圧された粒子搬送流体流内のポリマー粒子を加圧された粒子搬送流体流から分離、選別、またはふるい分けするように構成された分離手段、選別手段、またはふるい分け手段として機能する。
【0018】
減圧ユニットの構成により、ポリマー粒子に損傷を与えることなくポリマー粒子を減圧することができる。特に、ポリマー粒子に視覚的に知覚できる損傷は生じない。
【0019】
このようにして、それぞれの加圧された粒子搬送流体流を減圧する非常に効果的かつ実用的な方法が実現する。
【0020】
減圧ユニットは、さらに、少なくとも1つの減衰装置を備えることができる。少なくとも1つの減衰装置は、減圧ユニットによる加圧された粒子搬送流体流の減圧によって発生する騒音を減衰するように構成されている。少なくとも1つの減衰装置は、減圧ユニットによる加圧された粒子搬送流体流の減圧によって発生する騒音を減衰するための騒音減衰構造、例えばバッフル構造を備える内部空間を有するハウジングを備えることができる。騒音減衰構造は、それぞれの騒音を減衰するように配置および/または配向されたバッフル要素の多次元配置を備えることができる。ハウジングは、少なくとも1つの減衰装置に入る流体流の入口と、減衰装置から出る流体流の出口を備えることができる。騒音減衰構造は、入口と出口の間に配置または形成される。したがって、少なくとも1つの減衰装置を、音響抑制装置として形成することができる。
【0021】
第2のチャンバおよび少なくとも1つの減衰装置(存在する場合)、すなわち特に減衰構造を備える少なくとも1つの減衰装置のそれぞれの内部空間は流体連通可能であり、これにより、第2のチャンバ内の流体、例えば少なくとも1つの第1の開口部を通って第2のチャンバに入った流体が、特に半径方向に、第2のチャンバから第2の壁構造が備える少なくとも1つの第2に開口部を通って少なくとも1つの減衰装置の内部空間に入ることができる。
【0022】
例示的な実施形態によれば、第1のチャンバは、加圧された粒子搬送流体流の少なくとも1つの入口開口部と、減圧された粒子搬送流体流の少なくとも1つの出口開口部を備えることができる。
【0023】
少なくとも1つの入口制御装置を、第1のチャンバの少なくとも1つの入口開口部に割り当てることができる。少なくとも1つの入口制御装置は、少なくとも1つの入口開口部を介して第1のチャンバに入る加圧された粒子搬送流体流の量を制御するように構成されている。したがって、少なくとも1つの入口開口部を介して第1のチャンバに入る加圧された粒子搬送流体流の量の正確な制御を、少なくとも1つの入口制御装置によって決定することができる。
【0024】
少なくとも1つの入口制御装置は、少なくとも2つの方向および/または位置の間で移動可能に支持された少なくとも1つのシャッター要素を備えることができ、少なくとも1つの第1の方向および/または位置は、少なくとも1つの入口制御装置の開状態に対応し、この開状態では、一定量の加圧された粒子搬送流体流が少なくとも1つの入口開口部を介して第1のチャンバに入ることができ、少なくとも1つの第2の方向および/または位置は、少なくとも1つの入口制御装置の閉状態に対応し、この閉状態では、一定量の加圧された粒子搬送流体流が少なくとも1つの入口開口部を介して第1のチャンバに入ることができない。少なくとも1つの入口制御装置の動作、すなわち特にそれぞれのシャッター要素のそれぞれの開状態と閉状態の間の動きを、入口制御装置のハードウェアで具体化された制御装置および/またはソフトウェアで具体化された制御装置によって、または減圧ユニットまたは装置の上位のハードウェアで具体化された制御装置および/またはソフトウェアで具体化された制御装置によって、それぞれ制御することができる。
【0025】
具体的な例示的な実施形態によれば、少なくとも1つの入口制御装置は、少なくとも1つのバルブ装置として構築されるか、または少なくとも1つのバルブ装置を備えることができる。それぞれのバルブ装置は、通常、少なくとも1つの入口制御装置に関連して指定される、少なくとも1つの開状態と少なくとも1つの閉状態の間で移動可能に支持された少なくとも1つのバルブ要素(シャッター要素)を備える。それぞれのバルブ装置を、それぞれのバルブ要素を作動させて、少なくとも1つのバルブ要素をそれぞれの開状態と閉状態の間で、およびその逆に切り替えるための少なくとも1つの作動装置に接続することができる。
【0026】
同様に、少なくとも1つの出口制御装置を、第1のチャンバの少なくとも1つの出口開口部に割り当てることができる。少なくとも1つの出口制御装置は、少なくとも1つの出口開口部を介して第1のチャンバを出る減圧された粒子搬送流体流の量および/または減圧されたポリマー粒子の量を制御するように構成されている。したがって、少なくとも1つの出口開口部を介して第1のチャンバを出る減圧された粒子搬送流体流の量および/または減圧されたポリマー粒子の量の正確な制御を、少なくとも1つの出口制御装置によって決定することができる。少なくとも1つの出口制御装置は、少なくとも2つの方向および/または位置の間で移動可能に支持された少なくとも1つのシャッター要素を備えることができ、少なくとも1つの第1の方向および/または位置は、少なくとも1つの出口制御装置の開状態に対応し、この開状態では、一定量の減圧粒子搬送流体流が少なくとも1つの出口開口部を介して第1のチャンバから出ることができ、少なくとも1つの第2の方向および/または位置は、少なくとも1つの出口制御装置の閉状態に対応し、この閉状態では、一定量の減圧粒子搬送流体流が少なくとも1つの出口開口部を介して第1のチャンバから出ることができない。少なくとも1つの出口制御装置の動作、すなわち特にそれぞれのシャッター要素のそれぞれの開状態と閉状態の間の動きを、出口制御装置のハードウェアで具体化された制御装置および/またはソフトウェアで具体化された制御装置によって、または減圧ユニットまたは装置の上位のハードウェアで具体化された制御装置および/またはソフトウェアで具体化された制御装置によって、それぞれ制御することができる。
【0027】
具体的な例示的な実施形態によれば、少なくとも1つの出口制御装置は、少なくとも1つのバルブ装置として構築されるか、または少なくとも1つのバルブ装置を備えることができる。それぞれのバルブ装置は、通常、少なくとも1つの出口制御装置に関連して指定される、少なくとも1つの開状態と少なくとも1つの閉状態の間で移動可能に支持された少なくとも1つのバルブ要素(シャッター要素)を備える。それぞれのバルブ装置を、それぞれのバルブ要素を作動させて、少なくとも1つのバルブ要素をそれぞれの開状態と閉状態の間で、およびその逆に切り替えるための少なくとも1つの作動装置に接続することができる。
【0028】
少なくとも1つの入口制御装置および少なくとも1つの出口制御装置の動作は、通常、少なくとも1つの入口制御装置および少なくとも1つの出口制御装置のそれぞれのハードウェアで具体化された制御装置および/またはソフトウェアで具体化された制御装置を介して、または減圧ユニットまたは装置の上位のハードウェアで具体化された制御装置および/またはソフトウェアで具体化された制御装置を介して、それぞれ同期される。具体的には、少なくとも1つの入口制御装置を開状態に移行する場合、少なくとも1つの出口制御装置は以前に閉状態に移行されており、その逆も同様である。言い換えれば、少なくとも1つの入口制御装置を開状態に移行することは、通常、少なくとも1つの出口制御装置が閉状態にあるときに行われ、その逆も同様である。したがって、同期とは、通常、少なくとも1つの入口制御装置および少なくとも1つの出口制御装置が同時にそれぞれの開状態および/または閉状態になることは決してないことを意味する。
【0029】
さらに別の例示的な実施形態によれば、第1のチャンバを区切る第1の壁構造は、メッシュ構造またはスクリーン構造を形成する第1の開口部を1つだけでなく複数備えることができる。開口部は、一般に、穴のような形状またはスリットのような形状を有することができる。しかし、上述のように、開口部の寸法は、通常、加圧された粒子搬送流体流内のポリマー粒子が第2のチャンバに入ることを妨げる。
【0030】
さらなる例示的な実施形態によれば、1つ、複数、またはすべての第1の開口部は、粒子搬送流体流が第1のチャンバから少なくとも1つの開口部に入る入口部分から、粒子搬送流体流が少なくとも1つの開口部から第2のチャンバに出る出口部分までの間で、さまざまな寸法、特にさまざまな断面を有することができる。したがって、少なくとも1つの第1の開口部を区切る第1の壁構造の壁部分は、第1のチャンバの中心軸に対して、特に第1チャンバの中心軸から放射状に延びる補助軸に対して傾斜することができる。
【0031】
さらなる例示的な実施形態によれば、第1のチャンバを区切る第1の壁構造は、ワイヤラップメッシュまたはワイヤラップスクリーンから構築されるか、またはワイヤラップメッシュまたはワイヤラップスクリーンを備える。それぞれのワイヤラップメッシュまたはワイヤラップスクリーンは、第1のチャンバの中空円筒形の基本形状も定義する中空円筒形の形状を有することができる。それぞれのワイヤラップメッシュまたはワイヤラップスクリーンは、それぞれの加圧された粒子搬送流体流からの、費用対効果が高く、非常に効率的なポリマー粒子の分離を可能にする。
【0032】
さらなる例示的な実施形態によれば、減圧ユニットは、減圧ユニットの周方向および/または長手方向の延長に対して、異なる位置、例えば異なる軸方向および/または半径方向および/または周方向の位置に配置された複数のそれぞれの減衰装置を備えることができる。一例として、減圧ユニットは、例えば、減圧ユニットの周方向および/または長手方向の延長部に対して異なる位置に配置された複数の減衰装置を備えていてもよい。それぞれの減衰装置を異なる軸方向および/または半径方向および/または周方向の位置に配置することで、より均一な減圧が可能になる。減衰装置の数を増やすことで、減衰効率を高めることができる。一般に、少なくとも2つの減衰装置は、例えば、減衰構造の設計が異なることによって、減衰特性が異なってもよい。
【0033】
同じ軸方向の位置であるが異なる周方向の位置、例えば、対向する周方向の位置に配置された少なくとも2つの減衰装置は、それぞれ、減衰グループまたは減衰ステージを形成することができる。減圧ユニットは、異なる軸方向の位置に複数のこのような減衰グループまたは減衰ステージを備えることができる。それぞれの減衰ステージは、同じ数または異なる数の減衰装置を備えることができる。
【0034】
さらなる例示的な実施形態によれば、装置は、残留ポリマー粒子から減圧ユニットを洗浄するための加圧された洗浄流体流を生成する洗浄流体流生成ユニットを備えることができる。洗浄流は、特に、第1のチャンバのそれぞれの出口開口部を通して除去されなかった粒子残留物から第1のチャンバを洗浄するのに役立つ。同様に、洗浄流は、加圧ユニットと減圧ユニットを接続するそれぞれの接続手段を洗浄するのに役立つことができる。洗浄流体流生成ユニットは、加圧ユニットと同一であってもよい。したがって、加圧ユニットを、搬送されるポリマー粒子を含まないそれぞれの洗浄流体流を生成するように構成することもできる。洗浄流体流は、空気流または不活性ガス流などのガス流であってもよい。
【0035】
残留ポリマー粒子から減圧ユニットを洗浄するための加圧された洗浄流体流を生成することにより、装置を、残留ポリマー粒子を減圧ユニットから除去することができる洗浄モードで動作させることができる。それぞれの洗浄モードでは、少なくとも1つの入口制御装置および少なくとも1つの出口制御装置の動作は、通常、少なくとも1つの入口制御装置および少なくとも1つの出口制御装置のそれぞれのハードウェアで具体化された制御装置および/またはソフトウェアで具体化された制御装置を介して、または減圧ユニットまたは装置の上位のハードウェアで具体化された制御装置および/またはソフトウェアで具体化された制御装置を介して、それぞれ同期される。具体的には、少なくとも1つの入口制御装置および少なくとも1つの出口制御装置の両方が、それぞれの開状態に移行される。したがって、洗浄モードでの同期は、通常、少なくとも1つの入口制御装置および少なくとも1つの出口制御装置の両方が同時にそれぞれの開状態にあることを意味する。
【0036】
それぞれの洗浄モードを、少なくとも1つの入口制御装置と少なくとも1つの出口制御装置の制御された同期を開始し、それらがそれぞれ開いた状態に移行するように構成されたマスターキー(例えば、機械式マスターキー)を使用して開始することができる。
【0037】
さらなる実施形態によれば、装置は、少なくとも減圧ユニットを所望の方向および/または位置に支持するための支持構造を備えることができる。一例として、それぞれの支持構造は、少なくとも減圧ユニットを垂直方向および/または垂直位置に、すなわち特に、第1のチャンバおよび第2のチャンバが垂直に配置され、それぞれの中心軸が地面に対する水平基準面に対して約90°の方向を向いている方向および/または位置に支持することができる。
【0038】
さらなる例示的な実施形態によれば、第1のチャンバおよび第2のチャンバは、柱状のチャンバ配置を構築することができる。
【0039】
さらなる例示的な実施形態によれば、少なくとも第1のチャンバおよび第2のチャンバを、装置のハウジング構造内に配置することができる。少なくとも第1のチャンバおよび第2のチャンバをハウジング構造内に配置することにより、例えば、環境の影響からそれらを保護することができる。
【0040】
本発明の第2の態様は、本発明の第1の態様による装置のための減圧ユニットに関する。減圧ユニットは、加圧された粒子搬送流体流を受け入れるための第1のチャンバと、第1のチャンバを取り囲む第2のチャンバを備え、第1のチャンバは第1の壁構造によって区切られ、第2のチャンバは第2の壁構造によって区切られ、第1の壁構造は、第1のチャンバの内部容積を第2のチャンバの内部容積に接続する少なくとも1つの第1の開口部を備え、第2の壁構造は、第2のチャンバの内部容積を少なくとも1つの減衰装置(存在する場合)に接続することができる少なくとも1つの第2の開口部を備える。本発明の第1の態様による装置に関するすべての注釈は、本発明の第2の態様による減圧ユニットにも適用される。
【0041】
本発明の第3の態様は、ポリマー粒子を処理するためのシステム、特にポリマー粒子の後処理のためのシステムに関する。このシステムは、ポリマー部品を成形するための成形装置などの少なくとも1つの処理装置を介して処理されるポリマー粒子を保管するための少なくとも1つの保管装置、ポリマー粒子を処理するための少なくとも1つの処理装置、および本発明の第1の態様による少なくとも1つの装置を備える。本発明の第1の態様による装置に関するすべての注釈は、本発明の第3の態様によるシステムにも適用される。
【0042】
本発明の第4の態様は、ポリマー粒子を第1の位置から第2の位置へ搬送するための方法に関する。この方法は、加圧ユニットを介して、特に加圧された流体中にポリマー粒子を含む粒子搬送流体流を生成し、加圧された粒子搬送流体流が第1の圧力レベルを有するステップと、減圧ユニットを介して、加圧された粒子搬送流体流を第1の圧力レベルから減圧して、第2の圧力レベルを有する減圧された粒子搬送流体流を生成するステップを含む。この方法で使用される減圧ユニットは、加圧された粒子搬送流体流を受け入れるための第1のチャンバと、第1のチャンバを取り囲む第2のチャンバを備え、第1のチャンバは第1の壁構造によって区切られ、第2のチャンバは第2の壁構造によって区切られ、第1の壁構造は、第1のチャンバの内部容積を第2のチャンバの内部容積に接続する少なくとも1つの第1の開口部を備え、第2の壁構造は、第2のチャンバの内部容積を少なくとも1つの減衰装置(存在する場合)に接続することができる少なくとも1つの第2の開口部を備える。本発明の第1の態様による装置に関するすべての注釈は、本発明の第4の態様による方法にも適用される。
【図面の簡単な説明】
【0043】
本発明は、添付の図面によりさらに詳細に説明される。
【
図1】例示的な実施形態によるポリマー粒子を搬送するための装置の原理図を示す。
【
図2】例示的な実施形態による減圧ユニットの原理図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0044】
図1は、例示的な実施形態によるポリマー粒子を搬送するための装置1の原理図を示す。装置1は、それぞれのポリマー粒子を第1の位置L1から第2の位置L2に搬送するように構成されている。例示的な第1の位置L1は、例えばポリマー粒子製造位置などの第1のポリマー処理位置である場合があり、例示的な第2の位置L2は、例えばポリマー粒子試験位置、ポリマー粒子梱包位置、ポリマー部品製造位置などの第2のポリマー処理位置である場合がある。第1の位置L1および第2の位置L2の少なくとも1つは、ポリマー粒子を保管するための粒子保管装置、例えばタンクである場合がある。
【0045】
装置1は、加圧ユニット2と、加圧ユニット2の下流側に配置された減圧ユニット3を備える。
【0046】
加圧ユニット2は、加圧された粒子搬送流体流(
図1の矢印4で概略的に示される)を生成するように構成されている。加圧された粒子搬送流体流は、加圧された流体内にポリマー粒子を含む。加圧された流体はガスであってもよい。ガスは、例えば、空気、または、アルゴン、ヘリウム、CO
2などの不活性ガスであってもよい。加圧された粒子搬送流体流は、第1の圧力レベルを有する。第1の圧力レベルは、1バールから100バールの範囲、特に1バールから50バールの範囲、さらに特に1バールから20バールの範囲(絶対圧力)であってもよい。
【0047】
減圧ユニット3は、加圧された粒子搬送流体流を第1の圧力レベルから第1の圧力レベルよりも低い第2の圧力レベルに減圧するように構成されている。減圧ユニット3は、このように、第1の圧力レベルよりも低い第2の圧力レベルを有する減圧された粒子搬送流体流を生成するように構成されている。したがって、減圧は、加圧された粒子搬送流体流の圧力レベルを第1の圧力レベルから第2の圧力レベルに下げることを含む。第2の圧力レベルは、第2の圧力レベルが第1の圧力レベルよりも低いことを前提として、大気圧、大気圧より低い圧力、または大気圧よりも高い圧力であってもよい。このように、加圧された粒子搬送流体流を減圧した後、粒子を重力および/または搬送流体によって搬送することができる。
【0048】
図1から明らかなように、加圧ユニット2と減圧ユニット3は、チューブ、ホース、パイプなどのような適切な接続手段5を介して接続され、これにより、加圧された粒子搬送流体流が加圧ユニット2、すなわち特に加圧ユニット2の出口開口部2.1から減圧ユニット3、すなわち特に減圧ユニット3の入口開口部3.1に流れることができる。
【0049】
図2は、例示的な実施形態による減圧ユニット3の原理図を示す。
図3は、
図2の減圧ユニットの断面切断図を示し、減圧ユニット3の内部構造についての洞察を提供する。
【0050】
特に
図2および
図3から明らかなように、減圧ユニット3は、第1のチャンバ6、第2のチャンバ7、および複数の任意の減衰装置8を備える。
【0051】
第1のチャンバ6は、加圧された粒子搬送流体流を受け入れるように構成されている。第1のチャンバ6は、減圧ユニット3の入口開口部3.1を備え、または、少なくとも減圧ユニット3の入口開口部3.1と直接的または間接的に連通することができる。第1のチャンバ6は、第1のチャンバ6の中心軸A1を定義する中空円筒形の基本形状を有することができる。第1のチャンバ6を、少なくとも1つのダクト要素またはパイプ要素から構築することができ、これにより第1のチャンバ6は、ダクトのような形状またはパイプのような形状を含むことができる。したがって、第1のチャンバ6は、適切なダクト要素またはパイプ要素を選択することによって拡張可能である。いずれの場合も、第1のチャンバ6は、第1のチャンバ6の内部容積を表す第1の容積6.2を定義し、または区切る、第1の壁構造6.1を備えるか、第1の壁構造6.1によって区切られる。
【0052】
特に
図3から明らかなように、第2のチャンバ7は第1のチャンバ6を取り囲む。第2のチャンバ7は、第2のチャンバ7の中心軸A2を定義する中空円筒形の基本形状を有することもできる。特に、第2のチャンバ7の中心軸A2は、第1のチャンバ6の中心軸A1と一致して同軸配置になってもよい(例えば
図3を参照)。第2のチャンバ7を、少なくとも1つのダクト要素またはパイプ要素から構築することができ、これにより第2のチャンバ7は、ダクトのような形状またはパイプのような形状を含むことができる。したがって、第2のチャンバ7は、適切なダクト要素またはパイプ要素を選択することによって拡張可能である。いずれの場合も、第2のチャンバ7は、第2のチャンバ7の内部容積を表す第2の容積7.2を定義し、または区切る、第2の壁構造7.1を備えるか、第2の壁構造7.1によって区切られる。
【0053】
図2は、減圧ユニット3が柱状のチャンバ配置を備えることができることを示している。
【0054】
図3は、第1のチャンバ6および第2のチャンバ7の同軸配置を示しており、これは、第2のチャンバ7の寸法、すなわち特に内径が第1のチャンバ6の寸法、すなわち特に外径よりも大きいため、第2のチャンバ7が第1のチャンバ6を取り囲むことができることに基づいている。したがって、第1のチャンバ6は、第2のチャンバ7の内部容積内に収容される。
【0055】
図の例示的な実施形態では、第1のチャンバ6および第2のチャンバ7を、地面によって定義されることがある水平基準面Pに対して約90°の角度で配置する。特に、第1のチャンバ6および第2のチャンバ7を、それぞれの中心軸A1、A2を水平基準面Pに対して約90°に配向して垂直に配置することができる。したがって、粒子を、上述のように加圧された粒子搬送流体流を減圧した後、例えば重力によって、減圧ユニット3を通って、すなわち特に第1のチャンバ6を通って搬送することができる。
【0056】
それぞれの減衰装置8は、減圧ユニット3による加圧された粒子搬送流体流の減圧によって発生する騒音を減衰するように構成されている。それぞれの減衰装置8は、減圧ユニット3による加圧された粒子搬送流体流の減圧によって発生する騒音を減衰するための騒音減衰構造8.3(
図3に概略的に示されている)、例えばバッフル構造を備える内部空間8.2を有するハウジング8.1を備えることができる。騒音減衰構造8.3は、それぞれの騒音を減衰するように配置および/または配向されたバッフル要素の多次元配置を備えることができる。ハウジング8.1は、減衰装置8に入る流体流の入口8.1.1と、減衰装置8から出る流体流の出口8.1.2を備えることができる。騒音減衰構造8.3は、入口8.1.1と出口8.1.2の間に配置または形成される。したがって、それぞれの減衰装置8を、音響抑制装置として形成することができる。
【0057】
図3から明らかなように、第1の壁構造6.1は、第1のチャンバ6の内部容積(すなわち第1の容積6.2)を第2のチャンバ7の内部容積(すなわち第2の容積7.2)に接続する複数の第1の開口部6.1.1を備える。
図3から明らかなように、第2の壁構造7.1は、第2のチャンバ7の内部容積(すなわち第2の容積7.1)をそれぞれの減衰装置8に接続する複数の第2の開口部7.1.1を備える。
【0058】
したがって、減圧ユニット3は、第1のチャンバ6、第2のチャンバ7、およびそれぞれの減衰装置8の特定の流体連通配置を備える。具体的には、第1のチャンバ6および第2のチャンバ7は、それぞれの第1の開口部6.1.1を介して流体連通しており、これにより、第1のチャンバ6内の流体が、第1の壁構造6.1に設けられた第1の開口部6.1.1を通って第1のチャンバ6から第2のチャンバ7に入ることができる。さらに、第2のチャンバ7および減衰装置、すなわち特に減衰構造8.3を備えるそれぞれの内部空間8.2は流体連通しており、これにより、第2のチャンバ7内の流体、例えば第1の開口部6.1.1を通って第2のチャンバ7に入った流体が、第2の壁構造7.1に設けられた第2の開口部7.1.1を通って第2チャンバ7から減衰装置8の内部空間8.2に入ることができる。
【0059】
第1の開口部6.1.1の寸法は、通常、加圧された粒子搬送流体流内のポリマー粒子が第2のチャンバ7に入るのを妨げるほど小さい。したがって、第1の開口部の寸法は、通常、加圧された粒子搬送流体流内のポリマー粒子の最小粒子サイズまたは平均粒子サイズよりも少なくとも小さい。一例として、第1の開口部6.1.1の寸法を、1mm未満、特に0.5mm未満、さらに特に0.25mm未満とすることができる。したがって、第1の壁構造6.1は、加圧された粒子搬送流体流が同時に減圧される間に、加圧された粒子搬送流体流内のポリマー粒子を加圧された粒子搬送流体流から分離または選別するように構成された分離手段または選別手段として機能する。
【0060】
また、第1のチャンバ6は、加圧された粒子搬送流体流の入口開口部6.3と、減圧された粒子搬送流体流の出口開口部6.4を備える。図面から明らかなように、第1のチャンバ6の入口開口部6.3は減圧ユニット3の入口開口部3.1も表し、第1のチャンバ6の出口開口部6.4は減圧ユニット3の出口開口部3.2も表す。
【0061】
入口制御装置6.5を入口開口部6.3に割り当てることができる。入口制御装置6.5は、入口開口部6.3を介して第1のチャンバ6に入る加圧された粒子搬送流体流の量を制御するように構成されている。したがって、入口開口部6.3を介して第1のチャンバ6に入る加圧された粒子搬送流体流の量の正確な制御を、入口制御装置6.5によって決定することができる。
【0062】
入口制御装置6.5は、少なくとも2つの方向および/または位置の間で移動可能に支持されたシャッター要素6.5.1を備え、少なくとも1つの第1の方向および/または位置は、入口制御装置6.5の開状態に対応し、この開状態では、一定量の加圧された粒子搬送流体流が入口開口部6.3を介して第1のチャンバ6に入ることができ、少なくとも1つの第2の方向および/または位置は、入口制御装置6.5の閉状態に対応し、この閉状態では、一定量の加圧された粒子搬送流体流が入口開口部6.3を介して第1のチャンバ6に入ることができない。入口制御装置6.5の動作、すなわち特にシャッター要素6.5.1のそれぞれの開状態と閉状態との間の動きを、減圧ユニット3または装置1のハードウェアで具体化された制御装置13および/またはソフトウェアで具体化された制御装置13によって、それぞれ制御することができる。
【0063】
入口制御装置6.5は、少なくとも1つのバルブ装置として構築されるか、または少なくとも1つのバルブ装置を備えることができ、このバルブ装置は、少なくとも1つの開状態と少なくとも1つの閉状態の間で移動可能に支持された少なくとも1つのバルブ要素(シャッター要素)を備える。バルブ装置を、バルブ要素を作動させて、バルブ要素をそれぞれの開状態と閉状態の間で、およびその逆に切り替えるための少なくとも1つの作動装置(図示せず)に接続することができる。
【0064】
同様に、出口制御装置6.6を、第1のチャンバ6の出口開口部6.4に割り当てることができる。出口制御装置6.6は、出口開口部6.4を介して第1のチャンバ6を出る減圧された粒子搬送流体流の量および/または減圧されたポリマー粒子の量を制御するように構成されている。したがって、出口開口部6.4を介して第1のチャンバ6を出る減圧された粒子搬送流体流の量および/または減圧されたポリマー粒子の量の正確な制御を、出口制御装置6.6によって決定することができる。出口制御装置6.6は、少なくとも2つの方向および/または位置の間で移動可能に支持されたシャッター要素6.6.1を備えることができ、少なくとも1つの第1の方向および/または位置は、出口制御装置6.6の開状態に対応し、この開状態では、一定量の減圧された粒子搬送流体流が出口開口部6.4を介して第1のチャンバ6から出ることができ、少なくとも1つの第2の方向および/または位置は、出口制御装置6.6の閉状態に対応し、この閉状態では、一定量の減圧された粒子搬送流体流が出口開口部6.4を介して第1のチャンバ6から出ることができない。出口制御装置6の動作、すなわち特にシャッター要素6.6.1のそれぞれの開状態と閉状態の間の動きを、減圧ユニット3または装置1のハードウェアで具体化された制御装置13および/またはソフトウェアで具体化された制御装置13によって、それぞれ制御することができる。
【0065】
出口制御装置6.6は、少なくとも1つのバルブ装置として構築されるか、または少なくとも1つのバルブ装置を備えることができ、このバルブ装置は、少なくとも1つの開状態と少なくとも1つの閉状態の間で移動可能に支持されたバルブ要素(シャッター要素)を備える。バルブ装置を、バルブ要素を作動させて、バルブ要素をそれぞれの開状態と閉状態の間で、およびその逆に切り替えるための少なくとも1つの作動装置(図示せず)に接続することができる。
【0066】
入口制御装置6.5と出口制御装置6.6の動作は、制御装置13を介して同期される。具体的には、入口制御装置6.5を開状態に移行する場合、出口制御装置6.6は以前に閉状態に移行されており、その逆も同様である。言い換えれば、入口制御装置6.5を開状態に移行することは、通常、出口制御装置6.6が閉状態にあるときに行われ、その逆も同様である。したがって、同期とは、入口制御装置6.5と出口制御装置6.6が同時に開状態および/または閉状態になることは決してないことを意味する。
【0067】
第1のチャンバ6を区切る第1の壁構造6.1は、第1のチャンバ6の中空円筒形の基本形状も定義する中空円筒形の形状を有する、ワイヤラップメッシュまたはワイヤラップスクリーンから構築されるか、またはワイヤラップメッシュまたはワイヤラップスクリーンを備えることができる。したがって、第1の壁構造6.1の第1の開口部6.1.1は、粒子搬送流体流が第1のチャンバ6からそれぞれの開口部6.1.1に入る入口部分から、粒子搬送流体流がそれぞれの開口部6.1.1から第2のチャンバ7に出る出口部分までの間で、さまざまな寸法、特にさまざまな断面積を有することができる。したがって、第1の開口部6.1.1を区切る第1の壁構造6.1の壁部分は、第1のチャンバ6の中心軸A1から放射状に延びる補助軸に対して傾斜することができる。
【0068】
図2および
図3から明らかなように、減圧ユニット3は、減圧ユニットの周方向および/または長手方向の延長部に対して異なる位置、例えば異なる軸方向および/または半径方向および/または周方向の位置に配置された複数の減衰装置8を備えていてもよく、これにより、より均一な減圧が可能になる。
【0069】
図2および
図3から明らかなように、同じ軸方向の位置であるが異なる周方向の位置、例えば対向する周方向の位置に配置された少なくとも2つの減衰装置3は、それぞれ、減衰グループまたは減衰ステージを形成することができる。減圧ユニット3は、異なる軸方向の位置に複数のこのような減衰グループまたは減衰ステージを備えることができる。それぞれの減衰ステージは、同じ数または異なる数の減衰装置8を備えることができる。
【0070】
装置1は、残留ポリマー粒子から減圧ユニット3を洗浄するための加圧された洗浄流体流を生成する洗浄流体流生成ユニットを備えることができる。洗浄流は、特に、第1のチャンバ6のそれぞれの出口開口部6.4を通して除去されなかった粒子残留物から第1のチャンバ6を洗浄するのに役立つ。同様に、洗浄流は、加圧ユニット2と減圧ユニット3を接続するそれぞれの接続手段を洗浄するのに役立つことができる。洗浄流体流生成ユニットは、加圧ユニット2と同一であってもよい。したがって、加圧ユニット2を、搬送されるポリマー粒子を含まないそれぞれの洗浄流体流を生成するように構成することもできる。洗浄流体流は、空気流または不活性ガス流などのガス流であってもよい。
【0071】
残留ポリマー粒子から減圧ユニット3を洗浄するための加圧された洗浄流体流を生成することにより、装置1を、残留ポリマー粒子を減圧ユニット3から除去することができる洗浄モードで動作させることができる。それぞれの洗浄モードでは、入口制御装置6.5および出口制御装置6.6の動作は、通常、入口制御装置6.5および出口制御装置6.6のそれぞれのハードウェアで具体化された制御装置および/またはソフトウェアで具体化された制御装置を介して、または減圧ユニット3または装置1の上位のハードウェアで具体化された制御装置および/またはソフトウェアで具体化された制御装置を介して、それぞれ同期される。具体的には、入口制御装置6.5および出口制御装置6.6の両方が、それぞれの開状態に移行される。したがって、洗浄モードでの同期は、通常、入口制御装置6.5および出口制御装置6.6の両方が同時にそれぞれの開状態にあることを意味する。
【0072】
それぞれの洗浄モードを、入口制御装置6.5と出口制御装置6.6の制御された同期を開始し、それらがそれぞれ開いた状態に移行するように構成されたマスターキー(例えば、機械式マスターキー)を使用して開始することができる。
【0073】
図2は、装置1が、少なくとも減圧ユニット3を所望の方向および/または位置に支持するための支持構造9を備えることができることも示している。
図2に示すように、それぞれの支持構造9は、少なくとも減圧ユニット3を垂直方向および/または垂直位置に、すなわち特に、第1のチャンバ6および第2のチャンバ7が垂直に配置され、それぞれの中心軸A1、A2が水平基準面に対して約90°の方向を向いている方向および/または位置に支持することができる。
【0074】
図に明示的に示されていない場合でも、少なくとも第1のチャンバ6および第2のチャンバ7を、例えば、環境の影響からそれらを保護することができる装置1のハウジング構造内に配置することができる。
【0075】
装置1は、ポリマー粒子を処理するための、特にポリマー粒子の後処理のための上位システム10の一部を形成することができる。システム10は、ポリマー部品を成形するための成形装置などの少なくとも1つの処理装置12を介して処理されるポリマー粒子を保管するための少なくとも1つの保管装置11、ポリマー粒子を処理するための少なくとも1つの処理装置12、および装置1を備える。
【0076】
装置1は、ポリマー粒子を第1の位置L1から第2の位置L2に搬送する方法を実現することも可能にする。この方法は、加圧ユニット2を介して、特に加圧された流体中にポリマー粒子を含む粒子搬送流体流を生成し、加圧された粒子搬送流体流が第1の圧力レベルを有するステップと、減圧ユニット3を介して、加圧された粒子搬送流体流を第1の圧力レベルから減圧して、第2の圧力レベルを有する減圧された粒子搬送流体流を生成するステップを含む。この方法で使用される減圧ユニット3は、加圧された粒子搬送流体流を受け入れるための第1のチャンバ6と、第1のチャンバ7を取り囲む第2のチャンバ7と、減圧ユニット3による加圧された粒子搬送流体流の減圧によって発生する騒音を減衰するための任意の少なくとも1つの減衰装置8を備え、第1のチャンバ6は第1の壁構造6.1によって区切られ、第2のチャンバ7は第2の壁構造7.1によって区切られ、第1の壁構造6.1は、第1のチャンバ6の内部容積を第2のチャンバ7の内部容積に接続する少なくとも1つの第1の開口部6.1.1を備え、第2の壁構造7.1は、第2のチャンバ7の内部容積を少なくとも1つの減衰装置8に接続する少なくとも1つの第2の開口部7.1.1を備える。
【国際調査報告】