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特表2025-501664空調機器及びそれによる送風制御方法、装置及び媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-22
(54)【発明の名称】空調機器及びそれによる送風制御方法、装置及び媒体
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/64 20180101AFI20250115BHJP
   F24F 11/79 20180101ALI20250115BHJP
【FI】
F24F11/64
F24F11/79
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024541974
(86)(22)【出願日】2022-06-27
(85)【翻訳文提出日】2024-07-12
(86)【国際出願番号】 CN2022101551
(87)【国際公開番号】W WO2023137978
(87)【国際公開日】2023-07-27
(31)【優先権主張番号】202210074212.9
(32)【優先日】2022-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517344192
【氏名又は名称】広東美的制冷設備有限公司
【氏名又は名称原語表記】GD MIDEA AIR-CONDITIONING EQUIPMENT CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Lingang Road,Beijiao,Shunde,Foshan,Guangdong,China
(71)【出願人】
【識別番号】512237419
【氏名又は名称】美的集団股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】MIDEA GROUP CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】B26-28F, Midea Headquarter Building, No.6 Midea Avenue, Beijiao, Shunde, Foshan, Guangdong 528311 China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】謝李高
【テーマコード(参考)】
3L260
【Fターム(参考)】
3L260AA01
3L260AB02
3L260BA08
3L260CA02
3L260CA29
3L260EA28
3L260FA08
3L260FA12
3L260FC15
3L260FC16
(57)【要約】
空調機器及びそれによる送風制御方法、装置及び媒体であって、該方法は、空調機器の室内での、空調機器の実装位置及び対応する位置特徴角度を含む空間位置情報を決定すること、位置特徴角度及び実装位置に基づいて、補償パラメータを決定すること、及び補償パラメータに基づいて、空調機器の送風パラメータを補正制御することを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空調機器の室内での、前記空調機器の実装位置及び対応する位置特徴角度を含む空間位置情報を決定することと、
前記位置特徴角度及び前記実装位置に基づいて、補償パラメータを決定することと、
前記補償パラメータに基づいて前記空調機器の送風パラメータを補正制御することと、を含む、空調機器による送風制御方法。
【請求項2】
空調機器の室内での空間位置情報を決定することは、
室内での第1の目標壁隅及び第2の目標壁隅を決定することであって、前記第1の目標壁隅、前記第2の目標壁隅及び前記空調機器の位置は同一の水平面にあり、前記第1の目標壁隅及び前記第2の目標壁隅はいずれも前記空調機器の片側に位置し、前記第1の目標壁隅及び前記空調機器の位置は同一の壁面に位置することと、
前記第1の目標壁隅と前記空調機器の位置との間を結ぶ線を第1の角度線とし、前記第2の目標壁隅と前記空調機器の位置との間を結ぶ線を第2の角度線とし、前記第1の角度線と前記第2の角度線との間の角度を前記位置特徴角度とすることと、
前記位置特徴角度に基づいて、前記実装位置を決定することと、を含む、請求項1に記載の空調機器による送風制御方法。
【請求項3】
第3の目標壁隅、前記第1の目標壁隅、及び前記空調機器の位置は前記同一の壁面にあり、前記第1の目標壁隅及び前記第3の目標壁隅はそれぞれ前記空調機器の両側に位置し、
前記位置特徴角度に基づいて、前記実装位置を決定することは、
前記位置特徴角度が0°よりも大きく且つ第1の角度以下である場合、前記空調機器と前記第1の目標壁隅との間の距離が前記空調機器と前記第3の目標壁隅との間の距離よりも大きいと決定することと、
前記位置特徴角度が前記第1の角度よりも大きく且つ第2の角度以下である場合、前記空調機器と前記第1の目標壁隅との間の距離が前記空調機器と前記第3の目標壁隅との間の距離とほぼ等しいと決定することと、
前記位置特徴角度が前記第2の角度よりも大きく且つ90°以下である場合、前記空調機器と前記第1の目標壁隅との間の距離が前記空調機器と前記第3の目標壁隅との間の距離よりも小さいと決定することと、を含む、請求項2に記載の空調機器による送風制御方法。
【請求項4】
前記位置特徴角度及び前記実装位置に基づいて、補償パラメータを決定することは、
前記空調機器と前記第1の目標壁隅との間の距離が前記空調機器と前記第3の目標壁隅との間の距離よりも大きい場合、前記位置特徴角度に対応する角度パラメータを前記補償パラメータとすることと、
前記空調機器と前記第1の目標壁隅との間の距離が前記空調機器と前記第3の目標壁隅との間の距離とほぼ等しい場合、0°を前記補償パラメータとすることと、
前記空調機器と前記第1の目標壁隅との間の距離が前記空調機器と前記第3の目標壁隅との間の距離よりも小さい場合、前記位置特徴角度に対応する角度パラメータの負の値を前記補償パラメータとすることと、を含む、請求項3に記載の空調機器による送風制御方法。
【請求項5】
前記第1の目標壁隅と前記第2の目標壁隅とはいずれも前記空調機器の右側に位置し、
前記位置特徴角度に基づいて、前記実装位置を決定することは、
前記位置特徴角度が0°よりも大きく且つ第1の角度以下である場合、前記空調機器が左側位置に実装されたと決定することと、
前記位置特徴角度が前記第1の角度よりも大きく且つ第2の角度以下である場合、前記空調機器が中間位置に実装されたと決定することであって、前記第1の角度が前記第2の角度以下であることと、
前記位置特徴角度が前記第2の角度よりも大きく且つ90°以下である場合、前記空調機器が右側位置に実装されたと決定することと、を含む、請求項2に記載の空調機器による送風制御方法。
【請求項6】
前記第1の目標壁隅と前記第2の目標壁隅とはいずれも前記空調機器の左側に位置し、
前記位置特徴角度に基づいて、前記実装位置を決定することは、
前記位置特徴角度が0°よりも大きく且つ第1の角度以下である場合、前記空調機器が右側位置に実装されたと決定することと、
前記位置特徴角度が前記第1の角度よりも大きく且つ第2の角度以下である場合、前記空調機器が中間位置に実装されたと決定することであって、前記第1の角度が前記第2の角度以下であることと、
前記位置特徴角度が前記第2の角度よりも大きく且つ90°以下である場合、前記空調機器が左側位置に実装されたと決定することと、を含む、請求項2に記載の空調機器による送風制御方法。
【請求項7】
前記位置特徴角度及び前記実装位置に基づいて、補償パラメータを決定することは、
前記空調機器が左側位置に実装されたとき、前記位置特徴角度に対応する角度パラメータを前記補償パラメータとすることと、
前記空調機器が中間位置に実装されたとき、0°を前記補償パラメータとすることと、
前記空調機器が右側位置に実装されたとき、前記位置特徴角度に対応する角度パラメータの負の値を前記補償パラメータとすることと、を含む、請求項5または6に記載の空調機器による送風制御方法。
【請求項8】
前記補償パラメータに基づいて前記空調機器の送風パラメータを補正制御することは、
前記空調機器の左右の導風の目標角度を決定することと、
前記補償パラメータに基づいて、前記目標角度を補正制御することと、を含む、請求項7に記載の空調機器による送風制御方法。
【請求項9】
前記補償パラメータに基づいて、前記目標角度を補正制御することは、
前記補償パラメータと前記目標角度との合計値を計算して、前記合計値を補正後の目標角度とし、且つ前記補正後の目標角度に基づいて、前記空調機器を制御すること、を含む、請求項8に記載の空調機器による送風制御方法。
【請求項10】
前記空調機器の左右の導風の目標角度は、前記空調機器の作動モードとユーザの位置に基づいて決定される、請求項8に記載の空調機器による送風制御方法。
【請求項11】
前記空調機器が人を避けるモードである場合、前記空調機器による送風制御方法はさらに、
ユーザが第1の位置にいるとき、前記空調機器の左右の導風の目標角度が第3の位置に対応すると決定することと、
ユーザが第2の位置にいるとき、前記空調機器の左右の導風の目標角度が前記第1の位置及び前記第3の位置に対応すると決定することであって、前記第1の位置、前記第2の位置及び前記第3の位置が水平方向において順次配列され、且つ前記第2の位置が前記第1の位置と前記第3の位置との間に位置することと、
ユーザが前記第3の位置にいるとき、前記空調機器の左右の導風の目標角度が前記第1の位置に対応すると決定することと、を含む、請求項10に記載の空調機器による送風制御方法。
【請求項12】
空調機器による送風制御プログラムが記憶されており、該送風制御プログラムがプロセッサによって実行される際に、請求項1~11のいずれか1項に記載の空調機器による送風制御方法を実現する、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項13】
メモリ、プロセッサ及びメモリに記憶されてプロセッサで実行できる空調機器による送風制御プログラムを備え、前記プロセッサは前記空調機器による送風制御プログラムを実行する際に、請求項1~11のいずれか1項に記載の空調機器による送風制御方法を実現する、空調機器。
【請求項14】
空調機器の室内での、前記空調機器の実装位置及び対応する位置特徴角度を含む空間位置情報を決定するための第1の決定モジュールと、
前記位置特徴角度及び前記実装位置に基づいて、補償パラメータを決定するための第2の決定モジュールと、
前記補償パラメータに基づいて前記空調機器の送風パラメータを補正制御するための制御モジュールと、を備える、空調機器による送風制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2022年01月21日に中国特許庁に提出された、出願番号が202210074212.9、発明の名称が「空調機器及びそれによる送風制御方法、装置及び媒体」である中国特許出願の優先権を主張し、そのすべての内容は援用により本願に組み込まれる。
本願は、家電機器技術の分野に関し、特に空調機器及びそれによる送風制御方法、装置及び媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術では、工場出荷前に空調機器の送風制御ポリシーを設定済みであり、ユーザが当該空調機器を購入して設置した後、予め設定されている送風制御ポリシーに従ってしか空調機器は稼働できず、実際の利用シーンに応じて当該送風制御ポリシーを自動的に補正することができない。つまり、関連技術では空調機器がユーザにスマートで正確な送風サービスを提供することができず、ユーザの体験に影響している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本願は、関連技術における課題の1つを少なくともある程度解決することを目的とする。そこで、本願の1つの目的は、ユーザの操作ステップを低減できるとともに、ユーザの体験を向上させる上で有利な空調機器による送風制御方法を提供することである。
【0004】
本願の第2の目的は、コンピュータ可読記憶媒体を提供することである。
【0005】
本願の第3の目的は、空調機器を提供することである。
【0006】
本願の第4の目的は、空調機器による送風制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本願の第1の態様の実施例は、空調機器による送風制御方法を提供し、該方法は、空調機器の室内での、前記空調機器の実装位置及び対応する位置特徴角度を含む空間位置情報を決定することと、前記位置特徴角度及び前記実装位置に基づいて、補償パラメータを決定することと、前記補償パラメータに基づいて前記空調機器の送風パラメータを補正制御することと、を含む。
【0008】
本願の空調機器による送風制御方法によれば、空調機器の室内での空間位置情報を自動的に検出し、且つ検出された空間位置情報に基づいて、空調機器の送風パラメータを自動的に調整し、調整された送風パラメータに基づいて、空調機器の運転を制御することができ、ユーザの操作コストを低減し、スマートで正確な送風サービスをユーザに提供し、ユーザの体験を改善することができる。
【0009】
一実施例において、空調機器の室内での空間位置情報を決定することは、室内での第1の目標壁隅及び第2の目標壁隅を決定することであって、前記第1の目標壁隅、前記第2の目標壁隅及び前記空調機器の位置は同一の水平面にあり、前記第1の目標壁隅及び前記第2の目標壁隅はいずれも前記空調機器の片側に位置し、前記第1の目標壁隅及び前記空調機器の位置は同一の壁面に位置することと、前記第1の目標壁隅と前記空調機器の位置との間を結ぶ線を第1の角度線とし、前記第2の目標壁隅と前記空調機器の位置との間を結ぶ線を第2の角度線とし、前記第1の角度線と前記第2の角度線との間の角度を前記位置特徴角度とすることと、前記位置特徴角度に基づいて、前記実装位置を決定することと、を含む。
【0010】
一実施例において、第3の目標壁隅、前記第1の目標壁隅、及び前記空調機器の位置は前記同一の壁面にあり、前記第1の目標壁隅及び前記第3の目標壁隅はそれぞれ前記空調機器の両側に位置し、前記位置特徴角度に基づいて、前記実装位置を決定することは、前記位置特徴角度が0°よりも大きく且つ第1の角度以下である場合、前記空調機器と前記第1の目標壁隅との間の距離が前記空調機器と前記第3の目標壁隅との間の距離よりも大きいと決定することと、前記位置特徴角度が前記第1の角度よりも大きく且つ第2の角度以下である場合、前記空調機器と前記第1の目標壁隅との間の距離が前記空調機器と前記第3の目標壁隅との間の距離とほぼ等しいと決定することと、前記位置特徴角度が前記第2の角度よりも大きく且つ90°以下である場合、前記空調機器と前記第1の目標壁隅との間の距離が前記空調機器と前記第3の目標壁隅との間の距離よりも小さいと決定することと、を含む。
【0011】
一実施例において、前記位置特徴角度及び前記実装位置に基づいて、補償パラメータを決定することは、前記空調機器と前記第1の目標壁隅との間の距離が前記空調機器と前記第3の目標壁隅との間の距離よりも大きい場合、前記位置特徴角度に対応する角度パラメータを前記補償パラメータとすることと、前記空調機器と前記第1の目標壁隅との間の距離が前記空調機器と前記第3の目標壁隅との間の距離とほぼ等しい場合、0°を前記補償パラメータとすることと、前記空調機器と前記第1の目標壁隅との間の距離が前記空調機器と前記第3の目標壁隅との間の距離よりも小さい場合、前記位置特徴角度に対応する角度パラメータの負の値を前記補償パラメータとすることと、を含む。
【0012】
一実施例において、前記第1の目標壁隅と前記第2の目標壁隅とはいずれも前記空調機器の右側に位置し、前記位置特徴角度に基づいて、前記実装位置を決定することは、前記位置特徴角度が0°よりも大きく且つ第1の角度以下である場合、前記空調機器が左側位置に実装されたと決定することと、前記位置特徴角度が前記第1の角度よりも大きく且つ第2の角度以下である場合、前記空調機器が中間位置に実装されたと決定することであって、前記第1の角度が前記第2の角度以下であることと、前記位置特徴角度が前記第2の角度よりも大きく且つ90°以下である場合、前記空調機器が右側位置に実装されたと決定することと、を含む。
【0013】
一実施例において、前記第1の目標壁隅と前記第2の目標壁隅とはいずれも前記空調機器の左側に位置し、前記位置特徴角度に基づいて、前記実装位置を決定することは、前記位置特徴角度が0°よりも大きく且つ第1の角度以下である場合、前記空調機器が右側位置に実装されたと決定することと、前記位置特徴角度が前記第1の角度よりも大きく且つ第2の角度以下である場合、前記空調機器が中間位置に実装されたと決定することであって、前記第1の角度が前記第2の角度以下であることと、前記位置特徴角度が前記第2の角度よりも大きく且つ90°以下である場合、前記空調機器が左側位置に実装されたと決定することと、を含む。
【0014】
一実施例において、前記位置特徴角度及び前記実装位置に基づいて、補償パラメータを決定することは、前記空調機器が左側位置に実装されたとき、前記位置特徴角度に対応する角度パラメータを前記補償パラメータとすることと、前記空調機器が中間位置に実装されたとき、0°を前記補償パラメータとすることと、前記空調機器が右側位置に実装されたとき、前記位置特徴角度に対応する角度パラメータの負の値を前記補償パラメータとすることと、を含む。
【0015】
一実施例において、前記補償パラメータに基づいて前記空調機器の送風パラメータを補正制御することは、前記空調機器の左右の導風の目標角度を決定することと、前記補償パラメータに基づいて、前記目標角度を補正制御することと、を含む。
【0016】
一実施例において、前記補償パラメータに基づいて、前記目標角度を補正制御することは、前記補償パラメータと前記目標角度との合計値を計算して、前記合計値を補正後の目標角度とし、且つ前記補正後の目標角度に基づいて、前記空調機器を制御すること、を含む。
【0017】
一実施例において、前記空調機器の左右の導風の目標角度は、前記空調機器の作動モードとユーザの位置に基づいて決定される。
【0018】
一実施例において、前記空調機器が人を避けるモードである場合、前記方法はさらに、ユーザが第1の位置にいるとき、前記空調機器の左右の導風の目標角度が第3の位置に対応すると決定することと、ユーザが第2の位置にいるとき、前記空調機器の左右の導風の目標角度が前記第1の位置及び前記第3の位置に対応すると決定することであって、前記第1の位置、前記第2の位置及び前記第3の位置が水平方向において順次配列され、且つ前記第2の位置が前記第1の位置と前記第3の位置との間に位置することと、ユーザが前記第3の位置にいるとき、前記空調機器の左右の導風の目標角度が前記第1の位置に対応すると決定することと、を含む。
【0019】
上記目的を達成するために、本願の第2の態様の実施例は、空調機器による送風制御プログラムが記憶されたコンピュータ可読記憶媒体を提供し、該送風制御プログラムがプロセッサで実行されるとき、上記のいずれかの実施例の空調機器による送風制御方法を実現する。
【0020】
本願のコンピュータ可読記憶媒体によれば、空調機器の室内での空間位置情報を自動的に検出し、且つ検出された空間位置情報に基づいて、空調機器の送風パラメータを自動的に調整し、調整された送風パラメータに基づいて、空調機器の運転を制御することができ、ユーザの操作コストを低減し、スマートで正確な送風サービスをユーザに提供し、ユーザの体験を改善することができる。
【0021】
上記目的を達成するために、本願の第3の態様の実施例は空調機器を提供し、前記空調機器は、メモリ、プロセッサ、及びメモリに記憶されてプロセッサで実行できる空調機器による送風制御プログラムを含み、前記プロセッサが前記空調機器による送風制御プログラムを実行するとき、上記のいずれかの実施例の空調機器による送風制御方法を実現する。
【0022】
本願の空調機器によれば、空調機器の室内での空間位置情報を自動的に検出し、且つ検出された空間位置情報に基づいて、空調機器の送風パラメータを自動的に調整し、調整された送風パラメータに基づいて、空調機器の運転を制御することができ、ユーザの操作コストを低減し、スマートで正確な送風サービスをユーザに提供し、ユーザの体験を改善することができる。
【0023】
上記目的を達成するために、本願の第4の態様の実施例は空調機器による送風制御装置を提供し、該装置は第1の決定モジュール、第2の決定モジュール及び制御モジュールを含む。第1の決定モジュールは、空調機器の室内での、前記空調機器の実装位置及び対応する位置特徴角度を含む空間位置情報を決定することに用いられる。第2の決定モジュールは、前記位置特徴角度及び前記実装位置に基づいて、補償パラメータを決定することに用いられる。制御モジュールは、前記補償パラメータに基づいて前記空調機器の送風パラメータを補正制御することに用いられる。
【発明の効果】
【0024】
本願の空調機器による送風制御装置によれば、空調機器の室内での空間位置情報を自動的に検出し、且つ検出された空間位置情報に基づいて、空調機器の送風パラメータを自動的に調整し、調整された送風パラメータに基づいて、空調機器の運転を制御することができ、ユーザの操作コストを低減し、スマートで正確な送風サービスをユーザに提供し、ユーザの体験を改善することができる。
【0025】
本願の付加的な態様と利点を以下の説明では部分的に示し、部分的に以下の説明から明らかになり、または本発明の実践を通じて理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本願の上記および/または付加的な態様と利点は、以下の図面を組み合わせた実施形態の説明から明らかになり、理解しやすい。
図1】本願の実施例による送風制御方法のフローチャートである。
図2】本願の実施例による送風制御方法の他のフローチャートである。
図3】本願の実施例による送風制御方法のシーン概略図である。
図4】本願の実施例による送風制御方法の他のフローチャートである。
図5】本願の実施例による送風制御方法の他のフローチャートである。
図6】本願の実施例による送風制御方法の他のフローチャートである。
図7】本願の実施例による送風制御方法の他のフローチャートである。
図8】本願の実施例による送風制御方法の他のシーン概略図である。
図9】本願の実施例による送風制御方法の他のシーン概略図である。
図10】本願の実施例による送風制御方法の他のシーン概略図である。
図11】本願の実施例による送風制御方法の他のシーン概略図である。
図12】本願の実施例による空調機器の構成ブロック図である。
図13】本願の実施例による送風制御装置の構成ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面に示される本願の実施例を詳細に説明し、全図面において、同一又は類似の符号は同一又は類似の素子或いは同一又は類似の機能を有する素子を示す。以下の参考図面を介して説明する実施例は例示的なものであり、本願を説明するためのものであり、本願に対する制限として理解すべきではない。
【0028】
本願の実施例の空調機器及びそれによる送風制御方法、装置及び媒体を明確に説明するために、以下、図1に示す空調機器による送風制御方法のフローチャートを参照して説明する。図1に示すように、本願の実施例の空調機器による送風制御方法は、空調機器の室内での、空調機器の実装位置及び対応する位置特徴角度を含む空間位置情報を決定するS11と、位置特徴角度及び実装位置に基づいて、補償パラメータを決定するS13と、補償パラメータに基づいて、空調機器の送風パラメータを補正制御するS15と、を含む。
【0029】
本願の空調機器による送風制御方法によれば、空調機器の室内での空間位置情報を自動的に検出し、且つ検出された空間位置情報に基づいて、空調機器の送風パラメータを自動的に調整し、そして、調整された送風パラメータに基づいて、空調機器の運転を制御することができ、ユーザの操作コストを低減し、スマートで正確な送風サービスをユーザに提供し、ユーザの体験を改善することができる。
【0030】
関連技術において、普通の空調機器について、自身の室内での実装位置を自己検出できず、その対応するリモコンにも関連する機能設定がなく、空調機器が左側の壁に近い位置又は右側の壁に近い位置に実装される場合、空調機器は予め設定された送風制御ポリシーに従って左右に掃風し、左側の壁または右側の壁に対して送風する場合があり、冷風の無駄を引き起こしやすく、空調機器の全体の省エネ性を低下させ、解決策は、ユーザが左右の導風板の送風角度を手動で調整及び固定する必要があるが、このように、ユーザの操作コストを増加するだけでなく、空調機器がある固定した角度に向けて送風を続ける場合、ユーザの均等な送風の需要を満たすことができない一方、ユーザの体の健康に危害を与えやすいことを理解できる。ハイエンドの空調機器の場合、自身の室内での実装位置を自己検出することはできず、実装者がその対応するリモコンに空調機器の実装位置を設定する必要があるが、関連する設定は比較的粗く、空調機器の大まかな実装位置しか設定できず、送風制御の精度がまだ悪く、且つ空調機器の実装位置が変わると、実装位置を再設定する必要があり、そうでないと、同様に通常の空調機器が持つ欠陥がある。
【0031】
つまり、関連技術において、空調機器は自身の室内での実装位置を自己検出し、且つ自身の室内での実装位置に応じて空調機器の送風パラメータを自動的に調整することはできず、関連技術における空調機器に知能化程度が低く、送風制御精度が低く、操作が複雑であり、ユーザの体験に影響を与えるなどの問題がある。
【0032】
本願の空調機器による送風制御方法において、空調機器は自身の室内での実装位置及び室内でのユーザの位置、及び該実装位置に対応する位置特徴角度を自動的に決定し、自動的に決定した実装位置と自動的に決定した位置特徴角度に応じて補償パラメータを決定し、及び補償パラメータに基づいて空調機器の送風パラメータを補正することができ、これにより、送風制御を行う際に、補正後の送風パラメータに基づいて空調機器を自動的に制御することができ、空調機器の知能化の程度を高め、ユーザが複雑な操作を行う必要せずに、比較的正確な送風制御を実現でき、ユーザ体験の改善に役に立つ。
【0033】
具体的に、空調機器は壁掛け式エアコンを含むが、これに制限されない。幾つかの実施例において、空調機器自身はレーダーまたは他の位置検知センサーを含むことができ、取得されたレーダーデータまたは他の位置検知センサーデータを分析することによって空調機器の室内での空間位置情報を自動的に決定することができる。幾つかの実施例において、空調機器の室内での空間位置情報も他の家電機器によって自動的に生成することができ、空調機器は他の家電機器と通信して、自身の空間位置情報を得ることができる。他の家電機器は、テレビ、ウォーターサーバー、掃除ロボットまた他の空調機器などを含むが、これらに制限されない。他の実施例において、空間位置情報はユーザにより主動的に入力することができ、異なるユーザの制御需要を満たし、ここで限定されない。
【0034】
異なる位置特徴角度、異なる実装位置と補償パラメータとの対応関係を予めキャリブレーションして記憶しておくことができ、このように、実装位置と位置特徴角度を決定した後、この対応関係を組み合わせて対応する補償パラメータを迅速且つ直接的に決定することができる。該対応関係を予めキャリブレーションしなく、実装位置と位置特徴角度を決定した後、対応する補償パラメータをリアルタイムに計算してもよく、このように、記憶スペースを節約することができる。
【0035】
空調機器の送風パラメータは、左右の導風の角度、上下の導風の角度、送風時間などを含むが、これらに制限されない。空調機器の送風パラメータは、異なる空間位置情報を考慮せずに予め設定されたパラメータであってもよく、空調機器に記憶してもよいし、クラウドに記憶してもよく、送風パラメータがクラウドに記憶されると、空調機器はクラウドと通信して、送風パラメータを取得することができる。
【0036】
幾つかの実施例において、空調機器の送風パラメータは空調機器の作動モードとユーザの位置に関連することができる。動作モードは機能モードと送風モードを含むことができ、機能モードは人を避けるモードと普通モードを含むことができ、送風モードは冷房モード、除湿モード、暖房モードなどを含むことができる。各動作モードとユーザの位置に対応する送風パラメータは部分的に同じでも、完全に異なってもよい。
【0037】
図2を参照し、一実施例において、ステップS11は、室内での第1の目標壁隅及び第2の目標壁隅を決定し、第1の目標壁隅、第2の目標壁隅及び空調機器の位置は、同一の水平面にあり、第1の目標壁隅と第2の目標壁隅はいずれも空調機器の片側に位置し、第1の目標壁隅及び空調機器の位置は同一の壁面に位置するS111と、第1の目標壁隅と空調機器の位置との間を結ぶ線を第1の角度線とし、第2の目標壁隅と空調機器の位置との間を結ぶ線を第2の角度線とし、及び第1の角度線と第2の角度線との間の角度を位置特徴角度とするS113と、位置特徴角度に基づいて実装位置を決定するS115と、含む。
【0038】
このように、空調機器が室内に実装される際の位置特徴角度及び実装位置を自動的に決定することができる。空調機器の実装位置は水平方向掃風である左右掃風に大きな影響を及ぼし、垂直方向掃風である上下掃風に小さな影響を及ぼすため、空調機器の位置と同一の垂直面にある2つの壁隅ではなく、空調機器の位置と同一の水平面にある2つの壁隅に基づいて空調機器の位置特徴角度を決定し、このように位置特徴角度に基づいて決定した補償パラメータは、空調機器の送風パラメータをより良く補正することができることを理解できる。
【0039】
具体的に、空調機器は室内での第1の壁に実装されることができ、このとき、実装位置は、空調機器の第1の壁に対する位置として理解されることができる。室内はそれぞれ空調機器を実装する第1の壁に接続された第1の側壁と第2の側壁、及び第1の側壁と第2の側壁に接続されて第1の壁に対向して設けられる第2の壁を含む。空調機器の位置の水平面は第1の壁と第1の線分、第2の壁と第2の線分、第1の側壁と第3線分、第2の側壁と第4の線分に交差することができる。図3を参照し、第1の線分Q1Q2、第2の線分Q3Q4、第3線分Q1Q3及び第4の線分Q2Q4は四角形の閉空間を囲むことができ、四角形の閉空間の4つの頂点Q1、Q2、Q3、Q4は4つの壁隅として理解されることができる。第1の目標壁隅は第3線分Q1Q3のうちの一端の頂点として理解されることができ、第2の目標壁隅は第3線分Q1Q3の他端の頂点として理解されることができ、または、第1の目標壁隅は第4の線分Q2Q4のうちの一端の頂点として理解されることができ、第2の目標壁隅は第4の線分Q2Q4の他端の頂点として理解されることができる。
【0040】
さらに、空調機器はレーダーを含むことができ、空調機器が位置する位置を座標原点Oとして直角座標系を作成し、レーダーで受信したエコーデータに従って室内と空調機器が位置する位置は同一の水平面にある4つの壁隅の座標を決定することができ、さらに第2の角度線と第1の角度線との間の角度の角度値を計算することができ、該角度値を位置特徴角度とし、及び該角度値に基づいて実装位置を決定する。
【0041】
一例では、第1の目標壁隅はQ1であり、第2の目標壁隅はQ3であると、第1の角度線はOQ1であり、第2の角度線はOQ3であり、第2の目標壁隅Q3の座標と第1の目標壁隅Q1の座標が既知であり、且つ第1の目標壁隅Q1と第2の目標壁隅Q3との間を結ぶ線Q1Q3と第1の角度線OQ1と第2の角度線OQ3は一緒に直角三角形を構成し、位置特徴角度αは、α=arccos(a/b)によって計算することができ、αは第1の角度線OQ1の長さを示し、bは第2の角度線OQ3の長さを示す。
【0042】
指摘する必要がある点として、位置特徴角度は第1の角度線と第2の角度線がなす鋭角の角度であり、第1の角度線と第2の角度線がなす鈍角の角度ではない。位置特徴角度は90度以下である。
【0043】
一実施例において、第3の目標壁隅は第1の目標壁隅、空調機器の位置と同一の壁面にあり、第1の目標壁隅と第3の目標壁隅はそれぞれ空調機器の両側に位置し、ステップS115は、
位置特徴角度が0°よりも大きく且つ第1の角度以下である場合、空調機器と第1の目標壁隅との間の距離が空調機器と第3の目標壁隅との間の距離より大きいと決定するS1157と、
位置特徴角度が第1の角度より大きく且つ第2の角度以下である場合、空調機器と第1の目標壁隅との間の距離が空調機器と第3の目標壁隅との間の距離とほぼ等しいと決定するS1158と、
位置特徴角度が第2の角度より大きく且つ90°以下である場合、空調機器と第1の目標壁隅との間の距離は空調機器と第3の目標壁隅との間の距離より小さいと決定するS1159と、を含む。
【0044】
このように、位置特徴角度に基づいて空調機器が第1の目標壁隅に近いか、第3の目標壁隅に近いか、第1の目標壁隅と第3の目標壁隅からの距離とほぼ等しいかを自動的に決定することができる。
【0045】
具体的に、第1の角度は40°、第2の角度は50°であってもよく、即ち位置特徴角度が0°より大きく且つ40°以下である場合、空調機器と第1の目標壁隅との間の距離が空調機器と第3の目標壁隅との間の距離より大きいと自動的に決定することができ、位置特徴角度が40°より大きく且つ50°以下である場合、空調機器と第1の目標壁隅との間の距離が空調機器と第3の目標壁隅との間の距離とほぼ等しいと自動的に決定することができ、位置特徴角度が50°より大きく且つ90°以下である場合、空調機器と第1の目標壁隅との間の距離が空調機器と第3の目標壁隅との間の距離より小さいと自動的に決定することができる。
【0046】
一実施例において、第1の目標壁隅は空調機器の右側にあり、第3の目標壁隅は空調機器の左側にあり、ステップS13は、空調機器と第1の目標壁隅との間の距離が空調機器と第3の目標壁隅との間の距離より大きい場合、位置特徴角度に対応する角度パラメータを補償パラメータとするS134と、空調機器と第1の目標壁隅との間の距離が空調機器と第3の目標壁隅との間の距離とほぼ等しい場合、0°を補償パラメータとするS135と、空調機器と第1の目標壁隅との間の距離が空調機器と第3の目標壁隅との間の距離より小さい場合、位置特徴角度に対応する角度パラメータの負の値を補償パラメータとするS136と、を含む。
【0047】
このように、空調機器の実装位置に応じて適切な補償パラメータを選択し、異なる実装位置に対して補正制御するのに役に立つ。一般的に、空調機器が中間位置に実装され、つまり、空調機器と第1の目標壁隅との間の距離が空調機器と第3の目標壁隅との間の距離とほぼ等しい場合、空調機器の送風パラメータを予め設定しているため、空調機器と第1の目標壁隅との間の距離が空調機器と第3の目標壁隅との間の距離とほぼ等しいのを自動的に決定する際に、予め設定された送風パラメータを補正しなくてもよく、即ち補償パラメータが0°であると決定し、これにより、予め設定された送風パラメータを採用して空調機器の運転を制御することを理解できる。
【0048】
具体的に、位置特徴角度に対応する角度パラメータは正の値である。位置特徴角度に対応する角度パラメータをαとすると、位置特徴角度に対応する角度パラメータの負の値は-αである。空調機器と自身の右側の壁隅との距離がより近い場合、補償パラメータは負の値であり、空調機器と自身の左側の壁隅との距離がより近い場合、補償パラメータは正の値である。補償パラメータは、角度を補償するための角度値である。
【0049】
図4を参照し、一実施例において、第1の目標壁隅と第2の目標壁隅はいずれも空調機器の右側にあり、ステップS115は、位置特徴角度が0°よりも大きく且つ第1の角度以下である場合、空調機器が左側位置に実装されたと決定するS1151と、位置特徴角度が第1の角度より大きく且つ第2の角度以下である場合、空調機器が中間位置に実装されたと決定し、第1の角度が第2の角度以下であるS1152と、位置特徴角度が第2の角度より大きく且つ90°以下である場合、空調機器が右側位置に実装されたと決定するS1153と、を含む。
【0050】
このように、位置特徴角度に基づいて空調機器の実装位置が左側位置にあるか、中間位置にあるか、右側位置にあるかを自動的に決定することができる。
【0051】
具体的に、第1の角度は40°、第2の角度は50°であってもよく、即ち位置特徴角度が0°より大きく且つ40°以下である場合、空調機器の実装位置が左側位置にあると自動的に決定することができ、位置特徴角度が40°より大きく且つ50°以下である場合、空調機器の実装位置が中間位置であると自動的に決定することができ、位置特徴角度が50°より大きく且つ90°以下である場合、空調機器の実装位置が右側位置にあると自動的に決定することができる。
【0052】
指摘する必要がある点として、空調機器の右側は、空調機器自身の右側として理解すべきであり、即ち空調機器の送風方向に沿った右側であり、ユーザの視線の右側として直接理解すべきではなく、ユーザの視線の右側は、空調機器の右側と全く逆の2つの方向である可能性がある。空調機器は自身の右側の2つの目標壁隅を予め決定し、自身の右側の2つの目標壁隅のうちの第1の目標壁隅と第2の目標壁隅を決定することができ、さらに、自身の右側の2つの目標壁隅に基づいて空調機器の実装位置を決定する。同様に、左側位置は、壁自身の左側位置として理解すべきであり、ユーザ視線の左側位置として直接理解することはできなく、右側位置は、壁自身の右側位置として理解すべきであり、ユーザ視線の右側位置として直接理解することはできない。
【0053】
図5を参照し、一実施例において、第1の目標壁隅と第2の目標壁隅はいずれも空調機器の左側にあり、ステップS115は、位置特徴角度が0°よりも大きく且つ第1の角度以下である場合、空調機器が右側位置に実装されたと決定するS1154と、位置特徴角度が第1の角度より大きく且つ第2の角度以下である場合、空調機器が中間位置に実装されたと決定し、第1の角度が第2の角度以下であるS1155と、位置特徴角度が第2の角度より大きく且つ90°以下である場合、空調機器が左側位置に実装されたと決定するS1156と、を含む。
【0054】
このように、位置特徴角度に基づいて空調機器の実装位置が左側位置であるか、中間位置であるか、右側位置であるかを自動的に決定することができる。
【0055】
このように、位置特徴角度に基づいて空調機器の実装位置が左側位置にあるか、中間位置にあるか、右側位置にあるかを自動的に決定することができる。
【0056】
具体的に、第1の角度は40°、第2の角度は50°であってもよく、即ち位置特徴角度が0°より大きく且つ40°以下である場合、空調機器の実装位置が右側位置にあると自動的に決定することができ、位置特徴角度が40°より大きく且つ50°以下である場合、空調機器の実装位置が中間位置にあると自動的に決定することができ、位置特徴角度が50°より大きく且つ90°以下である場合、空調機器の実装位置が左側位置にあると自動的に決定することができる。
【0057】
指摘する必要がある点として、空調機器の左側は、空調機器自身の左側として理解すべきであり、即ち空調機器の送風方向に沿った左側であり、ユーザの視線の左側として直接理解すべきではなく、ユーザの視線の左側は、空調機器の左側と全く逆の2つの方向である可能性がある。空調機器は自身の左側の2つの目標壁隅を予め決定し、自身の左側の2つの目標壁隅のうちの第1の目標壁隅と第2の目標壁隅を決定することができ、さらに、自身の左側の2つの目標壁隅に基づいて空調機器の実装位置を決定する。同様に、左側位置は、壁自身の左側位置として理解すべきであり、ユーザ視線の左側位置として直接理解することはできなく、右側位置は、壁自身の右側位置として理解すべきであり、ユーザ視線の右側位置として直接理解することはできない。
【0058】
図6を参照し、一実施例において、ステップS13は、空調機器が左側位置に実装される場合、位置特徴角度に対応する角度パラメータを補償パラメータとするS131と、空調機器が中間位置に実装される場合、0°を補償パラメータとするS132と、空調機器が右側位置に実装される場合、位置特徴角度に対応する角度パラメータの負の値を補償パラメータとするS133と、を含む。
【0059】
このように、空調機器の実装位置に応じて適切な補償パラメータを選択し、異なる実装位置に対して補正制御するのに役に立つ。一般的に、空調機器が中間位置に実装される場合、空調機器の送風パラメータを予め設定しているため、空調機器の実装位置が中間位置であると自動的に決定する際に、予め設定された送風パラメータを補正しなくてもよく、即ち補償パラメータが0°であり、これにより、予め設定された送風パラメータを採用して空調機器の運転を制御することを理解できる。
【0060】
具体的に、位置特徴角度に対応する角度パラメータは正の値である。位置特徴角度に対応する角度パラメータをαとすると、位置特徴角度に対応する角度パラメータの負の値は-αである。補償パラメータは、角度を補償するための角度値である。
【0061】
図7を参照し、一実施例において、ステップS15は、空調機器の左右の導風の目標角度を決定するS151と、補償パラメータに基づいて目標角度を補正制御するS153と、を含む。
【0062】
このように、ユーザにスマート且つ正確な送風サービスを提供することができる。
【0063】
具体的に、一実施例において、空調機器の左右の導風の目標角度は空調機器の作動モードとユーザの位置に基づいて決定する。動作モードは機能モードと送風モードを含むことができ、機能モードは人を避けるモードと普通モードを含むことができ、送風モードは冷房モード、除湿モード、暖房モードなどを含むことができる。ユーザの位置は空調機器に実装されたレーダーによって決定することができる。各動作モード、ユーザの位置に対応する左右の導風の目標角度は部分的に同じでも、完全に異なってもよい。各動作モード、ユーザの位置及び左右の導風の目標角度のマッピング関係を予め作成し、このように該マッピング関係、空調機器の作動モード及びユーザの位置に基づいて空調機器の左右の導風の目標角度を素早く決定する。
【0064】
さらに、一実施例において、ステップS153は、補償パラメータと目標角度の合計値を計算し、合計値を補正後の目標角度として、補正後の目標角度に基づいて空調機器を制御するS1531を含む。
【0065】
一実施例において、空調機器が人を避けるモードである場合、方法は、ユーザが第1の位置にいるとき、空調機器の左右の導風の目標角度が第3の位置に対応すると決定するS21と、ユーザが第2の位置にいるとき、空調機器の左右の導風の目標角度が第1の位置と第3の位置に対応し、第1の位置、第2の位置及び第3の位置は水平方向に順次並べ、且つ第2の位置が第1の位置と第3の位置との間にあるS23と、ユーザが第3の位置にいるとき、空調機器の左右の導風の目標角度が第1の位置に対応すると決定するS25と、をさらに含む。
【0066】
このように、人を避けるモードでの送風パラメータ制御ポリシーを予め作成し、人を避ける効果を達成する。
【0067】
具体的に、ユーザの位置は同時に水平位置と遠近位置の両方を含むことができ、図8図9を参照し、ユーザの水平位置は第1の位置(1)、第2の位置(2)及び第3の位置(3)を含むことができ、ユーザの遠近位置は位置A、位置B及び位置Cを含むことができる。このように、水平方向と遠近方向の2つの次元から人を避ける目的に対して空調機器の送風パラメータを予め設定する。
【0068】
第1の位置(1)、第2の位置(2)及び第3の位置(3)は空調機器の左右の導風の有効範囲に基づいて設定することができ、例えば、空調機器の左右の導風の有効範囲は120°である場合、40°ごとに1つの領域を分割することにより、第1の位置(1)、第2の位置(2)及び第3の位置(3)を決定することができる。位置A、位置B及び位置Cは空調機器の上下の導風の有効範囲に基づいて設定することができ、例えば、空調機器の上下の導風の有効範囲が60°である場合、20°ごとに1つの領域を分割することにより、位置A、位置B及び位置Cを決定することができる。
【0069】
予め設定された空調機器の送風パラメータでは、機能モードが人を避けるモードであり、送風モードが冷房モードである場合、ユーザの水平位置が第1の位置(1)にあると検出すると、左右の導風の目標角度が第3の位置(3)に対応すると決定し、同時に、上下の導風の目標角度はユーザの遠近位置に基づいて決定し、即ち、ユーザの遠近位置が位置Aにあると、上下の導風の目標角度が位置Cに対応すると決定し、ユーザの遠近位置が位置Cにあると、上下の導風の目標角度が位置Aに対応すると決定し、ユーザの遠近位置が位置B、位置AB、位置BC、位置ACまたは位置ABCにあると、上下の導風の目標角度が冷房上限であると決定し、それにより、ユーザが位置する位置を直接送風することを極力避け、ユーザの水平位置が第2の位置(2)にあると検出すると、左右の導風の目標角度が広角であると決定し、同時に上下の導風の目標角度を冷房上限とし、ユーザが位置する位置を直接送風することを極力避け、ユーザの位置が第3の位置(3)にあると検出すると、左右の導風の目標角度が第1の位置(1)に対応すると決定し、同時に上下の導風の目標角度はユーザの遠近位置に基づいて決定し、ユーザの位置が第1の位置(1)と第2の位置(2)にあると検出すると、左右の導風の目標角度が第3の位置(3)に対応すると決定し、同時に上下の導風の目標角度を冷房上限とし、ユーザの位置が第2の位置(2)と第3の位置(3)にあると決定すると、左右の導風の目標角度が第1の位置(1)に対応すると決定し、同時に上下の導風の目標角度を冷房上限とし、ユーザの位置が第1の位置(1)と第3の位置(3)にあると決定すると、左右の導風の目標角度が中央揃えであると決定し、同時に上下の導風の目標角度を冷房上限とし、ユーザの位置が第1の位置(1)、第2の位置(2)及び第3の位置(3)にあると決定すると、左右の導風の目標角度が中央揃えであると決定し、同時に上下の導風の目標角度を冷房上限とする。
【0070】
予め設定された空調機器の送風パラメータでは、機能モードが人を避けるモードであり、送風モードが除湿モードである場合、ユーザの水平位置が第1の位置(1)にあると検出すると、左右の導風の目標角度が第3の位置(3)に対応すると決定し、同時に、上下の導風の目標角度はユーザの遠近位置に基づいて決定し、除湿上限を統一的に設定することができ、ユーザが位置する位置を直接送風することを極力避け、ユーザの水平位置が第2の位置(2)にあると検出すると、左右の導風の目標角度が広角であると決定し、同時に上下の導風の目標角度を冷房上限とし、ユーザが位置する位置を直接送風することを極力避け、ユーザの位置が第3の位置(3)にあると検出すると、左右の導風の目標角度が第1の位置(1)に対応すると決定し、同時に上下の導風の目標角度はユーザの遠近位置に基づいて決定し、除湿上限を統一的に設定することができ、ユーザの位置が第1の位置(1)と第2の位置(2)にあると検出すると、左右の導風の目標角度が第3の位置(3)に対応すると決定し、同時に上下の導風の目標角度を冷房上限とし、ユーザの位置が第2の位置(2)と第3の位置(3)にあると決定すると、左右の導風の目標角度が第1の位置(1)に対応すると決定し、同時に上下の導風の目標角度を冷房上限とし、ユーザの位置が第1の位置(1)と第3の位置(3)にあると決定すると、左右の導風の目標角度が中央揃えであると決定し、同時に上下の導風の目標角度を冷房上限とし、ユーザの位置が第1の位置(1)、第2の位置(2)及び第3の位置(3)にあると決定すると、左右の導風の目標角度が中央揃えであると決定し、同時に上下の導風の目標角度を冷房上限とする。
【0071】
予め設定された空調機器の送風パラメータでは、機能モードが人を避けるモードであり、送風モードが暖房モードである場合、ユーザの水平位置が第1の位置(1)にあると検出すると、左右の導風の目標角度が第3の位置(3)に対応すると決定し、ユーザの水平位置が第2の位置(2)にあると検出すると、左右の導風の目標角度が広角であると決定し、ユーザの位置が第3の位置(3)にあると検出すると、左右の導風の目標角度が第1の位置(1)に対応すると決定し、ユーザの位置が第1の位置(1)と第2の位置(2)にあると検出すると、左右の導風の目標角度が第3の位置(3)に対応すると決定し、ユーザの位置が第2の位置(2)と第3の位置(3)にあると決定すると、左右の導風の目標角度が第1の位置(1)に対応すると決定し、ユーザの位置が第1の位置(1)と第3の位置(3)にあると決定すると、左右の導風の目標角度が中央揃えであると決定し、ユーザの位置が第1の位置(1)、第2の位置(2)及び第3の位置(3)にあると決定すると、左右の導風の目標角度が中央揃えであると決定する。暖房モードでは、上下の導風板の目標角度を暖房下限に統一的に設定すると同時に、無風感導風板を開くことで、さらに人を避ける効果を達成する。
【0072】
指摘する必要がある点として、空調機器は左側導風板と右側導風板を含むことができ、左側導風板と右側導風板は独立して動作でき、上記「広角」は、左側導風板の左右の導風の目標角度を第3の位置(3)に対応し、右側導風板の左右の導風の目標角度を第1の位置(1)に対応するように設定すると理解することができ、これにより、左側導風板と右側導風板が「八」字型を呈して導風を行う。上記「中央揃え」について、左側導風板と右側導風板を平行に進むように設定すると理解することができ、これにより、空調機器に自身の正面の領域に送風させる。上記「冷房上限」は、冷房モードで空調機器の上下導風板が上方に回転する極限位置であると理解することができる。上記「除湿上限」は、除湿モードで空調機器の上下導風板が上方に回転する極限位置であると理解することができる。幾つかの実施例において、冷房上限と除湿上限は同じ上下掃風の角度に対応し、幾つかの実施例において、冷房モードで水蒸気が導風板上に水滴に液化して空調機器の内部に逆流するのを防止するために、冷房上限に対応する上下掃風の角度が除湿上限に対応する上下掃風の角度より小さく、例えば、冷房上限を水平面上方20°、除湿上限を水平面上方25°に設定できる。上記「暖房下限」は、暖房モードで空調機器の上下導風板が下方に回転する極限位置であると理解することができ、例えば、水平面下方90°である。
【0073】
さらに、空調機器の室内での空間位置情報に基づいて補償パラメータθを決定した後、上記予め設定された送風パラメータを補正制御することができる。補正後の送風パラメータを表1と表2に示す。
【0074】
【表1】
【0075】
【表2】
【0076】
図10を参照し、図10は空調装置(エアコン)のシフト後の関連技術の送風制御と本方法の送風制御の1つの場面を示す模式図であり、図から分かるように、人を避けるモードで、ユーザが第1の位置(1)にあると、左右の導風の目標角度が第3の位置(3)に対応し、空調機器が右へシフトした後、ユーザがまだ第1の位置(1)にある場合、関連技術における空調機器の左右の導風の角度が依然として元の角度を保持したままで、ユーザに吹く場合があり、本願の空調機器の左右の導風の角度は空調機器の空間位置情報に基づいて補正し、ユーザに吹くことを避け、人を避ける機能を実現することができる。
【0077】
図11を参照し、図11は空調装置(エアコン)のシフト後の関連技術の送風制御と本方法の送風制御の他の場面を示す模式図であり、図から分かるように、人を避けるモードで、ユーザが第1の位置(1)にあると、左右の導風の目標角度が第3の位置(3)に対応し、空調機器が左へシフトした後、ユーザがまだ第1の位置(1)にある場合、関連技術における空調機器の左右の導風の角が依然として元の角度を保持したままで、壁に広い面積を送風し続けて冷気を浪費することがあるが、本願の空調機器の左右の導風の角度は空調機器の空間位置情報に基づいて補正し、壁に送風する状況を効果的に減らすことができ、同時に人を避ける機能を確保することができる。
【0078】
指摘する必要がある点として、本方法の送風パラメータの補正制御の原理は、空調機器が左側位置に実装されると、送風パラメータのうちの左右の導風の角度をすべて右へ位置特徴角度だけオフセットし、空調機器が右側位置に実装されると、送風パラメータのうちの左右の導風の角度をすべて左へ位置特徴角度だけオフセットすることとして理解できる。このため、空調機器の左右の導風板が左側に向かう際に定義された角度値が左右の導風板が右側に向かう際に定義された角度値より小さい場合、例えば、左右の導風板の水平前方の角度を0度、左右の導風板の左回転の角度を負の値、左右の導風板の右回転の角度を正の値に予め設定する場合、または、左右の導風板の左回転の極限角度を0度、左右の導風板が左から右に回転する角度を次第に大きくするように予め設定する場合、上記ステップS131、ステップS132及びステップS133を用いて補償パラメータを決定することができる。空調機器の左右の導風板が左側に向かう際に定義された角度値が左右の導風板が右側に向かう際に定義された角度値より大きい場合、例えば、左右の導風板の水平前方の角度を0度、左右の導風板の左回転の角度を正の値、左右の導風板の右回転の角度を負の値に予め設定する場合、または、左右の導風板が右に回転する極限角度を0度、左右の導風板が右から左に回転する角度を次第に大きくするように予め設定する場合、空調機器が左側位置に実装されたと決定すると、位置特徴角度の負の値を補償パラメータとして決定することができ、空調機器が中間位置に実装されたと決定すると、0°を補償パラメータとして決定することができ、空調機器が右側位置に実装されたと決定すると、位置特徴角度を補償パラメータとして直接決定することができる。
【0079】
幾つかの実施例において、補正後の左右の導風の角度が空調機器の左右の導風板の回転極限を超えると、左右の導風板の回転極限に対応する角度に基づいて送風制御を行う。
【0080】
指摘する必要がある点として、上記に言及した具体的な数値は、例として本願の実施を詳細に説明するためのものに過ぎず、本願に対する制限と理解すべきではない。他の例または実施形態または実施例において、本願に基づいて他の数値を選択することができ、ここで具体的に限定しない。
【0081】
上記実施例を実現するために、本願の実施例はさらにコンピュータ可読記憶媒体を更に提供し、該コンピュータ可読記憶媒体は上記のいずれかの実施例の空調機器による送風制御方法を実現することができる。本願によるコンピュータ可読記憶媒体に空調機器による送風制御プログラムが記憶され、該送風制御プログラムがプロセッサによって実行される際に上記のいずれかの実施例の空調機器による送風制御方法を実現する。
【0082】
本願のコンピュータ可読記憶媒体によれば、空調機器の室内での空間位置情報を自動的に検出し、且つ検出された空間位置情報に基づいて、空調機器の送風パラメータを自動的に調整し、そして、調整された送風パラメータに基づいて、空調機器の運転を制御することができ、ユーザの操作コストを低減し、スマートで正確な送風サービスをユーザに提供し、ユーザの体験を改善することができる。
【0083】
一例では、送風制御プログラムがプロセッサによって実行される場合、上記実施例のステップS11、ステップS13及びステップS15を実現することができる。
【0084】
上記実施例を実現するために、本願の実施例は空調機器を更に提供し、該空調機器は上記のいずれかの実施例の空調機器による送風制御方法を実現することができる。図12は本願の一実施例による空調機器の構成ブロック図である。図12に示すように、本願による空調機器100はメモリ102、プロセッサ104及びメモリ102に記憶された、プロセッサ104で稼働できる空調機器100による送風制御プログラム106を備え、プロセッサ104は、空調機器100による送風制御プログラム106を実行する際に、上記のいずれかの実施例の空調機器100による送風制御方法を実現する。
【0085】
本願の空調機器100によれば、空調機器100の室内での空間位置情報を自動的に検出することができ、検出された空間位置情報に基づいて空調機器100の送風パラメータを自動的に調整し、及び調整された送風パラメータに基づいて空調機器100の動作を制御し、ユーザの操作コストを低減し、スマートで正確な送風サービスをユーザに提供し、ユーザの体験を改善することができる。
【0086】
関連技術において、普通の空調機器について、自身の室内での実装位置を自己検出できず、その対応するリモコンにも関連する機能設定がなく、空調機器が左側の壁に近い位置又は右側の壁に近い位置に実装される場合、空調機器は予め設定された送風制御ポリシーに従って左右に掃風し、左側の壁または右側の壁に対して送風する場合があり、冷風の無駄を引き起こしやすく、空調機器の全体の省エネ性を低下させ、解決策は、ユーザが左右の導風板の送風角度を手動で調整及び固定する必要があるが、このように、ユーザの操作コストを増加するだけでなく、空調機器がある固定した角度に向けて送風を続ける場合、ユーザの均等な送風の需要を満たすことができない一方、ユーザの体の健康に危害を与えやすいことを理解できる。ハイエンドの空調機器の場合、自身の室内での実装位置を自己検出することはできず、実装者がその対応するリモコンに空調機器の実装位置を設定する必要があるが、関連する設定は比較的粗く、空調機器の大まかな実装位置しか設定できず、送風制御の精度がまだ悪く、且つ空調機器の実装位置が変わると、実装位置を再設定する必要があり、そうでないと、同様に通常の空調機器が持つ欠陥がある。
【0087】
つまり、関連技術において、空調機器は自身の室内での実装位置を自己検出し、且つ自身の室内での実装位置に応じて空調機器の送風パラメータを自動的に調整することはできず、関連技術における空調機器に知能化程度が低く、送風制御精度が低く、操作が複雑であり、ユーザの体験に影響を与えるなどの問題がある。
【0088】
本願の空調機器において、空調機器は自身の室内での実装位置、及び該実装位置に対応する位置特徴角度を自動的に決定し、自動的に決定した実装位置と自動的に決定した位置特徴角度に応じて補償パラメータを決定し、及び補償パラメータに基づいて空調機器の送風パラメータを補正することができ、これにより、送風制御を行う際に、補正後の送風パラメータに基づいて空調機器を自動的に制御することができ、空調機器の知能化の程度を高め、ユーザが複雑な操作を行う必要せずに、比較的正確な送風制御を実現でき、ユーザ体験の改善に役に立つ。
【0089】
具体的に、空調機器は壁掛け式エアコンを含むが、これに制限されない。幾つかの実施例において、空調機器自身はレーダーまたは他の位置検知センサーを含むことができ、取得されたレーダーデータまたは他の位置検知センサーデータを分析することによって空調機器の室内での空間位置情報及びユーザの室内での位置を自動的に決定することができる。幾つかの実施例において、空調機器の室内での空間位置情報も他の家電機器によって自動的に生成することができ、空調機器は他の家電機器と通信して、自身の空間位置情報を得ることができる。他の家電機器は、テレビ、ウォーターサーバー、掃除ロボットまた他の空調機器などを含むが、これらに制限されない。他の実施例において、空間位置情報はユーザにより主動的に入力することができ、異なるユーザの制御需要を満たし、ここで限定されない。
【0090】
異なる位置特徴角度、異なる実装位置と補償パラメータの対応関係を予めキャリブレーションして記憶しておくことができ、このように、実装位置と位置特徴角度を決定した後、この対応関係を組み合わせて対応する補償パラメータを迅速且つ直接的に決定することができる。該対応関係を予めキャリブレーションしなく、実装位置と位置特徴角度を決定した後、対応する補償パラメータをリアルタイムに計算してもよく、このように、記憶スペースを節約することができる。
【0091】
空調機器の送風パラメータは、左右の導風の角度、上下の導風の角度、送風時間などを含むが、これらに制限されない。空調機器の送風パラメータは、異なる空間位置情報を考慮せずに予め設定されたパラメータであってもよく、空調機器に記憶してもよいし、クラウドに記憶してもよく、送風パラメータがクラウドに記憶されると、空調機器はクラウドと通信して、送風パラメータを取得することができる。
【0092】
幾つかの実施例において、空調機器の送風パラメータは空調機器の作動モードとユーザの位置に関連することができる。動作モードは機能モードと送風モードを含むことができ、機能モードは人を避けるモードと普通モードを含むことができ、送風モードは冷房モード、除湿モード、暖房モードなどを含むことができる。各動作モードとユーザの位置に対応する送風パラメータは部分的に同じでも、完全に異なってもよい。
【0093】
一例では、送風制御プログラム106がプロセッサ104によって実行される場合、上記実施例のステップS11、ステップS13及びステップS15を実現することができる。
【0094】
上記実施例を実現するために、本願の実施例は送風制御装置をさらに提出し、該送風制御装置は上記のいずれかの実施例の空調機器による送風制御方法を実現することができる。図13は本願の一実施例による送風制御装置の構成ブロック図である。図13に示すように、本願の空調機器による送風制御装置200は第1の決定モジュール202、第2の決定モジュール204及び制御モジュール206を備える。第1の決定モジュール202は空調機器の室内での空間位置情報を決定するために使用され、空間位置情報は空調機器の実装位置及び対応する位置特徴角度を含む。第2の決定モジュール204は、位置特徴角度及び実装位置に基づいて、補償パラメータを決定するために使用される。制御モジュール206は補償パラメータに基づいて、空調機器の送風パラメータを補正制御するために使用される。
【0095】
本願の空調機器による送風制御装置200は、空調機器の室内での空間位置情報を自動的に検出し、且つ検出された空間位置情報に基づいて、空調機器の送風パラメータを自動的に調整し、そして、調整された送風パラメータに基づいて、空調機器の運転を制御することができ、ユーザの操作コストを低減し、スマートで正確な送風サービスをユーザに提供し、ユーザの体験を改善することができる。
【0096】
一実施例において、第1の決定モジュール202は第1の決定ユニット、計算ユニット及び第2の決定ユニットを備える。第1の決定ユニットは上記ステップS111を実現するために使用される。計算ユニットは上記ステップS113を実現するために使用される。第2の決定ユニットは上記ステップS115を実現するために使用される。
【0097】
このように、空調機器が室内に実装される際の位置特徴角度及び実装位置を自動的に決定することができる。空調機器の実装位置は水平方向掃風である左右掃風に大きな影響を及ぼし、垂直方向掃風である上下掃風に小さな影響を及ぼすため、空調機器の位置と同一の垂直面にある2つの壁隅ではなく、空調機器の位置と同一の水平面にある2つの壁隅に基づいて空調機器の位置特徴角度を決定し、このように位置特徴角度に基づいて決定した補償パラメータは、空調機器の送風パラメータをより良く補正することができることを理解できる。
【0098】
一実施例において、第3の目標壁隅は第1の目標壁隅、空調機器の位置と同一の壁面にあり、第1の目標壁隅と第3の目標壁隅はそれぞれ空調機器の両側に位置し、第2の決定ユニットは第7の決定サブユニット、第8の決定サブユニット及び第9の決定サブユニットを備える。第7の決定サブユニットは上記ステップS1157を実現するために使用される。第8の決定サブユニットは上記ステップS1158を実現するために使用される。第9の決定サブユニットは上記ステップS1159を実現するために使用される。
【0099】
一実施例において、第1の目標壁隅は空調機器の右側にあり、第3の目標壁隅は空調機器の左側にあり、第2の決定モジュールは第7の決定ユニット、第8の決定ユニット及び第9の決定ユニットを備える。第7の決定ユニットは上記ステップS134を実現するために使用される。第8の決定ユニットは上記ステップS135を実現するために使用される。第9の決定ユニットは上記ステップS136を実現するために使用される。
【0100】
一実施例において、第1の目標壁隅は空調機器の左側に位置し、第3の目標壁隅は空調機器の右側に位置し、第2の決定モジュールは第10の決定ユニット、第11の決定ユニット及び第12の決定ユニットを備える。第10の決定ユニットは上記ステップS137を実現するために使用される。第11の決定ユニットは上記ステップS138を実現するために使用される。第12の決定ユニットは上記ステップS139を実現するために使用される。
【0101】
一実施例において、第2の決定ユニットは第1の決定サブユニット、第2の決定サブユニット及び第3決定サブユニットを備える。第1の決定サブユニットは上記ステップS1151を実現するために使用される。第2の決定サブユニットは上記ステップS1152を実現するために使用される。第3決定サブユニットは上記ステップS1153を実現するために使用される。
【0102】
このように、位置特徴角度に基づいて空調機器の実装位置が左側位置にあるか、中間位置にあるか、右側位置にあるかを自動的に決定することができる。
【0103】
一実施例において、第2の決定ユニットは第4の決定サブユニット、第5の決定サブユニット及び第6の決定サブユニットをさらに備える。第4の決定サブユニットは上記ステップS1154を実現するために使用される。第5の決定サブユニットは上記ステップS1155を実現するために使用される。第6の決定サブユニットは上記ステップS1156を実現するために使用される。
【0104】
このように、位置特徴角度に基づいて空調機器の実装位置が左側位置であるか、中間位置であるか、右側位置であるかを自動的に決定することができる。
【0105】
一実施例において、第2の決定モジュール204は、第3決定ユニット、第4の決定ユニット及び第5の決定ユニットを含む。第3決定ユニットは上記ステップS131を実現するために使用される。第4の決定ユニットは上記ステップS132を実現するために使用される。第5の決定ユニットは上記ステップS133を実現するために使用される。
【0106】
このように、空調機器の実装位置に応じて適切な補償パラメータを選択し、異なる実装位置に対して補正制御するのに役に立つ。一般的に、空調機器が中間位置に実装される場合、空調機器の送風パラメータを予め設定しているため、空調機の実装位置が中間位置であると自動的に決定する際に、予め設定された送風パラメータを補正しなくてもよく、即ち補償パラメータが0°であり、これにより、予め設定された送風パラメータを採用して空調機器の運転を制御することを理解できる。
【0107】
一実施例において、制御モジュール206は第6の決定ユニットと制御ユニットを備える。第6の決定ユニットは上記ステップS151を実現するために使用される。制御ユニットは上記ステップS153を実現するために使用される。
【0108】
このように、ユーザにスマート且つ正確な送風サービスを提供することができる。
【0109】
一実施例において、制御ユニットはさらに上記ステップS1531を実現するために使用される。
【0110】
一実施例において、空調機器の左右の導風の目標角度は空調機器の作動モードとユーザの位置に基づいて決定する。
【0111】
このように、異なる動作モードとユーザの異なる位置に対応する左右の導風の目標角度を予めキャリブレーションすることができる。
【0112】
一実施例において、送風制御装置は第3決定モジュール、第4の決定モジュール及び第5の決定モジュールをさらに備える。第3決定モジュールは、上記ステップS21を実現することに用いられる。第4の決定モジュールは、上記ステップS23を実現することに用いられる。第5の決定モジュールは、上記ステップS25を実現することに用いられる。
【0113】
指摘する必要がある点として、上記の空調機器による送風制御方法の実施形態と有益な効果に対する解釈と説明は、本願のコンピュータ可読記憶媒体、空調機器100及び空調機器による送風制御装置200にも適用し、冗長性を避けるため、ここでは詳細に展開しない。
【0114】
当業者は、本願の実施例を方法、システム、またはコンピュータプログラム製品として提供することができることを理解すべきである。このため、本願は、完全なハードウェア実施例、完全なソフトウェア実施例、またはソフトウェアとハードウェアを組み合わせた実施例の形を採用することができる。しかも、本願は、コンピュータ利用可能なプログラムコードのコンピュータ利用可能な記憶媒体(ディスクメモリ、CD-ROM、光学メモリ等を含むが、これらに制限されない)上で実施されるコンピュータプログラム製品の形を採用することができる。
【0115】
本願は本願の実施例による方法、装置(システム)、及びコンピュータプログラム製品のフローチャート及び/又はブロック図を参照して説明するものである。コンピュータプログラム命令によりフローチャート及び/又はブロック図の各フロー及び/又はブロック、及びフローチャート及び/又はブロック図のフロー及び/又はブロックの結合を実現することができる。これらのコンピュータプログラム命令を汎用コンピュータ、専用コンピュータ、組み込みプロセッサまたは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサを提供して1つの機器を生成することで、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサによって実行される命令を、フローチャートの1つのフロー又は複数のフロー及び/又はブロック図の1つのブロックまたは複数のブロックに指定された機能を実現するための装置に生成させる。
【0116】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置に特定の方法で動作するようにガイドすることができるコンピュータ可読メモリに記憶されることもでき、該コンピュータ可読メモリに記憶された命令に命令装置を含む製造品を生成させることができ、該命令装置はフローチャートの1つのフロー又は複数のフロー及び/又はブロック図の1つのブロックまたは複数のブロックに指定された機能を実現する。
【0117】
これらのコンピュータプログラム命令をコンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置にロードしてもよく、これにより、コンピュータまたは他のプログラム可能な装置上で一連の操作ステップを実行させてコンピュータが実現する処理を生成し、コンピュータまたは他のプログラム可能な装置上で実行される命令はフローチャートの1つのフロー又は複数のフロー及び/又はブロック図の1つのブロックまたは複数のブロックに指定された機能を実現するステップを提供する。
【0118】
本明細書の説明において、「1つの実施例」、「いくつかの実施例」、「例」、「具体例」、または「いくつかの例」などの用語を参照する記述は、当該実施例又は例を参照して説明される特定の特徴、構造、材料、または特性が、本願の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書において、上記の用語の概略的な表現は、必ずしも同じ実施例又は例を対象とするものではない。加えて、説明される特定の特徴、構造、材料、または特性は、任意の1つ又は複数の実施例又は例において適切な方法で組み込まされ得る。さらに、当業者は、互いに矛盾することなく、本明細書に記載される様々な実施例又は例、及び様々な実施例又は例に係る特徴を結合して組み合わせることができる。
【0119】
また、本願の実施例に使用された「第1」、「第2」という用語は、説明のためだけに使用され、相対的な重要性を明示又は暗示するかあるいは示される技術的特徴の数を示唆するものとして理解できない。したがって、「第1」、「第2」によって限定される特徴は、少なくとも1つの当該特徴を明示的又は暗黙的に含むことができる。本発明の説明において、「複数」とは、特に限定されていない限り、少なくとも2つ、又は2つ又は2つ以上、例えば2つ、3つ、4つなどを意味する。
【0120】
本願の実施例を提示し記述したが、上記実施例は例示的なものであり、本願を制限するためのものとして理解することができなく、当業者であれば、本願の範囲で上記実施例について様々な変化、修正、置換および変形が可能であることが理解できる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】