(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-22
(54)【発明の名称】切断品質予測を伴う自動化組織切片化システム
(51)【国際特許分類】
G01N 1/06 20060101AFI20250115BHJP
B26D 5/32 20060101ALI20250115BHJP
B26D 7/08 20060101ALI20250115BHJP
B26D 3/28 20060101ALI20250115BHJP
G02B 21/34 20060101ALN20250115BHJP
【FI】
G01N1/06 L
G01N1/06 H
G01N1/06 F
B26D5/32
B26D7/08 A
B26D3/28 610T
G02B21/34
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024559110
(86)(22)【出願日】2022-12-20
(85)【翻訳文提出日】2024-08-07
(86)【国際出願番号】 US2022082067
(87)【国際公開番号】W WO2023122620
(87)【国際公開日】2023-06-29
(32)【優先日】2021-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524231786
【氏名又は名称】クララパス, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ヤグシ, バリス
(72)【発明者】
【氏名】スミス, スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】ミトラ, パーサ ピー.
【テーマコード(参考)】
2G052
2H052
【Fターム(参考)】
2G052AA28
2G052AD32
2G052AD52
2G052BA16
2G052EC03
2G052EC22
2G052EC23
2G052GA31
2G052HC02
2G052HC04
2G052HC06
2G052HC21
2G052HC42
2G052JA06
2G052JA08
2G052JA11
2G052JA22
2H052AE07
(57)【要約】
切片化システムは、組織ブロックを受容するように構成される、チャックアセンブリと、組織ブロックから組織切片を除去するように構成される、切断アセンブリと、チャックアセンブリまたは切断アセンブリのうちの少なくとも一方の1つまたはそれを上回るコンポーネントの動態に関するデータを感知するように構成される、少なくとも1つのセンサと、制御システムとを含む。制御システムは、少なくとも1つのセンサからデータを受信し、少なくとも1つのセンサからのデータが、チャックアセンブリまたは切断アセンブリのうちの少なくとも一方の1つまたはそれを上回るコンポーネントの正常挙動を示すかどうかを決定し、少なくとも1つのセンサからのデータが1つまたはそれを上回るコンポーネントの正常挙動を示さないことが決定される場合に、信号を出力するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
切片化システムであって、
組織ブロックを受容するように構成されるチャックアセンブリと、
前記組織ブロックから組織切片を除去するように構成される切断アセンブリと、
前記チャックアセンブリまたは前記切断アセンブリのうちの少なくとも一方の1つまたはそれを上回るコンポーネントの動態に関するデータを感知するように構成される少なくとも1つのセンサと、
制御システムであって、
前記少なくとも1つのセンサからデータを受信することと、
前記少なくとも1つのセンサからの前記データが、前記チャックアセンブリまたは前記切断アセンブリのうちの少なくとも一方の1つまたはそれを上回るコンポーネントの正常挙動を示すかどうかを決定することと、
前記少なくとも1つのセンサからの前記データが前記1つまたはそれを上回るコンポーネントの正常挙動を示さないことが決定される場合に、信号を出力することと
を行うように構成される、制御システムと
を備える、切片化システム。
【請求項2】
前記信号は、前記1つまたはそれを上回るコンポーネントの動作パラメータを調節するための前記チャックアセンブリまたは前記切断アセンブリのうちの少なくとも一方の1つまたはそれを上回るコンポーネントに対する制御信号である、請求項1に記載の切片化システム。
【請求項3】
前記信号は、ユーザに対するアラートである、請求項1に記載の切片化システム。
【請求項4】
前記信号は、前記切片化システムの動作を保留するための制御信号である、請求項1に記載の切片化システム。
【請求項5】
前記制御システムは、
前記少なくとも1つのセンサから前記データを受信することと、
前記データが、前記1つまたはそれを上回るコンポーネントの正常挙動を示すベースラインデータの事前定義された限界値を超過するときに、前記データが前記1つまたはそれを上回るコンポーネントの正常挙動を示さないことを決定することと
を行うように構成される、請求項1に記載の切片化システム。
【請求項6】
前記制御システムは、
前記1つまたはそれを上回るコンポーネントの動態が、選定された周波数帯域内の所定の閾値を超過するかどうかを決定することと、
前記所定の閾値を超過する前記動態の源を修正するための信号を出力することと
を行うように構成される、請求項1に記載の切片化システム。
【請求項7】
前記少なくとも1つのセンサは、静止画像、動画、または高スピード画像のうちの少なくとも1つを捕捉するように構成される画像センサを含むカメラであり、前記データは、静止画像、動画、または高スピード画像のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の切片化システム。
【請求項8】
事前定義された振動信号を用いて前記チャックアセンブリまたは前記切断アセンブリのうちの少なくとも一方を励起するように構成されるモータ
をさらに備え、
前記制御システムは、前記少なくとも1つのセンサを用いてデータを測定し、前記チャックアセンブリまたは前記切断アセンブリのうちの少なくとも一方のベースラインデータを取得するように構成される、請求項1に記載の切片化システム。
【請求項9】
前記少なくとも1つのセンサは、画像センサ、ビデオセンサ、高スピード画像センサ、レーザドップラ振動計、音響センサ、または力ベースのセンサのうちの1つまたはそれを上回るものである、請求項1に記載の切片化システム。
【請求項10】
前記少なくとも1つのセンサは、画像またはライブフィード画像データを捕捉し、前記画像またはライブフィード画像データの関数として前記切片化システムの性能を監視するように構成され、前記制御システムは、前記画像または前記ライブフィード画像データの関数として前記チャックアセンブリまたは前記切断アセンブリのうちの少なくとも一方の動作パラメータを調節するように構成される、請求項1に記載の切片化システム。
【請求項11】
前記少なくとも1つのセンサは、画像センサであり、前記切片化システムはさらに、種々の波長における照明を提供し、前記画像センサによって、画像またはライブフィードデータを捕捉する照明システムを備え、前記制御システムは、前記画像またはライブフィードデータの関数として前記切片化システムの性能を監視するように構成される、請求項1に記載の切片化システム。
【請求項12】
前記少なくとも1つのセンサは、前記切断アセンブリ上に配置される、またはそれと連通し、
前記制御システムは、前記少なくとも1つのセンサからのデータの関数として切断アセンブリ条件を監視するように構成される、
請求項1に記載の切片化システム。
【請求項13】
前記制御システムはさらに、前記監視される切断アセンブリ条件の関数として組織切片品質を予測するように構成される、請求項12に記載の切片化システム。
【請求項14】
レンズと、撮像センサとを含む撮像システムであって、前記撮像センサは、画像を捕捉するように構成される、撮像システムと、ブレードアーチファクトおよび組織切片厚の均一性に関して前記画像を分析するように構成される制御システムとをさらに備える、請求項1に記載の切片化システム。
【請求項15】
前記制御システムは、ユーザ介入を伴うことなく、前記チャックアセンブリまたは前記切断アセンブリのうちの少なくとも一方の動的パラメータおよび構成を改変し、前記少なくとも1つのセンサからの前記データから監視される乖離するミクロトーム条件を補償するように構成される、請求項1に記載の切片化システム。
【請求項16】
前記少なくとも1つのセンサは、レンズと、センサとを含むカメラを備え、前記センサは、画像またはライブフィードデータを捕捉するように構成され、前記制御システムは、前記画像または前記ライブフィードデータの関数として組織切片品質を予測するように構成される、請求項1に記載の切片化システム。
【請求項17】
種々の波長において前記チャックアセンブリまたは前記切断アセンブリのうちの少なくとも一方を照明するように構成される照明システムをさらに備え、前記コントローラは、ユーザ介入を伴うことなく、切断アセンブリ条件を監視するように構成される、請求項1に記載の切片化システム。
【請求項18】
切片化システムであって、
組織ブロックをその中に保定するように構成される組織チャックと、
前記組織ブロックから組織切片を切断するように構成されるブレードと、
前記組織チャックまたは前記ブレードのうちの少なくとも一方の動態を感知するように構成される少なくとも1つのセンサと、
制御システムであって、
前記少なくとも1つのセンサから感知されたデータを受信することと、
前記感知されたデータがベースラインデータの事前定義された限界値を超過するかどうかを決定することと、
前記感知されたデータが前記ベースラインデータの事前定義された限界値を超過することが決定される場合に信号を出力することと
を行うように構成される、制御システムと
を備える、切片化システム。
【請求項19】
前記信号は、ユーザに対するアラート、前記切片化システムの動作を保留するための制御信号、または前記切片化システムの動作パラメータを調節するための制御信号のうちの少なくとも1つを含む、請求項18に記載の切片化システム。
【請求項20】
前記少なくとも1つのセンサは、カメラを含み、
前記カメラは、レンズと、画像またはライブフィード画像データを捕捉し、リアルタイムで組織切片厚を監視するセンサとを含み、
前記制御システムは、前記画像または前記ライブフィード画像データの関数として前記切片化システムの動作パラメータを調節するように構成される、
請求項18に記載の切片化システム。
【請求項21】
前記少なくとも1つのセンサは、カメラを含み、
前記カメラは、レンズと、センサと、種々の波長における照明を提供し、画像またはライブフィードデータを捕捉する専用の照明システムとを含み、
前記制御システムは、前記画像またはライブフィードデータの関数として前記切片化システムの性能を監視するように構成される、
請求項18に記載の切片化システム。
【請求項22】
前記少なくとも1つのセンサは、力センサを含み、
前記力センサは、前記切片化システムから振動データを収集するように構成され、
前記制御システムは、前記振動データの関数として前記切片化システムの性能を監視するように構成される、
請求項18に記載の切片化システム。
【請求項23】
前記少なくとも1つのセンサは、レーザドップラ振動計を含み、
前記レーザドップラ振動計は、前記切片化システムから振動データを収集するように構成され、
前記制御システムは、前記振動データの関数として前記切片化システムの性能を監視するように構成される、
請求項18に記載の切片化システム。
【請求項24】
切片化システムであって、
チャックアセンブリまたは切断アセンブリのうちの少なくとも一方の1つまたはそれを上回るコンポーネントの動態に関するデータを感知するように構成される少なくとも1つのセンサであって、前記チャックアセンブリは、組織ブロックを受容するように構成され、前記切断アセンブリは、前記組織ブロックから組織切片を除去するように構成される、少なくとも1つのセンサと、
前記少なくとも1つのセンサと連通するコントローラであって、
前記少なくとも1つのセンサからデータを受信することと、
前記少なくとも1つのセンサからの前記データが、前記チャックアセンブリまたは前記切断アセンブリのうちの少なくとも一方の1つまたはそれを上回るコンポーネントの正常挙動を示すかどうかを決定することと、
前記少なくとも1つのセンサからの前記データが前記1つまたはそれを上回るコンポーネントの正常挙動を示さないことが決定される場合に、信号を出力することと
を行うように構成される、コントローラと
を備える、切片化システム。
【請求項25】
前記信号は、前記1つまたはそれを上回るコンポーネントの動作パラメータを調節するための前記チャックアセンブリまたは前記切断アセンブリのうちの少なくとも一方の1つまたはそれを上回るコンポーネントに対する制御信号である、請求項24に記載の切片化システム。
【請求項26】
前記信号は、ユーザに対するアラートである、請求項24に記載の切片化システム。
【請求項27】
前記信号は、前記切片化システムの動作を保留するための制御信号である、請求項24に記載の切片化システム。
【請求項28】
前記コントローラはさらに、前記データが、前記1つまたはそれを上回るコンポーネントの正常挙動を示すベースラインデータの事前定義された限界値を超過するときに、前記データが前記1つまたはそれを上回るコンポーネントの正常挙動を示さないことを決定するように構成される、請求項24に記載の切片化システム。
【請求項29】
前記コントローラはさらに、
前記1つまたはそれを上回るコンポーネントの動態が、選定された周波数帯域内の所定の閾値を超過するかどうかを決定することと、
前記所定の閾値を超過する前記動態の源を修正するための信号を出力することと
を行うように構成される、請求項24に記載の切片化システム。
【請求項30】
前記少なくとも1つのセンサは、静止画像、動画、または高スピード画像のうちの少なくとも1つを捕捉するように構成される画像センサを含むカメラであり、前記データは、静止画像、動画、または高スピード画像のうちの少なくとも1つを含む、請求項24に記載の切片化システム。
【請求項31】
前記コントローラはさらに、
モータを作動させ、事前定義された振動信号を用いて前記チャックアセンブリまたは前記切断アセンブリのうちの少なくとも一方を励起することと、
前記少なくとも1つのセンサを用いてデータを測定し、前記チャックアセンブリまたは前記切断アセンブリのうちの少なくとも一方のベースラインデータを取得することと
を行うように構成される、請求項24に記載の切片化システム。
【請求項32】
前記少なくとも1つのセンサは、画像センサ、ビデオセンサ、高スピード画像センサ、レーザドップラ振動計、音響センサ、または力ベースのセンサのうちの1つまたはそれを上回るものである、請求項24に記載の切片化システム。
【請求項33】
前記少なくとも1つのセンサは、画像またはライブフィード画像データを捕捉し、前記画像またはライブフィード画像データの関数として前記切片化システムの性能を監視するように構成され、
前記コントローラは、前記画像または前記ライブフィード画像データの関数として前記チャックアセンブリまたは前記切断アセンブリのうちの少なくとも一方の動作パラメータを調節するように構成される、
請求項24に記載の切片化システム。
【請求項34】
前記少なくとも1つのセンサは、画像センサであり、
前記コントローラはさらに、
照明システムを制御し、種々の波長における照明を提供し、前記画像センサによって、画像またはライブフィードデータを捕捉することと、
前記画像またはライブフィードデータの関数として前記切片化システムの性能を監視することと
を行うように構成される、請求項24に記載の切片化システム。
【請求項35】
方法であって、
チャックアセンブリ内に組織ブロックを受容することと、
切断アセンブリを用いて前記組織ブロックから組織切片を除去することと、
少なくとも1つのセンサを用いて、前記組織ブロックからの前記組織切片の除去の間に、前記チャックアセンブリまたは前記切断アセンブリのうちの少なくとも一方の1つまたはそれを上回るコンポーネントの動態に関するデータを感知することと、
前記少なくとも1つのセンサによって、前記感知されたデータをコントローラに送信することと、
前記コントローラによって、前記少なくとも1つのセンサからの前記感知されたデータが、前記チャックアセンブリまたは前記切断アセンブリのうちの少なくとも一方の1つまたはそれを上回るコンポーネントの正常挙動を示すかどうかを決定することと、
前記コントローラによって、前記少なくとも1つのセンサからの前記データが前記1つまたはそれを上回るコンポーネントの正常挙動を示さないことが決定される場合に、信号を出力することと
を含む、方法。
【請求項36】
前記コントローラによって、前記少なくとも1つのセンサからの前記感知されたデータが正常挙動から乖離する前記チャックアセンブリまたは前記切断アセンブリのうちの少なくとも一方の1つまたはそれを上回るコンポーネントの条件を示すかどうかを決定することと、
前記コントローラによって、前記少なくとも1つのセンサからの前記データが正常挙動から乖離する前記チャックアセンブリまたは前記切断アセンブリのうちの少なくとも一方の1つまたはそれを上回るコンポーネントの条件を示すと決定される場合に、信号を出力することと
をさらに含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記決定することはさらに、前記コントローラによって、前記感知されたデータとベースラインデータを比較することを含み、前記ベースラインデータは、前記1つまたはそれを上回るコンポーネントの正常挙動を示す、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
前記信号は、前記1つまたはそれを上回るコンポーネントの動作パラメータを調節するための前記チャックアセンブリまたは前記切断アセンブリのうちの少なくとも一方の1つまたはそれを上回るコンポーネントに対する制御信号である、請求項35に記載の方法。
【請求項39】
前記コントローラによって、前記チャックアセンブリまたは前記切断アセンブリのうちの少なくとも一方に正常挙動を示さなくさせる前記チャックアセンブリまたは前記切断アセンブリのうちの少なくとも一方の1つまたはそれを上回るコンポーネントを決定することと、
前記コントローラによって、前記チャックアセンブリまたは前記切断アセンブリのうちの少なくとも一方に正常挙動を示さなくさせる前記1つまたはそれを上回るコンポーネントに制御信号を出力し、前記1つまたはそれを上回るコンポーネントの動作パラメータを調節することと
をさらに含む、請求項35に記載の方法。
【請求項40】
前記コントローラによって、前記チャックアセンブリまたは前記切断アセンブリのうちの少なくとも一方に正常挙動を示さなくさせる前記チャックアセンブリまたは前記切断アセンブリのうちの少なくとも一方の1つまたはそれを上回るコンポーネントを決定することと、
前記コントローラによって、前記チャックアセンブリまたは前記切断アセンブリのうちの少なくとも一方の別の1つまたはそれを上回るコンポーネントに制御信号を出力し、前記別の1つまたはそれを上回るコンポーネントの動作パラメータを調節することと
をさらに含む、請求項35に記載の方法。
【請求項41】
前記信号は、ユーザに対するアラートである、請求項35に記載の方法。
【請求項42】
前記信号は、前記チャックアセンブリと、前記切断アセンブリとを備える切片化システムの動作を停止するための制御信号である、請求項35に記載の方法。
【請求項43】
前記コントローラによって、前記1つまたはそれを上回るコンポーネントの正常挙動を示すベースラインデータを決定することであって、前記少なくとも1つのセンサからの前記感知されたデータが前記チャックアセンブリまたは前記切断アセンブリのうちの少なくとも一方の1つまたはそれを上回るコンポーネントの正常挙動を示すかどうかを決定することはさらに、前記コントローラによって、前記感知されたデータと前記ベースラインデータを比較することを含む、こと
をさらに含む、請求項35に記載の方法。
【請求項44】
方法であって、
コントローラによって、少なくとも1つのセンサを用いて感知されたデータを受信することであって、
前記感知されたデータは、チャックアセンブリまたは切断アセンブリのうちの少なくとも一方の1つまたはそれを上回るコンポーネントの動態に関連し、
前記チャックアセンブリは、組織ブロックを受容するように構成され、
前記切断アセンブリは、前記組織ブロックから組織切片を除去するように構成される、ことと、
前記コントローラによって、前記少なくとも1つのセンサからの前記感知されたデータが、前記チャックアセンブリまたは前記切断アセンブリのうちの少なくとも一方の1つまたはそれを上回るコンポーネントの正常挙動を示すかどうかを決定することと、
前記コントローラによって、前記少なくとも1つのセンサからの前記データが前記1つまたはそれを上回るコンポーネントの正常挙動を示さないことが決定される場合に、信号を出力することと
を含む、方法。
【請求項45】
前記コントローラによって、前記少なくとも1つのセンサからの前記感知されたデータが正常挙動から乖離する前記チャックアセンブリまたは前記切断アセンブリのうちの少なくとも一方の1つまたはそれを上回るコンポーネントの条件を示すかどうかを決定することと、
前記コントローラによって、前記少なくとも1つのセンサからの前記データが正常挙動から乖離する前記チャックアセンブリまたは前記切断アセンブリのうちの少なくとも一方の1つまたはそれを上回るコンポーネントの条件を示すと決定される場合に、信号を出力することと
をさらに含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記決定することはさらに、前記コントローラによって、前記感知されたデータとベースラインデータを比較することを含み、前記ベースラインデータは、前記1つまたはそれを上回るコンポーネントの正常挙動を示す、請求項44に記載の方法。
【請求項47】
前記信号は、前記1つまたはそれを上回るコンポーネントの動作パラメータを調節するための前記チャックアセンブリまたは前記切断アセンブリのうちの少なくとも一方の1つまたはそれを上回るコンポーネントに対する制御信号である、請求項44に記載の方法。
【請求項48】
前記コントローラによって、前記チャックアセンブリまたは前記切断アセンブリのうちの少なくとも一方に正常挙動を示さなくさせる前記チャックアセンブリまたは前記切断アセンブリのうちの少なくとも一方の1つまたはそれを上回るコンポーネントを決定することと、
前記コントローラによって、前記チャックアセンブリまたは前記切断アセンブリのうちの少なくとも一方に正常挙動を示さなくさせる前記1つまたはそれを上回るコンポーネントに制御信号を出力し、前記1つまたはそれを上回るコンポーネントの動作パラメータを調節することと
をさらに含む、請求項44に記載の方法。
【請求項49】
前記コントローラによって、前記チャックアセンブリまたは前記切断アセンブリのうちの少なくとも一方に正常挙動を示さなくさせる前記チャックアセンブリまたは前記切断アセンブリのうちの少なくとも一方の1つまたはそれを上回るコンポーネントを決定することと、
前記コントローラによって、前記チャックアセンブリまたは前記切断アセンブリのうちの少なくとも一方の別の1つまたはそれを上回るコンポーネントに制御信号を出力し、前記別の1つまたはそれを上回るコンポーネントの動作パラメータを調節することと
をさらに含む、請求項44に記載の方法。
【請求項50】
前記信号は、ユーザに対するアラートである、請求項44に記載の方法。
【請求項51】
前記信号は、前記チャックアセンブリと、前記切断アセンブリとを備える切片化システムの動作を停止するための制御信号である、請求項44に記載の方法。
【請求項52】
前記コントローラによって、ベースラインデータを決定することであって、
前記ベースラインデータは、前記1つまたはそれを上回るコンポーネントの正常挙動を示し、
前記少なくとも1つのセンサからの前記感知されたデータが前記チャックアセンブリまたは前記切断アセンブリのうちの少なくとも一方の1つまたはそれを上回るコンポーネントの正常挙動を示すかどうかを決定することはさらに、前記コントローラによって、前記感知されたデータと前記ベースラインデータを比較することを含む、こと
をさらに含む、請求項44に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、これらの出願の内容が、参照することによってそれらの全体として本明細書に組み込まれる、2021年12月20日に出願された、米国仮特許出願第63/265,747号および2022年12月20日に出願された、米国実用特許出願第18/085,383号の利益および優先権を主張する。
【0002】
本開示は、生物学的組織ブロックから組織を切片化するための自動化システムおよび方法に関し、より具体的には、ミクロトームの切断品質の予測を提供するシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
顕微鏡視認のためのミクロン単位の薄さの組織切片の生産である、従来的ミクロトーム法は、繊細な、時間のかかる手動タスクである。組織サンプル切片のデジタル撮像における最近の進歩は、試料のブロックを非常に迅速にスライスすることを望ましくしている。実施例として、組織が、臨床処置の一部として切片化される場合、時間は、患者処置を改良する際の重要な変数である。解剖病理学の術中用途のための、例えば、十分な組織が除去されているかどうかを決定するために肺癌の辺縁を検査する際の、組織の切片化の間に節約され得る全てのわずかな時間が、臨床的に有益である。多数のサンプル切片を迅速に生成するために、ミクロトームブレードによって支持組織ブロックから組織切片を切断し、切断された組織切片のスライドへの移送を促進するプロセスを自動化することが、望ましい。
【0004】
解剖病理学の術中用途のための組織の切片化の間に節約され得る、全てのわずかな時間が、重要となり得る。オペレータまたは実験室研究者が、不十分な切断品質の潜在的源を決定するように試みている間、切片化された組織の不十分な切断品質は、プロセスを減速させ得る。不十分な切断品質の少なくとも1つの源の予測能力を増加させ、それによって、時間を節約し得る、自動化システムを提供することが、有利であろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
組織サンプルの調製のためのシステムおよび方法の改良の必要性が、存在する。本開示は、他の望ましい特性を有することに加えて、本必要性に対処するための解決策を対象とする。
【0006】
本開示は、切片化システムであって、組織ブロックを受容するように構成される、チャックアセンブリと、組織ブロックから組織切片を除去するように構成される、切断アセンブリと、チャックアセンブリまたは切断アセンブリのうちの少なくとも一方の1つまたはそれを上回るコンポーネントの動態に関するデータを感知するように構成される、少なくとも1つのセンサと、制御システムであって、少なくとも1つのセンサからデータを受信し、少なくとも1つのセンサからのデータが、チャックアセンブリまたは切断アセンブリのうちの少なくとも一方の1つまたはそれを上回るコンポーネントの正常挙動を示すかどうかを決定し、少なくとも1つのセンサからのデータが1つまたはそれを上回るコンポーネントの正常挙動を示さないことが決定される場合に、信号を出力するように構成される、制御システムとを含む、切片化システムに関する。
【0007】
いくつかの実施形態では、本開示は、切片化システムであって、信号は、1つまたはそれを上回るコンポーネントの動作パラメータを調節するための、チャックアセンブリまたは切断アセンブリのうちの少なくとも一方の1つまたはそれを上回るコンポーネントに対する制御信号である、切片化システムに関する。いくつかの実施形態では、本開示は、切片化システムであって、信号は、ユーザに対するアラートである、切片化システムに関する。いくつかの実施形態では、本開示は、切片化システムであって、信号は、切片化システムの動作を保留するための制御信号である、切片化システムに関する。いくつかの実施形態では、本開示は、切片化システムであって、制御システムは、少なくとも1つのセンサからデータを受信し、データが、1つまたはそれを上回るコンポーネントの正常挙動を示す、ベースラインデータの事前定義された限界値を超過するときに、データが1つまたはそれを上回るコンポーネントの正常挙動を示さないことを決定するように構成される、切片化システムに関する。いくつかの実施形態では、本開示は、切片化システムであって、制御システムが、1つまたはそれを上回るコンポーネントの動態が、選定された周波数帯域内の所定の閾値を超過するかどうかを決定し、所定の閾値を超過する動態の源を修正するための信号を出力するように構成される、切片化システムに関する。いくつかの実施形態では、本開示は、切片化システムであって、少なくとも1つのセンサは、静止画像、動画、または高スピード画像のうちの少なくとも1つを捕捉するように構成される、画像センサを含む、カメラであり、データは、静止画像、動画、または高スピード画像のうちの少なくとも1つを含む、切片化システムに関する。いくつかの実施形態では、本開示は、切片化システムであって、事前定義された振動信号を用いてチャックアセンブリまたは切断アセンブリのうちの少なくとも一方を励起するように構成される、モータをさらに含み、制御システムは、少なくとも1つのセンサを用いてデータを測定し、チャックアセンブリまたは切断アセンブリのうちの少なくとも一方のベースラインデータを取得するように構成される、切片化システムに関する。いくつかの実施形態では、本開示は、切片化システムであって、少なくとも1つのセンサは、画像センサ、ビデオセンサ、高スピード画像センサ、レーザドップラ振動計、音響センサ、または力ベースのセンサのうちの1つまたはそれを上回るものである、切片化システムに関する。いくつかの実施形態では、本開示は、切片化システムであって、少なくとも1つのセンサは、画像またはライブフィード画像データを捕捉し、画像またはライブフィード画像データの関数として切片化システムの性能を監視するように構成され、制御システムは、画像またはライブフィード画像データの関数としてチャックアセンブリまたは切断アセンブリのうちの少なくとも一方の動作パラメータを調節するように構成される、切片化システムに関する。いくつかの実施形態では、本開示は、切片化システムであって、少なくとも1つのセンサは、画像センサであり、切片化システムはさらに、種々の波長における照明を提供し、画像センサによって、画像またはライブフィードデータを捕捉する、照明システムを含み、制御システムは、画像またはライブフィードデータの関数として切片化システムの性能を監視するように構成される、切片化システムに関する。いくつかの実施形態では、本開示は、切片化システムであって、少なくとも1つのセンサは、切断アセンブリ上に配置される、またはそれと連通し、制御システムは、少なくとも1つのセンサからのデータの関数として切断アセンブリ条件を監視するように構成される、切片化システムに関する。いくつかの実施形態では、本開示は、切片化システムであって、制御システムはさらに、監視される切断アセンブリ条件の関数として組織切片品質を予測するように構成される、切片化システムに関する。いくつかの実施形態では、本開示は、切片化システムであって、レンズと、撮像センサであって、画像を捕捉するように構成される、撮像センサとを含む、撮像システムと、ブレードアーチファクトおよび組織切片厚の均一性に関して画像を分析するように構成される、制御システムとをさらに含む、切片化システムに関する。いくつかの実施形態では、本開示は、切片化システムであって、制御システムは、ユーザ介入を伴うことなく、チャックアセンブリまたは切断アセンブリのうちの少なくとも一方の動的パラメータおよび構成を改変し、少なくとも1つのセンサからのデータから監視される、乖離するミクロトーム条件を補償するように構成される、切片化システムに関する。いくつかの実施形態では、本開示は、切片化システムであって、少なくとも1つのセンサは、レンズと、センサであって、画像またはライブフィードデータを捕捉するように構成される、センサとを含む、カメラを含み、制御システムは、画像またはライブフィードデータの関数として組織切片品質を予測するように構成される、切片化システムに関する。いくつかの実施形態では、本開示は、切片化システムであって、種々の波長においてチャックアセンブリまたは切断アセンブリのうちの少なくとも一方を照明するように構成される、照明システムをさらに含み、コントローラは、ユーザ介入を伴うことなく、切断アセンブリ条件を監視するように構成される、切片化システムに関する。
【0008】
本開示は、切片化システムであって、組織ブロックをその中に保定するように構成される、組織チャックと、組織ブロックから組織切片を切断するように構成される、ブレードと、組織チャックまたはブレードのうちの少なくとも一方の動態を感知するように構成される、少なくとも1つのセンサと、制御システムであって、少なくとも1つのセンサから感知されたデータを受信し、感知されたデータがベースラインデータの事前定義された限界値を超過するかどうかを決定し、感知されたデータがベースラインデータの事前定義された限界値を超過することが決定される場合に信号を出力するように構成される、制御システムとを含む、切片化システムに関する。
【0009】
いくつかの実施形態では、本開示は、切片化システムであって、信号は、ユーザに対するアラート、切片化システムの動作を保留するための制御信号、または切片化システムの動作パラメータを調節するための制御信号のうちの少なくとも1つを含む、切片化システムに関する。いくつかの実施形態では、本開示は、切片化システムであって、少なくとも1つのセンサは、カメラを含み、カメラは、レンズと、画像またはライブフィード画像データを捕捉し、リアルタイムで組織切片厚を監視する、センサとを含み、制御システムは、画像またはライブフィード画像データの関数として切片化システムの動作パラメータを調節するように構成される、切片化システムに関する。いくつかの実施形態では、本開示は、切片化システムであって、少なくとも1つのセンサは、カメラを含み、カメラは、レンズと、センサと、種々の波長における照明を提供し、画像またはライブフィードデータを捕捉する、専用の照明システムとを含み、制御システムは、画像またはライブフィードデータの関数として切片化システムの性能を監視するように構成される、切片化システムに関する。いくつかの実施形態では、本開示は、切片化システムであって、少なくとも1つのセンサは、力センサを含み、力センサは、切片化システムから振動データを収集するように構成され、制御システムは、振動データの関数として切片化システムの性能を監視するように構成される、切片化システムに関する。いくつかの実施形態では、本開示は、切片化システムであって、少なくとも1つのセンサは、レーザドップラ振動計を含み、レーザドップラ振動計は、切片化システムから振動データを収集するように構成され、制御システムは、振動データの関数として切片化システムの性能を監視するように構成される、切片化システムに関する。
【0010】
本開示は、切片化システムであって、チャックアセンブリまたは切断アセンブリのうちの少なくとも一方の1つまたはそれを上回るコンポーネントの動態に関するデータを感知するように構成される、少なくとも1つのセンサであって、チャックアセンブリは、組織ブロックを受容するように構成され、切断アセンブリは、組織ブロックから組織切片を除去するように構成される、少なくとも1つのセンサと、少なくとも1つのセンサと連通し、少なくとも1つのセンサからデータを受信し、少なくとも1つのセンサからのデータが、チャックアセンブリまたは切断アセンブリのうちの少なくとも一方の1つまたはそれを上回るコンポーネントの正常挙動を示すかどうかを決定し、少なくとも1つのセンサからのデータが1つまたはそれを上回るコンポーネントの正常挙動を示さないことが決定される場合に、信号を出力するように構成される、コントローラとを含む、切片化システムに関する。
【0011】
いくつかの実施形態では、本開示は、切片化システムであって、信号は、1つまたはそれを上回るコンポーネントの動作パラメータを調節するための、チャックアセンブリまたは切断アセンブリのうちの少なくとも一方の1つまたはそれを上回るコンポーネントに対する制御信号である、切片化システムに関する。いくつかの実施形態では、本開示は、切片化システムであって、信号は、ユーザに対するアラートである、切片化システムに関する。いくつかの実施形態では、本開示は、切片化システムであって、信号は、切片化システムの動作を保留するための制御信号である、切片化システムに関する。いくつかの実施形態では、本開示は、切片化システムであって、コントローラはさらに、データが、1つまたはそれを上回るコンポーネントの正常挙動を示す、ベースラインデータの事前定義された限界値を超過するときに、データが1つまたはそれを上回るコンポーネントの正常挙動を示さないことを決定するように構成される、切片化システムに関する。いくつかの実施形態では、本開示は、切片化システムであって、コントローラはさらに、1つまたはそれを上回るコンポーネントの動態が、選定された周波数帯域内の所定の閾値を超過するかどうかを決定し、所定の閾値を超過する動態の源を修正するための信号を出力するように構成される、切片化システムに関する。いくつかの実施形態では、本開示は、切片化システムであって、少なくとも1つのセンサは、静止画像、動画、または高スピード画像のうちの少なくとも1つを捕捉するように構成される、画像センサを含む、カメラであり、データは、静止画像、動画、または高スピード画像のうちの少なくとも1つを含む、切片化システムに関する。いくつかの実施形態では、本開示は、切片化システムであって、コントローラはさらに、モータを作動させ、事前定義された振動信号を用いてチャックアセンブリまたは切断アセンブリのうちの少なくとも一方を励起し、少なくとも1つのセンサを用いてデータを測定し、チャックアセンブリまたは切断アセンブリのうちの少なくとも一方のベースラインデータを取得するように構成される、切片化システムに関する。いくつかの実施形態では、本開示は、切片化システムであって、少なくとも1つのセンサは、画像センサ、ビデオセンサ、高スピード画像センサ、レーザドップラ振動計、音響センサ、または力ベースのセンサのうちの1つまたはそれを上回るものである、切片化システムに関する。いくつかの実施形態では、本開示は、切片化システムであって、少なくとも1つのセンサは、画像またはライブフィード画像データを捕捉し、画像またはライブフィード画像データの関数として切片化システムの性能を監視するように構成され、コントローラは、画像またはライブフィード画像データの関数としてチャックアセンブリまたは切断アセンブリのうちの少なくとも一方の動作パラメータを調節するように構成される、切片化システムに関する。いくつかの実施形態では、本開示は、切片化システムであって、少なくとも1つのセンサは、画像センサであり、コントローラはさらに、照明システムを制御し、種々の波長における照明を提供し、画像センサによって、画像またはライブフィードデータを捕捉し、画像またはライブフィードデータの関数として切片化システムの性能を監視するように構成される、切片化システムに関する。
【0012】
本開示は、方法であって、チャックアセンブリ内に組織ブロックを受容するステップと、切断アセンブリを用いて組織ブロックから組織切片を除去するステップと、少なくとも1つのセンサを用いて、組織ブロックからの組織切片の除去の間に、チャックアセンブリまたは切断アセンブリのうちの少なくとも一方の1つまたはそれを上回るコンポーネントの動態に関するデータを感知するステップと、少なくとも1つのセンサによって、感知されたデータをコントローラに送信するステップと、コントローラによって、少なくとも1つのセンサからの感知されたデータが、チャックアセンブリまたは切断アセンブリのうちの少なくとも一方の1つまたはそれを上回るコンポーネントの正常挙動を示すかどうかを決定するステップと、コントローラによって、少なくとも1つのセンサからのデータが1つまたはそれを上回るコンポーネントの正常挙動を示さないことが決定される場合に、信号を出力するステップとを含む、方法に関する。
【0013】
いくつかの実施形態では、本開示は、方法であって、コントローラによって、少なくとも1つのセンサからの感知されたデータが、正常挙動から乖離する、チャックアセンブリまたは切断アセンブリのうちの少なくとも一方の1つまたはそれを上回るコンポーネントの条件を示すかどうかを決定するステップと、コントローラによって、少なくとも1つのセンサからのデータが、正常挙動から乖離する、チャックアセンブリまたは切断アセンブリのうちの少なくとも一方の1つまたはそれを上回るコンポーネントの条件を示すと決定される場合に、信号を出力するステップとをさらに含む、方法に関する。いくつかの実施形態では、本開示は、方法であって、決定するステップはさらに、コントローラによって、感知されたデータとベースラインデータを比較するステップを含み、ベースラインデータは、1つまたはそれを上回るコンポーネントの正常挙動を示す、方法に関する。いくつかの実施形態では、本開示は、方法であって、信号は、1つまたはそれを上回るコンポーネントの動作パラメータを調節するための、チャックアセンブリまたは切断アセンブリのうちの少なくとも一方の1つまたはそれを上回るコンポーネントに対する制御信号である、方法に関する。いくつかの実施形態では、本開示は、方法であって、コントローラによって、チャックアセンブリまたは切断アセンブリのうちの少なくとも一方に正常挙動を示さなくさせる、チャックアセンブリまたは切断アセンブリのうちの少なくとも一方の1つまたはそれを上回るコンポーネントを決定するステップと、コントローラによって、チャックアセンブリまたは切断アセンブリのうちの少なくとも一方に正常挙動を示さなくさせる1つまたはそれを上回るコンポーネントに制御信号を出力し、1つまたはそれを上回るコンポーネントの動作パラメータを調節するステップとをさらに含む、方法に関する。いくつかの実施形態では、本開示は、方法であって、コントローラによって、チャックアセンブリまたは切断アセンブリのうちの少なくとも一方に正常挙動を示さなくさせる、チャックアセンブリまたは切断アセンブリのうちの少なくとも一方の1つまたはそれを上回るコンポーネントを決定するステップと、コントローラによって、チャックアセンブリまたは切断アセンブリのうちの少なくとも一方の別の1つまたはそれを上回るコンポーネントに制御信号を出力し、別の1つまたはそれを上回るコンポーネントの動作パラメータを調節するステップとをさらに含む、方法に関する。いくつかの実施形態では、本開示は、方法であって、信号は、ユーザに対するアラートである、方法に関する。いくつかの実施形態では、本開示は、方法であって、信号は、チャックアセンブリと、切断アセンブリとを備える、切片化システムの動作を停止するための制御信号である、方法に関する。いくつかの実施形態では、本開示は、方法であって、コントローラによって、1つまたはそれを上回るコンポーネントの正常挙動を示す、ベースラインデータを決定するステップであって、少なくとも1つのセンサからの感知されたデータがチャックアセンブリまたは切断アセンブリのうちの少なくとも一方の1つまたはそれを上回るコンポーネントの正常挙動を示すかどうかを決定するステップはさらに、コントローラによって、感知されたデータとベースラインデータを比較するステップを含む、ステップをさらに含む、方法に関する。
【0014】
本開示は、方法であって、コントローラによって、少なくとも1つのセンサを用いて感知されたデータを受信するステップであって、感知されたデータは、チャックアセンブリまたは切断アセンブリのうちの少なくとも一方の1つまたはそれを上回るコンポーネントの動態に関連し、チャックアセンブリは、組織ブロックを受容するように構成され、切断アセンブリは、組織ブロックから組織切片を除去するように構成される、ステップと、コントローラによって、少なくとも1つのセンサからの感知されたデータが、チャックアセンブリまたは切断アセンブリのうちの少なくとも一方の1つまたはそれを上回るコンポーネントの正常挙動を示すかどうかを決定するステップと、コントローラによって、少なくとも1つのセンサからのデータが1つまたはそれを上回るコンポーネントの正常挙動を示さないことが決定される場合に、信号を出力するステップとを含む、方法に関する。
【0015】
いくつかの実施形態では、本開示は、方法であって、コントローラによって、少なくとも1つのセンサからの感知されたデータが、正常挙動から乖離する、チャックアセンブリまたは切断アセンブリのうちの少なくとも一方の1つまたはそれを上回るコンポーネントの条件を示すかどうかを決定するステップと、コントローラによって、少なくとも1つのセンサからのデータが、正常挙動から乖離する、チャックアセンブリまたは切断アセンブリのうちの少なくとも一方の1つまたはそれを上回るコンポーネントの条件を示すと決定される場合に、信号を出力するステップとをさらに含む、方法に関する。いくつかの実施形態では、本開示は、方法であって、決定するステップはさらに、コントローラによって、感知されたデータとベースラインデータを比較するステップを含み、ベースラインデータは、1つまたはそれを上回るコンポーネントの正常挙動を示す、方法に関する。いくつかの実施形態では、本開示は、方法であって、信号は、1つまたはそれを上回るコンポーネントの動作パラメータを調節するための、チャックアセンブリまたは切断アセンブリのうちの少なくとも一方の1つまたはそれを上回るコンポーネントに対する制御信号である、方法に関する。いくつかの実施形態では、本開示は、方法であって、コントローラによって、チャックアセンブリまたは切断アセンブリのうちの少なくとも一方に正常挙動を示さなくさせる、チャックアセンブリまたは切断アセンブリのうちの少なくとも一方の1つまたはそれを上回るコンポーネントを決定するステップと、コントローラによって、チャックアセンブリまたは切断アセンブリのうちの少なくとも一方に正常挙動を示さなくさせる1つまたはそれを上回るコンポーネントに制御信号を出力し、1つまたはそれを上回るコンポーネントの動作パラメータを調節するステップとをさらに含む、方法に関する。いくつかの実施形態では、本開示は、方法であって、コントローラによって、チャックアセンブリまたは切断アセンブリのうちの少なくとも一方に正常挙動を示さなくさせる、チャックアセンブリまたは切断アセンブリのうちの少なくとも一方の1つまたはそれを上回るコンポーネントを決定するステップと、コントローラによって、チャックアセンブリまたは切断アセンブリのうちの少なくとも一方の別の1つまたはそれを上回るコンポーネントに制御信号を出力し、別の1つまたはそれを上回るコンポーネントの動作パラメータを調節するステップとをさらに含む、方法に関する。いくつかの実施形態では、本開示は、方法であって、信号は、ユーザに対するアラートである、方法に関する。いくつかの実施形態では、本開示は、方法であって、信号は、チャックアセンブリと、切断アセンブリとを含む、切片化システムの動作を停止するための制御信号である、方法に関する。いくつかの実施形態では、本開示は、方法であって、コントローラによって、ベースラインデータを決定するステップであって、ベースラインデータは、1つまたはそれを上回るコンポーネントの正常挙動を示し、少なくとも1つのセンサからの感知されたデータがチャックアセンブリまたは切断アセンブリのうちの少なくとも一方の1つまたはそれを上回るコンポーネントの正常挙動を示すかどうかを決定するステップはさらに、コントローラによって、感知されたデータとベースラインデータを比較するステップを含む、ステップをさらに含む、方法に関する。
【0016】
本開示のこれらおよび他の実施形態が、下記により詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本開示される実施形態はさらに、同様の構造がいくつかの図の全体を通して同様の番号によって言及される、添付図面を参照して解説されるであろう。示される図面は、必ずしも、縮尺通りではなく、代わりに、概して、本開示される実施形態の原理を図示することに重点が置かれている。
【0018】
【
図1A】
図1Aは、本開示のいくつかの実施形態による、サンプルシステムレイアウトの上方視図である。
【0019】
【
図1B】
図1Bおよび
図1Cは、本開示のいくつかの実施形態による、サンプルシステムレイアウトの等角視図である。
【
図1C】
図1Bおよび
図1Cは、本開示のいくつかの実施形態による、サンプルシステムレイアウトの等角視図である。
【0020】
【
図2A】
図2Aは、本開示のいくつかの実施形態による、サンプルシステムレイアウトの側視図である。
【0021】
【
図2B】
図2Bは、本開示のいくつかの実施形態による、サンプルシステムレイアウトの上視図である。
【0022】
【
図3】
図3は、本開示のいくつかの実施形態による、特徴追跡システムの例示的高レベル図である。
【0023】
【
図4】
図4は、組織ブロックとミクロトームとの間の界面における組織ブロック変位量対スピード変化を図示する、グラフである。
【0024】
【
図5】
図5は、本開示のいくつかの実施形態による、制御フィードバックループを図示する、ブロック図である。
【0025】
【
図6】
図6は、本開示のいくつかの実施形態による、動作のサンプル方法のフローチャート図である。
【0026】
【
図7】
図7は、本開示による、プロセスを実装するための例示的高レベルアーキテクチャである。
【0027】
【
図8A】
図8A-8Eは、組織ブロックをスライスする間の力測定値の例示的データである。
【
図8B】
図8A-8Eは、組織ブロックをスライスする間の力測定値の例示的データである。
【
図8C】
図8A-8Eは、組織ブロックをスライスする間の力測定値の例示的データである。
【
図8D】
図8A-8Eは、組織ブロックをスライスする間の力測定値の例示的データである。
【
図8E】
図8A-8Eは、組織ブロックをスライスする間の力測定値の例示的データである。
【0028】
【
図9】
図9は、本開示のいくつかの実施形態による、動作のサンプル方法のフローチャート図である。
【0029】
上記に識別される図面は、本開示される実施形態を記載するが、他の実施形態もまた、議論に記述されるように想定される。本開示は、限定ではなく、代表として例証的実施形態を提示する。本開示される実施形態の原理の範囲および精神内に該当する、多数の他のモディフィケーションおよび実施形態が、当業者によって考案されることができる。
【発明を実施するための形態】
【0030】
詳細な説明
本開示は、組織の生物学的サンプルを含有する組織ブロックを処理するためのシステムおよび方法に関する。処理は、1つまたはそれを上回るミクロトームを使用して、組織ブロックを断面化し、組織ブロックから組織切片を切断するように設計される、自動化システムを含むことができる。切断された組織切片は、病理学または組織学検査のために、テープ等の移送/輸送媒体に移送され、次いで、移送媒体からスライドに移送されることができる。本開示される方法およびシステムは、手動および自動化ミクロトーム法の方法およびシステムと関連して採用され得る。
【0031】
本開示はさらに、例えば、物理的測定値に基づいてミクロトームにおける障害の向上された予測のための方法およびシステムを提供する。いくつかの実施形態では、物理的測定値は、ミクロトーム上に位置するセンサまたはミクロトーム自体を監視するセンサからのデータから決定されることができる。いくつかの実施形態では、センサは、組織ブロックを保持する、チャック上にあってもよい。
【0032】
本開示は、ミクロトームまたは切片化システム内の障害を識別および/または予測するためのシステムおよび方法に関する。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを上回るセンサが、ミクロトームの1つまたはそれを上回るコンポーネントに関するデータを収集する。1つまたはそれを上回るコンポーネントは、ミクロトームのチャックアセンブリのチャックまたは他の部分であってもよい。1つまたはそれを上回るコンポーネントは、ミクロトームの切断アセンブリのブレード、ブレード保持器、または他の部分であってもよい。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを上回るセンサは、組織チャック内に受容される組織ブロックに関するデータを収集する。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを上回るセンサは、組織ブロック、切断アセンブリの一部、またはチャックアセンブリの一部の静的配向に関するデータを収集することができる。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを上回るセンサは、組織ブロック、切断アセンブリの一部、またはチャックアセンブリの一部の動態に関するデータを収集することができる。本明細書で使用されるような「動態」は、1つまたはそれを上回る時点における力、位置、速度、および/または加速度、および/または、例えば、経時的な力、位置、速度、および/または加速度のうちのいずれかの変化を指すことができる。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを上回るセンサは、ミクロトームによって切断される組織切片に関する、厚さ等のデータを収集することができる。収集されたデータは、ベースラインデータと比較されることができる。ベースラインデータは、概して、正常状態におけるミクロトームの動作についてのデータである。ミクロトームは、例えば、全てのコンポーネントが、ミクロトームの設計要件に従ってともに締結されているときに、正常状態にある。すなわち、ベースラインデータは、ミクロトームが正常な物理的状態において動作されるときのミクロトームの1つまたはそれを上回るコンポーネントまたは組織ブロックの予期される配向または動態に関連する。ベースラインデータは、正常なミクロトーム(すなわち、正常状態にある、または正常条件下で動作するミクロトーム)を用いて切断された組織切片品質(例えば、厚さ)に関連することができる。いくつかの実施形態では、センサは、ミクロトームの標準的動作の間に(すなわち、ミクロトームが組織ブロックを切片化するために使用されている際に)データを収集することができる。いくつかの実施形態では、ミクロトームは、意図的に励起される(例えば、データを収集する目的のために、振動される、または別様に移動される)ことができ、センサは、ミクロトームの励起の間にデータを収集することができる。
【0033】
収集されたデータは、分析され、ベースラインデータと比較されることができる。収集されたデータが、ベースラインデータに合致する、またはそれによって定義される限界値内である場合、ミクロトームは、正常条件にあると決定されることができる。収集されたデータが、ベースラインデータから逸脱する(例えば、ベースラインデータによって定義される限界値を超過する)場合、ミクロトームが、正常状態において動作していないことが決定されることができる。ミクロトームは、例えば、チャックアセンブリおよび/または切断アセンブリの1つまたはそれを上回るコンポーネントが緩んでいる、または別様に損傷されているときに、正常状態にはない場合がある。組織切片品質は、ミクロトームが正常挙動から外れて動作しているときに劣化され得る。ミクロトームが、正常状態にないと決定される場合、本システムは、信号を出力することができる。いくつかの実施形態では、ミクロトームが正常状態にないことの特定の原因(例えば、緩い特定のコンポーネント)が、識別されることができ、信号が、1つまたはそれを上回る識別されたコンポーネントを作動させ(例えば、緊締し)、ミクロトームを正常動作状態に戻すためのものであることができる。いくつかの実施形態では、ミクロトームが正常状態にないことの特定の原因(例えば、緩い特定のコンポーネント)が、識別されることができ、信号が、1つまたはそれを上回る他のコンポーネントを作動させ、識別された障害が発生したコンポーネントの挙動を考慮し(例えば、ブレード保持器の動作を変更し、ブレード内の障害を考慮し)、ミクロトームを正常動作状態に戻すためのものであることができる。いくつかの実施形態では、信号は、ミクロトームの動作を保留するためのものであることができる。いくつかの実施形態では、信号は、ユーザに対するアラートであることができる。アラートは、ユーザに、ミクロトームを正常動作状態に戻すために手動介入が必要とされることを通知することができる。
【0034】
図1Aは、本開示のいくつかの実施形態による、サンプルシステムレイアウトの上方視図である。
図1Bおよび
図1Cは、本開示のいくつかの実施形態による、サンプルシステムレイアウトの等角視図である。
図2Aは、本開示のいくつかの実施形態による、サンプルシステムレイアウトの側視図である。
図2Bは、本開示のいくつかの実施形態による、サンプルシステムレイアウトの上視図である。
図3は、本開示のいくつかの実施形態による、特徴追跡システムの例示的高レベル図である。
図4は、組織ブロックとミクロトームとの間の界面における組織ブロック変位量対スピード変化を図示する、グラフである。
図5は、制御フィードバックループを図示する、ブロック図である。
図6は、本開示のいくつかの実施形態による、動作のサンプル方法のフローチャート図である。
図7は、本開示による、プロセスを実装するための例示的高レベルアーキテクチャである。
図8A-8Eは、組織ブロックをスライスする間の力測定値の例示的データである。
図9は、本開示のいくつかの実施形態による、動作のサンプル方法のフローチャート図である。
【0035】
いくつかの実施形態では、本開示は、組織等の生物学的サンプルを含有する組織ブロックと併用されることができる。本開示のシステムおよび方法は、組織ブロックを効率的に処理および分離するために使用されることができる。組織サンプルは、典型的には、パラフィンワックスまたは類似の材料等の保全材料内に埋設される。埋設プロセスは、ミクロトーム104によって切断されるように設計される、組織ブロックを生産するためのプロセスの任意の組み合わせを含むことができる。例えば、生物学的サンプルは、所望の形状のブロックを生産するために硬化し得る、ワックスまたはエポキシ等の液体物質に加えて、金型内に包囲されることができる。いったん組織ブロックが、生成されると、それらは、観察のためにスライド上に設置され得る組織切片に切断するために、自動化システム100の中に挿入されることができる。
【0036】
特に、下記により詳細に議論されるように、自動化システム100は、1つまたはそれを上回る組織ブロックを受け取るように設計され、各組織ブロックは、埋設または保全材料内に埋設される組織サンプルを備える。組織ブロックは、1つまたはそれを上回るミクロトーム104に送達される。次いで、1つまたはそれを上回る組織ブロックは、組織サンプルが埋設される保全材料の層を除去し、組織サンプルの大きい断面、例えば、組織サンプルの前面を暴露することによって、1つまたはそれを上回るミクロトーム104を使用して「断面化」される。組織ブロックの組織サンプルのそのような暴露表面は、ブロック面と称される。いったん組織ブロックが、断面化されると、組織ブロックは、組織ブロックを切片化する(観察のためにスライド上に設置され得る組織切片を切断する)ことに先立って、水和および冷却されることができる。次いで、組織サンプルの一部を含む、1つまたはそれを上回る組織切片が、1つまたはそれを上回るミクロトーム104を使用して断面化された組織ブロックからスライスされることができる。組織切片は、さらなる処理のために、例えば、自動化された移送媒体を使用して、1つまたはそれを上回るミクロトーム104からスライドに移送される。
【0037】
図1A、
図1B、および
図1Cを参照すると、いくつかの実施形態では、自動化病理学システム100が、組織切片のスライドを調製するために提供される。そのようなシステムは、組織切片化の間の増加されたスループットのために構成されることができる。システム100は、ブロックハンドラ102と、1つまたはそれを上回るミクロトーム104と、移送媒体106(例えば、テープ)と、水和チャンバ108と、ブロックトレイ110とを含むように設計されることができる。ブロックトレイ110は、複数の組織ブロックを保持するように設計される、引き出し様デバイスであることができ、ブロックハンドラ102によるアクセスのためにシステム100の中に設置されることができる。ブロックトレイ110はそれぞれが、1つまたはそれを上回る組織ブロックを保持するように設計される、複数の列を有することができ、ブロックハンドラ102が一度に1つの組織ブロックを送り出し、掴持し、除去し得るように、十分な間隔を有することができる。いくつかの実施形態では、ブロックトレイ110は、組織ブロックが取扱の間にブロックトレイ110から外に偏移または落下しないように、例えば、ばね荷重機構を使用することによって、組織ブロックを確実に保持するように設計されることができる。いくつかの実施形態では、ばね荷重機構はさらに、ブロックハンドラ102が、それらを損傷または変形させることなく、組織ブロックを引き抜き得るように設計されることができる。例えば、ブロックトレイ110内の組織ブロックのピッチは、ブロックハンドラ102のブロックハンドラグリッパが、隣接するブロックに干渉することなく、パラフィンブロックにアクセスすることを可能にすることができる。ブロックハンドラ102は、組織ブロックを握持する、および/またはそれをミクロトーム104の内外に、具体的には、ミクロトーム104のチャック250(
図2A)の中に移動させることが可能である、機構の任意の組み合わせを含むことができる。例えば、ブロックハンドラ102は、ガントリ、押動および引動アクチュエータ、または選択的応従性アセンブリロボットアーム(SCARA)ロボット上のグリッパを含むことができる。
【0038】
依然として
図1A、1B、および1Cを参照すると、いくつかの実施形態では、システム100は、組織ブロックから切断された組織切片を分析のためにスライドに移送されるべき移送媒体106上に移送するための機構の組み合わせを含むことができる。機構の組み合わせは、スライド接着剤コータ112と、スライドプリンタ114と、スライド入力ラック116と、スライド118のスタックからスライドをピッキングするスライドシンギュレータと、スライド出力ラック120とを含むことができる。機構の本組み合わせは、スライド上に組織切片を調製し、スライド自体を調製するように協働する。
【0039】
いくつかの実施形態では、1つまたはそれを上回るミクロトーム104は、具体的には、組織ブロックを精密に切片化するために、当技術分野において公知である、ミクロトームタイプの任意の組み合わせを含むことができる。例えば、1つまたはそれを上回るミクロトーム104は、回転、クライオミクロトーム、ウルトラミクロトーム、振動、鋸、レーザ等のベースの設計であることができる。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを上回るミクロトーム104は、
図2Aに示されるように、チャックアセンブリ251と、切断アセンブリ252とを含むことができる。いくつかの実施形態では、チャックアセンブリ251および切断アセンブリ252は、相互に対して、垂直軸に沿って上下に(すなわち、
図2Aに示されるZ方向において)、水平軸に沿って軸方向に(例えば、組織ブロックの厚さの方向、すなわち、
図2Aに示されるX方向において)、横方向に(すなわち、
図2Aに示されるY方向において)、および/または回転的に移動することができる。いくつかの実施形態では、チャックアセンブリ251は、切断アセンブリ252に対して3つの方向において移動することができる。1つまたはそれを上回るミクロトーム104は、組織ブロックを受容および切片化するためのコンポーネントの任意の組み合わせを含むことができる。例えば、1つまたはそれを上回るミクロトーム104は、交換可能なナイフブレードを保持するためのブレードハンドラを伴うナイフブロックと、組織ブロックを保持するためのチャックヘッドおよびチャックアダプタを伴う試料保持ユニットとを含むことができる。切断アセンブリ252は、概して、ブレード270(
図2A)と、ブレード保持器260(
図2A)とを含むことができる。チャックアセンブリ251は、概して、チャック250(
図2A)を含むことができる。
【0040】
いくつかの実施形態では、1つまたはそれを上回るミクロトーム104は、パラフィンワックス等の保全材料の支持ブロック内に封入される組織サンプルから組織切片を切断するように構成される。1つまたはそれを上回るミクロトーム104は、組織ブロックの1つの面、すなわち、ブロック切断面またはブロック面から組織切片を切断するために整合される、ブレード270(
図2A)を保持することができる。例えば、回転ミクロトームは、ブロック切断面がブレード切断平面内にある状態で、組織ブロックを保持するチャック250を線形に発振させることができ、これは、切断平面の中へのブロック切断面の増分的前進と組み合わせられ、ミクロトーム104は、ブロック切断面から薄い組織切片を連続して削り取ることができる。ブレード270は、特に、本明細書において詳細に議論されるが、同一の説明が、ミクロトーム内に含まれ得る任意の他の切断機構にも適用され得ることを理解されたい。
【0041】
動作時、1つまたはそれを上回るミクロトーム104は、組織ブロックを断面化および/または切片化するために使用される。組織ブロックが、最初に1つまたはそれを上回るミクロトーム104に送達されると、組織ブロックは、断面化されることができる。断面化は、組織ブロックから保全材料の層を除去し、組織ブロック内に埋設される組織サンプルの大きい断面を暴露することである。すなわち、組織サンプルがその中に埋設される保全材料は、最初に、組織サンプルの上のパラフィンワックスの0.1mm~1mmの層を除去するために、比較的に厚い切片を伴う切片化を受けることができる。十分なパラフィンが、除去され、組織サンプルの完全な輪郭が、暴露されると、ブロックは、「断面化」され、スライドガラス上に置かれ得る処理可能な組織切片の入手ができる状態になる。暴露面は、ブロック面またはブロック切断面と称される。断面化プロセスに関して、1つまたはそれを上回るミクロトーム104は、組織ブロック内の組織サンプルの許容可能な部分が露見されるまで、組織ブロックの切片を削り取ることができる。いくつかの実施形態では、本システムは、組織ブロック内の組織サンプルの許容可能な部分が露見されるときを識別するために、1つまたはそれを上回るカメラを含むことができる。切断プロセスに関して、1つまたはそれを上回るミクロトーム104は、分析のためにスライド上に設置されるべき許容可能な厚さを伴う組織ブロックの組織サンプルの切片を削り取ることができる。
【0042】
いったん組織ブロックが、断面化されると、いくつかの実施形態では、断面化された組織ブロックが、水和流体中で、ある期間にわたって(例えば、水和チャンバ108内で、または1つまたはそれを上回るミクロトーム104において直接)水和されることができる。水和されることに加えて、組織ブロックは、冷却されることができる。冷却システムは、水和チャンバ108の一部または水和チャンバ108と別個のコンポーネントであることができる。いくつかの実施形態では、冷却システムは、切片化チャンバ150内の全てのコンポーネントに冷却を提供することができる。切片化チャンバ150は、1つまたはそれを上回るミクロトーム104、水和チャンバ108、ブロックトレイ110、ミクロトーム104のブレード保持器およびブレード交換器、およびカメラを封入する断熱材を提供することができる。このように、断熱材内に、最小数の開口部が、存在し、これは、切片化チャンバ150内の効率および有効性を向上させることができる。場所にかかわらず、冷却システムは、ミニコンプレッサ、熱交換器、および蒸発器プレートを有し、冷たい表面を生成することができる。切片化チャンバ150内の空気は、例えば、ファンを使用して、蒸発器プレート内に引動され、それにわたって通過されることができる。冷却された空気は、パラフィン組織ブロックを冷却するために、切片化チャンバ150および/または水和チャンバ108内で循環することができる。冷却チャンバ内の機器の質量は、熱慣性も同様に提供することができる。いったんチャンバが、冷却されると、その温度は、例えば、アクセス扉がブロックトレイ110を除去するためにユーザによって開放される場合、より効果的に維持されることができる。いくつかの実施形態では、組織ブロックの温度は、4℃~20℃に維持される。組織ブロックを冷たく保つことは、切片化プロセスおよび水和プロセスに恩恵を与えることができる。
【0043】
いったん組織ブロックが、十分に水和されると、いくつかの実施形態では、切片化ができる状態となる。本質的に、1つまたはそれを上回るミクロトーム104は、組織ブロックから組織サンプルの薄い切片を切断する。組織切片は、次いで、スライド上への設置のための後続移送のために、テープ等の移送媒体106によって取り上げられることができる。いくつかの実施形態では、システム100のミクロトーム104の設定に応じて、システム100は、単一または複数の移送媒体106ユニットを含むことができる。例えば、タンデム動作時、移送媒体106は、研磨および切片化ミクロトーム104と関連付けられることができる一方、並行動作時、別個の移送媒体106が、システム100内の各ミクロトーム104と関連付けられることができる。いくつかの自動化システムでは、断面化、水和、切片化、およびスライドへの移送のこれらのプロセス/ステップはそれぞれ、組織技師によって手動ワークフローにおいて実施されるのではなく、コンピュータ制御される。
【0044】
依然として
図1A、
図1B、および
図1Cを参照すると、いくつかの実施形態では、移送媒体106は、組織ブロック内の組織サンプルから切断された組織切片が接着し、次いで、移送媒体106を移動させることによって輸送され得る様式で設計されることができる。例えば、移送媒体106は、組織サンプル材料(例えば、組織切片)に物理的に(例えば、静電的に)および/または化学的に接着するように設計される、材料の任意の組み合わせを含むことができる。移送媒体106は、評価のためにスライドに移送されるべき多数の組織切片を収容するように設計されることができる。いくつかの実施形態では、移送媒体106は、組織を搬送するための水チャネルによって取って代わられることができる。システム100は、自動化ミクロトーム設計における使用のための特徴の任意の付加的組み合わせを含むことができる。
【0045】
いくつかの実施形態では、システム100は、効率的な自動化方式で組織切片を断面化し、水和させ、切片化し、切断された組織切片をスライドに輸送するためのプロセスに従うことができる。
【0046】
いくつかの実施形態では、システム100は、ミクロトーム104の動作の間に少なくとも1つのセンサを使用した1つまたはそれを上回る物理的測定値に基づいて、所与のミクロトーム104の切断品質を予測することができる。ミクロトーム104の切断品質の予測は、組織切片への損傷が見出された後に組織ブロックを保持するブレード270(
図2A)および/またはチャック250(
図2A)等、ミクロトーム104のみを調節することと対照的に、組織切片へのいかなる損傷も防止するために有利であることができる。さらに、ベースラインの物理的状態(すなわち、ミクロトーム104の正常動作状態)からの離脱を先制的に防止することによって、自動化システム100は、組織品質の変動を、それらが生じる前に推測することができる。そのようなシステムは、組織の不必要な廃棄を防止し、生検サンプルのより効率的な使用を可能にすることができる。
【0047】
いくつかの実施形態では、
図2Aおよび
図2Bに示されるように、1つまたはそれを上回るセンサのセットが、ミクロトーム104の完全性に関する情報を提供することができる。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを上回るセンサのセットは、加速度計255を含んでもよい。加速度計255は、力ベースのセンサと称され得る。例えば、加速度計255は、チャックアセンブリ251のチャック250または他の部分上に配置されることができる。加速度計255は、チャックアセンブリ251のチャック250または他の部分の動態を測定するために提供されることができる。加速度計は、チャックアセンブリ251のチャック250または他の部分の運動特性の離脱または変化を検出することができる。運動特性は、実施例として、正常使用の間のチャックアセンブリ251のチャック250または他の部分の位置の範囲であることができる。運動特性の離脱(例えば、正常動作状態におけるチャックアセンブリ251のチャック250または他の部分の運動範囲と比較される運動範囲の偏移)は、チャック250内の緩んだ部分またはチャックアセンブリ251等の局所システム内の任意の他の締結具を示すことができる。チャック250内の緩んだ部品または局所システム内の他の締結具は、チャック250とチャック250内で受容される組織ブロックとの間の不要な相対運動を生成し、それによって、組織ブロックを切片化するときのミクロトーム104の切断品質を劣化させ得る。いくつかの実施形態では、加速度計255は、加えて、ミクロトーム104の静的状態または配向を測定し、例えば、システム100内の他の構造に対するミクロトーム104の相対配向を決定することができる。いくつかの実施形態では、加速度計は、チャックアセンブリ251のチャック250または他の部分の静的状態または配向を測定し、例えば、ミクロトーム104の他の構造に対するチャックアセンブリ251のチャック250または他の部分の相対配向を決定することができる。加速度計255は、いくつかの実施形態では、低周波数振動、DC振動、またはゼロ次変化を測定することができる。加速度計255は、本明細書において議論される任意の他のセンサとの組み合わせにおいて使用されることができる。例えば、本明細書において議論されるように、いくつかの実施形態では、1つまたはそれを上回るセンサのセットは、光センサ、ビデオセンサ、高スピード画像センサ、レーザセンサ、負荷センサ、歪みゲージ、および/またはマイクロホンまたは音響センサのうちの1つまたはそれを上回るものであることができる。これらのセンサのうちのいずれか1つは、本システム内のミクロトーム104または他の構造の静的または動的条件を、単独で、または組み合わせにおいて測定するように構成されることができる。
【0048】
いくつかの実施形態では、加速度計265は、切断アセンブリ252のブレード保持器260または他の部分上に存在し、切断アセンブリ252のブレード保持器260または他の部分内の構造的変化を検出することができる。いくつかの実施形態では、加速度計265は、切断アセンブリ252のブレード保持器260および/または他の部分の運動特性の変化を検出することができる。ブレード保持器加速度計265は、本明細書において議論されるチャック加速度計255または任意の他のセンサに加えて使用される、または単独で使用されることができる。加速度計265の場所に応じて、ブレード270の圧着の剛度も同様に、検出されることができる。加速度計265は、上記に説明される加速度計255と同様に機能することができる。例えば、加速度計265は、切断アセンブリ252のブレード保持器260または他の部分内の緩んでいる部分を示し得る、動態を測定することができる。いくつかの実施形態では、加速度計265は、切断アセンブリ252のブレード保持器260または他の部分の静的状態または配向を測定し、例えば、ミクロトーム104システムの他の構造に対する切断アセンブリ252のブレード保持器260または他の部分の相対配向を決定することができる。
【0049】
いくつかの実施形態では、ミクロトーム104システムは、異なる周波数におけるモータを使用して励起され、周波数応答関数(FRF)を生成し、ミクロトーム104の動態を測定することができる。いくつかの実施形態では、モータは、ブーンという音を立てるステッパモータであることができる。いくつかの実施形態では、専用の圧電アクチュエータが、より明確な励起のためにミクロトーム104システム上に設置されることができる。本励起方法は、ミクロトーム104システムの励起が要求される度に下記の他の物品内で使用されることができる。モータ262は、ミクロトーム104の中に位置することができる。加えて、または代替として、ミクロトームブレード270の機能を制御するための少なくとも3つのモータが、存在することができる。少なくとも3つのモータが、切断アセンブリ252の中に位置することができる。3つのモータのうちの1つは、ミクロトームブレード270を作動させ、切断厚を決定し得る、ミクロトームXモータ264であることができる。3つのモータのうちの別のものは、上下切断運動のためにミクロトームブレード270を作動させるためのミクロトームZモータ266であることができる。第3のアクチュエータは、ブレード保持器260上のブレードクランプモータ268であることができる。モータ262を使用することに対する代替策では、ユーザは、これらのモータ264、266、268に、それらが軸を中心として移動しないが、定位置においてブーンという音を立て、既知の周波数範囲における振動を生成するように給電することができる。本作動は、ミクロトーム104システムに対する入力振動励起であることができる。これらの振動波は、ミクロトーム構造(例えば、切断アセンブリ252のブレード保持器260、ブレード270、または他の部分)を通して進行し、切断アセンブリ252のミクロトームブレード270または他の部分上またはその近傍に位置するマイクロホン、加速度計、または力計等のセンサによって捉えられることができる。振動センサは、本明細書において議論される他のセンサのうちのいずれかとの組み合わせにおいて使用されることができる。センサからの信号は、本システムからの出力読取値である。出力読取値は、ミクロトーム104の入力励起信号および構造的構成に依存する。例えば、ベースライン事例では、ミクロトームブレード270が、正常動作条件にあり、一貫して良好な品質の組織切片を切断しているとき、本システムは、コンポーネントの全てが適切な予め定義されたトルクにおいてともに締結されることを理解することができる。ベースライン構成が、励起(すなわち、振動)されると、出力読取値は、ある周波数成分をその中に担持することができる。ここで、第2の構成では、ミクロトーム104システムは、緩んだ部品または一般的な使用法または損傷に起因して別様にモディファイされた部品を有することができる。本準最適構成は、出力読取値が、ベースライン構成を励起するときに発生される出力と比較して、その中に含有される周波数の異なるセットを有するであろうように励起されることができる。これらの周波数を検出するための信号処理ステップは、周波数分析と呼ばれ、信号処理ステップは、周波数応答関数(FRF)を発生させることができ、FRFは、パワースペクトルグラフである。ベースラインFRFおよび準最適FRFにおいて生じるピークは、異なる周波数にあってもよく、偏移するピークを見ることによって、ミクロトーム104性能が劣化していると結論付けることができる。FRFを使用することが、一例示的方法であることに留意することが重要である。いくつかの実施形態では、本システムは、AIを採用し、時系列または周波数ドメインデータ内にパターンを検出し、傾向を見出し、解決策を提案することができる。
【0050】
具体的には、上記に詳細に議論された1つまたはそれを上回るモータを用いて切断アセンブリ252を励起する間、同一のアプローチが、講じられ、チャックアセンブリ251を励起し、チャックアセンブリの構成または動作状態を分析し得ることを理解されたい。例えば、厚さ軸モータが、チャックアセンブリ251のチャック250または他の部分に取り付けられてもよく、ブーンという音が立てられる場合、チャックアセンブリ251のチャック250または他の部分上で励起振動を生成することができる。
【0051】
いくつかの実施形態では、多軸力センサ220が、ミクロトーム104上に配置されることができる。多軸力センサ220は、ミクロトーム104の動態を測定するために使用されることができる。いくつかの実施形態では、多軸力センサ220は、チャックアセンブリ251のチャック250または他の部分上に配置されることができる。多軸力センサ220は、チャック250に作用する力の大きさおよび位相偏移を検出および測定しながら、示されないが、基準材料を切断し、チャックアセンブリ251のチャック250または他の部分の正常動作状態に関連するデータのベースラインまたは予期されるセットを決定し、組織ブロックを切片化するためのミクロトーム104の使用の間に収集されたデータに対して比較することができる。基準材料は、(組織面積に到達する前である)ある幅のブロックのパラフィン縁であり得る。代替として、本システムは、ブーンという音を立てるモータまたは圧電アクチュエータによって励起され、正常動作状態にある間の使用の間にチャック250上の予期される力のベースラインを検出および測定することができる。上記に議論されるように、切断アセンブリ252の独立的励起または使用の間の励起と同様に、アルゴリズムが、ピーク周波数の偏差とベースラインを比較し、具体的なミクロトーム設計特性および所与の組織サンプルに関して要求される検出正確度に依存する、それらの偏差に基づいて決定を行うことができる。チャックアセンブリ251が、上記において具体的に議論されたが、多軸力センサ220が、切断アセンブリ252のブレード保持器260または他の部分上に配置され、切断アセンブリ252のブレード保持器260または他の部分に作用する力を測定するために同一の方法において使用され得ることを理解されたい。
【0052】
いくつかの実施形態では、加速度計265に加えて、またはその代わりに、本システムは、付加的センサを使用し、ミクロトーム104の動態(例えば、力、位置の変化、速度、または加速度)を測定することができる。付加的センサは、チャックアセンブリ251および/または切断アセンブリ252の1つまたはそれを上回るコンポーネントの動態を測定することができる。ミクロトームブレード270の動態は、例えば、振動レベル運動を含む、ブレード270が移動する方法であることができる。ミクロトームブレード270の動態は、加速度の大きさおよび周波数等の振動特性を含むことができる。いくつかの実施形態では、これらの付加的センサは、チャック加速度計255、加速度計265、および多軸力センサ220から独立して使用されることができる。いくつかの実施形態では、例えば、測定されている部分の動態に影響を及ぼすことなく、ブレード保持器260等のミクロトーム104の動態を測定する方法が、存在する。例えば、これらのセンサおよび方法は、剛性を変化させる、または本システムに質量を追加しない場合がある。そのようなセンサは、超音波またはレーザ測定を使用し得る。例えば、レーザセンサが、ブレード270またはブレード保持器260の振動を測定するために設置されることができる。これらの振動の大きさが、ある閾値を超過する、または前述において説明されるようなFRFが、閾値を超えて偏移する場合、本システムは、ミクロトーム104の切断品質が疑わしくあり得ることを決定することができる。いくつかの実施形態では、レーザセンサは、レーザドップラ振動計であることができる。
【0053】
いくつかの実施形態では、本システムは、動態情報を測定するための線形エンコーダ210を含むことができる。線形エンコーダ210は、チャックアセンブリ251内に位置することができる。例えば、線形エンコーダ210の第1の部分が、チャックアセンブリ251の静的基部部分に結合されることができ、線形エンコーダ210の第2の部分が、移動する、チャック250に結合されることができる。線形エンコーダ210の分解能は、本システムに応じて、50nm~100nmの範囲内であることができる。線形エンコーダ210は、振動および精密な軸位置付けを検出することができる。線形エンコーダ210の恩恵は、本システムに対するわずかな追加質量が存在することである。線形エンコーダ210は、本明細書において議論される他のセンサのうちのいずれかとの組み合わせにおいて使用されることができる。チャック250を伴う実装が、上記において具体的に議論されるが、線形エンコーダ210が、切断アセンブリ252内に位置付けられ、ブレード保持器260、例えば、または切断アセンブリ252の他の部分の変位または振動を感知し得ることを理解されたい。
【0054】
いくつかの実施形態では、本システムは、動的および/または静的情報を測定するための非接触型反射性レーザセンサ230を含むことができる。いくつかの実施形態では、非接触型反射性レーザセンサ230は、これがチャックアセンブリ251および/または切断アセンブリ252の1つまたはそれを上回るコンポーネントに向かって指向されるように位置付けられることができる。切断アセンブリ252に関して、例えば、非接触型反射性レーザセンサ230は、これがミクロトームブレード270に指向され、ブレード270上の振動を検出するように位置付けられることができる。非接触型反射性レーザセンサ230が、例えば、チャック250の振動を検出するために使用され得ることを理解されたい。本システムは、振動が許容される範囲外にあるときにアラートを生成することができる。非接触型反射性レーザセンサ230は、本明細書において議論される任意の他のセンサとの組み合わせにおいて使用されることができる。
【0055】
いくつかの実施形態では、切片化システムは、動的または静的測定を行うための高スピードカメラ215を含むことができる。いくつかの実施形態では、高スピードカメラ215は、振動を測定することができる。例えば、高スピードデジタルカメラ215は、1秒あたり複数の写真を撮影し、写真からの場所情報を比較し、ミクロトーム104コンポーネントの相対場所を決定し、振動オフセットを測定するために使用されることができる。いくつかの実施形態では、高スピードカメラ215は、チャックアセンブリ251および/または切断アセンブリ252の1つまたはそれを上回るコンポーネント上に合焦されることができる。例えば、高スピードカメラ215は、ブレード270上に合焦されることができ、切断の間にブレード270の振動を検出することができる。いくつかの実施形態では、例えば、制御された方式において、ブレード保持器260を励起し、高スピードカメラ215を使用する非侵襲的方法において、ブレード270内の振動を検出することができる。例えば、カメラ215は、概して
図1Cに示されるように、ミクロトーム104における点に対して角度付けられることができる。いくつかの実施形態では、高スピードカメラ215から導出されるデータは、変位量データであることができる。いくつかの実施形態では、高スピードカメラ215からの画像が、加速度データを決定するために使用されることができ、これは、ミクロトーム104の切断品質を予測するために変位量データと併用されることができる。例えば、本システムは、正常運動特性(すなわち、検査下のコンポーネントが正常状態の間に動作するべきベースライン運動)を定義することができ、測定された変位量が、正常運動特性の外側にある場合、ミクロトーム104の切断品質は、準最適であると仮定されることができる。高スピードカメラ215は、本明細書において議論される任意の他のセンサとの組み合わせにおいて使用されることができる。
【0056】
いくつかの実施形態では、1つまたはそれを上回る高スピードカメラ215は、切片化プロセスの間に組織ブロック500の運動の全体を通してマーカピクセルをトレースするために使用されることができる。高スピードカメラ215によって収集されるデータは、例えば、1つまたはそれを上回る軸に沿った組織ブロック500のスピードを決定するために使用されることができる。
図3に示されるXおよびZ方向における運動の軸は、
図2Aに示される座標に対応する。図示される実施形態では、X運動は、チャック250、したがって、組織ブロック500の軸方向移動に対応することができる。さらに、Z運動は、例えば、切断の間のミクロトームブレード270の垂直移動に対応することができる。動作時、
図3に示されるように、サンプルピクセルは、組織ブロック500をトレースするためにピッキングされることができる。順次的高スピードカメラ(HSC)画像に沿って追跡される特徴は、垂直方向および軸方向の両方における移動の詳細な追跡を可能にする。例えば、組織ブロック500上でのワックス特徴の「高輝度」反射510は、サイズが1~2ピクセルであることができる。使用時、本システムは、ピクセルカウント分散を有し得、所与の方向におけるピクセルカウント分散は、組織ブロック500内のスピード、切断厚、または深度の変化に起因し得る。ピクセルカウント分散は、概して、反射が高スピードカメラ画像内で移動する、ピクセルの数に関連する。例えば、カメラ215は、画像内のピクセルが組織ブロック500に加えて移動し、ピクセル移動のスピードが、フレームレート、倍率、および画像データ内のピクセル位置に基づいて計算され得るように定常のままであることができる。軸方向におけるピクセルカウント分散は、軸方向に沿った位置の組織ブロック500変動(すなわち、組織ブロック500のワックス/組織上での切断深度の変化)に起因し得る。いくつかの実施例では、パラフィンブロックまたは組織ブロック500とブレード270の相互作用は、スピードの瞬間的変化をもたらすことができ、これは、次のサイクルにおいて回復されることができる。1つまたはそれを上回る高スピードカメラ215が、本明細書に説明される任意の他のセンサとの組み合わせにおいて使用されることができる。
【0057】
図4には、選択されたピクセルまたは点のスピードのグラフが、示される。切断は、Z軸におけるミクロトーム104の運動(すなわち、Z方向におけるブレード270とチャック250との間の相対移動を生成するためのZ軸に沿ったブレード270またはチャック250のうちの一方または両方の移動)に起因することができる。いくつかの実施形態では、カメラ215は、ミクロトーム104の1つまたはそれを上回るコンポーネントのスピードの変化および、例えば、540~580fpsまたは560fps等の種々のスピードにおける、組織ブロック500の切断の間の、例えば、ブレード270における組織ブロック500の変位量変化を決定し得る、高スピードカメラであることができる。
図4のグラフの上部プロットは、X方向における組織ブロック500の運動を示し、グラフの底部におけるプロットは、Z方向におけるスピード変化を示す。図示される実施例では、相対軸が、
図3でマーキングされる。
図3の底部画像は、組織ブロック500がブレード270に衝打し得るとき、またはブレード270がパラフィンからパラフィン内に埋設される組織に遷移するときの減速または遷移を示すことができる。本実施例では、遷移は、
図4に見られるように、フレームステップ9および19において示される。
【0058】
本データは、不十分な切断品質が予期され得るように、本システムの問題が存在するかどうかを決定または予知するために有用であることができる。例えば、ミクロトーム104の組織チャック250または他の部分が、緩んでいる場合、組織ブロック500の並進およびスピードのうちの少なくとも一方の変化は、予期される範囲402の外側にあり得る。予期される範囲402は、ベースラインデータに関連することができ、ミクロトーム104の正常動作の間の組織ブロック500の予期される運動範囲を示すことができる。フレームステップ9を見ると、ピクセル変位量は、予期される範囲402の外側にあることができる。いくつかの実施形態では、予期される範囲の外側における任意のピクセル変位量は、ミクロトーム104が正常条件下で動作していないこと、および本システムが、ミクロトーム104を是正するためのアクションを講じ得ることを示すものとして分析され得る。いくつかの実施形態では、本システムは、予期される範囲402の外側における予期される逸脱404に対してピクセル変位量データを分析してもよい。
図4を見ると、フレームステップ9または19において、ピクセル変位量は、破線のように示される、予期される逸脱404の内側にあることができ、その場合、アルゴリズムは、本システムが稼働条件にあると決定し得る。例えば、正常動作条件の外側にある間には、変位量は、予期される逸脱404を超過しなかったため、本システムは、ミクロトーム104が依然として稼働条件にあり、変位量が予期される逸脱404を超過するまで動作を継続することを決定してもよく、その時点において、本システムは、ミクロトーム104を是正するためのアクションを講じてもよい。例えば、フレームステップ9または19において、ピクセル変位量が、予期される逸脱404の外側にある場合、アルゴリズムは、本システムが、組織ブロック500に対する損傷を防止するために保守点検を必要としていると決定してもよい。
【0059】
任意の変化を考慮する、または本システムを稼働中に直すことは、ミクロトーム104内で検出される問題の種類に依存するであろう。例えば、緩んでいるブレードクランプが、検出される場合、ブレードクランプモータが、過剰駆動され得る。別の実施例では、緩んでいるチャック250が、検出される場合、切断のスピードが、問題が構造的に直され得る前に、切断品質を一時的に持続させるために変更されることができる。これは、本システムが、これが現場保守点検によって直されるまで、動作可能であることを可能にするであろう。
【0060】
本アルゴリズムまたはツールを用いると、本システムは、(1)ミクロトームのスピード分散対ミクロトームセンサデータを測定すること、(2)パラフィンブロック設置分散対保持器およびばね性能を測定すること、(3)それに対して試験および検証するための性能要件を設定することのうちの少なくとも1つによって、ミクロトームの構築品質を追跡することができる。例えば、カメラ215等の高スピードカメラ(HSC)を用いると、撮像システムからのピクセルデータが、(1)ミクロトームのスピード分散対ミクロトームセンサデータを測定すること、(2)パラフィンブロック設置分散対保持器およびばね性能を測定すること、および(3)それに対して試験および検証するための性能要件を設定することのうちの少なくとも1つによって、ミクロトームの構築品質を追跡することができる。各ミクロトームは、その中でミクロトームが正常であるときに動作するべきである、個別の所定の設計性能要件に対して試験されることができる。
【0061】
ミクロトームのスピード分散がミクロトームセンサデータに対して測定される実施形態では、本システムは、カメラ215、115のうちの一方または両方を使用した光学測定値を採用し、光学試験データを取得し、例えば、
図2AのZ方向におけるスピード分散に関してミクロトームセンサデータ(すなわち、カメラ215、115以外のセンサからの上記または下記に説明されるセンサデータのうちのいずれか)を確認し、それと比較することができる。いくつかの実施形態では、光学測定値データが、X方向におけるブレード270に向かった組織チャック250の移動に伴って時間的に一致する。上記または後に説明されるセンサデータのうちのいずれかを含む、ミクロトームセンサデータから決定される相対運動の振幅が、大きさ、周波数、または他の物理的に関連する分析分量の規定された境界から外にある場合、本システムは、ユーザに、ミクロトーム104、例えば、ブレード270またはチャック250が、事前定義または規定された限界値から外にある傾向にある(すなわち、正常動作条件の外にある傾向にある)ことを通知することができる。いくつかの実施形態では、感知される運動特性は、パラフィンブロックとミクロトームブレード270の影響を示すことができる。いくつかの実施形態では、カメラ215、115は、高スピード、静止画像、または動画カメラまたは類似の撮像センサのうちの1つであることができる。
【0062】
パラフィンブロック設置分散が組織チャック250および関連付けられるばね性能に対して測定される、いくつかの実施形態では、光学試験データは、組織ブロックが、組織チャック250内の既知の位置に固着されること、および組織チャック250のばね強度が設計要件に従って挙動していることを確認することができる。例えば、高スピードカメラ215からの光学試験データは、許容可能範囲を超えた移動の分散を示し、したがって、ミクロトーム104が正常動作条件にないこと、およびばねが弱すぎるように設定されること、不正確に設定されること、またはばねが故障しているかどうかを示すことができる。
【0063】
いくつかの実施形態では、本システムは、それに対して試験および検証するための予期される性能要件を設定することができる。いくつかの実施形態では、本システムの予備的構築が、いわゆる、既知の品質(すなわち、正常なミクロトームまたは正常動作条件下におけるミクロトーム)の「検証済みの構築されたミクロトーム」を用いて、初期試験(例えば、基準材料の切片化)を実施し、ベースラインまたは初期試験データを取得することができる。いくつかの実施形態では、ベースライン試験データは、組織を切片化し、毎回ミクロトーム104の予期される機能を実行することによって組織切断品質を確立することによって、確立されることができる。ベースラインデータは、製造されたミクロトーム構築物がそれに対して試験され得るメトリックであることができ、追跡ソフトウェアが、データの捕捉を自動化し、ベースラインデータに対する実データの比較を実施するために使用されることができる。
【0064】
いくつかの実施形態では、本システムは、
図5に示されるように、閉ループ制御および条件監視システムとともに機能することができる。そのようなシステムは、上記または下記に議論される様々なセンサからの入力データを捉え、それらをデバイス制御コンピュータ、例えば、
図7に示されるようなシステム1300の中に入力することができる。いくつかの実施形態では、制御および決定アルゴリズムまたは非一過性コンピュータ可読媒体が、システム1300上で実行し、センサデータを融合し、ミクロトーム104の条件(すなわち、ミクロトーム104が正常条件下で機能しているかまたはそうでないか)および切断品質に関して決定を行うことができる。いくつかの実施形態では、制御システムは、ミクロトーム104の1つまたはそれを上回るコンポーネント(例えば、アクチュエータ)を制御し、ミクロトーム104性能の任意の感知された劣化を補償する。いくつかの実施形態では、制御システムは、1つまたはそれを上回るコンポーネント(例えば、アクチュエータ)を制御し、ミクロトーム104を正常条件の外側で挙動させるミクロトーム104の部分を補正する。いくつかの実施形態では、本システムは、加えて、または代替として、自己補正が十分ではないかどうか、またはユーザ介入が別様に必要とされるかどうかをユーザに警告するためにアラートを発生させることができる。
【0065】
いくつかの実施形態では、本システムは、加えて、または代替として、切片化後品質検出を含むことができる。例えば、組織切片が、テープ上にとられると、継続的方式において、波状物および他の周期的マークが、組織切片の画像上で検索され、分析される。組織サンプル上でのそのようなマークの存在は、ミクロトーム104内の緩んでいる部分または切片化品質の劣化を示し得る。加えて、本システムは、テープ上の組織切片の厚さを測定し、切片間変動を決定し、これらをミクロトーム104の構造的完全性に関連させることができる。例えば、カメラ115は、概して
図1Bに見られるように、テープまたはガラス上の組織切片を指し示し、組織品質逸脱源を決定することができる。加えて、カメラ115は、要求に応じて、種々の所定の波長における照明を提供し得る、専用の照明システムを含むことができる。いくつかの実施例では、組織品質逸脱は、「FACING AND QUALITY CONTROL IN MICROTOMY」と題された、共同所有の米国出願第17/451,870号(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)内に開示させるもの等の品質制御アルゴリズムを使用して、決定されることができる。それらの品質制御アルゴリズムは、第1の撮像データ、すなわち、ベースライン画像を、切断の後に取得される第2の撮像データと比較し、1つまたはそれを上回る品質制御パラメータに基づいて第1の撮像データおよび第2の撮像データ内で組織サンプル内での対応を確認し、切断品質またはミクロトーム104内の逸脱または品質制御課題を決定することができる。カメラ115は、本明細書に説明される任意の他のセンサとの組み合わせにおいて使用されることができる。
【0066】
いくつかの実施形態では、本システムは、概して
図2Bに示されるが、具体的場所にかかわらない、付加的センサ130a、130bを含むことができる。例えば、センサ130aは、ロードセル等の力ベースのセンサであることができる。力センサ130aは、直列であることができ、ロードセルがサンプルチャック250の背後に搭載され、チャック250内に保持される組織ブロックに印加される、任意の力を検出し得ることを意味する。上記に議論されるように、本システムは、センサ130aからのデータを用いた加速度および振動データ分析のためのツールを使用して、分析および検出を実施することができる。力センサ130aは、本明細書において議論される任意の他のセンサとの組み合わせにおいて使用されることができる。
【0067】
いくつかの実施形態では、本システムは、加えて、または代替として、温度センサ130bであり得る、センサを含むことができる。温度センサ130bは、組織ブロックまたは別の基準表面に向かって向けられる、熱電対またはIR温度測定デバイスであることができる。いくつかの実施形態では、実施例として、温度センサ130bが、組織ブロックが、所定の最大値を超過する温度に到達していることを決定する場合、本システムは、組織が熱損傷のリスクに曝されていることを決定してもよく、オペレータにアラートするか、または1つまたはそれを上回るパラメータまたは動作を自動調節し、温度を補正してもよい。温度センサ130bは、本明細書において議論される任意の他のセンサとの組み合わせにおいて使用されることができる。
【0068】
一般に、
図6に示されるように、本システムは、第1のステップ1000において、上記に述べられるセンサ(例えば、上記に説明されるセンサ130a、130b、255、265、およびカメラ215、115等)のうちの1つまたはそれを上回るものからデータを感知するために採用されることができる。上記に議論されるように、感知されたデータは、チャックアセンブリ251の1つまたはそれを上回る部分の動態、チャック250内に受容される組織ブロックの動態、切断アセンブリ252の1つまたはそれを上回る部分の動態、および/または輸送媒体またはスライド上の組織切片の特性に関連することができる。上記に議論されるように、感知されたデータは、組織ブロック、切断アセンブリ252の一部、および/またはチャックアセンブリ252の一部の静的配向に関連することができる。1つまたはそれを上回るセンサからのデータは、次いで、第2のステップ1010において、ローカル、すなわち、遠隔のコンピューティングデバイスに送信されることができる。
【0069】
第3のステップ1020において、コンピューティングデバイスは、制御アルゴリズムを用いて、1つまたはそれを上回るセンサからのデータを処理することができる。制御アルゴリズムは、感知されたデータを、事前定義される最大または最小値、事前定義される範囲、および/または同等物等の任意の値または限界値であり得る、ベースラインデータと比較することができる。ベースラインデータは、概して、正常またはベースラインのミクロトーム104性能に関連することができる。制御アルゴリズムが、感知されたデータが、例えば、事前定義される範囲の最大または最小値または境界を含む、ベースラインデータの任意の事前定義される値を超過することを決定する場合、コンピューティングデバイスは、ステップ1030、1032、および/または1034において出力信号を発生させることができる。集合的に、ベースラインデータの限界値と称され得る、境界、最大値、または最小値等のベースラインデータの事前定義される値を超過する、感知されたデータは、ミクロトームが正常条件下で動作していないことを示し得る。いくつかの実施形態では、感知されたデータは、傾向に関して分析されることができ、感知されたデータが、ミクロトーム104が正常条件下において動作しているが、動作条件が、正常動作条件の限界値から外に、またはそれに向かって乖離していることを示すことが決定されることができる。そのような実施形態では、制御アルゴリズムが、感知されたデータが正常のベースラインデータから外に乖離していることを決定する場合、コンピューティングデバイスは、ステップ1030、1032、および/または1034において出力信号を発生させることができる。
【0070】
感知されたデータから、ミクロトーム104が正常条件から外にある、および/または正常条件から外に乖離していることが決定される場合、ステップ1030における出力信号は、ミクロトーム104を補正する、または正常条件の外側における、または正常動作条件から乖離する動作を示す、センサによる読取を補償するために、自動化される組織サンプル切片化のパラメータを改変するための、システム100内のアクチュエータ(例えば、チャックアセンブリ251および/または切断アセンブリ252内のアクチュエータ)への制御信号であることができる。いくつかの実施形態では、制御アルゴリズムは、補正アクションのための信号を発行することができる。いくつかの実施形態では、補正アクションは、システム100によって自動化されることができる。例えば、制御アルゴリズムは、例えば、チャック250を保持するブラケットが緊締される必要があることを示す、許容可能な範囲の外側における、ミクロトーム104の動態を感知してもよく、本システムは、制御信号を出力し、ブラケットを緊締してもよい。すなわち、本システムは、ミクロトームが正常条件下において動作していない原因を直接補正するために制御信号を出力することができる。いくつかの実施形態では、制御アルゴリズムは、補償アクションのための信号を発行することができる。いくつかの実施形態では、補償アクションは、システム100によって自動化されることができる。例えば、制御アルゴリズムは、例えば、チャック250を保持するブラケットが、緊締されることを必要とすることを示す、許容可能範囲の外側におけるミクロトーム104の動態を感知してもよく、本システムは、チャックアセンブリ251の1つまたはそれを上回る駆動モータの動作を調節するための制御信号を出力し、緩んでいるブラケットの効果を補償し、ミクロトーム104を正常動作条件に戻してもよい(例えば、チャックが駆動されるスピードは、緩んでいるブラケットの悪影響を補償するために調節されてもよい)。すなわち、本システムは、ミクロトームが正常条件下において動作していない原因を補償するために制御信号を出力することができる。いくつかの実施形態では、例えば、制御システムが、組織サンプルの切片化のスピードを調節し、識別された動作不良を補正し得るもの等の介入が、自動化されることができる。制御信号は、ミクロトーム104の1つまたはそれを上回るコンポーネントのスピード、移動、または任意の他の動作パラメータを調節するためのものであることができる。
【0071】
ステップ1032において、本システムは、信号をユーザに対するアラートとして出力することができる。いくつかの実施形態では、アラートは、ステップ1030において上記に説明されるように、自動化された制御が本システムによって講じられるときでも発生され得る。例えば、アラートは、ユーザに、補正または補償アクションが自動化システムによって講じられたことを通知するためのものであることができる。いくつかの実施形態では、実施例として、高スピードカメラ215出力に基づくシステムが、組織ブロックが、ミクロトームブレード270がブロックに係合しているときの許容可能変位量値を超過していることを決定する場合、システム100は、逸脱が十分に大きい場合、本デバイスのユーザにアラートを出力し、動作を停止することができる。いくつかの実施形態では、本システムは、乖離または超過されている任意のベースラインデータに基づいて、システム100および/またはミクロトーム104の1つまたはそれを上回るコンポーネントの手動の調節のために、ユーザにアラートを出力することができる。
【0072】
ステップ1034において、制御システムは、ミクロトーム104の動作を停止するための制御信号を自動的に出力してもよい。信号は、感知されたデータが、ミクロトームが正常条件にはない、または正常条件から乖離していることを示すと発生されることができる。いくつかの実施形態では、信号は、感知されたデータがベースラインデータの限界値をある量超過すると発生されることができる。いくつかの実施形態では、信号は、データの乖離の率が、ある率を超過すると発生されることができる。いくつかの実施形態では、本システムは、ステップ1034において動作を停止し、同時に、ステップ1032において、動作が停止されたことをユーザに示す、アラートをユーザに出力してもよい。本システムは、人間ユーザが根本的課題を補正し得るまで、動作を停止してもよい。
【0073】
図6の方法に関連するデータおよび制御信号が、センサと、コンピューティングデバイスと、システム100および/またはミクロトーム104の1つまたはそれを上回るコンポーネント(例えば、アクチュエータ)との間で有線または無線接続を介して通信されることができる。
【0074】
いくつかの実施形態では、本システムは、センサ出力のうちの1つまたはそれを上回るものからのデータを使用し、ミクロトーム104条件および切断品質予測についての結論に到達し得る、アルゴリズムを含むことができる。例えば、組織品質制御カメラ115の画像が、組織サンプルまたは組織ブロック上にブレードの鋸歯状の縁を示す場合、本システムは、ブレード270が、変更されるべきであることを決定することができる。同時に、力センサ130aが、ブレード270の同一の鋸歯状縁または鈍化に起因して、より強い力を記録してもよい。別の実施例では、ミクロトーム104のピースを保持するねじが、緩みつつある場合、ミクロトーム104上の加速度計255、265は、過去の記録内に存在しなかった、高周波数振動を記録し始めることができる。アルゴリズムは、複数のセンサからのデータに基づいて結論に到達するために、決定木を使用することができる。例えば、アルゴリズムは、チャック250およびブレード270またはブレード保持器260のうちの1つの動的パラメータおよび構成を改変し、監視されるミクロトーム104条件内の乖離に関して(すなわち、ミクロトーム条件が正常から正常の外側に乖離している場合)補正または補償することができる。アルゴリズムは、人間介入を伴うことなくこれらの改変を遂行することができるが、所与の切断の完了後にユーザにアラートしてもよい。
【0075】
一般に、
図9に示されるように、本システムは、上記に述べられるセンサ(例えば、上記に説明されるセンサ130a、130b、255、265、およびカメラ215、115等)のうちの1つまたはそれを上回るものからベースラインデータを決定するために採用されることができる。例えば、第1のステップ1100では、本システムのコントローラが、例えば、組織ブロックを切片化するときに、上記に述べられるセンサのうちの1つまたはそれを上回るものからデータを受信することができる。上記に議論されるように、受信されたデータは、チャックアセンブリ251の1つまたはそれを上回る部分の動態、チャック250内で受容される組織ブロックの動態、切断アセンブリ252の1つまたはそれを上回る部分の動態、および/または輸送媒体またはスライド上の組織切片の特性に関連することができる。上記に議論されるように、受信されたデータは、組織ブロック、切断アセンブリ252の一部、および/またはチャックアセンブリ252の一部の静的配向に関連することができる。
【0076】
第2のステップ1110では、コントローラは、受信されたデータに基づいてチャックアセンブリ251および/または切断アセンブリ252に関するベースラインデータを決定することができる。下記により詳細に議論されるように、
図8A-8Eに関して、コントローラは、受信されたデータのあるサブセットがベースラインデータであることを決定することができる。ベースラインデータは、組織ブロックから組織切片を切断するステップに関連する受信されたデータから決定されることができ、組織切片は、組織ブロック内に埋設される組織サンプルの完全な断面を含む。言い換えると、埋設された組織サンプルの完全な断面が暴露されるまで、組織ブロックを断面化するステップまたは組織ブロックのスライスを除去するステップに関連する、受信されたデータは、決定されるベースラインデータ内に組み込まれない場合がある。
【0077】
第3のステップ1120において、コントローラは、後続の切片化データとベースラインデータを比較することができる。いくつかの実施形態では、後続の切片化データは、本システムがそれからベースラインデータを決定したのと同一の組織ブロックから除去される、後続の組織切片に関連することができる。いくつかの実施形態では、後続の切片化データは、本システムがそれからベースラインデータを決定した組織ブロックと異なる第2の組織ブロックからの後続の組織切片に関連することができる。比較は、
図6のステップ1020に関して議論されるものに類似することができる。
【0078】
第4のステップ1130において、本システムのコントローラは、ミクロトーム104またはチャックアセンブリ251および/または切断アセンブリ252の1つまたはそれを上回るコンポーネントが、ステップ1120における比較に基づいて、正常に挙動しているかどうかを決定することができる。ミクロトーム104が、正常に挙動していないことが決定される場合、コントローラは、
図6のステップ1030、1032、および1034に関して議論される出力のうちのいずれかを生成することができる。
【0079】
図8A-8Eを参照すると、組織ブロックが断面化および切片化される間の、上記に説明される1つまたはそれを上回るセンサからの例示的力データが、描写される。描写されるグラフ内のY軸は、例えば、チャック250またはミクロトーム104の他の部分に作用する、ニュートン単位の力である。X軸は、時間である。組織ブロックのスライスが、例えば、20μ厚にとられ、100μm/秒のスピードにおいて切断されることができる。
図8Aは、組織ブロックの初期の断面化切断から測定された、組織ブロックの第4の切断を描写する。ブレード270が、埋設される組織サンプルのごく小さい部分のみに遭遇する(すなわち、ブレード270が、まだ、組織サンプルの完全な断面を通してスライスしているわけではない)ため、スライシングウィンドウ802内のミクロトーム104の動的プロファイル(すなわち、ブレードが組織ブロックを通してスライスしている期間)は、約1Nの最大力によって定義される。
図8Bは、組織ブロックの初期の断面化切断から測定された、組織ブロックの第9の切断を描写する。ブレード270が、第4の切断におけるものより埋設される組織サンプルのより大きい部分に遭遇するため、スライシングウィンドウ804内のミクロトーム104の動的プロファイルは、約1.4Nの最大力によって定義される。スライシングウィンドウ804内の力のプロファイルまたは形状は、スライシングウィンドウ802内の力のものと異なる。
図8Cは、組織ブロックの初期の断面化切断から測定された、組織ブロックの第43の切断を描写する。ブレード270が、埋設される組織サンプルの完全な断面と遭遇するため、スライシングウィンドウ806内のミクロトーム104の動的プロファイルは、約2.6Nの最大力によって定義される。スライシングウィンドウ806内の力のプロファイルまたは形状は、スライシングウィンドウ802および804内のものと異なる。
図8Dは、組織ブロックの初期の断面化切断から測定された、組織ブロックの第44の切断を描写する。ブレード270が、埋設される組織サンプルの完全な断面と遭遇するため、スライシングウィンドウ808内のミクロトーム104の動的プロファイルは、約2.6Nの最大力によって定義される。スライシングウィンドウ808内の力のプロファイルまたは形状は、スライシングウィンドウ802および804内のものと異なる。スライシングウィンドウ808内の力のプロファイルまたは形状は、スライシングウィンドウ806内の力のものに似ている。
【0080】
ベースラインデータは、スライシングウィンドウ806および/または808から発生されることができ、これは、概して、ブレード270が、組織ブロックの組織サンプルの完全な断面を通してスライスするため、スライシングウィンドウ内の力の動的プロファイル(すなわち、曲線の大きさおよび形状)が、比較的に一定のままであるべきであることを示す。例えば、組織サンプルの完全な断面を通した任意の後続のスライスの間に、後続のスライスのスライシングウィンドウ内の力の動的プロファイルが、ベースラインのものと異なる場合、ミクロトーム104が、正常条件下において動作していないことが決定されることができる。例えば、組織サンプルの完全な断面を通した任意の後続のスライスの間に、後続のスライスのスライシングウィンドウ内の力の動的プロファイルが、ベースラインのものと異なり始める場合、ミクロトーム104が、正常動作条件から離れるように乖離していることが決定されることができる。例えば、
図8Eは、組織ブロックの初期の断面化切断から測定された、組織ブロックの第60の切断を描写する。ブレード270が、埋設される組織サンプルの完全な断面と遭遇するため、スライシングウィンドウ810内のミクロトーム104の動的プロファイルは、約4.0Nの最大力によって定義される。したがって、第60のスライスを行うときのミクロトーム104の動的プロファイルは、
図8Cおよび8Dから決定され、そこに描写される、ベースラインデータの外側にあり、例えば、ミクロトーム104がもはや正常に挙動していないことを示す。後続のスライスにおける力の動的プロファイルは、力の大きさ、検査下におけるスライシングウィンドウ内の力プロットの形状、またはスライシングウィンドウのサイズ(例えば、組織ブロックの切断を完了するために要求される時間の長さ)の観点から、ベースラインデータと異なり得る。
【0081】
任意の好適なコンピューティングデバイスが、本明細書に説明されるコンピューティングデバイスおよび方法/機能性を実装するために使用され、当業者によって理解されるであろうように、一般的コンピューティングデバイス上でのソフトウェアの単なる実行を有意に上回る様式で、ハードウェア、ソフトウェア、およびファームウェアのモディフィケーションを通して、本明細書に説明される動作および特徴を実施するための具体的システムに転換されることができる。そのようなコンピューティングデバイス1300の一例証的実施例が、
図7に描写される。コンピューティングデバイス1300は、好適なコンピューティング環境の例証的実施例にすぎず、いかようにも本開示の範囲を限定しない。
図7によって表されるような「コンピューティングデバイス」は、当業者によって理解されるであろうように、「ワークステーション」、「サーバ」、「ラップトップ」、「デスクトップ」、「ハンドヘルドデバイス」、「モバイルデバイス」、「タブレット型コンピュータ」、または他のコンピューティングデバイスを含むことができる。コンピューティングデバイス1300が例証目的のために描写されることを前提として、本開示の実施形態は、本開示の単一の実施形態を実装するために、任意の数の異なる方法で任意の数のコンピューティングデバイス1300を利用してもよい。故に、本開示の実施形態は、当業者によって理解されるであろうように、単一のコンピューティングデバイス1300に限定されない、またはそれらは、例示的コンピューティングデバイス1300の単一のタイプの実装または構成にも限定されない。
【0082】
コンピューティングデバイス1300は、直接または間接的に、以下の例証的コンポーネント、すなわち、メモリ1312、1つまたはそれを上回るプロセッサ1314、1つまたはそれを上回る提示コンポーネント1316、入/出力ポート1318、入/出力コンポーネント1320、および電力供給源1324のうちの1つまたはそれを上回るものに結合され得る、バス1310を含むことができる。当業者は、バス1310が、アドレスバス、データバス、またはそれらの任意の組み合わせ等の1つまたはそれを上回るバスを含み得ることを理解するであろう。当業者は、加えて、特定の実施形態の意図される用途および使用に応じて、これらのコンポーネントの複数のものが、単一のデバイスによって実装され得ることを理解するであろう。同様に、いくつかの事例では、単一のコンポーネントが、複数のデバイスによって実装されることができる。したがって、
図7は、本開示の1つまたはそれを上回る実施形態を実装するために使用され得る例示的コンピューティングデバイスを図示するにすぎず、本開示をいかようにも限定することはない。
【0083】
コンピューティングデバイス1300は、様々なコンピュータ可読媒体を含む、またはそれと相互作用することができる。例えば、コンピュータ可読媒体は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)、電子的消去可能プログラマブル読取専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリまたは他のメモリ技術、CDROM、デジタル多用途ディスク(DVD)または他の光学またはホログラフィック媒体、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置、または情報をエンコードするために使用され得、コンピューティングデバイス1300によってアクセスされ得る他の磁気記憶デバイスを含むことができる。
【0084】
メモリ1312は、揮発性および/または不揮発性メモリの形態におけるコンピュータ記憶媒体を含むことができる。メモリ1312は、リムーバブル、非リムーバブル、またはそれらの任意の組み合わせであってもよい。例示的ハードウェアデバイスは、ハードドライブ、ソリッドステートメモリ、光学ディスクドライブ、および同等物等のデバイスである。コンピューティングデバイス1300は、メモリ1312、種々のI/Oコンポーネント1316等のコンポーネントからデータを読み取る、1つまたはそれを上回るプロセッサを含むことができる。提示コンポーネント1316は、データインジケーションをユーザまたは他のデバイスに提示する。例示的提示コンポーネントは、ディスプレイデバイス、スピーカ、印刷コンポーネント、振動コンポーネント等を含む。コンピューティングデバイス1300は、少なくとも1つの非一過性コンピュータ可読記憶媒体上にエンコードされる命令を実行するように構成される、1つまたはそれを上回るプロセッサ1314を含むことができる。少なくとも1つの非一過性コンピュータ可読記憶媒体上にエンコードされる命令の実行は、1つまたはそれを上回るプロセッサ1314に、上記に説明される方法のうちの1つまたはそれを上回るものを行わせることができる。
【0085】
I/Oポート1318は、コンピューティングデバイス1300が、I/Oコンポーネント1320等の他のデバイスに論理的に結合されることを可能にすることができる。I/Oコンポーネント1320のうちのいくつかは、コンピューティングデバイス1300の中に内蔵されることができる。そのようなI/Oコンポーネント1320の実施例は、マイクロホン、ジョイスティック、記録デバイス、ゲームパッド、衛星テレビ受信用アンテナ、走査装置、プリンタ、無線デバイス、ネットワーキングデバイス、および同等物を含む。
【0086】
いくつかの実施形態では、1つまたはそれを上回るコンポーネントを含む、切片化デバイスを含む、ミクロトーム法システムが、提供され、切片デバイスは、サンプルを受容するように構成され、サンプルから切片を切断するように構成される。ミクロトーム法システムは、加えて、切片化デバイスおよび制御システムの1つまたはそれを上回るコンポーネントの動態に関するデータを感知するように構成される、少なくとも1つのセンサを含む。制御システムは、少なくとも1つのセンサからデータを受信し、少なくとも1つのセンサからのデータが、1つまたはそれを上回るコンポーネントの公称または非公称の挙動を示すかどうかを決定し、人間または自動化された介入を用いて非公称の挙動源を修正するように構成される。いくつかの側面では、本明細書に説明される技法は、組織切片品質を制御するためのミクロトーム法システムに関し、本システムは、組織ブロックをその中に保定するように構成される、組織チャックと、組織ブロックから組織切片を切断するように構成される、ミクロトームと、組織チャックおよびミクロトームのうちの一方の動態を感知するように構成される、少なくとも1つのセンサと、少なくとも1つのセンサから感知されたデータを受信し、感知されたデータが事前定義された最大または最小値を超過すると、ユーザにアラートのうちの1つを出力し、ロボットミクロトーム法システムの動作を保留し、ミクロトーム法システムの動作パラメータを調節するように構成される、制御システムとを含む。いくつかの側面では、本明細書に説明される技法は、組織切片品質を制御するためのミクロトーム法システムに関し、少なくとも1つのセンサのうちの1つは、カメラであり、カメラは、レンズと、画像またはライブフィード画像データを捕捉し、リアルタイムで組織厚を監視する、センサとを含み、制御システムは、捕捉された画像またはライブフィード画像データの関数としてミクロトーム法システムの動作パラメータを調節するように構成される。いくつかの側面では、本明細書に説明される技法は、組織切片品質を制御するためのミクロトーム法システムに関し、本システム内のセンサのうちの1つは、カメラであり、カメラは、レンズと、センサと、種々の波長における照明を提供し、画像またはライブフィードデータを捕捉する、専用の照明システムとを含み、制御システムは、捕捉された画像またはライブフィードデータの関数として本システムの性能を監視するように構成される。いくつかの側面では、本明細書に説明される技法は、ミクロトームの健全性を監視するための切片化システムに関し、本システムは、サンプルを保持するためのチャックと、サンプルの一部を切断するためのミクロトームと、ミクロトーム上に配置される、またはそれと連通する、少なくとも1つのセンサと、少なくとも1つのセンサからのデータの関数としてミクロトームの健全性を監視するように構成される、コントローラとを含む。いくつかの側面では、本明細書に説明される技法は、さらに、レンズと、撮像センサであって、画像を捕捉するように構成される、撮像センサとを含む、撮像システムと、ブレードアーチファクトおよび組織厚の均一性に関して捕捉された画像を分析するように構成される、コントローラとを含む、健全性を監視するためのロボット切片化システムに関する。いくつかの側面では、本明細書に説明される技法は、組織切片品質を監視するための切片化システムに関し、本システムは、組織のサンプルを保持するためのチャックと、サンプルから組織切片を切断するためのミクロトームと、ミクロトームと連通する、少なくとも1つのセンサと、少なくとも1つのセンサからのデータの関数としてミクロトームの健全性を監視し、監視されるミクロトームの健全性の関数として組織切片品質を予測するように構成される、コントローラとを含む。いくつかの側面では、本明細書に説明される技法は、切片化システムに関し、ロボット切片化システムは、ユーザ介入を伴うことなく、チャックおよびミクロトームのうちの一方の運動パラメータおよび構成を改変し、少なくとも1つのセンサからの乖離する監視されるミクロトームの健全性を補償するように構成される。いくつかの側面では、本明細書に説明される技法は、ロボット切片システムに関し、センサのうちの少なくとも1つは、レンズと、センサであって、画像またはライブフィードデータを捕捉するように構成される、センサとを含む、カメラであり、コントローラは、捕捉された画像またはライブフィードデータの関数として組織切片品質を予測するように構成される。いくつかの側面では、本明細書に説明される技法は、さらに、種々の波長において組織のサンプルを照明するように構成される、二重の照明を含み、コントローラは、ユーザ介入を伴うことなく、ミクロトームの健全性を監視するように構成される、ロボット切片システムに関する。
【0087】
本開示の多数のモディフィケーションおよび代替実施形態が、前述の説明に照らして当業者に明白となるであろう。故に、本説明は、例証としてのみ解釈されるものであり、当業者に本開示を行うための最良形態を教示する目的のためのものである。構造の詳細は、本開示の精神から逸脱することなく、実質的に変動し得、添付の請求項の範囲内に該当する全てのモディフィケーションの排他的使用が、留保される。本明細書では、実施形態は、明確かつ簡潔な明細書が記述されることを可能にする方法において説明されているが、実施形態が、本開示の範囲から逸脱することなく、種々に組み合わせられる、または分離され得ることを意図しており、そのように理解されたい。本開示が、添付の請求項および適用可能な法の規則によって要求される範囲のみに限定されることを意図している。
【0088】
本明細書において利用されるように、用語「comprises(~を備える)」および「comprising(~を備える)」は、排他的ではなく、包括的であるものとして解釈されることが意図される。本明細書において利用されるように、用語「exemplary(例示的)」、「example(実施例)」、および「illustrative(例証的)」は、「serving as an example, instance, or illustration(実施例、事例、または例証としての役割を果たす)」を意味するように意図されており、他の構成に対する好ましい、または有利な構成を示すものとして、または示さないものとして解釈されるべきではない。本明細書において利用されるように、用語「about(約)」、「generally(概して)」、および「approximately(おおよそ)」は、性質、パラメータ、サイズ、および寸法の変動等の主観的または客観的値の範囲の上限および下限に存在し得る変動を網羅することを意図している。一非限定的実施例では、用語「about(約)」、「generally(概して)」、および「approximately(おおよそ)」は、10パーセントまたは+10パーセントまたはそれ未満、または-10パーセントまたはそれ未満を意味する。一非限定的実施例では、用語「about(約)」、「generally(概して)」、および「approximately(おおよそ)」は、当業者によって含まれると見なされるほど十分に近接していることを意味する。本明細書において利用されるように、用語「substantially(実質的に)」は、当業者によって理解されるであろうように、作用、特性、性質、状態、構造、アイテム、または結果の完全またはほぼ完全な拡張または程度を指す。例えば、「substantially(実質的に)」円形である物体は、物体が数学的に決定可能な限界まで完全に円形であるか、または当業者によって認識または理解されるであろうように略円形であるかのいずれかであることを意味するであろう。絶対的な完全性からの厳密な許容可能な逸脱の程度は、いくつかの事例では、具体的な文脈に依存し得る。しかしながら、一般に、完全に近いことは、絶対的かつ全体的な完全性が達成または取得される場合と同一の全体的結果を有するようなものであろう。「substantially(実質的に)」の使用は、当業者によって理解されるであろうように、作用、特性、性質、状態、構造、アイテム、または結果の完全またはほぼ完全な欠如を指すために否定的な意味合いにおいて利用されるときに等しく適用可能である。
【0089】
また、以下の請求項が、本明細書に説明される開示の全ての一般的かつ具体的特徴、および言語の問題として、その間に該当すると言われ得る本開示の範囲の全ての文言を網羅するものであることを理解されたい。
【国際調査報告】