(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-23
(54)【発明の名称】高度な訓練用途向けのモジュラー回路カードアセンブリ
(51)【国際特許分類】
G09B 9/00 20060101AFI20250116BHJP
G06F 3/01 20060101ALI20250116BHJP
F41A 33/00 20060101ALN20250116BHJP
F41F 3/045 20060101ALN20250116BHJP
【FI】
G09B9/00 Z
G06F3/01 560
G06F3/01 510
F41A33/00
F41F3/045
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024528492
(86)(22)【出願日】2022-07-29
(85)【翻訳文提出日】2024-07-08
(86)【国際出願番号】 US2022038760
(87)【国際公開番号】W WO2023229617
(87)【国際公開日】2023-11-30
(32)【優先日】2021-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】524059674
【氏名又は名称】レイセオン カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】トイ,グレゴリー ケイ.
(72)【発明者】
【氏名】ベレスフォード,アレクサンドラ
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン,ジョシュア ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ヴェレズ,クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】カークパトリック,マクスウェル
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA08
5E555BA38
5E555BB38
5E555BC21
5E555BE17
5E555CA06
5E555CA12
5E555CA13
5E555CA17
5E555CA44
5E555CB02
5E555CB12
5E555CC01
5E555DA08
5E555DA24
5E555DC84
5E555DD08
5E555FA00
(57)【要約】
アセンブリは、動作可能な通信において、プロセッサ、通信システム、センササブシステム、正常性管理システム、及びセキュリティシステムを含み、アセンブリは、シミュレーションシステムと、シミュレーションシステムを制御するコンピュータシステムとの間のインターフェイスとなるように構成されている。通信システムは、シミュレーションシステムとコンピュータシステム間の通信を制御する。感覚サブシステムは、シミュレーションシステムにコマンドを提供して、ユーザの1つ以上の感覚を、それぞれの1つ以上の感覚が検出できるシミュレーションに結び付けるシミュレートされたユーザエクスペリエンスをユーザに提供できるようにする。正常性管理システムは、シミュレーションシステムが動作している1つ以上の環境特性に関連する正常性イベント情報を監視する。セキュリティシステムは、アセンブリに関連付けられたセキュリティイベントを監視し、セキュリティイベントは、アセンブリへの物理的侵入と論理的侵入の少なくとも1つに関連している。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アセンブリであって、
メモリと動作可能に通信するプロセッサであって、前記メモリは前記プロセッサの動作のための命令を格納し、前記プロセッサはコンピュータシステムから受信した第1の命令を制御信号に変換して第1のシミュレーションシナリオに従ってシミュレーションシステムを動作させるように構成され、前記プロセッサはユーザアクションに応答し、少なくとも部分的に前記ユーザアクションに基づいて前記シミュレーションシステムで実行される前記第1のシミュレーションシナリオを制御するように動作可能である、前記プロセッサ、
前記プロセッサ及び前記コンピュータシステムと動作可能に通信する通信システムであって、前記通信システムは前記シミュレーションシステムと前記コンピュータシステムとの間の通信を制御するように構成され、前記アセンブリと前記コンピュータシステムとの間の有線通信及び無線通信の少なくとも1つを提供するように構成される、前記通信システム、
前記プロセッサと動作可能に通信する感覚サブシステムであって、前記感覚サブシステムは前記シミュレーションシステムにコマンドを提供してシミュレーションサブシステムがユーザにシミュレートされたユーザエクスペリエンスを提供できるように構成され、前記シミュレートされたユーザエクスペリエンスは、前記ユーザの1つ以上の感覚を、前記1つ以上の感覚がそれぞれ検出できるシミュレーションに結び付けるように構成される、前記感覚サブシステム、
前記プロセッサと動作可能な通信状態にあり、前記シミュレーションシステムが動作している1つ以上の環境特性に関連する正常性イベント情報を監視するように構成されている、正常性管理システム、及び
前記プロセッサと動作可能な通信状態にあり、前記アセンブリに関連付けられたセキュリティイベントを監視するように構成されるセキュリティシステムであって、前記セキュリティイベントは、前記アセンブリへの物理的侵入及び論理的侵入の少なくとも1つに関連している、前記セキュリティシステム、を含み、
前記アセンブリは、前記シミュレーションシステムと前記コンピュータシステムとの間のインターフェイスを構成する、前記アセンブリ。
【請求項2】
イベント情報を格納するように構成されたログをさらに備え、格納されたイベント情報は、シミュレーションイベント、正常性イベント、及び前記セキュリティイベントの少なくとも1つに関連付けられた情報を含む、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記第1のシミュレーションシナリオの分析のために、前記ログに格納されたイベント情報を前記コンピュータシステムに提供するように構成されている、請求項2に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記コンピュータシステムから、第2のシナリオに従って前記シミュレーションシステムを動作させるための第2の命令を受信するように構成され、前記第2のシナリオは、前記コンピュータシステムに提供された前記ログに前記格納されたシミュレーション情報の分析に少なくとも部分的に基づいて作成される、請求項3に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記アセンブリの少なくとも1つへの侵入の検出及び前記アセンブリとの通信に関連する分析のために、ログに格納されたセキュリティイベント情報を前記コンピュータシステムに提供するように構成される、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記プロセッサが、前記シミュレーションシステムの使用に関連する1つ以上の正常性イベントの検出に関する分析のために、ログに格納された正常性イベント情報を前記コンピュータシステムに提供するように構成される、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記アセンブリは、前記シミュレーションシステムのシミュレーションデバイス内部に配置されるように構成されている、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記シミュレーションシステムは、仮想現実(VR)システム、拡張現実システム、及び合成訓練環境(STE)内で動作可能なシステムのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項9】
通信サブシステムは、有線通信と無線通信との間で切り替え可能に構成されている、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記アセンブリは、前記シミュレーションシステムの第1のデバイス内部に収容され、前記アセンブリの前記通信システムは、前記第1のデバイスとは異なる第2のデバイスに動作可能に接続され、前記通信システムは、前記第2のデバイスが前記コンピュータシステムとパススルー通信できるように構成されている、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項11】
前記通信システムは、第1の有線接続を介して前記コンピュータシステムに動作可能に接続され、前記第2のデバイスは、前記第2のデバイスから前記コンピュータシステムへの通信が前記第1の有線接続を介してのみ提供されるのを確実にするように前記通信システムに接続される、請求項10に記載のアセンブリ。
【請求項12】
前記セキュリティシステムはリバースエンジニアリング保護システム(REPS)を含み、前記REPSは前記アセンブリへの物理的侵入及び前記アセンブリへの論理的侵入の少なくとも1つから前記アセンブリを保護するように構成される、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項13】
前記セキュリティシステムは、暗号化システム、認証システム、及び改ざん検出システムのうちの少なくとも1つを含むハードウェアセキュリティ方法サブシステムを含む、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項14】
前記セキュリティシステムは、前記プロセッサ及び前記通信システムと連携して前記アセンブリの信頼の基点(RoT)を提供するように構成される、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項15】
前記環境特性は、温度、湿度、動き、及び時間のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項16】
方法であって、
コンピュータシステムとシミュレーションシステムとの間のインターフェイスとして構成されたアセンブリを提供することであって、前記アセンブリは物理的に前記シミュレーションシステムの一部となるように構成される、前記提供すること、
前記アセンブリを使用して、前記コンピュータシステムから受信した第1の命令を制御信号に変換し、第1のシミュレーションシナリオに従って前記シミュレーションシステムを動作させることであって、前記シミュレーションシステムは、ユーザのアクションに応答し、前記ユーザにシミュレートされたユーザエクスペリエンスを提供するように構成され、前記シミュレートされたユーザエクスペリエンスは、前記ユーザの1つ以上の感覚を、前記1つ以上の感覚がそれぞれ検出できるシミュレーションに結び付けるように構成される、前記変換すること、
前記アセンブリを使用して、前記シミュレーションシステムと前記コンピュータシステムの間の通信を構成し、前記シミュレーションシステムと前記コンピュータシステムの間の有線通信及び無線通信の少なくとも1つを提供する、前記構成すること、及び
前記シミュレーションシステムに関連するイベントを監視することであって、前記イベントは、前記シミュレーションシステムが動作している1つ以上の環境特性に関連する正常性イベント情報、及び前記アセンブリに関連するセキュリティイベントの少なくとも1つを含み、前記監視することは、前記アセンブリへの物理的侵入及び論理的侵入の少なくとも1つを検出するように構成されている、前記監視すること、を含む、前記方法。
【請求項17】
前記イベントを監視することは、前記シミュレーションシステムの動作中及び前記シミュレーションシステムが動作していない時間の間の少なくとも1つの間に行われる、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記シミュレーションシステムを第2のシナリオに従って動作させることであって、前記第2のシナリオは、前記監視されたイベント情報の分析に少なくとも部分的に基づいて作成される、前記動作させること、をさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
シミュレーションシステムとコンピュータシステムの間をインターフェイスするための手段であって、
第1のシミュレーションシナリオに従って前記シミュレーションシステムを動作させるため、前記コンピュータシステムから受信した第1の命令を制御信号に変換するための手段であって、前記変換するための手段はユーザアクションに応答し、少なくとも部分的に前記ユーザアクションに基づいて前記シミュレーションシステムで実行される前記第1のシミュレーションシナリオを制御するように動作可能である、前記変換するための手段、
前記シミュレーションシステムと前記コンピュータシステムとの間の通信を制御するための手段であって、前記制御するための手段は、アセンブリと前記コンピュータシステムとの間の有線通信及び無線通信の少なくとも1つを提供するようさらに構成される、前記制御するための手段、
前記シミュレーションシステムにコマンドを提供して、シミュレーションサブシステムがユーザにシミュレートされたユーザエクスペリエンスを提供できるようにするための手段であって、前記シミュレートされたユーザエクスペリエンスは、前記ユーザの1つ以上の感覚を、前記1つ以上の感覚がそれぞれ検出できるシミュレーションと結び付けられるように構成されている、前記提供できるようにするための手段、
前記シミュレーションシステムが動作している1つ以上の環境特性に関連する正常性イベント情報を監視するための手段、及び
前記アセンブリに関連するセキュリティイベントを監視するための手段であって、前記セキュリティイベントが、インターフェイスを提供するための手段、及び前記アセンブリ及び前記アセンブリとの間の通信を侵入から保護するための手段への物理的侵入及び論理的侵入の少なくとも1つに関連する、前記監視するための手段を含む、前記インターフェイスするための手段。
【請求項20】
イベント情報を格納するための手段であって、前記格納されたイベント情報は、シミュレーションイベント、正常性イベント、及び前記セキュリティイベントのうちの少なくとも1つに関連付けられた情報を含む、前記格納するための手段、をさらに含む、請求項19に記載のインターフェイスするための手段。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、概して、戦術、メンテナンス、及び訓練を目的とした状況のシミュレーションのためのデバイス、システム、及び方法に関する。より具体的には、本開示は、シミュレーションシナリオを実行する様々なコンピュータシステムと、そのコンピュータシステムと対話する必要がある様々なタイプの身体訓練デバイス及びシミュレーションシステムとの間のユニバーサルデータ及び制御インターフェイスを提供するように構成されたモジュール式で構成可能なインターフェイスを提供するためのデバイス、システム、及び方法に関する実施形態について説明する。
【背景技術】
【0002】
軍事または航空宇宙などの環境では、兵器システム、航空機、船舶、宇宙船など、特に危険、高価、不便、または複製が困難なデバイス及びシステムと人間との対話を伴う可能性がある状況をシミュレートする場合、訓練ユーザは訓練シミュレーションシステムの使用を必要とすることが多い。現在では、使用されている多くの種類のシミュレーションシステムがあり、例えば航空交通管制(ATC)シミュレータ、レーダーシミュレータ、フライトシミュレータ、戦車シミュレータ、兵器シミュレータ、操船シミュレータ、運転シミュレータ、射撃シミュレータ、ロケットシミュレータなどがあるが、それらに限定されない。手術やその他の医療/歯科処置を行うなど、人間と他の人間との対話をシミュレートする訓練シミュレーションシステムさえもある。シミュレーションシステムの利点は、限られた予算や限られたリソース、含まれるリスク、時間、機器/場所の可用性、訓練が必要な状況や構成の種類をオンデマンドで現実世界に再現することの難しさなどの制約により、シミュレーションシステムを使用しないと訓練目的で再現するまたは利用することが困難な状況を、訓練中のユーザが体験して対応(及び/またはデバイスや機器の操作)できるようになるということである。
【0003】
バーチャルリアリティ(VR)は、シミュレートされた(仮想)環境内部で行われるインタラクティブなコンピュータ生成体験である。VRシステムは通常、聴覚、視覚、感覚のフィードバックが組み込まれている。多くのVRシステムでは、仮想環境におけるユーザの物理的な存在をシミュレートするリアルな画像、サウンド、その他の感覚を生成するように構成されたディスプレイとオーディオ機能を備えた仮想現実ヘッドセットを含むヘッドマウントディスプレイを使用する。仮想現実システムを使用する人は、人工世界を見回し、その中で動き回り、そのような環境内の仮想的な特徴やアイテムと対話することができる。VRシステムは、コントローラを介して振動やその他の感覚をユーザに送信することもでき、コントローラは、ボタン、ジョイスティック、アイコンなどのゲームコントローラの指定された機能を使用しながら、前方または後方への移動、低速または高速の移動、方向転換、接触、把持、オブジェクトの制御など、ユーザからの入力や指示も受け取る。コントローラは、コンソール(例えば、ヘッドセット)のコントローラポートの1つに接続することにより、またはコントローラをコンソールシステム/VRシステムとワイヤレスでペアリングすることにより、様々なボタン/ダイヤルをアクティブにするユーザからの入力をVRシステムに提供する。コントローラの例には、方向パッド、複数のボタン、アナログスティック、ジョイスティック、動作検出、タッチスクリーンが含まれ得るが、これらはすべてユーザの手による起動を必要とする。
【発明の概要】
【0004】
以下に、本明細書に記載される実施形態の1つ以上の態様の基本的な理解をもたらすために、簡略化された概要を提示する。この概要は、すべての可能な実施形態の広範囲にわたる概要ではなく、実施形態の鍵となるまたは必須の要素を特定することも、その範囲を区切ることも意図していない。むしろ、本概要の主な目的は、本明細書に記載の実施形態のいくつかの概念を、後で提示される、より詳細な説明の序文として、簡略化された形で提示することである。
【0005】
VRシステムの可用性が高まり、商用ゲームシステムが高度化するにつれて、驚くほどリアルで高度なシミュレーションシステムを使用して様々な分野でユーザを訓練できることがより一般的になってきた。例えば、米軍は現在、様々な兵器システムを使用する際に、人員を訓練するために、様々な種類のシミュレータシステムを使用している。
図1A及び
図1Bは、米国陸軍のStinger(登録商標)ミサイルの運用をシミュレートするために使用可能な従来の仮想現実訓練システムの例のそれぞれの例示的なブロック
図100A、100Bであり、
図2は、
図1A~
図1Bと同様のシミュレーションシステムを使用して訓練を受けている実際のユーザの例示的な図である。例示的なシステム100Aは、様々なシーンのシミュレーション、射撃対象となるターゲット(例えば、ヘリコプター、航空機)及び発射されるStingerミサイルの3次元(3D)モデル、シミュレートされた天候及び地形画像、シミュレーションセンサ、発射シーケンスなどを含むことができる、シミュレーション及び仮想環境102を提供する。
【0006】
Stingerは携帯式防空ミサイルシステム(MANPADS)の一種で、個人または少人数のチームが航空機に対して発射できる地対空ミサイルが含まれている。これらの兵器システムは、肩撃ち式対空ミサイルと呼ばれることが多い。
図100A及び
図100Bのシミュレータシステムでは、ヘッドフォン/スピーカー104は、訓練環境でSTINGERミサイルの操作をシミュレートしているユーザに、環境、ターゲット、及び武器の音声情報とシミュレートされたサウンドを提供する。VRヘッドセット及びヘッドトラッカー106には、シミュレーションを容易にするために、前面カメラ、1つ以上のコントローラ、追跡センサなどの機能を含めることができる。ハンドトラッキング機能108は、ウェアラブルコンポーネント(例えば、指のトラッキングを含むことができる)、指の動きをシミュレートするボタン、ヘッドセットに取り付けられたモーションコントローラ108、及びカスタムトリガ116(
図1B)及び/またはStingerコントローラ118などを介して、様々な方法で実装でき、ユーザの向きやユーザの手の位置を追跡し、ユーザコントロールを提供し、振動などの触覚フィードバックを提供するのを補助する。
【0007】
さらに、Stingerシミュレーションデバイス120は、
図2のイラスト200に示すように、シミュレーション/訓練演習中にStingerミサイルを使用するときの重量、重さ、及び物理的感触をシミュレートするのに役立つ受動的触覚を与えるのに寄与する。制御ディスプレイ110及びキーボードに関連付けられた別個のコンピュータシステムは、シミュレーション環境102に提供し得るシミュレーションシナリオの作成を可能にし、コンピュータシステムの別のユーザ(図示せず)が、ユーザ114がシミュレーションを実行しているのを観察すること及び/またはシミュレーション中にユーザ114が経る経験を制御し得るようにすることができる。
【0008】
様々な武器用の多くの異なるタイプのシミュレータやシステムを使用して、理解されるように、仮想現実環境またはコンピュータ制御の有無に関わらず、多様なタイプの武器またはその他のデバイスを使用して、様々な種類の合成訓練環境を提供できる。軍事訓練などの一部の用途でのシミュレーションシステムの一般性が増すにつれて、複数の異なるタイプの訓練ハードウェア及びシステムを使用して、訓練シナリオを作成し、使用できるのを確実にすることが求められている。しかし、多くの現在開発されているシミュレーションシステムは、独自のシステムとハードウェア、特に特定の武器に関連する触覚を提供するように設計されたハードウェアを使用しており、これらのシステムは相互運用できないことがよくある。したがって、コマンドが特定のタイプのシミュレーションシステムで使用できるように適切に変換されるのを確実にするように、大規模な再設計とプログラミングを行わずに、複数の異なるシミュレーションシステムを統合して一緒に使用し、ユーザが現実世界で遭遇する可能性のある多様で複雑な状況を訓練することは困難である。
【0009】
対照的に、MicrosoftのXboxやSonyのPlayStationなどのゲームシステムなど、娯楽目的で使用される商用システムは、より幅広い種類のハードウェアで使用できる柔軟性があり、コストもはるかに安価であるが、軍事訓練やシミュレーションなどの厳しい環境や用途で動作するために必要な堅牢性、信頼性、及び安全な機能が欠けている。市販のデバイスは価格と入手性の点で有利であるが、サイバーセキュリティ機能、暗号化、侵入防止、厳しい/過酷な産業及び/または軍事環境での動作能力(例えば、極端な温度、衝撃、振動など)、機密空間及び/または閉鎖空間での動作能力など、産業及び/または軍事用途に必要な機能も欠けている。市販のシミュレーションシステム(及び多くの既知の軍事シミュレーションシステム)は、シミュレーションデバイスがさらされている環境要因及び条件を監視または追跡せず、一部の用途で必要とされるより堅牢なシステムと同じ信頼性要件がない傾向がある。
【0010】
本明細書の少なくともいくつかの実施形態は、これらの問題の少なくとも一部を解決しようと試みる。
【0011】
一態様では、プロセッサ、通信システム、センササブシステム、正常性管理システム、及びセキュリティシステムを含むアセンブリが提供される。プロセッサは、メモリと動作可能に通信し、メモリはプロセッサの動作のための命令を格納し、プロセッサはコンピュータシステムから受信した第1の命令を制御信号に変換して第1のシミュレーションシナリオに従ってシミュレーションシステムを動作させるように構成され、プロセッサはユーザアクションに応答し、少なくとも部分的にユーザアクションに基づいてシミュレーションシステムで実行される第1のシミュレーションシナリオを制御するように動作可能である。通信システムはプロセッサ及びコンピュータシステムと動作可能に通信し、通信システムはシミュレーションシステムとコンピュータシステムとの間の通信を制御するように構成され、アセンブリとコンピュータシステムとの間の有線通信及び無線通信の少なくとも1つを提供するように構成される。感覚サブシステムはプロセッサと動作可能に通信し、感覚サブシステムはシミュレーションシステムにコマンドを提供してシミュレーションサブシステムがユーザにシミュレートされたユーザエクスペリエンスを提供できるように構成され、シミュレートされたユーザエクスペリエンスは、ユーザの1つ以上の感覚を、それぞれの1つ以上の感覚が検出できるシミュレーションに結び付けるように構成される。正常性管理システムはプロセッサと動作可能な通信状態にあり、シミュレーションシステムが動作している1つ以上の環境特性に関連する正常性イベント情報を監視するように構成されている。セキュリティシステムはプロセッサと動作可能な通信状態にあり、アセンブリに関連付けられたセキュリティイベントを監視するように構成され、セキュリティイベントは、アセンブリへの物理的侵入及び論理的侵入の少なくとも1つに関連している。アセンブリは、シミュレーションシステムとコンピュータシステムとの間のインターフェイスを構成する。
【0012】
いくつかの実施形態では、アセンブリは、イベント情報を格納するように構成されたログをさらに備え、格納されたイベント情報は、シミュレーションイベント、正常性イベント、及びセキュリティイベントの少なくとも1つに関連付けられた情報を含む。いくつかの実施形態では、プロセッサは、第1のシミュレーションシナリオの分析のために、ログに格納されたイベント情報をコンピュータシステムに提供するように構成される。いくつかの実施形態では、プロセッサは、コンピュータシステムから、第2のシナリオに従ってシミュレーションシステムを動作させるための第2の命令を受信するように構成され、第2のシナリオは、第1のコンピュータシステムに提供されたログに格納されたシミュレーション情報の分析に少なくとも部分的に基づいて作成される。いくつかの実施形態では、プロセッサは、アセンブリの少なくとも1つへの侵入の検出及びアセンブリとの通信に関連する分析のために、ログに格納されたセキュリティイベント情報をコンピュータシステムに提供するように構成される。
【0013】
いくつかの実施形態では、プロセッサは、シミュレーションシステムの使用に関連する1つ以上の正常性イベントの検出に関する分析のために、ログに格納された正常性イベント情報をコンピュータシステムに提供するように構成される。いくつかの実施形態では、アセンブリは、シミュレーションシステムのシミュレーションデバイス内部に配置されるように構成される。いくつかの実施形態では、シミュレーションシステムは、仮想現実(VR)システム、拡張現実システム、及び合成訓練環境(STE)内で動作可能なシステムのうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、通信サブシステムは、有線通信と無線通信との間で切り替え可能に構成される。いくつかの実施形態では、アセンブリはシミュレーションシステムの第1のデバイス内部に収容され、アセンブリの通信システムは第1のデバイスとは異なる第2のデバイスに動作可能に結合され、通信システムは第2のデバイスがコンピュータシステムとパススルー通信できるように構成される。いくつかの実施形態では、通信システムは、第1の有線接続を介してコンピュータシステムに動作可能に接続され、第2のデバイスは、第2のデバイスからコンピュータシステムへの通信が第1の有線接続を介してのみ提供されるのを確実にするように通信システムに接続される。
【0014】
いくつかの実施形態では、セキュリティシステムはリバースエンジニアリング保護システム(REPS)を含み、REPSはアセンブリへの物理的侵入及びアセンブリへの論理的侵入の少なくとも1つからアセンブリを保護するように構成される。いくつかの実施形態では、セキュリティシステムは、暗号化システム、認証システム、及び改ざん検出システムのうちの少なくとも1つを含むハードウェアセキュリティ方法サブシステムを含む。いくつかの実施形態では、セキュリティシステムは、プロセッサ及び通信システムと連携してアセンブリの信頼のルート(RoT)を提供するように構成される。
【0015】
いくつかの実施形態では、セキュリティシステムは、プロセッサ及び通信システムと連携してアセンブリの信頼のルート(RoT)を提供するように構成される。
【0016】
別の態様では、方法が提供される。アセンブリが提供され、このアセンブリはコンピュータシステムとシミュレーションシステム間のインターフェイスとして構成され、このアセンブリは物理的にシミュレーションシステムの一部となるように構成される。アセンブリを使用して、コンピュータシステムから受信した第1の命令を制御信号に変換し、第1のシミュレーションシナリオに従ってシミュレーションシステムを動作させ、シミュレーションシステムは、ユーザのアクションに応答し、ユーザにシミュレートされたユーザエクスペリエンスを提供するように構成され、シミュレートされたユーザエクスペリエンスは、ユーザの1つ以上の感覚を、それぞれの1つ以上の感覚が検出できるシミュレーションに結び付けるように構成される。アセンブリを使用して、シミュレーションシステムとコンピュータシステムの間の通信を構成し、シミュレーションシステムとコンピュータシステムの間の有線通信及び無線通信の少なくとも1つを提供する。シミュレーションシステムに関連するイベントが監視され、イベントには、シミュレーションシステムが動作している1つ以上の環境特性に関連する正常性イベント情報、及びアセンブリに関連するセキュリティイベントの少なくとも1つが含まれ、監視は、アセンブリへの物理的侵入及び論理的侵入の少なくとも1つを検出するように構成されている。
【0017】
いくつかの実施形態では、イベントを監視することは、前記シミュレーションシステムの動作中及び前記シミュレーションシステムが動作していない時間の間の少なくとも1つの間に行われる。いくつかの実施形態では、方法は、第2のシナリオに従ってシミュレーションシステムを動作させることをさらに含み、第2のシナリオは、監視されたイベント情報の分析に少なくとも部分的に基づいて作成される。
【0018】
さらなる態様では、シミュレーションシステムとコンピュータシステムの間をインターフェイスするための手段が提供される。インターフェイスするための手段は、第1のシミュレーションシナリオに従ってシミュレーションシステムを動作させるため、コンピュータシステムから受信した第1の命令を制御信号に変換するための手段、シミュレーションシステムとコンピュータシステムとの間の通信を制御するための手段、シミュレーションサブシステムがシミュレートされたユーザエクスペリエンスをユーザに提供できるようにシミュレーションシステムにコマンドを提供するための手段、シミュレーションシステムが動作している1つ以上の環境特性に関連する正常性イベント情報を監視するための手段、及びアセンブリに関連するセキュリティイベントを監視するための手段を含む。
【0019】
変換手段は、ユーザアクションに応答し、ユーザアクションに少なくとも部分的に基づいて、シミュレーションシステムで実行される第1のシミュレーションシナリオを制御するように動作可能である。通信を制御するための手段は、アセンブリとコンピュータシステムとの間の有線通信及び無線通信の少なくとも1つを提供するようにさらに構成される。シミュレートされたユーザエクスペリエンスは、ユーザの1つ以上の感覚を、それぞれの1つ以上の感覚が検出できるシミュレーションに結び付けるように構成される。セキュリティイベントは、インターフェイスを提供するための手段、及びアセンブリ及びアセンブリとの間の通信を侵入から保護するための手段への物理的侵入及び論理的侵入の少なくとも1つに関連する。
【0020】
いくつかの実施形態では、インターフェイスするための手段は、イベント情報を格納するための手段をさらに備え、格納されたイベント情報は、シミュレーションイベント、正常性イベント、及びセキュリティイベントのうちの少なくとも1つに関連付けられた情報を含む。
【0021】
本願明細書において記載されている異なる実施形態の個々の要素は、具体的に上記に記載されていない他の実施形態を形成するために組み合わせることができることが理解されるべきである。単一の実施形態の文脈で記載されている様々な要素は、別々に、または任意の適切な下位の組み合わせで提供されても良い。本明細書に具体的に説明されていない他の実施形態も、本明細書に含まれる特許請求の範囲の範囲内であることが理解されるべきである。
【0022】
これらの実施形態及び他の実施形態に関する詳細が、本明細書でさらに十分に説明される。
【0023】
説明する実施形態の利点及び態様、ならびに実施形態それ自体は、以下の詳細な説明及び添付の図面と併せてより完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1A】一実施形態による、第1の従来技術のシミュレーションシステムのブロック図である。
【
図1B】一実施形態による、第2の従来技術のシミュレーションシステムのブロック図である。
【
図2】一実施形態による、使用中の従来技術のシミュレーションシステムを示す。
【
図3A】一実施形態による、共通インターフェイスボード(CIB)を利用する例示的なシステムの第1の簡略化されたブロック図であり、CIBとシミュレーションサブシステムの他のコンポーネントとの間の物理的及び論理的インターフェイスを示す。
【
図3B】一実施形態による、
図3の共通インターフェイスボード(CIB)を利用する例示的なシステムの第2の簡略化されたブロック図である。
【
図3C】一実施形態による、
図3のCIBを利用する例示的なシステムの第3の簡略化されたブロック図である。
【
図4】一実施形態による、
図3A~3bの共通インターフェイスボード(CIB)のブロック図である。
【
図5】一実施形態による、共通のインターフェイスボードを有する例示的なシミュレーションシステムにおけるデータフローを示す例示的なブロック図である。
【
図6】一実施形態による、
図3~
図7の共通インターフェイスボードの動作、対話、及びデータフローの概要を示すフローチャートである。
【
図7】一実施形態による、
図1~6のシステム、構成要素、ボード、及び装置のうち少なくとも一部と共に使用可能な例示的なコンピュータシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図面は、原寸に比例しておらず、代わりに、本開示の実施形態の原理及び特徴を示すことが強調されている。図面において、同様の参照符号は、同様の要素を示す。
【0026】
特定のシステム、デバイス、及び方法の詳細を説明する前に、本明細書で開示される概念には、コンポーネントと回路の新しい構造的組み合わせが含まれるが、これに限定されず、必ずしもそれらの特定の詳細な構成に限定されないことに留意すべきである。したがって、コンポーネント及び回路の構造、方法、機能、制御及び配置は、大部分、本明細書の説明の恩恵を受ける当業者には容易に明らかとなる構造の詳細によって本開示が不明瞭にならないように、容易に理解できる簡略化されたブロック図及び概略図によって、図面に示されている。
【0027】
特に別様に明記しない限り、当業者は、本明細書の詳細な説明全体を通じて、「開く」、「構成する」、「受信する」、「検出する」、「取得する」、「変換する」、「提供する」、「格納する」、「確認する」、「アップロードする」、「送信する」、「決定する」、「読み取る」、「ロードする」、「オーバーライドする」、「書き込む」、「作成する」、「含める」、「生成する」、「関連付ける」、及び「配置する」などの用語を使用する論考は、少なくともコンピュータシステムまたは同様の電子コンピューティングデバイスの動作及びプロセスを指すことを理解するであろう。コンピュータシステムまたは同様の電子コンピューティングデバイスは、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内で物理(電子)量として表されるデータを操作し、コンピュータシステムのメモリまたはレジスタ、またはその他の情報ストレージ、伝送、または表示デバイス内で同様に物理量として表される他のデータに変換する。開示された実施形態は、例えば光学式コンピュータや機械式コンピュータなどの他のコンピュータシステムの使用にも適している。さらに、本明細書に開示された実施形態では、1つ以上のステップを手動で実行できることが理解されるべきである。
【0028】
以下の詳細な説明は、少なくともいくつかの例において、軍事環境用のシミュレーションシステムの特定の状況を使用して提供されるが、当業者は、詳細な説明が多くの異なる環境に適用可能な例を含むこと、及び商業、産業、医療、科学、研究、レクリエーション、及び/またはゲーム環境に関連するアクションやシナリオのシミュレーションを含む、シミュレーションシステムが使用される可能性がある状況を理解するであろう。さらに、「訓練」、「トレーナー」、「合成訓練環境」、「模擬訓練環境」、「仮想環境」、「仮想トレーナー」などの用語は互換的に使用でき、少なくとも、「ブランク」、シミュレーション弾薬、仮想弾薬、または弾薬なしで使用される武器、レプリカ武器、及び/またはシミュレーション武器を含む、武器、レプリカ武器、及び/またはシミュレーションされた武器を使用できる制御された訓練環境、さらに、1人以上のユーザがそのような武器、レプリカ武器、及び/またはシミュレーション武器を使用し得る他者と対話する制御された訓練環境を指す場合がある。
【0029】
以下の用語の定義(アルファベット順)は、本明細書に記載の1つ以上の実施形態を理解する上で役立つ可能性があり、本明細書の説明、それらが現れる文脈、及び当業者の知識を考慮して検討されるべきである。
【0030】
「オーディオ(音声)」とは、少なくとも、シミュレーションの一部としてシミュレーションシステムの1人以上のユーザに提供される信号、音、ノイズなどを指し、これは、動作環境、ヘッドフォンやヘッドセット、または使用されている機器さえをも通じて提供されるもので、シミュレートされた音、実際の音、制御信号に応じて生成された音、ユーザのアクションに応じて生成された音、及び他のユーザから発信される音など、複数の方法で作成できるが、それらに限定されない。
【0031】
「拡張現実」は仮想現実(VR)の一種であると考えることができ、少なくとも、ヘッドセットまたはポータブルデバイスを介してライブカメラフィードに仮想情報を重ねるように構成されたシステムを指し、ユーザが現実世界の設定のように見えるが完全にシミュレートされた3次元画像を見ることができるようにする。VRと同様に、拡張現実にはコンピュータによるシミュレーションが含まれるが、拡張現実は、ビデオ、サウンド、グラフィックス、及び/または触覚フィードバックなどの感覚入力のコンピュータ生成シミュレーションを使用して、特定の現実世界の要素を補足、置き換え、及び/または拡張する。例えば、このようなコンピュータ生成シミュレーションは、とりわけテキスト、グラフィック、シンボル、画像、及び/またはそれらの組み合わせなど、現実世界の環境のコンピュータが再現したものに重ね合わせることができる。
【0032】
「ビッグデータ」とは、少なくとも、十分に大きなデータセットにおける傾向の識別を利用する分析手法を指す。ビッグデータ分析に使用される2つの手法は、クラスタリングと予測である。クラスタリングは、レコードやオブジェクトなどをグループ化するプロセスであり、多くの場合、機械学習が使用される。予測とは、クラスタリングを通じて特定された類似性を使用して、将来の潜在的な影響と利点を予測するプロセスである。
【0033】
「閉鎖領域」とは、少なくとも不正なアクセスを防ぐためにアクセスが制御されている定義された領域または場所を指す。このような制御は、許可された従業員及び/またはアクセス制御デバイスまたはシステムの使用を含むがこれらに限定されない、様々な方法を通じて実現できる。閉鎖領域では、一般に、アクセスは適切なセキュリティ許可を有する権限を認められた者、及び領域内の機密資料/情報に関する必知事項を有する者に限定され、及び適切なレベルの許可を有さない者及び/または必知事項を有さない者は、権限を認められた者によって常に付き添われる。閉鎖領域には、適切なロックと適切なアクセス制御システムにより、作業時間外に補足的な保護が施される。本明細書のいくつかの実施形態では、有線通信のみで無線通信なしなど、閉鎖領域では通信の種類が優先される場合がある。
【0034】
「クラウドコンピューティング」とは、少なくとも、最小限の管理労力やサービスプロバイダとのやり取りで迅速にプロビジョニング及びリリースできる、構成可能なコンピューティングリソース(例えば、ネットワーク、サーバ、ストレージ、アプリケーション、及びサービス)の共有プールへのオンデマンドのネットワークアクセスを指す。
【0035】
「通信ネットワーク」とは、コンピュータ対応シミュレーションシステムなどのコンピュータシステムのコンポーネント間で行われる通信の方法及びタイプを少なくとも指し、有線通信、無線通信(無線通信、Wi-Fiネットワーク、BLUETOOTH(登録商標)通信などを含む)、クラウドコンピューティングネットワーク、当技術分野で知られている様々なネットワークプロトコルを使用して通信するネットワーク、軍事ネットワーク(例えば、国防総省ネットワーク(DDN))、及び2つのデバイス間でデータまたは信号を送信するあらゆる手段を含むがこれらに限定されない。
【0036】
「環境」は、シミュレータが使用される動作環境を少なくとも指し、セキュリティステータス(例えば、閉鎖環境)、物理的な場所(例えば、制御された環境の屋内、屋外、及び/または混合)、運用状況(例えば、訓練、メンテナンス、ライブインタラクション、シミュレートされたインタラクション)、及び/または物理的環境条件(例えば、温度、湿度、動き、衝撃、振動、圧力)を含むがこれに限定されない、その環境の1つ以上のタイプの特徴を指し、または含むことができる。また、環境とは、少なくとも、特定のシミュレーションの一部である可能性のある自然領域のテクスチャまたは詳細を指す、つまり、地形の起伏、天気、昼、夜、地形の文化的特徴(都市または農地)、海の状態など,及びシステムの動作に影響を与える外部のオブジェクト、条件、プロセスを指す。
【0037】
「触覚」とは、少なくとも、能動的(例えば、センサまたは他の構成要素を介して)でも受動的(使用中に感じられるサイズ、重量、質感などを有することによる)でも、触感または触った感覚を組み込むか、またはそれらに関連するデバイス及びシステムを指す。触覚は、触覚フィードバックコンポーネントを内蔵したデバイスを介して組み込むことができ、場合によっては、触覚を有するデバイスまたはシステムは、コンピュータ化された制御信号に応答して、1つまたは複数の触覚コンポーネントの動作を制御することができる。少なくともいくつかの実施形態では、触覚とは、皮膚レベルでの触覚と、筋肉及び関節からの力のフィードバック情報を提供するすべての物理センサを指す。
【0038】
「ハードウェアセキュリティメソッド」(HSM)とは、少なくとも、ハードウェアに組み込まれた及び/またはハードウェアに接続されたサブシステム及び/またはデバイス(ただし、任意に何らかのプログラミングまたはソフトウェアと連動して動作できる)を指し、物理的または論理的侵入の少なくとも1つ、論理的及び物理的なリバースエンジニアリング試行の少なくとも1つ、物理的及び論理的改ざんの少なくとも1つなどのセキュリティ問題を検出及び/または対処するように構成されている。ハードウェアセキュリティメソッドは、必要に応じて様々な方法で実装できる。例えば、第1のタイプのセンサは、密閉された区画への外部の空気または水の侵入を検出/追跡するために使用することができ、したがって、本明細書の実施形態に従って、少なくとも1つのタイプのHSMに対して、改ざん検出などの機能を実装するのに寄与することができる。別のタイプのセンサは、特定の閾値を超える周囲光がセンサに当たったかどうか、またいつ当たったかを検出/追跡することができ、同様に侵入の可能性を示唆する(例えば、デバイスのカバーまたは蓋がある時点で取り外され、後で交換された)。磁気接点スイッチは、2つの接点の間が開いて磁気信号が途切れた場合にそれを検出/追跡するために使用できる。監視対象の電気の値に変化をもたらす何らかの作用に基づいて、イベントをトリガ及び/または記録するように、様々な種類の電子警報システムを構成できる(例えば、何らかのアクションによって電気回路の連続性が効果的に中断され、警報がトリガされるなど)。当業者は、他の多くのタイプの侵入検知システム(動き検出デバイス、赤外線センサ、地震センサ、圧力センサなどを含むがこれらに限定されない)を、HSMの一部として構成し得ることを理解するであろう。いくつかの実施形態では、実装されているハードウェアセキュリティ方法の種類に応じて、市販のハードウェアセキュリティモジュールチップなどの追加の種類のデバイスをHSMの一部として使用して、認証された暗号化された通信を提供するのに役立ち、これにより、ハッキングなどの論理的な侵入の試みを実行するのに役立つ別の種類のHSMを実装できる。論理的な侵入試行の検出を実装するのに役立つもう1つの方法は、通信(例えば、ネットワークトラフィックの監視)を監視して異常を検出するように構成されたデバイスを使用することである。
【0039】
「相互運用性」とは、少なくとも、モデルまたはシミュレーションが他のモデル及びシミュレーションにサービスを提供したり、他のモデル及びシミュレーションからサービスを受け入れたり、交換されたこれらのサービスを使用して効果的に連携して動作したりする能力を指す。
【0040】
「パススルー通信」とは、送信側デバイスまたはシステムから受信側デバイスまたはシステムに中間デバイスまたはシステムを介して送信できる通信を少なくとも指し、通信は受信側デバイスまたはシステムへの途中で、実質的に変更されないよう単に中間デバイスを「パススルー」する。送信デバイス自体は、通信または信号を中間デバイスが通過し得る形式に変換するサブシステムを含むことができる(例えば、ワイヤレスマウスまたはトラッキングパックなどのデバイスからワイヤレスまたはBluetooth(登録商標)通信を受信できるUSBドングル、いわゆる「USBパススルー」として当技術分野で知られているもの)。パススルー通信は、送信システムが受信システムと直接通信して信号を伝達しているかのように効果的に機能する。中間デバイスまたはシステムは、信号または通信の伝送を可能にする導管または接続を提供する。いくつかの実施形態では、パススルー通信用の特定の接続は、他の機能(例えば、デバイスの充電)を果たすように構成することもできる。
【0041】
「シミュレーションシステム」とは、少なくとも、シミュレーションを実行するデバイス、コンピュータプログラム、またはシステムを指し、訓練、野外演習、いわゆる「戦争ゲーム」、メンテナンス、レクリエーション、研究開発(R&D)、分析、テスト、及び評価などの目的を含むがこれらに限定されない、複数の目的のために開発される、何らかの現実世界の状態、または現象、及び/またはシステムを模倣または表現する機械、装置、またはシステムを含むが、これらに限定されない。
【0042】
「合成環境」とは、少なくとも、特定のシミュレーションアプリケーションが動作する環境を定義するデータ要素の統合セットを指す。データ要素には、文化的特徴、演習を通しての大気環境や海洋環境など、地形の初期の状態とその後の状態に関する情報が含まれる。データ要素には、インスタンス化可能なエンティティに関する外部から観察可能な情報のデータベースが含まれており、実行される演習の種類に応じて適切に相関している。合成環境は「仮想世界」などの用語でも知られている。
【0043】
「合成訓練環境」(STE)とは、少なくとも、兵士などのユーザが、有利なことに、世界中のどこからでも、同じ訓練体験の一環として、一緒に訓練(合成環境と現実世界の環境の両方を統合する可能性がある)できる単一の環境を指す。いくつかの実施形態では、STEは、シミュレーション演習中に、拡張現実、仮想現実、人工知能、及びビッグデータなどの複数の種類のテクノロジーを融合するように実装され、ユーザを接続して、新しい様々な方法でアクション(例えば、訓練)を実行できるようにする。
【0044】
「バーチャルリアリティ」(VR)は、少なくとも、シミュレートされた環境内部で行われるインタラクティブなコンピュータ生成体験を指し、これには、内部にスクリーンを備えたヘルメット、センサを取り付けた手袋、カスタムコントローラ、ツール、武器、ユーザ入力デバイス(例えば、キーボード、ジョイスティック、トラックボール、マウスなど)、またはユーザの動きと位置を検出できる外部センサを含むその他の適切な機器などの特別な電子機器を使用する人が、一見現実的または物理的な方法で対話できる3次元画像または環境のコンピュータ生成シミュレーションが含まれる。仮想現実には、少なくとも、コンピュータまたはその他の適切なデバイスによって提供される感覚刺激(光景や音など)を通じて体験される人工環境が含まれており、少なくともいくつかの例では、ユーザの行動によって、その環境で何が起こるかが少なくとも部分的に決定される。いくつかの実施形態では、仮想現実は、環境を複製するコンピュータ技術によって実装され、環境は、現実の環境または想像上の環境のシミュレーションである可能性があり、環境内でのユーザの存在をシミュレートして、ユーザが環境と相互作用できるようにする。仮想現実環境は、コンピュータディスプレイに表示したり、ユーザの目に装着する特殊な仮想現実ヘッドセットを使用したりして、仮想現実体験の視覚的及び音響的なシミュレーションを提供するなど、様々な方法で提供できる。少なくともいくつかの実施形態では、仮想現実には、ユーザへの触覚/触知フィードバックなどの追加の感覚入力が含まれ、フィードバックによって仮想現実との様々な相互作用をシミュレートできる。
【0045】
本明細書に記載の実施形態では、「仮想現実」という用語は、仮想現実及び拡張現実のいずれかまたは両方を包含することを意図している。仮想現実及び拡張現実のいずれかまたは両方を意味し、それらの違いは本発明に影響を与えない。
【0046】
現在一部の分野(例えば、軍事訓練)で使用されているVRを含むVR訓練やシミュレーションには、いくつかの欠点がある可能性がある。例えば、現在の仮想訓練システムには、ミッションデータの収集と送信、ミッションとそのようなミッションに関連する環境条件の両方に関するデータの記録、様々な種類の独自の仮想訓練システム間の相互運用性の提供、サイバーセキュリティやその他の種類のセキュリティ保護の提供、システムとそのデータへの侵入の防止、検出、及び/またはログ記録、閉鎖環境での動作機能の提供、システムの信頼性とセキュリティを確保し、後処理、分析などを行うために使用中に環境データやその他のデータを追跡するなど、所望の機能を実行するまたは所望の特徴を提供するための最適でモジュール化された機能が欠けている可能性がある。
【0047】
VRや仮想訓練システム、特に軍隊で使用されるシステムは独自のものであることが多く、モジュール式で簡単に構成できる方法で相互に統合することが困難である。このような独自のシステムは、アップグレードやカスタマイズが困難な場合がある。さらに、現在のシステムの多くは独自のものであり、モジュール方式で相互に接続したり、様々な種類のコンピュータシステムに接続したりすることが困難なため、複数のドメイン及ぶシミュレーションや、特定のシミュレーションシステムでのみ使用できる形式(例えば、地形形式)、シミュレーションデバイス、及び/またはシミュレーション機能(例えば、オーディオ機能、触覚機能)を使用するシミュレーション、または特定のシミュレーションシステムによって構成や制御が異なるシミュレーションを実行することが困難な場合がある。
【0048】
多くの場合、シミュレーションは閉鎖的で制限のあるネットワークで動作し、施設ベースであり、高い人件費を要し、カスタマイズされた制御や競合するコマンドの変換が必要となる場合がある、様々なシミュレーション形式、音声及び触覚機能、環境追跡などの複数の互換性のない機能を有する。触覚、音声、視覚情報のコマンドとコントロールを再構成する、及び/または様々なシステムの形式で動作するように変更すると、費用と時間がかかる場合がある。また、ライブ、仮想、建設的な演習など、一部の種類のシミュレーションの設定に数か月かかる場合があり、えてして、そのようなシミュレーションは、あらかじめ決められた物理的な場所でしか実行できない。これにより、訓練の利用可能性とユーザのニーズへの対応が制限され、一部の種類のシミュレーションシステムでは訓練やその他の活動の計画と実行にかかる時間と費用が増加する。従来のシミュレーションシナリオからのユーザ入力、コマンド及び制御、シミュレーションソフトウェアからのコマンド及び/またはメッセージなどの通信を、広範なシミュレーションシステムで使用できる標準化された命令に変換する機能を既存のシミュレーションシステムに与えることは有利であろう。本明細書に記載の特定の実施形態では、広範なシミュレーションデバイスに含めることができる、またはインストールすることができるハードウェアとして共通インターフェイスボード(CIB)を含めることによって、特定の実施形態で、CIBは、その周囲に特定の訓練デバイスを構築することができる開発キットとして機能する。特定の実施形態では、CIBは、統一フォーマットで送信された命令を、特定のシミュレーションシステムの触覚、音声、及び視覚的能力に合わせたコマンド及び制御に変換することにより、また同様にユーザ入力を標準化された形式に変換することにより、様々なタイプのシミュレーションサブシステムがシミュレーションシナリオに適応して応答できるようにする能力を提供するのに役立つ。
【0049】
特定の実施形態では、CIBは、身体訓練デバイスの「頭脳」として機能する。例えば、いくつかの実施形態では、CIBは、ボタンを押す、トリガを握る、アンテナを伸ばす、バッテリを交換するなどの動作をユーザがいつ行ったかを検出し、そのユーザ入力を、接続されたコンピュータシステム(例えば、Microsoft Windowsのような従来のオペレーティングシステムを実行するパーソナルコンピュータ)及びシミュレーションソフトウェア(例えば、そのコンピュータシステムで実行され得る)が処理及び理解することができるメッセージに変換する。有利なことに、いくつかの実施形態では、CIBを介したこの相互作用により、物理シミュレータ(例えば、デバイスシミュレータ)で実行されるアクションはすべて、シミュレーションソフトウェアに反映される。さらに、特定の実施形態では、CIBはシミュレーションソフトウェアからコマンドまたはメッセージを受け取り、それらのメッセージを触覚イベントとして出力する。例えば、ユーザがシミュレーションデバイス(例えば、シミュレーションされた兵器)の引き金を握ると、特定の実施形態では、CIBは、引き金のスイッチが閉じることを検出し、(CIBと操作可能な通信を行ってシミュレーションコンピュータサブシステムで実行する)シミュレーションソフトウェアに、シミュレーションされた兵器を「発射」する信号を送信する。次に、シミュレーションソフトウェアは信号をCIBに送り返し、武器の反動を(例えば、触覚効果として)シミュレートするように指示する。これに応答して、CIBは事前にプログラムされた振動プロファイルに従って振動モータを作動させ、武器の反動をシミュレートする。特定の実施形態では、CIBは、サードパーティデバイス(シミュレーションシステムとは別のデバイス)と接続された通信システムとの間の「パススルー」通信を可能にする通信機能を設けるように構成される。
【0050】
さらに、特定の閉鎖領域システムなどの一部の環境では、無線接続ではなく有線接続のみを介して通信する必要がある場合や、両方の使用を切り替えることができる必要がある場合があるが、すべてのVR及びシミュレーション機器がその柔軟性を備えているわけではない。高忠実度訓練環境のエンドユーザは、物理的訓練デバイスから仮想現実対応シナリオを実行するコンピューティングソリューションに入出力データを安全に渡す方法が必要であるため、シミュレーションコンポーネントが一方向でしか通信できない場合(例えば、無線のみ、または有線のみ)、そのことがそれらのコンポーネントの有用性を制限する可能性がある。
【0051】
さらに、高忠実度の訓練環境のエンドユーザには、物理的な訓練デバイスから仮想現実対応の訓練シナリオを実行するコンピューティングソリューションに入出力データを安全に渡し、データやその他のシミュレーション情報が侵害されないようにする方法が必要である。回路カードアセンブリなどの市販(COTS)のコンポーネントがあり、物理的なユーザ入力をキーストロークに変換してコンピュータシステムが入力として使用できるようにするが、これらは通常、低コストで独自仕様となるように設計された純粋な商用アプリケーション向けであり、軍事シミュレーションシステムなどのアプリケーションに必要な信頼性、セキュリティ機能、及び構成可能性を備えて動作しない。
【0052】
一部の種類のシミュレーションシステム、特に軍事シミュレーションシステムのコンポーネントは高価であり、機密コンポーネントが含まれている可能性があるため、信頼性を確保し、そのコンポーネントが、適切な環境(例えば、シミュレーションデバイスに制限がある場合は屋内のみ)で適切に使用されることが重要になる場合がある。しかし、市販(COTS)のVR機器から構築または改造された軍事シミュレーションシステムには、使用中にデバイスが不適切または過酷な環境条件にさらされたかどうかを検出するいかなる手段をも含まれていないことが多く、シミュレーション機器がさらされた環境を追跡して信頼性へのいずれかの影響が生じ得るかどうかを確認する方法がなければ、信頼性を確保し、適切なメンテナンスを計画することが困難になる可能性がある。既知のシステムには、侵入防止機能など、データやその他のシミュレーション情報を安全に保つコンポーネントの整合性と機密性を保証するサイバーセキュリティ機能も組み込まれていない。当業者が理解できるように、兵器システムのシミュレーション中に生成されたデータは、そのようなシステムの弱点や限界に関する情報を決定または導出するために使用できるだけでなく、機密情報(例えば、動作周波数、安全なパスワード、暗号化された情報など)を特定するためにも使用できる。例えば、相手の武器シミュレーションデバイスを手に入れた敵は、特定のシミュレーションサブシステムに侵入する及び/またはリバースエンジニアリングして、相手の対応する武器システムがどのように機能するかを解明しようとする可能性があり、これは、特定の武器システムを克服して打ち負かす方法を策定するのに十分な情報となり得る。悪意のある人物は、侵入から収集した情報、及び/または第1のシステムに関連するリバース情報を使用して、第2のシステムにアクセスしようとする可能性もある。
【0053】
仮想現実システムを含む軍事シミュレーションシステムの普及が進むにつれ、コンピュータシステムと高度な訓練ハードウェア間の低コストでサイバーセキュリティが確保されたモジュール式インターフェイスデバイスの必要性が高まっている。本明細書でさらに説明する特定の実施形態では、上記の懸念事項の少なくとも一部に対処するのに役立つインターフェイスアセンブリが提供される。インターフェイスアセンブリは、ここでは、共通インターフェイスボード(CIB)、インターフェイス回路カートアセンブリ(CCA)、及び「インターフェイスアセンブリ」とも呼ばれる。CIBは、仮想現実訓練環境、合成環境、及び合成訓練環境で使用されるハードウェア、デバイス、及び/またはシステムを含むがこれらに限定されない、コンピュータシステムと高度な訓練ハードウェア及びシミュレーションシステム間の安全なコンピュータインターフェイスのニーズを満たすのに役立つ。
【0054】
図3Aは、共通インターフェイスボード(CIB)316(
図4に関連してさらに詳細に後述する)を利用する第1の例示的なシステム300の高レベルブロック図であり、一実施形態に従って、CIBとシミュレーションサブシステム301の他のコンポーネントとの間の物理的及び論理的インターフェイスを示している。
図3Bも本明細書でさらに説明されるが、
図3Aの第1の例示的なシステムと同様の第2の例示的なシステム300Bの、より詳細なブロック図を提示する。本明細書でまたさらに説明される
図3Cは、
図3Aの第1の例示的なシステムと同様であるが、例示的な閉鎖領域構成を示す第3の例示的なシステム300Cの別のさらに詳細なブロック図を提示する。
図3B及び
図3Cはそれぞれ、
図3Aの高レベルブロック
図300のコンポーネントをより詳細に示しており、各サブシステムの要素と、CIB316とそれが動作する環境にある他のシステムとの間の相互作用をさらに詳細に示している。例えば、
図3Bに示すように、左括弧の横に示されるシミュレーションサブシステム301のタイプのいずれか1つ以上は、シミュレーションサブシステム301の一部として使用可能である。
【0055】
図3A、
図3B、及び
図3Cを参照すると、システム300は、シミュレーションコンピュータサブシステム318として使用される1つ以上の第1のコンピュータサブシステム318に動作可能に接続された1つ以上のシミュレーションサブシステム301を含む。第1のコンピュータサブシステム/シミュレーションコンピュータサブシステム318は、さらなる処理及びストレージサブシステム303として使用される1つ以上の第2のコンピュータサブシステムと動作可能に通信している。シミュレーションサブシステム301(コンピュータシステムも含まれ得る)は、シミュレーションを実行している第1のユーザ312aが通常対話するサブシステムである。システムの他のユーザ312b、312cは、システムの様々な部分と対話できる。例えば、ユーザ312bはシミュレーションコンピュータサブシステム318と対話でき、ユーザ312cは第2のコンピュータサブシステム303と対話でき、また、一部の環境では、第1のユーザ312aも任意に他のコンピュータサブシステムの1つ以上と対話できる。いくつかの実施形態では、例えば、同じユーザが複数のサブシステムと対話する可能性がある。また、いくつかの実施形態では、ユーザ312は、対話しているサブシステムの1つ以上から物理的に離れている可能性があることにも留意されたい。
【0056】
いくつかの実施形態では、第1のユーザ312a(及び
図3Bのユーザ312d及び312e)は、VRゴーグル/ヘッドギア106、マイク付きヘッドセット(図示せず、しかし、よく理解される)及び/またはシミュレータデバイス313a~313fのいずれか1つ以上のタイプを含み得るシミュレーションデバイス313を介して、シミュレーションサブシステム301と対話する。例えば、シミュレータデバイス313(本明細書ではシミュレーションデバイス313とも呼ばれる)には、銃、肩撃ちミサイル(例えば、Stinger(登録商標))をシミュレートするデバイス、Mk153肩撃ち多目的攻撃兵器のような武器をシミュレートするデバイス、ロケット推進手榴弾(例えば、参照により本明細書に組み込まれる、共通譲渡された米国特許第7,922,491号に記載されているもの)をシミュレートするデバイスが含まれ得る。さらに、
図3Cに示すように、一部の実施形態では、ユーザ312eは、トラッキングパックまたは同様のデバイス(例えば、ワシントン州シアトルのHTC VIVEから入手可能なVIVEトラッカー)などのカスタムまたはCOTデバイス331を介してシミュレーションコンピュータサブシステム318と対話できる。
図3A~
図3Cに示すシミュレータデバイス313の例は例示的なものであり、限定的なものではないことに留意されたい。さらに、いくつかの実施形態では、VRゴーグル/ヘッドギア106には、Google Glassなどのスマートグラス、スマートバイザーまたはバンド、あるいはヘッドアップデバイスでVR及び/または拡張現実画像を生成できるディスプレイを含むその他いずれかのデバイスが含まれる場合がある。
【0057】
いくつかの実施形態では、シミュレーションサブシステム301及びその触覚、音声、及び/または視覚デバイス311は、光景/視覚、音、及び接触/触覚モダリティを刺激するように構成される。いくつかの実施形態では、理解されるように、光景はユーザに自然な視界を提示し、ユーザが一人称視点からシミュレーション環境(例えば、共通合成環境(CSE))を見ることを可能にする。オーディオ/音により、ユーザは音声を聞き、CSEに音声入力を行うことができる。接触/触覚により、ユーザはシステム、サブシステム、コンポーネント、及びミッションコマンド情報システムインターフェイスの物理的及び触覚的なコントロールを使用してCSEと対話できる。
【0058】
それぞれのシミュレーションサブシステム301には、それぞれ共通インターフェイスボード(CIB)316(本明細書の
図4でより詳細に説明されている)が含まれる。つまり、特定の実施形態では、各シミュレーションデバイス313は独自のCIB316を含み、一部の実施形態では、シミュレーションデバイス313内部に収容され、シミュレーションデバイス313内部の回路に直接操作可能に接続される。いくつかの実施形態では、第1のユーザ312aは、任意に、シミュレーションコンピュータサブシステム318と対話して、例えば、シミュレーションシナリオを設定及び実行することもできる。
【0059】
図3Aの実施形態におけるCIB316は、例示的な一般シミュレーションシステム301のコンポーネントと、それが動作する環境の残りの部分(例えば、合成訓練環境(STE))との間の重要なインターフェイスを表す。例えば、例示的なシミュレーションシステム301は、シミュレータデバイス313、複数の正常性管理/環境入力センサ309、及び1つ以上の触覚、音声、及び/または視覚デバイス(例えば、VRヘッドセット106)311を含む。正常性管理/環境入力センサ309は、シミュレーションサブシステム201の動作、信頼性、及び/または「正常性」に影響を与える可能性のある環境要因(温度、湿度、動き、衝撃、及び時間を含むがこれらに限定されない)を感知及び/または追跡することができる。複数の触覚、音声、及び/または視覚デバイス311は、受信したコマンドに応答して、シミュレーション中に、音、動き/振動、視覚効果などを含むがこれらに限定されない、様々なシミュレートされた効果をユーザ312a向けに生成する。
【0060】
図3Bをより具体的に参照すると、シミュレーションサブシステム301は、様々な実施形態において、戦術訓練サブシステム302、メンテナンス訓練サブシステム304、シミュレータデバイスシミュレーションサブシステム313、その他の訓練/シミュレーション/アプリケーションサブシステム306、トラッキングパック331などの様々な多くの種類の市販(COTS)のコントローラ308の1つを備えたカスタムシミュレーションサブシステム、及び/またはキーボードコントロール310を備えたカスタムシミュレーションサブシステムのうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、シミュレーションサブシステム301は、商用ゲームシステムまたは仮想現実システムであってもよい。いくつかの実施形態では、シミュレーションサブシステム301は、
図1A~
図2に関連して説明した従来技術のシミュレータサブシステムと同様のものであってもよい。いくつかの実施形態では、シミュレーションサブシステムは、以下の共通に譲渡された米国特許の1つ以上、すなわち10,198,957(“Computer-Based Virtual Trainer”、8,662,892(“Universal Hands-On Trainer”)、7,507,089 (“Methods and apparatus to provide training against improvised explosive devices”)、7,927,102 (“Simulation devices and systems for rocket propelled grenades and other weapons”)、7,922,491 (“Methods and apparatus to provide training against improvised explosive devices”)、8,157,565 (“Military Training Device”)、9,011,151 (“System and method for simulating firing a gun”)、9,593,911(“Blank firing simulated firearm for use in combat training”)、9,767,615 (“Systems and methods for context based information delivery using augmented reality”)、10,508,913(“Environment recording system using virtual or augmented reality”)、及び10,788,889 (“Virtual reality locomotion without motion controllers”)に記載されているものと類似しているか、またはそれらから適応させることができる。これらの共通に譲渡された特許はそれぞれ参照により本明細書に組み込まれる。
【0061】
共通インターフェイスボード316に操作可能に接続され、ユーザ312、シミュレーションサブシステム301、及びシミュレーションコンピュータ318の間で物理的な入力と出力を伝えることができる限り、任意のタイプのシミュレーションサブシステム301が可能であることは理解されるであろう(例えば、いくつかの実施形態では、CIB316がシミュレーションサブシステム301のシミュレータの内側にハードワイヤード接続されている)。
【0062】
図3Bでは、シミュレーションコンピュータサブシステム318と相互作用する各シミュレーションサブシステムは、システムに適用可能な様々な種類のユーザ入力に応答するように構成された独自のCIB316を有する。例えば、戦術訓練サブシステム302はCIB316aを有し、メンテナンス訓練サブシステム304はCIB316bを有し、第1のユーザ312a(VWヘッドピース106を着用)は、シミュレーションデバイス313に動作可能に接続されるCIB316cを有するシミュレーションデバイス313を携帯し、多様な他の任意の訓練/シミュレーションアプリケーションサブシステム306は各々、それぞれのCIB316dを有し、カスタムコントローラ308またはカスタムサブシステム310などの任意のカスタムサブシステムは、各々それぞれのCIB316e、316fを有する。
【0063】
さらに
図3Bを参照すると、戦術訓練シミュレーションサブシステム302は、ユーザが戦術、戦争、及び/または軍事タイプの環境にいることをシミュレートできるように構成された任意のタイプのシミュレーションシステム301であり得、これには、一人で行うか、同じ環境でのシミュレーションに参加する他のユーザ312と一緒に行うかに関係なく、その環境で起こり得る、または行われる可能性のある行動の多様なタイプのシナリオが含まれる。戦術訓練サブシステム302は、ユーザが武器を使用することを伴うことができるが、これは必須ではない。例えば、いくつかの戦術訓練シミュレーションサブシステム302は、ユーザ312が、他人が武器を使用している環境での運転または飛行、あるいは物または人を探すために領域または建物を調査しながら、その領域の危険を回避する、または追跡するシミュレート目標を監視するレプリカレーダーシステムを操作する、または戦術機械または戦術車両または航空機を修理するなどのことをシミュレートできるようにし得る。もちろん、これらの例に限定されるものではない。同様に、戦術訓練サブシステム302のユーザ312は、たとえ全員がそれぞれの閉鎖領域380にいるとしても、物理的に同じ場所にいる必要はないことに留意されたい。理解されるように、CIB316、シミュレーションコンピュータサブシステム318、ならびに様々な無線及び有線通信構成(例えば、
図3Bのクラウドネットワーク320)を使用して提供される接続は、既存のマルチプレイヤー及びネットワーク化された訓練シナリオ(例えば、共通オペレーティング環境など)と互換性があるため、ユーザは世界中のどこでもシミュレーションシナリオを実行できる。
【0064】
図3Bのメンテナンス訓練シミュレーションサブシステム304は、いくつかの実施形態において、ユーザが機器、車両、航空機、部品などのメンテナンス関連タスクの実行を練習することを可能にする。
図3Bに示すように、シミュレータデバイスシミュレーションサブシステム313は、ユーザ312bが武器の操作及び発射を練習することを可能にする。
【0065】
用途に応じて、いくつかの実施形態では、シミュレーションサブシステム301は、建設、機械操作、車両及び/または航空機の制御、機器の修理及び/またはメンテナンス、またもちろんゲームやその他のレクリエーション用途などの活動をシミュレートするために使用可能なものなど、多くの他のシミュレーションシステム306のうちの1つまたは複数を含むこともできる。いくつかの実施形態では、シミュレーションサブシステム301は、例えば、COTコントローラ(例えば、任意の種類のゲームコントローラ、ジョイスティック、ステアリングウェル、マウスなど)を利用するカスタムシミュレーションサブシステム308を使用して実装することができ、カスタムシミュレーションサブシステム308は、本明細書で説明するように接続されたそれぞれのCIB316を有するように構成される。いくつかの実施形態では、シミュレーションサブシステム301は、別個のシミュレーションデバイス313を使用する代わりに、キーボード制御310(オンスクリーン触覚キーボードを含む)下のコンピュータシステムを使用して実装することができ、その場合、CIB316fは、キーボード制御310下のコンピュータシステムの一部として組み込まれる。例えば、いくつかの実施形態では、キーボード制御310の下のコンピュータシミュレーションシステムは、適切に構成されたCIB316fと動作可能に通信するかそれに設置されるデスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、移動通信デバイス(例えば、携帯電話)などであり得る。
【0066】
CIB316は、以下で(特に
図4に関連して)さらに論考するモジュラーコンポーネントであり、ユーザ312a、シミュレーションデバイス313(訓練シミュレータ313とも呼ばれる)、及びシミュレーションソフトウェアをホストするシミュレーションコンピュータサブシステム318間のインターフェイスを表す。特定の実施形態では、CIB316は、ユーザ312aの意図を、ユーザが「没頭」しているシミュレーションサブシステム301(仮想訓練シミュレータでもよい)に伝える「頭脳」として機能する。CIB316は、様々なソース(ユーザ、機械、コンピュータ)からの入力を受け取り、コンピュータ、触覚、視覚コマンドに対応する1つ以上の信号を出力する。さらに、いくつかの実施形態では、CIB316は、シミュレーションコンピュータサブシステム318から、ソフトウェアやファームウェア(ソフトウェア及びファームウェアの更新を含む)などのデータ及び情報を受信し、いくつかの実施形態では、シミュレーションサブシステム302の制御信号(例えば、触覚信号や音声信号)に関する情報、及びシミュレーションサブシステム301が実行中の1つ以上のシミュレーション(複数可)をスケジュール、実行、変更、追跡、及び/または記録するために必要となる可能性のあるその他の情報も受信する。
【0067】
一実施形態では、CIB316は、シミュレーションサブシステム302(例えば、ユーザ312aが使用する物理訓練シミュレータ313)とソフトウェアシミュレーションをホストするシミュレーションコンピュータサブシステム318の間でコマンドを渡すように構成されたアセンブリである。CIB316は、少なくとも以下の点で商用ゲームオプション(例えば、従来の商用ゲームコントローラ内側のボード)とは異なる。CIB316は、軍事関連環境での使用に対してサイバーセキュリティの厳格さを確保するように構成されている。CIB316にはオンボードの正常性管理システム(本明細書でさらに説明)があり、CIB316は、機密空間での操作を含む様々なセキュリティ環境に適応できるように構成及び設計されている。これについては以下でさらに詳しく説明する。
【0068】
いくつかの実施形態では、CIB316は、いかにシミュレーションサブシステム301が動作するかを部分的に制御するのに役立つコンピュータ、触覚、音声、及び視覚信号及び/またはコマンドを出力し、これには、シミュレーションデバイス313が、ユーザ入力、環境入力、及びシミュレーションシナリオを制御する制御信号にどのように応答するか、また、シミュレーションデバイス313、シミュレーションヘッドセット106、視覚ディスプレイ(
図3A~
図3Bには示されていないが、例えば、
図2の例示的なシミュレーションシステムでは見える)、または他のシミュレーションコンポーネント、例えばユーザに情報を提供できるインジケータ(例えば、発光ダイオード(LED)デバイス)を介して、音声情報と視覚情報がユーザ312に提供される方法を決定するよういかに動作するかということが含まれる。シミュレーションコンピュータサブシステム318は、受信された入力をCIB316に送信し(例えば、
図3Bに示すように、Bluetooth(登録商標)または有線接続を介して)、シミュレーションサブシステム301及び/またはシミュレーションデバイス313のコンポーネントに送信される触覚コマンドまたは音声コマンドに変換する。
【0069】
図300A及び300BのシステムのCIB316の機能は、広範なタイプのシミュレーションサブシステム及びシミュレーションコンピュータシステムが相互運用可能であり、特にシミュレーションシナリオに関連する情報を標準化されたモジュール形式で交換できるようにするのに役立つ。CIB316はまた、シミュレーションサブシステム301が、高度な訓練シミュレーションに対するサイバーセキュリティの厳格さなど、訓練シミュレーションに対する特定の要件を確実に遵守し、シミュレーションサブシステム301にオンボードの正常性管理機能を設け、シミュレーションサブシステム301に異なるセキュリティ環境(例えば、機密スペースと非機密スペース)に適応可能となる機能を提供して、軍事環境などの過酷な用途に高レベルの信頼性を与えるように構成されている。有利なことに、少なくともいくつかの実施形態では、CIB316は、所与のシミュレーションサブシステムに関連付けられたシミュレーションデバイス313内に収容されるように構成される。
【0070】
シミュレーションサブシステム301は、ユーザ入力及び/またはユーザアクションに関する情報(例えば、ボタンが押される、武器が発射される、ユーザの動作など)を受信する。いくつかの実施形態では、CIB316は、例えば該当するボタンへの動作可能な接続を介してこの情報を直接受信することができる。いくつかの実施形態では、シミュレーションデバイス内の回路が入力を受信し、それを次いでCIB316に転送する。CIB316は、ユーザ入力情報、またはユーザ入力情報に関連する情報をシミュレーションコンピュータ318に通信する。
図3Bは、各々がそれぞれのシミュレーションサブシステム301に関連付けられた複数のそれぞれのCIB316a~316fと通信する、1つまたは複数のそれぞれのコンピュータサブシステム318a~318nを示すことに留意されたい。すなわち、
図3Bの実施形態で、各々のそれぞれのサブシステム301は、それ自体のそれぞれのシミュレーションコンピュータサブシステム218に関連付けられる。さらなる実施形態では、システム300Bは、特定の実施形態では、1つのシミュレーションコンピュータ318が複数のシミュレーションシステム301(例えば、複数のCIB316)に供するように実装することができる。他の実施形態では、各シミュレーションシステム301は、専用のそれぞれのシミュレーションコンピュータサブシステム318と通信することができる。
【0071】
図3B及び
図3Cに示すように、特定のシミュレーションサブシステム301とシミュレーションコンピュータサブシステム318との間の通信317、319、353、321、329a、329bの一部は、任意の閉鎖または安全な領域または境界380内部(例えば、少なくとも前に定義付けたように安全な訓練またはメンテナンス施設の内部)で行われ、これらの少なくとも一部は、安全な通信を示すために「ロック」シンボルで示されている。
図3Bは第1の閉鎖領域380aを示し、
図3Cは第2の閉鎖領域380bを示しており、
図3Cでは、ユーザ312aはカスタムシミュレーションシステム308の一部としてトラッキングパック331を使用している。
図3A~
図3Cに示すように、シミュレーションサブシステム301とシミュレーションコンピュータサブシステム318との間の通信は、本明細書でさらに説明するように、有線(例えば、USB-C経由)または無線(例えば、適切な距離及び構成内にある場合はBluetooth(登録商標)315経由、無線ネットワーク314経由など)であってもよい。いくつかの実施形態では、有線通信または無線通信の選択は、シミュレーションシステム301が使用される環境に依存する可能性がある。いくつかの実施形態では、特定の閉鎖領域380bでの動作には、シミュレーションシステム301とシミュレーションコンピュータサブシステム318間のすべての通信を有線で接続することが必要になる場合がある。特定の実施形態では、CIB316は、有線通信と無線通信との間で切り替え可能に構成することができる(例えば、
図4に示すように、有線/無線スイッチ436を介して、これについては本明細書でさらに説明する)。
図3Bに示されている他の何らかの通信、例えば通信323、325、327は、任意の閉鎖領域380の外側にある場合もあり、安全な通信317、319、353、321と同じセキュリティ要件を満たす必要がない場合もある。
【0072】
CIB316からの通信を受信すると、シミュレーションコンピュータ318は、ユーザ312のアクションに対する適切な応答を返すことができ、シミュレーションコンピュータ318(及び/または任意にCIB316)は、ユーザ入力に応答して、シミュレーションアクションを制御及び/または応答するための適切な出力制御/コマンドとして、触覚コマンド、音声コマンド、視覚コマンド、及び/またはシミュレーションコンポーネントを制御できるその他のコンピュータコマンドなどを作成するように構成される。特定の実施形態では、CIB316は、所望のシミュレートされた応答を生成するために必要な情報(例えば、プロファイル)をメモリに格納することを含め、ユーザ312のアクションへの応答に関連するすべての物理回路を制御するように構成されている(
図4を参照)。例えば、CIB316がシミュレーションコンピュータサブシステム318からトリガ信号を受信する状況を考えてみる。これに応答して、CIB316はメモリに格納されているライブラリから適切な振動ファイルを選択し、プロファイルの命令に従って適切な触覚(例えば、振動モータ)をアクティブにする。特定の実施形態では、CIB出力316には、シミュレーションサブシステム301自体の内部(例えば、シミュレーションデバイス313)に送信される出力だけでなく、ユーザコマンドに関する情報、シミュレーション情報のログなどをシミュレーションコンピュータサブシステム318に通信するなど、システムの外部に送信される出力も含まれる。これは、特に
図4に関連して、本明細書でさらに説明される。
【0073】
CIB316は、シミュレーションサブシステム及び/またはシミュレータデバイス313がさらされた環境情報(例えば、温度、湿度、シミュレータデバイスの落下衝撃、時間の情報)を伝達することもでき、その情報をシミュレーションコンピュータサブシステム318に伝達することもできる。環境情報は、本明細書では正常性情報とも呼ばれ、そのような情報は、センサ(例えば、CIB自体の一部として、及び/またはシミュレーションサブシステム301自体の一部として含まれるもの)を介して、その情報を提供するように構成された外部システムを介して(例えば、温度や湿度などの情報については、外部のセンサまたはデバイスを介して、地域の気象情報サービスを介してなど)取得できる。特定の実施形態では、この情報は、シミュレーションコンピュータサブシステム318から、後処理を実行する第2のコンピュータシステム303に伝達され、結果を分析及び/または格納することもできるが、特定の実施形態では、
図3B~3Cに示し、本明細書でさらに説明するように、シミュレーションコンピュータサブシステム318が後処理を実行し、結果をそれ自体で格納することもできる。
【0074】
図3A~
図3Cに示すように、CIB316はシミュレータコンピュータサブシステム318と動作可能に通信しており、少なくともいくつかの実施形態では、これは、例えばラップトップコンピュータまたはタブレットコンピュータ、携帯電話、または
図10に関連して示され説明されているものと同様の任意のコンピュータデバイス(本明細書でさらに説明)を含む任意のタイプのコンピュータシステムであってもよい。特定の実施形態では、シミュレーションコンピュータサブシステム318は、特定のシミュレーションに必要なすべての処理を実行し、すべてのデータストレージを提供し、すべての後処理分析を実行する、などを行う。特定の実施形態では、シミュレーションコンピュータサブシステム318は、ユーザ312aの制御下、ユーザ312bまたは312cの制御下、自動制御下、リモート制御下、
図3に示されていない他のユーザの制御下などにある場合がある。
【0075】
特定の実施形態では、シミュレーションコンピュータサブシステム318は、シミュレーションコンピュータサブシステム318から離れていても離れていなくてもよい1つ以上の第2のコンピュータシステム303との間で情報を送受信するように構成される(例えば、上述のように、無線ネットワーク314b経由及び/またはクラウド320経由などの有線または無線通信経由)。少なくとも1つの実施形態では、シミュレーションコンピュータサブシステム318は、一般に、一度に1つの他のコンピュータシステムと通信するように構成されているが、様々な時点で、ソフトウェア/ファームウェアサブシステム330、トレーナーサブシステム340、非戦術ネットワーク360などの複数の異なる外部システムと通信するように動作可能に構成されている。第2のコンピュータサブシステム303(以下でさらに説明)も、
図7に示すものと同様のコンピュータシステムであり得る。いくつかの実施形態では、1人以上の第3のユーザ312cが第2のコンピュータサブシステム303と対話する。
図3B及び
図3Cに示すように、特定の実施形態では、第2のコンピュータシステム303には、ソフトウェア/ファームウェアサブシステム330及び/またはトレーナーサブシステム340が含まれる。
図3Bまたは
図3Cには具体的には示されていないが、図の複雑さを簡素化するために、少なくともいくつかの実施形態では、第2のコンピュータシステムのコンポーネント(例えば、ソフトウェア/ファームウェアサブシステム330及び/またはトレーナーサブシステム340は、互いに動作可能に通信することができる。
【0076】
1つ以上の他の第2のコンピュータサブシステム303には、前処理、後処理、データストレージ、分析などを実行できるサブシステムが含まれる。例えば、特定の実施形態では、前処理には、シミュレーションコンピュータサブシステム318が実行するシミュレーションシナリオの生成、両方のシミュレーションコンピュータサブシステム318へのソフトウェア及び/またはファームウェアの更新の提供、シミュレーションコンピュータサブシステム318に十分な情報を提供して、適切な触覚制御、音声制御、視覚制御などをCIB316に送信できるようにすること(シミュレーションデバイス313でのユーザ入力/アクションへの応答を含む)が含まれ、CIB316がそれらをシミュレーションサブシステム301のニーズ/要件に適応できるようにする。特定の実施形態では、後処理には、シミュレーション自体の分析(例えば、CIB316からシミュレーションコンピュータサブシステム318に送信されたシミュレーションデータ及び/またはログデータに基づく)、ユーザデータと応答、シミュレータの正常性及び使用状況データ、信頼性データ、エラーログ、セキュリティ及び侵入などを含むがこれらに限定されない、1つ以上の様々な種類のシミュレーション後分析の実行が含まれ得る。いくつかの実施形態では、第2のコンピュータシステム303は、シミュレーションに関する情報を必要とするか、またはこれに関心を有する可能性のある任意のエンティティを含むことができる外部サブシステムであってもよい。
【0077】
図3B及び
図3Cは、これらの機能の少なくとも一部を実行できる第2のコンピュータサブシステム303の例示的な例を含む。ソフトウェア/ファームウェアサブシステム330は、特定の実施形態では、ソフトウェア/ファームウェア更新モジュール332、コンピュータベースのメンテナンスモジュール334、及びデータストレージ336aを含む。ソフトウェア/ファームウェア更新モジュール332は、任意に、デジタル配信を介して分散データをプッシュすることができる。特定の実施形態では、ソフトウェア/ファームウェアサブシステム330は、分散データ及びデジタル配信(いわゆる「D4」)構成を実装し、これにより、シミュレータサブシステム301によって生成された情報を、例えば非戦術ネットワーク360(以下でさらに説明する)により分析及びトラブルシューティングの目的で利用できるようにする。同時に、特定の実施形態では、D4配置は、CIB316に埋め込まれたソフトウェアが遠隔で更新される機能を提供し、これは、特定の実施形態では、発見された脆弱性に対応するのに役立ち、サイバー搾取の全体的なリスクを低減することができる。特定の実施形態では、D4により、ソフトウェアにパッチを適用するための平均時間が短縮され、脆弱性への迅速な対応が可能になる。特定の実施形態では、D4配置は、CIB316を利用するすべてのフィールドシミュレーションシステム301の正常性状態を知る能力を提供する。
【0078】
特定の実施形態では、ソフトウェア/ファームウェアサブシステム330は、例えばテレメトリオフロードを介して自動化されたデータ収集を実装することもできる(テレメトリとは、少なくとも、遠隔地またはアクセス不可能な地点における測定値または他のデータの収集、及びモニタリングのための受信機器へのそれらの自動送信を指す)。特定の実施形態では、ソフトウェア/ファームウェアサブシステム330は、訓練資料の更新、メンテナンスデータレポート、レポート配布、及び/またはサイバー監査などの機能を設ける。有利なことに、特定の実施形態では、ソフトウェア/ファームウェアサブシステムは、プラットフォームに依存しない方法でそのアクションを実行する。
【0079】
特定の実施形態では、トレーナーサブシステム340には、データストレージ336と、アクション後のレビューを実行し、シミュレータの正常性データを分析及び/または格納し、使用データを分析及び/または格納するように構成されたモジュール342とが含まれる。いくつかの実施形態では、シミュレータサブシステム301の使用、悪環境条件への露出、リバースエンジニアリングの試み、及び/または侵入/セキュリティ問題はすべて、CIB316にログ及び記録される。トレーナーサブシステム340は、この情報を使用及び分析して、次世代の製品を改善し、保証請求をサポートし、サイバー攻撃またはその他の種類の攻撃に対するシミュレーションサブシステム301、及び/またはその他のコンポーネントの脆弱性を軽減することができる。いくつかの実施形態では、トレーナーサブシステム340(または収集された情報を受信する他のサブシステム)は、理解されるように、シミュレーションに関するデータを分析し、シミュレーションで行われた訓練を調整して結果を最適化し、予測分析を実装するなどのための推奨を行うなど、ビッグデータ分析などの様々なタイプの分析を実行するように構成できる。
【0080】
図300A~300Bのようなシステムによって許可される相互接続及び相互運用性のタイプにより、ユーザ312は、シミュレーションの完了直後またはシミュレーション中であっても、アクション後のレビュー(例えば、アクションが発生したときに、発生したアクションに関する情報など)の恩恵を受けることができる。シミュレーションデバイス313とシミュレーションサブシステム301がStinger(登録商標)のような肩撃ちミサイルシステムの外観、感触、及び操作を再現する例を考えてみる(例えば、
図3Aのデバイス313bで示されるように)。シミュレーションデバイス313bは、ユーザがボタンを押してStinger(登録商標)のような実際の兵器の動作をシミュレートする他のコントロールを構成する機能を提供し、その後、ユーザは仮想ミサイルの発射とターゲットへの攻撃を視覚及び聴覚で確認し、ミサイルが発射キャニスターから「離れる」際のStinger(登録商標)ミサイルの振動と発射を感じることができる。さらに、いくつかの実施形態では、システム300Bは、(前述したように)シミュレーション及びデータ分析のアクション後のレビューのための備えを含むため、ユーザ312dは、例えば、インストラクターなしで練習のためにシミュレーションデバイスを使用し、その後、潜在的に、1つまたは複数の第2のコンピュータシステム303から自動化されたフィードバックを取得することができ、このフィードバックはシミュレーションコンピュータサブシステム318aに送信され、その後、CIB316を介してシミュレーションサブシステム301に送信され、CIB316経由で、シミュレーションデバイスに自動的に動作可能に接続される後処理及び他の分析が行われる。
【0081】
フィードバックは、シミュレーションサブシステム301またはシミュレーションデバイス313に関連付けられた画面表示を介して、オーディオまたはビデオなどを介してなど、複数の方法で提供することができる。ビデオは、例えば、シミュレーションデバイス313自体とは別に提供することができる。例えば、ビデオは、シミュレーションデバイスと動作可能に通信し、接続されているスマートフォン上に表示することができる(理解されるように、そのような構成は、実際のシミュレーション中にも使用することができる)。さらに、
図3Bに示す相互接続は、特定のシミュレーションサブシステムを、米国国防総省の合成訓練環境(STE)またはその他の高レベルアーキテクチャネットワーク内の他のシミュレーション及び訓練デバイスに接続できることを意味する。CIB316は、シミュレーションサブシステムをモジュール化してオープンにし、様々な仮想現実及び拡張現実システムにわたる多軍複合訓練を可能にする。
【0082】
シミュレーションコンピュータサブシステム318は、特定の実施形態では、CIB316にコマンドと制御を送信し、CIB316が受信するユーザ入力、機械入力、及びハードウェアシミュレータ入力に関連する情報を、CIB316から受信する。一実施形態では、シミュレーションコンピュータサブシステム318は、CIB316に入力を送信し、それは受信されると触覚コマンドまたは音声コマンドに変換され、CIB316のコンポーネント及び使用中のシミュレータデバイス313に送信され、ユーザ312が、シミュレーションシナリオ中にそれらを体験する、または使用することができるようにする。
図3A~
図3Cに示すサブシステム間の通信、さらにはユーザ312とサブシステム間さえの通信(またあるいはユーザ312とユーザ同士の間)は、様々な方法で行うことができ、特定の実施形態での、有線接続、無線接続、またはこれら2つのタイプの組み合わせが含まれる。また、ユーザ312a、312b、312cは、携帯電話や固定電話、双方向無線トランシーバ(例えば、いわゆる「トランシーバ」)、ポケベル、独自のヘッドセット通信、コンピューティングデバイスを使用したVoice over IP(VOIP)プロトコル、及び/または様々な対面通信など、
図3A~3Cに具体的に示されていない多くの様々な方法で相互に通信できることも理解されよう。
【0083】
例えば、
図3Bを参照すると、様々なシミュレーションシステム302、304、306、308、310(及びユーザ312d)は、1つまたは複数のそれぞれのシミュレーションコンピュータサブシステム318a~318nと動作可能に通信する。特定の実施形態では、シミュレーションシステム302~310はすべて、単一のコンピュータサブシステム318と通信し得る。特定の実施形態では、シミュレーションサブシステム302~310はすべて、対応するシミュレーションコンピュータサブシステム318a~318nと通信することができる。通信は、前述したように、有線でも無線でもよく、用途及び必要に応じて、セキュアまたは非セキュアネットワークを介して、及び/または閉鎖領域380内部または非閉鎖領域内で行うことができる。
図3Bの例示的な実施形態では、閉鎖領域380a内において、戦術訓練サブシステム302、メンテナンス訓練サブシステム304、及びユーザ312dはすべて閉鎖領域380a内に位置し、それぞれの安全な通信リンク317、319、321をそれぞれ介して通信することができ、有線(リンク317、319など)または無線(321の様に)であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、有線接続317、319は直接ユニバーサルシリアルバスC(USB-C)を介して実装され、第3の通信リンク321はBluetooth(登録商標)315を介して実装されるが、これらは例示であり、限定するものではない。現在既知であるか将来開発されるかに関係なく、有線または無線の任意の安全な通信接続が、本明細書の少なくともいくつかの実施形態に従って通信接続またはリンクを実装するために使用可能であることが想定される。さらに、少なくともいくつかの実施形態では、所与の通信リンクは、例示のため、限定されることなく、必要に応じて、例えば国家安全保障局(NSA)または連邦情報処理標準(FIPS)によって承認された暗号化アルゴリズムと標準を含む、1つ以上のタイプの暗号化を使用するように構成できる。いくつかの実施形態では、特定の閉鎖領域、例えば
図3Cの閉鎖領域380bでは、有線通信のみが許可される場合があることに留意されたい。
【0084】
CIB316とシミュレーションコンピュータサブシステム318との間の適切な有線接続には、コンピュータとの間でデータまたは情報を送受信できる任意のタイプのケーブルまたは接続を含めることができ、これには、ユニバーサルシリアルバス(USB)接続(USB-Cなど)、FireWire、イーサネット、IEEE-488、小型コンピュータ標準インターフェイス(SCSI)、シリアル及び/またはパラレルデータケーブル接続、及び/または、シミュレーションサブシステム301のCIB316とシミュレーションコンピュータサブシステム318との間で情報/データを交換できる直接の有線接続を提供できる、現在知られている、または今後開発されるその他のいずれかの接続のいずれか1つまたは複数が含まれるが、これらに限定されない。
【0085】
好ましい実施形態では、CIB316とシミュレーションコンピュータサブシステム318との間の適切なワイヤレス接続は1:1のBluetooth(登録商標)リンクであり、CIB316とシミュレーションコンピュータサブシステム318はそのように接続され、CIB316には他のいずれかのタイプのインターネットプロトコル(IP)接続はない。さらに、当業者が理解するように、一部の実施形態では、アプリケーション及び/または動作環境のセキュリティのニーズに応じて、他の可能なネットワーク接続が使用可能であり、これには、無線ローカルエリアネットワーク(LAN)、無線メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)(例えば、いわゆる「Wi-Fiホットスポット」)、無線パーソナルエリアネットワーク(PAN)(例えば、Zigbee、近距離無線通信(NFC)、場合によっては赤外線)、無線ワイドエリアネットワーク(例えば、LTE、3G/4G/5Gなどのモバイル通信ネットワークなど)、セルラーネットワーク、無線(Wi-Fi)ネットワーク、無線周波数通信システム、及び/または他の任意の適切な無線通信方法、及び/または、アプリケーション及び動作環境で要求される標準に従って、シミュレーションサブシステム301のCIB316とシミュレーションコンピュータサブシステム318との間で情報/データを交換できる無線接続を提供できる、現在知られているまたは今後開発される任意のタイプの無線接続のうちのいずれか1つ以上が含まれる。理解されるように、特定の実施形態では、情報は2つのエンティティ間で直接共有される必要はなく(エンティティは、人間のユーザ、または別のコンピュータやコンピュータ上で実行されているプロセスなどの非人間のユーザである可能性がある)、代わりに、クラウド内の安全な場所にアップロード(利用可能または適切な有線または無線の構成を使用)することで共有でき、別のエンティティが後でその情報にアクセスして、表示、使用、格納、分析などを行うことができる。
【0086】
特定の実施形態では、有線及び/または無線接続は、CIB316が、CIB316ボード組み込みソフトウェア開発に関するソフトウェア保証プラクティスと、Bluetoothなどのテクノロジーを介した安全な無線通信を確実にするための適切な構成を介してセキュリティ層を提供するのに役立つように構成される。ソフトウェア保証は、ソフトウェアパッチから安全なソフトウェアの作成に重点を移すことを目指している。安全なコーディングの実践、侵入テストとコード分析、サプライチェーンのリスク管理はすべて、ソフトウェア全体の保証に貢献する。特定の実施形態では、CIB316には、ソフトウェア保証のベストプラクティスに従って開発された組み込みソフトウェアが含まれる。
【0087】
特定の実施形態では、CIB316のBLUETOOTH(登録商標)経由の無線通信は、ハードコードされたボード組み込みソフトウェアによって定義される。いくつかの実施形態では、CIB316のコンポーネントは、シミュレーションコンピュータサブシステム318やCIB316が通信するその他いずれかのコンピュータサブシステムなど、CIB316が情報を送信するコンピュータデバイスへのペアリングプロセスと、その後の全体的な通信の整合性と機密性の両方を保証する設計構成になるように構成及び選択される。特定の実施形態では、CIB316は最新の安全なBLUETOOTH(登録商標)バージョンをサポートするように構成される。特定の実施形態では、CIB316には、CIB316に安全でないバージョン/プロトコル通信を強制的に受け入れさせる可能性のあるダウングレード攻撃からの保護を提供するモジュールが含まれる。
【0088】
当業者は、多くの異なるタイプの有線及び無線接続が使用可能であり、特定のタイプの選択は、システム300の特定の用途及び構成(例えば、サブシステム間の距離、環境条件、コスト、使用されているデバイスのタイプ、適用される軍事/商用規格、セキュリティ要件、閉鎖領域のタイプなど)に少なくとも部分的に依存することを理解するであろう。
【0089】
図3A~
図3Cを再度参照すると、本明細書でさらに説明するように、特定の実施形態では、シミュレーションコンピュータサブシステム318及びCIB316は、本明細書でさらに説明するように、相互認証及び検証チェックを実行することもできる。これにより、CIB316の整合性の検証がCIB316自体のみに依存しないことが保証される(例えば、CIB316またはそれが操作可能に結合されているシミュレーションサブシステム301に対して侵入、損傷、及び/またはその他の潜在的に有害なアクションが実行されていないことの検証)。セキュリティと認証の機能については、
図4を参照して以下でさらに詳しく説明する。
【0090】
図4は、一実施形態による、
図3の共通インターフェイスボード(CIB)316の機能ブロック
図400である。特定の実施形態では、CIB316は、価格と性能を適切にバランスさせるために、できるだけ多くの市販(COTS)の既製部品を活用するが、これに限定されるわけではない。いくつかの実施形態では、サイズ、重量、電力、制限された入力/出力(I/O)などの要因を考慮して、ハードウェアが特定のアプリケーションの制約を満たすことができる限り、COTSハードウェアをCIB316で使用できる。当業者が理解するように、特定のシミュレーションサブシステム301には、その使用の性質に応じて、サイバーセキュリティ、信頼性、オペレーティングシステムの制約(例えば、軍事環境と製造訓練環境とレクリエーション環境など)を含むがこれらに限定されない追加の制約が課される可能性がある。
【0091】
特定の実施形態では、CIB316は主に屋内での使用に適合されているが、これに限定されるものではない。特定の実施形態では、CIB316には、閉鎖された領域空間での操作権限(ATO)を付与できるようにするセキュリティ機能(本明細書でさらに説明)がある。特定の実施形態では、CIB316は、いずれかの機密コンポーネントまたはハードウェア自体を含まないように設計されている(機密システムのシミュレーションを実行するためにシミュレーションシステム301と連携できる場合でも)。
【0092】
図4の例示的なブロック
図400が示すように、CIB316はいくつかのサブシステムを含む。CIB316の主動作回路を含む1つのサブシステムは、主マイクロコントローラ/マイクロプロセッサ(複数可)450、通信サブシステム/モジュール430(いくつかの実施形態ではBLUETOOTH(登録商標)モジュール434を含む)、触覚モジュール422_a、422_b、及び音声モジュール424a、424bをメモリサブシステム470と共に含む触覚/オーディオサブシステム420、及び電源スイッチ405を含む電源サブシステム402を含む。別のサブシステムは、特定の実施形態で、閉域データ転送及び/または可能なUSB充電のための有線USB接続を可能にするUSBハブ432を設ける。特定の実施形態では、USBハブ432により、トラッキングパック(例えば、
図3Cのトラッキングパック331)などのサードパーティデバイスからのデータが、無線通信ではなく有線構成で送信されることも可能になる。特定の実施形態では、
図3に示すように、USBハブ324は、サードパーティのUSB接続可能なデバイスとシミュレーションコンピュータサブシステム318との間の「パススルー」通信を、パススルー通信329a、329bを介して可能にすることができる。特定の実施形態では、データは、非閉鎖領域構成のUSB接続を介して転送することもできる。特定の実施形態では、CIB316は、温度及び湿度、シミュレータの落下衝撃、及び時間を測定するように構成された正常性管理サブシステム440も含む。特定の実施形態では、CIB316は、CIB316にいくつかのセキュリティ機能を設けるように構成されたリバースエンジニアリング保護システム(REPS)410も含む。これらのサブシステムのそれぞれについては、以下でさらに詳しく説明する。
【0093】
CIB316と通信するシミュレーションサブシステム301及びシミュレーションデバイス131は訓練製品及びシミュレーションサブシステムの種類によって異なるが、特定の実施形態では、すべての訓練製品に組み込まれている汎用的な機能がある。特定の実施形態では、理解されるように、シミュレーションサブシステム及び/またはシミュレーションデバイス313のタイプに合わせてCIB316をカスタマイズできる機能がある。例えば、特定の実施形態では、CIBの機能に関連付けられたユニバーサル機能には、次のような機能が含まれるが、これらに限定されるわけではない。
- 標準のボタン及びスイッチの状態(例として、オン、オフ、開、閉、イベント検出を示す状態(例えば、トリガ、安全)、連続押し(例えば、アンケージ)、位置変更(例えば、ポテンショメータ)、回転変更(例えば、エンコーダなど)を示す状態などが含まれるが、これらに限定されるわけではない)
- センサデータ(正常性マネジメントシステムのセンサデータ、信頼性閾値)
- BLUETOOTH(登録商標)またはその他の無線通信(閉鎖領域構成でない場合)
- 閉鎖領域でのデータ転送用のUSB接続、USBなどの有線接続でも閉鎖領域以外でデータを転送できることに留意されたい、
- バッテリ充電、トラッキングパックの充電、USB周辺機器の充電及び/または更新など、選択されたその他の機能用のUSB接続など
- 電源オン時間とバッテリ節約モード用のタイマー(特定の実施形態では、この機能は正常性マネジメントシステムの一部として実装され、本明細書でさらに説明する)
- I/Oピンの電力割り当て制御と高低電力レベル
- シミュレータ固有のボタンとスイッチの状態、触覚及び音声フィードバックなどを含むがこれらに限定されないカスタマイズ可能な機能
【0094】
ユニバーサル機能については本明細書でさらに詳しく説明する。
【0095】
図3A~3C及び
図4を参照すると、特定の実施形態では、CIB316は、CIB316がインストールされているシミュレータシステム313またはシミュレーションデバイス313から直接操作可能に結合された配線ハーネス(図示せず、しかし容易に理解できる)を介して、機械的及びハードウェアシミュレータ入力などの複数のCIB入力480を受信する。特定の実施形態では、CIB316は、CIB316から電源に接続されたUSBケーブルなどを介して電力を受け取る(
図4の制約486の1つとして示されている)。CIB316のコンポーネント間の配線により、ボードは有線または無線接続でコンピュータコマンドをシミュレーションコンピュータサブシステム318などの他のサブシステムに送信できるようになる。コンピュータサブシステム418からのCIB315への入力(例えば、
図4に示されているように、コンピュータ入力のCIB入力480を介して、通信制御、ファームウェア、ソフトウェア、及びシミュレーションセキュリティ標準を含むがこれらに限定されないイネーブラー486の一部を介して、及びオペレーティングシステム及びドライバを含む1つ以上の制約482を介して)。前述のように、シミュレーションコンピュータサブシステム318は、有線または無線接続を介して受信できる入力をCIB316に送信し、その入力は触覚コマンド及び/または音声コマンドに変換され、CIB316及びシミュレーションサブシステム301(シミュレータデバイス313を含む)のコンポーネントに送信される。これらのデータフローは、一実施形態による、共通インターフェイスボードを備えた例示的なシミュレーションシステム500における基本的なデータフローを示す例示的なブロック図である
図5に示されている。
【0096】
図5の例示的なシステム500を簡単に参照すると、例示的なシミュレーションデバイス313が、ワイヤリングハーネス503を介してスイッチ及びセンサ入力502をCIB316(特定の実施形態では、シミュレータデバイス131内部に位置する)に通信することが分かる。CIB316(この図では「インターフェイスボード」とも呼ばれ、本文書では「インターフェイスアセンブリ」とも呼ばれる)は、電流源506(例えば、壁のプラグ)に接続されたUSBからUSBケーブル504を介して受け取った電流によって電力供給される。CIB316内部の配線508により、CIB316は、BLUETOOTH(登録商標)または有線接続314aを介してスイッチ及びセンサ入力510をコンピュータシステム318に通信し、CIB316において計算システム318から触覚及び/または音声入力512を受信することができる。
【0097】
図3A~
図3C及び
図5を再び参照しながら、CIB316サブシステムについてこれより簡単に説明する。1つの例示的な実施形態では、CIB316は、電力サブシステム402、リバースエンジニアリング保護サブシステム(REPS)(本明細書ではセキュリティサブシステム410とも呼ばれる)、触覚サブシステム420、通信サブシステム430、正常性管理システム440、マイクロプロセッサまたはマイクロコントローラ450、その他のサポート回路460、及びメモリサブシステム470を含む。
【0098】
電力サブシステム402は、1つまたは複数のバッテリ404、電気分配システム406、1つまたは複数の電圧レギュレータ408、及び1つまたは複数の電力割り当て制御409を含む。特定の実施形態では、CIB316は、2~4つの触覚デバイス、音声デバイス、及び/または視覚デバイスを同時に駆動できる許容電圧直流(DC)システムで動作する。電源サブシステム402は、いずれかの回路カードアセンブリ(CCA)の標準的な電源サブシステムと同様に、CIB316のすべてのコンポーネントに必要な電圧及び電流を、必要に応じて供給する同様の機能を設ける。電力割り当て制御409は、CIB316の入力/出力ピンの高電力レベルと低電力レベルを制御するのに役立つ。電力サブシステムの電力は、バッテリ404及び/またはCIB316への外部電力入力(制約486の1つとして示される)のいずれかまたは両方から得ることができる。当業者は、シミュレータサブシステム301及び/または関連するシミュレータデバイス313に応じて、所与のCIB316がその電力サブシステム402(及び場合によってはCIB316の他のサブシステム)に、任意の冷却サブシステム490(本明細書でさらに説明する)を介して示されているように、冷却を要求する可能性があることを理解するであろう。しかし、少なくともいくつかの実施形態では、CIB316の冷却は、これが接続されているシミュレーションサブシステム301の他の部分に由来してもよい。
【0099】
リバースエンジニアリング保護システム(REPS)410は、シミュレータサブシステム301への侵入が発生したかどうかを検出するのに役立つように構成されたシステムであり、少なくともいくつかの実施形態では、侵入検知システム/ハードウェアセキュリティメソッド(HSM)サブシステム412、暗号化システム414、及び認証サブシステム416を含む。特定の実施形態では、REPS410は、論理的及び物理的なリバースエンジニアリングの試み及び/または侵入の少なくとも1つ(有利には両方)に対処する(例えば、検出、ログ、及び/または軽減する)ように構成される。物理的な侵入には、手動、自動、またはいずれかのその組み合わせを問わず、CIBへの物理的なアクセスを伴う少なくとも任意のアクション(複数可)、及び特定の実施形態では、CIBが配置されているシミュレーションシステムへの物理的な侵入が含まれ、これには、CIB316のいずれかのコンポーネント(複数可)またはサブシステムを物理的に破壊、変更、改変、及び/またはアクセス(許可された方法以外)する試みなど、危害または損害を引き起こす物理的な侵入が含まれるが、これに限定されない。論理的侵入には、CIB316またはCIBが配置されているシミュレーションシステムへの物理的なアクセスを必要とせずに損害を引き起こすように構成された少なくとも任意のアクションが含まれ、例えば、CIB316にいずれかの物理的な損傷を与えることなくソフトウェアやデータに損害を与えること、CIB316の論理的な操作フローへの攻撃などがある。例えば、一部の実施形態では、REPSシステム410は、状況、環境、シミュレーションシナリオ、ソフトウェア及び/またはハードウェアのアップグレード及び/または変更、ユーザの行動、及び/またはその他いずれかのアクション、特に意図的であるかどうかにかかわらず、シミュレータシステム301への不正侵入から生じるものによって発生する可能性のあるシミュレーションシステム301いずれかの問題(例えば、パフォーマンスの問題、シミュレーションの問題、信頼性の問題、誤った操作、保証請求など)の調査をサポートするように構成されている。不正侵入は、多くの異なる種類のアクション、イベント、及び状況から発生する可能性があり、これには以下が含まれるが、これらに限定されない。
- エンティティが、1つ以上のコンポーネントを「リバースエンジニアリング」する目的で、シミュレーションシステム301のコンポーネントに関する情報を削除、分解、またはさもなければ取得しようとする場合、
- シミュレーションサブシステム301からデータをダウンロードする不正な試み、
- 操作を妨害したり、マルウェア/スパイウェアをインストールしたり、不適切な保守や修理の一環として、シミュレーションシステム301のコンポーネント、ファームウェア、及び/またはソフトウェアを変更または交換しようとする試み、
- 操作を変更したり、シミュレータシステム301の操作を悪意を持って追跡したりするために、シミュレーションシステムに追加のコンポーネントをインストールすること、
- システムの乱用または無視、例えば必要なメンテナンスを行わない、メンテナンスを不適切に行う、システムを不適切な環境で使用する(例えば、屋内専用のシミュレータサブシステム301を屋外で使用する)、シミュレーションサブシステム301に液体をこぼす、そのような力や過度の振動に耐えられるように設計されていないシミュレータサブシステム301を落とす、投げる、またはその他の方法で「衝撃を与える」など、
- シミュレータサブシステム301を、設計された環境以外の環境、または適切な耐候性を備えていない環境にさらすこと、例えば極端な温度、湿気や水気のある環境(例えば、シミュレータサブシステム301を水中に落とす)、雪または氷にさらすこと、吹き付ける砂及び/または潮風にさらすこと。
【0100】
特定の実施形態では、CIB316及びそれが動作しているシステムに対する脅威と脆弱性を識別するための重点領域は、いわゆる搾取の初期アクセスフェーズである。CIB316は、特定の実施形態では、より広範な訓練環境への横方向の移動またはIP/独自情報の流出のために使用されるCIB316への初期の不正アクセスまたは操作を防止するのに役立つ。特定の実施形態では、CIB316のセキュリティの考慮事項では、CIB316への攻撃がローカル(例えば、物理的な近接性を必要とするBLUETOOTH(登録商標)通信への攻撃)であるか、リモート(より間接的なタイプの攻撃)であるかが考慮される。別の例として、別の種類の侵入/攻撃の試みは、サプライチェーンの侵害から生じる攻撃/侵入である可能性がある。例えば、CIBの運用に不可欠なハードウェアまたはソフトウェアに影響を与えるサプライチェーン攻撃などである。
【0101】
特定の実施形態では、CIB316(及び事実上、これが設置される任意のサブシステム)は、軍事施設内部の物理的に安全な場所、閉鎖領域(例えば、先に定義されているように)などの物理的に安全な場所内に留まる。銃、警備員、門、及び物理的に安全な保管手順などの当技術分野で知られているセキュリティ対策は、CIB316に対する物理的な外部攻撃の可能性を減らすのに役立ち得る。安全な保管などの追加のポリシーにより、理解されるように、さらに、物理的搾取のリスクを軽減し得る。
【0102】
少なくともいくつかの実施形態では、リバースエンジニアリング保護だけでなくCIB316の全体的なセキュリティのサポートを支援するために、及び/または上記の懸念の一部またはすべてを軽減するために、REPSシステム410は、CIB316の残りのシステムとともに、基板/アセンブリの整合性を保証するように構成されている。特定の実施形態では、ボードの整合性を保証するようにCIB316の設計を構成することは、物理的、ブートレベル、データストレージ、デバイスのペアリング、通信、及び更新の整合性がすべて検証されることを保証するためにコンポーネントを選択し、それらを接続することを含むことができる。さらに、CIB316が担う通信の機密性及び整合性を確実にすることは、REPS410の動作及びCIB316の全体的な設計において重要な考慮事項である。機密性と整合性は、無線通信(主にBLUETOOTH(登録商標))及び有線通信(USB-Cなど)を含む、理事会が責任を負う通信の最優先事項である。
【0103】
特定の実施形態では、REPS410システムの一部として、CIB316には、セキュリティを提供し、リバースエンジニアリング保護機能を提供するように構成された侵入検知/ハードウェアセキュリティメソッド(HSM)412が含まれる。いくつかの実施形態では、HSM312は、物理的な整合性から通信セキュリティまで、あらゆるレベルのシステムセキュリティを実現するために必要なツールを提供する1つ以上の市販の回路/モジュールを使用して実装される。例えば、一実施形態では、HSMサブシステム412は、デジタルキーを保護及び管理し、デジタル署名の暗号化414及び復号化機能、強力な認証416を実行する物理的なコンピューティングデバイスを少なくとも部分的に使用して実装される。当技術分野で理解されているように、強化された耐改ざん性デバイス内で暗号鍵を安全に管理、処理、及び格納することにより、暗号インフラストラクチャを保護するのに役立つ「信頼アンカー」として機能できる回路が存在する。例示的なHSMサブシステム412は、特定の実施形態では、1つまたは複数の安全な暗号プロセッサチップなどを介してこれらの機能の一部を実装するのに役立つ専用ハードウェアを含むことができる。特定の実施形態では、HSMサブシステム412は、マイクロコントローラ/マイクロプロセッサ450などのCIB316内の他の機能を活用して、暗号化、認証、及び/または暗号処理機能を提供するように構成できる。特定の実施形態では、HSMサブシステム412は、改ざん検出419及び/または改ざんの証拠、例えば改ざんの目に見える兆候やログ及び警告、またはHSM412サブシステムを動作不能にすることなく改ざんを困難にする改ざん耐性、または改ざん検出時にキーを削除するなどの改ざん応答性を提供する1つ以上の機能を有するように構成される。
【0104】
上述のように、少なくともいくつかの実施形態では、暗号処理機能418は、HSMサブシステム412の一部として提供される機能(例えば、専用コンポーネント経由)を介して、または、例えば、マイクロコントローラ/マイクロプロセッサ450及び/またはBLUETOOTH(登録商標)434モジュールで行われる操作を介して実装できる。特定の実施形態では、暗号処理418は、改ざん及びバスプロービングを防止するように構成される。なお、いくつかの実施形態では、HSMサブシステム412自体が、開封明示、改ざん耐性、または改ざん応答パッケージによって保護されている。いくつかの実施形態では、HSM412は、マイクロコントローラ/マイクロプロセッサ450などの他のコンポーネントと連携して、強力な認証のためのデジタルキーの保護と管理を支援する。本明細書で述べたように、いくつかの実施形態では、市販のコンポーネントが少なくとも一部のハードウェアセキュリティ機能を実装することができ、CIB316の少なくともいくつかの実施形態で使用可能なCOTSハードウェアセキュリティ装置の例示的な例としては、カリフォルニア州サンタバーバラのZymbitで入手可能なHSM4デバイスが含まれる(ただし、これに限定されない)。
【0105】
いくつかの実施形態では、HSMサブシステム412の存在により、CIB316を適切なレベルのセキュリティに構成できると同時に、固有の展開でより厳格なセキュリティ対策が求められる場合に追加の構成オプションを提供できる。いくつかの実施形態では、HSMサブシステム412の一部の機能がマイクロコントローラ/マイクロプロセッサ450と連携してCIB316の信頼のルート(RoT)として機能し、認証された更新、セキュアブート、及びセキュアデバイスペアリングを可能にする。さらに、特定の実施形態では、HSM412はマイクロコントローラ/マイクロプロセッサ450と連携して、公開鍵/秘密鍵のペアをローカルで安全に保管し、署名された組み込みソフトウェアの検証を可能にする。
【0106】
特定の実施形態では、REPS410サブシステムが提供するセキュリティ保護は、米国商務省の国立標準技術研究所(NIST)が発行した情報システム及び組織のセキュリティとプライバシー管理の標準であるリスク管理フレームワークNIST 800-53 Rev5に準拠している。特定の実施形態では、この文書で指定される要件は、CIB316及び/またはそれが動作する環境、例えば高機密性、整合性、及び可用性の分類を有するシステムに適用可能な要件を定義するのに役立つ。これらのセキュリティ要件は、セキュリティ要件の可能な限り高いレベルを表しており、特定の実施形態では、CIB316など、本明細書で説明するシステム及びコンポーネントの特定の展開及び用途に応じて、中程度の分類にまで調整できる。この文書には、例えば、データと通信の整合性/機密性、アクセス制御、認証、監査、ソフトウェア保証、サプライチェーンのセキュリティ、及びリバースエンジニアリング保護に関するカスタマイズ可能な要件が含まれている。当業者は、CIB316などの本明細書で説明するコンポーネント及びシステムは、すべての実施形態において適用可能なすべてのセキュリティ制御を満たす必要はないことを理解するであろう。特定の実施形態では、例えば、CIB316は、適切なレベルのセキュリティを実現するために、周辺機器と本格的なモバイルデバイスの間に分類される。
【0107】
図4を再度参照すると、CIB316には、複数の触覚コンポーネント422a、422b及び音声コンポーネント424a、424bを含む触覚/感覚サブシステム420も含まれる。このサブシステムを説明するために「触覚サブシステム」または「感覚サブシステム」という用語が使用されているが、触覚/感覚サブシステム420は、ユーザに触覚フィードバックを提供することだけに限定されるのではなく、音声及び視覚のユーザフィードバック及びエクスペリエンスを含む他のユーザエクスペリエンス及びフィードバックも提供できることが理解されよう。少なくともいくつかの実施形態では、触覚/感覚サブシステム420は、ユーザ312にシミュレートされたユーザエクスペリエンスを提供するように構成され、シミュレートされたユーザエクスペリエンスは、デバイスに特定の感覚で検出できるものをシミュレートさせることによって、ユーザ312の感覚の1つ以上を刺激する(例えば、光景、音、接触、香りなど)ように構成される。少なくともいくつかの実施形態では、触覚サブシステム420は実際の触覚をもたらさない可能性があるか、または触覚だけをもたらす可能性がなく、代わりに、触覚を含む場合も含まない場合もあり、また、音声及び視覚シミュレーションなどの他の感覚シミュレーションを含む場合も含まない場合もある、複数のユーザエクスペリエンス機能シミュレーションを提供するためのコントロールを提供できるように構成された感覚サブシステム420であり得る。本明細書で述べたように、シミュレーションコンピュータサブシステム318は、有線または無線接続を介して受信され、それは触覚または音声またはその他の感覚コマンドに変換された入力をCIB316に送信し、変換されたコマンドはCIB316及びシミュレーションサブシステム301のコンポーネントに送信される。
【0108】
CIB316は、様々なソース(ユーザ、機械、コンピュータ、シミュレータ、環境、正常性データなど)からCIB入力480を受信する。例えば、特定の実施形態(例えば、
図3A~
図4Bに示すように)では、シミュレーションサブシステム301は、ユーザ312が、ボタンを押すこと、トリガを引くこと、特定の方向にこれを向けること、スイッチを切り替えること、レバーまたはジョイスティックを動かすこと、コマンドを話すことなどによって、少なくとも部分的に制御し対話することができるシミュレーションデバイス313を含み、シミュレーションデバイス313とのユーザ対話に応答して、変換された触覚コマンド、音声コマンド、またはビデオコマンドが、シミュレーションサブシステム301に送られ、ユーザに触覚効果(例えば、振動)、またはVRヘッドセット106に特定の音または画像を与えるなどのことを含め、ユーザ312aに対するシミュレーション体験を制御する。さらに、特定の実施形態では、CIB316への入力は、ユーザ312aが着用し得るデバイスまたはセンサからの、またはそれらに関連する触覚情報を含むことができる(例えば、参照により本明細書に組み込まれる、共通に譲渡された米国特許第8,157,565号に記載されているような衣服に構成された多重統合レーザーエンゲージメントシステム(MILES)デバイスなどのセンサ、または特定のユーザデータ(例えば、ユーザの心拍数または体温)を追跡するように構成された生体認証センサさえも、を備えた衣類からの情報またはそれに関連する情報)。理解されるように、ユーザからの触覚情報、または他のユーザの対話に基づいて、追加の新しい触覚がユーザに送り返され得る、または情報が記録され得る、またはシミュレーションの側面が変更され得る。
【0109】
例えば、シミュレーションデバイス313が、Stinger(登録商標)のような肩撃ちミサイルシステムの外観、感触、及び動作を複製する場合(例えば、デバイス313Bを介して示されるように)、シミュレーションデバイス313は、ユーザがボタンを押し、Stinger(登録商標)のような実際の兵器の動作をシミュレートする他の制御を設定し、ユーザが仮想ミサイルの発射とその標的への攻撃を見聞きし、ミサイルがランチャーを「離れる」とき生じるアクションをStinger(登録商標)ランチャーがシミュレートする際にユーザが振動と反応を感じるようにする機能を設ける。
【0110】
再び
図4を参照すると、いくつかの実施形態では、CIB316は、シミュレーションシステム301が動作している物理環境に関連する1つまたは複数の環境特性を監視するように構成された正常性管理システム(HMS)440をさらに含み、環境特性には、例えば、動き、温度、湿度、及び/または時間が含まれ得る。いくつかの実施形態では、HMS440は、加速度計442などの動作/方向/位置デバイスまたはセンサ、温度及び湿度444などの環境入力を受信するシステム、及びイベントタイマーのうちの1つまたは複数を含む。
【0111】
公知のように、モーションセンサは、3つの軸に沿った加速力及び回転力を測定するように構成することができ、加速度計、重力センサ、ジャイロスコープ、及び回転ベクトルセンサなどのデバイスを含むことができる。特定の実施形態では、加速度計442(または他の動作配向デバイス)は、CIB316の動作、したがって、それが設置されている任意のシミュレーションデバイス313及び/またはシミュレーションサブシステム301の動作を検出するように構成されている。加速度計442は、例えば、有害な落下や他の衝撃(「落下衝撃」)が発生したかどうかを検出することができる。理解されるように、他のタイプの動き検出コンポーネントも、動きを検出する機能を達成するために使用可能であり、前述のデバイスだけでなく、高度計、慣性測定ユニット(IMU)、磁力計、気圧計、コンパスなどを含むがこれらに限定されず、特定の種類の動きを検出することもできる。
【0112】
特定の実施形態では、位置センサは、異なる方法(例えば、必ずしも時間の関数としてではないが、相対位置を計算し、その後差を決定することによって)で動きを検出するために使用可能であることがある。理解されているように、位置センサはデバイスの物理的な位置を測定する。このカテゴリには、方位センサと磁力計が含まれる。CIB316では、他の情報(例えば、タイマー)と関連して位置センサを使用して、CIB316(したがってシミュレーションデバイス313)が落下衝撃などの特定の種類のイベントにさらされたかどうかを判断するのに役立ち得る、加速度及び他の測定値を導き出すことができる。
【0113】
環境入力コンポーネント444は、特定の実施形態では、周囲空気の温度及び圧力、塩分、照度、及び湿度などの1つまたは複数の環境パラメータを測定するように構成された1つまたは複数の環境センサを含む。このカテゴリには、気圧計、光度計、温度計が含まれる。いくつかの実施形態では、これらのタイプのセンサは、CIB316とは別個であってもよく、CIB316に入力をしてもよい。いくつかの実施形態では、これらのデバイスはCIB316の一部として含まれる場合がある。
【0114】
イベントタイマー446は、特定の実施形態では、経過時間を記録することができ、特定のシミュレーションイベント、環境イベント(例えば、極端な温度、落下衝撃イベント)、相対位置間の時間(動作情報の取得に役立つ)などの特定のイベントが発生した時間と時間を一致させるために使用したり、自動シャットオフとバッテリ時間のタイマーを提供したり(電源オン時間やバッテリ節約モードを追跡するためなど)、シミュレーションサブシステム301が使用できるタイミング機能(例えば、シミュレーションイベントの時間、武器の発射間の時間、ユーザの応答時間)などを提供したりすることができる。
【0115】
さらなる実施形態では、当業者は、特定のシミュレーションにおいて、またCIB316がインストールされているシミュレーションサブシステムにより、光レベル(例えば、照明センサ経由)などのアプリケーションのニーズに応じて、他のタイプの環境要因も追跡でき、これらのセンサ(または任意のセンサ)からの情報は、CIB316の他の部分で使用できることを理解するであろう。例えば、前述のREPSシステム410は、照度センサ及び/または湿度センサ44によって検出されたイベントのログを調べ、CIB316が設置されたシミュレーションデバイス313が開かれたか、またはCIB316が設置された密閉ユニットのシールが破られたかを判定することができる。
【0116】
再び
図4を参照すると、CIBは、例えば、NANDメモリ472、フラッシュメモリ474、及び不揮発性メモリ(NVM)476などのメモリを含むメモリサブシステム470も含む(例えば、データ及びシミュレーション情報をログするデバイスを備えるため)。少なくともいくつかの環境では、メモリサブシステム470は、マイクロコントローラ/マイクロプロセッサがCIB316の動作に使用する命令を格納するコンポーネントを含む。例えば、CIB316は、特定の実施形態では、CIB316がアクティブでない場合でも、経過時間記録デバイス(例えば、イベントタイマー446)を、不揮発性メモリ(例えば、NVM476)に格納される収集されたデータと共に使用する。特定の実施形態では、CIB316が非アクティブである間にイベントが発生した場合(例えば、侵入の試み)、CIB316は、ボードがアクティブ化されるまで、そのイベントに関する情報をメモリ(例えば、NVM476)に格納し、その時点で、CIBのログを記録するために使用されるCIB316のデバイスにイベント(複数可)の書き込みを行う。例えば、いくつかの実施形態では、ログはNANDフラッシュメモリ472に格納され、マイクロコントローラ/マイクロプロセッサ450がそれをNAND472に書き込むことができるまで、マイクロコントローラ/マイクロプロセッサ450に一時的に格納され得る。
【0117】
再び
図4を参照すると、CIB316は、CIB316の動作を制御する1つ以上のマイクロコントローラ及び/またはマイクロプロセッサ450を含む。一実施形態では、例えば、2つのマイクロコントローラが使用され得る。一実施形態では、単一のマイクロコントローラが使用される。少なくともいくつかの実施形態では、使用可能なマイクロコントローラの例には、カリフォルニア州サンノゼのAtmelからいずれも入手可能なSAMX8マイクロコントローラ及びATSAMD21G18マイクロコントローラ、及び/またはスイスのジュネーブのST Microelectronicsから入手可能なSTM32F439マイクロコントローラが含まれる(が、これらに限定されない)。当業者であれば、多くのタイプのマイクロコントローラ及び/またはマイクロプロセッサがCIB316上で使用されるように構成できることを理解するであろう。
【0118】
また、CIB316は、いくつかの実施形態では、当業者には理解されるように、1つまたは複数のデジタルアナログ(DAC)コンバータ462、デジタル増幅器464(複数可)などの様々なサポート回路460を含むことができる。
【0119】
任意選択で、いくつかの実施形態では、CIB316は、それ自体の冷却サブシステム490を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、冷却サブシステム490は、CIB316のコンポーネントが過熱しないのを確実にするように構成された1つまたは複数の要素を含み、例えば1つまたは複数のヒートシンク492、ファン494、熱交換器/ヒートパイプなど496、熱電冷却(TEC)システム499、及び/またはCIB316自体の回路基板にある内蔵熱機能499、例えば、熱パッド、ビア、ルーティング配線/トレースの特定のパターンまたは経路が挙げられ、当業者に理解されるように、さらにはCIB316で使用される基板の種類及び厚さが、冷却に役立ち得る。いくつかの実施形態では、CIB316は、全体的または部分的に、それが設置される環境またはシミュレーションサブシステム301またはシミュレーションデバイス313の他のデバイスによって設けられる外部冷却にも依存する。例えば、いくつかの実施形態では、CIB316は、それ自体の冷却を必要とせず、冷却サブシステム490を含まず、代わりに、それが設置される環境またはシステムで利用可能な冷却を利用することができる。
【0120】
特定の実施形態では、CIB316は拡張可能であり、モジュラーオープンシステムアーキテクチャ(MOSA)戦略を採用するように構成される。有利なことに、本明細書に記載の実施形態は、共通オペレーティング環境(COE)などの合成訓練環境(STE)で実装することができる。いくつかの実施形態では、COEは、巨大な部屋をスクリーン、センサ、プロジェクターで埋め尽くす現在の「箱型」シミュレータを、ユーザ(例えば、兵士)が開けた環境でも閉鎖した環境でも、いつでもどこでも訓練に使用できるラップトップ駆動の仮想現実ヘッドセットに置き換えるか、または補完する。例えば、本明細書に開示されているいくつかの実施形態は、Raytheon Technologies INSTINCT(登録商標)共通オペレーティング環境など、シミュレーション動作用に開発された共通オペレーティング環境で動作するように構成されている。INSTINCT(登録商標)のような共通オペレーティング環境は、軍事機関にソフトウェアアプリケーションとして戦闘機能を提供する。INSTINCT(登録商標)環境は、現実的な地形とターゲットを再現し、ユーザ(例えば、軍人)が世界中のどこからでも協力して遠隔訓練できるように構成されている。いくつかの実施形態では、本明細書で説明する技術及びデバイスは、クラウド対応のSTE環境などの他のSTE環境でも使用可能であり、必要なときにいつでもどこでもシステム全体にアクセスできるようになる。
【0121】
特定の実施形態では、本明細書で述べたように、CIB316は、少なくとも前述のように定義された閉鎖領域を含む閉鎖領域空間での操作権限を付与できるように構成されている。特定の実施形態では、このモードで動作できるようにする主な方法は、任意の無線通信機能を終了することである。上述の
図3Bは、各々がそれぞれのCIBを備え、閉鎖領域380b内で動作する複数のシミュレーションサブシステム301を示している。当業者には理解されるように、
図3Bの閉鎖領域構成の実施形態では、CIB316とシミュレーションコンピュータサブシステム318との間に安全な有線接続があり、閉鎖領域構成のシミュレーションコンピュータサブシステム318が認証、監視を実行し、更新を提供する。例示的な閉鎖領域構成の例示的実施形態(例えば、
図3Aの閉鎖領域380a及び/または
図3Cの380b)では、CIB316は有線モードに配置され、USB-Cインターフェイスなどの有線インターフェイスを介してホストコンピュータを経由しシミュレーションコンピュータサブシステム318に通信を返す。
【0122】
さらに、特定の実施形態では、CIB316からのデータをシミュレーションコンピュータサブシステム318に送信できるだけでなく、USBハブ回路432により、他の別個のUSB有線パーティデバイス、例えばトラッキングパック331(
図3B)または関連するUSBドングルまたはコネクタを有するその他のデバイスなどのサードパーティデバイスは、サードパーティデバイスとシミュレーションコンピュータサブシステム318との間の通信のためのパススルーとしてデータを送信(例えば、ドングル/コネクタからUSBハブ432へのUSB接続を介して)し得、及び/またはシミュレーションコンピュータサブシステム318との双方向パススルー通信をすることができる。VRシミュレーションシステムの一部としてのいくつかのタイプのトラッキングパックの使用は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる、共通に譲渡された米国特許第10,788,889号に記載されている。トラッキングパック及び/または他の別個のUSB接続デバイスの使用が、
図3Bの例示的な一実施形態に関して示され、カスタムシミュレーションサブシステム308のCIB316eは、トラッキングパック331とシミュレーションコンピュータサブシステム318との間のパススルー通信329a、329b(点線で示す)を可能にするように構成されている。ヒューマンシステムインターフェイス、正常性管理システムとサイバーセキュリティに関するすべての機能は閉鎖領域構成でもそのまま維持される。特定の実施形態では、CIB316が有線構成にあるとき、トラッキングパックが使用される場合、通信は有線USB接続パススルーを介して処理されるため、無線通信用のUSBドングルは必要ないことがある。
【0123】
対照的に、例示的な非閉鎖領域の例示的実施形態では、シミュレーションコンピュータサブシステム318が、例えば、無線ネットワーク314a及び/またはクラウド320Aを介して無線で、プッシュされたファームウェア/ソフトウェアアップデートを外部データベース336a(例えば、
図3Bに示すように)から受信し、またデータベースシステム336Aの格納のため、アクション後のレビュー及び/またはシミュレータの正常性及び使用データを提供することが分かる。特定の実施形態では、CIB316は、たとえそれが閉鎖領域に配置されていたとしても、それ自体は機密ハードウェアとはみなされない。むしろ、CIB316は、その通信(例えば、有線(例えば、USB-C)または無線(例えば、BLUETOOTH(登録商標)))を、それが配置される環境(機密/閉鎖対非機密/開放)内で適切に動作するように適合させることができる。
【0124】
図6は、一実施形態による、
図3A~
図5の共通インターフェイスボード(CIB)316及びシミュレーションシステム301の動作、相互作用、及びデータフローの概要を示すフローチャート800である。
図3A~
図4及び
図6を参照すると、CIB316は、必要に応じてシミュレーションサブシステム301(ブロック805)を初期化及び/または更新するための適切なソフトウェア/ファームウェアを受信する。シミュレーションは、ブロック810で行われたチェックで、電源スイッチ405の作動などにより、シミュレーションサブシステム301のアクティビティが開始または継続していることが検出されると開始(及び/または継続)される。さらに、検出可能なシミュレーションサブシステム301のアクティビティには、スイッチまたはトリガを押すなどの様々なユーザ312のアクションが含まれるが、これらに限定されない。ただし、シミュレーションが開始される前であっても、侵入の試みを検出することができる。したがって、ブロック810での回答がいいえ(シミュレーションがまだ開始されていない、例えば、電源がオンになっていない、またはシミュレータデバイス313はオンになっているがシミュレーションアクションは発生していない)であっても、CIB316は、検出される侵入またはその他のセキュリティ問題(例えば、侵入の試み)があるかどうかを監視する(ブロック812)。ブロック812での回答がはいの場合、セキュリティ問題がログされ(ブロック814)、処理はブロック810に戻って待機し、シミュレーションサブシステムがアクティブ化されている、及び/または引き続き使用されているかどうかを確認する。シミュレーションがアクティブ化され、及び/または継続されている(ブロック810の回答がはい)場合、侵入及び/またはセキュリティの問題は引き続きチェックされる(ブロック835、以下でさらに説明)。
【0125】
シミュレーション要求及び/またはユーザアクションに応答して、必要なシミュレーション触覚、音声、ビデオ、及び/またはアプリケーション制御情報が、CIB316などによって取得される(ブロック815)。CIB316では、必要に応じて、触覚、音声、ビデオ、及び/またはアプリケーション制御情報がシミュレーション用に変換され(ブロック820)、その後、シミュレーションに提供される(ブロック825)。シミュレーション中、CIB316は、ユーザ入力、ユーザデータ、シミュレーションデータ、ログ情報、正常性管理システム情報、環境データ、シミュレーションデバイスの入力と応答、及び/またはカスタム入力/データを、適宜受信して格納する(ブロック830)。
【0126】
シミュレーション中に、侵入またはその他のセキュリティ問題(例えば、侵入の試みが失敗した)が検出された場合(ブロック835)、それがログされる(ブロック840)。侵入後にシミュレーションを続行できるかどうかがチェックされる(ブロック845)。はいの場合、処理はブロック837に戻る。いいえの場合、処理はブロック870に移行し、CIB316は適切なシミュレーション時及び/またはシミュレーション後に受信、格納、及び/またはログされた情報をシミュレーションコンピュータサブシステムに送信する。
【0127】
ブロック835に戻って、ブロック835で侵入またはセキュリティ上の問題が検出されなかった場合(ブロック835での回答がいいえ)、またはセキュリティ上の問題がログされ(ブロック840)、シミュレーションを続行できる場合(ブロック845での回答がはい)、処理はシミュレーションが完了したかどうかの確認に進む(ブロック837)。完了した場合(ブロック837の回答がはい)、処理はブロック870(前述)に移行する。シミュレーションが完了していない場合(ブロック837の回答がいいえ)、任意に、CIB316に受信された、及び/または格納された該当する情報をシミュレーションコンピュータサブシステム318にアップロードするタイミングであるかどうか判断するべくチェックされる(ブロック850)。例えば、この判断は、所定の経過時間、1つ以上の所定のイベントが発生したかどうか、CIB316のストレージがいっぱいかどうか、シミュレーションが定期的にアップロードするように構成されているかどうか、格納されたデータを要求するメッセージが受信されたかどうかなどに、少なくとも部分的に基づいて、行うことができる。ブロック850での回答がいいえの場合、処理はシミュレーションの継続(ブロック855)に進み、ブロック805に戻って、システム処理は任意に更新をチェックしてから、シミュレーションが継続しているかどうかのチェック(ブロック810)に進む、などをする。ブロック850での回答がはいの場合、該当する受信及び/または格納された情報がシミュレーションコンピュータサブシステムに送信され(ブロック860)、その後必要に応じて、第2のコンピュータシステム303(
図3A)またはその他のデータベース(
図6、7)に送信またはプッシュできる。
【0128】
シミュレーションが完了したかどうかがチェックされる(ブロック865)。これは、シミュレーションのアクティビティが所定の期間一時停止した場合、電源がオフになった場合、時間が経過した場合、所定の条件が発生した場合など、様々な方法で判断できる。例えば、シミュレーションシナリオでは、所定の条件には次のようなものを含めることができる。
- ユーザ312がシミュレーションミッションを完了する、
- シミュレーションミッションが、ユーザ312の制御を介して、または他の何らかの信号、条件、及び/またはコマンドに応答して、変更または切り替わる、
- シミュレーションを終了する外部コマンドが受信される(これは、例えば、ミッションを実行しているインストラクター、ミッションを開始及び停止するコマンドを送信する権限を有する別のエンティティまたはアプリケーションなどから来る可能性がある)、
- ユーザ312がシミュレーションの終了を選択する、
- シミュレーションミッション中に、ミッション中のユーザのアクションの終了に対応するアクションが発生する(例えば、ユーザがシミュレーションミッション中に、「負傷」または「死亡」するか、特定のシミュレーションミッションに関連付けられた環境からから「脱出」または「離脱」するなど)。
【0129】
ブロック864での回答がいいえの場合、処理はブロック855に進む。ブロック865での回答がはいの場合、処理はブロック870に移行する。ブロック870では、シミュレーション情報、正常性情報などが必要に応じてログ及び格納され、適切なシミュレーション時及び/またはシミュレーション後の情報、及びその他いずれかの適切な受信及び/または格納及び記録及びログされた情報が、適時シミュレーションコンピュータサブシステムに送信される。
【0130】
本明細書に記載され、及び/または本明細書の
図3~
図7に示される実施形態のいずれかまたはすべては、現在存在する多くのシミュレーションシステム及びデバイス、ならびに将来開発されるものと組み合わせて、及び/またはそれらと連携するように適合させることができると考えられる。さらに、当業者は、本明細書に記載され、特許請求され、
図3A~
図7に示される実施形態が、同様に複数の共通に譲渡された米国特許出願及び特許、10,198,957(“Computer-Based Virtual Trainer”、8,662,892(“Universal Hands-On Trainer”)、7,507,089 (“Methods and apparatus to provide training against improvised explosive devices”)、7,927,102 (“Simulation devices and systems for rocket propelled grenades and other weapons”)、7,922,491 (“Methods and apparatus to provide training against improvised explosive devices”)、8,157,565 (“Military Training Device”)、9,011,151 (“System and method for simulating firing a gun”)、9,593,911(“Blank firing simulated firearm for use in combat training”)、9,767,615 (“Systems and methods for context based information delivery using augmented reality”)、10,508,913(“Environment recording system using virtual or augmented reality”)、及び10,788,889 (“Virtual reality locomotion without motion controllers”)を含むがこれらに限定されない共通に譲渡された米国特許に記載されている多くの異なるシステム、デバイス、及びテクノロジーと組み合わせる、及び/または適応させることができることを理解するであろう。これらの共通に譲渡された特許はそれぞれ参照により本明細書に組み込まれる。
【0131】
しかしながら、開示された実施形態は、記載されたシミュレーションシステム/プログラムの使用に限定されないことを理解されたい。本明細書に記載された実施形態は、多数の用途を有しており、本明細書に記載された例示的な用途に限定されない。このような参照及び例は、本明細書に開示された概念の説明の明確性を高めるための努力として行われることが認識されるべきである。そのような参照は、本明細書に記載された概念、システム、配置、及び技術の使用または適用を、これらのみとまたは任意の他のシステムと共に使用することに限定することを意図しておらず、またそのようなものとして解釈されるべきではない。
【0132】
図7は、一実施形態による、
図1~
図8のシステム及び方法の少なくとも一部で使用可能な例示的なコンピュータシステムのブロック図である。いくつかの実施形態では、
図7のコンピュータシステム900は、任意の1つまたは複数の第2のコンピュータシステム303のためのシミュレーションコンピュータサブシステム318として、また任意のシミュレーションサブシステム301及び/またはシミュレーションデバイス313の一部として使用可能であり得る。
図7を簡単に参照すると、これは少なくともいくつかの実施形態で使用可能なコンピュータシステム900のブロック図を示す。コンピュータシステム50はまた、本明細書に記載される方法、式及び/または計算のうちいずれかのすべてまたは一部を実装するために使用することもできる。
【0133】
図7に示されるように、コンピュータ900は、プロセッサ/CPU902、揮発性メモリ904(例えば、RAM)、不揮発性メモリ906(例えば、1つ以上のハードディスクドライブ(HDD)、フラッシュドライブなどの1つ以上のソリッドステートドライブ(SSD)、1つ以上のハイブリッド磁気ドライブ及びソリッドステートドライブ、及び/またはクラウドストレージなどの1つ以上の仮想ストレージボリュームの組み合わせ、または物理ストレージボリュームと仮想ストレージボリュームの組み合わせ)、グラフィカルユーザインターフェイス(GUI)910(例えば、タッチスクリーン、ディスプレイなど)及び入力及び/または出力(I/O)デバイス908(例えば、マウス、キーボードなど)を含み得る。不揮発性メモリ904は、例えば、ジャーナルデータ904a、メタデータ904b、及び事前に割り当てられたメモリリージョン904cを格納する。不揮発性メモリ906は、いくつかの実施形態では、オペレーティングシステム914、コンピュータ命令912、及びデータ916を含むことができる。いくつかの実施形態では、コンピュータ命令912は、ルーティングサブシステム912A、制御サブシステム912b、データサブシステム912c、及び書き込みキャッシュ912dを含む、いくつかのサブシステムを設けるよう構成される。特定の実施形態では、コンピュータ命令912は、プロセッサ/CPU902によって揮発性メモリ904から実行され、
図1~
図6に示されるシステム及びプロセスの少なくとも一部を実装及び/または実行する。プログラムコードはまた、入力デバイスまたはGUI910を使用して入力されたデータ、またはI/Oデバイス908から受信されたデータに適用されてもよい。
【0134】
図1~
図7のシステム、アーキテクチャ及びプロセスは、本明細書に記載及び図示されているハードウェア及びソフトウェアによる使用に限定されず、任意のコンピューティング環境または処理環境、ならびにコンピュータプログラムを実行することができ、及び/またはシミュレーションシステム(一部の実施形態では、STEの一部であるシミュレーションシステムを含む)を実装することができる任意の種類の機械または機械のセットで、適用性を見つけることができる。本明細書に記載のプロセスは、ハードウェア、ソフトウェア、及びその2つの組み合わせを実装し得る。本明細書で説明した方法を実行するための論理は、
図7で説明したシステムの一部として具体化され得る。本明細書に記載されるプロセス及びシステムは、記載される特定の実施形態に限定されず、またはこれらは、示される特定の処理順序に具体的に限定されない。むしろ、プロセスのブロックのいずれも、本明細書に記載された結果を達成するために、必要に応じて、並列または直列に並べ替え、結合または除去して実行することができる。
【0135】
プロセッサ902は、システムの機能を実行するために1つまたは複数のコンピュータプログラムを実行する1つまたは複数のプログラマブルプロセッサによって実装されてもよい。本明細書で使用される「プロセッサ」という用語は、機能、操作、または操作のシーケンスを実行する電子回路のことを指す。機能、操作、または操作のシーケンスは、電子回路にハードコード化されても、メモリデバイスに保持されている命令によってソフトコード化されてもよい。「プロセッサ」は、デジタルの値を使用するか、またはアナログ信号を使用して、機能、操作、または操作のシーケンスを実行することができる。いくつかの実施形態では、「プロセッサ」は、1つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)で具現化することができる。いくつかの実施形態では、「プロセッサ」は、関連するプログラムメモリを備えた1つ以上のマイクロプロセッサにおいて実施されてもよい。いくつかの実施形態では、「プロセッサ」は、1つ以上の個別の電子回路で具現化され得る。「プロセッサ」は、アナログ、デジタル、または混合信号であってもよい。いくつかの実施形態では、「プロセッサ」は、1つまたは複数の物理プロセッサとされ得、または1つまたは複数の「仮想」(例えば遠隔に配置されたプロセッサまたは「クラウド」)プロセッサとされ得る。
【0136】
回路要素の種々の機能はまた、ソフトウェアプログラムの処理ブロックとして実装されてもよい。そのようなソフトウェアは、例えば、1つ以上のデジタル信号プロセッサ、マイクロコントローラ、または汎用コンピュータにおいて使用されてもよい。説明した実施形態を、ハードウェア、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせ、ソフトウェア、または1つまたは複数の物理的または仮想的なプロセッサによって実行されるソフトウェアにおいて実装することができる。
【0137】
いくつかの実施形態は、かかる方法を実施するための方法及び装置の形態で実装することができる。既述の実施形態を、例えば記憶媒体に格納された、機械によりロード及び/または実行された、または何らかの伝送媒体またはキャリアを介して、例えば電気配線またはケーブルを介して、光ファイバを介して、または電磁放射を介して、伝送された、プログラムコードの形態で実装することもできる。非一時的機械読可読媒体は、有形の媒体、例えば、ハードドライブ、フロッピーディスク、及び磁気テープ媒体を含む磁気記録媒体、コンパクトディスク(CD)及びデジタル多用途ディスク(DVD)を含む光記録媒体、フラッシュメモリ、ハイブリッド磁気及びソリッドステートメモリなどのソリッドステートメモリ、不揮発性メモリ、揮発性メモリなどを含み得るが、これに限定されず、一時的信号自体は含まない。非一時的機械可読媒体に組み込まれ、プログラムコードがコンピュータなどの機械にロードされ、この機械によって実行されるとき、機械は方法を実施するための装置となっている。
【0138】
1つまたは複数の処理デバイスに実装されるとき、プログラムコードセグメントは、プロセッサと組み合わされて、特定の論理回路と同様に動作する固有のデバイスを提供する。かかる処理デバイスは例えば、汎用マイクロプロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、縮小命令セットコンピュータ(RISC)、複合命令セットコンピュータ(CISC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)、マイクロコントローラ、組み込みコントローラ、マルチコアプロセッサ及び/または他を含むことができ、上述したものの1つまたは複数の組み合わせを含む。既述の実施形態を、特許請求の範囲に記載された方法及び/または装置を用いて生成された、媒体を介して電気的または光学的に伝送される信号の値のビットストリームまたは他のシーケンス、磁気記録媒体に格納された磁場変動などの形態で実装することもできる。
【0139】
例えば、プログラムコードが
図7のコンピュータなどのような機械にロードされ、機械によって実行されると、機械は、既述の実施形態のうちの1つまたは複数を実施するための装置になる。1つまたは複数の汎用プロセッサに実装されるとき、プログラムコードは、そのようなプロセッサと組み合わされて、特定の論理回路と同様に動作する固有の装置を提供する。したがって、汎用のデジタルマシンを、専用のデジタルマシンに変換することができる。
図7は、図示のようにコンピュータ可読媒体920に具体化されたプログラムロジック924を示しており、ロジックは、本発明の予約サービスプロセスを実行し、それによってコンピュータプログラム製品922を形成するように構成されたコンピュータ実行可能コードでエンコードされている。ロジックは、プロセッサにロードされたメモリの同じロジックであってよい。プログラムのロジックは、ソフトウェアモジュールにおいて、モジュールとして、またはハードウェアモジュールとして具現化することもできる。プロセッサは、仮想プロセッサまたは物理プロセッサであってよい。ロジックは、ロジックを実行するために複数のプロセッサまたは仮想プロセッサに分散されていてよい。
【0140】
いくつかの実施形態では、記憶媒体は、物理または論理デバイスであってよい。いくつかの実施形態では、記憶媒体は、物理または論理デバイスからなり得る。いくつかの実施形態では、記憶媒体を、複数の物理デバイス及び/または論理デバイスにわたってマッピングすることができる。いくつかの実施形態では、記憶媒体は、仮想環境に存在し得る。いくつかの実施形態では、プロセッサを仮想または物理的な実施形態とすることができる。いくつかの実施形態では、ロジックを、1つまたは複数の物理的または仮想的なプロセッサを介して実行することができる。
【0141】
本実施形態を説明する目的で、開示された実施形態は、特定の構成で、特別な論理構成を使用して具現化されたものとして説明されているが、当業者は、本デバイスが、特定の構成に限定されず、本明細書に含まれる特許請求の範囲によってのみ限定されることを認識するであろう。さらに、本願から成熟させる特許が有効である間に、多くの関連する技術が開発されることが予想され、対応する用語の範囲は、先験的にすべてのそのような新規の技術すべてを含むことが意図される。
【0142】
「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する」という用語及びその複合体は、少なくとも「含むが、これらに限定されない」ということを意味する。本明細書で使用する場合、文脈上明らかに別段に示されている場合を除き、「a」、「an」及び「the」という単数形には、複数の言及物が含まれる。単一の実施形態の文脈で記載されている様々な要素は、別々に、または任意の適切な下位の組み合わせで提供されても良い。さらに、本明細書に記載及び図示されている部分の詳細、材料及び配置における様々な変更が、以下の特許請求の範囲から逸脱することなく当業者によって行われ得ることが理解されるであろう。
【0143】
本開示全体を通して、文脈とは反対の明確な指示がない場合、記載されたような個々の要素は、単数または複数であり得ると理解されるべきである。例えば、「回路(circuit)」及び「回路(circuitry)」なる語は、単一の構成要素または複数の構成要素のいずれかを含むことができ、これらは、能動及び/または受動のいずれかであり、記述された機能を提供するために接続されているか、あるいは共に結合されている。さらに、「信号」という用語は、1つもしくは複数の電流、1つもしくは複数の電圧、及び/またはデータ信号を指し得る。図中、同様または関連する要素は、同様または関連するアルファ、数字または英数字の指示子を有する。さらに、開示した実施形態を、1つまたは複数の集積回路チップを含むいくつかの構成要素を含む別個の構成要素を用いた実装の文脈で説明したが、代替的に、任意の構成要素または回路の機能を、処理されるべき信号周波数またはデータレート及び/または達成される機能に応じて、1つまたは複数の適切にプログラミングされたプロセッサを用いて実装し得る。
【0144】
同様に、さらに、本願の図面で、一部の事例では、複数のシステム要素を特定のシステム要素及び単一のシステム要素の例示として示すことができ、または、複数の特定のシステム要素の例示として示すことができる。複数の特定の要素を示すことは、本発明に従って実装されるシステムまたは方法がその要素の2つ以上を含まなければならないことを示唆することを意図しておらず、また、単一の要素を示すことによって、本発明がその各要素の1つだけを有する実施形態に限定されることも意図していないことを理解されたい。さらに、特定のシステム要素に対して示されている要素の総数は、制限を意図したものではなく、当業者であれば、特定のシステム要素の数を、場合によっては、特定のユーザの要求に適合するように選択できることを認識することができる。
【0145】
本明細書の実施形態を説明及び例示する際には、本文及び図面において、特定の用語(例えば、言語、語句、製品ブランド名など)を明確化のために使用することができる。これらの名称は単なる例であり、限定的ではない。本明細書に記載された実施形態は、そのように選択された特定の用語に限定されず、それぞれの特定の用語は、少なくともすべての文法的、逐語的、科学的、技術的、及び機能的な同等物、ならびに同様の目的を達成するために同様の方法で動作するあらゆるその他の同等物を含む。さらに、図面、図、及びテキストでは、特定の特徴、要素、回路、モジュール、テーブル、ソフトウェアモジュール、システムなどに、特定の名前を付けることができる。しかしながら、本明細書で使用されるそのような用語は、説明を目的とするものであって、限定するものではない。
【0146】
本明細書に含まれる実施形態を特定の詳細さの度合いで有利な形態で記載及び図示したが、本開示は単なる例として記載したに過ぎず、記載した実施形態の趣旨及び範囲から逸脱することなく、構成及び部品の組み合わせ及び配置の詳細について多くの変更を行いうることが理解される。特定の実施態様を参照して技術の少なくともいくつかの原理を説明及び図示したが、本明細書に記載された技術及び実施形態は、多くの他の異なる形態、及び多くの異なる環境で実装できることが認識されるであろう。本明細書に開示される技術及び実施形態は、他の技術と組み合わせて使用することができる。さらに、本明細書で引用されるすべての刊行物及び参考文献は、その全体が参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0147】
本願明細書において記載されている異なる実施形態の個々の要素は、具体的に上記に記載されていない他の実施形態を形成するために組み合わせることができることが理解されるべきである。単一の実施形態の文脈で記載されている様々な要素は、別々に、または任意の適切な下位の組み合わせで提供されても良い。本明細書に具体的に説明されていない他の実施形態も、以下の特許請求の範囲の範囲内であることが理解されるべきである。
【国際調査報告】