(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-23
(54)【発明の名称】エリアに分散された複数の分布源からギガワット規模エネルギーを収集、生成、及び伝送するためのシステム
(51)【国際特許分類】
H02J 3/38 20060101AFI20250116BHJP
H02J 15/00 20060101ALI20250116BHJP
H02J 3/46 20060101ALI20250116BHJP
H02J 3/04 20060101ALI20250116BHJP
C25B 1/04 20210101ALI20250116BHJP
C25B 9/00 20210101ALI20250116BHJP
【FI】
H02J3/38 120
H02J15/00 G
H02J3/46
H02J3/04
C25B1/04
C25B9/00 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024534482
(86)(22)【出願日】2022-03-04
(85)【翻訳文提出日】2024-06-21
(86)【国際出願番号】 IB2022051953
(87)【国際公開番号】W WO2023105300
(87)【国際公開日】2023-06-15
(32)【優先日】2021-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】524217492
【氏名又は名称】インターコンチネンタル エナジー ホールディングス グループ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100173565
【氏名又は名称】末松 亮太
(72)【発明者】
【氏名】プリースト,ワーナー・デニス
(72)【発明者】
【氏名】コルウィル,リチャード・ダグラス
(72)【発明者】
【氏名】タンコック,アレクサンダー・キース
【テーマコード(参考)】
4K021
5G066
【Fターム(参考)】
4K021AA01
4K021BA02
4K021CA05
4K021DB31
4K021DB36
4K021DB40
4K021DC03
4K021EA07
5G066AA09
5G066AE09
5G066HA15
5G066HB02
5G066HB06
5G066HB07
5G066HB08
5G066HB09
5G066JB03
(57)【要約】
ギガワット規模エネルギーを収集、生成、及び伝送するためのシステムが提供される。システムは、複数のノードを備える地理的に分散されたネットワークであって、各ノードが、水源と、再生可能エネルギー源であって、複数の風力タービンの風力タービンストリングと、ソーラー発電ストリングと、を備える、再生可能エネルギー源と、再生可能エネルギー源と電気連通しているノード型変電所と、を備える、地理的に分散されたネットワークを備える。ノード型変電所は、再生可能エネルギー源と電気連通している少なくとも1つの電解槽であって、水源からの水を再生可能エネルギー源からの電気で水素又は水素化合物に変換するように構成された、少なくとも1つの電解槽と、水素、又は水素化合物を、少なくとも1つの電解槽から各ノードを流体的に接続するパイプラインに圧縮するコンプレッサと、を備える。ノード型変電所は、負荷へのエネルギー伝達効率が従来の高電圧送電を上回るように、再生可能エネルギー源からの距離に位置決めされる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エリアに分散された複数の分布源からギガワット規模エネルギーを収集、生成、及び伝送するためのシステムであって、
複数のノードを備える地理的に分散されたネットワークであって、各ノードが、
水源と、
再生可能エネルギー源であって、
複数の風力タービンの風力タービンストリングと、
複数のソーラー発電スキッドのソーラー発電ストリングと、を備える、再生可能エネルギー源と、
前記再生可能エネルギー源と電気連通しているノード型変電所であって、
前記再生可能エネルギー源と電気連通している少なくとも1つの電解槽であって、前記水源からの水を前記再生可能エネルギー源からの電気で水素(H
2)又は水素化合物に変換するように構成された、少なくとも1つの電解槽と、
H
2、又は水素化合物を、前記少なくとも1つの電解槽から各ノードを流体的に接続するパイプラインに圧縮するコンプレッサと、を備え、
前記ノード型変電所が、前記再生可能エネルギー源からの距離に位置決めされ、前記距離が、
エネルギー効率
H2伝送>エネルギー効率
高電圧送電
であるように選択され、
ここで、エネルギー効率
H2伝送は、H
2又は水素化合物として前記ノード型変電所を介して前記再生可能エネルギー源から負荷にエネルギーを伝送する前記エネルギー効率であり、また、
エネルギー効率
高電圧送電は、高電圧送電を介して前記再生可能エネルギー源から前記負荷にエネルギーを伝送する前記エネルギー効率である、ノード型変電所と、
を備える、地理的に分散されたネットワークと、
前記複数のノードからH
2又は水素化合物を受け取るための前記パイプラインと流体連通する負荷と、
を備える、システム。
【請求項2】
各ノードの前記再生可能エネルギー源が、周囲を画定し、前記ノード型変電所が、前記周囲で画定される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
各ノードの前記再生可能エネルギー源が、電気連通している複数の風力タービンストリング及び複数のソーラー発電ストリングを備える、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記エリアが、少なくとも500km
2である、請求項1~3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
各ノードが、前記風力タービン及びソーラー発電ストリングから分布電圧レベルで再生可能源を収集し、前記ノードが、前記風力タービン及びソーラー発電ストリングから50km以内に位置決めされる、請求項1~4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記再生可能エネルギー源が、前記負荷と電気連通しており、前記ノードが、前記再生可能エネルギー源及び前記負荷と電気連通している少なくとも1つのステップアップ電力変圧器を備え、前記少なくとも1つの変圧器が、前記再生可能エネルギー源から前記負荷に伝送された電気の電圧を増加させるように構成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
ノードが、前記負荷から少なくとも50kmに位置決めされる、請求項1~6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記システムが、アイランド化されている、請求項1~7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
各ストリングが、前記ストリング内のスイッチギアの定格中電圧(MV)、高電圧(HV)、交流(AC)で最大電流搬送容量を搬送するように定格されている、請求項1~8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
各再生可能エネルギー源の比率が、エネルギーの最低平準化コスト(LCOE)を提供するように構成され、前記LCOEが、
{(金利抜き建設コスト*資本回収係数+固定O&Mコスト)/(8760*資本設備利用率)}+(燃料コスト*発熱率)+可変O&Mコスト
である、請求項1~9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
各ノードが、各ノードのスイッチギア及び変圧器の電流搬送容量制限に基づいて最大エネルギーを生成するように構成され、生成された前記エネルギーが中電圧及び/又は高電圧で収集され得る、請求項1~10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記再生可能エネルギー源が、各ノードの地理的エリアのエネルギー生成を最大化するように位置決めされる、請求項1~11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記ソーラー発電ストリングが、中電圧及び/又は高電圧での前記ソーラー発電ストリングのスイッチギアの電流搬送容量によって制限される最大数のソーラー発電スキッドを備える、ソーラー発電所である、請求項1~12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
各ソーラー発電ストリングが、前記風力タービンストリングの周囲内に画定される、請求項1~13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
前記風力タービンストリングが、中電圧及び/又は高電圧での前記風力タービンストリングのスイッチギアの電流搬送容量によって制限される最大数の風力タービンを備える、請求項1~14のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
各風力タービンが、隣接する風力タービン間の翼先端渦干渉を最小化するように位置決めされる、請求項1~15のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項17】
各風力タービンが、ウェイク干渉を最小化するように、隣接する風力タービンから位置決めされる、請求項1~16のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項18】
前記パイプラインが、高圧水素パイプラインである、請求項1~17のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項19】
前記負荷が、前記水素を使用するように構成され、好ましくは、前記負荷が、アンモニア、メタノール、又はメタン処理プラントのうちの少なくとも1つである、請求項1~18のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項20】
中電圧又は高電圧でのスイッチギアの電流搬送容量閾値内で、各電解槽を前記再生可能エネルギー源と選択的に電気連通するように構成されたコントローラを備える、請求項1~19のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項21】
前記少なくとも1つの電解槽が、前記スイッチギアの定格を表す閾値を有する前記スイッチギアで一緒に電気的に結合された第1の電解槽及び第2の電解槽を備え、前記コントローラが、前記閾値を超えたときに前記第1の電解槽を前記第2の電解槽から電気的に切断するように構成されている、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記再生可能エネルギー源によって生成されたエネルギーが前記負荷によって消費されたエネルギーよりも大きいときに、前記パイプライン内の圧力を増加させるように構成されたコントローラを備える、請求項1~19のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項23】
前記コントローラは、前記パイプライン内の圧力が最小閾値に達したときに、前記負荷によるH
2、又は水素化合物の需要を低減するように構成されている、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記最小閾値が、約50バール未満である、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記コントローラが、前記コンプレッサに、前記負荷によって消費されたH
2又は水素化合物の速度よりも低い速度で、H
2又は水素化合物を前記パイプラインに圧縮させるように構成されている、請求項20~23のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項26】
複数の集中型ソーラー発電所発電機を含む集中型ソーラー発電所(CSP)ストリングを備える、請求項1~25のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項27】
複数の波及び/又は潮汐発電機を含む波及び/又は潮汐発電機ストリングを備える、請求項1~26のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項28】
複数の地熱発電機を含む地熱発電ストリングを備える、請求項1~27のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項29】
ストリングサイズが、中電圧又は高電圧でのスイッチギアの電流搬送容量によって制限される、請求項1~28のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項30】
各ノードが、特高電圧(EHV)又は高電圧送電線、電源ケーブル、電力変圧器、及びスイッチギアと電気連通し、それらの最大電流搬送容量を定格して、前記負荷に電気を伝送する、請求項1~29のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項31】
前記コントローラが、前記負荷に伝送するために、前記再生可能エネルギー源によって生成された前記エネルギーの50%超を、前記少なくとも1つの電解槽によって、H
2、又は水素化合物に変換するように構成されている、請求項20~30のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項32】
前記ギガワット規模エネルギーが、少なくとも6GWである、請求項1~31のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項33】
エリアに分散された複数の分布源からギガワット規模エネルギーを収集、生成、及び伝送するためのシステムであって、
複数のノードを備える地理的に分散されたネットワークであって、各ノードが、
水源と、
再生可能エネルギー源と、
前記再生可能エネルギー源と電気連通しているノード型変電所であって、
前記再生可能エネルギー源と電気連通している少なくとも1つの電解槽であって、前記水源からの水を前記再生可能エネルギー源からの電気で水素(H
2)又は水素化合物に変換するように構成された、少なくとも1つの電解槽と、
H
2、又は水素化合物を、前記少なくとも1つの電解槽から各ノードを流体的に接続するパイプラインに圧縮するコンプレッサと、を備え、
前記ノード型変電所が、前記再生可能エネルギー源からの距離に位置決めされ、前記距離が、
エネルギー効率
H2伝送>エネルギー効率
高電圧送電
であるように選択され、
ここで、エネルギー効率
H2伝送は、H
2又は水素化合物として前記ノード型変電所を介して前記再生可能エネルギー源から負荷にエネルギーを伝送する前記エネルギー効率であり、
ここで、エネルギー効率
高電圧送電は、高電圧送電を介して前記再生可能エネルギー源から前記負荷にエネルギーを伝送する前記エネルギー効率である、ノード型変電所と、
を備える、地理的に分散されたネットワークと、
前記複数のノードからH
2又は水素化合物を受け取るための前記パイプラインと流体連通する負荷と、
を備える、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願及び優先権の主張の相互参照
本出願は、その全内容が、本明細書に参照によって援用される、2021年12月9日に出願された米国仮特許出願第63/287,841号に対する優先権を主張する。
【0002】
本開示は、概して、発電及び送電に関し、より具体的には、スケーラブルな地理的に分布された送電システムに関する。
【背景技術】
【0003】
送電に先立って、例えば20km~50kmの長距離にわたる電力の伝送には、様々なシステムが使用されていた。その中で主なものは、空気圧(加圧空気)及び油圧(加圧流体)伝送であった。
【0004】
空気圧伝送は、20世紀初頭にパリ及び他のいくつかのヨーロッパの都市で都市送電システムに使用された。19世紀の都市では、高圧給水管を使用した油圧伝送を使用して、工場のモータに電力を送達していた。例えば、ロンドンのシステムは、水を搬送する290kmのパイプネットワークで、55バールで5.2MWを送達した。これらのシステムは、最終的により安価で汎用性の高い電気システムに置き換えられ、19世紀の終わりまでに都市計画者及び金融家は、300km超離れた都市間を接続し得る送電システムを確立することの追加の利点、経済性、及びプロセスを実現した。
【0005】
初期の電力使用及び電力の広範な伝送には、2つの障害があった。第一に、異なる電圧を必要とするデバイスは、独自の別個の電力線を有する特殊な発電機を必要とした。街灯、工場の電動モータ、路面電車の電源、家庭の照明は、別々の電圧を必要とする多様なデバイスの例のうちのいくつかである。第二に、発電機は、低電圧での高い電気損失のため、負荷に比較的近い(低電圧デバイス接続の場合は最大1キロメートル)必要があった。電圧が高いほど長距離伝送が可能であることが知られていたため、電圧を単一のユニバーサル電力線電圧に変換することができれば、両方の問題を効率的に解決することができた。
【0006】
高電圧送電は、長距離の高出力送電の問題に取り組む初期の研究者にとって興味深いものであった。基本的な電気の原理から、電圧を2倍にし、その結果、電流を半分にすることによって、同量の電力をケーブル又は導体に伝達することができる。ジュールの法則により、導体の抵抗による熱による電力損失は、電圧に関係なく流れる電流の2乗に比例することも知られていたため、電圧を2倍にすることで、同じケーブルは同じ量の電力を4倍の距離で伝送することができる。
【0007】
中央発電所及びサービスに定期的な料金を支払う分布電力消費者に集中的に生成されたエネルギーを送達するネットワークに投資するというアイデアは、投資家にとっておなじみのビジネスモデルであった。それは、儲かるガスライト事業、又は過去の油圧及び空気圧送電システムと同じであった。唯一の違いは、送達される商品が「パイプライン」を通じたガス(分子)ではなく、当時エネルギーを送達するためのより柔軟な解決策となった「導体/ケーブル/架空線」を通じた電気(電子)であったことであった。エンドユーザにバルクエネルギーを提供する方法は、時間の経過とともに、分布パイプラインのネットワークを通じて供給されるガス(分子)から、分布パイプラインのネットワークを通じて供給されるガス(分子)と、分布ケーブル及び架空線のネットワークを通じて供給される電気(電子)の両方の組み合わせに移行した。しかし、エネルギー源は依然として、地殻から採掘するガス、石炭、及び/又は石油(分子)の初期のエネルギー貯蔵庫であった。
【0008】
現代の集中型発電所は、何百万年にもわたって作られてきた地殻から調達する大量のエネルギー貯蔵庫によって燃料を供給される可能性がある。化石燃料(貯蔵エネルギー)が採掘され、燃焼され、化学エネルギー状態から過熱蒸気としての熱エネルギー、次に機械エネルギーに変換され、次に、機械エネルギーを電気エネルギーに変換するオルタネータ(発電機)を駆動する。
【0009】
再生可能エネルギー生成の進歩並びに風力タービン及びソーラー発電モジュールからの発電におけるかなりのコスト削減により、化石燃料炭化水素への依存を減らすことができる。しかしながら、電気(電子)、すなわち、電子の流れは蓄積することができないため、電子のみに依存することは、世界的なエネルギー需要を満たすことができない可能性があり、むしろ、電子は、瞬時に使用されるか、又は蓄積されたエネルギーのいくつかの他の形態に変換される必要がある。更に、風力及びソーラーが発電する電力は可変であり、供給する負荷も可変である傾向がある(生成されるエネルギーは、消費者が必要とするエネルギーとは相関しないことがよくある)。このため、エネルギー消費者のニーズに24時間年中無休で対応するためには、大量の貯蔵エネルギーが必要である。少量のエネルギー貯蔵の場合、電気エネルギーはバッテリーに貯蔵された化学エネルギーに変換され得るが、これは、大規模(ギガワット)レベルの電力伝達及び貯蔵要件には実用的ではない可能性がある。
【0010】
再生可能エネルギー源、例えば、風力タービン及び/又はソーラー発電セル/スキッドから生成された電力は、長距離伝送のために高電圧/特高電圧の電気に変換される必要がある場合もある。しかしながら、DCからACに、又は直流又は低電圧から高電圧/特高電圧に変換し、負荷に好適な使用可能な電圧に戻すとき、変圧器においてかなりのエネルギー損失があり得る。
【0011】
再生可能エネルギー生成からの電気はまた、輸送のために水素に変換され得、例えば、洋上風力タービンでの電解槽は、風力タービンによって生成された電気を水素に変換するために使用されているが、この配置は、電力伝達の大規模(ギガワット規模)に対して効率的ではない場合がある。
【発明の概要】
【0012】
本開示は、再生可能エネルギーを捕捉し、それを水素エネルギー貯蔵庫に変換するための再生可能エネルギー生成の地理的に分散されたノード型ネットワークを提供する。風力、ソーラー、及び水力の分布エネルギー源は、集中型処理プラントにおける従来の石油及びガスの大量エネルギー源(ギガワットエネルギー規模)の典型的な規模で水素に変換され得る。しかしながら、従来の石油及びガスの大量エネルギー発電と同様の規模で大量の再生可能エネルギーを生成し、この電力を電気資産の広大なネットワーク(例えば、架空線、ケーブル、変圧器、及びスイッチギア)上で電力として送電/分配することの問題は、電気エネルギーを水素又は水素化合物に変換できる集中型プラントに伝送できるように、電気を特高電圧に変換する必要があることである。
【0013】
一態様では、本開示は、エリアに分散された複数の分布源からギガワット規模のエネルギーを収集、生成、及び伝送するシステムを説明する。システムは、複数のノードを備える地理的に分散されたネットワークであって、各ノードが、水源と、再生可能エネルギー源であって、複数の風力タービンの風力タービンストリングと、複数のソーラー発電スキッドのソーラー発電ストリングと、を備える、再生可能エネルギー源と、再生可能エネルギー源と電気連通しているノード型変電所と、を備える、地理的に分散されたネットワークを備える。ノード型変電所は、再生可能エネルギー源と電気連通している少なくとも1つの電解槽であって、水源からの水を再生可能エネルギー源からの電気で水素(H2)又は水素化合物に変換するように構成された、少なくとも1つの電解槽と、少なくとも1つの電解槽から各ノードを流体的に接続するパイプラインにH2又は水素化合物を圧縮するコンプレッサと、を備える。ノード型変電所は、再生可能エネルギー源からの距離に位置決めされ、距離は、
エネルギー効率H2伝送>エネルギー効率高電圧送電
のように選択され、ここで、エネルギー効率H2伝送は、H2又は水素化合物としてノード型変電所を介して再生可能エネルギー源から負荷にエネルギーを伝送するエネルギー効率であり、ここで、エネルギー効率高電圧送電は、高電圧送電を介して再生可能エネルギー源から負荷にエネルギーを伝送するエネルギー効率である。負荷は、複数のノードからH2又は水素化合物を受け取るためのパイプラインと流体連通している。
【0014】
一実施形態では、各ノードの再生可能エネルギー源は、周囲を画定し、ノード型変電所が、周囲で画定される。
【0015】
一実施形態では、各ノードの再生可能エネルギー源は、電気連通している複数の風力タービンストリング及び複数のソーラー発電ストリングを備える。
【0016】
一実施形態では、エリアは、少なくとも500km2である。
【0017】
一実施形態では、各ノードは、風力タービン及びソーラー発電ストリングから分布電圧レベルで再生可能源を収集し、ノードが、風力タービン及びソーラー発電ストリングから50km以内に位置決めされる。
【0018】
一実施形態では、再生可能エネルギー源が、負荷と電気連通しており、ノードが、再生可能エネルギー源及び負荷と電気連通している少なくとも1つのステップアップ電力変圧器を備え、少なくとも1つの変圧器が、再生可能エネルギー源から負荷に伝送された電気の電圧を増加させるように構成されている。
【0019】
一実施形態では、ノードは、負荷から少なくとも50km離れた位置に位置決めされる。
【0020】
一実施形態では、システムは、アイランド化されている。
【0021】
一実施形態では、各ストリングは、ストリング内のスイッチギアの定格中電圧(MV)、高電圧(HV)、交流(AC)で最大電流搬送容量を搬送するように定格され、好ましくは、各ストリングは、66kVで少なくとも1,250Aの電流搬送容量を有する。
【0022】
一実施形態では、各再生可能エネルギー源の比率は、エネルギーの最低平準化コスト(lowest levelized cost of energy、LCOE)を提供するように構成され、ここで、LCOEは、
{(金利抜き建設コスト*資本回収係数+固定O&Mコスト)/(8760*資本設備利用率)}+(燃料コスト*発熱率)+可変O&Mコスト
である。
【0023】
一実施形態では、各ノードは、各ノードのスイッチギア及び変圧器の電流搬送容量制限に基づいて最大エネルギーを生成するように構成され、好ましくは、生成されたエネルギーは、中電圧及び/又は高電圧で収集され得、より好ましくは、生成されたエネルギーは、1.2GW~1.3GWである。
【0024】
一実施形態では、再生可能エネルギー源は、各ノードの地理的エリアのエネルギー生成を最大化するように位置決めされる。
【0025】
一実施形態では、ソーラー発電ストリングは、中電圧及び/又は高電圧でのソーラー発電ストリングのスイッチギアの電流搬送容量によって制限される最大数のソーラー発電スキッドを備える、ソーラー発電所である。
【0026】
一実施形態では、各ソーラー発電ストリングは、風力タービンストリングの周囲内に画定される。
【0027】
一実施形態では、風力タービンストリングは、中電圧及び/又は高電圧での風力タービンストリングのスイッチギアの電流搬送容量によって制限される最大数の風力タービンを備える。
【0028】
一実施形態では、各風力タービンは、隣接する風力タービン間の翼先端渦干渉を最小化するように位置決めされ、好ましくは、各風力タービンは、少なくとも800m離れて位置決めされる。
【0029】
一実施形態では、各風力タービンは、ウェイク干渉を最小化するように、隣接する風力タービンから位置決めされる。
【0030】
一実施形態では、パイプラインは、高圧水素パイプラインである。
【0031】
一実施形態では、負荷は、水素を使用するように構成され、好ましくは、負荷は、アンモニア、メタノール、又はメタン処理プラントのうちの少なくとも1つである。
【0032】
一実施形態では、システムは、中電圧又は高電圧でのスイッチギアの電流搬送容量閾値内で、各電解槽を再生可能エネルギー源と選択的に電気連通するように構成されたコントローラを備える。少なくとも1つの電解槽は、スイッチギアの定格を表す閾値を有するスイッチギアで一緒に電気的に結合された第1の電解槽及び第2の電解槽を備え、コントローラは、閾値を超えたときに第1の電解槽を第2の電解槽から電気的に切断するように構成されている。
【0033】
一実施形態では、システムは、再生可能エネルギー源によって生成されたエネルギーが負荷によって消費されたエネルギーよりも大きいときに、パイプライン内の圧力を増加させるように構成されたコントローラを備える。
【0034】
一実施形態では、コントローラは、コンプレッサに、負荷によって消費されたH2又は水素化合物の速度よりも低い速度で、H2又は水素化合物をパイプラインに圧縮させるように構成されている。
【0035】
一実施形態では、コントローラは、パイプライン内の圧力が最小閾値に達したときに、負荷によるH2、又は水素化合物の需要を低減するように構成されている。最小閾値は、約50バール未満であり得る。
【0036】
一実施形態では、コントローラは、コンプレッサに、負荷によって消費されたH2又は水素化合物の速度よりも低い速度で、H2又は水素化合物をパイプラインに圧縮させるように構成されている。
【0037】
一実施形態では、コントローラは、負荷に伝送するために、再生可能エネルギー源によって生成されたエネルギーの50%超を、少なくとも1つの電解槽によって、H2、又は水素化合物に変換するように構成されている。
【0038】
一実施形態では、システムは、複数の集中型ソーラー発電所発電機を含む集中型ソーラー発電所(concentrated solar power plant、CSP)ストリングを備える。
【0039】
一実施形態では、システムは、複数の波及び/又は潮汐発電機を含む波及び/又は潮汐発電機ストリングを備える。
【0040】
一実施形態では、システムは、複数の地熱発電機を含む地熱発電ストリングを備える。
【0041】
一実施形態では、ストリングサイズは、中電圧又は高電圧でのスイッチギアの電流搬送容量によって制限される。
【0042】
一実施形態では、各ノードは、特高電圧(Extremely High Voltage、EHV)又は高電圧送電線、電源ケーブル、電力変圧器、及びスイッチギアと電気連通し、それらの最大電流搬送容量を定格して、負荷に電気を伝送する。
【0043】
一実施形態では、ギガワット規模のエネルギーは、少なくとも6GWである。
【0044】
実施形態は、上記の特徴の組み合わせを含み得る。
【0045】
別の態様では、本開示は、エリアに分散された複数の分布源からギガワット規模のエネルギーを収集、生成、及び伝送するシステムを説明する。システムは、複数のノードを備える地理的に分散されたネットワークであって、各ノードが、水源と、再生可能エネルギー源と、再生可能エネルギー源と電気連通しているノード型変電所と、を備える、地理的に分散されたネットワークを備える。ノード型変電所は、再生可能エネルギー源と電気連通している少なくとも1つの電解槽であって、水源からの水を再生可能エネルギー源からの電気で水素(H2)又は水素化合物に変換するように構成された、少なくとも1つの電解槽と、少なくとも1つの電解槽から各ノードを流体的に接続するパイプラインにH2又は水素化合物を圧縮するコンプレッサと、を備える。ノード型変電所は、再生可能エネルギー源からの距離に位置決めされ、距離は、
エネルギー効率H2伝送>エネルギー効率高電圧送電
であるように選択され、ここで、エネルギー効率H2伝送は、H2又は水素化合物としてノード型変電所を介して再生可能エネルギー源から負荷にエネルギーを伝送するエネルギー効率であり、ここで、エネルギー効率高電圧送電は、高電圧送電を介して再生可能エネルギー源から負荷にエネルギーを伝送するエネルギー効率である。負荷は、複数のノードからH2又は水素化合物を受け取るためのパイプラインと流体連通している。
【0046】
実施形態は、上記の特徴の組み合わせを含み得る。
【0047】
本出願の主題のこれら及び他の態様の更なる詳細は、以下に含まれる詳細な説明及び図面から明らかであろう。
【0048】
ここで、添付図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【
図1】複数の再生可能分布源からギガワット規模のエネルギーを収集、生成、及び伝送するための2つの例示的なシステムの概略図を示す。
【
図2】石炭源からギガワット規模のエネルギーを収集、生成、及び伝送するための例示的なシステムの概略図を示す。
【
図3】再生可能燃料処理プラントと電気連通し、流体連通しているノードを含む分散型水素生産のための例示的なシステムの図式的概観を示す。ノードは、風力タービンストリング、ソーラー発電ストリング、及びノード型変電所を備える。
【
図4】再生可能燃料処理プラントと電気連通しているのみの可変再生可能発電源を含む集中型水素生産のための例示的なシステムの図式的概観を示す。
【
図5】例示的なシステムの図式的概観を示す。電気エネルギーが各ノードで水素及び/又は水素化合物に変換される、再生可能燃料処理プラントと電気連通し、流体連通している3つの分散型水素生産の例示的なノードを含む。
【
図6】集中型電解水素生産プラントと電気連通している3つの例示的な分散型可変再生可能エネルギー生成ノードを含む、例示的なシステムの概略概観を示す。電気エネルギーは、再生可能燃料処理プラントで水素及び/又は水素化合物に変換される。
【
図7A】例示的な風力タービンストリング、及び関連付けられたスイッチギアの概略図を示す。
【
図7B】例示的な風力タービンストリング、及び関連付けられたスイッチギアの概略図を示す。
【
図7C】例示的なソーラー発電ストリング、及び関連付けられたスイッチギアの概略図を示す。
【
図8】
図8Aは、風力タービンストリング、ソーラー発電ストリング、電解槽、及びバスセクションブレーカ(複数可)及びバスカプラブレーカ(複数可)が開いている負荷の例示的な接続部を含む、例示的なノードの電気接続部の概略図を示す。
図8Bは、地理的エリアに分布された例示的なノードの中心の俯瞰平面図を示す。
【
図9】バスセクションブレーカ(複数可)が閉じられ、バスカプラブレーカ(複数可)が開いている、
図8Aのノードの概略図を示す。
【
図10】バスセクションブレーカが開き、バスカプラブレーカが閉じられている、
図8Aのノードの概略図を示す。
【
図11】
図11aは、
図3又は
図5の例示的なノードの概略図を示す。
図11bは、
図11aの例示的なノードの風力タービンストリング及びソーラー発電ストリングの例示的な地理的分布の俯瞰平面図を示す。
【
図12】それぞれの水素ノードに接続された、地理的に分散された風力タービンストリング及びソーラー発電スキッドストリングを含む、
図11bによる例示的なノードの俯瞰平面図を示し、これらの水素ノードは、次いで、パイプライン及び架空送電線によって、アンモニア及び海水淡水化プラントとして示される負荷に接続される。
【
図13】ソーラーアレイ内で中央に位置決めされたノード型変電所を伴い、略長方形の形状で位置決めされた4つのソーラー発電所を備える、そのソーラー発電ストリングを含む、例示的なノードの俯瞰平面図を示す。
【
図14】地理的エリアに分布された例示的なノードの俯瞰平面図を示す。
【
図15】
図14の例示的なノードを構成する機器の概略図を示す。
【
図16】ソーラー発電所のソーラーアレイ内で中央に位置決めされたノード型変電所を伴い、略長方形の形状で位置決めされた4つのソーラー発電所を備える、ソーラー発電ストリングを含む、例示的なノードの俯瞰平面図を示す。各ストリングは、1~n個のソーラーアレイクラスタを備え得る。
【
図17】ソーラーアレイの対向する側縁部に位置決めされたノード型変電所を伴い、略長方形の形状で位置決めされた4つのソーラー発電所を備える、ソーラー発電ストリングを含む、例示的なノードの俯瞰平面図を示す。
【
図18】ソーラーアレイの対向する側縁部に位置決めされたノード型変電所を伴い、略長方形の形状で位置決めされた4つのソーラー発電所を備える、ソーラー発電ストリングを含む、例示的なノードの俯瞰平面図を示す。
【
図19】ソーラーアレイの各角の周囲に位置決めされたノード型変電所を伴い、略長方形の形状で位置決めされた4つのソーラー発電所を備える、ソーラー発電ストリングを含む、例示的なノードの俯瞰平面図を示す。
【
図20】各ソーラーアレイの各対向する角に位置決めされたノード型変電所を伴うラインに位置決めされた4つのソーラー発電所を備える、ソーラー発電ストリングを含む、例示的なノードの俯瞰平面図を示す。
【
図21】複数の分布源からギガワット規模のエネルギーを収集、生成、及び伝送するためのコントローラシステムのためのシステムの概略図を示す。
【
図22】
図21の例示的なシステムの簡略化された概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0050】
本開示は、複数の分布源からギガワット規模のエネルギーを生成し、伝送するためのシステムを提示する。システムは、高電圧又は特高電圧線を使用して電力としてエネルギーを伝達する従来の手段と比較して、風力及びソーラー源からエネルギーを捕捉し、そのエネルギーを水素に変換するために機能する地理的に分布されたノードのネットワークを含み、これをエネルギー貯蔵及び効率的なエネルギー伝送に使用する。
【0051】
システムは、生成された可変再生可能エネルギーがノード内で変換され、次いで、電気(電子)及び/又は分子(水素又は水素化合物)として特定の最終使用需要にサービスを提供するため伝送し、分布される、大規模な地理的に分散されたエリアにわたってスケーラブルな再生可能に生成されたエネルギーを提供し得る。
【0052】
一態様では、本開示は、複数の分布源からギガワット規模のエネルギーを生成し、伝送するためのシステムを提示する。システムは、複数のノードを備える地理的に分散されたネットワークであって、各ノードが、水源と、再生可能エネルギー源であって、複数の風力タービンの風力タービンストリングと、複数のソーラー発電スキッドのソーラー発電ストリングと、を備える、再生可能エネルギー源と、再生可能エネルギー源と電気連通しているノード型変電所と、を備え得る、地理的に分散されたネットワークを備える。ノード型変電所は、再生可能エネルギー源と電気連通している少なくとも1つの電解槽であって、水源からの水を再生可能エネルギー源からの電気で水素(H2)又は水素化合物に変換するように構成された、少なくとも1つの電解槽と、少なくとも1つの電解槽から各ノードを流体的に接続するパイプラインにH2を圧縮するコンプレッサと、を備え得る。ノード型変電所は、再生可能エネルギー源からの距離に位置決めされ、距離は、
エネルギー効率H2伝送>エネルギー効率高電圧送電
であるように選択され、ここで、エネルギー効率H2伝送は、H2としてノード型変電所を介して再生可能エネルギー源から負荷にエネルギーを伝送するエネルギー効率であり、ここで、エネルギー効率高電圧送電は、高電圧送電を介して再生可能エネルギー源から負荷にエネルギーを伝送するエネルギー効率であり、負荷は、複数のノードからH2を受け取るためのパイプラインと流体連通している。
【0053】
「最大化」、「最小化」、及び「最適化」などの用語が本開示で使用され得るが、そのような用語は、最大、最小、又は最適に厳密に限定されない改善、調整、及び改良を指すために使用され得ることを理解されたい。
【0054】
「接続された」又は「結合された」という用語は、直接結合(互いに結合された2つの要素が互いに接触する)及び間接結合(少なくとも1つの追加の要素が2つの要素の間に位置する)の両方を含み得る。
【0055】
本明細書で使用される「実質的に」という用語は、それが関連する基本的な機能における変化をもたらすことなく許容可能に変化し得る任意の定量的な表現を修正するために適用され得る。例えば、円形の横断面を有する本明細書に開示される駆動シャフトは、その回転駆動能力が実質的に変更されない場合、本発明の範囲内である程度非円形の断面を有し得る。
【0056】
本明細書で使用される「ストリング」という用語は、相互接続された中電圧又は高電圧の再生可能エネルギー生成源のグループ、及び関連付けられたノード型変電所を指し得る。
【0057】
本明細書で使用される「ギガワット規模エネルギー」という用語は、2.5GW~250GWを超えるピーク発電容量を有するギガワット規模を指すために使用され得る。
【0058】
「アイランド化された」は、本明細書において、それ自体のエネルギー生成源を有する電気系統に接続されていない、又はそれ自体のエネルギー生成源を有する別の系統若しくは系統の一部とは独立して切断し、通常動作する能力を有するシステムを指すように使用される。
【0059】
「負荷」という用語は、本明細書において、H2又は水素化合物をより大きな化合物又は電気に変換する処理プラント又は発電所を指すように使用される。負荷の例は、以下を含む:グリーンスチール、アンモニア、メタノール、メタン処理プラント又はガスタービン/ガスエンジン/燃料セル。
【0060】
「電気負荷」という用語は、本明細書において、電気を使用する処理プラント又は負荷を指すように使用される。負荷の例は、以下を含む:グリーンスチール処理プラント、アンモニア処理プラント、メタノール処理プラント、メタン処理プラント、海水淡水化処理プラント、電解槽プラント、町及び/又は都市。
【0061】
「水素化合物」という用語は、本明細書において、水素原子及び1つ以上の他の原子を指すように使用され、例えば、水(H2O)は水素化合物であり、アンモニア(NH3)は水素化合物であり、30を超える水素化合物が存在する。
【0062】
「電解槽」という用語は、本明細書において、水素又は水素化合物を生産する電解槽(複数可)を指すように使用される。例示的な電解槽には、アルカリ電解槽、プロトン交換膜(Proton Exchange Membrane、PEM)電解槽、固体酸化物電解槽(Solid Oxide Electrolyzer、SOEC)、アニオン交換膜(Anion exchange membrane、AEM)電解及び他の任意の形態の水電解が含まれる。
【0063】
「地理的に分散されたネットワーク」という用語は、本明細書において、地理的エリア、例えば、600km2~50,000km2にわたって広がる複数のノードを指すように使用される。
【0064】
「ノード」又は「ノード(複数)」は、水から水素及び酸素を生産するために電解槽(複数可)、又は電解試薬からの水素化合物、及び高圧でコンプレッサ(複数可)及びパイプライン(複数可)を介して負荷に伝達される電気と電気連通する、地理的に分布された再生可能エネルギー源のアレイを指すように使用される。任意選択的に、ノードは、他のノードと電気連通するより高い電圧で、スイッチギア、電力変圧器、架空線、及び/又は電源ケーブルを介して負荷に電気を伝達し得る。各ノードは、パイプラインと流体的に接続され、「地理的に分散されたネットワーク」を形成する。
【0065】
「ノード型変電所」は、本明細書において、ストリング、電解槽、変圧器、電源ケーブル、架空線、及び電気を必要とする他の補助的な負荷と電気連通している、中電圧及び/又は高電圧のスイッチギアを備える、中電圧又は高電圧の変電所を指すために使用される。
【0066】
「再生可能エネルギー源」又は「再生可能エネルギー生成源」とは、ソーラー発電、風力発電、集中型発電、波力発電、潮汐発電、地熱発電などの天然資源を使用して生産され、人間の時間規模の限られた時間内に自然再生又は他の繰り返しのプロセスによって常に置き換えられるエネルギー源を意味する。
【0067】
「スイッチギア」という用語は、低電圧、中電圧、高電圧、及び特高電圧で電気機器を制御し、保護し、絶縁するために使用される電気切断スイッチ、ヒューズ、又は回路ブレーカで構成される一次回路を指すように使用される。
【0068】
「中電圧」(MV)という用語は、本明細書において、電気が1kVと36kVの間で伝送され、かつ/又は分布されるAC(交流)電気通信電圧を指すように使用される。
【0069】
「高電圧」(HV)という用語は、本明細書において、電気が36kVと230kVの間で伝送され、かつ/又は分布されるAC(交流)電気通信電圧を指すように使用される。
【0070】
「特高電圧」(EHV)という用語は、本明細書において、電気が245kVを超えて、例えば、245kVと1,200kVの間で伝送され、かつ/又は分布されるAC(交流)電気通信電圧を指すように使用される。
【0071】
様々な実施形態の態様が、図面を参照することによって説明される。
【0072】
図1は、複数の分布源からギガワット規模のエネルギーを生成し、伝送するための例示的なシステム100を示す。システム100は、可変再生可能エネルギー生成、貯蔵及び供給システムを大規模なエネルギー消費者に提供し得る。システム100は、
図2に示される例に示される従来技術のエネルギー生成及び伝送システム200とは異なり得、
図2に示される例に示される従来技術のエネルギー生成及び伝送システム200は、炭化水素燃料源202(炭鉱及び炭貯蔵所/港/ターミナルとして示される)によって供給され、隣接する伝送変電所203、特高圧電力変圧器204、及び架空線205に電力を提供し、複数の分布された電気負荷206を供給する、集中型発電システム201(石炭火力発電プラントとして示される)を有し、本質的に、以下の通りである。
分布燃料(石炭、石油、ガス、又は木材)->集中型発電->ユーザ
【0073】
図2に示されるような従来技術のエネルギー生成及び伝送システムの伝送/分布の課題は、電気が長距離にわたって伝送されるとき、経路に沿って固有のエネルギー損失が存在することである。高電圧伝送は、ある場所から次の場所に電力が流れるときに失われる電力量を最小化する。電圧が高いほど電流が低く、したがって導体の抵抗損失が低くなる。より低い電流では、高電圧電気が流れるより少ない銅及び/又はアルミニウム導体を必要とするため、高電圧伝送に関連する経済的利益も提供され得る。これは、薄くて軽量の導体を長距離伝送に使用できることを意味し、伝送タワーは、より低い電圧、より高い電流エネルギー伝送に関連付けられたより重い導体をサポートするために設計される必要はない。これらの考慮事項は、いくつかの場合、長距離にわたる高電圧電力伝送を、最終的なエネルギー消費が電力としてあり、電力を伝送するために必要な電力変圧器、スイッチギア、及び架空線のコストが、電力が伝送され、分布される比例した距離によって経済的に正当化される、高電力エネルギー伝送のための最も経済的な解決策にする。しかしながら、水素が最終的なエネルギー使用である、同じ非常に高価な電力変圧器、スイッチギア、及び架空線を必要とする、短い距離にわたる多くの分布源から生成された電力の高出力エネルギー伝達は、比例して伝送される短い距離に必要な電気エネルギー伝達及び変換コストの割合が、非常に高価である。
【0074】
石炭及び原子力発電所などの以前の集中型エネルギー発電所は、平均して約6GW~約8GWの発電容量を有し、この電力を数100~1000キロメートルにわたって負荷センターに、国及び/又は国間の分布負荷センターに接続された分散型電気ネットワークに伝送し得る。これらの集中型エネルギー発電所に依存するエネルギー貯蔵からエネルギー使用へのエネルギー旅は、地殻の下に貯蔵されたエネルギーの採掘から始まる可能性がある(上記の例は石炭である)。ここでは、この資源の大部分が生の分子形態で集中型石炭火力発電所に輸送され、そこで電気エネルギーに変換され、特高電圧で送電線を介して分散型電力ネットワークに伝送され、最終的に我々の負荷センター/都市に接続される。石炭、ガス、水力、及び原子力からのこの集中型発電及び基本負荷発電は、非常に小さなネットワークから今日のスーパーGWエネルギーネットワークに反復的に成長した。
【0075】
最近では、風力タービン及びソーラー発電などの可変再生可能エネルギー源が、非再生可能エネルギー源に依存する代替手段を提供するために実装されている。これらの再生可能エネルギー源は、既存の電気伝送ネットワーク及びインフラストラクチャに統合される可能性があるが、これは電力線の損失及びエネルギーの浪費をもたらす可能性がある。可変再生可能エネルギーへの移行は、エネルギーの生成、貯蔵、及び負荷センター/都市への送達方法を変更する機会を提供する。残念ながら、風力及びソーラーのエネルギーの可能性は巨大であるが、それは天候に依存する可変資源であり、我々の負荷センター及び都市が一年中24時間年中無休で有しているエネルギー需要を満たすために、貯蔵エネルギーで確保する必要がある。大量の水素は水(例えば、海水)の資源として利用可能であり、化石燃料の重要な代替品である。しかしながら、水素分子を酸素分子から分解するには、豊富で安価なエネルギーが必要である。風力発電及びソーラー発電は、現在最も効率的である可能性があり、風力発電及びソーラー発電の設置コストは、今後数十年で更に削減されると予想される。したがって、本開示のいくつかの態様では、可変再生可能エネルギー源からのエネルギーを、負荷によって後で使用するために、大規模に生成し、貯蔵し得る。
【0076】
世界中の特定の地域には、海に隣接する広大な遠隔地の砂漠エリアに優れた風力及びソーラー資源を有する可能性がある。これらのエリアは、ピーク発電容量が1.2GW~150GWを超えるエリアで600km2~50,000km2を超える範囲をカバーしており、サイト全体の多くの分布エネルギー「ノード」を通じて、可変再生可能エネルギーを収集し、水(例えば、淡水化された海水)を電解して、大規模に酸素から水素を分離するために使用することができる。遠隔地及び広大な場所で可変再生可能エネルギー源から大量の電力を生成する場合、一年中の需要を満たすために一定の確固たるエネルギーを必要とする中心部/都市に負荷をかけるために、このエネルギーの輸送及び貯蔵が非効率的である可能性があるという課題が提示されている。
【0077】
ノードでの電気接続及び水素生産
本開示は、水素及び/又は水素化合物を生産するために使用される分布風力及びソーラー発電が、分布再生可能エネルギー「ノード」を使用して、石油及びガスギガワット規模でバルク分子伝達101を介して効率的かつ経済的に収集され、伝送され得る方法の実施形態を詳細に説明する。ノードを備える本明細書において説明される各システムは、アイランド化され得る。以下は、いくつかの具体的な例示的な実施形態であるが、広範な概念は、任意のサイトにカスタマイズすることができ、それによって、低コストのグリーン水素生産のためのテンプレートを提供する。
【0078】
図3は、上流プラント300内の風力及びソーラー発電源を備える再生可能エネルギー生成源の例示的な地理的に分布されたネットワークの簡略化された概略図を示しており、これは、可変ソーラー及び風力エネルギーを捕捉し、次いで、非常に大規模な高電圧電気エネルギーに変換される。上流プラントは、
図11Bに関して以下に説明するように地理的に分布される複数のノード301を備える。次に、再生可能エネルギー生成源からの電気エネルギーを風力及びソーラー資産から中流のノード型変電所(複数可)に供給し、そこで可変高電圧電気エネルギーの一部分(例えば、20%未満又はより好ましくは10%未満)を、負荷302、例えば、アンモニアプラントなどの水素分子及び/又は水素化合物を使用する集中型下流施設への電気伝送及び分布のために特高電圧(EHV)に変換する。電気伝送は、約6~8%のライン損失であり得る架空伝送線(overhead transmission line、OHL)を介して行われ得る。各ノード301は、一連の再生可能エネルギー生成源に関連付けられる。生成された可変高電圧電気エネルギーの大部分(例えば、20%を超える、又はより好ましくは80%を超える)は、負荷302への主な入力が水素、すなわち、アンモニア、メタノール、又はメタン生産である負荷302への高圧パイプラインのネットワークを介して、水素ガス又は水素の化合物としてのバルクエネルギーのより効率的な伝送及び分布のために、水及び電解槽を使用して、水素分子又は水素化合物に変換され得る。例では、架空線及びH
2ガスパイプラインを介した22GWのエネルギー伝達が、集中型下流再生可能燃料処理プラントに提供される。この例では、パイプライン内のガスの伝送は、高圧線を介した電気の形態でのエネルギー伝送よりも費用対効果が高く、エネルギー効率が高い場合があるため、パイプラインを介して伝送されるエネルギーは、高圧パイプライン内の水素/水素化合物のライン充填によってエネルギー貯蔵及びエネルギー安定のためのガスケータリングとして機能する。ライン充填は、上流の可変再生可能発電を下流の需要から切り離す可能性がある。一例では、パイプラインは、長さが100~300kmであり、75~100バールで水素を貯蔵/輸送し、総エネルギー損失は1%未満であり得る。負荷302は、パイプラインを補完するためにH
2バッファストレージを含み得る。
【0079】
生成された電気エネルギーの大部分が高圧で水素ガスに変換され、次いで、パイプラインで下流の再生可能燃料処理施設(本明細書では負荷とも称される)に伝送される分布ノード概念は、下流の施設の主な需要が水素又は水素化合物である多数の地理的に分散された再生可能エネルギーノードからバルク可変再生可能エネルギーを伝送するエネルギー効率が高く、費用対効果の高い方法である。
【0080】
各ノードは、例えば、100バール以上の複合パイプラインを介して相互接続され得、著しい量の水素の貯蔵を可能にする。パイプラインは、「ライン充填」と称されるパイプライン固有の水素貯蔵容量のために、下流の再生可能燃料処理施設によって必要とされる可変再生可能エネルギーの90%を効果的に分離すると同時に、数百キロメートルにわたる繊維強化ポリマー(Fibre Reinforced Polymer、FRP)パイプラインにおける水素分子としてのエネルギーのより効率的な伝送を促進する。そうでなければ、不安定な電気エネルギーだけでは同じエネルギー伝達には費用対効果がない。地理的エリアにわたるノードでの再生可能エネルギーの生成及び生産が変化すると、下流の再生可能燃料処理プラントは、パイプラインに貯蔵された水素を最小許容圧力まで引き下げ、下流の再生可能燃料処理プラント、例えば、アンモニアプラントは、ノードでの再生可能エネルギー生成が低減されるとき、例えば、最大8時間以上の期間、低減された容量で動作し続け得る。
【0081】
図3の例を続けると、バルク可変再生可能エネルギーは、それぞれ、各々の分散型の地理的に分散されたノード301の中流にあるノード型変電所及び電解槽(複数可)からの負荷302に、架空送電線を介した電子及びFRPガスパイプラインを介した水素(又は水素化合物)として転送され得る。各ノード型変電所及び/又は電解槽は、風力/ソーラー可変再生可能エネルギー生成源内又はそれに隣接して地理的に画定され得る。2.5GWを超えるエネルギーのバルク伝達は、負荷302によって必要とされるエネルギーの大部分が水素分子及び/又は水素化合物(複数可)であるガスパイプライン内の加圧ガスとして最も効率的に伝達される。水素ガス、及び/又は水素化合物(複数可)としてのこの化学エネルギーの透過は、約1%未満の損失で実質的により効率的であろう。
【0082】
一例では、ノード301のノード型変電所及び/又は電解槽トレーンからの風力タービンのストリングとソーラー発電スキッドとの間の距離は、3~50kmであり得る。電気は、約1.5%~2.5%の損失で、66kVでこれらの距離にわたって効率的に伝送され得る。しかしながら、ノード301内の高電圧(HV)66kVから500kV、765kV以上の特高電圧(EHV)へのステップアップ電力変圧器を使用して、ノード301でこのエネルギーを変換する代わりに、電気エネルギーは、各ノード301の電解槽(複数可)を使用して、水素又は水素化合物に変換され得る。
【0083】
水素は、水素分子が、各ノード301にネットワーク化された水道管のネットワークを通じて、複数のノード301の各々にポンピングされる水(H
2O)中の酸素分子から分離される、電解によって電気から生産され得る。全てのノード301に水をポンピングするために必要なエネルギーは、ピーク再生可能発電の約0.025%未満で無視できてよい。各電解槽は、変圧器のように作用し得、ノード301内で、電気及び水は、高圧パイプラインで負荷302にバルクエネルギー伝送のために水素ガスに変換され、高電圧から特高電圧の電気に電気を変換し、このバルクエネルギーを、以下で説明される
図4の例のように、架空線を介する電気として負荷に伝送するのではない。
【0084】
水素及び水の両方が加圧され、特別な非金属パイプラインを介してポンピングされ得る。一例では、パイプラインは、プラスチック樹脂、繊維ガラス、炭素繊維、玄武岩繊維及びアラミド繊維(Kevlar129)の組み合わせを含む複合強化ポリマー材料で作製され得、例えば、100バールで定格された複数の24インチパイプラインは、75バール~100バールの圧力で、約1%未満のエネルギー損失で約200トンの水素/時間(すなわち、約6.6GWhのエネルギー/時間)を輸送する。パイプラインは、それらが元素にさらされず、それらが金属で作られていないため、錆びず、水素金属脆性に悩まされず、同じ軽減を使用するいかなる架空線もパイプラインに迷走電流及び/又は電圧を誘導しないように、地下に埋められ得る。上記の例(複数可)の変形は可能であり、本開示の範囲内である。例えば、パイプライン直径は、24インチよりも大きくても小さくあり得、かつ/又は100バールを超える圧力で、上で言及されるよりも多くの並列パイプライン走行が存在し得る。
【0085】
負荷302、例えば、ほとんどの処理プラントと同様に、アンモニアプラントなどの再生可能燃料処理プラントは、24時間年中無休最適に動作するために安定した、かつしっかりしたエネルギー供給を必要とするが、上流で生成される風力及びソーラーPVの電気エネルギーの可変性質のために、任意の下流処理プラント負荷の場合のように、アンモニアプラントの必要な一定の動作を維持するために大量のエネルギーを貯蔵しなければならない。
【0086】
図3では、水素パイプラインは、最小限のエネルギー損失を伴う大量のエネルギーの効率的なトランスミッタであることと、一般的に「ライン充填」と称される水素貯蔵媒体として機能することの両方の二重の目的を提供している。例えば、10インチのFRPパイプラインの約3500km内の100バールで貯蔵される水素の量、並びに24インチの繊維ガラス、玄武岩繊維、アラミド繊維及び炭素繊維強化パイプラインの約1100km内で貯蔵される水素の量は、約150万kg以下であり、これは約50GWh以下の貯蔵エネルギーである。
【0087】
パイプライン内の水素ガスライン充填は、負荷、例えば、アンモニア処理プラントが、その総エネルギーの約93%が水素分子であるという要求を有し得るため、可変再生可能発電を負荷から効果的に分離し得る。ハーバー・ボッシュプロセスに基づくアンモニアの生産のために水素を生産するために必要なエネルギーの約7%のみが電力として必要であり、これは総エネルギー需要のごくわずかな割合であり、今日の市場で入手可能な標準的な市販の変圧器、スイッチギア、及び架空送電線を使用して簡単に伝送することができる。この例は、具体的にはアンモニア処理プラントの水素需要を指すが、同じ原理は、最終製品が水素又は水素化合物を入力需要として使用する任意の負荷、水素ガス火力発電所、グリーンスチール処理プラント、国家水素ガス伝送/分布系統、又は国家/地域電力エネルギー系統に適用される。
【0088】
図4は、大規模なエネルギーを生成し、伝送するための例示的な代替アプローチを示しており、上流プラント400内の風力及びソーラーを含む再生可能エネルギー発電資産の地理的に分布されたネットワークは、可変ソーラー及び風力エネルギーを捕捉し、その後、変圧器によって全て特高電圧(EHV)の電気エネルギーに変換され、その全ての電気エネルギーは、集中型下流施設402に電気エネルギーとして伝送され、この特高電圧(EHV)の電気エネルギーの90%超が、下流施設402で水を使用して水素又は水素化合物を生産するために電解槽に供給される前のいくつかのステップを通じて低電圧に変換される。この例では、22GWのエネルギーは、架空線を介して集中型下流電解槽/再生可能燃料処理プラントに伝達される。
図4に示されるアプローチの概要は、
図1のシステム150に示されている。再生可能エネルギー源からの電気は、変圧器によって、下流プラントへのバルク電子伝達151のためにEHV電気エネルギーに変換される。
図4の例示の例では、架空線(OHL)は、約8~12%の送電線損失を伴う500~765kVのACでの100~300kmの電気の伝送であり得る。バルク可変再生可能エネルギーは、電解が負荷に中央に隣接して位置する集中型下流施設402、すなわち、集中型下流施設402を介して電子として転送される。これは、需要が6GW未満であり、ポンプ式水力発電などの安定した生成源からの電力負荷に供給する実行可能な方法であり得、高電圧交流(HVAC)電気伝送は、AC電圧及び距離に応じて約8%から12%の損失を有し、一方、高電圧直流(HVDC)電気伝送では、約3%の損失が予想される。しかしながら、
図4に示されるエネルギー伝達の例示的な方法は、水素又は水素化合物を利用する処理プラントへの大量のエネルギーの生成及び伝送のための
図3に示されるアプローチと比較して、非効率的かつ高価であり得る。特に、代替アプローチは、以下を含む多くの課題を提示する:
・5km超300km未満の距離にわたる6GWを超えるAC電気エネルギーの伝送は非常に非効率的であり、電源から下流プラントへの電気損失は10%超であり得、
・800km未満の距離にわたる6GWを超えるDC電気エネルギーの伝送は、非常に高価であり、これは、非常に高価なAC-DCコンバータステーションの要件のためである。
・風力及びソーラーなどの可変再生可能エネルギー源からの電気エネルギーは、負荷(アンモニア、メタノール、メタンプラントなど)に供給する前に確保する必要があり、これは、非効率的かつ高価であり得る。
・可変電気エネルギーを確保するには、エネルギーを別の状態、すなわち、熱、機械、重力、又は化学エネルギーに変換する必要があり、電気(電子)をそれらの固有の状態で貯蔵することはできない。
【0089】
図4では、地理的に広いエリアにわたって広がる可変再生可能エネルギー発電からの大量のエネルギーの伝送には、複数の特高電圧(EHV)変電所、ステップアップ及びステップダウン電力変圧器、架空送電線及び電力ケーブルを含むかなりの量の電気伝送機器を必要とし得る。このエネルギーを伝達するための大量の銅、アルミニウム、及び鋼は高価であり、ライン損失のために非効率的であり得る。GW規模で電力を変換するには、これまで製造された中で最大かつ最も重い電力変圧器のうちのいくつかが必要となり、これらの非常に大規模で重く、高価で機密性の高い資産を輸送するために利用可能な港湾、鉄道、道路施設がほとんどない遠隔地域で開発されているプロジェクトに物流上の問題が生じる。
【0090】
図4の例を続けると、複数の特高電圧及び高電圧(HV)架空線も、サイクロン気象、落雷、森林火災などの要素にさらされる可能性があるため、伝送及び分布インフラストラクチャの冗長性レベルが高く、プロジェクトの電気インフラストラクチャの先行投資コストが更に増加する必要がある。上流の風力タービン及びソーラー発電スキッドの低電圧で発電された電力のGWを500kV~765kV以上の特高電圧に変換し、数百キロメートル離れた下流の電解槽/再生可能エネルギープラントで低電圧(例えば、約690V)に戻すと、全ての電気伝送エネルギーの8%と12%との間の実質的なエネルギー損失が生じる。対照的に、
図3に示されるシステムは、エネルギーが水素ガス分子として、又はパイプライン内の水素化合物として伝送されるため、1%未満の損失であり得る。電気エネルギー損失は、変圧器損失、熱損失、コロナ損失、及び/又は相互結合損失の結果として、電気が全ての電気一次回路を通って生成源から負荷先に伝達される場合がある。
【0091】
図5は、上流の可変再生可能風力及びソーラー資源501から高電圧電気エネルギーを収集し、集中型アンモニア、メタノール、メタン処理プラントなどの下流負荷504にノード500から水素ガス503(すなわち、化学エネルギー)を伝送する前に、この高電圧(HV)電気エネルギーのバルク(90%超)を各ノード500の電解槽への入力として水及び電気を使用して水素に変換する、中流内の3つの1.2GW~1.3GWの分散型電解ノード500を備える、例示的なシステム510を示す。可変再生可能風力及びソーラー資源501は、以下に詳細に説明される風力タービンストリング及びソーラー電池ストリングを備える。ノード500は各々、上で説明されるノード300と同じであり得、各々が、上で説明される同じ特徴及び利点であり得る。
【0092】
一例では、システム510の可変再生可能エネルギー源によって生成されたエネルギーの10%未満が、特高電圧電気502として、下流の負荷504、例えば、集中型アンモニア、メタノール、メタン処理プラントに伝送される。例を続けると、システム510の可変再生可能エネルギー源によって生成されたエネルギーの90%は、電解槽(複数可)によって水素に変換され、パイプライン503内の圧縮水素の伝送に関連付けられたエネルギー損失は、約1%未満である。(エネルギー需要の10%未満を表す)電気ネットワーク502を介した特高電圧電気の伝送に関連付けられたエネルギー損失は、10%を超え得る。
図5に従って伝送される全てのエネルギーの総エネルギー損失は、約5%未満であり得る。
図6は、中流から下流負荷604、例えば、アンモニア、メタノール、メタン処理プラントに隣接して近接する入力として水素を生産するための集中型電解槽プラントに電気を伝送する前に、上流の可変再生可能風力及びソーラー資源601から高電圧電気エネルギーを収集し、全ての高電圧(HV)電気エネルギーを特高電圧電気エネルギー602に変換する、中流内の3つの1.2GW~1.3GWの分散型特高電圧発電システム600の例を示す。
図4に示される例は、
図4に示されるシステム400を組み込み得る。処理プラントを含む下流負荷604で、全ての水素、ひいてはアンモニア、メタノール、メタンを生産するために電気ネットワークを介した全ての特高電圧電気の伝送に関連付けられたエネルギー損失の伝送に関連付けられたエネルギー損失は、10%を超え得る。エネルギーを伝達するための電気インフラストラクチャコストと、プラントへの供給を確保するために必要とされる、必要とされる水素/エネルギー貯蔵のコストは、
図5に示すシステムと比較して法外である。
【0093】
石油及びガス規模での広大な再生可能風力及び/又はソーラーエネルギー(又は他の再生可能エネルギー資源)の収集は、再生可能エネルギー源が利用可能なOEM(オリジナル機器メーカー)風力タービン及びソーラー発電インバータスキッドの可能な限り最高の定格電圧/電流で電気的に接続するスイッチギアの定格によって制限される可能性がある。この制限は、3,150A~4,000Aのバスバー定格で、66kVであり得る。洋上風力タービンは、66kVのACの最大定格電圧を有するように設計され得、一方、ソーラー発電スキッドは、ソーラー発電スキッドが66kV又はそれ以上の風力タービンと同じ定格を有するための技術的又は商業的障害がないように、33kVの最大定格電圧を有し得る。そこに説明されているスイッチギアの定格及び電圧は、上記の例に限定されず、66kVを超え得る。
【0094】
図3の例示のシステム又は
図5の例示的なシステム510のような、本開示による例示的なシステムは、2.5GW以上のギガワット規模のエネルギーを提供し得る。一実施形態では、本開示による例示的なノード型システムは、6GW以上のギガワット規模のエネルギーを提供し得、これは、
図4に示される例示的なシステムのような集中型生成システムを上回るエネルギー効率を提供し得る。エネルギー効率は、地理的エリア及び下流のエネルギー需要が主に水素又は電気であるかどうかなどの要因に依存し得る。再生可能エネルギー源が大規模な地理的エリアに分布されている場合、本開示によるシステムは、集中型システムよりも改善されたエネルギー効率を有し得る。一実施形態では、本開示によるシステムの再生可能エネルギー源は、少なくとも500km
2にわたって分布され得る。別の実施形態では、エリアは、少なくとも1000km
2、又は少なくとも2000km
2、又は少なくとも6000km
2である。より大きな地理的エリアにわたって本開示に従ってノード型システムを分布させることは、エネルギー生産を増加させるために再生可能エネルギー源を分布させるためのより利用可能なエリアを提供し、従来の集中型システムと比較して本明細書において説明されるノード型システムをより効率的にする。下流負荷に電気のみが必要とされる状況では、HVDC又はHVAC送電線が使用され得るため、従来の集中型システムが好ましい場合がある。しかしながら、水素又は水素化合物が負荷によって必要とされる場合、分散型ノード型システム、例えば、
図3に関して以下に説明されるシステムは、より効率的であり得る。一例では、負荷需要の80%超が水素又は水素化合物である場合、パイプラインを介した水素又は水素化合物の伝送は、HVDC又はHVACを介した電気として、負荷エネルギー要件の80%及び20%を提供し得る。
【0095】
図7Aは、各々がリングメインユニット(Ring Main Unit、RMU)702aを通じて電源ケーブル703に接続された10台の10MWの風力タービン701を備える例示的な100MWの風力発電ストリング700aを示しており、例えば、次に各RMUを第1の電源ケーブルに結合し、中流ノード型変電所708を各風力タービンに結合する66kVの電源ケーブルである。ノード型変電所708は、
図8aに関して以下で考察する例示的なノード型変電所であり得る。各風力タービン及び/又はソーラー発電セルは、ノード型変電所704に分布電圧レベルで電気を提供し得る。ストリング700aは、風力タービン701へのバックアップ電力のための短期エネルギー貯蔵庫704を備え得る。ストリング700aはまた、接続部710を介して、
図8aに示される例示的なノードなど、本開示によるノードのノード型変電所と電気連通し得る。ノードは、水素及び/又は水素化合物を生成するための少なくとも1つの電解槽を有するノード型変電所を含み得る。
【0096】
図7Bは、各々が架空線(OHL)705、例えば、66kV架空線に接続され、本開示によるノード、例えば、
図8aに示される例示的なノードのノード型変電所708を、OHL又は電気エネルギーを伝送する他の手段であり得る接続部710を介して示される10台の風力タービンの各々に結合する10台の10MWの風力タービン700を備える100MWの風力タービンストリング700bの例である。ノードは、水素及び/又は水素化合物を生成するための少なくとも1つの電解槽を有するノード型変電所を含み得る。風力タービン700間のOHL接続部はまた、接続部710を介して
図7AのRMU702aに結合され得る。
図7Aのストリング700aと同様に、ストリング700bは、風力タービンストリング700bへのバックアップ電力のための短期間のエネルギー貯蔵庫704を備え得る。
【0097】
図7Cは、それぞれがリングメインユニット(RMU)を通じて電力ケーブル、例えば、66kVの電力ケーブルに接続された10台の10MWのソーラー発電スキッド706を備える例示的な100MWのソーラー発電ストリング700cであり、各RMU702cを次に接続する。接続部710は、各RMU702cを、本開示によるノードのノード型変電所708、例えば、
図8a.に示される例示的なノード、及び
図7a及び
図7bに示されるストリング700aのRMU702a、及び/又はストリング700bのOHL705に結合し得る。ノードは、水素及び/又は水素化合物を生成するための少なくとも1つの電解槽を有するノード型変電所を含み得る。
【0098】
風力タービン及びソーラー発電スキッドの各グループは、
図7A~
図7Cではストリングと称される。例では、100MWの風力タービンストリング(複数可)及び100MWのソーラー発電ストリングは、各々、ノード型変電所のノード内で一緒に電気的に結合され得る、市販の66kVリングメインユニット(RMU)によって接続された66kVでの最大電流収容容量1,250Aを有し得る。他の例では、各ストリングの定格は、より高い又はより低い電圧及び電流に対応することができる。
【0099】
各ノード内で、ソーラー発電に対する風力発電の比率は、サイト固有であり得、
図7A~
図7Cのストリングがノード型変電所で結合されている例では、比率は2:1であり、ソーラー発電に対する風力発電の量は2倍である。しかしながら、比率は変化することができ、本明細書において説明されるシステムのエネルギー/水素の最低平準化されたコストを達成するように最適化される。一例では、エネルギーの最低平準化コスト(LCOE)は、次に基づいて判定され得る。
{(金利抜き建設コスト*資本回収係数+固定O&Mコスト)/(8760*資本設備利用率)}+(燃料コスト*発熱率)+可変O&Mコスト
【0100】
図8Aは、(66kV)風力発電ストリングWT及び(66kV)ソーラー発電ストリングPVを備える例示的なノード800の電気接続部の概略図を示している。
図8Bは、例示的なノード800の俯瞰平面図を示す。より具体的には、
図8Aに示されるようなノード800は、8つの100MWの風力タービンストリングWT、4つの100MWのソーラー発電ストリングPVに接続される。ノード800は、4つの150MW電解槽トレーン801、及び負荷802へのHV又はEHV接続部、例えば、負荷802への220kVでのEHV接続部を備える。(66kV)スイッチギアは、2つの220/66kV/66kVステップアップ電力変圧器803を介して、「H」構成で、220kVスイッチギアに、バスバーB-1、B-2、B-3、及びB-4を介して、ノード内の全ての風、ソーラーストリング、電解槽トレーン、及び補助負荷に接続し得る。220kV及び66kVの両方の配電盤は、全てのバスセクションとバスカプラブレーカが開いている最大発電及び需要時の通常動作モードを描示する。
【0101】
図8Aに示す例では、ストリングWT、PVからの風力及びソーラー発電エネルギーは、ピーク発電の100MWに定格された8つの風力タービンストリング及び4つのソーラー発電ストリングからのものであり、各ストリングWT、PVは、ノード805で、バスバーB-1、B-2、B-3、及びB-4の4つのゾーンに分割された66kV配電盤に接続され得、各配電盤は、66kVで3,150Aの最大バスバー定格電流を有する。バスバーB-1、B-2、B-3、及びB-4によって画定された各ゾーンは、例えば、3,150Aで定格されたバスセクション及び/又はバスカプラ回路ブレーカを通じて他のバスバーゾーンに接続されている。これらのブレーカは、一度に一緒に接続されたときにバスバーゾーンを流れる電流がバスバー定格(例えば、3,150A)を超えないように連動されている。互いに接続された2つのバスバーが、例えば、3,150Aの最大結合バスバー電流定格を超え始める(すなわち、接続された2つのバスバーの各々で1,575Aを超える)場合、それらは、バスバーのそれぞれのバスカプラ又はバスセクションサーキットブレーカを開くことによって、互いに自動的に切断されるか、又は一緒に接続された4つのバスバーが、3,150Aの例示的な最大結合バスバー電流定格を超える(すなわち、接続された4つのバスバーの各々で787Aを超える)場合、各バスバーは、
図8aに示されるように、全てのバスセクション及びバスカプラブレーカが開いている状態で、互いに自動的に切断される。この原則は、本開示に従った任意のOEMスイッチギアの定格に適用される。隣接する(66kV)スイッチギアバスバーゾーン上の電流が、(66kV)スイッチギアバスバーゾーンのうちの2つ以上がバスバー電流定格の公称定格を超えることなく接続することを可能にするレベルに低下する場合、バスカプラブレーカ及び/又はバスセクションブレーカのうちの2つ以上が自動的に閉じる。
図8aに示す例では、バスバーの定格が3150Aに制限されているため、66kVバスセクション及びバスカプラブレーカは開いており、両方のバスバーが接続されている場合、変圧器フィーダブレーカの1つが開くか、又はトリップすると、バスバーのうちの1つが過負荷になるリスクがある。本明細書の例で使用される電圧、ワット数、電流、及び風力タービンストリング、ソーラーPVストリング、電解槽、スイッチギア、及び他の補助機器の数は、例示的なものであり、本開示によるノードの設計を最適化するために変化し得る。
【0102】
図9は、
図8aに示されるノード800を示すが、バスバーB-1とB-2との間のバスセクションブレーカ806は閉じており、他の全てのバスセクション及びバスカプラブレーカは開いている。
図9の例では、バスバーB-1及びB-2上のソーラー発電ストリングPVによって生成されたエネルギーは、雲量により制約されており、バスバーB-1及びB-2上の風力タービンストリングWTによって生成されたエネルギーが低減されている。バスバーB-1とB-2との間のバスセクションブレーカの閉鎖は、66kVバスバー1及び2の定格電流を超えることなく、バスバー1及び2上の電解槽トレーン(例えば、150MW電解槽)に送達されるエネルギーを合理化/最適化するために自律的であり得る。負荷802に220kVネットワークにB-1及びB-2から下流を伝送するために利用可能な電力がない場合がある。
【0103】
図9の例では、ストリングWTによって送達される66kVバスバーB-2の電力は、それに接続されたPVが半分未満に低下し、バスバーB-1及びB-2に接続された電解槽トレーン801の連続動作を最適化するために、66kVバスセクションブレーカ806は自動的に閉じられる。バスバーを接続する自律スイッチングは、任意の一度に利用可能な再生可能生成のためにそれらの利用を最大化し得る、全ての電解槽トレーン801へのエネルギー供給のバランスをとり得る。
【0104】
負荷へのHV接続部802、例えば、下流アンモニアプラントは、約50MWの各ノード800からの電気需要を有し得、これを超える追加の容量は、HV接続部802から負荷への別個の他の下流国内ユーザに伝送され得る。各ノード800は、220kVのHV伝送ネットワークを介して約300MWの電力を伝送することができ得る。一例では、バスバーB-3、B-4からの追加のエネルギー、例えば、318MWは、コンプレッサ及びエネルギー貯蔵などの局所的なノード補助負荷、及び/又はバスバーB-2とB-4との間のバスカプラを介したバスバーB-1及びB-2への追加の供給に使用することができる。
【0105】
図10は、
図8~
図9に示される同じ配電盤であるが、この例では、バスバーB-1とB-3との間のバスカプラブレーカ807は両方とも閉じられており、他の全てのバスセクション及びバスカプラブレーカは開いている。これは、バスバーB-1及びB-3上のソーラー発電によって生成されたエネルギーが雲量のために制約され、バスバーB-1及びB-3上の風によって生成されたエネルギーが減少したためである。バスバーB-1とB-3の間のバスカプラブレーカの閉鎖は自律的であり、66kVバスバーB-1及びB-3の電流定格を超えることなく、バスバーB-1及びB-3の電解槽トレーン801に送達されるエネルギーを合理化する。
【0106】
図10に示されるように、ノード800は、バスバーB-1及びB-3を分離するバスカプラ回路ブレーカが両方とも閉位置にあり、バスバーB-1及びB-3の各々に接続された例示的な電解槽801(例えば、150MWの電解槽)の各々に供給するために生成される利用可能なエネルギーを最適化する配電盤構成を示す。
図10に示される例を続けると、66kVのバスバーB-3に接続された発電エネルギーは、その公称発電容量の半分未満に低下する。バスバーゾーンB-1及びB-3の両方に接続された電解槽トレーン801の連続動作を最適化し、最大化するために、バスバーゾーンB-1及びB-3の間の(66kV)バスカプラ回路ブレーカは、両方とも自動的に閉じられ得る。2つのバスバーを接続する自律スイッチングは、任意の一度に利用可能な再生可能生成のためにそれらの利用を最大化する、全ての電解槽トレーン801へのエネルギー供給のバランスをとり得る。一例では、ノード800の場合、電流が閾値、例えば、公称発電容量の4分の1を下回ると、4つのゾーンB-1、B-2、B-3、及びB-4の全てが、次いで、全てのバスセクション及びバスカプラを閉じることによって接続し得る。この自律連動動作は、スイッチギアベイそれぞれの保護リレー/ベイコントローラ及び包括的なエネルギー管理システムによって管理され得る。上記の例は、3,150アンペアの最大電流収容容量を有する66kVの定格のスイッチギアに適用され得るが、本開示のスイッチギアは、より低い電圧及び電流の範囲又はより高い電圧及び電流(例えば、33kV/2500A~132kV/5,000A)の範囲などの任意の好適なスイッチギアの定格に適用され得る。
【0107】
図10に示されるように、66kvのバスカップルブレーカは、バスバーB-1とB-3との間で閉じられ、接続された電解槽負荷への両方のバスバーにわたる局所供給を共有し、これらからバスバーへの負荷802への220kVネットワークを介して下流に伝送するための利用可能な電力はない。負荷802、例えば、下流アンモニアプラントは、約50MWの各ノード800からの電気需要を有し、これを超える追加の容量は、負荷802の一部ではない他の下流国内ユーザに伝送され得る。各ノード800は、(220kV)高電圧伝送ネットワークを介して約300MWの電気エネルギーを伝送することができ得る。バスバーB-2及びB-4は、318MWの追加エネルギーを提供することができ、これは、コンプレッサ及びエネルギー貯蔵などの局所ノード補助負荷及び/又はバスバーB-1及びB-2、又はB-3及びB-4の間のバスセクションを介したバスバーB-1及びB-3への追加供給に使用することができる。
【0108】
図11aは、
図5に関して上で説明される同じシステムであり得る、本開示によるノードを備える例示的なシステム1000を示す。
【0109】
図11Bは、
図11aに示されるシステム1000のノードの例示的な概観を示している。ノード型変電所1500は、1.2GW~1.3GWを提供し、電力ケーブルネットワーク1300、例えば、66kV高電圧ラインを介して、8つの100MW風力タービンストリング1100及び4つの100MWソーラー発電スキッドストリング1200に接続されるように構成され得る。この例では、風力タービンストリング1100は、約4.6km離れている場合があり、ストリング1100内の各風力タービンは、隣接する風力タービンから約800m離れている場合がある。各風力タービンの位置決めは、例に限定されず、風力タービンが設置されている場所に基づいて最適化され得る。風力タービンストリング1100は、架空線及び電力ケーブルを含み得る電力ケーブルネットワーク1300を介してノード1000に接続された10MWの風力タービンを含み得る。ソーラー発電スキッドストリング1200は、ソーラー発電インバータスキッドリングメインユニット及び電力ケーブルネットワーク(例えば、66KV)を介してノードに接続された10MWのソーラー発電モジュールを備え得る。この例では、ソーラー発電スキッドストリング1200は、長さが約4km、幅が約2kmであり得る。ソーラー発電スキッドストリング1200の縁部は、隣接する風力タービンストリング1100に平行であり得、ソーラー発電スキッドストリング1200及びそのソーラー発電モジュール上の風力タービンからの影を防ぐために、約1.3km離れて位置決めされ得る。
【0110】
図11a及び
図11bに示す例では、ノード型変電所1500は、ノード1500の中心に位置する220/66kVの変電所内の66kVスイッチギアで終端し得る8本の66kV高電圧架空線及び/又は電力ケーブルネットワーク1300の電力ケーブルを介して80台の10MW風力タービンに接続される。示されるように、ノード型変電所1500は、例えば、ノード1500の中心に位置する220/66kV変電所内の66kVスイッチギア上で終端する66kV高電圧電力ケーブルを介して接続された10MWに定格される10個のソーラー発電スキッドを各々有する、例えば、4つの100MWソーラー発電ストリングによって囲まれ得る。ストリング内の風力タービン及びソーラー発電スキッドの量は、1つの例示的なシステム1000から別の例示的なシステム1000へのスイッチギアの高電圧及び電流搬送容量に応じて変化し得る。
【0111】
一実施形態では、各ノードの再生可能エネルギー源、例えば、ソーラー発電スキッドストリング1200及び風力タービンストリング1100は、
図11bで一般的に点描線として示される周囲1001を画定し得る。ノード型変電所1500は、
図11bに示されるように、周囲1001内に画定され得る。各ノードの再生可能エネルギー源によって画定される周囲内又は周囲上のノード型変電所の他の例示的な位置が、
図13、
図16~
図20に示される。
【0112】
図12は、約6,000km
2のエリアに分散された本開示による18個のノード2500を備える例示的なシステム2000の俯瞰平面図を示す。各ノード2500は、1.2GW~1.3GWの公称ピーク発電容量を有し得、完全な地理的に分散された風力タービンストリング2100及びソーラー発電スキッドストリング2200について合計約22GWである。
【0113】
複数のノード2500は、任意の所望のエネルギー生成を達成するために拡張又は縮小され得る地理的エリアをカバーし得る。
図12に示す例では、約6,000km
2のエリアをカバーする18個のノード2500がある。各ノード2500は、約0.85の力率で、合計約22GWの1.2GW~1.3GWに定格され得る。ノード2500の数は、利用可能な地理的土地エリアのサイズ及び形状に依存し得る。各ノード2500は、
図11bに示されるノードの特徴を備え得る。
図12の示される例では、風力タービンの各列は、風力タービンの列間のウェイク効果が最小化されるように約4.6km離れている場合があり、各列内では、各風力タービンは、列内の隣接する風力タービン間の翼先端渦が互いに干渉しないように約800m離れている。
【0114】
生成されたエネルギーの大部分が水素に変換され得る各ノード2500の中心は、400MWのソーラー発電スキッドストリング2200によって囲まれ得、約4.6km以上離れている場合がある風力タービン列の間を中心とする2km以下であり得、その結果、風力タービンは、毎日の開始及び終了時にソーラー発電所にわたって影を引き起こさない。風力タービンストリング2100及びソーラー発電スキッドストリング2200の図示の配置は、この例に固有であり、風力タービン列と隣接する風力タービンとの間の距離は、風力、ソーラー資源、及び地理的制約に基づいて、サイト場所の間で変化し得る。
【0115】
各ソーラー発電スキッドストリング2200は、例えば、ソーラー発電モジュールの影が最小化されるような方法で、66kV架空線及び/又は66kV電力ケーブルの組み合わせを介して、ノード2500に接続された風力タービンストリング2100及びソーラー発電スキッドストリング2200への電気的インターフェースを備えた約4kmの長さであり得る。この配置は、風力タービン列間の距離が、影に起因してソーラー発電所の幅及び長さを変化させる、すなわち、ソーラー発電スキッドストリングが、風力タービン列が4km離れていた場合よりも長い幅を有し得る、この例に固有であり得る。
【0116】
図12に示される例では、負荷2802、例えば、下流アンモニアプラントは、アンモニアを電気として合成するために必要なエネルギーの約10%未満、例えば、8~10%を使用することができ、これは、特高電圧の架空線などの電力ケーブルネットワーク2300を介してノード2500から伝送され得る。アンモニアを生産するために必要なエネルギーの90%は水素の生産によるものであり、これらは全て例示的な1.2GWノード2500で生成される。水素は、高圧水素ガスパイプライン(複数可)2900を介してノード2500から下流負荷2802に伝送される。
【0117】
上記の設計原則は、システムごとに異なり得、サイト固有の地理及び制約に対して構成することができるが、本明細書において説明されるノード概念に基づいている。
【0118】
図13は、ソーラー発電所の中央にノード型変電所1350を備えた400MW~500MWソーラー発電所の例の俯瞰平面図を示す。ノード型変電所1350の位置は、ソーラー発電所の中心に限定されない。
図16~
図20は、長方形として地理的に構成されたソーラー発電所に対するノード型変電所の他の例示的な位置を示す。
図16は、集中型ノード型変電所を備えたソーラー発電所又は集中ソーラープラントA、B、C、及びDを示している。各ソーラー発電所は、複数のソーラーアレイ/クラスタ1~nを含み得る。
図17は、ソーラー発電所A~Dの対向する周辺縁部に位置決めされたノード型変電所1350を有するソーラー発電所又は集中ソーラープラントA、B、C、及びDを示す。
図18は、ソーラープラントの短い側面の対向する周辺縁部に位置決めされたノード型変電所1350を有するソーラー発電所又は集中ソーラープラントA、B、C、及びDを示す。
図19は、ソーラー発電所A~Dの各対向する周辺縁部に位置決めされたノード型変電所1350を有するソーラー発電所又は集中ソーラープラントA、B、C、及びDを示す。
図20は、互いに横方向に隣接して位置決めされたソーラー発電所又は集中ソーラープラントA、B、C、及びDを示す。各ソーラー発電所は、ソーラー発電所又はソーラープラントの有辺縁部に位置決めされたノード型変電所を有する。ノード型変電所1350は、
図8a~
図10に関して上で説明される変電所のように、ノード型変電所1350の中心に220/66kV変電所及び150MW電解槽トレーンを備え得る。
図13及び
図16~
図20に示される例の実施形態では、ソーラー発電所は、400MW~500MWを提供し、各ソーラー発電所A、B、C及びDは、ソーラー発電所を構成する100MWのソーラーアレイを備える。各ソーラー発電所は、電力ケーブル1335を介してノード型変電所1350と電気連通し得、電力ケーブル1335は、ソーラーアレイによって出現した電気を遠隔にわたってノード型変電所1350に伝送する。発電点からノード型変電所1350まで電力ケーブル1335を介して電力が移動する地理的距離が長くなればなるほど、各ソーラーアレイから電力を伝達することに関連付けられたライン損失が比例して増加し得る。ノード型変電所1350は、ソーラー発電所A、B、C、及びDを備えるソーラー発電ストリングからのライン損失を最小化するように位置決めされ得る。ノード型変電所1350は、
図12に示されるノードの配置などの他のノードと電気連通し得る。同様に、ノード型変電所1350は、パイプライン1390を介して負荷及び他のノードと流体連通することができる。例えば、ノード型変電所1350は、
図12に示されるシステム2000におけるノード2500のノード型変電所であり得る。
図14は、例示的なノード型変電所1400の俯瞰平面図を示す。ノード型変電所1400は、4つの160MW電解槽トレーンを備えた1.2GW~1.3GWを提供し得る。
図14は、4つの電解槽トレーン1480、220/66kV変電所、バッテリーストレージ、燃料セル、コンプレッサステーション、及びプラントの他の電気的バランス(electrical balance of plant、EBoP)及び機械的バランス(mechanical balance of plant、MBoP)を含む、例示的なノード型変電所1400の追加の詳細を示す。例示的なノード型変電所1400は、
図8bに示されるノード800の変電所又は本明細書において説明される他のノードの例示的なものであり得る。ノードのレイアウト及びサイズは、
図14の例示の実施形態に限定されない。各ノード型変電所は、以下の要素を含み得、これらはまた、例示的なノード型変電所1400の概略図を示す
図14に示されている。
・66kVガス絶縁配電盤
・132kV又は275kVガス絶縁スイッチギア
・6.6kVガス絶縁配電盤
・150MVA 66kV/132kV又は66kV/275kV巻線ステップアップ電力変圧器
・20MVA 66kV/6.6kV巻線電力変圧器
・20MVA 66kV/6.6kV巻線電力変圧器-(コンプレッサステーション)
・50MVA 66kV/6.6kV巻線電力変圧器-(同期コンデンサ)
・1.5MVA 66kV/0.415kV巻線補助変圧器(変電所補助負荷)
・70MVAr同期コンデンサ+フライホイール
・10MW 66kV/0.69kV巻線電力変圧器-(電解槽負荷)
・各電解槽トレーンにわたる20MW電解槽モジュール
・690V空気絶縁低電圧スイッチギア
・20MWAC/DCコンバータのグループ
・0.5MVA 66kV/0.415kV巻線補助変圧器-(電解槽トレーン)
・5.5MW 3段式水素コンプレッサステーション
・水素ガスターミナルスキッド
・3MW/1MWhバッテリーストレージソリューション
・1MW水素燃料セルプラント
・電解槽冷却水プラント-(冷却ファン/吸収冷却器)
・浄水プラント-(脱塩/紫外線/ろ過)
・75KW水ポンプステーション
・3トン200バール水素バッファ貯蔵タンク。
・脱酸素水素乾燥プラント
・水素乾燥ベッドタンク
・100トン脱塩水貯蔵タンク
・リジェクト水蒸発池
・電解槽トレーン建物
・66kV/132kV又は275kV変電所
・メイン1及びメイン2バックアップ110V DCバッテリーストレージ
・メイン1及びメイン2バックアップ48V DCバッテリーストレージ
・メイン1及びメイン2バックアップ110V DC/240VACインバータ
・66kV/132kV又は275kV変電所保護制御自動化システム
・6.6kV同期コンデンサ保護制御自動化システム
・電解槽プロセス制御システム
・ヘリコプター/ドローン着陸パッド
【0119】
図14に示される例では、ノード型変電所1400は、66kV架空線及び/又は電源ケーブルを介して少なくとも1.2GWの可変再生可能発電と電気連通し、次に、負荷を供給する132kV若しくは220kV若しくは275kV架空線に、負荷を供給する132kV/66kV若しくは220kV/66kV若しくは275kV/66kVステップアップ電力変圧器、例えば、グリーンアンモニア、グリーンメタノール、グリーンメタンプラント及び/又は他のタイプの家庭用負荷などの下流再生可能燃料処理プラントに接続し得る。下流再生可能燃料処理プラントなどの負荷は、ノード内で水素を電気として生産するために電解によって必要とされる総エネルギーの7%~10%を必要とし得る。風力タービン及び/又はソーラー発電ストリングによって生成されたエネルギーの大部分は、水素が圧縮され、パイプラインを介して負荷に伝送された状態で、各地理的に分散されたノード内で水を水素に変換するために使用される。本開示の例で使用される電圧は、33kVと275kVとの間、及び0.6GWと2.6GWとの間のノード定格について説明されるが、電圧は、各ノードのスイッチギア定格に応じて変化し得る。
【0120】
66kV架空線及び電力ケーブルストリングを介してノード型変電所1400に接続されている1.2GW~1.3GWの再生可能生成の約90%は、ノード型変電所1400内の4つの140MW~160MW電解槽トレーン1480に直接供給される場合があり、電気は、電解を介して、電解槽資産の利用率を可能な限り80%以上に最適化することによって、再生可能水素に変換される場合がある。上記の同じ原理は、50MW~320MWの電解槽トレーンを備え得る異なるサイズのノードに適用される。
【0121】
各ノードは、複数の高圧繊維強化ポリマー(FRP)パイプラインを介して、負荷、例えば、グリーンアンモニア、グリーンメタノール、グリーンメタンプラントなどの下流再生可能燃料処理プラントに接続され得る。これらのパイプラインは、30バール~200バール以上の圧力で、各ノードから負荷に毎時複数トンの水素を伝送するように定格され得る。
【0122】
電解槽トレーンでは、水素は、電解のプロセスを通して水(H
2O)から分割され得る。水は、高密度ポリエチレン(HDPE)パイプラインの各ノードに送達され得、高密度ポリエチレン(HDPE)パイプラインは、この水を、海から直接脱塩/脱イオン水、飲料水又は海水として、又は海岸に近い下流の脱塩/脱塩プラントとして送達する。各ノードは、フルキャパシティで動作する場合、1日当たり数百万リットルの脱塩水/脱イオン水を使用し得、これは、電解槽トレーンの定格といつでも生成される利用可能な再生可能電力に依存し得る。各ノードに提供される水を
図5に示す。
【0123】
図15は、本開示によるノードを構成し得る例示的な資産を示す。
【0124】
複数のノードは、ガス絶縁スイッチギア(Gas-Insulated Switchgear、GIS)、高集積スイッチギア(Highly-Integrated Switchgear、HIS)、又は空気絶縁スイッチギア(AIS)などのスイッチギアを通って、EHV又はHV架空線(OHL)を介して、電気連通し得、OHL容量は、200MW~2000MW以上である。一例では、2つ以上のノードは、ノードストリングで接続され得る。ノードストリングの各々は、132kV又は275kVのステップアップ電力変圧器に接続され、500kV又は765kVのGISターミナル変電所で500kV又は765kVに接続され得る。この例は具体的であり、これに関するバリエーションはプロジェクトに依存し、サイト固有の地理及び制約に基づいて変化する。
【0125】
全てのノードは、EHV又はHV架空線を介して、変電所、例えば、負荷でのガス絶縁スイッチギア(「GIS」)変電所に電気的に接続され得、その結果、ノードストリング内のいずれかのノード又はノードの組み合わせが、サイトの任意のエリアにわたる雲量及び/又は風の減少のためにその再生可能な生成で制約される場合、サイトの別のエリアの他のノードからの再生可能エネルギーは、GISターミナル変電所を介して制約を経験しているノードにバックフィードすることによって、差の一部又は全てを補完することができる。
【0126】
負荷、例えば、燃料処理プラント(グリーンアンモニア、グリーンメタノール、グリーンメタン)が、例えば、ノードから200km超離れている場合、GISターミナル変電所、例えば、500kV又は765kV GIS変電所は、OHL、例えば、複数の500kV又は765kV OHL、及び任意の他の国内負荷を介して下流ターミナル変電所に接続するためにノードの周囲に位置決めされ得る。例えば、300kmの距離にわたる4GWの電気エネルギーの伝送は、2つの別個の500kV OHLタワー軽減上の4つの500kVフィーダを必要とする場合があり、各回路は、約1200MVAの電気エネルギーを伝送する能力を有する。この例は特定のものであり、変電所の位置決め及びライン電圧の変化は、プロジェクトに依存し、サイト固有の地理及び制約に基づいて変化する。OHL電圧は、500kV又は765kVとは異なり得、下流需要は、4GWよりも小さく又は大きくあり得、各OHL回路は、電圧及び距離に応じて、1300MVA超又はそれ未満を搬送し得る。
【0127】
本開示によれば、可変の再生可能な風力及びソーラー資源は、各ノードの電解槽トレーン内で水素分子(すなわち、ガスとしての化学エネルギー)に変換され、複合水素パイプラインを介して高圧下で負荷に伝送され得る。
図12、
図18に示される例では、負荷プラントが可変の再生可能な風力及びソーラー資源から200kmを超える場合、ノードはそれぞれ、2つから3つの10インチFRPパイプラインを介して、再生可能エネルギー源の周囲に隣接するガス端末局に接続し得る。次いで、ガスターミナルステーションでの全てのノードから収集された水素は、ブースターコンプレッサによって、1時間当たり約200トンの水素を搬送する容量を有する24インチ高圧ガラス繊維、玄武岩、アラミド、炭素繊維強化パイプラインに75バール~100バールに更に圧縮され得る。この例で説明されるサイズ及び圧力は、限定的ではなく、サイト固有の地理及び制約に応じて変化し得る。例えば、パイプライン直径は、10インチ及び/若しくは24インチよりも大きく若しくは小さくあり得、かつ/又は100バールを超える圧力で、言及されているものを超える追加の平行パイプラインが存在し得る。
【0128】
図21は、エリアに分散された複数の分布源からギガワット規模エネルギーを収集、生成、及び伝送するためのシステムを制御するための例示的なシステム1000の概略図を示す。大規模な再生可能水素製造プラントは、非常に遠く、地理的に非常に広いエリアに分布している可能性がある。再生可能エネルギー生成及び水素又は水素化合物生成ノードの遠隔性のために、システム1000は、上流再生可能エネルギー生成及び中流ノードの完全な自律及び遠隔制御を可能にし得る。システム1000の全ての機器は、再生可能エネルギー生成及び水素生成ノードの制御、測定、及び保護のために使用され得るデータを収集するインテリジェントな電子エッジデバイスを有し得る。システム1000から収集されたデータは、物理プラントのデジタルツインソフトウェアモデルへの入力であり得、代替動作体制、他の新興技術をテストし、システム全体がその最適状態で動作しているかどうかを評価するために使用され得る。
【0129】
図21は、4つのレベルの制御を示し、プロセスレベル3000は、物理プロセス機器及びその上のセンサであり、物理機器は、エネルギー及び/又は水素/水素化合物生機器又は負荷の機器を含む。センサは、風力タービン、ソーラー発電インバータ、水素コンプレッサ、電解槽、モータ、メットマストなどを含む装置の制御のためのデジタル及びアナログデータを収集するために、負荷の発電機器又は機器のプロセス機器に直接インターフェースし得るインバータ、マージユニット、トランスデューサ、非従来型計器変圧器(Non Conventional Instrument Transformer、NCIT)、変流器(Current transformer、CT)及び変流器(Current transformer、VT)などのスマートエッジデバイスを含み得る。
【0130】
次の制御レベルは、インテリジェント電子デバイス(intelligent electronic device、IED)/マイクロプロセッサ、例えば、保護リレー、計量&測定デバイス、管理されたイーサネットスイッチ、リモート端末ユニット、プログラム可能な論理コントローラなどを備え得るフィールドレベル3100である。これらのIEDは、高度なプログラム可能な論理/アルゴリズム能力を有する標準化された通信プロトコルを使用して、高速冗長イーサネット通信をサポートする通信インターフェースを有し得る。フィールドレベル3100において、全てのデータパケットは、リアルタイムで、すなわち、1ミリ秒未満でタイムスタンプされ、記録され得る。システムを保護及び測定するための時間的に重要な自律動作は、フィールドレベル3100で行われ得る。
【0131】
ステーションレベル3200は、フィールドレベル及びプロセスレベルからデータを収集して、動作連動、負荷除去、制御、ローカルヒューマンインターフェース(Local Human Interface、HMI)、ソフトウェアエンジニアリング/パラメータ化、電力品質、ユーザアクセス認証、証明書のセキュリティ管理などのシステム全体の意思決定を行う。ステーションレベルでは、風力タービン若しくは変電所において、又は電解槽トレーンにおいて、ローカルHMIを介してローカル制御を行うこともできる。
【0132】
制御センター/SCADAレベル(3300)は、システム1000の全体的な監督、制御、及びデータ取得のための遠隔オフサイト制御センターであり得る。制御センター(複数可)3300は、世界のどこにでも地理的に位置することができる。システム1000は、自律的に動作するように設計され得るが、全ての測定データは、システム1000の目視検査及び手動制御のために利用可能であり得る。システム1000内の全てのセンサポイントでの全ての測定データ及び機器、アラーム、イベント、傾向のステータスは、データシステム1003によって受信され、データシステム1003内に格納され得る。また、オペレータは、システム1000の一部又は全てを制御することが可能であり得、SCADA3300からは、メンテナンススタッフをサイトに展開する前に、デバイス又はシステムを分離し、尋問することが可能であり得る。システム1000の構成要素は、サイトが無人であるか、又はスタッフがメンテナンスの理由でサイトに展開されているかどうかにかかわらず、制御センター3300からシステム1000の動作に関する追加のデータを提供するために、視覚及び熱イメージング、ガス検出器、圧力測定の両方の閉回路テレビ(closed circuit television、CCTV)を有し得る。
【0133】
プロセスレベル3000、フィールドレベル3100、ステーションレベル3200、及び制御センター/SCADA3300から取得されたセンサデータは、産業用モノのインターネット(Industrial Internet of Things、IIoT)クラウドプラットフォーム1014(すなわち、データレイク)によって受信され得、データは、アプリケーションによって使用され得、動作の傾向、効率の傾向、状態に基づく監視、時間の経過に伴うエネルギーの平準化されたコスト(LCOE)の傾向、時間の経過に伴う水素の平準化されたコスト(LCOH)の傾向などに関する報告を最適化する。アプリケーションは、資産所有者、投資家、オペレータ、認定機関などへの容易なアクセスを提供するモバイルデバイス1017上に収容され得る。
【0134】
図22は、エリアに分散された複数の分布源からギガワット規模エネルギーを収集、生成、及び伝送するためのシステムを制御するための例示的なシステム1000の概略的な概観を示す。システム1000は、本明細書において説明されるコントローラ21を備え得る。コントローラ21は、実行されると、本明細書において説明される動作を行うようにプロセッサ1002を構成する、プロセッサ可読命令を実装するように構成されたプロセッサ1002を含む。プロセッサ1002は、マイクロプロセッサ又はマイクロコントローラ、デジタル信号処理(digital signal processing、DSP)プロセッサ、集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array、FPGA)、再構成可能プロセッサ、プログラマブル読み取り専用メモリ(programmable read-only memory、PROM)、又はそれらの組み合わせであり得る。コントローラ21は、他のコンピューティングデバイス又はセンサデバイスと通信する、ネットワークリソースにアクセス又は接続する、又はデータを搬送することができるネットワーク(又は複数のネットワーク)に接続することによって他のコンピューティングアプリケーションを実行するための通信インターフェース1004を含み得る。いくつかの例では、通信インターフェース1004は、1つ以上のバス、相互接続部、ワイヤ、回路、及び/若しくは任意の他の接続部及び/若しくは制御回路、又はそれらの組み合わせを含み得る。通信インターフェース1004は、システム1000とディスプレイ1015又はアラーム1016との間でデータを通信するためのインターフェースを提供し得る。
【0135】
コントローラ21はまた、本開示に従って水源1に結合された任意のポンプと通信して、流量、バルブ位置、及び圧力データ/値に関する設定値(複数可)を伝送するか、又はデータを受信するための接続部を備え得る。
【0136】
コントローラ21は、風力タービン(複数可)2及びソーラー発電セル/スキッド8によって生産されるエネルギーのためのセンサ接続部(複数可)を備え得る。
【0137】
コントローラ21は、圧力センサ、例えば、コンプレッサ3及び/又はパイプライン4上の圧力センサへの接続部(複数可)を備え得る。コントローラはまた、コンプレッサ3及び/又はパイプライン4と通信して、設定値(複数可)を伝送するか、又は流量、バルブ位置、タービン速度、及び圧力データ/値に関するデータを受信し得る。
【0138】
コントローラ21は、システムデータを格納するためのデータシステム1003に結合され得、及び/又はiCloud、Dropbox、Googleクラウド、又は任意の他のデジタルデータサーバなどのクラウドサービスと通信するように構成され得る)。データシステム1003はまた、分析及び/又は格納のためにデータを伝送するために、他のデバイス、例えば、スマートフォン又はコンピュータとの通信を可能にするためのユニバーサル非同期受信機伝送機(universal asynchronous receiver-transmitter、UART)を備え得る。UARTは、例えば、赤外線、Bluetooth、Wi-Fiなどを介して、そのような他のデバイスとの無線通信のための無線トランシーバを含むか、又はそのような他のデバイスとの無線通信のための無線トランシーバに結合され得る。コントローラ21はまた、ネットワーク1500を介して、水源、データシステム1003、風力タービン2、コンプレッサ3、パイプライン4、スイッチギア(複数可)5、電解槽6、負荷7、及び/又はソーラー発電セル/スキッド8に結合され得る。ネットワーク1500は、電気回路などの任意の有線又は無線通信経路を含み得る。いくつかの実施形態では、ネットワーク1500は、1つ以上のバス、相互接続部、ワイヤ、回路、及び/若しくは任意の他の接続部及び/若しくは制御回路、又はそれらの組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態では、ネットワーク1500は、有線又は無線広域ネットワーク(wireless wide area network、WAN)、ローカルエリアネットワーク(local area network、LAN)、それらの組み合わせなどを含み得る。いくつかの実施形態では、ネットワーク1500は、Bluetooth(登録商標)ネットワーク、Bluetooth(登録商標)低エネルギーネットワーク、短距離通信ネットワークなどを含み得る。
【0139】
コントローラ21は、メモリ1006を含み得る。メモリ1006は、スタティックランダムアクセスメモリ(static random-access memory、SRAM)、ランダムアクセスメモリ(random-access memory、RAM)、読み取り専用メモリ(read-only memory、ROM)、電気光学メモリ、磁気光学メモリ、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(erasable programmable read-only memory、EPROM)、及び電気消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(electrically-erasable programmable read-only memory、EEPROM)、強誘電性RAM(Ferroelectric RAM、FRAM)などのコンピュータメモリの1つ又は組み合わせを含み得る。
【0140】
メモリ1006は、本明細書において説明される動作を行うためのプロセッサ読み取り可能な命令を含むアプリケーション1012を格納し得る。いくつかの例では、アプリケーション1012は、エリアに分散された複数の分布源からギガワット規模エネルギーを収集、生成、及び伝送するためのシステムを制御するための動作を含み得る。
【0141】
一実施形態では、アプリケーション1012は、中電圧又は高電圧でのスイッチギア5の電流搬送容量閾値内で、タービン2及び/又はソーラー発電セル/スキッド8などの第1の複数の再生可能エネルギー源と、各電解槽(複数可)6を選択的に電気連通するための動作を含み得る。別の実施形態では、アプリケーション1012は、電解槽効率を最適化するために、電流キャリア容量閾値が各電解槽(複数可)6の所望の閾値を下回るときに、各電解槽6を第2の複数の再生可能エネルギー源と通信するための動作を含み得る。
【0142】
一実施形態では、電解槽6は、例えば、バスバーのそれぞれのバスカプラ又はバスセクション回路ブレーカなどのスイッチギア又はそのコンポーネントの最大定格を表す約3,150Aの閾値を有するスイッチギアで一緒に結合された第1の電解槽及び第2の電解槽を備える。アプリケーション1012は、スイッチギアを自動的に開き、第1の電解槽を第2の電解槽から切断するための動作を含み得る。
【0143】
一実施形態では、アプリケーション1012は、再生可能エネルギー源、例えば、風力タービン2及び/又はソーラー発電セル/スキッド8によって生成されたエネルギーが負荷7によって消費されるエネルギーよりも大きいときに、パイプライン4内の圧力を増加させるための動作を含み得る。再生可能エネルギー源は、複数の集中型ソーラー発電所発電機を含む集中型ソーラー発電所(CSP)ストリング、複数の波及び/又は潮汐発電機を含む波及び/又は潮汐発電機ストリング、並びに複数の地熱発電機を含む地熱発電ストリングを含み得る。
【0144】
一実施形態では、アプリケーション1012は、パイプライン4内の圧力が最小閾値に達したときに、負荷7による水素(H2)、又は水素化合物の需要を低減するための動作を含み得る。一例では、最小閾値は、約50バール未満である。
【0145】
一実施形態では、アプリケーション1012は、負荷7によって消費されるH2又は水素化合物の速度よりも低い速度で、コンプレッサ3にH2又は水素化合物をパイプライン4に圧縮させるための動作を含み得る。
【0146】
一実施形態では、アプリケーション1012は、負荷に伝送するために少なくとも1つの電解槽によって、再生可能エネルギー源、例えば、風力タービン2及び電解槽(複数可)6によって生成されたエネルギーの50%を超えるエネルギーをH2、又は水素化合物に変換するための動作を含み得る。
【0147】
上記の説明は例示的なものに過ぎず、関連技術分野の当業者は、開示された本発明の範囲から逸脱することなく、説明された実施形態に変更を加えることができることを認識するであろう。本開示は、特許請求の範囲の主題から逸脱することなく、他の特定の形態で具現化され得る。本開示は、技術の全ての好適な変更を包含することを意図している。本発明の範囲内である修正は、本開示の見直しに照らして、当業者に明らかであり、そのような修正は、添付の特許請求の範囲内であることが意図される。また、特許請求の範囲の範囲は、例に記載される好ましい実施形態によって限定されるべきではないが、全体として説明と一致する最も広範囲の解釈が与えられるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2024-12-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エリアに分散された複数の分布源からギガワット規模エネルギーを収集、生成、及び伝送するためのシステムであって、
複数のノードを備える地理的に分散されたネットワークであって、各ノードが、
水源と、
再生可能エネルギー源であって、
複数の風力タービンの風力タービンストリングと、
複数のソーラー発電スキッドのソーラー発電ストリングと、
を備える、再生可能エネルギー源と、
前記再生可能エネルギー源と電気連通しているノード型変電所であって、
前記再生可能エネルギー源と電気連通している少なくとも1つの電解槽であって、前記水源からの水を前記再生可能エネルギー源からの電気で水素(H
2)又は水素化合物に変換するように構成された、少なくとも1つの電解槽と、
H
2、又は水素化合物を、前記少なくとも1つの電解槽から各ノードを流体的に接続するパイプラインに圧縮するコンプレッサと、
を備え、前記ノード型変電所が、前記再生可能エネルギー源からの距離に位置決めされ、前記距離が、
エネルギー効率
H2伝送>エネルギー効率
高電圧送電
であるように選択され、
ここで、エネルギー効率
H2伝送が、H
2又は水素化合物として前記ノード型変電所を介して前記再生可能エネルギー源から負荷にエネルギーを伝送する前記エネルギー効率であり、また、
エネルギー効率
高電圧送電が、高電圧送電を介して前記再生可能エネルギー源から前記負荷にエネルギーを伝送する前記エネルギー効率である、
ノード型変電所と、
を備える、地理的に分散されたネットワークと、
前記複数のノードからH
2又は水素化合物を受け取るための前記パイプラインと流体連通する負荷と、
を備える、システム。
【請求項2】
各ノードの前記再生可能エネルギー源が、周囲を画定し、前記ノード型変電所が、前記周囲で画定される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
各ノードの前記再生可能エネルギー源が、電気連通している複数の風力タービンストリング及び複数のソーラー発電ストリングを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記エリアが、少なくとも500km
2である、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
各ノードが、前記風力タービン及びソーラー発電ストリングから分布電圧レベルで再生可能源を収集し、前記ノードが、前記風力タービン及びソーラー発電ストリングから50km以内に位置決めされる、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記再生可能エネルギー源が、前記負荷と電気連通しており、前記ノードが、前記再生可能エネルギー源及び前記負荷と電気連通している少なくとも1つのステップアップ電力変圧器を備え、前記少なくとも1つの変圧器が、前記再生可能エネルギー源から前記負荷に伝送された電気の電圧を増加させるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
ノードが、前記負荷から少なくとも50kmに位置決めされる、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記システムが、アイランド化されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
各ストリングが、前記ストリング内のスイッチギアの定格中電圧(MV)、高電圧(HV)、交流(AC)で最大電流搬送容量を搬送するように定格されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
各再生可能エネルギー源の比率が、エネルギーの最低平準化コスト(LCOE)を提供するように構成され、前記LCOEが、
{(金利抜き建設コスト*資本回収係数+固定O&Mコスト)/(8760*資本設備利用率)}+(燃料コスト*発熱率)+可変O&Mコスト
である、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
各ノードが、各ノードのスイッチギア及び変圧器の電流搬送容量制限に基づいて最大エネルギーを生成するように構成され、生成された前記エネルギーが中電圧及び/又は高電圧で収集され得る、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記再生可能エネルギー源が、各ノードの地理的エリアのエネルギー生成を最大化するように位置決めされる、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記ソーラー発電ストリングが、中電圧及び/又は高電圧での前記ソーラー発電ストリングのスイッチギアの電流搬送容量によって制限される最大数のソーラー発電スキッドを備えたソーラー発電所である、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
各ソーラー発電ストリングが、前記風力タービンストリングの周囲内に画定される、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記風力タービンストリングが、中電圧及び/又は高電圧での前記風力タービンストリングのスイッチギアの電流搬送容量によって制限される最大数の風力タービンを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
各風力タービンが、隣接する風力タービン間の翼先端渦干渉を最小化するように位置決めされる、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
各風力タービンが、ウェイク干渉を最小化するように、隣接する風力タービンから位置決めされる、請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
前記パイプラインが、高圧水素パイプラインである、請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
前記負荷が、前記水素を使用するように構成され、好ましくは、前記負荷が、アンモニア、メタノール、又はメタン処理プラントのうちの少なくとも1つである、請求項1に記載のシステム。
【請求項20】
中電圧又は高電圧でのスイッチギアの電流搬送容量閾値内で、各電解槽を前記再生可能エネルギー源と選択的に電気連通させるように構成されたコントローラを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項21】
前記少なくとも1つの電解槽が、前記スイッチギアの定格を表す閾値を有する前記スイッチギアで一緒に電気的に結合された第1の電解槽及び第2の電解槽を備え、前記コントローラが、前記閾値を超えたときに前記第1の電解槽を前記第2の電解槽から電気的に切断するように構成される、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記再生可能エネルギー源によって生成されたエネルギーが前記負荷によって消費されたエネルギーよりも大きいときに、前記パイプライン内の圧力を増加させるように構成されたコントローラを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項23】
前記コントローラは、前記パイプライン内の圧力が最小閾値に達したときに、前記負荷によるH
2、又は水素化合物の需要を低減するように構成される、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記最小閾値が、約50バール未満である、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記コントローラが、前記コンプレッサに、前記負荷によって消費されたH
2又は水素化合物の速度よりも低い速度で、H
2又は水素化合物を前記パイプラインに圧縮させるように構成される、請求項20に記載のシステム。
【請求項26】
複数の集中型ソーラー発電所発電機を含んだ集中型ソーラー発電所(CSP)ストリングを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項27】
複数の波及び/又は潮汐発電機を含んだ波及び/又は潮汐発電機ストリングを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項28】
複数の地熱発電機を含んだ地熱発電ストリングを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項29】
ストリングサイズが、中電圧又は高電圧でのスイッチギアの電流搬送容量によって制限される、請求項1に記載のシステム。
【請求項30】
各ノードが、特高電圧(EHV)又は高電圧送電線、電源ケーブル、電力変圧器、及びスイッチギアと電気連通し、それらの最大電流搬送容量を定格して、前記負荷に電気を伝送する、請求項1に記載のシステム。
【請求項31】
前記コントローラが、前記負荷に伝送するために、前記再生可能エネルギー源によって生成された前記エネルギーの50%超を、前記少なくとも1つの電解槽によって、H
2、又は水素化合物に変換するように構成される、請求項20に記載のシステム。
【請求項32】
前記ギガワット規模エネルギーが、少なくとも6GWである、請求項1~31のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項33】
エリアに分散された複数の分布源からギガワット規模エネルギーを収集、生成、及び伝送するためのシステムであって、
複数のノードを備える地理的に分散されたネットワークであって、各ノードが、
水源と、
再生可能エネルギー源と、
前記再生可能エネルギー源と電気連通しているノード型変電所であって、
前記再生可能エネルギー源と電気連通している少なくとも1つの電解槽であって、前記水源からの水を前記再生可能エネルギー源からの電気で水素(H
2)又は水素化合物に変換するように構成された、少なくとも1つの電解槽と、
H
2、又は水素化合物を、前記少なくとも1つの電解槽から各ノードを流体的に接続するパイプラインに圧縮するコンプレッサと、を備え、
前記ノード型変電所が、前記再生可能エネルギー源からの距離に位置決めされ、前記距離が、
エネルギー効率
H2伝送>エネルギー効率
高電圧送電
であるように選択され、
ここで、エネルギー効率
H2伝送は、H
2又は水素化合物として前記ノード型変電所を介して前記再生可能エネルギー源から負荷にエネルギーを伝送する前記エネルギー効率であり、
ここで、エネルギー効率
高電圧送電は、高電圧送電を介して前記再生可能エネルギー源から前記負荷にエネルギーを伝送する前記エネルギー効率である、ノード型変電所と、
を備える、地理的に分散されたネットワークと、
前記複数のノードからH
2又は水素化合物を受け取るための前記パイプラインと流体連通する負荷と、
を備える、システム。
【国際調査報告】