(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-23
(54)【発明の名称】クリーンルーム保持ピン
(51)【国際特許分類】
F16B 21/04 20060101AFI20250116BHJP
B25B 5/08 20060101ALI20250116BHJP
B25B 5/04 20060101ALI20250116BHJP
【FI】
F16B21/04 H
B25B5/08
B25B5/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535206
(86)(22)【出願日】2022-10-17
(85)【翻訳文提出日】2024-06-12
(86)【国際出願番号】 US2022046903
(87)【国際公開番号】W WO2023113916
(87)【国際公開日】2023-06-22
(32)【優先日】2021-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524059674
【氏名又は名称】レイセオン カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】カーパー,ブレント
(72)【発明者】
【氏名】ヒュールスマン,エリック,ピー.
【テーマコード(参考)】
3C020
3J037
【Fターム(参考)】
3C020CC01
3C020CC07
3C020EE04
3J037AA01
3J037CA01
(57)【要約】
本明細書では、管状外側シャフトと管状外側シャフト内に配置された回転シャフトと、を備えた保持ピンが記載されている。回転シャフトは、管状外側シャフトと回転可能に係合している。回転シャフトは、回転シャフトの端部に固定され、回転シャフトの回転とともに回転するように作動可能なロック突起を備えることができる。管状外側シャフトの軸と回転シャフトの軸とは偏心している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
保持ピンであって、
管状外側シャフトと、
前記管状外側シャフト内に配置され、前記管状外側シャフトと回転可能に係合する回転シャフトであって、前記回転シャフトが、前記回転シャフトの端部に固定され、前記回転シャフトの回転とともに回転するように作動可能なロック突起を備えている、前記回転シャフトと、を備え、
前記管状外側シャフトの軸と前記回転シャフトの軸とが偏心している、前記保持ピン。
【請求項2】
位置決めスプリングであって、前記位置決めスプリングに対して回転するように構成された前記回転シャフトと回転可能に係合するように構成された前記位置決めスプリングをさらに備え、
前記回転シャフトが、前記位置決めスプリングの1つまたは複数のコンプライアントローブを受容して前記回転シャフトの回転に抵抗し、前記回転シャフトをそれぞれの角度方向及び対応するクロック位置に付勢するように構成された1つまたは複数のデテント面を備えている、請求項1に記載の保持ピン。
【請求項3】
前記ロック突起が、前記回転シャフトの前記軸に対して偏心している、請求項1に記載の保持ピン。
【請求項4】
前記保持ピンが、前記回転シャフトの第1の角度方向及び対応するクロック位置に対応するロック解除状態と、前記回転シャフトの第2の角度方向及び対応するクロック位置に対応するロック状態と、の両方で動作可能であるように構成されており、
前記ロック解除状態では、前記ロック突起が前記管状外側シャフトと実質的に同心であり、
前記ロック状態では、前記ロック突起が前記管状外側シャフトに対して偏心しており、それにより、前記ロック突起の少なくとも一部が前記管状外側シャフトの外周の外側に延び、前記ロック突起の、前記保持ピンを支持する構造との係合によって前記保持ピンを定位置にロックするように動作可能である、請求項3に記載の保持ピン。
【請求項5】
回転ハンドルであって、前記回転シャフトに固定され、前記回転ハンドルの回転によって前記回転シャフトの回転を促進するように構成されている、前記回転ハンドルをさらに備えている、請求項1に記載の保持ピン。
【請求項6】
前記回転シャフトのフォロワ面とインターフェースするカム面を有するプランジャシャフトを含むプランジャをさらに備え、
前記プランジャシャフトの前記カム面が前記回転シャフトの前記フォロワ面と係合し、それにより、前記プランジャを直線運動で押し下げることにより、前記回転シャフトが回転する、請求項4に記載の保持ピン。
【請求項7】
前記プランジャシャフトの前記カム面が、前記プランジャシャフトの係合端における螺旋角度の付いた面を備え、前記回転シャフトの前記フォロワ面が、前記プランジャシャフトの前記カム面の前記螺旋角度の付いた面と係合する螺旋角度の付いた面を備えている、請求項6に記載の保持ピン。
【請求項8】
前記管状外側シャフトによって支持される1つまたは複数のローラーベアリングをさらに備え、
前記管状外側シャフトによって支持される前記1つまたは複数のローラーベアリングと回転可能に係合することによって前記回転シャフトが前記管状外側シャフトと回転可能に係合する、請求項1に記載の保持ピン。
【請求項9】
前記1つまたは複数のローラーベアリングが、
前記管状外側シャフトの第1の開口部に配置された第1のシールローラーベアリングと、
前記管状外側シャフトの第2の開口部に配置された第2のシールローラーベアリングと、を備え、
前記回転シャフトが、前記第1及び第2のシールローラーベアリングと回転可能に係合し、
前記管状外側シャフトが、前記第1及び第2のシールローラーベアリングにより、外部環境及び異物破片からシールされる、請求項8に記載の保持ピン。
【請求項10】
前記プランジャがスプリング負荷式である、請求項6に記載の保持ピン。
【請求項11】
前記プランジャの1回の押し下げ及び解放により、前記回転シャフトが所定の回転角度だけ回転する、請求項6に記載の保持ピン。
【請求項12】
前記プランジャの前記1回の押し下げによって生じる前記所定の回転角度により、前記ロック解除状態に関連する前記第1の角度方向から、前記ロック状態に関連する前記第2の角度方向への、前記回転シャフトの回転が促進される、請求項11に記載の保持ピン。
【請求項13】
前記プランジャの前記1回の押し下げによって生じる前記所定の回転角度により、前記ロック状態に関連する前記第2の角度方向から、前記ロック解除状態に関連する前記第1の角度方向への、前記回転シャフトの回転が促進される、請求項11に記載の保持ピン。
【請求項14】
位置決めスプリングであって、前記位置決めスプリングに対する前記回転シャフトの回転を促進するように、前記回転シャフトと係合される前記位置決めスプリングをさらに備え、
前記回転シャフトが、前記位置決めスプリングの1つまたは複数のコンプライアントローブを受容して前記回転シャフトの回転に抵抗し、前記回転シャフトを1つまたは複数のクロック位置に保持するように構成された1つまたは複数のデテント面を備え、
前記1つまたは複数のデテント面の少なくとも1つが、前記ロック解除状態に対応する前記回転シャフトの第1のクロック位置に対応し、
前記1つまたは複数のデテント面の少なくとも1つが、前記ロック状態に対応する前記回転シャフトの第2のクロック位置に対応する、請求項4に記載の保持ピン。
【請求項15】
前記ロック突起が、前記回転シャフトに対して偏心して固定されたディスクであり、
ロック解除位置では、前記ディスクが、前記管状外側シャフトの前記軸に対して実質的に同心であり、
ロック位置では、前記ディスクが、前記管状外側シャフトの前記軸に対して偏心されている、請求項4に記載の保持ピン。
【請求項16】
前記ロック突起が、前記回転シャフトに対して偏心して固定されたディスクであり、
ロック解除位置では、前記ディスクの外面が、前記管状外側シャフトの外面と実質的に整列しており、
ロック位置では、前記ディスクの前記外面が、前記管状外側シャフトの前記外面に対して整列しておらず、それにより、前記ディスクの一部が前記管状外側シャフトの前記外面の上に突き出している、請求項4に記載の保持ピン。
【請求項17】
保持ピンを構成する方法であって、
前記保持ピンを、管状外側シャフトを含むように構成することと、
前記保持ピンを、前記管状外側シャフト内に配置され、前記管状外側シャフトと回転可能に係合する回転シャフトであって、前記回転シャフトが、前記回転シャフトの端部に固定され、前記回転シャフトの回転とともに回転するように作動可能なロック突起を備えている、前記回転シャフトを備えるように構成することと、を含み、
前記管状外側シャフトの軸と前記回転シャフトの軸とが偏心している、前記方法。
【請求項18】
前記保持ピンを、回転ハンドルであって、前記回転シャフトに固定され、前記回転ハンドルの回転によって前記回転シャフトの回転を促進するように構成されている、前記回転ハンドルを備えるように構成することをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記保持ピンを、前記回転シャフトのフォロワ面とインターフェースするカム面を備えたプランジャを備えるように構成することをさらに含み、
前記プランジャの前記カム面が前記回転シャフトの前記フォロワ面と係合し、それにより、前記プランジャを直線運動で押し下げることにより、前記回転シャフトが回転する、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
システムであって、
第1の構造であって、前記第1の構造を通して形成された穴を備えた、前記第1の構造と、
第2の構造であって、前記第2の構造を通して形成された穴を備えた、前記第2の構造と、
保持ピンであって、
管状外側シャフトと、
前記管状外側シャフト内に配置され、前記管状外側シャフトと回転可能に係合する回転シャフトであって、前記回転シャフトが、前記回転シャフトに固定され、前記回転シャフトの回転とともに回転するように作動可能なロック突起を備えている、前記回転シャフトと、を備え、
前記管状外側シャフトの軸と前記回転シャフトの軸とが偏心しており、前記ロック突起が、前記回転シャフトの前記軸に対して偏心しており、
前記第1の構造が、前記第1の構造の前記穴及び前記第2の構造の前記穴を通して挿入される前記保持ピンにより、前記第2の構造に結合されるように構成され、前記ロック突起が、前記第1の構造及び前記第2の構造の1つまたは複数の面と係合する、前記システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
クイックリリース保持ピンは、製造やツールの用途、機械の組み立てや操作など、多くの環境や用途でよく使用される。現在使用されている市販の保持ピンには、クイックリリースボールロックピンや、機械部品を互いに取り付けるために使用されるその他のピンなどがある。現在入手可能な保持ピンは、異物破片(「FOD」)要件を十分に満たしていない。したがって、市販の保持ピンは、特定の製造/ツール機械またはプロセスにおいて清潔さが重要視されるクリーンルームやその他の環境での使用には適していない。清潔さが重要視される製造現場では、粒子汚染によりハードウェアの故障、品質欠陥、コストのかかる大規模な機械の修理及び再構築、並びに/または部品の製造及び組み立てにおけるその他の望ましくない副作用が発生する可能性がある。したがって、複数の環境での使用に適応するための保持ピンのソリューション及び改善は、研究とエンジニアリングの継続的な分野であり続ける。
【図面の簡単な説明】
【0002】
本発明の特徴及び利点は、本発明の特徴を一例として共に例示する添付図面と併せて、以下の詳細な説明から、明らかになるであろう。
【
図1】本開示の一例に係る保持ピンの等角図である。
【
図3a】保持ピンがロック解除状態で示されている、
図1の保持ピンの正面図である。
【
図3b】保持ピンがロック解除状態で示されている、
図1の保持ピンの端面図である。
【
図3c】保持ピンがロック状態で示されている、
図1の保持ピンの正面図である。
【
図3d】保持ピンがロック状態で示されている、
図1の保持ピンの端面図である。
【
図4a】本開示の一例に係る保持ピンの正面図である。
【
図4b】本開示の一例に係る保持ピンの内部の図である。
【
図5】
図4aの保持ピンのロック及びロック解除の様々な段階を示す図である。
【
図6a】
図4aの保持ピンのいくつかの構成要素の正面図である。
【
図6b】
図4aの保持ピンのいくつかの構成要素の等角図である。
【
図7a】構造の様々なピースをともに保持する際に使用される
図1の保持ピンの図である。
【
図7b】構造の様々なピースをともに保持する際に使用される
図1の保持ピンの図である。
【
図7c】構造の様々なピースをともに保持する際に使用される
図1の保持ピンの図である。
【
図7d】構造の様々なピースをともに保持する際に使用される
図1の保持ピンの図である。
【
図8a】
図4aの保持ピンの様々な構成要素を示す図である。
【
図8b】
図4aの保持ピンの様々な構成要素を示す図である。
【
図8c】保持ピンの回転シャフトと結合される際の様々な段階における、
図4aの保持ピンの位置決めまたはクロッキングスプリングの図である。
【0003】
ここで、図示した例示的な実施形態が参照され、本明細書ではこれらの実施形態を説明するために特定の言語を用いる。それにもかかわらず、それによって本発明の範囲の限定が意図されることはないことを理解すべきである。
【発明を実施するための形態】
【0004】
本明細書で用いる場合、用語「実質的に」は、作用、特性、性質、状態、構造、項目、または結果の完全または、ほぼ完全な範囲または程度を指す。例えば、「実質的に」囲まれている物体は、その物体が完全に囲まれているか、または、ほぼ完全に囲まれていることを意味する。絶対的な完全性からのずれの正確な許容可能な程度は、場合によっては、特定の状況に依存し得る。しかし、一般的に言って、完成に近づくと、絶対で完全な完成が得られたかのように、同じ全体的な結果が得られるようになる。「実質的に」を用いることは、作用、特性、性質、状態、構造、項目、または結果の完全または、ほぼ完全な欠如を指す否定的な意味で用いる場合にも、等しく適用可能である。
【0005】
本明細書で用いる場合、「隣接する」は、2つの構造または要素が近接していることを指す。特に、「隣接している」と特定される要素は、当接しているかまたは接続されている場合がある。このような要素は、必ずしも互いに接触することなく、互いに接近または近接していてもよい。近接の正確な程度は、場合によっては、特定の状況に依存し得る。
【0006】
本発明の考え方の最初の概略を以下に示し、その後、特定の実施例についてより詳細に説明する。この最初の概要は、読み手が実施例をより迅速に理解することを助けることを目的としているが、実施例の重要な特徴または本質的な特徴を特定することは意図しておらず、特許請求の範囲に記載された主題を限定することも意図していない。
【0007】
本明細書では、さまざまな構造または構造要素を互いに結合するための保持ピンを開示する。保持ピンは、管状外側シャフト及び回転シャフトを備えることができる。回転シャフトは、管状外側シャフト内に配置され、管状外側シャフトと回転可能に係合することができる。回転シャフトは、回転シャフトの端部に固定され、回転シャフトの回転とともに回転するように作動可能なロック突起を備えることができる。管状外側シャフトの軸と回転シャフトの軸とは偏心している(すなわち、互いにオフセットしている)場合がある。
【0008】
本明細書では、保持ピンを構成する方法も開示される。本方法は、保持ピンを、管状外側シャフトを含むように構成することを含むことができる。本方法は、保持ピンを、管状外側シャフト内に配置され、管状外側シャフトと回転可能に係合する回転シャフトを備えるように構成することをさらに含むことができる。回転シャフトは、回転シャフトの端部に固定され、回転シャフトの回転とともに回転するように作動可能なロック突起を備えることができる。管状外側シャフトの軸と回転シャフトの軸とは偏心している場合がある。
【0009】
さらに、本明細書では、互いに結合される構造または構造要素を含むシステムが開示される。本システムは、第1の構造であって、第1の構造を通して形成された穴を備えた、第1の構造を備えることができる。本システムは、第2の構造であって、第2の構造を通して形成された穴を備えた、第2の構造をさらに備えることができる。本システムは、管状外側シャフトと、この管状外側シャフト内に配置された回転シャフトとを備えた保持ピンをさらに備えることができる。回転シャフトは、管状外側シャフトと回転可能に係合することができる。回転シャフトは、回転シャフトの端部に固定され、回転シャフトの回転とともに回転するように作動可能なロック突起を備えることができる。管状外側シャフトの軸と回転シャフトの軸とは、偏心することができ、ロック突起は、回転シャフトの軸に対して偏心することができる。第1の構造は、第1の構造の穴及び第2の構造の穴を通して挿入される保持ピンにより、第2の構造に結合されるように構成されており、保持ピンが作動される。保持ピンは所定の位置にロックされ、ロック突起を介して第1の構造と第2の構造とをともに保持することができる。一例では、ロック突起は平面状であり、第1の構造と第2の構造との1つまたは複数の面と係合するように構成することができる。しかしながら、このことは、ロック突起が任意のサイズ、形状、または構成を含み得るように限定することは意図していない。
【0010】
本技術をさらに説明するために、ここで図を参照して実施例が提供される。
図1を参照すると、本開示の一例に係る保持ピン100が示されている。保持ピン100は、管状外側シャフト102を備えることができる。管状外側シャフト102は、円筒形、立方体、直方体、三角柱、六角柱、任意の多角柱、または、内側ボアもしくはキャビティを画定する外壁を有する任意の他の可能な形状もしくは構成など、任意の断面形状または構成の管状の中空部材で構成することができる。管状外側シャフト102は、ロック突起104を支持する回転シャフトを受容して収容することができる。管状外側シャフト102は、肩部106に隣接する管状外側シャフト102の外面よりも大きな直径、周囲長、及び設置面積を有する肩部106をさらに備えることができる。さらに、保持ピン100は、ロック突起104を支持する回転シャフトに固定された回転ハンドル108を含むことができる。回転ハンドル108の回転は、回転シャフト及びロック突起104を回転するように構成することができる。本明細書に示されているように、ロック突起104は、様々な面(平面であるか、または任意の構成が存在し得る)を有するディスクとして構成することができるが、このことは、いずれの方法でも限定されることは意図していない。実際、ロック突起104は、任意のサイズ、形状、または構成を備えることができる。
【0011】
図2は、保持ピン100の側断面図である。図示のように、回転シャフト110は、管状外側シャフト102内に配置されている。回転シャフト110は、管状外側シャフト102と回転可能に係合しており、それにより、管状外側シャフト102と回転シャフト110とは互いに対して回転可能である。管状外側シャフト102に対する回転シャフト110の回転を容易にするために、保持ピン100は、回転シャフト110のより効率的な回転を容易にするローラーベアリングを備えることができる。例えば、保持ピン100は、管状外側シャフト102の第1の端部(例えば、上部開口部)で管状外側シャフト102によって支持され、回転シャフト110と回転可能に係合するローラーベアリング112を含むことができる。さらに、保持ピン100は、管状外側シャフト102の第2の端部(例えば、底部開口部)で管状外側シャフト102によって支持され、回転シャフト110と回転可能に係合するローラーベアリング114を含むことができる。保持ピン100は、クロッキングスプリングの形態の位置決めスプリング116をさらに含むことができる。
【0012】
本明細書に開示される保持ピンをクリーンルームまたは異物破片が望ましくないその他の状況で使用する目的で、ローラーベアリング112及び114はシールローラーベアリングであってもよい。シールローラーベアリングは、ローラーベアリングからの破片、粒子、断片、またはその他の物質が外部環境に放出されないことを確実にして、環境内の任意の部品または機械への異物による損傷を防止する。さらに、シールローラーベアリング112及び114を管状外側シャフト102の両側の端に配置することにより、保持ピン100のすべての内部機構を管状外側シャフト102内で密封し、それによってすべての異物破片が管状外側シャフト102内に閉じ込められ、保持ピン100から外部環境に入り得る異物破片が最小限に抑えられるか、まったく入り得ないことが確実にされる。シールローラーベアリングは、外部の破片が保持ピン100に入らないようにさらに維持する。したがって、本明細書に記載の実施例に係る保持ピンは、クリーンルーム内に異物の破片が持ち込まれる可能性なしで、クリーンルーム環境での使用に適切なものとすることができる。
【0013】
図2に示すように、管状外側シャフト102は、保持ピン100の中心または中心軸と実質的に同心の中心軸118を備えている。回転シャフト110は中心軸120も備えている。図示のように、回転シャフト110の中心軸120は、管状外側シャフト118の中心軸118に対して同心ではなく、言い換えると、偏心しているか、またはオフセットされている。したがって、回転シャフト110は、保持ピン100及び/または管状外側シャフト102の軸118からオフセットされた軸を中心に回転する。
【0014】
図2にさらに示すように、回転シャフト110の軸120も偏心しており、それにより、ロック突起104の中心からオフセットされており、この中心は、
図2に示す保持ピン100の構成では軸118と実質的に整列している。したがって、ロック突起104は回転シャフト110の軸120に対して偏心しており、それにより、回転シャフト110がハンドル108によって管状外側シャフト102に対して回転すると、ロック突起104は回転シャフト110及び管状外側シャフト102に対して偏心して回転する。
【0015】
ロック突起104の偏心回転については、
図3aから3dに示され、さらに説明されている。
図3aは、ロック解除状態にある保持ピン100を示している。
図3bは、ロック突起104が保持ピン100上に配置されている端部から見た保持ピン100の端面図を示している。
図3a及び
図3bに示すように、ロック解除状態では、ロック突起104(例えば、ディスク)は、管状外側シャフト102と実質的に同心であり、整列している。言い換えれば、ロック突起104の軸心122aは、筒状外軸102の軸心118aと整列している。保持ピン100がロック解除状態にある場合、ロック突起104は、管状外側シャフト102の外面102aの境界内に実質的に配置される。このような構成により、保持ピン100は、ロック解除状態で、構造に形成された穴内に、及び/または穴を通して容易に挿入されて、保持ピン100を介してともに結合されるとともに固定される。
【0016】
図3cは、ロック状態にある保持ピン100を示している。保持ピン100をロック解除状態(
図3a及び3b)からロック状態(
図3c及び3d)に移行させるには、回転ハンドル108を所定の回転角度だけ回転させて回転シャフト110を所定の角度まで回転させ、それによってロック突起104を回転シャフト110とともに回転させる。
図3cに示すように、ロック状態では、ロック突起104は、回転シャフト110上の偏心配置により、ロック突起104(例えば、ディスク)が管状外側シャフト102に対して偏心する配置まで回転され、それにより、ロック突起104の少なくとも一部が、管状外側シャフト102の外面を超えて延びるか、管状外側シャフト102の外面から突出するか、または管状外側シャフト102の外面の上に張り出す。言い換えれば、ロック突起104の軸心122aは、ロック状態において筒状外軸102の軸心118aに対してオフセットしている。実際、保持ピン100がロック状態にある場合、ロック突起104は管状外側シャフト102の外面102aの境界に対して偏心して配置されるように配置され、それにより、ロック突起の少なくとも一部が、管状外側シャフト102の外面102aの外側に配置される。このような構成では、ロック状態において、ロック突起104は、保持ピン100が挿入される構造の面とインターフェースするとともに係合し、構造をともに保持し、保持ピン100が定位置のままであることを確実にすることができる。
【0017】
図4a及び
図4bは、本開示の一例に係る保持ピン400を示す。
図4aは、管状外側シャフト402とロック突起404とを含むことができる保持ピン400を示す。管状外側シャフト402は、以下に説明するように、保持ピン400の動作を容易にするために、保持ピン400の操作中にユーザによって把持される構成されたグリップ延長部406の形態のハンドルを備えることができる。
【0018】
保持ピン400は、プランジャシャフト409と、プランジャーバレル410の形態のユーザインターフェイス部分とを有するプランジャ408をさらに含むことができ、プランジャ408は、管状外側シャフト402内に受領され、管状外側シャフト402内で移動可能であるように動作可能である。プランジャシャフト409は、さらに、プランジャーバレル410が配置されている端部とは反対側のプランジャシャフト409の係合端部に配置された肩部412及び1つまたは複数のカム面414を含むことができる。プランジャシャフト409は、スプリング416によってスプリング負荷式にすることができる。スプリング416は、プランジャシャフト409の肩部412と係合して着座し、プランジャ408を管状外側シャフト402に対して上方に付勢する。
【0019】
保持ピン400は、ロック突起404を支持する回転シャフト418をさらに備えることができる。回転シャフト418は、プランジャシャフト409のカム面414と係合してインターフェースするように構成された1つまたは複数のフォロワ面420及び422をさらに含むことができる。プランジャシャフト409のカム面414は、プランジャーバレル410を押すことによるプランジャ408の押し下げが、プランジャシャフト409を直線運動で下方に移動させ、フォロワ面420と接触及び係合させるような方法で、回転シャフト418のフォロワ面420及び422とインターフェースするように構成することができる。
【0020】
図に示すように、カム面414とフォロワ面420及び422とは、プランジャ408が押し下げられると互いに係合する螺旋角度の付いた面であってもよい。プランジャ408の押し下げによる回転シャフト418の回転運動については、
図5を参照して以下でさらに詳しく説明する。
【0021】
図4bは、保持ピン400がさらにローラーベアリング424及び426を含むことができることをさらに示している。ローラーベアリング424は、回転シャフト418を回転可能に支持することができる。ローラーベアリング426はプランジャシャフト409を支持することができる。保持ピン400は、上述したように、保持ピン100の位置決めスプリング116と同様の位置決めスプリング428をさらに備えることができる。保持ピン100と同様に、ローラーベアリング424及び426は、異物による損傷及び破片が外部環境内にあるようになることを防ぐためにシールローラーベアリングにすることができる。
【0022】
図5は、プランジャ408が押し下げ及び開放される際の回転シャフト418の回転の様々な例示的な段階を示す。明確にするために、
図5では、回転シャフト418及びプランジャ408を除く保持ピン400のすべての要素が省略されている。
図4a及び
図4bを参照すると、
図5の段階S1に示すように、プランジャ408は完全に伸長され、回転シャフト418から離され、それにより、プランジャシャフト409と回転シャフト418は互いに接触しない状態となる。プランジャ408を押し下げる力により、プランジャシャフト409が回転シャフト418に向かって移動し、スプリング416が圧縮される。これにより、プランジャシャフト409の螺旋状に角度が付された第1のカム面414が回転シャフト418の螺旋状に角度が付された第1のフォロワ面420に接触及び係合する。
【0023】
プランジャ408がさらに押し下げられる際、カム面414が第1のフォロワ面420に接触及び係合すると、第1のカム面414に沿っての第1のフォロワ面420のスライドにより、回転シャフト418をプランジャシャフト409に対して回転させる。段階S2は、プランジャシャフト408が回転シャフト418内に下向きに押し込まれているときに、回転シャフト418が回転途中にある状態を示している。プランジャ408に力が加えられ続けると、回転シャフト418は、カム面414及びフォロワ面420の設計及び構成に従って、プランジャ408が所定の角度(
図5に示すように、例えば180度)の回転を完了する段階S3に達するまで回転し続ける。段階S4では、プランジャ408に作用する力が解放され、ここで、スプリング416がプランジャ408に上向きの力を加えて、プランジャシャフト409を(例えば、スプリング416の力によって)回転シャフト418から離れるように移動させ、それにより、プランジャシャフト408が回転シャフト418から係合解除される。
図5から、この段階(S1~S4)ではロック突起404が180度回転していることがわかる。プランジャ408を1回押すことによって生じる前述の回転により、
図3aから
図3dにおけるロック突起104または保持ピン100に関して示すものと同様に、ロック突起404をロック解除状態からロック状態に移動させる。
【0024】
この段階で、プランジャ408を再度下方に押し下げて、プランジャシャフト409を回転シャフト418と係合させ、カム面414を、段階S1からS4中に回転シャフト418の回転によって所定の位置に移動された第2のフォロワ面422に接触させることができる。カム面414が、すでに回転した第1のフォロワ面420と接触するようにスライドして戻ることを避けるために、回転シャフト418は、段階S4において、(例えば、位置決めスプリング428または他のスプリングによって)カム面414の先端の下で、かつ整列して第2のフォロワ面422の少なくとも一部の位置に付勢され得る。この構成により、次いでプランジャ408を回転シャフト418に向かって下方に押し下げる際に、カム面414が正しいフォロワ面422に接触して、回転シャフト418のさらなる回転を生じさせることが確実になる。
【0025】
段階S5は、プランジャ408が下方に押されて、カム面414が第2のフォロワ面422に接触した状態でプランジャシャフト409が回転シャフト418に係合する際の、回転シャフト418が回転途中にある状態を示している。プランジャ408に力が加えられ続けると、回転シャフト418は、カム面414及びフォロワ面422の設計及び構成に従って、プランジャ408が所定の角度(
図5に示すように、例えば別の180度)の回転を完了する段階S6に達するまで回転し続ける。段階S7では、プランジャ408に作用する力が解放され、ここで、スプリング416がプランジャ408に上向きの力を加えて、プランジャシャフト409を(例えば、スプリング416の力によって)回転シャフト418から離れるように移動させ、それにより、プランジャシャフト409が回転シャフト418から係合解除される。
図5から、この段階(S4からS7)ではロック突起404がさらに180度回転していることがわかる。プランジャ408を1回押すことによって生じる前述の回転により、
図3aから
図3dにおけるロック突起104に関して示すものと同様に、ロック突起をロック状態からロック解除状態に移動させる。段階S1~S7を通じて、ロック突起404が360度回転を完了することが分かる。
【0026】
前に説明したものと同様に、カム面414が、すでに回転した第2のフォロワ面422と接触するようにスライドして戻ることを避けるために、回転シャフト418は、(例えば、位置決めスプリング428または他のスプリングによって)カム面414の先端の下で第1のフォロワ面420の少なくとも一部の位置に付勢され得、それにより、次いでプランジャ408を回転シャフト418に向かって下方に押し下げる際に、プランジャシャフト409のカム面414が420及び422の正しいフォロワ面に接触して、回転シャフト418とプランジャシャフト408との間の繰り返しの静止した係合よりむしろ、回転シャフト418のさらなる回転を生じさせることを確実にする。言い換えれば、回転シャフト418と、回転シャフト418とインターフェースされた位置決めスプリング428は、プランジャシャフト409が回転シャフト418から係合解除された状態で、回転シャフト418の回転を適切な位置まで誘導するように構成して、プランジャ408が、押し下げられると、異なるフォロワ面と係合して、プランジャ408に対する回転シャフト418の回転を引き起こすことを確実にすることができる。このクロッキング機能は、プランジャシャフト408が回転シャフト418から係合解除される毎に発生するように構成することができる。
【0027】
保持ピン400は、プランジャシャフト408と回転シャフト418との各々が、シャフトの周囲に180度または180度未満に延びる2つの螺旋状に角度が付された(カムまたはフォロワ)面を含む構成を示している。これにより、プランジャ408が押される毎に、回転シャフト418がそれぞれ180度または180度未満回転することになる。実際、カム及びフォロワ面は、プランジャ408を完全に押し下げることにより、回転シャフト418が所定の回転角度だけ回転して、クロック位置間の中間の角度方向または位置になるように構成することができる(すなわち、クロック位置は、位置決めスプリング428が最小の屈曲状態(例えば、保持ピン400のロックまたはロック解除状態に対応する)にある回転シャフト418の角度位置または方向である)。ここで、位置決めスプリング428は、回転シャフト418の現在のクロック位置の最小の屈曲状態から、最大屈曲状態を経て、回転シャフト418の次のクロック位置の前に中間の部分的に屈曲した状態に移行する。回転シャフト418の中間角度方向と位置決めスプリング428の中間の部分的に屈曲した状態とは、プランジャシャフト409が回転シャフト418から係合解除されると、位置決めスプリング428から回転シャフト418に作用する力によって、位置決めスプリング428が回転シャフト418のさらなる(すなわち、同じ方向の)回転を誘導するようにすることができる。位置決めスプリング428がこの中間の部分的に屈曲した状態(最大屈曲状態を超える)にあり、回転シャフト418がクロック位置間の中間角度方向にある場合、プランジャシャフト408の解放、並びに、カム面及びフォロワ面の係合解除により、回転シャフト418に作用するスプリングの力、及び、プランジャシャフト408によるさらなる作用なしで、(以下により詳細に論じるように)その内部に形成されたデテントの特徴に起因して、位置決めスプリング418に、回転シャフト418の次のクロック位置への、回転シャフト418のさらなる同じ方向の回転を誘導させることができる。位置決めスプリング428が回転シャフト418のさらなる同一方向の回転を誘導できるようにするために達成する必要がある回転シャフト418の中間角度方向は、保持ピン400の構成に応じて変化し得る。
【0028】
保持ピン400は、代替的には、プランジャ408を1回押し下げることが、回転シャフト418の任意の角度の回転を生じさせるために構成することができる。したがって、プランジャ408の押し下げが回転シャフト418の180度の回転に繋がるという、本明細書で説明する設計及び構成は、いずれの方法でも限定することは意図していない。例えば、
図6a及び6bは、保持ピン600(全体が示されていないが、構成及び機能は前述の保持ピン400と同様である)のためのプランジャシャフト609及び回転シャフト618を示しており、プランジャシャフト608が4つの螺旋状に角度が付されたカム面601、602、603、及び604を備えることができ、回転シャフト618が、各々がプランジャシャフト608のカム面601、602、603、及び604の1つに対応している4つのフォロワ面621、622、623、及び624を備えることができる点が異なる。フォロワ面621、622、623、及び624と、カム面601、602、603、及び604とは、それぞれのシャフトの周囲に90度延びている。したがって、保持ピン600の構成では、プランジャ608を1回押して放すことにより、回転シャフト618の90度の回転を生じる。したがって、プランジャ608を4回押し下げることにより、回転シャフト618が360度完全に1回回転することになり、位置決めスプリング(図示せず)は、本明細書で説明したのと同様の方法で、回転シャフト618を複数のクロック位置にクロックするように構成される。
【0029】
他の角度及び構成も可能であり、本明細書では考慮されている。実際、任意の数のカム及び/またはフォロワ面を使用して、回転シャフトの所望の回転を構成することができる。(例えば、1回押すことで120度回転する場合は3つの等間隔の面、1回押すことで72度回転する場合は5つの面など)。さらに、本発明は、プランジャの押下ごとに等しい回転に限定されない。カム面/フォロワ面は、プランジャの各押し下げが、異なる回転角度を生じるように、互いに異なる長さ及びサイズを有することができる。さらに、本明細書で説明するように、カム面及びフォロワ面は、位置決めスプリングが最小の屈曲状態から最大の屈曲状態を経て遷移し、プランジャシャフトの開放並びにカム面及びフォロワ面の現在の整列の係合解除の際に、回転シャフトに作用するスプリングの力に起因して、位置決めスプリングが、次のクロック位置への回転シャフトのさらなる回転を誘導することが可能である場合に、回転シャフトを所与の角度だけ回転するように構成することができる。
【0030】
図7a~7dは、様々な要素をともに結合する保持ピンを備えたシステム700の例を示している。保持ピンは、クランプのロック、調整可能な構造物の定位置での固定、機械内の要素の保持など、さまざまな用途に使用できる。
図7aは、互いに分離された複数の直方体構造を示しており、これらは、本明細書に開示されているように、保持ピンによってさまざまな構造要素をどのようにともに結合できるかを示す例示的な構造である。構造701、702、及び703の各々は、円形の断面構成を有するそれぞれの貫通孔704、705、及び706を含んでいる。
図7bは、構造701、702、及び703が、貫通穴704、705、及び706が整列しており、内部を通して保持ピンを受領するように構成されているように整列できることを示している。
【0031】
図7cは、構造701から703の貫通穴704から706に挿入された保持ピン100(上記で説明し、
図1から3dを参照)を示しており、これらをともに固定する前に、最初に構造とインターフェースする。保持ピン100は、
図7cではロック解除状態で示されている。図示のように、保持ピン700の肩部106は、貫通穴704から706よりも大きな断面直径を備えており、したがって、構造703の外面707に係合するとともに着座し、それにより、保持ピン100が構造701、702、及び703内で、かつ構造701、702、及び703に対して一定の深さで所定の位置に保持されるようにする。
図7cでは、ロック突起104の中心軸は、保持ピン100の管状外側シャフトの中心軸と同心または実質的に同心である。したがって、保持ピン100は、構造701、702、及び703が完全に所定の位置にロックされるか、または互いに固定されることなく、構造701、702、及び703の内部へ、及び外に、容易にスライド可能である。
図7dは、保持ピン100が構造701、702、及び703内でロック状態にあり、これにより構造701、702、及び703をともに固定している様子を示している。図示のように、保持ピン100のハンドルは、所定の角度だけターンまたは回転されて、ロック突起104を管状外側シャフト102及び回転シャフト110に対して偏心した位置に移動させている。ロック突起104が保持ピン100の残りの部分に対して偏心していることにより、ロック突起104が構造702の外面708と係合することができる。したがって、ロック状態では、保持ピン100は、構造702とロック突起104との間の干渉及び係合、並びに構造703と保持ピン100の肩部106との間の干渉及び係合によって、構造701、702、及び703を所定の位置にロックする。言い換えれば、構造701、702、及び703は、ロック突起104がロック位置にある状態で、ロック突起104と保持ピン100の肩部106との間に保持される。
【0032】
本明細書に開示される様々な位置決めスプリングの機能は、
図8a~
図8cを参照してさらに詳細に説明される。
図8aは、本開示の一例に係る回転シャフト802を示す。本明細書では、回転シャフト802は、
図6aから6bに類似する図示の特定のカム/フォロワ面の構成に関係なく、本明細書で論じられる回転シャフト(例えば、回転シャフト110、418、618)のいずれかを表し、それらを含むことができ、また、以下で論じられるデテント部分804の特徴は、本明細書で論じられる回転シャフト(例えば、回転シャフト110、418、618)のいずれかに存在することができることに留意されたい。この例に示すように、回転シャフト802は、デテント部分804を備え、環状の回転シャフト802の外面に1つまたは複数のデテント面806を形成することができる。
図8bに示すように、位置決めスプリング808は、回転シャフト802の周囲に配置され、回転シャフト802のデテント部804に隣接するとともに取り囲むように配置することができ、位置決めスプリング808は、回転シャフト802の特定の回転または選択された回転時にデテント面806に係合することができる。図示の例では、位置決めスプリング808は柔軟にすることができ、デテント面806と係合するように構成された1つまたは複数のコンプライアントローブ810を含むことができる。言い換えれば、本明細書で教示されているように、デテント面806は、回転シャフト802の構成及び所望の回転に応じて、少なくとも1つのコンプライアントローブ810を受領及び係合して、関連する保持ピンをロック及びロック解除するように構成できる。
【0033】
図8cは、回転シャフト802のデテント部分804と回転可能に係合した位置決めスプリング810を備えた回転シャフト802の3つの断面図を示している。
図8cは、回転シャフトが位置決めスプリング808に対して回転するときに、位置決めスプリング808内で位置決めスプリング808と係合している回転シャフト802の3つの回転位置または方向R1、R2、及びR3を示している。
【0034】
角度方向R1に示すように、インジケータラインA(デテント面806aの位置を示すために、明確化の目的のために使用される)は、回転シャフト802が位置決めスプリング808に対して向けられていることを示しており、それにより、コンプライアントローブ810aがデテント面806aに対して係合及び着座しており、コンプライアントローブ810bがデテント面806bに対して係合及び着座しており、コンプライアントローブ810cがデテント面806cに対して係合及び着座しており、かつ、コンプライアントローブ810dがデテント面806dに対して係合及び着座しており、このR1の角度方向は、位置決めスプリング808によって促進される回転シャフト802の第1のクロック位置を示している。図示のように、回転シャフト802の中心からデテント面806aから806dまでの距離は、回転シャフト802の中心から回転シャフト802の環状外面までの距離よりも短い。このR1方向では、位置決めスプリング808のコンプライアンスにより、コンプライアンスローブ810aから810dによってデテント面806aから806dにそれぞれ力が加わる。これにより、回転シャフト802の回転は位置決めスプリング808によって抗され、回転シャフト802は、インジケータラインAがコンプライアントローブ810aに向けられる角度方向R1に保持されるように付勢される。
【0035】
図8cは、回転シャフト802の角度方向R2をさらに示しており、インジケータ線Aがコンプライアントローブ810aと810bとの間にあり、コンプライアントローブ810aから810dの各々が曲げられて、デテント面806aから806dの1つから着座が解除されているように、回転シャフト802が回転した状態を示している。この中間角度方向R2では、回転シャフト802はクロック位置(すなわち、位置決めスプリングが最も屈曲していない状態の回転シャフトの回転位置または方向)から外れている。実際、回転シャフト802を回転させるのに十分な力が加えられると(例えば、図示されていない保持ピンのハンドルを介する)、回転シャフト802は位置決めスプリング808内で回転する。回転が行われると、デテント面806aから806dがそれぞれコンプライアントローブ810aから810dとの位置または整列した状態から外れ、また、デテント面806aから806dの反対側の外側のエッジがコンプライアントローブ810aから810dに押し付けられて、コンプライアントローブ810aから810dを外側に曲げた際に、位置決めスプリング808が外向きに曲げられる。図に示すように、デテント面806aから806dは、回転シャフト802の外面上の異なる点の間に延びるようなサイズ及び構成にされている。さらに、コンプライアントローブ810aから810dは、これらコンプライアントローブ810aから810dがそれぞれデテント面806aから806dと本質的に線接触するものを提供するように構成することができ(たとえば、この例では湾曲している)、それにより、回転シャフト802の回転により、コンプライアントローブ810aから810dがそれぞれデテント面806aから806dに沿ってスライドするようになっており、ここで、これらが、回転シャフト802のこのような回転に適応するように、外向きに曲げられる。この中間位置R2では、コンプライアントローブ810aから810dはデテント面806aから806dと係合していない。
【0036】
図8cは、角度方向R3をさらに示しており、これは、角度方向R1のクロック位置から90度のクロック位置にある回転シャフト802を示している。角度方向R3では、回転シャフト802の回転は、コンプライアントローブ810aから810dをその元の曲がる前の位置にバネで戻すのに十分であり、それにより、コンプライアントローブ810aから810dの各々が、デテント面806aから806dの1つに係合するとともに着座するようになっている。このクロック位置では、図示のように、コンプライアントローブ810aはデテント面806dに対して係合するとともに着座し、コンプライアントローブ810bはデテント面806aに対して係合するとともに着座する、などである。この係合により、回転シャフト802は、各デテント面が異なるコンプライアントローブと係合する新しい角度方向R3に保持される。位置決めスプリング808の柔軟性により、柔軟性ローブ810がそれぞれのデテント面806に対して保持されて、回転シャフト802の回転に抗し、角度方向R3に示すように、回転シャフト802をクロック位置に付勢する。
【0037】
図に示す位置決めスプリング808により、回転シャフトを、各々が90度離間した4つの異なるラジアル位置及びクロック位置に付勢できる。しかし、このことは、いずれの方法でも限定することは意図しておらず、当業者であれば、回転シャフト及びそれに関連する位置決めスプリングの設計及び構成に応じて、他のラジアル位置及びクロッキング位置が可能であり、本明細書で考慮されていることを認識するであろう。実際、位置決めスプリングは、回転シャフトの任意の数の1つまたは複数のデテント面と係合するように構成された任意の数の1つまたは複数のコンプライアントローブを有することができる。さらに、位置決めスプリングは、デテント面の数と同じ数のコンプライアントローブを有することができ、またはデテント面の数とは異なる数のコンプライアントローブを有することができる。さらに、コンプライアントローブとデテント面は、位置決めスプリング及び回転シャフトの周囲に任意の角度で離間させることができる。
【0038】
回転シャフト418、618、及び802のクロッキング位置は、それらが関連付けられている、それぞれプランジャシャフト(プランジャシャフト408、608など)及び回転シャフトのカム面及びフォロワ面に対してオフセットされることができ、それにより、プランジャシャフトが解放され、カム面がフォロワ面から係合解除されると、回転シャフトに関連付けられている位置決めスプリングが、プランジャシャフトのカム面を回転シャフトの異なるフォロワ面と整列するのに十分な追加の回転角度を誘導し、こうして、プランジャシャフトが押されるたびに回転シャフトが連続的に回転することを容易にすることに留意されたい。言い換えれば、プランジャシャフトが完全に押し下げられると、これにより、回転シャフトがクロック位置のすぐ手前の位置まで回転することになる。カム面の各々がそれぞれの現在のフォロワ面から係合解除されるようにプランジャシャフトが解放されると、位置決めスプリングによって回転シャフトがさらなる回転量だけ回転し、ここで回転シャフトはクロック位置にあり、異なるフォロワ面がプランジャシャフトの異なるカム面と整列され、それにより、その後のプランジャシャフトの押し下げにより、個々のカム面の各々が、利用可能なフォロワ面の異なるフォロワ面に係合し、回転シャフトをさらに回転させる。
【0039】
図面に例示した例を参照し、これらを説明するために本明細書では特定の言語を用いた。しかしながら、それによって本技術の範囲を限定することは意図されていないことを理解されたい。本明細書で例示した特徴の修正及びさらなる変更、並びに本明細書で例示した例の追加用途は、説明の範囲内であると考えるべきである。
【0040】
本開示は、本明細書で説明したいくつかの実施形態または特徴が、本明細書で説明した他の実施形態または特徴と組み合わせられ得ることを明示的に開示していない場合があるが、本開示は、当業者によって実行可能な任意のそのような組み合わせを記載しているように読まれるべきである。本開示において「または」を用いることは、本明細書において特に断りのない限り、非排他的または、すなわち、「及び/または」を意味すると理解すべきである。
【0041】
さらに、説明された特徴、構造、または特性は、1つまたは複数の実施例において任意の適切な方式で組み合わせることができる。前述の説明では、説明した技術の例の十分な理解を得るために、様々な構成の例など、多くの特定の詳細が提供された。しかし、本技術が、特定の詳細の1つまたは複数を用いずに、または他の方法、構成要素、デバイスなどを用いて実施され得ることが理解される。他の事例では、本技術の態様が不明瞭になることを避けるために、周知の構造または操作は図示することも、詳細に説明することもしていない。
【0042】
主題は、構造的特徴及び/または操作に固有の言語で説明されているが、添付の特許請求の範囲で定義された主題が必ずしも上述の特定の特徴及び操作に限定されないことを理解されたい。むしろ、上で説明した特定の特徴及び動作は、特許請求の範囲を実装する例示的な形態として開示されている。説明した技術の趣旨及び範囲から逸脱することなく、多くの変更及び代替的な配置が考案され得る。
【国際調査報告】