IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーションの特許一覧

特表2025-501708電流モード信号経路のベースバンド・フィルタ
<>
  • 特表-電流モード信号経路のベースバンド・フィルタ 図1
  • 特表-電流モード信号経路のベースバンド・フィルタ 図2
  • 特表-電流モード信号経路のベースバンド・フィルタ 図3
  • 特表-電流モード信号経路のベースバンド・フィルタ 図4
  • 特表-電流モード信号経路のベースバンド・フィルタ 図5
  • 特表-電流モード信号経路のベースバンド・フィルタ 図6
  • 特表-電流モード信号経路のベースバンド・フィルタ 図7
  • 特表-電流モード信号経路のベースバンド・フィルタ 図8
  • 特表-電流モード信号経路のベースバンド・フィルタ 図9
  • 特表-電流モード信号経路のベースバンド・フィルタ 図10
  • 特表-電流モード信号経路のベースバンド・フィルタ 図11
  • 特表-電流モード信号経路のベースバンド・フィルタ 図12
  • 特表-電流モード信号経路のベースバンド・フィルタ 図13
  • 特表-電流モード信号経路のベースバンド・フィルタ 図14
  • 特表-電流モード信号経路のベースバンド・フィルタ 図15
  • 特表-電流モード信号経路のベースバンド・フィルタ 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-23
(54)【発明の名称】電流モード信号経路のベースバンド・フィルタ
(51)【国際特許分類】
   G06N 10/40 20220101AFI20250116BHJP
【FI】
G06N10/40
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535423
(86)(22)【出願日】2022-12-19
(85)【翻訳文提出日】2024-06-13
(86)【国際出願番号】 EP2022086605
(87)【国際公開番号】W WO2023117872
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】17/555,998
(32)【優先日】2021-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
2.BLU―RAY DISC
(71)【出願人】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【住所又は居所原語表記】New Orchard Road, Armonk, New York 10504, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【弁理士】
【氏名又は名称】太佐 種一
(74)【代理人】
【識別番号】100120710
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】チャックラボーティ、スディプト
(72)【発明者】
【氏名】リチェッタ、レイモンド
(72)【発明者】
【氏名】ブルザッケリ、ジョン
(57)【要約】
本明細書において提供される1つまたは複数のシステム、デバイス、または使用方法、あるいはその組み合わせは、エンドツーエンドの電流モード信号経路において使用され得るベースバンド・フィルタに関連している。エンドツーエンドの電流モード信号経路は、電流モードで動作するデジタル/アナログ・コンバータ(DAC)、および電流モードで動作し、DACに動作可能に結合されたアップコンバート・ミキサーを含むことができる。1つまたは複数の実施形態では、信号経路内で使用されるデバイスは、入力電流を受信して出力電流を出力するベースバンド・フィルタを備えることができる。ベースバンド・フィルタは、ループで結合された能動回路分岐および受動回路分岐を含んでいるフィードバック・ループ・コンポーネントを備えることができる。ミラーリング・デバイスが、フィードバック・ループ・コンポーネントに結合されることが可能であり、デバイスの出力を供給することができる。ミラーリング・デバイスを選択的に作動させることによって、ミラーリング・デバイスなどの利得を変えることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力電流を受信し、出力電流を出力するベースバンド・フィルタを備えているデバイスであって、前記ベースバンド・フィルタが、
ループで結合された能動回路分岐および受動回路分岐を含んでいるフィードバック・ループ・コンポーネントを備える、デバイス。
【請求項2】
前記能動回路分岐および前記受動回路分岐が、周波数において分離可能な極の対を一緒に与える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記ベースバンド・フィルタが、
ミラーリング段と、
前記フィードバック・ループ・コンポーネントを含んでいるフィルタ・コア段と前記ミラーリング段の間に結合された追加の回路部とをさらに備え、
前記追加の回路部が追加の極を与える、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記追加の回路部が抵抗器およびコンデンサを備える、請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記ベースバンド・フィルタが、
前記フィードバック・ループ・コンポーネントに結合されて前記デバイスの出力を供給するミラーリング・デバイスをさらに備える、請求項1ないし4のいずれかに記載のデバイス。
【請求項6】
前記ミラーリング・デバイスを選択的に作動させると利得が変わる、請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
前記ベースバンド・フィルタが、
フィルタ・コア段に結合された追加の回路部と、
前記追加の回路部に結合されたミラーリング段とをさらに備え、
前記フィルタ・コア段が前記フィードバック・ループ・コンポーネントを含み、
前記ミラーリング段が前記フィードバック・ループ・コンポーネントに結合されて前記デバイスの出力を供給する、請求項1ないし6のいずれかに記載のデバイス。
【請求項8】
入力電流を受信して出力電流を供給するベースバンド・フィルタであって、前記ベースバンド・フィルタが、ループで結合された能動回路分岐および受動回路分岐を含んでいるフィードバック・ループ・コンポーネントを備える、前記ベースバンド・フィルタと、
前記ベースバンド・フィルタに結合された出力段とを備えている無線周波パルス発生器を備える、システム。
【請求項9】
前記ベースバンド・フィルタが、
前記フィードバック・ループに結合された電流ミラーを備えている出力段をさらに備え、
前記フィードバック・ループおよび前記出力段が電流モード信号経路を一緒に定義する、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記能動回路分岐および前記受動回路分岐が、周波数において分離可能な極の対を一緒に与える、請求項8または9のいずれかに記載のシステム。
【請求項11】
前記ベースバンド・フィルタが、
ミラーリング段と、
前記フィードバック・ループ・コンポーネントを含んでいるフィルタ・コア段と前記ミラーリング段の間に結合された追加の回路部とをさらに備え、
前記追加の回路部が追加の極を与える、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記追加の回路部が抵抗器およびコンデンサを備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記ベースバンド・フィルタが、
前記フィードバック・ループ・コンポーネントに結合されて前記ベースバンド・フィルタの出力を供給するミラーリング・デバイスをさらに備え、
前記ミラーリング・デバイスを選択的に作動させると利得が変わる、請求項8ないし12のいずれかに記載のシステム。
【請求項14】
プロセッサに動作可能に結合されたシステムによって、入力電流を受信するベースバンド・フィルタによる出力電流を出力することを含む方法であって、前記ベースバンド・フィルタが、ループで結合された能動回路分岐および受動回路分岐を含んでいるフィードバック・ループ・コンポーネントを備える、方法。
【請求項15】
前記システムによって、前記ベースバンド・フィルタを、プロセッサに結合された出力段に動作可能に結合することをさらに含み、
前記ベースバンド・フィルタおよび前記出力段が、前記プロセッサに結合された無線周波パルス発生器の少なくとも一部を一緒に定義する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記システムによって、前記無線周波パルス発生器によって無線周波出力信号を出力することをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記システムの前記ベースバンド・フィルタの前記能動回路分岐および前記受動回路分岐によって、周波数において分離可能である極の対を与えることと、
前記システムによって、追加の回路部を、前記フィードバック・ループ・コンポーネントを含んでいる前記ベースバンド・フィルタのフィルタ・コア段と前記ベースバンド・フィルタのミラーリング段の間に動作可能に結合することとをさらに含む方法であって、
前記追加の回路部が追加の極を与える、請求項14ないし16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
前記追加の回路部が、静的電力を消費しない回路要素であり、抵抗器およびコンデンサを備える、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記受動回路分岐が、静的電力を消費しない回路分岐である、請求項14ないし18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
前記システムによって、利得を変えるように、前記ベースバンド・フィルタのミラーリング・デバイスを選択的に作動させることをさらに含み、
前記ミラーリング・デバイスが、前記フィードバック・ループに結合されて前記ベースバンド・フィルタの電流モード信号経路の出力を供給する、請求項14ないし19のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
ミラーリング・デバイスによって、前記ミラーリング・デバイスの複数のミラーリング・サブユニットのうちの1つまたは複数を選択的に作動させることによって、デジタル/アナログ・コンバータの利得を変えることと、
前記ミラーリング・デバイスによって、出力電流を出力することであって、前記ミラーリング・デバイスが、ベースバンド・フィルタの電流モード信号経路の出力を供給する、前記出力することと、
前記ミラーリング・デバイスによって、前記ベースバンド・フィルタの能動回路分岐および受動回路分岐の両方を備えているフィードバック・ループから電圧を受信することとを含む、方法。
【請求項22】
前記利得を変えることが、前記ミラーリング・デバイスによって、前記ミラーリング・デバイスの2つ以上のミラーリング・サブユニットを、少なくとも部分的に互いに同時に、選択的に作動させることを含む、ということをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
入力電流に基づいて出力電流を出力するベースバンド・フィルタを備えているデバイスであって、前記ベースバンド・フィルタが、
ソース、ゲート、およびドレインを含んでいる第1のトランジスタであって、前記ソースが入力端子に結合され、前記ゲートがバイアス電圧に結合され、前記ドレインが静電容量源に結合され、前記静電容量源が第1の極を与える、前記第1のトランジスタと、
第2のトランジスタと、
前記第1のトランジスタの前記ドレインを前記第2のトランジスタのゲートに結合する受動分岐であって、第2の極を与える、前記受動分岐とを備える、デバイス。
【請求項24】
前記第2のトランジスタのソースが、グランドに、または電源に結合され、前記第2のトランジスタのドレインが、前記入力端子に結合される、請求項23に記載のデバイス。
【請求項25】
前記ベースバンド・フィルタが、
バイアス電流源として動作可能な第3のトランジスタをさらに備え、前記第3のトランジスタが前記第1のトランジスタの前記ドレインに結合される、請求項23または24のいずれかに記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、エンドツーエンドの電流モード信号経路を利用する統合された無線周波パルス発生器システムに関連しており、より詳細には、そのようなシステムにおいて使用するためのベースバンド・フィルタに関連している。
【背景技術】
【0002】
量子コンピューティングは、通常、計算機能および情報処理機能を実行するための量子力学的現象の利用である。量子コンピューティングは、トランジスタを使用して2進値に対して通常は動作する古典的コンピューティングとは対照的であると見なすことができる。すなわち、古典的コンピュータは、0または1のいずれかであるビット値に対して動作することができるが、量子コンピュータは、0と1の両方の重ね合わせを含む量子ビット(quantum bits)(量子ビット(qubit))に対して動作する。量子コンピューティングは、計算の複雑さに起因して、古典的コンピュータ上では解くことができないか、またはゆっくりと解くことしかできない問題を、解く可能性がある。
【発明の概要】
【0003】
以下に、本発明の1つまたは複数の実施形態の基本的理解を可能にするための概要を示す。この概要は、主要な要素または重要な要素を特定するよう意図されておらず、特定の実施形態の範囲または特許請求の範囲を正確に説明するよう意図されていない。この概要の唯一の目的は、後で提示されるより詳細な説明のための前置きとして、概念を簡略化された形態で提示することである。本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態では、システム、コンピュータ実装方法、装置、またはコンピュータ・プログラム製品、あるいはその組み合わせが、消費電力を削減し、信号チェーン内のデジタル/アナログ・コンバータ(DAC:digital to analog converter)とその後の各段との間の線形性を改善するために、エンドツーエンドの電流モード信号経路などを利用して、統合された無線周波パルス発生器システムを容易にすることができる。これによって、消費電力および歪みに関して、有益な一連のトレードオフの実現を容易にすることができる。ループ結合された能動回路分岐および受動回路分岐を含んでいるフィードバック・ループ・コンポーネントを備えているベースバンド・フィルタを少なくとも一部において利用することによって、1つまたは複数の利点がもたらされ得る。
【0004】
実施形態に従って、デバイスは、入力電流を受信して出力電流を出力するベースバンド・フィルタを備えることができる。ベースバンド・フィルタは、ループで結合された能動回路分岐および受動回路分岐を含んでいるフィードバック・ループ・コンポーネントを備えることができる。
【0005】
別の実施形態に従って、システムは、入力電流を受信して出力電流を供給するベースバンド・フィルタを備えている無線周波(RF:radio frequency)パルス発生器を備えることができ、ベースバンド・フィルタは、ループで結合された能動回路分岐および受動回路分岐を含んでいるフィードバック・ループ・コンポーネントを備える。RFパルス発生器は、ベースバンド・フィルタに結合された出力段を備えることもできる。
【0006】
さらに別の実施形態に従って、方法は、プロセッサに動作可能に結合されたシステムによって、入力電流を受信するベースバンド・フィルタによって出力電流を出力することを含むことができ、ベースバンド・フィルタは、ループで結合された能動回路分岐および受動回路分岐を含んでいるフィードバック・ループ・コンポーネントを備える。
【0007】
前述のデバイス、システム、または方法、あるいはその組み合わせの利点は、信号チェーン内のベースバンド・フィルタと隣接する段の間の電流再利用への道を与えることができる電流モード信号経路の実施可能性であることができる。静的電力をほとんどまたは全く消費しない受動回路分岐の使用に起因して、前述のフィードバック・ループを採用することによって、電流の使用を減らすことができる。電流モード信号経路を採用して、各信号経路内の追加の電流から電圧への変換および電圧から電流への変換の導入を回避することによって、望ましくない歪み成分を制限する。さらに、ベースバンド・フィルタの構造および機能は、各信号経路またはRFパルス発生器あるいはその両方のさまざまな回路インターフェイスでの低インピーダンスと一致することができ、線形性および回路の帯域幅の両方を改善する。それに関連して、ベースバンド・フィルタを採用する信号チェーンに関連して、電流が再利用されることが可能であり、電力効率が改善されることが可能であり、歪み成分が減らされ得る。電流モード・フィルタの別の利点は、回路の出力を一緒に点結合する(dotting)ことによって、加算および減算などの線形関数が実現され得ることであることができ、この技術は、電力効率が良く、低電源電圧に適合する。
【0008】
前述の利点の恩恵は、量子システムの1つまたは複数の量子ビットを操作することに関連して、より少ない電力を使用する能力であることができる。消費電力の削減は、量子システムの量子ビットのスケーリングの拡大を可能にすることができる。さらに、デバイスまたはシステムあるいはその両方のコンポーネントが、希釈冷凍機などの極低温室内で、または極低温室に関連して、あるいはその両方で使用され得る。
【0009】
前述のデバイス、システム、または方法、あるいはその組み合わせの1つまたは複数の実施形態では、ミラーリング・デバイスが、フィードバック・ループ・コンポーネントに結合されることが可能であり、デバイスの出力を供給することができる。前述のデバイス、システム、または方法、あるいはその組み合わせの1つまたは複数の実施形態では、ミラーリング・デバイスを選択的に作動させ、ミラーリング・デバイスのアクティブな幅(例えば、アクティブな指の数)を変えることなどによって、利得を変えることができる。関連する利点は、ループと出力段の間に結合された抵抗器およびコンデンサを使用することによる、追加の極を実現する能力であることができる。これらの極は、相互コンダクタンス(gm)および抵抗(R)の積が一定量のままになるように回路を設計することによって、互いに追跡するように作られ得る。
【0010】
さらに別の実施形態に従って、デバイスは、入力電流に基づいて出力電流を出力するベースバンド・フィルタを備えることができる。ベースバンド・フィルタは、ソース、ゲート、およびドレインを含んでいる第1のトランジスタであって、ソースが入力端子に結合され、ゲートがバイアス電圧に結合され、ドレインが静電容量源に結合され、静電容量源が第1の極を与える、第1のトランジスタと、第2のトランジスタと、第1のトランジスタのドレインを第2のトランジスタのゲートに結合する受動分岐であって、第2の極を与える、受動分岐とを備えることができる。
【0011】
前述のデバイス、システム、または方法、あるいはその組み合わせの利点は、信号チェーン内のベースバンド・フィルタと隣接する段の間の電流再利用への道を与えることができる電流モード信号経路の実施可能性であることができる。静的電力をほとんどまたは全く消費しない受動回路分岐の使用に起因して、前述のフィードバック・ループを採用することによって、電流の使用を減らすことができる。電流モード信号経路を採用して、各信号経路内の追加の電流から電圧への変換および電圧から電流への変換の導入を回避することによって、望ましくない歪み成分を制限する。さらに、ベースバンド・フィルタの構造および機能は、各信号経路またはRFパルス発生器あるいはその両方のさまざまな回路インターフェイスでの低インピーダンスと一致することができ、線形性および回路の帯域幅の両方を改善する。それに関連して、ベースバンド・フィルタを採用する信号チェーンに関連して、電流が再利用されることが可能であり、電力効率が改善されることが可能であり、歪み成分が減らされ得る。電流モード・フィルタの別の利点は、回路の出力を一緒に点結合することによって、加算および減算などの線形関数が実現され得ることであることができ、この技術は、電力効率が良く、低電源電圧に適合する。
【0012】
デバイスの実施形態では、第2のトランジスタのソースが、グランドに、または電源に結合されることが可能であり、第2のトランジスタのドレインが、入力端子に結合され得る。利点は、受動回路分岐を使用しながらの、第1および第2の極の提供であることができる。
【0013】
別の実施形態に従って、方法は、ミラーリング・デバイスによって、ミラーリング・デバイスの複数のミラーリング・サブユニットのうちの1つまたは複数を選択的に作動させることによって、デジタル/アナログ・コンバータの利得を変えることを含むことができる。この方法は、ミラーリング・デバイスによって、出力電流を出力することを含むことができ、ミラーリング・デバイスは、ベースバンド・フィルタの電流モード信号経路の出力を供給する。この方法は、ミラーリング・デバイスによって、ベースバンド・フィルタの能動回路分岐および受動回路分岐の両方を備えているフィードバック・ループから電圧を受信することを含むことができる。
【0014】
前述のデバイス、システム、または方法、あるいはその組み合わせの利点は、信号チェーン内のベースバンド・フィルタと隣接する段の間の電流再利用への道を与えることができる電流モード信号経路の実施可能性であることができる。静的電力をほとんどまたは全く消費しない受動回路分岐の使用に起因して、前述のフィードバック・ループを採用することによって、電流の使用を減らすことができる。電流モード信号経路を採用して、各信号経路内の追加の電流から電圧への変換および電圧から電流への変換の導入を回避することによって、望ましくない歪み成分を制限する。さらに、ベースバンド・フィルタの構造および機能は、各信号経路またはRFパルス発生器あるいはその両方のさまざまな回路インターフェイスでの低インピーダンスと一致することができ、線形性および回路の帯域幅の両方を改善する。それに関連して、ベースバンド・フィルタを採用する信号チェーンに関連して、電流が再利用されることが可能であり、電力効率が改善されることが可能であり、歪み成分が減らされ得る。電流モード・フィルタの別の利点は、回路の出力を一緒に点結合することによって、加算および減算などの線形関数が実現され得ることであることができ、この技術は、電力効率が良く、低電源電圧に適合する。
【0015】
前述の利点の恩恵は、量子システムの1つまたは複数の量子ビットを操作することに関連して、より少ない電力を使用する能力であることができる。消費電力の削減は、量子システムの量子ビットのスケーリングの拡大を可能にすることができる。さらに、デバイスまたはシステムあるいはその両方のコンポーネントが、希釈冷凍機などの極低温室内で、または極低温室に関連して、あるいはその両方で使用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態に従って、1つまたは複数の量子ビットの操作を容易にすることができる例示的な非限定的システムのブロック図を示す図である。
図2】電流モード信号経路を利用して統合された無線周波(RF)パルス発生器を実装する例示的なシステムの実装のブロック図を示す図である。
図3】エンドツーエンドの電流モード信号経路を利用して無線周波(RF)パルス発生器を統合するための方法の例示的なフレームワークを示す図である。
図4】無線周波(RF)パルス発生器の信号チェーンの例示的なアーキテクチャを示す図である。
図5】本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態にそれぞれ従って、異なるベースバンド・フィルタの対の例示的な回路図を示す図である。
図6】本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態に従って、ベースバンド・フィルタの例示的な回路図を示す図である。
図7】本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態に従って、異なる受動回路分岐要素をそれぞれ含んでいる3つの異なるベースバンド・フィルタの例示的な回路図を示す図である。
図8】本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態に従って、ベースバンド・フィルタの例示的な回路図を示す図である。
図9】本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態にそれぞれ従って、カスケード接続されたベースバンド・フィルタの例示的な回路図を示す図である。
図10】本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態にそれぞれ従って、カスケード接続されたベースバンド・フィルタの別の例示的な回路図を示す図である。
図11】本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態に従って、デバイスの使用を容易にすることができる例示的な非限定的方法のフロー図を示す図である。
図12】本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態に従って、デバイスの使用を容易にすることができる例示的な非限定的方法の図11のフロー図の続きを示す図である。
図13】本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態に従って、デバイスの使用を容易にすることができる例示的な非限定的方法のフロー図を示す図である。
図14】本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態を容易にすることができる例示的な非限定的動作環境のブロック図を示す図である。
図15】本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態に従って、例示的な非限定的クラウド・コンピューティング環境のブロック図を示す図である。
図16】本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態に従って、例示的な非限定的抽象モデル・レイヤのブロック図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本明細書に記載された主題の実施形態は、一般に、統合された無線周波(RF)パルス発生器に関連しており、より詳細には、エンドツーエンドの電流モード信号経路を利用して、消費電力を削減し、歪みを減らし、信号チェーン内のデジタル/アナログ・コンバータ(DAC)と隣接する各段の間の線形性を改善することに関連している。より詳細には、本明細書に記載された主題の実施形態は、パルス発生器またはDACあるいはその両方を含むか、または含まないさまざまなシステムにおいて使用され得る、電力効率の良い電流モード・ベースバンド・フィルタに関連している。
【0018】
以下の詳細な説明は、例にすぎず、実施形態、または実施形態の適用もしくは利用、あるいはその両方を制限するよう意図されていない。さらに、前述の「発明の概要」のセクションまたは「発明を実施するための形態」のセクションで提示された、いずれかの明示されたか、または暗示された情報によって制約されるという意図はない。ここで、図面を参照して1つまたは複数の実施形態が説明され、図面全体を通じて、類似する参照番号が、類似する要素を参照するために利用されている。以下の説明では、説明の目的で、1つまたは複数の実施形態を十分に理解できるように、多数の特定の詳細が示されている。しかし、これらの特定の詳細がなくても、さまざまな事例において、1つまたは複数の実施形態が実践され得るということは明らかである。
【0019】
一般に、大規模に、量子コンピューティング・クラウド・サービス・プロバイダは、1年間に、ユーザのために数百万の量子ジョブを実行することができる。各量子ジョブは、1つまたは複数の量子プログラムの実行を含むことができる。量子ビット状態が、制限された時間量の間しか存在できない(またはコヒーレントであることができない)場合、(例えば、1つまたは複数の量子ビットを含む)量子論理回路の動作の目的は、動作の時間を減らすこと、または動作の速度を増やすこと、あるいはその両方であることができる。量子論理回路を操作するために費やされた時間は、1つまたは複数の量子ビットに対する動作の使用可能な時間を不必要に減らす可能性がある。これは、1つまたは複数の量子ビットのデコヒーレンスの前に使用できる1つまたは複数の量子ビットのコヒーレンス時間に起因する可能性がある。例えば、場合によっては、100~200マイクロ秒未満で量子ビット状態が失われることがある。さらに、量子ビットに対する動作は、通常、ある程度のデコヒーレンスまたはある程度の量子ノイズあるいはその両方などの、何らかのエラーを導入し、量子ビットの可用性にさらに影響を与える。量子ノイズは、量子相互作用の離散的性質または確率的性質あるいはその両方に起因するノイズのことを指すことができる。量子状態の寿命を延ばし、コヒーレンス時間を伸ばすデバイス設計が望ましいことがある。
【0020】
また、大規模に、大量の量子ジョブが、各量子プログラムを素早く実行するように圧力をかけることがある。すなわち、実行速度の向上は、システムの使用を最大化すること、測定結果を待機する必要があるユーザを最小化すること、または古典的計算リソースの望ましくない消費を最小化すること、あるいはその組み合わせと、直接的に、または間接的に、あるいはその両方で、相互関係がある可能性がある。最大の性能が、当面のエラーが生じやすいシステムから引き出され得るように、各量子システムの1つまたは複数の量子ビットに対する測定の品質が改善され得るように、または物理的レベルのパルスへのコンパイルが(例えば、正確さ、精度、または測定効率、あるいはその組み合わせに関連して)改善され得るように、あるいはその組み合わせであるように、これらの量子ジョブを適切に実行するよう圧力がかけられることもある。
【0021】
量子システムによって制御される物理的な現実世界の量子論理回路は、複数の量子ビットを含むことができる。量子ビットの一種である超伝導量子ビットは、ジョセフソン接合を含むことができ、通常は、希釈冷凍機などの極低温室内のみで動作する。1つまたは複数のそのような超伝導量子ビットは、極低温室内に含まれた測定回路ごとに多重化され得る。
【0022】
量子ビットの制御を含む複数の状況において、変動振幅および低歪みを伴う任意波形生成能力が望ましいことがある。任意波形発生器(AWG:arbitrary waveform generator)内の主要な回路はデジタル/アナログ・コンバータ(DAC)であることができ、デジタル/アナログ・コンバータは、ワイヤレス送信機および量子ビット制御パルスの実装を含むさまざまな応用において役立つことができる。そのような設計の消費電力を最小限に抑え、歪みを減らすことは、特に、量子ビット制御のための極低温信号生成の状況において役立つことができる。電圧モード表現を信号経路に利用する設計に伴う課題は、非線形挙動および望ましくない歪み成分の生成につながる、ブロック・インターフェイスでの高ダイナミック・レンジ要件を含む可能性がある。望ましくない歪み成分は、システム内のノイズまたは乱れの発生源と見なされることが可能であり、したがって、例えば、極低温室内の1つまたは複数の量子ビットのコヒーレンス時間を減らすことに寄与することができる。
【0023】
別の課題は、電流再利用に由来する電力効率の機会のない、ブロックごとの著しい消費電力である可能性がある。増大した数の量子ビットを含むように量子システムをスケーリングする場合、電力効率は、望ましいだけでなく、増大した数の量子ビットを含むようにスケーリングすることを可能にする要因でもあることができる。
【0024】
より詳細には、量子計算は、古典的な計算ビットの代わりに、量子ビットを基本単位として利用する。量子ビット(例えば、量子2進数)は、古典的ビットの量子力学的類似物である。古典的ビットは、2つの基礎状態(例えば、0または1)のうちの1つのみを使用することができるが、量子ビットは、これらの基礎状態の重ね合わせ(例えば、α|0>+β|1>、αおよびβは、|α|+|β|=1となるような複素スカラーである)を使用することができ、理論的には、複数の量子ビットが、同じ数の古典的ビットよりも指数関数的に多い情報を保持することができる。したがって、量子コンピュータ(例えば、古典的ビットのみではなく量子ビットを採用するコンピュータ)は、理論的には、古典的コンピュータにとって極めて困難であることがある問題を素早く解くことができる。古典的コンピュータのビットは、単に0または1のいずれかの値を持つ2進数である。スイッチ、バルブ、磁石、コイン、または同様のバイナリ形式の状態の尺度というような、2つの異なる状態を有するほとんどすべてのデバイスは、古典的ビットを表すのに役立つことができる。量子の神秘性を分かち合う量子ビットは、0と1の状態の重ね合わせを占めることができる。これは、量子ビットが0.63などの中間値を持つことができるということではなく、量子ビットの状態が測定された場合、結果は0または1のいずれかになる。しかし、計算の過程では、量子ビットは、例えば、63パーセントの0および37パーセントの1のような、状態の混合であるかのように振る舞うことができる。
【0025】
実際に、一般的な量子プログラムは、計算の量子力学的部分と古典的部分の調整を必要とする。一般的な量子プログラムについて考えるための1つの方法は、量子アルゴリズムを指定し、そのアルゴリズムを実行可能な形態に変換し、実験またはシミュレーションを実行し、結果を分析することに関わるプロセスおよび抽象化を識別することである。これらのプロセスを通じた概念は、中間表現の使用である。計算の中間表現(IR:intermediate representation)は、ソース言語記述でもターゲット・マシン命令でもなく、これらの中間の何かである。コンパイラは、プログラムを変換して最適化するプロセスの間に、複数のIRを利用することができる。入力は、量子アルゴリズムおよびコンパイル時パラメータを記述するソース・コードである。出力は、高レベルのIRを使用して表されて組み合わせられた量子プログラム/古典的プログラムである。量子コンピュータと古典的コンピュータの違いは、量子コンピュータが確率的であり、したがって、アルゴリズムの出力の測定結果が、アルゴリズムに固有の信頼区間内の適切な解を提供するということである。満足できる可能性の高い解の確実性に達することができるまで、計算が繰り返される。
【0026】
量子力学の法則を使用して情報を処理することによって、量子コンピュータは、分子計算、光学光子、最適化、およびさらに多くのことなどの、計算タスクを実行するための新しい方法を提供する。そのような計算タスクを効率的に実行するための多くのアルゴリズムおよびシステム・コンポーネントが導入される。例えば、無線周波(RF)パルス発生器(多くの場合、1つまたは複数のデジタル/アナログ・コンバータを組み込んでいる)は、ワイヤレス送信機および量子ビットの制御パルスの実装を含むさまざまな応用において役立つことができる。非線形挙動およびより高い振幅歪み成分の生成につながる、ブロック・インターフェイスでの高ダイナミック・レンジ要件を含む、電圧モード表現を信号経路に利用する設計に伴う1つまたは複数の課題が存在する可能性がある。別の課題は、電流再利用に由来する電力効率の機会のない、ブロックごとの著しい消費電力である可能性がある。したがって、本明細書における実施形態は、エンドツーエンドの電流モード信号経路において使用して、消費電力および歪みに関して有益な一連のトレードオフの実現を容易にするための、ベースバンド・フィルタを提案する。これらの利点は、電流モードでチェーン全体を実装することによって、最も良く実現され得る。
【0027】
本明細書に記載された実施形態は、一般に、消費電力および歪みに関して有益な一連のトレードオフの実現を可能にする、出力を通るデジタル/アナログ・コンバータ(DAC)からのエンドツーエンドの電流モード信号経路を実装するRFパルス発生器システムおよび方法に関連している。デバイスの信号経路の要素は、DAC、ベースバンド・フィルタ、ミキサー、減衰器、および出力チェーン・コンポーネントであることができる。電流モードでチェーン全体を実装することによって、利点が実現され得る。実施形態は、無線周波デジタル/アナログ・コンバータ(RFDAC:radio frequency digital to analog converter)を任意に利用することができる。
【0028】
電流モード信号処理は、使用されるデバイス、回路、または信号経路、あるいはその組み合わせの対象のさまざまなノードで電圧振幅を減らすことができるため、低歪みの応用によく適している。電流モード回路の別の利益は、(通常、回路段を積み重ねることによって)1つの段のバイアス電流および信号電流が別の段と共有される、電流再利用を可能にすることができることである。再利用が電源から引き出される全電流を減らすことができるため、回路の電力効率が改善され得る。操作可能な増幅器を使用する従来の電流モード入力フィルタは、かなりの量の電力を消費し、高周波数の適用に対する制限を有する。本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態は、統合されたRFパルス発生器の実装において電流モード信号経路設計を導入することによって回路の電力効率を改善することが可能でありながら、回路の電力効率をさらに改善することができる改良されたベースバンド・フィルタ設計を提供する。
【0029】
すなわち、効率的な電流モード・フィルタ段の実装は、提案されたエンドツーエンドの電流モード信号経路を実現することの重要な部分であることができ、電流再利用の活用による低消費電力のため、ならびに電圧から電流への変換および電流から電圧への変換を最小限に抑えることによってエンドツーエンドの線形性を改善するために開発された。低出力信号は、信号チェーンを効率的に実装することにおいてシステムにとって利点になることができる設計構造であることができる。
【0030】
そのような信号経路において電流再利用を実現するために、入力電流を受信して出力電流を供給する、連続時間ベースバンド・フィルタなどのベースバンド・フィルタが採用され得る。ベースバンド・フィルタの内部のフィードバック・メカニズムが、電流から電圧への変換および電圧から電流への変換の組み合わせとして実行され得る。内部のフィードバック・メカニズムのフィードバック・ループは、少なくとも1つの能動回路分岐および少なくとも1つの受動回路分岐を使用することができる。受動回路分岐は、静的電力をほとんどまたは全く消費しない回路分岐である。この設計は、周波数において分離可能な2つの極を提供することができ、フィードバック・メカニズムの安定性をもたらすことができる。関連するバイアスは、望ましい位相マージンを維持するなどのために、極間の実質的に一定の分離をもたらすことができる。
【0031】
フィードバック・ループは、ミラーリング・デバイスを使用して、フィルタリングされた電流をベースバンド・フィルタの出力に反映することができる。ミラーリング・デバイスは、互いに結合された1つまたは複数のサブユニット(例えば、ミラーリング部分)を含むことができる。ミラーリング・デバイスのミラーリング比率を変更することによって、細かいベースライン・ステップに関して、可変利得が実現され得る。
【0032】
フィードバック・ループを含んでいるフィルタ・コア段と、ミラーリング・デバイスを含んでいるミラーリング段の間に、追加の極が実現され得る。この追加の極は、抵抗器およびコンデンサなどを含む、1つまたは複数の静的電力を消費しない回路要素によって実現され得る。追加の極の提供は、各ベースバンド・フィルタが、ベースバンド・フィルタの安定性を損なわずに、追加の極を使用しない場合よりも高次のフィルタリングを実現することを可能にすることができる。追加の極は、さらに、歪みを引き起こさず、したがって、フィルタ・コア段の1つまたは複数の優位性を低下させない。
【0033】
ベースバンド・フィルタからの出力は、電流であることができ、別のベースバンド・フィルタ段への入力になることができる。したがって、複数のそのようなベースバンド・フィルタは、カスケード接続されて、より高次の電流モード・フィルタを実現することができる。そのようなカスケード接続されたシステムでは、各フィルタは、コーナー周波数、Q値、および利得ステップがデジタル・コントローラによって設定されて、ローパス特性を提供することができる。
【0034】
ここで、図面を参照して1つまたは複数の実施形態が説明され、図面全体を通じて、類似する参照番号が、類似する要素を参照するために使用されている。本明細書において使用されるとき、「実体」、「要求している実体」、および「ユーザ実体」という用語は、機械、デバイス、コンポーネント、ハードウェア、ソフトウェア、スマート・デバイス、または人間、あるいはその組み合わせのことを指すことができる。以下の説明では、説明の目的で、1つまたは複数の実施形態を十分に理解できるように、多数の特定の詳細が示されている。しかし、これらの特定の詳細がなくても、さまざまな事例において、1つまたは複数の実施形態が実践され得るということは明らかである。
【0035】
さらに、本明細書に記載された1つまたは複数の図に示された実施形態は、単に説明のためであり、そのため、実施形態のアーキテクチャは、本明細書に示されているシステム、デバイス、またはコンポーネント、あるいはその組み合わせに限定されず、本明細書に示されているシステム、デバイス、またはコンポーネント、あるいはその組み合わせのいずれかの特定の順序、接続、または結合、あるいはその組み合わせにも限定されない。例えば、1つまたは複数の実施形態では、図1またはそのシステムあるいはその両方に示されているような非限定的システム100などの、本明細書に記載された非限定的システムは、図14に示された動作環境1400などの動作環境を参照して本明細書において説明された1つまたは複数のコンピュータまたは計算に基づく要素あるいはその両方をさらに備えるか、それらに関連付けられるか、または結合されるか、あるはその組み合わせであることができる。1つまたは複数の説明された実施形態では、コンピュータまたは計算に基づく要素あるいはその両方は、本明細書において説明された図1または他の図あるいはその両方に関連して示されるか、または説明されるか、あるいはその両方であるシステム、デバイス、コンポーネント、またはコンピュータ実装動作、あるいはその組み合わせのうちの1つまたは複数を実装することに関連して、使用され得る。
【0036】
最初に図1を全体的に参照すると、本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態は、1つまたは複数の量子結果の出力を容易にするために1つまたは複数の量子演算を実行することを容易にすることができる1つまたは複数のデバイス、システム、または装置、あるいはその組み合わせを含むことができる。例えば、図1は、量子ジョブに関連する任意波形生成に関連して消費電力を改善することなどによって、量子ジョブの実行を改善することができる例示的な非限定的システム100のブロック図を示している。
【0037】
量子システム101(例えば、量子コンピュータ・システム、超伝導量子コンピュータ・システム、または同様のもの、あるいはその組み合わせ)は、量子アルゴリズムまたは量子回路あるいはその両方を採用することができ、入力データに対して量子演算または量子機能あるいはその両方を実行し、実体に出力され得る結果を生成するためのコンピューティング・コンポーネントまたはコンピューティング・デバイスあるいはその両方を含む。量子回路は、多ビットの量子ビット、物理的回路レベルのコンポーネント、高レベルのコンポーネント、または関数、あるいはその組み合わせなどの、量子ビット(quantum bits)(量子ビット(qubits)))を備えることができる。量子回路は、データ(例えば、入力データまたは入力データから導出された中間データあるいはその両方)に対して望ましい量子機能または量子計算あるいはその両方を実行し、出力として1つまたは複数の量子結果を生成するように構造化され得る(例えば、配置され得るか、または設計され得るか、あるいはその両方である)物理パルスを備えることができる。量子結果、例えば、量子測定結果120は、量子ジョブ要求104に応答し、入力データに関連付けられることが可能であり、入力データ、量子機能、または量子計算、あるいはその組み合わせに少なくとも部分的に基づくことができる。
【0038】
1つまたは複数の実施形態では、量子システム101は、量子演算コンポーネント103、量子コントローラ106、波形発生器110、ならびに明細書では量子ビット・デバイス107A、107B、および107Cとも呼ばれる1つまたは複数の量子ビット(例えば、量子ビット107A、107B、または107C、あるいはその組み合わせ)を備えている量子論理回路108などの、1つまたは複数の量子コンポーネントを備えることができる。
【0039】
量子コントローラ106は、任意の適切なプロセッサを備えることができる。量子コントローラ106は、量子演算コンポーネント103の1つまたは複数のプロセスを制御するため、または量子論理回路108もしくは波形発生器110またはその両方を制御するため、あるいはその両方のための、1つまたは複数の命令を生成することができる。
【0040】
量子演算コンポーネント103は、1つまたは複数の量子プログラムの実行を要求する量子ジョブ要求104を取得することができる(例えば、ダウンロードすること、受信すること、検索すること、または同様のこと、あるいはその組み合わせを行うことができる)。量子演算コンポーネント103は、量子プログラムを実行するために、量子論理回路108などの1つまたは複数の量子論理回路を決定することができる。要求104は、テキスト形式、バイナリ形式、または別の適切な形式、あるいはその組み合わせなどの、任意の適切な形式で提供され得る。1つまたは複数の実施形態では、要求104は、量子システム101に結合されるか、または量子システム101と通信するか、あるいはその両方である古典的システムのコンポーネントによるなどの、量子システム101のコンポーネント以外のコンポーネントによって、受信され得る。
【0041】
波形発生器110は、1つまたは複数の量子ビット107A、107B、または107C、あるいはその組み合わせに対して1つまたは複数の量子回路を操作するために、1つまたは複数の量子プロセス、量子計算、または量子測定、あるいはその組み合わせを実行することができる。例えば、波形発生器110は、1つまたは複数のパルスに、量子システム101に含まれている1つまたは複数の量子ビット107A、107B、または107C、あるいはその組み合わせの状態を刺激すること、または操作すること、あるいはその両方を行わせるために、量子ビット発振器、高調波発振器、パルス発生器、または同様のもの、あるいはその組み合わせなどの、1つまたは複数の量子ビット・エフェクタを操作することができる。すなわち、波形発生器110は、量子コントローラ106などと組み合わせて、回路の1つまたは複数の量子ビット(例えば、量子ビット107A、107B、または107C、あるいはその組み合わせ)に対して量子論理回路の動作を実行することができる。それに応じて、量子演算コンポーネント103は、量子ジョブ要求104に応答して、1つまたは複数の量子測定結果120などの、1つまたは複数の量子ジョブ結果を出力することができる。
【0042】
量子論理回路108、および波形発生器110の一部またはすべては、希釈冷凍機などの極低温室116を備えることができる極低温環境に含まれ得る。実際に、1つまたは複数の量子ビット107A~Cを操作すること、または制御すること、あるいはその両方のために、極低温室116内の波形発生器110よって信号が生成され得る。複数の量子ビット107A、107B、および107Cが超伝導量子ビットである場合、これらの物理的量子ビットの機能を容易にするために、約4K以下などの極低温度が使用され得る。したがって、そのような極低温度で実行するために、波形発生器110の要素も構築される。
【0043】
以下の/前述の説明は、単一の量子ジョブ要求からの単一の量子プログラムの動作のことを指している。しかし、本明細書に記載されたプロセスのうちの1つまたは複数は、互いに並列での1つまたは複数の量子プログラムまたは量子ジョブ要求あるいはその両方の実行など、拡張可能であることができる。
【0044】
1つまたは複数の実施形態では、非限定的システム100は、ハイブリッド・システムであることができ、したがって、量子プログラム実装システムなどの1つまたは複数の古典的システム、および量子システム101などの1つまたは複数の量子システムを、両方とも含むことができる。1つまたは複数の他の実施形態では、量子システム101は、古典的システムから分離することができるが、古典的システムと組み合わせて機能することができる。
【0045】
そのような場合、非限定的システム100および古典的システムの1つまたは複数のコンポーネント間の1つまたは複数の通信は、セルラー・ネットワーク、広域ネットワーク(WAN:wide area network)(例えば、インターネット)、またはローカル・エリア・ネットワーク(LAN:local area network)、あるいはその組み合わせを採用すること含むが、これに限定されない、有線またはワイヤレスあるいはその両方の手段によって容易にされ得る。通信を容易にするための適切な有線技術またはワイヤレス技術は、ワイヤレス・フィディリティ(Wi-Fi:wireless fidelity)、グローバル・システム・フォー・モバイル・コミュニケーションズ(GSM:global system for mobile communications)、ユニバーサル移動体通信システム(UMTS:universal mobile telecommunications system)、ワールドワイド・インターオペラビリティ・フォー・マイクロウェーブ・アクセス(WiMAX:worldwide interoperability for microwave access)、高速汎用パケット無線サービス(高速GPRS:general packet radio service)、第3世代パートナーシップ・プロジェクト(3GPP:third generation partnership project)ロング・ターム・エボリューション(LTE:long term evolution)、第3世代パートナーシップ・プロジェクト2(3GPP2)ウルトラ・モバイル・ブロードバンド(UMB:ultra mobile broadband)、高速パケット・アクセス(HSPA:high speed packet access)、Zigbeeおよび他の802.XXワイヤレス技術もしくはレガシー通信技術またはその両方、BLUETOOTH(R)、セッション開始プロトコル(SIP:Session Initiation Protocol)、ZIGBEE(R)、RF4CEプロトコル、WirelessHARTプロトコル、6LoWPAN(Ipv6 over Low power Wireless Area Networks)、Z-Wave、ANT、超広帯域(UWB:ultra-wideband)標準プロトコル、または他の独自もしくは非独自またはその両方の通信プロトコル、あるいはその組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。
【0046】
図2は、図1の非限定的システム100の量子システム101の波形発生器110に含まれ得る例示的な非限定的システム200(本明細書ではデバイスとも呼ばれる)のブロック図を示している。非限定的システム200は、データにアクセスし、本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態に従って示された可変の計算コンポーネントを使用して、そのデータを処理することができる。非限定的システム200は、大量のさまざまな形態のデータを評価して識別するプロセス、機械学習を使用するプロセス、およびニューラル・ネットワークまたは他の種類のモデルをトレーニングするプロセスを容易にすることができる。非限定的システム200は、本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態に従う文脈を伴って、個人レベルへの予測的推奨を生成することもできる。本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態のシステム(例えば、非限定的システム200など)、装置、またはプロセスの一部は、マシン内で具現化された(例えば、1つまたは複数のマシンに関連付けられた1つまたは複数のコンピュータ可読媒体内で具現化された)機械実行可能コンポーネントを構成することができる。そのようなコンポーネントは、1つまたは複数のマシン(例えば、コンピュータ、コンピューティング・デバイス、仮想マシンなど)によって実行された場合に、マシンに、本明細書に記載された動作を実行させることができる。本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態で採用されている類似する要素の説明の繰り返しは、簡潔にするために省略されている。
【0047】
概して、主題のコンピュータ処理システム、方法、装置、またはコンピュータ・プログラム製品、あるいはその組み合わせは、技術、コンピュータ・ネットワーク、インターネットなどにおける進歩によって生じる可能性がある新しい問題を解決するために採用され得る。
【0048】
今日のデジタル世界において、電子機器における最大の成長分野の1つは、ワイヤレス通信の応用だった。3G/4G/5G基地局などの最新の無線周波システムは、広帯域マルチチャネル・アーキテクチャに基づく。信号の生成、変調、および処理における柔軟性を容易にするために、最新のRF送信機は、通常、1つまたは複数の高速デジタル/アナログ・コンバータ(DAC)を採用する。そのような高速DACは、上で示されたように、量子に関連する応用および非量子に関連する応用の両方において役立つことができる、RF信号の任意波形生成能力を提供する。
【0049】
1つのそのような量子に関連する応用は、量子コンピューティングの分野における量子ビットの制御であることができ、変動振幅および低歪み(高スペクトル純度)を有するRF制御パルスを生成することに対する要求が存在する。そのようなRFパルス発生器の消費電力を最小限に抑えることは、特に、量子ビット制御のための極低温信号生成の状況において役立つ。電圧モード表現を信号経路に利用する設計に伴う課題は、非線形挙動およびより高い振幅の歪み成分の生成につながる、ブロック・インターフェイスでの高ダイナミック・レンジ要件を含む。したがって、これらの実施形態は、統合されたRFパルス発生器システム、ならびに例えば、電流再利用、およびしたがって、既存の技術と比較して電力効率または関連する歪みの低減あるいはその両方を提供することができる、システムまたはデバイスあるいはその両方の実装において、電流モード信号経路設計を導入することによって、この問題に対する有望な解決策を提案する。
【0050】
非限定的システム200は、電流モード信号経路を利用する統合された無線周波(RF)パルス発生器を容易にすることができる。本明細書に記載された実施形態は、信号経路の要素である、デジタル/アナログ・コンバータ(DAC)202、ベースバンド・フィルタ204、アップコンバート・ミキサー206、無線周波(RF)減衰器208、出力コンポーネント212(例えば、電流モード増幅器)、およびオフセット・コンポーネント214を維持することに関連している。無線周波(RF)減衰器208および出力コンポーネント212は、共に、非限定的システム200の出力段214の少なくとも一部と見なされ得る。1つまたは複数の実施形態では、アップコンバート・ミキサー206は、出力段214の少なくとも一部と見なされ得る。電流モードでチェーン全体を実装することによって、利点が実現され得る。図2はアップコンバート・ミキサー206、RF減衰器208の利用を一緒に示しているが、他の実施形態は、これらのコンポーネントのうちの1つまたは複数を省略すること、および任意の適切な方法で各コンポーネントをカスケード接続することができる。
【0051】
非限定的システム200は、サーバ・デバイス、1つまたは複数のネットワーク、および1つまたは複数のデバイス(図示されていない)を任意に含むことができ、またはさらに一般的には、そのような要素は、量子システム101に含まれることが可能であり、あるいはその両方が可能であり、非限定的システム200は、そのような量子システム101に含まれる。
【0052】
非限定的システム200は、電流モードで動作するデジタル/アナログ・コンバータ202も含むか、または他の方法でデジタル/アナログ・コンバータ202に関連付けられることが可能であり、システムのブロックのアナログ入力およびアナログ出力が、電流として表される。DAC202に入力されるデジタル信号は、例えば、ワイヤレス送信機の信号、量子ビットの制御パルスを実施するための信号などの、ただしそのような信号に限定されない、例えば、任意の適切な信号を表すベースバンド・デジタル同相および直交データ(IおよびQデータ)であることができる。電流の形態でのDAC202のアナログ出力は、ベースバンド・フィルタ204に向けられ得る。ベースバンド・フィルタ204のベースバンド電流出力は、局部発振器(LO:local oscillator)信号によって駆動され得るアップコンバート・ミキサー206によってRF周波数に変換された周波数であることができる。任意に、LO信号波形は、相補型金属酸化膜半導体(CMOS:complementary metal-oxide-semiconductor)インバータによって生成されるレールツーレール・レベルなどの、CMOSのレールツーレール・レベルを使用することができる。
【0053】
無線周波(RF)減衰器208は、DAC202、ベースバンド・フィルタ204、およびアップコンバート・ミキサー206と共に動作することができる。出力コンポーネント212は、RF減衰器208の出力電流を受信する。一部の実施形態では、出力コンポーネント212は、インピーダンス変換コンポーネント(例えば、トランスまたは電流モード増幅器)を含むことができる。対応する信号チェーンは、DAC202、ベースバンド・フィルタ204、アップコンバート・ミキサー206、およびRF減衰器208を使用して出力電流信号を生成することができる。RFパルス発生器200の出力で、ベースバンド信号における直流(DC:Direct current)オフセット(例えば、ベースバンド・フィルタ204の出力電流におけるDCオフセット)が、アップコンバート・ミキサーによって望ましくないLOトーン(LO「漏洩」)に変換される可能性がある。そのようなLO漏洩を抑制するために、補正するDCオフセットをベースバンド信号に追加するオフセット・コンポーネント214によって、DCオフセット相殺が適用され得る。DAC202、ベースバンド・フィルタ204、アップコンバート・ミキサー206、RF減衰器208、出力コンポーネント212、またはオフセット・コンポーネント214、あるいはその組み合わせは、極低温電子コンポーネント(例えば、極低温度で動作することができる電子コンポーネント)であることができる。
【0054】
実施形態では、出力コンポーネント212を通るデジタル/アナログ・コンバータ(DAC)202からのエンドツーエンドの電流モード経路は、消費電力および歪みに関して有益な一連のトレードオフの実現を容易にすることができる。この信号経路では、電流モードで動作するDAC202は、アップコンバート・ミキサー206およびRF減衰器208と組み合わせられたベースバンド・フィルタ204が電流モードで動作することができ、システムのブロック間のアナログ入力信号およびアナログ出力信号が電流として表され得る、統合されたDACの解決策を実装することができる。アップコンバート・ミキサー206は、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)のレールツーレール・レベルを任意に使用することができるLO信号によって駆動され得る。無線周波(RF)減衰器208は、DAC202、ベースバンド・フィルタ204、およびアップコンバート・ミキサー206と共に動作することができる。したがって、統合されたRFパルス発生器の解決策の電流モード信号経路は、電流再利用の活用によって消費電力の削減を容易にし、電圧から電流への変換および電流から電圧への変換を最小限に抑えることによって線形性を改善し、電流モード手法を使用してカスケード接続された解決策を可能にすることができる。
【0055】
図3は、エンドツーエンドの電流モード信号経路を利用して無線周波(RF)パルス発生器を統合するための方法の例示的なフレームワーク300を示している。このフレームワークの側面は、302で、電流モードでデジタル/アナログ・コンバータ(DAC)を操作することと、303で、DACに動作可能に結合されたベースバンド・フィルタを電流モードで使用することであって、ベースバンド・フィルタが、受動回路分岐および能動回路分岐を備えているフィードバック・ループを含む、使用することと、304で、DACに動作可能に結合されたアップコンバート・ミキサーを電流モードで操作することと、である。306で、DACおよびアップコンバート・ミキサーのアナログ入力およびアナログ出力を電流として表し、DACがベースバンド信号を生成する。308で、この方法は、DACおよびアップコンバート・ミキサーと共に、電流モードで動作する無線周波(RF)減衰器を利用する。ステップ304、306、または308のサブセットは、任意選択的であることができる。したがって、このフレームワークは、DACインターフェイスをアップコンバート・ミキサーおよびRF減衰器に統合して出力を生成することによって、電流モードで動作する(またはチェーンの部分要素を電流モードで任意に実施する)チェーン全体を提供することができる。機能が電流モードで実施されることが可能であり、任意の2つのブロックが、電流モードでインターフェイスをとることもできる。段が電流モード信号を利用することができ、信号が減衰されること、および増大されることが可能である。ベースバンド・フィルタから開始して、電流モード信号が、回路段で、段の間のインターフェイスで、および任意に、インピーダンス整合ネットワーク内で、拡大/縮小されることが可能であり、インピーダンス整合ネットワークは、出力コンポーネント段の一部である。これらの方法は、電流再利用の活用によってエンドツーエンドの消費電力を減らし、電圧から電流への変換および電流から電圧への変換を最小限に抑えることによってエンドツーエンドの線形性を改善する(歪みを減らす)ことができる。低出力信号要件は、信号チェーンを効率的に実装するのを促進することができ、この方法は、電流モード手法を使用して、カスケード接続された解決策を可能にすることができる。
【0056】
図4は、直交する2つ以上のDAC(403、405)、直交する2つ以上のベースバンド・フィルタ406、408、直交する2つ以上のアップコンバート・ミキサー(410、412)、およびアップコンバート・ミキサーの各出力信号の合計された出力を生成する加算器411を含んでいるRFパルス発生器の信号チェーンの例示的なアーキテクチャを示している。この実施形態では、従来のシステムとは異なり、各サブブロックが電流モードで実装されることが可能であり、サブブロック間で転送されるすべてのアナログ信号が電流として表される。DAC(403、405)への入力(例えば、デジタル・ワード)は、デジタルである。
【0057】
複素信号を生成するための1つの方法は、ベクトル変調器を使用して局部発振器によってキャリア信号周波数を変調することである。RFの応用では、2つ以上の同期されたデジタル/アナログ・コンバータ(DAC)を含む任意波形発生器(AWG)を使用して、ベースバンド・デジタルIおよびQ信号が生成される。RFパルス発生器の信号チェーン・アーキテクチャ400は、ベースバンド・デジタル同相信号(BBI信号:baseband digital in-phase signal)402およびベースバンド・デジタル直交信号(BBQ信号:baseband digital quadrature signal)404を受信することができる。マルチビット・ベースバンド・デジタル/アナログ・コンバータ(DAC)403および405は、デジタル・ビットを使用し、信号の帯域幅およびサンプリング・クロック周波数に応じて、デジタル・ビットをアナログ信号に変換することができる。これによって、電流の出力を可能にすることができ、フィルタリングされて増幅された電流をアップコンバート・ミキサー410および412に供給する。
【0058】
ローパス・フィルタ406および408によって、DAC(403、405)から生じる帯域外ノイズ成分を拒否するように信号が処理され得る。フィルタリングされた信号は、アップコンバート・ミキサー410および412によって、IおよびQの0度および90度の直交位相を有する2つのキャリア(LO-QおよびLO-I)を使用して混合され、したがってアップコンバートされ得る。信号コンバイナ411を使用して、単側波帯信号表現を作り出すことによって、結果として得られた信号が結合され得る。例えば、単側波帯信号表現で(x*y)関数が実行される必要がある場合、変数xが、0度および90度の組み合わせとして表されることが可能であり、変数yが、0度および90度の組み合わせとして表されることが可能である。次に、2つのベクトルのスカラー積と同様に、これらの2つの変数が乗算されて加算される。この関数の出力は、ドライバ(DRV:driver)414によって処理され得る。
【0059】
マッチング・ネットワーク(MN:matching network)416は、通常、歪みを追加しない受動要素から成るコンポーネントである。マッチング・ネットワーク416は、電力伝達を最大化するために、抵抗418(例えば、50オーム)を、ドライバが必要とするインピーダンスに変換することができる。
【0060】
RFパルス発生器システム400では、Iチャネル・ミキサーおよびQチャネル・ミキサーを使用して、DAC(403、405)の出力がフィルタリングされてアップコンバートされることが可能であり、結果として得られた信号が結合されて、ドライバおよびマッチング・ネットワークを介して、出力420で定格負荷(例えば、50オーム)に供給される。
【0061】
フィルタの実装およびフィルタと信号チェーンの他の要素との間のインターフェイスは、そのような設計において有用であることができる。連続時間フィルタは、高ダイナミック・レンジ、低電力の能動フィルタの実装によく適することができる。操作可能な増幅器を使用する従来の電流モード入力フィルタは、かなりの量の電力を消費することがあり、高周波数の適用における制限を有することがある。連続時間相互コンダクタンス(G)-静電容量(C)フィルタ(G-Cフィルタ)は、通常、より高い歪み成分を引き起こす可能性がある高入力インピーダンスを提供することができる。AG-C型フィルタは、高周波数の適用によく適しているが、その入力が通常は電圧であるため、サポートするダイナミック・レンジに関して制限されることがある。
【0062】
電流モード信号処理は、対象のさまざまなノードで電圧振幅を減らすため、低歪みの応用によく適することができる。電流モード回路の別の利益は、(例えば、通常、回路段を積み重ねることによって)1つの段のバイアス電流および信号電流が別の段と共有される、電流再利用であることができる。再利用が電源から引き出される全電流を減らすことができるため、回路の電力効率が改善され得る。しかし、例えば、操作可能な増幅器を使用する従来の電流モード入力フィルタは、かなりの量の電力を消費することがあり、高周波数の適用に対する制限を有することがある。効率的な電流モード・フィルタ段は、電流再利用の活用による低消費電力のためのエンドツーエンドの電流モード信号経路を実現することを容易にすることができ、電圧から電流への変換および電流から電圧への変換を最小限に抑えることによって、エンドツーエンドの線形性を改善することができる。低出力信号要件は、信号チェーンを効率的に実装することにおいて利点であることがある。
【0063】
図5は、本明細書における1つまたは複数の実施形態に従って、ベースバンド・フィルタ500であるデバイス500の例示的な回路図を示している。ベースバンド・フィルタ500は、ベースバンド・フィルタ204として、またはDAC403の出力で、使用され得る。概して、下で説明されるように、デバイス500は、細かいベースライン・ステップに関して利得が変えられ得る、完全に電流モードの連続時間ベースバンド・フィルタであることができる。ベースバンド・フィルタ500は、量子システムなどに関連して、極低温波形生成の望ましい要件を満たす。しかし、やはり、本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態は、モノのインターネット、センサ、またはメモリ・アレイ、あるいはその組み合わせにおいて使用されるワイヤレス・トランシーバなどに関連して、量子環境の外側でも実践され得る。
【0064】
ベースバンド・フィルタ500は、入力電流を受信し、出力電流を出力することができる。ベースバンド・フィルタ(BBF:baseband filter)500は、能動回路分岐504および受動回路分岐506を含んでいるフィードバック・ループ502を備えることができる。受動回路分岐506は、静的電力を消費しないことができる。図に示されているように、能動回路分岐および受動回路分岐は、ループで結合されている。受動回路分岐506は、抵抗器、コンデンサ、およびインダクタなどの、受動コンポーネントを備えることができる。能動回路分岐504は、受動回路コンポーネントおよび能動回路コンポーネントを両方とも備えることができる。図に示されているように、能動回路分岐504は、トランジスタMおよびMの対およびコンデンサCを備えることができる。能動回路分岐504および受動回路分岐506は、共に、周波数において分離可能である極の対を与えることができる。これは、このループが、独立して制御され得る2つの反応性要素(例えば、CおよびC)を備えることができ、ループ伝達関数が、周波数領域内に2つの根を含むことができるためである。
【0065】
出力段508は、フィードバック・ループ502に結合され得る。図に示されているように、出力段508のトランジスタは、能動回路分岐504のトランジスタMと共に、電流ミラーを形成することができる。
BBF500の出力段508は、出力段508のトランジスタのゲート静電容量を含むRCフィルタを形成することができる、追加の回路部510を備えることもできる。このRCフィルタは、電力効率の良い三次ローパス・フィルタが実現されるように、静的バイアス電流におけるコストなしで追加の極を与えることができる。
【0066】
次に、図5のベースバンド・フィルタ550を参照すると、追加の回路部510が省略され得る。ノードAは、高インピーダンス・ノードであることができる。必要に応じて、1つまたは複数の実施形態では、電圧モード帯域通過出力が、点Aから受け取られて使用され得る。さらに、必要に応じて、1つまたは複数の実施形態では、ローパス電流モード出力が、点Bから受け取られ得る。
【0067】
図に示されているように、ベースバンド・フィルタ550は、電流モードで動作することができ、入力電流を受信し、出力電流を出力することができる。ベースバンド・フィルタ550は、ソース562、ゲート564、およびドレイン566を含んでいる第1のトランジスタMを備えることができる。ソース562は、入力端子568に、直接接続されるなど、結合され得る。ゲート564は、バイアス電圧(共通のゲート段のバイアスVGN)に、直接接続されるなど、結合され得る。ドレイン566は、コンデンサ(例えば、コンデンサC)に、直接接続されるなど、結合され得る。コンデンサCは、能動回路分岐554のコンデンサCが第1の望ましい周波数で第1の極を与えることができるような静電容量値を有することができる。
【0068】
受動回路分岐556は、第1のトランジスタMのドレイン566を第2のトランジスタMのゲート574に結合することができる。受動回路分岐556は、コンデンサ、例えばコンデンサCを、備えることができる。コンデンサCは、受動回路分岐556のコンデンサCが第2の望ましい周波数で第2の極を与えることができるような静電容量値を有することができる。第2のトランジスタMは、ゲート574と共にソース576およびドレイン572を含むことができる。ソース576は、グランドに、直接接続されるなど、結合されているように示されているが、代替として電源に、直接接続されるなど、結合され得る。ドレイン572は、入力端子568に、直接接続されるなど、結合されることが可能であり、したがって、第1のトランジスタMのソース562にも、直接接続されるなど、結合され得る。
【0069】
ベースバンド・フィルタ550は、バイアス電流源として動作することができ、第1のトランジスタMのドレイン566に結合され得る、第3のトランジスタMをさらに備えることができる。第3のトランジスタMは、受動回路分岐556によって、第2のトランジスタMのゲート574に結合され得る。受動分岐556は、抵抗器RおよびコンデンサCから形成され得る。
【0070】
ミラーリング段Mは、第2のトランジスタMのゲート574に、直接接続されるなど、結合され得る。ミラーリング段Mは、ベースバンド・フィルタ550の出力を供給することができる。
【0071】
ベースバンド・フィルタ550のトランジスタのソース、ゲート、およびドレインに関する前述の説明は、同様に、ベースバンド・フィルタ500にも当てはまることができる。図に示されているように、ベースバンド・フィルタ500は、異なって追加の回路部510を備えており、追加の回路部510は、BBF500でトランジスタMのゲートに、直接接続されるなど、結合され、このようにして、トランジスタMをBBF500のミラーリング段Mに結合する。追加の回路部510は、第3の望ましい周波数でBBF500の第3の極を与えることができる。
【0072】
BBF550をさらに参照すると、このBBFは、単一利得を有することができ、出力で利得を調整することができる。BBF550は、電流フィードバック・ループ552の受動回路分岐556および能動回路分岐554によって与えられる2つの極を有する高二次フィルタ(high quadratic filter)である。BBF550は、周波数領域内の二次伝達関数を有することができる。
【0073】
電流フィードバック・ループ552の極の提供に関しては、次のとおりである。
【0074】
【数1】
【0075】
ここで、変数の表現が示され、ifbはループ内のフィードバック電流であり(トランジスタM1のドレイン電流である)、gm1はトランジスタM1の相互コンダクタンスであり、C1およびC2はループ内のノードに結合された静電容量であり、Rは受動回路分岐556において使用される抵抗である。
【0076】
能動的または支配的な極は、次式によって表され得る。
【0077】
【数2】
【0078】
ここで、ω(例えば、gm1)は、Mトランジスタ553のバイアスに依存することができる。その後、Mトランジスタ553のサイズおよびMトランジスタ553での電流に応じて、ωの望ましい値を与えるように、Mトランジスタ553の静止電流消費量が選択され得る。
【0079】
受動的または非支配的な極は、次式によって表され得る。
【0080】
【数3】
【0081】
さらに、固有周波数ωが、
【数4】

によって表され得る。
【0082】
Q値(Q)は、
【数5】

によって表され得る。
【0083】
すなわち、バイアス電流、歪み、および線形性とのトレードオフの考慮の点から見て、電流モードのシステムまたはアーキテクチャで使用される場合、BBF550の歪みが支配的になることができる。極の対は、コンデンサのトリミングに関して、互いに追跡することができる。さらに、より良いプロセスの追跡のために、gは、Rを追跡させられることが可能であり、gR=Kバイアス(式6)である。すなわち、gm1は、1/Rに比例させられることが可能であり、したがって、BBF550に関連してプロセスおよび温度がシフトするにつれて、電流フィードバック・ループ552によって与えられる2つの極が、等しい量だけ移動することができ、すべての温度にわたって同じ位相マージンを維持することができる。
【0084】
ここで図6を参照すると、吸収されなければトランジスタM2Aを流れる電流の一部を吸収する電流分流要素602をさらに備えているBBF600が示されている。電流分流要素602は、任意選択的であることができる。したがって、そのような実施形態では、ノードAが帯域応答を提供することができ、ノードBがローパス応答を提供することができる。1つまたは複数の実施形態では、電流分流要素602のドレイン電流が、ハイパス応答を提供することができる。したがって、BBF600は、ローパス機能またはハイパス機能を提供することができる。1つまたは複数の実施形態では、電流分流要素602のドレイン電流が、ダイオード接続されたトランジスタ(図示されていない)を使用して感知され得る。
【0085】
ここで図7を参照すると、概してBBF500および550に従って、3つの異なるBBFの実施形態が示されている。BBF700、BBF750、およびBBF780は、各受動回路分岐706、756、および786で、異なる回路要素をそれぞれ使用している。BBF700、750、および780の各々は、高次フィルタ特性をもたらすことができる。各BBFの受動回路分岐は、依然として静的電力を消費しないままでありながら、1つまたは複数の個々の受動回路要素を使用してさまざまな方法で実現され得る。1つまたは複数の実施形態では、BBF700、750、および780の各々などに関連して、受動回路分岐706、756、および786は、DC電流を遮断せず、そのため、各トランジスタMのゲートでバイアスを可能にすることができる。BBF700に示されているように、受動回路分岐706は、直列に結合された抵抗器RおよびコンデンサCを備えることができる。BBF750に示されているように、受動回路分岐756は、直列に結合されたインダクタLおよびコンデンサCを備えることができる。BBF780に示されているように、受動回路分岐786は、コンデンサCと一緒に直列に結合され得る、並列に結合された抵抗器RおよびコンデンサCを備えることができる。受動回路分岐を変更することによって、BBFの伝達関数を変更することができるため、BBFの実施形態700、750、および780の選択は、システムレベルのフィルタリング要件を満たすように行われてよい。
【0086】
次に、図8を参照すると、各BBFの出力で可変利得が実施され得る。これによって、可変利得を使用して望ましいフィルタ特性を可能にすることができる。図8に示されているように、BBF800のミラーリング段840が、フィードバック・ループ802に結合され得る。ミラーリング段840は、図に示されているように、1つまたは複数のサブユニット・ミラーリング・デバイス(sub-unit mirroring devices)844を備えることができるミラーリング・デバイス842を備えることができる。ミラーリング・デバイス842は、BBF800の出力を供給する。
【0087】
ミラーリング・デバイス842は、BBF800の出力で利得を変えるために、デジタル・コントローラ(図示されていない)などによって選択的に作動され得る。実際に、1つまたは複数の実施形態では、より広い範囲の可変利得を提供するために、親ミラーリング・デバイス842の異なるサブユニット・ミラーリング・デバイス844が、異なって作動され得る。すなわち、親ミラーリング・デバイス842の異なるサブユニット・ミラーリング・デバイス844は、ミラーリング・デバイス842の電流比率を変更するように、したがって、利得変更するように、1つまたは複数のデジタル・コントローラ(図示されていない)などによって選択的に別々に作動され得る。
【0088】
サブユニット・ミラーリング・デバイス844は、トランジスタによって実現されることが可能であり、したがって、ミラーリング・デバイス842は、1つまたは複数のトランジスタのセットとして実現され得る。これらのトランジスタは、トランジスタM(841)によって運ばれる電流をスケーリングするなどのために、トランジスタM(841)に対する比がとられ得る。
【0089】
やはり図8で、能動回路分岐804および受動回路分岐806が、周波数において分離可能な極の対を与えることができるが、追加の極を与えるために、追加の回路部850が、(フィードバック・ループ802を含んでいる)フィルタ・コア段860とミラーリング段840の間に結合され得る。追加の極は、1つの相互コンダクタンス段のみの歪みをもたらしながら3つの極が実現され得るなどの、1つまたは複数の利点を有することができる。
【0090】
追加の極は、静的電力を消費しない回路要素などの1つまたは複数の回路要素を含んでいる追加の回路部850によって実現され得る。図に示されているように、追加の回路部850は、抵抗器852およびコンデンサC854を備えており、したがって、追加の回路部は静的電力を消費しない。他の実施形態では、代替の回路要素が採用され得る。
【0091】
図9を参照すると、カスケード・システム900内で1つまたは複数のBBFが結合され得る(例えば、カスケード接続され得る)。第2の二次BBF903に結合された第1の二次BBF901が示されている。BBF901においてNMOSトランジスタ、BBF903においてPMOSトランジスタを使用して(ただし、BBF901の場合はPMOS型であるバイアス・トランジスタMPB、およびBBF903の場合はNMOS型であるバイアス・トランジスタMNBを除く)、ワイヤ905によって、これら2つのBBF901および903が結合されることを可能にすることができる。特に、(BBF901の出力電流を生成する)NMOSトランジスタMNXのドレインは、PMOSトランジスタM2Pのソースに直接結合されることが可能であり、このソースは、BBF903の入力端子であることができる。BBF901およびBBF903の組み合わせ(例えば、カスケード接続されたシステム900)は、四次システムを表している。実施形態では、二次BBF901のコピーなどの追加の二次BBFが、二次BBF903の出力907にさらに結合され得る。
【0092】
図10で、同様に、第1の三次BBF1001が第2の三次BBF1003に結合され得る(例えば、カスケード接続され得る)。やはり、ワイヤ1005によってBBF1001および1003が直接結合され得るように、反対のトランジスタ型式(PMOS対NMOS)が、2つのBBF1001および1003において使用され得る。BBF1001およびBBF1003の組み合わせ(例えば、カスケード接続されたシステム1000)は、六次システムを表すことができる。実施形態では、三次BBF1001のコピーなどの追加の三次BBFが、三次BBF1003の出力1007にさらに結合され得る。
【0093】
次に、図11および12は、デバイス500、550、600、700、750、780、800、901、903、1001、または1003、あるいはその組み合わせなどの、本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態に従って、BBFデバイスを使用するためのプロセスを容易にすることができる例示的な非限定的方法1100のフロー図を示している。図5のデバイス550、図8のデバイス800、および図1の非限定的システム100に関連して非限定的方法1100が説明されるが、非限定的方法1100は、本明細書に記載された他のシステムまたはデバイスあるいはその両方にも適用可能であることができる。各実施形態で採用されている類似する要素またはプロセスあるいはその両方の説明の繰り返しは、簡潔にするために省略されている。
【0094】
1104で、非限定的方法1100は、入力電流を受信するベースバンド・フィルタ(例えば、デバイス500)によって、出力電流を出力することを含むことができ、ベースバンド・フィルタは、ループで結合された能動回路分岐および受動回路分岐を含んでいるフィードバック・ループ・コンポーネントを備える。
【0095】
1106で、非限定的方法1100は、ベースバンド・フィルタを、(例えば、量子システム101の)量子プロセッサに結合された出力段に結合することを含むことができる。ベースバンド・フィルタおよび出力段は、量子プロセッサに結合された無線周波パルス発生器の少なくとも一部を一緒に定義することができる。
【0096】
1108で、非限定的方法1100は、システム(例えば、量子システム101)によって、無線周波パルス発生器によって無線周波出力信号を出力することを含むことができる。
【0097】
1110で、非限定的方法1100は、能動回路分岐および受動回路分岐によって、(例えば、フィードバック・ループ・コンポーネント502によって)周波数において分離可能である極の対を与えることを含むことができる。
【0098】
1112で、非限定的方法1100は、システム(例えば、量子システム101)によって、ベースバンド・フィルタのフィルタ・コア段とベースバンド・フィルタのミラーリング段の間に、追加の回路部を動作可能に結合することを含むことができる。
【0099】
1114で、非限定的方法1100は、システム(例えば、量子システム101)によって、フィードバック・ループ・コンポーネントを含んでいるベースバンド・フィルタのフィルタ・コア段とベースバンド・フィルタのミラーリング段の間に追加の回路部(例えば、追加の回路部850)を結合することによって実現された、追加の極を与えることを含むことができる。すなわち、図8への参照が行われ得る。
【0100】
追加の回路部は、静的電力を消費しない回路要素であることができ、抵抗器およびコンデンサなどの静的電力を消費しない受動コンポーネントを備えることができる。
【0101】
1116で、非限定的方法1100は、システム(例えば、量子システム101)によって、利得を変えるように、ベースバンド・フィルタのミラーリング・デバイスを選択的に作動させることを含むことができる。
【0102】
1118で、非限定的方法1100は、システム(例えば、量子システム101)によって、ミラーリング・デバイスをフィードバック・ループに動作可能に結合すること、およびシステム(例えば、量子システム101)によって、ミラーリング・デバイスを介してベースバンド・フィルタの電流モード信号経路の出力を供給することを含むことができる。
【0103】
次に、図13は、デバイス500、550、600、700、750、780、または800、あるいはその組み合わせなどの、本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態に従って、BBFデバイスを使用するためのプロセスを容易にすることができる例示的な非限定的方法1300のフロー図を示している。図8のデバイス800および図1の非限定的システム100に関連して非限定的方法1300が説明されるが、非限定的方法1300は、本明細書に記載された他のシステムまたはデバイスあるいはその両方にも適用可能であることができる。各実施形態で採用されている類似する要素またはプロセスあるいはその両方の説明の繰り返しは、簡潔にするために省略されている。
【0104】
1304で、非限定的方法1300は、システムによって(例えば、デジタル・コントローラまたは量子コントローラ106あるいはその両方によって)、またはミラーリング・デバイスによって、ミラーリング・デバイスの複数のミラーリング・サブユニットのうちの1つまたは複数を選択的に作動させることによって、デジタル/アナログ・コンバータの利得を変えることを含むことができる。
【0105】
1306で、非限定的方法1300は、ミラーリング・デバイスによって、出力電流を出力することを含むことができ、ミラーリング・デバイスは、ベースバンド・フィルタの電流モード信号経路の出力を供給することができる。
【0106】
1308で、非限定的方法1300は、ミラーリング・デバイスによって、ミラーリング・デバイスの2つ以上のミラーリング・サブユニットを、少なくとも部分的に同時に、選択的に作動させることを含むことができる。
【0107】
1310で、非限定的方法1300は、ミラーリング・デバイスによって、ベースバンド・フィルタの能動回路分岐および受動回路分岐のフィードバック・ループから出力電圧を受信することを含むことができる。
【0108】
1312で、非限定的方法1300は、能動回路分岐および受動回路分岐によって、(例えば、フィードバック・ループ・コンポーネント802によって)周波数において分離可能である極の対を与えることを含むことができる。
【0109】
説明を簡単にするために、本明細書において提供されるコンピュータ実装方法およびコンピュータ実装以外の方法は、一連の動作として示されるか、または説明されるか、あるいはその両方である。主題の革新技術は、示された動作によって、または動作の順序によって、あるいはその両方によって制限されず、例えば動作は、本明細書において提示されておらず、説明されていない他の動作と共に、1つまたは複数の順序で、または同時に、あるいはその両方で発生できる。さらに、説明された主題に従ってコンピュータ実装方法およびコンピュータ実装以外の方法を実施するために、示されているすべての動作が利用されなくてもよい。加えて、コンピュータ実装方法およびコンピュータ実装以外の方法は、代替として、状態図を介して相互に関連する一連の状態またはイベントとして表され得る。さらに、コンピュータ実装方法をコンピュータに輸送および転送するのを容易にするために、以下および本明細書全体を通じて説明されたコンピュータ実装方法は、製品に格納され得る。製品という用語は、本明細書において使用されるとき、任意のコンピュータ可読デバイスまたはコンピュータ可読ストレージ媒体からアクセスできるコンピュータ・プログラムを包含するよう意図されている。
【0110】
要約すると、本明細書において提供される1つまたは複数のシステム、デバイス、または使用方法、あるいはその組み合わせは、エンドツーエンドの電流モード信号経路において使用され得るベースバンド・フィルタに関連している。エンドツーエンドの電流モード信号経路は、電流モードで動作するデジタル/アナログ・コンバータ(DAC)、および電流モードで動作する、DACに動作可能に結合されたアップコンバート・ミキサーを含むことができる。1つまたは複数の実施形態では、信号経路内で使用されるデバイスは、入力電流を受信して出力電流を出力するベースバンド・フィルタを備えることができる。ベースバンド・フィルタは、ループで結合された能動回路分岐および受動回路分岐を含んでいるフィードバック・ループ・コンポーネントを備えることができる。ミラーリング・デバイスが、フィードバック・ループ・コンポーネントに結合されることが可能であり、デバイスの出力を供給することができる。ミラーリング・デバイスを選択的に作動させることによって、ミラーリング・デバイスなどの利得を変えることができる。
【0111】
前述のデバイス、システム、または方法、あるいはその組み合わせの利点は、信号チェーン内のベースバンド・フィルタと隣接する段の間の電流再利用への道を与えることができる電流モード信号経路の実施可能性であることができる。静的電力をほとんどまたは全く消費しない受動回路分岐の使用に起因して、前述のフィードバック・ループを採用することによって、電流の使用を減らすことができる。電流モード信号経路を採用して、各信号経路内の追加の電流から電圧への変換および電圧から電流への変換の導入を回避することによって、望ましくない歪み成分を制限する。さらに、ベースバンド・フィルタの構造および機能は、各信号経路またはRFパルス発生器あるいはその両方のさまざまな回路インターフェイスでの低インピーダンスと一致することができ、線形性および回路の帯域幅の両方を改善する。それに関連して、ベースバンド・フィルタを採用する信号チェーンに関連して、電流が再利用されることが可能であり、電力効率が改善されることが可能であり、歪み成分が減らされ得る。電流モード・フィルタの別の利点は、回路の出力を一緒に点結合することによって、加算および減算などの線形関数が実現され得ることであることができ、この技術は、電力効率が良く、低電源電圧に適合する。
【0112】
実際に、本明細書に記載されたさまざまなベースバンド・フィルタは、それらの各構造の点から見て、低インピーダンスの電流モード入力を受信することができ、電流源出力を供給することができ、受動フィードバックを使用して電力効率が良くなることができる。本明細書に記載された1つまたは複数のベースバンド・フィルタは、トランスインピーダンス増幅器/フィルタとして使用され得る。さらに、本明細書に記載されているように複数の電流モード・フィルタをカスケード接続することは、シームレスであることができる。
【0113】
さらに、本明細書において提供される電流モードBBFの実施形態は、極低温波形生成の要件に合わせて十分に調整され得る電流再利用および低歪みへの道を与えることができる。本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態は、超伝導量子ビットなどの1つまたは複数の量子ビットを制御するための波形生成などの、量子に基づく応用に適することができる。本明細書に記載された技術は、他の高帯域幅通信システムにも適用可能であることができ、市販されているCMOS技術で実装され得る。本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態例の手法は、将来の量子コンピューティング・システムの改良された拡張性を可能にするために、CMOS制御パルス生成アナログ回路を実装するための革新的な戦略を提供することができ、したがって、極低温CMOS実装のための構成要素として役立つことができる。
【0114】
前述の利点の恩恵は、量子システムの1つまたは複数の量子ビットを操作することに関連して、より少ない電力を使用する能力であることができる。消費電力の削減は、量子システムの量子ビットのスケーリングの拡大を可能にすることができる。さらに、デバイスまたはシステムあるいはその両方のコンポーネントが、希釈冷凍機などの極低温室内で、または極低温室に関連して、あるいはその両方で使用され得る。別の関連する利点は、使用されるミラーリング・デバイスの別々の変化するサブユニットの点から見て、より広い範囲の利得を実現する能力であることができる。
【0115】
実際に、本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態を考慮して、本明細書に記載されたデバイスの実用的応用は、量子システムの1つまたは複数の量子ビットを制御するために生成される波形に関連して、消費電力の削減であることができる。消費電力の削減は、1つまたは複数の事例では、極低温度でのより多くの量子ビットの統合を可能にすることができる。これは、特に、ノイズの軽減または採用された量子ビットのデコヒーレンスの減少に対する他の影響あるいはその両方を考慮すると、コンピュータの有用な実用的応用であり、したがって、採用された量子ビットの改良された(例えば、改善されたか、または最適化されたか、あるいはその両方の)動作を容易にする。これらの改良は、量子結果の精度の向上または採用された量子ビットの可用性の向上あるいはその両方を含むことができる。全体的に、そのようなコンピュータ化されたツールは、量子コンピューティングの分野における具体的な有形の技術的改善を構成することができる。
【0116】
さらに、本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態は、開示された内容に基づいて現実世界のシステムにおいて採用され得る。例えば、本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態は、量子ジョブ要求を入力として受信することができ、量子システムの、超伝導量子ビットなどの1つまたは複数の量子ビットの現実世界の量子ビット状態を測定することができる、量子システム内で機能することができる。例えば、本明細書に記載されたDACデバイスに関して、DACデバイスは、1つまたは複数の量子ビットの1つまたは複数の状態を生じさせることに関連して、波形生成を容易にすることができる。
【0117】
さらに、本明細書に記載されたデバイスまたは方法あるいはその両方は、スケーリングされた量子プログラムの実行を可能にするために、量子領域などの1つまたは複数の領域において実施され得る。実際に、本明細書に記載されたデバイスが、多量子ビット・システムの1つまたは複数の量子ビットに関連して波形を生成するために採用され得るなどの場合、本明細書に記載されているようなデバイスの使用は、拡張可能であることができる。
【0118】
システムまたはデバイスあるいはその両方は、本明細書では1つまたは複数のコンポーネント間の相互作用に関して説明された(またはさらに説明されるか、あるいはその両方である)。そのようなシステムまたはコンポーネントあるいはその両方は、それらのコンポーネントもしくはそれらの内部で指定されたサブコンポーネント、指定されたコンポーネントもしくはサブコンポーネントまたはその両方のうちの1つまたは複数、または追加のコンポーネント、あるいはその組み合わせを含むことができる。サブコンポーネントは、親コンポーネント内に含まれるのではなく、他のコンポーネントに通信可能に結合されたコンポーネントとして実装され得る。1つまたは複数のコンポーネントまたはサブコンポーネントあるいはその両方を、集合的機能を提供する単一のコンポーネントに結合することができる。コンポーネントは、簡潔にするために本明細書では具体的に説明されないが、当業者によって知られている1つまたは複数の他のコンポーネントと、相互作用することができる。
【0119】
本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態は、1つまたは複数の実施形態では、本質的に、または密接に、あるいはその両方で、コンピュータ技術に関係していることができ、コンピューティング環境の外側で実施され得ない。例えば、本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態によって実行される1つまたは複数のプロセスは、既存のシステムまたは技術あるいはその両方と比較して、RF信号生成または波形生成あるいはその両方などに関連して、より効率的に、さらにいっそう実行可能な方法で、プログラムまたはプログラム命令あるいはその両方の実行を実現することができる。これらのプロセスの実行を容易にするシステム、コンピュータ実装方法、またはコンピュータ・プログラム製品、あるいはその組み合わせは、量子コンピューティングおよび超伝導量子システムの分野において非常に有用であり、コンピューティング環境の外側では、賢明な方法で同じように実行可能に実装され得ない。
【0120】
本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態は、抽象的ではない、人間による一連の精神的活動として実行され得ない高度に技術的な問題を解決するためのハードウェアまたはソフトウェアあるいはその両方を採用することができる。例えば、1人の人間、または数千人の人間でさえ、効率的に、正確に、または効果的に、あるいはその組み合わせで、利得を変えること、またはRF信号もしくは波形またはその両方を生成すること、あるいはその両方を行うことは、本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態がこのプロセスを容易にすることができるようには、できない。さらに、人間の精神も、ペンと紙を持っている人間も、電子的に、利得を変えること、またはRF信号もしくは波形またはその両方を生成すること、あるいはその両方を行うことは、本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態によって実施されるようには、できない。
【0121】
1つまたは複数の実施形態では、本明細書に記載されたプロセスのうちの1つまたは複数は、上で説明された1つまたは複数の技術に関連する定義されたタスクを実行するために、1つまたは複数の特殊なコンピュータ(例えば、特殊な処理ユニット、特殊な古典的コンピュータ、特殊な量子コンピュータ、特殊なハイブリッド古典/量子システム、または別の種類の特殊なコンピュータ、あるいはその組み合わせ)によって実行され得る。本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態または実施形態のコンポーネントあるいはその両方は、前述の技術における進歩、量子コンピューティング・システム、クラウド・コンピューティング・システム、コンピュータ・アーキテクチャ、または別の技術、あるいはその組み合わせの採用によって生じる新しい問題を解決するために採用され得る。
【0122】
本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態は、本明細書に記載された1つまたは複数の動作も実行しながら、1つまたは複数の他の機能(例えば、完全に電源が投入されるか、完全に実行されるか、または別の、あるいはその組み合わせの機能)を実行することに向けて完全に動作可能であることができる。
【0123】
次に、図14~16を参照すると、本明細書において図1~13で説明された1つまたは複数の実施形態に関する追加の背景の詳細な説明が提供されている。
【0124】
図14および以下の説明は、図1~13で本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態が実装され得る適切な動作環境1400の簡単な概要を示すよう意図されている。例えば、本明細書に記載された実施形態の1つまたは複数のコンポーネント、または他の機能、特徴、もしくは要素、あるいはその組み合わせは、動作環境1400内で実装されるか、または動作環境1400を介してアクセスできるなど、動作環境1400に関連付けられ得る。さらに、1つまたは複数の実施形態は、1つまたは複数のコンピュータ上で実行されることができるコンピュータ実行可能命令の一般的状況において上で説明されたが、当業者は、1つまたは複数の実施形態が、他のプログラム・モジュールと組み合わせて、またはハードウェアとソフトウェアの組み合わせとして、あるいはその両方で実装されることも可能であるということを認識するであろう。
【0125】
通常、プログラム・モジュールは、特定のタスクを実行するか、または特定の抽象データ型を実装するか、あるいはその両方を行うルーチン、プログラム、コンポーネント、データ構造、または同様のもの、あるいはその組み合わせを含む。さらに、1つまたは複数の本発明の方法が、シングルプロセッサ・コンピュータ・システムまたはマルチプロセッサ・コンピュータ・システム、ミニコンピュータ、メインフレーム・コンピュータ、モノのインターネット(IoT:Internet of Things)デバイス、分散コンピューティング・システムだけでなく、パーソナル・コンピュータ、ハンドヘルド・コンピューティング・デバイス、マイクロプロセッサベースのコンシューマ・エレクトロニクスまたはプログラマブル・コンシューマ・エレクトロニクス、または同様のもの、あるいはその組み合わせを含む、他のコンピュータ・システム構成を使用して実践されることが可能であり、これらの各々が1つまたは複数の関連するデバイスに動作可能に結合され得るということを理解するであろう。
【0126】
コンピューティング・デバイスは、通常、コンピュータ可読ストレージ媒体、機械可読ストレージ媒体、または通信媒体、あるいはその組み合わせを含むことができる、さまざまな媒体を含み、本明細書では、次のように2つの用語が互いに異なって使用される。コンピュータ可読ストレージ媒体または機械可読ストレージ媒体は、コンピュータによってアクセスされ得る任意の使用可能なストレージ媒体であることができ、揮発性媒体および不揮発性媒体、取り外し可能な媒体および取り外し不可能な媒体を両方とも含む。例として、コンピュータ可読ストレージ媒体または機械可読ストレージ媒体あるいはその両方は、コンピュータ可読命令または機械可読命令あるいはその両方、プログラム・モジュール、構造化データまたは非構造化データあるいはその両方などの、情報の格納のための任意の方法または技術に関連して実装され得るが、これらに限定されない。
【0127】
コンピュータ可読ストレージ媒体は、ランダム・アクセス・メモリ(RAM:random access memory)、読み取り専用メモリ(ROM:read only memory)、電気的消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM:electrically erasable programmable read only memory)、フラッシュ・メモリまたは他のメモリ技術、コンパクト・ディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM:compact disk read only memory)、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD:digital versatile disk)、ブルーレイ・ディスク(BD:Blu-ray disc)、もしくは他の光ディスク・ストレージ、またはその組み合わせ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク・ストレージ、もしくは他の磁気ストレージ・デバイス、またはその組み合わせ、半導体ドライブもしくは他の半導体ストレージ・デバイス、または特定された情報を格納するために使用され得る他の有形の媒体もしくは非一過性の媒体またはその両方、あるいはその組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。これに関して、本明細書における「有形」または「非一過性」という用語は、ストレージ、メモリ、またはコンピュータ可読媒体に適用されるとき、それ自体が伝搬する一過性の信号のみを修飾語句として除外し、それ自体が単に伝搬する一過性の信号ではないすべての標準的なストレージ、メモリ、またはコンピュータ可読媒体に対する権利を放棄しないと理解されるべきである。
【0128】
コンピュータ可読ストレージ媒体は、媒体によって格納された情報に関するさまざまな動作のために、例えばアクセス要求、クエリ、または他のデータ検索プロトコル、あるいはその組み合わせを介して、1つまたは複数のローカル・コンピューティング・デバイスまたはリモート・コンピューティング・デバイスによってアクセスされ得る。
【0129】
通信媒体は、通常、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラム・モジュール、あるいは他の構造化データまたは非構造化データを、変調データ信号(例えば、搬送波または他の搬送機構)などのデータ信号で具現化し、任意の情報配信または輸送媒体を含む。「変調データ信号」という用語は、1つまたは複数の信号内の情報をエンコードするような方法で設定または変更される特性のうちの1つまたは複数を有する信号のことを指す。例として、通信媒体は、有線ネットワーク、直接有線接続などの有線媒体、または音響、RF、赤外線、もしくは他のワイヤレス媒体、またはその組み合わせなどのワイヤレス媒体、あるいはその両方を含むことができるが、これらに限定されない。
【0130】
図14を再び参照すると、本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態を実装するための例示的な動作環境1400がコンピュータ1402を含むことができ、コンピュータ1402は、処理ユニット1406、システム・メモリ1404、またはシステム・バス1408、あるいはその組み合わせを含んでいる。処理ユニット1406の1つまたは複数の構造的関係、機能、または特徴、あるいはその組み合わせは、非限定的システム100の106などの、プロセッサまたはコントローラあるいはその両方に適用され得る。処理ユニット1406は、106などのプロセッサまたはコントローラあるいはその両方と組み合わせて、またはこれらの代替として、あるいはその両方で、実装され得る。
【0131】
メモリ1404は、1つまたは複数のコンピュータまたは機械あるいはその両方が読み取ることができるか、書き込むことができるか、または実行することができるか、あるいはその組み合わせが可能であるコンポーネントまたは命令あるいはその両方を格納することができ、これらのコンポーネントまたは命令あるいはその両方は、処理ユニット1406(例えば、古典的プロセッサ、量子プロセッサ、または同様のプロセッサ、あるいはその組み合わせ)によって実行された場合に、実行可能なコンポーネントまたは命令あるいはその両方よって定義された動作の実行を容易にすることができる。例えば、メモリ1404は、コンピュータまたは機械あるいはその両方が読み取ることができるか、書き込むことができるか、または実行することができるか、あるいはその組み合わせが可能であるコンポーネントまたは命令あるいはその両方を格納することができ、これらのコンポーネントまたは命令あるいはその両方は、処理ユニット1406によって実行された場合に、1つまたは複数の実施形態の1つまたは複数の図を参照して、または参照せずに本明細書において説明されたように、非限定的システム100に関連して本明細書において説明された1つまたは複数の機能の実行を容易にすることができる。
【0132】
メモリ1404は、1つまたは複数のメモリ・アーキテクチャを採用することができる、揮発性メモリ(例えば、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、スタティックRAM(SRAM:static RAM)、ダイナミックRAM(DRAM:dynamic RAM)、または同様のもの、あるいはその組み合わせ)または不揮発性メモリ(例えば、読み取り専用メモリ(ROM)、プログラマブルROM(PROM:programmable ROM)、電気的プログラマブルROM(EPROM:electrically programmable ROM)、電気的消去可能プログラマブルROM(EEPROM)、または同様のもの、あるいはその組み合わせ)あるいはその両方を含むことができる。
【0133】
処理ユニット1406は、1つまたは複数のコンピュータまたは機械あるいはその両方が読み取ることができるか、書き込むことができるか、または実行することができるか、あるいはその組み合わせが可能である、メモリ1404に格納できるコンポーネントまたは命令あるいはその両方を実装できる、プロセッサまたは電子回路あるいはその両方(例えば、古典的プロセッサ、量子プロセッサ、または同様のプロセッサ、あるいはその組み合わせ)の1つまたは複数の種類を含むことができる。例えば、処理ユニット1406は、コンピュータまたは機械あるいはその両方が読み取ることができるか、書き込むことができるか、または実行することができるか、あるいはその組み合わせが可能であるコンポーネントまたは命令あるいはその両方によって指定され得る、論理、制御、入出力(I/O:input/output)、算術、または同様のもの、あるいはその組み合わせを含むが、これらに限定されない、1つまたは複数の動作を実行することができる。1つまたは複数の実施形態では、処理ユニット1406は、1つまたは複数の市販されているプロセッサのいずれかであることができる。1つまたは複数の実施形態では、処理ユニット1406は、1つまたは複数の中央処理装置、マルチコア・プロセッサ、マイクロプロセッサ、デュアル・マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、システム・オン・チップ(SOC:System on a Chip)、アレイ・プロセッサ、ベクトル・プロセッサ、量子プロセッサ、または別の種類のプロセッサ、あるいはその組み合わせを含むことができる。処理ユニット1406の例が、本明細書に記載された任意の1つまたは複数の実施形態を実装するために採用され得る。
【0134】
システム・バス1408は、システム・メモリ1404を含むが、これに限定されないシステム・コンポーネントを、処理ユニット1406に結合することができる。システム・バス1408は、さまざまな市販されているバス・アーキテクチャのいずれかを使用するメモリ・バス(メモリ・コントローラを含むか、または含まない)、ペリフェラル・バス、またはローカル・バス、あるいはその組み合わせにさらに相互接続することができる1つまたは複数の種類のバス構造を含むことができる。システム・メモリ1404は、ROM1410またはRAM1412あるいはその両方を含むことができる。基本入出力システム(BIOS:basic input/output system)は、ROM、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM)、またはEEPROM、あるいはその組み合わせなどの、不揮発性メモリに格納されることが可能であり、BIOSは、起動などの間にコンピュータ1402内の要素間で情報を転送するのに役立つ基本的なルーチンを含む。RAM1412は、データをキャッシュするためのスタティックRAMなどの高速なRAMを含むことができる。
【0135】
コンピュータ1402は、内部ハード・ディスク・ドライブ(HDD:hard disk drive)1414(例えば、EIDE、SATA)、1つまたは複数の外部ストレージ・デバイス1416(例えば、磁気フロッピー(R)・ディスク・ドライブ(FDD:magnetic floppy disk drive)、メモリ・スティックまたはフラッシュ・ドライブ・リーダ、メモリ・カード・リーダ、または同様のもの、あるいはその組み合わせ)、またはドライブ1420(例えば、CD-ROMディスク、DVD、BD、または同様のもの、あるいはその組み合わせなどのディスク1422に対して読み取りまたは書き込みを行うことができる半導体ドライブまたは光ディスク・ドライブなど)、あるいはその組み合わせを含むことができる。追加または代替あるいはその両方として、半導体ドライブが含まれている場合、ディスク1422は、分離していない限り含まれ得ない。内部HDD1414がコンピュータ1402内にあるように示されているが、内部HDD1414は、外部の適切な筐体(図示されていない)内で使用するように構成されることも可能である。さらに、動作環境1400内に示されていないが、HDD1414に加えて、またはHDD1414の代わりに、半導体ドライブ(SSD:solid state drive)が使用され得る。HDD1414、外部ストレージ・デバイス1416、およびドライブ1420は、HDDインターフェイス1424、外部ストレージ・インターフェイス1426、およびドライブ・インターフェイス1428によって、システム・バス1408にそれぞれ結合され得る。外部ドライブの実装のためのHDDインターフェイス1424は、ユニバーサル・シリアル・バス(USB:Universal Serial Bus)インターフェイス技術、および電気電子技術者協会(IEEE:Institute of Electrical and Electronics Engineers)1394インターフェイス技術のうちの少なくとも1つまたは両方を含むことができる。他の外部ドライブ接続技術が、本明細書に記載された実施形態の企図に含まれる。
【0136】
ドライブおよびそれらに関連するコンピュータ可読ストレージ媒体は、データ、データ構造、コンピュータ実行可能命令などの不揮発性ストレージを提供する。コンピュータ1402のドライブおよびストレージ媒体は、適切なデジタル形式での任意のデータの格納に対応する。上記のコンピュータ可読ストレージ媒体の説明は各種のストレージ・デバイスに言及しているが、コンピュータによって読み取ることができる他の種類のストレージ媒体が、現在存在しているか、もしくは将来開発されるかに関わらず、例示的な動作環境内で使用されることも可能であり、または任意のそのようなストレージ媒体が、本明細書に記載された方法を実行するためのコンピュータ実行可能命令を含むことができる。
【0137】
オペレーティング・システム1430、1つまたは複数のアプリケーション1432、他のプログラム・モジュール1434、またはプログラム・データ1436、あるいはその組み合わせを含む複数のプログラム・モジュールが、ドライブおよびRAM1412に格納され得る。オペレーティング・システム、アプリケーション、モジュール、またはデータ、あるいはその組み合わせのすべてまたは一部が、RAM1412にキャッシュされることも可能である。本明細書に記載されたシステムまたは方法あるいはその両方は、1つまたは複数の市販されているオペレーティング・システム、またはオペレーティング・システムの組み合わせ、あるいはその両方を利用して実装され得る。
【0138】
コンピュータ1402は、任意選択的に、エミュレーション技術を含むことができる。例えば、ハイパーバイザ(図示されていない)または他の媒介が、オペレーティング・システム1430のハードウェア環境をエミュレートすることができ、エミュレートされるハードウェアは、任意選択的に、図14に示されているハードウェアと異なることができる。関連する実施形態では、オペレーティング・システム1430が、コンピュータ1402でホストされた複数の仮想マシン(VM:virtual machine)のうちの1つのVMを含むことができる。さらに、オペレーティング・システム1430は、JAVA(R)実行時環境または.NETフレームワークなどの実行時環境をアプリケーション1432に提供することができる。実行時環境は、アプリケーション1432が、実行時環境を含んでいる任意のオペレーティング・システム上で実行されることを可能にし得る、一貫性のある実行環境である。同様に、オペレーティング・システム1430はコンテナをサポートすることができ、アプリケーション1432はコンテナの形態であることができ、コンテナは、例えばアプリケーション用のコード、ランタイム、システム・ツール、システム・ライブラリ、または設定、あるいはその組み合わせを含んでいる、軽量なスタンドアロンの実行可能なソフトウェアのパッケージである。
【0139】
さらに、コンピュータ1402は、信頼できる処理モジュール(TPM:trusted processing module)などのセキュリティ・モジュールを使用して有効化され得る。例えば、TPMを使用すると、ブート・コンポーネントは、時間的に次のブート・コンポーネントをハッシュし、保護された値とのハッシュ結果の一致を待機してから、次のブート・コンポーネントを読み込む。このプロセスは、コンピュータ1402のコード実行スタック内の任意の層で行われることが可能であり、例えば、アプリケーション実行レベルで、またはオペレーティング・システム(OS:operating system)カーネル・レベルで、あるいはその両方で適用され、それによって、コード実行の任意のレベルでセキュリティを有効化する。
【0140】
実体は、1つまたは複数の有線/ワイヤレス入力デバイス(例えば、キーボード1438、タッチ・スクリーン1440、またはマウス1442などのポインティング・デバイス、あるいはその組み合わせ)を介して、コマンドまたは情報あるいはその両方をコンピュータ1402に入力するか、または送信するか、あるいはその両方を行うことができる。他の入力デバイス(図示されていない)は、マイクロホン、赤外線(IR:infrared)遠隔制御、無線周波(RF:radio frequency)遠隔制御、もしくは他の遠隔制御、またはその組み合わせ、ジョイスティック、仮想現実コントローラもしくは仮想現実ヘッドセットまたはその両方、ゲーム・パッド、タッチペン、画像入力デバイス(例えば、カメラ)、ジェスチャー・センサ入力デバイス、視覚移動センサ入力デバイス、感情もしくは顔検出デバイス、生体測定入力デバイス(例えば、指紋もしくは虹彩スキャナまたはその両方)、または同様のもの、あるいはその組み合わせを含むことができる。これらおよび他の入力デバイスは、多くの場合、システム・バス1408に結合され得る入力デバイス・インターフェイス1444を介して処理ユニット1406に結合され得るが、パラレル・ポート、IEEE1394シリアル・ポート、ゲーム・ポート、USBポート、IRインターフェイス、BLUETOOTH(R)インターフェイス、または同様のもの、あるいはその組み合わせなどの、他のインターフェイスによって結合され得る。
【0141】
モニタ1446または他の種類のディスプレイ・デバイスが、代替または追加あるいはその両方として、ビデオ・アダプタ1448などのインターフェイスを介してシステム・バス1408に結合され得る。モニタ1446に加えて、コンピュータは通常、スピーカ、プリンタ、または同様のもの、あるいはその組み合わせなどの、他の周辺出力機器(図示されていない)を含む。
【0142】
コンピュータ1402は、有線通信またはワイヤレス通信あるいはその両方を介するリモート・コンピュータ1450などの1つまたは複数のリモート・コンピュータへの論理接続を使用して、ネットワーク環境内で動作することができる。リモート・コンピュータ1450は、ワークステーション、サーバ・コンピュータ、ルータ、パーソナル・コンピュータ、ポータブル・コンピュータ、マイクロプロセッサベースのエンターテインメント機器、ピア・デバイス、または他の一般的なネットワーク・ノード、あるいはその組み合わせであることができ、通常は、コンピュータ1402に関連して説明された要素のうちの多くまたはすべてを含むが、簡潔にするために、メモリ/ストレージ・デバイス1452のみが示されている。追加または代替あるいはその両方として、コンピュータ1402は、データ・ケーブル(例えば、高精細度マルチメディア・インターフェイス(HDMI(R):High-Definition Multimedia Interface)、勧告基準(RS:recommended standard)232、イーサネット(R)・ケーブル、または同様のもの、あるいはその組み合わせ)を介して、1つまたは複数の外部のシステム、ソース、またはデバイス(例えば、古典的または量子あるいはその両方のコンピューティング・デバイス、通信デバイス、または同様のデバイス、あるいはその組み合わせ)、あるいはその組み合わせに(例えば、通信可能に、電気的に、動作可能に、光学的に、または同様に、あるいはその組み合わせで)結合され得る。
【0143】
1つまたは複数の実施形態では、ネットワークは、セルラー・ネットワーク、広域ネットワーク(WAN:wide area network)(例えば、インターネット)またはローカル・エリア・ネットワーク(LAN:local area network)を含むが、これらに限定されない、1つまたは複数の有線ネットワークまたはワイヤレス・ネットワークあるいはその両方を含むことができる。例えば、本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態は、ワイヤレス・フィディリティ(Wi-Fi:wireless fidelity)、グローバル・システム・フォー・モバイル・コミュニケーションズ(GSM:global system for mobile communications)、ユニバーサル移動体通信システム(UMTS:universal mobile telecommunications system)、ワールドワイド・インターオペラビリティ・フォー・マイクロウェーブ・アクセス(WiMAX:worldwide interoperability for microwave access)、高速汎用パケット無線サービス(enhanced GPRS:enhanced general packet radio service)、第3世代パートナーシップ・プロジェクト(3GPP:third generation partnership project)ロング・ターム・エボリューション(LET:long term evolution)、第3世代パートナーシップ・プロジェクト2(3GPP2)ウルトラ・モバイル・ブロードバンド(UMB:ultra mobile broadband)、高速パケット・アクセス(HSPA:high speed packet access)、Zigbeeおよび他の802.XXワイヤレス技術もしくはレガシー通信技術またはその両方、BLUETOOTH(R)、セッション開始プロトコル(SIP:Session Initiation Protocol)、ZIGBEE(R)、RF4CEプロトコル、WirelessHARTプロトコル、6LoWPAN(IPv6 over Low power Wireless Area Networks)、Z-Wave、ANT、超広帯域(UWB:ultra-wideband)標準プロトコル、または他の独自もしくは非独自またはその両方の通信プロトコル、あるいはその組み合わせを含むが、これらに限定されない、事実上任意の特定された有線技術またはワイヤレス技術を使用して、1つまたは複数の外部のシステム、ソース、またはデバイス(例えば、コンピューティング・デバイス)、あるいはその組み合わせと通信することができる(かつ、その逆向きに通信することができる)。関連する例では、本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態は、本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態、および外部のシステム、ソース、またはデバイス(例えば、コンピューティング・デバイス、通信デバイス、または同様のもの、あるいはその組み合わせ)、あるいはその組み合わせの間での情報の伝達を容易にする、ハードウェア(例えば、中央処理装置(CPU:central processing unit)、トランシーバ、デコーダ、量子ハードウェア、量子プロセッサ、または同様のもの、あるいはその組み合わせ)、ソフトウェア(例えば、一連のスレッド、一連のプロセス、実行中のソフトウェア、量子パルス・スケジュール、量子回路、量子ゲート、または同様のもの、あるいはその組み合わせ)、またはハードウェアもしくはソフトウェアまたはその両方の組み合わせを含むことができる。
【0144】
図に示されている論理接続は、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)1454またはさらに大きいネットワーク(例えば、広域ネットワーク(WAN)1456)あるいはその両方との有線接続/ワイヤレス接続を含む。LANおよびWANネットワーク環境は、事務所および会社において一般的であることができ、イントラネットなどの企業全体のコンピュータ・ネットワークを容易にし、それらはすべて、グローバル通信ネットワーク(例えば、インターネット)に接続することができる。
【0145】
コンピュータ1402は、LANネットワーク環境内で使用された場合、有線またはワイヤレスあるいはその両方の通信ネットワーク・インターフェイスまたはアダプタ1458を介して、ローカル・ネットワーク1454に結合され得る。アダプタ1458は、LAN1454との有線通信またはワイヤレス通信あるいはその両方を容易にすることができ、LAN1454は、ワイヤレス・モードでアダプタ1458と通信するために配置されたワイヤレス・アクセス・ポイント(AP:access point)を含むこともできる。
【0146】
コンピュータ1402は、WANネットワーク環境内で使用された場合、モデム1460を含むことができ、またはインターネットを経由するなどのWAN1456を経由して通信を確立するための他の手段によって、WAN1456上の通信サーバに結合されることが可能であり、あるいはその両方が可能である。内部または外部あるいはその両方に存在する有線デバイスまたはワイヤレス・デバイスあるいはその両方であることができるモデム1460は、入力デバイス・インターフェイス1444を介してシステム・バス1408に結合され得る。ネットワーク環境内で、コンピュータ1402またはその一部に関連して示されたプログラム・モジュールは、リモート・メモリ/ストレージ・デバイス1452に格納され得る。示されているネットワーク接続は単なる例であり、コンピュータ間の通信リンクを確立する1つまたは複数の他の手段が使用され得る。
【0147】
コンピュータ1402は、LANネットワーク環境内またはWANネットワーク環境内のいずれかで使用された場合、前述したような外部ストレージ・デバイス1416に加えて、または外部ストレージ・デバイス1416の代わりに、あるいはその両方で、情報の格納または処理あるいはその両方の1つまたは複数の態様を提供するネットワーク仮想マシンなどの、ただしこれに限定されない、クラウド・ストレージ・システムまたは他のネットワークベースのストレージ・システムにアクセスすることができる。一般に、コンピュータ1402とクラウド・ストレージ・システムの間の接続は、例えば、それぞれアダプタ1458またはモデム1460によって、LAN1454またはWAN1456を経由して確立され得る。コンピュータ1402を関連するクラウド・ストレージ・システムに結合するときに、外部ストレージ・インターフェイス1426は、アダプタ1458またはモデム1460あるいはその両方などを用いて、他の種類の外部ストレージと同様に、クラウド・ストレージ・システムによって提供されたストレージを管理することができる。例えば、外部ストレージ・インターフェイス1426は、クラウド・ストレージ・ソースがコンピュータ1402に物理的に結合されているかのように、クラウド・ストレージ・ソースへのアクセスを提供するように構成され得る。
【0148】
コンピュータ1402は、ワイヤレス通信において動作可能に配置された任意のワイヤレス・デバイスまたは実体(例えば、プリンタ、スキャナ、デスクトップ・コンピュータまたはポータブル・コンピュータあるはその両方、ポータブル・データ・アシスタント、通信衛星、電話、またはワイヤレスで検出可能なタグに関連付けられた機器のいずれかの部品もしくは位置(例えば、キオスク、新聞売店、商品棚、または同様のもの、あるいはその組み合わせ)、あるいはその組み合わせと通信するよう機能することができる。この通信は、ワイヤレス・フィディリティ(Wi-Fi)およびBLUETOOTH(R)ワイヤレス技術を含むことができる。したがって、この通信は、従来のネットワークと同様に事前に定義された構造であるか、または単に、少なくとも2つのデバイス間のアドホック通信であることができる。
【0149】
本明細書に記載された実施形態例は、通信ネットワークを介してリンクされたリモート処理デバイスによって特定のタスクが実行される、図15に関して下で説明される分散コンピューティング環境などの、分散コンピューティング環境(例えば、クラウド・コンピューティング環境)に関連して使用され得る。分散コンピューティング環境において、プログラム・モジュールは、ローカルまたはリモートあるいはその両方のメモリ・ストレージ・デバイスに配置され得る。
【0150】
例えば、本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態または実施形態の1つまたは複数のコンポーネントは、本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態に従って1つまたは複数の動作を実行するために、図15を参照して、または図16を参照して下で説明される1つまたは複数の機能的抽象レイヤ(例えば、量子ソフトウェア、または同様のもの、あるいはその両方)を参照して、あるいはその両方を参照して、下で説明されるクラウド・コンピューティング環境1550の1つまたは複数の計算リソースを採用することができる。例えば、クラウド・コンピューティング環境1550、または機能的抽象レイヤ1660、1670、1680、もしくは1690、またはその組み合わせのうちの1つまたは複数、あるいはその両方は、本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態に従って1つまたは複数の動作を実行するために、本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態または実施形態のコンポーネントあるいはその両方によって採用され得る、1つまたは複数の古典的コンピューティング・デバイス(例えば、古典的コンピュータ、古典的プロセッサ、仮想マシン、サーバ、または同様のもの、あるいはその組み合わせ)、量子ハードウェア、または量子ソフトウェア、あるいはその組み合わせ(例えば、量子コンピューティング・デバイス、量子コンピュータ、量子プロセッサ、量子回路シミュレーション・ソフトウェア、超伝導回路、または同様のもの、あるいはその組み合わせ)を含むことができる。例えば、本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態または実施形態のコンポーネントあるいはその両方は、そのような1つまたは複数の古典的計算リソースまたは量子計算リソースあるいはその両方を使用して、1つまたは複数の古典的もしくは量子またはその両方の数学関数、計算、もしくは方程式、またはその組み合わせ、計算スクリプトもしくは処理スクリプトまたはその両方、アルゴリズム、モデル(例えば、人工知能(AI:artificial intelligence)モデル、機械学習(ML:machine learning)モデル、もしくは同様のモデル、またはその組み合わせ)、または本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態に従う他の動作、あるいはその組み合わせを実行することができる。
【0151】
本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態は、クラウド・コンピューティングに関する詳細な説明を含んでいるが、本明細書において示された内容の実装は、クラウド・コンピューティング環境に限定されないということが理解されるべきである。むしろ、本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態は、現在既知であるか、または今後開発される任意の他の種類のコンピューティング環境と組み合わせて実装され得る。
【0152】
クラウド・コンピューティングは、構成可能な計算リソース(例えば、ネットワーク、ネットワーク帯域幅、サーバ、処理、メモリ、ストレージ、アプリケーション、仮想マシン、およびサービス)の共有プールへの便利なオンデマンドのネットワーク・アクセスを可能にするためのサービス提供モデルであり、管理上の手間またはサービス・プロバイダとのやりとりを最小限に抑えて、これらのリソースを迅速にプロビジョニングおよび解放することができる。このクラウド・モデルは、少なくとも5つの特徴、少なくとも3つのサービス・モデル、および少なくとも4つのデプロイメント・モデルを含むことができる。
【0153】
特徴は、次のとおりである。
【0154】
オンデマンドのセルフ・サービス:クラウドの利用者は、サーバの時間およびネットワーク・ストレージなどの計算能力を一方的に、サービス・プロバイダとの人間的なやりとりを必要とせず、必要に応じて自動的にプロビジョニングすることができる。
【0155】
幅広いネットワーク・アクセス:クラウドの能力は、ネットワークを経由して利用可能であり、標準的なメカニズムを使用してアクセスできるため、異種のシン・クライアントまたはシック・クライアント・プラットフォーム(例えば、携帯電話、ラップトップ、およびPDA)による利用を促進する。
【0156】
リソース・プール:プロバイダの計算リソースは、プールされ、マルチテナント・モデルを使用して複数の利用者に提供される。さまざまな物理的および仮想的リソースが、要求に従って動的に割り当ておよび再割り当てされる。場所に依存しないという感覚があり、利用者は通常、提供されるリソースの正確な場所に関して管理することも知ることもないが、さらに高い抽象レベルでは、場所(例えば、国、州、またはデータセンター、あるいはその組み合わせ)を指定できる。
【0157】
迅速な順応性:クラウドの能力は、迅速かつ柔軟に、1つまたは複数の事例では自動的にプロビジョニングされ、素早くスケールアウトし、迅速に解放されて素早くスケールインすることができる。プロビジョニングに使用できる能力は、利用者には、任意の量をいつでも無制限に購入できるように見えることができる。
【0158】
測定されるサービス:クラウド・システムは、計測機能を活用することによって、サービスの種類(例えば、ストレージ、処理、帯域幅、またはアクティブなユーザのアカウント、あるいはその組み合わせ)に適した1つまたは複数の抽象レベルで、リソースの使用を自動的に制御および最適化する。リソースの使用状況は、監視、制御、および報告されることが可能であり、利用されるサービスのプロバイダと利用者の両方に透明性を提供する。
【0159】
サービス・モデルは、次のとおりである。
【0160】
SaaS(Software as a Service):利用者に提供される能力は、クラウド・インフラストラクチャ上で稼働しているプロバイダのアプリケーションの利用である。それらのアプリケーションは、Webブラウザ(例えば、Webベースの電子メール)などのシン・クライアント・インターフェイスを介して、さまざまなクライアント・デバイスからアクセスできる。利用者は、ネットワーク、サーバ、オペレーティング・システム、ストレージ、または個々のアプリケーション機能、あるいはその組み合わせを含む基盤になるクラウド・インフラストラクチャを、限定的なユーザ固有のアプリケーション構成設定を行う可能性を除き、管理することも制御することもない。
【0161】
PaaS(Platform as a Service):利用者に提供される能力は、プロバイダによってサポートされるプログラミング言語およびツールを使用して作成された、利用者が作成または取得したアプリケーションをクラウド・インフラストラクチャにデプロイすることである。利用者は、ネットワーク、サーバ、オペレーティング・システム、またはストレージ、あるいはその組み合わせを含む基盤になるクラウド・インフラストラクチャを管理することも制御することもないが、デプロイされたアプリケーション、および場合によってはアプリケーション・ホスティング環境の構成を制御することができる。
【0162】
IaaS(Infrastructure as a Service):利用者に提供される能力は、処理、ストレージ、ネットワーク、または他の基本的な計算リソース、あるいはその組み合わせのプロビジョニングであり、利用者は、オペレーティング・システムおよびアプリケーションを含むことができる任意のソフトウェアをデプロイして実行できる。利用者は、基盤になるクラウド・インフラストラクチャを管理することも制御することもないが、オペレーティング・システム、ストレージ、デプロイされたアプリケーションを制御することができ、場合によっては、選択されたネットワーク・コンポーネント(例えば、ホスト・ファイアウォール)を限定的に制御できる。
【0163】
デプロイメント・モデルは、次のとおりである。
【0164】
プライベート・クラウド:このクラウド・インフラストラクチャは、組織のためにのみ運用される。組織またはサードパーティによって管理することができ、オンプレミスまたはオフプレミスに存在することができる。
【0165】
コミュニティ・クラウド:このクラウド・インフラストラクチャは、複数の組織によって共有され、関心事(例えば、任務、セキュリティ要件、ポリシー、またはコンプライアンスに関する考慮事項、あるいはその組み合わせ)を共有している特定のコミュニティをサポートする。組織またはサードパーティによって管理することができ、オンプレミスまたはオフプレミスに存在することができる。
【0166】
パブリック・クラウド:このクラウド・インフラストラクチャは、一般ユーザまたは大規模な業界団体が使用できるようになっており、クラウド・サービスを販売する組織によって所有される。
【0167】
ハイブリッド・クラウド:このクラウド・インフラストラクチャは、データとアプリケーションの移植を可能にする標準化された技術または独自の技術(例えば、クラウド間の負荷バランスを調整するためのクラウド・バースト)によって固有の実体を残したまま互いに結合された2つ以上のクラウド(プライベート、コミュニティ、またはパブリック)の複合である。
【0168】
クラウド・コンピューティング環境は、ステートレス、疎結合、モジュール性、または意味的相互運用性、あるいはその組み合わせに重点を置いたサービス指向の環境である。クラウド・コンピューティングの中心になるのは、相互接続されたノードのネットワークを含んでいるインフラストラクチャである。
【0169】
さらに、非限定的システム100、またはその組み合わせ、または例示的な動作環境1400、あるいはその両方は、データ解析システム、データ処理システム、グラフ解析システム、グラフ処理システム、ビッグ・データ・システム、ソーシャル・ネットワーク・システム、音声認識システム、画像認識システム、グラフィカル・モデリング・システム、バイオインフォマティクス・システム、データ圧縮システム、人工知能システム、認証システム、構文パターン認識システム、医療システム、健康状態監視システム、ネットワーク・システム、コンピュータ・ネットワーク・システム、通信システム、ルータ・システム、サーバ・システム、高可用性サーバ・システム(例えば、電気通信サーバ・システム)、Webサーバ・システム、ファイル・サーバ・システム、データ・サーバ・システム、ディスク・アレイ・システム、電動挿入ボード・システム(powered insertion board system)、クラウドベース・システム、または同様のもの、あるいはその組み合わせに関連付けられるか、または含まれることが可能である。それに従って、非限定的システム100、またはその組み合わせ、または例示的な動作環境1400、あるいはその両方は、ハードウェアまたはソフトウェアあるいはその両方を使用して、抽象的ではないか、または人間による一連の精神的活動として実行され得ないか、あるいはその両方である本質的に高度に技術的な問題を解決するために、採用され得る。
【0170】
ここで図15に示された1つまたは複数の態様の詳細を参照すると、例示的なクラウド・コンピューティング環境1550が示されている。図示されているように、クラウド・コンピューティング環境1550は、クラウドの利用者によって使用されるローカル・コンピューティング・デバイス(例えば、パーソナル・デジタル・アシスタント(PDA:personal digital assistant)または携帯電話1554A、デスクトップ・コンピュータ1554B、ラップトップ・コンピュータ1554C、または自動車コンピュータ・システム1554N、あるいはその組み合わせなど)が通信できる1つまたは複数のクラウド・コンピューティング・ノード1510を含んでいる。図15に示されていないが、クラウド・コンピューティング・ノード1510は、クラウドの利用者によって使用されるローカル・コンピューティング・デバイスが通信できる量子プラットフォーム(例えば、量子コンピュータ、量子ハードウェア、量子ソフトウェア、または同様のもの、あるいはその組み合わせ)をさらに備えることができる。クラウド・コンピューティング・ノード1510は、互いに通信できる。ノード1510は、1つまたは複数のネットワーク内で、本明細書において前述されたプライベート・クラウド、コミュニティ・クラウド、またはハイブリッド・クラウド、あるいはこれらの組み合わせなどに、物理的または仮想的にグループ化され得る(図示されていない)。これによって、クラウド・コンピューティング環境1550は、クラウドの利用者がローカル・コンピューティング・デバイス上でリソースを維持する必要のないインフラストラクチャ、プラットフォーム、またはSaaS、あるいはその組み合わせを提供できる。図15に示されたコンピューティング・デバイス1554A~Nの種類は、例示のみが意図されており、クラウド・コンピューティング・ノード1510およびクラウド・コンピューティング環境1550は、任意の種類のネットワークまたはネットワーク・アドレス可能な接続(例えば、Webブラウザを使用した接続)あるいはその両方を経由して任意の種類のコンピュータ制御デバイスと通信することができると理解される。
【0171】
ここで図16に示された1つまたは複数の要素の詳細を参照すると、クラウド・コンピューティング環境1550(図15)によって提供される機能的抽象レイヤのセットなどの、機能的抽象レイヤのセットが示されている。本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態は、図16を参照して下で説明される1つまたは複数の機能的抽象レイヤ(例えば、ハードウェアおよびソフトウェア・レイヤ1660、仮想化レイヤ1670、管理レイヤ1680、またはワークロード・レイヤ1690、あるいはその組み合わせ)を介してアクセス可能など、関連付けられ得る。図16に示されたコンポーネント、レイヤ、または機能、あるいはその組み合わせは、例示のみが意図されており、本明細書に記載された実施形態がこれらに限定されないということが、あらかじめ理解されるべきである。図に示されているように、次のレイヤまたは対応する機能あるいはその両方が提供される。
【0172】
ハードウェアおよびソフトウェア・レイヤ1660は、ハードウェア・コンポーネントおよびソフトウェア・コンポーネントを含むことができる。ハードウェア・コンポーネントの例としては、メインフレーム1661、RISC(Reduced Instruction Set Computer)アーキテクチャベースのサーバ1662、サーバ1663、ブレード・サーバ1664、ストレージ・デバイス1665、またはネットワークもしくはネットワーク・コンポーネントまたはその両方1666、あるいはその組み合わせが挙げられる。1つまたは複数の実施形態では、ソフトウェア・コンポーネントは、ネットワーク・アプリケーション・サーバ・ソフトウェア1667、量子プラットフォーム・ルーティング・ソフトウェア1668、または量子ソフトウェア(図16に示されていない)、あるいはその組み合わせを含むことができる。
【0173】
仮想化レイヤ1670は、仮想サーバ1671、仮想ストレージ1672、仮想プライベート・ネットワークを含む仮想ネットワーク1673、仮想アプリケーションもしくはオペレーティング・システムまたはその両方1674、または仮想クライアント1675、あるいはその組み合わせなどの仮想的実体を提供できる抽象レイヤを備えることができる。
【0174】
一例を挙げると、管理レイヤ1680は、以下で説明される機能を提供することができる。リソース・プロビジョニング1681は、クラウド・コンピューティング環境内でタスクを実行するために利用され得る計算リソースおよび他のリソースの動的調達を行うことができる。計測および価格設定1682は、クラウド・コンピューティング環境内でリソースが利用される際のコスト追跡、またはそれらのリソースの利用に対する請求書もしくはインボイスまたはその両方の送付、あるいその両方を行うことができる。1つの例では、それらのリソースは、1つまたは複数のアプリケーション・ソフトウェア・ライセンスを含むことができる。セキュリティは、クラウドの利用者またはタスクあるいはその両方のID検証を行うとともに、データまたは他のリソースあるいはその両方の保護を行うことができる。ユーザ(または実体)ポータル1683は、クラウド・コンピューティング環境へのアクセスを利用者およびシステム管理者に提供することができる。サービス・レベル管理1684は、必要なサービス・レベルを満たすように、クラウドの計算リソースの割り当てまたは管理あるいはその両方を行うことができる。サービス水準合意(SLA:Service Level Agreement)計画および実行1685は、今後の要求が予想されるクラウドの計算リソースの事前準備および調達を、SLAに従って行うことができる。
【0175】
ワークロード・レイヤ1690は、クラウド・コンピューティング環境で利用できる機能の例を示すことができる。このレイヤから提供され得るワークロードおよび機能の非限定的な例としては、マッピングおよびナビゲーション1691、ソフトウェア開発およびライフサイクル管理1692、仮想クラスルーム教育の配信1693、データ解析処理1694、トランザクション処理1695、またはアプリケーション変換ソフトウェア1696、あるいはその組み合わせが挙げられる。
【0176】
本明細書に記載された実施形態は、任意の可能な統合の技術的詳細レベルで、システム、方法、装置、またはコンピュータ・プログラム製品、あるいはその組み合わせのうちの1つまたは複数を対象にすることができる。コンピュータ・プログラム製品は、プロセッサに、本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態の特徴および/または機能を実行させるためのコンピュータ可読プログラム命令を含んでいるコンピュータ可読ストレージ媒体を含むことができる。コンピュータ可読ストレージ媒体は、命令実行デバイスによって使用するための命令を保持および格納できる有形のデバイスであることができる。コンピュータ可読ストレージ媒体は、例えば、電子ストレージ・デバイス、磁気ストレージ・デバイス、光ストレージ・デバイス、電磁ストレージ・デバイス、または超電導ストレージ・デバイス、あるいはこれらの任意の適切な組み合わせであることができるが、これらに限定されない。コンピュータ可読ストレージ媒体のさらに具体的な例の非網羅的リストは、ポータブル・フロッピー(R)・ディスク、ハード・ディスク、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EPROMまたはフラッシュ・メモリ)、スタティック・ランダム・アクセス・メモリ(SRAM)、ポータブル・コンパクト・ディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)、メモリ・スティック、フロッピー(R)・ディスク、または命令が記録されているパンチカードもしくは溝の中の隆起構造などの機械的にエンコードされるデバイス、あるいはこれらの任意の適切な組み合わせを含むこともできる。本明細書において使用されるとき、コンピュータ可読ストレージ媒体は、電波もしくは他の自由に伝搬する電磁波またはその両方、導波管もしくは他の送信媒体を伝搬する電磁波(例えば、光ファイバ・ケーブルを通過する光パルス)またはその両方、またはワイヤを介して送信される電気信号、あるいはその組み合わせなどの,それ自体が一過性の信号であると解釈されるべきではない。
【0177】
本明細書に記載されたコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ可読ストレージ媒体から各コンピューティング・デバイス/処理デバイスへ、またはネットワーク(例えば、インターネット、ローカル・エリア・ネットワーク、広域ネットワーク、またはワイヤレス・ネットワーク、あるいはその組み合わせ)を介して外部コンピュータまたは外部ストレージ・デバイスへ、あるいはその両方へダウンロードされ得る。このネットワークは、銅伝送ケーブル、光伝送ファイバ、ワイヤレス送信、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイ・コンピュータ、またはエッジ・サーバ、あるいはその組み合わせを備えることができる。各コンピューティング・デバイス/処理デバイス内のネットワーク・アダプタ・カードまたはネットワーク・インターフェイスは、コンピュータ可読プログラム命令をネットワークから受信し、それらのコンピュータ可読プログラム命令を各コンピューティング・デバイス/処理デバイス内のコンピュータ可読ストレージ媒体に格納するために転送する。本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態の動作を実行するためのコンピュータ可読プログラム命令は、アセンブラ命令、命令セット・アーキテクチャ(ISA:instruction-set-architecture)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、集積回路のための構成データ、ならびに/あるいはSmalltalk(R)、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、および/または「C」プログラミング言語および/もしくは同様のプログラミング言語などの手続き型プログラミング言語を含む1つまたは複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソース・コードおよび/またはオブジェクト・コードであることができる。コンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ上で全体的に実行すること、コンピュータ上でスタンドアロン・ソフトウェア・パッケージとして部分的に実行すること、コンピュータ上で部分的に、もしくはリモート・コンピュータ上で部分的に、またはその両方で実行すること、またはリモート・コンピュータ上もしくはサーバ上またはその両方で全体的に実行すること、あるいはその組み合わせが可能である。後者のシナリオでは、リモート・コンピュータは、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)もしくは広域ネットワーク(WAN)またはその両方を含む任意の種類のネットワークを介してコンピュータに結合されることが可能であり、または接続は、(例えば、インターネット・サービス・プロバイダを使用してインターネットを介して)外部コンピュータに対して行われることが可能であり、あるいはその両方が可能である。1つまたは複数の実施形態では、本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態の特徴および/または機能を実行するために、例えばプログラマブル・ロジック回路、フィールドプログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA:field-programmable gate arrays)、またはプログラマブル・ロジック・アレイ(PLA:programmable logic arrays)、あるいはその組み合わせを含む電子回路は、コンピュータ可読プログラム命令の状態情報を利用することによって、電子回路をカスタマイズするためのコンピュータ可読プログラム命令を実行することができる。
【0178】
本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態は、本明細書において、本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態に従って、方法、装置(システム)、およびコンピュータ・プログラム製品のフローチャート図またはブロック図あるいはその両方を参照して説明される。フローチャート図またはブロック図あるいはその両方の各ブロック、ならびにフローチャート図またはブロック図あるいはその両方に含まれるブロックの組み合わせが、コンピュータ可読プログラム命令によって実装され得るということが理解されるであろう。これらのコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサを介して実行される命令が、フローチャートまたはブロック図あるいはその両方の1つまたは複数のブロックに指定される機能/動作を実施する手段を作り出すことができるように、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または他のプログラム可能なデータ処理装置、あるいはその組み合わせのプロセッサに提供されてマシンを作り出すものであることができる。これらのコンピュータ可読プログラム命令は、命令が格納されたコンピュータ可読ストレージ媒体がフローチャートまたはブロック図あるいはその両方の1つまたは複数のブロックに指定される機能/動作の態様を実施できる命令を含んでいる製品を含むことができるように、コンピュータ可読ストレージ媒体に格納され、コンピュータ、プログラム可能なデータ処理装置、または他のデバイス、あるいはその組み合わせに特定の方式で機能するように指示できるものであることもできる。コンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ上、他のプログラム可能な装置上、または他のデバイス上、あるいはその組み合わせで実行される命令が、フローチャートまたはブロック図あるいはその両方の1つまたは複数のブロックに指定される機能/動作を実施するように、コンピュータ、他のプログラム可能なデータ処理装置、または他のデバイス、あるいはその組み合わせに読み込まれることも可能であり、それによって、一連の操作可能な動作を、コンピュータ上、他のプログラム可能な装置上、またはコンピュータ実装プロセスを生成する他のデバイス上、あるいはその組み合わせで実行させる。
【0179】
図内のフローチャートおよびブロック図は、本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態に従って、システム、コンピュータ実装可能な方法、またはコンピュータ・プログラム製品、あるいはその組み合わせの可能な実装のアーキテクチャ、機能、または動作、あるいはその組み合わせを示す。これに関連して、フローチャートまたはブロック図内の各ブロックは、規定された論理機能を実装するための1つまたは複数の実行可能な命令を含んでいる、命令のモジュール、セグメント、または部分、あるいはその組み合わせを表すことができる。1つまたは複数の代替の実装では、ブロックに示された機能は、図に示された順序とは異なる順序で発生することができる。例えば、連続して示された2つのブロックは、含まれている機能に応じて、実質的に同時に実行され得るか、または場合によっては逆の順序で実行され得るか、あるいはその両方であることができる。ブロック図もしくはフローチャート図またはその両方の各ブロック、またはブロック図もしくはフローチャート図またはその両方に含まれるブロックの組み合わせ、あるいはその両方は、規定された機能もしくは動作またはその両方を実行すること、または専用ハードウェアもしくはコンピュータ命令またはその両方の1つまたは複数の組み合わせを実行すること、あるいはその両方が可能である専用ハードウェアベースのシステムによって実装され得るということにも注意する。
【0180】
上記では、1つのコンピュータまたは複数のコンピュータあるいはその両方で実行されるコンピュータ・プログラム製品のコンピュータ実行可能命令との一般的な関連において、本主題が説明されたが、当業者は、本明細書における1つまたは複数の実施形態を1つまたは複数の他のプログラム・モジュールと組み合わせて実装することもできるということを認識するであろう。通常、プログラム・モジュールは、特定のタスクを実行するか、または特定の抽象データ型を実装するか、あるいはその両方を行うルーチン、プログラム、コンポーネント、データ構造、または同様のもの、あるいはその組み合わせを含む。さらに、本発明のコンピュータ実装方法は、シングルプロセッサ・コンピュータ・システムもしくはマルチプロセッサ・コンピュータ・システムまたはその両方、ミニコンピューティング・デバイス、メインフレーム・コンピュータに加えて、コンピュータ、ハンドヘルド・コンピューティング・デバイス(例えば、PDA、電話)、マイクロプロセッサベースもしくはプログラム可能な家庭用電化製品もしくは産業用電子機器またはその両方、または同様のもの、あるいはその組み合わせを含む、他のコンピュータ・システム構成を使用して実践され得る。示された要素、コンポーネントなどは、通信ネットワークを介してリンクされたリモート処理デバイスによってタスクが実行される、分散コンピューティング環境内で実践されることも可能である。しかし、本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態のすべてのコンポーネント、要素および/または特徴ではないとしても、1つまたは複数の態様は、スタンドアロン・コンピュータ上で実践され得る。分散コンピューティング環境において、プログラム・モジュールは、ローカルおよびリモートの両方のメモリ・ストレージ・デバイスに配置され得る。
【0181】
本出願において使用されるとき、「コンポーネント」、「システム」、「プラットフォーム」、「インターフェイス」、または同様のもの、あるいはその組み合わせの用語は、1つまたは複数の特定の機能を含むコンピュータ関連の実体または操作可能なマシンに関連する実体を指すことができるか、または含むことができるか、あるいはその両方が可能である。本明細書に記載された実体は、ハードウェア、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせ、ソフトウェア、または実行中のソフトウェアのいずれかであることができる。例えば、コンポーネントは、プロセッサ上で実行されるプロセス、プロセッサ、オブジェクト、実行ファイル、実行のスレッド、プログラム、またはコンピュータ、あるいはその組み合わせであることができるが、これらに限定されない。例として、サーバ上で実行されるアプリケーションおよびサーバの両方が、コンポーネントであることができる。1つまたは複数のコンポーネントが、プロセス内または実行のスレッド内あるいはその両方に存在することができ、コンポーネントは、1つのコンピュータ上に局在するか、または2つ以上のコンピュータ間で分散されるか、あるいはその両方が可能である。別の例では、各コンポーネントは、さまざまなデータ構造が格納されているさまざまなコンピュータ可読媒体から実行できる。コンポーネントは、1つまたは複数のデータ・パケット(例えば、ローカル・システム内または分散システム内の別のコンポーネントと情報をやりとりするか、またはインターネットなどのネットワークを経由して、信号を介して他のシステムと情報をやりとりするか、あるいはその両方によって情報をやりとりする、1つのコンポーネントからのデータ)を含んでいる信号などに従って、ローカルまたはリモートあるいはその両方のプロセスを介して通信できる。別の例として、コンポーネントは、電気または電子回路によって操作される機械的部品によって提供される特定の機能を有する装置であることができ、プロセッサによって実行されるソフトウェア・アプリケーションまたはファームウェア・アプリケーションあるいはその両方によって操作される。そのような場合、プロセッサは、装置の内部または外部あるいはその両方に存在することができ、ソフトウェア・アプリケーションまたはファームウェア・アプリケーションあるいはその両方の少なくとも一部を実行できる。さらに別の例として、コンポーネントは、機械的部品を含まない電子コンポーネントを介して特定の機能を提供する装置であることができ、それらの電子コンポーネントは、電子コンポーネントの機能の少なくとも一部を与えるソフトウェアまたはファームウェアあるいはその両方を実行するためのプロセッサまたは他の手段あるいはその両方を含むことができる。1つの実施形態では、コンポーネントは、例えばクラウド・コンピューティング・システム内で、仮想マシンを介して電子コンポーネントをエミュレートすることができる。
【0182】
加えて、「または」という用語は、排他的論理和ではなく、包含的論理和を意味するよう意図されている。すなわち、特に指定されない限り、または文脈から明らかでない限り、「XがAまたはBを採用する」は、自然な包含的順列のいずれかを意味するよう意図されている。すなわち、XがAを採用するか、XがBを採用するか、またはXがAおよびBの両方を採用する場合、「XがAまたはBを採用する」が、前述の事例のいずれかにおいて満たされる。さらに、本明細書および添付の図面において使用される冠詞「a」および「an」は、単数形を対象にすることが特に指定されない限り、または文脈から明らかでない限り、「1つまたは複数」を意味すると一般に解釈されるべきである。本明細書において使用されるとき、「例」または「例示的」あるいはその両方の用語は、例、事例、または実例としての役目を果たすことを意味するために使用される。誤解を避けるために、本明細書において説明された主題は、そのような例によって制限されない。加えて、「例」または「例示的」あるいはその両方として本明細書に記載された任意の態様または設計は、他の態様または設計よりも好ましいか、または有利であると必ずしも解釈されず、当業者に知られている同等の例示的な構造および技術を除外するよう意図されていない。
【0183】
本明細書において使用されるとき、「プロセッサ」という用語は、シングルコア・プロセッサ、ソフトウェアのマルチスレッド実行機能を備えるシングルプロセッサ、マルチコア・プロセッサ、ソフトウェアのマルチスレッド実行機能を備えるマルチコア・プロセッサ、ハードウェアのマルチスレッド技術を備えるマルチコア・プロセッサ、並列プラットフォーム、または分散共有メモリを備える並列プラットフォーム、あるいはその組み合わせを含むが、これらに限定されない、実質的に任意の計算処理ユニットまたはデバイスあるいはその両方を指すことができる。さらに、プロセッサは、本明細書に記載された機能を実行するように設計された、集積回路、特定用途向け集積回路(ASIC:application specific integrated circuit)、デジタル信号プロセッサ(DSP:digital signal processor)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、プログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC:programmable logic controller)、複合プログラム可能論理デバイス(CPLD:complex programmable logic device)、個別のゲートもしくはトランジスタ論理、または個別のハードウェア・コンポーネント、あるいはこれらの任意の組み合わせを指すことができる。さらに、プロセッサは、空間利用を最適化するため、または関連する機器の性能を改良するため、あるいはその両方のために、分子および量子ドットベースのトランジスタ、スイッチ、またはゲート、あるいはその組み合わせなどの、ただしこれらに限定されない、ナノスケール・アーキテクチャを利用することができる。プロセッサは、計算処理ユニットの組み合わせとして実装され得る。
【0184】
本明細書では、コンポーネントの動作および機能に関連する「ストア」、「ストレージ」、「データ・ストア」、「データ・ストレージ」、「データベース」、および実質的に任意の他の情報格納コンポーネントなどの用語は、「メモリ・コンポーネント」、「メモリ」内に具現化された実体、またはメモリを備えているコンポーネントを指すために使用される。本明細書に記載されたメモリまたはメモリ・コンポーネントあるいはその両方が、揮発性メモリまたは不揮発性メモリのいずれかであることができ、あるいは揮発性メモリおよび不揮発性メモリの両方を含むことができる。不揮発性メモリの例としては、読み取り専用メモリ(ROM)、プログラマブルROM(PROM)、電気的プログラマブルROM(EPROM)、電気的消去可能ROM(EEPROM)、フラッシュ・メモリ、または不揮発性ランダム・アクセス・メモリ(RAM)(例えば、強誘電体RAM(FeRAM:ferroelectric RAM))が挙げられるが、これらに限定されない。揮発性メモリは、例えば外部キャッシュ・メモリとして機能できる、RAMを含むことができる。例えばRAMは、シンクロナスRAM(SRAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、シンクロナスDRAM(SDRAM:synchronous DRAM)、ダブル・データ・レートSDRAM(DDR SDRAM:double data rate SDRAM)、拡張SDRAM(ESDRAM:enhanced SDRAM)、シンクリンクDRAM(SLDRAM:Synchlink DRAM)、ダイレクト・ラムバスRAM(DRRAM:direct Rambus RAM)、ダイレクト・ラムバス・ダイナミックRAM(DRDRAM:direct Rambus dynamic RAM)、またはラムバス・ダイナミックRAM(RDRAM:Rambus dynamic RAM)、あるいはその組み合わせなどの、ただしこれらに限定されない、多くの形態で利用可能であることができる。さらに、本明細書におけるシステムまたはコンピュータ実装方法あるいはその両方の説明されたメモリ・コンポーネントは、これらまたは任意の他の適切な種類あるいはその両方のメモリを含むが、これらに限定されない、メモリを含むよう意図されている。
【0185】
前述した内容は、システムおよびコンピュータ実装方法の単なる例を含んでいる。当然ながら、1つまたは複数の実施形態を説明する目的で、コンポーネントまたはコンピュータ実装方法あるいはその両方の考えられるすべての組み合わせについて説明することは不可能であるが、当業者は、1つまたは複数の実施形態の多くのさらなる組み合わせまたは並べ替えあるいはその両方が可能であるということを認識できる。さらに、「含む」、「有する」、「所有する」などの用語が、発明を実施するための形態、特許請求の範囲、付録、および図面において使用される範囲では、それらの用語は、「備えている」が特許請求における暫定的な用語として使用されるときに解釈されるような、用語「備えている」と同様の方法で、包含的であるよう意図されている。
【0186】
1つまたは複数の実施形態の説明は、例示の目的で提示されているが、網羅的であることは意図されておらず、本明細書に記載された実施形態に制限されない。説明された実施形態の範囲および思想から逸脱しない多くの変更および変形が、当業者にとって明らかであろう。本明細書で使用された用語は、実施形態の原理、実際の適用、もしくは市場で見られる技術を超える技術的改善、またはその組み合わせを最も適切に説明するため、または他の当業者が本明細書に記載された実施形態を理解できるようにするため、あるいはその両方のために選択されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【手続補正書】
【提出日】2024-11-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力電流を受信し、出力電流を出力するベースバンド・フィルタを備えているデバイスであって、前記ベースバンド・フィルタが、
ループで結合された能動回路分岐および受動回路分岐を含んでいるフィードバック・ループ・コンポーネントを備える、デバイス。
【請求項2】
前記能動回路分岐および前記受動回路分岐が、周波数において分離可能な極の対を一緒に与える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記ベースバンド・フィルタが、
ミラーリング段と、
前記フィードバック・ループ・コンポーネントを含んでいるフィルタ・コア段と前記ミラーリング段の間に結合された追加の回路部とをさらに備え、
前記追加の回路部が追加の極を与える、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記追加の回路部が抵抗器およびコンデンサを備える、請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記ベースバンド・フィルタが、
前記フィードバック・ループ・コンポーネントに結合されて前記デバイスの出力を供給するミラーリング・デバイスをさらに備える、請求項1ないし4のいずれかに記載のデバイス。
【請求項6】
前記ミラーリング・デバイスを選択的に作動させると利得が変わる、請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
前記ベースバンド・フィルタが、
フィルタ・コア段に結合された追加の回路部と、
前記追加の回路部に結合されたミラーリング段とをさらに備え、
前記フィルタ・コア段が前記フィードバック・ループ・コンポーネントを含み、
前記ミラーリング段が前記フィードバック・ループ・コンポーネントに結合されて前記デバイスの出力を供給する、請求項1ないし4いずれかに記載のデバイス。
【請求項8】
入力電流を受信して出力電流を供給するベースバンド・フィルタであって、前記ベースバンド・フィルタが、ループで結合された能動回路分岐および受動回路分岐を含んでいるフィードバック・ループ・コンポーネントを備える、前記ベースバンド・フィルタと、
前記ベースバンド・フィルタに結合された出力段とを備えている無線周波パルス発生器を備える、システム。
【請求項9】
前記ベースバンド・フィルタが、
前記フィードバック・ループ・コンポーネントに結合された電流ミラーを備えている出力段をさらに備え、
前記フィードバック・ループ・コンポーネントおよび前記出力段が電流モード信号経路を一緒に定義する、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記能動回路分岐および前記受動回路分岐が、周波数において分離可能な極の対を一緒に与える、請求項8または9のいずれかに記載のシステム。
【請求項11】
前記ベースバンド・フィルタが、
ミラーリング段と、
前記フィードバック・ループ・コンポーネントを含んでいるフィルタ・コア段と前記ミラーリング段の間に結合された追加の回路部とをさらに備え、
前記追加の回路部が追加の極を与える、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記追加の回路部が抵抗器およびコンデンサを備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記ベースバンド・フィルタが、
前記フィードバック・ループ・コンポーネントに結合されて前記ベースバンド・フィルタの出力を供給するミラーリング・デバイスをさらに備え、
前記ミラーリング・デバイスを選択的に作動させると利得が変わる、請求項8または9のいずれかに記載のシステム。
【請求項14】
プロセッサに動作可能に結合されたシステムによって、入力電流を受信するベースバンド・フィルタによる出力電流を出力することを含む方法であって、前記ベースバンド・フィルタが、ループで結合された能動回路分岐および受動回路分岐を含んでいるフィードバック・ループ・コンポーネントを備える、方法。
【請求項15】
前記システムによって、前記ベースバンド・フィルタを、プロセッサに結合された出力段に動作可能に結合することをさらに含み、
前記ベースバンド・フィルタおよび前記出力段が、前記プロセッサに結合された無線周波パルス発生器の少なくとも一部を一緒に定義する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記システムによって、前記無線周波パルス発生器によって無線周波出力信号を出力することをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記システムの前記ベースバンド・フィルタの前記能動回路分岐および前記受動回路分岐によって、周波数において分離可能である極の対を与えることと、
前記システムによって、追加の回路部を、前記フィードバック・ループ・コンポーネントを含んでいる前記ベースバンド・フィルタのフィルタ・コア段と前記ベースバンド・フィルタのミラーリング段の間に動作可能に結合することとをさらに含む方法であって、
前記追加の回路部が追加の極を与える、請求項14ないし16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
前記追加の回路部が、静的電力を消費しない回路要素であり、抵抗器およびコンデンサを備える、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記受動回路分岐が、静的電力を消費しない回路分岐である、請求項14ないし16のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
前記システムによって、利得を変えるように、前記ベースバンド・フィルタのミラーリング・デバイスを選択的に作動させることをさらに含み、
前記ミラーリング・デバイスが、前記フィードバック・ループ・コンポーネントに結合されて前記ベースバンド・フィルタの電流モード信号経路の出力を供給する、請求項14ないし16のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
ミラーリング・デバイスによって、前記ミラーリング・デバイスの複数のミラーリング・サブユニットのうちの1つまたは複数を選択的に作動させることによって、デジタル/アナログ・コンバータの利得を変えることと、
前記ミラーリング・デバイスによって、出力電流を出力することであって、前記ミラーリング・デバイスが、ベースバンド・フィルタの電流モード信号経路の出力を供給する、前記出力することと、
前記ミラーリング・デバイスによって、前記ベースバンド・フィルタの能動回路分岐および受動回路分岐の両方を備えているフィードバック・ループ・コンポーネントから電圧を受信することとを含む、方法。
【請求項22】
前記利得を変えることが、前記ミラーリング・デバイスによって、前記ミラーリング・デバイスの2つ以上のミラーリング・サブユニットを、少なくとも部分的に互いに同時に、選択的に作動させることを含む、ということをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
入力電流に基づいて出力電流を出力するベースバンド・フィルタを備えているデバイスであって、前記ベースバンド・フィルタが、
ソース、ゲート、およびドレインを含んでいる第1のトランジスタであって、前記ソースが入力端子に結合され、前記ゲートがバイアス電圧に結合され、前記ドレインが静電容量源に結合され、前記静電容量源が第1の極を与える、前記第1のトランジスタと、
第2のトランジスタと、
前記第1のトランジスタの前記ドレインを前記第2のトランジスタのゲートに結合する受動分岐であって、第2の極を与える、前記受動分岐とを備える、デバイス。
【請求項24】
前記第2のトランジスタのソースが、グランドに、または電源に結合され、前記第2のトランジスタのドレインが、前記入力端子に結合される、請求項23に記載のデバイス。
【請求項25】
前記ベースバンド・フィルタが、
バイアス電流源として動作可能な第3のトランジスタをさらに備え、前記第3のトランジスタが前記第1のトランジスタの前記ドレインに結合される、請求項23または24のいずれかに記載のデバイス。

【国際調査報告】