(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-23
(54)【発明の名称】神経内分泌腫瘍におけるウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化因子受容体(UPAR)-PET/CT
(51)【国際特許分類】
A61K 51/04 20060101AFI20250116BHJP
A61K 51/08 20060101ALI20250116BHJP
G01T 1/161 20060101ALI20250116BHJP
C07K 7/06 20060101ALI20250116BHJP
C07K 1/13 20060101ALI20250116BHJP
【FI】
A61K51/04 200
A61K51/08 200
G01T1/161 Z ZNA
C07K7/06
C07K1/13
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535701
(86)(22)【出願日】2022-12-15
(85)【翻訳文提出日】2024-08-09
(86)【国際出願番号】 EP2022086147
(87)【国際公開番号】W WO2023111176
(87)【国際公開日】2023-06-22
(32)【優先日】2021-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】523204271
【氏名又は名称】キュラサイト・エー/エス
【氏名又は名称原語表記】CURASIGHT A/S
【住所又は居所原語表記】Ole Maaloes Vej 3,DK-2200 Copenhagen N,DENMARK
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】弁理士法人アルガ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ケアー,アンドレアス
【テーマコード(参考)】
4C085
4C188
4H045
【Fターム(参考)】
4C085HH03
4C085KB03
4C085KB07
4C085KB82
4C085LL18
4C188EE01
4C188FF07
4H045AA10
4H045AA30
4H045BA15
4H045BA62
4H045BA71
4H045EA51
(57)【要約】
本発明は、癌のPETイメージングを行った神経内分泌腫瘍(NEN)患者が予後診断に使用する陽電子放出イメージング剤に関するものであり、前記イメージング剤は、キレート剤NOTA又はDOTAを介して放射性核種68Ga又は64Cuに結合したuPAR結合ペプチドを含む。本発明はまた、被験者の神経内分泌腫瘍(NEN)の治療又は緩和に使用する放射性医薬品を含む組成物に関するものであり、前記放射性医薬品は放射性核種及びuPAR結合ペプチドを含む。
図4Aは要約とともに公開される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イメージング剤が、キレート剤NOTA又はDOTAを介して放射性核種68Ga又は64Cuに結合したuPAR結合ペプチドを含み、
前記uPAR結合ペプチドは、(D-Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)又はそのuPAR結合変異体であり;
前記uPAR結合変異体が、以下の変異体:
・(D-Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(Ser)-(Leu)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(Gln)-(Tyr)(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(D-Glu)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Tyr)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(D-Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(D-Thr)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(D-Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-([β]-2-ナフチル-L-アラニン)-(Ser)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)([β]-1-ナフチル-L-アラニン)-(Ser)、
・(D-Glu)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(Tyr)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Leu)-(Leu)-(Trp)-(D-His)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Leu)-(Trp)-(Ile)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)([β]-1-ナフチル-L-アラニン)-(D-His)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(D-Phe)-(N-(3-インドリルエチル)グリシン)-(N-(2-メトキシエチル)グリシン)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(D-Phe)-(N-ベンジルグリシン)-(N-(2[β]エトキシエチル)グリシン)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(D-Phe)-(N-(メチルナフタリル)グリシン)-(N-(2-メトキシエチル)グリシン)、及び
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(D-Phe)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(Ile);
からなる群から選択され;
SUVmax及び/又はSUVmean及び/又は標的対肝臓比(TTR)の定量レベルが閾値レベルを超える場合、無再発生存期間(RFS)及び/又は全生存期間(OS)の予後が良くないことが示唆され:及び
前記SUVmax及び/又はSUVmean及び/又は前記標的対肝臓比(TTR)の定量レベルが閾値レベルより低い場合、無再発生存期間(RFS)及び/又は全生存期間(OS)の予後が良好であることが示唆される;
癌のPETイメージングを行った神経内分泌腫瘍(NEN)の患者が、無再発生存期間(RFS)及び/又は全生存期間(OS)についての予後診断において使用する陽電子放出イメージング剤。
【請求項2】
前記ペプチドが、(D-Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)である、請求項1又は2に記載の使用するイメージング剤。
【請求項3】
以下の式:
で表される、請求項1又は2に記載の使用するイメージング剤。
【請求項4】
前記イメージング剤を10~500MBqの用量で投与し、続いて前記イメージング剤の投与後10分~24時間にPETスキャンを行ない、SUVmax及び/又はSUVmeanの定量化を行う、
請求項1~3のいずれか一項に記載の使用するイメージング剤。
【請求項5】
前記標的対肝臓比(TLR)の閾値レベルが、1.1~4の範囲、例えば1.3~4の範囲、例えば2~4又は2~3の範囲である、請求項1~4のいずれか一項に記載の使用するイメージング剤。
【請求項6】
前記標的対肝臓比(TLR)の閾値レベルが、1.1~2の範囲、例えば1.1~1.5の範囲、例えば1.2~1.4の範囲である、請求項1~5のいずれか一項に記載の使用するイメージング剤。
【請求項7】
イメージング剤がキレート剤NOTA又はDOTAを介して放射性核種68Ga又は64Cuに結合したuPAR結合ペプチドを含み;
前記uPAR結合ペプチドは、(D-Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)又はそのuPAR結合変異体であり;
SUVmax及び/又はSUVmean及び/又は標的対肝臓比(TLR)の定量レベルが閾値レベルを超える場合、uPAR結合放射性医薬品等のuPAR結合薬が、前記NENに対して有効であることが示唆され;
SUVmax及び/又はSUVmean及び/又は標的対肝臓比(TLR)の定量レベルが閾値レベルより低い場合、uPAR結合放射性医薬品等のuPAR結合薬が、前記NENに対して有効ではないことが示唆され;
前記uPAR結合変異体は、以下の変異体:
・(D-Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(Ser)-(Leu)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(Gln)-(Tyr)(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(D-Glu)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Tyr)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(D-Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(D-Thr)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(D-Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-([β]-2-ナフチル-L-アラニン)-(Ser)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)([β]-1-ナフチル-L-アラニン)-(Ser)、
・(D-Glu)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(Tyr)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Leu)-(Leu)-(Trp)-(D-His)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Leu)-(Trp)-(Ile)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)([β]-1-ナフチル-L-アラニン)-(D-His)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(D-Phe)-(N-(3-インドリルエチル)グリシン)-(N-(2-メトキシエチル)グリシン)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(D-Phe)-(N-ベンジルグリシン)-(N-(2[β]エトキシエチル)グリシン)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(D-Phe)-(N-(メチルナフタリル)グリシン)-(N-(2-メトキシエチル)グリシン)、及び
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(D-Phe)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(Ile);
からなる群から選択される、
前記癌のPETイメージングを行った神経内分泌腫瘍(NEN)患者のコンパニオン診断を行う場合に使用する陽電子放出イメージング剤。
【請求項8】
放射性医薬品が放射性核種及びuPAR結合ペプチドを含み;及び
前記uPAR結合ペプチドは(D-Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)又はそのuPAR結合変異体であり;及び
前記uPAR結合変異体は、以下の変異体:
・(D-Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(Ser)-(Leu)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(Gln)-(Tyr)(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(D-Glu)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Tyr)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(D-Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(D-Thr)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(D-Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-([β]-2-ナフチル-L-アラニン)-(Ser)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)([β]-1-ナフチル-L-アラニン)-(Ser)、
・(D-Glu)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(Tyr)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Leu)-(Leu)-(Trp)-(D-His)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Leu)-(Trp)-(Ile)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)([β]-1-ナフチル-L-アラニン)-(D-His)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(D-Phe)-(N-(3-インドリルエチル)グリシン)-(N-(2-メトキシエチル)グリシン)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(D-Phe)-(N-ベンジルグリシン)-(N-(2[β]エトキシエチル)グリシン)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(D-Phe)-(N-(メチルナフタリル)グリシン)-(N-(2-メトキシエチル)グリシン)、及び
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(D-Phe)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(Ile);
からなる群から選択され;
被験者は、uPAR発現神経内分泌腫瘍(NEN)と診断されており;及び前記uPAR発現は所定の閾値レベルを超えており;
前記閾値レベルは、請求項1~7のいずれか一項にて定義される陽電子放出イメージング剤を使用して決定される;
前記被験者の神経内分泌腫瘍(NEN)の治療又は緩和に使用する前記放射性医薬品を含む組成物。
【請求項9】
前記放射性核種は、標的放射性核種療法用であり、67Cu、177Lu、89Sr、90Y、117mSn、131I、153Sm、166Ho、186Re、188Re、211At、212Pb、212Bi、213Bi、223Ra、224Ra、225Ac、及び227Thからなる同位体の群から選択され;好ましくは177Lu、67Cu、90Y、211At、225Ac、及び227Thから選択され、より好ましくは177Luである;
請求項8に記載の使用する組成物。
【請求項10】
前記放射性医薬品は、キレート剤を介して前記uPAR結合ペプチドに結合され、例えば、前記キレート剤が、DOTA、CB-DO2A、3p-C-DEPA、TCMC、Oxo-DO3A、TETA、TE2A、CB-TE2A、CB-TE1A1P、CB-TE2P、MM-TE2A、DM-TE2A、SarAr、SarAr-NCS、diamSar、AmBaSar、BaBaSar、ATSM、CB-TE1A1P及びCB-TE2P、NOTA、NETA、TACN-TM、NODAGA、TRAP、AAZTA、DATA、H2dedpa、CP256、PCTA、THP、DTPA、1B4M-DTPA、CHX-A
”-DTPA、TRAP(PRP9)、NOPO、DFO HOPO、
H6phospa、PCTA、H2dedpa、H4octapa、H2azapa、H5decapa、HBED、HBED-cc、SHBED、BPCA、CP256、HEHA、PEPA及びRESCA1、からなる群から選択され;好ましくはDOTA、NOTA、CB-TE2A、NODAGA、DFO、HBED及びHBED-ccから選択され;より好ましくは前記キレート剤がDOTA又はNOTAである;
請求項8又は9に記載の使用する組成物。
【請求項11】
前記放射性医薬品が177Lu-DOTA-AE105である、請求項8~10のいずれか一項に記載の使用する組成物。
【請求項12】
前記標的対肝臓比(TLR)の閾値レベルが1.1~4の範囲、例えば1.3~4の範囲、例えば2~4又は2~3の範囲であるか、又は前記標的対肝臓比(TLR)の閾値レベルが1.1~2の範囲、例えば1.1~1.5の範囲、例えば1.2~1.4の範囲である、請求項8~11のいずれか一項に記載の使用する組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イメージング剤が、キレート剤NOTA又はDOTAを介して放射性核種68Ga又は64Cuに結合したuPAR結合ペプチドを含む、癌のPETイメージングを行った神経内分泌腫瘍(NEN)の患者が予後診断に使用する、陽電子放出イメージング剤に関するものであり、本発明は又、被験者の神経内分泌腫瘍(NEN)の治療又は緩和に使用する放射性医薬品を含む組成物に関するものであり、前記放射性医薬品は、放射性核種及びuPAR結合ペプチドを含む。最後に、前記イメージング剤の使用に関する本発明は、前記治療用放射性医薬品のコンパニオン診断薬として使用される。
【背景技術】
【0002】
神経内分泌腫瘍(NEN)は神経内分泌細胞に由来するもので、主に消化管、膵臓、肺に見られる。NENと診断された患者の臨床経過は、緩徐進行から高度に進行したものまで様々な経過をたどる。原発腫瘍の起源、転移の存在、腫瘍の形態、増殖活性(Ki-67など)は予後因子として知られている。患者は、WHO分類により、NET G1(Ki67<3%)、NET G2(Ki67 3-20%)、NET G3(Ki67>20%及び高分化)、及びNEC(Ki67>20%及び低分化)に分類される(1)。予後診断をさらに改善しそのための治療を決める上で、腫瘍マーカーの非侵襲的モニタリングが役立つ場合がある。PETでは各種特定の放射性トレーサーが適用され腫瘍マーカーの全身発現を非侵襲的に視覚化できるので、先の目的を達成する上で最適である。特にNENにおいては、ソマトスタチン受容体発現(例:64Cu-DOTATATE又は68Ga-DOTATATE)及びグルコース代謝(18F-FDG)の放射性トレーサーが、診断、予後診断、及び治療法の選択に役立つ(2、3)。さらに、例えば、ソマトスタチン受容体を標的とする177Lu-DOTATATEを使ったペプチド受容体放射性核種療法(PRRT)は、低悪性度のNEN用に承認されているが、悪性度の高いNENにおいては、ソマトスタチン受容体発現が低いがゆえに、その適用が制限される場合がある。
【0003】
したがって、NENに関する予後ツールは改善した方が有利であり、特にNENのサブタイプに対するより効率的及び/又は信頼性の高い治療法が有利となる。
【発明の概要】
【0004】
ウロキナーゼプラスミノーゲン活性化因子受容体(uPAR)は、診断及び予後時に使うことが期待できるバイオマーカーであり、治療の標的でもあり、いくつかの癌実体(4)において広範に研究されてきたが、NENとの関連性についてはこれまで研究されていなかった。uPARは表面にある細胞膜に固定され、そのリガンドであるウロキナーゼプラスミノーゲン活性化因子(uPA)のタンパク質分解活性を局在化させる。正常な組織ではuPARの発現は限られているが、癌ではuPARの発現がアップレギュレートされる。uPARはuPA以外にも、膜タンパク質のインテグリンファミリーなど他のタンパク質とも相互作用する。全体として、uPARは細胞の増殖、運動性、浸潤、タンパク質分解、血管新生を促進するのに関与している(4-6)。癌におけるその重要な役割を担うため、uPARに対する高親和性拮抗薬を採用した、PET放射性トレーサー68Ga-NOTA-AE105が本発明者のグループにより開発された(7-9)。安全性と生体内分布について第I相試験で調査し、原発腫瘍及び転移腫瘍における68Ga-NOTA-AE105の蓄積が確認され、又切除された腫瘍サンプルにおけるuPAR発現との相関も示した(7)。最近、本発明者らは、68Ga-NOTA-AE105を使ったuPAR PETにより、前立腺癌における低リスクプロファイルと中リスクプロファイルを区別できることを報告した(10)。さらに、本発明者らにより、以前、前立腺癌と大腸癌の前臨床試験において、uPARを標的としたPRRTが高い有効性を持つことが示された(11,12)。したがって、悪性疾患マーカーであるuPARは、悪性度の高いNENにおいてアップレギュレートする可能性があり、前記uPARにより、これらの患者に対するPRRT用の標的が得られる。
【0005】
NEN患者を対象としたこの研究の目的は、uPAR-PET(68Ga-NOTA-AE105 PET/CTで例示)を使用した場合の腫瘍への取り込み、及び臨床結果を評価することである。68Ga-NOTA-AE105を使用したuPAR-PET/CTで、NENにおける蓄積が見られたため、前記uPARトレーサーの取り込まれは、無再発生存期間(PFS)及び全生存期間(OS)と関連しているという仮説が立てられた(例5を参照)。
【0006】
驚くべきことに、uPAR-PETは、FDG-PET(
図6の参照図を参照)やソマトスタチン受容体イメージング(例64Cu-DOTATATE(
図7の参照図を参照))などの神経内分泌腫瘍に一般的に使用されるPETのような医療機器よりも強力な予後診断ツール(より高いハザード比(HR))(
図4A-4B)であることが分かった。後者はOSに関しては有意ではなかった。
【0007】
したがって、本発明の目的は、NENの予後診断ツールを改良することに関する。
【0008】
特に、NENに罹患している患者のための治療プロトコルを改善することも本発明の目的である。
【0009】
したがって、本発明の一態様は、癌のPETイメージングを行った神経内分泌腫瘍(NEN)患者の予後診断に使用する陽電子放出イメージング剤に関し;前記イメージング剤は、キレート剤NOTA又はDOTAを介して放射性核種68Ga又は64Cuに結合したuPAR結合ペプチドを含み;及び
前記uPAR結合ペプチドは、(D-Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)又はそのuPAR結合変異体である。
【0010】
本発明の一態様において、イメージング剤が、キレート剤NOTA又はDOTAを介して放射性核種68Ga又は64Cuに結合したuPAR結合ペプチドを含み、
前記uPAR結合ペプチドは、(D-Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)又はそのuPAR結合変異体であり;
前記uPAR結合変異体が、以下の変異体:
・(D-Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(Ser)-(Leu)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(Gln)-(Tyr)(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(D-Glu)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Tyr)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(D-Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(D-Thr)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(D-Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-([β]-2-ナフチル-L-アラニン)-(Ser)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)([β]-1-ナフチル-L-アラニン)-(Ser)、
・(D-Glu)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(Tyr)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Leu)-(Leu)-(Trp)-(D-His)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Leu)-(Trp)-(Ile)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)([β]-1-ナフチル-L-アラニン)-(D-His)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(D-Phe)-(N-(3-インドリルエチル)グリシン)-(N-(2-メトキシエチル)グリシン)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(D-Phe)-(N-ベンジルグリシン)-(N-(2[β]エトキシエチル)グリシン)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(D-Phe)-(N-(メチルナフタリル)グリシン)-(N-(2-メトキシエチル)グリシン)、及び
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(D-Phe)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(Ile);
からなる群から選択され;
SUVmax及び/又はSUVmean及び/又は標的対肝臓比(TTR)の定量レベルが閾値レベルを超える場合、無再発生存期間(RFS)及び/又は全生存期間(OS)の予後が良くないことが示唆され:及び
前記SUVmax及び/又はSUVmean及び/又は前記標的対肝臓比(TTR)の定量レベルが閾値レベルより低い場合、無再発生存期間(RFS)及び/又は全生存期間(OS)の予後が良好であることが示唆される;
癌のPETイメージングを行った神経内分泌腫瘍(NEN)の患者が、無再発生存期間(RFS)及び/又は全生存期間(OS)についての予後診断において使用する陽電子放出イメージング剤、に関する。
【0011】
前記2つのuPAR-PETトレーサー 64Cu-DOTA-AE105及び68Ga-NOTA-AE105は、同じ結合部分であるペプチドAE105を共有している。さらに、これらは両方ともヒトと動物の両方で試験されており(文献(7)、(28)及び国際公開第2014/086364(A1)号パンフレットを参照)、乳癌、膀胱癌、前立腺癌において同様に取り込まれることが実証されている。したがって、理論に縛られるわけではないが、PETトレーサーは、
・放射性核種として64Cu又は68Ga;
・キレート剤としてDOTA又はNOTA;及び
・本発明に係るuPAR結合ペプチド;
を含み、NEN患者に対しても同様に作用すると考えられる。
本発明の他の態様は、癌のPETイメージングを行った神経内分泌腫瘍(NEN)患者が予後診断に使用する陽電子放出イメージング剤に関するものであり;
前記イメージング剤は、キレート剤NOTAを介して放射性核種68Gaに結合したuPAR結合ペプチドを含み;及び
前記uPAR結合ペプチドは、(D-Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)(AE105)又はそのuPAR結合変異体である。実施例にて、このようなイメージング剤を試験する。
【0012】
さらに本発明の他の態様は、患者の神経内分泌腫瘍(NEN)の予後を評価する、PETによる生体内イメージングの方法を提供することであり、前記方法は以下の方法:
a)以前に本発明に係るイメージング剤を投与したことのある被験者の提供を受ける;
b)生体内PETイメージングによって、工程a)で投与されたイメージング剤に含まれる放射性同位元素からの放射性放出を検出する;
c)前記放射性放出の位置及び/又は量を表すイメージを生成する;
d)前記被験者におけるuPAR発現の分布及び程度を決定すること(前記発現は、前記生体内イメージング剤によって放出される前記信号と相関している);及び
e)
・UVmax及び/又はSUVmean及び/又はTLRの定量レベルが閾値レベルを超える場合、無再発生存期間(RFS)の予後及び/又は全生存期間(OS)の予後が良くないことが示唆され:及び
・SUVmax及び/又はSUVmean及び/又はTTRの定量レベルが閾値レベルより低い場合、無再発生存期間(RFS)の予後及び/又は全生存期間(OS)の予後が良好なことが示唆される;
得られたuPAR発現の分布及び程度を閾値レベルと比較すること;
を含む。
【0013】
さらに本発明の他の態様は、イメージング剤が、キレート剤NOTA又はDOTAを介して放射性核種68Ga又は64Cuに結合したuPAR結合ペプチドを含み;
前記uPAR結合ペプチドが、(D-Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)又はそのuPAR結合変異体である;
uPAR発現腫瘍に関する生体内PETイメージングを行った神経内分泌腫瘍(NEN)患者の予後における、本発明に係る陽電子放出イメージング剤の使用である。
【0014】
好ましくは、前記イメージング剤は、キレート剤NOTAを介して放射性核種68Gaに結合したuPAR結合ペプチドを含む。
【0015】
上記で概説したように、本発明に係る方法及び本発明で使用される組成物は、コンパニオン診断用としても使用できる。したがって、本発明のさらなる態様は、
イメージング剤が、キレート剤NOTA又はDOTAを介して放射性核種68Ga又は64Cuに結合したuPAR結合ペプチドを含み;及び
前記uPAR結合ペプチドは、(D-Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)又はそのuPAR結合変異体であり;
SUVmax及び/又はSUVmean及び/又は標的対肝臓比(TLR)の定量レベルが閾値レベルを超える場合、uPAR結合薬(例えば放射性医薬品であるuPAR結合薬)が前記NENに対して有効であることが示唆され;及び
SUVmax及び/又はSUVmean及び/又は標的対肝臓比(TLR)の定量レベルが閾値レベルよりも低い場合、uPAR結合薬(例えば放射性医薬品であるuPAR結合薬)が前記NENに対して有効でないことが示唆される;
神経内分泌腫瘍(NEN)患者に対して癌のPETイメージングによるコンパニオン診断を行う場合に使用する、陽電子放出イメージング剤に関するものである。
【0016】
さらに一態様において、本発明は、
イメージング剤がキレート剤NOTA又はDOTAを介して放射性核種68Ga又は64Cuに結合したuPAR結合ペプチドを含み;
前記uPAR結合ペプチドは、(D-Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)又はそのuPAR結合変異体であり;
SUVmax及び/又はSUVmean及び/又は標的対肝臓比(TLR)の定量レベルが閾値レベルを超える場合、uPAR結合放射性医薬品等のuPAR結合薬が、前記NENに対して有効であることが示唆され;
SUVmax及び/又はSUVmean及び/又は標的対肝臓比(TLR)の定量レベルが閾値レベルより低い場合、uPAR結合放射性医薬品等のuPAR結合薬が、NENに対して有効ではないことが示唆示され;
前記uPAR結合変異体は、以下の変異体:
・(D-Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・Ser)-(Leu)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(Gln)-(Tyr)(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(D-Glu)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Tyr)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(D-Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(D-Thr)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(D-Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-([β]-2-ナフチル-L-アラニン)-(Ser)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)([β]-1-ナフチル-L-アラニン)-(Ser)、
・(D-Glu)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(Tyr)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Leu)-(Leu)-(Trp)-(D-His)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Leu)-(Trp)-(Ile)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)([β]-1-ナフチル-L-アラニン)-(D-His)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(D-Phe)-(N-(3-インドリルエチル)グリシン)-(N-(2-メトキシエチル)グリシン)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(D-Phe)-(N-ベンジルグリシン)-(N-(2[β]エトキシエチル)グリシン)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(D-Phe)-(N-(メチルナフタリル)グリシン)-(N-(2-メトキシエチル)グリシン)、及び
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(D-Phe)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(Ile);
からなる群から選択される、
神経内分泌腫瘍(NEN)患者に対して癌のPETイメージングによるコンパニオン診断を行う場合に使用する、電子放出イメージング剤に関する。
【0017】
さらに、本発明の一態様は、
放射性医薬品が放射性核種及びuPAR結合ペプチドを含み;
前記uPAR結合ペプチドは(D-Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)又はそのuPAR結合変異体であり;
被験者はuPAR発現神経内分泌腫瘍(NEN)と診断されており;及び
前記uPAR発現は所定の閾値レベルを超えており;
前記閾値レベルは、本発明に係る陽電子放出イメージング剤を使用して決定される;
前記被験者の神経内分泌腫瘍(NEN)の治療又は緩和に使用する放射性医薬品を含む組成物に関する。
【0018】
さらに、本発明の一態様は
放射性医薬品が放射性核種及びuPAR結合ペプチドを含み;及び
前記uPAR結合ペプチドは(D-Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)又はそのuPAR結合変異体であり;及び
前記uPAR結合変異体は、以下の変異体:
・(D-Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(Ser)-(Leu)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(Gln)-(Tyr)(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(D-Glu)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Tyr)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(D-Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(D-Thr)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(D-Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-([β]-2-ナフチル-L-アラニン)-(Ser)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)([β]-1-ナフチル-L-アラニン)-(Ser)、
・(D-Glu)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(Tyr)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Leu)-(Leu)-(Trp)-(D-His)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Leu)-(Trp)-(Ile)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)([β]-1-ナフチル-L-アラニン)-(D-His)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(D-Phe)-(N-(3-インドリルエチル)グリシン)-(N-(2-メトキシエチル)グリシン)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(D-Phe)-(N-ベンジルグリシン)-(N-(2[β]エトキシエチル)グリシン)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(D-Phe)-(N-(メチルナフタリル)グリシン)-(N-(2-メトキシエチル)グリシン)、及び
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(D-Phe)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(Ile);
からなる群から選択され;
被験者はuPAR発現神経内分泌腫瘍(NEN)と診断されており、前記uPAR発現は所定の閾値レベルを超えており;
前記閾値レベルは、本発明に係る陽電子放出イメージング剤を使用して決定される;
前記被験者の神経内分泌腫瘍(NEN)の治療又は緩和に使用する放射性医薬品を含む組成物に関する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1はuPAR PET/CTイメージングの代表的な例を示す図である。左の列:CT。右の列:uPAR PET。高悪性度及び低悪性度のNENを患う4人の患者(#A-D)を検査した。個々のスケールバーの上部の値は、腫瘍のSUV
max値に対応している。患者#A:気管支肺NEC(Ki67:24%)。患者#B:小腸NET G2からの眼窩転移(Ki-67:5%)。患者#C:膵臓NET G2からの大規模な肝転移(Ki-67:5%)。患者#D:原発性結腸NECからの大規模な筋肉内転移(Ki-67:90%)。
【
図2A】
図2は
68Ga-NOTA-AE105 uPAR PETを使用した(A)無再発生存期間(PFS)及び(B)全生存期間のカプランマイヤープロットを示す図である。uPARの標的対肝臓比は、中央値(TLR:2.47)で二分されている。
【
図2B】
図2は
68Ga-NOTA-AE105 uPAR PETを使用した(A)無再発生存期間(PFS)及び(B)全生存期間のカプランマイヤープロットを示す図である。uPARの標的対肝臓比は、中央値(TLR:2.47)で二分されている。
【
図3】
図3はuPAR TLRが任意の可能なカットポイント(x軸)で二分されている場合のハザード比と95%信頼区間(95%CIのHR)を表す「カットオフファインダー」出力を示す図である。
68Ga-NOTA-AE105 uPAR PETを使用した(A)無再発生存期間(PFS)及び(B)全生存期間の実線の垂直線は、uPAR TLRの中央値(2.47)上に配置されている。
【
図4A】
図4は
68Ga-NOTA-AE105 uPAR PETを使用した(A)無再発生存期間(PFS)及び(B)全生存期間のカプランマイヤープロットを示す図である。uPAR TLRは1.32で二分されている。
【
図4B】
図4は
68Ga-NOTA-AE105 uPAR PETを使用した(A)無再発生存期間(PFS)及び(B)全生存期間のカプランマイヤープロットを示す図である。uPAR TLRは1.32で二分されている。
【
図5】
図5は(A)PFS及び(B)OSの場合のSUVmaxのカットオフファインダーを示す図である。
【
図6】
図6は神経内分泌腫瘍患者のFDG-PETのカプランマイヤープロット及び(左)無再発生存期間(PFS)、(右)全生存期間(OS)を示す図である。参考文献3(Binderupら、J Nucl Med 2021)からの引用。参考図であり、本発明の一部ではない。
【
図7】
図7は神経内分泌腫瘍患者の64Cu-DOTATATEのカプランマイヤープロット及び(左)無再発生存期間(PFS)、(右 全生存期間(OS)を示す図である。文献22より(Carlsen、他。J Nucl Med.2020)からの引用。参考図であり、発明の一部ではない。
【0020】
以下、本発明についてさらに詳しく説明する。
【発明を実施するための形態】
【0021】
定義
本発明についてさらに詳しく説明する前に、まず以下の用語と慣用語を定義する。
【0022】
神経内分泌腫瘍(NENs)
「神経内分泌腫瘍」((NEN)又は(NET))は、神経内分泌細胞に由来し、主に消化管、膵臓、肺に見られる。
【0023】
NENには多くの種類があるが、これらの腫瘍の細胞は、外観が似ている、特殊な分泌顆粒酵素原顆粒を有する、生体アミンやポリペプチドホルモンを産生することが多い、などの共通の特徴を持っているため、大部分は1つのグループとして扱われる。
【0024】
Ga68
ガリウム-68。
【0025】
64Cu
銅-64。
【0026】
177Lu
177Luは、低エネルギーのベータ放射体(軟部組織への最大浸透深さは約1.5mm)であり、直接ベータ粒子とオージェ電子からの「クロスファイア」効果と「バイスタンダー」効果の両効果によって、腫瘍に細胞毒性効果を誘発し得るが、周囲の組織は誘発しないか、誘発しても非常に限定される。したがって、177Luは、大きな腫瘍病変だけでなく小さな腫瘍病変や播種性転移性疾患の治療に最適な放射性核種であると考えられている。
【0027】
AE105
Ac-Asp-Cha-Phe-(D)Ser-(D)Arg-Tyr-Leu-Trp-Ser
本発明に係るペプチドは、例えば、標準的な固相ペプチド化学を駆使して合成することができる。
【0028】
NOTA
NOTA:2,2’,2”-(1,4,7-トリアザシクロノナン-1,4,7-トリイ
ル)三酢酸。
NOTAはAE105とカップリング結合してNOTA-AE105(NOTA-Asp-Cha-Phe-Ser-Arg-Tyr-Leu-Trp-Ser)となる。以下にその化学構造を示す:
【0029】
一実施形態では、前記イメージング剤は68Ga-NOTA-AE105である。
【0030】
【0031】
DOTA
DOTA(テトラキセタンとも呼ばれる)は、式(CH2CH2NCH2CO2H)4の有機化合物である。その分子は、中央の12員環テトラアザ(すなわち、4つの窒素原子を含む)環からなる。DOTAは、特にランタニドイオンの錯化剤として使用される。その錯体は造影剤や癌治療薬として医療用途に使用されている。
【0032】
DOTAの推奨IUPAC名
2,2’,2”,2'''-(1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-テトライル)テトラ酢酸。
以降、DOTAを、AE105に結合した68Ga及び64CUとの錯体として示す。
【0033】
無再発生存期間(RFS)
「無再発生存期間」(RFS)という用語は、打ち切り及び無病生存期間(DFS)として記録される、他の原因による死を伴なう、局所領域(TN部位)及び/又は遠隔転移(M部位)における疾患の、診断からあらゆる再発までの時間として定義される臨床エンドポイントとして定義され、これはRFSとして定義されるが、あらゆる原因による死亡がイベントとして含まれる。
【0034】
全生存期間(OS)
「全生存期間」(OS)という用語は、診断からあらゆる原因による死亡までの時間として定義される。フォローアップ期間は、放射線療法の紹介時から最初の再発、死亡、又はフォローアップ終了の2021年1月1日までの期間。
【0035】
閾値レベル
本発明の文脈では、「閾値レベル」、「基準レベル」又は「カットオフ」という用語は、他の値又は特性と比較できる量に関する標準値に関係する。
【0036】
本発明の一実施形態では、健康な被験者のPET/CTによるuPARレベルを調べることで閾値レベルを決定することがでる。カットオフ値の検出、多変量解析などのさまざまな統計的手段を適用することで、1つ又は複数の閾値レベルを計算できる。
【0037】
カットオフ値を決定する例5も参照のこと。
【0038】
これらの結果に基づいて、検出されたレベルとリスクにある患者との関係を示すカットオフ値が取得できる。これにより、前記カットオフ値を使って、たとえば、不良RFS又は不良OSのリスク増加に対応するuPARレベルが決定される。
【0039】
リスク評価
本発明者らは、RFS及び/又はOSなどの神経内分泌腫瘍(NEN)に罹った被験者の予後を予測する新しい方法の開発に成功した。患者の予後が不良となるリスクが高まっているかどうかを判断するには、カットオフ値(基準レベル)を設定する必要がある。このカットオフ値は、検査室、医師、又は患者ごとに個別に設定することができる。
【0040】
前記カットオフレベルは、多変量統計テスト(部分最小二乗判別分析(PLS-DA)、ランダムフォレスト、サポートベクターマシンなど)、パーセンタイル、平均プラス又はマイナス標準偏差、中央値、倍数変化など、様々な方法を使用して設定できる。
【0041】
多変量判別分析及びその他のリスク評価は、無料又は市販のコンピュータ統計パッケージ(SAS、SPSS、Matlab、R等)又は当業者既知のその他の統計ソフトウェアパッケージ又はスクリーニングソフトウェアを使って行うことができる。
【0042】
当業者にとっては明らかなように、上記のいずれの実施形態においても、リスクカットオフレベルを変更すると、各被験者の判別分析結果が変わる場合がある。
【0043】
統計により、各レベルの有意性を評価することができる。データセットに適用される一般的な統計テストには、t-テスト、f-テスト、又はさらに高度なデータ比較テストや方法がある。このようなテストや方法を使用すると、2つ以上のサンプルが有意に異なるかどうかを判断できる。
【0044】
前記有意性は、当業者にとって既知の標準的な統計手法によって決定できる。
【0045】
前記選択された基準レベルは、前記テストが適用される哺乳動物/被験者に応じて変更できる。
【0046】
好ましくは、本発明に係る被験者はヒトである。
【0047】
前記選択された基準レベルを必要に応じて変更して、当技術分野で知られているような特異度又は感度に変えることができる。前記の感度と特異度とは、バイオマーカー又は診断テストがどれだけ優れていて信頼できるかを説明及び定量化するのに広く使用されている統計上の指標である。前記感度により、バイオマーカー又は診断テストが病気を検出するのにどれほど優れているかが評価され、前記の特異度により、個人(つまり、コントロール、病気のない患者)にリスクにないことをどの程度の高確率で正確に求めることができるかが推定できる。
【0048】
前記感度と特異度を説明するにあたって、真陽性(TP)、真陰性(TN)、偽陰性(FN)、偽陽性(FP)といういくつかの用語を使用する。仮に病気に罹っている患者に病気が存在することが証明された場合、診断テストの結果はTPとみなされる。仮に個人(つまり、コントロール、病気のない患者)に病気が存在せず、診断テストで病気が存在しないことが確認された場合、テスト結果はTNである。仮に前記診断テストで、そのような病気に罹っていない個人に病気が存在することが示された場合、テスト結果はFPである。最後に、仮に前記診断テストで、病気に罹っている患者に病気が存在しないことが示された場合、テスト結果はFNである。
【0049】
感度
明細書中、前記感度とは、実際に陽性であると正しく識別された割合の尺度、つまり、正常値を超えた予後不良のある被験者のうち、正常値を超えた予後不良のリスクのある被験者の割合を指す。
【0050】
通常、前記検査の感度は、対象疾患の総数に対する真陽性の割合、つまり正常値を超える予後不良のリスクとして説明できる。前記対象疾患のすべての患者は、(検出された)真陽性(TP)の患者と(検出されなかった)偽陰性(FN)の患者との合計となる。
【0051】
特異度
明細書中、前記特異度とは、正しく識別された陰性の割合の尺度、すなわち、正常範囲を超えて予後不良のリスクがないと識別された、予後不良のリスクが増えていない哺乳動物の割合を指す。理想的な診断テストとは、100%の特異度、すなわち正常範囲を超えた予後不良のリスクのある被験者のみが検出される、いわゆる偽陽性の患者がいない、というような結果が得られるテストである、及び100%の感度、すなわち正常範囲を超えた予後不良のリスクのあるすべての被験者が検出される、いわゆる偽陰性の患者がいない、というような結果が得られるテストである。
【0052】
通常、どのテストでも、各尺度の間にはトレードオフがある。たとえば、欠陥を調べる製造現場では、ほぼすべての欠陥のある部品を識別する可能性を高めるために(高感度)、正常に機能する部品までも廃棄するというリスクを冒すことをいとわない場合がある(低特異度)。このトレードオフは、ROC曲線を使用してグラフ上に表すことができる。
【0053】
前記特異度を選択することによって、特定の研究/集団及び特定の機関において許容される偽陽性症例の割合を決定する。前記特異度を下げることで、感度は向上する。
【0054】
当業者で一般的に理解されているように、予後をスクリーニングする方法は意思決定のプロセスであり、したがって、特定の機関/臨床担当者が何を最適な結果と考えるのかによって、選択する前記特異度及び感度は異なってくる。
【0055】
SUVmax
本文脈では、「SUVmax」という用語は「最大標準化取り込み量」(SUVmax)を指し、これは悪性組織によるuPAR及びFDGの取り込み量を測定する場合に広く使用されている。前記取り込み量が増えるのは、前記トレーサーが癌細胞に取り込まれる量又は結合する量が増えることによるものであり、このことはPETを使ってイメージング化及び定量化することができる。
【0056】
SUVmean
本文脈では、「SUVmean」という用語は平均標準化取り込み量を指す。
【0057】
標的対肝臓比(TLR)
TLRは、病変SUVmax/正常肝臓SUVmeanの比として定義される。前記病変のSUVmax/正常肝臓のSUVmeanが2より大きい場合、陽性の病変であるのは明らかである。
【0058】
コンパニオン診断
本文脈では、「コンパニオン診断」とは、治療薬のコンパニオンとして使用する診断テストで、特定の人への適用性が判断される。
【0059】
コンパニオン診断は、治療に対するレスポンダー(応答者)と非応答者を決定する生物学的特性に基づいて、特定の薬品による治療の対象となる患者グループを選択又は除外するのに役立つように、薬品とともに開発される場合がある。前記コンパニオン診断は、コンパニオンバイオマーカー、つまり、予想される反応又は重篤な毒性を前向きに予測するのに役立つバイオマーカーに基づいて開発される。
【0060】
PETイメージングを行った神経内分泌腫瘍(NEN)患者の予後診断に使用するイメージング剤
神経内分泌腫瘍(NEN)患者の予後診断を改善することは、例えば、放射線療法が必要か否かを判断するためだけでなく、適切な放射線療法を判断する上でも重要である。したがって、コンパニオン診断を改善することも重要となる。本発明の一態様は、
イメージング剤が、キレート剤NOTAを介して放射性核種68Gaに結合したuPAR結合ペプチドを含み;及び
前記uPAR結合ペプチドは、(D-Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)又はそのuPAR結合変異体である;
癌のPETイメージングを行った神経内分泌腫瘍(NEN)患者が予後診断において使用する陽電子放出イメージング剤に関するものである。
【0061】
実施例で概説されているように、本発明のイメージング剤は、NEN患者に対する強力な予後マーカーとなる。さらに、最適のカットオフ値が特定されている。尚、このようなマーカーを使えば、uPAR結合ペプチドに結合した放射性核種を使用した放射線療法に感受性が高い患者を特定できるため、コンパニオン診断としても適切である。
【0062】
前記uPAR結合ペプチドのうちの異なるuPAR結合変異体(AE105を含む)は、国際公開第2014/086364(A1)号パンフレットに開示されている。したがって、一実施形態では、前記uPAR結合変異体は、以下からなる群から選択される。
・(D-Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(Ser)-(Leu)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(Gln)-(Tyr)(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(D-Glu)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Tyr)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(D-Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(D-Thr)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(D-Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-([β]-2-ナフチル-L-アラニン)-(Ser)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)([β]-1-ナフチル-L-アラニン)-(Ser)、
・(D-Glu)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(Tyr)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Leu)-(Leu)-(Trp)-(D-His)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Leu)-(Trp)-(Ile)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)([β]-1-ナフチル-L-アラニン)-(D-His)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(D-Phe)-(N-(3-インドリルエチル)グリシン)-(N-(2-メトキシエチル)グリシン)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(D-Phe)-(N-ベンジルグリシン)-(N-(2[β]エトキシエチル)グリシン)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(D-Phe)-(N-(メチルナフタリル)グリシン)-(N-(2-メトキシエチル)グリシン)、及び
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(D-Phe)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(Ile)。
【0063】
前記イメージング剤の前記uPAR結合部分は、好ましくはAE105として知られるものである。したがって、一実施形態では、ペプチドは(D-Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)である。
【0064】
他の実施形態では、C末端はカルボン酸又はアミドである。
さらに他の実施形態では、前記イメージング剤は以下の式:
【0065】
【0066】
前記癌の局在化をさらに改善するために、前記PETスキャンを他のスキャンタイプと組み合わせてもよい。一実施形態では、予後診断にはPET/CTスキャン及び/又はPET/MRスキャンが含まれる。実施例では、PET/CTが使用されている。
【0067】
前記予後診断をさらに定義してもよい。一実施形態では、前記予後とは、無再発生存期間(RFS)及び/又は全生存期間(OS)についての予後とする。実施例では、RFS及びOSが評価されている。
【0068】
イメージング剤の量(MBq)を変えて使用してもよい。また、前記イメージング剤を投与した後のスキャンまでの時間も変えてもよい。したがって、一実施形態では、前記イメージング剤を10~500MBqの用量で投与し、続いて前記イメージング剤の投与後、10分~24時間でPETスキャンを行ない、SUVmax及び/又はSUVmean及び/又はTLRを使って定量化する。
【0069】
他の実施形態では、前記イメージング剤を20~400MBq、例えば50~400MBq、例えば70~300MBq、例えば100~300MBq、又は例えば、100~300MBqの用量で投与する。好ましくは150~250MBq、さらに好ましくは170~230MBqである。したがって、好ましい実施形態では、前記イメージング剤を70~300MBq、好ましくは150~250MBqの用量で投与する。実施例では、約200MBq使用し、PETイメージングをSiemens Biographを使って128mCTの感度で行なった。しかし、他の機器を使った方が高感度で、前記イメージング剤の量(MBq)を少なくすることができる場合がある。
【0070】
一実施形態では、十分な量の前記イメージング剤を投与することで、イメージングに十分な放射能量でPETイメージングを行うことができる。
【0071】
68Gaの場合、その半減期は約1時間(68分)であるため、PETスキャン前の時間としては、10分~5時間、好ましくは20分~3時間である。64Cuの場合、その半減期は約12.7時間であるため、PETスキャン前の時間は20分~24時間である。
【0072】
これに関連する実施形態では、PETスキャンを、前記イメージング剤の投与後20分~10時間、たとえば20分~5時間、たとえば30分~3時間後に行なう。
【0073】
さらに他の実施形態では、本発明に係るイメージング剤は、前記イメージング剤と、1つ以上の薬学的許容の補助剤、賦形剤、及び/又は希釈剤とを含む医薬組成物中に存在する。
【0074】
予後診断が行えるように、閾値レベル(カットオフ値/基準レベル)を包含することができる。一実施形態では、本発明に係る使用するイメージング剤は、
SUVmax及び/又はSUVmean及び/又は標的対肝臓比(TTR)の定量レベルが閾値レベルを超える場合、無再発生存期間(RFS)及び/又は全生存期間(OS)の予後が良くないことが示唆され:及び
前記SUVmax及び/又はSUVmean及び/又は前記標的対肝臓比(TTR)の定量レベルが閾値レベルより低い場合、無再発存期間(RFS)及び/又は全生存期間(OS)の予後が良好なことが示唆される。
【0075】
実施例5では、特定された最適閾値レベル(カットオフ値)が計算されている。
【0076】
さらに他の実施形態では、前記標的対肝臓比(TLR)の閾値レベルは、1.1~4の範囲、例えば1.3~4の範囲、例えば2~3の範囲である。中央値で二分されたuPAR TLRは、PFS及びOSと有意に関連しており、uPAR発現が高い患者の予後は有意に悪かった(実施例5、表4及び表5)。
【0077】
さらに他の実施形態では、前記標的対肝臓比(TLR)の閾値レベルは、1.1~2の範囲、例えば1.1~1.5の範囲、例えば1.2~1.4の範囲である。TLRのカットオフ値を低く(1.32)することで、死亡又は進行のリスクがないか非常に低い、より小規模な患者群(n=10)を特定できる(実施例5、
図4)。
【0078】
他の実施形態では、SUVmax及び/又はSUVmeanの閾値レベルは、1~4の範囲、たとえば2~4の範囲、好ましくは2~3の範囲、たとえば2~2.5の範囲である。実施例5(
図5A、B)で概説したように、SUV閾値レベルも、TLR閾値より優れていなくても確立できる。
【0079】
さらに他の実施形態では、前記閾値レベルをカットオフ検出法により求めて、カプランマイヤープロット(ログランクテスト)における分割及び対応するハザード比(HR)を得る。
【0080】
一実施形態では、神経内分泌腫瘍(NEN)を、WHO分類(1)に従ってNET G1、NET G2、NET G3、又はNECに分類する。実施例3では、uPAR PETによって低悪性度(NET G1/G2)及び高悪性度NEN(NET G3およびNEC)を識別できることが示されている。
【0081】
もちろん、本発明の他の態様の実施形態もこの態様に適用できることに留意されたい。
【0082】
神経内分泌腫瘍(NEN)の予後を評価するPETイメージングによる生体内イメージングの方法
本発明の他の態様は、例えば、神経内分泌腫瘍(NEN)に罹る患者の予後を評価するPETイメージングによる生体内イメージングの方法に関するものであり、前記方法は以下:
a)以前に本発明に係るイメージング剤を投与した被験者の提供を受ける;
b)工程a)で投与した前記イメージング剤中の放射性同位元素からの放射性放出を、生体内PETイメージングによって検出する;
c)前記放射性放出の位置及び/又は量を表すイメージを生成する;
d)前記被験者におけるuPAR発現の分布及び程度を決定する(前記発現は、前記生体内イメージング剤によって放出される前記信号と相関している);及び
e)
SUVmax及び/又はSUVmean及び/又は標的対肝臓比(TTR)の定量レベルが閾値レベルを超える場合、無再発生存期間(RFS)及び/又は予後の全生存期間(OS)の予後が良くないことが示唆され:及び
前記SUVmax及び/又はSUVmean及び/又は前記標的対肝臓比(TTR)の定量レベルが閾値レベルより低い場合、無再発生存期間(RFS)及び/又は予後の全生存期間(OS)が良好なことが示唆される;
求めたuPAR発現の分布及び程度を閾値レベルと比較すること;
を含む。
【0083】
一実施形態では、無再発生存期間(RFS)の予後が良好なこと又は全生存期間(OS)の予後が良好なことが示唆された場合、前記被験者に対して、治療レジメンを段階的に緩和していくことを計画し、不必要な毒性の高いもの使用を避け、及び/又はリスク分類されたフォローアップスケジュールを立てる。本明細書において、段階的に緩和された治療プロトコルとは、無再発生存期間(RFS)の予後が良くない患者と比較して、患者に対する毒性/有害性が低いと考えられるプロトコルのことである。
【0084】
一実施形態では、前記段階的に緩和された治療とは、放射線療を控えるか、又は減らすことである。
【0085】
他の実施形態では、無再発生存期間(RFS)の予後が良くないこと又は全生存期間(OS)の予後が良くないことが示唆された場合、前記被験者に対して放射線療を行うことにする。
【0086】
さらに他の実施形態では、前記放射線療を、放射性核種と、キレート剤を介した結合のようなuPAR結合ペプチドとを含む放射性医薬品を使って行う。
【0087】
さらに他の実施形態では、前記治療は、任意の抗癌療法である。
【0088】
さらなる実施形態では、SUVmax、SUVmean、及び/又はTLRとして表されるレベルによって、患者が標的放射性核種療法の対象となるかどうかを決定する。
【0089】
一態様において、本方法は、標的放射性核種療法のコンパニオン診断としての基礎を成す。したがって、そのような態様では、
・SUVmax及び/又はSUVmean及び/又は標的対肝臓比(TLR)の定量レベルが閾値レベルを超える場合、uPAR結合薬剤、例えばuPAR結合放射性医薬品が前記NENに対して有効であることが示唆され;及び
・SUVmax及び/又はSUVmean及び/又は標的対肝臓比(TLR)の定量レベルが閾値レベルよりも低い場合、uPAR結合薬剤、例えばuPAR結合放射性医薬品が前記NENに対して有効でないこと示唆される。
【0090】
好ましくは、前記薬剤はuPAR結合放射性医薬品であり、より好ましくは、前記放射性医薬品は177Lu-DOTA-AE105である。
【0091】
生体内PETイメージングを行った、神経内分泌腫瘍(NEN)患者の予後診断における陽電子放出イメージング剤の使用
本発明のさらなる態様は、
イメージング剤が、キレート剤NOTAを介して放射性核種68Gaに結合したuPAR結合ペプチドを含み;
前記uPAR結合ペプチドが、(D-Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)又はそのuPAR結合変異体である;
uPAR発現腫瘍の生体内PETイメージングを行った、神経内分泌腫瘍(NEN)患者の予後診断における本発明に係る陽電子放出イメージング剤の使用に関する。
【0092】
この態様に代わる態様の一部においては、前記イメージング剤は、キレート剤NOTA又はDOTAを介して放射性核種68Ga又は64Cuに結合したuPAR結合ペプチドを含む。
【0093】
再度、一実施形態では、それらの前記uPAR結合変異体は以下の変異体:
・(D-Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(Ser)-(Leu)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(Gln)-(Tyr)(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(D-Glu)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Tyr)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(D-Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(D-Thr)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(D-Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-([β]-2-ナフチル-L-アラニン)-(Ser)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)([β]-1-ナフチル-L-アラニン)-(Ser)、
・(D-Glu)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(Tyr)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Leu)-(Leu)-(Trp)-(D-His)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Leu)-(Trp)-(Ile)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)([β]-1-ナフチル-L-アラニン)-(D-His)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(D-Phe)-(N-(3-インドリルエチル)グリシン)-(N-(2-メトキシエチル)グリシン)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(D-Phe)-(N-ベンジルグリシン)-(N-(2[β]エトキシエチル)グリシン)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(D-Phe)-(N-(メチルナフタリル)グリシン)-(N-(2-メトキシエチル)グリシン)、及び
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(D-Phe)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(Ile);
からなる群から選択される。
【0094】
コンパニオン診断
上記で概説したように、本発明の方法及び本発明に係る使用する組成物は、コンパニオン診断用としても使用できる。したがって、本発明のさらなる態様は、
イメージング剤が、キレート剤NOTA又はDOTAを介して放射性核種68Ga又は64Cuに結合したuPAR結合ペプチドを含み;
前記uPAR結合ペプチドは、(D-Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)又はそのuPAR結合変異体であり;
SUVmax及び/又はSUVmean及び/又は標的対肝臓比(TLR)定量レベルが閾値レベルを超える場合、uPAR結合放射性医薬品等のuPAR結合薬が、前記NENに対して有効であることが示唆され;
SUVmax及び/又はSUVmean及び/又は標的対肝臓比(TLR)定量レベルが閾値レベルより低い場合、uPAR結合放射性医薬品等のuPAR結合薬が、NENに対して有効ではないことが示唆される;
癌のPETイメージングを行った神経内分泌腫瘍(NEN)患者に対してコンパニオン診断を行う際に使用する陽電子放出イメージング剤に関するものである。
【0095】
好ましい実施形態では、前記イメージング剤は68Ga-NOTA-AE105である。前記イメージング剤は実施例で使用されている。
【0096】
他の好ましい実施形態では、前記薬品は放射性医薬品である。さらに好ましい実施形態では、前記uPAR結合放射性医薬品は177Lu-DOTA-AE105である。
【0097】
ここでも、本発明の他の態様の実施形態もこの態様に適用できることに注意されたい。
【0098】
被験者の神経内分泌腫瘍(NEN)の治療又は緩和に使用する放射性医薬品
上記で概説したように、前記イメージング剤をコンパニオン診断用に使用してもよい。このようにすれば、特定のアップレギュレート又はダウンレギュレートされた表面タンパク質を発現する、NENのサブタイプを識別できる。アップレギュレーション後の表面タンパク質を使って、放射性医薬品の標的を癌としてもよい。
【0099】
本発明のさらに他の態様は、
放射性医薬品が放射性核種及びuPAR結合ペプチドを含み;
前記uPAR結合ペプチドは(D-Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)又はそのuPAR結合変異体であり;及び被験者はuPAR発現神経内分泌腫瘍(NEN)と診断されており、前記uPAR発現は所定の閾値レベルを超えており:
前記閾値レベルを、本発明に係る陽電子放出イメージング剤を使用して決定する;
前記被験者の神経内分泌腫瘍(NEN)の治療又は緩和に使用する放射性医薬品を含む組成物に関する。
【0100】
好ましくは、前記放射性核種及びペプチドは、DOTA又はNOTAなどのキレート剤を介して結合される。
【0101】
一実施形態では、前記放射性核種は標的放射性核種療法(α、β-放射体又はオージェ)用であり、67Cu、177Lu、89Sr、90Y、117mSn、131I、153Sm、166Ho、186Re、188Re、211At、212Pb、212Bi、213Bi、223Ra、224Ra、225Ac、227Thからなる同位体の群から選択され、好ましくは177Lu、67Cu、90Y、211At、225Ac、及び227Thから選択され、より好ましくは177Luである。
【0102】
他の実施形態では、前記放射性医薬品は、キレート剤を介して前記uPAR結合ペプチドに結合し、前記キレート剤は、例えば、DOTA、CB-DO2A、3p-C-DEPA、TCMC、Oxo-DO3A、TETA、TE2A、CB-TE2A、CB-TE1A1P、CB-TE2P、MM-TE2A、DM-TE2A、SarAr、SarAr-NCS、diamSar、AmBaSar、BaBaSar、ATSM、CB-TE1A1P及びCB-TE2P、NOTA、NETA、TACN-TM、NODAGA、TRAP、AAZTA、DATA、H2dedpa、CP256、PCTA、THP、DTPA、1B4M-DTPA、CHX-A"-DTPA、TRAP(PRP9)、NOPO、DFO HOPO、H6phospa、PCTA、H2dedpa、H4octapa、H2azapa、H5decapa、HBED、HBED-cc、SHBED、BPCA、CP256、HEHA、PEPA、及びRESCA1からなる群から選択され;好ましくはDOTA、NOTA、CB-TE2A、NODAGA、DFO、HBED、及びHBED-ccのいずれかから選択され、さらに好ましくは、前記キレート剤はDOTA又はNOTAである。
【0103】
一実施形態では、前記標的対肝臓比(TLR)の閾値レベルは、1.1~4の範囲、例えば1.3~4の範囲、例えば2~4又は2~3の範囲である。
他の実施形態では、前記標的対肝臓比(TLR)の閾値レベルは、1.1~2の範囲、例えば1.1~1.5の範囲、例えば1.2~1.4の範囲である。
【0104】
さらに他の実施形態では、前記放射性医薬品は177Lu-DOTA-AE105である。
【0105】
さらに他の実施形態では、前記放射性医薬品は、以下の式:
【0106】
【0107】
また、本発明の他の態様の実施形態もこの態様に適用できることに留意されたい。
【0108】
本発明の追加の態様
本発明の追加の態様は、
イメージング剤が、キレート剤NOTA又はDOTAを介して放射性核種68Ga又は64Cuに結合したuPAR結合ペプチドを含み;
前記uPAR結合ペプチドは、(D-Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)又はそのuPAR結合変異体である;
癌のPETイメージングを行った神経内分泌腫瘍(NEN)患者の予後診断に使用する陽電子放出イメージング剤に関する。
【0109】
再度、一実施形態では、そのuPAR結合変異体は以下の変異体:
・(D-Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(Ser)-(Leu)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(Gln)-(Tyr)(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(D-Glu)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Tyr)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(D-Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(D-Thr)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(D-Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-([β]-2-ナフチル-L-アラニン)-(Ser)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)([β]-1-ナフチル-L-アラニン)-(Ser)、
・(D-Glu)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(Tyr)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Leu)-(Leu)-(Trp)-(D-His)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Leu)-(Trp)-(Ile)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)([β]-1-ナフチル-L-アラニン)-(D-His)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(D-Phe)-(N-(3-インドリルエチル)グリシン)-(N-(2-メトキシエチル)グリシン)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(D-Phe)-(N-ベンジルグリシン)-(N-(2[β]エトキシエチル)グリシン)、
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(D-Phe)-(N-(メチルナフタリル)グリシン)-(N-(2-メトキシエチル)グリシン)、及び
・(Asp)-([β]-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(D-Phe)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(Ile);
からなる群から選択される。
【0110】
一実施形態では、前記イメージング剤は、本発明で概説したように、68Ga-NOTA及びuPAR結合ペプチドを含む。
【0111】
一実施形態では、前記イメージング剤は、本発明で概説したように、68Ga-DOTA及びuPAR結合ペプチドを含む。一実施形態では、前記イメージング剤は、以下の式:
【0112】
【0113】
一実施形態では、前記イメージング剤は、本発明で概説したように、64Cu-NOTA及びuPAR結合ペプチドを含む。一実施形態では、前記イメージング剤は、以下の式:
【0114】
【0115】
一実施形態では、前記イメージング剤は、本発明で概説したように、64Cu-DOTA及びuPAR結合ペプチドを含む。一実施形態では、前記イメージング剤は、以下の式:
【0116】
【0117】
前記放射性核種-キレート剤-uPAR結合ペプチド(AE105を含む)のうちの前記異なる変異体も国際公開第2014/086364(A1)号パンフレットに開示されており、前記化合物は参照により本明細書にて援用される。前記2つのuPAR-PETトレーサー64Cu-DOTA-AE105及び68Ga-NOTA-AE105は、同じ結合部分、前記ペプチドAE105を共有している。さらに、これらは両方ともヒトと動物の両方で試験されており(参考文献(7)、(28)及び国際公開第2014/086364(A1)号パンフレットを参照)、乳癌、膀胱癌、前立腺癌において同様に取り込まれることが実証されている。したがって、理論に縛られるわけではないが、前記2つのPETトレーサーはNEN患者に対しても同様に作用すると考えられる。
【0118】
本発明の一態様中の文脈で説明されている実施形態及び特徴を、本発明の他の態様にも適用できることに留意すべきである。
【0119】
本明細書で引用したすべての特許及び非特許参考文献は、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0120】
本発明を、以下の非限定の実施例でもってさらに詳しく説明する。
【0121】
実施例
実施例1-材料及び方法
患者
組織学的認定を受けたNENの患者を、2017年11月17日~2020年6月29日までの間に、デンマークのコペンハーゲン大学病院、Rigshospitaletの内分泌科(低グレードNENを管理、Ki67≦20%)及び腫瘍科(高グレードNENを管理、Ki67>20%)に登録した。Rigshospitaletは、欧州神経内分泌腫瘍学会によって認定された、名だたる神経内分泌腫瘍センターである。本研究は、ヘルシンキ宣言及び適正臨床基準を順守して行なわれた。
【0122】
適格患者としては、18歳以上で、デンマーク語で患者情報を読んで理解でき、インフォームドコンセントの受け入れ可能で、あらゆるグレードの胃腸膵臓NEN又は気管支肺NENと診断され、WHOパフォーマンスステータスが0~2である患者である。妊娠中/授乳中、体重が140kgを超える、68Ga-NOTA-AE105及び類似の化学的又は生物学的組成の化合物に起因するアレルギー反応の履歴がある、又はサブタイプが小細胞肺癌の場合の気管支肺NENの患者は除外した。書面によるインフォームドコンセント署名の後、前記患者に対して、最初に68Ga-NOTA-AE105 PET/CTを行った。
【0123】
イメージ取得
データは、軸方向視野が216mmのBiograph 128mCT PET/CT(Siemens Medical Solutions社製)を使って取得した。以前のフェーズI試験(7)に基づいて、約200MBqの68Ga-NOTA-AE105を静脈内投与してから、20分後にスキャンしてデータを取得した。トレーサーの生成は、以前の通りに実施した(7)。全身PETスキャン(眼窩中央から大腿中央まで)を、ベッド位置を変えてそれぞれ4分間行った。吸収及び散乱補正されたPETデータを、TrueXアルゴリズム(Siemens Medical Solutions社製)を用いた点像分布関数及び飛行時間情報を含む3Dの通常のポアソン期待値最大化アルゴリズムを使用して反復的に再構成し;その設定条件として、2回の反復、21サブセット、2mmのガウスフィルターを採用した。PETスキャンの前に、Care Dose 4D自動露出制御システム(Siemens Medical Solutions社製)を使って、スライス厚:2mm、120kV、品質基準:225mAsに調整して、診断用CTスキャンを行った。動脈相及び静脈相CTを行う際に、自動注入システムを使用してヨウ素含有イメージング剤(Optiray 300、Covidien社製)を75mL投与した。
【0124】
イメージ解析
経験豊富な核医学専門医と経験豊富な放射線専門医がお互い協力し合ってPET/CTスキャン結果を解析した。前記医者らは患者のデータに関しては知らされていなかった。病変がCT及び/又はPETにより特定された。SUVは、減衰補正済みの測定放射能濃度/(注入放射能/体重)として計算された。臓器に複数の病変が認められた場合のうち、68Ga-NOTA-AE105 SUVmax値が最も高い病変を記録した。uPARが陽性の病変は特定できないが、CT上に病変が認められる場合、CT上の最大病変(生存腫瘍に基づく)をPETスキャン上に描写する際のガイドとして使用して、SUVmaxを決定した。生理的的肝臓取り込み量を、すべての患者の正常肝組織において評価した(前記組織については、できれば主要血管を避けた肝臓の右側の部分が好ましい)。患者内及び患者間でuPAR発現を測定し標準化するために、uPAR標的対肝臓比(uPAR TLR)を使って、病変SUVmax/正常肝臓SUVmean≧2の場合に、病変をuPAR陽性と定義した。
【0125】
フォローアップ
前記患者らは、名だたるRigshospitalet Neuroendocrine腫瘍センターで定期的に診察を受け、臨床検査、血液サンプル、イメージング検査(CT、MR、超音波、PET/CT)を受けた。その頻度はENETSガイドライン(13)に従った。エンドポイントのフォローアップは2021年7月8日に実施した。固形腫瘍の反応評価基準であるv.1.1(14)に従って、PFSの評価には、通常のCT及び/又は磁気共鳴イメージング法を使用した。PFSは、uPAR PET/CTを行った時から進行又はあらゆる原因による死亡までの時間として計算した。フォローアップ中に進行又はあらゆる原因による死亡が発生しなかった場合、最後に診断イメージングを行った時点で患者のフォローアップを打ち切った。OSは、uPAR PET/CTを行った時からあらゆる原因による死亡までの時間として計算した。2例を除くすべての死亡についてはNENに直接関連していたため、疾患固有の生存率に関する解析は控えた。フォローアップ時に生存していた患者については、フォローアップ当日、つまり2021年7月8日までで打ち切った。
【0126】
統計
サンプルサイズは、NEN患者の予後マーカーに関する以前の研究(15,16)に基づいて求め、100人の患者を1年間追跡調査すれば、グループ間でPFSとOSに有意差があるのを検出するのに十分であった(タイプIのエラーリスクは0.05、検出力は0.8)。脱落する者も考慮し、被験者数は患者120人とした。連続変数は、平均(標準偏差(SD)又は範囲付きの中央値として報告した。結果までの時間(PFS及びOS)の推定には、カプランマイヤー分析を使用し、フォローアップ期間の中央値の推定には逆カプランマイヤー分析を使用した。アプリケーション(Cutoff Finder)を使用して、uPAR TLR(17)についての最適なカットオフ値を決定した。OS及びPFSの単変量及び多変量 Cox回帰分析を、uPAR TLR及びWHOグレードを予測変数として実行した。p値<0.05の場合に統計的に有意であるとみなした。分析にはRバージョン3.6.0(R Foundation for Statistical Computing社製、オーストリア、ウィーン)を使用した。
【0127】
実施例2-患者とイメージ取得
120人の患者を継続的に調査した結果、そのうち21人の患者にはuPAR PET/CTを行わなかった(病状の悪化、n=5、同意撤回、n=5、対象基準を満たさなかった、n=2、uPAR PET/CTを行う前に死亡した、n=4、COVID-19の制限によりuPAR PET/CTを実施できなかった、n=5)。uPAR PET/CTでスキャンした99人の患者のうち、96人の患者に評価可能な病変が認められた(技術的な問題によりuPAR PET/CTを行うことに失敗した、n=1、CT又はPETのどちらでも病変が見られなかった、n=2)。研究コホート(n=96)の患者の人口統計データを表1に示す。患者の大多数は小腸NEN(64%、61/96)であり、90%(86/96)は転移性疾患であった。また、前記コホートでは高悪性度疾患の患者が多数を占め、NET G3が9%(9/96)、NECが16%(15/96)であった。
【0128】
【表1】
*患者の中には、複数の治療を受けた人もいたため、治療回数が患者数を超えている。特に断りのない限り、データは数値の後に括弧でパーセンテージを付してある。パーセンテージは四捨五入しており、合計が100%にならない場合がある。NET:神経内分泌腫瘍。NEC:神経内分泌癌。
【0129】
患者には、中央値(範囲)194(104-236)MBqの68Ga-NOTA-AE105と17.2(8.7-39.8)μgのAE105を注射した。注射からPETスキャンまでの時間は、中央値(範囲)22(18-38)分であった。1人の患者に有害事象(軽度の吐き気)が見られたが、これについては68Ga-NOTA-AE105の注射とは無関係と判断した。重篤な有害事象は記録されなかった。
【0130】
実施例3-イメージング解析
正常肝組織におけるトレーサー取り込みを腫瘍取り込み基準として採用した。正常肝SUV
meanの平均(SDは、1.50(0.39であった。uPAR陽性病変は、低グレード(NET G1/G2)及び高グレードNEN(NET G3及びNEC)の患者の両方で認められた(表2)。uPAR PETの代表例を
図1に示す。
【0131】
【0132】
データは数値で、括弧内はパーセンテージ。uPAR標的対肝臓比を使用して、病変SUVmax/正常肝臓SUVmean≧2の場合に病変をuPAR陽性と定義した。G3患者のうち、9人中8人がNET G3、15人中10人がNEC uPAR PET陽性であった。
【0133】
結論
このように、uPAR PETにより、低悪性度(NET G1/G2)及び高悪性度NEN(NET G3及びNEC)を識別できる。
【0134】
実施例4-フォローアップ
uPAR PET/CT後のフォローアップ期間の中央値は28か月であった。フォローアップ中、59人(62%)の患者が進行性疾患を経験し、PFSの中央値は17.3か月で、28人の患者(30%)が死亡した。uPAR PET/CT後の患者の治療について表3に示す。ソマトスタチン類似体による治療が最も多く(77%、74/96)、全患者の28%(27/96)が追跡調査期間中にペプチド受容体放射性核種療法を受けた。
【0135】
【0136】
患者の中には複数の治療を受けた人もいたため、治療回数が患者数を超えている。データは数値で、括弧内はパーセンテージ。
【0137】
実施例5-無再発生存期間と全生存期間
研究の目的
uPARイメージングに基づいて、無再発生存期間(PFS)と全生存期間(OS)を決定すること。
【0138】
結果
連続変数としてのuPAR TLRは、HR(95%CI)が1.27(1.02-1.60)、p=0.04のPFSと有意に関連していた。
【0139】
OSについては、連続マーカーとしてのuPAR TLRは、HR(95%CI)が1.37(0.98-1.92)、p=0.06で統計的境界有意差となった。その後、TLRは中央値(2.47)で二分されたので、カプランマイヤー分析を行なった(
図2)。OSは、uPAR発現が低いグループ(TLR<中央値)において中央値に到達せず、uPAR発現が高いグループ(TLR≧中央値)では32.1か月(23.8、上限に達していない)であった。PFSの中央値は、uPAR発現が低い患者では22.1か月(14.7、上限に達していない)、uPAR発現が高い患者では14.1か月(11.4-22.4)であった。中央値で二分したuPAR TLRは、PFS及びOSと有意に関連しており、uPAR発現が高い患者の予後は有意に悪かった(表4及び5)。
【0140】
【表4】
*uPAR TLRは中央値(2.47)で二分される。TLR:標的対肝臓比。NET:神経内分泌腫瘍。NEC:神経内分泌癌。HR:ハザード比。CI:信頼区間
【0141】
【表5】
*uPAR TLRは中央値(2.47)で二分される。TLR:標的対肝臓比。NET:神経内分泌腫瘍。NEC:神経内分泌癌。HR:ハザード比。CI: 信頼区間。
【0142】
その他のカットオフ値は、
図3A及びBに示すカットオフファインダーを使って評価した。TLRのより低いカットオフ値(1.32)を使用することで、死亡又は進行のリスクがないか非常に低い、より少数の患者グループ(n=10)を特定できた(
図4)。NET G3及びNECの患者は、NET G1と比較して、PFS及びOSが有意に悪かったのに対し、NET G2とNET G1の間には差は認められなかった(表4及び5)。uPAR発現及びWHO分類を含む多変量解析では、両方ともPFSと有意に関連していたが、WHOグレードを考慮した場合、uPAR発現はOS(P=0.06)と相関し、統計的境界有意差となった。
【0143】
また、SUVmaxについては、予後に有意差が認められる2~2.5のカットオフ値を確立することができた(無再発生存期間(PFS)のハザード比(HR)は3~5であった。)(
図5A)。同様に、SUVmaxについては、全生存期間(OS)のHRが4~8の場合に、2.3のカットオフ値を確立することができた(有意水準2.3)(
図5B)。ただし、これによって低リスクと特定されたのは5~6人の患者のみであった。したがって、PFSとOSを確立する上で、TLRを使用したカットオフ値の方がSUVmaxに比べて優れていた。
【0144】
結論
uPAR TLRを中央値で二分すると、PFS及びOSと有意に関連し、uPAR発現が高い患者は予後が有意に悪かった。
【0145】
さらに、TLRのカットオフ値を低くすることで、死亡又は進行のリスクがないか非常に低い、より小さな患者グループを特定できた。
【0146】
重要なことに、TLRを使って確立したカットオフ値は、SUVmaxを使って確立したカットオフ値よりも優れていた。特に、標的放射線療法のコンパニオン診断に関しては、TLRは、腫瘍対バックグラウンドの放射線、つまり正常組織の放射線に対する腫瘍への影響(副作用)を反映するため、TLRは重要である。
【0147】
最後に、発明の概要で概説したように、驚くべきことに、uPAR-PETは、FDG-PET(
図6の参照図を参照)やソマトスタチン受容体イメージング(例:64Cu-DOTATATE(
図7の参照図を参照))などの神経内分泌腫瘍に一般的に使用されるPETのような医療機器よりも強力な予後診断ツール(より高いハザード比(HR))(
図4A-4B)であることがわかった。後者はOSに関しては有意ではなかった。
【0148】
実施例6-イメージング解析及びソマトスタチン受容体イメージングとの比較
正常肝組織におけるトレーサー取り込みを腫瘍取り込みの基準として使用した。uPAR陽性を、ソマトスタチン受容体陽性に関する文献の公開データと比較すると(この「陽性」を、これらの受容体に対する標的放射性核種療法(SSTR-PRRT)の対象となる患者を選択するのに、例えば177Lu-DOTATATEと一緒に使う)、はるかに多くの患者がSSTR陽性というよりむしろuPAR陽性であり、このことから、SSTR標的放射性核種療法の対象となる患者よりも多くの患者がuPAR標的放射性核種療法の対象となる可能性があることが示唆される。uPAR陽性病変は、低悪性度(NET G1/G2)及び高悪性度NEN(NET G3及びNEC)の患者の両方で確認された(表6)。特に高悪性度腫瘍においては、SSTR陽性として報告されているよりもはるかに高い割合でuPAR陽性が認められた。
【0149】
【表6】
データは陽性患者数/患者総数を表し、括弧内はパーセンテージ。
*)uPAR標的対肝臓比を使って、病変SUV
max/正常肝臓SUV
mean≧1の場合に、病変をuPAR陽性と定義した。
#)SSTR陽性を、肝臓よりも取り込みが高い腫瘍内の任意の領域として定義した(Yu Jら、Neuroendocrinology 2022より)。
【0150】
結論
uPAR PETは、ほとんどの患者がuPAR標的放射性核種療法の対象となることが示唆される、高悪性度患者を含む大多数の患者に対して有望である。このことは、腫瘍に対して、特に高悪性度腫瘍に対して期待度の低い、SSTR陽性の患者とは対照的である。
【0151】
データの考察
UPAR PET(68Ga-NOTA-AE105のuPARで例示)に関するこの研究での主な発見は、低悪性度及び高悪性度のNENを患う多数の患者でuPAR発現が見られたことであった。さらに、uPAR発現が高いと、PFSとOSの両方に関してそれらの予後が悪くなる。これらの発見は、NENを患う患者に対して前記標的が利用可能であることと、患者の予後不良に関連する病変を具体的にターゲットにできる可能性があることの両方から、uPARが治療上の魅力的な標的になり得ることを示唆している。
【0152】
uPAの役割及び癌におけるuPARについては過去数十年間に広範に研究されており、uPARの発現が高いほど、腫瘍の成長、浸潤性、転移の広がりと関連していることは十分に立証されているが、これをNEN患者に対して適用する研究は十分になされていない(18)。したがって、uPAとuPARを標的とするいくつかの治療法が研究されており、これについては、例えばuPAR抗体(huATN-658)(19)やuPAを標的とするセリンプロテアーゼ阻害剤(ウパモスタット)(20)などがある。しかし、これらの治療法はいずれもまだ臨床使用が承認されていない。
【0153】
NENは患者によってその疾患の悪性度は大きく異なる。原発腫瘍部位、転移の有無、WHO分類は重要な予後マーカーであり、治療選択の指針として使用される(21)。当該発明者グループ及び他のグループにより、さらに64Cu-DOTATATEを使ったPETで判定されるソマトスタチン受容体の密度が低いことと、18F-FDGを使ったPETで判定される高グルコース代謝が予後因子であることが示唆された(2、3、16、22)。テーラーメイド治療の概念を使って、特定の腫瘍マーカーを使用した標的治療が適格かどうかを判断する。この概念はNEN患者の治療に広く導入されており、ソマトスタチン受容体イメージングを補助手段として、177Lu-DOTATATEを使ったソマトスタチン受容体標的治療の適格性をスクリーニングするのに使われている。177Lu-DOTATATEを投与した患者と高用量の冷ソマトスタチンアナログ治療を受けた患者を比較した無作為化試験では、第1群は死亡数が有意に少なく、PFSが長く、奏効率は18%であった(23)。ソマトスタチン受容体発現腫瘍を標的とすることの欠点の1つは、その分化度が低く、より悪性度の高い腫瘍ではソマトスタチン受容体の発現が低いことである(24)。対照的に、uPAR発現は、腫瘍の増殖、浸潤性、転移能力を示す病変で特に認められる。以前、本発明者らのグループは、NEN G3(Ki67>20%)の患者の原発腫瘍又は転移の免疫組織化学染色法を用いて、uPAR発現について調査し、16/21(76%)の患者で間質細胞及び/又は腫瘍細胞でuPAR発現することを示した(25)。しかし、本発明者の知る限り、低悪性度NEN患者におけるuPARの発現については、生体内の本来の場で研究されたことはなく、血清中の可溶性uPAR(suPAR)を測定することによる間接的な研究がなされたことがあるのみである(26)。suPARは膜結合型uPARの切断バージョンであるため、循環型のuPARバイオマーカーとして測定できる可能性がある。この研究では、健常コントロールと比較してNEN患者でsuPARレベルが上昇し、低悪性度及び高悪性度疾患の患者の両方でsuPARレベルが上昇したことが報告された。しかし、suPARレベルと全生存期間との関連は見られなかった。この研究とは対照的に、PETを使用し、腫瘍レベルでuPAR発現を視覚化することは、より直接的なアプローチであり、uPAR発現が最も高い病変とこれらの病変の位置を特定することができる。また、uPARの発現パターンは不均一で、uPARが腫瘍の縁で高度に発現し、そのため局所的に組織浸潤と転移の播種の促進を伴うようなものであることが以前から示唆されており、癌のホールマークとなっている(27)。これを裏付けるように、PETにおけるuPAR発現が高い場合、PFSとOSの両方に関してそれらの予後が悪くなることが分かった。NEC患者における以前の観察とNENにおけるsuPARのデータとが一致して、低グレードと高グレードの両方のNENにおいてuPAR発現が存在することが分かった。したがって、uPAR標的治療は、すべてのグレードのNEN患者に共通して使える可能性がある。uPAR発現に関する本発明者らの観察については、この研究に含まれる患者が主に転移性疾患を伴う小腸又は膵臓原発腫瘍を患い、以前に治療を受けていた点を考慮しておく必要がある。
【0154】
潜在的ではあるが革新的な展望としては、uPAR PETイメージングとuPAR-PRRTをセラノスティクスのペアとして組み合わせて、uPAR PETを駆使したuPAR標的療法が適格かどうかを評価することである。本発明者らは以前、ヒトの前立腺癌及び大腸癌の前臨床モデルで、uPAR PRRTの高い有効性を示したが(11、12)、NEN内でのuPAR PRRTが使用できるか否かを評価するにはさらなる研究が必要となる。しかし、NENに対するuPAR-PRRTへの第一歩としては、本研究で行われたように、NENにおけるuPAR標的放射性リガンドの高度かつ特異的な取り込みと予後への影響に関する証拠を把握することである。
【0155】
データの概要
68Ga-NOTA-AE105を使ったPETで評価したuPAR発現は、低グレードと高グレードのNENを患う両方の患者の大多数に見られ、uPAR発現が高いとPFSとOSの両方に関してそれらの予後が悪くなり得る。総合的に考えると、このことは、uPARが、NENを患う患者のリスク層別化、さらには標的療法の対象となる、重要な標的であることを示唆する。
【0156】
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